世田谷区議会 2014-03-11
平成26年 3月 予算特別委員会−03月11日-03号
平成26年 3月 予算特別委員会−03月11日-03号平成26年 3月 予算特別委員会
平成二十六年予算特別委員会
予算特別委員会会議録第三号
日 時 平成二十六年三月十一日(火曜日)
場 所 大会議室
出席委員(四十四名)
委員長 畠山晋一
副委員長 桜井 稔
副委員長 中塚さちよ
あべ弘幸
石川征男
上島よしもり
上山なおのり
宍戸のりお
下山芳男
新川勝二
菅沼つとむ
三井みほこ
山内 彰
和田秀壽
板井 斎
岡本のぶ子
佐藤弘人
杉田光信
高久則男
高橋昭彦
津上仁志
平塚敬二
福田妙美
諸星養一
植田靖子
唐沢としみ
桜井純子
高岡じゅん子
てるや里美
中里光夫
村田義則
風間ゆたか
中村公太朗
大庭正明
田中優子
桃野よしふみ
木下泰之
小泉たま子
あべ力也
上川あや
ひうち優子
佐藤美樹
すえおか雅之
青空こうじ
出席事務局職員
議事担当係長 飯田 睦
出席説明員
副区長 板垣正幸
政策経営部 部長 宮崎健二
政策企画課長
小田桐庸文
計画担当課長
笹部昭博
財政課長 中村哲也
広報広聴課長
小澤弘美
情報政策課長
庄司秀人
基本構想・政策研究担当部
部長 田中文子
基本構想・政策研究担当課長
望月敬行
地域行政担当部 部長 城倉 茂
地域行政担当課長
太田一郎
共通番号制度準備担当課長
淺見一雄
研修調査室 室長 堀川能男
総務部 部長 萩原賢一
総務課長 星 正彦
区政情報課長
淺野 康
人事課長 堀込章仁
職員厚生課長
山田 実
庁舎計画担当課長
長岡光春
危機管理室 室長 阿部晃一
災害対策課長
有馬秀人
危機管理担当課長
椿原一徳
財務部 部長 金澤博志
経理課長 笹本 修
課税課長 金澤眞二
納税課長 竹花 潔
用地課長 桐山孝義
施設営繕担当部 部長 渡辺正男
施設営繕第一課長
市川雅万
施設営繕第二課長
佐藤絵里
副参事 窪松泰幸
会計室 会計管理者 河合岳夫
選挙管理委員会事務局
局長 松田隆夫
監査事務局 局長 宮内孝男
次長 関 勝行
────────────────────
本日の会議に付した事件
議案第一号 平成二十六年度世田谷区一般会計予算
議案第二号 平成二十六年度世田谷区
国民健康保険事業会計予算
議案第三号 平成二十六年度世田谷区
後期高齢者医療会計予算
議案第四号 平成二十六年度世田谷区
介護保険事業会計予算
議案第五号 平成二十六年度世田谷区
中学校給食費会計予算
議案第三十六号 平成二十六年度世田谷区一般会計補正予算(第一次)
(
企画総務委員会所管分に対する質疑)
────────────────────
午前十時開議
○畠山晋一 委員長 ただいまから予算特別委員会を開会いたします。
────────────────────
○畠山晋一 委員長 本日は、
企画総務委員会所管分の予算審査を行います。
それでは、質疑に入ります。
公明党、どうぞ。
◆津上仁志 委員 おはようございます。
本日は、東日本大震災の発生と福島第一原発事故災害からちょうど三年を迎えました。お亡くなりになられた方々や御遺族に心からお悔やみ申し上げます。また、全ての被災者の皆様に心よりお見舞いを申し上げます。
今なお仮設住宅に暮らす十万人を含め約二十七万人が避難生活を余儀なくされ、長引く避難生活に伴う震災関連死も絶えない状況です。さらに、生活再建やまちづくりはまだまだ十分ではなく、さらなる加速が必要となっております。また、大震災が小さな子どもたちの心に残した傷跡は今も癒えることはなく、心のケアも喫緊の課題となっております。復興加速へ、地方議員と国会議員のネットワークを持つ公明党の役割は大きく、我々公明党世田谷区議団としても風評と風化の二つの風に立ち向かっていくことを誓い、公明党世田谷区議団の
企画総務委員会所管の質問を始めます。
初めに、災害対策について伺います。
アメリカのツイッター本社が創立五周年に発表したデータの中で過去最も一日のツイート数が多かった日は、二〇一一年三月十一日、東日本大震災が発生した日でした。発災直後からソーシャル・ネットワーキング・サービス、SNS上では、被害状況、帰宅困難者の情報など、多くの震災に関する情報があふれていました。そうした災害情報をリアルタイムで知ることができるSNSの特徴を生かした取り組みが、最近は注目を集めています。
長野県佐久市では、市長が市内の被害状況を職員だけでは収集が難しいと判断し、SNSを活用し、市民から情報提供を呼びかけ迅速に状況把握を行い、提供された情報などに基づき、各方面に要請を行いました。
また、和光市では、記録的な大雪で市民生活に大きな影響が出たことを教訓に、地震や洪水、竜巻などの災害が起きた場合、ツイッターなどのSNSを活用し、市民から素早く情報を提供してもらうシステムを近く導入することを決めたようです。
区では、災害時の被害状況の把握は、職員が現地に出向いての確認、消防署などの関係機関からの情報、テレビやインターネットの報道発表などで行っていると聞きましたが、職員の数も限られており、情報収集にも時間を要します。対策をいかに早く立てるかが災害時には特に必要となります。より多くの区民からも情報を提供していただくことは、素早く災害対策を立てる上で非常に有効と考えます。
ツイッターを活用して短時間で情報収集ができるよう、同じ話題の投稿を探すキーワードのようなハッシュタグ機能を利用するなどして、具体的な映像などの災害情報を区民から提供してもらい、情報共有できる取り組みにすべきと考えますが、区の見解を伺います。
◎有馬 災害対策課長 現在、区ではホームページやメール配信サービスなどとともに、ソーシャルネットワークシステムとしてツイッターを活用し、大雨洪水警報等の緊急情報を提供しております。一方、職員による情報収集だけでは把握できる情報量に限界があります。そこで、例えば生命、身体等に影響を及ぼしかねない大災害の場合はより多くの情報を収集する必要があることから、情報の正確性等の課題はございますが、御案内の和光市の例も参考にしながら、インターネット上の検索を活用した迅速で効率的な情報収集の仕組みを検討してまいります。
◆津上仁志 委員 ありがとうございます。
東日本大震災では、やっぱりツイッターの情報で命をつないだというふうな事例もたくさんありました。区でも、発信することも大事なんですけども、おっしゃったように集めることも非常に重要だと思いますので、そういった取り組みにぜひしていただきたいというふうに思います。
次に、地域SNSについて伺いたいと思います。
地域SNSとは、町内会から市区町村、県レベルまで規模はさまざまですが、登録者を住民に限定するなどした地域密着型のSNSのことで、平成十八年ごろから総務省のモデル事業として全国各地で運営をされていました。地域の口コミ情報を地図情報と連動して提供する、また、電子回覧板として回す、また、アンケートなど住民意見の収集に活用するような自治体もある一方で、魅力あるコンテンツが提供できずに、利用者の減少やサイトの運営のあり方などで失敗に終わっている事例もたくさんあります。
課題が多くあるとは認識しているんですけれども、静岡県掛川市では、平成十八年に地域SNSを開設し、市が運営を行っていましたが、閉鎖した自治体と同様、参加者がふえない、当初の目的とは大きくずれたような、そういったサイトになっていたようです。しかし、平成二十二年より民間事業者に委託をして、現在は地域のさまざまな情報の収集や情報提供だけではなくて、市民の交流の場となるようなサイトになっているそうです。
昨年末にはこのシステムを利用して地域防災訓練での活用を始めました。訓練では、災害状況、避難状況を多くの市民が活発に発信をし、市と情報の共有化ができたそうです。掛川市は、地域SNSを活用した訓練のメリットについて、より細かい地域での被害状況が集まる、市民からの情報を即時に他の市民が共有できる、冠水しやすい場所、気をつけて通行しなければならない場所などが共有できるなどさまざま挙げております。
運営方法などには課題は多いというふうに考えますけれども、例えば既存のSNS上の情報を本庁が活用して、総合支所単位でこのような地域SNSを活用して、日常は区民との情報共有を図るコミュニティー形成などに活用して、災害時には情報収集ツールとして活用するなどの取り組みが可能かと思うんですけれども、区の見解について伺います。
◎有馬 災害対策課長 委員御指摘のとおり、地域SNSにつきましては、構築や運用についてのコストやノウハウ、利用者の拡大等の課題があると認識しております。まずは既存のSNSを用いた情報収集や情報提供の方策について検討や実施をしながら、災害時に活用できる地域SNSについてもその可能性について研究してまいります。
◆津上仁志 委員 課題も多いと私も認識しているんですけれども、新実施計画の事業の中に広報・広聴の充実というふうにあります。地域・地区情報の発信の充実に向けたホームページの改善、また、区民意見を受けとめられる広聴機能の向上を図っていくというふうにありますので、そういった面ではこういう地域SNSも活用策の一つではないかなというふうに思います。ただ、全国の失敗例もたくさんあるので、同じ轍を踏まないような検討も可能かというふうに思いますので、ぜひ活用についても検討していただきたいなというふうに思います。
次に、タブレット端末を利用した情報収集について伺います。
区は本予算案の重点項目の中で窓口におけるタブレット端末の活用の実験を挙げておりますが、これは、視聴覚障害者の方が来庁した際に、手話通訳者とテレビ電話機能を使い相談業務を行うことを目的として導入するものですけれども、せっかくの機会をさらに多面的に活用できるような工夫をすべきじゃないかというふうに考えております。
例えば郡山市では、災害時の情報収集を想定して、タブレット端末を使用した
インターネット映像会議システムの運用を開始しました。現場に赴く職員がタブレット端末を携帯し情報収集を行い、本庁と出張所に配備したパソコンとネット映像で結び、遠隔で会議を開くそうです。災害時には災害対策本部などと会議に参加する職員全員が被害状況を映像と音声でリアルタイムに確認ができ、将来的には国の出先機関や福島県とも接続する体制の構築を目指すそうです。
区でも窓口に配置するタブレット端末を出張所・
まちづくりセンターと本庁の間でのインターネット会議などへの活用について可能かと思うんですけれども、運用について伺いたいと思います。
◎庄司 情報政策課長 タブレット端末につきましては、情報化推進計画に基づく平成二十六年度の取り組みといたしまして、総合支所、出張所・
まちづくりセンターにタブレット端末を一台ずつ配備し、窓口における活用の実験を行う予定でございます。主な使い方としましては、テレビ電話機能による本所、総合支所間の手話通訳を想定しておりますが、委員御指摘のとおり、テレビ電話機能は離れた拠点間での会議にも活用できるものでございます。そのほかにも、インターネット上の地図サービスを参照しながらの案内や、クラウド上のサービスを利用した情報共有など、必要な情報を素早く検索、共有できるタブレット端末の特性を生かした使い方が考えられます。
タブレット端末をどう使っていくのかにつきましては、若手職員からタブレット端末の活用のアイデアを募り、検討する場を設ける予定でございます。また、容易に持ち運び可能なタブレット端末の特性を生かしての災害対策への活用も含め、庁内関係所管とも連携し、一定の方向性を見出してまいりたいと考えております。
◆津上仁志 委員 ありがとうございます。
それでは、災害対策課に運用について伺いたいと思います。
◎有馬 災害対策課長 タブレット端末やスマートフォンは普及が進みまして、さまざまな活用がなされているところでございます。被害情報として音声情報のみではなく、画像や動画などの視覚情報を得ることは、災害対策本部の迅速で的確な対応にもつながるものと考えております。タブレット端末やより携帯性の高いスマートフォンは画像データの処理に有効であるため、これらの活用も視野に入れながら、機動力のある体制がとれるよう検討してまいります。
◆津上仁志 委員 災害時には職員が携帯して、そういった状況などリアルタイムで災害対策本部と共有するというのは非常に大事な取り組みだと思いますので、ぜひ活用していただきたいなと思います。また、タブレット端末配置後に活用についての検討を行うということですので、せっかくの新しいアイテムと言うんですか、グッズなので、ぜひフルで活用できるような、さまざま検討していただきたいというふうに思います。
では次に、
クラウドファンディングの活用について、また伺っていきたいと思います。
東日本大震災発災直後より、被災者を支援するため、世界各国を初め、あらゆる方面の多くの方が募金や寄附を行いました。日本赤十字社に集まった義援金だけでも、本年三月七日現在の受け付け総額は三千三百三億八千七百五十七万円となっております。しかし、自分の行った義援金をどの自治体のどのような取り組みに活用してほしいなどの選択をすることはできず、知ることもできません。どの被災者に何の目的で使われるか、現地のどのプロジェクトに使われるのかを選べるとしたら、満足度はもっと高まり、賛同する方もふえるのではないでしょうか。
そのような考えの中、さきの一般質問でも取り上げました
クラウドファンディングという手法が日本でも急激に広まっています。
クラウドファンディングは、簡単に言うと、ある目的のために不特定多数の方からウエブ上で資金を集める仕組みのことです。この仕組みには、寄附を集める人、寄附をする人、寄附を受ける人、それを仲介する事業者の四者で構成されることが多く、夕張市や鎌倉市など地方自治体も市民活動支援や公共施設の整備への活用を開始し、プロジェクトを成功させています。どのプロジェクトも成功させるにはストーリー性と寄附に対するリターンの満足性がポイントとなるようです。
例えば夕張市の場合では、寄附を集める人は夕張市サッカー協会、寄附を受け取る人が夕張市となり、仲介事業者のホームページ上にプロジェクトの説明などの詳細を記載しています。記載内容は、市の財政破綻のため、全国大会の道予選を行うこともあるサッカーグラウンドの維持管理を市と一緒に子どもたちやボランティアも行ってきたが、大会審判員や利用者の方からゆがんだゴールを指摘されて、自分たちでできることは自分たちでやるとの思いで運営をしてきたけれども、自分たちでどうすることもできない現実があると、協力を訴えていました。
そして、寄附者へのリターンとして、寄附金額に応じて感謝の手紙や夕張グッズ、夕張メロンなどを用意していました。結果は、目標金額の八十万円を大きく上回り、四十日間で百十四名から百四十八万九千円を集めることができたそうです。
このプロジェクトが終わった後も寄附がずっと続いているそうです。寄附は仲介事業者を通じて全額支援先団体に渡され、支援先団体ではシステム利用料として運営事業者に支払うことができ、税制上も寄附としての処理が可能となります。
この手法を活用すれば、税金に依存せずまちづくりや市民活動支援の充実が図れ、かつ区民の思いをより具体的に形にすることができ、まちづくりなどへの区民参加を後押しするものになるというふうに考えております。
区の現在の寄附の取り組みというのは、ホームページ上に区への寄附、基金のページを掲載して、緑、福祉、市民活動、文化活動、国際交流、その他分野及び区政全般と六つに分類して、おのおのに目的などが記載されているだけで、寄附をしたいと思う方はアクセスをするでしょうけれども、多くの区民の目には触れない、そういった現状ではないでしょうか。
区も新実施計画事業に寄附文化の醸成を掲げ、寄附制度の周知やPRを検討するとしておりますが、
クラウドファンディングを活用し、寄附を募るから積極的に働きかける手法へ転換し、具体的な使用目的をストーリー化するなどし、明示しながら進めるべきと考えます。また、寄附ベンチのような名前を銘板し設置するなどのリターンも考え、寄附する方をふやす取り組みについて、区の見解を伺いたいと思います。
◎中村 財政課長 区への寄附金につきましてお話がありましたが、二十五年度は最終補正予算におきまして四千六百二十万七千二百八十九円を各特定目的積立基金に積み立てさせていただきました。件数といたしましては、個人や団体のほかイベントの収益の一部をいただくなど、さまざまな形で六十三件となっております。今後もこの寄附につきましては、実績の公表と制度のPRに努め、寄附への理解と参加を促したいと考えております。
お話しの
クラウドファンディングですが、区の歳入予算となりますこうした寄附金とは異なる仕組みでございますが、公共的な活動への資金提供の裾野を広げる可能性を持っているものと考えております。
◆津上仁志 委員 税金に頼らない新たな資金調達手法としての活用や市民活動や創業支援などの産業振興への活用など、さまざまな事業への活用も可能だというふうに考えております。各所管での事業ごとの取り組みとせずに、全庁として寄附の構造化をどう進め、安定的な事業としていけるようしっかり検討すべきと考えますが、そのあたりについて見解を伺います。
◎中村 財政課長
クラウドファンディングにつきましては、一般質問でも御質問をいただきましたが、まずは関係する所管を含めた領域横断的に先進自治体の取り組み例について情報の共有化、意見交換を進めさせていただきまして、効果的な活用方法や課題について調査研究を進めてまいりたいと考えております。
◆津上仁志 委員 区民生活所管になるんですけれども、新実施計画にあるイベント事業の見直しで経費削減などを検討するような後ろ向きな対策ではなくて、区民や参加者と一緒に開催できる仕組みを考えていただきたいというふうに思います。
また、これまでは決済というんですか、寄附のシステムとしてクレジットカードでの決済をするようなシステムだったんですけども、携帯電話会社での寄附ができるような取り組みについても携帯会社のほうが始めておりますので、これからそういう寄附ができるような裾野というんですか、される環境も非常に整ってくると思います。また、さまざまな事業でも活用できる可能性がありますので、答弁にもあったように、関係所管と横断的にしっかり協議していただいて、導入に向けて取り組んでいただきたいというふうに思います。よろしくお願いします。
最後に、これも一般質問でしたんですけども、都営下馬アパートの建てかえに伴う創出用地の活用について伺いたいと思います。
さきの常任委員会で、都営下馬二丁目団地建替計画案に対する意見・要望の提出について、創出用地が二カ所できて、一つには少年サッカー、野球などのスポーツ施設、もう一カ所には高齢者施設、保育施設、障害者施設を整備するという報告がありました。さきの一般質問でも申し上げましたが、地域の方々からは、高齢化が特に進んでいる地域でもあるので、高齢者の支援となるような施設の整備をしていただいて、かつ地域住民も利用できるような施設にしてほしいという声がありますけれども、区はこの声についてどのように認識をされているのか、また整備を予定する高齢者施設をどういうふうに想定しているのか伺います。
◎小田桐 政策企画課長 先日も常任委員会でも御案内いたしました、御報告しました東京都への要望する予定の福祉施設整備、このうち高齢者施設につきましては、御報告申し上げたとおり特別養護老人ホームや
都市型軽費老人ホームなどを想定してございます。具体的には、
特別養護老人ホーム定員百名程度、ショートステイも行うことを考えております。
都市型軽費老人ホームやその他事業者からの提案事業、こういったものも想定してございます。敷地面積二千五百から三千平米程度であろうかというふうに思っておりまして、延べ床面積からしますと五千平米前後、こういった施設になるのではないかと今考えております。
また、地域の高齢者福祉を支える機能としまして、先ほど申し上げましたショートステイに加えましてデイサービスなどの実施、それから、災害時における要援護者の受け入れや地域交流スペースの確保、こういったものを事業者に求めて施設整備を進めていければというふうに考えております。
◆津上仁志 委員 しっかり要望に沿った施設となるように取り組んでいただきたいというふうに思います。
また、委員会報告の中では、区の意見、要望を三月に都に提出するというふうにありました。現在、
都営下馬アパート周辺地区では地区計画の制定に向けて、平成二十二年にアンケートを実施して、区が主催となりながら懇談会を行っております。今回の常任委員会の直後にも開催されたまちづくり勉強会では、そういった趣旨の説明がありませんでした。地域のまちづくりを考えてこれまで取り組んできた地域住民に対し、何の説明もないまま事業が粛々と進められるのであれば、一体何のための住民主体のまちづくり勉強会なのでしょうか。
いろんな意見や要望があることは承知しております。また、区有地ではないため、そういった説明会の開催時期については非常に厳しい面もあるというふうには思うんですけれども、大切なことは、議論をしっかりとして、いかに合意形成に至ったかというプロセスが非常に重要だと考えます。
今回の整備予定地には地域で毎年慰霊祭を開催する広場も含まれていまして、どこに移設するかなど、今後はしっかりと都と連携して、住民への丁寧な説明をしていただきたいと要望いたします。
都営下馬アパートでは、今回の創出予定地以外にも、第四期工事に伴い空地ができるというふうにも聞いております。都はその用地の用途についてはまだ検討中であるというふうにも聞いております。この用地の活用については、仮に創出用地が出た場合、都の方針が明らかになった時点で、地域住民の意見や要望を聞いて、合意形成された意見として都に要望していくべきと考えますが、区の見解を伺いたいと思います。
◎小田桐 政策企画課長 東京都から示されました第三期の建築計画案では、第三期事業の完了後に住宅を撤去する範囲が四カ所ほど記載されてございます。それらの範囲については、区は活用できるかどうかも含めまして、都の方針はまだ決まっていないと聞いております。都との協議のもとで、区として二カ所ほどが活用の可能性があるということがわかりましたので、今回、その二カ所分についての要望をさせていただくというものでございます。要望する二カ所以外の範囲のものにつきましては、委員のお話にございましたとおり、詳細は東京都のほうで今後検討するということで、まだ決定はしていないというふうに聞いております。
引き続き残りの範囲の部分、こういった用地の部分について、東京都より情報をいただくことに努めるとともに、仮に創出用地等が生じるといった場合には、その内容に応じまして都と協議し、地域の住民や議会での御意見もいただきながら、区として適切な対応をとってまいりたいと考えております。
◆津上仁志 委員 今回の創出予定地の活用については、さまざま地域の方からも御意見をいただいていますので、今後出た場合、地域の方の意見、そういったものもしっかりと聞いていただいた上で進めていただきたいというふうに要望しておきます。
以上で私からの質問を終わりまして、杉田委員にかわります。
◆杉田光信 委員 私も災害対策について初めに質問させていただきたいと思います。
三年前の東日本大震災の三週間後に、地域の方から支援物資をぜひ届けたいということで、夜、ワンボックスカーを借りて、陸前高田のほうに支援物資をお届けに行かせていただきました。夜出まして朝方着いたわけですけれども、災害対策本部には鳥羽市長を初め、役所の皆さん、また自衛隊を初め皆さんが協力しながら、支援をしっかりやるということで取り組みされていたのが今でも思い起こされるわけであります。
そこで、昨年の十二月に公表されました最新の首都直下地震の被害想定において、世田谷区で最も懸念されているのは同時多発火災とその延焼による被害です。東京消防庁は都内を一辺二百五十メートルメッシュに分割し、そのエリア内に四十トン以上の消火栓以外の水を確保する防火水槽を持つことを求められております。世田谷区全体の約五%に当たる五十一カ所のエリアについて消火活動に必要な水量が不足していることが判明をしました。そこで、約半分は延焼の危険がある地域だということがわかり、区として早急に防火水槽の設置に取り組むとしています。
区長は第一回区議会定例会招集挨拶で、二十六年度は七カ所について整備する予定としています。延焼の危険の高い場所から防火水槽の設置を進めるため、区有地以外に公募による民有地の活用なども検討していくとされています。現在、防火水槽が整備されていない場所について、今後どのように進めていくのか、また、現在の防火水槽の状況についてお伺いをいたします。
◎有馬 災害対策課長 民間等の防火水槽設置状況や耐震化の促進等に伴う延焼危険度の変化によりまして、消火に必要な水量というのは変わってまいります。これまでは五十一カ所で不足しているという説明を行ってまいりましたが、現時点の不足は四十九カ所となっております。また、代田区民センターの改築に伴う防火水槽の設置によりまして、四月の時点では四十八カ所が不足メッシュとなります。現在、防火水槽を埋設するための候補地を探しておりますが、不足している地域には区の公共施設等も少なく、防火水槽等が設置可能な場所を確保することは容易ではありません。
今後は防火水槽等の不足解消に向け、これまでの地下設置方式に加えて、土地の実情に応じて設置期間の調整や移設が比較的容易な地上への設置を進めるとともに、鉄道事業者や電力事業者、区内大学に設置を働きかけることに加え、公募により用地を確保するなど、防火・防災力の向上に努めてまいります。
◆杉田光信 委員 私も五十一のメッシュを拝見させていただきまして、五十一カ所を全部回ることはできなかったんですが、我が党の高橋幹事長の地域、赤堤二丁目周辺を自分で見てまいりました。赤堤二丁目周辺、消火栓はかなり設置されているものの、やはり住宅が多いために、防火水槽を設置しようと思ってもなかなかできないような状況があるんだなというのは感じました。ただ、一つ、裁判官が使われていた土地、今公園にする予定があるみたいですが、ああいう場所、国有地、都有地、しっかりと把握していただきながら、ぜひともしっかり取り組みをしていただきたいなというふうに思っております。これは要望に。
次に、防火水槽の不足地域における区の施設がないとの今の説明がありましたが、例えば区内に張りめぐらされている区道への設置など考えられるのではないかと思いますが、見解をお願いいたします。
◎有馬 災害対策課長 委員御指摘のとおり、全区に張りめぐらされている区道への設置が可能であれば、防火水槽整備の可能性は広がってまいります。区道に設置している防火水槽は現在三十三基ありまして、全体の約一・六%を占めております。防火水槽を道路に設置する際の道路への影響や、水道配管等の既存の埋設物に支障がないよう設置する必要があるなどさまざまな課題がございますが、道路管理者に確認をしながら可能性を探ってまいります。
◆杉田光信 委員 今答弁をいただきました防火水槽を設置したいという地域は全国でもいっぱいあるみたいで、厚木市でも防火水槽の道路内設置要綱というのを定めていて、いろいろ基準はあるんですが、設置計画箇所周辺において用地の確保が不可能であること、また、物理的に道路区域以外に設置することが不可能であること、近隣住民の承諾が得られること、埋設されている占用物件に支障を及ぼさない、このような場所を調べながらこういう要綱をつくっているところがあります。今、道路管理者と連携をとりながらしっかりやっていただけるというふうに言っていましたけれども、この辺についても、ぜひともお願いをしたいというふうに思います。
次に、首都直下地震が発生したときは、延焼拡大危険の高い木造住宅地域では消防水利の確保も難しい現状にあります。そこで、地域内にある防火水槽、消火栓、小規模水利等、あらゆる水源を活用して早期に消火を行う必要があります。消防水利の設置場所の確保が難しい木造地域において早急に水利を増強するという点では、小規模水利の複数整備が効率的であると思います。
新宿区では、平成十五年度より消防水利不足地域に小型防火貯水槽五トンを毎年度一基ずつ設置してきました。平成十九年度設置をもって消防水利充足とみなし、終了したそうであります。平成十九年度の調査によると、貯水槽基数は十一基減となりましたが、木造住宅密集地域など消火水利必要地域の不足は解消されたそうであります。
そこで、このような手法を使っている自治体を参考に、区内における防火水槽設置が困難な地域においても十分可能ではないかと思います。あわせて、町会・自治会等で整備されているD型ポンプとセットで設置をすれば初期消火に有効であると思いますが、区の見解をお伺いいたします。
◎有馬 災害対策課長 消防水利と指定を受けるためには水量等規定を満たす必要があります。震災時の初期消火に当たる際の消火用水が確保されていれば、例えば地域住民がバケツリレーをしたり、また、区民消火隊が配備している小型可搬ポンプを使って消火活動を行う際に活用することができます。
区ではまた、雨水の流出を抑制するため、雨水を一定量ためることのできる雨水タンクを設置しています。また、この雨水タンクを区民が自宅に設置する際に、区がその購入・設置費を助成しています。雨水タンクは資源の有効活用や震災時の生活用水として活用できますが、お話しのありました初期消火としての活用は水量や設置場所等の課題がございます。その他の方策としましては、不足地域内にある災害対策用井戸の水を消火用として使用できれば水利の確保につながりますので、使用可能性については調査をしてまいります。
また、区では、従来から初期消火の重要性に鑑み、ガイド消火器を配備してまいりました。その活用も含め、防火水槽の設置に時間がかかる場所への代替策につきましては有効な方法を検討してまいります。
◆杉田光信 委員 世田谷区内においても、地域の住民がD型ポンプを活用した消防訓練とか地区防災のときに練習をしたりしていると思います。一つ、この小型のD型ポンプ、C型ポンプとかもさまざまあると思いますけれども、練習する場合には必ずD型ポンプを設置し、また水槽を用意する。この水槽というのは、消火栓から水を引っ張ってきて水をためて、そういう訓練をされていると思うんですね。今回、この防火水槽に関しては、世田谷区内にある消火栓がもし駄目になったときのための防火水槽でありますので、水がありきじゃなくて、今地域で行っているD型ポンプとかで消火訓練をされている場合、そういう活用なんかもしっかりやっていかなくてはいけないというふうに思います。
今お話をさせていただきました小規模水利ですけれども、これは新宿区だけではなくて、豊島区とか台東区、やはり住宅の密集地域で大きな防火水槽を設置できないところに何とか初期消火ができないかということで、各区でも真剣に取り組んでいるというふうに伺っていますので、今大きな消防署が規定する四十トンもそうなんですが、先ほどもお話ししたように半分近くがまだ火災に対応できていないところがあるわけですから、こういうのも活用しながら、ぜひしっかり進めていただきたいことをお願いしておきます。
次に、海外との災害協定についてお伺いいたします。
区は東日本大震災以降、大規模災害時に同時に被災しない遠方の自治体、例えば埼玉県熊谷市や茨城県つくば市などと大規模災害時における協力協定を締結しております。さらなる大規模な災害が発生した場合には、国内のみならず海外にも協力を求める必要があると考えますが、区の見解をお伺いいたします。
◎有馬 災害対策課長 海外からの支援受け入れにつきましては、国の防災基本計画においては、内閣府や外務省などの関係省庁が支援受け入れについて対応方法をあらかじめ定めております。また、東京都地域防災計画では、政府機関、他府県、海外政府機関等に対する支援の要請に関することが役割として記載されており、海外とのやりとりにつきましては、市区町村というよりは、国や東京都の役割であると考えております。また、海外と災害時に協定を締結した場合には、協定に基づく円滑な応援を行うため、継続して顔の見える関係を築いていくことなどが課題となってまいります。
大規模災害時においては災害対策基本法を軸として、国、都道府県、市区町村、区民、事業者等が有機的な連携をしていくことが必要であると考えております。
区としましては、引き続き近隣や遠隔地の自治体を中心とした関係構築に取り組んでまいります。
◆杉田光信 委員 今御答弁にもありましたけれども、災害を受け入れる場合も、内閣府であったり外務省であったり、それからまた東京都というふうになって、地方自治体にいきなり来るというのはないと思います。しかしながら、もし地方自治体にこういう支援をしていただける方が入った場合、受ける側もしっかり取り組みをしていかないといけないと思いますので、この辺もしっかりお願いをしたいと思います。
次に、海外からの支援についてお伺いをいたします。
東日本大震災においては、政府として初めて海外からの医療チームを受け入れました。そこで、イスラエルと交流があった宮城県栗原市が医療チームを受け入れ、震災で全て医療機関が失われた宮城県の南三陸町を拠点として活動が始まりました。イスラエルチームは超音波診断装置やレントゲン撮影装置など多くの医療機器を持ち込んできたそうで、日本とイスラエルの医療習慣の違いなどから活動に制限が加えられました。
そこで、青年海外協力隊OBの看護師一人と国際緊急援助隊として被災地に派遣された経験がある日本人医師二人がイスラエルチームに同行して、診療へのアドバイスを通じて適切な活動支援をしたそうであります。JDR職員は、イスラエルチーム二人の日本人医師、近隣地区で活動する日本の災害医療チームとの間で活動を調整するために、側面支援を行ったそうです。
そこで、日本側からイスラエルチームに対して医療器材を活用した検診を提案し、患者を病院に搬送する必要があるかどうかを検診結果から判断できれば、震災で患者がふえて混乱した病院側の負担を減らせると考えたそうです。
それ以外にも、小児科、耳鼻科など専門医の診療が必要な患者をイスラエルチームに紹介してもらうよう、日本の医療関係者に呼びかけたほか、保健師と連携し、妊婦の巡回検診を実施するなど、活動の幅を広げるように取り組んだそうであります。
