東京都議会 1996-02-21
1996-02-21 平成8年都市・環境委員会 本文
午後一時五分開議
◯足羽委員長 ただいまから都市・環境委員会を開会いたします。
初めに、第一回定例会会期中の委員会日程について申し上げます。
お手元配布の日程とすることを先ほどの理事会で申し合わせました。よろしくお願いいたします。
次に、陳情の取り下げについて申し上げます。
議長から、お手元配布のとおり、陳情の取り下げを許可した旨の通知がありました。ご了承願います。
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◯足羽委員長 本日は、
都市計画局関係の第一回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取並びに請願及び陳情の審査を行います。
なお、第一回定例会への
提出予定案件につきましては、本日は説明を聴取した後、資料を要求することにとどめ、質疑は付託後の委員会で行います。ご了承願います。
これより
都市計画局関係に入ります。
第一回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。
◯木宮都市計画局長 本日は、平成八年第一回
東京都議会定例会に提出を予定しております案件につきましてご説明を申し上げます。
今回提出を予定しております案件は、当初予算案といたしまして、平成八年度一般会計当初予算案、平成八年度
都市開発資金会計当初予算案の二件と、改正条例案といたしまして、東京都
屋外広告物条例の一部を改正する条例案、東京都
文教地区建築条例の一部を改正する条例案、東京都
建築安全条例の一部を改正する条例案、東京都日影による
中高層建築物の高さの制限に関する条例の一部を改正する条例案、東京都駐車場条例の一部を改正する条例案、並びに東京都
中高層建築物の建築に係る紛争の予防と調整に関する条例の一部を改正する条例案の六件でございます。
それでは、予算案二件の概要からご説明を申し上げます。
初めに、平成八年度当初予算案につきましてご説明を申し上げます。お手元の資料1の平成八年度当初
予算事業別概要をごらんいただきたいと存じます。
平成八年度当初予算案におきましては、
生活都市東京を目指して策定されました東京都総合三カ年計画「とうきょうプラン’95」に沿いまして、職と住の均衡のとれた多
心型都市づくりを進めるとともに、災害に強い、安全で住みよいまちづくりの着実な推進を図ろうとするものでございます。
このため、当局では、安心して住める安全なまちづくりのため、
防災都市づくり整備計画を策定いたしますとともに、
都市防災不燃化促進事業などの防災対策の推進に努めてまいります。
また、鉄道、道路網など
都市交通対策の充実、
土地区画整理事業、市街地再開発事業など、
面的整備事業の促進による都市基盤の整備を図るほか、
都市構造再編のための調査並びに
建築行政事務等を行うための経費を計上いたしております。
予算の総括についてご説明を申し上げます。二ページをごらんいただきたいと存じます。
まず、一般会計でございますが、歳入予算は、合計で千百十億余円でございます。前年度と比べまして、二百八十二億四千五百万余円の増額となっております。増額となりました主な理由でございますが、
起債充当事業の
常磐新線整備事業及び
首都高速道路公団出資金等の増額に伴う都債の増によるものでございます。
三ページをお開き願います。
歳出予算でございますが、歳出の合計は千四百七十一億三千六百万円で、前年度予算に比べ二百七億五千三百万円の増額となっております。増額となりました主な理由は、常磐新線の整備主体でございます
首都圏新都市鉄道株式会社に対する貸付金及び
首都高速道路公団への出資金などの増によるものでございます。
次に、
一般財源充当額は三百六十一億三千五百万余円で、前年度予算額に比べ七十四億九千二百万余円の減となっております。
七ページをお開きいただきたいと存じます。
次に、
都市開発資金会計につきまして概要をご説明申し上げます。
平成八年度は、歳入歳出とも二百二十五億八千八百万円でございます。前年度に比べ五十三億五百万円の増額となっております。
以上、甚だ簡単でございますが、予算案の総括説明を終わらせていただきます。
次に、条例案六件についてご説明を申し上げます。
お手元の資料2、平成八年第一回
東京都議会定例会提出議案説明資料をごらんいただきたいと存じます。
まず、東京都
屋外広告物条例の一部を改正する条例案でございますが、今回改正提案を予定しております内容は、本年五月に予定をしております新用途地域の施行に伴います規定整備を行いますとともに、中核市の発足等に伴い、屋外広告業の届け出事項の中に中核市の
講習会修了者を加えること、並びにその他所要の規定整備を行うものでございます。
次に、東京都
文教地区建築条例の一部を改正する条例案でございますが、今回改正提案を予定しております内容は、新用途地域の施行に伴い、文教地区内において用途制限の対象となる建築物の一部を改めるとともに、他の
建築基準法関係条例との均衡上、罰金の額の引き上げ及び両罰規定の新設を行うこと、並びにその他所要の規定の整備を行うものでございます。
次に、東京都
建築安全条例の一部を改正する条例案でございますが、今回改正提案を予定しております内容は、不特定多数の利用者が集中いたします地下街の安全性を高めるため、地下街の範囲を明確化し、その安全上の基準を定めるなど、所要の規定整備を行うものでございます。
次に、東京都日影による
中高層建築物の高さの制限に関する条例の一部を改正する条例案でございますが、今回改正提案を予定しております内容は、新用途地域の施行に伴い規定の整備を行いますとともに、土地の合理的かつ健全な高度利用と市街地の改善を図るため、
街並み誘導型地区計画の区域を
規制対象区域から除くこと、並びにその他所要の規定整備を行うものでございます。
最後に、東京都駐車場条例の一部を改正する条例案と、東京都
中高層建築物の建築に係る紛争の予防と調整に関する条例の一部を改正する条例案でございますが、今回改正提案を予定しております内容は、両条例とも新用途地域の施行に伴い、所要の規定の整備を行うものでございます。
以上で、
定例会提出予定案件の概要につきましての説明とさせていただきます。
なお、詳細につきましては、引き続き総務部長からご説明を申し上げますので、よろしくお願い申し上げます。
◯高橋総務部長 まず初めに、平成八年度当初予算案につきましてご説明申し上げます。お手元の資料1、平成八年度当初
予算事業別概要をごらんいただきたいと存じます。
まず、一般会計からご説明申し上げます。局長から総括的なご説明をいたしましたので、私からは、主な事業につきまして、その内容をご説明申し上げます。
一一ページをお開き願います。
1の局の管理・企画事務等でございますが、職員費と事業費を合わせ、歳出額は二十二億六百万余円でございます。これは局の管理、企画事務に従事する職員の給料、諸手当、管理費及び世界の都市が抱えていますさまざまな都市問題を解決するため、四月に開催いたします
世界大都市圏協会総会、いわゆるメトロポリス96東京の開催に要する経費等でございます。
これらの事業に充当する特定財源につきましては中段の使用料及び手数料以下に、また、事業の内容は右側の概要欄に記載してございます。以下、各事業とも同様でございます。
次に、一二ページをお開き願います。
2の都市計画に関する企画及び連絡調整等で、事業費は六億七千四百万余円でございます。
右側の概要欄2の建設発生土再
利用促進事業では、建設発生土の有効活用の促進を図るために設置されています東京都建設残土再
利用センターの大規模修繕等に要する経費を計上してございます。
次に、概要欄9の多
心型都市づくりと新たな施策展開に関する調査では、
生活都市東京の実現を基本理念としたまちづくりに向けて、これまで進めてきました多
心型都市づくりの政策効果の検証と、新たな施策展開などを検討するための調査に要する経費を計上してございます。
次に、一三ページをお開き願います。
3は利根川・
荒川水源地域対策基金等に対する
事業費負担金で、事業費は九億三千六百万余円でございます。
水没関係住民の生活再建や
地域振興対策を講ずるため、滝沢ダム、浦山ダム、八ッ場ダム及び戸倉ダムを対象に負担金を計上してございます。
次に、一四ページをお開き願います。
4は土地取引の規制事務等で、事業費は二億五百万余円でございます。前年度より大幅に減額となっていますのは、平成七年一月一日の監視区域の指定解除に伴う
土地取引規制基礎調査の調査費の実績減によるものでございます。
一ページ置きまして、一六ページをお開き願います。
5は都市計画の管理事務で、職員費と事業費を合わせ、歳出額は百三億二千百万余円でございます。
都市計画事務に従事する職員の給料、諸手当及び東京都
都市計画地方審議会の運営等に要する経費でございます。
概要欄4の
都市開発資金会計繰出金は、国からの借入金に対する元利償還金として、一般会計から
都市開発資金会計へ繰り出すための経費でございます。
次に、一七ページをお開き願います。
6は
都市交通計画調査で、事業費は一億一千七百万余円でございます。
概要欄2の
総合都市交通体系調査は、東京都市圏における道路、鉄道等の
交通体系検討調査の一環として、国及び関係県市等と共同で
ミニパーソントリップ調査等を実施するものでございます。
概要欄6は、東京における空港機能の基礎的調査で、
首都圏空港構想の検証などの調査を実施するものでございます。
次に、一八ページをお開き願います。
7は
駐車場整備促進事業で、事業費は二千五百万円でございます。駐車場問題に対処するため、
駐車場整備計画策定調査を行う区市に対し補助金を交付するものでございます。
8は
地区計画促進事業で、事業費は三億七千六百万余円でございます。地区特性に応じた良好な市街地の形成を図るため、区市が実施する
地区計画策定調査及び地区施設としての道路、公園等の整備に対して、その経費の一部を補助するものでございます。
9は
都市計画事業現形測量等で、都市計画の基本図面となります区部の地形図の更新を二カ年で実施するもので、
債務負担行為を別途計上いたしてございます。
次に、一九ページをお開き願います。
10は
多摩都市モノレール整備事業で、事業費は五百万余円でございます。
多摩都市モノレールの整備にかかわる
各種調査事務等に要する経費を計上してございます。
11は日暮里・
舎人線整備事業で、事業費は一億六百万余円でございます。日暮里・舎人線の整備主体となる東京都
地下鉄建設株式会社に対する無利子貸付等に要する経費を計上してございます。
次に、二〇ページをお開き願います。
12は
常磐新線整備事業で、事業費は百九十八億三千百万円でございます。常磐新線の整備促進を図るため、整備主体である
首都圏新都市鉄道株式会社に対し、出資及び無利子貸付を行うものでございます。前年度より大幅に増額となっておりますのは、事業進捗に伴うものでございます。
13は
東京臨海高速鉄道臨海副
都心線整備事業で、事業費は二十六億七千万余円でございます。整備主体である
東京臨海高速鉄道株式会社への出資等に要する経費を計上したものでございます。
次に、二一ページをお開き願います。
14は
市街地整備計画調査で、事業費は三億九千二百万余円でございます。
概要欄2の
土地利用現況調査は、都市計画法に基づきまして、区部の土地建物等の利用状況の現地調査に要する経費を計上したものでございます。
