一、
総合防災対策を強化するとともに、大震災から都民の生命と財産を守るために、
情報連絡、避難誘導、救出救護などの活動の強化を図ること。
一、
私学助成については、現下の厳しい
財政状況にあっても、これまで行われてきた
私学助成の水準を堅持、充実されたい。
一、
専修学校の
教育条件の改善を図るため、適切な指導に努めるとともに、高等課程に対する
教育振興補助の充実及び専門課程に対する補助を新設すること。また、
実学教育を支える
専修学校については、幅広い視野からの検討を重ね、中長期的、総合的な
振興方策を明示すること。
以上です。
◯小林委員 私は
都議会民主党を代表して、当委員会に付託された平成十年度予算にかかわる議案について、意見の開陳を行います。
平成十年度東京都
一般会計予算案は、六兆六千七百五十億円、前年度比二百億円、〇・三%の微増となっています。歳入の七割を占める
都税収入は、九年度当初予算比六・七%増、
地方消費税の平年度化の要素を除くと一・六%増にとどまるとしていますが、法人二税に九・二%という高い伸びを見込んでおり、
景気動向いかんでは歳入に欠陥を生じかねないものとなっております。
本予算案では、都民が厳しい目を注いでいる
内部努力によって約四百八十億円削減し、施策総点検によって二百八十一件の
事務事業を廃止し、百三十九億円削減したほか、
投資的経費を一千百八十億円削減し、
財政健全化計画実施案に掲げた代表的な
見直し項目においても約五百二十億円削減しております。その一方で、「
生活都市東京の創造
重点計画」事業に六千百三十六億円を充て、ささやかとはいえ都政の新たな
施策展開に道を開いたこと、他の分野が軒並み圧縮される中で福祉と保健に七千百六十五億円、前年度比二百五十二億円、三・六%増としたこと、また、私たちの
重点要望であった金融機関の貸し渋りに対する対策も別途講じたことは、率直に評価をしたいと思います。
しかし、
重点計画において、
事業実施に当たっての新たな
仕組みづくりを提案し、
職員定数も当初目標の四千五百人を上回る五千三百六十八人削減し、かつ、十一年度、十二年度でさらに二千六百三十四人削減するとしながら、
組織再編については基本的な考え方を示すにとどまっています。
また、本予算案は、特別な
財源対策を講じることなく編成されていますが、弾力的な
財政体質を確立するには至っておらず、深刻化する不況に対する柔軟な対応を困難なものとしております。
加えて、使用料、手数料の改定によって七十八億円、
下水道料金の改定によって百二十七億円もの
都民負担増を見込んでいます。
景気後退の不安にさらされている都民の現状を見るならば、
都民生活に大きな影響を与えるこれらの措置については、特別な配慮が必要であると考えます。そして、今後の
景気動向いかんでは、特別な対策を講じる必要もあります。
私たちは、これまでも
予算編成手法の改善、
企業会計方式の導入、
施策評価の
仕組みづくりなど、
都政改革に再三言及してきました。
組織再編についても
政調会長私案を示し、早急な具体化を求めてまいりました。
今後の都財政は、税収の大幅な伸びが見込めない中で、都債の実償還額、
一般歳出の急増が予想されており、都政の抜本的な改革と中長期的な視点に立った
都政運営が求められると同時に、
社会経済状況の変化、とりわけ
景気動向には柔軟に対応していかなければなりません。本予算案は、そのためのスタートラインを築いたにすぎず、引き続き
都政改革の具体化に取り組まなければなりません。
以上、私たちの総括的な見解を述べ、以下、各局にかかわる事項について述べます。
まず、
政策報道室関係について述べます。
一、政府の
地方分権推進計画作成や
法令改正の過程で、勧告から後退したり、
関係法令で自治体を必要以上に細かく規制することのないように政府に働きかけること。
一、
地方分権の実効性を確保するため、
財政自主権を確立し、
財政需要に見合った
自主税財源を確保するとの観点から、国に対して
地方税財政制度の改革を強力に働きかけること。
一、
財源調整措置や分割基準の変更など、国による
減額措置は不合理であり、国に対して強く廃止を求めること。
一、計画的、段階的な
区市町村への権限移譲、都の
区市町村に対する関与の見直し、条例、規則の整備などを進めること。
一、
現行東京都公文書の開示に関する条例を改正し、より一層の
情報公開に努めること。
一、法令等により義務づけられていない任意の
情報提供も積極的に推進すること。
一、施策や
計画決定に当たって、都民の声を反映していく
システムと回路を構築すること。
一、東京都の公文書に関する都民の権利を明確にするため、東京都
公文書管理規程の条例化を検討するとともに、
文書管理体制の整備を促進すること。
一、都民、事業者とともに
循環型社会づくりのための東京の
行動計画、
アクションプランの策定を進めること。
一、廃棄物ゼロ(ゼロエミッション)に関する調査を進めること。
一、東京都
在住アイヌ人生活実態調査を実施すること。
次に、
総務局関係について述べます。
一、東京都の組織の抜本的な再編成を進めるため
(1)、自治・分権改革の進展を見据え、行政の都合による組織編成から、都民のニーズに応じ、横断的な
