千葉県議会 2022-02-01
令和4年2月定例会 予算委員会会議録
千葉県議会予算委員会会議録
令和4年3月4日(金曜日)
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午前10時30分開会
◯委員長(木下敬二君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
開会に当たりまして一言御挨拶を申し上げます。
当予算委員会は、予算及びこれに関係する議案の審査の一層の充実を図り、これらの議案を横断的かつ多角的に審査することを目的としております。この目的を達成するため、活発な議論をされるようお願いをいたします。
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会議録署名委員指名
◯委員長(木下敬二君) 初めに、
千葉県議会予算委員会設置要綱第14条第1項の規定により、本日から
今期予算委員会閉会までの
会議録署名委員に高橋祐子委員、天野行雄委員を指名いたします。
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◯委員長(木下敬二君) 質疑に入る前に、委員長から委員及び説明員の皆様に何点かお願いをしておきます。
初めに、質疑は通告書に記載された質疑内容の範囲を超えないこと。また、質疑に当たっては簡潔・簡明に行うこと。
2点目として、発言しようとする場合には、挙手をして委員長の許可を得てから行うこと。
3点目として、質疑時間は答弁時間を含むものであり、これを厳守すること。
なお、質疑時間を超えたときには、委員長が打切りを宣告します。
最後に、答弁に当たっては、簡潔・簡明に行うこと。
なお、各会派等の質疑残時間については、議場の正面及び後方に設置しました残時間表示器により表示します。
また、設置要綱、運営要領及び運営に関する申合せを遵守され、円滑な委員会運営に御協力くださるようお願いいたします。
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令和4年度予算案及びこれに関係する議案の審査
◯委員長(木下敬二君) これより令和4年度予算案及びこれに関係する議案を議題とし、審査を行います。
初めに、自民党の質疑を行います。
質疑者は質疑者席までお願いをいたします。
通告に従い、順次発言願います。
小池正昭副委員長。
◯小池正昭副委員長 皆さん、おはようございます。自由民主党、小池正昭でございます。
それでは、初日の総括質疑として質疑をさせていただきますが、まず、ロシアによるウクライナへの軍事侵略について一言申し上げておきたいと思います。
世界が大きな懸念を抱き、様々な外交努力が続けられていたにもかかわらず、国の主権と領土の一体性を根底から崩し、そして
ウクライナ国民の生命と財産を危機に陥れ、さらには世界秩序の根幹をも脅かすロシアの侵略行為を決して許すことはできず、厳しくこれを非難しなければなりません。去る2月28日、我が千葉県議会は全会一致で非難決議を採択したところでありますが、改めまして、ロシア軍のウクライナからの無条件かつ完全な形での即時撤退を強く求めるものであります。
それでは、質問に入らせていただきます。
まず初めは知事の政治姿勢として、先日、我が党の代表質問でも指摘をさせていただきました、知事公舎においての知事主催の
ホームパーティーに関連して質問をいたします。
本会議の答弁と新聞報道、これらを総合しますと、熊谷知事は昨年の12月の15日と16日の2日間、議会開会中、この日は常任委員会も開催されておりましたが、県内の首長や経済界の方々をふだんは使われていない知事公舎に招き入れて、15日が13人、16日は7人で食事会を開催したとのことであります。外部から料理人を入れて食材を運び込み、非常に豪華な内容の食事会であったようでありますが、知事は政策的な意見交換を目的に開催したものであって、使っていないこの知事公舎、選択した理由については、高いレベルで感染対策を講じることができるためとのことでありました。12月のこの時期は、飲食店での人数制限は行われておりませんでしたが、知事自ら県民に対して少人数での飲食を呼びかけていた時期でもあります。そして、あたかも飲食店よりも知事公舎のほうが感染防止に適してるというこの説明、コロナ禍で苦労しながら感染防止対策を徹底してお客様を待ち続けていた飲食店関係者の方々にどのように感じたのでしょうか。知事肝煎りの感染防止対策をしっかりと講じた認証店でも可能だったのではないかと考えます。そもそも政策的な意見交換に、わざわざ外部から料理人を招き入れて豪華な食事を提供する必要があったのか、この点は非常に疑問を感じます。
また、知事は知事公舎の使用について、公舎管理規則にのっとり、貸与を受けた自身の責任で適切に使用していると答弁されました。しかし、知事は知事公舎に入居していませんでしたので、これまで貸与を受けていなかったはずであり、知事でありながらも、いつでも自由に使えるはずではなかったはずです。調べてみますと、この2日間だけの使用のために、規則で定められている住むことを前提とした手続が取られ、貸与申込書と入居届を熊谷知事自らが知事宛てに提出し、知事が知事に貸与承認書を発行するという手続であったとのことであります。そして形上、2日間のみ入居してすぐに退去したということになっています。規則によれば、退去する7日前までに退去理由を書いて退去届を知事宛てに提出することとなっていますので、使用されたこの両日の既に前に退去届までも提出していたということだと思います。これらを総合すると、そもそもこの知事公舎は、今回のような使用形態を想定していないと思います。
そこで、まず知事は就任後、知事公舎への入居についてどのように判断したのか伺います。
◯委員長(木下敬二君) 熊谷知事。
◯説明者(熊谷知事) 私の自宅が県庁舎に近いことや、いつでも連絡が取れる体制になっていることなどを踏まえ、公舎に入居はいたしませんでした。
◯委員長(木下敬二君) 小池副委員長。
◯小池正昭副委員長 入居しないと判断したと。ただ、今回、急に2日間だけ入居すると。そして、その目的は本来の入居ではなかった。つまり知事公舎を目的外に使用したとも言えることだと思います。知事公舎は、知事が公務に当たるための住居として県が保有している公有財産であるため、当然にその管理には税金を投入しています。
そこで知事公舎の年間の管理費用、何に幾らかかっているのか伺います。
◯委員長(木下敬二君) 総務部長。
◯説明者(石川総務部長) 知事公舎を含む都町公舎全体に係る維持管理費は、清掃や機械警備の費用などで、令和3年度は約2,240万円となる見込みです。
◯委員長(木下敬二君) 小池副委員長。
◯小池正昭副委員長 先日、初めて私も知事公舎見学させていただきました。県政発展のために有効に活用されるべきであると率直に感じました。過去は知事が居住されてました。そして、時に各界各層の方々があの場所に招かれて、様々な面で活用されていたというふうに伺ってます。しかし、今回、僅か2日間の形式ばかりの入居によって、規則に定められた事務の手続から、そして退去後の検査まで、県庁職員にも多くの負担をかけたことになったのではないかと、そのようにも感じます。
そこで伺いたいんですが、公舎管理規則によりますと、この知事公舎は有料公舎となり、貸付料が発生していますが、今回の2日間の入居で貸付料、幾らであったんでしょうか。
◯委員長(木下敬二君) 総務部長。
◯説明者(石川総務部長) 12月の2日間の公舎貸与に係る貸付料は2,200円となっております。
◯委員長(木下敬二君) 小池副委員長。
◯小池正昭副委員長 僅か2日間、日割りの計算ということだと思いますが、2,200円。ただし、年間は2,240万円を費やしてる。そして、多くの県庁職員が手続にも関わり、そして確認のためにも、現地へも赴かなければならなかったという今回の使用の判断について、適切であるとは思いません。
そして、この貸付料ですが、規則によりますと、広い知事公舎でも実際に貸付料の対象となるのは建物の一部であって、公務での使用を想定している公的部分については貸付料の対象外となっています。しかし、今回の知事は無料の公的部分を使用したと思われ、事実、SNSでこの公的部分での記念写真が掲載されています。それら含めますと、この2日間にわたって開催された食事会、我々は
ホームパーティーと称しましたが、私的開催であったのか、あるいは公務であったのか、全く区別がつかない内容になっています。あくまで居住のための知事公舎は自由に、いつでも気ままに知事が使える施設ではないということをしっかりと認識し、県民から疑念を抱かれることがないように行動していただきたいと思います。
ただ、今回の知事のこの報道は、あるじがいなくても年間2,000万円以上の経費を費やしている公舎の在り方を改めて議論する必要性を投げかけたものとも言えます。本来、知事公舎はいかなるときにでも、あらゆる事態にも対応可能なように現地、現在の地に設置されていますが、現状の施設、これは危機管理面においても十分ではありません。これは知事も多分感じたと思います。これを機に、改めて知事公舎と隣接する現在の副知事公舎、これらを含めまして、今後の有効な活用方法を見出すべきであるということを申し添えておきたいと思います。
次に、
新型コロナウイルス感染症についてであります。
オミクロン株による第6波は、爆発的な感染者の増加に伴って医療現場、これは逼迫しました。そして、本県での1日当たりの死亡者数も、去る2月23日に過去最多の25人を数えることとなってしまいました。新規感染者数では、ピークに比べて減少傾向も見られてきたんですが、ここは最近は高止まりの傾向もございます。重症化の波が新規感染の波に遅れて襲ってきている現在、罹患された方々が適切な医療を受けられるように対策を講じていく必要がございます。
自民党は、一昨年の4月から県民の命を守るために臨時医療施設の開設を求めてきたところでありますが、県は第6波への対応として、がんセンターの旧病棟の臨時医療施設を1月18日に再稼働させました。そして昨年秋以降、新たに準備をしてきた千葉市稲毛区の臨時医療施設を2月3日に稼働させました。さらに、2月17日には3か所目となる流山市の
臨時医療施設を稼働させています。
そこで第6波への対応として、県が開設したこの各
臨時医療施設の病床数と患者の受入れ実績はどうか、伺っておきます。
◯委員長(木下敬二君)
保健医療担当部長。
◯説明者(
井口保健医療担当部長) 3月2日時点の各
臨時医療施設の病床数と患者の受入れ実績は、
仁戸名臨時医療施設が48床に対して17人が入院、稲毛と流山の臨時医療施設については、日帰りや1泊の入院が多いので累計で申し上げますと、開設以来、稲毛で110床に対して10人、流山で56床に対して45人が利用されています。
◯委員長(木下敬二君) 小池副委員長。
◯小池正昭副委員長 2月に稼働開始したこの2か所、稲毛と流山の
臨時医療施設ですが、いずれも重症化リスクのある軽症患者等への投薬治療を主な目的としていますが、現時点での受入れが低水準にとどまっているということ。そこには何かミスマッチが起こっているのではないかというふうにも感じます。
そこで新たに設置した2か所の
臨時医療施設について、投薬治療を主に目的として設置してますが、稼働率が低調な理由について、県はどのように考え、どのように対応しているのか伺っておきます。
◯委員長(木下敬二君)
保健医療担当部長。
◯説明者(
井口保健医療担当部長) 新たに設置いたしました2つの臨時医療施設については開設から日が浅く、医療機関等への周知が十分でないことが稼働率に影響していると考えており、現在、周辺の自治体や地区医師会に直接出向くなど、臨時医療施設の活用に向けた働きかけを行っております。
◯委員長(木下敬二君) 小池副委員長。
◯小池正昭副委員長 今、御答弁で、まだ稼働して日が浅いので稼働率が上がってない。その前に重症化の波が過ぎてしまう可能性だってあるわけですよ。十分な準備がしてあったのかどうか。今、周知をこれからするというような努力をされてるとは聞きますが、やはり一番困ってるときにこれがしっかりと機能しなければなりませんので、この点は申し上げておきたいと思います。
今回の第6波で医療現場が直面したのが高齢者の重症化であります。特に介護が必要な高齢者が感染して入院するケースも増加したこと、これらもありまして、単純に現在の病床使用率では分からない状況も生じているのではないかと思ってます。県内の医療施設において入院を受け入れられない状況があるにもかかわらず、この臨時医療施設の稼働率が上がらない。これは第1波から第6波まで特徴が異なるにもかかわらず、第5波までを、それらの特徴を基に検討された
臨時医療施設であるために、現在のこの第6波に対応ができてないのではないかというふうに思います。県が直営するこのがんセンターの旧病棟は、仁戸名ですが、酸素投与が必要な中等症患者を多く受け入れて、患者は退院基準を満たすまで入院可能です。これに対して、民間の旅行会社に全て運営を任せた稲毛と流山は投薬治療を主な目的としているために、受入れの期間が、先ほどの答弁もありましたけど、1泊2日、あるいは日帰りとなってます。これが第6波のニーズに対応できてないという原因じゃないかと思ってます。
今回の第6波、重症から回復した患者を受け入れる後方支援病床の確保も求められましたが、そこで稲毛と流山の
臨時医療施設について、県内の医療提供体制を維持するために、介護が必要な高齢患者についても積極的に受け入れるべきと思いますが、どうでしょうか、伺います。
◯委員長(木下敬二君)
保健医療担当部長。
◯説明者(
井口保健医療担当部長)
稲毛臨時医療施設では、酸素投与が可能で入院待機施設としての機能を持つベッドを29床確保しており、これまでも高齢者を中心に受入れを行ってまいりました。また、こうしたベッドの利用は主に夜間の時間帯が多いところから、現在、日中と夜間との看護師の配置人数の見直しを進めているところであり、一人でも多くの高齢患者を受け入れられるよう、引き続き取り組んでまいります。
◯委員長(木下敬二君) 小池副委員長。
◯小池正昭副委員長 新たに
臨時医療施設、2か所、2月に開設していただいた、これは一定の評価するんですが、実際に起こっているこの状況に対応しなければ意味がありません。そのために機動的かつ柔軟に対応できる体制、常に構築していただくこと。また、さらなる必要性に応じては、
臨時医療施設の設置の検討も進めておいていただきたいと思います。
続いて、ワクチン接種についてであります。昨年12月から追加接種が始まりました。これまで低調でありました接種率も、ここ最近ようやく加速化してきてるものというふうにも思ってます。本県における追加接種の状況でありますが、3月2日時点で接種人数は約131万人、接種率が約23%と伺っています。県の設置した
追加接種センターも当初かなり余裕があったんですが、徐々に予約数も増えて機能を果たしてきていると思います。また、市町村でも接種率が向上してきているんですが、県は、広い千葉県の全体の接種率向上のためにも、その役割を果たしていただきたいと思います。
そこで県として、追加接種を円滑かつ早期に進める上での課題をどのように認識し、どう対応しているのか伺います。
◯委員長(木下敬二君)
保健医療担当部長。
◯説明者(
井口保健医療担当部長) 追加接種では集団接種会場を増設するなど、接種体制が強化されてる一方、希望するワクチンに偏りが生じ、予約状況に余裕が見られる会場もあり、今後、若年層へと接種対象者がシフトしていく中では、接種希望者が減少していくことも懸念されます。そこで県では、追加接種の有効性や交互接種の効果、安全性などについて、「県民だより」やホームページなどの広報媒体に加えて、若者などを対象にSNSなどを通じ発信するなど、接種率の向上に努めているところです。
◯委員長(木下敬二君) 小池副委員長。
◯小池正昭副委員長 引き続きよろしくお願いしたいと思います。
今回のオミクロン株の感染急拡大で一番特徴的であると感じられるのが、子供の感染例が多数報告されて感染者全体に占める割合、これも相当に増えてまいりました。このような中で、先月末から5歳から11歳までの小児への接種も始まったところなんですが、小児へのワクチン接種は発症予防効果があるとされる一方で、子供への接種に疑問や不安を持ってらっしゃる保護者も少なくないのが現実であります。
そこで5歳から11歳の小児へのワクチン接種に当たり、課題をどのように認識し、どう対応するのか、伺っておきたいと思います。
◯委員長(木下敬二君)
保健医療担当部長。
◯説明者(
井口保健医療担当部長) 小児への接種については接種体制を整えるとともに、ワクチンの効果や副反応について、子供や保護者等が理解した上で納得して接種を受けられるよう、分かりやすい情報発信が求められます。
そこで県では、医師会と連携して小児接種を行う市町村を支援するとともに、ホームページやSNSなどを通じて、小児の接種について分かりやすい情報提供に取り組んでまいります。
◯委員長(木下敬二君) 小池副委員長。
◯小池正昭副委員長 しっかり対応をお願いしておきたいと思います。
小児に実際にワクチンを接種する医療機関が、主には多分各地の小児科になることと思います。ところが、県内の小児科は地域によって不足しているという現実があります。また、実際に県内全体見ると非常に偏在している状況もありますので、これらの問題も認識した上で県の役割、しっかりと果たしていただくようにお願いします。
続いてですが、オミクロン株の亜系統、BA.2についてでありますが、
別名ステルスオミクロンとも呼ばれ、さらに感染力が高いという研究結果がある中で、既に国内での市中感染も報告されているところであります。次々と変異するウイルスに対しては最大限の警戒をしていかなければなりませんが、変異株の特定には県の衛生研究所がゲノム解析を行っていると思います。
そこで、県衛生研究所のゲノム解析によるBA.2系統の検出状況、現在のところどうか、伺っておきます。
◯委員長(木下敬二君)
保健医療担当部長。
◯説明者(
井口保健医療担当部長) 本年1月1日から3月1日までに県衛生研究所が実施した
新型コロナウイルスのゲノム解析において、判定不能を除き、変異型が判明した1,005例について、
オミクロンBA.2系統と判断されたものが18例、約1.8%でございます。
◯委員長(木下敬二君) 小池副委員長。
◯小池正昭副委員長 感染例はあるものの、千葉県においては検出例、まだ少ないというようにも思いますけども、このBA.2系統について、今後見通し、どのように考えているか、伺います。
◯委員長(木下敬二君)
保健医療担当部長。
◯説明者(
井口保健医療担当部長) 現在、国内のオミクロン株の主流はBA.1系統ですが、海外の一部地域ではBA.2系統による感染が拡大している地域もあることから、今後、BA.2系統への置き換わりにより感染者が再度増加に転ずるおそれがあります。引き続き県衛生研究所のゲノム解析を通じて今後の動向を監視してまいります。
◯委員長(木下敬二君) 小池副委員長。
◯小池正昭副委員長 留意しておかなければならないのが、衛生研究所で解析を行っていただいてるんですけども、その検体が統計的に果たして有効であるのかということであります。というのは、現在、保健所業務が非常に逼迫している。そして、医療現場も逼迫してるわけですが、またみなし陽性も可能となっていますので、統計的に有効なサンプルが県内各地域からしっかりと保健所経由で実際に衛生研究所まで行ってるのかという、この辺のちょっと疑問も感じるところがあります。つまり現状の検出状況、これが県全体の実態を正確に表しているのかという見方ができますので、県として厳重に監視して、今後にしっかりと備えていただくようにお願いをいたします。
次に、財政状況について伺っていきたいと思います。
今年度も
新型コロナウイルス関連で大きく予算規模が膨らみました。その財源の多くは国からの交付金が充てられていましたので、
令和元年房総半島台風で自主財源を大規模に投入しなければならなかった、あのときの状況とは異なりますが、長引くコロナ禍は県内経済に大きな影を落とし、本県の財政にも影響を及ぼしているところであります。
そこで、まず令和3年度の収支見通しはどうか、伺っておきます。
◯委員長(木下敬二君) 総務部長。
◯説明者(石川総務部長) 令和3年度は、原油高による輸入額の増加や企業業績の回復などに伴い、県税や地方譲与税が増収となる見込みです。しかし、今後については、感染症の影響による県税などの減収や大規模な自然災害の発生、建築コストの上昇などによる財政需要の増加も懸念されるところでございます。このような状況に備え、今回の2月補正予算において、財政調整基金や災害復興・地域再生基金、
県有施設長寿命化等推進基金への積立てを行うこととした結果、2月補正予算段階では収支が均衡しているところです。
◯委員長(木下敬二君) 小池副委員長。
◯小池正昭副委員長 幸い本県の財政指標、これを見る限りでは、他の自治体に比べて比較的でありますけど、悪くはないとは感じています。ただ、それは決して楽観視できるものではなく、県民生活の向上や今後の持続的発展を目指すための財政需要に対しては、引き続き厳しい状況が続くものと予想してます。県内の経済状況を見ますと、コロナ禍で飲食業や観光業などのこれらが大きく落ち込んだ一方で、製造業などは比較的好調に推移する見通しもあるなど、二極化の一面が見られます。そのような中で、令和4年度の予算において、これは、この予算編成、熊谷知事が初めて知事に就任して編成した当初予算でありますけども、歳入の柱である県税収入の増加を見込んでいるところであります。
そこで令和4年度の県税収入の見通し、どのように分析したのか伺います。
◯委員長(木下敬二君) 総務部長。
◯説明者(石川総務部長) 県税収入については、直近の税収動向を基本に経済統計、
各種景気予測等を勘案し、算定しております。令和4年度税収については、一部の業種で
新型コロナウイルス感染症の影響による厳しい経営環境や雇用情勢が続くものの、今年度の税収が企業業績の回復などにより増加していること、一定の納税額以上の企業へアンケートを実施した結果、来年度も引き続き全体として業績が回復する見通しであること、原油高等による輸入額の増加や国内消費の緩やかな回復が想定されることなどから、前年度当初比713億円増の8,859億円を見込んでおります。
◯委員長(木下敬二君) 小池副委員長。
◯小池正昭副委員長 先月発表されました昨年の10月から12月の千葉県の
企業経営動向調査、これによりますと、全産業として業況判断が3年ぶりに改善しています。また、全国的にも地方税収は増える見通しが示されているんですが、直近で
まん延防止等重点措置が長期化しています。そして、再びこれらによって業況判断が悪化するというような予想もされております。見込んだ税収、今後、令和4年度において変化が生じる可能性もあると思ってます。
それと、やはり何といっても冒頭触れましたけども、ロシアのウクライナへの軍事侵略、これによりまして、世界的規模で非常に不透明感が漂い始めました。そのために、令和4年度においては、県内外の動向を一層注視して税収の変化、あるいは県内経済状況を留意してほしいと思います。
それから、これまで千葉県の県税徴収率、非常に全国的にも低いということ、ずっとずっと指摘がされてきているところでありますけども、全国最低レベルと言われる県税徴収率の向上にどのように取り組んでいくのか、伺っておきます。
◯委員長(木下敬二君) 総務部長。
◯説明者(石川総務部長) 千葉県行財政改革計画(案)では、新たに徴収率の目標を設定し、納期内納付率の向上、年度内徴収の徹底、累積滞納事案の早期完結に取り組むこととしました。特に個人県民税については、市町村に対する支援を強化するため、税務課特別滞納処分室を増員し、県による直接徴収や市町村研修生の受入れを拡大することとしています。さらに徴収率の向上のため、長期目標や重点対策期間を定めた徴収対策計画の策定を進めております。
◯委員長(木下敬二君) 小池副委員長。
◯小池正昭副委員長 かなり継続的に問題意識持ってらっしゃると思いますので、しっかりと徴収率上げていただきたいと思います。
次に、本県の借金とも言える地方債でありますけども、建設地方債等の残高ですが、平成16年度の1兆8,913億円、これをピークに、令和4年度においては1兆2,679億円となります。これによって、約6,234億円減少してきていますが、令和6年度には一転、これが増加に転じることが見込まれております。建設地方債等の増加、これは当然懸念を持つものでありますけども、県有施設の長寿命化やインフラの老朽化への対応、また、本県の着実かつ持続的な発展のそのための財源として、また、その負担の均衡を図る意味でも有効な財源として位置づけた上で活用もしていかなければならないと思います。
そこで、建設地方債の活用に向けた県の考え方、どうか伺います。
◯委員長(木下敬二君) 総務部長。
◯説明者(石川総務部長) 建設地方債は、県有施設の老朽化対策や防災・減災対策、本県の発展に資する社会資本整備などを着実に進めるために必要な財源でございます。このため、財政の健全性を示す指標である健全化判断比率に留意しながら効果的に活用していきたいと考えております。
◯委員長(木下敬二君) 小池副委員長。
◯小池正昭副委員長 今後の千葉県の財政状況は社会保障費の増大、また新たな財政需要の発生などから、引き続き厳しい状況が続くものと感じてます。また、先ほど申し上げましたけど、社会情勢の変化によっても、財源も不安定要素が常に存在してると思います。そのような中においても、常に良好な財政状況を維持しつつ、短期、中期、長期の視点で常に財政運営、しっかりと健全性を保つようにお願いをしておきたいと思います。
そこで伺いますが、今後の財政運営についてどのように考えているのかお聞きします。
◯委員長(木下敬二君) 熊谷知事。
◯説明者(熊谷知事) 今後、県では、高齢化の進展などによって増加をする社会保障費をはじめ公共施設などの老朽化対策や防災・減災対策など、多額の財政需要が見込まれております。このため、まずは歳入の根幹である県税について、社会資本の整備などにより県内経済を活性化させるとともに、徴収対策を一層強化することで税収の増加を図ってまいります。さらに、未利用県有地の処分、効率的な資金運用など、あらゆる手段により財源確保に努めるほか、事務事業の見直しによる経費節減にも継続して取り組むことなどによって、持続可能な財政構造の確立を今後も目指してまいります。
◯委員長(木下敬二君) 小池副委員長。
◯小池正昭副委員長 今、知事から答弁いただきました。まずは、本当に引き続き安定的に財源確保に努めるということ、重要です。そして県政発展のためには、時に果敢に財政投資も行う必要がございます。これはしっかり付け加えておきたいなというふうに思います。
そして今回、新たに行財政改革計画が示されておりますが、この中で寄附金収入の確保、それからネーミングライツやPFIなどの官民連携手法の導入も明記されているところです。特に寄附金収入の確保については、なかなか千葉県で制度的にうまく受入れ体制が整っていなかったということも現実ありますので、これらも含めて具体的に検討を進めていただいて、安定的な行財政運営が行われるように要望しておきたいと思います。
次に、農業問題に移りたいと思います。
本県の令和2年の農業産出額ですが、3,853億円、これは令和元年に比べ6億円減少しました。農業者の減少と高齢化に加えまして、近年は自然災害による被害の激甚化、また
新型コロナウイルス感染症の影響による米価の下落など、農業を取り巻く環境は厳しい状況にあります。
このような中、県は次期千葉県農林水産業振興計画の策定を進めているということ、聞いておりますが、次期計画で農業が直面する課題に対応しつつ、そして本県の強みを生かし、農業を成長産業として発展させるような様々な挑戦をしていってほしいと願ってます。
そこで、この次期千葉県農林水産業振興計画では、農業に関してどのような目標を掲げているのか伺います。
◯委員長(木下敬二君) 農林水産部長。
◯説明者(舘野農林水産部長) 次期振興計画では、基本目標を「力強く、未来につなぐ 千葉の農林水産業」とし、10年後の目指す将来像を示し、その実現に向け取り組むこととしております。また、数値目標として、2030年の農業産出額を5,000億円に、6次産業化による年間販売金額を1,000億円に設定したところでございます。
◯委員長(木下敬二君) 小池副委員長。
◯小池正昭副委員長 現在は
令和元年房総半島台風や、昨年、鳥インフルエンザの連続発生から回復途上ということで、非常に厳しい状況からのスタートになりますが、今、部長御答弁いただいた目標の実現に向けて、より一層力を入れて取り組んでいただくこと、お願いをしておきます。
