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  1. 東京都議会 1994-05-23
    1994-05-23 平成4年度_各会計決算特別委員会(第21号) 本文


    取得元: 東京都議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-14
    午後一時六分開議 ◯花川委員長 ただいまから平成四年度各会計決算特別委員会を開会いたします。  本日は、局別審査のうち労働経済局に対する質疑を行います。  なお、本日は質疑終了までとし、意見開陳等は後日に行います。  これより決算の審査を行います。  平成四年度東京都各会計歳入歳出決算の認定についてを議題といたします。  これより局別審査を行います。  労働経済局関係に入ります。  労働経済局関係決算については、既に説明を聴取しております。  その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。  資料について理事者の説明を求めます。 ◯畠中総務部長 去る四月二十二日、当委員会におきまして要求のございました資料につきまして、ご説明申し上げます。  要求のありました資料はお手元の資料の目次にございますように、全部で三項目でございます。  まず、一ページでございますが、国際ファッションセンター株式会社設立経過及び支援策でございます。  表にございますように、国際ファッションセンター株式会社の設置目的、設立経過など八項目について記載してございます。国際ファッションセンターは、墨田区横網の旧墨田区役所の跡地に建設を予定しておりますが、7の欄に、当初計画では、平成八年度竣工予定でございましたが、8の経過と現状に記載してございますように、最近の経済情勢等を踏まえまして、施設計画等につきまして現在検討中となっております。  次の二ページでございます。高齢者就業総合センター(仮称)とシルバー人材センターとの関連でございます。  平成八年度に開設を予定しております高齢者就業総合センターと、区市町村シルバー人材センターとの協力体制などにつきまして図解してございます。高齢者就業総合センターは、就業を希望する高齢者の方々に対しまして、総合相談や実習等によりまして技能を付与し、シルバー人材センターの会員の養成を図るとともに、シルバー人材センターに対する各種の情報提供を行うなど、相互に密接な連携を図りながら事業を推進することとしております。  次に、三ページでございますが、平成四年度シルバー人材センター区市町村別会員数及び事業実績でございます。  ごらんの表には、二十三区二十七市等合計五十七地区のシルバー人材センター事業実績等を記載してございます。右の表の下段、総合計の欄をごらんいただきたいと存じますが、平成四年度末の会員数は四万一千二十八人、就業延べ人員は三百六十二万六千二百四人、契約金額は、百六十八億八千九十三万一千七十五円となっております。  以上、大変雑駁でございますが、要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願いいたします。
    ◯花川委員長 説明は終わりました。  ただいまの資料を含めて、これより質疑を行います。  発言を願います。 ◯井口委員 さきの一定の一般質問のときに、高齢者の働く意欲、そしてまた、健康、こうしたことを土台にして質問をさせていただきましたが、このことと同じような一貫性のあることで質問をさせていただきます。  二つに分かれておりますが、シルバー人材センターについての関係と高齢者就業システムの関係について、極力簡略に質問させていただきます。  一つは、シルバー人材センターにおける高齢者就業の現状はどうなっているかということでございます。発足して十数年たってまいりましたが、今日までの実績もあることでありますが、いろいろ心配されて、その浮き沈み、そんな意味で、まず現状についてのご説明をいただきたいと思います。 ◯宮澤高齢者対策室長 シルバー人材センターにおける高齢者就業の現状についてのお尋ねでございますが、現在、都内に五十八の区市町村、それぞれシルバー人材センターが設置されております。平成四年度末現在の会員数は四万一千二十八名となっております。前年同月比では、七%の増加となっております。また、平成五年度末現在では、四万四千五百三十人、前年同月比八・五%増となっております。  仕事の受注の状況についてでございますが、平成四年度の契約金額は、百六十八億八千九十三万一千円となっております。前年度の実績に比べまして八・六%の伸びとなっております。平成五年度におきましては百七十五億五千六百七十三万八千円、対前年度伸びは四%となっております。  また、振り返ってみまして、このシルバー人材センターができましてから、昭和五十三年からずっと眺めてみますと、十五年間連続で対前年度を平均一億円上回ってきております。いろいろなことがございましたが、結果的にはそのような数値になっております。 ◯井口委員 次に、既に十数年このことが実行されてきたわけでございますので、当初は、私たちも、市議会におりまして、今後こういうことがどうなるのかなと大変心配をしたことでありました。しかし、今お話がありましたように、このことが着々と進んできている。特に、今日また若い人たち、若いといっても定年を経た人たちが、極力このことに参加をしよう、こういうことでいるようでございますが、人間の社会は、このことは常かもしれませんが、どうも今まで取り組んできた先輩といいますか、古い人たちとのいろいろないきさつがある。  そんな意味で、運営の現状について、どのような問題があるのか、その辺のこともできる限り明らかにしていただきたいなと、こんなふうに思います。 ◯宮澤高齢者対策室長 ただいま古い会員、事業の課題というようなことについてのお尋ねがございました。この事業は、スタートしてから十九年が経過しつつございますけれども、スタート時点から、新しい事業であり、東京で誕生したもので、さまざまな課題を抱えてのスタートでございました。しかし、六十一年に、この事業の法制化が成りました。  そこで、都は、誕生をさせてきた責任と、それからいま一つは、法制上の責任という二つの面から、その後この事業がどのような展開状況になっているのか、すべての区市町村に出向きまして、振興財団とともに、あるいは区の担当の幹部の方とともに協議をしてまいりまして、その中で、大きな課題として把握しております。  その第一は、高齢者がシルバー人材センターで働くにつきましては、何といっても、楽しく、仲よく、助け合って働くという共働、共助の理念というのがございますが、これの実現が第一かと。 それに合っているかどうかということが一つでございます。それから二つ目には、これらの働き方の中で、仕事別のグループというものをつくっていくのが、私が申し上げました理念に一番沿っている、こういうことでございまして、これらを進めていく。  それから、それらの活動ができるように、区や市が会議室あるいは室内で作業できるような拠点の整備というものが二つ目にはございます。  三つ目には、シルバー人材センターの役員やリーダーたちが、自主的、主体的な組織活動を進めて、理念に基づいた運営体制を確保するということでございます。  これらの課題の解決を通じて、多くの会員が、今後とも、このシルバーに参画できるというものでございますので、都も、これらのことにつきまして、全体に声をかけていく、こういうことが必要かというふうに思っております。 ◯井口委員 そこで、シルバー人材センターの課題について、どのような対応策を考えているかということであります。これは東京都の総括的な取り組みもありますし、市町村体制取り組みもいろいろあります。この辺の対応策についてご説明を願います。 ◯宮澤高齢者対策室長 シルバー人材センターの課題についてということでございます。先ほどお答えいたしましたような課題を解決していくには、シルバー人材センターが努力していただくのはもとより、これについて区市町村補助事業者としてさまざまな援助をしていく、また、振興財団からの支援も必要である。そんなことから、自主的、主体的な運営を、まずシルバー人材センターは進めていくということでございます。  次に、区市町村は、先ほど申し上げたような補助事業者の立場から、さまざまな指導とか援助を一層進めていただく。それから振興財団につきましては、研修を進めておりますけれども、その中身についても、先ほど申し上げたような点を中心に進めていくということでございます。  さらに、運営の手引、マニュアル等の作成を通じまして、理念に基づいた仕事別グループづくりが進んでいくように進めていく必要があるというふうに考えております。  東京都は、シルバー人材センターが、魅力あるものとして、今後二十一世紀に向かって充実していきますように、振興財団並びに区市町村を通じて理念の実現を進めてまいりたいと思います。  そんなことから、ことしの二月に、区市の主管部長の皆様にお集まりいただきまして、区市町村高齢者就業対策の必要性、既にこの区市の中ではそのようなことを考えておられるところがございますけれども、それにつきまして、さらに、シルバー人材センターの充実、その支援の内容等々につきましてお願いをした次第であります。  また、二十一日には、全シルバー人材センターの会長、常務理事の皆様にも、このことを申し上げて、ともに力を合わせてシルバーの充実について進めていこう、こういうことをやってまいりました。 ◯井口委員 そこで、いよいよシルバー人材センターも中身がしっかりと取り組まれ、市町村ともいろいろこうした面の取り組みが充実をしていく、あるいは強化されていく、こういうことになっていくのでございますが、東京都が構築を進めている高齢者就業システムはどのようなことになっているのか、この点をお聞かせをいただきたいと思います。 ◯宮澤高齢者対策室長 東京都が現在進めております高齢者就業システムについてのお尋ねでございますが、高齢化が進みますと、健康で働く希望と能力を持った高齢者の方々が多くなってまいります。産業社会、とりわけ中小企業が想定されるわけでありますけれども、それから、先ほど申し上げたようなシルバー人材センター、こういったところで、多様な働き方というものを準備する必要があるというふうに考えております。  そこで、このシステムの仕組みについてでございますが、これからの労働力流動化の中で、転職して、高齢期に新しい仕事に挑戦したいとか、あるいは退職してもなお働きたいとか、退職を余儀なくされたとか、いろいろな方々がおいでだと思います。国でも、高齢者の働く問題については進めておられますけれども、都としても独自に取り組んでいこうというものでございます。  高齢者の働くニーズは、フルタイムだけではなくて、一日何時間とか週に何日とか、こんな働き方が求められておりますけれども、東京都では、新しい就業対策を総合的に進めることとして、まず、中小企業団体の参加を得て、高齢者の新しい働く場づくりを進めていこうというふうに考えております。  また、区市町村についても、参加をいただきまして、先ほど申し上げたような整備をしていく。  いずれにしましても、働く場づくりというものが最も重要であるというふうな認識でございます。  この就業システムの具体的な事業の展開の場でございますが、高齢者就業総合センターを八年度にはオープンできるように現在建設を進めているところでございます。 ◯井口委員 そこで、高齢者就業システムの構築による効果はどのようなものを想定しているのかということであります。今、ご答弁にもありましたように、高齢者就業総合センターが、平成八年に開設をする、これも労働省などもいろいろな意味で取り組みがされていると思いますが、東京のこの総合センターは、はるかに全国をしのいだ取り組みがされている。それがために、私は、開拓に開拓をしているという苦労があると思います。  そんな意味で、この就業システムの構築による効果はどういうものであるのか、この点をお聞かせをいただきたい。 ◯宮澤高齢者対策室長 就業システムを構築した、その効果はどのようなものを想定しているかというお尋ねかと思います。これからのことでありますので、想定ということになりますけれども、まず第一に、多様な働き方をしたいという高齢者の皆様方に、それぞれに合った働き方というものを開発し、それぞれに合った訓練を行い、これは人材開発と申し上げておりますけれども、それを受けてから働く、こういうことができるようになります。  次に、中小企業団体が参加し、その参加されました中小企業団体傘下の企業で働くということになりますが、これから先は構造的な労働力不足で、人材不足も想定されますので、それらに対応できるということでございます。  さらに、先ほど申し上げたような、シルバー人材センター会員づくりということもこの中で行います。  四つ目には、区市町村システムに参加しますと、身近なところでこれらのサービスの内容、相談に応じたりあるいはサービスがされるということであります。  五つ目には、高齢者が働きますと、結果としてでありますけれども、病院に行く回数が減るとか、地域福祉あるいはさまざまなそういった費用の節約にもなる、こんなふうに考えております。  そのほか、高齢者が働くことによっていろいろのノウハウが蓄積されますので、これらを都民各層に提示することによって、高齢者の働くことが進んでいくような効果も想定できるかと思っております。 ◯井口委員 そこで、高齢者就業システムの構築の進捗は、現在どのような段階に至っているのかということであります。目標を掲げて既にスタートをし、いろいろな準備がされているところでございますが、オープンと同時にいろいろなことが一気に始まるという意味では、前からそれらの取り組みをしていかなければならない。専門的なもの、あるいはサブ的なもの、たくさんの皆さんがこのことに情熱をかけませんと、これは実らない、私はそう思っております。  そんな意味で、高齢者就業システムの構築の進捗は、現在どういう段階にあるのか、この点をお聞かせいただきたい。 ◯宮澤高齢者対策室長 システムの進捗状況についてのお尋ねでございますけれども、先ほど申し上げましたように、高齢者就業総合センターが八年に開設いたしますので、これに照準を合わせて鋭意進めております。  まず第一には、受け皿づくりということで中小企業団体とこれまでかかわってまいりましたが、十九団体、一万二千社を対象に、これまでどのような技術、技能、知識を持った高齢者を受けますかという相談をいたしまして、その訓練、人材開発の道を開発してまいりました。  今年六月七日には、都庁におきまして、このシステムに正式に参加する中小企業団体の皆様にお集まりいただきまして、高齢者就業システムへの参加を呼びかけ、これにより参加した団体の中からの皆様の経営者の意識啓発といいますか、こんなことを進めまして、次の段階として、団体傘下の企業がシステムに参加できるかの準備をそれぞれしていただきまして、さらに参加できるという団体につきましては、その参加の企業の就業条件、どんな条件で受け入れるのかというような点について、一つの流れとして、これからはこの事業を進めてまいりたいというふうに思っております。  区市町村の関係については、先ほども申し上げましたが、昨年五月から区市町村が行う高齢者就業サービスについての対応をしてまいりましたところ、十数団体の区市町村から、考えているというようなことで、現在協議を進めております。したがって、これらの区市町村が一定の事業展開をもとに今後ご参加をしていただくように、私どもは、その問題点の解消を考えてまいりたい、こんなふうに思っております。  総合センターの機能はさまざまなものがございますが、新しい高齢者の就業を創造していくという観点から、それぞれの開発に取り組んでいきまして、また、中小企業団体区市町村とのネットワークをどのように結ぶかという情報システムについても、現在開発を進めているような段階でございます。 ◯井口委員 そこで、高齢者就業システムの構築を進めるためには、高齢者が働くことの社会的な合意が必要である。このことが成功しませんと、この仕事は進んでまいりません。  したがって、高齢者が仕事をするということに関しては、一面、高齢者を働かせるのかという疑問の話をする方があります。しかし、私たちは、そういう意味ではなくして、意欲のある人には積極的に取り組んでいただく、こういうことからの高齢者就業システムの構築ということを考えているわけでありますし、それでなければ今後の発展がない、こんなふうに思います。  そんな意味で、高齢者が働くことの社会的な合意、その必要、こういうことについての都の考え方をお聞かせいただきたい。 ◯宮澤高齢者対策室長 高齢者が働くことの社会的合意というお尋ねでございますけれども、さきの一定で井口先生からのご質問がございました。  高齢者が働くということは、単に高齢者の方の健康とか満足とかというだけでなく、先ほど申し上げたようなさまざまな社会的なかかわりがございます。そういったことについてさらに研究をする必要があるということで、現在取り組んでおります。  そのような取り組みの結果と、中小企業で働いて、よいケースといいますか、六時間で働けたというようなこととか、シルバー人材センターで楽しく働けたとか、そのようなデータを多く集めまして、これらをもとに中小企業団体での高齢者活用の進展とか、あるいは区市町村でのよい事例を集めまして情報として提供するとか、さまざまな形でこれから社会的合意形成を図っていかなければならないというふうに考えております。 ◯井口委員 そこで、最後にいたしますが、日本の今日までの歴史からいきますと、高齢者が急速にふえてくる、同時にまた、健康であることから大変一生懸命働こうとする意欲もある、そういうことで、私は、この高齢者対策がしっかりできることによって、日本の社会環境も、医療環境も、あるいはまた家庭環境も、いろんな意味で大きくよい形に前進していく、このように思います。  したがって、これから進めていくということは大変厳しいことでありますが、職員の皆さんも、そういう意味では真剣に、いうなれば国づくりをするような考えでこのことに取り組んでいただきたい。  特にこの総合センターは、全部を合わせますと一千億からの事業のものであるといわれているだけに、大がかりな取り組みをしたわけです。労働経済局長に決意を伺って、このことの達成が早急に、そして、目標に向かって着々と実現されるようにということを含んでお尋ねをいたします。  以上で質問を終わります。 ◯小久保労働経済局長 高齢者の就業を進めていきますことは、高齢者の生活を生きがいのある充実したものにしていきます上でも、あるいは、来るべき高齢化社会を活力ある明るい社会にいたします上でも重要な課題であると私どもは考えております。  このために、中小企業団体などの参加、国や区市町村などの協力、あるいは都民各層の理解などを得ながら、高齢者のニーズに即しました就業の機会を広げてまいりますなど、高齢者が働く新しい仕組みをつくっていかなければならないというふうに考えております。  高齢者の就業促進は、先生ご指摘のとおり、二十一世紀の東京のあり方にかかわる重要な課題であるというふうに認識をしております。今後とも真剣に取り組んでまいる所存でございます。 ◯寺山委員 平成四年度の労働経済局関係の決算の内容について質問をさせていただきたいと思います。  先ほど井口副委員長の方から、労働経済局でなさっているお仕事、それは国づくりをやるんだ、その気概でやっていけというふうな叱咤激励がございましたけれども、私もまさしくそういうふうに思うんです。  前回の決算の説明をいただいているときに、平成四年度の経済の動向ということで、生産、それから出荷の落ち込みに加えて、比較的これまで堅調であった個人消費も落ちてきた。都内の企業の倒産件数も、過去最高の水準に達していたはずです。都内の企業をめぐる経済状況は大変厳しいもので、しかも、今、井口副委員長の方からもありましたけれども、高齢者の方、あるいは障害者の方、最近また問題になっておりますが、女子学生の就職難ということも表面化をしてまいりました。  平成四年度の決算の内容を見ますと、こういう状況の中でも、中小企業の経営安定を図るための制度融資、これは融資目標額が一兆一千七百億円でしたけれども、約二・五倍近い二兆八千四百億円の融資を行うなど懸命に努力をなさっているというところは、非常に評価させていただきたいと思います。その中でも特に執行率の低いものに関して、幾つか質問をさせていただきたいというふうに思います。  まず初めに、一般会計の方の五三ページにございますけれども、地域産業の振興の問題でございます。  地域産業の振興を図っていって、地域の活力の維持、発展を図っていくこと、これは、景気後退に歯どめをかけるという意味でも非常に大切だというふうに思われます。先ほど申し上げました地域産業の振興ということで、この執行率が六〇・八%ということで低率だというふうに思われますが、この原因、主なものについてのご説明をいただきたい。そして、この事業の現状と今後の見通しについてお聞かせください。 ◯北爪商工計画部長 ただいま先生からご質問がございました、地域産業振興事業の執行率が低率となりました主な理由は、板橋区の工場アパート建設支援事業及び情報関連産業拠点設置支援事業の工事の進捗がおくれまして、執行率がそれぞれ六八・四%、三七・六%となったことでございます。  なお、その後、地元での工事に関する協議、手続等が順調に行われ、工場アパートにつきましては今年度中、情報関連産業拠点につきましては平成七年度中にそれぞれ完成する予定でございます。  今後とも、これら事業の工事の進行管理につきましては、十分意を用いまして指導、監督に努めてまいりたいと思います。  以上でございます。 ◯寺山委員 二つ目に参りたいと思います。  今度は流通産業の振興費についてでございますが、同じく一般会計の五五ページの中で、流通産業振興費中小企業国際化支援というものがございます。その執行率が四二・二%ということで、これもやはり低率になっているということですけれども、まず、その理由についてお聞かせください。 ◯吉松商工振興部長 中小企業国際化支援事業の不用額、十四億四千九百七十九万余円出ておりますが、この大部分につきましては、輸出信用補償事業てん補金の支払いがなかった実績減によるものでございます。  この予算は、国の動向でありますとか、過去五年間のてん補金の平均的な支払い率等を勘案いたしまして予算を計上いたしましたけれども、四年度におきましては、事故の発生が少なかったということで、予定よりも少ない支払いで済んだために不用額になったものでございます。 ◯寺山委員 事故などが発生したときのということなんですけれども、この輸出の信用補償というものが一体どのようなものなのか、あるいは過去五年ですとかそれぐらいの間で、執行率が高率だった事例ですとか、そういうことがございましたらご説明をいただけますでしょうか。 ◯吉松商工振興部長 輸出信用補償制度の概要でございますけれども、中小企業の貿易の振興を図るという観点から、貿易保険法に基づきまして国が実施をしております輸出手形保険につきまして、国と都がてん補契約をいたしました外国為替公認銀行輸出手形を輸出業者から買い取った後、支払いの相手国の外貨事情でありますとか外国の内乱等の事故によりまして、その輸出の代金が回収できなかった場合に、国と都がその損失をてん補するという制度でございます。  てん補率でございますけれども、国は手形額面の八二・五%、都は、これに上乗せする形で一五%以内を追加補償している制度でございます。  それから、過去の支払いの状況でございますけれども、平成三年度は六十四億二千万円というような支払いがございました。平成二年度は二十一億四千四百万、元年度は二十二億六千九百万というような支払いの状況がございました。  私ども、四年度につきましては、二十一億八千二百万を見込みまして支払い等に備えたところでございますが、先ほども申し上げましたように、実際の事故の発生が少なかったということでございます。 ◯寺山委員 次、三点目に行きます。  中小企業の近代化資金助成会計の方で一〇ページです。高度化資金貸付費、この貸付金が四九・六%ということで、これもまた低率になっているんですけれども、この理由をまたお聞かせください。 ◯吉松商工振興部長 中小企業高度化資金貸付制度でございますけれども、これは、中小企業者の方々が事業協同組合等を結成いたしまして、工場の集団化でありますとか、協業化でありますとか、また店舗を共同化する等の事業を行う場合に、国と都道府県が一定の割合で資金を負担いたしまして、長期低利の資金を貸し付ける制度でございます。  平成四年度は、予算上、二十四件、百四十九億円の貸し付けを予定したところでございますけれども、一件、五十億円余の冷凍倉庫の集団化事業でございますが、工期のおくれ等によりまして五年度に繰り延べになったというようなこと、その他事業協同組合等の内部の計画変更等によりまして、二十五億円ほどの貸付減額が出たわけでございます。ただ、この繰り延べました案件につきましては、予定どおり次年度、五年度で貸し付けを行ったところでございます。  今後とも適正な事前指導や相談等を行いまして、適正な予算計上に努めてまいりたいと存じます。 ◯寺山委員 続きまして、農林水産費、農業、それから林業、あるいは漁業の問題でございます。  やはりこれらも、決算の執行率ということで、農業、それから漁業金融対策の執行率が七四%、それから六九・三%というふうになっています。  もうこれはご承知のとおり、今、農林水産業を取り巻く環境というのは非常に変わってきている。その中で、農業経営の問題ですとか、あるいは漁業経営、この近代化を図るため、機械や施設の整備、それに対する投資、これが今非常に重要で必要なものではないかというふうに思います。  そのための低利で融資をしていただくような制度、これは非常に意義があるというふうに思いますけれども、執行率が低い理由と今後の対策、対応についてお聞かせください。 ◯柳澤農林水産部長 農業金融対策の執行率が低率となった理由でございますけれども、ご承知のとおり、景気の低迷による農業者等の新たな設備投資に対する意欲の減退等が主な理由と考えられます。  また、漁業金融対策におきましては、漁船建造単価の上昇、あるいは漁船の船室が木造から繊維強化プラスチック――FRP船と申しますけれども――への転換による漁船買いかえサイクルの長期化が原因と考えられます。  今後とも、既存の資金の充実や、農業者あるいは漁業者へのPRを積極的に行いまして、融資の促進に努めてまいりたいと思っております。 ◯寺山委員 最後に、障害者の方々の就職促進のための職場適応訓練についてお伺いをしたいと思います。  