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  1. 港区議会 2023-11-29
    令和5年第4回定例会−11月29日-15号


    取得元: 港区議会公式サイト
    最終取得日: 2024-07-21
    令和5年第4回定例会−11月29日-15号令和5年第4回定例会  令和五年 港区議会議事速記録 第十五号(第四回定例会)   令和五年十一月二十九日 (水曜日)午後一時開会     一 出席議員(三十四名)       一  番  とよ島くにひろ 君      二  番  新 藤 加 菜 君       三  番  森 けいじろう 君      四  番  さいき 陽 平 君       五  番  琴 尾 みさと 君      六  番  野 本 たつや 君       七  番  三 田 あきら 君      八  番  ませ のりよし 君       九  番  白 石 さと美 君      十  番  山野井 つよし 君       十 一番  兵 藤 ゆうこ 君      十 二番  石 渡 ゆきこ 君       十 三番  なかね  大  君      十 四番  小 倉 りえこ 君       十 五番  やなざわ 亜紀 君      十 六番  鈴 木 たかや 君       十 七番  福 島 宏 子 君      十 八番  根 本 ゆ う 君       十 九番  清 家 あ い 君      二 十番  玉 木 まこと 君       二十一番  榎 本 あゆみ 君      二十二番  丸山 たかのり 君       二十三番  土 屋  準  君      二十四番  ゆうき くみこ 君       二十五番  二 島 豊 司 君      二十六番  風 見 利 男 君       二十七番  榎 本  茂  君      二十八番  阿 部 浩 子 君
          二十九番  なかまえ 由紀 君      三 十番  七 戸 じゅん 君       三十一番  池 田 たけし 君      三十二番  池 田 こうじ 君       三十三番  清 原 和 幸 君      三十四番  うかい 雅 彦 君     一 欠席議員  な し     一 説明員       港   区   長        武 井 雅 昭 君    同 副  区  長        青 木 康 平 君       同 副  区  長        野 澤 靖 弘 君    同 教  育  長        浦 田 幹 男 君         芝地区総合支所長                      麻布地区総合支所長       同                岩 崎 雄 一 君    同                冨 田 慎 二 君         街づくり事業担当部長兼務                  街づくり支援部長兼務         赤坂地区総合支所長                     高輪地区総合支所長       同                新 宮 弘 章 君    同                白 井 隆 司 君         環境リサイクル支援部長兼務                 デジタル改革担当部長兼務         芝浦港南地区総合支所長                   文化芸術事業連携担当部長       同                上 村  隆  君    同                荒 川 正 行 君         産業・地域振興支援部長兼務                 国際化・文化芸術担当課長事務取扱       同 保健福祉支援部長       山 本 睦 美 君    同 みなと保健所長        笠 松 恒 司 君       同 子ども家庭支援部長      中 島 博 子 君    同 児童相談所長         田 崎 みどり 君                                       用地・施設活用担当部長       同 企画経営部長         大 澤 鉄 也 君    同                大 森 隆 広 君                                       用地・施設活用担当課長事務取扱       同 防災危機管理室長       太 田 貴 二 君    同 総 務 部 長        湯 川 康 生 君         会計管理者       同                西 川 克 介 君    同 教育委員会事務局教育推進部長 長谷川 浩 義 君         会計室長事務取扱       同 教育委員会事務局学校教育部長 吉 野 達 雄 君     一 出席事務局職員       事 務 局 長          加 茂 信 行 君    事務局次長            鈴 木 康 司 君                                     議 事 係 長          山 口 裕 之 君                                                            他四名             ───────────────────────────       令和五年第四回港区議会定例会議事日程          令和五年十一月二十九日 午後一時 日程第 一  会議録署名議員の指名 日程第 二  会期の決定 日程第 三  諸般の報告 日程第 四  代表質問・一般質問        清 原 和 幸 議員(自民党議員団)        さいき 陽 平 議員(みなと未来会議)        野 本 たつや 議員(公明党議員団)        山野井 つよし 議員(みなと政策会議)        新 藤 加 菜 議員(港区維新・無所属)             ─────────────────────────── ○議長(鈴木たかや君) ただいまより令和五年第四回港区議会定例会を開会いたします。  今回の応招議員はただいま三十四名であります。したがいまして、本定例会は成立いたしました。             ─────────────────────────── ○議長(鈴木たかや君) これより本日の会議を開会いたします。  ただいまの出席議員は三十四名であります。             ─────────────────────────── ○議長(鈴木たかや君) これより日程に入ります。  日程第一、会議録署名議員を御指名いたします。十八番根本ゆう議員、十九番清家あい議員にお願いいたします。             ─────────────────────────── ○議長(鈴木たかや君) 日程第二、会期の決定を議題といたします。  お諮りいたします。今回の定例会の会期は、本日から十二月八日までの十日間といたしたいと思いますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(鈴木たかや君) 御異議なきものと認め、さよう決定いたしました。             ─────────────────────────── ○議長(鈴木たかや君) 日程第三、諸般の報告がありますので、御報告いたします。  まず、職員に定例会招集の報告をさせます。   〔鈴木事務局次長朗読〕             ─────────────────────────── 五港総総第二千四百九十四号 令和五年十一月二十二日  港区議会議長 鈴 木 たかや 様                                     港区長  武 井 雅 昭       令和五年第四回港区議会定例会の招集について(通知)  本日別紙告示写しのとおり、標記定例会を十一月二十九日(水)に招集しましたので通知します。             ─────────────────────────── 港区告示第三百九十一号  令和五年第四回港区議会定例会を十一月二十九日に招集します。   令和五年十一月二十二日                                     港区長  武 井 雅 昭             ─────────────────────────── ○議長(鈴木たかや君) 次に、令和五年九月及び十月の例月出納検査の結果について、過誤のないことを確認した旨の報告書がそれぞれ監査委員から議長の手元に提出されております。  九月の例月出納検査の結果について、その概要を職員に朗読させます。   〔鈴木事務局次長朗読〕             ─────────────────────────── 五港監第六百三十五号 令和五年十月十日  港区議会議長 鈴 木 たかや 様                                  港区監査委員  徳 重 寛 之                                  同       高 橋 元 彰                                  同       有 賀 謙 二                                  同       二 島 豊 司       令和五年九月例月出納検査の結果について  地方自治法第二百三十五条の二第一項の規定に基づき例月出納検査を実施したので、同法同条第三項の規定により、結果に関する報告を下記のとおり提出します。          記 一 検査の範囲   (一) 検査対象 区一般会計、国民健康保険事業会計後期高齢者医療会計介護保険会計、雑部金、基金   (二) 検査場所 港区監査事務局   (三) 検査期間 令和五年九月二十五日から九月二十七日まで 二 検査の結果  本検査においては、会計管理者から提出された令和五年九月(令和五年八月分)例月出納報告書の計数について、出納関係諸帳簿及び諸票、指定金融機関提出の収支計算書、預金通帳、証拠書類、証券等と照合し検証した結果、過誤のないことを確認しました。             ─────────────────────────── ○議長(鈴木たかや君) なお、十月の結果については、ただいまの報告と同様の内容でありますので、朗読は省略し、詳細については、これを速記録に登載することにいたしたいと思いますので、御了承願います。  また、報告書は議長の手元に保管しておりますので、随時御閲覧願います。 (参 考)             ─────────────────────────── 五港監第六百八十九号 令和五年十一月十日
     港区議会議長 鈴 木 たかや 様                                  港区監査委員  徳 重 寛 之                                  同       高 橋 元 彰                                  同       有 賀 謙 二                                  同       二 島 豊 司       令和五年十月例月出納検査の結果について  地方自治法第二百三十五条の二第一項の規定に基づき例月出納検査を実施したので、同法同条第三項の規定により、結果に関する報告を下記のとおり提出します。          記 一 検査の範囲   (一) 検査対象 区一般会計、国民健康保険事業会計後期高齢者医療会計介護保険会計、雑部金、基金   (二) 検査場所 港区監査事務局   (三) 検査期間 令和五年十月二十四日から十月二十六日まで 二 検査の結果  本検査においては、会計管理者から提出された令和五年十月(令和五年九月分)例月出納報告書の計数について、出納関係諸帳簿及び諸票、指定金融機関提出の収支計算書、預金通帳、証拠書類、証券等と照合し検証した結果、過誤のないことを確認しました。             ─────────────────────────── ○議長(鈴木たかや君) 次に、特別区職員の給与等に関する報告及び勧告が、特別区人事委員会委員長から議長の手元に提出されておりますので、その概要を職員に朗読させます。   〔鈴木事務局次長朗読〕             ─────────────────────────── 令和五年十月十一日  港区議会議長 鈴 木 たかや 様                             特別区人事委員会委員長  中 山 弘 子  特別区人事委員会は、地方公務員法第八条、第十四条及び第二十六条の規定に基づき、一般職の職員の給与等について別紙第一のとおり報告し、意見を申し出るとともに、別紙第二のとおり勧告します。             ─────────────────────────── ○議長(鈴木たかや君) なお、詳細については、議長の手元に保管しておりますので、随時御閲覧願います。             ─────────────────────────── ○議長(鈴木たかや君) 次に、令和四年度港区内部統制評価報告書が区長から議長の手元に提出されておりますので、その概要を職員に朗読させます。   〔鈴木事務局次長朗読〕             ─────────────────────────── 五港総総第二千三百九十九号 令和五年十一月二十一日  港区議会議長 鈴 木 たかや 様                                     港区長  武 井 雅 昭       令和四年度港区内部統制評価報告書の提出について  地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第百五十条第六項の規定に基づき、令和四年度港区内部統制評価報告書について、監査委員の審査意見を付して提出します。          記  一 令和四年度港区内部統制評価報告書  二 令和四年度港区内部統制評価報告書審査意見書             ─────────────────────────── ○議長(鈴木たかや君) なお、詳細については、議長の手元に保管しておりますので、随時御閲覧願います。  以上にて報告を終わります。             ─────────────────────────── ○議長(鈴木たかや君) 日程第四、区の一般事務について、質問の通告がありますので、順次発言をお許しいたします。最初に、三十三番清原和幸議員。   〔三十三番(清原和幸君)登壇、拍手〕 ○三十三番(清原和幸君) 令和五年第四回港区議会定例会に当たり、自民党議員団を代表して、武井区長、浦田教育長に質問いたします。  今年も早いもので、余すところ一か月となりました。猛威を振るった新型コロナウイルスが鎮静化し、二類から五類に移行となり、夏祭りをはじめとして様々なイベントが再開され、まちに活気が戻りつつあることは、誰もが待ち望んだことです。  私たちを取り巻く社会経済状況は、ウクライナへの侵攻やヨルダンでの紛争等により不安定な状況で、円安による石油・穀物等輸入物資の高騰が物価高を招いております。また、七月から九月のGDPの速報値はマイナス二・一%と発表されております。景気浮揚対策は喫緊の課題で息を抜くことはできません。加えて、少子高齢化対策を進める上で合計特殊出生率の向上にも寄与する子育て環境の充実や、生涯を生き生きと暮らすことができるよう諸事業を切れ目なく推進していかなければなりません。自民党議員団は、社会経済が先行き不透明な中、襟を正して区政に邁進していく所存です。  それでは、質問に入ります。  最初に、財政基盤の確立に向けた取組について伺います。  今月二十二日に発表された国の月例経済報告では、景気は一部に足踏みが見られるなど、十か月ぶりに基調判断が引き下げられています。また、今月二十四日に発表された十月の全国消費者物価指数を見ますと、依然として物価高騰が続いており、とりわけ食料品の高騰が区民の暮らしに大きな影響を与えています。  政府は、十一月二日にデフレ完全脱却のための総合経済対策をまとめ、物価高により厳しい状況にある生活者、事業者の支援に取り組むとしています。区財政を見ますと、令和四年度決算では、特別区民税収入の増収もあり、良好な状況と言えますが、景気の先行きは不透明感を増しており、また、令和六年度に予定されている税制改正の影響など、区の歳入の根幹をなす特別区民税収入の動向に影響を与えるのではないかと思います。  区の人口は、年少人口、生産年齢人口、老年人口、いずれの世代でも増加傾向にあり、物価高騰による施設建設費の増や区民生活の支援など、増加する行政需要に対応していかなければなりません。そこで、区は、いかなる状況においても区民の暮らしを守るために直面する課題の解決に全力で取り組んでいくことのできる財政基盤をどのように構築していくのか、区長の御所見を伺います。  次の質問です。中小企業の経営を取り巻く環境は依然として厳しく、様々な支援策が求められております。区独自の四半期ごとに行われる区内中小企業を対象とした区内景況調査では、四期連続して業況がプラス水準となりました。このことから景気は回復の傾向にあると思われますが、経営上の問題点として、売上げの減少・停滞、利幅の縮小、重点経営施策として販路拡大や人材の確保、全体として人材の確保や資金調達、販路開拓支援が求められており、物価の高騰や人材不足などが中小企業の大きな課題であることが今回の景況調査の結果にも表れています。そこで、景況調査を踏まえ、今後、区としてどのような中小企業支援を進めていくのか、区長の御所見を伺います。  次に、外国人旅行者が魅力に感じるまちづくりについて伺います。  コロナ禍が沈静化に向かっており、外国人旅行客も日を追うごとに増えてきております。そこで、外国人旅行客が訪れたときに魅力を感じていただけるよう受入体制を構築しておかなければなりません。魅力づくりと言っても、神社仏閣をはじめとした施設の整備、飲食、交通関係、景観等多岐にわたり、分野横断的な取組となります。観光資源の一つである良好な景観づくりも必要で、植樹や樹木の剪定、橋梁のライトアップ、公園の整備、公開空地の整備等、市街地整備により取り組むべきです。  外国人旅行観光客などに港区を繰り返し訪れていただくためには、よい印象を抱いていただけるよう魅力的なまちを形成しておかなければなりません。そのためには、快適で緑豊かな気持ちのよい魅力的な公園づくり、美しさと安らぎを感じる景観に優れた道路などの整備が重要だと思います。そこで、公共施設を整備する上でも観光資源として醸成し、港区をさらに魅力的にしてほしいと考えますが、区長の御所見を伺います。  次に、スタートアップする際に求められる支援は多岐にわたりますが、区の対応について伺います。  新しいビジネスモデルを考えて新たな市場を開拓し、社会に新しい価値を提供したり、社会に貢献したりすることによって事業の価値を短期間で飛躍的に高め、株式上場や事業売却を目指す起業や組織で新しく設立されたばかりの企業という意味で使用され始めた言葉「スタートアップ」。港区は全国の自治体の中でも創業者が多く、それに対して区でもスタートアップ支援の充実を図っております。  新しいアイデアとビジネスモデルで社会課題の解決と地域経済の発展を牽引するスタートアップは、今後ますます重要な存在となります。コロナ禍で傷んだ区内経済を立て直し、活性化を進めていくためには、より多くのスタートアップが港区で起業するよう支援の充実が必要だと考えますが、区長の御所見を伺います。  次に、キャッシュレス化時代に向けた区の支援の在り方について伺います。  コロナ禍もきっかけの一つとなり、キャッシュレス決済が急速に普及しています。若い世代や外国人などは、ほとんどが現金以外での支払いにシフトしている中、商店街店舗を中心に、店主が高齢の店舗などではキャッシュレス決済への対応が進んでいない状況です。しかしながら、売上げを確保し、今後も事業を展開していくためには、若い世代や外国人のニーズ、消費行動に対応していくことは不可欠だと考えます。そこで、区内店舗のキャッシュレス化を促進していくことについて、区長の御所見を伺います。  次に、地域コミュニティーの核となる町会・自治会への支援について伺います。  人件費や資材価格の高騰等を背景に、現在、日用品や公共料金等、日々の生活に欠かせないものまで値上げが行われ、区民の生活を圧迫しております。特に地域コミュニティーを担う町会・自治会においては公共性の高い活動を行っているため、活動の収益性は低く、地域活動を行う際には区からの補助金に頼らざるを得ない現状でありますが、物価高騰に合わせて補助金が増えているわけではありません。  町会・自治会が活発に活動できることで地域にも活力がみなぎり、区ではなかなか手の届かない防災・防犯活動や清掃活動、地域のお祭り等が盛況に行われ、区民の安全・安心な生活にもつながっていきます。そこで、物価高騰の影響を受けている町会・自治会に対して、補助金の見直しを含めた支援の強化が必要ではないでしょうか。区長の御所見を伺います。  次に、災害被害を抑制するための支援について伺います。  令和四年五月に東京都防災会議が公表した首都直下地震等による東京の被害想定報告書では、平成二十四年の被害想定と比べ、耐震化や出火対策などが進んだことにより、人的・物的被害はおおむね三割から四割程度減少しております。港区においてもこの傾向は同様となっておりますが、災害による被害を抑制していくためには、さらなる取組が求められます。家庭や地域などにおいてまだまだできることはあると思われます。例えば、区では在宅避難を強く推奨しておりますが、家庭では、身を守るための対策や生活を継続するための日用品を備えておくこと、また、昼間人口が多い区の状況を踏まえますと、企業にもしていただくことがたくさんあります。  そして、そういった取組をしようと思っている区民、企業の背中をもっと押してあげるような支援がさらに必要なのではないでしょうか。そこで、防災対策の充実には、減災への取組が必要と考えます。災害による被害を抑制するため、区のさらなる支援について、区長の御所見を伺います。  次に、安全・安心なDXの推進に向けた情報管理体制の構築について伺います。  新型コロナウイルス感染症の拡大を契機に、社会全体でDXの取組が進められています。デジタル化が進むにつれ我々の暮らしも豊かになり、できることが増えれば増えるほど、さらに利便性の向上が多く求められるようになりました。議会でもICT化が進み、デジタルデバイスの活用により議会活動の可能性が広がり、委員会を含めて、多方面において業務の効率化が推進されたのではないかと思います。港区においても、来庁しなくても手続ができる行政手続のオンライン化や、各種証明書発行手数料や税の納付などのキャッシュレス対応など、様々な分野でDXが進められています。  一方で、自治体は区民の個人情報等のデータを抱えており、いかにして守っていくかも重要です。先日も某企業で不正アクセスを受け、情報の漏えいが判明しました。今朝も宇宙航空研究開発機構、JAXAがサイバー攻撃を受けたとの報道がありました。  さて、デジタル化が進めば進むほど、大規模な地震による停電やネットワークの断絶などのリスクも想定しておく必要があります。そこで、サイバー攻撃等による情報漏えいや大規模災害によるシステムの機能停止などが危惧される中、どのような情報管理体制でDXに取り組んでいくのか、区長の御所見を伺います。  次に、高齢者の在宅支援サービスのさらなる充実について伺います。  区ではこれまでも、認知症予防に効果が見込める高齢者補聴器購入費助成事業、高齢者の健康増進や外出機会の確保にもつながるコミュニティバス乗車券の発行、介護が必要な高齢者に対する紙おむつの給付や理美容サービスの実施、経済的な理由等でエアコンがない世帯に対する高齢者エアコン購入費給付事業など、高齢者が安心して在宅生活ができるよう様々な支援に取り組んでいます。各サービスを利用している高齢者にとっては、安心して在宅で生活をするために欠かすことができないものとなっています。こうした各サービスを知らない高齢者を一人でも少なくするためにも、区には、より一層の周知に取り組んでいただきたいと思います。  一方、こうした支援の内容については、利用者ニーズをきめ細かく把握・分析し、適宜、必要な見直しや改善に向けた検討が重要かと思います。中でも、昨今の物価高騰については、主な収入源が年金である高齢者にとっては大きな影響を及ぼします。区において多種多様なサービスが用意されていたとしても、肝腎の高齢者に利用されなければ、その効果を発揮することはできません。そこで、高齢者が心豊かに生きがいを持って暮らし続けることができるよう、ぜひ物価高騰の影響を踏まえた上で、高齢者の在宅支援サービスのさらなる充実に取り組んでいただきたいと考えますが、区長の御所見を伺います。  次に、区の障害者支援について伺います。  区における障害者人口は、現在の区の障害福祉計画などに掲載されている障害者手帳所持者数からも身体障害者手帳所持者数は横ばいながら、愛の手帳所持者数及び精神障害者保健福祉手帳所持者数は右肩上がりに増え続けています。  また、毎年区がまとめている人口推計では、新型コロナウイルス感染症の影響は少なくないと推察するものの、今後も区内総人口が増えることが見込まれます。それに伴い、障害者や障害児の数もこの先増加傾向が続くのであれば、当然障害福祉に関わるサービスの需要は増え、障害者が利用する入所や通所の施設やサービスが足りなくなるなどの状況が見込まれると考えます。そこで、区の障害者人口の増加が見込まれる中、様々な障害者福祉の施設やサービスの提供について、今後どのように対策を進めていくのか、区長の御所見を伺います。  次に、羽田空港新飛行経路についてお伺いいたします。  港区議会は、平成十六年三月に国土交通省に対し、都心ルートを含む分散ケースに反対し、海上を最大限利用したルートの設定を求める旨の意見書を提出しております。武井区長は、令和四年三月十八日に国土交通省に対して、区に寄せられた意見を、騒音等の対策や新飛行ルートの固定化回避などの検討に役立てるよう要請もしています。  私は、令和二年第二回定例会の一般質問で、落下物に対する不安や機影を見て恐怖を感じた。思った以上にうるさい。便数が多過ぎる。新飛行経路は常軌を逸している。経路見直しや撤回など、多くの区民の皆様、また地域の皆様から叱責を受けていると紹介しました。誠に残念ながら、四年たった現在も状況は変わっておりません。我が家はC滑走路を活用する経路のほぼ真下に位置しており、航空機が飛行する高度は約五百五十メートルです。そのため、皆様から寄せられる意見や要望は十分に理解ができます。  ところで、国土交通省では、カーボンニュートラルに向けた取組の中で、経路短縮を検討する必要があると示しております。経路を短縮するなら、海上ルートがベストと考えます。今年の夏から秋にかけて開催予定と聞いていた、第6回羽田新経路の固定化回避に係る技術的方策検討会もいまだ開催されておりません。区の担当部門に聞いても、国からは安全性の評価を行っていると聞いているとのことですが、国は固定観念にとらわれることなく、検討を加速し、一刻も早く結論を出していただきたいと思います。そこで、海上ルートや、さらなる地方空港の活用、そして、区や私のところへ区民の皆様から寄せられている意見や要望を、区から早急に国土交通省に伝えていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。区長の御所見を伺います。  次に、臨海斎場の火葬炉の増築の前倒しについて伺います。  生活環境の改善、医療の高度化等で平均寿命が延伸され、高齢者の数は今後も増加の傾向にあります。このことを見越して、特別区の港区、品川区、目黒区、大田区、世田谷区で共同して臨海部広域斎場組合を発足し、平成十六年に臨海斎場が開設されました。施設の概要ですが、葬儀式場が四室、火葬炉が十基、保冷庫が二十四庫です。今後、需要が増加することを見据えて増築が検討されており、計画では令和十二年完成と予定されております。火葬を安定的かつ永続的に実施することは、公衆衛生その他公共の福祉に直結する問題であります。そこで、臨海斎場の増設の完成が令和十二年と予定されており、現在、検討が行われているとのことですが、検討の状況について区長にお伺いいたします。  次に、みなと芸術センターに関する区民理解の醸成について伺います。  平成二十七年三月に区民参画の意見を反映し策定した、(仮称)文化芸術ホール整備の考え方において、文化芸術振興の中核拠点施設、高い専門性とホスピタリティを備え、育み自らも育つ施設、人々に愛され、区民が誇りを持てる施設の三つの基本理念などが定められました。  その後、令和三年度からの港区文化芸術振興プラン策定に向け、その基礎資料とすることを目的にアンケート調査を実施しました。みなと芸術センターはどのような事業を行うべきかの問いに対して、三六・九%の方が区民の文化芸術活動の発表の場の提供と回答しております。これらのことから、区民の貴重な財産であるみなと芸術センターは、人々に愛される施設、また、区民の文化芸術の発表の場として提供される施設となることが期待されております。  現在、施設運営を学識経験者や担当者が協議を重ねておられますが、区民の期待に応える運営となるように努めていただきたいと思います。そこで、区民の貴重な財産であるみなと芸術センターの運営について、今後どのようにして区民理解を醸成していくのか、区長の御所見を伺います。  次に、老朽化が進行する区民向け住宅について伺います。  港区では、港区公共施設マネジメント計画に基づき、公共施設の安全・安心を確保しながら長寿命化し、大切に使い続けること、財政基盤の堅持に貢献することを基本方針とし、公共施設の整備・活用、維持管理を進めております。さらに、区では、二〇五〇年ゼロカーボンシティの達成に向け、港区区有施設環境配慮ガイドラインが令和四年九月に改定されております。  区有施設の新築住宅については、ゼッチ・マンション・オリエンテッドを基準とし、大規模改修では、可能な限り一次エネルギー消費量の削減率を高めることとしています。白金地域にある区営住宅シティハイツ白金は、外観を見ると、これまでも適切に維持管理されていることがうかがえますが、住戸内は非常に古い仕様であると居住者の方から聞いております。長く建物を活用していくことは大事な視点ではありますが、現在の住宅と比較すると極めて古い仕様となっているような住宅については、居住者が健康的な生活を送るため、また、昨今の夏の猛暑や区が掲げる二〇五〇年ゼロカーボンシティの実現に対応するためにも、住宅の環境性能を高めることも重要であると考えます。このような観点から、区民向け住宅の中でも老朽化が進行しているシティハイツ白金やシティハイツ一ツ木の今後の方針について、区長の御所見を伺います。  次に、子どもの成長や子育て等を支えるこども未来戦略方針の推進について伺います。  区では、令和二年度に港区子ども・子育て支援事業計画を策定し、安心して子育てができ、未来を担う全ての子どもたちが健やかに成長できる地域共生社会づくりを目指すと将来像を掲げ、その実現に向け全力を尽くしていくと明記されております。  区は、令和三年四月に港区子ども家庭総合支援センターを開設。また、令和五年二月には「みんなと子どもすくすくアクション」を策定し、子ども家庭支援部では、令和五年四月に子ども施策を全庁横断的に、より一層推進するため組織を改正し、機能を強化しました。  さて、子育ての環境は、保護者の就労や核家族化等により様々な課題が生じており、区は、課題解決に向け取り組んでおりますが、課題は山積で、一つ一つ整理して事業化に向けて取り組んでいただきたいと思います。現在の区の支援策ですが、出産前の妊婦健診は、今年の七月一日から超音波検査の公費助成が二回から四回に拡大され、出産費用助成は、経済的負担を軽減するために今年の四月一日の出産から限度額が七十三万円から八十一万円に拡大されました。  医療体制では、小児の初期救急医療体制は夕方から午後十時まで診療体制が整備されており、病児・病後児保育支援では、病児保育の定員が令和六年一月から二十四名から二十六名へと拡大が図られます。医療的ケア児・障害児を受け入れる元麻布保育園が令和二年一月に開設され、みなと保育サポート事業は五か所で運営されるなど、充実を図っております。  保育園の待機児童ゼロは平成三十一年に達成されましたが、希望する人が何歳児でも、いつでも入園できるよう受入体制を構築すべきです。保護者の送迎時間や通勤等の課題があり、これらに配慮した保育施設の配置等をしっかり検討する必要があります。また、保育園や幼稚園での延長保育も求められております。放課後等に家庭で保護を受けられない児童を預かる学童クラブが十九施設、放課GO→クラブは十七施設あります。緊急時の児童の居場所の確保のほか、幼稚園に通う子どもの夏季等の休園期間の子どもの居場所の確保も重要です。乳幼児から高校を卒業するまでに、医療、保育、教育等、子育てには費用がかかります。そのため、幾多の支援が必要です。  保育園保育料の今回の改定は見送られておりますが、国基準を意識せず、むしろ引下げを検討する時代だと思います。保育園の第二子以降の保育料は区では無料です。一人分の保育料で二人を預かるならば、一人目の現在の保育料を半額にしてもよいのではないかと思います。  百三十万円の壁への対応については、九月二十七日に開催された全世代型社会保障構築本部で、原則として連続二年までは、収入が百三十万円以上となっても一時的な収入変動である旨の事業主の証明の添付があれば扶養となり、配偶者控除を受けられることができ、引き続き第三号被保険者となります。  児童手当については、新制度の導入で減税されるのか、増税となるのか、戸惑うとの声があります。岸田総理は、十一月二十一日の予算委員会で、児童手当の拡充策として、第三子以降の加算について、第一子が二十二歳の年度末まで第三子を加算対象とする調整に入ったと報道されました。  私は、七月二十六日にこども家庭庁を訪問させていただいた際に、港区での多子の子育ては、居住スペースの確保や諸物価が高いこと等、都心区・港区の実情を述べて、第三子への支援は、第一子、第二子の同居のいかんにかかわらず、第三子が成人するまで、第三子に対して児童手当を支給していただきたいとお願いをいたしました。  特別区の区長は、住み慣れた地域で子どもを育むために国が定めた基準では満たされないことを把握されていると思います。区長におかれましては、特別区での子育ての実情を機会あるごとに説明していただき、実情に即した支援策を展開されるよう働きかけていただきたいと思います。こども未来戦略方針を掲げても早期の実行に踏み切らないと出生者数の減少傾向に歯止めはかかりません。保育料、給食費の無償化など、こども未来戦略方針の一日も早い実施を期待しております。
