群馬県議会 2019-06-06
令和 元年第2回定例会まちづくり戦略特別委員会-06月06日-01号
◎松岡
交通政策課長
今年度の協議会の中で車両の選定・特定を行っていく。現時点では、どちらかという決めはなく、最も適した車両を選定してまいりたいと考えている。
◆福重隆浩 委員
連結にするのか単発にするのか決めるに当たっては需要予測が必要であると考える。参考資料では、沿線の企業・学校に限定してBRTの
利用意向調査を行ったようだが、東毛からGメッセに来ていただくような方を想定したBRTの利活用や、沿線住民の方々が買い物や通勤等にも利用できるようなことを考えなければならない。県では、詳細な
パーソントリップ調査も行っていることから、より踏み込んだ需要予測ができると考えるがどうか。
◎松岡
交通政策課長
パーソントリップ調査に基づき、昨年度も検討を加えたが、現状BRTが走っていない状況での公共交通の利用率は電車が2.5%、バスが0.3%で、今回BRTが鉄道のような運行を目指すという意味では、足しても2.8%の利用しかない。
利用意向調査を踏まえ、
パーソントリップ調査も参考にしつつ、2.8%をどの程度上げていけるのか、関係市町との連携を強化し、地域住民や沿線企業への意向調査の精度を高め、需要予測及び収支計画を策定したい。
◆福重隆浩 委員
整備に当たっては、多額の費用がかかることが想定される。今後、限られた予算の中で進めるため、国の補助金の確保が必要と考えるがどうか。
◎松岡
交通政策課長
補助金活用に向けて国と調整してきたところであり、車両購入については環境省が所管する補助金が活用できる見込みであるため、引き続き調整を行い、機を逸することなく、補助金申請の手続きを進めたい。
◆福重隆浩 委員
高齢者の事故が多発する中、地方都市においての公共交通の拡充・整備は国にとっても大事であると思う。BRTは他県でも検討しているが、地域内での移動であって、町と町、都市と都市をつなぐ新
交通システムは他に例がないため、国にしっかり働きかけ、群馬が公共交通の
モデル事業を行うことを強く訴えていただき、議会もしっかり協力するので、国からの補助金の確保にしっかり努めていただきたい。
もう一点、運行については、民間会社に委託するのか、複数のバス会社による運行なのか、第三セクターによる運行なのか。
◎松岡
交通政策課長
具体的にはまだ明確にはなっていないが、現在、群馬県バス協会を通じて県内すべての
乗合バス事業者と意見交換を行っているところであり、今後明らかにしたい。
◆福重隆浩 委員
本会議で水野県議からBRTの質問をさせていただいて、これを
都市計画区域マスタープランに位置付けていただくという御答弁をいただいたが、具体的にはどのように盛り込まれるのか教えていただきたい。
◎眞庭
都市計画課長
都市計画区域マスタープランの中の都市施設の
整備方針等において、BRTの整備について位置付けを予定している。
◆福重隆浩 委員
BRTには夢を持っているが、群馬県民の
公共交通利用度は低く、バスは
全国ワースト1位であり、それをBRTに誘導していくのは大変なことである。黒字化を目指すのは更に大変なことと思うが、西武にしろ東武にしろ、駅の周辺の沿線開発を民間会社が行い、そこで得た利益を鉄道の整備に充てていくのが一般的だと思う。
上下分離方式とはいえ、
BRT沿線の開発、特に
ステーション周辺の開発について、ある程度柔軟に対応することが必要だと思うが、県はどのように考えているか。
◎眞庭
都市計画課長
市街化調整区域内の
ステーション周辺についても、まちのまとまりの一部と捉え、
地区計画制度等を活用して一定規模以下の店舗や住宅などの誘致の検討が必要と考えられる。
また、就業の場の確保も重要であり、
東毛広域幹線道路沿線は、
アクセス環境の整っている工業・流通業の適地であることから、
市街化区域編入等による
工業団地整備も考えられる。いずれにしても、市町村と連携して、
まちづくりや
土地利用計画などを検討して参りたい。
◆福重隆浩 委員
非常に前向きな答弁である。まちのまとまりという点において、
ステーション周辺を開発することは大事なことである。
ステーション周辺には駐輪場や
パークアンドライドに使える駐車場、利用率の向上を考えれば
商業施設等、それらをベストミックスさせてBRTを運営していくことが求められていると思う。このようなことを地域の方に話をすると、希望溢れる施策であると非常に喜んでおり、一日も早い実現を望んでいる。県民の期待も非常に大きい事業であるので、県民が自動車以外の交通手段も選択できる社会の実現に向け、
BRT構想に関する部長の御決意を伺いたい。
◎岩下
県土整備部長
BRT構想については、色々な施策を展開していかなければならないと考えている。利益等も含め、総合的にBRTを考えていかなければ、事業として無意味なものとなってしまう。将来へBRTを残すためには、民間が維持管理する広告付きの
バス待ち環境整備や貨客混載
型バス輸送などの民間活力を生かす施策も検討し、2021年に運用が可能となるよう進めたい。
◆福重隆浩 委員
部長の答弁から、この事業を成功させようという強い思いを感じた。県民の切なる願いであることを感じていただき、今後も御努力いただきたい。
◆後藤克己 委員
先日、ある企業において県の重要課題について聞かれ、この公共交通について話をしたところ、非常に関心が高かった。高崎駅や倉賀野駅の周辺には出張時等に利用できる
パークアンドライド駐車場が少ないという声もあるが、確保についてどのように考えているか。
また、高崎問屋町駅の東口には
パークアンドライド駐車場が整備されているが、こうしたまちなかの駐車場について、利用者への
インセンティブがあれば、より鉄道の利用促進につながると思うがどうか。
