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  1. 東京都議会 1956-09-21
    1956-09-21 昭和31年第3回定例会(第15号) 本文


    取得元: 東京都議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-14
    午後四時三十五分開議 ◯議長(中西敏二君) 只今より昭和三十一年第三回東京都議会定例会を開会いたします。  これより本日の会議を開きます。この際会議時間の延長をいたしておきます。  まず会議録署名員を定めます。本件は会議規則第百二十三条の規定に基き、議長から御指名を申し上げます。四番四宮久吉君、六十九番古谷榮君にお願いいたします。  議事部長をして諸般の報告をいたさせます。    〔谷議事部長朗読〕 財主議発第四二七号  昭和三十一年九月十三日                             東京都知事  安  井  誠  一  郎  都議会議長 中 西 敏 二殿       都議会定例会招集について 九月十三日東京都告示第六百八十八号の二をもって、昭和三十一年第三回定例会を九月二十一日に招集したから通知いたします。 (参照) 東京郡告示第六百八十八号の二 昭和三十一年第三回東京都議会定例会を九月二十一日に招集する。   昭和三十一年九月十三日                             東京都知事  安  井  誠  一  郎      ───────────── 財主議発第四二八号   昭和三十一年九月十四日
                                東京都知事  安  井  誠  一  郎  東京都議会議長 中 西 敏 二殿       議案の送付について 昭和三十一年第三回東京都議会定例会に提案するため下記議案を送付いたします。         記 第百五十八号議案 昭和三十一年度東京都歳入歳出追加更正予算 第百五十九号議案 昭和二十三年六月三十日以前に給与理由の生じた恩給等の年額の改定に関する条例 第百六十 号議案 東京都議会定例会の回数に関する条例 第百六十一号議案 東京都宿泊所条例の一部を改正する条例 第百六十二号議案 救護施設及び宿所提供施設の設置等に関する条例 第百六十三号議案 公平委員会の事務の受託について 第百六十四号議案 東京都競馬株式会社に対する出資について 第百六十五号議案 予算外義務の負担について 第百六十六号議案 予算外義務の負担について 第百六十七号議案 予算外義務の負担について 第百六十八号議案 予算外義務の負担について 第百六十九号議案 予算外義務の負担について 第百七十 号議案 予算外義務の負担について 第百七十一号議案 予算外義務の負担について 第百七十二号議案 予算外義務の負担について 第百七十三号議案 警察用財産の無償譲渡について 第百七十四号議案 土地売却契約 第百七十五号議案 無軌条電車車体購入契約 第百七十六号議案 多摩川第一発電所用機器購入契約 第百七十七号議案 電車車体購入契約 第百七十八号議案 多摩川第一発電所機器運搬据付工事請負契約 第百七十九号議案 小河内ダム用セメント一〇、〇〇〇屯購入契約      ───────────── 財主議発第四三四号   昭和三十一年九月十九日                             東京都知事  安  井  誠  一  郎  東京都議会議長 中 西 敏 二殿       議案の送付について 昭和三十一年第三回東京都議会定例会に提案するため下記議案を送付いたします。         記 第百八十 号議案 昭和三十一年度東京都歳入歳出追加更正予算 第百八十一号議案 昭和三十一年度東京都母子福祉貸付資金歳入歳出追加予算 第百八十二号議案 昭和三十一年度東京都競走事業歳入歳出追加予算 第百八十三号議案 昭和三十一年度東京都用品歳入歳出追加予算 第百八十四号議案 昭和三十一年度東京都水道事業会計追加予算 第百八十五号議案 昭和三十一年度東京都下水道事業会計更正予算 第百八十六号議案 昭和三十一年度東京都農業改良資金助成歳入歳出予算 第百八十七号議案 特別会計設定について 第百八十八号議案 東京都職員定数条例の一部を改正する条例 第百八十九号議案 東京都育英資金貸付条例の一部を改正する条例 第百九十 号議案 東京都新市町村建設促進審議会条例 第百九十一号議案 審理、喚問、聴問等に出頭した者並びに公聴会に参加した者の費用弁償に関する条例 第百九十二号議案 都議会の調査及び公聴会に出頭する者の費用弁償条例等を廃止する条例 第百九十三号議案 議会の議決を経又は住民の投票に付すべき財産及び営造物並びに議会の議決を経べき契約に関する条例の一部を改正する条例 第百九十四号議案 契約の方法の特例に関する条例 第百九十五号議案 東京都都有財産条例の一部を改正する条例 第百九十六号議案 社会福祉事業振興資金貸付条例 第百九十七号議案 東京都養育院条例の一部を改正する条例 第百九十八号議案 戦没者遺族等奨学資金貸付条例の一部を改正する条例 第百九十九号議案 東京都受託施設日雇労働者簡易宿泊所使用料条例 第二百  号議案 保健所の設置等に関する条例の一部を改正する条例 第二百一 号議案 公衆浴場設置場所の配置の基準に関する条例の一部を改正する条例 第二百二 号議案 食品製造業取締条例の一部を改正する条例 第二百三 号議案 東京都調理士条例の一部を改正する条例 第二百四 号議案 胞衣及び産汚物取締条例の一部を改正する条例 第二百五 号議案 東京都立保健婦助産婦学院条例 第二百六 号議案 畜舎取締条例を廃止する条例 第二百七 号議案 東京都農林・漁業振興対策審議会条例 第二百八 号議案 東京都建設業審議会委員の報酬及び費用弁償に関する条例を廃止する条例 第二百九 号議案 東京都体育施設条例の一部を改正する条例 第二百十 号議案 東京都の会計に関する件の一部改正について 第二百十一号議案 東京都西多摩郡西多摩村を町とすることについて 第二百十二号議案 都県の境界にわたる町村の境界の変更に関する意見について 第二百十三号議案 翌年度以降にわたる契約について 第二百十四号議案 日本住宅公団に対する出資について 第二百十五号議案 じんかい焼却場の設置について 第二百十六号議案 橋梁改築工事(西新井橋橋台及び左岸取付道路)請負契約 第二百十七号議案 養育院附属病院新築工事請負契約 第二百十八号議案 土地売却契約 第二百十九号議案 中央区晴海町倉庫敷地賃貸借等に関する契約      ───────────── 財主議発第四三五号  昭和三十一年九月二十一日                             東京都知事  安  井  誠  一  郎  東京都議会議長 中 西 敏 二殿        議案の送付について 昭和三十一年第三回東京都議会定例会に提出する下記議案を送付いたします。        記 第二百二十 号議案 東京都公債条例 第二百二十一号議案 保険所使用条例等の一部を改正する条例 第二百二十二号議案 東京都立産院条例 第二百二十三号議案 職員の分限に関する条例等の一部を改正する条例 第二百二十四号議案 職員の旅費に関する条例の一部を改正する条例 第二百二十五号議案 学校職員の定数に関する条例 第二百二十六号議案 学校職員の勤務時間・休日・休暇等に関する条例 第二百二十七号議案 学校職員の給与に関する条例 第二百二十八号議案 東京都信用組合保証基金会の保証基金を担保として全国信用協同組合連合会が行う融資に対する補助金の予算外の義務負担について 第二百二十九号議案 農業者に対する農業施設の改良、造成または取得に要する資金の融通に関する債務保証及び利子補給契約      ───────────── 財主議発第四三六号   昭和三十一年九月二十一日                             東京都知事  安  井  誠  一  郎  東京都議会議長 中 西 敏 二殿      財務局長の事務取扱について 財務局長細田義安海外出張不在中下記のとおりその事務を取扱います。
          記                          財務局長事務取扱                             副 知 事  佐  藤  基      ───────────── 財主議発第四三七号   昭和三十一年九月二十一日                             東京都知事 安 井 誠 一  郎 東京都議会議長 中 西 敏 二殿      知事の専決処分にかかる訴訟事件等について 地方自治法第百八十条の規定により、別紙のとおりそれぞれ報告いたします。      ─────────────      都知事の専決処分にかかる訴訟事件                 (昭和三十一年二月一日より昭和三十一年七月三十一日まで) 出  訴  十 件 応  訴  十三件  計   二十三件 ┌───────────────┬───────────────────────────┬────────────┐ │   件       名   │      概             要      │  訴状提出日(又は  │ │               │                           │  受理)年 月 日  │ ├───────────────┼───────────────────────────┼────────────┤ │原告 中 野 ち よ 外一名 │ 原告らが所有する北区所在宅地一五六坪および四七坪余 │            │ │被告 都   知   事   │は目下区画整理事業施行中であるところ、被告は先になし │            │ │東 京 地 方 裁 判 所  │た仮換地指定の変更を通知してきたが、当該仮換地指定変 │ 昭和三一、二、一   │ │昭 和 31 年(行)第八号 │更は土地区画整理法に規定する縦覧手続を経ていないので │            │ │仮換地指定無効確認の訴    │無効であるとして、その確認を請求。          │            │ ├───────────────┼───────────────────────────┼────────────┤ │原告 都           │ 被告らは中央区に所在する都有地上に何らの権原なく不 │            │ │被告 田 中 喜 三 外一名 │法に五〇坪余の建物を所有し、かつ占有しているので建物 │            │ │東 京 地 方 裁 判 所  │収去、土地明渡し等を請求。              │ 昭和三一、二、六   │ │昭和31年(ワ)第一、〇二一号│                           │            │ │ 建物収去土地明渡等請求事件 │                           │            │ ├───────────────┼───────────────────────────┼────────────┤ │原告 岡 野 か ね じ   │ 都知事が新宿区所在の原告所有宅地二二坪余の上になし │            │ │被告 都    知    事 │た道路位置指定処分建築基準法施行規則に規定する土地 │            │ │東 京 地 方 裁 判 所  │所有権者たる原告の承諾書を添えず第三者が勝手に申請し │ 昭和三一、二、一六  │ │昭和31年(行)第一六号   │たものに基く要件を欠く違法な処分であるとしてその取消 │            │ │道路位置指定取消請求事件   │を請求。                       │            │ ├───────────────┼───────────────────────────┼────────────┤ │原告 張     輝   昌 │原告は医師免許をうけ医師として登録されたものである  │            │ │被告 都  知 事 外一名  │が、厚生大臣はその医師免許を理由なく無幼であるとし、 │            │ │東 京 地 方 裁 判 所  │被告はこれに基づき船員保険法による保険医および生活保 │ 昭和三一、三、一二  │ │昭和31年(行)第一二八号号 │護法による医療担当機関の指定を取消したが、この処分は │            │ │医師免許証無効の行政処分収消 │前提たる医師免許無効確認措置がなんら理由のないもので │            │ │請求事件           │あるから、違法な行政処分であるとして取消しを請求。  │            │ ├───────────────┼───────────────────────────┼────────────┤ │原告 野  沢  貞  夫  │ 原告は東京都社会保険機関である都知事に健康保険法に │            │ │被告 都    知    事 │規定する任意継続被保険者資格取得のため申請書を提出し │            │ │東 京 簡 易 裁 判 所  │たが、原則として受理後一四日以内に決定せねばならぬに │ 昭和三一、三、二四  │ │昭和31年(ハ)第三九一号  │もかかわらず、上記期間を経過して、決定通知をなした。 │            │ │決定処分履行遅延に対する損害賠│これは保険給付を受ける原告にとって重大な損失を与える │            │ │償請求事件          │ものであるとして損害金二三、〇〇〇円の賠償を請求。  │            │ ├───────────────┼───────────────────────────┼────────────┤ │原告 後 藤 昌 次 郎   │ 弁護士である原告は、公務執行妨害罪の容疑で逮捕され │            │ │被告 都       外一名 │た被疑者に接見しようとした際、警察職員及び検察官から │            │ │東 京 地 方 裁 判 所  │著しい侮辱をうけたとして国家賠償法により精神的損害金 │ 昭和三一、三、三一  │ │昭和31年(ワ)第二、〇四六号│九〇、〇〇〇円の賠償を請求。             │            │ │国家賠償請求事件       │                           │            │ ├───────────────┼───────────────────────────┼────────────┤ │原告 斎 藤 芳 之 助   │ 都知事は、板橋区に所在する原告所有の農地六〇〇坪余 │            │ │被告 都  知  事 外一名 │を旧自作農創設特別措皿法により買収したが、都知事がこ │            │ │東 京 地 方 裁 判 所  │の買収処分をなすについて買収令書の交付をしないのみな │ 昭和三一、四、二   │ │昭和31年(行)第三三号   │らず、本件土地は宅地であるなどからの理由から、この買 │            │ │農地買収処分無効確認訴   │収処分は違法であるとしてその無効確認を請求。     │            │ ├───────────────┼───────────────────────────┼────────────┤ │原 告 遠  藤  政  賢 │ 原告は府中市所在の畑八畝一六歩外一一筆の農地の所有 │            │ │被告 都       外四名 │者であったところ、これらの土地の登記名義が異っていた │            │ │東 京 地 方 裁 判 所  │ため、自作農創設特別措置法により買収されたが、当時こ │            │ │昭和31年(行)第二六号   │れらの土地の登記名義人は既に死亡して、原告が相続して │ 昭和三一、四、四   │ │農買収無効並に在村地主確認及 │いたものであり、また原告は在村地主であったから買収さ │            │ │び売買取消決議確認離作料制限 │れる農地ではない等の理由で本件買収処分の無効確認等を │            │ │事件             │請求。                        │            │ ├───────────────┼───────────────────────────┼────────────┤ │原告 海 老 沢 進 一   │ 原告は北多摩郡田無町所在の土地二二八坪余を二、八六 │            │ │被告 都           │八、〇〇〇円の代金をもって都に売渡したが、都は代金の │            │ │東 京 地 方 裁 判 所  │一部を支払ったのみで、残金三六八、〇〇〇円の支払いを │ 昭和三一、四、六   │ │昭和31年(ワ)第一、九六六号│しないので、その支払いを請求             │            │ │売買代金残金請求事件     │                           │            │ ├───────────────┼───────────────────────────┼────────────┤ │原告 桐 ヶ 久 保 武 郎 │ 原告の申請した台東区内の公衆浴場営業許可願について │            │ │被告 都    知    事 │都知事は「公衆浴場設置場所の配置の基準に関する条例」 │            │ │東 京 地 方 裁 判 所  │の規定にもとずき配置の適正を欠くとして不許可処分を行 │            │ │昭和31年(行)第三六号   │ったが、距離、人口数などからいって基準に適合しており │ 昭和三一、四、七   │ │公衆浴場営業許可取消請求事 │本件不許可処分は違法であるとしてその取消を請求。   │            │ │件              │                           │            │ ├───────────────┼───────────────────────────┼────────────┤ │原告 都           │ 被告は練馬区所在の都営住宅の人居者であるが、住宅使 │            │ │被告 渡 辺 慎 一 郎   │用料を納入しないので、都はその使用許可を取消し建物明 │            │ │東 京 地 方 裁 判 所  │渡し等を請求。                    │ 昭和三一、四、二四  │ │昭和31年(ワ)第三、〇五七号│                           │            │ │建物明渡等請求事件      │                           │            │ ├───────────────┼───────────────────────────┼────────────┤ │都は上記と同様事件の訴訟七件 │新村邦昭、高橋和夫、田中弘之、北岡義昭、桜田秋人、林 │            │ │を提起(被告名は右のとおり) │きみ、大橋虎夫                    │            │ ├───────────────┼───────────────────────────┼────────────┤ │原告 門  脇   さ  だ │ 原告は文京区所在の土地一七坪余を買受け、その所有権 │            │ │被告 都           │移転登記は、土地区画整理計画の関係で便宜保留したが、 │            │ │東 京 地 方 裁 判 所  │前地主たる渡辺の承認のもとに土地所有権を都に申告し、 │ 昭和二一、六、四   │ │昭和31年(行)第四六号   │換地予定地指定の通知を受けたところ、その後右申告書が │            │ │換地予定地指定通知取消処分に │適法でないとして右換地予定地指定を取消されたが、この │            │
