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  1. 東京都議会 1995-11-28
    1995-11-28 平成7年都市・環境委員会 本文


    取得元: 東京都議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-14
    午後一時九分開議 ◯足羽委員長 ただいまから都市・環境委員会を開会いたします。  初めに、委員の所属の変更による当委員会の新委員をご紹介いたします。  十一月二十四日付をもって、財政委員会から当委員会に所属変更された樺山卓司委員です。 ◯樺山委員 樺山でございます。  大変急なことで、いろいろとご迷惑をおかけいたしておりますが、委員長初め各委員の先生方、また理事者の皆様方には、これを機会に何とぞよろしくご指導、ご鞭撻のほどお願い申し上げます。 ◯足羽委員長 次に、樺山委員の議席についてお諮りいたします。  樺山委員の議席は、ただいまご着席のとおりとすることにご異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ◯足羽委員長 異議なしと認め、さよう決定いたしました。      ━━━━━━━━━━ ◯足羽委員長 次に、第四回定例会会期中の委員会日程について申し上げます。  先ほどの理事会において、お手元配布の日程とすることを申し合わせました。ご了承願います。  本日は、都市計画局関係の報告の聴取及び事務事業に対する質疑を行います。  これより都市計画局関係に入ります。  初めに、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。 ◯成戸施設計画部長 それでは、多摩地域におきます都市計画道路の第二次事業化計画のうち、前期事業化予定路線の素案につきましてご説明を申し上げます。  お手元に、資料番号の1という資料と、第二次事業化計画前期事業化予定路線(素案)調書と書きました多少厚目の資料、それと図面をお配りしております。これらが参考の資料でございます。  まず、資料番号1をお開きいただきたいと存じます。  多摩地域におきます都市計画道路につきましては、その多くが昭和三十六年、三十七年に都市計画決定されたものでございますが、その後の市街化の著しい進展や人口の増加など、多摩地域を取り巻く経済社会状況が大きく変化いたしましたことから、既定の都市計画道路網につきまして再検討を行いまして、平成元年に、多摩地域都市計画道路基本計画として取りまとめを行ったところでございます。
     これは、都市機能の確保、地域環境の保全、都市防災の強化、都市空間の確保、こういった四つの基本目標のもとに見直しを行ったものでありますが、この基本計画の中では、都市計画道路網の見直しとあわせまして、事業計画についても定めているところでございます。すなわち、限られました財源と執行体制の中で、より効果的な整備を図りますために、事業の実施に当たっては整備の優先度を考慮して行うことといたしまして、未完成の都市計画道路につきまして、おおむね平成七年度を目途に完成または着手する予定の路線を前期事業化予定路線として定め、その整備を図ってまいりました。その結果、昭和六十三年度から平成六年度までの七年間で八十六キロメートルの都市計画道路を整備し、完成率は、昭和六十二年度末の約三六%から五ポイント上昇いたしまして、四一%となっているところであります。  今回は、平成元年に策定いたしました現在の前期計画期間が今年度で終了いたしますことから、平成八年度以降に適用いたします新たな計画といたしまして、第二次の事業化計画を策定するものでございます。  この事業化計画では、平成七年度において未着手となっております都市計画道路につきまして、その整備期間、平成八年度から十七年度までに着手または完成すべき路線として優先的に整備を進めていく路線を前期事業化予定路線として定めまして、あわせて施行者等を定める予定でございます。  本日ご説明いたしますのは、この第二次事業化計画のうちで、前期事業化予定路線を定めるための素案を取りまとめたものでございますので、ここにご報告をさせていただくものであります。  素案をご説明する前に、現在までの整備状況をもう少し詳しくご説明をさせていただきます。  この資料の三ページ目をお開き願いたいと存じます。参考と右肩にございます資料でございます。  この資料の一番上の1の表に示しましたように、現在の計画では、(2)に示しておりますが、昭和六十三年度から平成七年度末までの八年間に新たに事業に着手すべき路線、こういった路線とともに、(1)に示しております昭和六十二年度末で既に事業に着手していた路線についても、前期路線として定めておるわけであります。  まず、(1)の昭和六十二年度末までに事業に着手していた路線について見てみますと、都施行と市町の施行を合わせまして百十五路線、九十・七キロメートルの計画に対しまして、平成七年度末で六十九路線、六十一・九キロメートルが完成すると見込んでおりまして、完成率は六八・二%となります。なお、事業中の二十七・六キロメートルにつきましては、八年度以降も引き続き事業を行っていくことといたしております。  また、(2)の昭和六十三年度から平成七年度末までの八年間に新たに事業に着手した路線につきましては、都施行、市町施行合わせまして百四十一路線、百四十六・七キロメートルの計画に対しまして、平成七年度末で九十七路線、七十七・九キロメートルが事業に着手すると見込んでおります。着手率は路線数で六八・八%、延長で五三・一%となります。  なお、この計画には、土地区画整理事業、再開発事業などによるものは含まれておりません。  以上が、現在の計画におきます前期路線整備状況着手状況でございます。  この結果、多摩地域全体の都市計画道路整備状況がどうなったのか、これを平成六年度末の数字で示しておりますのが、2の表でございます。  多摩地域に平成六年度末現在、千三百八十八キロメートルの都市計画道路都市計画決定されていたわけであります。このうち五百六十九キロメートルが完成いたしまして、完成率は約四一%になります。また、百八十五キロメートルが事業中でありまして、残りの六百三十四キロメートルが未着手というふうになっております。この未着手の延長六百三十四キロメートルから今年度じゅうに着手するものを除いた分が、今回提示いたしました前期事業化予定路線を選定する際の対象になるということでございます。  なお、先般お送りいたしました資料では、未着手延長が六百五十四キロメートルとなっておりましたが、ミスプリントでありまして、今回ここにお示しいたしましたように、六百三十四キロメートルに訂正させていただきます。大変失礼いたしました。計画延長その他は変わりはございません。  前ページの二ページにお戻り願いたいと存じます。  続きまして、第二次事業化計画におきます前期事業化予定路線の素案についてご説明いたします。  前期事業化予定路線は、先ほどご説明いたしましたように、平成七年度末で未着手の都市計画道路につきまして、平成八年度から十七年度までの間に新たに事業に着手または完成すべき路線として定めまして、優先的に整備を進めていく路線でございます。今回素案として取りまとめましたのは、都施行で、この表にありますように九十二路線、百三十五・二キロメートル、市町施行では百十三路線、六十六・九キロメートル、その他施行で十一路線、七・三キロメートル、合計いたしまして二百十六路線、二百八・五キロメートルでございます。  なお、この表でその他施行とありますのは、区画整理事業、再開発事業を行います住宅・都市整備公団及び組合による施行のことでございます。  素案としての前期事業化予定路線二百八・五キロメートルの内訳でございますが、この表の次の欄、継続という欄にございます、現在の計画の未着手路線を引き続き定めたものが六十七・九キロメートル、新規という欄になりますが、今回新たに選定いたしました路線が百四十・六キロメートルというふうになっております。  なお、今回の計画では、土地区画整理事業、再開発事業により整備いたします路線についても含めて計画いたしております。  お手元に、調書と図面がお配りしてございますが、今回選定した主な路線といたしましては、多摩地域幹線道路で整備が急がれております調布保谷線府中所沢線など南北道路、あるいは新五日市街道などの東西道路についての未着手区間のほかに、多摩の心の育成に関連いたします道路といたしまして青梅幹線道路町田街道、そういった道路の一部なども含まれております。また、土地区画整理事業に関連する道路や駅前通りなど、地元の身近な道路についても選定をいたしておるところであります。  選定の考え方につきましては、多摩地域都市計画道路におきます四つの基本目標であります都市機能の確保、地域環境の保全、都市防災の強化、都市空間の確保、こういった目標や、地域の整備計画などを考慮いたしますとともに、建設局、各市町など施行者からの整備予定整備要望路線のヒアリングの結果をもとにいたしまして、今後十年間で可能となります道路投資額を考慮して選定いたしております。  なお、このほかに、八年度以降に都市計画決定が予定されます道路などにつきましては、その緊急度に応じまして、十カ年の中で整備をしていく路線もあろうかと存じます。  今後の予定でございますが、素案につきまして、各市町など施行者に意見照会をしておりますので、これらについて検討を加えまして、この十二月に前期事業化予定路線案として取りまとめを行います。その後、再度各市町などに意見照会をいたしますとともに、関係機関と調整をいたしまして、来年二月に多摩島しょ振興推進本部会議に諮りました上で、多摩地域都市計画道路の第二次事業化計画として決定をいたす予定でございます。  決定後は、東京都公報及び各市町の公報に掲載いたしまして、住民の方々などにお知らせをいたすことにいたしております。  以上で説明を終わらせていただきます。 ◯足羽委員長 報告は終わりました。      ───────────── ◯足羽委員長 次に、事務事業に対する質疑を行います。  説明の際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。  資料について理事者の説明を求めます。 ◯高橋総務部長 去る十月十二日の当委員会におきましてご要求のございました資料につきまして、ご説明申し上げます。  お手元に配布してございます資料2、都市・環境委員会資料の一ページをお開き願います。供用中の都市計画自動車駐車場でございます。  都内におきましては、供用中の都市計画自動車駐車場は現在三十九カ所ございますが、その名称、面積、構造、計画台数等を記載してございます。  次に、二ページをお開き願います。日暮里・舎人線の現状とこれまでの経過でございます。  日暮里・舎人線の現状と、昭和六十年七月の運輸政策審議会答申から現在に至るまでの経過を記載してございます。現在、十一月十六日から、東京都環境影響評価条例に基づく見解書の地元説明会を開催しているところでございます。  次に、三ページをお開き願います。西武池袋線秋津駅周辺の整備計画の経過でございます。  昭和三十七年七月の秋津駅付近における都市計画道路都市計画決定を初めとします経過について記載してございます。  次に、四ページをお開き願います。平成七年度耐震診断取り組み状況でございます。  平成七年度における建築物耐震診断につきまして、実施主体別に、公共建築物耐震診断民間建築物に対する診断費及び改修費の補助、並びに講習会開催取り組み状況を記載してございます。  大変雑駁ではございますが、以上で、ご要求のございました資料につきましての説明とさせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。 ◯足羽委員長 説明は終わりました。  ただいまの資料及び先ほどの報告とあわせ、事務事業に対する質疑を行います。  発言を願います。 ◯谷口委員 できるだけ短目にというご要請がございますので、簡潔に申し上げたいと思います。  