◎松岡
交通政策課長
県では、県内の鉄道駅ごとに路線バスや
駅待機タクシー、有料・
無料駐車場、駐輪場などの情報提供と利用を手引きできる「駅からのりかえガイド」を
県ホームページで提供している。
しかしながら、
有料駐車場の情報更新や情報量の課題があったため、
駐車場検索アプリの運営・
開発事業者であるナビタイムジャパンと協議を進め、駅周辺の
有料駐車場の空き状況がリアルタイムで分かり、かつ一部の駐車場では予約も可能な同社サイトへのリンクを
県ホームページに貼る方向で、現在、
リニューアル作業を進めているところである。
駐車場の整備については、地価や市町村の
まちづくりとの関係もあるため、一朝一夕に進むものではないが、まずは、利用しやすさという点から民間の先進的な取組と連携しつつ、駅で車から鉄道に乗りかえる上で有益な情報の発信に努めて参りたい。
また、高崎問屋町駅の駐車場の事例に基づく御提案についてだが、
有料駐車場の状況を確認したところ、ほぼ満車の状態であり、
インセンティブの検討は難しいと考えている。利用が芳しくないところは、今後、県と市町村、
鉄道事業者で何ができるかしっかり検討して参りたい。
◆後藤克己 委員
ぐんま暮らし支援事業について、5月24日の上毛新聞1面に「移住支援に県内の
連携体制強化」との記事が出た。このように大きく取り上げてもらったということは、県の取組の存在感が出てきた結果かと思う。記事にあった今年度の取組について、内容はどうか。
◎服部
地域政策課長
移住相談の件数が増え、本県への関心が高まっているという状況の中、
移住希望者を実際の移住につなげるために新たな事業を実施する。
移住希望者は移住にあたり様々な不安を抱えており、その解消のためには、実際に現地を訪れて自分の目で見て感じてもらうことが大切である。そこで、
受け入れ体制の強化と本県を訪れていただく
きっかけ作りを目的として、今年度3つの事業を新たに行う。
「地域の顔育成研修」は移住者を現地できめ細かくサポートする人材を養成するもので、1回目を6月26日に予定している。これは基礎研修で、移住支援が初めての人や経験の浅い方を対象として行う。2つ目は「
地域体験イベント情報発信」で、
移住希望者が本県に訪れる
きっかけ作りのため、県内各地で開催予定のイベントを集約発信する。3つ目が「
地域体験見本市」で、有楽町駅前でイベントを開催し、集まった人を屋内で同時開催している移住の
体感イベントに誘導する狙いがある。
◆後藤克己 委員
今年から
移住支援金事業に取り組むとのことだが、100万円の
インセンティブがあっても、旧郡部や山間地域にいきなり移住というのはハードルが高いと考える。
自分も仲間達と榛名の拠点で関係人口的な取組を行っているが、県でも都会の若い人たちを関係人口として呼び込む取組を進めてはどうか。
◎服部
地域政策課長
関係人口とは、定住には至らないけれども特定の地域に継続的に関わって地域をサポートする人のことである。平成30年度から総務省で
モデル事業を始めるなど、
人口減少時代の新たな
地方活性化策として注目されている。
県では現在のところ具体的な取組はないが、東吾妻町や上野村では地域住民と都会の学生や住民との交流による
地域活性化に取り組んでいるところである。外部の方の参入により活性化を図りたい地域と、地域に入って活動したいという学生は一定数居り、両者のマッチングをすることが
関係人口増につながると考えている。
◆後藤克己 委員
2年前の一般質問の中で「田園回帰1%戦略」について榛名のある地区を事例に紹介させていただき、県には過疎地域の人口動態や動向を分析し、市町村に提示して地域の将来を一緒に考えていくという、シンクタンク的な役割をお願いしたが、その後はどうか。
◎服部
地域政策課長
「田園回帰1%戦略」は、人口減少が進む過疎地域において人口の1%ずつであったとしても移住を促進することで長期的には人口を維持できるという考え方である。具体的には2,000人程度の
小学校単位程度で人口動態の分析を行い、将来人口の見通しと転入者の目標について、住民と共有することによって、達成可能なレベルで移住支援に取り組む機運を醸成しようという考え方である。2年前の一般質問で、このような考え方を県内に広めてはどうかという御提案をいただいた後、当課の担当職員が分析ツールを作り、大字単位で分析ができるようになった。昨年度、過疎市町村を訪問し、紹介させていただいた。
◆後藤克己 委員
市町村へのシンクタンク的な支援が顔の見える
関係づくりとなる。引き続きしっかり取り組んでいただきたい。
◆岸善一郎 委員
長年の懸案事項であった
二葉養護特別支援学校への
スクールバス運行開始に感謝する。先日、
二葉養護特別支援学校の創立60周年記念式典及び
スクールバスの開所式に出席したが、父兄の方々は
スクールバスの運行開始を喜んでいた。
県内の
特別支援学校において、
スクールバスは現在何台運行しているのか。
◎町田
特別支援教育課長
現在、14校34路線が運行中である。
二葉高等特別支援学校でも5路線導入し、近日中に5路線目、最終路線が運行する予定である。
◆岸善一郎 委員
運行開始以降、事故発生の有無はどうか。
◎町田
特別支援教育課長
スクールバスの運行に係る事故については、これまでのところ、
児童生徒乗車中の事故については報告がないが、降車後の車両の物損について報告が数件あがっている。
◆岸善一郎 委員
吾妻や沼田の
特別支援学校にも
スクールバスが導入されるということであるが、色々な面で運行に苦労があろうかと思う。運行は委託が多いのか。
◎町田
特別支援教育課長
直営方式の学校も一部あるが、多くの学校では委託形式で運行している。
◆岸善一郎 委員
委託は、ほとんど県内業者か。
◎町田
