東京都議会 1996-02-22
1996-02-22 平成8年都市・環境委員会 本文
このほか、
道路交通騒音の改善にも取り組んでまいります。
第三に、自然の保護と回復のための事業でございます。
東京都緑の
倍増計画に基づきまして、引き続き
保全地域の公有化を進めるほか、
区市町村の行う
保存樹林地等の公有化について支援してまいります。
また、
保全地域の指定を計画的に行うための検討を行います。
このほか、
生活排水対策、湧水や地下水の
保全対策、
環境科学研究所における
調査研究、
地域冷暖房の普及を積極的に推進するとともに、
高圧ガス、
火薬類関係の指導も適切に進めてまいります。
以上、平成八年度の当局の事業をご説明申し上げましたが、これらの事業を推進するための予算案の内容につきまして、お
手元配布の資料1の平成八年度当初
予算事業別概要に基づきまして、若干ご説明させていただきます。
恐れ入りますが、一ページをお開きいただきたいと思います。一ページは、総括表でございます。
環境保全局の当初予算の総額は、
歳入予算額、ちょうど真ん中辺ですが、
歳入合計百四十五億八千四百八十万三千円でございまして、前年度に比べまして十六億七千七百万四千円の減となっております。
一方、2の
歳出予算でございますが、
歳出予算額は二百九十六億八千四百万円でございまして、前年度に比べて五十三億千三百万円の減となっております。
また、一番下ですが、
一般財源充当額でございますが、百五十億九千九百十九万七千円で、前年度に比べまして三十六億三千五百九十九万六千円の減となっております。
二ページをお開きいただきたいと思います。
上の方に
債務負担行為が載ってございますが、これは、
公害防止資金融資に伴う利子及び
信用保証料補助に要する経費、それから
化製場公害防止対策融資に伴う
利子補助に要する経費、これらを計上したものでございまして、
債務負担行為限度額は合計二百二十五億四千七百五十万七千円でございます。
以上が予算案でございます。
次に、条例案でございますが、東京都
公害防止条例の一部を改正する条例でございます。
改正の主な内容でございますけれども、手数料の額の改定と、平成四年に公布されました
都市計画法及び
建築基準法の一部を改正する法律が施行されることに伴いまして、規定の整備をするものでございます。
以上、第一回定例会に提出を予定しております案件の概要についてご説明申し上げました。
予算案及び条例案の詳細につきましては、
環境管理部長からご説明申し上げますので、よろしくご審議のほどをお願い申し上げます。
また、先ほど申し上げましたように、私どもはこのほど、
環境白書というものを作成しまして公表したところでございますので、後ほど
企画調整担当参事から簡単にご報告をさせていただきたいと思いますので、お聞き取りいただきたいと存じます。
以上、私の説明を終わらせていただきます。よろしくお願い申し上げます。
◯谷脇環境管理部長 それでは、まず、八年度
一般会計当初予算案の
当局所管分についてご説明申し上げます。
お
手元配布の、資料1の平成八年度
予算事業別概要をごらんいただきたいと存じます。
一ページ及び二ページにつきましては総括表でございますが、ただいま局長からご説明申し上げましたので、省略をさせていただきたいと存じます。
恐れ入りますが、三ページをお開きいただきたいと存じます。三ページ以降は、
歳出予算を
事業ごとに、左から事業名、八年度予算額、七年度予算額、増減と事業の概要を記載してございます。
三ページから四ページまでは、
環境保全に関する
総合調整でございます。これは、職員の給料、諸手当及び局の
管理運営経費並びに総合的な
環境管理に要する経費でございます。
まず、八年度予算額でございますが、職員費五十一億一千八百五十九万六千円、事業費二十億三千七百四十万四千円、合計いたしまして七十一億五千六百万円でございます。前年度に比べまして二億四千万円の減額となっております。
特定財源といたしましては、使用料及び手数料、
国庫支出金、繰入金、諸収入で、合計二億三千五百五十七万九千円でございます。
一般財源充当額は、六十九億二千四十二万一千円でございます。
次に、右側の概要欄をごらんいただきたいと存じます。
環境保全局の平成八年度の
職員定数は、四百九十一人となっております。
事業費といたしましては、局の
管理運営、東京都
環境審議会の運営等、
環境基本計画の策定等、
環境学習の推進、それから四ページに移りまして、
地球環境保全対策、
環境保全に関する
普及啓発、
環境保全活動への助成、
環境影響評価制度の推進、東京都
公害防止条例施行事務などの経費を計上してございます。
五ページをお開きいただきたいと存じます。五ページは、
助成指導対策でございます。
まず、八年度予算額の事業費でございますが、十八億二百万円でございまして、前年度と比べて十九億九千三百万円の減額となっております。
特定財源としましては、諸収入が十億四千百五十四万九千円でございまして、
一般財源充当額は七億六千四十五万一千円でございます。
次に、事業の概要といたしましては、
公害防止資金の助成、
地域冷暖房の
普及促進、
公害工場集約化対策を推進することとしております。
六ページをお開きいただきたいと存じます。六ページと七ページは、
大気汚染防止対策でございます。
まず、八年度予算額の事業費でございますが、二十五億五千二百万円でございまして、前年度に比べまして七千二百万円の減額となっております。
