港区議会 2020-10-05
令和2年度決算特別委員会-10月05日
令和2年度決算特別委員会-10月05日令和2年度決算特別委員会
令和2年度
決算特別委員会記録(第10号)
令和3年10月5日(火) 午後1時開会
場 所 第3・4委員会室
〇出席委員(32名)
委 員 長 池 田 たけし
副委員長 うかい 雅 彦 横 尾 俊 成
理 事 石 渡 ゆきこ 黒崎 ゆういち
丸山 たかのり やなざわ 亜紀
鈴 木 たかや 福 島 宏 子
杉 浦 のりお
委 員 玉 木 まこと 榎 本 あゆみ
なかね 大 小 倉 りえこ
赤 坂 大 輔 琴 尾 みさと
山野井 つよし 兵 藤 ゆうこ
土 屋 準 榎 本 茂
清 家 あ い なかまえ 由紀
ゆうき くみこ 二 島 豊 司
池 田 こうじ 風 見 利 男
阿 部 浩 子 七 戸 じゅん
近 藤 まさ子 杉本 とよひろ
清 原 和 幸 井 筒 宣 弘
〇欠席委員(2名)
マック 赤 坂 熊 田 ちづ子
〇出席説明員
区長 武 井 雅 昭
副区長 小柳津 明 副区長 青 木 康 平
教育長 浦 田 幹 男
芝地区総合支所長
街づくり支援部長兼務 野 澤 靖 弘
麻布地区総合支所長
街づくり事業担当部長兼務 冨 田 慎 二
赤坂地区総合支所長
子ども家庭支援部長兼務 中 島 博 子
高輪地区総合支所長
産業・
地域振興支援部長兼務 山 本 睦 美
芝浦港南地区総合支所長
環境リサイクル支援部長兼務 長谷川 浩 義
保健福祉支援部長
新型コロナウイルスワクチン接種担当部長兼務 有 賀 謙 二
児童相談所長 田 崎 みどり
企画経営部長 大 澤 鉄 也
企画課長 西 川 杉 菜 区長室長 横 尾 恵理子
財政課長 若 杉 健 次
用地・施設活用担当部長 坂 本 徹
防災危機管理室長 岩 崎 雄 一
総務部長 新 宮 弘 章
総務課長
人権・
男女平等参画担当課長兼務 荒 川 正 行
会計管理者
(会計室長事務取扱) 森 信 二
教育推進部長 星 川 邦 昭
学校教育部長 湯 川 康 生
選挙管理委員会事務局長
(
選挙管理委員会事務局次長事務取扱) 遠 井 基 樹
選挙管理委員会委員長 島 田 幸 雄
〇出席事務局職員
区議会事務局長 佐 藤 雅 志 次長 鈴 木 康 司
ほか
午後 1時00分 開会
○委員長(池田たけし君) ただいまから本日の委員会を開会いたします。
本日の署名委員を御指名いたします。杉浦のりお委員、なかまえ由紀委員にお願いいたします。
マック赤坂委員、熊田委員より欠席の届出が提出されておりますので、御報告いたします。
初めに、私物端末の持込み及び
貸与タブレット端末の適正使用についてです。委員会への私物端末の持込み及び
貸与タブレット端末の議会活動以外での使用を慎む旨、議長からお話がありましたので、各自御留意くださいますようお願いいたします。
次に、審議に入ります前に、
選挙管理委員会委員長の当委員会への出席について御報告いたします。
総括質問の質問通告の中で、自民党議員団のゆうき委員の質問については、
選挙管理委員会委員長に答弁を求める内容が含まれております。理事の皆様にはあらかじめお伝えしておりますが、昨日、
選挙管理委員会委員長への出席要請を議長にお願いし、出席していただくこととなりました。
なお、
選挙管理委員会委員長は、ゆうき委員の質問終了後に退席することにしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
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○委員長(池田たけし君) これより総括質問を行います。
初めに、自民党議員団を代表して、ゆうき委員。
○委員(ゆうきくみこ君) 令和2年度決算の最終審議に当たり、自民党議員団を代表して総括質問をいたします。
まず冒頭に、
新型コロナウイルス感染症で亡くなった御家族の皆様へのお悔やみと、
医療従事者等関係者の皆様に感謝を申し上げます。
新型コロナウイルス感染症が少しずつ収束し始めたような気配を感じさせる中、根強い将来不安とともにアフターコロナという時代の転換期がどのように向かっていくか、私たちは毎日その動きを注視しているところです。
昨日4日には、我が自民党の岸田文雄総裁が衆参両本会議の首相指名選挙で第100代総裁に選出されました。新政権は
新型コロナウイルス感染症対策を最優先課題と位置づけ、
新型コロナウイルス感染症によって大きな影響を受けている人たちを支援するため、経済対策を策定する方針を明らかにし、また、富の再分配に力を入れ、国民全体の所得を引き上げる令和版所得倍増を目指していくとしています。
同じく昨日は、インドネシアのバリ島で日本などからの観光客受入れの再開を決め、また同日には、WTO(世界貿易機関)が
新型コロナウイルス感染症の世界的大流行前の水準を上回る規模まで貿易量が回復してきたことを受け、予想GDPを上方修正しました。先行きが見通しづらい昨今、今まで以上にないほどの速さで情勢が変化していく中、行政手腕が大きく求められています。私たち自民党は武井区長とともにコロナ禍を乗り越えて、これからの港区をさらに発展させ、よいまちとするよう、区民、商店街、企業が一体となり、きめ細やかな施策を進めてまいりたいとの思いを込め、最初の質問に入ります。
最初は、コロナ禍における財政運営についてです。
港区では、
新型コロナウイルス感染症感染拡大期から対策に取り組み、区独自の対策を含む345億円の補正予算計上など、様々な対策を行ってきました。新年度予算がスタートしたばかりの時期であり、自治体にとっては速やかに対応することが難しい時期だったのではないかと想像しますが、
新型コロナウイルス感染症に対していち早く取り組んでいただいたことを高く評価しております。コロナ禍は、当初想像できなかったほど長期にわたり、私たちはかつてない状況を経験しましたが、9月30日にはついに緊急事態宣言が解除され、飲食店の規制も大きく緩和され始めました。少しずつですが、誰もが心待ちにしていた、まちが息を吹き返し日常を取り戻すチャンスになるはずです。
コロナ禍のような緊急事態においては、状況が急激に変化します。この緊急事態宣言の解除後における東京都における
リバウンド防止措置は、9月28日に公表され、3日後の10月1日から適用となるスピードです。順調に進むワクチン接種についても、3回接種への動きが急速に進んでいます。区においてもしっかりと、こうした動きに対応した施策を展開できるような財政運営のかじ取りをお願いしたいと思います。今回の緊急事態宣言解除による経済活動の再開や、ワクチン接種などの急速な変化を踏まえ、コロナ禍における財政運営について伺います。
次は、情報セキュリティについてです。
導入した外部製品を使った区民向けのサービスが港区には幾つもあります。昨年度、とある外部製品を使用した予約システムで個人情報が流出するインシデントがありました。覚えのないキャンセルメールが届いたら、別のものだったという件です。個人情報に大きい小さいもありませんし、原因は製品のバグによるものという結論でした。スマホでサービスが利用できるアプリ製品は非常に便利でありますが、それが特に外部からの納入によるものだと、港区はシステムの管理権限がありません。いざ有事の際、不具合の調整も原因の究明も、港区は手を出せず、外部企業次第となります。今回港区は、ただ外部企業からの修正完了の連絡を待つのみでありました。
人がつくるものですし、人が使うものですから、何らかのミスは起こり得るものです。今後はさらにアプリ型のサービスが増えると思われますが、心配な点は、港区が介入しにくいということです。導入する場合は、港区が責任を持って評価する必要がありますが、安心して区民が利用できるアプリ製品導入の際のセキュリティの考え方を伺います。
次は、東京2020オリンピック・
パラリンピック競技大会終了後の取組についてです。
決算特別委員会における各款の審議を通じて、東京2020大会の開催に当たり、これまでに区が取り組んできたこと、その結果、区民にもたらされた効果や成果、今後のさらなる区政の展開に期待が持たれていることなどが、改めて見えてきました。お台場海浜公園ではトライアスロンと
マラソンスイミングが行われ、その様子がテレビなどを通じて世界中に配信されるなど、区の魅力発信に大きく寄与するとともに、水辺環境のさらなる向上に向けた気運の高まりにも貢献しました。
東京2020
パラリンピック競技大会に出場された区民の高田千明選手と岡崎愛子選手及び小野智華子選手には、勇気と感動をいただきました。こうしたアスリートたちによる活躍は、区内での障害者スポーツのさらなる普及や、区民のスポーツ振興を図る好機となったと考えます。平成28年度以降、港区教育委員会が取り組んできたオリンピック・
パラリンピック教育については、
新型コロナウイルス感染症の影響により、残念ながら実現することができないことも数々ありましたが、長きにわたる教育の機会を通じて、子どもたちの今後の成長に効果的な影響を与えたものと考えております。
これまでに区が取り組んできたこと、その結果、区民にもたらされた効果や成果を、区民に分かりやすく周知するとともに、東京2020大会終了後も全庁を挙げて、必要な施策や取組を推進していただきたいと思いますが、区長のお考えを伺います。また、パラスポーツの気運が高まっている今こそ、障害者スポーツのさらなる普及、啓発支援など、幅広い取組を実施してほしいと考えますが、東京2020大会を踏まえた今後の障害者スポーツの充実策について、教育長の考えを伺います。
次は、
新型コロナウイルス感染症対策についてです。
昨年度はコロナ禍真っ最中であったことから、歳入では国庫支出金による突出した金額が目立ち、臨時給付金をはじめとした区が実施する支援策も多くありました。港区が独自で行った事業では、区内感染拡大防止と事業存続・維持への支援を特に大きく割いて、町会等関係団体への活動応援金を支給したり、区内事業への支援など、生活者と商店街振興策にも力を入れていただいたことは感謝いたします。
緊急事態宣言が解除され、少しずつではありますが、元どおりの生活へ一歩一歩、進みを止めないように前を向けていることは、とても喜ばしく思っています。これもワクチン接種が進んだことが大きく、今後も感染者のリバウンドに気をつけていくことが前提ではありますが、落ち込んだ経済の回復、そして暮らしの支援の矢継ぎ早の展開をお願いしたいと思います。
新型コロナウイルス感染症対策は、今後どのような時点でこれまでの施策などを見直し、区民の暮らしと健康を守る取組を進めていくのか伺います。
港区は、9月中旬までに希望の方にワクチンをお届けすることを目指して接種を進めてきました。国では10月から11月にかけて、希望する方に接種を終了するということで動いています。これは、その時期までに2回目の接種を終了させるということであって、今後は大幅に接種事業を縮小していくということを意味します。
区民接種率を85%にすると、あと3万人の区民の接種勧奨をしていくことを目指すと聞いています。これまで接種を回避していく中、理由があって接種ができなかった方に対し、情報提供と接種機会の提供に工夫が必要です。現在港区では、スポーツセンター及び東京ドーム、そして週末
ミッドナイト接種を区民向けとするほか、区内医療機関でも予約状況によりますが、実施しています。集団接種枠では区民枠に余裕があって、埋まり切っていないようです。他自治体では、ワクチンを融通する動きや、区内在勤・在住に開放してきた中、港区は現在の接種状況をどのように修正し、85%に近づけていくのか、伺います。
ワクチン接種も最終段階です。
ミッドナイト接種の曜日を増やす、集団接種の時間を延長する、在勤に開放する、または接種を希望する方に制限なく、繁華街等で24時間接種を受け付けるなど、ありとあらゆる手を最後に講じ、1人でも多くの方へ接種機会を増やすべきと思いますが、区長のお考えを伺います。
次は、指定管理者制度の運用改善についてです。
指定管理者制度が導入されて15年が経過し、今や211施設と、区民を取り巻くほとんどの施設が指定管理者によって運営されていると言える状況です。指定管理者制度により、夜間・休日施設の開館や、民間事業のノウハウを生かした事業展開など、区民の利便性が高まったことは、大変よかったことと思います。今定例会の一般質問で我が会派が指摘した公募期間の統一については、来年度から統一化していくと区長から答弁をいただきました。そろえるべきところはそろえ、今後区議会で円滑に審議していくことは、一つのステップとして重要なことだと捉えています。
さらに言えば、子育て施設から公園まで多岐にわたる施設があり、施設ごとに利用者の要望や、応募事業者の規模、行事などに違いが多くあり、統一することで、かえって硬直化してしまうことも注意しなければなりません。指定管理者制度全体として考えることと、ある程度施設ごと異なるものとして考えることを分けて、柔軟に運用していくことも必要な時期に来ていると考えます。
また、施設の運用はもちろん、応募事業者が1者だけの施設が多い状況の中、複数の事業者の比較を前提にしたこれまでの事業者選考の在り方も、柔軟に検討する余地があるのではないでしょうか。区長は、事業者の意見や第三者による外部の視点も取り入れ、より多くの事業者が応募できるよう、指定管理者制度の運用改善に取り組んでいくとの御答弁をいただいておりますが、今後、共通化すべきところは共通化しながら、施設ごとの事情や事業者の応募状況など、どのように個別の運用を認めながら柔軟に対応するのか、また、第三者評価による個々の施設の改善事項をどのように全体に反映させていくのか、組織として様々な改革が必要と思われますが、運用改善を検討していくに当たってのお考えを伺います。
次は、待機児童ゼロ達成後の取組についてです。
区は、平成31年4月に待機児童ゼロを達成して以降、3年連続して4月の待機児童ゼロを継続しています。一方で、最近は私立認可保育園等を中心に、定員に対する空きが多くなってきており、時代の変わり目を感じ始めています。特に
小規模保育事業者には、定員に対する空きが顕著です。
区は本年度から、
小規模保育事業者の定員に対する空きを活用して一時保育を実施するなど、空きを有効に活用し区民サービス向上に生かしていることは、高く評価しております。区の人口推計では、
新型コロナウイルス感染症対策拡大の影響もあり、就学前人口は一旦減少するものの、その後に再び増加に転じていると推計しておりますが、就学前人口の減少と、出生数も減っていることを見ると、今後保育園の定員に対する空きが続き、閉園となるケースも出てくると予想されます。需要と供給の関係から、保育に対する需要が減れば、保育園の閉園はある意味、当然のことではありますが、保護者や子どもに寄り添いながら進める必要があると考えます。区長は今後どのように対応していくお考えなのか伺います。
次は、
子ども家庭総合支援センターにおける地域協働についてです。
この4月、区民の大きな期待を背負って、
子ども家庭総合支援センターが開設されました。今定例会における二島議員の代表質疑で、児童相談所開設後の動向についてお伺いしましたが、本年4月から6月までの相談受付件数は345件、児童虐待、非行、傷害、親子関係などの様々な相談に対応できていると認識しております。児童相談所と
子ども家庭支援センターとの連携も想像以上の成果を出し、子どもたちの様々な課題に対応できていると認識しています。今後、各機関との連携や専門的支援のさらなる強化も期待するところです。
現在、区民・企業から多くの激励や御寄附、支援の申出があると聞いています。子どもたちはまちの希望であり、その希望に寄り添いたいとの多くの区民や企業の思いは厳粛なものであり、十分に活用すべきです。地域協働こそ、この施設をさらに根づかせ、子どもたちを見守る
子ども家庭総合支援センターの礎となると考えます。
これから開始されるみなと
ハートフレンド事業は、児童相談所と区民との協働を体現する仕組みと言えますが、地道に取り組んでいただき、ぜひとも軌道に乗せていただきたいと思います。
子ども家庭総合支援センターにおける地域協働をさらに進めるべきだと思いますが、区長はどのようにお考えでしょうか。
次は、様々な子どもの困り事への対応についてです。
様々な事情に対応する一つの手法として、区は区立小学校・区立中学校のトイレ、そして区内10か所の子ども関連施設で生理用品を配布することで、課題改善の切り札として、利用者の声を拾い始めました。子ども関連施設、例えば
子ども中高生プラザや児童館などのトイレで生理用品を設置すれば、生理用品が欲しいとなかなか言い出せない子どもたちに手を差し伸べることにつながると思います。私はこの取組を評価し、未設置の子ども関連施設等のトイレにも、ぜひ設置をお願いしたいと思いますが、区長のお考えを伺います。
同時に、困っているものを区が提供し、子どもたちが受け取れるだけでなく、困っている子どもたち自身がどのようなことに困っていて、それをSOSとして投げかけられるかというテクニックをきちんと身につけられるように、子どもたちがふだんから利用している
子ども中高生プラザや児童館でも、サポートをしてあげたいと思います。人生においてトラブルは付き物です。その困難をどのように解決できるか考え、それに挑む力をつけてあげてほしいと思います。区長のお考えを伺います。
子育て世帯への食事提供事業について伺います。
決算特別委員会の民生費の各款審議の中で、鈴木たかや議員が、現在区で実施しているエンジョイ・セレクト事業を高く評価するとともに、昨年実施した弁当配布事業でのエンジョイ・ディナー事業の再検討を促す発言がありました。現在のエンジョイ・セレクト事業をエンジョイ・ディナー事業と比較しても、対象者が大幅に拡大されている印象もあります。孤食の解消や子どもの虐待防止という観点から見ても、直接お弁当を配布するという事業は、直接区民に接することで情報収集ができる点でも有効だと考えます。
コロナ禍で収入が減少している、真に困窮している世帯にターゲットを絞り込んで弁当を配布する事業を、民間事業者と連携して実施することについて、区長のお考えを伺います。
次は、後期高齢者の支援についてです。
年を取ることに尊厳と、生活する喜びに満ちていなければ、真の長寿社会とは言えません。日本には2025年問題という問題があります。2025年には、後期高齢者人口が2,200万人に膨れ上がり、国民の4人に1人が75歳以上となり、社会保障をはじめ、医療、介護など、多方面に深刻な影響を与え始めます。若年層の負担増も計り知れません。この課題を乗り越えるためには、地域包括ケアの確立をはじめ、地域の役割が重要であり、地方自治体は大きな責任を負っています。
港区の後期高齢者は約2万2,000人を超え、既に前期高齢者を上回っています。令和8年には前期高齢者が2万人に比して、後期高齢者は2万7,000人を超えるという推計があります。後期高齢者が地域の中で生き生き暮らしていけることは、前期高齢者はもちろん、多くの区民の希望にもなります。港区も後期高齢者の増加を見据え、高齢者の健康維持への支援や相談体制の充実を図る必要があります。
また、認知症にならないよう、介護予防を実施していくことは大切なことですが、今後、認知症となる区民の増加は必至のことと思われます。認知症への理解も大きく促すべきです。区長は、今後さらに増えていく後期高齢者の支援をどのように進めていくのでしょうか。
次は、男性の不妊治療についてです。
不妊治療の公的医療保険の適用範囲が拡大される動きとなっているように、妊娠までに至る過程は、男女ともに非常にデリケートなことであり、様々な事情がある中、女性とはまた違う男性の繊細さに配慮する不妊治療の取組も、男性の不妊治療受診率の向上を図るためにも必要なのではないかと考えます。
事例を御紹介いたします。夫婦として子どもが欲しいこととなり、なかなか子宝に恵まれない中、現実として男の自分に原因があるのかどうか確かめることは、夫婦の中で話し合われたことであったとしても、男としてクリニックへ行くことには強い抵抗感があるのが現実です。そして、夫として、大切な夫婦のこととして受け入れてクリニックへ行った際に、その状況がどのような状況であるかで話が変わってきます。
夫婦で話し合い、有名な不妊治療を行っているクリニックへ検査を受けに行きました。人気のクリニックだったので、待合室は女性でいっぱいでした。予約は奥様がしてくれていたので、受付に名前を伝えて待っていると、程なく名前を呼ばれました。受付で名のると、小さめの手提げ袋を渡され、この中の容器に検体を入れるように言われました。「あちらで終わりましたら、こちらまでお持ちください」ということ、その「あちら」とは、女性でごった返している待合室に面したドアのことです。
ドアを開けると少々暗くした部屋で、ここで検体を採れということ。部屋の状況については、ここでは控えますが、検体を容器に採ってドアを開ければ、女性でいっぱいの待合室の状況です。そこを抜けて受付まで行き、検体を女性の係の方に渡さなければいけない。この一連の流れは、男性の目線に立っているものかといえば、そうでなく、男性としては相当につらい話になってしまいます。このことを理解して、男性が検査を受けやすい環境にしてほしい、そのような声があります。
例えば、女性の診察時間とは別にするなど、男性が不妊治療を受けやすい環境にするために、区民への意識啓発と併せて、医師会や、男性の不妊治療を行っているクリニックへ理解を求めていくことを考えたほうがよいと思いますが、区長のお考えを伺います。
