前橋市議会 2021-12-08
令和3年第4回定例会(第3日目) 本文 開催日: 2021-12-08
↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 ◎ 開 議
(午前9時57分)
【議長(横山勝彦議員)】 これより本日の会議を開きます。
2 ◎ 日 程 報 告
【議長(横山勝彦議員)】 本日の議事は、議事日程第3号により進めます。
3 ◎ 総 括 質 問
【議長(横山勝彦議員)】 日程第1、上程中の議案等に対する総括質問を昨日に引き続き行います。
質問の通告がありますので、順次発言を許可いたします。
(20番 富田公隆議員 登壇)
4 【20番(富田公隆議員)】 おはようございます。順次質問を行いたいと思います。
まず、産業団地の確保についてお伺いいたします。新たな産業団地の確保につきましては、昨年の第4回定例会でも質問させていただいており、本市における産業団地の確保の基本的な考え方として、周辺の道路環境や都市計画上の土地利用面など、既存の産業団地のにじみ出しが現実的であるとのご答弁がありました。実際に、中内地区におきましては、既存の西善工業団地と中内工業団地のにじみ出しで産業用地の開発に取り組んでいると理解しております。また、
西善中内産業団地と並行いたしまして、
駒寄スマートインターチェンジ周辺につきましても産業団地開発を進めているところであると認識しております。
そんな中で、第七次前橋市総合計画2021年度改訂版における地域産業の基盤強化と活性化を実現するための課題の一つとして、豊富な水資源、自然災害の少なさや充実した道路網といった優位性があり、既存の工業団地が完売、新たな産業用地が不足との記述がありましたが、この課題解決に向けた当局の考え方と現在の取組状況についてお伺いいたします。
5 【産業経済部長(中畝剛)】 産業用地の不足は、いわゆる都市間競争の面からも重要な課題であると認識しております。このため、さらなる企業立地を推進するため、その受皿となる産業団地の確保は必要不可欠であると考えております。今年度は、西善中内産業用地の第1期分譲を開始し、既に全ての分譲区画において優先交渉権者を決定しており、来年1月を予定している第2期分譲においても幾つかの企業から既に問合せをいただいており、早期の完売が見込まれます。また、現在環境アセスメントや市街化編入の手続を進めている
駒寄スマートインターチェンジ産業団地や、それに続く産業団地として、大前田、樋越地区についても開発可能性の調査に取り組んでいるところでございます。これらの産業団地開発の取組とは別に、ただいまご質問にもありました、豊富な水資源、自然災害の少なさや充実した道路交通網という本市の優位性を最大限に生かすことができる候補地を中長期的な社会経済状況や企業の立地状況を注視しながら選定していく必要があると認識しているところでございます。
6 【20番(富田公隆議員)】 現在進行中ではありますが、
西善中内産業団地のにじみ出しによる産業団地開発や、平成28年度から29年度にかけて拡張された五代南部工業団地などから分かるように、にじみ出しによる産業団地の開発の利点は、場所の選定や地元合意などにおいて実績がある分、開発に至るまでの工程におけるスピード感があることだと思っております。グローバル化された現代において、時代の変化のスピードも速くなってきており、それに対応する企業の立地戦略は、雇用環境、市場情勢、タイミングなどで絶え間なく動いております。そんな中で、各自治体の企業誘致合戦に対抗していくために、各自治体の企業誘致担当部局は様々な企業の動きを的確につかむ必要があり、そのニーズにスピード感を持って対応できる体制が必要であると考えております。
長期的展望の中では、今後も
駒寄スマートインターチェンジ周辺における産業団地開発等の新規の事業も重要であり、必要であると考えますが、中期的、短期的な企業誘致においては、やはりにじみ出し手法が有効であると思います。そこで、中期的、短期的な産業団地開発への対応として、今後もにじみ出しを積極的に実施していくべきと考えますが、当局のお考えをお伺いいたします。
7 【産業経済部長(中畝剛)】 既存工業団地の拡張、いわゆるにじみ出しによる開発では、交通の利便性など企業立地の優位性や、地域住民、地権者の意向、農業振興への影響等に十分配慮する必要がありますが、既存工業団地内の道路や企業集積などがあるため、比較的有利となります。昨今の産業団地ニーズの高まりを逃さず企業立地を進めるためには、ただいまご指摘いただきましたとおり、既存工業団地の拡張による開発についても、その可能性を探ってまいりたいと考えております。
8 【20番(富田公隆議員)】 先ほど例示させていただきました五代南部工業団地においては1度、朝倉工業団地でも平成23年から平成24年にかけて1度、にじみ出しによる工業団地の拡張が行われております。城南工業団地においては、国道50号と上武道路に挟まれるような適地にあり、かつ中心を
県道苗ケ島飯土井線が縦断しているという好立地であることから、これまで平成3年から平成4年にかけて1回、また平成5年から平成9年にかけて1回と、合計2回の拡張を行っております。このような状況の中で、本市におけるにじみ出しによる工業団地拡張の今後の有力な候補地としては、上増田工業団地が最適ではないかと考えております。最大の利点はその立地にあります。東側には上武道路、西側には県道藤岡大胡線、南側には
北関東自動車道側道、北側は国道50号と、東西南北にしっかりとした道路網があり、
駒形インターチェンジにも近いといった好立地であります。また、にじみ出しに必要な用地も北側の今井町や笂井町地内に広大にあり、その中心を、道路幅も広く、現上増田工業団地の中心を通っております市道00-1605号線が縦断しており、新たな市道の整備もほとんど必要がない状況であります。そこで、本市におけるにじみ出しによる工業団地の拡張を考えたとき、この上増田工業団地が有力な候補地の一つであると考えますが、当局の認識をお伺いいたします。
9 【産業経済部長(中畝剛)】 上増田工業団地の隣接地につきましては、ご質問のとおり、交通利便性に優れ、まとまった平たんな土地の確保も可能なことから、産業用地として魅力のある場所であると認識しております。
10 【20番(富田公隆議員)】 ぜひとも前向きにご検討いただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
次に、産業団地開発の早期事業化に向けては、多くの都市でも様々な取組が行われておりますが、官民連携による民間活力を生かした産業団地開発も聞かれるようになってきております。市街化調整区域における民間事業者による産業団地開発を可能とすべく市街化調整区域の地区計画制度の整備を進める栃木県宇都宮市。地権者や地元の団体等がまちづくり協議会を組織して産業団地開発に取り組む兵庫県加古川市。茨城県常総市では官民連携による
アグリサイエンスバレー事業を進めており、圏央道の常総
インターチェンジ周辺で食と農と健康の産業団地をコンセプトとするまちづくりを進めるとともに、未来の食と農業の在り方を示し、全国に向けて発信していくような産業団地開発を行っております。また、沖縄県うるま市では、産業基盤の整備、企業誘致の実現という目的に対し、土地区画整理事業、PPPを参考に、造成地の計画、設計、施工を含め、企業誘致や対象地の維持管理を民間企業に委ねる手法を検討しているようであります。兵庫県加西市では、産業団地事業のスピードアップを目的として、不動産会社や
開発コンサルティング業者を事業協力者として選定し、官民連携協定を締結した上で、共同事業として全工区で用地買収、造成工事、企業立地などを実施しています。
このように、全国の先進的な都市では、新たな産業団地開発について、民間活力の導入を試験的に実施しようという動きが出てきておりますので、本市としても取り組むべきではないかとも考えます。そこで、新たな産業団地開発の手法として官民連携をどのように捉えているのかお伺いいたします。
11 【産業経済部長(中畝剛)】 具体な事例のお話をいただきました。全国の多くの自治体において民間活力を活用した、いわゆる
民間主導型産業団地開発が行われていることは承知しているところでございますが、その手法は、農林調整や都市計画法上の手続は行政が行い、用地買収や造成工事、候補企業の選定、そして分譲は
民間ディベロッパーが行うのが一般的のようでございます。こうした民間との協働による産業団地開発には、用地買収や造成工事が比較的短期間で行われることや、分譲地の売れ残りの心配が少ないなどのメリットがありますので、官民連携による
民間主導型産業団地開発は本市においても十分に検討の余地があると考えております。
12 【20番(富田公隆議員)】 ぜひとも研究、検討を重ねていっていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
次に、歴史文化遺産の活用についてお伺いいたします。中世初頭に築かれた巨大用水遺構として考えられ、国指定史跡でもあります女堀については、これまでも質問させていただいており、平成26年第3回定例会では、二之宮地区の女堀について、ガイダンス施設や駐車場の整備、さらには見学コースを設置すべく、文化庁とも相談しながら整備を図っていく旨のご答弁がありましたが、課題も何点かあり、1つ目は未買収の土地があること、2つ目は駐車場用地の確保、3つ目として、指定地が6か所に分散しており、どこから整備するのか決める必要があるとのことでした。しかしながら、荒れ放題であった女堀も現在では定期的に草刈り整備等が行われ、遺構の様子がうかがえる状態になっており、地域の方々のみならず、多くの方々から女堀の整備についての要望が続いております。そこで、現在の女堀における保存活用計画の進捗状況や今後の見通しについてお伺いいたします。
13 【教育次長(藤井一幸)】 平成31年3月に策定されました史跡女堀の保存活用計画についてでございますが、早期に全面的な整備を行うことは困難であるため、今後の整備計画策定に当たっても段階的な整備を基本とし、史跡を適切に保存し、未来へ引き継ぐことを目的にしております。現在、継続的に史跡の環境整備を進めているほか、台風や暴風雨など自然災害に対応した遺構の保全を目的とした修復整備や外来樹木等の伐採などを行っております。史跡指定地が長大で、市域を越えて伊勢崎市まで続き、広範囲に分散していることや、未買収地が残る課題などがあることから、長期的な整備が基本となりますが、史跡の大きさ、スケール感を生かした取組や、伊勢崎市との連携など、その特徴を踏まえ、新たな可能性を秘めているものと考えております。
14 【20番(富田公隆議員)】 引き続きの研究、調査についてもお願いいたします。
次に、大人の休日倶楽部のコマーシャル、古墳王国群馬編の放送により大室公園が一躍人気スポットとなったことで、改めてコマーシャルの影響力を感じました。現在はキャンペーンは終了しておりますが、
群馬デスティネーションキャンペーンの一環として古墳にスポットを当て、コマーシャル内のフレーズとして、かつて1万3,000基以上もの古墳が存在したという古墳王国群馬。歴史とは、学ぶものではなく、旅するものかもしれませんという吉永小百合さんのナレーションが古墳という歴史遺産に新たな印象を与えたと見られております。ピーク時には、大室公園古墳群のある大室公園駐車場では、500台以上ある駐車場が混雑する状況が続いており、とにかく多くの人が来園し、他県ナンバーも目立っていたそうで、臨時の売店やキッチンカーまで出るという、地元でも大変に話題になっておりました。このコマーシャルで一躍有名となり、多くの方々に認知された大室公園ですが、日本の歴史公園100選にも選ばれている公園であり、前橋市の観光名所としてさらなる活用や整備が必要ではないかと考えますが、当局のお考えをお伺いいたします。
15 【教育次長(藤井一幸)】 大室公園内にある大室古墳群や民家園のさらなる活用につきましては、お話にありましたJR東日本のコマーシャルにより大室古墳群の知名度が非常に上がり、県外からの来園者の増加や、大手旅行会社を含む様々なバスツアーコースに設定されるようになりました。また、一昨年度まで実施しておりました大室古墳群の普及公開イベントは中止になっておりますが、今後は、関係課と協力しながら、公園部分と史跡部分を上手に生かした取組を検討していきたいと思います。
次に、整備につきましては、民家園内にあります市指定重要文化財である旧関根家住宅のかやぶき屋根の傷みが見られ、特に北側屋根のふき替えが喫緊の課題となっております。現在、その一部をシートで覆い応急措置をしておりますが、古墳を中心とした大室公園の中でほかとは違った魅力を構成する一つでございますので、適切な時期を見定めて改修工事を行うなど、さらなる魅力向上に努めたいと考えております。
16 【20番(富田公隆議員)】 第七次前橋市総合計画2021年度改訂版における、ふるさとを愛し、未来へつなげる人づくりでの現状と課題において、地域の文化財を積極的に活用し、郷土への関心や親しみを高めるとともに、ふるさとの豊かな自然に触れる機会の充実が求められていますとあり、長い歴史に育まれた数多くの文化財の保存管理と活用促進に取り組む必要性があることが理解されます。
そんな中で、大室公園民家園の北側には
大室公園資料館予定地が今もなお予定地としてあり、活用には至っておりません。赤城南麓地域の古墳時代の変遷などに関する資料や出土品の展示、加えて体験学習ができるような施設が整備されれば、テレビCM等で一躍脚光を浴びた大室公園の誘客を一過性のものから安定的なものに変えられ、さらに多くの観光的な集客も図れるほか、市内においても郷土における文化財への理解を深める教育活動の場として活用ができると考えられますが、当局のご見解をお伺いいたします。
17 【教育次長(藤井一幸)】
大室古墳群発掘調査に伴う出土品の常設公開や体験学習の充実など、学びの場をつくることは非常に重要であると考えております。現在、大室公園では、土蔵を改修した大室はにわ館や民家園を使っての展示や映像による情報提供、石室内への出土品のレプリカ設置、ボランティアの古墳の語り部による古墳ガイドなどを行っており、できるだけ資料館的な機能が果たせるよう努めているところでございます。本市の歴史資料館の建設につきましては、出土遺物の活用方法や将来を見据えた施設の在り方等を含めて、引き続き研究、検討をしてまいりたいと考えております。
18 【20番(富田公隆議員)】 先週テレビ放送された世界ふしぎ発見!において、イギリスの外交官であるアーネスト・サトウが明治13年に大室公園内にある前二子古墳の石室を天皇や皇族を祭った陵墓として調査したことが紹介されておりました。この調査は、日本で初めてとなる石室の科学的分析として意義のあることとされておりますので、ぜひとも本市における歴史資料館建設の場としてふさわしいと考えておりますので、ご検討のほどよろしくお願いいたします。
次に、施設園芸に係る燃油価格高騰対策についてお伺いいたします。原油価格の高止まりが続いており、2014年以来の高水準で、灯油やガソリンの価格にも大きく影響を及ぼしております。燃油は、その多くを輸入に依存しているため、商品市況等の影響により価格が乱高下を繰り返しており、今後の価格見通しを立てることが非常に困難な生産資材であります。
そんな中で、農業分野においては、ビニールハウスやトンネル、マルチングに用いられる
農業用ポリエチレン、ビニール等の被覆資材の値上げが相次ぎ、その原因においては、原料となる原油価格の高騰が直接的に影響しております。中でも施設園芸農家においては、被覆資材などのほか、冬期加温に燃油を使用するため、燃油価格の高騰の影響を特に受けやすい分野であります。
本市の施設園芸においては、全国9位の生産量を誇るキュウリ栽培においては、ビニールハウス内の温度を16度前後に保つ必要があり、標準のビニールハウスでは1反当たり燃油を約8,000リットル使用するということを伺っております。また、自らの工夫次第では高付加価値化しやすく、最近の新規就農者の多くを占め、人気が出てきているイチゴ栽培においても温度管理が重要であり、ビニールハウス内の温度を最低8度前後に保たなければならず、こちらも燃油の価格高騰は、施設整備を行ったばかりの新規のイチゴ農家等にとっては大きな影響を与えることが考えられます。
本市の主要産業の一つである施設園芸農家の方々が、この長期間にわたり先行きの見えない燃油価格高騰に対して、継続して安定的に経営できる環境を整えることは今後の大きな課題の一つであり、燃油価格高騰の影響を受けにくい経営への転換を進めていく必要があると考えますが、その対策を実施するための第一歩としては、しっかりと現状を把握することが何よりも大切であると思っております。
そこで、まず燃油価格高騰による影響について、当局としては施設園芸農家の現状をどのように捉えているのかお伺いいたします。
19 【農政部長(田部井誠)】 施設園芸農家の現状についてでございますが、施設の暖房に重油などを使用している施設園芸の経営費は水稲などの土地利用型作物に比べて高く、また経営費に占める燃料費の割合は極めて高いため、燃油価格の高騰によって施設園芸農家は多大な影響を受けている状況でございます。さらに、生産コストの上昇分をそのまま販売価格に転嫁することができないこと、また栽培温度を下げた生産では品質や生産量の維持が難しいことから、施設園芸農家の経営を圧迫している状況であると認識しております。
20 【20番(富田公隆議員)】 農業用資材や燃油価格高騰の問題はもう十数年前から言われ続けており、繰り返しになりますが、施設園芸農家は冬期の加温に燃油を使用するため、燃油価格高騰の影響を受けやすい業種であることから、継続して経営ができる環境を整えるため、国による支援策も用意されてきております。施設園芸農家が取り組める省エネ対策としては、多重被覆を導入する、ビニールハウスの保温性を高める設備を導入する、ビニールハウスの気密性を向上させる、温度管理装置を導入し、適切な温度管理を実施するなど、燃油価格の影響を受けにくい経営構造への転換が挙げられますが、施設園芸農家の方々にお話を伺ったところ、さらなる設備投資となり、費用も高額となるため、具体的な対策を講じるまでにはなかなか至らないようであります。そこで、施設園芸農家への国の支援対策としては、現状においてどのような制度があり、どのくらいの生産者の方々が利用しているのかお伺いいたします。
21 【農政部長(田部井誠)】 施設園芸農家への支援制度についてでございますが、まず国は平成24年度に
施設園芸セーフティネット構築事業を創設しております。この事業は、燃油価格高騰の影響を受けにくい経営への転換を進めるため、省エネルギー化等に取り組む産地に対し、燃油価格が高騰した場合に国と生産者で積み立てた基金から補填する事業であります。なお、本事業の申請窓口は群馬県
燃油価格高騰緊急対策協議会となりますが、本市内からは3団体が活用し、合計でおよそ80経営体が利用していると伺っております。また、ほかの支援策といたしましては、
農林漁業セーフティネット資金という制度融資があり、日本政策金融公庫にて相談窓口が設置されております。
22 【20番(富田公隆議員)】 最近幾らか価格も下がり始めている様子でありますけれども、来春くらいまではまだまだ高い状況が続くとも言われておりますので、冬期に加温が必要な施設園芸では生産コストの増大が引き続き懸念されます。
そんな中で、本市ホームページの農政課のページを見ますと、燃油価格高騰対策のための施設園芸省エネルギー生産管理チェックシートの活用を推進しているようでありますが、この意図を伺うとともに、燃油価格高騰対策として今後どのように取り組んでいくことをお考えなのかお伺いいたします。
23 【農政部長(田部井誠)】 本市としての取組でございますが、国が利用を推進しております施設園芸省エネチェックシートの活用について、本市ホームページでも推進しております。このチェックシートは、燃油価格高騰の影響を受けにくい経営への転換を進める対策として燃油使用量の省エネルギー化を進めており、
施設園芸セーフティネット構築事業を利用する上でも、このチェックシートによる加温開始前から加温期間中の確認作業によって10%程度の削減効果が期待できるとされております。本市といたしましても、このセーフティネット事業の申請の有無にかかわらず、省エネによる燃料使用量の削減の取組を推進してまいりたいと考えております。また、今後の取組につきましても、燃油価格動向や国や県の施策の動向を踏まえつつ、関係機関や団体と検討してまいりたいと考えております。
24 【20番(富田公隆議員)】 要望になります。施設園芸農家に伺ったところ、キュウリを生産している農家の方に省エネルギー対策について伺いました。国や県や市、また農協からもなかなか情報提供が少ない中、独自に標準的な被覆材の2層構造から保温効果の高い3層構造のビニールハウスに改修したところ、1反当たり約8,000リットルかかっていた燃料が半分の4,000リットル程度になったというお話でありました。今後の燃油価格高騰への省エネルギー対策として非常に重要な話だったと理解できました。
そこで、本市における主要産業であります施設園芸農家への燃油価格高騰対策は前橋市も積極的に関わることが必要であり、今後は、本市と施設園芸農家の連携において、先進事例を踏まえながら様々な工夫を凝らし、より一層の省エネルギー対策に取り組む農家を増やし、燃油価格の変動により経営が大きく左右されない強い施設構造に変えていくことこそが施設園芸農家における燃油価格高騰対策の長期的ビジョンとして重要であると考えますので、多額の費用がかかる施設整備費への支援策をご検討いただきますよう要望させていただきます。
最後に、道路整備について何点かお伺いいたします。現在、群馬県において、波志江スマートインターチェンジに直結する幹線道路として、
県道苗ケ島飯土井線の国道17号上武道路以南の整備を進めていただいております。波志江スマート
インターチェンジ周辺道路の整備を進めることは、高速自動車道路網を有効活用できる道路ネットワークが構築されることや、物流ネットワークの強化による地域間競争の向上と開発可能エリアの拡大などが見込まれるとともに、観光振興にも寄与するため本市にとっても重要であると考えられます。
そこで、まず
県道苗ケ島飯土井線の整備における関係機関との連携状況と現在の進捗状況についてお伺いいたします。
25 【建設部長(長岡道定)】
県道苗ケ島飯土井線の関係機関との連携状況についてでございますが、波志江スマート
インターチェンジ周辺道路の整備といたしまして、高速交通網の利便性を周辺地域へ最大限生かせるよう、前橋市と伊勢崎市で周辺道路整備促進を群馬県に対し要望してきましたが、関係機関との勉強会などで道路整備の必要性や効果を確認し合い、周辺整備に向けての役割分担などを決め、協調して取り組むこととなりました。
また、現在の進捗状況でございますが、群馬県では波志江スマートインターチェンジから赤城山方面へ向かう
県道苗ケ島飯土井線の国道17号上武道路以南の事業に取りかかり、令和2年度は用地測量と道路及び橋梁の詳細設計を実施、今年度から用地買収を行い、令和4年度には、引き続き用地買収を進めるとともに、一部工事に着手するとお聞きしております。
26 【20番(富田公隆議員)】 群馬県と伊勢崎市と本市で波志江スマート
インターチェンジ周辺道路整備については勉強会を重ねていただいた成果として、ようやく県道整備が着手となったことは理解いたしました。
この
県道苗ケ島飯土井線の整備計画が具体的に見えてきたことで本市の東部地区における道路網の根幹をなす縦軸がしっかりと形成されることとなり、次の段階としては、この縦軸につながる横軸の交通ネットワークが不可欠になってくると思います。本市東部地区におけるその横軸となるのが都市計画道路木瀬城南通線であります。そこで、平成30年第4回定例会でもこの都市計画道路木瀬城南通線の事業化についてお聞きしましたが、改めて本市の考え方についてお伺いいたします。
27 【建設部長(長岡道定)】 都市計画道路木瀬城南通線につきましては、城南地区の南部を東西に結ぶ横の道路ネットワークといたしまして、主要地方道藤岡大胡線から伊勢崎市の都市計画道路波志江1号線に接続され、波志江スマートインターチェンジとネットワークがつながり、沿線には共愛学園や上増田工業団地もあり、今後の地域発展に大きく寄与する重要な幹線道路であることは十分に認識しております。事業化に向けては、既に整備が完了しております約1.5キロメートルを除いた東側の約2.5キロメートルが未整備区間であり、整備延長が長くなることから、多額の事業費と相当な期間が必要となります。未整備区間につきましては、住吉橋もありますので、架け替えも含め、安全対策が必要な区間や整備効果の高い区間から、地域の方々や関係機関のご意見をお聞きしながら、整備に向けて検討していきたいと考えております。
28 【20番(富田公隆議員)】 時間の都合上、次に予定しておりました都市計画道路増田通線については割愛させていただきまして、最後に都市計画道路駒形駅前通線についてお伺いいたします。
駒形駅周辺におきましては、本市が計画策定した前橋市立地適正化計画において都市機能誘導区域に指定されており、その区域と駒形駅を結ぶ都市計画道路駒形駅前通線は、駒形駅を中心とした交通結節機能向上に不可欠な道路として認識しております。地元自治会である小屋原町自治会でも事業実施の要望も強く、以前から課題でもある墓地移転等の問題も認識しており、その解決に向けては自治会の協力体制もしっかりと構築されております。そこで、地元住民の方々から熱望され、費用対効果も十分に考えられる都市計画道路駒形駅前通線の未整備区間における事業着手に向けての現状についてお伺いいたします。
29 【建設部長(長岡道定)】 都市計画道路駒形駅前通線につきましては、駒形駅南口から西に向かって主要地方道前橋館林線までの区間が現在未着手となっておりますが、都市計画道路駒形駅前通線は、第七次前橋市総合計画において鉄道と道路のアクセス向上を図るための交通結節機能向上事業として位置づけております。地元自治会からも早期着手の要望をいただくとともに、協力体制を整えていただいておりますので、今後も地元自治会のご理解とご協力により事業化に向けての検討を行ってまいりたいと考えております。
(13番 林幸一議員 登壇)
30 【13番(林幸一議員)】 最初に、マイナンバーカードについて質問します。
本市では、前橋市DX、デジタルトランスフォーメーション推進計画においてマイナンバーカードの普及、活用を重点事業の一つに掲げ、マイナンバーカードの普及に向けて市民サービスセンター等への出張申請受付を実施するなど、取組を進めております。
まず、取組の成果指標である本市の交付率や現状について伺います。また、県内における本市の交付状況及び中核市における本市の交付状況についても併せて伺います。
31 【市民部長(木村由美)】 本市の交付状況でございますが、今年10月末現在の交付率は39.96%となっており、全国平均の39.42%を若干上回っている状況です。また、県内12市中では第1位となっております。
次に、今年11月1日現在の中核市における交付状況でございますが、最も交付率が高いのが宮崎市の52.1%、続いて奈良市の45.6%であり、最も低いところで31.1%でございます。なお、本市は中核市62都市の中で第23位となっております。
32 【13番(林幸一議員)】 本市の現時点でのマイナンバーカード取得者数については理解しました。
次に、本市ではこれまで、マイナンバーカードの活用方法について、国の実証実験事業に参加するなど、先進的な取組を続けていると思いますが、現時点でのマイナンバーカード取得のメリットについて伺います。
33 【未来創造部長(青木一宏)】 マイナンバーカード取得によるメリットでございます。本市では、住民票など各種証明書のコンビニ交付に加えまして、マイタク運行での活用や母子健康情報サービスの提供など、他市に先駆けてマイナンバーカードの活用に取り組んでまいったところでございます。また、今年の10月以降、全国でマイナンバーカードの健康保険証利用がスタートしたほか、11月からは、本人同意を得た上で特定健診情報や薬剤情報を医療機関が閲覧できるようになるなど、マイナンバーカードの活用方法が着実に広がってきている状況でございます。さらに、国は令和6年度までにマイナンバーカードと運転免許証の一体化を目指すとしていることから、本市といたしましては、今後とも国の動向を注視しながら、マイナンバーカード取得による利便性を高めてまいりたいと考えております。
34 【13番(林幸一議員)】 現時点でのマイナンバーカード取得のメリットについては理解できました。
次に、ご承知のとおり、先月19日、コロナ克服・新時代開拓のための経済対策が閣議決定されました。それ以来、新聞やテレビなどにおいて連日マイナポイント第2弾に関する報道がなされています。そこで、国会審議の前ではありますが、今後予定されているマイナポイント第2弾に対して本市はどのような取組方針であるか伺います。
