栃木県議会 2024-03-14
令和 6年 3月予算特別委員会(令和5年度)−03月14日-01号
令和 6年 3月
予算特別委員会(令和5年度)−03月14日-01号令和 6年 3月
予算特別委員会(令和5年度)
予算特別委員会(総括質疑)会議記録
1 開会日時 令和6年3月14日 水曜日
2 場 所 議事堂大会議室
3 開閉会時間 午前10時00分〜午後3時26分
4 委員氏名
委 員 長 山 形 修 治
副委員長 石 坂 太
委 員 渡 邉 典 喜
小 菅 哲 男
小 林 達 也
平 池 紘 士
野 村 せつ子
野 澤 和 一
琴 寄 昌 男
早 川 桂 子
日向野 義 幸
保 母 欽一郎
松 井 正 一
岩 崎 信
神 谷 幸 伸
5
栃木県議会委員会条例第18条に基づき出席を求めた者の職氏名
知事 福 田 富 一
副知事 北 村 一 郎
副知事 天 利 和 紀
総合政策部長 笹 川 正 憲
経営管理部長 仲 山 信 之
生活文化スポーツ部長 野 原 恵美子
保健福祉部長 岩 佐 景一郎
環境森林部長 小野寺 一 行
産業労働観光部長 石 井 陽 子
農政部長 熊 田 欽 丈
県土整備部長 坂 井 康 一
会計管理者会計局長 中 谷 一 彦
企業局長 北 條 俊 明
総合政策部次長兼
総合政策課長 小 林 宣 夫
財政課長 岩 田 知 也
教育長 阿久澤 真 理
代表監査委員 森 澤 隆
人事委員会事務局長 萩 原 英 樹
労働委員会事務局長 桐 渕 ゆ か
警察本部長 難 波 健 太
6 会議に付した事件
(1)付託議案(令和6年度当初予算関係)に対する総括質疑
7 その他の必要事項 なし
────────────────────
午前10時00分 開会
○山形修治 委員長 ただいまから
予算特別委員会を開会いたします。
開会にあたり、一言ご挨拶を申し上げます。
今通常会議に知事から提出されている令和6年度当初予算案は、
政策経営基本方針に基づく、とちぎ
少子化対策緊急プロジェクトの推進やG7栃木県・
日光男女共同参画・
女性活躍担当大臣会合を契機とした女性活躍の推進などの積極的な展開のほか、とちぎ
未来創造プラン、とちぎ創生15(いちご)戦略(第2期)の着実な推進を図ることとして編成されております。
本日の委員会では、各会派の委員が登壇し総括質疑を行いますが、委員各位には県民の負託に十分応えられますよう、慎重かつ熱心な議論をお願いするとともに、執行部の皆様には簡潔かつ明瞭な答弁を期待いたしまして、開会の挨拶といたします。
本日の
会議録署名委員に、小林委員、野村委員を指名いたします。ご了承願います。
これより議事に入ります。
本委員会に付託されております令和6年度当初予算関係の第1号議案ほか24件の議案を一括して議題とし、質疑を行います。
発言通告者に対し、発言を許します。
とちぎ
自民党議員会、岩崎信委員。
◆岩崎信 委員 皆さん、おはようございます。とちぎ
自民党議員会の岩崎信でございます。
今日は
予算特別委員会ということで、とちぎ
自民党議員会からは情熱を持ったふるさとを愛する4人の議員が登壇いたしますので、よろしくお願いを申し上げます。
まず、質疑に入る前に、少し私の意見を述べさせていただきたいと思うのです。それは先月、2月の地元紙の新聞1面に載りました。今年の新しい事業で、奥日光で富裕層向けの400万円のツアーを企画したのね。しかし、それが成約ゼロということで、期間延長や値下げをしても実らずという記事が載りました。成約がゼロだったというので、これは非常に残念です。どうしてそういうことになったのかをしっかり検証して、計画が甘かったのか、それとも告知する期間が短かったのか、いろいろこれを精査して次の政策に生かしていただきたい。
得たものもたくさんあるのではないかと思うのね。この新聞が出たら、
ネットニュースに4,000件も書き込みがあったというのだよ。すごいね。日本テレビも取り上げてくれたというのだ。4,000件の中にはいろいろな意見があったと思う。大体どういう意見か分かると思うけれども、やはりそういう意見もしっかり取り入れて今後に生かしていただきたい。やはり花は七色、人間十色といって、いろいろな意見がありますから、いろいろな人の意見を聞いて取り組んでいただきたいと思う。
しかし、反省するのは反省しますけれども、やはり新しい事業を始めるときには恐れずひるまず、県庁の皆さんには知事をトップとしてやってもらいたい。今から審査する令和6年度の予算案だって、新しい事業がたくさんある。これは失敗を恐れてひるんでは駄目だと思う。恐れずひるまずしっかり新しい事業に取り組んでもらいたい。やはり新しい事業をやらなければ発展はしないから、ぜひそれをお願いしたいと思うのです。栃木県は県民所得4位だから、自信を持って取り組んでもらうことをお願い申し上げて、質問に入ってまいります。
まず、第1番目の質問は、人口減少問題における若年女性の
転出超過対策について、知事にお伺いをいたします。
この問題は、今回の代表質問を我が党の木村幹事長がやりましたけれども、皆さんの一般質問の中でもいろいろ取り上げられました。知事も、この問題は非常に県政の中の大きな課題だということで力を入れています。私も何回もこの問題は取り上げて、皆さんと一緒に危機感を共有していたということです。
知事は、昨年8月にとちぎ
少子化対策緊急プロジェクトを打ち出して、9月補正予算で第1弾の実施事業に着手しました。新年度、令和6年度では第2弾実施事業を計画し、対策に取り組むこととしておりますが、これが成果につながるよう
プロジェクトをしっかり進めてもらいたいと思うのです。
栃木県の人口は、毎年毎年生まれてくる人が1万500人、これは2022年かな、死亡する人が大体2万5,000人だから、1万4千何百人の人が自然増減で減っていってしまうのね。そのほかに社会減で転出、出ていった人と入ってくる人の差があって、令和4年度は2,557人の人が東京圏に出ていってしまったと。その中でも、15歳から29歳までの若い人においては、3,370人の人が栃木県から出ていった。その中の6割が女性だということです。人口減少においていろいろな対策を打たなければなりませんけれども、私は、若い女性の流出を食い止めることが重要なポイントだと考えております。
そこで、県は、
人口減少対策、特に若年女性の
転出超過対策にどのように取り組んでいくのか、知事にお伺いをいたします。
○山形修治 委員長
福田富一知事。
◎福田 知事 冒頭、400万円ツアーにつきまして、激励を賜りましてありがとうございます。話題提供には大いになったと思います。残念ながら、お客さんはおいでになりませんでした。しかし、これをばねにしまして、3倍返しを目指してまいりますので、ご支援をよろしくお願いいたします。
人口減少問題の克服に向けまして、県では、とちぎ創生15(いちご)戦略(第2期)に基づき各種施策を推進しておりますが、なお深刻さを増す少子化に歯止めをかけるため、とちぎ
少子化対策緊急プロジェクトを打ち出し、全庁を挙げて取組を進めているところであります。新年度には第2弾実施事業といたしまして、第2子のうち、3歳未満児の保育料を免除する事業を実施する等、子育て世帯の経済的負担の軽減に取り組むほか、若者の結婚の希望をかなえる環境づくりや仕事と家庭の両立支援など、施策の充実を図ってまいります。
一方、コロナ禍で減少傾向にありました転出超過が
社会経済活動の正常化に伴い再拡大しており、特にご指摘のように、若年女性の県外への流出は、本県産業における人材不足や出生数の減少など、将来的な人口減少にも影響を及ぼす大きな課題であることから、対策が急務であると考えております。
このため、
ものづくり県としての本県の特徴を踏まえ、
女子中高生等の理工系分野への進路選択を引き続き促進するとともに、現在策定中の女性に魅力ある雇用・産業創出等に向けた事業戦略に基づき、県内女性の雇用拡大に資する企業の
オフィス設置経費への助成や、ワークシェアリングなどの女性にとって自由度のある働き方につながる
デジタルスキルの習得支援など、各種施策を積極的に展開してまいります。
さらに、移住ニーズが高く波及効果が見込める
子育て世帯向けの取組強化と併せて、若年女性を対象とした移住セミナーや
移住体験ツアーを行うなど、ターゲットに応じた移住施策にも工夫を凝らしてまいります。
今後とも、活力ある栃木県を未来に引き継げるよう、人口減少・少子化問題の克服に全力を尽くしてまいります。
○山形修治 委員長 岩崎信委員。
◆岩崎信 委員 今知事からご答弁をいただきました。やはり若い女性が東京都へ出ていってしまうというのは、これは東京都に何か魅力があるということなのだよね。だから、若い女性がなぜ東京都に行くのか、東京都内に就職するのか、そういうところもやはり調査しなくては駄目だと思う。栃木県は
ものづくり県だから理工系の働きやすいところをつくって提供するというのも、これは非常にいいことだとは思いますけれども、先ほど知事が言ったように、若い女性に魅力ある産業は果たして何だろうと。そこをしっかり求めていかなければ、若い女性はみんな東京都へ行ってしまうと。やはりそこが大事だと思うのね。しっかりその辺りは県庁の皆さんで策を練って取り組んでいただきたい。
このままでは本当に、特に中山間、農山村の地域は人がいなくなってしまう。栃木県は出生率1.24でしたか。全国より少し低いが、韓国は0.72でしょう。いろいろな政策を行っているが、実を結ばないね。やはり人口減少・少子化というのは栃木県だけではない、これは全国的に国の政策でやらなくてはならないと思いますけれども、栃木県は栃木県の地の利、そういうものを生かしながら頑張っていただきたい。やはりこれはみんなで危機感を持って取り組んでいくべき課題だと思いますので、県議会も皆さんと一緒になって取り組んでまいりたいと思います。よろしくお願いいたします。
それでは、2番目の質問として、
G7レガシーとしての
男女共同参画・
女性活躍推進について、
生活文化スポーツ部長にお伺いをいたします。
やはり女性が輝く社会というのは、誰もがこれを望んでるし、今はそういうムードが非常に盛り上がってきている。特に栃木県は、昨年G7栃木県・
日光男女共同参画・
女性活躍担当大臣会合が6月に開かれて、大変盛り上がって意義深いものがあったなという感じがいたします。
G7栃木県・
日光男女共同参画・
女性活躍担当大臣会合の開催前後には、県でも100日前イベントを行ったり、
こども未来サミット、知事と企業のトップの皆さんとの意見交換、
記念シンポジウムを開催したところであって、これらの取組を通じて、県民の皆さんにおける
男女共同参画・女性活躍の関心が高まったと感じています。こうした高まった機運を一過性のものとしないよう、レガシーとして
男女共同参画・
女性活躍推進をさらに加速していくことが求められていると思っています。
また、G7栃木県・
日光男女共同参画・
女性活躍担当大臣会合の成果文書である日光声明では、女性の経済的自立や無償のケア労働の女性への偏りの解消、社会全体の意識を変えることなど――大事なことだね――課題として取り上げられました。これらの課題の解消に向けて、日光声明の内容及び本県の現状を踏まえた施策のさらなる充実が、大臣会合の開催県としての責務であると考えています。
新年度予算においては、
G7レガシー推進事業費が計上され、県の並々ならぬ意気込みが感じられるところでありますが、
男女共同参画・
女性活躍推進についてどのように取り組んでいくのか、
生活文化スポーツ部長にお伺いをいたします。
○山形修治 委員長
野原生活文化スポーツ部長。
◎野原
生活文化スポーツ部長 日光声明を踏まえ、
男女共同参画をさらに推し進めるには、本県の課題を共有し、社会全体の取組へと広げていくことが重要であります。
このため、産業界と連携をし、社外メンターによる
女性管理職育成制度を導入いたしますとともに、とも家事の一層の普及・定着に向け、
家事代行サービスの利活用促進や、多くの企業と連携したキャンペーンの年間を通じた展開のほか、企業における男性育休のさらなる取得促進など、女性の経済的自立と家事・育児の負担軽減に向けた環境整備を図ってまいります。
また、中高生を対象に
男女共同参画に関して学習し意見を表明する機会を提供するほか、幅広い世代が集う、仮称ではございますが、輝くとちぎフォーラムを開催いたしまして、若者の思いを共有することにより、無意識の思い込みの解消など、社会全体の意識改革につなげてまいります。
G7レガシーを生かしながら、
男女共同参画・
女性活躍先進県とちぎの実現に向けて積極的に取り組んでまいります。
○山形修治 委員長 岩崎信委員。
◆岩崎信 委員 今、
野原生活文化スポーツ部長からご答弁をいただきました。男女が共に輝く社会というのがやはり大切なことなのだろうと思います。いろいろ答弁いただきましたが、
野原生活文化スポーツ部長に再度お考えをお聞かせ願いたいと思うのですが、
野原生活文化スポーツ部長が持っている女性活躍というイメージをお聞かせ願いたい。新聞報道で、都道府県の議員の男女比とか、県職員の管理職の男女比、あとは民間の大きな会社の役職の男女比、こういうものをもって、それが上がれば女性が輝いているのだという新聞報道とかありますが、私は、いろいろな職業があって、そこで男の人も女の人も働いていて、そこで女性が経済的な格差もなく輝いているというのが大事なことなのではないかと思っていますけれども、
野原生活文化スポーツ部長の女性が活躍というイメージをお聞かせ願いたいと思います。
○山形修治 委員長
野原生活文化スポーツ部長。
◎野原
生活文化スポーツ部長 昨年11月に県が開催しましたG7栃木県・
日光男女共同参画・
女性活躍担当大臣会合記念シンポジウムにおきまして、県民の皆様と共に採択できました輝くとちぎ宣言の内容が、まさに私の理想とする女性活躍の姿であると思っております。具体的には、「誰もが仕事と家庭の両立を諦めることなく、キャリアのチャンスをつかむことができる社会」ということでございます。
企業で安定して長く働きたいという方や
キャリアアップを目指したい方、ワーク・ライフ・バランスを重視したい方など、働くことの目的や価値観などは様々あるかと思いますが、こうありたい、こうなりたいと思う自分の理想の姿を描くことができて、希望を持って目指していける、そのような多様性のある社会を行政・企業が連携してつくっていくことが重要であると思っております。
また、仕事以外におきましても、地域や様々な分野で活躍している方々が、人と人とのつながりを大切にしながら、これまで以上に活躍の場を広げることができて、また一方では、おかしいと思っていることには勇気を持って声を上げることができる、そのような社会の実現も大変重要であると思っております。
私の大好きな栃木県が
男女共同参画・女性活躍の先進県となって、誰もが様々な分野で生き生きと楽しく活躍できると、そのような県になりますよう、
G7レガシー推進事業などを積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
○山形修治 委員長 岩崎信委員。
◆岩崎信 委員 女性も男性も輝ける、そういう社会をみんなで目指していきましょう。
3番目として、
フレイル予防事業について、
保健福祉部長にお伺いをいたします。
フレイルと聞いて、ここにいる人は県の皆さんや県議会議員だからどういう意味か分かりますけれども、今テレビで見ている栃木県民の皆さんで、フレイルって何だろうと思っている人はたくさんいると思うのね。フレイルというのは、簡単にそういう人のためにお話ししますけれども、こっちに健康がある、もう一方に介護、この間、この不安定のところがフレイルというのです。この不安定なところをなくそうというのが
フレイル予防ということだと聞いております。
県では、これまでも健康長寿とちぎ
づくり県民運動の
重点プロジェクトに人生100年
フレイル予防プロジェクトを位置づけて、官民協働でフレイルに関する認知度の向上を図るほか、いろいろな
