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  1. 東京都議会 1995-11-21
    1995-11-21 平成7年文教委員会 本文


    取得元: 東京都議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-14
    午後一時七分開議 ◯工藤委員長 ただいまから文教委員会を開会いたします。  本日は、教育庁の事務事業に対する質疑を行います。  これより教育庁関係に入ります。  初めに、過日の委員会において紹介できませんでした幹部職員について、市川教育長から紹介があります。 ◯市川教育長 公務出張のため、過日の委員会に出席いたしておりませんでした教育庁の幹部職員をご紹介申し上げます。  福利厚生部長の田中康弘君でございます。指導部長の買手屋仁君でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。    〔理事者あいさつ◯工藤委員長 紹介は終わりました。      ───────────── ◯工藤委員長 これより事務事業に対する質疑を行います。  本件につきましては、既に説明を聴取しております。  その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。  資料につきまして理事者の説明を求めます。 ◯齋藤総務部長 過日の委員会でご要求のございました資料につきましてご説明を申し上げます。  お手元の文教委員会資料事務事業説明要求資料の目次をお開き願います。  今回ご要求のございました資料は、公立中学校卒業者進路状況の推移(過去十年間)など十六件でございます。  それでは、一ページをごらん願います。公立中学校卒業者進路状況の推移(過去十年間)でございます。  昭和六十年度から平成六年度までの十年間につきまして、公立中学校の卒業者の進路状況を、進学者、専修学校等入学者、就職者、無業者及び死亡・不詳に分けてお示ししてございます。平成六年度の卒業者のうち、進学者は九万六千四百五人で、進学率は九六・三%でございます。  二ページをごらん願います。高等学校就学計画及び実績の推移(過去十年間)でございます。
     昭和六十一年度から平成七年度までの計画と実績をお示ししてございます。  なお、計画の作成の方法でございますが、都内公立中学校卒業者数の推計を計画卒業者数とし、それに公私連絡協議会で決定されました計画進学率を乗じたものが進学者の計画数でございます。  三ページをごらん願います。公立中学校卒業予定者の推計(平成七年度から平成二十年度)でございます。  平成七年度から平成二十年度までの卒業予定者数をお示ししてございます。  なお、注2にありますように、平成七年度以降の卒業予定者は、平成七年度教育人口等推計調査によります公立中学校三年生数の推計でございます。  四ページをごらん願います。平成七年度都立高等学校学級当たり生徒数でございます。  全日制につきましては普通科や商業に関する学科などの学科別に、また、定時制につきましては全体を一つにして、それぞれ学級数、生徒数及び一学級当たり生徒数をお示ししてございます。  五ページをごらん願います。都立高等学校の生徒数の推移(過去五年間)でございます。  平成三年度から平成七年度までの全日制、定時制及びその合計の生徒数の推移をお示ししてございます。この推移をグラフにしましたのが下の表でございますので、ご参照いただきたいと存じます。  六ページをごらんいただきたいと存じます。都立高等学校の予算額の推移(過去五年間)でございます。  平成三年度から平成七年度までの高等学校及び高等専門学校の職員費と事業費及び生徒数の推移をお示ししてございます。五ページの資料と同様、この推移をグラフ化してございますので、ご参照いただきたいと存じます。  七ページをごらん願います。肢体不自由養護学校重度重複学級数及び児童生徒数でございます。  平成七年五月一日現在の重度重複児童生徒数重度重複学級措置数及び措置数との差をお示ししてございます。  八ページをごらん願います。肢体不自由養護学校における重度重複学級措置率でございます。  肢体不自由養護学校の学校数、学級数、児童生徒数重度重複学級の措置率、一学級当たり児童生徒数配置教員数、教員一人当たりの生徒数を、それぞれ他の道府県と比較してお示ししてございます。  九ページをごらん願います。病院に入院している児童生徒教育実態でございます。  病院に入院中の児童生徒を、病院内教育を受けている者と病院内教育を受けていない者に分け、さらに病院内教育を受けている者を、病弱学級、分教室及び訪問教育に分けてお示しをしてございます。  一〇ページをごらん願います。  平成七年度都立盲・聾・養護学校スクールバス運行所要時間でございます。  各学校のスクールバスの運行に要します時間について、最短と最長の運行所要時間をお示ししてございます。  なお、注にございますように、一校一コースのみの学校についてはその所要時間でございます。ちなみに、最短は多摩養護学校の三十五分、最長は葛飾盲学校の百五分となっております。  一一ページをごらん願います。寄宿舎の男子指導員配置状況の推移でございます。  寄宿舎のある盲・聾・養護学校の男女の寄宿舎指導員配置状況を、平成三年度から平成七年度までの五年間について学校別にお示ししてございます。  一二ページをごらん願います。盲・聾・養護学校寄宿舎整備状況と今後の予定でございます。  盲・聾・養護学校寄宿舎十二舎の建築年度、面積、構造等の整備状況と、備考欄に今後の整備予定などをお示ししてございます。  一三ページをごらん願います。公立小中学校及び都立学校における建築後三十年以上経過した校舎の状況でございます。  建築後三十年以上経過した学校につきまして、建築後の経過年数別に四区分に分けてお示ししてございます。ちなみに、高等学校で六十年以上経過した学校三校は、日本橋高等学校深川商業高等学校港工業高等学校で、これらは小学校を転用した校舎でございます。  また、注1にございますように、一つの学校に建築年度の異なる棟がある場合には、最も古い棟の建築年度を表示してございます。  一四ページをごらん願います。公立小中学校及び都立学校校舎耐震診断実施状況、診断結果及び耐震補強工事実施状況でございます。  全棟が新耐震基準に基づき建設された学校数及び耐震点検対象建物を保有する学校数、耐震点検対象建物を保有する学校のうち耐震診断を実施した学校数、さらに、耐震診断を実施した学校のうち耐震性を有する学校数及び要補強、要改築建築物を保有する学校数をお示ししてございます。  一五ページをごらん願います。学校週五日制の実施状況でございまして、次の一六ページまで二ページにわたっております。  まず一五ページですが、上段には小中学校における授業時間数確保のための方策を、下段には高等学校における週当たり授業時数を、それぞれ平成五年度と平成七年度の比較でお示ししてございます。  授業時数を確保するために、小学校においては他の曜日に振りかえるが多くなっており、中学校では学校行事の見直し、精選が多くなっております。  また、高等学校におきましては、週当たり授業時数を、全日制では三十二単位時間に、定時制課程では二十二単位時間にしている学校が多くなっております。  一六ページをごらん願います。上段には、平成五年六月に調査いたしました、休業日となった土曜日の午前中の過ごし方を、下段には、平成七年六月に調査しました、土曜日及び日曜日の過ごし方をお示ししてございます。  平成五年の土曜日午前中の過ごし方についての調査では、趣味の時間に充てたり休養に充てたりする児童生徒が多いという結果になっております。  また、平成七年の休業日の過ごし方を見ますと、読書やテレビ、趣味、勉強をした、買い物に行ったとする児童生徒の割合が高くなっております。  一七ページをごらん願います。入学式、卒業式の国旗掲揚国歌斉唱の実態でございます。  過去九年間の入学式及び卒業式における国旗掲揚国歌斉唱実施状況を、小学校につきましては一七ページに、中学校につきましては一八ページに、高等学校につきましては一九ページにそれぞれお示ししてございます。それぞれ上段は卒業式、下段は入学式の実施状況でございます。  以上で、簡単ではございますが、ご要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。 ◯工藤委員長 説明は終わりました。  ただいまの資料を含めまして、事務事業に対する質疑を行います。  発言をお願いいたします。 ◯黒須委員 いただきました資料によりますと、高校入学予定者は今後も著しく減っていくということでございまして、今後十年間で三〇%減るであろうという、あるいはまた、十五年間では三分の二になってしまうというような数字をお示しいただいたわけでございますけれども、そういう中で、まず都立高校の統廃合というものは、私は避けられないんじゃないかというふうに考えています。また地元でも、私は八王子でございますけれども、あの学校は廃校になるんじゃないかというようなうわさが飛び交ったり、事実しているわけですけれども、そういう点についてどんなふうにお考えになっておられるのか。  また、そういう状況の中で、公立、私立を問わずそれぞれ学校が、いうならば生き残るための努力というものをしておりますね。これは公立でも同じような考え方のもとに、それぞれ学校の限られた範囲というものもありますけれども、特色をつくっていくというようなことも大事なことじゃないかと考えているんですけれども、そういう点についてどんなふうにお考えになられているか、まずお聞きしたいと思います。 ◯加島学務部長 先生ご指摘のとおり、今後、長期にわたりまして公立中学校の卒業生は減少してまいります。そうしますと、各都立高校に入る生徒の数が少なくなってくるわけでございますので、おのずからそれぞれの学校が小規模化していくということが見込まれているわけでございます。そうした小規模校においては、よい面もございますけれども、また他方で、活力を失う、教育効果が損なわれてくるということもございます。  したがいまして、先生お話しの統廃合が一つの課題になってまいりますので、私どもといたしましては、これから長期構想をつくってまいりますが、今後、適正規模、適正配置につきましては、その中で検討を行ってまいりたいと考えております。  第二点の、個性化あるいは特色化を推進すべきではないかというお話でございますが、現在、都立高校に学ぶ生徒の多様化というのは相当進んでおります。これは時代的背景もあるかと思いますが、生徒の個性、興味、関心、随分違っております。  したがいまして、従来のともすれば画一的な教育を行っていたところを、今後は多様な、あるいは弾力に富んだ教育を行う必要があるというふうに考えておりまして、これまでも新しいタイプの高校とかコース制、あるいは教育課程の特色化というようなことも進めてまいったところでございます。今後もそうした特色化、個性化を進めまして、魅力ある都立高校をつくってまいりたい、このように考えております。 ◯黒須委員 わかりました。  続きまして、定時制高校についてお尋ねをしたいと思います。  定時制に対する時代のニーズというのは、現在、那辺にあるのか。  また、現在、定時制は百九校あるそうでありますけれども、そのうち百三校は全日制との併置校というふうにお聞きをしているわけでございますけれども、現在の設置形態というものが、現状、ベストかどうか。私は、その点非常に疑問を実は感じているんですけれども、まず、その点についてどんなふうにお考えになっているのか。  昭和二十三年ですか、勤労少年の教育の場として定時制が設置されたというふうに伺っているわけですけれども、その定時制高校が有為な人材の育成のために大きな役割を果たしてきたということは、私も認識をいたしております。しかし、現在、経済あるいは社会環境の変化の中で、定時制の置かれている役割というようなものも、あるいは期待されているものというようなものも大きく変わってきているんじゃないかというふうに思うんですけれども、そういう点でお尋ねをしたいと思います。  現在、定時制高校に通う生徒数はどのくらいなのか、また、ピーク時と比較してどのように現状変わってきているのか、まず、そのことをお伺いしたいと思います。 ◯加島学務部長 定時制の生徒数でございますが、定時制の生徒が最も多かったのは昭和四十年度でございました。五万四千五百七十一人が在籍いたしました。現在、平成七年度でございますが、一万四千二百人と大幅に減ってございます。 ◯黒須委員 確かにピーク時に比べれば激減をしているわけでございまして、先ほどご説明いただいた資料においても、十年間を見ても、生徒数が三分の二になっているんですけれども、定時制に通う生徒さんというのは半分以下になっているわけです。そういう中で、定時制に通う生徒が多様化をしているというようなことを最近よくお聞きをしているわけですけれども、どのような生徒が在籍をしているのか。それから、その少年たちの定時制に学んでいる目的というものは何なのか、この辺、お聞きをしたいと思います。 ◯加島学務部長 かつての定時制に学ぶ生徒は勤労青少年というふうにいわれておりまして、経済的に困難なため、勤労もしながら定時制に通う、定時制で勉強する、そういう勤労青少年でございましたが、現在の定時制ではそのような生徒が随分と減ってまいりまして、全日制になじめないために、中途退学して改めて定時制に入ってくるような生徒、さらに、不登校であったけれどももう一度定時制で学びたいというような生徒、そしてまた外国人、さらに、過去に高校教育を受ける機会に恵まれなかった年長の社会人というような方が入っております。  そして昭和四十年度、先ほどの例でございましたが、定時制の一年生でございますが、入学者の八八%は勤務を持っていた。現在は、それが約一〇%になっているというような状況がございます。  それから、彼らの定時制に学ぶ目的でございますけれども、一つは、高校の卒業資格を得て、より自分に適した職業につく、あるいは大学に入る、あるいは上級の学校に進むということが大きな目的になってございます。  もう一つは、よく社会人が、一部科目履修生というような形でおいでになる場合があるんですが、これは、高校において高校の教養を身につけたいということでおいでになっている、そのように理解しております。 ◯黒須委員 全日制と定時制の併設をされている学校、これは全定併置校というそうでありますけれども、当時、昭和二十三年というんですけれども、全定併置というのはどのような考え方のもとに設置をされたのか。  それから、現状、全定併置校というのは、全日制と定時制の間でいろんな問題があるというふうに私は思うんですけど、そういう中で、どのような問題があって、それらの問題にどう対応しているのか、お聞きをしたいと思うんです。  私が定時制の問題を取り上げましたのは、私が卒業した学校が全定併置校なんですね。朝晩そこを通っているわけですけれども、余りにも昼と夜の顔が違い過ぎるんですね。かつてはそういうふうに感じなかったんです、やはり夜は夜で、今お話ありましたような、そういう目的というものもきちんと理解できましたし。ただ最近では、ちょっと夜のを見たときに、ごらんになっているかどうかわかりませんけれど、学校周辺あるいは校門付近を見ましても、余りにも昼と夜の顔が違い過ぎる。とても高等学校の校門付近といいますか、学校の──いずれにしても、環境が違い過ぎるわけですよ。おわかりいただけるんじゃないかと思いますけれどね。なかなか申し上げにくいんですけどね。