    │対する異議事件        │取消処分は違法であるとしてその取消しを請求      │            │ ├───────────────┼───────────────────────────┼────────────┤ │原告 学校法人並木学園    │ 原告の前身である財団法人並木学園時代の服装に関する │            │ │被告 都    知    事 │図書、雑誌の刊竹及び服飾雑貨の販売に対して渋谷税務事 │            │ │東 京 地 方 裁 判 所  │務所長は事業税二、五七二、九四〇円を賦課したが、右図 │ 昭和三一、六、七   │ │昭和31年(行)第四九号   │書刊行等の事業は原告の目的そのもので収益を目的とした │            │ │行政処分取消の訴       │ものでないこと、その地理由により違法であるとして賦課 │            │ │               │処分の取消を請求。                  │            │ ├───────────────┼───────────────────────────┼────────────┤ │原告 都           │原告らは、江東区所在の都有地一一五坪余に、何ら使用の │            │ │被告 境 野  武 外一九名 │権限もなく建物を建てて占有しているので建物収去、土地 │            │ │東 京 地 方 裁 判 所  │明渡等を請求。                    │ 昭和三一、六、一三  │ │昭和31年(ワ)第四、五八九号│                           │            │ │建物収去土地明渡等請求事件  │                           │            │ ├───────────────┼───────────────────────────┼────────────┤ │原告 武   内     武 │ 原告が所有する武蔵野市所在の土地一〇〇坪余を都知事 │            │ │被告 都    知    事 │は自作農創設特別措置法に基いて小作地であると認定して │            │ │東 京 地 方 裁 判 所  │買収したが、本件土地は小作地でないからこの買収処分は │ 昭和三一、七、一一  │ │昭和31年(行)第五六号   │違法であるとしてその取消等を請求。          │            │ │農地買収及び売渡処分無効確認 │                           │            │ │並びに登記抹消請求事件    │                           │            │ ├───────────────┼───────────────────────────┼────────────┤ │原告 河  合   三  郎 │ 原告が中野区に所有する土地三反余歩を都知事は自作農 │            │ │被告 都       外四名 │創設特別措置法に基いて買収したが、本件土地は所有者た │            │ │東 京 地 方 裁 判 所  │る原告が自ら耕作しているものであり、買収要件に該当し │ 昭和三一、七、一三  │ │昭和31年(ワ)第四、七一五号│ないものであるから、本件買収は違法であるとして、その │            │ │土地買収無効の確認並登記抹消請│無効確認等を請求。                  │            │ │求事件            │                           │            │ └───────────────┴───────────────────────────┴────────────┘      都を当事者とする和解及び法律上の義務に属する損害賠償額の決定について知事の専決処分した事件                            (昭和三十一年二月一日より昭和三十一年七月三十一日まで) ┌───────────────┬───────────┬────────┬────────┬────────┐ │               │           │        │ 支払を受ける │ 支払義務者の │ │   件       名   │  決 定 期 日  │ 支 払 額  │        │        │ │               │           │        │ 者の氏名   │ 氏    名 │ ├───────────────┼───────────┼────────┼────────┼────────┤ │大島支庁庁舎の屋根瓦の飛散に │ 昭和三一、三、一九 │ 三二、三〇〇円│ 立 木   浩│   都    │ │伴う隣接民家の被害補償について│           │        │        │        │ └───────────────┴───────────┴────────┴────────┴────────┘ ┌───────────────┬───────────┬────────┬────────┬────────┐ │               │           │        │ 支払を受ける │ 支払義務者の │ │   件       名   │  決 定 期 日  │ 支 払 額  │        │        │ │               │           │        │ 者の氏名   │ 氏    名 │ ├───────────────┼───────────┼────────┼────────┼────────┤ │北多摩地方事務所職員による衝 │ 昭和三一、三、一九 │ 二八、三五七円│ 日本国有鉄道 │   都    │ │突事故に伴う損害賠償について │           │        │        │        │ ├───────────────┼───────────┼────────┼────────┼────────┤ │建物明渡しの即決和解事件   │ 昭和三一、四、一二 │ 五五、二〇〇円│   都    │ 宮 島 真 治│ ├───────────────┼───────────┼────────┼────────┼────────┤ │清掃事業所所属自動車による交 │ 昭和三一、四、一八 │ 六五、〇〇〇円│西武自動車株式 │        │ │通事故の示談金支払について  │           │        │会社代理人   │   都    │ │               │           │        │ 青 木 康 男│        │ ├───────────────┼───────────┼────────┼────────┼────────┤ │清掃事業所所属自動車による交 │ 昭和三一、四、一九 │ 七〇、〇〇〇円│ 横 溝   忠│   都    │ │通事故の損害賠償について   │           │        │        │        │ ├───────────────┼───────────┼────────┼────────┼────────┤ │建物明渡しの即決和解事件   │ 昭和三一、四、二四 │ 三九、〇〇〇円│   都    │ 西 山 又 二│ ├───────────────┼───────────┼────────┼────────┼────────┤ │建物明渡しの即決和解事件   │ 昭和三一、四、二七 │ 五八、〇〇〇円│   都    │ 杉 原 武 明│ ├───────────────┼───────────┼────────┼────────┼────────┤ │警察職員による交通事故にかか │ 昭和三一、四、三〇 │  三、〇〇〇円│ 佐 藤 善之助│   都    │ │る賠償金について       │           │        │        │        │ ├───────────────┼───────────┼────────┼────────┼────────┤ │警察職員による交通事故にかか │ 昭和三一、四、三〇 │ 三一、〇〇〇円│ 野 口 明 治│   都    │ │る賠償金について       │           │        │        │        │ ├───────────────┼───────────┼────────┼────────┼────────┤ │警察職員による交通事故にかか │ 昭和三一、五、四  │  一、五〇〇円│ 林   千鶴子│   都    │ │る賠償金について       │           │        │        │        │ └───────────────┴───────────┴────────┴────────┴────────┘ ┌───────────────┬───────────┬────────┬────────┬────────┐ │               │           │        │ 支払を受ける │ 支払義務者の │ │   件       名   │  決 定 期 日  │ 支 払 額  │        │        │ │               │           │        │ 者の氏名   │ 氏    名 │ ├───────────────┼───────────┼────────┼────────┼────────┤ │建物明渡しの即決和解事件   │ 昭和三一、五、一一 │ 一七、四〇〇円│   都    │ 斎 藤 生次郎│ ├───────────────┼───────────┼────────┼────────┼────────┤ │建物明渡しの即決和解事件   │ 昭和三一、五、二六 │ 四三、〇〇〇円│   都    │ 相 田 藤次郎│ ├───────────────┼───────────┼────────┼────────┼────────┤ │清掃事業所所属自動車による交 │ 昭和三一、五、三〇 │ 三五、五八一円│ 加 藤 善太郎│   都    │ │通事故の損害賠償について   │           │        │        │        │ ├───────────────┼───────────┼────────┼────────┼────────┤ │府中保健所におけるペニシリン │ 昭和三一、六、七  │ 五〇、〇〇〇円│ 木 村 紀 一│   都    │ │ショック死について      │           │        │        │        │ ├───────────────┼───────────┼────────┼────────┼────────┤ │清掃事業所所属自動車による交 │ 昭和三一、六、一九 │一〇五、六〇〇円│ 田 中 正 彦│   都    │ │通事故の損害賠償について   │           │        │        │        │ ├───────────────┼───────────┼────────┼────────┼────────┤ │都税徴収金の費消にもとずく弁 │ 昭和三一、六、二〇 │五六一、二四二円│   都    │ 西 塚 栄 一│ │済契約について        │           │        │        │        │ ├───────────────┼───────────┼────────┼────────┼────────┤ │清掃事業所所属自動車による交 │ 昭和三一、六、二一 │ 四一、六〇〇円│ 大 野 伝三郎│   都    │ │通事故の損害賠償について   │           │        │        │        │ ├───────────────┼───────────┼────────┼────────┼────────┤ │警察職員による交通事故にかか │ 昭和三一、七、九  │一三二、〇三〇円│ 原 田 マ リ│   都    │ │る賠償金について       │           │        │        │        │ ├───────────────┼───────────┼────────┼────────┼────────┤ │警察職員による交通事故にかか │ 昭和三一、七、九  │ 一五、〇〇〇円│三矢タクシー株 │        │ │る賠償金について       │           │        │式会社     │   都    │ │               │           │        │ 営業所長   │        │ │               │           │        │   植田増次郎│        │
    └───────────────┴───────────┴────────┴────────┴────────┘ ┌───────────────┬───────────┬────────┬────────┬────────┐ │               │           │        │ 支払を受ける │ 支払義務者の │ │   件       名   │  決 定 期 日  │ 支 払 額  │        │        │ │               │           │        │ 者の氏名   │ 氏    名 │ ├───────────────┼───────────┼────────┼────────┼────────┤ │常陽印刷株式会社に対する滞納 │ 昭和三一、七、二四 │二二一、五〇〇円│常陽印刷株式会社│        │ │処分に関する補償について   │           │        │ 代表取締役  │   都    │ │               │           │        │  大内清三郎 │        │ └───────────────┴───────────┴────────┴────────┴────────┘      ───────────── 監委発第一八号  昭和三十一年九月五日                                 東 京 都 監 査委 員  東京都議会議長殿        昭和三十一年五月末日及び六月末日現在における例月出納検査の結果について 地方自治法第二百四十条第三項の規定に基き別紙報告書の通り報告する。        例月出納検査報告書                 昭和三十一年五月末日現在                 昭和三十一年六月末日現在                             東京都監査委員                                 森           傳                                 田   中   貞   造                                 中  川  喜  久  雄                                 山   田   孝   雄 一、検査日時及び施行簡所  昭和三十一年七月三十 日(月)交通局長所属  昭和三十一年七月三十一日(火)交通局長所属  昭和三十一年八月  一日(水)水道局長所属  昭和三十一年八月  二日(木)水道局長所属  昭和三十一年八月  三日(金)警視庁並びに東京消防庁副出納長所属  昭和三十一年八月  六日(月)警視庁並ぴに東京消防庁副出納長所属  昭和三十一年八月  七日(火)出納長所属  昭和三十一年八月  八日(水)出納長所属 二、計数の確認   本検査においては、出納長、交通水道両局長より提出されたる諸表を中心として、当月分の計数について、出納関係諸帳節、金庫提出の収支計算書、預金通帳、証憑書類、証券等と照合した結果過誤のないことを確認した。   なお、警視総監所管にかかわる歳入歳出外現金についても同様過誤のないことを確認した。  (諸計算表省略)      ───────────── 一、特別区執行委任予算に関する出納検査結果報告  (1) 昭和三十年度事務事業監査                 新 宿 区  (2) 昭和三十年度臨時出納検査      (イ) 第 一 回        新 宿 区      (ロ) 第 二 回        渋 谷 区  (3) 例月出納検査      (イ) 昭和三十年度 二月分   北   区      (ロ) 同      三月分   北   区      (ハ) 同      五月分   中野区、江戸川区、渋谷区、新宿区      (二) 昭和三十一年度五月分   江戸川区、渋谷区、新宿区      (ホ) 同      六月分   江戸川区、中野区、新宿区      (ヘ) 昭和三十一年 五月分   豊島区、中央区、港区      (ト) 同      六月分   豊島区、板橋区、世田谷、渋谷区、大田区、目黒区、中央区      (チ) 同      七月分   大田区、墨田区、豊島区、世田谷区、目黒区、渋谷区、新宿区      (リ) 同      八月分   墨 田 区  (報告書省略)      ━━━━━━━━━━ ◯議長(中西敏二君) この際日程の追加について申し上げます。  本日議員より「議員提出議案第六号 東京都議会委員会条例」外一議案及びそれに伴う「常任委員の選任」、委員会より第百二十七号議案東京都江戸川区深川塩崎町における防潮堤築造工事に係る受益者負担に関する条例」(委員会審査報告)並びに知事より第二百二十号議案「東京都公債条例」外議案及び「昭和三十年度東京都交通事業会計同水道事業会計及び同下水道事業会計決算の認定について」が提出されました。これらを併せて本日の日程に追加いたします。 ◯六十八番(河野一郎君) 本日は会議及び日程の順序を変更し、一般質問に先立ち日程に入り、只今追加されました追加日程第一、第二及び第四を順次先議せられんことを望みます。 ◯議長(中西敏二君) 只今の動議に御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ◯議長(中西敏二君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。      ━━━━━━━━━━ ◯議長(中西敏二君) これより日程に入ります。追加日程第一及び第二を一括して議題に供します。    〔谷議事部長朗読〕 一、追加日程第一議員提出議案第六号東京都議会委員会条例外一議案 議員提出議案第六号       東京都議会委員会条例 右の議案を提出する。  昭和三十一年九月二十一日 提 出 者    小 泉  武 雄   小 泉    隆    宇 野  喜 重    四 宮  久 吉    小 野  慶 十   大 山  雅 二    小 山  省 二    安 藤  章一郎    本 多    誠   田 中  宗 正    佐 野    進    依 田  圭 五    田 村  徳 次   田 山  東 虎    三 浦  八 郎    川 村  千 秋    村 上  ヒ デ   藤 田  孝 子    坂 本  重次郎    大久保  重 直    村 木  正 彦   樋 口  亀 吉    篠 原  虎之輔    北 島  義 彦    清 水  長 雄   村 田  宇之吉    小 林  三 四    袴 田  圓 助    野 口  辰五郎   染 野    愛    山 川  國 藏    竹 内  雷 男    久保田  幸 平   高 橋  清 人    宮 瀬  睦 夫    柳 田  豊 茂    梅 津  四 郎   建 部    順    玉 井  省 吾    上 山  輝 一    荒 木  由太郎   佐々木  恒 司    田 村  幾太郎    山 口  虎 夫    小野田  増太郎   伊 東  泰 治    松 本  鶴 二    中 島  與 吉    小 川  精 一   鯨 岡  兵 輔    井 草  市 郎    原 田    茂    川 口  清治郎   飯 塚  愛之助    河 野  平 次    中 山    一    本 島  百合子   青 山  良 道    川端下  一二三    齋 藤  清 亮    加 藤  好 雄   篠    統一郎    山 村    久    春日井  秀 雄    石 島  参 郎   鴨 下  榮 吉    小 山  貞 雄    河 野  一 郎    古 谷    榮   栃 倉  晴 二    山 屋  八萬雄    友 成  四 郎    大 澤  梅次郎   佐々木  千 里    實 川    博    内 田  雄 三    大日向  蔦 次   岡 田  助 雄    中 島  喜三郎    内 田  定五郎    森      傳   金 子  二 久    醍 醐  安之助    上 條    貢    杉 山  三 七   田 村  福太郎    浦 部  武 夫    富 田  直 之    大 森  一 雄   吉 峰  長 利    長 瀬  健太郎    曾 根  光 造    齋 藤  卯 助   中 塚  榮次郎    内 田  道 治    大 門  義 雄    板 橋  英 雄   川 端  文 夫    水 戸  三 郎    渡 造  文 政    窪 寺  傳 吉   出 口  林次郎    島 崎  七 郎    八木澤  鶴 吉    宮 澤  道 夫   中 西  敏 二    菊 池  民 一    中 澤    茂    山 崎  七次郎   鏡    省 三    森    敬之助    萬 田  勇 助