次に、概要欄4の西南部における
流通業務市街地計画調査は、東京全体で五カ所計画している
流通業務地区のうち、西南部地区は未整備であることから、候補地の選定、
整備スケジュール等の調査に要する経費を計上したものでございます。
次に、二二ページをお開き願います。
16は
防災都市づくりの推進調査等で、事業費は三億一千万余円でございます。災害に強い都市づくりを推進するため、
防災都市づくり整備計画の策定、復興計画の
マニュアル作成及び
地域危険度測定調査等に要する経費を計上したものでございます。
17は
都市防災不燃化促進事業で、事業費は三億八千四百万余円でございます。補助金は、新宿区の百人町三・四丁目地区外四十八地区で耐火建築物を建築する者に対し、所要額の一部を助成する区に対する補助金等でございます。
次に、二三ページをお開き願います。
18は
防災生活圏促進事業で、事業費は五億七千万余円でございます。安全で住みよい防災生活圏の形成を促進するため、
防災まちづくり事業を実施する九地区等に対し補助金を交付するものでございます。
19は
住宅市街地総合整備事業助成で、事業費は二億二千五百万余円でございます。既成市街地において、都市機能の更新、居住環境の改善及び良好な住宅の供給を促進するため、
中高層住宅等を建設する
特定施行者等に対し、その経費の一部を補助するものでございます。対象地区は
大川端地区外四地区でございます。前年度より大幅に減額となっておりますが、これは台場地区の事業進捗に伴うものでございます。
次に、一ページ置いて二五ページをお開き願います。
21は
土地区画整理事業助成で、事業費は百三十九億八千六百万余円でございます。
土地区画整理事業施行者に対する補助等に要する経費でございまして、三十一の
区画整理組合など五十二地区、四十一団体への助成を予定いたしております。
次に、二六ページをお開き願います。
22は
市町村土木事業補助で、事業費は三十億二千万余円でございます。市町村が
都市計画事業として施行する公園、道路及び下水道事業に対する補助等に要する経費でございます。三十カ所の公園、四十四カ所の路線、二十九カ所の下水道施設に対しまして補助を予定いたしております。
次に、二七ページをお開き願います。
23は市街地再
開発事業助成で、事業費は八十八億二千四百万余円でございます。
概要欄1の
市街地整備補助は、八王子駅北口地区外十四地区を対象に補助を予定いたしております。
概要欄2の
公共施設管理者負担金は、再開発組合等が施行する市街地再
開発事業区域内における都道の整備にかかわる負担金でございます。錦糸町駅北口地区外六地区を予定いたしております。前年度より大幅に減額となっていますが、これは各地区の事業進捗に伴うものでございます。
24は
都市高速鉄道建設助成で、事業費は二百七十六億四千七百万余円でございます。
概要欄1の補助金は、
地下高速鉄道の建設を促進するため、交通局につきましては三田線外一路線、二八ページをお開きいただきまして、
帝都高速度交通営団につきましては南北線外三路線の建設費に対して補助するものでございます。
概要欄2の
帝都高速度交通営団貸付金は、南北線外一路線の建設を促進するため、
帝都高速度交通営団に対し無利子で貸し付けを行うものでございます。
25は
北陸新幹線鉄道整備事業助成で、事業費は三十四億一千二百万余円でございます。北陸新幹線の整備主体である日本鉄道建設公団に対して補助するものでございます。
次に、二九ページをお開き願います。
26は
首都高速道路公団出資金等で、事業費は四百八億四千九百万円でございます。このうち出資金は、同公団が東京地区において施行する
高速道路建設事業に対し出資するものでございます。貸付金は、道路交通の
渋滞解消効果が大きく、緊急に整備すべき路線であります
首都高速板橋足立線及び同
中央環状新宿線の建設を促進するために無利子で貸し付けるものでございます。前年度より大幅に増額となりました主な理由は、
橋脚補強事業及び
緊急環境対策事業に伴う出資金の増額によるものでございます。
次に、27は
運輸事業振興助成交付金で、事業費は十四億六千八百万余円でございます。バス、
トラック業界等が行う
輸送サービスの
整備改善事業に対して補助するものでございます。交付団体は、
社団法人東京バス協会外四団体でございます。
次に、三〇ページをお開き願います。
28は
バス事業助成で、事業費は一億四千二百万余円でございます。
奥多摩地域住民の
生活バス路線を維持するための助成に要する経費でございます。
29は
バス活性化システム整備事業助成で、事業費は二億三千九百万余円でございます。
公共交通機関としてのバス利用の促進及び道路混雑の緩和等を図るための
バスカードシステム化に対しての助成に要する経費でございまして、バス会社五社を予定いたしております。
次に、三一ページをお開き願います。
30は東京都新
都市建設公社助成で、事業費は三十二億三千万余円でございます。このうち
土地区画整理事業交付金は、公社が市や町から受託施行する
土地区画整理事業について、都が市や町に対して交付する補助金に相当する額を公社に対して直接交付するものでございます。
次に、一ページ置きまして三三ページをお開き願います。
31は建築行政に関する管理事務で、職員費と事業費を合わせ、歳出額は二十二億五千六百万余円でございます。建築行政に従事する職員の給料、諸手当及び建築審査会の運営並びに屋外広告物の許可事務等に要する経費でございます。
次に、三四ページをお開き願います。
32は建築指導に関する事務で、事業費は三億八千三百万余円でございます。
建築基準法に基づく建築確認及び
違反建築取り締まり事務等に要する経費でございます。
概要欄4の
建築行政交付金は、地域の特性に応じたよりきめ細かな
建築基準行政を行うことを目的として、平成七年度の府中市、調布市に続きまして、武蔵野市、三鷹市、日野市に事務を移管するに当たっての財政支援に要する経費でございます。
次に、三五ページをお開き願います。
33は建築に関する調査で、事業費は九億七千二百万余円でございます。
概要欄1の
公共建築物耐震診断は、震災時の情報連絡と救護活動の拠点となる警察署、消防署等の公共建築物の耐震診断を行うものでございます。
次に、概要欄4の人に優しい
まちづくり事業等でございます。高齢者、
身体障害者等が特段の不自由なく建築物を利用できる誘導基準に該当するトイレ、エレベーターなどを備えた建築主に、その費用の一部を助成するために要する経費等を計上しております。
次に、概要欄5の
セーフティーローンあっせん制度でございます。
中小企業金融公庫等から融資を受けて、劇場、ホテル、デパートなどの特殊建築物の
耐震改修工事等を行う場合に、七年以内で年一%の利子分について補助するために要する経費を計上しております。
なお、あわせて七年間の
債務負担行為を別途計上いたしております。
次に、三六ページをお開き願います。
34は建設業指導及び許可事務等で、事業費は一億二千万余円でございます。建設業法及び建築士法に基づく許可事務や指導監督等に要する経費を計上してございます。
次に、一ページ置きまして三八ページをお開き願います。
債務負担行為の1でございますが、先ほどの各事業の中でご説明いたしましたように、
都市計画事業現形測量及び
セーフティーローンあっせん制度利子補給の二つの事業がございます。
次に、
債務負担行為のIございますが、1の
財団法人東京都新
都市建設公社損失補償で、平成八年度に新たに設定した
債務負担限度額は百三十八億一千六百万余円で、
既債務負担額と合わせますと三百六十八億九千五百万余円となります。
以上で、一般会計の説明を終わらせていただきます。
続きまして、
都市開発資金会計予算につきましてご説明申し上げます。四〇ページをお開き願います。
1は
都市開発用地買収で、事業費は八十億三千二百万余円でございます。
都市開発資金の貸付けに関する法律に基づきまして、国から資金の貸し付けを受け、
都市施設用地七・九ヘクタールの買収を行うものでございます。
次に、三ページ置きまして四四ページをお開き願います。
当局関連分の
都市整備用地買収費の表を掲げてございますが、上の欄は、ただいま申し上げました
都市開発資金会計によるものでございます。中段及び下段は、財務局所管の
土地開発基金及び用地会計によるものでございます。合わせて十七・四ヘクタール、二百五十億円の用地買収を行う予定でございます。
以上で、平成八年度当初予算案の説明を終わらせていただきます。
次に、条例案六件の説明に入らせていただきます。
お手元の資料2、平成八年第一回
東京都議会定例会提出議案説明資料をごらんいただきたいと存じます。
まず初めに、東京都
屋外広告物条例の一部を改正する条例案でございます。
一ページをお開き願いたいと存じます。今回提出を予定いたしております東京都
屋外広告物条例の一部を改正する条例案の概要を記載してございます。
東京都
屋外広告物条例は、
屋外広告物法の規定に基づき、美観風致を維持し、公衆に対する危害を防止することを目的とし、屋外広告物の規制に関し必要な事項を定めているものでございます。
まず、アの改正の理由でございますが、平成八年四月からの中核市の発足等に伴い、屋外広告業の届け出事項の中に中核市の
講習会修了者等を加える必要があるとともに、防災上の観点から、許可にかかわる広告物等を設置する者に対して、一定の
屋外広告物管理者の設置を義務づけるものでございます。
平成八年五月に予定されています新用途地域の施行に伴い、用途地域に関する条文を改める必要があるため、規定の整備を図ろうとするものでございます。
次に、改正の内容でございますが、イの条例案の概要をごらん願います。
第一点は、(ア)に記載してございますように、旧用途地域から新用途地域に改めるものでございます。
第二点は、(イ)に記載してございますように、禁止区域や許可区域であっても、許可を受けることなく表示または設置することができる広告物等として、塀または工事現場の板塀もしくはこれに類する仮囲いに表示する広告物を加えるものでございます。
第三点は、(ウ)に記載してございますように、許可を受けた広告物等のうち、一定のものについては
屋外広告物管理者の設置を義務づけるものでございます。
第四点は(エ)でございますが、屋外広告業の届け出事項に、中核市の
講習会修了者及び屋外広告士を加えるものでございます。
なお、二ページ以降には条例案文、提案理由を、また、四ページ以降には新旧対照表を記載してございます。
次に、東京都
文教地区建築条例の一部を改正する条例につきましてご説明申し上げます。
東京都
文教地区建築条例は、学校等の
教育文化施設にかかわる環境の保護や住宅地の文教的環境の保護を図るため、都市計画で定める文教地区内に設けられる建築物の用途の制限に関して必要な事項を定めているものでございます。
七ページをお開き願いたいと存じます。今回提出を予定いたしております東京都
文教地区建築条例の一部を改正する条例案の概要を記載してございます。
まず、アの改正の理由でございますが、都市計画法及び
建築基準法の一部を改正する法律の施行に伴い、文教地区内において用途規制の対象となる建築物の一部を改めるものでございます。また、他の
建築基準法関係の条例との均衡上、違反者に対する罰金を引き上げるとともに、両罰規定を設ける必要があるため、所要の規定を整備するものでございます。
次に、改正の内容でございますが、イの条例案の概要をごらん願います。
第一点は、(ア)に記載してございますが、学校等の文教的環境の保護を図る必要から、文教地区内に設けてはならない建築物として、