この執行率を見ましても、三五・一%ということです。今、井口副委員長の方からは、高齢者の方々の就業対策についてのお尋ねがあったんですけれども、ご答弁の中で、働く場をとにかく確保していかなきゃいけない、創出していかなきゃいけないというふうなお話がありました。この資金の非常に大切な部分というのは、なかなか職場にすぐに適応できないような、そういう障害をお持ちになっている方々を、雇用者の方々の非常に大きな理解の中で、いわば適応訓練のような形でなさっている。これが残念ながら三五・一%と非常に低率になっていますけれども、この理由と、これは真剣に取り組んでいただきたいと思いますが、今後の取り組みについてのご説明をいただきたいと思います。 ◯渡邉職業安定部長 職場適応訓練の制度について触れたいと思いますが、職場適応訓練は、高年齢者や障害者等の中で、すぐに就職することが難しいという方々に対しまして、事業主の協力のもとに、その能力に適した作業の訓練を行っていただくというようなことで、訓練が終了した後、できればそこで雇っていただきたいという趣旨で訓練をお願いしているものでございます。  こういった雇用奨励の制度がございますが、もう一つは、必ずしもこういった訓練を経なくても雇用が可能な障害者等がおられます。こういった方々につきましては、別に特定求職者雇用開発助成金制度というのがございます。こういった制度を活用していただくということでの雇用促進も現在図っているところでございます。いずれも国の制度でございますが、事業主の方は、実際に障害者等を雇い入れるかどうかというときに、その人の障害の程度がどの程度か、そして各事業所における仕事、職務遂行の困難度とか、そういったものを勘案しながら、訓練をして、その後雇い入れるか、あるいはすぐに雇い入れるか、どちらの制度を活用するかということで、選択できるようになっておるところでございます。  ご指摘のように、平成四年度におきます執行率が三五・一%と非常に低率になっておりますが、これは今申し上げましたようないろんな助成金制度、こういったものがかなり充実してまいりまして、そちらの利用でいきたいという事業所がふえている、こういうことがございます。しかし、実際には毎年いろんな障害者の方が出てこられまして、どの程度の方が具体的に安定所に出てくるか、予測が非常に難しいという点もございます。特に、重度の障害者あるいは精神薄弱者の方々、こういった方々にとりましては、職場適応訓練制度は非常に意義のある制度でございますので、そういった意味では、両方の制度それぞれのよさがございますので、十分PRする中で、大いに活用していただき、そして障害者の雇用促進に努めてまいりたい、このように考えます。 ◯寺山委員 羽田内閣の寺澤経済企画庁長官が、個人消費は若干明るさが見えてきているんだけれども、全体的に見れば、景気の見通しはまだまだ立たないというふうなことをおっしゃっておりますが、東京都の中、特に都財政も、やはりこれだけの財政難を迎えているわけです。ぜひとも執行率が高まるような努力を――効率的で効果的な労働経済局の事業が行われますように、平成六年度も含めてご努力をいただきますようにお願いをして、質問を終わりたいと思います。 ◯藤田委員 私は、都市農業について質問をさせていただきたいと思います。  都市農業は、大都市東京の貴重な緑地や環境の保全、そして身近なところから、より素性のわかる食品の供給という点で、守り発展させるべきだと考えております。都市農業、とりわけ有機農業を推進する立場から、幾つか質問をしたいと思います。  まず、平成四年度予算の都市農業の育成の事業内容と、執行率が九一%ということでございますが、どのようになっているかをお伺いしたいと思います。
    ◯柳澤農林水産部長 平成四年度の都市農業の育成のための主な事業でございますが、優良農地の保全を図る優良集団農地の育成、農業者と消費者の結びつきを深め、地域に密着した農業の確立を図る都市地域農業農産物特産化の事業、それから野菜の市場価格が著しく低下した場合に、農業者に一定の補償を行う野菜供給確保対策事業などでございます。  執行率の問題でございますが、一つには、優良集団農地の育成事業が、生産緑地法の改正等がございまして、指定要件でございます一ヘクタールの農地の連檐性の確保が非常に困難であったために指定面積が減少したことや、野菜供給確保対策事業が、四年度は野菜価格が比較的高値で安定をいたしましたので、農業者の価格差補給金が減少したことなどによるものでございます。 ◯藤田委員 今後とも、農業を守っていくためには、都民ニーズにこたえまして、環境の保全、食品の安全の視点に立っていく必要があるかと思いますけれども、この点で、都市農業の育成、とりわけ堆肥プラント及びモデル生産団地事業は、どういうような意味があるかを伺いたいと思います。 ◯柳澤農林水産部長 今、東京都が進めている有機農業推進事業は、モデルプラントを設置し、指定したモデル生産団地に優良堆肥を供給する、そういった事業でございます。都としましては、このことにより都民の食生活へより安全な農作物の提供をするとともに、畜産経営の上で大変大きな障害となっております家畜ふん尿を優良堆肥に変え、有効利用するなど、地力の維持増進や、都市環境の保全と農業経営の向上にも役立てたい、こんなふうに考えているものでございます。 ◯藤田委員 本年度、待望のといいますか、非常に少数ではございましたけれども、生産団地の指定が二団地ございました。どのような農業者グループが指定されるのか、そしてまた、モデル事業を進めていく上では、区市町村や農協の連携が非常に不可欠であると思いますし、またここは非常に関心の高いところだと思います。この団地指定の基準、それから基礎自治体、農協の役割というものを教えていただきたいと思います。 ◯柳澤農林水産部長 まず団地指定の基準についてでございますが、現在、実施要綱を局内で検討中でございますが、現段階で申し上げますと、主な原則として四点を考えてございます。一点目は、同一区市町村内にあるおおむね一ヘクタールの農地で構成されること。二点目は、有機農業を実践するのに優良な土壌条件であること。三点目は、五戸以上の農業者で組織するなど要件を満たした営農集団が組織されていること。四点目は、都が委託する調査、記帳及び分析資料の提供に対応できることなどでございます。  次に、指定及び役割分担でございますが、団地の選定についての基本的手続は、地域の農業協同組合の推薦を得て区市町村が調査検討の上、都に対し指定申請を行います。都は、区市町村等の意見を十分お聞きした上で、都の有機農業推進指導班会議というものに諮りまして、今後指定していく予定でございます。 ◯藤田委員 有機農産物に対する都民の期待は、いろいろな統計によっても極めて高いということはご承知のことだと思います。また、消費者にとって、食品の安全という点から、農薬についても非常に高い関心を持っております。この点で、栽培指針につきまして、六年度中に策定するというふうに聞いておりますけれども、その意義はどのようなものでしょうか。  そしてまた、栽培指針につきましては、当面、モデル生産団地で適用されていくというふうに聞いておりますけれども、どのように全体的に普及していくのかをお伺いしたいと思います。また、国のガイドラインに基づいて指定するわけですけれども、東京の実態として、他の道府県と比べますと、実際に私たちの身近なところで農業をやっているということで、消費者が見えるところの生産のために、既にもう少農薬、農薬を使うのを減らして栽培をしているという方向に進んでいるというふうに聞いております。このような実態を踏まえまして、都独自の指針と聞いておりますけれども、その辺の指針はどのようになりますでしょうか。 ◯柳澤農林水産部長 有機農業が普及していかない理由の一つに、一般の生産者が対応できる実用技術が確立されていないということがいわれております。そのために、生産者が有機農業に容易に取り組めるような技術体系について、試験プラントで製造された堆肥をモデル団地に使用するための栽培指針を今回策定したい、こういうふうに考えているわけでございます。  次に、栽培指針の普及についてでございますけれども、ただいま申し上げましたとおり、モデル生産団地用に策定する指針でございますので、一般農家の栽培指針としては、そのまま活用することはできないわけでございます。そこで今後、モデル生産団地の成果を踏まえ、標準的な栽培指針策定のための試験研究を進めまして、実用技術が確定した時点で、生産者に普及してまいりたいと考えております。  最後に、ご指摘のとおり、都の農業は消費者の見えるところで農業を営んでおりますので、一般的にはかなり少ない農薬の使用ということもいわれておりますが、都としては、できる限り化学肥料や農薬の使用を少なくすることが必要だと考えておりますので、当面は国のガイドラインに基づきまして、現在使用されております農薬、化学肥料を五〇%程度減らした栽培指針としたいと考えております。 ◯藤田委員 今のお話ですと、他の道府県よりもさらに農薬は、東京都で毎年減っていくんではないかと思いますので、その辺はぜひ、しっかりとした指針をつくっていただきたいと思います。  先ほど申しましたけれども、消費者にとっては、食の安全ということは非常に高い関心を持っているわけですが、有機農産物の表示について表示基準がこれまでなかったために、特に市場などで、有機農業という看板を掲げただけで、それがすべて有機農産物であるような、一部に混乱があったわけでございますけれども、栽培指針に基づく表示はどのように考えていらっしゃいますか。また、指針に基づく栽培の検証ということはどういうふうに考えていくのかをお伺いしたいと思います。  また、こういうシステムというのは、長期的には、有機農産物の認証制度にまで発展して、それを展望して考えていく必要があるかと思いますけれども、その点はいかがでしょうか。 ◯柳澤農林水産部長 モデル生産団地の生産物の表示につきましては、やはり現在、局内で検討中でございますが、国が定めました有機農産物の特別表示ガイドラインに基づく生産者名や減農薬、減化学肥料栽培農産物等の表示、加えまして、東京都としては、モデル生産団地の事業名を明記した表示をしたいと考えております。  次に、検証でございますが、生産者に農薬、肥料等の使用資材の記帳をお願いをする予定でございます。この記帳結果を、都が設置する支援チームが調査確認をするという段取りでございます。 さらに、土壌や収穫野菜などの残留分析も行いまして、検証指導をしてまいりたいと考えております。  最後に、認証につきましては、有機農業を進める上で一つの大きな課題とは考えておりますが、関係局もございますので、今後検討してまいりたいと考えております。 ◯藤田委員 認証制度については、なかなか難しい点もあるかと思いますけれども、宮崎県の例などがありまして、なかなかしゃれたマークをつくっていらっしゃるようですので、そんなのが東京の農産物として市場に出回れば、またそれは一つ大きな宣伝にもなると思いますし、どうぞよろしくお願いしたいと思います。  六年度以降の長期計画に沿って、生産団地の指定をふやしていく必要があるかと思います。今後の方向と、今二団地ですけれども指定されましたが、その指定期間が終了した後の団地にはどういうふうな対応をするのか教えていただきたいと思います。 ◯柳澤農林水産部長 指定をふやしていく必要があるかということでございますが、モデル生産団地の成果などの状況を踏まえまして、都の長期計画に沿って、モデル生産団地の指定を順次ふやしていきたいと考えております。  次に、モデル生産団地指定期間終了後につきましては、有機農業を推進するため、農業改良普及所などによる技術指導は継続して実施してまいります。また、重要な指定期間中の優良堆肥は三年間無償で供給いたしますが、その後は、希望する生産者に対して、供給可能な範囲で有償供給ということを検討してまいりたいと思っております。 ◯藤田委員 モデル生産団地というのは、もちろん名前がついているとおりモデル事業でございまして、この事業の展開をどうするかというのが今後の課題かと思います。私も、小平市とか、あるいは八王子にある牧場を見ましても、やはりすぐ近くには住宅があったり、そしてまた八王子の方は大学が周りにたくさんあったりということで、先ほどのお答えにもありましたけれども、家畜のふん尿のにおいとか、見ばえがよくないというのも一つあるかと思います。いわゆる畜産業と有機農業の連携をどういうふうに進めていくかというのが大きな問題ではないかと思いますけれども、この点ではいかがでしょうか。 ◯柳澤農林水産部長 都の畜産業は、都市化の進展や環境保全対策の問題等から、畜産農家が毎年減少してきているというのが現状でございます。また、野菜等を生産している農家は、消費者から新鮮で安全な農産物の供給を求められておりまして、有機農業を進めることは、都市農業の維持発展にとって大変有効な手段であると考えております。  モデル生産団地事業は、都の長期計画によりますと、平成十二年度まで継続することになっておりますが、その間、東京都といたしまして、モデル事業の実施状況を踏まえながら、長期的な視点で優良堆肥製造技術の確立、あるいはそういったものの普及、有機農産物の販売流通方法などについて、畜産農家、野菜農家、消費者などと連携をしながら、東京型の有機農業の確立について検討してまいりたいと思っております。 ◯藤田委員 今おっしゃった有機農業と畜産業の連携ということは、畜産試験場などの堆肥プラントでも、間近でにおいをかいでも全くにおいがしない、そしてなかなか真っ黒のいい肥料ができているようでございますので、環境保全型農業の推進ということがいえるんじゃないかと思います。 例えば害虫に強い品種の開発や土壌対策、また環境負荷に配慮した資材の開発など、いわゆるこれまでとっていらした農あるまちづくりという、その施策の総合的な推進が必要かと考えますけれども、それについてはいかがでしょうか。 ◯柳澤農林水産部長 東京都では、以前から農産物の耐病性品種の開発や消費者ニーズに合った品質の作出など、品種改良に取り組んできておりまして、トマトのウイルス抵抗性品種の開発などで実績がございます。各生産圃場の土壌について、土壌に含まれる有機質、窒素などを初め各種調査を行い、適正栽培方法の指導に努めてきましたけれども、今後は、さらに病害虫に強い抵抗性品種の作出や生物防除等、総合的に試験研究を進め、できる限り農薬や化学肥料の使用を少なくし、環境に配慮した農業の推進について検討をしてまいりたいと考えております。 ◯藤田委員 最後になりますけれども、今後の農業の育成にとっては、区市町村の役割が非常に大きいと考えております。都は、先般プランを発表いたしまして、まず基礎自治体への農業振興プランの策定支援、そしてまた連携、どのようなことを考えておられるのかを伺いたいと思います。  そしてまた、農業の育成にとっては、やはり担い手、後継者の問題が一番大きな問題かと思います。確かに東京は後継者率が高いんですが、やはりそうはいっても不足をしているということでございますし、また一方では、土地があっても後継者がいない、そしてもう片方では、都市化の中で、土地がないけれども農業をやりたいという方がたくさんいらっしゃる。実際にはやりたいけれども土地がない、続けていきたいけれども人がいないという、何か一緒にすれば簡単に話が済むんじゃないかなと思いますが、なかなかそこのところはうまくいかないようなので、これらを、実際の就労を展望して、そして両者を過渡的につなぐというような役割のために、農業ボランティアというものの活用も考えられるかと思いますけれども、いかがでしょうか。あわせて伺いたいと思います。 ◯柳澤農林水産部長 農業振興プランの問題でございますけれども、東京都の農業振興プランを実現していくためは、区市町村や農業団体、農家との連携をこれまで以上に強化する必要があると思っております。また、計画的に施策を展開していくということが必要と考えております。このために、都の農業振興プランと整合性のとれた、それぞれの地域の特性を生かした区市町村の農業振興計画が必要だと考えております。したがいまして、平成六年度から八年度にかけまして、計画策定に対する助成施策も行うことになっておりまして、区市町村が設置する策定委員会などを通じまして、助成施策とともに指導協力をしていきたい、こんなふうに考えております。  次に、担い手の問題でございます。  今回策定をしました農業振興プランにつきましても、担い手の確保と育成問題は、東京農業を振興するための大変重要な基本課題と位置づけております。都市と共存している東京農業は、都市住民などの広範な人々が、農業の新しい担い手として参加できる利点がございますし、ぜひそうあってほしいと思っております。このために、より多くの都民が農業ボランティアやパートタイマーなどとして農業に参加できる仕組みづくりと申しますか、そういったものの構築について今後検討を進めてまいりたい、こんなふうに考えております。 ◯曽根委員 私からは、資料でいただきました東京墨田の国際ファッションセンターのこの間の経過について、また関連して、有明南の東京ファッションタウンの経過の問題にも触れながら質問したいと思います。  資料の一ページで、これまでのファッションセンターの経過についていただいたんですが、最近の新聞報道で、特に五月十四日の朝日の夕刊には、墨田区が最大の出資者であるこのファッションセンターが、地代もゼロにし、権利金も十億円を引いて、無利子融資まで行って、区としては相当な持ち出しもしながら支援をしているのに、ファッション拠点としてのセンターのビル建設がまだめどが立たないという問題を取り上げて、大きな記事が出ております。当初の都市計画決定がされた段階での計画から見て、どの程度今おくれているのか、それについての東京都としての評価はどういうふうなことになっているのか、その点をお聞きしておきたいと思います。 ◯北爪商工計画部長 ただいまのご質問でございますが、今お手元にあります、委員会に提出しました資料に日程も若干書いてございますが、当初の計画では、工事着工予定平成五年度、竣工予定平成八年度ということになっておりました。しかしながら、長引く不況の影響等によりまして、オフィスの需要が沈滞しております。このために、オフィスの賃貸事業の誘致活動等がなかなか困難であるということ等を理由といたしまして、現在のところ工事に着工してございません。現在、墨田区の方ともお話をしておりますけれども、ある程度の期間おくれざるを得ない状況であろうと思います。この工事着工をいつにするのか、竣工をいつにするのか等、具体的な内容につきましては、墨田区の方からまだ話を聞いておりません。 ◯曽根委員 これは、新聞の報道でもいわれているのですが、私も墨田区の方に問い合わせてみたら、区としては、かなり前から、ファッション産業が集中している城東地域を拠点にした、こうしたセンターとなるものをつくりたいということで、最初は八階建て程度の建物を、センター機能を持ったものにつくろうという話から始まっている。しかし、都市計画決定された段階では、地上二十階建て以上の大規模な構想にかなり拡大されているわけですね。それが、先ほどお話しのあったようなバブルがはじけた影響、オフィス需要のだぶつきということで今行き詰まってきている。さらに、最近聞くところによれば、墨田区の中では、この第三セクターとの話し合いの中で、ホテルを誘致する、建てられるビルのかなりの部分にホテルを入居させて、それで何とか採算を合わせるような構想が出されているようなんです。こうなりますと、都市計画決定を変更しなきゃならない、さらに、基本的な趣旨が何だったのかということもだんだんはっきりしなくなってくるということで、ますます計画としてはおくれていかざるを得ないんじゃないかと思うのですが、こういうことについて、東京都としてはどうとらえていらっしゃいますか。 ◯北爪商工計画部長 今、先生がお話しされましたように、まだ検討の段階ではございますけれども、ホテルに一部転用したらどうかというような話もあります。ただ、具体的には、まだ構想の段階でございまして、最終的にそういうふうな決定をしたわけではございません。今後とも、まだ墨田区の方とも話し合いをしていかなければいけないと思います。ただ、このファッションセンターの主な仕事というのは、基本的には、通産省が打ち出しました繊維リソースセンターということでございまして、繊維に関するいろんな情報を集め、整理、分析、加工しまして、繊維産業――先生もお話しございましたように、城東にありますニットを中心とする繊維の業者にいろんな情報を流しまして、新しい産業の拠点とするということでございます。そういうことになりますと、当然のことながらそういった役割をこのセンターが果たすわけでございますので、そういった基本的な役割というのは、オフィスにするかホテルにするかはともかくとしましても、維持されるものというふうに考えております。  ただ、具体的には、まだどういうような構想でこのビルを建てるのかというのははっきり聞いておりませんが、もし変更等、ホテルとかそういったことになれば、当然のことながら、都市計画の確認とかいろんな問題がございますので、よく区の方と相談をしていきたいというふうに考えています。 ◯曽根委員 墨田区も相当な持ち出しですよね。墨田区としては、既に二十五億円の出資をもう決めているわけですが、そのほかに、先ほど報道でも出されているように、少なく見ても八十億円以上の持ち出しがあるだろうということで、それだけのお金を出すからには、採算をどうしても合わせなきゃならないという、痛しかゆしのホテル計画というものまで出てきているわけです。  これとの関係で、ちょうど同じ時期に、計画上では平成八年に竣工が予定されている臨海副都心開発地域内の有明ファッションタウンについては、東京都が最大出資者になっていますが、こちらもやはりファッション関連産業の、いわばセンター機能といいますか、そういうものは当然持って計画をされている。当初、やはりここも繊維リソースセンターという位置づけがあったというふうに聞いているんですが、その後のリソースセンターの位置づけの関係はどうなったんでしょうか。 ◯北爪商工計画部長 今ご指摘のとおり、当初、有明南に中央リソースセンター、墨田に地域型のリソースセンターというような考え方というのも一時ございましたけれども、その後ファッションタウン構想を確定していく中で、国、これは通産省でございますが、そういったところとも調整を図りまして、基本的には有明南の中央リソースセンターという考え方はなくなっております。最終的には、あくまでもニット産業等を中心としました城東地域、墨田地域の地場産業の支援、そういう形での地域型のリソースセンターという位置づけに墨田の方はなっております。  それから、有明南につきましては、民活法を当然適用したわけでございますけれども、そういったものを中心としまして、ファッションタウンといいますか、世界に向けての東京のファッションの発信基地を目指すという形になっております。それに合わせまして、中小ファッション関連産業の振興を図ろうというものでございます。  基本的には、この繊維リソースセンターの前に、通産省が打ち上げていましたワールドファッションフェア、WFFといいますけれども、それを支援するためのFCCという構想がございました。どちらかというと、有明南の方はFCCに近い構想になっております。 ◯曽根委員 今、有明南は世界に発信する東京のファッションの発信基地、墨田の方は城東中心の地場産業の拠点にと、それでうまく振り分けができればいいのかもしれませんが、実態としては、ファッション産業はそんなに間口、キャパシティーの広いものではないわけで、実際のところ、建設計画がどうなるかわかりませんが、ファッションタウンの方は、恐らく今年の夏ぐらいから本体工事が始まって、再来年春には何としても竣工というふうになってくれば、ファッションタウンの方が先にできてしまうわけで、ファッションセンターの計画に対する影響というのは、またさらに大きいものがあるのじゃないかと私は思うんです。  有明ファッションタウンでのテナント入居の見通しというのは今どうなっていますか。正式、仮契約も含めての契約がどの程度あって、さらにどういうところに入居の働きかけが行われているのか、お答えいただきたい。 ◯北爪商工計画部長 有明南の東京ファッションタウンでございますけれども、今先生がお話しになりましたように、現在、F街区、G街区とも基礎部分の工事をしておりまして、この夏ぐらいからそろそろ本体部分にかかろうかという状況でございます。そういった状況でございますので、東京ファッションタウン株式会社としましては、現在、ファッション関連団体や企業に対しまして、施設設備の内容であるとか入居企業に対する支援策であるとか、そういったものを説明しまして、積極的な誘致活動を展開している最中でございます。  お尋ねの契約状況については、まだそれぞれの関係団体とか企業とか折衝中でございまして、具体的に何社であるとかどこの会社であるとか、テナント名を出せる状況にはなっておりません。 ◯曽根委員 契約がまだ表に出せるものは一つもない、ファッションタウンの方でさえまだこういう状況なんですが、最近では、タウンの方は海外の企業にも誘致を働きかけているようなお話も聞いていますが、こういうところまで誘致工作というのか、働きかけをやっていらっしゃるのですか。 ◯北爪商工計画部長 有明ファッションタウンにつきましては、有明ファッションタウンを中心としまして、東京のファッション情報を世界に発信し、かつ世界のファッション情報を日本に取り入れる、そういう機能を期待しているわけでございますので、当然のことながら、日本企業だけではなくて、海外の企業につきましても、いろんな誘致活動に励んでいるところでございます。具体的には、イタリアであるとか、ミラノであるとか、そういったところにも現在話をしておりますし、近い将来には、台湾であるとか香港であるとか韓国であるとか、アジアの中でファッションの力の強い国々に対しましても、それぞれ関係の企業、団体等につきまして、できれば誘致活動をしていきたいというふうに会社は考えているようでございます。 ◯曽根委員 そうしますと、ファッション産業の事実上国際的な拠点にしようということで、今相当必死になって、あと一年半しかないわけですから、ファッションタウンの方は動いているということですよね。そういう中で、結局のところ、墨田も、資料によれば東京も十億円を出資しているわけで、これを成功させる上での責任も負っていらっしゃるということから、墨田のファッションセンターと有明のファッションタウン、それぞれが競合しないための東京都としての考え方、位置づけや、テナント入居についての考え方というのはどういうふうになりますか。 ◯北爪商工計画部長 先ほど来からご説明申し上げていますように、有明につきましては、世界的なファッションという中で位置づける、墨田につきましては、地域型のリソースセンターで位置づけるという、それぞれの位置づけがございます。  墨田につきましては、多分ごらんになっているかと思いますけれども、きょうの日経の「経済教室」の中で、関満博先生も、墨田のいろんな取り組みについて、こういう半ページぐらいの記事を書いておりました。三M運動であるとかいろんな話をしております。それで、墨田の中小企業というのは、どちらかといえばすし屋のカウンターみたいなものである、そういった中で、地元に密着したいろんな産業を育てながら、中小企業の役割というものを高めていきたい、このような話を紹介しておりました。  まさしく墨田のこの構想につきましても、そういった墨田の、地元のニットであるとかいろんなファッション産業をうまく地域産業として引きつけまして、各種の情報をそういった企業に渡し、かつ東京都の方の施設もできる限りバックアップして、地元の産業を育成していくという場にしていきたいと考えております。そういった意味では、有明と墨田の方はおのずと仕分けができるのではないかというふうに考えております。 ◯曽根委員 今、すし屋のカウンターというお話がありましたが、お聞きしていきますと、何度かお答えがありましたが、有明南は、ファッション関連産業の大手のところを中心に世界に乗り出す、墨田の方は中小企業でやってくれというような、結局、企業のグレードや規模で、それぞれどこを拠点にするか振り分けを決めていく、そういうようなことにならざるを得ないんじゃないかと思うんです。  抽象的なお話では、例えば、墨田のファッションセンターの基本構想の中には、企業参加機能として、都内はもとより、全国、海外の企業に開放され、先鋭的な企業を入居させる機会を積極的につくり、刺激的な環境を形成していくと。世界に乗り出すという話は、もう墨田のファッションセンターの中にも構想として入っているのですが、結局、競合しないようにするのには、企業のグレードで分けていく、こういうふうになるわけですか。 ◯北爪商工計画部長 それは必ずしも正確ではございません。当然のことながら、墨田というのは地域のリソースセンターということで、要するに、墨田及びそれを含みます城東地域での繊維産業の特性に応じた企業の誘致をするということだと思います。  それから、有明につきましては、そういった特性よりは、むしろいろんなファッション産業の中で、大企業も当然のことながら入ると思いますけれども、基本的にいえば、ニット、アパレルにつきましても、城東につきましてはニットを中心とするアパレルでございまして、その他のプリント地とかそういったものを基本的に基盤とする産業ではございません。そうしますと、城東地域の特性をうまく生かしながら地域のリソースセンターをつくっていくということになれば、当然のことながら、もともと地元にないような中小企業であるとか産業基盤をそこでつくるというわけにはいかないわけでございますから、その部分のところにつきましては、有明がそれなりの分担をしていくと。繊維産業の中でも、川上、川下、それから川下の中でも、それぞれのいろんな特性に応じまして、中小企業の誘致なり、中小企業の育成なり、そういったものを図っていこうというふうに考えております。そういう意味では、有明が大企業だけ、墨田については中小企業だけ、そのような考え方でやろうと考えているわけではございません。 ◯曽根委員 実際のところ、どちらを拠点にして企業活動をやるかは、最終的には、企業の方がどういう形でかかわるかによって、自分自身で決めていくのだと思うんですね。そのことについての規制は、都としても別にできないわけですよね。そういう点でいいますと、やっぱり私ども、大企業はこっちに来てください、中小企業はこっちに来てくださいというふうにはならないだろう。ファッションタウンの方も、再来年竣工に備えて一生懸命誘致しているけれども、契約はまだない。 恐らく中小企業も含めて引っ張らなければならないというふうな実態になってくるでしょうし、後にできてくる墨田は、ますますそれで地元から引っ張られないという保証は今何もないわけですから、私は、そういう意味で、ファッション産業という一つの分野の中で、一遍にこうした二つの拠点を都内の直近の場所につくって、両方成功させるというような経済状況じゃないというふうなことを率直にいわなきゃならないと思うんです。  それともう一つは、先ほど海外企業も誘致して、発信基地というようなお話がタウンの方でありましたけれども、これは、メリットになる中小企業も、時流に乗っていく企業にとっては一部あるかもしれませんが、日本の、例えば墨田を含めて、ニットなども含めての中小企業の中には、生産部門がかなり残っているわけですよね。こういうところが、今不況の中で、一般に市販されている服地関係ではもうほとんど外国にとられて、特定目的の、例えば企業の制服だとか、そういうことで辛うじて食いつないでいる部分が相当あると思うんです。  東京にあるアパレルメーカーの中で、縫製加工部門というのは何社ぐらいあって、その中で大企業と中小企業はどれぐらいの割合でありますか。 ◯北爪商工計画部長 繊維の場合には、川下、川上といろいろありますが、その中で代表的なものを挙げさせていただきますと、まずアパレルメーカーでございますが、東京には千四百社でございます。そのうち、中小企業は千三百二十社、パーセントでいいますと九四・三%でございます。それから、縫製加工につきましては、東京に四千五百社ありまして、すべて中小企業でございます。 それから、関連商品部門、服飾雑貨であるとか装身具であるとか、そういったものでありますと、三万九千九百社、このうち、中小企業は三万九千八百社、九九・七%、そのようなところでございます。 ◯曽根委員 アパレル関連、今お聞きしなかった流通部門、それから関連商品部門などもお答えありましたけれども、もう大手が幾つか入っているところがありますが、縫製加工部門だけは一〇〇%中小企業なんですよね。実態としては、これは中小企業でなきゃ成り立たない分野で、それもひところに比べれば半分以下に落ちていますから、大変な状況です。そういうところが、これから大手を中心に、確かに素材開発とかデザイン部門は国内に残すかもしれないが、生産部門というのはどんどん海外に移っている段階で、それをさらに促進するような国際的な情報基地みたいなのをつくれば、ますます表に出ていく。私は、縫製加工部門が、本当にこれでいわばとどめを刺されるのじゃないかというふうに思わざるを得ないのです。  こうした方向にならざるを得ないという点でも、ファッションタウンの位置づけ、それから、そこを拠点にして大手の企業がファッション関連産業の海外進出をねらっているということが――一方で、墨田のファッションセンターへの影響が多大に及ぼされるのとあわせて、東京都内で頑張っている中小の縫製関係を初めとしたファッション関連産業に大きな打撃を与える危険性がある。そういうところの対策を打たないで、どんどん進めていくファッションタウンの方を――建設会社その他我々も疑惑を追及してきましたが、東京都として、事実上、そこにてこ入れしていくということは、中小企業対策費にファッションタウンの予算を入れていることも含めて、全く納得いかないという点を私は指摘しておきたいと思います。  以上で終わります。 ◯桜井委員 ただいまの質問に関連しまして、一、二点質問をさせていただきます。  まず一点でございますけれども、先日の朝日新聞の夕刊ですか、あの記事をごらんになっていただいているかどうか、それを確認します。 ◯北爪商工計画部長 五月十四日土曜日付の朝日新聞の記事につきましては、存じ上げております。 ◯桜井委員 その中で、いろいろなコメントが――いろいろなというか区とか都とか書いてございますが、都のコメントが載っておりますけれども、それは事実ですか。 ◯北爪商工計画部長 あの記事を書く前提としまして、朝日新聞の記者が取材に参りました。その関係で、当方としましては、先ほど資料の中にもございましたように、平成五年度着工、八年度竣工という当初の計画というのはありますけれども、現時点のところ着工がまだされてない、そういう意味ではおくれるであろう、そのような話をしたことは事実でございます。 ◯桜井委員 そのようなお話をしたということと、その記事に書いてございます、要約ですが、そのニュアンス、それは、お読みになって大体合っているかどうか、お答え願います。 ◯北爪商工計画部長 そこに二行で書いてありますけれども、ニュアンスとしてはかなりずれているものと考えております。我々としましては、まだ墨田区から――現在どういうふうにこの計画を進めていくのかという話を今詰めているところでございまして、その結果さらに必要な行政上の手続とか、そういったものが必要であれば、ある程度の期間はおくれると思いますけれども、まだそういうような具体的な説明も受けておりません。  ただ、我々としましては、着工は五年度という予定はずれたということを申し上げたところでございまして、若干そのニュアンスというものは違っているのではないかというふうに考えております。 ◯桜井委員 これ以上その点は申し上げません。  次に、先ほどの答弁にもありましたけれども、東京都と墨田区の間で、この問題について、当然ながら事務レベル、その他のレベルで話し合いがされていると思うのでございますけれども、どういうような機関、東京都側でも区の方の側でも、どのような密度で行われてきたのか、その点を……。 ◯北爪商工計画部長 主として話し合いの局面というのは二つございます。一つは、墨田区がこのファッションセンターを中心としまして、墨田区のファッション産業、そういったものを全体として育成を図る、そのための審議会、そういう協議会というものを設けております。そこにつきましては、委員として、私、それから私の下の副参事がその中に入っております。本委員会の方は私、それからその下のワーキンググループについては副参事が入っておりまして、ここにつきましては多いときは月一回とか、そういったような頻度で墨田区の会合等がございまして、それには参加をさせていただいています。  その中で、建物を建てただけで墨田区全体のファッション産業が振興するというのはありませんので、当然のことながら、この国際ファッションセンターを中心として面として墨田区のファッション産業をいかに開発していくのかというようなところを議論をさせていただいているところでございます。  それからもう一つは、具体的にはこの国際ファッションセンターの開発計画、先ほどいいましたように、十億ほど都としても出資をしているわけでございますから、当然のことながらこの計画について無関心でいられませんので、私のところを中心としまして、国際ファッションセンターの事務局、それから墨田区の担当部長さん、その辺を中心としまして、現在、このファッションセンターの建設の進め方について協議をしているところでございまして、特に平成五年度着工予定という前提が崩れましたので、最近は割合と頻度を持ちまして議論をしているところでございます。 ◯桜井委員 そういうお話をされておるならば、先ほどの答弁のニュアンスを聞いておりますと、東京都側が区の方から話を聞いておらないとか、報告を受けておらないとかというような答弁のされ方が多々あるように感じたんですが、そういう答弁の仕方と今のお話の仕方ではちょっと矛盾を感じるんですけれども、そこらあたりをもっと整合性を持った答弁をしてください。 ◯北爪商工計画部長 答弁の内容について、しゃべり方について少し誤解があるような話し方をしている点につきましてはまことに申しわけなく思っております。ただ、この国際ファッションセンターにつきましては、五年度着工という当初の計画につきましては、現在のオフィスビルの需要等、そういったものを踏まえますと、なかなかそのままの形では竣工ができないというのが事実でございます。  そういう意味から、墨田区を中心としまして、具体的にどういうような形でこのプロジェクトを進めていくのかということについて現在検討しているところでございます。直接的には第三セクターである会社の責任ではございますけれども、当然のことながら、最大株主であります墨田区、それから東京都、その辺についても関与しているわけでございますが、ただ、具体的に、最終的にそれではこういう形にするというような、最終的な株式会社としての結論、その前提としての相談、そういったものをまだ受けている段階ではないということを述べたかったわけでございます。  ちょっと言葉じりが、言葉の使い方が不適切であれば、ここでおわびしたいと思います。 ◯たぞえ委員 九二年度の労働経済局の事業概要ですとか、また決算書を見て気がつきましたことは、中高齢者の就職、就業が大変ふえているということでありました。そこで、中高齢者の就業相談にかかわって幾つか伺いたいと思いますけれども、初めに、九〇年度に就業相談所を訪問して仕事を求めてきた方が、東京全部でも一万一千七百五十一人と大変な数でありました。九二年度の求職者数は、どうでしたでしょうか。 ◯宮澤高齢者対策室長 九〇年度の高年齢者相談所の新規の求職申込件数についてお答えいたします。新規の求職申込件数は、一万九千三百十件でございます。 ◯たぞえ委員 一万一千七百五十一人が一万九千三百十人ですね。九三年度でお話し伺いましたら、二万二千六百五十九人、このように大変な急増をしているわけです。