特別支援教育課長
県内の業者が多い状況だが、本社が県外にある業者もある。
◆岸善一郎 委員
県内に本社がある業者を選んでいただきたいと思うがどうか。
◎町田
特別支援教育課長
委託については、バスの台数や管理等、様々な状況があるので、安全に運行していただける業者の選定に努めたい。
◆岸善一郎 委員
特別支援学校の生徒は障害の程度も様々であるが、重度の生徒は乗車できないと聞いたが、その理由は何か。
◎町田
特別支援教育課長
スクールバスの乗車については、各学校が管理職や
スクールバス担当、担任等が出席する会議等において、児童生徒の健康状態や移動の状況等を勘案し、バスの乗車が可能かどうかを判断している。
特に、重度の医療的ケアが必要な児童生徒については、乗車中の安全確保や乗車中に痰の吸引等が必要になった際、
スクールバスを停車してケアを行わなければならず、運行全体に支障が生じる恐れがあることなどから、乗車が困難であることを保護者の方に理解いただいている。
◆岸善一郎 委員
子どもが
スクールバスに乗車する時間は1時間と聞いているが、状況はいかがか。
◎町田
特別支援教育課長
学校によって異なるが、児童生徒の健康状態を考え、おおむね1時間以内を目途としている。
◆岸善一郎 委員
1時間以上の生徒には最寄りのバス停まで来てもらっているのか。
◎町田
特別支援教育課長
バス停までの距離は児童生徒の居住地により異なるが、自宅からバス停まで保護者に送っていただいている。
◆岸善一郎 委員
運行は委託が多いとのことだが、その場合、運転手や介助者の派遣も業務内容に含まれるのか。
◎町田
特別支援教育課長
委託の場合、受託先から運転手と介助員を派遣してもらっている。また、一部では、学校職員も同乗し、連携しながら運行している。
◆岸善一郎 委員
二葉・
二葉高等特別支援学校の
スクールバスは、5人しか乗れないと聞いているがどうか。
◎町田
特別支援教育課長
二葉・
二葉高等特別支援学校の
スクールバスについては、1台に21人分の座席を確保しているが、肢体不自由の学校であるため、1人が2座席を使用したり、車椅子を固定するなど制限がかかってきている。
◆岸善一郎 委員
では乗車できるのは7人くらいか。
◎町田
特別支援教育課長
現在4路線が運行しているが、一番多いところで、5月1日現在で、1台に9人が乗車している。
◆岸善一郎 委員
最高で9名乗車できるということか。
◎町田
特別支援教育課長
現在では9名が最も多い人数だが、座席には余裕がある状態である。
◆岸善一郎 委員
個人的には、全ての子どもを
スクールバスに乗せたいと思うがどうか。
◎町田
特別支援教育課長
保護者の通学負担の軽減のため
スクールバスを運行しているが、
スクールバスだけでなく、未設置地域への学校設置など総合的に通学負担の解消を図っている。
スクールバスについても、
利用希望届が提出された段階で、その児童生徒の状態を勘案し、乗車の人数等も確認した中で、
スクールバスの利用について決定している。
◆岸善一郎 委員
年度途中で、コース変更は可能か。
◎町田
特別支援教育課長
基本的には、路線は停留所の関係もあるため、既定の路線を利用させていただいている。ただ、各学校の通学区域が見直された場合など、全体的な運行計画も見直しを図っている。
◆岸善一郎 委員
週1日だけでも、多忙な学校職員の代わりに、保護者に
スクールバスに同乗してもらうなど、運行時の協力をお願いするのはいかがか。
◎町田
特別支援教育課長
スクールバス運行に当たっての保護者の協力についてだが、
スクールバス乗車決定前にお試し乗車期間を設けており、児童生徒の体調や乗車の状況等、保護者の方にこまめに学校と連絡を取っていただいている状況である。また、特に肢体不自由の児童生徒の一部の保護者については、自宅から停留所まで送っていただいた後、バスに乗せて体を固定するまでのところを保護者に協力いただいているなど、保護者と学校がしっかり連携し、情報を共有しながら
スクールバスを運行しているところである。引き続き、保護者にも協力いただけるよう努めていきたい。
◆岸善一郎 委員
改装費まで含めると相当な費用がかかると思うが、バスの購入代金はどのくらいか。
◎町田
特別支援教育課長
正確な金額はこの場ではお答えできないが、通常のバスを改造しているため、高額になると思われる。
◆岸善一郎 委員
高額な
スクールバスを県が購入するのだから、
スクールバスによる通学費は無料であるため、保護者にも相応の負担をしていただき、永く安全にバスを運行してもらいたい。
◆井下泰伸 委員
BRT構想の実現は車がないと生活できない群馬県においては、画期的な転換期になると思う。新しくできた
東毛広域幹線道路にバスを走らせ、公共交通として新しい手段を導入するということだけではなく、今後どのように活用していくか、あるいは、県民に新たな交通手段として利用しやすくしてもらえるかは、沿線の市町村や民間会社などとの意見交換の場で、同じ方向性を見据えなければ、ただ導入して終わりということになりかねない。この
特別委員会では将来的なことも含め、しっかり考えていかねばならない。
BRT構想の実現に当たって、県と話し合いをする関係者との協議は、これまでの経緯と今後どのように進めていくのか教えていただきたい。
◎松岡
交通政策課長
BRT構想の検討は、豊富な知識を有する学識経験者のほか、バス会社、鉄道会社、沿線市町だけでなく、沿線から離れている前橋市などにも意向確認して立ち上げた協議会で議論している。
今年度は、市町と詳細を議論する部会、バス会社と運行ダイヤなど検討する部会、信号制御などPTPSを検討する部会、3つの部会を設けて具体的な検討を進めていきたい。
◆井下泰伸 委員