勝馬投票券発売所、
場外車券売場等を加えるものでございます。
第二点は、(イ)に記載してございますように、本条例の違反者である建築主等に対する罰金の額を五万円以下から二十万円以下に引き上げるものでございます。これは
建築基準法の規定により条例で定めることのできる罰金の限度額について、五万円以下から二十万円以下に改められたこと及び他の
建築基準法関係条例との均衡上、本条例の規定を改めるものでございます。
第三点は(ウ)でございますが、違反者に対する処罰の規定を整備し、
建築基準法の規定に準じて、違反者のみならず違反者の属する法人等に対する罰則、いわゆる両罰規定について新たに規定するものでございます。
その他、所要の規定の整備を図っております。
なお、八ページ以降には条例案文と提案理由を、また、一〇ページには新旧対照表を記載してございます。
次に、東京都
建築安全条例の一部を改正する条例についてご説明申し上げます。
東京都
建築安全条例は、建築物の安全、防火及び衛生の一層の向上を図ることを目的として、
建築基準法に基づき、建築物の敷地、構造及び建築設備並びに工作物に関する基準を定めたものでございます。
一一ページをお開き願いたいと存じます。今回提出を予定いたしております、東京都
建築安全条例の一部を改正する条例案の概要を記載してございます。
まず、アの改正の理由でございますが、不特定多数の利用者が集中する地下街の安全性をより高めるため、地下工作物内に設けられた地下道、及びこれに面し機能上一体となった店舗等の施設を地下街としてとらえ、その安全上の基準を定める必要があるため、第三章について、構成を含め全面的に改正するものでございます。
次に、イの条例案の概要でございますが、その具体的な内容を一一ページから一二ページにかけ逐条的に記載してございますので、その中から主な改正内容についてご説明申し上げます。
第一点は、第一節及び第二節についてでございますが、まず、地下街及び地下の構えについて定義をいたしました。この定義をもとに、地下道に対する地下の構えの接道要件、地下の構え内での防火区域、地下の構え内から地下道または専用直通階段までの歩行距離、及び地下街に設ける機械換気設備の設置基準等を定めるものでございます。
第二点は、第三節についてでございますが、地下道に通ずる建築物の地下の部分について、地下街の規定を準用すること等を定めるものでございます。
第三点は、第四節についてでございますが、地下工作物内に設ける自動車駐車場等について、専用直通階段の設置を定めるものでございます。
以上のほか、所要の規定の整備を行っております。
なお、一三ページ以降には条例案文と提案理由を、また、二二ページ以降には新旧対照表を記載してございます。
次に、東京都日影による
中高層建築物の高さの制限に関する条例の一部を改正する条例につきましてご説明申し上げます。
東京都日影による
中高層建築物の高さの制限に関する条例は、住宅地の日照等の居住環境を保護するため、中高層の建築物の高さの制限に関して必要な事項を定めているものでございます。
三九ページをお開き願いたいと存じます。今回提出を予定しております東京都日影による
中高層建築物の高さの制限に関する条例の一部を改正する条例案の概要を記載してございます。
まず、アの改正の理由でございますが、平成四年六月の都市計画法及び
建築基準法の一部を改正する法律の施行に伴いまして、日影規制の対象区域及び規制値を改めますとともに、土地の合理的かつ健全な高度利用と市街地の改善を促進するために、
街並み誘導型地区計画の区域を
規制対象区域から除く必要があるため、規定の整備を行うものでございます。
次に、改正の内容でございますが、イの条例案の概要をごらん願います。
第一点は、(ア)に記載してございますように、合理的かつ健全な高度利用と市街地の改善を促進するため、都市計画法の規定により新たに定められた地区計画のうち、
街並み誘導型地区計画の区域を
規制対象区域から除くものでございます。
第二点は、(イ)に記載してございますように、原則的に、用途地域、容積率及び高度地区の組み合わせを基準といたしまして対象区域及び規制値を定めてございますが、新用途地域の施行に伴い、規定の整備を行うものでございます。
第三点は(ウ)でございますが、その他各区市町の改正原案を踏まえ、所要の規定の整備を図るものでございます。
なお、四〇ページ以降には条例案文と提案理由を、また、七三ページ以降には新旧対照表を記載してございます。
次に、東京都駐車場条例の一部を改正する条例につきましてご説明申し上げます。
東京都駐車場条例は、駐車場法に基づき、道路交通の円滑化を図ることを目的とし、大規模建築物における駐車施設の附置等に関し必要な事項を定めているものでございます。
それでは、七七ページをお開き願いたいと存じます。今回提出を予定しております東京都駐車場条例の一部を改正する条例案の概要を記載してございます。
まず、アの改正の理由でございますが、平成八年五月に予定されている新用途地域の施行に伴い、第四章の規定のうち、用途地域に関する条文を改める必要があるため、規定の整備を図ろうとするものでございます。
次に、改正の内容でございますが、イの条例案の概要のところにございますように、「住居地域」を「第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域」に、「第二種住居専用地域」を「第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域」にそれぞれ改めるものでございます。
なお、七八ページには条例案文と提案理由を、また、七九ページには新旧対照表を記載してございます。
次に、東京都
中高層建築物の建築に係る紛争の予防と調整に関する条例の一部を改正する条例案をご説明いたします。
東京都
中高層建築物の建築に係る紛争の予防と調整に関する条例は、良好な近隣関係を保持し、地域における健全な生活環境の維持及び向上に資することを目的とし、
中高層建築物の建築に係る計画の事前公開並びに紛争のあっせん及び調停に関し必要な事項を定めるものでございます。
八一ページをお開き願いたいと存じます。
今回提出を予定しております、東京都
中高層建築物の建築に係る紛争の予防と調整に関する条例の一部を改正する条例案の概要を記載してございます。
まず、アの改正の理由でございますが、平成八年五月に予定されている新用途地域の施行に伴い、規定の整備を図ろうとするものでございます。
次に、改正の内容でございますが、イの条例案の概要にございますように、第二条第一号中、「第一種住居専用地域」を「第一種低層住居専用地域及び第二種低層住居専用地域」に改めるものでございます。
なお、八二ページには条例案文を、八三ページには新旧対照表を記載してございます。
大変雑駁ではございますが、以上をもちまして、平成八年第一回
東京都議会定例会に提出を予定しております予算案二件、条例案六件につきましての説明を終わらせていただきます。
よろしくご審議のほどをお願い申し上げます。
◯足羽委員長 説明は終わりました。
この際、資料要求のある方は発言を願います。
◯たぞえ委員 まず第一点が、横田基地周辺の市町が基地問題でアメリカ政府や日本政府などに提出した意見書、要望書。五年間、わかるものをお願いします。
二つ目に、二月七日に昭島市など五市一町が政府に提出した日米地位協定見直しを求める要望書の全文。
三番目に、市街地再開発の今後の計画について、地区名、面積、開発予定年度のわかるもの。
以上三点、お願いいたします。
◯足羽委員長 ほかにいかがですか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
◯足羽委員長 ただいま、たぞえ理事から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
◯足羽委員長 異議なしと認めます。
理事者においては、たぞえ理事と調整の上、提出を願います。
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◯足羽委員長 これより請願及び陳情の審査を行います。
この際、お断り申し上げます。
本日審査いたします請願及び陳情に対する理事者の説明は、お手元配布の請願陳情審査件名表のとおりでございます。
請願陳情審査件名表の記載中、番号、件名、請願者または陳情者、要旨及び現在の状況の朗読はいずれも省略いたします。
初めに、五第七八号、旧国鉄汐留貨物駅跡地の再開発に関する請願を議題といたします。
…………………………………
五第七八号 旧国鉄汐留貨物駅跡地の再開発に関する請願
請願者 港区
新橋駅東口再開発対策連絡協議会理事長
田口邦雄外四十四人
〔要旨〕
旧国鉄汐留貨物駅跡地の再開発については、公共的立場から、都の主導で実施していただきたい。
〔現在の状況〕
本跡地は約二一・六ヘクタールを有し、都心部の土地の有効利用と都市機能の更新を図るうえで重要な役割を担っていくことが期待されている。
そのため、東京都は、昭和六〇、六一年度に国土庁、運輸省、建設省により実施された「汐留周辺地区総合整備計画策定調査」結果を受けて、昭和六二年度より「汐留地区新都市拠点事業総合整備計画策定調査」等を行い、跡地を中心に周辺地区を含めた土地利用計画、都市基盤施設整備計画等について調査、検討並びに関係機関との協議、調整を行ってきた。
その結果、都市基盤施設については、東京都施行による
土地区画整理事業を実施することにより、周辺地区と一体となった整備を進めることとした。併せて、再開発地区計画を定め、土地利用転換を総合的かつ一体的に誘導し、良好な市街地の形成を図ることとした。
平成四年八月に再開発地区計画の方針、
土地区画整理事業及び関連街路を都市計画決定し、平成七年二月には関連街路(未決定分)及びそれに伴う再開発地区計画(方針)の変更を都市計画決定した。
また、平成七年三月に
土地区画整理事業の事業計画(事業者・東京都)を決定し、現在、仮換地指定に向け作業中である。
…………………………………
◯足羽委員長 本件について発言を願います。
◯たぞえ委員 明治五年の新橋-横浜間の鉄道の開業式から、はや百二十三年がたちました。私は、一度この跡地を見る機会があったんですけれども、江戸時代の東京湾に面した町並みや護岸、それから大名屋敷跡、そしてホーム跡など、そのまま出現している姿を見て、大変感動しました。この歴史を刻んだ姿を本当に継承できたら、私たちの子孫が都心部で歴史のありのままの姿を見ることができるのではないか、どんなにすばらしい過去を思い浮かべることができるのかと、大変感動しました。しかし、この跡地は現在、歴史の保存ではなくて、開発で無残に切り捨てられるということについて、大変がっかりしております。
国鉄清算事業団と運輸省が昨年の十月、汐留の貨物駅跡地、ピーク時は平均評価額が四兆円ともいわれた約二十ヘクタールの売却について、証券化方式を断念して、自社ビルを建てそうな企業に用地の購入を働きかけるという新手法導入方針を固めました。これは、都心のオフィス賃貸料の下落で、テナントビルを誘致しても採算が合わないおそれがあるというふうに、当時マスコミでも指摘をしているとおりです。
こういう当初の思惑がうまくいかないもとで東京都が都市計画決定した内容は、区画整理事業という手法で土地の高度利用を進めて、いわば世界都市にふさわしい業務、商業、文化、居住の機能を有する複合市街地として、容積率を引き上げたり、国際化に寄与するための業務施設や商業施設を集中するという意味で、私は、一極集中の是正どころか、さらに都心三区での過密化をもたらすものといわざるを得ません。