そこで細かく聞いていきたいと思いますが、次期振興計画の中で、今の目標の実現に向けてどのような点に力を入れていくのかお聞きしたいと思います。
◯委員長(木下敬二君) 農林水産部長。
◯説明者(舘野農林水産部長) 目標の実現に向け、生産性の向上につながるスマート農業の加速化、水田の汎用化などによる野菜生産の拡大、加工・業務需要の拡大に対応する産地の流通販売体制の強化、県オリジナル品種によるブランド力の強化、地域資源を活用した商品開発などに重点的に取り組んでまいります。
◯委員長(木下敬二君) 小池副委員長。
◯小池正昭副委員長 農業産出額の4割を占めるのは園芸部門です。その中でも、今、答弁の中にもありましたけども、野菜については県内に全国トップクラスの産地が存在しています。また、生産者の方々の技術も非常に高いものがあります。これらは、まさに千葉県農業の強みであるということから、さらに伸ばしていくべきであると考えております。
そこで野菜の振興について、具体的にどのような内容になっているのか伺います。
◯委員長(木下敬二君) 農林水産部長。
◯説明者(舘野農林水産部長) 野菜につきましては、本県の主要10品目の産出額を令和2年の1,036億円から令和7年に1,350億円に増加させることを目標としております。特に産出額上位のネギ、サツマイモ、ニンジン、トマトの4品目を強化品目として位置づけまして、経営規模の拡大や新産地の育成などにより一層の生産拡大を図ってまいります。
◯委員長(木下敬二君) 小池副委員長。
◯小池正昭副委員長 1,036億円から1,350億円と、しっかりと目標掲げていただきました。実現に向けて様々取り組んでいただきたいと思います。
続いて、収入保険について伺っておきたいと思うんですが、私は農業経営のリスクを軽減するためには収入保険の加入を促進する必要があるということが重要だと思ってました。そして、昨年の9月の議会での一般質問でもここを指摘したんですが、本県の収入保険の加入率、当時、約3%。全国平均が16.5%ですから非常に低い、言わせていただきました。そして、加入率向上にしっかりと努めていただきたいと要望したところなんですが、収入保険の加入促進、どのように取り組んでいくのか伺いたいと思います。
◯委員長(木下敬二君) 農林水産部長。
◯説明者(舘野農林水産部長) 新たに保険料の助成制度を設けることといたしまして、本定例会に必要な予算案を計上いたしました。具体的には来年度からの3年間に限定いたしまして、新たに収入保険に加入する農業者を対象に、初年度の保険料について2万円を上限に助成いたします。様々な機会を通じて、この制度を活用した保険への加入を呼びかけ、本県農業者の経営安定を図ってまいります。
◯委員長(木下敬二君) 小池副委員長。
◯小池正昭副委員長 新たに制度を設けていただいたということ、ありがたいと思います。ただ、実際にこの制度によって加入率が向上するということ、この新年度からしっかりとやらなければなりません。取組をよろしくお願いします。
そして、引き続き農業を営む方々の安定経営と新規就農者、これを増やすために様々な施策を強く実行していかなければなりませんので、農業全体の安定的な経営を目指して、そして我が県の農業がさらに強くなるように取組をよろしくお願いします。
次に、成田空港に関連してお伺いしていきたいと思いますが、まずは2月11日に発生しました航空機の部品欠落の件であります。今回は落下場所が空港内であったことから、幸い大きな被害には至りませんでした。成田空港では、これまでも航空機からの落下物事故が多数発生しているために、騒音などの環境対策と同時に、周辺自治体や住民から再三にわたってその発生防止の取組が強く求められてきたところであります。そして県としても、県民生活の安全と安心を守る責任を果たしていかなければならないと思いますが、そこで成田空港において、今回の部品欠落事案、発生したわけですが、県としてどのような認識の下、対応したのか、伺っておきます。
◯委員長(木下敬二君) 熊谷知事。
◯説明者(熊谷知事) 今回の事案は空港内でのこととはいえ、欠落部品も大きく、一歩間違えば人命にも関わる重大なもので、誠に遺憾であり、とても看過できるものではないと認識をしております。このため県では、まずは国に対して、原因を速やかに究明をし、県に報告するとともに、今後の対策を示すよう口頭で求めたところです。そして、14日には文書により航空局長に対し、同趣旨の要請に加え、改めて各航空会社への徹底した指導を行うとともに、地域住民の不安を解消するため、落下物防止対策にさらに万全を期すよう要請をいたしました。
◯委員長(木下敬二君) 小池副委員長。
◯小池正昭副委員長 落下物は開港から実はこれまで、発生しては再発防止を要請すると、この繰り返しなんですね。根絶されない現実がある。特にこの状況が続いている飛行ルートの直下の住民は常に大きな不安を抱いているということ、県として改めて重く認識をしてほしいと思います。国において、再発防止を徹底し住民の不安解消に努めるとともに、県は引き続きしっかりとその責任を果たして実効性のある対策、これを実現するように求めておきたいと思います。
続いて、新年度事業の成田空港を活かした持続可能な地域づくり検討事業についてでありますが、今年度、令和3年度においては、この事業がちょっと名称が違いまして、成田空港周辺の地域づくりに向けた検討事業でありました。この中で、特区制度による民間事業者の参入しやすい地域づくりに取り組んでこられたと聞いております。そして、令和4年度はこの事業で同額の3,000万円が計上され、周辺地域づくりの検討がさらに進むこと、これを期待してるところですが、令和4年度の成田空港を活かした持続可能な地域づくり検討事業においては、具体的にどのような検討をするのか、伺います。
◯委員長(木下敬二君) 総合企画部長。
◯説明者(鎌形総合企画部長) 空港のマスタープランや周辺市町の各種まちづくり計画、そしてカーボンニュートラルに向けた動き等を踏まえまして、東アジアにおける航空貨物の拠点化に向けたまちづくりや再生可能エネルギーの空港内外における積極的活用などをテーマに検討を進めてまいります。
◯委員長(木下敬二君) 小池副委員長。
◯小池正昭副委員長 かつて成田空港は、国際航空貨物において世界第1位を誇っておりました。しかしながら、1996年に香港にまずは抜かれました。そして、2006年にはお隣韓国の仁川にも抜かれました。現在は世界順位7位。その地位は低下したわけであります。
これは、アジアにおいて航空貨物が増加を続けた一方で、成田空港がその増加分を取り込めなかった結果であります。それは、成田空港の施設面や運用面における様々な限界がもたらした結果であるとも言えます。その現実の中で、県として、先ほど部長から御答弁いただいた東アジアにおける航空貨物の拠点化に向けたまちづくりを明確に掲げていただいているのは非常に心強いところでありますので、その実現に向けて取り組んでいただくようにお願いをします。
そこでこの事業、これによりましてどのような効果を期待しているのか伺います。
◯委員長(木下敬二君) 総合企画部長。
◯説明者(鎌形総合企画部長) 県が一定のテーマで中心となって取り組むことで、国や空港会社、地元市町など、成田空港圏全体での相互連携が図られ、空港周辺の地域づくりに効率的な効果を促してまいります。
◯委員長(木下敬二君) 小池副委員長。
◯小池正昭副委員長 よろしくお願いしたいと思います。
前森田知事時代でありますが、国家戦略特区を活用した地域づくりを目指すことを掲げ、実際に行動をしていただきました。そして熊谷知事も、就任前の選挙戦のときからこの成田空港、非常に重要だと位置づけていただいて、国家戦略特区の活用を政策にも位置づけていたと私も認識しています。現在もその思いは随所に表れているとは感じているんですが、しかしながら、実際のこの特区指定への道のりというのはまだまだ先が厳しい、道のりが、その先が見えていない状況であります。そういった意味では、かなり具体的かつ、それこそ戦略的な実際の行動が必要になると思いますので、知事を先頭にしっかりと取り組んでいただくことをよろしくお願いします。
そこで、特区指定に向けて実際にどのように取り組んでいくのか伺っておきたいと思います。
◯委員長(木下敬二君) 総合企画部長。
◯説明者(鎌形総合企画部長) 特区指定に向けては、規制緩和を活用した事業の具体性、実現性を高めていく必要があることから、県では企業ニーズの収集を行い、市町とのマッチングを進めているところです。さらに、来年度新たに空港周辺地域特区推進担当課長を設置し、市町と連携しながら、スピード感を持って事業の具体化を図ることにより特区指定を目指してまいります。
◯委員長(木下敬二君) 小池副委員長。
◯小池正昭副委員長 熊谷知事は、今回、新総合計画の策定の中でも、随所に成田空港について重要な位置づけをしていただいてるのがうかがえます。これまで地位低下も懸念されてきた成田空港でありますが、さらなる機能強化、これによりまして先が少し見えた、将来の展望が開けたというふうにも感じております。ただ、今後も国内外の空港間競争、激しいものがある中で、成田空港は日本のみならず、アジアの中で確固たるその地位を確立できるのかどうか。特に成田空港が将来を見据えてどのような空港になるのか、今、まさに機能強化後の姿を誰もが注目しているところであります。
空港会社、NAAは、成田空港の将来像となるマスタープランを今年度末までに示すとしていますが、これは日本経済にも大きく貢献し、そしてまた、環境にも配慮した最新鋭の空港として生まれ変わってほしいと強く願っているところであります。そして、空港自身が本県経済を力強く牽引する原動力となってもらうことはもちろんですが、空港の中と外、内外が、これが一体的に作用して、そして周辺地域の機能的なまちづくりにも貢献してほしい、強く願うものであります。
しかし、四者協議会でさらなる機能強化が決まってから、合意されてから、既に約4年が経過していますが、現時点において、県も周辺の市町も果たしてどのような空港になるのか、まだ見当がつきません。このような状況が続いている現実があります。成田空港が歩んできた重い歴史の上に、地域住民の理解を得るために相当な努力が払われて、そして環境対策の充実、地域の振興策をしっかりやるぞ、こういったことを約束して、さらなる機能強化が四者協議会でようやく合意されたわけであります。そして千葉県も大きな責任を負う、これから役割を担うということ、決意したはずであります。
令和4年度は、いよいよ具体的に用地買収が始まって本格的に工事も始まってくると聞いているわけでありますが、現状で空港づくりは空港会社任せ、空港は空港会社がつくるものという、そういう姿勢ではなくて、これ、前々から申し上げてますけども、県としても、やはりその責任を果たすためにしっかりと関与してほしい、これも要望してきたところであります。そして、この段階で、やはり知事にはリーダーシップを発揮していただいて、我が国を代表する空港、これに育てていかなければなりませんので、その将来像についても、地域づくりと住民生活に非常に密接に関係してまいりますので、ぜひ、やはり四者協議会であるとか、そういった場で確認をする、そういう手続を求めていただきたいと思います。
空港づくり、これから周辺とともに、先ほど申し上げましたけど、一体的にいろんなことをやっていかなければなりません。これはまさに地域だけの問題ではない、千葉県のため、そして最終的には日本経済の発展のためにも寄与するものでありますので、よろしくお願いしたいと思います。
成田空港に関しては、毎回、様々な場面で発信させていただいておりますけども、今後も継続的に私自身も取り組んでまいりますので、知事にも引き続き重要な政策として位置づけていただいて取り組んでいただくようにお願いを申し上げまして、私の総括質疑、終わりにしたいと思います。ありがとうございました。(拍手)
◯委員長(木下敬二君) 次に、岩井泰憲副委員長。
◯岩井泰憲副委員長 印西市・印旛郡栄町選挙区から選出の自由民主党の岩井泰憲でございます。早速でありますが、通告に従いまして質疑に入りたいと思います。
まずは、令和4年度当初予算案についてです。
総額2兆1,772億円に上る新年度予算案は、6月補正後の昨年の3年度予算案と比べ2,473億円の減で、9年ぶりの減額編成である一方、
新型コロナウイルス対策費を除くと過去最大であるとのことです。歳入については、県税収入が8.8%増であるのに対し、臨時財政対策債など地方交付税は780億円の減額、財源不足については財調などで補填するとのことであります。
そこで、まずは歳出の部分についてお尋ねしていきます。社会保障費は106億円の増額となっているが、その主な要因は何でしょうか。
◯委員長(木下敬二君) 総務部長。
◯説明者(石川総務部長) 高齢化の進展に伴い、介護給付費や後期高齢者医療給付費などが増額となる見込みであるほか、障害者自立支援給付費や障害児通所給付費などについても、サービスを利用される方が増加傾向にあることから増額を見込んでいるところです。
◯委員長(木下敬二君) 岩井副委員長。
◯岩井泰憲副委員長 続けて物件費86億円の増額になっておりますが、その主な要因、何でしょうか。
◯委員長(木下敬二君) 総務部長。
◯説明者(石川総務部長) 物件費の主な増要因は、感染症対応経費のうち、軽症者等のための宿泊施設の確保について、今年度の6月補正段階と比べ、借り上げ部屋数が増加していることなどにより予算が増額となっていることによるものでございます。
◯委員長(木下敬二君) 岩井副委員長。
◯岩井泰憲副委員長 社会保障費の106億円の増額については、高齢化の進展に伴う介護給付費や後期高齢者医療給付費、物件費の86億円の増額については、感染症対応経費のうちの宿泊施設の確保費用と、いずれも本県、我が県が直面する政治課題、浮き彫りにするところであります。
一方で、本県にとって道路ネットワークの拡充や地震、水害などの災害対策、喫緊の課題であると思われますが、そこで道路ネットワークの整備、防災・減災対策に係る投資的経費の予算額は前年度と比べてどうなんでしょうか。
◯委員長(木下敬二君) 熊谷知事。
◯説明者(熊谷知事) 道路ネットワークの整備については、前年度比14億円増の704億円を計上したところであり、引き続き基幹道路や地域に密着した道路の整備を着実に推進してまいります。また、防災・減災対策についても、一宮川流域の浸水対策で前年度比21億円増の52億円を計上するなどしたところであり、今後も防災基盤の強化にしっかりと取り組んでまいります。
◯委員長(木下敬二君) 岩井副委員長。
◯岩井泰憲副委員長 道路ネットワーク整備で14億円増、また防災・減災対策については喫緊の課題となっていた一宮川流域浸水対策21億円増とのことで、県民の生命と暮らしをしっかり守り、また未来の千葉に投資する道路ネットワーク整備、防災・減災対策に係る予算について、県内各地、本当に偏ることなく、しっかり配分されるよう、その点について要望したいと思います。
加えて財政調整基金の残高についての認識、どうか、お尋ねしたいと思います。
◯委員長(木下敬二君) 熊谷知事。
◯説明者(熊谷知事) 財政調整基金の残高は、令和4年度末時点で469億円となる見込みです。ただし、そのうち約300億円は、今年度の県税収入の増収に伴い、後年度の地方交付税が減算されることに備えて確保しておくものであり、それを除いた実質的な残高は169億円となっています。令和4年度も執行段階での経費節減などにより収支の改善に努め、基金の取崩し額を縮小していきたいと考えています。
◯委員長(木下敬二君) 岩井副委員長。
◯岩井泰憲副委員長 4年度末の財調残高469億円見込んではいるものの、実質的なその残高は169億円であるということでございます。安定的な財政運営、そして非常時の備えという点からも財政調整基金の残高確保、本当に重要な課題であります。基金取崩し額の縮小について、しっかり取り組まれるよう、併せて要望したいと思います。
次に、
新型コロナウイルス感染症についてでございます。
国内にて新型コロナ感染症が確認されてから丸2年経過いたしました。オミクロン株が広がった感染拡大の第6波では、感染者数、全国で年明けから300万人超えるまでになっています。2月上旬に比較すれば新規感染者数が減少傾向にあるとはいえ、さきの厚労省の専門家会合にて指摘されたように、再び増加に転じる可能性があり、依然として予断を許さない状況にあります。引き続いての
新型コロナウイルス感染症対策、もちろんのこと、コロナ回復局面における経済対策も含めた県の対応、そのことについてお尋ねしてまいりたいと思います。
まずは、入院医療費等の公費負担についてです。新型コロナ感染症の長期化により、特にパート、アルバイトなど非正規労働者の収入や、また家計に深刻な影響を与えていると言われる中、新型コロナ感染者が入院したり、宿泊施設等で療養したりした際の医療費公費負担は、なくてはならないものであります。入院医療費の公費負担とは、保険適用後の患者自己負担分を公費で負担するというもので、新年度予算案で18億3,000万円余り計上しています。令和3年度の入院医療費の公費負担の実績及び1人当たりの負担額について、まずお伺いしたいと思います。
◯委員長(木下敬二君)
保健医療担当部長。
◯説明者(
井口保健医療担当部長) 入院医療費の公費負担については、令和3年4月から本年2月までに1万2,077件、約14億2,000万円を負担し、1件当たりでは約11万8,000円の負担をしているところです。
◯委員長(木下敬二君) 岩井副委員長。
◯岩井泰憲副委員長 昨年4月から今年2月までの実績で1万2,000件、14億2,000万円、1件当たりの負担額は11万8,000円とのことで、想像以上に大きな額であるということ、分かります。
では、令和3年度の自宅療養者等の外来診療にかかる医療費の公費負担の実績及び1人当たりの負担額についてもお伺いしたいと思います。
◯委員長(木下敬二君)
保健医療担当部長。
◯説明者(
井口保健医療担当部長) 外来医療費の公費負担については、令和3年4月から本年2月までに1万8,980件、約7,534万円を負担し、1件当たりでは約4,000円の負担をしてるところです。
◯委員長(木下敬二君) 岩井副委員長。
◯岩井泰憲副委員長 こちらにつきましては、1件当たり4,000円、今年2月までで7,500万円負担とのことです。年明け以降はオミクロン株の爆発的な感染拡大により、医療費の公費負担額、増加していくことも予想されるところであります。
そこで医療費の公費負担について、今後の見通しについてお尋ねしたいと思います。
◯委員長(木下敬二君)
保健医療担当部長。
◯説明者(
井口保健医療担当部長) 医療費の公費負担については、診療した月の翌々月以降となることから、オミクロン株による感染拡大に伴う医療費の請求は本年3月以降となることから、同月以降の公費負担額が増える見通しです。
◯委員長(木下敬二君) 岩井副委員長。
◯岩井泰憲副委員長 次に、感染症患者の病床確保についてお尋ねします。本県では、昨年12月、時期を逸することなく、医療提供体制の確保や感染拡大防止対策を講じていくとして、レベルの移行に係る指標を設定しました。例えばフェーズ2では、コロナ患者向けに1,299床を確保し、うち124床を重症患者用病床とするなどとしているわけです。
そこで、感染症患者の病床の確保について、今後どのように行っていくんでしょうか。
◯委員長(木下敬二君)
保健医療担当部長。
◯説明者(
井口保健医療担当部長) 現在、入院患者総数は多いものの、重症患者は過去の感染拡大時と比べても少ないことから、中等症以下の患者に対応する病床のみを拡充するフェーズ2Bという段階を設定し、1月27日から運用をしております。今後、重症患者のさらなる増加が見込まれる場合には、最大であるフェーズ3に移行した上で重症用病床の拡充を図ることとしております。
◯委員長(木下敬二君) 岩井副委員長。
◯岩井泰憲副委員長 医療提供体制に関してコロナ病床の確保が進む一方で、一部の自治体におきましては、一般の救急搬送受入れ困難事案、増加したというふうにも聞いております。
そこで、感染症患者の病床確保について、その他の患者のための病床に影響はないんでしょうか。
◯委員長(木下敬二君)
保健医療担当部長。
◯説明者(
井口保健医療担当部長) 現在、新型コロナ以外の一般の救急患者等も多いことから、一般医療とのバランスを考慮したフェーズ2Bでの病床の確保及び運用を行い、一般医療への影響が小さくなるようにしてるところです。さらに、救急患者の場合には空いている確保病床で一時的に受け入れるなどの対応も図っております。
◯委員長(木下敬二君) 岩井副委員長。
◯岩井泰憲副委員長 コロナ医療と一般医療についての病床の需給バランス、これ、日々変動してるものというふうに予想されます。その時々の状況を注視しながら、一人でも多くの患者が適切な医療を受けられるよう、病床の確保についての柔軟な運用を求めたいと思います。
さらに、コロナ感染症患者の搬送体制についてです。オミクロン株の感染拡大による患者等の増加に対して、県の患者等の搬送体制、どのように対応してるんでしょうか。
◯委員長(木下敬二君)
保健医療担当部長。
◯説明者(
井口保健医療担当部長) 県では、保健所による搬送に加えて、外部委託事業者による千葉県搬送調整センターを設置し患者等の搬送を実施しており、感染者数の増加に合わせて車両を増車しているほか、民間タクシー等も活用して全82台で対応しております。
◯委員長(木下敬二君) 岩井副委員長。
◯岩井泰憲副委員長 感染症患者を受け入れる医療機関等への緊急搬送ばかりではなく、宿泊施設や後方支援を行う医療機関などへの移動や通常搬送もなくてはならないところです。県による患者の搬送調整にしっかり万全を引き続き期してもらいたいと思います。
次に、県立高校における感染防止対策についてです。高校生は小学生や中学生と比較し、おのずから行動範囲広く、部活動などで感染リスクも高いというふうに懸念されるところでありますが、まずは県立高校における感染症防止対策について、どのように取り組んでいるんでしょうか。
◯委員長(木下敬二君) 教育長。
◯説明者(冨塚教育長) 県立高校では、毎日の健康観察、マスクの着用などの基本的な感染症対策に加えまして、特に感染リスクの高い教育活動については、実施内容を工夫したり、実施を取りやめたりするなど、感染状況に応じた対応を行っております。
◯委員長(木下敬二君) 岩井副委員長。
◯岩井泰憲副委員長 GIGAスクール構想に基づく学習用端末につきましては、昨年度中に県内のほぼ全ての小中学校に整備されまして、新型コロナの感染拡大を想定した遠隔オンライン授業の準備が進められ、大学では既に当たり前のようにリモートでの授業を行われております。小、中、そして大学、加えて多くの民間企業において、端末を利用したオンライン授業、オンラインワークの導入が進む中で、県立の学校のみが正直いまだ手つかずの状況だと思います。
そこで、県立高校では
新型コロナウイルス感染症による休校の際に端末をどのように活用するのかお伺いしたいと思います。
◯委員長(木下敬二君) 教育長。
◯説明者(冨塚教育長) 県立高校におきましても、これまでもオンライン授業や予習、復習等の課題の配信、回収等に活用してまいりましたが、来年度からは各学校で個々の生徒の所有する端末等を用いた授業の積極的な導入を予定していることから、端末を活用した学校での学習を家庭でも継続して行えるようにするなど、一層の充実を図ってまいります。
◯委員長(木下敬二君) 岩井副委員長。
◯岩井泰憲副委員長 いわゆるBYODと呼ばれるような端末の入手と言ったらいいんでしょうかね。来年度から県立高校で1人1台の端末が実施されるということではありますけれども、今、御説明あったように、生徒が個人で所有しているスマートフォンや、またタブレット、またはパソコンなどを持ち込んで利用するという、そういう形になるわけです。端末の所有状況とか、また家庭でのWi−Fiの環境、これ、個々に差があることは当然のことであって、それを念頭に来年度より実施される、いわゆるBYODによる1人1台端末、そしてオンライン授業について、経済的な理由などにより生徒が取り残されるということが決してないよう、その点についての配慮を要望したいと思います。
新型コロナ関連では最後となりますが、飲食店における感染防止対策についてお伺いしたいと思います。本県では、感染拡大に係るレベルや状況等を踏まえ飲食店の営業時間の短縮、そして人数制限を要請し、感染拡大の防止、図ってきました。
そこで、飲食店に対する要請の遵守状況について、どのように確認をしてるんでしょうか。
◯委員長(木下敬二君) 商工労働部長。
◯説明者(高橋商工労働部長) アクリル板の設置、また換気の徹底などといった基本的な感染防止対策のほか、営業時間の短縮などの遵守状況については、調査員が直接店舗に伺って確認をしているところでございます。要請が全県に及ぶ場合は、休業している店などを除きまして、営業実態のある約2万から2万5,000の飲食店について悉皆で調査を行ってございます。
◯委員長(木下敬二君) 岩井副委員長。
◯岩井泰憲副委員長 県内各地の飲食店に対して、要請の遵守状況確認を行っている。その中で、一部に要請に応じていない飲食店があるというふうにも聞いております。要請に応じていない店はどのくらいあり、そしてどのように対応しているのかお尋ねします。
◯委員長(木下敬二君) 商工労働部長。
◯説明者(高橋商工労働部長) 1月の21日から2月の13日までの
まん延防止等重点措置の期間におきましては、アクリル板の設置等の基本的な感染防止対策が不十分だった店舗が約70店、また、時短営業を遵守していなかった店舗は約180店ございました。これらの店舗に対しましては、要請に応じるよう、繰り返し丁寧に指導して改善を促しているところでございます。
◯委員長(木下敬二君) 岩井副委員長。
◯岩井泰憲副委員長 ここのところ暖かくなってまいりまして、陽気が暖かくなってくるに従って新型コロナの状況、改善していくことを本当に願い、期待してるところでありますが、新規感染者数の改善がすなわち飲食店の経営改善につながるとも思えないところであります。足が遠のいてしまった顧客に再びお店にまで足を延ばしてもらうための支援策、しっかり求められるところでありますが、そこでコロナ感染拡大からの回復局面における飲食店について、県はどのような支援、考えてるんでしょうか。
◯委員長(木下敬二君) 熊谷知事。
◯説明者(熊谷知事) 県では、今後の感染状況等を踏まえながら、まずGo To イート事業の再開により、外食の需要の喚起をしてまいります。併せて高いレベルの感染防止対策を行う認証店について、引き続き必要な設備への助成を行うほか、テイクアウトの導入など、新しい生活様式に対応する取組に対しても、専門家の助言による伴走型の支援や低利の制度融資などによって支援を行ってまいります。
◯委員長(木下敬二君) 岩井副委員長。
◯岩井泰憲副委員長 知事からの答弁いただきました。しっかり、特に飲食店、対策等、本当に疲弊してる各地のお店の飲食店の御主人、オーナーさん、本当に期待してるところありますので、その点しっかり取り組まれるようお願いしたいと思います。
次に、がん検診の精度管理についてお伺いをしてまいりたいと思います。
がんの罹患率、死亡率の減少に大きく貢献するがん検診でありますが、その効果を担保するためには、がん検診についての精度管理、極めて重要であるというふうにされております。厚労省の通知におきましても、がん検診の事業評価を行うに当たっては、いわゆるチェックリスト等により実施状況を把握するとともに、がん検診受診率や精検受診率などのプロセス指標に基づく評価を行うことが不可欠であるというふうにされております。
そこで、まずお伺いいたします。本県のプロセス指標、そしてアウトカム指標の状況、どうでしょうか。
◯委員長(木下敬二君)
保健医療担当部長。
◯説明者(
井口保健医療担当部長) プロセス指標につきましては、検診の質を保つための許容値が設定されている要精検率などの6つの指標に関し、胃がんエックス線検診など6つの検診種別ごとに算出される計36項目中、平成30年度は9項目が許容値を超えており、さらにそのうち、全国平均より値が悪いものは8項目となってございます。アウトカム指標については、人口10万人当たりの75歳未満年齢調整死亡率で見ますと、令和2年は68.2と、全国平均の69.6を下回っております。
◯委員長(木下敬二君) 岩井副委員長。
◯岩井泰憲副委員長 こうしたプロセス指標については市町村ごと、そして検診機関ごとに事業評価を行うとともに県民に広く公表すること、これ、県の役割というふうにされております。
そこで、市町村や検診機関における精度管理の調査結果の公表はどのようになってるんでしょうか。
◯委員長(木下敬二君)
保健医療担当部長。
◯説明者(