次は、AEDの設置拡大についてです。
区のホームページを見ると、2021年3月現在で区が設置をしているAEDの設置数は、区役所、福祉施設、区立小・中学校の区施設227か所とあります。港区AEDマップには、病院を中心とした民間の設置場所が落とし込んであり、いざというときにホームページを見れば、どこにあるかが確認できるようになっています。
地域のことをよく知り、地域の人や子どもたちとの触れ合いや交流を積極的に行ってくれている町会や自治会の方々が、AED設置に働きかけていただいているケースがありますが、AED設置には、当初の費用を含め、維持管理費などに費用負担の課題があります。まちのことを誰よりも知っている町場の人たちが、必要な場所に設置をしてくれることは、地域の事情に即した配備が可能になるということから、こうした町会・自治会などが自主的に進めているAED設置の可能性を広げるためにも、サポートをする仕組みを検討するべきと考えますが、区長のお考えを伺います。
次は、羽田新飛行ルートに関する御意見募集についてです。
これまでの港区議会として、羽田新飛行ルートへの対応につきましては、平成16年3月に意見書を国に対して行ったことから始まり、その後、平成27年、28年、29年、令和元年、2年、3年と提出しております。現在の状況としましては、武井区長とも足並みをそろえて、固定化回避等を検討することを区とともに求めており、その成果として、昨年夏に国土交通省は固定化回避のための検討会を立ち上げ、先日には2つの着陸案が示され、その議論を見守っています。
私たち港区自民党議員団、公明党議員団は、地域の御意見を真摯に受け止め、山田美樹代議士を通じて国土交通省へ要請行動を行ってまいりました。固定化回避を実現させるためには、これまでよりも強く地域の声をお聞きして、国土交通省に伝えなければいけないと考えております。また、この活動は高輪地域から始まり、白金、白金台、そして麻布連合町会を通して麻布地区へも広がろうとしており、私たちと町会が連合となって動き始めています。今回はその活動の一つとして、町会・自治会の皆さんから御意見をいただいており、第2回定例会での請願で採択された航路下の皆さんの声としても、区は受け止めていただきたく思っております。
我々自民党議員団、公明党議員団として、町会・自治会の皆さんへの意見調査を行ったわけですが、町会・自治会に属さない区民や事業者の方々への意識調査として、メールやファクスによる意見募集を行っていただけたらと考えますが、区長のお考えを伺います。
次は、市街地再開発事業についてです。
新型コロナウイルス感染症の流行により、テレワークが急速に普及・定着したことで、職住とも都心離れが進むのではないかと言われています。現時点において、マンション・オフィスとも進行中・計画中のプロジェクトに大きな変更が発生しているとは聞きませんので、今後も予想どおりの供給がなされるものと思います。
新型コロナウイルス感染症が収束した後、都心のオフィス需要は回復するとの意見がある一方、景気回復後もテレワークの定着により、オフィス需要は、コロナ禍以前に見込まれていた水準には回復しないのではないかという意見もあります。また、マンションについては、ライフスタイルの意識変化や経済動向によって需要は大きく変動する可能性があります。
区の人口も減少の傾向が続いています。区内でも数多くの市街地再開発事業が進行中・計画中ですが、今後の経済状況の動向によっては、影響が出ないとも限りません。事業性に変更が生じ、当初予想されていた
権利変換率が大きく低下することになれば、組合員である区民の生活にも直接影響することですので、
新型コロナウイルス感染症後の市場の動向を注視する必要があると考えます。区民への支障が出ることのないよう、住民の生活再建を前提とした市街地再開発事業への指導について、区長のお考えを伺います。
都市開発制度の活用を前提とした事業が実施されることによって、空地の確保、道路の拡幅や緑地の整備等の基盤整備がされ、地域全体の安全や防災性が向上するなどを通じて、地域課題の解決が図られることになります。これらの事業を実施するためには、地権者である住民の中で気運が醸成され、そこに事業者や行政が加わり、三者が連携して多岐にわたる要素を洗い出し、計画の熟度を高めていくプロセスが必須となります。先行きに不透明感が増す中で、これまで以上に全ての関係者の緊密な意思疎通が取られるよう、区は市街地再開発組合等、関係者とより丁寧な協議を進めることが求められると思いますが、区長の見解を伺います。
次は、親子の安全な自転車走行空間についてです。
港区では、区内の保育園の散歩等の園外活動と安全確保に向けて、区内23か所にキッズ・ゾーンが設置され、道路利用者に対し、園児が通ることの認識を路面標示により周知しているところです。都心区港区には人だけでなく、多くの車も区外からやってきて、周囲の環境認知がない中で、子ども等施設があったとしても、猛スピードで通過していく車が絶えません。また、今は信号機のない横断歩道によって、歩行者最優先ルールを尊重し一時停止する車もあれば、歩行者が横断中であってもクラクションを鳴らして、減速もせず通過していく車もあり、私でさえ、車によってのマナーの極端な違いに戸惑うときもしばしばあります。
運転免許証が要らない軽車両という位置づけの自転車は、さらに課題が多く、自転車同士の事故も絶えません。子どもの施設周辺において、飛び出しが多くなる子どもの歩行者、そして送迎のためのたくさんの自転車と、車両通行がある動線の安全を図る工夫をしていただけたらと思いますが、親子の安全な自転車走行空間の整備について、区長のお考えを伺います。
次は、札の辻スクエアの民間連携床の活用についてです。
産業振興センターと三田図書館が入る札の辻スクエアの開場が来年4月に迫る中、スクエアの2階・3階の民間連携床は入居者がまだ決まっていません。区は早期の公募再開に向けて取り組んでいるということですが、今後、運営事業者が決定し、実際の内装工事に入るまでの期間、民間連携床の有効活用を図るべきと考えますが、区長のお考えを伺います。
次は、あきる野のみなと区民の森についてです。
低炭素化の社会実現に向けて、様々な取組が議論されている中、武井区政として進めてきた数々の取組の中で、その原点はあきる野のみなと区民の森の整備であると考えます。私が初当選をしました平成19年、まだ整備が始まったばかりのみなと区民の森を視察してきたことが思い出されます。この頃、ほかの自治体の森林を整備することは画期的でありました。1年前の熱海の自然災害は、誰もが記憶している風景をあっという間に変えてしまった恐ろしいものでありました。森林については、改めて整備をしっかりと見直して、傾斜地近くの住宅に対する危険度も、都内の急傾斜地同様に急速な見直しが必要と考えます。
そういった時代に、あきる野地区の森林を整備して、間伐により森が息を吹き返し、その間伐材の活用や、みなとモデル二酸化炭素固定認証制度は、都内でも最大の二酸化炭素排出量問題を抱える我が区として、区内事業者へも大きなインパクトを与えたことと思います。これまでの港区の取組は当然のこと、評価されていると考えますし、未来を担う区内の子どもたちにも区の歩みをしっかりと伝え、その上で、未来の港区の絵を描いていってもらわなければなりません。
今、コロナ禍で、いろいろなところでその影響を受けているわけでありますが、ICTの環境は格段に進み、区内の子どもたちへタブレット端末が配られて、実際にその場にいなくても行うことができるようになり、学習の幅は格段に広がったと思います。だからこそ、1人1台配付されたタブレット端末を活用した、映像を用いた授業や、これまでの港区の環境への取組をユーチューブにまとめて配信するなど、様々な取組を行うことができるものと考えます。
この武井区政の環境への一丁目一番地であるあきる野のみなと区民の森を、区民そして未来ある子どもたちへどのように伝え、区民と一体になって港区のあるべき将来を考えていく必要があると思います。そこで、区民に周知啓発するために、どのような取組をしていく予定か、区長の見解を伺います。また、学校においてICTを活用しながら、どのように生徒・児童にあきる野のみなと区民の森について指導していくのか、教育長の見解を伺います。
次は、スポーツを楽しむ環境整備についてです。
現在区内には、野球やフットサル、サッカーができる運動場が数か所あります。最近では、麻布運動場の天然芝野球場の養生期間のための休止を見直して開放することとし、また隣接するテニスコートでは、頻発していたボールの飛び出しに対応してフェンスを高く、その他、運動施設の利用時間が拡大されます。多くの区民がより利用しやすくなることは、非常に喜ばしいことで、高く評価しております。
アクアフィールド芝公園の可動式プール上に設置するための人工芝は、構造上の課題がありますが、耐久年数が経過したこともあり、現在の人工芝はしわだらけで危険です。国際サッカー連盟は、安全面での配慮等の規格を定めるようにしており、こうした規格をしっかり踏まえていただき、施設整備を実施していただきたいと切にお願いいたします。
今後、限られた区内運動場施設と、誰もがスポーツを楽しめる環境整備について、教育長はどのように進めていくか、お伺いします。
次に、区内凶悪事件の早期解決についてです。
ふだんから安全なまちに、この夏の夜に突然起こった凶悪事件は、区民の多くを不安な気持ちにしたことは間違いないでしょう。ふだんから利用している南北線白金高輪駅で起きた硫酸事件は、当初は無差別である可能性もあり、テロ行為に対しては大きな憤りもありますが、次の犯行に対する恐怖心は半端ないものでありました。
しかしながら、警視庁の捜査はすばらしく、いち早く犯人を特定して指名手配をしたことが、どれだけ地域の方々に安心を与えられたかは、感謝の気持ちでいっぱいであります。防犯カメラによって犯行前の被害者の行動をつかみ、そこからつけていた犯人を特定して、遠く沖縄で犯人が逮捕されたことは、警視庁の捜査のレベルの高さと、その努力には敬意を表する次第であります。
ここで申し上げたいのは、今回の捜査で大活躍をした防犯カメラでありますが、区内各所で設置されているものは、警視庁のアドバイスを受けながら配備され、犯罪抑制力として、とても大きな力を発揮してきたものと思われます。区内の治安を向上し、区民の不安感を払拭するために、区民の安全・安心を考える上で、警視庁とどのように連携を図っていかれるのか、区長のお考えを伺います。
最後に、衆議院選挙区割りと投票区について伺います。
衆議院の選挙区の区割りが前回4年前に改定されましたが、その結果、港区は総合支所の区域はもとより、町会といった地域コミュニティが分断されることになりました。町会が2つの選挙区にまたがることになり、地域の方は大変困惑しております。昨年国勢調査が行われ、6月に発表された速報値に基づき、来年には新たな区割りに改定されます。前回は東京都の選挙区の数は変更されていませんが、次回の改定ではアダムズ方式が適用されますので、東京都の選挙区は5増、すなわち選挙区は東京都全体で5つ増えることになります。今回は大幅に選挙区が変更されることになるわけです。
前回の例によれば、区割り改定前年の平成28年10月に、国の衆議院議員選挙区画定審議会会長から、東京都知事を経由して区長に対し、衆議院小選挙区の改定に対しての意見照会があり、11月に区長から東京都知事に対して回答されたそうです。総務費の各款審議の答弁では、今回はまだ意見照会がないようですが、今後、前回のような意見照会があれば、当然、コミュニティを分断することのない区割りとして、分断する際には区の意見を確認するよう、区長にはしっかりと意見を申し立てていただきたいと思います。
ただ、選挙区の区割り自体は国で決めることですが、投票区を定めるのは区選挙管理委員会です。国会の議論の中では、市町村の分割に当たっては、原則として投票区を手がかりとし、案を作成したという答弁がありました。区としては、区が定めた投票区に基づいて区割りしているということになります。投票区割りの設定に当たっては、1投票区当たりの有権者数、地勢、交通事情、投票所とすべき公共の施設の有無、ほかの投票区との均衡など、様々な状況を考慮しなければいけないと思います。
しかし、以前とは違い、投票区は選挙区の境界線となり得ることになりました。総務費の各款審議の答弁では、町会・自治会など地元の意見などを考慮して、投票区割りを決めているということでしたら、地域のつながりも考慮に入れて、見直せるところは見直せないかと思います。住民にとって、どの選挙区へ投票することになるかは、主権を行使する上で重大なことです。投票区割りは衆議院選挙区画定の基となる重要な事項であると考えます。
そこで質問は、まず、国から自治体宛ての意見照会があった場合の区の考え方について、区長にお伺いします。
次に、選挙区の改定を見据えての港区の投票区割りの見直しについての考え方と、国に意見をどのように回答するつもりなのかを、
選挙管理委員会委員長にお伺いします。
以上です。
○区長(武井雅昭君) ただいまの自民党議員団を代表してのゆうきくみこ委員の総括質問に順次お答えいたします。
最初に、コロナ禍における財政運営についてのお尋ねです。
区は、緊急事態措置の終了を見据え、地域経済の回復と区民生活の支援のため、今回の補正予算で過去最大となる総額15億円の区内共通商品券発行支援や商店の感染症対策への助成を行うとともに、ワクチン3回目接種など、目まぐるしい社会変化へ迅速に対応するため、予備費を10億円増額いたしました。
こうした積極的な取組を支える財源として、標準財政規模の5割以上を確保してきた財政調整基金を活用して、基幹的な区民サービスの質を維持し、
新型コロナウイルス感染症対策などの突発的、緊急的な行政需要に対しては、使途を拡大した震災復興及び新型インフルエンザ等感染拡大防止基金を活用するなど、それぞれの設置目的に沿って、基金を最大限活用してまいります。
次に、アプリ製品導入の際のセキュリティ対策についてのお尋ねです。
アプリ製品の導入に当たっては、区のシステムを構築する場合と同様に、パスワードやウイルス対策をはじめ、港区情報安全対策基準に定めるセキュリティ対策を講じております。アプリ製品をカスタマイズして使用する場合は、いわゆるシステムのバグを最小限に抑えるため、利用開始前にシステム事業者や職員による画面の展開、データの送信チェックなどのテストを強化するとともに、管理者権限の範囲を設定するなど、アプリ製品を利用したシステムを適切に運用していくため、セキュリティ対策を徹底してまいります。
次に、東京2020オリンピック・
パラリンピック競技大会終了後の取組についてのお尋ねです。
区は、企業連携により新橋SL広場に設置したデジタルサイネージの運用や、地域団体向けの支援事業、パラリンピアンを招いたイベントをはじめ、大会の開催に向け取り組んできた様々な事業の実績を年度末までに記録集として取りまとめ、広く周知するなど、その成果を区民に分かりやすく説明してまいります。東京2020大会によって得られた知見やその成果は、区の貴重なレガシーです。
こうしたレガシーを区は今後も引き続き、区政のあらゆる分野で効果的に活用し、将来を見据えたまちづくりを推進するとともに、区の魅力を積極的に発信してまいります。
次に、
新型コロナウイルス感染症対策についてのお尋ねです。
まず、施策の見直しと今後の展開についてです。
緊急事態措置の終了に伴い、飲食店の営業時間の緩和や旅行の自粛解除など、区民や事業者などを取り巻く環境が変化し始めております。区は、こうした状況に迅速かつ的確に対応するため、区民生活の支援や区内経済の活性化、地域活動の促進など、区民や事業者等へのさらなる支援に向け準備を進めております。
今後も、感染防止対策を徹底しつつ、さらなる事業創出や事業の効果的な見直しを進め、区民に寄り添ったきめ細かな施策を速やかに展開してまいります。
次に、新型コロナウイルスワクチン接種率の向上の取組についてのお尋ねです。
区はこれまで職域接種として、教職員や福祉施設職員、区商店街連合会に加入する事業所従業員など、区民以外の方も含めた接種を積極的に行ってまいりました。また、区内約130の医療機関においても、区民以外の方を含めた接種を進めております。引き続き、この取組を進めるとともに、さらに区民が接種しやすい機会の創出に努めてまいります。
また、接種後の副反応の不安等から接種をためらっている方に対して開設した、区の相談窓口の充実を図るとともに、ワクチンの安全性等について、SNSなども駆使し、さらに積極的に発信するなど、全区民の85%の接種に向けて、工夫してまいります。
次に、接種機会を増やすことについてのお尋ねです。
ワクチンの供給については、各自治体の接種対象人口に基づき配分されております。港区は、民間企業等が実施した職域接種での区民接種分も含め、一定量のワクチンが供給されている自治体として予定供給量が減らされております。今後の追加供給も見通せない状況ではありますが、引き続きワクチン確保に努めるとともに、既に区に供給されたワクチンを活用して接種を継続し、全区民の85%の接種を目指してまいります。また、
ミッドナイト接種の空き枠や集団接種会場の実施日以外の活用を工夫するなど、より柔軟な接種を検討することで、1人でも多くの方に接種できるよう検討してまいります。
次に、指定管理者制度の運用改善についてのお尋ねです。
区は現在、公の施設全体における管理運営の質の向上と安定的な運用に向けて、より多くの事業者が公募に参加できるよう、応募書類の簡素化を図るほか、個々の施設の第三者評価の結果を他の施設間で共有し、サービス改善につなげるなど、多角的な視点で運用改善を検討しております。
今後も、指定管理者とより緊密に連携し、施設の設置目的を踏まえた区民サービスの向上に取り組んでまいります。
次に、待機児童ゼロ達成後の取組についてのお尋ねです。
区は、近年の保育定員に対する空きの増加等を踏まえ、本年9月、港区の待機児童ゼロ達成後の新たな課題への対応方針を策定いたしました。この対応方針に基づき、保育定員に対する空きを可能な限り縮減するため、具体的な対策を講じてまいります。認可保育園を補完する役割である港区保育室は、原則として終了に向けて着手しますが、終了に当たっては、在園児保護者の意向を第一に、運営事業者と協議しながら慎重に進めてまいります。
今後は、コロナ禍を経た保育需要の中長期的な減少も見据え、適切に保育定員を管理してまいります。
次に、
子ども家庭総合支援センターにおける地域協働についてのお尋ねです。
本施設には、多くの支援が寄せられております。企業、団体、個人から、家具や遊具、保育用品、図書等の寄附のほか、職業や技能を生かした提案を基に、親子向けアートイベント企画や子ども対象のプログラムなどを協働で実施しております。今月からスタートするみなと
ハートフレンド事業では、児童相談所が養成し、認定した区民ボランティアが、子どもと家庭の支援に取り組みます。
今後も、子どもと家庭を守り支える幅広い分野の人たちの力をつなぎ、地域との協働を生み出し、子どもと家庭を支援する拠点施設として発展させてまいります。
次に、様々な子どもの困り事への対応についてのお尋ねです。
まず、子ども関連施設のトイレに生理用品を設置することについてのお尋ねです。
区は、経済的に困窮し、生理用品の調達が困難な女性を対象に、本年3月末から、区有施設10か所の窓口で生理用品を配付し、7月からはエンジョイ・セレクト事業で生理用品を取り扱い、必要とする方に届けております。
今後は、家庭の経済状況など様々な理由から、生理用品の調達が困難な子どもを支援することを目的とし、子どもが長時間にわたって過ごす児童館や
子ども中高生プラザなどのトイレに生理用品を設置してまいります。
次に、子どもの困り事へのサポートについてのお尋ねです。
区内の児童館や
子ども中高生プラザ等では、遊びなどを通じて育まれる職員との信頼関係の中で、子どもからの相談も多く、家庭や学校など地域のネットワークにより子どもを見守り、心身の育ちを支援しております。子ども自身が悩みや困難を乗り越えるためには、地域の中に安心できる人、安心できる居場所が必要と考えております。
今後も、子どもたちのSOSサインを見逃さず、子どもに寄り添いながら、子どもが安心して困難な課題を解決できるよう、職員の専門性を高め、強力にサポートできる環境を提供してまいります。
次に、民間事業者と連携した食事提供の実施についてのお尋ねです。
区は企業等に対し、子ども食堂事業者の活動や利用者の声を届け、食材等の提供を働きかけるなど、企業等と子ども食堂事業者の橋渡しをし、子育て世帯への弁当配布などを行っている民間の子ども食堂事業者を支援しております。直接区民に食事を提供する事業は、コロナ禍で収入が減少し、困窮する子育て世帯への支援として、孤食の解消や子どもの虐待防止などの観点からも有効であると考えております。
今後は、区内の子ども食堂事業者と意見交換を行い、食事提供について検討してまいります。
次に、後期高齢者の支援についてのお尋ねです。
75歳以上の高齢者が、地域で孤立することなく、健康で生き生きと生活し続けていくためには、多様化する生活様式に対応した介護予防活動の支援や、増加が見込まれる認知症の方を地域で見守る体制整備が重要です。
