高崎市議会 2023-12-06
令和 5年 12月 定例会(第5回)−12月06日-05号
令和 5年 12月 定例会(第5回)−12月06日-05号令和 5年 12月 定例会(第5回)
令和5年第5回
高崎市議会定例会会議録(第5日)
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令和5年12月6日(水曜日)
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議 事 日 程 (第5号)
令和5年12月6日午後1時開議
第 1 一般質問
第 2 議案第149号 高崎市
国民健康保険税条例の一部改正について
第 3 議案第150号 令和5年度高崎市
一般会計補正予算(第7号)
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本日の会議に付した事件
(議事日程に同じ)
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出席議員(38人)
1番 渡 辺 隆 宏 君 2番 横 田 卓 也 君
3番 高 橋 淳 君 4番 新 倉 哲 郎 君
5番 金 子 和 幸 君 6番 角 倉 邦 良 君
7番 宮 原 田 綾 香 君 8番 樋 口 哲 郎 君
9番 荒 木 征 二 君 10番 三 井 暢 秀 君
11番 大 河 原 吉 明 君 12番 青 木 和 也 君
13番 谷 川 留 美 子 君 14番 中 村 さ と 美 君
15番 後 藤 彰 君 16番 中 島 輝 男 君
17番 伊 藤 敦 博 君 18番 小 野 聡 子 君
19番 新 保 克 佳 君 20番 時 田 裕 之 君
21番 林 恒 徳 君 22番 青 柳 隆 君
23番 根 岸 赴 夫 君 24番 渡 辺 幹 治 君
25番 丸 山 覚 君 26番 白 石 隆 夫 君
27番 逆 瀬 川 義 久 君 28番 長 壁 真 樹 君
29番 大 竹 隆 一 君 30番 堀 口 順 君
31番 松 本 賢 一 君 32番 柄 沢 高 男 君
33番 石 川 徹 君 34番 後 閑 賢 二 君
35番 三 島 久 美 子 君 36番 高 橋 美 奈 雄 君
37番 丸 山 和 久 君 38番 柴 田 和 正 君
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欠席議員(なし)
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説明のため出席した者
市長 富 岡 賢 治 君 副市長 兵 藤 公 保 君
副市長 齋 藤 逹 也 君 総務部長 曽 根 光 広 君
財務部長 天 田 順 久 君 市民部長 藍 美 香 君
福祉部長 石 原 正 人 君
福祉部子育て支援担当部長
千 明 浩 君
福祉部児童相談所担当部長
中 山 直 美 君 保健医療部長 水 井 栄 二 君
環境部長 清 水 弘 明 君 商工観光部長 福 島 貴 希 君
農政部長 只 石 恵 一 郎 君 建設部長 奥 野 正 佳 君
都市整備部長 清 水 博 幸 君 倉渕支所長 塚 越 好 博 君
箕郷支所長 新 井 修 君 群馬支所長 山 田 史 仁 君
新町支所長 御 園 生 敏 寿 君 榛名支所長 太 田 直 樹 君
吉井支所長 田 代 有 史 君 会計管理者 志 田 登 君
教育長 小 林 良 江 君 教育部長 青 柳 正 典 君
教育部公民館担当部長 教育部学校教育担当部長
川 嶋 昭 人 君 大 澤 好 則 君
選挙管理委員会事務局長(併任) 代表監査委員 小 泉 貴 代 子 君
曽 根 光 広 君
監査委員事務局長 上下水道事業管理者
吉 井 秀 広 君 内 田 昌 孝 君
下水道局長 大 塚 篤 君 消防局長 中 村 均 君
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事務局職員出席者
事務局長 大 河 原 博 幸 議事課長 坂 口 圭 吾
議事課議事担当係長 議事課主任主事 田 中 博 英
塚 本 秀 幸
議事課主任主事小 菅 庸 平
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△開議
午後 1時00分開議
○議長(時田裕之君) これより本日の会議を開きます。
本日の会議は、議席に配付いたしました議事日程(第5号)に基づき議事を進めます。
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△日程第1 一般質問
○議長(時田裕之君) 日程第1、一般質問を行います。
昨日に引き続き、順次発言を許します。
35番 三島久美子議員の発言を許します。
(35番 三島久美子君登壇)
◆35番(三島久美子君) 35番議員の三島久美子でございます。通告に従いまして一般質問を行います。
今回は、富岡市長の肝煎りで進められている2つの政策にスポットを当てて、まずは仮称ですが、
高崎だるまミュージアムに関する質問から進めてまいります。令和9年3月の開業を目指して整備が進められている信越本線の豊岡新駅(仮称)ですが、駅前広場には約1.5ヘクタールの敷地が確保されています。そこにパーク・アンド・ライドの116台分の駐車場、自家用車とバスやタクシーを分離したロータリーのほか、駐輪場やトイレなどを設置するものと認識していますが、この駅前広場の在り方、いわゆるコンセプトについてどのように考えているのか、まずお答えいただきたいと思います。
◎都市整備部長(清水博幸君) 三島久美子議員の1点目、
だるまミュージアム(仮称)についての御質問にお答えいたします。
豊岡新駅(仮称)駅前広場整備の基本的な考え方につきましては、鉄道とバス、乗用車、自転車など、他の交通手段の乗換えを円滑かつ快適に行える交通結節点としての機能はもちろんのこと、駅前広場はまちを訪れた人がまちのイメージを最初に形づくるまちの顔でもあることから、景観に配慮するとともに、まちの顔としてのシンボル性を持たせることも重要であると考えております。
◆35番(三島久美子君) コンセプトは分かりました。この豊岡新駅開設に向けては、何度か地元の説明会が開催されておりまして、その際にこの駅前広場の整備についても地元区長会からいろんな要望が出ていると伺っています。老朽化した豊岡公民館の移転などの話も出ているやに認識しております。
ところが、今年の10月、突然のように
高崎だるまミュージアムを建設するのだという構想が浮上してまいりました。一体どんな経緯でこうした方向に進んでいったのか、詳細にお答えください。
◎都市整備部長(清水博幸君) 再度の御質問にお答えいたします。
新駅を設置する豊岡地区は、本市を代表する伝統工芸品である高崎だるまの発祥の地と言われ、その歴史は200年以上前から続き、現在でも多くの職人が高崎だるまの製造に携わり、歴史と伝統文化、技術の継承に努めております。
高崎だるまミュージアム(仮称)の構想の経緯でございますが、地元区長会や群馬県
達磨製造協同組合から、だるまの里の豊岡に展示や販売などを行う施設を建設し、だるま産業の継続的な振興を図るとともに、多くの集客による豊岡の発展について要望がございました。これを受け、本市といたしましても高崎だるまの伝統を守り、後世につなげていくとともに、その歴史や文化を広く発信し、高崎の魅力を高める施設として検討を開始したものでございます。
◆35番(三島久美子君) 本市では、この
だるまミュージアム建設構想を進めると。今年の10月13日ですか、
高崎だるまミュージアム(仮称)建設検討会議というのが発足したと思うのですが、来年の3月末までには基本構想をまとめると。そこで、この基本構想の進捗状況はどのようになっているのか、現段階での検討内容についてお答えいただきたいと思います。
◎都市整備部長(清水博幸君) 再度の御質問にお答えいたします。
高崎だるまミュージアム(仮称)の建設検討に当たっては、幅広い御意見や御提案を頂くため、
高崎だるまミュージアム(仮称)建設検討会議を設置いたしました。検討会議のメンバーには、区長会や高崎商工会議所、高崎観光協会、群馬県
達磨製造協同組合などの関係団体のほか、若い世代の斬新な発想や情報発信力を期待し、大学生や高校生にも参加していただいております。初回の会議の主な意見としては、絵つけ体験ができる工房の併設や音楽とだるまのコラボレーション、気軽に利用できるカフェの設置など、多種多様な御意見を頂戴したところでございます。今後検討会議を数回開催し、頂いた意見や提案を基に、本年度中に基本構想を取りまとめていきたいと考えております。
◆35番(三島久美子君) 常任委員会でも申し上げましたけれども、ぜひとも市民の代表である私たち議会に対しても、進捗状況をつぶさに御報告いただくように求めておきます。
さて、この高崎だるまは、先ほど説明もありましたが、高崎市民にとっては非常になじみの深い大切な存在で、群馬県の
ふるさと伝統工芸品にも指定されておりまして、まさに高崎市を代表する工芸品であって、多くの市民が私たちのふるさとの有形財産なのだと誇りに思っていると思います。とはいえ、建設を進めようとしている
だるまミュージアムは、約1,600平米というなかなか大きな敷地に2階建ての建物の建設を想定しているということでありますけれど、
イニシャルコストとして、恐らく想像ですが、数億円はかかるのだろうなと。また、毎年の人件費や水道光熱費等の
ランニングコストを入れますと、かなりの税金の投入が考えられるということで、私は市民の合意形成が必要だと思っています。
そこで、市民の意見の集約をこれからどのように行っていき、また説明責任をどう果たすのか、御説明いただきたいと思います。
◎都市整備部長(清水博幸君) 再度の御質問にお答えいたします。
高崎だるまミュージアム(仮称)の建設は、だるま職人の後継者育成や伝統文化の継承、高崎の魅力発信につながる必要な施策であると認識しております。現在は、検討会議において議論を開始したところであり、内容について決定しているものではございませんが、駅前広場の整備を進めていく過程で、
高崎だるまミュージアム(仮称)につきましても地元説明会等で周知し、市民の理解を深めた上で関連する予算案を議会に上程いたしますので、慎重審議を行い、御議決をいただくことは当然のことと考えております。
◆35番(三島久美子君) 分かりました。
さて、少林山達磨寺は江戸時代の元禄年間、1697年開創の古刹ということで、9代目の住職である東嶽和尚が240年ほど前に浅間山の大噴火で起こった天明の大飢饉に苦しむ人々を助けようと、豊岡村の農民の山縣朋五郎さんに張り子のだるま作りを伝授したという、そういった話が伝わっています。少林山達磨寺の本堂の脇には達磨堂があります。群馬県出身の
歴代首相の選挙だるまとか、全国各地のだるまが展示されているのですけれども、訪れる人の目を楽しませてくれていると。この達磨堂と今回構想を練っている
だるまミュージアムは、性格は異なるものだとは思うのですけれども、市内の至近距離にあり、また共にだるまにちなんだ展示場ということで、この少林山達磨寺が高崎だるまのルーツを培ったことを考えると、
だるまミュージアムと少林山達磨寺との連携というのは必要不可欠と考えておりますが、今後どのようにその連携を深めていくのか、お答えいただきたいと思います。
◎都市整備部長(清水博幸君) 再度の御質問にお答えいたします。
豊岡地区と碓氷川を挟んで対岸にある少林山達磨寺は、縁起だるまの発祥として長い歴史があり、市内外に知られている寺院でございますが、今回の
だるまミュージアム(仮称)の建設につきましては、日頃から高崎だるまを製造、販売している群馬県
達磨製造協同組合の方々に建設検討委員会の委員をお願いし、様々な角度から御意見を頂いております。
高崎だるまの歴史や伝統を将来にわたりつないでいくことは、
だるまミュージアムの大きな役割の一つであることから、広く高崎だるまが周知されるよう、今後も施設の内容について研究していく予定ですが、その過程で少林山達磨寺の意向も伺いながら、ミュージアムから寺への案内図を掲示したり、ミュージアムの来訪者に対し、少林山達磨寺への訪問を勧めるなど、あるべき連携の姿を模索してまいりたいと考えております。
◆35番(三島久美子君) 言うまでもなく、高崎市とだるまとの関係は本当に数百年の歴史があって、まさに高崎だるまは高崎の代名詞と言っても過言ではありません。しかし、この
だるまミュージアムありきではなくて、建設予定地の南側に利用方法が決まっていないかなり広い土地も確保されているので、地域住民の要望の一つである豊岡公民館の移転新築も視野に入れて、合築という考え方もできます。そういったことも考えながら、慎重かつ丁寧にこの建設計画を進めていただくことを強く訴えて、次の質問に移ります。
さて、次は
堤ヶ岡飛行場跡地についてであります。この跡地の開発構想は、まさに富岡市長の肝煎りの政策と認識しております。今年3月に行われた山本知事と富岡市長の合同記者会見では、先端情報技術を有する企業等が集積する地域、DXを活用した地域、
再生可能エネルギーを活用したサステーナブル、これはつまり持続可能ということですが、持続可能な地域という3つのコンセプトが示されました。しかし、新聞報道や広報高崎への掲載が先行して、一般市民の方にとっては、これは一体どうなるのだろうかと、またどのようにこれから開発されていくのか、期待と不安がない交ぜになった状況下にいるのではないかなと私は感じています。
この
堤ヶ岡飛行場跡地は、御承知のように太平洋戦争末期に農地を国が強制収用して、特攻隊の訓練場として活用されていました。この土地は、国が接収する以前は広大な農地として我が国の食料生産を支え、また戦後は再び農地となり、敗戦後の日本の食料不足を解消するために大いに貢献してきたものと認識しております。現在開発を進めようとしている
堤ヶ岡飛行場跡地は約93ヘクタールもの広大な優良農地であり、市街化調整区域として青地農地が広がっています。本市では、今年度の当初予算に1,890万円を計上し、
堤ヶ岡飛行場跡地地区まちづくり基本調査を行いました。その調査結果を見ますと、農家ではない所有者の方が49.3%、次いで主な所得が農業以外の兼業農家の方が41.1%、そして専業農家の方が8.1%でした。農地の現況は、未使用が40.1%、本人または親族で耕作をしているのが30.6%で、これを見ますと、まさに専業農家で生計を立てることの難しさ、また農業後継者の育成の困難さがうかがい知れます。とはいっても、この
堤ヶ岡飛行場跡地一帯は、国府白菜や国分ニンジンといった本市特有のおいしい野菜の産地であり、また優良な米どころでもあります。
本市は、平成18年、21年と2度の合併によって市域が拡大し、都市近郊の田園地帯から榛名山麓の中山間地までで多種多様な農作物を生産する、まさに農業は本市の主要産業の一つになりました。本市では、農業振興を図るため、平成22年、2010年に高崎市農業振興計画を策定し、様々な農業政策を推進してきましたが、この
堤ヶ岡飛行場跡地一帯は本市の農業政策においてどんな位置づけになっているのか、農政部の見解をお伺いします。
◎農政部長(只石恵一郎君) 2点目、
堤ヶ岡飛行場跡地についての御質問にお答えいたします。
堤ヶ岡飛行場跡地において今回新たなまちづくりが検討されている面積は、約93ヘクタールとなります。内訳は、現状耕作している、していないにかかわらず、いわゆる農地の面積が約68ヘクタール、このうち実際に耕作されている農地は約41ヘクタールで、大部分で集約されていない小規模な農業が行われております。また、耕作されていない農地は約27ヘクタールあり、その大部分が耕作放棄地となっております。そして、農地以外の宅地や道水路などを合わせた面積が約25ヘクタールとなっております。
なお、飛行場の廃止から現在に至るまで、用排水路や圃場整備などの大きな投資を行った農地整備は行われていない状況でございます。当該飛行場跡地の農地は、一定のまとまりを持ち、市において農業振興計画が作成されている、いわゆる優良農地として整理されている農用地であります。その農業振興計画では、流動化や水田の汎用化を推進し、農用地の高度利用化を図るものとしておりますが、当該地においては終戦後に農地として開墾されて以降、素掘りの用水路や未舗装の農道が多く残っており、流動化も田の汎用化もほとんど進められていない状況でございます。
本計画では青地の農用地を優良農地として区分はされておりますが、優良農地というのはイコール優良な営農条件を備えた農用地、つまり良好な農地というわけではございません。また、当該地域の現状といたしまして、一見しますと平らな土地でよく区分されている農地のように見えますが、区画も1,000平方メートル未満と小さく、農道の幅員も狭いこと、また地盤が軟弱な箇所もあり、大型トラクターなどを利用した農業生産に適していないことから、農地の集積、集約も進んでおらず、利用される農地も高齢者の方々が自給的な栽培で生産し、維持していくことが精いっぱいの農地がほとんどでございます。当該地域は、営農しやすいように農地の集積、集約を図ることや収益性を上げるための高度利用の推進が難しい農地の集団でありますので、今後も基盤整備などの農業投資を予定している地域ではございません。