     そこで伺います。国が掲げるこども未来戦略方針を実行するため、全国を牽引する港区独自の支援について、区長の御所見を伺います。  次に、国民健康保険事業会計の葬祭費の増額について伺います。  昭和三十四年十二月に国民健康保険事業、すなわち皆保険制度が開始されました。開始時の葬祭費の給付額は二千五百円でした。葬祭費の直近の改定は平成十年に行われ、給付額は七万円になりました。見直しの回数ですが、昭和三十四年から平成十年まで八回行われましたが、前回の見直しから約二十五年が経過しております。  さて、総務省が令和五年十一月二十四日に、二〇二〇年を基準とした消費者物価指数を一〇七・一と発表しました。このことからも、そろそろ葬祭費を改定する時期ではないかと考えます。区長の御所見を伺います。  次に、固定資産税の軽減について伺います。  固定資産税は、シャウプ勧告を契機として行われた昭和二十五年の地方税制度の根本的改革に伴い創設されました。固定資産の保有と市町村が提供する行政サービスとの間に存在する受益関係に着目し、応益原則に基づき、資産価格に応じて所有者に対し課税する財産税となります。どの市町村にも広く存在する固定資産を課税客体としており、税源の偏りが小さく、市町村税としてふさわしい基幹税目と位置づけられております。課税標準となる価格は適正な時価で、標準税率は一・四%です。  固定資産評価基準は、宅地については地価公示価格の七割を目途に評価されております。固定資産税は土地や家屋等に課せられ、評価額は、総務大臣が定めた固定資産評価基準に基づいて評価された額を知事または市町村長が決定し、固定資産課税台帳に登録されます。三年に一度、評価替えが行われ、評価替えの年度を基準年度と言い、令和三年度が基準年度でした。評価替えに当たって特別区内の土地に対しては、土地の価格の上昇に伴う急激な税額の大幅な上昇を抑えるため、土地の固定資産税、都市計画税の税額が前年度の税額に負担調整後一・一を乗じて得た額を超える場合には、条例により、当該超える額に相当する税額を減額する措置が講じられております。東京都では固定資産税の軽減措置を講じておりますが、青色申告会から毎年請願が出され、港区議会は毎年、軽減措置を継続するよう意見書を提出しております。  さて、地価公示価格ですが、上昇傾向です。可処分所得が減少する中で固定資産税が上昇するのでは、生活や事業経営に影響が及ぶことは明白であります。都心区・港区の区長として、経済状況が不透明な中、東京都が実施している固定資産税の軽減措置を継続するよう求めていただきたいと思います。区長の御所見を伺います。  次に、世界の恒久平和に向けた学校教育について伺います。  私は昨年、総務常任委員会で沖縄県の対馬丸記念館や南風原文化センター、ひめゆりの塔を視察し、今年は区民文教常任委員会で広島原爆ドームと広島平和記念資料館を視察させていただきました。これらの視察を通して、平和がいかに尊いことかと改めて認識させられました。  現在、テレビでは、ウクライナへの侵攻やヨルダンの紛争で逃げ惑う姿や犠牲者等の映像が放映されていますが、見るたびに心苦しく、思わず目を背けたくなり、そして視察での見聞がオーバーラップし胸が痛くなります。私は、そもそも武力による解決は納得できません。ましてや、乳幼児や幼い子どもたちをはじめ民間人を巻き込むことは言語道断で、双方とも主張、大義がありますが、一日も早く停戦され、交渉による解決が訪れる日が来るのを願っております。  このように世界の各地では民族や宗教に伴う様々な隔たりや争いが残念なことに起こっております。第二次世界大戦以降、武力による侵攻を受けていない現代を生きる私たちにとって、これらの紛争は対岸の火事ではないと思います。今後、次代を担う子どもたちが海外で活動する機会はますます増えてくると思います。そこで、世界の恒久平和に向けた学校教育について、教育長の御所見を伺います。  次に、国際人育成のさらなる推進に向けた支援について伺います。  これまで自民党議員団からは、国際化の推進に関する質問を数多くしてきました。その中でも国際理解教育の向上においては、大使館や新設される都立高校とのさらなる連携や、異文化理解や語学教育をもっと伸ばすための施策について、港区の特性を生かせる環境で最高の教育を提供すべく、行政とともに取り組んでいきたいと考えております。  グローバル人材、国際人など、いわゆる「国際化」というキーワードが人々の関心を引きつけ、この港区でも国家戦略特区による国際ビジネス支援や、再び増加傾向にあるインバウンド需要、教育においては学習指導要領の改訂によって英語教育の前倒し実施など、容易に海外に触れる機会が格段と多くなりました。  コロナ禍における教育DXにおいても、区立小・中学生へのタブレット端末と通信機器貸与の緊急配備を含め、我々自民党議員団も子どもたちの教育に寄与できる施策を支えてきました。国際理解を中心に施策充実を図ってきましたが、その多くは区内に居ながら国際リソースを享受し学ぶなど、比較的内向きの事業が多かったと思われます。  来年度実施される区立中学校海外修学旅行の実施に当たり、公立はようやく外に向けて歩み出す機会を得ることになりました。また、国は本年八月、「せかい×まなびのプラン」として、今後の我が国の成長のためにグローバル人材の育成を強化していく方針を掲げました。早期から留学への意識を形成し、質の高い本格的な留学への送り出しを推進するため、国際交流促進や海外留学支援の充実を図るとされています。  様々な観点から国際理解教育を進めていただきたいという我々自民党議員団からの指摘に際し、教育長からは、港区の子どもたちに向け、国際人育成の視点からどのような支援ができるのか検討していくとの御答弁をいただきました。港区の子どもたちにとって、外向きの思考を育てていく面においても、通う教育機関を問わず、世界に飛び立ちたい港区の若者を支援し、広い視野と理解力を持てる人材育成施策に段階的につなげていくことも必要になります。このような国の方針も踏まえた国際人育成の視点での支援について、現在の検討状況について、教育長にお伺いいたします。  次に、区立中学に通う三年生の海外修学旅行を令和六年度に実施することについて伺います。  武井区長は九月一日の定例記者会見で発表した、これまでにない取組となる海外修学旅行は、国際人育成のために区が実施してきた区立小・中学校での国際科、英語科国際の授業や小・中学生の海外派遣などの成果を踏まえ、国際理解教育をさらに充実していくことで、公立中学校の魅力向上につなげていくものです。中学三年生の多感な時期に海外で英語によるコミュニケーションを実施し、異文化の中に身を置くことで多くの学びや可能性を見いだし、将来、国際人としてたくましく成長して、世界の人々と助け合い、豊かな国際社会を築いてくれることを期待していますと述べられました。  令和五年第三回定例会に提出された一般会計補正予算ですが、当初予算では、英語の実践的コミュニケーション力を高めるため、区立中学校に在籍する三年生を対象にオンライン授業によるグループ英会話レッスンを実施します、として計上された三十六万八千九百八円を、区立中学校三年生の全生徒を対象に令和六年度から実施する海外修学旅行の準備に向けて事業者の選考等を行うために三十六万九千六百八十三円に補正するものでありました。  会派では、事業者選定を教育委員会がどのように考えているのか。令和六年度からの実施と言うが、準備期間として足りるのか。安全を万全にするためにどう取り組むのか。自然災害が発生したときの対応は。海外修学旅行にかかる費用は幾らなのか。保護者負担をどう考えているのか等、様々な意見が飛び交いました。  そこで、教育委員会に説明を求めたところ、準備期間は足りる。安全対策は万全を期す。費用は約五億千八百万円。保護者負担の考え方等の説明を受けましたが、算出の根拠、相見積りを依頼したのか。積算を誤っているのではないか。社会通念上費用が相当なのか等、おいそれとは受け入れ難い説明でした。しかし、令和五年度一般会計補正予算(第五号)には、国際人育成事業のほか、区民が生活する上で大切な事業が掲げられており、あらゆる角度から協議、検討した結果、附帯決議と判断しました。  私は、国際理解教育や英語教育を推進することは大切だと認識しており、区長、教育長と同感です。今回提案のあった海外修学旅行ですが、区長や教育長からその思いを伝える機会を議会に対して設けてほしかったし、なかったことが残念です。次代を担う子どもたちは日々成長しております。子どもたちが言葉の壁を乗り越えて国内外で活躍する姿を想像すると、これもしてあげたい、あれもしてあげたいと際限がありません。さらなる教育環境の充実に向けて取り組んでいただくことをお願いいたします。  海外修学旅行にはパスポートが必要で、その取得費は一万千円です。スーツケースも必要と思われますが、十日間のリースで五千円から六千円とのことです。そのほか現地での飲料代が約五千円ぐらいかかると見積もっておられるとのことです。港区立中学校の今までの修学旅行費の保護者負担額は七万二千五百円から六万八千円とのことです。現在計画している海外修学旅行費の保護者負担額は五万円で、今までより二万五千円から一万八千円減額されるとお聞きしております。減額が二万五千円となる家庭は、パスポート取得やスーツケースリース料、現地での必要経費等を賄えると思いますが、減額が一万八千円の家庭では足が出ると思います。海外修学旅行に関して様々なことが検討中ですが、保護者負担については慎重に検討されること、また、保護者からの問合せに丁寧に対応していただくことを要望いたします。  また、世界の社会経済状況は先行き不透明です。南シナ海も安定した状態であるとは決して言い切れない状況です。そこで、シンガポールの修学旅行がやむを得ず中止となったとき、取って代わる修学旅行案も計画しておくべきだと考えます。  そこで、二点お伺いいたします。区民は納めた税金の使途に常に関心を抱いております。区民に海外修学旅行の意義を納得していただくとともに、理解が深まる説明をすることが必要だと考えますが、いかがでしょうか。  二点目です。不測の事態が生じ、海外修学旅行が中止となった場合に、代替する国内の修学旅行が実施できるよう実施計画を検討しておくべきと考えますが、いかがでしょうか。教育長の御所見を伺います。  次に、就学援助支度金事前支給等について伺います。  来年度の海外修学旅行実施においては、全ての子どもたちに海外経験ができる機会を創出されることとありました。感性が磨かれる時期に海外修学旅行を通じ、そこでしか得られない学びを経験し日本に持ち帰ること、これは次世代を担う港区の子どもたちにとっての無限の可能性を引き出し、人生の選択肢にもつなげてもらえることを期待しております。公立中学校に通う全ての子どもたちを安全に、安心に、どのように連れていくのかを現時点で検討されていると聞いています。どのような家庭環境の子どもたちも等しく最高の教育環境づくりを進めていくに当たり、就学援助などの支度金の改善が必要になると思われます。  就学援助は、経済的理由で学校に行くのが難しい子どもやその保護者を支えるため、保護者負担となる諸費用を補助する仕組みです。従前から義務教育の区立学校だからこそ、入学可否のある私立学校と異なり、給食費も含め、教育関連費用は可能な限り設置者として負担していただきたいと自民党議員団はこれまでも提案してきました。  そして、その給付は子どもに直接、経験や将来への財産として届くものであるべきと主張しております。来年度実施に向けて準備をされている海外修学旅行でも、家庭での経済状況が重荷となって海外に羽ばたく子どもたちに悩みを負わせることがあってはなりません。今回、海外修学旅行を実施するに当たり、経済的に困窮した方に対する支度金の支給時期、旅行に当たって必要となる支度金やパスポート代などの新たに発生する経費の負担が課題です。これらは第三回定例会後に立ち上げた海外修学旅行調査特別委員会にて意見が交わされていますが、従来の国内修学旅行で徴収していた家庭負担額を超えなければよいという考えはあまり適切でないようにも感じます。そこで、就学援助支度金などに関して、具体的にどのような形で支援を進めていく予定なのか、教育長の御所見を伺います。  最後に、区立小・中学校の給食費の無償化について伺います。  区は、令和五年三月、こども家庭庁が学校給食費の無償化に向けた実態把握と課題の整理を行う方向性を示すなど、国においても給食費に対する考えは転換期を迎えていることを受けて、令和五年第二回定例会に区独自で地方創生臨時交付金を活用して令和五年九月から令和六年三月まで、区立小・中学校の約一万二千九百五十人の児童・生徒保護者負担軽減を図るため、令和五年度一般会計補正予算(第四号)が提出されました。  ところで、こども未来戦略方針では、若者・子育て世代の所得を伸ばすとされております。このことから保護者の給食費の負担軽減が図られることは方針に沿っていることだと私は考えます。そこで、一日も早く学校給食の無償化を実現してほしいと考えますが、教育長に区の取組状況についてお伺いいたします。  さて、今定例会後、港区の基本計画・実施計画が見直されます。新たな基本計画が先人たちのたゆまぬ努力によって築き上げられてきた日本有数の都市である港区を、子どもから若者、働き盛り世代、高齢者まで、あらゆる世代が住み続けられるまちへと進化させ、全国を牽引する唯一無二の都市へと輝かせるための区政の道しるべとなるよう、私も研さんを重ねてまいる所存です。  以上で質問を終わります。御清聴いただき、ありがとうございました。   〔区長(武井雅昭君)登壇〕 ○区長(武井雅昭君) ただいまの自民党議員団を代表しての清原和幸議員の御質問に順次お答えいたします。  最初に、財政基盤の確立に向けた取組についてのお尋ねです。  盤石な財政基盤を築いていくためには、歳入の根幹である特別区民税収入を将来にわたって安定的に確保していくことが必要であり、そのために区の定住人口が今後も増加し、港区というまちがさらに発展していくことが重要です。私は、港区ならではの先駆的な施策や質の高い行政サービスを提供することでまちの魅力を高めるとともに、国や東京都の補助金の積極的な確保や基金の効果的な活用等により財源を確保し、盤石な財政基盤を未来につなげてまいります。  次に、景況調査を踏まえた中小企業支援についてのお尋ねです。  本年七月から九月期の景況調査において、四期連続して業況がプラスになるなど、地域経済が回復基調にある一方で、販路拡大や人材不足支援のニーズが高いことや、物価高騰に伴う消費の冷え込みへの懸念が大きいことなどが分かっております。区は、調査結果を踏まえ、広告宣伝活動や人材確保事業への補助制度を行っているほか、来月からは消費喚起事業「みな得ポイント還元キャンペーン」を実施いたします。今後も、区内中小企業がコロナ禍から脱却し、事業活動を発展していけるよう景況調査等から事業者の実情を的確に捉え、支援策の拡充に取り組んでまいります。  次に、外国人旅行者が魅力に感じるまちづくりについてのお尋ねです。  区は、港区まちづくりマスタープランにおいて、国際都市として地域ごとの特徴を踏まえ、国内外からの旅行者の受入れ環境の整備を推進することを掲げ、魅力あるまちづくりに取り組んでいます。先日開業した麻布台ヒルズでは、緑豊かな広場や歩道状空地と一体となった、歩いて楽しい道路を整備しております。また、外国人旅行者が訪れる麻布十番大通りにおいては、ストリートプリントなど景観に配慮した道路を再整備しております。今後も国内外から旅行者を引きつける魅力あるまちを目指し、緑豊かで安全で快適な公共施設の整備を推進してまいります。  次に、スタートアップの起業時の支援についてのお尋ねです。  区は、産業振興センターを拠点にコワーキングスペースの提供をはじめ、中小企業診断士による綿密な創業計画の策定、創業融資あっせん、起業時に必要な各種手続の案内など幅広く支援しております。また、最先端技術を有する企業や研究機関、大学や大使館等が集積する港区ならではの強みを生かし、スタートアップと結びつけるマッチング会や海外進出につなげるための交流イベントの開催など、事業の成長を促す取組も積極的に行っております。今後も多くのスタートアップが港区に集い、港区から世界へ羽ばたいていくよう支援を強化してまいります。  次に、区内店舗におけるキャッシュレス化の促進についてのお尋ねです。  昨年の我が国のキャッシュレス決済比率は三六・〇%であり、国は、将来的な目標八〇%と定め、キャッシュレス化を推進しています。区は、各店舗のキャッシュレス化を後押しするため、商店会加盟店舗へのキャッシュレス決済導入経費の補助を行っているほか、区内共通電子商品券の導入店舗には決済時の注意点等について丁寧に案内しております。  また、来月からは、店舗で簡易に取り扱える二次元コード決済を活用した「みな得ポイント還元キャンペーン」を実施いたします。引き続き、各店舗への丁寧なサポートに努めるとともに、消費拡大施策等を通じて店舗のキャッシュレス化を支援してまいります。  次に、地域コミュニティーの核となる町会・自治会への支援についてのお尋ねです。  区では、各地区総合支所の職員が町会・自治会等の会合やイベント等に参加し、日頃から積極的に地域の声を聞くとともに、多岐にわたる相談にも対応しております。また、防犯パトロール、地域清掃等の活動や町会・自治会が協働で開催する祭り等に活用できる補助金を御案内し、活動の支援をしております。  物価高騰の影響につきましては、本年十二月に町会・自治会向けに実施するアンケートの中で、町会・自治会の財政面での運営状況を調査し、実態の把握に努めるとともに、町会・自治会が地域コミュニティーの中で安定して活動ができるよう、様々な面から取組をサポートしてまいります。  次に、災害による被害を抑制するための支援についてのお尋ねです。  現在、修正を進めている港区地域防災計画では、令和十二年度までに首都直下地震等による人的・物的被害をおおむね半減させることを目指しております。具体的には、家庭における家具類の転倒・落下等の対策実施率一〇〇%や、特定緊急輸送道路沿道建築物の耐震化一〇〇%などの目標を掲げております。区は、この目標の着実な達成に向け、家具転倒防止器具等の無償での支給や耐震改修工事費用の助成などに取り組み、より一層の減災対策を進めてまいります。  次に、安全・安心なDXの推進に向けた情報管理体制の構築についてのお尋ねです。  区は、サイバー攻撃等への対策として、最新のセキュリティー機器により攻撃等を防止するとともに、二十四時間三百六十五日監視を行うことで、不正アクセス等を検知した場合にも迅速に対応できる体制を整えております。  また、震災時等は情報システム継続対策基準に基づき、連絡手段、情報収集及び緊急時の優先業務に必要なシステムを早期に復旧させる体制を整えております。引き続き、区の情報政策監等、専門の技術者から助言を受けながらセキュリティー対策を講じるとともに、様々な危機を想定した訓練を実施し、対応力の向上を図り、万全の情報管理体制でDXを推進してまいります。  次に、高齢者の在宅支援サービスのさらなる充実についてのお尋ねです。  区では、必要な方に必要なサービスが行き届くよう、ふれあい相談員による訪問活動に加え、民生委員・児童委員やケアマネジャーが戸別訪問する際にサービスの案内を依頼するなど関係機関とも連携し、高齢者の安全・安心な在宅生活を支援しております。現在、物価高騰を含む社会情勢の変化を的確に捉え、日常生活用品の支援をはじめ、高齢者の経済的負担の軽減につながる取組について検討を進めております。引き続き、高齢者のニーズに即したサービス内容の見直しや改善・充実に積極的に取り組み、高齢者が安心して生活できるよう、きめ細かく支援してまいります。  次に、増加する障害福祉サービスへの対応についてのお尋ねです。  区では、障害者人口の増加や障害者の重度化・高齢化、障害児の親の就労の増加などにより、障害者グループホームなどの施設需要や移動支援、障害児発達支援など様々な障害福祉サービスの需要が増えております。そのため、区は、改定中の港区地域保健福祉計画において、区立の障害者グループホームなどの施設整備をはじめ、民間事業者の参入を促進するため、障害福祉サービス事業所の誘致や既存の事業所への運営支援の充実などの取組を計上し、増加する需要に全力で対応してまいります。  次に、羽田空港新飛行経路についてのお尋ねです。  区には、日頃から騒音や落下物の不安などの声が区民等から寄せられており、いただいた御意見は全て国に伝えております。また、お寄せいただいた多くの意見を踏まえ、国に対し、海上ルートの活用、地方空港の活用等による飛行ルートの分散化、今後の航空技術等の進展に伴う飛行経路の様々な運用など、固定化回避に向けた検討を加速するよう要請しております。今後も、区議会定例会や委員会の中でいただいた御意見や御要望についても早期に国へ伝えてまいります。  次に、臨海斎場についてのお尋ねです。  臨海斎場については、将来の火葬需要に対応するため、平成三十年度に臨海斎場施設整備基本方針を定め、火葬炉を現在の十基から六基増設し、令和十二年度から供用を開始することとしております。今年度は供用開始に向け増設数や供用開始時期、また、コロナ禍を経てニーズが高まっている小規模の葬儀に対応するための式場施設の増設等を検討するため、将来の火葬需要や近隣斎場の施設整備状況等に関する調査を実施しております。これらの調査結果を踏まえまして、整備内容について、臨海部広域斎場組合や組合を構成している品川区、目黒区、大田区、世田谷区と協議をしてまいります。  次に、みなと芸術センターに関する区民理解の醸成についてのお尋ねです。  みなと芸術センターは、全ての区民が等しく文化芸術の鑑賞、参加または創造ができる文化芸術の中核拠点として、文化芸術を通じた交流や相互理解、それによる多様性を認め合う価値観の醸成を目指しております。区は、開館に向けて、施設の目的や管理運営、文化芸術の役割を広く理解していただくため、多くの区民が参加できるシンポジウムや対話形式のワークショップなどの気運醸成事業を実施しております。ワークショップの受講後も参加者同士がつながり、区がそのネットワークを支援することで区民理解を深め、区民に親しまれる施設となるよう取り組んでまいります。  次に、老朽化が進行する区民向け住宅についてのお尋ねです。  区は、区有施設の大規模改修工事を行う際には、事前に環境性能の向上に向けた調査を実施しております。区営住宅シティハイツ白金について、令和八年度に予定している大規模改修工事の設計に先立ち今年度調査をしたところ、環境性能が著しく劣り、必要な機能・性能の確保が困難であることが明らかになりました。同時期に同じ仕様で建設された区営住宅シティハイツ一ツ木についても同様の結果が想定されることから、これら二つの住宅について、入居者が安全・安心で健康的な生活が営めるよう、建て替えに向けた検討を進めてまいります。  次に、港区ならではの子ども・子育て支援策の推進についてのお尋ねです。  区が本年実施した子育てしやすい環境の充実に向けた調査では、区は、全国平均以上に晩産化の傾向が見られました。来年度に策定する(仮称)港区こども計画では、晩産であっても安心して希望する人数の子どもを産み育てられるよう、産前産後の家事・育児支援サービスの充実など、子育ての負担軽減策も含め、実効性のある施策を計画してまいります。また、今後も第二子以降の保育料無料化、多子世帯の移動支援、医療的ケア児や障害児への支援など、区独自の支援策で全ての子ども・子育て家庭に寄り添った、きめ細かな支援を積極的に推進してまいります。  次に、国民健康保険の葬祭費支給額についてのお尋ねです。  特別区の葬祭費の支給額は、保険料と同様に特別区が共同で定める共通基準により七万円と定めております。令和四年度時点で東京都の市町村では支給額を五万円としている自治体が最も多く、一部の自治体では三万円となっております。また、中小企業の多くが加盟する全国健康保険協会においても葬祭費と同等のものとして五万円の埋葬料を支給しています。これらのことから、特別区において葬祭費として七万円を支給していることについては妥当な額であると考えておりますが、今後も状況把握に努めてまいります。  最後に、固定資産税の軽減についてのお尋ねです。  東京都は二十三区内の固定資産税について、小規模非住宅用地の税額の二割減免、商業地等の負担水準引下げ、税額が前年度の一・一倍を超える住宅用地等の減額のほか、民有地を活用した保育所等の整備促進のための全額免除措置など様々な軽減措置を講じております。こうした軽減の継続等に向けた要望については、引き続き区としても適切に対応してまいります。  よろしく御理解のほどお願いいたします。  教育に関わる問題については、教育長から答弁いたします。   〔教育長(浦田幹男君)登壇〕 ○教育長(浦田幹男君) ただいまの自民党議員団を代表しての清原和幸議員の御質問に順次お答えいたします。  最初に、世界の恒久平和に向けた学校教育についてのお尋ねです。  平和教育は自他を尊重し合い、我が国の社会や文化に対する理解と愛情を深めるとともに、国際協調の視点に立ち恒久平和を願い、国際社会に貢献できる人材を育成するものであり、現在の国際情勢を踏まえると重要な教育課題の一つであると捉えております。  現在、区立小・中学校では、我が国の戦争の惨禍について学ぶことのみならず、児童・生徒の発達段階に応じて、世界各地で起きている紛争やそれに伴う人道的支援などについても教科横断的に学ぶ機会を設け、国際社会における平和を希求する態度の育成を図っております。今後、教育委員会では、JICAなどの国際協力機関とも連携し、次代を担う子どもたちが国際貢献の視点を持ち、広く平和について考える機会の創出について検討を進めてまいります。  次に、国際人育成のさらなる推進に向けた支援についてのお尋ねです。  教育委員会では、本年八月、国が「せかい×まなびのプラン」で示したグローバル人材の育成を強化していく方針と軌を一にし、中学生から大学生等まで公私立を問わず、港区の子どもたちが海外留学に挑戦することを応援したいと考えております。具体的には、実際に海外に留学した方の体験などによる動機づけや、海外の大学進学に向けた国内外の奨学金制度の情報提供のほか、経済的な支援の必要性も含め、幅広い視点で検討を進めております。世界で活躍する真の国際人育成のため、取組をさらに強化してまいります。  次に、海外修学旅行の実施についてのお尋ねです。  まず、実施の意義の説明についてです。教育委員会は、海外修学旅行について区民にお知らせすることを目的とし、今月十五日に区ホームページ内に海外修学旅行の概要を公開し、意義や行程等について周知をしております。今後は、プロポーザルや海外修学旅行検討委員会などを経て、事業者や研修プログラムなどが決定した際に、区ホームページを活用して、随時お知らせをしていく予定です。また、海外修学旅行の実施の様子や実施後の成果についても区ホームページやSNSを通じて、区民の皆様に丁寧にお伝えをしてまいります。  次に、代替となる国内修学旅行の実施計画についてのお尋ねです。現在、教育委員会では、生徒が安全で安心して海外修学旅行に臨めるよう、管理職や教員、教育委員会事務局で構成する海外修学旅行検討委員会等で一つ一つの課題を解決しながら準備を進めております。災害や海外の情勢などによって渡航することが困難となった場合の対応策も検討する必要があると考えております。急遽の受入が可能で、各学校の目的に応じた修学旅行を実施できる国内の行き先等について、中学校長会からも意見を聞きながら検討を進めてまいります。  次に、就学援助制度についてのお尋ねです。  海外修学旅行の実施に伴い、国内修学旅行では発生しないパスポート取得費や外貨交換費用などの新たな保護者負担が生じるとともに準備費用の増額が見込まれます。そのため、教育委員会では、就学援助受給世帯の生徒が費用負担を理由に参加を諦めることがないよう、修学旅行支度金の増額を予定しております。また、パスポートの取得手続を早期に進めていただく必要があるため、修学旅行支度金を中学二年の三学期に事前支給する方向で検討してまいります。  最後に、区立小・中学校給食費の保護者負担軽減策についてのお尋ねです。  本年九月から来年三月まで実施している区立小・中学校給食費不徴収については、現下の物価高騰が続いている中、保護者負担が増加しないよう継続について検討してまいります。また、引き続き、国に対し学校給食費無償化の実現を要望してまいります。  よろしく御理解のほどお願いいたします。 ○議長(鈴木たかや君) 次に、四番さいき陽平議員。   〔四番(さいき陽平君)登壇、拍手〕 ○四番(さいき陽平君) 第四回定例会において、みなと未来会議の代表として、港区長並びに教育長に質問させていただきます。  まず初めに、物価高対策について伺います。  歴史的な物価高が区民生活を直撃しています。世界的なインフレに記録的な円安が加わり、輸入原材料も高騰しています。一方で、港区の実質収支は百億円程度の黒字が続いております。今こそ、その税収増の成果を区民に適切に還元し、一人一人の区民の生活を支えるべきだと考えます。  加えて、国はデフレ完全脱却のための総合経済対策において、重点支援地方交付金の予算の追加を各自治体に十一月二日に通知しております。この文書には、「年内の予算化に向けた検討を速やかに進めていただきますようお願いします」とも記載されております。物価高騰から区民の生活を守るためにも、国の予算を活用して、具体的な取組を速やかに進めるべきだと考えます。  そこで質問です。低所得者世帯向け支援枠として一世帯七万円を追加給付する国の指針が示されたことを受け、年内の予算化に向けて迅速に取り組むべきと考えます。区の見解を伺わせてください。