そういうところで、どうもこれは全日制と定時制を一緒にしておくことがいいことかどうかということを、極めて素朴に疑問を実は感じたわけなんです。今ご説明、ご答弁いただいたように、定時制は定時制なりの目的というのが、当時と違ってきているというふうに思うんですね。  また、学校にいろいろお話を聞いてみても、例えばクラブ活動なんかでも、時間の制限があって、十分な活動ができないというようなことも現実にあるわけですね。そういう点で、少し考えた方がいいのじゃないかということを私は感じているんですけれども、先ほどお尋ねしたように、今、具体的にどういう問題があって、それらについてどう対応されているのか、お聞かせいただきたい。 ◯加島学務部長 全定併置校を置いている理由でございますけれども、全都的に定時制高校もバランスよく配置していく必要がある、また、施設利用上の活用を図るというような理由があって全定併置ということで、現在のような形がとられているわけでございます。昼間、全日制が使い、夜、定時制が使うということでございますので、そこのはざまといいますか、時間の接点といいますか、そこでいろいろ問題が起こってまいっております。現在の定時制の生徒は必ずしも職業を持っておるわけではございませんので、職場が終わってから登校してくるということではございませんで、全日制の課程が終わる前に既に登校されているというようなこともございます。  また一方で、先ほど副委員長ご指摘の、クラブ活動を全日制の生徒がやっている最中でも、もう定時制の時間だということで打ち切らざるを得ないような状況、あるいは学校管理の上で、昼間の管理と夜の管理というふうに分かれますので、清掃であるとか、場合によっては盗難であるとか、それがどちらの責任の範疇に入るのかというような問題もございます。  現在は、その対応策といたしまして、その都度、時間の使い方については全定で話し合いを持つ、あるいは片方が夜までかかる、あるいは片方が昼間から行う必要があるような文化祭のような場合は、全日制の生徒あるいは定時制の生徒がその期間、登校を遠慮するというような取り決めを行っているところもございます。 ◯黒須委員 今おっしゃられたような問題のほかにも、現実に全日制の方は、定時制をほとんど──生徒さん同士も、同じ学校というふうに思ってないようなところがあるんですね。定時制の方に聞いても、名前は同じだけれども全然別の学校だというふうに感じていられる。ですから、同窓会なんかでも全然別、一緒にはならないというような実態というのもあるんですね。そんなことを考えると、定時制の役割も変わってきたのじゃないかなというふうに私は実は感じておるわけなんです。  平成三年度というふうにお聞きをしているんですけれども、開校した単位制の新宿の山吹高校、これについて私は今大変関心を持っているんですけど、今度、行政視察でぜひ私は見にいってみたいなと思っているんですが、大変人気があるというふうに聞いているんですけれども、どういう点が生徒さんたちに受け入れられているのか、すなわち人気があるのか。  それから新宿山吹高校と全定併置校の応募状況についてはどんなふうになっているのか、お聞かせください。 ◯加島学務部長 新宿山吹高校は、今お話ございましたように、人気があるというふうに私どもは考えておりますが、その一つは、多様な科目を設置しておりまして、自分のペースに合わせた時間割が編成できるというようなこと。あるいは在籍以外の部科、通信課程、生涯学習講座との併習によって三年で卒業できる、そうしたことが可能であること。そしてまた、修得した単位及び在学した期間に応じて入学ができる、二学年以上に単位を持って入学をしてくることができるというような、弾力性を持っているところが人気の秘密ではないかというふうに思っております。  応募状況でございますが、定時制高校全般で申しますと、募集人員が五千六百四十人、平成七年度はございました。それに対して、最終的に手続をした人は三千五百四十四人ということで、かなりの程度、欠員が出ている状況がございます。それに対して新宿山吹高校の場合は、募集人員が二百四十人でございまして、それに対して入学手続者が二百六十二人ということで、定員をオーバーして入学しているような状況がございます。 ◯黒須委員 今のご答弁でも明らかなように、やはり多様化している、そしてまた、そのニーズに山吹高校は一定程度こたえているというあかしだと思うんですね。定時制課程の生徒さんの内訳では、勤労青少年というのが実際に減ってますよね。そういうことを考えると、定時制というのは夜間に限らなくてもいいんじゃないかというふうに思うんですね。今後、中学校の卒業者が激減をしていくわけですから、そういう点では既設の高校の校舎というものを活用して、定時制を独立させるという方向ですね。そして、昼間の定時制単独校、これを増設すべきじゃないか。これが時代の変化というものに、いうならば時代のニーズというものに対応した措置、私はそんなふうに考えるのですけど、いかがでしょうか。  また、場所ですけど、私は多摩地区でありますから、ひとつ多摩地区にもぜひ考えていただきたいというふうに思いますけれども、あわせてお答えをいただきたいと思います。  いただいた時間ももうございませんので最後になりますけれども、定時制ということだけではないんですけど、一般的に、今九五%前後の進学率になっているわけですね。高校というのは、いうならば準義務教育化しているわけですよ。これは多分、世界でも例がないんじゃないですか。世界でも例がないということは、それが適切なのかどうかという角度からも考えなきゃいけないと思うんです。それぞれの個人の個性とか能力というようなものはいろいろ違っておられるわけですけど、もう十五歳から十八歳というのは、それを引き出す大事な時期なんじゃないかというふうに思うんです。画一的な教育ということよりも、それぞれの個性あるいは能力というものを引き出せるような大事な時期なんじゃないか。また、そういう教育をする時期なんじゃないかというふうに思うんです。  ですから、そういう点で、今の高校教育のあり方というようなものもあわせて検討する時期にあるのじゃないか。長期構想というようなお話が冒頭ございましたけれども、例えば晴海の総合高校というのが今度開校するんですが、いろいろ内容を伺っているんですけれども、これも、そういう新しい時代に対応できるような体制の高校じゃないかというふうに思うんです。もっと積極的にそういう検討をしていただく時期なんじゃないかと思いますけれども、これもあわせて最後にお尋ねをして、終わります。 ◯加島学務部長 定時制の問題でございますけれども、現在、定時制の役割は、かつてとは大きく変化しているだろうというふうに考えております。依然として定時制は勤労青少年の受け皿ということは必要なわけでございますが、同時に、昼間に学習を希望する生徒など多様な学習要望に対応するために、既設校を転換することによります昼間定時制高校の設置は必要ではないか、このように考えております。  昼間定時制単独校の設置につきましては、地域の問題につきましては、多摩地域を初めとして、今後策定される長期構想の中で積極的に検討してまいりたいと考えております。  第二番目の、今後の都立高校のあり方と申しますか、新しいタイプの高等学校の設置でございますが、これは先ほどもご質問がございましたけれども、今後の都立高校は、量的拡大あるいは量的対応の時代から質的充実の時代に入っていかなければならないというふうに考えておりますので、魅力ある都立高校、こういうキャッチフレーズの──私が勝手に今申し上げたキャッチフレーズでございますか、魅力ある高校ということで、各学校の個性化、特色化を進めるとともに、都の教育委員会といたしましても、既設校を転換するような形で、新しいタイプの特色ある学校づくりを進めてまいりたいと考えております。これらの問題につきましては、近々長期構想の検討に入りますので、この中で検討を進めてまいりたいと考えております。 ◯藤井委員 私からは、上野の東京都美術館の管理運営のあり方と高校の中退者について、二点お伺いをいたします。  東京都美術館につきましては、大正十五年に建設されて以来今日まで約半世紀にわたりまして、作品の展示をする会場として大変都民に好評を得ている会場でございますけれども、まず、公募展会場として、上野の東京都美術館の現在の使用状況についてお伺いをいたします。 ◯高村生涯学習部長 東京都美術館の平成六年度の使用団体数は、二百三十五団体でございます。このうち、継続して使用している団体が二百二十二、抽せんにより使用する団体が十三となっております。また、これらの団体のジャンル別の内訳は、総合と申しまして二科以上を合わせて行っている団体が百十四、日本画の団体が二十一、彫塑工芸団体が七、書道団体が七十八、その他十五となっております。  なお、平成六年度の総入場者数は二百六万七千人余でありました。 ◯藤井委員 大変多くの団体が使っているというご報告をいただきましたけれども、それでは、この公募展会場の年間の使用率というのはどうなっているのでしょうか。 ◯高村生涯学習部長 公募展会場の六年度の使用につきましては、継続団体の使用でほぼ満室の状況でありまして、わずかに地下二階にございます第一、第二彫塑室について、年間十三団体程度が使用可能な状況であります。 ◯藤井委員 今お話がありましたように、一階、二階の公募展会場というのは大変すばらしい位置にありまして、第一、第二彫塑室というのは地下なんですね。実質には地下三階にあります。そういった意味では、同じ会場であっても、出品する団体からすれば、やはり一階、二階の会場で展示したいという希望があるというふうに聞いております。現状といたしましては、先ほど部長のご説明にありましたように、継続団体、同じ団体が毎年ずっと借りているという現状があって、新しく団体が申し込みをしても貸してくれない、こういう現状であるというふうに伺っております。  そういった意味で、新しく一階、二階の展示会場を申し込みしても使用できないその理由は何でしょうか。 ◯高村生涯学習部長 先ほど理事ご説明のように、東京都美術館は大正十五年開館以来、日展、二科展など美術団体の公募展の会場として、多くの都民に広く親しまれてきております。東京にはこのような公募展会場がありませんで、また、公立であるということで民間に比べて非常に価格が安いというようなことから、使用の希望が多いというふうな状況があると思われます。現在の東京都美術館は、昭和五十年の改築時から六十年の、いわゆる通年開館と申しまして、月曜が休みだったのですけれども、第三月曜を除いてあけるというような措置をいたしましたけれども、この期間に大幅に新規団体に対して門戸を開放してまいりまして、先ほどご説明いたしましたように、現在ではほぼ満室の状況になっているという状況でございます。  長年にわたって使用実績のある継続団体は、毎年一定の時期に東京都美術館を使用することを前提に、作品の創作活動あるいは展覧会の準備等、公募展活動を行っているわけでありまして、これらの団体を新規申込団体と同様に、毎年、抽せんで使用割り当てを行うということにいたした場合は、継続団体の公募展活動に大きな支障を来してまいりまして、美術界全体に大きな混乱を招くことが予想されるということで、新規団体の使用につきましては、やむを得ず一定の使用枠による抽せんをして使っていただいているという状況でございます。 ◯藤井委員 使用の承認の決定はどのようにして行われるのか、お伺いをいたします。 ◯高村生涯学習部長 既設の継続団体につきましても、毎年、改めて使用申し込みをしていただきまして、その内容を美術館側の方で審査をいたしまして、東京都美術館運営審議会という審議会を設けてございますので、そこに諮って使用を決めているということでございます。 ◯藤井委員 そうすると、東京都美術館の運営審議会に、展示を出したいという新しい団体からの要望があるのかどうか、さらに、それに対してこの審議会が検討をしたことがあるのかどうか、お伺いをしたいと思います。 ◯高村生涯学習部長 新規の団体につきましては、平成六年度で四つの団体がございました。ただ、先ほど申し上げましたように、既に六十年度の団体で満杯というような状況でございまして、それらについては新規の団体を含めて抽せんの団体扱いをいたしまして、その中で割り当てをするということでは審議会にお諮りしてございます。 ◯藤井委員 継続団体については、最も古い団体として、大正十五年から同じ団体が使っているというものがあります。七十年間、同じ団体が使っているわけでございます。こういった東京都の公の施設であるにもかかわらず、同じ団体がずっと使っている。そういった意味では、いい点もあるでしょうし、また、逆にいえば公平に欠ける点があるのではないか、このように考えるわけでございます。今後、継続団体の実情については──例えば日展とか二科展とか日本美術院とか、有名な団体も使っているということでございますけれども、現状では、新規団体の利用が困難な状況であります。  そういった意味で、先ほどいいましたように、もっと公平に利用できるように、全部が全部抽せんにしろとはいいませんけれども、やはり新しい団体でも同じ都民の団体として、場所の差別をつけることなく弾力的に公募展会場を使用していくべきと考えますが、この点についていかがでしょうか。 ◯高村生涯学習部長 美術館の新規使用については、再三申し上げていますように非常に厳しい状況にありますけれども、今後の使用割り当てに当たりましては、継続団体について、その使用期間、使用面積等について詳細に館として調査を実施して、できるだけ効率的な使用割り当てに努めてまいりたいというふうに考えております。 ◯藤井委員 前向きな検討をぜひお願いしたいと思います。  続きまして、都立高校の中退者の問題についてお伺いいたします。  先ほども資料でご説明がありましたように、生徒が大変減少している中で、平成六年度の都立高等学校全日制課程の中途退学率が三・三%ということで、過去最高ということで報道されておりました。