最近、新聞、雑誌等に逆ばり工法という広告がよく目立っているわけでございますが、新しい工法でも何でもないわけですけれども、住宅をつくる際に逆ばりでやったら大変効果が上がったということで、住空間が広くなったというふうな記事が目立つようになっております。このことのご認識について、まずお伺いをしたい。 ◯佐藤建築指導部長 逆ばりという建築構造につきましてのご質問でございますけれども、ちょっと一般的にはなじみのない言葉かと思いますので、最初にご説明させていただきたいと思います。  通常の建築物、木造にしましても、鉄筋コンクリートあるいは鉄骨にいたしましても、床をはりが支えているという構造になっているわけでございます。はりの上に床が乗っている、こういう構造が通常のスタイルでございます。ただいま谷口理事さんご指摘のありました逆ばり工法というのは、これをちょうど逆さまにしまして、はりの下に床がくる、はりが床をつっている、そんなふうにご理解いただけたらよろしいかと思います。したがいまして、床というよりも、下の階の天井といった方が適当かなという感じがいたします。構造につきましては、通常とさほどの違いはないのでございますけれども、利用の仕方におきまして、幾つかの利点と、それから短所もあろうか──最近少しずつ使われているなというふうには理解いたしております。 ◯谷口委員 こういう記事がたくさん出ておりまして、私も興味を持って現場を見せていただいたんですが、逆ばりにして、はりの下に床がくるわけですから、はりの下とはりの上の間の空間を収納空間にするということによって、非常におもしろい住宅といいますか、今までとは違った感じの住宅が今、出現をいたしておりまして、港北ニュータウンなどでその第一号の賃貸マンションが、それこそ、それがスタートした瞬間に満タンになったというふうなことを伺っているわけでございます。現物を見てみると、確かに住空間が広くて、ある意味ではこれは大変に──ルネスという言葉を使っていますが、一つの住空間に対するルネッサンスだなというふうな思いをして見てきたわけでございます。  私も、マンションを借りたいということで、かつてはあちこちを歩いたわけですが、一般の賃貸マンションは部屋の真ん中に上のはりが張り出していて、隅の方に張り出しているぐらいならいいんですけれども、部屋のど真ん中に張り出しているというふうな部屋も結構ございまして、片方に蛍光灯をつけると片方の天井が暗くて、両方つけなければどうしようもないんだというふうな部屋もたくさんあるように認識をしているわけでございますが、そういったはりの嫌らしさというか、そういうものがまずなくなる。  それから、先ほど申しました、床下の収納空間というものを有効に活用して、収納スペースが非常に広くなる。普通の部屋にはたんすがあったり、そういうものが必要なんですけれども、この収納スペースをうまく利用すると、たんすは一切なくなってしまうというふうなこともございます。そして、同じ専用面積が六十平米といっても、たんすなどによって、物を置いて狭くなる部分が全部活用できるわけですから、非常に広い空間が利用できるというふうな状況があるわけでございます。  もう一つ、神戸の震災で、あれだけの強震が起こりますと、部屋の中のたんすが倒れてくる、あるいは置いてあるものが何メートルも飛んでしまうという事態があったそうでございまして、私も現地に行って、いや、もう本当に怖かった、物すごい馬力で、テレビだって何だってばっと飛んじゃうんだというふうな状況があったということを伺いました。それに比べて、部屋の中には物をほとんど置かないで床下に収納してしまうということになりますと、震災時の、そういった物が倒れてくるとかいう危険性というものがなくなっていくわけですね。まあ全く置かないというわけにはいかないでしょうし、全く置かないと余りにもそっけないといおうか、部屋の飾りつけが寂しいというか、そういうこともございますから、全く置かないということではないでしょうけれども、まず広くなって、物を置くということが非常に少なくなるというふうなことから、私は、このルネス工法というんですか、逆ばり工法というんですか、活用の仕方によって非常におもしろい住宅が出現するなと。横浜市では、建築確認をおろした、おろす人が、これはうそか本当か知りませんけれども、説明によりますと、従来工法の部屋と新しい工法の部屋と比べてみて、やはり住むのならこの新しい工法の方がおもしろいなといって感心をなさったというふうに伺っておりますけれども、東京都では建築確認ということについてどのようにお考えになっているか、そのあたりをひとつ伺いたい。 ◯佐藤建築指導部長 逆ばり工法の確認上の問題についてでございますけれども、先ほどちょっと触れましたように、構造計算上は特に問題はございませんので、通常の確認と同じように扱えるだろうと思いますけれども、床下を利用するということで、若干床面積の計算等は変わってくる場合もあるのかなと。また、細かい施工の面が若干違いますので、この辺の指導も変わってくるかなというふうに考えております。私も雑誌等で見まして、興味深いつくりだなというふうには考えておりますけれども、具体的な申請等が出ました段階で、個々の検討をしていかなければいけないと考えております。 ◯谷口委員 既に数日前の朝日新聞の広告にも、東京都内のルネス工法による住宅の広告が出ておりました。実際それでは、そのところにニーズが発生をして、そういう工法でつくってもらいたいというふうなことが申請されてまいった場合に、具体的にどのような対応を考えていらっしゃいますか。 ◯佐藤建築指導部長 具体的に出ました段階で、問題点があるかどうかというのは図面ごとに見ていかないとわからないわけでございますけれども、常識的に今までいろいろなところで使われている例を見た限りでは、特に確認上の問題は出てこないかなというふうには考えております。 ◯谷口委員 この工法を開発なさった方にお話を伺いました。共同住宅というのは、神戸の大震災の一つの教訓として、いわゆる賃貸マンション分譲マンションというのがあるわけですが、分譲が悪いとはいえないけれども、できれば賃貸で、ああいうビルが倒壊する、あるいは大きく破損するというふうな事態が起こっても、オーナーさんの責任において改築ができる、そういう形の方が理想ではないか。何も強制するわけではございませんが、そういう発想からこの工法が生まれてきたようでございまして、それにはやはり本当に住みたくなるような部屋づくりをしなければいけない。従来工法だと、はりが出ているとか物を置いて狭くなるとか、六十平米の部屋で四人家族ぐらいが暮らすとなると、かなり狭いものになってしまいます。それに比べて、同じ六十平米でも、この工法を用いますと非常に広く住まうことができるということで、これならば、賃貸マンションでも入居してくれる人が非常に多いだろうというふうなことを考えて開発をなさったと伺っているわけでございます。  私は、そういった意味で、都市計の中には再開発事業などというものもあるわけで、大体が分譲されているようでございますけれども、今後住みかえというふうなことを東京都は考えるわけでございますから、若いときには狭いところに住み、家族が多くなり、子供が成長してくれば広いところに移らなければいけないというふうな考え方に立てば、そういった住みいい住空間というものを再開発事業の中でも考慮すべきではないかなと考えるわけでございますけれども、こういった点についてはいかがでございますか。 ◯山下開発計画部長 再開発事業にこうした工法を採用してはいかがかというご質問でございますが、ご案内のとおり、市街地再開発事業におきましては、どういう建築の工法を採用するかということにつきましては、事業施行者が、建物の用途や高さなどに関する建築計画、あるいは工期、工事費などの事業採算性などを総合的に勘案しながら判断しているところでございます。  先生ご指摘のこの工法につきましては、メリット、デメリットいろいろあろうかと思いますが、メリットも大変多いというようなことでございまして、私ども再開発事業を指導する立場の者といたしましても、今後、実例につきまして十分調査してまいりたいと存じます。事業施行者が仮にこうした工法を選んできたというような場合におきましては、ご指摘のようにメリットも大変ございますが、一般的には、けたの高さが高くなる分だけコストが高くなるというようなことも考えられるのではないかと私どもは考えておるところでございまして、再開発事業事業採算性などとの関係も配慮いたしながら、事業施行者の意思を十分尊重して指導に当たってまいりたいというふうに考えております。 ◯谷口委員 確かに、はりの部分を地下収納部分に組み入れていくことによりまして、大体十階建ての建物が九階ぐらいしかできない、そういう状況だそうでございますが、私は、非常に高い土地の上に住宅を建てるわけでございますから、住宅面積としては狭くても、快適に住めるような住空間の実現のためには割合いい工法なのかなというふうなことを思いまして、このような質問をさせていただきました。  以上で終わります。 ◯菊地委員 私は、資料請求も駐車場に限ってさせていただきまして、本日の質問も、都市計画の中で、駐車場に関しての質問を何点かさせていただきたいと思います。  まず初めに、社会経済状況が変化し、景気が停滞ぎみであるものの、依然駐車場需要は衰えず、都心三区では今も駐車場不足は深刻な問題であります。このような状況に当たって、現在までに駐車場問題について東京都はどのような施策を展開したのか、お伺いいたしたいと思います。 ◯成戸施設計画部長 駐車場問題への都の取り組みについてのお尋ねでありますが、駐車場の整備は、総合的な交通対策を進めます上で重要な課題であるという認識から、東京都では、全庁的な組織といたしましての駐車場対策連絡会議を設けまして検討を行い、平成三年五月には、東京都の駐車施設対策基本方針を策定したところであります。この基本方針に基づきまして、一つには、区市町村によります駐車施設整備計画の策定を促進すること、また二つには、公共駐車場の整備を行うこと、三つ目には、建築物に対します駐車場の附置義務基準の強化を行うこと、さらに四つ目には、民間などの駐車場整備を支援するため、都と区で設置いたしました東京都特別区駐車場整備基金融資あっせん制度の活用を行うこと、そのほかのものも含めまして、こういった項目について一定の目標を掲げまして駐車場対策を進めてきているところであります。 ◯菊地委員 それでは、基本方針に基づく施策の中で、それぞれの目標がどの程度進んでいるのか、その実績についてお伺いしたいと思います。 ◯成戸施設計画部長 先ほどの点に即してお答えいたしますと、区市町村によります駐車施設整備計画の策定につきましては、これを促進するために要する調査費につきまして、十年間で十カ所以上の区市町村に補助する目標を掲げまして、これに対し、十七区十市に補助金を交付いたしまして、その結果もあろうかと思います、六区三市において策定がなされている状況であります。  二点目の公共駐車場の整備につきましては、平成三年度から十二年度までの十カ年で十カ所以上の整備を行うという目標に対しまして、六区四市で計画決定をいたしております。それに従って整備も進めておりまして、既に二カ所が完成をしている状況であります。  また、三点目に申し上げました建築物に対する駐車場の附置義務基準の強化につきましては、平成四年七月一日より施行されて現在に至っております。  四点目に申し上げました東京都特別区駐車場整備基金融資あっせん制度利用状況でございますが、十年間で二万台に助成をするという目標に対しまして、現在までに九千八百台、金額にいたしまして約三百三億円ということになっている。これらが主な実績でございます。 ◯菊地委員 それでは、公共駐車場の整備は、東京都が作成しました東京都の駐車施設対策基本方針において、整備目標としている十カ年で十カ所以上を既に達成しているとのことでありますが、今後も整備を促進すべきと思われます。しかし、現実には事業の実施に際して苦労しているものもあるようですが、何が原因になっているのかお聞かせください。 ◯成戸施設計画部長 現在までに都市計画決定いたしました駐車場は、道路あるいは公園、そういった公共用地の地下空間を活用しておりまして、既成市街地において施工いたしますために、工事費が一台当たりで四、五千万円という割高になる傾向があるわけであります。