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  1. 東京都議会 1998-03-20
    1998-03-20 平成10年総務委員会 本文


    取得元: 東京都議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-14
    午後一時七分開議 ◯白井委員長 ただいまから総務委員会を開会いたします。  初めに、意見書について申し上げます。  さきに理事会にご一任いただきました意見書中、二件につきましては、お手元配布の案文のとおり調整いたしました。  案文の朗読は省略いたします。      ─────────────    国民の祝日に関する法律の改正に関する意見書(案)  近年、我が国では、余暇や生活のゆとりを重視する考え方が浸透してきた。さらに、労働時間の短縮や週休二日制の普及などにより、余暇時間も拡大してきた。しかし、連続休暇取得状況は依然として低調である。  このような状況において、連続休暇を取りやすくし、ゆとりある生活、真に豊かな余暇を目指すための有効な方策の一つが祝日の月曜日指定による三連休化である。  祝日の三連休化は、現在ある国民の祝日の数を増やすことなく、十四日ある祝日のうち、幾つかを月曜日に指定することにより、土・日・月の三連休を実現し、まとまった自由時間を創出するものである。このことにより、ゆとりある生活スタイルの実現、休暇の分散化及び地域の活性化や経済波及効果などが期待できるとともに、祝日本来の意義の浸透が図られることから、その実現は極めて意義深いものである。  よって、東京都議会は、政府に対し、国民の祝日に関する法律を改正し、現在十四日ある国民の祝日の一部、例えば「成人の日」、「海の日」及び「体育の日」などを月曜日に指定するよう強く要請する。  以上、地方自治法第九十九条第二項の規定により意見書を提出する。   平成十年三月 日 東京都議会議長 田中 晃三 内閣総理大臣 ┐ 通商産業大臣 │ 運輸大臣   │あて 労働大臣   │ 自治大臣   │ 総務庁長官  ┘
         ─────────────    横田基地及び厚木基地周辺の総合的な航空機騒音防止対策の推進に関する意見書(案)  本年一月、米空母インディペンデンス艦載機による大規模な離発着訓練が行われ、横田基地及び厚木基地周辺住民から突然の訓練実施や深夜休日に及ぶ騒音に多数の苦情が寄せられた。  既に東京都を含む周辺自治体は、訓練の中止などを米軍及び国に要請したところである。しかし、周辺自治体と住民は、これまでにも度々このような要請を行ってきただけに、今回の従来の慣行を無視した大がかりな訓練や一向に改善されない航空機騒音にはいらだちを強めている。  横田基地厚木基地周辺のような人口密集地での離発着訓練は、米国本土では、行われていないと聞く。我が国において、度重なる要請にもかかわらず、このような訓練が行われていることは誠に遺憾である。  よって、東京都議会は、政府に対し、周辺住民の平穏な生活を確保するという立場から、米空母艦載機による離発着訓練の中止をはじめとする横田基地及び厚木基地周辺の総合的な航空機騒音防止対策を推進するよう強く要請する。  以上、地方自治法第九十九条第二項の規定により意見書を提出する。   平成十年三月 日 東京都議会議長 田中 晃三 内閣総理大臣 外務大臣 自治大臣 防衛庁長官}あて      ───────────── ◯白井委員長 本件につきましては、議長あて提出の手続をとりたいと思いますので、ご了承願います。  なお、その他の意見書につきましては、調整がつかなかった旨、議長に報告すべきであるとの結論になりましたので、ご了承願います。      ━━━━━━━━━━ ◯白井委員長 次に、今後の委員会の日程について申し上げます。  先ほどの理事会において、お手元配布の日程とすること申し合わせました。ご了承願います。  本日は、予算の調査及び付託議案の審査、並びに請願陳情の継続審査及び特定事件の継続調査の申し出に対する決定を行います。  これより予算の調査を行います。  第一号議案、平成十年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為総務委員会所管分、第二号議案及び第四号議案を一括して議題といたします。  本案につきましては、いずれも既に質疑を終了しております。  これより意見の開陳を行います。  順次発言を願います。 ◯倉林委員 私は、都議会自由民主党を代表いたしまして、当委員会に付託されました平成十年度予算関係議案についての意見開陳を行わせていただきます。  初めに、各局の共通事項について申し上げます。  我が党は、財政健全化を何としてもやり遂げなければ、東京は衰退の道をたどり、将来の希望を失ってしまうという強い危機意識を抱いておりますが、財政健全化は、それ自体が目的ではなく、あくまでも都民の暮らしを守り、向上させるための施策を、社会、経済等の変化に的確に対応させるための手段であることを忘れてはなりません。  青島都知事は、平成十年度予算により、財政健全化に区切りをつけたといっておられますが、都財政の構造的な転換が図られたわけではなく、根本的な問題はほとんど解決されず残されているのであります。しかも、今後、相当程度の歳出増が見込まれておりまして、都の財政が本当に厳しくなるのはこれからで、それをどう乗り切るかということこそが問題なのであります。したがいまして、中長期的な視点に立った財政運営に向けた新たな取り組みを早急に求めるものであります。  この十年度予算案は、こうした極めて厳しい財政環境の中で、ようやく編成したものでありますが、執行に当たっては、各局とも、むだはないか、節約できるところはないか、もっとよりよい方策、方法はないかといった視点で見直し、工夫を凝らしながら、一層効率的な事業運営に努めていただきたいと思います。  なお、使用料、手数料の値上げにつきましては、現在、長引く不況のもと、都民は生活にあえぎ、中小企業経営危機に瀕している折から、まず率先すべきは、みずからの内部努力であり、みずからの汗を流すことであって、何よりも求められることは景気浮揚策であります。したがいまして、このたび提案されたもろもろの使用料、手数料の値上げ案は、法令改正に伴うもの、あるいは特別な理由があるものを除きまして、到底了承することはできないのであります。また、知事の裁量により改定可能な使用料、手数料等都民負担増を求めるものについても同様であります。  最後に、予算化された事業については、当委員会の論議を踏まえ、都民の期待に適切にこたえるべく、最大限の努力を重ねながら執行されるよう強く要望するものであります。  時は今、マインド不況という言葉も生まれましたが、悪い面ばかりに着目し、それらがさらに経済を後退させるという悪環境から脱却しなければなりません。都政においても、都民の不安を夢と希望に変える幸せなあすを目指すために、確実かつ果敢に施策を推進するよう強く要望するものであります。  次に、各局関係につきまして申し上げます。  まず、政策報道室関係について申し上げます。  一、都政を取り巻く新しい課題に対応するため、トップマネジメントの補佐に努め、全都的見地に立った総合調整機能をますます発揮されたい。  二、循環型社会づくりを推進するために、広く都民の意見を集め、実効性ある行動計画を策定されたい。  三、都民が暮らしやすく、住み続けることができる東京を実現するため、「生活都市東京の創造 重点計画」の着実な推進に努められたい。  四、地方分権の推進に当たっては、国に対して地方分権推進委員会勧告の着実な実施を求めるとともに、都から区市町村への分権を計画的に進められたい。  五、首都機能移転について移転先候補地と東京都との比較考量に備えた調査を実施するとともに、この問題に関する世論喚起広報活動の充実に努められたい。  六、テレビ、ラジオ、刊行物及び新しい都政情報提供システム等各種媒体を活用し、より一層効果的かつ効率的な都政広報の展開に努められたい。  七、開かれた都政を推進するため、情報公開制度の一層の拡充を図られたい。  以上、政策報道室関係につきましては終わらせていただきますが、次に、総務局関係について申し上げます。  一、区市町村の振興については、行政水準の維持向上を図り、地域の均衡ある発展を推進するため、施策の一層の充実に努められたい。また、平成十二年度の都区制度改革の実現に向けて、税財政制度等の整備を図り、特別区の自主性、自立性を強化するなど、引き続き改革の推進に努められたい。  さらに、多摩島しょ地域の振興に当たりましては、都市基盤整備を着実に推進するとともに、市町村間の広域的な交流を促進するほか、地域特性を生かした諸施策を推進されたい。  二、震災対策については、東京直下地震被害想定を踏まえ、応急給水槽の建設や学校の避難所機能の強化を進めるとともに、近隣自治体等との相互協力による広域的な支援体制を整備するなど、総合的な震災対策の確立に努められたい。  