フレイル予防の事業を行ってまいりました。なかなかこのフレイルの認知度が上がっていないのだという感じがいたします。
コロナ禍における人との交流や活動の低下などによって、高齢者の心身機能の衰えによる生活機能の低下、将来介護状態になる危険性が高まっています。やはり県民の皆さんがいつまでも元気で自分らしく暮らせるためには、さらなる
フレイル予防、この不安定さをなくす正しい理解や早期取組が必要であります。また、事業を効果的に行うためにも市町村への支援が重要であると考えます。
そこで、県は、新年度予算に計上した――これは格好いい名前だね――転ばぬ先の衰え(フレイル)予防で
笑顔ハツラツ事業費、長いですけれども、
フレイル予防に向けてどのように取り組んでいくのか、
保健福祉部長にお伺いをいたします。
○山形修治 委員長
岩佐保健福祉部長。
◎
岩佐 保健福祉部長 県といたしましても
フレイル予防の取組は重要と認識しておりまして、メディアを用いた普及啓発などに取り組んでいるところでありまして、新年度から新たに、県民を対象とした
シンポジウムを開催しまして、住民主体の
フレイル予防の推進を図っていきたいと考えています。
また、市町を支援するため専門家をアドバイザーとして派遣いたしまして、地域において効果的な
フレイル予防の実践を積み重ねるとともに、地域で活躍する
食生活改善推進員等を活用いたしましたモデル事業を行い、好事例の横展開を図っていきたいと考えております。
加えまして、加齢性難聴へ対応する観点から、早期発見・早期対応の重要性の理解を促進するための講演会の開催や高齢者が集まる通いの場での
リーフレット配布等によりまして普及啓発を行うとともに、
地域包括支援センターや
市町職員向けの研修を通じまして、現場で活動する人材の育成にも取り組んでまいります。
今後とも、市町や関係者等と連携いたしまして、
フレイル予防の推進に努めてまいります。
○山形修治 委員長 岩崎信委員。
◆岩崎信 委員 今、
保健福祉部長から答弁いただきました。やはり元気で長生きだから、それが大事だよね。元気で長生き、これは誰もが望むところです。そこで知事にお伺いをいたしますけれども、この中で一番の年配は知事だと思うのね。知事と大体年代一緒だから、しっかり
フレイル予防しなくてはいけませんけれども、私もそうですが、知事は
フレイル予防についてどのようなことを行っているのか、やっていることがあればお聞かせを願いたいと思うのですけれども。
○山形修治 委員長
福田富一知事。
◎福田 知事 私は3つの観点から、健康づくり、すなわち
フレイル予防を行っています。1つは体を動かすこと、運動、2つ目は食生活、食べて健康、3つ目は良質な睡眠と、これを心がけています。運動は何だというと、朝ラジオ体操をやる、県庁に来ればエレベーターを使わないで階段を上る、家に帰ればウオーキングをする。食生活は3食食べながら、今日1日で食べていないのは何だというのを見つけて、食べていないものを積極的に食べると。そして、睡眠時間は十分とは言えませんが、いい夢を見て寝るように心がけています。この3つの観点から健康づくり、
フレイル予防を行っております。
引き続き、県といたしましては、
シンポジウムの開催、あるいは
食生活改善推進員などを活用してのモデル事業の実施などで、
フレイル予防の取組を強化してまいりたいと思います。
○山形修治 委員長 岩崎信委員。
◆岩崎信 委員 今、知事からあったように、やはり運動、高齢者はあんまり過激な運動は駄目だね、適度な運動。そして、今知事が言ったように栄養、バランスのよい食事、やはり飲み過ぎ、食べ過ぎは駄目だよね。あとは、早起きではなくて睡眠、これが大事だね。早起きは、栃木県は全国で8位なのでしたね。早く起きる人が多いのです。いろいろなことをやりながら
フレイル予防について取り組んでいっていただきたい。よろしくお願いいたします。
時間がありません。次の質問に移ります。非住宅建築物における県産木材の利用促進について、
環境森林部長にお伺いをいたします。
非住宅建築物、何だか少し分からないよね。住宅にあらずというのだから、住宅以外のものだ、住むところ以外ね。というと、店舗、事務所、工場、倉庫などに県産材を利用していこうということです。栃木県は栃木と県の名前に「木」がつくので、県土の54%が森林です。それで、人工林で植えた分のもう7割近くが利用期を迎えていると。これをどんどん利用しなくては駄目だと思います。
建築物における県産木材の利用促進は林業・木材産業の活性化のみならず、やはり木は切って使って植えて、また育てるというのは大事なことで、しっかりこれを循環させていくということです。森林は特に、私たちがこうやって生きている今、吸っている酸素、これをつくっているのだから、やはりその辺りもしっかり私たちは認識して、森林の活用を考えなくてはいけないと思っています。
一方、人口減少や住宅建築費の高騰等により、木材の主たる需要先である住宅建築が激減しております。そういうことで、住宅ではない、店舗や工場、事務所に木材利用を促進していくということが重要であります。
このような中、県では、非木造により建設されている非住宅建築物において、非木造から木造への転換を図るため、新年度予算に非
住宅建築物ウッドチェンジ事業費を計上し、県産木材の利用促進を図ることとしております。
そこで、県では、非住宅建築物における県産木材の利用促進に向け、どのように取り組んでいくのか、
環境森林部長にお伺いをいたします。
○山形修治 委員長
小野寺環境森林部長。
◎小野寺
環境森林部長 県では、森林資源の循環利用を通して、林業・木材産業の成長産業化や脱炭素社会の実現を図るため、昨年、とちぎ
木材利用促進方針を改正し、民間建築物を含めた建築物全体における木材利用を促進していくことといたしました。
このため、昨今の
新築住宅戸数の減少を踏まえ、新年度、木造化率が低い非住宅建築物において、多くの県民が利用するモデル的な
中大規模建築物とともに、木造化が容易で波及効果が期待できるコンビニエンスストアなどの
小規模建築物を対象とした新たな支援制度を創設し、木造化への転換を加速してまいります。
また、非住宅建築物の木造化に対応できる建築士を育成するため、関係団体と連携しながら、木造化に関する技術講習会を開催するほか、とちぎ
材環境貢献評価認証制度を活用し、木造化が環境保全等に有効であることを広く発信してまいりたいと考えております。
今後とも、関係団体等と連携しながら、非住宅建築物における県産木材の利用促進に積極的に取り組んでまいります。
○山形修治 委員長 岩崎信委員。
◆岩崎信 委員 やはり木材の利用促進をしっかりやっていかないと、なかなか森林を守っていけないと思いますので、積極的な取組をお願いしたいと思います。やはりこれは新しい事業ですから、いろいろな人に知ってもらうことが大切なので、周知、宣伝に積極的に努めていただくよう要望いたしまして、次の質問に移りたいと思います。
新たな成長産業の誘致・集積等について、知事にお伺いをいたします。
国では、半導体の国内生産拠点整備に巨額の支援を行うなど、安全保障の確保に関する経済政策を強力に推進しております。北海道のラピダスでしたかね、やはりこれはソニーだの、トヨタだの、そういう国内の企業が集まってすごいものを今つくっているということでして、そのほかには熊本県のTSMCという台湾の企業が来て、今非常に大きな話題になっております。
本県においても、社会経済構造の変化や複雑化する国際情勢を見据え、今後、社会経済に大きな影響を与える半導体や蓄電池など、新たな成長産業の誘致等に積極的に取り組むべきだと考えています。
県では、当初予算における経済安全保障対策関連事業費として、企業立地補助金における半導体や蓄電池関連企業への補助制度額を70億円に引き上げるなどの経費を計上しているが、本県経済のさらなる発展に向け、半導体や蓄電池をはじめとする新たな成長産業の誘致・集積等に今後どのように取り組んでいくのか、知事にお伺いをいたします。
○山形修治 委員長
福田富一知事。
◎福田 知事 カーボンニュートラルへの対応やデジタル化の進展、経済安全保障リスクの増大等、世界情勢が急激に変化する中、本県経済のさらなる発展を図るためには、引き続き、ものづくり産業を振興していくとともに、成長が期待される新たな産業の集積等にも、積極的に取り組んでいく必要があると考えております。
このため、本県の強みである自動車等の戦略3産業に加え、デジタルインフラの根幹となる半導体や、モビリティの電動化に不可欠な蓄電池などの新たな成長産業の本県への集積等に向け、今般、半導体・蓄電池産業などの新たな成長産業の集積等に向けた取組方針を策定したところであり、今後、誘致・定着強化、技術開発・販路開拓支援、人材育成・確保の3つの柱で取組を進めてまいります。
また、今年度、県内企業を対象に実施した実態調査におきまして、本県には新たな成長産業の関連企業が一定数立地していることを確認いたしましたが、さらなる産業集積に向けましては、集積の中核を担う企業を誘致していくことも必要であります。
このため、経済安全保障上の観点からも重要であり、今後も設備投資や雇用創出などの経済波及効果が大きく見込まれる半導体及び蓄電池の関連企業を対象にマーケティング調査を新たに実施し、調査結果に基づく戦略的な誘致活動を展開してまいります。
さらに、本県へ立地するインセンティブを高めるため、新年度から、国の経済安全保障政策における特定重要物資の供給確保計画に基づく投資を行う企業に対し、立地補助金の補助率を引き上げるとともに、特に半導体及び蓄電池関連企業に対しましては、補助限度額を国内トップクラスとなる70億円へ引き上げるなど大幅に拡充する考えであります。
今後とも、優遇制度等を活用しながら、本県経済のさらなる成長発展の牽引役として期待される新たな成長産業の誘致・集積等に全力で取り組んでまいります。
○山形修治 委員長 岩崎信委員。
◆岩崎信 委員 今、知事から積極的なご答弁をいただきました。この半導体や蓄電池は、これからの産業の中の中核をなすものだよね。私もあんまり半導体は勉強したことないから分からないが、今使っているタブレット、私が使っているスマホやパソコン、あとはテレビ、エアコン、冷蔵庫、掃除機、炊飯器、自動車、産業用のロボット、医療機器、全てのところに半導体が使われている。だから、全国の都道府県でも全部それを誘致するように競争しているわけよ。だから、積極的にこれは本当に力を入れてやらなくては、掛け声倒れになってなかなか成果が上がってこないということにもなりかねませんので、ぜひともいろいろ実態調査とか、マーケティングすると言いますけれども、やはり対象をしっかり絞ってやったほうがいいと思う。半導体作っているのは60%ぐらいが台湾だというのでしょう。だから、半導体でもいろいろな種類があるというから、やはりどういうものをターゲットにして誘致してもらうのか辺りもしっかり取り組んでもらうよう要望して、もう時間がありません、最後の質問に移ります。
インバウンド需要を捉えた農村地域の活性化について、知事にお伺いをいたします。
先月末に観光庁が発表した2023年度の宿泊旅行統計調査の速報値によりますと、本県での外国人の延べ宿泊数、これはコロナ禍前の実績を28%上回って過去最高になったと。外国人の人がいろいろ来てくれると。
私の地元である益子町にも、イチゴ狩りができる観光農園、道の駅、いろいろあります。外国人の人もかなり来ていただいています。最近では買物だけでなく、その土地ならではの郷土食、私の地元にはビルマ汁というのがある。あと、体験を楽しみたいと考えている人が増えているとのことで、このような流れを捉え、訪日客を今まで以上に多く農村に呼び込むことができれば、地域はさらに活性化するのではないかと思っております。
一方で、農村地域では高齢化が進んでおり、訪日客を受け入れる体制や宿泊などの施設がまだ十分でありません。農村には、農村レストラン、直売所、イチゴ狩り、非常に魅力的な場所がたくさんありますが、受入れ態勢がなかなかできていない。やはりこれを強化して、地域資源を磨き上げ、海外に発信することができれば、外国人がますます増えてくるのではないかと思います。
このたび、新年度予算にとちぎの農村稼ぐ力強化事業費を計上し、農村地域へのインバウンド誘客を行っていくということとしておりますが、農村地域のさらなる活性化に向けた取組として大いに期待をしております。
そこで、県は、インバウンドの流れを捉えた農村地域の活性化にどのように取り組んでいくのか、知事にお伺いをいたします。
○山形修治 委員長
福田富一知事。
◎福田 知事 インバウンド需要が拡大する中、農村地域のさらなる活性化を図るためには、外国人のニーズを的確に捉えながら、地域資源を磨き上げ、農村地域への誘客を促進し、収益力を高めていくことが重要と考えております。
このため、まずは、県内の農村地域におきまして、訪日外国人を誘客する機運を醸成していくことが不可欠でありますことから、市町や農業団体、地域の農業者等を対象に、全国の優良事例を紹介する
シンポジウムを開催するとともに、外国人のニーズや受入れのメリット等に関する情報を提供してまいります。
次に、インバウンドに対応したモデル地域を創出するため、新たに農村プロデューサーを設置し、施設の案内表示の多言語化や、キャッシュレス化などの受入れ環境づくりに加え、地域の食材を使ったメニュー開発や、農産物オーナー制度の創設などによる地域資源の磨き上げを支援してまいります。
さらに、多くの外国人旅行者に本県の農村地域を訪れてもらうため、海外向けサイトにおいて栃木県の食や農業の魅力発信を強化するとともに、海外の旅行会社等を招請し、農村地域を巡る旅行商品の造成を促進してまいる考えであります。
加えて、帰国後の再来訪の意欲を高めるため、農村と海外をつなぎ、栃木県ならではの風景や農産物を配信するオンラインイベントを開催するとともに、海外インフルエンサーを活用した本県の魅力発信や、県産農産物の現地プロモーションを促進し、輸出拡大にもつなげてまいります。
今後とも、市町、関係団体と連携しながら、海外の方に選んでもらえるよう、農村地域の活性化にオール栃木で取り組んでまいります。
○山形修治 委員長 岩崎信委員。
◆岩崎信 委員 やはり農村地域の元気が出なければ、栃木県は元気が出ないと私は思っているのね。今知事からもご答弁をいただきました。農村地域の活性化、やはり農業をやっている人はもう70歳以上なのね。私も70歳過ぎましたけれども、こういう人が今元気でやっている。大体70歳以上の人は40%だというので、平均が68歳というのかな。ですから、やはり農村の活性化をやるには受入れ態勢ですよ。外国から来た人の受入れ態勢、これを市町村と一緒になってやはり組織化してつくってもらわないと、なかなか農家の人だけでやれといったってこれは難しい。しっかりその辺りも支援をしていただいて、インバウンドの需要を捉えた農村地域の活性化に取り組んでいただくよう要望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
時間があればもっともっとやりたかったのですが、時間がありませんでしたので、ここで終わりにしたいと思います。
○山形修治 委員長 小菅哲男委員。
◆小菅哲男 委員 皆さん、こんにちは。とちぎ
自民党議員会の小菅哲男でございます。
我が会派の岩崎議員会長に引き続いて、とちぎ自民党会派で本予算に対して上乗せ要望した項目を中心に質疑をしてまいりたいと思います。
県民生活はコロナ禍が明け安堵している一方、今度は物価、そして燃油の高騰など、県民生活、そして中小零細企業は大変厳しい状況であります。このような中、問題意識等を踏まえて質疑してまいりますので、執行部においては明快なる答弁をお願いして、質疑に入りたいと思います。
初めに、ベトナムとの経済交流の促進についてのうち、とちぎベトナムサポート拠点事業について、
産業労働観光部長に伺います。
県は、本県経済のさらなる成長を図るため、昨年11月にベトナムとシンガポールにおいて、知事を筆頭にトップセールスを行うなど、経済交流の促進に取り組んできたと思います。