江戸や明治の人々は、まさか巨大なビルが建ち並ぶ地域になるとはだれも予想しなかったと思います。私は、貴重な跡地を保存をすることが望ましいと考えておりますが、今回の請願につきましては、再開発を一層促進をしてほしいという趣旨でもありますので、これにつきましては不採択にすべきであるということを申し上げて、意見といたします。
◯足羽委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
本件は、起立により採決いたします。
本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕
◯足羽委員長 起立多数と認めます。よって、請願五第七八号は趣旨採択と決定いたしました。
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◯足羽委員長 次に、五第八四号、東京拘置所(葛飾区小菅一丁目)の移転促進に関する請願を議題といたします。
…………………………………
五第八四号 東京拘置所(葛飾区小菅一丁目)の移転促進に関する請願
請願者 葛飾区
小菅西自治会会長 千葉吉彦外千五百四十四人
〔要旨〕
東京拘置所の移転を次のように促進していただきたい。
1 他の地域に移転するよう関係機関に働きかけること。
2 移転先や跡地利用等について、東京の都市像、地域像の中に位置づけた計画を策定すること。
〔現在の状況〕
東京拘置所は、昭和四年に建設された旧小菅刑務所の建物を使用して、昭和四六年、葛飾区に開設され、現在に至っている。
葛飾区は従来から、拘置所の移転を働きかけてきたが、拘置所は平成元年九月、区に対して「現在地において施設運営を行わざるを得ないが、改築計画具体化のさいは、緑地の多い公園的な機能をも備えた、近代的で地域社会と違和感のない建物とする」という考え方を示した。
これに対して葛飾区は、平成六年度に「小菅一丁目地区景観街づくり調査」を実施し、東京拘置所の改築を前提とした小菅一丁目地区の整備を検討してきたところである。
その後、平成七年八月、葛飾区は東京拘置所長あてに「東京拘置所改築に係る諸条件の整備について」という要請書を提出し、「基本的には移転が望ましいが、改築案にも柔軟に対応していく」という考えを示し、改築にあたっての要望事項を明らかにした。
また、平成七年一二月には、東京拘置所、葛飾区、本件請願者である小菅西自治会の三者からなる調整会議が開催され、現地改築を前提とした話し合いがもたれた。
東京拘置所では、平成八年度に改築のための設計を行い、八年度中には改築工事に着手する計画である。
…………………………………
◯足羽委員長 本件について発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
◯足羽委員長 発言がなければ、これより採決を行います。
本件は、起立により採決いたします。
本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕
◯足羽委員長 起立少数と認めます。よって、請願五第八四号は不採択と決定いたしました。
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◯足羽委員長 次に、五第一二四号、都市計画道路補助一三二号線の一部建設計画廃止に関する請願を議題といたします。
…………………………………
五第一二四号 都市計画道路補助一三二号線の一部建設計画廃止に関する請願
請願者 練馬区
志村尚雄外二百四十七人
〔要旨〕
都市計画道路補助一三二号線の建設計画のうち、練馬区石神井町五丁目の禅定院前から石神井農業協同組合に至る区間の現道拡幅工事計画を廃止していただきたい。
〔現在の状況〕
本路線は、昭和二二年に都市計画決定されており、放射二三号線(井の頭通り)との交差部である杉並区宮前五丁目を起点とし、補助一五六号線との交差部である練馬区石神井町二丁目を終点とする延長約六・六キロメートル、標準幅員一六メートルの都市計画道路である。
昭和五六年に行った区部の道路再検討においても、都市防災の強化、都市機能の確保等を図るため、必要な路線として位置づけている。
現在の整備状況は、全区間が未着手となっている(一部区間は概成)。
また、終点から石神井公園入口付近までを、平成三年六月の区部の第二次事業化計画において、前期事業化予定路線に位置づけている。
本請願区間については、幅員一六メートルで計画しており、八~一〇メートルの現道を拡幅する計画である。
隣接する石神井公園一帯は、避難場所に指定されており、本請願区間は避難用道路としての機能および延焼防止等の防災機能の強化が必要な路線である。
したがって、本路線は、地域の防災性の向上を図るとともに地区の交通を分担する地区幹線道路として、拡幅の必要性の高い道路である。
このため、現道拡幅工事計画の廃止については適当でないと考えている。
…………………………………
◯足羽委員長 本件について発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
◯足羽委員長 発言がなければ、これより採決を行います。
本件は、起立により採決いたします。
本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕
◯足羽委員長 起立少数と認めます。よって、請願五第一二四号は不採択と決定いたしました。
─────────────
◯足羽委員長 次に、五第二二〇号、杉並区内補助一三二号線計画の白紙撤回に関する陳情を議題といたします。
…………………………………
五第二二〇号 杉並区内補助一三二号線計画の白紙撤回に関する陳情
陳情者 杉並区
補助一三二号線の計画に反対する西荻窪住民一同代表 梅原五郎外千二百六十八人
〔要旨〕
杉並区内補助一三二号線計画のうち、JR西荻窪駅から井ノ頭通りまでの区間については、住民一同としては絶対に受け入れることができない。
ついては、この区間の計画を凍結し、白紙撤回していただきたい。
〔現在の状況〕
本路線は、昭和二二年に都市計画決定されており、放射二三号線(井の頭通り)との交差部である杉並区宮前五丁目を起点とし、補助一五六号線との交差部である練馬区石神井町二丁目を終点とする延長約六・六キロメートル、標準幅員一六メートルの都市計画道路である。
昭和五六年に行った区部の道路再検討においても、都市防災の強化、都市機能の確保等を図るため、必要な路線として位置づけている。
現在の整備状況は、全区間が未着手となっている(一部区間は概成)。
また、終点から石神井公園入口付近までを、平成三年六月の区部の第二次事業化計画において、前期事業化予定路線に位置づけている。
本陳情区間のうち、JR中央線の西荻窪駅付近については、幅員二〇メートルで計画しており、一〇メートル程度の現道を拡幅する計画である。その他の区間については、四メートル程度の現道に沿って幅員一六メートルで計画している。
地域の状況は、細街路はあるものの、骨格となる道路がないため、災害時における消防、避難、延焼遮断など、防災上の課題を抱えている。
したがって、本路線はJR西荻窪駅へのアクセス機能を持ち、地区の交通を分担する地区幹線道路としてばかりでなく、また、防災生活圏形成のための延焼遮断帯の骨格となる道路として、地域の防災性の向上を図るうえで必要性の高い路線である。
このため、計画を白紙撤回することは適当でないと考えている。
…………………………………
◯足羽委員長 本件について発言を願います。──発言がなければ、これより採決を行います。
本件は、起立により採決いたします。
本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕
◯足羽委員長 起立少数と認めます。よって、陳情五第二二〇号は不採択と決定いたしました。
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◯足羽委員長 次に、五第二〇〇号、都道放射第一六号線計画案の見直し、変更に関する請願及び五第二二八号の一、都道放射第一六号線の建設事業に関する陳情を一括して議題といたします。
…………………………………
五第二〇〇号 都道放射第一六号線計画案の見直し、変更に関する請願
請願者 江東区
南砂三丁目団地自治会会長 船本彰三外七百二十八人
〔要旨〕
都道放射第一六号線の計画案(第三次案)を、次のように変更していただきたい。
1 道路の位置を現計画案より私たちの団地の一号棟から約六〇から六五メートル、五・六号棟から約八〇から九〇メートル東京佐川急便寄り(南側)に移動させ、道路端には遮音壁を設置すること。
2 日曹橋交差点を立体交差にすること。
〔現在の状況〕
本路線は、昭和二一年に都市計画決定されており、千代田区大手町を起点とし、江東区内を通り江戸川区東葛西で千葉県境に至る延長約一一・九キロメートル、標準幅員三三メートルの幹線道路である。
本請願区間については、昭和五五年に行われた区部の道路再検討に関する区への意見照会に対して、江東区長より、「地下鉄東西線の南側へ計画変更するように」との要請があり、これを受けて、昭和五八年より計画の変更について検討を行った。
この中で、道路の線形、構造等の技術的側面や事業費等の財政的側面を総合的に勘案して、地元区等の意見を聞きながら計画案を策定し、所定の手続きを経て、平成五年一二月に都市計画の変更を行ったところである。
建設局においては、この計画に基づき、昨年一一月から土地区画整理予定地区の東側区間(荒川渡河部を含む)について、事業を実施している。
第二項の、放射一六号線(永代通り)と補助一一六号線(明治通り)との交差点である日曹橋交差点については、立体交差点として都市計画決定がなされており、隣接する越中島貨物線との交差検討を行った上で、事業化に取り組むこととしている。
また、平成六年一月一二日の都市計画環境保全委員会において、「放射一六号線の計画変更の第三次案による決定と事業の早期実施に関する陳情」が採択、「放射一六号線計画案(変更第三案)の廃案に関する陳情」が不採択とされている。
…………………………………
五第二二八号の一 都道放射第一六号線の建設事業に関する陳情
陳情者 江東区
都市計画道路放射第一六号線建設を考える会代表世話人 棟田淑浪
〔要旨〕
都道放射第一六号線の建設事業に関し、都は次のことについて住民に納得のいくように説明していただきたい。
1 接続する道路を含めた全ての道路に関する計画及びそれに伴う交通量・大気汚染・騒音等が周辺地域の住環境に及ぼす影響について改めて調査・予測を実施して判明したこと。
2 東京佐川急便の意向が優先されてルート変更され、その裏では、「佐川マネー」による政治家への働きかけがあったとされる疑惑、またルート変更に係る東京佐川急便の建物が、確認申請も登記もされていない不法建築物であること。
〔現在の状況〕
本路線は、昭和二一年に都市計画決定がなされており、千代田区大手町を起点とし、江東区内を通り江戸川区東葛西で千葉県境に至る延長約一一・九キロメートル、標準幅員三三メートルの幹線道路である。
本陳情区間については、昭和五五年に行われた区部の道路再検討に関する区への意見照会に対して、江東区長より、「地下鉄東西線の南側へ計画変更するように」との要請があり、これを受けて、昭和五八年より計画の変更について検討を行った。