       大 村  仁 道   中 田  俊 一    富 澤    仁    守 本  又 雄    加 藤  千太郎   秋 山  定 吉    田 中  貞 造    北 田  一 郎 東京都議会議長 中 西 敏 二殿         東京都議会委員会条例  東京都議会委員会条例(昭和二十六年四月東京都条例第五十七号)の全部を改正する。  (常任委員会の設置) 第 一 条 都議会に常任委員会を置く。  (常任委員会の名称、委員定数及びその所管) 第 二 条 常任委員会の名称、委員の定数及び所管は、次のとおりとする。  一 総務財政委員会 総務局、財務局、主税局、都民室、外務室、出納長室(決算に関する事項を除く)及び人事委員会事務局に関する事項  二 厚生交通委員会 民生局及び交通局に関する事項  三 衛生経済委員会 衛生局、経済局及び清掃本部に関する事項  四 建設労働委員会 建設局、労働局及び港湾局に関する事項  五 建築水道委員会 建築局及び水道局に関する事項  六 治安文教委員会 教育庁、警視庁及び消防庁に関する事項 2 各常任委員会の委員の定数は二十人とする。  (常任委員の任期) 第 三 条 常任委員の任期は、一年とする。但し、後任者が選任されるまで在任する。 2 補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。  (特別委員会の設置) 第 四 条 特別委員会は、必要があるとき議会の議決で設ける。 2 委員の定数は議会の議決で決める。  (委員の選任) 第 五 条 常任委員会及び特別委員会の委員(以下「委員」という)は、議長が会議に諮つて指名する。 2 欠員を補充する必要があるときは、議長が委員を指名することができる。 3 前項の規定により委員を指名したときは、議長は、次の会議にこれを報告し、承認を求めなければならない。  (委員長、副委員長及び理事) 第 六 条 常任委員会及び特別委員会(以下「委員会」という)に委員長を置く。 2 委員会は必要があるときは、副委員長及び理事若干人を置くことができる。  (委員長、副委員長及び理事の互選) 第 七 条 委員長、副委員長及び理事は、委員会において互選する。 2 前項の互選は、地方自治法第百十八条の例による。  (委員長及び副委員長ともにないときの互選) 第 八 条 委員長及び副委員長がともにないときは、議長が委員会を招集して互選を行わせる。 2 前項の互選に関する職務は、年長の委員が行う。  (委員長の開閉権等) 第 九 条 委員長は、委員会を開閉し、議事を整理し、秩序を保持する。  (委員長の職務代行) 第 十 条 委員長に事故があるとき、叉は委員長が欠けたときは、副委員長が委員長の職務を行う。 2 委員長及び副委員長ともに事故があるときは、理事が委員長の職務を行う。 3 副委員長及び理事を置かない場合は、年長の委員が、委員長の職務を行う。  (委員の辞任) 第十一条 委員が辞任しようとするときは、議会の許可を得なければならない。但し、議会閉会中においては、議長の許可を得て辞任することができる。 2 前項の但書の規定により辞任を許可したときは、議長は、次の会議に報告する。  (委員長、副委員長及び理事の辞任) 第十二条 委員長、副委員長及び理事が辞任しようとするときは、委員会の許可を得なければならない。  (招 集) 第十三条 委員会は、委員長が招集する。 2 委員の定数の半数以上の者から委員会において審査又は調査すべき事件を示して、招集の請求があったときは、  委員長は、委員会を招集しなければならない。  (会議の定足数) 第十四条 委員会は、委員の定数の半数以上の委員が出席しなければ会議を開くことができない。但し、第十八条  (委員の除斥)の規定による除斥のため半数に達しないときは、この限りでない。  (表 決) 第十五条 委員会の議事は、出席委員の過半数で決し、可否同数のときは、委員長の決するところによる。 2 前項の場合においては、委員長は、委員として表決に加わることができない。  (議事妨害及び離席の禁止) 第十六条 何人も会議中はみだりに発言し、又は騒ぎ、その他議事の妨害となる言動をしてはならない。 2 委員は、会議中みだりに離席してはならない。  (秩序保持に関する措置) 第十七条 委員会において法律、東京都議会会議規則(以下「会議規則」という)又はこの条例に違反し、その他委員会の秩序をみだす委員があるときは、委員長は、これを制止し、又は発言を取消させることができる。 2 委員が前項の規定による命令に従わないときは、委員長は、当日の委員会が終るまで発言を禁止し、又は退場させることができる。 3 委員長は、委員会が騒然として整理することが困難であると認めるときは、委員会を閉じ、又は中止することができる。  (委員の除斥) 第十八条 委員は、自己若しくは、父母、祖父は、配偶者、子、孫若しくは兄弟姉妹の一身上に関する事件、又は自己若しくはこれらの者の従事する業務に直接の利害関係ある事件については、その議事に参与することができない。但し、委員会の同意があったときは、その会議に出席して発言することができる。  (傍聴の取扱) 第十九条 委員会は、議員の外委員会の許可を得た者が傍聴することができる。 2 委員長は、必要があると認めるときは、傍聴人の退場を命ずることができる。  (秘密会) 第二十条 委員会は、その議決で秘密会とすることができる。  (出席説明の要求等) 第二十一条 委員会は、審査又は調査のため知事、教育委員会の委員長、選挙管理委員会の委員長、人事委員会の委員長、公安委員会の委員長、地方労働委員会の委員長及び監査委員その他法令又は条例に基く委員会の代表者又は委員並びにその委任又は嘱託を受けた者に対し説明のため出席を求めようとするときは、議長を経てしなければならない。  (公聴会開催の手続) 第二十二条 委員会が公聴会を開こうとするときは、議長の承認を得て行わなければならない。 2 委員会は、公聴会に関しその日時、場所、案件、公示方法及び意見を聞こうとする利害関係者又は学識経験者等(以下「公述人」という)の範囲、人員その他必要と認める事項を決めなければならない。 3 前項の事項を決めたときは、委員長は、議長に報告するとともに、公聴会の公示及び公述人の招請等開会に必要な手続をしなければならない。  (意見を述べようとする者の申出) 第二十三条 公聴会に出席して意見を述べようとする者は、文書であらかじめその理由及び案件に対する賛否を、その委員会に申し出なければならない。  (公述人の決定) 第二十四条 公述人は、前条の規定によりあらかじめ申し出た者及びその他の者の中から、委員会において定め、本人にその旨を通知する。 2 前項に規定する者の中に、その案件に対して賛成及び反対者があるときは、一方にかたよらないように選ばなければならない。  (公述人の発言) 第二十五条 公述人が発言しようとするときは、委員長の許可を得なければならない。 2 前項の発言は、その意見を開こうとする案件の範囲を越えてはならない。 3 公述人の発言がその範囲を越え、又は不穏当な言動があったときは、委員長は、発言を制止し、又は退席させることができる。  (公述人に対する質疑等) 第二十六条 委員は、公述人の述べた意見に対して質疑をすることができる。 2 公述人は、委員に対して質疑をすることができない。  (代理人又は文書による陳述) 第二十七条 公述人は、代理人に意見を述べさせ、又は文書で意見を提出することができない。但し、委員会が許可したときは、この限りでない。  (入場の制限) 第二十八条 委員長は、公聴会において必要があると認めるときは、一般参会者の入場を制限し、又は退場を命することができる。  (書記の配属) 第二十九条 委員会には書記を配属する。 2 書記は、委員長の指揮を受け、委員会の事務に従事する。  (会議要録) 第三十条 委員長は、会議の概要、出席委員の氏名その他必要な事項を記載した記録を作成しなければならない。  (会議規則との関係) 第三十一条 この条例に定めるもののほか、委員会に関しては、会議規則の定めるところによる。         付  則
    1 この条例は、公布の日から施行する。 2 この条例による常任委員の任期は、昭和三十一年に限り第三条本文の規定にかかわらず、同年九月第三回定例会において選任される日から起算し、八簡月間経過したときに満了する。  (説  明)  地方自治法(昭和二十二年四月法律第六十七号)の改正による所要の改正を行い、併せてこの条例の全部を整備する必要があるので、この条例案を提出いたします。      ───────────── 議員提出議案第七号         東京都議会会議規則 右の議案を提出する。  昭和三十一年九月二十一日 提 出 者    小 泉  武 雄    小 泉    隆    宇 野  喜 重    四 宮  久 吉    小 野  慶 十    大 山  雅 二    小 山  省 二    安 藤  章一郎    本 多    誠    田 中  宗 正    佐 野    進    依 田  圭 五    田 村  徳 次    田 山  東 虎    三 浦  八 郎    川 村  千 秋    村 上  ヒ デ    藤 田  孝 子    坂 本  重次郎    大久保  重 直    村 木  正 彦    樋 口  亀 吉    篠 原  虎之輔    北 島  義 彦    清 水  長 雄    村 田  宇之吉    小 林  三 四    袴 田  圓 助    野 口  辰五郎    染 野    愛    山 川  國 藏    竹 内  雷 男    久保田  幸 平    高 橋  清 人    宮 瀬  睦 夫    柳 田  豊 茂    梅 津  四 郎    建 部    順    玉 井  省 吾    上 山  輝 一    荒 木  由太郎    佐々木  恒 司    田 村  幾太郎    山 口  虎 夫    小野田  増太郎    伊 東  泰 治    松 本  鶴 二    中 島  與 吉    小 川  精 一    鯨 岡  兵 輔    井 草  市 郎    原 田    茂    川 口  清治郎    飯 塚  愛之助    河 野  平 次    中 山    一    本 島  百合子    青 山  良 道    川端下  一二三    齋 藤  清 亮    加 藤  好 雄    篠    統一郎    山 村    久    春日井  秀 雄    石 島  参 郎    鴨 下  榮 吉    小 山  貞 雄    河 野  一 郎    古 谷    榮    栃 倉  晴 二    山 屋  八萬雄    友 成  四 郎    大 澤  梅次郎    佐々木  千 里    實 川    博    内 田  雄 三    大日向  蔦 次    岡 田  助 雄    中 島  喜三郎    内 田  定五郎    森      傳    金 子  二 久    醍 醐  安之助    上 條    貢    杉 山  三 七    田 村  福太郎    浦 部  武 夫    富 田  直 之    大 森  一 雄    吉 峰  長 利    長 瀬  健太郎    曾 根  光 造    齋 藤  卯 助    中 塚  榮次郎    内 田  道 治    大 門  義 雄    板 橋  英 雄    川 端  文 夫    水 戸  三 郎    渡 邊  文 政    窪 寺  傳 吉    出 口  林次郎    島 崎  七 郎    八木澤  鶴 吉    宮 澤  道 夫    中 西  敏 二    菊 池  民 一    中 澤    茂    山 崎  七次郎    鏡    省 三    森    敬之助    萬 田  勇 助    大 村  仁 道    中 田  俊 一    宮 澤    仁    守 本  又 雄    加 藤  千太郎    秋 山  定 吉    田 中  貞 造    北 田  一 郎 東京都議会議長 中 西 敏 二殿         東京都議会会議規則  東京都議会会議規則(昭和二十六年三月二十八日議決)の全部を改正する。   目  次     第一 章 総則(第一条─第十一条)     第二 章 議案の提出及び動議(第十二条─第十六条)     第三 章 議事日程(第十七条-第二十条)     第四 章 選挙(第二十一条-第二十九条)     第五 章 議事(第三十条─第四十二条)     第六 章 発言(第四十三条─第五十五条)     第七 章 委員会(第五十六条─第六十七条)     第八 章 表決(第六十八条-第七十九条)     第九 章 一般質問(第八十条-第八十四条)     第十 章 請願(第八十五条-第九十一条)     第十一章 秘密会(第九十二条-第九十三条)     第十二章 議員の辞職及び資格の決定(第九十四条-第百四条)     第十三章 紀律(第百五条-第百十一条)     第十四章 懲罰(第百十二条-第百二十条)     第十五章 会議録(第百二十一条-第百二十五条)     第十六章 補則(第百二十六条)     付  則      第 一 章 総   則  (参 集) 第 一 条 議員は、招集の当日開会定刻前に議事堂に参集し、その旨を議長に通告しなければならない。  (議 席) 第 二 条 議員の議席は、一般選挙後最初の会議で議長が定める。 2 一般選挙後あらたに選挙された議員の議席は、議長が定める。 3 議長は、必要があると認めるときは、会議に諮って議席を変更することができる。 4 議席には、番号を付ける。  (会 期) 第 三 条 会期は、おおむね次のとおりとし、毎会期の初めに議会の議決で定める。  一 通常予算を審議する定例会は三十日、その他の定例会は七日  二 臨時会は五日 2 会期は、招集日から起算する。  (会期の延長) 第 四 条 会期は、議会の議決で延長することができる。  (議会の開閉) 第 五 条 議会の開会及び閉会は、議長が宣告する。  (会期中の閉会) 第 六 条 会議事件を全部議了したときは、議長は会議に諮って、会期中でも閉会することができる。  (会議時間及び号鈴) 第 七 条 会議時間は、午後一時から午後五時までとする。 2 議長は、必要があると認めるときは、会議時間を変更することができる。但し、異議があるときは、討論を用いないで会議に諮って決める。 3 会議の開始は、号鈴で報ずる。  (休 会) 第 八 条 日曜日及び休日は、休会とする。 2 議事の都合その他の必要があるときは、議会は議決で休会することができる。 3 議長が特に必要があると認めるときは、休会中でも会議を開くことができる。 4 地方自治法(昭和二十二年四月法律第六十七号)(以下「法」という)第百十四条第一項の規定による請求があった場合のほか、議会の議決があったときは、議長は休会中でも会議を開かなければならない。  (会議の開閉等) 第 九 条 開議、散会、延会、中止及び休憩は、議長が宣告する。 2 議長が開議を宣告する前、散会、延会、中止又は休憩を宣告した後は、何人も議事について発言することができない。  (定足数に関する措置) 第 十 条 開議時刻後相当の時間を経ても、なお出席議員が定足数に達しないときは、議長は延会を宣告することができる。 2 会議中定足数を欠くに至るおそれがあると認めるときは、議長は議員の退席を制止し、又は議場外の議員に出席を求めることができる。 3 会議中定足数を欠くに至ったときは、議長は休憩又は延会を宣告する。  (欠席の届出) 第十 一 条 議員が事故のため出席できないときは、その理由を付けて、当日の開議時刻前に、議長に届出なければならない。      第 二 章 議案の提出及び動議  (議案の提出)
    第十二条 議員が議案を提出しようとするときは、その案をそなえ、理由を付け、法第百十二条第二項の規定によるものについては、所定の賛成者とともに連署して、あらかじめ議長に提出しなければならない。  (修正の動議) 第十三条 修正の動議は、その案をそなえ、あらかじめ議長に提出しなければならない。但し、法第百十五条の二の規定による修正の動議には、発議者が連署しなければならない。  (先決動議の表決順序) 第十四条 他の事件に先立って、表決に付さなければならない動議が競合したときは、議長がその表決の順序を決める。但し、異議があるときは、議長は討論を用いないで会議に諮って決めなければならない。  (事件及び動議の撤回等) 第十五条 議題となった事件及び動議を撤回し、又訂正しようとするときは、議会の承認を、得なければならない。 2 議員が提出した事件及び動議で、前項の承認を求めようとするときは、提出者から請求しなければならない。  (一事不再議) 第十六条 議会で議決された事件は、同一会期中再び提出することができない。      第 三 章 議事日程  (日程の作成及び配付) 第十七条 議長は、開議の日時、会議に付する事件及びその順序等を記載した議事日程を定め、あらかじめ議員に配付する。但し、やむを得ないときは、議長がこれを報告して配付に代えることができる。 2 議事日程に定めた日に、その記載事件の議事を開くことができなかったとき、又はその議事が終らなかったときは、議長は更にその日程を定めなければならない。  (議事日程のない会議の通知) 第十八条 議長は、必要があると認めるときは、会議の日時だけを議員に通知して会議を開くことができる。  (日程の順序変更及び追加) 第十九条 議長は、必要があると認めるときは、議事日程の順序を変更し、又は他の事件を議事日程に追加することができる。 2 議員から日程の順序変更又は追加の動議が提出されたときは、議長は討論を用いないで会議に諮って決める。  (日程の終了及び延会) 第二十条 議事日程に記載した事件の議事を終ったときは、議長は散会を宣告する。 2 議事日程に記載した事件の議事が終らない場合でも、議長が必要があると認めるとき、又は議員から動議が提出されたときは、議長は討論を用いないで会議に諮って延会することができる。      第 四 章 選  挙  (選挙の宣告) 第二十一条 議会で選挙を行うときは、議長はその旨を会議に宣告する。  (不在議員) 第二十二条 選挙を行う宣告の際、議場にいない議員は選挙に加わることができない。  (議場の閉鎖) 第二十三条 投票による選挙を行うときは、議長は第二十一条の規定による宣告の後、議場の出入口を閉鎖しなければならない。  (投票用紙の配付及び投票箱の点検) 第二十四条 投票を行うときは、議長は議員に、別表に定める投票用紙を配付した後、配付漏れの有無を確めなければならない。 2 議長は、投票箱の空虚であることを議員に示さなければならない。  (投 票) 第二十五条 議員は、点呼に応じて順次備え付けの投票箱に投票を行う。  (投票の終了) 第二十六条 議長は、投票が終つたと認めるときは、議員に投票漏れの有無、を確めたのち投票の終了を宣告する。  その宣告後は投票することができない。  (開票、立会人及び投票の効力) 第二十七条 議長は、開票を宣告した後、二人以上の立会人の立会を求めて投票を点検し、計算する。 2 前項の立会人は、議長が議員の中から会議に諮って指名する。 3 投票の数が議場に現在する議員の数に超過したときは、更に投票を行わなければならない。但し、投票の結果に異動を及ぼさないときはこの限りでない。 4 投票の効力は、立会人の意見を聞いて議長が決定する。  (選挙結果の報告及び通知) 第二十八条 議長は、選挙の結果を直ちに議会に報告する。 2 議長は、当選人に当選の旨を通知しなければならない。  (選挙の疑義) 第二十九条 選挙に関する疑義は、議長が会議に諮って決める。      第 五 章 議  事  (議題の宣告) 第三十条 議長は、会議事件を議題とするときは、その旨を宣告する。  (事件の一括) 第三十一条 議長は、必要があると認めるときは、二件以上の事件を一括して議題とすることができる。但し、異議あるときは、討論を用いないで会議に諮って決める。  (議案の委員会付託) 第三十二条 会議事件は、第八十七条に規定する場合を除き、会議においてまず提出者の説明を聞き、質疑があるときは質疑の後、議会の議決で委員会に付託する。 2 提出者の説明及び委員会の付託は、議会の議決で省略することができる。  (付託事件の上程) 第三十三条 委員会に付託した事件は、その報告をまって議題とする。 2 分割して付託した事件は、一括して議題とする。  (委員長及び少数意見者の報告) 第三十四条 委員会の審査又は調査した事件が議題となったときは、委員長がその経過及び結果を報告し、次いて第六十七条第二項の規定による少数意見者が少数意見の報告をする。 