区では今月から、認知症の方の支援や見守りを積極的に行う地域の店舗等を認定する、みなと認知症サポート店認定制度を開始するとともに、高齢者が自宅に居ながらオンラインで介護予防に参加できる取組を新たに実施いたします。また、来年度各地区総合支所に設置する福祉総合窓口では、高齢者相談センターと連携し、高齢者の複合的な課題にも対応できる支援体制を整備してまいります。
次に、男性の不妊治療についてのお尋ねです。
区は、平成28年度から男性の特定不妊治療助成を開始し、5年間で22件の助成を行っておりますが、助成実績は女性に比べ、極めて少ない状況です。男性の不妊治療が進まない理由は、検査を受ける心理的ハードルが高いこと、男性の不妊治療に対応できる医療機関が限られていることなどが挙げられます。
区は今後、港区医師会や区内の男性不妊治療の指定医療機関と、男性が不妊治療を受けやすい工夫や啓発方法などについて意見交換を行い、男性が安心して不妊治療を行うことができるよう、環境整備に積極的に取り組んでまいります。
次に、町会・自治会などが自主的に進めるAED設置への支援についてのお尋ねです。
AEDは心停止という緊急事態において、医療従事者ではなく、一般の人でも救急救命に当たることができる唯一の医療機器です。設置には経費がかかる上、適切に管理しなければ、生命や健康に重大な影響を与える可能性があります。
今後も、町会・自治会などが積極的にAEDを設置できるよう支援を検討するとともに、適切な管理方法などの知識を広めてまいります。
次に、羽田新飛行ルートに関する御意見募集についてのお尋ねです。
これまで区は、区議会とともに、国に対し、羽田新飛行ルート固定化回避に向けた要請を行い、区に寄せられた区民の不安の声をはじめ、様々な意見を国に伝えてまいりました。さらに、教室型説明会の開催を求め、国からの丁寧な説明に加え、区民が直接、国に意見を伝える機会を確保してまいりました。
国による固定化回避に向けた検討を一層加速させるため、今後も区民や事業者の皆さんからのより多くの声を国に伝えていくことは重要であり、議員の皆様にも積極的に区民の意見を聞いていただいております。御提案の意見募集は有効な手段であると考え、実施について検討してまいります。
次に、市街地再開発事業についてのお尋ねです。
まず、市街地再開発事業における生活再建についてです。
市街地再開発事業は、地域住民を含む多くの地権者の方々が長い年月をかけて話合いを重ね、合意形成を図り、事業化に至っております。そのため、コロナ禍で社会経済状況の変化を受けても、事業の進め方についても、地権者の方々が話合いの下で判断されるものと考えております。
区は、市街地再開発組合等に対して、社会経済状況が変化する中で、円滑な合意形成と地権者の生活再建がなされるよう、引き続き支援し、指導してまいります。
次に、市街地再開発組合等との協議についてのお尋ねです。
市街地再開発事業の施行に当たりましては、地権者、行政及び市街地再開発組合等が相互に連携し、地域の課題解決や、市街地環境の改善を目指し、事業に対する合意形成を図ることが重要と考えております。
区は、事業の初期段階から地権者の方々、行政の関係機関、市街地再開発組合等が緊密に意見交換することで、全ての関係者に地域のまちづくりに対する考え方が共有され、市街地再開発事業が着実に進むよう、市街地再開発組合等と協議してまいります。
次に、親子の安全な自転車走行空間の整備についてのお尋ねです。
現在、区は、港区自転車交通環境基本方針の策定作業を進めており、具体的な施策として、保育園等の周辺道路において、子どもを自転車に乗せて通園する保護者の安全な通行を支援するための子育て送迎ルートの整備を検討しております。
今後、親子をはじめとする区民が安全に安心して通行できるよう、自転車走行空間の整備を進めてまいります。
次に、札の辻スクエアの民間連携床の活用についてのお尋ねです。
まちのにぎわいを創出するために整備する民間連携床は、コロナ禍による社会経済状況の悪化に伴い、昨年4月から運営事業者の公募を延期しております。現在、民間連携床の早期開設を目指し、運営事業者の公募再開に向けた準備を進めております。
来年4月の札の辻スクエアのオープンから、民間連携床の内装工事までの期間につきましては、今後決定される民間事業者との調整を適切に行い、一時的な利用など有効活用についても、可能な限り検討してまいります。
次に、みなと区民の森を周知啓発するための取組についてのお尋ねです。
区が、あきる野市から借り受け、区民との協働により、間伐、植樹等の整備を実施してきたみなと区民の森での事業は、CO2の吸収をはじめ、雨水の貯留・浄化など森本来の機能が発揮できる効果を生み、区の大きな財産となりました。区は現在、みなと区民の森が森林として整備されていく様子や健全な森のサイクルなど、これまでの成果や森林機能の解説について、映像の作成を進めております。
今後も、みなと区民の森の動植物の状況や環境学習の様子などを分かりやすく映像等としてまとめ、区ホームページ等で発信することで、区民が自然の大切さを学ぶ場として広く周知啓発してまいります。
次に、犯罪抑止に向けた区の取組についてのお尋ねです。
区は、安全で安心できる港区を実現し、区内の治安向上を図るため、平成25年2月7日に区内6警察署と生活安全に関する覚書を締結し、情報交換や助言、必要な協力を進めております。これまでに、各署と課題共有のための会議体の開催や、防犯カメラ設置に関する助言を受けるなど、連携を強めてまいりました。現在、各地区総合支所長と各警察署長が生活安全に関する意見交換を行うなど、さらなる連携強化を進めております。
今後も、区民が不安を感じる事案に対し、様々な助言や情報提供を受けながら、防犯カメラの設置・運用など、相互に協力し、区民の安全・安心を確保してまいります。
最後に、衆議院の選挙区の区割りと投票区についてのお尋ねです。
現在、国からの意見照会はありませんが、意見照会があった場合は、前回の回答と同様に、地域コミュニティを分断することのない区割りとすることや、区割り案が策定された段階で、変更となる地域に対して丁寧に説明するとともにホームページ等で公表し、意見募集を行った上で画定するよう回答いたします。町会・自治会などの地域の意見を最大限考慮し、地域のつながりを大切にした区割りとなるよう国に求めてまいります。よろしく御理解のほどお願いいたします。
教育に関わる問題については教育長から、選挙管理委員会に関わる問題については
選挙管理委員会委員長から答弁いたします。
○教育長(浦田幹男君) ただいまの自民党議員団を代表してのゆうきくみこ委員の総括質問に順次お答えいたします。
最初に、東京2020オリンピック・
パラリンピック競技大会を踏まえた今後の障害者スポーツの充実策についてのお尋ねです。
教育委員会は、これまでも、障害者と健常者が一緒に競技をする車いすラグビー等の体験会を実施するとともに、本年3月には、車いすマラソンのパラリンピアンによる競技の魅力等を発信する動画配信を開始し、障害者スポーツの理解促進に努めております。
来月11月には視覚障害者を講師とした障害者スポーツ普及研修、12月には音の出る卓球ボールを打ち合うサウンドテーブルテニスの体験会を実施し、障害者スポーツの気運が高まっている機を捉え、障害のある人もない人も、共にスポーツに親しむような事業の充実に積極的に取り組んでまいります。
次に、みなと区民の森を活用した環境学習についてのお尋ねです。
教育委員会は、児童に配付したタブレット端末を活用し、みなと区民の森における区の森林保全活動を環境学習の教材として取り扱うよう、各小学校に指導してまいります。
具体的には、環境課が作成した映像をタブレット端末に配信し、小学校5年生社会科の森林を取り扱う単元において、教材としての積極的な活用を進めてまいります。また、その他の学年においては、総合的な学習の時間にSDGsを学ぶ場面などにおいて、区内では味わえない貴重な森林保全活動の実例として取り扱い、みなと区民の森における区の取組を身近に感じさせるとともに、自然環境の大切さを伝えてまいります。
最後に、スポーツを楽しむ環境整備についてのお尋ねです。
教育委員会は、限られた施設を最大限に活用するため、委員御指摘の麻布運動場等の利用時間を延長し、スポーツをする機会の拡大を図っております。また、地域の皆さんの身近なスポーツの場として、区立小・中学校の校庭や体育館、プールを開放しており、令和4年4月開校の区立芝浜小学校においても、学校施設を開放する予定です。
引き続き、既存施設の活用を進めるとともに、区内大学や企業などとの連携を行うことで、身近な場所で安全に多くの種目のスポーツ活動が楽しめるよう努めてまいります。よろしく御理解のほどお願いいたします。
○
選挙管理委員会委員長(島田幸雄君) ただいまの自民党議員団を代表してのゆうきくみこ委員の総括質問にお答えいたします。
投票区設定の考え方と衆議院の選挙区区割りに関する国への意見についてのお尋ねです。
投票区の設定は、全区的な視点に立ち、地域の要望や実情を優先しつつ、投票区内の有権者数、地勢、交通事情、投票所とすべき公共施設の有無などを総合的に考慮した考え方を基本としております。今回の国勢調査の結果を踏まえた、選挙区数の増加や選挙区の区割りの変更は、総務省から正式な話を伺っていないことから、今後の動きを注視し、意見を述べる機会があれば、地域コミュニティを重視するよう伝えてまいります。よろしく御理解のほどお願い申し上げます。
○委員(ゆうきくみこ君) 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
○委員長(池田たけし君) 自民党議員団の総括質問は終わりました。
……………………………………………………………………………………………
○委員長(池田たけし君) 次に、みなと政策会議を代表して、七戸委員。
○委員(七戸じゅん君) 令和2年決算特別委員会最終審議に当たりまして、みなと政策会議を代表して総括質問をさせていただきます。
足かけ2週間にわたりまして、この決算特別委員会では、一番の課題であります
新型コロナウイルス感染症対策をはじめとしまして、災害対策、環境問題、高齢者福祉、障害者福祉、子育て、まちづくり、教育など、区政における様々な分野で質疑が行われました。
新型コロナウイルス感染症の感染者数は、いわゆる第5波によりまして、8月中旬の1日当たり新規感染者数は2万5,000人を超えました。港区も集団接種によるワクチン接種を積極的に進めてきましたが、感染者数の増加に歯止めがかからず、緊急事態宣言の再延長など、都市機能の維持すらも危惧される事態となりました。ようやく9月に入り落ち着きを見せ、緊急事態宣言も先週解除されましたが、未知なるウイルスとの戦いはまだまだ続くと考えます。
経済情勢はといいますと、
新型コロナウイルス感染症の影響は世界全体に深く及び、IMFによる世界経済の見通しでは、今年4月には2021年の世界成長率を6%、2022年は4.4%と予想されましたが、7月に見通しが改定されまして、2021年は据置き、2022年は4.9%と上方修正されました。しかし、地域別に見ますと、先進国が引き上げられた一方、新興途上国は0.4%に下方修正され、結果、増減が変わらずといった状況となります。特に影響が大きいのは、アジアにおける見通しが引き下げられたことが原因と言われております。今年に入っての深刻な感染状況を受け、景況感の回復が遅れるという見通しから、さらに短期的な下振れリスクが支配的にされると言われております。
我が国においてはというと、内閣府が9月に発表した最新の月例経済報告では、景気は
新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい状況にありますが、持ち直しが続いていると、ここまでは回復基調ですが、その後、続いているものの、ここのところ、そのテンポが弱まっているとされておりまして、世界経済の見通し同様、感染拡大による下振れリスクの高まりに十分注意する必要があると言われております。輸出や設備投資をはじめ、トヨタやホンダのような輸出企業は全般的に持ち直しが見られるものの、個人消費は依然として弱い動きになっている。長引くと感染拡大が消費マインドを冷え込ませ、影響が長期化してしまうと見られております。
同じく内閣府から9月に発表された、本年4月から6月期のGDP成長率についても、物価変動を除く実質GDPにおいて、前の1月から3月比で0.5%増、年間換算で1.9%と、速報値からの上方修正となったものの、まだまだ本格的な景気回復は先になると言われております。
新型コロナウイルス感染症という未知の危機、未曽有の危機に対し、港区は早い段階から保健所の体制を強化して、様々な対策により、区の持てる力の全力をかけて取り組まれてきたわけですけれども、いまだに続くコロナ禍においても、このトンネルを抜けた先に明るい未来が開けていることを信じて、
新型コロナウイルス感染症との戦いがあった令和2年度における決算の総括の質問に入ります。
まず、ワクチンの今後の方向性について伺います。
政府の
新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身会長は先日、
新型コロナウイルス感染症との戦いが続くのは2か年から3か年プラスかかると見解を示しました。ワクチンや薬がインフルエンザのような感覚になれば不安感がなくなるが、それまでは一定の期間が必要との認識であることが分かりました。
我が国でも、国民へのワクチン接種に全力を挙げて取り組んでおり、港区でも、私の住む赤坂にある国際医療福祉大学東京赤坂キャンパスを含めた各会場で大規模な集団接種を行う一方、区内のクリニックでの個別接種を順次進めてまいりました。こうした区を挙げた取組の成果としまして、2回目の接種済みの区民が7割を超えるなど、いまだに30%台を下回る接種率に苦しむ自治体がある中、順調に接種が認められております。これまでの関係者の努力には改めて敬意を示すとともに、全国の自治体のリーダーとしての役割を港区が果たしているのではないかと思っております。
これに加え、区では施設職員をはじめとした職域接種、さらには、マスコミにも大きく取り上げられました週末
ミッドナイト接種という全国に先んじたユニークな方法を含め、あらゆる手段を講じて、目下最大の課題であります接種拡大を進めております。決算特別委員会でも取り上げられましたが、港区だからできる方法を駆使して、区民の接種を進めていっていただきたいと思っております。
感染者数はここのところ急激に減少しており、ワクチン接種も一定の効果を発揮していると考えます。今後も引き続き、ワクチン接種の対応が必要になってくると考えます。政府は3回目の追加接種を区内でも実施する方向を固めました。ワクチンの有効性は時間がたつと低下し、感染力の強い変異ウイルスよりも接種後に感染する事例があります。製薬メーカーがアメリカ食品医薬品局に提出した資料によりますと、2回目の接種後、徐々にデルタ株への予防効果が下がり、4か月後には53%になったとのことです。
世界においても、ワクチン接種で先行するイスラエルが3回目の追加接種を始め、フランスやイギリスも開始していると聞いております。日本においても既に3回目接種の方向性が示されました。港区としましては、スムーズに3回目接種が進められるような体制を確保して、準備しなければいけないと考えますが、今後のワクチン接種の対応について、区長のお考えをお伺いいたします。
次に、オリンピック・パラリンピックのレガシーについてです。東京2020オリンピック・
パラリンピック競技大会が9月5日の閉会式をもって幕を下ろしました。私も招致の段階から、この問題について質問させていただき、区民の関心と期待を伝えてきたつもりであり、区もこれまで、以前からの大会の推進と気運醸成に向けて入念に準備を進め、泳げる海、お台場など、大会のレガシーについても取り組んでまいりました。
区民が楽しみにしていたパラリンピック聖火リレーの採火式こそ、区立芝公園で開催されましたが、大会期間中、芝公園で開催されるはずだったコミュニティライブサイトや観客村、これは企画課やオリンピック・パラリンピック推進担当課長はじめ、区の若手職員が、コミュニティライブサイトや観客村でeゲームを行うなど、いろいろな企画を考えていたわけで、多くの事業が中止せざるを得なかったという状況で、非常に残念になります。また、学校連携による児童・生徒の大会観戦なども中止となりまして、非常に残念な結果になりました。
大会の気運醸成に向けて、大会を代表する大きな事業としまして、MINATOシティハーフマラソンも中止になってしまいました。私も1万円を振り込み、エントリーをしたわけでございますが、私自身もコロナ禍で大分、体が大きくなりまして、このマラソンを糧にしてダイエットしようとして、あるスポーツクラブにも入会してモチベーションを上げたつもりでありましたが、やるせない気持ち、残念でなりませんが、大会関係者の皆様も残念な気持ちでいっぱいだと思います。本当にこれまでの努力に深く感謝する次第でございます。
とはいえ、両大会の期間中は1万5,000人のアスリートが全国から世界から集い、コロナ禍による1年間の延期を経た大会では、選手が日頃鍛えた技を競い合い、私たちに感動を与えてくれました。大会では様々なルーツを持つLGBTの選手にもスポットライトが当てられ、大会の基本理念であります多様性と調和がどのように社会に根づいていくか、意識する機会ともなりました。区民からも、陸上競技において高田千明さん、水泳では小野智華子さん、アーチェリーでは岡崎愛子さんが出場し、本庁舎にも横断幕が張られました。岡崎さんは女子個人で世界の強豪と堂々と渡り合いまして、見事5位に入賞され、区民に大きな喜びを与えていただきました。
そこで、感染症下においても開催された東京2020大会のレガシーを、今後どのように継承していくか、区長と教育長にお伺いいたします。
次に、区有施設の浸水対策です。
総務費において、区有施設の浸水対策も取り上げられました。東京都は大規模水害の発生時に避難者を受け入れるため、国立オリンピック記念青少年総合センターを活用し、避難が可能になる施設とするとのことです。このセンターは、平常時には修学旅行の宿泊や講演会場として使われていますが、水害時の避難先として活用することで、約3,000人の避難場所となります。
一昨年の台風15号、19号、今年の線状降水帯による西日本を中心とした記録的な豪雨の衝撃的な映像、また熱海などの映像でも明らかなように、近年の風水害はその厳しさを一気に増しております。一旦大規模な水害に見舞われると、あっという間に人々は逃げ場を失い、家屋は水没し、車は流され、道路は冠水して、まちは機能を失います。
住民に向けて発令する避難勧告が廃止され、このたび避難指示に一本化されましたが、できるだけ早期に人々に危険を知らせ、避難を呼びかけ、安全な避難場所を確保することが、区民を守る区の責任と考えます。区では、区有施設の浸水対策を進めていくということですが、昨今の風水害も踏まえ、どのような対策を進めていくか、現状と今後の予定についてお伺いいたします。
次に、文化芸術振興についてです。
コロナ禍において、文化芸術活動は大きな影響を受けています。私はこれまで映画の撮影などの支援や、公共空間の利用緩和、文化地区への支援なども含めて、文化芸術振興に取り組んではいかがかと提案させていただきました。また、さきの代表質問におきましても、区の持つ歴史資源を広く発信するフィルムコミッションの取組などもいかがかと提案しております。
文化芸術は、人の心を豊かにすると考えます。コロナ禍の中、人々が日々の生活を不安の中で過ごし、密を避けるため、人との交流もままならず、移動制限により見知らぬ地を訪ねることすらできない今だからこそ、区ならではの文化芸術施策を進めていただきたいと思います。令和9年度に開設する(仮称)文化芸術ホールの準備はもちろん重要ですが、それを待つことなく、港区に根づく文化芸術の灯を絶やさないでいただきたいと思います。
令和3年度には、文化芸術の支援の施策として打ち出しております。総務費では、(仮称)文化芸術ホールの開館に向けた取組についての質疑がありましたが、ホール開館を待たずに、これまでの施策を一歩進めて、目の前にあるコロナ禍の中でも文化芸術活動を絶やさずに、魅力ある港区を支える基盤を維持して、広げていっていただきたい。コロナ禍における文化芸術活動のさらなる支援について、区長のお考えをお聞きいたします。
次に、自治体デジタルトランスフォーメーション、DXについて伺います。
総務費でも当会派から質問しましたが、政府のデジタル政策の司令塔となるデジタル庁が、9月1日に発足いたしました。デジタル庁は、誰一人取り残さない、人に優しいデジタル化を目指し、大胆かつ迅速に、また継続的にデジタル改革を推進することで、世界に誇れる日本の未来を創造していく、としています。このデジタル庁では、区も11月から職員を派遣し、専門性を高め、人的な交流を行っていくとのことでした。
デジタル庁では、マイナンバーカードの施策やワクチン接種証明書のデジタル化、中央省庁における横断的なシステムなど、DXに向けた様々な取組がされているということですが、その一つが自治体におけるデジタル化の加速であります。自治体におけるシステムを全国で標準化し、クラウド上で稼働させることで、効率化やコストの低減を図っていくというものです。全国1,700の自治体システムを標準化するというのは、想像するには大事業であり、果たしてもくろみどおり実現できるのか、課題もあるかと思います。
そこで、各自治体のシステムを標準化する試みに港区が参加することについて、区長のお考えをお伺いいたします。