ベトナムでは、計画投資省との経済交流に関する覚書の締結に加え、高度外国人材の確保等に向けた現地大学との意見交換等により、経済交流を新たな段階へと前進させることができたということであります。
このような中、県は、ベトナムへの事業展開や、ベトナムからの人材確保を目指す県内企業への具体的な支援を行うため、新年度予算にとちぎベトナムサポート拠点事業費を計上し、県内企業のベトナム進出等をサポートする拠点の設置及び運営を民間事業者に委託するということの説明がありました。
とちぎ
自民党議員会としては、これまでのトップセールス等による関係諸外国との交流の成果を一過性のものとせず、県内企業の実益に着実につなげるため、さらなる経済交流の促進を図るよう要望してきたところですが、この事業は、まさに本県とベトナムとの経済交流の加速化につながる取組と言えると思います。大いに期待しているところでございます。
そこで、とちぎベトナムサポート拠点事業について、実効性が高い事業となるよう、どのように取り組んでいくのか、
産業労働観光部長にお伺いいたします。
○山形修治 委員長 石井
産業労働観光部長。
◎石井
産業労働観光部長 県では、新年度、本県企業等のベトナムにおける事業展開を支援するため、貿易投資等に関する豊富なノウハウを有する民間事業者への委託により、ハノイ市にサポート拠点を開設することといたしました。
こちらの拠点におきましては、現地の投資環境や法規制等に加え、日本での就職を希望する研究職やエンジニア等の専門職などの高度人材に関する最新情報の収集・提供を行いますとともに、企業が現地で直面する様々な課題につきまして、きめ細かな相談対応や支援等を実施してまいります。
また、企業の多様なニーズに応じ、視察先や商談先等を紹介いたしますとともに、展示・商談会等への同行支援を行いますほか、本県観光地や県産品等の魅力など、インバウンド誘客に資する情報の発信にも取り組む考えであります。
今後とも、経済情勢や企業ニーズ等を的確に捉えながら、サポート拠点が本県企業への支援機能を最大限に発揮できるよう取り組んでまいります。
○山形修治 委員長 小菅哲男委員。
◆小菅哲男 委員
産業労働観光部長から答弁をいただきました。県内企業の方々は、このような事業に対して大いに期待しているところだと思います。中小零細企業を含めた県内企業の発展のため、実効性の高い事業となるようしっかり取り組んでいただきたいと思います。そして、特に零細企業などのために、商工会や各種組合などにも周知をこれから行っていただければと思いますので、お願いしたいと思います。要望しておきます。
次に、経済交流ミッション派遣等事業について、
産業労働観光部長に伺います。
長期にわたりコロナ禍の影響を受けた県内経済の回復を図り、持続的発展につなげていくためには、先ほどの質疑にもありましたとおり、近年、経済成長を続けているベトナムとの経済交流を促進し、県内企業等の同国への事業展開などを積極的に支援することが重要だと思います。
そのため県は、先ほどのとちぎベトナムサポート拠点事業費に加え、新年度予算に経済交流ミッション派遣等事業費を計上しました。県内企業等で構成される経済交流ミッションをベトナムに派遣し、県内企業等と現地政府機関、現地企業等との交流・マッチングを図るということであります。
私は、事業の実施に当たっては、トップセールス等による成果を最大限に活用し、県内企業等に対してより実践的な支援を行うことで、個々の企業の具体的な成果につなげていく必要があると考えます。
そこで、経済交流ミッション派遣事業について効果的な事業になるよう、具体的にどのように取り組んでいくのか、
産業労働観光部長に伺います。
○山形修治 委員長 石井
産業労働観光部長。
◎石井
産業労働観光部長 ベトナムとの経済交流につきましては、3度にわたるトップセールス等により構築をしました現地政府との関係を生かし、今後は、本県企業等の実益につながるよう、より事業者主体の取組を進めていく必要があると考えております。
このため、新年度におきましては、ベトナムへの事業展開や高度人材の確保を目指す本県企業等によるミッション団を派遣し、市場動向やインフラ整備状況等を調査いたしますとともに、参加者と現地企業等とのネットワーク構築等を支援してまいる考えであります。
派遣に際しましては、本県企業等のニーズを的確に捉えた上でテーマを設定するとともに、事前勉強会を開催することによりまして、各参加者が目的・課題を明確化し、事業を通じて具体的な成果を得られるよう努めてまいります。
今後とも、新たに設置するサポート拠点との連携も図りながら、本県とベトナムとの経済交流のさらなる発展を図ってまいります。
○山形修治 委員長 小菅哲男委員。
◆小菅哲男 委員
産業労働観光部長から答弁をいただきました。このような取組の成果を一過性のものとせず、県内企業の実益にしっかりとつなげることができるよう、引き続き、様々な面において、県内の中小零細企業への支援に取り組んでいただくようお願いいたします。
また、人口減少が進行し、様々な業種で人手不足が深刻化しております。高度外国人材をはじめとする外国人労働者に対し、県内企業における就労環境の整備を図り、雇用の確保や定着の促進に取り組むことも重要です。引き続き、ベトナムなどからの外国人材の確保にも取り組んでいただきますようお願いを申し上げて、次の質疑に移りたいと思います。
介護人材の確保について、
保健福祉部長にお伺いをいたします。
超高齢化社会を迎えた今日、全国的にも介護人材の確保が逼迫している中で、公益財団法人介護労働安定センターの調査によれば、現場で介護を支える介護事業所の6割以上が人材の不足感を感じているという回答があります。介護現場における人材不足感は依然として高い状態にあります。安定的な人材の確保が困難な状況にあると聞いております。
中でも、要介護高齢者の在宅での生活を支える訪問介護は在宅介護サービスにおける大きな柱の一つでありますが、訪問介護員、いわゆるヘルパーの慢性的な人手不足や高齢化も突出し、また、小規模訪問介護事業所の経営環境が厳しいとの声も聞いております。今後、訪問介護サービスの安定的な提供がより厳しい状況になってくるのではないかと懸念しております。
さらに、介護現場からは、介護支援専門員、いわゆるケアマネジャーの人材不足という声を多くいただいております。ケアマネジャーは要介護高齢者の状態に応じて、適切なケアプランの提供や介護サービス事業所との調整を行うなど、様々な場面で重要な役割を担っているところであります。
こうしたことからも、地域において在宅介護の要として従事しているヘルパー及びケアマネジャーの確保に向けた支援の強化が必要であると考えます。
まずは、ヘルパーの確保に向けた支援では、ヘルパーとして従事するためには、介護職員初任者研修を終了することが必要でございます。受講料がかかります。高額です。地域によっては自宅の近隣で受講する機会が得られない場合も多く、受講環境の改善が必要であるということも聞いております。
次に、ケアマネジャーの確保に向けた支援では、ケアマネジャーは高い専門性はもとより、幅広い知識、調整能力が求められていることから、資格所得の困難度が高く、資格取得後においても法定研修の受講が義務づけられていることです。そのため、ケアマネジャーを確保するためにはこれらの負担を軽減していくことが必要ではないかと考えております。
今後、増大する介護ニーズに対応するためにも、介護サービスの安定的な提供体制を構築し、質の高い介護人材の確保を図る必要があると思います。
そこで、県は、新年度予算に介護職員初任者研修の実施費用の助成費及びケアマネジャーの資格所得に必要となる実務研修の受講費用の助成費を計上していますが、今後、介護人材の確保に向け、どのように取り組んでいくのか、
保健福祉部長にお伺いをいたします。
○山形修治 委員長
岩佐保健福祉部長。
◎
岩佐 保健福祉部長 県では、介護人材の確保に向けまして、多様な人材の確保、人材の育成・資質の向上、労働環境・処遇の改善を3本の柱といたしまして、修学資金等の貸付けや職員のスキルアップ研修、外国人材の確保支援や介護ロボット・ICT機器の導入支援などに取り組んでいるところでございます。
新年度は新たに、訪問介護員の確保に向けまして、初任者研修の受講者が集まりにくい市町に対しまして開催費用の補助を行うほか、従来からの受講者本人への研修費用の助成に加えまして、従事する事業所が研修費用を負担した場合においても当該事業所を助成する対象といたします。
また、介護支援専門員の養成に必要となる実務研修の受講費用につきまして新たに助成し、資格取得時の負担を軽減するとともに、研修のオンライン化によりまして受講環境の改善を図ってまいります。
さらに、訪問介護員や介護支援専門員が従事します事業所へのICT機器の導入支援を通じまして、さらなる定着促進を図るなど、今後とも、現場の意見を伺いながら、市町や関係団体等と連携を図りまして、介護人材の確保に取り組んでまいります。
○山形修治 委員長 小菅哲男委員。
◆小菅哲男 委員 答弁いただきました。県においては、介護人材の確保に向けて様々な支援に取り組んでいるということです。また、新年度においても、より現場の状況を踏まえた支援に取り組んでいくという答弁でしたが、その中でも、需要と供給ではないですけれども、講習会の種類によっては、1年に1回しかないような講習があると聞いております。そして、それを受けられないと、1年間また次の年になってしまうのだということも聞きましたので、そういう需要と供給によっては、講習会をもう1つ開催するとか、そういうことも要望、お願いしたいということ、現場の声です。よろしくお願いします。
今後、団塊ジュニアの世代の全てが65歳以上となる2040年には高齢者人口がピークを迎え、介護が必要となる高齢者が増加し、さらなる人材の確保が必要となってまいります。引き続き、地域の実情を踏まえた介護サービスの安定的な提供に向け、実効性のある介護人材の確保に取り組んでいただきますよう要望して、次の質疑に入りたいと思います。
特別支援学校スクールバス運行事業について、教育長にお伺いをいたします。
県内の特別支援学校では、児童生徒の通学を支援するため、スクールバスの手配・運行を委託事業により実施しておりますが、複数の特別支援学校において、希望しているにもかかわらず、スクールバスに乗車できていない児童がまだいる状況でございます。
そのため、我々とちぎ
自民党議員会は、先月、令和6年度の当初予算要望において、特に宇都宮市内の富屋特別支援学校の高等部生がスクールバスに乗車できていない状況を鑑み、スクールバスの増車に早急に取り組むことを要望した結果、バス3台分4,700万円を上乗せし、計4億7,000万円余の予算が今回計上されてきております。このことについては高く評価をしております。
しかし、それでもなお、県内全部を限られたバスの台数で巡回することは困難であることから、今またほかの複数の学校においてはスクールバスに乗車できていない児童生徒がいるということでございますので、特別支援学校のスクールバスを充実させることは、児童生徒の通学支援のみならず、送迎に関わる保護者の負担を軽減し、また働く保護者を支援する視点からも重要であると思います。私は、乗車を希望する児童生徒全員がスクールバスに乗車することができるよう取組を進めていくことが重要だと考えます。
そこで、限られた予算の中で、スクールバスへの乗車を希望する児童生徒ができる限り多く乗車できるよう、今後どのように取り組んでいく考えか、教育長にお伺いいたします。
○山形修治 委員長 阿久澤教育長。
◎阿久澤 教育長 県教育委員会では、各校の実態に応じた効率的なスクールバスの運行に努めてまいりましたが、児童生徒の増加等により、その一部が乗車できていない状況が生じております。
特に児童生徒数が多い富屋特別支援学校では、小学部生と中学部生のスクールバス乗車を優先した結果、高等部生が乗車できていないということでありましたので、新年度は、大型バス3台を増車し、問題の解決を図ることといたしました。
さらに、一人でも多くの児童生徒がスクールバスに乗車できるよう、障害の状態にも配慮しながら、効率的な運行計画の作成に専門家の知見も活用するなど、さらなる検討を進めてまいります。
今後とも、特別支援学校の児童生徒の安全・安心な通学の支援と、保護者の負担軽減に努めてまいります。
○山形修治 委員長 小菅哲男委員。
◆小菅哲男 委員 答弁いただきました。お金もかかりますからね、計画的にぜひ全路線の早期の実現をお願い申し上げて、次の質問に移りたいと思います。
交通安全対策の推進について、警察本部長にお伺いをいたします。
令和4年中、県内の横断歩道において歩行者が被害に遭った事故は141件あり、うち6人の方が亡くなっています。また、令和5年中における交通事故による死者数は、前年と比べて増加しており、対策が急務と考えます。
このような中、県警察は、交通事故の抑止に向け、新年度予算に交通安全施設整備費を計上し、老朽化した道路標識・標示の更新や信号機の新設・更新、管制システムの改修など、交通安全施設の整備を行うとしています。
中でも、私は、「もっと止まれる栃木県」の実現に向けた、特に横断歩道を予告する道路標示であるダイヤマークのカラー化、そして老朽化し白線が消えかかった横断歩道の解消などの取組に注目をしております。
県警察がダイヤマークのカラー化の効果を測定したところ、信号機のない横断歩道における歩行者がいる際の車両の一時停止率は、カラー化前と比較して12.9ポイント上昇したと、45.1%となったという報告を受けました。高い効果が出ておりますが、いまだ半数以上の車が止まってくれない状況であり、「もっと止まれる栃木県」の実現のために、カラー化をさらに進めていくことが有効ではないかと考えます。
また、交通量が多い道路においては、1年とたたずに消えてしまっている横断歩道があるのが見受けられます。横断する歩行者の安全を確保するためには、そのような横断歩道については、更新時期に関係なく早期に改善する必要があると考えます。
そこで、交通安全対策の一層の推進に向けて、ダイヤマークのカラー化や、老朽化し白線が消えかかった横断歩道の解消、そして老朽化していなくても消えてしまった横断歩道、このようなものについてどのように取り組んでいくのか、警察本部長にお伺いいたします。
○山形修治 委員長 難波警察本部長。
◎難波 警察本部長 信号機のない横断歩道における歩行者保護につきましては、平成30年以降の各種取組によりまして一定の効果が現れているところでございますが、今後も対策を強化していく必要があると認識をしております。
県警察では、歩行者等の安全対策として、今年度、新たにドライバーに注意を促すため、横断歩道を予告するダイヤマークのカラー舗装化に取り組んでまいります。
新年度につきましては、ダイヤマークのカラー舗装化の追加の整備でありますとか、また、摩耗が進んだ横断歩道の更新整備につきまして、優先度を踏まえて実施をし、安全対策の強化に努めてまいります。
また、道路管理者等と情報を共有し、生活道路における最高速度30キロメートル毎時の区域規制と物理的デバイス等を組み合わせたゾーン30プラスの整備につきましても推進してまいりたいと考えております。
引き続き、関係機関と連携を図り、安全な交通環境の実現に努めてまいります。
○山形修治 委員長 小菅哲男委員。
◆小菅哲男 委員 警察本部長からご答弁いただきました。ダイヤマークのカラー化については、とちぎ
自民党議員会の当初予算要望への回答もありましたとおり、令和6年度には、小学校の通学路を中心に新たに23か所実施するということであります。それ以外の場所においても、例えば保護者PTAの方などが毎朝交代で旗を持って交通安全活動を行っているような横断歩道においては、ぜひダイヤマークのカラー化を行っていただけるよう、切に要望をいたします。