◆35番(三島久美子君) 今の答弁を聞いていると、優良農地だけれど、優良な営農ができる農地ではないような発言に聞こえたのですけれども、一生懸命耕作していらっしゃる方もいるのです。間違いなく優良農地であります。それにもかかわらず、本市では農地以外の開発を進めようとしていますが、市と県の若手で構成する
基本構想検討プロジェクトチーム、これが立ち上がったと聞いています。どんな開発構想が練られているのか、現段階で公表できる範囲で結構ですので、お知らせください。
◎都市整備部長(清水博幸君) 再度の御質問にお答えいたします。
まず、
堤ヶ岡飛行場跡地の開発構想に至った経緯でございますが、この一団の土地は約93ヘクタールであり、そのうち農地として区分されているのが約7割で、その農地は本人または親族で耕作しているおおむね小規模な農業と荒廃農地、耕作放棄地で占められております。農地として利用されている方におかれましては高齢化が進み、親族が市外や県外に居住しているという状況も見受けられます。
そのような中、この
堤ヶ岡飛行場跡地は、今後も生産性の低い農地として現状のままで推移していくのではなく、本市や群馬県の発展に大きく貢献する高度な土地利用を考えていく時期に来ているところであります。すなわち、
堤ヶ岡飛行場跡地は前橋市にも隣接するなど、群馬県の中央部に位置し、本市はもとより、群馬県内に存在する最も価値の高い土地であり、この土地利用の高度化、有効化を図っていくことは焦眉の課題となっております。
今回の
堤ヶ岡飛行場跡地の活用では、将来を見据え、この一団の土地を活用して、新しい産業、特にIT産業が集積する地域として発展させていくことが大きな雇用の創出や人の交流の拡大など、飛躍的な発展につながるものと考え、これまでの農地としての利用ではなく、新しい産業の発展が可能となる土地利用に変えていくべく、県や担当部局と協議を始めたところでございます。このような背景から、本年5月に本市と県の職員で構成される
基本構想検討プロジェクトチームを結成し、現在は詰めの作業を行っているところでございますが、本市はもとより県の持続可能な発展のため、経済、産業を支えていくことのできる成長力のあふれる企業、産業の誘致を目指すべきとの方針で進めているところでございます。
◆35番(三島久美子君) どうしても開発構想を進めたいと。富岡市長は、この11月の中旬に山本知事とともにアメリカ、カリフォルニア州のシリコンバレーを訪問しています。
スタートアップ企業や
映像クリエーティブ産業を視察したと報道されています。
そこでお伺いしますけれど、市長訪米の費用は随行員の旅費も含めてどのくらいかかったのでしょうか。その予算はどうやって捻出したのか、お答えいただきたいと思います。また、訪米には貴重な税金が投入されている以上、成果が求められると思います。市長訪米の成果はどんなものだったのか、お答えください。
◎副市長(兵藤公保君) 再度の御質問にお答えさせていただきます。
今回のアメリカ視察の目的でございますけども、本年3月16日に市長と知事の合同記者会見で発表しました
堤ヶ岡飛行場跡地の活用についての先進地調査として、群馬県知事、副知事とともに
シリコンバレー等を視察したものでございます。
御質問の訪米費用でございますけども、今回のアメリカ視察は6名で実施いたしまして、合計が約781万円となってございます。なお、予算につきましては、今年度秘書課で計上されている海外旅費、それと詳細なスケジュールの決定に期間を要したことから、不足分を市長交際費と都市計画課経費から流用させていただきまして対応したところでございます。
次に、成果でございますけれども、今回のアメリカ視察はすぐに企業との契約を求めに行ったわけではなく、考えられるありとあらゆる最先端技術を活用し、新たなイノベーションを展開しようとする
堤ヶ岡飛行場跡地のまちづくりの意向を海外の企業に深く周知するということと、アメリカのIT企業や
スタートアップ企業のリーダーと市と県のトップが人間関係や協力関係を築く第一歩とすることができたということは、市長が自ら視察を行った大きな成果であると考えているところでございます。そして、トップIT企業の幹部や
スタートアップ企業のリーダーと群馬県や高崎市との当面の連携協力体制の在り方でございますとか、連携事業が話し合われたところでございまして、このような取組が次のステップの基礎となると考えられることから、貴重な成果であると考えているところでございます。また、シリコンバレーにおける勤務者の住環境でございますとか、通勤事情につきまして実態を把握し、話し合われたところでございまして、様々なIT分野の企業が高崎に配置された場合、これらの点について必要な施策が求められることについて、多くを学習することができたところでございます。さらに、イノベーションが生まれる地域の構築には、よりよい大学との連携による人材供給の存在が欠かせないとIT企業の幹部たちからの助言が強くございまして、この点の重要性について、市長、知事の認識が一致したところでございます。
◆35番(三島久美子君) ネットフリックスがトップIT企業かどうかは分かりませんけれども、今日本の食料自給率は38%で、国は食料・農業・農村基本計画で、それを2030年、あと僅かですが、45%にするという方針を示しています。ですから、この優良農地の転換というのはなかなか一筋縄ではいかないのではないかなと思っています。また、先般のアメリカ訪問の際、先ほどいろいろるるありましたけれども、IT教育機関のTUMO(ツーモ)センターのアメリカ国内初の建設予定地を見学したとか、また動画配信を展開するネットフリックスの幹部ともお会いしたということでございますけれども、ネットフリックスの幹部からは、群馬は住みよさではいいけれども、クリエーティブ人材の拠点になるにはクリエーターが働き続けられるような環境づくりが必要だという非常に厳しいアドバイスを受けたと。それは報道されています。こうしたことを考えると、開発構想の策定に当たっては、土地の所有者だけではなく、オール高崎市民の理解の醸成が必要不可欠、そのように思います。市民への説明責任をこれからいかに果たしていくか、また市民の理解の醸成にどのように取り組んでいくか、お答えいただきたいと思います。
◎都市整備部長(清水博幸君) 再度の御質問にお答えいたします。
堤ヶ岡飛行場跡地におきましては、農地の所有者を対象とした意向調査を本年6月に実施し、約9割の所有者の方が新しい産業を生かしたまちづくりに理解を示していただきました。農業を長く継続してこられた所有者の方々にとって、できれば引き続き農業を営んでいきたいという気持ちを持つ方が一部にいることはもっともであると理解しているところではございますが、この9割を超える結果からは、農業従事者の高齢化や跡継ぎの問題、また小規模な農業生産しか期待できない土地を守っていくよりも、もっと広い意味で新たなまちづくりに御賛同いただいた明確な根拠を証明したものと考えております。また、今後都市計画の手続を進めていくに当たりましては、地元区長や地権者への説明はもとより、事業の説明会や案の縦覧、意見を述べる機会がある公聴会や都市計画審議会など、進捗状況に応じた丁寧な説明を行い、理解を深めていただく場を設ける予定でございます。
いずれにしましても、本事業が将来の本市や群馬県の発展につながるよう、このような手順を踏んだ上で、最終的には関連する予算案を議会に上程いたしますので、慎重審議を行い、議決していただくことになることは当然のことと考えております。
◆35番(三島久美子君) 最終的に示されても。順次、随時いろんな経過を教えてください。
この
堤ヶ岡飛行場跡地を視野に入れて、本市では今年度の当初予算に都市計画マスタープラン策定委託料787万5,000円を計上していますね。その進捗については全く私どもに報告もないし、議会としては検討、協議のしようがありません。西毛広域幹線道路の沿線の線引きの変更がありました。あの現状を見ても分かるように、確かな裏づけがないままに、希望的観測で安易な改定を行っても、非常に問題があると私は思っています。
そこで最後に、
堤ヶ岡飛行場跡地の開発構想を今後どのように進めていくのか、本市のまちづくりの根幹に関わる非常に重要な事案でございますので、丁寧かつ具体的な答弁をお願いいたします。
◎都市整備部長(清水博幸君) 再度の御質問にお答えいたします。
堤ヶ岡飛行場跡地の今後の見通しでございますが、本年度中に農林調整や治水協議の資料を整え、県や国との協議を開始したいと考えております。その後、市街化区域に編入するために、公聴会や案の縦覧、都市計画審議会や国との本協議を進めていく予定でございます。また、これらの協議と並行して、環境影響評価など、必要な手続を進めてまいります。
◆35番(三島久美子君) 本当にこの問題は大きな問題です。93ヘクタールの広大な土地は、この地権者の方だけではなく、高崎市民にとって本当に重要かつ貴重な財産なのです。少子高齢化がとどまることを知りません。社会保障費の増大は本当に喫緊の課題です。市政運営を圧迫しています。限られた予算をいかに効率的かつ有効に使うかは、本市に課せられた使命であり、責務なのです。富岡市長のお考えも一理あるとは思いますけれども、どうか慎重にも慎重を期して、しっかりとした裏づけに基づいた開発計画を策定し、議会にもしっかり示していただいて、議論の場を与えてください。それを強く訴えて、私の一般質問を終わります。
○議長(時田裕之君) 35番 三島久美子議員の質問を終わります。
次に、1番 渡辺隆宏議員の発言を許します。
(1番 渡辺隆宏君登壇)
◆1番(渡辺隆宏君) 議席番号1番 渡辺隆宏です。通告に基づき質問いたします。
今回私は、本市企業への海外進出支援についてお聞きいたします。企業の海外進出は、新たな販路、また市場の開拓や生産コストの削減など、企業競争力の向上に重要な役割を果たします。グローバル競争において先手を打つことは、先行者利益を獲得することになり、今後の新規事業や技術の開発において財産になることは言うまでもありません。ただ、その一方で、国際部などを有しない中小企業などが海外進出を図ることは、人材やノウハウ、現地とのパイプや資金面等々、ハードルは低くありません。
そこで、本市には企業への海外進出支援の一環として行っております高崎ものづくり海外フェアがございます。今年も4回目の出展となりますシンガポールで開催されましたITAP(アイタップ)、そしてタイ、バンコクで開催されましたMETALEX(メタレックス)、これについては初出展のことであります。まずは、その高崎ものづくり海外フェアの事業概要についてお聞きいたします。
◎商工観光部長(福島貴希君) 渡辺隆宏議員の本市企業への海外進出支援についての御質問にお答えいたします。
高崎ものづくり海外フェアは、市内ものづくり企業の販路開拓やビジネス機会の創出、若手経営者の海外展開支援を目的に2014年より実施しており、コロナ禍における中断などがありましたが、今年で7年目となりました。実施の手法としましては、海外の国際展示会に高崎市ブースとして市内製造業者が出展する形式のほか、ビジネスマッチングを目指し、現地の企業関係者を招いた独自商談会や交流セミナー形式の会もございました。また、いずれの会も、高崎市を知っていただくために、だるま職人や和菓子職人などによる実演や高崎産の新鮮な果物や野菜、食などを提供するPRイベントも併せて実施し、高崎ブランドの世界への発信に努めてまいりました。
◆1番(渡辺隆宏君) ありがとうございました。本市企業の技術や製品の海外進出や若手経営者の海外展開支援、併せて高崎市の魅力を世界に発信する絶好の機会を生かした、まさに世界に殴り込みをかける攻めの事業であることが分かりました。当事業におきましては、ある程度ビジネス的思考が必要な事業の一つかと思います。売り込む以上は、買っていただかなければなりません。もちろん投資と回収とまでは言いませんが、参加企業におかれましては当事業をきっかけとして、新規顧客の獲得や新規ビジネスなどで売上げを伸ばしていただき、結果として本市の地域経済を牽引し、支えていただきたい。また、海外諸国や海外企業におきましては、来日する理由の一つとして、本市企業との取引はもちろんですが、現地でも大変好評と聞いております高崎だるまや食など、とにかく理由は何でもいいです。高崎シティが選ばれることが一番望ましいことでございます。また、参加された企業の技術力や製品のレベルが高いからこそ、ここで売り込んだものがこの先大きなビジネスにつながっていくことは大変期待できることと思います。
そこで、続きまして本事業におきます過去の実績とその後の進捗についてお聞かせください。
◎商工観光部長(福島貴希君) 再度の御質問にお答えいたします。
過去には、インドでの展示会、タイでの経済交流セミナー、チェコ、ポーランドでの商談会、シンガポールでの商談会及び展示会を実施してまいりました。今年度につきましては、シンガポールで開催された展示会へ継続して出展するとともに、タイ、バンコクでの展示会に初めて出展したところでございます。その中におきますその後の出展企業の主な進捗実例としましては、インドの製造業展示会に出展したことがきっかけで、日本企業の現地法人と商談が進み、インド国内に工場を設立し、インドでの業績が伸びている企業があるほか、シンガポールの展示会でつながった現地商社を通じて製品の販売ルートができ、商材の輸出が現在も続いている企業などがございます。
そのほかにもシンガポールにおきましては、同国最大の工業団体であるシンガポール製造業連盟と高崎青年経営者協議会が相互協力の覚書を締結し、シンガポールの国務大臣をはじめとした経済団体関係者が本市を訪れ、市内企業の視察が行われるなど、経済交流が行われております。また、それ以外にもシンガポールの著名な映画監督であるエリック・クー氏により、高崎とシンガポールを舞台にした映画「家族のレシピ」が制作され、主演のジネット・アウ氏は高崎PR大使として、現在においても国内外に本市の魅力を発信しております。
今年度の出展につきましても、シンガポールの展示会では会場での商談が発展し、展示会期間中に現地工場に招かれ、製造工程の見学やサンプル品を預かり、具体的な取引が続いている企業がございました。また、初出展のタイ、バンコクの展示会では、具体的な商談や見積依頼などが各社とも相当数寄せられており、今後の展開に期待が持てる状況でございます。
◆1番(渡辺隆宏君) ありがとうございました。海外生産拠点の設置に伴い業績が伸びている企業、また新たな販売ルートを獲得した企業など、具体的実例をお示しいただきました。さらに、今年度の出展においても、早速具体的な動きが多くあると答弁いただきました。これも事前の入念な準備、また実際に現地に行き、出展企業の皆様とともに汗を流された方たちのおかげであるとも思っております。
本県、群馬県内の市町村において、同様の製造業関連の海外展示会出展の事例は現在ほかには見当たらず、先進的取組であり、この場をお借りしまして、今まで当事業に関わられてきた全ての皆様と、今回シンガポール並びにタイ、バンコクの現地に行かれました時田議長、商工観光部長をはじめ、担当部局の皆様に感謝申し上げます。大変ありがとうございました。
また、今回初出展のタイ、バンコクのMETALEXでも、早速具体的な商談や見積り依頼などが各社に相当数寄せられているとのことです。そこで、今回タイ、バンコクの国際展示会へ初出展した経緯と、そして当日の様子や反響についてお聞かせください。
◎商工観光部長(福島貴希君) 再度の御質問にお答えいたします。
今回初めて展示会に出展したタイ、バンコクにつきましては、昨年現地で開催しました本市のPRイベントが大変好評で、現地企業や関係機関とのつながりが深まったことや、市内企業からも、日系企業の出展が多く、金属加工関連の展示会は自社のビジネスに合致するとの声が多かったことから、出展を決めたところでございます。この展示会は、今年で37回目の実績ある製造業の国際展示会で、50か国から約2,500社が出展するASEAN(アセアン)最大級の展示会です。ここ数年は、世界的な新型コロナウイルスの影響で中止や規模縮小となっておりましたが、今年度はコロナ禍前に近い開催状況に戻り、会場全体で活発に企業説明や商談が行われておりました。
高崎ブースの企業におきましても、興味深くブースを見て話し込む来場者が多くあり、出展者からは、展示会の規模が大きく日系企業も多数出展しているため、具体的に日本との取引を考えている来場者が多いや、タイは日系企業間のつながりが強く海外展開しやすいと感じた、また世界各地から企業が出展しており情報収集の場としても大いに活用できたなどの声を頂き、今後の海外展開につながる可能性が持てた反響でございました。