当委員会は、まちなかの空洞化・衰退化を交通戦略の側面からフォローすることによって、住みやすい環境を整備していこうとするものである。
まちづくりというと、商店街の話だけで解決しようとしてきたが、それでは現実が追い付かないという話の中で、
県土整備部が主体的にこのような事業を行うのは本当に意義があり、各市町村が主体的に
まちづくりを考え、この
BRT構想を検討してきたという経緯があると思う。数年前から、交通事故が多発し、大きな社会問題となっており、県と同様に市町村も危機感を感じていると思う。例えば市町村レベルで
交通まちづくり戦略を策定してもらうというのはどうか。
◎松岡
交通政策課長
市町村単位の取組としては路線バスの見直しということになる。BRTは特定の
東毛広域幹線道路にバスを走らせ、その路線バスに接続するというイメージだが、市町村単位では駅を中心とした既存の路線バスがあって、それを住民に利用してもらい、継続的な収益を確保するよう運行を目指している。地元の住民やバス会社などと、公共交通はどうあるべきか議論する市町村単位の公共交通会議がある。
バス路線の見直しなど、地域公共交通網形成計画の策定に取り組んでいる市町村もあるので、そのような計画策定の場面で県としてもサポートしていきたい。
◆井下泰伸 委員
現在、市町村でそのような計画が進められているとすれば、バス利用者が増えると思う。
ただ、市町村も今の現実を把握し、どうすればBRTを利用しやすいようにするか、視点を変えて検討していかなければ、市町村の計画とBRTと結びつけるのは無理があると思う。
高齢者が公共交通機関を利用する場合、まずは小学校区域内での利用が一番現実的だと思うが、県が
BRT構想を市町村にしっかり伝えなければ、県と市町村との間で歪が生じてしまうのではないか。BRTの利用促進について市町村との協議の場が重要であると思うが、どのように考えているか。
◎松岡
交通政策課長
BRTは15分間隔程度を目標に運行するが、市町の接続路線バスには、どの程度需要があるのか予測が難しく、リスクを感じているようである。
まずは、広範囲の人に利用してもらえるよう、
バスステーションに駐輪場やパークアンドバスライド駐車場などを設けるなど、充実した
アクセス環境を整えた上で
BRT構想の実現に注力したい。
◆井下泰伸 委員
大きな熱意と使命感を持ってこの問題に取り組んでいることがよく分かった。
ただ、群馬県のマイナスの部分に初めて切り込んでいく事業なので、引き続き市町村と協力しながら、実現に向けて頑張っていただきたいと思う。
△休憩(11:55~)
○
久保田順一郎 委員長
暫時休憩いたします。
午後1時00分から再開します。
(休憩(11:55~13:00))
△再開
○
久保田順一郎 委員長
休憩前に引き続き、質疑を続行します。
◆酒井宏明 委員
BRTについてだが、需要見込みについて、企業や高校・大学に対して
利用意向調査を実施したとのことだが、より詳細な内容を示してもらわないと、
BRT構想に対して判断しかねるがどうか。
◎松岡
交通政策課長
企業7社、高校5校、大学4校に
東毛広域幹線道路に沿った東西方向の移動需要を把握できるようなアンケートを行い、その利用意向を基に需要の推計をした。
◆酒井宏明 委員
かなり大雑把な調査のような気がする。バス
ステーション周辺住民の意向や、もっと詳細な路線についての調査はやっているのか。
◎松岡
交通政策課長
沿線住民の移動需要については、
パーソントリップ調査により把握しているが、公共交通の分担率はバス利用は0.3%、鉄道利用2.5%、合計で2.8%であり、BRTが走っていない段階での結果である。また
パーソントリップ調査結果の自家用車による
東毛広域幹線道路方向の移動需要についても把握しているため、それに基づき住民の需要は算出している。
◆酒井宏明 委員
色々な条件のもと、これ以外にも調査を行っているか。
◎松岡
交通政策課長
アンケートは、有識者から助言をいただき、多様な質問を設定し、感度分析も実施している。その中で説明するのにふさわしいものを掲載した。
◆酒井宏明 委員
そのような調査を行っているのであれば、細かいデータを議会において示してほしい。
◎松岡
交通政策課長
お示しできるほど分析が進んでおらず、関係団体で構成される協議会の中で議論をしているため、協議会に諮った上で資料を出したい。
◆酒井宏明 委員
より多くの県民の意向を確認し、本当にBRTが必要なのかどうか検討してもらいたい。また、費用対効果や経済波及効果について算定しているか。
◎松岡
交通政策課長
現時点では算定していない。
◆酒井宏明 委員
県民の関心は採算が合うかどうかである。BRTを導入するため税金を投入し、結果的に利用がなかったということにならないよう、今こそ調査を行っていくべきである。
パーソントリップ調査においても、電車とバスの利用率は非常に低く、果たしてBRTが成功するのか不安に思う県民もいる。そうした県民を納得させるような資料を議会にも出すべきである。
既設のバス路線への影響や、市町村が行っている
まちづくりや公共交通の今後の取組に対して、整合性を図るべきだと思うが、どのように進めていくのか。
◎松岡
交通政策課長
協議会の中では、ほとんどの市町村から大いに期待しているという声を聞いている。そのような中、市町の意向を踏まえて提案を受けながらバス停位置も決定している。市町の
まちづくりを支援する観点で市町と一緒になって計画を進めたい。
◆酒井宏明 委員
BRTの運営の一つとして、PFIも視野に入れるとのことだが、民間に丸投げするというやり方では、県がノウハウを蓄積できないことから厳に慎むべきである。身の丈にあったものにするためにも直営を基本にすべきではないか。
◎松岡
交通政策課長