次に、ゼロカーボンシティ実現のための施策です。
区は、武井区政以後、積極的な環境政策を実施してきました。従来の公害の防止や環境の普及啓発といった分野に加え、京都議定書を契機にした地球温暖化対策の先頭を切って取り組んできたものと思っております。木材がふんだんに使われた新エコプラザを神明の地にオープンしたことを皮切りに、あきる野市との協定でみなと区民の森をオープンし、森林によるCO2吸収という考え方を広く普及させ、区民が自然と触れ合う環境学習の場もつくりました。
また、太陽光発電をはじめとした新エネルギー機器の家庭の事業者への導入をいち早く先導し、区内の建築物に国産木材などを利用するみなとモデル二酸化炭素固定認証制度では、全国の注目を大いに浴びました。協定木材は区の施設をはじめ、各種の建築物にも利用され、これらに対する助成制度をはじめ、まさに環境の港区として走り続けてきたと思っております。
また、新しい条例の運用も始まりました。東京都は、都内の温室効果ガスの削減目標を、2030年までに2000年度比で半減させる目標を掲げ、2050年に向け一段とスピードアップしております。太陽光パネルと蓄電池をセットで住宅に取り付け、再生可能エネルギーの活用を促し、温室効果ガスを排出しないゼロエミッション車の導入促進に向けたインフラ整備などの政策を柱としております。今後、ゼロエミッション戦略をさらに加速させることも視野に入れているとのことです。
一方では、全国の先頭を走ってきた港区の今後の取組はどのようなものでしょうか。建築物の低炭素化、家庭の省エネルギー化、国産木材の活用というテーマの施策は一巡しています。ゼロカーボンシティという国の掲げた取組に合わせて、港区の新たな政策を打ち出していくべきです。
一般質問では、電気自動車への充電設備について、国や東京都の補助を併用することについて検討するとのことでした。より先んじた全国に誇れる施策を展開していただきたいと思います。環境政策において、区独自の新たな政策を検討し、目標を可能な限り早く達成できるように、積極的に取り組むとのことでした。港区ならではのゼロカーボンシティ実現に向けた先駆的な施策の実現に、大いに期待するところですが、来年度に向け、今後の具体的な施策について、区長のお考えをお伺いいたします。
次に、環境に優しい行動を促す仕組みについて伺います。
こちらも環境清掃費で取り上げられましたが、国は来年度から住宅、食、衣類、循環、移動の5つの分野で、環境に配慮した個人ポイントを発行するグリーンライフ・ポイントを創設するとのことが報じられました。利用者の多い民間の通信販売サイトや小売店などのサービスポイントや、自治体が展開するサービスを活用し、10億円の概算要求を計上することで企画開発費を補助し、省エネルギー機器への買換えや食べ残しの防止、プラスチックの使い捨て防止や、シェアサイクル、カーシェアリングなどの利用などを対象としてポイントを付与するということです。国は企画開発費だけでなく、ポイント上乗せについても補助の対象とするということで、地球温暖化の防止に向け、身近な行動にインセンティブを与えることで、ライフスタイルの転換を促し、温室効果ガスを削減するとのことです。
港区では類似の事業に、みなとエコチャレンジという事業があります。家庭における環境に優しい行動の実現を支援し、二酸化炭素排出量の削減を促すためのポイントを付与するという事業です。平成24年に始まったこの事業ですが、参加世帯数を見ると720世帯、実際のポイント交換をしているのは90世帯になっています。これだけ参加者が少数だと、効果も限定的です。ここは国の制度を活用し、効率的に実施できるように衣替えするチャンスではないかと考えます。
また、民間のポイントと連携することは、区がこれまで進めてきた企業連携の仕組みを活用し、改善を図ることも可能だと思います。区長のお考えをお伺いいたします。
次に、みなとタバコルールについてお伺いいたします。
環境清掃費では、タバコルールについて幾つかの質問がありました。このタバコルールは、私が初当選した頃から始まったもので、私も何度か質問させていただきました。区民、来街者とも、非常に関心が高い問題であり続けているからです。質疑で関心が高かったものが、屋内型の喫煙所についてでした。民間が設置する屋内喫煙所の設置費の助成、区が設置する喫煙所の屋内化の推進など、手法はいろいろあるかと思いますが、受動喫煙対策が整った喫煙所を整備することで、たばこを吸う人も吸わない人も快適に、安全に暮らせるみなとの実現ができるかと考えております。
今はコロナ禍で、港区を訪れる人も少なく、観光目的の来街者も見かけない状況ですが、それでも昼などは、密を避けるため人数を制限している喫煙所の順番待ちをしている人を見かけます。やがて訪れるであろう収束後に向け、屋内型の喫煙所など、環境整備をより一層加速すべき時期ではないかと考えますが、区長のお考えをお伺いいたします。
また、収束後に港区の人の流れが戻ってくるそのときに備え、みなとタバコルールについて、さらなる普及啓発を進めると考えますが、区長のお考えをお伺いいたします。
次に、プレミアム付き区内共通商品券についてです。
港区では昨年度、港区商店街連合会が発行しているプレミアム付き区内共通商品券を、これまでと比べ大幅に拡大し、
新型コロナウイルス感染症によって苦しむ商店街や我々を強力に支援するとして、過去最大の総額10億円に拡大し、2回にわたって発行しました。区はこの商品券の発行支援を行っております。販売場所も、区内の各郵便局でも購入できるように拡大され、好評を得ております。最大で30%のプレミアム率が上乗せされたプレミアム付き区内共通商品券発行による効果について、どのように捉えているか、区長のお考えをお伺いいたします。
そして、今後は商品券を電子化し、簡便に決済できるように進めていくということですが、電子商品券を導入するメリットと今後の見通しをお聞かせください。
次に、今後の分譲マンション支援施策の方向性について伺います。
区では平成27年、港区分譲マンションの実態調査を行い、報告書が公表されています。私は以前、この報告書により、区内の分譲マンションのうち耐震基準の分譲マンションが全体の4割になることから、耐震基準の分譲マンションの建て替えが進むよう、支援策の利用が促進されるべきではないかと質問いたしました。当時は、分譲マンションの耐震診断費用と建て替え計画案の作成費用の助成を拡充し、建て替えが進むように周知するとのことでございました。
その後、昨年6月にはマンション建替え円滑化法の改正が行われ、現行の耐震性不足に加え、外壁の剥落の危険があるマンションや、バリアフリーに対応していないマンションにも要除却認定の対象が拡充されております。この改正により、国も老朽化した耐震性の低いマンション等の建て替えを一層進めていくことがうかがえます。同時期にマンション管理適正化法も改正され、国によるマンション管理の適正化の推進についての基本方針や、地方自治体によるマンション管理適正化推進計画の策定、管理組合への指導・助言などが盛り込まれました。管理組合の担い手が不足している分譲マンションの管理適正化へのニーズが高いことがよく分かります。
区では令和2年度に、区内の分譲マンションの支援策を検討するため、マンション実態調査が再び実施されております。区民の多くがマンションなどに住む港区の状況や、法改正や、改めて行われた実態対策を踏まえ、区としまして、今後の分譲マンション支援にどのような取組をするつもりなのか、区長のお考えをお伺いいたします。
次に、電動キックボードの安全対策について伺います。
これまでも問題になっていましたが、ついに8月26日に無免許で電動キックボードを運転し、人身事故を起こしたとして、全国で初めて電動キックボードの危険運転致傷容疑が適用されました。事故としては、新宿区内でナンバープレートをつけていない電動キックボードを無免許で運転し、さらに赤信号を無視してタクシーと衝突した事故でありました。自身も受傷したということで、事故を起こした方は、便利な乗り物で楽しそうだと思ったということです。
電動キックボードは、我が国の公道上では原動機付自転車と扱われており、運転免許証やヘルメットの着用、ナンバープレートやサイドミラーの装着が必要となっておりますが、一見すると娯楽性の高い乗り物であったり、町中に便利に行き来できる足代わりの器具のように見えるところから、電動キックボードが車両であるという認識がさほど広まっていないのではないかと危惧しております。港区を含む東京都心では、産業競争力強化法に基づく実証実験が行われており、なおのこと、その傾向が強いのではないでしょうか。
この問題について、区長は警視庁と連携し、交通ルールや運転マナーへの教育や啓発などを検討するということでしたが、現状を踏まえ、電動キックボードの安全対策における区の取組についてお伺いいたします。
次に、通学路の安全についてです。
今年の6月、千葉県八街市で通学途中の児童にトラックが突っ込み、児童5人が死傷するという痛ましい事故が発生いたしました。トラックの運転手からは、基準値を超えるアルコールが検出されたとのこと、とても悲しい事件でありました。調べたところ、八街市では平成28年に策定した八街市通学路交通安全プログラムという、安全点検の結果をまとめたものを公表していました。ここでは、小学校ごとに通学路の危険箇所がまとめられていて、安全対策をどのように行っていくかが記載されていました。
ただし、よく見ますと、交通量が多い場所や見通しの悪い場所が中心になっておりました。今回の事故が起きた道路は、見通しのいい道でしたが、ガードレールがついておらず、実は5年前にも児童がはねられて、けがをした事故が起きていたということでした。
令和2年度に、区は、保育施設の園外での活動時の安全のため、配慮が必要な場所にキッズゾーンを設置し、見守りを実施しました。学校への通学路についても、点検をはじめとして様々な対策が講じられていると思いますが、改めて、通学路の子どもたちの安全を守る考えについて、教育長にお伺いいたします。
次に、eスポーツについて伺います。
高齢者、障害者、若者、年齢・国籍を問わず参加でき、スポーツの魅力向上につながるeスポーツは、これまでも取り上げてまいりました。民間においては、eスポーツを活用していく動きが加速しております。大手不動産会社では、eスポーツの大会運営会社に出資し、今年秋にも丸の内地区において、ビルの入居企業対抗のeスポーツ大会を開催するとのことです。保有する施設に大会を誘致するほか、再開発の提案でもeスポーツを生かし、イベントを通じて来街者が集うまちづくりを目指すとのことでした。若い世代に人気のイベントを開くことで、施設の認知度が上がり、新たな来街者を呼び込むことが可能になる見通しです。
区内においても、来年4月には東京タワーにおいて、eスポーツの場を提供するレッドトーキョータワーが開設されます。東京eスポーツゲート株式会社が運営するこの施設では、東京タワー内に開業する日本最大規模となるeスポーツパークとして、eスポーツ大会を中心とした事業を展開するとのことです。
第1回定例会の代表質問、さきの予算特別委員会においても、私は区のeスポーツの取組について質問させていただきました。今回の代表質問でも、eスポーツの推進について教育長は、体を動かして取り組めるeスポーツ体験を進める、区の特性を生かして、民間企業と連携して取り組むとのことでした。ぜひとも港区でも積極的にeスポーツの取組を進めていただきたいと思います。今後の取組について、教育長にお伺いいたします。
最後に、児童相談所についてです。
今年の6月に、港区の児童相談所にお子さんが一時保護された保護者の方から、児童相談所が厚生労働省ガイドラインに準じ運営されるための第三者委員会の設置を求める陳情が議会に出されました。この陳情を出した方にお話を聞いたところ、兵庫県明石市では2021年4月から、全国で初めて子どものための第三者委員会を設置したことを例に挙げて、港区でも同様に仕組みをつくってほしいという要望をお預かりしました。
上記の明石市の第三者委員会ですが、元裁判官などで構成され、一時保護された児童が速やかに面会を行うほか、児童、保護者、児童相談所のいずれかから申出があれば、一時保護の妥当性などについて判断するとも報道されています。これは、一般的に児童相談所が虐待を疑って児童を一時保護して、長期の施設入所が必要と判断した場合には、親が入所に同意せず審判で争えば、審判が長引いた上で、親子分離が長期化する傾向があります。親が入所に同意した場合と比べ、この場合は面会回数が制限されたり、家庭復帰が遅れるなどの事実上の不利益が大きいことから、親側としては、児童相談所の判断に不服があるものとしても、虐待の有無を争いにくい構造となっているということが指摘されます。
児童相談所は、毅然として子どもの利益を最善に考えるべきですが、個々の事例においては難しい判断も迫られることから、時には事実誤認が起きる可能性も否定できません。明石市や大阪府堺市では、児童相談所による不当な親子分離や面会制限があったことも報道されています。
そこで、港区の児童相談所でも、陳情の要望であったような第三者委員会方式を含めた各地の先進的事例に基づき、情報共有をしながら、児童相談所が有する強大な権能の適切に執行される仕組みについて、目指す必要があるかと思いますが、区の見解をお伺いいたします。
私の要望としましては、他地域の児童相談所では、母子生活支援施設で母子分離せずに虐待防止支援を行った事例などもあります。母子生活支援施設も併設されている港区の一体型の児童相談所のメリットを生かした親子支援を整備し、ますます中身の充実を目指していただきたいと思っております。
また、どうしても必要が高く、親子分離をしている期間であっても、例えばお子さんの入学や卒業、進級などといった成長の節目に関わる情報や、より細かい部活の話や体調などに基づき、特別事情がある事例を除いては、お子さんの情報は親に共有されるべきですし、また、親側に発生した事情、例えば親の病気や親族が亡くなるなどといった事例においても、児童相談所が壁となって情報が伝わらないのはよくないと思われますので、港区ではそのようなことがないように御配慮願いたいと思います。
また、保護中のお子さんと親御さんとの面会においても、時に児童相談所と親御さんの意見が一致しない場合でも、不当に親子の面会が制限されることがないように、他の最新の取組も参考にしながら取り組んでいっていただきたいと思います。
出発したばかりの施設で期待と注目度は大きく、役目も重い担当の皆様方には、苦労も多いと思いますが、どうかよりよい施設になっていただくことを要望して、私の総括質問を終了いたします。
○区長(武井雅昭君) ただいまのみなと政策会議を代表しての七戸じゅん委員の総括質問に順次お答えいたします。
最初に、今後のワクチン接種への対応についてのお尋ねです。
国は先月22日に、2回目接種後おおむね8か月以上経過した者を対象に、3回目接種を行うことを決定しました。これを受け、現在区では、接種券の発送や接種方法、接種会場などの検討を行っております。
区は、全区民の85%接種を目指し、今後も様々な方法で接種を進めるとともに、3回目接種についても、これまでの経験を生かし、港区医師会、港区薬剤師会、区内病院をはじめとする地域の関係機関と連携し、多方面の協力を仰ぎ、迅速かつ円滑に実施してまいります。
次に、東京2020オリンピック・
パラリンピック競技大会のレガシーの継承についてのお尋ねです。
区は、東京大会開催を契機に創設したMINATOシティハーフマラソンや、気運醸成事業を通じて連携を深めた地域団体など、多くの区民や企業、全国の自治体による参画と協働の輪を区の貴重なレガシーとして、後世に継承してまいります。
こうしたレガシーの継承に当たり、区は、港区基本計画に掲げたスポーツや文化、観光、環境、まちづくりなどの大会関連の取組を着実に推進し、国際化やバリアフリー化など、将来を見据えたまちづくりを進めるとともに、区の魅力を積極的に発信してまいります。
次に、区有施設の浸水対策についてのお尋ねです。
区では、想定される最大規模の大型台風や高潮等で浸水が想定される区域にある区有施設について、区民避難所や災害対応の拠点などの機能を確保するため、浸水対策を進めており、既に49の施設について、資機材の配備や電気配管等からの浸水防止工事、止水板の設置等を実施してまいりました。また、昨年度東京都が行った浸水想定の見直しにより、新たに対策が必要となった区有施設については、現在、対策の内容や工事方法について検討を進めております。
今後も風水害時における区民の安全・安心確保のため、早期に区有施設の浸水対策を推進してまいります。
次に、文化芸術振興についてのお尋ねです。
区はこれまでも、港区ならではの文化プログラムの取組や、コロナ禍における文化活動団体の支援として、活動資金を助成する文化芸術活動継続支援事業を実施し、区の文化芸術振興につなげております。さらに本年7月、文化芸術団体約150団体に対してアンケートを実施した結果、区に求める支援として、活動場所や感染症対策に関する情報の提供などの要望がありました。
今後、こうした状況を踏まえ、文化芸術団体への最新の感染症対策などの情報発信や、活動への支援を実施するとともに、意見交換を行い、継続的な支援に取り組んでまいります。
次に、システムの標準化についてのお尋ねです。
システムの標準化は、国が提供するクラウド上に、全国共通の仕様に基づくシステムを各自治体が構築し、システムの維持経費などのコスト削減や、行政手続におけるデジタル化のさらなる推進を図るものです。
区では、本年6月に検討組織を設置するとともに、第2回定例会に関連の補正予算を計上し、現在、国が提供するクラウドの利用方法や、区の業務への影響について検討を進めております。
引き続き、業務の効率化や区民の利便性の向上を目指し、令和7年度末までの実施に向けて、全庁横断的に取り組んでまいります。
次に、ゼロカーボンシティ実現のための施策展開についてのお尋ねです。
区は、本年3月に策定した、2050年までにCO2排出実質ゼロを目指す新たな港区環境基本計画に基づき、建築物の低炭素化のほか、全国の自治体との連携や区民・事業者の取組促進など、区の特性に合わせたCO2排出削減の取組を推進しております。
今後、同計画に計上した取組を的確に進捗管理していくことと併せ、CO2削減効果が最も期待できる再生可能エネルギーの普及に向けた、区民や事業者に対する支援策など、区独自の新たな取組を積極的に展開していくことにより、中期目標である2030年度CO2排出量40%削減を、早期に達成することを目指してまいります。
次に、環境にやさしい行動を促す仕組みについてのお尋ねです。
区が実施しているみなとエコチャレンジでは、脱炭素型のライフスタイルへの転換に対するインセンティブに加え、アンケートに基づく取組実態の発信や、家庭で役立つ省エネルギー情報の提供などにより、区民が自らのライフスタイルを振り返る機会として活用していただいております。
今後、家庭における行動変容を最大限後押ししていけるよう、国のグリーンライフ・ポイントの検討状況を注視するとともに、区が企業連携で培ってきたノウハウなども活用しながら、みなとエコチャレンジの改善に取り組んでまいります。
次に、みなとタバコルールについてのお尋ねです。
まず、屋内型喫煙所等の環境整備についてです。
区は、港区基本計画において計画している年間10か所の密閉型指定喫煙場所の整備を、民間の協力を得ながら進めております。区の指定喫煙場所の密閉型への転換を進めるとともに、今年度からは、屋内喫煙所設置費等助成制度の対象にトレーラー型喫煙所を加えたほか、助成上限額の見直しを行い、民間喫煙所の整備の促進を図っております。
今後は、建物や土地の所有者等に対して個別に助成制度を案内し、民間喫煙所整備の働きかけを強化するなど、分煙効果の高い喫煙場所の整備を着実に推進してまいります。
次に、さらなる普及啓発についてのお尋ねです。
区はこれまで、指定喫煙場所の整備とともに、路上喫煙禁止の路面シールの設置や喫煙場所マップの配布、多言語による「ちぃばす」ラッピング等により、みなとタバコルールの周知啓発に取り組んでまいりました。また、本年10月から、加熱式たばこの喫煙を規制対象に加えたことを踏まえ、区ホームページやSNS、指定喫煙場所でのポスター掲示、巡回指導等により、みなとタバコルールの周知の取組を強化しております。
引き続き、みなとタバコルールのさらなる周知啓発に努め、区を訪れる誰もがルールを守り、快適に過ごせる環境づくりに取り組んでまいります。
次に、プレミアム付き区内共通商品券についてのお尋ねです。
まず、発行による効果についてです。
区は、
新型コロナウイルス感染症の感染拡大以降、10億円を3回、計30億円のプレミアム付き区内共通商品券の発行を支援してまいりました。さらに、コロナ禍で売上減少が続く店舗を強力に支援するため、来年2月には、過去最大となる15億円の商品券発行を予定しております。
プレミアム付き区内共通商品券は、消費者の購買意欲を高め、小規模店舗での新たな需要を創出するとともに、使用期間中の確実な消費が期待できます。また、昨年度からの継続的な発行により、切れ目ない消費刺激策として大きな効果があると捉えております。
次に、電子商品券についてのお尋ねです。