◆1番(渡辺隆宏君) ありがとうございました。
タイ、バンコクに進出するに当たり、昨年の現地でのPR活動が大変好評であったと。また、そのときの感触として、METALEXが市内企業との相性がよいのではないかと。ビジネススタイルに合致するところがあるといった企業からの声もあり、出展を決めたことが分かりました。超最先端の技術などを展示するITAPに対しまして、金属加工関連の展示会であるMETALEXは、市内企業の今までの培ってきた技術や経験がより生かされ、本市の製造業にとってはさらに相性のいい展示会であったのではないかと思っております。さらに、当展示会METALEXにおきまして、今回市町村レベルでの参加は、少なくとも国内勢では本市が唯一であったともお聞きしております。他県のブースからは、本市の取組に対して質問や驚きの声があったともお聞きしております。タイ、バンコクのMETALEXは、地域性やカテゴリーでは高崎ものづくり海外フェアとこれ以上ないほど相性のいい国際展示会の一つではないでしょうか。各社の商談やビジネス展開に今まで以上に期待が持てると思っております。
ですがここで、海外進出をするに当たり多くのハードルを乗り越えなければならない中、海外進出に伴うリスクについても考えなくてはなりません。政治的リスク、経済的リスク、文化的リスク、規制的リスク等々、諸外国とのビジネスには様々なリスクが考えられます。もちろんビジネスには当然リスクはつきものでございますが、本市が海外進出支援を行う事業におきましては、これらのリスクについてもヘッジ、つまり最小限に抑えていく取組が必要だと思っております。
そこで、企業の海外進出に伴うリスクヘッジへの取組やフォローアップについて、本市の考えをお聞かせください。
◎商工観光部長(福島貴希君) 再度の御質問にお答えいたします。
当事業の実施に当たりましては、海外展示会に初めて出展する企業もあることから、渡航前の出展者説明会におきましてジェトロの本部から海外進出専門家を招き、海外展示会に臨む心構えや注意点、商談に結びつけるための工夫など、具体的なアドバイスを頂き、準備を進めております。また、慣れない外国語対応を不安に思う企業に対しましては、展示会での通訳アシスタントも用意しております。また、展示会後の商談は数年継続し、長期化するケースもあることから、相手からのメール等の問合せに対するアドバイスや、再度渡航し具体的な打合せをする際の支援や通訳手配などのフォローアップも行い、出展企業の商談中の不安やリスク軽減に努めております。さらに商談が進みまして、製品の輸出に関する諸手続などの相談につきましては、本市に所在するジェトロ群馬と連携し、案件をつなぐことで、より具体的な個社支援ができる体制を整えております。今後も出展企業が安心して海外展開にチャレンジできるよう、関係機関とも連携し、本市企業のフォローアップに努めてまいりたいと考えております。
◆1番(渡辺隆宏君) ありがとうございました。
リスク軽減に対する取組、そしてフォローアップについて御答弁いただきました。ここで、ジェトロ群馬さんの事務所が本市にあることが、本市において大きなアドバンテージであるのだと思いました。先ほど来申し上げておりますリスクについてですが、製造業関連の国際展示会におきまして、企業の技術や製品をオープンにする以上は、当然その瞬間から盗作や模倣品の出回り等のリスクも十分に考えられます。そのため、知的財産の保護の取組といった国際規格の特許の取得サポート等につきましてもジェトロさんの重要な取組の一つだと伺っております。国内ひとしくこれらのサービスは受けられますが、新幹線での出張の帰りなどにも気軽に立ち寄れる本市の環境は、海外進出に取り組む本市企業においては恵まれた環境であることは再認識しなければなりません。
これら本市の恵まれた環境と本市独自の支援事業により海外進出支援を受けている本市製造業ではありますが、私としてはぜひこれらの支援事業や国際展示会を通じて得た知見や経験、またそれらのノウハウを本市のほかの企業にも共有していただきたいと思っております。そこで、帰国後の本市企業への知見、ノウハウ等の共有の状況についてお聞かせください。
◎商工観光部長(福島貴希君) 再度の御質問にお答えいたします。
本事業の市内企業への知見等の共有につきましては、本市では古くから機械工業やプレス業といった製造業の組合や若手ものづくり経営者の団体などの連携が取れておりますので、そういった本市の強みを生かして、各団体の定例会や情報交換の場において海外展開の取組や成果などが報告され、業種問わず、広く共有できているものと認識しております。また、出展企業は、これらの団体に所属する経営者も多いことから、当事業に出展した経験や海外に挑戦する意義が若い経営者等にも伝わり、海外フェアに積極的に参加する企業が増えている状況がございます。さらには、出展企業同士の連携も図られており、出展中は高崎ブースの訪問者は関連する出展企業に確実につなぐ体制ができているほか、海外展開に初めてチャレンジする出展者に対しましては、輸出入に実績のある商社を紹介するなど、企業間で有益な情報共有が行われており、当事業の特徴の一つでもございます。
◆1番(渡辺隆宏君) ありがとうございました。これら世界レベルの展示会出展の経験は、製造業のみならず、ほかの業種でも生かせるほか、国内の展示会におきましても十分応用が利くところだと思います。ぜひとも参加された企業さんには、これらの経験を本市のほかの企業さんにも積極的に還元いただきたいと思っております。
また、高崎ものづくり海外フェアに併せまして、ブースを出すまでには至らないものの海外進出を視野に入れ活動しようとしている企業さんへ、ツアーなどを検討いただけないでしょうか。当事業におかれましては、若手事業者の海外展開支援も目的となっております。実際に現地を目の当たりにすることで、事業意欲をさらにかき立て、さらに海外進出の一歩が踏み出しやすい環境となるのではないでしょうか。少々過保護と言われるかもしれませんが、海外進出のきっかけのみならず、ものづくりにおけるヒントですとか、また国内の展示会でのブースづくりの参考など、これ以上ない生きた教材になるのではないでしょうか。通訳やサポートスタッフの一部共有化、また旅費等は出展企業同様に自社負担にすれば、少ない事業費でも運用可能だと考えます。また、これを望む声もございますので、他市にはない先進的な本市独自の取組の一つとして検討をお願いします。
最後になりますが、日々技術と向き合い、研究、開発、設計、製造、販売、またアフターメンテナンスされています市内製造業に携わる全ての皆様に最大限の敬意を表し、さらなる本市ものづくりの発展を願いまして今回の一般質問を終わりにいたします。ありがとうございました。
○議長(時田裕之君) 1番 渡辺隆宏議員の質問を終わります。
次に、19番 新保克佳議員の発言を許します。
(19番 新保克佳君登壇)
◆19番(新保克佳君) 19番 新保克佳でございます。通告に従い、1点目、商品車における軽自動車税(種別割)について伺いたいと思います。
今回通告しましたこの商品車とは、文字どおり販売目的の商品となる車両のことでして、その中でも中古の車両に係る軽自動車税に関する質問となります。まず、軽自動車税種別割の課税条件など、制度について御説明いただきたいと思います。また、本市における課税対象となる車両の台数、税額なども併せてお示しください。
◎財務部長(天田順久君) 新保克佳議員の1点目、商品車における軽自動車税(種別割)についての御質問にお答えいたします。
先に、軽自動車税種別割の課税対象といたしましては、原動機付自転車、4輪あるいは3輪の軽自動車、農耕用トラクターなどの小型特殊自動車及び2輪の小型自動車でございまして、これら軽自動車などのうち、毎年4月1日現在でナンバーが交付され、本市内に主たる定置場がある車両の所有者に対して課税するものでございます。
また、軽自動車税種別割の対象となる台数及びその課税額でございますが、令和4年度決算における課税台数は約13万9,700台、調定金額といたしまして約10億6,700万円となっております。
◆19番(新保克佳君) 御答弁ありがとうございました。新車、中古車合わせた課税状況をお示しいただきました。総務省が示している地方税制度の概要では、軽自動車税種別割は、道路等との間に極めて直接的な受益関係を持つ特殊な財産税としての性格と、道路損傷負担金的な性格を併せ持つと定義されております。つまり、軽自動車などを所有することに、そもそもそこに担税力があり、道路を運行することにより生じる修繕費を担うため、こういった課税目的と理解できます。
さて、先ほども申し上げましたが、今回取り上げますこの質問の主役は中古で販売される商品車です。次に、中古車販売業者などが販売目的で仕入れて商品車となる軽自動車の軽自動車税種別割の課税はどのようになっているのかをお伺いしたいと思います。
◎財務部長(天田順久君) 再度の御質問にお答えいたします。
軽自動車税種別割は、原則として毎年4月1日に軽自動車などを所有している方に課されるものでございますので、例えば中古自動車販売業者が4月1日時点でその所有者である場合には、その方に課税しているところでございます。ただし、道路運送車両法の規定に基づき一時抹消の手続をし、ナンバープレートがついていない車両につきましては、道路を運行することが想定されないことから、課税対象とはしていないところでございます。
◆19番(新保克佳君) ナンバープレートがついていない車両については課税されないと御説明いただきました。つまり、ナンバープレートがついている車両は課税される。ナンバープレートの有無によって違いが生じている、こういったことであります。このナンバープレートがついていない車両の課税の考え方については、国において過去、商品であって使用されていない軽自動車などに対しては課税しないと。具体的にはナンバープレートのついていないものと示されたことがちなみとなっているようであります。
では、商品車とは全てナンバープレートがついていないのでしょうか。商品とは、古物営業法第3条の許可業者となる中古自動車販売業者が販売を目的として取得した車両のことで、言い方を変えれば、まだその段階では道路を運行しない、する必要がない車両となります。また、中古車にナンバープレートがついているものが多いのは、中古自動車販売業者によって下取り、または買い取られた後、ナンバープレートを返納せずに一時的に販売業者の名義に変更した上で、在庫商品として古物台帳に記載し、展示販売するからなのであります。したがいまして、ナンバープレートがついていても、商品車は公道を運行することは想定していない車両であり、所有者もすぐに変更する前提の車両なのであります。このように解釈できる中で、ナンバープレートの有無で軽自動車税種別割の課税免除が決められるというのは、同じ中古商品車の中で取扱いに差が生じ、公平性を欠いてしまいます。
それともう一つ、御存じの方もいらっしゃるかと思いますが、普通車の自動車税種別割、これは群馬県税でありますが、こちらは中古商品車について、ナンバープレートの有無にかかわらず減免措置が取られております。こうしたことから、今この考え方が全国の自治体で広がりつつあると聞いております。軽自動車の中古商品車において、軽自動車税種別割を課税免除にすべきと考えますが、当局の御所見を伺います。
◎財務部長(天田順久君) 再度の御質問にお答えいたします。
御指摘のように、他の自治体において近年ナンバープレートが交付されている商品車であっても使用されないことが客観的に確認できる、そのような場合には課税を免除する例があること。また、普通車の自動車税種別割については、ナンバープレートがついている商品車についても減免される場合があること、そのようなことは承知しているところでございます。
このような状況も踏まえまして、今後他市の状況、また税負担の公平性、そのような観点から研究してまいりたいと考えております。
◆19番(新保克佳君) 今回の質問をする上で、JU群馬、群馬県中古自動車販売協会の皆様からも、本日は時間の都合で御紹介し切れないお話も含めて、様々な状況を伺ってまいりました。世界的な物価高や資源高、また半導体不足などもあり、自動車メーカー各社では生産の遅れが続いておりまして、中古車業界にも先行きに対する不透明感というものが高まっているとのことでありました。そうした中でも、いや、むしろそうした状況だからこそ、中古の軽自動車の需要、人気というものは高いものがあるそうであります。我が国の軽4輪の自動車販売台数は、年間百六十数万台、それに対し、中古の軽4輪自動車の販売台数は約300万台となっております。思えば軽4輪などの軽自動車は、若者や女性、さらには高齢者にも乗りやすく、市民生活を送る上で欠かせない足となっている車両であります。ただいまの御答弁を伺いまして、前向きに研究していただけるものというふうに理解できましたので、ぜひともよろしくお願いしたいと思います。
続いて2点目、本市の国際交流ボランティアへの支援について伺いたいと思います。戦場と化したウクライナやパレスチナ自治区、ガザ地区のニュースを前に、人種や国籍、民族、さらには文化、宗教といった違いを認め合うことの重要性、そうした意見がいや増していると感じます。また、地方に住む私たちの身の回りにおいても、好むと好まざるとにかかわらず在日外国人が増えてきていることを実感いたします。いずれにしましても、そうした多様性への理解と地域特性を生かした幅広い交流、そして共にこの地で生きていこうとする取組や環境づくり、サポートが重要と考えます。
さて、本市では官民様々な分野、形で国際交流や、また国際交流と言ってよい事業や活動が進められております。昨日の丸山 覚議員のスポーツによる国際交流の質問がありましたが、まさにそのとおりでありまして、スポーツ、芸術の推進もとても効果的な国際交流と考えられます。
それでは、まず本市の国際交流の取組と本市の在住外国人の状況や抱えている課題、対応などについて伺いたいと思います。
◎総務部長(曽根光広君) 2点目、本市の国際交流ボランティアへの支援についての御質問にお答えいたします。
本市の国際交流事業には、海外の都市や人々との交流、本市に在住する外国人への支援をはじめとした官民様々な取組がございます。例えば海外交流においては、姉妹友好都市との交流に加え、文化、スポーツの分野でも様々な交流が行われております。本年1月には、高崎芸術劇場で開催されたウクライナ国立歌劇場のオペラ公演において、高崎第九合唱団との共演及び交流レセプションが行われました。スポーツの大会では、高崎アリーナでのバスケットボール女子日本代表親善試合やチアリーディング世界大会をはじめとして、先月開催された清水善造メモリアルテニスコートでの高崎国際オープンなどで、選手と市民、学生との交流の場面がありました。また、昨年度に2回受入れを行ったウクライナ新体操選手団の避難合宿では、市内の新体操チームとの温かい交流もございました。
次に、本市の在住外国人への支援につきましては、市や高崎市国際交流協会が行っている外国人相談や日本語教室、華道や茶道などをはじめとした日本文化を紹介するCool Takasaki発信事業などがございます。11月末時点の本市の在住外国人は、この10年間で約1.7倍の6,999人と急増しており、それに伴い、市が行っている外国人相談件数も約3倍の1,096件に増加しております。
今後外国人がさらに増えることにより、言語や相談内容の多様化への対応、生活習慣の違いなどによる日常生活における困り事へのきめ細やかな支援など、さらなるサポートが必要であると認識しているところでございます。
◆19番(新保克佳君) 御答弁いただきまして、様々な文化、スポーツの事業、改めて高崎アリーナ、高崎芸術劇場など、施設を整えていただいてよかったなというふうに思いました。また、本市に在住の外国人の方の人数が大きく伸びていることも、少し驚きとともに受け止めました。10年前の1.7倍に増えている様子。そして公式発表でも、次は7,000名を超えるのかななんていうふうに思いました。また、それに伴い、外国人の相談件数が1,000件を超え、同じく10年で3倍に増加しているということで、様々なサポートが必要と予想されます。
さて、本市の国際交流を担う中心的な団体が、今も出てきました高崎市国際交流協会です。本市も同協会への予算を計上しておりますので、次にこの高崎市国際交流協会について少し伺いたいと思います。高崎市国際交流協会は、在住外国人へのボランティア活動を活発に行っていただいていると聞いておりますので、まずこの内容や支えていただいている団体の数、人数などについて、活動状況をお伺いしたいと思います。
◎総務部長(曽根光広君) 再度の御質問にお答えいたします。