こうした地下駐車場につきましては、国庫補助金などとあわせまして、多くの融資などで整備することになるわけでありますが、こういった点からも、事業の採算性の確保ということが、今後の整備に当たっても一番大きな問題ではないかというふうに私どもは認識いたしております。 ◯菊地委員 バブル経済が崩壊し、まちの中ではビル建築が思うに任せず、方々で小規模な駐車場が発生しておりますが、しかし、このような駐車場は一時的なものであり、将来的な担保性はないようであります。このため、このような駐車場に対して、一度つくったら五カ年程度は設置を継続するような義務を課してはいかがでしょうか。 ◯成戸施設計画部長 駐車場の設置につきましては、一般的に申しまして、その担保性を確保するために、都市計画法あるいは駐車場法、あるいはこれらの双方、こういったような法律で位置づける場合があるわけであります。例えば駐車場法に基づきます届け出義務につきましては、駐車の用に供する部分の面積が五百平方メートル以上とされておりまして、ご指摘のような都心部分でのあいた土地を活用するような小規模な駐車場、このような駐車場につきましては、この規定に該当しないというような場合が非常に多いのではないかと推察されるわけでありまして、こういったような駐車場に対して届け出義務を課することは、現在の法律体系ではちょっと困難ではないかというふうに認識をいたしております。 ◯菊地委員 そもそも都市計画は、まちに住む人々の利便性を追求するために位置づけるものであると考えますが、そのためには、将来的にも存続できる駐車場を適切配置して整備が図れるような施策をさらに展開していくべきと考えますが、いかがでしょうか。 ◯成戸施設計画部長 東京都といたしましても、先ほど申しました東京都の駐車施設対策基本方針に基づきまして、さらに駐車場の整備を促進いたしますとともに、既存の駐車施設などの効率的な運用も図っていく、こういうような観点から、国、区、そういった関係機関ともども努力していきたいというふうに考えております。  また、駐車場の整備が円滑に執行できるように、補助金の確保、あるいは無利子または低利の資金の導入、事業費の縮減、駐車場の稼働率の向上策、こういったことについての検討も進めまして、対策を一層講じているところでありますけれども、今後とも、国庫補助金枠の拡充並びに収容台数等の採算要件の拡大などにつきまして、関係機関に対しても強く働きかけてまいります。 ◯菊地委員 最後に要望等ですが、私の選挙区の港区あたりの現状では、オフィスビル内の駐車場で、月貸しで七万から十万、更地の、今申し上げました簡易駐車場で、最低三万五千円から五万円が相場です。オフィスビル内での駐車場はコスト的には現状は難しいとしても、簡易駐車場に関しては何とか施策を今後考えていっていただきたいと思います。また、さらに公共駐車場対策を推し進めていただきたいと切にお願い申しまして、私の質問を終わります。 ◯宮尾委員 私は資料を請求させていただいていますので、資料に基づいて幾つかの点についてお聞きしたいと思うんです。  まず、西武池袋線秋津駅周辺の整備計画の経過という資料を出していただきました。秋津駅は丸の内から大体二十六、七キロですけれども、現在まで近隣商業地域というふうになっております。都内でこういうところが一体どのくらいあるのか、お聞きしたいと思います。 ◯水庭地域計画部長 都心から二十六、七キロの距離にある駅周辺で近隣商業地域に指定されている地区でございますけれども、私鉄では、稲城、西調布、八坂駅周辺など約二十地区ございます。JRでは、東小金井、南多摩、矢野口駅周辺など五地区で近隣商業地域の指定となってございます。 ◯宮尾委員 二十地区ということでございますが、本当はどのくらいの乗客数があるかお聞きしたいところですけれども、この地域と秋津駅の乗客数はかなり違うんじゃないかというふうに私は判断しているわけですが、こういう意味から、周辺地域の用途の関係が取り残されている。私が秋津問題を取り出したというのは、秋津駅は戦後五十年間ほとんど手を加えられていないというのが実態でございまして、そういう趣旨から質問させていただきますが、用途の問題についての取り組みはどういうふうになっているのか、お聞きしたいと思います。 ◯水庭地域計画部長 現在、秋津駅周辺地区につきましては、道路、駅広等の都市基盤が整備されていない状況となっておりますが、今後、市街地再開発事業あるいは地区計画などによりまして、土地利用転換や基盤整備の見通しがついた時点で、商業地域等に見直しをしていくことが適切であろうというふうに考えております。 ◯宮尾委員 この資料によりますと、三十七年の七月に都市計画を決定して、五十一年に市の方で市街地再開発の調査を行ったと。五十五年に秋津駅南口地区の市街地再開発事業都市計画の案を付議したが、保留になったというふうになっているわけです。その保留の理由というのは一体どういうことなんでしょうか。 ◯山下開発計画部長 保留となった理由についてのお尋ねでございますが、清瀬市は、秋津駅南口地区市街地再開発事業の施行に当たりましては、市街地再開発事業の区域の内外にわたりまして相当の公共施設整備が必要だということから、施行者といたしましては清瀬市を想定いたしまして、市街地再開発事業を検討してまいりました。案がまとまったところで、清瀬市の都市計画審議会に、秋津駅南口地区市街地再開発事業といたしまして案を付議いたしたわけでございます。しかしながら、委員の中から、事業施行者についての疑問が出された。いわゆる市施行ということについての疑問が出されたということから、急遽、清瀬市と委員との間で調整を図ったわけでございますけれども、結果的には意見の一致を見出すことができなかったということで、市の都市計画審議会では保留となったというふうに清瀬市の方から聞いているところでございます。 ◯宮尾委員 そのあたりは本当はもっと詳しくお聞きしたいところでございますが、しかし、この再開発事業に対しては、一応国に対して国庫補助金の要請をされたという話もございますし、当時の東京新聞の中でもそういう記事が出されております。そういうふうに見ますと、そういう再開発事業に対する申請がされて、当然、国も了承しない限り国庫補助の関係は出ないと思いますから、都、国との協議があった上で国庫補助の問題が出ているんじゃないかと思います。そういう事実については、文書など含めて、都市計の方にあるのかどうかお聞きしたいと思います。 ◯山下開発計画部長 ご指摘のとおり、清瀬市におきましては再開発事業についての案を取りまとめ、昭和五十五年には、清瀬市からの要望によりまして、国費の要望を東京都経由で国に対して行っております。それに関連する事実の確認でございますけれども、当時の要望調書関係の文書につきましては、東京都文書管理規程第四十二条第二項の規定に基づきまして、保存年限が一応五年と定められております。当該要望調書につきましては、昭和六十一年に、やはり同じく文書管理規程の四十九条一項の規定に基づきまして廃棄されております。また、さらにその廃棄文書につきましても、同じような手続に基づきまして、平成四年には廃棄されているということでございまして、現在、その文書につきましては存在していないというのが事実でございます。 ◯宮尾委員 公式発言ですから、私もそれを了としますが、一部、地権者の方から問い合わせたところが、引っ越しのために倉庫に置いちゃって、ちょっと見当たらないという返事もいただいたという話をされているわけです。そういうことになれば、当然その文書はあるはずだというふうに見るのが請求者の気持ちになってまいりますから、そういう文書規程に基づいて破棄したということであれば、その旨を正確に、そういう請求があった場合に説明すべきだというふうに私は考えます。それは、今なおいろいろな問題を持ってきておりますから、それはそれでとどめておきますけれども……。  ところで、秋津駅の北東部に野塩地域というのがあるのですが、ここに東邦生命のグラウンドがあるわけですけれども、これを明治薬科大学に転売するということになりまして、明治薬科大学が、今度は野塩の方に全部、分散した校舎を持ってくるという話を聞いているわけです。都の方で、最近のそういう秋津駅周辺におけるまちづくりの問題を含めて、大学が来るということになれば、恐らくキャンパスを含めて、市からの取り組みが出されたと思いますけれども、その点についてどのように把握されているのか、お聞きしておきたいと思います。 ◯山下開発計画部長 東京都では、現在のところ明治薬科大学についての相談は受けておりません。しかしながら、清瀬市におきましては既に事前説明を受けて、清瀬市におきます宅地開発等に関する指導要綱に基づき、文書による協議を市長あてに提出するよう関係者を指導しているというような報告を、清瀬市から受けております。  また、そのほかの秋津駅周辺に関するまちづくりの動きでございますが、清瀬市から、秋津駅東側に隣接いたします清瀬八号踏切の改良、あるいはそれに接続いたします市道の拡幅など、いわゆる交通環境改善に努めたいというようなことについても報告を受けているところでございます。  また、市は違いまして隣接市でございますが、東村山市の区域内におきましては、秋津駅の南口に関連いたしまして、平成六年度に土地利用転換計画に関する基本調査というものを実施いたしまして、公共施設の整備、あるいは農地を活用したまちづくりが必要だというような結果を取りまとめているというふうに聞いております。 ◯宮尾委員 隣接する東村山市がそういう方向に来ていればなおさらのこと、当然秋津は、東村山と清瀬と、所沢も一部入りますが、隣接しているわけですから、そのことについては都が主体的に両市の間に入って、ぜひ対応をお願いしたいと思います。とりわけ先ほど、多摩地域の皆さん方にとっては大変うれしい話ですが、第二次道路の整備計画も出されました。これに関連して、これをやる場合に、恐らく市の方のまちづくりとの関連も出てくるかというふうに思いますけれども、市の方からの意見がどのように出されているか、それから、もし意見が出た場合にどういう対応をしていくのか、そのことについてお聞きしたいと思います。 ◯成戸施設計画部長 秋津駅周辺のまちづくりに関連いたしました前期事業化予定路線についてのお尋ねでございますが、先ほどご説明いたしました素案の中で、秋津駅周辺の都市計画道路につきましては、東村山市の区域でございますが、秋津駅南口駅前の二路線を提示しております。また清瀬市の区域におきましては、素案で取り上げました路線はこの近辺にはなかったわけでありますが、現在、清瀬市からの意見といたしまして、他の路線と振りかえまして、先ほど申し上げました東村山市側との整合のとれた秋津駅周辺の都市計画道路の整備を図っていきたいという意見を聞いているところであります。  私どもといたしましては、今後、前期事業化予定路線の計画の策定に向けまして、さらに詳しく市の方と調整を図っていきたいというふうに考えているところであります。 ◯宮尾委員 多摩整備の中で、今、多摩の心を中心とした整備が出されております。同時に、多摩の心とあわせて、多摩の振興策も幾つか提言されているのですが、北多摩北部に限りますと、ほとんどその計画は出されてないというのが実態でございます。したがいまして、多摩整備の方ともいろいろな話をさせていただいたのですが、元締めが都市計画局ということでございますから、ここが仕切らないと多摩整備も動けないという報告も受けているわけでございます。多摩整備は、多摩全域の整備を図るというふうに最初の目的から変わってきているわけですから、そういう意味で、秋津の問題に限らず、北部の問題、とりわけ私の指摘した秋津の問題を含めた取り組みをより一層お願いしたいというふうに思っております。  まちづくりといいますと、多くを語るまでもなく、主体的に市がかかわらなければいけない課題だと思いますけれども、その意味で、市からの意見あるいは要請が来た場合には、積極的に対応をぜひお願いしておきたい、このように考えております。  それはお願いにさせていただきますが、もう一つの点、防災関係について二、三お聞きをさせていただきたいと思います。  防災の関係できょう資料が出されまして、ちょっと見させていただいたのですが、公共建築物耐震診断というのが出されています。件数もずっと出されておりますけれども、私、勉強不足だったんですが、よく調べさせていただきましたら、いわゆる危険度調査、第三回測定調査というのを平成五年に既にやられておりまして、公共建築物耐震診断実施状況結果というのが報告をされています。ここに書いてある診断件数と、調査で出された件数は別なものなのか、その点お聞きしたいと思うんですが、どうでしょうか。 ◯佐藤建築指導部長 公共建築物の耐震診断についてお答えいたします。  本日提出させていただきました資料につきましては、今年度の取り組み状況でございますけれども、都におきましては、昭和四十四年から公共建築物の耐震診断を続けてきております。その流れの中の最後の部分というふうにお考えいただければよろしいかと思いますけれども、七年度、八年度、九年度という計画を持ってございますので、それの一環と考えてよろしいかと思います。