     そこで、学科別、学年別における中途退学率の状況についてお伺いをいたします。 ◯買手屋指導部長 平成六年度における全日制の中途退学率について、まず、普通科の方から申し上げます。普通科の中途退学率は二・一%で、五年度と比較いたしますと、〇・二ポイント増加しております。  なお、学年別では、一学年が三・七%、二学年が二・一%、三学年が〇・六%となっておりまして、学年が進むにつれて少なくなっております。  次に、専門学科でございますが、専門学科の中途退学率は七・七%で、五年度と比較すると一・四ポイント増加しております。  学年別では、一学年が一五・二%、二学年が五・八%、三学年が一・二%となっております。 ◯藤井委員 それでは、平成六年度の都立高等学校全日制課程における、中途退学する生徒の主な理由は何でしょうか。 ◯買手屋指導部長 平成六年度中の中途退学の理由といたしまして、第一位が進路変更でございまして、全退学者の四四・三%を占めてございます。第二位が学校生活、学業不適応で二五・四%、第三位が学業不振で一八・二%でございます。  なお、この順位は、昭和六十一年度以降、変化してございません。 ◯藤井委員 平成六年度の都立高等学校全日制課程におきまして中途退学者が増加した理由というか背景についてどのようにお考えか、お伺いをいたします。 ◯買手屋指導部長 中途退学の理由として、ただいま申し上げました進路変更や学校生活あるいは学業不適応が多いということから、高等学校への入学の動機があいまいであること。希望した高校に入学できなかったため、いわゆる不本意入学でございますが、学校生活に魅力を感じられないこと。そのことから、また学習意欲に乏しく、学業になかなかついていけない生徒が増加している、こういう背景がございます。  また、そのような生徒の実態に学校が必ずしも十分対応していないということも理由の一つに挙げられると思います。 ◯藤井委員 特に東京都におきましては、都立全日制課程普通科一年生は、入試改革によって単独の選抜制度で入学した生徒でありますけれども、先ほどのご説明ですと、この一年生の退学率は三・七%ということで、前年よりも〇・三ポイント退学率が上回っているということでございます。せっかく入試改革をしたのに中途退学者の率がふえたという、この関連はどのようになっているのか、お伺いいたします。 ◯加島学務部長 中途退学の上昇には、生徒の意識の動向あるいは学校の対応等さまざまな要因があろうかと存じております。新しい入試制度によりまして入学した第一学年だけでなくて、全日制のすべての学年で中途退学が上昇しているということは、六年度の中途退学率が直接入試制度の改正と関連しているという結論を直ちに引き出すというわけにはいかないというふうに考えております。  平成七年度には、普通科において推薦制度を導入しておりますので、今後、生徒の定着率がどうなっていくか、さらに調査を進めていく必要があると考えております。 ◯藤井委員 資料を見ますと、平成元年までは約四千人台の中途退学者の数でございましたが、平成に入りまして五千人台、多少上下はありますけれども、高校の中途退学者がふえている、こういう現状でございます。いろいろ学校の問題あるいは入試制度の問題、さまざまな要因はあろうかと思いますけれども、先ほど黒須副委員長の話にありましたように、ある程度準義務教育化している都立高校、本来は入るのも出るのも自由でありますけれども、より多くの生徒が高校の教科を学習し、そして社会に送り出すというのが本来の都立高校のあり方であると思うわけでございます。  そういった意味で、中途退学者を減らしていく、これが大事だと思います。そのために、都の教育委員会としてどのような具体的な方策を今後推進していくのか、お伺いをいたします。 ◯買手屋指導部長 東京都教育委員会では、これまで、例えばテレホン相談室、進級・卒業等相談室等の相談機関の充実改善に努めてまいりました。また、中途退学の防止のための資料、これは高等学校のすべての先生に配布したものでございますが、そういう資料で教員の意識を変えてもらうような方策もとってまいりました。また、少人数指導の実施校を指定いたしまして、集中的に実践をしていただく試みもいたしております。  今後とも、中途退学者数を減少させるために、例えば先ほどから出ております新しいタイプの高校の設置、生徒の進路希望に応じた多様な教育課程の編成、進路指導、生活指導、学習指導の充実、そして教育環境の整備等の施策を総合的な視点から行いまして、個性的で魅力ある都立高校づくりに努め、中途退学を減らすように努めていきたい、こう考えております。 ◯藤井委員 そこで、今お話が出ました新しいタイプの高校ということで、既に設置されております単位制による新宿の山吹高校、それから国際高校、この両校における平成六年度の中途退学率はどうなっているか、お伺いいたします。 ◯買手屋指導部長 都立新宿山吹高校の定時制普通科における中途退学率は八・四%、通信制課程におきましては同八・七%でございます。  なお、中途退学の理由として分析してみますと、大検合格等に伴う進路変更や留学等のかなり積極的な進路変更が全体の五五・三%を占めてございます。  また、都立国際高校におきます中途退学率は〇・七%でございまして、全日制課程の中途退学率三・三%と比べて大変低くなっております。 ◯藤井委員 今お話がありましたように、定時制課程全体における中途退学率に比べて、新宿山吹高校は大変退学率が低い。また、国際高校におきましても、平均三・三%の退学率に比べて〇・七%という結果なわけでございまして、そういった意味で、単位制高校などの新しいタイプの高校を今後ふやしていくことが大事ではないかと考えます。  また、今後の都立高校のあり方を見直して改革をしていくべきと考えますけれども、教育長のお考え、ご決意をお伺いして、終わります。 ◯市川教育長 お話の単位制高校など新しいタイプの高校についてでございますが、個性化、特色化の一環として、これまでも設置に努めてまいったところでございまして、今後とも既設校の統合や転換を図ることによりまして、その設置を推進してまいりたい、かように考えております。  さらに、今後二十一世紀における都立高校のあるべき姿につきまして、長期構想といったものを策定することにいたしておりまして、この長期構想の中で都立高校の個性化、特色化といったものをさらに推進しますとともに、教育諸条件の改善でございますとか、学校の規模、配置の適正化などを図ってまいりたい。そうした結果、生徒一人一人の個性を伸ばしまして、その能力を最大限に生かすような高校教育が実現できますよう、都立高校の改善に積極的に取り組んでまいりたい、そのように考えております。 ◯上島委員 先だって、平成八年度の東京都予算に係る重点要望事項が各市町村から出されております。この関係の中で、公立小中学校の耐震性の強化の問題と、もう一つは学校図書館運営の二点について質問をさせていただきます。  私は公立小中学校の耐震性の強化について伺いますが、先般の阪神・淡路大震災の教訓から、災害時における学校の建物の安全性が改めて問題になりました。これまでの中学校体育館や学校の建物の整備については国庫負担金や補助金などが適用されていますが、今回の災害を踏まえて法改正がなされたと思っておりますが、補助金制度について、現在どのような変化がなされているか、動きをまずお聞きしたいと思います。 ◯渡辺施設部長 公立学校建物の耐震補強工事に関する国庫補助制度につきましては、これまでは東海沖地震を想定した地域指定がございまして、これには東京都は入っておりませんでした。このたび国は、阪神・淡路大震災の教訓から、平成七年度の補正事業の中で、校舎等の耐震補強工事について、平成七年四月一日にさかのぼって全国規模の国庫補助として制度化したところでございます。さらに、この制度改正の中で、備蓄倉庫につきましても補助対象としたところでございます。  また、本年六月には、国は地震防災対策特別措置法を制定いたしまして、地震防災緊急事業五カ年計画を策定した都道府県にあっては、小中学校施設の耐震補強工事の補助率を二分の一とし、あわせて耐震改築工事を含めた起債について特別の配慮を行うとしているところでございます。 ◯上島委員 平成八年度の都の予算編成に当たって、市町村はそこを踏まえて、特に八王子などは古い校舎、建物が多いわけですけれども、その大改築などについて東京都にどのような要望書、予算措置ですね、要求の内容をお知らせください。 ◯渡辺施設部長 何点か要望事項が出されておりますけれども、特に耐震性の強化に関する要望事項についてご説明させていただきます。  まず、東京都市長会から、公立学校建物の耐震耐力度調査及び耐震補強工事に対する補助制度の新設並びに指導体制を確立すること、こういう要望が出されております。  また、大規模改造事業の要望事項としましては、公立小中学校施設大規模改造及び改築事業に対する補助制度を新設することなどでございます。  さらに東京都町村会からも、改築及び大規模改造事業につきまして同趣旨の要望が出されております。 ◯上島委員 この市町村の要望に対して、都の考えとしてどのような措置を考えていらっしゃるのか。 ◯渡辺施設部長 公立小中学校施設の整備につきましては、現在、区立学校は特別区財政調整交付金、市町村立学校は東京都市町村振興交付金などの、都と区市町村との財政制度の全体の枠組みの中で対処しているところでございます。このたび、先ほどご説明申し上げましたように、国が地震防災対策特別措置法を制定いたしまして、公立小中学校の耐震補強及びこれに必要な耐震診断につきまして、五カ年にわたる新たな補助制度を創設したところであり、この法律に基づく施策を推進する観点から、都の助成措置につきましては、都と区市町村との役割分担や財政的な関係を踏まえ、今後関係部局と協議してまいりたい、このように考えております。 ◯上島委員 その内容については大体わかっているんですがね。私はいつも思うんですけど、財政力指数によるいわゆる割り落としというか割り戻しがあって、三分の一の補助、七分の二の補助とか行われていますね、国の場合。東京都の都区の場合には、都区制度でそれを東京都が補助している。ところが市町村の場合、それが全然、市町村振興交付金なんか一銭ももらってない。市町村がそれぞれ四分の一、三多摩は全部出しちゃってるんですよ。財政上大変困難というよりも、教育の方にまで三多摩差別やっちゃおかしい。それを皆さんに、教育長に、それはやりますということを──正直いって所管が違いますから、これは総務局の関係ですから、私がどうにかしますというのも、ちょっと縦割り都政の中ではいいにくいだろうから、要望として、これ、じっくり考えてください。区と市町村さんと公平にしなさいよと。要望という形で、きょうはその点は終わりにしておきます。  次に、学校の図書館運営について伺います。  学校図書館は、視聴覚教育とかあるいは資料集めだとか、あるいは学校の先生方の教育に必要な資料を収集して整理保存し、児童生徒、教員の利用に供する、よって健全な教養育成をするという目的を持って、学校図書館法というのが昭和二十九年に定められました。今日、児童生徒の図書離れが大変激しい。図書嫌いというのは、自主性だとかあるいは創造性を失って、人格形成、パーソナリティーの形成にも重大な影響を及ぼしている、私はこういうふうに認識しています。  問題は、この図書館の運営上の問題なんですね。とりわけ施設だとか蔵書とかいうのは、ある程度皆さんのご努力によって満たされていますが、あとは人的体制の充実にかかっている、こういうふうに思うんです。  そこで質問しますが、学校図書館の利用実態と指導要綱における教科指導上の学校図書館の活用について、小中高別々に分けて説明していただきたい。 ◯買手屋指導部長 学校図書館は、児童生徒の自己教育力を高める観点から、その計画的利用や機能の活用に努めることが必要でございます。このことは、小学校、中学校、高等学校の学習指導要領に明記されてございます。特に活用に際しては、その指導を教育課程に位置づけて計画的に指導していく、こういうことがまた必要でございます。  実際にはどういう場面で使われているかということでございますが、委員ご指摘のように、校種、小学校、中学校、高等学校によってかなり使い方は変わっている実態がございますが、押しなべて申しますと、特に小学校でございますが、授業においては、国語科を中心に読書の時間を設けて、その際、図書館を利用する。あるいは理科、社会科等の課題研究に対しまして、その資料を図書館で集めて勉強する。これは特に小中高共通したものでございます。それから特別活動等で特に課題に取り組む場合には、図書館の蔵書を利用するようなことがございます。これは中学校、高等学校で特にやっております。最近では、中学校、高等学校では、図書館にコンピューター等を設置いたしまして、情報教育の一環としての役割も持っている学校もございます。  そのほか、休み時間とか放課後に利用しますが、高等学校になりますと、蔵書を利用してみずからそこで勉強していく、こういうようなことが多くなってございます。 ◯上島委員 学校図書館法では、司書教諭を設置をしなければならない、これは規定なんですね。しかし昭和三十五年、当分の間、ある程度これをしなくてもいいと、こういうことになった。法的には設置義務がある。そこで、なぜそうなったかということは、ご存じだと思いますが、当時は司書教諭というのが、人材が少なかったんです。法律には決まったけど、人が少ない。そこで、短大卒のいわゆる図書館司書を雇うか、教諭を雇うかという問題がありまして、一方の東京高校教職員組合、一方の日教組、この間で話が詰まらない。そこで、まあまあ当分の間しようがないやというのが経過だと私は認識している。だから、神髄からいうならば、これは置かなければならない。  そこで、今日の経過を踏まえて、図書館教諭がどうなっているのか、この点の実態──実態として高校もあると思います、高校はある程度採用していると思いますけど、含めて、実態を教えてください。 ◯横川人事部長 司書教諭の配置の実態でございますが、平成六年度でございますが、都立高校では、司書教諭配置校三十六校、それから司書教諭を置いていない学校には司書担当教諭を置きまして、当該教諭の教科の持ち時間数を軽減しながら対応しております。 ◯上島委員 そこなんだよな。正直いって高等学校の場合は、そういう話し合いの中で、十五時間という時間を、教育庁の方は図書にたしか予算措置をしてますよ。ところが、さきの政争の具の中で、いわゆる図書司書にだけ任して、教諭はグループで時間の株を分け──やらないといって、ほとんどやってないんです。昭和五十三年に都立高校は全校配置しましたよね。今残ってるのは、今いったように三十六校しか残ってない。この間、五十校ぐらいあったんですね。だんだん減ってきてるんです。  私は、そこで一つ、いい提言というか、教育庁にぜひどうだろうと思っているんですがね。毎日新聞に、稲垣さんという人の「理想の学校図書館」というのが載ってたので、この本を読んでみた。なかなか情熱のある人がたくさんいるんですね、教諭を上がって司書の免許を持ってる人で。この人の文章ですけど、「司書教諭の仕事は、本との出合いを通じて生徒の自主性を伸ばし、あらゆる授業をサポートすること、というのが信条」である、「どんな豊富な蔵書、快適なスペースがあろうとも、専任者がいなければ図書館は本の倉庫に過ぎないのに」、私もそのとおりだと思っているんですね。  だから、結局図書教諭がいれば、例えば担任の先生が、きょうは日本の経済についていろいろ調べてくれというサポートをしてくれば、そのポケットにいろんな蔵書のノウハウを持ってるんですよ、そういう免許を持ってる人は。それをだだだっと生徒に出せる。そうすることによって、非常に本に親しむということができると思う。今の話は高校の話ですが、読書力というのは小学校ですよ。中学校はここで問題にしませんが、親の教育も必要だけど、学校教育法に基づき小学校に読書力をつけさす。こういう意味から、教育庁に画期的な発想をここで考えてほしい、こう思うんです。  学校図書館は、いわゆる司書教諭の設置の特例によって今はないんですが、都教育委員会として、小中学校の学校図書館の運営上、人的な充実について、ここら辺で何とか方法があっていいのじゃないかと思う。例えば小中学校の公務員を定年した方で司書の免許を持ってる人を、臨時あるいはまた週三回、全校に配置させるとか、僕は小学校はどうしてもやってもらいたい。こういう点についてどうですか、教育庁の考え。僕は画期的なことだと思う。新人を採用しようというんじゃないですよ。今からはそういう時代だと思う。先取りの時代だし、また、定年者もそういうことに生きがいを持って一生懸命やる。僕は両面に画期的だと思うけれども、その点、まず答弁願います。 ◯横川人事部長 小中学校の学校図書館の運営上の人的充実についてのご提案でございますが、私ども都の教育委員会としましては、平成八年度から再雇用職員制度を見直しまして、新たに司書教諭有資格者や図書主任等の読書指導や図書館指導の経験がある教員の退職者を再雇用職員として採用しまして、小中学校に配置してまいりたいと考えております。  現在、今年度末に退職する教員で、学校図書館の指導業務を希望する教員を調査中でございまして、今後、希望状況を勘案しまして、具体的な配置について区市町村教育委員会と協議してまいりたいと考えております。 ◯上島委員 よくわかりました。