35 【未来創造部長(青木一宏)】 マイナポイント第2弾に対する本市の取組方針でございます。現時点では国から正式な通知はなく、確定的なことは申し上げられませんが、新聞報道等によれば、マイナンバーカードの取得を前提に、電子マネー等の利用額の25%相当について最大5,000円分のポイントを付与することに加えまして、健康保険証として登録した場合には7,500円分、また預貯金口座を登録した場合に7,500円分のポイントを付与する予定と聞いております。本市といたしましては、国から正式な通知が入り次第、マイナンバーカード未取得の方々の新規取得を促進するとともに、マイナポイント第2弾が円滑に進むよう、様々なチャンネルを通じまして情報提供してまいりたいと考えております。
36 【13番(林幸一議員)】 マイナンバーカードの普及促進をより一層図るためには、各種団体、機関への働きかけや高齢者向けの対策など、あらゆる手段、手だてを講じなくてはならないと考えます。マイナンバーカードの普及に向けた現在の取組状況や成果、また今後の取組について伺います。
37 【市民部長(木村由美)】 現在の取組状況でございますが、今年度から、市役所本庁に加え、大胡、宮城、粕川及び富士見の4支所にも申請受付窓口を開設しております。10月末までの受付件数の総数は、市役所本庁で5,577件、4支所で889件となっております。また、7月から8月にかけて市民サービスセンターなどで出張申請受付を行ったところ、2,228件を受け付けました。このことから、スマートフォンによる申請が困難な方、高齢の方などを中心に多くの方にご利用いただけたものと考えております。さらに、7月からは事業所への出張申請受付も開始しております。
今後の取組でございますが、現在、2回目となる市民サービスセンターでの出張申請受付を実施しているところです。加えて、税務署と連携し出張申請受付を実施する予定です。なお、来年度は、さらに取組を強化するため、市民課マイナンバーカード係内に事業所などへの出張申請受付を専門に行う訪問支援担当を置く予定でございますので、あわせて前橋商工会議所、自治会、前橋市社会福祉協議会などと連携を図りながら普及促進に努めてまいります。
38 【13番(林幸一議員)】 交付率の高い宮崎市、奈良市の事例を見習って、様々な団体の理解とご協力をいただきながら進めていただきたいと思っております。若い人への注力も重要です。職員の頑張りが結果に現れます。
次に、公民館と社会教育について質問します。公民館とコミセンの違いについて聞きます。現在、本市にはコミュニティセンターが5施設ありますが、第一コミセンについては直営で運営しており、第二から第五コミセンについては指定管理者制度に基づき運営されております。そのうち、第二、第三、第五コミセンについては、現在、自治会構成の管理運営委員会が指定管理者として運営しております。11月の教育福祉常任委員会で令和4年4月からその3つのコミセンを直営化するとの報告がありました。改めて、直営化に至った経緯を伺います。
39 【指導担当次長(都所幸直)】 第二、第三、第五コミュニティセンターの直営化に係る経緯についてでございますが、コミュニティセンターは、開設当初、貸し館業務を中心に役割を果たしてまいりましたが、社会教育機能の充実が求められるようになったことにより、指定管理者である自治会の方々で構成する管理運営委員会の負担増加が課題となっておりました。また、指定管理者によるコミュニティセンター業務と市による証明交付業務を同じ施設内で行っており、異なる事業主体による窓口業務の非効率性を指摘されてもおりました。そのため、管理運営委員会の負担軽減と、さらなる社会教育事業の充実、効率的な業務実施に向けた人員配置を図るために直営化するものでございます。
40 【13番(林幸一議員)】 コミュニティセンターの直営化に係る経緯は分かりました。
本市には、本庁管内に中央公民館と5つのコミセンがあり、支所、市民サービスセンター管内には15の公民館が設置されております。公民館とコミセンは同じ社会教育事業を実施している施設ですが、公民館とコミセンの違いについて伺います。
41 【指導担当次長(都所幸直)】 公民館とコミュニティセンターの違いについてでございますが、公民館は、社会教育法に基づき、市民の教養向上、健康増進等を図り、生活文化の振興、社会福祉の増進に寄与することを目的とした施設で、前橋市公民館条例に基づき対象区域が定められた施設となっております。コミュニティセンターにつきましては、対象区域を定めず、前橋市コミュニティセンターに関する条例に基づき、社会教育の拠点として、市民が生涯学習活動を通じ健康で文化的な地域社会をつくることを目的とした施設となっております。
42 【13番(林幸一議員)】 公民館、社会教育の大切さについて教育長へお伺いします。
人生100年時代において、子供から高齢者まで全ての人が元気に活躍し続けられる社会、安心して暮らすことのできる社会をつくる必要があり、その鍵を握るのは生涯学習社会の実現にあると考えます。また、地域コミュニティーを維持していくためには、地域住民がお互いに気遣い、地域課題を解決する場の提供が必要と考えます。今こそ社会教育の出番であり、社会教育は公民館が主体となるべきだと考えます。そこで、公民館、社会教育の大切さについて伺います。
43 【教育長(吉川真由美)】 初めに、社会教育についてでございますけれども、急速に変化する時代にあって、主体的に学ぶ力というのは、学校教育における児童生徒ばかりではなく、地域社会を支える市民にも求められております。自己の成長のために学ぶとともに、地域解決を自らのこととして捉え、学習を通じて地域活動に主体的に参画し、活躍することが期待されています。ですから、社会教育によって誰もが学べる機会を提供するとともに、学習生活の活用を支援して地域で活躍する人材を育成する、つまり自己の学びを地域に生かしていく、地域に還元していくという視点が大事であると考えています。
公民館は、地域住民の方々が集う、学ぶ、結ぶことにより人をつくり、つながりをつくり、地域をつくっていく施設です。社会教育を推進する地域の拠点施設として中心的な役割を担うものであり、まさに今こそ社会教育の出番と考えております。
44 【13番(林幸一議員)】 道徳心がおろそかになっている人が増えつつあるように感じています。いじめも少なくないようです。人を思いやる心、年配者への配慮、子供に対する指導、家庭でのしつけなど、当たり前のことが当たり前にできるような社会に近づければ、より住みやすくなるだろうし、地域社会も発展していくように思います。家庭教育、社会ルールを小中学校の教育機関に全て任せ、教えていくのは難しいかと思います。地域の皆さんの協力が必要不可欠です。そこで登場するのが社会教育です。そして、公民館だと思います。人づくり、地域づくり、話合いや体験を通して学んでいく施設として役割はますます大きくなっていくことでしょう。教育の効果は時間がかかります。5年、10年かかるかもしれません。でも、少しずつ住みやすくなっていくと思います。住民を幸せに導くには、公民館職員も時代の流れに合わせ、地域課題の把握、企画力、コミュニケーション能力の養成など、大いに勉強していかなければいけません。
本市は、公民館と市民サービスセンターは同一施設にあります。平成23年に表看板が公民館から市民サービスセンターに変わりました。変わったことによって市民サービスセンター業務の比重が大きくなり、公民館の仕事がやりづらくなったようなこともあるようです。これから社会教育を進めて住みやすい社会を築いていくには、表看板を以前に戻すようなことも視野に入れて検討してみてはいかがでしょうか。そして、本庁管内のコミュニティセンターも直営からさらに一歩進めて、支所、市民サービスセンター地区と同様な社会教育法上の公民館にしていただくよう検討をお願いいたします。そうなれば、地域活動や体育協会、子ども育成会などの社会教育団体を支援する前橋市正規職員が配置されていない本庁管内と、昭和29年以降に前橋市となった旧町村地区との長年の行政サービスの格差が是正されることになります。
次に、道路清掃についてお聞きします。道路の美観を保ちながら、安全、安心に使用できる施設の状態を維持するためには、地道なメンテナンス作業が欠かせません。高齢化や、空きビルや空き家、空き地の増加などによって清掃美化に手が回らない状況も目の当たりにしています。そこで、市街地の主要道路などにおける土砂や落ち葉、落下物等の回収など、道路清掃の状況について伺います。
45 【建設部長(長岡道定)】 道路の清掃についてでございますが、現在、清掃業者への業務委託と道路補修センターによる直営を組み合わせて実施しております。業務委託では、複数台の大型の清掃車両を用いて、市内の主要道路における土砂の除去等を中心に、清掃距離220キロメートル余りを年間5回、おおむね一月置きに実施しておりますが、落ち葉の多いシーズンについては、主に街路樹のある市道に対しまして、清掃距離60キロメートル余りを10月から12月にかけて6回追加して実施しているところでございます。また、道路補修センターによる直営分といたしましては、保有する1台の道路清掃車で12のコースを設定いたしまして実施するほか、コース外につきましても随時日程に組み込んで実施しております。
なお、落下物等の回収につきましては、道路パトロール車両や現場確認中の職員などに連絡を取りまして、その都度対応する体制を取っております。
46 【13番(林幸一議員)】 落ち葉の時期は清掃が追いつかず、ゲリラ豪雨などの道路冠水の危険性は高まっています。道路清掃をボランティア中心に頼っていられない段階に差しかかっているのではないでしょうか。歩道用の小型清掃車を導入するなど、道路管理者としての対応の強化が重要であり、その中で市民レベルの活動も視野に入ってくると考えています。そこで、市道を清掃が行き届いた安全で良好な状態に保つための継続的な取組方法について、考えを伺います。
47 【建設部長(長岡道定)】 道路清掃に関しましては、直営と業務委託での役割分担を決めて、それぞれの特徴に合わせた対応が必要であると考えております。業務委託では、定例的なコースの清掃を効率的に行う一方で、直営では一回り小さく、小回りの利く車両を導入するなど、機動力を持ってニーズに対応できる工夫をしております。また、落ち葉清掃では、個人や団体を問わず自主的な活動による清掃の支援を賜っているほか、障害者の就労支援に寄与する団体に業務委託するなど、多様な実施主体の手をお借りいたしまして道路を安全で良好な状態に保つように努めております。
道路は、多くの市民の皆さんが使う公的空間です。常時安全で良好な状態に保つために、人と機械の力をバランスよく組み合わせて行う方法を清掃活動に導入いたしまして、多様な主体がおのおのの特性を生かして関われる環境や体制を整える取組が継続できるよう努めてまいりたいと考えております。
48 【13番(林幸一議員)】 道路清掃車が通過する期日、時間帯が事前に分かっていれば、歩道の落ち葉を車道に掃き出すというやり方もあります。試行的に幾つかの自治会に協力を求めて事前連絡してみることを要望いたします。
次に、ごみ散乱防止対策についてお聞きします。集積場所にごみが散乱している光景を目にしますが、近隣に住んでいる方や環境美化推進員の皆さんなどの地域の方がごみを片づけたりして、集積場所が清潔に利用できるよう対応しているようですが、いろいろと苦慮しているところもあると聞いております。様々な理由や地域的なこともあると思いますが、ごみの散乱の原因について市はどのように捉えているのか伺います。
49 【環境部長(喜楽正一)】 集積場所におけるごみの散乱ですが、主な原因としては、ごみを排出する曜日、時間、分別区分、出せる量などを守らずにごみ出しする人が一部にいることや、外国の方など、ごみ出しに慣れていない人によるルール違反ごみの排出が挙げられます。また、猫やカラスにより袋が破られ、ごみが散乱することも原因の一つと考えております。
50 【13番(林幸一議員)】 ごみが散乱する主な原因の一つとしてルール違反があるとのことですが、ルールを守らない人や、ごみ出しに慣れていない外国の方への対応はどのようにしているのか伺います。
51 【環境部長(喜楽正一)】 ごみ出しのルール違反への対応ですが、ルールを守り、適切に排出していただくよう、年2回全戸配布しているごみ収集カレンダーや、市ホームページ、出前講座などでごみ出しの方法を周知しております。また、スマートフォン用のごみ分別アプリさんあーるにおいても、ごみ収集カレンダーやごみの分け方、出し方などの分別ガイドを配信しましてマナーの向上に努めております。
外国の方への対応については、本市への転入時に5か国語に対応したごみの分け方、出し方のパンフレットを窓口で配付するとともに、ごみ分別アプリさんあーるでも外国語の情報を配信しているところでございます。
52 【13番(林幸一議員)】 猫やカラス等によるごみの散乱については、本市に限らず、都市部の自治体を中心に発生している状況だと思います。ごみを散乱させないようにすることは容易ではないと思いますが、これを防ぐ方策について伺います。
53 【環境部長(喜楽正一)】 集積場所における猫やカラス等への対策としては、ごみ袋をネットで覆うことが有効であると考えており、集積場所を管理している自治会へごみの飛散防止を兼ねたネットを配付し、ご活用いただいているところです。しかしながら、一部の集積場所においては、ネットのかぶせ方が不十分なため猫やカラスによってごみ袋が破られ、生ごみが荒らされるなどの被害を受けているところもあり、地域の方々も対応には苦慮しているところでございます。こうしたことから、ネットを利用する場合、ごみ袋にしっかりかぶせていただくことはもちろんですが、集積場所を荒らされないためには、生ごみの排出をなるべく減らしていただくことや、ごみは前日でなく収集日当日の朝に出していただくことも重要だと考えております。いずれにしても、環境美化の観点から、地域の皆さんのご協力と連携の下、集積場所におけるごみの散乱防止に取り組んでまいります。
54 【13番(林幸一議員)】 要望でございますが、今年度、ごみの減量化を図るため、ごみ指定袋の変更を検討していると聞いております。その検討の中で、適正にごみが出せるような分別への工夫や、また集積場所が清潔な環境を維持できるように、猫やカラス等の対策としてごみ指定袋の強度を高めることについて研究していただくなど、様々な視点から新しいごみ指定袋の検討を進めていただくよう要望いたします。
続いて、酒井氏歴代墓地の国指定史跡化についてお聞きします。市役所の300メートルほど南にある龍海院。この龍海院にある前橋藩主酒井氏歴代墓地は、江戸時代の初めから約150年間の藩主として前橋の歴史と深く結びついた酒井家の墓地であり、ほかの大名墓地と比較しても広大で、貴重な史跡であると考えております。将来的に大名墓地としての価値が評価され、国指定史跡化されることを希望しています。歴代墓地の一番南にある第15代、酒井忠顕の墓石に傾きが見られ、修復も必要と思われ、心配しております。今後、国指定史跡化に向けどのように取組をしていくのか伺います。
55 【教育次長(藤井一幸)】 酒井氏歴代墓地は、昭和39年12月22日に前橋市指定史跡第1号として指定され、現在、所有者は酒井家、管理者は龍海院となっております。
国指定史跡化に向けた取組といたしまして、墓地所有者の同意が必要でありますが、所有者が墓地を本市に寄附することを希望しており、現在協議を進めているところでございます。また、墓石の傾きにつきましては、管理者の龍海院と話合いを進めながら対応していきたいと考えております。
今後の流れといたしましては、史跡指定申請前に墓所の価値づけを行う必要があり、墓地の詳細調査を行い、調査報告書を作成しなければなりません。また、墓地保存活用計画の策定も必要となります。国指定の史跡化となるまでに5年以上の年数がかかると思われますが、文化庁、県、管理者と相談しながら国指定史跡化に向けて努力していきたいと考えております。
56 【13番(林幸一議員)】 街なかでは、酒井氏歴代墓地をはじめ、臨江閣や前橋城跡など大型の歴史的資源が集積しており、将来的な歴史まちづくりに生かせるのではないかと考えております。そこで、現在策定作業を進めている歴史的風致維持向上計画において酒井氏歴代墓地をどのように位置づけていくのか伺います。
57 【都市計画部長(金井秀人)】 現在策定作業を進めております歴史的風致維持向上計画につきましては、街なかを関東の華から生糸のまちへの変遷に見る歴史的風致と捉え、酒井氏の歴代墓地や隣接する龍海院を歴史的風致を構成する歴史的建造物として位置づけていく方針でございます。酒井氏歴代墓地につきましては、本市の指定史跡でもあり、重要な歴史的資源であることから、ご指摘の国指定史跡化を含め、しっかりと価値づけを行い、今後の歴史まちづくりの中でしっかり活用していきたいと考えております。
58 【13番(林幸一議員)】 酒井氏歴代墓地も、昭和の終わり頃、荒れていたように記憶しています。龍海院の先代住職が整備に尽力して現在に至っています。墓石の傾き修繕について、龍海院は前向きに考えているようです。市と教育委員会と管理者がさらに協議することによって、国史跡化も含め大きく前進するものと考えております。酒井氏歴代墓地が関係者皆さんのご尽力によって一日も早く国史跡に指定されることを願ってやみません。
次に、前橋をマラソンのまちについてお聞きします。全国的に健康、体力づくりや地域の活性化によるマラソン大会開催が盛んとなる中、前橋を会場としたマラソン大会が開催されております。今年の前橋を会場としたマラソン大会の開催状況について伺います。
59 【文化スポーツ観光部長(平石秀樹)】 今年の前橋市を会場としたマラソン大会の開催状況についてでございますが、新型コロナウイルス感染拡大によりまして従来の大会形式での開催が難しい中ではありましたが、1月の全日本実業団対抗駅伝競走大会、いわゆるニューイヤー駅伝ですが、こちらは主会場や中継所でのイベントを縮小し開催されました。4月には前橋・渋川シティマラソンを開催し、従来のコースではなく、前橋市総合運動公園と渋川市総合公園の中に周回コースを設定し、2日間にわたり開催したものでございます。また、8月のあかぎ大沼・白樺マラソンや、10月の前橋トライアスロンフェスタは中止となり、11月のぐんまマラソンにつきましては、募集定員、種目の見直しやイベントの縮小等により開催されました。
60 【13番(林幸一議員)】 前橋を会場としたマラソン大会は評判がよいようです。市内公園などにマラソンを主とした4キロメートル程度の周回コースがあると、たくさんの利用があり、前橋の魅力アップにつながると思います。マラソン周回コースの整備の考え方について伺います。
61 【文化スポーツ観光部長(平石秀樹)】 市内公園にマラソンを主としたコースの整備についての考え方ですが、現在、前橋総合運動公園内に1周約1.8キロメートルのトリムコースが整備されており、日頃ランニングやウオーキングなどで利用されております。また、4月に開催した前橋・渋川シティマラソンでは、前橋総合運動公園内に約3キロメートルの特設コースを設定し、ハーフマラソンを開催しました。今後、前橋総合運動公園東側の拡張部分に既存のトリムコースとの一体活用が図れるようなジョギングコースの整備など、類似施設の利用状況を調査し、研究してまいりたいと考えております。
62 【13番(林幸一議員)】 前橋は起伏が少なく、緑も多く、走りやすいと評判です。特に初心者には大受けだと聞いております。約3.5キロメートルの周回コースですと12周、約4.2キロメートルですと10周すればフルマラソンコースになります。公園内であれば警察の交通規制も要らないし、給水所も1か所で済みます。救護も容易で、大会運営が比較的簡単となります。練習場所として、またミニ大会、駅伝大会、ハーフ、フルマラソン大会にも利用できます。前橋の発展の一助、また健康都市を目指す本市にとってイメージアップにもなると考えています。できればJR駅から1キロメートル以内にあるとよいと考えております。
次に、救急車の搬送時間についてお聞きします。本市消防局における令和2年の119番入電から医師引継ぎまでに要した平均所要時間は31.4分と聞いております。令和元年の群馬県は37.3分、全国平均が39.5分、東京都が49.1分です。本市の救急車搬送が高いレベルにあることが分かります。そこで、早期に医療機関へ搬送するためにどのような取組をされているのか伺います。
63 【消防局長(清水征己)】 早期に医療機関へ搬送するための取組についてでございます。救急活動において傷病者の様態把握や医療機関選定を担う救急救命士は、現在のコロナ禍においても知識や技術の向上を目的として病院実習を実施しております。また、各医療機関との意見交換や研修等を通じて連携体制の構築にも努めていることから、本市における救急搬送時間の短縮にもつながっているものと認識しております。今後につきましても、救急救命士の育成と医療機関との連携を強化し、現在のスムーズな搬送体制を維持できるよう取り組んでいきたいと考えております。
64 【13番(林幸一議員)】 現在の救急搬送体制については承知しました。
心臓や呼吸が停止した方に対しては、時間の経過とともに蘇生率が下がることから、一秒でも早い救命措置を実施することが求められております。そこで、現在の状況下において救命率向上を図るためにどのような対策を講じているのか伺います。
65 【消防局長(清水征己)】 救命率向上を図るための対策についてでございます。心肺停止状態の傷病者に対しては、群馬県救急医療体制検討協議会の認定を受けた救急救命士により、早期に心臓の機能を高める薬剤を投与しております。本市においては、薬剤投与の重要性から、新規に運用を開始した救急救命士には、速やかに薬剤投与の認定を取得できるよう教育計画を進めているところでございます。また、早期に医師による救命処置が必要な場合には、2台のドクターカー運用により医師が現場に出動することで早期医療介入が図られているところであり、今後も引き続き市内の救急医療機関と連携して救命率向上に努めていきたいと考えております。
66 【13番(林幸一議員)】 市民の命のために日夜励んでいます救急隊員に感謝を申し上げます。来年4月から消防局に救急課が新設されます。救急業務が複雑化、高度化する中、救急隊員のさらなる活躍を期待しております。
地域の諸課題について先に質問させていただきます。まず、南部大橋の長寿命化事業についてお聞きします。南部大橋は本市の主要幹線道路であり、県の緊急輸送道路にも指定されている重要な橋梁であります。南部大橋も架設から43年が経過し、徐々に老朽化が進行し、長寿命化対策の修繕工事が平成30年度から行われておりますが、これまでに行った工事内容と今後の予定について伺います。
67 【建設部長(長岡道定)】 南部大橋における工事内容についてでございます。平成30年度につきましては、車両用防護柵と高欄の交換、令和元年度につきましては橋面防水と舗装、令和2年度につきましては床板と橋台の修繕工事を行いました。今後の予定につきましては、5年ごとに行われる定期点検で損傷が発見された場合につきましては、損傷内容に応じた長寿命化対策工事を行っていきたいと考えております。
68 【13番(林幸一議員)】 南部大橋がいつまでも丈夫で、多くの方が安全で安心して行き交えるような常日頃からの保守点検、よろしくお願いいたします。
次に、江田天川大島線についてお聞きします。江田天川大島線の工事進捗状況と今後の取組について伺います。
69 【建設部長(長岡道定)】 江田天川大島線の進捗状況でございます。今年度は、前橋玉村線バイパスとの交差点北側の道路改良工事と1級河川端気川に架かる橋梁新設工事の発注を行い、道路改良工事につきましては年度内での完成、橋梁新設工事につきましては令和4年7月の完成予定で現在工事を進めております。また、用地の取得につきましては残り2件となりました。当該土地につきましては墓地であり、移転の手続等に相当な日数を要しますので、法務局等の関係機関と連携を図りながら、速やかに用地取得ができるよう進めてまいりたいと考えております。
なお、今後の取組についてですが、来年度以降につきましても引き続き継続して用地の取得や道路改良工事の発注を行いまして、財源の確保に努めながら、令和6年度の完成を目指して事業を進めてまいりたいと考えております。
70 【13番(林幸一議員)】 江田天川大島線は、広域な幹線機能を持ち、緊急輸送道路として位置づけられているほか、防災機能の向上が期待されている路線です。大変重要な道路であると考えております。重要性を認識していながら計画が進まないのは、群馬県が主体となって進めていこうという考え方、方針だからだと思います。本市のそういった方針で長年群馬県に要望し続けていますが、県は文化の殿堂である県民会館の継続にも難色を示しているくらいですから、江田天川大島線が県の道路整備計画に位置づけられるのは遠い将来のような気がしてなりません。前橋市が利根川に架けた橋梁は2本あります。昭和53年に南部大橋、平成4年に平成大橋。立派に架橋し、今も健在です。南部大橋や平成大橋と同様、前橋市が主体となって利根川に架橋する準備を進めていただくことが一番よいのではないかと考えております。架橋には、概算経費25億円、新橋から前橋長瀞線までが25億円、計50億円かかります。東地区の発展はもとより、前橋赤十字病院や済生会前橋病院の連携、六供清掃工場への清掃車アクセス良好、市域全体の発展にもつながります。みんな喜びます。50億円という建設費以上の経済効果を生むものと確信しております。利根川東側の工事完了予定は令和6年度です。前橋市が自分事として捉え、今から架橋に向けた準備を進めていただくよう強く要望いたします。
次に、高齢者フレイルについて質問します。新型コロナウイルス感染症の蔓延により長期にわたる外出や交流の自粛が続き、運動や社会参加の機会が減少した影響は、高齢者のフレイルの進行や増加を招いたと言われています。地域活動が再開した現在、新型コロナウイルス感染症よる高齢者のフレイルの実態はどのようなものかお聞きします。
71 【福祉部長(竹渕亨)】 新型コロナウイルス感染症による高齢者のフレイルの実態についてでございますが、令和3年2月にピンシャン体操クラブの参加者にフレイルのリスクが確認できるフレイルチェックを行いました。その結果、歩行速度の低下や、硬いものが食べにくい、むせる、口が渇くといった口腔機能の低下に該当する方が多く、身体的フレイルとオーラルフレイルの進行が顕著に現れておりました。また、地域包括支援センターにおいては、自分がどこにいるかなどの状況を認識することが困難となる見当識障害についての相談が増加傾向にあり、認知機能の低下が懸念される実態も把握されております。
72 【13番(林幸一議員)】 自分の健康は自分で守るという意識改革が重要です。高齢者のフレイル予防のための取組を支援する対策について伺います。
73 【福祉部長(竹渕亨)】 フレイル予防に関する高齢者の意識改革等も含めてのことですが、フレイルチェックを様々な場面で生かすことでフレイル予防への意識を高めていくことができると現在考えております。高齢者のフレイル対策としましては、様々なフレイル予防教室や出前講座、地域で行うピンシャン!元気体操、自宅で継続的に行えるオンライン講座などを開催しております。さらには、今年度より開始した高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施事業においてもフレイルチェックを行うフレイル予防教室を開催しております。このフレイルチェックについては、ピンシャン体操クラブの参加者に継続的に実施し、運動の効果と個人の取組についての評価を行うとともに、収集したデータから高齢者の健康課題を分析、見える化し、予防に向けた個人の取組と専門職による支援に力を入れ、高齢者のフレイル対策を行ってまいりたいと考えております。
74 【13番(林幸一議員)】 人間は体を動かすことによって健康が維持されるということだと思います。フレイルチェックを多くの高齢者に行っていただき、自ら気づいていただきたいと思います。市民、特に高齢者の健康は医療費、介護保険給付費の削減にも寄与することでしょう。健康長寿を目指して、引き続きよろしくお願いいたします。
次に、猫対策についてお聞きします。当局で把握している直近での猫の苦情について伺います。
75 【健康部長(膽熊桂二)】 猫の苦情についてですが、令和元年度194件、令和2年度で147件の相談がございました。苦情の内容につきましては、敷地内へのふん尿による衛生環境の悪化などが被害の主なものとなっております。また、無責任な餌やり行為による食べ残しの放置や、ふん尿の管理不足が原因と見られる苦情も寄せられております。
76 【13番(林幸一議員)】 飼育ルールを守っていただくため、どのような対策をしているのか伺います。