高崎市国際交流協会は、市の支援、協力の下、国際交流や市内在住外国人の支援などの事業を行っており、会員数は個人会員が約200人と団体会員が約40団体で、会員のうち約半数の方がボランティアとして、5つの部会で活動を行っております。各部会につきましては、海外文化の紹介をテーマとしたイベントを実施している都市友好部会、在住外国人と市民の交流イベントを実施している事業部会、青少年の国際理解を推進するためのイベントを実施している青少年育成部会、イベントや協会事業を情報発信している広報宣伝部会、そして日本語を母語としない人たちが本市でスムーズな社会生活を送れるよう支援しているコミュニケーション支援部会があり、それぞれの部会では会員相互の親睦を図りながら、様々な事業を実施しているところでございます。
◆19番(新保克佳君) 団体会員が約40団体、そして会員数が約200名という御報告でした。そのうち、さらに約半数の方々が5つの部会に所属し、何らかのボランティア活動を行っていただいているといった話でございました。熱心に活動されている様子がうかがい知れたわけでございます。
実は先日、この高崎市国際交流協会のボランティア活動に参加している方々のお声というものを伺いました。その方々は、外国人のお子さんたちへの日本語学習支援のボランティアを行っております。国際交流の根幹でもある言葉を指導すること、私たちの日本語を世界の子どもたちに教えるというこの活動にとてもやりがいを感じていらっしゃる、このようにお話しでありました。
ところが、さらによく聞いてみますと、そうした活動はいわゆる手弁当で行っているとのことでありました。私はその話を聞きまして、せめて交通費というのでしょうか、ガソリン代というのでしょうか、そういったものを支援してさしあげてもよいのかなというふうに感じた次第であります。
この日本語支援ボランティアは、先ほどの御答弁でいうところのコミュニケーション支援部会になるのかなというふうに思いましたが、他の部会でも同様の処遇かと思われます。今後も在住外国人が増えることが予想される中、本市の国際交流を支えるボランティア活動への具体的、直接的な支援も考えるべきではないかと思いますが、市当局のお考えを伺いたいと思います。
◎総務部長(曽根光広君) 再度の御質問にお答えいたします。
高崎市国際交流協会の事業では、在住外国人対象の日本語教室や子ども日本語学習支援、官公庁等での手続における通訳など様々な場面でボランティアが活躍しておりますが、ボランティア活動の趣旨を理解していただいた上で、自発的に参加していただいております。協会で行っている支援といたしましては、市外での研修にかかる交通費や日本語学習支援のステップアップ研修にかかる費用の支援などがあり、研修の充実等の面から活動をサポートしているというところでございます。今後につきましても、協会と協力、連携して、ボランティアのスキルアップと育成を図ってまいりたいと考えております。
◆19番(新保克佳君) ボランティアですから、あくまでも自発的な参加ということが基本の上で、活動自体への支援や活動がレベルアップするような支援に対して前向きな御答弁をいただきました。今回取り上げた日本語学習支援ということについては、教育委員会の事業としても言語指導者という取組があって、そちらが非常に活発に、また効果を発揮しているというふうにも伺っております。活動内容が重複することもたくさんあるかと思いますので、そちらとの連携ということも非常に有効かなというふうに思います。行政がその橋渡しなどをやっていただけたらありがたいなというふうに思っております。
以上で今回の私の一般質問を終わりたいと思います。ありがとうございます。
○議長(時田裕之君) 19番 新保克佳議員の質問を終わります。
次に、6番 角倉邦良議員の発言を許します。
(6番 角倉邦良君登壇)
◆6番(角倉邦良君) 角倉邦良でございます。おが粉の高騰に伴う菌床シイタケ、なめこ農家・業者に対する高崎市の支援の取り組みについて御質問させていただきます。
私の住む吉井町に入ると、合併前なのですけど、シイタケ、キュウリのまちという看板が出ているのですが、3.11の東日本大震災、そしてそれに伴う福島原発事故、そしてその後の放射性プルームがこの群馬県にもやって来て、原木シイタケや菌床シイタケ、あるいはそういったキノコ類に対して、厳しい状況が発生したわけでございます。そういった意味で、吉井のみならず、高崎市全体でも、群馬県全体でも原木シイタケあるいは菌床シイタケ、ナメコ、そういった農家がたくさん廃業されたというこの10年でございました。
そういった中で、菌床シイタケあるいはナメコのおが粉が様々な要件があって品薄になり、高騰しているということでございます。菌床キノコ農家の生産体制を維持していくために、高崎市としてできる対応ということについてまず御質問をしたいというふうに思っております。よろしくお願いします。
◎農政部長(只石恵一郎君) 角倉邦良議員の1点目、おが粉の高騰に伴う菌床シイタケ、なめこ農家・業者に対する高崎市の支援の取り組みについての御質問にお答えいたします。
菌床キノコで使用されるおが粉は、広葉樹から生産されております。しかし、木質バイオマスでの広葉樹の活用や、高齢化や人材不足による広葉樹を伐採する切り手の不足、さらには需給バランスが崩れたことによる品薄と価格の高騰など、おが粉をめぐる現在の状況が菌床キノコ農家の経営を圧迫しております。このままの状況が続きますと、今後の生産に大きな影響を及ぼすものの、本市だけでは抜本的な問題解決が困難な状況でございます。そのため、本市といたしまして、県に対して安定的な供給体制の確保などについて要望を行っているところでございます。
なお、県では現在の事態を受け、供給可能な事業者をキノコ農家に情報提供するなどの対策も実施しておりますので、引き続き県や関係機関とも十分連携を図ってまいりたいと考えております。
◆6番(角倉邦良君) 御答弁ありがとうございます。
菌床シイタケやナメコの農家さん、業者さんの皆さんから私もお話を聞かせていただいて、高崎市の農林課のほうに御要望を伝えさせていただき、迅速な対応を農林課の皆さんにしていただいたことにこの場を借りて心から感謝を申し上げたいなというふうに思っております。
今群馬県で菌床シイタケやナメコといったときに、富岡市が農家としては一番多いようでございます。高崎市は2番目ということでございますが、とにかくこの厳しい状況の中で、これから正月に向けてシイタケや、あるいはナメコも非常においしいものとしていろんな形で販売されるのですが、販売そのもの、生産そのものができなくなってしまうということも、このおが粉の不足で心配されているわけでございます。県のほうが先頃国の基金を使って、様々な農業支援の一環に、このおが粉の高騰に伴う支援として使えるメニューというものを提起をしていただいたのですが、やはり小規模な菌床キノコ農家にとって、使い勝手のいい支援メニューになかなかなっていないということも含めて、ぜひとも高崎独自にこの支援策というものを練っていただきたいというふうに思いますが、部長のほうの御答弁をよろしくお願い申し上げます。
◎農政部長(只石恵一郎君) 再度の御質問にお答えいたします。
本市では物価高騰対策として、農畜産物を出荷している全農家及び認定農業者に給付金を支給することでその支援を実施してまいりました。この支援は、農家が影響を受けている燃料や資材の高騰に対する総合的かつ包括的な支援であり、キノコ農家もその支援の対象になっております。おが粉の問題は、価格上昇はもとより、安定的な供給体制という根本的な課題の解決が不可欠であることから、基本的には県や国が対応すべき内容であると考えておりますので、今後の動向に注視するとともに、関係機関と連携して、適切に対応してまいります。
◆6番(角倉邦良君) 御答弁ありがとうございます。この価格上昇はもとより、安定的な供給体制という根本的な問題の解決が不可欠だという答弁でございます。高崎市に私のほうから要望させていただきたいのですが、とにかくこのおが粉をどう確保するのかということでございます。
例えば上野村なのですが、上野村は独自に菌床シイタケの大きな販売拠点、生産拠点をつくっているわけでございます。ただ、上野村のほうに確認をしてみると、そこで使っているおが粉も、まだ3.11の福島原発事故の影響で、上野村にある広葉樹林の例えばナラあるいはクヌギ、そういったものに対して放射能の心配があるということで、実は上野村も大量におが粉を使っているのですが、本来であれば上野村は独自に生産することが可能なのですけど、上野村の外に3.11以降に生産工場ができたということもあって、外から購入をしているわけでございます。ただ、一応事故から10年がたちました。そういった意味でいうと、上野村は、群馬県の中でも先進的な林業をしている地域だというふうに思っているので、ぜひとも上野村や、あるいは県内のそういった広葉樹林で、おが粉が生産できる、そういった木材関係のところを高崎市としてぜひ掘り起こしていただいて、少なくとも高崎市でおが粉を使って、菌床を栽培している農家が、安心して生産できる、そういった体制を目指してもらうために様々な調査をしていただくことをお願い申し上げたいというふうに思います。1つ目の質問はこれで終了でございます。
次に、これまた吉井の問題でもあるのですが、吉井物産センターの活性化に向けた高崎市の取り組みについてということでございます。我が吉井町というと、先般私の地元の吉井の樋口議員のほうからも御質問がございましたが、牛伏山、そして多胡碑、さらには吉井物産センター、この3つが吉井の大変な重要拠点というか、ある意味吉井の3つの大きな顔というか、そういったものだというふうに私は思っております。吉井物産センターももう30年近くたっているわけでございますが、皆さんも御存じのとおり、直売所としては群馬県内はもとより、全国にも向けた大変な発信力を持った地域の拠点でございました。しかし、これは全国的な状況もございますが、高齢化あるいは少子化、また何といってもやっぱり農家の皆さん、生産者がどんどん、どんどん減ってしまっているという状況の中で、最盛期には9億円の売上げでございましたが、今年初めて3億円ということになり、電気代の高騰もあって初めて赤字に転落したということでございます。生産農家も最盛期においては300軒近くあったのですが、今は150軒まで来てしまっているということでございます。
そういった意味で、吉井の大きな拠点というか、高崎から来る中山峠に最初に出てくるのがまさに吉井物産センターです。これに対して高崎市としてのPRの取組は、とりわけホームページやSNS、そういった方法でございますが、やはり高齢化が進んでいて、なかなかそういうことも含めて、今の吉井物産センターのホームページなんかを見させていただくと相当大昔のものになっておりますので、こういったことに対しての支援の在り方について御質問させていただきます。
◎農政部長(只石恵一郎君) 2点目、吉井物産センターの活性化に向けた高崎市の取り組みについての御質問にお答えいたします。
吉井物産センターふれあいの里は、吉井地域の農家の皆さんで開始した朝市活動から始まり、平成8年の吉井物産センター開設に伴い、その運営を吉井生産者協議会が担う中、平成17年に農事組合法人を設立し、現在市の指定管理施設としてその役割を果たしております。現在当施設では一部のサイトを活用し、公式ホームページが立ち上がっておりますが、掲載情報や更新頻度が少なく、集客の決め手となるような内容とはなっておりません。今後は、内容の充実や発信方法など、指定管理者と情報共有や意見交換を進める中で支援してまいりたいと考えております。また、本市といたしましても、市ホームページや公式SNS、広報高崎など様々な媒体を活用することでPRに努めてまいります。
◆6番(角倉邦良君) ありがとうございます。とにかく直売所も、いろんなスーパーや、あるいは生協、そういったところに今はたくさんの直売所があります。そういった意味で、やっぱり競争していく上で、なかなか難しい状況があるのだというふうに思います。
しかし、吉井物産センターの歴史と伝統ということを踏まえていったときに、高齢化という最も厳しい案件があるのですが、何とかまず吉井の人間が吉井物産センターでもしっかり買物していくということを進めていかなければいけないし、このSNSの関係は、この時代にあって非常に重要だというふうに思っておりますので、ぜひ御支援をお願い申し上げます。
そして、2つ目がこの吉井物産センターの敷地内の施設についてでございます。これについて、利用の柔軟化、あるいは改修というものをどのように考えているか御答弁いただければというふうに思います。
◎農政部長(只石恵一郎君) 再度の御質問にお答えいたします。
直売所北側の花木の販売スペースにつきましては、老朽化に伴う更新と利用者の休憩場所としての活用を図りたいとの提案を頂いており、現在改修に向けた協議を進めているところでございます。また、南側の食材供給設備棟に整備されております調理実習室と研修室、多目的ホールでございますが、国の補助金を活用し整備した経緯がございますことから、今後指定管理者からの具体的な活用の提案を受ける中で、有効に活用できるよう国と協議を行ってまいりたいと考えております。
◆6番(角倉邦良君) ありがとうございます。吉井物産センターは、生産者が朝9時に生産した野菜を持っていって、そしてその日の夕方5時にまた取りに来るということが、新鮮さを担保する上で非常な重要な取組の一つだったのですが、ここについても今の状況の中で、朝持っていって夕方取りにいくということについては、少し改善し、翌日取りに行くのもいいという形に今はなっているわけでございます。
ただ、余ってしまっているそういった野菜を加工していくためにも、先ほど部長が御答弁いただいたその施設の中に調理場がございます。そこは国の補助金で整備した関係で、利用しづらい状況になっております。これもぜひとも高崎市のほうで、早急に国や県のほうと詰めていただいて、より自由にその施設が利用できるようにしていただくことをお願い申し上げて、この質問を終わりにしたいと思います。ありがとうございました。
3つ目でございます。高崎市内の小学校、中学校の教員(管理職も含む)の長時間労働の改善への更なる必要性についてという項目でございます。まず、高崎市の小・中学校において、1か月の時間外勤務が80時間以上の教職員に対して、どのような対応を行っているかお伺いいたします。
◎
教育部学校教育担当部長(大澤好則君) 3点目、高崎市内小学校、中学校教員(管理職も含む)の長時間労働の改善への更なる必要性についての御質問にお答えいたします。
1か月の時間外勤務が80時間を超えた教職員に対しましては、市教育委員会から校長を通して個々の状況を確認するとともに、校長から産業医による面接指導の勧奨を行っております。あわせて、市教育委員会から校長へ、当該教職員に対する業務の見直しを組織的に行うよう指導しております。また、時間外勤務が月100時間以上または2から6か月の平均で80時間を超えた教職員に対しましては、校長が面接を実施し、市教育委員会へ状況を報告しております。面接の結果により産業医へつなげたほうがよい場合や本人が希望した場合は産業医との面接を実施し、産業医から指導、助言を受け、当該教職員の健康管理や業務改善に生かすよう指導しております。
◆6番(角倉邦良君) ありがとうございます。
長時間労働の改善ということについて、私は絶対的に必要だと思っているのですが、その根本的な考え方として、まず長時間労働の改善をすることが学校の先生の成長につながっていくようになっていかないといけないし、またそれが子どもたちの成長を促進して、先生の指導力というものがより高まっていくことにつながり、学校全体も活性化していく、そういう流れの中に長時間労働の改善があり、要は教育の質をいかにして高めていくかと。そして、学校の先生や管理職の方も含めて、より高崎市として質の高い教育をいかに展開できるか、そのためにこそ必要だと私自身考えておりますので、ぜひともそういった方向も含めて考えていただけたらというふうに思っております。
そして、2つ目になるのですが、高崎市として教職員の長時間労働のさらなる改善のためにどのように対応しているかについてもお伺いします。
◎
教育部学校教育担当部長(大澤好則君) 再度の御質問にお答えいたします。
教職員の長時間労働の改善は、教職員の心身の健康を保持するとともに、子どもたちに対して効果的な教育活動を行うために重要であると考えております。市教育委員会といたしましては、今後も学校訪問や各課主催の会議、研修、提出文書等において、簡略化や縮小、廃止が可能かどうか検討を行っていくとともに、オンライン会議やオンデマンドを活用した研修等を拡充して、教職員が参加しやすい会議、研修を実施していきたいと考えております。また、各中学校に配置している部活指導員についても継続して配置し、教員の部活動に関わる時間短縮や生徒の専門的な競技力向上を図っていきたいと考えております。
