それから、
都立荏原病院の場合も今二百二十四人というご報告がありましたけれども、もし
豊島病院の近くにお住まいの方が荏原に通うということになりますと、
東上線大山駅から池袋で
山手線に乗りかえる、
山手線で
五反田に行って、
五反田から今度は
池上線に乗りかえて
洗足池でおりる、
洗足池からはバスに乗りかえて
荏原病院まで行く、こういうことになるわけですけれども、ざっと乗車時間だけでも四十二分かかりますね。それから、池袋の乗りかえ、あるいは
五反田も
池上線はJRから高架になりまして、
上りおりが行き帰りではある。そのほか待ち時間、徒歩を入れますと、実際お近くの方が荏原に通うとなると、私の推計では一時間二十分から三十分ぐらいかかるのではないかと。こういう現実を見るならば、患者さんにとって、
荏原病院が紹介されても、実際に通院し診療を受けるという点では大変大きな負担がかかるというふうに思います。そういう点では、患者、住民の皆さんが
診療継続を本当にしてほしいと、こういうふうに求めるのは当然だというふうに認識しています。
また、
紹介予約制についても、板橋区議会の衛生・
児童委員会全員協議会でも意見が出されたとおり、いつでも、だれでも、どこでも安心してかかれる
医療機関としてその役割を果たすよう、
都立病院の
紹介予約制に反対する意見が出されています。私は、全都民的な立場から見ても、
高度専門医療の充実はもちろんのこと、あわせて地方自治体として、
地域住民がいつでも安心して診療してもらえる、そういった病院として
地域医療も両立させるということが大変大事だと前回の審議でも述べてきたところですけれども、そういう点で地域の協力があってこそ、やはり
都立病院の機能も果たせるというふうに考えています。そういう点で、
継続診療を求める要求は、
地域住民にとって
一般診療が継続できるよう、そのことも含めて求めていると考えています。この点で、どう考えているのか改めてお伺いし、また、今後住民との話し合いをどう行って理解を得ようとするのか、この点についてもお伺いしておきたいと思います。
◯大塚病院事業部長 都立病院は
高度専門医療及び
行政対応が必要な医療を都民に適切に提供することをその基本的な役割としているということは、再三申し上げてまいりました。また、あわせて、これらの
高度医療等を支える
総合診療基盤、これを地域に不足する医療に活用するというか、寄与するといいますか、これもまた役割の一つであるというふうに考えています。
都立病院の限られた
医療資源の効率的な活用を図り、可能な限り多くの都民に
高度専門医療を提供するためには、各
医療機関相互が連携を図っていくことが必要であるというふうに考えています。今後とも
地域医療の
システム化を通し、都民に適切な医療を提供するよう進めてまいります。
また、
病院建設に当たりましては、住民の理解と協力を得ていくことが重要であるというふうに考えております。
事業推進も当然でございます。必要の都度十分な説明を行い、
地域住民の理解を深めながら、今後の
事業運営に努めてまいりたいというふうに考えております。
◯丸茂委員 一言意見だけ述べておきますけれども、私ども、この
豊島病院の改築に関する請願は、それぞれもっともな内容ですし、それから
紹介外来についても、
都立荏原病院等でかかりつけのいない患者さんの通院に便宜を計らうという点でも改善が図られていますし、ぜひ住民の要望をよく聞いていただいて解決を図っていただきたいという意見を述べて、終わりたいと思います。
◯植木委員長 ほかに発言はございますか。
◯藤沢委員 この
請願等につきましては、過般二月一日、六月十六日において
理事会で
取り扱い等を検討させていただいた折に、
請願者の願意を十分に生かせるようにということで、
委員会でどのような論議をすること以上に願意を生かせるように、
理事一丸となって協力をしようじゃないか、こういう姿勢で我々も
病院事業部に、あるいは
衛生局当局に対して、そうした立場から促進を図らせていただいてきたところであります。
しかし、過般ご説明があったように、
地域住民との対話、
説明会において十分な同意が得られ、そんな中で
全面改築の方向が定まったという報告も既になされている折でございまして、私はそういう立場に立つならば、
請願者の願意が既に実現をされているということで、
委員長の
委員会の対応として、
請願者に対して十分な理解を求め、請願の取り下げを促進するような
委員会運営を図ってしかるべきではなかろうかと。いろいろと単なる期待感だけをいつまでも与えながら、
委員会で論議の場にだけ上げていくというような対応については、私は
委員長の
やり方については不十分で納得ができない、そんな気持ちであります。
この件につきましては、もう既にそうした方向性が出て進められている形でありますから、仮に
審議促進の請願が出たといえども、
委員長が責任を持って
請願代表人、あるいは請願の
紹介議員等を通じて、これらを取り下げていただくように、責任を持って進めていただくよう意見を申し上げる次第でございます。
◯植木委員長 今、
藤沢理事から意見が出たわけですが、これは
理事会で一応取り計らいは結論が出てこちらに臨んできたわけでございますので、この意見の
取り扱いはどうしたらいいのでしょうか。
理事会でやりますか。
◯藤沢委員 いや、保留という結論については結論が出ていることですよ。しかし、意見について開陳をするということについては、