三、私立学校に対する助成につきましては、私立学校が長い歴史と伝統に培われた独自の校風のもとに特色ある教育を実践し、公立学校とともに、公教育において果たしている役割の重要性と、都議会における私立学校助成に関する決議にかんがみ、各種助成制度の一層の充実に努められたい。  以上をもちまして意見の開陳を終わらせていただきます。 ◯前沢委員 日本共産党都議団を代表しまして、来年度予算関連議案の本委員会所管部分について意見開陳を行います。  各局議案全体につきましては、代表質問で我が党の基本的態度を明らかにしております。したがって、ここでは各局別に申し上げます。  まず、政策報道室関係であります。  一、東京の一極集中の是正を口実とする、財界本位首都機能移転に反対すること。  一、臨海副都心開発は、大企業本位の副都心づくりをやめて、都民の憩いの場とする方向に転換すること。  一、米軍による騒音被害の解消のため、無法な夜間離発着をやめさせるなど、日米地位協定の抜本的見直しを国に強く要求すること。  一、横田基地を初め、都内すべての米軍基地全面返還を米政府に直接要求するとともに、基地周辺自治体と連携し、騒音対策、住宅の防音工事の対象拡大など、実効ある取り組みを進めること。  米軍多摩サービス補助施設の返還、米軍による都立青山公園の不法占拠の即時解消を強く求めること。  一、憲法の平和的、民主的条項の徹底を図るとともに、都として、非核東京宣言非核東京湾宣言を行うこと。  一、非核三原則の厳正な実施と法制化を国に要求すること。  一、都政に関する情報の公開については、警視庁も対象とし、原則全面開示とすること。  一、行政の監視、不正の摘発を行うため、行政監視員オンブズマン制度を新設すること。  次に、総務局関係について申し上げます。  一、直下型地震被害想定に関する調査報告書を踏まえ、震度七の直下地震に対応する震災対策の全面的な確立に向けた取り組みを強化すること。  一、都立高校及び小中学校に、防災機能強化のためのろ水器、救急用品、井戸、応急給水槽全校配置に取り組むこと。  一、公共施設の耐震化と防災拠点化を促進すること。  一、都区財政調整については、特別区の実情に見合った財政措置を講ずるため、繰り延べ措置をやめ、復元すること。  一、二十三区国保会計の赤字分は、都区財調への算入をやめ、特別区の不足額は都の財源で補てんすること。  一、市町村振興交付金及び調整交付金については、市町村の要望にこたえ、大幅に増額すること。  一、私学助成については、政府に対し、助成金大幅削減を回復するよう強く要求するとともに、経常費の二分の一補助を完全実施すること。  一、私立学校の四十人学級の実現を目指し、学級規模適正化のための特別助成を別枠で制度化すること。  一、私立幼稚園経常費補助を早期に二分の一に引き上げ、不公正を拡大する父母負担軽減費助成の所得制限を撤回すること。  一、私立学校特別奨学金入学支度金貸付を増額し、返済期間の延長、対象人員の拡大を図ること。  一、行革大綱に基づく職員定数削減を撤回し、都民の要求にこたえられる職員の増員と定数配置を行うこと。  一、都立科学技術大学定数抑制方針を見直し、講座増設、学生増、留学生増に見合った教職員の大幅増員を行うこと。また、授業料の減免対象を拡大し、負担軽減を図ること。  一、同和事業の継続につながる財団法人人権啓発センターは、やめること。都の同和対策事業終結宣言を行い、全面見直し一般施策への転換を図ること。  一、行政の監視、不正の摘発を行うため、行政監視員オンブズマン制度を新設すること。  以上でございます。 ◯中山委員 都議会公明を代表して、平成十年度関係予算について意見を述べさせていただきます。  初めに、各局共通でございます。  長期不況と先行き不透明な経済情勢の中で、都民生活には深刻な影響がもたらされております。平成十年度の東京都予算案は、こうした厳しい環境を背景に編成されねばならず、財政健全化が至上課題とされる中で、諸課題を克服しつつ、いかにして都民の期待にこたえていくかが問われております。  今回の予算案には、そうした意義が課せられており、我が党としては、財政健全化に当たって、財源確保を福祉、教育、医療などの安易な削減による都民負担に求めるのではなく、まず、都みずからが徹底した内部努力行政改革を行って財源を確保すべきものと一貫して主張してまいりました。特に、財政健全化実施案の中で、代表的な見直し事例として取り上げられたシルバーパス制度老人医療費助成制度障害者医療費助成制度の三項目については、このような視点に立って、行政改革を先行させて財源確保を図ることを指摘してきたところであります。  