管理職に対しましては、今年度より新任校長、教頭が配属となった学校を中心に、学校経営アドバイザーとして管理職経験者を2名派遣し、管理職の業務遂行に関する助言や学校課題への対応等の相談業務を行っており、今後も管理職が効率的に業務を遂行することができるよう支援を続けていきたいと考えております。さらに、市教育委員会事務局各課からの通知等を見直し、管理職が文書管理に費やす時間の削減を図ってまいります。
◆6番(角倉邦良君) どうもありがとうございます。御答弁ありがとうございます。
いずれにしても、この具体的な長時間労働の改善というものは、やっぱり形にする、成果が表に出てくるということが大事だと。その結果、教職員の質の向上、そして教育の質の向上につながっていくという意味で、具体的にどう進めていくのかということについて、ぜひ教育委員会の皆さんにも具体的な成果を目に見える形にしていただきたいなというふうに思っております。
とにかく長時間労働の実態について、各市町村の教育委員会、県教育委員会も含めて、どのぐらいの長時間労働になっているかということについて、トータルな平均値は出ているのですが、例えば高崎でこのぐらいというものについての具体的な個々の数字は出せないということでございます。大変残念だなというふうには思っているのですが、とにかく具体的な成果を上げていただきたいというふうに思っております。
特に教頭先生は、4月、5月の学校が始まった時期だと、1か月で150時間を超えるような、過労死ラインである80時間の2倍近くというような教頭先生もいらっしゃるようです。そこに対して、高崎市として、管理職経験者の皆さんの具体的な御支援をいただいているということで、大変ありがたいわけなのですが、そういった実態も含めて、しっかり教育委員会のほうで掌握していただけたらというふうに思っております。そういった4月、5月が繁忙期の中で、子どもたちの問題行動であったり、あるいは親との関係も含めて、私たちが子どもの頃とはもう学校の先生と子どもたちの関係、親との関係が全く違う状況でございます。そういった意味で、学校の先生の人気が今全くなくなっている。若い人たちがなりたいという職業では全くなくなってきているということでございます。
そういった中で、長時間労働といったときに、月のお給料の4%分については時間外労働についてのお給料が払われているのですが、それ以外はなしということでございます。そういった意味で、我々の頃というのはやっぱりよくも悪くも、野球で言ったら千本ノックみたいな、昔はそういう世界だったと思うのですけど、今はやっぱり学校の先生と管理職、先生と子どもたち、あるいは先生と親たちの関係も含めて、どこまで粘り強く対話を積み上げていけるかということになってきてはいるのです。ただ、その対話を積み上げていくという作業は非常に大変な作業、ストレスのたまる作業ということでございます。
新しく教育長が御就任されたわけなのですが、私の要望としては、ぜひ高崎市内の80を超える小・中学校の現状というものをまず具体的につかんでいただき、教育長の思いというものがしっかりメッセージとして、学校、とりわけ校長先生や教頭先生の管理職にまず届くような形にしていただき、小・中学校の現状、その現実というものをぜひこれから、多少時間がかかっても掌握していただくということが、働きやすい、そして質の高い教育を高崎市独自で出せる、そういった流れにつながっていくのだというふうに思っております。
ぜひとも教育長には現場をしっかり掌握していただいて、対応していただくことを心からお願い申し上げて、私からの質問を終了させていただきます。どうもありがとうございました。
○議長(時田裕之君) 6番 角倉邦良議員の質問を終わります。
△休憩
○議長(時田裕之君) この際、暫時休憩いたします。
午後 2時33分休憩
────────────────────────────────────────────
△再開
午後 3時00分再開
○副議長(大竹隆一君) 会議を再開いたします。
休憩前に引き続き一般質問を行います。
11番 大河原吉明議員の発言を許します。
(11番 大河原吉明君登壇)
◆11番(大河原吉明君) 議席番号11番 大河原吉明です。通告に基づきまして一般質問いたします。
私からの質問は、本市のヤングケアラーSOSサービスについてです。ヤングケアラーとは、法令上の定義はありませんが、一般的に本来大人が担うと想定されている家事や家族の世話などを日常的に行っている子どもとされています。ヤングケアラーは、その日常的な大変さから、学業や友人関係などに支障を来しているだけでなく、進学、就職、結婚といった人生の大切な節目をはじめ、その子の人生に深刻な影響をもたらす可能性が指摘されており、社会問題となっています。昨年、おととしと行われた国による初めての実態調査により、中学2年生の約17人に1人、小学6年生の約15人に1人がヤングケアラーの可能性がある子どもであることが明らかになりました。昨今のメディア等の影響でその認知度は上がっているものの、その原因や環境の複雑さから、問題解決に向けた動きはなかなか進まない状況にあるようです。
さて、本市においては、令和3年に市立の中学校25校と高校1校の校長に聞き取り調査を実施し、その結果、各校に1人から2人程度ヤングケアラーの可能性がある子どもがいることが明らかになりました。この状況を打破すべく、富岡市長のリーダーシップの下、昨年の9月にヤングケアラーSOSサービス事業が開始されました。この事業は、該当する家庭へサポーターを無料で派遣し、ヤングケアラーが担っている家事や介護などを代わりに行うことで、直接的にその負担を軽減するというものです。このサービス事業は全国的にも注目されており、数多くの自治体がこの事業について行政視察するために本市を訪れています。さらに、最近、全国の自治体で特筆すべき先進事例が掲載されている全国区の行政マガジンにおいても、この事業が取り上げられていました。その記事の目次のタイトルにあったのは、“家庭の問題”で終わらせない!自治体の本気。待つより“出向く”姿勢でヤングケアラーを見逃さない。このタイトルを見たときに、この事業に取り組む本市を改めて誇りに思いました。このヤングケアラーSOSサービス事業が開始されてから1年が経過した今、本市が本気で取り組んでいるこの事業について幾つかの質問をしていきたいと思います。
まず、本市のヤングケアラーSOSサービスの現状についてお伺いします。
◎
教育部学校教育担当部長(大澤好則君) 大河原吉明議員の本市のヤングケアラーSOSサービスについての御質問にお答えいたします。
本市では、高崎市の子どもは高崎市で守るという市長の熱い思いから、ヤングケアラーが担っている家事等を支援するため、令和4年9月から全国に先駆けてサポーターの派遣を行っております。ヤングケアラーSOSサービスは、本市在住の中学生及び高校生、要望があれば小学生も対象としており、現在までの相談件数は100件を超えております。相談は学校からが最も多く、保護者や子ども本人からも寄せられており、令和5年11月末日現在で30人の子どもにサポーターを派遣し、家庭における子どもたちの負担軽減に努めております。
◆11番(大河原吉明君) 本市においては、100件を超える相談件数で、現在30人の子どもに対して支援をしていることが分かりました。
先日の上毛新聞において、群馬県のほうでも始まったヤングケアラーについての取組が掲載されていました。その内容は、県がヤングケアラーを支援するために相談窓口を設置したが、新規相談件数が低調になっているとのこと。具体的には今年の6月から8月までの相談件数が11件にとどまっているとのことでした。県の事業は開始して間もないので、これから期待するところではありますが、県のこの数字と本市の相談件数や支援につながった件数を比較すると、本市の事業はきちんと機能していることが分かります。とはいえ、様々な調査結果を鑑みると、本市にもまだ把握できていないヤングケアラーが存在している可能性がありますので、引き続き本市の事業の周知活動をはじめ、しっかりとしたお取組をお願いしたいと思います。
続いて、現在のヤングケアラーSOSサービスの支援体制についてお伺いします。
◎
教育部学校教育担当部長(大澤好則君) 再度の御質問にお答えいたします。
支援体制につきましては、学校教育課のヤングケアラー支援担当8名が窓口対応等を行っており、相談を待つだけでなく、担当職員が学校に伺い、気になる子どもの情報を聞き取り、ヤングケアラーの早期把握に努めております。相談が入ると、担当職員が学校や保護者、子どもから話を聞き取り、当該家庭に必要な支援策について関係機関とワーキングチームを結成し、支援の検討を行った後に、ヤングケアラー支援推進委員会において審議を行い、サポーターの派遣を決定しております。
また、サポーター派遣開始後も担当職員が継続して家庭に関わり、ヤングケアラーSOSサービスを利用した感想や要望などを聞き取り、関係する機関と情報を共有し、支援の改善につなげております。
◆11番(大河原吉明君) 私がさらに伺っている話では、本市の教育委員会の中には福祉の担当があるとのこと。これは、全国的にも先進的な取組だと思います。さらに、スクールソーシャルワーカーを7人も配置しているとのこと。これも、県内では類を見ないものだと思います。本市のこの支援体制が様々な機関との連携を通して、ヤングケアラーの早期把握、チーム一丸となって子ども一人一人に合った支援の検討、切れ目ない支援、そして絶えず担当職員が出向いて状況を把握しながらの改善活動、でき得る最善の体制を確立していることが分かります。
昨年、NHKがヤングケアラーの当事者1,000人にアンケートを実施しました。その結果、介護について誰かに相談したことがあるかという問いに対し、全く相談したことはない、ほとんど相談したことはない、あまり相談していないを合わせると72.9%に上ったそうです。その理由は、相談しても意味がない、他人には相談しづらい、相談する必要がないと思ったというものが多くあったそうです。この結果からも、ヤングケアラー本人はなかなか声が上げられないということ。だからこそ、本人よりも周りの人が気づいて、手を差し伸べることが重要であることが分かります。先ほどの御答弁にありました本市の支援体制は、待つより出向く姿勢であることが分かり、とても心強く思います。引き続き、その姿勢で事業へのお取組をお願いしたいと思います。
続いて、実際にヤングケアラーへのサポーター派遣の様子についてお伺いします。
◎
教育部学校教育担当部長(大澤好則君) 再度の御質問にお答えいたします。
サポーターは、委託業者であるケアサプライシステムズ株式会社から派遣しており、原則2人体制で調理や洗濯などの支援を行っております。また、サポーターはヘルパー2級など、介護に関する資格や看護師、保育士などの資格を有しており、支援を行う内容について事前研修を受けてから支援に入っております。支援を受けた子どもの状況といたしましては、サポーターが家庭に入った当初は緊張ぎみの子どもも、日がたつにつれて表情も和らぎ、訪問を心待ちにする姿が見られております。また、子ども自身からは、サポーターが作ってくれた御飯がおいしい、自分の時間ができて、やりたいことができるようになったと、喜びの声も聞かれております。
◆11番(大河原吉明君) この事業の委託業者であるケアサプライシステムズさんは、本市が行っている介護SOSサービス事業においても携わっている実績があり、私自身も何度か直接会社へ足を運ばせていただき、話を伺いました。対象家族との接し方をはじめ、派遣するサポーターに対しては定期的に研修をしっかり行っていると伺っています。また、本市の待つより出向く姿勢をきちんと理解され、その業務に前向きに取り組んでくださっていますので、とても心強いです。そんな最前線の方たちのおかげもあって、本市の子どもたちの喜びの声を聞くことができたのは本当によかったと思います。
全国155の自治体アンケートにおいて、ヤングケアラーを支援するのに大きな壁となっているのが、本人もさることながら、家族による支援の拒否だそうです。その理由は、他人に介入されたくない、支援機関に不信感がある、家のことなので自分がしなければなどという声が多いそうです。恐らく全国の多くの自治体では共通して、この大きな壁に風穴を空けるためにどうしたらいいのか、かなり頭を悩ませているであろうと思います。このような壁がある中で、本市のヤングケアラーへの支援につなげるための取組についてお伺いします。
◎
教育部学校教育担当部長(大澤好則君) 再度の御質問にお答えいたします。
ヤングケアラーへの支援を行うには、家庭におけるとてもデリケートな問題も含んでおり、支援が必要な子どもに速やかにサポーターを派遣することが困難な場合もあります。ヤングケアラーという言葉によい印象を持たない保護者もおります。子ども自身に自覚がないこともあります。中には、保護者だけでなく、子どもも恥ずかしいなどの理由から、第三者が家庭に入ることを拒み、必要ないと断られる場合もございます。しかしながら、支援が必要な子どもに速やかにサポーターを派遣するために、ワーキングチームのメンバーとともに様々な角度から粘り強く家庭への関与を試みており、子どもには相談ができる大人がいることを伝え、保護者には寄り添った支援を心がけております。さらに、サポーター派遣を始めた後も担当職員が家庭訪問を行い、保護者や子どもから意見を聞き取っております。ヤングケアラーSOSだけでなく、ほかに利用できそうな福祉の支援を紹介するなど、家庭環境の改善を見据えた支援を行っております。
◆11番(大河原吉明君) この事業の関係者の方々からは、家族や本人から断られても、支援が必要な家庭には決して諦めずに時間をかけて向き合い、事業に関して丁寧に説明することを心がけていると伺っております。この諦めない姿勢には本当に頭が下がる思いです。恐らく本市のこの支援体制だったり、仕組みといったものは、本市をまねすればどこの自治体でもすぐに形だけはできるかもしれません。でも、これが本当に機能するのは、そこに携わっている人、その人たちの人間力、マンパワーがこの事業の本当の鍵なのだろうと私は感じます。この場で詳細には触れませんが、そこまでしてくださっているのかと思うほど、ヤングケアラーに対して自分の時間を割いて、子どもたちのために力を尽くしている例を伺っております。これは、労働基準法に抵触しない範囲でです。
広報高崎の取材で市長とも対談をしていた、ヤングケアラーワーキングチームで支援内容の調整を行っている相談員さんから、あるときこの事業について直接話を伺う機会がありました。その方からは、ヤングケアラーをどうにかしてあげたいという強い思い、事業に対する前向きな姿勢、何より人柄のよさがにじみ出ていました。話しているだけで、私は森の中を歩いているような、マイナスイオンを浴びているような癒やされる気持ちになりました。本当にそう思ったので、その相談員さんにマイナスイオンが出ていらっしゃいますねと伝えました。これは後になって分かったのですが、そのとき私はマイナスイオンではなく、間違ってマイナスオーラが出ていらっしゃいますねと言っていたようです。日々頑張ってくださっている相談員さんに対して、一生懸命マイナスオーラが出ている、出ていると伝えていました。そんな失礼な発言にも優しくうなずいて受け止めてくださっていたかと思うと、改めてこの事業に携わっている人たちの人間力はすばらしいと心から思いました。改めて、この相談員さんをはじめ、教育委員会の方々、サポーターの方々、このヤングケアラーSOSサービス事業に携わる方々には心から敬意を表したいと思います。
ヤングケアラーの問題に対しては、まず目の前にある子どもたちの負担を減らすことが大事ですが、それと同時に、その親が抱える問題や家庭環境の改善をはじめ、根本的な原因に向き合うことも重要になってきます。そういった意味でも、福祉や医療、その他の機関との緊密な連携が重要であり、本市の支援体制の中には、それが視野に入れられて進められていることを心強く思います。そこで、今後を見据えたよりよい支援を行うための他機関との連携についてお伺いします。
◎
教育部学校教育担当部長(大澤好則君) 再度の御質問にお答えいたします。
ヤングケアラーへの支援には、多くの関係機関と連携することが重要であると認識しております。ワーキングチームは、対象となる子どもやその家族を支援している機関の担当者で構成されており、福祉部や学校、児童相談所などの関係機関と速やかな連携体制が構築されております。その他の機関との連携で迅速にサポーター派遣が行われた事例といたしましては、医療機関との連携がございます。病院がヤングケアラーの存在に気づき、学校教育課へ相談したことをきっかけに、ヤングケアラー支援担当が調査し、子どもや保護者への支援が急を要することや、家庭環境の改善が今後必要であることが分かり、ワーキングチームによる支援の検討やヤングケアラー支援推進委員会における審議を同時に進め、僅か2週間でサポーター派遣を行った事例がございます。この事例のように、子どもを取り巻く家族の問題を関係する機関が集まって支援を考えることで、介護サービスや障害福祉サービスなど、切れ目ない支援にも今後つなげてまいりたいと考えております。