井口保健医療担当部長) 市町村については、集団検診、個別検診の双方に関して、国が示したチェックリストの遵守状況の調査結果に加え、市町村が国に提出する地域保健・健康増進事業報告に基づいて算出したプロセス指標を県ホームページで公表しております。検診機関については、集団検診に関して、国が示した検診機関用チェックリストの遵守状況の調査結果を同じく県ホームページで公表しております。
◯委員長(木下敬二君) 岩井副委員長。
◯岩井泰憲副委員長 市町村検診実施機関について、共に県のホームページにて、その状況を公表してるとのことであります。
では、公表された評価結果へのアクセス状況について教えてください。
◯委員長(木下敬二君)
保健医療担当部長。
◯説明者(
井口保健医療担当部長) 本年1月までの過去1年間のアクセス状況ですが、市町村のチェックリスト遵守状況が計2,149件、プロセス指標が計2,627件、検診機関のチェックリスト遵守状況が計682件となっております。
◯委員長(木下敬二君) 岩井副委員長。
◯岩井泰憲副委員長 今、答弁の中で市町村のチェックリスト、プロセス指標、それから検診機関のチェックリストについてのアクセス状況、1年間でという形で答弁いただきましたけども、これ、月当たりで計算すると、市町村のチェックリスト、プロセス指標については月当たりで200件、そして検診機関のチェックリストについては月当たり50件程度になるわけです。いずれもかなり少ない数字になるわけですけども、県民への公表の方法については、国のがん検診事業の評価に関する委員会にて、ホームページ等というふうに例示されてること、十分承知しております。ところが、県民のがん対策への関心を高めるためには、他の媒体から誘導するなどのさらなる工夫が必要なんじゃないでしょうか。市町村や検診機関における精度管理の調査結果を県民により広く知らしめるためのさらなる取組を要望したいと思います。
さて、話前後しますけれども、精度管理の調査の方法についてお伺いします。市町村や集団検診実施機関、個別検診実施機関に対しまして、精度管理の状況についてどのように把握をしてるんでしょうか。
◯委員長(木下敬二君)
保健医療担当部長。
◯説明者(
井口保健医療担当部長) 市町村の精度管理状況につきましては、国立がん研究センターが実施している市町村におけるチェックリストの使用に関する実態調査により、平成21年度から把握しております。検診機関の精度管理状況については、国が示した検診機関用チェックリストの遵守状況調査を、集団検診の実施機関に対しては平成27年度から、個別検診の実施機関に対しては平成29年度と令和2年度の2回に分けて、それぞれ実施しております。
◯委員長(木下敬二君) 岩井副委員長。
◯岩井泰憲副委員長 個別検診機関に対しての精度管理の調査、これ、対象機関が多くて、全国的にも例が少ない中で本県では先進的に取り組んでるということを聞いております。その点については本当に関係者による取組、敬意を申し上げたいと思います。
ただ、その一方で、平成29年の今申し上げられた1回目の調査では、回答が実態と異なる機関があったとか、または調査用紙の配付の際に漏れがあり、必要な項目を調査できない機関があったなどの課題が生じたというふうにも聞いております。
それを受け、令和2年度に実施した個別検診機関への2回目の調査方法について、どのようなものだったか、お尋ねしたいと思います。
◯委員長(木下敬二君)
保健医療担当部長。
◯説明者(
井口保健医療担当部長) 令和2年度の調査では、前回調査において、ファクス等により提出を求めたことにより集計に時間を要したなどの課題があったことを踏まえ、電子申請システムを通じた回答を可能にすることで記入漏れの防止や集計作業の省力化に取り組んだところでございます。
◯委員長(木下敬二君) 岩井副委員長。
◯岩井泰憲副委員長 がん検診関連では最後となりますけれども、市町村や検診機関への助言、指導を効果的なものとするために今後どのように行っていくのでしょうか。
◯委員長(木下敬二君)
保健医療担当部長。
◯説明者(
井口保健医療担当部長) 本年2月に開催されたがん対策審議会予防・早期発見部会における議論を踏まえ、今後はチェックリストやプロセス指標の項目の中から、県として、特に重視し、優先的に取り組む必要があるものを抽出し、当該項目に関する評価を市町村等へ個別に通知するとともに、評価が低い場合にはその原因を分析し、改善策の報告を求めることを予定しております。
◯委員長(木下敬二君) 岩井副委員長。
◯岩井泰憲副委員長 そもそも県は各市町村及び各検診実施機関の事業評価を行って、市町村ごと、検診実施機関ごとにばらつきがないかを検証し、そして大きなばらつきがあった場合には、その問題の所在を究明することとなっております。また、精度管理上の問題がもし認められる検診実施機関があった場合には、検診機関として認めないなどの措置を講じてでも、がん検診の精度を維持する県には責務があるわけです。今後、県のがん対策審議会予防・早期発見部会が、答弁にあったように、市町村や検診機関に対して直接の通知を行うとの方針が決定されたことは、これは市町村等への助言、指導がより実質的に機能するものであると評価したいと思いますし、期待したいと思います。がん罹患率や死亡率をより改善していくため、県による精度管理をはじめとするがん対策の強化が図られるよう要望したいと思います。
次に、国保事業費納付金と国民健康保険料の課題についてお伺いしてまいりたいと思います。75歳未満の自営業者、農業従事者や非正規労働者などが加入する市町村国保、いわゆる国民健康保険は、その年齢構成や財政基盤に構造的な課題を抱えています。市町村国保における高齢者、65歳から74歳の割合は43%、1人当たりの医療費は36万8,000円と、協会けんぽや組合健保など、他の公的医療機関保険と比べて突出して高い数値となっております。
そこで、まずは令和4年度の県内市町村の標準保険料についてお伺いしたいと思います。
◯委員長(木下敬二君) 健康福祉部長。
◯説明者(加瀬健康福祉部長) 令和4年度の標準保険料は、県平均1人当たり11万4,579円となっており、令和3年度と比べ2,843円、2.5%の増となっております。
◯委員長(木下敬二君) 岩井副委員長。
◯岩井泰憲副委員長 標準保険料、1人当たり11万4,000円余りということで、前年比2.5%増ということでした。
併せて令和4年度の国保事業費納付金の状況について、どのような傾向にあるのかお尋ねしたいと思います。
◯委員長(木下敬二君) 健康福祉部長。
◯説明者(加瀬健康福祉部長) 令和4年度当初予算におきまして、市町村から県に納められる国保事業費納付金につきましては、1,671億円を計上しており、令和3年度当初予算と比べまして26億円、1.6%の増となっております。国保事業費納付金は医療費の状況を基に決定するものでございますが、県が国保財政の運営主体となった初年度である平成30年度の1,713億円と比べますと、被保険者数の減少に伴って医療費総額が減少していることなどから42億円、2.5%の減となっております。
◯委員長(木下敬二君) 岩井副委員長。
◯岩井泰憲副委員長 令和3年度の当初予算と比べると26億円増、1,671億円で、これは平成30年度と比べると、本当に被保険者数の減少で42億円も減ってるということは、これ、本県の、千葉県の超高齢化、進んでることの表れでもあるかなと思います。標準保険料は年々上昇の一途をたどっておりますが、標準保険料が上昇している要因についてお尋ねします。
◯委員長(木下敬二君) 健康福祉部長。
◯説明者(加瀬健康福祉部長) 標準保険料の主な上昇要因といたしましては、被保険者の高齢化の進展、医療の高度化、高額薬剤の普及等に伴いまして、1人当たり医療費が上昇していることが挙げられます。
◯委員長(木下敬二君) 岩井副委員長。
◯岩井泰憲副委員長 標準保険料の上昇要因として、医療の高度化、そして高額薬剤の普及などによる医療費の上昇、挙げられるわけでありますが、1人当たりの医療費、どのような傾向にあるのかお尋ねしたいと思います。
◯委員長(木下敬二君) 健康福祉部長。
◯説明者(加瀬健康福祉部長) 平成23年度から令和2年度までの10年間では、令和元年度までは年平均3%程度の増加で推移してまいりましたが、令和2年度は
新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う受診控えなどの影響によりまして、令和元年度と比べ2.5%の減となりました。令和3年度は再び増加傾向となっており、12月までの実績では、前年度同期との比較で7.8%の増と大幅な増加となっており、
新型コロナウイルス感染症の感染拡大前の令和元年度と比べますと、2年間で5.9%、平均いたしますと年約3%の増となっております。
◯委員長(木下敬二君) 岩井副委員長。
◯岩井泰憲副委員長
新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う受診控え、本当に、それによって令和2年度2.5%減。その一方で、それ以外では、これまで年平均、ずっと3%の割合で増加してきております。特に令和3年度、昨年度──今年度と言ったらいいでしょうかね──は12月までの実績で8%近い、本当に大幅な増加であって、保険者として極めて憂慮すべき状況と認識すべきかと思います。
そこで、国民健康保険料のこの上昇を防ぐためにどのような対策を講じていくのでしょうか。
◯委員長(木下敬二君) 健康福祉部長。
◯説明者(加瀬健康福祉部長) 保険料の上昇を抑制するためには医療費の適正化を図ることが重要であることから、県では共同保険者である市町村と連携いたしまして、生活習慣病の発生予防や重症化の予防、後発医薬品の利用促進などによる医療費の適正化に取り組んでおり、引き続きこれらの取組を進めてまいります。
◯委員長(木下敬二君) 岩井副委員長。
◯岩井泰憲副委員長 標準保険料の額については、先般算定がされて通知もなされているわけですけれども、うちの地元の印旛郡栄町が標準保険料に関して、昨年度に比べて前年度比、本県の中で一番低減がされたわけですね。もちろん、いろんな要因があったと思いますけども、栄町も本当に、そういった保険料を下げるための、また医療費を低減させるための努力されております。本当に全県での取組、しっかりしていただきたいと思います。
次に、県と市町村間における土地の貸借についてお伺いをしていきたいと思います。
県が市町村の土地を借りる場合、有償となるか、また無償となるかは、貸す側の市町村のルールなどによって判断されていたりするわけでありますが、特に学校や交番など、地元の働きかけによって、それに応じて県が施設をつくる場合には使用料が減免されるケースが多いというふうに聞いております。とはいえ、特に財政規模が小さい市町村、自治体におきましては、仮に有償での貸出しであれば貴重な安定的な財源となるわけです。
一方で、県が市町村に土地を逆に貸し出してるというケースもあり、こちらについても特に公用や、また公共用で使用する場合、使用料が減免されているとのことであります。お互いに適地がなかったとはいえ、同じ地方公共団体同士が土地を貸し借りしているこの状態は生産的でないというふうに考えるところです。
そこでまずは、県と市町村間の土地の貸借状況、どのようになってるでしょうか。
◯委員長(木下敬二君) 総務部長。
◯説明者(石川総務部長) 令和3年4月1日時点で、県が市町から借りている土地は約37万平方メートルで、このうち無償借受けが約28万5,000平方メートル、有償借受けが約8万5,000平方メートルとなっております。一方、県有地を市町に貸し付けている土地は約34万8,000平方メートルで、このうち無償貸付けが約32万2,000平方メートル、有償貸付けが約2万6,000平方メートルとなっております。
◯委員長(木下敬二君) 岩井副委員長。
◯岩井泰憲副委員長 県では、平成20年度の行政監査で、市町等への無償の貸付けについては、有償貸付けを視野に貸付内容や貸付条件の見直しを行う必要があるとの報告がなされており、契約更新の際には有償化への打診なども行っているというふうにも聞いております。他方、公平性の観点から、県が無償で借りている土地についても有償化に向けて努力をすることが必要であるというふうに考えます。
そこで無償貸付け、無償借受けの解消に向けて、今後どのような対策を講じていくんでしょうか。
◯委員長(木下敬二君) 総務部長。
◯説明者(石川総務部長) 平成20年度の行政監査を踏まえ、これまで県では、市町への無償貸付けの解消を図るための協議などを行ってまいりましたが、具体的な進展がないのが現状です。こうした中、市の空き校舎を県の事業のために活用するに当たり、現在、県が市に無償で貸している県有地と交換しようとする動きも出てきております。今後、こうした手法も活用しながら、市町との間の無償貸付け、無償借受けの土地の解消に努めてまいりたいと考えております。
◯委員長(木下敬二君) 岩井副委員長。
◯岩井泰憲副委員長 これまで無償で借りていた土地を有償化することについては、昨今の厳しい財政状況を踏まえると多少の抵抗、本当にあることは理解できるところであります。しかし、土地の所有者と使用者が異なるということは、事務負担の面のみならず、財政管理上の複雑な関係が生じるものであります。お互いに借りている土地を交換するなどの方法も取り入れながら、本当に少しでも県と市町との貸借関係、この整理につなげるよう要望したいと思います。
うちの印旛郡栄町になりますけれども、栄特別支援学校開校になった際も、もともと栄東中学校という、中学校の跡地を貸し出してるわけですけれども、これも例に漏れず、無償で県に対して貸し出ししてる状況なんです。先ほど財政規模が小さな自治体というふうに言いましたけども、特に町なんか、また村なんかもそうだと思いますけども、少しでも収入が県からでも安定的に入れば、それにこしたことはない、わらにもすがるような思いだと思いますので、しっかりその点、対応をお願いしたいと思います。
では、最後に交通安全施設の整備についてお尋ねをしてまいりたいと思います。
昨年6月に本県八街市内にて、飲酒運転中のトラックが下校途中の子供たち、児童の列に突っ込んで5人が死傷したその事故については、いまだに記憶に新しいところであります。当該の事故が発生する以前より、通学路や通園路、また園児が日常的に利用する経路などについての安全対策を求める声は本当に多くて、自身も保護者などの関係者から要望を受け、信号機をはじめとする交通安全施設の整備についての働きかけ、行ってまいりました。4年度の予算案では、歩道整備、交差点改良などに66億円余り、信号機新設や改良、標識等の整備等に35億円余りなど、いずれも前年度と比較し大幅な増となっております。
そこで、交通安全施設整備事業に係る費用増について、その背景はどうなってるんでしょうか。
◯委員長(木下敬二君) 警察本部長。
◯説明者(田中警察本部長) 信号機や標識、標示等の交通安全施設は、これまで長きにわたり整備を重ねてまいりました結果、交通事故の減少や交通の円滑化に大きく寄与した反面、これらのストックも増大し続けましたため、近年は経年による更新や改良に要する経費、維持管理に係る経費も年々増やさざるを得ない状況となっております。
◯委員長(木下敬二君) 岩井副委員長。
◯岩井泰憲副委員長 信号機などの交通安全施設のストック数、その増加に伴う維持管理費用がかさんできてるとの答弁であるわけですが、将来を見通せば、やはり何らかの合理化を求められるところであります。
そこで交通安全施設のストック数が増える中で、その維持管理費用をどのように抑えていくんでしょうか。
◯委員長(木下敬二君) 警察本部長。
◯説明者(田中警察本部長) 県警では、今後も必要性、緊急性の高いものは引き続き整備を進める一方で、令和2年度に開催いたしました有識者会議における取りまとめ結果を踏まえ、既存施設の必要性の検証に基づくスクラップ・アンド・ビルド、環状交差点や2段階横断歩道など、信号機だけに頼らない新たな制御手法の積極的導入、交通安全教育やゼブラ・ストップ等、交通安全意識の高揚による信号機等を設置しなくてもよい可能性の拡大などにより、交通の安全と円滑を引き続き確保しながら交通安全施設のストックの適正化を図ってまいります。
◯委員長(木下敬二君) 岩井副委員長。
◯岩井泰憲副委員長 では、交通安全施設のうち、特に横断歩道についてお尋ねしたいと思います。横断歩道は歩行者優先であり、車両運転者には横断歩道手前での減速義務、また停止義務があるわけでありますが、その義務を履行させるためには横断歩道の適切な管理、これはなくてはならないところです。平成30年度に実施した横断歩道の総点検、本県で行いましたけども、県内2万2,000か所のうち、磨耗などにより著しく見えにくくなっているとして要補修とされた横断歩道、計3,500か所あり、次年度までに補修を完了させたとは聞いております。
そこで横断歩道の補修に関し、近年の予算額と補修箇所数、どうでしょうか。
◯委員長(木下敬二君) 警察本部長。
◯説明者(田中警察本部長) 県警では、平成30年の一斉点検以降、通学児童等の安全確保に資する横断歩道の適正な維持管理に努めておりますところ、直近2年間の横断歩道を含む標示全体の予算額と横断歩道の補修箇所数を申し上げますと、令和2年度は約3億6,000万円で約2,500か所、令和3年度は見込みでございますけれども、補正を含め約4億4,000万円で約2,800か所となっております。
◯委員長(木下敬二君) 岩井副委員長。
◯岩井泰憲副委員長 最後に、横断歩道についてどのように管理していくのか、お尋ねしたいと思います。
◯委員長(木下敬二君) 警察本部長。
◯説明者(田中警察本部長) 県警といたしましては、警察官による点検や地域の皆様からのお声等により磨耗状況を把握し、引き続き横断歩道の適正な維持、補修に努めてまいります。併せて利用実態等の把握に努め、必要性が低下した箇所につきましては、廃止またはほかの場所への移設、集約を進めるなど、他の交通安全施設同様、スクラップ・アンド・ビルドを進めていく方針です。
◯委員長(木下敬二君) 岩井副委員長。
◯岩井泰憲副委員長 県内では、住宅街の廃墟化が進んだり、公立学校を統廃合されたりするなど、必要性が低下した交通安全施設、散見されます。地域住民から理解を得ること、大前提でありますが、施設の移転、集約といった合理化も行い、真に必要な場所での施設設置を進めてもらいたいと思います。
質議内容は以上となります。
ところで、一昨日のことでありますが、自民党、鍼灸あんまマッサージ議連の会合が開かれまして、議連の一員として同連盟から要望を伺いました。国家資格外施術による健康被害の防止や、あはき師への
新型コロナウイルスワクチンの優先接種などの要望、いずれも切実な課題であり、私自身もマッサージをなりわいとする家庭で育てられた者の1人として、身につまされるような思いで耳を傾けました。
本当に鍼灸あんまマッサージ、無資格で行うリラクゼーションマッサージなどのチェーン店や類似業態に仕事を奪われる格好となっており、業界として資金力や影響力があるとは言えないところです。しかし、県として、そうした鍼灸あんまマッサージ師を、また、そうした小さな業界であったとしても、取り残してはならないと思います。県政全般においても、都市部、農村部も、雇用者も非雇用者も、そして高齢者も若者も誰一人取り残さない、そんな政治の実現を求め、私からの質疑を終了いたします。ありがとうございました。
◯委員長(木下敬二君) 暫時休憩いたします。
午後0時4分休憩
─────────────────────────────
午後1時0分再開
◯副委員長(小池正昭君) ただいまより委員会を再開いたします。
休憩前に引き続き質疑を行います。
引き続き自民党の質疑を行います。
質疑者は質疑者席までお願いいたします。
通告に従い発言願います。
鈴木衛委員。
◯鈴木 衛委員 自民党、市川市選出、鈴木衛でございます。今回、予算委員会の総括質疑の機会をいただきまして、心から感謝を申し上げる次第であります。
さて、質問に入ります前に一言申し上げます。
今年1月、変異株、オミクロン株の感染拡大を受け、
まん延防止等重点措置の延長により景気はさらに下押しされ、今回の延長と、追加により飲食や宿泊といった個人消費が落ち込み、約9,400億円の経済損失が新たに発生すると発表、報道されました。重点措置が適用された1月以降では約2.7兆円となるようであります。また、年間の名目国内総生産0.5%に相当し、失業者は10万6,000人増となるとしております。過去の緊急事態宣言の発令時と比較すると、変異株、デルタ株が猛威を振るった昨年7月中旬から9月、約5.7兆円の半分近くに達し、さらに延長となれば、1月から3月期の実質GDPがマイナス成長に陥る可能性もあると見られております。
また、ウクライナ危機による日本経済への影響で国民生活の負担も懸念されます。ウクライナにおきましては、一日も早い平和が戻りますように願っているわけであります。
さて、熊谷知事は令和4年2月定例議会知事挨拶で、令和4年度予算は県民の命と暮らしを守ることを優先とし、引き続き
新型コロナウイルス感染症対策に万全を期すとともに、防災対策や交通安全対策を加速するとし、新たな総合計画に掲げた施策を推進するため、県内経済の活性化や農林水産の振興、道路ネットワークなどの社会資本の整備促進、子育て教育施策の充実、文化・スポーツ振興など幅広い分野にわたり、豊かな県民生活に向けた事業を計上したと言及されました。
知事の言う農林水産の振興の分野から見ると、台湾による輸入規制の緩和というニュースに注目をいたしました。2011年の東京電力福島原子力発電所の事故以来、台湾は福島、茨城、千葉、栃木、群馬の5県産食品の輸入禁止措置を2月下旬にも解禁すると発表されました。2018年に行った住民投票では解禁が認められませんでしたが、蔡政権が輸入再開を決断したことを歓迎しているところであります。
日本政府は農林水産物、食品の輸出額を2030年までに5兆円に増やすことを目指していると聞いております。台湾は、国、地域別の輸出額で4位、禁輸の解除を輸出拡大につなげたいと報道されました。私は台湾の輸入禁止の間、日華親善協会、市川市農協のメンバーとともに県産品の輸入規制解除を求め、数年にわたり訪台いたしました。千葉県は農業県として、今回の再開はまさに農業振興の推進に大いに寄与するものと期待をしているところであります。この好機を捉えて輸出拡大に取り組むためにも、知事によるトップセールスの再開をお願いしたいと思います。
それでは、通告に従いまして質疑をさせていただきます。
初めに、押切橋について伺います。
押切橋は東京都江戸川区と市川市の押切地区及び湊地区を結ぶ、地域住民が心から待ち望んでいます橋梁であることから、私はこれまでの本会議におきまして、数回にわたり県当局に質問させていただきました。私の地元市川市を含む葛南地域と東京都を結ぶ都県境周辺では、江戸川及び旧江戸川に架かる限られた橋梁に交通が集中することから慢性的に交通渋滞が発生しております。江戸川、旧江戸川の都県境区間では、市川橋から今井橋までの間、約8キロメートルにわたり一般道路の橋梁がない状況であり、首都圏の人口集中地域における直轄河川において、橋梁間隔が最長区間というふうになっております。また、(仮称)押切橋は、平常時における隣接都県境との交流、連携の強化や交通混雑の緩和だけではなく、災害時における有効な橋梁として重要視されております。
近年の千葉県から都内への通勤・通学者数は約71万人、うち市川市、浦安市から都内へは約15万人と言われております。こうした人々が東京都側から千葉県の自宅へ向かう帰宅困難者となり、都県境に限られた橋梁に集中し混雑が生じることは、東日本大震災発生時において既に経験しているところであります。このような(仮称)押切橋の重要性や早期整備の必要性について、本年1月に私から国土交通省や財務省に御理解いただけるように訴えてきたところであります。
一方、この(仮称)押切橋は、人口が密集する市街地において、都県境の旧江戸川を渡河する橋梁であることから、事業の実施に当たっては東京都と連携し、多くの課題を乗り越えていくことも必要だと考えております。
そこで伺います。令和3年9月定例会の一般質問において、東京都との基本協定について、年内の締結を目指すとの答弁であったが、その後の状況はどうか。
◯副委員長(小池正昭君) 県土整備部長。
◯説明者(池口県土整備部長) (仮称)押切橋は、都県境である旧江戸川を渡河する新たな橋梁であることから、共同事業者となる東京都と協議を進めてきているところです。都との役割分担や費用負担等に関する基本的事項を定めた基本協定については、昨年12月16日に締結したところです。
◯副委員長(小池正昭君) 鈴木委員。
◯鈴木 衛委員 昨年内に基本協定を締結し、役割分担や費用負担を決められたということでありますので、具体的内容を伺いたいと思います。基本協定の具体的な内容はどのようなものか。
◯副委員長(小池正昭君) 県土整備部長。
◯説明者(池口県土整備部長) 基本協定では、旧江戸川渡河部を県と東京都との共同事業の範囲とするとともに、東京都が施行主体となること及び費用については、県と都で2分の1ずつ負担することなどについて定めています。
◯副委員長(小池正昭君) 鈴木委員。
◯鈴木 衛委員 (仮称)押切橋に係る路線認定の議案が本会議に提出されており、去る2月4日には都市計画変更の手続が完了し、基本協定も締結され、事業着手に向けた準備が着々と進められてきたと考えております。
そこで伺います。今後のスケジュールはどうか。
◯副委員長(小池正昭君) 県土整備部長。
◯説明者(池口県土整備部長) 県では(仮称)押切橋の事業化に向けて、去る2月7日に県土整備部公共事業評価審議会に諮り、現在、事業着手に対するパブリックコメントを実施しています。引き続き東京都と連携しながら、令和4年度の補助事業としての新規事業化を目指し、早期整備に取り組んでまいります。
◯副委員長(小池正昭君) 鈴木委員。
◯鈴木 衛委員 県当局には、早期整備に向けて力強く事業を推進していただきたいと思います。
最後に1点要望させていただきます。この(仮称)押切橋は、市川市の押切地区と湊地区の両地区と江戸川区を結ぶ橋梁です。そのため、(仮称)押切橋は押切地区だけではなく、湊地区にも大きな影響を与えることから、事業を円滑に進めていくためにも、今後は地元の方々の意を酌んでいただき、(仮称)押切・湊橋と呼んでいただくよう要望いたします。
次に、私立学校等に係る補助金について伺います。
令和3年5月現在、本県高校生の約3割に当たる約4万7,000人もの生徒たちが私立高校に通っております。また、幼稚園についても、幼稚園児の約9割に当たる約6万3,000人もの園児が私立幼稚園に通園しております。本県において、私立学校は言うまでもなく、公教育の一翼を担っており、将来を担う子供たちになくてはならないものであります。そして、その教育環境の整備は国や県の責務であり、我々県議会議員にとっても大変重要な使命であります。
私は、これまでも私立学校の経常費補助について何度も質問させていただいております。皆さんも御承知のことかと思いますが、平成20年までには、私立高校経常費の生徒1人当たりの補助単価については全国平均を下回っている状況でありました。幼稚園も同様であります。その後、知事が替わり、平成21年度以降は県単独の補助単価を毎年度引き上げていただいております。そして、熊谷知事就任後の令和3年6月補正予算においても、高校、幼稚園とともに単価を2,000円引き上げているところであります。
そこで伺います。令和3年度予算における私立の高等学校、幼稚園の経常費補助単価について、全国平均との比較及び全国順位はどうか。
◯副委員長(小池正昭君) 総務部長。
◯説明者(石川総務部長) 令和3年度の私立学校経常費補助金の単価は、高校は生徒1人当たりの国の標準単価34万4,829円に県単独で2万6,500円を上乗せした結果、37万1,329円となり、全国平均額を1万2,975円上回って順位は第9位であり、昨年度の11位から上昇しました。また、幼稚園は園児1人当たりの国の標準単価19万2,578円に県単独で1万3,100円を上乗せした結果、20万5,678円となり、全国平均額を7,079円上回って順位は第9位であり、昨年度の12位から上昇しました。
◯副委員長(小池正昭君) 鈴木委員。
◯鈴木 衛委員 平成20年度は全国平均をかなり下回っており、全国順位も高等学校で44位、幼稚園で36位でありましたけれども、今や全国順位で10位以内になったとのことで大いに評価できるものであります。この経常費補助については、私立学校の経営安定化を図るとともに学校の授業料などを抑える効果もあり、結果として保護者の経済的負担の軽減にもつながるものであると考えております。
そこで伺います。千葉県と近隣の東京都、埼玉県、茨城県、神奈川県の私立高等学校における授業料などの初年度納付金の平均額はどうなっているのか。