77 【健康部長(膽熊桂二)】 対策についてですが、猫を飼っている方や、これから飼う方に対しては、ほかの人に迷惑をかけない飼い方について、本市のホームページやチラシの配布などにより周知啓発を行っております。特に猫につきましては屋外飼育によるトラブルが大半であるため、原則として室内飼育を推奨しております。また、逃げ出してしまった場合などに備えて、首輪やマイクロチップなどの装着により所有者を明らかにするほか、屋外飼育の猫には不妊、去勢手術を推奨し、飼い主としての責任を持って飼育することなどをお願いしております。
猫による被害対策につきましては、これ以上増やさないことが最も重要であります。そのため、平成25年度から猫の不妊、去勢手術費の補助制度を開始し、令和2年度末までに延べ1万756匹の猫に対して手術費用の補助を行っております。さらに、今年度より1世帯当たりの補助数を従来の6匹から10匹に増やすなど補助の充実を図り、対策の強化を図っているところであります。
(35番 岡田修一議員 登壇)
78 【35番(岡田修一議員)】 通告どおり複合方式で順次質問いたします。
第1は、医療連携と健康増進についてであります。コロナ禍において、ワクチン接種などは医療機関との連携によりスムーズに行われました。これは、前橋市が医師会や歯科医師会、薬剤師会、病院などの医療機関、関係団体などとの連携を深めてきた蓄積の成果であると理解しています。今後、医療機関や関係団体との連携をさらに進める必要がありますが、考えを伺います。
次に、がん検診をはじめとして各種の検診が行われていますが、検診によって病気が発見されたとき、医療機関同士の連携がうまくいっていると市民も安心して受診できます。前橋市は医療機関や関係団体との連携がスムーズにできてきていますが、市民の健康増進、健康保持のため、検診を進めていく上でもそうした連携は重要でありますが、考えを伺います。
質問の第2は、アートによるまちづくりについてであります。関西の自治体では、違法駐輪対策として、小学生の考案した仕掛け絵、ギミックアートが活用されていると聞いています。対して海外では、交通事故対策として、浮き上がる横断歩道や、動物が浮き出る横断歩道など、多様な仕掛けがあると聞いていますが、本市においても交通安全対策をはじめとした地域の諸課題を解消するため、アートを用いた新しいまちづくりを進めていく必要があると感じていますが、当局の考えについて伺います。
質問の第3は、文化とスポーツによるまちづくりについてであります。前橋市のまちづくりにおいて、都市観光、にぎわい、赤城山をキーワードとして、赤城山の頂上から市街地までスポーツ施設等を配置し、にぎわいを創出することも必要であると考えています。特に街なか、中心街において若者がアーティスティックなパフォーマンスを見せられるようなストリート施設や、オリンピックでも話題となったスケートボードなどの練習場が必要だと思いますが、当局の考えを伺います。
また、日本百名山の一つである赤城山は登山、トレッキングコースに恵まれ、多くの登山客が訪れています。コロナ禍においては、登山やキャンプなどの自然志向が顕著であり、今後もこの傾向が続くと思われます。本市には、赤城山から市街地にかけて、キャンプ場やバンガローなどの宿泊施設をはじめ、マウンテンバイクコースやボルダリング施設などのスポーツ施設が官民問わず整備されています。赤城山の観光の振興や都市のにぎわい創出のためには、このような施設を生かすとともに、さらなる整備を促進していく必要があると思いますが、当局の見解を伺います。
質問の第4は、支え合いの地域づくりについてであります。今後ますます高齢化が進む社会において、高齢者が住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けるためには、健康の維持増進と互いに支え合う地域の構築を目指した生活支援体制整備事業の推進に当たり、前橋市社会福祉協議会で進めている町社協設立の現状と今後について伺います。
以上、第1回目の質問といたします。
79 【健康部長(膽熊桂二)】 医療機関や関係団体との連携についてでございます。本市では、2009年の新型インフルエンザの際に医師会や病院と協議を重ね対応した経緯や経験を踏まえ、医師会や病院との対応訓練などを行ってまいりました。その後も、前橋市災害医療保健対策会議や前橋市メディカルコントロール協議会、前橋市医師会救急医療懇話会など、救急医療を中心に、医師会、病院、関係団体などと定期、不定期に協議を行っております。また、前橋市医師会のおうちで療養相談センターまえばしを核とした医療介護連携を進めるなど、医療機関や関係団体との日常的な連携も図っております。さらに、新型コロナウイルス感染症対策では、医師会と月2回の新型コロナウイルス感染症対策会議を開催するほか、ワクチン接種に係るワーキングにつきましては毎週1回開催するなど、円滑な連携が進められていると考えております。今後も医療機関、関係団体等とのさらなる連携を深め、市民の健康を守るとともに、健康危機管理に対して対応してまいりたいと考えております。
次に、がん検診等、各種検診における医療機関との連携についてでございますが、各検診においては、要精検となった場合は検査が可能な医療機関を紹介するなど、日常的に医療機関同士が連携を図りながら進められております。また、市内にはかかりつけ医から紹介診療を行う地域支援病院が4病院あり、地域診療のかかりつけ医と病院においても日常診療の中で連携が行われております。このような病院と診療所との連携は、市民の健康を守る上で非常に重要であると考えております。今後も本市の充実した医療環境の下、引き続き医療機関の協力を得ながら、各種検診及び精密検査等の事後フォローも進め、市民の健康増進を図ってまいりたいと考えております。
80 【未来創造部長(青木一宏)】 交通安全対策をはじめといたしましたアートを用いたまちづくりについてでございます。ご質問のとおり、大阪府豊中市では、小学校2年生が発案しただまし絵を活用いたしまして、大学や商業施設と共同で違法駐輪対策を試行していると伺っております。本市におきましてもJR前橋駅などの駅周辺の迷惑駐輪が課題となっておりますが、視覚に訴えるとともに、デザイン的にも効果的に啓発できる仕掛けとしてギミックアートの活用についても研究を進めているところでございます。現在、JR前橋駅北口の駐輪対策として前橋工科大学と研究事業を進めておりまして、学生によるデザイン提案を基に、ギミックアートの手法を活用している一般社団法人日本建築アート協会の協力、助言をいただきながら、啓発効果を高めるための検討を行っているところでございます。今後も産学官の連携によるアートを活用した新たなまちづくりについて引き続き検討してまいりたいと考えております。
81 【文化スポーツ観光部長(平石秀樹)】 ストリートスポーツ施設の関係についてでございます。街なかにおけるスケートボード等のストリートスポーツ施設の整備につきましては、騒音や時間等、課題が多く、難しいと考えますが、スケートボードはオリンピック種目にもなっており、近年愛好者や競技人口が増えておりますので、施設整備につきましては、今後関係部課と研究してまいりたいと考えております。
次に、アウトドアあるいはスポーツ施設による観光振興ということですが、新型コロナウイルス感染症の拡大は人々の意識や行動にも変化をもたらし、少人数での旅行や自然豊かな場所が選択されるなど、観光客の旅行スタイルも変化しております。この傾向は、首都圏から近く、自然豊かな本市にとって追い風となり得るものと考えております。赤城山の自然を生かした目的型観光として、登山やトレッキング、キャンプ、サイクリングなどのアウトドアや、スポーツによる誘客を進めていく必要があると考えております。赤城山山頂エリアは県立公園に指定され、群馬県が管理しておりますので、県とも連携しながら、赤城山の自然環境を生かしたアウトドア事業等を検討するとともに、議員さんのご質問にあったとおり、本市にはキャンプ場やバンガローなどの宿泊施設もございますので、これらの施設を効果的に活用し、情報発信について民間事業者とも連携しながら観光振興に取り組んでまいりたいと考えております。
また、マウンテンバイクの施設についてでございますが、利根川河川敷の岩神緑地にオフロードコースがありますが、マウンテンバイクの競技には適していない状況でございますので、そちらのコースの整備につきましては、地形を利用した大規模なコース整備が必要でありますので、競技人口や大会需要を踏まえまして関係機関と協議し、必要性を研究してまいりたいと考えております。
さらに、ボルダリング施設につきましては、今年度末までには前橋市民体育館のサブアリーナの西側壁面に整備を完了させますので、令和4年度からの供用開始を予定しております。ボルダリングは、オリンピック種目のスポーツクライミングの一つでありまして、国体種目にもなっていることから、整備により愛好者や競技人口の増加も図れるものと考えております。
82 【福祉部長(竹渕亨)】 町社協設立の現状と今後についてでございます。まず、町社協は、町を単位として、住民が主体となって、交流、見守り、支え合い活動を継続して実践していくための組織であり、現在までに30の町が社会福祉協議会で実施している町社協設立モデル事業の指定を受けて活動に取り組んでおります。市としても生活支援体制整備事業における効果的な取組であると考えており、引き続き自治会等、関係者の協力を得ながら、高齢者の生活を支える互助の仕組みが一つでも多く町で生み出されるよう、社会福祉協議会や地域包括支援センターと連携を図ってまいりたいと考えております。
83 【35番(岡田修一議員)】 第2回目、質問と要望をさせていただきます。
医療連携と健康増進であります。新型コロナウイルス感染症対策について質問いたします。今年の7月から9月にかけては、想定を超える新型コロナウイルス感染症の陽性者が確認されたため、市保健所でも対応に追われ、いろいろと混乱もあったと推察しております。PCR等検査については、現在市内の多くの医療機関で受けられることと承知していますが、今年の夏の第五波では、陽性者と接触があった方が市保健所を通さず直接市内の医療機関に出向いて検査を希望したため、医療機関でも困惑した事例などがあったと聞いています。今は、感染も落ち着いてはいるものの、海外からの新しい変異株も拡大しており、第六波に備えて、濃厚接触者等への円滑なPCR等検査について市内医療機関との連携強化が重要と思われますが、市の考え方をお伺いいたします。
84 【健康部長(膽熊桂二)】 市内医療機関との連携強化についてでございますが、現在、市内の150を超える医療機関で新型コロナウイルス感染症のPCR等検査が可能となっており、有症状者の場合、医師判断に基づいての検査を実施しております。しかしながら、今年の夏の第五波感染拡大期では、PCR等検査の対象外となる軽微な接触者や保健所による検査調整前の濃厚接触者などが無症状であっても自己判断で医療機関へ出向き検査を要請する事例が散見されました。濃厚接触者などが医療機関で検査を受けることは、制度運用においては可能とされておりますので、今後の感染拡大を見据え、接触者等がかかりつけ医などでスムーズに検査が受けられるよう、さらなる検査体制の連携強化について、前橋市医師会をはじめ、関係機関と調整を図ってまいりたいと考えております。
なお、PCR検査等実施可能な診療、検査外来、医療機関の一覧につきましては、本市のホームページにおいてもリンクを掲載させていただいているところであります。
85 【35番(岡田修一議員)】 医療機関、関係団体との連携は進んでいると理解しておりますけれども、前橋市はスーパーシティであり、DX推進計画などもありますので、まさにマイナンバーカードを使った医療連携、関係機関等の団体との連携をさらに進めていただいて、特定疾患や難病の治療、生活習慣病対策、乳幼児保健推進、検診の充実、そして新型コロナウイルス感染症対策などについてさらにしっかりと取り組んでいただくようにお願いしておきたいと思います。
次に、アートによるまちづくりでありますけれども、交通安全だけでなく、いろんな都市政策に使えるのではないかなと思っています。交通でいうと、例えばコグベのステーションが市内にあるわけでありますけれども、例えば駅からそのコグベのステーション、またある場所からのステーション、そういうところを歩いて自然にコグベを使いたくなる、都市観光したくなる、そんなアートを使ったことも、まさに施設案内、誘導、人の流れをつくるのもアートができると聞いております。産学官の連携、特に前橋工科大学の学生さんたちが前橋駅周辺の駐輪対策等々やっていただいているようであります。一般社団法人日本建築アート協会などと連携しまして、企業、団体機関、総合してアートによるまちづくりが進んでほしいと思います。
次に、文化とスポーツのまちづくりであります。質問させていただきます。前橋市内の都市観光振興や中心市街地のにぎわい創出のために、市内ギャラリーや画廊、アーツ前橋などの文化施設が一体となった展覧会等の実施が有効ではないかと考えています。こうした中、アーツ前橋を中心に前橋の美術という展覧会が開催されていますが、これまでの実績について伺うとともに、来年度は3回目の予定年度となっておりますので、事業の進捗について併せてお伺いいたします。
86 【文化スポーツ観光部長(平石秀樹)】 前橋の美術についてですが、前橋ゆかりの作家をはじめとする文化関係者により実行委員会が組織され、3年に1度開催しております。来場者数の実績ですが、2017年に開催した第1回は21日間の期間で開催されまして、4,661名、2020年に開催した第2回は、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響を受けましたので、予定会期32日間を短縮して23日間の開催となりましたが2,904名と、多くの方に来場いただきました。幅広い作家の参加により新たな顧客獲得も含めたアーツ前橋の入館者数が増加、また街なかをはじめとする市内のギャラリーが連携した企画を開催することで中心市街地のにぎわいを創出するとともに、芸術文化を通じた地域の一体感の醸成、さらにはアーティストが学校や福祉施設等で協働事業を提案、実施することによるアートを通した地域社会とのつながりを再認識する契機になっていると考えております。
また、次回に向けた進捗ですが、これまでの経過や成果を踏まえながら、開催期間や方法を含め具体的な内容を今後実行委員会で検討していく中で、アーツ前橋も協力してまいりたいと考えております。
87 【35番(岡田修一議員)】 ちょうど30年ほど前に前橋JCのOBと前橋商工会議所青年部緑水会のOBを中心として前橋まちづくり協議会ができました。私もJCのOBとして参加させていただいていましたけれども、いろいろ視察や勉強会、研修をした。その中の一つの報告書の題が、まちは大きな遊園地でありました。いろんな意味があると思うのですけれども、まさにこういうアートやスポーツや文化を使ってにぎわいができる、そこに行くと楽しめる、まちは大きな遊園地だと思っておりますので、ぜひまちづくり全体として頑張っていただきたいと思います。
特に、先ほどご答弁にもありましたけれども、マウンテンバイクについては、シクロクロスの大会ができる岩神緑地があります。それほどお金がかからなくても実はできます。私が30年ほど前から市民スポーツ祭のサイクリングに参加させていただいてよく休憩場所に使ったのが田口緑地公園のサイクルエリアであります。もう30年前からあります。あそこにちょっとこぶを造ればMTBの子供さんや初心者の練習にもなります。MTBは今、粕川地区、名前を言いません。たくさん来るので。逆に来過ぎて今困っていますから、言いませんが、そこにはもう民間のがあります。そこを走る映像はもうすばらしい人気で、よく見ています、皆さんが。東京などからたくさん来ます。制限するほど来ています。それの前段階とすれば、田口緑地公園サイクルエリアにこぶを3つ4つ造るだけでかなりいい施設になると思いますので、ある施設を有効に利用していただきたいと思います。
続いて、支え合いの地域づくりについて質問いたします。町社協の設立は理解するものの、地域の中には既に各種委員やボランティア組織などが存在し、様々な事業を実施しています。自治会役員の担い手不足が叫ばれている中で町社協が設立されていることになり、追加で誰かが新たな役を担わなければならないのではないかと危惧している人もいます。高齢者の交流活動体制のことと認識していますが、自治会における各種活動の現状を伺います。
88 【市民部長(木村由美)】 各自治会においては、高齢者地域交流事業として、ふれあいサロンや長寿会、敬老行事など積極的に活動していただいております。最近では、新型コロナウイルス感染症の影響によりなかなか対面での活動ができないという声を伺っておりますが、そのような中でも、同じ時間に同じお弁当をそれぞれの場所で食べられて心を通わせ合ったり、敬老記念品を訪問配付することで見守り活動とするなど、それぞれ自治会で創意工夫し、できる範囲で交流活動をされていると伺っております。町社協の設立に地域に密着した自治会の協力は欠かすことができないものであり、既存の自治会活動を生かすことで自治会の負担も軽減され、地域における支え合い活動が持続可能なものとなると考えております。各自治会においては、規模や地域の実情に沿った活動をしていただいておりますので、本市といたしましても地域に寄り添い、地域住民が安心して暮らせるように支援を続けてまいりたいと考えております。
89 【35番(岡田修一議員)】 支え合いの地域づくり、障害者や高齢者の方の居場所づくりや活動拠点、また児童生徒の福祉や教育、防災、減災、安心、安全な地域づくり、具体的に言えばいきいきサロンなど、たくさんあるわけでありますけれども、それを支えるのが自治会はじめ老人クラブ、子ども育成会、ボランティア団体、スポーツ団体であり、民生委員や児童委員、食生活改善推進員さんたちであります。まさに自治会を中心とした支援団体へさらなる行政からの後押しをしていただいて、支え合いの地域づくりが実現することを願って、質問を終わります。ありがとうございました。
(31番 長谷川薫議員 登壇)
90 【31番(長谷川薫議員)】 初めに、前橋市DX推進計画の問題点について質問いたします。
今、山本市長及び大野副市長をトップにしたDX推進体制が構築されておりますが、今後、国が進めている補佐官等に民間人材を登用することになれば、その本人が所属する企業の利益につながるシステム等を優先して導入するなど、行政の公正性を損なう事態を招きかねません。民間人材の登用をすべきではないと思いますが、見解を伺います。
91 【未来創造部長(青木一宏)】 前橋市DX推進計画における外部人材の活用についてでございます。外部人材の活用につきましては、外からの視点や未来に対する知見を提供いただくことで職員の意識を変える契機となると考えております。前橋市DX推進計画の活動を加速させていくためにも、民間企業に限らず広く知見を求めて積極的な活用を検討してまいりたいと考えております。
92 【31番(長谷川薫議員)】 デジタル庁の体制を手本としないでいただきたいと思います。9月に発足した政府のデジタル化戦略の司令塔であるデジタル庁は、他の省庁とは全く異なる役所になっております。公務員の兼業禁止規定を適用せず、全職員約600人のうち200人余りがIT企業などの民間人材の採用となっておりまして、企業に在籍したまま国の行政に携わっております。出身企業の便宜供与など、違法または不適切な事務処理を防ぐために、庁内にコンプライアンス委員会がすぐに設置されました。こうしたこと自体が官民の癒着が避けられないということを示しているのではないかと思います。本市においてもDX推進計画全体が官民癒着の危険性があるということを十分認識して、補佐官を任用する必要がある場合には、民間人材ではなくて、市民の生活利便性向上を最優先する立場に立てる市の幹部職員を任用していただきたいと思います。
次に、政府は個人情報保護法の改正に合わせて各自治体が先行して制定した保護条例の大幅な緩和を求めております。本市条例は、市民が知らない間に個人情報が利活用されないようにオンライン結合を原則禁止し、たとえ市役所内の事務事業に必要な場合を含めて例外的に情報提供が必要となった場合には個人情報保護審査会で個別に審査するなど、独自の厳格な規制を行っております。それにもかかわらず、市当局は国が求める条例改正をしても何にも問題はないという立場を取っておられるわけですけれども、個人情報を匿名加工しても、他の情報と照合すれば識別は可能であります。何を根拠に個人情報が守られると判断しているのでしょうか。答弁を求めます。
93 【未来創造部長(青木一宏)】 個人情報保護措置が改正個人情報保護法の適用された後にもなぜ維持されるかというところの根拠についてでございます。改正におきましては、保有の制限や利用及び提供の制限等の規定、さらに安全管理措置に関する規定や匿名加工情報等の厳格な定義など、現行条例と同等の規律が設けられているところであります。今後、改正個人情報保護法についてのガイドラインや事務対応ガイドが国から示されまして、実務に際して規律を適正に運用するための統一的な基準となります、現行と同様の水準による制度運用が確保されると考えております。ガイドライン等がより実務に即したものとなるよう、国からの意見照会に際しましては、適切に検討し、回答してまいりたいと考えております。
94 【31番(長谷川薫議員)】 今答弁をお聞きしましても、先ほど私が申し上げたオンライン結合の原則禁止を除くわけですから、決して従前どおりとはならない。本市の個人情報保護条例が骨抜きになることは避けられません。今、ヨーロッパ、EUをはじめ世界の国々が、デジタル化が進む中で、国民のプライバシーを守るための法律を強化し、監視監督機関を整備しておりますが、日本は逆に個人情報保護法を改悪して規制を弱め、さらに自治体にも条例改正を迫っております。国民が知らない間に大企業が個人情報を利活用する、こんなことが当たり前のように行われる社会は決して許してはならないと思います。前橋市は国に迎合せず、忘れられる権利や照合を拒否する市民の個人情報保護の権利、これをしっかり確立を国に求めるとともに、市民のプライバシーを守るためにも、先ほど答弁がありましたけれども、個人情報保護の厳格なガイドラインを国がつくるように求めていっていただきたいと思います。
次に、今、行政のデジタル化はマイナンバーカードの拡大と一体的に推進されております。前橋市が市民に利便性を強調し、取得しなければマイナポイントも付与されず不利になるという印象操作を強め、独自施策のマイタクの利用までカードに一本化して取得を誘導していることは大きな問題です。今後、政府が健康保険証や免許証など資格証明書、預貯金口座、年金情報など多くの個人情報を次々とマイナンバーカードにひもづけしようとしております。国の目的は、国民監視を強め、社会保障給付の切捨てや税収強化を目指し、そして民間企業は企業利益の獲得を目指して個人情報の利活用を拡大しようとするものです。2022年度までにほとんどの前橋市民にこのマイナンバーカード取得を目指すというDX推進計画は、本市条例の思想信条や社会的身分、病歴などのセンシティブ情報は収集しないという配慮個人情報規定とも根本から矛盾するのではないでしょうか。答弁を求めます。
95 【未来創造部長(青木一宏)】 現行の個人情報保護条例、改正個人情報保護法とともに、個人情報の収集、保有に際しましては、利用目的を特定いたしまして、その利用目的の達成に必要な範囲を超えた取扱いを行わないように規定が設けられているところでございます。配慮個人情報の収集、保有制限規定では、例外的に取扱い可能な場合も併せて定められておりまして、特定された利用目的の達成に必要な範囲において適切に取り扱うことで配慮個人情報規定と矛盾するものではないと考えております。
96 【31番(長谷川薫議員)】 そもそも、プライバシーを守るルール、そして体制を抜本的に強めなければ国民の暮らしの利便性を向上させるための、国民のためのデジタル化は進まないと思います。ところが、政府は今、国や自治体が自前で個別のサーバーで管理している大量の個人情報を政府クラウドなどに集中させようとしております。しかも、アメリカ政府が、必要とあれば全情報を自由に閲覧取得できるプラットフォーマーであるアマゾンのサーバーに国の集めたデータを保存しようとしておりまして、これは日本の主権が侵害されかねない情報管理方法です。地方自治体は、国のこうした情報利活用計画に追随せず、個人情報を守る防波堤の役割を果たすとともに、マイナンバーカードへの各種個人情報のひもづけに反対の声を上げるべきです。指摘しておきます。
次に、情報システムの標準化についてです。政府は、2025年度までにほぼ全ての業務を対象に国及び自治体への情報システムの標準化を進めようとしておりますが、例えば国保税の減免や介護保険料の負担軽減など、本市独自の住民サービスを継続できるようにシステムの設定を国に要望するとともに、必要に応じて自由に修正、カスタマイズできる権利を国に認めさせるべきです。また、複数の自治体でクラウドを採用する場合でも、それぞれの自治体の独自性を尊重し、個別の自治体がカスタマイズすることを妨げないようにするとともに、その場合もかかる費用を国に財政支援を行うよう求めるべきと考えますが、答弁を求めます。
97 【未来創造部長(青木一宏)】 情報システムの標準化、共通化における市独自のサービスの考え方でございます。標準化、共通化の対象となるのは、全国の地方自治体において共通の運用が行われるべき法令に基づく業務でございます。国保税の減免や介護保険料の負担軽減などは法令に基づき行っているものでして、標準化、共通化後のシステムにおいても継続できるという認識でおります。標準化、共通化後の市民サービスを低下することがないように必要な仕様を国に求めていくとともに、あわせて必要な財政措置についても求めていきたいと考えております。
98 【31番(長谷川薫議員)】 岸田首相はデジタル化で地方課題を解決すると言っておりますけれども、一方で、実際にはシステムの標準化で中央集権化を強め、地方自治を弱めようとしております。しかし、これまでの自治体の歴史を振り返ってみましても、住民運動、そして地方自治体がそれに応えた先進的な取組を行って国政を動かした。例えば公害規制や情報公開を実現したり、今も自治体独自の乳幼児医療費の無料化、少人数学級化が厚労省や文科省を動かしております。システムの標準化に無批判に追随せず、独自の福祉施策、教育施策など、住民本位の施策をさらに発展できるように国にしっかり意見を上げていただきたいと思います。
次に、行政手続のオンライン化の問題です。国が示す方針どおりに行政手続をスマホやパソコンを使ったオンライン化を進めれば、一方では、サービスの利用できる方にとっては利便性が向上するかもしれませんけれども、全体として住民サービスが低下するおそれがあります。国は、本人確認のためにはマイナンバーカードの取得を必須条件としておりますし、役所への問合せは回答機能を持った人工頭脳AIで対応し、どうしても職員と対面で相談したいという市民だけ例外的に対応するよう求めております。そうなれば窓口職員は大幅に削減され、デジタル化に対応できない高齢者などは行政サービスから結果として遠ざけられてしまいます。前橋市はオンライン化をどのような考え方で進めていくのか、答弁を求めます。
99 【未来創造部長(青木一宏)】 行政手続のオンライン化についてでございます。行政手続のオンライン化は、住民の利便性向上という観点から、前橋市DX推進計画におきましても優先して行う必要があるものと考えております。なお、行政手続のオンライン化の優先順位でございますが、処理件数が多く、住民の利便性向上や業務の効率化の高いと考えられる手続から優先的にオンライン化を進めていきたいと考えております。
100 【31番(長谷川薫議員)】 国は、行政申請手続を広くオンライン化していけば職員を半減できると強調しております。いろんなところでそういうふうな発言をしております。しかし、簡単には進められないのではないでしょうか。例えば税収納窓口では、市民からの滞納理由を丁寧に聞き取って、減免になるのかどうか、生活保護など福祉につなげる必要があるのかどうなのかを判断することが必要になってまいります。また、母子健康手帳の交付窓口でも妊娠中の女性の健康状態を把握して各種支援サービスの利用を働きかけていくことも必要になってまいります。申請手続のオンライン化の推進が住民サービスの後退や職員削減につながらないようにすべきと考えますが、どのように考えているのか、答弁を求めます。
101 【総務部長(高橋宏幸)】 市の業務につきましては、相談業務など人が行わなければならない業務も多数あります。例えば先ほどの行政手続のオンライン化といった業務の効率化で生み出しました人的資源につきましては、少子高齢化社会の到来など、社会状況の変化等への組織的な対応、また効果的、重点的な施策分野といった必要な分野へ人員を配置していくことになると考えております。