     さらに、低所得者枠に加えて、八つの推奨事業メニューから成る総額五千億円の予算も示されております。こうした予算枠も速やかにしっかりと予算化に取り組むべきと考えます。八つの推奨事業メニューを幾つか取り上げますと、子育て世帯支援として給食費の支援を行うことや、地域の消費を下支えするプレミアム付商品券の発行、地域公共交通や観光業に対する支援などが示されております。港区でも活用できるメニューが多くあります。こうした推奨事業メニューの年内の予算化を求めます。区の見解をお聞かせください。  そして、今回の国の政策は、予算合計二・一兆円のうち一・六兆円は低所得者への給付の予算です。推奨事業メニューが約五千億円あるものの、予算の重点は低所得者に置かれています。より具体的に見ていきますと、七万円の追加給付、そして今年、既に実施された三万円の給付との合計十万円の給付の対象となるのは住民税非課税世帯であります。こうした世帯への給付を否定するつもりは全くありませんが、この給付を支えるための原資を出している、税を納めている現役世代、働き盛りの世代からは、「税金が取られる一方だ。社会保険料も引き上げられ、実質的な手取りはじりじり少なくなっている」、こうした悲鳴にも似た声が港区からもたくさん聞こえてまいります。  港区は、まさにこうした中間層や現役世代の人口が多い自治体の一つでもあります。港区こそが中間層、現役世代にも目を配り、独自の財源によって、国の物価高騰対策を補う視点を持つことが強く求められていると考えます。冒頭申し上げたとおり、港区の歳入から歳出を差し引いた実質収支は百億円程度の黒字が続いております。単純に百億円の実質収支の黒字を約二十五万人の区民全員に分配しますと、一律四万円の給付が可能です。令和五年三月現在二千億円にまで積み上がった基金も活用し、未曽有の物価高の今こそ、財政出動をすべきだと考えます。両親と二人の子どもがいる家庭であれば、合計十六万円の給付が受け取れることになります。また、例えばその百億円規模の給付を区内の商店街で使える区内商品券として発行すれば、地元商店、地元企業にとっても大きな恩恵が得られ、それはまた税収として循環してくることも期待できます。  加えて、前回の代表質問で我が会派の石渡ゆきこ議員は、特別区民税の減税も地方自治法上、可能であるとの答弁を引き出しております。給付だけでなく、減税という選択肢も含みながら全ての世代、それをしっかりと、そして全ての所得層を捉えたオール港の精神の大胆な物価高対策を強く求めます。今はお金をため込むタイミングではなく、機動的に活用していくべきときだと考えます。  そこで質問です。港区の独自財源によって、国の支援で手薄となっている中間層、現役世代も含めた全ての区民が対象となるような大胆な物価高騰対策を行う考えがあるかについて、区の見解をお聞かせください。  次に、少子化対策について伺います。  少子化対策で成果を上げたフランスのシラク大統領は、「シラク三原則」を提唱したことで知られております。この三原則とは、一つ、子どもを持つことで新たな経済負担を生じさせない。二つ、いつでも子どもを預けられる場所がある。三つ、子どもを持つことでキャリアで不利にならない。この三つであります。これは今年一月の国会において自由民主党の茂木幹事長が引用し、このような三原則に基づく子育て支援・少子化対策を進めるべきだという主張を展開されております。  それを踏まえて質問をしてまいります。まず、二百万円の出産お祝い金の創設についてお尋ねします。シラク三原則の第一の原則は、子どもを持つことで経済的負担を生じさせないことです。港区では現在、八十一万円給付されている出産費用助成金があります。でもこの八十一万円は出産費用でほとんど使い切ってしまうものです。むしろ、無痛分娩や妊産婦定期健診の自己負担額などを含めると、八十一万円では足りないケースが多いくらいであります。子どもが生まれてくれば、ベビー用品、子ども部屋がある家への住み替えの準備、教育資金の積立てなど、様々な経済負担が子育て世帯に降りかかることになります。こうした経済的負担を生じさせない大胆な社会転換が、今まさに喫緊の課題として求められていると考えます。  そこで、二百万円の出産お祝い金の創設を提案したいと考えます。方法としては、既に給付実績のある子育て応援商品券として給付することが望ましいのではないかと考えます。こうすることで二百万円という大きな金額が子育て以外のお金に使われてしまうことを防ぎます。また、港区で出産し、二百万円のお祝い金を受け取って区外に転出してしまう場合は、港区の貴重な財源の流出につながってしまうおそれがあります。そのため、電子商品券として支給し、区外に転出した場合は、残高の効力を失う規定を導入するなどした対策を講じるべきだと考えます。このような課題の対策を踏まえた上で、大規模な子育て応援商品券が実現することができれば、国のこども未来戦略方針で示された二〇三〇年までの少子化対策の集中期間により大胆で、かつ、地域産業の振興と組み合わせた施策が実現できると考えます。  麻布台ヒルズが開業し、大変なまちのにぎわいが生じております。既に三回私も訪れさせていただいておりますが、ほれぼれするような美しい建築で、誇るべきまちづくりの形だと感じました。この場を借りて、三十年以上の長きにわたって再開発に関わられた皆様に心から感謝を申し上げたいと思います。  一方で、様々な再開発事業の陰で古くから港区を支え、港区とともにあった地元商店街が置き去りにされてしまっていると感じるようなことがあってはならないと思います。再開発等々で立地するレジデンス棟などによって高額納税者が転入してきて、それによって生じている特別区民税の税収が起きているということもあるはずです。こうした成長の果実を適切に配分する意味でも、商店街への電子商品券の発行の強化などは非常に重要だと考えております。  そして、地元の商店街の振興策と少子化対策とを組み合わせた出産お祝い金構想に係る予算規模は、港区で生まれる約二千三百人の子どもたちに対して、一律で所得制限なく配布するものですから、二百万円の祝い金のため、事業費も含めて約五十億円程度と推定されます。出産お祝い金の特徴は、子どもが新たに生まれてこない場合は、それ以上の新規コストは一切かかることがないということです。子どもが新たに生まれてきた場合にのみ予算が上振れることになります。効果がなければ、追加予算がゼロということに利点があります。  また、既に毎年生まれてくる傾向にある二千三百人に対して二百万円給付されることに対しては、子育て世代の負担軽減に直結し、その子どもたちに対する健やかな育ちの原資となるので、子育て支援としての効果は間違いなくあることになります。加えて、仮にこの予算規模が財政に与える影響が大きいと言うのであれば、第三子のみにその対象者を絞ることで考えますと、港区で毎年第三子として生まれてくる子どもは約二百名しかおりません。そういう意味で多子支援が非常に重要なわけでありますが、四億円程度の事業規模になります。  加えて、恒久的な施策として考えると、将来の財政に与える影響が見通しづらいため二〇三〇年まで、まさに少子化対策の集中期間である二〇三〇年までの六年間に期限を区切るのも一つの案だと考えます。そして、その期間の中で効果が出るかを、専門家を交えながら検証していくべきだと考えます。財政に与える影響も鑑みながら検討を重ね、その政策の効果の実証まで港区こそが行うべきだと考えます。二百万円規模の出産お祝い金によって、どれほどの若い世代の生み控えを解消し、出産を後押しできるか。これは日本国全体にとっても重要な知見になるはずです。  港区は人口流入のまちであり、私も含めて地方から若年人口を吸い上げて成長してきた側面があるまちでもあります。その若年人口を多くの地方から預かっているんだ、こういう責務を直視し、産みたいと希望を持てばちゅうちょなく産める。そのような環境を港区こそが先駆けて実行すべきだと思います。港区こそがこの国の最大の国難である少子化の問題に取り組む、日本社会をリードするという使命、それを果たしていただきたいと思います。  そこで伺います。出産お祝い金として、二百万円分の子育て応援商品券の枠を創設すべきと考えますが、区の見解をお聞かせください。  次に、特別区民税の減免措置を活用した実質減税、いわゆる港区版年少扶養控除についてお伺いします。年少扶養親族に対する控除、いわゆる年少扶養控除は、子育て世代の税負担の軽減を目的とする制度でした。扶養控除とは、納税者の所得金額から一定額を差し引けるという所得控除です。具体的な控除額は、所得税が三十八万円で、住民税が三十三万円、所得金額からこれらを差引き、最終的に求められた課税所得に税率を乗じて納税額が算出されておりました。しかし、二〇一〇年度の税制改正により年少扶養控除は廃止が決定されました。この背景には控除から手当という政府の方針があり、代わりに導入されたのが児童手当でした。しかし、現在、政府が支給している児童手当の金額では、控除で得られていた金額を下回り、中所得以上の子育て世帯にとっては実質的な子ども増税となってしまっています。さらに、港区の児童手当は所得制限がかけられていることによって、半分の子育て世帯しか児童手当を受け取ることができておりません。多くの人がこの子ども増税ということに苦しんでいる。それが港区でございます。  この少子化の真っただ中にそうしたことが行われている。この実質的な実害を受けている人が最も多いのが、私たちが暮らす港区であるということはしっかりと受け止めなければならないと考えます。大変残念なことではありますが、結婚している世帯は所得が低い層ではなく、所得が高い、収入が安定している世帯が多い傾向にあります。低所得の方の所得控除を図って、安心して結婚ができ、子どもを持つことができる環境整備を進めていくことと同時に、既に結婚している所得が高い層の人たちが子どもを持つこと、第二子、第三子を持つことに対する経済的インセンティブを高めることが港区の少子化対策として重要だと考えます。  また、総務省市町村税課にも確認いたしましたところ、地方税法第三百二十三条の規定に基づき、港区の裁量で特別区民税を減免できるとの回答を得ました。例えば、所得が一千万円の世帯への住民税が一〇%で百万円の所得税額があるとします。そのうち六%が市区町村の財源分となりますが、その六%の区の徴収分、ここでは六十万円に対して、年少扶養控除で得られていた実質減税額や大学生の年少扶養控除を参考に、子ども一人当たりで五万円減免するといった政策が考えられないでしょうか。二人子どもをお持ちの世帯であれば、年間十万円の実質減税となります。  港区にはフリーランスや女性経営者、こうした方々も多くいらっしゃる自治体であります。そんな人たちは、産前産後の有給の産休や育休というものは大企業に限られておりますから、社会保険に入っている人に限られますから、フリーランスや経営者ということは対象外になります。パートナーに安定した所得があれば別ですが、税の負担感はこうした大企業等に所属していない、そういう組織に所属していない方にとって、その負担感はより大きいものになっております。そんな方々を救う観点からも、こうした税の減免措置はより効果的だと考えます。低所得の人に給付で応援し、所得が高い層には税による応援、こうした組合せによって子どもを持つことの経済的インセンティブを充実させていくことが重要だと考えます。  今、岸田内閣は、高校生の扶養控除の縮小や廃止を検討しているということが報道されております。こうした廃止・縮小が現実のものとなってしまった場合、最も実害を受けるのは港区の子育て世帯であることは間違いありません。こうした制度には断固反対だと意見書も提出しているわけですけれども、しっかりと国に要望を続けていただきたいと思います。そして実際に今廃止になってしまっている年少扶養控除の廃止、こうしたことによって生じている実質負担増、こうした状況も踏まえて、子どもを持つ世帯への特別区民税の減免措置の実現を速やかに実行すべきだと考えます。  そこで質問です。子どもを持つ世帯の特別区民税の減免措置を実現することについて、区の見解をお聞かせいただきたいと思います。  次に、若年カップル向けの無利子ローンの創設について伺います。ハンガリーは近年、名目GDP五%もの金額を少子化対策に資する大胆な対策を行って成果を上げていることで注目されております。二〇一〇年には一・二五だった出生率を、二〇二一年には一・五九まで改善させております。出生率が〇・三六ポイント改善するということは、日本に置き換えて考えれば、八十年くらいのサイクルで人口が約二千百六十六万人改善するという計算になります。出生率の一・二三と一・五九ではとんでもない差ということになります。  そして、ハンガリーの行った目玉政策の一つが無利子のローンです。妻が十八歳から四十歳までの夫婦は約三万ユーロ、日本円にして約三百五十万円の無利子のローンを借り受けることができます。このローンは月々の分割返済額は、借りた翌月から始まるわけですけれども、その月々の返済は百五十ユーロ以下、二万円程度で二十年以内に返済することが求められることになります。そして、最初の五年間に少なくとも一人の子どもが生まれた場合、無利子のまま返済が三年間猶予されることになります。二人目の子どもが生まれると、さらに三年間返済が猶予され、かつ元本の三割が帳消しになるという制度です。そして、三人目の子どもが誕生すると、残りのローンは全額返済不要となる。こうしたローンをハンガリーは目玉政策として打ち出しております。経済的に子どもを持つことをちゅうちょする若年カップルにとっては非常にありがたい政策として歓迎され、実際に成果を上げております。  そこで質問です。こうした若年カップル向けの無利子ローンの創設を港区独自で創設すべきだと考えますが、区の見解を伺わせてください。  以上、様々大胆な少子化対策を提案してまいりましたが、財政状況も鑑みながら効果的な政策を選択し、待ったなしの少子化対策を実行に移されることを強く望ませていただきます。  次に、安心して子どもを預けられ、働ける港区の実現についてお伺いします。  まず、保育士の定員問題についてお伺いします。今年の十月二十三日に令和六年度の保育定員についての方針が示されました。そこでは、令和三年九月、港区待機児童ゼロ達成後の新たな課題への対応方針を定め、区立保育園についても保育定員の適正化を行うとしています。数字の上では待機児童はゼロであるものの、兄弟で同じ区立保育園に預けられず、それぞれ離れた地区まで預けに行くことができないために諦めている家庭や、制度のはざまで区立保育園に預けることができない家庭など、本当は区立保育園に預けたいが、様々な事情で預けられないという声をたくさん聞いてまいりました。  現状よりも定員を削減するとなれば、数字には表れないが、保育園に預けることを諦めてしまう家庭が増えてしまうのではないでしょうか。令和三年に定めた対応方針にとらわれることなく、安心して子どもを預けられる港区の実現を求めます。同時に、先ほどの清原議員も主張されておりましたけれども、保育料というものは国の定める上限額というところに基準を合わせていくと、そうした方針ではなく、むしろ引き下げていく、こうした方針が求められていると思います。保育園の空きが少なくなっている、そういう状況であるならば、保育料を引き下げて、その方々が入園できるようにする。こうした方針のほうが、私はこれからの少子化対策の集中期間という意味においても非常に重要だと考えております。  そこで質問です。区立保育園の定員は増やすことはあっても、これ以上の定員削減はないようにしていただきたいと考えますが、区の見解を伺わせてください。  次に、夏休み一時預かりについて伺います。夏休み一時預かり事業については、毎年多くの申込みがあると聞いております。一方、受け入れる側の園にとっては、夏休みの期間だけ受け入れる。そのためにネームプレートを作ったり、下駄箱を作ったり、いろいろな準備が必要。だけれども、夏休みの一時預かりだけで出ていってしまう。経営の観点からは非常に一時預かりというものには苦労が多いというお話を実際に園の側から伺いました。受入体制を整えることが非常に大変だ。こういう現場の声を聞いて、より園側が負担のない形で実施できるようにしていただきたいと考えますが、区の見解をお聞かせください。  次に、保育園入園制度について伺います。実際に港区にお住まいの方からの声を御紹介させていただきたいと思います。第一子を育てており、育児休業を取得しているため、保育園に預けずに自分で育てていました。来年度から復職しようと思っていたタイミングで第二子を授かり、第二子出産のために第一子を保育園に預けようとしたところ、第一子を保育園に預けずに自分で育てていたために、保育が必要な事由が育児休業ではなく、第二子を出産なさっていますので、出産という事由になり、この出産という事由では、出産日の翌日から数えて五十七日目の属する月末までしか保育園に入れないという規定になっている。それなので第一子の赤ちゃんが保育園に入ることができず入園を断念したということが起きております。  このように制度と制度のはざまで、非常にまれではありますけれども、保育園に入園できない。せっかく第二子を授かって、本当にそれはおめでたいことなんですけれども、そのせいで第一子が保育園に入園することができない、こうした状況が生じております。入園を希望する御家庭の状況が様々な中、実態を把握した上で制度の見直しを検討する必要があると考えますが、区の見解をお聞かせください。  次に、私立認可保育園の戸外活動の支援についてお伺いします。先日、私立認可保育園の園長会の皆様と意見交換をする機会をいただきました。園長先生から、私立認可保育園は園庭のない保育園もあることから、園庭を備えている区立保育園に比べて、保護者が保育園を選ぶときに園庭の有無を考慮するケースもあるという意見や、私立認可保育園が運動会などの戸外活動をする場合に、より広い場所で子どもたちの活動がしやすいように、伸び伸びと遊べるように区としても支援していただきたいという意見をいただきました。  区では、既に区有施設の一部を貸し出すなどの工夫を行っていると伺っています。しかし、区有施設が貸し出せるという原則を、所管によっては、私立認可保育園には、私立には貸せません、民間には貸せないのですと断ってしまっているケースが実際に生じているところでございます。こうした誤認識が生じないように、既に港区のほうからも区の施設を使いたいという声が私立認可保育園から上がった場合は適切に対応するよう周知を、既に行っていただいていると思いますが、より区全体で、特に施設を所管している職員が意識して対応できるように周知徹底を図るべきではないかと考えます。  区立の保育園に集中し、そしてなかなか、園庭がないとか、運動場所がないとか、戸外活動ができない。そうしたことによって選ばれなくなってしまって偏在が生じている、このことも重要な課題だろうと思っています。こうした意味において、しっかりと区有施設、区が戸外活動をサポートするということをすれば、偏在がなくなって、多くの人が子育てをしたときに、まさにシラク大原則の二つ目のほうですけれども、しっかりと預けられる。そうした環境づくりが実現できると考えます。  次に、ベビーシッター代の助成事業について伺います。港区の子育て層の方々との意見交換を行った際に、一人の子どもを育てるだけで本当に手間がかかる。二人欲しいと考えていたけれども、一人育てていることがこんなに大変な状況では、とてもじゃないけど二人目は考えられない、こういう御意見を伺いました。その方からすれば、芝にあるみなと子育て応援プラザPokkeの一時預かりの予約枠は本当にあっという間に終わってしまう。ベビーシッター代の助成も本当にありがたいけれど、なかなか希望どおり予約が取れない、こうした声も併せて伺いました。  これは、先ほど述べました、シラク三原則の二番目、いつでも子どもを預けられる場所がある。この環境の整備が十分でないということになると思います。まず、ベビーシッター代助成事業、こうしたもののニーズの把握から行うべきではないでしょうか。このベビーシッター代助成の申請者のリストというものは、区として把握している状況かと思います。まずは、利用者がベビーシッターを利用したいと思ったときに、実際に確保できているかどうかを把握するアンケート調査を行うべきではないでしょうか。そうすれば、実際にベビーシッターのニーズが逼迫しているかどうか、そうではないのか。逼迫しているのだとしたら、どういうタイミングで逼迫しているのか。時間帯、季節、こうしたものもしっかりと分析することができるようになると考えます。そうすることで対応策をしっかりと考えていくことができると思います。ぜひ利用状況のアンケート調査をすべきだと考えますが、区の見解をお聞かせください。  このベビーシッター代助成については、小池百合子東京都知事のリーダーシップによってできた事業でもございます。つまり、東京都の事業でありますので、東京都が依頼できるベビーシッター事業者というものを、安全確保や流用の防止といった観点で事業者を指定している。この数がどうしても限定しているためにニーズに応じたサービスが提供できないというおそれがあります。そこで、港区の独自枠を創設して事業者を拡大していくことによって、港区の独自枠と東京都の枠、これを併せ技にしていくことによって、ベビーシッター代のニーズにしっかりと応えられるようにしていくべきだと思いますが、区の見解を伺います。  関連して、港区産前産後家事・育児支援サービスについてもお伺いします。この制度は、他区と比べても非常に充実した制度であり、多くの区民から感謝される事業であることを高く評価しております。現時点でも他区に比べて非常に充実している制度なんですけれども、そこは理解しつつも、家事支援サービスが三歳までで利用できなくなるということは非常に残念だと思っております。先ほど述べたベビーシッター代の助成と家事支援サービスの両方の事業者を港区民の子育て世帯がアクセスできるようになると、そうしますと、非常に子育て世帯にとってもありがたいものになると思います。ベビーシッターが見つからなかったら家事代行に、家事代行がなかなか予定どおりつかまらないならベビーシッターにと、こういうようなことができるようになる。そうした意味において、区の独自施策としてさらなる延長、家事支援サービスの対象年齢の延長を行うべきだと考えますが、区の見解をお聞かせください。  次に、みなと区民の森について伺います。  先日、管外施設である東京都あきる野市にある「みなと区民の森」を視察させていただきました。この森は、平成十九年度より地球温暖化対策の一環として、港区とあきる野市の交流事業「みなと区民の森づくり」としてスタートいたしました。港区があきる野市から約二十二ヘクタールの市有林を借受け、長らく手つかずだった森を整備し、二酸化炭素の吸収林としてよみがえらせています。  港区は都市部として、どうしても二酸化炭素を多く排出しているのですが、あきる野市では管理し切れなくなっていた市有林を港区がお借りし、里山によみがえらせることでカーボン・オフセットに貢献しています。私は大変、これを伺ったときにすばらしい制度だと感じました。都市の課題を都市の中だけで解決しようとすると、どうしても限界があります。そうした課題をより大局的、広域的な視点に立って地方とウィン・ウィンの関係を築きながら、そして平成十九年という時代から気候変動対策にしっかりと取り組んでこられた、武井区長の先見の明に深い感銘を受けました。  この森には環境学習教育施設もあり、「あきる野環境学習」で検索すれば、主に夏頃にいろいろな体験学習ができます。里山散策や植樹体験、川魚のつかみ取りなど、都心に暮らす人たちにとって大変魅力的なコンテンツがそろっていて、定員四十名ほどのイベントもすぐ埋まってしまうそうです。倍率も、調べていただきましたところ、平均三倍程度で、釣り体験のイベントは定員二十名に対して百四十名が申し込んで、約七倍という大変高倍率になっているものもあります。  視察に訪れさせていただいた際に、現地のNPOの方ともお話をし、まだまだ受入れ余地があるものの、港区の予算上追いついていないというような返答をいただいているという課題も伺いました。また、私、大変恥ずかしながら港区議会議員になるまで、こうした森があるということ自体知りませんでした。すばらしい取組だけに、広報活動がさらに拡充されていくべきだと感じます。こうした環境学習は子どもたちにとっても貴重な体験になると考えます。また、都市で暮らす大人たちにとっても自然の中で癒される大変貴重な場でもあります。  そこで質問です。自然豊かな環境でより多くの区民が、みなと区民の森でアクティビティーができるように支援をすべきだと考えます。区のお考えをお聞かせください。  次に、区立学校における学力支援体制についてお伺いします。  まず、港区の保護者からも待望の声が根強い中高一貫校についてお伺いします。義務教育である小・中学校の運営は市区町村、高校の運営は都道府県という行政の役割分担があることから、中高一貫校を創設することには難易度があります。公立の高校は、原則全て都立高校であり、東京都が一括して教員採用・研修の仕組みを構築しているからであります。  港区が中高一貫校を設置するには、港区が独自に高校の教員を採用する必要があり、難易度が高いということは事実です。しかし、それが不可能かと言われると、それは違います。実際に東京都千代田区では中高一貫校、千代田区立九段中等教育学校を実現させています。実は、この学校の前身である都立九段高等学校の卒業生は、まさに武井雅昭区長でもあります。  私たちみなと未来会議は、実際にこの中高一貫校を視察し、校長をはじめとする学校関係者並びに千代田区役所の担当職員にじっくりとお話を伺うことができました。その際に、武井区長が卒業なさった天文部、この部員に向けられた色紙も拝見させていただきました。武井区長はどんな高校生だったんだろうねと、そんな話を会派のメンバーとも話したものです。いずれにしても、話を伺うことで分かったことは、この学校は当時の千代田区長の強いリーダーシップによって実現されたということでした。区立の高校を実現するには、高校の運営を担っている東京都との交渉が欠かせないこともあり、一筋縄ではいかないものだからです。  加えて、千代田区立九段中等教育学校において最も苦労されている点は、教員の採用とのことでした。先述のように区が中高一貫校を設置し、その設置者となった場合は、区独自でその中高一貫校の高校部分の教員採用を行う必要があります。高校の課程は科目も多岐にわたり、大学受験を控える世代を預かる重要な仕事です。それを担う高校課程の教員を全く経験のないところから、区で採用する体制を整えることは非常に大変な仕事になることが予想されます。  加えて、港区においては用地、土地の確保も非常に難易度の高い課題です。九段中等教育学校の場合は、東京都が設置する都立九段高等学校と千代田区が設置していた区立九段中学校がもともと隣接しており、用地確保という課題解決の必要があまりなかったという点が実現のポイントになっているということも伺いました。  翻って港区において、区立中学校の近くに都立高校がある場合もありますが、隣接しているとまで言えるようなものは見当たりません。用地をどのように確保するのかも、港区で中高一貫校を実現する上では大きな課題になると予想されます。