そこで、海外との協定の締結も大切でありますが、先ほどもお話ししたように、援助を受けるこちらの側の体制の構築について、区の見解をお伺いいたします。
◎有馬 災害対策課長 大規模災害時における外部からの支援につきましては、例えばボランティアの受け入れについて、世田谷区地域防災計画では、区と世田谷区ボランティア協会、世田谷区社会福祉協議会と連携して、ボランティアの円滑な受け入れを進めることとしております。
委員御指摘の件につきまして、東日本大震災では、区も現在職員派遣を行っております宮城県南三陸町におきまして、イスラエルの医療チームが医療活動をする際に、長年イスラエルと交流のある団体がイスラエル大使館の要請を受け通訳ボランティアを派遣し、イスラエル人医師と被災者との間を取り持った事例がございました。海外との協定締結も大切な視点であると考えておりますが、区としましては、南三陸町のケースのように海外からのさまざまな救援要請に対する受け入れ体制を構築していくことが必要であると考えております。
今後につきましては、国や東京都、または海外などのさまざまな援助の申し入れに対して援助を受けることができる体制構築のため、庁内関係所管と検討してまいります。
◆杉田光信 委員 昨年の第二回定例会で、他会派からも災害援助ということが出ておりました。先ほども述べさせてもらいましたけれども、今、世田谷区においてもアジアを中心にいろいろ交流を持とうとして取り組んでいるわけですが、こういうところともしっかり連携をとりながら、変な言い方ですけれども、活用できるさまざまなものを検討していただいて、しっかりと進めていただきたいことをお願いしておきます。
次に、振り込め詐欺についてお伺いをさせていただきます。
振り込め詐欺事件で摘発された未成年者が昨年一年間に過去最多の二百六十二人に上ることが、警察庁のまとめでわかりました。摘発者全体千二百四十九人の二割を占めています。振り込め詐欺事件では、被害者から現金を直接受け取る手口がふえており、詐欺グループが未成年者を報酬で誘い、受け取り役にしていると見ております。振り込め詐欺事件での少年の逮捕件数は、平成二十一年が十三人であったのに対して、平成二十四年は百五人と、約八倍に増加していることであります。
少年が振り込め詐欺の受け子として検挙される事例がふえている現状から、少年が非行に走り犯罪に手を染めないためには、まずその実態を広く区民に周知し、地域全体として子どもたちを守っていく必要があるのではないでしょうか。区として被害を防止する啓発はどのように行っているのか、また、その取り組みの状況についてお伺いをいたします。
◎椿原 危機管理担当課長 地域全体に対する啓発活動について御答弁させていただきます。
世田谷区における振り込め詐欺と特殊詐欺の被害は、昨年一年間で百六十二件発生し、被害額は約七億九千万円となっております。区ではこれらの被害を防止するために、広く区民の皆様に対して、「区のおしらせ」等の広報紙、ホームページ、防犯メール等による啓発活動の実施、地元警察署と連携した街頭キャンペーンの実施、町会長会議での情報提供、迷惑電話をチェックする機器の利用募集などを行っております。これらの啓発は、被害の状況やその手口、だまされないためのポイントなど、被害防止の観点が主となっております。
委員御指摘のとおり、振り込め詐欺の受け子などの犯罪に少年が加担しないためには、広く地域の皆様方にその実態を周知し、地域社会全体として少年を見守っていくことが必要でありますことから、今後はそういったことも含め、広く区民の皆様に啓発してまいりたいと思います。
◆杉田光信 委員 今御答弁にありました、いろいろ調べてみますと、十四歳、また十三歳とか、年齢層がかなり低くなっている現状がありますので、今答弁していただいたように、しっかり取り組みをお願いしたいと思います。
次に、逮捕者の中にどれくらいの中学生が含まれているのかについては報道からは判明しておりません。少年に対する啓発は、中学生に対しても行うことが有効であると考えますが、現在の啓発はどのように行われているのかお伺いいたします。
◎椿原 危機管理担当課長 中学生を初めとする少年に対する啓発活動について御説明させていただきます。
教育委員会におきましては、教育長から区立中学校長宛てに学年末、学年初めの生活指導として、非行等問題行動の防止、携帯電話やスマートフォンによる非行や事故の防止などについて啓発を行っているところであります。また、地元の警察署では生活安全課長や少年係の担当者が管内の中学校に赴き、学校長や生活主任の先生方と連絡会を開催し、振り込め詐欺を初めとする非行防止に対して啓発活動などを行っております。委員御指摘のように、中学生に対して振り込め詐欺等の犯罪に加担しないことを啓発していくことは、振り込め詐欺の受け子として少年の検挙者が増加している現状を鑑みましても必要であると思われます。
区といたしましても、防犯メールやホームページ等の広報媒体を活用するなどあらゆる機会を通じて啓発を行い、アルバイト感覚で安易に犯罪に手を染めてしまう少年が増加していること、お金を受け取るだけでも犯罪を構成することがあること、犯罪に加担するよう誘われた場合にはためらわずに警察に相談することなどについて、少年に対して呼びかけてまいりたいと思います。
今後も、警察を初めとする関係所管と連携し、さまざまな取り組みを通じて振り込め詐欺等の被害防止を呼びかけるとともに、少年が安易に振り込め詐欺に加担し、加害者とならないよう取り組んでまいりたいと思います。
◆杉田光信 委員 今しっかり答弁いただきました学校、また、最初に質問させていただいた件も、まず地域の皆様にしっかりこういう情報を知ってもらうこと、また、学校関係としっかり連携をとりながら、少年犯罪を少しでも減らせるようにしっかり取り組んでいただきたいことをお願いしまして私の質問を終わり、岡本委員にかわります。
◆岡本のぶ子 委員 では、私にとりまして四年越しの質問となりますが、初めに、視覚障害者用の選挙公報について伺ってまいります。
総務省が視覚障害者の投票環境の向上を目指し、全国の都道府県選挙管理委員会に対し選挙情報の提供促進を求める通知を出したことを取り上げ、平成二十三年、平成二十四年の第一回定例会の一般質問で、選挙公報の文字情報を点字版だけでなく、コンパクトディスク版やデジタル化して書類に印字する音声コード版を必要に応じて準備することをこの間求めてまいりました。
その後、区が平成二十三年四月の区長選、区議選ではコンパクトディスク版を活用した音声版を初めて作成し、希望者へ配付したこと。さらに、昨年、平成二十五年の六月の都議会議員選挙では、区内全有権者七十万人に及ぶ方々の選挙の入場整理券が入っている封筒に音声コード版を印字して、視覚障害者の方がその中身が投票入場整理券であることがわかるように、この投票環境の改善に取り組まれてきたことをまず評価いたします。
ただ、三年前の区長選、区議選で作成されたコンパクトディスクの音声版の選挙公報は候補者の政党名や氏名のみとなり、活字の選挙公報の情報量とかけ離れたもので、大きな課題が残っております。時間の制約があるとはいえ、新宿区、練馬区など既に九区で全文の音声版を作成しております。
ちょうど三年前の選挙のときの投票の三日ほど前でしょうか、視覚障害者の方から電話が入って、CD版が初めて届いた、ありがとうというお電話をいただいたんですけれども、まさか名前とか政党名しか入っていないとは私存じ上げていませんで、選挙が終わった後にそのことを伺って大変に驚いたんです。
また来年、いよいよ四年目がめぐってくるこの区長選、区議選があります。音声版、音声コード版などさまざまな手法で広報の準備をして、全ての視覚障害者の方々に届くよう手配すべきと考えますが、区の見解を伺います。
◎松田
選挙管理委員会事務局長 選挙公報の点字版や音声版につきましては、現在のところ公職選挙法に規定がないため、選挙に関する報道・評論の一環として位置づけまして、点字雑誌などの定期刊行物の号外として作成して、希望者に配布しているところでございます。
区議会議員選挙及び区長選挙での選挙公報の全文の音声版の導入につきましては、前回、平成二十三年の区議会議員選挙のように候補者数が八十名を超える状況になりますと、選挙期間が一週間という短い期間の中で作成してお届けすることにつきましては多くの課題がございます。しかしながら、視覚障害者の方々の投票環境を向上させる観点から、選挙に関する情報を入手しやすくし、より多くの方が利用できる音声版の選挙情報の充実に努めていくべきと考えております。
選挙公報の全文の音声版の作成につきましては、多くの候補者の情報を読み上げて公平に録音するという課題がございますが、既に導入している自治体の例を参考にしながら、例えば公平性を担保しながら、録音の際に原稿の読み手を複数人にするなど作業工程を工夫いたしまして、選挙公報の全文の音声版の実現に向けた検討をさらに進めてまいります。また、活字読み上げ機能を持った機器を使用することにより聞くことができます音声コード版につきましては、選挙広報の内容を一度電子データに打ち直す必要があることや、イントネーションを含め音声の変換ミスがないかを確認する校正に時間を要することなどの技術上、作業上の検討すべき難しい課題も多くございますので、今後調査研究に努めてまいりたいと思います。
以上でございます。
◆岡本のぶ子 委員 まず、音声版の全文実現に向けて進めてくださるということの心強いお言葉をいただいたので、よろしくお願いします。
それと同時に、前回の選挙が終わったときに、また視覚障害、別の方にお会いしたときには、そのコンパクトディスクの存在すら知らなかったという方もおられました。今、希望制というふうに伺っているんですけれども、いろいろな条件の中で希望制ということがとられているんだと思うんですが、視覚障害者の方にこういう音声版ができたんだよということ、そういうことであれば、事前に伝えていく広報を周知する工夫も必要かと思いますが、その点、いかがでしょうか。
◎松田
選挙管理委員会事務局長 これまでも選挙の際に「区のおしらせ」とかホームページ、あるいはエフエム世田谷などで周知をしてまいりましたけども、委員のお話もございましたので、福祉部門の協力も得まして、日常的に、例えば障害者の手引を配付するとかお知らせをお配りするといったときに合わせまして周知の機会をふやしていく、あるいは選挙の前だけじゃなくて、ホームページの中に恒常的にこういう制度があるということで周知を図って工夫してまいりたいと思います。
◆岡本のぶ子 委員 よろしくお願いします。
それでは、先ほど来、津上、杉田委員のほうからも、本日、三月十一日、東日本大震災から三年目ということで、災害対策についてるる質問させていただいておりますが、私のほうからも災害対策関連の質問をさせていただきます。
まず、災害時要援護者対策について伺います。
本年四月から改正災害対策基本法が施行されることにより、市区町村に災害時要援護者の名簿作成が義務づけられることになっております。この改正により、作成に必要な範囲内で、障害者手帳の交付を受けた人など、関係機関が集めた個人情報を利用できるようにするとのことです。さらに、高齢者や障害者ら、いわゆる災害弱者、災害時要援護者の名簿を作成し、迅速な避難に活用することも盛り込まれております。
さて、ここで課題なのが本区における要援護者の支援体制です。さまざまな地域行事で町会役員の方々と意見交換をしてまいりましたが、災害時要援護者の区との協定の話題になると、必要性はわかっているが、町会側の担い手不足で、とても町会会員以外の方まで手が回らないなどの声があります。また、その一方で、ある障害児の父兄からは、要援護者の仕組みができたことはありがたいが、私の町会からはまだ何の知らせもない。とても心待ちにしているのにとの言葉も聞かれます。
ここでお伺いします。現在まで災害時要援護者の協定締結ができている町会数とその割合、災害時要援護者対象者数の全体と協定締結が済んでいる地域の対象者数をお知らせください。
◎有馬 災害対策課長 区では、平成十九年三月から災害時要援護者支援事業としまして、災害時要援護者名簿の作成、区と協定締結をしました町会・自治会への名簿提供、町会・自治会、民生委員などと協力した、要援護者に対する助け合い活動を実施しております。
平成二十六年二月現在の協定締結状況でございますが、百九十六の町会・自治会のうち七十五町会・自治会と締結しており、割合は約三八%になっております。また、協定締結した町会・自治会に該当する対象者数は約三千四百名となっておりまして、名簿登載者数は約二千二百名で、同意率は約六五%となっております。なお、要介護四または五の方など要援護者の対象者数は約八千五百名となっております。
◆岡本のぶ子 委員 既にこの取り組みが始まってことしで七年が経過しているにもかかわらず、協定締結している町会・自治会の割合が遅々として進まず、今の答弁ですと四割弱とのことです。
この間、昨日の総括の質疑の中でも区長がタウンミーティングを開いてきた、そういったところに私も端のほうに同席というか傍聴させていただいたときにでも、やはりこの要援護者の質問は出ていたんですね。この要援護者対策ができたけれども、うちにはこういう子どもがいる、ここの子どもがこの部屋にいることを誰かに知ってもらいたい、いざというときに、親がいなくてもこの部屋までその子どもを救出する手だてが欲しい、そこまでの思いを込めた要援護者の期待感というのはあったわけなんです。
ただ、七年間たったというこの中で、これからどうすれば協定締結促進につながるのか。また、災害時要援護者の対象の残りの方々、八千五百名に対して約五千百名の方々がまだ締結されていない地域にお住まいなわけですけれども、いざという災害時に安否確認をしてくださる方が地域にいるのといないのとでは、地域での暮らしの安心感が違ってくるものと考えます。
今後、区がスピード感を持って協定の締結を図る上で、協定の締結に二の足を踏まざるを得ない町会の方々がいらっしゃるわけですが、どのようなことがネックになっているのか。その肩の荷を少しでもおろしていただけるようなアプローチの仕方が必要ではないでしょうか。
例えば、今回の法改正によって区が作成する災害時要援護者リストに掲載されていく方々は、介護や障害認定を受けられている方々が対象と聞いておりますので、ほとんどの方が恐らく何らかの福祉サービスにつながっていると思います。そのサービスを提供している事業所や、また地域の方々、また家族とのつながりを細やかに拾い上げることで、対象者の方に対するかかわり度が見えてくると思うんですね。
全く誰もかかわっていないという人は恐らく少ないのではないかなと思います。その上で町会の方々に御協力をいただく、まずその整理をして、この方にはこれだけのさまざまな方がつながってますよと伝えた上で、町会の方が、要援護者と言われてしまうと、自分も高齢だし、とても担ぎ出せないとか、いろんな思いがあると思うんですね。だから、どこまでやっていただきたいのかとか、また、人とかかわっていない時間帯があるので、そこでちょっと様子を聞いてあげてほしいんですとか、そういった何かしらの協定締結に向けたアプローチの仕方が必要かと思います。
いつ来るかわからない、でも、必ず来ると言われるこの首都直下型地震等に備えて、区民の命を守る対策を講じることは自治体としての責務です。災害時要援護者に対する区の今後の取り組みを伺います。
◎有馬 災害対策課長 災害時要援護者の安否確認につきましては、町会・自治会だけではなく、隣近所、介護サービス事業者など、要援護者に対して多くの方々が網の目のようにかかわる仕組みづくりが必要であると認識しております。
そこで現在、保健福祉領域とともに、介護サービス事業者との連携について検討を進めている状況でございます。要援護者対策は区民の安全安心を守る観点から重要な施策であるため、庁内関係所管と連携し、既存の取り組みを踏まえつつ、柔軟な視点を持って、より実効性のある対策を行う必要がございます。
協定が締結できない町会・自治会については、例えば町会の高齢化等で安否確認が難しいなど、それぞれ課題を抱えているものと認識しております。委員御指摘のとおり、協定締結を拡充するためには、町会・自治会の方々の不安を少しでも解消していくことが必要となります。また、町会によっては大学生と協定を締結し、安否確認を進めていくなどの先進事例があるというのも聞いております。
協定未締結の町会・自治会に対するアプローチの方策につきましては、今後設置を予定しております震災時初動期職員行動マニュアルの見直しに向けた庁内関係所管とのPT等を活用しまして、課題の整理等を行った上で協定締結拡充に向けた具体的な取り組み方法を検討してまいります。
◆岡本のぶ子 委員 この七年間の中でのさまざまな課題を、ぜひここでスピード感を持って、またさらに七年をかけるということではなくて、そのスピード感を持って取り組んでいただくことを要望します。
次に、ペットの同行避難についてお伺いします。
平成二十四年三月改訂版の避難所運営マニュアルが作成され、昨年十一月には「災害時にペットを守るために」という区民への啓発用パンフレットが、世田谷保健所、危機管理室、東京都獣医師会世田谷支部の三者が共同して作成されたことをまず評価いたします。ただ、ペットの同行避難という言葉が先行し、ペットと一緒に避難所で生活できるかのように思われている飼い主の方も多くいらっしゃるように感じます。
私が参加した避難所運営訓練では、新たにペットの同行避難がマニュアルに書かれましたが、具体的なことはわかりませんというような曖昧な言葉でその場が流れていました。やはり万が一の大震災で家が倒壊し、住める状況ではなくなった場合、ペットをそのまま放置してしまえば、後日ペットが保護されても、飼い主との連絡が困難になる。また、放浪動物による人への危害のおそれも出てきます。そうした観点からも、飼い主がペットと同行して避難することは避けられません。ただ、一方で、避難所にはさまざまな方がおられますので、アレルギー疾患の方と同室に滞在することは困難です。
改めて伺いますが、区は避難所に被災された方がペットと同行した場合、どのような体制を避難所で整備することを定めているのでしょうか。
◎有馬 災害対策課長 ペットの同行避難につきましては、学校などの避難所では多くの方が共同で避難生活をすることになります。避難生活をする人の中には、御指摘のとおり、動物の毛等によりアレルギーの発作を起こしてしまう方もいることから、人とペットは滞在場所を分けることになります。
避難所におけるペットの受け入れでございますが、東京都の調査等を参考にいたしますと、区内にはおよそ四万七千頭の犬がいると推定されます。犬の推定頭数に現在の被害想定での避難所生活者数の割合を掛け合わせますと、一つの避難所に滞在する犬の数は九十頭ほどになると推定されます。ペットと同行して避難してきた方々をきちんと受け入れるためには、各自がケージに入れて避難することを徹底する必要があります。また、一時的に雨露をしのぐために、当面校庭などにブルーシートを張り、滞在場所を設置していくことを想定しております。また、テントにつきましては、学校や町会等が所有しているテントの活用も含め検討してまいります。
震災が起きた際は、犬のほか猫やその他小動物も同行避難することが想定されることから、避難をしないで済むよう、住宅の耐火・耐震化、また家具を固定するなどの備えについてもあわせて周知を図る必要があると考えております。
◆岡本のぶ子 委員 今は犬ということを一つの例として言われましたけれども、やはりさまざまな小動物がいるということもありますし、また、いざという災害時にかごというんですか、犬を入れている、余り犬を入れるかごを持っているおうちも少ないかもしれません。大型犬の場合、余りケージ持っているおうちは少ないのかなと思うんですけれども、そういったことを事前に伝えておかないと、災害で避難所へ行きたいと思っても、ケージがないならだめですよということにもなりかねませんので、事前にどこまで周知するということが大事だと思うんですね。
特に避難所運営訓練、避難所を開設する側の方たちに、動物が避難してきた場合は、校庭のここのエリアを避難所として開設しましょうですとか、そこもまずしっかり示していただかないと、そこすらわからないということもあり得ますので、ぜひそこを丁寧に進めていただきたいんです。
先ほどお話をしていた「災害時にペットを守るために」、このマニュアルも大変細かく書かれているので、このマニュアルをしっかりと見ていただくだけでも、これが同行避難ということなんだということがわかると思うんですが、そこの周知に際して、今後の区の取り組みを伺います。
◎有馬 災害対策課長 お話しのありましたパンフレット、「災害時にペットを守るために」は、平成二十五年十一月に作成し、避難の方法、ペット同行避難のルール、日ごろからの備え等について記載しております。これまでは、ペット同行避難訓練を実施する、あるいは実施を検討している避難所の訓練参加者へ配付するなど、避難所運営組織のペット受け入れ体制や検討状況等を踏まえながら配布を行ってまいりました。委員御指摘のとおり、多くの飼い主の方に周知する必要があることから、関係部署と連携を図りながら広く周知してまいります。あわせて、これらの情報につきましては、「区のおしらせ」、ホームページ、ポスターなどでお知らせするとともに、動物フェスティバル等でのしつけ方教室において周知を図ってまいります。
◆岡本のぶ子 委員 よろしくお願いいたします。
実際に大規模な震災が起こった場合に、けがをした動物と同行してくる、同行避難してくるケースもあるかと思うんですね。そのときに、今、世田谷区と世田谷区の獣医師会との協定を見ますと、そこでは、それぞれの獣医師会の先生方はそれぞれの病院が被災していなければ、そこの病院を開設して、そこで傷病のペットを見るという、そういったような協定になるとも伺っておりますが、避難所に獣医師が巡回するところまでは手が回らないということも想定されます。
そうした各避難所での獣医師の巡回が必要になった場合に、本区内の獣医師だけでは対応できないということがもう事前に想定できるのであれば、区が協定を結んでいる川場村ですとか、また、熊谷市ですとか、そういった地域の自治体からの獣医師の派遣ということもあり得るのかなと思うんですね。この件に関して、区の見解を伺います。
◎有馬 災害対策課長 区は現在、同時被災をしないという観点から、今お話にありましたつくば市とか高崎市などと災害時の協定を締結しているところです。現在、区は獣医師会と動物の救護活動の協定を結んでおりまして、ペットがけがをして処置が必要な場合には、お話しのありましたとおり、開設が可能な動物病院等で手当てを受けることになります。
今後でございますが、先ほど申し上げました災害時の協定を締結しております他自治体や、区及び他自治体双方の獣医師の方々の了承が前提とはなりますが、災害時には避難所でペットの手当てをする獣医師の不足が懸念されることから、自治体間で相互に補完できる体制をとることも対策の一例として検討してまいります。
◆岡本のぶ子 委員 生き物、生きているもの、そういう人であっても、また動物であっても、いざというときにそこの手当てをするというのは当然のことですし、その万全の体制ということを常に想定しながら整備をお願いします。
次に、公共施設マネジメント構築の観点から、公共施設の中長期保全計画についてお伺いします。
総務省は、公共施設マネジメントの動向の中で、平成二十三年三月十一日に発生した東日本大震災において、地震、津波の被害等により多くの人命、財産が失われるとともに、被災地を中心に多くの公共施設が被害を受け、災害復旧や住民生活に大きな混乱をもたらしたこと。その一方で、災害復旧の司令塔として、また、被災者や帰宅困難者等の避難場所として公共施設が利用され、その有用性、必要性が再認識されたことを挙げながら、十分な耐震化が行われている公共施設においても想定外の被害が発生しており、耐震化済みの施設のうち深刻な被害を受けた施設については、老朽化に対応した大規模修繕などの施設更新の対応が十分に実施されていなかったなどがその原因として指摘されています。このため、地震等の発生時においても機能する公共施設の維持管理が必要となってきていると警鐘を鳴らしております。
本区においても公共施設の老朽化が社会問題化している中、地震の発生時だけでなく、ふだんからの区民利用にも支障がないようにと、平成二十三年度、平成二十四年度に、施設営繕担当部では公共施設中長期保全計画を策定したと報告をいただいておりますが、まず、その取り組み状況と策定のメリットについてお伺いします。
◎市川 施設営繕第一課長 施設の保全計画を全庁的に展開するため、平成二十三年度及び平成二十四年度の二カ年で、区長部局で所管する駐輪場や公衆トイレなど軽微な建物及び区営住宅を除きますが、三百十五施設を対象に公共施設中長期保全計画を策定いたしました。
策定の狙いといたしましては、従来からの事後的対応から計画的な予防保全に転換し、屋上防水や設備機器などの劣化に適切に対応することで未然に不慮のトラブルを防止するなど、安全安心な施設利用を図ること、また、建物の耐用年数を確保し、長寿命化を図ることがあります。保全計画は、各施設の改修履歴と現地調査に基づき作成された施設カルテでの技術的な判断と、財政所管との協議により改修計画を作成したものであり、予算の平準化を図り、改修経費を効果的かつ効率的に活用をできると考えております。また、計画の取り組みを可能なこととしたことから、事前の調整により施設の継続的な運用に配慮した仮設対応など、工事期間中の施設利用者への負担を軽減することができます。
取り組み状況といたしましては、今年度から工事に着手し、北沢総合所や千歳温水プールなど四施設の改修に取り組みました。また、来年度は烏山区民センターなどの五施設を予定しております。引き続き公共施設中長期保全計画に基づきまして、関係所管と連携をとり、着実な計画の推進に向けて積極的に取り組んでまいります。
◆岡本のぶ子 委員 ただいまの答弁から、中長期保全計画が、区が保有する公共施設の維持管理に係る費用の把握や将来的な更新費用の発生を厳密に行い、計画的な投資や予算配分が行えるロードマップや計画づくりに大切な要素であるということがわかります。
ただ、気になるのが、中長期保全計画の策定が完了した施設は、報告によりますと三百十五、世田谷区の公共施設の数は六百五と言われておりますので、この六百五に対して三百十五というのは、区長部局が所管する施設のみであるということです。中長期保全計画の必要性が高い区立小中学校、幼稚園等が含まれていないということです。学校施設は児童生徒の日々学習する場所であり、また、災害時における地域の避難所ともなっておりますので、早急に中長期保全計画を策定すべきと考えます。
今回質疑に入るに当たって、この小学校、中学校、担当部局というと教育委員会ですというふうに言われましたので、教育委員会の施設課にこの中長期保全計画はいつつくるんですか、このようにお伺いしましたところ、何とか平成二十六年度中に着手したいとは聞いております。しかし、そのときに、施設営繕課のほうで区長部局でつくったこの中長期保全計画のような精緻な計画をつくり上げるにはとても時間を要すると、このように言われていました。
ここで伺います。施設営繕課の皆さんには、早急に区内小中学校九十三校の中長期保全計画の策定ができるよう、縦割り行政という弊害を乗り越え、中長期保全計画策定の技術的ノウハウを生かし、教育委員会施設課を支援すべきと考えますが、区の見解を伺います。
◎市川 施設営繕第一課長 学校施設は区の施設の総延べ床面積の過半を占めていることからも、改修経費を効果的かつ効率的に予算編成するために、学校施設の中長期保全計画の策定は必要なものと認識しております。学校施設も区民施設も予防保全の考え方は基本的に同じであり、老朽化に伴う構造体の劣化、設備機器の改修サイクルなど、施設営繕が持つ保全計画の検討に必要な技術ノウハウは、学校施設の中長期保全計画の策定に生かすことができると考えております。
教育委員会の施設課では、平成二十六年度から学校施設の中長期保全計画の策定に着手すると聞いております。今後、施設課が主体的に策定作業を進めることになりますが、施設営繕といたしましては、これまで以上に連携を図り、それぞれのノウハウを生かし、実効性のある学校施設の中長期保全計画の策定に向け支援してまいります。
◆岡本のぶ子 委員 そうですよね、まさに学校施設が区施設の総床面積の過半を占めているという事実があるわけですので、やはり世田谷区が持っている技術力、総合力をしっかりと生かしていくということが大変重要だと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。
次に、区が効率的、効果的な公共施設マネジメントを推進するために、来年度より公共施設マネジメント専管組織の設置を決定したことをまず評価いたします。ただ、気になるのが、現行の公共施設の整備や維持管理体制がそれぞれの施設所管の担当部局のままである中で、果たして新設される公共施設マネジメント専管組織がその機能を十分発揮することができるのか疑問です。限られた財源を有効に活用する観点や、総合的な行財政運営を進めていく観点から、緊急性の高い公共施設の整備や更新を優先的に進めたり、大規模修繕や建てかえなどの計画的な更新を図ることで、公共施設の整備にかかる費用を最小・最適化することが可能と言われております。
さらに、施設の再編や機能の複合化、公共施設のランニングコストについても最小の投資で最大の効果が得られるよう、その推進が求められております。
ここで伺います。本区における公共施設マネジメントの実行に向けた課題認識と今後の方向性について、区の見解を伺います。
◎小田桐 政策企画課長 公共施設マネジメントの第一歩は、区が保有管理する施設に関する情報を整理することであると考えておりまして、区はこういった観点から、公共施設白書や各年度の決算公表におきまして、改築、改修のコスト以外にも各施設を管理する所管課で個別に管理している利用率や運営コスト、こういったデータをお示ししてまいりました。
こうした情報は庁内で一元化して共有しまして、施設の老朽度や利用率等のさまざまな観点に立った総合的な分析評価に活用して、学校を含めた公共施設全般にわたって適正な規模の施設を効率的に配置するという、質、量とも最適化を図る必要があるというふうに考えております。
今後、施設営繕担当部が管理している施設情報に、所管課で個別に管理している利用率等の情報を一元化するためにシステム改修を行いまして、グラフ作成などによる情報の見える化、これらによってさらなる施設マネジメントの強化に努めてまいりたいと考えております。マネジメントを推進するために新たに設置されるマネジメント担当と連携し、一元した情報を活用するなど、公共施設整備方針に沿った整備になるよう、所管部との協議を重ね、効率的、効果的に取り組んでまいりたいと考えております。
◆岡本のぶ子 委員 以上で公明党の質疑を終わります。
○畠山晋一 委員長 以上で公明党の質疑は終わりました。
────────────────────
○畠山晋一 委員長 引き続きまして、生活者ネットワーク・社会民主党、どうぞ。
◆てるや里美 委員 きょうで東日本大震災から三年がたちました。改めてお亡くなりになられた方にお悔やみを申し上げますとともに、被災された方に心からお見舞いを申し上げます。
それでは、生活者ネットワーク・社会民主党世田谷区議団から企画総務所管の質問を始めます。
まず最初に、東日本大震災の被災地・被災者支援について伺います。
被災地では約二十六万七千人が今なお避難生活を強いられています。仮設住宅には約十万四千世帯が暮らし、被災三県のプレハブ仮設住宅の入居率は約八四%に上っています。朝日新聞がことし二月に行った被災三県の四十二市町村への首長アンケートでも、復興復旧が進んでいると答えたのは五市町村のみで、約半数の市町村が進んでいない、どちらかといえば進んでいないと答えています。そして、復旧復興を妨げている要因として、約半数が自治体職員の不足を挙げています。被災地の方々の話を伺うと、忘れられるのが一番つらい、忘れられてしまうのではないかという不安を抱えていらっしゃいます。
被災地の復興も被災者の生活再建もまだまだ進んでいなく、復興には時間がかかることが予想されます。私たちにできることは、忘れないということ、忘れていないということを伝え、できることを実行に移していくことです。その視点からも、自治体として被災地への支援を粘り強く続けることが重要です。
現在、世田谷区が取り組んでいる被災地への職員派遣などの支援を評価します。今後の被災地・被災者支援に、改めてどのように取り組んでいくのか伺います。
◎有馬 災害対策課長 被災地支援につきましては、区はこれまで、震災後の応急対策から復旧・復興期にかけて物資の提供、被災地への職員派遣、義援金、復興支援金の寄贈などの人的・物的支援を行ってまいりました。これまで実施してまいりました被災地への職員派遣、復興支援金、区内避難者への住宅支援や避難者交流会等につきましては、被災地の復興がいまだ進んでいないことから、引き続き継続する必要があると考えております。
支援の目指すところは、被災者の方々の喜びとともに、復興に向けて少しでも前進することであります。また、区民や職員が被災者のことを忘れずに支援の気持ちを持ち続けていくことや、支援を通じて区民や区が現在の災害対策を見詰め直すことが大切であると考えております。
そこで、これまでの支援策を検証するとともに、被災地や被災者のニーズを把握しながら、各関係所管や支援団体等と連携し、これからの新たな支援策について検討してまいります。
◆てるや里美 委員 東京電力福島第一原発の事故による放射能汚染のために、県外に多くの人が避難しました。いまだ故郷に帰れない原発避難者は約十三万人いると言われています。世田谷区にも福島県を中心に被災地から避難されている方が、情報提供されている方だけでも約二百九十名いらっしゃいます。まず、世田谷区に避難している方への区が行っている支援について伺います。