こうして編成された十年度予算案は、一般会計で対前年度比〇・三%増の六兆六千七百五十億円とプラスとなったとはいえ、一般歳出が対前年度比三・九%減で、これで三年連続の減少という結果からも明らかなように、依然として緊縮予算となっております。  他の歳出項目が軒並み減額される中で、我が党の福祉関連予算を全予算の一〇%に位置づけるべきとの従来からの主張を反映させ、福祉と保健について対前年度比三・六%増の一〇・七%としたことや、シルバーパス制度障害者医療費助成制度についても内部努力によって財源確保を図り、現行制度をほぼ維持したことを評価するものであります。  また、復活要望で求めた児童手当制度の拡充についても、三歳児から六歳児までの第三子に一万円支給という新たな制度が創設されるとともに、乳幼児医療費助成制度についても対象が四歳未満児まで拡大されるなど、少子化が進展する中で、時代に即した意義ある制度充実といえます。  しかし、財政健全化に区切りがついたというのは早計であって、今後、大量の都債償還期を迎える一方、介護保険の導入など、ますます財政需要の増大が予測され、景気低迷と先行き不透明の中で、都財政の前途は全く予断を許さないのであります。  したがって、将来の安定した都財政を築くためにも、今後とも都政全般にわたる不断の見直しが必要であります。特に、行政改革については、我が党の徹底した追及によって、第二次ともいうべき職員定数削減計画が明らかになりましたが、さらに、組織の再編、事務事業の整理、刷新、外郭団体の見直しなど、徹底した取り組みによってスリムな行政に脱皮を図り、簡素で効率的な行財政を確立すべきであります。  なお、六十五条例二規則に及ぶ使用料、手数料の改定については、現下の厳しい経済情勢における都民生活への影響を考慮したとき、一律に値上げを断行することは許されるものではありません。今、急ぐべきは、安易に都民負担を求めるのではなく、まだまだ十分とはいえない行政改革をなし遂げることが先決であります。  その意味で、今回の六十五条例二規則の使用料、手数料の改定は、今後の景気動向行政改革の進展が重要であり、法令改正に伴う条例、制度改正による条例、さらには値下げを伴う条例改正などを除いて、当面凍結することを強く求めるとともに、老人医療費助成制度と、ひとり親家庭医療費助成制度についても、かねてから主張してきたとおり、現行水準を維持することを改めて要望するものであります。  次に、各局関係について申し上げます。  初めに、政策報道室についてであります。  一、都政における重要政策の決定が迅速かつ適切に行われるよう、政策報道室が持つ調整機能をさらに発揮し、各局にまたがる事業が円滑に推進されるよう積極的に取り組むこと。  一、地球環境を保全し、東京が持続的な発展を遂げていくためには、資源循環型の社会システムを築くことは不可欠である。都民や事業者とパートナーシップを構築して、循環型社会づくりを進めていくために実効性ある行動計画を策定すること。  一、地方分権については、国に対して地方分権推進委員会勧告の着実な実施を求めるとともに、東京都が全国の自治体の先頭に立ち、地方財源のさらなる充実確保などを働きかけること。また、都としても区市町村への分権を積極的に推進すること。  一、首都機能移転問題については、国会等移転審議会において調査対象地域が選定されるなど、移転が本当に必要かといった正面からの議論が十分に行われないまま推進される状況にある。移転先候補地と東京都の比較考量調査など、都民生活我が国経済、社会に与える影響をさらに調査するとともに、都民世論の喚起を図るため、この問題に関する広報活動の充実に努めること。  一、東京都公文書の開示等に関する条例については、制定後十三年を経過しており、国の情報公開制度制定の動向など、その後の状況変化を踏まえ、情報公開制度の拡充を図ることによって、都民に、より開かれた都政の確立に努めること。  一、広報広聴活動をさらに推進すること。特に税の使われ方については、都民にわかりやすく、きめ細かく広報広聴活動を進めること。  一、都民相談の充実を図ること。  次に、総務局について申し上げます。  一、徹底した行政改革取り組み、簡素で効率的な行財政の確立を図り、時代、社会の変化に即応すること。  一、監理団体の運営に当たり、我が党の提言を受け入れて、九年度から経営評価制度を導入したところでありますが、今後とも経営評価の結果等を踏まえて、団体の整理統合化、役員報酬の適正化、団体職員数の削減等を一層推進されたい。  一、事務事業をさらに見直し、一層の効率化に努めること。  一、区市町村との事務分担、役割分担の明確化を図り、財政補完を強化すること。  一、都区制度改革については、平成十二年度の制度改革実現に向け、引き続き特別区の自主性、自立性を尊重しながら、清掃事業を初めとする事務事業の円滑な移管、新しい財政調整制度の整備等に全庁を挙げて取り組まれたい。  一、多摩地域の自立化と島しょ地域の活性化のための諸施策を全庁的に推進すること。