    ◯宮尾委員 ところで、耐震診断、これも私は大変大事だと思いますし、震災が来ても建物はできるだけ壊れないということが一番大事でございますから、そういう意味から、建設省の方で、木造住宅の耐震診断士の育成といいますか、養成といいますか、そういう方向をとりなさいというふうな指示が出ているとお伺いしております。先般お聞きしたところによりますと、危険度の判定士の育成を東京都の方でおやりになると。三カ年計画で一万人目標というふうにお伺いしていますが、この取り組みの状況についてお聞きしたいと思います。 ◯佐藤建築指導部長 木造の耐震診断と応急危険度の判定士養成の二つのご質問かと思います。  木造の耐震診断士につきましては、これまで都は、木造に限らず鉄筋コンクリート、鉄骨、そういったものをすべて含めまして耐震診断士の養成を行ってきたところでございますけれども、国の方で、木造の診断士だけを特別に取り出しまして講習会を開くようにという働きかけがございます。既に行っております県もございますけれども、東京都におきましては、来年度から約七千人をめどに対象にしまして、講習会を開いていきたいというふうに考えております。  それから、応急危険度の判定士でございますけれども、これにつきましては、平成四年度から計画を練っておりましたけれども、実際には、一般に建築士の方を対象にいたしまして、先生おっしゃいましたように、三年間で一万人という予定で今年度から講習会を実施いたしております。 ◯宮尾委員 木造住宅の耐震診断ということについては私も大変興味を持っているんですけれども、都市計画局だけでやるのはなかなか大変なことだというふうに思いますから、できるだけ市町村までそういう養成をしていただいて、市町村でそういうものができるということになれば、大変すばらしい成果が出るんじゃないかと思うんです。  ところで、三鷹市の方で木造住宅の構造調査士というのを、これは建設省が出している木造住宅耐震診断士と同じなのか、市町村で独自にやる資格なのかどうかわかりませんけれども、各市の耐震診断士と同じような形で扱ってもらえば、もっと広がりができるんじゃないかというふうに思うんですけれども、その辺はどうでしょうね。 ◯佐藤建築指導部長 委員ご指摘の三鷹市の養成の件でございますけれども、ことし既に二度行われておりまして、九十九名の方が受講されているというふうに聞いております。ただし、来年度以降都の方で実施しようといたしております講習会につきましては、建設省が全国的な規模で行おうということで動いておりまして、財団法人の日本住宅木材技術センター及び住宅産業研修財団、こういったところと共催で行うようにというようなことになってございます。三鷹市の講習と内容を比較してみることは難しいのですけれども、使っているテキスト等は一部同じというふうなことを聞いております。その講習の後に考査を行いますけれども、その考査の内容につきましては、今後都の方がやっていく話でございますけれども、これは同じレベルにできるかどうか、ちょっと難しいところでございます。とにかく、若干の違いはございますけれども、こういった市の動きというものも評価いたしまして、今後、各関係の機関と協議して一緒に運用できれば、それはいいなというふうに考えております。 ◯宮尾委員 最近多摩の方でも建築主事を配置する市が結構ふえてきましたから、その点では前向きなんですが、今の実態を見ると、そういう建築主事を置くような市はまだ少ない現状でございますから、耐震診断となっちゃうと、当然専門家にお願いして、それで最終的にいろいろな指導を受けるということになると、また建築士のバイト料といいますか、日当とかなんかいろいろな経費がかかって大変だというので、私はこれを進めていただければ大変すばらしいことになるんじゃないかと思って大賛成なんですが、ひとつ、市の方でやる計画とも調整しながら、もしできましたら、その範疇に入れていただきたいなというふうに思っております。  ところでもう一つは、個人で木造の耐震診断システムマニュアルを発行されております。こういうものですね。(冊子を示す)わが家の耐震診断というものです。これを見ましたら、これは平成元年につくられているんですね。私が見たのは最近なんです。これはどのくらいまで都民の方に行き渡っているんでしょうね。 ◯佐藤建築指導部長 パンフレットの活用の件でございますけれども、確かに大分前につくったものですが、その後緊急な地震もなかったということで、余り興味を持たれなかった面もあろうかと思いますけれども、このたびの阪神・淡路大震災によりまして、相当一般の方にも住宅の耐震ということについては意識が出てきたというふうに考えております。  その中で、これまでに、今、委員のお手元にございますパンフレットですけれども、都内の十八の区市から増刷の要請が出ておりまして、現在までに各区市で増刷したものが約三十三万部ございます。中央区ですとか千代田区、あるいは渋谷区等につきましては、それらを各戸に配布しているというふうに聞いております。東京都でもあちこちの窓口に配布いたしまして、できるだけ一般の方の目に触れるように努力はいたしております。 ◯宮尾委員 私も見まして、これは中央区のものなんですけれども、なかなか個人で診断するのにいいなというふうに思ったんです。こういうものが都民の目に触れることになれば、九月の補正で、住宅局の耐震補強の融資が受けられるというふうになりますね、その利子補給を住宅局がやるということになっているわけですから、できましたらこういうものを出して、各個人がチェックして、そして自分で、耐震診断士の方にある程度相談に行くこともあろうかと思いますが、できるだけ融資の活用をしながら自分のうちも補強していくというふうな取り組みができれば、もっと住民と一体となった取り組みができるんじゃないかなと思いますので、都の広報のどこかに融資制度と──中央区の場合は、避難の地図と一緒にこれを配布したというふうにお聞きしていますが、うちの市はほとんど知らなくて、何か都市計画の担当者の課長会議で配られたという話を聞いているわけです。市町村の場合は、震災対策は総務局の方の扱いになってきますでしょう。だから、総務が知らないと、なかなかこれがわからないというところもあるわけですね。だから、そういう縦割りじゃなくて、総務局も含めた形で、市町村に出されるときには一緒に出していただければ、より効果が出るんじゃないかというふうに考えます。これはお願いでございます。  時間がございませんので、最後に一つだけお願いがございます。それは建築指導の関係でございますけれども、この資料を見ましたら、日常的に違反建築に対するパトロールをされているという報告が書いてありますが、多摩地域はほとんどそういうことはないんじゃないかなというふうにご心配申し上げています。それはどうかというと、私どもの地域でいいますと第二課でございますけれども、人数が足らないんですね。指導部長も前にいらっしゃったからわかると思うんですが、人数が少なくて手がなかなか回らないところがあるんです。ですから、市町村に建築主事をどんどん置いていけばそういうこともないんでしょうけれども、この資料を見ましても、多摩地域の違反物件千二百八十件。二十三区は三十四件ぐらいしかないのに、多摩地域はそんな数字が出されております。結局、多摩の方は、建築の人にとってみますと無法地帯という、いい方はちょっとオーバーですが、建築業者から見ればそういうところが二、三ございまして、私、前の都市計画の委員会のときにも申し上げましたが、違反建築をしなければもうからない、建て売り住宅なんかでももうからないということをいってはばからない施工者もいらっしゃるわけですから、そのところは少し人員の配置も含めて、きちんとした対応ができるようにぜひお願いをしておきたいというふうに思います。  これはお願いでございますので、以上申し上げて、終わりにしたいと思います。 ◯たぞえ委員 初めに、事務事業概要の基地問題について伺いたいと思います。  まず、東京都内にある米軍基地の名前と規模、目的についてご説明いただきたいと思います。 ◯進藤開発企画担当部長 まず、赤坂プレスセンター、これは港区にありまして、星条旗社、米陸軍調達機関ほかに使われておりまして、事務所、宿舎、ヘリポートとして使われております。それから横田飛行場ですが、立川市外四市一町にありますけれども、在日米軍司令部が滑走路、住宅、学校として使ってございます。次に、府中にあります府中通信施設ですけれども、空軍の通信中隊が使っておりまして、通信施設として使っております。多摩市、稲城市にあります多摩サービス補助施設ですが、これは各軍が使っておりまして、ゴルフ場、ピクニック場として使われております。それから清瀬市にあります大和田通信所ですけれども、米軍通信中隊が受信施設として使っております。八王子の由木通信所ですが、米軍の通信中隊が無線中継所として使っております。小笠原村の硫黄島通信所ですが、沿岸警備隊極東支部が通信施設として使っております。港区にありますニューサンノー米軍センター、これは各軍が使っておりまして、会議及び宿泊施設として使っております。 ◯たぞえ委員 都内の港区にあります都立青山公園、これは昭和三十八年三月に国有財産関東地方審議会の答申を得て国有地を森林公園として決定しました。この決定に従って、都市計画で公園の拡張を行っているというふうに聞いておりますけれども、この計画地内には、米軍の基地が、用地が含まれているのでしょうか。 ◯進藤開発企画担当部長 赤坂プレスセンターの用地の一部が、理事がおっしゃいました都市公園の区域に含まれてございます。 ◯たぞえ委員 この都立青山公園の南地区の開園面積ですけれども、昭和五十七年度に対して五十八年度はどう変わっていますか。 ◯進藤開発企画担当部長 五十八年の十一月三十日に開園区域を二万三千三百十九平方メートルから二万三千四百九十五平方メートルに変更してございます。百七十六平方メートルほど増加しております。都市計画公園の面積としては変更してございません。 ◯たぞえ委員 なぜ面積がふえたのですか。 ◯進藤開発企画担当部長 環状三号線の建設に伴う米軍ヘリポートの仮移設によりまして開園区域の一部を廃止するとともに、この南側の隣接地などを追加開園したため、若干の増加となったものでございます。 ◯たぞえ委員 そうしますと、この都立青山公園の隣を走る環状三号線、この工事を行うために一時都立青山公園を移動というんでしょうか、面積が変更になる、その分を米軍のヘリポート基地として提供する、プラスマイナスにしますと減ったわけです。しかし、国有地を借り受けて三千三百四十五平米追加をしましたから、実数では公園規模は百七十六平米ふえているわけですね。しかし、実際は四千三百平米減っている、こういうことなんです。このことについては、だれとだれとだれが、一時的に米軍に都立公園の用地を提供する、こういう協定を結んだんでしょうか。 ◯進藤開発企画担当部長 東京都の建設局、東京防衛施設局、在日米軍の三者で、在日米軍施設及び区域の共同使用に関する協定を結んでございます。 ◯たぞえ委員 その協定では、都の公園を米軍基地として使用させるということのために、具体的に何をどう取り決めたんですか。 ◯進藤開発企画担当部長 協定におきましては、一つは、環状三号線は在日米軍ヘリポートを通過する部分はトンネル構造とするということ、それから、その工事中は米軍ヘリポートを都立青山公園の公園敷地に仮移設すること、それと、工事の完了後ヘリポートは建設局が原状回復すること、ほかの内容となってございます。 ◯たぞえ委員 ただいまの三点は公にされているんでしょうか。 ◯進藤開発企画担当部長 公表されてございません。 ◯たぞえ委員 土地を一時使用させた、そのことで結んだ文書が、東京都自身もまだ公表していない。もちろん、在日米軍も公表していないわけです。都民の大事な、しかも都心三区にある、しかも国が森林公園として指定したこの地域が外国の基地に使われている。  先日、私はこの公園を調査してまいりましたが、ちょうど公園でひなたぼっこをしている年配の男性の方にお話を聞きました。そうしましたら、この方は、太陽の光がちょうどまんべんなく差している時間でしたので、公園として大変利用価値が大きい、特にビルに働く人たちが昼休みにこの公園に集まってお弁当を食べたり一休みをする、そういう心休める公園だ、その公園がこんな目の前でアメリカに勝手に使われているというのは本当に問題だ、何とか都民のために返してほしい、こういうふうにいっておりました。  ここに、東京都建設局がつくりました「六本木トンネル」という冊子があるんですけれども、上空から撮った写真のちょうど真ん中に、この都立青山公園が存在をしております。この公園の中に、今お話があった米軍ヘリポート基地が存在をしているわけですね。このヘリポート基地をつくるために、先ほど答弁がありました東京都建設局と日本政府とアメリカ政府三者が協定を結んで、そして先ほどの三点について合意をしたということで、英文の文書も、東京都のパンフレットのこの箇所に出されているわけです。  建設局では、この協定文について全文を公表したいということを検討していると述べておりますけれども、青島都政になってから、開かれた都政ということならば、私はこの協定内容を都民に明らかにするべきだと思うんです。このパンフレットに出ておりますのは、その全文のある一部分だけですので、これでは全部わかりません。協定を結んだ当事者である東京都建設局から、都都市計画局はこの文書の公表についてどのように聞いているのでしょうか。 ◯進藤開発企画担当部長 協定を結びました建設局が、公表できるよう関係機関と調整中というふうに聞いてございます。 ◯たぞえ委員 この環三の工事は、九三年三月二十九日に六本木地区の工事が終了しました。米軍は、協定どおり、東京都に対して都立公園用地を原状回復して返還したのでしょうか。 ◯進藤開発企画担当部長 仮移設されました米軍ヘリポートの用地につきましては、まだ返還されてございません。 ◯たぞえ委員 工事が終わっても返還をしない。事実上継続使用を、この都立青山公園の四千三百平米について使っているという事態が続いているわけです。  ところで、東京都は米軍に対して原状回復を求めているというふうに聞いております。工事が終了してから二年たちますが、二年たった今日、米軍から回復したという公式な回答は来ているのでしょうか。 ◯進藤開発企画担当部長 回復したという回答よりも、引き続き継続使用の意向を持っているということが防衛施設局の方から伝わってきてございます。 ◯たぞえ委員 工事が終了しているのに、二年もたってまだ居座っている。これはもう大変な問題だというふうに思います。なぜ、都有地を返してくれないのですか。 ◯進藤開発企画担当部長 軍として継続したいという理由そのものはわかりませんけれども、私ども承知しておりますのは、引き続きそこを使いたいという意向が示されているということでございます。 ◯たぞえ委員 そんな勝手なことはないと私思うんですよね。一時貸してくれ、はい、どうぞといって取り交わした協定書が、その性格も期間も終了したのに、まだ使いたいからといって、公式な文書で取り交わすでもない、そんなことが当たり前になっているこの都心の米軍基地。そういうことについて日米協定で定めをしておきながら、これすら守らない。米軍は、都民にこの文書について公表もしない。全く主権の侵害です。  建設局は、工事終了という九三年ですね、この時点で、五年、六年、七年と、原状回復のための予算を計上しているというふうに聞いておりますけれども、そうでしょうか。 ◯進藤開発企画担当部長 建設局では、平成五年度より、毎年度一億円の予算をその復旧事業費として計上してございます。 ◯たぞえ委員 では、その予算は執行されたのですか。 ◯進藤開発企画担当部長 執行できておりません。 ◯たぞえ委員 私は、先日その基地の周辺を歩いてきました。私の目の前を米兵がスーパーの袋を持って、買い物して帰ってきたのでしょうか、胸を張って歩いておりましたけれども、このぐるっと囲まれた金網を歩いて私大変驚きましたのは、在日米陸軍地区という看板がフェンスに三十カ所もぺたぺた張ってあるんですね。そして、この看板のその地区という文字の下には、違反者は日米国憲法により罰せられますというわけです。勝手に土地を利用して、勝手に延長して、そして、文書での申し入れも何もないこの米軍が、中に手を突っ込んだら違反者として処罰をするなどというのは、私はもってのほかだというように思うんですよ。むしろ、こんなことを堂々とやっている米軍こそ立入禁止にするべきぐらいの、これは性格だと思います。  一体、この都民の公園をだれの土地だと思っているのか、憤慨をするところでありますけれども、こういうことが都心の港区で今起こっている。残念でなりません。そして同時に、こうした米軍の横暴と無法は認めるわけにはいかないと思います。まちづくりの責任を負う局として、このような事態を容認できるのでしょうか。 ◯進藤開発企画担当部長 公園敷地の一部が仮設のヘリポートに引き続きなっているということですので、都市計画公園として整備できないということにつきましては、まちづくりの観点から大変好ましくないことだと思っております。引き続き、返還の要請をしてまいりたいというふうに考えます。 ◯たぞえ委員 東京都として、実効性ある毅然とした態度で、約束を守れ、都民の大事な都立公園を直ちに返せということを防衛施設庁、米軍に望むべきだと思いますが、技監、どうお考えでしょうか。 ◯名倉技監 ただいま進藤部長からお答え申し上げたとおりでございまして、米軍に対しましては、原状回復できるよう要請してまいりたいと存じます。 ◯たぞえ委員 ところで、一九七一年、昭和四十六年以降、米軍のヘリコプターの事故が相次いでおりますが、まず、それを報告をしてください。 ◯進藤開発企画担当部長 昭和四十六年に横田基地の滑走路南端付近におきまして墜落しております。五十三年に世田谷区内に不時着をしてございます。昭和五十四年には横浜市内に不時着、昭和五十八年に飯能市内に不時着、昭和五十九年には藤沢市内へ墜落してございます。平成五年には杉並区の中学校に不時着をしてございます。 ◯たぞえ委員 大変驚くべきことですね、私の地元の世田谷区にも米軍ヘリコプターが不時着したというのですから。これが多摩川の河川敷にでもならまだしも、繁華街や住宅地の中に突如舞いおりてくるというのですから、これはもう大変驚くばかりであります。  その青山公園に私行きましたときに、別の男性からこんなお話を聞きました。このヘリポートには、小型機ですと二人乗員ですから、運転手ともう一人ということで着陸するそうです。ただ、ほとんどが中型機で、十二、三名一度にどかどかっとヘリコプターからおりてくる、これが二機編隊で来るというのですね。この光景を見ていて、こういっていました。もしこのヘリコプターが何かの事故でオフィスビル等に突っ込んだら、ぞっとする、一体どんな事故になるか──この周辺、青山霊園ですとか都営住宅等もありますけれども、恐ろしい、いつも危険を背負っていかなければならないというふうにその方はおっしゃっておりました。  今、沖縄では米軍基地の縮小や撤去、これを県として、また、財界も農協も県民も一致して取り組んでおります。首都東京で、こういう都心の中心部に、都立公園を不法に占領して胸張って使っている、こういう事態が続くわけです。首都東京でこうした危険な状況をなくすために、都は本格的に取り組むべきだと私は思うんですが、局長の決意を聞きたいと思います。 ◯木宮都市計画局長 基地の存在が生活環境、また、まちづくりの関係でいろいろ障害になっていることは事実でございまして、今後も引き続き、関係する東京防衛施設局等を通じて、返還について努力をしてまいりたいというふうに考えております。 ◯たぞえ委員 基地対策の業務を担当している多摩開発企画室の体制と職員の数を教えてください。 ◯進藤開発企画担当部長 総合計画部に置かれております多摩開発企画室で担当してございまして、企画室長以下八名でございます。 ◯たぞえ委員 八名で、基地問題もやり、多摩の開発問題もやる。本当に大変なお仕事をされているというふうに思います。基地返還を都として掲げているわけですが、これから基地問題に本格的に取り組むことが問われているときに、私は、これでは十分な体制ではないと思います。  決して基地跡地利用計画だけではなくて、今たくさん問題になっている、騒音、それから犯罪、危険物の貯蔵、まちづくりの影響、さらには税金免除、消防、航空管制などなど今日的な都政の課題にふさわしい仕事をするために、基地問題対策課という課を都市計画局の中に設置をして、体制も固め、人もふやし、都内にある八つの米軍基地対策について、本当に都民の平和な東京をと望む声にこたえるようにするべきと私は思いますが、この点を最後に伺っておきたいと思います。 ◯進藤開発企画担当部長 基地に関します事務は、理事ご指摘のように多岐にわたっておりますが、現在、庁内でそれぞれ役割分担をしているところでございます。必要に応じまして連絡調整するなど十分工夫を凝らして、今後とも努力していきたいというふうに考えます。 ◯たぞえ委員 組織の問題ですから、都市計画局だけがこうするということを述べるわけにいかないと思いますけれども、しかし、沖縄県を初めとした基地を置かれている県では、こうした専門的な部署を設置して本格的に取り組んでいるところです。ぜひ、今後研究や、また検討も進めていっていただきたいと思います。  それでは、もう一つ、前期事業化予定路線について伺います。  多摩の道路に関して、現在、前期計画で未着手の区間と新規に選定した区間、これをあわせて事業化するということですが、七年度末の着手率は五四・三%です。今後、整備の進め方と密接にかかわってくるのですが、限られた財源でより効果的な整備を図るというふうにこの素案ではいっていますが、財政負担と整備スケジュールはどのように考えているのでしょうか。 ◯成戸施設計画部長 今回お示しいたしました前期事業化予定路線は、平成八年度からおおむね十年間に着手または完成すべき路線として定めようとするものであります。  この前期期間に必要な投資額についてのお尋ねでありますが、近々公表が予定されております新総合三カ年計画などとも調整を図る必要がございまして、現在検討中でございます。また、事業中の路線はもとより、新規着手の路線についても一定の進捗を図るために、財源の確保そのものが大変重要なテーマであるというふうに認識はいたしております。  また、整備スケジュールについてのお尋ねでありますが、選定されました路線は、今後十年間に優先的に整備を行う路線として位置づけるものでございまして、この整備期間内に計画的に整備に着手してまいりたいというふうに考えているところであります。 ◯たぞえ委員 八年二月に事業化計画を決定するということですけれども、市や町との調整はどうされるのか。いつまでにこうした市町との合意を見出そうとしているのか。 ◯成戸施設計画部長 今回の素案を作成するに当たりまして、市町から整備予定路線や都施行整備要望路線についてヒアリングを行うなど、昨年の秋ごろより、市または町と一定の調整を図ってきたところであります。  今後は、素案に対する市または町からの意見を踏まえまして案を作成し、ことしじゅうに再度意見照会を行いました後に第二次事業化計画として決定する予定でございまして、決定までのプロセスを通じまして、市または町との合意形成を図りたいというふうに考えております。 ◯たぞえ委員 今年度中の決定ということですが、二月にこれを決定するということですね。そうしますと、あとわずか二カ月なんですけれども、市町との合意がそれまでにできない路線が出た場合、素案からこの路線は取り除くのでしょうか。 ◯成戸施設計画部長 今後は、先ほど申しましたようなプロセスで、素案に対します市または町からの意見を踏まえて案を作成いたしまして、再度意見照会を行うなど、さらに調整を重ねてまいります。計画決定までに市または町との合意形成が図れますように最大限の努力をしてまいりたいというふうに考えております。 ◯たぞえ委員 私が聞いたのは、素案に出されている内容で市町との合意ができなかった場合は取り除くのですかということですから、合意ができない場合も生ずるんじゃないですか。 ◯成戸施設計画部長 ただいまお答え申しましたように、できるだけ合意に努めるわけでありますが、最終的にどうしても合意に至らない場合には、やはり道路と申しますのは、一連の整備を図りましてこそ先行に整備した地域との効率的な運用が図られる、こういう性格を持った都市施設でございますので、東京都といたしましても、大局的な見地に立って判断をしていく必要があるというふうに考えております。 ◯たぞえ委員 それでは、この素案による都の負担、国の負担はどのぐらいになるのでしょうか。 ◯成戸施設計画部長 前期事業化予定路線すべてを整備するのに要します費用につきましては、先ほど申し上げましたように、新総合三カ年計画の動向、平成七年の新しいデータを用いた計算の必要性、そういったような観点から、現在、最新のデータを用いて算定をしているところであります。  また、都あるいは国庫補助、そういったようなものの補助の考え方につきましては、通常の事業でありますように、国庫補助金を導入できる場合には最大限二分の一というふうになっております。また、市町施行の路線につきましても、国庫補助に加えて都費の補助を行うことができるということになっております。通常のそういった規定で行われるということでございます。 ◯たぞえ委員 市施行が六万五千九百四十メートルとあるのですが、今、都と国の負担については伺いましたけれども、この財政難の中で、市町の負担額というのはどのぐらい見積もっているのでしょうか。 ◯成戸施設計画部長 これにつきましても、市または町が施行します路線の整備に要する費用につきましても、現在最新データを用いて算定中でありまして、最終の段階までにはこれらのものを明らかにできるかというふうに考えております。 ◯たぞえ委員 広域幹線道路など、大変莫大な事業費を必要とするのですけれども、今日の不況の中で、都施行、市施行合わせても大変な事業だと思いますが、この地図に出てくるような膨大な道路をつくるとなる場合に、都の財政力からいっても適切な事業だというふうに踏んでの素案なのでしょうか。 ◯成戸施設計画部長 多摩地域都市計画道路の整備水準は依然として低い水準にございまして、また、多摩地域が今後自立都市として発展していくためには、人や物、情報の交流を支えます交通基盤の整備は欠くことができないものであるというふうに考えております。このため、南北道路となります骨格となる幹線道路、こういった道路とともに、駅へのアクセス道路など、市民生活により身近な道路をあわせて計画的に整備を進めていく必要があるというふうに私どもは考えております。 ◯たぞえ委員 では、財政問題は以上にしまして、この素案の中で、幹線道路といわれるのは比率はどのぐらいを占めているのですか。 ◯成戸施設計画部長 既定計画で四車線の整備が想定される路線を取り上げるといたしますならば、前期事業化予定路線全体で二百八・五キロメートルのうち約三三%になります。そのうちで都施行の路線を取り上げますと、百三十五・二キロメートルのうち約四九%というふうになります。 ◯たぞえ委員 それでは、幅員が二十メートル以上となる道路はどのぐらいの割合ですか。 ◯成戸施設計画部長 都施行路線におきましては、既定計画で幅員二十メートル以上の路線は、前期事業化予定路線二百八・五キロメートルのうち約四〇%になります。 ◯たぞえ委員 幹線道路、また、二十メートル以上の道路がかなりの部分を占めるということです。この第二次事業化計画では、区画整理や再開発は含まれているのか、それとも含まれていないのでしょうか。 ◯成戸施設計画部長 今回の素案では、道路事業、面整備事業など事業手法にかかわらず優先的に整備すべき路線ということで、区画整理、再開発事業も含んだ計画といたしております。 ◯たぞえ委員 今、含んだとおっしゃいましたけれども、ここの参考の資料には、「土地区画整理事業・市街地再開発事業等によるものは含まれていない。」と書いてありますが、これはどういうことなんでしょうか。 ◯成戸施設計画部長 ただいまごらんいただきましたのは現在の計画の表でございまして、現在のものは、区画整理、再開発事業というのはおのおの独立した事業手法であるということで、含んでいなかったわけでございます。しかしながら、道路という一体的な構造物を計画的に整備をいたしますためには、手法は違っても同じ計画の中で統一的に管理をするのが必要であるというような観点から、今回からは、この計画の中に取り入れて一体的に管理をしていこう、こういうふうにしたものでございます。 ◯たぞえ委員 わかりました。  最後に二点ですけれども、九三年の東京都総合実施計画というのがありました。今回の第二次事業化計画はこれをベースにしていると考えていいでしょうか。 ◯成戸施設計画部長 九三年総合実施計画は、第三次長期計画に掲げる目標の達成を目指しまして、平成五年度から七年度にわたります三カ年において計画的に行っていく事業を定めたものであります。この計画の中では、都市計画道路の整備につきましても取り上げられておりまして、その中の平成七年度末において未着手の路線を含めまして、第二次事業化計画を策定しようというものであります。 ◯たぞえ委員 今月末にも三カ年計画が発表されますが、きょうの素案と三カ年計画はどういう整合性があるのでしょうか。 ◯成戸施設計画部長 新総合三カ年計画は、生活者の視点を重視するという基本理念のもとに、新しい生活都市東京の創造と、都民に身近でわかりやすい都政の実現を基本目標といたしまして、緊急的に対応すべき事業を中心に、平成七年度から九年度までの計画として策定されるものでございまして、この計画の中での道路の整備につきましても取り上げられることになっております。  一方、第二次事業化計画では、平成八年度以降のおおむね十年間に着手または完成すべき路線を定めることといたしておりますために、計画期間が重複いたします期間につきましては、計画の整合を図るなど、新総合三カ年計画を踏まえて策定してまいります。 ◯たぞえ委員 きょういただいているこの青コピーの道路図がありますけれども、既に全部について都市計画決定済みだということなんです。現行のアセス条例が改正された場合に、総合アセスになった場合ですけれども、これまで都市計画決定をしている計画を見直すことがあると考えてもよいのでしょうか。 ◯成戸施設計画部長 現在検討されております総合アセスメント制度は、計画立案のできるだけ早い段階におきまして、総合的な見地から環境面への配慮がなされる仕組みになっているというふうに考えております。  現在、東京都総合環境アセスメント制度検討委員会におきまして、制度化に向けて検討が進められているところでございますので、既定計画の見直しにつきましては、今後創設されます制度の内容を踏まえて、適切に対処していきたいというふうに考えております。 ◯たぞえ委員 終わります。
    ◯佐々木委員 私は、東京における公共交通網の整備に関し、当面の対策と中長期施策について伺いたいと思います。  運政審六〇七答申は、大都市東京における、西暦二〇〇〇年をめどとして輸送力の増強を行うということを主として、鉄道の混雑緩和を図るものであったと私は理解をしているものであります。この六〇七答申の計画と目標、現在の進捗状況についてお答え願いたいと思います。 ◯成戸施設計画部長 計画の内容でございますが、委員ご指摘のように、既設線の混雑緩和の推進、こういったことを柱にいたしまして、人口の外延化及びニュータウン計画等への対応、あるいは副都心機能の強化、業務核都市の育成、または空港アクセスの改善、こういったようなことを計画の内容といたしております。  それから、目標でございますが、各路線の最混雑区間におきます一時間の平均混雑度は、目標年度の西暦二〇〇〇年におきまして一八〇%程度、いわゆる体は触れ合うが新聞は読める、こういう程度を目標といたしております。  それから、進捗状況でございますが、目標策定の年度であります一九八五年、昭和六十年からほぼ十年を経過したわけでありますが、平成七年三月現在で、首都圏では五百三十二キロメートルの答申路線がございますうちで、営業中は約三四%、百八十二キロメートル、事業中が約三五%、百八十四キロメートル、未着手その他が三一%というふうになっております。このうち、都内の分を取り上げますと、約二百五十一キロの答申路線がございます中で、営業中が二八%、七十キロメートル、事業中が四〇%で約百キロメートル、未着手その他が三二%、こういう状況になっております。 ◯佐々木委員 今、計画と目標、そして進捗状況についてお答え願ったわけでありますが、未着手、さらには工事に着手しているという状況の中で、二〇〇〇年をめどということで進んでいるわけでありますけれども、なかなか難しい状況にあるわけです。  これらの六〇七答申の計画を達成していくということに当たって、当初の六〇七答申をやる背景というのがあったわけであります。都市への一極集中、そして鉄道利用を初めとした公共交通利用状況という背景がありまして、その交通需要というものは、計画した段階における状況について変更はないと現在考えているのか、変化があると今考えられているのか、また、計画達成するための今日の問題点というものはどのようなものがあるか、お答え願いたいと思います。 ◯成戸施設計画部長 まず、まだ計画の途中ではございますが、交通需要に対する見通しと現在の状況でございます。運政審で推定しております各種の人口がございますが、その中で、例えば一都三県の夜間人口につきましては、昭和五十五年に二千八百六十六万四千人でございました。今現在、平成二年の国勢調査の時点でとらえますと、三千百七十九万五千人ほどになります。こういったことで、昭和七十五年、西暦二〇〇〇年の目標を三千二百万にいたしておりますけれども、平成二年の段階で、四・八%の推定に対する増加というような数字になっております。  それから、もう一つ申し上げますと、区部の就業人口で申しますと、当初の昭和五十五年で六百二十三万四千人でございました。昭和七十五年には六百六十九万人になるだろうという見込みに対しまして、昭和六十五年、平成二年の国勢調査の現状は七百二十四万八千人、この五十五年と七十五年の中間の六十五年を平成二年の同じ数字で比較しますと、六百四十六万二千人ということで、就業人口につきましては一二%ほど増加をいたしております。  このように、夜間人口では当初の見込みに対して五%ほどの微増である、ほぼ同じような数字であるということに対しまして、バブル最盛期の平成二年の業務活動が盛んなころの就業人口では一二%ほどふえている、こういったような実態でございます。評価といたしましては、景気の動向等の問題がございますので一概に判断はできませんが、多少見込みよりも多い部分があるのかなというような感触はございます。  また、問題点でございますが、個々の路線の整備状況によりましていろいろ問題点も異なってはまいりますが、一つには、何といいましても建設費の増大という点が挙げられるかと思います。最近ではキロ当たり建設費が三百億円以上かかるというようなこともいわれておりまして、例えば営団有楽町線では約百九十億円かかりました。これは、昭和五十年から六十三年に建設した時点で約百九十億円。それから、半蔵門線では、現在事業中でございますが、三百十億円かかっている、こんなような状況でございます。  それから、二点目の問題点といたしましては、鉄道導入空間の制約などによります工期の長期化というような問題がございます。最近、開業年を延期させました地下鉄十二号線、多くの地下埋設物がございまして、その移設や防護につきまして関係者との調整あるいは移設の工事、こういったようなものに多大の時間を要しまして、これがおくれの原因になっております。また、地元調整につきましても、駅の出入り口等用地の取得の必要がありまして、十二号線もこういったような問題が一つになりまして、地元調整の原因でおくれが出ている。