102 【31番(長谷川薫議員)】 今、格差と貧困が広がる中で、生活に困窮していても自ら解決策を見いだすことが難しい方や、救いの手を行政に求めることができないで苦しんでいる方、市民の方が大勢いらっしゃいます。今後さらに高齢化が進むだけに、窓口業務の多様でより親切な対応が重要になってまいります。行財政改革の柱と位置づけている職員削減をこの行政手続のオンライン化によって加速させてはならないと思います。長年にわたって築き上げてきた行政と住民との信頼関係を壊すのか、それとも自治体が持つ個人情報の保護の重要性を再認識し、国が進めるデジタル化を住民とともに不十分な点をしっかりチェックして問題点を改善する努力に強めることが求められると思います。今、デジタル化の問題を質問させていただきましたけれども、政府のデジタル化推進方針に無批判に追随せず、デジタル技術を福祉の増進のために活用する、そういう立場に立って、住民から信頼される真のデジタル化の道を慎重に選択するよう求めておきます。
次に、スーパーシティ構想について質問いたします。大胆な規制改革の提案が乏しいと却下された後、再提案した本市のスーパーシティ構想は、まえばしデジタル自治圏を実現すると打ち出し、少人数学級、修得主義、レベル4自動運転、ライドシェア、マイナンバーカードの未来形の先行実現の3つの分野において大胆な規制、制度改革を目指すと強調しています。しかし、未来型人材を育てる教育やマイカーを含む完全自動運転やまえばしIDの提案は議会への十分な説明も行われておらず、市民合意も図られておりません。構想は官民連携を視野にしておりますが、市内の児童生徒が対象となる飛び級や小中高一貫教育などについては市教育委員会とも協議が不十分です。自動運転も対象をバス公共交通に限定せず、保有率全国トップ水準の前橋市で個人所有の車にまで自動運転を拡大する提案も交通安全上の現実性がありません。このように、再提案した構想は、国が目指す未来都市構想モデルと合致させようとしたために、市民のニーズとはかけ離れた内容になっております。なぜこのような拙速な構想を提案したのか、見解を伺います。
103 【未来創造部長(青木一宏)】 今回、10月に提出しましたスーパーシティ構想の再提案書につきましては、4月に提出した提案書と内容については変わっておりません。規制改革とプラットフォームを前面に打ち出した内容として提出したということになってございます。したがいまして、3つの分野に限定して大胆な規制改革、制度改革を目指すというわけではございません。また、市民には市民説明会やアンケート、ワークショップ、オンラインタウンミーティングやシンポジウムなどを行いまして、市民との合意形成に努めまして、議会においても提案書について説明を行ってきたと考えております。
スーパーシティ構想は、市民の皆さんの日常の困り事や今までの社会の制約を最新デジタル技術や規制緩和で解決、開放いたしまして、時間と心のゆとりを生み、そのゆとりで豊かな自然や歴史に触れ、食やアートや文化を楽しみ、それぞれの学びの可能性を広げまして、多様な人々がつながり、それぞれが生き生きと楽しむ生活の実現を目指すということになっております。今後も市民がサービスの向上を実感できるよう、市民周知と理解を図りながらスーパーシティ構想を進めていきたいと考えております。
104 【31番(長谷川薫議員)】 内容は変わっていないと答弁ありましたけれども、そうは思いません。採択された後に再度基本構想を策定する段階で練り直しもされるということもお聞きしておりますけれども、庁内の意思統一も不十分なまま市長や未来創造部が独断専行してはならないと思います。当初提案以上に市民ニーズから乖離した再提案になったことは大きな問題だと思います。
次に、このスーパーシティ構想に関わる個人情報の保護の問題です。今、もう連日新聞報道などでも明らかになっていますけれども、国内でも不正アクセスやサイバー攻撃で数万人規模の個人情報が大量に漏えいしております。最近もLINEの更新記録を中国政府がいつでも閲覧できるようになっていたり、LINEペイの二重払いが7,400万円、2万5,000件の決済に被害が発生した、これ最近のことです。住宅金融公庫の118万人分の個人情報の流出などが報道されております。平成30年には本市教育委員会の情報ネットワークMENETの不正アクセスによって4万7,000人の個人情報が漏えいしたことも記憶に新しいところです。情報漏えいを完全になくすことはできません。提案されたスーパーシティ構想でよく紹介される、路上で倒れた意識のない市民の救命措置や顔認証だけでキャッシュレス決済できるという事業の実際の実現となりますと、顔や指紋、目の虹彩、血液型、既往症や服薬履歴など、生体データを事前に外部に提供することがもう前提です。このような生体認証は、ヨーロッパなど多くの国々が、監視社会の強まりや、個人情報が企業に利活用されてプライバシーが脅かされるなどの理由から、法律で厳しく規制しております。このような重大なリスクをこのスーパーシティ構想推進の上でどう考えておられるのか、答弁を求めます。
105 【未来創造部長(青木一宏)】 スーパーシティ構想の実現、実施に当たりましては、個人のプライバシーを守る安全なセキュリティー対策を最重要視しながら、セキュリティーが高い情報連携基盤の構築に加えまして、個人の同意なしでは個人情報を活用できない仕組みでありまして、個人データを集積するというものではございません。また、マイナンバーカードとスマートフォンを顔認証と併用するまえばしIDにつきましても、各データは分散管理されまして、本人の合意がない限りは活用することができない仕組みを想定しており、監視社会を構築するものではなく、情報ツールとして市民が活用できるよう環境整備を行うものでございます。いずれにいたしましても、今後も国や民間事業者とよりセキュリティーの高い仕組みを検討してまいりたいと考えております。
106 【31番(長谷川薫議員)】 本人同意なしに情報を出さないという答弁でしたけれども、万が一意識不明になったときに命を助けてほしいという思いで生体情報を提供しても、それが別の用途で使われるということはあるわけで、そういう問題点を隠して利便性を強調するというのは問題だと思います。この項で先端的サービス提供についての市民合意なのですが、前橋市が国家戦略特区に手を挙げると表明いたしましたら、もうあっという間に159社の民間IT企業などが事業提案しております。新たなビジネスチャンスを求める企業の意欲に迎合して、市民合意なく未来型事業を推進してよいのでしょうか。市民合意のないまま官民連携を推進し、市民の税金を投入して先端的サービスを推進することはやめるべきだと思います。答弁を求めます。
107 【未来創造部長(青木一宏)】 市民合意についてでございます。今までも住民説明会やアンケート、ワークショップ、オンラインタウンミーティングなどで意見を反映することにより合意の形成を行ってきたとは認識しております。また、スーパーシティに選定されると、申請案に沿って国と一緒に基本構想を1年かけて策定することになっております。基本構想の策定に当たりましては、住民等の意見の反映をすることになっておりまして、内閣総理大臣への提出前にも住民等の意向の確認が必要である、そのようになっているため、その方法として、住民を対象とした投票によってその意向を確認することを基本としつつ、必要に応じ追加的な意向確認の手続を実施するよう国から資料が提示されているところでございます。いずれにいたしましても、スーパーシティは市民合意が重要なため、今後も市民に寄り添い合意形成を進めてまいりたいと考えております。
108 【31番(長谷川薫議員)】 岸田自公政権が目指すデジタル化による大胆な規制改革は、先ほども申し上げましたけれども、マイナンバーカードの普及で個人情報を国が管理し、本人同意もなく自治体に蓄積されている大量の個人情報の目的外利用を進め、企業がそのビッグデータを利活用することで経済成長を促すという国家戦略です。今、全国千七百余の区市町村でこのスーパーシティ構想に手を挙げている自治体は、前橋市を含めて再提案した28の自治体だけです。未来を展望したまちづくりは、自己責任を強調する弱肉強食の新自由主義の政治を終わらせて、全市民が希望を持って安心して暮らせる福祉の充実したまちづくりであり、何よりも市民福祉の増進に全力で取り組むことです。行政が積極的に個人情報を企業に差し出して企業の利益追求に貢献するまちづくり構想は、成功するはずはありません。直ちにこの構想を取り下げるよう求めて、この項の質問を終わります。
最後に、アーツ前橋について質問いたします。開館から昨年まで8年間にわたりまして事業運営に携わった住友前館長が退任して8か月になりました。借用作品の紛失事案の発生によって失墜したアーツ前橋に対する信頼を回復し、これまでのように郷土作家を含む内外の芸術家による魅力的な作品展示とともに、地域アートプロジェクトを通じた福祉、教育、暮らしなど様々な地域課題と芸術の連携などを今後ともさらに発展させることが必要だと思います。今、アーツ前橋あり方検討委員会での協議が進んでおりますが、今後、アーツ前橋の運営理念、コンセプトを再確認し、充実も見直しも必要だと思いますが、どのようにコンセプトを考えておられるのか、お願いいたします。
109 【文化スポーツ観光部長(平石秀樹)】 アーツ前橋あり方検討委員会におきまして、アーツ前橋で掲げてきた基本理念やこれまでの事業を継続していくべきとの意見をいただいております。また、その一方で、これまで開催してきた展覧会の内容などから、現代アートに対して難しい印象を持たれた方が多かったことも事実だと思っております。今後につきましては、アーツ前橋あり方検討委員会からの提言を尊重しながら、様々なジャンルのプログラムを地域と連携しながら取り組んでまいりたいと考えております。
110 【31番(長谷川薫議員)】 次に、現在の作品の収集予算、購入予算は年間1,000万円ですが、美術館の魅力は、そこの美術館にしかない作品を見たいという、そういうファンの要望もあります。予算の増額と収集作品の選択をする委員会の強化、さらには不足する収蔵庫の増設などについての考え方を答弁願います。
111 【文化スポーツ観光部長(平石秀樹)】 アーツ前橋では、体系的なコレクション形成を目的としまして、アーツ前橋収蔵方針を定めており、地域ゆかりの作家やアーツ前橋の事業に関連した作品を計画的に収蔵してまいりました。また、収蔵に当たっては、アーツ前橋収蔵美術品専門委員会を開催いたしまして、外部の専門的な委員により、アーツ前橋として収蔵するのにふさわしいか、作品の評価を含めて審査していただいております。新型コロナウイルス感染症の影響がありますので、以前と同様の収蔵予算を確保することは難しい状況だとは考えておりますが、収蔵作品を活用した魅力ある事業を展開していきたいと考えております。
112 【31番(長谷川薫議員)】 最後に、リーダーシップを発揮し、事業運営の専門的な知識や経験を持つ新館長の選任人事が求められていると思いますけれども、館長人事をどんなふうに考えているのか答弁を求めます。
113 【文化スポーツ観光部長(平石秀樹)】 館長の選任につきましてですが、アーツ前橋あり方検討委員会においても今回の紛失事案を受けた再発防止や今後のアーツ前橋の在り方にふさわしい館長像について議論されたところでございます。今後、アーツ前橋あり方検討委員会から提出されます提言書を尊重しながら、適切な人材を適切なタイミングで選任してまいりたいと考えております。
114 ◎ 休 憩
【議長(横山勝彦議員)】 この際、暫時休憩いたします。
(午後0時5分)
115 ◎ 再 開
(午後1時7分)
【副議長(富田公隆議員)】 休憩前に引き続き会議を開きます。
総括質問を続けます。
(33番 石塚武議員 登壇)
116 【33番(石塚武議員)】 通告に従いまして、順次質問いたします。
質問の第1は、保健衛生について、まずは子宮頸がんワクチンであります。子宮頸がんなどの原因となるHPV、ヒトパピローマウイルスの感染を防ぐとされるHPVワクチンは、2013年から定期接種となりましたが、全身の痛みなど副反応症状が相次いで報告され、2013年6月より国は積極的勧奨を差し控えることとなりました。その結果、多くの自治体が対象者への通知をやめたことで、日本産婦人科学会の資料データでは、公費助成当時の接種対象であった1994年から1999年度生まれの女子のワクチン接種率が70%まであったのに対し、2002年度以降生まれの女子の接種率は1%未満までに激減いたしました。厚生労働省は、昨年10月、定期接種の機会を対象者が逃さないようにするため、自治体に対しHPVワクチンの情報を知らせるよう通知しました。そこで、前橋市の情報提供への対応と、通知を行ったことによる効果、接種率についてお伺いいたします。
117 【健康部長(膽熊桂二)】 本市では、2020年10月に厚生労働省からの通知を受けまして、同年12月に高校1年生相当の1,490人に、また本年2021年4月には中学1年生1,392人と高校1年生相当の1,400人、合わせて2,792人に対して保護者宛て説明文や厚生労働省リーフレットなどの個別送付を行い、HPVワクチンの情報提供を行いました。効果といたしましては、2020年度の接種を開始した高校1年生相当の141人のうち約82%に当たる115人が情報提供後の接種開始となっており、情報提供の効果が現れているものと考えております。また、接種率につきましては、情報提供前の2019年度の同対象者接種率は0.9%だったのに対し、2020年度の同対象者接種率は約9.5%となり、8.6ポイント上昇している状況でございます。
118 【33番(石塚武議員)】 今年10月、厚生労働省専門部会においてHPVワクチンの安全性や効果などの検討の結果、積極的勧奨の再開を妨げる要素はないとされ、11月12日の同部会において積極的勧奨を再開する方針を決定し、国は先日の11月26日に定期予防接種実施要綱の一部を改正し、積極的勧奨を再開する通知を発出しました。そこで、前橋市での情報提供の方法について、周知対象、周知方法についてお聞きいたします。
119 【健康部長(膽熊桂二)】 本市での周知対象についてでございますが、HPVワクチンの供給や接種体制などを踏まえ、医師会など関係機関と協議、検討を早期に行う必要があると考えております。また、周知の方法につきましては、対象者や保護者に対し予診票などを個別に送付するとともに、市ホームページや広報紙などにより広く、正しい情報を正確に、かつ的確に発信してまいりたいと考えております。
120 【33番(石塚武議員)】 11月15日の厚生労働省専門部会は、積極的勧奨の差し控えにより接種機会を逃した女性へのキャッチアップ接種を公費で行う方向で一致しました。今後、救済する対象年齢等について議論し、来年度以降接種が開始となる見通しと報道されています。そこで、定期接種対象年齢以外への救済制度が導入された場合、前橋市での情報提供の方法について、周知対象、周知方法についてお伺いいたします。
121 【健康部長(膽熊桂二)】 キャッチアップ接種の周知対象についてでございますが、今後厚生労働省から正式通知が発出される見込みであることから、当該通知で示された内容に基づきまして、関係機関などと協議、検討してまいりたいと考えております。また、周知の方法につきましては、市のホームページ、広報紙などにより広く周知を図るとともに、必要となる方に予診票やリーフレットを送付するなどして、接種を希望する方などが最新の情報を正確に、かつ正しく理解していただけるよう、丁寧な情報発信に努めてまいりたいと考えております。
122 【33番(石塚武議員)】 要望させていただきます。HPVワクチン定期接種の積極的勧奨の再開によりまして、対象となる全世帯への通知をするなど、対象者の多くの方が平等かつ早期に接種の機会を得られますよう、ご対応をお願いしたいと思います。また、キャッチアップ接種についても、国からの通知の発出後、まずは定期接種に配慮しながらも、速やかに対応していただけるよう要望いたします。
次に、健康まえばし21について伺います。前橋市では、健康増進計画である健康まえばし21を策定し、市民の健康づくりを推進していますが、前橋市民の健康状況として、生活習慣病に関連する血圧やヘモグロビンA1c、血糖、BMIなどについて、全国や県の平均よりも数値が高いと聞いております。そこで、その現状はどうなのか、また本市の数値が全国や県より高い要因としてどのようなことが考えられるのか、併せてお伺いいたします。
123 【健康部長(膽熊桂二)】 市民の健康に係る現状についてでございますが、令和2年度の特定健診結果から、生活習慣病に関連する11項目のうち、有所見者の割合が一番高い項目が血糖で33.3%と、全国平均との比較では8.5ポイント高く、次にヘモグロビンA1cの63.9%で、全国平均との比較では7.8ポイント高くなっております。また、収縮期血圧や拡張期血圧、BMIなど、6項目において高くなっている状況であります。要因といたしましては、群馬県として特徴的でもある車社会による運動不足のほか、濃いめの味を好むことや食生活の乱れ、栄養バランスなど、食事に関することが大きく影響しているものと考えております。
124 【33番(石塚武議員)】 健康まえばし21の取組の重点課題の一つである糖尿病対策では、運動の習慣化を図る教室の開催やウオーキングマップの作成を行い、生活習慣の改善の推進に取り組んでいます。また、同じく重点課題として挙げられている歯周病対策では、口腔機能の衰えが要介護状態の要因の一つとも言われており、健康寿命の延伸に大きく影響すると言われております。そこで、これらの対策としてどのような取組を行っているのかお伺いいたします。
125 【健康部長(膽熊桂二)】 まず、糖尿病対策についてでございますが、保健推進員協議会、食生活改善推進員協議会、そして本市と協働で作成いたしました、まえばし23地区別ウオーキングマップにより全市域を対象としたウオーキングの普及に取り組むとともに、地域の団体との連携により各地区でのウオーキングイベントの開催や、ウオーキングをテーマとした講演会の開催などにより運動習慣の定着化を図っているところでございます。また、血糖が気になる人を対象とした教室や月1健康相談などを実施し、個人の生活に応じた指導を行うとともに、市民の状況や年齢に応じ、国保の特定保健指導や糖尿病性腎臓病重症化予防プログラムのほか、保健、介護予防とも連携した一体的な事業にも取り組んでいるところであります。さらに、歯周病対策につきましては、60歳で進行した歯周病を持つ人の割合が5割を超えている状況であることから、成人歯科検診の受診勧奨やオーラルフレイルの周知啓発について重点的に取り組んでいるところであります。
126 【33番(石塚武議員)】 健康づくりには市民の一人一人が主体的に取り組んでいくことが重要であり、今後より効果を上げるための工夫や市民への周知が必要であると考えます。そこで、健康づくりを推進していく上での今後の課題や取組についてお伺いいたします。
127 【健康部長(膽熊桂二)】 今後の課題についてですが、各地区における健康状態はそれぞれ特徴があることから、各地区の状況に合わせた対応が必要と考えております。また、健康づくりは若いときから一人一人が主体的に取り組んでいく必要があることから、学校や企業と連携していくことも重要であると考えております。そのため、今後の取組といたしましては、各地区に根差した健康課題の見える化を図り、保健推進員や地域の方々の協力により各地域での健康教室において特徴的な健康課題を具体的に説明するなど、情報の共有化にしっかり取り組んでまいりたいと考えております。さらに、若いときからの健康づくりを支援するため、若い世代、働く世代に向け、大学や企業と連携しながら健康情報の発信をさらに強化するなど、市民の健康増進につなげる取組を進めてまいりたいと考えております。
128 【33番(石塚武議員)】 質問の第2は、前橋四公祭について、まずはこれまでの取組であります。平成25から28年度にかけて、2期4年にわたって活動を行った歴史文化遺産活用委員会では、活動の集大成として、市に対し歴史都市まえばしの実現に向けた12の提言を行いました。その中の一つに、江戸時代に現在の市域を治めた4つの大名家である酒井家、松平家、秋元家、牧野家の前橋四公を発信する前橋四公祭の開催があったと記憶していますが、この提言を受けてからこれまでの取組についてお伺いいたします。
129 【文化スポーツ観光部長(平石秀樹)】 前橋四公祭実行委員会では、平成28年度から令和元年度まで4年連続で前橋四公祭を開催し、創作劇や武者行列、バスツアーなど、誰もが楽しみながら歴史を学べるプログラムを通じて各大名家の功績や市内に残る史跡など、積極的にPRしてきたところでございます。残念ながら新型コロナウイルス感染症の拡大の影響によりまして令和2年度、令和3年度と開催は中止となりましたが、前橋四公祭の一つのプログラムである前橋歴史観光ガイドのみ、十分な感染対策を実施した上で継続開催しており、コロナ禍にもかかわらず、2年で250人を超えるお客様にご参加いただいております。
130 【33番(石塚武議員)】 前橋四公祭の取組は、県内出身の人気漫画家である井田ヒロトさんにイラストをいただいた前橋四公キャラクターを活用したPRがその特徴の一つであると感じています。そこで、前橋四公祭の開催と並行し、前橋四公キャラクターを活用したそのほかのPRも重要であると考えますが、これまで取り組んできたイベント以外のPRの状況についてお伺いいたします。
131 【文化スポーツ観光部長(平石秀樹)】 前橋四公キャラクターは、民間事業者による商品開発等を促進するため、実行委員会へ申請いただければどなたでも無料で使用できる仕組みとなっております。これまでにラッピングタクシーや日本酒のラベル、テレビ番組など、市内事業者を中心に多種多様な活用をいただいており、民間主体によるこれらの活用は、前橋四公のPRにおける重要な役割を担っているものと考えております。また、平成30年度と令和3年度には前橋四公を中心に前橋歴史文化遺産を分かりやすく紹介するまえばし歴史散策ガイドブックを、協賛団体からのご協力の下、それぞれ5万部を発行し、市内各所に配布いたしました。本ガイドブックは、片手に持ちながら歴史散策を楽しめる内容となっており、多くの宿泊施設や教育施設などから追加での納品を要望されるなど、好評をいただいているところでございます。
132 【33番(石塚武議員)】 次に、課題、今後の取組について伺います。
これまでの取組の成果により、歴史に関心のある層においては、前橋四公という新たな枠組みの認知度が高まっているように感じています。一方で、全市的もしくは市外、県外への発信には課題があるように見受けられますが、より多くの方々に関心を持ってもらうための今後の取組について、当局の見解をお聞きいたします。
133 【文化スポーツ観光部長(平石秀樹)】 好評をいただいておりますまえばし歴史散策ガイドブックは、今年度中に新たに2万部を増刷する予定でおります。増刷いたしましたガイドブックは、今後、市内小中学校の児童生徒へ配付する予定で、未来の前橋市を担う子供たちにふるさとの歴史文化を知っていただくとともに、全市的な認知度向上につなげていきたいと考えております。また、前橋四公をPRする機会は前橋四公祭以外にも、各大名家それぞれ単独主催するイベントがありますので、例えば松平大和守家顕彰祭で実施している前橋藩主松平家の家宝、御手杵の槍、この展示につきましては、歴史に興味をお持ちの方のみならず、広い世代で人気を博し、県外からも足を運んでいただけるコンテンツとなっております。こうした既存のコンテンツを有効に活用した事業を継続して実施していくことで歴史に関心のない方々にも前橋四公を知っていただけるよう努めてまいりたいと考えております。
134 【33番(石塚武議員)】 現在本市では、歴史的風致の維持向上を図ろうとする市町村に対し国がその取組を支援する、いわゆる歴史まちづくり法に基づく前橋市歴史的風致維持向上計画を策定中であると聞いています。この計画では、歴史文化遺産活用委員会が目指していた歴史都市まえばしの方向性を明確にすることを期待しています。そこで、前橋四公以外にも市内各地域の至るところに点在する歴史文化遺産を最大限に活用しながら、今後の歴史まちづくりをどのように推進していくのか、当局の見解をお伺いいたします。
135 【文化スポーツ観光部長(平石秀樹)】 歴史まちづくり法についてでございますが、認定を受けた歴史的風致維持向上計画に対しまして国からの支援を受けられる仕組みとなっており、他市の事例ではございますが、歴史的な町並みの整備等が補助対象となっているようでございます。環境整備を見据えた計画策定を推進する一方で、歴史文化遺産活用委員会発足以降の本市歴史文化施策においては、都市を支える市民の活動が重要であるとの考え方を基本とし、地域づくりの担い手となる前橋学市民学芸員の養成や地域が主体となった顕彰事業のサポートなど、各種事業に取り組んできたところでございます。今後につきましても、歴史都市まえばしの実現に向けて、市民力や地域力を活用できるよう、創意工夫を図りながら取組を継続してまいりたいと思っております。
136 【33番(石塚武議員)】 質問の第3は、前橋版生涯活躍のまち、CCRCについて、関係人口の創出であります。前橋版生涯活躍のまち、CCRCの当初の基本方針では、東京圏からの移住者と地域住民が共に生きがいを持って生涯にわたり活躍できる新たな地域づくりを目指すものと掲げられていました。その後、生涯活躍のまちの政府方針が中高年齢者の移住から関係人口の創出、拡大として見直されたようであります。そこで、改めて関係人口の創出、拡大の内容についてお伺いいたします。
137 【都市計画部長(金井秀人)】 生涯活躍のまちの政府方針で見直しされた内容でございますが、年齢や障害の有無などを問わない、ごちゃまぜのコミュニティーをベースに、健康や生きがいづくりなどの取組により地域の魅力向上と関係人口の創出を図るものとされています。こうした方針を踏まえ、日赤跡地生涯活躍のまちでは、エリア全体の魅力を高めるため、施設利用者、周辺地域などの多様な人と世代がコミュニティーを醸成するきっかけをつくる取組を進めております。
138 【33番(石塚武議員)】 関係人口の創出、拡大の内容については分かりました。
そこで、日赤跡地生涯活躍のまちでは具体的にどのような進め方を考えているのかお伺いいたします。
139 【都市計画部長(金井秀人)】 関係人口の創出、拡大に向けた進め方についてでございますが、多様な世代のコミュニティーを醸成するため、場所と仕組みが必要と考えております。場所については、商業施設の一部や公園などのコミュニティースペースを活用することとなっており、仕組みについては、施設事業者などによる仮称、まちづくりクラブを組成し、事業者間の連携による健康、生きがいづくり等のソフト事業に取り組む予定です。こうしたソフト事業に取り組むことにより、施設利用者や周辺地域の市民を巻き込むだけでなく、民間のネットワークを活用し市外からも人の流れを呼び込み、関係人口の創出につなげていきたいと考えております。
140 【33番(石塚武議員)】 関係人口の創出、拡大に向けた進め方については理解いたしました。
そこで、さらに関係人口から定住人口につなげるための取組についてお伺いいたします。
141 【都市計画部長(金井秀人)】 定住人口につなげるための取組についてでございます。日赤跡地周辺には遊休不動産が多く存在していることから、移住者の受皿を確保するため、イノベーションを行う事業者も仮称、まちづくりクラブに参画する予定となっております。仮称、まちづくりクラブが行うソフト事業によりエリア内外でコミュニティーが醸成されることで将来的な移住につなげていきたいと考えております。さらに、移住コンシェルジュと連携することで移住促進を図りたいと考えております。
142 【33番(石塚武議員)】 要望させていただきます。健康生きがいづくりについては、施設利用者等による仮称、まちづくりクラブをつくって取り組むとのことで、民間事業者が主体となって進められるようでありますが、今後も行政がより積極的に関わった官民連携で進めていただきますよう要望いたします。
前橋版生涯活躍のまちについては、今後のソフト面での取組が大変重要であります。この日赤跡地エリアの内外において、将来的に移住も促進されて、活発なコミュニティーの構築など、地域が一層活性化されますよう期待いたします。
質問の第4は、前橋市DX推進計画について、まずは行政手続のオンライン化であります。前橋市DX推進計画では、重点事業の一つに行政手続のオンライン化の取組を掲げています。その中で、2025年度、令和7年度末までに全ての行政手続をオンライン化することとしています。そこで、これまでの取組についてお伺いいたします。
143 【未来創造部長(青木一宏)】 行政手続のオンライン化の取組についてでございます。これまでも処理件数が多く、市民の利便性向上や業務の効率化が高いと考えられる手続として、職員採用試験の申込みや粗大ごみ収集の予約等でオンライン化に向けて取り組んでまいりました。一方、2025年、令和7年度末までに全ての行政手続をオンライン化する目標を踏まえますと、庁内横断的にオンライン化を加速させる必要があることから、行政手続オンライン化に関するワーキンググループを設置したところでございます。現時点では、情報政策課を含め26の所属でワーキンググループを構成しており、オンライン化に向けて多角的な観点から検討を進めているところでございます。