特定財源としましては、
国庫支出金等が三億二百八十六万円でございまして、
一般財源充当額は二十二億四千九百十四万円でございます。
次に、事業の概要でございますが、
大気固定発生源の
規制指導、
大気汚染環境監視対策、
自動車公害対策、
自動車交通量対策、それから七ページに移りまして、
最新規制適合車への
代替促進、低公害車の
普及促進を行うこととしております。
八ページをお開きいただきたいと存じます。八ページと九ページは、
水質汚濁・
土壌汚染防止対策でございます。
八年度予算額の事業費は十二億七千四百万円でございまして、前年度に比べまして一億七千六百万円の減額となっております。
特定財源としましては、
国庫支出金等が二億九千九十一万八千円でございまして、
一般財源充当額は九億八千三百八万二千円でございます。
事業の概要でございますが、
水質汚濁源の
規制指導、
水質環境監視対策、
生活排水対策、
地下水保全対策、湧水
保全対策及び
水辺環境保全計画の推進等、それから九ページに移りまして、
土壌汚染対策を行うこととしております。
次に、
騒音振動防止対策でございます。
八年度予算額の事業費は二億九千九百万円で、前年度に比べて六千五百万円の減額となっております。
特定財源としては、
国庫支出金が二億百十万七千円でございまして、
一般財源充当額が九千七百八十九万三千円でございます。
次に、事業の概要でございますが、
騒音振動発生源の
規制指導、
東京国際空港周辺の
民家防音工事補助等を行うこととしております。
一〇ページをお開きいただきたいと存じます。一〇ページは、
自然保護対策でございます。
事業費でございますが、百五十三億六千六百万円で、前年度に比べて二十六億一千八百万円の減額となっております。
特定財源は、諸収入や都債など百二十三億六百七十四万三千円でございまして、
一般財源充当額は三十億五千九百二十五万七千円でございます。
次に、事業の概要でございますが、東京都
自然環境保全審議会の運営等、また、緑の
倍増計画の推進、
自然環境の保全、
保全緑地の公有化、
保存樹林公有化資金貸付、
清流復活関連施設の
維持管理等を行うこととしております。
一一ページをお開きいただきたいと存じます。一一ページは、
高圧ガス、
電気等取り締まり事務でございます。
八年度予算額の事業費でございますが、四千三百万円で、前年度に比べて二百万円の増額となっております。
特定財源として、使用料及び手数料一億一千六百十万八千円を計上いたしております。
次に、事業の概要でございますが、
高圧ガス類、火薬類及び猟銃並びに
電気工事士等の
指導取り締まり事務を行うこととしております。
一二ページをお開きいただきたいと存じます。一二ページは、
環境保全に関する
調査研究でございます。
八年度予算額の事業費でございますが、四億六千六百万円で、前年度に比べて二千百万円の減額となっております。
特定財源としては、
国庫支出金等五百九十三万九千円でございまして、
一般財源充当額は四億六千六万一千円でございます。
次に、事業の概要でございますが、
環境科学研究所の
管理運営及び
調査研究に要する経費でございます。
一三ページをお開きいただきたいと存じます。一三ページは、
環境保全に関する
施設整備でございます。
八年度予算額の事業費でございますが、七億二千六百万円で、前年度に比べて一億三千万円の減額となっております。
特定財源は、都債等八千四百万円でございまして、
一般財源充当額は六億四千二百万円でございます。
事業の概要でございますが、
城南河川の
清流復活、玉川上水の整備等、
環境科学研究所の
施設整備、
水処理施設の設置を行うこととしております。
以上が
予算案関係の概要でございます。
続きまして、条例案について、お
手元資料の2をごらんいただきたいと存じます。
東京都
公害防止条例の一部を改正する条例でございます。
改正の主な内容は二つございます。
一つは、
受益者負担の適正化及び公平化を図るため、工場の設置、変更の
認可手数料、
公害防止管理者の
試験手数料等の額を改定するものでございます。
もう一つは、平成四年六月二十六日に公布されました
都市計画法及び
建築基準法の一部を改正する法律の施行に伴い、
関係規定を整備するものでございます。
法改正により、住居系の
用途地域が三地域から七地域に細分化され、平成五年六月二十五日の同法施行後三年以内に、改正後の
用途地域に関する
都市計画を決定することとなっております。この改正を受けて、深夜営業の
禁止区域並びに工場、
指定作業場等に適用する騒音、振動及び悪臭の
規制基準に係る区域の区分を改めるものでございます。
以上、大変雑駁でございますが、
環境保全局の平成八年度当初
予算事業別概要及び条例案の説明を終わらせていただきます。どうぞよろしくご審議のほどお願い申し上げます。
◯足羽委員長 説明は終わりました。
この際、
資料要求のある方は発言を願います。
◯たぞえ委員 二つお願いしたいんですが、一つは、
米軍横田基地の
航空機燃料漏れ事故に関して、
周辺自治体から東京都へ出ております要望、意見書など三年分、まとめてお願いいたします。
もう一つは、東京都から
日本国政府、
米軍当局に要請した文書、これも三年分お願いいたします。
以上です。
◯石川委員 一点だけお願いします。