     一、総合防災対策を強化するとともに、大震災から都民の生命と財産を守るために、情報連絡、避難誘導、救出救護などの活動の強化を図ること。  一、私学助成については、現下の厳しい財政状況にあっても、これまで行われてきた私学助成の水準を堅持、充実されたい。  一、専修学校教育条件の改善を図るため、適切な指導に努めるとともに、高等課程に対する教育振興補助の充実及び専門課程に対する補助を新設すること。また、実学教育を支える専修学校については、幅広い視野からの検討を重ね、中長期的、総合的な振興方策を明示すること。  以上です。 ◯小林委員 私は都議会民主党を代表して、当委員会に付託された平成十年度予算にかかわる議案について、意見の開陳を行います。  平成十年度東京都一般会計予算案は、六兆六千七百五十億円、前年度比二百億円、〇・三%の微増となっています。歳入の七割を占める都税収入は、九年度当初予算比六・七%増、地方消費税の平年度化の要素を除くと一・六%増にとどまるとしていますが、法人二税に九・二%という高い伸びを見込んでおり、景気動向いかんでは歳入に欠陥を生じかねないものとなっております。  本予算案では、都民が厳しい目を注いでいる内部努力によって約四百八十億円削減し、施策総点検によって二百八十一件の事務事業を廃止し、百三十九億円削減したほか、投資的経費を一千百八十億円削減し、財政健全化計画実施案に掲げた代表的な見直し項目においても約五百二十億円削減しております。その一方で、「生活都市東京の創造 重点計画」事業に六千百三十六億円を充て、ささやかとはいえ都政の新たな施策展開に道を開いたこと、他の分野が軒並み圧縮される中で福祉と保健に七千百六十五億円、前年度比二百五十二億円、三・六%増としたこと、また、私たちの重点要望であった金融機関の貸し渋りに対する対策も別途講じたことは、率直に評価をしたいと思います。  しかし、重点計画において、事業実施に当たっての新たな仕組みづくりを提案し、職員定数も当初目標の四千五百人を上回る五千三百六十八人削減し、かつ、十一年度、十二年度でさらに二千六百三十四人削減するとしながら、組織再編については基本的な考え方を示すにとどまっています。  また、本予算案は、特別な財源対策を講じることなく編成されていますが、弾力的な財政体質を確立するには至っておらず、深刻化する不況に対する柔軟な対応を困難なものとしております。  加えて、使用料、手数料の改定によって七十八億円、下水道料金の改定によって百二十七億円もの都民負担増を見込んでいます。景気後退の不安にさらされている都民の現状を見るならば、都民生活に大きな影響を与えるこれらの措置については、特別な配慮が必要であると考えます。そして、今後の景気動向いかんでは、特別な対策を講じる必要もあります。  私たちは、これまでも予算編成手法の改善、企業会計方式の導入、施策評価仕組みづくりなど、都政改革に再三言及してきました。組織再編についても政調会長私案を示し、早急な具体化を求めてまいりました。  今後の都財政は、税収の大幅な伸びが見込めない中で、都債の実償還額、一般歳出の急増が予想されており、都政の抜本的な改革と中長期的な視点に立った都政運営が求められると同時に、社会経済状況の変化、とりわけ景気動向には柔軟に対応していかなければなりません。本予算案は、そのためのスタートラインを築いたにすぎず、引き続き都政改革の具体化に取り組まなければなりません。  以上、私たちの総括的な見解を述べ、以下、各局にかかわる事項について述べます。  まず、政策報道室関係について述べます。  一、政府の地方分権推進計画作成法令改正の過程で、勧告から後退したり、関係法令で自治体を必要以上に細かく規制することのないように政府に働きかけること。  一、地方分権の実効性を確保するため、財政自主権を確立し、財政需要に見合った自主税財源を確保するとの観点から、国に対して地方税財政制度の改革を強力に働きかけること。  一、財源調整措置や分割基準の変更など、国による減額措置は不合理であり、国に対して強く廃止を求めること。  