◎有馬 災害対策課長 今御指摘のありました被災地から区に避難されている方への支援でございますが、住まいの支援としましては、発災当初から区営住宅や区で借り上げた賃貸住宅等を応急仮設住宅としまして提供するとともに、行政情報や支援団体等の支援情報を避難者の方に郵送してまいりました。さらに交流や遊び場の提供といたしまして、社会福祉協議会と共催で避難者交流会を開催したり、また、民間の支援団体との共催で福島の子どもたちを世田谷区に招き、外遊びなどリフレッシュしてもらうなどの取り組みを行っております。
◆てるや里美 委員 特に福島から避難している方の中には、放射能の子どもへの影響について、また、避難住宅への支援の終了に不安を持っている方もいらっしゃいます。引き続き住宅、医療、生活再建への支援、また、交流支援や相談、情報提供などを行っていくとともに、現在どのように課題を抱えているのかなどニーズ調査を進めることも必要です。見解を伺います。
◎有馬 災害対策課長 東日本大震災から三年が経過した今、被災地、被災者のニーズを捉えてどのような支援が求められているのか、改めて検討する必要があると考えております。御指摘のニーズ把握につきましては、本年度は区民向け、職員向けに派遣職員の活動報告会を行い、報道などではわからない被災地の状況を知ることができました。さらによりよい支援に向け、例えば避難者交流会やふくしまっ子リフレッシュin世田谷などの事業を活用しながら、区内避難者の方々のニーズを把握してまいります。
◆てるや里美 委員 昨年、私たち会派で被災地を視察してまいりました。津波のあった沿岸部では、瓦れきはある程度片づいているものの、震災後まだそのままの状態です。東日本大震災の被害は甚大で、また、原発事故被災地においては解決の見通しも立っていない地域もあります。被災地・被災者支援、そして区内に避難している方への引き続きの支援を要望いたします。
次に、災害復興時の子どもへの支援について伺います。
被災地への視察で、子どもの遊びなどの支援を行ったプレーパーク事業や、災害直後から子どもへの支援を行った国際子ども支援団体、NGOのセーブ・ザ・チルドレンから話を聞きました。災害時は、支援は大人が優先されやすく、子どもは見落とされがちです。そのために、平常時から子どもの権利を基盤とした子どもの支援について具体的に考えておく必要があります。
世田谷区の地域防災計画には、子どもへの災害時の対応については、小中学校や保育園等での避難誘導などのみで、十分に示されていません。区は、子どもの支援についてどのように課題認識しているのか伺います。
◎有馬 災害対策課長 区では、災害時の子どもの支援につきまして、応急対策期から復旧・復興期にかけて大きく分けて四点の課題があると認識しております。
まず、応急対策期におきましては、子どもの安全確認が課題となってきます。授業中に地震が発生した場合は避難誘導を適切に行い、また、自宅に子どもたちがいる場合は安否確認を行う必要があります。避難所につきましては、子どもの視点に立った備蓄や防犯対策などの環境整備が必要であると認識しております。
次に、復旧・復興期においては、保育園や小中学校の再開を順次行い、日常の一部を取り戻していく必要があります。また、今回の地域防災計画修正においても指導内容の重点として掲げた、幼児、児童生徒の心のケアに取り組む必要があると考えております。
◆てるや里美 委員 震災は、下校途中、下校後、もしくは保護者が不在時に発生する場合もあります。子どもの安否確認などについて具体的対策が必要です。また、東日本大震災では、内閣府によると震災で親を亡くした子は、岩手、宮城、福島の三県で千七百二十四人、うち二百四十一人が両親とも死亡しています。
杉並区の地域防災計画には、災害により保護者が死亡または行方不明等となり、身寄りのなくなった乳幼児及び児童への対応について、本人の意思も十分尊重した上で、震災救護所及び第二次救援所で一時的な保護を行うなど具体的に記載されています。こうした子どもたちへの世田谷区における対応について伺います。
◎有馬 災害対策課長 御指摘の安否確認につきましては、区立の園児、児童生徒は、自助、共助とあわせ、各施設の教員、幼稚園教諭、保育士が行いますが、区立以外の子どもの安否確認につきましては、自助、共助を基本としつつも、その後のフォロー体制につきましては課題がございます。
お話しのありました頼る先もなく孤立している子どもがいた場合の対応でございますが、地域の皆様で最寄りの避難所や警察等へつなぐ必要があります。また、避難所等につながった子どもたちは適切に保護されなければなりません。委員御指摘の孤立している子どもや避難所につながった子どもへの具体的な支援につきましては、震災時初動期職員行動マニュアルの見直しに向けた庁内関係所管とのPTを立ち上げ、子どもの支援についても検討してまいります。
◆てるや里美 委員 特に子どもの心のケアは大変重要で、東日本大震災の経験を教訓に、心のケアのために専門家とのネットワークをつくり、災害時のケアを進めるための体制をつくっておくことが必要です。さらに、障害児支援、居場所や学習支援、若者の進学、就職への支援、貧困や虐待対策など課題は多く、災害時の子どもへの支援について具体的対策の整備を求めます。
東日本大震災では多くのNPOなどの団体が活躍しました。特に子どもへの支援については、発災直後からユニセフやセーブ・ザ・チルドレンなど海外の支援団体が被災地に事務所を置き、地域のNPOなどの団体とともに支援に取り組みました。東京都地域防災計画でも、平時からNPOなどとネットワークを築き、連携のための体制づくりや防災訓練の必要性について示されています。世田谷区における災害時のNPOなど団体との連携について、また、NPOなどと連携した子どもへの支援について伺います。
◎有馬 災害対策課長 NPOの活用の件でございますが、東日本大震災では多くのNPOが被災地支援で多くの役割を担いました。例えば宮城県石巻市では石巻災害復興支援協議会が設立され、そこに登録したさまざまなNPOが炊き出しや生活支援、心のケア等、市民ニーズに応じた対応を行っておりました。
委員御提案の件につきましては、世田谷区内には約五百余りのNPOが存在しており、災害時はもとより、平常時から区と連携することで、いざというときには各NPOの活動が被災後の貴重な支援策となるため、連携や活用方法を検討する必要があると認識しております。
現在の区の取り組み状況でございますが、区では複数のNPO団体の発意から、昨年六月に世田谷NPO防災検討会を立ち上げ、これまで七回にわたり、例えばふだんのNPO活動の中でどのような発災時を意識した活動を行うか、また、一般区民との平常時のネットワークを使ってどのように災害時の安否確認を行うか、また、各NPOが災害時にできることを、ふだんから区民にどう発信するかなどの検討を行ってまいりました。
先週の土曜日の三月八日には、これまでの検討会の取り組みを区内NPOに周知するとともに、各NPOの日ごろの活動から復旧復興に向けて何ができるのかを一緒に考える機会として、せたがやNPO防災ワールドカフェを開催したところでございます。今後は、ワールドカフェに参加したNPOを新たに加えた検討会を実施していきながら、区との情報共有や、NPO間の意識共有や連携の仕組みについて、引き続き検討してまいります。
また、先ほど来お話しのあります子どものケアにつきましても、今回参加した中に子どもを支援するNPO等もございましたので、関係する所管やNPOと連携して検討を進めてまいります。
◆てるや里美 委員 震災復興に際して、子どもの権利を基盤にした支援を進めるために、被災地においてNGO、NPO三十団体が集まり、東日本大震災子ども支援ネットワークを組織し、復興計画やまちづくりに子どもの意見が取り入れられるように、自治体の議員や行政との意見交換会、復興会議への参加、また、子ども参加による居場所や施設づくりなどさまざまな取り組みが行われました。
こうした復興における子どもや若者の参画や意見表明を通し、子どもたちは支援される側からまちづくりの一員であることを自覚し、また、子どもたちの復興にかかわりたいという強い思いが大人の心に響き、力を与え、地域の活性化にもつながっています。震災復興計画策定や復興まちづくりにおける、子どもや若者の参加について伺います。
◎有馬 災害対策課長 首都直下地震の発生が懸念される中、昨年度修正いたしました世田谷区地域防災計画を踏まえ、現在、発災初動期における迅速な初動体制の確保のための震災時初動期職員行動マニュアルの修正作業を進めております。世田谷区地域防災計画に記載されております復興計画につきましては、住宅の確保、福祉保健の充実、地域産業、教育、都市の復興等多岐にわたっておりまして、所管課と連携しながら実施していくことになります。
区としましては、震災時初動期職員行動マニュアルを検証し、その後、復旧期、復興期と検討する中で、他自治体の例を参考にしながら、関係所管と連携してまいります。
◆てるや里美 委員 大船渡市や釜石市などにおいては子ども復興会議を開催するなど、復興計画に子ども参加が行われました。世田谷区の地域防災計画には復興計画策定について示されていません。女性や子どもの参加などきちんと示していくことを要望しまして、次の質問をいたします。
次に、今後の地域行政における出張所・まちづくりセンターの役割について伺います。
高齢化の進展とともに福祉や介護のニーズがふえ、また、地域とのつながりが希薄化し、虐待やDV、ひきこもりなどの課題もふえています。また、非正規雇用がふえるなど厳しい雇用状況が続いている中、生きづらさを抱える若者や生活困窮者がふえています。今後もますます課題が多様化、複雑化していくことが予想される中、地域の区民やNPOなどの活動団体、事業者との協働により支えあいの仕組みづくりが重要です。
二〇二五年には団塊の世代が後期高齢者となります。高齢者が支えられる対象となるだけでなく、自分の経験や技能を生かし、支える側、地域社会の担い手として活躍できるような環境をつくっていくことが必要です。
このように、区民や地域団体などの参加と協働を進め、地域課題を解決し、地域コミュニティーを活性化していくためには、一番身近にあるまちづくりセンター・出張所の役割が大変重要となってきます。現在、世田谷区では出張所・
まちづくりセンターはあんしんすこやかセンターとの一体整備が進められ、さらに施設内に平成二十六年度から社会福祉協議会のスタッフの活動拠点が設けられます。
平成二十六年度から地域包括ケアシステムが始まり、地区見守りネットワークとともに、平成二十八年度までに全区展開を目指していますが、この中で出張所・
まちづくりセンターの役割について伺います。
◎太田 地域行政担当課長 委員御指摘のとおり、地域包括ケアシステムの構築を目指し、あんしんすこやかセンターにつきましては、出張所・
まちづくりセンターとの一体整備を進め、保健福祉の支援を必要とする人がまずは身近な地区で相談を受けられるよう、平成二十六年度から包括的、継続的なケアマネジメントシステムを区全体で推進するためのモデル事業を実施し、検証を通して、平成二十八年度の全地区での相談支援を目指しております。
また、社会福祉協議会につきましては、平成二十六年度から平成二十八年度にかけまして出張所・
まちづくりセンター内にスタッフの活動拠点を設け、地域福祉の推進に取り組むこととしております。この中で、地区の強化に向けての活動と機能集積の拠点となる出張所・
まちづくりセンターにつきましては、あんしんすこやかセンターと社会福祉協議会との一体整備による機能の集積が進められることから、区民からの相談等には丁寧に応じ、関係機関への案内や取り次ぎなどを行うとともに、地区の活動が一層活発になるよう情報発信に取り組んでまいります。また、対象者を限定しない緩やかな見守りを進めることとし、区民との接点としての役割を果たしてまいります。
◆てるや里美 委員 このように新たな福祉環境整備を進めていくためには、区民や活動団体など地域の担い手を発掘し、支える側と支援が必要な人などニーズとのマッチングを行うこと、さらに既存の社会資源、さまざまな分野の人や団体などをつなぎ、組み合わせることにより、新たな社会資源やソーシャルビジネスなどを創出していくことが重要です。
地域の中には、何かしたい、自分の経験を生かしたいと思っていても、どうしたらよいかわからないという人も多くいます。このような人たちを有効に活用していくためには、地域の中に気軽に相談できる人材バンク的な機能が必要で、出張所・
まちづくりセンターにおいてそうした役割を担っていくことが求められます。見解を伺います。
◎太田 地域行政担当課長 区民に最も身近な出張所・
まちづくりセンターにあんしんすこやかセンター、社会福祉協議会が一体的に整備されることは、区民の利便性をより高めることにつながり、三者にとってもそれぞれの活動に関する情報や意見の交換が行いやすくなると考えられることから、それぞれの活動に効果を及ぼすことが期待されます。
こうした利点を生かし、身近なところで団塊の世代などの多様な経験を持ち地域活動へ意欲のある区民の参加を促し、見守りなどの地域活動の担い手として発掘、育成し、その活動を支援の必要な区民につないでいくことは、協働によるまちづくりを進める上で不可欠と考えております。
なお、御指摘の点につきましては、社会福祉協議会におきまして、地区の福祉的課題の把握や人材の発掘、育成、人材バンクなどの取り組みを今後進めるに当たり、出張所・
まちづくりセンターという身近な場を活動拠点として進めることとしております。
いずれにいたしましても、出張所・
まちづくりセンターとあんしんすこやかセンター、社会福祉協議会がそれぞれ役割を果たし、連携を図りながら、区民の参加と協働の促進に取り組んでまいりたいと考えております。
◆てるや里美 委員 平成二十五年度に地区防災対策が出張所・
まちづくりセンターの職務として位置づけられました。地域コミュニティーの活性化のためにも防災への取り組みは大変重要です。地域の人たちとともに、震災用指定井戸やAED設置場所、防災資機材庫、ポンプ倉庫などを示した地域の防災マップの作成や避難所運営組織の自立化などを進めていく必要があります。
来年度は出張所・
まちづくりセンター二十七カ所全てで防災塾が開催されます。来年度の防災塾では地域の課題出しを行うとのことですが、一回のみの開催と聞いています。しかし、これをきっかけとして、課題解決のために持続した活動につなげていくことが必要です。見解を伺います。
◎太田 地域行政担当課長 地区防災対策の強化に向けまして、平成二十五年度に各地域で開催しております防災塾につきましては、より身近なところで防災に関する啓発を進めるため、今後は各地区で開催してまいります。また、避難所運営訓練の運営支援など、避難所運営組織の自立化に向けた支援も進めており、いずれも出張所・
まちづくりセンターが中心となり、総合支所地域振興課との連携のもとで進めることとしております。
委員御指摘のとおり、防災塾で挙げられたさまざまな課題につきましては、その課題に向けて引き続き取り組むことが大切であり、また、避難所運営に当たる地域の人材を育て、運営組織の自立に向けたより実践的な訓練を行うなど、工夫を凝らしていくことが重要でございます。
今後、こうした課題に対応し、さらに地区における防災対策を充実するためには、出張所・
まちづくりセンターが総合支所地域振興課と連携を図りながら、例えば地区情報連絡会など既存の会議体を活用したり、現在作成中の手順書を活用して避難所運営訓練を効果的に支援し、運営組織の自立化にさらに取り組むなど継続した取り組みを進め、実効性が高まるよう取り組んでいくことが重要であると考えております。
◆てるや里美 委員 地域コミュニティー活性化や防災において、出張所・
まちづくりセンターは大変重要です。機能の充実を要望し、私からの質問を終わり、唐沢委員に交代いたします。
◆唐沢としみ 委員 まず、新たに出張所・
まちづくりセンターごとに行う防災塾に関連して質問いたします。
日ごろから全ての区民が災害に備えることはもちろん大切なことでありますが、防災という誰にとっても共通するテーマは地域のきずなを進めることでもあります。したがって、私はこの区内全ての地域で防災塾を開催しようという区の考え方を、コミュニティー振興の上からも期待しております。
今年度は、この防災塾が昨年十月十二日から各地域で一回ずつ開催されたわけですが、まずその状況についてお伺いし、さらにその結果と評価、課題についてお聞かせください。
◎有馬 災害対策課長 区では今年度、地域防災力の向上を目的に、各地域で全五回の防災塾を行ってまいりました。座学とワークショップを織りまぜ、発災から復興過程、そして、これからの災害に立ち向かう姿勢を学べる内容で実施してまいりました。座学形式では百名から二百名程度、ワークショップ形式では二十名から三十名の区民の皆様に御参加いただきました。
今年度の評価と課題につきましては、各回で実施したアンケート結果を見ますと、家庭や地域に還元していきたいとの意見や、講師の方々のお話やワークショップを通じて防災意識についての気づきとなったなどの御意見を多くいただき、御参加いただいた皆様には自助、共助における考え方や防災知識を身につけていただくよい機会になったと認識しております。
また、ワークショップでは、自助、共助の必要性は理解するが、具体的にどのように進めていくのかという議論をしていかなければならないという意見が参加者からありました。こうしたことを踏まえまして、顔と顔の見える地区単位で、地区の実情に即した災害対策について考える機会を設ける必要があると実感したところでございます。
そこで、地域単位で実施した今年度の防災塾に対し、平成二十六年度の防災塾では、発災後七十二時間は地区の力で乗り切るをスローガンに、二十七の地区単位で実施してまいります。各地区においては、区の地域防災計画上の防災資源や被害想定等を確認した上で、災害時に想定されるさまざまな課題を発見することを目標に実施してまいります。
◆唐沢としみ 委員 今後、各地域一回から二十七地区へと展開するわけですから、今年度の教訓をしっかりと生かしてほしいと思います。
ところで、さきの報告では、今回の防災塾は、災害対策基本法の改正により新たに設けられた地区防災計画を見据えて行うという話だったわけですので、確認の意味からも、新たに規定された地区防災計画とはどのような内容か、簡単にお願いします。説明ください。
◎有馬 災害対策課長 国は、平成二十六年四月の改正災害対策基本法の第四十二条の二におきまして、地区居住者等は共同して市町村地域防災計画に地区防災計画を定めることを提案することができるとし、居住者等から地区防災計画を提案できることとしております。本制度は、自助、共助による自発的な防災活動を促進し、ボトムアップ型で地域における防災力を高めることを目的としております。
◆唐沢としみ 委員 お話しのようにこの地区防災計画は、地区に居住する住民や事業者が自発的に多様な防災活動について計画をつくり、避難などの防災活動を行うことを想定しております。私たちの会派が指摘してきたように、世田谷区は火災に対してどのような対応策を講じるか、木密対策が重要というように、地域特性を見据えて行うことが必要だと思います。
その点だけを見ても、世田谷区の地区防災計画の策定に取り組むには、地域の実情に合わせて住民参加で進めることが不可欠だと思うのですが、区の認識を伺います。
◎有馬 災害対策課長 地区防災計画の策定に際しましては、地区をよく知る区民の皆様に御参加いただき、より地区の実情に即した実効性のある計画にすることが重要であると認識しております。そのため、日ごろから防災活動に取り組んでいる町会・自治会の方を初め、地区のさまざまな方々に御参加いただき、区の地域防災計画上の防災資源が掲載されている、平成二十四年度に全区版で全戸に配付いたしましたが、災害時区民行動マニュアルマップ版を二十七地区に分割した地図を材料に、ワークショップ形式で各地区の課題発見を行っていく予定でございます。
御指摘の地区防災計画につきましても、関係所管と連携しながら区民参加を積極的に促し、住民みずからが地区の実情に即した地区防災計画を策定することができるような事業形態になるよう、今後検討してまいります。
以上でございます。
◆唐沢としみ 委員 今、火災について指摘しましたが、世田谷区内では避難所となる学校やそこに至る道路など状況もさまざまであるし、高齢者が多い地域、逆に若者が集まっている地域など、地区の特性もさまざまであります。
そこで私が危惧するのは、こうした中で、区民に対して計画をいつまでにつくるという期間を一律に示して計画づくりを急いで進めるようなことになれば、かえって逆効果になってしまうのではないかということであります。例えば、出張所長さんや町会・自治会の役員だけで計画をつくらざるを得なくなり、地区の住民が共有する計画にならない地区も出てくるのではないかと思うのであります。地区防災計画は、地区の住民に広く共有されるものでなければ意味が半減いたします。
そこで、一人でも多くの地区住民が地域の防災計画を自分のものにできるように、ある程度時間をかけて、じっくりと区民と膝を突き合わせながら進めるほうがよりよい考えが浮いてくると思うのですが、そのあたりについてはいかがでしょうか。
◎有馬 災害対策課長 委員御指摘のとおり、地区防災計画の策定に当たっては、地区の方々の災害対策についての共通認識を醸成させることが必要であると認識しておりまして、平成二十六年度につきましても、地区の課題発見ということで、こういった考えから実行してまいります。
地区防災計画策定に向けては、複数年継続して実施することにより、各地区における検討を深めていくことができると認識しております。
◆唐沢としみ 委員 私は、今議会で社会的包摂について取り上げました。多様な考え方や生き方をお互いに認め合い、誰もが自分らしく生活できる社会をつくるということですが、防災塾のように身近な地域で多くの区民に働きかけるようなときこそ、この社会的包摂の考え方がより重要になってくると思います。
我が会派では、これまで避難所運営などさまざまな場面で、女性や子ども、障害者などを中心に据えた対策を求めてまいりました。今年度の防災塾でも、東日本大震災の教訓を生かして、いわゆる災害弱者に配慮した防災対策を取り上げたと聞いております。こうした考え方やさまざまな工夫が広く区民に浸透することを願っております。
しかし、昨日も指摘したように、私は社会的包摂の考え方を、この際、もっと広い概念で捉えるべきだと思います。すなわち、防災訓練や地域防災計画づくりに参加できない区民も目に見えない災害弱者と捉え、包摂の対象とすべきではないかと考えるのであります。
例えば、マンションなどで独自に防災訓練などをなさっているところもあります。また、戸建て住宅でも、町会・自治会に参加していなくて、必ずしも区の防災訓練や地区防災計画づくりに参加しようとしないというのも現状であります。
私が言いたいのは、このような方々もある種の防災弱者なのではないか、そういうことでございます。恐らく、これまではこのようなケースは自己責任とされたかもしれませんが、しかし、この包摂の考え方に立てば、こうした考え方を尊重して、地域の一員としてともに災害に備えていくことが必要であると思います。
これからの防災塾は、このような取り組みのよいきっかけとなると思いますので、ぜひ何かにあわせて、何かとかかわりを持たなかった区民にももっと広く参加を呼びかけていく必要があると思いますが、このあたりの区の見解をお伺いいたします。
◎有馬 災害対策課長 日ごろ中心的に防災活動をされている方々以外の担い手を発掘し、人数をふやしていくことは、地区の防災力を高めていく上で課題であり、重要であることと認識しております。また、こうした方々の視点を取り入れることは新たな課題発見につながる可能性もございます。本年度の防災塾につきましても何人かの区民の皆様が継続して参加し、来年度はお手伝いをしたいとの声も上がっております。
平成二十六年度の防災塾におきましては、日ごろから防災活動に取り組んでいる防災区民組織の方々のほか、公募や推薦などにより新たな担い手が参加できるよう、現在準備を進めているところでございます。防災塾を通じまして、より多くの区民の方々に働きかけ、地区の災害対策に力を発揮いただける方をふやしていただけますよう努力してまいります。
◆唐沢としみ 委員 いろいろと知恵を出しながら、多くの方が加わることによっていろんな課題が出てくるし、災害に強い、そして地域の活性化にもつながるので、ぜひともそうした努力を期待いたします。
次に、公共施設の維持管理や整備に関して質問します。
言うまでもなく、区の公共施設は区民自治の土台、基礎としての役割を果たしているものです。今、さまざまな公共施設の老朽化が社会問題となっておりますが、単に財政上の理由から公共施設の果たしてきた役割を簡単に見直すことは許されないと思います。
区は公共施設の機能を保ちつつ、維持管理や整備の経費を削減させることを目指して、公共施設マネジメントに取り組もうとしております。区の説明では、経営的な視点から総合的に企画、管理、活用する手法とのことでありますが、どのような取り組みか、どう効果があるか、具体的にはいま一つわかりにくいような部分があります。
公共施設マネジメントの先進都市と言われております浜松市においては、十一市町村が合併して政令指定都市となってきた経過がありますが、世田谷とは大分状況が違うものではないかと思います。そうしたことにおいて、そこではいろいろと人口が減ったというようなこともあったりして、市民の中のいろいろな点で理解を得られたようであります。
したがって、公共施設のマネジメントについても、この検討の手法についての方向性はやっぱり区民のニーズに見合ったものでなければならないと考えます。区の現状に見合った公共施設マネジメントをどのような方針で取り組もうとしているのでしょうか、お伺いいたします。
◎窪松 施設営繕担当部副参事 現在、全国の自治体で関心が高まっている公共施設マネジメントでございますが、マネジメントの導入のきっかけは、市町村合併による施設の余剰や施設の老朽化、人口減少への対応など、自治体によってさまざまであり、先進的自治体として浜松市やさいたま市などが頻繁に紹介されております。紹介されるその自治体も、施設の老朽化が進行することにより、今後、施設の維持に多額の経費を負担しなければならないという現状は、世田谷区と共通しております。
一方、世田谷区の総人口は平成五十年度まで約三万七千人の増加が予測されており、公共施設の需要もふえるとされており、他の自治体と横並びでなく、区の特性を踏まえた方針が必要となるため、新たな公共施設整備方針案では、今後十年間必要な区民ニーズに対応しながら、建てかえ等による施設の延べ床面積の増加を現在より五%の増加に抑制するという目標を掲げました。この目標を達成するため、複合化の推進による施設総量の増加抑制、既存施設の有効活用など、今後の基本整備方針を掲げております。平成二十六年四月の組織改正により、施設営繕担当部に公共施設マネジメント推進課を設置いたしますので、政策経営部と緊密に連携しながら、全庁的に公共施設整備の適正化に取り組んでまいります。
◆唐沢としみ 委員 区民との情報の共有も重要であります。区も公共施設白書を初めさまざまな機会に、区の現状を公表したり、また、このたびのマネジメントでも、区の施設の規模やコストなどを、誰にもわかりやすい形で見えるようにすることを表明しております。
しかし、区民にとっては、自分の利用する施設についてはわかるけれども、全体的なかかわりまでなかなか理解できない、あるいはまた使っているものを総合的に、複合的にしていくということもなかなか理解できないような部分がありますので、そうしたことで、ぜひわかるような形の情報提供が必要ではないか、議論が必要ではないかと思います。
そこで、今後は施設の維持管理や整備について、よりきめ細かい情報提供を求めますが、区のお考えをお伺いいたします。
◎窪松 施設営繕担当部副参事 施設整備や維持管理に関する区民への情報提供は非常に重要であると認識しております。区は、施設の築年数や面積のほか、利用率や維持管理コストなどを取りまとめた公共施設白書を昨年八月に発行いたしました。また、施設種別ごとに取り組みの方向性を示した新たな公共施設整備方針案や、今後四年間の施設整備、改修等の計画を掲載した新実施計画案をホームページで公開するなど、区の公共施設整備や維持管理経費等の情報について、区民等に対し広く情報提供しております。
今後も施設の整備においては、利用状況やコスト、将来需要予測のほか、立地条件や利用者意見など、公共施設が置かれている現状をわかりやすい形で情報提供できるよう工夫し、区民ニーズを的確に把握しながら、区民との協働による公共施設の最適化に努めてまいります。
◆唐沢としみ 委員 ぜひともそうした努力をお願いいたします。
また、交通体系なんかも考えながら利便性を考えて、施設の建設についてはアクセスを考えていただきたいと思います。
以上で会派の質問を終わります。
○畠山晋一 委員長 以上で生活ネットワーク・社会民主党の質疑は終わりました。
ここでしばらく休憩いたします。
午後零時休憩
──────────────────
午後零時五十分開議
○畠山晋一 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。
日本共産党、どうぞ。
◆桜井稔 委員 まず、情報公開制度の充実について伺います。
我が党は、この間、区の情報公開制度の充実を提案してまいりました。インターネットを通じての情報公開請求や情報公開審査会の答申の閲覧などを進めてきたことについては評価いたします。
区が二月四日に報告しました情報公開制度の充実についてというものがありますが、ここでは庁議の会議録の作成と公表の充実などが書かれております。
まず伺いますけれども、庁議の会議録はつくられるのか、また、会議録は情報公開の対象になるのか、その辺を伺います。
◎小田桐 政策企画課長 情報の公表、情報の提供、こちらの拡充に向けまして、世田谷区の情報公開条例施行規則を一部改正しまして、区が公表義務を有する行政情報公表制度の対象を四月から拡大するという内容が、先日、常任委員会で御報告した内容でございます。この中で、庁議において実施することが決定された事案に係る資料及び会議録を本年度内に先行して公表する予定ということでございます。会議録はそういうことで作成した上で、開催日時、出席者、議事の概要、そういったものをまとめた内容とする予定でございます。
公表に当たっては、庁議での議論の中で修正が生じた場合など、これらが政策形成過程に該当するかという部分を判断した上で取りまとめをする予定でございます。会議録については、組織的に保有するものにつきまして情報公開請求の対象となるものと認識しております。
◆桜井稔 委員 今言われました会議録は、公表、提供ではなくて、ちゃんと会議録をつくられて、それが今言われましたように情報公開の対象にちゃんとなるということで今認識しました。
それで、さらにもう一つは、ここに書かれているのは、庁議において実施することが決定された事案に係る会議録と書かれているんですね。もちろん会議録をとるんですから、会議録全体があると思うので、その決定されなかった会議録というのはどうなるんですか。
◎小田桐 政策企画課長 情報を公表する対象としては、決定されなかった事案につきましては公表の予定はございません。
◆桜井稔 委員 だから、私は情報の公表、提供ということと、私が言ったのは情報の開示、情報公開のほうです。情報公開について、決定されなかった事案についても情報公開の対象にちゃんとなるんですねと聞いているんです。
◎淺野 区政情報課長 委員御指摘のように情報公開請求の対象文書にはなります。組織的に共用されているものは対象文書になります。
◆桜井稔 委員 決定されていない事案についてもちゃんと会議録があって、それを情報公開請求すれば、開示請求すれば出てくるということでよろしいんですね。
◎淺野 区政情報課長 庁議に付議されました事案のうち実施することが決定されていないものにつきまして開示請求いただいた場合には、非開示情報の有無につきまして個別に判断して、条例に基づいて適切に判断していくことになります。
◆桜井稔 委員 一つだけ確認させてください。言われるように、条例に基づいて非開示の中身があるからできないということはあるんですが、例えば庁議で議論された議題、題名、件名というのはちゃんと出てくるんですね。
◎淺野 区政情報課長 件名につきましても、非開示情報に当たるか否か、そこを判断しまして決定することになります。
◆桜井稔 委員 今のやつは条例のどこに当たるんですか。今の言われた件名まで非開示にする必要があるというのは、開示義務の七条のどこに当たるんですか、それを教えてください。
◎淺野 区政情報課長 七条の五号ないしは六号の判断になると思います。
◆桜井稔 委員 では、聞きます。五号のところでは「公にすることにより、率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれ、不当に区民の間に混乱を生じさせるおそれ又は特定の者に不当に利益を与え、若しくは不利益を及ぼすおそれがあるもの」ということなんですが、その議事録が黒塗りになっても、件名についてはなぜ意見の交換または中立性が損なわれるとか、そういうのに当たるんですか、教えてください。
◎淺野 区政情報課長 決定されなかったもののうちの全ての件名が当たるか否かについては個別の判断になると思いますけれども、決定されなかったということは、状況によりますが、引き続き検討等が行われているということが考えられると思います。そういった中で、必ず非開示になるということで申し上げているわけではございませんが、事項によりましては非開示になるものもある可能性があるということで申し上げた次第です。