環境保全局予算歳出がマイナス五十三億円と出ておりますけれども、事業別に局要求、それから財務の査定、この辺が一覧表になってわかるようなものをお願いしたいと思います。
◯足羽委員長 ただいま、たぞえ理事、
石川委員から
資料要求がありましたが、これを委員会の
資料要求とすることにご異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
◯足羽委員長 異議なしと認めます。理事者においては、要求された委員と調整の上、提出を願います。
─────────────
◯足羽委員長 これより請願及び陳情の審査を行います。
初めに、五第三五号、悪臭等の
規制条例制定に関する請願を議題といたします。
理事者の説明を求めます。
◯長沼大気保全部長 請願五第三五号についてご説明申し上げます。
請願の趣旨は、練馬区豊玉北三丁目に所在する
前田犬訓練所が百頭を超える犬を飼育し、
付近住民に迷惑を及ぼし、
環境衛生上問題がある。よって、この種の問題に対する悪臭及び騒音を規制する条例を制定していただきたいというものでございます。
東京都は、従来から区を通じまして、
悪臭防止法及び東京都
公害防止条例に基づき、事業者を指導してきたところでございます。
その結果、昭和五十九年には施設の
主要部分が埼玉県狭山市に移転し、現在では犬の数は約二十頭程度に減少しており、事業の内容も、警察犬の訓練から家庭犬の
初級訓練などに変わっております。また、定期的な床の洗浄や
防音パネルの設置など、
維持管理方法や施設の改良により、悪臭や騒音の状況は改善されており、最近では周辺からの苦情もございません。
都といたしましては、今後とも、
悪臭防止法及び東京都
公害防止条例に基づきまして指導してまいりたいと存じます。
以上、説明でございます。よろしくお願いいたします。
◯足羽委員長 説明は終わりました。
本件について発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
◯足羽委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
本件は、不採択とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
◯足羽委員長 異議なしと認めます。よって、請願五第三五号は不採択と決定いたしました。
─────────────
◯足羽委員長 次に、七第四八号、都市の樹林地を守るための
相続税猶予等の
制度創設を求める
意見書提出に関する請願を議題といたします。
理事者の説明を求めます。
◯山田自然保護部長 七第四八号の、都市の樹林地を守るための
相続税猶予等の
制度創設を求める
意見書提出に関する請願につきましてご説明申し上げます。
請願の趣旨は、都市の市街化区域内の
自然環境を保全し、災害に強い町をつくり、良好な
生活環境を維持するために必要な民間の樹林の相続税、
固定資産税について、
生産緑地法と同様の
優遇措置ができる制度を創設するよう、国の各機関に意見書を提出してほしいというものでございます。
都市に残された貴重な
樹林地等を保全するために、
固定資産税や相続税の税制上の
優遇措置は、大変効果的な手法の一つとなると考えられます。
都といたしましても、毎年、国に対して、
都道府県指定の
保全地域などの土地について、
固定資産税の
非課税措置をとること、また、
都道府県指定の
保全地域等の土地並びに
区市町村指定の
保存樹林地等の相続税について、
生産緑地に対する相続税の
納税猶予制度と同等の制度を新設することなどの要請を行っているところでございます。
以上でございます。
◯足羽委員長 説明は終わりました。
念のため申し上げます。
本件中、
都市計画局所管分につきましては、昨日の委員会におきまして、
趣旨採択とすべきものとなっております。
本件について発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
◯足羽委員長 発言がなければ、本件は、
都市計画局所管分を含めお諮りいたします。
本件は、
趣旨採択とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
◯足羽委員長 異議なしと認めます。よって、請願七第四八号は
趣旨採択と決定いたしました。
─────────────
◯足羽委員長 次に、五第一五八号の二、
木材関係品の
関税引上げ等に関する陳情を議題といたします。
理事者の説明を求めます。
◯渡部参事 陳情五第一五八号の二のうち、当局に関係いたします2及び4のうちの再生紙の部分についてご説明申し上げます。
陳情の趣旨は、まず2が、国内外の森林の永続的な利用が不可能となるような破壊的な伐採や
森林開発を防止する仕組みを設けるよう国に要望することというものでございます。
森林保全につきましては、平成四年六月、リオデジャネイロで開催されました環境と開発に関する
国連会議、
地球サミットにおきまして、森林の持つ多様な機能の保全と持続可能な開発の重要性を提起した
森林原則声明が採択され、森林に関する我が国を含めた世界的な合意がなされたところであります。
また、
熱帯林保全につきましては、国連の
下部機関であるITTO、
国際熱帯木材機関におきまして、二〇〇〇年を目標に
持続的管理が行われている森林から生産された木材を貿易の対象とするとの方向が打ち出されており、我が国もその活動に協力しているところでございます。