◯副委員長(小池正昭君) 総務部長。
◯説明者(石川総務部長) 令和3年度の初年度納付金の平均額は、東京都は93万3,625円、埼玉県は81万6,738円、茨城県は82万3,025円、神奈川県は94万4,290円のところ、千葉県は73万3,268円と、近隣都県と比較して一番低い額に抑えられております。
◯副委員長(小池正昭君) 鈴木委員。
◯鈴木 衛委員 千葉県の私立高校の授業料も含めた初年度納付金は、近隣都県と比べても一番低く抑えられており、保護者負担の軽減についても一定の効果が図られているものと思い、安心をいたしました。
なお、令和4年度予算案においても、経常費補助の単価を高校、幼稚園とともに引き上げるなど、拡充を図られたと聞いております。
そこで伺います。令和4年度予算案における私学助成の考え方はどうか。
◯副委員長(小池正昭君) 熊谷知事。
◯説明者(熊谷知事) 私立学校経常費補助金は、私立学校の経営の安定化や教育環境の維持向上、保護者の経済的負担の軽減など重要な役割を担っていることから、令和4年度予算では、県単独の上乗せ補助について、高校、幼稚園とも、さらに1,000円増額をし、高校では1人2万7,500円、幼稚園は1人1万4,100円を計上いたしました。このほか、私立学校におけるICT教育環境の一層の向上に資するため、1人1台パソコン等の整備に対する国の助成制度に新たに県独自の上乗せを行うことにするなど、私学助成のさらなる充実を図ったところであり、今後とも本県の次代を担う子供たちが安心して学べる環境整備に努めてまいります。
◯副委員長(小池正昭君) 鈴木委員。
◯鈴木 衛委員 今後も期待を持てる答弁をいただきまして、ありがとうございました。県としては厳しい財政状況でありましょうが、今後とも私学教育の発展のため、また将来、様々な分野で活躍する可能性を秘めた子供たちが安心して学べる環境を整備するため、私自身、自民党の私学振興議員連盟の一員として、私学助成予算の十分な確保をお願いしたい、強く要望いたします。
次に、自転車の保険加入についてお伺いいたします。
昨年の12月議会において、千葉県自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例、いわゆる自転車条例が改正され、自転車保険の加入が義務化されるとともに、自転車小売業者が購入者に対し、保険加入状況を確認するなどの努力義務が課せられることとなりました。この自転車条例は我々自民党が中心となり、議員発議により平成28年に制定いたしましたが、当時、私は自民党のプロジェクトチームのリーダーとして、条例案について様々な角度から検討を行いました。当時は自転車事故の被害者への確実な救済のため、特に保険加入の義務化についても議論を重ねましたが、条例制定時は保険加入を努力義務にとどめ、加入促進をしっかりと進めていく一方、条例施行後3年を目途として条例の施行状況について検討し、必要に応じて条例改正を含めた措置を講じる旨の規定を設けております。今回の条例改正は時宜にかなう対応であると考えております。
そこでお伺いいたします。条例改正により、自転車の保険加入を義務化した狙いは何か。
◯副委員長(小池正昭君) 熊谷知事。
◯説明者(熊谷知事) 国は第2次自転車活用推進計画において、令和7年度までの保険加入率の目標を75%と定めておりますが、県が令和2年度に実施をしたインターネットアンケート調査では、本県における保険加入率は60.5%にとどまっております。自転車は子供から高齢者まで使用する手軽な乗り物であるだけに、誰もが事故の加害者にも被害者にもなる可能性があり、事故によって甚大な被害や高額の賠償責任が生じることになった場合に備え、加害者の負担軽減と被害者の救済を図るため、全ての自転車利用者に保険の加入を義務化したところであります。
◯副委員長(小池正昭君) 鈴木委員。
◯鈴木 衛委員 保険加入の義務化を広く県民に浸透させ、保険に未加入の自転車利用者が速やかに保険に加入してもらうためには周知、啓発は大変重要であります。
そこで伺います。自転車の保険加入促進のため、県はどのように周知、啓発をしていくのか。
◯副委員長(小池正昭君) 環境生活部長。
◯説明者(吉野環境生活部長) 県では、ホームページに保険加入に関するQ&A、保険の種類や取扱事業者の一覧表、自身の加入状況を確認するためのチェックシートなどを掲載するとともに、市町村等にチラシやポスターを配布して周知、啓発を行います。また、自転車の小売業者への個別訪問なども行い、小売業者から購入者に対し、加入義務化に関する情報提供や加入状況の確認を適切に行っていただくよう周知に努めてまいります。
◯副委員長(小池正昭君) 鈴木委員。
◯鈴木 衛委員 保険加入の義務化に当たっては、県民に過度な負担をかけることなく加入促進を図るため、保険について正しく理解し、それぞれの生活状況に合った保険に加入してもらう必要があります。そのためには、保険について年齢を問わず、誰もが分かりやすい広報を行っていくことが大変重要であります。
そこで伺います。特に高齢者や子供たちには保険に加入しているか分からないケースが多いと思うが、県の対応はどうか。
◯副委員長(小池正昭君) 環境生活部長。
◯説明者(吉野環境生活部長) 自転車保険には、自動車保険や火災保険の特約として加入できるものや、自転車の点検整備に付帯して自転車そのものに保険が掛けられるものなどがあり、また対象者も契約者のみのものや家族を含むものなど、様々です。
そこで県では、来年度、高齢者を対象に、自転車保険の加入状況に関するチェック方法や保険の種類等についての説明を行う出前講座を開催することとしています。また、県内全ての小学校、中学校、高等学校に保険の加入状況を確認するためのチラシ等を送付し、子供や保護者への周知と加入促進を図ってまいります。
◯副委員長(小池正昭君) 鈴木委員。
◯鈴木 衛委員 本年7月1日の保険加入義務化の施行に向けて、県には保険加入に関する周知、啓発を丁寧に行っていただき、保険未加入者を一人でも多く減らし、残念ながら自転車事故が発生してしまった場合においても被害者の救済が確実に行われるよう、しっかり取り組んでいただくよう要望いたします。
次に、県内の指定避難所についてお伺いいたします。
先日の新聞報道によりますと、災害の危険に伴い避難をしてきた方々が一定期間滞在する施設である指定避難所の立地状況について、国が調査を行った結果、令和2年10月1日時点で、全国の指定避難所約7万9,000か所のうち約3割が風水害による浸水想定区域に立地しており、千葉県内の指定避難所についても約2割が浸水想定区域に立地してるという報道がありました。
指定避難所は、市町村が地域の居住者の状況や物理的状況などを踏まえ、公民館や学校の体育館など、交通の便がよい場所にある公共施設を指定することが多く、風水害による浸水等の避難に適した高台には少ないことなどが理由として考えられますが、過去の災害では、河川の氾濫などにより避難所が浸水した事例などもありました。こうしたことから、県においても、県内の指定避難場所の立地状況の実態を踏まえ安全、確実な対策を徹底するなど、災害時に指定避難所が適切に開設、運用されるよう、市町村と連携して取り組んでいく必要があると考えております。
そこで伺います。風水害による浸水想定区域内に設置している県内の指定避難所の状況はどうか。
◯副委員長(小池正昭君) 防災危機管理部長。
◯説明者(生稲防災危機管理部長) 国が実施した指定避難所の立地状況に関する調査では、令和2年10月1日現在、県内の指定避難所2,034か所のうち、洪水など浸水が想定される区域内にある避難所は443か所であり、全避難所に対する割合は21.8%となっております。
◯副委員長(小池正昭君) 鈴木委員。
◯鈴木 衛委員 指定避難所の基準の1つとして想定される災害による影響が比較的少ない場所にあるものとされており、浸水想定区域など、災害が発生するおそれがある区域内に立地している施設はできるだけ下げて指定することや、平時からの準備など、対策が求められております。
そこで伺います。指定避難所については、県は市町村に対し、どのような支援を行っているのか。
◯副委員長(小池正昭君) 防災危機管理部長。
◯説明者(生稲防災危機管理部長) 県では市町村に対し、想定される浸水水位以上の階に避難スペースを開設することや、可能な限り近隣の地区等で代替となる避難所を民間施設も含めて確保するよう働きかけています。また、新たな避難所の開設や運用に伴い必要となる資機材や、自家発電機や防災用井戸の整備など、市町村が実施する避難所の環境整備に要する経費に対しまして、県の地域防災力向上総合支援補助金によりまして支援を行ってるところでございます。
◯副委員長(小池正昭君) 鈴木委員。
◯鈴木 衛委員 浸水想定区域内など、災害が発生するおそれがある区域内に立地している指定避難場所については、代替施設の確保や想定される水位以上の階に設置するなど、できるだけ早く安全な場所に設置できるよう、市町村とも連携しながら取り組んでいただくよう要望をいたします。
次に、米の新品種、粒すけについて伺います。
千葉県が開発した米の新品種、粒すけは、大粒で程よい粘りと弾力があり、コシヒカリと同等以上の良食味であると伺っております。自分も粒すけの新米が出ると、すぐに地元の農協を通じて購入し、実際に食べてみて粒の大きさが感じられ、ふっくらつややかで、とてもおいしいお米でありました。米の消費低迷、米価の低迷が大きな話題になっておりますが、自分としては、この粒すけを他県のブランド米にも負けない千葉の米として、もっと多くの人に食べていただきたいと考えております。そのためには、生産、消費の両面からしっかりと取り組んでいくことが必要であると考えます。粒すけはデビュー2年目を迎え、店頭でもよく見かけるようになりました。県内ではコシヒカリやふさおとめなど、様々な品種が栽培されてると思いますが、現在、粒すけの作付はどの程度になっているか、気になるところであります。
そこで伺います。本県の令和3年産米における粒すけの作付比率はどうか。
◯副委員長(小池正昭君) 農林水産部長。
◯説明者(舘野農林水産部長) 水稲品種の作付比率を種子の配布実績から算出いたしますと、令和3年産の粒すけは全体の3.4%となっております。
◯副委員長(小池正昭君) 鈴木委員。
◯鈴木 衛委員 粒すけの作付は全体の3.4%ということで、まだまだ少ない状況にあることが分かりました。生産者からは、倒れにくいなど、コシヒカリに比べて栽培しやすい上に収量も多いことから、粒すけを増やしたいという声も聞かれております。粒すけの作付はまだまだ伸びる余地があると思います。昨年6月の予算委員会では、粒すけの栽培面積は、令和2年産が約500ヘクタール、令和3年産は約1,200ヘクタールと答弁があったと記憶しております。
そこで伺います。令和4年産米の粒すけの栽培面積の見込みはどうか。
◯副委員長(小池正昭君) 農林水産部長。
◯説明者(舘野農林水産部長) 令和4年の水稲の種子注文量から推計いたしますと、約1,400ヘクタールと見込んでおります。
◯副委員長(小池正昭君) 鈴木委員。
◯鈴木 衛委員 令和4年産の粒すけは、昨年よりは栽培面積が増える見込みということが分かりました。粒すけは生産者にとってもメリットの多い品種だと思いますので、さらなる生産拡大に取り組んでいただくよう要望いたします。
次に、販売面であります。増産のためには、粒すけを多くの人に知っていただき、購入していただかなければなりませんので、実際に食べていただいている消費者の評価も重要かと思います。
そこで伺います。デビュー2年目の粒すけの消費者の評価はどうか。
◯副委員長(小池正昭君) 農林水産部長。
◯説明者(舘野農林水産部長) 昨年10月、11月に実施いたしました飲食店キャンペーンにおいて、粒すけを使ったメニューを注文した消費者の皆様に粒すけの感想を聞いたところ、94%がおいしい、93%がまた食べてみたいという回答でした。
◯副委員長(小池正昭君) 鈴木委員。
◯鈴木 衛委員 6月の予算委員会でも、デビュー1年目の粒すけは、飲食店や消費者から高い評価を得てる旨の答弁があり、デビュー2年目も消費者から評価をいただいてるところであります。このおいしい粒すけをより多くの皆様に食べていただきたいと考えております。デビュー3年目もしっかりとPRに努め、取り組むことが重要だというふうに思います。
そこで伺います。来年度は粒すけのPRをどのように実施していくのか。
◯副委員長(小池正昭君) 農林水産部長。
◯説明者(舘野農林水産部長) デビュー3年目も引き続き県内のファミリー層を主なターゲットとし、ウェブ、SNS、ラジオ、テレビ、交通広告等、様々な広報媒体を活用した効果的な情報発信により、粒すけのさらなる認知度向上に努めてまいります。これらに加えまして、来年度は米の卸売業者の協力の下、粒すけの特徴や消費者の評価などを伝えながら、量販店における取扱量の拡大やコンビニエンスストアにおけるおにぎりやお弁当での活用を働きかけてまいります。
◯副委員長(小池正昭君) 鈴木委員。
◯鈴木 衛委員 新聞報道によりますと、6月下旬に予定されている台湾最大の食品見本市への粒すけや県産品の出品を考えていただきたいというふうに思います。その際、市川のブランド梨も併せてお願いしたいというふうに思います。
私も粒すけを応援しておりますので、他県のお米に負けないよう、引き続き粒すけのPRに取り組んでいただきますよう要望いたします。
最後に、有害鳥獣対策についてお伺いいたします。
この問題につきましては、県南部の議員の方がよく御質問されておりますが、被害は北上してきており、県全体の問題として取り上げるべきと考え、総括質疑で質問することといたしました。本県のイノシシなどの有害鳥獣による農産物被害は、令和2年度は前年度から多少減少したものの約3億6,000万円と、依然として深刻な状況であります。特にイノシシによる被害は約1億8,000万円と、被害の全体の半数を占めることから対策の強化が求められており、市町村だけでなく、県においても捕獲を強化するなど、被害防止に向けて一体となって強力に取り組んでいく必要があります。
そこで伺います。被害の大きいイノシシの捕獲について、県の取組状況はどうか。
◯副委員長(小池正昭君) 熊谷知事。
◯説明者(熊谷知事) 県では、イノシシに係る第二種特定鳥獣管理計画を策定をし、市町村による捕獲事業への財政的な支援、市町村職員や捕獲従事者などに対する効果的なわなの設置方法などの技術向上研修を行うとともに、分布拡大の防止や豚熱対策のための県による捕獲を実施しております。また、本年度末で計画の期間が満了することから、パブリックコメントの結果や関係市町村、有識者などの意見を踏まえ、次期計画の策定作業を進めているところです。
◯副委員長(小池正昭君) 鈴木委員。
◯鈴木 衛委員 イノシシの捕獲については、計画に基づき市町村支援や豚熱対策のための県捕獲など取り組んでいただいているところでありますが、いまだに被害は大きく、今後も捕獲の強化を図っていく必要があると考えます。
そうした中、現在の計画期間が満了し、次期計画を策定中とのことでありますが、見直しを進めている次期計画では、イノシシ捕獲の強化に向けて、どのように取り組むこととしているのか。
◯副委員長(小池正昭君) 環境生活部長。
◯説明者(吉野環境生活部長) 次期計画では、これまでの取組に加え、町内会や集落単位などの地域ぐるみの対策の成功事例を収集し、他の自治体にも普及させていくほか、イノシシの捕獲場所等のデータ収集を継続し、詳細な生息状況を把握することにより捕獲の強化を図ってまいります。また、効率的、効果的な捕獲に取り組むため、わなの見回りに要する労力を軽減するICT機器の導入を促進してまいります。
◯副委員長(小池正昭君) 鈴木委員。
◯鈴木 衛委員 捕獲の強化に向け効率的な捕獲を進めるためにもICT機器の活用などは効果的であると考えますので、積極的に進めていただきたいと思います。捕獲事業では、豚熱対策を行っているとのことですが、野生イノシシは豚熱の感染拡大を引き起こす要因となっており、養豚業の盛んな本県で豚熱を発生させないためにも、捕獲による豚熱対策は重要と考えます。
そこで伺います。豚熱対策について、次期計画ではどのように対応していくのか。
◯副委員長(小池正昭君) 環境生活部長。
◯説明者(吉野環境生活部長) 野生イノシシによる豚熱の侵入を防止するため、県境近くで養豚が行われ、かつイノシシの定着が確認されている銚子市や成田市、印西市など、県北部の市町を捕獲重点エリアに設定し、県による広域的な捕獲を実施しており、次期計画においても継続して実施する予定です。また、イノシシを捕獲する際の捕獲従事者等を介した豚熱の感染拡大を防止するため、研修会の実施やチラシの配布等を通じ、防疫措置の徹底について周知してまいります。
◯副委員長(小池正昭君) 鈴木委員。
◯鈴木 衛委員 豚熱対策にも十分配慮していただき、捕獲の強化を図るなど、今後ともイノシシによる被害防止に取り組んでいただきたいというふうに思います。
一方で捕獲の主体となっている県猟友会では、会員の減少や高齢化が進んでおり、猟友会だけでは捕獲従事者を確保することが難しくなってると聞いております。このため、捕獲の強化を図るためには従事者の確保が大きな課題であると考えます。
そこで伺います。捕獲従事者の確保に向け、どのように取り組んでいくのか。
◯副委員長(小池正昭君) 環境生活部長。
◯説明者(吉野環境生活部長) 新たな狩猟免許取得者の確保のため、狩猟に興味を持つ若者などを対象として、インターネットでの動画配信による狩猟講座や先輩ハンターとオンラインで座談会などを行う新人ハンター入門セミナーを実施しています。また、今後は捕獲の主体となっている県猟友会に加え、知事が認定鳥獣捕獲等事業者として認定した企業や団体等の活用の検討や町内会等の地域ぐるみでの捕獲体制の構築などを通じ、従事者の確保に努めてまいります。
◯副委員長(小池正昭君) 鈴木委員。
◯鈴木 衛委員 イノシシをはじめとした有害鳥獣による被害をなくすためには、捕獲の強化をはじめ、あらゆる対策をもって対応していくことが必要でありますので、県猟友会や関係団体などと協力して捕獲従事者を十分に確保し、しっかりと取り組んでいただきますようお願い申し上げまして、私の質疑を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
◯副委員長(小池正昭君) 次に、武田正光委員。
◯武田正光委員 自由民主党、流山市選出の武田正光でございます。
まず初めに、今議会におきまして、登壇の機会をお与えいただきました先輩・同僚議員の皆様に感謝を申し上げます。
今回は、子供を虐待から守る基本計画の進捗状況、小児救命救急センター、流山
臨時医療施設、チャイルド・デス・レビュー、事業承継支援、県内商工会議所等への支援強化、(仮称)三郷流山橋、県道松戸野田線混雑対策、つくばエクスプレス沿線土地区画整理事業運動公園周辺地区、県立市野谷の森公園という盛りだくさんの内容であります。
それでは、通告に従い質問させていただきます。
初めに、児童虐待についてです。
全国で児童虐待の事件が後を絶ちません。嘆かわしく腹立たしい思いです。亡くなられた児童の人生は短くとも、決してつらく苦しいことばかりではなかったと信じたい思いです。
そして、千葉県でも野田市で発生した女児虐待死事件から3年がたちました。忘れもしないこの事件は、平成27年に自民党内に児童虐待防止対策プロジェクトチームを発足し、研究を重ね、平成28年12月に全国に先駆けて、千葉県子どもを虐待から守る条例を議員発議により制定し、児童虐待防止に全力で取り組んでいた最中の平成31年に起きた事件であり、落胆、失望するとともに、さらなる体制強化の必要性を強く感じたところです。
あの報道を聞いたときのその瞬間というのはよく覚えております。事件を受け、しつけに際しての体罰禁止を新たに盛り込むなど、対策の充実強化を図るための条例改正をしました。受けて県は、条例に基づき策定された千葉県子どもを虐待から守る基本計画について、内容を全面的に見直し、令和2年6月に改めて策定をしました。新たな計画は児童虐待の防止に向けた取組、家庭的養育の推進に向けた取組、児童相談所の強化に向けた取組の3つの柱で構成されており、計画の進捗を図る指標として26項目の目標が設定されております。計画に位置づけられた各種施策が順調に進んでいるか否かを確認し、必要な見直しと改善を次なる施策展開に反映させることが重要です。
そこで伺います。千葉県子どもを虐待から守る基本計画の進捗について、令和2年度の実績として、順調に進んでいるものの主なものは何か、教えてください。
◯副委員長(小池正昭君) 健康福祉部長。
◯説明者(加瀬健康福祉部長) 計画で設定をいたしました目標は26項目でありまして、そのうち令和2年度の実績として順調に進んでいるもの、達成したものは15項目となっております。その主なものは、里親等委託率の向上、里親登録者数の増加、新たな民間の児童養護施設の整備、児童相談所の増設や建て替えなどとなっております。
◯副委員長(小池正昭君) 武田委員。
◯武田正光委員 次に、目標を達成できなかったものは何か。
◯副委員長(小池正昭君) 健康福祉部長。
◯説明者(加瀬健康福祉部長) 令和2年度の実績として達成できなかったものは4項目ございます。具体的には、児童虐待による死亡事例を発生させないこと、全ての市町村が子育て世代包括支援センターを設置すること、児童養護施設等における虐待を発生させないこと、一時保護所の保護人数の定員超過となっております。
◯副委員長(小池正昭君) 武田委員。
◯武田正光委員 次に、目標を達成できなかったものについて、課題は何か教えてください。
◯副委員長(小池正昭君) 健康福祉部長。
◯説明者(加瀬健康福祉部長) 児童虐待による死亡事例につきましては、市町村が設置する要保護児童対策地域協議会の機能強化と、母子保健等を含む関係職員の理解と専門性の向上などが課題であると認識をしております。子育て世代包括支援センターにつきましては、事務手続の遅延により未設置だった1自治体も含め、昨年10月に全市町村で設置されたところであります。児童養護施設等における虐待につきましては、発生防止に向けた施設職員等の養育技術の向上や子供の権利擁護の意識徹底が課題となっております。一時保護所につきましては、56名の定員増を行いましたが、1人当たりの保護日数の長期化等により定員超過を解消できなかったところでございます。
◯副委員長(小池正昭君) 武田委員。
◯武田正光委員 次に、課題を踏まえ、今後どのように取り組むのか。
◯副委員長(小池正昭君) 熊谷知事。
◯説明者(熊谷知事) 児童虐待への対応は市町村の役割が大変重要であることから、専門家の派遣や実践的な研修などにより対応力の向上を支援し、死亡事例を防ぐほか、子育て世代包括支援センターの機能が十分に発揮されるよう、人材の育成に取り組んでまいります。
また、児童養護施設などにおける虐待防止に向けて、養育技術の向上等を図る研修の実施や児童相談所による定期的な訪問を実施するとともに、一時保護日数の長期化の解消に向けて、社会的養護の受け皿の整備などを進めてまいります。県として、引き続き市町村に対し、人材面、予算面を含めた支援を行うとともに、連携して児童虐待防止に取り組んでまいります。
◯副委員長(小池正昭君) 武田委員。
◯武田正光委員 計画で定めた26項目の目標のうち、15項目が順調に進捗してるとのことでした。里親制度の推進や新たな民間児童養護施設の整備、また児童相談所の体制強化など、重要な施策が順調に進んでいることを確認できました。執行部においては、引き続きしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
一方で、達成できなかった目標が4項目あったとのことです。特に市町村の所管するケースであったとはいえ、県と市町村が連携して児童虐待対応に全力で取り組んでる中、児童虐待による死亡事例の項目が達成できなかったこと、これが非常に残念です。
ここから要望いたします。県におかれましては、引き続き市町村の虐待対応力向上の支援に取り組んでいただきたい。とりわけ市町村と児童相談所の人事交流を進めることは、双方の連携強化とスキルアップに資すると考えられます。市町村の要望を踏まえながら、市町村と児童相談所との人事交流に積極的に取り組んでいただくよう要望します。
次に、子供医療について伺います。
子供に関する医療は、私自身もこれまで小児救急電話相談、#8000番について度々議会で取り上げるなど、高い関心を持ってきたテーマであります。その子供に関する医療について、今年度の初めに千葉県では大きな動きがありました。重篤な症状の小児を受け入れる3次医療機関として、八千代市にある東京女子医科大学附属八千代医療センターが本県で初めて小児救命救急センターに指定されました。このセンターが一人でも多くの子供を救うという期待に応えられるよう、県としてもしっかりと支援していく必要があると考えます。
そこで伺います。県では、小児救命救急センターにどのような支援をしているのか。
◯副委員長(小池正昭君)
保健医療担当部長。
◯説明者(
井口保健医療担当部長) 小児救命救急センターは、重篤な小児患者の受入れ体制を24時間365日整える必要があることから、その運営に必要な経費を国と県がそれぞれ3分の1ずつ補助しております。
◯副委員長(小池正昭君) 武田委員。
◯武田正光委員 国と県で協調して小児救命救急センターに支援をしていることが分かりました。小児救命救急センターは本県で初めて設置されたわけですが、今回の指定に当たっては、小児医療のさらなる充実が期待されているところです。
そこで伺います。令和3年4月に東京女子医科大学附属八千代医療センターを小児救命救急センターに指定した、その効果はどうか。
◯副委員長(小池正昭君) 熊谷知事。
◯説明者(熊谷知事) 東京女子医科大学附属八千代医療センターの重篤な小児患者の受入れ人数は、令和2年度の138人に対し、指定した令和3年度は1月までに、既に前年度を超える235人であることに加え、小児救命救急センターでは、今年度7名の臨床研修医の受入れを行うなど、小児救急医療の人材育成も担っていただいております。こうしたことから、八千代医療センターを新たに小児救命救急センターに指定したことは、本県の小児救急医療体制の充実に寄与していると考えております。
◯副委員長(小池正昭君) 武田委員。
◯武田正光委員 現時点として成果が上がっていることが分かりました。一人でも多くの子供の命を救うため、引き続きセンターをはじめとした小児救急医療体制の充実を図るよう要望いたします。
次に、新しくつくった流山の臨時医療施設について伺います。
がんセンターの旧病棟、ちばぎん研修センターを活用した臨時医療施設に続き、県内3か所目となるキッコーマンアリーナを活用した流山臨時医療施設でございます。本日、午前中の我が党の小池正昭副委員長の質問の中で、流山
臨時医療施設の稼働状況については、3月2日現在で45名の患者を受け入れてきたとの答弁がありましたので、私からは別の切り口で確認をしたいと思います。
そこで伺います。新たに開設した流山
臨時医療施設の特徴は何か。
◯副委員長(小池正昭君)
保健医療担当部長。
◯説明者(
井口保健医療担当部長) 流山
臨時医療施設では、軽症であるが、基礎疾患を持つなど、重症化リスクの高い患者等を対象として早期の投薬治療を行っております。また、施設の効果的な運用を図るため、検討段階から地元市、医師会、医療機関等とも意見交換を重ね、投薬翌日の患者の経過観察を地域の訪問看護ステーションが支援する新たな仕組みを構築し、運営してるところです。
◯副委員長(小池正昭君) 武田委員。
◯武田正光委員 流山市はもちろん、地元の医師会、訪問看護ステーションなどともうまく連携はしているとのことで大変よい取組だと思います。
なお、施設の設置に際しては、キッコーマンアリーナの利用を予約していた市民や団体にキャンセルに応じていただいたとも伺いました。市民はじめ流山市、地域の医療関係者などの理解と協力の下、施設の運営が成り立ってるわけですから、有効に活用していただくよう要望いたします。
次に、CDR、チャイルド・デス・レビューについてお伺いします。
チャイルド・デス・レビュー、子供の死因究明は、虐待や事故、自殺、医療提供体制など、全ての子供の死亡事例について、その原因や背景等を検証し、予防可能な子供の死亡を減らすことを目的とするものです。アメリカでは約40年前から実施されており、現在ではイギリス、カナダ、オーストラリアでも実施されています。日本においても、国の施策として検討が始まり、令和2年度から群馬県など7府県で予防のための子どもの死因究明体制整備モデル事業が実施されていると聞いております。このチャイルド・デス・レビューにより、これまで見過ごされてきた虐待死なども明らかになることで虐待防止にも寄与するものと考えます。