◆桜井稔 委員 今言われた議事録の中身が黒塗りで出てくることはあるかもしれません。しかし、その議題が何だったのかというものまで黒塗りになることはあるんですか。
◎淺野 区政情報課長 繰り返しになりますが、必ず非開示にすべきということで申し上げているのではありませんで、内容によりましてどういったような案件が議論されるかについては予測できないこともございますので、検討途中ということで、場合によっては非開示になることも否定できないということで申し上げた次第です。
◆桜井稔 委員 私は、この条例の趣旨からいって、やっぱり議事録の中身そのものの非開示が出てくるかもしれませんが、この条例からいくと、件名そのものは非開示の対象にならないと思うんですよね、それは言っておきます。
もう一つですけれども、今回出された庁内会議、庁議だけじゃなくて、庁内会議の議事録の作成、公表となっていますが、これは今の庁議の議事録の情報公開と同じような扱いでよろしいんですか、庁内会議について教えてください。
◎淺野 区政情報課長 情報公開制度が適正かつ円滑に運用されていくためには、そもそも行政文書が適切に作成等されていることが必要でございます。そういった観点からの今回の庁内の会議につきましては、一定の基準を設けて、会議録を作成することにつきまして要綱等で定めていくこととしております。
その作成された会議録のうち区の重要な施策に関する庁内会議の会議録等につきましては、要綱で定めたものにつきまして、世田谷区情報公開条例の非開示情報に該当しない情報につきまして、区民への情報公表を行ってまいります。したがいまして、会議の会議録を作成することと情報公表していくこととは別のことではございますけれども、区民の知る権利の保障と区民への説明責任という情報公開条例の理念に基づきまして適切に制度の運営を行ってまいります。
◆桜井稔 委員 ですから、庁議と同じ扱い、さっき言ったように、決定された事案については出します、公表しますということを書かれているわけですが、ほかの会議でも、決定されたことはちゃんと会議録を出しますという扱いでよろしいんですね。
◎淺野 区政情報課長 決定された事案についての公表ということは庁議の部分になります。会議録につきましては、決定されたとかされていないということではなくて一般的に会議録が公表される形で、これは庁議の会議録もそうですけれども、非開示情報に該当しない部分を公表するということで、ほかの会議録については、必ずしも決定された部分という決めはしておりません。
◆桜井稔 委員 ちょっと待ってください。ほかの庁議以外の会議でも、その事案が全て終わったというときに、会議録は庁議と同じに出すわけでしょう。それを出さないということですか。庁議とは同じ扱いにしないんですか。
◎淺野 区政情報課長 基本的に庁議におきましても、その他の会議録におきましても、情報公表制度というのはそもそも非開示情報に当たる情報というのは出せない部分ですので、そういったことで、決定されたかされていないということとは別に、検討途中のものでありましても非開示情報に当たらないものにつきましては、会議録に記載されている部分で公表できるものにつきましてはオープンになっていくということでございます。
◆桜井稔 委員 先ほど、課長は情報公表と言いますが、私は情報開示のこと、公開のことを言っているので、よろしくお願いします。
だから、非開示の中があれば、それはさっき言ったように黒塗りで出てくるかもしれないと。他の会議のことについても、やはり庁議と同じ扱いでよろしいということでいいんですね。次に移ります。ちょっと時間がなくなっちゃうので。
今回の庁議の決定された事案の公表ということは、区でいえば最高の意思決定の議論の事後の、終わった後の公表だということですから、今後、こういう意思形成が決定された後の段階での情報公開、さっき言ったような、ほかの会議も含めて情報公開ということは全て進めるべきだと思います。
それで聞きますが、意思決定された後の情報公開は、今後全て進めていくのかどうか、その辺のことを述べてください。
◎淺野 区政情報課長 意思決定された後の情報ですけれども、先ほど委員からも情報公開条例につきましてお話がございましたように、情報公開条例では実施機関等の内部または他の実施機関、他の公共団体との相互間における審議検討、協議に関する情報につきましては、公にすることにより率直な意見の交換、もしくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれ、それから、不当に区民の間に混乱を生じさせるおそれがある場合には非開示とすることができるという規定になってございます。
これは先ほど来お話しいただいています意思形成過程情報と言われるものですけれども、このような規定から、意思形成過程であるという理由のみで非開示となるものでは当然ございませんで、また、意思決定後におきましては、一般的には開示できる部分がふえるものと考えてございます。
しかしながら、意思決定後におきましても、そういった情報が将来行われる同種の審議、検討などにおける意思決定とか、あと、ほかの意思決定と重層的、連続的に関係する場合など、公にできないものもあると考えます。
なお、当該情報が、同じく条例上の非開示事由でございますけれども、公にすることにより、当該事業の性質上、そういった事務事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるもの、そういったものにもあわせて該当する場合には、当該規定によって非開示となる場合もございます。
区といたしましては、そういった情報公開条例の規定とか理念に照らしまして適切に判断してまいります。
◆桜井稔 委員 今の答弁で意思決定後の開示ということは、開示できる部分がふえるんですが、しかし、その情報が、言われたのは、将来に行われるかもしれない同種の審議などや、また他の意思決定との重層的、連続的とか言いましたけれども、重なると開示できない場合もあるということですが、その将来行われる会議、また、他のこの事案と同じような連続性がありそうだというものとの関係は、今の時点で判断できるものなんですか。将来こういうことが行われるだろうと。しかし、この事案は終わって、意思決定で終わって公開しようと思うけれども、将来行われるかもしれない会議があるから公にできないかもしれないということの答弁なんですが、そんなことがあり得るんですか、今の時点でその将来のことまで判断できるんですか、教えてください。
◎淺野 区政情報課長 個別案件の判断となりますけれども、そういった事務事業の性質から、他案件との関係性などを判断していくことは可能であると考えております。
いずれにしましても、区民の区政参加を推進して、区民との信頼関係のもとに公正で開かれた区政を実現する、そういった世田谷区情報公開条例の目的に照らしまして、情報の開示、非開示を適切に判断してまいります。
◆桜井稔 委員 ですから、今言われたように情報公開制度の目的そのものが区民の知る権利の保障でありますし、区政への区民参加の促進や、また、区民との信頼関係の上で公正で開かれた区政を実現するという目的なんですから、意思決定後の情報というのは、将来行われるかもしれないということで、行政の側の都合でこの情報はちょっと非開示にしようという理由ではなくて、やはり情報公開条例にのっとって意思決定後の庁議と同じ扱いということで、もちろん条例上の非開示の部分も出てくるかもしれませんが、ぜひ全て公開するということで進めていただきたいと要望しておきます。
次に移ります。次は、地域行政制度について伺います。
地方分権・地域行政制度対策等特別委員会が平成二十四年七月二十六日に地域行政制度に関する意見についてということをまとめて、これが区長に提出されております。
これの中では四つのことが区長に出されておりますが、一つは、出張所・
まちづくりセンターへの権限を強化すべきであるということ、この中には人事配置と権限強化ということが述べられております。二つ目は、出張所・
まちづくりセンターの配置状況を見直すべきだということが言われています。それで三つ目が、防災や災害対策において拠点となるべく、機能の充実を図るべきであるということであります。それで、四つ目が出張所・
まちづくりセンターの相談機能の充実を図るべきだということが述べられて、ここでは窓口業務の強化をすべきだということまで述べられております。
私がここで伺いたいのは、こういう特別委員会での意見等、今回、世田谷区が出しました地区力の向上と地区防災対策の強化というものと、もう一つは「今後の地域行政の推進について」(案)というのが出されていますが、これがどう反映されているかということで伺いたいと思っております。
まず、課題として防災対策と相談機能の充実なんですが、防災対策の充実では具体的にどのような充実が進んで、また、ここで言われているような人的配置や権限強化はどうなっているか、述べてください。
◎太田 地域行政担当課長 出張所・
まちづくりセンターにつきましては、平成二十五年度より地区防災活動の支援、減災に向けた普及啓発などを職務として明確にし、地区防災支援担当と位置づけております。また、まちづくり担当係長をまちづくり防災担当係長と名称変更するなど、体制の整備を図ってきております。
あわせて出張所・
まちづくりセンターの体制充実を段階的に進めることとし、平成二十五年度におきましては、避難所の数が多いなど地区の状況に応じまして、十二カ所の出張所・
まちづくりセンターの体制の充実を図ったところでございます。
この間、避難所運営組織の運営支援や災害時要援護者支援に向けた協定の締結拡充などに取り組むとともに、実務レベルの検討組織を設け、年次計画に基づき行われている地区防災対策について検証しましたところ、職員の専門性や技術力の向上、防災士養成講座修了者の効果的な活用、避難所運営訓練の支援を効果的に進める手順の明確化、啓発活動の一層の工夫などに取り組むこととしております。
また、総合支所に副参事を配置しまして、地区の強化に向けたさまざまな検討に加わることなどにより、地区防災対策や地区ネットワークの取り組みを推進しており、あわせまして出張所・
まちづくりセンター所長の事務を取り扱い、区政の第一線での職務も果たしているところでございます。
◆桜井稔 委員 今の防災対策でいえば、十二カ所の出張所に体制の充実ということで、十二人ふやしたということや、権限では総合支所に副参事を配置したということですが、今後、人的配置はどのように進めていくのかをお答えください。
◎太田 地域行政担当課長 地区まちづくり、地区防災対策の取り組みのさらなる強化を目指しまして、この間、関係所管において調整を進めてきております。平成二十六年度におきましては残りの十五カ所の出張所・
まちづくりセンターの体制を強化することとしまして、全地区において体制を整える予定としております。
◆桜井稔 委員 新たに十五人ふえるということでありますが、防災対策で「今後の地域行政の推進について」(案)で、出張所・
まちづくりセンターにおける非常配備態勢指定職員の配置の強化等と書いてあるんですが、このことについて、ここでは東日本大震災の経験から、平日の日中と休日夜間の発災時の拠点隊――出張所・
まちづくりセンターですが――の要員の確保が課題だと。それで震度五以上で、原則全職員が指定された場所に参集するということを述べられていますが、この参集の考え方を述べてください。
◎有馬 災害対策課長 出張所・
まちづくりセンターは、災害時、各総合支所の災対地域本部の拠点隊として、最前線において地区の被災状況の把握や避難所との連絡等の重要な活動を行います。
そこで、特に拠点隊の配備指定につきましては、勤務時間内、勤務時間外、いずれの場合にも速やかに一定の職員が参集し活動を開始できるよう、職員の住所や勤務場所に基づいた配備を行いました。
なお、今回、昨年十二月に配備しました非常配備態勢の指定によりまして、本庁の災対各部で従事する職員は必要最小限とし、極力災対本部、地域本部と拠点隊に振り分けるように指定を行いました。
◆桜井稔 委員 今の答弁ですと、発災時の拠点隊を重視した職員配置をするということでありまして、これは大変評価することであります。拠点隊の配備職員の実践的な訓練をこの間行っておりますが、その辺についてお答えください。
◎有馬 災害対策課長 十二月に新たに配備しまして、メンバーも変わりましたので、今回、一月と二月におきまして訓練を実施いたしました。ここでは、拠点隊運営のための資機材の確認や各種通信機器を使用した通信訓練、また、人によっては地域に余り出ていない方もいらっしゃいますので、その地区にある主要な施設のパトロール訓練、または初動の時期に欠かせない基本的な事項についての確認を行いました。
◆桜井稔 委員 二十七カ所の出張所・
まちづくりセンターにおいてこういう非常配備態勢をつくっていくと。そこに本庁も含めた職員が全部集まってくるようにする、本庁は最小限に抑えるということであります。今後そういうふうに進めていくということでありますが、この検討案でも言われているんですが、やはりこれらを指揮するためにも、出張所・
まちづくりセンターそのものを課長級の組織に格上げすることが必要だと思うんですが、その辺はいかがでしょうか。
◎太田 地域行政担当課長 委員御指摘の点につきましては、平成二十五年度から総合支所に副参事を設置し、地区情報連絡会や地区防災対策の取り組みを推進するとともに、出張所・
まちづくりセンターの所長の事務を取り扱い、区政の第一線での職責も果たしているところでございます。また、平成二十六年度以降、地区における福祉的環境整備等に向けたモデル事業の実施など新たな環境を整えるためにかかわり、次につなげていく際に積極的な取り組みを担う役割が期待できることから、この体制を基本としつつ、区民が暮らす地区の強化に向けての取り組みを推進してまいりたいと考えております。
課長級職場とすることにつきましては、組織的継続性の点より、これらの状況を見定めてまいりたいというふうに考えております。
◆桜井稔 委員 もう時間がありませんので、本当は相談機能の充実の部分も聞きたかったわけですが、間に合いません。
それで、ぜひ相談機能も含めて、出張所・
まちづくりセンターでの人をふやしていく。さっき役割のことも言いましたけれども、課長級に引き上げるというのもありましたが、人をふやしていくことが、防災にしても、この相談機能にしてもすごく大切なことでありますので、ぜひその方向で検討していただきたいと要望しまして、終わります。
○畠山晋一 委員長 以上で日本共産党の質疑は終わりました。
────────────────────
○畠山晋一 委員長 続きまして、世田谷民主党、どうぞ。
◆中村公太朗 委員 よろしくお願いいたします。
まずは債権管理重点プランについて、税の徴収について聞いていきたいと思います。
平成二十六年度の当初予算案概要ということで、一番最初に、我々議会にも配られる中身の詰まった概要版でありますけれども、ここに行政経営改革の取り組みということで、行革が始まって以来、毎年効果額ということで、一年一年行政のほうの努力ということが記載されていくわけです。行革に注目をする議会としても、ここをまずは見て、足りないところはこうした予算等で話を聞くし、不明な点は聞いていく。率直に評価するべきは、この金額の積み重ねを評価すべきだなと思っている、すごく注目をされるところなんですけれども、二十六年度に向けては見直し効果額が十八億四千六百万円ということであります。
その一番下のところに、債権管理の適正化と収納率の向上ということで二億二千六百万円が計上されています。特別区民税の収納率の向上と国民健康保険料の収納率の向上と。福祉保健委員会で国保の収納率のここの部分で幾ら見直し効果額ですかと聞いたときに、七千万円ですということの答弁がありました。なので、残り区民税ということでは一億五千万円ちょっとという金額になるんですけれども、これが果たして二十六年度の見直し効果額ということでいいのか、まず確認をいたします。
◎竹花 納税課長 そのとおりでございます。
◆中村公太朗 委員 福祉保健委員会のときに、これまでやってきた中でどうやって徴収強化をするのかと聞きましたら、来年度に向けては差し押さえを強化するんですと。議論はあると思いますけれども、来年は一件平均大体六十万円ちょっとのものを百件ちょっと強化して頑張っていきたいんだということで、七千万円ぐらいの見直し効果額ということで目標に据えさせていただきましたということだったんですが、特別区民税の一億五千万円はどうやってふやしていくつもりなのか教えてください。
◎竹花 納税課長 納税課といたしましては、一つの方法を重点的に進めることだけではなかなか徴収効果に結びつかない面もあり、徴収強化を進めるためには、滞納者に対する財産調査、差し押さえ、捜索、換価など、滞納整理の手法をバランスよく効果的に組み合わせて、総合的な対応が必要であると考えております。
そこで、来年度に向けて具体的には財産調査を徹底して、財産が判明し、自主納付が見込めない場合は差し押さえを実施する、迅速に差し押さえ財産を換価する、場合によっては追加の差し押さえ等を実施する、不動産の換価に当たっては東京都合同公売やインターネット公売を活用する、不動産の任意売却や不動産担保ローンによる自主納付を進める等のさまざまな取り組みを着実に進めることによって徴収強化を図ってまいりたいと考えております。
加えて、平成二十六年度は新たな取り組みとして、区外の遠隔地に転出した滞納者に対する実態調査を委託により実施することを予定しております。また、滞納繰り越し分を圧縮するためには、現年度の徴収強化も必要不可欠だと考えております。
納税課では、昨年四月に組織改正を行い、現年度の徴収体制及び財産調査体制の充実を図ってまいりました。この新体制を生かして、現年度分滞納整理の早期着手による収納率向上を行い、現年度の滞納を減らすことによって、翌年度滞納繰り越しとなる額も減らしてまいりたいと考えております。
◆中村公太朗 委員 今るる述べていただいたんですけれども、恐らく手法に関しては、これまでやってきたことだし、これまで聞いても最大限やってきましたよということの延長線のようにしか聞こえないんです。
まずお伺いしますが、この一億五千万円というのは、現年徴収で幾ら、滞繰分で幾らという目標がされているのかということと、今言ってきていた手法で、それぞれの手法で、これまで以上にどれぐらい来年度は頑張りますよ、それが積み重なって一億五千万円という数字になるわけですから、その根拠を教えてください。
◎竹花 納税課長 一億五千万円につきましては、滞納繰り越し分の二十五年度と二十六年度を比較した効果額でございます。それで、どういう積み上げかということにつきましては、今までの実績に基づきまして約六千件について、今までより徴収強化を図っていきたいということで出した数字でございます。
◆中村公太朗 委員 決算が起きて、まだこれは年度が閉まっていませんので、二十五年度の数字はこの債権管理重点プランには載っていないんですけれども、目標値ということでいきますと、二十六年度は滞繰は二七%を目標だというふうに書いてあります。
ちなみに、決算ベースで言っているんでしょうけれども、まだ二十五年度は出ていませんので、二十四年度は二六・七%だったんですね。だから、二十五年度を飛ばしていますので、二十五年度がどれぐらいになるかわかりませんけれども、〇・三%の目標、実績に対する目標の数値設定ということなんですが、この結果が一億五千万円ということでいいんですか。
◎竹花 納税課長 そのとおりでございます。
◆中村公太朗 委員 そう考えますと、現年徴収の分もそうなんですけれども、金額ベースで積み上げることが果たして本当に正しいのかというところも出てくるんです。というのは、二十四年度の現年徴収は九七・九%取っているんですよ。金額ベースでいくと一千億円が、区民税のその年、二十四年度に入ってきた、取れた金額。それが九七・九%が二十六年度だと九八%、〇・一%しか変わっていないんですね。目標としては、果たしてこれは高いのかと言えるところだと思うんですが、金額ベースでいくと、税収が上がると見込んでいますけれども、五十億円変わるんですよね。
例えば、これは五十億円見込み額ですって、さもすごく取り戻しましたよと言っても、実は目標は全然変わっていなくて、パーセンテージでいけば現状維持という状況になるわけですから、今景気が上がっていっていると、本当に上がっているかどうかわかりませんけれども、二十六年度以降というのは収入額でも相当見込んでいるわけですので、果たして一億五千万円というのがどれぐらいの金額になっていくのか、果たしてそれだけできるのかどうかというところもあると思うんです。
実際、この予算編成概要案の行革の取り組みの見直し効果額というのは、これまで基本的に歳出のカット、これはわかりやすいんですよ。予算を組むときに、これはもう使えませんよということですから、そのまま予算枠から減るわけですから、削ってスタートをするわけですけれども、この歳入のほうの効果額というのはまだわからないわけですので、見込み額という中で一年間経過をして、結局入らなかったねということになると、またすごく補正を組むのか、流用するのかわかりませんが、その分見込んでほかのサービスをやってきたときには、それにまつわる対応をとらざるを得なくなってくると思うんです。
こうした見込み効果額ということで、一番メーン、目玉と言っても過言ではないこの行革の取り組みのところに、こうした歳入の部分を取り上げるということは、果たして適正なのかどうかという認識を財政課に聞きたいと思います。
◎中村 財政課長 予算説明書のほうに行革の取り組みを掲げさせていただいております。お話にありましたとおり、これまでの行革の中心は歳出のカット、事業の廃止ですとかそういう形で進めてまいりました。一つにはわかりやすい形ではありましたが、今後はそれだけではなくて、これまでも進めていますが、税外収入の取り組みですとか、債権管理の強化とか、各部でプラスの部分もできるところから積み上げて、今回、行革の取り組みとして効果額を出させていただいたところです。
◆中村公太朗 委員 いずれにしても、区民税だけで毎年五億円、六億円程度の不納欠損が起きていって、結局、逃げ得になってしまっているというのがこれまでずうっと続いてきているわけですから、今、特に目新しいものはないんだろうなというふうに捉えましたけれども、ぜひ新しい手法を駆使していただいて、もちろんこれまでやってきたものはよりベースアップをしていただいて、いかに景気がよくなろうが何だろうが、この税金の本来払うべきものは払ってもらうと。もちろん払う対象の方はどの線引きがいいかというのはまた別の議論ですけれども、今ルール上、払わなきゃいけない義務のものに関しては徹底的に取っていかなければいけないと思っています。
こういった際に、必ず結果を残す上でも傾きがちなのは、やはり高額な滞納者、一件が高額なところから取り立てに行きやすくなってしまうし、それは結果が一件取り立てられれば金額も大きいわけで、そっちに行きがちなんですけれども、仮にそういった手間をかけても、もしかしたら赤、百万円取り戻すのに百十万円かけたら実際はマイナスになるわけです。しかし、払わなきゃいけないんだよ、ちっちゃいからといって逃げるのがお得なんだということを許さないためにも、そういうことは徹底してやっていくべきじゃないかなというふうに思っていますので、改めて年間を通しての取り組みに期待したいと思います。
次に、代表質問でも触れましたけれども、区にある区有地を駐車場に貸しているというケースの中で、民間の駐車場会社さんがもちろん運営をするに当たって、設置をする料金の精算機だったり、板を上げ下げしたり、もちろん車どめ等を設置するわけですが、地域のイベントごとがある際には、それを毎回撤去して、イベントが数日間で終わった後に再設置するというような条件つきで入札を行って、その結果、なかなか厳しいよということで、事業者の数も減る。実際はそれを再設置するための金額というものは、もちろん応札してきた業者さんというのは見込んだ上で金額を入れるわけですから、税外収入の面でもマイナスになっているんじゃないかということを代表質問ではさせていただきましたけれども、まずこの件について状況を教えていただけますか。
◎笹部 計画担当課長 駐車場としての利用でございますけれども、現在、区では道路代替地では十カ所、道路予定地では一カ所を区営式の有料駐車場として活用してございます。この中で、道路予定地の一カ所につきましては駅前広場の中にございまして、十七年度から地元でオープンスペースとして活用してございました。地元の団体等からの御要望を受けまして、地域のイベントで使うときには着脱式のフェンスですとか車どめについて撤去と取りつけを特にお願いするような条件をつけまして道路占用をしてございます。
当該事例でございますけれども、この条件で事業者の募集を行ったところ、五事業者から応募がございまして、占用料としましては上減額いっぱいいっぱいで契約しているというような経過がございます。
◆中村公太朗 委員 道路予定区域になった今回の当該のところというのは、契約上、年間三十日間閉鎖をするという契約で、もう一件、道路代替地のほうは年間十四日間、区が使用という予定で契約をして、その期間は区が商店街に有償で貸し付けをしているということです。こちらのほうに関しては、イベントごとに対しては有償ですから、区としてはマイナスはありませんし、そもそも契約自体、区が十四日間使用しますよということになっているということですし、片方は撤去は必要がない状態になっているということなんですね。こっちの三十日間のほうは、先ほど言った撤去も生じますし、一方で、あいた期間に関しては無償で貸し出しをしている、それ以外の期間に関してはということですよね。
これは三十日間、一時閉鎖という契約になっているんですけれども、年間延べ三十日間ですから、この三十日間の間で何回イベントごとが入ることになっているんですか。
◎笹部 計画担当課長 契約では年間三十日間と想定してございますけれども、昨年の九月から契約をしてございまして、現時点までで九日間、地域のイベントとして使っているところでございます。それで、一昨年度、二十四年度、契約はしてございませんけれども、地域のイベントとして使ったのが大体十七日間というふうに聞いてございます。
◆中村公太朗 委員 ごめんなさい、期間じゃなくて回数、飛び飛びになると思うんですけれども、その回数を聞いているんです。
◎笹部 計画担当課長 イベントの状況でも違うんですけれども、一回一日であったり三日であったりというふうに聞いてございます。
◆中村公太朗 委員 事前に話を聞いていますから言いますけれども、大体十七日間あって、それは四回に分かれているんですよね。そうすると、ここで契約している事業者は年間で四回撤去して五回設置しなきゃいけないんですよ。その費用というのが、恐らくその費用がかかる部分というのは見込んだ上で入札を出してきているわけですから、区としてみれば、その金額は取りっぱぐれたということにつながるわけですよ。
さらに、この土地はどういう経緯かわかりませんけれども、ほかの土地ではそのイベントごとというのは有償で貸していますけれども、無償で貸し付けていると。全てがマイナスになっているということだと思うんですね。これまでの使用状況から考えて、もちろん地域とのかかわり方もあると思うんですけれども、でも、そういう意味でいえば、今現在、そういう区のイベントごとで場所を貸しているようなところというのは、今後そういう税外収入確保のために駐車場にする際には、必ずそういう条件がついて回ってしまわざるを得ないような気がするわけです。
この間、宮崎さんは見込みのマイナス損失というのは計算されていないということだったと思うんです。もちろんなかなか難しいところはあると思いますけれども、マイナスというか、本来取れる税外収入が失われていることは間違いないわけですね。だから、こういう条件というのはやはり一つ一つ見直していかなければいけないと思います。
これからやはり税外収入確保、では、今景気が上がってきたから税外収入の確保をやめていいのかということでもないと思いますから、それだけ入ってくれば、ほかのサービスにも使えますと。まだまだ足りていないサービスはあるわけで、お金はあっても、ないよりあったほうがいいわけですから、予算というのもそうやって組んでいくためには、税外収入というのは、これからも努力をしていかなきゃいけないと思うわけです。
ちなみに、現在、空き地になっていて、今後駐車場にすることが可能かどうかという土地の件数はどれぐらいあるかわかりますか。
◎笹部 計画担当課長 現在、区で保有している土地で、土地の本来目的で使っていない土地が三百三十三カ所ございます。その中で暫定的に有効利用しているものが約百二十四カ所ございます。今回のように駐車場として活用しているものが、道路代替地、道路予定地、まちづくり用地、そのほかで十七カ所ございます。それで、現在、ほかの土地でございますけれども、例えば防災倉庫で使ったり、資機材の置き場で使ったりということでもって、それぞれ活用しているというふうなことでございます。中には駐車場として使う予定で交渉はしましたけれども、地域のほうと調整中というところもございます。
◆中村公太朗 委員 多分まだ空き地はあると思うんですよね。聞けば、今探している税外収入のための土地の探し方って、各所管にどこかないですかといって投げているんですよ。それを吸い上げて、ここに今十件が制約をしているということなんですけれども、聞けば、やはり所管に投げて、結果待ちだけなんですよ。はっきりいえば、所管なんて、所管なんてと言ってごめんなさいね。それを拠出しようがしまいが、自分たちの予算が変わるわけじゃないんですよね。そこで税外収入が入ったから、では、一部をもともと所管の部署に予算で割り当てますよというわけじゃなければ、自分たちの仕事が忙しくて、そこまで応えられませんよ。
ということは、やはり統括的に率先してそういう土地を探すような、いわば部署任せにしないで、オール世田谷の今持っている土地を探していくような、そういう指揮命令系統が必要だと思うんですけれども、現状はないんですよねという確認をします。あるかないか、お願いします。
◎笹部 計画担当課長 十八年に公有財産の有効活用指針というのをつくりまして、こちらのもとで公有地に対する情報の一元管理をしてございます。土地バンクという仕組みがございます。
◆中村公太朗 委員 その土地バンクで今の空き地を精査した結果、では、残り何件あるんですか。件数だけお願いします。
◎笹部 計画担当課長 全体で昨年の四月現在で百三十三カ所ございまして、その中で今百二十四カ所でもって暫定利用をしていると。その他の事業については、売却の交渉中であったり、極小地であったりというふうな状況でございます。
◆中村公太朗 委員 駐車場に可能な空き地に特化して今お話をしているんですけれども、その土地バンクが精査をして、空き地を駐車場に利用可能で、これから交渉に入るというところは何件あるんですか。
◎笹部 計画担当課長 全体の数でございますけれども、百三十三カ所の内訳でございますが、土地の本来目的を達成し終えた土地で、これから配置しようとする土地が全部で八件でございます。それから、将来にわたりまして行政目的が見込めないような極小地などが四件でございます。それから、使用目的に応じて用途に供するまで一定の時間が一年以上かかるという土地が全部で二十九件、それから暫定利用している土地が百二十四件でございます。
◆中村公太朗 委員 時間がなくなりました。終わります。
○畠山晋一 委員長 以上で世田谷民主党の質疑は終わりました。
────────────────────
○畠山晋一 委員長 引き続きまして、無所属・世田谷行革一一〇番、どうぞ。
◆大庭正明 委員 きょうは、代表に続いて庁舎の質問をしようと思っているんですが、その前に、昨日の桃野委員の質疑で、学校給食の放射能検査についてですが、これは所管が違うので、あくまでも予算審議、企総関係の範囲でお伺いしますけれども、学校給食の放射能検査の新年度予算が二百三十万円削られているという事実があって、こんな時期に削るのはおかしいだろうというふうに私どもの会派は思っているわけです。
それに対し、昨日、区長は答弁で、検査のメニュー項目については単品検査を追加することについて検討を指示したという答弁をされているわけです。私はそれを聞いて、この人は本当に予算審議の意味さえわかっていないんじゃないかなと。これは年度途中じゃないんですよ。予算審議の初っぱなからここに書いてあることと違うことの検討を指示したということを言われているわけですよ。それはどういうことなんですか。
それで、慌てて宮崎部長が答えたのは、区長はあくまでも予算追加の検討を指示しただけで、今現在あるのは、有効なのは二百三十万円を削った予算が有効なんだということをフォローして言われたわけです。もちろんそれはフィックスされて、固定されたものがここに出てきて、これ以上もうありませんと。これ以上一円でも多くもありませんし、一円も低くありません、どうぞこれで議会に対して御審議くださいというのが予算審議のあり方ですよね。それを区長みずからが内容を変えるような、予算金額を変えるような発言をしている、また指示されたということなわけです。
では、それを検討するといっても、それで検討した結果、いつわかるんですか。この二百三十万円削った予算はここにあるわけですよ。それで、二百三十万円削らない予算も検討を指示しているというふうに答弁したら、それはどこに行っちゃうんですか。
◎宮崎 政策経営部長 きのう、区長のほうはそのような御発言がありましたけれども、結局、単品検査の有効性ということの考え方を一つは述べられておりまして、その中で、所管のほうにその有効性について指示をされているということですので、昨日も申し上げましたように、現時点で当予算審議をいただいていますが、これについて変更するという発言ではないと理解しております。