都といたしましては、このような国際的な動向も考慮し、平成八年度の国の施策及び予算に対する要望事項として、
森林資源の保全にかかわる施策の確立を要望したところであります。
次に、4が、都が発注する紙製品は再生紙を原料とするものを優先させることというものでございます。
東京都は、平成元年十一月に地球環境問題の
取り組み方針を定め、省
資源対策の中で、都が使用する紙製品につきましては順次再生紙を使用していくこととしておりまして、現在、
コピー用紙等につきましてはすべて再生紙を使用しているところでございます。
説明は以上でございます。
◯足羽委員長 説明は終わりました。
本件について発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
◯足羽委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
本件は、
趣旨採択とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
◯足羽委員長 異議なしと認めます。よって、陳情五第一五八号の二は
趣旨採択と決定いたしました。
なお、本件は
執行機関に送付し、その処理の経過及び結果について報告を請求することにいたしますので、ご了承願います。
─────────────
◯足羽委員長 次に、五第三一九号の三、
中野区立哲学堂公園及び妙正寺川のあり方に関する陳情を議題といたします。
理事者の説明を求めます。
◯高橋水質保全部長 陳情五第三一九号の三のうち、当局に関係いたします2の(1)及び(2)につきましてご説明申し上げます。
陳情の趣旨は、まず(1)でございますけれども、妙正
寺川公園は遊水池で、水が引いた後悪臭がし、降雨時に道路の水等があふれるなどの状況であり、
水質汚濁防止法等に触れるというものでございます。
この陳情にかかわります妙正
寺川公園は、新宿、中野両区にまたがって位置しております。次のページに
周辺地図と案内図をお示ししてございます。
当公園は、通常、公園として利用されておりますけれども、豪雨によりまして妙正寺川の水位が上昇いたしますと、護岸の一部に設けました越流堤から
公園部分等に流入しまして、
周辺地域の水害の防止を図るための調節池とされております。
増水時の妙正寺川から妙正
寺川公園調節池への越流でございますが、過去五年間で五回と聞いております。
公園管理者であります新宿区が、水が引いた後直ちに清掃作業を行いまして、清潔の保持と
公園利用に支障を来さないよう努めております。
なお、
水質汚濁防止法等に触れるようなことはございません。
次に、(2)でございますが、
汚水ますを導入し、汚水を地面にろ過できる方式をとるべきであるというものでございます。
陳情者が提案しております、
汚水ますの導入による汚水の
地下浸透方式につきましては、
地下水汚染や悪臭等を発生させるおそれがありまして、適切な方式とはいえないものでございます。
説明は以上でございます。
◯足羽委員長 説明は終わりました。
本件について発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
◯足羽委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
本件は、不採択とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
◯足羽委員長 異議なしと認めます。よって、陳情五第三一九号の三は不採択と決定いたしました。
以上で請願及び陳情の審査を終わります。
─────────────
◯足羽委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。
◯渡部参事 平成七年度東京都
環境白書についてご報告を申し上げます。
この
環境白書は、平成六年七月に制定されました東京都
環境基本条例の規定に基づきまして、東京を取り巻く環境の状況や環境の保全に関する施策の
実施状況等を明らかにし、都民、事業者、行政が一体となりまして、豊かな環境の保全と創造を目指していくことに資するため、取りまとめたものでございます。
お手元に、資料4として平成七年度東京都
環境白書についてと、資料5、
環境白書本編及び資料6、
環境白書資料集をお配りしてありますが、本日は、資料4を中心に説明をさせていただきます。
資料4をごらんいただきたいと存じます。
環境白書の主なポイントでございますが、本編第1部の総論は、豊かな環境の保全と創造を目指してをテーマとする特集とし、東京の環境が東京の発展とのかかわりの中でどのように推移してきたかを振り返り、豊かな環境を保全し創造していくための今後の
環境行政の新たな展開の方向を考察いたしました。
次に、第2部の各論でございますが、
大気環境、水環境、
自然環境、ごみ、
地球環境等の分野ごとに、環境の状況や施策の
実施状況等を明らかにしております。
また、資料集は、本編で述べた事項について理解を深めていただくために、多くの環境関連データを図表、地図等により、わかりやすく整理し、資料として活用できるように取りまとめてございます。
それでは、資料4の二枚目の一ページをごらんいただきたいと存じます。
環境白書本編の総論部分を中心にご説明をさせていただきます。