しかし、港区で子育てする保護者の目線に立ったとき、腰を据えて来るべき大学受験に取り組める中高一貫校が経済負担のない公立校で実現するということは、魅力的な教育の選択肢を増やすということに直結します。さらに、その教育課程が国際バカロレアのような特色のあるカリキュラムであればなおさらです。  また、平成二十三年度に港区教育委員会によって実施された魅力ある区立学校づくりのためのアンケート調査報告書では、区立中学校へ進学する子どもを増やすために充実させるための内容を保護者に聞いたところ、第一位が受験対策を含めた質の高い授業、第二位が教員の指導力、そして第三位が中高一貫校の設置でございました。私立中学校に進学させた親へのアンケートもそのときに行っているわけですが、その理由の第三位に中高一貫校だから私立に通わせたというのが挙げられております。中高一貫校が区民から強く求められていることは、アンケート結果からも明らかだと思います。  加えて、今、受験業界で起きていることは、二〇一五年頃から始まった都内の有力中高一貫校における高校募集の停止でございます。つまり、完全中高一貫校化が現在進行しております。その傾向はさらに加速しており、私立では高輪を皮切りに、海城、浦和明の星女子、成城、近年話題になったところでは本郷高校、豊島岡女子学園、開智日本橋学園、東邦大学付属東邦、三田国際学園などがあります。  なぜこうした高校募集停止が起きているかと言えば、新学習指導要領の影響が大きいと言われております。新学習指導要領には歴史総合、理数探究、情報などの新科目が導入されました。中高一貫校では多くの場合、六年間の学習内容を五年程度で終わらせるカリキュラムになっていることが多いため、高校から外部入学してくる生徒たちと中学一年生から入学してきた内部進学生との間で授業進度が異なっており、講師は二パターン以上のカリキュラムや習熟度別クラスを用意しています。教育現場では講師の過剰労働が問題視されて久しいですが、既に無理が生じているところに、これらの新学習指導要領の科目が一気に新設、導入されるという現場で負担は計り知れないということであります。これを軽減するために高校からの外部入学を停止しようという流れが生まれていると分析されております。つまり、区立中学に進学したとしても、私立中高一貫校に高校受験で進学するという選択肢が狭められているという現状に、今、港区の多くの子どもたちは直面しているのであります。  加えて、大学入試改革の影響で大学入学共通テスト、この改革の影響もあります。この共通テストでは、これまでの全てのマーク式から記述式が検討され、国公立・私立大学入試においても全体的に思考力や表現力がこれまで以上に重視されるようになりました。AO入試、小論文、グループ面接などを使用した入試、推薦入試、総合型選抜もより一般的になり、これらの対策として、留学なども含めた様々な経験から得られる幅広い知識や視野、自由な発想、思考力、表現力が新しい大学入試では必要になるため、こうした探求学習に充てる時間を捻出できるかがこの受験を制するかどうか。この中高一貫校の六年間を使って探求学習をできるようにする、こうしたことが鍵になる。そのため新たな大学入試の形に対応するために完全な六年間の中高一貫校化というものにかじを切った高校が多く出てきております。  結果として、このような状況が、区立中学に進学して高校受験すると言っても、高校受験の募集が停止されてしまっているんだから選択肢が狭まってしまうという危機感につながって、区立中学の進学をちゅうちょさせる傾向を生じさせていると考えます。これが区立中学の進学率の低迷の大きな原因の一つだと私は考えております。  シンガポール海外修学旅行は、区立中学の在り方に一石を投じたことは間違いないと思います。ですが、こうした要因についても、今こそ丁寧に目を向けるべきではないでしょうか。もちろん中高一貫校にもデメリットはあり、高校受験が少ないことで、むしろだらだらしてしまうといったケースもあり、お子さんのタイプによっては求められる教育も様々です。しかし、重要なことは、公立に区立中学校という選択肢と中高一貫校という選択肢の両方があることです。それを選択できる環境をつくってほしいというのが区民の願いだと思います。  そんな区民の悲願をかなえるための一つのアイデアは、東京都のあきる野市や大平台みなと荘のある箱根町など、港区と関係の深い地方都市に区立中高一貫校を設立するという構想です。例えば、英国首相チャーチルやインド首相ネルー、ノーベル物理学賞を受賞したジョン・ウィリアムらを輩出した英国の全寮制インターナショナルスクールのハロウスクールは、日本の岩手県八幡平市、人口二・二万人の市ですけれども、そうした市に日本の分校を開校し、二〇二二年九月に開校したわけですけれども、九百名規模、つまり、日本最大規模の全寮制インターナショナルスクールとして大変人気を集めております。  また、一九六二年に設立され六万人のアルムナイを有するユナイテッド・ワールド・カレッジの加盟校であるISAKジャパンは長野県軽井沢町に立地しております。また、広島県は国際バカロレアの中高一貫校である広島叡智学園を大崎上島町という六千四百人の島に開校させております。自然豊かな環境で充実したキャンパスを構え、魅力的な国際教育を行うということは一つの定石ともなっております。  これは、「みなと区民の森」の事業にも共通する都市と地方の互恵関係を生み出すものでもあります。また、港区立伊豆健康学園という前例もございます。もちろん港区内に設置する可能性も排除すべきとは考えませんが、港区内には立地に適する場所がないから中高一貫校はつくれませんという言い訳は、これ以上聞きたくありません。また、多くの課題があるから研究課題とするといった後ろ向きの答弁も求めておりません。できない理由を考えるのではなく、執念を持ってあらゆる可能性を探り、区民が求める魅力的な中高一貫校の設立を強く望みます。  そして、私はそのような中高一貫校を実現するには、区長の強いリーダーシップが欠かせないと考えます。担当所管としては、これまで述べてきた課題もあり、「中高一貫校の新設に関しては、今後の研究課題とする」とする公式見解がホームページにも記載されているところであります。であるならば、担当所管の判断を超越した区長のリーダーシップがなければ、中高一貫校が近い将来実現することはないと考えます。  それを踏まえ伺います。区長がぜひとも中高一貫校を実現させるのだという意気込みを持っておられるのか、そうでないのかがこの政策が実現するか否かに決定的に重要になってくると考えます。そのような背景もあり、教育に関する質問ではございますが、ぜひ区長のお考えをお聞かせください。  次に、放課後塾について伺います。現在、港区では六本木中学校で「放課後Study」という取組が行われております。定期試験の二週間前にボランティアや教員が学生たちの学習支援を行う取組です。あくまで六本木中学の自主事業であり、実力のある講師を継続的に確保することが困難な状況にあるようです。実際に六本木中学校の「放課後Study」に先日私も、そして公明党の野本議員も一緒に見学に行かせていただきました。学校の宿題をする人、高校受験を見据えた塾の課題をやっている人、定期テスト対策をしている人、実に様々なニーズがございました。定期テスト一つ取っても、数学、英語、保健、家庭科まで様々な教科をやっている生徒がおられました。この「放課後Study」を担っているのは、数名の学校教員でした。そのため十七時にはこの「放課後Study」も終了となります。時間が短いな、もっと長くできればいいなと、正直そんな率直な印象も受けました。  加えて、それをサポートすることをボランティアが担うことも難しいと感じました。見学の際に、母校である慶應義塾大学の後輩四名に協力をお願いし、一緒に見学してもらいました。当然ながら、質の高い学習支援を実現するには、一日ぽっきりのボランティアではなく、定期的な学習支援によって生徒とスタッフが信頼関係を築いて支援を行うということが重要になるだろうねと、そんな話を終わった後に見学に来てくれた学生たちとも話をしました。ただ継続的に六本木中学校に来られるかというと、いろいろインターンとかゼミの活動があって、ボランティアというわけにはいかないですという話も率直な声としてありました。継続的な学習支援をするという責任ある仕事を大学生などが無償で行うということは限界があります。それでは人が集まらないのは致しからぬことだと思います。  そうした課題を踏まえた上で、私が提案したいと考えますのは、民間事業者と連携する「放課後塾」、「校内塾」です。放課後塾とは、その名のとおり、放課後の空いた教室に学習塾の講師に来てもらう仕組みのことです。既に神奈川県箱根町においては城南予備校と連携し、「箱根土曜塾」を行っております。二〇二二年の実績としては、受講者三十一名が志望校に合格するという成果も上げられております。  また、足立区ではZ会と連携し、区立中学三年生の家計が困難な学生を対象とする学習支援の取組、「足立はばたき塾」が既に行われております。加えて、東京都においても都立高校における学力向上支援策として、まさに今年度から放課後塾を開始しております。東京都の指定する進学指導推進校十五校が対象となり、一校当たり約六百万円、十五校で約九千万円の予算が計上されました。エリアが近い都立校三校ごとにグルーピングされ、Z会グループが六校、城南予備校が三校、東進グループが六校、入札により選定されております。こうしたことが都立高校でも進み始めております。  また、学習塾トーマスの場合は、この放課後塾をスクールトーマスとして私立学校百七校に導入しており、導入校の中には渋谷教育学園幕張や西大和学園といった全国でも随一の私立学校に導入されている状況です。私立の中高一貫校のまさに教員にも、指導教員の手当ても手厚い、そんな中高一貫校に正課の授業でも非常に力を入れていることに加えて、さらに放課後塾まで入れて、こうした学力支援を行っている。こうしたところと、私たちは区立中学の魅力ということを踏まえても考えていかなければいけない、そうした状況にあるということです。このような民間事業者を活用した放課後塾の導入は公立、私立問わず、大きく進んでいる状況であるということは今まで申し上げてきたとおりでございます。  そんな状況も踏まえ、区では令和五年六月から七月にかけて、生徒の放課後の学習環境に関するアンケート調査を実施していると伺っております。そこで分かったこととしては、一つ、区立中学校在籍生徒の半数以上が都立高校等の進学を希望している。二つ目は、学習塾に通っている生徒の多くが一年生の一学期から学習塾に通い始めている。三つ目、どの学年においても、平日や土曜日の放課後に学校で塾のような講座があれば受けたいと考える生徒は半数以上おり、一定のニーズがあるというアンケート調査結果を報告しております。こうしたニーズは、港区の通う子どもたちに実際に確認をされているところであります。  また、私は大学受験塾の経営者の出身でございます。十二年間学習塾を経営してまいりました。学習塾の三大コストは人件費、広告宣伝費、地代家賃です。学校内塾であれば、地代家賃はゼロになります。そして、広告宣伝費も抑えることができます。つまり、良質な人材を確保する人件費に集中させることができる。こうしたことが良質な授業をほかのどこの学習塾よりも安価に提供することができることになります。  加えて、これは教員の負担軽減にもつながります。放課後塾の運営をする際は、民間事業者と連携することになっております。指導力の向上や学力支援、進路サポート、こうしたことは区民のニーズがとても高いわけですけれども、そうした部分を区の教員に頑張ってくれと、マンパワーで、ガンバリズムでお願いするのではなく、民間事業者の助っ人を呼んで、この力を借りることによって、教員はさらにより正課の支援に集中できるということになるわけです。そして、区立中学と都立校の公立中高がより魅力的な選択肢になれば、私立中高一貫校にかかる費用、約三百万円の家計負担減になるところであります。子育て支援、少子化対策としても、この教育費用の負担ということがやはり一番大きな、子どもを持つか持たないかという判断をするときに大きなちゅうちょする材料になってございます。こうした意味においても、放課後塾はぜひ実現が望まれることだと考えております。  そしてこの施策は、どんな家庭に生まれても、自分の夢に向かっていくことのできる公平な社会につながるはずです。経済的な理由で塾に通えない。こうした人もより多くの人が、既に港区は事業をしておりますけれども、より多くの人にこうした事業を体感していくことができる。そして、私立に行くことが経済的にできないから、僕の、私の将来の選択肢が狭まってしまう。そんな思いをする子どもたち一人一人、これを少なくしていく、こういうことにつながると私は考えております。  そこで質問です。港区において、校内学習塾を導入する考えがあるかについて、区の見解をお聞かせください。  次に、英語のスピーキングをサポートするアプリの導入について伺います。英語の授業中のスピーキング対策は、集団授業が非常に難しい領域です。英語の授業においては少人数授業を実現していただいていると伺っておりますが、それでも二十五人の学生のスピーキング力を一人一人見ていくことは、極めて難しいことは言うまでもありません。  そこで、今注目されておりますのが、音声認識技術を用いた英語教育システム「ワールドクラスルーム」です。沖縄県のスタートアップ企業が開発し、現在、全国の三十三の学校で採用されています。音声認識技術を用いて英語で話すスピーキングの練習ができる機能があることで、一人一人がマイクセットに向かって実際に英語を話して、それをアプリがスコアリングしてフィードバックしてもらうことができる、そんな仕組みです。そのスコアは全てデータに記録されて、それを教員は継続的にチェックすることができます。スコアが上がった場合は成果を褒めてあげたり、スコアが伸び悩んでいる子には個別ケアをするということが可能になるのです。  また、教室にいながら世界十七か国の同世代との国際交流ができる機能を備えています。実際に外国の人と英語を使ってコミュニケーションする機会を、英語の授業の時間の中で体験することができるのです。導入校からは、もっと世界に発信したいという生徒の声を聞くことができたと大変好評を受けており、経済産業省のEdTech導入補助金の認定ツールにも採択されています。また、この補助金を活用すれば、初年度は区の持ち出しゼロで試験的な導入が可能となっております。こうした補助金を活用しない手はないのではないでしょうか。試験的な導入を経て本導入に至った場合のコストも、年間一アカウント五千五百円ですので、区立中学生全員の約二千二百名に導入したとしても、年間かかるコストは約千二百万円程度です。港区の財政状況からすれば、十分に実施可能な教育投資ではないかと考えます。まずは経済産業省の補助金を活用し、試験的な導入から始めるべきと考えますが、区の見解をお聞かせください。  次に、放課後英会話教室の事業についてお伺いします。この事業は大変すばらしい事業の一つだと考えますが、さらなる拡充を図るべきだと考えております。例えば、現状は中学三年生のみが対象となっていますが、中学一・二年生も対象の範囲とすること。そして、放課後に学校で受講するという仕組みになっているわけですが、アカウントを用意して自宅からでも受講できるような仕組みにすれば、放課後に受けると、部活がある子は断念せざるを得ないということも聞いておりますので、こうしたことではなくて、アカウントを用意してあげれば、家で参加できるようになる。こうしたことの工夫も必要なのではないかと考えております。このようなさらなる拡充をすることで、さらに子どもたちに喜ばれる事業になると考えますが、区の見解をお聞かせいただきたいと思います。  次に、大使館と連携した国際交流事業について伺います。港区に所在する八十以上ある大使館は唯一無二の港区の地域資源です。しかしながら、大使館との連携事業は一日限りのイベントのようなものが多く、独自の予算枠を取っているわけではありません。予算枠を確保し、民間の教育団体、NPOと連携してプログラムを委託することで、もう少し中・長期にわたるプログラムを提供し、この地域資源をさらに生かしていくことができると考えます。区の見解を伺わせてください。  次に、AIドリルについて伺います。AIドリルは、子どもたちのつまずきポイントを分析し、それぞれの子どもに最も適した問題を出し分けることができ、習熟度ごとの指導をサポートできる強力なツールとして注目されています。そして、子どもたちの成長をダッシュボードに整備するなどし、子どもたちの成長を客観的に把握し、先生方がきめ細やかに児童・生徒に伴走できるよう、教育ダッシュボードを整備すること、こうしたことが可能になります。デジタル教材を活用した先進的な授業モデル、学校間で学び合う機会などをつくり、区内の学校の教育水準の向上に取り組むべきだと考えます。  実際に、経済産業省「未来の教室」実証事業では、千代田区立麹町中学校でAIドリルが導入され、教科書の学習指導計画の半分の時間で知識の定着が可能になったと報告されています。現在では、東京都でも世田谷区や足立区といった自治体で全小・中学校でのAIドリルの導入が進んでいます。港区もAIドリルを導入すべきだと考えます。区の見解を伺わせてください。  次に、不登校についてお伺いします。  現在、義務教育における長期欠席者は二十九万人近く、約三十人に一人となっております。「先生と合わない」、「病気を抱えている」、「発達特性がある」など様々な理由で学校に通うことが難しい子どもたちがいます。学校に通えないのは家庭の問題や子どもたちの問題ではなく、子どもたちに合った学習環境を整備できていない行政の問題として捉えるべきだと思います。そして、こうした不登校の児童・生徒は港区でも増加傾向にあり、対応が急務となっております。  現状においては、港区適応指導教室つばさがありますが、このつばさの「学校の適応指導」という言葉、学校の教室に戻るべきだという考え方がある適応指導教室という名称は改めつつ、子どもたちの個性を尊重した居場所・学びの場をより拡充させていくべきだと考えますが、区の見解をお聞かせください。  また、学びの多様化学校、これは今まで不登校特例校と言われておりましたけれども、文部科学省が不登校特例校という言い方はもう改めようということで、名称をアップデートさせたわけです。まさに適応指導教室、そうした考え方も改めていこうということが今、国全体でも進められているわけですが、そうした流れを受けて、学びの多様化学校というものがあります。こうしたものが多くの自治体でも設立されておりまして、不登校の生徒たちにとって魅力的な受皿の一つとなっております。  学びの多様化学校とは、不登校児童・生徒の実態に配慮した特別の教育課程を編成して教育を実施する必要があると認められる場合、文部科学大臣が学校を指定し、特別の教育課程を編成して教育を実施することができる制度を活用した学校のことであります。「不登校特例校」改め「学びの多様化学校」の設置、これを港区で実現していくべきだと考えますが、区の見解をお聞かせください。  次に、区職員の働き方についてお伺いします。  港区の人口は、二〇一〇年から約十年間で六万人以上増えており、今後も増え続けると予想されております。一方で、港区の常勤職員数は、十年間で二千百九十二人から二千二百十三人とほぼ変わっておりません。区職員一人当たりの負担が適切であるかや、働きやすさなどの労働環境について考えておくことは、結果として区民にきめ細やかな対応ができることや快適な生活を送ってもらうための非常に重要な礎だと考えます。  そこで質問です。区民の増加傾向に比較して区職員の数が増えていません。区職員の数を住民の増加に応じて適切に配置すべきではないかと考えますが、区の見解をお聞かせください。  また、区職員の給与に関しては二十三区が一律に決めており、二十三区全て同額で定められているため、給与面でインセンティブをつくってやりがいを創出することは容易ではないと思います。しかし、区の職員がやりがいを持って取り組める職場づくりこそ、区民サービスの向上の何よりの礎だと思います。区の職員の皆様の並々ならぬ日頃の努力に対して敬意を改めて表明させていただきつつ、区職員の働きやすさ、やりがいづくりについて取組の拡充を強く求めたいと考えます。区はどのように拡充する考えがあるか、見解をお聞かせいただきたいと思います。  次に、区民の方から切実な要望をいただくスポーツの場所の確保についてお伺いします。  赤坂中学校ではプールの開放や民間のスイミングスクールの導入により、区民がスポーツを楽しむ機会を提供するなどスポーツする場所の確保と環境整備の政策が進んでおり、関係各所の皆様の御努力に大変感謝をしております。一方で、残念ながら、二〇一九年度の区民意識調査では、当該政策に満足している区民の割合は二八・六%にとどまっており、港区におけるスポーツの環境の整備が課題となっております。  こうした環境整備のためにできることというのは様々あるわけですが、例えば公園でボール遊びができるようにする。例えば足立区ではボール遊びに関するルールやボール遊びがしやすいお勧めの公園を示したマップなどを区が広報しています。こうしたことや、スマートキーを導入して、区有施設を二十四時間利用できる、こうしたことも一つのアイデアかもしれません。また、港南地区の東京海洋大学の野球グラウンドなどをはじめ地域の教育機関と連携して、区民の皆さんがこの施設を活用することができる、こうしたことも一つの案かもしれません。また、区外に区民が週末や長期休暇に利用できるグラウンドを整備するなど、そうした様々なアイデアを総動員して区民がスポーツできる環境の整備を求めたいと思います。  そこで質問です。運動施設の確保の必要性がますます高まる中、区民の満足度を高めるためにも、これまで以上にスポーツできる施設や環境整備の充実に取り組む必要があると考えます。今後の取組について、区の見解をお聞かせください。  次に、高齢者の住宅支援について伺います。  区では、住宅に困窮するひとり暮らしの高齢者などが住み慣れた地域の中で自立して生活が続けられるよう、区立高齢者集合住宅を運営しています。また、都営住宅や都市再生機構を活用したシルバーピアの割当てもございます。ただ、いずれの住宅も住み替えを希望する高齢者にとっては倍率が高く、必要な住宅の数と比較して充足しているとは言い難いと思います。高齢者人口が増加する港区において、住み替えが必要な高齢者世帯も増加していくことから、高齢者の住まいを支援することは重要な課題であると考えます。様々な理由で現在の住まいから住み替えが必要であるにもかかわらず、新たな住まいが見つからず困っている高齢者を支援する港区高齢者民間賃貸住宅入居支援事業についても成約件数が伸び悩んでおり、課題解決に向けたさらなる検討が必要ではないでしょうか。  そこで質問です。住まいに困窮する高齢者世帯が安心して港区に住み続けられるよう、区としてもさらなる支援の充実が必要と考えますが、区の見解をお聞かせください。  次に、港区のマンション住民との共生の在り方についてお伺いします。区民の多くがマンション住民である港区において、マンション住民に町会・自治会活動に興味を持っていただいて地域コミュニティーの活性化につなげていくことは大変重要です。しかし、マンション住民には新たな住民も多く、ライフスタイルも多様であるため、町会・自治会活動に触れ、住民と地域の接点を持つ機会は決して多くありません。マンション住民を地域活動に巻き込むことは町会・自治会の会員数の減少の対策ともなり、また、双方で顔の見える関係を築くことで災害時などの共助につなげていくこともできます。  そこで質問です。マンション住民が地域活動に参加し、地域住民同士の交流を促進することについて、区の見解をお伺いします。  次に、障がい者グループホームについて伺います。障がい者の人口は増加してきており、施設やサービスの需要が増加しています。特にグループホームは、ホームに入居できず、やむを得ず短期入所を利用する方がいるなど、他の施設にも影響を及ぼしていますし、障がい者や家族にとって今、最も必要とされている施設と言ってもいいと思います。
     区がグループホームを整備するためには用地の確保が必要で、それはそれとして進めてほしいと思いますが、限られた港区の用地では限界があると思います。区が整備するには整備計画の策定など時間がかかることも事実です。そこで、今後の障がい者グループホームの需要に応えていくためには、民間事業者による整備を促すことも必要だと思いますが、事業者にとってより整備の動機づけとなるような補助を充実することが必要だと思います。区の見解をお伺いします。  次に、HPVワクチンについてお伺いします。  HPVワクチンは子宮頸がんワクチンとも呼ばれることから、女性だけに特化したものと一般的に誤認識が醸成されていますが、HPV(ヒトパピローマウイルス)は人の下腹部周辺などのがんの因子であり、男性の尖圭コンジローマや肛門がん、中咽頭がんの因子でもあります。性的な接触によってウイルスは相互感染し、男女にかかわらずがんを引き起こすため、男性に対するHPVワクチンの接種は、自分やパートナーのためだけでなく、集団免疫効果にとっても非常に重要でございます。  WHOの発表でも、世界三十九か国において男性にも接種が推奨されており、先進国での接種率は男女とも八〇%に達しています。有効性を検証するという段階はとうに過ぎており、一刻も早い対応が求められると思います。既に中野区では八月に、独自の事業として、小学校六年生から高校一年生の男性向けの全額助成が始まっております。また、まさに今月の初旬には、令和六年度から東京都の小池百合子都知事が英断を下しまして、国に先駆けて、男性向けのHPVワクチン接種の助成を始める市区町村の負担を補助するという方針を打ち出しております。東京都の助成を活用しない手はないと思います。東京都の助成を活用し、港区において、男性も女性も自己負担なく、積極的にHPVワクチンの接種を受けてもらえる環境づくりを速やかに進めていくべきだと考えますが、区の見解をお聞かせください。  続いて、給食についてお伺いします。  給食費の実質無償化がこの秋から実現しました。街角でも喜びの声を大変多く伺います。しかし、これは暫定措置であります。給食費の無償化の恒久化に向けて、確実に来年度も給食費が無償化するよう求めますが、現時点でどのように考えているか、区の見解をお聞かせください。  それと同時に重要なのが給食の質の確保です。子どもたち、保護者の満足度やニーズがどのようなものであるかを把握することは、とても大切であると思います。また、公明党の野本たつや議員が非常に熱心に有機栽培や農薬を抑えた食材を給食に導入するよう訴えられておりますが、私もこのことに強く賛同申し上げます。無償化の恒久化が実現した暁には、こうした質の向上にかかる費用負担を積極的に行うステージに移していただきたいと考えます。  その質の向上に欠かせないのが実際に給食を食べている子どもたちの声です。もちろん、現在でも各校の栄養士が生徒たちに聞き取り調査を行ったり、意見交換などを行っていることは承知しておりますが、網羅的なアンケート調査ということは行われておりません。全校生徒を対象とするアンケート調査及びニーズ調査を行うことについて、区の見解をお聞かせください。  次に、LGBTQの当事者の生きづらさに寄り添うまちづくりについてお伺いします。  性的少数者が抱える課題の一つに、行政や福祉にアクセスしづらいことが挙げられます。認定NPO法人ReBitが二〇二三年に行った「LGBTQ医療福祉調査二〇二三」の中でも、四十代のトランスジェンダー女性の方が、生活保護が必要な状況だが、親族へ扶養照会されると、名前と性別を変更したことが親族に伝わってしまうという不安があるため利用ができていないといった声が寄せられております。  また、健康診断一つ取ってみても、トランスジェンダーの方からしてみれば、自身の性自認とは異なる対応をされることを恐れ、健康診断を受診したくないという事例もあるようです。病院はどうしてもその人の身体的な性別に向き合う必要がある場です。しかし、トランスジェンダーの方からすれば、自分の身体的性別に向き合うということが非常に難しい。あなたは男性です、女性ですと言われてしまうことにすごくちゅうちょがあるんだけれども、病院ではどうしても男性の更衣室です、女性の更衣室ですということになってしまう。こうしたことであるがゆえに、その方が病気なのにもかかわらず、受診できず重症化してしまうケースが生じております。  そこで質問です。性的少数者が行政や福祉にアクセスしやすくなるための取組をどう進めているかについて、区の見解をお聞かせください。  また、先ほどの調査によると、中学校のクラスの二人から三人、高校生の九・二人に一人が友人からカミングアウトや相談を受けたことがあるということが分かっております。ある学校の先生からは、男子なんだから何々すべきだと他の教員から生徒に対して言っていたが、何も言えず、話題を変えることしかできなかったという話を聞いたという声も報告されております。実際、七五・三%の教職員がLGBTQについての相談を受け対応・支援したが、適切であったか自信がないと答えており、性の多様性を大事にしなくてはいけないと分かっていても、どのように支援をするのが望ましいかが分からないという課題が生じております。  そこで質問です。性自認について悩んでいる生徒が安心して相談できるようにするなど、学校教育現場でLGBTQの自認がある子どもたちをサポートする体制が必要だと考えます。区の見解をお聞かせください。  最後に、基金についてお伺いします。  急激な円安が進行しております。大規模な金融緩和、日米の金利差、人口減少など、国力の衰退など様々な要因があると言われております。国の通貨は長期的には国の経済力に収れんされていくものであり、大変残念ながら、今のままの日本では人口減少が続き、人口ボーナス期に入っていく新興国や米国に対して円安のトレンドが見込まれています。翻って港区が保有する二千億円の基金は全て日本円、円建ての積立てでございます。これはグローバルな金融市場という観点からはリスクが大きいという見方もできると思います。この点についてどのように考えるか、区の見解をお聞かせください。  次に、金融において、世界人口が増大し、ベースが緩やかなインフレが続いていく場合は、インフレと連動しない現金は日々目減りすることになります。現金を不動産や株など物価上昇と連動しやすい何かにしておかないと自動的に減るということは誰が見ても明らかだと思います。流動性が高い預金を一定程度保有することは理解できます。また、首都直下地震のような、いつ起きるか分からない大規模災害に備えるということは必要なことだと思います。  