取り組みにも柔軟に対応できる機能的組織編成に改めること。
(2)、予算と計画の統合、政策形成と調査研究(シンクタンク)機能の強化、政策法務機能の創造など、
トップマネジメント機能の充実強化を図ること。
(3)、予算編成・執行における都庁各組織の自主性を高めるとともに、そのほかの内部管理部門の統合を図ること。
(4)、都政全体の施策や事業に対する評価の
仕組みづくりを進めるとともに、専門的な体制づくりを検討すること。
(5)、事業部門への
企業会計方式の適用、既存都庁組織からの分離等を検討すること。
一、
施策評価制度の導入の環境整備として、予算重視から決算重視への転換を図り、
企業会計方式の導入を含めた、徹底的、かつ、わかりやすい
情報公開の推進などを検討すること。
一、東京都
監理団体に対する
経営評価を踏まえた各団体の経営改善を促進し、統廃合等を含めた対策を講ずるとともに、各団体の自主性、自律性を高めること。
一、
都区制度改革実現のため、十二年四月までに条件整備を整えるよう、都区一体で取り組むこと。
一、特別区が実施する直営清掃車の車庫整備事業に対して財政支援を行うこと。
一、
私立学校における
教育条件の向上、保護者負担の軽減及び学校経営の健全化等を図るため、各種の助成を行うとともに、
私立学校に対する
各種助成制度の基準等の公開、
私立学校の経営情報の公開促進に努めること。
一、震災に対する調査研究(火山の活動状況に関する調査、立川断層に関する調査等)を充実すること。
一、地震計ネットワークの整備を図ること。
一、
応急給水槽の建設、都立学校、小中学校の
避難所機能の強化等を図ること。
一、
多摩地域における整備については、
多摩地域全域を視野に入れ、地域間のアンバランス、多摩内格差を助長しないように特に留意をすること。
一、武蔵野の森総合スポーツ施設等の整備を進めるとともに、周辺道路整備等に対しても財政援助を行うこと。
一、地域に密着したJリーグクラブ育成のための支援策を講ずること。
以上で
都議会民主党を代表しての
意見開陳を終わります。
◯田島委員 初めに、
各局共通事項について申し上げます。
都議会無所属クラブは、十年度予算案の策定に当たって、現下の厳しい経済状況を踏まえ、簡素効率的な
都政運営を第一義とし、特に、歳入の確保につながる事業展開に効果ある編成に努めるよう強く求めてきたところである。
今、すべての都民が都政に求めているものは、一日も早い景気回復である。したがって、十年度予算の執行に当たっては、少子高齢化の進行、更新期を迎える社会資本整備といった新たに生じる行政需要を、地域振興や
中小企業振興に有機的に結びつけるなど、都経済の活性化に留意し、積極的な事業展開を図るなど、景気対策への一層の工夫を図るよう強く要望する。
なお、
財政健全化に向け、定数削減や外部団体への支出削減などに努力の跡は見られるものの、都民が十分に納得し得る
内部努力とはいいがたい。とりわけ、
組織再編や
監理団体の統廃合によるコスト面での効率化の検証がなおざりな点は、緊急に改善すべきであることを強く指摘しておく。
特に、我が会派は、安易に
都民負担を求める前に、まず改革を断行すべきと主張してきたところである。
現段階で、
組織再編成に関して、本年八月中に素案作成、来年夏を努力目標に実施というスケジュールが知事から明確に示された以上、平成十年度に予定されている
内部努力とあわせて、その実現に向けた
取り組みを厳しく、かつ、適正にチェックしていく決意である。
次に、
政策報道室関係について申し上げます。
都政を取り巻く環境の変化に伴って生ずる新たな問題や局際的な課題に対して、迅速かつ的確に対応し、
トップマネジメントを補佐する重責を果たされたい。
東京の持続的な発展のため、都民や事業者と協力し、
循環型社会づくりを推進されたい。
生活者の視点に立ち、今後目指すべき東京の都市像や都民の生活像の実現に向けた施策の展開を図るため、「
生活都市東京の創造
重点計画」の着実な実現に努められたい。
みずからの努力で、みずからの地域の活性化を果たすという本来の地方自治を実現するため、自主財源の充実強化などを国に働きかけるとともに、東京都としての
地方分権の推進に積極的に取り組まれたい。
首都機能移転問題については、
移転先候補地との
比較考量に備えた十分な調査を行うとともに、
広報活動の充実に努め、
世論喚起を図られたい。
テレビ、ラジオ、刊行物及び新しい
都政情報提供システム等の多様な媒体を活用し、より一層、効果的かつ効率的な都民広報の展開に努められたい。
情報公開制度の適正な運営に努めるとともに、社会環境の変化を踏まえた、よりふさわしいあり方を検討し、充実を図られたい。
次に、
総務局関係について申し上げます。
平成十二年の
都区制度改革の実現に向け、
清掃事業を初めとする事業の円滑な移管を推進するとともに、都区間における税財政制度の整備を図り、特別区の自立性、自主性の強化に努められたい。
多摩地域の振興については、いわゆる多摩格差の是正に努めるとともに、
都市基盤整備を推進し、業務、商業、文化、居住環境など、都市生活機能の充実に努められたい。
また、
島しょ地域の振興に当たり、各島の
地域特性を生かした産業や観光の振興を推進し、活力に満ちた個性豊かな島づくりに一層の支援を図られたい。