144 【33番(石塚武議員)】 ワーキンググループを設置し、多角的な観点から検討を進めているとのことでありますが、現時点での課題、今後の取組についてお聞きいたします。
145 【未来創造部長(青木一宏)】 行政手続のオンライン化に関する現状の課題と今後の取組についてでございます。これまでも行政手続の押印見直し等において行政手続の棚卸しが実施されてきたところでございますが、オンライン化を実現するためには、本人確認手法、申請の際に求める情報、書類等に関して、さらなる行政手続の棚卸しが必要であると認識しております。また、オンライン化の推進によりまして住民の利便性を向上させるとともに、市役所のバックヤード側も併せて効率化していく必要があると考えております。そこで、さらなる行政手続の棚卸しによりまして優先的にオンライン化に取り組むべき手続を抽出した上で、オンラインでの手続を前提として現在の業務プロセスを抜本的に見直し、再構築する、いわゆるBPR、ビジネスプロセスリエンジニアリングの取組を並行して行ってまいりたいと考えております。
146 【33番(石塚武議員)】 次に、官民データの活用について伺います。前橋市DX推進計画では、重点事業の一つに官民データの活用の推進を掲げています。その中で、2025年度、令和7年度末までに官民データの共有や活用の仕組みを構築することとしています。そこで、改めて本事業の目的についてお伺いいたします。
147 【未来創造部長(青木一宏)】 官民データ活用推進の目的についてでございます。社会のデジタル化に伴いまして、データは知恵、価値、競争力の源泉となり、市民のより豊かな生活や事業者の活動しやすい環境実現、さらには地域課題の解決に至るまで、その活用はますます重要となってきております。また、昨今では、デジタル技術を活用いたしまして社会課題の解決に取り組むシビックテックと呼ばれる有志エンジニア等による活動の果たす役割も注目されてきているところでございます。その一方で、今現在、国や自治体が公表する情報が十分でなかったり、再利用しにくいことなどが課題として上がってきております。こうした課題を解決しつつ、地域においてデータを横断的に活用できる仕組みを構築することで住民サービスの向上や地域課題の解決、業務効率化を図ることを目的としているところでございます。
148 【33番(石塚武議員)】 前橋市DX推進計画では、データ活用を阻んでいる課題として、制度、ツール、風土の3つを挙げています。そこで、こうした課題解決に向けた今後の取組についてお聞きいたします。
149 【未来創造部長(青木一宏)】 今後の課題と取組についてでございます。本市では、住民や事業者が二次利用できるオープンデータの提供に努めておりますが、保有するデータの一部にとどまっており、標準データセットと呼ばれる利活用に適した形式になっていないのが現状でございます。また、昨今ではデータに基づく政策立案の必要性が高まってきておるところでございますが、市役所内部において保有するデータを活用する意識やノウハウは十分とは言えないというところでございます。これらの課題解決に当たりましては、所属や職位に関係なく、官民データ活用によって地域にもたらされる価値を組織として見いだしていくことが大変重要になってくると考えております。したがいまして、今後の取組といたしましては、DX推進計画に基づきまして、庁内横断的に組成する官民データ活用ワーキンググループの活動を通じてデータ活用の障壁となる課題の洗い出しや課題を解消する試行実践を重ねてまいりたいと考えております。
150 【33番(石塚武議員)】 次に、市役所のDX推進についてお伺いいたします。紙文書を電子データ化するAIOCRやロボット、RPAを活用し業務の効率化を図っていると思いますが、現在の活用状況についてお伺いいたします。
151 【未来創造部長(青木一宏)】 AIOCRやRPA等の活用についてでございます。今年度、新たにAIOCRを9帳票、RPAは12のロボットを作成いたしまして業務の効率化を図ってまいりました。また、前橋市DX推進計画の重点事業の一つに市役所のDX推進がありますが、これを具体化するためにRPAのワーキンググループを組成したところでございます。このグループでは、各所属におきまして自主的、自立的に業務プロセスの見直しを行った上で、RPAの活用が検討できる仕組みを構築してまいりたいと考えております。また、庁内の類似業務への展開につきましても検討いたしまして、より一層の業務の効率化を図っていきたいと考えております。
152 【33番(石塚武議員)】 続いて、人材の育成、確保についてでありますが、国や県と連携したアドバイザー派遣制度の活用や、研修を通じた職員の能力開発に取り組むこととされていますが、具体的な取組についてお伺いいたします。
153 【未来創造部長(青木一宏)】 人材育成、確保に向けた取組についてでございます。DX推進計画に基づくワーキンググループにつきましては、現在、市役所職員のみで運営しておるところでございます。計画のビジョン、デジタル技術とデータの活用を推進し、住民本位の行政及び地域社会を実現することを鮮明に描き、全職員が自分の仕事に落とし込んでいくためには、組織風土の改革を必要としているところでございます。そのためにも、外からの視点や未来に対する知見をご提供いただく機会を設けることで職員の目線を上げまして、変革の契機としたいと考えております。今年7月に前橋工科大学、福田理事長を講師に迎えましてDXをテーマとする職員研修を実施したところでございますけれども、今後につきましても、総務省の情報化アドバイザー制度などを活用いたしまして、研修での講義やワーキンググループ活動への助言を行っていただくという予定となっております。外部人材と協業を通じまして内部人材を育成していくことで、市役所のDX推進のみならず、地域社会に対してもDXの恩恵をもたらしていけるよう取り組んでまいりたいと考えております。
154 【33番(石塚武議員)】 引き続きの取組をお願いいたしまして、質問を終わります。
(5番 佐藤祥平議員 登壇)
155 【5番(佐藤祥平議員)】 まず初めに、新型コロナウイルス対策について伺います。
新規感染者数が一時落ち着いている状況ですが、海外からの新たな変異株や県内他市でのクラスター発生など、日々新たな情報が出てくる中で、当局におかれましても対応にご尽力いただいていると思います。
そこで、今後の新型コロナウイルスワクチン接種の進め方について伺います。現在、全体の接種対象者のうち約90%が接種を終えている状況です。3回目の接種は、国が示した方針に沿って、2回目を接種してから8か月以上が経過した18歳以上のうち接種を希望する人を対象としています。本市では、既に今月から医療従事者の接種を開始し、高齢者施設に入所されている方など、国の方針に沿って段階的に接種を進める予定となっています。このうち、一般の方の3回目の接種については、2月から接種を開始する予定とのことですが、どのような形で接種を進めるのか、現時点での当局の考えを伺います。
以下、質問席にて伺います。
156 【健康部長(膽熊桂二)】 本市の新型コロナウイルスワクチンの追加接種である3回目接種の今後の進め方についてでございます。初回接種、いわゆる1、2回目の接種と同様に、前橋市医師会をはじめとした関係機関による協力の下、集団接種会場や市内170か所以上の個別接種会場による接種体制を考えております。また、高齢者等への予約サポート支援につきましても、初回接種と同様に、自治会や各種委員会をはじめ、企業、団体などに協力をいただきながら進めてまいりたいと考えております。
なお、一般の方を対象とした3回目接種につきましては、令和4年2月中旬頃から開始となりますが、現在、前橋市医師会や関係機関と具体的な検討、調整を行っているところで、希望する方がスムーズかつ的確に接種できる体制の構築を進めてまいりたいと考えております。
157 【5番(佐藤祥平議員)】 新たな変異株の情報が入り、3回目の新型コロナウイルスワクチン接種の動向を気にされる方も多くなっている状況です。日々変わる状況の中で、スムーズな接種体制の準備を引き続き取り組んでいただけたらと思います。また、先日も広報まえばしにてご案内されていると思いますが、情報の発信についても、SNSや企業、団体との連携をしながら進めていただければと思います。
続きまして、前橋市国際交流協会について伺います。国際交流協会については、地域の国際化、国際親善、在住外国人との相互理解の促進を目的として、令和3年度予算では1,100万円の活動補助が計上されています。コロナ禍における現在、社会のつながりや交流の機会が少なくなっている状況で、多文化共生のための取組を主体となって実施している国際交流協会の活動にも影響が生じていると考えられます。外国人の新型コロナウイルスワクチン接種についても、予約方法が分からなかったり、誤った情報が伝わっていたりしたと聞いております。そこで、本市国際交流協会がコロナ禍における外国人住民に対してどのような多文化共生の取組を行っているのかお伺いいたします。
158 【文化スポーツ観光部長(平石秀樹)】 本市では、外国人住民が年々増加する中、地震等の日本での災害に対する知識も浅いことから、防災への意識づけを行うため、本年11月に本市と国際交流協会、群馬県、群馬県観光物産国際協会と共催で外国人住民のための防災訓練を実施いたしました。参加者からは、防災に関する知識と経験を得ることができてとてもよかったというお声もいただいております。また、外国人住民へ確実に新型コロナウイルスワクチン接種の情報を届けるため、国際交流協会の協力の下、新型コロナウイルスワクチン接種予約マニュアルを6言語で作成し、市のホームページに掲載したほか、留学生が多く在籍する日本語学校に情報を提供するなど、積極的に情報発信いたしました。その他、外国人相談窓口や日本語教室など国際交流協会に委託している事業についても、新型コロナウイルス感染症対策を十分に行った上で実施してまいりました。
159 【5番(佐藤祥平議員)】 コロナ禍において、外国人の状況も変化しています。日本語学校に通うある留学生は、授業は全てオンライン授業、社会の接点となるアルバイトは工場のライン作業で、直接的な社会とのつながりが限りなく少なくなっていると言います。今後、日本語レベルの上達ができないと就職の選択肢も少なくなります。これは、人材を求める企業にとっても働く外国人の採用が難しくなるという負の循環が生まれる可能性があります。コロナ禍で私たちの生活も大きく変わりました。本市で生活する外国人住民の特徴やニーズが変化する中で、今後はより一層、国際交流協会の役割や多文化共生事業の重要性が高まると考えられます。そこで、多文化共生事業の実施主体である国際交流協会と連携した今後の取組についてお伺いします。
160 【文化スポーツ観光部長(平石秀樹)】 議員さんのおっしゃるとおり、今後、多文化共生事業の重要性はますます高まると認識しております。そこで、まず外国人住民の状況や、彼らのニーズを把握することが必要だと考えております。つきましては、国際交流協会に委託して実施している外国人相談窓口の来訪者や日本語教室に参加している方に対してアンケート調査の実施を計画しているところでございます。このアンケート調査の結果を踏まえた上で、外国人住民が本市で安心、安全に暮らしていくために今後どのような取組が必要なのか、国際交流協会と一緒に関係機関とともに連携しながら検討してまいりたいと考えております。
161 【5番(佐藤祥平議員)】 アンケートを実施し、取組を検討していくとお話がありました。要望になりますが、外国人相談窓口や日本語教室に来られる方は比較的情報が得られる状況にある方々です。支援が届かない孤立する外国人住民からどのようにニーズを引き出すか、大学や企業、管理団体へも調査を実施し、幅広いニーズの把握を検討していただければと思います。
この質問の最後になりますが、2022年から特定技能外国人の在留期限が5年から無期限に変更される調整が進められています。本市においても、学校での国際交流や外国人への防災訓練、マナー講習の周知など、多文化共生に向けた取組が行われています。これからは、単に外国人に優しい社会を理想とするのではなく、企業で働く人材の確保、世界から選ばれる地域になること、そして地元住民も心地よく生活するといった、お互いにとって利益のある社会の実現を目指していく必要性を感じます。引き続き事業の実施を推進していただければと思います。
次に、本市におけるスポーツイベントについて伺います。新型コロナウイルス感染症によって、地域では様々なスポーツ大会、地区の体育行事など、多くのイベントが中止となりました。そんな中、感染対策を行い今年度開催された前橋・渋川シティマラソンについて伺います。本年度の開催状況についてお伺いします。
162 【文化スポーツ観光部長(平石秀樹)】 本年度実施いたしました前橋・渋川シティマラソンの開催状況についてでございますが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、参加者やボランティア、大会関係者の皆様の安全、安心を考慮しまして、通常のコースを使用したフルマラソンに代わり、新型コロナウイルス感染症の感染防止対策を十分に行い、新たな形式で開催いたしました。4月17日には前橋総合運動公園、18日には渋川市総合公園の2会場で2日間行い、各公園内に周回コースを設定し、1日のみのハーフマラソン、各会場を1日ずつ走り、2日間の合計タイムで順位を決定するフルマラソンを開催いたしました。参加人数は、ハーフマラソンが425名、フルマラソンが372名、計797名の申込みがありました。当日は593名が出走し、511名が完走いたしました。
163 【5番(佐藤祥平議員)】 新たな形式での開催は、今まで大会を楽しみにしていた方にとってもスポーツの新たな価値に出会うきっかけになったと思います。
先日、私は地域の老人クラブのグラウンドゴルフ大会を見学させていただきました。新型コロナウイルス感染症によって長らく開催できなかった大会でした。体を動かす楽しみや健康増進といった意味合い以上に、その場に集う楽しみ、人と人が顔を合わせてつながる喜びがその場にはあふれていたように感じます。現在、新型コロナウイルス感染症の県のガイドライン警戒度が1となり、イベント開催の制限が緩和されてきておりますが、来年度の前橋・渋川シティマラソンの取組についてお伺いします。
164 【文化スポーツ観光部長(平石秀樹)】 来年度予定している前橋・渋川シティマラソンの取組についてでございますが、現在の感染状況と警戒度を踏まえますと、大会開催に向け制限を段階的に緩和するとともに、観光PR、物産販売、シティプロモーション、市民の健康増進等へも取り組んでいく必要があると考えております。しかし、海外では新たな新型コロナウイルス感染症の変異株が急増しておりまして、国の基本的対処方針や県の基準の動向にも注視していく必要があることから、参加者、大会関係者や地域住民の方が安心できる大会になるよう、実行委員の方々と意見交換を行いながら取り組んでまいりたいと考えております。
165 【5番(佐藤祥平議員)】 ご答弁いただいたように、今後、スポーツイベントの開催には、観光PR、シティプロモーション、産業政策など、スポーツイベント自体の価値の創造も必要になってきます。今回の前橋・渋川シティマラソンをはじめ、スポーツ大会やスポーツイベントでは、民間や地域の協力、新たな価値の創造が不可欠であり、担当部署だけでなく、民間や地域が果たす役割も高くなってきています。今後、スポーツ大会やスポーツイベントの民間や地域との協働について当局の考えをお伺いします。
166 【文化スポーツ観光部長(平石秀樹)】 スポーツ大会やスポーツイベントの民間や地域との協働についてでございますが、前橋・渋川シティマラソンをはじめ、本市開催のスポーツ大会、スポーツイベントに対し多くの企業の方に協賛いただきまして、地域からはボランティアの協力をいただいております。民間や地域の方の協力は不可欠な状況でありまして、それぞれの果たす役割を明確にし、協働し取り組んでまいりたいと考えております。また、民間が開催するスポーツ大会やスポーツイベントに対しましては、本市として開催の趣旨を考慮し、市広報や市有施設の貸出し等、協力可能な部分で役割を果たしていきたいと考えております。
167 【5番(佐藤祥平議員)】 現在、新年の実業団駅伝のコースを歩いて実施されるぐんま100kmウォークや畑を耕して行われる畑でのバレーボール大会など、話題性のある企画が市内で行われています。ご答弁いただいたように、大会実行委員会などと協議を行い、協力可能な部分で役割を担っていただきたいと思います。
次に、本市ではプロスポーツを活用したシティプロモーション活動を推進しておりますが、幅広い方々にプロスポーツの楽しみや魅力を伝えるために行っている事業についてお伺いいたします。
168 【文化スポーツ観光部長(平石秀樹)】 本市では、プロ等のスポーツチームの応援に力を入れておりまして、プロスポーツが応援できる幸せがあることを地域資源と位置づけまして、プロスポーツ等を楽しむ合い言葉としまして、マエバシプライドを用いたシティプロモーション活動を推進しております。そして、ふるさと納税を活用してプロスポーツ支援を行っております。このふるさと納税につきましては、地域貢献事業や集客力向上事業、クラブ魅力、競技力向上事業など、本市のスポーツ振興や地域の活性化などが図れる取組に対して充当しております。具体的な取組内容については、各クラブから提案していただきますが、高齢者や障害者などに資する事業についても本市から提案しながら、幅広い人々に少しでもプロスポーツの楽しみや魅力が伝えられるよう、適宜各クラブと協議し、検討しております。
169 【5番(佐藤祥平議員)】 プロスポーツ支援におけるふるさと納税の活用について、分かりました。プロスポーツを応援できる幸せを多くの方々とともに共有できることがさらなる機運の醸成につながります。今までプロスポーツを会場で見たことがない高齢者や障害者、外国人が会場へ足を運び、実際に関われる機会を創出することは、ふるさと納税の活用の大きな役割の一つになると考えます。昨日市長のご答弁にもございましたザスパクサツ群馬の練習場の計画をはじめ、今後ますますプロスポーツへの期待と役割が増してきます。プロスポーツが地域の文化や自慢になることを目指し、引き続き取組を進めていただけたらと思います。
続いて、職員採用についてお伺いします。第3回定例会の総括質問では、本市で実施している大学生の長期インターンシップから市の業務に興味、関心を深め、採用につながった事例があったとご答弁いただきました。今回は、数年前から社会人経験者を対象とした採用試験実施について質問いたします。まず、社会人採用枠を設けている趣旨についてお伺いいたします。
170 【総務部長(高橋宏幸)】 社会人採用枠を設けている趣旨についてでございますが、社会人経験者の採用によりまして、民間企業などで培った知識と経験を本市の様々な事業に生かすことができる人材の確保が期待できることと考えております。
171 【5番(佐藤祥平議員)】 社会人採用枠の受験資格には、開発途上国での支援活動を行う青年海外協力隊の活動経験が、受験資格にある職務経験に通算できることとなっています。様々な課題に直面する社会の中で多様な人材を確保するためにこのような規定が盛り込まれていると伺っております。しかし、現状においては、青年海外協力隊経験者で採用に至った方はいないと聞いております。多様な経験を持つ方が採用に至るよう、応募状況、また現状の課題についてお伺いいたします。
172 【総務部長(高橋宏幸)】 青年海外協力隊経験者等の応募状況につきましては、令和元年が1人、令和2年が2人、令和3年が1人といった状況でございます。いずれの年につきましても最終的な採用には至っておりません。しかしながら、青年海外協力隊等の豊かな経験を持つ方には、本市が掲げております目指す職員像の一つであるチャレンジする職員として、社会情勢の変化や市民ニーズの多様化に対し、従来の考え方や手法にとらわれない柔軟な発想を持ち、新たな取組にチャレンジする人材になり得るものと期待しております。青年海外協力隊などの経験を含めた多様な経験を持つ方の採用に向けては、受験者を増やす取組も必要であることから、関係機関にも相談しながら効果的な周知を行ってまいりたいと考えております。
173 【5番(佐藤祥平議員)】 多様化する社会の中で、青年海外協力隊等の経験を持つ方が地域社会で新たなチャレンジをする好事例を聞くことがあります。本市においても受験者数を増やすためにも、周知に力を入れていただけたらと思います。また、人材育成、職員研修、国際交流という視点で現職職員を青年海外協力隊に派遣できるJICAの制度もございます。ご検討いただけたらと思います。
青年海外協力隊経験者に限らず、今後は多様な人材の確保が求められております。情報系の専門的な素養を持つIT人材の確保についてお伺いする予定でしたが、昨日の須賀議員の質問と重なりますので、割愛させていただきます。
続いて、子育て世帯の支援についてお伺いいたします。核家族化や地域社会のつながりの希薄化等を背景として、子育ての不安や悩みを抱えた保護者が孤立してしまう傾向が報告されています。昨日ほかの議員さんからも質問がありましたが、産前の子育て支援の事業として、初めての出産や育児について家族で学ぶハローベビークラスなどを行い、子育て世帯の孤立を防ぐ取組が実施されているとご答弁がございました。このクラスには私も参加させてもらった経験があります。沐浴や妊婦体験などの実習を通じて、父になるのだと戸惑いを感じながらも、父親感を体験する機会になったと記憶しています。核家族化、加えて新型コロナウイルス感染症拡大など、様々な要素があり、子育て世帯の孤立が課題とされています。何げなく相談できる地域コミュニティーの形成は、子育て世帯にとって心強いと考えられます。そこで、最も身近な地域における子育て世帯の支援について、その状況をお伺いいたします。
174 【指導担当次長(都所幸直)】 子育て世帯への支援についてでございますが、地域の公民館において社会教育として子育て、親子支援の事業を行っております。子育てに関する基礎的な知識や技術に関する学習、親子の触れ合い、参加者の交流、リフレッシュの場を提供する講座を開催して育児への不安や悩みの解消、保護者同士の交流促進に取り組んでおります。また、地域全体で子育てを支援する意識を醸成するため、各種団体や地域住民を対象に子育てボランティア講座を開催しております。コロナ禍により講座の開催数は減少いたしましたが、子育て世帯が孤立しないよう、オンラインを活用した講座を実施するなど工夫も加え、公民館利用ガイドラインに基づいて、新型コロナウイルス感染症の感染予防対策に細心の注意を払って事業を実施しております。
175 【5番(佐藤祥平議員)】 様々な子育て世帯の支援事業に取り組んでいることは理解しました。公民館の役割は、人が集い、学び、つながる場所です。子育て世帯にとっても、地域コミュニティーの形成に大切な役割を担うと思います。
続いて、これからの事業の課題と今後についてお伺いします。
176 【指導担当次長(都所幸直)】 子育て世帯への支援事業の課題と今後についてでございます。まず、課題につきましては、子育てを行う上で父親の家事、育児への参画や父親同士のつながりは重要であると認識しており、父親対象の講座や、夫婦や家族で参加してもらう講座を開催しておりますが、父親の参加が少ないことが挙げられます。市のホームページやフェイスブック、公民館報や地域へのチラシ配布などにより周知を図っておりますが、情報が行き届かない現状もございます。今後、多くの父親が事業に参加していただけるよう、子育て支援課などの関係課や各機関と連携し、父親が参加しやすい講座内容の工夫のほか、周知方法についても検討していきたいと考えております。
177 【5番(佐藤祥平議員)】 昨日福祉部長からもご答弁がございましたが、ハローベビークラスに関しては父親の参加率が38%と、課題があるとご報告いただきました。公民館で実施されている子育て、親子支援の事業でも同様の課題がございます。子育て支援課を通じて、母親からの周知、そのほか父親が働く職場への案内も必要だと思います。子育ては、社会の中で考えていく課題です。家庭、地域、企業、職場を含めて子育てに関わりやすい社会づくりが必要です。父親が多くの時間を過ごす職場に対しても、関係課との連携したアプローチが必要になってくると考えます。引き続き取組を進めていただければと思います。
次に、地域の諸課題についてお伺いします。令和3年4月に統合校として明桜中が誕生しました。春日中と広瀬中については、現在空き校舎となっています。両施設とも広大な敷地と校舎があり、その跡地の利活用については地域住民の関心も非常に高いところであります。そこで、本格的な活用方針が定まるまでの間も含め、跡地活用の現状と将来的な活用の方向性についてお伺いします。
178 【財務部長(関哲哉)】 旧春日中、旧広瀬中の跡地活用につきましては、これまでも行政利用や民間活用の見込みなど全庁的な検討を進めておりますけれども、現時点で具体的な活用方法の決定には至っておりません。両施設とも市街化調整区域内に立地しており、利活用の用途やその規模に制限があるなど、活用が難しい面もございますが、ファシリティーマネジメントの観点からも、両施設の有効活用に向け、今後も広く意見を聞きながら検討してまいりたいと考えております。
なお、本格的な活用方針が定まるまでの暫定的な活用につきましては、現在もグラウンドの使用を希望するスポーツ競技団体に条件をつけて許可しているものもございますので、今後も活用の希望があれば、その可否も含めて個別に対応していきたいと考えております。
179 【5番(佐藤祥平議員)】 跡地の活用については、長年地域のシンボルとしてあった校舎を活用しながら、地域の未来、これからを考えてもらいたいという声があります。引き続き、有効活用に向け、広く意見を聞きながら検討を進めていただければと思います。
続いて、西善中内産業用地についてお伺いします。8月末までの日程で公募を実施していた西善中内産業用地については、11月に開催された市民経済常任委員会において、2社の企業が優先交渉権者として決定したと聞いております。地域住民にとって早期に企業に立地してもらい、地域に根差した産業となってもらうことを期待しておりますが、民間企業としては、経済の状況などにより計画を変更し、立地が遅れることも考えられています。そこで、市として企業に対し早期に立地を促すよう、どのような取決めを行うかお伺いいたします。
180 【産業経済部長(中畝剛)】 西善中内産業用地につきましては、優先交渉権者の立地する区画割りに応じて用地造成する、いわゆるオーダーメード方式により来年度までに造成工事を完了させ、その後、優先交渉権者と土地売買仮契約を締結する予定でございます。その後、令和5年6月の定例市議会に土地売払い議案を提出し、可決をいただければ、同年の夏頃には所有権を移転し、企業へ土地の引渡しが行われる見込みでございます。その後に立地企業が自社施設の建設を行うこととなりますが、土地売買仮契約の条項において所有権移転から3年以内の操業開始を義務づけたいと考えております。
181 【5番(佐藤祥平議員)】 今後について分かりました。
西善中内産業用地の周辺においては、今後道路が建設される予定です。この道路については、小中学生などの通学路に使われることが考えられます。企業が立地した後には交通量が増大するものと思われますが、産業用地の道路については、安全対策としてどのような方策があるかお伺いいたします。
182 【産業経済部長(中畝剛)】 西善中内産業用地内の交通安全対策は、先日行われました事業者選定委員会の中でも地元自治会長さんから強い要望がございまして、重要なことと認識しております。この敷地内で南北に計画されている都市計画道路につきましては、両側に歩道を設置し、歩車分離を行う予定で、必要に応じて部分的に横断歩道を設けるなど、安全に十分配慮した道路計画としております。
183 【5番(佐藤祥平議員)】 引き続き安全な都市計画を進めていただけたらと思います。
続いて、今後の産業団地開発計画について伺います。西善中内産業用地については、令和5年の夏頃に分譲完了となる見込みとのことですが、この後に続く産業団地の開発計画についてお伺いします。
184 【産業経済部長(中畝剛)】 西善中内産業用地に続く産業団地の開発計画についてでございます。池端町において
駒寄スマートインターチェンジ産業団地の開発を行っており、現在は環境アセスメントの手続が順調に進んでおります。来年3月頃には市街化区域に編入となる見込みでございます。また、そのほか、新たな産業団地の候補地でございます大前田樋越地区につきましても、今年度、開発可能性調査業務を実施しており、その結果を踏まえまして取組方針や開発方法等を検討していきたいと考えております。