ほんとにうれしいニュースといいますか、みんな喜んでおります。特に、八王子の教育長にけさ電話したら、これはもろ手を挙げて、どうにか頼みますよと、そういっていましたので、ひとつ小学校からまず手がけていただきたい、そう思っております。  ところで、さっきの時間の割り振りですけど、いわゆる図書持ち時間十五時間というのは高等学校です、小中じゃありませんでした。高等学校は、今いったように持ち時間があるんだから、それだけの予算措置もしているんだから、退職者をぱっと充てたって財政に響くわけはないと思うので、いつでもできる状況にある。今いったように図書司書だけを置くというやり方をやめて、高校には、今いったように予算措置もできているんだから、小学校とあわせて退職した教諭の司書教諭の方、この考えはいかがなものでしょう。 ◯横川人事部長 私どもの方としては、小中学校に配置していきたいというふうに考えております。よろしくお願いします。 ◯上島委員 わかりました。いずれにしても、子供の教育というのはあすがありません。特にオウム教というわけじゃありませんが、何物かに若いとき没頭しちゃうと、後も前も横も見えないんですね。視野が狭くなってしまう。これをなくするためには読書力しかない、多くの読書、読むことしかない。これは、今いったように小学校が大切だと認識しております。  あわせて高校の場合には、せっかく予算措置してますから、何らかの対策を、新しく現職を雇うんじゃなくて、政争の具にならないように、いわゆる退職者を募って、退職者の中から──優秀な人がいっぱいいますから、私立高校、大学を出て定年になっている人もいますので、そういうのを含めて日本には十万人、司書の免許を持ってる人がいるんです。十万人いるんだから、人材不足は今ほとんどないと思います。前向きな図書活動をお願いして、終わります。 ◯村松委員 私の方から、きょうは二つのテーマで質問をしたいと思います。  最初に、盲・聾・養護学校の学校給食の民間委託の問題について質問いたします。  今、東京都は、盲・聾・養護学校の学校給食の民間委託を考えているようですが、これまでのそれぞれの学校の学校給食というのは、ほんとに子供たちも──私たちも御飯というのはすごく楽しみなんですが、子供たちにすれば、給食が楽しみなんだ、そして、その給食の活動は教育活動の一環である、そういうふうなものだと思うんです。盲・聾・養護学校の学校給食は、先生方と栄養士さんと調理の皆さん、その人たちが一体となってこれまで進めてきた。特に養護学校、肢体不自由の子供たちにすれば、自分の力で飲み込めない、それこそ刻んだりどろどろにしなければ飲み込めないようなそういうことが、ずっと経過としてあると思うんですね。こういった、お母さんたちあるいは先生方や栄養士さんたちのほんとに積み重ねで今までの学校給食があると思うんですが、そういう中で今度の東京都の民間委託というのが出されたわけです。  私もこの前、光明養護学校スクールバスに乗らせていただきながら、学校の中の子供たちの様子を見てきたんですね。そしたら、ある教室では、もう中学生ぐらいのお子さんだと思うんですが、先生が首が座らないような子供を抱えて、スプーンで水を上げてた。水分補給してたんですね。そういう状況を見たり、また、あるところでは、子供を寝かせて毛布をかけて、先生が手や足や体をさすって、低体温の子供の体温調整をしている。そういう子供たちがいるところなんです。  ですから、この人たちにすれば、学校給食というのはほんとに大事なものだ、教育活動の一環としてもほんとに大事な問題なんだと。まず、そこら辺を認識していただきながら、なぜこういうところに民間委託をするのか、その問題を質問いたします。 ◯緒方体育部長 盲・聾・養護学校の学校給食調理業務の委託についてでございますけれども、厳しい財政状況のもとで、効率化を図りながら、先ほどいわれたさまざまな課題に対応し、さらに給食の充実を図っていくためには、このような民間委託による経費の削減、並びにその経費によっての質の向上というものが必要だと、このように考えたわけでございます。 ◯村松委員 民間委託することによって内容を充実させるということなんですか。ちょっとそこでお聞きしたいんですが、この学校給食の民間委託、具体的には何を委託するんでしょうか。 ◯緒方体育部長 学校給食の中の調理業務についての委託でございまして、食材を調理する業務でございます。 ◯村松委員 調理だけを委託をするということなんですが、今、学校の中には、厨房やそのほかいろんな器具がありますよね、お茶わんとか。いろんなものはそのまんまで、中の調理員さんだけをよそから借りてきて委託するということなんですね。私、その問題で、ちょっとこれは大丈夫なのかと思って見てみたんですが、この問題に関連して、労働者派遣法で労働者派遣を行うことができる業務、ここではどのようにいってるでしょうか。 ◯緒方体育部長 労働者派遣法として派遣できる職種についてでございますが、十六種のものが規定されてございます。それは、例えばコンピューター関係であるとか、あるいは放送番組のディレクター的なもの、あるいは通訳、翻訳、あるいは建築物における清掃の業務、あるいは建築設備に関するさまざまな点検業務、そういう業務が十六種指定されております。 ◯村松委員 私がいっているのは、この派遣法を使ってできる業務の中身じゃなくて、種類じゃなくて、こう書いてあるんですよ。「派遣労働は、どんな業務にも認められているわけではありません。派遣労働を認められる業務は、その業務を迅速かつ的確に行うために専門的知識、技術または経験を必要とするものです。」派遣労働の対象は、さっきおっしゃられた十六業務に限られています。「したがって十六業務以外について行うことは労働者派遣法違反になります。」ということなんですね。さっき説明いただいた十六業務の中には、この調理は入ってないんですね。  具体的に派遣法というのはどういうものなんだろうということで、東京都労働経済局が出しておりますここに書いてあるんですが、派遣元があるんです。そこの派遣元から派遣先に労働者を派遣させて働いてもらう。派遣法というのは、労働者に派遣先が指揮命令監督することができる。これは許されているんです、この十六業務に対しては。だけど、調理にはそれが許されてない。  その問題をまずはっきりさせておきながら、もし学校給食が民間委託された場合に、調理する人は、栄養士さんから仕事の指図をされて食事をつくることができるのでしょうか。 ◯緒方体育部長 給食調理業務の民間委託につきましては、これは請負契約の契約として行うものでございまして、労働者派遣法事業として実施するものではございません。  したがいまして、栄養士がつくりました献立を調理業務委託業者に指示をする場合におきましては、調理業務業者において業務責任者という調理員を置きます。その責任者に対して、調理の献立に基づく調理あるいは盛りつけその他の指示をする、こういう形になっております。 ◯村松委員 随分ややこしくなるんですね。これまでの学校給食というのは、栄養士さんが献立をつくって、調理員さんに仕事をしてもらう。それができたのが、今度はそれが直接できない。ここに栄養士法というのがあるんですが、栄養士の仕事は何なのか。この法律で栄養士とは、栄養士の名称を用いて栄養の指導に従事することを仕事とすることをいう。栄養士が献立をつくって、その仕事を直接指導するんですよね。それが、直接調理員さんにはできないんですよ、今度。それをしたら派遣法にひっかかっちゃって、できないということだと思うんですね。ということは、栄養士さんが献立をつくりました、派遣元の方に書類を出して、派遣元の人が実際に調理をする人に渡す、そういうことをやらなきゃ、今度できないんです。そうすると、栄養士さんの仕事は成り立たないんじゃないですか。  私、こういう問題で大変矛盾は感じるんですが、養護学校の中で子供が急にぐあいが悪くなったとか、あるいは子供たちの給食指導だとかということで、ちょっときょうの御飯、何人分早めてもらえないかしらとか、そういうようなこともあり得ると思うんですよ。今までは栄養士さんが、あるいは先生が、その子の体調を見ながら、きょうのこの子の御飯、こういうふうにしてっていうふうにいえば、それが栄養士さんの方から調理員さんに即行ったと思うんですね。今度はそれがやれるのかどうなのか、お聞きします。 ◯緒方体育部長 栄養士さんから民間委託業者に対する指示のあり方だと思いますけれども、指示の仕方には三つの形式がございます。基本的には、一つは月間予定献立表、二つ目が週単位の調理業務指示書、それから日単位の調理業務変更指示書という形で行うことになっております。  したがいまして、先ほどのような事例の場合には、日々の調理業務変更指示書により指示を行い、適切な対応をするということになります。 ◯村松委員 今までは口でいって通じたことが、それも栄養士さんが直接、こうしてっていうふうにいえたのが、そうじゃなくて、一々担任の人が栄養士さんにいって、指示文書書いて、それを渡さなきゃならない。  それから、私ここですごく感じるんですが、栄養士さんが、もし自分が献立したとおりにいかなかった場合、ちょっと待って、それはこうじゃないわよ、こうするのよということが直接いえないんですよね。いったら、それこそ派遣労働法にひっかかっちゃいますから。そういう問題って、ほんとにこれからあると思うんです。そういう中で、栄養士さんがこれからほんとに大変な状況になるんだろうと思うんですが、もし栄養士さんが調理の人に口頭で直接指導した場合、これは違法になりますよね。私さっき断言しましたけど、お伺いします。 ◯緒方体育部長 基本的には、先ほど申し上げましたように、三つの形式の指示書によって行うことでございますけれども、日々の調理の業務の中では、日々の指示並びに給食の調理の過程の中での中間検査というものがございます。この中で、栄養士さんのつくられた献立に従わないような、違っているような内容があったときには、ここで手直し等の指示ができる。そしてまた、さらにでき上がった場合のでき上がり検査も行う、こういう形になってございます。 ◯村松委員 早い話が、とっさの対応ができない、そのことがあると思うんです。  私、教育長にちょっとお聞きしたいんですが、先ほどから討論しているこの問題が、教育の現場で、もしかしたら法に触れるんじゃないか、それも労働者派遣法という法に触れるんじゃないかという問題を東京都が出そうとしているんですが、これが教育の現場でほんとにいいのかどうなのか。一歩間違ったら法に触れることになるんですよね。それについて、教育長のご意見をお聞かせください。 ◯緒方体育部長 この問題につきましては、文部省からの一つの見解が出ておりまして、それに従ってやっておりますので、派遣法に触れるというふうには考えておりません。 ◯村松委員 その辺をのらりくらりのらりくらりといってるわけですが、実際、現場の中で労働者派遣法に触れないようにするには、そのことによってどういうふうになるのだろうか。これまで栄養士さんや調理士さんや先生方が、子供たちの教育の一環として学校給食を位置づけてきたのに、法に触れないようにした場合は、ほかの問題が出てくるのじゃないかと思うのです。  子供たちの教育というのは、大人のいい関係をつくるのが本当に大事だと思うのです。子供たちが嫌いなものを食べるときに、先生が一生懸命励まして食べさせている。それで厨房の向こうから調理士さんが、だれだれちゃん、それを食べたらこっちのがあるよというふうに、おかわりの、その子の好きなものをいって励ましてくれるとか、あるいはまた、その子の体調が悪かったりすればすぐに対応ができる、そういうよさが今まであったと思うのですよ。それが今度できなくなるのじゃないか。そういうふうに思うのです。  またちょっと具体的にお聞きしたいのですが、担任の先生から、給食内容について調理員さんにお願いすることができるのでしょうか。例えば一人一人の子供に応じた給食をつくりますよね。そうすると、きょうの味つけ、ちょっと辛かったわよ、次はこういうふうにしてというような、そういう話が気楽にできるのでしょうか。 ◯緒方体育部長 これまでも、調理業務につきましては学校長の指揮監督のもとで、栄養士を通じて調理員に調理の方法について具体的な指導助言をしてきたわけでございます。  委託後もこれと同様に、栄養士を通じて受託者側の業務責任者に対して行うことになる、こういうことに考えております。 ◯村松委員 結局、ここでも担任の先生から直接それがいえない、そういうふうになっているのですね。  じゃあ、民間委託をした場合は、学校行事に調理員さんは参加することができるのでしょうか。 ◯緒方体育部長 学校給食の民間委託につきましては、先ほど申し上げましたように、調理業務に関する業務のみを委託するものでございまして、一般的には学校行事に参加することは考えておりません。 ◯村松委員 結局、調理を委託をするから分断というか、参加することができないのですね。考えていませんじゃなくて、さっきの労働者の派遣法からして実際にはできない。これまでは、調理員さんは学校行事には参加してきたのでしょうか。 ◯緒方体育部長 現在の調理員の方々の学校行事への参加の状況についてですけれども、行事の内容によりますけれども、通常、給食作業がございますから、なかなか一般的な場合には参加できないわけでございますけれども、給食のない場合、あるいは学校職員が全体で取り組む行事等の場合には、調理の参加もあり得るというふうに考えております。 ◯村松委員 これまでの人たちは、運動会とか遠足、そういった学校行事には参加できた、参加していた。そういう中で、一人一人の子供たちと親しくなったり、子供たちの特徴を見て、調理するときに子供の顔を思い浮かべて調理をしてきた、そういうふうに思うのです。  ここで、第二十一期東京都学校保健審議会答申というのが出されているのですが、この学校保健審議会の中では、これからの学校給食のあり方というところで「教育活動の一環としての学校給食」、こういうのが出ているのです。ここでは何といっているのでしょうか。ちょっとここの、今質問した部分だけ読み上げてください。 ◯緒方体育部長 健康づくりの視点に立った学校給食のあり方。第二十一期審議会の答申の、これからの学校給食のあり方の中の、教育活動の一環としての学校給食という項目だと思いますが、そこを読み上げさせていただきます。  「学校給食が、健康教育の一環として、一層の教育的効果を上げていくためには、学級活動や学校行事等の特別活動、さらには道徳や教科活動等との十分な連携を図り、教育活動としての明確な位置づけの基に、教職員が一体となって取り組む必要がある。」このように述べられております。 ◯村松委員 これが出されたのはことしの七月の二十日ですよね。ここにこれだけ明らかに、学校給食が教育活動の中での位置づけとして、教職員が一体となってこの学校給食に取り組む必要がある、ここまではっきりいっているのです。それは先ほどから私がいっているし、これまでやってきたような、学校の中で教職員と調理員さん、栄養士さん、そういう人たちみんなが本当に力を合わせて学校給食の活動をしてきた。そのことが子供たちの教育に物すごく大きな役割を果たしてきた。  それから学校給食、特に養護学校の場合は一人一人の子に応じた給食が必要だ。この前行ったところは病弱養護学校でしたから、この子は御飯を食べ過ぎちゃいけないとか、甘いものはいけないとか、ちょっとしょうゆの加減をというような、そういうことまでもやっていたのですよ。それが今度やりにくくなるのじゃないか。