◆11番(大河原吉明君) 行政支援特有の縦割りを感じさせない本当の連携、支援体制だと思います。
昨年NHKで放送された番組の中で、母親の介護を30年続けてきた元ヤングケアラーの小学生のときの卒業文集が紹介されていました。そこには、こう書かれてあります。僕の6年間は、低学年ではあまり思い出がなく、高学年はとにかくしんどかったです。これは並のつらさでなく、一日一日が長く、それまでなんとも思わなかったのに、あれ、こんなはずと違う、こんなん何かの間違いやでと、自分にもお母さんにも言っていました。でも、やっぱりそれは本当でした。できれば、今年の運動会には出たかったなと思いました。そして、修学旅行、これはもっともっと行きたかったです。これを見たとき、本市のこの事業がその当時、その人のまちにあればよかったのにと思いました。これからこのような思いをしている子どもたちが一人でも減っていくように、今後も継続性のある支援を引き続きお願いしたいと思います。
専門家いわく、SOSを出しにくい背景の一つに、悩みというのは自分一人で対処しなければならないというような懲罰的な自己責任論が蔓延している現状があり、家族だけで解決しなければという呪縛からの解放が必要である。そのためには、お互いが支え合える社会が必要と指摘しています。では、具体的にどうしたらいいのかと考えると、言うはやすし行うは難しです。でも、本市で進められている様々なSOSサービスを含め、このヤングケアラーSOSサービスで助けられた人、助けた人、関わった人たちを通して、SOSを出しやすい、お互いが助け合える社会が少しでも近づいてくるのではないかと個人的には期待しています。
そういう社会の下地をつくっていくためにも、ヤングケアラーサポーターの裾野を広げていくためにも、もう少し社会全体の理解が深まってからだと思いますが、この事業への様々な人材登用について、例えば福祉や教育を志す学生などの登用や顔の見える御近所さんの登用などについても、いろいろなハードルはあると思いますが、今後の検討、研究の中に入れていただきたいと思います。
これまで本市のヤングケアラーSOSサービスについてお伺いしてきました。この機会に改めて感じたのは、この事業は高崎の子どもは高崎で守るという強い信念が込められていること。そして、これが進められているのは、そこに携わる人たちの本気、前向きな姿勢があるおかげだということです。この事業がさらに順調に機能し、おかげさま、お互いさまの精神が社会全体に広がっていきますように、そして子どもたちの未来、そこに携わる人たちの未来、ひいては本市の未来が明るく開かれていきますように、将来的にはこのヤングケアラーという言葉がない社会となりますように、そのことを心から期待いたしまして私の一般質問を終わります。ありがとうございました。
○副議長(大竹隆一君) 11番 大河原吉明議員の質問を終わります。
次に、21番 林 恒徳議員の発言を許します。
(21番 林 恒徳君登壇)
◆21番(林恒徳君) 議席番号21番 林 恒徳です。通告に基づき一般質問を行います。
今回の質問は、非常備消防についてです。いわゆる消防団活動についてですが、今年も12月、師走に入り、乾燥注意報が毎日のように出て、火の元には十分に気をつけていただかなくてはいけない、そんな時期になりました。初めに、現在の消防団の編成、方面隊ごとの団員数、そして方面隊ごとの充足率についてお伺いいたします。
◎消防局長(中村均君) 林 恒徳議員の非常備消防についての御質問にお答えいたします。
本市における消防団の編成でございますが、10方面隊、58個分団、条例定数1,520人のところ、令和5年4月1日現在では実員が1,248人、充足率は82.1%でございます。方面隊ごとの団員数及び充足率につきましては、東部方面隊が105人、73.9%、西部方面隊が84人、66.1%、南部方面隊が108人、78.8%、北部方面隊が105人、82.7%、倉渕方面隊が130人、73.0%、箕郷方面隊が76人、67.3%、群馬方面隊が140人、101.5%、新町方面隊が71人、81.6%、榛名方面隊が199人、77.4%、吉井方面隊が169人、87.6%でございます。
◆21番(林恒徳君) 合併後もうすぐ20年ですけれども、20個分団が58個分団に、4方面隊が10方面隊に、そして面積も4倍以上で、団員数は約3倍に増え、高崎市内の防災に向けた現場部隊として活躍しています。活動するには経費がかかるわけですが、続いて消防団活動を行うに当たってかかる経費と報酬の内訳についてお伺いいたします。
◎消防局長(中村均君) 再度の御質問にお答えいたします。
本市の消防団活動にかかる経費と報酬の内訳でございますが、まず消防団活動を行うに当たって必要な経費といたしまして、消防団運営交付金と分団出場等交付金が分団口座に支給されております。その内訳でございますが、消防団運営交付金につきましては行事や会議、災害時の食料、消耗品のほか、詰所や消防ポンプ車の軽微な維持管理及び資器材購入費などとして御活用いただいております。また、詰所の光熱費や大きな改修、修繕、さらに消防ホースをはじめとする各種装備品の購入や被服につきましては、別途本市の予算で対応しているところでございます。
続きまして、分団出場等交付金の内訳といたしましては、各分団において費用弁償として、手当などに有効に活用していただいているほか、消防団運営交付金的にも活用ができるものとして支給されております。
また、報酬につきましては、高崎市消防団員の定員、任用、給与、分限及び懲戒、服務その他身分取扱いに関する条例に基づき、消防団員報酬として団員さんの個人口座に直接支給されております。本市における報酬や交付金は、これまで消防団と協議を重ね、御理解をいただきながら改善を続けて現在に至っておりますが、関係省庁からの助言等を踏まえ、今後も消防団の皆様と協議、検討を重ねまして、さらなる処遇改善に努めてまいります。
◆21番(林恒徳君) その昔、団員報酬も分団口座に振り込まれていた時代がありました。現在では団員個人の口座に振り込まれ、必要に応じて源泉徴収票も出ています。分団出場等交付金は、現在、出場した団員個人に支払われるべきものという話が出ているようですが、災害の発生回数とか地域性などによる違いもあり、分団運営のことを考えると、当分は現在のような形がよいのではないかなというふうに考えます。
次に、消防団員の職業についてどのように分類、検討しているのか、お伺いいたします。
◎消防局長(中村均君) 再度の御質問にお答えいたします。
本市の消防団員の職業の分類につきましては、消防局におきまして就業形態を被雇用者、自営業者、家族従業者、学生などを含むその他の4種類に分類し、把握しております。現在、実員1,248人のうち被雇用者である消防団員は783人で、全体の62.7%となっております。なお、本市の消防団は女性の消防団員が38人で全体の3%、学生の消防団員が58人で全体の4.6%であり、どちらも僅かながら増加しているところでございます。消防団員は、かつて自営業者、農林業者が多くを占めておりましたが、就業構造の変化に伴って、被雇用者、いわゆるサラリーマンが増加し、全国統計では7割を超えております。サラリーマンの場合、勤務地が居住地から離れることがあるため、地域によっては、昼間の防災力の確保が懸念されるところではございますが、今後の消防団の運営におきましては、サラリーマン、女性、学生の消防団員は大きな役割を担う層となっていくと思料されます。
消防局といたしましても、引き続き自営業者や農林業者のほか、女性や学生など、幅広い住民に対して入団促進の広報をより一層展開していくとともに、事業所の消防団活動への理解を醸成することにより、サラリーマンの団員さんが消防団に参画しやすくなるような働きかけに努めてまいります。
◆21番(林恒徳君) 全国的に見ると、サラリーマンの団員数というのが、先ほど7割ほどと言っていましたが、73.7%という話を伺っています。その数字を見ると、本市は全国平均よりも11%少ない数字になっていますから、まだまだ昔のやり方ができる分団もあるのかなというふうに思います。平成9年10月から消防団員をしていますけれども、当時はサラリーマン団員でした。その活動を維持するためには、雇用主側の理解が非常に大事であり、そこへのアプローチについても本市は継続して実施していただいていますが、団員の勤め先は本市の企業だけではないので、雇用主側へ理解を求めるためにも、国には期待したいですし、本市としても国へ訴えてもらいたいと考えます。
さて、今年の夏の話です。7月30日の日曜日、19時43分頃に発生した火災について、それを例示しながら、実際の消火活動についてお伺いします。私個人は19時50分に、火災メールを受けて、地元の火災ということもあり、分団詰所に行き、現場に赴きました。そこの建物火災はどのようなものであったのか、お伺いいたします。
◎消防局長(中村均君) 再度の御質問にお答えいたします。
本建物火災は、木造2階建ての建物から出火し、11棟が全焼、1棟がぼや、計12棟が焼損し、覚知から鎮火までに9時間5分を要した火災であり、男性1人が軽いやけどを負ったものでございます。
◆21番(林恒徳君) 続いて、その実際の消火活動についてお伺いいたします。
◎消防局長(中村均君) 再度の御質問にお答えいたします。
消火活動の概要でございますが、最先着隊が到着時には複数棟が炎上中であったため、消防団、消防局とも緊急のメールサービスや順次指令という電話連絡体制により、即座に隣接管区の部隊を増強する第2出動を発令しております。消火活動と同時に隣接建物の避難誘導に当たり、幸いにも逃げ遅れた者はございませんでした。また、消火栓のほかに、近くに川が流れておりましたので、水が途切れることはなく、各隊連携して長時間の消火活動を実施しております。
◆21番(林恒徳君) この火災は、平成29年1月の南大類町の火災以来、久しぶりの第2出動という形だったわけです。多くの部隊が動いていたと考えますが、指揮系統なども含めて、消防団と消防局の方はどのように動いていたのか、お伺いいたします。
◎消防局長(中村均君) 再度の御質問にお答えいたします。
本火災は延焼範囲が広いため、消防局の指揮隊と消防団長をはじめとする各方面隊長が密接な連携を取り、指揮命令系統を確立し、延焼方向や水利状況、危険情報などを収集管理しながら、部隊を効率的に展開しております。消防団は、消防局への中継送水を主眼とした上で放水活動を実施し、中継送水を受けた消防局は、人命救助と延焼防止を最優先とした消火活動を実施しております。
◆21番(林恒徳君) 中継送水ってどういうのだいという話になるかもしれないのですけれども、たしかうちの分団も消火栓につけた分団から水をもらって、うちの分団で受けた水を消防局のほうに流して、そこからは消火栓を何本も何本も開けながらやっていくというような取組を確かにしていて、高崎駒形線が本当に通行止めになるような、そんな大きな火災だったかなというふうに思います。
ちなみにですけれども、これは20年ぐらい前かな、当時の分団長から聞いたことがあるのですけれども、非常備消防、要は消防団が日中の火災などに対処できないことがあるから、それが要因の一つという部分もあって、常備消防のほうは通常の出動が第2出動になっているというふうな形で、その当時から常備消防の方には大きな負担をかけながら現在の火災現場というのが進んでいるのだなというようなお話を聞いたことがあります。そんな話も、もう随分昔の話ですから、今の消防局の職員の人たちというのは、そういうものだと思いながらお仕事をされているのかもしれないなというふうに感じます。
今回の火災に対しての出動分団数と、参考に常備消防の配置状況などについてもお伺いいたします。
◎消防局長(中村均君) 再度の御質問にお答えいたします。
本火災に対する出動分団数でございますが、応援部隊を含め11個分団、ポンプ車11台、消防団長以下109人に出動していただきました。また、常備消防の配置状況でございますが、ポンプ車をはじめ、各種車両が19台、団員59人が出動し、延長したホースによりまして火災現場全体を包囲する形で配置し、活動いたしました。
◆21番(林恒徳君) 約170人の消防隊が車両30台で活動していたという話になりますけれども、今の数字で、消防団のほうの話になりますけれども、11個分団が出ています。消防団本部のほうを除けば、車両というのは3人そろわないと出せないという形になっていますので、1分団当たりおおむね10人弱が出ているかなというふうに感じています。普通の火災だと、大体4個分団が出動してという形で理解していただければと思いますので、この火災が本当に大きな火災だったのだなというのを実感してもらえるとありがたいというふうに思います。
私は、当日現場におりました。遅れてきた団員の方から言われたのが、もう環状線の辺りから大渋滞で、なかなか現場に来るのが大変だったというようなお話を伺っています。また、こういうふうに火災が生じると、警察車両だとか電力会社の車両とかも相次いで入ってくるものですから、そういう部分の安全を確保しながら消火活動をしていくというのが消防団活動の中で出てくることになります。これだけの人数に対して、情報の伝達というのは非常に重要と考えますけれども、消防団に対する指揮隊の情報伝達についてお伺いいたします。
◎消防局長(中村均君) 再度の御質問にお答えいたします。
指揮隊と消防団の情報伝達についてでございますが、各分団に配備されている消防無線を傍受できる受令機からの情報に加えまして、消防局の指揮隊が設置する現場指揮本部において、随時必要に応じて方面隊長等に集合していただき、危険情報や活動状況などを共有し、各担当の分団に伝達をお願いしております。
◆21番(林恒徳君) 10年ほど前からですが、北部方面隊では割かし方面隊としては早めにトランシーバーを活用しながら情報伝達をしてまいりました。これは、今の答弁の中にもありましたけど、受令機のデジタル化に合わせて、各分団が持つ受令機が少なくなったので、それへの対応だとか、現在ではそれを発展させ活用、これは消防局のほうは当然ですけれども、非常備消防のほうでもかなり有効活用しながら、現場でロスの少ない対応ができていると感じています。
この火災は真夏の火災でしたが、今年の夏はいつも以上に暑かったです。災害対応時における消防団の飲料水についてはどのようになっているのかお伺いいたします。
◎消防局長(中村均君) 再度の御質問にお答えいたします。
各分団におきましても飲料水等の準備をしていただいているところではございます。しかしながら、本火災では夜間でも33度を超える気温の中での活動であり、このように飲料水の不足や長時間の活動が予測される場合におきましては、特命により消防局の後方支援隊を出動させ、飲料水の提供や休憩所を設けるなど、隊員の安全管理を図る体制がございます。
◆21番(林恒徳君) あまり格好のいいものではないのですけれども、環状線の真ん中はレーンが分かれていまして、そこに着ていたかっぱを干しながら少し休憩するとか、そんなことを続けながらやっていかなくてはいけない中で、多分常備消防の方でしょうね、水分は大丈夫ですかと声かけをしながら動いていただいたという形で、この声かけをしていただいたのが先ほどの答弁にあった特命隊だったのでしょうか。たまたま分団車両に積んであった飲料水、それから副分団長が持ってきていた飲料水でうちの分団は対応しておりましたけれども、この火事自体、20時ぐらいから始めた消火活動も、24時くらいまでには火勢が大分落ち着きました。日曜日の火災ということもあり、サラリーマンの団員が多い現在の消防団活動の中では、部隊縮小などの取組、その判断というのは現場指揮隊、そして消防団本部は御苦労されたと思っているのですけれども、そこで、残火処理における消防団の考え方についてお伺いしたいと思います。
◎消防局長(中村均君) 再度の御質問にお答えいたします。
火勢が消防隊の制御下に入り、拡大の危険がなくなった際のいわゆる残火処理における消防団の考え方につきましては、基本的に災害地点を管轄する分団に活動をお願いし、その他の分団は部隊縮小により解散とさせていただいております。ただし、本火災のように焼損面積が広い場合や堆積物などが障害となって鎮火までに時間を要する場合には、隣接する区域の分団へも協力を要請する場合がございますが、団員さん本来の仕事に極力支障を来すことのないよう配慮し、現場指揮本部におきましても各方面隊長や分団長と協議しながらお願いしているものでございます。
◆21番(林恒徳君) 今回安心ほっとメールで、新保町地内、上大類郵便局付近でという言葉があったのですけれども、新保町は第9分団の管轄であり、残火処理はしようがないかなという形で残りました。ただ、残火処理をしていた場所が上大類町で、これは第1分団の管轄場所だよなというのが後になって分かったという部分もあります。
そこで、分団における管轄の境界、出動についてお伺いいたします。
◎消防局長(中村均君) 再度の御質問にお答えいたします。