2 少数意見が二箇以上あるときの報告の順序は、議長が決める。 3 第一項の報告は、議会の議決により、又は議長において委員会の報告書もしくは少数意見報告書を配付し、又は朗読したときは省略することができる。 4 委員長の報告及び少数意見者の報告には、自己の意見を加えてはならない。  (修正案の説明) 第三十五条 委員長の報告及び少数意見者の報告が終った後、又は委員会の付託を省略したときは、議長は修正案の説明を行わせる。  (討論及び表決) 第三十六条 議員の質疑が終ったときは、討論に付し、その終結の後、議長は事件を表決に付する。  (委員会の審査期限) 第三十七条 議会は、必要があると認めるときは、委員会に付託した事件の審査又は調査につき期限をつけることができる。 2 前項の期限内に審査又は調査を終ることができないときは、委員会は、期限の延期を議会に求めることができる。  (委員会の中間報告) 第三十八条 議会は、委員会の審査又は調査中の事件について、特に必要があるときは、中間報告を求めることができる。 2 前項の中間報告があった事件について、議会が特に必要と認めたときは、会議において審議することができる。  (字句及び数字等の整理) 第三十九条 議会は、議決の結果生じた条項、字句、数字その他の整理を議長に委任することができる。  (再付託) 第四十条 委員会の審査又は調査を経て報告された事件で、なお審査又は調査の必要があるときは、議会は、更にその事件を同一の委員会又は他の委員会に付託することができる。  (議事の継続) 第四十一条 延会、中止又は休憩のため事件の議事が中断された場合において、再びその事件が議題となったときは、前の議事を継続する。  (説明員) 第四十二条 議長は法第百二十一条に規定する者(以下「執行機関等」という)に対し、あらかじめ出席を要求しておくことができる。      第 六 章 発  言  (発言の場所) 第四十三条 発言は、すべて議長の許可を得た後、登壇してしなければならない。但し、議長の許可を得たときは、議席で発言することができる。 2 議長は、議席で発言する議員を登壇させることができる。  (発言の通告及び順序) 第四十四条 会議において発言しようとする者は、開議前、あらかじめ議長に発言通告書を提出しなければならない。但し、やむを得ないときは、この限りでない。 2 前項の通告書には、質疑についてはその要旨、討論については反対、賛成の別を記載しなければならない。 3 発言の順序は、議長が定める。 4 発言の通告をした者が欠席し、又はその順位に当っても発言しないとき、もしくは議場に現在しないときは、通告はその効力を失う。  (通告しない者の発言) 第四十五条 発言の通告をしない者は、通告した者がすべて発言を終った後でなければ、発言を求めることができない。 2 通告しない者が発言しようとするときは、起立して「議長」と呼び、議席番号又は自己の氏名を告げて議長の許可を得なければならない。 3 二人以上起立して発言を求めたときは、議長は先に起立したと認める者を指名して発言させる。  (討論の方法) 第四十六条 討論については、議長は最初に反対者を発言させ、次に賛成者及び反対者をなるべく交互に指名して発言させなければならない。  (議長の発言及び討論) 第四十七条 議長が議員として発言しようとするときは、議席について発言し、発言を終った後、議長席に復さなければならない。但し、討論をしたときは、その議題の表決が終るまでは議長席に復することができない。  (発言の範囲) 第四十八条 発言はすべて簡明にし、議題外にわたり、又はその範囲をこえてはならない。
    2 議長は、発言が前項の規定に反すると認めるときは、注意をうながし、なお従わない場合は発言を禁止することができる。 3 議員は、質疑に当っては自己の意見を述べることができない。  (質疑の回数) 第四十九条 質疑は、同一議員につき、同一議題について二回をこえることができない。但し、特に議長の許可を得たときは、この限りでない。  (発言時間の制限) 第五十条 議長は、必要あると認めるときは、発言時間を制限することができる。 2 前項の時間制限に対して出席議員十人以上から異議があるときは、議長は討論を用いないで会議に諮って決める。  (議事進行の発言) 第五十一条 議事進行の発言が、その趣旨に反すると認めるときは、議長は直ちにこれを制止しなければならない。  (発言の継続) 第五十二条 延会、中止又は休憩等のため、発言を終らなかった議員は、更にその議事を始めたときに、前の発言を続けることができる。  (質疑又は討論の終結) 第五十三条 質疑又は討論が終ったときは、議長はその終結を宣告する。 2 質疑が続出して容易に終結しないときは、議員は質疑終結の動議を提出することができる。 3 賛否各々二人以上の発言があった後、又は甲方が二人以上発言して乙方に発言の要求者がないときは、議員は討論終結の動議を提出することができる。 4 質疑又は討論終結の動議については、議長は討論を用いないで会議に諮って決める。  (選挙及び表決時の発言の制限) 第五十四条 選挙及び表決を行う宣告の後は、何人も発言を求めることができない。但し、選挙及び表決の方法についての発言はこの限りではない。  (発言の取消) 第五十五条 議員は、その会期中に限り、議会の許可を得て自己の発言を取り消すことができる。      第 七 章 委 員 会  (招集手続) 第五十六条 委員会を招集しようとするときは、委員長はあらかじめ委員会の日時、場所、事件その他必要事項を記載した通知書を議長に提出しなければならない。  (会議中の委員会禁止) 第五十七条 委員会は、議会の会議中は開くことができない。  (委員会の発言) 第五十八条 委員は、議題について自由に質疑し、及び意見を述べることができる。但し、委員会において別に発言の方法を決めたときはこの限りでない。  (証人の出頭及び記録の提出) 第五十九条 委員会において、法第百条の規定による調査を付託された場合、調査のため証人の出頭又は記録の提出を求めようとするときは、議長に申し出なければならない。  (委員の派遣) 第六十条 委員会は、審査又は調査のため委員を派遣しようとするときは、その日時、場所、調査事項及び経費等を記載した派遣承認要求書を議長に提出し、あらかじめ承認を得なければならない。  (分科会及び小委員会) 第六十一条 委員会は、必要により分科会又は小委員会を設けることができる。 2 分科会及び小委員会に関する事項は、委員会が決める。  (連合審査会) 第六十二条 委員会は、審査又は調査のため必要があるときは、他の委員会と協議して連合審査会を開くことができる。  (委員外議員の発言) 第六十三条 委員会は、審査又は調査中の事件について必要があると認めるときは、委員でない議員に対し、その出席を求めて説明又は意見を開くことができる。委員でない議員から発言の申出があったときもまた同様とする。  (委員会報告書) 第六十四条 委員会が事件の審査又は調査を終ったときは、その結果を付した報告書を委員長から議長に提出しなければならない。  (修正、付帯決議及び希望) 第六十五条 委員は、付託された事件に対し修正を加え、又は付帯決議、もしくは希望を付けようとするときは、その案をあらかじめ委員長に提出しなければならない。  (閉会中の継続審査) 第六十六条 委員会が閉会中もなお審査又は調査を継続する必要があると認めるときは、その理由を付け、委員長から議長に申し出なければならない。  (少数意見の保留) 第六十七条 委員は、委員会において少数で否決された意見で、他に出席委員二人以上の賛成があるものは、少数意見として保留することができる。 2 前項の少数意見者は、少数意見の報告書を委員会の報告書が提出されるまでに、委員長を経て議長に提出しなければならない。      第 八 章 表  決  (議題の宣告) 第六十八条 議長が表決を採ろうとするときは、その議題を会議に宣告する。  (不在議員) 第六十九条 表決宣告の際、議場にいない議員は表決に加わることはできない。  (条件の禁止) 第七十条 表決には、条件を付けることができない。  (起立による表決) 第七十一条 議長が表決を採ろうとするときは、議題を可とする者を起立させ、起立者の多少を認定して可否の結果を宣告する。  (記名投票) 第七十二条 議長が必要と認めたとき、もしくは出席議員十人以上から要求があるとき、又は前条の規定による表決の際起立者の多少を認定し難いとき、もしくは議長の宣告に対し、出席議員十人以上から異議があるときは、議長は記名投票で表決を採らなければならない。  (無記名投票) 第七十三条 議長が特に必要と認めたとき、又は出席議員十人以上から特別の事由により要求があるときは、無記名投票で表決を採らなければならない。  (投票方法の競合) 第七十四条 記名投票の要求と無記名投票の要求が競合したときは、議長はいずれの方法によるかを記名投票で決める。  (投票の方法) 第七十五条 投票は、別表に定める用札又は投票用紙を用いて行う。 2 用札を用いる投票においては、問題を可とする者は白票を、否とする者は青票を投票する。 3 投票用紙を用いて投票を行う場合は、問題を可とする者は「賛成」、否とする者は「反対」と記入し、記名投票の場合は併せて氏名を記入しなければならない。 4 議長は、投票において用札又は投票用紙のいずれを用いるかを決める。但し、異議があるときは討論を用いないで会議に諮って決める。  (選挙に関する規定の準用) 第七十六条 前条の規定により投票を行う場合は、第二十三条(議場閉鎖)、第二十四条(投票用紙の配付及び投票箱の点検)、第二十五条(投票)、第二十六条(投票の終了)、第二十七条(開票立会人及び投票の効力)、第二十八条(選挙結果の報告及び通知)及び第二十九条(選挙の疑義)の規定を準用する。  (簡易表決) 第七十七条 議長は、議題について異議の有無を会議に諮ることができる。異議がないと認めたときは、直ちに可決の旨を宣告する。但し、議長の宣告に対し出席議員十人以上から異議があるときは、議長は起立の方法をもって表決を採らなければならない。  (表決の更正) 第七十八条 議員は、自己の表決について更正を求めることはできない。  (表決の順序) 第七十九条 表決の順序は、まず議員から提出された修正案、次に委員会の修正案とし、原案を後とする。 2 同一の議題について、議員から数個の修正案が提出されたときは、原案に対してその趣旨の最も遠いものから順次表決に付する。その区別が判然としない場合は、議長が決める。但し、異議があるときは、議長は討論を用いないで会議に諮って決めなければならない。 3 修正案が否決されたときは、原案について表決を採る。      第 九 章 質  問  (一般質問) 第八十条 議員は、都の一般事務に関し、議事に先立って質問することができる。但し、その順序は議会の議決で変更することができる。 2 質問しようとする者は、その要旨を会議の日前二日目までに、議長に通告しなければならない。但し、やむを得ない場合はこの限りでない。  (質問の回数及び終結) 第八十一条 質問については、第四十三条(発言の場所)、第四十四条(発言の通告及び順序)、第四十九条(質疑の回数)、第五十条(発言時間の制限)、第五十二条(発言の継続)及び第五十三条(質疑又は討論の終結)の規定を準用する。  (答弁書の提出) 第八十二条 執行機関等において、質問に対し直ちに答弁し難い事由があるときは、議長は期日を指定して答弁書の提出を要求することができる。 2 前項の答弁書を受理したときは、議長はすみやかに各議員に配付しなければならない。  (緊急質問) 第八十三条 質問が緊急を要するときは、議会の議決で質問するこができる。 2 前項の質問がその趣旨に反すると認めるときは、議長は直ちに制止しなければならない。  (文書質問) 第八十四条 議員は、会期中執行機関等に対し文書で質問することができる。 2 前項の質問は、簡明な趣意書を議長に提出しなければならない。 3 質問趣意書は、議長が答弁書提出の期日を指定して執行機関等に送付する。 4 議長は、質問趣意書及び答弁書を各議員に配付する。      第 十 章 請  願  (請願の提出) 第八十五条 請願は、邦文を用い、請願の主旨、提出年月日、請願者の住所及び氏名(法人は、その所在地、名称及び代表者の氏名)を記載し捺印の上、議員の紹介により議長に提出しなければならない。 2 請願を紹介する議員は、請願書の表紙に署名しなければならない。 3 請願書の提出は平穏にしなければならない。  (請願文書表)
    第八十六条 議長は、請願書を受理したときは、請願者、請願の要旨、紹介議員及び受理年月日を記載した請願文書表を作成し、各議員に配付しなければならない。 2 請願者数人連署のものは、外何人、同一議員の紹介による数件の内容同一のものは、外何件と記載することができる。  (請願の付託) 第八十七条 請願は、文書表の配付と同時に議長がこれを適当の委員会に付託し、その旨を議員に通知しなければならない。 2 請願の内容が二以上の委員会の所管に属する場合は、二以上の請願が提出されたものとみなし、それぞれ適当の委員会に付託する。  (紹介議員の委員会出席) 第八十八条 請願の紹介議員は、委員会から要求があつたとき、又は紹介議員の申出を委員会が承認したときは、委員会に出席して説明を行う。  (委員会の報告) 第八十九条 委員会は、請願について、審査の結果を左の区分により意見を付け、議長に報告しなければならない。  一 採択すべきもの  二 不採択とすべきもの 2 採択すべきもので、執行機関等に送付することを適当と認めるものは、その旨を付記することを要する。  (請願の送付及び処理てんまつの要求等) 第九十条 議長は、議会で採択と決定したもので、執行機関等に送付しなければならないものは、すみやかに送付し、且つその処理てんまつの報告を要求しなければならない。 2 採択及び不採択の結果は、請願に通知する。 3 不採択については、その理由を付けなければならない。  (陳情書の処理) 第九十一条 陳情書の内容が請願に適合するものは、請願書の例により処理する。      第十一章  秘 密 会  (指定者以外の退場) 第九十二条 秘密会を開く議決があったときは、議長は傍聴人及び議長の指定する以外の者を議場の外に退去させなければならない。  (秘密の保持) 第九十三条 秘密会の議事の記録は公表しない。 2 秘密会の議事は、何人も秘密性の継続する限り、他に漏らしてはならない。      第十二章  議員の辞職及び資格の決定  (辞表の提出) 第九十四条 議員が辞職しようとするときは、議長に辞表を提出しなければならない。  (辞職の許可) 第九十五条 議長は、辞表を議会で朗読し、討論を用いないで会議に諮ってその許否を決めなければならない。 2 議長は、閉会中に議員の辞職を許可したときは、その旨を次の会議に報告しなければならない。  (資格決定要求書の提出) 第九十六条 法第百二十七条第一項の規定により、議員の被選挙権の有無について議会の決定を求めようとする議員(以下「要求議員」という)は、要求の理由を記載した要求書(正副二通)に署名捺印して、証拠書類とともに議長に提出しなければならない。  (資格決定の審査) 第九十七条 前条の要求については、議会は第三十二条第二項の規定にかかわらず、委員会の付託を省略して決定することができない。  (被要求議員の答弁書) 第九十八条 議長が要求書を委員会に付託したときは、その副本を決定を求められている議員(以下「被要求議員」という)に送付し、期日を定めて答弁書を提出させる。但し、期日までに提出することのできない事由を証して延期を求められたときは、議長は更に期日を指定することができる。  (答弁書の送付) 第九十九条 被要求議員から答弁書を提出したときは、議長は直ちに委員会に送付しなければならない。  (審 査) 第 百 条 委員会は、要求書及び答弁書によって審査する。但し、議長が定めた期日までに答弁書が提出されないときは、要求書だけで審査することができる。  (被要求議員の弁明) 第百 一 条 被要求議員は、委員会に出席して自己の資格に関し弁明することができる。  (要求議員及び被要求議員の出席説明) 第百二条 委員会は、審査のため必要があるときは、議長を経て要求議員及び被要求議員の説明並びに必要書類の提出を求めることができる。  (委員会決定書の提出) 第百三条 委員会は、審査を終つたときは、理由をつけた委員会決定書を報告書とともに議長に提出しなければならない。  (決定書の送付) 第百四条 議会において、被選挙権の有無を決定したときは、議長は決定書の謄本を要求議員及び被要求議員に送付しなければならない。      第十三章 紀   律  (秩序及び品位の尊重) 第百五条 議員は、議会の秩序及び品位を重んじなければならない。  (服 装) 第百六条 議場に入る者は、服装を見苦しくないようにしなければならない。  (携帯品) 第百七条 議場に入る者は、帽子、外とう、えり巻、つえ、かさの類を着用し、又は携帯してはならない。但し、病気その他やむを得ない事由により議長の許可を得たときは、この限りでない。  (議事妨害禁止) 第百八条 何人も会議中は、みだりに発言し、騒ぎその他議事の妨害となる言動をしてはならない。  (禁 煙) 第百九条 何人も議場において喫煙してはならない。  (登壇の禁止) 第百十条 何人も議長の許可がなければ演壇に登ってはならない。  (秩序保持権) 第百十一条 すべて紀律に関する問題は議長が決める。但し、議長が必要があると認めるときは、討論を用いないで会議に諮って決めることができる。      第十四章  懲   罰  (懲罰事犯及び発議権) 第百十二条 懲罰の動議は、文書をもって所定の発議者が連署して議長に提出しなければならない。 2 前項の動議は、懲罰事犯があった日から起算して三日以内に提出しなければならない。但し、第九十三条第二項の規定違反については、この限りではない。  (懲罰動議の会議) 第百十三条 懲罰の動議が提出されたときは、議長はすみやかに会議に付さなければならない。  (懲罰事犯の審査) 第百十四条 懲罰事犯の審査については、第九十七条の規定を準用する。  (一身上の弁明) 第百十五条 議員は、自己の懲罰事犯の会議及び委員会において、議会又は委員会の同意を得て、自ら弁明し、又は他の議員をして、代って弁明させることができる。  (出席説明要求) 第百十六条 委員会は、議長を経由して、事犯者及び関係議員の出席説明を求めることができる。  (戒告、陳謝) 第百十七条 公開の議場で戒告し、又は陳謝させようとするときは、委員会は、案文を報告書とともに議長に提出しなければならない。 2 戒告又は陳謝は、議会の決める戒告文又は陳謝文によって、公開の議場で行わなければならない。  (出席停止) 第百十八条 出席停止は、七日以内とする。 2 出席停止を命ぜられた者が、その期間内に会議又は委員会に出席したときは、議長又は委員長は直ちに退去を命じなければならない。  (除名の不正立) 第百十九条 委員会で、除名すべきものとして報告した事犯について、議会において法第百三十五条第三項の規定による議決がなかった場合は、議会は他の懲罰を科することができる。  (懲罰の宣告) 第百二十条 議会が懲罰の議決をしたときは、議長は公開の議場で宣告する。      第十五章  会 議 録  (記載事項) 第百二十一条 会議録に記載する事項は、次のとおりとする。  一 開会、閉会に関する事項及びその年月日時  二 開議、散会、延会、中止及び休憩の日時  三 出席及び欠席議員の議席番号及び氏名  四 説明のため出席した者の職氏名  五 議事日程  六 議長の諸報告  七 議席の指定及び変更  八 委員会の報告書及び少数意見書  九 会議に付した事件及びその内容  十 議案の提出及び撤回に関する事項  十一 選挙のてんまつ  十二 議事のてんまつ