ここで、警察本部長に再質問をさせていただきます。令和5年中における県内の交通事故者数は前年と比べて増加に転じ、状態別では、歩行者と四輪車の衝突する事故が高い割合を占めていることから、引き続き、通学路における合同点検の実施、先ほども出ましたが、ゾーン30プラスの整備の推進、歩行者の安全確保や飲酒運転の根絶に向けた交通安全教育、広報啓発、指導取締りの強化等、さらなるソフト・ハード両面で安全対策を徹底することが重要だと考えます。
そこで、ドライバーや歩行者に対するソフト面での交通安全対策について、今後どのように取り組んでいくのか、警察本部長に再質問いたします。
○山形修治 委員長 難波警察本部長。
◎難波 警察本部長 ドライバーに対しましては、まず危険行為の取締り、また横断歩道における歩行者優先ルールの指導といったものを強化しますとともに、思いやりを持って運転するといった交通マナーの実践についても呼びかけてまいります。
また、歩行者に対しましては、反射材を身につけるなどの自らの安全を守る交通行動を促していくための安全教育や広報啓発を推進してまいります。
引き続き、県や関係機関とも連携しながら諸対策を推進しまして、悲惨な交通事故の抑止に努めてまいります。
○山形修治 委員長 小菅哲男委員。
◆小菅哲男 委員 警察本部長からご答弁をいただきました。交通事故抑止に向けて、老朽化した道路標識・標示の更新や信号機の新設・更新、管制システムの改修など、交通安全施設の計画的な整備を推進するとともに、ドライバーに対し、交通ルールの遵守を徹底し、正しい交通マナーの実践を呼びかけていくほか、歩行者に対して、自らの安全を守るための安全教育を推進していくなど、さらなるソフト・ハード両面で安全の対策を徹底し、痛ましい交通死亡事故などから県民を守ることができるよう、交通安全対策をさらに推進していただきますよう、よろしくお願いをいたします。
私の質疑は以上でございます。ベトナムとの経済交流の促進、介護人材等の確保、特別支援学校スクールバス、そして交通安全対策等についてお聞きをしてまいりました。どれも県民生活、企業活動には近々の課題でありますので、十二分に対応していただきますようよろしくお願いを申し上げて、私の質問を全て終了いたします。
○山形修治 委員長 この際、休憩したいと思います。午前11時25分から再開いたします。
休憩いたします。
午前11時10分 休憩
────────────────────
午前11時25分 再開
○山形修治 委員長 委員会を再開いたします。
引き続き、総括質疑を行います。
発言通告書に対し、発言を許します。
小林達也委員。
◆小林達也 委員 とちぎ
自民党議員会の小林達也です。
私からは、4点質疑をさせていただきます。
初めに、カーボンニュートラルの実現に向けて、
環境森林部長にお伺いいたします。
県では、2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、オール栃木体制で取組を推進していくための行動指針として、栃木県カーボンニュートラル実現条例を制定して取組を進めているところですが、2050年まで残された時間は決して長くなく、さらに、県は、2030年度までに温室効果ガス排出量を2013年度比で50%削減するという目標を掲げていることからも、目標の達成に向け、オール栃木体制で待ったなし、何としてでも目標を達成させるという強い姿勢で取組を加速させていく必要があります。
また、実現に向けては、カーボンニュートラルについての県民の理解を促進し、行動変容につなげていく取組が非常に重要ですが、令和5年度の県政世論調査の結果によると、カーボンニュートラルという言葉を「知らない」という県民の割合が36.7%と4割近くに上り、この結果に私は強い危機感を覚えております。
さらに、民間事業者が2022年に実施したアンケート調査結果によると、脱炭素社会に向けて意識して行動している人の割合は33.1%となっていることからも、現在、国においては、脱炭素につながる新しい豊かな暮らしをつくる国民運動としていわゆるデコ活が展開されていますが、脱炭素が豊かで快適・健康な新しい暮らしにつながることを県民に周知し、行動変容を後押しするなど、取組を強化していくことが急務と考えます。
こうした中、県では、新年度予算にカーボンニュートラル推進事業費を計上し、新県民運動をはじめ、事業者における取組や県庁率先による取組などを推進していくこととしていますが、私は、新県民運動によって県民の意識の向上や行動変容に取り組むことはもちろんですが、多くの県民が企業等で働いていることを踏まえ、事業者に対して業種ごとにモデル事業を提示して取組の実践を促したり、県庁率先による取組を事業者に波及させるなど、企業等における取組をより一層推進し、職場での意識改革や家庭での取組につなげていく好循環を生み出すことも非常に重要だと思っています。
そこで、県は、2050年カーボンニュートラルの実現に向け、今後どのように取組を加速させていくのか、
環境森林部長にお伺いいたします。
○山形修治 委員長
小野寺環境森林部長。
◎小野寺
環境森林部長 カーボンニュートラルの実現に向けましては、脱炭素に対する県民一人一人の意識改革と行動変容が重要であると認識しております。
このため、新年度におきましては、脱炭素につながる具体的行動が豊かで快適・健康な暮らしをつくるというビジョンを共有し、子供や高齢者にも取り組みやすい新たな県民運動を展開してまいります。
また、事業者に対しましては、太陽光発電設備やLED等の導入支援に加え、新たにレジリエンス強化にもつながるEV導入に対する補助の創設や、業種ごとに具体的対策・効果等をまとめた事例集の作成などにより、脱炭素の取組を後押ししてまいります。
さらに、こうした取組を通して、職場で働く方々の意識改革を促し、家庭分野の脱炭素化にもつなげてまいりたいと考えております。
今後とも、県自らが率先して脱炭素の取組を進めるとともに、県民・事業者などと連携協働を図りながら、オール栃木でカーボンニュートラルの実現に積極的に取り組んでまいります。
○山形修治 委員長 小林達也委員。
◆小林達也 委員
環境森林部長から、新県民運動などの取組についてご答弁をいただきました。
ここで再質問いたします。県民の意識改革を一層促していくためには、より身近な市町の取組を促進していくことも重要であり、県内市町も国や県の流れを受けてゼロカーボンシティ宣言を次々と行っているところですが、具体的な取組につながっていない状況もあります。
県は、ロードマップに掲げた4つの
重点プロジェクトの一つであるとちぎ脱炭素先行地域創出
プロジェクトアクションプランにおいて、2030年度までに県内25市町が地域脱炭素に関する具体的な取組に着手するという目標を掲げていますが、地域脱炭素化に向けて市町をどのように支援していくのか、
環境森林部長にお伺いいたします。
○山形修治 委員長
小野寺環境森林部長。
◎小野寺
環境森林部長 県ではこれまで、市町における地域脱炭素化の取組に対しまして、県と市町で構成する協議会での情報共有や、先進事例のノウハウを取りまとめた手引書の作成、また、専門家の派遣、国の脱炭素先行地域選定に向けた計画策定支援など、各市町の取組の状況に応じた支援を行ってきたところです。これによりまして、ゼロカーボンシティ宣言につきましては、現在19市町で行われたところでございます。
新年度につきましては、さらに、県営水力発電事業で得た利益剰余金を活用しまして、市町が実施する公共施設への再エネ導入や住民向け設備補助事業等への助成を行うこととしたところでありまして、市町の地域脱炭素化に向けた具体的な取組を支援してまいりたいと考えております。
○山形修治 委員長 小林達也委員。
◆小林達也 委員 市町における取組についてご答弁をいただきました。
要望いたします。取組をより強化していくため、先ほども申し上げましたとおり、企業等における取組の支援を強化するほか、個人向けの取組として、電気自動車、EV自動車の普及のための支援などにも積極的に取り組んでいただくことを要望いたします。
本県の未来のため、地球の未来のため、2050年カーボンニュートラルの実現に向け、まずは、強い執念を持って2030年度までに全県民の力を結集し、温室効果ガス排出量2013年度比50%削減を達成させましょう。
次に、鳥獣被害対策について、
環境森林部長にお伺いいたします。
本県の野生鳥獣による農林業被害は、令和4年度の状況を見ても前年度と比較して増加するなど、依然深刻な状況にあります。今後も鳥獣被害対策をより一層推進していく必要があります。
こうした中、県では、次年度からを計画期間とするニホンジカ及びイノシシに関わる次期管理計画を策定されましたが、計画に掲げる新たな捕獲目標の達成に向けては、有害鳥獣の狩猟には経費がかかるため捕獲従事者に対する支援の充実に取り組むなど、市町や栃木県猟友会をはじめとした関係団体と協力し、地域の実情も踏まえながら捕獲の強化や防護柵の設置などの防護対策、隠れ場所となるやぶの整備などの環境整備を図る必要があります。また、熊の被害対策やイノシシの市街地への出没対策とも組み合わせ、総合的な対策を推進していく必要があります。
さらに、捕獲の強化を図るために欠かせない担い手である狩猟者については、近年では下げ止まりとはなっているものの、狩猟者登録数はピーク時の昭和51年の5分の1程度と大幅に減少しています。
加えて、近年若返りの傾向にあるものの、狩猟免許所持者の約6割が60歳以上となっており、狩猟者の確保・育成についても、狩猟免許取得から狩猟者登録まできめ細かな支援を行うとともに、捕獲意欲が減退しないよう登録後のフォロー体制の充実・強化を図るなど、取組を強化していくことが喫緊の課題であり、県として、手を緩めることなく、鳥獣被害対策に積極的に取り組んでいく必要があると考えます。
そこで、県は、新年度予算に地域ぐるみの総合的な鳥獣対策促進事業費を計上していますが、鳥獣被害対策のより一層の推進にどのように取り組んでいくのか、
環境森林部長にお伺いいたします。
○山形修治 委員長
小野寺環境森林部長。
◎小野寺
環境森林部長 県では、野生鳥獣による農林業被害等の軽減を図るため、新年度からを計画期間とする新たな管理計画を策定し、捕獲、防護、環境整備の組合せによる総合的な対策を持続的に推進することといたしました。
このため、新年度は、狩猟者の捕獲意欲向上に資する奨励金等の継続的な助成により捕獲の一層の強化を図るとともに、地域と連携しながら、侵入防止柵の設置や河川敷の緩衝帯整備、市街地への出没対策等に引き続き取り組んでまいります。
また、狩猟者の確保に向けましては、狩猟免許取得への支援のほか、新たに、免許取得者を対象に狩猟者登録に向けた支援金を支給するなど、免許取得から登録まで切れ目のない支援を行ってまいります。
加えて、県猟友会と連携した初心者狩猟実践研修の実施等により、新規狩猟者の育成と定着に努めてまいります。
今後とも、市町や関係団体と一体となった鳥獣被害対策に積極的に取り組んでまいります。
○山形修治 委員長 小林達也委員。
◆小林達也 委員
環境森林部長から、鳥獣被害対策の具体的な取組についてご答弁をいただきました。
再質問いたします。狩猟免許を取得しても狩猟者登録をしない方が多く、担い手の確保になかなか結びつかない状況があることから、我が会派とちぎ
自民党議員会の当初予算要望で切れ目のない支援を要望し、先ほどご答弁をいただきましたとおり、次年度から新たな取組が実施されることとなり、大変期待しているところです。
一方で、狩猟者の高齢化が高止まりしている状況を鑑みると、もっと若者に狩猟に関心を持ってもらい、狩猟の現場に入ってもらうための取組が必要だと思っています。
そのためには、山奥等にかけられたわなの見回りなどにかかる労力や手間を軽減させたり、熟練者でなくとも捕獲の成果をより上げられるようにする、ICTを活用した捕獲方法の実証・導入を進めていくことが重要と考えますが、どのように取り組んでいくのか、
環境森林部長にお伺いいたします。
○山形修治 委員長
小野寺環境森林部長。
◎小野寺
環境森林部長 昨今のアウトドアブームなどによりまして、狩猟に興味を持つ若者が増えているとは言われておりますけれども、やはりわなの見回り負担や捕獲技術の不足などから、有害駆除や管理捕獲を担うまでの若手の狩猟者の確保は非常に困難な状況であると認識しております。狩猟者の高齢化への対応も含めまして、捕獲の省力化、効率化が喫緊の課題であると考えております。
このため県では、ICTなどのスマート技術を活用して、わなの作動状況がスマートフォンで確認できる捕獲通報装置、さらには遠隔操作が可能な囲いわなの実証などに取り組んでいるところでございまして、新年度は新たにドローンを使用した捕獲技術の実証を行ってまいります。
また、これらの実証結果につきましては、市町や狩猟者等への情報提供、普及啓発に努めているところでございまして、スマート技術の導入促進を図ることで、若手狩猟者の確保、捕獲の強化につなげてまいりたいと考えております。
○山形修治 委員長 小林達也委員。
◆小林達也 委員
環境森林部長から、ICT等を活用した取組についてご答弁をいただきました。
要望いたします。今年度は、私の地元那須町など、本県でも熊の市街地への出没が増えており、住民の方々の不安や恐怖も大きいことから、県として対策に取り組んでいくことは急務と考えています。
こうした中、今年度は全国で熊による被害件数が過去最高となったことから、熊の被害防止を推進するため、国は先月、4月中に熊を指定管理鳥獣に追加することを表明しました。
熊は、繁殖能力が低いため、捕獲に偏らず被害防止の取組を地域の実情に応じて実施していくこととなると聞いております。まずは、県内の現在の熊の生息数の調査など、対策を検討するための現状分析を十分に行った上で、熊が絶滅することのない水準や地域社会が受け入れられる水準を見定めた上で取組を進めていくことが必要と考えますので、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。朝起きて、玄関を開けたら熊が目の前にいることがないよう、よろしくお願いいたします。
次に、インバウンド誘客のさらなる促進について、
産業労働観光部長にお伺いいたします。
コロナ禍に伴う入国制限が緩和されてから、円安の影響もあり、訪日外国人旅行者数は一気に増加しており、国の宿泊旅行統計調査の速報値では、昨年県内に宿泊した外国人宿泊者数は延べ45万2,750人となり、現行の統計が始まって以降、過去最多を更新しました。
また、2023年の訪日外国人旅行者の旅行消費額は、国が目標に掲げていた5兆円を初めて突破し、宿泊費や娯楽等サービス費の構成比が増加しました。買物、宿泊、飲食のほか、アクティビティなどの体験に価値を見いだすコト消費を行う旅行者が増えていることが、訪日外国人旅行者の旅行消費額の増加にもつながったものと思います。
このような状況は、コロナ禍で深刻なダメージを受けた県内の観光事業者にとって再生への追い風となるものであり、観光事業者の経営の安定化を図るためにも、県として今後、外国人宿泊者数の増加はもちろんのこと、旅行者が1回当たりの旅行で消費する旅行消費額の増加を図る取組にもより一層力を入れていくべきと考えます。
実際に、私の地元においても、観光庁から高付加価値な観光地づくりを進める全国11か所のモデル観光地の一つとして選定を受け、消費額を押し上げ、幅広い層に経済効果をもたらすための取組が積極的に行われているところです。
こうした中、県では、新年度予算にとちぎインバウンド強化対策事業費を計上し、訪日旅行1回当たりの総消費額が1人100万円以上の高付加価値旅行者の受入れ態勢の強化や、訪日外国人旅行者の滞在時間の長期化の促進などに取り組んでいくこととしていますが、私は、市町や地域の観光事業者と十分に連携し、各地域の実情に応じた取組を展開し、県内観光地の稼ぐ力の強化につなげていくことが重要だと思っています。
また、2025年には大坂・関西万博が開催されることから、新年度予算には、産業労働観光部所管の大坂・関西万博来場インバウンド誘客プロモーション事業費と、総合政策部所管の大坂・関西万博出展事業費が計上されていますが、海外からの来場者は約350万人にも上ると推計されておりますので、万博の開催という好機を最大限に活用し、本県の魅力のPRを行ってインバウンド誘客につなげていただきたいと思います。