管轄区域が定められている消防団出動指定表に基づいて出動していただいております。また、大規模火災時の各方面隊出動応援体制についても定められており、消防団本部会議等で定期的に確認していただいているところでございます。
◆21番(林恒徳君) 午前2時にはうちの分団も撤収ができて、詰所に戻って、利用したホース12本を乾燥塔に干しました。うちの乾燥塔は、モーターで自動で上げられるやつなのですけれども、終わった後に12本を手動で上げるというのは相当苦労するところなのです。そんな分団がまだ高崎市内にあるのだという話を最近聞きまして、ちょっとびっくりしているのですけれども。12本使いましたから、12本新しいホースをホースカーに詰め込んで新しい出動に対応できる体制づくりをして自宅に戻り、就寝したのが午前3時過ぎというような形で、ここまで大きな火災というのは少ないと思います。最近多いと感じている誤報のメールで、現場に向かう途中で反転帰署になることも多くありますし、出動はしないし、水を出さないほうがよいなというふうに最近は思うようになっています。
最後に、年末に向けて、今年の歳末警戒についてお伺いいたします。
◎消防局長(中村均君) 再度の御質問にお答えいたします。
例年、12月25日から31日にかけまして、本市の消防団による歳末警戒を実施してございます。市長、市議会議長におかれましても、激励のため御足労いただいております恒例行事でございます。歳末警戒とは、火気の使用が増え、空気が乾燥し、火災が発生しやすいこの時期に、火災を少しでも減らし、市民の皆様に安心して年末年始をお過ごしいただけるよう、消防車にて市内各地を警戒及び巡回広報しながら火災予防を呼びかけさせていただいております。年末に向けて、消防団が総力を挙げてできる限りの警戒をいたしますが、市民の皆様も火気の取扱いには十分注意され、火災予防を心がけていただきますようお願い申し上げる次第でございます。
◆21番(林恒徳君) これも合併前の話か、合併したところで変わったのかという部分でありますけど、旧高崎市の場合には東西南北の各方面隊で、奇数分団が25日からの奇数日、偶数分団が26日からの偶数日というような形で歳末警戒をしておりました。今回うちの分団のほうでは、25日、26日、28日と3日間夜警しながら、26日は消防団本部からの見回りがあり団員全員で対応という形になりました。昔は、25人の団員が4つの班に分かれて、3日間を1班から3班までで分ける取扱いとして、4班の人間は3日間にそれぞれ振り分けるというような形で、4班体制でやっていました。なぜ4班体制かといいますと、春と秋に火災予防運動が4日間あります。それに合わせて、できるだけ分団の団員さんがそんなに出場しなくてもいいだろうというような形で取扱いをしていたわけですけれども、いつの頃からか出られる人が対応するという形になって、今年はとうとう全員というような形になりました。今回は25日が1班、26日が全員、28日が2班という形で、定員25人の第9分団に対して、秋口に2名新入団員が入ったことは喜ばしいことですけれども、現状20人の実員のうち、私を含めた5人が元分団長という形になります。組織の維持と、いざというときの対応を考える体制づくりの再構築が改めて求められているのかなと考えます。
今回の質問で、充足率としては西部方面隊、箕郷方面隊が7割を切っています。現場においては、例示したような火災現場の場合、各分団で交代できる要員の確保も大事になります。中には、翌日の仕事のために途中で抜けた団員もいますが、このような火災の場合には、それぞれの分団でそれなりの人数が出なければ帰ることもできないというような形になってしまいます。平成29年の火災にも出動しましたけれども、大きな災害のときこそ人員が必要であり、団員1人当たりの負担を軽減するためにも、やはり団員の確保というのは大事かなというふうに感じています。
7月30日の火災では残火処理をやっていたので、最後まで見ていたのですけど、消防団本部の副団長以上の方がほとんど残っていらっしゃって、残火処理をされていました。上に上がれば上がるほど負担が本当に増えてきているなというのを最近ちょっと実感しているところです。
コロナが明けて再度取組をするため、本市の支援をお願いして私の一般質問を終了させていただきます。ありがとうございました。
○副議長(大竹隆一君) 21番 林 恒徳議員の質問を終わります。
次に、7番 宮原田綾香議員の発言を許します。
(7番 宮原田綾香君登壇)
◆7番(宮原田綾香君) 議席番号7番 宮原田綾香です。本定例会の質問、最後になります。よろしくお願いいたします。それでは、通告に従いまして、今回は公立幼稚園の現状と今後について、及び未就学児への「いのちの安全教育」実施について質問いたします。
それでは初めに、公立幼稚園の問題から始めます。令和元年10月に幼児教育・保育の無償化が始まり、約4年が経過しました。今回は、4年たった現在、高崎市が運営する公立幼稚園がどのような状況にあるのか、その現状について情報を共有し、幼稚園の今後を含めた高崎市全体の子育て環境の在り方について考えていきたいと思います。
最初の質問です。まず、倉渕地域を除く高崎市内にある7園の公立幼稚園について伺います。利用定員数に対して在園児が何人いるのかを示した園児の充足率について、10年前、令和元年、今年度の数値を各園ごとにそれぞれお答えください。
◎
教育部学校教育担当部長(大澤好則君) 宮原田綾香議員の1点目、公立幼稚園の現状と今後についての御質問にお答えいたします。
平成27年度の子ども・子育て支援法施行後に設定いたしました利用定員に基づく充足率でございますが、高崎幼稚園は平成25年度、令和元年度、令和5年度の順に86%、65%、34%、南八幡幼稚園は91%、55%、28%、倉賀野幼稚園は87%、64%、26%、塚沢幼稚園は73%、57%、41%、吉井幼稚園は66%、46%、20%、吉井西幼稚園は98%、55%、41%、かぶら幼稚園は66%、33%、28%となっております。
(副議長議長席を退席、議長議長席に着席)
◆7番(宮原田綾香君) 高崎市内にある7園の在園児の充足率について、詳細をお答えいただきました。大体10年前は9割から8割いたところが、今では3割から2割の充足率になっていたというような形になるかと思います。令和元年の数値をお聞きしたのは、保育無償化が令和元年10月1日付で開始されたので、制度開始前の最後の数値をお示ししたかったからです。また、公立幼稚園8園全体の平均充足率は、平成25年度で75.5%、その間の期間も徐々に減りはしましたが、令和元年に50%になり、翌令和2年には40.8%、そして令和3年には35.3%と見る見るうちに減少し続け、今年度は28.4%になりました。少子化に加えて、幼保無償化が幼稚園に与えた影響がかなり大きかったことが分かります。
次に、幼稚園の運営費の推移についてお伺いします。これも充足率と同じく、10年前の平成25年度、令和元年、そして今年度と、現在に至るまでの運営管理費の推移を教えてください。
◎教育部長(青柳正典君) 再度の御質問にお答えいたします。
公立幼稚園の運営管理費につきましては、平成25年度は4億234万3,000円、令和元年度は3億8,873万8,000円、令和5年度については4億268万3,000円となっており、おおよそ4億円前後で推移している状況でございます。
◆7番(宮原田綾香君) 10年前も、令和元年も、令和5年も、くらぶちを含む8園の全体の運営にはおおよそ4億円前後の経費がかかっているということで、念のため10年分の予算額の数字を私自身も拾ってみましたが、大体3億8,000万円から4億円で推移しています。それは、充足率が40%になった令和2年でも4億300万円、充足率35%の令和3年度も3億9,000万円となっています。そして、充足率28%の令和5年度では、10年前とほぼ同額の4億200万円台です。一般的に在園児の人数がこれだけ減れば、運営費は下がるものではないのかなというような疑問が浮かぶかと思います。そこでお聞きいたします。園児の人数が減っているにもかかわらず、10年前から事業費が変わらない理由についてお答えください。
◎教育部長(青柳正典君) 再度の御質問にお答えいたします。
本市の公立幼稚園における運営費の9割近くは人件費となっており、園児数の減少に伴い、学級数が減となった分につきましては教員数が減少しております。しかしながら、10年前と給与水準を比較いたしますと、経済の回復基調等に伴う賃金の上昇により人件費が増額していることや、産育休等の補助教職員が増加していることもあり、運営費が減少していない状況となっております。
◆7番(宮原田綾香君) 運営費の9割近くが人件費ということで、今回の本定例会にも給与改定の議案が上がってきて、30年ぶりの改定になるのではないかなというような形がある中で、一応御説明の中では給与等賃金上昇と産休の方の分で、たとえ充足率が8割から2割に落ちたとしても相殺している状態にあるというのがお答えだったかというふうに思います。
それでは、先生の人員配置について伺います。現在の高崎市の公立幼稚園の先生と子どもの配置基準について、国の基準も併せてお答えください。また、無償化以前と現在で配置基準が変わっているか、変わっていないなら、変えない理由は何か、そして加えて配置基準とは別に、実際の園児と園児を見る大人の比率について、3歳児、4歳児、5歳児の割合はどうなっているかお答えください。
◎
教育部学校教育担当部長(大澤好則君) 再度の御質問にお答えいたします。
本市の配置基準は国の基準と同じで、平成26年度までは全ての園児に対して35対1としておりました。平成27年度の子ども・子育て支援新制度に移行した後は、国が示す新制度の私立幼稚園における配置基準と同じ基準を適用しており、3歳児は20対1、4歳児及び5歳児は30対1で配置しております。なお、今年度の各クラスの実際の配置は、平均で3歳児は8対1、4歳児は11対1、5歳児は15対1となっており、加えて3歳児には1名の補助教職員を配置しております。
◆7番(宮原田綾香君) 3歳児には1名の補助職員がいるとのお話でしたが、この方は適応支援という役職の方で、くらぶち以外は年少クラスに昔から1人配属になっているというふうにお聞きしました。恐らく35対1のときに、10対1くらいにするためにつけられた役割の方なのかなというふうに想像したのですが、その名残で配置されているので、3歳児は正規職員の方と園児の割合が8対1なだけで、実際の配置は4対1というような形になるかと思います。加えて、頂いた資料によると、3歳児クラス五、六人の園というのも結構ありますので、実際の配置は3対1程度になっているのが現状ではないかと思います。
さらに、年中、年長の配置もお聞きしましたが、実際には学校支援員さんという役割の方が一、二名各園に配属されているため、答弁よりも子どもと大人の割合はより低いものになっているかと思います。私はこれまでちょっと保育所ばかりを視察してきたので知らなかったのですが、2時半から4時半まで、幼稚園でも預かり保育を行っていますが、そこにもこの時間帯を担当していらっしゃる預かり保育専門の方が配置されているというようなこともお聞きしました。この辺り、4億円の内容になっているのかなというふうに思うのですけども、ここで公立幼稚園の今後を考える際に切り離せないのが保育ニーズについてなので、保育についてもお聞きします。
どこの保育園にも入れなかった待機児童の問題が解消され始めて、希望する特定の園に入りたいという隠れ待機児童など、新たな問題が出てきました。市内の保育園数は、数字上は一応足りているとはいえ、それでも保育園への入園希望者のニーズが高いエリアはどちらになるか、現在どこになるか教えてください。
◎
福祉部子育て支援担当部長(千明浩君) 再度の御質問にお答えいたします。
本市における入園希望のニーズが比較的に高い地域でございますが、子育て世代の人口増が見受けられる旧群馬町地域や立地的に利便性が高いと考えられる貝沢周辺のエリアとなっております。
◆7番(宮原田綾香君) ちなみに公立の塚沢幼稚園には、群馬地域や箕郷地域のほうから通っているお子さんもいらっしゃるというようなお話もお聞きしました。
もう一つ確認しておきたいのが、公立幼稚園が設置されている高崎幼稚園のある市街地エリア、塚沢エリア、倉賀野エリア、吉井エリアにある認定こども園の1号認定の定員と充足率についてお答えください。
◎
福祉部子育て支援担当部長(千明浩君) 再度の御質問にお答えいたします。
公立幼稚園が設置されております近隣地域にある認定こども園を集計したものをお答えいたしますと、高崎幼稚園エリアでは1号定員255人に対し、利用児童は185人であり、充足率は72.55%、塚沢幼稚園エリアでは1号定員240人に対し、利用児童は173人であり、充足率は72.08%、倉賀野幼稚園エリアでは1号定員525人に対し、利用児童は449人であり、充足率は85.52%、最後に吉井幼稚園等エリアでは1号定員55人に対し、利用児童は52人であり、充足率は94.55%となっております。
◆7番(宮原田綾香君) 補足ですが、1号認定とは子どもの年齢が満3歳以上で、保育が必要な要件に該当しないことを指しております。吉井エリア以外は、認定こども園の1号認定の充足率は七、八割なので、数字上では二、三割は余地がある、つまり民間でも埋まっていないところがあるというのが現状になるかと思います。
次に、公立幼稚園の活用の新たな試みとして考えられるのが、政府が検討している誰でも通園制度という制度です。まずは、現在明らかになっている制度の内容について説明をお願いします。また、国が想定している誰でも通園制度の対象施設はどこになるかも併せて御説明ください。
◎
福祉部子育て支援担当部長(千明浩君) 再度の御質問にお答えいたします。
こども誰でも通園制度につきましては、現在国において本格実施を見据えて制度内容等の検討がなされているところでございますが、現時点で示されております制度内容につきましては、対象者は認可保育所や認定こども園に通っていないゼロ歳6か月から2歳までの児童であり、利用要件は保護者の就労を問わず、利用できる時間は月10時間までとなっております。また、対象施設につきましては、認可保育所、認定こども園、幼稚園などが考えられているところでございます。
◆7番(宮原田綾香君) 政府のほうでは、誰でも通園制度の対象として幼稚園も想定しているというようなことが分かりました。この誰でも通園制度は、子どもにとっては専門職がいる環境で、同世代のお友達と関わりながら成長する機会が得られるといったメリットがあり、保護者にとっては育児負担や孤立感の解消につながることが期待されている制度になります。高崎には、既にかしの木などの一時預かり施設があり、私も利用者であり、お世話になった一人にはなりますが、こちらも政府の想定している施設に該当してくるかとは思いますが、一時預かりと誰でも通園制度の違いは定期性というような点にあります。政府の想定する月10時間では制度設計が甘いとは思いますが、子どもが6か月以降を過ぎてくると、母親のアドレナリンも切れ始めて、1歳を過ぎるあたりからだんだんと健診や指導も少なくなってきて、何となく子どもと二人きりの時間が増えて、孤独を感じる頃なので、制度の意義自体はあるというふうに思っています。子どもとコミュニケーションが取れる3歳までの3年間はやはり長くて、私自身は子どもを2歳で保育園に入れましたが、自分以外のプロの大人が一緒に子どもを見てくれるというような感覚は、独りではないというようなその感覚、精神的にすごく安心感につながるというような実感があります。
そんな可能性を持った誰でも通園制度ですが、対象人数を知るためにお伺いします。高崎市内の6か月から2歳児の人口を教えてください。また、そのうち何人が保育園や幼稚園に通っていますか。
◎
福祉部子育て支援担当部長(千明浩君) 再度の御質問にお答えいたします。
今年の11月1日時点で、本市のゼロ歳6か月から2歳までの児童数はおおむね6,000人であり、そのうち保育所等を利用している子どもは4,356人でございますので、こども誰でも通園制度の対象者数は1,700人程度であると考えられます。
◆7番(宮原田綾香君) 対象人数は1,700人いることが確認できました。
ここまで現在の公立幼稚園を取り巻く状況について、高崎市の保育環境と併せて確認してきました。少子化、幼保無償化、女性の就業率の上昇によって幼稚園の入園率が激減しています。他市町村では、既に幼保無償化以前からこの状況を考慮して動いている自治体が多数ありました。市内の各園の置かれている地理的状況や保護者のニーズを分析すれば、おのずとその園が取るべき姿というのは見えてくるものもあるのではないかというふうに私自身見学に行って思っております。子育て世代のニーズは、預かり時間の延長や夏休みなど長期休暇の預かりにあることは明らかです。地域的にはこども園化をしたほうがメリットの高い園もあるでしょうし、誰でも通園制度に使える園もあります。公立幼稚園の見学に行ってきて、当初の3分の1程度の園児数になっているわけですから、空き教室が半分以上ある状態の園が多かったです。ただ、施設は本当に丁寧に手入れがされていて、きれいな印象でした。ぜひ子育て世代のニーズと時代の流れを考えていただいて、この問題の最後にお聞きしますが、高崎市の今後の幼稚園の在り方、本市はどのように考えているのか、今後の方針についてお聞かせください。