     私は、この問題について二点ほど、さっきの労働法の問題と、それから学校給食が充実するというけれども、充実するどころか後退するのじゃないか、そういう懸念がいたします。  さらに続けていきます。今回の民間委託の対象から肢体不自由校を除くと聞いておりますが、理由は何なんでしょうか。 ◯緒方体育部長 盲・聾・養護学校の実績を踏まえながら今後検討していく、そういうことにしております。 ◯村松委員 肢体不自由校を対象から外した理由、今のはその中身の答弁じゃないでしょう。 ◯緒方体育部長 肢体不自由養護学校児童生徒は、障害の程度が重度重複化等が著しく、別調理であるとか、あるいは再調理など多様な調理が行われております。盲・聾・養護学校、これは精神薄弱、病弱等でございますけれども、これらの学校の調理業務の民間委託の実績を踏まえて今後検討していくということで、検討の対象には入っております。 ◯村松委員 これまで東京都は学校給食を進めるに当たって、内容充実といっていましたが、内容充実の中身にも、一人一人の子に応じた学校給食を進めるのだ、そういうこともいっていたと思うのです。一番必要なのは、やはりこの肢体不自由のところじゃないですか。今、肢体不自由の子供の状況というのは、それこそあるものをはさみで切ったり、すりつぶしたり、そういうことをやっていますよね。それなのに今度外す、何かいっていることが矛盾しているのじゃないかと思うのです。それで、さっき盲・聾・養護学校をやってみて、その後検討しているというふうにいっているのですが、検討しているということは、やるという方向で検討しているのですか。ご答弁ください。 ◯緒方体育部長 先ほど申し上げましたように、これから進めようとしている盲・聾・養護学校の委託の状況を十分勘案しながら、肢体不自由校についてもそういうことが可能かどうかについて、実績を見ながら検討をしていく、こういうことでございます。 ◯村松委員 もう少しはっきり、やるのかやらないのか、やらないといい切れますか。それともやるといい切れますか。 ◯緒方体育部長 繰り返しになりますけれども、今後の委託の状況の成果を見ながらどうするかを検討していく、こういうことでございます。 ◯村松委員 やらないとはっきりいい切れないところを見ればやると、そういうことなんですね。これは本当に大変な問題だと思うのです。一歩間違ったら命にかかわる。これまでも誤飲があって、命にかかわるような状況だって、何度も経験していると思うのですよ。ですからやはりそういうことも踏まえて、もう一度検討しなければいけないのじゃないかなと思うのです。  そこで私はお聞きしたいのですが、盲学校にいる肢体不自由の子供たち、重度重複の子供たちがいるのですが、そういう子供にはどういう対応をするのでしょうか。 ◯緒方体育部長 重度重複化が著しい障害のある児童生徒につきましては、その状態に合いましたきめ細かな給食の提供をしていきたい、このように考えております。 ◯村松委員 盲学校の中の肢体不自由の子供の給食には民間委託をして、その子に合った調理をするということですか。それが実際できるのですか。 ◯緒方体育部長 ただいま申し上げましたように、献立のあり方、あるいは調理のあり方、これらをそういう子供の実態に応じた、状態に応じたきめ細かな給食調理をやっていきたい、このように考えております。 ◯村松委員 私はちょっとおかしな話だと思うのです。肢体不自由校は当分やらなくて、盲学校などにいる肢体不自由の子供には今やる、これはちょっとおかしな話じゃないか。いずれにしても、こういう大きな問題があるわけなんですが、これまでお母さんたちに納得いくような説明なんかしたのでしょうか。 ◯緒方体育部長 盲・ろう・養護学校PTA連合会の役員の方々につきましては、委託の趣旨、実施方法、実施計画等について説明をさせていただきました。 ◯村松委員 説明はされたと思うのですが、じゃあ、その説明された方はああそうですかと、納得したわけじゃないと思うのです。  これは私のところへ各学校のPTAの方や、あるいはそこの労働組合の方だと思うのですが、そこから要請文とか来ているのです。これはほかのところへも行ったと思うのですが、これを一つ一つ見れば、本当に切実なことがいっぱい書いてあるのです。  ここは墨東養護学校。給食調理業務の民間委託計画を撤回してください。本校では児童生徒の中に普通食を食べることが困難な生徒が四分の一おり、別調理を行ってきました。それぞれの実態に合った食形態を用意することは、児童生徒の発達や生きる力を強めるとともに、むせたり誤飲したりすることもなく、安全に食べるためにも大切です。調理員さん方は、教室の児童生徒の生活を随時見ながら、それぞれに合った食形態に向けて日々改善に努めてくださっています。その給食調理業務を民間に委託するという計画を聞いて、父母、教職員は大変驚いています。とりあえず肢体不自由校を除いてほしいということもあるのですが、しかし、これが民間委託が給食内容の充実につながらないのでは困る、そういうことがみんな書かれているのです。こういったこともやはり重視していただきたいというふうに思います。  いずれにしても、この問題はこれからも論議されると思うのですが、私はここで一つ、この委員会に提案をするのです。この問題は短時間ではとても解決できる問題じゃない。委員会で一度視察に行って、現場を見て、そしてお母さんたちや関係者の話を聞いて真剣に議論する必要がある。私はこの委員会に強く視察を要望しておきたい。  次の質問に入りたいと思います。  次の質問は、久留米養護学校の高等部の設置の問題です。  先日、植木委員と一緒に久留米養護学校に行きまして、寄宿舎とか病院の中の分校などを見させていただきました。そして校長先生やお母さん方とお話ししてきたのですが、本当に病弱児教育の大変さ、そして大切さ、それをつくづく感じて帰ってまいりました。  最初に、久留米養護学校の分校が清瀬小児病院の病棟の中にありますよね。清瀬分教室というのですか、そこのことでちょっとお聞きしたいのですが、病院の中で、入院している子供を対象にして教育をしている分教室を見させていただいたのです。その後、病院のベッドの中もちょっと見させていただいたのです。そこには赤ちゃんから中学生くらいの子供が入院していた。私たちが行ったときは床上教育をやっていたのですが、先生が行って、子供と付き添って勉強している。一日二時間くらいの単位だと思うのですが、そういうことを見ていたのです。  そこで感じたのですが、清瀬分教室、ここには幼稚部はないのでしょうかね。ちょっとお聞きします。 ◯加島学務部長 久留米養護学校の清瀬分教室には、幼稚部は現在ございません。 ◯村松委員 私も子供が小さいときに入院したものですから、その大変さはよくわかるのですが、本当にぐあいの悪い子供と、だんだんよくなってくる子供のぐあいというのが、期間としてあるのです。やはりすごいぐあいになって大変だというのが一週間とかあって、その後だんだんよくなってくるのですが、でも入院しなければならない。毎日、親と子は顔をつき合わせなければならない。子供もよその人が入ってくるとうんとはしゃいだりとか、ある病床学級の先生は、自分が入っていくと子供が本当に喜んで、何か自分に期待しているみたいな、そういう表情を浮かべるというのです。長く入院している子供たちには、この清瀬の分教室、幼稚部が必要じゃないかと思うのですけれども、その辺、いかがでしょうか。 ◯加島学務部長 一般的に申し上げますと、病院内の幼児期の教育については、可能な限り治療と並行して、早い時期から教育を行うことが望ましいと考えております。  清瀬小児病院の幼稚部の問題につきましては、今後、対象となる幼児数や入院期間、病類等、清瀬小児病院における幼児教育のニーズにつきまして調査をいたしまして、衛生局等関係機関と協議をしてまいりたいと考えております。 ◯村松委員 早急につくっていただきたいというふうに思います。そして高等部の方はどうなんでしょうか。今はないのですよね、高等部も。高等部もつくってほしいのですが、いかがでしょうか。 ◯加島学務部長 清瀬小児病院は、現在、十五歳までの診療をめどとしているところでございますが、高校生につきましても、入院もあるというふうに聞いております。今後入院生徒の状況を調査いたしまして、また病院側の意向も聞きまして、検討してまいりたいと考えております。 ◯村松委員 私たちが行ったときは、もう蚊もいなかったのですが、行ったら窓があいて、網戸もない、冷房もない。そんな中で子供たち、勉強しなければならないので、これは冷房くらい必要じゃないかなというふうに思うのですが、冷房の設置は検討していただけるでしょうか。 ◯加島学務部長 清瀬小児病院の中の分教室は、清瀬小児病院からお借りしてここに分室を設けているわけでございます。この分室の物的な維持管理と申しますか、そうしたものにつきましては、衛生局と教育庁の間で覚書を結びまして、それに基づいて衛生局において、病院側において管理する、こういうふうなことになっておりますので、この冷房の問題につきましては、今後衛生局と協議をしてまいりたいと考えております。 ◯村松委員 なかなか難しいですね。衛生局だの教育庁だの。受ける方は一人ですからね。こっちが冷房、こっちが学校とか、敷地はどこのなんて、そういうのは余り好きじゃないのですが、何はともあれ冷房をつけていただきたい、そういうふうに思います。  それから病院内学級、これから院内学級というのは重要になってくると思うのですよ。私の住む日野市でも、市立病院の中での院内学級、これが、廃止するとか廃止されないとかということで一時問題になったことがあるのですが、やはりお母さんたちの強い要求で、廃止するどころかもっと充実させてほしい、もっとふやしてほしい、そういう要望があったのです。今はずっと続いているのですが、今後、東京都は院内学級をもっと充実する必要があると思うのです。いかがでしょうか。 ◯加島学務部長 昨年の九月に都内の病院を調査いたしましたところ、入院中の児童生徒数、これは小学校と中学校の生徒でございますが、三百三十八名おりました。そのうち病院内で教育を受けている生徒は百五十七名ということで、残りの百八十一名の生徒が教育を受けてないという状況がございましたので、このような教育を受けていない生徒については、今後検討を重ねて病院内教育を進めてまいりたい、このように考えております。 ◯村松委員 さて、今度は久留米養護学校の問題について、ぜひ高等部をつくってほしい、そういう要望が長年あったと思うのですが、この問題についてお伺いしたいのです。  まず最初に、久留米養護学校に通っている子供というのはどういう生徒なんでしょうか。 ◯加島学務部長 久留米養護学校は、肥満やぜんそく、心臓疾患、腎臓疾患及び身体虚弱等の状態が六カ月以上の、生活規制を必要とする程度の児童生徒を教育の対象としております。したがいまして、健康の回復後は地域の小中学校への復帰を目指す、これが教育の目的となっております。 ◯村松委員 久留米養護学校というのは、ほかの養護学校と違って、病気がちの子供が中心、そういう学校だということだと思います。そこでの教育はどういう方法なんでしょうか。そこの成果をちょっと教えてください。 ◯買手屋指導部長 久留米養護学校では、転入学をする前、すなわち発病する前に在籍しておりました小中学校の指導の内容を継続して指導していくということを原則にしておりますが、実態的には、病気によりましては授業時数が少なくなるなどのことが生じてまいります。そのため、児童生徒の学習の進度等も考慮しながら、学習の指導をしているところでございます。  また、心身の障害に基づくさまざまな困難を克服するために、例えば生活のリズムや生活習慣の形成、病状の理解と生活管理、心理的不適応の改善など、養護訓練を重視した指導を行っておりまして、成果を上げていると考えております。 ◯村松委員 当然、病院に入院すればその分空間があって、病院内学級では学んでも、それでもやはり帰ってきてその病院へ行って──とてもじゃないけれども、普通の学校の子供にはついていけない。それで久留米養護学校へ来て、到達の段階からまた教育をしていく。一人一人の到達の段階を本当に丁寧に丁寧に教育を積み重ねていく、そういう学校だと思うのです。これは本当に大事な学校だと思うのです。  そういう中で、この中学校の卒業生の進路はどうなっているのでしょうか。 ◯加島学務部長 中学部の卒業生の進路状況を過去五年にさかのぼって見てまいりますと、卒業生全体としては七十九名が卒業したわけでございますが、そのうち都立高校高等学校に進学した生徒は、七十九名のうち七十三名でございました。平成六年度に都立養護学校高等部に三名、また、この自宅療養は平成六年度ということではございませんが、自宅療養が三名ということでございます。 ◯村松委員 確かに進路は、卒業してそれなりの高校へ行く、だけどその後の追跡はわかっていないと思うのですよ。  私、ここにちょっと、平成二年から平成五年までの資料があるのです。その中で、全部で六十二人が卒業したのです。そのうちの退学をした生徒は二十五名。不登校というか、登校できない子供が六名。そして高校に適応して、今でも頑張っているという人が二十七名なんです。自宅療養が一名、不明が三名、こういう状況なんです。これはどういうふうにして起きるのか、そこをやはり考える必要があると思うのです。  さっきからのお話を聞いていますと、今は中学を卒業して、高校はもうほとんどの子が行っているのだと。ほとんど高校は保証しているのだと、そういう話があったのですが、ここの状況を見て、卒業した後の状況がこんなんだったら、とても胸を張っていえないですよね。一応出しましたが、退学は二十五名、その後ちょっと行ったり行かなかったりというのがあって、半分がそのくらいになっちゃっているのですから、やはりこれは重要な問題だというふうに私は思います。  そこで考えられるといいますか、子供たちのために、去年の進路の中で二人ほど、どうしようか、そういうふうに悩んだ人がいると思うのです。ちょっとその例を教えていただけますか。 ◯加島学務部長 昨年の進路の中で、都立養護学校に行かれた方のことではないかと思いますが、入学相談の結果そのようになったわけでございまして、どのような経緯でそのようになったかということにつきましては、生徒のプライバシーの問題でございますので、この場ではお答えは差し控えたいというふうに思います。 ◯村松委員 学校の方でもやはり悩んで、本当はここに高等部があったら、この子たちを高等部で学ばせたい。中退とか不登校というのは、これまで久留米養護学校の中でつちかってきた、丁寧に丁寧に教えてきた、教育をしてきた環境から、一般の高校にとてもついていけない、環境も変わるし、いろいろなやり方、それから病気が理解されていない。そういう問題の中から中退が出たり、よくわからないというのも出てきていると思うのです。たまたま去年の場合は、本当にどこへ行っていいかわからないという子供が二人いたと思うのです。  そういう中で昨年の十二月二十六日、久留米養護学校の校長名で東京都の教育委員会の教育長あてに、高等部設置についてのお願いというのが出されているのです。この子たちのためにせめてプレハブでもいいからつくってほしい、そういうふうにいっているのです。お母さんの声も全く切実なんですよね。ここに二人のお母さんからの、胸の熱くなるような思いが書かれているのですが、ちょっと一人だけ読ませていただきます。  私の娘は膠原病です。発病したのが小学校二年でした。義務教育中の入院五回、高校になって九回と繰り返す中で、親としてこの子に何をなすべきか、何をしてやるべきかと、真剣に考えました。そんなとき、病弱児の学校があることを知り、中学二年の二学期から久留米養護学校に転校いたしました。入院が長期になると学習におくれが生じ、悩んでいたところでしたので、久留米を知ってどれほど助かったか、子供を初め、家族の喜びははかり知れないものでした。  