そこで、県は、これから新年度予算に計上した事業により、インバウンド誘客のさらなる促進に向け、今後どのように取り組んでいくのか、
産業労働観光部長にお伺いいたします。
○山形修治 委員長 石井産業労働環境部長。
◎石井
産業労働観光部長 インバウンド需要をより一層本県に取り込むため、まず、観光商品等の高付加価値化に向けた取組といたしまして、宿泊やアクティビティー事業者等を対象にブランディングやマーケティングに関するワークショップを開催するほか、事業者ごとに異なる課題に対し、個別の伴走支援を行いまして、富裕層旅行者のニーズに応えられる受入れ態勢を強化してまいります。
また、滞在の長期化につながる新たな体験型ツーリズムを推進するため、温泉地でのリラクゼーションやゴルフ、農業体験等を組み込んだモデルコースを作成し、本県公式観光サイト「Visit Tochigi」やSNS等を活用したプロモーションを実施するとともに、海外の旅行会社を招聘し、新たなツアーの造成を促進いたします。
さらに、大坂・関西万博の来場者に本県への訪問を促すため、訪日経験のある外国人を対象に実施をした来訪意向調査等を活用し、万博のテーマである「いのち輝く未来社会のデザイン」、こちらに合わせて本県の魅力をアピールする観光商品を万博特設サイトで販売するなど、本県への誘客につなげてまいります。
引き続き、観光庁が行う那須エリアのモデル観光地づくりをはじめ、各市町、観光事業者等の取組とも連携を図りながら、積極的にインバウンド誘客の促進に努めてまいります。
○山形修治 委員長 小林達也委員。
◆小林達也 委員
産業労働観光部長から、具体的な取組についてご答弁をいただきました。
ここで、
総合政策部長に再質問いたします。万博会場での本県のPRはインバウンド誘客の観点から非常に重要ですが、全国の都道府県がこれを好機と様々なPR活動を展開してくると思います。本県も展示に申し込んでいるということですが、栃木県の魅力を展示で存分にPRして、栃木県に訪れていただく機会となるよう、どのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。
○山形修治 委員長 笹川
総合政策部長。
◎笹川
総合政策部長 公益財団法人2025年日本国際博覧会協会の基本計画によりますと、今回の万博には国内外から2,820万人の人が集うとされておりまして、現地となります大阪夢洲の会場では、世界の国々、全国の自治体、企業と様々な数多くの催事が行われる予定となっております。その中で、栃木県の豊かな自然や優れた文化、歴史、食といった本県の魅力をどのように発信していくのか、現在、小林CMOにもご相談しながら、出展企画の具体化に向けた検討を進めているところです。
実際この出展が認められるかどうかは年度明けの予定となりますが、出展が決まった暁には、デジタル技術を活用しまして、栃木県の魅力を体感してもらえる参加型の展示企画、こういったものにつきまして、実際にインバウンドをはじめ、多くの方に栃木県に本当に来てみたい、栃木県を見てみたいと思っていただけるような内容となりますよう、磨き上げに努めてまいります。
○山形修治 委員長 小林達也委員。
◆小林達也 委員 万博における取組について、
総合政策部長からご答弁いただきました。まだ出展が確定していないというお話でございますが、出展が確定した暁には、インバウンドの誘客のさらなる促進のために、ほかにはない、栃木県に来なければできない、見られない、味わえないを全面的に打ち出していくことが重要であって、全国をあっと言わせるような栃木県ならではの観光コンテンツの造成やプロモーションに取り組んでいただきますよう要望いたします。展示に関しては、話題性のある展示、いやいや、そこまでやっちゃうか栃木県というような展示を期待しております。
また、本日冒頭、我が会派の岩崎信議員会長からもありましたが、今年度取り組んだ富裕層向けの奥日光ツアーは成約がゼロとの残念な結果となりましたが、今回の課題を踏まえ、地域の事業者との連携を強化し、訪日外国人旅行者から選ばれる栃木県を目指し、取組を進めていただきますよう要望し、次の質問に移ります。
とちぎ和牛及び県産牛乳の消費拡大等について、農政部長にお伺いいたします。
本県は、肉用牛飼養頭数が全国7位、生乳生産量が全国第2位の全国でも有数の畜産県です。
しかし、現在、県内の畜産農家の経営は、飼料価格の高騰などによる生産コストの上昇、物価高騰に伴う消費者の節約志向の高まりの影響を受け、非常に厳しい状況にあります。
実際に、総務省の家計調査の結果によると、今年度の上半期の牛肉への支出額は前年同期と比べて5%減少、購入数量も減少傾向にあります。牛乳の購入量についてもコロナ禍の学校休校時以降、継続的に低迷が続くなど、特に牛肉と牛乳の消費額が減少している状況です。
本県畜産の持続的な発展のためには、生産基盤の強化のみならず、県産畜産物のブランド力の向上による消費拡大を図るための取組にも、より力を入れていく必要があると考えます。
こうした中、円安などを背景としたインバウンドの拡大を受け、国内では、ブランド和牛を中心に訪日外国人観光客の需要が勢いを増しており、来店者の8割を訪日外国人旅行者が占めるという観光地の焼き肉店も増えていると聞いておりますので、とちぎ和牛のブランド力や認知度のさらなる向上に取り組むことは、国内での消費拡大にとどまらず、とちぎ和牛の輸出拡大にも資するものであり、非常に重要です。
また、県は、牛乳の消費が特に落ち込む8月と12月を栃木県民牛乳消費拡大月間として制定し、酪農・牛乳への理解を深め、県民運動として牛乳の消費拡大を図ることとし、キャンペーンなどの取組を展開していますが、牛乳の消費をもっと増やすためには、取組を強化していく必要があると考えます。
そこで、県は、新年度予算にとちぎの畜産ブランド確立推進事業費を計上していますが、とちぎ和牛のブランド力の向上や県産牛乳の消費拡大にどのように取り組んでいくのか、農政部長にお伺いいたします。
○山形修治 委員長 熊田農政部長。
◎熊田 農政部長 とちぎ和牛のブランド力を向上させるためには、消費者の認知度向上を図りながら、需要に対応した生産を行っていくことが重要であると考えております。
このため、認知度向上に向けまして、農業団体が行いますメニューフェアの開催に加え、消費者がとちぎ和牛取扱提供店で食べた牛肉のおいしさをSNSで発信する新たなキャンペーンを支援してまいります。
また、肉質の向上により、とちぎ和牛の生産を振興するため、血統の優れた繁殖用雌牛の導入支援や、超音波肉質診断に基づく飼養管理指導の強化に取り組んでまいります。
牛乳の消費拡大につきましては、酪農団体が牛乳のおいしさや栄養価などを伝えるミルク講座の開催や、牛乳料理コンクールなどを実施しているところでありまして、今後はさらにキッチンカーによる移動販売の強化や、路線バスを活用した栃木県民牛乳消費拡大月間のPRなどの取組を支援してまいります。
○山形修治 委員長 小林達也委員。
◆小林達也 委員 農政部長からご答弁をいただきました。
要望いたします。とちぎ和牛は、熟練した技術を持つ指定生産者が丹精込めて育てた本県が誇るブランド和牛で、私も何度も食べていますが、口の中で届けるきめ細かい霜降りのおいしさは、他県のブランド和牛にも全く引きを取らないと感じております。
また、冷涼な気候と豊富で新鮮な水など、乳牛を育てるのに適した条件がそろっているとともに、酪農家のたゆまぬ努力があるからこそ、県産牛乳は風味が良くおいしさが出せているのではないかと考えています。
とちぎ和牛や牛乳のおいしさの秘訣を消費者に知ってもらうことが、ブランド力向上や消費拡大につながりますので、関係団体と連携し、より一層のPRをお願いいたします。
さらに、栃木県が北海道に次ぐ酪農王国で、ミルクの国とちぎであることを県民に十分に認識してもらうためにも、県庁のエレベーターに、イチゴと同様に牛の装飾にしたミルクエレベーター、略してミルべーターを設ける取組の実施、また、栃木県牛乳普及協会が整備したミルクキッチンカー「ミルット号」は非常に人気で、出店を申し込んでもなかなか予約が取れないとの声を多く聞いているため、さらなる整備への支援などについてもご検討いただければと思います。
せっかくなので、もう一つ、県庁への牛乳自動販売機設置も、関係団体と協議いただき進めていただきたいと要望し、私の質疑を終わります。
○山形修治 委員長 琴寄昌男委員。
◆琴寄昌男 委員 皆さん、こんにちは。前半戦最後の登壇者となりました、とちぎ
自民党議員会の琴寄昌男です。
会派最後の質疑者として、早速質疑に入らせていただきます。
最初に、移住促進について、
総合政策部長にお伺いいたします。
3月1日に発表された認定NPO法人ふるさと回帰支援センターの調査によると、窓口相談者が選んだ令和5年の移住希望者ランキングでは、本県は前年に引き続き3位となり、県や市町がこれまで取り組んできた相談対応やセミナー開催、情報発信等の取組が実を結び、本県が県外の方から移住先として着実に選択されている、選ばれるとちぎになってきたと感じております。
また、認定NPO法人ふるさと回帰支援センターの窓口やセミナーを通しての移住相談の総数は5万9,276件と、前年に比べ13.3%増とのことであり、新型コロナウイルス感染症の影響によって生活を見直す人が増えています。
このような中、我が会派は、この地方移住への関心の高まりを一過性のものとはせず、本県が移住先として選ばれ続けるよう、新年度当初予算において、東京圏への近接性や充実した居住・子育て環境等の本県の魅力を積極的にPRするなど、移住促進の取組を強化するよう要望したところであります。
県からは、新たに移住者のサポート等を行う移住促進コンシェルジュを設置するほか、子育て世帯等の移住促進に向けた
移住体験ツアーを実施するなど積極的に取り組んでいく旨回答があり、新年度予算には、本県への移住・定住の促進などを目的として、移住定住促進・関係人口創出事業費が計上されております。
冒頭に触れました令和5年の移住希望地ランキングでは、お隣の群馬県が前年の9位から大きく順位を上げ、2位になったとのことです。順位に一喜一憂する必要はありませんが、地域間の競争はますます激化しており、今後も移住希望者から選ばれるとちぎであるためには、移住希望者のニーズを踏まえた的確な取組の展開が重要と考えます。
そこで、県は移住促進にどのように取り組んでいくのか、
総合政策部長にお伺いいたします。
○山形修治 委員長 笹川
総合政策部長。
◎笹川
総合政策部長 コロナ禍で地方への関心が高まり、地域間競争が激しさを増す中、栃木県が移住先として選ばれるためには、移住希望者のニーズを捉えたきめ細かな取組が一層重要になっていると考えております。
このため、転出超過の著しい若年女性に対する施策とともに、移住相談の6割を占める子育て世代に対しては、本県の手厚い子育て施策を相談窓口等で引き続き丁寧に説明していくほか、新年度は、子育て中の方のアクセスが多いウェブサイトへのPR記事の掲載や本県の生活環境、伝統文化等を体験できる親子
移住体験ツアーを行うなど、ターゲットに応じた取組を展開いたしてまいります。
また、移住促進コンシェルジュを設置しまして、現地案内等を通じて随時希望者に寄り添って話を伺い、相談に応じることで、移住希望者の描く移住のイメージを具体化して、移住先として適切な市町の紹介につなげてまいります。
今後とも、アンテナ高く、群馬県をはじめ他県の取組も参考にしながら、市町等と緊密に連携いたしまして、移住・定住の促進に積極的に取り組んでまいります。
○山形修治 委員長 琴寄昌男委員。
◆琴寄昌男 委員 ただいま、
総合政策部長からご答弁いただきました。
さきに紹介した本県の令和5年の移住希望地ランキングでは、年代別では50代から70代で2位、40代で3位、30代で4位、20代以下で7位とのことであり、若い世代についてはまだまだ伸ばす余地があるのではないかと思います。
このたびの新年度予算では、我が会派の要望により、子育て世帯の
移住体験ツアーが拡充されたところであります。県におかれましては、若い移住希望者に届くプロモーションを展開し、多くの希望者にツアーに参加していただくことで本県のよさを知ってもらい、子育て世帯のさらなる移住促進につながることを期待いたしまして、次の質問に入ります。
平日にもう1泊事業の展開について、
産業労働観光部長にお伺いをいたします。
観光庁が2月29日に公表した宿泊旅行統計調査の令和5年の速報値では、日本人及び外国人の延べ宿泊者数の合計は5億9,275万人泊で、前年と比較すると前年比31.6%増とのことでした。
観光庁が全国を対象にした全国旅行支援の取組に加え、円安を背景にした外国人宿泊者の増加もあり、コロナ禍前の2019年の水準まで回復を見せております。
このような中、本県の令和5年の延べ宿泊者数は、本統計で1,052万人泊と47都道府県中14位となり、前年比では12.9%の増、コロナ禍前の2019年と比較しても10.1%上回るなど、順調に推移しておりますが、その一方で、客室の稼働率は52.2%で47都道府県中31位の水準にとどまっており、今後はこの稼働率を伸ばし、宿泊者のさらなる増加に結びつけていくことが重要と考えます。
そのため、我が会派では、新年度予算に関し、新型コロナウイルス感染症が5類感染症になり、国内の観光需要が上向きになっている機会を捉えて、デジタルメディア等を活用したPRにより、さらなる旅行需要の喚起を図るとともに、旅行需要の平準化に取り組むなど、国内の観光誘客を一層推進することを要望いたしました。
これを受け、県では、新年度予算の観光キャンペーン推進事業費に平日にもう1泊事業費を計上し、閑散期である6月下旬の2週間を対象に、平日を含む2連泊以上する55歳未満の日本人旅行者に対し、地域限定の電子クーポンを付与する、平日にもう1泊事業を実施することとしています。
現在、本事業の実施に向け、公募型プロポーザルの手続等を進めているところですが、事業の実施機関である6月下旬まで間がなく、準備期間に余裕はありません。本事業の成功のため、本県観光の動向や特徴を踏まえるとともに、観光客のニーズを十分に分析し、的確、効果的なプロモーション等を展開していただきたいと考えます。
そこで、県は、平日にもう1泊事業をどのように展開していくのか、
産業労働観光部長にお伺いいたします。
○山形修治 委員長 石井
産業労働観光部長。
◎石井
産業労働観光部長 国内誘客につきましては、平日に比べ土日祝日に需要が集中することから、新年度はゴールデンウイークと夏休みの谷間になる6月に連泊を促進する観光キャンペーンを展開いたしまして、平日旅行の需要喚起を図りたいと考えております。
事業の実施に当たりましては、主たるターゲットを宿泊客の約8割を占める首都圏に定め、50歳代以下の働く世代に向けて、ユーチューブやインスタグラム等のデジタルツールを活用しながら、近年人気が高いアウトドアアクティビティー、栃木県ならではの食や文化、こういったものを打ち出した体験型観光など、長期滞在につながるプロモーションをできる限り速やかに開始してまいります。
また、平日の宿泊旅行へのインセンティブといたしまして、地域限定クーポンを付与いたしますほか、比較的安価で混雑を避けられる平日旅行のメリットを発信しまして、機運の醸成を図ってまいります。
引き続き、市町や観光関連事業者等と連携をしながら、デジタルを活用した積極的なプロモーションを実施しまして、需要の平準化とさらなる掘り起こしに取り組んでまいります。
○山形修治 委員長 琴寄昌男委員。
◆琴寄昌男 委員 ただいま、
産業労働観光部長からご答弁をいただきました。
先ほど岩崎委員からもご意見を頂戴いたしましたが、先日の新聞報道で、県が昨年10月から今年1月末にかけて外国人富裕層ターゲットに販売した1人数百万円の奥日光ツアーについて、期限の今年1月末までに申込みが1件もなかったとの記事を目にいたしました。