この中で、道路の線形、構造等の技術的側面や事業費等の財政的側面を総合的に勘案して、地元区等の意見を聞きながら計画案を策定し、所定の手続きを経て、平成五年一二月に現都市計画の変更の告示を行ったところである。
陳情の要旨である周辺地域の住環境に及ぼす影響については、都市計画変更時に、都条例に基づく環境アセスメントを実施し、地元説明会等を通じて十分に説明を行っている。
なお、建設局においては、この計画に基づき、昨年一一月から土地区画整理予定地区の東側区間(荒川渡河部を含む)について、事業を実施している。
第二項の、ルート変更については、道路の線形、構造等の技術的側面や事業費等の財政的側面を総合的に勘案して、地元区等の意見を聞きながら計画案を策定したものであり、政治家の計画変更に関する介入というものは、なかったと承知している。
東京佐川急便の建物については、一部無届けの建築物等があり、江東区において是正措置を指示し、処理されたと聞いている。
…………………………………
◯足羽委員長 本件について発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
◯足羽委員長 発言がなければ、これより採決を行います。
初めに、請願五第二〇〇号をお諮りいたします。
本件中、第二項を趣旨採択とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
◯足羽委員長 異議なしと認めます。よって、請願五第二〇〇号中、第二項は趣旨採択と決定いたしました。
次に、陳情五第二二八号の一を起立により採決いたします。
本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕
◯足羽委員長 起立少数と認めます。よって、陳情五第二二八号の一は不採択と決定いたしました。
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◯足羽委員長 次に、七第四八号、都市の樹林地を守るための相続税猶予等の制度創設を求める意見書提出に関する請願を議題といたします。
…………………………………
七第四八号 都市の樹林地を守るための相続税猶予等の制度創設を求める意見書提出に関する請願
請願者 東久留米市
杉村冨士男外一万九千六十八人
〔要旨〕
次のような内容の意見書を国の機関に提出していただきたい。
都市の市街化区域内の自然環境を保全し、災害に強い街を作り、良好な生活環境を維持するために必要な民間の樹林(屋敷林、雑木林等)の相続税、固定資産税について、生産緑地法と同様の優遇措置ができる制度を創設すること。
〔現在の状況〕
都市に残された貴重な樹林地等の保全を行い良好な都市環境の形成を図るために緑地保全地区等の指定を一層推進していく必要がある。
良好な民間の樹林地等の維持のためには、固定資産税や相続税の税制上の優遇措置は、その推進のための有力な手段の一つである。
都市の樹林地に対する税制上の優遇措置には、現在次のようなものがある。
1、固定資産税については、緑地保全地区の指定等により減免もしくは非課税。
2、相続税の評価減については、緑地保全地区の指定及び市民緑地や借地公園とした場合に一定の評価減。
しかし、相続税の納税猶予については、現在どの制度においても措置されていない。
一方、生産緑地地区は、固定資産税は農地課税、相続税は納税猶予の措置がとられている。このため、都市の樹林地についてもその保全を図る上で相続税の納税猶予制度の創設が望まれている。
なお、条例によって指定された保全地域等の地域内の土地については、国に対して相続税の納税猶予制度の創設を要望しているところである。
(所管局 環境保全局・労働経済局・建設局)
…………………………………
◯足羽委員長 本件について発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
◯足羽委員長 発言がなければ、本件中、都市計画局所管分については趣旨採択といたしたいと思いますが、環境保全局所管分もございますので、決定は明日の環境保全局所管分の審査の際に行い、本日は保留とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
◯足羽委員長 異議なしと認めます。よって、請願七第四八号は本日のところは保留と決定いたしました。
─────────────
◯足羽委員長 次に、五第八九号、首都高速葛飾・江戸川線清新町ランプの設置反対等に関する陳情及び五第一六九号の二、都市計画道路放射第一六号線、首都高速葛飾江戸川線清新町ランプ建設促進に関する陳情を一括して議題といたします。
…………………………………
五第八九号 首都高速葛飾・江戸川線清新町ランプの設置反対等に関する陳情
陳情者 江戸川区
江戸川区清新町・臨海町自治会連絡協議会代表 平野勝男外一万三百四十四人
〔要旨〕
次のことを実現していただきたい。
1 首都高速葛飾・江戸川線清新町ランプの設置計画を撤回すること。
2 葛西インター及び葛西ランプを改善すること。
〔現在の状況〕
首都高速葛飾江戸川線清新町ランプは、江戸川区西葛西二丁目(荒川中堤上)を起点とし、江戸川区清新町一丁目(放射第一六号線)までの、入路延長約九〇〇メートル、出路延長約六〇〇メートルのランプであり、標準幅員は五・七五メートルである。
清新町ランプは、江戸川区南部地域から北方向への円滑なアクセスを図るとともに、現在供用中の南方向サービスの船堀橋ランプと一体となって、都市高速道路の機能向上及び一般街路の混雑緩和を図ることを目的とするものである。
清新町ランプは、江戸川区議会等からの設置要望により、平成五年一二月に都市計画決定しており、現在、
首都高速道路公団において、事業着手のための諸手続をおこなっている。
従って、設置計画の撤回は、困難であると考えている。
また、葛西ジャンクション(葛西インター)は、江戸川区臨海町六丁目において、首都高速葛飾江戸川線と首都高速湾岸線とを結ぶものである。当該ジャンクションは、葛飾江戸川線の整備に伴い、昭和五二年三月に都市計画決定を行い、昭和六二年九月に供用が開始されている。
葛西ランプは、江戸川区臨海町六丁目において国道三五七号に接続するものであり、昭和四七年七月に湾岸線の延伸と合わせて都市計画決定を行い、昭和五三年一月に供用が開始されている。
陳情者は葛飾江戸川線の混雑の原因が、葛西ジャンクション及び葛西ランプの構造に不備があると指摘し、葛飾江戸川線及び湾岸線の混雑解消を図るために、改善を求めている。しかし、混雑の原因は、新木場オフランプ~葛西ジャンクション間のボトルネックによるものであり、葛西ジャンクション及び葛西ランプの構造との関係は薄い。
なお、新木場オフランプ~葛西ジャンクション間のボトルネック対策として、平成七年七月に都市計画決定を行い、現在、
首都高速道路公団において、拡幅工事を施工中である。
従って、葛西ジャンクション及び葛西ランプの改善は、必要ではないと考えている。
…………………………………
五第一六九号の二 都市計画道路放射第一六号線、首都高速葛飾江戸川線清新町ランプ建設促進に関する陳情
陳情者 江戸川区
西野博外十二万八千百七十一人
〔要旨〕
次のことを実現していただきたい。
2 首都高速葛飾江戸川線清新町ランプの早期事業化を進めること。
〔現在の状況〕
首都高速葛飾・江戸川線清新町ランプは、江戸川区西葛西二丁目地先(荒川中堤上)を起点とし、江戸川区清新町一丁目(放射第一六号線)までの、入路延長約九〇〇メートル、出路延長約六〇〇メートルのランプであり、標準幅員は五・七五メートルである。
清新町ランプは、江戸川区南部地域から北方向への円滑なアクセスを図るとともに、現在供用中の南方向サービスの船堀橋ランプと一体となって、都市高速道路の機能向上及び一般街路の混雑緩和を図ることを目的とするものである。
清新町ランプは、江戸川区議会等からの設置要望により、平成五年一二月に都市計画決定しており、現在、
首都高速道路公団において早期事業化に向け、
都市計画事業承認申請等の諸手続をおこなっている。
…………………………………
◯足羽委員長 本件について発言を願います。──発言がなければ、これより採決を行います。
初めに、陳情五第八九号を起立により採決いたします。
本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕
◯足羽委員長 起立少数と認めます。よって、陳情五第八九号は不採択と決定いたしました。
次に、陳情五第一六九号の二を起立により採決いたします。
本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕
◯足羽委員長 起立多数と認めます。よって、陳情五第一六九号の二は採択と決定いたしました。
─────────────
◯足羽委員長 次に、五第九〇号の三、江戸川区清新町、臨海町及び葛西地域の環境改善に関する陳情を議題といたします。
…………………………………
五第九〇号の三 江戸川区清新町、臨海町及び葛西地域の環境改善に関する陳情
陳情者 江戸川区
江戸川区清新町・臨海町自治会連絡協議会内放射一六号線問題等対策委員会委員長 平野勝男外七千五百九十七人
〔要旨〕
次のことを実現していただきたい。
3 首都高速葛飾江戸川線、高速湾岸線及び今後計画されている幹線道路(放射一六号線)にはカプセルを掛け、排気処理施設を設置すること。
4 営団地下鉄東西線の騒音緩和に取り組むこと。
〔現在の状況〕
首都高速葛飾江戸川線は、葛飾区四つ木三丁目から江戸川区臨海町六丁目までの延長約一一キロメートル、標準幅員二〇・五メートルの路線であり、昭和五二年三月に都市計画決定を行い、昭和六二年九月に供用を開始した。
首都高速湾岸線は、江戸川区臨海町六丁目地先から大田区羽田空港三丁目に至る約二三キロメートルの路線で、標準幅員三五メートルであり、本陳情を含めた江戸川区の区間については昭和四七年七月に都市計画決定、昭和五三年一月に供用を開始した。
放射第一六号線は、昭和二一年に都市計画決定されており、千代田区大手町一丁目を起点とし江戸川区東葛西九丁目に至る延長約一二キロメートル、標準幅員三三メートルの路線である。
陳情区間については、平成五年一二月に都市計画の変更を行ったところである。
これらの路線へのカプセル設置については、カプセルの構造的制約等からくる設計荷重の超過、カプセルの支柱や排気処理施設等の設置スペースを確保することが難しいなど技術的課題があり、その実現は困難なものと考えている。
なお、騒音対策としては、葛飾江戸川線においては防音壁を延長し、放射第一六号線についても一部区間において防音壁の新設を予定している。
荒川及び中川に架かる営団地下鉄東西線の荒川・中川橋りょうは、昭和四四年三月から供用開始されているが、
帝都高速度交通営団は、防音板や防振パットを施工するなど防音対策に努めてきた。また、橋りょう部分の保守についても一般部より保守周期を短縮するなど、密度の高い管理を実施している。
現在、引き続き、新しい防音材料及び施工方法などについて研究並びに検討中である。
…………………………………
◯足羽委員長 本件について発言を願います。──発言がなければ、お諮りいたします。
本件中、第四項を趣旨採択とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
◯足羽委員長 異議なしと認めます。よって、陳情五第九〇号の三中、第四項は趣旨採択と決定いたしました。