理事会でだれがやるという話は一切されておりませんでしたし、私もかねがねそうした意見は
理事会でも申し上げてきたところですし、当然にそうした機会を、ほかの委員に意見の開陳、質疑等が許されるなら当然やってしかるべきだ、こういう立場でやったわけですから、それについて
委員長が
委員会運営で何かいうことは、人の意見を差し控えるとか差しとめるというのは、ちょっと専断に過ぎるのじゃないですか。
◯植木委員長 ちょっと速記をとめていただけますか。
〔速記中止〕
◯植木委員長 速記を始めてください。
ほかに発言がございますか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
◯植木委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
本件は、保留とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
◯植木委員長 異議なしと認めます。よって、請願五第三〇号、請願五第一三六号及び陳情五第三七号は、保留と決定いたしました。
━━━━━━━━━━
◯植木委員長 次に、六第三〇号、都立骨髄移植センターの設置と骨髄移植医療体制の整備拡充に関する請願を議題といたします。
理事者の説明を求めます。
◯吉川医療福祉部長 請願六第三〇号、都立骨髄移植センターの設置と骨髄移植医療体制の整備拡充に関する請願についてご説明申し上げます。お手元資料3の四ページをご参照願います。
請願者は、新宿区、公的骨髄バンクを支援する東京の会代表野村正満さん外十万三千八百八十六名でございます。
まず、一についてでございますが、請願の要旨は、急増する骨髄移植のため、都立骨髄移植センターを早急に設置すること、というものでございます。
骨髄移植は、無菌室の整備など高度の医療設備と多くのスタッフを必要とすることから、民間医療施設を含む総合的な骨髄移植医療体制の充実について、国に働きかけるとともに、都としても、今後とも施策の充実に努めてまいる所存でございます。しかしながら、新たな都立骨髄移植センターの設置は困難と考えております。
次に、二についてでございますが、請願の要旨は、現在ある
都立病院の無菌室を、骨髄移植ができるように、次の必要な措置を講ずることというもので、具体的には、の移植臨床医及び看護婦を増員すること、の骨髄移植を実施するのに欠かせない麻酔科や栄養科などの周辺支援体制を整備すること、というものでございます。
都立病院におきましては、現在駒込病院に六床、清瀬小児病院に一床の無菌室を設置し、年間三十例に及ぶ骨髄移植を実施しております。特に、駒込病院につきましては、その持てる機能を最大限発揮しているところであり、都内における主要な移植実施施設として、骨髄移植医療に寄与しております。
都立病院といたしましては、それぞれの
都立病院の役割を踏まえた上で、今後とも骨髄移植医療に積極的に対応していく考えであり、現在改築を予定している
豊島病院に二床程度の無菌室の整備を計画しているほか、府中病院においても無菌室の整備を検討しております。また、無菌室の整備に合わせて必要なスタッフの配置を行い、骨髄移植医療体制を整備してまいります。
次に、三についてでございますが、請願の要旨は、現在計画中の都立駒込病院における無菌棟関係の改築工事の期間を最大限短縮するとともに、工事期間中の代替施設を確保すること、というものでございます。
駒込病院の改修工事につきましては、無菌病棟の工事を、例年無菌室の整備保守点検で休止する時期と合わせて実施し、期間も最大限短縮して一カ月程度で終わらせるよう計画しており、移植への影響を最小限にとどめるよう配慮してまいります。
今後とも事業の充実に努めてまいりたいと存じます。よろしくご審議のほどお願いいたします。
◯植木委員長 説明は終わりました。
本件について発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
◯植木委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
本件は、保留とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
◯植木委員長 異議なしと認めます。よって、請願六第三〇号は保留と決定いたしました。
━━━━━━━━━━
◯植木委員長 次に、六第三六号、低肺者の入院保障に関する請願を議題といたします。
理事者の説明を求めます。
◯吉川医療福祉部長 請願六第三六号の、低肺者の入院保障に関する請願についてご説明申し上げます。お手元資料3、五ページをご参照願います。
請願者は、清瀬市、東京都患者同盟会長小島貞夫さんでございます。
請願の要旨は、結核の犠牲者である重度後遺症を持つ低肺患者が病状の急変等により即刻入院治療を要する事態が生じたときは、特に国公立病院が責任を持って担当するよう都も努力していただきたい、というものでございます。
結核による低肺機能患者が急性呼吸不全など呼吸困難になった場合は、迅速かつ円滑に患者を入院させ、医療の確保を図る必要があります。このため、都では、結核による低肺機能患者の緊急入院事業を実施し、東京都
保健所管内に居住し、医師が入院を必要と認めた結核による低肺機能患者に対して、多摩地区五病院に緊急入院ベッドを確保して対応に努めているところでございます。