一方で、人口比で考えて一千億円もの巨額な預金を保有している自治体は港区ぐらいしかないように思います。グローバル金融市場のトレンドの中では、日々目減りしていく性質を持つ預金を一千億円も保有していることは、資産管理の側面から改善が必要だと感じますが、区の見解をお聞かせください。  こうしたところに様々に目を向けてしっかりと未来志向の政策を実行していただくべく求めて、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。   〔区長(武井雅昭君)登壇〕 ○区長(武井雅昭君) ただいまのみなと未来会議を代表してのさいき陽平議員の御質問に順次お答えいたします。  最初に、物価高騰対策についてのお尋ねです。  まず、重点支援地方交付金の対応についてです。新たに交付される重点支援地方交付金につきましては、国の補正予算が本日、成立する見通しとなっております。区は、国の補正予算成立後、速やかに必要な支援を実施するため、区民や事業者の状況を的確に把握するとともに、低所得世帯支援枠と推奨事業メニュー枠を効果的に活用した、港区ならではの支援策の準備を進めるなど、年内の予算化に向け取り組んでおります。  次に、港区独自の物価高騰対策についてのお尋ねです。区は、来月一日から、区内の対象店舗において二次元コード決済で買物をした人に最大三〇%のポイントを還元する十億円規模のキャンペーンを開始いたします。また、来年二月には総額十億円、二〇%のプレミアム付き区内共通商品券の発行を支援するなど、物価高騰等の影響を受ける区民を広く対象に、区独自の支援を実施いたします。今後も、国が示した経済対策を含め、国の動向や社会情勢を見極めるとともに、地域の実情を的確に捉え、区民の暮らしに必要な支援を迅速に届けてまいります。  次に、少子化対策についてのお尋ねです。  まず、出産お祝い金の創設についてです。区は今年度から、出産費用助成として、出産育児一時金に区独自で最大三十一万円を上乗せし、助成額を八十一万円まで拡大するとともに、出産・子育て応援事業では、妊娠期及び出産後に各五万円相当のギフト券を新たに追加し、合計十五万円相当を支給しております。さらに、出産後の精神的な負担を軽減するため、産後母子ケア宿泊型ショートステイ事業を実施し、宿泊費用のうち、一泊二日で最大約六万円を補助しております。区独自の制度として新たに出産お祝い金を創設することは予定しておりませんが、引き続き、妊娠や出産に伴う経済的かつ精神的な負担を軽減し、子どもの成長に合わせた支援を充実させ、安心して産み育てられるよう支援をしてまいります。  次に、子育て世帯を対象とした特別区民税の減免についてのお尋ねです。区はこれまで、第二子以降の保育料を区独自に無料としたほか、十八歳までの子ども一人当たり五万円の子育て応援商品券を支給するなど、子育て世帯の負担を直接的に軽減し、安心して子どもを育てるための支援をしてまいりました。子育て世帯を対象とした特別区民税の減免については予定しておりませんが、引き続き、子育て世帯に寄り添った切れ目のない支援策を着実に講じてまいります。  次に、若年世帯に対する包括的な生活費の支援制度についてのお尋ねです。区は、多子世帯の移動を支援するタクシー利用券の給付、所得制限を設けない高校生世代までの医療費助成など、子育て家庭の負担軽減に取り組んでおります。今後は、居住に係る経済的な負担を軽減するため、子育て世帯等が住宅を購入する際の住宅金融支援機構と連携した支援制度について検討してまいります。若年世帯に対して包括的に生活費を支援する制度を創設することは考えておりませんが、引き続き、若い世代が結婚や子育てに夢や希望を抱けるよう、全庁横断的に様々な支援に取り組んでまいります。  次に、安心して子どもを預けられ、働ける港区の実現についてのお尋ねです。  まず、区立保育園の定員についてです。待機児童ゼロの達成後、私立認可保育園を中心に定員の空きが増加しており、定員の空きは、運営事業者の収支悪化につながるため、区立と私立認可保育園を含む区内全ての保育施設におけるバランスの取れた適切な定員管理が必要です。そのため、区立認可保育園の定員は、小規模保育事業者との連携や地域の保育需要数を考慮した上で、昨年度から段階的に縮小しております。今後も、希望する人が入園できるよう、区内の入園動向や保育需要の変化に迅速かつ的確に対応し、区立・私立認可保育園ともに適切な定員管理に取り組んでまいります。  次に、夏休み一時預かりについてのお尋ねです。区は、定員に余裕がある区立・私立認可保育園に対し、一時預かりの実施の可否などを確認し、保育園運営に支障がないよう受入れ人数を十分協議の上、実施をしております。今後も受入れ園の事情に十分配慮してまいります。  次に、保育園入園の制度についてのお尋ねです。認可保育園等への入園に関しては、毎年度区民の皆さんから寄せられる声や保育ニーズを分析し、必要な人が利用できるよう、入園時の基準や利用調整を検討しております。育児休業期間における入園については、保護者の体調や家庭の事情に応じて対応しておりますが、より安心して保育園を利用できるよう、今後も実態を踏まえた保育園入園の制度を検討してまいります。  次に、私立保育園の戸外活動の支援の強化についてのお尋ねです。区はこれまで、園庭を持たない保育園の園児の遊び場確保のため、区立保育園の園庭や区立運動場の提供、区立中学校の敷地の一部開放など、区有施設を活用した遊び場確保に取り組んでおります。本年七月には、各地区総合支所に対し、私立保育園等が運動会などの行事を実施する際に区有施設を提供するよう、周知を徹底しております。今後も、全庁一丸となって支援を強化し、区内のあらゆる資源を活用して園児の遊び場確保に積極的に取り組んでまいります。  次に、子育て支援についてのお尋ねです。  まず、ベビーシッター利用支援事業の利用者アンケート調査の実施についてです。区では現在、ベビーシッター利用支援事業補助金の交付申請書類において、ベビーシッターを利用する主な理由を調査しており、さらなる子育て施策の充実に向けて、利用者の状況を把握しております。今後は、予約時の状況や利用を希望する時間帯、必要な時間数など新たに調査・分析し、利用者にとって必要な支援を提供できるよう、サービスの充実に取り組んでまいります。  次に、ベビーシッター派遣事業者の拡大についてのお尋ねです。ベビーシッター利用支援事業では保育の質や子どもの安全を確保するため、東京都の認定を受けた事業者に所属する保育者が従事しており、昨年度の二十二事業者から、今年度二十六事業者に拡大しております。  利用者からは、「利用目的を限定していないため活用しやすい」、「気軽に利用できる」などの御意見をいただいている一方で、「他区と比べて利用者数が多く、ベビーシッターを手配するのが難しい」などの御意見も寄せられております。今後とも、利用者の実態やニーズを踏まえ、希望に沿った派遣が可能となるよう、東京都に事業者の拡大を要望してまいります。  次に、産前産後家事・育児支援事業の利用期間の拡大についてのお尋ねです。産前産後家事・育児支援事業は、特に家事・育児の負担が大きい妊娠中及び出産後の家庭を支援するため、昨年度から家事支援ヘルパーの派遣を出産後百二十日までから三歳になる日の前日まで延長しております。区は、今年度から保育園の空き定員を活用した余裕活用型一時保育の拡大や、多子世帯の移動を支援するタクシー利用券の配付を開始するとともに、今回、病児保育室の定員拡大を補正予算に計上するなど、様々な視点から子育て負担の軽減に取り組んでおります。今後とも、子育て施策を総合的に検討する中で、さらなる子育て家庭の負担軽減の取組を推進してまいります。  次に、みなと区民の森のさらなる活用についてのお尋ねです。  みなと区民の森を活用した環境学習は、区主催の環境学習事業に加え、保育園、小学校、児童館で実施する校外学習等により一年間に約千四百名と多くの利用があります。今後、区民の皆さんが事前申込みにより、個人単位でみなと区民の森での環境学習や自然体験ができることを、区のホームページやSNS等を活用して積極的にPRし、より多くの区民に活用していただけるよう取り組んでまいります。  次に、中高一貫校の設立についてのお尋ねです。  中高一貫校は、中学校入学から高等学校卒業までの六年間を通じ、一貫した教育を受けられることや、高校受験がなく、部活動や習い事を無理なく続けられるというメリットがあると認識しております。一方で、基礎自治体である区が中高一貫校を新設するためには、一貫校とする高等学校の調整や卒業生をはじめとする関係者の合意形成、区民と区民以外の生徒の受入れの検討など、様々な課題があります。中高一貫校の設立については研究課題とし、教育委員会と連携しながら、子どもにとって一層充実した教育環境を整えてまいります。  次に、区職員の働き方改革についてのお尋ねです。  まず、区の職員数についてです。区は、事務事業の性質・業務量を精査し、直接職員が担うべき業務・分野には人員を積極的に配置しております。また、区有施設における指定管理者制度の導入により、民間人材やノウハウを最大限に活用するとともに、効率化を見込める事業には業務委託を導入するなど、職員定数を適正に管理しながら、人口増などで複雑化・多様化する区民ニーズに的確に対応できる執行体制を確保しております。今後も民間の活用を図りながら、簡素で効率的な執行体制を維持し、業務量に見合った職員数を確保し、適正に配置をしてまいります。  次に、区職員の働きやすさ、やりがいの創出についてのお尋ねです。区は、職員の働く意欲や能力、仕事の達成感の向上に加え、働きやすい職場づくりなど職場環境の改善に取り組んでおります。具体的にはテレワーク及び時差勤務の導入や男性育児休業の取得促進など、多様な働き方を推進しております。また、人事評価及び研修等を通じた成長支援、業務改善表彰等の取組に加え、区民の皆さんとの協働や交流による地域課題の解決を通じてやりがいを実感するなど、様々な取組を進めております。今後も、働きやすい職場づくりと職員がやりがいを持って個々の能力を十分に発揮できる職場環境の整備や取組を推進し、さらなる区民福祉の向上に取り組んでまいります。  次に、住宅支援についてのお尋ねです。  まず、高齢者の住宅支援についてです。様々な理由で住み替えが必要な高齢者の転居を支援する港区高齢者民間賃貸住宅入居支援事業では、区の協力不動産店が高齢者の入居可能な住宅を紹介しておりますが、家主の条件と高齢者の希望が合わず成約件数が少ないことや、家主が高齢者の入居に不安を抱くなどの課題が生じています。このため区は、区内の不動産団体とのヒアリング結果を踏まえ、高齢者の孤独死が発生した場合の損害補償など、家主の不安を解消する改善策について検討しております。さらに、現在、設置準備をしております、区と宅地建物取引業者、社会福祉協議会で構成します居住支援協議会において、住宅確保に配慮が必要な高齢者等の支援について協議をしてまいります。  次に、マンション住民の地域活動への参加についてのお尋ねです。住民の約九割がマンション住民である港区において、地域コミュニティーの発展には、マンション住民が地域活動に参加する環境を整えることが必要です。区では、建築物の計画等を予定している事業者に対し、入居予定の方への町会・自治会加入の呼びかけを依頼しているほか、マンション住民と町会・自治会が顔を合わせて、地域ぐるみの交流が持てるような取組を進めております。一例として、高輪地区で実施している町会・自治会潜在力向上プロジェクトでは、マンション住民と町会・自治会が防犯活動や地域清掃等を行い、交流のきっかけとしています。引き続き、地域住民が交流する機会の創出に努めてまいります。  次に、民間の障害者グループホームの整備についてのお尋ねです。今後、増加する障害者グループホームの需要に対応するためには、区における整備に加え、民間事業者による整備をより促進することが必要です。現在、区は、民間事業者に対して障害者グループホームの整備費を補助しておりますが、区内の運営事業者に実施したヒアリングでは、資材価格の高騰などにより整備費が上昇傾向にあることがグループホーム新設の課題であると認識しております。今後、グループホームの整備に係る民間事業者の負担軽減の取組について、積極的に検討を進めてまいります。  次に、男性へのHPVワクチン接種の費用助成についてのお尋ねです。  昨年八月から、国の厚生科学審議会において、男性へのHPVワクチンの定期予防接種化に向けた議論が始まりましたが、現在も有効性や安全性の評価・検証や、最新の科学的知見を追加するための情報を収集し、整理している段階と聞いております。男性へのHPVワクチン接種の助成については、今後も国における定期予防接種化に向けた動向等をしっかりと注視してまいります。  次に、性的マイノリティーの方が行政サービス等を利用しやすくするための取組についてのお尋ねです。  これまで区は、性的マイノリティーの方への調査を通じて、医療や福祉サービスを受ける際や、住まいの確保における困り事を把握し、困り事を解消するため、パートナーと生活する上で家族と同等の取扱いを受けられるよう、みなとマリアージュ制度を導入いたしました。今後も、区は性的マイノリティーの方を対象とした講座の実施等を通じて、当事者の抱える悩みやニーズを把握し、施策に反映するとともに、民間サービスにおいても配慮されるよう、多様な性への理解促進や普及啓発に取り組む東京都等の関係機関と連携し、事業者に働きかけてまいります。  次に、基金についてのお尋ねです。  まず、円建てのみで基金を運用することについてです。基金は、地方自治法で確実かつ効率的に運用しなければならないとされており、区では、これを基金の元本を損なうことなく運用することと考え、株や外貨建て債券など元本が変動する商品ではなく、円建て債券及び円定期預金により運用しております。  また、港区公金管理アドバイザーからの助言を基に、港区公金管理運用委員会で毎年度、公金管理運用計画を策定し、効率的な運用に努めております。今後もアドバイザーの専門的知見に基づく助言を得て、金融商品の選定や金融機関の健全性の判断などを行ってまいります。  最後に、一千億円の預金についてのお尋ねです。港区財政調整基金及び震災復興及び新型インフルエンザ等感染拡大防止基金は、基金の性質上、急激な減収局面や首都直下地震等の発生後などの緊急時に直ちに活用することが求められます。このため、区では、この基金残高の一部に相当する約一千億円については債券による長期運用ではなく、元本を確保したまま中途解約が可能な一年以下の定期預金により運用することで、必要なときに必要な額の取崩しを速やかに行われるように備えております。  よろしく御理解のほどお願いいたします。  教育に関わる問題については、教育長から答弁いたします。   〔教育長(浦田幹男君)登壇〕 ○教育長(浦田幹男君) ただいまのみなと未来会議を代表してのさいき陽平議員の御質問に順次お答えいたします。  最初に、区立学校における学力支援体制についてのお尋ねです。  まず、校内塾についてです。昨年、教育委員会が実施した学校教育推進計画改定に向けたアンケート調査において、中学生の学齢期の子を持つ保護者の多くは、区立中学校に対し、受験対策・進路指導の充実を求めていることが分かりました。現在、各中学校においては、生徒の実態に応じて補習を行うなど、学力向上に向けた取組を行っております。教育委員会として、中学校ごとに塾を導入することは予定しておりませんが、来年度に向け、より多くの生徒の進路選択の支援を強化する取組について検討してまいります。  次に、英会話アプリについてのお尋ねです。教育委員会は、ICTを活用した英語力を育成するため、白金小学校をモデル校として、学習者用タブレット端末を使用する英語教材アプリケーションの効果検証を実施しました。検証を通じて、児童がよりネイティブに近い発話ができるようになったことや、自信を持って英語で伝え合う姿が見られるようになったことから、区独自に全ての小学校で英語教材アプリケーションを学習者用タブレット端末で使用できるよう検討を進めております。  次に、オンライン英会話についてのお尋ねです。中学校三年生を対象とした放課後オンライン英会話教室では、これまでの英語科・英語科国際等の成果を生かし、積極的に英語で発話することを通して、実践的コミュニケーション力の向上を図っております。本事業は受験対策の一環として実施をしていることから、中学校一・二年生に対象を広げることは予定しておりません。また、オンラインによる自宅での実施については、生徒同士で教え合いながら学習することで成果が上がっていることから、今後も学校での受講を基本としますが、取組の成果を検証しつつ、よりよい実施方法について研究をしてまいります。  次に、大使館と連携した国際交流事業についてのお尋ねです。各学校では港区の地域特性を生かし、近隣の大使館への訪問や、学校に大使館職員を招き、各国の生活様式や伝統文化についての講話や体験学習を通じて、児童・生徒が海外や日本の文化を理解する教育活動を行っております。教育委員会では、各学校が実態に応じて大使館との連携を進めていることから、連携のプログラムを外部委託することは考えておりませんが、引き続き、全ての学校で大使館との交流を通じて、児童・生徒が異文化を直接体験する機会を重視した教育を展開し、国際理解教育のさらなる充実を図ってまいります。  次に、AIドリルの導入についてのお尋ねです。現在、各学校では、各学年が使用している紙のドリル教材に準拠したデジタルドリルを導入し、授業中はもとより、家庭での学習で積極的に活用しております。また、教育委員会では、児童・生徒がタブレット端末を活用し、個々の学力に適した問題に取り組み、知識の習得を効果的に行うことができるよう、一部の中学校をモデル校としてAIドリルを使用した検証を実施いたしました。検証では、生徒が自分の習熟度に合った問題に意欲的に取り組む姿が多く見られるなどの成果が得られました。この検証結果を基に学習効果を一層高めることができるよう、AIドリルの小・中学校への導入について研究を進めてまいります。  次に、不登校についてのお尋ねです。  まず、適応指導教室つばさについてです。適応指導教室は、不登校児童・生徒への適切な相談や指導による在籍校への復帰を目的としているため、名称変更は考えておりませんが、通室している児童・生徒の復帰が困難な場合は、個々の状況に応じて、つばさ教室で安心して過ごすことを優先とした個を尊重した対応をしております。  教育委員会では、学校内の新たな居場所づくりとして、東京都の事業を活用し、区立学校三校をモデル校とした校内別室を実施しており、不登校傾向のある児童・生徒の多様な実態に応じた体制を整えております。引き続き、教育委員会は、これらの取組により不登校児童・生徒の学びの場を確保するなど、児童・生徒一人一人に寄り添った支援を行ってまいります。  次に、学びの多様化学校についてのお尋ねです。不登校の要因は複合的なケースが多く、一度不登校となると、学校への復帰が困難となる場合が増加しております。こうした状況において、学びの多様化学校を設置することは、不登校児童・生徒一人一人に応じた特別なカリキュラムの少人数授業の実施により、確実な学びの機会の創出につながるものと考えております。現在、教育委員会では、学びの多様化学校の設置について検討を進めております。  次に、スポーツをする場所の確保についてのお尋ねです。  教育委員会では、北青山三丁目地区市街地再開発事業において、新たなスポーツ施設の整備に取り組むほか、学校施設開放事業では、本年十二月の使用から開放時間枠を細分化するなど、より多くの方に御利用いただけるよう運用を見直しました。本年八月には、区内企業であるJX金属株式会社と連携協力協定を締結し、現在、企業が保有する剣道場の活用について検討を進めております。引き続き、スポーツができる身近な場所を広く周知するとともに、企業・大学との連携や区外の運動施設の活用検討など区長部局とも連携し、様々な手法を用いて運動施設の確保・充実に努めてまいります。  次に、学校給食についてのお尋ねです。  まず、保護者負担軽減策についてです。現下の物価高騰が続いている中、保護者負担が増加しないよう、来年度の学校給食費不徴収の継続について検討してまいります。また、引き続き国に対し、学校給食費無償化の実現を要望してまいります。  次に、給食の質についてのお尋ねです。教育委員会は、質の高い給食を提供するため、日頃から子どもの食への関わりや意見、課題の把握に努めております。具体的には、学校給食は学校別で献立を立てていることから、各学校は栄養士を中心に、給食提供の際に児童・生徒の食事の様子の確認や声掛けを行い、給食や食生活に関する生徒の声を聞くことで、子どもたちの食の嗜好や食生活の課題を把握し、日々の献立作成に生かしております。今後もアンケート調査を各学校で実施するなど、様々な意見聴取の機会を活用し、学校別の献立に生かすことで給食の質の向上を図ってまいります。  最後に、学校教育現場でのサポートについてのお尋ねです。  教育委員会では、教員がLGBTQの自認がある児童・生徒に適切にサポートができるよう、人権教育研修会において、性の多様性に関する講演を実施し、教員の理解促進を図っております。各学校では、性に関する悩みを打ち明けた児童・生徒に対して、担任や養護教諭、スクールカウンセラーによる相談を随時実施するなど、児童・生徒の個別の悩みに対応する体制を整えております。  また、学校で性に関する悩みを相談しづらい児童・生徒に対し、教育センターで電話や面接での相談も行っております。今後も、LGBTQの自認のある児童・生徒が一人で悩みを抱えることがないよう、誰もが相談できる多様な体制があることを全ての児童・生徒に周知をしてまいります。  よろしく御理解のほどお願いいたします。 ○副議長(七戸じゅん君) 議事の運営上、暫時休憩いたします。                                        午後三時四十四分休憩                                          午後四時十分再開 ○議長(鈴木たかや君) 休憩前に引き続き、会議を再開いたします。  お諮りいたします。議事の運営上、あらかじめ時間を延長いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(鈴木たかや君) 御異議なきものと認め、時間は延長されました。             ─────────────────────────── ○議長(鈴木たかや君) 一般質問を続けます。次に、六番野本たつや議員。   〔六番(野本たつや君)登壇、拍手〕 ○六番(野本たつや君) 令和五年第四回港区議会定例会に当たり、公明党議員団を代表し、武井区長並びに浦田教育長に質問いたします。  質問に入る前に一言申し述べさせていただきます。本年十一月十五日に党創立者であられる池田大作名誉会長が御逝去されました。謹んで哀悼の意を表します。  公明党は、池田名誉会長の提案によって一九六四年十一月十七日に結成されました。池田名誉会長は、米国のキッシンジャー元国務長官、ソ連のゴルバチョフ元大統領、キューバのカストロ元議長ら各界の指導者、識者らと対話を重ねながら、世界に平和・文化・教育のネットワークを広げ、国際交流も積極的に行ってまいりました。  一九七二年に日中国交正常化が成し遂げられましたが、その四年前に池田名誉会長が行った日中国交正常化提言が契機となって、公明党が独自の訪中団を派遣する運びとなり、当時の周恩来総理との会談を重ねるなど両国の橋渡しに大きく貢献したことは、多くの識者が認めているところであります。これからも党創立者よりお示しいただいた「大衆とともに」との立党精神を変わらぬ原点として、生涯にわたり守り抜いてまいります。  そして、公明党は、深き理念と哲学の基盤によって幅広い区民の理解と連帯と協力の下、より一層果敢に諸改革の実現に取り組んでいくとの決意を述べ、質問に入ります。  初めに、重点支援地方交付金を活用した物価高騰対策などについて伺います。  日本経済は、長く苦しいコロナ禍を乗り越え、本格的な経済再生に向けた歩みを始めようとしています。一方、長期に及ぶ物価高騰は、家計や事業活動に深刻な負担を与えており、今こそ税収増などの成長の成果を適切に還元し、国民生活を下支えするとともに、持続的な賃上げの取組を加速させ、経済の好循環をつくり上げていくことが重要です。  今般、政府が決定したデフレ完全脱却のための総合経済対策には、各地域の実情に合わせて、きめ細かな支援策を進めることができる重点支援地方交付金の予算が追加されました。  公明党議員団は今月二十日、同交付金を効果的に活用し、物価高騰から区民の生活を守り、経済の着実な回復を図るための取組を、武井区長に緊急要望させていただきました。具体的には、同交付金には低所得世帯支援枠として、住民税均等割非課税世帯当たり七万円を追加給付することが盛り込まれました。これを踏まえ、年内に給付できるよう、予算化に向けて迅速に対応すべきことを要望書に盛り込みました。  さらに、住民税均等割のみ課税世帯や新たに非課税となる世帯、政府が示している定額減税の恩恵を十分に受けられないと見込まれる所得水準の方々についても給付等を検討していただきたいです。
     また、同交付金には、一律の支援だけでなく、地域ごとの実情に応じた生活防衛策に用いることができる推奨事業メニュー枠が用意されており、年内に検討開始すべきとされています。例えば、区立小・中学校等の給食費無償化について来年度以降も継続したり、本年三月から配布を開始し好評であった、所得制限のない子育て応援商品券の再配布など検討するのもよいと思います。  また、経済再生対策にもなるプレミアム付き区内共通商品券やキャッシュレス決済ポイント還元キャンペーン事業について継続・拡充することも考えられます。さらに、区民の大切な足である「ちぃばす」について、燃料費高騰やドライバーの処遇改善に対応するためにも、補助金を拡充することも検討してもらいたいです。  質問は、重点支援地方交付金を活用した物価高騰対策などに、区としてどのように取り組まれるつもりか、武井区長にお伺いいたします。  次に、防災訓練の取組について伺います。  区はこれまで、防災減災対策について様々な取組を行っており、本年も災害時の備えとして、我が会派が訴えていた携帯トイレの全戸配布を無償で実施されたことは大変評価しております。災害発生時には自治体や消防の公助が行われますが、より減災に大きな役割を担うのは自助であり、共助です。  内閣府のホームページによると、六千四百人以上の死者・行方不明者を出した平成七年一月の阪神・淡路大震災では、地震によって倒壊した建物から救助され生き延びることができた人の約八割が、家族や近所の住民などによって救出されており、消防、警察及び自衛隊によって救出された者は約二割であるという調査結果が記載されております。防災・減災対策をする上で、地域単位での協力は不可欠です。自助・共助の意識を地域コミュニティーに根づかせ、地域防災力を向上させることが自然災害から多くの命を守ることにつながります。その意味でも防災訓練は、自然災害への備えとなるだけでなく、地域防災力を高める欠かせない取組になります。  本年も十月、十一月に各地域の総合防災訓練が行われ、起震車やAEDを用いた応急救護訓練等に加え、最新技術であるARやVRを取り入れた災害体験もあり、実用的な訓練が行われました。防災訓練に繰り返し参加することが重要ですが、現状、参加者の高齢化や固定化、訓練の形骸化、若い世代の自発的参加の低下、参加人数の減少といった課題があると思います。  防災訓練への参加率向上施策として、特に災害時に活躍を期待する若い世代、そして日本の将来を担う子どもたちへの啓発を目指し、防災訓練のマンネリ化から脱却する新たなコンテンツを提供している、防災Revoの取組を紹介いたします。防災Revoでは、エンターテイメントと防災教育を融合し、従来型の見ているだけの訓練ではなく、参加型の体験アトラクションを提供しております。体育館などで映像・音響・照明などを駆使し、臨場感ある複合的な災害現場を再現し、迫りくる制限時間内で家族や仲間とともに協力し合い、安全確保を目指す脱出アトラクションのスタイルを採用しており、災害発生時を想定した空間でミッションに取り組むことで様々な気づきをもたらし、こうしたアハ体験を通して記憶に残る学習環境を提供しております。  近年はコロナ禍ということもあり、オンラインでの全員参加型のコンテンツも提供しており、発災時の臨場感ある状況をウェブ上の再現ドラマにて追体験することもできます。新型コロナウイルス感染症が五類に移行した後も様々な自治体がオンラインで実施しており、近年二十三区だと北区や目黒区が実施し、台東区も本年十二月に実施予定とのことです。本年九月に実施した目黒区では、基本小学校三年生以上を対象に、一回百五十世帯を上限に、一日に三回実施し、三百世帯以上が参加。北区に至っては全て枠が埋まりました。参加者の評価も高く、定期的な実施を検討されているそうです。防災訓練に出張させる同コンテンツも検討いただきたいですが、参加しやすく裾野を広げる意味ではオンラインでのイベント開催も有効ではないかと思います。  そこで質問は、このような若い世代が興味を持つような新たな取組を取り入れながら、区民がより関心を持ち、参加しやすいイベントの開催が必要だと思いますが、区の見解を伺います。あわせて、今回の芝浦小学校会場での総合防災訓練について、訓練があったことを知らない方がいたので、周知を強化してほしいとの御意見を地域の方々からいただいたので、次年度に生かしていただきたい旨を要望いたします。  次に、中学生の防災教育について伺います。  毎年お台場地区で行われる総合防災訓練では、港陽中学校の生徒たちが防災ジュニアチームとして、主体となって運営に携わっております。防災ジュニアチームの対象は、港陽中学校の全校生徒になります。日中に災害が発生した際は港陽中学校の生徒たちが頼りであり、働きに出ている大人の代わりに動くことを前提に活動しているそうです。七年生から九年生の間に、消火班、AED救助班、宿泊班、炊き出し、食料班などローテーションで担当していき、卒業するときには全ての項目が身につくよう取り組んでいるそうです。参加者側として知識をただ学ぶだけでなく、被災者を迎える側として主体的に動いていく経験や、自分たちが頼りなんだとの思いで地域のために関わっていく体験ができる、この防災教育は大変すばらしいと感じましたし、お台場地区防災協議会の方々も誇りにされておりました。  私も台場地区の総合防災訓練で、実際に子どもたちにいろいろ質問しながら参加させていただきましたが、生徒一人一人が主体的に取り組んでいるのが印象的でした。