そこで伺います。チャイルド・デス・レビュー、CDR事業の実施について、国の取組状況や県の対応はどうか。
◯副委員長(小池正昭君) 健康福祉部長。
◯説明者(加瀬健康福祉部長) 国はCDR事業の実施に向け、昨年度からモデル事業といたしまして、関係機関との調整会議の設置や情報の収集管理、有識者を交えた死因の検証等を行っており、来年度もモデル事業を継続して、これを体制整備に向けた検討材料とすることとしているところでございます。県では、引き続き国の動向を注視しながら、他県等の取組状況の情報収集を行い、医療機関等関係機関と体制整備に向けて意見交換をしてまいります。
◯副委員長(小池正昭君) 武田委員。
◯武田正光委員 ありがとうございます。先月19日に児童虐待防止対策プロジェクトチーム、自民党内の勉強会ですけども、その有志で千葉大学の岩瀬博太郎教授が主導するチャイルド・デス・レビューに参加をしてきました。各分野の専門家が英知を集結して死因究明をしているということで、そこから得られる問題提起や教訓は実に多く、有意義だと思いました。
要望いたします。アメリカでは、CDR、チャイルド・デス・レビューによって示された提言が実行されてると聞いてます。今後、国の検討が進み、各自治体にチャイルド・デス・レビューが導入される際には円滑に導入できるよう、県において体制整備等を着実に進めていただくことを要望します。
また、千葉大学医学部ともしっかり連携していただくように、よろしくお願いいたします。これも要望いたします。
そして、経済の活性化について伺います。
新型コロナウイルスの感染拡大も早いもので3年目に入ろうとしています。昨年末にかけて、ようやく収束の兆しを見せたかと思ったのもつかの間、今年に入ってオミクロン株が猛威を振るっています。思い起こせば、この間、我々の生活は密の回避やマスクの着用、移動の制限などでさま変わりしました。
こうした中、経済面でも対面型から非対面型への移行やデジタル化などが進展し、事業者の方々を取り巻く環境も大きく変わりつつあります。国においては、苦しい経営状況にある中小企業への支援を継続するとともに、新しい環境に対応するためのデジタル田園都市構想やカーボンニュートラルの実現に向けた事業などを盛り込んだ令和4年度予算を昨年12月に発表したところです。来年度を迎えるに当たり、県においても同様な取組が求められると思います。
そこで伺います。経済の活性化に向けて、どのような方針の下、当初予算を計上したのか。
◯副委員長(小池正昭君) 商工労働部長。
◯説明者(高橋商工労働部長) 令和4年度当初予算のうち経済活性化につきましては、感染症の影響が続く中で、地域経済を支える中小企業の経営基盤の強化とともにデジタル化の進展など、今後見込まれる新しい経済環境の下での本県経済の発展に主眼を置いて編成をいたしました。具体的には中小企業向けの制度融資や事業再構築等に向けた伴走型支援に加え、観光需要の回復などに引き続き取り組むこととし、所要額を計上いたしました。
また、将来を見据えて、中小企業によるデジタル活用への支援を拡充するほか、カーボンニュートラルに向けた投資促進のための信用保証料の助成や、新しい生活様式を取り入れたテレワークやワーケーションの導入促進といった予算も盛り込んでございます。
◯副委員長(小池正昭君) 武田委員。
◯武田正光委員 私は、特に将来に向けては中小企業が生産性の向上や製品、サービスの高付加価値化を進めていくために、AIやIoTなどのデジタル技術の活用を推進していくことが重要と考えます。県では、これまでにワンストップ相談窓口の設置や人材育成研修、専門家派遣などを通じて中小企業のデジタル技術の導入を支援してきており、これまで20件を超えるデジタルツールの導入につながったとのことを伺っております。
新型コロナウイルスの感染症の拡大に伴い、我が国の社会経済全体のデジタル化が急速に進む中で、今後様々な業界、業種の中小企業がより一層積極的にデジタル技術の導入、実装を目指していくことが必要です。県としても、こうした導入を検討する意欲ある中小企業の取組を一層支援していくべきではないかと考えます。
そこで伺います。中小企業のデジタル技術活用の促進に向けて、令和4年度はどのような支援を行うのか。
◯副委員長(小池正昭君) 商工労働部長。
◯説明者(高橋商工労働部長) 来年度はこれまでの取組に加えまして、デジタル技術を活用した実証実験プロジェクトを行う中小企業に対しまして、新たに支援をすることといたしました。これはAIやデータサイエンス、ロボットなどの高度なデジタル技術を活用いたしまして、これまでにない斬新なサービスやビジネスモデルを創出する中小企業の挑戦的な取組を支援するものでございまして、こうした革新的な技術を取り入れながら活力ある千葉県経済の実現を目指してまいります。
◯副委員長(小池正昭君) 武田委員。
◯武田正光委員 デジタル技術を活用した中小企業の支援により、活力ある千葉県経済の実現に取り組むよう要望いたします。
次に、企業の事業承継について伺います。
中小企業は様々な独自の技術やサービスを持ち、地域の雇用も支えているなど、地域経済にとって大変重要な存在です。これから経営者の高齢化が進んでいく中で、具体的な後継者が決まっていない企業も多くあると思いますが、長引く
新型コロナウイルスの影響により事業の先行きが見通しにくい状況が続いており、このままでは事業を引き継いでいくことを諦め、廃業してしまう企業が出てくることを懸念しています。
そこでまず、県としての課題認識を伺います。企業の事業承継について、現状の課題は何か。
◯副委員長(小池正昭君) 商工労働部長。
◯説明者(高橋商工労働部長) 事業を円滑に承継するためには早い段階からの準備が必要となりますが、多くの経営者の方々にとりましては、当面の資金繰りなどの対応に追われて、将来への十分な準備が進んでいない状況がございます。また、後継者の候補がいない場合や、候補はいらっしゃっても具体的な打診ができていない場合など、経営者によって状況が異なるため、必要な支援も様々となることが課題として掲げられます。
◯副委員長(小池正昭君) 武田委員。
◯武田正光委員 事業承継は経営者にとってデリケートな問題であり、企業によって抱える課題も様々だと思います。そもそも問題意識が薄く、何から始めればよいのかと、分からない企業もあると思います。円滑な事業承継に向けた準備が進むよう、県として中小企業を支援していくことは地域経済発展のためにも大事です。
そこで伺います。企業の事業承継への支援について、県の取組状況はどうか。
◯副委員長(小池正昭君) 商工労働部長。
◯説明者(高橋商工労働部長) 県では事業承継を支援するため、千葉県産業振興センターに中小企業診断士等の専門家を配置いたしまして、相談対応を行っております。その上で承継に向けた具体的な手続に進む企業につきましては、専門機関である事業承継・引継ぎ支援センターによる継続的な支援につなげております。さらにプッシュ型の支援といたしまして、専門家が直接企業を訪問して事業承継への意識づけや助言を行う緊急対策事業を一昨年から集中的に実施しているところでございます。今年度はこれまでに4,000件を超える訪問を実施いたしましたところであり、来年度も4,500万円の予算を確保したところでございます。
◯副委員長(小池正昭君) 武田委員。
◯武田正光委員 県として様々な取組をされていることを承知しましたが、まだまだ具体的な準備が十分に進んでない企業がほとんどだと思います。
要望いたします。各企業が事業承継を進める上で、しっかりとメリットが感じられるような助言を行うなど、多角的な視野を持ち、親身になっての支援をよろしくお願いいたします。
次に、県内の商工会議所等への支援についてお尋ねします。
中小企業等の支援を通じて地域経済を下支えしている商工会議所、商工会への支援強化についてです。県では、小規模事業経営支援事業費等補助金により、商工会議所、商工会が行う中小企業支援の活動を支えているところです。近年、情報化の進展、災害の激甚化や感染症の長期化など、社会経済情勢が変化していることから、中小企業、小規模事業者が抱える課題は多様化、複雑化しており、それを支える商工会議所、商工会による支援件数も増加しています。
また、小規模事業者支援法の改正により、平成26年には伴走型の経営発達支援が、令和元年には事業継続のための防災計画策定支援が新たに商工会議所、商工会の業務として位置づけられるなど、商工会議所、商工会の役割がますます大きくなっています。
そこで伺います。中小企業、小規模事業者支援に大きな役割を担っている商工会議所、商工会に対する支援を強化すべきではないか。
◯副委員長(小池正昭君) 商工労働部長。
◯説明者(高橋商工労働部長) 商工会議所、商工会は、中小企業及び小規模事業者にとって身近な支援機関であり、これまでも県と緊密に連携して、地域経済の主要な担い手である中小企業等の振興を図ってきたところでございます。昨今の相次ぐ台風等の自然災害や長引く感染症に加えまして、デジタル化など社会経済環境の変化などを受けて、中小企業等の経営は厳しさを増しており、商工会議所等の役割はさらに重要になってございます。県としては、引き続き商工会議所等が積極的に中小企業の支援を行えますよう取り組んでまいります。
◯副委員長(小池正昭君) 武田委員。
◯武田正光委員 要望いたします。商工会議所等の重要性についての県の認識は伺いましたが、それに実態が伴うことが重要であります。災害や感染症以外にも原材料価格の高騰、カーボンニュートラルへの対応や緊迫する国際情勢など、中小企業等は様々な課題に直面をしています。社会経済情勢が激変している今だからこそ、商工会議所の活動の充実を図ることが重要であることから、小規模事業経営支援事業費等補助金など、県の支援を強化するよう強く要望いたします。よろしくお願いいたします。
次に、(仮称)三郷流山橋を含む県道越谷流山線バイパスについて伺います。
私の地元流山市では、生活や産業の基盤となる道路網の整備が急務となっております。特に本県北西部から埼玉県や東京都心へ向かう交通が現在の流山橋に集中し、慢性的な渋滞が発生している状況です。このため、江戸川を渡る新たな橋として(仮称)三郷流山橋と、その前後の取付け部を整備しており、日々整備の進捗が図られるのを見守っているところです。本橋梁は流山市、三郷市だけでなく、千葉と埼玉両県にとって重要な橋であり、現地は橋梁工事など、目に見える形で状況が変わってきていることから、地元の期待は日に日に高まっております。
そこで、最新の整備状況などについて聞いていきたいです。
伺います。(仮称)三郷流山橋を含む県道越谷流山線バイパスの進捗状況はどうか。
◯副委員長(小池正昭君) 県土整備部長。
◯説明者(池口県土整備部長) この道路は大部分が橋梁となっており、これまで計画している下部工25基のうち21基が完成し、残る4基についても今年度末に完成する予定となっています。また、上部工についても、下部工が完成した箇所から順次工事を進めているところです。
◯副委員長(小池正昭君) 武田委員。
◯武田正光委員 下部工25基のうち21基が完成、残る4基も今年度中ということで、今年度中に下部工が全部できるということで大変進捗を確認、喜んでる次第であります。私もよく工事現場に足を運んでおりまして、工事が着々と進んでることを実感しております。この模様を、私、自分のユーチューブに、「たけだ正光チャンネル」にアップをしておりまして、ぜひ御覧になっていただきたいなと思うんですけれども、非常に反響を得ております。橋というのが地元、自分の町にでき上がってくるという、何て言うんですかね、それをみんなが見てるというのは非常に大きな反響を得ておりまして、まして茂侶神社の三輪野山の交差点からちょうど橋の工事現場のほうを見ると、ちょうど真正面に、たまたまなんでしょうけど、富士山が見えるということで、ひとつこれまた、今後も名所になってくるんじゃないかなということで期待をしております。いよいよ来年度、令和4年度に工事が完成する予定とのことですが、その見通しが気になるところです。
そこで伺います。供用開始に向けた今後の見通しはどうか。
◯副委員長(小池正昭君) 県土整備部長。
◯説明者(池口県土整備部長) 来年度は高欄など橋梁附属物の工事や、道路改良工事など供用に向け、全線にわたり事業を展開してまいります。引き続き令和4年度中の完成を目指し、埼玉県及び埼玉県道路公社と連携し、地元流山市の協力を得ながら事業を推進してまいります。
◯副委員長(小池正昭君) 武田委員。
◯武田正光委員 令和5年の春に開通を予定しているということで、令和4年度は最終年度となり、工事もクライマックスを迎えます。いよいよという思いです。この(仮称)三郷流山橋について取り上げるのは、私、平成19年の私の初当選以来、一般質問、予算委員会、質問合わせて24回目になります。私は私の立場で精いっぱいの促進をしてきたと自負をする次第であります。
そして、ただいま千葉県側の進捗状況について御答弁をいただきました。一方で、この事業は先ほど答弁にもありましたけれども、埼玉県、埼玉県道路公社との共同事業です。千葉県側、流山市から橋を渡っても埼玉県側の道路が未整備だと、この道路を利用する人が減ってしまい、効果も半減してしまいます。埼玉県側の道路が橋を渡ってすぐに終わるのではなく、その先まで整備が早期に図られるようにすべきと考えます。
要望します。(仮称)三郷流山橋を含む県道越谷流山線バイパスについては、対岸の埼玉県側の県道整備とも連携し、早期完成するよう要望いたします。よろしくお願いいたします。
次に、県道松戸野田線について伺います。
県道松戸野田線は、松戸市から流山市を経由して野田市を結ぶ主要な幹線道路であり、流山市南地先から野田市上花輪地先までの区間については、松戸野田有料道路として昭和52年に開通しました。平成19年10月に無料開放された後、交通量が増加し、交通渋滞が頻発している状況です。この道路が通過する流山インターチェンジ付近から利根運河にかけては、かつては新川耕地として江戸川沿いに広がる水田地帯でしたが、常磐道の流山インターチェンジに隣接するなどの立地条件のよさから、近年では大型物流施設が相次いで立地しております。この物流施設の相次ぐ稼働に伴い、大型車両を含む交通量の増加が見込まれるとともに、つくばエクスプレス沿線開発などにより発展を遂げる流山市の将来を見据えると、さらなる渋滞の悪化が懸念されます。
このため私は、令和元年12月の本会議においても、県道松戸野田線の流山市南地先以北の交通対策の必要性について質問しており、その後の検討状況が気になるところです。
そこで伺います。県道松戸野田線流山市南地先以北の交通対策の検討状況はどうか。よろしくお願いいたします。
◯副委員長(小池正昭君) 県土整備部長。
◯説明者(池口県土整備部長) 県道松戸野田線では、近年、大型物流施設の相次ぐ立地などにより朝夕を中心に交通量が増加し、渋滞が発生していることから、交通対策の検討を行うため、流山市南交差点や今上交差点等において交通量調査等を実施したところです。こうした調査結果を踏まえ、現在、渋滞の著しい今上交差点について、地元市と連携しながら、交通の円滑化に向けた対策の検討を進めています。
◯副委員長(小池正昭君) 武田委員。
◯武田正光委員 要望します。今上交差点における対策を検討されてるとのことですが、抜本的に県道松戸野田線の渋滞を解消するためには、全線にわたって4車線化などが必要と考えます。しかしながら、旧松戸野田有料道路の区間だけでも延長は7キロメートルあり、運河大橋のような長大橋も必要になることが見込まれ、抜本的な対策には時間と費用を要します。そのために、まずは渋滞が著しい野田市の今上交差点において、すぐにでもできる対策を実施してほしいと考えています。現在検討を進めてるということですので、とにかく早期実施を要望いたします。よろしくお願いいたします。
次に、つくばエクスプレス沿線土地区画整理事業についてお伺いします。
つくばエクスプレス沿線地区は、平成17年の鉄道開業以来、まちづくりが順調に進展し、昨年公表された令和2年の国勢調査の結果で、流山市の人口は前回調査から増加数、増加率、いずれも県内トップであり、全国においても増加数が第8位、増加率が第5位となっています。これは何よりも、つくばエクスプレス沿線の土地区画整理事業の進捗が大きい要因と考えます。
そこでお伺いします。運動公園周辺地区の進捗状況はどうか。
◯副委員長(小池正昭君) 都市整備局長。
◯説明者(高橋都市整備局長) 令和3年4月に2号調整池の暫定供用を開始し、さらに6月には都市計画道路野々下思井線の一部を供用開始したところであり、本年度末の進捗率は事業費ベースで約66%を見込んでいます。また、令和2年3月に地区南部の緑地保全の範囲を拡大する事業計画変更を行い、一部の街区形状が変更となったことから、現在、当該地区の仮換地指定を進めており、併せて詳細な整備時期の検討を行っているところです。
◯副委員長(小池正昭君) 武田委員。
◯武田正光委員 次に、私は令和2年12月議会の一般質問の中で、地権者との関係構築に努めながら、施工期間内に着実に事業を完了されるよう要望したところです。今年度は2号調整池の暫定供用や野々下思線の一部が供用開始したとのことですが、これを受けて駅周辺や地区の北部だけでなく、地区の南部においても宅地整備が一層進むとともに、計画どおりの事業完了が図られるものと期待しております。
そこで伺います。令和11年度事業完了に向け、地区南部の整備をどのように進めていくのか。
◯副委員長(小池正昭君) 都市整備局長。
◯説明者(高橋都市整備局長) 今後は、残る都市計画道路や2号調整池の完成に向けた整備を進めるとともに、引き続き雨水管の埋設工事を進めながら宅地造成を推進していきます。また、3月下旬に予定してる地元説明会で地区全体の整備展開を説明した上で、その後、自治会単位の説明会や地権者への個別訪問により個々の整備時期を説明してまいります。
◯副委員長(小池正昭君) 武田委員。
◯武田正光委員 とにかく地権者の不安と不満は大変なものです。私も大変、1週間に最低2回はこの区画整理の関係、運動公園周辺地区の関係で要望なり御不満なりを伺うというような状況になってます。どうか何とぞ地権者との良好な関係構築に努めていただきたい。事業スケジュールなどについても、地元の情報を共有しつつ、令和11年度の施行期間内に着実に事業完了していただくよう、重ねて要望したいと思います。事務所の方、一生懸命やっていただいてるんですけど、いかんせん長年の積み重ねでございますので、どうかこれからスピードアップしていただき思います。
以上でございます。
最後に、県立市野谷の森公園についてお伺いします。
流山市のほぼ中央に位置する市野谷の森公園は多様な動植物を保全し、住民が身近な自然と触れ合い、安らぎを得る場として計画されました。計画面積は18.5ヘクタール、平成19年に事業に着手し、これまで修景池や芝生広場などがある1期区域、約3.7ヘクタールから整備が進められてきました。公園整備に対する県民の期待は高く、平成27年には1万5,000を超える県立市野谷の森公園早期実現を求める署名が県に提出されています。
令和2年12月の定例県議会一般質問において、私は、今後の公園整備の見通しについてお伺いし、1期区域については令和3年度中の供用開始を目指してるとの御答弁をいただいたところです。
そこで伺います。1期区域の供用開始に向けた見通しはどうか。
◯副委員長(小池正昭君) 都市整備局長。
◯説明者(高橋都市整備局長) 県立市野谷の森公園の1期区域では、今年度、多目的広場の整備や植栽などを行っており、今月末の供用開始を予定しています。
◯副委員長(小池正昭君) 武田委員。
◯武田正光委員 ありがとうございます。今月末ということであります。私も1月6日の雪の降る中、柏土木事務所の皆さんと一緒に現地を確認してきました。大分進展してて、進んでるなというふうに思った次第です。
残る2期区域について、その整備をどのように進めていくのか、よろしくお願いいたします。
◯副委員長(小池正昭君) 都市整備局長。
◯説明者(高橋都市整備局長) 本年1月に認可された2期区域の事業計画では、貴重な動植物のための樹林地の保全や自然との触れ合いの場の創設などを目指し、令和12年度までに観察舎や散策路などを整備する予定としています。今後は樹林地の保全のため、まずは用地買収を行い、その後、公園施設の整備を進めていく予定です。
◯副委員長(小池正昭君) 武田委員。
◯武田正光委員 要望します。市野谷の森公園の早期完成は、流山市民をはじめ多くの県民が待ち望んでおり、2期区域の整備についても引き続き積極的に取り組んでいただくよう要望いたします。
以上で質問を終わらせていただきます。(拍手)
◯副委員長(岩井泰憲君) 次に、鶴岡宏祥委員。
◯鶴岡宏祥委員 天然ガスと七夕の町、茂原市選出、自由民主党の鶴岡宏祥でございます。本委員会での登壇の機会をいただきました先輩議員、同僚議員の皆様に感謝を申し上げ、通告に従い質問をさせていただきます。
初めに、県道茂原大多喜線について伺います。
県道茂原大多喜線は、国道128号と一体となって、私の地元である茂原市の中心部を南北方向に縦断し、市内外の多様な交通と連携を支える道路ネットワークを担う大変重要な幹線道路です。現在、令和6年度までの開通に向けて圏央道が整備されていますが、圏央道の整備効果を外房地域に広く波及させるため、県においても長生グリーンラインの整備が進められており、令和5年度には長生グリーンラインがこの県道茂原大多喜線と接続する予定となっております。このことは大変喜ばしいことですが、一方で県道茂原大多喜線については、現在も朝夕の通勤時間帯において、茂原市の中心部でしばしば渋滞が発生しております。
こうした状況において、長生グリーンラインが接続することでさらに交通量が増加し、渋滞がさらに拡大することを懸念しております。私としては、長生グリーンラインの整備効果を広く波及させるために県道茂原大多喜線の渋滞対策が必要であると考えます。
そこで伺います。県道茂原大多喜線については、4車線化も含めた渋滞対策が必要と考えるが、どうか。
◯副委員長(岩井泰憲君) 県土整備部長。
◯説明者(池口県土整備部長) 県道茂原大多喜線については、朝夕の時間帯を中心に渋滞の発生が確認されている茂原早野地先の交差点において、必要な対策として交差点改良事業を進めています。4車線化を含めた渋滞対策については、交通状況等を勘案しながら検討してまいります。
◯副委員長(岩井泰憲君) 鶴岡委員。
◯鶴岡宏祥委員 渋滞対策としては早野交差点の改良を進めるとのことですので、これについては引き続き進めてもらいたいと思います。しかしながら、県道茂原大多喜線については、渋滞対策の観点以外にも地元から改善が求められている課題が多くあります。
起点の茂原交差点では、大多喜方面に向かって4車線から2車線に切り替わる際に、一番左側の車線が左折車線に変わってしまうので、交通が錯綜して事故が発生しています。また、40年以上前に仮設された昭和橋は幅員が狭く、老朽化しています。さらに、私も参加した通学路点検では、片側にしか歩道がないため、通学する児童の安全な動線が確保できていないと指摘されています。そのほかにも路肩が狭く、自転車で通学している高校生などからは、幅の広い路肩の整備が望まれています。私の思いとしては、これらの交通課題についても対応すべきと考えます。
そこで伺います。県道茂原大多喜線の茂原市茂原地先から早野地先までの交通課題に対しては、県はどのように対応していくのか。
◯副委員長(岩井泰憲君) 県土整備部長。
◯説明者(池口県土整備部長) 県道茂原大多喜線の茂原市茂原地先から早野地先までの区間においては、路肩が狭く、自転車の安全な通行が確保できていない区間や、幅員が狭く、大型車のすれ違いが困難である橋梁等があり、課題があると認識しているため、今後、これらについて調査し、対応策を検討してまいります。
◯副委員長(岩井泰憲君) 鶴岡委員。
◯鶴岡宏祥委員 県道茂原大多喜線は、地元にとっては大変重要であります。現状において様々な交通課題がありますので、県におきましても、より一層安全で快適な道路整備がなされることを期待します。
ここで1点要望します。この県道茂原大多喜線には一宮川に架かる昭和橋がありますが、この橋は架設から40年以上が経過しております。老朽化しているだけでなく、幅員も狭く、大型車が徐行するなど、交通の流れを妨げるボトルネックとなっています。また、令和元年の大雨では、一宮川において大変な被害がありましたが、昭和橋においては、引っかかった流木が川の流れを阻害していたこともありました。昭和橋については、道路の観点だけでなく、近代的な太鼓橋にすることにより流木の引っかかりも解消でき、一宮川の流下能力を増し、減災対策にも川の観点からも大きなメリットがあると思いますので、架け替えを検討するよう要望します。
次に、一宮川の流域治水について伺います。
令和元年10月25日の大雨は、総雨量で360ミリがわずか半日で降るという、過去に経験したことのない豪雨でした。一宮川流域では、一宮川や阿久川が氾濫し、茂原市街地において甚大な浸水被害が発生したことは皆さん御承知のことと思います。茂原、長生の住民が安心して暮らせるよう、抜本的な治水対策が必要であることは言うまでもありません。
県では、今回の水害と同規模の降雨に対して、流域市町村と連携して行う一宮川流域浸水対策特別緊急事業、また、中小河川としては全国に先立ち、一宮川水系流域治水プロジェクトを推進していただいているところです。このことに関して、自民党代表質問において、流域全体で水害を軽減させる流域治水を進めると答弁いただいたところですが、一宮川流域でも、茂原市だけでなく、流域全体で取組を進めることが重要と考えます。
そこで伺います。流域治水の主な対策はどういうものか。
◯副委員長(岩井泰憲君) 県土整備部長。
◯説明者(池口県土整備部長) 流域治水プロジェクトに位置づけられた主な対策としては、河川整備や内水対策、雨水貯留対策のほか、ハザードマップやタイムラインの作成、被害対象を減らすための土地利用施策が挙げられます。流域内の地域特性を踏まえ、地域に丁寧に説明の上、合意をいただきながら進めています。
◯副委員長(岩井泰憲君) 鶴岡委員。
◯鶴岡宏祥委員 先ほど答弁いただいた流域治水の主な対策については、地域の合意を得ながら進めているとのことでありました。
そこで伺います。各地域の取組状況はどうか。
◯副委員長(岩井泰憲君) 県土整備部長。
◯説明者(池口県土整備部長) 河川整備については、中下流域は令和6年度末まで、上流域、支川は令和4年度から新規事業化し、令和11年度末までの完成を目指しています。流域対策については、中流域では田んぼダムの試験施工や各家庭での雨水貯留施設の普及促進などを行っています。上流域では、浸水リスクの高い地域における建築に関する条例等の策定を進めてるところです。
◯副委員長(岩井泰憲君) 鶴岡委員。
◯鶴岡宏祥委員 一宮川流域では、実に様々な対策について精力的に取り組んでいただいてるところですが、今後さらなる豪雨の激甚化を踏まえると十分とは言えません。
私は9月議会の一般質問でも、氾濫した一宮川、また一宮川の支川である阿久川の整備状況を質問し、流域治水の進捗状況を確認させていただきました。県では、着実に河川整備を進めており、流域治水に取り組んでいただいていることは承知しています。しかし、令和元年10月の大雨と同規模の降雨に対して一宮川流域浸水対策特別緊急事業を推進していただいておりますが、令和元年10月の大雨を超えるような降雨が起きないとは誰にも言えません。
また、これも9月議会の一般質問で言わせていただきましたが、今回の一宮川流域浸水対策特別緊急事業は、そもそも床上浸水ゼロを目指している事業です。一宮川流域幹線道路の中には、住宅環境から、道路は床から見ると60から70センチメートル低いところがあります。このため、走行中の車が浮いて流され、犠牲者を出してしまった対策には十分ではないと考えています。このことから、私は阿久川から既存排水路等を活用して太平洋に至る長生広域導水路を整備することを大変有効であると主張してまいりました。
そこで伺います。長生広域導水路も含めて幅広に検討すべきと思うが、どうか。
◯副委員長(岩井泰憲君) 熊谷知事。
◯説明者(熊谷知事) 流域治水については、河川整備と併せ、雨水貯留対策、土地利用施策、その他幅広い対策を総合的に取り組むこととしています。広域的な導水路も含めた対策の検討については、必要となる経費を令和4年度当初予算に計上し、治水効果や地域特性の観点を踏まえ地域の合意をいただきながら進めてまいります。
◯副委員長(岩井泰憲君) 鶴岡委員。
◯鶴岡宏祥委員 長生広域導水路、これは圏央道から長生地域への高規格道路の長生グリーンラインに対して、地元では長生ブルーラインと呼んでいます。長生ブルーラインの話を私がすると、唐突な話であると感じている方がいるかもしれません。しかし、茂原市議会においても、意見書として採択された地元の悲願であることをいま一度説明させていただきたいと思います。