     十三 質問及び答弁に関する事項  十四 その他議長又は議会において必要と認めた事項  (議事の速記) 第百二十二条 議事は、速記法によって速記する。  (秘密会の議事等) 第百二十三条 会議録には、秘密会の議事及び議長が取り消させた発言及び会期中に議会の許可を得て取り消した発言は、会議録に記載しない。  (署名議員) 第百二十四条 会議録に署名する議員は二人とし、議長が会議において指名する。  (署名及び保存) 第百二十五条 会議録は、議長が前条に規定する署名議員とともに署名し、保存する。      第十六章  補   則  (規則の疑義) 第百二十六条 この規則の疑義は、議長が決める。但し、異議があるときは会議に諮って決める。     付   則  この規則は、公布の日から施行する。 別   表  一 投 票 用 紙  二 記名投票用紙 (説 明)  地方自治法(昭和二十二年四月法律第六十七号)の改正による所要の改正を行い、併せてこの規則の全部を壑備する必要があるので、この案を提出いたします。      ───────────── ◯六十八番(河野一郎君) 本案はいずれも委員会の審査を省略し原案通り可決せられんことを望みます。 ◯議長(中西敏二君) 只今の動議に御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ◯議長(中西敏二君) 御異議ないと認め、本案はいずれも原案通り可決することに決しました。      ━━━━━━━━━━ ◯議長(中西敏二君) 追加日程第四を議題に供します。    〔谷議事部長朗読〕 一、追加日程第四 第百二十七号議案 東京都江東区深川塩崎町における防潮堤築造工事に係る受益者負担金に関する条例(委員会審査報告)      ───────────── ◯議長(中西敏二君) 報告書は議事部長をして朗読いたさせます。    〔谷議事部長朗読〕       港湾委員会議案審査報告書 一、第百二十七号議案 東京都江東区深川塩崎町における防潮堤築造工事に係る受益者負担金に関する条例 本委員会は七月十二日付託された右議案審査の結果、原案を可決すべきものと議決した。 右報告する。   昭和三十一年八月十日                             港湾委員長  山   村   久  東京都議会議長 中 西 敏 二殿      ───────────── ◯六十八番(河野一郎君) 本案は委員会報告通り決定せられんことを望みます。 ◯議長(中西敏二君) 只今の動議に御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ◯議長(中西敏二君) 御異議ないと認め、本案は委員会報告通り決定いしたます。      ━━━━━━━━━━ ◯議長(中西敏二君) これより質問に入ります。四十一番荒木由太郎君。    〔四十一番荒木由太郎君登壇〕 ◯四十一番(荒木由太郎君) 私は警視総監に対し警視庁職員の行賞罰のあり方の一点について質問をいたします。  去る本年二月二十九日、私の所ヘー通の投書が来たのでございます。その内容を要約いたしますと、私は昭和二十七年、二十八年において、警視庁捜査二課の久米警部補さんにお取調べを受けたことがございます。私は個人的に久米警部補さんに対しては何ら恨みを持つ者でもなく、またにくしみもございません。しかしこのたび新聞を拝見いたしますと、この久米さんが全国の優良警官として表彰されたのを見て、私は全く驚いたのでございます。何となれば、久米さんはこういう悪いこともしております。こういうこともしております。どうしてこういう人が表彰されたのでしょうか、私は全く納得に苦しむのでございます。聞くところによりますと、先生は警務委員をされているそうでございますから、この点十分御調査を願いたい、かような意味でございました。私はこれに対し何ら私見を加えず、当日付をもちまして東京地検に対し、本日議会へ参りますと、同封のような投書が来ておりましたので御送付申し上げます。よろしくお取計らいくださいということで、それを地検へ送付したのでございます。しかしその内容につきまして一、二の同僚の議員に話しましたところ、やはり荒木君、それは地検へ送つたというだけでなく、警視庁の幹部に話をして、徹底的に調べさせることが一番いい方法ではないかという御注意をいただいたのであります。そして総監を初め警務部長、刑事部長に投書の内容を示し、一方面本部で調べさせたのであります。そうすると、こういう結果が現われました。その久米警部補は印紙事件におきまして、昭和二十七年十二月八日に富永という人を逮捕したのでございます。そして昭和二十八年の二月二十八日までこの被疑者の富永を調べたのでございます。たまたまその人が保釈になりまして、昭和二十八年の六月二十日経堂で会いましたときに、実は富永君、私は家を建てたいと思つているんだ。ついては君、一つ適当の土地があつたらお世話を願えないかと依頼したのでございます。そして同月の二十九日に契約金として五万円を添え、七月二十八日に土地代金総額を納入して買い取つたのであります。投書の内容によりますと、その久米警部補が住んでいる家の土地は、被疑者の富永治八に買つてもらつたものであるということであります。しかし方面本部で調べましたところそういう事実はない。しかし久米警部補が自分が逮捕した被疑者に土地をほしいといつて依頼し、その世話によつて土地を買つたという事実だけはあつたのでございます。それだけならば刑事事件としてはどうにもならん、ただ道義上遺憾であるというだけで済まされるかもしれないのでございます。しかしここに大きな問題が一つあるのでございます。何となれば当時富永治八被疑者は起訴されまして、裁判が完結しておらなかつたのでございます。ですからこの捜査主任の久米さんはいつどんなときに、証人として、その裁判の座に反対の立場において立たなければならなかつたかわからないということでございます。もしこういう事実があつて証人に立つたときに、果して正しい証言ができるかどうかということは、何人もこれを保証することはできないだろうと私は思うのでございます。おそらく被疑者の富永治八は何とかして取り入つておけば、裁判のときに自分に少しでも有利な証言をしてくれはしないかという気持が多分にあつたであろうと私は思うのでございます。普通でさえも何とか取り入つて、自分を有利にしてもらいたいという矢先に、権力の座にある者が逆に被疑者にものを頼んだということは、全く言語道断と言わざるを得ないと思うのであります。こういう事実があるのに対して、総監はいいと思うか悪いと思うか、まずその点をお聞きしたい。  汚職にもいろいろある。私は金銭の授受ばかりが汚職であるとは考えないのであります。物をもらつても汚職になります。少くともこの問題は相手の弱身につけ込んでものを頼んだという解釈も、おそらく成立つだろうと思います。そうすれば当然これは汚職の罪に問われてしかるべきじやないか。また相手はその土地を世話するに当りまして無報酬で、自分の労力を提供しておりますから、利益供与とも見られるのでございます。こういう点を考えますと、私はこれは汚職の疑いもあるのではないかと考えられるのでございまして、全く遺憾であると言わざるを得ないのでございます。  また昭和三十年の九月四、五日ごろに、久米警部補が富永から頼まれたことが一つあります。どういう問題かと申しますと、富永治八は久米警部補に追捕されて取調べを受けております。もう一人の洲崎弘信という人も、久米警部補に逮捕されて取調べを受けたことがあるのでございます。どちらが悪いかと申しますと、洲崎という人間も詐欺ばかりしている。しかしやり方は非常に単純だ。富永治八に至つてはそれに二倍も三倍も輪がかかつた悪党であるということは、取調べ官の久米さんが知らないわけはないのであります。それで富永は洲崎から借財がございました。洲崎はまたほかの矢部、小竹という二人から借財があつたのであります。それに対して矢部君、小竹君、もう少し待つてくれ、富永君が返してくれたら君たちにお返しすると言つて、借金の言いわけをすると同時に、富永に対しては、富永君いつ返してくれるか、君が返してくれないから私も返せないで私の立場がないと、盛んに催促をしたのであります。そうすると富永は、自分の立場が非常に苦しくなりましたので、そういう因縁のある久米警部補のところへ飛んで参りました。実は明日──昭和三十年の九月の四、五日ですが、あした九時に虎の門の交叉点の角で、洲崎やその他の連中と会うことになつている、一つ主任さん、そこへ来て何とか彼らをとつつかまえてくれといつて、たのんでいるのであります。久米さんは富永とは土地の因縁がありますから、引受けて、翌日警視庁へ行くときに途中で虎の門で降りて、自分の部屋に電話をかけまして、部下の係の刑事を呼びまして、そしてあらかじめ打合せをしました場所で、四人の人間を緊急逮捕しまして、警視庁へ任意同行の形で連れて行つたのでございます。そうして取調べをいたしましたところ、恐喝とかそういう事実がないというので、これを帰したのでございます。明らかにこれは特定の人間のために便宜をはかつたもので、職権乱用と言つても過言ではないだろうと私は思うのでございます。警視庁の従来のあり方といたしまして、たといこういう事件を持ち込まれたにいたしましても、まずこれを上司に報告して、こういう事件が持ち込まれましたがどういたしましようかとはかつて、上司の同意を得てからかかるのが、警視庁内部の秩序だと私は聞いております。また緊急を要して上司の同意を得られぬという場合には、事後において、こういう事件を持ち込まれましたので、こういうように扱いましたと、報告をするのが常識になつておるということを聞いておるのでございます。しかるにこの事件については、あらかじめ同意も得ず、また事件後における報告もいたしておらないのでございます。これは全く警視庁の秩序を乱し、綱紀紊乱であるといつても過言ではないと思うのでございます。総監に対して私はこの点を突きましたところ、総監はこう私に言われました。この久米警部補は全国の優良警官として表彰されたくらいの人間であるから、この点も加味して処分したいということを私に申されたのでございます。私はそれについて反論を申し述べてみたいと思うのでございます。今から四、五ヵ月前、兵庫県において一郵便局長が貯金の成績が非常に優良だという故をもつて、郵政大臣から二度も表彰された。しかしその申告の内容に疑義があつたということによりまして、その表彰は取り消されたということが新聞に出ておりました。また静岡県におきましては藍綬褒章をもらつた人が選挙違反に問われて、その責任から藍綬褒章を辞退したということも出ておりました。近くは杉並区の某区会議員が皆さんも御存のように例の立正交成会の区画整理の問題で逮捕され、藍綬褒章を目の前にしていながら、それがうやむやになつたということも出ておりました。それらとこの問題とはその内容を異にしますが、私は少くとも久米警部補には、表彰される以前にこういう事実があつたということを申し述べたい。もし当時この事件が表面に現われていたとするならば、警視庁当局としてはおそらく表彰の手続はしなかつただろうし、また当然表彰もされなかつたであろうと私は考えるのでございます。そういう点を考えあわせますと、むしろこの表彰というものは取り消さるべきが妥当ではないかと私考えるのでございます。それに対して総監はどうお考えであるか、御親切な御答弁をいただきたい。一個人の問題にわたつて、はなはだ僣越でございますが、このことは今後の警視庁の賞罰を行うに当つて非常に参考になり、また大きな問題であると考えますので、あえてここに質問をしたのでございます。  またもう一つ総監に質問したいことは、こういう人を部下から出したことは全く上司としての総監が不行届であると思うのでございます。またこういう者を警察庁として全国優良警官として表彰の手続をとつたということは、手抜かりというか、監督不行届というか、そこに一沫のおかしな問題が当然起きているだろうと思うのであります。それに対して総監はどういつお考えであるか、私は聞きたいのでございます。今度の議会におきましても愚連隊狩の費用として千四百万円が計上されております。愚連隊狩をやることは大いにけつこうだと私は思う。しかしこの予算がたとえば三千万円、五千万円、一億にふえても、まず警視庁部内のこういうような不良分子、愚連隊から徹底的にやらなければ、私は何もならないだろうと思うのでございます。警視総監はこれに対してどういうお考えであるか、私は総監から親切な御答弁を要求するものでございます。その答弁いかんによつては再度質問をいたしたいと思います。(拍手) ◯議長(中西敏二君) 江口警視総監。    〔警視総監江口見登留君登壇〕 ◯警視総監(江口見登留君) 四十一番にお答えを申し上げます。久米警部補に関する御質問でございますが、二点おあげになりまして、一点は土地の世話を受けた。一点は虎の門にその富永某の要請によつて出かけて行つたという点、これは大体四十一番議員の言われる通りでございます。ただその土地の世話を受けたという事情が、たまたま自分が手がけたことのある富永某氏と経堂の駅でばつたり会つた。そこで世間話に花が咲いて、その途中で実は自分は住宅金融公庫に申し込んでいたところが抽せんに当つたが、土地がないので困つているということを偶然話をした。そうすると私に心当りがあるということで、その富永某氏が数日たつて、自分の近くの地主に話をしたら分けてもいいと言う地主があるという。それから久米警部補がその地主と直接交渉をして、適正な値段で土地を手に入れたということが一つ。  もう一つは、虎の門のところまで出張つたということ。これは富永某と今お話の洲崎某との間に金銭上のもつれがあり、富永某が洲崎某から恐喝されているという届出を久米警部補が受けまして、それでは私が出向いてやろうということで、富永某と洲崎某とが虎の門で会う際に本人が出かけて行つたんですが、そのときに洲崎某がほかに二人の知人を連れてきて富永某に対してああの、こうのと、どなつている。しかし道路の上では見つともないから、警視庁へ来たらよかろう、そこでいろいろ事情を聞こうというので任意同行しまして、警視庁で話を聞きましたところが、単なる金銭上の貸借のもつれで、恐喝があるとも認められませんので、それらの者をみな帰宅させたということは、今のお話と一致していると思います。そこでこれらの点についてどういう責任をとらせるかという点でありますが、いわゆる潰職とか収賄とかいう事実は、この問題については全然ないのでございますが、ただ公務員としての所行として、少しおもしろくないということが考えられるのでございますので、それらの点をいろいろ検討いたしました結果、さらにまた本人が非常に優秀な警察官であり、警視庁に勤務して二十年にもなりますし、その間に五十六件にも達する諸犯罪を検挙しておりまして、それぞれ表彰を受けておるし、昨年は全国の優良警察官の一人として表彰を受けている、そういう従来の功績並びに平素の勤務振り等も考慮いたしまして、この者に対しては妥当でない点はあるけれども、直ちに厳重な処分をするほどの行動でもない、そこで警務部長の職権によりまして、これを戒告猶予六ヵ月という処分に付した次第でございます。この処分が重いか軽いかという点につきましては、あるいはいろいろ御意見もあろうかと思いまするが、われわれとしましては、いろいろ他との権衡から考え、かつまた本人の従来の功績から考えまして、これで大体目的を達するのではないか、かように考えておる次第でございます。  それからこういう者が表彰を受けた後にこういう事実がわかつたのだが、その表彰の取消し申請をしないかというお話のようでございまするが、今申しましたような程度の処分で足りる案件だと考えられまするので、それに取消し申請をする規定もございませんし、またそうする必要もないかと実は考えておる次第でありまして、今後はこういう、いやしくも疑いを受けるようなことが絶対起りませんように、部下をますます指導監督して参りたい、かように考えております。    〔四十一番荒木由太郎君登壇〕 ◯四十一番(荒木由太郎君) 只今総監は、たまたま経堂の駅で、自分が逮捕した被疑者の富永治八に会つたのだ、そうしてものを頼んだ、こういうことを言われました。調べにはそうなつております。また、こういうようにもなつておりますよ。昭和二十八年二月二十八日に保釈になり、昭和二十八年十月ごろまでこの印紙事件について、隔日のように警視庁に来て、そうして捜査に協力さしたという事実が、一方面本部の調べでは明らかになつておる。  たまたま会つたということは、私にしてみれぼうそにひとしいような言い方ではないかと考える。また、当時この久米警部補のすぐ下で勤務しておりました鈴木治平さんという部長刑事の話によりますと、とんでもない話だ、これはもう前々からこの話をやつておるのだ、かようなことを申しております。また、国民金融公庫などというものは、もちろん宅地がなければ申し込むわけにいかない。それをもう住宅はすぐ建てられるようになつているから宅地がほしいのだというようなことは、全く詭弁といわなければならないと思う。また、先ほどの総監の話でございますと、逮捕した被疑者にこういう種類のものを頼んだということは、それほど重いことではないというようなことをここで言われた。そういうことが重くなく済まされるというふうにおつしやる総監の頭が、ちよつとおかしいのじやないかと思う。私はこんな者は少くとも懲戒免職、依願免職くらいが当りまえだと思つておる。この都議会議員の中の同僚に申しても、不届き千万だと言う。とぼけて各警察に寄つて、こういう事件がもし君の部内で起きたらどうするかと言うと、減俸、転勤くらいのことは、十人が十人、署長さんが私に答える。外部に対しては徹底的にやります、内部のことはいいかげんにやりますというようなやり方が私は気に入らない。外部に徹底的にやると同時に、内部に対してもそれ以上厳格にやらなければいけないだろうと私は思う。総監の今度の処分、戒告、しかも手続猶予六ヵ月という、警視庁当局としては、これが妥当であるとせられるかもしれないけれども、私は決して妥当な処分ではないと思う。こういう者を依然として捜査二課におくというところに、非常に矛盾を感ずると同時に、何かそこにくさいものがあるのではないかというような考え方を持たれる。火のないところに煙は立たぬとよく言う。もしこれが東京都の役人であつたらどうなる。建設局のある局長は、自分の出入りの商人から家を借りて、家賃もちやんと払つているのに、二十三日もとめられて、そうして取調べを受けた。しかも権力の座にあつて、人が悪いことをしたときに逮捕して取り調べなければならぬ者が、こういうことをした場合、私は最もよろしからざる行為だと思う。それが、この程度では大したことはないというようなことを総監は言われるけれども、私は今度あらゆるところに行つて、総監はこういう答弁をしたぞ、あなたは自分が逮捕した被疑者に何を頼もうと、戒告執行猶予六ヵ月以上は食わないのだと言つてやるつもりでおる。全く不届き千万、警視総監がそういうことを言われるならばそれでけつこう、私はこの警視総監の答弁を録音に取らしてあります。各警察に行つてこの録音をかけて、総監の考え方はこうであるということを記念に残したいと思う。以上をもちまして質問を終ります。    〔警視総監江口見登留君登壇〕 ◯警視総監(江口見登留君) たまたま経堂の駅で会つたという表現は、ちょつと私の表現が悪かつたかもわかりません。それまで、しばしば富永某と久米警部補とはいろいろ仕事の関係で会つておることは事実でございます。たまたまと申しますのは、そういう宅地の問題に触れたという点でたまたまということを申し上げたのでございます。その他いろいろ御意見もございまするが、この事件について取り調べた結果によつて、そういう処分をいたしたのでございまして、すべて警視庁の警察官に対する処分がゆるいというふうにも考えておりません。非常に厳重な場合もございますので、それらとも比較してお考え合せいただきたいと存じます。 ◯議長(中西敏二君) 五十九番川端下一二三君。    〔五十九番川端下一二三君登壇〕 ◯五十九番(川端下一二三君) 私はこの機会に、最近問題になつておりまする慰労金の件、教育委員選任に関する件につきまして御質問申し上げたいと存じます。  まず最初に慰労金の問題から申し上げます。私は今問題になつておりまする慰労金支給について、真相が一体どうなのか、また今度の支給は果して適法かどうか、さらに、本質的に地方自治はどうあるべきか等について質問をいたしたいと存じます。申し上げるまでもなく、今度の慰労金問題は、世間ではいろいろと批判されておりますが、私どもから見れば、これは単なる慰労金だけの問題ではなくして、本質的に地方議会はどうあるべきか、地方議員はどうなければならないかという根本的な内容を含んでおり、極論すれば、地方議会を無用視するかの感さえある批判もあるので、私どもはこの機会に、地方自治の何たるかを真剣に考えたいと思うものであります。  そこで第一にお伺いいたしたいことは、都知事は現行の地方制度に対していかに考えておられるかということであります。言うまでもなく、わが国の地方自治制度は、戦後新しい憲法によつて初めて確立されたものでありますが、現行制度の特質は、何といつてもその公選方式にあるといわねばなりません。首長の公選を採用していることだと考えるのであります。すなわち決議機関の構成員である議員も、執行機関の長である知事、市町村長も、ともに住民の直接選挙によつて選ばれ、両者の間には全く優劣上下の関係はなく、お互いに相手の権能を認めて、自主的な相互牽制作用によつて事を解決する建前をとつているのであります。従つて、ほんとうに地方自治を育て、地方自治を確立しようとするならば、執行機関はもちろん、議決機関である地方議会の権限をさらに強化拡充する方向こそ、最も重要なことであると信ずるものであります。しかるに政府は、過ぐる第二十四国会において地方自治法の一部改正案を提出し、いろいろと改革を行いましたが、その中で特に遺憾に思うのは、一連の議会に対する制限事項であります。たとえば定例会の開催回数の制限、常任委員会の一議員一委員会制、議員の発議、発案権の制限等、そのことごとくが議会の職能を弱体化する改正でありました。むろん政府も改正をしなければならなかつた理由はあるのでありましよう。しかし、行政簡素化や経費節約の名のもとに、実質的には地方自治を圧縮し、ひいては中央集権化のコースへ引つ込もうとする行き方は、決して民主主義の基礎を築くものではなくて、逆に国を滅ぼすものであると断ぜざるを得ないのであります。