1の東京の発展と東京の環境では、江戸時代から現在に至る東京の環境の推移について、ごらんのとおり(1)から次のページの(2)のように時代ごとに記述しております。
最近の環境問題の動向につきましては、二ページの(4)にございますように、近年、東京における活発な都市活動は、環境に大きな負荷を及ぼすようになり、対策の推進にもかかわらず、都市・生活型公害は依然として厳しい状況が続いております。
一方、技術の進歩と所得の増加に支えられて、大量生産・大量消費型の社会構造が形成され、エネルギー消費量の増大、緑地の減少などに伴うヒートアイランド現象も注目されるようになってまいりました。また、都民の生活意識や環境観も大きく変化し、身近な自然との触れ合いなどが求められるようになってきました。さらに、地球温暖化、オゾン層の破壊など、地球規模の環境問題に対する都民の関心が高まってまいりました。
このような状況の中で、都は平成六年七月、
環境基本条例を制定し、人と自然が共生し、環境への負荷の少ない東京を実現していくために、
環境保全行政の新たな展開を図っていくこととしたところでございます。
詳細につきましては、本文二ページから一九ページまでに記載されておりますので、後ほどごらんいただきたいと存じます。
三ページをごらんいただきたいと思います。
次に、2の世界の中の東京では、ニューヨーク、ロンドン、パリ、ベルリンなど世界の大都市と、人口、面積、土地利用、産業構造、下水道普及率、自動車保有台数、水使用量、公園面積、大気汚染・
水質汚濁の状況、ごみ排出量などの比較を行いました。
本文二〇ページから二八ページに詳細に記載してございますので、後ほどごらんいただきたいと存じます。
四ページをお開き願います。
3では、
環境行政の課題と新たな方向について明らかにしてございます。
まず初めに、(1)では環境問題の変化と望まれる各主体の対応について述べておりまして、都民にはみずからのライフスタイルを環境への負荷の少ないものに改めていくこと、事業者には環境への負荷の低減に向けた積極的な取り組みが求められていること、また、さまざまな民間団体や
区市町村には地域の特性に応じた活動や施策の推進が求められていることなどが述べられております。
続いて五ページをごらんいただきたいと思います。
(2)では、これからの
環境行政の積極的な展開を図るためには、問題の性格に応じて多様な手法を組み合わせ、適切に活用していくことの必要性について述べています。
最後に、(3)の
環境行政の新たな展開に向けてとして、今後、都民生活の豊かさを実感できる快適環境を確保する上で展開していくべき重要な五つの施策を提示しております。
第一は、都市づくりを通じた環境の保全の必要性について述べ、また、総合環境アセスメントの手法の検討の必要性についても触れております。
第二は、地球環境問題への取り組みの強化でございます。地球規模を視野に入れました
環境保全への取り組みの強化の必要性について述べております。
第三は、すべての主体による取り組みでございます。今日の環境問題は、行政のみではなく、都民、事業者を初めとして、あらゆる活動主体が環境への負荷の低減を目指した積極的な取り組みを進めていくことが必要であるとしております。具体的には、
環境学習の推進や経済的手法の検討にも触れております。
第四の国、他の地方公共団体等との連携では、今日の環境問題に適切に対応していくためには、広域的な観点からの取り組みが不可欠であるとしております。
第五は、
環境保全に向けた行動の率先実行の推進でございます。自治体としての東京都は、事業者、消費者としての立場からも、
環境保全に向けた行動を率先して実行することが必要であるとしております。
第2部の各論では、ごらんのとおりの分野ごとの環境の状況や施策の
実施状況等を取りまとめるとともに、将来に向けた課題についても記載してございます。
詳細につきましては、本文四八ページから二一〇ページに記載してございますので、後ほどごらんいただきたいと存じます。
以上、大変簡単でございますが、平成七年度東京都
環境白書についての説明とさせていただきます。
◯足羽委員長 報告は終わりました。
ただいまの報告に対し、ご質問等ございましたら、発言を願います。
◯谷口委員 できるだけ簡潔にお尋ねしたいと思います。
環境問題というのは、都民のみならず、今、全世界で関心が大変高まっているというふうに理解をいたしております。このたび、東京都が初めて都の
環境基本条例に基づいて
環境白書をまとめられた、そのご尽力を高く評価するものでございます。しっかりと内容を分析する必要もあろうかと思いますが、この東京を取り巻く環境の状況、施策の
実施状況等が、かなりビジュアルな形で整理をされているというふうに思っております。
環境問題については、やっぱり都民が理解をする、あるいはまた、東京都のこうした白書が日本全国の国民の皆さんにも大きな理解を与えるというふうなことにならなければ意味がないんじゃないかと思うわけでございます。広範な都民に、あるいはまた事業者に
環境白書を活用してもらう、そしてその意図するところをよくご理解をいただいて、この
環境白書をまとめたことが大きな効力を発揮するというふうなことにならなければ意味がないわけでございます。そういった意味で、東京都として具体的に今後どのような方向を考えていらっしゃるのか、お示しをいただきたいと思います。
◯渡部参事 ご指摘のように、広範な都民や事業者の方々に、
環境白書の内容を理解して利用していただくことは極めて重要であると考えております。このため、