茂原市議会の令和3年9月定例会において、「二級河川一宮川水系河川の整備促進に関する意見書」及び「二級河川赤目川の整備促進に関する意見書」を全会一致で可決し、国土交通省、財務省、千葉県へ提出しております。この意見書では、一宮川水系における中流域は、一宮川本川に支川が集まる地理的要因による浸水リスクがあるため、これらの浸水リスクを解消するため、中流域から太平洋まで伸びる新たな導水路の整備を検討する必要があるとあります。
また、12月には茂原市議会議長名で、千葉県選出の国会議員に対して要望書を提出しております。この要望書の中では、治水事業を強力に推進することや、一宮川河川改修事業の早期完成のため大幅な予算の増額を図ることなどと合わせて、地理的要因による浸水リスクを解消するため、中流域から太平洋まで伸びる新たな導水路、河川の整備を検討することを要望しております。
このように、私の主張する長生ブルーラインは、地元市議会においても悲願であることを県当局としても十分に御理解をいただきたい。その上で長生広域導水路の実現に向けて、真摯に検討を進めていただくよう強く要望します。
また、阿久川から既存排水路等を利用して太平洋に至る長生広域導水路を整備することが容易な事業でないことは私にもよく分かります。まずは検討を進めていただくことが重要ですが、現行の体制、現在の担当者の方々だけでは、実現に向けて検討を進めてほしいと言っても無理があるものと考えています。私は長生ブルーラインについて、治水対策を進める県土整備部、排水路を管轄する農林水産部、また県土整備部、農林水産部それぞれで実現するのは難しいと考えたことから、防災危機管理部の幹部職員の方々に説明をしてきております。実現に向けたハードルは高いものと考えておりますが、長生ブルーラインをはじめ県内全域の内水対策を進めるために、特化した担当セクションを設置して広域治水対策を各部が支援する体制が必要だと考えます。
かつて一宮川の改修のために一宮川改修事務所を開設しましたが、長生広域導水路の検討、整備に向けては、新たな組織を本庁に立ち上げて集中して取組を進めていただくことを要望します。
最後に、知事は日本一の防災県を言われておりますが、すごい強い言葉、ありがたいです。知事のやる気を感じます。人が戻るまちづくりのためにも一宮川流域、茂原市、長生郡で起きた甚大な浸水被害がほかの地域でも二度と起きてほしくはありません。県民は期待しています。掛け声だけではいけません。まずは目標に向かってしっかりと具体的な対策を示して行動に移していただきたいと思います。
次に、農地中間管理機構について伺います。
近年、高齢化などにより耕作できなくなった農地を担い手に円滑に貸借することが重要となっています。そのような中、担い手への農地集積の中心的な役割を果たす機関として、平成26年に農地中間管理機構が設立されました。設立当初は機構の知名度が低く、農地貸借について低調だったと記憶しています。機構もできて8年目となり、今では認知度も上がり、多くの農業者が機構を知るようになってきました。
そこで伺います。農地中間管理機構による農地の貸付けの状況はどうか。
◯副委員長(岩井泰憲君) 農林水産部長。
◯説明者(舘野農林水産部長) 農地中間管理機構による貸付面積は、本年度中に新たな貸付けを始める1,500ヘクタール程度の農地を加えて、令和3年度末時点で約6,600ヘクタールとなる見込みです。
◯副委員長(岩井泰憲君) 鶴岡委員。
◯鶴岡宏祥委員 機構を介した貸し借りは、初めの頃と比べるとかなり増えていると思いますが、今後、高齢化などにより耕作できなくなる地域の農地が加速度的に増加していくと思います。多くの農地を借りている耕作者は、毎年の賃借料の支払い先が多く、手間がかかっていますが、機構を介することで、耕作者の支払い先が機構一つで済むなど、機構を利用するメリットがあります。今後、機構を介した農地の貸借はますます重要となっていくと考えます。
そこで伺います。農地中間管理機構による農地貸借を今後どのように進めていくのか。
◯副委員長(岩井泰憲君) 農林水産部長。
◯説明者(舘野農林水産部長) 県では、地域の事情に精通した市町村や土地改良区などの関係機関の協力を得ながら効率的なマッチング業務を行うことにより、農地中間管理機構による農地貸借の拡大に取り組んでまいります。
◯副委員長(岩井泰憲君) 鶴岡委員。
◯鶴岡宏祥委員 繰り返しになりますが、高齢化による耕作者の不足により耕作できない農地が全国で増加しており、担い手への農地集積が進まなければ、このままでは近い将来、日本の農業は危機的な状況になると考えています。これまでも担い手不足に対して様々な対策が取られてきておりますが、効果が十分でない中で設立された農地中間管理機構は大きな期待の下、今後、その重要性は増していくものと考えております。県としても、市町村や土地改良区などと協力して、農地中間管理機構の機能が最大限発揮されるよう取り組むことを要望します。
次に、農業と観光の連携による千葉の魅力づくり・魅力発信について伺います。
千葉県は豊かな自然や多種多様な食材、数多くの歴史、文化資産に恵まれています。そんな魅力的な千葉県を観光する際、マイカーを使われる方も多いでしょうが、電車を使うのもいいのではないかと思います。長時間運転して疲れることもないですし、渋滞に巻き込まれることもありません。おまけに環境負荷が低い、地球に優しい乗り物であり、電車旅には大いにメリットがあります。
私がそう思うのは、実はもう1つ、電車ならではの楽しみがあるからです。私の友人がこんなことを言っておりました。この前、JR東金線に乗ったところ、車窓からの風景を眺めていたら、青々とした田んぼが広がるすばらしい田園風景に非常に心ひかれるものを感じた。この話には私も大いに同感するところです。電車に揺られながら田園風景で心癒やされ、ゆったりと旅をする、それが千葉県における電車旅の大きな楽しみの1つではないでしょうか。県においても、鉄道に関係する事業を実施する中で、そのことを肌で感じることがあるのではないかと思います。
そこで伺います。車窓からの田園風景は千葉県観光の魅力であると思うが、どうか。
◯副委員長(岩井泰憲君) 商工労働部長。
◯説明者(高橋商工労働部長) 鉄道旅行をする際に車窓から目に入る美しい田園風景は、委員御指摘のように、本県観光にとって大きな魅力の1つと考えております。千葉県は首都圏にありながら、豊かな自然や郷愁を誘う風景を数多く有しており、このような魅力をいつまでも残し、県内外に広く情報発信していくとともに、観光コンテンツとしての誘客効果をさらに高めていけるよう取り組んでまいります。
◯副委員長(岩井泰憲君) 鶴岡委員。
◯鶴岡宏祥委員 車窓からの田園風景が旅の魅力の1つであることについては、多くの方の賛同がいただけるものと思います。特に千葉県においては、美しい海に囲まれ、温暖な気候で県内各地にレジャー施設が多く、旅行の目的地として魅力的であることに加え、旅先への移動に際しては、車窓から全国屈指の農業県である千葉県の美しい田園風景が楽しめるのです。観光振興の施策には、ぜひ車窓からの田園風景を本県観光の魅力として位置づけていただくことを要望します。
一方で、先ほど農地中間管理機構について質問でも触れましたが、現在、高齢化による担い手の不足から耕作できない農地が増えています。車窓から見える田園風景は、どこに行っても美しい水田というわけではなくなりつつあります。耕作放棄地、荒廃農地の増加は、産業としての農業において様々な問題がありますが、農業以外の側面においても、安全や環境、また景観などの問題も生じます。耕作されずに雑草が生い茂った水田が線路近くにあると車窓からの景観が悪く、非常に残念な印象になります。
そこで伺います。千葉県内の荒廃農地の現状はどうか。
◯副委員長(岩井泰憲君) 農林水産部長。
◯説明者(舘野農林水産部長) 本県の令和2年における荒廃農地面積は1万3,457ヘクタールであり、耕地面積の約11%を占めております。
◯副委員長(岩井泰憲君) 鶴岡委員。
◯鶴岡宏祥委員 残念ながら、荒廃農地が多い状況であると感じます。このため、こうした荒廃農地の解消にしっかり取り組むことが重要であると考えます。
そこで伺います。荒廃農地の解消に向けて、県ではどのように取り組んでいるのか。
◯副委員長(岩井泰憲君) 農林水産部長。
◯説明者(舘野農林水産部長) 県では、農業振興地域内にある荒廃農地を借りて耕作する者が農地を再生するために行う草刈りや抜根、土づくりなどの経費や、再生後に園芸作物や飼料作物を栽培する場合の機械整備へ助成を行っております。また、農地の耕作条件を改善する事業の中で荒廃農地を再生する場合には、畦畔除去や暗渠排水等の工事に加え、再生費用についても併せて助成しているところです。
◯副委員長(岩井泰憲君) 鶴岡委員。
◯鶴岡宏祥委員 耕作されずに荒れてしまった農地を元の田畑に戻すとともに、日本の原風景とも言える農村ならではの良好な景観を維持していくことは、農業のみならず、観光面にとっても重要な取組と考えます。
そこで伺います。農村の良好な景観を維持するため、県ではどのように取り組んでいるのか。
◯副委員長(岩井泰憲君) 農林水産部長。
◯説明者(舘野農林水産部長) 県では、国の交付金を活用し、農業者や地域住民などが共同で行う農地や農道の草刈りなどの地域資源の保全活動や、花壇の設置をはじめとした景観植物の植栽等の取組に対し助成を行っております。このことにより良好な景観形成など、農業、農村が持つ多面的機能の維持、発揮に努めているところでございます。
◯副委員長(岩井泰憲君) 鶴岡委員。
◯鶴岡宏祥委員 先ほども申し上げたとおり、荒廃農地の問題は農業としての問題のみならず、様々な問題につながり、また景観の問題でもあります。県としても、農地や農道の草刈りなどの取組や助成、また良好な景観形成など、多面的機能の維持、発揮に努めているとのことでありますが、千葉の豊かな田園風景を多くの人に見てもらい、後世に引き継いでいけるよう、荒廃農地の解消に努めていただくことを要望します。
美しい田園風景が広がっていたとしても、千葉県に来た観光客に車窓からの風景をゆっくりと楽しんでいただくためには、移動手段としての鉄道網が充実していることが重要です。房総の風光明媚な景色やおいしい味覚を楽しむため、県内外を問わず、多くの観光客が本県を訪れますが、自宅から目的地までの移動手段については、ほとんどの方が車を利用されているのが実情であります。確かに車は便利でありますが、一方で交通事故や渋滞に巻き込まれるリスクがあり、せっかくの楽しい思い出が台無しになってしまう可能性があります。
幸いなことに、本県には充実した鉄道網が整備されています。車の代わりに鉄道を利用していただければ、すばらしい千葉の自然風景を車窓からじっくり眺めていただけますし、お酒好きの方であれば、千葉のおいしい地酒を味わっていただくこともできます。
また、一般的に車の利用は環境負荷が大きく、地球温暖化の一因にもなるため、脱炭素社会の実現に向けては、鉄道の利用を促進していくことが重要であると考えます。
そこで伺います。観光振興や地球温暖化対策の観点から鉄道の利用促進を図るべきと考えるが、どうか。
◯副委員長(岩井泰憲君) 総合企画部長。
◯説明者(鎌形総合企画部長) 鉄道は、観光地への移動手段として観光振興に大きな役割を担っているとともに、車と比べ、1人当たりの二酸化炭素排出量が約8分の1と少なく、環境に負荷の少ない乗り物であると認識しております。県では、今後ともサンキューちばフリーパスの発売など、鉄道事業者と一体となった取組や、駅のバリアフリー化に対する支援などを通じて環境負荷の少ない鉄道の利用促進に努めてまいります。
◯副委員長(岩井泰憲君) 鶴岡委員。
◯鶴岡宏祥委員 鉄道の利用促進に努めるとの答弁をいただきました。御答弁にもあるとおり、鉄道は環境負荷が少なく、また心身ともにゆったりと旅行するには最適な移動手段です。千葉県では、観光資源の多い南房総に行くためには、鉄道を利用すると内房線と外房線の2つのルートがあり、いずれも沿線に魅力的な観光地がたくさんあります。内房線沿線にももちろん魅力的な観光資源が多くありますが、私の地元である茂原市を通る外房線の沿線にも多くの文化、歴史資産や海にかかる観光資源が多くあり、また、すばらしい車窓からの田園風景が広がっています。このように外房線の沿線は観光資源に恵まれていますが、東京方面からのアクセス列車となる特急わかしお号が日中時間帯に2時間に1本しか設定されておらず、利用したくても利用しづらいのが現状です。そこでお願いしたいのは、外房線の特急列車の増発です。
そこで伺います。外房線の利用促進に向け、特急列車を増発すべきと思うが、どうか。
◯副委員長(岩井泰憲君) 総合企画部長。
◯説明者(鎌形総合企画部長) JR外房線は生活交通としての役割はもとより、外房地域の観光振興の面でも欠くことのできない路線ですが、利用者数が減少傾向にあることなどを踏まえると、利便性の向上を図ることで利用促進につなげていくことが重要であると考えております。このため県では、千葉県JR線複線化等促進期成同盟の要望活動において、JRに対し特急列車の増発など、外房線の利便性向上につながる取組を求めているところでございます。
◯副委員長(岩井泰憲君) 鶴岡委員。
◯鶴岡宏祥委員 前向きな御答弁ありがとうございました。確かにJRへの要望も大事ではありますが、私が思うに、鉄道の利便性をよくするためには利用者を増やしていくことも大事だと思います。そういった意味で、県職員の皆さんが通勤や出張、旅行の際に積極的に鉄道を利用していただくことが利用者の増加につながると思いますので、ぜひ御協力をお願いしたいと思います。
車窓から見る房総の景観の魅力は田園風景だけにとどまらず、海もその1つに数えられます。内房線からは、東京湾を行き交う船舶や、晴れた日には遠く富士山を望むことができ、夕焼けの景色はまさに絶景と呼ぶにふさわしいと思います。こうした県内の鉄道の車窓からの多彩な景観の魅力をもっと多くの人に知っていただけるように発信し、県外からの旅行客が鉄道を利用して県内各地を来訪するようにしていくべきと考えます。
そこで伺います。田園風景をはじめとした様々な千葉の魅力を広く伝え、そのよさを理解していただくためにどのように取り組んでいくのか。
◯副委員長(岩井泰憲君) 熊谷知事。
◯説明者(熊谷知事) 本県の魅力を深く理解していただくためには景色や産品を発信することに加えて、その背景にある人や暮らし、文化、歴史などのストーリーを発信していく必要があると考えております。こうした考え方に基づき、テレビ、ラジオ、SNSをはじめ県の持つ媒体を幅広く活用し、県内外に発信をしてまいります。
◯副委員長(岩井泰憲君) 鶴岡委員。
◯鶴岡宏祥委員 御答弁ありがとうございました。鉄道沿線の田園の景観の中で、農作業をしている地元の方々が通過する電車に手を振って、おもてなしの心を表せば、来訪した観光客との心の交流が生まれるのではないでしょうか。また、たまには赤い着ぐるみのチーバくんが手を振っていたら驚き、喜んでいただけるのではないでしょうか。必ずまた訪れようと思ってくれるのではないでしょうか。
先ほどの御答弁いただいたとおり、様々な媒体を活用し、観光や農林水産物などの魅力を、また車窓からの田園風景の魅力を県内外の方々に向け、しっかりと伝えていくために、関係部局の連携を密接に図り、全庁が一丸となって戦略的な発信に努めていただきたく思います。
以上で私からの質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
◯副委員長(岩井泰憲君) 以上で自民党の質疑を終了いたします。
暫時休憩いたします。
午後2時48分休憩
─────────────────────────────
午後3時3分再開
◯委員長(木下敬二君) 委員会を再開いたします。
休憩前に引き続き質疑を行います。
これより立憲民主・千葉民主の会の質疑を行います。
質疑者は質疑者席までお願いいたします。
通告に従い発言願います。天野行雄委員。
◯天野行雄委員 立憲民主・千葉民主の会、千葉市稲毛区選出の天野行雄です。本日はお忙しい中、傍聴に駆けつけていただいた皆さん、どうもありがとうございます。
これまでも会派や一議員としてSDGsやカーボンニュートラルへの対応と、ピンチをチャンスに変える経済政策の推進、DXの推進による住民生活の利便性向上と庁内業務処理の効率化、人口問題や地域の活性化方策の推進など、県に要請をしてきました。令和4年度の予算、総合計画、行財政改革指針が提案されましたが、これまで要請してきた政策に対する施策が組み込まれて一歩進展したと捉えております。今日は、これらの政策や施策を中心に質問をさせていただきます。
それでは、カーボンニュートラルに対する県の対応方針について、質問に移ります。
令和2年10月、日本政府は温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする2050年カーボンニュートラルを宣言しました。2030年には2013年度比46%の削減、50%の高みを目指しています。また、温暖化への対応を経済成長の制約やコストとする時代から成長の機会として捉え、積極的に対策を行い、産業構造や社会経済の変革をもたらし成長につなげていくため、経済と景気の好循環をつくり出す産業政策としてグリーン成長戦略を打ち出しました。
新型コロナウイルスは世界経済に大きなダメージを与えています。コロナ禍で落ち込んだ経済を復興させる際に、気候変動対策も同時に行うグリーンリカバリーも注目されています。千葉県で現在取り組んでいる温室効果ガスの削減計画は千葉県地球温暖化対策実行計画に示されており、2013年度基準として、2030年度にはマイナス22%の削減量を目指してきましたが、政府の2050年カーボンニュートラル宣言を受けて現計画の改定が必要となりました。
では、初めに、本県における温室効果ガスの排出量の推移とその評価はどうか。
◯委員長(木下敬二君) 環境生活部長。
◯説明者(吉野環境生活部長) 本県の温室効果ガス排出量は、最新の2017年度で7,723万トンであり、基準年度である2013年度と比較して12.5%減少しています。削減率は部門によって差がありますが、全ての部門で減少しており、全体では削減に向けた取組が進んだものと考えています。
◯委員長(木下敬二君) 天野委員。
◯天野行雄委員 続いて温室効果ガス排出量について、主な部門の削減率はどうか。
◯委員長(木下敬二君) 環境生活部長。
◯説明者(吉野環境生活部長) 本県における2017年度の温室効果ガス排出量の削減率は、2013年度比で産業部門が14.4%、家庭部門が7.7%、業務部門が17.8%、運輸部門が2.4%となっています。
◯委員長(木下敬二君) 天野委員。
◯天野行雄委員 次に、カーボンニュートラルの実現に向けて千葉県地球温暖化対策実行計画の改定をどのように進めていくのか伺います。
◯委員長(木下敬二君) 熊谷知事。
◯説明者(熊谷知事) 県では、今年度、県民や事業者を対象としたアンケート調査など、計画改定の基礎となる調査を行ったところであり、来年度には2030年度における県の温室効果ガス削減目標の算定などに係る調査を行うこととしております。これらの調査結果を踏まえ、専門家や関係団体、市町村等の意見を幅広く伺いながら計画の具体的内容を検討し、来年度末を目途に改定をしてまいります。
◯委員長(木下敬二君) 天野委員。
◯天野行雄委員 削減率の見直しなど、改定に当たり、産業部門ごとの企業動向や技術革新の進捗など、削減率の改定に向けて多くの情報が必要とされます。計画の改定に当たり、カーボンニュートラルに対する県内企業の動向をどのように把握するのか、お答えください。
◯委員長(木下敬二君) 環境生活部長。
◯説明者(吉野環境生活部長) 県では今年度、県内企業3,000社に対し、温暖化対策への意識や取組についてアンケート調査を行うとともに、事業者、関係団体に対し、現状や課題等についてヒアリングを実施したところです。今後も事業者への訪問や関係団体が主催する会議への参加等、あらゆる機会を通じて最新の取組や実態等の把握に努めてまいります。
◯委員長(木下敬二君) 天野委員。
◯天野行雄委員 続いて、経済対策のほうへ移らさせてもらいます。
これまでもコロナウイルスの影響やカーボンニュートラルへの対応など、厳しい環境に置かれている産業界ですが、ピンチをチャンスに変えるため、イノベーションによる新技術の開発や新産業の育成、既存企業の競争力の強化や中小企業の生産性の向上など、企業と連携した取組をお願いをしてきました。
ここで伺います。政府が示すグリーン成長戦略について、県はどのように受け止めているのか。
◯委員長(木下敬二君) 商工労働部長。
◯説明者(高橋商工労働部長) グリーン成長戦略は、温暖化への対応を経済成長の機会として捉え、関連するイノベーションやその社会実装を推進する趣旨でございまして、再生可能エネルギーや半導体、蓄電池など14の重要分野について、政策を総動員して、その成長を推進するものでございます。多様な産業を有し、また再生可能エネルギーのポテンシャルに富んだ本県といたしましても、こうした成長分野の振興を県内経済の持続的な発展につなげていくことが重要と考えてございます。
◯委員長(木下敬二君) 天野委員。
◯天野行雄委員 次に、県内企業に対し、温暖化対策について、どのように普及啓発をしていくのか、お答えください。
◯委員長(木下敬二君) 環境生活部長。
◯説明者(吉野環境生活部長) 県では、企業における自主的かつ積極的な温暖化対策を促すため、ホームページやセミナー等を通じ、再エネや省エネに関する最新情報や国、県の支援制度等の周知、積極的な取組を行っている企業の登録と事例紹介等を実施しています。今後、環境と経済の好循環を目指し、カーボンニュートラルに向けた様々な取組を検討し実施するとともに、一層の普及啓発に取り組んでまいります。
◯委員長(木下敬二君) 天野委員。
◯天野行雄委員 次に、中小企業に対する対応ですが、県は中小企業のカーボンニュートラルへの取組をどのように支援していくのか伺います。
◯委員長(木下敬二君) 商工労働部長。
◯説明者(高橋商工労働部長) 県内の様々な中小企業が温暖化への対応を契機として捉えていただいて事業の成長、また新たな事業展開などにつなげていただけるように、県といたしましても、産学官連携による研究開発の支援や低利の制度融資による資金調達、また国の支援制度の活用など、しっかりと支援をしてまいります。
◯委員長(木下敬二君) 天野委員。
◯天野行雄委員 ありがとうございます。
では、経済政策としては最後に、カーボンニュートラルへの対応に当たり、県の部局間の連携が重要と考えるが、どのような体制で対処するのか、お答えください。
◯委員長(木下敬二君) 熊谷知事。
◯説明者(熊谷知事) 県では、カーボンニュートラルに向けた取組をより積極的に展開をしていくため、来年度から環境生活部に温暖化対策推進課を新設することとしており、部局間の連携を十分図りながら進めてまいります。
◯委員長(木下敬二君) 天野委員。
◯天野行雄委員 それでは、ここで要望させていただきます。千葉県地球温暖化対策実行計画の改定においては、これまでの削減実績で削減が難しかった部門の課題の深掘りを行い、今後の対応方法について検討と対策をお願いします。特に運輸部門における対応を要請をいたします。
産業界では、新技術の確立や導入、設備更新への対応や業務の抜本的な見直し、再エネ電源の購入や流通方式の見直しなど、企業負担は大きいことが想定されます。民間企業は事業収益や借入金などを資金として温暖化対策を推進していきます。県は企業との綿密な情報連携の下、支援策の充実に努めてください。
次に、水素アンモニア産業の活性化方策について質問をいたします。
水素については、二酸化炭素を発生しないクリーンなエネルギー源であり、運輸部門の自動車、船舶、航空などの利用にとどまらず、発電部門では燃料電池や火力発電所での混焼、さらに鉄鋼部門や化学部門など、幅広い分野での利活用が示されています。市場調査会社などにより、国内での水素エネルギーの市場規模の予想が示されていますが、総じて今後市場は急速に大きく拡大していくことが想定されています。千葉県の臨海地域には鉄鋼産業や化学産業、火力発電所、さらに港湾には船舶、内陸部には空港など、今後、水素燃料の利活用に関係する企業が集積しています。市場規模の拡大により、千葉県内の臨海部や内陸部においても水素サプライチェーン関連施設の設置は確実なものです。県では、次年度、水素エネルギーの将来的な展望を調査をする水素需給モデル調査事業を実施する予定です。
ここで伺います。千葉の特徴を生かした水素需給モデル調査事業──以下モデル調査とします──の目的について示されたい。お願いします。
◯委員長(木下敬二君) 商工労働部長。
◯説明者(高橋商工労働部長) 御指摘の事業につきましては、今後、ゼロカーボン社会の実現に向けて利活用の拡大が期待されている水素につきまして、需要と供給の両面でポテンシャルを有します本県といたしまして、その特徴を生かした需給モデルを検討するために必要な調査を実施しようとするものでございます。
◯委員長(木下敬二君) 天野委員。
◯天野行雄委員 今、目的について回答いただきましたが、千葉の特徴を生かした水素需給モデル調査事業は時宜を得た対応であると評価をいたします。このモデル調査結果を活用し、成長分野である水素関連事業をどのように活性化していくのか、お答えください。
◯委員長(木下敬二君) 熊谷知事。
◯説明者(熊谷知事) 本県の特徴を生かした需給モデルを検討し、それを広く県内外の企業や関係機関と共有することを通じて、水素の社会実装によるゼロカーボンの加速化や水素エネルギー関連産業の振興を促していきたいと考えております。
◯委員長(木下敬二君) 天野委員。
◯天野行雄委員 そのモデル調査はどのような手法で行われるのか、お答えください。
◯委員長(木下敬二君) 商工労働部長。
◯説明者(高橋商工労働部長) この事業は、プロポーザル方式による業務委託を予定してございます。調査の手法といたしましては、最新の技術開発や国の政策の動向を踏まえるとともに、事業者や専門家の意見などを伺いながら、製造、調達から利活用まで、千葉県の特徴を生かした水素の需給モデルを検討することを予定してございます。
◯委員長(木下敬二君) 天野委員。
◯天野行雄委員 次に、モデル調査結果はどのような内容でまとめられ、いつ報告されるのか伺います。
◯委員長(木下敬二君) 商工労働部長。
◯説明者(高橋商工労働部長) 調査の結果につきましては、水素の潜在的な需要量や供給量をマップに可視化するとともに、再生可能エネルギーからの水素供給や燃料電池トラック・バスなどでの活用など、本県の特徴を生かした需給モデルといった形で取りまとめることを想定しておりまして、令和5年2月末までに受託事業者から県に報告される予定でございます。
◯委員長(木下敬二君) 天野委員。
◯天野行雄委員 ありがとうございます。水素のサプライチェーンのモデルとしては大きく2つあり、海外からの水素燃料の調達から利活用までの標準的なパターンと、地域の再エネ電源の余剰電力を利用して電気分解により水素を製造し、地域のサプライチェーンを構築するローカルサプライチェーンが想定されます。
ここで伺います。グローバルな水素サプライチェーンとローカルな水素サプライチェーンの構築に向けた需給モデルの創設が進められていくと考えるが、県として、どのように捉えているのか。
◯委員長(木下敬二君) 商工労働部長。
◯説明者(高橋商工労働部長) 海外を含めましたグローバルなサプライチェーンにつきましても、事業者の動向や関連技術の動向を見極める必要があるとは存じますが、港湾や臨海コンビナートなどを有する本県としては、国内だけではなく、海外からの水素の調達につきましても視野に入れることが適当と考えてございます。
◯委員長(木下敬二君) 天野委員。
◯天野行雄委員 次に、京葉臨海コンビナートに立地する製鉄や発電など、水素の利活用が求められている産業分野では新技術の開発や導入が求められているが、県として、どのような役割を果たすべきと考えているのか、お伺いいたします。
◯委員長(木下敬二君) 商工労働部長。
◯説明者(高橋商工労働部長) 県といたしましては、立地する企業や関連機関との情報交換を密にさせていただきながら企業間連携の促進、また国への規制緩和の要望など、働きかけなどを通じまして、新技術の開発や導入を支援してまいりたいと考えております。
◯委員長(木下敬二君) 天野委員。
◯天野行雄委員 これで今度、次にアンモニアの関係に移らさせていただきますが、燃料用アンモニア船舶の実証試験は2025年前後に計画されており、技術開発が進められており、将来的にはアンモニアの商用的な拡大による国際的なサプライチェーン化も目指しています。また、千葉港などへ寄港する船舶のアンモニア燃料化も想定されます。一方では、アンモニアから水素を取り出す新技術の研究開発も進められております。