戦後着実に進んできた地方自治の歩みが、ここで停止せんか、まさに国の前途は暗澹たりと断ぜざるを得ません。都知事はこのような最近の動向に対して、いかに考え、また、どのように対処されんとするか、その信念を伺いたいのであります。特に最近の地方議会弱体化の傾向に対して、どのように考えておられるか、議員の地位、性格、権能の面から都知事の所見を伺いたいと思います。  第二にお尋ねしたいことは、今度の慰労金について、その支給に至りますまでの真相を明らかにされたいと思うことであります。御承知の通り、私は昭和二十二年議員となり、一期間在職をしたのでありますが、昭和二十六年に退職した際、今問題になつておりまする慰労金規定に基いて慰労金を受けた一人でありますが、はしなくも今回同じ規定に基いて支給された慰労金が問題になつたことは、率直に言つて私もいささか驚いている次第であります。これは支給に至るまでの経緯なり事情が、都民に明らかにされていなかつたために生じた結果であろうと考えます。従つて、この際真相を都民に公表し、都政の現状、議員活動状況等を明らかにされるならば、都民も必ずや了解されるであろうことを信じて疑いません。そこで私は、今一部都民の中に起つている二、三の問題について、私の私感をまじえず質問したいと存ずるのであります。知事はこれに対して明快なる御答弁を願いいたしたいと考えるものであります。  すなわちその第一点は、今度の慰労金が退職金であつて、しかも先取りではないかという疑いであります。第二には、議員が自治法の改正を見越して、お手盛りで出したのではないかとする点であります。第三点は、たとい内規に従つたものにしても、改正自治法で禁止されるということがわかつているのだから、支給は認められないということであります。第四点は、予算処置をどうしたか、また、それが議会の議決を経なくてもよいものかどうかということであります。およそこの四点が、今度の慰労金問題についての都民の疑惑を生じ、批判されている点と思われますので、都知事はなるべく詳細に、しかも誠意をもつて、これらに対する真相を明らかにしていただきたいと考えるのであります。  以上、これを要するに、本問題は地方自治、なかんずく地方議会議員に対する本質的な問題でありますので、執行責任者として基本的な考え方をこの機会に明らかにしていただきたいと思います。  なお、この際つけ加えておきたいと思いますることは、かつて都道府県市町村の議員は名誉職でありまして、地方の有力者がその職に就いておつた時代もありましたが、現在では、前にも申しまするように、議会と執行者の権能が平均化して参りまして、東京都はそれに従つて議会を構成して参りましたが、なお最近は東京都のように人口がだんだんと多くなるに従つて、行財政の仕事も、理事者ももちろんふえて参りましたが、また議員もきわめて大きな仕事を持つにいたつております。従つて、昔の観念の、いわゆる名誉職的議員でなくなつたことも事実であろうと考えるのであります。こういう点についても、都民はほとんど昔の名誉職時代の議員のように考えておるのではなかろうか。そういう点についても、退職金等について疑惑を持つて参り、名誉職時代のようにそういうものをもらうことは不当である、こういうように考えてもおるのではなかろうかと考えられるのであります。こういう点を明らかにして、その点を通じて都民にも納得をしてもらうことが、この際必要であろうと考えるのでありまするが、これらについて詳細に、親切に御答弁をわずらわしたいと存じます。  第二点といたしまして、教育委員の選任について申し上げたいと存じます。御承知のように、この案件はまだ議案として提出されておりませんけれども、われわれは今度の選考に当つては、なるほど従来知事が選考される際よりも割合よくできた、苦労されたという感じを受けておりますけれども、中には、われわれの納得できない方々も存在しております。しかも、われわれがたびたび申し上げますように、東京都民の九〇%を占める勤労階級の代表者がおらないように思うのであります。われわれは幾たびかの機会に、知事を通じてこの点を御要望申し上げ、そのつど知事も、今後は考慮するというお話を伺つておりましたが、今回もまたそういう御考慮が欠けておるかに存ぜられるのであります。こういう点につきまして知事は十分選考のいきさつを御説明願いたいと存じます。なお、新聞紙等を見ますと、何か年に一回か二回出てくればいいのだというような考え方の人もいるようであります。しかしながら大東京の教育委員は、たとい推薦でありましようとも、多くの仕事を持つております。もしこれが一回か二回で事足るということになりまするならば、はなはだ失敬な言い分でありまするけれども、教育長の独裁ということに相なりまして、民主的な教育というものは進展いたしません。このような考え方を持つておられるということは、はなはだ遺憾である。どうかそういう点についても、知事の考え方を御披露願いたい。われわれはその中の一、二の方の選考を改めて、勤労者の代表をこの中に含めるように希望するものでありますが、知事はどのようにお考えになつておりまするか、以上御質問申し上げます。(拍手)    〔知事安井誠一郎君登壇〕 ◯知事(安井誠一郎君) 只今の五十九番の御質問にお答えをいたします。実は二、三日前に歯を二、三本抜いたので、ちとお聞きずらいかもしれませんが、ごかんべんを願います。  最初の、全体的な御質問と申しますか、自治法の今回の改正が議会の活動を非常に制約する結果になつてきている、こういう点をどう考えるかという御質問のようであります。実はこの自治法の改正は、先般の国会とその前の国会に提出されました。前の国会には議員方面の御主張は非常に筋が通つたと申しまするか、従つて改正があまり手がつけられんで、知事いわゆる執行部の首長に関係いたしまする方面の規定がかなり改正をされました。われわれもその際に、その改正が決して全面的に適当でない、それは戦後十年間、当初できた時代からだんだんと世の中の変化に従つて必要な改正の行われることは、これは容認しなければならぬけれども、行き過ぎだというような点はいろいろ知事会議としても指摘して要求しておりましたが、不幸にしてわれわれの要求が容れられないものがたくさんございました。今回の改正を見ますと、一応知事の方面、執行部方面のものは大体やつた、この次は議会関係のものの改正がむしろ中心になつておるようであります。しかしこの前に出しました最初の議会関係の改正よりはよほど皆さんの御主張に理解を持つたものと見えまして、非常に柔かいものになつて参つているようであります。しかし、それならそれでいいのかといえば、仰せの通り多分によい点はあろうと思いますが、ことに今後かようなことでだんだんと制約の一途をたどるということならば、これはよほど気をつけなければならぬことであるし、今後においてはその本来の地方団体の自主性というものをさらに時代とともに守つていけるような形に運んでいかなければならぬと考えております。そのお話の中で議会活動のことについて只今もお話がありましたが、戦前の議会活動と違つて、戦後の自治法の上に置かれている議員の議会活動というものは、非常に大きな権限を持ち、また同時に責任を持つているので、非常に忙しい、非常にたくさんの時間を議会活動のために使わなければならぬ、ことに東京のような大きなところにおいて非常に複雑な大量の行政をやつている場合においては、議員は非常に忙しいのだ、時間的にたくさんの時間をこれに割かなければならぬのだ、こういうお話はまつたくその通りであります。われわれも実際、この東京都の行政をあずかつて議会の皆さんと一緒に仕事をいたしておりますと、議員の皆さんは時間的に非常にたくさんの部分を議会活動のためにお割きになつている、またお割きにならなければ東京都の都政の上に立つて諸般の仕事を推進することができないということもよくわかつております。かような意味からも、今も退職慰労金、いわゆる退職金というものも考慮の余地があるんじやないかというお話でありますが、私はまさにそうじやないかというふうに考える。と申しますることは、御承知の国会法の中で、議員は退職手当ををもらうことができるという規定があります。あれは多分国会法の三十六条ではなかったかと思いまするが、「議員は、別に定めるところにより、退職金を受けることができる」という規定があります。ただ、私が承知している範囲では、その手続の規定がまだ公布されておらぬと思います。しかし法律は本質的に、国会議員は退職手当はもらえるのだということを承認しております。そこで国会議員が退職手当をもらえるのに、地方議員に退職手当を出してはいけないのだというのはどういう関係なんだろうかというので、これは当時──ことしのことではないので、先年、こんなことを事務当局なり議会の連中と話をしたことがありますが、大体考え方はこういうようです。これも決して公式に聞いたわけではないのですが、国会議員は非常に忙しい、非常に長い時間長い日にちを国会において議会活動のために使って非常に忙しいのだ、そのために非常に自分自身の他の方面の仕事を制約されるので、従って退職金を出してもいいという条文を作ったんだ、こういうふうにーこれは何も有権的に聞いたわけではありませんが、議会方面の事務当局の話を聞くと、そういうことを言うております。かりにそうであるといたしまするならば、地方団体の中にも──むろんそんなに、議会活動が、いくら新しい自治法の上に立っても、そう忙しいところばかりではありません。しかし東京のように非常に特殊の行政組織であり、特殊の大量の仕事を持っております場合におきまする東京都議会の議員の議会活動、これに使われる時間というものは相当大量である。たとえば請願だけでもおそらく何千件というものをさばいておられると思いますが、なかなか、常任委員会も毎週いろいろあって、お忙しいようであります。定例議会のほかにも、あるいは臨時の議会も何回か一年を通ずれば開かねばならぬような場合もありますので、そういう意味であるといたしますれば、東京のような場合におきましては、これはやはり考慮の余地がある問題じゃなかろうか、かように私は考えます。しかし今その国会議員に退職手当が出るという規定があるからどうこうというのではないのでありますが、そういうような感じもいたさぬではないのであります。  それはそれといたしまして、今回のいわゆる退職金の問題でありますが、大体これはこういうふうに今の御質問に応じてお答えをいたしますが、その前にいわゆる退職金といいますか、退職慰労金といいますか、こういうものを出して参っておりますことは、これは皆さんの御承知の通りに、戦前、しかも明治四十三年でしたか四年でしたか、あの時分から出してきております。戦後におきましても戦前のそういうのを引き継ぎまして、戦争直後の初代の長官でありました藤沼さんの時代、戦後のすぐ次の長官のときに、こういう前の考え方を継いで、退職金といいますか、慰労金といいますか、議員の退職の際に金を出すということが決定になっております。この当時の決定、これも同時にもちろん議会の議決とか条例というものではなくて、従来の内容を引き継いで、内規と申しますか、いわゆる事務取扱いの規定が出ている、その精神が今日までずっと踏襲されてきているというのが今日までの経緯であります。  そこで次に御質問の項目に入って参りますが、退職金の先取りかという御質問でありますが、これが今回の問題を複雑にした最初の動機にもなっておるのじやなかろうかと考えますが、私はこれは決して先取りではないし、また前渡しをいたしたとは考えておりません。それは問題は退職したときに渡すのだ、だから退職をしないで今おる議員に渡すのは先取りではないか、前渡しじやないかという、きわめて素朴な御議論だと思います。これはなるほど退職したときには退職金を渡し、死亡したときに渡すという規定になっておりますが、退職ということを普通に考えますと、たとえば東京都の職員の場合のように、任期のない、期限のない者はこれは退職というものは一ぺんしかございません。従つて十年でも十五年でも続いて勤務して退職をしたときに、退職金というものを出します。しかし私初め議員の皆さんのように、四年という任期のあります者は、四年の任期を終るや、これはもう退職するのであります。たとえば私の場合でも、私が十年も九年も続けてやつておるからといつて、私何も十年も九年も同じような地位において続けてやつておるのではない。四年ごとに──私という人間は変りませんけれども、知事というものは変つておるわけであります。私は四年間だけ都民の信任を受け、選挙によつて四年間はお前知事をやれよ、四年が済んだらお前は退職だぞ、お前はやめるんだぞ、こういうことで知事になつている。これは皆さんと同様であります。従つて四年間の任期が済みますと、私は当然退職しまして一市民となり、そうして新しく自分が市民として立候補して、さらに皆さんの選挙によつてもう一ペん当選させてもらつて知事になつておりますけれども、これは前の四年間のときと今度の四年間のときでは、知事という公けの資格においてはまつたく別個のものでありまして、私は現在の知事であります。しかし過去四年間のときの知事ではない。自然人としての私はその通りであります。しかしこれは四年前に、信任を得て、お前は知事をしろと言われて投票を受けた。その投票をした方が、お前は七年やれ、八年やれと言われたわけではない。法律によつて四年間過ぎたら、私はそれと同時に退職して一市民になつてしまう。そしてこの次もう一遍やりたいなら新しく立候補して、新しい有権者の前に自分の信任を問うというわけなので、私、現在は知事ではありますが、過去の知事そのものではないのでありまして、これは全く違うのであります。そこにどうも私は錯覚があるんじやないかと思います。これはいうまでもなくお分り願えると思う。従つて皆さんの場合でも、私は現在二期やられたとか、三期やられたという議員がここにおられても、それは現在の議員であつて、過去の二期、三期の議員ではない。この前の議員としては四年間の任期をもつて、一ぺん議員としては消滅してしまつている。新しくまた立候補されて現在も議員になられた。現在の議員ということになりますと、今度初めて出られた議員も、二期、三期出ておられた議員も、現在の議員という点においては全く同様なのであります。従いまして今度の退職金も現在の議員にはびた一文も出しておらず、また出すべきものでもございません。従つて二期やられた、三期やられた議員の方にも、現在の議員であるが故にということでは一文も出しておらん。その前に議員の資格が消滅されたその過去の議員であつた当時もらわれるべき資格を持つておられるから、それを今回清算をして差上げた、こういうことなんです。もしそれがおかしいということでありますれば、根本的に退職金が悪いんだ、慰労金が悪いんだということになりますと、去年の五月に、こういう新しい改選のときには、御承知の通りに約半分くらいは落選されるか、あるいは辞退されるか何かで、かわられた。そして今度出て来られなかつた人には、そのときにみな差上げている。退職金自体が悪い、慰労金自体が悪いということでありますれば、去年の五月に差上げた皆さんの受取られたことも悪ければ、差上げたことも悪いんですが、それは何も問題にはならないし、また悪くもないので、これは規則によつてやつている。全国どこも同じようにやつていることなんです。そういうような事情でありまして、これはそこに区別をはつきりつけることがまず第一であると思う。それは退職々々というと、一般職員のように期間のない人も、選挙によつて出てくる人も同じように、ごくすなおに考えると同じように退職ということになりますから、これが現在の議員であつても、過去に二期出たりあるいは三期出たというので続いておりますから、議員という資格においても続いておるものだという考え方に立てば、これはやめないのにやつたのだという議論が出るかと思いますが、私はやめない人にやつておるとは決して思わないのであります。過去において任期が来た、そうしてそれと同じような条件のもとにおいては、みな過去にやめた人とか、あるいは議会に出なかつた議員には同様に差上げておる。それと同じような考え方の上に立つて差上げております。  それから議員のお手盛りというお話でありますが、これは私は決して議員がお手盛りでやられたとは思わないだけでなく、お手盛りでやれと言われたことを私が引受けたこともございません。私は割合にわがままなたちでありますが、かりに皆様からいろいろな御注文をいただこうと、どうも私が納得できぬと思えば、ずいぶん無遠慮にお断わり申し上げてやつて来た男である。特に議員さんのお手盛りでこれだけの金をとつたとか、出したということはありません。私自身がそう判断すべきことがいいと考えてやつておることであります。  その次にやはり議論が出るのですが、三番目にお話の、今度の改正自治法によると、退職金というものは渡してはいかぬのだこうきめられておる、それなのに退職金を渡した、従つてまだ自治法が発効しないのだけれども、精神的に言えば、これは自治法が禁止しておるものを渡したからいけない、こういう御議論がある。これはいろいろ御意見に属しますが、一体私はこういうふうに考えております。法律を改正するとか、あるいは新しい法律を作るというような場合においては、法律はその作りましたときから将来に向つて効力を発生するものである。特に人の権利とか義務とかいうものを拘束いたしますことは、過去にさかのぼつて拘束するということは大体考えらるべきものでないと思う。将来に向つての発効でなければならぬというように私は考えます。そこで今度の改正法は四月から現在の議員には今言うような退職金を渡してはいかぬ、こういうことがむろん考えられ、またその通りであります。しかし過去においてほかの場合と同じように、当然に受取り得るという状況の発生しておる、その資格のある人に支払いをやつてはいかぬ、こういうことまで考えることは、ただ条文の文字をそのまま考えればそういう解釈ができるとしましても、私は実体的に解釈する場合としては、そういうふうな扱いをしないでもさしつかえない今度の場合だと思います。それはなぜかと申しますと、今申しましたように、本来いえば四年間すんで、一期で退職した場合にそのつど退職金を渡すのであります。そのときにむろん半分ぐらいの人にはみな渡しております。この中にも御経験のある方もあろうと思いますが、今も五十九番のお話のように、五十九番はこの前にお出になつて、その次に中一期抜けたときに、やはりそのあとで退職金をもらておるということでありますが、その通りであります。皆様に差上げておる。そういう同じような状態でもらつてきた人が、たまたまもう一ペん当選したとはいいながら、選挙という新しい形において議員になつてこられたので、四年で一応退職した者にそのとき上げるということが配慮としてできるわけです。ところが、そういう場合に大体二通りのやり方があつたと思います。東京のようにやめた人とか、もう出ない人とか、あるいは落選をして半分くらいかわつた、そういう人に対してはやめたということでそこで渡しておる。府県あるいは市町村さらには東京のように、そのときやめた人にはそれで渡すが、しかしまた当選してこられた人には、それじやこの次にやめられるときにということでそれを預つているといいますか、あるいは渡さずに次へ持ち越しておる例と、大体二つあろうと思います。東京の場合には従来の慣例みたいなもので、落選をされたらそのときに退職金を渡すが、当選をされたら次の場合にということで持ち越しておる。ところが、今度は現在の議員には、全然渡せなくなつてしまつた。そうなりますれば現在の改正法の上に立つての権利と申しますか、あるいは資格というものではなくて、改正前の法律の上においてこれはどこの県も同じように渡しておりますが、その時分には当然これは一期ごとにもらつてもいい、またその時分に退職金を出した場合にはだれも疑問を持たず、自治庁からも渡してはいかんぞということを戦後十年間言われたこともなく、渡してきておつた。その古い改正前の法律の上において容認されておつたその立場、過去においてやめた人、現にたくさんもらつている人と同じような立場において、地位においてこれを清算するということは、私はそうやるのがいいのであつて、普通にこうやるべきだと思う。ここで区切りをつけてしまつて、現在の議員には法律もそうきめられるし、また当然に出さないようにするということではつきするので、それをしたということが今日の議員に前払いをしたとか、あるいは不当に払つたとかいうことにはならないと思います。ただ当とか不当とかいうことになりますと、これは高が多かつたとか、あるいは議員に慰労金を出すのは悪いのだということになりますと、たとえば去年の五月の選挙のときにやられた人とか、落選した人に渡しておるのも悪いのだということになりますし、またその四年前のときにみな渡しておる、これはどこも同じように渡しておる、これも悪いのだということになつてくるわけでありますが、これが悪いのだとか悪くないのだとかいうことはいろいろ批判があり、また考え方であろうと思います。いずれにいたしましても過去においてはそれが行われておつて、別にそれが特に悪いのだからやめろという指示を受けたこともありませんし、また法律でそれを禁止したこともない。そういう関係でありますから、新しい改正法と同時に、過去の資格については一応これを清算していくという考え方は、私としてはやはりとらなければならぬことだと思つて、そういうふうに取りはからつておるのであります。  