185 【5番(佐藤祥平議員)】 続いて、防災対策について質問させていただきます。今年度、本市では、総合防災マップの改訂に伴い、洪水浸水想定区域がさらに広がったことが周知されました。本市では、南部地域を中心に浸水想定区域が広がっており、当該地域からは洪水に対しての不安を訴える声をよく耳にすることがあります。河川の護岸工事やしゅんせつ工事などのハード対策は、河川管理者である群馬県へ要望を行っているものと伺っております。各地で発生しているような想定を超える大雨から命を守るためには、住民が自ら洪水に対して備える自助、地域で支える共助の力を高める取組が非常に大切であると感じています。市で実施しているこれらの取組についてお伺いいたします。
186 【総務部長(高橋宏幸)】 洪水に対しての自助や共助の力を高める取組についてでございますが、自治会や自主防災会が主催する防災訓練等を通じて、想定される洪水をはじめとする災害リスク、地域や家庭で行うべき備え、必要な避難行動、避難先などについて啓発を行っております。こうした防災訓練等を円滑に進められるよう、訓練メニューをまとめた冊子を年度当初に全自治会へ配付しておりますほか、訓練に係る経費の一部に対する補助金の交付、また講師となる市職員の派遣なども実施しております。このほか、洪水浸水想定区域に含まれます社会福祉施設や学校に対しましては、大雨の際の避難に関する計画の作成や、それに基づく訓練が適切に実施されるよう、関連する手引を作成するとともに、市職員の派遣など必要な支援を行っているところでございます。
また、子供たちの防災意識を高めることも重要です。そこで、学校と連携し、災害や避難行動などについて学習する防災教育についても実施しているところでございます。今後もこういった取組をより一層充実させ、洪水に対する自助、共助の力を高めてまいりたいと考えております。
187 【5番(佐藤祥平議員)】 先ほど外国人の取組で防災訓練を行っているというご答弁もございました。ぜひ地域コミュニティーの中でこのような防災意識の高まり、いざというときの取組を推進できるような取組を市としても進めていただけるようお願いいたします。
以上で質問を終わります。
(18番 窪田出議員 登壇)
188 【18番(窪田出議員)】 順次質問させていただきます。
まず、おくやみ相談窓口について伺います。昨年、我が会派の議員からお悔み関係専用の支援窓口設置に関して質問させていただきました。死亡に伴う手続は、それを行う遺族の精神的な負担は大きく、煩雑で多くの手続や労力もかかるため、遺族の心情に配慮した行政サービスを提供することは非常に重要なことであります。当時の答弁では夏頃を目途に相談窓口を開設するとのことでしたが、結果として令和2年11月におくやみ相談窓口として専用窓口が開設されました。開設1年が経過したわけでありますが、まず初めに開設後の状況について、また市民の反応等についてお伺いいたします。
189 【市民部長(木村由美)】 おくやみ相談窓口につきましては、昨年11月に市民課の窓口に開設し、亡くなった方や遺族の状況に応じて必要な手続を抽出し、申請書の作成、受付などを行い、関係する課へご案内しております。開設から本年10月末までの実績は延べ348件、月平均で29件の相談を受けております。利用者の反応でございますが、なるべく待ち時間を少なくし、遺族の不安と負担軽減を行うために予約制としており、事前に各課に連絡した上で、後期高齢者医療、介護保険、国民健康保険などに関係する申請書を一括で作成し、相談を行っていることから、申請手続を何度も繰り返す負担が減少し、大変好評を得ております。
190 【18番(窪田出議員)】 現在の運用では、事前の予約にて来庁、申請書は一括作成ですが、各手続についてはそれぞれの担当窓口で行うこととなっております。専用窓口となりましたが、ワンストップにはなっていないということであります。手続は市役所内で収まらず、税務署、法務局、年金事務所など数か所に及ぶものと承知しておりますが、他市ではワンストップサービスへ取り組んでいる事例もあると聞いております。そうした観点からも、見直すべき点は見直していくべきと考えますが、見解を伺います。
また、新型コロナウイルス感染症により、非接触型社会への対応や運用方法の構築も必要と考えます。こうした機会に、スマートシティを目指す本市においては、率先してオンラインによるワンストップサービスの構築化に向けた検討を図るべきと考えますが、併せて見解を伺います。
191 【市民部長(木村由美)】 全ての手続が完全なワンストップになっているわけではございませんが、本市のおくやみ相談窓口では、遺族の方の情報を事前にまとめて聴取し、必要な手続を抽出するため、遺族の方が関係のない担当課に出向く時間はなくなります。さらに、申請書を一括作成することから、担当課での申請書への記入等の時間も削減されます。そして、遺族の中には経済的、精神的な支えであった方を亡くしている場合もございますので、おくやみ相談窓口は遺族に寄り添うセーフティーネットの役割も担っております。また、遺族の状況に応じて、年金事務所、税務署、法務局などの国の機関において行う必要のある手続についてもご案内しております。
次に、現在のおくやみ相談窓口のオンラインによるワンストップサービスにつきましては、各課の電子申請などを統合的に進める必要もあることから、現状では難しい状況でございます。なお、国におきましても、遺族が行う手続の削減を目指し、死亡、相続ワンストップサービスなどについての検討が開始されておりますので、こうした動向を注視してまいりたいと考えております。
192 【18番(窪田出議員)】 ワンストップサービスのオンライン化に向けては、市役所内で横断的に手続が進むことが必要なわけであります。現状、窓口を担う担当課だけでは難しいという答弁でありました。さらに、国の動向を今後注視するという答弁もありました。先ほど来ほかの議員からもありますように、現在庁内においては、DX推進計画の下、10のワーキンググループが設置され、庁内のDX化に向けて走り出しているわけでありますが、本件については行政サービスの向上にも資する取組であると認識しております。そこで、取りまとめをしている大野副市長にこうしたワンストップサービスのオンライン化に向けた見解についてお伺いいたします。
193 【副市長(大野誠司)】 行政手続のオンライン化は、住民の皆様の利便性の向上という観点から優先して取り組むべき必要があるものと考えておりまして、前橋市DX推進計画の重点事業に位置づけております。令和7年度末までに全ての行政手続をオンライン化することを目標としております。この目標達成に向けまして、庁内に行政手続オンライン化ワーキンググループを設置しております。国が進める死亡、相続を含む各種ワンストップサービスのオンライン化など、所属をまたがる共通課題につきましても併せて検討していく予定でございます。
194 【18番(窪田出議員)】 期待するとともに、必ずその部分からこぼれてしまう市民の方もいらっしゃると思いますので、そうした受皿についても並行してお願いいたします。
手続のオンライン化、庁内のDX化の延長線上の話としまして質問いたします。現在、訃報状況については、市民が知り得るには、新聞からその情報を得ています。オンラインによるおくやみ相談の構築とともに、こうした情報についてもオンラインで取得できるようになることは、新聞離れ、インターネット社会に向けては必然の流れではと感じております。沖縄県では、社団法人がこうしたネット情報の発信を行っております。ICT化の先進都市を目指す本市においても、こうした取組について検討していくべきと考えますが、ご見解を伺います。
195 【市民部長(木村由美)】 本市の訃報状況につきましては、新聞などの各報道機関において個別に喪主の意向を確認した上で記事となり、周知されております。現在のところ市民からご質問の訃報状況についての要望や意見なども寄せられていないことなどから、近々に検討を始める状況にはございませんが、先進都市や社会の動向などを注視しながら研究してまいりたいと考えております。
196 【18番(窪田出議員)】 今後の研究課題ということであります。先ほど申し上げましたとおり、将来的には紙媒体としての新聞という存在もなくなる可能性もあるわけです。民間や業界団体等、協力の下、訃報状況の在り方についても、個人情報を含めてぜひ検討いただければと思います。私も会派を通じて調査研究していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
次の質問に移ります。本議会で議案として上程されております前橋市犯罪被害者等支援条例について伺います。まず、本条例案は、犯罪被害者等基本法により地方公共団体の責務として犯罪被害者の支援に関する施策の策定、実施が規定されていることを受けて策定されたものと承知しております。本市における具体的な条例策定に当たっての背景や経緯、また条例内容の特徴などについてお伺いいたします。
197 【総務部長(高橋宏幸)】 初めに、条例制定に当たっての背景や経緯についてでございますが、不幸にも犯罪被害に遭ってしまった場合、被害者やその家族は身体への危害などの直接的被害だけでなく、その後の周囲からの中傷などにより精神的苦痛を負うなど、二次被害に苦しめられることもございます。こうした現状を警察関係者や民間支援団体などから伺っていたことなどから、犯罪被害者等が平穏な生活に戻るまで庁内各関係課と連携して支援するとともに、民間支援団体などと協力し、地域社会全体で切れ目のない支援を行うことができるよう、犯罪被害者等基本法の理念を踏まえ本条例を制定しようとするものでございます。
次に、条例内容の特徴などについてでございますが、さきに制定されております群馬県の条例と比較いたしますと、経済的負担の軽減といたしまして見舞金の給付を盛り込んでいる点がございます。また、被害に遭われた方に適切な支援が行われますよう、関係機関との連携や職員の人材育成につきましても規定し、取り組んでまいりたいと考えております。
198 【18番(窪田出議員)】 見舞金という言葉がありましたが、次に支援策についてお伺いいたします。犯罪により、仮に家族の大黒柱的な方がご不幸となった場合には、残された方々は精神的な被害の上に経済的な負担がのしかかってくると思われます。そうした経済的な負担軽減など、具体的な支援策について、衣食住や就業面などを含めてどのように考えているのかお伺いいたします。また、その実施時期につきましても併せてお伺いいたします。
199 【総務部長(高橋宏幸)】 具体的な支援策についてでございますが、ご遺族に対する見舞金の支給のほか、日常生活の支援といたしまして、心身不調等に対する相談や子育てに対する各種支援などのサービスの提供、また犯罪などにより従前の住居に居住することが困難となった場合の市営住宅への入居における配慮、さらに関係機関などと連携した就業支援などが考えられます。犯罪被害に遭われた方への支援は様々なケースが想定されますことから、令和4年4月の施行に向け、関係機関との協定などの調整を進め、適切なサービスが提供できるよう努めてまいります。
200 【18番(窪田出議員)】 支援策の実施に当たりましては、総務部以外の福祉部や健康部などとの庁内横断的な取組が必要となりますので、その連携についてもよろしくお願いいたします。
最後に、県の条例では、県民理解の促進や学校における教育など、啓蒙、啓発に関する施策も展開することとしております。本市におけるその点の考え方についてお伺いいたします。
201 【総務部長(高橋宏幸)】 啓発等についてでございます。犯罪被害者支援におきましては、二次被害の防止の観点からも市民の皆様の理解が大変重要であると考えておりまして、条例の中で広報、啓発について規定しております。市民向けの啓発といたしましては、11月の犯罪被害者週間におけるパネル展などを通じて犯罪被害者等の支援の必要性について周知を行っておりますが、条例が制定された際には市広報や市ホームページなどを通じて啓発活動により一層取り組んでまいりたいと考えております。なお、学校におきましては、人権教育の中で重要課題の一つとして犯罪被害者支援についても取り組まれております。
202 【18番(窪田出議員)】 答弁においても、既に人権教育の中で犯罪被害者の置かれている状況を深めているということであります。がしかし、県の条例でもあえて学校教育に触れているということは、より一層の理解促進が必要ということだと思います。さらなる取組をお願いするとともに、こうした条例が本市にあるのだという市民周知や、当事者の方が支援策などを具体的に知って活用できるような周知面についてもよろしくお願いいたします。
この条例の制定は、県内では県、大泉町に次いでということになるわけです。全国で千七百余りの自治体の中で既に623の自治体で条例が制定されていると聞いておりますが、主に西日本の地域で多く、これは京都アニメーションの事件を受けてのこととも聞いております。今回の本市における本条例制定が、今後、県内他市町村での制定に向けた弾みとなることを期待しております。
次の質問に移ります。令和3年3月に前橋市地球温暖化防止実行計画が策定されました。国が掲げる2050年までに温室効果ガス排出量を全体としてゼロにする2050年カーボンニュートラルを受けてのことであります。これにより、本市も2050ゼロカーボンシティまえばしの実現を目指し、市民、企業、団体、行政が一体となって取り組むべきとして本計画が策定されたものです。この地球温暖化防止実行計画について何点かお伺いしてまいります。
まず初めに、本市の温室効果ガス排出状況を見ますと、国や県の平均値よりも民生部門の家庭用、業務用の比率が高く、国平均で全体の約3割のところ、本市では約4割が民生部門による排出となっておりますが、この点について当局はどのように捉えているのか伺います。同様に、運輸部門についても国平均で16.6%のところ、本市では29.8%と約3割を占めており、県平均26.3%も上回る状況ですが、併せて見解をお伺いいたします。
203 【環境部長(喜楽正一)】 本市の温室効果ガス排出量における部門ごとの割合について、国と比較して民生部門の割合が高い要因については、本市では産業部門や廃棄物部門の温室効果ガスが国よりも減少傾向にあるため、民生部門や運輸部門の排出量の割合が相対的に高くなっております。本市の民生部門における温室効果ガスの増加要因ですが、民生部門のうち家庭部門については、生活の単位である世帯数の増加によるもの、業務部門については、医療福祉分野、特に介護関係の福祉施設の増加に伴い、医療機器や冷暖房設備によるエネルギーの消費量が増加しているものと分析しております。また、運輸部門の排出量が国の平均を上回っている要因ですが、本市の運輸部門の排出量は99%が自動車由来となっており、鉄道に比べて輸送時のエネルギー効率が低いことから、こうした自動車依存による交通事情が排出量に影響しているものと分析しております。
204 【18番(窪田出議員)】 答弁では、民生部門の家庭用で割合が高い要因が核家族化によるもの、業務用では福祉施設の増加、運輸部門では自動車依存が高い都市であることが要因とのことであります。一方で、産業部門が顕著に減少しているということでもあります。近年ではEV自動車の普及も増加傾向であると思われます。本来であれば、自動車依存率が増えてもEV普及率が高ければ増加要因を抑制できるのではと思われますが、現状、市町村単位でのEV普及率の把握が困難だとも聞いております。やはり正確なデータが重要と考えますので、国や県への市町村単位での内訳についても把握できるよう要望していただきたいと思います。
次に、将来推計についてお伺いします。実行計画内では、将来推計は2013年の基準年より2030年の実績見込み値は12.9%削減されるとのことでありますが、その大きな要因は人口減少と推測するところですが、当局の見解をお伺いいたします。
205 【環境部長(喜楽正一)】 2030年度の将来推計ですが、部門別の推計では、産業部門が32.9%の削減、運輸部門が21.9%の削減であり、これらの影響が大きいものと考えております。特に産業部門の将来推計は業種ごとの出荷額やエネルギー消費量の実績などから算出しておりますが、産業部門のエネルギー消費量の約8割を占める製造業においては、近年の出荷額がほぼ横ばいであることから、排出量削減の要因としては、エネルギー消費量を抑える節電や高効率の省エネ設備の導入などの取組が進んでいるものと推測しております。また、運輸部門は、ご推察のとおり、今後の人口減少が要因となり自動車保有台数の減少が見込まれるものと考えております。
206 【18番(窪田出議員)】 次に、目標値についてお伺いします。本市では、2030年の削減目標値を2013年比で32.4%削減としております。これは、当時の国の目標値である26%削減と同様の削減率を当てはめた結果ということでありますが、気になる点としては、産業部門の削減率が国の6.5%に対して本市では32.9%と非常に高い削減率となっております。産業部門の温室効果ガス排出量の本市の割合は19.3%と、国、県の平均を大きく下回っております。また、そもそも産業部門は古くから省エネ設備の導入が国等の施策により普及しており、業界的には産業部門の省エネは固く絞った雑巾をさらに絞るようなものと言われてきました。結果として、さきに触れさせていただいた民生部門への省エネ、CO2削減の取組が現在は課題となっている中で、本市の削減率がなぜこのような数値となっているのかお伺いいたします。
207 【環境部長(喜楽正一)】 ご案内のとおり、国の計画における産業部門の削減目標は6.5%でしたが、本市は将来推計で32.9%の削減が見込まれていることから、国の数値ではなく、より削減率の大きい将来推計の数値を削減目標として採用いたしました。なお、国が今年10月に策定しました新たな地球温暖化対策計画では産業部門の削減率を38%としておりますので、本市の今後の計画の見直しも含め、この数値についても研究してまいります。
208 【18番(窪田出議員)】 目標値につきましては、本市の現状から将来推計を基に削減率を作成しているというわけです。本市の産業部門では、製造出荷額の推移からエネルギー消費量の削減推移を基にした削減率を算出した結果であるということですが、なぜエネルギー消費量が国平均や県平均よりもこれほど多く削減されるのかという要因が分かっていないとも聞いております。いずれにしましても、国も目標値を2030年に2013年比46%削減と見直して動いているわけですので、本市におきましても高い目標値をクリアしていかなければなりません。そのためには、各分野ごとのデータ整理や分析、例えば先ほど申し述べました自動車ではEVの市場台数や、産業部門ではどういった設備稼働によりエネルギー消費が削減傾向になっているのか、その効果や要因などをきちんと分析しなければ、本来であれば具体的な削減施策が打てません。ぜひそうした要因分析、データ整理を早急に実施していただくようお願いし、削減目標値の見直しの際にはぜひ反映していただくようお願いいたします。
次に、今後の施策の展開についてお伺いします。本市では、既に従前から太陽光発電や小水力発電の導入、EVスタンドの設置や住宅用太陽光発電設置費、高効率給湯器設置費、HEMS機器設置費の補助制度、市有施設へのESCO事業をはじめ、緑化推進、G活チャレンジや、最近では自己託送事業など、様々な取組を実施してまいりました。その上で今後もさらなる取組を実施していき、目標達成に向けて取り組んでいくわけでありますが、本来であれば先ほど申し上げた要因やデータ分析の下、各施策を具体的かつ実効的に実施していくべきであります。今回の計画内では、そうした施策として6つの施策を打ち出し、取り組むとしております。この6つの施策について、何点かに絞ってお伺いします。
まず、基本施策1と2の再生可能エネルギーの利用促進、省エネ型ライフスタイル等の推進では、住宅用太陽光発電と蓄電池の利用促進に取り組むとしておりますが、新たに補助制度などインセンティブ施策を図るつもりなのか。また、事業者への再生可能エネルギー導入に向けた側面的支援とは一体どういった支援を考えているのか。次に、地域マイクログリッドの構築に取り組むとしていますが、例えば中心市街地の再開発への導入など、具体的な検討すべき案件があるのか。さらに、公共施設への再生可能エネルギーや省エネ技術等を導入、検討するとありますが、例えば建設中の新議会庁舎や、既に実施設計済みの消防局の空調設備リニューアル工事などへの設置の考えはあるのか、全て併せてお伺いいたします。
209 【環境部長(喜楽正一)】 再生可能エネルギーの利用促進や省エネ型ライフスタイル等の推進のための助成事業につきましては、今年8月にこれらの事業をご利用いただいた市民を対象に事業効果や今後のニーズの調査を行ったところでございますが、ニーズがありながら普及が進んでいない機器で、省エネの効果が高いものへのインセンティブ、すなわち導入の動機づけについても検討してまいりたいと考えております。
また、事業者に対する側面的支援としまして、再生可能エネルギーの導入に当たり、関係法令に基づく指導、助言などの支援を行うとともに、地域マイクログリッドの構築についても、現在具体的な案件はございませんが、先進事例の調査を行うなど、事業化に向けた研究を進めてまいりたいと考えております。
さらに、市有施設への再エネ、省エネ設備の導入状況ですが、新議会庁舎においては、50%以上の一次エネルギー消費量の削減に適合した、いわゆるゼブレディ化を実現し、消防局においても新たな設備の導入に向けて手続を進めているところです。
210 【18番(窪田出議員)】 補助金などのインセンティブ制度は、行政が行う最大の施策の一つであります。国や自治体のこうしたインセンティブ施策により高額な省エネ、再エネ機器などのイニシャルコストを低減させ、普及ベースの到達点に早期に持っていくことが温室効果ガス削減の近道でもあります。ご承知のとおり、それには予算もかかる話でありますので、規模や額などあらゆる面でご検討いただき、住宅ではゼッチ、業務用ではゼブなどの普及の後押しとなるようご検討いただき、また側面的支援においては、企業努力が将来的に金融機関を含めたESG投資などの対象となり得るような的確な助言、アドバイスを行っていただくようお願いいたします。
次に、施策6の環境教育・普及啓発活動の推進についてですが、まず小中学校における環境学習についてです。今回の実施計画では、SDGsと基本施策をひもづけて策定されています。SDGsについては、学校の授業においても既に学んでいると聞いておりますので、本計画の趣旨を伝え、理解を深め、自ら取り組む姿勢を考え、さらにそれを行動に結びつけやすくなるのではと考えますが、本市として学校への環境学習をどのように行うのか伺います。また、その担い手の育成についても併せて伺います。
211 【環境部長(喜楽正一)】 小中学校における環境教育、環境学習においてもSDGsの視点を取り入れていくことは重要であることから、主に小学生がいる家庭を対象に省エネなど環境に関する取組を行っていただくまえばし環境家族においては、SDGsのゴールのアイコンを事業に位置づけ、家庭での取組がSDGsの達成につながることを認識できるような工夫をしております。ほかにも、実行計画を活用した学習により本市の取組についても理解を深めていただくことを目指し、児童文化センターにおける環境教室や環境冒険隊など、小中学生を対象とした環境教育の場においてもSDGsの視点を取り入れ、効果的な学習へと発展できるよう、環境教育を行う上で必要不可欠な課題である担い手の育成と併せて、教育委員会とも連携しながら取り組んでまいります。
212 【18番(窪田出議員)】 この質問の最後に、市民への啓発活動について伺います。ホームページやSNSを活用した情報発信が主たる啓発活動となると推察しております。この啓発活動は、子供たち同様に、さらにプラスして先ほど述べさせていただきましたインセンティブの情報や市の取組状況など、市民へ伝える非常に大切な手段、取組であります。そうした情報発信について、今後、例えば先ほど挙げました市有施設への設備導入や、その設備導入によりどの程度CO2が削減となるのかなど、今までとは違った角度での情報発信も必要なのではと考えます。当局の見解を伺います。
213 【環境部長(喜楽正一)】 市民への啓発活動ですが、これまで省エネ、低炭素型の製品やサービス、行動などをクールチョイスの推進のためSNSやラジオ放送などを活用して啓発を図るとともに、市有施設への太陽光発電設備の導入状況や、市の事務、事業から排出される温室効果ガスの総量と主な要因を事業概要であるまえばしのかんきょうに掲載し、市ホームページで公表しております。今後の啓発活動につきましては、ただいまいただいたご意見の内容も踏まえながら、啓発手法や内容のさらなる改善を図ってまいります。
214 【18番(窪田出議員)】 本市の地球温暖化防止実行計画について何点かお伺いしてまいりました。今後は、施策の具体的な展開により、一にも二にも温室効果ガス削減に向けた実行力のある施策の展開となるよう、市民、企業、団体の力も借りて推し進めていくことが大切であります。県においては、一定規模以上の企業の施工案件について、再生可能エネルギー発電設備設置義務を盛り込んだ条例が来年2月の県議会で議論されると聞いております。本市においても、実効性の高い施策の展開について、各分野ごとの要因やデータの分析を詳細に行っていただき、効果的なインセンティブ制度の導入や、県のように条例制定などによる制約的な政策の検討も必要なのではと考えます。本音の部分では、なかなか自治体レベルでの妙案というのは過去の歴史からも難しいのかもしれませんが、ぜひ思い切った大胆な政策の展開を図っていただき、目標達成を現実的なものとしていただくよう要望させていただきます。
次の質問に移ります。行財政改革推進計画では、民間委託等の推進、業務改革、事例改善、公共施設の効率化、最適化の方針の下、現在も運営を行っているものと承知しております。そうした中で、10月、11月の常任委員会の報告事項で、生活課からMサポの直営化、生涯学習課からは第二、第三、第五コミュニティセンターの直営化について報告がされております。直営化に関する理由については、各課から報告いただいたように、一定程度理解するところであります。こうした事例は、一見すると民間委託等の推進の方針と逆行しているようにも見えますし、単に物件費から人件費への付け替えにも見えるわけです。そもそも民間委託等の推進は、総務省からの積極的な指導もあり、交付税の算定においても重要なポイントになるのではと考えます。今後の方針を含めて、行財政改革を所管する総務部の見解をお伺いいたします。
215 【総務部長(高橋宏幸)】 行財政改革推進計画につきましては、民間にできることは民間に任せる、これを基本的な考え方といたしまして進めてきておりますので、方針が変更になったわけではございません。大前提といたしまして、最小の経費で最大の効果を上げられる方法を常に考えていくことが大変重要なことと捉えているところでございます。そこで、民間委託等に当たりましては、業務の効率化、経費の節減や再任用職員等の活用を含めた職員配置の適正化、また市民サービスの向上などの観点から総合的に判断して委託等の可否を決定しております。今回、市民活動支援センターとコミュニティセンターの運営方法について、運営委託による経費と直営による経費を比較し、また再任用職員の活用などを踏まえ、業務の効率化や市民サービスの向上が図れると判断し、令和4年度から直営化に戻すことを決定したところでございます。今後も引き続き、最小の経費で最大の効果が上げられるよう、業務の検証を続けてまいりたいと考えております。
216 【18番(窪田出議員)】 清掃事業や給食センターなど民間委託が進む中で、今回のように行政事務の効率化、コスト削減の観点から時には直営化に戻すという判断については、一定の評価をさせていただきます。今後についても、ただいたずらに民間委託を推し進めるのではなく、こうした検討を引き続き都度行っていただいて行財政改革に取り組まれるようお願いいたします。
最後に、公共交通政策についてお伺いします。平成30年3月に地域公共交通の活性化及び再生に関する法律に基づき前橋市地域公共交通網形成計画を策定し、各種施策に取り組んできましたが、令和2年11月の法改正に伴い同計画を一部修正し、本年6月に前橋市地域公共交通計画を策定し、市民の利便性向上、人口減少社会への対応、交通弱者救済等の観点から既に取り組まれていることは承知しております。この新たな公共交通政策の展開に大いに期待するところであります。
そうした中で1点質問させていただきます。地域公共交通計画内では、施策の5─1としましてパーク・アンド・ライド等の推進を掲げております。この施策は一定程度、先ほど質問させていただきましたが、環境問題の負荷低減に資するものであり、公共交通利用促進による公共交通そのものを維持させるためにも必要不可欠な取組であると考えます。施策の展開事例としては、JR前橋駅北口にできた駐車場によるパーク・アンド・ライドをはじめ、他のJR駅においても展開されておりますが、一方で上毛電鉄の各駅周辺においては本施策のさらなる展開が必要と考えますが、当局の現状までの取組と今後についてお伺いいたします。