運転手を公務員として雇うという趣旨かと思うが東京都交通局を含むほとんどの公営事業も赤字である。可能な限り民間と連携して、民間活力を使い小さいコストの中で運行できることを第一に検討して参りたい。
◆酒井宏明 委員
そもそも直営で赤字になるような事業はやるべきではないと思う。しっかり検討し進めていただきたい。
次の質問であるが、前橋市の城南地区で交通の実証実験を行ったとのことだが、どの程度利用者があったのか、またその効果について伺いたい。
◎松岡
交通政策課長
鉄道・バスが運行していない地域での移動手段を確保することを目的として、昨年度から住民互助による相乗りなど、新たな移動手段の導入支援事業を実施しており、昨年度は前橋市城南地区と安中市細野地区を選定し、市町村支援に取り組んだところである。
実証実験は、タクシー借り上げによるデマンド運行として62日間運行し、778人の利用があった。アンケート結果から「普段の外出に困っている人」の約6割が外出機会が増えたなどの効果が確認されており、今年度、本格導入に向けて地域住民と前橋市で話し合いが行われていると聞いている。
◆酒井宏明 委員
こうした使い勝手の良い移動手段はこれまでになく、無料であったため利用があった側面もあると思う。運賃については、利用者からどのような意見があったのか。
◎松岡
交通政策課長
今回は社会実験として無料で利用していただき、目的地や移動の目的先が適切かどうか検証した。アンケート調査で、どのくらいの運賃であれば利用するか聞いたところ、300円48%、400円12%、500円32%、600~700円8%との意見があった。どの運賃でも、運行は赤字なので、前橋市が赤字分を補てんする必要がある。
◆酒井宏明 委員
約半分近い方が300円程度なら利用するとのことであり、低料金で行きたいところに行けるという、ドアツードアの公共交通がいかに求められているかを実証した非常に意義のある実験だったと思うが、県として今後運営に係る市への支援をお願いしたい。
前橋、安中以外の地域で行う自治体があるのか。
◎松岡
交通政策課長
県内の多くの都市で、同様の取組を模索している情報は聞いている。
今年度、実施市町村を募集したところ、安中市を含む3地域から応募があったところであり、今後、しっかりと調整して、一歩ずつ移動に困っている地域の解消につなげていきたい。
◆酒井宏明 委員
ドアツードアの公共交通が求められている。ある程度自己負担してもこれまでより行動範囲が広がり、高齢者の足の確保という点でも優れた施策だと思うので、引き続きより多くの自治体に応募してもらえるよう、補助金の上乗せ等、支援をお願いしたい。
次に商店街の活性化の問題について伺う。シャッター通りや空き店舗が商店街の疲弊の代名詞となっている感があるが、高齢者が歩いて買い物に行ける身近な存在として中小の商店街がなくてはならないものだと思う。季節ごとの祭りも商店街の人たちによって支えられ、防犯・防災にとっても大きな貢献をしている。昨今の商店街の衰退について原因は色々あると思うが、行政が支援を行っていくことが必要だと思う。商店街の活性化のため、県はどのような支援を行っているか。
◎諸田 商政課長
商店街は街の顔として大切な役割を果たしているが、大型店の台頭、モータリゼーションの進展により衰退が進んでいる。県では市町村と共同し商店街の活性化に向け、ソフト、ハード両面から支援しており、イベント、人材育成等のソフト事業に事業費の1/3を、店舗改修や街路灯整備等のハード事業に4分の1をそれぞれ支援している。
◆酒井宏明 委員
ソフト面ハード面の両面で支援しているとのことだが、自己負担があるので、二の足を踏んでいるのではないか。県の予算規模は年間どのくらいか。
◎諸田 商政課長
今年度は600万円強である。
◆酒井宏明 委員
県の負担がもう少しあればという声も聞き、支援が不十分だったのではないかという気がする。この改善のために、今後取り組む計画はあるか。
◎諸田 商政課長
今年度の補助金の活用先ということであると思うが、前橋市内、館林市内の事業について採択している。
◆酒井宏明 委員
この取組をさらに充実させてほしい。国の支援も不十分であり、商店街の人たちも活性化に向けて十分な取組ができない。商店街の振興の予算をソフト面中心に抜本的に引き上げていくということが必要
だと思う。
買い物弱者支援という点で福祉的な視点も求められていると思うが、県としてどう支援しているか。
◎諸田 商政課長
買い物弱者支援商業
モデル事業により、買い物代行サービスや移動販売等について支援している。
◆酒井宏明 委員
移動販売等への補助ということだが、きめ細かい支援が必要であり、どの程度需要があるのか地域の声をしっかり汲み取っていただきたい。
空き家対策の利活用の点で、中心商店街の活性化のためにも住民を増やす努力が必要かと思うが、現状はどうか。
◎井上
住宅政策課長
空き家対策としては、発生させない、老朽化して危険なものは取り壊す、使えるものはリフォームして活用するという3点が重要である。平成27年に議員立法で空家等対策特別措置法が施行され、県は市町村を支援している。
◆酒井宏明 委員
空き家を空き店舗も含め調査することが市町村とともに取り組むべき課題であると思うがどうか。
◎井上
住宅政策課長
空き家の実態調査は、多くの市町村で進んでいる。空き家調査には、技術的な視点が必要なことから、人員的余裕の無い市町村へ技術的支援を行っている。なお、県は平成30年度に群馬県空き家調査マニュアルを策定し、市町村へ配布し、支援している。
◆酒井宏明 委員
是非市町村をバックアップしていただきたい。中心商店街の活性化と結び付けた形で、特に人が集まるところを中心として、国の補助も活用して空き家の利活用に取り組んでいただきたい。
◆井田泰彦 委員