最後に予算措置の問題でありますが、実は二月に内規を変えた。それは清算しなければならぬと思いましたので、清算する意味において内規を変えたのであります。ほかに何も意味はありません。今までも人事とか、あるいは給与とかいうようなものはみな普通の書類みたいに広げつ放しにして扱つてはおりません。御承知のように、特別に袋に入れて責任者が持つて歩いて取扱いをしておりますが、その通りの取扱いで、そうして清算するという建前のもとにあの規定を改正したのであります。次には二月にやつたのならどうして予算に組まなかつたのか、こういう御質問があろうと思います。これは打ちあけて申しますと、二月にこの規定を改正しまして間もなく、例の墨田区で退職金の問題で大変な混乱が起りまして、世間を騒がしておつた。墨田区の場合と、今度の都の場合とは違うのでありますが、とにかく退職金に絡んでいろいろにぎやかになつておりました。従つてそういう場合に、私の方で三千五百万円という予算を組んで、これを退職金として出すのだというのも、あまりにまた誤解や騒ぎを大きくするので、この次の機会でもよからうということで、実はそのままにそのときはしたのであります。ところが、当時御承知の自治法と同時に公務員法の改正、つまり定年制をしく問題が法律の改正案として出た。この定年制はわれわれは議会を通過するものだと考えておりましたので、当初予算の編成の際に当りましても、およそ定年法が通れば相当の退職金を出さなければならぬということで、約一億くらいの計算で当初予算に組んだのであります。ところが、そうしているうちにあれは通らぬことになつて、御承知の通りに流れてしまつたのであります。流れてしまつてみますと、今後定年制がしかれるまではその金は一応不用になつてくるわけです。そうなればその金を流用して一向さしつかえないので、しかもその費目は同じ費目であります。節だつたと思いますが、節の流用で間に合う費目であります。目節の費目の流用は従来とも知事限りでやることができるので、議会の議決を必要といたしません。その範囲で流用して今回出しておるということでありまして、予算の執行においても、何らの不都合のない執行をいたしております。これはいつお調べになりましてもさしつかえないと思います。なお私よりも、むしろ事務当局がさらに詳しく御説明を申し上げることがありますればいたしますが、これはそういうふうに当然にありまする費目の中で流用をいたしております。従来退職金の場合には、退職慰労金とかいうような意味で、報償費というものでこの前のときはそれに組んで出したのであります。昨年の六月か七月のときには半数くらいやめられた。これは予算がきまつておりませんでしたけれども、追加いたしました。それと同じように、これは追加すればよろしいのでありますが、しかし幸いに定年法も流れましたので、それだけの予算はあります。同じようなところで支出のできる予算が一億くらい余つております。それでこれをまわしてやつた、こういうわけでありまして、退職金を取るのが不都合だとか、あるいは出すのが不当だとかいう当不当の判断になりますと、これはおのおの一人ずついろいろの御判断があろうと思いますが、私は只今申しましたような筋を通して執行いたしておるつもりでありまして、長くこれで出しておりました慰労金を、今回過去の分について差上げたのが額が多いとか少いとかいうことになりますれば、今まで出した額も、昨年六月に出した額も、同様多いとか少いとかいう議論になりますので、これはこれといたしまして、それは多いとか少いとかいう問題であます。  またついでに、九月まで議員に退職金を出さずに、知事がひつぱつていけば、あの法律の明文だけ見ると、出さんでいいことになるのだから、それでいいじやないかという御議論に対しましては、そういうことをやればその通りであります。しかしそのことは私自身の考えを申しまするならば、あの自治法改正をいたしまするときに、立法者自体に配慮が少し欠けておつたじやなかろうか。本来こういうふうなものは各県とも、正直なところもつと早く出してしまつております。東京は今申しましたようないろいろな事情で、のびのびになつたのであります。他の府県は過去の分はみな済んでいる。現在の議員は今度の法律によつてみな平等に受取らんようになるのだから、こういう考え方だつたのじやなかろうか。ところが、東京のような場合、あるいはその他においても同様な場合が残つているかもしれませんが、今言うように過去一回々々でもらう資格はできておつても、人が続いている場合には、それまで持ち越して最後に出そうという形でやつておつたものであります。これはしかし期限が過ぎれば、今の法律の明文の解釈からすればもらうことができないと思いますから、出さんでよろしいわけですが、私は今申しますように、法律は一応将来に向つて考うべきもので、遡及するということは考えるべきでない。その場合はやむを得ない、特別の場合でなければならんと考えますが、今回の場合のごときは、過去のものについては他との均衡もあり、これは一応清算した方がいい、かように考えまして、私はその清算をするための内規の改正をいたしたのであります。これをひつぱつていつて出さぬようにしなかつたのはお前が怪しからんのだ、こういうお叱りならば、それは見方の相違であります。それがいいのだということでありますれば、私は申訳なかつたと、あやまるよりしようがないのでありますが、しかし私は事情をよくわかつていただき、実際をよくわかつていただきますならば、知事の執つた措置は、どうもそうやるのが通常の措置じやないかと了解していただけるのじやなかろうか、かように考えております。  もう一つ教育委員の問題でありますが、これは人の問題でありますので、当初この選考当りましての選考の基準につきましては、できます限り普通の教育の指導に当る委員でありますので、団体とか、あるいは一つの階級とかいうような形の代表というようなことを考えずに、最も正しく、中正に動かしてもらえるであろうというところに観点をおいて選びます、ということを申し上げておいたのでありますが、そういう気持の上に立つて選んだのでありまして、別に他意はないのであります。どうかひとつその点は御了承を願いたいと存じます。 ◯五十九番(川端下一二三君) 自席から簡単に申し上げます。  最後の教育委員の問題は、今回だけについて言つているのではないので、いつでも都がやる場合にそうなんです。都の構成分子というものは勤労大衆が九割であります。そういう立場の者のうちにも知事が選考基準にされた中立、中正、こういうことにも当てはまる人がいるのではないか、もつとむずかしい言葉でいえば、中立とは何ぞやということから始めなければいかんのですが、そんなことは申し上げません。ただ知事も、将来はそういうように考えるということをたびたび申しておつたのにかかわらず、今回もそういう配慮がされておらないので、それではあまり勝手じやないかということを申し上げたのであります。  時間がありませんので端折つて言えば、いろいろわれわれ社会党としての観点から研究した結果、一名の方は──名前は申し上げませんが、遺憾の人もいるようだから、こういう方に入れかわつていただいて、五名もいるのだ。みんな積極的にいいとはいえませんが、どうにかよかろう。そこで一名だけはいろいろ検討したけれども、うまくないという人がいるので、そういう人に入れかえをやつていただいたらどうか、こういうことを申し上げたのであります。 ◯議長(中西敏二君) 二十一番村木正彦君。    〔二十一番村木正彦君登壇〕 ◯二十一番(村木正彦君) 私は東京都における当面の観光施策の推進について御質問申し上げますが、この質問は先般七月の臨時都議会においていたそうと考えておりましたので、その間にありまして私の見たり、聞いたり、調べたりした線で、ある程度の幅と深さが加わつたと申しますか、変つた状態にありますので、今ここで申し上げるのに多少感激がうすらぐのでありますが、浅学非才ではありますが、私は東京都の観光について、吏員各位からも何やかやと教えをいただき、また私の考えているところも採り入れていただきまして、乏しい財政の中からでも、観光施策の万全を期したいと考えております。当時の原稿でございますからして感激がうすらいでいるのですが、性格が非常に単純かつ愚鈍なものですから、一つ一つけりをつけないと先へ進めないくせがありますので、時間もございませから、当時の原稿に基いて考えているところを述べさせていただき、また御質問をいたしたいと存じます。  観光事業に関する施策の重要性はすでに一般的に認められていることであるが、今や東京都においてもこれが総合的な都政の中に大きく繰り入れ、かつその実施計画を策定し、強力にこれを遂行すべき時代に入つていると考えております。ということの第一点は、都民の日常生活の実態と観光並びに屋外レクリエーションに対する強い関心や欲求に基いて現われているいわゆる観光動態からみても言えるのであります。しかもこの事象は、天興の自然景勝地を持つ三多摩及び伊豆七島地域に顕著でありまして、三多摩地域中の国立公園、奥多摩都立自然公園七ヵ所、その他を対象とした昭和三十年年間利用者は合計約五百五十三万人に上つております。これは日本における一大自然観光地たる冨士箱節国立公園の昭和二十九年利用総数五百五万人を上回つておるのであります。この利用者のうち約七八%、これが日帰り客であり、また全体の約七六%は都心部に居住する都民でありまして、その利用層、観光目的、利用者の構成年令、利用方法、利用季節等はきわめて広範であることは三多摩地域の観光地の特色であり、他県には見られない事象を示しておる点からして、真に都民の観光地であることを立証していると思います。伊豆七島地域は現在伊豆七島国定公園の指定を受けて、この列島形態とその内容素質は日本における代表的景勝地であることは、すでに識者の一致した結論でありますが、離島であるがゆえに、その交通にも制約があるため、現在の観光客はほとんど大島に限られておりまして、年間約十八万人にすぎないのでありますが、都におけるところの固有の観光地というべきであります。  第二の点としての理由と必要性には、今後における利用者の進展増加の問題があります。すなわち三多摩地域における小河内貯水池の完成並びにこれに伴い塩山までのいわゆる青悔街道の貫通完成、一般観光受入れ態勢の整備等が期せられるならば、その増加率等を勘案いたしますと、ここ十年を出でずして一千万人の利用者を数えることは十分期待されるのであります。特に自動車による観光が激増し、奥多摩地域だけでも観光自動車は年間約五万台を算定されるのであります。  第三点は、あえてこの二大地域に対する観光施策を主張することは前言した二点からも明らかな通り、その利用者の大多数が都会的地域の都民であり、たまたまこの両地域が都民一般に愛好され、親しまれるところの素質を持っておるがゆえであります。本質的には全く全体のための施策であり、決して三多摩とか島嶼のための施策ではないのであります。受入れ場所は三多摩島嶼でありますが、利用者が都心部を中心とした大多数の都民であるからであります。  第四の理由としては、両地域における観光経済効果の重要性であります。観光の本質とその効果は言うまでもなく観光客の慰安、休養、教化がその第一義でありますが、観光地における観光事象のもたらす副次的結果として消費が伴うのであります。すなわち昭和三十年三多摩地域の主要観光地に消費された額は、到達交通費を除きまして約五億四千万円で、これが純益はかたいところ一億八千九百万円が推定されるのであります。うち国立公園区域内のものは約二億八千三百万円で、第一位にあります。この消費額を他に比較してみると、三多摩における基幹産業の一つであるところの林業中その用材及び薪炭材、原木、昭和二十九年生産額の約二倍、八王子市における広幅、小幅合計生産額昭和三十年度の六〇%にそれぞれ相当しているのであります。また純益と見られる金額は、東京の平均月額給与者の約五千世帯の一ヵ月の生計費に相当しております。消費額そのものは同じく一万四千世帯の生計費に相当するので、たとえば青梅市全世帯一ヵ月の消費を賄うところの数字であります。このことは天与自然の風景資源を活用する新しい意味の生産事業として、重視さるべき両二大地域社会自主独得の振興策であるという点であります。この意味における観光施策の重点は、受入れ態勢の確立、特に利用施設の整備であります。前言した観光動態とこれが将来の増加に対し、利用施設の整備がきわめて貧弱である。すなわち非常に両者の間に極端なアンバランスを示しておるのであります。基礎的で公共的な観光施政を都は緊急に整備すべきが何よりも重要であると私は考えます。現在はその適切な、しかも責任を感ずべきところの時代にあると思うのでありますが、その点に関して感ずるところがあって、本日この演壇に立ったわけであります。  施政整備に要する財源措置について申し述べるならば、戦前九ヵ年にわたって国立公園区域、都立自然公園に相当する地域に施設した都の経費は三多摩地域に一億五千八百五十九万九千円、伊豆大島には三千六百三十六万円、計一億九千四百九十五万九千円で、年間平均約二千百六十七万円であります。その中間年の昭和十三年における総利用者は百五十九万五千九百九十人であったので、利用者一人当り十三円六十銭に相当していたのであります。戦後八ヵ年間の同様経費は三多摩地域四千四百五十万六千三百円、伊豆七島地域は五百三十五万七千二百八十円、計四千九百八十六万三千五百八十円、年間平均約六百二十三万二千九百五十円でその中間年におけるところの、これは二十七年の総利用者が三百七十二万六千人であるので、利用者一人当たりわずか一円七十銭のサービス施政をしておるということになっておるのであります。戦前の十三円六十銭に対して、経済変動の非常に激しい戦後において、その一二・五%にしか当つていないのであります。最近における都関係予算について申し上げるならば、この盛況になりつつある現在、直接施設関係の建設局公園緑地部関係の予算は、昭和三十年度七千八百六十一万六千円、このうち自然公園関係費は八百六十万二千七百円で、全体の一一%であります。昭和三十一年度は二億七千八十二万二千円で、前年に比し約三・四倍に増加しておりますが、自然公園関係費は二千百十九万円でありまして、全体の八%にすぎないのであります。また一方外務室外事部では、三十一年度は総額六千九百三十五万七千円で、このうち観光事業費千六百十五万七千円でありまして、施設費関係は補助金としてわずかに前年同様三百万円あるのみで、これまた全体の四%にすぎない実情であります。かく見るだけでも現実のおびただしい観光動態とはおよそかけ離れた低調さであることがわかるのであります。戦前の施設の一部は現在も利用されていることは言うまでもありませんが、その復旧も完全に行われておりませんし、現実に奥多摩並びに伊豆七島、前に申しました観光地に参りますと、その石垣にしても橋梁にしても朽ちはてて、ほんとうに危険に瀕しておるものが枚挙にいとまがない状況であります。昭和三十年の三多摩地域全利用者は約五百五十三万人、伊豆七島は十八万人、計五百七十一万人でありますので、昭和八年全利用者約百六万四千人の五・七倍になつている現在、この点からも新しい意味における施設整備の必要を痛感するわけであります。  そこで利用者数関係から見て、経済変動の著しい今日ではありますが、戦前並みの観光施設に一応基準を置くならば、一人当り十円としても年間都費五千七百十万円、利用者数が五倍になつておりますので、この点から見れば二億八千五百五十万円という数字の根拠を得ることができるのであります。また経済効果あるいは生産事業としての面から見ますと、三多摩及び島嶼の基幹産業の一つであるところの林業行政上の経費にたとえて見ると、昭和二十九年の用、薪炭材生産額は、三多摩地域が二億九千七百十二万円、島嶼は八千六百二十万円、計三億八千三百三十二万円で、これに対する都の林業関係総予算は三十年度に一億九千四百四十三万三千円であります。これに対し昭和三十年度の観光消費は約五億四千万円で、林業生産の一・四倍、純益と見られる一億八千九百万円はその約五〇%に当つております。観光即産業の定説からいつても、林業関係費の五〇%、年間約九千七百二十一万六千円に相当する観光事業費を求めることができると考えております。  いろいろと数字を並べましたが、以上のような点からいたしまして、観光予算に関しまして、乏しい財源の中からではありますが、とにかく都民の大多数が利用しているところの、言いかえれば知事さんが五大政策と申されておる学校建築、住宅あるいは失業救済、中小企業、そういう対象にされておるところの方々がほとんど利用されておるところの該地方でありますので、当初申しましたように、単なる三多摩とか島嶼の施設云々ではなく、都民の施設であるという考えのもとに、知事さんは隔世の感あるところの予算の配分をお考え願いたいと考えておりますが、その点いかがでありますか、お伺いしたいと存じます。  なおもう一、二分申し述べさしていただきたいと思います。首都東京における観光事業の推進理念とわれわれの要望、これらがさつき申しましたような点をなお一応掘り下げたところの質問になるのですか、東京都はわが国の首都であるがゆえに、他県からの流入客あるいは外国人に対する受入れ態勢の確立に万全を期することは、首都として当然のエチケットであり、責任でもあるが、これが重点であり優先の性質のものとはいえない。この点は一応政府施策あるいは当該機関への協力協調を重視すべきであると考えております。なお自治庁においても八月でしたか、観光施設の対策を決定しておるようであります。閣議においても八月半ばにおいてその決定を見ておるようですが、単にこれは東京都の問題でなくして、国の問題で。しかしこれは何というてもそれが国全体から見ると、薄いところも厚いところもある。その最も厚いところについておるのが東京都であるから、東京都が先にやらないと取り残されていって、都民にサービスすることができないということになるので、国が動いてからこちらが動くということはスタートにおいておくれておるということになるので、一つ馬力をかけていただきたいと考えております。なおいろいろありますが、大体右のようなことであります。  要は本日私がここに立ちましたのは、具体的なものを提供して、ここをああしろとかこうしろというのではなく、初めに申しましたように、観光予算をぐんと引上げていただきたい、この一点であります。なおあとは、先般政調会で浅草に行った際も隅田川云々という話も出ましたが、当初申しましたように、そういうことは東京都全体として考えて観光の万全を期したいということを考えておりますので、大幅に観光予算をとってぃただきたい、またこれをとれるかどうかということについて御質問を申し上げたい。以上であります。    〔知事安井誠一郎君登壇〕 ◯知事(安井誠一郎君) 只今は観光予算を大幅にとれるかどうかという御質問でありますが、これは御承知のように三多摩の方面、さらに小河内の方面が開発されますと、あの地帯は単に東京都民のレクリエーションの場だけではなく、東京に参ります海外の連中の大きな意味におけるレクリエーションということもあり、そういうことも考えてみたいと思いますが、さあそれならばどうするということも、ちょっと申しかねますので、今後予算を編成いたす場合に、いろいろ御意見を伺って考えたいと思います。 ◯議長(中西敏二君) 三十四番高橋清人君。