東京直下の
地震被害想定に基づき、初動体制の確保、
応急給水槽の整備、学校の
避難所機能の整備を促進し、被災者の救援救護体制を強化するとともに、都民に対する防災普及広報事業や災害の情報収集体制に万全を期されたい。
私立学校における
教育条件の向上、保護者負担の軽減及び学校経営の安定化を図るため、
私立学校助成に関する都議会決議を踏まえ、助成制度の充実に努められたい。
以上、無所属クラブの意見とさせていただきます。
◯白井委員長 意見の開陳は終わりました。
ただいま開陳されました意見は、
調査報告書として取りまとめの上、議長に提出いたします。ご了承願います。
以上で予算の調査を終わります。
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◯白井委員長 これより
付託議案の審査を行います。
第三十二号議案、東京都知事の給料の特例に関する条例外第三十三号議案、第三十四号議案、第三十六号議案、第三十七号議案及び第三十九号議案から第四十五号議案までを一括して議題といたします。
◯田島委員 この際、議事進行の動議を提出いたします。
ただいま議題となっております第四十二号議案、第四十三号議案につきましては、閉会中の
継続審査とされることを求めます。
◯白井委員長 ただいま田島副委員長から
継続審査の動議が提出されました。
ただいまの動議は、起立により採決いたします。
本動議に賛成の方はご起立を願います。
〔賛成者起立〕
◯白井委員長 起立少数と認めます。よって、
継続審査の動議は否決されました。
この際、本案に対し、発言の申し出がありますので、これを許します。
◯植木委員 第三十四号議案、東京都
職員定数条例の一部を改正する条例、第三十六号議案、都と特別区及び特別区相互間の財政調整に関する条例の一部を改正する条例外三条例に反対する立場から、
日本共産党都議団の意見を述べます。
東京都
職員定数条例の改正は、行革大綱での定数削減をさらに改定して、十年度に合計千七百七十七人も削減する計画である。少子高齢化への備えとか循環型社会の形成、
生活都市東京の創造などといいながら、福祉施策、養護老人ホームや病院などの給食調理の民間委託、住宅建設関係等々、人員配置を大幅に削減するもので、最も身近な都民サービスの切り捨てにつながるものであり、反対であります。
都区財政調整条例は、算定の見直しでありますが、これまで基準
財政需要額を、算定の見直しによる削減や、本来あってはならない算定の繰り延べを繰り返してきているものであり、反対であります。また、その問題点をそのままにして、一方的に都側の方針を押しつけて、合意したとして、今後も進めようとしていることも重大な問題であります。
都立科学技術大学条例及び都立短期大学条例については、値上げの条例であります。今定例会では都政史上最高の、
一般会計の使用料、手数料や国民健康保険料を初めとし、公営企業の
下水道料金など合計六十九種類、四百億円近い値上げを行うものの中の一つであります。消費税の増税や医療費負担増など九兆円もの大増税が行われる中で、個人消費が冷え込み、
中小企業に大きな打撃になっている深刻な不況など、
都民生活が脅かされております。こうした状況の中で、授業料や入学料など大幅な公共料金の値上げはすべきではなく、反対であります。
東京都産業労働会館条例の一部改正は、本来終了すべき
同和事業を人権啓発の名目で継続するために、わざわざ
同和事業促進協会を人権啓発センターとして改組し、そこに会館運営を委託するというものであり、反対であります。人権問題に取り組むということは、性による差別や、子どもや障害者など幅広い人間の尊厳に関する問題であるだけに、公平で中立、民主的に行われてこそ生かされるものだと思います。
なお、そのほかの議案については賛成であることを述べておきます。
◯白井委員長 発言は終わりました。
これより採決を行います。
初めに、第四十二号議案及び第四十三号議案を一括して採決いたします。
本案は、起立により採決いたします。
本案は、いずれも原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。──起立なしと認めます。よって、第四十二号議案及び第四十三号議案は、いずれも否決されました。
次に、第三十四号議案、第三十六号議案及び第四十五号議案を一括して採決いたします。
本案は、起立により採決いたします。
本案は、いずれも原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕
◯白井委員長 起立多数と認めます。よって、第三十四号議案、第三十六号議案及び第四十五議案は、いずれも原案のとおり決定いたしました。
◯植木委員 ただいま廃棄されました我が会派の意見は、少数意見として留保いたします。
◯白井委員長 ただいま植木理事より、少数意見として留保したい旨の発言がありましたが、本件は会議規則第六十七条の規定により、二名以上の賛成者を必要といたします。
植木委員の発言に賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕
◯白井委員長 賛成者二名以上であります。よって、本件は少数意見として留保されました。