環境白書は、
区市町村を初め関係団体や主要な図書館などに送付するとともに、都民情報ルーム等におきまして、一般都民に有償で配布しております。また、近く概要版を作成いたしまして、広く都民、事業者、関係団体、
区市町村等にも配布していきたいと考えており、現在その準備を進めているところでございます。
なお、平成八年度には英語版の
環境白書の概要も作成する予定でございます。
◯谷口委員 今回の
環境白書の副題が、豊かな環境の保全と創造を目指してというふうなことになっております。今後の施策の展開ということが大事であろうかと思うわけでございますが、今後、発行する
環境白書の具体的なテーマについて東京都としてどんなお考えを持っているのか、お伺いしておきたいと思います。
◯渡部参事 今回の
環境白書では、豊かな環境の保全と創造を目指してをテーマとして、東京の環境が東京の発展とのかかわりの中でどのように推移してきたかを振り返るとともに、あわせて、東京に豊かな環境を保全し創造していくための
環境行政の展開の方向を考察しております。国の
環境白書におきましては、環境と文明との関係を取り上げまして、人類の進化や古代文明の盛衰を環境面から振り返っておりますが、このようなアプローチは、国民が今日の環境問題に関する理解と認識を深めていく上で極めて有効であると評価しているところでございます。
私どもといたしましても、環境への負荷の少ない都市を構築していくためには、都民に今日の環境問題を正しく理解していただくことが必要であると考えておりますので、今後とも、最も重要かつ適切なテーマを選定いたしまして
環境白書を作成し、広くその普及を図ってまいりたいと考えております。
◯谷口委員 環境と文明ということについてかなり分析をしていただいたということでございます。ヨーロッパの文明は石の文明だとか、日本は木の文明だとかというふうなことがいわれておりまして、環境と文明というのは、文化、文明、関係性が大変深いのではないかというふうにも思います。アメリカなどは、ある都市が要らなくなったら、そのまま捨てちゃって、ほかに移っていくなんていう例もあるようでございますが、日本のように国土が狭く、国民の人口が多いという国においては、どうも使い道がないから、この町は捨ててしまおうというわけにはいかないわけでございまして、当然環境をしっかりと保持をしていく、人間が住みやすい、よりより住みやすくしていくという努力が継続的に続けられなければいけないわけでございます。
そういう面から考えて、今の東京の町というのは、東京の主たる部分がほとんどコンクリートで覆われて、東京の下の土壌というのは死滅しようとしているんではないかということを私は心配をするわけでございます。そのために雨水の浸透だとか、そういうふうな努力が続けられておりますし、できるだけ湧水を復活できるような条件をつくろうとか、いろいろの努力が行われていることは評価できるわけでございますけれども、やっぱり町全体がコンクリートで覆い尽くされているという状況についても、相当深刻に考えていく必要があるんじゃないか、余り科学的に分析をしたことはございませんけれども。
それからまた、町全体がコンクリートと化学的につくられた建材によって、私たちの住空間というものはどんどん密閉性が高くなっていく。そういう中で、本当に湿気の管理から──暖房をつければ今度は湿気を加えなければいけないとか、環境を管理するのにも、昔とは違って、全体的に管理をしていかなければ良好な環境が保全できないとか、維持できないとか、そういうことになっているわけでございます。そういった意味からも、人間の科学文明が発展すればするほど、環境の管理というものも非常に込み入ってくるんだろうなというふうなことを考えるわけでございます。そのために、またエネルギーがかかるというふうなこともございます。
先般、私は、
都市計画局のところで、ルネス工法ともいわれておりますが、住宅をつくるときに逆ばり工法でやりますと、いわゆるはりの下に天井が来るわけでございますから、はりの部分、約六〇センチぐらいの間が空間になって、そこが収納空間になるというふうな今、工法が開発されまして、新しい住宅が幾つかできておりまして、私もそれを見学に行きました。我が党としてもそれを見学に行ったことがございます。その場合には、上下の生活音が遮断されるというので非常に喜ばれております。それからベランダ側も明かり取りが非常に広くなりますから、部屋もロケーションが変わってくるというふうなこともございます。
いろいろありまして、そういったことを開発した人間が何といっているかといいますと、今、この辺でいっぱいいろいろのマンションができておる、このマンション五十年耐用だというふうなことをいっておるけれども、それに比べれば私のつくったものは、例えばガス管だとか、上下水道の管にしましても、全部むき出しで収納空間の間を通しているから、取りかえるのも簡単だし、百年でも百五十年でも耐用できるような家なんだというふうなことを申しております。
あるいはまた、ある方はれんがを使って建物の保温効果を高めるというふうなことで、美術館なんかには大変有効なんですが、これを生活をする住宅に適用して、それをつくったところもございます。それは、省エネに大変有効であろうというふうなことを考えるわけでございます。
都市づくりを通じた環境の保全というところに、