217 【未来創造部長(青木一宏)】 上毛電鉄の駅前駐車場の現状についてでございます。上毛電鉄が上泉、江木、大胡、北原、粕川の各駅に整備や管理をしており、上毛電鉄利用者の方は無料でご利用いただけるという状況になっております。本市におきましても、大胡駅前公園に月ぎめ専用駐車場を整備いたしまして、上毛電鉄が整備した駐車場と併せて本市ホームページ等で周知を行っているところでございます。パーク・アンド・ライドをこのように推進しているところでございます。今後も上毛電鉄の活性化や利用促進策を検討していく中で、パークアンドライド駐車場が整備されていない駅についても引き続き整備を検討してまいりたいと考えております。
218 ◎ 休 憩
【副議長(富田公隆議員)】 この際、暫時休憩いたします。
(午後2時45分)
219 ◎ 再 開
(午後3時12分)
【議長(横山勝彦議員)】 休憩前に引き続き会議を開きます。
総括質問を続けます。
(11番 堤波志芽議員 登壇)
220 【11番(堤波志芽議員)】 まず、空き家対策について質問させていただきます。
人口減少や高齢化により、日本では空き家の数が増え続けております。空き家には様々な種類がありますが、中でも問題となっているのが放置された状態の管理不全の空き家です。管理されていない空き家は、地域の景観を損ねるだけでなく、安全面、衛生面、治安面からも深刻な社会問題となっております。本市でも管理が行き届いていない空き家を指導するに当たり、所有者が死亡している場合は相続調査を行い、管理義務者の特定が必要になると思いますが、調査における所有者情報について、庁内の情報共有はどうなっているのかをお伺いいたします。
221 【都市計画部長(金井秀人)】 所有者情報の庁内の情報共有についてでございますが、空家等対策の推進に関する特別措置法第10条に情報の利用に関する規定があり、戸籍や住民票の公用請求や納税通知書の送付先照会など、他部署の協力を得て所有者の情報収集を行っております。また、市民からの通報により道路担当課などへ空き家敷地の樹木繁茂による連絡が入ることもあり、空き家に関する条例や法律に基づき所有者へ指導を行っております。
222 【11番(堤波志芽議員)】 特別措置法の施行により、所有者情報について限定的に内部利用できるようになりましたが、空き家解消にはまだまだ十分であるとは言えません。空き家に関する補助金等の措置を講ずるなどの努力をしているものの、抜本的な対策に至っておらず、市が所有者に代わって空き家の解体、撤去をする、いわゆる代執行ができるとされていますが、手続の大変さや財政圧迫になるという現実もあります。現在、本市においても特定空家が11件あると聞いておりますが、このような管理不全の空き家の指導には、空き家に関する法律だけでなく、関係する諸法令の活用など、広い知識が必要だと感じます。そこで、令和元年6月1日に施行された所有者不明土地特措法による空き家対策についてお伺いいたします。
223 【都市計画部長(金井秀人)】 所有者不明土地特措法による空き家対策についてでございます。空き家の管理については、所有者の責務として実施してもらう必要がありますが、近年、相続人不存在となる空き家が増加しており、指導を行う対象者がいない場合もございます。こうした解決困難なケースにおいて、所有者不明土地特措法による相続財産管理人制度を活用して解決している自治体もございますので、本市においても、空家法における代執行と併せ、個々のケースによって最善な制度を活用しながら空き家問題を積極的に解決していきたいと考えております。
224 【11番(堤波志芽議員)】 関連法の改正により、今後不動産登記が義務化されていくとも聞いております。本市でも、指導業務に加え、周囲に重大な影響を及ぼす危険な空き家の発生自体を予防することも重要であると思いますが、本市はどのような施策を講じているのかお伺いいたします。
225 【都市計画部長(金井秀人)】 危険な空き家の発生自体を予防する施策についてでございますが、平成30年度から、高齢者が居住している住宅で、屋根や外壁などの外装部を修繕する場合、その工事費の一部を支援する制度を実施しております。空き家になると老朽化のスピードも加速するため、危険空き家となる前の予防対策として重要な事業であると考えております。
226 【11番(堤波志芽議員)】 非常に申込みの多い事業であると聞いております。空き家の増加は、少子高齢化の進展や人口異動の変化などを背景に年々増加の一途をたどっており、今後も増え続けていくことが予想されることから、さらなる対策が求められます。本市としても、国の法改正に対して迅速に対応していくためにも、今後組織の体制づくりの強化もぜひともご検討いただきますよう、よろしくお願いいたします。
次に、道路環境の整備についてお伺いいたします。前橋市内には多くの防犯灯が設置されており、市民の安心、安全を担っております。前橋市LED防犯灯ESCO事業で設置したLED防犯灯については、令和5年6月末に10年間の委託契約が終了となると思います。そこで、委託契約終了後のLED防犯灯の更新の考え方についてお伺いいたします。
227 【総務部長(高橋宏幸)】 前橋市内には、ESCO事業によりまして約2万3,000灯のLED防犯灯が設置されておりますので、この防犯灯の全灯更新につきましては多額の費用が発生いたします。つきましては、既存防犯灯の状況を確認するとともに、LED防犯灯の耐用時間が6万時間ということでございますので、こういったことを考慮しながら、適切な更新時期、更新方法を見極めて、市民の皆様が安心して暮らせるよう取り組んでまいりたいと考えております。
228 【11番(堤波志芽議員)】 ぜひともしっかりと更新方法を見極めていただき、市民の安心、安全を守っていただきますよう、ご検討よろしくお願いいたします。
また、街路樹についても、本市では延長で約120キロメートル、本数は中高木で約1万2,000本を管理していると伺っております。街路樹は、走行路線に沿った運転者の視線誘導や歩車道の分離など、交通安全の確保や、樹木による都市景観の向上、ケヤキ並木のようにランドマークになるなどの修景効果があり、良好な道路環境の形成に必要なものであると思います。しかし、長い年月とともに大木化しているものも多く、それらは一見すると見事でありますが、ふと足元を見ると、根が舗装を持ち上げ、舗装を割り、段差をつくるなどの弊害が生じております。このような事象について、道路の安心、安全な通行を確保するため、どのように街路樹を管理し、対応しているのかお伺いいたします。
229 【建設部長(長岡道定)】 街路樹の中には植栽後40年以上経過しているものもあり、樹木の根上がりにより歩行者や自転車の転倒を誘発したり、ベビーカーや車椅子利用者の通行に支障となることがございます。街路樹の管理におきましては、職員や街路樹管理業務受託者のパトロールにより異常を早期に発見するように努め、根上がりによる被害が懸念される場合においては原因となる根を除去する必要があることから、やむを得ず樹木の伐採を行った上で舗装補修するなど、関係課で連携を図りながら安全を確保しております。
230 【11番(堤波志芽議員)】 比較的歩道が狭かったり、また歩道から車道までの幅がない箇所で根上がりの危険箇所が確認されますが、夜間や悪天候時など見えにくいときは特に危険を感じます。とはいえ、ご答弁のとおり簡単に解決できる課題でもない中で、道路の拡幅や区画整理など、これから植えていく樹木に関しては、何をどういった方法で植えたらいいのかを引き続き検討していただきますようお願いいたします。
続きまして、地域の諸課題について伺っていきます。旧中央小学校の跡地については、地元とも調整しながら跡地活用について取り組んでいただいているものと承知していますが、直近では本年12月1日より事業者の応募登録が開始されたとのことで、改めて今までの取組状況と今後のスケジュールについてお伺いいたします。
231 【未来創造部長(青木一宏)】 旧中央小学校の跡地のこれまでの取組と今後のスケジュールについてでございます。中央小学校の閉校後、令和2年度に、跡地の有効活用に向けて地元から要望等の聞き取りを行うとともに、市場性の有無や公募での事業成立の可否を把握するために対話型市場調査を実施いたしたところでございます。この結果を受けまして、本年6月に大学や専門学校、介護施設、保育園といった公共的な施設としての活用と既存建物の活用を基本とした公募方針を示しまして、9月1日に事業者公募要領を公開いたしました。12月1日から事業者の応募登録の受付を開始いたしまして、12月13日から24日までの期間で企画提案書を受け付け、一次審査を行う予定となっております。一次審査の結果につきましては、令和4年1月に提案者に通知いたしまして、1月中旬にプレゼンテーションによる二次審査を行いまして、2月中に優先交渉者を決定する予定となっておるところでございます。その後は、優先交渉者と基本協定を締結いたしまして、続けて事業契約に伴う協議及び議会や地域への説明を行うとともに、状況によっては議案として市議会に提出し、事業契約を締結したいと考えております。なお、事業内容の調整が調わずに契約に至らなかった場合には、募集の条件を再度検討することになっております。
232 【11番(堤波志芽議員)】 跡地活用について順調に進んでいることに感謝いたします。
募集要項の中で賃料等に対して減額提案を認めており、一方で、解体する場合には経費負担を求めているようです。そこで、提案者の賃料その他の経費の負担に関する考え方をお伺いいたします。
233 【未来創造部長(青木一宏)】 提案者の賃料及びその他の経費負担の考え方でございます。まず、更地の賃貸借基準額を月額204万6,000円とし、土地、建物の賃貸借基準額を月額644万9,000円としております。賃貸基準額以上の提案があった場合には、解体費用や大規模改修については市が負担するものということになっております。また、ご質問のとおり、募集要項では減額の提案を認めておるところでございます。仮に提案額がゼロであった場合には解体費及び大規模改修費を提案者負担としまして、見込額の金額で解体費1.5億円、大規模改修費7.5億円分の市の負担が軽減されるという内容となっております。
234 【11番(堤波志芽議員)】 研究していただいた結果かと思いますが、いずれにしても大きな金額であることから、慎重に進めていただきますよう、よろしくお願いいたします。
この質問の最後に、公募要項の中で地域貢献が重要と記載がありますが、具体的にどういったものを想定しているのかをお伺いいたします。
235 【未来創造部長(青木一宏)】 公募要項の地域貢献に関してでございます。地域貢献については審査項目に定めており、今後地域に根差していく事業として重要な項目であるということで認識しております。公募要項には、地域住民あるいは市民を対象とした相互交流の内容が長期的に地域と良好な関係を築いていくものであるということとしておりまして、具体的には、避難場所としての利用やグラウンドゴルフ等の地域交流、石碑の設置について記載しているところでございます。
236 【11番(堤波志芽議員)】 事業を進めるに当たり、以前地元の自治会連合会より要望書を提出させていただいた内容を踏まえていただいていることに感謝いたします。引き続き説明を丁寧に進めていただきますとともに、この事業を通して中心地のにぎわい創出につなげ、それが本市全体の利益となるような視点で進めていただきますよう、よろしくお願いいたします。
続きまして、朝日町三丁目に所在する消防団第3分団1部の車庫詰所の建て替えについてお伺いいたします。建築後、年数が経過し、相当の老朽化が認められるとともに、参集した消防団員の駐車スペースに苦慮している状況と聞いております。隣接する旧日赤病院跡地では順調に建築工事が進み、周辺道路の拡幅など、近隣の環境が大きく変わろうとしている中で、第3分団1部車庫詰所の今後の改修計画について、当局の考え方をお伺いいたします。
237 【消防局長(清水征己)】 消防団第3分団1部車庫詰所の今後の改修計画についてでございます。当該車庫詰所は、昭和58年に建築され、築38年が経過しております。消防団車庫詰所につきましては、65年をその目標使用年数として、施設ごとに劣化度を確認し、順次改修を進めております。部分的な劣化に対しては、リフォーム工事により機能維持を図ることを基本としておりますが、不便な点がある車庫詰所の場合は新築移転を検討させていただく場合もございます。第3分団1部車庫詰所の状況につきましても、議員さんご承知のとおり、敷地や建物が狭く、消防団員の駐車スペースがないなど、活動上不便な点がございますので、新築移転も視野に入れ、関係部課と連携し周辺環境の情報収集に努めるとともに、消防団と十分に協議、検討を進めてまいりたいと考えております。
238 【11番(堤波志芽議員)】 周辺状況の変化もある中での検討ということで、逆に難しいところもあると思いますが、ぜひとも当該の部員の方々、また住宅地であることから、夜間の出動なども踏まえ、周辺住民の意見もしっかりと聞いていただいた上で、最善の結果となりますようお願い申し上げます。
隣接する旧日赤病院跡地では施設建築が進む中、オープンに向けた地域の期待が高まっております。生涯活躍のまち基本計画では、ハード整備に加え、コミュニティーや生きがい創出を目的としたソフト事業を位置づけていますが、コンセプトでもあります全世代活躍みんなが主役のまちづくりの実現にはソフト事業の展開が重要と考えております。そこで、ソフト事業展開の中心となる仮称、まちづくりクラブの現状についてお伺いいたします。
239 【都市計画部長(金井秀人)】 仮称、まちづくりクラブの現状についてでございますが、現在、旧日赤病院跡地の区域内の事業者だけでなく、趣旨に賛同するその他の民間事業者や市内の大学等も含め、具体的な取組内容について協議を進めているところでございます。また、当該敷地内に整備予定の公園を対象に、パークPFIによる事業者公募を行ったところ、コミュニティー創出に取り組む意欲のある地元NPO法人の参画が決定したことにより、まちづくりクラブの活動の中心的な役割を担っていただくこととなり、年明けの1月の組成に向けて準備を進めているところでございます。
240 【11番(堤波志芽議員)】 商業施設に入居するテナントをはじめ、仮称、まちづくりクラブに関わる各事業者がどのような取組を行うのか、仮称、まちづくりクラブの今後の取組についてもお伺いいたします。
241 【都市計画部長(金井秀人)】 仮称、まちづくりクラブの今後の取組についてでございますが、地域と連携しながら、民間主体のクラブとして自立し、継続した取組を進めていくことが大変重要であると考えております。そのため、健康、介護、生きがいづくりといった事業コンセプトに沿った認知症サポート養成講座や子ども食堂、マルシェなどの自主事業を展開していただく予定でございます。また、市内の大学と連携しながら店舗の一部に健康測定機器を設置し、現状の健康状態に合わせた運動への継続的な参加を促すほか、高齢者には介護予防であるフレイル対策につなげる取組も行うと伺っております。
242 【11番(堤波志芽議員)】 敷地内の関係事業者だけでなく、大学や民間企業など多くの事業者が参画いただけることに期待しておりますが、ぜひとも周辺の住民ともしっかりと連携を取りながら、一緒になって進めていただきますよう、よろしくお願いいたします。
次に、国道17号群馬大橋拡幅事業についてお伺いいたします。国道17号は、東京新潟間をつなぐ広域幹線道路であるとともに、前橋高崎渋川間の通勤、通学など、地域の経済活動、社会活動にとって欠かせない重要な道路であります。しかしながら、地元であります本町一丁目交差点から表町一丁目交差点の区間については、ボトルネックとなっていることから、前橋テルサ前や本町5差路など周辺道路を含めて朝夕のラッシュ時には激しい交通渋滞が発生しております。本区間は、国土交通省による群馬大橋拡幅事業の事業区間でありますが、当該事業の状況についてお伺いいたします。
243 【都市計画部長(金井秀人)】 群馬大橋拡幅事業の状況についてでございますが、当該事業は、国道17号の交通量増加に伴う交通混雑解消のため、国土交通省によって元総社一丁目NHK前交差点から商工中金のある本町一丁目交差点までの2.4キロメートルの区間について6車線化する計画として平成元年に事業化され、これまでに石倉三丁目交差点から表町一丁目交差点間が拡幅されており、暫定5車線で開通されております。ご指摘の渋滞区間につきましても、順次国土交通省により拡幅を進めていくとお聞きしております。
244 【11番(堤波志芽議員)】 渋滞による交通事故や経済活動への影響など、本事業は長年の懸案であり、地元地域からも早期の着工を要望しております。特に拡幅は、車道だけでなく歩道においても歩行者が通行しやすくなるよう改良することに期待しております。また、今後本町5差路の改良も検討されていく中においても、迂回路としての重要な起点となります。早期の拡幅について国土交通省へ働きかけていただきますよう、よろしくお願いいたします。
次に、広瀬川周辺の取組についてお伺いいたします。現在、広瀬川河畔の前橋文学館周辺においてアーバンデザインに基づくハード整備が進められ、日々の工事の進捗や前橋デザインコミッションによる前橋レンガプロジェクトなどにより市民の期待が高まっております。来年度には太陽の鐘から中央前橋駅周辺までの整備が予定されています。にぎわいを創出するためには、ハードだけでなく、同時にソフトの取組や民地との連携が重要だと考えておりますが、当局の見解をお伺いいたします。
245 【都市計画部長(金井秀人)】 広瀬川周辺におけるソフトの取組についてでございますが、昨年度から実施している公共空間利活用の社会実験を引き続き継続しながら、民間による飲食イベントやマルシェなどを日常的に実施できるよう進めてまいりたいと考えております。また、広瀬川周辺の民地との連携につきましては、遊休不動産の利活用によるリノベーションまちづくりの取組によって複数の事業家が立ち上がっており、今後も官民で連携しながらにぎわいの創出に努めてまいりたいと考えております。
246 【11番(堤波志芽議員)】 本市の資産とも言える広瀬川を活用しながら、周辺の活性化につながることと期待しておりますが、今後は城東町や三河町などの中央前橋駅周辺の活性化にもつながっていくよう、ぜひともよろしくお願いいたします。
広瀬川河畔整備や沿道のリノベーションまちづくりが進む中、馬場川通りにおいても、前橋デザインコミッションが中心となり、遊歩道公園の整備計画が進められております。先日の馬場川通りの社会実験では、一部車両通行止めにしてマルシェやチョークアートなどを実施し、多くの人々の交流を生み出した一方で、日常生活で道路を通行する地域住民に配慮する必要も重要であると感じました。今後、再開発事業をはじめ民間主体のまちづくりを進めるに当たり、中心市街地全体を見据えた道路空間の在り方について考えていくことが重要であると認識しておりますが、当局の見解をお伺いいたします。
247 【都市計画部長(金井秀人)】 中心市街地全体の道路空間の在り方についてでございますが、官民で議論を重ねながら策定いたしましたアーバンデザインでは、歩行者や自転車がより便利に移動できる街なかの実現を目指しております。そのためには、広瀬川や馬場川などで実施した車両通行止めによる社会実験を繰り返しながら周辺への影響等を検証するとともに、関係権利者との合意形成を図っていく必要があると考えております。今後もこうした社会実験の検証結果を踏まえながら、中心市街地全体の道路空間の在り方について、官民でしっかり連携し、協議しながら検討を進めてまいりたいと考えております。
248 【11番(堤波志芽議員)】 先日、会派で中核市サミットに参加してまいりました。松山市の取組の中で、メイン通りである花園町通りでは、以前4車線であった車道を7年かけて歩道を広くし、車道を2車線にしたとのことで、人の集まる空間をつくったとの紹介がありました。道路を最大の公共空間と表現していたのが印象的です。車社会の本市において、歩行者や自転車との在り方は、道路だけでなく、駐車場も含めて課題があると感じます。民間主体のまちづくりの中で街なかが変わろうとしている今、変化に伴いいろいろな課題も出てくることと感じますが、地元地域、そして周辺住民も含め、関係団体としっかりと連携を取りながら進めていただきますよう、よろしくお願いいたします。
今までも中心市街地の活性化は本市の大きな課題の一つでありました。この中で様々な取組を進めてきていただいたわけですが、それらの取組を計画的かつ着実に進めていくための計画、前橋市中心市街地活性化基本計画が今年度をもって計画期間5年の最終年度を迎えます。そこで、この計画に位置づけられた各種事業は計画どおり進められてきたのかお伺いいたします。
249 【産業経済部長(中畝剛)】 平成29年度に策定いたしました前橋市中心市街地活性化基本計画は、まちの文化芸術交流を高める、まちの職住近接性を高める、これは街なかで働き、街なかに住むという職住でございます。まちの経済活力を高める、まちのデザイン力を高めるといった4つの基本方針の下、中心市街地のまちづくりに向けた106の事業を位置づけ、取り組んでまいりました。その中には、立地適正化計画や都市再生整備計画を新たに策定し、国からの各種支援を最大限に活用しながら着実な事業の遂行を図ってまいりました。その結果、計画の最終年度を迎えた今年度におきまして事業を完了したもの、また継続中のものとありますが、101の事業を実施してまいりました。また、事業着手できなかった5つの事業につきましても、それら事業を補完する関連事業を実施してきたことにより、本計画に位置づけたほぼ全ての事業が計画どおり進められてきたものと認識しております。
250 【11番(堤波志芽議員)】 これらの事業は、行政が中心となって進めてきた事業がほとんどでありますが、その一方で、民間組織によるまちづくりへの機運の高まりは、本市をはじめ、全国的に広がってきました。行政主導のまちづくりから民間が主体のまちづくりへと変わり、計画段階から実践段階へとつながってきているのを感じております。中心市街地活性化基本計画をはじめ、立地適正化計画や都市再生整備計画などのまちづくりの計画に一元的にまとめていくことを視野に入れながら、今まさに進めている民間主導のまちづくりを進めていくことが大切であると考えますが、当局の見解をお伺いいたします。
251 【産業経済部長(中畝剛)】 現在、街なかでは、計画ありきではなくて民間の積極的な取組を体感、実感してきております。また、中心市街地の活性化に向けては、商業振興のみならず、まとまりのある居住や効率的な都市機能の誘導、そして公共交通の充実など、広くまちづくりを一体的に進めることが必要であると考えております。これまで策定してまいりましたまちづくり計画を整理し、特に中心市街地における取組につきましては、現在活動しております都市再生推進法人である前橋デザインコミッションや前橋市まちづくり公社などによる取組を尊重し、引き続き行政としてできる支援は行いながら、官民共創でまちづくりを進めてまいりたいと考えております。
252 【11番(堤波志芽議員)】 これまで多くの方たちの意見、要望を取り入れ策定してきた中心市街地活性化基本計画でありますが、実施の段階においては民間が主体的に取り組み、官民連携で取り組むという形でなかなか進められず、結果、行政主体の取組となっていたと感じております。このような中で、新たなまちづくりの方針、前橋市アーバンデザインが策定され、民間主導のまちづくりを掲げ、その具現化に取り組む民間まちづくり会社を中心に様々な取組が実施されてきました。まさに行政主導から民間主導へ、また計画から実践へ切り替わるタイミングであります。民間主導のまちづくりを進めるための各種支援や体制の整備をお願いするとともに、まちづくりを進めるための計画が複数ありますが、中心市街地活性化基本計画だけでなく、まちづくりビジョンを持って取り組んでいただきますよう、引き続きよろしくお願いいたします。
こういった民間主導のまちづくりの中で以前より質問させていただいている街なかの2つの広場についてもお伺いいたします。事業提案型プロポーザルにより売却したQのひろばと、もてなし広場ですが、これからどうなるのか、地元地域をはじめ、多くの関心を寄せてきておりますが、まず現状からお伺いいたします。
253 【産業経済部長(中畝剛)】 まず、Qのひろばにつきましては、商業機能と居住機能を併せ持った複合型施設が建設されることとなっており、1階フロアにテナントスペース、2階から4階までのフロアに居住スペースの4階建ての建物になると伺っております。工期はおよそ1年で、来年12月の竣工を目指し、地元の自治会や商店街などには、本工事が始まるに当たり、先月12日に事前説明を行い、早期の竣工を期待する声をいただいていることもまた伺っております。
また、もてなし広場につきましては、所有権の移転先企業との和解が10月1日付で成立したとの報道を受け、登記簿を確認したところ、移転先企業の所有権が抹消していることは現在確認できました。
254 【11番(堤波志芽議員)】 Qのひろばについては、地元地域や周辺商店街から居住機能と商業機能などの要望に沿う形で進められており、感謝いたします。街なかの新たなランドマークの完成を期待するところでありますが、一方、もてなし広場については、新たな所有者が決まっていない中で、今後どのように対応していくのかお伺いいたします。
255 【産業経済部長(中畝剛)】 もてなし広場につきましては、中心市街地の空洞化対策を目的に事業提案型プロポーザルを実施し、提案された複合型ボルダリング施設整備事業を決定し、売却したわけですが、新たに所有される事業者が決まり次第、プロポーザル審査会からの要望でございます周辺地域と調和できるような建物構造やデザインの採用、地元対象の説明会の開催を伝えながら、街なかのにぎわい創出につながる事業の実施に向け検討いただくよう、市といたしましてもお願いしてまいりたいと考えております。
256 【11番(堤波志芽議員)】 立地もいい場所であることから、にぎわいに資する活用に理解していただけるよう、引き続きお願いいたします。
次に、前橋城大手門の石垣についてお伺いいたします。今年2月に本町一丁目の建築工事現場から前橋城の大手門の石垣が発見され話題となり、3月の総括質問でも保存公開へ向けて要望させていただきましたが、現在の状況と公開に向けての考え方について伺います。
257 【教育次長(藤井一幸)】 本町一丁目の建築工事現場から発見されました前橋城大手門の石垣につきましては、現在、石垣の上に人工地盤を設置する工事を実施しております。人工地盤設置工事終了後は、一旦埋め戻しを行い、現状保存を図りますが、将来的には、地権者や関係部署と協議を進めながら、市民が石垣を外側から見ることができるような整備を検討してまいりたいと考えております。
258 【11番(堤波志芽議員)】 地元地域からも保存公開に向けて要望されております。地元のみならず、本市の歴史文化遺産を守っていく意味でも、前向きにご検討いただきますよう、よろしくお願いいたします。
駅前に移りまして、アクエル前橋の学習室についてお伺いいたします。開設して半年が経過しましたが、そこでまず高校生学習室の利用状況をお伺いいたします。
259 【指導担当次長(都所幸直)】 前橋市高校生学習室の利用状況でございますが、11月30日現在で利用登録者数は1,407人でございます。学校別の内訳は、前橋女子高校が415人、県立前橋高校が273人、前橋南高校が80人、前橋育英高校が66人、市立前橋高校が64人と続いております。高校所在地別に見ますと、前橋市内にある高校の生徒が全体の約4分の3、市外に通学している生徒が約4分の1となっております。
次に、利用者数でございますが、5月から11月までの延べ利用者数は1万1,862人でした。新型コロナウイルス感染症に関する群馬県独自の警戒度が高かった期間は座席数を減らしておりましたが、現在は130席で運営しております。学校の期末テストが集中した11月下旬には、ほぼ満席の状況が続きました。
260 【11番(堤波志芽議員)】 非常に利用者が多いことに驚いておりますが、学習室は市内でも民間事業者で運営しているところもあります。行政だからできる展開に期待するところでありますが、来年度に向けた展望をお伺いいたします。
261 【指導担当次長(都所幸直)】 来年度に向けた展望でございますが、高校生学習室では、現在、新型コロナウイルス感染症の感染状況が落ち着いてきたことから、自主学習のための利用に加え、高校生の交流事業も実施しております。今後、高校生による運営委員会を組織して、高校生のアイデアや自主性を大切にして、運営委員会主催イベントや高校生のニーズを捉えた事業を実施するなど、学習室を使った活動の幅を広げていきたいと考えております。また、地域ボランティア活動への参加促進や市内企業との連携事業の実施などを通して主体性や社会性を育み、郷土愛の醸成や地元定着への一助にしたいと考えております。