一、計画的、段階的な区市町村への権限移譲、都の区市町村に対する関与の見直し、条例、規則の整備などを進めること。  一、現行東京都公文書の開示に関する条例を改正し、より一層の情報公開に努めること。  一、法令等により義務づけられていない任意の情報提供も積極的に推進すること。  一、施策や計画決定に当たって、都民の声を反映していくシステムと回路を構築すること。  一、東京都の公文書に関する都民の権利を明確にするため、東京都公文書管理規程の条例化を検討するとともに、文書管理体制の整備を促進すること。  一、都民、事業者とともに循環型社会づくりのための東京の行動計画アクションプランの策定を進めること。  一、廃棄物ゼロ(ゼロエミッション)に関する調査を進めること。  一、東京都在住アイヌ人生活実態調査を実施すること。  次に、総務局関係について述べます。  一、東京都の組織の抜本的な再編成を進めるため   (1)、自治・分権改革の進展を見据え、行政の都合による組織編成から、都民のニーズに応じ、横断的な取り組みにも柔軟に対応できる機能的組織編成に改めること。   (2)、予算と計画の統合、政策形成と調査研究(シンクタンク)機能の強化、政策法務機能の創造など、トップマネジメント機能の充実強化を図ること。   (3)、予算編成・執行における都庁各組織の自主性を高めるとともに、そのほかの内部管理部門の統合を図ること。   (4)、都政全体の施策や事業に対する評価の仕組みづくりを進めるとともに、専門的な体制づくりを検討すること。   (5)、事業部門への企業会計方式の適用、既存都庁組織からの分離等を検討すること。  一、施策評価制度の導入の環境整備として、予算重視から決算重視への転換を図り、企業会計方式の導入を含めた、徹底的、かつ、わかりやすい情報公開の推進などを検討すること。  一、東京都監理団体に対する経営評価を踏まえた各団体の経営改善を促進し、統廃合等を含めた対策を講ずるとともに、各団体の自主性、自律性を高めること。  一、都区制度改革実現のため、十二年四月までに条件整備を整えるよう、都区一体で取り組むこと。  一、特別区が実施する直営清掃車の車庫整備事業に対して財政支援を行うこと。  一、私立学校における教育条件の向上、保護者負担の軽減及び学校経営の健全化等を図るため、各種の助成を行うとともに、私立学校に対する各種助成制度の基準等の公開、私立学校の経営情報の公開促進に努めること。  一、震災に対する調査研究(火山の活動状況に関する調査、立川断層に関する調査等)を充実すること。  一、地震計ネットワークの整備を図ること。  一、応急給水槽の建設、都立学校、小中学校の避難所機能の強化等を図ること。  一、多摩地域における整備については、多摩地域全域を視野に入れ、地域間のアンバランス、多摩内格差を助長しないように特に留意をすること。  一、武蔵野の森総合スポーツ施設等の整備を進めるとともに、周辺道路整備等に対しても財政援助を行うこと。  一、地域に密着したJリーグクラブ育成のための支援策を講ずること。  以上で都議会民主党を代表しての意見開陳を終わります。 ◯田島委員 初めに、各局共通事項について申し上げます。  都議会無所属クラブは、十年度予算案の策定に当たって、現下の厳しい経済状況を踏まえ、簡素効率的な都政運営を第一義とし、特に、歳入の確保につながる事業展開に効果ある編成に努めるよう強く求めてきたところである。  今、すべての都民が都政に求めているものは、一日も早い景気回復である。したがって、十年度予算の執行に当たっては、少子高齢化の進行、更新期を迎える社会資本整備といった新たに生じる行政需要を、地域振興や中小企業振興に有機的に結びつけるなど、都経済の活性化に留意し、積極的な事業展開を図るなど、景気対策への一層の工夫を図るよう強く要望する。  なお、財政健全化に向け、定数削減や外部団体への支出削減などに努力の跡は見られるものの、都民が十分に納得し得る内部努力とはいいがたい。とりわけ、組織再編監理団体の統廃合によるコスト面での効率化の検証がなおざりな点は、緊急に改善すべきであることを強く指摘しておく。  特に、我が会派は、安易に都民負担を求める前に、まず改革を断行すべきと主張してきたところである。  現段階で、組織再編成に関して、本年八月中に素案作成、来年夏を努力目標に実施というスケジュールが知事から明確に示された以上、平成十年度に予定されている内部努力とあわせて、その実現に向けた取り組みを厳しく、かつ、適正にチェックしていく決意である。  次に、政策報道室関係について申し上げます。  