昨年度、鉄道利用促進アクションプログラムを策定した4路線、JR吾妻線、両毛線、東武桐生線、上毛線について、令和元年度中にどう進めるのかが大切だと思う。5年後に鉄道を年間に一度も利用したことのない割合を10%改善するためには、
パークアンドライド駐車場等の整備が必要だと思うが、県の進め方について伺いたい。
◎松岡
交通政策課長
昨年度予算で、吾妻線2駅、東武桐生線1駅、上毛電気鉄道2駅の測量・現地調査・詳細設計の委託業務を土木事務所で発注し、測量が完了している箇所もあると聞いている。5年間の計画であるが早期工事完了を目指し、土木事務所と連携し、市町村とも協力しながら進めたい。
◆井田泰彦 委員
測量してあるところ以外の取組はどう考えているか。
◎松岡
交通政策課長
交通政策課は、これまで土木事務所と直接関わりがなかったが、土木事務所の予算執行・工事実施箇所のコントロールなど、アクションプログラムに位置づけた駐車場等の実施予定箇所の進捗管理を行い、早期完成に向けて土木事務所と連携して進めたいと考えている。
◆井田泰彦 委員
測量が終わっていないところもしっかりと担保して進めていくということを聞いて安心した。上毛線の駅の周辺整備もプログラムに位置付けられているので、できることがあれば協力していきたい。
交通まちづくり戦略の中で、社会実験として東武桐生線の特急りょうもうの無料化をやっていただき、14%の乗車人数が増えたということで地域の期待が高まっている。本実施に向けて、東武鉄道との協議はどうなっているか。
◎松岡
交通政策課長
昨年11月、12月に社会実験を実施したが、継続的な実施について昨年12月から協議し、今年4月にも東武鉄道の本社を訪問するなど、継続して協議を行っている。
県としては、昨年度実施した際に、手続き上「不便であった」「利用しにくい」という声も聞いているため、実施方法の改善案を提案して協議を進めている。
東武鉄道と合意に至っておらず苦労しているが、合意が得られるよう粘り強く協議したい。
◆井田泰彦 委員
昨年の12月から、社会実験に向けて協議をしているという話だが、今後も社会実験という位置づけなのか。
◎松岡
交通政策課長
本実施の要望については、特急料金無料化に要した費用は一月あたり約70万円、東武鉄道の収入は一月あたり約34万円(県試算)となっており、東武鉄道からすれば無料化ということにならない。次の合意点を探るべく、社会実験の手法について協議しているところである。
◆井田泰彦 委員
収支の関係においては、そのような結果であることは承知している。東京スカイツリーから浅草方面に向かうところではフリーで乗り降りできるようになっており、そこから乗る人もたくさんいる。社会実験として、県がしっかり補助しなければ東武鉄道も了承しないだろうが、太田駅から赤城駅に向かう特急料金を無料にするという手法もあると思うので、引き続き様々な角度から検討をお願いしたい。
上毛線のLRT構想において、費用的な面からも乗降の状況からも難しいということで、中断していると思うが、今後上毛電鉄は運行していかなければならないと思う。上毛線の新車両購入について伺いたい。
◎松岡
交通政策課長
県と沿線3市(前橋市、桐生市、みどり市)で構成する上毛線再生協議会では上毛線再生基本方針を策定し、第5期経営再建計画(平成30年度~令和4年度)に基づき、
鉄道事業者の経営の安定化と上毛線の安全運行の確保を図っている。
当該計画では、上毛線における車両更新(2編成4両新造)を計画上、今年度と令和3年度に予定していたが、
鉄道事業者と車両メーカー各社との協議の中で受注業者が選定できず、今年度予算への計上を見送っている。
いずれにしても、上毛線の車両は老朽化が進んでおり、安全運行が図れるよう、引き続き
鉄道事業者・沿線市と協議を進めて参りたい。
◆井田泰彦 委員
現状では整備がしっかりしているので、数年間は問題ないと思うが、引き続き
鉄道事業者等へのサポートをお願いしたい。
次に、主要幹線道路に関する質問であるが、太田藪塚インターチェンジのアクセス道路について、県道大間々世良田線バイパス(新里笠懸工区)の進捗状況と今後の予定はどうか。
◎植原
道路整備課長
太田薮塚インターチェンジのアクセス道路となる渡良瀬幹線道路として、アンケート調査を実施し、地域ニーズを反映しつつルート計画を検討しており、まもなく地域の皆様にお伝えする予定である。
本路線は、「7つの交通軸」の主軸路線であり、広域的に重要な幹線道路のため、車線数も含めた道路の構造などに関して、最新のデータに基づき交通量推計結果をベースに精査をしていきたい。
今後、7月を目処に地元説明会を開催し、地元の協力を得ながら、現地調査、道路予備設計を実施し、早期に事業着手できるよう努力したい。
◆井田泰彦 委員
今後速やかに地元説明会を開催するとのことだが、具体的な時期をお示しいただきたい。
◎植原
道路整備課長
最後の日程調整を行っているところであり、7月には地元説明会を開催したいと考えている。
◆井田泰彦 委員
需要予測に基づいて、片側一車線もしくは二車線にするかという視点も含めた検討をするということでよいか。
◎植原
道路整備課長
それを含め、最新のデータに基づき精査していく予定である。
◆井田泰彦 委員
次に、太田強戸のスマートインターチェンジのアクセス道路についてだが、県道太田桐生線バイパスの進捗状況と今後の予定はどうか。
◎植原
道路整備課長
太田強戸スマートインターチェンジのアクセス道路である県道太田桐生線バイパスは、昨年度、概略設計をとりまとめたところである。
今年度は、アンケート調査を実施し、地域ニーズを反映した、複数のルート比較案を作成のうえ、地域の皆様とともに評価を行い、道路計画を策定する予定である。
次年度以降は、道路詳細設計やトンネルの設計を実施し、都市計画決定の手続きを進める予定である。