◆大庭正明 委員 そうすると、きのう聞いたニュアンスと随分違うわけですよ。区長はいかにも、要するに単品項目をお米以外にもふやしましょう、そういうことの検討を指示したということなんですよ。指示した結果、検討することになったら、内容が違うわけですから、この予算は書きかえるということにつながるわけですよ。その現時点ということはどういうことなんですか。その区長の言っていることというのは食言だということですか。要するにまやかしの答弁をしたということですか。
だって、できないことを、今、宮崎部長は、要するに現時点ではというのは今ですよね。多分予算委員会中だと思うんですけれども、二百三十万円減って、今年度と比べて検査の頻度を下げるというのがここに載っかっている予算案なんですよ。それに対して区長は、いかにもそれとは違った形の、もう少し単品項目をふやしましょうかみたいなニュアンスで答えているわけです。でも、それはしないわけでしょう。またはできないんでしょう、できるんですか。区長はそういうふうにきのう答えているんですよ。検討を指示しているというのは、部長も答えたじゃないですか。そうしたら、検討した結果、やりますと言う可能性はないんですか。
◎宮崎 政策経営部長 きのう申し上げていましたように、まずは今回の回数を落としたことに対し、単品を入れていることによって一応その部分についてはフォローしているということ。それから、申し上げたことについては、緊急にもし何かの対応をしなきゃならないことについての確保もしていますということ。さらには、二月二十八日、三月三日の委員会での報告も受けておりますので、その中で単品に対する効果ということも報告を受けていましたので、それについて有効性について指示をされているという理解でして、この結論が、確かにおっしゃるように、この委員会中の部分なのか、委員会の後になるのかということによっては、我々も実務方として判断しなきゃいけないかもしれません。
ただ、現時点ではそこまでの部分についての指示をいただいていませんので、そういう意味では、今、予算の部分について御審議をいただきたい、こういう趣旨でございます。
◆大庭正明 委員 検討を指示されたって、部長も認めたじゃないですか、指示されているんでしょう。ということは、委員長、もしこれを検討した結果が、要するにすることになったといった場合は、別の予算書ということになるわけですよ。我々はどっちのほうを見て予算審議をすればいいのかわからないわけですよ。区長は検討を指示したと。検討の結果はやるとなったら、今、宮崎部長が認めたように、事務方としては準備をしなくちゃいけないということでしょう。準備をしなくちゃいけないということは、実務的には予算を修正するなり、補正をもう一回出し直すなりということにつながるわけですよ。我々はどっちを、きのうの区長発言から片っ方、それが今宙に浮いているんですよ。(「出てきてからでいいじゃない」と呼ぶ者あり)出てきてからじゃないんですよ。我々は組み替え動議を出すということを宣言しているんですよ。どっちなのかによって、組み替え動議を出せるか出せないか、わからないじゃないですか。(「出せばいいじゃない」と呼ぶ者あり)出せないですよ。修正するというんだったら。修正案が出るとすれば、組み替え動議は出せないんですよ。
◎宮崎 政策経営部長 昨日の御答弁に近いんですけれども、現時点で我々のほうから修正をするという意図はないという趣旨で申し上げました。昨日の時点ですし、今時点でもそうですけれども、そういう意味でいえば、現予算の部分について御審議をいただきたい、こういう趣旨でございます。ただ、この結果が出てきた段階で、昨日申し上げました二十六年度に入ってその結論が出て、仮にですけれども、対応しなきゃいけないという状況になりましたら、私たちに認められている範囲で、例えば流用という言葉を使いましたが、そういう対応をしていきたい、このようなことを申し上げました。
◆大庭正明 委員 きのうの区長発言というのは非常に誤解を招きやすいような発言だと思いますよ。要するにやらないんでしょう、やれないんでしょう。これは委員会での説明のとおり二百三十万円減らす、それで頻度を減らす、そういう予算であって、これを執行するということを世田谷区としては思っていると。それに対して区長は、それから随分揺らいだような発言を、いかにも何かしそうな、そうじゃありませんよ、もっと当初からやりますよみたいな発言、検討を指示するみたいな発言をしているわけでしょう。これは責任問題ですよ。そんなことを言われたら審議できないじゃないですか。どっちかなんだから。(「言っていないよ」と呼ぶ者あり)言っているんですよ。きのうの発言録でちゃんと言っているんですよ。私はちゃんと確認しているんです。言っていますよね。(「言っている、言っている、聞いている」と呼ぶ者あり)
◎宮崎 政策経営部長 このような言い方をしています。これは他会派の御答弁に対してですけれども、例えばという言い方で、学校給食について米以外にも、いわばその単品でチェックをかけるということがもう少し工夫してできないかということを今相談しているところです。私の考えです。そういうことを申し上げております。
◆大庭正明 委員 だから、そういう発言をこの委員会の場でやっているわけですよ。そうすれば、そうなるのかなと思えば、それで桃野委員は、では、そういうふうに変えるんだったら、予算の裏づけはどこにあるんだということを尋ねたわけですよ。そうしたら答えられなかったんですよ。
だから、区長みずからがこういうような審議を惑わすような発言をしていいのか、僕は非常に責任問題だと思いますよ。できないというんだったら、我々はちゃんと動議を出しますよ。今の宮崎部長の答弁が区としての正式な見解でいいんですか。
◎板垣 副区長 先ほども宮崎部長が答弁しましたように、区長においては単品検査についてさらに工夫ができないかというようなことの指示をしております。先ほど来言っていますけれども、現予算の審議をしていただいているわけですので、そこに、きのうの答弁もいつということを言わなかったことが一つ、そういう大庭委員の質問になっているんだと思いますが、現予算に影響を及ぼすという意味で、その期間中にその結論を得るということではなくて、二十六年度に向かいながら、二十六年度の中でいろいろ食材の、どういう食材を単品追加したらいいのかどうかというのはその中で検討をしていくということでございますので、あくまでも現予算について御審議をいただきたいということでございます。
◆大庭正明 委員 ちょっと時間がないので、新庁舎問題に移ります。
ここに掲げたのは、昨年の十二月二十日の日経新聞の特集で、マグニチュード七・三級の首都直下地震の新被害想定であるということなんです。私、いつもこういうのを見るときに、地図が震源地というのはほとんど世田谷区の下の大田区のあたり、世田谷と大田のところで、これは南のほうを震源と想定した場合の最大の被害想定だということで出ているわけです。
それで、私がいつも気になるのはこの被害想定の地図なんですよね。一体世田谷区はどの辺なのかなということをいつも僕は考えて、それで調べてみたんです。そうしたら、中央防災会議のほうで今出しているんですけれども、中央防災会議のほうでは被害想定をちゃんとこうした図で出しているんですね。こういう形で明確に出しているんですけれども、これでもいま一つ場所がわかりにくいということなんです。これはGoogleの地図を重ねて見たんです。
そうするとわかるんですけれども、これは延焼地帯なんですが、この中でわかるのは、世田谷区はほとんどこの火災の主要部分を占めているんですよ。これは代表質問でも申し上げましたけれども、今度の首都直下による災害の一番多いのは世田谷地域。もっと色が濃いのは、杉並のこの辺が一番かなり防火地帯というか、すごく火が激しくなる。
それで、世田谷はかなり広範囲にわたって火災が広がると。今回の首都直下の被害というものの何分の一かは世田谷地域、または杉並地域で起こるだろうというふうに、中央防災会議は想定しているんですよ。
さらにこれを拡大すると、世田谷区は真っ赤っかなんですよ。それで、この真ん中のところ、一応世田谷区役所は延焼を逃れるわけです。こういう形なんです。(「燃えないじゃない」と呼ぶ者あり)だから、周りが燃えるんですよ。
今回私が申し上げたいのは、こういうような知見というのは、これは去年の十二月十九日に中央防災会議から新たなデータとして出ているわけです。このまとめはことしの三月、今月中にまとめが出て、ワーキンググループで出した被害想定なんです。
ですから、火災に備えなくちゃいけないということとか、もしくは平成二十四年の四月に東京都の地域防災計画の修正が行われているんですね。これはもちろん東日本大震災、三・一一以降のいろいろな知見を入れて修正しているわけです。
今回の新庁舎を建てる場合も、やはりそういう条件をいろいろ取り入れて、教訓を取り入れてつくるべきだということを申し上げているわけです。
総務部長がお答えになっているわけですけれども、なぜか区長はこの問題に答えていないんですね。三月五日に記者会見が行われました。三月五日の記者会見でも約三十分間の記者会見のうち、ほとんど新電源の話ばかりで、新庁舎に対する区長の説明は二分間、ほとんどないようなものです。それで、記者が新庁舎について質問をしたら、区長が真ん中に立っていて、記者会見で区長に対して質問しているんですけれども、区長は答えなかったんですよね。質問をしたら、総務部長どうですかと、すぐ総務部長に振っていたんです。僕はこういう形で本当に新庁舎ができるのかどうか(「そういう問題」と呼ぶ者あり)これはそういう問題なんですよ。
実は私、昭和六十三年の三月十五日、予算委員会の企総で、この席に私は座ってこういう質問をしているんですね。第一庁舎に限定して、その耐用限度においてお伺いしたいと思います。要するにその当時考えても、第一庁舎はどれぐらいもつんですかと。いずれにしても、いつか第一庁舎の建てかえの時期が来ます。そういうことについてどう考えているんですかというふうに僕はこの場所で問うているんです。そうしたら、そのときの総務部長が成富さん。御存じの方がいらっしゃるかどうかわかりませんけれども、成富総務部長がこういうふうに答えているんですよ。私ども、これから十年くらい先をめどに、けさほども助役が答えたように庁舎の建てかえについて検討に入っております。
それから、平成元年の十一月にも、当時の佐野助役が、本庁舎の建てかえにつきましては、本会議でも御答弁申し上げましたように十年ぐらいはかかるだろうと思っております。これでいくと、恐らく平成十年ごろには新庁舎は建っているはずだったんですね。
今回の区長が記者会見で述べたことは三つあるんです。新庁舎の位置は現在地とする、規模は最低で四万五千平米、十年後をめどに竣工する、僕はこれを聞いて、またかと。もう二十六年前に十年後につくるというふうに、当時の区幹部は言っていたわけですよ、区のトップも含めてね。でも、結局できなかったんです。これは新庁舎をつくるというのは大変なエネルギーと大変なトップの意気込みがないとできないんですよ。
それで、さらにそれから時間がたっていろいろな地震の問題がかなりクローズアップされたわけですよ。昭和六十三年当時というのは、まだ都庁舎も丸の内にあって、まだ新宿の新しいビルができる前ですよね、平成三年に移転したわけですから。その意味からすると、地震とか耐震だとか、阪神・淡路は当然起きていませんし、東日本大震災もない、地震に対するいろいろな学術的な研究データも出ていなかった。でも、これから新庁舎を建てるとすれば、少なくとも百年ぐらいはある程度対応できる、どんな災害、自然災害とか地震とかというのにも対応できるようなものをつくらなければ、つくった意味がないでしょう、一番最後につくるわけですから。ましてや、単なる今の庁舎のリニューアルだけだったら、それは全然意味がないですよ、防災に特化した庁舎をつくらなければ。
それで、今回四万五千平米だというんですけれども、四万五千平米というのは、単純に総務省が出している、もう廃止になった起債の条件に当てはめてみただけの面積でしょう、答えてください。
◎長岡 庁舎計画担当課長 今お話にありました四万五千平米につきましては、委員おっしゃるとおり、総務省の旧地方債事業費算定基準によるものでございます。
◆大庭正明 委員 それの起債の条件というのはもう外れているんでしょう。要するに自由につくれると。それでも起債とかそういうものはおりますよというふうになっていますよね。だから、財源的には四万五千平米に別にこだわる必要はないわけですね。どうなの、うんとかすんとか言ってよ。
◎長岡 庁舎計画担当課長 おっしゃるとおりで、二十二年度までは国から見たときの延べ床面積の上限というのはあったんですけれども、二十三年度に廃止になりまして、起債を申請するときにはその上限というのは外れて、区のほうの判断で申請はできるというふうになったと認識しております。
◆大庭正明 委員 それで、今回の四万五千平米というのは、これは平成十六年から平成十九年にわたって、代表質問でも述べましたけれども、要するにその当時の、東日本大震災が起きる前までの研究のデータをそのまま写した数字ですよね。これに加えた発想というのはあるんですか、総務部長、またはどっちでもいいや。
◎萩原 総務部長 防災ということで、特に三・一一以降、庁舎に対する役割というのは高まっていると思いますので、その当時と全く同じということではなくて、やはり災害対策本部機能をより充実、的確に発揮できるような庁舎ということは常に意識しているつもりでございます。
◆大庭正明 委員 だって、四万五千平米、全然足りないじゃないですか。足りないといって、今回新しく出た、先月出た調査報告書の中では、世田谷総合支所と区民会館ホールをどこか別の地点に移すというようなアイデアも考えることになっているんですけれども、土地はありますか、土地はもうないでしょう。
本当は前回のときの項目の中で土地の検討では上用賀四丁目が入っていたんですよ。上用賀四丁目は、地元で要望が出ちゃって、区もそれに応えるみたいな形で、あそこは使えなくなっちゃいましたよね。では、この四万五千平米をはめ込むにしたってどこにはめ込むんですか、分離する土地なんかないじゃないですか。
◎長岡 庁舎計画担当課長 まず一つ初めに、四万五千平米という形で方針案の中で示させていただいていますが、調査研究のときも機能面から積み上げた六万平米という試算もしております。現在のこの場所に仮に全部壊して建てかえるということになれば、六万平米以上までは建てることは可能です。ただ、委員おっしゃるとおり、もし区民会館をどこかに持っていくとなったときに、どこか場所がありますかと言われたときに、現段階としては今具体の場所というのはございません。
◆大庭正明 委員 だから、要するにつくれないんですよ、そんな持っていく場所がないから。では、全部潰しちゃったら、全部機能がないじゃないですか。一つを潰して、また仮庁舎をつくって、順々につくっていくというやり方しかつくれないじゃないですか。だって、あいている土地がないんだから、つくれないわけでしょう。逆に言うと、そこの問題を解決するんだって十年かかっちゃうんですよ。
もっと私が言いたいのは、六万平米じゃ足りないですよ。今、ここは二万八千平米なんですよ。二万八千平米で、最低でも四万五千平米といった場合、一・六倍ふえるということを区は言っていますよね。その一・六倍ふえるということはどういうことなのか。
これを見てください。一・六倍にふえても一人当たり十四・二平米なんです。千代田区は四十三・九平米、練馬区が二十九・六平米、足立区が四十五・七平米、文京区が五十九・五平米なんです。これは最近できたばかりのものを挙げているんですね。
これは四万五千平米でも二十三・三平米で、今常識的に言われているのは、都心ではほぼ四十平米以上は必要だろうというのが常識なんですよ。これは災害の、例えばボランティアを集めるとか、ボランティアの集積場所だとか、支援が来るわけですから、そういうところもあるわけです。そういったときにどこに置くのか、どういうふうにするのかということを考えたら、少なくとも四十平米以上はなくちゃいけないわけです。
それで、四万五千平米で二十三・三平米ですから、これを倍にして、四十六平米ぐらいにすると九万平米、大体九万平米前後は必要になってくるんですよ。ここは底地の面積は二万一千平米で容積率は三〇〇ですから、先ほど言われたように六万平米しかできないんですよ。人並みの庁舎にするためには、普通並みのものにするには、それでも三万平米足りないんですよ。どうですか、十年でできるんですか。
◎萩原 総務部長 しっかりと検討して、いい庁舎をつくっていきたいと思っております。全力で頑張ります。
◆大庭正明 委員 無責任な答弁はやめてくださいよ。これは幾らかかると思っているんですか。これは変なものをつくったら税金の無駄遣いの最たるものですよ。何でこんなのつくったんだって百年間言われますよ。とにかく普通の二十三区の平均並みのものをつくらなければ、税金の使い方として、世田谷区民に怒られますよ。
もう時間がないからこれ以上言いませんけれども、今のこのずさんな考え方で十年後になんかできるわけないじゃないですか。もっと真剣に考えるべきですよ。災害はあすにもやってくるかもしれないんですよ。あすだったら手おくれだけれども、とにかく真剣に、真剣みが足りない。これは区長にも言ってください。区長の答弁もおかしい。
以上で私の質問を終わります。
○畠山晋一 委員長 以上で無所属・世田谷行革一一〇番の質疑は終わりました。
────────────────────
○畠山晋一 委員長 引き続きまして、無党派・緑、どうぞ。
◆木下泰之 委員 パブリックコメントについてお聞きします。
区民意見提出手続実施基準を読みますと、パブリックコメントは、これは全文掲載しなければいけないというふうにしか読めないんですけれども、これはなぜ要約して掲載したり、細切れにして掲載したりしているんでしょうか。
◎小澤 広報広聴課長 パブリックコメントは、区政への区民参画の促進や区政の透明性を図ること、また、区と区民との協働による開かれた区政運営を実現することを目的に実施しているものです。御意見をいただく施策の趣旨等を踏まえまして、全文で掲載するのか、または整理、分類して掲載するのかにつきましては適宜判断し掲載しております。区民に公表する観点に立ちまして見やすくわかりやすい、そういった公表について引き続き努めてまいりたいと考えております。
◆木下泰之 委員 さっき、実施基準に照らしてどうなのかと聞いたんですね。これを国の法律、これは国の法律で決まっているんですけれども、自治体は準じてつくれとなっているんです。それで、国のほうの法律を読みますと、要約でもいいことに一応はなっています。結果の公示等、第四十三条の二に「命令等制定機関は、前項の規定にかかわらず、必要に応じ、同項第三号の提出意見に代えて、当該提出意見を整理又は要約したものを公示することができる。この場合においては、当該公示の後遅滞なく、当該提出意見を当該命令等制定機関の事務所における備付けその他の適当な方法により公にしなければならない。」となっています。つまり例外として要約でもいいけれども、その際には提出した意見については読めるようにしておけ、そういうふうになっているんですよね。これは世田谷区はどうしていますか。
◎小澤 広報広聴課長 世田谷区の場合は、今、パブリックコメントの意見提出につきましては、区民意見提出手続実施基準というものを定めておりまして、こちらの第八条に区民意見等の公表というふうに記載されております。内容については提出された意見等というふうに書かれておりますが、今委員御指摘のとおり、行政手続法の第四十三条では整理または要約したものを公示することができますというふうに規定されております。こういった規定も含めまして、世田谷区として、先ほど申し上げた区民に公表する観点から、どういった公表が適切なのかという観点から、全文にするのか、また、整理分類して概要として公表するのか、その辺について規定も含めて考えてまいりたいと思います。
◆木下泰之 委員 答えたことにちゃんと的確に答えてくださいよ。つまり、実施基準は最初から出しているんですよ。実施基準は最初から出していて、世田谷区はなぜ全文について公にできるようなことにしないのかと聞いているんですよ。
それで、これはすごく大事なことなんですよ。パブコメ自体が行政手続法の中に入ってきたという経緯は、これはアメリカからの要請が一つあったこともありまして、それでつくられているということから、かなり厳しく手続が定められているんですよ。それで、むしろ国のほうが積極的に全文公開をやっています。それができない場合には公にするような手だてをとっているわけですね。
だから、区民にわかりやすいようにというのは本末転倒であって、パブコメというのは、専門的な意見を有する人も含めてそれを公表して、政策がつくられる過程でそれがいかに反映されているのか、あるいは反映されなかったのか。それで、後でいろんな問題点もきちっと検証できるようにするためには、そういったパブリックコメントを全文公開することが必要なんですね。例えばアメリカでは、一九四六年に米国行政手続法ができていて、ノーティス・アンド・コメント手続と言います。六十日間の意見公募も入れているわけですよ。
国でも三十日なんですね。世田谷区の場合は三週間ですよ。これは非常に短い期間だと思いますけれども、この期間についてはどう考えていますか。
◎小澤 広報広聴課長 パブリックコメントの意見募集の期間につきましては、区民参画の機会を十分に確保する観点から、やはり一カ月程度が望ましいというふうに考えております。しかしながら、計画等の策定スケジュールとか、あと、そういったことで一カ月を確保することが難しいケース、そういったことも想定しまして、区民意見提出手続実施基準の中では公表の日から少なくとも三週間後とすると定めて実施しております。
◆木下泰之 委員 大体自治体がこの種のものでは先鞭をつけて、国よりも公開の度合いとか丁寧にやるということが今まであったわけだけれども、完全に逆になっているんですね。
それで、実施基準をつくっておきながら、この実施基準を読めば、どう考えたって全文公開ですよ。これを部分公開というふうにどうやって読めますか。どうやったら読めるんでしょうか。
◎小澤 広報広聴課長 繰り返しになりますが、実施基準の中で、先ほど申し上げた区民の方に公表する観点、そういったものを踏まえまして、全文にするのか概要にするのか、それを適宜判断して実施しております。
◆木下泰之 委員 リーガルマインドは全くないんですか。つまり、あなた方はお役人でしょう。お役人だったら書いたもので仕事をするんですよ。これはどう読んだって全文公開ですよ。ほかの区や市では条例にしたり要綱にしたりしていますよ。その中で要約できるとちゃんと例外規定を書いてありますよ。ここに要約できるなんて一言も書いてないんですよ。それでいて勝手に要約する、切り刻む、そういったことをやっては、区民がどういう意見を言ったのかさえ検証できないですよ。
それから、もう一つ聞いておきます。先ほどの庁議の公開、あるいは議事録の問題で、庁議と庁内会議の違いを何か言っていましたよね。議事録は庁議と庁内会議で違うんですか。
◎淺野 区政情報課長 規定の仕方が、庁議においては実施することが決定されたものについて公開という形になっています。他の会議の議事録はその実施することが決定されたものという規定にする予定はございません。
◆木下泰之 委員 庁議の議事録をちゃんととらないということじゃないですか。つまり、議事録というのは決めたことも決めないこともとるんですよ。その上で公開するかしないか、それはいろいろあるでしょう。議事録さえきちっととらないような区政というのは、まさに区民との契約を果たしていないということになるんですよ。パブコメでも同じですよ。先ほどの実施基準については本当に書いてあるものとやっていることが違うんだよ。法令じゃないけれども、こんなのは法令違反と同等ですよ。そういうことをやっている世田谷区というのは本当に反省していただきたい、そのことを申し上げて終わります。
○畠山晋一 委員長 以上で無党派・緑の質疑は終わりました。
────────────────────
○畠山晋一 委員長 引き続きまして、新風21、どうぞ。
◆小泉たま子 委員 総括で人材の再配分について伺いました。私の観点は、今配置されているこの地区当たり四十五人以上、四十五人を超える人材を地区でより有効に活用すべきということです。今四十五人います。
ところが、区の答弁は、まずその地区の出張所・
まちづくりセンター業務の充実に向けて、庁内の事務事業の見直しにより人員を生み出してきたというものです。
私はまず、地区当たりのこの四十五人のあり方について検討すべきと考えます。ばらまきになりかねないからです。区は、児童館や地域図書館を含めた人員の問題は、今後の地域行政の展開に向けた庁内検討を踏まえる、こう言われますが、この手法では検討が余りにも遅いのです。
一方で区は三年で地域包括支援の地区展開を実施しようとしているのに、他方では地区全体の人員問題は今後の検討に任せる、こういうことではもう計画がないということと同じではないでしょうか。人事部門はこの人材の活用についてどのような課題、問題点があると認識されているか、伺います。
◎太田 地域行政担当課長 再配分についてでございますが、限られた人員を有効に活用することは、区民の暮らしを支える地区の強化に当たりましても大変重要であると考えております。例えばあんしんすこやかセンターや社会福祉協議会につきましても、区の組織とは異なりますが、区の組織につきましては、それぞれが事務分掌を持ち、それにのっとり事務を進めており、その中で地区にあるさまざまな資源の連携が求められるものと考えております。
事業所管におきましては、事務事業の実施手法や組織のあり方などを検討していくことが必要になると考えておりますが、児童館や地域図書館を含めた地区の人員の配置という課題につきましては、今後の地域行政の展開、その他の区政運営全体の中で見ていくことが必要であるというふうに考えております。
◆小泉たま子 委員 この人員問題については、人事部門を超えて、全庁的な取り組みを責任を持った部門で専門的に取り扱うことを提案いたします。
次に、被災地支援のあり方について、今後の世田谷区の基本的な方針をお伺いいたします。
特にこれまで三年間、世田谷区がさまざまな支援の取り組みを行ってきたことを踏まえて、今後どのように支援を進めようとしているのかを伺います。
◎有馬 災害対策課長 今後の区の取り組みでございますが、被災地の復興状況を勘案しますと、現在行っている人的支援、復興支援金、避難者の受け入れ、場の提供等は、引き続き継続していく必要があると考えております。また、今後、区民が被災地を忘れることなく継続して支援に携われるよう、被災地、被災者の自律的な復興に向けた支援策を三月から検討してまいります。
◆小泉たま子 委員 私はこの区の姿勢に非常に疑問を感じるんですが、まず、今の答弁の中に自律的なということがあったんです。私は本当に自律はとても大事なこと、私も区民、地区の自立を大前提として行政のあり方を考える、これを基本としています。でも、今の被災者、被災地の現状は、とても自律を持ち出すべき状況ではないと私は考えます。とにかく帰りたくても帰ることができない、どうすることもできない、その被災地の皆さんに向けて、今の時点で自律を持ち出すということは、これは一体どういうことか、私はそういうふうに思います。この自律という言葉は余りにも無神経というか、私は取り消していただきたいぐらいの気持ちであります。
さらにその後、区がつくり出そうとしている協議会に参加するということですけれども、これも私は疑問で、つまり、被災者、被災地の方々には自律を求めるのに、自分たちは国や都の方針に依存しているというか、何も考えない、そういうことは一体どういうことなんでしょうか。とにかく自分たちが自立していく、そのことを考えるべきであって、それが私は地域行政の理念でもあると思っております。
この災害対策に関する基本的な姿勢の見直しを私は求めます。きょうが三月十一日ということで、世田谷区としても積極的な姿勢を打ち出すべきだと思いますが、具体的な内容が全く不明なので、どのような案が今検討されているか、お尋ねしようと思いましたが、午前中の質疑の中で新たな支援策は検討していくと、どれもこれも検討していく、こういうことでした。
私は区として大震災を忘れない。被災地、被災者への支援、これは世田谷区と世田谷区民が一つになって大きなうねりをつくっていく。絶対忘れない、支援していくよ、それをやっぱり大きなビジョンを示しながらやっていく、これが私は世田谷区の支援ではないかと思うんですね。ですから、そういうことをまず示すべきであるということを要望しておきます。
次に行きます。今回、子ども部門から児童館の今後のあり方として、中高生を対象とする拠点児童館と子育てを対象とする拠点児童館、それぞれの構想が示されました。この具体的内容については福祉保健の分野の課題であるわけですけれども、ここで伺いたいのは、政策経営部門として、また、地域行政担当部門として、この専門拠点児童館構想について、区全体の検討の中でどのような判断をされたかということです。
一方で区は、あんしんすこやかセンターについても、今後の地域包括支援の展開に向けて、これまでの高齢者だけでなく、縦割りを除いて全部で進んでいこうとしている。この流れの中で、なぜ児童館だけが縦割りを地域に持ち込んできたのか。このことについてはどんな検討をなされたか、済みません、時間二十秒です。答えてください。
◎小田桐 政策企画課長 検討は、児童課、児童館職員を中心に行いまして、庁内の若者支援推進本部、こちらは全部長が構成員でございますが、そういった会議体で幅広い意見をまとめて整理したところでございます。
◆小泉たま子 委員 区長は、地区に行政の縦割りは持ち込まない、こう言われているわけですから、これは所管が本当にきちっと受けとめて、それを政経でもってきちんとそれを受けとめてやっていくということが非常に大事なことだと思いますので、私はしっかりとやっていただきたいと思います。
終わります。
○畠山晋一 委員長 以上で新風21の質疑は終わりました。
────────────────────
○畠山晋一 委員長 引き続きまして、減税世田谷、どうぞ。
◆あべ力也 委員 それでは、一般質問にまた引き続き、せたがや文化財団について伺います。
きょうは、一般質問で質問しましたけれども、文化財団の文生の館長の報酬の問題、この問題を取り上げてみたいと思います。
定款の中では、予算の範囲内で世田谷区と外郭団体が協議して決めると。それぞれ一般の方を採用するといった場合に、それぞれのバックグラウンドも加味して決められるということですけれども、基本的には世田谷区と外郭団体が予算の範囲内で決める決まりになっているということでよろしいですよね、確認をさせてください。
◎小田桐 政策企画課長 基本的にという点で申し上げますと、外郭団体の役員、幹部職員の給与、報酬につきましては、外郭団体が最終的には決定するということでございます。
◆あべ力也 委員 区はそこには協議をしないということですか。
◎小田桐 政策企画課長 役員の報酬等に関する決定の規定というものを各団体で設けておりまして、その中で区と協議して決定するという条項を明記しているものもございます。
◆あべ力也 委員 以前に同じ予算委員会の中で、ほかの議員が質問した内容に、前の区長及び前の副区長、その当時の副区長は平谷副区長ですね、お答えになっていますので、今読んでみますが、「ある種のガイドラインというのは人事課が持っていますから、それがある種の標準にはなります。おっしゃるように、基本的には役所であれ、民間であれ、外郭団体であれ、基本というものは職位に応じて給与はありますから、原則はまずそうだと思います」ということで言っているんですね。
その上で、熊本区長にもお答えがありまして、「こういう外郭団体のこういうポストが適任だということを判断して推挙されるわけですが、その担当総括は区長のところにあるわけですから、それを十分精査した上で私のところにお持ちいただく。ですから、私もそれについて私なりの考えはございますけれども、さすが、それを担当している所管が精査されたものであるだけに、私もそれに同意をしているのが現状です」、こう答えているんですね。
ということは、今区長がかわって、副区長もかわられたということですけれども、基本的にはこういう決定の手順をとっているということでよろしいんでしょうか。
◎小田桐 政策企画課長 今、委員のお話にあった役員の人事についてですけれども、人事については、外部から登用する場合、それから区のOB職員を推挙する場合、そういったやり方もございます。それぞれで内容は異なりますが、外部からの部分についても、区のOBの推薦の部分についても、最終的には区長のほうで御判断いただいて、団体のほうに御推薦させていただくという手順については変わりはございません。
◆あべ力也 委員 そうすると、現在の文化生活情報センターの館長は、これは報酬をもらっているということですよね。それで、文化財団の役員報酬というのは四名で二千八百万円と。合算した金額では、これは情報公開できるというのでお聞きをしているんですけれども、単体で聞くと、個人情報だからこれは言えないと、それはわかるんですよ。確かに特定個人の収入なりなんなりが特定してしまうというのはやっぱりちょっと問題かなと思いますので、それが言えないということはわかるんです。
ただ、区長もこれに同意をしているというのであれば、その書類があっていいはずですよね。いついつ区長が同意をした。私は情報開示請求というのを世田谷区に出して、そうした外郭団体と区長が合意をしたというような書類があるのかということで情報開示請求をしましたら、出てきたのが定款なんですね。合意したという文書は一切出てこない。
そうすると、では、今文生センターの館長をやっている方は平成二十一年の六月一日から現在まで館長職をやっているということですけれども、これはいつその合意ができて、今の報酬が決まったんですか。