実際に、三・一一の東日本大震災のときには、港陽中学校に避難してきた観光客や近隣企業で働いている方々の対応を防災ジュニアチームが行い、活躍しました。また、本校の取組を他県の学校が見学に来たこともあるそうです。港陽中学校のほかにも、港南中学校や六本木中学校、青山中学校、高松中学校でも中学生が総合防災訓練の補助を行っているそうですが、港区の全区立中学校に防災ジュニアチームの取組を広げることで、より地域の防災力向上につながるものと考えます。  そこで質問は、全区立中学校で防災ジュニアチームのような取組を推進すべきと考えますが、教育委員会の見解を伺います。  次に、区職員へのカスタマーハラスメント対応の周知・啓発について伺います。  私は、相談者の方の付添いで各地区総合支所や区役所への御相談に同席させていただく機会が多くございます。先日、同行した相談者が窓口で職員に対し威圧的な態度を取っているのを目にし、大変驚くと同時に、職員の方がその対応に苦慮されているのを感じました。  令和三年度決算特別委員会の中で、我が会派のなかね議員より、区の職員の方の健康管理・メンタルヘルスケアについて触れ、区でも健康経営に取り組むべきと提案させていただきました。その中で人事課長より「職員の健康維持増進のための取組を健康経営の視点で捉え、組織の活性化や職員のモチベーションの向上、質の高い区民サービスの提供につながるよう、職員が健康で意欲的に働くことができる環境づくりに取り組んでまいります」と御答弁いただき、職員のメンタルヘルスケアの重要性に共感するとともに、問題が起こった際にすぐにサポート人員が入るなど、実際に窓口業務の中での対応策の強化を図る必要性を感じました。  厚生労働省が二〇二二年に作成したカスタマーハラスメント対策企業マニュアルの中では、次のように記載されております。カスタマーハラスメントとは、顧客や取引先などからのクレーム全てを指すものではありません。顧客等からのクレームには、商品やサービス等への改善を求める正当なクレームがある一方で、過剰な要求を行ったり、商品やサービスに不当な言いがかりをつける悪質なクレームもあります。不当・悪質なクレーム、いわゆるカスタマーハラスメントからは従業員を守る対応が求められます。対策企業マニュアルという名称ですが、区の職員も当然当てはまるものだと思います。  また、同マニュアルの中で、「企業や業界により、顧客等への対応方法・基準が異なることが想定されるため、カスタマーハラスメントを明確に定義することはできませんが」との一文もありますが、対応策として、あらかじめカスタマーハラスメントの判断基準を明確にした上で、企業内の考え方、対応方針を統一して現場と共有しておくことが重要とあります。  質問は、よりカスタマーハラスメント対策の基本方針・基本姿勢を明確に示し、職員の皆様に周知・啓発をすべきだと思いますが、区の見解を伺います。  次に、発達障がい児への切れ目ない支援について伺います。  我が国の発達障がい児の数は、文部科学省が公表する特別支援教育の現状から見ると、特別支援教育を受ける児童・生徒数が平成二十四年から二・〇倍に、その中でも通級による指導を利用する児童・生徒数は二・三倍に増加していることが示されており、年々発達障がい児の数は増加していると言えます。これは単に障がい特性を持つ子どもが増加しているのではなく、発達障がいに対する理解や社会の認知度が進み、支援を求める保護者の増加がその要因の一つと考えられます。逆から見ると、それだけ育てづらさを感じ、将来に不安を抱える保護者が多くいると言えます。  港区では、十八歳までの発達に関する相談事業を児童発達支援センターで実施し、通所や個別指導による療育、そうした保護者への支援の拡充に懸命に取り組んでいただいていることを評価しておりますが、今後はさらに充実を図る必要があると考えます。  例えば、ライフステージを通じた切れ目のない支援についてです。発達障がい児の保護者にとって幼稚園、保育園、また児童発達支援センターの療育機関から小学校に上がる時期や、中学校、高校といった進学期、さらにはその後の就労期などのライフステージが変化するとき、それまでの支援の内容や受けてきた個別支援計画などを次のライフステージに関連する機関に伝え、子どもの特性や生活の様子などを説明しなくてはなりません。ひょっとしたら子どもへの理解がされず、学習内容や支援の方向性が変わってしまうのではないかとの不安も生じます。こうした保護者の不安を軽減するためにも、ライフステージの変化があっても不安なく切れ目のない支援を実施できるよう取り組む必要があると考えます。  日野市では、こうした課題解決のために、発達と教育の両面を総合的に支援するためのシステムを導入し、かしのきシートと呼ばれるゼロ歳から十八歳までの子どもの成長の記録や受けた個別支援計画をデジタルで一元管理し、インターネットを通じて、市内の保育園、幼稚園、小・中学校が所属する子どもの情報を参照し、シート作成する仕組みを構築しています。個別支援計画の様式が一本化され、個別支援の目標や方向性が明確になり、デジタル化したものを市で管理することで、保護者でシートを保管する負担もなくなり、ストレスの軽減にもつながります。  質問は、こうした他自治体の先行事例を参考に、港区においても発達障がい児のライフステージを通じた切れ目ない支援の充実に取り組むべきと考えますが、区の見解を伺います。  次に、子ども食堂ネットワークの周知について伺います。  子ども食堂ネットワークは、孤食の解消や保護者の支援を目的に始まり、現在、団体によっては子どもたちが学習できる場所、安心して過ごせる温かい場所の提供など、多様な子どもたちの居場所づくり、子どもの見守りなどの役割も担っております。  認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえによると、国全体では、二〇一二年に発足してから二〇二二年二月時点で七千三百六十三か所まで広がりました。港区については、現在子ども食堂ネットワークに加入している登録団体数は六十三団体ですが、コロナ禍の影響もあり、活動団体は本年十二月時点で十団体になると伺っております。本年五月より新型コロナウイルス感染症も五類に移行したので、今後のさらなる拡大を期待しております。現在、子ども食堂・港区で検索すると、港区公式ホームページの子ども食堂ネットワーク加入条件のページとNPO法人みなと子ども食堂さん等、ホームページをお持ちの活動団体の一部しか表示がされておりません。  そこで質問は、各団体の意向にもよると思いますが、子ども食堂ネットワークに登録されている団体の一覧や開催日時、団体ホームページのリンクを区のホームページ上に掲載していただけないでしょうか。利用者にとっては、様々な子ども食堂を利用するきっかけになり、子ども食堂の開催を検討している方にとっても参考になると思いますが、区の見解を伺います。  次に、海岸通りの自転車専用通行帯の整備について伺います。  交通ルールを守らない自転車による事故の増加に伴い、二〇二二年十一月より自転車の走行ルールが変更になり、原則自転車は車道の左側を走行することになりました。それに伴い、区の自転車専用通行帯の整備についても、今後は基本、車道を走るような設計になると伺いましたが、例えば車は左折専用車線でも、自転車は真っすぐ進む動線となっている場所があったり、白線の駐車スペースがあり、より車道側を通行しなければならない箇所もあるため、どこまでも安全を加味した設計をしていただきたいと思います。  さて、海岸通りは交通量が多く、トラックなどの往来も多いことから、自転車は車道通行禁止となっております。私も原動機付自転車を運転していた頃に海岸通りを走行中、車高が高いトラックが気づかずに幅寄せをしてきて危ない思いをしたことがあります。速度がさらに出ない自転車はより危険だと思います。現在、一定距離ごとに自転車の車道通行禁止標識はありますが、目線の大分上に設置されているため見逃しやすく、また、道の途中から合流した自転車は標識がないため、そのまま分からずに車道を走るケース等が多く報告されております。海岸通りの港南側は歩道に自転車専用通行帯があり、分かりやすくなっておりますが、海岸三丁目から汐留方面に至っては自転車専用通行帯がない状況です。  質問は、自転車が車道を走らないよう、また安全に走行できるように海岸通りの自転車専用通行帯の整備を、道路管理者である東京都に対し求めるべきと考えますが、区の見解を伺います。  次に、公立校の進路対応について伺います。  これまで開設された区内の小中一貫教育校の校舎や周辺環境には、それぞれに優れた特色があります。一九九六年開設の港区立お台場学園は目の前が海、後ろが港の立地です。二十三区内で海に隣接する学校は幾つかあるようですが、砂浜が広がる学校はないのではないでしょうか。川や海などの水辺は遮るものがなく、広がる景色の雄大さや、この岸辺は違う世界とつながっているなどといった情景が思春期の生徒の心を開き、成長の糧につながるものと思われます。  二〇一五年開設の港区立白金の丘学園の校舎は緩やかな曲線を多用した構成で、建物を取り巻くように外部バルコニーが巡らされ、緩やかに高みへと至るようになっており、二〇一七年にグッドデザイン賞を受賞しています。本年開設の赤坂学園の校舎は高台との高低差を利用して建てられ、こちらも校舎に沿ってのスロープが高みへと至ります。また、小学校と中学校を分ける赤坂通りの路上空間を渡る上空通路が架けられました。子どもたち自身の来し方と行く末をつなぐ象徴的な橋が架かる環境で育まれる人格形成に期待をするところであります。このように校舎などの建物において教育環境としての配慮がなされ、人間形成へのよい影響の醸成が進みつつあります。また、英語教育の成果とも言える海外修学旅行も生徒たちの意識改革や異文化理解への価値観を高めるものと評価いたします。  さて、港区の公立小学校に通う生徒のうち、卒業後に私立中学校に進学する割合は約四割を超える実態となっております。保護者は我が子の教育に熱心であり、区内にも広尾、麻布や白金高輪地域周辺などに設置される私立校へ、将来を見越しての中学受験が熱を帯びています。子に託する保護者の深い思いに応えるべく、公立校においても受験対策など、進路に対応する踏み込んだ整備がさらに必要と考えます。  今後の港区の質の高い教育環境の一つとして、千代田区立九段中等教育学校のような高等学校レベルまで含めた区立の小中高一貫教育校の設置なども検討されるべきと考えますが、まずは、児童・生徒一人一人の進路の希望に応え、かなえられるような小中一貫教育の一層の充実が望まれます。教育が本来目指す、人を育み、よき社会人を輩出するとともに、さらに受験の過熱競争を軽減し、私学の経済的な負担を受け止めることが公立校においてこそなされるべきものと考えます。  質問は二点あります。今後、港区の教育環境のさらなる充実のため、教育委員会は、児童・生徒、保護者の進路の希望に応える体制をどのようにつくっていくのでしょうか。また、今後の小中一貫教育校設置の見通しについてどのようであるか、浦田教育長にお伺いいたします。  次に、保護者への対応策について伺います。  港区の公立校は、質の高い校舎の建設、先進的な英語教育、国際性を開く修学旅行など、教育を取り巻く様々な環境の整備が進み、児童・生徒たちの学びの場の向上が図られています。そして教員の働く場としての学校は、部活動指導員の配置、教科担任制、リモートでの勤務、スクールサポートスタッフの配置など、仕事や役割のシェアなどにより教員の働き方の改善が進んできました。  しかし、文部科学省の調査によると、二〇二一年度に精神的疾患で休職した教職員は五千八百九十七人、全教職員数の〇・六四%であり、人数・割合とも過去最多でありました。特に若い世代の教員のメンタルの不調での休職が増えており、その原因として、保護者への対応の複雑化が挙げられています。様々な社会的要因で保護者から教員に対して、実現するには難しい要求や継続的で強固な要望が増えてきています。それはPTAの役員選出の在り方や、自身の子どもが教員から注意を受けたこと、また、学校と家庭での生活や教育方針の違いなど多岐にわたります。  教員を目指す人材は学生の頃から優秀であり、挫折に陥った経験値が少なく、夢や希望を抱いて教員となった途端に、自己中心的で不寛容、攻撃的で強固な主張に何度もさらされることによってストレスがかかり、メンタルに不調を来して休職に追い込まれるケースがあります。  区で設置されているスクールロイヤーは法的な事柄などに対応し、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、電話教育相談員などはいじめや家庭での育成の問題などに対する体制で、保護者からの学校生活や教育方針についての難しい要求、強固な主張については、結局、教員がその対応に追われています。  また、相談に乗り、アドバイスすべき副校長も忙しく対応し切れずに、教員が問題を抱えて孤立することになります。本来、このようなストレスは一人で抱え込まないようにすることが最も重要であり、問題の解決のための情報共有ができるシステムや心理学、アンガーマネジメント、リスク管理といった対応策にいつでもアクセスできることが必要と考えます。  質問は、有為な人材である教員を疲弊から守るため、強硬な主張を繰り返す保護者に対し、主張の真意を探り、解決への道筋を探るための事例を共有する機会の創出や組織的な体制づくりについて、浦田教育長のお考えを伺います。  次に、有機農産物の試験導入について伺います。  先ほどさいき陽平議員からも御紹介いただきました。令和四年度決算特別委員会でも学校給食への有機農産物の導入について質問させていただきましたが、化学肥料や農薬を使わない有機農業は、生物多様性の保全や地球温暖化防止などに寄与するとの研究・調査結果が公表されており、持続可能な農業として注目されております。そんな中、農林水産省の事業を活用して、有機農産物の生産から加工・流通、消費まで、地域ぐるみで一貫して行うオーガニックビレッジ宣言を出す自治体が全国各地に広がっております。  農林水産省は、二〇二一年度補正予算で計上したみどりの食料システム戦略推進交付金で、有機農業の産地づくりに向けてオーガニックビレッジ事業を開始しました。七月十日時点で宣言済みの五十一市町村を含めて、八月末までに四十二道府県九十一市町村が、この事業でオーガニックビレッジ構築に取り組みます。  また、今年一月には、山口那津男代表が参院代表質問で、農林水産業の付加価値向上に向けてオーガニックビレッジを拡大する重要性を訴え、生産者や自治体の支援を拡充するとともに、人材育成、技術開発などを強力に進めるべきだと提案し、大臣からも前向きな答弁をいただきました。  また、生産者に農薬や化学肥料を販売し、大量消費社会に対応してきたJAが近年、有機栽培に取り組み始めていることもニュースになりました。JA茨城は、二〇二二年より有機栽培を始め、また、兵庫県豊岡市はJAたじまと連携して、二〇二七年度までに市内の全小・中学校の給食を有機栽培米にする予定です。有機栽培はできないと言い続けていたJAも環境保護に向けて事業転換を図っており、徐々に世間の認識も変わってきております。  また、国では、有機農業推進総合対策緊急事業という補助制度を実施しており、幾つかの支援メニューがある中に、有機農産物を給食などに試験的に導入する取組を応援するメニューがございます。具体的な支援内容としては、国から上限四百万円の補助金が交付され、慣行品と有機農産物を購入した際に生じる差分の支払いや、先行自治体への視察費用、メニューの開発、勉強会の開催費用などに使うことができます。  港区は、地産地消とはいきませんが、地域外からの調達についても有機野菜の宅配事業を行っている株式会社ビオ・マーケット等と提携して導入している事例があることから見ても、有機農産物に対する関心が高いことがうかがえます。有機農産物は農薬野菜と違い皮まで食べられ、栽培農家の方が季節ごとの野菜の食べ方や調理方法も教えてくれるので、貴重な食育の一つになります。そうした観点からも、今後、子どもたちの健康な体を育む上で有機農産物の活用は重要と考えます。  そこで質問は、本制度を活用し、学校給食への有機農産物の試験的導入を検討すべきと考えますが、区の見解を伺います。  最後に、特別支援教室の充実について伺います。  さきにも紹介しましたように特別支援教育を受ける児童・生徒は年々増加傾向にあり、全国的に見て通級による指導を受ける児童・生徒数は十年前に比べ二・三倍に増加しています。全児童・生徒数に対する割合を見ても〇・七%から一・七%へと増加しており、通級に通う児童・生徒が増えていることがうかがえます。  港区では、令和四年度に特別支援教室で指導を受けた小学校の児童は三百九十七人、全体の約四%、中学校の生徒は八十九人、全体の約四%となっており、全国平均と比較すると、多くの児童・生徒が特別支援教室を利用し、より丁寧な指導を受けていると感じます。  港区では、平成二十八年度から区立小学校全校に、平成三十年度から区立中学校全校に特別支援教室が設置され、発達に障がい特性を持つ児童・生徒に対する支援が強化されてきており、現在、巡回指導教員が担当校を巡回し、指導に当たっていると伺っております。こうした専門的な知識を持つ教員が授業を行うことで児童・生徒の成長が促され、子どもたちの可能性が引き出されることが期待でき、大変有効的であると感じる一方で課題も感じます。  例えば、巡回指導教員と学級担任との共有は十分に取れているのでしょうか。巡回指導教員が対象の児童・生徒を見る機会は巡回する日に限られており、通常の学級で過ごす姿を見る機会が乏しいです。また、保護者とのコミュニケーションを取る機会も限られていることから、生活面の様子などを把握するのが難しいのではないかと懸念します。学級担任に通級での指導内容が十分に共有されないと、その児童・生徒に対する指導に一貫性がなくなり、せっかくの成長の機会を逃すことになりかねません。そうしたことを防ぐためにも巡回指導教員と学級担任、また児童・生徒に関わる教職員との十分な情報共有が必要と考えます。  質問は、今後、特別支援教育のさらなる充実を図るためにも、特別支援教室で指導を行う巡回指導教員と学級担任との連携強化が必要と考えますが、教育委員会の見解を伺います。  以上で質問を終わります。御清聴いただき、ありがとうございました。   〔区長(武井雅昭君)登壇〕 ○区長(武井雅昭君) ただいまの公明党議員団を代表しての野本たつや議員の御質問に順次お答えいたします。  最初に、重点支援地方交付金を活用した物価高騰対策などについてのお尋ねです。  新たに交付される重点支援地方交付金につきましては、国の補正予算が本日成立する見通しとなっております。区は、国の補正予算成立後、速やかに必要な支援を実施するため、区民や事業者の状況を的確に把握するとともに、低所得世帯支援枠と推奨事業メニュー枠を効果的に活用した港区ならではの支援策の準備を進め、年内の予算化に向け取り組んでおります。  次に、若い世代が参加したくなる防災訓練についてのお尋ねです。  災害時に大きな原動力となる若い世代に防災対策に関心を持ってもらうことは非常に重要です。区では、紙芝居や防災クイズを活用して親子で楽しみながら防災の基礎を学べる防災フェスや、意見交換を図るワークショップを開催するなど、若い世代の防災意識の向上に向けて取り組んでおります。  また、今年度は関東大震災百年継承プロジェクトの一環として、台場地域の総合防災訓練の後に若い世代や子どもも楽しむことができる体験型防災ゲームを実施いたしました。今後も若い世代を含め、より多くの区民の方が参加したいと思える防災訓練となるよう努めてまいります。  次に、区職員へのカスタマーハラスメント対応の周知・啓発についてのお尋ねです。  区は、不当行為等に対し職員を孤立させず、チームワークで対応する方針や対応方法を示した不当行為等対応マニュアルを基に、組織で一丸となって解決を図っております。今月には全管理職を対象に悪質クレーム対応研修を実施し、専門家による事例ごとの対応や対応職員への影響等を学び、区の課題として改めて認識いたしました。  今後、全職員に向けた接遇研修等の中で、不当行為等の対応を改めて啓発することで職員の対応力向上を図るとともに、弁護士等の活用も含め、組織で解決を図る体制を確保することにより、職員が健康で安心して働くことのできる環境づくりを進めてまいります。  次に、発達障害児への切れ目ない支援についてのお尋ねです。  発達障害児の成長を適切に支援するためには、地域の発達支援機関、保育園や学校等の関係機関が連携し、児童の特性に合った支援を切れ目なく提供することが必要です。区は、保育園に在籍する発達障害児が小学校へ入学する際などには、児童発達支援センターをはじめとした関係機関の職員間で児童に関する資料等を活用しながら、これまでの支援経過や今後の方向性などを引き継いでおります。今後、支援機関がさらに連携を深め、発達障害児の年齢や特性に合った支援を提供できるよう、他自治体の事例について情報収集しながら、支援の充実に努めてまいります。  次に、子ども食堂ネットワークの周知についてのお尋ねです。  区では、子ども食堂の取組の輪を広げることを目的として、食堂運営者や物資支援者、ボランティア希望者等で構成された港区子ども食堂ネットワークを令和元年度に設立いたしました。現在、この取組をより多くの方にお知らせするため、ネットワークに加盟する六十三団体に対して、登録情報の確認と区ホームページ等への掲載の可否についてアンケートを実施しております。アンケートの実施結果を踏まえ、来年一月には団体一覧、子ども食堂の開催日時や各団体サイトのリンク情報を区ホームページに掲載してまいります。  最後に、海岸通りの自転車通行帯の整備についてのお尋ねです。  道路管理者である東京都建設局に確認したところ、港南三丁目の五色橋交差点付近から港南四丁目の天王洲大橋付近までの区間については、自転車通行帯の整備が完了していますが、港南三丁目の五色橋交差点付近から海岸二丁目の浜崎橋付近までの区間については、整備計画がないと聞いております。区は、利用者の安全確保の観点から、同区間においても自転車通行帯を整備するように東京都建設局に要望してまいります。  よろしく御理解のほどお願いいたします。  教育に関わる問題については、教育長から答弁いたします。   〔教育長(浦田幹男君)登壇〕 ○教育長(浦田幹男君) ただいまの公明党議員団を代表しての野本たつや議員の御質問に順次お答えいたします。  最初に、中学校の防災教育についてのお尋ねです。  現在、教育委員会では、全ての中学校で生徒の自助・共助の精神を醸成するため、防災教育を教育課程に位置づけております。これを受け、各中学校では、生徒が災害時に的確な判断の下、自らの安全を確保するための行動ができるよう、各地区総合支所、地域防災協議会、警察、消防等の関係機関と連携し、学校や地域の実態に応じた防災訓練を計画的に実施しております。今後は、お台場学園の取組のような好事例を全校に改めて周知をすることで、各学校が地域の一員として取り組んでいる地域の防災力向上のための取組が、さらに充実するよう支援をしてまいります。  次に、公立校の進路対策についてのお尋ねです。  まず、児童・生徒、保護者の進路の希望に対する体制についてです。現在、教育委員会は生活保護及び就学援助受給世帯の中学三年生を対象とした学びの未来応援学習講座を実施しており、基礎学力の定着を通して生徒の進路実現を支援しております。受講している多くの生徒が講座に意欲的に取り組み、希望の進路を実現しております。このような生徒の実態に加え、学校教育推進計画改定に向けたアンケート調査によって受験対策に対する保護者のニーズの高さが明らかになったことから、より多くの生徒の進路選択につながる取組の実施を検討してまいります。  次に、今後の小中一貫教育校の設置の見通しについてのお尋ねです。教育委員会は、平成二十二年開校のお台場学園をはじめ、学校施設が隣接し、かつ、通学区域が一致している小・中学校を小中一貫教育校として開校してまいりました。開校した三校の施設一体型の小中一貫教育校は、校長のリーダーシップの下、学びの連続性を担保するとともに、小・中学校の連携強化を図ることができております。こうした小中一貫教育校の利点を踏まえ、来年度、御成門小・中学校を母体とする御成門学園を開校いたします。小中一貫教育校ならではの児童・生徒間の交流や教職員の連携強化などを通して、子どもたちの豊かな人間性や社会性を育み、健やかな成長につなげてまいります。  次に、保護者への対応策についてのお尋ねです。  各学校はこれまで、子ども同士のトラブルなど解決が困難な保護者からの相談や要望に対し、指導主事や学校法律相談制度により配置をされている弁護士とともに対応してきました。また、こうした困難な問題を解決した事例については、副校園長研修会などの教員研修で情報を共有し、保護者からの相談や要望への対応力を高めております。  教育委員会では、来年度から人員確保業務など学校管理職の負担を軽減する新たな人材を区独自に任用することを予定しており、これまで以上に学校管理職が教員とともに強固な主張を繰り返す保護者に対応できる組織的な体制づくりを進めてまいります。  次に、有機農産物の試験導入についてのお尋ねです。  学校給食における有機農産物の活用は、有機農業の環境保全効果を子どもたちに伝える食育として期待できるため、現在も食材納入事業者からの仕入れ情報等により一部食材で使用をしております。有機農業推進総合対策緊急事業については、有機農産物市場や流通事業者の拡大に効果が期待できる一方、食材納入事業者や取扱事業者等の関係者による協議会設置や合意形成が必要となるなどの課題もあります。本事業の実施状況について注視していくとともに、より多くの有機農産物を提供できるよう調達方法等を工夫し、学校給食の充実を図ってまいります。  最後に、特別支援教室の充実についてのお尋ねです。  教育委員会では、年五回実施している特別支援教育担当者会において、巡回指導教員と学級担任との連携の強化を目指し、各学校の取組の好事例を共有しております。さらに、各学校に配置されている特別支援教室の円滑な運営に関する業務を担う特別支援教室専門員が巡回指導教員と学級担任との橋渡しをする役割を担い、個別の課題に応じた指導の充実に努めております。今後は、巡回指導教員と学級担任が対面だけでなく、オンラインでも情報を共有できる体制を整えることで連携をさらに強化し、特別支援教室の充実を図ってまいります。  よろしく御理解のほどお願いいたします。 ○議長(鈴木たかや君) 次に、十番山野井つよし議員。   〔十番(山野井つよし君)登壇、拍手〕 ○十番(山野井つよし君) 令和五年第四回港区議会定例会に当たり、みなと政策会議を代表して、武井区長、浦田教育長に質問をさせていただきます。  格差拡大による分断、地球温暖化、深刻化する複合的な社会問題の根源には行き過ぎた資本主義がある。そう指摘し、新書としては異例なベストセラーとなった『人新生の「資本論」』の著者、東京大学大学院の斎藤幸平准教授が今年八月、杉並区の岸本聡子区長ら六人との共著で『コモンの「自治」論』という本を出版いたしました。コモンとは公共財を意味します。このコモンとほぼ同義の社会的共通資本について、著名な経済学者として名をはせた宇沢弘文氏は、その著書の中で社会的共通資本の管理運営は、フィデュシアリーの原則に基づくと述べています。コモン、社会的共通資本は、市民から信託されたものであるという意味です。  コモンを考える上で象徴的な事例があります。神宮外苑の再開発です。土地の効率的な利用を求め、今再開発が進められようとしていますが、人々の暮らしに欠かせない緑豊かな自然環境を提供してきた神宮外苑はコモンです。ましてや神宮外苑は、国民の献金や献木を集めて造られ、戦後、公共利用を条件に国から明治神宮に格安で払い下げられたものです。地権者は明治神宮であったとしても、信託者である区民、都民、国民の十分な理解、承諾なくして再開発をすることは許されない。神宮外苑をコモンとして捉えるならば、そうした結論になります。