都政を取り巻く環境の変化に伴って生ずる新たな問題や局際的な課題に対して、迅速かつ的確に対応し、トップマネジメントを補佐する重責を果たされたい。  東京の持続的な発展のため、都民や事業者と協力し、循環型社会づくりを推進されたい。  生活者の視点に立ち、今後目指すべき東京の都市像や都民の生活像の実現に向けた施策の展開を図るため、「生活都市東京の創造 重点計画」の着実な実現に努められたい。  みずからの努力で、みずからの地域の活性化を果たすという本来の地方自治を実現するため、自主財源の充実強化などを国に働きかけるとともに、東京都としての地方分権の推進に積極的に取り組まれたい。  首都機能移転問題については、移転先候補地との比較考量に備えた十分な調査を行うとともに、広報活動の充実に努め、世論喚起を図られたい。  テレビ、ラジオ、刊行物及び新しい都政情報提供システム等の多様な媒体を活用し、より一層、効果的かつ効率的な都民広報の展開に努められたい。  情報公開制度の適正な運営に努めるとともに、社会環境の変化を踏まえた、よりふさわしいあり方を検討し、充実を図られたい。  次に、総務局関係について申し上げます。  平成十二年の都区制度改革の実現に向け、清掃事業を初めとする事業の円滑な移管を推進するとともに、都区間における税財政制度の整備を図り、特別区の自立性、自主性の強化に努められたい。  多摩地域の振興については、いわゆる多摩格差の是正に努めるとともに、都市基盤整備を推進し、業務、商業、文化、居住環境など、都市生活機能の充実に努められたい。  また、島しょ地域の振興に当たり、各島の地域特性を生かした産業や観光の振興を推進し、活力に満ちた個性豊かな島づくりに一層の支援を図られたい。  東京直下地震被害想定に基づき、初動体制の確保、応急給水槽の整備、学校の避難所機能の整備を促進し、被災者の救援救護体制を強化するとともに、都民に対する防災普及広報事業や災害の情報収集体制に万全を期されたい。  私立学校における教育条件の向上、保護者負担の軽減及び学校経営の安定化を図るため、私立学校助成に関する都議会決議を踏まえ、助成制度の充実に努められたい。  以上、無所属クラブの意見とさせていただきます。 ◯白井委員長 意見の開陳は終わりました。  ただいま開陳されました意見は、調査報告書として取りまとめの上、議長に提出いたします。ご了承願います。  以上で予算の調査を終わります。      ━━━━━━━━━━ ◯白井委員長 これより付託議案の審査を行います。  第三十二号議案、東京都知事の給料の特例に関する条例外第三十三号議案、第三十四号議案、第三十六号議案、第三十七号議案及び第三十九号議案から第四十五号議案までを一括して議題といたします。 ◯田島委員 この際、議事進行の動議を提出いたします。  ただいま議題となっております第四十二号議案、第四十三号議案につきましては、閉会中の継続審査とされることを求めます。 ◯白井委員長 ただいま田島副委員長から継続審査の動議が提出されました。  ただいまの動議は、起立により採決いたします。  本動議に賛成の方はご起立を願います。    〔賛成者起立〕 ◯白井委員長 起立少数と認めます。よって、継続審査の動議は否決されました。  この際、本案に対し、発言の申し出がありますので、これを許します。 ◯植木委員 第三十四号議案、東京都職員定数条例の一部を改正する条例、第三十六号議案、都と特別区及び特別区相互間の財政調整に関する条例の一部を改正する条例外三条例に反対する立場から、日本共産党都議団の意見を述べます。  東京都職員定数条例の改正は、行革大綱での定数削減をさらに改定して、十年度に合計千七百七十七人も削減する計画である。少子高齢化への備えとか循環型社会の形成、生活都市東京の創造などといいながら、福祉施策、養護老人ホームや病院などの給食調理の民間委託、住宅建設関係等々、人員配置を大幅に削減するもので、最も身近な都民サービスの切り捨てにつながるものであり、反対であります。  都区財政調整条例は、算定の見直しでありますが、これまで基準財政需要額を、算定の見直しによる削減や、本来あってはならない算定の繰り延べを繰り返してきているものであり、反対であります。また、その問題点をそのままにして、一方的に都側の方針を押しつけて、合意したとして、今後も進めようとしていることも重大な問題であります。  都立科学技術大学条例及び都立短期大学条例については、値上げの条例であります。今定例会では都政史上最高の、一般会計の使用料、手数料や国民健康保険料を初めとし、公営企業の下水道料金など合計六十九種類、四百億円近い値上げを行うものの中の一つであります。