環境保全型都市づくりガイドに沿って云々ということがありますけれども、環境の負荷を軽減するということをしっかり考えなければいけない。例えば、ごみの問題を考えましても、今つくっているいろいろの建物というのは、大体三十五年から四十年ぐらいたつと壊して、また新しくした方がいいんじゃないかと。そうすると産業廃棄物が発生してくるわけです。これから二十一世紀にかけて家を建てるのにも、できれば百年とか、中をつくりかえれば外はかえなくてもいいんだというふうなもので、これからそういう都市にしていく。再開発だとか、区画整理事業だとかということによって、町の区画をしっかりとつくった上で、今度そこにつくる建物は百年耐用の物をつくっていくんだというふうに発想を変えていく必要があるんじゃないか。そのことによって、ごみの発生も減らせるんじゃないかというふうな気もいたします。
ある建設屋さんは、都政の悪口をいうためにいったわけじゃないだろうと思うんですが、今つくっている都営住宅は、三十五年から四十年たつと、もうそろそろ建てかえた方がいいんじゃないかという意見が出てくるようなつくり方をしている、ある意味ではやっぱりウサギ小屋だと。格好はよくなりましたけれども、その素材だとかいったことから考えますと、あの都営住宅はとてもじゃないけれども、百年に耐えられるようなものとは思えないというふうなことをいっております。私も実際に住んでいらっしゃるところに行ってみると、格好はいいんですけれども、上の音はよく聞こえますし、とてもじゃないけど、これからだんだん人間の生活が豊かになっていく中で、これはやっぱりやめてもらいたい、ああいう生活音が聞こえてくるようじゃ困るというふうな意見がどんどん強くなっていけば、また何十年かすると、ぶっ壊さないといけないというふうなことが起こってくるであろうということから考えまして、
環境保全型都市づくりというふうなことをこれからさらに研究をして、例えば東京都の
環境科学研究所あたりが、いろいろの手法について、まちづくりのことをもうちょっと先向きに、今までのものをまとめるんじゃなくて、将来に向かってかくあるべしという指標をぜひつくっていただきたいなというふうなことを、これは私の意見でございますが、考えている次第でございます。
そんなことを考えながら、総論の第3章において、
環境行政の新たな展開に向けて幾つかの重要な施策を打ち出しておられますが、都としてはこうした施策をどのように生かそうとしていらっしゃるのか、そういったことをお聞きいたしまして、質問を終わりたいと思います。
◯渡部参事 今回の
環境白書では、都民が生活の豊かさを実感できる環境を実現する視点に立ちまして、都市づくりを通じた環境の保全、地球環境問題への取り組みの強化、すべての主体による取り組みなど、今後の
環境行政の展開を図る上で重要な施策が提示されております。今後、先進国や開発途上国での環境問題の取り組みの状況、国における環境施策の方向等多角的に踏まえまして、都としての施策の方向を検討し、今後の
環境行政の推進に生かしていきたいと考えているところでございます。
◯菊地委員 私からは二、三質問させていただきます。
まず初めに、平成六年に東京都
環境基本条例が施行されまして、この基本条例に基づく初めての
環境白書をまとめたということでありますが、今後、どの程度の頻度でこの白書を発行していこうとしているのか、また、どのような機能を持たせていくのかという点が最も重要であろうと考えております。
ざっと目を通させていただきましたが、内容的には、東京の発展過程に公害問題を中心とした環境問題がどのようにかかわってきたかということが中心に記述されております。
そこで、まずお伺いしたいのは、この第一回目の東京都
環境白書を発行するに当たり、問題意識として最も重視した点はどのあたりにあったのか、ご答弁いただきたいと思います。
◯渡部参事 東京は、さまざまな分野で世界有数の大都市として目覚ましい発展を遂げてまいりましたが、都民の生活に目を向けますと、日々の暮らしは必ずしも生活の豊かさを実感できるものとなっておりません。環境の面でも、自動車公害に代表される都市生活型公害や、身近な緑や水辺の喪失、さらに地球環境問題など、さまざまな問題を抱えております。
このため、今回の
環境白書では、東京の環境は東京の発展とのかかわりの中でどのように推移してきたかを振り返るとともに、都民が生活の豊かさを実感できる快適な環境を確保するためには、
環境行政はどのような方向をとるべきかという観点から、今後、積極的に展開すべき施策の方向につきまして考察をしたものでございます。
◯菊地委員 それでは次に、来年度に策定が予定されると聞いております
環境基本計画についてでありますが、この計画も
環境基本条例に基づいて策定されるものでありますので、ただいまの答弁にあったようなことが現状で重視している問題であるとすれば、当然にそうした内容が、今後の東京都における
環境行政の指針ともいうべき
環境基本計画においても中心的な、重要な課題になってくるんだろうと思うわけであります。
そこで、もう少し具体的な事業でいいますと、どのような事業が今後の東京都における
環境行政の柱になってくるのか、それから、それらの内容は今後検討するものが多いと思いますが、差し支えない範囲で、項目程度が挙げられれば明らかにしていただきたいと思います。
◯渡部参事 今回の
環境白書は、環境の状況や施策の
実施状況等を明らかにしたものでございますが、あわせて都民が生活の豊かさを実感できる環境を実現する視点に立ちまして、都市づくりを通じた環境の保全、すべての主体による取り組み、