     医療もコモンです。医療の効率性ばかりを求めてきた結果、病院は新型コロナウイルスの感染拡大に十分対応できず、多くの人命を失いました。そして、病院を支える保健所も極めて苛酷な状態であったことは報道などでも取り上げられ、皆さんもよく御存じのとおりです。  さて、区長はこれまで、簡素で効率的な区政運営という言葉をよく口にしてこられました。第三回定例会で職員の適正配置について、今後も簡素で効率的な執行体制を維持しつつ、適宜、業務量に応じた職員数を確保し、適正に配置すると述べています。また、先ほども同種の発言があったと思います。私も簡素で効率的な区政運営を是としてきた一人です。ですが、区職員の方々からは、業務量が増大していて、もはや限界に来ているとの声もお伺いしています。単純に効率性ばかりを重視すれば、職員の適正配置などできません。こうした職員の方々の声や新型コロナウイルス感染症の感染拡大、神宮外苑再開発の問題に直面し、効率性ばかりを求めることは必ずしもいいとは言えない場面も数多くあると思えるようになりました。  コモンである神宮外苑では、区民らの理解を得ないまま、再開発により貴重な樹木が失われる危機にあります。コモンである有栖川宮記念公園では、区民の理解を得ないまま多くの木々が伐採されました。コモンである港区の空も区民の理解を得ないまま羽田新飛行ルートが設定され、静けさが失われました。区役所内に目を移せば、コロナ禍ではみなと保健所の脆弱性があらわになりました。保健所以外でも過剰労働に区職員が悲鳴を上げています。平時ですらそうした状態なのに、災害などの非常時に港区はこの体制で対応できるのでしょうか。これまでのような区長の簡素で効率的な区政運営は、一度立ち止まって見直すべきときに来ているのではないでしょうか。時として効率性とは相反するコモン、社会的共通資本の重要性を意識しつつ、質問に入らせていただきます。  まず、港区地域防災計画の修正についてお伺いいたします。  関東大震災から百年の節目となる今年、みなとパーク芝浦にて防災イベントが開催されました。私もお伺いさせていただきましたが、住民に対する自助の周知という点では、地域で行われている防災訓練と併せて、区としてこのような取組を定期的に実施することは、とても大事なことだと感じています。再来年なりますが、阪神・淡路大震災から三十年を迎えます。ぜひこうした節目となる機会を捉え、引き続き開催をしていただきたいと思っています。  さて、現在、港区地域防災計画を修正する作業が進められている最中かと思います。港区としての災害対策の大本となる方針なり対策を定めるのが港区地域防災計画です。そこで、幾つか区長にお考えをお聞かせいただきたいと思います。  まず最初の質問は、港区地域防災計画の修正内容の説明方法についてです。昨年公表された東京都の新たな被害想定を受けて、港区も独自の被害状況分析を行い、その結果から必要となる対策を盛り込んだ計画の修正を行うとの方針を区長は示されています。修正作業は、今まさに進めていただいているところかと思いますが、その被害状況の分析結果の説明は、図表などを用いて丁寧に整理をして、ホームページなどで紹介するとのことでした。しかし、区のホームページのトップ画面から探しても、被害状況の分析結果という表示を見つけることはできませんでした。ヤフーなどで検索をすると区のホームページに飛びますので掲載はされているのですが、分かりにくいです。また、内容についても、確かに図と表は使われていますが、その図や表の中に小さな文字がぎっしりと書かれていて、どんな被害が起こるのか、そしてどんな対策をすればよいのか、区民の方がぱっと見て分かるような内容のものとは言えず、丁寧な資料とは言えないと感じました。  今、修正が進められている地域防災計画ですが、東京都の地域防災計画が大幅に変更されたことに合わせての修正でもあると思いますし、そこに区独自のちょっと分かりにくい被害分析の結果を反映した災害対策を盛り込んでつくられることになるのですから、概要版などで区民の方へ説明し、すぐに住民が具体的に災害に備えるための行動に移すことにつなげるまでの理解をしてもらうことは難しいのではないかと危惧しています。  実際に被害分析結果の説明を受けたという町会の方からも、よく分からなかったとの声も聞きました。今回は、よほど丁寧で分かりやすい説明が必要になるかと思います。平成二十五年頃に修正をされた際には、各地域防災協議会の会議や、町会などへは出前講座の開催を呼びかけて説明をしたり、防災訓練でのパネル展示と説明などをしていたとお伺いしております。今回の地域防災計画の修正について、分かりやすい説明をどのような方法ですることを区長は考えていらっしゃるのかお聞きをいたします。  次に、修正後の計画の実効性の確保についてです。関東大震災から百年のイベントを実施する際にも、一過性で終わらず幅広い世代への意識づけが必要であると区長はおっしゃっていますので、計画をつくって終わりということにはならないと思います。修正された計画には、区独自の被害分析に基づいた対策も盛り込まれていることと思います。これらは区だけでなく、関係機関の協力も当然必要となりますが、災害時に機能させるためには日常的な訓練が重要です。  港区の特徴として、帰宅困難者やエレベーターの閉じ込めの多さなどが挙げられます。これらは以前から何度も議会で質問されていますが、いまだ抱える課題が多く、さほど改善されているようには思えません。帰宅困難者対策について、以前は港区の対策は進んでいるという声をよく耳にしましたが、最近では、他区の事業者間の協力体制が強まっているとの話もあり、少し残念な気持ちです。もちろん職員の方や、今協力してくださっている事業者の方が真剣に訓練などに取り組んでいらっしゃることには感謝しています。ですが、今のままではその努力にも限界がある、もしくはもう限界が来ているのではないかと思っています。  エレベーター閉じ込め対策についても、マンションへの訓練実施を広く勧めていますが、絶対数が多い状況では、現在のような訓練回数では到底間に合いません。避難所の運営についても、地域の方々の協力なしには難しいわけですが、そんなにたくさんのことを現在の体制で進めることが果たして可能なのか疑問です。  エレベーター対策や帰宅困難者対策、避難所の運営だけでなく、今回の修正された計画を効果的に実行できるようにすべきであると考えています。関係機関が修正された計画を速やかに実行するための周知と日常的な訓練の実施への支援、またそれを実施させるためにどのように取り組んでいくのか、区長のお考えをお聞かせください。  続いて、私が今回の修正で一番注目をさせていただいている避難確保計画について質問いたします。今年の第三回定例会において、避難行動要支援者の対策は、修正前の地域防災計画でより具体化すべき箇所があるとの方針を示されていますので、どのような具体的な計画を区長がお考えになり、提示していただけるのか期待を寄せています。  そこで、計画というよりは法的に変更される点について、改めて確認をさせていただきたいと思います。これまで浸水想定区域にある避難行動要支援者が利用する施設では、避難確保計画を作成することになっていましたが、水防法の改正によって、作成した計画を区に報告することになりました。江戸川区など浸水対策に力を入れている区ではホームページでこのことを公表して、作成と報告、訓練の実施を促していますが、港区のホームページを検索してもこうしたページが見当たりません。恐らく今回の地域防災計画の修正後には、他区と遜色のない丁寧なページが作られるものと期待しています。  そのためには区としても、各施設が計画を作成する際に、どのようなことに注意して作成する必要があるのかといった説明や、作成・報告された計画の内容がその施設に適しているものであるか、訓練を実施する際の検証や訓練のブラッシュアップのための助言などをすることが必要であると考えます。こうしたことは、前回の定例会で示された避難行動要支援者の対策でのより具体化すべき箇所に当たるのではないかと思います。各施設と区の連携という点を考えれば、担当窓口となる区が直接、各施設が作成する計画の作成支援や作成内容の確認、訓練実施のサポートなどを行うべきと思いますが、区長が考える具体的な作成支援についてお聞かせください。  続いて、避難所の運営についてです。地域防災計画が修正されると、今の避難所の運営の仕方も変わる部分があると思いますので、幾つかお尋ねをいたします。  まずは、地域防災計画の修正と今後の避難所運営についてです。今年の第三回定例会で我が会派の清家議員が、高齢化が進む地域防災協議会の支援について、職員がもっと地域の中に入って支援をする必要があるのではと区長に投げかけました。それに対して区長は、職員が災害時には参集して、地域防災協議会と協力して避難所の運営支援を行うよう、区内や近くに住む職員を非常配備態勢の職員に任命していて、地域での訓練や地域活動に参加するように促すと答弁をしていただきました。ですが、ただ訓練に参加するだけでは、地域の防災力はなかなか強くなりません。地域防災計画の修正に合わせた区側の支援、特に地域防災協議会に関わる職員が、避難所ごとのマニュアル修正と修正したマニュアルに沿った避難所開設・運営訓練を指導していただかなければ、地域の現場は混乱するだけではないでしょうか。  そこで伺います。今回修正される地域防災計画によって変わる避難所の開設・運営について、地域防災協議会への支援や地域の住民への訓練参加の呼びかけ、マニュアルの修正、訓練のサポートなどをどのように展開していくおつもりなのか、区長のお考えをお聞かせください。  次に、指定管理者の避難所運営についてです。区民避難所は、従来から地域防災協議会が運営を行っている避難所だけでなく、最近は指定管理者が運営を行う避難所も増えてきています。それに伴い、最近地域の方から、指定管理の避難所への避難の仕方が分からない、運営は誰がやるのか、地域防災協議会が運営することを断られた等の声をお聞きします。  指定管理者が運営する区民避難所は、夜間や休日など従業員が不在のときに災害が起きた場合、区の職員同様、一時間以内に駆けつけて避難所の開設を行っていただけるのか。その際、従業員だけで避難所の運営はしていただけるのか。もしそれが不可能であるということであれば、日常的に地域防災協議会と連携して、避難所の開設方法や運営マニュアルの確認、訓練の実施などを行う必要があるのではないでしょうか。指定管理者に対して、これらの指導を行うことは区として大変重要であり、恐らく修正される地域防災計画にもそうしたことが記載される必要があるのではないかと思います。指定管理者の避難所の開設・運営を地域と連携して行うことについて、区長のお考えをお聞かせください。  避難所の運営の主体となる地域防災協議会への支援についてお聞きします。先ほども述べましたが、地域の災害対策の機能を向上させるために計画の修正は必要なことであり、住民の生命・財産を守ることを強調してこられた区長の強い思いが反映された計画の修正になることと思います。ですが、大幅に地域防災計画が修正されれば、様々な防災対策がこれまでどおりには回らなくなることも考えなければいけないと思います。修正された計画、特に避難所開設・運営については、ペット、帰宅困難者だけではなく、避難行動要支援者の受入れや、それに伴う避難所の生活空間の機能も向上させる必要が出てくると思います。  また、避難所を開設する際には、建物の安全チェックをして開設が可能かどうかを判断することになるはずですが、その基準を示してほしいと以前から区へ要望しているのに、開設は職員が行うからという回答だけで、一向に対策を講じていただけないと地域の方から不安の声をお聞きしています。職員がすぐに駆けつけ、開設する前の安全チェックをしていただけるという前提であるなら、夜間・休日に災害が起きた際にも、区内に住んでいる職員全員がそのチェックができるから安心して任せればよいとの解釈でよいのか。それともこのことも併せて避難所のマニュアルを修正することになるのかといった長年放置されている諸課題の解決も図らなければいけないと思います。  こういったことを実現していくためには、今の総合支所の対応だけでは難しいように感じます。現在でも専門的な事業者の支援を受けているとお聞きしていますし、それは必要なことであると思いますが、実際に現場で関わりを持つのは総合支所の職員です。その総合支所の職員が、専門的な事業者の話や資料を分かりやすく地域の方に説明したり、避難所運営マニュアルの修正のアドバイスや訓練計画の作成、訓練実施のサポートを行うわけですが、毎年のように担当者が替わってしまう現在の体制で、満足にこれらの業務が実行されると捉えてよいのか不安です。  本年第二回定例会の一般質問において、専門的な知識や経験を持った職員の育成について質問をさせていただきました。新規採用者の参集や機材訓練、防災士の資格取得や、災害対策住宅に住む職員の研修をしているとのお答えをいただきましたが、これらは現在行っていることで、専門的な知識や経験を持った職員が本当に育成されているのか、不安が残ります。防災課の職員も含めた総合支所の職員について、避難所の運営に直接関わること以外でも、災害対策に関わる部署にはしっかりとした専門的な研修や被災地への派遣、事業者や町会などへの出前講座の講師などの経験を持った職員を配置して、地域防災協議会等の支援を行うべきであると思いますが、区長のお考えをお聞かせください。  最近の災害の傾向、特に台風などの風水害を見ると、被害の規模は年々増大しています。それに伴い、被災からの生活再建についても自治体の迅速な対応が迫られています。そこで、被災者の生活再建についてお伺いをいたします。  まずは、罹災証明書の発行時期についてです。被災された方たちが被害の回復を行うためには、どのくらいの被害を受けたのかを証明している罹災証明書が必要になります。これは、被災地である自治体が発行するものです。多くの被災地で被災者が、被害が起きた直後に発行を求めて役所に並ぶ光景をニュースで目にします。本来は震災復興計画の分野の話になるのかもしれませんが、地域防災計画でも被災者の生活再建について記載されています。これによると、発災後一週間ほど経過してから発行されるようですが、一日でも早く発行して生活再建に必要な手続を進めたいと思うのが被災者、住民の願いではないでしょうか。  また、家屋の被害調査・認定についても懸念があります。罹災証明書を発行するためには、被害の状況を調査する必要があります。被災直後は、その住居に住み続けられるかの判断を行うことが優先されると思いますが、今後は、証明書の発行につながる住家被害認定調査についても並行して進められることが求められるのではないでしょうか。  現在の地域防災計画では、不動産鑑定士協会と協定が締結されていて、調査に協力をしていただけるようですが、発災直後から調査をしていただけるのか。また、調査に当たる職員の方についても、職員の中には東日本大震災をはじめとする他自治体の支援の際に、罹災証明書発行作業をされてきた方もいらっしゃることは承知しておりますが、職員の皆さんも被災されているわけですから、直後から参集して調査に当たられる職員がどれだけ確保されるのか分かりません。生活再建に関する相談窓口についても適切に機能させなくてはなりません。  被災者の生活再建は、罹災証明書の発行、家屋の被害調査だけにとどまりません。様々な被害が起こると考えられ、被災者に寄り添ったケースマネジメントが必要になると思います。証明書の発行時に、その相談を受けていては発行業務自体に支障が出ると思われますので、発行の窓口とは別に相談の窓口が必要になるのではないでしょうか。それも住居困窮、在宅避難での困り事、身体状況や介護・障害についてなど、ケース別の相談窓口が必要になると思います。  繰り返しになりますが、相談窓口を担当される職員の皆さんもまた同じ被災者となる可能性があり、御自身の家族や自宅の被害状況を気にしながら相談業務に専念しなければならず、被災した自治体の職員の身体に影響したなどの報道もあります。被災者の生活再建に向けた体制の確保について、区長のお考えをお聞かせください。  次に、高校生の居場所づくりについてお伺いいたします。  区は、本年三月から八月にかけて、高校生世代とその保護者にアンケート調査を行うだけでなく、高校生世代と関わる子ども中高生プラザの職員や区内の高等学校の教員にヒアリング調査をした高校生世代実態調査の結果を本年十月に取りまとめ、報告されています。この調査に非常に興味深い内容が記載されていました。私がこれまでお会いした高校生世代は、誰かと交流したい、自分を高めたいとの思いを持った子どもが多く、そういった高校生が生き生きとした活動ができる居場所づくりについて主に考えてきました。しかし、今回の調査では、家庭や学校に居場所がない、相談相手のいない高校生世代も一定数いることが明確になりました。  さらには、区が検討する居場所に対して、互いの目を気にしないで使用できる空間を求めたり、元気な人たちのたまり場にはしてほしくない。見ているだけでつらいといった当事者の生々しい意見もありました。こうした高校生は、居場所や相談相手がいないことへの寂しさから、SNS等を通じて好ましくない人と関わり、非行に陥る懸念のある子どもたちではないかと危惧しています。今、社会問題化しているトー横キッズや立ちんぼなどの非行に陥ってしまうのではないかと心配です。  高校生世代は思春期であり、多感で悩みの多い時期ではありますが、大学生や社会人などライフステージが変わり、自分自身を見直す機会も多くあります。こうした高校生世代に静かな居場所を提供することは大変意義のあるものではないでしょうか。今回のこの調査結果からも、従来の子ども中高生プラザとは少し方向性の異なる需要があることが明らかとなりました。子ども中高生プラザや児童館に行けない子どもたちのための居場所づくり、調査で必要とされた高校生などの心の悩みに寄り添い、解決へと導く相談場所づくりが必要です。  そこでお伺いいたします。高校生世代実態調査の結果で特徴的であった点はどのようなものでしょうか。また、それを受けて、具体的な居場所づくりをどのようにしていくのか、区長のお考えをお聞かせください。  ひとり暮らし高齢者等への見守り支援についてお伺いいたします。  高齢者の日常支援や病院の入院、施設へ入居する際の身元保証サービスについて、報道などで注目される機会が増えています。これはひとり暮らし高齢者など身寄りが少ない、または身寄りがない高齢者の増加が背景にあります。身寄りのない高齢者の身元保証問題については、本年十月十二日、岸田総理が内閣官房に設置した省庁横断型の調整チームで一貫した支援体制の整備を目指すことを公表するなど、国においても一つの大きなテーマとして取り組むこととしています。こうした国の動向も注視いただきながら、今後、港区としても支援の在り方などを検討していただきたいと思います。  港区の人口が増加する中、ひとり暮らし高齢者や高齢者のみ世帯も今後増えていくことが見込まれています。こうした高齢者が孤立することなく、安心して暮らし続ける地域づくりが重要です。民生委員・児童委員の方々やふれあい相談員の方々がひとり暮らし高齢者や高齢者のみ世帯の方を巡回していただいていることは承知していますが、中には訪問していただいていないとの声も頂戴しています。区として、よりきめ細かく支援をしていく必要を感じています。今後、区は、高齢者の見守り支援についてどのように取り組んでいくのか、区長のお考えをお聞かせください。  卵子凍結保存を望む女性の実態把握についてお伺いいたします。  少子化対策への有効な対応策となり得る卵子の凍結保存への助成については、今年二月の第一回定例会の一般質問や決算特別委員会でも取り上げさせていただきましたが、元HKT48で人気タレントの指原莉乃さんがSNSで自身の卵子を凍結保存したことを明かし、注目されていることなどもあり、再度取り上げさせていただきたいと思います。  女性の妊娠しやすい、妊孕性の高い二十代、三十代は、働く女性にとって仕事が重要な時期で、妊娠して子どもを持つということを後回しにせざるを得ない実態があります。その結果、いざ子どもを持ちたいと思ったときには妊孕性が低下し、妊娠が難しくなってしまう。また、既に一人子どもを授かっている女性も子育てや仕事に追われ、二人目を考えようかと思ったときには妊孕性が下がっている。こうした現状を打破する最善の方策は、妊孕性の高い、若いうちに行う卵子の凍結保存ではないでしょうか。  こうした中、東京都は十八歳から三十九歳の都内女性を対象に、説明会への参加を条件に、加齢等による妊娠機能の低下を懸念する場合に行う卵子凍結に係る費用を最大三十万円助成する制度を開始。今月二十日時点で説明会には五千十八人もの申込みがあったとのことです。年代別では三十代後半が二千六百九十人と半数以上で、三十代前半の千八百四十五人と合わせると、全体の約九割を三十代が占めているそうです。  説明会は九月二十九日の初開催以来、今月十六日までに計三十三回開かれ、合計で約二千八百人が参加するとともに、うち九百九人が助成事業に申し込んだとのことです。東京都が今年度想定していた助成人数は三百人程度で、既に大きく上回っていますが、女性の希望に確実に応えられるように対応したいとして、申込者全員に助成する意向のようです。働く女性たちの非常に高いニーズがあることがうかがえます。  特に港区は第一子の出産年齢も高いことが特徴です。今回の東京都による説明会の参加者のうち、港区民の割合はどのくらいなのか。港区内の二十代、三十代女性のうち、卵子凍結保存を前向きに考えている人はどのくらいなのかなど、港区民の対象女性の実態を把握すべく調査を実施していただきたいと思います。区長のお考えをお聞かせください。  デジタル地域通貨の導入についてお伺いいたします。  近年、自治体における地域通貨の電子化が進んでいます。地域通貨の電子化とは、特定の地域内に流通し、参加店等で使える地域通貨が電子化されたものです。もともと地域通貨は、地域内にお金が循環する仕組みとして注目され、発行数を増やしてきていましたが、近年の老若男女を問わないスマホの普及や自治体によるICT化の推進、そして電子化による地域通貨の運用コストの低減などを背景に、導入する自治体がさらに増えています。  神奈川県平塚市が展開しているデジタル地域通貨「ひらつか☆スターライトポイント」は、プレミアム商品券機能に加え、地域電子マネー機能、地域ポイント機能を備えた点が特徴的です。地域電子マネー機能である「ひらつか☆スターライトマネー」は、対象期間中に加盟店で使用した額に対して三%分を還元する仕組みにより発行額を伸ばしています。さらに、ふるさと納税の返礼品として、寄附金額の三〇%を還元する電子ポイント「ひらつか☆スターライトマーレ」を開始しました。これにより寄附額のほかに電子ポイントの流通が期待でき、施策の効果をより高めているとのことです。  板橋区商店街振興組合連合会と板橋区商店街連合会によって運営されるデジタル地域通貨「いたばしPay」は、板橋区内の消費活動や経済循環を促進するほか、アプリを通じた情報発信等で地域住民と事業者間のつながり増進を目指している点が特徴的です。開始当初の期間限定で、一万円で一万三千円分の「いたばしPay」を購入できるキャンペーンを実施し、普及が促進されました。また、専用アプリを通じて、誰でもどこでもチャージできるインフラを整備しました。板橋区内の百二十六か所と全国約二万六千か所でチャージ可能である点も多くの購入・利用を促進しているとのことです。  こうしたデジタル地域通貨の先駆けの一つとなったのが、二〇二一年二月にスタートした世田谷区の「せたがやPay」です。これを皮切りに二十三区でも、板橋区の「いたばしPay」、渋谷区の「ハチペイ」など導入の輪が広がっています。スマホの普及やデジタル化によるコストの削減に伴い、自治体での導入が増えてきているデジタル地域通貨はプラットフォームやアプリ上で扱いやすくなったことで、各種のポイントや行政サービスとの連携も可能になっています。港区で行っている電子スマイル商品券等のシステム統合により、利便性や利用率の向上など相乗効果も期待できます。港区でもデジタル地域通貨の導入を検討していただきたいと思いますが、区長のお考えをお聞かせください。  神宮外苑の再開発についてお伺いいたします。  様々な科学者、専門家によって構成される日本イコモスは、再開発の前提となる環境影響評価書には数多くの誤りと虚偽があり、科学的根拠がないとして、再三にわたり提言を公表してきました。ですが、東京都の環境影響評価審議会は本年五月、内容に虚偽と言えるまでの誤りはなかったと結論づけました。こうした状況を問題視したユネスコの諮問機関イコモスは九月七日、文化遺産である神宮外苑が危機に陥っているとしてヘリテージ・アラートを発出。その後、東京都都市整備局及び環境局は九月十二日、神宮外苑地区のまちづくりにおける樹木の保全について事業者に要請しました。  東京都環境影響評価審議会で事業者が示した既存樹木の保全等の検討結果がいまだ示されていないことから、現在、解体工事が進んでいる新ラグビー場敷地だけでなく、その他の区域についても施設の設計の工夫等によるさらなる樹木の保全策を示すよう要請する内容です。この東京都の要請については、神宮外苑地区の再開発区域内全ての樹木を対象としています。そのため当然ながら、現在の秩父宮ラグビー場につながる区道のイチョウ並木十八本も要請の対象に含まれます。この十八本のイチョウ並木は事業者の計画では移植されることになっていますが、専門家からは移植先にきちんと定着するのか、危惧する声が上がっています。  また、イチョウ並木の東端のすぐ近くには最大径木のヒトツバタゴの木もあります。この木は、江戸時代から「なんじゃもんじゃ」と呼ばれ、愛されるも枯れてしまった天然記念物の木の二世ではないかとも専門家に指摘されている貴重な木ですが、今回の計画で伐採が予定されています。区道上の木ではないとのことですが、何とかできないものかと思ってしまいます。再開発について、少しでも区民の理解を得るためには、港区は十八本のイチョウを保全すべく、これを管理する責任者として、事業者に対し、十八本のイチョウの移植方法などを検討し、その結果を広く区民に公表するよう強く指導していただきたいです。区長のお考えをお伺いいたします。  有栖川宮記念公園の樹木の伐採についてお伺いいたします。  南麻布を桜田通りから愛育クリニックまで東西に横断する都市計画道路補助第七号線と麻布運動場前から南部坂上までを南北に横断する補助第九号線の整備事業が進められています。先日も麻布地区総合支所まちづくり課主催の都市計画道路補助第九号線整備事業についての説明会が、麻布子ども中高生プラザで開催されました。  補助第九号線の整備計画は、終戦直後の一九四六年に戦災復興院が都市計画決定をしたもので、七十年たった二〇一六年に事業認可がされ、その七年後の今年春、計画に従って有栖川宮記念公園の高木が百本以上、中低木合わせて三百二十八本が伐採されました。突然、皆さんが大切にしてきた有栖川宮記念公園の樹齢百年を超えるような立派な樹木が大量に伐採されたことで、多くの区民がショックを受け、たくさんの抗議や問合せが区や区議会議員の下に寄せられました。  補助第九号線の道路は、約三百メートルにわたり幅員十五メートルの道路を有栖川宮記念公園側に拡幅して整備する計画ですが、着工前にそうした周知が十分に行われていたとは言えません。樹木が伐採される前に港区は説明会を五回開催していますが、今回の説明会でも参加者から多数の指摘がありました。補助第九号線整備事業に係る説明会という案内で、有栖川宮記念公園の樹木伐採に関わる話だと気づく人はほとんどいません。他の道路に関する説明会も同様ですが、最低限、有栖川宮記念公園内の道路整備や麻布運動場前〜南部坂上道路整備など、地名を入れて周知するべきだと考えます。また、公園の前に樹木伐採計画があることをきちんと大きく表示し、周知を徹底するべきです。  これまで我が会派から、「工事で樹木伐採をせざるを得ない場合は、必ず報告してください。また、できるだけ保存する方法を考え、どうしても伐採せざるを得ない場合は丁寧な説明が必要です」と要望させていただいております。区の回答は、「道路整備に際して、残すことが困難な樹木は移植を基本としておりますが、樹木診断の結果、移植に耐えられないことが判明した樹木は伐採いたします。伐採せざるを得ない状況となった場合、区はこれまで周辺住民へ説明してきておりますが、今後より一層丁寧で分かりやすい説明に努めていきます」というものでした。しかし、高木を百本以上も伐採した中で、移植されるのは一本だけです。  七十七年前の事業計画が今の時代にそぐわなくなっていること、特に文化遺産のような公園の森林の価値は、SDGsが叫ばれる時代に、戦後の焼け野原の当時とはまるで違うものになっていることは明らかです。この道路が本当に必要なものなのかどうか、代替の選択肢はなかったのかどうか、有栖川宮記念公園の高木を百本以上も伐採することが区民の同意を得られることなのかどうか、時代に合わせた計画の修正が必要だったのではないか、近隣住民に計画内容が分かるようにきちんと周知し、住民と対話をしながら丁寧に進めていくべき事案だったのではないでしょうか。区長の見解をお伺いいたします。  また、先日の説明会の中で、今後、補助第九号線の拡張計画を進める上で、さらに有栖川宮記念公園の中の歴史ある樹木八本、野球場前の七十五本を伐採する計画だと発表がありました。説明会では、樹木伐採に反対する声や、道路整備計画の見直しを求める声などが多数上がっていました。また、平たんな広い道路に整備することで、今度は路上駐車が増えるため、道路の両脇にオレンジのポールを並べるという計画案なども出されていましたが、車がスピードを出して走るようになることや、路上駐車が増えることなどへの懸念、それを阻止するためのポールなど人工物が緑の美しいまちの景観を損なうことなどの指摘が上がりました。こうした住民の声をきちんと受け止め、道路の幅員自体を見直すなどして、人工物は設置しないで路上駐車防止ができる方法を考えたり、公園内の樹木を残す方法で計画を見直す、移植をきちんと検討する、今後の説明会の周知の方法の改善、特に樹木伐採に関わる計画は事前に分かるように現地に説明表示をするなど必要だと考えますが、区長の今後の計画の進め方についてお伺いいたします。  給食費の無償化拡大について、最後にお伺いいたします。  区では、物価高騰や子育て世帯への支援方策の一つとして、今年の九月から来年三月までの期限付ながら、区立小・中学校や認可保育園、児童発達支援センター等に通う子どもたちの給食費の負担軽減を実施していただいています。また、来年三月までの期限付ながら、このたび新たに区立小・中学校に副籍を持つ都立特別支援学校やアレルギー等によりお弁当を持参している生徒の給食費相当額の支援をしていただけるとお伺いしています。私たちの会派を含め、多くの会派からの要請、そして何より子育てをしている区民の方の声にお応えいただき、感謝しております。ですが、まだまだ物価高は収まる気配がありません。来年度以降も引き続き継続をしていただけるものと認識しています。  さて、こうした中、新宿区ではさらなる子育て世帯の負担軽減を図るべく、私立学校などに通う世帯への給食費相当額の支給を来年四月から実施するとのことです。私立や国立・都立学校などに在籍する生徒の給食費相当分として、小学生約五万円、中学生約六万円が保護者に支給されます。また、中野区では、今年の十月から来年三月までの半年間の給食費相当額として、国立・都立・私立学校に通う小・中学生も対象に含めた形で小学生一人につき三万円、中学生一人につき三万七千円の給付が実施されています。  今年の三月、こども家庭庁が学校給食費の無償化に向けた実態把握と課題の整理を行う方向性を示すなど、給食費に対する国の考えは大きな転換点を迎えています。特に港区は、私立学校に通う生徒が多い実態があります。また、来年度、区立中学校のシンガポールへの修学旅行の実施が予定されていることから、私立中学校に通う生徒との間で区の支援の格差は大きく拡大しました。港区では四割以上の子どもが私立中学校に通っています。私立学校に通う生徒との格差を少しでも是正するとともに、行政の公平性を確保すべく、こうした世帯の給食費負担についても軽減策を図るべきです。国立・都立・私立学校やインターナショナルスクールに通う小・中学生の保護者負担の軽減策について、区のお考えをお聞かせください。  以上で質問を終わります。御清聴ありがとうございました。   〔区長(武井雅昭君)登壇〕 ○区長(武井雅昭君) ただいまのみなと政策会議を代表しての山野井つよし議員の御質問に順次お答えいたします。  最初に、港区地域防災計画の修正についてのお尋ねです。  まず、修正内容の説明についてです。区が本年三月に実施した首都直下地震の被害想定の調査・分析結果については、各地区の特徴や課題などをまとめ、地域防災協議会や出前講座、区民大学など約二十回にわたり説明してまいりました。港区地域防災計画の修正に当たっては、修正の概要と区民が実践できる防災対策などを分かりやすくまとめ、地域防災協議会などの場において、職員が区民の視点に立って説明するとともに、現在構築中の災害時に役立つ情報を多言語で発信する防災ウェブポータルサイトも活用しながら丁寧に対応してまいります。  次に、計画修正後の実効性の確保についてのお尋ねです。