主な要因として、周知期間の不足などが上げられていましたが、今回お伺いした平日にもう1泊事業についても、周知期間があまり取れないことが大きな懸念材料であります。
県におかれましては、対象者に届く効果的なプロモーションを速やかに展開し、多くの方に本県を訪れ、宿泊してもらえる取組を要望し、次の質問に移ります。
商工会・商工会議所に対する支援について、
産業労働観光部長にお伺いをいたします。
本県の中小企業・小規模事業者は県内の企業数の99.8%を占め、従業員数においても85%を超えており、地域の雇用を支えるなど、地域社会の担い手として重要な役割を果たしております。
しかしながら、コロナ禍が落ち着きを見せているものの、原材料価格などの高騰が長期化しており、県内の中小企業等は依然として厳しい経営環境に置かれており、県や市町などの行政が果たす役割はもちろんのこと、中小企業等の経営を支える支援拠点として、商工会・商工会議所などの商工団体の果たす役割は大変重要となっております。
商工団体では、従来から定期的な巡回指導や個別相談、研修会の開催などにより、創業から事業承継に至るまで中小企業等を支えるための幅広い取組を行っておりますが、特にコロナ禍以降は、中小企業等の経営改善や事業継続に向け、これまで以上にきめ細かな支援が求められるなど、その役割の重要性はますます高まっていると考えます。
このような状況の中、地域経済に密着し、事業者に寄り添った様々な取組の結果、会員数を増加させる商工団体がある一方で、規模が小さく、しっかりとした支援が行えていない団体もあると聞いております。
そのため、県では、新年度において、小規模企業経営支援事業費等の予算を計上し、商工団体を支援していくこととしておりますが、私は、この支援を通じて、商工団体の中小企業等の経営を支える力をこれまで以上に強化し、商工団体を常に中小企業等から頼られる組織へと変貌させていかなければならないと考えます。
そこで、県は、県内の中小企業・小規模事業者の経営を支える商工会・商工会議所に対し、どのような支援を行っていくのか、
産業労働観光部長にお伺いをいたします。
○山形修治 委員長 石井
産業労働観光部長。
◎石井
産業労働観光部長 商工会や商工会議所は、中小企業等が抱える課題の解決に向け、身近な相談窓口として支援を行っておりまして、その機能を強化することは大変重要であります。
このため県では、創業から事業承継に至るまで、各種計画の策定や助成金の申請支援など商工団体の様々な取組を支援するとともに、関係機関と連携しまして、専門家を活用した経営指導員の資質向上に向け取り組んでおります。
さらに、原材料価格高騰等の影響を受けました中小企業等に対する経営改善のための積極的な伴走支援など、商工団体独自の支援策のうち優れた取組に対して助成するとともに、その成果報告会の開催によりまして、県内商工団体全体の支援をする力の向上に努めてまいります。
今後とも、中小企業・小規模事業者のニーズに合った効果的な支援が実施できるよう、商工会や商工会議所の支援力の強化に積極的に取り組んでまいります。
○山形修治 委員長 琴寄昌男委員。
◆琴寄昌男 委員 ここで、
産業労働観光部長に再度お伺いいたします。
先ほど申し上げたとおり、商工団体単独では中小企業等を支援する力に差があることから、中小企業等が抱える悩みの解決のためには、地域の枠を超えて、同じような課題を抱える商工団体間の横の連携を深めることも重要でありますが、どのように取り組む考えがあるのか、
産業労働観光部長にお伺いいたします。
○山形修治 委員長 石井
産業労働観光部長。
◎石井
産業労働観光部長 中小企業等の支援に当たりましては、おっしゃるとおり規模の小さな商工団体の支援をする力の向上というのが課題であると考えております。そのため、一部の商工団体におきましては、地域の枠を超えた支援の連携によりまして、企業の事業継続計画、BCPですけれども、こういったものの策定の支援、それから相談窓口等による創業に向けた助言、こういったことを行っている例が出てきているところでございます。こうした取組、連携がさらに広がりますよう、取組成果の周知に今後努めてまいりたいと考えております。
○山形修治 委員長 琴寄昌男委員。
◆琴寄昌男 委員 県におかれましては、商工会・商工会議所が中小企業等にとって成長発展に貢献する重要なパートナーとして頼られる存在であり続けられるよう、商工団体の能力開発等につながる支援をお願いし、次の質問に移ります。
「とちあいか」及び「とちぎの星」の知名度向上について、農政部長にお伺いをいたします。
本県は、令和4年の農業産出額は2,718億円と全国9位であり、有数の農業県であります。この順位をさらに上げるためには、消費者の皆様に手に取ってもらうことが必要であり、消費者の皆様においしい本県の農産物を知っていただき選んでいただくことが重要と考えます。
そのため、我がとちぎ
自民党議員会といたしましては、本県農産物の主力であるイチゴと米のオリジナル品種、「とちあいか」及び「とちぎの星」の知名度向上が本県農産物全体のブランド化推進に向けた試金石になると考え、当初予算の増額を要望したところであり、「とちあいか」についてはとちあいか知名度向上対策事業、「とちぎの星」については栃木のお米品質向上対策事業において、合計700万円が上乗せされたところであります。
「とちあいか」につきましては、55年連続生産日本一を誇るいちご王国をこれまで支えてきた「とちおとめ」の作付面積を超え、これからのいちご王国・栃木を担う主力品種としての期待がかかっておりますので、知名度をさらに高めていってほしいと思います。
イチゴの五大産地として有名なのは、本県のほか、福岡県の「あまおう」、熊本県の「ゆうべに」、静岡県の「紅ほっぺ」、長崎県の「ゆめのか」であり、各県においても新品種の開発競争が激化しており、全国での本県の知名度を上げ、いちご王国の座を万全とするためにも、品質と量をしっかりと確保し、首都圏のみならず関西、さらには海外への販売促進に取り組んでいく必要があると考えております。
また、「とちぎの星」につきましても、高温下でも収量や品質が安定しており、今後の生産拡大が見込まれますが、魚沼産コシヒカリに代表されるように、全国各地で銘柄のブランド化が進んでいる中で、コロナ禍により十分な販売促進活動が行えなかったことなどもあり、いまだ知名度は十分とは言えず、今後の取組に期待がかかります。
「とちあいか」、そして「とちぎの星」は、いずれも本県農業の将来を担う重要な品種であり、両品種の知名度の向上は、本県農業の実力を全国に知らしめることにもつながり、本県農業のさらなる発展に資する重要な取組と考えます。
そこで、県は、「とちあいか」及び「とちぎの星」の知名度向上にどのように取り組んでいくのか、農政部長にお伺いをいたします。
○山形修治 委員長 熊田農政部長。
◎熊田 農政部長 「とちあいか」につきましては、これまで、首都圏や関西圏においていちご王国プロモーションなどを展開する中で、ほかの品種とともにPRを行ってきました結果、認知度が徐々に高まりつつあるところであります。
今後は、これらの取組に加えまして、ハート形で甘さが際立つなどの「とちあいか」の魅力が直接消費者に伝わりますよう、農業団体が行う量販店や百貨店での購入キャンペーンや、首都圏の商業施設や駅構内における大型ディスプレイを活用したPRを支援しまして、知名度を一層高めてまいります。
また、「とちぎの星」につきましては、昨年夏の厳しい環境においても、安定した品質と食味の良さを確保できましたことから、新年度は、農業団体が行うこれらの優れた特性や生産者の思いなどを発信する情報サイトの充実に加えまして、首都圏や関西圏等における販売促進活動を支援し、さらなる知名度向上を図ってまいります。
○山形修治 委員長 琴寄昌男委員。
◆琴寄昌男 委員 ただいま、農政部長からご答弁をいただきました。
要望させていただきます。「とちあいか」及び「とちぎの星」について知名度向上に向けた取組をお伺いしましたが、本県にはこのほかにも、ニラ、アスパラガス、梨など、おいしい野菜、果物がたくさんあり、これらの農産物においても、知名度の向上、ブランド化が重要と考えます。
県におかれましては、「とちあいか」と「とちぎの星」でプロモーション等のノウハウを培い、それを多品目に横展開することで本県農産物のブランド化の推進を図り、農業生産額のさらなる向上に取り組むことを要望し、次の質問に移ります。
2024年問題への対応に関し、まず農産物の流通対策について、農政部長にお伺いをいたします。
物流は、生産者から消費者までの荷物の流れであり、経済の血液とも称されるとおり、我が国の経済社会を支える重要な基盤として、トラック輸送を中心に高い定時性や安全性を誇ってきました。
しかしながら、人口減少によりドライバーが不足しているのに加え、インターネット通販の利用者の増加による輸送の小口化や多頻度化等の新たな課題が生じております。
さらに、物流業界では、本年4月からトラックドライバーの時間外労働の規制が強化されることに伴い、物流の2024年問題として、ドライバー不足のさらなる深刻化や輸送量の減少などが予想されているなど、経済の血液である物流の停滞が懸念される状況にあります。
この物流の2024年問題の影響は、産業全体に及び、農業もその例外ではありません。農産物の物流が滞れば、問題は、単に消費者の下に農産物が届くのに時間がかかるだけではなく、農家が苦労して農産物の生産量を増やしたとしても、流通に乗せることができなければ、農家が手塩にかけて育てた農産物を売ることすらできない事態も考えられ、農家の所得の減少にも直結するゆゆしき問題であります。特に、鮮度が問われる青果物においては、その影響が大きいと考えられます。
そのため県では、県産農産物の流通が抱える課題解決に向け、農業団体等と連携し、本年1月に県産農産物流通対策連絡会議を開催したところであります。
また、新年度予算には、新規事業としてとちぎの園芸物流強化
プロジェクト事業費を計上し、全国的な青果物の流通の変化に遅れることなく、安定的かつ効率的な流通体制の確保を図ることとしております。
2月通常会議の我が会派の木村好文議員の代表質問において、稼げる農業を展開するため、本県の立地を生かし、県産農産物の一層の競争力強化を図るとの答弁があったところですが、その実現のためにも、本県の新鮮な農産物を効率的に届ける流通体制の強化が必要であると考えます。
そこで、県は、2024年問題を踏まえ、農産物の流通対策に関し、特に鮮度が求められる青果物の流通対策にどのように取り組んでいく考えか、農政部長にお伺いをいたします。
○山形修治 委員長 熊田農政部長。
◎熊田 農政部長 物流の2024年問題の影響が懸念される中、県産青果物の競争力を強化するためには、状況の変化に対応しながら、安定的かつ効率的な流通体制の構築と、本県の強みを生かした有利販売に取り組む必要があると考えております。
このため、農業団体や市場関係者等で構成する会議を設置しまして、県産農産物の流通実態や実需者ニーズ等の調査・分析を行いますとともに、流通上の課題や他県の優良事例を共有し、産地における効果的な対策を促進してまいります。
また、農業団体が整備しました広域集出荷施設におけるトラック配車の効率化などによる物流合理化対策や、効率的な輸送に向けた産地における出荷資材や積載方法の改善の取組を支援してまいります。
さらに、大消費地に近い地理的優位性を生かしまして、これまで以上に鮮度を重視した販売を強化するため、関係団体と連携し、産地における鮮度保持技術の導入促進や産地直送野菜のテストマーケティング等に取り組んでまいります。
○山形修治 委員長 琴寄昌男委員。
◆琴寄昌男 委員 ただいま、農政部長からご答弁いただきました。
要望させていただきます。先日、一般社団法人栃木県トラック協会の主催で、トラックドライバーの労働規制強化に伴い、荷物を発注する企業側に理解を深めてもらうためのセミナーが宇都宮市内で開かれ、私も参加しました。
このセミナーでは、物流や労働問題に詳しい大学教授が講師を務め、ドライバー不足は今後ますます深刻化し、6年後には国内の輸送能力が今の7割ほどに落ち込む可能性があることや、荷物の運賃を引き上げることでドライバーの待遇を改善し、人手の確保につなげることなどが重要だと指摘しておりました。
私のこの質疑では、農業分野における流通対策としてお伺いいたしましたが、物流の2024年問題は産業全般に関わる大きな課題だと私は考えております。本県では、現在、産業団地の分譲を進め、企業誘致を精力的に展開しておりますが、せっかく県内の工場で良い製品をつくっても、物流が停滞していれば製品を売ることができません。
先ほども申し上げましたとおり、ドライバーの確保に当たっては、適正な運賃の支払いによるドライバーの待遇改善が重要でありますので、経済の血液である物流の停滞を防ぐため、運賃への適正な転嫁など、荷主・発注者の理解、協力を得るための取組について、県を挙げて進められるようお願いし、次の質問に移ります。
最後に、2024年問題への対応の2つ目として、ICT活用工事の推進について、
県土整備部長にお伺いをいたします。
道路や河川などのインフラは、社会経済の発展を支える基盤であり、住民の生活に必要不可欠な役割を果たしています。また、近年、災害が頻発・激甚化する中、住民の生命と財産を守り、
社会経済活動を維持していくための役割もインフラには求められております。
建設業は、そのインフラの整備に加え、災害発生時にはインフラを守る地域の守り手として重要な役割を担っておりますが、人口減少などの社会情勢が変化する中、他業種と比較して従事者の平均年齢が高く、労働時間が長いなど労働環境に多くの課題を抱えているのに加え、昨今の原材料、エネルギーコスト等の高騰の影響も大きな負担となっているなど、非常に厳しい状況に直面しております。
このような中、2019年4月に施行された働き方改革関連法では、先ほど質問をした物流業と同様に、建設業についても5年間の猶予措置が設けられておりましたが、本年3月末にその期限を迎え、4月からは時間外労働の上限について、月45時間、年360時間を原則とし、特別な事情がある場合でも年720時間が限度とされることから、生産性の向上や働き方改革は喫緊の課題であります。
現在、国では、インフラ等の工事においてデジタル技術を活用して業務プロセスの効率化を図るICT活用工事を推進しており、工事の種類にもよりますが、3割から1割程度の作業時間の縮減効果があったと聞いております。一方、県においても、インフラ分野におけるDXを進めるため、新年度予算にICT活用工事推進事業費を計上しております。
ICT活用工事の推進は、建設業における生産性の向上や働き方改革、人材の確保につながり、結果として県民の安全・安心の確保にも大きく貢献するものと考えますので、積極的に取り組んでいただきたいと考えます。
そこで、県は、ICT活用工事の推進にどのように取り組んでいくのか、
県土整備部長にお伺いをいたします。
○山形修治 委員長 坂井
県土整備部長。
◎坂井
県土整備部長 建設業において、長時間労働や担い手確保等の課題を克服し、さらなる生産性向上を図るためには、ICT活用工事の普及拡大が重要であります。
このため県では、新年度から、一定規模以上の工事について原則ICT施工とする発注者指定型ICT活用工事の適用拡大のほか、経験の少ない中小事業者が取り組みやすいよう、ICT建機の利用を必須としない簡易型の積極的な活用を図ることにより、ICT活用工事の実施件数の増加に取り組んでまいります。
また、経営者の知見を深めることや技術者の知識取得等のため、今年度に引き続き新年度におきましても、事業者や発注者向けのセミナー及び現場研修を実施するなど、人材育成にも取り組んでまいります。
今後とも、建設業における生産性向上を図るため、関係団体等と連携しながらICT活用工事の普及拡大に取り組んでまいります。
○山形修治 委員長 琴寄昌男委員。
◆琴寄昌男 委員 ただいま、