◎小田桐 政策企画課長 今委員のお話にあった合意の内容は、恐らく額の決定についての合意の書類がないというお話かと思います。先ほどからお話に出ている内容は、その幹部職員の推薦全体のお話を私はさせていただきました。いずれの場合にしても、その推薦をするときの資料については、文書の存在、不存在について、今の時点で私のほうでは資料を持っておりません。ただ、報酬についての決定、それを区と協議して、その協議した内容についての文書が存在するかという点について言えば、文化財団の場合はといいますか、正式に言いますと、文化生活情報センター館長の報酬についてはないというふうに聞いております。
◆あべ力也 委員 そうすると、世田谷区側にはないということですけれども、外郭団体側にはあるんですか。
◎小田桐 政策企画課長 これは今現在推測で申し上げる以外にないんですが、通常、報酬の額を決定したというものは書類は残っているのではないかと推測されます。
◆あべ力也 委員 この点についても情報開示請求を今しているんですけれども、出てきたのが、区側が全く開示をしてくれなかったものですから、ちょっと時間がずれてしまって、また違うところで聞きます。
いずれにしても、多額の補助金なりなんなりが出ているという中で、もちろん民間の扱いになるんでしょうけれども、どういう根拠で算定をしているかということぐらいは、特定個人の収入を開示しろと言っているんじゃなくて、算定の仕方そのものについては、これはやっぱり区民に対する説明責任としても開示ができるようにしていただきたいと思うんですが、この点についてはどうですか。
◎小田桐 政策企画課長 外郭団体が独立した法人であるということは尊重しなければならないと思いますが、公共的サービスを区の財政関与を受けて実施する団体ということは御理解いただきたいと思います。
○畠山晋一 委員長 以上で減税世田谷の質疑は終わりました。
ここでしばらく休憩いたします。
なお、二時四十六分に再開し、東日本大震災で犠牲になられた方々に対し黙祷を行いますので、その前に御参集いただきますようお願いいたします。
それでは、休憩いたします。
午後二時二十八分休憩
──────────────────
午後二時四十六分開議
○畠山晋一 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。
ここで、謹んで申し上げます。
本日、三月十一日は東日本大震災から三年目に当たります。改めて区議会として、犠牲になられた方々に対しまして哀悼の意をあらわすとともに、御冥福をお祈りするため、一分間の黙祷を捧げたいと思います。
御起立をお願いします。
〔起立〕
○畠山晋一 委員長 黙祷。
〔黙祷〕
○畠山晋一 委員長 黙祷を終わります。
御着席願います。
────────────────────
○畠山晋一 委員長 それでは、質疑を続けます。レインボー世田谷、どうぞ。
◆上川あや 委員 本会議に続きまして、区の動画広報から手話、字幕など、聴覚障害者への配慮が抜け落ちてきた課題について伺います。答弁に納得ができませんでしたので、再質問いたします。
区はまず、現在、手話も十分な字幕もないテレビ放送の改善について、平成二十五年度制作よりテロップをつけることで改善してまいりますとお答えになりました。また、手話も字幕もないインターネット配信についても、自動字幕起こし機能への対応について調査し、きちんと対応できるよう検討してまいりますと答えました。つまり、あくまでも文字情報で補えると考えているわけです。
しかし、京都外語大学で聴覚障害児の読み書き能力の向上について研究している河野美抄子氏は、論文の中で次のように述べています。聴覚障害児は聞こえにくさのせいで、音声コミュニケーションの機会そのものが少なく、あるいは質的に貧弱になり、言語の蓄積が十分ではなく、語彙や表現の問題や文法の問題を抱えるようになる。これがひいては認知や思考の発達といった点に影響し、三次的障害としての言語能力、思考能力の問題となっていく。語彙の少なさや偏り、文法操作能力の低さが書き言葉の習得をおくらせ、リテラシーの基礎が確立せず、思考の道具としての言語の役割をうまく持たせることができなくなる、これは難聴児の教育についての言葉です。
また、「聴覚障害者の実態知らない裁判官 裁判に手話通訳は不可欠」と題したネット上のインタビューの中で、当時の関東ろう連盟の理事長の野澤氏は、小学校五年ぐらいのレベルで言葉がとまってしまうことが耳の聞こえない人には多いとし、抽象的な思考力が育たないことが多いと、こちらはまた、聾者の日本語習得の難しさを指摘していました。
二〇一一年に改正されました障害者基本法では、手話は明確に言語だと規定をされました。第一言語は手話で、日本語の読み書きは苦手という方も多いのに、なぜ区は字幕を強いるのでしょうか。映像にはやはり手話も入れていくべきだと考えますが、いかがでしょうか。
◎小澤 広報広聴課長 動画広報は、これまでテレビ放映を主体として考えまして、広く行政情報を発信してまいりましたが、インターネットの動画配信サービスが広がりまして、また、コンテンツ機能の充実を初め、再生回数により効果の把握が簡便であること、制作経費がテレビ放映と比較して少なく済むことなどから、配信媒体が充実したことを含めまして、平成二十四年度にインターネットを通じて配信する動画に関する基準を定めまして、既存の動画配信サービスを活用して、さまざまな情報を提供しているところでございます。
今お話にありました「魅せます!せたがや」おいても、この考え方をもとに平成二十二年度よりインターネットの配信をするとともに、特別区広報番組として東京MXテレビで放映しておりますが、その際、これまで行っていた手話での対応がなくなりました。大変申しわけございませんでした。聴覚障害のある方が放送内容を御理解いただくということは大変重要であると認識しております。今後制作する「魅せます!せたがや」をテレビで放送する際には、手話を含めまして、聴覚障害者への対応を図ってまいりたいと考えております。
◆上川あや 委員 また、答弁にありました自動字幕起こし機能、ネット配信のほうですが、現状では実用段階になっておらず、何を言っているのかわからないレベルだと、聴覚障害者の方々からは伺っております。ひどい誤訳のために、一時は字幕自動起こしを取り入れていた各省庁も、今ではこれをやめて、コメント欄にテキストを張りつけているところが多いそうです。こちらも見直していただく必要があると考えます。また、手話の挿入も安易に切り捨てるべきでないということも考えております。いかがお考えになりますでしょうか。
◎小澤 広報広聴課長 自動字幕起こし機能ですが、その機能を有効に活用する際には、音源が鮮明であって、また発言録が必要であること、そういったことがこの間の取り組みでわかってまいりました。現在配信している動画に関しまして、音源、そして発言録がそろっているものに対しては対応したところ、動画と字幕が完全に一致していることが確認できております。また一方で、発言録のみを登録した場合は、動画とタイミングが全く一致せずに、非常に見にくい状況であるということも確認できております。
こういった結果を踏まえまして、自動字幕起こし機能の有効活用や説明欄の活用、また、手話の挿入も含めまして、画像の状況、また、その内容により障害のある方にとってどのような手法で配信するのが効果的であるかを引き続き検討してまいりたいと考えております。
◆上川あや 委員 続けて、区の意見提出手続、パブリックコメントについても伺います。
いわゆるパブリックコメント、区民意見提出手続の実施基準第七条には次のような記述が出てきます。意見提出の方法は、氏名、住所を明記し、郵送、ファクシミリ装置による送信、区のホームページからの送信でなければならない。つまり、文字に書き、あるいは入力をして、郵送、ファクシミリ、メールで送信しない限り、パブコメの正式の手続にはならないということです。
さきにお話ししたように、日本語の読み書きが不得手な聴覚障害者は少なくありません。また、文字を書けない、あるいは入力が難しい視覚障害者のことも全く考えていないというのがこのパブコメのルールです。
おととし三月の議会で私から、手話でも点字でも、あるいは電話でも御意見を頂戴できるようパブコメのルールを変えてくださいというお願いをいたしました。区からも基本のルールから変えていただけるような御答弁をいただいたんですが、二年たつ今も一向に改善はされておりません。これはどういうことなんでしょうか。配慮のない、障害者に対して排他的なルールをぜひ変えていただきたく思いますが、いかがでしょうか。
◎小澤 広報広聴課長 パブコメにつきましては、郵送、ファクシミリ、区のホームページからの提出が難しい方について、所管課に御相談いただく旨をパブリックコメントを実施する所管がホームページに記載するよう庁内には周知しておりますが、区民意見提出手続実施基準の改正であるとか、また、ホームページに掲載するパブリックコメントの概要の修正は行っておりませんでした。また、区民への周知も徹底しておりませんでした。こちらについてもまことに申しわけございません。基準を改正しまして、平成二十六年四月一日より施行してまいります。
今後は、障害のある方が円滑に御意見をお寄せいただけるよう、パブリックコメントの提出方法などの御案内の機会を設けるとともに、区のホームページやエフエム世田谷などを活用して周知に努めてまいります。また、受け入れの体制等を整えて、引き続きパブリックコメントの適正な運用を図ってまいりたいと考えております。
◆上川あや 委員 前任者も約束したことを果たしていない、後任の方もきちんと引き継いでいない、まず広報広聴の基本姿勢としてどういった区民の方がいるかということの基本認識からきちんと掘り下げる必要があると思います。こうした認識について、部長はどうお考えになりますか。
◎宮崎 政策経営部長 今般のお話は本会議でも申し上げました、大変申しわけなく思っております。この対応につきましては、早い段階で善処したいと思っています。本当に申しわけございませんでした。
◆上川あや 委員 三度目の抗議をしなくて済むように、しっかりと改善をお願いいたします。
終わります。
○畠山晋一 委員長 以上でレインボー世田谷の質疑は終わりました。
────────────────────
○畠山晋一 委員長 引き続きまして、世田谷無所属、どうぞ。
◆ひうち優子 委員 本日は、平成二十六年度予算編成について質問いたします。
平成二十六年度当初予算は、前年度比で百五十六・五億円、六・五%の増と大きな伸びとなっています。主な歳出の伸びを見ると、最も大きいのが民生費で、前年度比プラス六十四億円、次に、土木費もプラス六十四億円と、民生費とほぼ同じ額の増加となっています。次いで公債費がプラス二十八・三億円となっており、この三つで百五十六億円の増になります。
増加の要因を具体的に見てみると、民生費では保育施設整備や社会保障関連経費などの増、土木費では公園・道路用地取得経費などの増となっており、今回の二十六年度当初予算は、ソフト、ハードの両方がともに大きく伸びている予算となっています。
このような大きな歳出の伸びを支えるためには、当然その財源が必要となります。しかし、一方では、このたびの区長の招集挨拶において、前年度に続き財政調整基金からの繰り入れはゼロとしたという説明がありました。健全な財政基盤を構築するための対策なのだと思いますが、特別区税や特別区交付金の増額に支えられたという面もあるかもしれません。
まず、最初に確認いたしますが、今回の平成二十六年度予算編成では、歳入予算全般についてどのような方針のもと財源確保を図ったのでしょうか。基金や起債の活用も含めて伺います。
◎中村 財政課長 歳入予算の編成に当たっての基本といたしまして、まず、社会経済情勢を見きわめ、税や各種交付金の的確な歳入見通しを立てること、国や都の動向を十分に把握し、歳出事業に対する補助金など、特定財源を積極的に確保すること、資産の有効活用など柔軟な取り組みにより税外収入の確保に努めること、それと、歳入規模に見合った歳出事業計画を組み立て、基金や起債の活用を抑制して強固な財政基盤の確立を図ること、こうしたことを基本に取り組んでおります。
このうち税外収入の確保につきましては、新実施計画に行政経営改革の基本的な考え方に基づく全庁的な取り組みとして掲げておりますとおり、駐車場の有料化や広告収入の確保、自動販売機設置に対する土地の貸しつけなど、多額の収入とはならないものの、拡充に努めているところです。
また、特別区民税や国民健康保険料につきまして債権管理の適正化と収納率の向上を図ることとしておりまして、その効果額を予算に計上しております。こうして自主財源を着実に確保するとともに、財政の健全性向上という基本方針のもと、基金繰入金を前年度比で十五億円抑制し、特別区債の発行も五億円減とするなど、財政基盤の確保に努めたところでございます。
◆ひうち優子 委員 平成二十六年度の歳入予算では、特別区税や特別区交付金の相当の伸びを見込んでおり、背景には景気の回復傾向などがあるかと思います。新聞報道によると、過去最高益を見込む企業がかなり出てくるなど、景気回復をうかがわせる状況も出てきており、また、大手企業の中には給料のベースアップを行うといった動きも出てきています。しかし一方では、中小企業などを中心に、個人の給与所得の増加にはなかなかつながっていないといった状況もあるようです。
そこで伺いますが、今回の特別区税、特別区交付金の伸びはどのような考え方で見込んだのでしょうか。また、例えばリーマンショック以前と比べると、その水準は回復したと言えるレベルなのか伺います。
◎中村 財政課長 特別区税の二十六年度の収入見込みでございますが、特別区税の大部分を占めます特別区民税につきまして、平成二十五年の区民所得の増加に伴う増や人口の増加に伴う増に加え、地方税法の改正によります給与所得控除の見直し、それと区民税均等割額の引き上げに伴う増など、さまざまな要因を考慮した結果、特別区税全体で約三十五億円の増を見込んだところでございます。
続いて、特別区交付金でございますが、東京都より示されました二十六年度の都区財政調整フレームの増減率をベースとしまして、まちづくり事業や都市計画交付金に係る地方債収入相当額など基準財政需要額の増減見込み、また、特別区税や地方消費税交付金も伸びておりますので、これらの基準財政収入額への影響も勘案しまして、普通交付金について三十四億円の増額を見込んでおります。
このような見込みによりまして、二十六年度当初予算では特別区税と特別区交付金を合わせまして一千五百七十八億円という規模になっております。過去の比較で申し上げますと、直近のピークであります平成二十年度の当初予算、一千六百十一億円と比べますとまだ三十三億円ほど少なく、リーマンショック前の水準には回復し切っていないという状況にございます。
◆ひうち優子 委員 国は昨年八月に中期財政計画を示し、今後十年間の平均で名目GDP三%程度、実質GDP二%程度の経済成長を目指すとしていますが、海外の経済状況などによる国内景気の下ぶれリスクは常にあり、リーマンショックのような経済状況に直面すれば大きな歳入減に結びつくことは経験しているところです。
また、消費税増税により地方自治体間の税収格差が広がるための是正措置として、地方自治体固有の財源である法人住民税の一部を国税化し、地方交付税として再配分することが、昨年十二月に閣議決定されました。それにより、地方交付税の不交付団体である特別区は国税化される部分がそのまま歳入減となり、この税制改正に伴う区財政への影響もしっかりと見据えていかなくてはならないと考えます。
区は、今後五年間の財政見通しに加えて、基本計画において今後十年間の財政収支見通しを示していますが、今後の歳入についてどのように見通し、どのような課題があると考えているのか伺います。
◎中村 財政課長 今後の区の収入といたしましては、中期財政見通しで特別区税を初めとした増を見込んでおりますが、まず、消費税の段階的引き上げなどを注視する必要があると考えております。また、お話しのありました国のほうで地方消費税の収入がふえることになりますが、国の補助金の削減など注視する必要があると考えております。
◆ひうち優子 委員 しっかりと強固な財政基盤を構築していただくことを要望いたします。
以上で終わります。
○畠山晋一 委員長 以上で世田谷無所属の質疑は終わりました。
────────────────────
○畠山晋一 委員長 引き続きまして、未来あらた世田谷、どうぞ。
◆佐藤美樹 委員 本日は、災害対策のうち、妊産婦、乳幼児のための避難所整備についてお伺いしていきたいと思います。
先月、区は女子高二校と避難所開設についての協定と成育医療センター、助産師会と災害時の支援活動の協定を締結しています。おととしの九月に、文京区での同様の取り組みの発表を受けて、当区でもしてはと提案をしてきて、今回、このような避難所開設に至ったことは大変評価をしていますし、また同時に、妊産婦、乳幼児を抱える家庭向けに母子手帳の配付とともにこうしたリーフレットを作成していただいたということで、これもすごく自助の強化につながっていくと期待していますけれども、きょうは、今後の実際運用面、誰がどのように避難所を運営していくかという点について、そのあたりを中心にお伺いしていきたいと思います。
まず、乳幼児、妊産婦といった人たちを中心とした避難所の運営について、区として運用面での課題としてはどのようなものを認識されているか、お伺いしたと思います。
◎有馬 災害対策課長 災害時、妊産婦や乳幼児は一般の避難所での避難生活となりますが、乳児の泣き声がトラブルのもととなったり、精神的にも身体的にもストレスがかかることもあって、早産や流産の危険性も高まると言われておりました。こうした中、区ではこれまで母子のための避難スペースの確保、専門家の確保、妊産婦、乳幼児に対する災害対策の周知等が課題でした。
今回、その解決を図るため、国立成育医療研究センター、東京都助産師会及び区内の私立女子校と協定を結ぶとともに、新たなパンフレットを作成し、周知したところであります。今後につきましては、協定締結をした学校における避難所運営方法や関係機関との連携方法に加え、引き続き医療等専門家の確保が課題であると認識しております。
◆佐藤美樹 委員 実際、避難所という場所を特定したのと、そこに来ていただけそうな人たちとの協定を結んだという段階なので、実際に運営していくに当たっては運用マニュアルのようなものがやはり必要になってくると考えます。これについても、先ほど冒頭で申し上げた、文京区のほうで既に運用マニュアルをもとに、去年、あちらは跡見女子短大の場所で母子救護所という名称で防災訓練を実際に実施していますので、こうしたマニュアルですとかノウハウといったものも、世田谷区のほうでも取り入れていただいて策定していったらと考えます。
また、先日、世田谷助産師会の先生と話をしていたんですけれども、助産師会の先生方のほうでもこの区の動きを受けて、実際に区内にある医療救護所のどこにどの先生に行ってもらおうかというような、そうした配置をマップなどでつくって策定していこうという動きも今考えているそうです。こうした連携機関との動きも含めて、今後の運用方法を固めていくための区の取り組みについてお伺いしたいと思います。
◎有馬 災害対策課長 先ほども課題として申し上げましたが、運用につきましては今後の課題と考えております。御提案のありました文京区の母子救護所における避難所マニュアル等を参考しながら、今回協定を締結した区内私立女子校における母子の避難所のマニュアル作成に努めてまいります。
◆佐藤美樹 委員 よろしくお願いします。
あと、このリーフレットについてもちょっと触れたいんですけれども、「妊産婦・乳幼児のための災害への備え」ということで、いざというときにどういうもの持って出たらいいかですとか、区内の避難所の名称ですとか、対応等々、本当にこれ一冊あればかなりいろんな情報が収集できるというものだと思うんです。
三・一一の震災のときも、避難所などにおいて妊婦の方たちの声としては、実際、自分のおなかの赤ちゃんがどうなのか見てほしかったという声が多くありました。妊産婦ですとか乳幼児を抱える家庭というのは地域とのつながりがまだ薄い。小学生以上ですと、小学校を核として地域とつながっていることもあると思うんですけれども、まだそういったところが薄い人たちでもあるので、これを見て実際動けるレベルの、ここに行けばそういった何かしら医療行為が受けられそうだというような、そこまでの情報も入れていただきたいなというふうに思っています。
まだ実際運用面で連携機関とどのようにどこまでやっていただけるかということが固まっていないタイミングだからだとは思うんですけれども、今後固まってきたあたりでそういった補足をしていただけるのかどうか、お伺いしたいと思います。
◎有馬 災害対策課長 医療救護所も含めまして、避難所や母子の避難所で検診を行う体制はありませんので、妊婦の方々の検診が必要な場合は、自宅や避難所等から医療機関へつなぐ必要があります。平常時においては、現在、目黒区、渋谷区、世田谷区において周産期医療ネットワークグループが構築されておりますので、こちらの周産期医療ネットワークグループによる災害時の支援につきましては、都や医療機関に働きかけてまいります。
また、今回協定を締結しました東京都助産師会と医療救護所や母子避難所における妊産婦、乳幼児の具体的な支援について引き続き検討し、運用が固まった段階で区民の方々へ周知してまいります。
◆佐藤美樹 委員 お願いします。せっかく助産師会の方たちも四十名ほど会員さんがいらっしゃるそうなんですけれども、本業、現業がありますので、その中でこういった区の避難所運営ということに対して、どうやって協力していったらいいかしらということで、そもそも命を守るということについては意識がある方たちなので、その取り組みを区としてもサポートというか、バックアップしていただければというふうに思います。
それから、地域の避難所のほうでもこういったスペースを確保していこうという動きもありますし、今回の女子高二校も、佼成学園ともう一カ所と、地域の方たちもそれを認知していこう、巻き込んでいくというような、地域との連携もあると思うんですが、今後、区の体制としては地域振興課などとの連携も考えているんでしょうか。
◎有馬 災害対策課長 子ども、妊産婦にかかわる担当部署として、避難所運営は総合支所、子どもの支援は子ども部、妊産婦のケアは総合支所の健康づくり課、医療については保健所と多岐にわたっています。ここら辺の子どもの支援につきましては、こういった関係機関、関係部署と連携してまいります。
◆佐藤美樹 委員 よろしくお願いいたします。
以上で終わります。
○畠山晋一 委員長 以上で未来あらた世田谷の質疑は終わりました。
────────────────────
○畠山晋一 委員長 引き続きまして、みんなの党、どうぞ。
◆すえおか雅之 委員 委員長に申し出て、企総委員会で配られた資料を配付いたしましたので、あわせて聞いてください。
昨日、還付加算金未払い事件の闇と名づけまして、この問題について昨日、総括質問を行いました。なぜ闇と言ったのかは最後に申し上げたいと思います。
区長より、違法な起算点に変更した事実を含む原因究明につき調査をして、議会へ報告すると答弁をいただきました。この点は評価いたします。
次に、真相解明につき、委員会に何ら報告がないと指摘しました。これに対し、二月四日の企画総務常任委員会の報告の中で、全体の調査結果が終わったら改めて報告することを述べており、過去の経緯の調査についてもそこで御報告するとしていますとの答弁がありました。
しかし、企画総務委員会の報告文書及び委員会の報告を見ると、違法な起算日に変更したことの事実の報告がなされていないこと及び真相究明が調査の対象に含まれていません。この点につき、再度質問いたします。
◎金澤 財務部長 お話しの違法といいますか、誤ったということについての一部調査結果がわかっているところのものについて、委員会の中で申し上げなかったのはそのとおりです。原因がどこにあるかも含めまして、誤ったその全容につきましては、それを申し上げなければ最終的な報告にはなりませんから、当然私どもとしては議会に報告させていただくつもりでございました。今お配りいただきました企総委員会の資料には、3の(5)のところにそのことも含めまして「調査完了後、常任委員会に改めて報告する」というふうに記載させていただいたところでございますけれども、私どもの表記の仕方が不備であったということについてであればおわびを申し上げたいと思います。
今後、議会の資料につきましては丁寧に慎重につくってまいりたいと思います。
◆すえおか雅之 委員 今、調査完了後、常任委員会に改めて報告する、ここに入れたとの答弁でした。調査の対象が3の(3)では時効期間のことに限定してあるし、(4)についても時効期間のことに限定してある。これで私は十分読み取れなかったので誤解をしたのかもしれませんが、事実の報告という面においては、またきちんと行政を監視するという議員の権能を果たすためにも御報告をお願いします。
では、ちょっとスキップしまして、昨日の答弁ではどの時点で違法な起算日に変更されたのか不明である以上、原因行為が特定されていない。したがって、再犯防止に向けてとの対策をどうして記載できるのか、原因がわかっていないのに、どうして再犯防止の記載を書くんだ、こういうことを批判いたしました。
そこで、適法な起算日をなぜ違法な起算日に変えたのかの原因究明がどれだけ重要なことか、これをちょっと質問していきたいと思います。
こういう原因が究明されていない場合におよそ考えられるケースは、違法な起算日に変更したことを知ってやったのか、それとも適法だと思ってやったのか。そして、適法だと思ってやった場合に、きちんと慎重な手続を踏んだのか、踏まずに安易にやったのか、こういったバリエーションがあると思います。
まず、正しいと思わず違法だと思った、こう思ってやった。これは意図的に還付加算金の返還を免れようとしたことになります。これは一大スキャンダルですよね、にわかに想定しがたい、徹底的な原因究明が必要です。さすがにこれはないだろうと私も思っております。
では、正しいと思って変更した場合、この場合、慎重な手続を踏んだのか、それとも慎重な手続を踏まずに安易にやったのかということですが、今回、違法な手続だと分かった場合に、世田谷区としては法の解釈を変えた場合にどのような手続をとりましたか、お答えください。
◎竹花 納税課長 このたびは大変申しわけありませんでした。
◆すえおか雅之 委員 こちらでお答えさせていただきます。
今回行政の方がとられたのは、まず東京都に確認しました。弁護士にも相談されました。そして今、職員の方の聞き取りを行っています。いわばそういう慎重な手続を踏んでおります。こういった慎重な手続を、前回、平成十年前後に違法な手続に変えたときにそういう慎重な手続を踏んだら、果たして違法な起算日に設定したのか。仮に調査しても、なおかつそういう違法な手続を踏んだのか。これはちょっと考えにくいと思うんですね。というと、もしそのケースであれば、この対策、再犯防止に向けての対策というのは全く無益な対策です。
次に、慎重な手続を踏んでいない。つまり、都にも確認しない、弁護士にも確認しない、職員の聞き取りもしない、安易に変えた。実際、行政は税金を取る、そういったときにそういう安易なことをするんでしょうか、にわかに考えられません。さらに、これは安易にやっちゃった場合に、世田谷区は今度は区民に、今回と逆のケースですから、もらっていない還付加算金を払ってくれ、こう言うのが筋なことになります。正しいと思って変えているんですからね。そんなことをすると、二重の誤りを犯すということになります。ですから、こういった意味において、慎重な手続を踏んでやったとは考えられないし、慎重な手続を踏んでいないのなら、さらに大変なことになる。どう考えても、これはよく理解できない。だから、まずこういった真相究明が大切だと言っているわけです。
以上の理由から、真相解明を先にしろと批判しました。この点についてお答えください。
◎竹花 納税課長 できる限り、誤ってしまいました事実関係につきましては調査していきたいと考えております。
◆すえおか雅之 委員 最後に、私はこの問題を還付加算金未払い事件の闇と命名しました。それは、先ほども説明しましたように、世田谷区は適法な起算日を……
○畠山晋一 委員長 以上でみんなの党の質疑は終わりました。
────────────────────
○畠山晋一 委員長 引き続きまして、無所属、どうぞ。
◆青空こうじ 委員 二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックの開催が決定いたしました。東京招致の成功は、何といってもあの流行語大賞に輝いた、滝川クリステルさんの日本人の心を紹介したあの「おもてなし」のプレゼンテーションに、海外の方も共感されたと思います。おもてなしは、日本社会に根づいてきた大切なおもんぱかる気持ち、そして敬い、丁寧に扱う気持ちで歓迎し、その時間を気持ちよく過ごしてもらうことです。私は、区役所でも職員一人一人がこのおもてなしの心を持って、日常業務の中で区民の方々に接していただきたいと思っています。
今の区役所は、以前に比べてみれば、窓口に案内係も配置するなど、その対応は格段によくなったと思いますが、区役所全体としては、民間企業で行っているサービスは親切、丁寧、なおかつ、お客様の対応に比べれば、区の窓口はまだまだだと思っております。
そこで、今回はおもてなしの観点から、ハード、ソフトの面で取り組みについて伺ってまいります。
まず、ハード面から本庁舎の環境整備です。私は東京都のPTA校長会のOBである中親会に所属していますが、その活動は、まちづくり、防災、教育、さまざまな問題を取り上げ勉強会を行っています。明日も御成門中学校で勉強会です。
先日は港区役所にお邪魔しました。地下鉄の御成門から歩いてすぐ、目の前がホテル、その後ろには東京タワー、そして港区には区内に八十二カ所の大使館があって、港区の庁舎は十一階建て、十一階の最上階にはレストランがあり、そこに区の職員の休憩場所もあるそうです。老朽化、狭隘化した世田谷区とはちょっと違った庁舎でした。
世田谷区でも十年後に改築する方針ですから期待していますが、本庁舎は八十八万世田谷区民の顔です。本来であれば、現在でも区民の憩いの場所やイベントの場所、区民会合の場所など、区民が気軽に利用できる庁舎にする必要があると思っています。しかし、本庁舎の現状を見れば、今そこまで望めないことは十分承知していますが、せめて区民が気持ちよく利用できるようなおもてなしの観点から工夫すべきです。お金は余りかけなくても、八十八万世田谷区民の顔として、建物は古いけれども、庁舎の玄関を入ったら感じのいい庁舎だと言われるような工夫ができないのでしょうか。特に第一庁舎は世田谷区のかなめです。この第一庁舎に関してお伺いします。
◎星 総務課長 御案内のとおり、本庁舎は老朽化、狭隘化が進行しております。こうした中で、これまで耐震補強工事や設備改修等を実施するとともに、区民サービスの向上に資するための窓口における待合場所の充実、個人のプライバシーに配慮した窓口や相談コーナーの設置、授乳場所の確保などに取り組んできたところでございます。
このたび策定いたしました本庁舎等整備方針(案)では、本庁舎は十年後を目途に改築することとし、本庁舎が備えるべき機能として、わかりやすく親しみやすい窓口、区民活動・交流拠点として親しみの持てる場などを掲げておるところでございます。新庁舎にはこれらの機能も整備されてくるものと考えておるところでございます。
一方、新庁舎竣工までは現在の庁舎を使うことになります。御指摘の第一庁舎のロビー等につきましては、これまでも展示やソファーを変更するなど、美観にも配慮した工夫を行ってきたところでございますが、今後は委員お話しのおもてなしの観点から、さらに区民の皆様に気持ちよく感じていただけるよう創意工夫してまいります。
◆青空こうじ 委員 よろしくお願いします。
では、今度はソフト面からお伺いします。新規採用の職員の研修について伺います。
ここ数年、団塊の世代の大量退職に連動して、新規採用の若者の職員もここ数年ふえています。二十五年度の採用数は百八十七名で、私が初めて議員となった平成十五年当時の約四倍にもなっています。若い人がふえると、職場が明るくなったり、活気が出たりと、職場は活性化されて、ひいては組織力も強まってまいります。世田谷区の将来にとってもこれはいいことです。
一方で、社会人デビューする職員がほとんど右も左もわからず、社会人としてのルールもおぼつかない職員も少なくないようです。鉄は熱いうちに打て、三つ子の魂百までとよく言われますが、採用後の柔軟である早い時期に、世田谷区の職員として基礎知識や社会人の心得などをしっかりと身につけさせる必要があると思います。
区の研修調査室で作成している職員向けの窓口対応向上マニュアルには、挨拶の仕方、そして態度、身だしなみなど具体的に書いてあります。職員全員がこれをマスターすれば、窓口でのトラブルなど一切なくなるのではないかと思うぐらいよくできています。こうした点を含め、職員の資質を高める新規採用の職員研修を充実すべきと考えますが、区の考えをお伺いします。
◎堀川 研修調査室長 お話にもございましたように、職員の退職の増加に伴いまして、ここ二、三年、新規採用者数は二百名程度でありまして、十年前と比べて約四倍となってございます。職員が大幅に入れかわる状況も踏まえまして、採用後十年間を職員の育成の重点期間と位置づけて人材育成に取り組んでいるところでございます。新規採用職員の研修につきましては、職員、社会人としての基礎的な事項、職務知識、スキルを身につけるとともに、自立した人材となるよう研修を実施いたしております。
接遇につきましては、お話しいただきました窓口応対向上マニュアルを用いて対応の習得やその重要性の理解を深めているところでございます。御指摘の点も含めましてまだまだ不十分な……
○畠山晋一 委員長 以上で無所属の質疑は終わりました。