環境保全に向けた行動の率先実行など、今後積極的に展開すべき施策が提示されております。
今日、通常の事業活動や日常生活が環境負荷の原因となり、環境問題も地域の問題から地球規模の問題にまで大きく広がってきておりまして、すべての主体による
環境保全への自発的な取り組みを確保していくことが極めて重要となっております。このため、
環境学習のような都民一人一人の自発的な取り組みを促進していくことや、都が事業者、消費者としての立場から、
環境保全に向けた取り組みを率先実行していくことが極めて重要な課題になるものと考えております。
今後、環境に配慮した都市づくり、地球環境問題への取り組みの強化、経済的手法や環境監査の導入などの施策に広く検討を加えた上で、
環境基本計画におきまして、
環境保全の施策の方向を示してまいりたいと考えているところでございます。
◯菊地委員 現時点では、まだ明らかにできないことが多いと思いますが、
環境基本条例の制定ということを契機として、このような東京都
環境白書がまとめられ、さらに、来年度には
環境基本計画が策定されるようですが、こうした動きは、単に従来の
環境管理計画などの計画を見直すということだけではなく、地球的な視野から見た環境を取り巻く大きなうねりの中で、今まさに
環境行政に求められている適切な対応とは何かという問題意識を持って、初めて意義深いものとなるはずであります。
今後、定期的に発行される
環境白書が、
環境行政を進める上での指針や諸施策に対し、常に広い視野からの分析と、それに伴う軌道修正を提言していく作用を果たしていくことが重要であると考えますが、この点につきましては、今後の決意を含めまして、局長からご見解をお聞かせいただきたいと思います。
◯中島環境保全局長 環境白書でございますけれども、先ほども話に出ておりましたとおり、行政はもとより、都民あるいは事業者、いろんな方々に環境の状況を正しくまず理解していただく、その上で
環境保全に向けた自発的な取り組みを行っていただく、こういうことが大きな目的でございます。したがいまして、都における各局で実施している各種の事業、あるいは立案する計画、具体的な施策、そういうものも、この
環境白書で明らかにした環境の状況を踏まえまして、環境に配慮しつつ進められていくということ、これを期待したものであるということでございまして、この点につきましては、まさにご指摘のとおりであろうと存じます。
私どもといたしましては、今回、
環境白書によって環境の状況を明らかにしたことによりまして、都民あるいは事業者を含むあらゆる主体の自発的な参加と協力をいただく、そういうことに力点を置きながら、
環境行政の一層積極的な展開を図ってまいりたいと、このように考えております。
◯たぞえ委員 今回の
環境白書は、これまでの東京都での環境への取り組みを経緯にして
環境基本条例の制定という段階にまで進んで、その一歩の政策として打ち出されたもので、私どもは歓迎をするものです。しかし、この中身について一つだけお伺いしたいのです。
先日の都民アンケートの中で、順位として二番目に都民の関心が高いのは、ごみ・環境問題ということが指摘をされています。その中でも、東京のごみ問題についての関心が高くて、とりわけ事業者、そしてごみ発生の源である発生源、さらには処分の問題など、かなり広い分野にわたって、このごみ問題というのが都民にとらわれています。
私もこの
環境白書を読ませていただきまして、ごみ問題というところで東京の現状が示されてはいますけれども、しかし、これだけで本当に東京のごみのすべてを語ったのかなという点を危惧するわけです。例えば、今後に向けた試みというところで、ページでは一四八ページになりますけれども、デポジットモデル事業と事業系ごみ全面有料化の検討、この二つが今後の取り組みだということなんですが、果たしてこれで東京のごみ問題が解決するのか。また、その前のページに出てまいりますが、埋立地の不足という問題で、満杯になる期限が迫っているというふうに書いてありますが、清掃局はそうはいっていない。こういう問題についても、現状の認識についてもっと掘り下げたものを都民にアピールするべきではなかったかなというふうに、読んで思いました。
ごみ問題は東京の最大の課題であると同時に、都民の暮らしそのものも、姿ということから見てみますと、私は、この白書の順番立てについても、やはりごみ問題はもっと前面に立てて、都民参加で減量していくという姿勢をこの白書の中でも打ち出していただきたかったなというのが感想であります。
改めて、基本計画の段階でまたご質疑もさせてもらいますけれども、全体としては、東京の環境問題について各分野で分析をされたものとして評価をしたいというふうに思います。
◯足羽委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
報告に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、ご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
◯足羽委員長 異議なしと認め、報告に対する質疑は終了いたしました。
以上で
環境保全局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後二時六分散会...