商品券の電子化により、消費者にとっては商品券を持ち歩く必要がなくなることや、1円単位で使用可能となること、店舗にとっては換金手続が不要になることや、QRコードでの非接触決済により感染リスクが低減することなど、双方にとって利便性向上につながるものと考えております。また、港区商店街連合会としても、消費動向を把握することができ、効果的な事業の検討につなげることが可能となります。
来年度以降の電子商品券発行につきましては、消費者、店舗及び商店街から意見を聴取した上で、港区商店街連合会とともに検討してまいります。
次に、今後の分譲マンション支援施策の方向性についてのお尋ねです。
分譲マンション支援施策の検討のため、5年に一度実施する実態調査は、区内の分譲マンション1,591棟を対象に実施し、現在、調査結果を分析しております。
法改正に伴う分譲マンション支援施策については、改正マンション建替え円滑化法が本年12月から施行されるため、管理組合等からの相談に適切に応じ、建て替えが円滑に推進されるよう支援してまいります。また、改正マンション管理適正化法についても、来年4月の施行に当たり、国や東京都の制度設計の動向を踏まえ、管理組合のマンションの適切な維持管理の促進に資するための検討を行ってまいります。
次に、電動キックボードの安全対策についてのお尋ねです。
電動キックボードは、現在、原動機付自転車と同じ扱いになっており、道路交通法を守らなければなりません。一方、本年4月に警察庁及び経済産業省が、公道走行時にヘルメット着用を任意とする特例制度を開始し、六本木などで実証実験を実施しております。
区は、電動キックボードの利用に関する啓発チラシを作成し、窓口での配布や広報みなと、区ホームページなどで、現行の規制を周知しております。
引き続き、電動キックボードの安全対策について、警視庁と連携し、より一層周知啓発に努めてまいります。
最後に、児童相談所業務の適切な執行のための仕組みづくりについてのお尋ねです。
児童虐待などの深刻な事案においては、一時保護や施設入所など親子を分離する際に、厳密な判断が必要です。区は、児童福祉審議会を設置し、医師や弁護士、児童福祉分野の学識経験者等の外部有識者等で構成される、里親・子どもの権利擁護部会において、児童相談所の支援の適格性を調査、審議しております。
今後とも、他自治体における実践例等を情報収集しながら、児童相談所の適切な支援について研究してまいります。よろしく御理解のほどお願いいたします。
教育に関わる問題については、教育長から答弁いたします。
○教育長(浦田幹男君) ただいまのみなと政策会議を代表しての七戸じゅん委員の総括質問に順次お答えいたします。
最初に、東京2020オリンピック・
パラリンピック競技大会のレガシーの継承についてのお尋ねです。
東京2020大会の開催による、スポーツへの気運の高まりを継続していくため、来年2月には、東京大会でメダルを獲得したオリンピアンやパラリンピアンを講師としたスポーツ教室を、スポーツセンターで開催する予定です。また、大会ボランティアで活躍した区民の経験を生かせるよう、スポーツボランティア活動の拡大にも取り組むことで、区民の「する・みる・支える」スポーツ活動をレガシーとして継承してまいります。
学校においては、これまで教育課程に位置づけたオリンピアンとの交流やパラスポーツ体験等の特色ある取組を、学校2020レガシーとして今後も継続することで、子どもたちのスポーツ志向や障害者理解等の資質の向上を図ってまいります。
次に、通学路の安全についてのお尋ねです。
教育委員会は、千葉県八街市での痛ましい交通事故の直後に、区内での緊急点検の実施を小学校校長会と協議し、7月末までに全小学校で実施いたしました。スピードが出やすい危険箇所等の新たな視点も加え実施した緊急点検の結果、指摘があった車の速度抑制対策等は関係部署に早急な対応を依頼し、現在、対策の実施に向け、協議をしています。また、児童に対しては、車から身を守るなどの安全指導を改めて実施いたしました。
今後も教育委員会は、学校や保護者、警察、道路管理者等の関係者と連携し、通学路上の危険箇所の把握と迅速な対応を行い、通学時の児童の安全確保に努めてまいります。
最後に、今後のeスポーツの取組についてのお尋ねです。
教育委員会では、本年7月のeスポーツを含めた新しいスポーツ体験イベントの開催で連携した事業者と、次の体験会の実施に向け、現在調整を進めております。具体的には、自転車をこぐことで画面上のエリアを取り合う対戦や、バットを振ってバッティングのバーチャル体験を楽しむことができるものなど、体を動かしながら楽しめる内容を検討しております。
今後も、委員御指摘の東京タワーの事業者をはじめ、民間企業に積極的に働きかけ、連携してeスポーツを推進してまいります。よろしく御理解のほどお願いいたします。
○委員(七戸じゅん君) ありがとうございました。終わります。
○委員長(池田たけし君) みなと政策会議の総括質問は終わりました。
議事の運営上、暫時休憩いたします。再開予定は、3時25分といたします。
午後 2時54分 休憩
午後 3時25分 再開
○委員長(池田たけし君) 休憩前に引き続き、委員会を再開いたします。
総括質問の質疑を続行いたします。
次に、公明党議員団を代表して、なかね委員。
○委員(なかね大君) 令和2年度決算特別委員会の最終審議に当たり、公明党議員団を代表して総括質問をさせていただきます。
初めに、ポストコロナ時代に向けた財政運営について伺います。
令和2年度の歳入決算審議の中で、
新型コロナウイルス感染症拡大により、区の財政に及ぼす影響の観点から、予算現額に対する収入済額の分析や、令和3年度の歳入見通しについてお伺いしました。令和2年度は結果的に、一般会計における予算現額が約1,830億3,645万円に対して、収入済額が約1,844億246万円と、収入率は100.7%、実質収支においても前年度と比較して26.1%、額にして112億645万円の黒字となりました。
その主な要因として、株式市場の堅調による株式等譲渡所得割交付金や、
新型コロナウイルス感染症対策に伴う国庫支出金、都支出金が大幅に増加したことが挙げられます。また、財政を判断する経常収支比率や財政力指数ともに、他団体と比較し、高い財政力となっており、歳入全体に占める特別区民税収入の割合は42.4%と非常に高く、多様化する行政需要にも柔軟に対応できる財政基盤をうかがうことができました。
令和3年度においても、特別区民税の当初課税額が前年度比で2億5,000万円、率にして0.4%の減にとどまっており、現状では、景気後退による影響はさほど見られていないことが確認できました。
一方、
新型コロナウイルス感染症の感染状況は最近、減少傾向が続いていますが、冬場の第6波への懸念や、今後共存していく中にあって、新しい生活様式への適応など、人々の生活を一変させることも考えておかねばなりません。区は今後、人口動向への影響や、景気後退による財政状況の変化も注視しながら、計画に計上した事業などの実施については柔軟に対応するとともに、優先的・重点的に取り組む課題に対し、財源を積極的に配分していくことも大切であります。
そこで質問は、ウィズコロナ、ポストコロナ時代に向け、新たな日常への転換を視野に、積極的な財政運営を進めていくことが必要と考えますが、区長の見解をお伺いします。
次に、
新型コロナウイルス感染症に関する区長メッセージについてお伺いします。
昨日、岸田文雄新総理大臣が誕生し、菅義偉総理大臣が約1年間の任を終えました。
新型コロナウイルス感染症という未曽有の感染症危機にあって、この短期間に2050年カーボンニュートラル宣言、不妊治療の保険適用、デジタル庁創設や携帯電話料金引下げなど、菅前総理が所信表明に掲げた政策を多く実現させたことは、評価されるものと思います。また、
新型コロナウイルス感染症対策にしても、世界的なワクチン需要の高まりの中、安定した供給体制を確保し、無料接種や被害者救済制度の設置、接種に当たっては1日100万回接種と、強いリードを示し、現在その接種率が世界でも上位にあることは、高く評価されるものと思います。
また一方で、施策に対する説明がない、発信力がないとの批判があったことも確かです。その声の裏側には、非常事態時に先行きが見えない中、リーダーが発信する情報やメッセージに期待を寄せる人が多いことを表していると言えます。感染の第5波と若者の接種率の低さが相まったため、国や東京都が若者に対し、積極的にワクチン接種の正しい情報発信とインセンティブを強く働かせたことで、接種率が向上し、感染率の低下につながったとの見方もあります。
港区では、2020年4月からユーチューブで、
新型コロナウイルス感染症に関する区長メッセージをこれまで26回にわたり配信され、緊急事態宣言の開始前後や、感染が増加傾向になったときに、区の情報発信、要望対策や行動自粛などを呼びかけてこられました。その結果、区民の意識向上につながり、企業や医師会の協力も得て感染対策が強化され、産官民が一体となり、
新型コロナウイルス感染症を乗り越えていこうとの気概が醸成されていると思います。
とはいえ、10月1日に緊急事態宣言が解除され、専門家の中には、規制緩和による気の緩みから、第6波の感染拡大につながる可能性があると懸念を示しており、予断を許さない状況にあります。これから冬場に入り、他の感染症の流行も注視される中、区長のさらなる情報発信とメッセージによる強いリーダーシップを期待します。
そこで伺います。区長が直接メッセージを発信するに当たって、どのような思いで臨んでおられるのか、また、今後の発信についてどうお考えか、お聞かせください。
次に、区有施設への再生可能エネルギーの調達についてお伺いします。
令和2年度に策定した港区環境基本計画で示した2050年カーボンニュートラルを達成するためには、二酸化炭素を排出しない再生可能エネルギーの積極的な導入が必要です。港区では、全国連携自治体の発電所由来の再生可能エネルギーや、東京二十三区清掃一部事務組合が運営する清掃工場の余剰電力等を供給する東京エコサービス株式会社の電気を調達するなど、先進的かつ積極的に区有施設に再生可能エネルギー導入を図っています。その結果、現在の区有施設の再生可能エネルギー導入率は、約30%に達していますが、区民や区内事業者への導入を強力に推進するためにも、100%導入を目指していただきたいと思っております。
平成29年1月に区が策定した電力の調達方針の中で、どういった電力を調達するのかという手法については、基本的な考え方として、環境に配慮した電力を調達することと、全国連携に基づき調達することを検討するという2つの考え方が示されております。地球温暖化対策推進法の中で、都道府県、政令指定都市や中核都市には、再生可能エネルギーをどの程度導入していくのかの目標を定める義務が盛り込まれており、その他の自治体は努力義務とされております。
今後、区として再生可能エネルギー導入を推進していくためには、区として導入のための数値目標を設定して取り組む必要があるのではないかと考えます。その際には、東京都が2030年までに東京都の施設への再生可能エネルギー導入率を50%まで引き上げるとの数値目標を設定したので、それを参考にしつつ、現在都有施設が3%程度の導入率であることを考えると、区としては、さらに早い段階での達成が望ましいと思います。我が会派として、令和3年度予算特別委員会において、リバースオークションの活用なども提案しているところですが、あらゆる手段を活用して取り組んでいただきたいと思います。
質問は、区有施設への再生可能エネルギーの調達について、区としてどのように取り組まれるつもりかお伺いいたします。
次に、高校生医療費助成制度の導入についてお伺いします。
子どもの医療費助成は、公明党の政策の大きな柱の一つとして、長年にわたり取り組んでまいりましたが、今では子育てを支える制度として、全国で定着しております。どの地域に住んでいても安心して子どもが医療を受けられるよう、これまで助成の対象や水準を底上げしながら、国会議員と全国の地方議員が連携し、拡充を訴えてまいりました。
厚生労働省が今月7日に発表した調査によりますと、昨年4月の時点で全国1,741の区市町村全てが実施しており、通院費の助成では、うち中学3年生までが873と約半数、高校3年生までが733と約4割にも上り、助成対象の拡大が広がっております。その背景には、少子化対策へのニーズとともに、高校生の健全な育成や、自己負担割合の軽減を図ることなど、各自治体が住民サービスの重要課題として取り組んでいることがうかがえます。
港区においても、子ども医療費助成については、平成5年1月から乳幼児の医療費の一部を助成、平成16年4月からは小学生の入院のみ、また平成17年4月には、中学生までの全ての子どもの入院・通院医療費の助成が拡大されてまいりました。そこで我が会派は、令和元年に行われた平成30年度決算特別委員会において、これまでの乳幼児から中学生までの子ども医療費助成に加え、病気の早期発見、物価や家賃の高騰など、子育て世代の経済的負担は非常に大きいものがあり、区としてその軽減を図るため、新たに高校生年齢を対象として医療費助成を拡充をするよう求め、質問をしてまいりました。
東京都内23区を見ても、高校生医療費助成が実施されている区は3区あり、千代田区は平成23年4月から通院・入院費助成を開始、北区は同じく平成23年7月から入院費助成を、そして、品川区では令和元年7月から入院費助成を実施しております。
そこで質問は、
新型コロナウイルス感染症による影響や経済的な格差によって、本来必要とされる治療が受けられないことがあってはなりません。保護者の経済的負担の軽減を図り、また高校生の健全な育成に寄与することを目的として、港区も高校3年生までの医療費助成の導入に向けて検討を進めるべきと考えますが、区長の見解をお伺いします。
次に、在宅人工呼吸器を使用している障がい児・者に対する支援についてお伺いします。
在宅人工呼吸器使用者等への家庭用蓄電池購入費の助成については、このたびの衛生費の款別審査において、停電時等の安全確保のための自家発電装置給付事業について、ガスボンベ式自家発電装置だけでなく、蓄電池も対象にしていただきたいとの複数の当事者からの要望を受け、質問いたしました。ガスボンベ式の自家発電装置は、騒音が80デシベルを超えること、連続運転時間がガスボンベ1本で1.1時間と短く、排気ガスは一酸化炭素が含まれていることから、屋内で使用できません。都内の自治体は港区も含め、東京都の医療保健政策区市町村包括補助を受けて、この事業を行っていることから、自家発電装置に限定しています。
しかし、目黒区では、台風などの停電時に屋外での使用は難しいことから、区独自事業として家庭用蓄電池費用を補助しています。現在では、ソーラー充電が可能な正弦波のリチウムイオンバッテリーで24時間以上使えるもの、また、正弦波で100ボルトのカーインバーターもあります。停電は大地震のみならず、近年の大型台風、ゲリラ豪雨、雷、竜巻などでも起こり得ることから、荒天時に室内で電源を確保することが必要と考えます。在宅人工呼吸器の方にとって、電源が必要になるのは人工呼吸器だけではなく、それに伴う加温加湿器、吸引など、様々です。障がい児・者に対しては日常生活用具の給付事業等があり、その活用も考えられると思います。
そこで質問は、障がい者支援として、在宅人工呼吸器使用者等への家庭用蓄電池購入費の助成について、区の見解をお伺いします。
次に、DV対応と児童虐待対応との連携についてお伺いします。
令和元年6月に、児童虐待防止法及び、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律が改正され、児童相談所と婦人相談所、配偶者暴力相談支援センターは、相互に連携を行うことが明確化されました。ドメスティックバイオレンス、いわゆるDV対策と、児童虐待対策の連携・協力について公明党は、千葉県野田市で小学4年生の女児が虐待で亡くなった事件で、虐待の背景にDVがあったことを受け、同年2月に政府へ提出した緊急提言で、法律に明記するよう要望していました。
厚生労働省が全国の児童相談所と配偶者暴力相談支援センターに、平成30年度の連携状況を尋ねた調査では、回答した児童相談所の4割超、配偶者暴力相談支援センターの3割超が、連携した事案はないと報告をしております。厚生労働省は公明党の提案を受け、令和2年に児童虐待とDVへの対応を連携して進めるための実態調査に着手し、その調査内容を踏まえ、令和3年4月に双方の連携を強化するためのガイドラインを公表しました。同ガイドラインでは、DVと児童虐待が併存する案件において確認すべきチェックリストや、平時、事案発生時、事案発生後の連携好事例も掲載され、支援の充実を図ることが目的とされております。
DV被害と児童虐待を一体的に支援していくためには、これまで以上に児童相談所や配偶者暴力相談支援センターをはじめ、民間団体も含めた関係機関が相互に連携し、施策横断的な支援を展開していく必要があります。
港区では令和3年4月から、児童相談所と
子ども家庭支援センターが入った複合施設、
子ども家庭総合支援センターを開設し、相互連携して相談対応する体制が強化されています。今後は前述のガイドラインを活用しながら、東京都の女性相談センターや配偶者暴力相談支援センター、民間のDVシェルターなど、関係団体との連携を強化して、児童虐待の相談体制の充実を図るべきです。
質問は、DV関係機関と連携した児童虐待の対応に、区としてどのように取り組まれるつもりか、お伺いいたします。
次に、エシカル消費を促して産業振興につなげる仕組みについて伺います。
産業経済費の審査では、SDGsやエシカル消費を促した商店街振興について伺いましたが、およそ2年にも及ぶ
新型コロナウイルス感染症の影響は、消費者の意識を変えたと言われています。大手広告会社のエシカル消費意識調査2020によると、
新型コロナウイルス感染症の影響で、約3割の人がエシカル消費をより意識するようになったとのことです。そして、5割以上の人が、エシカルな商品やサービスの提供は企業イメージの向上につながると思っている一方で、エシカル消費の名称を知っている人は4人に1人という結果でした。また、エシカル消費の中で、人々の認知、共感、実施意向が特に高いのは、食品ロス、再生可能エネルギー、地産地消という結果でした。
エシカル消費は、SDGsの17のゴールのうち、特にゴール12、「つくる責任 つかう責任」に関連する取組で、持続可能な生産消費形態の確保として掲げられています。消費者庁においても、エシカル消費の普及啓発を推進するため、ホームページに特設サイトを開設しています。
ウィズコロナ時代の消費者行政においては、第4期消費者基本計画を踏まえ、消費者と事業者との協働で消費者志向経営、エシカル消費、食品ロスの削減を打ち出しています。今だけを意識した消費行動から、未来・長期を見据えた環境等に配慮したものに、ここだけを意識した消費行動から、地域、世界を視野に入れたフェアトレードや地産品などの消費へ、自分だけのための消費行動から、皆に優しい社会、包摂型社会を配慮したユニバーサルデザインやダイバーシティを意識したものに、こうした消費者志向を意識して、未来や次世代のために、SDGsを踏まえたサステーナブル経営を行う事業者を後押しする港区であっていただきたいと思います。
そこで、エシカル消費についての区民への分かりやすい周知と、エシカルな商品や、エシカルにつながるサステーナブル経営を行っている区内店舗や事業者の見える化を図り、エシカル消費を促して産業振興につなげる取組が必要と考えますが、区の見解をお伺いします。
次に、管理組合の防災対策の調査と支援についてお伺いします。
港区民の約9割がマンションなど共同住宅に住んでおり、特にマンションの管理組合への防災支援が大変に重要です。管理組合とは、建物の区分所有等に関する法律に基づき、分譲マンションなど区分所有建物に設置が義務づけられている、マンションなどを管理するために建物各室の所有者によって構成される団体です。
港区分譲マンション実態調査報告書によれば、分譲マンションが1,606棟、賃貸マンションが1,876棟とのことで、区内マンションの約5割に管理組合が存在することになります。当該実態調査は5年ごとに行われており、令和2年度は同年7月22日から12月25日にかけて、1,591棟の分譲マンション管理組合に対して実施したと伺っています。コロナ禍で各戸への訪問が非常に制限される中、前回の平成28年度と比較して、同程度の回収率だったとのことで、回収に当たられた一般社団法人東京都マンション管理士会の御努力を高く評価いたします。
今回の調査のアンケート項目では、災害時避難場所やハザードマップ等、防災対策に関する情報周知や、浸水対策の有無について、防災関連で新たに質問項目が設けられました。
初めの質問は、令和2年度分譲マンション実態調査において、防災関連の調査をしている背景と目的はどのようなものか、お伺いいたします。
先日、ある管理組合の理事長から、区の防災ラジオをマンションの管理事務所に設置するため、現在は区民のみの支給対象を拡充して、管理組合にも支給してもらいたいとの要望をいただきました。港区では管理組合向けに、株式会社ジェイコム東京と協力して、ケーブルテレビ回線を利用して、館内放送などで防災行政無線を放送するシステムを整備する費用を助成する、防災行政無線難聴対策事業があります。しかし、東京タワーがテレビ放送の電波送信を平成30年9月に終え、タワー周辺での電波障害のおそれが減り、ケーブルテレビを引き込まないマンションが増えており、防災行政無線を館内放送や自室で聞くために新たに工事するよりも、防災ラジオの支給のほうがはるかに安価です。今後、マンション管理組合の防災組織としての重要性に鑑みて、管理組合向けに防災対策の支援の拡充も必要と考えます。