おくれが出れば、利子等がかさんでくる。こういうような問題で、経営にもまたはね返っていくわけであります。そういったような種々の問題を抱えて、そういう点で申しますと、経営上の問題というものが一番大きな問題ではないかというふうに考えております。 ◯佐々木委員 今、今日の鉄道輸送を中心とした問題が詳しくお話しされたわけであります。どちらにしても、当初計画と大都市における輸送状況に対する見通しとの関係においては余り変化がないという認識ですね。バブル経済下においては、個々では鉄道もバスも輸送力増大をしていて、今一割ぐらい乗車人員が減少しておりますけれども、しかし、それは当初の予測との関係の中で見れば落ち込んだ数字ではない、当初の予測から見れば、やはり引き続いて公共交通に対する輸送力というのは、微々たるものではありますけれども増加の傾向にあるというようなお話だろうと思います。また、問題点は、財政的、導入空間、地元調整など、鉄道建設、公共工事をやるに当たっての問題点が今指摘をされたわけであります。  六〇七答申は、先ほどもお答えありましたように二〇〇〇年を達成目標ということで出してきたのですが、今いったような状況下から、数年間その計画がずれていく。数年間というよりは、都の資料、さらに政府の資料を見ても、十年単位でずれるというような見通しを持つわけでありますが、さらに六〇七答申の計画達成のための事業展開というものが行われていくわけでありまして、それらの施策の展開の手法ですね、今いったような問題があったとしても、施策の展開の手法の再検討というものについては必要としないのか、そして、現在まで進めてきた手法で、これからもその六〇七答申を達成するためにやろうとしているのか、その点についてのお答えをいただきたいと思います。 ◯成戸施設計画部長 現在の目標を達成いたしますために、七号答申でも、鉄道を円滑に建設、運営するための方策といたしまして、十ほどの方策を掲げております。例えば、沿線開発計画との十分な調整でありますとか、用地取得の円滑化及び用地費負担の軽減でありますとか、建設費の低減化でありますとか、そういった基本的な問題を十項目ほど挙げておりまして、私ども、これからもこういった課題については、基本的な課題として十分対応していかなければいけないというふうに考えております。  しかしながら、これから出されます答申等を踏まえたお尋ねでございますが、二十一世紀の都市交通の整備に向けまして、例えば新輸送技術の開発でありますとか、そういった新しい施策につきましても検討をしていく必要があるというふうには認識をいたしております。 ◯佐々木委員 現在、六〇七答申の進捗状況、施策の展開についてのお話があったわけでありますが、原則的には、計画した当初の手法、そして背景というものについて変わらないし、また、そういう当初計画、当初の施策の展開どおりにやっていこうということなんですけれども、現実には幾つかの問題についてつまずいているし、そのことがこの当初目標を大きくずらしているということになるわけですね。  蛇足ですけれども、私、三年続けて上海に行ってまいりまして、中国における上海市での高速化の高架道路、さらには地下鉄建設の進捗状況、建設計画の問題について見てまいりましたけれども、当初五カ年計画を、黄埔江の橋の建設にしても、地下鉄建設にしても、道路建設にしても持っていた。それが、三カ年計画ですべて達成するという状況になっているわけですね。五年計画であったものが、日本の場合、東京の場合には、七年になり、十年になる。上海においては、五年が三年になるということになる。その原因はどこにあるのか。技術の差であるのかといえば、技術はやはり我が国の方が進んでいるわけでありますから、技術的な面ではない。それ以外の部分ですね、そこにこの要因があるというように私は思うわけであります。  そういう面で、六〇七答申による進捗状況、施策の展開について今示されてきて、ポイントは何であるのかということが明らかになっていると思うわけでありますけれども、しかし、東京がさらに都市として、快適な都市生活を営んでいく、都市活動を展開していくということのためには、六〇七答申がずれ込んだとしても、さらに、それを受けて先へ展開をしていくという計画がやはり求められてくるわけであります。そういうように私は判断しております。  政府は、国民一人一人が豊かさを実現できる、そのために生活大国というものを築いていくんだ、こういうことを、スローガンとしても、政策の大きな目標としても出しているわけであります。その中で、生活大国、特に大都市における豊かさ、ゆとりということをやっていくためには、鉄道の混雑問題を解決していくということが大きな施策の一つとして挙げられているわけです。  そういう面で、この視点に立っていくとするならば、次期計画の目標と視点というものも、なおかつ、六〇七答申を受けて、先への展望というものを必要としていると思うわけでありますが、この点について、次期計画への目標と視点というものはどのようなものであるのか、想像されているとするならばお答え願いたいと思います。 ◯成戸施設計画部長 次期計画の目標と視点につきましてお答えいたしますが、現在、次期の運輸政策審議会答申に向けましての具体的な作業が開始されております途中でございます。こういった時点では具体的にお答えしにくい面が多少ございますが、東京都といたしまして、ソフト、ハード両面にわたる多くの課題があるというふうに考えているわけであります。  先ほども一端に触れましたけれども、例えば、都市構造の再編への貢献、これは東京一極集中の問題を考えますと、多心型都市構造を誘導するための路線網の形成というものは、依然として大きな役割があるだろうというふうに考えます。また、先ほど来話の出ております通勤通学混雑の緩和、これは、これからの大都市のあり方といたしまして、生活都市優先の都市づくりの観点から、快適性を備えましたゆとりのある公共交通、こういったようなものを実現していくためにも欠かせない視点だろうというふうに思います。  それからもう一点は、公共交通の不便地域の解消、これからの大都市東京のゆとりのある都市生活、こういったようなものを夢見た場合には、こういった視点も欠かせない問題ではないかというふうに思います。  また、従来からの視点でもありますが、広域拠点へのアクセスの確保、空港、新幹線など、東京がこれからもなおかつ世界都市として大きく発展をしていくためには、こういった視点からの交通の整備というものも欠かせない視点ではないかと思います。  最後にもう一つ挙げさせていただきますならば、人と環境に優しい交通網の整備ということで、今現在、あちこちの駅等でも、ハンディキャップを持つ方々が快適に自由に移動できるような空間の整備、公共交通等へのアクセスの整備というものがなされておりますが、そういった、人と環境に優しい交通網の整備というものも欠かせない視点ではないかというふうに考えている次第であります。 ◯佐々木委員 ちょっと抽象的であったと思うんですけれども、鉄道と道路の計画を見てみれば、鉄道計画は、六〇七答申で二〇〇〇年を目標とすると。ずれたとしても十年間ぐらいのずれ幅の中で、今進捗している。その先の問題を、今日の段階で、もう行政レベルのところでは議論していかなければならない。その目標、サービス水準というものはどうであるのかということについて、都市計画局の見解を聞いたわけです。  道路との関係を見れば、今出されました第二次の多摩地域の道路計画、この道路計画の素案というものは、その背景とその必要性というものが具体的に説明され、あるわけですね。このことの完成年次を問えば、これは、西暦二〇〇〇年の十年から二十年というスパンというものを想定をして出されているというふうに私は思うわけです。そうしますと、鉄道の問題に対する認識なり具体的な対応というものは、道路の問題から見れば少しおくれているんじゃないかという感じがする。逆にいえば、政府の方で出してくることを待つという姿勢になっているんじゃないかと思うわけです。  六〇七答申は、大都市における公共交通網、鉄道網の整備というものは、まさに東京法といってもいいほど東京の対策として出されているわけでありますから、東京都自体が、具体的にそういう問題についてしっかりと政策的にも提言をしていく、見据えていくということが必要である。とするならば、もう文書でも、または具体的な提言でも出ているように、次への目標は、混雑率は一八〇%から一五〇%というように出しているわけですね。  私は、典型的な今日の都市における鉄道の輸送のサービス状況について申し上げたいと思うんですけれども、JR山手線で開発された列車で、今、ある列車は朝の十時まではいすが全部立っていて、全部立ち席の列車サービスが行われているということですね。これは、混雑率がピークに達していくその混雑率を、より乗客を乗せることによって床面積を確保して、輸送力を確保しようという方策で生まれた列車ですね。  先日、都営地下鉄一号線に乗ってまいりました。都営地下鉄一号線に乗ったら、京浜急行の快速列車が入ってきた。その快速列車は、いわば湘南列車と同じかそれ以上のサービスを持った列車が編成されているわけですね。しかし、その列車はラッシュのときに入ってこない。やはり現状を示し、将来を示しているというように私は思うわけです。考え方としては、もう現実にそういう問題が導入されてきているということであるとするならば、次への目標というものは、もう行政としては出していかなくちゃならないのではないかと思っているわけです。  そういう面で、この運政審答申は大都市における鉄道サービスを出したわけでありまして、今日出された三つの圏域、いわば東京圏、大阪圏、名古屋圏、特に大阪圏、名古屋圏の混雑状況を、今日の段階でどのような状態になっているか、お答え願いたいと思います。 ◯成戸施設計画部長 平成五年度の時点でございますが、ラッシュのピーク時一時間の混雑率でございますが、平均の混雑率で申しますと、大阪圏が一六六%、名古屋圏が一七三%であるのに対しまして、我が東京圏は一九七%というような数字になっております。 ◯佐々木委員 逆じゃないの。大阪圏と名古屋圏では、大阪圏の方が混雑率が高いと思うんですね。まあ、いいです、大阪圏の方が高いだろうと……。  今、東京で行われている輸送力増強策の中で、既存の私鉄輸送の場合には、列車の編成を増大していく、八両編成を十両編成にするということが行われていっているわけです。しかし、八両編成を十両編成にしたとしても、列車編成を許容するホーム幅がないと、これはなかなかできない。次の方法としては、ダイヤ編成を増大させていくということですね。そのことによって、列車のヘッドが一分三十秒ないし二分ヘッドになっていく。そのことによってどういう状態が生まれてくるかというと、列車の運行速度が物すごく低下をしていくということです。私の利用している西武池袋線の大泉学園から池袋まで、ラッシュのときの準急列車は約二十四、五分かかる。列車の普通の運行時間は十三分ですから、倍かかっていくわけであります。そういうように、列車編成を増大をさせていくということは、運行ダイヤを激しく、速度を減少させるというものを生み出してしまうわけであります。  そういう面で、新線建設、複々線化計画というものが生まれていっているわけでありますけれども、次への展開は、そういうようにいかに輸送するかということよりは、いかに快適通勤を確保するかということを考えていったときに、その視点に立っていきますと──通勤輸送でのこれまでの議論では、通勤距離が長くなっていくということで、その長いものをいかに短縮させるかということですね。短縮させる方法としては、やはり列車スピードを上げていく、複々線化して中間の駅をなくしていくということが行われている。その典型が常磐線だろうと思うんですね。そういう状態でやってきたわけですけれども、やはり通勤における疲労度というものもしっかりと認識しておかなくちゃならないと思っているわけです。定員が一〇〇%での一分間の移動時間を基準にいたしますと、二五〇%の列車の混雑率では、その一分間に対してプラス一分二十秒が移動体感として体験をするということになるわけであります。ですから、一〇〇%では一分間の移動が、二五〇%は二分二十秒の体感時間になる。