消費税の増税や医療費負担増など九兆円もの大増税が行われる中で、個人消費が冷え込み、中小企業に大きな打撃になっている深刻な不況など、都民生活が脅かされております。こうした状況の中で、授業料や入学料など大幅な公共料金の値上げはすべきではなく、反対であります。  東京都産業労働会館条例の一部改正は、本来終了すべき同和事業を人権啓発の名目で継続するために、わざわざ同和事業促進協会を人権啓発センターとして改組し、そこに会館運営を委託するというものであり、反対であります。人権問題に取り組むということは、性による差別や、子どもや障害者など幅広い人間の尊厳に関する問題であるだけに、公平で中立、民主的に行われてこそ生かされるものだと思います。  なお、そのほかの議案については賛成であることを述べておきます。 ◯白井委員長 発言は終わりました。  これより採決を行います。  初めに、第四十二号議案及び第四十三号議案を一括して採決いたします。  本案は、起立により採決いたします。  本案は、いずれも原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。──起立なしと認めます。よって、第四十二号議案及び第四十三号議案は、いずれも否決されました。  次に、第三十四号議案、第三十六号議案及び第四十五号議案を一括して採決いたします。  本案は、起立により採決いたします。  本案は、いずれも原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。    〔賛成者起立〕 ◯白井委員長 起立多数と認めます。よって、第三十四号議案、第三十六号議案及び第四十五議案は、いずれも原案のとおり決定いたしました。 ◯植木委員 ただいま廃棄されました我が会派の意見は、少数意見として留保いたします。 ◯白井委員長 ただいま植木理事より、少数意見として留保したい旨の発言がありましたが、本件は会議規則第六十七条の規定により、二名以上の賛成者を必要といたします。  植木委員の発言に賛成の方はご起立願います。    〔賛成者起立〕 ◯白井委員長 賛成者二名以上であります。よって、本件は少数意見として留保されました。
     なお、少数意見報告書は議長に提出いたしますので、速やかに委員長までご提出を願います。  次に、第三十二号議案、第三十三号議案、第三十七号議案、第三十九号議案から第四十一号議案まで及び第四十四号議案を一括してお諮りいたします。  本案は、いずれも原案のとおり決定することにご異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ◯白井委員長 異議なしと認めます。よって、第三十二号議案、第三十三号議案、第三十七号議案、第三十九号議案から第四十一号議案まで及び第四十四号議案は、いずれも原案のとおり決定いたしました。  以上で付託議案の審査を終わります。      ━━━━━━━━━━ ◯白井委員長 次に、請願陳情及び特定事件についてお諮りいたします。  本日まで決定を見ていない請願陳情並びにお手元配布の特定事件調査事項につきましては、それぞれ閉会中の継続審査及び継続調査の申し出を行いたいと思いますが、これにご異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ◯白井委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。      ━━━━━━━━━━ ◯白井委員長 この際、所管五局を代表しまして総務局長から発言の申し出がありますので、これを許します。 ◯木宮総務局長 お許しをいただきまして、当委員会所管の五局を代表いたしまして、一言お礼のごあいさつを申し述べさせていただきます。  ただいまは、本定例会にご提案申し上げております予算案についての調査及び東京都知事の給料の特例に関する条例外九条例のご決定を賜りまして、まことにありがとうございました。この間にちょうだいいたしました貴重なご意見、ご要望等につきましては、十分尊重させていただき、今後の事務執行に反映させてまいる所存でございます。  今後とも、どうぞよろしくご指導、ご鞭撻のほどをお願い申し上げまして、お礼の言葉とさせていただきます。ありがとうございました。 ◯白井委員長 発言は終わりました。  これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。    午後一時五十一分散会...