養護学校での都への要請行動や、膠原病友の会での活動、難病の子をもつ親の会での厚生省の方々との話し合いなどで、親も勉強いたしました。寄宿舎生活をしていた子供は、病気や自分の考えをいえる子供へと成長していました。  娘は、初め都立東村山高校に入学できましたが、先生方の難病に対する理解のなさのために、二度入院した後、中退いたしました。幸いなことに、私たち親子には心から励まし、応援してくださる近所の方がおりまして、相談いたしました。それで現在、大泉高の定時制でことし四年生になります。久留米養護学校卒業から現在までの苦しみ、悩みを体験の上で書かせていただきます。  なぜ病弱児のための高校を望むか。教育をどのように進めたらよいのか。難病の子を持って、私は初めてさまざまな険しい壁にぶつかり、さまざまな問題をいや応なく知りました。そこで提案です、ということで、病弱児のための生涯を通じた幸せは何かを考えてみてください。そういうことでずっと書かれているのです。  私はこれまでも、久留米養護学校は、病弱児学校高等部の問題が検討されたと思うのです。この検討経過はどんなものがあったのか、ちょっとお聞かせいただけますでしょうか。 ◯加島学務部長 病弱教育のあり方ということで、昭和六十三年六月十六日に教育庁の庁内に設置いたしました心身障害教育推進委員会、ここに第一次報告が出ておりまして、病弱教育のあり方が検討されております。  このときの検討内容は──内容を申し上げますか。 ◯村松委員 そのころから検討していたということですね。 ◯加島学務部長 そのころから検討を──前にも検討はあったと思いますが、文書として私どもが持っておりますのは、最初はこれでございます。その後、同じ委員会でございますが、平成二年十月十二日の検討、それから平成五年十月の検討が出ております。 ◯村松委員 先ほどご紹介がありましたが、これは第六次報告が出ております。この第六次報告の中では、病弱児養護学校高等部の必要性ということで、昭和三十年代の後半、病類の多様化が進んできたころから、病弱児養護学校の高等部設置の要望が出ていたと書かれているのです。  現在の高等学校進学率は九五%であること、病弱養護学校の卒業生も八〇%の進学率であることなどの現状からして、重症の疾患で病気療養中の生徒に対する後期中等教育の保障が重要課題であると、ここまではっきり書いてありますよね。その後で、病弱児養護学校高等部の必要性ということで必要性を述べ、その後具体的にまた方法まで書いてあるのです。教育長、もうごらんになっていると思うのですが、ここには久留米養護学校に設置することが考えられるなんて書いてあるのですよ。これはどうですか。久留米養護学校の高等部の必要性は教育長、認めていただけますか。 ◯市川教育長 お話の報告書に、ただいま副委員長おっしゃいましたように、病院内教育の充実についてとか、区立健康学園等のあり方についてとかにあわせまして、お話の高等部についても報告が出ている、このことについては承知しております。  したがって、私どもとしては、そういうニーズがあるので、気持ちとしては大変よくわかります。そういう学校があれば進学したいという気持ちは大変よくわかるわけではございますけれども、高等部設置についてはまだまだ解決すべき課題があるわけでございますし、私どもとしては、まず何よりも義務教育でございます病院内教育に力を入れているところでございますので、重要な問題だという認識はありますけれども、今後検討して、解決していかなければならない問題があるということを、ご理解を賜りたいというふうに思います。 ◯村松委員 とてもそんなの、理解なんかできませんよ。これは教育庁の中でつくっている文書だと思うのです。当然教育長も重々承知で、昭和三十年代の後半からこの問題が議論としてされていた。ほかの方はもう九五%の子供が高校に進学している。さっきからのお話だと、私たちはちょっと認めがたいのですが、本来高校の三十五人学級、三十人学級をしてやるべきなんですが、高校が余っているというふうな認識を持っている人もいるわけでしょう。そういう中で、今必死で、うちの子に合った高校が欲しい、ほかの障害を持つところのあれで過ごすのじゃなくて、やはり病弱児独特の高校が欲しいのですよ。お母さんたちは、人数が少ないからということで、それこそ我慢に我慢に我慢をさせられた、そういうふうに思うのです。  私は先ほどの教育長の答弁、その気持ちはわかりますけれども、とても今はできませんみたいな、そんな甘っちょろいことでは、お母さんたちはとてもじゃないけれども我慢できないと思うのです。やはりここまで病弱児教育をほうっておいた教育庁の責任は本当に重大だ、そういうふうに思うのですが、改めて教育長、どうでしょうか。 ◯市川教育長 先ほども手紙をお読み上げになりましたけれども、その中ででもやはり普通高校へ──定時制の高校に最終的にはなったようでございますが、そういったこととか、それから通信制の学校、あるいは先ほどお話が出ておりました単位制の学校というような学校に通うことも可能なわけでございますので、その辺も含めていろいろ課題があると申し上げたわけでございます。決して今後ともほったらかしにしておくというような考え方はございません。 ◯村松委員 私は、これまでの病弱児教育の中学を卒業した後の対応、それからさっきの資料も出して、みんながみんな、中学を卒業して高校へ入ったから、それで万々歳であった、そういうことではないと思うのです。その後の追跡をしてどこに問題があったのか、そこから教訓を引き出して、病弱児教育はそれなりに位置づけるべきだと思うのですよ。  そこのところをやらないで、あっちもこっちもみたいな、養護学校とかというようなことをいっているのですが、それは当然肢体不自由児の養護学校も必要です。知的障害者の養護学校の高等部もみんな必要なんですよ。だけど症状の違うところを一緒にしようということで話を済ませるのじゃなくて、今後、その問題については検討をしていただきたい。  当面どうするかということもあるのです。いろいろなもろもろのことを含めて検討するという方向もあると思うのですが、当面、来年の子供をどうしようか、その次の子供をどうしようか、そういうことも含めて、今後早急に検討していただけますか。 ◯市川教育長 再三同じ答弁で恐縮でございますけれども、ただいまも申し上げましたように、久留米養護学校の高等部の設置につきましてはいろいろと課題がございます。したがいまして、今後さらに検討していきたいというふうに考えております。 ◯村松委員 要望だけ述べさせていただいて、質問を終わりたいと思います。  今後、高等部設置をやっていく場合には関係者、お母さんや先生方と十分検討して、十分話し合いをして、そういう中で進めていただきたい。そのことを要望して、質問を終わります。 ◯工藤委員長 この際、議事の都合によりおおむね十分間休憩をいたしたいと思います。    午後三時十八分休憩      ━━━━━━━━━━    午後三時三十七分開議 ◯工藤委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。  質疑を続行いたします。  発言を願います。 ◯藤田委員 教育庁の基本方針のところで、人権尊重の精神の育成、それから基本的な生活習慣の育成、また社会性、道徳性の育成、健康の保持増進というようなのがありますけれども、相も変わらずいじめ、不登校、中退など、学校生活に適応できない子供が増加傾向を示して、大きな社会問題になっているわけです。  きのうの新聞にも出ておりましたけれども、二十七日でしょうか、名古屋の大河内清輝君が亡くなってからちょうど一年になるようでございます。教育という部分が大変大きな問題を引き起こすような、そんな状況があるかと思います。  私は、先ほど藤井理事の方から発言がございましたけれども、中退の問題につきまして、何点か、重ならないところで質問をさせていただきたいと思います。  この表を見ますと、十月二十六日に調査結果ということで出ておりますけれども、第一学年における中途退学者がいずれの学科においても多いように思いますけれども、どのような時期に中途退学をしているのか、状況を伺いたいと思うのです。実際には、私の子供たちが三年、四年くらい前に話を聞いたところによると、二日目でついにもうやめたいといってきたよというような、そんな現状があったわけですけれども、どのような時期に中途退学をしているか、状況を伺いたいと思います。 ◯買手屋指導部長 平成六年度の都立高等学校全日制課程の一年生における中途退学者の数は三千五百三十七人でございました。その一年生の退学者が一年のどの時期に退学しているか、これは正式な調査はございませんが、私どもが内々に調査いたしまして、手元にデータがございますので、申し上げたいと思います。  退学届を出した時点で分類してございますが、平成六年四月一日から八月三十一日まで、すなわち一学期が始まりまして夏休みが終わるまでの期間に退学届を出した生徒が六百十四人、そして平成六年の九月一日から十月三十一日、これは二学期の前半でございますが、その間に退学届を出した生徒が六百六人、そして十一月一日から七年の三月三十一日まで、二学期の後半から学年末までの間に中途退学届を出した生徒が二千三百十七名でございます。 ◯藤田委員 実際にはやめたいなとか、あるいは自分自身に合わないなとかと思いながらも、先生方からいろいろ指導を受けて、何とか出てこようかなと思っていらっしゃって、実際に出したのが、どうしてももうだめだなというので、そんな状況なのかなと思うのです。中学校の指導というところで、この言葉は今使われないというようにはなっていますけれども、本人の希望とか適性ということではなくて、偏差値といいますか、その子のできぐあいということで学校を決めてしまっているのではないかなというふうに思うのですけれども、その辺はいかがでしょうか。 ◯買手屋指導部長 中学校における進路指導は、生徒がみずからの生き方について考え、主体的に進路を選択することができるように指導するものでございます。  進路の選択、具体的には進学先の選択でございますが、選択に当たりましては、生徒の能力、適性や希望等に基づき、最終的には本人あるいは保護者が決めております。その際、教師は助言、援助の立場に立つものと私どもはしておりますし、また学校にそのような指導を今後ともさらに続けていきたい、こう考えております。 ◯藤田委員 私はことしと昨年と、普通に高校を希望された方にアンケート調査をいたしましたけれども、やはりその中でも基本的には本人というのがほとんどでございまして、だれかにいわれても自分自身で最終的には決めたのだと思うのですけれども、僕はもうここまでの成績しかないからというような感覚が、やはり子供たちの中にも大変多うございまして、何とかここをひとつ頑張ってみようというのが、今の子供たち少し欠けているかなと思うくらい、満足してしまうといいますか、それでその結果、例えば中学校のときには、これは言葉が悪いかもしれませんが、できる子からできない子がいて、できる子に引っ張られていろいろなことで楽しく暮らしていたのに、高校に入ったときに、自分と同じくらいのレベルになると、なかなかその中で抜け出して、自分がリードしていくというのができないような、そういう子供たちが多いのだというような話も聞きますので、学校選びについては、中学校の指導もぜひしっかりしていただきたいというふうに思っています。  それから専門学校の中途退学率が高いわけですけれども、その理由についてちょっとお尋ねしたいわけです。また今後、総合学科が設置されるわけですけれども、総合学科になったら、普通科プラス専門学校というような形もとるのではないかと思います。中途退学がなくなればいいなと思いますけれども、どんなふうに考えていらっしゃいますでしょうか。 ◯買手屋指導部長 藤田理事ご指摘のように、専門学科におきます中途退学が高いということは事実でございます。いろいろな背景が考えられますが、次のような生徒が増加しているということではないかと考えております。  まず、高校への入学の動機があいまいである生徒、これは専門学科には限りませんで、普通科に進学する生徒も一般的にはそのような傾向がございます。二番目に、普通科志望ではございますが、やむを得ず専門学科に入学した生徒、いわゆる不本意入学の生徒がふえているということ。三番目に、基礎学力や基本的な生活習慣などが十分に身についておらず、専門学科の学習はかなり専門的に難しい部分もございますので、その学習になかなかついていけない生徒。このような生徒が増加傾向にあるということが、専門学校における中途退学率を押し上げているのではないかと考えております。  また、新しいタイプの学校といたしまして、平成八年の四月に東京都で初めて都立晴海総合高等学校を開設する予定でございます。この学校は、普通科と専門学科を統合した単位制の教育課程を原則とした高等学校でございます。そこでは多様な生徒の特性や進路に応じた指導を行うことができるものと考えておりまして、そのため、中途退学者は少なくなるものと考えております。 ◯藤田委員 それからいわゆる原級とめ置きというところでございますけれども、私ごとですが、うちの子供、今高校三年でございますけれども、何人かいるという中で、その後聞くと、やはりその子たちが退学をしていくというのがちょっと目につくなというふうに思うのです。原級とめ置き者についてどのような指導をしていらっしゃるのか。五、六年前でしょうか、そのころはいや応なしに、一単位でもないと全部ばさばさと切ってしまって退学というようなのをよく聞きまして、相談室にまず行ってみたらというように私も話をしたことがありますけれども、その辺のことを教えていただきたい。 ◯買手屋指導部長 生徒一人一人が生き生きと意欲的に三年間の高校生活を送ることができるようにすることは私どもの願いでございますし、学校もそのように指導しているところでございますが、残念ながら六年度は全日制でも定時制でも、かなりの原級留置者を出しております。  原級留置者を一人でも減らすようにするために、各学校は、例えば進級の危ぶまれる生徒に対しましては個別指導を行うなどしておりますが、教育委員会といたしましても、学校がそのような努力を続けていくことはもちろんのことでございますが、さらに例えば一律的な評価ではなくて、生徒のよいところを積極的に評価するなどの評価方法の工夫をすること。また、単位や進級の認定に対します校内規程の弾力的な運用、藤田理事がご指摘のように、一単位でもなければ原級留置というようなことのないようにいろいろ考えて、できるだけ弾力的に運用を図ること。そして何よりも教員の意識改革といいますか、考えを変えること、及び指導方法の改善をするというように、校内研修を活発化するなど、各学校に指導しているところでございます。 ◯藤田委員 中途退学の防止に当たっては、単独選抜校になったというところで、個性化、特色化を一層進めていくためにも単独選抜を導入したと思いますので、各学校がもっと、自分の学校はこういう学校なんだということをPRをすることが大変必要なことで、やはりそれによって子供たちがそこに魅力を感じていく、学業だけではなくて、高校生活をどういうふうに楽しもうかというようなことも含めて学校を選択することができるというのが、私は大変重要なことだと思います。  先ほどおっしゃったように、動機があいまいだとか、不本意入学というようなことをいわれてしまうとちょっと残念だなと思いますし、ぜひともそんなことが必要かと思いますけれども、いかがでしょうか。