それが、先ほど申しましたように列車の運行の速度がおくれていく、倍になっていくということになれば、四倍にこの体感時間がなっていくわけでありまして、通勤距離が短くなったとしても、列車運行速度、そして混雑率によって、実質的な通勤時間は長距離化していくということを生み出しているわけであります。そういうことも含めて、次への展開というのはやっていかなければならないというように思います。  これらの状況の中において、やはり事業者での鉄道投資に対する財政余力というものについては、もう限界が来ているというように思うわけであります。先ほど幾つかの問題点が出されました。今日、政府並びに地方公共団体等々で、鉄道輸送に対する輸送力増強策への具体的な支援策というものがどのような形で行われているのか、具体的にお答え願いたいと思います。 ◯成戸施設計画部長 現在、政府あるいは自治体が実施しております支援策についてでございますが、一般に鉄道整備は、利用者からの運賃収入によりまして費用を償還する方式で行われてきたわけでありますが、ご指摘いただきましたように、利用者の負担だけでは限界がありまして、現在、国及び自治体が一部を補助、助成しております。  現在のその助成制度の主なものを申し上げますと、一つには、地下鉄建設等で行われております地下高速鉄道建設費補助金というのがございます。これは、補助対象建設費の七〇%、国と地方公共団体がおのおの三五%ずつ補助をする、こういう制度であります。二点目といたしましては、地下鉄でありますとか、あるいは常磐新線などに適用されておりますが、都市鉄道整備費無利子の貸付金ということで、国と自治体が建設費の四〇%を無利子貸付いたします。また、ニュータウン等に関します鉄道につきましては、ニュータウン鉄道建設費補助金がございまして、補助対象建設費の三六%、これを国と地方公共団体が半々、一八%ずつ補助する、こういう制度であります。それから四点目に、貸付線及び譲渡線の建設費等利子補給金という制度がありまして、これは私鉄の新線に適用されるものでありますが、貸付線につきまして、いわゆるCD線と申しておりますが、五%を超える部分につきましての利子補給、また、譲渡線、いわゆるP線につきましては、五%を超える部分を二分の一ずつ、国と地方公共団体が半分ずつ利子補給をする、こういう制度でございます。  こういった制度がございますが、このほかにも、特定都市鉄道整備積立金制度というのがありまして、利子のかからない資金を、運賃を通じまして利用者から前倒しという形で工事費の一部に充当するという制度であります。大手民鉄ではこの制度を利用いたしまして、輸送力増強の工事を促進しているところであります。 ◯佐々木委員 輸送力増強策の最大の鉄道輸送サービスは、今、新線、複々線化計画ということになっているわけであります。問題は、今お答え願いました一番最後の部分ですね。新線を建設する、複々線化をするという場合には事業主負担になっているわけであります。事業主負担では、当然事業主は複々線化、新線建設は行わない。そこで、誘導策として、今、特特基金制度、前倒しをして、先に運賃に六%上乗せをして行っていく、それを建設費用の四分の一に充てていきたいということで進んでいるわけです。そこの部分に対しては、政府も、それから地方公共団体も財政投資しないということですね。利用者からお金をもらって、それで事業者が新線建設するというようなことでありますから、西武新宿線の計画撤退というような部分は、主としてそういうようなところにあったし、東京都なり国なりが、あそこの輸送力増強策に対する具体的な建設計画に対して物がいい切れないというところにあったのではないか。そういう弱点が、真の輸送力増強策を展開するに当たっての今日の財政的な対応策についての問題点というのを持っているというように思うわけです。そうしますと、今のこの施策の展開では、ゆとりある、豊かさを求めた快適通勤を輸送力として確保する施策の展開には、でき切れていけないのではないかというように私は思っているわけです。  そういう面では、部長、先日ヨーロッパへ行ってきたようでありますけれども、欧米における公共サービスの置かれた状況というのはもうわかっていますね。そのようなことは、やはり不可能に近い。これから一五〇%輸送サービスを展開するということをやっていくためには、大阪圏で約七千七百億円が必要だと。東京圏においてはどのぐらいが必要というように考えられているのか、お答え願いたい。 ◯成戸施設計画部長 混雑率一五〇%を達成するのに必要な路線選定の検討、これは現在行っていないわけであります。現在のところ一八〇%を目標としておりますために、一五〇%達成のための具体的な投資費用は私どもの方では現在手元には持っておりませんが、例えば、一八〇%を目標といたしました運政審の七号答申の未着手路線、これを中心とした当面の投資額といたしましては、平成六年度の単価で試算いたしますと、都内分だけで二兆五千億円は超えるというふうに推定をいたしております。そのため、混雑率一五〇%を達成するためにはそれ以上の投資額が必要になるというふうに推定できるところであります。 ◯佐々木委員 時間がありませんから、はしょらせていただきたいと思うんですが、鉄道輸送サービスに対しては膨大な投資が必要である。要するに、目標値というものは言葉の世界で掲げることができるのですけれども、現実的には大変な状況である。それが今の施策の展開、そして鉄道を建設するに当たっての幾つかの問題点、そういうものをクリアしていくためには、私は、抜本的な鉄道建設に当たっての体制を転換していかなくちゃならないというように思っているわけです。  そういう面で、このそれぞれの分野、整備主体の問題であるとか、鉄道事業者のあり方の問題であるとか、利用者の運賃に対する問題であるとか、関連利益受給者の対応とか、事業者、地方公共団体、国の対応とか、さまざまな問題を総点検をしていかなくちゃならない、その中で、財源をどう生み出していくのかという大きな問題を一つは持っている。  と同時に、もう一つは、現在の法体系の中での手法ではもう限界が来ているのではないかと私は思うわけであります。そういう面では、議論としては、表に出るときがあり、または沈み、幾つかの問題がある。または、今回の西武新宿線の問題の中で、環状七号線の下を通過させるに当たっての深度の問題との関係の中で幾つかの問題が出されてくる。さらには、道路建設においても、この鉄道建設においても、同じような共通項を持っているわけであります。  そういう点では、思い出されたように出てくる大深度法ですね、この検討が政府の段階においても進められようとしている。そのための調査会の設置などが、そういう中で生まれてくるという状況になっているわけであります。大深度法は、まさに東京のインフラ法ともいうべき問題ではないかと私は認識しているわけです。とするならば、やはり東京都はこの問題について真剣に対応して検討していく、そして政府に対して提言をしていくということが必要であるというように私は考えるわけであります。  そういう面で、二十一世紀のあるべき東京の交通の中心の鉄道、道路の配置対応の主導的な部分、そういう面で、大深度の問題について、どのようにこれを検討する必要があると考えているのか、そのための準備をどういうようにしようとしているのか。特にその準備については、プロジェクトチームを組んで検討に着手していただきたいということを申し上げたいと思うわけであります。この点について、しかるべき責任の立場からお答えを願いたいと思います。 ◯成戸施設計画部長 ご指摘の大深度法に関します検討の状況から概略ご説明を申し上げますと、臨時大深度地下利用調査会設置法が平成七年の八月に施行されまして、この法律に基づいた臨時大深度地下利用調査会が総理府に設置をされております。この調査会では三年後をめどに答申をまとめるというようなことで、第一回の調査会が十一月に開催をされたというふうに聞いているところであります。  こういった大深度法に対する国全体の法制度からの取り組み、こういったようなものがあるわけでありますが、私ども稠密市街地である東京都におきましては、こういった大深度地下を鉄道に活用することにつきまして、法制度上の今検討されております問題のクリア、あるいは工法的にも、非常に深いところに駅ができるというような技術的な面があります。また、そうなりますと、将来、維持管理するコストも大きな面があるというようなマイナス面があるわけでありますが、これに基づいて、用地の取得費が非常に低減されるというようなメリット、あるいは関係者との交渉も従来の権利体制よりは比較的スムーズにいくだろうというような、そういったメリットもあるわけであります。  そういったところで、私どももこの調査会の動向を非常に注目を持って見ているわけでありますが、こういった国の動向も考慮しながら、都が現在行っております調査の中で、大深度を活用しました新規路線の可能性につきましても検討していく必要があるとは考えております。関係者の協力も得ながら、こういった問題にも取り組んでまいりたい。その中でどういうような動きになるか、今後の方向にまつところが多いわけでありますが、新しい動きの一つとして、私どもも関心を持ってまいりたいというふうに考えております。 ◯佐々木委員 最後に、今の部長の答弁で大方いいのですけれども、私は、先ほどから申しましたように、政府の出している六〇七答申でも、新たに検討されようとしている問題であっても、東京圏というものを視野に置いて──東京圏以外には、適用すべきような状況の地域というのは存在しないわけですね。ですから、まさに東京ということを想定をしてそれぞれ検討されているわけであって、積極的に東京都がこれらの問題について取り組んでいく。財政的にも、今慎重な答弁をされましたけれども、私は、現在の法体系と支援体制の政策の枠の中ではもうできないというように思っているわけです。それを変更しなくちゃならない。そして同時に、そのことを事業展開するに当たっての法の整備も抜本的に変えていかなくちゃならない。そういうような大きな転換を達成していかなければ、この六〇七答申も達成されていかないだろうし、新たな次への展開へも行かないだろうということをいっているわけです。  ですから、そういう点については、国に対して遠慮しないで、東京のまちづくりは東京が具体的に政策を出していく、そういう気概を持っていかなくちゃならない。このことは、私は本会議でも私の見解として述べておきましたけれども、最後に、この点、局長か技監、お答え願いたいと思います。 ◯木宮都市計画局長 先ほど来、六〇七の運政審答申をどういうふうに実現するかということで、事実関係から、十年ぐらいおくれるのではないかということも含めて、専門的にいろいろご質問いただきました。財源の問題が一番大きな問題である、さらに工法的にもかなり行き詰まっていて、最後に、大深度法の関係のご質問をいただきました。  私どもとしましては、現在、対政府要望、予算要望等で、各省に対していろいろな角度からのご要望も申し上げているところでございます。  この鉄道の関係の問題につきましても、六〇七の運政審答申につきまして、未着手の路線の早期整備であるとか新規路線の整備、それを積極的に図っていくことは当然でございますけれども、そのほかにも、いわゆる混雑対策として、ソフトの対策等につきまして、例えば時差通勤であるとか、そういう問題の取り組み、また、従前からこれは別の角度で進めておりますけれども、一極集中の是正ということで副都心の整備であるとか、そういう総合的な対策等も含めて、種々ご質問いただきました点も含めて、今後努力してまいりたいというふうに思っております。 ◯足羽委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。  本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思います。ご異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ◯足羽委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。  以上で都市計画局関係を終わります。  これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。    午後三時三十二分散会...