─────────────
◯足羽委員長 次に、五第一〇六号、狛江市駒井町二丁目所在民家の陽ざしの回復に関する陳情を議題といたします。
…………………………………
五第一〇六号 狛江市駒井町二丁目所在民家の陽ざしの回復に関する陳情
陳情者 狛江市
岩崎妙子外九十三人
〔要旨〕
狛江市駒井町二丁目二三番地所在民家の陽ざしを回復するよう、南側建物の建築主に対し厳しく指導をしていただきたい。
〔現在の状況〕
1 建築物の概要
(1)位置 狛江市駒井町二丁目二三番地
(2)地域・地区等
用途地域 第一種住居専用地域 建ぺい率五〇%(角地) 容積率八〇%
高度地区 第一種高度地区
(3)用途・規模等
用途 倉庫(当初工場倉庫) 構造 四階建(当初五階建) 敷地面積 約五六〇平方メートル 建ぺい率 五七・一四% 建築面積 三二〇平方メートル 容積率 二〇三・五七%(当初二三〇・三五%) 延べ面積 約一一四〇平方メートル(五階部分約一五〇平方メートル撤去後)
2 違反内容(「法」とは、
建築基準法をいう。)
(1)手続違反(法第六条第一項)
(2)用途違反(法第四八条)
(3)容積率違反(法第五二条)
(4)建ぺい率違反(法第五三条)
(5)高度地区違反(法第五八条)
(6)日影規制違反(法第五六条の二)
3 経緯
昭和六二年春頃 鉄骨4階建の新築(登記簿の記録)
平成元年七月一七日 違反建築の陳情(五階に増築)、同日違反の確認
平成二年二月一日 建築主から是正計画書提出、八・三〇是正されず。
平成二年三月二二日 本件陳情の受理
平成二年一一月一九日 建築主に使用禁止及び工事停止命令
平成三年五月三一日 借家人に使用禁止命令(二社)
平成三年九月頃 五階部分の除却
平成五年八月四日 本件陳情の再受理
平成五年一〇月頃 借家人は転出、その後、建築物は空き家状態(一部倉庫)
平成五年一一月以降 建築主に報告を求めるなど是正指導を行い、現在に至る。
なお、建築主の報告では、更地で本件用地を売却するとのことなので、当面その推移を見守りながら、建物の使用状態などについて、新たな違反が発生しないよう監視を行っている。
…………………………………
◯足羽委員長 本件について発言を願います。──発言がなければ、お諮りいたします。
本件は、本日は保留とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
◯足羽委員長 異議なしと認めます。よって、陳情五第一〇六号は本日は保留と決定いたしました。
─────────────
◯足羽委員長 次に、五第一〇八号、港区内三田通り(放射二一号線)の拡幅計画一部廃止に関する陳情を議題といたします。
…………………………………
五第一〇八号 港区内三田通り(放射二一号線)の拡幅計画一部廃止に関する陳情
陳情者 港区
上原美智子
〔要旨〕
港区内、三田通り(放射二一号線)の一部区間(一般国道一五号線から一般国道一号線まで)の拡幅計画を廃止していただきたい。
〔現在の状況〕
本路線は、昭和二五年に都市計画決定されており、千代田区日比谷公園を起点とし、港区芝五丁目(国道一五号線)に至る延長約三・八キロメートル、幅員三〇メートルの幹線道路である。
現在の整備状況は、起点から赤羽橋付近までの区間は、完成及び概成となっており、赤羽橋付近から終点までの区間は、事業中である。
陳情区間については、昭和五九年から平成七年にかけて事業認可を取得し、建設局において全区間にわたり事業を行っているところである。
陳情区間は、幅員約一八メートルの現道であり、交通量が多く交通障害が生じており、地元からも早期の整備が求められている。
平成七年一月の建設清掃委員会においても、早期事業化に関する請願及び陳情が、趣旨採択されている。
従って、陳情の要旨にあるように拡幅計画を廃止することは、適当でないと考えている。
…………………………………
◯足羽委員長 本件について発言を願います。──発言がなければ、これより採決を行います。
本件は、起立により採決いたします。
本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕
◯足羽委員長 起立少数と認めます。よって、陳情五第一〇八号は不採択と決定いたしました。
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◯足羽委員長 次に、五第二五五号、新交通システム日暮里・舎人線の荒川区内通行分の地下化に関する陳情及び六第四三号、新交通システム日暮里・舎人線の一部の地下方式建設に関する陳情を一括して議題といたします。
…………………………………
五第二五五号 新交通システム日暮里・舎人線の荒川区内通行分の地下化に関する陳情
陳情者 荒川区
日暮里・舎人線の一部地下化を求める会代表 順井康夫外四百十六人
〔要旨〕
新交通システム日暮里・舎人線の荒川区内通行分を地下方式にしていただきたい。
〔現在の状況〕
日暮里・舎人線は、荒川区の日暮里駅から足立区の舎人地区に至る延長約一〇キロメートルの新交通システムによる路線である。この路線は、昭和六〇年の運輸政策審議会で答申され、平成三年度にはインフラ補助対象事業として国の事業採択を受け、路上空間に導入される新交通システムとして計画しているものである。
平成六年七月に都市計画素案の地元説明会を、平成七年五月には都市計画案及び環境影響評価書案の地元説明会を行い、現在、平成八年度早々の都市計画決定に向け、手続を進めている。
一方、事業者である東京都
地下鉄建設株式会社は、平成七年一二月二八日、軌道法に基づく特許を取得したところである。
日暮里・舎人線は、予想される輸送需要、建設費等を勘案し、従来から路上空間に導入される新交通システム等として構想され、高架方式を原則とするインフラ補助の対象として、国の事業採択を受けてきた経緯がある。構造形式については、事業採算性、補助制度等と密接な関係があり、荒川区内を地下化することは困難であると考えている。
なお、平成七年六月に荒川区議会に同様の趣旨の請願が提出されており、同年一一月の区議会において審議の結果、不採択となっている。
…………………………………
六第四三号 新交通システム日暮里・舎人線の一部の地下方式建設に関する陳情
陳情者 荒川区
日暮里・舎人線を一部地下化方式にする会代表 馬場正十四
〔要旨〕
新交通システム日暮里・舎人線の一部を地下方式で建設していただきたい。
〔現在の状況〕
日暮里・舎人線は、荒川区の日暮里駅から足立区の舎人地区に至る延長約一〇キロメートルの新交通システムによる路線である。この路線は、昭和六〇年の運輸政策審議会で答申され、平成三年度にはインフラ補助対象事業として国の事業採択を受け、路上空間に導入される新交通システムとして計画しているものである。
平成六年七月に都市計画素案の地元説明会を、平成七年五月には都市計画案及び環境影響評価書案の地元説明会を行い、現在、平成八年度早々の都市計画決定に向け、手続を進めている。
一方、事業者である東京都
地下鉄建設株式会社は、平成七年一二月二八日、軌道法に基づく特許を取得したところである。
日暮里・舎人線は、予想される輸送需要、建設費等を勘案し、従来から路上空間に導入される新交通システム等として構想され、高架方式を原則とするインフラ補助の対象として、国の事業採択を受けてきた経緯がある。構造形式については、事業採算性、補助制度等と密接な関係があり、荒川区内を地下化することは困難であると考えている。
なお、平成七年六月に荒川区議会に同様の趣旨の請願が提出されており、同年一一月の区議会において審議の結果、不採択となっている。
…………………………………
◯足羽委員長 本件について発言を願います。
◯佐々木委員 今議題となっております陳情の問題について、質問並びに意見を述べさせていただきたいと思います。
最初に、この計画は高架による輸送システムであることは明らかであります。私も、このシステムそのものについて技術的に問題があるということを思っているわけではないのでありますが、その後の状況等々を考えてまいりますと、幾つか見解を聞かせていただき、意見を述べさせていただきたいと思っているわけであります。
まず、陳情案件は、計画路線の一部地下化を求めているものであります。陳情の内容によりますと、荒川区内を全部地下化にしろというような趣旨のようでありますが、行政当局は高架方式としているわけであります。陳情にある一部地下化に対する見解、並びに地下化に問題点があるとすればどういうことが問題であるのか、説明願いたいと思います。
◯岩崎新線計画担当部長 お話ございましたとおり、この日暮里・舎人線の新交通システム、全体九・八キロの路線でございますが、高架方式による新交通システムということで計画をしております。
陳情の内容は、荒川区内を中心に一部地下化を、こういうことでございます。私どもこの新交通システムを高架方式として考えましたのは、考えられる輸送需要等々から見まして、高架方式の新交通システムが最適であろう、このように判断した次第でございます。
一部地下化にいたしますと、高架と比べまして、どうしても地下の方が建設費が増大をいたしまして、採算上やはり問題が出てまいります。新交通システムでやりますと、この建設費のうち、インフラ部につきましては国庫補助あるいは都の財政で公共的な事業としてやりますけれども、地下にいたしますと、そのインフラ部分も含めまして、一定の国庫補助制度がございますけれども、利用者負担となる、このようなシステムになっております。
採算性等検討いたしましたが、高架方式でやりますと、なかなか採算の難しい路線ではありますけれども何とかやっていけるというめどがついておりますが、これを一部地下方式にいたしますと、そうした建設費増高の問題、それから補助制度の問題等々ございまして、採算に乗っていかない、建設が非常に難しい、こういうことで高架方式としたものでございます。
◯佐々木委員 私は、このシステム全体と輸送需要並びに地域状況を勘案したときに、荒川区内の交通状況を見れば、この陳情をしている意味ということも理解されるわけですが、鉄道システムの利便性から考えてまいりますと、日暮里駅における接続部分の状況は、高架の方が便利であることは間違いないわけであります。
そういう面から考えれば、すべて地下化にするということの利便性の問題、それから事業上の問題から考えてみて、すべて地下化にするということについて必ずしも賛成するものじゃないわけでありますが、あの阪神・淡路大震災の経験、そして、六甲アイランド等に走っている、ポートアイランド線、六甲アイランド線の状況等々を考えてまいりますと、これから運輸省、建設省、東京都、相互に協力をして、耐震性のすぐれた構造物に研究をし、その基準に基づいて建設するとしても、川の水面上の最上層部は三十メートル近くなっていくということ、それから、中央高速線の上を走るという状態、それから、川と風の問題、そして、このシステムが無人運転であるというようなことを考えてまいりますと、構造物としてのシステムとしてベターであるかどうかということは疑問を感じてきたわけであります。
そこで、私は、荒川と隅田川、この二つの川、いわば扇大橋北駅から熊野前駅に至る間約一・七キロ、この区間を地下方式にするということはやはり必要なんじゃないかというような考え方に最近なってまいりました。