262 【11番(堤波志芽議員)】 3月の総括質問でも要望させていただきましたが、単なる学習室にとどまらず、高校生が多様な経験をすることができる拠点として、行政だからできる連携や協力を引き続きお願いいたします。また、開設して半年の中で、体制や設備面、備品面など、現状の課題も出てくる頃かと感じておりますので、丁寧に対応していただきますよう重ねてお願いいたします。
最後に、前橋駅の駐輪場についてお伺いいたします。前橋駅周辺には、東西に2つの有料駐輪場と2つの無料駐輪場が設置されており、有料駐輪場は係員が対応し、利用時間が午前6時から午後10時までとなっております。時間外の出庫については係員に対して依頼が必要なため、やむなく無料駐輪場を使わざるを得ないケースがあると聞いております。平成29年には新前橋駅駐輪場に無人のゲートが導入され、利用時間に縛られずに稼働している点で利用者の利便性向上にもつながると考えますが、前橋駅駐輪場へのゲート導入について、当局の考え方をお伺いいたします。
263 【建設部長(長岡道定)】 ご指摘のとおり、前橋駅の自転車等の有料駐輪場の利用時間外においては、お客様からのお申出により、駐輪場の施錠後もお受け取りいただけるよう対応している状況でございます。また、自動ゲートシステムは、午前5時台となる始発電車から午前零時過ぎに到着する終電までの利用者や、一時利用者に対する利用時間帯の拡大や、管理するための人件費の抑制にも効果が見込めるものと考えております。引き続き、管理運営を委託しております指定管理者である前橋市まちづくり公社と協議を重ね、効率的な運営を目指すとともに、機器システム類の導入も視野に入れた利用者の利便性向上や利用機会の増大を図ってまいりたいと考えております。
264 【11番(堤波志芽議員)】 さきの質問のアクエル前橋、そして建設中の駅前高層マンション等、これから駅北口が変わろうとしています。さきの報道では、前橋駅の乗車人数が前年度比で3割減とありました。コロナ禍で利用者が減ったわけでありますが、だからこそ、ご答弁のとおり利用者の利便性の向上や利用機会の増大を図るためにも、駐輪場へのゲート導入を前向きにご検討いただくことをお願い申し上げて、質問を終わります。ありがとうございました。
(3番 大澤智之議員 登壇)
265 【3番(大澤智之議員)】 それでは、通告に従い、順次質問いたします。
まず、自然災害リスク対応についてお聞きいたします。現在建設中の新道の駅に関して、私が本年6月の議会で質問した浸水対策については、今回の議会で対策工事が議案として提出されました。しかし、本市における自然災害リスクは、地震や風水害だけでなく、浅間山や赤城山などの噴火による被害も想定しなければならないと思います。全国的に見ると、8月には小笠原諸島の海底火山、福徳岡ノ場の噴火や、最近ではトカラ列島近海で地震が頻発しております。そこで、新道の駅は、これら火山噴火を含めた自然災害リスクをどこまで想定しているのか伺います。また、そうした自然災害発生時に活躍する道の駅施設内消防団詰所の浸水対策についても併せて伺います。
以下、質問席にて行います。
266 【文化スポーツ観光部長(平石秀樹)】 新道の駅の自然災害リスクの対策についてでございます。群馬県の浅間山火山ハザードマップによりますと、およそ1,000年に1回起こるとされる大規模噴火の際に偏西風等の影響を受けるなど、条件が重なった場合には1センチメートル程度の降灰が想定されておりますが、赤城山については、根拠となる資料がないため、特に被害想定などは検討しておりません。仮に浅間山が大規模噴火を起こし西毛や北毛地域が甚大な被害を受けるなどの事態が発生したときには、緊急輸送道路を経由して被災地へ効率的に支援物資を届けることが可能になるなど、新道の駅の広域防災拠点としての機能を十分に発揮できるものと考えております。また、新道の駅敷地内に建設する消防団詰所につきましては、一時緊急避難場所や防災拠点としての重要設備を有する施設ではないと考えられるため、浸水被害への特別な対策を講じる予定はございません。
267 【3番(大澤智之議員)】 次に、防災活動について伺います。本市における自然災害リスクについて触れさせていただきましたが、世界的な異常気象や大規模災害が日々報道される中で、大切なことは、私たち一人一人が日頃から災害に備える知識や意識を持つことだと思います。例えば最近ではスマートフォンアプリを利用した防災マイタイムラインなどが普及するなど、一般市民の防災への関心や意識も高まりつつあります。新道の駅を防災拠点として位置づけるわけですから、こうした市民に対する防災啓発活動の新たな拠点として活用すべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
268 【文化スポーツ観光部長(平石秀樹)】 防災啓発活動の拠点としての活用に関する提案でございます。この新道の駅は、多くの利用者が見込まれる集客施設であることから、観光案内のみならず、市の施策に関する情報発信拠点として活用する予定でございます。そうした情報発信の一環として、防災週間や防災関連行事に合わせた防災啓発イベントの開催について、庁内関係課と検討してまいりたいと考えております。
269 【3番(大澤智之議員)】 市民にとっての憩いの場であることはもちろん、防災啓発イベントの定期的な開催や、県内屈指の防災拠点として市民の命を守る、安全で安心できる新道の駅になるよう求めておきます。
次に、農畜産物の販売について伺います。現在、全国には1,193の道の駅があり、全国道の駅満足度ランキング2021では、宮城県、あ・ら・伊達な道の駅、岩手県、雫石あねっこ、静岡県、富士川楽座などが上位を占め、本県のららん藤岡も9位にランクインしております。やはり上位の道の駅も地域の特産品を中心に、その土地ならではのサービスを展開しております。本市の新道の駅については、全国でも有数の規模を誇る道の駅として注目を集めることから、開業後2年程度は混み合うことが予想されますが、ほかの道の駅との差別化を図らなければ、その後の施設利用者は下降の一途をたどるものと考えられます。道の駅施設の中でも特に農畜産物直売所は、前橋市ならではの特色を全面的に出さなければならないと思いますが、にぎわっている他市町村の道の駅の農畜産物の販売促進策を参考にしつつ、本市独自の施策展開について検討すべきと考えますが、当局の見解を伺います。
270 【文化スポーツ観光部長(平石秀樹)】 他市町村の道の駅における農畜産物の販売促進策につきましては、運営事業者が現時点で25か所の道の駅の視察を行いまして、様々な販売促進策を調査していると聞いております。本市においても、県内の道の駅の視察を行い、農畜産物の販売促進に生かせる事例がないか、道の駅設置者の立場から研究しております。他の道の駅との差別化を図る上でも、他市町村の事例を参考に、運営事業者と連携、協力しながら、前橋市ならではの農畜産物の販売促進策を検討してまいります。
271 【3番(大澤智之議員)】 他市町村の事例を把握した上で前橋市ならではの農畜産物の販売促進策を検討していくとのことですが、これから取り組もうとしている具体的な農畜産物の販売促進策についてお伺いいたします。
272 【文化スポーツ観光部長(平石秀樹)】 具体的な農畜産物の販売促進策につきましては、現時点での運営事業者の企画提案となりますが、他の道の駅との差別化を図るために、市内の伝統野菜や特産品を新たなブランドとして確立することや、地場産野菜を用いた前橋市ならではの新たな商品の開発、さらにはインターネット上でいつでも農畜産物を購入できる仕組みを構築するなどの準備を進めております。また、本市が推奨している赤城の恵ブランドとの連携や、生産者の負担軽減を目的とした集荷ニーズの把握、売れ残り野菜あるいは規格外品野菜を施設内のレストランで調理活用するなど、農業振興と社会課題の解決に向けた取組についても研究してまいります。
273 【3番(大澤智之議員)】 1度訪れた観光客などがリピーターとなって再び施設を訪れ、また魅力ある商品を繰り返し購入してもらうことでその施設や置かれている商品、メニューなどの周知が図られ、さらに認知度も高まっていくものと思います。赤城の恵ブランドとの連携も想定されるとのことですが、そのリピーター確保のために、新道の駅においてどのように周知や啓発活動を行うのかお伺いいたします。
274 【農政部長(田部井誠)】 新道の駅における赤城の恵ブランドの周知や啓発活動についてでございますが、本施設のオープンは販路拡大に向けた大きなチャンスと捉えており、施設を利用した直接の販売会やSNSなどを活用した情報発信を行いながら内容を充実させていくことに加え、赤城の恵ブランド認証品を集めた特設コーナーの設置なども目指してまいりたいと考えております。具体的な内容については、今後運営事業者と調整や検討を進めていくことになりますが、運営事業者の企画提案にあります新たな商品開発やインターネット活用の仕組みなどとも連携を図り、魅力ある本市の農畜産物やその加工品の認知度を高めることで多くの方にリピーターとなっていただけるよう、積極的に取り組んでまいります。
275 【3番(大澤智之議員)】 農畜産物を道の駅の特徴とすることについては、これまでも市民フォーラムで取り上げてきました内容になりますが、道の駅を活性化させるための生命線は農畜産物にあると思いますので、新たな取組であるインターネットの活用や新商品の開発で多くのリピーターをつくり、色あせない道の駅を目指すことを求めておきます。
次に、詐欺被害防止の取組について伺います。連日、新聞紙面では詐欺被害が報道されており、全国的に詐欺被害が連発しています。手口も日々巧妙化しており、最近では宅配業者を装った不在通知の偽ショートメールが送られ、アクセスすると偽サイトに誘導する架空請求詐欺が発生しているようです。このように日々巧妙化する詐欺に対し、市民が被害に遭わぬように詐欺被害防止の取組が必要であると考えます。そこで、本市では詐欺被害防止のためにどのような取組を実施しているのかお伺いいたします。
276 【総務部長(高橋宏幸)】 詐欺被害防止の取組といたしまして、本市では出前講座や老人福祉センターでの防犯講話などで被害の実例を紹介するなど、被害に遭うことのないよう啓発を行っております。また、警察からの情報提供による詐欺被害情報や詐欺の予兆情報をまちの安全ひろメールで随時配信するとともに、警察と協力し、広報まえばしに詐欺被害防止の記事を掲載するなどの取組を行っております。今後も警察から最新の特殊詐欺の状況などを提供いただき、市民の皆様が詐欺被害に遭うことのないよう、対応策の周知、啓発に努めてまいりたいと考えております。
277 【3番(大澤智之議員)】 こういった詐欺被害に遭わないためにも、地域の協力や共助の体制をつくり、引き続きの啓発活動を求めておきます。
次に、未成年者への消費者教育の取組について伺います。来年4月より成人年齢が18歳に引き下げられ、様々な契約も18歳からできるようになり、トラブルに巻き込まれる可能性も高くなることが懸念されます。そのため、未成年のうちから消費者としての正しい知識を身につけることがとても大切であると考えております。そこで、学校教育では消費者教育についてどのように取り組んでいるのかをお伺いいたします。
278 【指導担当次長(都所幸直)】 学校教育における消費者教育の取組についてですが、学習指導要領に基づき、主に小中高等学校の家庭科、社会科などを中心に、児童生徒の発達段階を踏まえて指導を行っております。小学校家庭科では、買物の仕組み、売買契約の基礎などを学び、中学校社会科では、契約の重要性をそれぞれ守ることの意義、個人の責任についての理解、個人や企業の経済活動における役割と責任などの学習を行っております。さらに、中学校家庭科でも、トラブルに巻き込まれることのないよう、消費者被害の現状や予防の方法について学習しております。これらの学習の中では、市消費生活センターより各学校に配付されている消費者教育啓発用資料を活用するなど、児童生徒自身が消費者としての自覚や正しい知識を身につけ、自ら判断して生活できるよう指導を進めているところであります。
279 【3番(大澤智之議員)】 現在、未成年者が親の同意を得ずに契約した場合には原則として取り消すことができるという未成年者取消権が民法で規定されております。来年の令和4年4月から成人年齢が18歳に引き下げられた場合には、18歳及び19歳の方は未成年者取消権を行使することができなくなるため、若者の消費者被害の拡大が懸念されます。そこで、若者の消費者被害防止の取組について伺います。
280 【市民部長(木村由美)】 若者の消費者被害防止の取組につきまして、本市では、関東甲信越ブロックの都、県、政令市及び国民生活センターが共同で実施している若者悪質商法被害防止キャンペーンで作成された若者向けリーフレットを毎年1月に全世帯に回覧し、啓発を行っております。また、来年1月の成人祝いの該当者に対しましては、市ホームページの新成人向け情報特設ページに国民生活センターの若者の消費者トラブル事例や群馬県の若者向け消費者被害防止ハンドブックの情報を掲載し、注意喚起に努めております。今回の成人年齢引下げに伴い18歳及び19歳の方が未成年者取消権を行使できなくなることについて、新成人向けの消費者教育を強化するだけではなく、保護者やご家族など周囲の大人の方にも知っていただくために、出前講座や自治会を通じた回覧、市ホームページや市公式LINEなどのSNSを活用し、広く周知してまいりたいと考えております。
281 【3番(大澤智之議員)】 現在は、電子決済など、昔に比べて契約が簡素化し、便利になった反面、最近ではSNSを利用した悪質商法が身近に潜み、誰もが被害に遭うおそれがあります。また、被害に遭っても、自分に落ち度があると感じて相談せずに諦めてしまう人も多いようです。そういった若者を守るためにも継続した啓発活動を求めます。
次に、キャッシュレスポイント還元事業の取組について伺います。今回の12月補正予算では、キャッシュレスポイント還元事業の追加として266万8,000円が計上されておりますが、その内訳と理由についてお伺いいたします。
282 【産業経済部長(中畝剛)】 キャッシュレスポイント還元事業に係る12月補正についてでございます。当初予算ではポイント付与分として5,000万円を見込んでおりましたが、7月1日から14日までの期間で本事業を実施したところ、多くの方々にご利用いただき、5,800万円余りの付与となったことから、817万1,000円を増額させていただくものでございます。一方、人材派遣スタッフの雇用や広告物作成、配布等に950万円を計上しておりましたが、400万円余りで対応できたことから、550万3,000円を減額させていただきます。これらの増額と減額の差引きで266万8,000円を今回追加させていただくものでございます。
283 【3番(大澤智之議員)】 事業者と消費者について、本事業を行った前後のバーコード決済、d払い、ペイペイの導入率はどの程度向上したのか、また消費者について、大型店舗での利用率とその他店舗での利用率はどのくらいだったのかお伺いいたします。
284 【産業経済部長(中畝剛)】 キャッシュレスポイント還元事業の実施前後のバーコード決済取扱店舗数についてでございます。決済事業者ごとの各取扱店舗数は非公表となっております。そのため、合計した取扱店舗数にて比較させていただきますが、合計の取扱店舗数は、事業実施前の本年3月時点では約2,800店でございましたが、本事業だけが要因ではないと思いますが、事業を実施した7月には3,194店へと、約400店近く増加しております。
大型店での利用率とその他店舗での利用率ですが、大型店は今回の還元対象としておりませんでした。
285 【3番(大澤智之議員)】 キャッシュレスポイント還元事業が好評のうちに終了したことは理解いたしました。また、スマホを所持していても活用していない高齢者も多いですが、本事業は高齢者などがスマホを活用する一つのきっかけになれたとも思います。そこで、本事業の総括についてお伺いいたします。
286 【産業経済部長(中畝剛)】 キャッシュレスポイント還元事業では、3,194店で4億1,500万円が利用されました。実施後の店舗アンケートによりますと、3割を超える店舗でキャッシュレスポイント還元事業による相乗効果で全体の売上げが増えたとの回答がございまして、消費喚起、経済循環につながったものと認識しております。あわせまして、事業期間中の決済回数は28万9,000回あり、今お話のありました特にご高齢の方をはじめ、多くの市民にスマホを活用したバーコード決済をご利用していただきました。キャッシュレスポイント還元事業は、キャッシュレス決済利用促進による事業者の生産性向上、消費者の利便性向上及び消費喚起による市内事業者支援を目的として実施いたしましたので、こうした実績から見ますと、本事業の目的はおおむね達成できたものと考えております。
287 【3番(大澤智之議員)】 当局からの総括でもありました、高齢者など多くの市民にバーコード決済を利用していただけたとのことでした。本市単独での事業展開は難しいと思いますが、この事業が経済活性化に大きく貢献できることから、継続的に展開できるよう求めておきます。
次に、アフターコロナの社会について伺います。新型コロナウイルス感染症が落ち着いた後は、経済活動の再開に向けた消費喚起策が必要であると考えます。本市においても先ほどのキャッシュレスポイント還元事業のような消費喚起策を実施するべきと考えますが、当局の見解をお伺いいたします。
288 【産業経済部長(中畝剛)】 消費喚起事業は、一定の規模がないと効果的に実施できず、多額の予算が必要となるため、一般財源のみによる本市単独での対応は難しいのが現状となっております。昨今の新聞報道等にもありますように、国ではコロナ禍の新たな社会経済対策の動きもあります。今後は、こうした国、県の動向を見極めるとともに、新型コロナウイルス感染症の状況も考慮しながら、協調支援や独自支援を必要な時期に有効的に実施できますよう検討してまいりたいと考えております。
289 【3番(大澤智之議員)】 現在のコロナ禍での社会で失われつつあるのが文化やコミュニケーションであると考えます。経済活性化の観点からも、団体に対する支援策も含めた消費喚起策を実施していただけるよう要望しておきます。
次に、スーパーシティ構想について伺います。現在行われているスーパーシティ構想では、デジタル技術を活用し、誰一人取り残さず、先端的でパーソナライズされたサービスを提供する旨を掲げておりますが、高齢者を中心に、情報通信機器が利用できない方、またそうした機器を持っていない方に生じる格差、いわゆるデジタルデバイドが懸念されております。高齢者のスマートフォン等の情報通信機器の利用状況について当局ではどう考えているのかお伺いいたします。
290 【未来創造部長(青木一宏)】 高齢者のスマートフォン等情報通信機器の利用状況でございます。内閣府が公表した情報通信機器の利活用に関する世論調査によれば、スマートフォンやタブレットの利用状況について、60代の73%が利用していると回答する一方で、70歳以上は利用が40%にとどまることが分かっております。このことから、本市においても、70歳代以上の高齢者を中心といたしまして情報通信機器の利用状況が低くなっているものと考えております。
291 【3番(大澤智之議員)】 昨今、デジタル技術進展に伴い、市民サービスの向上が期待できる一方、現在の地域社会を見渡すと、情報通信機器が利用できない方や、そもそもそうした機器類を持っていない方が実際には存在しております。そこで、現在のデジタルデバイド対策として、情報通信機器を持たない市民に対し、本市ではどのような取組を行っているのかお伺いいたします。
292 【未来創造部長(青木一宏)】 情報通信機器を持たない市民に対する取組でございますが、今年度につきましては、大手携帯キャリアの協力の下、来年の1月までに市内10会場で初めてのスマホ講座を開催する予定であり、情報端末をお持ちでない約200人の方にスマートフォンの利便性を実体験していただく機会を設けることとしております。また、もう1社の大手携帯キャリアからもデジタルデバイド対策への協力の申出をいただいておりまして、現在、講座の開設に向けて調整しているところでございます。こうした動きを踏まえまして、情報通信機器を持たない市民に対しても、民間事業者の協力を得ながら取組を進めてまいりたいと考えております。
293 【3番(大澤智之議員)】 現在のデジタルデバイド対策として、スマホをお持ちでない方を対象に初めてのスマホ講座を開催しており、受講者が約200人との答弁がございました。その受講者の募集方法についてお伺いいたします。
294 【未来創造部長(青木一宏)】 講座受講者の募集方法でございます。会場となる公民館やコミュニティセンターと連携の上で、公民館だよりなどに掲載いたしまして参加者を募集しているところでございます。
295 【3番(大澤智之議員)】 現在はドコモのスマホを講座の対象としておりますが、ソフトバンク、au、楽天などドコモ以外の携帯キャリアのスマホ保有者に対しても対応は可能なのでしょうか。また、スマホにはIOSやアンドロイドといったOSの違いがあると思いますが、講座内容に影響がないのかお伺いいたします。
296 【未来創造部長(青木一宏)】 大手携帯キャリアやOSの違いでの講座への影響でございます。初めてのスマホ講座につきましては、スマホをお持ちでない方向けの講座となっておるところでございますけれども、これとは別に、スマホの所有者向けの講座につきましては、スマホ機器の機種や携帯キャリア対象のOSを問わず学習していただけるように、講座内容を工夫して実施しているところでございます。
297 【3番(大澤智之議員)】 スマホの普及率が上がってもスマホを活用できない方はまだまだたくさんいますので、誰一人取り残さない前橋市を目指して、このデジタルデバイド対策は継続して行っていただきたいと要望するとともに、先ほどの詐欺被害に遭わないような対策も併せて講座内容に含めていただくことを強く要望しておきます。
次に、ムーンショット目標について伺います。まず、ムーンショット目標はまだ聞き慣れない言葉ですが、政府が本気で取り組んでいる未来構想になります。現在、内閣府では、超高齢化社会や地球温暖化問題など重要な社会課題に対し、人々を魅了する野心的なムーンショット目標を国が設定し、挑戦的な研究を推進する制度があり、人々の幸福を目指し、その基盤となる社会、環境、経済の諸課題を解決すべく、2050年までに達成すべき9つの目標、サイバネティックアバター、疾患の予測・予防、AIとロボットの共進化、持続可能な資源循環、持続的な食料供給産業の創出、経済、産業、安全保障を飛躍的に発展させる誤り耐性型汎用量子コンピューターの実現、サステーナブルな医療、介護システム、激甚化しつつある災害から解放された安全、安心な社会の実現、精神的に豊かで躍動的な社会の実現などを決定しております。目標設定の背景として、現在のSociety4.0情報化社会からSociety5.0の仮想空間と現実空間を高度に融合させたシステムにアップデートさせ、経済発展と社会的課題の解決を両立する新たな未来社会と位置づけされておりますが、本市においても今後スーパーシティ構想の中でムーンショット目標を目指していくのかお伺いいたします。
298 【未来創造部長(青木一宏)】 スーパーシティ構想は、AI、ビッグデータ等の最先端の技術を活用しまして10年後の未来の暮らしを先行実施するまるごと未来都市でありまして、データ連携基盤をベースとした規制改革を伴う複数分野のスマート化の取組を暮らしに実装させ、社会的課題の解決を図ろうとするものでございます。
現在、前橋市スーパーシティ構想におきましては、結果的にはムーンショットにつながる政策を進めておりますが、内閣府のムーンショット型研究開発制度との連携等の検討は今現在行っておりません。
299 【3番(大澤智之議員)】 まずは10年後の未来の暮らしを先行実現するスーパーシティ構想を推し進めていくとのご答弁でした。内閣府のムーンショット目標は2050年と約30年先の目標であり、まだまだ予測が難しいですが、前橋市のスーパーシティ構想は10年後の社会的課題の解決に大変重要なものと考えております。他県や他市町村の方からも選ばれるまち前橋市になるよう、慎重かつ大胆に推進していただきたいと要望しておきます。
次に、新型コロナウイルスワクチン接種について伺います。本市における新型コロナウイルスワクチンの接種は、10月30日時点での接種率が87.2%となっており、順調に推移しているものと認識しております。これは、市当局の担当部局の努力はもとより、前橋市医師会をはじめとした各医療機関、また関係団体の協力があったからと考えており、感謝申し上げます。新型コロナウイルスワクチン接種が順調に進む一方で、避けることができないのが接種後の副反応の対応です。第3回定例会の総括質問でも本市市民の副反応の疑い報告件数等について当局から答弁いただきましたが、現時点で本市が覚知している副反応疑い症例について改めて伺います。
300 【健康部長(膽熊桂二)】 新型コロナウイルスワクチン接種後に生じた副反応が疑われる症例につきましては、その症状の診察を行った医師が必要と判断した場合に、副反応疑い報告制度により国へ報告することとなっております。11月30日時点で国から情報提供された本市の副反応疑い症例は78件となっております。なお、この報告制度とは別に、新型コロナウイルスワクチン接種を受けた本人や家族から副反応に関する相談が寄せられる場合もあります。相談を受けた場合は、状況を聞き取った上で、必要に応じて予防接種法に基づく健康被害救済制度をご案内しております。
301 【3番(大澤智之議員)】 まず、予防接種法に基づく健康被害救済制度は、接種を受けた者などから申出があった症状について、国がワクチン接種による健康被害であると認めた場合に医療費相当額などの救済給付を受けられるものと承知しております。請求があった症例について、救済対象とするか否かは最終的に国が判断するものでありますが、市としても前橋市予防接種健康被害調査委員会を開催したとお聞きしましたが、同委員会の開催目的とその結果について伺います。
302 【健康部長(膽熊桂二)】 本市の予防接種健康被害調査委員会は、予防接種法に基づく健康被害救済制度の給付請求があった症例について、請求関係書類として提出されたカルテや検査結果などの診療録に基づく請求に必要な情報が整っているかなどを医学的見地から調査を行うために開催されます。委員会は、前橋市医師会から推薦された医師2名と群馬県から推薦された医師2名に本市保健所長を加えた5名の委員で構成されており、専門的な知見に基づいて協議していただく場となっております。
本年10月12日に開催した委員会では、それまでに請求があった5件の症例を付議し、協議を行っていただきました。5件のうち1件については、報告事項として、即時型アレルギーの特例的な取扱いとして、委員会での審議を経ずに国へ進達した症例であり、残りの4件について審議事項として協議いただき、全ての症例について、請求のとおり国、県へ進達すべきとの見解が示され、既に進達を済ませたところでございます。
303 【3番(大澤智之議員)】 10月に開催した委員会では、1件の報告事項と4件の審議事項が付議されたとのことでしたが、副反応の相談が増えているという状況から推察するに、同制度に基づく請求は今後も継続的に生じるものと考えられますが、予防接種健康被害調査委員会の開催頻度など、今後の対応について伺います。
304 【健康部長(膽熊桂二)】 10月12日に第1回の予防接種健康被害調査委員会を開催した後も、同制度に関する問合せや請求相談は複数件受けている状況であります。今後の委員会の開催につきましては、具体的な請求申請の状況などを考慮しながら、おおむね二、三か月に1回の開催を想定し、各種調整を進めていきたいと考えております。
今後も引き続き予防接種健康被害制度の周知を図るとともに、副反応に関する情報発信に努めてまいりたいと考えております。
305 【3番(大澤智之議員)】 これにて私の質問を終わります。ありがとうございました。
306 ◎ 延 会 の 議 決
【議長(横山勝彦議員)】 お諮りいたします。
本日の議事はここまでとし、延会したいと思います。これにご異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
307 【議長(横山勝彦議員)】 ご異議なしと認めます。
よって、本日はこれをもって延会することに決まりました。
308 ◎ 延 会
【議長(横山勝彦議員)】 これをもって延会いたします。
(午後4時27分)
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