◆今泉健司 委員
先月起きた痛ましい川崎殺傷事件を受けて、
スクールバスの停留所の安全対策について伺いたい。
◎町田
特別支援教育課長
川崎殺傷事件を受け、学校安全を所管している健康体育課から、各県立学校長等に、「登下校時における幼児児童生徒の安全確保について」という通知を発出し、各学校における地域や警察等との連携と、幼児児童生徒の安全確保の徹底について、改めてお願いしたところである。
また、特別支援教育課からは、県警本部に、県立
特別支援学校の
スクールバスの停留所等の情報提供を行い、パトロール時の各停留所への目配りをお願いするとともに、各
県立特別支援学校長あてに、所管する警察署との連携について依頼した。
こうした形で、警察の見守りを強化していただきながら、さらに連携を強化し、児童生徒の安全確保に努めて参りたい。
◆今泉健司 委員
警察との連携でパトロールや巡回を行っていただいているということで安心したが、引き続き保護者の方々とも連携し、地域で子供たちの安全を守っていただきたい。
先ほど、岸委員から
スクールバスの運行路線の増減について質問があったが、
特別支援学校の
スクールバスについて、路線が増えたところと減ったところがあるが、その根拠は何か。
◎町田
特別支援教育課長
委員御指摘の路線減は渡良瀬
特別支援学校の
スクールバスの路線で、3路線から2路線に減便となった。これは、昨年度、他の県立
特別支援学校の
スクールバスの増便を予算要求する中で各学校の利用状況等を調査し、運行状況を見直した結果、調整可能ということで、減便したものである。
◆今泉健司 委員
路線減となった渡良瀬
特別支援学校については、色々苦慮しながら対応はできているが、これ以上の乗車人数の増加は難しいと、保護者や教職員から聞いている。できれば戻してほしいという希望もあり、すぐには難しいと思うが、考えを伺いたい。
◎町田
特別支援教育課長
1便減に当たっては、学校に綿密に現状分析とルート確認をしてもらった。増便希望があることも承知している。伊勢崎
特別支援学校の通学区域の見直しにより、赤堀地区の児童生徒の中で渡良瀬
特別支援学校を希望される方が出てくることも踏まえ、
スクールバスは大きなツールであるため、状況を見ながら検討してまいりたい。
◆今泉健司 委員
今年の9月頃、渡良瀬
特別支援学校への入学希望調査が行われると聞いている。
スクールバスは学校を選ぶ際の
インセンティブになると思うので、赤堀地区の児童生徒が新たに渡良瀬
特別支援学校に行けるような環境づくりをお願いしたい。
◆高井俊一郎 委員
交通まちづくり戦略の資料について、目的や課題を明確化した上での施策の設定、それを
まちづくりまでつなげている素晴らしい資料である。
戦略の目的は「「自動車以外の移動手段」も選択できる社会」であり、その課題が「「自動車を使えない県民」の移動手段がなくなっていく」ということでよいか。
◎松岡
交通政策課長
そのとおりである。少子化で通学に公共交通を利用する世代が縮小し、鉄道やバスの経営がますます厳しくなっていく状況の中で、公的にどのような支援ができるかを整理している。
◆高井俊一郎 委員
BRTや
パークアンドライドは交通弱者対策ではないが、鉄道利用者を増やすためには、交通弱者対策として、駅のバリアフリー化を優先的に進めるべきと考えるがいかがか。
◎松岡
交通政策課長
バリアフリーの取組もしっかりと進めているが、交通事業者と国、市町村・県が三位一体となって取組を進めるという国の方針がある。県はいつでも支援できる態勢である。
◆高井俊一郎 委員
埼玉県では県主導で補助金を出しているようだが、本県の考え方はどうか。
◎松岡
交通政策課長
本県も補助金で支援させていただいている。その残りを
鉄道事業者の自己負担と、市町村・国の補助金を活用することになるが、その足並みが揃うかどうかである。
◆亀山貴史 委員
次世代モビリティ活用推進について、今年度渋川駅と群大荒牧キャンパスで実証実験が計画されているということだが、自動運転バスの実証実験は、今後拡大する計画や、県のイベントで活用する予定はあるか。
◎松岡
交通政策課長
自動運転の実証実験は群馬大学との共同研究で実施するものである。県内バス会社が自動運転バスを導入しやすくなるよう、自動運転バスの車両価格の低減を目指して、研究を行うとともに、地域住民にも受け入れられるよう、実際にバスに乗る機会も設ける予定である。特に、イベント等は予定していないが、一日も早く、県内に自動運転バスが導入されるよう群馬大学と研究を進めていきたい。
◆亀山貴史 委員
自動運転については、全国で取り組まれており、桐生市でも地元企業が中心となって取り組んでいる施策である。そのような中、県民が身近に感じられるような機会を増やしていただきたい。
次に、鉄道利用促進「アクションプログラム」についてだが、初年度の課題と、来年度に向けた今年度の改善点はあるか。
◎松岡
交通政策課長
「年間一度も鉄道を利用しない割合」を今後5年間で10ポイント改善することを目標に掲げ、
パークアンドライド駐車場などの整備計画をまとめたものである。この内容を広く周知するために、沿線の全市町村の広報誌でPRしたところである。
初年度の課題ということではないが、路線ごとに特性があり、今年度の対象路線には、観光利用も多い路線もあることから、「観光」などの外部利用の視点も取り入れて、あくまでも沿線における鉄道利用促進の機運醸成が図られるようまとめたいと考えている。
◆亀山貴史 委員
何より地元の交通弱者の高齢者や学生たちにとって、公共交通はなくてはならないので、引き続き県民の声を吸い上げ、取り組んでいただきたい。
公共交通の利用促進として、小学生や新高校生に向けて、公共交通の必要性を伝えていくという取組があると思うが、どのような取組か。