そういう前提は、今いいましたように、安全性の問題と、それからコスト全体から見ても、日暮里まで荒川区内全部地下化にするということになれば、三つの駅、特に日暮里駅を全面地下化にするということは膨大な費用がかかってくる。それから、中間駅二つも地下化するということはかかるわけでありまして、シールドを入れていったとしても、駅の部分は開削工法をやっていくということになれば、金がかかることはわかっている。しかし、この二つの川を地下化していくということで、熊野前駅から高架に持っていくという形の輸送システムは、将来を展望していったときに、無人運転システムであるということや、今申し上げましたような荒川の橋の上の構造上の問題を考えていったときに、地下化の検討というのは、この部分は必要なのではないかというように考えるわけであります。
ですから、陳情では、荒川区内全体に対して地下化という要求に対してどうするかという議論はありますが、このシステムに対して私の申し上げました問題について、検討に値するものであるのかどうなのか、この点について見解を述べていただきたいと思います。
◯岩崎新線計画担当部長 お話ございましたとおり、この路線、隅田川と荒川を渡ってまいります。その部分につきましても高架で予定をしておりますので、三十メートル近くのところを通るという構造になっております。風で安全が問題ではないか、こういうご指摘でございました。このシステムを計画するときに、そのあたりにつきましても検討をしたところでございます。
新交通システム、軌道でございますが、一般の鉄道のレールなんかと違いまして──普通鉄道のレールは、橋を渡る場合に、レールとまくら木がありまして、簡単な、それを交差させる構造でできております。新交通システムは、ご案内のとおり、けたがございまして、脚がございます。底を全部ふさいでおりますし、横にも若干囲いをしている、こういうシステムでございますので、そうした一般の鉄道と比べまして、風に比較的強いシステムであろう、このように判断をしております。
それから、現に走っております「ゆりかもめ」、あるいは神戸、大阪の方でも新交通システムができておりますが、海岸、海を越えたり、あるいは大きな川を渡っているという事例もございます。したがいまして、この川を三十メートル程度の高さで渡ってまいりますが、本質的に大きな問題はなかろう、こんなふうに思っております。
なお、具体的な設計をするに当たりましては、より慎重に安全性を期してまいりたい、このように考えております。
また、お話がございました震災との関係でございますが、現在これにつきましても、私ども東京都の方と建設省、運輸省、あるいは学識経験者の方々を交えて委員会を設けまして、今度の阪神・淡路大震災にも耐えられるようなちゃんとしたシステムにしようということで、具体的な設計基準を現在勉強しているところでございます。今後、この計画、建設するに当たりましては、その委員会での検討を十分踏まえて、耐震性のすぐれた新交通システムに持っていきたい、このように思っております。
それから、扇大橋の方から川を渡る部分については地下にしてはどうか、こういうご見解でございましたが、先ほど申しましたように、荒川区全域を地下にするということに比べまして、地下にする区間が短くなりますから、その部分につきましては、建設費の上がりぐあい、あるいは収支の採算の悪化ぐあいというのは少なかろうと存じますが、それでも、この区間、川の下を通るわけですから相当深く掘らなければいかぬというようなことで、この部分について、採算性等を考えますと実現は難しい、このように考えております。
◯佐々木委員 端的に質問しますが、高架の安全性と地下の安全性、どちらの方が安全性があると思いますか。
◯岩崎新線計画担当部長 この路線につきましては、先ほど申しましたような耐震の委員会等も設けまして、安全については万全を期してまいりたい、このように考えております。
◯佐々木委員 僕は、どちらが安全性があるかということを聞いておるんです。(笑声)
◯岩崎新線計画担当部長 どちらが安全であるかということは一概に申せないと思いますが、この路線につきましては、今申し上げましたような関係者のお知恵もかりながら、安全な路線として設置するようやってまいりたい、このように考えております。
◯佐々木委員 高架でやるか、地下でやるか、どちらが安全性があるか、これはもう答えは簡単であって、これまでの経験と状況から見れば、地下の方が安全に決まっている。
そして、なぜ高架にするのかということは、先ほど説明の中にいっているわけですね。輸送状況と採算性と建設費用の補助等の関係を見ていったときに、高架にした方がいいといっているわけです。地下化を否定した論理というのはそういうことなんだ。安全性においては両方同じような安全性であるという前提の上に立っての高架か地下かという議論じゃなかった。採算費用の問題については、そういうふうに言及しているわけです。ですから、採算費用の問題が、この地下化、部分だけでも地下化で採算費用が成り立つという状況の場合には、これは、それでもなおかつ地下でなくて高架の方がいいということはいい切れないと思うんですよね。まあ、これ以上そういうことはいいません。
そこで、問題なのは、先ほどいいましたように、採算性のときに、採算という基準は利用者負担になるといっているわけですね。要するに、運賃によると。十万一千人の人たちが乗る。その十万一千人の人たちの運賃を基礎にして、その収益に基づいて、この建設費用との間で、ランニングコストで採算性を考えていく。その運賃は何で決まっていくのかということになれば、総括原価方式に基づいて運賃設定をするという原則ですね。そういう原則を基礎にして、今の採算性論、運賃収入論ということを考えているわけです。
しかし、現在政府においても、この旅客運賃の問題については再検討が行われている。一面では、規制緩和の視点から議論が行われている。もう一つは、鉄道を利用するに当たって、または旅客輸送に当たっての運賃に対する限界点というものが来ている。そういう面から、飛行機も、バスも、列車も総合的に、旅客運賃制度の総括原価方式を再検討しなくてはならないという議論が、運輸省の外郭機関である運輸経済研究センターの中でされており、その中に東京都からも参加をして、議論が行われているという現状なんですね。そして、多くの議論は、建設部分は行政負担、ランニングコストは事業者負担、いわばこれは運賃によって賄っていくというような方向になっている。
そういう方向を認めているからこそ、地下鉄にしても、この建設についても、政府や東京都からの資金援助を入れていく、補助制度を入れていく、そういう方向になっているわけです。そういう方向になっていることをきちんとしなくちゃならないという状況、
公共交通機関をこれからつくり上げていく上に当たっての選択がもう迫られてきているという状況なんです。
そういうことを展望していったときに、今説明された原則論の枠の中で考えていくというのはいかがなものか。より安全性を求めていくという立場に立って、これからの検討課題の中に加えていきながら、これまでやってきたことを踏襲をして、そういうことも念頭に入れながらこの鉄道建設問題について考えていくというぐらいの柔軟な発想で問題をやっていかなかったらいけないんですよ。
そして、鉄道の問題についても、ここに鉄道不便地域があるから鉄道が必要なんだということで今やっているけれども、地域住民の人たちがどうしても要らないといったら、じゃ、地域住民の人たちが要らないならば、それはもうそこにつくらないという選択肢もあってもいい。どうしても必要ならば、付加価値分について出していただきたい。サンフランシスコのBARTの地下鉄建設と同じような方式にしたっていいわけです。行政サイドで考えるような地域システムを考えなくたっていい。地域住民の選択肢に任せるという部分も、これからの問題には必要なんですよ。そういう面で、この舎人・日暮里線の問題についても考えてもらいたい。特に行政的に考えなくちゃならないのは、安全性の問題について最大限に追求していくということなんです。
ですから、今、補助方式の問題をいいましたけれども、広島の新交通システムのときには、これは軌道法と地下構造があって、地下構造は、地下鉄方式に対する自治省なり運輸省なりの援助が行われているわけですよ。この荒川と隅田川を渡るときに、地下鉄と同じような補助制度が適用されたら、どのぐらいの赤字になってくるのですか。どのぐらいの費用負担になるのですか。
◯岩崎新線計画担当部長 荒川の部分だけを地下にした場合、どの程度になるかという試算はしておりません。ただ、一般的に申しますと、少し細かくなりますが、高架方式の場合、先ほど申し上げましたように、インフラ部につきましては国と都で全額を出していく、利用者負担を求めない、こういうことでございます。地下鉄の補助の場合は、ご案内のとおり、そのインフラの費用、インフラ外の費用を含めて一定の補助がございますけれども、残りは利用者負担でやっていくというのが本来のやり方でございます。広島でもそのようなやり方をしていると聞いております。
したがいまして、繰り返しになりますが、今でも、この日暮里・舎人線を高架方式でやった場合でも、事業についてはかなり採算性の厳しい事業だという認識をしております。それで、一部地下、荒川、隅田川を渡る部分だけでありましても地下にしますと、やはり採算性については大きな問題になってくるだろう、このように考えております。
◯佐々木委員 ちょっと約束した時間より長くなっちゃって申しわけないんですけれども、これは都政の根幹をなす公共交通システムの問題ですから、ちょっと時間をいただきたいと思います。
今説明されましたけれども、岩崎さんはよくわかっていると思うんだよね。やはりここの計画、これまでの計画とこれまでの事業認可、運輸省並びに関係省庁から取ってきた延長線上の中でやりたいと。行政ですから、そういう気持ちはわかるのですよ。わかるんだけれども、今、さまざまな問題について再検討が行われている。例えば、運賃制度の問題も、今いったように再検討が行われている。それから、費用負担の分担の問題についても再検討が行われている。さまざまな状況の中で行われているし、社会も大きく変化しているということに対応して、こういう公共交通システムを導入していくための手法というのは、従来のシステムそのものが絶対的じゃないんです。そういうことを考慮してやっていただきたいというように思っているわけです。
僕は、この問題についても、荒川区内全部を地下にしろという陳情について賛成じゃないということをさっきいったんだよ。今行政として考えなくてはならない最大の問題は、安全性について考えていったときには、この荒川、隅田川の問題については、無人運転ということを考慮していったとき、またはさまざまな状況を考えていったときに、やはり問題がある。
「ゆりかもめ」だって、大丈夫だといったけれども、僕は、「ゆりかもめ」でいったんですよ。あそこは全部かけなかったら、下から吹き上がってきて、必ずあの中に入っちゃって、とまっちゃうよということをいったら、そのとおりになって、とまっちゃったじゃないですか、ベニヤ板か何か入っちゃって。今瀬戸内海だって、何で高速線が走っていないかといえば、瀬戸内海の中は木材だとか何かそういう流動物が流れていっちゃって、それで難しい問題がある。それと同じようなことが鉄道では起こってくる。
今回の問題だって、そういうことがあり得ないとはいえないわけです。ですから、より安全性を求めるということならば、地下の方が安全であることは確実なんです。あとは費用負担の問題なんです。費用負担の問題については、運輸省、建設省と協議をしていって、広島の例でやっていく。そして、川は建設省の所管なんですよ。しかし、これは鉄道事業法を適用していくということであるとするならば、自治省と運輸省が地下鉄と同じように補助をやっていくということになったら、大きく軽減され、三十年、四十年という長期的なランニングコストを考えていったら、どっちが高いか安いか、わからないですよ。