また、特別区につきましては、国公立病院を含め、救急医療体制の中で対応しているところでございます。今後とも、同体制の中で万全を期してまいる所存でございます。よろしくご審議のほどお願いいたします。
◯植木委員長 説明は終わりました。
本件について発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
◯植木委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
本件は、趣旨採択とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
◯植木委員長 異議なしと認め、よって、請願六第三六号は趣旨採択と決定いたしました。
以上で
請願陳情の審査を終わります。
衛生局関係を終わります。
━━━━━━━━━━
◯植木委員長 これより
労働経済局関係に入ります。
初めに、第三回
定例会に提出を予定されております案件について、
理事者の説明を求めます。
◯小久保労働経済局長 第三回
定例会に提出を予定しております
労働経済局関係の案件は、
条例案二件でございます。お手元の資料2、
条例案の概要に沿いましてご説明を申し上げたいと存じます。
ごらんいただきますように、改正を予定しております条例は、東京都農業改良普及所条例の一部を改正する条例、及び東京都海区漁業調整
委員会委員及び東京都内水面漁場管理
委員会委員の報酬及び
費用弁償に関する条例の一部を改正する条例でございます。
まず、東京都農業改良普及所条例の一部を改正する条例でございます。これは、農業改良助長法の一部を改正する法律の施行に伴い、名称を「東京都農業改良普及所」から、「東京都地域農業改良普及センター」に改めるものでございます。
この条例の施行日は、農業改良助長法の一部を改正する法律の施行日に合わせることといたしております。
次は、東京都海区漁業調整
委員会委員及び東京都内水面漁場管理
委員会委員の報酬及び
費用弁償に関する条例の一部を改正する条例でございます。
これは、海区漁業調整
委員会委員及び内水面漁場管理
委員会委員の報酬を、今回の特別職の報酬等の改定に合わせまして改定するものでございます。
改定内容は、報酬の額を、会長につきましては二万七千八百円を二万九千円に、委員につきましては二万六千円を二万七千百円にそれぞれ改定するものでございます。
なお、この条例の施行日は、特別職の報酬等の改定に合わせまして、平成七年一月一日を予定しております。
以上、簡単ではございますが、第三回
定例会に提出を予定しております案件の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
◯植木委員長 説明は終わりました。
この際、
資料要求のある方は発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
◯植木委員長 発言がありませんので、
提出予定案件の
説明聴取を終わります
◯植木委員長 次に、陳情の審査を行います。
五第三三〇号の二、熱帯林の保全に関する陳情を議題といたします。
理事者の説明を求めます。
◯土肥
農林水産部長 お手元の資料3をお開き願います。資料に基づきましてご説明をさせていただきます。
陳情者は、渋谷区、サラワク・キャンペーン
委員会事務局長松江和子さん外十一名でございます。
陳情の趣旨でございますが、熱帯林の保全のため、国産材の利用促進につながる政策、制度的措置を実現していただきたい、というものでございます。
現在の状況関係でございますが、国内の木材需要が横ばいを続ける中で、木材の消費量における国産材のシェアは漸減しておりまして、既に二五%にまで低下する状況になっております。
一方、国内の森林の大部分は、戦後に植林された杉、ヒノキでございます。これらの多くは二十一世紀初頭には伐期を迎え、供給量の増大が期待されております。これらの状況を踏まえまして、国では、国産材の需要拡大を重要な施策として、利用促進のための事業を実施しております。
都におきましても、東京の林業、林産業の実態を考慮しながら、国の補助事業を中心にいたしまして、木材の利用促進の体制を整備する事業を実施してきております。今後とも国産材の需要拡大を図るとともに、利用促進のための施策の充実に積極的に対処してまいりたいと考えております。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
◯植木委員長 説明は終わりました。
本件について発言を願います。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
◯植木委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
本件は、趣旨採択とすることにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
◯植木委員長 異議なしと認めます。よって、陳情五第三三〇号の二は、趣旨採択と決定いたしました。
以上で陳情の審査を終わります。
労働経済局関係を終わります。
なお、本日審査いたしました
請願陳情中、趣旨採択と決定いたしました分につきましては、執行機関に送付し、その処理の経過及び結果について報告を請求することにいたしますので、ご了承願います。
これをもちまして本日の
委員会を閉会いたします。
午後一時五十九分散会...