       〔三十四番高橋清人君登壇〕 ◯三十四番(高橋清人君) 一、特別区の国民健康保険実施促進について、二、浮浪者対策について、三、都区調整について、以下順次御質問申し上げ、知事の見解を承わりたいと考えておるものでございます。  特別区の国民健康保険即時実施については、昨年の本会議場においてもその必要を申し述べ、順次その方向に進んでおるとは考えますけれども、この際あらためてお伺いいたしておきます。  国民健康保険法は昭和十三年四月施行せられましてから、農村及び都市において実施せられ、東京都においても、二十三区を除く各市町村におきまして実施をみている次第であります。従いまして、国民健康保険実施の重要性につきましては、今さらくどくどしく申し上げる必要はないと考えております。政府は昭和三十五年度を目途に、残されておりまする国民に対し、全部にこれを実施すべく、目下厚生省がその検討をいたしておることは御承知の通りでございます。東京都におきましても、未実施の特別区はそれぞれ区長会、助役会、議長会、厚生委員長連合会におきまして検討済みで、一日も早くこれが実施を熱望いたし、再三都に対しましても請願、陳情に参っておることは御承知の通りでございます。国民健康保険は、市町村がその実施主体であることは今さら申し上げるまでもないことでございまするが、現在の特別区の実情は、財政的に制約を受けており、余裕財源を見出すことが困難の立場にありまするので、実施後に起り得るであろう赤字補填については、都の税措置もしくは交付金に頼らなければ、実施をするという踏み切りがなかなかつかない状態にあるのでございます。本都も昨年九月開催の定例都議会におきまして追加予算として七十九万円、一千万円民生局が要求したのですが、財務局の方ではたった七十九万円、これに加えて厚生省より四十万円の補助がある。合せて百十九万円をもって二十三区全般にわたり百分の一、すなわち一万六千百世帯を抽出調査といいますか、ところどころひっこ抜いて、百軒に一軒ずつ調査をする。これが昨年十二月より本年一月三十一日までの間に行われまして、その集計が本年三月、国民健康保険基礎調査報告書として発表せられました。その内容を見ますと、賛成八五・八二、反対五・三三、推定対象人員二百九十五万六千四百四十人という絶対多数の都民が、実施の一日もすみやかならんことを熱望していることが判明いたしたのでございます。これが実施に当りましては、都が相当の出費を覚悟しなければならないことは事実でありまするとともに、都が大所高所に立ってこれを推進しなければ、将来とも実施困難であるということは事実であります。参考までにその費用の概算につきまして、民生局の資料に基き、また私の調べました資料とあわせて申し上げたいと考えましたが、時間の制約がありまするので、数字は省略さしていただきたいと思います。概略六十億かかるのだということであります。しかし収入としては目的税である保険税があり、医療費に対する二割の国庫補助、政府の負担する事務費、東京都負担の費用、一般財源からの捻出金、別に必要な費用を合算いたしますと、都において十二、三億の金を出さなければならないというような計算になるようであります。しかしながらこれが実施をいたしまする場合、一方今日まで行われておりまするいわゆる医療扶助のうち、併給は別として、単給という生活保護によらざる医療扶助だけを受けております人たちを計算いたしますと、こうなります。三十年の東京都が支払いました医療扶助の総額は三十五億円であり、この中の二割は都の負担である。その中の併給と単給とを区分いたしますと、単給の方が多いようであります。概算いたしましても、四億六千万円くらい生活保護によらざる医療保護だけをやっている人たちがいるという計算でありまするから、国民健康保険実施の場合、これらの方々が保険に加入をしてもらうことができる人たちと考えまするがゆえに、東京都が負担いたしまする金から、この医療保護だけの費用が省けるものと私は考える。約十億内外の御奮発を願えるならば、悩める約二百九十五万余の人たちの切実なる願いをかなえることができるということに考え及んでいるのでございます。なお次に、実施の場合、被保険者一千五百名から二千名に対して、一名の割合の職員が必要になるのであります。推定で約二百九十五万といたしますと、概算一千五百人の職員が必要だということになるのであります。一方こうなりますると、失業救済の一翼をもになうことができることは明瞭であります。なお大きな問題は、特別区の固有事務がふえることになるので、都区の関係もよい関係になると私は信じたいのであります。いずれにいたしましても、一日千秋の思いで待っております二百九十五万の都民の実情に思いを及ばしますときに、苦しいとはいいながら、先ほど申し上げましたような費用は、一千五百億の膨大な予算をかかえております東京都として、やろうと思えばできない無理な相談ではないと考えるのでございます。昨年追加予算審議の厚生委員会におきまして、希望として「基礎調査完了の上は可及的すみやかに国民健康保険を実施に移されるよう努力を払われたい」こういうことが全会一致の希望でありましたことは御承知の通りでございます。本年三月調査の結果が発表せられ、発表後六ヵ月を経過いたしております今日、知事はこの問題に対して具体的ないかなるお考えを待っておられるかを承わりたいのであります。  次は浮浪者対策問題でございます。冬を迎え、毎年その数が増加するので、その対策に御苦心なさっていることは了承いたしております。風の便りに聞きますと、昔は狩り込みということが伝わると逃げた。昨今では狩り込みをするということが秘密裡に行われるのだけれども、これが伝わる。ひどいのはわざわざ近県から、狩り込みをするそうだから東京へ行ってお世話になれば何とかなるのだということで集まるやに聞いているのであります。事実かどうか、そうだといたしまするならば、昔の狩り込み対策と、今日のいわゆる浮浪者対策とは根本的に相違をきたさなければならないのだと私は考えております。東京都はこの浮浪者対策として、昭和二十九年六月台東区池ノ端に都費六百万円を投じ、収容所兼相談所を開設いたしたのでございます。しかるに地元から猛烈なる反対を受け、今日ではその目的通りに使用されておらぬようでございます。これが真相らしいのでございます。昭和三十年の浮浪者狩り込み総数四千九百五十三名、うちいなかへ帰した者は一千八百八十二名、施設収容は三千七十七名、施設収容中三分の一は六ヵ月から一年くらいで更生をしているということであります。残り三分の一は二年から五年かかる、そのほかはだめというのです。いろいろないわゆる故障があるのでしょう、だめだということでございます。そこで収容所につきましては、現在テント村を上野の山にこしらえ、これには男を、台東区の神吉出張所には、神吉寮に女、母子世帯を収容して、駅の構内には臨時相談所みたいなものをこしらえて、最初理想的目標のもとに建設いたしましたが、池ノ端の建物は現在事務所に使われている。かく分散をせられているのであります。私はこの施設を強化し、池ノ端が地元の猛烈な反対によってできないというならば、それは理由がありまするから、それをとやかく申しません。私も池ノ端七軒町に二回も参りましたが、だれが考えたのか知らぬが、ああいうところに浮浪者の収容所を作るならば、だれしも反対するのは当然だと考える。今さら池ノ端七軒町の建物に収容するということは不可能でありましょう。何とか早く適地を見つけ、適当なる収容所を建設し、冬期を迎えて今年もまた狩り込みをやるのでありましょうが、これらはどうされるおつもりでおられるか。一たん狩り込んだ者は収容所へ収容して、情密なる検査をし、病人は病人、頭の悪い者は頭の悪い者、健康体ではあるけれども暫時の間収容しなければならぬというのならば、それは更生施設にやるなり、思想、過去の経歴その他を調査して、厳密なる調査後に、適当なる施設に分散することが最も理想的だと私は考えているのでございます。私はたまたま大阪の厚生施設を視察さしていただきましたが、大阪梅田更生館においては、只今私が申し上げましたような理想的な方法で、浮浪者対策と真剣に組んでおられるようでございます。そうして相当成果をあげておられる。全く大東京として、どうして大阪程度のことがでないのかと、はなはだ残念に思って帰った次第でございます。東京都の浮浪者対策、なかんずく狩り込みは場当り的であり、狩り込み者をずっと並べて、何番から何番まではどこの収容所、何番から何番までは某収容所という、いわゆる軍隊式な番号順で、その中にどういう者がどうなっているかということを調べないで、なまのまま収容所に送っている状態であるということを聞きまして、全く情なく思っている次第でございます。私の見せていただきました東京都内の某施設のごときは、広場があるというのでテントを張って、そこにどんどん狩り込む。この処理がまだ完全にできないうちに、第二次の狩り込みをして、今度お前の方に何百人やるから引き受けてもらいたい、というようなことをおやりになっているようでございます。これを引き受けました施設は、一ヵ月から二カ月の間てんてこ舞いをして、不眠不休の状態にあるという現場を私は見せられましたときに、都の浮浪者対策は、対策でなくて無策だと私は考えました。その係員の不安はもちろんであります。狩り込みをされた人間の中にはどういう者がいるかわからないで、不安の中に係員は、一、二カ月を過します。同時に、その周囲の住民は、またそれ以上の不安にかられる。こういう不安を除去するのには、相談所を強化し、一時収容所をどこかに設けて、そこで精密なる調査後に、適切なる配分をする以外に方法なしと考えるものでございます。次に収容者の中で仕事にありついて、相当の収入のある者がありますが、宿所がないために、やむを得ずして社会施設の中に住んでいる者が相当あるのでございます。時間がありませんから具体的なことは申し上げませんが、これは簡単な宿所施設を設けることによって問題が解決する。社会施設は社会としての本来の使命を達成することができ得ると私は考えるのでございます。この点に対して十分な御検討を願いたいのでございます。  浮浪者施設その他これに類似いたしまする施設は、どこへ持って行っても反対されるのが普通のようでございます。現在あるからといっても、心の中から歓迎してこういう施設を喜んでいるところは一カ所もないと考えます。政府なり、東京都においては、これらの施設を設置するところの地区の住民に対して、精神的並びに物質的に二重の負担をかけておるから、その住民が猛烈な反対をするということを私は考えますときに、人のいやがる施設の現在ある地区またはこれからそういうものを持って行こうと考える地区、その町に対して、何らかの交換条件が必要だと考えますので、こういうことを十分検討していただきたいと思います。  そこで結論として、知事さんは上野に分散いたしております浮浪者対策機関を統一強化される意思があるか、本年冬期の狩り込み対策に対しては、どういう心構えを持って当らんとするかを承わりたいのであります。  もう一つ、最後に都区調整について伺いたい。都区調整の必要なことは今さら申し上げるまでもないと考えます。知事は昨年都議会議員七名、学識経験者六名をもって構成する都政調査会をお作りになりまして、その調査会への一番最初の諮問として、都区の関係をどうするかということをお聞きになったと私は聞きました。この最も重要な都区関係の問題を検討する機関に、区側を代表すると思われる委員が入っておらんというので、区側においては発足当時から不満を抱き、前途に期待薄の様子であります。知事は確信を持って発足させたと思われますが、これによって都区間の諸問題が円満に解決いたされまする見通しであるかどうかを聞きたい。私はまことに前途を心配いたしておる一人でございます。都区財政調整は、特別区発足当時より問題になっている。昭和二十五年に地方税法の改正によって、都区調整協議会が生まれ、都側、区側、中立各五名をもって、これが運営せられましたが、なかなからちがあかないと見えまして、最後には衆参両院関係から参られました中立委員の方々の裁定によって、辛うじて危機を脱することができた、その裁定に従って運営をせられておったようでございます。昭和二十七年当時、自治法改正により都区財政調整法ができたので、都側はこれによって今後は絶対に問題なく理想的にすみやかに事が運ぶと思い込んでおった。区側はなおそんなことではうまくいかないと考え、おたがい別々な考えを持って、常に折衝されておったようでございます。昭和二十八年から苦労の上に苦労を重ね、今日に至っておるのでございます。毎年そうでもない、こうでもないと、対外的には親子げんかをやっておるの感を抱かしておるのは、これまた事実であります。本年度は都の計算によると特別区の収入は百二十億、必要額は九十五億である。従って二十五億の開きがあるので、この二十五億に対し、都は都なりの考え、区は区なりの考えをもって、これから盛んに団体折衝並びに個々の折衝をやられるようでございますが、私はなるべく今年あたりは円満にすみやかに解決をしてもらいたいと考えております。毎年同じことを何年も繰り返して、すったもんだ騒いでおるのでありますから、もうどこに最大の欠陥があるかぐらいはおわかりになったと私は考えております。よってこれが根本的な解決策を検討してもらいたいと思います。  私はここにあらためて承わりたいことは、知事は都区のあり方を一般都民本位、区は区なりの考え、都は都なりの考えでなく、一般住民本位に考えた場合、都区の関係が現在のままでよいと思っておらるるのか、また何か新しい構想がありまするならば、都のごたごた解決のために見解を承わりたいのでございます。都区財政調整については、特別区発足当時から旧区新区との関係、道路、下水、学校、社会施設等よく真剣に検討せられ、特別区民税の収入を土台として一方的に都においては二二が四、二三が六式の計算をもっておやりになるところに、このごたごたが絶えないのではないかと考えておりますがゆえに、今後都におきましても活眼を開き、実際に当てはまる都区財政調整の方針を考えられたいと思います。根本的紛糾の原囚を検討し、確固たる方策を立てて、もはやこの辺で親子げんかの感を与えておりますこの問題に終止符を打つていただきたいと考えまするが、本年度の財政調整問題に対して知事はどういう考えを持つておられますか、所見を承わりたいと考えます。(拍手)    〔知事安井誠一郎君登壇〕 ◯知事(安井誠一郎君) 大分詳しい御質問でありまするので、いずれ他の番外よりそれぞれ御答弁をいたさせますが、国民健康保険につきましても、何回か御答弁申し上げておりますような事情でございます。やるということについてたれも異存のあろうはずはないのであります。しかし今なおやはり二十万以上の都市で国民健康保険をやつているところがない、そういうようなことから考えまして、調査は一応やつておりますが、あの調査の数字がそのまま実際にあれでいいのかどうかというと、私は非常に疑問を持つている。しかしいずれにしましても、政府は来年度から五ヵ年計画でやろうということで、今やつているようであります。できるだけ努力をいたします。この点につきましても、いずれ他の関係者からもお話があろうと存じます。  それから浮浪者対策もいずれ他の番外より申し上げますが、都区の調整の方はお話の通りなかなかむずかしい。伺つていると、何か都ばかりが悪いことをやつて、二二が四ばかりでやつているからというようなお話なんですが、やつてみると、そうばかりではないので、やはり両方にそれぞれある。大体は一年、二年と参りまして、今年は御心配のように団体交渉でなしに、きようとか、きのうとかの区との話し合いで、今年はもう各区ごとにそれぞれ話をしていこうというので、えらいなごやかな相談ができたようですから、今度はどつちか解決するだろうと思います。いずれ詳しいことは他の番外より申し上げます。    〔民生局長富田滋君登壇〕 ◯民生局長(富田滋君) 国民健康保険の実施につきましては、只今知事から説明がございました通りでございますが、私ども現在やつておりますることは、先ほども知事からお話がありました通り、大都市になればなるほど、この健康保険の実施は非常にむずかしい問題で、その問題につきましてはすでに二回ほど出した報告書によつて御了承をいただいておることと存じておりますが、それらの問題と取つ組みまして、保険の経営が健全にできるかどうか、その健全を期するための研究を慎重にいたしておる次第でございます。なおこの問題につきましては厚生省の方の予算措置も重要でございますので、折衝いたしておりますが、厚生省といたしましては三十三年度からの実施を希望しておるようでございます。またさらに医師会の御理解と協力が絶対必要でございますので、その方面の御相談もこれからいたしたいと思うております。なお区側の準備態勢、健康保険の実施は区がいたすのでございますから、区側の態勢も非常に大切でございます。この問題につきましても、今後区側と十分連絡協議をいたしたいと思いす。このような次第でございますが、とにかく東京都の二十三区内には、約三百万に近い人たちが医療保険の恩恵に浴しておらないという事実から申しまして、私ども何とか早く実施をいたしたいと念願して努力をいたしておりますので、御了承をいただきたいと存じます。  次に浮浪者の対策でございますが、下谷の生活厚生相談所のお話が出ましたが、この厚生相談所は家出人とか浮浪者のケース・ワークをいたす機関でございまして、一時保護をいたしながらケース・ワークをいたして、養老施設に入れるべきものはその方面に、また厚生施設に入れるべきものは、そつちにその他母子厚生施設とか、あるいは医療保護施設の方に振り向けているわけでございます。昨年一年間に約五千八百件ほどの相談をしておりまして、先ほどもお話がありました通り、約二千五百人ほどは郷里へ帰すことができました。あとの三千数百名につきましては只今申し上げました通り、それぞれ鑑別をいたしまして、適当な施設に送致をいたしたのでございます。ただ無計画にやっておるのではないかというおしかりでございますけれども、この点につきましては、実は厚生相談所は月平均にいたしますと、浮浪者を取扱って鑑別をして送致をいたしております件数は約二百二、三十件になっております。これは一時保護をいたしまして十分に鑑別をして、それぞれ送致をいたしておりますが、ただ昨年の暮に一斉収容をいたしましたが、これは暮でもあり、寒気もきびしい折でありますので、少しでも温かいところで暮らしてもらおうという考えから、下谷とか、あるいは上野附近の一斉収容をいたしました。そのために昨年十二月は八百数十人を一度に収容保護しなければならないことになりましたために、一時保護もできない、鑑別もできないので、すぐ各施設に送り込んだという事情でございます。しかし本年はこの面につきましては一斉収容はいたさない計画であります。随時適時収容をいたし、一時保護をいたしまして、鑑別を十分にして送り込みたい、かような考えでございます。  また浮浪者対策といたしまして、当面私どもが努力をいたしておりますことは、御説の通り宿泊所を作りまして、現在の厚生施設の回転率をよくする、厚生施設に収容力を作りまして、あいた所に浮浪者を送り込む。このために宿泊所を作ることに努力をいたしております。また低家賃住宅の増設も非常に望ましいことに考えております。それと同時に、こうした浮浪者施設につきましては、地元の同情と理解が大へんに必要なことでありまして、これはなかなかむずかしい問題でございますが、そうした地元の御協力につきましても、十分な努力をいたすということで対策を立てて、浮浪者の処置をいたしております。以上、答弁を終ります。    〔総務局長太田園君登壇〕 ◯総務局長(太田園君) 都区財政調整の問題につきまして御質問がございましたので、お答えをいたしたいと存じます。  先ほど知事からも申し上げましたように、都と区の間の問題につきまして、われわれ関係者といたしましては、極力相互に話し合って協調をしていきたいという立場で、本年の財政調整の問題を実は扱っておるわけでございまして、先ほどお話がございました財政収入額の面につきましては、本年住民税の増高その他によって百二十億ということにつきましては大体間違いないと思いますが、各区の基準財政需要額は連年のことではございますが、本年は特に区道の舗装率の増高とか、あるいは木橋の架けかえ、六三制の補助のない鉄筋教室の修理その他の額を考えまして、現在われわれが目算しておりますのは百十五億程度のものではないかと考えておるわけでございまして、なおこれらは各区の御意見も相当取り入れまして、個々の交渉に移りたいというふうに考えております。実はこの個々折衝をもう少し早くやりまして、本議会に間に合せたいということで、せっかく努力をいたしたのでありますが、現在までまだその段階に参っておらないことを、はなはだ申訳なく存じておりますが、近く決定を見次第、議会の御議決を得まして、執行をいたしたい、かように考えておるのでございます。  なおこの都区の問題につきましては財政問題ばかりでなく、事務事業の面からいたしましても、区民に直接関係ある事務につきましては、今後都区関係者一体となりまして協力をいたしまして、この問題を解決いたして参らねばならない、かように考えておりますので、御了承を願いたいと思います。    〔三十四番高橋清人君登壇〕 ◯三十四番(高橋清人君) 簡単に再質問いたします。  知事は昨年も大都市は大変だ、今度もまた大変なんだと言う。大変なことくらいはわかりきっておる。大変であってもやらなければならない。問題はやはり一歩、二歩前進しなければならないので、私の受取った感じでは知事は昨年と同じような考えをもって、まだお前らなんかにはわかるものかというような考えを腹に持っているから、ああいう言葉の表現になるのじやないかという印象を私は受けまして、はなはだ不愉快です。昨年厚生委員会におきまする全会一致の希望というものは、相当尊重しなければならん。一年たった今日、最高責任者が昨年と同じような答弁をするということでは、私は誠意がないと考えております。そういうことでよろしいかどうか。  最後に都区の調整問題、これは毎年のことであります。各個撃破によって何とかまとめようというのが都の考えのようである。私はそういう個々の折衝がいいとか悪いとかいうのでなく、もう少し真剣に各区の事情を、道路、学校、社会施設その他においても劣勢であるところのいわゆる郊外地区に対しては検討をする必要があると、そういう上に立っての折衝ならよろしいのだが、二二が四、二三が六の計算だけの各個撃破によって何とかまるめてしまおうという考えであれば、はなはだ不愉快でございます。本年はぜひともそういうことでなく、発展途上にあります郊外地区の問題を真剣に考え、処理せられますよう、特に切望いたします。 ◯六十八番(河野一郎君) 本日はこの程度をもって散会し、明二十二日午後一時より再開せられんことを望みます。 ◯議長(中西敏二君) 只今の動議に御異議ありませんか。    〔「異議なしと」呼ぶ者あり〕 ◯議長(中西敏二君) 御異議ないと認め、本日はこの程度をもって散会し、明二十二日午後一時本会議を開会いたします。只今御着席の方々にはあらためて御通知いたしませんから、御了承を願います。  本日はこれをもって散会いたします。    午後七時五分散会...