このことは、深刻な不況の中での企業倒産ですとか、また、閉鎖、人員整理、首切り、さまざまな事情で、職を失われた多くの中高齢者の方が、どんなに苦しい、悲しい、つらい思いをしているかということを私は物語っているというふうに思うんです。  先日、世田谷にあります三軒茶屋高齢者就業相談所に伺ってお話を聞いてきました。五人の職員の方が、平成四年三月から一年間の間に四千八百人の求職者に対応をしているという相談所であるわけです。この相談所の所長さんがおっしゃっていたのは、前年に比べましても二割相談者数がふえている、そして、不況もあって就職の相談に来る方が年間で七千三百人も、品川区から、目黒区から、渋谷区からと、多くの区からこの相談所に来ているというふうにいっていました。大変忙しい毎日だと、こういう悲鳴も語っていたようです。  そこで、今東京都の就業相談所の数ですけれども、九〇年度の相談所数と九二年度の数を教えてください。 ◯宮澤高齢者対策室長 九〇年度と九二年度の相談所の数ということでございます。平成二年度におきまして、東京都社会福祉協議会から、高年齢者無料職業紹介所の移管を、私ども、労働経済局の高齢対策室が受けました。十カ所の高年齢者就業相談所を設置しました。  なお、従来から設置している十カ所の高齢者職業相談所と合わせますと、二十カ所ということになります。平成四年度には、この高齢者職業相談所と高年齢者就業相談所と一元化を図りまして、サービスの一元化といいますか、これを行うために、適正配置の観点から再編を行いまして、高年齢者就業相談所を十八カ所というふうにいたしました。 ◯たぞえ委員 結果的には十八カ所に数が減ったと、いわば縮小されたというふうに私は思います。この相談所が減ったというお話ですが、どこの相談所がなくなったんでしょうか。 ◯宮澤高齢者対策室長 縮小といいますか、再編の結果、新宿区と板橋区の二区でございます。 ◯たぞえ委員 その板橋でありますけれども、廃止の前年度で求職者千百九十六人と、全都で一番多い求職者数を抱えた相談所だというふうに聞いています。地元にとってもかけがえのない相談所。仕事がないか、こういう生活の中で、これからの生活をどうやっていったらいいかという点では、本当にこの窓口というのは、貴重な存在だというふうに思います。  この相談所ですが、地元板橋の区民の方は何割程度相談に見えていたんでしょうか。 ◯宮澤高齢者対策室長 平成三年度の板橋高年齢者就業相談所の新規の求職申込件数は千四百八件でございまして、このうち板橋区内の方が六百五十八件で、全体の四六・七%でございました。 ◯たぞえ委員 全体の約四七%の板橋区民の方がこの相談所を訪れて相談をしていたけれども、四年度になったら、その相談所がなくなって、行き先がない。ほかの区の相談所に行かれたんだというふうに思いますが、板橋区も独自に相談所を拡充するために、施設の確保ですとか、そういう努力がされている中での廃止、縮小という措置だということで、大変憤慨をされているわけです。  そこで、板橋の区議会が超党派で、相談所を存続をしてほしい、こういう意見書を都に出しておりますが、この中身を少し説明をお願いいたします。 ◯宮澤高齢者対策室長 板橋高年齢者就業相談所の存続の件につきまして、平成四年三月六日付で、板橋区区議会議長から、東京都知事あて、意見書をいただいております。その趣旨を簡単に申し上げますと、板橋区の住民の利用が過半数を占め、利用実績も高い相談所を閉鎖する合理的理由が見出せないので、従来どおり、区内に存続させることを強く要望するという内容のものでございました。
    ◯たぞえ委員 区または議会のそういう強い要望に対して、都としては、どのようにされていくおつもりでしょうか。 ◯宮澤高齢者対策室長 私どもは、このような利用関係があったわけでございますので、その後再編で設置いたしました巣鴨、それから北区の方にも設置いたしました。そして、板橋区でも、ただいま先生おっしゃったように、整備をされましたので、これは今の段階では、一応連携を強めようと。また、これからの板橋区における多くの高齢者のためにどのような措置が一番いいのかということにつきまして、私も出向きまして、福祉部長さん、あるいは区長さんと三、四回お話し合いをしました。  そして、現在、この相談所のことは連係プレーでやろう、その後のことについて話し合っている最中でございます。 ◯たぞえ委員 今後どうするかというよりは、むしろ、存続をしておいたことが一番近道だったし、正論じゃないかと私は思うんですね。今東京で、年金生活者、そして老齢年金受給者が六割近くいますが、その額といえば月三万円程度のわずかな収入しかないわけです。企業によっては五十五歳で定年というところもあったりして、やはり自分の能力、そして、これまでの技術を大いに発揮して、これからの人生を過ごしたいという方々が、結局は、板橋が、新宿がなくなったために、そういう高齢者の希望をつなぐことができなくなってしまった、そういう意味でも大変私は残念であります。  職員の配置でも、現在十八カ所というお話ですが、七十八名の職員が配置されているというふうに伺っています。しかし、非常勤の職員がこのうち三割というわけで、これでは本来、年間の高齢者の就職相談には対応できるものではない、このことを私は強く指摘をしておきたいと思います。  そこで、最後になりますが、区市町村と連携をとったり、また、都独自でも、高齢者の福祉や住宅ですとか、こういった総合的な相談を、先ほど局長が真剣にやっていくというふうにおっしゃっておりましたけれども、都はどういうふうに真剣に、こういった方々への対応を行っていくか、この点を伺いたいと思います。 ◯宮澤高齢者対策室長 先ほどの相談所の件につきまして関連で、充実につきまして、現在、高齢者就業システム構想というのを進めております。これにつきましては、中小企業団体と協議しながら、新しい形での受け皿を用意しております。そういったようなことで、これらのノウハウをこの相談所にも活用するような方向で、実質的に質を高めていくということを考えながら、先生おっしゃった幾つかの充実策についても真剣に対応してまいりたいと思いますが、これから、二十一世紀に相当ふえる高齢者については、もっと抜本的なことということで、現在開発を進めているのが、高齢者就業システムの構想でございます。  ここでは、先ほどもお話しいたしましたけれども、中小企業に受け皿をつくるというのが一つでございます。  それから、いま一つは、区市町村にも高齢者就業対策を進めていただく。しかし、これは、一律に全部押しつけるのではなくて、都の役割はこういうことをやりますけれどもということをお示ししまして、そして、区長さんや市長さんが独自の施策、サービスとして何をするかという点について、現在幾つかのところで検討が進められておりますので、そういったところを集めまして、一緒になって考え、そして、それを展開する場合には、都としての役割をどれだけ進めるかということで、お互いに分担をしまして、国の政策、地方の政策としての東京都の政策、また区市町村の事業、こういったものを関連させて、身近なところで高齢者の就業サービスを的確に進めていく必要がある。そういう中で、区市町村あるいは相談所、こういったものを包含して進めてまいりたいというふうに考えております。 ◯たぞえ委員 私の住んでいる世田谷区は、人口七十七万人という、都内でも最大規模の区です。 高齢者人口も一三%で、本当に区ももちろん頑張っているわけですけれども、やはり都がやるべき仕事というのは、縮小ですとか廃止ではなくて、高齢者のニーズにこたえるべき施策をきっちり示して、そして、大いにこれを活用してもらう。活用し切れていないところについては、必要な人を配置するとか、また、そうした計画を強力に推進をする、こういうことがあってこそ、やはり高齢者の収入を見込める対策をとれると思うんです。また、住宅や福祉の問題、それから病気の問題、こういう総合的な視点にもこたえていけることになるんじゃないでしょうか。  そういうことを特に強く要望して、質問を終わります。 ◯中山委員 前に財務局の方で、私、総論的に景気対策のことを質問したんです。予算はつけても、運用に非常に問題があるのではないかというような質問をしましたら、公共事業については、八〇%ぐらいまでどんどん前倒しをしている、それから、中小企業についても融資の枠を広げているというお話だったんです。  運用の仕方で、先ほど執行率の問題なんかもありましたとおり、信用保証協会というのがありまして、この信用保証協会があるためにお金を借りられることも事実なんですが、また、信用保証協会でひっかかって、いつまでたってもお金が出ないというような部分があると思うんです。そういう面で、不動産の価格が大分下落をしまして、担保を何にするかというようなことで、恐らく保証協会の方でもいろんなことを考えているとは思います。  一つは、その経営姿勢であるとか、私なんかもよく自分の商品なんかにも火災保険をかけたことがあるんですが、商品や何かも信用保証の対象にならないのかどうか。  それと、それ以外にも労働経済局で考えている信用保証協会のあり方を披瀝いただきたいんですが、同時にもう一つ、その裏返しで、今度は、お金を上げるわけじゃなくて貸すわけですから、やはり返してもらわなきゃならない。そういう手だても含めまして、信用保証のあり方と、もう一つは、融資枠をちゃんと決めたら、それをきれいに出せるような運用の仕方、この二点についてお答えをいただきたいと思います。 ◯吉松商工振興部長 信用保証協会の保証のあり方ということについてのお尋ねでございますが、お話にもございましたように、不動産等の下落が続いているということで、中小企業の方々の金融が非常に厳しい状況にあるということは、私どもも十分承知をしております。保証協会の方は、中小企業の金融上の不利といいますか、そういうものをカバーする視点から金融の円滑化に努めているところでございます。  特に、保証の審査に当たりましては、単なる物的な担保の評価だけでなく、経営者の経営能力でありますとか、企業の将来性、また、これまでの金融機関との取引状況など、企業の総合的な信用力を重要な審査の基準として、保証業務の推進に当たっているところでございます。  担保の問題として、商品の担保というようなお話もございましたけれども、商品と申しましても、なかなか多種類でございまして、その評価は非常に難しいというようなこと、また、担保商品の保管の問題でありますとか、それから、最近の企業の経営の方針といたしまして、経営効率化といいますか、そういう方面から在庫をできるだけ持たないようにするというようなこと等、いろいろ検討することが多いと思います。現在、直ちに商品担保金融という形での実施は困難かというふうに考えております。  また、保証の迅速化につきましても、これまでも保証協会に機会あるごとに要請をしてまいりました。現下の不況の状況を踏まえまして、迅速な審査に当たるよう、今後とも十分指導してまいりたいと存じます。  それから、信用保証協会は、保証つき融資のうち、中小企業者が返済できなくなったというような場合に、金融機関に対しまして代位弁済を行っております。  その状況でございますけれども、平成三年度は三千六百五十二件、二百三十億九千四百万円ほどでございましたが、四年度になりますと、六千六百六十八件、四百八十億一千六百万というふうに大分ふえてまいりました。また、五年度は七千八百十二件、五百八十三億八百万円というふうに、年々、景気低迷の影響を強く受けているところでございます。 ◯中山委員 そういう面で、いろいろ保証協会の方では担保をとるんでしょうけれども、できる限り融資の質や何かもしっかり見ていただきたいんです。  昨年、たまたま下町の方ですごく水が出まして、例えば地下に水が入っちゃったと。そういう災害のときに、二千万まで融資枠があっても、なかなか出してもらえないという状況だとか、または、ベンチャー企業というか、本当に将来性がある企業というのをどういうような尺度で見ているのか。  または今度は、環境保護を目的とした会社であるとか、リサイクルであるとか、または生ごみを機械に入れると、ごみの量をこんなにちっちゃくしちゃう、そういうような企業が申請したところ、やはり担保の問題でひっかかってしまったと。企業の質もこれから十分見ていただいて、融資については、保証協会だけじゃなくて、むしろ局内でそういうセクションをつくって、しっかりした保証のあり方について検討していただきたい。これは要望でございますので、次の点に行かせてもらいます。  あとは、大店法がいよいよ改正になるように聞いておりますが、これについて、中小企業としては、地域の企業者としては大変心配しているんですね。  例えば、商業的な活動にしても、昔は近くの近隣商店街のことばかり考えていましたが、最近は、例えば新宿と浅草とか、上野と浅草とか、渋谷と新宿とか、こういうような大きな盛り場と盛り場で商圏をつくってお互いに競争し合うということで、大きなテナントを入れたり、また、大企業を入れることが地域の施策としては大切なんですが、近くの近隣商店街にとってはまた非常に大きな打撃を受けるということで、大店法と地域社会との絡みと申しますか、大型店舗と地域社会の絡み。  それともう一つは、例えば都市計画局では、再開発をすると、主流テナントをでかいものを持ってきますね。ところが、労働経済局ではソフト関係をやっていますから、近くの中小企業に、余り大きな店舗をキーテナントにしてやってくればつぶれちゃうよというような意見があると思うんですが、その辺、大店法に絡んでの労経局の一つの意見として披瀝をいただきたいと思います。 ◯吉松商工振興部長 今回、大規模小売店舗法の一部改正がございましたことは、お話のとおりでございます。  その改正の概要をちょっとご説明させていただきますと、法律そのものの改正はございませんでしたけれども、省令、通達等を改正することによりまして、規制緩和を五月一日から施行するという形になっております。  その主要な点でございますけれども、新規に出店するに当たりまして、五百平米を超えて一千平米未満の出店の届け出につきましては、原則、東京都の審議会の審議を経る必要がないというようなことでありますとか、閉店の時刻につきましても、従前は、午後七時以降の閉店時間の場合に調整が必要だったわけですが、それを八時にするとか、それから、休業日数等についても、年間四十四日以内の場合が調整の対象でございましたが、それを年間二十四日以内にするというような緩和を図っております。ただ、基本的な調整の考え方そのものは変えていないところでございます。  それで、大店法が改正されまして、やはり地域の中小企業の方々に非常に大きな影響があるのではないかというふうに想像はされるところでございますけれども、今回の改正の状況につきましては、まだ日にちが浅いので、詳細は把握しておりません。  私ども、お話がございましたように、地域の商業の発展の振興施策といたしましては、商店街の基盤を整備するという視点からのカラー舗装でありますとか、そこの商店街でのいろいろなイベント事業、そういうものを支援したり、また、個別の商店等につきましては、制度融資の中でも最も有利な環境変化適応資金などを適用することによりまして、中小企業、特に商業の方々の店舗改装等の事業を支援しているところでございます。  今後とも、大規模小売店舗と地域の中小企業の共存共栄を図るという視点から、事業を進めていきたいというふうに考えております。 ◯中山委員 都市計画局では、開発をするときに、必ずそこに大きなテナントを入れてというような形になりますので、労経としては、ハードの部分から比べればソフトの部分だと思うので、特に中小企業には、そういう面での手当てと申しますか、対抗できるような施策を練っていただく、そして、競争の原理がうまく働いていくことが大きな盛り場の発展だというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。  もう一つは、最近、青山商事や大きなスーパー、昔でいえばスーパー、今でいえば何ていうんでしょうか、よくわかりませんけれども、ディスカウンターが物価を半分にするというような宣言をして、相当大きな活動をするやに聞いているんですが、同時にそれは、消費者としては、物が安くなることは大変ありがたい。しかし、近隣商店街にとって、またそれが非常に大きな不安となって、青山が来るというと、ぱっとそれだけで反対運動をしちゃったり、なかなか地域に融合させなかったり、やはりさっきお話があったように、両方が協力をしながら一つの大きな盛り場をつくっていくのが一番望ましいと思うんですが、このディスカウンターと地域商店街とのかかわりというんですか、または、労経局から見ればどういう形で調整をしていくのか、この辺をひとつお聞かせいただきたいと思います。 ◯吉松商工振興部長 大規模店舗と中小企業者、消費者の利害の調整のお尋ねだというふうに存じます。  東京都では、従前からも大規模店、ディスカウンターを含めまして、その出店の調整に当たりましては、消費者の利益の保護に配慮しつつも、周辺の中小小売業者の事業活動の機会が適正に確保できるよう、地元区市町村や商工会議所、商工会等と密接に連携を図りまして、大型店の円滑な出店調整に努めてきたところでございます。  具体的には、出店予定者に対しまして、地元の中小小売業者と消費者に対し計画内容を十分説明をさせ、周知をするとともに、都の大規模小売店舗審議会等におきましても、中小小売業者、消費者、または学識経験者等の意見を十分審議に反映させまして推進をして、出店調整を行っているところでございます。  今後とも、双方、協調に基づきます共存共栄が図られますように、関係機関と連絡を密にいたしまして、円滑な出店調整に努めてまいる所存でございます。 ◯中山委員 今の件について、もう一点だけちょっとお聞きしたいんですが、折り込み広告だとかいろんなことで宣伝効果というか、やっぱり企業的に大きいですから、地域にすごい宣伝をするんですね。折り込みなんかでも、毎日のように私なんかも見せられると、確かに一般の小売店ではとても出せないような金額で出ているような広告がどんどん入ってくるわけですね。そういう大型店舗が地域に入ってきて、地域の近隣型商店街が非常に不安におののくというようなことがあるんです。  現実にそういうことは、新聞だとか、今までテレビでもやっておりましたので、恐らくその辺の広告活動については、規制はできないでしょうけれども、何らかの見解はあるんでしょうか。 ◯吉松商工振興部長 ディスカウンター等の広告の問題でございますけれども、広告の内容が不当な表示に当たるのではないかということにつきましての所管は、生活文化局の方で行っております。  したがいまして、私どもは、そういう情報がありましたときは、生活文化局の方に連絡をいたしまして、適正な広告であるかどうかのご判断をお願いしたり、また、本当に不当表示だということであれば、国の方の公正取引委員会等とも連絡をとって、適切に対処するようにしておりますが、今後とも、引き続きそんなような姿勢でやっていきたいというふうに存じます。 ◯中山委員 地域の盛り場というのは、やっぱりキーテナント、大きなテナントと地元商店街との共存共栄という形が、地域としては、商業集積が高くて一番いいわけですね。そういう面でも、東京都の方は、上からよく見て、そういう調整を図りながら全体の盛り場が発展するようにひとつお願いいたしたいと思います。  次に、下町の方で、よくマイスター制度、つまり職人さんと申しますか、マイスターというのは親方ですよね、要するに、先ほど来お話しのように中小企業者の後継者不足ということで、お父さんが大変いい職人なんだけれども一回も顕彰されたことがないとか、または組合に入っていないために全然顕彰されていないとか、いろんなことがあるわけですね。我々の方では、いわゆるなりわいというような形で商売をやっている方たちが日の目を見るような、そういうシステムというものをできる限り考えていただきたいというふうに思います。  先ほどFITの話もあって、ファッション何とかセンターというのがありまして、これも、私ども地元ですからいろんな話が来まして、いわゆる職人さんには何らかの称号を与えよう。マイスターというのがいいかどうかわかりませんけれども、労経局で、後継者を育てるために、今やっている技術というものはすごく大切なものだ、将来に伝える価値のあるものだ、こういうふうに認める場合には、何らかの称号であるとか、またはそういうものをたたえる顕彰であるとか、一部あるようでございますけれども、何かもうちょっと東京都が全面的にこれを打ち出していただきたい、こんなふうに思うんですが、いかがでしょうか。 ◯吉松商工振興部長 台東区や墨田区におきまして、マイスター制度というようなことを実施しておることにつきましては、承知をしております。  東京都といたしましては、産業対策といたしまして、東京の風土と歴史の中で発展をしてまいりました伝統工芸品産業を東京の伝統工芸品というふうに指定をいたしまして、その製造業に従事する技術者のうち、高度な技術、技法を保持される方々を東京都伝統工芸士というふうに認定をし、称号を授与している制度を、六十二年度より実施をしておるところでございます。現在まで、およそ三百四十五名ほどの認定を行ってまいりました。  ご指摘のように、後継者を育成するということは、この伝統産業業界におきましても非常に重要な課題になっております。私ども、この指定をいたしました三十七の伝統工芸品産業の組合の方々が取り組みます後継者の育成事業、そういうものにつきましても支援をしているところでございます。今後とも、施策の充実に努めてまいりたいというふうに存じます。 ◯中山委員 先ほど、ファッション関係は集約したものをつくろうということがありましたけれども、伝統工芸みたいなものを何か集約したものをこれからどんどんつくっていただいて、何とか江戸からの文化と申しますか、例えば台東区なんかではひな人形であるとか、こいのぼりであるとか、小さなよろいかぶとであるとか、または草履、ハンドバッグ、こういうたぐいまで、着物にぴったり合うようなものであるとか、日本的なものであるとか、いろんなものがあるんですけれども、なかなか系統的にそれを育てていかれないというような問題がありまして、いろんなファッションセンターというのをつくるのであれば、伝統工芸センターとか、何かそういうものも東京都で考えていただいて新しい取り組みをしていかないと、本当に後継者はどんどんいなくなりますよ。やはり江戸という名前をよく使ってやっている以上は、もうちょっとその辺も真剣にこれからも考えていただきたいということを要望して、質問を終わります。 ◯木村(陽)委員 東京における製造業の状況、具体的には工場数のここ二十年ぐらいの推移、特に最近の傾向をまず明らかにしていただきたい。 ◯北爪商工計画部長 工業統計調査報告によりますと、東京都の製造業は、昭和五十八年は九万九千八百六十七、約十万工場でございます。それから平成二年度には約八万工場、正確には八万八工場でございますので、ここ七年間で二万工場ほど減少しております。  規模別の内訳を見ますと、三百人以上の工場につきましては九〇・七%、これは平成二年度と昭和五十八年度を比べた場合でございます。一人から二百九十九人までが八〇・一%ということでございますので、大規模工場に比べまして、中小規模の工場の減少率が大きいわけでございます。特に一人から九人、いわゆる十人未満の工場につきましては八割を切りまして、七八%、七九%という状況になっております。 ◯木村(陽)委員 工場の減少傾向というのは非常に激しいものがあると思いますけれども、その理由をどういうふうに認識をしておるんでしょうか。 ◯北爪商工計画部長 工場減少の原因につきましては、幾つかの理由があるかと思いますが、小規模の場合には――両方共通なものとしましては、高地価とか後継者難というのがあると思います。 それから、住工混在地域における操業環境の悪化、準工業地帯とかそういったところにつきましては、どうしても住宅とかいったものが入ってまいりますので、そういったものとの折り合いが悪くなるという意味での操業環境の悪化等がございます。大規模な工場につきましては、工場制限等を初めとする工場立地規制の問題があると思います。 ◯木村(陽)委員 地価高騰、経済空洞化、最近の厳しい不況――厳しさは増すばかりだというふうに考えられるんですが、労働経済局が平成四年三月に発表されました都市型インダストリアルパーク基本構想にかかわる調査報告書というのを見てみますと、この中にこういうくだりがあります。危機的な状況にある住工混在地域の工業、東京の工業集積を形成する区部の工場数は、昭和五十年代後半から減少傾向を早め、地価の高騰が本格化する昭和六十年以降はかつてない深刻な状況を呈し始めている、工業統計によれば、昭和六十年から平成二年までの五年間で約一万三千余りの工場が減少している、それはその前の五年間に比べて実に二・六倍もの減少であるというふうに書いてあります。今の答弁に合っているとは思いますが、そこで、さまざま理由がありますけれども、その中に大都市における工場の操業環境の悪化というのがあります。住工混在地域というものについて、まずどういうふうにとらえているでしょうか。本来は都市計画局に聞くべき話かもしれませんが……。 ◯北爪商工計画部長 労働経済局としましては、住工混在地域、主としまして城南であるとか、城東であるとか、そういった地域の産業集積というのは非常に大事なものだというふうに考えております。確かに、昭和三十年代、四十年代の公害が非常に厳しかったころ、住宅と工場があつれきを起こしたというのは間違いございませんが、現在公害投資もかなり発達しておりますし、いろんな規制も考えますと、共存できるのではないかと考えています。城南、城東地域の産業集積、さらには地域の経済の活性化、そういったものを考えますと、こういった地域の産業集積につきましては、何とかして残していきたいというふうに考えております。 ◯木村(陽)委員 都市計画上の用途地域の土地利用の考え方としては、かつては、住工混在のこの地域の用途は、居住機能は居住機能、産業機能、工業機能は工業機能で、用途を純化していくという考えに立っていたわけですけれども、それがやはりそうではまずいという認識が生まれていって、そして住工混在地域そのものは、公害などを防止しながらも、住居機能、工業機能それぞれ共存して、その地域を発展させていくという考えに変わっていったという経過があると思うんですね。下町の住工混在地域、ご存じのように住宅と工場が一緒に建っているわけですから、家族労働の依存率の高い、そして長時間労働、一家じゅうで働く――必然的に身近に生活必需品を購入する商店街が必要になる。そこから近隣型の商店街もその中に発展していく。だから、住工混在というのは、住工商混在のまちなんですね。しかし、これこそが人間らしいまちといえると私は思うんです。  