ここ数年で災害が激甚化していることに鑑みて、生命に関わる防災支援のための情報を、防災組織としての管理組合に周知していくことは重要です。しかし、管理組合の理事は輪番制が多く、行政からの連絡等がきちんと伝わらない、承継されないといった課題があります。今後は区の分譲マンション実態調査の結果を踏まえて、管理組合に対し、プッシュ型の情報提供やアウトリーチ型の支援をしていくことが重要と考えます。
そこで質問は、管理組合の防災対策への支援の拡充や働きかけについて、区としてどのように取り組まれるつもりか、お伺いいたします。
また、こちらは要望となりますが、民間の放課後等デイサービスや就労支援施設などでも、防災ラジオや家具転倒防止器具の配付要望があります。障がい児・者が日中過ごしている場でもあり、特に長期休暇中は朝から夕方まで過ごす場でもあります。通所障がい者のより安心・安全を確保するためにも、民間の放課後等デイサービスや就労支援施設などへの防災ラジオや家具転倒防止器具の配付を要望いたします。
最後に、がん教育の理解促進についてお伺いします。
区内の小・中学校では、保健体育教科において、がん教育が行われております。区内には大学病院や専門性を持った病院、高度医療機関など、先進的な医療機関が多く、また、特色ある施設もあり、研究、教育、啓発、相談、交流などに有意で、恵まれた環境にあると言えます。コロナ禍で感染予防や健康保持への心がけといったことが家庭内で自然に話題になる中、学校で、飲酒や喫煙が原因での疾病リスクを学んだ子どもから、生活習慣や検診の注意喚起が親にされることも教育での効果の広がりと思います。
ウイルスを原因とするがんを予防する手だてには、ワクチン接種が効果的ではありますが、子宮頸がんの9割以上はヒトパピローマウイルス、いわゆるHPVという一般的にありふれたウイルスの感染が原因で起こります。この予防接種は3回に分け、中学1年で初回の接種を受け、1から2か月の間隔を置き2回目、初回接種の6か月後に3回目を行うとなっており、接種期間とともに医療機関への通院時期に制限があり、注意が必要です。また、HPVワクチンの予防効果は子宮頸がんだけにとどまりません。男性もかかる中咽頭がん、肛門がん、陰茎がんなどの原因にもなり、海外では公費接種の対象とするところもあります。男子への感染予防のワクチン接種も重要であるとの意識づけも大切であります。
感染経路は性的接触であり、性交渉を経験する年頃は、男女を問わず多くの人がこのウイルスに感染します。9歳以上で、かつ初めての性行為の前に接種することが効果的と考えられます。厚生労働省の専門部会では、2013年以降控えていた接種の積極的勧奨の再開を認める決定を、10月1日に出しました。厚生労働省は、積極的勧奨を控えていた期間に接種を逃してしまった人への救済の対応、接種においての副反応の相談体制の整備などについて、具体策が検討されており、今後HPVワクチンをはじめ、がんの予防についても広く理解を深めていく必要があります。
これらのことから、区立小・中学校において、がん教育の充実を図っていくことは重要であると考えます。質問は、今後のがん教育での児童・生徒へのさらなる理解を一歩進めることについて、どのように行うのか伺います。
質問は以上です。
○区長(武井雅昭君) ただいまの公明党議員団を代表してのなかね大委員の総括質問に順次お答えいたします。
最初に、ポストコロナ時代に向けた財政運営についてのお尋ねです。
現行の財政計画は、厳しい状況下でも、基金の活用などにより財源を確保し、
新型コロナウイルス感染症対策や支援に加え、デジタルトランスフォーメーションの推進など、新たな時代を見据えた行政サービスへの転換へ確実に対応できる計画としております。世界経済情勢の変化が与える影響を見極め、感染症から区民生活を守り、地域経済の活力を取り戻すための施策に積極的に取り組み、複合災害への対策強化など、新たな行政課題に対しても積極的に対応できる機動的な財政運営を行ってまいります。
次に、
新型コロナウイルス感染症の区長ビデオメッセージについてのお尋ねです。
私は、
新型コロナウイルス感染症対策を最優先課題と位置づけ、職員の先頭に立ち、区民の皆さんとともに、この未曽有の危機に全力で立ち向かう強い思いを、メッセージに込めて発信してまいりました。感染症対策やワクチン接種について、区からの正しい情報を区民に分かりやすく端的に伝えることで、不安の払拭につながるよう、動画を通じて呼びかけております。
引き続き、ワクチン接種をはじめとした
新型コロナウイルス感染症対策など、重要かつ緊急の施策について、時機を逃さず積極的に発信することで、区民の命と健康を守る区の姿勢を示してまいります。
次に、区有施設の再生可能エネルギーの導入についてのお尋ねです。
区有施設のCO2排出量は、電気使用に伴うものが約6割を占めております。この電気使用に伴うCO2排出の抑制が、排出総量の削減に最も効果的であることから、区は、清掃工場のごみ焼却時の排熱を有効利用した電力など、CO2を排出しない再生可能エネルギーへの切替えを積極的に進めてまいりました。
今後も、毎年度の契約更新時期などを捉え、区有施設への再生可能エネルギーの導入を一層促進してまいります。また、こうした区の率先した取組を積極的に発信し、家庭や事業所での再生可能エネルギーの普及を働きかけてまいります。
次に、高校生医療費助成の制度の導入についてのお尋ねです。
港区子ども医療費助成は、子育て支援策の一環として、子どもの保健の向上と健やかな育成を図ることを目的に、病気にかかりやすい義務教育就学期間までの児童を対象としております。
義務教育修了後は、医療機関を受診する割合も低くなることから、全ての高校生を対象に医療費助成を拡大することは予定しておりませんが、今後も様々な施策を通じて、総合的な子育て支援に努めてまいります。
次に、在宅人工呼吸器を使用している障害のある人への支援についてのお尋ねです。
人工呼吸器を使用している障害のある人にとって、災害時だけでなく日常生活においても、停電した際の電源確保は生命維持のために非常に重要です。区は現在、東京都の補助対象となっているガスボンベ式自家発電装置を給付しておりますが、室内でも長時間使用可能な家庭用蓄電池を、日常生活用具として給付している自治体もあります。
今後、給付を行っている自治体での導入経緯、対象者や支給要件などを情報収集し、実態を把握するなど、調査・研究に取り組んでまいります。
次に、DV対応と児童虐待対応の連携についてのお尋ねです。
児童相談所と
子ども家庭支援センターで本年4月から9月までに受理した児童虐待相談は、960件でした。そのうちDVが関連する相談は、301件でした。
区では、
子ども家庭支援センター内に設置した配偶者暴力相談支援センターと児童相談所が連携し、相談受理直後から役割分担して迅速に支援を進めております。また、警察と協定を締結し、情報共有や安全確保における協力体制を構築しております。東京都の女性相談センターや学校、保育園等の関係機関とも連携し、今後も家族全体の状況を把握し、包括的な支援を的確に実施してまいります。
次に、エシカル消費を促して産業振興につなげる仕組みについてのお尋ねです。
区は来年1月に、エシカル消費をテーマとした消費者教養講座を開催いたします。その際、より多くの区民に参加していただけるよう、動画配信も併せて行います。また、環境に配慮した商品の販売促進等に取り組むみなとエコショップ認定店を、区民に積極的に利用していただけるよう、区ホームページでPRしております。
今後、区ホームページやSNSを活用し、エシカル消費について区民へのさらなる周知を図るとともに、エシカル消費の促進を区内産業の振興につなげる取組について、調査・研究してまいります。
次に、マンション管理組合の防災対策についてのお尋ねです。
まず、分譲マンション実態調査についてです。
分譲マンション実態調査は、5年ごとに最新の管理状況などを把握し、課題を抽出することにより、時代に即したマンション施策を検討するために実施しております。東日本大震災や自然災害の激甚化等を背景に、近年災害への危機感が高まっており、マンションに安全に安心して住み続けるためには、防災への取組を把握する必要があることから、調査項目を追加いたしました。
区では、実態調査の結果を踏まえ、防災関連の情報の周知啓発を促進するとともに、今後、関連する施策を検討してまいります。
最後に、管理組合の防災対策への支援の拡充や働きかけについてのお尋ねです。
区では、分譲マンション実態調査のほかにも、共同住宅における一層の防災力向上を図るため、管理組合等に対して、防災対策に関するアンケート調査を実施しております。
調査結果に基づき、個々の建物の耐震対策や防災意識の状況、取組を強化すべき改善策を記した防災カルテを作成し、住宅の特徴に応じた支援を行っております。また、出前講座や防災アドバイザーを派遣して、効果的な防災対策を助言するなど、必要な情報を発信しております。
引き続き、様々な働きかけの機会を活用しながら、意識啓発を進め、支援を進める中で、自助・共助の促進を図ってまいります。よろしく御理解のほどお願いいたします。
教育に関わる問題については、教育長から答弁いたします。
○教育長(浦田幹男君) ただいまの公明党議員団を代表してのなかね大委員の総括質問にお答えいたします。
がん教育の理解促進についてのお尋ねです。
現在、各小・中学校では、学習指導要領にのっとり、主に保健分野でがんについて学ぶ機会を設けております。昨年度は、御成門小学校に東京慈恵会医科大学から、赤坂小学校にがん研究会有明病院からそれぞれ講師を招き、がんの特徴や予防・治療の方法を学びました。また、白金小学校では、がん在宅緩和ケア支援センター「ういケアみなと」と連携し、児童ががん経験者のお話を直接聞く機会を設け、健康の大切さについて理解を深めるなど、関係機関と連携した実践に取り組んでおります。
来年度は、保健所が各家庭に配付していた子宮頸がんワクチンの資料を、改めて各学校のがん教育の中で配付し、予防の選択肢の一つとして捉えられるよう指導するほか、中学校でも「ういケアみなと」と協力して、がんに罹患された方を取り巻く環境について学ぶなど、関係機関との連携を一層充実させ、児童・生徒ががんを身近に感じ、理解を深められるよう努めてまいります。よろしく御理解のほどお願いいたします。
○委員(なかね大君) 以上で総括質問を終わります。ありがとうございました。
○委員長(池田たけし君) 公明党議員団の総括質問は終わりました。
……………………………………………………………………………………………
○委員長(池田たけし君) 次に、共産党議員団を代表して、福島委員。
○委員(福島宏子君) よろしくお願いします。共産党議員団を代表して、総括質問をいたします。
初めに、
新型コロナウイルス感染症から命・暮らしを守ることについてです。
2020年度の国の税収を見ると、主要3税の中で消費税が最も税収が多くなっています。東京商工リサーチの友田信男さんは、コロナ禍の中で明るい展望を示すための景気対策は、消費税率を引き下げること、現行の10%から5%に引き下げた場合、約13兆円の景気刺激策を実施したことになると語ります。消費税が導入されてから33年間に、消費税の税収は448兆円に対し、法人3税は323兆円、所得税・住民税は286兆円も減りました。消費税は社会保障のためどころか、実際は法人税や所得税の減収の穴埋めに消えたのです。
安倍政権の時代に消費税は2度引き上げられ、コロナ危機とダブルパンチで国民生活に打撃を与えました。世界では
新型コロナウイルス感染症の下で、62か国の国と地域で消費税減税や納税先延ばしなどの対策を実施しています。区民の暮らしを守ることは、すなわち事業者を守ることにつながります。消費税を5%に引き下げるよう国に求めること、答弁を求めます。
新型コロナウイルス感染症が感染拡大に向かっていた昨年5月、国民が検査拡大を求め、政権は件数を増やすと繰り返していた時期に、厚生労働省は、検査し過ぎれば医療崩壊の危険があるなどと、検査に否定的な内部文書を作成し、検査抑制に奔走しました。それからずっと専門家の意見や科学的知見を無視し、検査を抑え込み、日本の検査数は世界で143位と非常に低いまま、感染爆発と緊急事態宣言を繰り返してきました。
緊急事態宣言が解除された今、人が動き出し、ウイルスも動きます。新型コロナウイルスは、無症状でも感染を広げる厄介なウイルスだからこそ、いつでもどこでも誰でも無料で受けられる大規模検査の実施が必要です。港区独自に無料で大規模検査を実施すること、答弁を求めます。
指定管理者制度の再委託についてです。
2006年の制度導入から15年が経過し、区内211の施設が指定管理になりました。審査意見書の審議でも、指定管理者制度の運用の改善について検討することを期待すると答弁されました。真剣に受け止めるべきです。
総務費でも取り上げたように、芝地域のいきいきプラザ3館の指定管理者は、20事業を再委託しています。そのうち区内事業者は僅か4者、構成企業の関係先への委託7者です。原則、区の入札は全て区内事業者限定とする方針が守られていません。211の施設で同じようなことが行われていたら、多くの区内事業者の仕事が奪われていることになります。
担当課長は、再委託先が港区競争入札参加資格登録事業者または港区小規模事業者であることを確認、複数の見積りを取っているなど、適正な価格を確認した上で再委託を承認していると答弁しましたが、実態を見ていない答弁です。全ての再委託の実態を調査し、区内事業者優先になるよう見直すこと、答弁を求めます。
防災対策の充実についてです。
避難所における非常用電源の確保についてです。
現在、避難所などに発電機が備えられています。燃料はガソリンで、保管期限はおよそ3年間が目安と言われています。一方、LPガスは、燃料の劣化の心配はありません。区内避難所へのLPガス発電機の導入の可能性について早急に検討すること、答弁を求めます。
防災用品のあっせんについてです。
いつ起こるか分からない地震に対する備えとして、家庭用防災用品を御自身で準備することが困難な方を対象に、防災用品を特別価格であっせんしています。2012年、高齢者支援課でスタートし、2019年からは防災課に移管されています。今年度、65歳以上を対象にした単身世帯実態調査の郵送と一緒に、防災用品あっせんの案内を同封したところ、8月5日から23日までの短期間で申請件数は380件もありました。しかし、そのうち110世帯が断られました。以前あっせんを受けていたことが理由です。
これまでになかった災害用トイレや、高齢者には重くて買えない保存水などが含まれており、案内が来たので申請したら、一度使っているので対象ではありませんと区役所から断りの電話があり、自分が欲張りみたいでとてもショックだったと、何人かから声が寄せられました。
新たな防災用具の追加や、日切れになる品物もあります。制度が始まって丸9年、1回限りのあっせんしか受けられない今の制度を見直し、必要な防災用品はいつでも申請できるようにすること、答弁を求めます。
区立芝公園の被爆樹木についてです。
区立芝公園には、港区が平和都市宣言から20周年を記念して、2005年、平和の灯の整備に合わせて、被爆したクスノキとアオギリの苗を植樹しました。当初は区役所の玄関で鉢で育て、成長した木が区立芝公園に移植されました。それ以来、平和の灯とともに核兵器の廃絶を訴えてきました。芝公園内の管理棟を西側に移す工事に伴って、クスノキの移植が必要になり、昨年4月、樹木医による診断を実施し、その時点で、移植困難であることと、現状の植栽状況が万全でないことが判明しています。にもかかわらず、9月に移植が実施されました。
今年に入り、目視でも木が弱っていることに気づいていましたが、樹木医の診断は9月になってからやっと行われ、結果は不健全という悲しい知らせでした。毎年8月6日、平和の灯の前で核兵器廃絶の行動をされている方から、クスノキが枯れているのではないかと心配する声が寄せられていました。布に巻かれ、葉を落としたクスノキの姿は痛々しいです。残念ではありますが、16年間の活動に感謝し、最後までクスノキの活用を考えてほしいと思います。
新たな被爆クスノキⅡ世を、関係自治体の協力を得て植樹すべきです。被爆樹木であること、核兵器禁止の願いを区民に周知するための案内板はもっと大きくし、核兵器をなくす象徴であることをアピールすること、答弁を求めます。
羽田都心低空飛行ルート下の住民意向調査についてです。
環境清掃費でも、全会一致で採択された請願の対応について、航路下の調査をどのように進めるのか質問しました。担当課長は、区民の意見を伝えることは重要であり、その方策として、実態調査について引き続き検討するとの答弁です。麻布連合町会では、加盟の町会に、国土交通省に改善を求めるためのアンケートの協力を要請しました。お願い文書の中にも、「騒音問題と空気振動問題や、航空機からの落下物の危険が推測されておりとされ」とあり、航路下の皆さんの日常生活に、都心低空飛行が与える影響の大きさがうかがえます。
国土交通省は、技術的方策検討会を4回開き、2つの飛行方式に絞り検討を進めるとしていますが、検証期間は今後数年に及ぶ見込みです。また、新しい回避ルートでも、都心各地はルートの直下になる可能性が浮き彫りになりました。検討会で結論が出る前に請願に応えて、航路下の皆さんの意見を集約することが重要です。羽田都心低空飛行ルート下の住民アンケートについては、大至急、調査に向け、準備に着手すること、答弁を求めます。
地球環境を守ることについてです。
国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が8月に公表した報告書によると、温暖化は人間の影響によることに疑う余地がないと断定しました。世界の平均気温は既に1.1度上昇、これを1.5度以内に抑えなければ、取り返しのつかないことになります。2030年までの限られた時間で何をするかが問われます。
政府は2050年カーボンゼロを掲げましたが、4つの問題点があります。肝腎な2030年までの削減目標が低過ぎること、この期に及んで石炭火力に固執し、9件の新増設と輸出を続けていること、最悪の環境汚染を引き起こす原発頼みの政策を加速させようということ、実用化のめども立っていない新技術を前提にしている無責任です。火力で排出されるCO2を回収し、地下に貯蔵する技術や、火力発電の燃料にアンモニアを混ぜたり、アンモニア単独で燃やす技術、水素の利用技術などを今後開発するとしていますが、どれも2030年までという期間では非現実的です。
未来のためのエネルギー転換研究グループは、既存の省エネ・再エネの技法だけでも93%削減できると提言しています。港区の2030年までのCO2削減目標は、2013年度比40%と低過ぎます。本気で地球を守ろうというのなら、削減目標を50から60%に引き上げること、答弁を求めます。
ハト公害の対策強化についてです。
新芝運河の空きビルに100羽ぐらいのハトが集まります。餌をまく人がいるからです。芝浦港南地区総合支所は、青色防犯パトロールの巡回や区民による見回り、餌の掃除や注意喚起のポスター掲示など、様々な取組をしていますが、一向に改善しません。今後、防犯カメラの設置や忌避剤の散布などをするようですが、ハトが来ないようにするためには、ハトの専門家に依頼することが一番だと思います。区の責任でハトの専門家に依頼し、ハトが来ないようにすること、答弁を求めます。
生活保護の級地見直しについてです。
新型コロナウイルス感染症による危機で生活困窮者は急増、生活保護が最後のとりでとなっています。それなのに、自公政権は、物価水準などに応じ地域に差をつける級地制度を、基準の引下げありきで見直そうとしています。現在の級地は6区分です。物価差などに応じ、基準額が高い順に1から3級まであり、さらに1級-1、1級-2と、2つの枝番に分かれます。この枝番をなくして、3区分にしようというのです。級地は自治体単位で決められ、住民税の非課税限度額の基準にもなっているため、級地見直しは区民生活にも大きな影響を与えます。
6月の社会保障審議会では、委員から、約40年ぶりに級地を見直すのに1回しか議論しないのはなぜかなど、異論が噴出しました。生活保護バッシングで2013年、15年、18年と、連続的に保護基準は下げられています。これ以上下げるようなことは、あってはなりません。生活保護利用者の生活を守るために、級地見直し、枝番を廃止しないよう、国に要請すること、答弁を求めます。
市街地再開発の抜本的な見直しについてです。
区内の各地で再開発がめじろ押しです。多くが国家戦略特区、内閣総理大臣の名で決められ、進められています。国家戦略特区は、世界で一番ビジネスのしやすい環境をつくることが目的です。住民主体のまちをつくるといいますが、実際はビジネス優先、企業のもうけ優先です。
今、麻布台交差点から東京タワー方面を見ると、異常な光景が目に飛び込んできます。正面に東京タワーが見えますが、左側に巨大なビルが、日々高さを増しています。そのたびに東京タワーが小さくなっていくようです。これは虎ノ門・麻布台市街地再開発です。外苑東通り沿いに立つビルは64階建て、330メートルという超高層巨大ビルで、最上階まで建ち上がったら、東京タワーはマッチ棒のようにしか見えなくなるのではと心配です。本来ここは、東京国際空港の円錐表面の範囲であり、220メートルを超えるビルは建てられないのです。ところが、空港設置者の承認を得たからと、330メートル、270メートル、240メートルの超高層巨大ビル建設を進めています。