◎
教育部学校教育担当部長(大澤好則君) 再度の御質問にお答えいたします。
公立幼稚園では、子どもの基本的な生活習慣や態度を育て、道徳性の芽生えを培い、学習意欲や態度の基礎となる好奇心や探究心を養い、創造性を豊かにするなど、小学校以降における生きる力の基礎や生涯にわたる人間形成の基礎を培っております。また、公立幼稚園の利点を生かして、小学校への円滑な接続を図っております。令和元年10月からの幼児教育・保育の無償化以降、園児数は減少しておりますが、幼児一人一人の特性等の多面的な理解と、少人数ならではの発達の課題などに応じたきめ細かな保育を行っております。きめ細かな保育を希望する保護者や発達の課題などに応じた保育を希望する保護者など、多様化しているニーズに応えるとともに、既存の保育施設や私立幼稚園との役割分担も考慮しながら対応してまいりたいと考えております。
◆7番(宮原田綾香君) 今回の答弁だと、既に役割分担はなされているというふうに思いますので、現状のままを考えていらっしゃるのかなというふうに受け止められるのですが、今回も高崎市内の公立幼稚園を見学させていただき、今部長に答弁いただいたように、幼稚園のよさというのは保育所とはまた一味違って、それぞれの子どもたちの育ちに合わせて本当に丁寧に教育をしているということがうかがえました。先生たちも日々努力されて、質の高い教育を子どもたちに、その子の育ちに合ったものをあげたいというような気持ちでやっていらっしゃるというのは分かるのですが、はっきり言って今の利用率では本当にもったいないというふうなのが率直な感想になります。もっと多くの子どもたちに享受してもらう政策を考えていかないともったいないというふうに思いました。もう年少クラスは5人程度のクラスが多数あって、そうすると今後どんどん減っていくということは目に見えている状態だというふうに思います。大きくかじを切るにしても、入園しているお子さんたちがいますので、最低でも3年の移行期間がかかると思いますし、先ほどの答弁のとおり、仮にこの高崎が本当に独自に培ってきた幼稚園という教育を残したいというような気持ちがあるのであれば、少子化や時代のニーズに合わせて、変わらないための変える努力をしていかないと、今のままでは先が見えているのではないかというふうに思います。
当然子育て世代としては、保育や教育の多様な受皿が必要だというふうに思っています。手厚いことは望ましいことですし、どの保護者もきめ細かな保育を希望しているというような状態にあります。それでもなお10年前の予算と子どもの人数が3分の1以下になった現在も同じ予算で運営しているわけですから、費用対効果や経営感覚をある程度は考慮しなければならない部分もあるのではないかというふうに思います。1つ目に、預かりや長期休暇のニーズに応えること、2つ目に、誰でも通園制度に使用するなど工夫を凝らす、地理的要因等今後の少子化の状況をよく考慮して、慎重に検討を重ねて、全ての園とは言いません、厳選した園で転換していく、これらを個々の園の事情に合わせて実行することを望みたいというふうに思います。
また、市長や教育長にお願いしたいことは、ぜひこれから保育は量ではなく質の時代がやってくる中で、文部科学省、厚生労働省の枠組みがこれまではあったというふうに思いますが、高崎の子どもたちにどのような教育、保育を提供するのがいいか、全体的な目で考えるためにも、ぜひ垣根を越えて、公立の保育園と幼稚園が連携するような機会を設けていただきたいというふうに思います。
先生たちの研究会などがあるというふうにはお聞きしましたが、部局単位で、もちろん自分の持ち場のことはもう隅々までをお分かりのことというのは分かっていますが、今回保育園、幼稚園両方見学してきたというようなお話する中で、意外とお互いのことを知らないですとか、本当に教室一つとっても全然違うというような状況がありますので、ぜひ幼保の連携を取っていただければ、それぞれに効果があるというふうに思います。教室の中の物の配置、先生の接し方、作っているもの、その雰囲気、そこで感じるものを、保育所それぞれにいいものがありますが、ぜひ幼稚園のいいところは保育園に、保育園のまなざしは幼稚園に、そういったような形で、その先に高崎が目指す保育の質の時代を生き抜いていくような、そんな子育て環境が待っているのではないかというふうに思いますので、ぜひその辺の枠組みも考えていただければと思いまして1問目の質問を終わらせていただきます。市長、教育長、ぜひよろしくお願いいたします。
続きまして、2問目、未就学児への「いのちの安全教育」実施について伺います。先日ある保育園で、子どもたちが命の教育というものを受講する姿を見学しました。この命の教育は、いわゆる性教育のことですが、未就学児なので、4歳から6歳の年中、年長を対象として行っているので、本当に性教育に入る手前の本当に手前というようなものになります。お母さんから生まれてきたことや、へその緒でつながって大切におなかの中で育てられたこと、命に優劣はないこと、一人一人は大事な存在だから、相手の許可なしに人に下着に隠れているところを見せても見てもいけないこと、こうしたことを助産師さんがスライドを利用しながら、子どもたちに分かりやすいように説明してくれます。最後に、赤ちゃんと同じ重さの人形を子どもたちに抱かせてあげ、その重みを感じるというようなプログラムになっていました。性教育をめぐる議論は様々ありますが、まずはここから手始めに独自の教育を行っていくことは、性被害が広がる現代において決して無駄ではないというふうに思います。
そこで、現在高崎市の公立保育園、幼稚園では、生命(いのち)の安全教育についてどのような取組を行っているのか、まずは保育園からお答えください。
◎
福祉部子育て支援担当部長(千明浩君) 2点目、未就学児への「いのちの安全教育」実施についての御質問にお答えいたします。
生命(いのち)の安全教育とは、成長、発達の段階に応じて、命の貴さや大切さ、自分や相手を尊重し、大事にすることなどを学び、性暴力の根底にある誤った認識や行動、性暴力が及ぼす影響などを正しく理解するものと認識しております。公立保育所におきましては、園児は日々の着替え、排せつ、午睡といった活動の中で、自分と他児との存在、自分の体と他児の体の違い等を認識し、保育士は当該教育の初期段階である、自分の体と相手の体を大事にすること、どんなときに相手が嫌な気持ちになるかなどのことについて様々な場面の中、園児に分かってもらえるよう個々の保育において指導しておりますが、共通のガイドラインを作成するなど、組織としての具体的な取組は行われていない状況でございます。また、別の観点から早めに始めたほうがよいとされる性教育についても同様に、具体的な取組は行われていない状況でございます。
今後につきましては、生命(いのち)の安全教育や性教育への関心の広がりがある中、重要性を改めて認識するとともに、国から示されております資料などを参考に、当該教育における園児への適切なアプローチについて研究してまいりたいと考えております。
◆7番(宮原田綾香君) 日々の保育の中で、個別に園児に声かけはするが、組織だっての教育は行っていないというような答弁だったかと思います。
続いて、公立幼稚園について教えてください。
◎
教育部学校教育担当部長(大澤好則君) 再度の御質問にお答えいたします。
公立幼稚園では、幼稚園教育要領に沿って、自分や相手を大切にする心や生命を大切にする心を育てる教育を行っております。生命(いのち)の安全教育につきましては、日常生活の中でトイレ指導やプール指導等において、水着で隠れる部分であるプライベートゾーンを見せたり触らせたりしてはいけないことなどが意識できるように指導を行っております。今後も国から示されております資料等を活用しながら、生命(いのち)の安全教育の充実に努めてまいりたいと考えております。
◆7番(宮原田綾香君) こちらも日常生活の中で指導はあるが、恐らく組織としてプログラム化されたものではないのではないかなというふうに思います。ちょっと一事例なのですが、被害者の方がいらっしゃるので詳細については差し控えますが、ある園では子どもがインターネットの動画を見て、木の棒のようなものを女の子のプライベートゾーンに刺してしまったというような事件があったというふうにも聞いています。子どもなので、そこに深い意味や悪気とか、そういったものもなかったというふうに思うのですが、ただ本当にきちんとプライベートゾーンとか体についての教育がなされていたら防げたことではないかなというふうに思っています。もちろん保護者が教えていかなければならない問題ですが、保護者のほうも、教えたくても、いつどんなタイミングで、どのように教えていったらいいのか分からないと悩む保護者の方が多いのも現実になっています。講座を見学した保護者の方も、助産師の方の話を聞いて、そういうことを教えればよかったのかというふうな感想をおっしゃっていました。
性教育をめぐる議論では、寝た子を起こす論によって、既に起きている子どもがいるにもかかわらず、適切な教育が行われていないのが日本の現状です。そうした議論を大人がしているうちに、子どもはあっという間に大人になっていきます。先ほど申し上げたような事件が起こるなど、子どもがもう先を行っているような状態です。WHOやユネスコが推奨しているヨーロッパにおけるセクシャリティー教育スタンダードなど、海外ではゼロ歳から6歳が性教育の対象年齢であるとされています。性教育だけではなく、人権、ジェンダー、そういった領域にも及んでいます。保育園や幼稚園でも外部講師を招いて講座を行うことがあるというふうにお聞きしました。ぜひその枠組みの中で、現場の先生だけでは難しい場合は、専門家の方の力を借りながら未就学児を守るための教育を一歩先に進めていただければというふうに思います。学校教育における性教育については、次回以降に譲りたいと思います。
質問は以上になります。
○議長(時田裕之君) 7番 宮原田綾香議員の質問を終わります。
以上で、一般質問を終わります。
────────────────────────────────────────────
△日程第2 議案第149号 高崎市
国民健康保険税条例の一部改正
について
○議長(時田裕之君) 日程第2、議案第149号 高崎市
国民健康保険税条例の一部改正についてを議題といたします。
提案理由の説明を求めます。
(市民部長 藍 美香君登壇)
◎市民部長(藍美香君) ただいま議題となりました議案第149号 高崎市
国民健康保険税条例の一部改正につきまして提案理由の御説明を申し上げます。
議案書(2)の1ページを御覧ください。改正の理由でございますが、産前産後期間における国民健康保険税の減額措置について定めるため、所要の改正を行うものでございます。
本改正は、地方税法等の改正により、出産する被保険者に係る産前産後期間における所得割額及び被保険者均等割額の減額措置が創設されたことに伴い、同法令に準拠している本条例につきましても同様に改めるものでございます。
本制度は、少子化傾向が続く中、子育て世代の負担を軽減することにより次世代育成支援を図ろうとする国の制度でございまして、具体的には出産予定月の前月から4か月間、双子等の多胎の場合は出産予定月の3か月前から6か月間、出産する被保険者の国民健康保険税を減額するものでございます。
1枚おめくりいただき、2ページを御覧ください。改正内容でございますが、第24条第3項は所得割額及び被保険者均等割額の減額について定めるものでございまして、第1号、第2号は基礎課税額について、第3号、第4号は後期高齢者支援金等課税額について、第5号、第6号は介護納付金課税額についてそれぞれ定めるものでございます。
第24条の5は、こちらは減額を受けるための届出について定めるものでございます。
次に、附則でございますが、1は地方税法の一部改正の施行日に合わせ、本条例の施行日を令和6年1月1日とするものでございます。2は、経過措置について定めるものでございます。
以上、誠に簡単ではございますが、議案第149号の提案理由の説明とさせていただきます。よろしく御審議の上、御議決賜りますようお願い申し上げます。
○議長(時田裕之君) 提案理由の説明は終わりました。
これより質疑に入ります。ありませんか。────質疑を終結いたします。
本案は、市民経済常任委員会に付託いたします。
────────────────────────────────────────────
△日程第3 議案第150号 令和5年度高崎市
一般会計補正予算
(第7号)
○議長(時田裕之君) 日程第3、議案第150号 令和5年度高崎市
一般会計補正予算(第7号)を議題といたします。
提案理由の説明を求めます。
(財務部長 天田順久君登壇)
◎財務部長(天田順久君) ただいま議題となりました議案第150号 令和5年度高崎市
一般会計補正予算(第7号)につきまして提案理由の御説明を申し上げます。
議案書(2)の5ページを御覧ください。第1条は、歳入歳出予算の補正でございます。歳入歳出予算の総額に歳入歳出それぞれ26億7,727万2,000円を追加いたしまして、予算の総額を1,789億1,820万9,000円とするものでございます。
補正予算の款項の区分、当該区分ごとの金額は第1表歳入歳出予算補正のとおりでございます。
それでは、補正予算の内容につきまして、事項別明細書により歳出から御説明申し上げますので、12ページを御覧ください。3歳出でございます。3款1項1目社会福祉総務費は、国の物価高騰対策として、エネルギー・食料品価格等の物価高騰による家計への影響が大きい住民税非課税世帯等に対して、1世帯当たり7万円を追加給付するための経費を計上するものでございます。以上で歳出の説明を終わらせていただきます。
続きまして、歳入につきまして御説明申し上げますので、前に戻っていただきまして、10ページを御覧ください。2歳入でございます。16款2項1目総務費国庫補助金は、歳出の事業につきまして、全額を物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金で措置させていただくものでございます。
以上、議案第150号の提案理由の説明とさせていただきます。よろしく御審議の上、御議決賜りますようお願い申し上げます。
○議長(時田裕之君) 提案理由の説明は終わりました。
これより質疑に入ります。ありませんか。────質疑を終結いたします。
本案は、議席に配付の議案付託表(2)のとおり、教育福祉常任委員会に付託いたします。
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議案付託表(2)
令和5年第5回定例会
〇 教育福祉常任委員会
┌────────┬─────────────────────────────────────┐
│ 議 案 番 号 │ 件 名 │
├────────┼─────────────────────────────────────┤
│議案第150号 │令和5年度高崎市
一般会計補正予算(第7号) │
└────────┴─────────────────────────────────────┘
〇 市民経済常任委員会
┌────────┬─────────────────────────────────────┐
│ 議 案 番 号 │ 件 名 │
├────────┼─────────────────────────────────────┤
│議案第149号 │高崎市
国民健康保険税条例の一部改正について │
└────────┴─────────────────────────────────────┘
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△休会の議決
○議長(時田裕之君) 以上で本日の日程は全て終了いたしました。
この際、お諮りいたします。議案調査及び委員会の開催等のため、明日7日から14日までの8日間は本会議を休会したいと思います。これに御異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(時田裕之君) 御異議なしと認めます。
よって、明日7日から14日までの8日間は本会議を休会することに決しました。
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△散会
○議長(時田裕之君) 次の本会議は、15日定刻に開きます。
本日は、これにて散会いたします。
午後 4時21分散会...