例えば、住工混在地域における地域の雇用吸収力というのは非常に大きなものがありますね。同じ労働経済局の調査報告から引用させてもらいますけれども、葛飾区の東四つ木は典型的な住工混在地域ですが、このまちの工場の従業員は約三千人です。そのうちの四割が同一敷地内の従業員というんですから、つまり家族労働ですよね。さらに、一割が同じ町内の人で、だから働く人の四割は近所の方々なわけです。同一区内というふうにちょっと広げますと、七割の人がこのまちで働く人の割合を占めるということですね。ですから、近所の奥さん方がごく近くの工場へ勤めに行く。 お昼になると、自宅へ戻って昼食をする。まちじゅうのうちが、また玄関があいて、テレビがつけられて、食事がされている。子供が学校から下校し始めると、働いている奥さん方が近所の子供にも声をかける。こういう、まさに職住近接の人間のまちなんです。ちょっと地元を自慢させてもらいますけれどもね。(笑声)  しかしこういうまちが、先ほどからいいましたように、工場がどんどん減少していく、その跡地にマンションが建つ。つまり異質の住居地域がどんどんでき上がっていくわけですね。工業地域ですから日照の制限も緩いし、非常に規模のでかいマンションができてくるわけなんですね。さらに、余り大きな工場はないですけれども、その地域では比較的コミュニティの核となっているような三十人、四十人の従業員がいるような工場が出ていくと、そこからそのまちのコミュニティが崩れていく、活力が低下していくということが、非常に進行しつつあるわけです。それが労働経済局の調査報告でも、工場の数が減少しているという文章の前に、現実の動きは予想以上に速いという書き出しで、さっきいったような数字を紹介しているんです。  私はやはり、こういう住工混在地域を、本当に活力を維持して、そしておくれた道路整備とかそういうものを着実に改善しながら、工業そのものも発展していくまちにしていくという事業は、非常に大事だと思うんです。それは都市計画上もそうですし、地域産業の振興にとっても大事なんです。  そこで伺いますけれども、東京都は、住工混在地域総合整備モデル事業というものを実行しておりますけれども、どんなことが行われているのか。それから、そうしたモデル事業を行う地域の指定が行われておりますけれども、それはどことどこなのか、明らかにしていただきたい。 ◯北爪商工計画部長 今、先生がおっしゃいましたように、住工混在地域については、東京都の中でも、産業面で労働経済局、木賃住宅等住宅政策では住宅局、それから、より広い意味での都市基盤整備という意味で都市計画局が関係をしております。この三局が、住工混在地域について職と住が接近したまちづくりをするという観点から、総合的なまちづくりをしようということで進めている事業でございます。労働経済局は、先ほど先生からご紹介がございました都市型インダストリアルパーク整備事業を推進することとなっております。  具体的な地域につきましては、六カ所指定されております。板橋区前野町、品川区小山、大田区矢口、荒川区町屋、葛飾区東四つ木、墨田区墨田及び東向島の六地域でございます。 ◯木村(陽)委員 一応、住工混在地域総合整備モデル事業というのが行われておって、そして本当の意味での住工接近といいますか、住商工の共立したまちを整備していこうということがあるんですけれども、それぞれの事業はどんなふうに進展しているかということが問題なんですね。今いわれましたように、都市計画局は都市基盤整備の担当だということで、工場の建てかえ促進ということを受け持っている。住宅局は木造賃貸住宅整備促進事業のうちの住工混在地域型の部分だけ受け持っている、こういうふうにいわれています。ほかの局のことですから、質問するのはマナーに外れるから私からいいますけれども、今日までの実績というのはまことにお寒い状況ですよね。工場建てかえ促進事業というのは、ようやく昨年、大田区と品川区で工場建てかえのため、この事業を受けたいという申し込みが各一件ずつあって、これから始まるということです。木造賃貸住宅整備促進事業というのは、これも去年、大田区で住宅一件だけ申し込みがあって、これからということで、実績なし。もともとこの事業は、もう今から七年前、昭和六十三年にスタートしている。この五年間は、何やかやいろんな、どこの地域がいいかとか、そういう調査をして、そしてようやく事業実施に昨年から入った段階。その間にどんどん工場がなくなっていき、どんどん地価が上がっていく。そして今度は産業空洞化で不況。こういうことはどんどん進行しているわけですけれども、実際は東京都の第二次長期計画で登場して、そして今日まで来て、ようやくこれからです。  葛飾区が、東京都からこの事業に関連して実態調査をしなさいといわれて、都から補助金も出て委託されて、東四つ木地区住工混在地域総合整備計画策定調査報告書というものを昨年まとめました。ところが皮肉なことに、そういう調査をしてみたら、東京都の住工混在地域総合整備モデル事業制度というのは、問題が多過ぎて使えないと。工場建てかえについては、除却費と設計費の補助のみで補助基本額も少額のため、工場側にとっては、建物のセットバックや緑化、外観の配慮等まちづくりに貢献するための決め手にはならない。仮作業場建設助成についても、用地費が見込まれていないから、限られた規模の建設費助成にとどまっているために、用地の確保をどうするのか、建てかえ相談支援事業として年間五百万、三年間で千五百万助成が考えられているが、ソフトの事業でこの予算を使いこなすには、よほど区と地元のまちづくり推進体制が成熟していなければ難しい。ソフトを重視するのは大事だが、ソフトに厚く、ハードに極めて薄い皮肉な助成内容となっており、助成措置が有効に生かされない懸念がある。これが、都市計画局がやっているモデル事業に対する、葛飾区が都市計画局から補助金をもらって調査した結論なんです。  ましてや木賃制度に至っては、現行制度のままでは適用する場所がごくわずかで、適用できない。木賃率三〇%なんていうところは余りないということなんですよね。だから、住工混在地域を総合的に整備していくモデル事業をやります、そういうまちづくりが大事だといっていながら、実際にやられているものは、遅々としたテンポであると同時に、やってみるとさっぱり実績が上がらない、こういう状況になっているんですよ。  そこで、問題は労働経済局です。区の調査報告の結論でもこうなっています。現段階では、既に工場アパート用地として工場跡地を取得しているということもあって、都市型インダストリアルパーク整備事業についてが最適の整備シーズになっている――つまり、これしかないというのが、東四つ木の地域の調査の結論なんですね。  そこで、お伺いをいたしたいと思うんです。このインダストリアルパーク整備事業については、労働経済局で進めてきたのですが、これまでの経過と主な事業の内容について説明していただきたいと思います。 ◯北爪商工計画部長 都市型インダストリアルパークの建設支援につきましては、平成三年度に基本構想調査を経まして、四年度に実現化に関する調査報告書を取りまとめたところでございます。 それから、平成五年度には、これらの調査結果に基づきまして、都市型インダストリアルパーク整備指針の検討を行っております。これにつきましては、調査報告書について先ほど先生が引用された部分でございます。現在、整備指針に関する調査報告書をもとにしまして、今年度中には整備方針をまとめてみたいというふうに考えております。  また、先生ご指摘のとおり、葛飾区のようにここは二千三百五十平米の用地を既に持っておりますけれども、そういったものを取得しまして、都市型インダストリアルパークや工場アパートの建設を検討している区もございますので、平成六年度につきましては、整備指針というものを考えつつ、かつ事業の実施主体となりますこれらの区と協議を重ねる中で、どういうふうに都市型インダストリアルパーク事業を進めていくのか検討してまいりたいと考えております。 ◯木村(陽)委員 さっきもいいましたけれども、住工混在地域整備促進のモデル事業は、昭和六十三年から検討が始められて、そして毎年のように調査が行われ、地域指定も行われていったわけですね。インダストリアルパークの方は平成三年から実質的に調査が始まった。三年、四年と調査して、五年に検討して、六年が指針を考えるということなんですよね。六年度は、都は、実際に事業を開始するための区の計画策定の補助費を出していこうとしていたのじゃないでしょうか。労働経済局は、都市型インダストリアルパーク建設支援ということで一千万円以上の予算要求をしましたよね。これはどうなりましたか。 ◯北爪商工計画部長 都市型のIPにつきまして、具体的な実施計画をつくるということで予算要求をしたのでございますが、残念ながらつかなかったということでございます。 ◯木村(陽)委員 つかなかった理由は何ですか。つまり、全体が本当にそういう遅々たる歩みで、調査もできて、検討もして、いざというときにだめになった原因は何でしょう。 ◯北爪商工計画部長 先ほど申しましたように、六カ所について地域を指定しまして、具体的な都市型IPの事業を考えているわけでございますが、その中で、具体的にどういうような事業を実施していくのかというところがまだ完全に詰め切れなかったということでございます。  例えば、非常に大きい敷地を持っているところと小さな敷地を持っているところだと、当然のことながら事業の内容というのは変わってきます。工場アパートみたいなものにするとか、その中で企業同士の交流の場をつくるとか、場合によってはインキュベーションみたいな施設をつくるのかどうかとか、そういったものをどういう形でこの構想をまとめるかというのを、現在区の方と検討している最中でございます。そこが固まりませんと、最終的に都としまして、どういうような将来における支援を考えていいのかということがまだ決まらなかったということでございます。  確かに、鶏と卵で、計画をつくればそれが出てくるじゃないかというご議論もあると思いますが、現在は葛飾区とかそういったところとご相談申し上げながら、支援のメニューも含めて、六年度に何とか整備指針をまとめて、七年度以降の事業の実施に当たりたいと考えております。 ◯木村(陽)委員 区は、もう現にやりたいということで手を挙げているのですよ。今の話ですと、実際の区の計画等、具体的に詰められなかったということがありますけれども、そういう策定計画をやれば事業がスタートする――今の財政事情ではそれをおくらそうという東京都の意思が働いたのじゃないかというふうな面も私は考えざるを得ないんです。だから、今の答弁でしたら、それでは区が要望すれば、来年から必ずスタートできるということになると思いますけれども、そう確認してよろしいですか。 ◯北爪商工計画部長 労働経済局としましては、先ほどから申し上げていますように、都市型インダストリアルパークの事業を通じまして、それぞれの地域の産業集積を守るというのが非常に大事だというふうに理解しておりますので、そういった観点で、なるべく早く事業の内容等を詰めまして、財政当局とか、必要に応じまして要求を申し上げて努力してみたいというふうに考えております。 ◯木村(陽)委員 実際に、東京都の長期計画のスケジュールからいえば、一年おくれているんです。東京都は、既にこうした事業についての長期的な計画として、都民公約として、平成六年度から具体的にインダストリアルパーク建設支援についてはスタートする、そういうふうになっているのですから――それを一年おくらせた。それは区との具体的な内容が詰まらなかったからだというふうにいわれますけれども、ぜひそういう点で、区の方はスタートできるということになれば、来年からは必ず具体的にスタートさせていただきたい。努力するという答弁がありましたから、そういう点で要望しておきたいと思います。  私は、なぜこうした一年おくれということを問題にするかというと、客観的にそうした住工混在地域の工業がピンチになっているという事態が進んでいると同時に、この事業が東京都の第二次長期計画の中から出た。臨海副都心開発もあの計画でスタートした。両方ともそうなんです。そして、臨海副都心の方はどうですか、どんどんいっているでしょう。局の予算でも、それに絡む予算については、もう手を触れることもできない聖域として扱って作業を進めているけれども、本当の意味での東京の地域産業の振興、そしてまちづくりという点では、同じときにスタートした整備事業は、その後四年も五年も調査だの検討だのということを繰り返して、ようやく事業実施に入ったときにはまた一年ずらすというようなことがあってはならぬと思うんです。そういう意味で、ぜひ明年からはきちっと事業が展開できるように強く要望して終わりたい。 ◯花川委員長 ほかにございますか。    〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ◯花川委員長 発言がなければ、お諮りいたします。  労働経済局関係決算に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ◯花川委員長 異議なしと認め、労働経済局関係決算に対する質疑は終了いたしました。  以上で労働経済局関係を終わります。  これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。    午後三時四十五分散会...