このような大企業中心の再開発に、港区が100億円、国が100億円、補助金という名目で、200億円もの税金を投入しています。大企業主導の再開発への補助金支出はやめるべきです。気候危機を招かないためにも、これ以上の巨大開発は見直すこと、答弁を求めます。
スケートボードパークの建設についてです。
5月27日の東京オリンピック・パラリンピック対策特別委員会で、私は、オリンピックレガシーということであれば、スポーツクライミングができる施設や、スケートボードのパークを造るべきではないかと質問しました。有明アーバンスポーツパークは、五輪の後は取壊しが決まっていましたが、恒久施設化が検討されています。近隣の方に理解されないなどの理由から、スケートボードができる場所は限られています。若い世代の要望に応えて、港区にスケートボードパークを建設し、レガシーとすべきです。答弁を求めます。
芝浦小学校の火災報知器の誤作動の対策についてです。
2019年6月19日から先月9月6日までに7日間、火災報知器の誤作動が起きています。1日に2回誤作動したこともあります。キューン、キューン、「火事です。火事です。4階が火事です」、こういう大音響が早朝・夜間を問わず鳴り続けます。そのたびに近隣住民に大きな心配と被害を与え、消防・警察も出動し、早朝・夜間は門を乗り越えて現場に駆けつけ、大騒動になります。この間、誤作動のたびに感知器を取り替えてきましたが、止まりません。原因が明らかになり、対策が終わるまでの間、夜間・休日に警備員を配置すること、答弁を求めます。
高輪築堤の全面保存についてです。
9月25日に日本考古学協会は、3回目の会長声明を発表し、JR東日本、文部科学大臣、港区長、港区教育長などに届けられました。
声明は、「文部科学大臣も視察後言ったように、もともとは国民全体の利益に資する政策の一環として、『民営化事業』により国有財産から移管されたもの」、「私企業がずっと所有していた土地とは比べものにならないほど公共性は強いのです」、「JR東日本は、その場所から出た遺跡の保護にいっそうの自覚を持たなければならないはずです」とし、「今からでも決して遅くありません。ただちに破壊をやめていただき、現地保存される範囲を広げてください」、「コロナ禍を奇貨として、ここで一度立ち止まり、2024年だとする竣工期限を見直すとともに、遺跡を活用した新たな街のかたちを模索すべきだと考えます」。
言われるとおりです。記録保存は、鉄道遺跡の解体です。150年前の文明開化の象徴である高輪築堤は、全面保存しかありません。先人がつくり上げ、国鉄の人たちが後世に残した貴重な高輪築堤を、今生きる私たちが安易に破壊していいのでしょうか。一度立ち止まって考えるべきです。JR東日本に、高輪築堤の全面保存を要請すること。
以上、答弁によっては再質問することを申し述べて、質問を終わります。
○区長(武井雅昭君) ただいまの共産党議員団を代表しての福島宏子委員の総括質問に順次お答えいたします。
最初に、新型コロナウイルスから命・暮らしを守ることについてのお尋ねです。
まず、消費税を5%に引き下げるよう国に求めることについてです。
国は、コロナ禍の影響により生活に困窮する世帯等への給付金については、本年8月までの申請期限を11月まで延長するなどの支援策に取り組んでおります。
区は、消費税引下げについて国に要請することは考えておりませんが、区民生活や区内事業者に与える影響など、引き続き情報収集に努めるとともに、国の動向を注視してまいります。
次に、区独自の無料の大規模検査を実施することについてのお尋ねです。
PCR検査については、検査時点の感染の有無を確認するものであることや、陽性者が発生した際の感染拡大のリスクや、陽性者となった場合の重症化のリスクなどを総合的に判断し、対象範囲を決定しております。このため、区では、無症状の希望者などを対象とした無料の大規模検査の実施は予定しておりませんが、陽性者が発生した場合には、濃厚接触者に限らず、範囲を拡大したPCR検査を実施するなど、感染状況に応じた必要なPCR検査の実施により、引き続き区民の安全・安心の確保に全力で取り組んでまいります。
次に、指定管理者制度の再委託についてのお尋ねです。
指定管理者の再委託については、施設の清掃や機械警備機器による保安警備、エレベーターや空調・換気設備などの保守点検をはじめとする専門性の高い業務等を対象として、指定管理者からの協議の申出を受けて、承認しております。指定管理者との再委託に係る協議に当たっては、再委託の必要性や業務の実態を的確に把握した上で、区内中小事業者や港区シルバー人材センター、区内障害者授産施設等への優先発注について、引き続き、指定管理者に対し協力を強く要請してまいります。
次に、防災対策の充実についてのお尋ねです。
まず、避難所の非常用電源の確保についてです。
区は、災害時の避難所における確実な電力供給のため、長時間の活用が可能となるガソリン動力の小型発電機を配備しております。また、ガソリン等の燃料を必要としない、空気の化学反応を利用した燃料電池や、太陽光発電装置も配備しており、保管の容易さや環境への負荷など様々な視点から、非常用電源の確保に取り組んでまいりました。LPガスを用いた小型発電機の配備については、今後、有効性や他自治体における活用事例など、調査・研究してまいります。
次に、防災用品のあっせんの申請回数の制限についてのお尋ねです。
区は、より多くの区民に防災用品を備えていただくために、通常よりも低価格で提供するあっせん事業を行っており、申請回数に制限なく購入していただいております。
高齢者、障害者、妊産婦については、特に災害時に支援を要することから、より低い価格で購入できるよう、特別価格を設定していることから、申請回数には上限を設けております。
特別価格における申請回数の上限を見直すことについては、区民ニーズや他自治体の実施状況を踏まえ、調査・研究してまいります。
次に、区立芝公園の被爆樹木についてのお尋ねです。
まず、クスノキの活用を考えることについてです。
区は、港区平和都市宣言20周年事業の一環として、被爆クスノキⅡ世及び被爆アオギリⅡ世を植樹し、平和の象徴として、区民の平和意識を醸成するとともに、大切に育ててまいりました。
被爆クスノキⅡ世につきましては、効果的な活用方法を検討してまいります。
次に、被爆クスノキⅡ世を植樹することについてのお尋ねです。
新たな被爆クスノキⅡ世につきましては、改めて、区が加盟する平和首長会議に苗木の配付を申請してまいります。
次に、核兵器をなくす象徴としてのアピールとすることについてのお尋ねです。
今後、案内板も含め、核兵器廃絶の象徴としての効果的な発信方法について、検討してまいります。
次に、羽田都心低空飛行ルート下の住民意向調査についてのお尋ねです。
区は、国における羽田新飛行ルートの固定化回避に向けた検討を加速化させるため、これまでの区の対応や、国の検討状況を広く区民の皆さんにお伝えした上で、より多くの意見をお寄せいただき、国に伝えていくことが重要と考えております。
現在、区民の意見を聞き、国に届けるための効果的な方法について検討しております。
次に、地球環境を守ることについてのお尋ねです。
港区環境基本計画で定める2030年度のCO2排出量40%削減目標は、これまでの削減実績のほか、今後の人口推計や建築計画など、計画策定時点で把握可能な事情を考慮して設定しております。
今後、同計画に計上した取組を的確に進捗管理していくことと併せ、CO2削減効果が最も期待できる再生可能エネルギーの普及に向けた区民や事業者に対する支援策など、区独自の新たな取組を積極的に展開していくことにより、2030年度削減目標を早期に達成することを目指してまいります。
次に、ハト被害の対策強化についてのお尋ねです。
区では、芝浦港南地区の運河沿緑地におけるハトの餌やりや、ふんによる被害を防止するために、青色防犯パトロールや区職員による見回りを行っているほか、まかれた餌の清掃活動を行うとともに、注意喚起のポスターを掲示するなど、粘り強く対策を講じてまいりました。
今後は、運河沿緑地の安全・安心の確保を目的に設置を予定している防犯カメラによって、餌やり等の迷惑行為の抑止を図るとともに、ハトが滞留しないよう、専門業者の意見も聞きながら、忌避剤の散布なども検討し、ハト被害への対策を強化してまいります。
次に、生活保護の級地区分の見直しについてのお尋ねです。
国は、現在の生活水準が級地区分を見直した昭和62年度当時から変化していることを踏まえ、社会保障審議会生活保護基準部会において、級地区分の見直しを検討しております。
現在、検証に係る課題の抽出の段階と聞いております。区は枝番の廃止について国に要請することは考えておりませんが、引き続き、国の動向を注視してまいります。
次に、市街地再開発についてのお尋ねです。
まず、再開発事業への補助金支出をやめることについてです。
市街地再開発事業は、多くの地権者の方々が参加し協同して、市街地環境の改善を図るために、土地の合理的かつ健全な高度利用を行う公共性の高い都市計画事業です。平成29年度から実施している事後評価制度においては、事業により整備された道路・公園等の都市基盤や、広場・緑地等のオープンスペースなどが高い評価を受けております。
地権者の方々は自らの発意と合意に基づき、まちづくりを協同で進めており、区は地権者保護の観点から、市街地再開発事業への補助金は必要であると考えております。
最後に、巨大開発を見直すことについてのお尋ねです。
市街地再開発事業は、多くの地権者の方々が長い時間をかけて話合いを重ね、合意形成を図り事業化に至っており、旧耐震基準の建築物や細街路の解消など、地域の様々な課題を早期に解決する公共性の高い都市計画事業です。建築物の整備に当たりましては、高断熱化、自然エネルギーの活用やコージェネレーションシステムの設置など、低炭素化への取組が実施されております。
区は今後とも、低炭素化に配慮した良質な都市空間や居住環境の維持・創造に資する区民発意のまちづくりを支援してまいります。よろしく御理解のほどお願いいたします。
教育に関わる問題については、教育長から答弁いたします。
○教育長(浦田幹男君) ただいまの共産党議員団を代表しての福島宏子委員の総括質問に順次お答えいたします。
最初に、スケートボードパークの建設についてのお尋ねです。
区内では、芝浦港南地区の夕凪橋際遊び場や港南
子ども中高生プラザなど、4か所でスケートボードを楽しむことができます。夕凪橋際遊び場は、平成13年に地域の皆様の意見を伺いながら時間制限を設けた上で、スケートボードも楽しめる施設として開放しており、愛好者が活動しております。一方で、通行の妨げや騒音、マナーなどの課題も生じております。
現時点で、スケートボードパークの建設について具体的な検討は行っておりませんが、夕凪橋際遊び場の利用状況など、区長部局とも連携し見極めてまいります。
次に、芝浦小学校の火災報知器の誤作動についてのお尋ねです。
誤作動を生じた感知器につきましては、現在実施中のメーカーによる原因調査の結果が今月中旬にも出る見込みです。
誤作動の際の報知器の鳴動時間を少しでも短くできるよう、鳴動時に学校の近くに警備スタッフがいる場合、最寄りの警備スタッフが駆けつける運用に変更しております。夜間・休日に警備員を配置することは予定しておりませんが、警備会社に対し、迅速な駆けつけを求めるなど、原因の調査結果を基に、速やかに対策を講じてまいります。
最後に、高輪築堤跡の全面保存を要請することについてのお尋ねです。
教育委員会は、可能な限りの保存を求める要望書をJR東日本に繰り返し提出していることから、改めて全面保存を要請することは予定しておりませんが、今後も遺構の保存に向け働きかけを行ってまいります。よろしく御理解のほどお願いいたします。
○委員(福島宏子君) 幾つか再質問をさせていただきます。
初めに、PCR検査の拡大についてです。
陽性者が出たらという代表質問と同じ答弁だったのですけれども、今こそ第6波に備えるときです。ワクチン接種だけではブレークスルー感染が起こることが明らかになっています。だからこそ、動く前には検査をする、いつでも誰でも何度でも無料でPCR検査を受けられる体制、国がやらないのでありますから、区民を守るには、港区が独自にやるべきです。答弁をお願いします。
次に、防災用品のあっせんについてです。
上限を設けているといいますが、これは1回限りです。今後もずっと何年もたっても、1回限りのあっせんしか受けられない今の制度を続けるつもりでしょうか。ひとり暮らしの高齢者、障害者、妊産婦など、弱い立場の方々に優しい区政であるべきです。できることなら毎年申請できる制度にしてほしいくらいですが、2年に1度でも、5年に1度でも、何らかの形の見直しは必要だと思います。もう一度答弁をお願いします。
次に、地球環境を守ることについてです。
2030年度目標を早期に達成するというお答えでした。日本では、何十年に一度という豪雨災害が毎年のように発生しています。私が強く訴えたいのは、人類に残された時間は僅かしかないということです。2030年まであと9年の間に社会の大改革をやらないと、人類の明日はない。ここまで事態は切迫しています。2030年までの港区の削減目標を今以上に引き上げる必要があります。再度、答弁をお願いします。
羽田都心低空飛行下の実態調査についてです。
そもそも現行の新飛行ルート自体、国が一方的に海から海の約束を破った結果、今のルートができているということです。政権が替わらなければ、みなとの空は守られないのでしょうか。
しかし、港区としてできること、航路下の実態調査は、港区としてもできます。やる気になれば、すぐできることだと思っています。回避ルートが設定されてしまえば、それが今度は固定化される危険もあります。とにかく検討会の結論が出る前に、調査を急ぐ必要があります。答弁を求めます。
以上で再質問を終わります。4点、よろしくお願いします。
○区長(武井雅昭君) ただいまの共産党議員団の福島宏子委員の再質問に順次お答えいたします。
最初に、無料のPCR検査を実施することについてのお尋ねです。
みなと保健所の調査ですが、デルタ株の感染例が増えている中でも、施設内での感染拡大や子どもが重症化する傾向はなかったことから、子ども関連施設の職員等に対する定期的なPCR検査の実施は予定しておりませんが、引き続き、施設の消毒など、基本的な感染対策を徹底することで、感染拡大の防止に取り組んでまいります。
次に、防災用品のあっせんの申請回数の制限についてのお尋ねです。
現在、23区内では、防災用品を特別価格であっせんしているのは本区のみでありますけれども、この特別価格における申請回数の上限を増やすことなどについては、他の自治体の実施状況も踏まえ、調査・研究をしてまいります。
次に、地球環境を守ることについてです。CO2削減目標の引上げについてのお尋ねです。
今年3月に新たな港区環境基本計画を策定いたしました。2050年度までにCO2排出量実質ゼロを目指すものでございます。
今回、計画に計上した取組を的確に進捗管理していくことと併せ、区独自の新たな取組を積極的に展開していくことによりまして、中期目標であります2030年度のCO2排出量40%を確実に、かつ早期に達成することを目指してまいります。
最後に、羽田都心低空飛行ルート下の住民意向調査についてのお尋ねです。
区といたしましては、区民や事業者の声を広く聞くために、区のこれまでの対応や、現在の国の検討状況などを広く区民の皆さんにお知らせすることが重要と考えております。その手法も含め、また、より多くの御意見を聞き、国に届けるための効果的な方法について、現在検討しているところでございます。
よろしく御理解のほどお願いいたします。
○委員(福島宏子君) 以上で終わります。ありがとうございました。
○委員長(池田たけし君) 共産党議員団の総括質問は終わりました。
この際、お諮りいたします。
議事の運営上、時間を延長いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○委員長(池田たけし君) 御異議なきものと認め、時間は延長されました。
……………………………………………………………………………………………
○委員長(池田たけし君) 次に、都民ファーストの会を代表して、榎本茂委員。
○委員(榎本茂君) それでは、令和2年度決算特別委員会の最終審議に当たり、区長と教育長に総括質問をさせていただきます。よろしくお願いします。
各款の審議では、多くの質問をさせていただきました。コロナ禍、東京2020オリンピック・
パラリンピック競技大会、様々な時代の大転換期が今訪れ、社会が大きく向きを変えようとしていると感じております。我々は俯瞰的な視野を見失うことなく、区民目線を保ちながら、これからも様々な政策に取り組んでいきたいと考えております。
それでは最初に、みなとタバコルールの推進について質問させてください。
令和元年度の環境費の決算額は、12億9,785万9,235円だったのですが、令和2年度には12億2,307万6,979円と、額にして7,478万2,256円の減額、率にして5.76%、約6%近い減額になったのです。ところが、環境費が減額しているにもかかわらず、環境費の中で増額になったものがある。これが、東京都の条例改正など、屋内で喫煙が実質的に困難になったことによって、屋内の人が屋外に出てきて、屋外の喫煙者が増大するのではないかと港区で危惧があったので、みなとタバコルール指導等業務委託費、これは令和元年度決算額が3億5,395万8,870円から、令和2年度には3億9,817万5,791円と、額にして4,421万6,921円、率にすると12.49%の増額になった。
今回、令和2年度決算特別委員会で自民党議員団の鈴木たかや委員などもおっしゃっていましたけれども、ポイ捨てを拾っても隣のごみは拾わないといって、区民から僕もそういう意見は結構聞くのです。おじいさん・おばあさん、おじいさん2人とか、2名が巡回していって、それが3億円以上で、4億円近いのだと言うと、皆さん例外なくびっくりされるわけです。
屋外での喫煙者が増大するとの予想で増額したみなとタバコルール指導等業務委託費ですけれども、危惧した喫煙者の増大はどの程度だったのか、また、業務委託費の増大によってどのような効果が得られたのか、教えてください。
また、コロナ禍の影響で、喫煙者そのものが減ったのか、たばこを購入する人が港区に通勤せず、港区内において購入する人が減少したことによって、たばこ税が減少したのか分かりませんが、たばこ税というのは大幅な減収となっている。これがどのように実態に反映しているのかということです。大幅にたばこ税が減収となる中、区としては、みなとタバコルールの推進はどこに重点を置いて今後取り組んでいくのか、併せて伺わせてください。
次に、ずっと取り組んでいる3歳児健診のお話です。
3歳児健診の受診率は、衛生費の款でも質問しましたが、令和元年度の81.6%から、令和2年度では残念ながらコロナ禍の影響もあって、73.7%と激減してしまった。10人のうち約3名が未受診ということなのです。この数字は、都内区部において最低です。非常に恥ずかしい数字である。
ただし、過去の数字から見たら、これでも大きな改善なのです。みなと保健所の取組は、決してサボっていてこういう数字になっているわけではなくて、本当に細かなことからいろいろと改善をしてくださっていて、これについては十分感謝を申し上げます。
では、なぜ都内区部の中で最低なのかというと、問題はみなと保健所の取組にあるわけではないのだろうと。やるべきことはほとんどやり尽くしたのではないのかと。これは都心区特有の問題で、ワーストスリーというのはずっと定番なのです。港区、千代田区、中央区なのです。この都心区が、やはり受診率が低いと。これは都心区の特有の問題であって、港区はその中でも、特に顕著にその傾向があるのだと考えるべきなのではないかと僕は思います。
3歳児健診の中でも、3歳のときに発見して治療を開始しないと一生治すことができなくなる弱視の早期発見は、とりわけ重要であって、港区が3台導入したスポットビジョンスクリーナーのさらなる活用が求められると考えております。弱視発見率が、言ってみると受診率が最低ということは、弱視を発見している率も最低だということなのですけれども、この汚名を返上するためには、みなと保健所だけの問題ではなくて、子どもと接するあらゆる部門が協力して、オール港で取り組む必要があると考えております。
区長に質問します。まず保育園なのですけれども、今回の決算特別委員会、民生費の保育園のところで質問したのですが、3歳児健診の重要性を保護者にお伝えいただいているということは十分承知しております。非常に感謝も申し上げております。ただ、それでは汚名返上に至っておりません。保育園において実施しているのが眼科検診。これは5歳でやっているわけです。これを何とか3歳のときにやっていただく。スポットビジョンスクリーナーをさらに使用すると、保健師の方で使えるわけですから、これを何とか3歳のときにやることによって、より取りこぼしがないような体制が取れないだろうかということなのです。