ここで伺います。水素燃料と並行してアンモニア燃料の調査を実施すべきと考えるが、どうか。
◯委員長(木下敬二君) 商工労働部長。
◯説明者(高橋商工労働部長)アンモニアにつきましては、水素と同様に燃焼してもCO2を排出しないことから、昨年、国が策定したグリーン成長戦略におきましても、水素社会への移行期では主力となる脱炭素燃料との位置づけがされてございます。今回の県の調査におきましても、アンモニア燃料の役割を視野に入れておりまして、関連技術や実用化の動向などを把握してまいりたいと考えております。
◯委員長(木下敬二君) 天野委員。
◯天野行雄委員 引き続いて伺います。水素燃料やアンモニア燃料はカーボンニュートラルに関しての成長分野であり、競争に打ち勝つには調査結果を待つのではなく、既設の千葉県水素エネルギー関連産業振興プラットフォームなどと連携し、すぐにでもアクションを起こせる体制づくりが必要と思うが、どうでしょうか。
◯委員長(木下敬二君) 商工労働部長。
◯説明者(高橋商工労働部長) 水素などを取り巻く環境は変化が極めて激しいため、千葉県水素関連産業振興プラットフォームに参加する企業や団体、関係機関などと随時情報共有や意見交換を行いまして、機動的な政策決定ができるように努めてまいります。
◯委員長(木下敬二君)天野委員。
◯天野行雄委員 水素の需要想定ですが、水素協議会が公表した世界的な市場規模は、2050年までにエネルギー起源のCO2排出量の60%削減が必要であるという前提の下、その実現に水素が活用されることにより、2.5兆ドルの市場と3,000万人の雇用が創出されると試算しています。日本エネルギー経済研究所によれば、国内の水素、燃料電池関連の市場について、2030年に1兆円弱、2050年には8兆円に拡大すると予想しています。千葉県の立地条件を考慮すると、水素やアンモニア燃料は新産業として発展することは確実です。
ここで4点要望いたします。
1、千葉県において水素サプライチェーンの早期創設につながるよう、モデル調査結果については、企業が有効的に活用できるような報告内容としてください。
2、サプライチェーンですが、海外からの水素輸入を対象にすることは理解できます。加えて洋上風力発電事業の展開が加速する本県においては、効率よくエネルギーの地産地消が行われるローカルサプライチェーンの創設についても十分な調査をお願いします。
3、アンモニア燃料のサプライチェーン化についても、他県に遅れをとらないよう、早急に調査、研究を進めてください。
4、電力、鉄鋼、化学など、水素の利活用が想定される産業分野とのパイプを太くして、技術革新の状況や企業情報等の情報連携を図り、将来を見据えた施策の展開をお願いをいたします。
続いてカーボンニュートラルに関連をして、銚子市沖の洋上風力発電所の建設に伴う地域振興についてお伺いします。
令和3年12月、政府は千葉県銚子市沖を含む3地域で洋上風力発電事業者を選定しました。千葉県銚子市沖の区域の事業者として千葉銚子オフショアウィンドが選定されましたが、今後、その事業者が中心となる計画では、令和10年9月の運転開始に向けて洋上風力発電所の建設工事が着工されることになります。地元では、千葉県銚子市沖における協議会等を通じて、発電事業を通じて地域の活性化につながる事業が地域で展開されるよう求めています。この銚子地域での洋上風力発電事業の実績はリーディングケースとなります。風力発電事業者のみの利益ではなく、地域への利益循環が生み出せる仕組みづくりを、戦略性を持ってつくり上げていかなくてはなりません。
ここで伺います。県として、千葉県銚子市沖の風力発電事業による地域の活性化をどのように推進すべきと考えているのか。
◯委員長(木下敬二君) 熊谷知事。
◯説明者(熊谷知事) 洋上風力発電を地域の活性化につなげるためには、発電事業者の計画を踏まえながら地元関係者などと緊密に連携して事業を進めていくことが必要であります。県としては、漁業振興策のほか、関連産業への県内企業の参入や新たな観光メニューの開発などの産業振興策について関係者による協議を進め、また電力の強靱化などにもつなげてまいりたいと考えています。
◯委員長(木下敬二君) 天野委員。
◯天野行雄委員 続いてお伺いします。風力発電所の建設により想定される銚子市や地域のメリットや地元自治体への税収への影響はどうでしょうか。
◯委員長(木下敬二君) 商工労働部長。
◯説明者(高橋商工労働部長) 洋上風力発電は設備の製造やメンテナンスといった産業を伴いますほか、観光振興などにもつながるものでありますことから、雇用面などを含め、様々な形で大きな経済効果が見込まれます。また、税収の面では、風車や変電所の建設に伴う固定資産税の収入も見込まれるところでございます。
◯委員長(木下敬二君) 天野委員。
◯天野行雄委員 次に、洋上風力発電所に関連して、令和4年度の事業として取り組む海洋再生可能エネルギー導入・産業創出研究事業の目的についてお答えください。
◯委員長(木下敬二君) 商工労働部長。
◯説明者(高橋商工労働部長) この事業は、洋上風力発電の導入可能性が高い地域において関係者の合意形成を図るため、地元での意見交換等を行うこと、また、事業が実際に具体化したプロジェクトにおきましては、県内企業の参入などを含め、関連産業の振興を図るためのセミナーやビジネスマッチング、商談会などを開催するものでございます。
◯委員長(木下敬二君) 天野委員。
◯天野行雄委員 取組に当たりまして留意すべき課題もあります。1つには、鹿島港が洋上風力の基地港湾として指定され、風力発電施設の建設資材の積出しは基本的には鹿島港で行われます。また、茨城県としても関連産業の集積の促進を目指しており、どのように銚子地域とのすみ分けを図っていくのか。2つには、設置される風力発電機のメーカーはGEとのことですが、関連する企業グループがあり、地元企業が参入するハードルが高いことも想定がされます。
このような課題もありますが、企業の立地地域への地域貢献は必須です。地元企業参入に向けての県の力強い対応、風力発電技術の研究施設、技術開発拠点の設置や関連産業の誘致の実現に向けて積極的な取組、この2点を要望させていただきます。
次に、地域の経済循環による活性化ですが、持続可能な地域経済を実現するには、地域間のマネーフローを地域経済構造分析を用いて分析の上、地域からの所得の流出を最小限にとどめ、地域外からの所得が流入する構造に転換し、地域の経済循環構造を構築することによりマネー循環型の地域経済を構築することです。再エネ施設の建設についても、地域の経済循環構成に与える影響やメリットを最大限に引き出す必要があります。このような考え方を基本に、地域の活性化につながると考えられる施策を5点、提案と要望させていただきます。
1つには、自治体新電力の創設による地域への利益循環です。電力自由化により可能となった自治体新電力を創設して売電を行い、その利益を住民福祉の向上など市民に還元し、地域での経済循環による活性化を図り、雇用の創出にもつなげていきます。
2つには、水素ローカルサプライチェーンの創設です。風力発電所の余剰電力により水素を製造し、地元地域に水素ローカルサプライチェーンを創設します。事業者の千葉銚子オフショアウィンドは、水素協議会に所属する三菱商事株式会社も含まれています。水素サプライチェーン実証事業へも参画をしており、地域での水素関連産業の事業展開が期待がされます。
3つには、マイクログリッド地域分散型電源のモデル地域として整備を推進します。建設する洋上風力発電所に加えて太陽光発電設備も併設し、水素燃料を利用した燃料電池と蓄電池を組み合わせてマイクログリッドを整備します。安定供給の確保のための電力インフラの強化により防災力も向上いたします。
4つには、CO2フリー水素利活用の社会実験ゾーンとしての位置づけです。再エネによる製造する水素はCO2フリー水素です。地域でその水素を活用した社会実験を展開し、水素技術の研究施設の設置など、先進地域を目指します。バイオマスによる水素製造プラントの実証事業、バスの水素化、漁港事業では船舶や運送トラック、フォークリフトなどの水素化によるエコポート化、銚子電鉄の燃料電池車両化の社会実験なども期待されます。
5つには、スマートシティの実現です。デジタル技術を活用して都市インフラ施設や運営業務等を最適化し、企業や生活者の利便性、快適性の向上を目指す持続可能な都市づくりを進めます。地域交通にはJR、銚子電鉄、水素バスを連携させたMaaSを導入します。このような仕組みづくりにより地域経済循環が活性化します。また、副次的な効果として、旅行客の増加や行政視察の需要の拡大、移住人口の増加なども期待がされます。施設整備費用も巨額とありますが、地域未来投資促進法を活用した事業としての事業展開やマイクログリッド整備に対する国の補助金、NEDOと連携した社会実験などの利活用も考えられます。
ここで伺います。再エネ施設の設置に伴う地域経済循環の仕組みづくりについて、県はどう考えるか。
◯委員長(木下敬二君) 商工労働部長。
◯説明者(高橋商工労働部長) 洋上風力などの再生可能エネルギー発電事業におきましては、御指摘いただきましたように、発電した電力の地産地消に向けた、いわゆる地域新電力の活用や関連産業への地元企業の参入などをはじめ、様々な仕組みを通じて地域内での経済循環が期待されるものと私どもも考えてございます。県といたしましては、幅広い関係者と協議を重ねながら、また関連技術の動向を丁寧に見きわめながら、地域経済の循環に向けて取り組んでまいりたいと考えてございます。
◯委員長(木下敬二君) 天野委員。
◯天野行雄委員 ありがとうございます。繰り返しになりますが、銚子地域への洋上風力発電事業は試金石となります。発電事業を通じた地域経済循環の構築による地域の活性化、先ほど提案した地域活性化につながると考えられる施策5点について要望させていただきます。
引き続いて、名洗港の整備について伺います。洋上風力発電所の建設に伴い、名洗港の整備が必要とされていますが、地元自治体への負担金が発生すると聞き及んでいます。
初めに、名洗港の整備費用における国、県、市の負担割合の考え方はどうか、お答えください。
◯委員長(木下敬二君) 県土整備部長。
◯説明者(池口県土整備部長) 現在、名洗港で実施している社会資本整備総合交付金事業における負担割合は、国が40%、県が43.15%、市が16.85%となっています。
◯委員長(木下敬二君) 天野委員。
◯天野行雄委員 次に、名洗港の整備内容と費用はどうか、お答えください。
◯委員長(木下敬二君) 県土整備部長。
◯説明者(池口県土整備部長) 整備内容については、洋上風力発電のメンテナンス港として活用できるよう、年度内に港湾計画を改訂し、港湾施設の規模や配置を定めることとしています。また、費用については、港湾計画改訂後の事業化に合わせて算出してまいります。
◯委員長(木下敬二君) 天野委員。
◯天野行雄委員 続いて、港湾の整備により、地元地域にどのようなメリットが想定されるのか、お答えください。
◯委員長(木下敬二君) 県土整備部長。
◯説明者(池口県土整備部長) 港湾事業は、物流が効率化し、取扱貨物量が増えることによる地域経済の活性化や地元市民の憩いの場となる港湾緑地等の整備など、地元には一定の受益があります。特に名洗港については、洋上風力発電のメンテナンス港となることによるメリットも見込まれているところです。
◯委員長(木下敬二君) 天野委員。
◯天野行雄委員 地元市の負担割合の再考をぜひお願いしたいというふうに思います。その理由ですが、1つには、国策による洋上風力発電施設の建設であること、2つには、現時点では地元のメリットが具体的には見えていないこともあります。3つには、港湾の整備費用が分からず、負担額が現時点で見えていないことなどです。
このような現状を踏まえて伺います。地元負担の軽減についてはどのように考えているのか。
◯委員長(木下敬二君) 県土整備部長。
◯説明者(池口県土整備部長) 洋上風力発電に関する港湾整備における地元負担の軽減について、国において新たな制度が確立された場合にはしっかりと要望してまいります。
◯委員長(木下敬二君) 天野委員。
◯天野行雄委員 ここで要望させていただきますが、地元負担の軽減について、国への要望をお願いをいたします。
続きまして、住宅用設備等脱炭素化促進事業についてです。これまで対象となっていた太陽光パネルの設置補助からV2H充放電設備や電気自動車へと補助対象を見直しています。再エネの主力電力の変動を抑え、安定的な供給に寄与するとともに、停電時にもメリットのあるV2H充放電設備や電気自動車について補助対象にしたことと、予算額を増額したことは評価をいたします。
ここで伺います。家庭に設置するV2Hの標準的な設置費用に対して、どの程度支援をするのかお答えください。
◯委員長(木下敬二君) 環境生活部長。
◯説明者(吉野環境生活部長) 電気自動車に蓄えた電力を家庭で使用するための設備であるV2H充放電設備について、購入費の10分の1、上限で25万円を補助するものでございます。
◯委員長(木下敬二君) 天野委員。
◯天野行雄委員 ありがとうございました。
続いて、住宅用設備等脱炭素化促進事業の県民への周知はどのように行いますか、お伺いします。
◯委員長(木下敬二君) 環境生活部長。
◯説明者(吉野環境生活部長) 地球温暖化対策等に関する市町村を対象とした会議や県民向けのセミナー、県のホームページやSNS等を通じて事業の紹介や呼びかけを行うとともに、市町村に対し広報紙等での啓発を依頼するなど、幅広く周知してまいります。
◯委員長(木下敬二君) 天野委員。
◯天野行雄委員 次に、太陽光発電設備、電気自動車、V2Hの設置について、事業者への助成はどうなってるのかお答えください。
◯委員長(木下敬二君) 環境生活部長。
◯説明者(吉野環境生活部長) 県では、太陽光発電設備の導入について、新たに企業も利用できる太陽光発電設備等共同購入支援事業を実施することとしており、その利用を促していきたいと考えています。また、電気自動車、V2H充放電設備については、国の補助制度の内容をセミナーやホームページ等で紹介し、活用を周知してまいります。
◯委員長(木下敬二君) 天野委員。
◯天野行雄委員 ありがとうございました。この促進事業は、これまでも利用する県民が多かったと聞いております。県民に対しての十分な周知徹底と制度の利用状況により、追加予算の対応も要望させていただきます。
次に、産学官の連携の強化についてです。これまでも産学官連携により、産業振興に対して実績を上げてきていますが、新たな視点での産学官連携の強化が必要と考えます。カーボンニュートラルの推進に関連して、新産業の創出や新技術の開発などが求められる中で産学官連携の強化が必要と考えるが、どうか、お答えください。
◯委員長(木下敬二君) 商工労働部長。
◯説明者(高橋商工労働部長) カーボンニュートラルに関する新技術の開発などにおきましては、大学や研究機関の有する優れた技術や知識を活用することが重要でございますので、県では大学等との連携により、脱炭素社会や水素などをテーマとした企業向け技術セミナーを開催しております。また、千葉県産業振興センターに専門家を配置いたしまして、産学官などによる共同研究のコーディネートを行っておりまして、具体的には太陽光パネルと水素蓄電システムを組み合わせた植物工場の開発であったり、燃料電池の発電効率の向上のための研究開発などが行われているところでございます。
◯委員長(木下敬二君) 天野委員。
◯天野行雄委員 千葉県行財政改革指針案には、地域課題に適切に対応し、活力ある豊かな地域社会の形成と発展に寄与するよう、県内大学等と幅広い分野での連携協働の促進や、これまで県と企業との分野横断的に連携協働していた取組を行ってきた2020ちばパートナーズから、さらに規模の拡大を図り、ちばコラボレーションシップを新たに実施することが示されています。産学官連携の強化と併せ最適な方法を選択し、より効果的な事業展開が図れるよう要望をさせていただきます。
次に、エネルギーの安定供給についてです。
電力部門のカーボンニュートラルでは、電力供給側の脱炭素化と需要側の最大限の電化の推進が必要とされます。供給側では、再エネを主力電源として位置づけ、導入を促進します。需要側では、自動車のEV化やオール電化住宅へのシフトなどが必要になります。ところが、隠れた課題も散見されます。カリフォルニア州では、令和2年8月に再エネ導入促進政策を進める中で、太陽光発電を中心とした再エネ設備に既存発電所を置き換えたことから電力不足に陥り、2日間の輪番停電が発生しています。日本でも偏った電源構成にすると同様の状況に至ることも想定されます。
電化の推進ですが、国内の電力需要は逼迫しており、電力供給予備率は、この冬には3%台まで落ち込むことが想定され、大規模停電のリスクを回避をするため、経産省から、老朽化した火力発電所の再稼働、さらに原発の定期点検の先送りなどが指示されている状況です。
先行して電力自由化を導入したEUでは、効率の悪い老朽化した火力発電の撤退により電力不足となり、容量市場の導入や原子力発電所の新設などに取り組む国もあります。残念ですが、日本も同様の道を歩んでいるようです。電力の安定供給を維持をするのには電力の需給バランス、要するに発電量と使用量の同量が原則であり、仮にそのバランスが崩れると、交流の周波数の乱れや、最悪の場合には大規模停電の発生につながります。現在、太陽光発電などの不安定な出力電力を火力発電所の出力調整により補っている現状にあります。現時点では二酸化炭素を発生する火力発電所が存在しないと再エネ導入に支障があるという現状も理解しなくてはなりません。そのような状況の中で、急激な電化の促進や偏った再エネの導入は電力の安定供給を妨げる可能性があり、注意が必要です。
ここで伺います。電力需要の増加が見込まれる中、県として、今後の電力の安定供給についてどう考えているのか伺います。
◯委員長(木下敬二君) 商工労働部長。
◯説明者(高橋商工労働部長) 電力の安定供給は市民生活や経済活動にとって不可欠であることから、経済の効率性や環境への適合性、安全性などに配慮しながら総合的かつ計画的に取り組まれるべきものと考えてございます。
◯委員長(木下敬二君) 天野委員。
◯天野行雄委員 次に、再エネの導入を加速するためにFIT(固定価格買取制度)が導入されています。再エネで発電された電気を電力会社が一定期間、一定の値段で買い取る制度で、その購入価格を維持するために再エネ賦課金という形でお客様の電気料金に上乗せされています。1基当たりの平均負担額は既に年間1万円を超過をしており、今後さらに5,000円ぐらい積み上がり、1万5,000円程度まで拡大すると想定されており、市民生活への負担となっています。
ここで伺います。FIT(固定価格買取制度)による国民負担について、県はどのように受け止めているのか。
◯委員長(木下敬二君) 商工労働部長。
◯説明者(高橋商工労働部長) 再生可能エネルギーによる電力を固定価格で買い取るFIT制度が創設されて以来、再生可能エネルギーの導入が拡大した結果、国民負担が増大していることが大きな課題になってることと認識をしてございます。
こうした状況を踏まえまして、県では国に対して、再生可能エネルギーについて最大限の導入促進を図りつつ、国民や企業の負担軽減等に配慮するように要望しているところでございます。
◯委員長(木下敬二君) 天野委員。
◯天野行雄委員 よろしくお願いいたします。
次に、産業人材の確保、育成という観点からキャリア教育について質問いたします。
初めに問題意識ですが、1つには、キャリア教育が求められる背景の1つとして、高学歴社会におけるモラトリアム傾向が強くなり、進学、就職をしなかったり、進路意識や目的意識が希薄なまま、取りあえず進学している若者の増加への確実な対応、2つには、第4次産業革命が進行する中で必要とされている理数系人材の育成、獲得に向けた対策が必要なことです。学習指導要領に基づき、各校で地域の特徴を生かしたオリジナルなキャリア教育が実施されています。小中学校及び高校で実施されているキャリア教育の実績管理とその評価方法についてどのように行っているのか、お答えください。
◯委員長(木下敬二君) 教育長。
◯説明者(冨塚教育長) 各学校では、県教育委員会が作成したキャリア教育の手引きに基づき指導計画を作成した上で職場見学や職場体験、インターンシップを実施し、県教育委員会へ報告するとともに、指導主事が学校訪問した際に計画の進捗状況を確認しております。
◯委員長(木下敬二君) 天野委員。
◯天野行雄委員 ありがとうございました。
続いて、キャリア教育による効果等についてどのように確認し、次年度以降の取組に反映されているのか、お答えください。
◯委員長(木下敬二君) 教育長。
◯説明者(冨塚教育長) 各学校では、毎年、児童生徒や保護者に対し、進路指導についてのアンケートを実施し、いただいた意見を基に教員が自己評価を行い、さらに学校関係者や外部有識者等から指導助言を得ることで、次年度の取組がより効果的になるよう改善を図っております。
◯委員長(木下敬二君) 天野委員。
◯天野行雄委員 ありがとうございました。第4次産業革命が振興する中で数年後にもIT人材が不足すると指摘されており、理数系人材の育成が求められています。また、千葉県の産業界からは技術系人材の不足が指摘されています。千葉県内の産業構造の変化や振興する産業革命を見据えて、キャリア教育を通じてどのように技術系人材の育成に取り組んでいくのか、お答えください。
◯委員長(木下敬二君) 教育長。
◯説明者(冨塚教育長) 幼児期からの理数系への興味、関心を高めるため、来年度から新たに、工業高校等の教員や生徒が幼稚園や小中学校で物づくりやプログラミングなどの体験授業を実施するほか、中学生向けの県内産業への理解を深める映像教材や、高等学校での起業家や研究者等による講演会などを通じて技術系人材を含め、本県の未来を担う人材の育成に努めてまいります。
◯委員長(木下敬二君) 天野委員。
◯天野行雄委員 それでは、要望させていただきます。千葉県のキャリア教育の手引きには、職業高校において、高度な労働市場に対応できる職業人材の育成を図るとしていますが、職業高校だけではなく、小、中、高を通じて戦略性を持って高度な職業人材の育成につながるキャリア教育の在り方と体系整備について検討していただけるよう要望させていただきます。
続いて、DXの推進についてです。
DXを推進する目的は業務効率化を図り、その人的資源を活用し、行政サービスのさらなる向上を図り、住民生活の利便性を高めていくことです。県内のどこに居住していても、充実した行政サービスが提供されるデジタル社会が求められています。周辺都県と比較すると出遅れ感のある千葉県ですが、積極的なDXの推進や推進体制の強化を会派として求めてきました。令和4年度にはDXの推進体制の強化が図られ、デジタル技術等による業務改革の推進や市町村デジタル推進支援事業など様々な方策が示され、事業展開による効果が期待されるところです。我が会派の令和3年9月議会の代表質問では、千葉県ICT利活用戦略の見直しを行うことや、推進体制の充実に向けて様々な選択肢を検討するという回答をいただいております。
ここで伺います。千葉県ICT利活用戦略の見直しに向けて、どのように取り組んでいるのか、お答えください。
◯委員長(木下敬二君) 総務部長。
◯説明者(石川総務部長) 千葉県総合計画案では、「くらしを豊かにするデジタル技術の効果的な活用」を施策横断的な視点として位置づけており、県民や事業者の利便性を高め、誰もがデジタル化の恩恵を実感できるよう、千葉県ICT利活用戦略の見直しを行ってまいりました。これまで、昨年11月にICT利活用に係る県民アンケートを実施するとともに、市町村などの意見を伺い、骨子案を作成したところであり、今後、有識者等で構成するICTアドバイザリー会議において意見を伺うこととしております。
◯委員長(木下敬二君) 天野委員。
◯天野行雄委員 次に、千葉県ICT利活用戦略の見直しについては、いつ頃をめどに改訂を行うのか。
◯委員長(木下敬二君) 総務部長。
◯説明者(石川総務部長) 本年6月頃を目途に新たな戦略の原案を作成し、その後、県議会やICTアドバイザリー会議などの御意見を伺いながら、パブリックコメントを経て9月頃に新たな戦略を策定し、公表する予定でございます。
◯委員長(木下敬二君) 天野委員。
◯天野行雄委員 行政手続のオンライン化やオープンデータの活用など、DXの推進スケジュールについてはどうなるか、お答えください。
◯委員長(木下敬二君) 総務部長。
◯説明者(石川総務部長) 行政手続のオンライン化については、令和6年度までの今後3年間で道路工事の施行承認に係る申請など、約600手続を集中的に取り組むこととしております。また、オープンデータについては、民間団体との協働による利活用事例の創出を推進するとともに、国が公開を推奨する24項目のデータを令和6年度までに利用しやすい形で公開することとしております。
◯委員長(木下敬二君) 天野委員。
◯天野行雄委員 県職員の業務効率化について、DXの推進により、どのような効果を期待してるのかお答えください。
◯委員長(木下敬二君) 総務部長。
◯説明者(石川総務部長) AIやRPAなどのICTツールの利活用を進め、定型的な業務を効率化することで政策立案や県民への直接的なサービスの提供など、職員でなければできない業務に注力できるようになり、生産性と県民サービスの向上は図られると考えております。
◯委員長(木下敬二君) 天野委員。
◯天野行雄委員 回答を受けまして要望させていただきます。
1、千葉県ICT利活用戦略の改訂に当たり、DX推進施策の事業展開スケジュールの明確化と指標による工程の管理、2つには、職員の業務効率化の早期実施と効率化のための条件整備において職員負担を軽減すること。以上、要請させていただきたいと思います。
それでは、最後に職員数と業務量のバランスについて伺わさせていただきます。
初めに、千葉県行財政改革計画(案)が示され、その中に組織体制の構築や柔軟な人材配置がうたわれているが、どのような方向性で検討を進めるのか伺います。
◯委員長(木下敬二君) 総務部長。
◯説明者(石川総務部長) 複雑・多様化する行政課題や県民ニーズに対し、迅速な政策展開や事業実施が求められております。そのため弾力的に組織を見直すとともに、的確な人員配置により、柔軟で機動性の高い業務執行体制の構築に取り組んでまいります。
◯委員長(木下敬二君) 天野委員。
◯天野行雄委員 職員の勤務実態ですが、質問に当たりまして、事前に令和2年度の実績を調査をさせていただきました。県庁全体で、時間外勤務は平均で年間181時間です。時間外勤務を各課ごとに確認をさせていただきました。一例として、総務部の課ごとの集約を見ると、最大の課は年間573時間、最少の課は17時間と、約34倍の差があります。また、コロナウイルス対策を対応する健康福祉部の課では、最大で年間1,233時間、1か月ではもう100時間を超えてるような状況です。豚熱や鳥インフルエンザを対応する農林水産部では、最大で年間806時間という状況でした。これを見ても、これは課の平均値でありますから、個人ではさらに多くの時間外勤務をしているのが実態だというふうに考えます。
また、精神疾患による休職者の数ですが、平成28年度は58名でしたが、令和3年度には93名と、右肩上がりで増加をしてるのが現状です。県庁職員をめぐる状況は、恒常的な業務に加えて
新型コロナウイルスへの対応、台風や鳥インフルエンザへの対応など、突発的な業務が増えています。昨今の職員をめぐる情勢の変化を踏まえ、職員数と業務量のバランスについてどう考えているのか伺います。
◯委員長(木下敬二君) 総務部長。
◯説明者(石川総務部長) 自然災害や感染症など、急激に業務量が増加する危機対応事案に対しては、応援職員の派遣や臨時職員の配置などにより必要な人員を確保し、職員の負担軽減に努めております。今後はデジタル技術の活用による業務の効率化や事務事業の見直しによる業務量の縮減に引き続き取り組むとともに、行政需要に見合った必要な職員数の確保に努めてまいります。
◯委員長(木下敬二君) 天野委員。
◯天野行雄委員 次に、業務量と職員数のバランスについてはどのように把握し、対応しているのかお答えください。
◯委員長(木下敬二君) 総務部長。
◯説明者(石川総務部長) 毎年度、関係部局と十分協議を行い、業務量などを精査した上で、事業を適切に実施するために必要な職員の配置に努めているところでございます。
◯委員長(木下敬二君) 天野委員。
◯天野行雄委員 ありがとうございました。職員の労働実態を確実に管理をし、健康を維持するのにも、管理職による勤務時間管理は重要だと考えます。不適正な管理のしわ寄せは職員を直撃すると思います。管理者による職員の勤務時間管理の実態について、どのように評価をしているのかお答えください。