    ◯加島学務部長 各都立高校におきましては、これまでの画一的な、あるいは一律的な教育を見直しまして、教科学習だけでなくて、学校行事や部活動においても、個性的で特色あるさまざまな教育活動を提供できるようにしてまいりたい、このように考えております。  また、受験生、中学生がみずからの個性に合った学校が選択できますように、都立高校案内のパンフレット類の発行やビデオの作成、テレビ番組による都立高校の紹介、学校説明会、あるいは専門学科の体験入学、こうしたものの積極的な開催に努めてまいりたいと考えております。  さらに、中学校における進路指導がより適切になりますように、中学校と高等学校間の連携を一層深めてまいりたいと考えております。 ◯藤田委員 今、中退の話をしたわけですけれども、あといわゆるいじめだとかというところでは、心の問題も大変重要な問題かと思います。  先ほど上島委員からもありましたけれども、やはり学校教育の中で、少しほっとしながら別な世界をのぞいていくというようなところでは、学校の図書の司書は大変大事なことだと私も思います。先ほど再雇用の方をぜひ使っていきたいのだという話がございましたけれども、私はこれにプラス地域の中で有資格者、一般の方がたくさんいらっしゃるかと思いますから、ぜひその辺も、地域の中の一般公募というような形で受け入れていただけたらありがたいと思うのですが、いかがでしょうか。 ◯横川人事部長 学校図書館司書に公募制を取り入れて、一般の有資格者の活用をというご提案でございます。これは基本的には、設置者であります区市町村教育委員会の管理運営にかかわることでございます。しかしながら、東京都の教育委員会が再雇用職員を配置することは、長年の教職の経験を生かしまして、学校図書館の充実に向けての支援策の一つの手段と考えております。  ご提案の向きにつきましては、現在も各区市町村教育委員会で学校図書館の充実に向けてさまざまな取り組みを行っているところでもございますので、これらの取り組みの中で検討されるべきものと考えております。 ◯藤田委員 そしてもう一つ、いわゆるスクールカウンセラーについてでございます。国のモデル事業として平成七年度から四校、実施をされていると思いますけれども、スタートから四カ月たちまして、その現状といいますか、評価が多少でも出ていましたら、お知らせいただきたいと思います。 ◯買手屋指導部長 現在、四校におきまして専属のスクールカウンセラーを非常勤で配置し、実践を行っております。私ども校長の連絡会等は持っておりますが、今ここで成果をまとめているという状況にはございません。  今後、早いうちにまた学校の様子を私ども集約いたしまして、整理をしていきたい、こう考えております。 ◯藤田委員 私としては、先生方が研修していらっしゃるのは存じ上げております。実際に臨床心理士というところで専門の方が、そしてまた部外者が入るということでいいのではないかと思いますけれども、もっと都としての上乗せというようなことは考えていらっしゃいますか。 ◯買手屋指導部長 来年度の予算に向けて、私どもは上乗せの方向を考えてございますが、今後予算審議の中でどうなるか、注目しているところでございます。 ◯藤田委員 ぜひ応援したいと思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。  それから今、部外者がというお話をいたしましたけれども、やはりもう一つ、私も一昨年の一般質問の中でも提案をいたしましたけれども、オンブズパーソン制度ということで、特に北欧などではこれが充実している。子供が非常に話しやすいようなキャラクターの方をそのオンブズパーソンに充てながら、テレビでもその人がいつも出ている、顔を知っている。あの人に話したら、きっと何かいろいろアドバイスをくれるのじゃないか、そんなところで非常にうまく機能しているという話を聞いております。庁内の検討委員会の現状と、今後の方向を教えていただきたいと思います。 ◯買手屋指導部長 東京都教育委員会では、平成六年の四月に教育庁内に関係職員をメンバーといたします研究チームを発足させまして、研究を進め、その間、弁護士や人権の専門家等のご意見をお聞きしながら、オンブズマン制度も含めまして、教育指導に関する相談苦情申し立ての制度のあり方について検討してきたところでございます。  研究チームの検討結果につきましては、近々、十一月以内くらいのところを考えておりますが、まとめをする予定でございます。 ◯藤田委員 ぜひいい検討結果が出ることを期待しております。私たちはやはり今まで、ややもすると子供は大人の隷属物といいますか、保護すべきものとか、あるいは庇護すべきものというような考え方があったわけですけれども、やはり子どもの権利条約が批准されまして、子供も全く一個の人権を持った、庇護されるものではない、その子供が存在すること自体がもう人権をきっちり持っているのだというような考え方に、親も改めて考えなくちゃいけないと思うのです。今後、この周知徹底に向けてパンフレットが配布されるというふうに聞いておりますけれども、定着に向けて、具体的な計画をお示しいただきたいと思います。 ◯買手屋指導部長 東京都教育委員会では、児童生徒向けの子どもの権利に関する条約のパンフレットを作成しているところでございます。児童生徒の発達段階に即しまして、小学校一年から三年生用、小学校四年から六年生用、中学校・高校生用、これは一本でございますが、三種類のパンフレットを作成しておりまして、年度内には都内の公立学校のすべての児童生徒、そして教職員に配布する予定でございます。  現在の進行状況でございますが、原稿がほぼ整った段階でございます。 ◯藤田委員 最後になりますけれども、先ほどから子供が非常に少なくなっているというところで、都立高校の統廃合の話ですとか、あるいはそれがあるから長期構想の懇談会をというようなところもあるかと思いますけれども、実際に新聞記事であれですが、十四年後は四分の一は空き家というような書き方で出ております。  この中にも、単純計算だがというのがありましたが、四十人学級でとかということが書いてありまして、どうしてこういう発想しかしないのかなというのを、やはり考えざるを得ません。ぜひともこの統廃合に絡めまして、長期構想の中では柔軟な考え方を持って、都立高校のあり方について答申いただけるような、そんな懇談会にしていただきたいと思っているわけです。構成メンバーなどは、もう決定をしていらっしゃいますでしょうか。 ◯加島学務部長 まだ決定しておりません。 ◯藤田委員 では提案でございますけれども、高校問題の新しい選抜の委員会をつくったときにも、もちろん学識経験者、そしてPTAの方たちも入って懇談会をおつくりになったというふうに聞いておりますけれども、そのいわゆるPTAの方々なんですが、私は残念ながら、現状をよく知っている親というふうには思わなかったのです。  というのは、PTAを卒業してしまってから何年たっているのかなというような方々が入っていたように私は思いました。やはり日Pとか都Pとかで推薦されてきた方だとは思いますけれども、もう少し都民の一般公募、高校問題あるいは中学校の教育というようなところに実際にかかわっている方々も、ぜひともこういう懇談会には入っていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。ぜひそれを希望をしたいと思います。 ◯加島学務部長 今後幅広く有識者を依頼してまいりたい、そのように考えておりますので、その中で、お話の件についても検討をさせていただきたいと思います。 ◯植木委員 今お話しありました、都立高校長期検討委員会の中身についてお伺いをいたします。  これは朝日新聞で報道されていたのですが、この中には総合学科とかいろいろ新しいタイプの問題がありますけれども、こういう問題についてはこれまでもいろいろな質疑の場で質問をいたしてきましたので、きょうはポイントになる点にだけ絞ってご質疑したいと思います。  朝日新聞の報道は、「都立高、十四年後は四分の一“空き家”」、こういうふうに大変ショッキングな見出しがしてあるのです。早速お母さん方からも問い合わせがあったりしました。この根拠はどういうものでしょうか。 ◯加島学務部長 十一月十六日付の朝日新聞の内容でございますが、私どもは事務レベルで全日制高校についていろいろな検討を行いまして、将来の学校数についてもシミュレーションをやっております。そのシミュレーションの一つに、このような数字もございます。 ◯植木委員 シミュレーションの一つというお話だったのですが、何校が何校になるのか。その条件として学級定数は何人で、進学率はどのような前提条件にしているのでしょうか。 ◯加島学務部長 朝日新聞に出た数字ですと、進学率を九八%、学級定員四十人で計算しております。 ◯植木委員 朝日新聞で計算したのですか。朝日新聞に出ていると、ということは、朝日新聞が計算したのですか。 ◯加島学務部長 朝日新聞が計算したかどうかはわかりませんけれども、私どもが先ほど申し上げましたそのような数字が、シミュレーションの一つにもあるというふうに申し上げたその数字は、進学率九八%、学級定員四十人で計算したものでございます。 ◯植木委員 つまり都教委として学級定員四十人で計算したシミュレーションの一つであると、進学率九八%になりますけれども。なぜこういうシミュレーションをしたのでしょうか。 ◯加島学務部長 大幅な生徒の減少が今後長期にわたって続くということがございますので、私どもとしては、将来の都立高校はどうあるべきかということの検討の中で、このようなシミュレーションも行っているものでございます。 ◯植木委員 つまり今度の検討委員会をつくる最大のところは、減少期に当たっての高校対策、しかも四十人学級というのを一つのシミュレーションとして出した、こういうことですね。四十人学級がずっと続くということを前提にしているわけですが、都民からも要望の強い三十五人学級、あるいは三十人学級でシミュレーションをした場合はどうなんでしょう。 ◯加島学務部長 先ほど申し上げましたシミュレーションの中で、いろいろな条件がありますが、その条件の中、学級定員だけを三十五人、あるいは三十人にいたしまして単純計算いたしますと、三十五人学級の場合は百八十一校が必要となる。現在と比べて二十八校の減ということでございまして、三十人学級の場合は二百十二校が必要になりまして、現在と比べて三校増という計算になります。 ◯植木委員 つまり三十人学級にすると学校が三つ足りなくなる、こういう計算ですね。  都立高校長期構想検討委員会の中身に、学級規模の改善については、明確に検討の課題に入っているのでしょうか。 ◯加島学務部長 今後設置を予定しております長期構想の懇談会にどういう検討を依頼するかということは、まだ教育委員会の中で決定を見ているわけではございませんが、私ども事務レベルといたしましては、三点にわたってご検討いただければというふうに考えております。  一つは、都立高校の個性化、特色化の推進ということでございます。二点目は、教育諸条件の改善。三点目は、適正規模、適正配置ということになります。今お話しの学級定員の問題につきましては、この第二番目の教育諸条件の改善、教職員の配置、施設設備、学級定員など、こうしたものにつきまして、国等の動向について配慮する必要がございますけれども、検討の対象にしたいと考えております。 ◯植木委員 確実に検討の対象にするという意味が入っているのですか。したいというのですか。 ◯加島学務部長 事務レベルで検討しているものでございます。 ◯植木委員 先ほどのしたいというのが本当のところだと思うのです。  ところで、先ほどの三点目に適正規模、適正配置ということが出されていますけれども、これは統廃合ということを意味しているのですか。 ◯加島学務部長 適正配置、適正規模の中には統廃合も含みます。 ◯植木委員 こちらの場合は明確に統廃合も含みますという、学級定員についてはしたいという、ここにこの計画の本音があるのじゃないかと思うのです。  ところで、こういう検討が庁内でどのようにやられてきたのかという点、ちょっとついでにお聞きしたいと思うのです。高等学校改善検討協議会というのが庁内の検討だと思うのですが、ここ五、六年の間で、どういう検討をどのくらいの期間かけてきたでしょうか。 ◯加島学務部長 高等学校の改善につきましては、これまで庁内に高等学校改善検討協議会を設けておりまして、いろいろな検討を続けておりますが、例えば平成三年六月から平成四年六月にかけて、新しいタイプの高校に関すること、定時制及び通信制課程に関すること、こうした検討を行っております。  それからまた、平成四年六月から平成六年五月にかけて、東京都立高等学校の個性化、特色化の推進、職業高等学校に関することを検討しております。  また、平成六年五月から平成七年八月にかけて、中途退学問題に対応する総合的方策、また総合学科等に関すること、こうしたことを検討しております。  また、平成七年八月からは、生徒減少期における都立高校のあり方について検討を行っております。 ◯植木委員 平成七年の八月、生徒減少期における都立高校のあり方について、これが結局今度設置する検討委員会の前提になると思うのですが、これはいつまでに結論を出す予定になっておりますか。 ◯加島学務部長 できれば年内に結論を出したいと考えております。 ◯植木委員 そうしますと、先ほど来の検討の中で、平成三年から一年間かけて新しいタイプとか定時制高校だとか研究してきた。その次の都立高校の個性化、特徴化については二年もかけてきた。中途退学者や総合学科については一年三カ月もかけてきた。今度のはことしの八月でしょう。十二月に決めちゃうと四カ月ですよ、事務局レベルの論議が。これで検討委員会をつくって、しかも四十人学級を前提として統廃合をすると明確にうたって、そして検討委員会を設置して論議をする。いろいろなメンバーは入れるかもしれないけれども、大体もうレールは敷かれている。統廃合をするということをきちっと課題にしてくれということですから、先は見えている。  朝日新聞がこういう報道をしたというのは、今聞いてみて、必ずしも間違いじゃないと思います。「統合へ懇談会を設置」、こういう見出しですよ。これは朝日新聞が予測で書いたというけれども、きちっと合っている。皆さんが統廃合を前提にした、こういうふうにいっている。きょうはいじめの問題だとか不登校の問題だとか、本当にいろいろ論議がありましたよ。子供たちの状況を大切にする、こういう論議があった。ところが都教委の方は何ですか。二百九校ある高校のうち四十九校は要らなくなってしまうから、減少期に対応するために統廃合をやれ、極論をいえばそういう荒っぽい中身を四カ月間の検討の中で結論を導いてきた。ここには恐らく財政問題だとか、統廃合によって浮かしていこうとか、そういうことも、いわなかったけれどもあると思うのです。これは大問題ですよ。  今ヨーロッパなんかでは二十人学級とか二十七人学級ですよ。文部省が調査したのを、私、調べてみましたら、本務教員という授業を担当する者一人当たりの生徒数が日本は十七・二人、アメリカは十四・六人、イギリスは十五人、フランスなどは十二・六人、こういうことなんです。学級編制基準だってそうです。日本は今四十人学級。アメリカは学級編制基準がない。しかし、州平均で二十九・二以下に決められている。二十七人とか二十五人になっているという実態です。これは挙げれば切りがないほど、実例は皆さんよく承知のはずですよ。  そういうことで、生徒減少期をどうとらえるかという問題、いろいろな角度はあると思います。その一つをきょう私はいっているわけですけれども、やはり行き届いた教育が必要だ。(「少なければいいものじゃない」と呼ぶ者あり)少なければいいものじゃないといったけれども、じゃあヨーロッパやアメリカなんかは少なくて悪い教育をやっているか、そんなことはいえないですよ。