◎松岡
交通政策課長
モビリティ・マネジメントの一環として、小学生2年を対象としたバスの乗り方教室を開催しており、小学校にバス車両を持ち込んで、バスの乗り方やマナーなどを教えている。
高校生向けとしては、
教育委員会から、入学後ではなく、高校を選ぶ前の方が効果的とのアドバイスを受けて、高校のオープンスクールで、公共交通での通学を促すモビリティ・マネジメントのリーフレットを作成し、中学3年生とその保護者にPRしている。
◆亀山貴史 委員
今後免許を返納する高齢者に対する公共交通利用促進への働きかけの取組はあるのか。
◎松岡
交通政策課長
高齢者を対象とした「バスの乗り方教室」の開催や、また、スマートフォンのアプリなど使いこなすことが難しい高齢者などの対応として、県、市町村、バス会社の職員が電話問合せに対応する取組を「バス乗換コンシェルジュ宣言」として案内に努めている。
◆秋山健太郎 委員
空き家対策についてだが、これからの
まちづくりを考える上で、空き家対策は非常に重要な問題である。実際にまちなかを歩くと空き家が多いことを実感する。
平成31年4月に住宅土地統計調査が公表され、全国空き家数が846万戸となり、前回調査と比較し、26万戸増加し、空き家率は13.6%となっている。空家等対策特別措置法では、市町村が事業主体となって取り組むことになっているが、今後は県も主体性をもって取り組むべきと考えるがどうか。
◎井上
住宅政策課長
群馬県は空家等対策特別措置法が施行された平成27年より以前の平成24年度に、市町村と空き家対策の協議会を立ち上げ、空き家対策に関する施策を実施している。また、平成28年度からは弁護士会、司法書士会、建築士会、不動産団体等の専門家団体も含めて組織改編し、様々な観点から市町村支援ができるよう体制強化や情報共有を図っている。また、県は所有者不明特定空家の略式代執行に関する補助を制度化している。そして、空き家対策セミナーも年4回程度開催し、さらに、市町村が国の
補助金活用にあたり必要となる空家等対策計画の策定に関する手引きを平成29年度に作成し、空き家調査マニュアルも含め、市町村支援を行っている。今後も空き家対策の主体である市町村を支援するとともに、県としても積極的に関わっていく予定である。
◆秋山健太郎 委員
国の方では空き家の譲渡所得の特別控除や、特定空き家に係る敷地の固定資産税について住宅用用地特例から除外するといった取組がなされている。現場で空き家問題に直面しているのは市町村の職員であり、限られた人員の中で様々な課題に向き合っているという現状である。空き家に関する市町村の実態調査から把握できる大きな課題は何か。
◎井上
住宅政策課長
市町村からは、所有者不明の空き家が多いと聞く。そのような空き家は老朽化が進んでおり、危険な空き家が多く、撤去しなくてはならない状況が多く見受けられる。法的な対応が難しい面があり、市町村も対応に苦慮しているが、協議会のメンバーである弁護士会等に協力をお願いしながら進める必要があると考えている。
◆秋山健太郎 委員
現場で直面する課題に向き合っている市町村は、相続人の確定や指導助言に従わないなど、苦慮している。先ほど、代執行の話があったが、例えば、所有者不明の土地を借りて、そこに特定空き家が建っていたものの、代執行で空き家は解消されたが土地は利活用できないという問題があった場合、新しく所有者不明土地法が施行されて除却法の土地について都道府県知事が一定の使用権を設定することで、広場公園等の整備に活用できるそうである。このように県が主体的に関わっていく施策を今後充実させる必要があると思う。市町村では、解体に対する補助制度や利活用に対する助成金といった取組をしている。太田市でも解体の除却に対して、初年度で1軒当たり60万円が上限だったと思うが、この制度によって1年間に200軒の空き家の解体につながったという実績があるので、できれば県費の投入を行い、制度の拡充を図っていただきたいと思うがどうか。
◎井上
住宅政策課長
県としても積極的に関わっていく所存である。ただ、予算等制約もあるため、今後、検討していきたい。
◆秋山健太郎 委員
住宅土地統計調査によれば、群馬県は5年前と空き家率は横ばいとのことだが、それは総住宅数が増えたからであると思う。二次的住宅を除くと空き家率は増加しているという現状があり、今後も空き家は増えていくと思われるので、引き続き市町村ときめ細やかに連携し、空き家対策の充実・拡充をしていただきたいと思う。
○
久保田順一郎 委員長
以上で質疑を終了いたします。
△閉会中継続審査(調査)特定事件の決定
○
久保田順一郎 委員長
次に、委員会が閉会中審査又は調査する案件については、お手元に配付してある案のとおりでよろしいでしょうか。
(「はい」の声あり)
御異議ありませんので、さよう決定いたします。
△その他
○
久保田順一郎 委員長
次に、委員会調査の実施についてであります。5月17日に開催された正副委員長会議において、本委員会の県外調査は、11月6日(水)から8日(金)の2泊3日の範囲で実施することになりました。
ついては、調査実施に関して、この後、散会後に委員の皆様に少しお残りいただき、意見交換をしたいと考えておりますので、よろしくお願いします。
なお、最終的な調査の決定については、正副委員長に御一任願います。
それでは、そのように取り計らいます。
そのほか、何かございますか。
(「なし」の声あり)
△散会
○
久保田順一郎 委員長
以上をもって、本委員会で審議すべき案件は終了いたしました。
本日は、これをもって散会いたします。委員の皆様は、このまま少しお残りいただきますようお願いいたします。
(14:14終了)
委員会記録署名委員
まちづくり戦略特別委員会
委員長 久保田 順一郎...