また、子育てひろば「あっぴぃ」とか、保育園だけではなくて、あらゆる場所で3歳児を集めて、スポットビジョンスクリーナーを活用して、どうせ月に1回しか使っていないのですから、これのスクリーニングを実施してほしいと願っておりますので、御意見を伺わせてください。
最後なのですけれども、保育園だけではなくて、幼稚園も入園のとき、3歳ですから、3歳に達する子どもと接するあらゆる部門が、弱視の早期発見に協力するべきだと考えるのです。スポットビジョンスクリーナーの検査を実施することについて、教育長の御意見を伺わせてください。
○区長(武井雅昭君) ただいまの都民ファーストの会を代表しての榎本茂委員の総括質問に順次お答えいたします。
最初に、みなとタバコルール推進についてのお尋ねです。
まず、みなとタバコルール指導等業務委託費の増による効果についてです。
区は、健康増進法の改正等による屋内での喫煙の規制強化に伴い、路上喫煙対策等を強化するために、令和元年10月から巡回指導の体制を増強いたしました。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、懸念していた屋外での喫煙者の急増はありませんでしたが、コロナ禍での新たなルールであります喫煙場所の定員管理や会話の禁止などの徹底に当たり、巡回指導員による指導が大きな効果を発揮いたしました。
引き続き、現場の実態に応じた効果的な巡回指導により、みなとタバコルールの徹底に努めてまいります。
次に、今後のみなとタバコルールの取組についてのお尋ねです。
これまで区は、民間の協力も得ながら、91か所の指定喫煙場所を整備するとともに、繁華街や駅周辺に重点を置いた巡回指導により、みなとタバコルールの徹底を図ってまいりました。一方で、指定喫煙場所からのはみ出し喫煙が見られたり、たばこの煙が喫煙場所の外に漏れるなどの声が区に寄せられております。
今後は、みなとタバコルールの周知啓発や、指導員による巡回指導の強化と併せ、より分煙効果の高い密閉型の喫煙場所の整備に重点的に取り組み、港区で暮らし、働き、訪れる全ての人が、快適に過ごせるまちづくりを推進してまいります。
最後に、3歳児の保育園での眼科検診についてのお尋ねです。
幼少期の眼科検査では、子どもの目の異常を早期に発見し、確実に治療につなげることが必要です。そのため、保護者が検査に付き添い、直接、視能訓練士や医師から結果を聞くことができる体制を整備した3歳児健診が最も有効と考えております。
保育園では、みなと保健所と連携し、3歳児健診の重要性を保護者に伝えるとともに、今後も積極的な、現在行っております3歳児健診の受診を勧めてまいります。よろしく御理解のほどお願いいたします。
教育に関わる問題については、教育長から答弁いたします。
○教育長(浦田幹男君) ただいまの都民ファーストの会を代表しての榎本茂委員の総括質問にお答えいたします。
他覚的屈折検査機器を用いた視覚検査を実施することについてのお尋ねです。
幼少期の視覚検査は、子どもの目の異常を早期に発見し、確実に治療につなげることが必要です。そのため、保護者が検査に付き添い、直接、視能訓練士や医師から結果を聞くことができる体制を整備した3歳児健診が最も有効と考えています。
教育委員会は、みなと保健所とも連携し、3歳児健診の重要性を保護者会で周知するなど、様々な機会を捉えて積極的な受診を勧めてまいります。よろしく御理解のほどお願いいたします。
○委員(榎本茂君) 再質問ではないですから、安心してください。要望です。
分かりました。3歳児健診については、保育園とか幼稚園とかではやらないで、あくまでも保健所でやるのだという方針は理解しました。
受診率が高いところを調べると、保健所1か所でやっていないのです。新型コロナウイルスワクチンの接種で港区がすごく評価が高かったのは、開催場所がいっぱいあったからというのは、一つあると思うのです。保健所1か所だけでやっているのが、僕は多分、港区が落ちている理由だと思うのです。よその区、受診率が高い区を見ると、3歳児健診を1か所だけでやっている区はないのです。何か所かで分散でやっているのです。何とかその辺も工夫していただいて、保健所は1か所でしかないですけれども、3歳児健診自体を1か所にとどめるのではなく、複数でやるとか、そういう知恵もぜひ御検討いただきたいと思います。
あと、指定喫煙場所のことで密閉型というのをこれから作っていくというのは、僕も訴えてきていたので、ありがたいと思うのですが、できたら、区の税金であれを作るのは、矛盾していると思うところもありまして、ぜひたばこメーカーにお金を多少出してもらったらいいのではないのかと個人的には思っております。たばこが寄附とか広告を出せないというのは分かっていますけれども、もちろん広告は出さなくて、お金だけです。
以上、要望でございます。
○委員長(池田たけし君) 都民ファーストの会の総括質問は終わりました。
……………………………………………………………………………………………
○委員長(池田たけし君) 次に、街づくりミナトの玉木委員。
○委員(玉木まこと君) 街づくりミナトの令和2年度決算特別委員会総括質問を始めます。
令和2年度決算は、計8回の補正予算を行い、
新型コロナウイルス感染症対策を中心に、迅速かつ、時に大胆な事業を実施されたと評価しております。また、補正予算の検討に当たっては、議会との意見交換の場であったり、議員から直接区民要望等を聴取するなど、これまで以上に丁寧な進め方をしていただきました。こうした変則的な1年であった令和2年度の取組は、今後の区政発展のため、区役所内部でもしっかりと総括していただきたいと思います。
それでは、令和2年度決算を踏まえ、令和4年度予算に向けた質問を何点か行います。
初めに、誰もが住みやすく、健康で暮らしやすい社会の実現について質問します。
今回、民生費の款で、墓地、埋葬等に関する法律に基づく死亡人と、ひきこもりを取り上げました。墓地、埋葬等に関する法律に基づく死亡人、すなわち引取り手のない死亡人は、区内で亡くなった方で引取り手がなく、火葬等を港区が行うものですが、令和2年度は過去10年と比較しても特異な年で、年間34件と、ほぼ倍増という結果でした。
民生費の質疑では、人口増加傾向が続き、財政も健全な港区で、こうした引取り手のない死亡人が倍増するということは、都心部の港区が抱える重要な社会課題だと指摘し、担当課長の答弁では、家族関係の複雑化・希薄化の拡大が要因とのことでした。また、ひきこもり家庭への支援については、当事者が主体的に相談に来るケースが少なく、現状の区の支援を拡充し、厚生労働省の通知にもあるように、生活再建と就労支援に取り組んでほしいとお願いしました。
家族関係の複雑化・希薄化による引取り手のない死亡人や、自らは支援を求めづらいひきこもり家庭、どちらも現状の区の取組ではなかなか支援が届きにくい状況です。福祉総合窓口設置による相談窓口の一本化や、行政の連携には大いに期待いたしますが、ひきこもりや人間関係の希薄化という、福祉部門における難しい課題に対する区長の取組姿勢をお聞かせください。
次に、公園・児童遊園及び橋梁の設計業務の発注について質問します。
平成30年第3回定例会の一般質問で、土木設計競技ガイドラインを参考に、公共デザインへの競争性導入の可能性について検討していただくことを要望しました。土木設計競技ガイドラインでは、従来の設計案を選定する、いわゆる設計競技、コンペ方式に限るのではなく、多くの自治体で既に実施されているプロポーザル方式や、総合評価落札方式、設計・施工一括方式など、様々な既存の入札方式の中でも、デザインの質の競争を実現できるような包括的な体系が必要とされています。
港区でも、建築設計業務では既にプロポーザル方式の採用実績があるとお聞きしておりますが、景観を重視した公園や橋梁整備を推進するため、土木設計業務でもプロポーザル方式の活用など、発注方式の工夫をぜひお願いしたいと思います。現在、区が行っている公園・児童遊園及び橋梁の、景観へ配慮した設計業務の進め方と、今後の景観向上のためのプロポーザル発注方式の活用について、区長のお考えをお聞かせください。
次に、土地利活用、施設整備における区民参画手法について質問します。
総務費では、元麻布にある、15年もの間活用されてこなかった旧麻布保育園、旧麻布福祉会館の活用検討においては、近隣の区民等と今後の活用方針について、早急に状況の説明と意見交換の場を設けていただきたいと質問しました。課長からは、本年6月に地元町会、商店会、及び近隣の方々に対し、本用地の活用に向けた安全対策の実施について説明を行い、動き出すということで、とてもよかった、町会や防災協議会としても協力していきますと、前向きな御意見をいただいたとのことでした。そして、こうした地元住民の期待に応えるべく、地盤改良等の必要な工事の実施に向けて、迅速に現在検討を進めていただいていることに感謝いたします。
随分前の話になりますが、平成29年第1回定例会一般質問で、私は、様々な区の方針決定の際には、区民の意向を生かすため、説明会等で決定事項を単に説明するのではなく、複数の選択肢を提示し、方針決定の前段階から区民意見を反映できる仕組みの構築に、ぜひ取り組んでいただきたいと要望いたしました。旧麻布保育園用地に限らず、区有地の新たな活用や施設整備を検討する際には、区役所内部での行政需要を適切に見極め、必要な施設整備等を検討することが第一ではありますが、区民との対話を通して、区民も納得し、新たな整備計画を楽しみに待っていただけるような努力を、引き続きお願いしたいと思います。
そこでお聞きしますが、活用方針の検討段階から区民意見を反映できるよう取り組んでいただきたいと思いますが、区長のお考えをお聞かせください。
最後に、コロナ禍のシビックプライドの醸成について質問します。
新型コロナウイルス感染症の流行は、子どもから大人まで、これまでの日常を一変させました。区民や区内事業者の中には、そうした危機的な状況になって初めて、港区に相談に来て支援を受けたという方もいたのではないでしょうか。区が区民や区内事業者が置かれている困難な状況に寄り添うことは当然ですが、こうしたときこそ区民や区内事業者の港区への愛着を育む絶好の機会とも言えると思います。
残念ながら、令和2年、3年、そして次の令和4年度も、
新型コロナウイルス感染症の影響は続く見通しです。引き続き、コロナ禍で困っている方への支援とともに、戦略的に港区への愛着、シビックプライドの醸成をする機会にすべきだと思います。コロナ禍以前は観光政策担当課が中心となり、港区のシティプロモーションに取り組んできましたが、シティプロモーションを観光振興という一つの目的にとどめるのではなく、シビックプライドの醸成という全庁的な取組へと展開させていただきたいと思います。
窓口業務や清掃業務、そして港区立郷土歴史館、港区立伝統文化交流館、港区立みなと科学館、港区立エコプラザなど、区民が港区を知る、楽しむことのできる区立施設の活用など、様々な区民との接点や区の資源を、シビックプライドの醸成に生かしてはいかがでしょうか。コロナ禍だからこそ、全庁的に港区への愛着、シビックプライドの醸成に取り組むべきと考えますが、区長のお考えをお聞かせください。
以上で質問を終わりにします。
○区長(武井雅昭君) ただいまの街づくりミナトの玉木まこと委員の総括質問に順次お答えいたします。
最初に、ひきこもりや人間関係の希薄化に対する取組についてのお尋ねです。
港区生活・就労支援センターでは、家族からの相談を受ける中で、ひきこもり状態の人がいる世帯に対して、必要に応じて担当者が自宅へ出向くなどの支援を行っております。来年8月に設置する福祉総合窓口では、生活困窮部門を含めた各福祉分野の連携を一層強化してまいります。
ひきこもり状態にある人だけでなく、家族も含めた世帯全体の課題として捉え、区からの様々なアプローチを行うことで、生活改善や必要な支援につなげてまいります。
次に、公園・児童遊園及び橋梁の設計業務の発注についてのお尋ねです。
区はこれまで、公園・児童遊園及び橋梁の全面整備の際には、地域の方々とのワークショップなどの開催により、周辺環境への配慮も含めた御意見を設計に反映するとともに、必要に応じて景観アドバイザーの意見もいただきながら進めてまいりました。
今後、プロポーザル方式の活用も含め、よりよい設計業務の発注に向け、調査・研究してまいります。
次に、土地活用、施設整備の検討段階からの区民意見の反映についてのお尋ねです。
区は、施設整備の必要性及び緊急性、既存建物の活用や複合化、整備手法、財産貸付けの可能性など、あらゆる要素を複合的に検討し、最も有効な活用方針を導き出してまいりました。
今後も、活用方針の検討段階において、適切に意見交換の場を設けるなど、区民の御意見を伺ってまいります。
最後に、コロナ禍のシビックプライドの醸成についてのお尋ねです。
区は、コロナ禍においても地域に目を向けてもらい、区民のシビックプライドを醸成するために、ワクチン接種会場における「まちなみイラスト」の展示やSNSを活用して、区内施設や区立公園の魅力を紹介してまいりました。また、今年度、お台場レインボーバスにシティプロモーションシンボルマークを掲出するなど、港区の魅力を効果的に発信することにも取り組んでおります。
今後も、「誰もが住みやすく、地域に愛着と誇りを持てるまち・港区」の実現に向け、全庁を挙げて取り組むとともに、港区ならではの対策を迅速かつ積極的に実施し、区政を身近に感じていただき、シビックプライドの醸成に努めてまいります。よろしく御理解のほどお願いいたします。
○委員(玉木まこと君) 以上で質問を終わりにします。御清聴ありがとうございました。
○委員長(池田たけし君) 街づくりミナトの総括質問は終わりました。
以上で、総括質問を終わります。
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○委員長(池田たけし君) これより令和2年度決算4案について、各会派の態度表明を行います。
初めに、自民党議員団を代表して、ゆうき委員。
○委員(ゆうきくみこ君) 令和2年度決算審議に当たり、自民党議員団の態度表明を行います。
コロナ禍を乗り越えたこれからの港区をさらに発展させ、その他様々な課題に対して積極的な施策を打たれることをお願いし、議案第52号令和2年度港区一般会計歳入歳出決算、議案第53号令和2年度港区国民健康保険事業会計歳入歳出決算、議案第54号令和2年度港区後期高齢者医療会計歳入歳出決算、議案第55号令和2年度港区介護保険会計歳入歳出決算、以上4案をいずれも認定いたします。
○委員長(池田たけし君) 次に、みなと政策会議を代表して、七戸委員。
○委員(七戸じゅん君) 行政、議会とも、我々の喫緊の課題というのは、やはり
新型コロナウイルス感染症対策と思います。しっかり対策ができなければ、区政運営はできないということで、ワクチンの接種率も8割以上の目標を持ち、そしてまた、3回目もしっかり考えておられるということでございます。今回の我々のやり取りを、しっかり意見を聞いていただきまして、また予算要望もいたしました。そういったことも加味していただきまして、それを希望いたしまして、期待して、決算4案を全て認定させていただきます。
○委員長(池田たけし君) 次に、公明党議員団を代表して、なかね委員。
○委員(なかね大君) 公明党議員団を代表しまして、令和2年度決算4案について態度表明を行います。
決算資料の中で、我が会派より述べました意見、要望、提案、そして指摘につきまして、来年度の予算にしっかりと強く反映されることを要望いたしまして、令和2年度決算4案につきましては、いずれも認定いたします。
○委員長(池田たけし君) 次に、共産党議員団を代表して、福島委員。
○委員(福島宏子君) 2020年度の決算審議に当たり、共産党議員団を代表して、4案に対する態度表明を行います。
決算審議で私たちは、様々な要望をしてきました。
新型コロナウイルス感染症対策や、区有施設のトイレへの生理用品の配布、通学路の喫煙対策、指定管理者における再委託などの要望をしてまいりました。そういった提案に港区は、区民の声にしっかりと向き合っていただきたいと思います。
一方で、今、再開発に対して多くの税金が使われています。既に完了した17地区の補助金が635億円。今、事業中の16地区では868億円もの補助金が支出される予定です。この一部を使うだけで、区民の生活が大幅に改善されることは明らかです。区民生活、中小企業、商店、飲食店等々を守ること、福祉の向上が自治体のあるべき姿です。
共産党議員団は、区民が中心の区政を目指して政治を変える決意を述べ、決算4案は認定いたしません。
○委員長(池田たけし君) 次に、都民ファーストの会を代表して、榎本茂委員。
○委員(榎本茂君) 都民ファーストの会を代表して、態度表明いたします。
令和2年度決算審議を通じまして、我が会派からは様々な意見、提案をさせていただきました。時代の大きな変化を迎える社会にあって、区の事業を精査し、区民のためにきめ細かな行政サービスが提供できるよう、行政とともに今後も知恵を出し合い、研さんを重ねてまいる所存です。
我々の提案を来年度予算に反映していただけることを要望し、令和2年度決算4案はいずれも認定いたします。
○委員長(池田たけし君) 次に、街づくりミナトの玉木委員。
○委員(玉木まこと君) 街づくりミナトの態度表明を行います。
コロナ禍という特異な1年であった令和2年度決算審査では、事業の成果に
新型コロナウイルス感染症の影響がないか、区に相談できず困っている方への支援、そして継続事業の見直しといった変革も求めてまいりました。区からは、危機的状況に対して迅速に必要な対策を行うという、区の主たる業務を確実に実行するとともに、アフターコロナを見据えた計画的な取組状況についても確認することができました。
最後に、これまで街づくりミナトが提言してきた参画と協働の推進、都心にふさわしいにぎわいと品格あるまちづくり、そして、本委員会で質問した内容を今後の区政運営、来年度予算に生かしていただくことをお願い申し上げて、街づくりミナトは令和2年度決算4案をいずれも認定します。
○委員長(池田たけし君) 次に、虚偽報道に負けない会の赤坂大輔委員。
○委員(赤坂大輔君) 決算審査で申し上げました意見、提言という思いを、ぜひお酌み取りいただきまして、今後の事業展開をしていただけるよう期待しまして、決算4案を認定いたします。
○委員長(池田たけし君) 以上にて、態度表明を終わります。
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○委員長(池田たけし君) これより採決を行います。
採決の方法は、起立をもって行います。まず、「議案第52号 令和2年度港区一般会計歳入歳出決算」について採決いたします。
本案について、認定することに賛成の方は御起立願います。
(賛成者起立)
○委員長(池田たけし君) 起立多数と認めます。よって本案は、認定することに決定いたしました。
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○委員長(池田たけし君) 次に、「議案第53号 令和2年度港区国民健康保険事業会計歳入歳出決算」について採決いたします。
本案について、認定することに賛成の方は御起立願います。
(賛成者起立)
○委員長(池田たけし君) 起立多数と認めます。よって本案は、認定することに決定いたしました。
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○委員長(池田たけし君) 次に、「議案第54号 令和2年度港区後期高齢者医療会計歳入歳出決算」について採決いたします。
本案について、認定することに賛成の方は御起立願います。
(賛成者起立)
○委員長(池田たけし君) 起立多数と認めます。よって本案は、認定することに決定いたしました。
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○委員長(池田たけし君) 次に、「議案第55号 令和2年度港区介護保険会計歳入歳出決算」について採決いたします。
本案について、認定することに賛成の方は御起立願います。
(賛成者起立)
○委員長(池田たけし君) 起立多数と認めます。よって本案は、認定することに決定いたしました。
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○委員長(池田たけし君) 以上をもちまして、本委員会の審議は全て終了いたしました。
この際、私から一言御挨拶を申し上げます。
9日間の審議日程を通しまして、幅広い角度から区政の諸課題について踏み込んだ有意義な審議ができましたことを深く感謝申し上げます。コロナ禍の克服に向けまして、来年度予算への反映を期待するところでございます。委員会運営に当たりまして、各会派の理事、委員の皆様の御理解に心から感謝を申し上げます。また、武井区長をはじめ、理事者の皆様の御協力に深く御礼を申し上げます。
最後に、担当の谷口さん、宇野さんをはじめ、議会事務局の皆さんのおかげで円滑な運営ができましたこと、そして、うかい雅彦、横尾俊成両副委員長の支えに心から感謝を申し上げます。
以上をもちまして、私の挨拶とさせていただきます。皆様、大変にありがとうございました。
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○委員長(池田たけし君) 以上をもちまして、令和2年度決算特別委員会を閉会いたします。
午後 5時09分 閉会...