◯委員長(木下敬二君) 総務部長。
◯説明者(石川総務部長) 職員が時間外勤務を行う場合には、上司である管理職や班長等の直接監督者がその必要性を判断した上で事前に命令することを原則としております。また、配付パソコンの使用時間記録を活用し、管理職等が時間外勤務を命じた時間と比較し確認することにより、各所属において、職員の勤務時間を適正に管理しているものと認識しております。
◯委員長(木下敬二君) 天野委員。
◯天野行雄委員 次に、管理職等の把握が適正か判断するために、各所属以外の第三者による客観的なチェックが必要と思うが、どうか、伺います。
◯委員長(木下敬二君) 総務部長。
◯説明者(石川総務部長) 本年2月から配付パソコン上で使用時間記録を確認する新たな勤務時間管理を開始したところであり、今後、各部局の人事担当課とも連携し、さらなる適正管理に向けた状況調査の実施について検討を進めてまいります。
◯委員長(木下敬二君) 天野委員。
◯天野行雄委員 よろしくお願いいたします。
続きまして、県におけるメンタルヘルス対策の実施状況と評価はどうか、お答えください。
◯委員長(木下敬二君) 総務部長。
◯説明者(石川総務部長) 県では、第3次千葉県職員のメンタルヘルスプランを定めており、中でも不調の未然防止に重点を置き、ストレスチェック制度の実施やこころの健康相談窓口を設けております。このプランにおける評価指標の1つとして、知事部局におけるストレスチェックの受検率90%以上を目標としておりますが、令和3年度は92.7%と、目標に対して2.7ポイント上回っている状況でございます。
◯委員長(木下敬二君) 天野委員。
◯天野行雄委員 次に、精神疾患による休職者数が増加してる状況の中、職場復帰に向けた対策にどのように取り組んでいるのかお答えください。
◯委員長(木下敬二君) 総務部長。
◯説明者(石川総務部長) 精神疾患による休職者等の職場復帰を円滑に進めるため、最長3か月とする職場復帰支援プログラムを実施するとともに、精神科産業医による相談面接が行えるよう、リワーク支援室を設置しております。今後もメンタルヘルス不調により長期療養となった職員に対して、一人一人の回復過程に合ったきめ細かい円滑な職場復帰を支援してまいります。
◯委員長(木下敬二君) 天野委員。
◯天野行雄委員 それでは、要望のほうに移らさせていただきたいと思います。
多様で柔軟な働き方の推進として、生き生きと働ける環境づくりを推進することが示されていますが、県庁職員の勤務実態を見ると、長時間にわたる時間外勤務やメンタルヘルスによる休職者の増加なども危惧される状況です。
ディーセントワークの実現に向けて7点要望いたします。
1つ、職員のディーセントワークに対する意識改革、2つ、管理職による公正で的確な勤務実態管理による職員の健康の維持、3つ、業務の効率化の推進、適切な業務分担と人材の配置による時間外勤務の短縮、4つ、部内、課内での柔軟な応援体制による時間外勤務の平準化、5つ、災害など突発的な業務応援では、時間外勤務実態等を加味した職員派遣、6つ、メンタルヘルス対策の充実による休職者の減少、7つ、労働時間管理が行われない管理者に対する健康管理の充実。
以上です。これをもちまして私の質問を終わらさせていただきます。どうもありがとうございました。(拍手)
◯委員長(木下敬二君) 以上で立憲民主・千葉民主の会の質疑を終了いたします。
次に、公明党の質疑を行います。
質疑者は質疑者席までお願いいたします。
通告に従い発言願います。
横山秀明委員。
◯横山秀明委員 皆さん、こんにちは。八千代市選出、公明党の横山秀明でございます。本日最後の登壇となります。
私からは、本日、財政について、それからコロナ禍でのメンタルヘルスについて、そして医療についての3項目を質問させていただきますので、知事はじめ執行部の皆様には、明確で前向きな答弁をよろしくお願いいたします。
それでは、通告に従いまして質問いたします。
まず1つ目には、財政についてお尋ねいたします。
初めに公会計についてですが、長引く経済不況のあおりを受けて厳しい財政運営を余儀なくされている公的機関において、会計方式の改革を求める声も強まっております。この会計方式の改革を指す、いわゆる公会計改革とは、国や地方公共団体における厳しい財政状況の中、国民への説明責任の重要性の高まりにより、発生主義に基づいた複式簿記方式の会計システムを取り入れて、民間企業会計の方式に沿った貸借対照表を作成することで、国や地方公共団体の財政状態を一覧化するだけではなく、発生主義ベースのフルコストを把握して行政経営の合理化、効率化を図るという取組であります。民間企業に従事する方にとって、このなじみの深い会計方式を採用することにより、国及び地方自治体の財政状況について、より一層の理解が進むものと期待されます。
さて、これまで国に先駆けて、大分県臼杵市や東京都など地方自治体で始められた公会計改革は、長年にわたり国及び地方公共団体の双方で進められてきました。その後、国の指導で総務省基準モデル、総務省改訂モデルなど、複数の方式が打ち出されていましたが、平成29年度中には統一的基準による財政諸表の導入が全ての自治体で完了しております。これにより、他団体との財政状況の比較が容易になるなど、多くの効果が期待されています。
一方で、多くの利点が見込まれる統一的基準となる財政諸表でありますが、それら財政諸表の活用については、まだまだ道半ばとの印象が拭えません。
そこでお伺いをいたします。統一的な基準による財政諸表をどのように活用しているのか、お答え願います。
◯委員長(木下敬二君) 熊谷知事。
◯説明者(熊谷知事) 県が保有する資産、負債や行政サービスに要するコストなど、通常の予算、決算では把握することが困難な情報について、財務諸表の作成を通じて明らかにするとともに、資産管理や財政運営などに役立てております。例えば固定資産台帳に基づいて計画的な公共施設の維持、更新の検討などを行っているほか、将来世代負担比率など、国が示した指標について経年比較や他団体との比較などを行い、本県財政の特徴や傾向を把握しながら予算編成などを行っております。
◯委員長(木下敬二君) 横山委員。
◯横山秀明委員 御答弁ありがとうございます。民間の企業活動では、製造、販売に関するコストに対してどの程度収益が得られるのかが問われるほかに、多額の費用を要する事業に着手する場合には、関係するステークホルダーたちに対して、より重い説明責任を果たすことが求められます。その意味では、2兆円を超える巨額の予算を行使する本県千葉県に課せられた責任は重いと言わざるを得ません。
当然ながら、利益の追求だけを目的とするものではないのですが、行政機関においても、県民への説明責任を果たすためには、ただ全体の財政状況を示すよりも特定項目、あるいは特定事業に関する行政コストを示すことのほうが、事業の評価をする上でより説得力を持つものと思われます。その事業による受益者が何人ぐらいいるのか。受益者が負担する額はどの程度か。また、その事業に対して行政は幾ら予算を費やしているのかなど、明確な数値を提示するならば、ともすると抽象的なイメージを持たれがちな予算を具体的に捉えることも可能となると考えられます。
さらに、今回示された千葉県行財政改革行動計画(案)においても、戦略の柱の1つである未来につながる行財政経営への変革の中でインフラの長寿命化が示されていますが、このインフラの更新の時期については、固定資産台帳に示された減価償却の年数を基準として原則判断すべきものと考えます。個々の資産の状況により柔軟に対応したとしても、そのほうが説明責任を果たす上で説得力があります。また、民間企業の財政諸表にある損益計算書には、公会計には存在しませんが、それに類似するものとして行政コスト計算書があります。この行政コスト計算書に基づく施策の企画立案、そして県民への説明責任を果たす上では、これを大いに活用すべきものと考えます。
そこでお伺いをいたします。行政コスト計算書を用いた管理会計的手法をより一層推進し、主要な県営施設や事業ごとの行政コストの概要を公表すべきと考えるが、どうか。
◯委員長(木下敬二君) 総務部長。
◯説明者(石川総務部長) 施設や事業等のより細かい単位で財務書類を作成する、いわゆるセグメント分析については、国において、平成30年度には施設別の分析を、令和元年度には事業別の分析をモデル的に実施し、その手法や課題等について現在検討しているところでございます。県といたしましては、こうした国の動向や他団体の先進事例などを注視しながら、引き続き検討してまいります。
◯委員長(木下敬二君) 横山委員。
◯横山秀明委員 ぜひ前向きに検討していただいて、すべからく千葉県でも行っていただきますようにお願いしたいと思います。
管理会計には多様な目的が存在します。主に企業経営に関連して意思決定支援目的、業績評価が目的、戦略目的、活動調整目的などが挙げられます。この目的を達成するため、解決すべき課題に関して必要な情報を把握することが重要となりますが、同様の視点は一部行政機関にも求められてくると思われます。しかしながら、ほかの地方公共団体の行政コスト計算書を拝見しますと、教育や福祉など、大まかな項目ごとの分類にとどまるものも多いのですが、そういったことで、一般の県民の方々が特定事業効果を評価するには困難が伴うのではないかと危惧されます。細かな事業に関して個々の行政コストを算出することが難しいということは理解します。しかし、主要な県営施設の運営管理などについては、行政コスト計算書の中で具体的な数値を示すこともできるのではないかと思います。
無論、利益の追求が全てではない行政施策において、コストだけが独り歩きすることは本義ではないのですが、費用が巨額となる事業または受益者が極めて少ない事業については、その必要性をしっかりと説明する必要があります。厳しい財政状況の中では、実情を示した上で施設の在り方を検討することが求められておりますので、ぜひともその点について御検討をお願いしたいと思います。
続いて、財政情報の提供についてお聞きします。
無味乾燥な数値の羅列として、とかく敬遠されがちな財政情報でありますが、県政の主体者たる県民に全体の事業の概要とともに、その予算を分かりやすく伝える努力を尽くさなければならないことは言うまでもありません。県では、広報やホームページを通じて情報提供されてることは存じておりますが、確認も込めてお伺いをしたいと思います。
財政情報の提供についてはどのように行っているんでしょうか。
◯委員長(木下敬二君) 熊谷知事。
◯説明者(熊谷知事) 予算や決算など、財政に関する情報については「県民だより」や県ホームページなどを活用して発信をしており、特に予算における主要な事業については、より詳細な説明資料をお示しするなど、県民に分かりやすい情報提供に努めているところです。
◯委員長(木下敬二君) 横山委員。
◯横山秀明委員 予算について、「県民だより」とか、様々なツールを使って分かりやすく、るるなってきてるなという実感はございますが、より県民の方に分かりやすい周知の方法をさらに研究しながら進めていただきたいと思っております。
千葉県がかかる幅広い事業の中で個々の県民が関心を抱く項目というのは、やはり限定されてるのが一般的ですので、時には幅広い県政に係る全ての情報を提供するよりも、特定の項目に焦点を当てて情報を提供するほうが読み手に好まれる場合もあります。こちら側からの一方的な情報提供ではなく、読み手側のニーズに応じた情報提供をぜひ心がけていただきたいと思います。
一例を挙げれば、高齢者や、あるいは子育て世代など、特定の年代に焦点を当てて、それらの世代が興味を抱きやすい項目に絞った財政情報を提供することを提案させていただきます。各世代間の受益を平準化するためにも、それらの取組は大変重要と思われますので、より分かりやすい情報提供をぜひよろしくお願いいたします。
1問目は以上となります。
続きまして2つ目には、コロナ禍におけるメンタルヘルス等についてお伺いをいたします。
いまだ出口が見えないコロナ禍にあって、この異常事態による影響が県民の心身を確実にむしばんでおります。一日も早いコロナの収束を願わずにはいられませんが、これまでの制約から立ち直る際には多くの課題が想定されます。例えば毎年、夏休み明けの9月初頭に自殺者が急増することは、これまでも指摘されてきたところではございますが、コロナ収束後に通常の生活に戻る際にも、これと同様の事態が懸念されます。コロナを契機とするこれらコロナ鬱ともいう事態に対応する必要があると思います。
そこでお伺いいたします。コロナ鬱の現状と対策はどうか。
◯委員長(木下敬二君) 健康福祉部長。
◯説明者(加瀬健康福祉部長) 県では、精神保健福祉センターや保健所におきまして、いわゆるコロナ鬱に限りませんが、鬱や鬱状態に関する電話や面接による相談を受け付けておりまして、令和2年度には、精神保健福祉センターにおいて134件の電話相談に対応しております。今後とも様々な相談に適切に対応するとともに、心の健康を保つためのセルフケアや相談窓口等についての情報を発信するなどいたしまして、県民の不安解消に努めてまいります。
◯委員長(木下敬二君) 横山委員。
◯横山秀明委員 ありがとうございます。既に千葉県としても様々な相談体制を構築していただいてることは、ただいま部長から御答弁で理解をいたしました。
一方で、相談する際に敷居をできるだけ下げるためにも、相談手段には細心の注意を払う必要があると思います。現状では、直接来訪して面会で相談に乗る場合もあるとのことですが、電話による相談が御答弁では多いということでありましたので、メールやSNSを通じての相談のほうがより敷居が低いのではないかと思われます。ですので、対面とリモートのハイブリッドを有効に活用することで相談による効果が向上し、事態解決の糸口をつかみやすいものと思われます。ぜひとも今後推進していただきたいと御要望させていただきます。
次に、コロナ禍では緊急事態宣言等により、言うなれば、国民全体が引き籠もることを余儀なくされました。これについて、筑波大学の斎藤環教授によれば、町中から人通りが少なくなることにより、ふだん人目を気にして外出ができないひきこもりの方も外出しやすくなったり、逆に、ふだんひきこもりとは縁のない方も、引き籠もる気持ちの一部が理解できたのではないかとの指摘がされております。
改めてひきこもり問題への取組を見直す契機となってるように思われます。
そこでお伺いをいたします。コロナ禍におけるひきこもりについての現状と対策をお答えください。
◯委員長(木下敬二君) 健康福祉部長。
◯説明者(加瀬健康福祉部長) 県では、ひきこもり地域支援センターを設置いたしまして、本人やその家族等からの相談を受け付けており、令和2年度は1,144件の相談に応じております。今後も引き続き市町村が行う対象者の実態やニーズの把握を支援するとともに、医療、教育、労働、福祉などの関係機関とのより一層の連携に努めてまいります。
◯委員長(木下敬二君) 横山委員。
◯横山秀明委員 かなり数の多い形となっております、関係機関との一層の連携、何とぞよろしくお願いいたします。
ある意味では緊急事態宣言時には国民全体が引き籠もることを求められてきました。多くの方がひきこもりを経験することで、引き籠もる側にも、その周辺の方々にも様々な変化が生じたものと思われます。ひきこもりについては、長年研究されている筑波大学の斎藤環教授によると、ひきこもりに対する周囲の理解が進んだと指摘する一方で、長期間にわたるひきこもり状態によりコロナ鬱が蔓延するとともに、ステイホームの長期化は依存症に陥りやすくなるとの指摘がされております。また、誰とも会わないような生活を続けていると再起動するのが難しくなると警鐘を鳴らしております。
さらには教育の現場では、不登校児童生徒を学校へと足を運ばせることが目標とするのではなく、ひきこもり対策においては、柔軟な学びのスタイルを模索する取組が進んでいます。社会全体でも、ひきこもりを排除しない社会づくりが大切であるとの主張がされております。既に学校現場では充実した支援体制を実施しておりますが、学校でのこの取組が卒業した後も引き続き継承されるような体制づくりなど、本県においても、これらの状況に細心の注意を払いながら施策の検討を要望させていただきます。
また、コロナ禍で訪問支援が困難となってる現状では、リモート訪問の活用が注目をされております。スタッフの多忙化解消にも一翼を担うものと期待されております。しかし、一方で精神的な問題を抱える方に対しては非言動的なやり取りも注意が必要となります。その場合には、相手の表情を確認できない電話による音声だけでは限界があることから、Zoomなどの画像を伴う対話が求められます。今後、Zoomなどを活用したひきこもり支援についてもぜひ検討をお願いいたします。
さらに、一部では、ひきこもり支援にピアスタッフが関わる試みも始まっていると伺っております。引き籠もる方の気持ちを少しでも理解するためには、同様の経験をした方に関わっていただくことは、相談者にとっても、その利点は少なくないものと思われます。ゆえに千葉県においても、ひきこもり支援にピアスタッフの導入を御検討いただきたいと思います。
以上、2問目となります。ありがとうございました。
それでは、最後3点目ですね。医療についてお尋ねをいたします。
公共交通機関の規模が縮小が進む中で、限られた医療資源を活用する上で訪問診療のニーズは高まるばかりです。また、住み慣れた我が家で過ごしつつ、医療の提供を受けられる利点も大きいはずです。先頃策定された県の総合計画案にも在宅医療を支える診療所や訪問看護ステーション、それに関わる医療従事者が不足しているため、医師、歯科医師、薬剤師、看護師等の一層のスキルアップ等を重点的に取り組むと示されております。
そこでお伺いをいたします。訪問診療の現状はどうか、お答え願います。
◯委員長(木下敬二君)
保健医療担当部長。
◯説明者(
井口保健医療担当部長) 本県の人口10万人当たりの在宅療養支援診療所数は、平成31年3月末時点で6.0か所と、全国平均の11.4か所を下回っており、また、山武長生夷隅医療圏や市原医療圏では、県平均を4割程度下回ってるなど、県内でも地域差が見られます。
そこで県では、在宅医療を担う人材や施設の増加に向けた研修の実施に取り組んできたところ、令和2年の訪問診療の実施件数は、平成29年と比べ、全ての医療圏で増加しており、県全体の増加率は26.8%となっております。
◯委員長(木下敬二君) 横山委員。
◯横山秀明委員 ありがとうございます。引き続き訪問診療の増加ですね、今、自宅療養者は非常に多い状況ですので、引き続き対応強化のほう、よろしくお願いいたします。
さて、これに関連いたしまして、1月27日に埼玉県ふじみ野市で訪問診療を行う医師が射殺されるという痛ましい事件が発生しました。報道によりますと、当該事件の被害者となった医師は、地元の訪問診療の中核として地域住民からの信頼も厚く、地域医療に多大な貢献をされた方だと伺いました。そのような貴重な人材が奪われことは大変残念でなりません。これは端的な事例だとは思いますが、在宅医療の現場では、医師や看護師等に対する暴力、暴言、そしてハラスメントについては以前より問題視されてきております。
そこでお伺いをしたいと思います。在宅医療の現場での医師や看護師等に対する患者等からの暴力やハラスメントについて、どのような対策を講じていくのか、お答え願います。
◯委員長(木下敬二君)
保健医療担当部長。
◯説明者(
井口保健医療担当部長) 国では、訪問看護において暴力行為等が認められる患者に複数名で訪問する場合、診療報酬上の加算が設けられているところですが、県としても、機会を捉えて在宅医療関係者から現状を伺う等、必要な取組について考えてまいります。
◯委員長(木下敬二君) 横山委員。
◯横山秀明委員 このふじみ野市の事例は端的なものであるため、対策というのは一般化できないかもしれませんが、やはり人の生き死にに直面することが常である医療の現場においては、極端な感情が渦巻くことも不思議ではありません。
先日の千葉日報においても、県内で在宅医療に従事する八千代市の医師の方の記事が掲載され、このふじみ野市の事例と同じような事件が発生し得る不安を語っておられました。埼玉県ふじみ野市の事件を対岸の火事とみなすのではなく、同種の不安を感じる県内事例をぜひ把握するよう努めるとともに、迅速に警察との連携体制を構築するなど、医療従事者の安全に配慮するようお願い申し上げます。
この事件の報道を聞き、かつて2004年、福島県立大野病院で手術を担当した産科医師が逮捕される事件を想起しました。産科は、ただでさえ少子高齢化のあおりを受けて不利な立場に置かれていた診療科である上に、この事件を契機として産科を目指す医師が減少し、産科医師不足に拍車がかかったとも言われております。今回亡くなられた医師が取り組まれてきた訪問診療は、今後より一層重要度が増すことが確実なものです。さきに示させていただいた産科医師の事例のように、今回の事件を受けて、訪問診療を志す医師の減少につながらないかと危惧しております。訪問診療の未来を開く意味でも何らかの施策を講じるよう、今後ともに知恵を絞っていきたいと思います。
また、在宅医療の充実は移動が困難な方々、いわゆる交通弱者へも医療が提供できるようにするものでありますが、その一方で、通院の利便性の確保をすることも依然として不可欠であります。医師等が患者の側に足を運ぶだけではなく、交通弱者に交通手段を確保することにより、患者が医師等のもとへと足を運びやすくすることも重要です。一部の地域においては、病院が自前のバスを用意して送迎を行っているところもございます。市町村をまたぐ広域の対応が求められる地域においては、地元の市町村だけでは、それらを十分に対応できないことが想定されます。また、隣接する保健医療圏の医療機関との行き来する例も少なくはありません。ですので、ぜひこの広域対応については、千葉県が主導して、広域にわたる移動困難者対策をぜひお願いしたいと要望させていただきます。
続きまして、オンライン診療についてお伺いをいたします。
コロナ禍を契機として、オンライン診療の活用を余儀なくされてしまったというのが正直なところですが、コロナ収束後においても、一定の割合でオンライン診療を導入するのは必要と感じております。とりわけ公共交通手段の脆弱な地域、医療機関の乏しい過疎の地域においては、オンライン診療の導入は不可欠なものです。
そこで伺います。オンライン診療の実施状況はどうか、お答え願います。
◯委員長(木下敬二君)
保健医療担当部長。
◯説明者(
井口保健医療担当部長) 本年2月末時点で、県内では歯科診療所を含め935の医療機関がオンライン診療を実施するとしており、これらの医療機関について、厚生労働省のホームページに公表されているところです。
◯委員長(木下敬二君) 横山委員。
◯横山秀明委員 昨年からオンライン診療が可能となって、県のほうでもかなり医療機関のほうに働きかけられて、当初よりかなり増えて今935ということで御答弁いただきました。ありがとうございます。
オンライン診療を実施する医療機関は、やはり都市部に偏在してる感は否めません。基礎自治体に1か所もない自治体も多数見受けられます。また一方で、都市の規模と比べて医療機関が少ないと感じる自治体もあります。もともと過疎の地域では医療機関数そのものが乏しく、その規模も小規模なものが多いことから、やむを得ないとは思いますが、ぜひオンラインと対面診療の適切なバランスを図る意味では、やはり偏在を是正する必要がございます。主に過疎地域における医療機関の維持を確保しつつも、オンライン診療の適切な利用をぜひ県として推し進めていただきたいと思います。
そこでお伺いをいたします。オンライン診療を今後どのように推進していくのか。
◯委員長(木下敬二君)
保健医療担当部長。
◯説明者(
井口保健医療担当部長) オンライン診療は受診機会の確保につながりますが、安全性の観点からは、対面診療と組み合わせて適切に実施することなどが必要であるため、国が策定したオンライン診療の適切な実施に関する指針に基づいた指導に努め、適切な普及を促進してまいります。
◯委員長(木下敬二君) 横山委員。
◯横山秀明委員 御答弁ありがとうございました。国の指針に基づいて、今後もぜひ拡大のほう、よろしくお願い申し上げます。
さきの質問でも言及した斎藤環教授は、人と会うことは心理的に大変な負担を伴う場合があると指摘されております。対面とオンラインの診療を適切に併用することが重要と考えます。一般的には、オンライン診療を推進する上で大規模な病院のほうが有利と言われております。設備の導入や人材の確保など、当然有利なことは容易に想像がつきます。患者の側からも、設備の整った大規模な病院のほうが安心感を抱きやすいのも事実かもしれません。しかし、一部の病院に偏在することは、地域医療を確保する上でもデメリットも少なくありません。ですので、極端な地域の偏在を回避するよう施策の展開をお願い申し上げまして、私の質問を終わりにいたします。ありがとうございました。(拍手)
◯委員長(木下敬二君) 以上で公明党の質疑を終了いたします。
これをもって本日の委員会を終了いたします。
3月7日は午前10時30分より委員会を開催いたします。
これにて散会いたします。
午後4時31分散会
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本日の会議に付した事件
1.令和4年度予算案及びこれに関係する議案の審査
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出 席 者
予算委員会
委 員 長 木 下 敬 二
副委員長 小 池 正 昭 岩 井 泰 憲
委 員 鈴 木 衛 武 田 正 光 鶴 岡 宏 祥
石 井 一 美 茂 呂 剛 小野崎 正 喜
川 名 康 介 高 橋 祐 子 鈴 木 ひろ子
佐 藤 健二郎 宮 川 太 田 中 信 行
竹 内 圭 司 天 野 行 雄 菊 岡 たづ子
横 山 秀 明 水 野 友 貴 加 藤 英 雄
西 尾 憲 一 プリティ長 嶋 伊 藤 とし子
秋 葉 就 一 坂 下 しげき 守 屋 貴 子
川 井 友 則 田 沼 隆 志 市 原 淳
松 崎 太 洋
欠席委員 鈴 木 和 宏
議会運営委員会
委 員 長 今 井 勝
副委員長 林 幹 人
説 明 者
知 事 熊 谷 俊 人
副 知 事 穴 澤 幸 男
副 知 事 滝 川 伸 輔
総務部長 石 川 徹
総合企画部長 鎌 形 悦 弘
防災危機管理部長 生 稲 芳 博
健康福祉部長 加 瀬 博 夫
保健医療担当部長 井 口 豪
環境生活部長 吉 野 美砂子
商工労働部長 高 橋 俊 之
農林水産部長 舘 野 昭 彦
県土整備部長 池 口 正 晃
都市整備局長 高 橋 伸 生
教 育 長 冨 塚 昌 子
警察本部長 田 中 俊 恵
[総務部]
総務課長 井 田 忠 裕
行政改革推進課長 松 尾 三 洋
デジタル・業務改革担当課長 斎 藤 栄 一
資産経営課長 河 南 康 広
管財課長 古谷野 久美子
税務課長 見 山 直
学事課長 飯 島 里 美
総務ワークステーション所長 櫻 井 文 明
[総合企画部]
千葉の魅力発信担当課長 二 川 健一郎
空港地域振興課長 錦 織 良 匡
交通計画課長 豊 田 和 広
[防災危機管理部]
防災政策課長 添 谷 進
[健康福祉部]
健康福祉政策課長 岡 田 慎太郎
副 参 事 齋 藤 浩 司
副 参 事 横 田 裕 之
健康づくり支援課長 井 本 義 則
疾病対策課長 出 浦 和 彦
副 参 事 相 澤 修 一
児童家庭課長 篠 塚 かおる
障害者福祉推進課長 大 野 義 弘
保険指導課長 根 本 和 紀
医療整備課長 田 村 圭
[環境生活部]
自然保護課長 能 條 靖 雄
循環型社会推進課長 角 田 一 洋
くらし安全推進課長 鵜 澤 広 司
[商工労働部]
経済政策課長 荒 木 稔
経営支援課長 城之内 聖 康
産業振興課長 高 橋 輝 子
企業立地課長 安 部 康 弘
観光誘致促進課長 新 村 理
[農林水産部]
農林水産政策課長 飯 塚 光 昭
団体指導課長 藤 井 浩 一
生産振興課長 堀 越 明
流通販売課長 牧 野 好 二
農地・農村振興課長 板 倉 孝 一
[県土整備部]
道路計画課長 長 島 博 之
道路整備課長 西 山 昌 克
河川整備課長 松 宮 正 紀
港湾課長 大 村 晃
市街地整備課長 板 倉 照 夫
公園緑地課長 菰 田 成 彦
[教育庁教育振興部]
学習指導課長 佐 藤 晴 光
学校安全保健課長 荒 金 誠 司
[警察本部]
会計課長 三 上 仁 史
交通規制課長 植 竹 昌 人
事務局職員
事務局長 宇 井 隆 浩
事務局次長 増 田 等
議事課長 鈴 木 正 雄
議事課副課長 坂 牧 郁 夫
議事課議事班長 熊 本 義 久
議事課委員会班長 長谷川 昌 代
議事課委員会班主事 伊 藤 恵 祐
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