県土整備部長からご答弁をいただきました。
要望させていただきます。ICT活用工事は、人口減少が進む中、地域の守り手・創り手である建設業における生産性の向上の切り札ともなり得る取組だと考えます。一方で、対応する重機・ソフトウエアの導入に費用や人材の確保が必要であり、中小建設事業者にとっては高いハードルでもあります。県におかれましては、中小建設事業においてもICT活用工事の推進が着実に図られますよう、その取組の展開をお願い申し上げます。
以上をもちまして、とちぎ
自民党議員会4名の委員による質疑は終了となりますが、今回の我が会派の質疑は、人口減少問題や新たな成長産業の誘致をはじめ、本県農産物の消費拡大やカーボンニュートラルの実現に至るまで、21項目について質問をさせていただきました。
今年度は、栃木県誕生150年で、本県の魅力を全国に発信した年でありましたので、令和6年度からは、改めて選ばれる栃木県の実現に向けて、全庁一丸となり、栃木県を盛り上げていただくことを要望し、我が会派の全ての質疑を終了いたします。
○山形修治 委員長 以上で、とちぎ
自民党議員会の質疑は終了いたしました。
この際、休憩したいと思います。午後1時35分から再開いたします。
休憩いたします。
午後0時37分 休憩
────────────────────
午後1時35分 再開
○石坂太 副委員長 委員長の都合によりまして、私が委員長の職務を行います。よろしくお願いいたします。
それでは、委員会を再開いたします。
引き続き、総括質疑を行います。
発言通告者に対し、発言を許します。
民主市民クラブ、渡邉典喜議員。
◆渡邉典喜 委員 皆様、こんにちは。民主市民クラブの渡邉典喜でございます。
令和6年度当初予算に関して、私たちの会派からは私と松井正一委員で質疑を行わせていただきます。
まず、大坂・関西万博について、知事に伺います。
2025年に開催予定の「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマとした大坂・関西万博に、本県としても認知度向上やインバウンド拡大などを図る目的で出展することとし、その予算として総合政策部においては、大坂・関西万博出展事業費を令和6年度で4,000万円、令和7年度にも4,000万円の合わせて8,000万円、また関連する予算として、産業労働観光部において、大坂・関西万博来場インバウンド誘客プロモーション事業費として844万4,000円を計上しています。
「人類の進歩と調和」をテーマとした1970年の大阪万博は、太陽の塔などの印象を国民に残し、6,400万人の入場者がありました。2005年の愛知万博は「自然の叡智」をテーマにして、地球規模での課題を解決する理念提唱型の万博という新しい形を打ち出しました。
今回の大阪万博は、想定来場者数2,820万人、そのうち350万人の訪日外国人を含むという国際的なイベントではありますが、開催に係る費用の増加や工事の遅れもあり、メディアの世論調査などでも否定的な国民が一部いる現状があります。そのような現状を踏まえると、なぜ今回の万博に出展するのか、県民の皆様への丁寧な発信が必要だと考えます。
そこで、県として、大坂・関西万博に向けてどう取り組んでいくのか。また、その成果をどのような形で検証するのか、知事に伺います。
○石坂太 副委員長
福田富一知事。
◎福田 知事 国際博覧会は、1851年のロンドン万博以来、その時々の人類の進歩や将来ビジョンを示すとともに、開催国の各地域では、自らの魅力を世界に広く発信し、地域活性化につなげることのできる意義深い
プロジェクトであります。このため、大坂・関西万博に関しては、全国知事会において推進本部を立ち上げ、万博を契機としたさらなる地域活性化について提言を行うなど、オールジャパンによる47都道府県合意による取組が進められております。
これまで県では、地域活性化に向けた魅力発信について、デジタルマーケティングの手法を用いた各種広報活動をはじめ、G7栃木県・
日光男女共同参画・
女性活躍担当大臣会合やベトナム、シンガポールにおけるトップセールスの機会を活用したPR事業等に積極的に取り組んできており、今回の万博に関しましても、インバウンドの拡大や関西圏における本県の認知度向上等が期待できると考え、出展を申請することといたしました。
今後は、デジタル技術を活用し、会場にいながら本県の豊かな自然や優れた歴史・文化等の魅力を体感できる参加型の展示について企画の具体化を進めるとともに、外国人等を本県誘客に結びつけるプロモーションを併せて展開するなど、万博開催期間に限らず本県の活性化につながる取組となるよう、効果検証の方法も含め、検討を深めてまいります。
今後とも、様々な機会を捉えて本県の魅力発信に努め、活力ある元気なとちぎづくりに全力で取り組んでまいります。
○石坂太 副委員長 渡邉典喜委員。
◆渡邉典喜 委員 知事から答弁をいただきました。未定な部分があることは承知しています。ただ、既に発表されている他の県の状況などを見ますと、栃木県が出展する期間というのは1週間程度、その中に準備期間もありますので、実際の展示期間というのは3日間ぐらいになるんではないか、そのような予測があります。万博は、先ほど2,820万人、外国人350万人と申しましたが、それは万博開催期間である184日の合計の数字であり、仮に3日間ですと46万人の来場者で、5万7,000人の方が外国人ということになります。そして、その人たちの何人が実際その広い会場の中で栃木県のブースに足を運んでくれるのかというのも、一つ課題だと考えております。
関西広域連合に入っている府県の状況を紹介いたしますと、例えば関西広域連合の県というのは大阪府から近いということがあります。そういう意味では、そういった県に関しましては誘客も見込めるというのも一つあります。福井県の例を挙げますと、福井県は関西パビリオンという形で出展いたします。そちらは期間中、常に展示があるという形です。「福井ダイナミックレイヤー」というコンセプトで恐竜を使った展示をする、そのような計画とのことです。そして、そのスペースでも、目標来館数というのは期間中全部合わせて約30万人、1日に換算すると1,630人ぐらいしかいない、そのような現状もあります。担当者の方に聞いたのですけれども、スペース的な問題もあり、実際それ以下の人数になってしまうかもしれない現状だということもお伺いしました。
もちろん場所が違いますので、単純な比較はできないのですけれども、その日にいらっしゃった方、特にインバウンドということだったら外国人の方に対して、その場でどのような魅力を栃木県のブースが発せるのかというのは大きな課題だと私は感じております。例えば福井県の恐竜みたいなキーワードだけでも構いませんので、観客を引きつける、ここまでやるのか栃木県、そのような具体的なアイデアがあるのか、知事に伺います。
○石坂太 副委員長
福田富一知事。
◎福田 知事 先ほど答弁で申し上げましたように、デジタル技術を最大限に活用しまして、会場にいながら栃木県の豊かな自然とか優れた歴史・文化などを楽しむことができるような企画を今考えているところでございます。まだ出展が認められたわけではありませんので、出展が正式に認められれば、最大限の効果が発揮できるような展示をしてまいりたいと考えておりますし、来てみた人が行ってみたくなるような栃木県の展示会場にしていきたいと思います。
○石坂太 副委員長 渡邉典喜委員。
◆渡邉典喜 委員 私が心配しているのは、午前中何度か話に出てきましたけれども、400万円のヘリコプターツアーのようになってしまうと困るなというところです。大阪府から栃木県というと、非常に距離があります。そこで申し込む方が何人いるのかというのは、もし、やるのであればひとつやはり検証しなければいけない、そのような事業であると考えております。
ただ決まっていないことが多いというのは、逆にいろいろな工夫を凝らす余地があると理解もしています。今でいうと、もうボルドーのワインは世界的なブランドですけれども、そのきっかけになったのが最初のパリ万博ということです。本県は、午前中にも出てきましたけれども、世界に誇れる和牛ですとか、お酒、そういったものもあります。そういったもののPRの機会という観点で考えていただいたほうが、結果的に、そこで栃木県の食はおいしい、じゃあ、今度行ってみようか、そのような形でのインバウンドにもつながるのではないかと考えているところです。
また、レガシーという点も重要であると考えています。例えば実際に出す企業だと、そこにパビリオンを出し、終わった後、淡路島に移設してそちらで展示を続ける、そのような企業もあるということで承知しています。先ほど知事がおっしゃった参加型の展示は非常にいいとは思いますけれども、しっかりとその場限りではなくて、終わった後にまたほかの場でも使える、そのような形でレガシーということも意識しながら進めていただきたいということを要望させていただきます。
次に、ウクライナ避難民への支援について、
生活文化スポーツ部長に伺います。
ロシアによるウクライナ侵攻が開始され、今年2月で2年となりましたが、ウクライナの状況は依然として厳しさを増しています。
こうした中、日本政府はこれまで2,600人近いウクライナ避難民の受入れを行っておりますが、栃木県においても国との連携の下、避難民の受入れを行ってきており、現在2名の避難民が滞在していると承知しております。
これまで本県はウクライナからの避難民に対して、県営住宅の提供や1世帯10万円の一時金の支給、自動通訳機器ポケトークの無償貸与、相談窓口の設置などの生活支援を行ってきましたが、G7広島サミットにおける、難民を保護し、避難を強いられた人々や受入国及びコミュニティを支援し、難民及び避難民の人権及び基本的自由の完全な尊重を確保するというG7広島首脳コミュニケの趣旨を踏まえますと、避難が長期化する中で、栃木県としてさらに果たせる役割があるのではないかと考えます。
新年度予算で、ウクライナ避難民生活支援事業費を計上していますが、長期化するウクライナ避難民に対する支援として、今後どのように取り組んでいくのか、
生活文化スポーツ部長に伺います。
○石坂太 副委員長
野原生活文化スポーツ部長。
◎野原
生活文化スポーツ部長 ウクライナ避難民の方々の本県への受入れに当たりましては、国や市町、関係機関との調整を迅速に進めますとともに、庁内に設置した支援チームを活用し、住まいや医療などの希望に応じた適切な支援を行うこととしております。
これまでに4名の避難民を受け入れており、その際には、通訳ボランティアの派遣や住民登録等の諸手続のサポート、自動翻訳機器の無償貸与、家具・家電等生活必需品の購入費用に活用できる一時金の支給など、本県での生活基盤を整えるために必要な支援を実施してきたところであります。
日本での生活が長期化する中、本県で安心して生活し、地域の一員として社会参加していくためには、必要な日本語能力や生活習慣等を身につけることが重要でありますことから、これまでの支援に加えまして、地域での日本語学習機会の提供などの充実に努めてまいります。
今後とも、国、市町等との情報共有や連携調整を図りながら、避難民の方々の個々のニーズに寄り添ったきめ細かな支援を行ってまいります。
○石坂太 副委員長 渡邉典喜委員。
◆渡邉典喜 委員
生活文化スポーツ部長から丁寧なご答弁をいただきました。本県が今まで取り組んできたことが理解できましたし、また日本語の学習などにも今後取り組んでいくことは非常に重要なことだと考えております。
日本財団がウクライナからの避難民を対象に取ったアンケートの結果が2月に公表されました。給付金、生活物資の提供以外で必要な支援の最上位に来るのが仕事の紹介ですとか、職業訓練という事柄でした。
帰国の希望を聞く質問に対しては、ウクライナの状況が落ち着くまでは日本に滞在したいという回答を含めると、7割を超える方が日本での滞在を望んでいる、そのような現状もございます。やはり今、無責任に帰ってくれということはできないわけでございます。寄り添った形での相談支援ですとか、先ほどのような日本語教育、さらには職業訓練などをサポートしていくことも重要だと考えております。
来年度の予算では、外国人材活用強化事業費も予算に計上しています。既に県内にいる方が輝ける、そのような栃木づくりをしっかりと考えていただきたく思います。
海外に目を移すと、残念なことですが、イスラエルによるガザ地区への侵攻など、様々な紛争が起きており、今後、栃木県では避難民を受け入れることがまた出てくる可能性もあります。今回のウクライナ避難民の方への支援が一つのいいモデルケースとなるよう、そのような意識をもって継続的に取り組んでいただきたいと要望させていただきます。
次に、県立夜間中学をはじめとした多様な学びのニーズ調査について、教育長に伺います。
本年1月に知事から県立の夜間中学を設置する取組を進める考えが示され、その後、民主市民クラブの当初予算及び政策推進に関する要望書に対する回答で、令和8年4月に栃木市にある学悠館高等学校内に開校する準備を進める旨が記され、発表されました。県立の夜間中学の設立は、多様な学びの機会をつくるという意味で有意義なことだと考えています。
一方、全国の動向を見ますと、平成30年に文部科学省が全都道府県に少なくとも1つの公立夜間中学を設置するよう促す方針を出したこともあり、夜間中学の数は全国的に増加していますが、実際に夜間中学に通う生徒数は減少していると聞いております。不登校児童数や外国人数はこの30年増加傾向にあり、必要とする方に夜間中学をはじめとする多様な学びの情報を届けることが重要であると考えます。
また、教育長からは、県立夜間中学の設置に加え、様々な学びの場の連携・充実によるネットワークの構築を目指す旨の表明もされたところであり、学び直しを求める方の期待にも応えられる夜間中学の開設や多様な学びの機会の確保のためには、県内のニーズをしっかり把握することが必要です。
そこで、来年度の予算で事業費を計上していますが、どのような方法でニーズ調査を行い、多様な学びの機会の確保につなげていくのか、教育長に伺います。
○石坂太 副委員長 阿久澤教育長。
◎阿久澤 教育長 様々な事情から学齢期に十分な学びを得られなかった方や日本語習得に困難がある外国籍の方等に対して、一人一人のニーズに応じた学びの機会を確保することが求められております。
新年度に実施するニーズ調査に当たりましては、市町のほか、自主夜間中学や地域の日本語教室など民間団体とも連携しながら調査の実施を広く周知するとともに、ウェブ上に多言語アンケートフォームを設けるなど、より多くの方に回答していただけるよう工夫してまいります。
また、より幅広いニーズを把握するため、中学校の学習内容を学び直したい、日本語だけを学習したいなど、学びの目的や希望する学習内容について調査を行い、様々な学びを求める方への支援の在り方を検討してまいります。
今後とも、市町教育委員会や関係団体等と連携しながら、夜間中学をはじめとした多様な学びの場の連携・充実に向けて取り組んでまいります。
○石坂太 副委員長 渡邉典喜委員。
◆渡邉典喜 委員 教育長からご答弁をいただきました。2019年に栃木県が行った夜間中学のニーズ調査では、アンケートはがき付リーフレットの配布とか、啓発用ポスターの掲示が主だったと聞いていますので、それよりもさらに一歩進んだ、踏み込んだ形の内容になっていることに対しては非常に安心をしました。
また、それ以外にもやはりメディアを使った発信のほかに、SNSや動画の配信、そういったことも、あるいはとちぎ未来大使の方にご協力いただく、そのような形での多様な手段でニーズ調査の発信をしていかなければ、せっかくの新しい栃木モデルの夜間中学というのがうまくいかないと思いますので、夜間中学の設立に向けて準備を進めていっていただきたいと思います。