ここでしばらく休憩いたします。
午後三時二十九分休憩
──────────────────
午後四時開議
○畠山晋一 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。
自由民主党、どうぞ。
◆和田秀壽 委員 それでは、自民党の企画総務領域の質問を始めます。
平成二十六年は、基本計画、そして新教育ビジョンのスタートの年であり、世田谷区にとって大変大きな節目の年であると思います。さらに、これからの十年は、人口推計予測で示しているように、子どもの人口の緩やかな増加が平成三十五年ごろにとまり、かわって後期高齢者が大きく増加をするということが予想されています。その間の平成三十二年にオリンピック・パラリンピックの東京開催があり、これからの十年は区政運営にとって大変重要な十年であると思います。
今回の基本計画案には重点政策の中に区を取り巻く課題として、「今の変化の激しい時代、多様化する区民ニーズ、めまぐるしく変わる区政の課題に常に最善の施策を組み立て続ける必要があります。未来の見通しが容易ではないなかにあって、今後十年間の施策展開を明確にするため、重点政策に取り組みます」とあります。私は今定例会の一般質問で、この十年の間に健全で磐石な財政基盤をつくり上げるべきではないかと質問をいたしました。
そこで、財政をテーマにしながら、公共施設の更新について幾つか伺ってまいります。
最初に、人口の推移や景気動向といった時代の変化、加えてオリンピック・パラリンピックの開催が予定されている中、これからの十年の財政と公共施設整備について幾つか伺いますが、まず、区長の招集挨拶の中に、基礎的財政収支、プライマリーバランスの黒字の維持という表明がありました。
そこで伺います。この先十年の間には幾つかの大規模な公共施設整備を予定していますが、本当に黒字を維持していけるのでしょうか。
◎中村 財政課長 お話しの基礎的財政収支、いわゆるプライマリーバランスにつきましては、歳入総額から借り入れである特別区債を控除したものと歳出総額から借り入れの償還金である公債費を控除したものを比較しまして、財政運営の健全性をはかる一つの指標でございます。単年度の特別区債の償還額が借入額を上回る場合にプライマリーバランスが黒字となり、収支が適正な状態にあると言えます。
区の基礎的財政収支は、平成九年度以降、歳入が歳出を上回る、いわゆる黒字の状況で推移しておりますが、二十八年度には梅ヶ丘拠点整備に伴う特別区債の発行により、一時的に基礎的財政収支が赤字に転じる見込みです。
お話にありました、今後の大規模な公共施設整備に向けて、歳出構造の見直しを初めとする行政経営改革の取り組みを一層強化しまして特別区債発行の抑制に努め、基礎的財政収支の黒字を保つことを基本として、健全な財政運営に努めてまいりたいと考えております。
◆和田秀壽 委員 この梅ヶ丘の整備は、世田谷区の保健医療福祉サービスの拠点として、平成二十三年の基本構想策定のもと計画、準備されてきた、大変大きな、また重要な公共施設整備であります。財政面でも大きな負担となるのは当然だと思います。
しかし、梅ヶ丘のほかにも、二十九、三十年には玉川総合支所の建てかえが予定されています。これも人口二十一万五千人が暮らしていると言われる玉川地域の拠点整備という点で大変大きな重要な公共施設整備ですが、この点は大丈夫なのでしょうか。
◎中村 財政課長 現在、中期財政見通しとしまして、玉川総合支所を改築します二十九年度、三十年度まで見通してございますが、基礎的財政収支につきましては、先ほど御説明いたしました二十八年度の梅ヶ丘で一時的に赤となる以外、黒字を維持できるものと見通しております。
◆和田秀壽 委員 さて、今回の予算委員会で示されました平成二十六年度第一次補正予算は小学校の改築経費の増ということですが、年度内に補正とは大変異例のことだと伺いました。これも建築工事など、区を取り巻く激しい動きが端的にあらわれているのではないでしょうか。
そこで、今回の一次補正の必要性について、なぜこの時期に出すことになったのか、改めて伺います。
◎中村 財政課長 今回の一次補正のお話をいただきました。今般、東日本大震災の復興需要、景気回復傾向などを背景としまして、建築資材の高騰、技術労働者不足などが顕著になりまして、全国の自治体において大型公共工事を中心に入札不調、それに伴う工期遅延が発生しております。また、平成二十六年二月に最新の労務単価が国から示されるなど、建築工事を取り巻く環境が急激に変化しております。
こうした状況の中で、二十六年度予算に改築経費を計上しています多聞小学校、太子堂小学校につきましては、円滑に入札手続と工事を進め、子どもたちが平成二十八年四月の新学期に新校舎を使用できるようにするためには、いわゆる同時補正という異例の方式にはなりますが、この年度内に当初予算の補正として御提案させていただく必要があると判断したものでございます。
◆和田秀壽 委員 そうしますと、このような状況の中、平成二十六年度予算に計上されているその他の公共施設整備の経費については大丈夫なのでしょうか。同じような事態を招かないのか伺います。
◎中村 財政課長 二十六年度当初予算に計上しています公共施設整備のうち大規模なものといたしましては、烏山区民センターの改修、総合運動場プールの改修がございますが、現時点で、今回御提案させていただいた補正予算のほかは整備計画の修正は考えてございません。
今後、状況の変化により工事費が増加となった場合には、まずはさらに工事の内容や規模などを十分精査しまして、当初予算額の範囲内での実施を目指してまいります。
◆和田秀壽 委員 それでは、この二十六年度はしのいだとしても、消費税アップや、先ほど申し上げました、平成三十二年に開催予定となっていますオリンピック・パラリンピックに向けて、また震災復興なども加速していかなければならない中、さらに資材高騰や人手不足など続くと予想されています。そして、二十七年度以降はオリンピック・パラリンピックが開催される前と後で景気の動向が大きく変わることなども予想されると思います。
そこで、今後予想されるこのような急激な財政をめぐる状況の変化に対してどのように乗り切ろうとしているのか伺います。
◎中村 財政課長 二十七年度以降でございますが、梅ヶ丘病院跡地の施設整備や玉川総合支所の改築など大規模建設工事を予定しております。現段階ではこれらの公共施設の整備計画を維持してまいりたいと考えております。また、学校改築につきましても、これまでどおりの改築ペースを基本として進めたいと考えております。
一方で、委員お話しのとおり、今後、東京オリンピック・パラリンピックに向けた建設需要などを背景に、資材高騰などによるさらなる建設コストの上昇とその後の反動など、経済状況の変動が区財政にとって無視できない状況に至ることも十分に予想されます。
今後、二十六年度上半期の入札の実施状況等を十分に分析検討いたしまして、東京オリンピック・パラリンピック後の状況も視野に入れながら、公共施設の整備計画、財政計画の修正の必要性について判断をしてまいりたいと考えております。
◆和田秀壽 委員 次に、国有地の活用についても少し伺ってまいりたいと思います。
この十年間で財政にとって大変大きな負担になる公共施設の更新の問題についてです。
さて、ことしも保育の待機児数は大変大きな数字になりそうですし、高齢者施設も依然として足らない状況が続いている中で、国から示されました国家公務員宿舎削減計画は、国有地である宿舎跡地を活用して保育施設や高齢者施設などを整備する、とてもいいチャンスであることは間違いないと思います。
特に深沢一丁目にありました国家公務員宿舎跡地、たまたま私の姉があの宿舎にしばらく住んでいたことがありまして、何度か行ったことがあるんですけれども、とても広い敷地の中にゆったりとつくられ、また周りの環境もとてもすばらしい場所であることは間違いないと思います。東側に自由通りがあって、北側には八雲から深沢のほうへ抜けるバス通りがある、そして西側には自由が丘から出てくる東急コーチのバスも走っていますし、バスの便は非常にすばらしい場所でもあります。若干駅から遠いという難点はあるかもしれませんが、あれだけ広大な敷地が、一部ではあるかと思いますが、区のほうで使えるんだということになると、これはすごいなと思いました。
しかし、厳しい財政状況の中、今回幾つかの宿舎跡地を買い取りですとか、あるいは転貸によって確保していくとの発表がありましたが、そこで財政的な裏づけや見通しはどのように持っているのかを伺います。
◎中村 財政課長 国家公務員宿舎削減計画に位置づけられました区内の宿舎は四十四宿舎ございまして、十四宿舎の活用について、国に要望する予定でございます。委員お話しのとおり、保育施設や高齢者・障害者施設を初めとした用途へ活用する好機と捉えているところでございます。
国有地を活用する際の財政面での御質問でございますが、区が土地を買い取るという手法だけではなく、特に今後の需要のピークが想定されます保育施設の整備を想定する国有地については、土地を二十年の定期借地として区が借り受け、施設を整備する法人に賃貸する転貸の方式を採用してございます。財政負担の軽減とともに、一時期に財政負担が集中することをこのことによって回避してまいります。
また、区が土地を買い取るという場合には、公園や道路など用途に応じて国庫や都補助金などをしっかり確保していくことに加えまして、必要に応じて特定目的の基金や特別区債などを活用しながら、単年度の財政負担が過度にならないよう十分考慮した上で、財政計画に位置づけてまいりたいと考えております。
なお、先ほど国に要望する予定ですとお答えしましたが、失礼しました。要望は提出済みということで訂正させていただきたいと思います。
◆和田秀壽 委員 先ほど来申し上げておりますが、これからの十年を展望すると、梅ヶ丘の保健福祉の拠点整備、玉川総合支所・区民会館の建てかえ、さらに本庁舎の建てかえ等、大きな公共施設整備が次々と控えています。一方で、この先も毎年二校のペースで学校改築を続けていくとなると、財政計画をよほどしっかりしたものにしていかなければならないと思います。限られた財源の中で公共施設の整備更新のためには、区立小・中学校の適正規模化・適正配置によって生まれる学校跡地をできるだけ有効活用していくことが必要不可欠と言われています。もちろん地域の地元の皆さんの声をしっかりと聞いた上で長期的な見通しを立て、施設の再配置、統合を進めるべきであることは言うまでもありません。
そこで、これからの十年間を展望した財政運営に続いて、学校跡地の有効利用と公共施設について取り上げてまいります。
初めにも申し上げましたが、この十年間に直面する公共施設の更新は少なくありません。本庁舎、世田谷総合支所、世田谷区民会館、玉川総合支所、玉川区民会館などなど、たくさんあると思います。
そのような中で、とりわけ本庁舎や総合支所は、日常の行政サービスの拠点であるだけでなく、災害時には、まさに司令塔になるという大変重要な施設であります。今回の基本方針に示されております公共施設整備方針では「すべての公共施設を現在と同様に維持することは財政的に非常に困難な状況です」とあります。これについて区の見解を伺います。
◎小田桐 政策企画課長 お話にございました公共施設整備方針でございますが、今回お示しした新たな基本計画の中でうたっている整備方針でございます。その中で、今後三十年間に改築、改修に係る経費、年平均百六十億円を上回る額と見込んでおりまして、過去十年間は年平均約九十億円であったことと対比しますと、約一・八倍という見込みを立てているところでございます。
こういった観点で公共施設の総量の抑制を図らなければならないというところが区の課題ではございますが、引き続き子どもの人口が増加傾向にあるという中で、子どもの人口が減少に転じるまでの平成三十五年度をピークに設定しまして、最大でそこまでで五%の増加、その程度で抑制するという目標を設定しております。それ以降、子どもの人口が減少に転じることに伴って、施設の廃止、施設機能の統合、それから可能なものは民間へ委託する、委ねる、そのような方法によりまして縮減を図り、平成五十五年度を目途に、二十五年度現在の水準以下に抑制するという目標を立ててございます。
◆和田秀壽 委員 そのような状況の中、学校や区民利用施設は教育やコミュニティー活動を支え、福祉面での見守りですとか介護予防のための健康づくりなど、地域活動の重要な場となっていると思います。まず、本当に必要な施設なのかどうか、徹底した吟味をすることは言うまでもないことです。
今後も必要な施設の改築については先送りができないという覚悟を持って決めることが、まず必要ではないでしょうか。その上で、施設をどう確保し維持更新するかが、これからの大きな課題ではないでしょうか。そのことがいかに困難なことかは、この公共施設整備方針でも述べられています。先ほど質問しましたが、国有地の活用についても、今後の人口推移予測などを見ながら整備し、その後の維持コストについてもしっかりと考えていく必要があると思います。
そこで、区は学校の適正配置・適正規模化によって生まれる跡地の利用をさらに徹底すべきではないでしょうか。区内にある全ての学校は、言うまでもなく地域の中で子どもたちの教育の場としてかけがえのない資産です。だからこそ地域の大切な宝として、教育の場だけではなく、防災面での重要な施設として、また、公共施設としても地域にとって役立つための施設として有効活用を図っていくべきと考えます。この点、区の見解を伺います。
◎小田桐 政策企画課長 区立の小中学校は、地域コミュニティーの活動拠点や災害時の避難所として重要な施設でございまして、区内では限られた大規模な用地でございます。そのため、その跡地につきましては、引き続き有効に活用していく必要があると認識しております。
これまで中学校二校の跡地につきまして説明会や意見交換会等を実施して、議会の御意見もいただきながら学校跡地活用方針を策定してまいりました。現在は適正規模化・適正配置の第二ステップで生じる小学校跡地につきまして、学校跡地活用検討ミーティングを行い、地域の方々とともにワークショップ形式で活用の検討を進めているという状況でございます。
庁内におきましても、ミーティングで出された意見を考慮しながら、並行して立地条件や用途制限、施設の老朽度等の課題を整理し、活用策を検討しております。
活用に当たりましては、公共施設全体をマネジメントするという観点から、周辺の公共施設の状況を踏まえ、中長期的な見通しに基づいて複合化や効率のよい設備の導入、そういったものによって財政負担を抑えながら、必要な公共施設の整備を着実に進めてまいります。
◆和田秀壽 委員 いろいろ伺ってまいりましたが、やはり私は一番最初に申し上げました、また何度も申し上げましたが、この十年間という期間、非常に重要な十年ではないかなと思います。たまたま昨年、この基本構想が二十年間の公共的指針として議決がされ、また、基本計画がこの四月から行政運営の基本的指針として、十年間の施策を総合的、体系的に明らかにする最上位の行政計画とうたわれております。この基本計画がスタートいたしますこの平成二十六年度は大変大きな意味を持った年であると思います。しっかりとした財政計画のもと、区政運営に取り組んでいただくことを申し上げまして、新川委員に交代をいたします。
◆新川勝二 委員 私からは、まず最初に、防犯対策についてお尋ねします。
これまで世田谷区では安全安心まちづくり条例を制定して、区民の意識の高揚を図る啓発活動とか、区民の生活の安全にかかわる区民の自主的な活動に対する支援、防犯カメラの設置など、生活の安全に寄与する環境の整備に取り組まれているほか、防犯キャンペーンとか、防犯パトロールとか、地域防犯リーダーに対する研修会などを実施されるなど、安心で安全して生活することのできる地域社会の実現に向けて取り組んでおられます。その結果としまして、犯罪の認知件数は平成十四年から十一年連続して減少していると聞いております。しかしながら、新聞報道などを見ても、近年の社会情勢の変化によりまして、平成十四年当時とは犯罪の内容も大分変化しているのではないかと思います。
そこで、東京都における犯罪発生の状況と世田谷区における犯罪の発生状況はどのようになっているのか、また、現在の世田谷区の犯罪発生の特徴はどんなものがあるのかについてお伺いいたします。
◎椿原 危機管理担当課長 昨年の東京都における刑法犯の認知件数は前年比マイナス九千八百二十三件の十六万二千五百五十七件となっております。強盗、侵入窃盗、ひったくりは減少したものの、特殊詐欺については三百四十二件増加し、二千六百十六件、被害額が約八十七億円となっております。
一方、世田谷区における刑法犯の認知件数は、昨年、八千四百三十五件であり、前年比マイナス百三十四件減少し、件数が最も多かった平成三年の一万七千件から比べますと約半分以下に減少しており、好ましい状況となっていると言えると思います。
しかしながら、個々の犯罪を検証いたしますと、前年と比較して増加している犯罪もございます。侵入窃盗が九十七件増加し、五百七十六件、ひったくりが十二件増加し、五十件、振り込め詐欺などの特殊詐欺は九件増加し、百六十二件発生、被害額が約七億九千万円となっております。
侵入盗やひったくりにつきましては、都内では減少しているものの、世田谷区では増加傾向にございます。区全体の犯罪総数は減少しておりますが、個々には押さえ込んでいかなければならない犯罪があると認識しております。
◆新川勝二 委員 次に、自治体と警察との連携強化についてお尋ねいたします。
今おっしゃったように、世田谷区の犯罪発生状況を踏まえた上で効果的な犯罪の予防につなげていくために、区と地元の警察と連携を強化して、侵入窃盗やひったくり、特殊詐欺などについての防犯対策を講じていく必要があると思います。自治体と警察の連携強化については、他の区においても警察署と区長の間で覚書を交わしており、共同して防犯対策を講じておると聞いております。
この覚書は、平成二十一年十二月、当時、刑法犯の認知件数が都内で一番多かった足立区が、警視庁と締結して犯罪の防止に関する各種対策を推進したことで犯罪を減少させたのをきっかけとして、現在では二十三区のほとんどが締結しているということであります。
世田谷区でも先日、行政と警察が連携して共同して区内の治安向上に関する取り組みを推進して、安全で安心して暮らせるまち世田谷を実現するために、区長と区内の四警察署長との間で世田谷区における治安向上の取り組みに関する覚書を締結したとのことでございますが、世田谷区の覚書と他の自治体との相違点、世田谷区の覚書の特徴、またその効果を伺いたいと思います。
◎椿原 危機管理担当課長 覚書の締結の特徴等について御説明させていただきます。
委員御指摘のとおり、犯罪の起きにくい社会づくりの推進に当たっては、警察と自治体との連携が不可欠であることから、世田谷区におきましても、区と警察とが共同して治安向上に関する取り組みを推進し、より一層安全で安心して暮らせるまちづくりを実現するために、本年二月二十一日に世田谷区における治安向上の取り組みに関する覚書を締結したところであります。
世田谷区の覚書の特徴といたしましては、区長と署長が直接情報交換を行う連絡会を実施し、より緊密な連絡体制を構築することや、区民の生命、身体に危害が及ぶおそれのある事件が発生した場合に、速やかに区に対してその情報を提供することなどが挙げられます。
区長と署長の連絡会を実施し、それぞれの組織のトップが直接情報交換することにより、より素早く実効性のある対応ができるという効果があると考えております。
また、事件情報につきましては、警察から提供を受けたものを、速やかに区民に対してメールやホームページ、ツイッターなどにより提供することといたしております。あわせまして、これらの情報を学校や区の施設、外郭団体などにも連絡し、必要により施設等の利用者にお伝えすることにより、二次被害の防止や風説、デマなどの防止の効果も図ってまいりたいと思います。
覚書を締結し、警察との連携を強化することで、世田谷区に必要で効果のある防犯対策等を実施してまいりたいと考えております。
◆新川勝二 委員 続いて、特殊詐欺の特徴について伺ってまいりたいと思います。
報道等によりますと、特殊詐欺には、母さん助けて詐欺と言われているオレオレ詐欺のほかに、融資保険金名目の詐欺や、医療費などの還付金を装う詐欺などがあり、これらの特殊詐欺は増加の一途をたどり、都においても世田谷区においても歯どめがきかない状況にあると聞いております。
最近、被害が急増したことで報道などで話題になっているインターネットバンキングの不正送金も、東京都の被害総額は昨年一年間で約二億八千万円もありますが、しかし、特殊詐欺の約八十七億円の被害額に比べるとわずか三%になっております。いかに特殊詐欺の被害が甚大であるかということがわかります。
都内における特殊詐欺の被害状況は、認知件数、被害額とともに全国最多となり、特に認知件数で全国の二二%を占め、また、一都三県、東京、神奈川、千葉、埼玉ですが、全国の約半数の認知件数を占めていると聞いております。
また、特殊詐欺の内容については、特殊詐欺の中で一番被害が多く、全体の七三%を占めているのがいわゆる母さん助けて詐欺と言われるオレオレ詐欺で、千九百二十二件発生して、被害額は約五十四億七千万円となっております。また、他に還付金詐欺や振り込め類似詐欺などを合わせて全体の件数は二千六百十六件発生して、被害額は、先ほど申してくれましたけれども、約八十七億六千九百万円と甚大であります。年間の件数にして三百四十二件、被害額は約六千五百万円増加しているというゆゆしい状況であります。
世田谷区においても発生件数、被害額とともに増加している特殊詐欺に対して、その現状をしっかりと把握することが必要であると考えます。被害状況や特徴など、どのようにして把握しているのかお伺いいたします。
◎椿原 危機管理担当課長 特殊詐欺の特徴等について御説明させていただきます。
委員御指摘のとおり、世田谷区におきましても、都内と同様にオレオレ詐欺、いわゆる母さん助けて詐欺の被害が最も多く、百二十九件と全体の約八割を占めております。特殊詐欺全体では百六十二件、約七億九千万円の被害が発生しております。
次に、オレオレ詐欺の被害の特徴でございますが、これは東京都内の特徴ということになりますが、被害に遭った方は六十代以上の方が九割以上を占めているということでございます。また、女性が約八割となっているということでございます。
だまし文句の手口といたしましては、小切手等が入ったかばんを置き忘れた、既婚女性を妊娠させてしまった、会社の金を横領したなどとなっており、これらの手口が約八割以上を占めております。
現金の受け渡し方法については、以前多発していたATMでの振り込みは一五%と減少し、手渡し、いわゆる手交型が千五百九十三件と最も多く、オレオレ詐欺の八割強を占めております。また、警視庁が被害に遭われた方に対して行ったアンケート調査によれば、被害者の約四割の方が被害防止について家族間で話し合ったことがあり、約八割の方が自分は大丈夫であると考えていた、四%の方については、以前にも詐欺の被害に遭ったことがあるという結果が出ております。
また、犯人が成り済ました者については、八割以上が息子か孫であり、その職業は七割以上が会社員となっております。これらのことから、被害の特徴といたしましては、被害に遭われる方は、金融機関の窓口が営業している午前九時以降に自宅におられて、電話に出る機会の多い女性がその被害者となることが多い。また、振り込め詐欺を初めとする特殊詐欺について御存じであっても、自分はだまされないという認識があっても、自分の子どもや孫がピンチであると思うと、今、子どもを救わないと会社を首になってしまう、今なら救えると考え、ついだまされてしまうという傾向があると言えます。
区といたしましても、あらゆる機会を通じまして、このような被害状況や手口などを区民の皆様にお伝えし、被害を未然に防止していけるよう啓発に努めてまいります。
◆新川勝二 委員 次に、特殊詐欺に対する区の取り組み状況についてお伺いします。
特殊詐欺については、区においても、警察においても被害を予防するためにさまざまな対策を講じていると思いますが、これまでどのような対策を講じてきたのでしょうか。また、振り込め詐欺や悪質商法による被害防止を図るために、民間事業者と共同して悪質な電話を受ける危険性を減少させるために、迷惑電話チェッカーのモニター利用募集をしていたと聞いておりますが、その有効性についてどのようにお考えでしょうか、まずお尋ねします。
◎椿原 危機管理担当課長 区がこれまで実施してきた特殊詐欺対策は、「区のおしらせ」等の広報紙、ホームページ、防犯メール等による啓発活動の実施、振り込め詐欺撃退シールやリーフレットなど啓発物品の配布、地元警察と連携した街頭キャンペーン、また、金融機関に対する協力の呼びかけのほか、町会長会議での情報提供など、予防啓発活動を行ってまいりました。
また、地元警察におきましても、高齢者宅を訪問して直接被害防止を呼びかける活動、特殊詐欺の被害者となるおそれのあるお宅に直接電話し、注意喚起を呼びかける対策、金融機関との情報共有による窓口での未然防止対策、学校や企業に対して行う、子どもや孫世代に対する啓発活動、かかってきた電話を録音することで、被害を未然に防止する録音機の設置などに取り組んでいるところであります。
特に金融機関の窓口における未然防止対策では、金融機関の方々の一歩進んだ声かけにより、東京都内で千三百八十五件、約四十七億円の被害を防止しているなど大きな効果を上げているところではございますが、全体として被害を減少するには至っておりません。
このようなことから、委員御指摘のとおり、区では三月三日から迷惑電話チェッカーのモニター利用の募集を開始したところであります。この機器の有効性としては、警視庁等の行政機関から提供された迷惑電話番号などをもとに判定された情報が管理サーバーから機器へリアルタイムで自動配信され、着信時に迷惑電話を赤色で表示することであります。迷惑電話チェッカーは、電話着信時に相手によって赤色、黄色、青色と点灯することから、あらかじめ注意することができるほか、迷惑電話のおそれがありますとガイダンスが流れるなど注意喚起もなされます。募集台数は百台となっており、現在、二十件程度のお申し込みをいただいているところですが、今後も一人でも多くの方々に御利用いただくよう、区のホームページ、「区のおしらせ」、メール等で広く周知するほか、町会の方々に直接その有効性について御説明し、振り込め詐欺の被害を防止、抑止していけるよう取り組んでまいります。
◆新川勝二 委員 実は迷惑電話チェッカーというのに私も入っておりまして、効果の多大なところを期待しておるところでございます。世田谷区における侵入窃盗の認知件数というのは減少傾向にあり、過去十年間の統計を見ても、昨年の発生件数は十年前の約三分の一に減少しているといいます。防犯対策に一定の効果があらわれていると評価するところでありますが、しかしながら、前年に比べると九十七件増加して、五百七十六件発生しているということであります。また、ひったくりについても前年比で増加したと聞いております。油断はできない状態だといいます。
そこで、これらの犯罪への対策としての防犯カメラの活用についてお伺いいたします。
区では、商店街等に対しては防犯設備の整備、いわゆる防犯カメラに対する補助を実施して、平成十七年度から今年度までに三十を超える商店街に約四百台の防犯カメラを設置していると聞いております。防犯カメラは、昨今の報道を見ても犯人の検挙率に大きく役立つほか、その予防効果も大きいと考えております。
現在は商店街を中心に防犯カメラを設置しておりますが、侵入窃盗が増加しているという状況を鑑みると、住宅地の設置も必要ではないかなと考えております。世田谷区では増加している侵入窃盗やひったくりの予防対策に防犯カメラのさらなる活用が有効であると考えますが、この見解をお尋ねいたします。
◎椿原 危機管理担当課長 世田谷区の侵入窃盗の発生状況は、空き巣や忍び込みといった個人宅に対するものが約七割、事務所や店舗を対象とするものが約二割となっていることから、個人のお宅を狙った侵入盗が多いと言えると思います。また、その手口でありますが、これは東京都全体の統計として警視庁から発表されたものですが、被害の約三割が無施錠であるほか、窓からの侵入が約七割を占めることから、少しの外出でも施錠を確実に行うことや、留守であることがわからないように新聞等をためないこと、窓には補助錠をつけることなどについて、区ホームページ、「区のおしらせ」、メール等で広く周知するほか、町会長会議で直接御説明させていただいているところでございます。
委員御指摘の防犯カメラにつきましては、犯人は人目につくことを嫌うとされておりますことから、侵入窃盗やひったくりの予防のみならず、検挙にとっても有効な手段であると考えております。
区では、これまで商店街に対して防犯カメラの補助を行ってまいりましたが、町会に対する補助につきましても、新実施計画の事業として推進することといたしたところでございます。
今後、町会の方々にカメラの設置に向けてその有効性について御説明し、啓発に努めるとともに、その設置を促進することにより、侵入窃盗やひったくりを初めとする各種犯罪が減少するよう啓発に努めてまいります。
◆新川勝二 委員 よろしくお願いいたします。町会とか住宅地の犯罪防止のために、一つこれが役立つといいと思います。
それでは次に、災害対策についてお尋ねいたします。
先般、国は都心南部直下地震の被害想定を発表しました。それによりますと、今後三十年間の間に七〇%の確率でマグニチュード七程度の直下地震が起きるとされまして、一都六県の被害としては、死者は最大で二万三千人、倒壊家屋は十七万五千軒となっております。発災時に被害のイメージとしましては、海溝型地震と言われる、東日本大震災よりも阪神・淡路大震災のそれに近いとされております。阪神・淡路のときは七千人近い方が亡くなっておりますが、その多くは短時間の激しい揺れによって建物倒壊による圧死でございました。
しかし一方で、瓦れきの中から多くの市民が市民自身の手によって救出されたことも事実でございます。ふだんから耐震化、家具の固定などの取り組みや、いざというときの助け合いである自助、共助がいかに大事か、改めて思い知らされております。
同時に、発災時の行政の役割もまた重要であります。発災時の応急救護の体制づくり、的確な情報収集と避難指示など、区民への適切な情報提供、要援護者の安否確認から避難所の設置について、区とのかかわりが多岐にわたります。いざ直下型地震が起きた場合に、区は迅速に行動できるように、マニュアルの整備、ふだんからの防災訓練は欠かせません。
さきの定例会で私は、発災後、人命救出の限界点となる七十二時間の区の行動を三・一一を踏まえてしっかり見直す必要があると指摘しました。区はマニュアルの見直しを進めているという答弁でございましたが、その後の進捗状況と七十二時間という時間帯に、どこに重きを置いて行動するのか、あわせてお願いいたします。
◎有馬 災害対策課長 進捗状況でございますが、災害対策本部を構成する災対各部ごとに、改めて区民の身体、生命の保護という観点から、時系列での行動目標について再点検を行うとともに、現行マニュアルの中で修正や充実を図るべき箇所について洗い出しを行ったところでございます。
見出された課題につきましては、緊急物資の輸送や要援護者対策、医療救護体制、さらには在宅避難者への対応など多岐にわたりますが、速やかに検討を行い、七月末を目途に修正作業を完了したいと考えております。
初動期において何に重きを置くのかという御質問をいただきましたが、発災から七十二時間はデッドラインとも言われ、その間は命の保護が最優先となります。現状では火災や土砂災害などに伴う二次災害の防止、救出救助活動の支援、的確な医療救護、要援護者の安否確認や避難の支援などに優先して取り組む必要があると考えております。
いずれにしましても、今般のマニュアル修正作業の中で改めて整理し、広く共有を図っていく必要があると考えております。
◆新川勝二 委員 七十二時間という制限がある中で、それを一生懸命、やってほしいと思います。
次に、誰でもできる簡単な行動を組み合わせて、家庭や職場など身近な場所で実施する、シェイクアウトと言われる防災訓練についてお伺いいたします。
シェイクアウトは、できるだけ多くの人に参加してもらうことを目的とする訓練で、防災資器材や小中学校の校庭、体育館などの訓練場所を必要としません。参加者の多くは、身近な場所である家庭や職場などで防災無線や防災メールなどを合図に、あらかじめ決められた行動、例えば地震から身を守る安全行動をとったり、避難経路や備蓄品の確認を行ったりするもので、ポイントは、参加者がそれぞれの場所で、一斉にその場所に適した安全運動をとることにあります。主催者側は事前にPR等を行い、参加者が一体感を持てるように工夫すると効果的とされております。
区では、これまで区民とともに地区防災訓練とか避難所運営訓練などを実施してきました。今後もこうした訓練は防災訓練の王道として、訓練の参加者拡充を図るということはもちろんでありますが、一方で、シェイクアウトのような比較的参加が容易な訓練を行って、参加を通じて防災訓練の必要性について普及啓発を行いながら、その参加者を従来の避難所運営訓練などに結びつけていくこともできると考えます。
京都市や札幌市、千代田区や杉並区、北区など、既にシェイクアウトを実施している自治体を参考に、世田谷区独自のシェイクアウトを実施してはいかがかなと思いますが、区のお考えをお伺いいたします。
◎有馬 災害対策課長 シェイクアウトにつきましては、アメリカで考案された訓練でして、その後、日本においても、二年前の平成二十四年三月に千代田区で二万五千名の参加者を得て、初めて実施されました。その後、全国の幾つかの自治体において取り組みが進み、今年度は、今のところ都内で四自治体、全国で十四の自治体で実施あるいは実施予定となっております。ちなみに、本日、都内では北区で一万一千名、杉並区で三万二千名が参加して実施されていると聞いております。