計画修正後は、地域防災協議会や駅周辺滞留者対策推進協議会などへ修正内容を丁寧に説明した上で、発災時の避難所の開設手続のさらなる具体化や、帰宅困難者への迅速かつ適切な情報提供などに取り組んでまいります。さらに、高齢者や障害者の避難や夜間・休日での帰宅困難者の発生など、様々なケースを想定した実践的な訓練を繰り返して実施をしてまいります。  次に、避難確保計画の作成支援についてのお尋ねです。水害や土砂災害が発生するおそれがある要配慮者利用施設において利用者の安全を確実に守るため、区は、当該施設の避難確保計画に盛り込む避難誘導の方法、避難場所、訓練内容を確認するとともに必要な助言をいたします。加えて、計画に基づき各施設と連携した訓練を実施し、利用者の円滑かつ迅速な避難の確保を図ってまいります。  次に、避難所の運営についてのお尋ねです。  まず、地域防災計画の修正を踏まえた今後の避難所運営についてです。区では、避難所運営の中心的な役割を担う地域防災協議会に対し、職員が避難所運営マニュアルの見直しに関する助言や避難所運営の勉強会、訓練のサポートなど協議会活動を支援しております。今後、地域防災計画の修正を踏まえ、職員が地域防災協議会とともに子どもや高齢者などの要配慮者やペット同行者など様々な区民の避難を想定し、各避難所の特性に合わせた図上訓練を実施するなど避難所運営、避難者対応の支援を強化してまいります。  次に、指定管理施設の避難所運営についてのお尋ねです。区民避難所に指定されている施設の指定管理者は、発災後、初期消火や利用者の安全確保、施設の安全点検などを行うとともに、区や地域防災協議会と協力して避難所の開設・運営に当たります。夜間や休日に発災した場合においても参集し、施設の解錠を行います。  区は、日頃から指定管理者との情報共有を密にし、協力関係を強固にし、防災に関わる情報を積極的に提供するとともに、指定管理者と区、地域防災協議会を交え、発災後の避難所開設から運営までの手順や役割を確認する訓練を繰り返し実施してまいります。  次に、運営の主体となる地域防災協議会への支援についてのお尋ねです。各地区総合支所においては、地域防災協議会の活動と日常的に関わり、避難所の開設や運営上の課題についてともに考える中で、防災に関わる知識や経験が向上できるよう努めております。そのため、区では新規採用職員等に対し、職場への徒歩での参集訓練や防災資機材の使い方を学ぶ訓練を実施するほか、防災士の資格取得を推進するなど、職員の基礎的な防災力の向上に取り組んでおります。今後も引き続き、職員の防災に関わる知識・経験のさらなる向上に努め、地域防災協議会への支援につなげてまいります。  次に、被災者の生活再建に向けた区の体制についてのお尋ねです。  区では、迅速かつ正確な罹災証明書の発行と住家被害認定調査の早期実施のため、発災後三日以内に必要な職員を確保しております。また、他自治体と共通のシステムを活用することにより、公益社団法人不動産鑑定士協会や他自治体から受け入れた応援職員が迅速に活躍できる体制を確保しております。加えて、これまで区から被災地へ職員を派遣し、罹災証明書の発行や住家被害認定調査などの業務により習得したノウハウ、また現地での経験を区においても生かしてまいります。  次に、高校生世代の居場所づくりについてのお尋ねです。  まず、高校生世代実態調査結果の特徴についてです。区が本年三月に実施した高校生世代の実態調査結果では、高校生世代の自己肯定感や孤独感は、相談相手や居心地のよい居場所の有無と相関関係があることが分かりました。また、他者と充実した活動に取り組みたい高校生世代がいる一方で、人と関わらずに過ごせる居場所を求める声のほか、家庭や学校に居場所がない、悩みを相談できる相手がいない高校生世代も確認しております。本調査結果は、少数ながらも今まで声を上げられなかった高校生世代の悩みや不安を把握できたことが特徴と捉えております。  次に、具体的な高校生世代の居場所づくりについてのお尋ねです。高校生世代の自主活動を支援する居場所として、仲間との交流が可能な子ども中高生プラザの魅力をさらに高めた取組の充実を検討しております。また、相談相手や居場所のない高校生世代に対する実効性のある支援を検討するため、来月には高校生世代との意見交換会を開催し、当事者がどのような居場所を求めているか、率直な思いや意見を聞きながら、新たな居場所づくりに取り組んでまいります。  次に、ひとり暮らし高齢者等への見守り支援についてのお尋ねです。  区では、配食サービスや訪問電話、救急通報システム等のきめ細かな提供によってひとり暮らし高齢者等の日常的な見守りに取り組んでおります。さらに、介護保険や区のサービスを利用していない高齢者等をふれあい相談員が訪問することで、生活実態に即した支援につなげております。また、民生委員・児童委員に加え、新聞販売店や生活協同組合等とも連携し、地域の中で高齢者を見守る取組も進めております。引き続き、高齢者人口増加の影響や多様化する生活状況の把握に努め、地域で安心して暮らし続けることができる生活支援と見守り体制の強化を一層推進してまいります。  次に、卵子凍結保存を望む女性の実態把握についてのお尋ねです。  東京都が今年度開始した卵子凍結に係る助成事業は、対象者向け説明会において、卵子凍結のメリット及びデメリットを含めて専門医が説明し、参加者が同意の下で費用助成を行っています。今後、東京都に対し、区民の参加者の割合などの情報共有を働きかけるとともに、港区医師会や不妊治療に取り組む区内のクリニックに対してヒアリングを行うなど、卵子凍結を含めた不妊治療に関する区民の実態把握に努めてまいります。  次に、デジタル地域通貨の導入についてのお尋ねです。  現在のプレミアム付き区内共通商品券は購入希望者を事前募集し、プレミアム分を上乗せして販売しておりますが、デジタル地域通貨は事前の申込みがなくてもチャージの際や決済後にポイント付与が可能となり、迅速かつ効率的な事業運営が可能です。また、利用者間での送金機能や贈答用としての活用など、今後の幅広い展開にも期待が持てます。導入に当たっては、長期間安定して継続して利用されるための仕組みづくりなど慎重に検討する必要があることから、引き続き港区商店街連合会とともに先進事例等について調査・研究してまいります。  次に、神宮外苑の再開発についてのお尋ねです。  区は、本年九月、事業者に対し、区道上の十八本のイチョウについて移植や保全の方針を具体的に検討し、その内容を早期に示すよう文書で要請いたしました。事業者からは、イチョウの生育に配慮し、区域外への仮移植は行わず、新たに建設する野球場の敷地内に直接移植することを検討しており、今後も適切に保全すると聞いております。今後、具体的な移植や保全の方針について広く情報発信するよう、事業者を指導してまいります。  次に、有栖川宮記念公園の樹木の伐採についてのお尋ねです。  まず、都市計画道路補助第九号線の計画の考え方についてです。当該路線は広域避難場所である有栖川宮記念公園一帯に接しています。緊急輸送道路である都道高輪麻布線からアクセスが可能な補助七号線にも接続しており、防災性の向上を図るためにも重要な路線です。また、道路幅員が約八メートルしかなく、車両や歩行者が交錯している状況で、付近には本村保育園、ありすいきいきプラザなどがあり、様々な歩行者が通行しております。  区は、歩行者が安全に通行できるよう、また、災害時の広域避難場所である有栖川宮記念公園一帯へ安全に避難できるよう十五メートルまで拡幅し、電線類の地中化も併せて整備をする必要があると考えております。昨年度まで説明会を計五回開催し、今年度は説明会二回、広報みなとや区ホームページへの掲載に加え、説明内容の動画公開など丁寧な周知、説明に心がけております。  最後に、今後の計画の進め方についてのお尋ねです。区はこれまでも、樹木医に相談しながら、高木だけでなく中低木の移植も検討するなど、樹木の伐採が最小限となるよう努めてまいりました。今後の整備においても樹木の保全に努めるとともに、道路の街路時の緑の量や質を確保し、有栖川宮記念公園とともに緑化の充実を図ってまいります。また、地域の方々への周知につきましては、お知らせ文などにおける表現の工夫や完成予想図の掲示などを行い、事業の内容が伝わるよう、さらに心がけてまいります。  よろしく御理解のほどお願いいたします。  教育に関わる問題については、教育長から答弁いたします。   〔教育長(浦田幹男君)登壇〕 ○教育長(浦田幹男君) ただいまのみなと政策会議を代表しての山野井つよし議員の御質問にお答えいたします。  給食費の保護者負担軽減策の拡大についてのお尋ねです。  区立小・中学校の給食費保護者負担軽減策は学校設置者として実施し、また、都立特別支援学校は在籍する児童・生徒が区立学校に副籍を有することから、これに準じて実施を予定しているものです。区内にある私立小・中学校では小学校二校中一校が給食を実施し、中学校は全十二校とも給食を実施していない状況であり、区外の国立・都立・私立学校等においても様々です。こうした実態も踏まえ、私立学校等に在籍する児童・生徒の保護者に対する負担軽減策については、それぞれに課題を整理し、子どもへの総合的な支援の在り方の中で検討してまいります。
     よろしく御理解のほどお願いいたします。 ○議長(鈴木たかや君) 次に、二番新藤加菜議員。   〔二番(新藤加菜君)登壇、拍手〕 ○二番(新藤加菜君) 令和五年第四回定例会におきまして、港区維新・無所属の代表として新藤加菜が質問させていただきます。  まず、区役所職員のプライバシーを守る取組についてです。  インターネットの普及により、これまでより容易に、少しの情報でも個人を特定できる時代になりました。それに伴い、顧客が理不尽な要求やクレームを突きつけるカスタマーハラスメント問題も深刻化してきています。窓口対応のみならず、区における様々なイベントで、人と密接に関わる機会が非常に多くある区役所職員が安心して働ける環境、仕組みづくりが必要です。  実際に佐賀県佐賀市では令和五年四月から、職員の生活を守るため、名札の名前の表記をフルネームから名字のみに変更したそうです。  また、港区議会においても、区議会議員の住所・電話番号を会派控室のものとすることができるよう提案し、ルールを変更していただきました。御理解、御協力いただいた皆様、ありがとうございました。本日、十一月二十九日時点で四名の議員が会派控室住所に届出住所を変更しており、その全てが女性です。このルール改定により、今後、女性が選挙に立候補するハードルを下げたと確信しています。男女ともに働きやすく活躍できる環境づくりのために、個人情報に関する組織内ルールも見直す時代になってきました。  バスやタクシーの車内で義務づけられていた運転手さんの氏名掲示も今年の夏に廃止されました。官民問わず、様々な組織で時代の変化に合わせたアップデートが行われています。港区役所の職員さんも常時名字と名前が漢字でフルネームで入った名札を掲示して日々の業務に当たられています。現時点では、区職員さんがストーカーやつきまといといった嫌がらせに遭った事案は発生していないとのことでしたが、何か問題があってからでは遅いのです。常軌を逸した変質者、変態は存在します。トラブルが起こる前に対応しなければ遅いのです。職員を守る取組、仕組みづくりが急務です。  そこで質問です。港区における職員のプライバシー侵害防止対策を教えてください。また、職員の名前表記を名字のみに変更してはいかがでしょうか、区の考えを教えてください。  続いて、男女平等参画についてです。  十一月二十一日、男女平等参画センター、通称リーブラのホームページにおわびが掲載されました。パープルリボン運動二〇二三団体作品展における展示内容が、趣旨にそぐわない、また誤解を招く表示があったとのことです。問題になった展示は二点で、いずれも文字での表現。一点目が「男いらない」、二点目が「被ばくかくしは国の暴力です!」。男女平等参画社会の実現を目指す港区の施設において、直接的男性差別表現を認め、展示に至ったこと。また、女性への暴力の根絶を訴える運動で、明らかに趣旨にそぐわない被爆という政治的主張が行われたこと、一区民として大変怒りとあきれを覚えています。  当該展示は、十一月十二日からリーブラにて行われ、利用者からの指摘を受け、十一月十五日午前に修正されました。同日十一月十五日の夜にリーブラのX(旧ツイッター)にて修正の報告のみが行われましたが、謝罪はありませんでした。謝罪がない点にも疑問の声が上がり、再度指摘をいたしましたら、六日後の十一月二十一日に謝罪文が公式ホームページに掲載されたという流れになります。問題であることを認識しながら、大ごとにならないよう対応しようとする港区とリーブラの姿勢に強い不信感の声が上がっています。  参加する団体によって様々な主張があること、また、自由に表現活動を行う権利があること、それは表現の自由を守る立場の議員として深く理解いたしております。しかし、港区という地方自治体の看板をつけ、税金によって運営される施設において、スタッフの誰もが問題視せずに展示公開に至ったこと。さらに、公式Xへ画像をポストし、全世界へ発信したことは、リーブラの指定管理を担う株式会社明日葉、そして指定管理事業者への指示、監督責任のある港区の認識の甘さです。  「男いらない」という主張が男女平等参画の名の下に許されるのであれば、もはや男女平等参画社会は男性差別を許容する言い訳にしかすぎません。女性への差別には敏感で、男性に対する直球の差別表現には寛容なのは、まさにアンコンシャス・バイアス、無意識の差別意識なのではないでしょうか。  港区男女平等参画条例第八条では、以下のように定められています。「何人も、公衆に表示する情報において、女性に対する暴力的行為を助長する表現その他の性別等による差別を助長する表現を行わないよう努めなければならない」。今回の「男いらない」という表現は、条例が禁止する性別などによる差別ではないでしょうか。  また、「被ばくは国の暴力」という表現は、明らかなる政治的表現です。公金によって運営する施設における違反ではないでしょうか。リーブラフェスタにおいても反戦、憲法九条改正反対、護憲などという言葉の展示がありました。これらは全て特定の政党のスローガンにもなっているものであり、こちらも明らかな政治活動ではないでしょうか。リーブラの助成事業の申請者要件には、特定の政党やこれに類する個人、団体の機関ではないことと定められています。今回の展示は助成事業ではないものの、リーブラで行われる展示やイベントが政治的中立性を確保するべきであるのは、区が認識しているとおりかと思います。  男女共同参画の係る問題は、昨今、様々な自治体で問題となっています。東京都の公金を支出していた一般社団法人Colaboの会計問題。世田谷区の男女共同参画センターが主催する女性向け離婚講座で実子誘拐を指南し、刑法二百二十四条未成年者略取誘拐罪に抵触する可能性が高い内容だった問題。とにかく枚挙にいとまがありません。活動家の組織温床であると多数の指摘があり、各自治体の男女共同参画の運営の在り方が問われ始めている今、港区においても港区の男女平等参画センター、リーブラの在り方を見直す必要があると強く訴えます。  男女平等の名の下に男性差別がまかり通ることは、男性の活躍の場を不当に奪うのみならず、めぐりめぐって女性活躍の障害にもなり得ます。女性の救済を訴えながら、女性活躍の場を不当に奪ったAV新法も男女共同参画が法案をつくった閣法です。一人の女性として、真に男女平等を願う者として、もう男女共同参画にはうんざりです。そして、この港区の男女平等参画センターの暴挙を看過するわけにはいきません。  令和四年度の男女平等参画センターの運営管理費は一億四千五百二十四万九千三百九十四円、これはどの区民センターの運営費よりも二倍以上高いのを皆さん御存じでしょうか。麻布区民センターは四千五百三十七万六千二十七円、一番高い芝浦港南区民センターでは六千百五十九万七千六百三十六円。増税や物価高で区民の生活も変容する中で、男女平等参画センターへこれだけの巨額の支出があることに対し、住民の理解は得られているのか、甚だ疑問です。  そこで質問です。パープルリボン運動二〇二三団体展示において、展示の修正から謝罪まで五日間のタイムラグが発生しました。理由は何でしょうか。Xで炎上したから対応したのかという声が上がっています。当該展示の指摘をした際、人権・男女平等参画担当課長は、「男いらない」という文言は男性差別であると明確に言及されました。区長は「男いらない」という表現を男性差別だと考えますか、お考えをお聞かせください。  続いて、男女平等参画センター運営協議会八名のうち六名が女性です。委員の女性比率は七五%と非常に高く、アンバランスな構成となっています。男女平等参画を掲げる拠点であるにもかかわらず、今回このような差別表現を容認してしまったことの一因に高過ぎる女性比率が考えられますが、区長はこの男女比の偏りをどう考えますでしょうか。是正するお考えはありますか。  「男いらない」という表現が、港区男女平等参画条例第八条の違反である可能性を先ほど指摘いたしましたが、どのようにお考えでしょうか。また、「男いらない」という男性差別表現が再発しないよう、どのような防止策と対応を取られますか。リーブラという組織の在り方、仕組みにも踏み込んで御回答をお願いいたします。  「被ばくは国の暴力」、護憲、憲法九条改正反対という男女平等参画と直接関係のない政治活動が今後リーブラで行われないよう、どのような再発防止策を取られますか。こちらについても組織の在り方、仕組みにも踏み込んで御回答をお願いいたします。  男女平等参画センターの令和四年度執行額は一億千二百四十二万四千六百十六円、清算額が一億千七百二十七万五千四百六十九円ですので、四百八十五万八百五十三円の差額、この金額は返還不要として指定事業者の収益になっています。令和三年度は三百二十八万九千八百五十五円、令和二年度は六百三万七千三百八十円、令和元年度は八百九万六百十六円が余剰金として指定事業者の収益となっております。指定管理者が男女平等参画の理念を誤解、軽視し、利用者に対し是正を求めず、事なかれ主義で何でも容認している、今のリーブラの悲惨な現状の理由の一つに、この余剰金が返還不要である点があると思います。指定事業者リーブラが毎年数百万円単位の余剰金を出し続けている。この現状について、区はどのようにお考えでしょうか。  最後に、赤坂ヘリポートについてです。  ロシアによるウクライナ全面侵略が始まって一年九か月がたちました。ロシア・ウクライナ戦争は実質的な第三次世界大戦であるという人もいます。まさに自由民主主義陣営と専制主義国との戦いです。日本がこの戦争に参加していないのではありません。日本は経済制裁という形で既に参戦しており、樺太で行ってきたロシアの石油・ガス開発事業「サハリン2」の権益を事実上失おうとしています。もう対岸の火事ではありません。  日本はロシア、北朝鮮、韓国、中国、台湾の五か国と接しています。日本の北方領土を不法占拠しているロシアは、昨年ウクライナへの全面侵略を開始し、多くの命が失われ、戦火は現在も終わりが見えていません。  一九九四年、ウクライナは核拡散防止条約に加盟し、自国にある核兵器を放棄することに合意しましたが、もしあのときウクライナが核拡散防止条約に加盟せず、今も核兵器を保有していたなら、二〇二二年二月のロシア軍のウクライナ侵攻はなかったと私は考えます。ウクライナが核を放棄したのは、アメリカとイギリスと、そしてロシアが国境の安全を保証したからです。しかし、安全保障の約束は守られませんでした。このことを日本は忘れてはいけません。どのような条約を結ぼうとも、他国のために血を流す国はいないというのが現実なのです。  北朝鮮は国際連合決議を無視して、先週もミサイルを日本の上空に向けて発射しました。この行為が核による日本に対する威嚇行為であることは論をまちません。同じ自由民主主義陣営である韓国は、歴史的事実に照らしても、かつ、国際法上も明らかに日本固有の領土である竹島を不法占拠し、自国の名前を勝手につけ、数々の過去の歴史的事実をねじ曲げ、日本を非難し続ける厚顔無恥な国です。  中国は、古来より日本の領土である尖閣諸島を自国の領土と主張。連日のように領海侵犯を繰り返し、日本国民は上陸することすらできません。唯一の友好国である台湾とは、日本が昭和四十七年、中華人民共和国と国交樹立した際に、無情にも一方的に日本は台湾との国交を断絶し、以来四十年間、正式な外交関係がないまま今日に至っています。日本人としてざんきの念に堪えません。  四方八方を非友好的な国に囲まれ、唯一の友好国である台湾と国交を結んでいない日本。地理的には、日本は地球上で最も不安定で危険な地域の一つとされていますが、一九四五年の大戦終戦後、十分な軍備を持たない日本が七十八年も他国に侵されることなく安全を享受してこられたのは、憲法九条があったからではありません。日本に世界最強の軍隊である米軍の基地があるからにほかなりません。  港区議会は、一九六七年、昭和四十二年に「米軍ヘリポート撤去に関する意見書」を全会一致で採択し、防衛省・米国大使・米軍司令官に要望書を提出してきました。二〇〇四年、平成十六年からは、行政と議会、区長と正副議長が共に防衛省に米軍ヘリポート、通称赤坂プレスセンターの撤去要請行動を行うようになりました。  私は港区に育ち、現在赤坂に住んでおりますが、数年前までこの港区が行っている赤坂プレスセンターという名の米軍ヘリポートの撤去要請行動を存じ上げませんでした。不勉強だとそしりを受けるかもしれませんが、赤坂の町会長や住民もこの撤去要請行動を知られている方は、実はほとんどおりません。この港区が米軍基地と呼ぶ赤坂プレスセンターは、米軍が管理をしていますが、武器庫があるわけでも武器を搭載した戦闘ヘリが駐機しているわけでもなく、いわゆる軍事基地ではございません。アメリカ大統領が来日する際に毎回利用するヘリポートであり、平時もアメリカ政府高官が利用する実質的なアメリカ大使館の附属ヘリポートです。港区は、武器をイメージする米軍基地という言葉をホームページや冊子で意図的に使用しており、これはアメリカ大使館のある自治体が行っている明らかな反米行動と捉えられても致し方のないものです。  港区が米軍ヘリポート基地と呼ぶ施設に対する撤去要請行動の理由の一つとして挙げている騒音問題、これは港区自身による調査の結果、環境基準を下回っているということが確認されております。さらに理由としている墜落の危険ですが、実はこのヘリポートは米軍が管理していると言っても、東京消防庁のヘリが離島の傷病人の搬送に多い年で年間百回以上も使用しております。したがって、米軍だけに墜落の危険を問うのは間違いです。また、日本の消防庁が傷病人の緊急搬送で使用できるということは、いつでも日本が使用できる状態にあるということです。  二〇一六年、平成二十八年の総合防災訓練では、この赤坂プレスセンターから自衛隊の護衛艦にヘリで傷病人を緊急搬送する計画がありましたが、港区は基地の恒久化につながるおそれがあるとして参加せず、港区の防災計画には赤坂プレスセンターのヘリポートを利用する記載はありません。ヘリは災害時に欠かせない移動手段です。夜間着陸可能な赤坂プレスセンターの災害時の活用を港区が排除することは、区民の安全を第一に考えた防災計画とは到底言えません。  東日本大震災の際、避難所では様々な物資が不足しましたが、道路や線路が甚大な被害を受けた中で、地上からの物資の輸送は困難を極めました。そんな中、住民の命を助けたのがヘリコプターでの空輸による支援物資輸送でした。赤坂プレスセンターのヘリポートも、災害時に区民の命を守るために活用することが絶対にできるはずです。区民の安全を第一に考えることなく、アメリカ大使館のある自治体港区と港区議会の共産党から自民党までが一致して反米行動に走ることは、日本の安全保障を考える上で看過できません。この港区が行う米軍基地撤去要請行動に対して、今まで一人で反対してこられた我が会派の幹事長である榎本茂議員の主張を我が会派、港区維新・無所属として踏襲します。  いま一度、赤坂プレスセンターの存在と利用の実態を区民に説明するとともに、災害時の利活用や返還後の利用も含めて広く意見を集め議論を深めるべきである。環境基準を下回る騒音と、墜落の危険という臆測をもって、一方的な立場に立った要望を全会一致で行うべきではない。この意見を我が会派の意見とさせていただきます。  また、撤去要請行動に対しましては、本来、議会の全会派が一致しての行動ではないことから、議会を代表する議長、副議長が行くことはあってはならないことですが、我が会派が撤去要請行動に賛成しないことを全ての文に明記することを条件に容認いたします。区長には、我が会派の意見に対するお考えを伺わせてください。  御答弁によっては再質問させていただくこともありますので、よろしくお願いいたします。御清聴ありがとうございました。   〔区長(武井雅昭君)登壇〕 ○区長(武井雅昭君) ただいまの港区維新・無所属を代表しての新藤加菜議員の質問に順次お答えいたします。  最初に、区職員が安心して働ける環境づくりについてのお尋ねです。  まず、職員のプライバシーを守る取組についてです。職員の自宅住所や電話番号を執拗に尋ねる不当行為については、不当行為等対応マニュアルに基づき組織的に対応するとともに、原則公開の職員氏名についても、職員を保護すべき場合には非公開としております。また、職員が外出先や夜間・休日の業務において、区民等に連絡をする場合には公用携帯を貸与し、職員個人の電話番号などプライバシーが保護されるようにしております。  次に、ネームプレートの氏名の表記についてのお尋ねです。区では、区民と職員のコミュニケーションを円滑にするとともに、職務に対する責任を持ち、接遇の向上を図ることを目的として、職員が氏名と顔写真の入ったネームプレートを着用しております。SNSの普及により、ネームプレートの氏名や顔写真から職員個人が特定された他自治体の事例もあり、職員のプライバシーの配慮は重要であると考えております。区は、現在、他自治体等の実態把握に努めており、今後、ネームプレートの氏名の表記を名字のみにすることを検討することも含め、職員が安心して職務に当たることができるよう取り組んでまいります。  次に、男女平等参画センターについてのお尋ねです。  まず、パープルリボン運動期間中における作品展示に関するおわびまでの期間についてです。男女平等参画センターでは、展示作品の一部にパープルリボン運動の趣旨に適さない、また誤解を招く内容があったことから、今月十五日に展示内容を変更するとともに、同日Xにおいて変更したことを周知いたしました。本展示において、お電話などで直接御指摘いただいた際には、御不安、御不快な思いをさせてしまったことのおわびをお伝えしてまいりましたが、今月二十一日には、様々な御指摘を踏まえ、改めて施設のホームページに掲載し、おわびの意を示しております。  次に、「男いらない」という表現及び港区男女平等参画条例第八条との関係についてのお尋ねです。リーブラでは、女性に対する暴力をなくすことを啓発するために展示を実施いたしました。御指摘の「男いらない」という言葉単体で捉えると、差別的な表現に当たるとも考えられますが、展示作品の一部として使われた「男いらない」の表現は、男性から暴力を受けた被害当事者の切実な思いを表したものと聞いております。暴力を受けた女性に「男いらない」とまで思わせてしまう暴力の恐ろしさを、作品を通じて表現されたものと受け止めており、港区男女平等参画条例第八条に規定する、性別による差別を助長する表現には当たらないと認識しております。  次に、男女平等参画センター運営協議会委員の男女比率についてのお尋ねです。運営協議会委員については公募し、今期は応募者全員を委員として選定いたしました。現在、男女平等参画センターの課題の一つとして、男性の利用者が少ないことが挙げられており、そのことが委員の構成比にも反映されていると考えております。こうした課題の改善策を検討する上では、男性委員の当事者としての意見は重要であることから、次期委員の募集に当たっては、多くの男性にも申し込んでいただけるよう呼びかけを工夫し、男女双方の委員の活発な協議の下、さらなる男女平等参画の推進へとつなげてまいります。  次に、男性差別表現に関する防止策についてのお尋ねです。区では、今後、男女平等参画センターが活動団体に作品を募る際には、活動団体へ事業企画の趣旨を丁寧かつ分かりやすく伝え、趣旨に適さない、また誤解を招く展示を行わないよう留意点を共有いたします。また、出展作品の事前確認を徹底し、差別表現がある場合には出展団体に是正を求めるよう、指定管理者へ指導・助言をしてまいります。  次に、男女平等参画センター事業における政治活動に関する防止策についてのお尋ねです。男女平等参画センターを含む公共施設においては、政治活動で利用されることを一般的に禁止するものではありません。ただし、男女平等参画センターが運営主体として実施する事業については、政治的中立性の確保に努めるとともに、港区立男女平等参画センター条例で定める施設の設置目的や実施事業に沿った取組を適切に進めてまいります。  次に、男女平等参画センターにおける指定管理料の取扱いについてのお尋ねです。区では、指定管理者制度運用マニュアルを策定し、全ての指定管理施設において指定管理料に関する統一的な取扱いを定めております。また、基本協定書の締結により、指定管理者にも指定管理料の取扱いの徹底を求めております。男女平等参画センターでは、本取扱いに基づき、職員の人件費や修繕費の余剰金のほか、実績が事業計画における見込みを下回ったことによる執行残額は区へ適切に返還しております。また、予定した事業を計画的かつ効果的に実行し、事業運営や施設の維持管理を十分に行う中で生じた執行残額は、指定管理者の創意工夫や経営努力によるものとして清算対象とはしておりません。  最後に、赤坂プレスセンター米軍ヘリポート基地に係る要請行動についてのお尋ねです。  これまで区は、広報紙や区ホームページを通じて、米軍ヘリポート基地に関する情報を区民に提供してまいりました。また、東京都における災害時等のヘリポート使用については、返還が実現されるまでの間、暫定的に活用するものであり、東京都においても基地の全面返還を国に求めていくことを確認しております。米軍ヘリポート基地の使用による騒音に悩まされ、事故発生の不安を抱える区民の安全で安心した生活環境を守る立場から、今後も区は、米軍ヘリポート基地の早期撤去を粘り強く要請してまいります。  よろしく御理解のほどお願いいたします。 ○議長(鈴木たかや君) 以上にて、本日の日程は全部終了いたしました。  本日の会議は、これをもって散会いたします。                                         午後六時十四分散会...