あなたたちは、有人か無人かといったときに、無人の方がランニングコストを考えていったら安いから無人にするといっているわけでしょう。当面は有人の方が安いに決まっている。しかし、その部分は、何十年先を展望してランニングコストを考えて、無人にするという。地下か高架かというときには、今度は長期的なそういうランニングコスト論をいわないで、建設費用部分だけで、どっちが高いか安いかという。矛盾しているんです。
ですから、僕は、これからの置かれている状況というものを十分に考慮して、こういう問題について当たっていただきたい。建設するときには都市計画局が建設しますけれども、事業が開始して営業を開始していったら、営業を担当している会社がすべて責任を負うんです、事故が起こったら。「ゆりかもめ」だって、新交通株式会社が責任を負わなくちゃならないんですよ。つくっている港湾局は責任負わなくたっていいんです、極端にいえば。港湾局から出向している人が責任者になっているかわからないけれども……。
やはり、つくる者と、それから運営する者というものを両方考えていって、より安全性を求め、より快適性を求める鉄道建設計画というものを計画していただきたいということを申し上げて、私は荒川区内を全面地下化にするということについては賛成できないので、この問題については、社会民主・市民会議としては、この陳情について賛成はできないということを申し上げます。
◯たぞえ委員 私からも、この陳情にかかわって幾つか聞きたいと思うんですが、初めに、六年七月と八月に、七つの会場で事業化に当たっての都市計画素案についての説明会が開かれましたが、ここでの出席者数と意見、質問について、まず簡単に報告をしてください。
◯岩崎新線計画担当部長 平成六年の七月二十六日から八月三日にわたりまして、七会場で都市計画素案の説明会を行いました。これには千六百六十名の方がご出席をいただいております。
それから、都市計画案及び環境影響評価書案の説明会を平成七年の五月十六日から五月二十五日にわたりまして、これは八会場で開催いたしまして、そのときは八百九名の方がご参加をいただいております。
直近でございますが、環境評価の見解書の説明会を昨年の十一月十六日から十一月二十八日にわたりまして八会場で開催いたしまして、四百五十一名の方がご出席をいただいております。
主な意見でございますが、このあたりは公共交通のなかった地区でございますので、この事業の促進を望む声が多かったわけでございます。ただ、そのほかに、この新交通システムが整備されることによりまして道路交通にどのような影響を与えるのかというような問題、それから、この陳情にもございます路線の一部地下化を求める声、それから、震災、安全の問題、このような問題のご意見、ご質問が多かったわけでございます。
◯たぞえ委員 私は、六年の七月と八月だけ聞いたんです。ほかの説明会はまた後ほど聞こうと思ったんですが、いずれにしましても、この説明会で、放射一一号線上に軌道を乗せる、そのために標準駅ではコンコースをとるために、現在の道路を拡幅して住宅・商業地域の方々の土地を買収する、こういう問題もどうするんだ、こういう意見も出たと聞いております。ルートや環境影響、補償の問題、沿線のまちづくり、地下化はどうなのかということであります。
今、部長がお答えになった中でいわれなかったことですが、この環境影響評価書案のあらましの説明会の中で、風害については予測評価をしておりませんけれども、なぜでしょうか。
◯岩崎新線計画担当部長 高架構造で予定しています新交通システムの整備によりまして、風害について大きな影響がないものと判断して評価項目から外しております。
◯たぞえ委員 隅田川、荒川という大きな川を渡るわけでありますので、当然そこには風害が起こり得る可能性は十分にあるわけですが、そうした風害の問題も、住民に対してきちんとした根拠の説明がされておりません。ですから、地下化という要望についても、説明会ではたくさんの意見が出たのではないでしょうか。
この環境アセス案説明会と見解書の説明会で、地下化に関する意見は大体何割占めているのでしょうか。
◯岩崎新線計画担当部長 何割と統計的な数字をとったわけではございませんが、幾つかの会場のうち、地区によって意見が異なるところが多うございますが、荒川区内で行いました説明会等では、この地下化についてかなり議論がされたということを承知しております。
◯たぞえ委員 今回の陳情で約二万二千人の方が地下方式を求めているのはなぜなのか、そういうことを考えますと、都がこの事業に当たって、計画の段階で地下方式を検討科目に入れていたのかどうか、これはどうでしょうか。
◯岩崎新線計画担当部長 この事業は、昭和五十年代ぐらいから構想としてはいろいろございました。構想の段階ではいろんな選択肢を考えていたところでございますが、本格的に行政の中で計画として位置づけられましたのは、昭和六十年の運輸政策審議会の答申からでございます。そこの答申でも、この路線の予想される交通需要、あるいは先ほど来申し上げております採算性等々を考えますと、高架方式の新交通システムでいくべきである、このような答申をいただいております。それをもらいまして以降、高架システムでの新交通システムの具体化の検討を進めてまいったというところでございます。
◯たぞえ委員 そうすると、もともと地下方式は検討していなかったということですね。なぜ高架方式を選択をしたのか、地下方式という案をなぜとらなかったのかという説明は、これら住民説明会では一切ないわけです。
したがって、今回の陳情でも、地下化でというこの声の大きさ、これについては事業者である東京都がきちんとした対応をしなければならないというふうに思うんです。請願陳情ですから、不採択にすればそれでいいという問題じゃなくて、やはり荒川区二万二千人の方のそういう気持ちを大事にしなければいけないというふうに思うんですけれども、構造形式を高架とした根拠と、地下方式でないという理由は一体何だったんでしょうか。
◯岩崎新線計画担当部長 先ほど申し上げました説明会におきましても、住民の方から、なぜ地下化にできないか、このような質問は我々受けております。それにつきまして、採算の問題でありますとか、いろいろな問題についてご説明をさせていただいているところでございます。
なぜ地下方式にしなかったか、なぜ高架にしたかということでございますが、日暮里・舎人線、高架方式でやりますと、事業費が約千九百億円でございます。これを一部地下方式にいたしますと二千五百億円、六百億円強ふえてまいります。先ほど来申しますとおり、その建設費が増高するということを踏んまえて収支採算を考えますと、やはり高架方式をとることが輸送需要から見ても妥当な方式だ、このように判断したところでございます。
◯たぞえ委員 地下方式という問題について、なぜだめなのかということを説明がされていない、こういうふうに陳情で住民の方がいっていらっしゃるんですね。
先ほど部長は、事業費が高架の方が安いからだ、こういうふうにおっしゃっているけれども、また、それをいったとはいっているが、しかし、安全性の問題について、これら住民の皆さんにきちんとした、納得ある形での説明が行われたんですか。
◯岩崎新線計画担当部長 阪神・淡路大震災が起こった後、やはり住民の方、この高架方式で耐震上大丈夫か、震災が起こったら大丈夫か、このようなことは随分ご心配をいただきまして、ご質問もかなりいただいております。それにつきましても、私どもの方からご説明をし、今後、先ほど申しましたように委員会をつくって、地震に対する安全に万全を期したい、このようなことをお話をさせていただいているところでございます。
◯たぞえ委員 今日の段階でも、まだ一部地下方式を含む地下方式を要請をしているところを見ますと、やはり住民に対して、事業者側の説明、納得は十分じゃないというふうに思います。
これからの二十一世紀に向けてどういう交通システムが都民にとって大事なのか、都民生活の向上にどうこのシステムが役立つのか、あらゆる角度からこの事業については事業者として臨むべきだというふうに思います。
私は、今回出たこの二万二千名の住民の声を、これっきりというのではなくて、今後の事業の中に大いに生かしていただきたいし、検討もしていただきたいというふうに思います。
以上です。
◯足羽委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
本件は、起立により採決いたします。
本件は、いずれも採択とすることに賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕
◯足羽委員長 起立少数と認めます。よって、陳情五第二五五号及び陳情六第四三号は、いずれも不採択と決定いたしました。
─────────────
◯足羽委員長 次に、五第二三三号、練馬区内補助二三〇号線の計画再検討等に関する陳情を議題といたします。
…………………………………
五第二三三号 練馬区内補助二三〇号線の計画再検討等に関する陳情
陳情者 練馬区
都市計画道路補助二三〇号線を考える会代表 福富美津代外十一人
〔要旨〕
快適で住みよい地域環境を守るため、次のことを実現していただきたい。
1 道路計画に関し、現在の道路事情の中でなし得る最大限の改善策を講ずること。
2 補助二三〇号線計画を更に再検討すること。
〔現在の状況〕
本路線は、昭和四一年に都市計画決定されており、補助二二九号線の交差部である練馬区関町南四丁目を起点とし、補助三〇一号線との交差部である練馬区光が丘三丁目を終点とする延長約一〇・四キロメートル、標準幅員一六メートルの幹線道路である。
現在の整備状況は、終点部付近が一部整備済であるほかは未着手区間となっている。
地域の状況は、一部に計画的な宅地開発等が見られるものの、大部分がスプロール的に宅地化され、道路等の都市基盤の未整備な市街地が形成されている。
昭和五六年の区部の道路再検討において、本路線は地域の防災性の向上を図るとともに、地域間を結ぶ交通を分担する幹線道路として、適正な道路網・必要幅員等について、避難の安全性の確保、自動車交通への対応等の具体的基準に基づき、十分検討を行ったものである。
また、平成三年の区部の第二次事業化計画において、三区間五・四キロメートルを前期事業化予定路線として位置づけており、そのうち補助一三四号線付近の土支田・高松地区については、現在、建設局が
土地区画整理事業の事業化に向け、地元と話し合いを行っている。
したがって、補助二三〇号線の計画を更に再検討することは適当でないと考えている。
…………………………………
◯足羽委員長 本件について発言を願います。──発言がなければ、これより採決を行います。
本件は、起立により採決いたします。
本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
〔賛成者起立〕
◯足羽委員長 起立少数と認めます。よって、陳情五第二三三号は不採択と決定いたしました。
なお、本日審査いたしました請願及び陳情中、採択と決定いたしました分につきましては、執行機関に送付し、その処理の経過及び結果について報告を請求することといたしますので、ご了承願います。
以上で請願及び陳情の審査を終わります。
以上で
都市計画局関係を終わります。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後二時三十一分散会...