やはり一人一人に行き届いた教育、こういうことでの施策、もちろんほかのいろいろな課題はあります。私は最初にいったように、朝日新聞のこういう問題点にだけ絞って質問するといっていますから、ほかのことは触れませんけれども、そういうことだと思うのです。  改めてお聞きしますけれども、三十人学級、あるいは三十五人学級の検討をきちっとすべきだというふうに思いますけれども、いかがですか。 ◯加島学務部長 この懇談会におきまして、どのようなことを検討いただくかにつきましては、現在、事務レベルで検討中であるというふうに申し上げました。そして事務レベルの検討の中でこうしたことを考えているということで、三点申し上げたわけでございます。  ですから、事務レベルでは検討を依頼しようというふうに考えているわけでございます。 ◯植木委員 今、依頼しようといったが、何を依頼しようかという主語がなかったのですが、明確にいってくれますか。私の質問とのかみ合いでですよ。 ◯加島学務部長 先ほども申し上げましたけれども、都立高校の個性化、特色化の推進、教育諸条件の改善、適正規模、適正配置、この三点について、現在検討をしているということを申し上げました。 ◯植木委員 いずれにしても、十二月までわずか四カ月でやろう。そういう長期構想ですから、都民のお母さん方、先ほども出ているお母さん方のような、そういう要求を入れていくべきだ、そういう立場でやるべきだということを強く要望しておきます。  次に、これは先日放送を始めたばかりのMXテレビ、これを私は見ました。まだ放送されて間もないうちでしたけれども、その中にこういうことが出ていました。「今、部活が危ない」、こういうテレビ番組があって、僕ははっとして、MXテレビ、まだ始まったばかりで興味深く見ていたのです。  かいつまんでいいますと、今まであった中学校のクラブ活動が突然廃部になってしまうケースが東京の公立中学校で相次いでいます、こういうのです。原因は生徒数の減少による教員の不足です。サッカー部やテニス部、バドミントン部が一年生の募集をやめてしまったとか、新しい先生が担任したら突然バレー部ができたとか、こういうのを、映像ですから、私がしゃべるようなのと違いますから、リアルに報道していたのです。これはどういう原因が予想されるのでしょうか。 ◯加島学務部長 クラブ活動ができなくなった原因についてでございますけれども、個々の学校の事情を調べてみないとわからない点も多いかというふうに思いますが、一般的に申し上げれば、児童生徒が減少し、学校が小規模化した。そのために教職員の配置が少なくなって、多種多様なクラブ活動の展開に制約が出ているのではないか、このように考えております。 ◯植木委員 小規模化したため、こういうお話でしたね。小規模化というのは何学級くらいかというのは、いろいろ考え方があるようですが、一般的に定数配置なんかで比較している十三学級以下、それから極端に少なくなる経過の途中で九学級以下、この小規模校の学校全体に占める割合はどのようになっておりますでしょうか。 ◯加島学務部長 平成五年と七年を比べてみるという形で申し上げますと、十三学級以下の学校につきましては、小学校では平成五年度が七百七十三校で全体の五四・八%、平成七年度には八百四十五校で全体の六〇%になってございます。  ただいまのは十三学級以下でございますが、九学級以下ということで申し上げますと、平成五年度が百七十校で全体の一二%、平成七年度には二百三十校で全体の一六・五%ということになっております。  他方、中学校でございますが、十三学級以下の学校では、平成五年度に三百九十五校で全体の五九・四%、平成七年度には四百五十八校で全体の六八・八%となっております。そのうち九学級以下の小規模校につきましては、平成五年度に百五十五校で全体の二三・三%、平成七年度には二百十九校で全体の三二・九%になっております。 ◯植木委員 実に小学校では十三学級以下が六割を超えている。中学では七割に迫ってきているわけです。これは先ほどの長期検討委員会じゃございませんけれども、十年後は、単純計算でしますと、どうなるのでしょうか。 ◯加島学務部長 単純計算ということでございますので、現行を前提に単純に計算いたしますと、十年後の平成十七年では、十三学級以下の学校は小学校で全体の七三・九%、そのうち九学級以下の学校は全体の二六・一%でございます。中学校では、十三学級以下の学校は全体の九〇・三%、そのうち九学級以下の学校は全体の六六・六%でございます。このように予測できます。 ◯植木委員 つまり今後も小規模校が、このまま単純に計算すると続くと。むしろ非常に大変になる。中学校では九割を超えてしまうのです。クラス編制が違いますからあれですけれども、小学校でも七三%、圧倒的多数になってくるのです。  そういう中で、小規模化に伴う教員定数について、これまでどう変えてきたでしょうか。 ◯横川人事部長 小中学校の小規模化に伴う教員定数の改善についてのお尋ねでございますが、平成三年度に小中学校の四十人学級を完成させております。それまでに至る間に、計画的に教員の増員を図るとともに、学校の小規模化に対応するためには、平成二年度に、中学校の生徒指導担当教員加配基準を現行の十五学級以上校に改善しております。  現在では、平成六年度から国の第六次改善計画を踏まえまして、チームティーチングの実施等による定数改善を図っているところでございます。 ◯植木委員 図ってきたというのですが、現行の配置基準で実際にいろいろ教育をやってきて、現状で十分というふうに考えているのでしょうか。どうお考えですか。 ◯横川人事部長 小中学校の配置基準は、教員総数で国基準を上回って配置しているところでございます。学校の小規模化の進行に伴いまして、児童生徒の指導上、さまざまな課題を抱えていることも事実でございます。  今後、学校運営の実態や国の改善の動向を勘案しつつ、小学校においては専科教員の配置基準、中学校においては生徒指導担当教員の配置基準について、定数改善できるように努力したいと考えております。 ◯植木委員 いろいろ改善をやってきたというのですけれども、現場では実態は非常に大変ですよ。今お話あっただけでも、まだまだ改善が必要だといっているわけですね。  ところで、そうすると、授業や学校運営についてどのような支障があるというふうに、現時点では認識しているのでしょうか。 ◯買手屋指導部長 小規模校では、所属職員がすべての児童生徒の理解を深め、指導に当たることができるという利点もございますが、児童生徒数が減少することによりまして、学校内での人間関係が固定し、相互に切磋琢磨する機会が少なくなり、また学校行事等でも参加児童生徒数が少ないことから集団的な行事に制限ができ、盛り上がりに欠けたりすることがございます。また、教員の数が減るということから、学校運営上からは教員一人当たりの校務分掌が多くなったり、出張しにくくなるなどの課題も生じます。  さらに中学校におきましては、選択教科やクラブ活動の開設が制限されたりして、生徒の希望を十分に生かせないという場合もございます。 ◯植木委員 学校運営についていろいろ支障があるというお話でした。人数が減ることによる弱点と利点と両方いっていたわけですけれども、そうはいっても、世界的には小規模校、あるいは小学級の人数、こういう学校傾向もあるわけですから、その利点、それから欠点を補っていくことが非常に大事だと思うのです。特に、今現実に学校で先生がゆとりをもって生徒と接するには、今もお話があったようにいろいろな校務分掌も多くなってきている。選択学科やクラブ活動の制限がされて、それを補わなければいけない。例えば家庭科の専門の先生がいないと、専門でない先生が家庭科の授業をやらざるを得ないとか、先生が産休で休んだりすると、代替が講師の先生で二十時間という限度があったりして、ホームルームをやるのにほかの先生が応援にいかなければいけない、これはあるわけですね。  そういう意味では、やはり先生の定数そのものを、チームティーチングとか、ほかの周りを整備することも大事ですけれども、きちっと教員定数をやることと、それから先ほども出ていましたけれども、三十五人や三十人学級とかいうことも検討していくとか、そういうことが必要ではないか。三十人学級の問題は先ほどいいましたから、定数の問題で、ぜひそこをぴちっと変えていくべきだというふうに思うのですが、いかがでしょうか。 ◯横川人事部長 定数の問題については、学校運営の実態や国の改善の動向を勘案しつつ、定数改善できるように努力していきたい、そういうふうに考えております。 ◯植木委員 抜本的な改善を図るように、都の指導でできることがたくさんあるわけですから、ぜひやってほしいと思います。  ところで、今年度の教員採用は何人だったでしょうか。 ◯横川人事部長 今年度実施しました平成八年度教員採用候補者選考の合格者数は小学校七十名、中学校百八十二名でございます。 ◯植木委員 ここ数年間の採用者数はどうだったでしょうか。 ◯横川人事部長 ここ数年間ということなので、五年間でお答えさせていただきますと、小学校の採用者数は平成三年度が七百二十四人、平成四年度が四百二十七人、平成五年度が三百四十人、平成六年度が二百八十五人でございます。なお、平成七年度は平成七年十一月一日現在で三百三十一人でございます。  中学校の採用者数は平成三年度が四百二十七人、平成四年度が三百二十八人、平成五年度が二百四十一人、平成六年度が二百三十二人でございます。なお、平成七年度は平成七年十一月一日現在で二百三十四人でございます。 ◯植木委員 ここ五年だけ見ても、小学校七百二十四名から、八年度はたったの七十名です。中学校は四百二十七名から百八十二名に落ち込んでいる。七十名といいますと、小学校は先ほど資料をいただいたのでは千四百九校ですね。二十校に一人しか新規採用がいない。どうするのでしょうかね。長期的に見て、教員の年齢構成はどのようになっていくのか、またどのようなことが将来予想されるのか、現状で比較してください。 ◯横川人事部長 平成七年度末で、小中学校とも四十歳台後半が年齢構成の中心になっており、学校組織の年齢構成のアンバランスが生まれております。このところの新規採用教員の急減によりまして、今後一層の高齢化が進むものと考えられております。  そのため、学校の活力が失われるだけでなく、中学校においては各教科教員の適正な構成が失われるおそれもあります。特に小学校におきましては、四十歳台が定年で退職する平成十六年ころからは、教員が千人を超えて補充をしなければならない状況になりまして、その時点で教員の確保が困難になるなど、教育の重要な課題になることが考えられると思います。 ◯植木委員 先ほど生徒が減っているという話があったけれども、生徒が減っているから先生が減っていいというものじゃないのです。平成十六年には教員千人を超えて補充をしなければならなくなる、どうするのですか、これは。こういう事態なんですよね。都教委として、こういうことは当然数字の上でわかるわけですから、それこそ単純計算で今できるわけですから、どう考えているかと、私は非常に不思議に思う。  これで先ほどいったように、学級人数の定数を減らしていけば、もっと教員は足りなくなる。やはり教員採用も含めて、それこそ長期的に先生方を養成する、そういう計画の中で定数配置増だって、今できるわけだ。十六年ごろになって慌てて対策を立てるなんという、そんなことで(「そんなこといっているのじゃない」と呼ぶ者あり)そんなこといっていないというけれども、この数字がわからないわけはないでしょう。だって皆さん、長期計画がずっと立っている。十年後の話ですよ。どう考えているのでしょうか。 ◯横川人事部長 私どもは、将来の教員の関係につきましては、新規採用教員の確保ができますように、新規教員枠の拡大に向けまして、現行の中で勧奨退職を促進したり、あわせて適正な人事管理に努めて対応していきたい、そういうふうに考えております。 ◯植木委員 将来が大変だというと今度は勧奨退職、全くあきれてしまう。本当にこれはあきれてしまう。十年後の話がそんな話しかできないというのは、私はけしからぬと思いますよ。それこそ長期的に定数配置増を今からきちっとやっていく。これは総合的にできるわけですから。都の努力でできることです。これは同じ質問をしても、また同じ答弁しか返ってこない、さっき以来の話を聞いていて、もうがっかりしましたから、これ以上質問しませんけれども、強くそれをいっておきます。
     最後に一問だけ。なぜ一問かといいますと、先ほど来の質問の中で、私の質問と大体似たような質問が出ました。  実は私は、第三回定例会の代表質問の中で、小中学校の耐震診断、耐震補強、それから老朽校舎について、都として独自の補助をすべきだという質問をいたしました。先ほどその回答といいますか、平成八年度に東京都として国の新しい制度に基づいて耐震診断、耐震補強、国の基準を超える部分について一定、都の助成をやるというお話がありましたので、その部分については省略いたしますが、その中身の問題で一点だけお聞きしたいのは、そういう中で、やはり区市町村から老朽校舎は本当に大変だというような思いがあるわけです。そういうのが、一つはこの制度の中で何とかできないものなのか。  つまり、耐震診断といったって、躯体だとか壁だとか、でかいところばっかりとは限らない。例えば壁が一つ、震災でぶっ壊れそうだ、ここを補強するにはやはり壁全体をやるとか、いろいろ工夫の仕方がある。屋根がどうもおかしい。屋根全体でやれば、老朽部分も含めてやれる、そういう可能性がないのかどうか。あるいはある程度の制約があるとすれば、どういうふうになるかわかりませんけれども、今ある制度、それから八年度に都が要望しようとしている中で、そういうことが可能なのかどうかということが一つ。  もう一つは、やはりそうはいっても、それはあくまでも付随するものとしてですから、やはり老朽校舎についての切実な区市町村の要望である都独自の上乗せをやっていただきたいという二点、お答え願いたいと思います。 ◯渡辺施設部長 二点にわたってお尋ねがございました。  第一点は、ガラスや壁の落下防止等についての補助でございます。現行の、これは国の施策でございますけれども、事業費が四百万円以上の校舎などの耐震補強工事の中で実施される強化ガラス、外壁、躯体設備等につきましては、国庫補助の対象になります。  二点目のご質問でございますけれども、都の助成措置につきましては、先ほどもご説明申し上げましたけれども、都区財調制度とか市町村振興交付金などの制度が現にございまして、そうしたことを踏まえて、また加えて財政状況などを踏まえながら、国の五カ年計画に伴う着実な実施を図るべく、十分関係部局と検討してまいりたいと思います。 ◯植木委員 ほかの質問は、時間の関係もありまして一応省略いたしますが、ぜひ今度の施策の中でできるということも、よく周知徹底してやってほしい。それから今後については、国が国がというお話がありました。もちろんいろいろ制約があるから、そう単純ではないと思いますけれども、しかし都として一歩踏み出すということをぜひしていただきたいということを重ねて要望して、終わりにします。 ◯工藤委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。  事務事業に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ◯工藤委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。  以上で教育庁関係を終わります。  これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。    午後四時四十分散会...