この訓練では、訓練参加者は参加の意思を登録し、一斉に行動しますが、一つのところに集まるのではなく、家庭や学校、企業など、それぞれの場所で主体的に考え参加するもので、内容も、地震の揺れからその場で身を守るという簡単な行動であることなどから、比較的容易に多くの参加者を得ることが可能とされています。また、参加者一人一人がみずから防災について考える機会にもつながると、効果も聞いております。
区でも実施してはどうかというお話がございましたが、区としましても、多様な訓練の機会を提供し、一人でも多くの防災意識を持っていただくという観点から、御提案のとおり、まずは既に実施している自治体での実施結果等を把握し、研究に努めてまいります。
◆新川勝二 委員 私の質問は終わります。
続いて、上山委員にかわります。
◆上山なおのり 委員 さきの一般質問では、主に基金の課題を中心とした財政運営について伺いました。予特でも引き続き財政運営について伺ってまいります。
アベノミクスによる金融財政の成長戦略の一体的な取り組みの政策効果を背景に、区の新年度予算は前年度比六・五%増、二千五百八十億円となりました。しかし、今後の年度末残高を見れば、到底楽観はできません。世田谷区が力強く成長を遂げるためにも、これまで以上に財政基盤を強化していくことが重要であると考えます。
そこで、起債について伺いますが、区の特別区債残高は、平成十年度末には一千四百六十九億円をピークに低減させ、平成二十六年度末見込みは六百二十億円と、平成十年度末のピーク時から半減させております。平成二十六年度も特別区債発行額を四十四億円程度にとどめ、さらに特別区債残高を減少させる姿勢は評価しますが、一体、特別区債残高が幾らになるのを目指しているのか、数値目標、基金残高との関係、財政規模に対する比率、他区との比較などがあるのか、まずお伺いいたします。
◎中村 財政課長 特別区債残高につきましては、この間の新規発行の抑制と着実な償還により、お話しのとおり、ピーク時に比べ大幅に減少しております。
一方で特別区債と基金の残高を比較いたしますと、二十四年度決算数値ですが、基金残高が六百十一億円、特別区債残高が六百八十億円となっており、差は縮まっているものの、依然いわゆる借金のほうが貯金を六十九億円上回っているという状況にございます。
二十三区の中では特別区債残高が基金残高を上回っているのは世田谷を含め七区のみとなっております。また、予算規模に対する特別区債残高の割合につきましても、世田谷区は二十三区の平均値よりも高くなっております。こうした現状を踏まえますと、起債残高の目標としましては、五百億円という目標を目指していきたいと考えております。
また、二十五年度決算数値に向けた一つのシミュレーションといたしまして、二十五年度最終補正で庁舎等建設等基金に六億九百万円積み立てることに加えまして、仮に二十五年度予算で計上しています基金繰入額、これは六十四億円でございますが、これを全額繰り入れないこととした場合には、基金残高が特別区債残高をちょうど一億円上回ることになります。
今後、決算については正式な数値を確定してまいりますが、貯金が借金を上回る状況ということになれば、二十二年ぶりということになります。
当面は特別区債残高が起債残高を下回ることを目標に、引き続き特別区債の新規発行の抑制と着実な償還に努めてまいりたいと考えております。
◆上山なおのり 委員 予算説明書別冊の特別区債の将来見込みを見ますと、区の特別区債残高は、平成二十七年度には五百六億円まで減少し続けるものの、平成二十八年度以降は、梅ヶ丘病院跡地の整備に伴い、五百五十億円前後の額で推移するものと想定されています。このように大規模な財政需要で、かつ適債事業である場合は、一定の制約のもと、起債で財源不足を補うことが今後も必要となる場面、例えば本庁舎整備などが想定されると考えられますが、区の見解をお伺いします。
◎中村 財政課長 特別区債につきましては、引き続き新規発行の抑制と着実な償還を基本に取り組んでまいりますが、お話にありました大規模な事業に当たりましては、一般財源を補完するということに加えまして、財政負担の平準化や世代間の税負担の公平性確保といった観点からも、特別区債を活用する必要があると考えております。
当面の大規模事業として梅ヶ丘病院跡地整備では、二十八年度に一時的に特別区債の増額を見込んでいるほか、お話にありました本庁舎整備につきましては、整備内容や手法の検討を進め、まずは経費の概算を明らかにする必要がございますが、多額の財政負担が伴うことは確実でありまして、基金の活用とともに、特別区債の活用が不可欠であると考えております。
◆上山なおのり 委員 先ほどの質問と同様、特別区債の将来見込みを見ますと、これまでの特別区債発行額の制御の努力のおかげで、平成二十八年度の元利返還額は、二十六年度と比べ六十二億円程度減少する見込みであります。私の一般質問で、部長の答弁の中に当初予算段階も含めた計画的な基金積み立てとありました。この時期に実施すべきであると考えますが、区の見解をお伺いします。
◎中村 財政課長 今後の公債費の見込みについてですが、二十六年度、二十七年度は、過去のリーマンショック直後に借り入れました五年満期の特別区債の償還時期に当たりますことから高い水準となっておりますが、二十八年度以降は、これまでの起債抑制の効果により公債費の減少を見込んでおります。
中期財政見通しでは、二十八年度以降は公債費が減少する一方で、梅ヶ丘病院跡地の施設整備や玉川総合支所の改築など大規模事業による歳出増を見込んでおりますが、現在検討を進めています本庁舎整備などに向けては、特に庁舎等建設等基金への積み立てが必須であることは、一般質問で政経部長から答弁したとおりでございます。
さきに御議決いただきました第六次補正予算でも庁舎等建設等基金に約六億円を積み立てておりますが、御指摘を踏まえまして、今後、当初予算段階を含めたできる限り早い時期から計画的かつ積極的な基金の積み立てに努めてまいりたいと考えております。
◆上山なおのり 委員 新実施計画を見ますと、行政経営改革の基本的な考え方に基づく全庁的な取り組みの中に起債の抑制と計画的な運用という項目が挙げられております。その内容に繰上償還の改善を引き続き求めていくという記述があります。財政に余裕のある時期に債務を償還して利子負担を軽くするという財政運営も必要と思いますが、過去に世田谷区で繰上償還を行った事例があるのか、また、改善を求める課題とはどのようなものかお伺いいたします。
◎中村 財政課長 国は従来、自治体の借入金の繰上償還を制度上認めていませんでしたが、平成十三年度から保証金を払うことにより繰上償還を行うことができるようになりました。新実施計画に繰上償還の改善を求めていくと掲げておりますのは、具体的にはこの保証金の制度についてでございます。
区は平成十八年度に、過去の高金利のときに借り入れた特別区債を繰上償還した実績がございます。このとき、元金二十四億八千万円を繰上償還する際に必要となった保証金が四億二千四百万円でした。この場合、保証金を払っても返済総額を九千六百三十万円縮減する効果があったため、繰上償還を実施しましたが、この保証金の制度は繰上償還のネックとなっていると考えております。
お話しございましたとおり、例えば財源に余裕があるときに債務を償還し、将来の行政需要に備えるといった、より自立的で柔軟な財政運営ができるよう、繰上償還の際のこの保証金の制度の改善について、国を初めとしまして関係機関に対して要望してまいりたいと考えております。
◆上山なおのり 委員 一般質問でも、今後起こり得る急激な景気後退による財政不足に備えて基金残高の保持に努めるよう求めましたが、大規模な財政需要がある場合は、基金からの繰り入れで補うのか、また起債で補うのか、長期的視点を持ってバランスのよい財政運営に心がけるよう強く要望して、次の質問に入ります。
先日の企画総務委員会に世田谷区の将来人口の推計結果が報告されました。世田谷区の総人口は増加傾向が続き、平成五十年には外国人を含めると九十万人を超える見込みということであります。日本の総人口が既に減少局面を迎えている中で、区の将来人口が増加するという推計結果から、東京への一極集中がしばらくは続くであろうことが容易に推測できます。
さて、区の総人口を三つの年齢階層別で対比してみますと、非常に特徴的に推移する見込みということがわかります。
まず、ゼロ歳から十四歳の年少層は、平成二十五年の約九万七千五百人から平成三十五年には十万七千七百人と、十年間で一万人以上増加する見込みであります。また、六十五歳以上の高齢者層も、平成二十五年に約十六万三千四百人から平成三十五年には十八万六百人と、十年間で一万七千人程度増加する見込みであります。
なお、十五歳から六十四歳の生産年齢層は、平成二十五年も十年後の平成三十五年も約五十八万四千九百人と増減は見込まれておりません。
そこでお聞きしますが、向こう十年の年齢階層別の人口推計の結果から、区はどのような課題を乗り越えなくてはならないと認識しているのかお伺いします。
◎中村 財政課長 まず、ただいまお話がありました人口推計の中で、三つの年齢階層のうちゼロ歳から十四歳の年少人口でございますが、今後十年間で一万人の増ということで、さらなる保育需要の増を初めとしまして、子ども・子育て関連経費の増大が想定されます。
次に、六十五歳以上の高齢者人口でございますが、こちらは今後十年間で一万七千人の増となっておりまして、現在でも高齢化に伴い年々増加しています医療や介護に関する経費など、社会保障関連経費の増大が引き続き見込まれるところです。
一方、年少人口、高齢者人口の増に対して、十五歳から六十四歳の生産年齢人口は、今後十年間でほぼ横ばいとなっております。歳入面で考えますと、この年齢層の方々が区税収入を支える世代であり、人口の面だけで見ると、十年後も現在と同等の税収を維持できるものと推測されます。
しかしながら、区税収入は景気の動向に大きく左右されますし、また、税制改正が行われる可能性もございます。現在の税収が今後も維持できるかどうかは先行き不透明な部分もあります。
子育て関連経費や社会保障経費の一層の増加を考えますと、不断の行政改革の取り組みにより、より強固で持続可能な財政基盤を築いていく必要があると認識しております。
◆上山なおのり 委員 まさしく私もそのとおりだと思います。生産年齢層は減少しない見込みというのがせめてもの救いであり、向こう十年は子育て支援関連経費の増と高齢化に伴う社会保障費の増のダブルパンチで、区財政は最大のピンチが訪れるかもしれません。この十年をうまく乗り越えたとしても、さらに次の十年も厳しい状態が続きそうであります。
年少層は平成三十五年から平成四十五年の十年間で一万人ほど減少する見込みであります。一方、高齢者層は同じ十年間で二万二千人もふえる見込みとなっております。このような状態になると、区の予算の大部分を義務的経費に配分せざるを得ず、投資的経費に配分する余裕がなくなることが想定されます。そうならないうちに、公共施設の整備を先送りせず、しっかりと取り組んでいく必要があると考えます。
特に本庁舎整備については待ったなしの段階まで達していると思います。本庁舎等整備方針(案)にある十年後を目途に改築に取り組むという考えが今後ぶれてはならないと考えていますが、区の考えを伺います。
◎長岡 庁舎計画担当課長 本年一月に取りまとめました本庁舎等整備方針(案)では、本庁舎の場所や規模、整備手法等についてお示ししております。来年度からは基本構想に着手し、おおむね二年間で、より具体的な本庁舎の機能、規模、整備手法等について検討してまいります。
さらに、それらの検討結果を踏まえ、総事業費の見込みを算出し、計画的な財政計画を立て、十年後を目途に改築に取り組んでまいります。
◆上山なおのり 委員 答弁のように、ぶれずにしっかりと進めていただきたいと思います。
ここで上島委員と交代をいたします。
◆上島よしもり 委員 私からは、共通番号制度について伺っていきたいと思います。
国のほうでは、平成二十八年一月から導入予定ということで進められております。まだこの制度の詳細について見えていない中でありますけれども、実際、これが取り入れられることになりますと、行政事務、また区民サービスに大きく影響するだろうというふうに思われます。
特に区としては業務の効率化、また、どう活用すれば行革とか区の事務執行をより円滑に、またスピーディーに進めていけるのかということをしっかりと準備しておくことが私は重要だと思います。実際、二十八年一月からの導入ということでございますから、二十六年度は、そういう意味では非常に重要な一年になるのではないかなというふうに考えております。
そこで、区のほうでも専管組織が昨年立ち上げられたわけでございますけれども、そこでお伺いしたいんですが、この共通番号制度の導入は、今申し上げましたとおり、大きな影響をいろいろ及ぼすだろうというふうに思っております。それに対しまして、この導入に対する区の期待というのはどういうものなのか、また、来年度の取り組みのポイントを所管としてどのように捉えているか、お聞きしたいと思います。
◎淺見
共通番号制度準備担当課長 共通番号制度が導入されますと、複数の行政機関や地方自治体等に存在する情報が同一人の情報であるということの確認を行うことができるようになり、また、社会保障給付等の申請のときに住民票等の添付書類が削減できるようになるということから、事務の効率化が図られ、国民にとって利便性の高い公平公正な社会の実現が期待されるところでございます。
区では昨年九月に共通番号制度の準備のための専管組織を設置したところです。これまで国や都から提供される情報の窓口となり、また、庁内の領域をまたがる検討会を設け、制度説明会を実施するなど、庁内の理解を深めてまいりました。さらに、庁内各課に対し個人番号を利用する業務やシステムの確認、実務的な手続等の課題等についてヒアリングを実施しております。
来年度の取り組みのポイントといたしましては、個人番号利用業務の確定、特定個人情報保護評価の実施、システム改修、個人番号の付番や個人番号カードの交付等につきまして、特定個人情報の保護に十分配慮しつつ、事務の効率化及び区民サービスの向上の視点から検討し、準備作業を進めてまいります。
◆上島よしもり 委員 実は私、生活保護費のことを調べさせていただいたところで、非常に大変な額だなと思ったんですけれども、生活保護費の弁償金という表現ですが、いわゆる不正受給ですね。不正受給といっても犯罪という意味ではなくて、例えば年金受給権があるのに生活保護をいただいていたとか、そういうことも含めての金額なんですけれども、収入未済額が二十四年度で五億七千万円あって、現年分でも三億二千万円と。要するに平成二十四年度に発生した部分で三億二千万円ということで、非常に大きな額にちょっと驚いております。
実際、これは推移を見てみますと、現年分で見れば、二十三年度、その前の年は大体二億円なんですね。一・五倍に膨れ上がっていると。これは何でこんなにふえているのというふうに伺いましたら、どうやらかなり調査のほうに力を入れて、いわゆる不正受給をできるだけ発見するように頑張っていると、担当のほうではおっしゃっていまして、そのことはしっかりやってほしいと。これはやはり返していただかなくてはいけないので、こういうものを返していただくこともしっかりやっていただきたいというお話をしたんですが、やはり大事なことは、入り口の部分で生活保護を認定する際に、しっかりとした情報があれば、その後追っかけて、その方がどうやら怪しいということが、後々担当の方々が経験上わかったところで、きちっとした正式な手続を踏んで調査をして、ようやくこれは不正だということがわかる状態だと聞いています。
ここで私がこんな話を取り上げたのは、やはり共通番号制度の導入というのは非常に大きなインパクトがあるんだなと思っておりまして、例えば生活保護費のこういったことも、例えば自治体間で二重、三重に生活保護を受けている方は世田谷区でも出てきているようですけれども、そういうものもすぐ見つかるようになりますし、いろいろな職員の方が一生懸命時間をかけて調査することが一回で通してできてしまうという意味では、これは大きな効果をもたらすのではないかなと思っております。
私がここでぜひこの一年間の間にやっていただきたい一つは、国のほうでは、実際私、国のほうの方とちょっとお話ししたんですけれども、現場の意見というのがもう少し欲しいなということを言っていました。区長会でもどうやら意見を上げているようなんですが、どうやら財源措置のお話ばっかりで、具体的にこういう制度になると我々は仕事がしやすいというお話は上げていないようなんですね。
ですから、先ほど御答弁の中にヒアリングをされているというふうに聞きましたが、やはり現場の各所管でいろいろな情報の課題、いろいろな手続でなかなか混雑というか、大変苦労されているということが、この共通番号制度の導入でどういうふうによくなるかということをしっかり受けとめてもらって、それをやはり国に言っていただくことも非常に重要なのかと思うんですが、その辺についていかがお考えか、お聞かせください。
◎淺見
共通番号制度準備担当課長 御指摘のとおり、番号制度を成功させるためには、基礎的自治体ならではの具体的な実務の観点から、国に対し意見や要望を上げて情報交換していくことが重要であると認識しております。
地方公共団体は番号制度において最も中心的な役割を担っており、番号法で規定される事務の実施に加え、社会保障、税、災害対策の分野において、自治体独自のサービスを総合的に提供しております。
また、特別区は人口が多いことから、大量のデータ処理やレアケース対応など、大都市特有の問題が想定されます。お話しのように、先月、特別区長会がシステムの仕様、制度の導入と運用に関する情報提供や財政措置などを求める要望を国に行ったところです。
区としましては、国からの意見照会や特別区の動向、その他さまざまな情報交換できる機会を捉えまして、番号制度が円滑に実施されるよう、国に対し意見や要望を上げてまいります。
◆上島よしもり 委員 ぜひそこはしっかりやっていただきたいと思います。
そこで、具体的な共通番号制度の導入によっての一番わかりやすい事例として、コンビニ交付の各種証明書の発行ですね。税証明書、もしくは住民票等、戸籍等のそういった証明書を発行する業務をコンビニで行うことについて、検討状況についてはどうなっているのかお聞かせいただきたいと思います。
◎庄司 情報政策課長 証明書自動交付機は、出張所等区内三十二カ所で住民票の写し等の諸証明の交付を行っておりますが、機器のリース料など維持管理に年間で一億六千万円ほどかかっております。一方、全国八十一の市区町村が導入済みのコンビニ交付サービスは、システム導入にかかる一時経費や
コンビニ運営会社に支払う発行手数料などの新たな経常経費がございますが、証明書自動交付機に比べて年間で七千万円ほどの経費削減ができると思われます。
証明書自動交付機につきましては、平成二十六年末に機器のリプレースを控えております。一般的な機器のリース期間はおおむね三年間から五年間となりますが、コンビニ交付サービスは共通番号制度と密接に関係していることから、共通番号制度開始後に移行することをにらんで、庁内関係所管との検討を進めているところでございます。
◆上島よしもり 委員 済みません、続けるんだったら、二十六年末にリプレースをしなきゃいけないということであれば、いつまでにこれは決定しなければいけないということなんでしょうか。
◎庄司 情報政策課長 コンビニ交付サービスは、共通番号制度の一環として、平成二十八年一月から配布される個人番号カードで利用することになりますので、証明書自動交付機のために区民に発行済みの四十万枚ほどの利用者のカードではコンビニ交付サービスを利用できないという問題がございます。そのため、コンビニ交付サービスに移行するためには、既存の証明書自動交付機と並行する期間を設け、個人番号カードの普及を図っていく必要がございます。
リプレースのための機器調達を考えますと、新年度、できるだけ早い時期に入札を行うことが必要でございますので、個人番号カードの普及にどの程度の期間を見込むのか。証明書自動交付機とコンビニ交付サービスの並行運用期間との関係もございますので、庁内関係所管と連携し、至急結論を出していきたいと考えております。
◆上島よしもり 委員 多分二十六年度の頭ぐらいというと、二、三カ月ぐらいしか時間がないんじゃないかなと、少なくとも夏前ですよね。そういうことを考えますと、ここは短期間にしっかり判断していかなくてはいけないんですが、私は自分なりにいろんな方からいろいろ御意見をいただいたんですが、うまくいけば三年間のリプレースで僕はうまくいくと思います、うまくやれば。普通にやって四年だと思います。五年だと私は遅いんじゃないかなというような正直な感想を持っていますので、ここの短い期間でありますが、できるだけ短期間にそれが移行できるように、そこは所管のほうでまた努力をしていただきたいと思います。
最後に、この共通番号制度の導入で窓口サービスというのは大きく変わっていくと思われるんです。そこで、城倉部長に、総合支所長も務められて、窓口サービスというもの、また、区民サービス全般を見てきていらっしゃると思うんですけれども、今後、こういった時代の変化の中で窓口サービスがどういうふうに変わっていくのか、また、今後どうあるべきかについて、番号制度の導入の検討もこれまでされてきた部分もあると思いますので、御意見をお聞きしたいと思います。
◎城倉 地域行政担当部長 共通番号制度については、区の事務に相当いろんな場面で影響が出てくると思います。もちろん窓口サービスもそうですし、そのほかの事務についても、個々のセクションが持っているいろんな情報に個人番号をひもづけるということから出てくると思います。
それで、今後の話なんですけれども、もちろんこの共通番号制度がシステムによって支えられているということがあります。先ほどの自動交付機の件であるとか、コンビニ交付の件であるとか出ましたけれども、こういうこともありますので、まず第一に、システムを確実に導入していける体制を整えると。このためには全庁挙げてやっていかなければいけないなというふうに思っております。
あと、サービスの点なんですけれども、通常サービスを提供するということと、それから、ポータルを使って、例えばお知らせ型のサービスを実施していくということも、一つの区民サービスの向上につながる。それから、このシステムを使うということにおいて事務改善も果たしていけるんじゃないかなと思っております。そういう意味で、区民サービスの向上に向けて全庁挙げて取り組んでいきたいというふうに考えております。
◆上島よしもり 委員 では、私からの質問を終わりまして、菅沼委員と交代いたします。
◆菅沼つとむ 委員 世田谷区の保育サービス、特に財政のほうで運営についてお聞きします。
新聞では保育園に入れない人数が最も多いのが二年連続、世田谷区です。入れない人数は三千二百十六人で、昨年より六百二十五人ふえています。世田谷区は入れない人の最も高いパーセンテージとなりました。区長は、平成三十年四月までに二万人にすると言っております。
そこで、二十五年の国都補助金を抜かして、世田谷区の持ち出しは幾らぐらいなのか聞きます。
◎中村 財政課長 二十五年度におきます認可保育園、認証保育所、家庭的保育、保育室など、保育サービスに係る運営費補助でございますが、百四十一億円余りとなっております。ここから国や都の負担金、保育料などを除いた区の負担額といたしましては八十八億円と、全体の六割程度となっております。
◆菅沼つとむ 委員 私から言うとちょっと控え目かなという金額だろうと思います。世田谷区は保育の人数を平成三十年四月までに二万人とするというふうに言っています。それで、今のペースで二万人になったときにどのくらいの持ち出しになるのか、それを大体で結構ですから、わかれば教えていただきたいというふうに思います。
◎中村 財政課長 今お話がありましたとおり、保育施設整備の整備計画といたしましては、昨年四月時点で一万二千八百人程度であった定員を三十年四月までに二万人にすると、一・五倍に引き上げようとするものでございます。こうしたことから、二十五年度の金額について、この三十年に対して一・五倍というふうに試算しますと、運営費補助は三十年の単年度で一・五倍の二百十億円を超える規模になります。区の負担も同様に、百三十億円を超える規模に達するものと試算しております。
◆菅沼つとむ 委員 確かにこの百三十億円は毎年かかると思うし、実際には、これから三十年までにもっとかかるかなという感じはするんですけれども、それだけではなく、世田谷区は保育園をつくるときに、国だとか都だとかさまざまなところから借りて、それを保育園に貸していますよね。実際にその借りた金額だけ、保育園に払っていただければ一番いいんですけれども、そんなことをやると保育園が成り立たないというふうになって、都に借りたお金の幾らかは世田谷区が払って、払える分だけ、保育園のほうが払っていると思いますが、その辺は今までどのくらいの金額になっているのかお知らせください。
◎中村 財政課長 保育事業者がお話しの国有地を活用して保育施設を整備しようとする場合ですが、区が国から土地を借り受けて事業者に転貸する形になります。区は国に土地の賃料を時価で払う一方で、事業者からも一定の負担を求める形です。区が事業者から求める負担額につきましては、保育サービスの質に影響しない範囲で、事業者が負担できる可能な水準を考慮して、施設の定員区分に応じた負担額を設定しているところです。具体的な額ですが、例えば定員百名で一千平米、年間の土地賃料が一千三百万円の土地を区が国から賃貸したという場合ですが、区は国に対してこの年間賃料一千三百万円全額を支払う一方で、事業者からは五百万円の負担額を求めます。差し引きの八百万円は区の負担額となります。
二十六年度には新たに八カ所の国有地を、区が事業者に転貸して保育施設を整備する予定でして、二十七年度以降も三カ所を国に要望しているところです。このような御照会のケースですと、一カ所について年間で八百万円で、施設を整備する数だけの負担になってくるという試算をしております。
国有地については以上です。
◆菅沼つとむ 委員 それと都有地もあるよね。都有地はどんな感じなの。
◎中村 財政課長 失礼しました。都有地を活用する場合は、都要綱に基づきまして、保育事業者が都と直接契約を行う形となります。賃料については都が二分の一に賃料を減額しておりますが、事業者の負担がさきに御説明しました国有地を活用した施設整備の場合と同水準になるように、区が独自補助を行っております。具体的な額の例といたしましては、二十六年度、新たに一カ所都有地を活用した施設整備を計画しておりますが、この場合の区の補助額は年間百四十万円を想定しております。
なお、この都有地を活用した整備については、二十七年度以降、都に対してさらに二カ所要望しているところでございます。
◆菅沼つとむ 委員 先ほど、二万人になったときの大体の予想を百三十億円と出していただいたんですけれども、その中にこれは入っているの。
◎中村 財政課長 先ほどのお話は運営費だけの金額で、区の負担の百三十億円というお話をいたしました。賃料負担は入ってございません。
◆菅沼つとむ 委員 百三十億円の中に入っていないということになると、二万人になったときに、大分区の負担になると。それから実際に、これはたしか国の契約だと最低で二十年契約で、その次に、また二十年たったら契約を延ばしてもいいですよという契約になっていたと思います。
その中で、都有地については都が五〇%持ってくれると。国のほうは大体民間の時価だというふうに書いてあります。その中で、都民も区民も同じなんですから、国に対してやっぱり都と同じように交渉するべきだというふうに思います。これはこれから時間がありますので、しっかりと国のほうにやるように要望しておきます。
それから、また二十六年度、ここに予算案があるんですけれども、その中に行政改革の見直しで、民間活用のコスト、補助金の見直し、公共施設の見直し、委託事業の見直し、電算経費の見直し、それから、組織体制だとか、税外収入だとか、全部うまくいったときで十八億四千六百万円なんですよね。それだけの行政改革をやりますよと言っているんですけれども、今の保育園の金額で、行政改革をやっても、これは追いつくのかなと。要するに総額でこれだけ毎年、これは二十年とか三十年とか、ずうっと引きずってくる金で、途中でなくなる金ではないわけですから、この辺の健全経営はできるのかお聞きします。
◎中村 財政課長 お話しがありましたとおり、整備費については施設をつくる一時期のものですが、賃料負担ですとか運営費については継続的にかかる、財政負担が非常にかかってくる性質のものだと考えております。こうした今後の保育需要に対しては、需要に対して適切に対応していく一方で、子どもの人口構成だとかもきっちり見きわめまして、将来的には子どもの数が少なくなったときには統廃合も含めたそういうものも必要だと考えておりますし、また、利用者負担という面でも、定期的には保育料も含めて点検、見直しをしてまいりたいと考えております。
◆菅沼つとむ 委員 世田谷の経営は先を見て、しっかりお願いしたいというふうに思います。
次に、区立厚生会館の廃止に伴う使い方についてお聞きします。
二十七年三月に厚生会館が閉館します。福祉所管から企画所管に移ります。厚生会館の耐震は、前、福祉で聞いたときには、しっかり大丈夫ですよという話は聞いております。厚生会館の今後の使い方について簡単に説明をお願いします。
◎小田桐 政策企画課長 厚生会館、今後の用途ということでございますが、お話にございましたとおり、耐震上の基準は満たしてございますけれども、昭和四十一年の建築ということで老朽化は進んでおります。それを踏まえた上で暫定利用といたしまして、二十六年度、組織改正後の新たな研修担当課及び政策研究・調査課、こちらの事務室、研修室で使う予定でございます。
また、新設の認知症在宅生活サポート室や社会福祉協議会のサロン活動室、これはこれまで地域のさまざまな団体の方、グループが利用されていたものですけれども、それを継続して利用するという予定でおります。
◆菅沼つとむ 委員 認知症の梅ヶ丘ができるまでサポートということで、これは向こうにできたら動くんだろうというふうに思います。職員の研修場所で、あそこはぶち抜きにすると結構入るんですけれども、わかればですが、どのくらい入るのか。今までの研修室よりもっと広くなるはずですよね、職員の研修、わからないのなら別です。
◎小田桐 政策企画課長 申しわけありません、今現在、手元に数字、面積は持ってございません。
◆菅沼つとむ 委員 多分見た感じでは、今までの研修室をぶち抜きすると倍以上の広さになる、ワンフロア抜いちゃえばね。だから、結構研修としてはよくなるのかな。本来は厚生会館で研修をやっていていいのかなという話もあるけれども、もう廃止になっちゃいましたから、そんなことを言ったってしようがないんです。なぜかというと、厚生会館のときには役所と近い、それから、役所に近いから研修をやっても、例えば都心に行ってホテルを借りて研修や何かやる必要もないし、厚生会館でできる。
それからもう一つ、教育分野になるんですけれども、先生の研修場所が狭くてしようがないよと言っているんですが、実際には研修をやるときにはある程度の大きさがあれば済むわけですよ。それで、仕事と違って、毎日ずうっと月曜日から金曜日まで研修をやっているわけじゃないんですよね。そうしますと、教育センターの中でやっている校長先生だとか先生方のさまざまな研修というのが、うまくやると、ここと一緒にできるのかなというふうに思うんですけれども、研修室長になる予定の人、そんなのは考えていますか。
◎萩原 総務部長 まだ人事のことがわかりませんのであれですけれども、組織としては研修担当課が総務部に来るということで、効果的な研修とかそういう環境については考えていきたいと思っております。
◆菅沼つとむ 委員 その辺は、やっぱり同じ場所で研修ができる場所があるわけですから、所管が職員の研修だろうとかそういうことを言わないで、学校の先生も研修できたら、きちんとやっていただきたいということを要望しておきます。
それからもう一つ、厚生会館の今までやっていた中で、地域の人たちがさまざまな勉強会だとか事業をやっていました。それで、今度はそれが廃止になるというふうに聞いていますけれども、様子を見ながら、これから話し合っていきたいということも言っていますので、その辺は地域の団体でよく話し合っていただきたいということ、担当としてよろしいでしょうか。
◎小田桐 政策企画課長 先ほど申しましたとおり、暫定の利用としてサロン活動、そういったものについては継続して利用する予定でおりまして、ひだまり友遊会館のほうに移管されていくわけですが、それの動かし方というんですか、移管のやり方については御意見をいただきながら進めていくと、所管のほうからは伺っております。
◆菅沼つとむ 委員 外郭団体の統廃合、自民党の下山議員の代表質問の中で、これから統廃合をしていくよということに、実際にはそういう法人だとか組織の統廃合を検討していくという話が出ていました。それで、統廃合の一番難しいのは、各団体がそれぞれ仕事をやっていて、仕事の量がふえているわけですよ。二つのものを一個にすればというんじゃなくて、そこで一番大事なのは、では、統廃合したときにどの事業を伸ばしてどの事業をやめるかということは、実際にそこで決めていなくちゃできないわけです。一緒にしたから、おまえら考えてといったって、その会社は潰れちゃいますから。
それと、そこは団体できちんとその職員を雇っているわけです。それをどうするのか。そこまで考えて……。
○畠山晋一 委員長 以上で自由民主党の質疑は終わりました。
────────────────────
○畠山晋一 委員長 以上をもちまして本日の質疑は全て終了いたしました。
本日の委員会はこれにて散会いたします。
午後五時三十七分散会...