また、要望させていただきます。2019年のニーズ調査ですと、夜間中学に通いたいと回答されたの方の過半数が宇都宮市の方です。県北からのアクセスということも考えますと、今度の栃木市の場所というのはなかなかやはり通うのが厳しい、そういう方もいらっしゃるのではないかと推察をしているところでございます。ニーズ調査をしても、それが生かせなければ意味はないと思いますので、これはもちろん将来的な話になると思いますけれども、例えば宇都宮市が設置主体となり、県がそれを支援するという形でも私はいいと考えておりますけれども、県央部でも夜間中学などの多様な学びの場を確保する、そのようなことを進めていただきたいということを要望させていただきまして、私からの質疑を終了させていただきます。
この後、松井正一議員にバトンをタッチしたいと思います。
○石坂太 副委員長 松井正一委員。
◆松井正一 委員 それでは、民主市民クラブの松井正一であります。
渡邉典喜委員に引き続きまして、私からは2点質疑を行わせていただきます。
まず1点目は、午前中、岩崎信委員も質疑をされました、半導体・蓄電池関連の企業誘致促進につきまして、
産業労働観光部長にお伺いをいたします。
いわゆる経済安全保障推進法では、国民の生存に必要不可欠な、または広く国民生活・経済活動が依拠している半導体や蓄電池などの重要な物資について、特定重要物資として指定し、その安定供給確保に取り組む民間事業者などを支援することを通じて、特定重要物資のサプライチェーンの強靱化を図ることとしています。
本県においては、令和2年度に策定した新とちぎ産業成長戦略において6つの
重点プロジェクトを掲げ、ものづくり産業躍進
プロジェクトで、戦略3産業、これは自動車、航空宇宙、医療福祉機器と未来3技術、これはAI・IoT・ロボット、光学、環境・新素材などを活用した競争力強化、さらには企業誘致
プロジェクトにおいて、令和7年までに累計190件の企業立地を目標としています。
そのような中、新年度予算では、半導体または蓄電池を含む特定重要物資の安定供給確保の実現に資する投資を行う企業に対し、戦略的企業立地、定着促進に対する補助にインセンティブを付与し、本県への積極的な誘致促進を図ることとしています。
一方で、熊本県菊陽町では台湾の半導体企業を誘致し、関連企業の誘致も着々と進んでおりますが、誘致成功の要因は、企業が求める環境条件に合致したことにあり、企業のニーズを把握することは非常に重要と考えます。
そこで、本県では、半導体・蓄電池関連の企業誘致の促進に向けて、具体的にどのように対応するのか、
産業労働観光部長に伺います。
○石坂太 副委員長 石井
産業労働観光部長。
◎石井
産業労働観光部長 経済安全保障や脱炭素への対応などが求められる中、引き続き、本県経済のさらなる発展を図るため、県におきましては、新たな成長産業として、今後の成長や経済波及効果が非常に大きいと見込まれる半導体・蓄電池関連企業の集積促進に取り組む考えであります。
このため新年度から、立地補助金の上限額を半導体及び蓄電池関連企業につきましては国内トップクラスとなる70億円に引き上げるとともに、これらの企業等を対象としたマーケティング調査を新たに実施する予定でございます。
この調査では、成長性が高く集積の中核を担う国内外の半導体関連企業等のリストアップに加えまして、設備投資の見通しや立地先を選定する際に重視する条件など、企業ニーズについても情報収集を行いまして、戦略的な誘致活動につなげてまいりたいと考えております。
引き続き、本県への進出可能性が高い企業等に積極的にアプローチをするとともに、拡充した優遇制度や優れた立地環境、ものづくり産業の集積など、本県の強みを幅広くPRしながら、半導体・蓄電池関連企業等の誘致・集積に取り組んでまいります。
○石坂太 副委員長 松井正一委員。
◆松井正一 委員
産業労働観光部長から答弁いただきました。
それでは、再質問いたします。今の答弁で、マーケティング調査について具体的な言及がありました。その中でイメージとして、例えば、およそどれくらいの企業に対してマーケティング調査の可能性があるのか、国内外という話がありましたが、午前中の岩崎信委員への知事の答弁でも明らかなように、様々なターゲットという話もあったので、その辺りについての現時点での戦略的なものがあれば、この2点をお伺いいたします。
○石坂太 副委員長 石井
産業労働観光部長。
◎石井
産業労働観光部長 半導体につきましては、最終製品である半導体チップを製造する、いわゆるファウンドリー企業と申しますけれども、そういった企業をはじめ、そのほかに製造に欠かせない原材料ですとか、機械装置の製造など非常に関連の企業が多くて、裾野が広い産業であると言われております。このためマーケティング調査では、まず集積の中核を担う企業はもちろんのこと、製造工程に関わる企業等も幅広く対象に、国内・海外を問わずリストアップをさせていただきたいと考えております。
また、その後、この調査を活用することによって、グローバルに事業を展開する企業と、県内半導体関連企業が一定数あるということが実態調査で分かっておりますので、そういった企業の連携をすることもあり得るのかなと考えております。マーケティング調査では現在3,000社以上ぐらいはリストアップをする予定でございます。
○石坂太 副委員長 松井正一委員。
◆松井正一 委員 分かりました。ぜひとも丁寧なピックアップ、そしてマーケティング調査を行う中で、本県のこの分野における企業立地に向けたさらなる可能性を引き出していただきたいと思っています。
要望いたします。実は熊本県の菊陽町、TSMCの話ですが、一つ厄介な課題があるようです。これはぜひ研究してほしいという意味での要望なのですが、栃木県においては、先ほど私が質疑でも言ったように、とちぎ産業成長戦略ということで具体的なビジョンがある中で、今回半導体・蓄電池については取組方針が決められたということです。
熊本県も同様の進め方があるのですが、一方で、いわゆるTSMCそのものが労働力の確保のために大変厚遇をしておりまして、例えば初任給が26万円とか、年間ボーナスが12か月とか、数字を聞いただけでも大変びっくりするような厚遇なんです。そのことでどういうことが起きているかといいますと、いわゆる熊本県周辺のシリコンバレーと言われている関連企業も含めて、中小企業を中心に働き手の争奪戦になっているという状況があるようなんです。
ですので、この辺りは、先ほど質疑でも触れたように、企業立地や定着促進、ここにインセンティブをつけるということであるとともに、当然既存企業をしっかりと支えていくということも産業振興には重要かと思います。新とちぎ産業戦略の中でもそのことがうたわれておるとは思うのですが、今回の半導体・蓄電池のことを受けて、改めてその部分についても熊本県の事情なども研究くださいますようお願い申し上げながら、次の質疑に入ります。
専門医育成の強化について、
保健福祉部長に伺います。
県では、新年度予算において、救急科、産科及び小児科の医師養成に要するため、とちぎ専門医育成事業費として4,969万円余を計上いたしました。
本事業の実施に関連して、医師修学資金等の対象に、従来の産科や小児科に加え、救急科を追加するとともに、臨床研修を受けている医師に対する研修資金の貸与も可能とするため、第25号議案において、栃木県医師修学資金貸与条例の一部改正案が提出されたところです。
県では、これまで医師確保計画等において、診療科偏在の是正や各地における医師配置の適正化など、産科や小児科などへの医師の確保を図ってまいりましたが、現場においてはまだ十分な医師の確保がなされていないという声もあり、なお一層の取組が求められております。
県内どこに住んでいても、滞在していても、安心して医療を受けられるようにするためには、計画的な医師確保が不可欠であります。この事業を通じて、救急科、産科及び小児科の医師養成に係る取組が充実し、計画的な医師確保、育成、定着につながることを大いに期待しています。
そこで、県では、新年度予算において、救急科、産科及び小児科の専門医確保、育成、定着の取組をどのように推進していくのか、
保健福祉部長に伺います。
○石坂太 副委員長
岩佐保健福祉部長。
◎
岩佐 保健福祉部長 県ではこれまで、主に自治医科大学や獨協医科大学に設置しました地域枠制度を運用するなど、医師確保に努めてきたところでございますが、命を救うために緊急対応が必要で24時間対応を要する救急科、産科及び小児科につきましては、さらに重点的に医師確保に取り組む必要があると認識をしてございます。
そのため、新年度から、大学病院等における魅力ある専門研修プログラムの策定や研修医等を対象としたオープンセミナーの開催など、専攻医の確保等に向けた取組への支援を行い、医師として希望するキャリア形成が可能な環境を整えることで、若手医師を県内外から呼び込み、専門医を目指す医師の確保、育成、定着を促進してまいります。
併せて、修学資金制度の拡充によりまして、臨床研修後も県内に定着する産科及び小児科、救急科医の増加を図り、県内の医療体制の強化につながるよう、一層の医師確保等に努めてまいります。
○石坂太 副委員長 松井正一委員。
◆松井正一 委員 それでは、
保健福祉部長に1点だけ、簡潔に再質問いたします。今回の予算案で非常に評価できると思いますのは一つは、これまでのいわゆる就学段階までの貸与という資金の関係、それがさらに臨床研修まで及んだということにあるかと思います。これまでの実績も先日伺いましたが、いわゆる臨床研修段階で診療科が変わってしまうというケースもあることを伺ったものですから、そういう意味では救急科、産科、小児科がターゲットになったドクターの皆様がそのまま推移することを願ってやみません。
お尋ねは、そうはいってもなかなかこの医師確保計画の中で、本県の医師確保、まだまだ課題はあると思うのですが、現時点で
保健福祉部長の視点でどのような課題が上げられるでしょうか。
○石坂太 副委員長
岩佐保健福祉部長。
◎
岩佐 保健福祉部長 これまでの取組によりまして、医師少数都道府県からは脱したものの、依然として一部の地域や診療科において医師が不足しているという状況だと認識をしております。やはり今上げました救急科、産科、小児科などにつきましては、医師の偏在等によりまして、他の分野よりも手当てが必要な領域だと認識をしてございます。そういったところにつきましては、それぞれ独自の計画を定めるなど対応を強化し、しっかりとした医療環境の整備を進めてまいりたいと考えております。
○石坂太 副委員長 松井正一委員。
◆松井正一 委員 よく分かりました。ぜひともよろしくお願いしたいと思っています。
今、
保健福祉部長の答弁の中でも医師不足、または診療科の偏在という話がありました。そのような中で専門医として救急科、さらには産科、小児科ということで特化しているわけでありまして、これは令和6年度の県当初予算の
プロジェクトという面で見れば、子ども・子育て
プロジェクトの鏡でもあるとともに、これから特にこの分野をしっかりと確保することが人口減少問題対策にもつながっていくという意味では、非常に重要な予算になると推察しております。ぜひともいろいろな課題を関係各位と共有の上、克服していただきますようお願い申し上げたいと思います。
加えてでありますけれども、やはり先ほど質疑の中では、どこに住んでいても、さらには滞在していてもという話をしました。午前中の質疑の中でもインバウンドの話が各地に出てまいりましたが、いろいろなケースにおいていざ緊急に医療が必要となる、そのようなケースもあるかと思います。いかなる場合でも栃木県は滞在していて安全・安心に医療が受けられる、これが理想かと思っておりますから、そのようなことも含めまして、ぜひ現場段階でもご尽力賜りますようお願い申し上げたいと思います。
民主市民クラブといたしましては、本日、渡邉典喜委員と共に5つの点について問題提起をさせていただきました。前段の本会議場における代表質問においては、特に産業全般の人材の確保・育成、これを問題提起したつもりです。実は大変驚く数字がございまして、私は今50代の立場なのですが、50代の県の人口に対しまして、20代の人口というのが三、四割減るという数字が出ているんです。今、労働力として現役の中でも、20年、30年後にそれほどにまで激減するという数字的な要素があるということは、これは本当に対岸の火事とは言い切れないものです。
そういう意味では、午前中の岩崎信委員の質疑でも、いかにして若年女性含めて県外に出ていかないようにするか、そういうご提案がありました。私も全く同感であります。いろいろな形で自然増はもちろん努力するのですが、同時に社会的動態を踏まえて、いかに栃木県にとどまってもらうかということを民主市民クラブといたしましてもこれから引き続き提言していきたいと思いますので、お願い申し上げながら、以上で全ての質疑を終わります。
○石坂太 副委員長 以上で、民主市民クラブの質疑は終了いたしました。
発言通告者に対し、発言を許します。
公明党栃木県議会議員会、野澤和一委員
◆野澤和一 委員 公明党栃木県議会議員会の野澤和一でございます。
それでは、早速質疑に入らせていただきます。
初めに、防災・減災のための避難所の設置・運営について、危機管理防災局長に伺います。
初めに、令和6年能登半島地震でお亡くなりになられました方のご冥福をお祈りするとともに、全ての被災された方々にお見舞いを申し上げます。また、被災地の支援に派遣されている全ての皆様に、心から敬意と感謝を申し上げますとともに、復旧・復興には長期間の支援が必要になりますので、引き続きのご支援をお願いしまして、質疑に入ります。
さて、能登半島地震を受け、自然災害はいつどのような状況でやってくるのか全く予想がつかないことを改めて思い知らされました。これまで経験した自然災害を教訓として、私たちは事前防災、災害発生時の減災、被災時の対応など、事前に備えを万全にしなければならないわけでございます。
公明党がまとめた重要政策集には、被災時の避難所設置・運営にスフィア基準を盛り込むことを上げております。新年度予算要望においても、公明党会派として、人道対応等に関する最低基準であるスフィア基準を参考に、避難生活の質の向上を図る施策の推進を要望いたしました。
スフィア基準というのは、1994年に起きたアフリカ・ルワンダの悲劇がきっかけとなりつくられました。民族間の争いで約100万人もの市民が殺害され、避難民のうち約3万人が避難所生活の中、感染症等で亡くなりました。守れるはずの命を守れなかった反省から、人災ゼロを目指し、スフィア基準がつくられました。
スフィア基準は、被災者の人権を最優先し、被災者に我慢をさせない支援を届けるため、必須基準として9つのコミットメントと、4つの分野における最低基準をまとめております。被災者には被災前のような快適な生活を送る権利があり、それを保障する義務は国や地方公共団体が負うというものであります。
我が国でも、2016年に内閣府が避難所運営ガイドラインで参考とすべき国際基準としてスフィア基準を取り上げ、南海トラフ巨大地震の被害が想定される徳島県では、スフィア基準を盛り込んだ避難所運営マニュアルを作成しております。
首都直下地震が想定される中、東京都、埼玉県など被災者救援のバックヤードは明らかに本県であります。スフィア基準での避難所の設置・運営は、本県にとって県民及び他県からの避難者に寄り添う重要な取組であると考えます。
県は、新年度予算に計上する避難対策等強化事業費の中で、市町による避難者の支援等の強化のため、避難所運営研修会開催事業を実施することとしておりますけれども、本県においても市町の避難所設置・運営に当たってはスフィア基準を取り入れるべきと考えます。
そこで、県は本研修会開催事業等を活用し、スフィア基準の採用の有無も含め、市町の避難所設置・運営をどのように支援していくのか、危機管理防災局長に伺います。
○石坂太 副委員長 渡辺危機管理防災局長。
◎渡辺 危機管理防災局長 近年、災害が激甚化し、被災者の避難所での生活が長期化する傾向にある中、避難所における避難者の健康維持と良好な生活環境の確保が重要であると考えております。
そのため県では、市町に対し、避難所のレイアウトや高齢者等への配慮、トイレ対策など、生活環境の向上に向けた実践的な研修を実施するとともに、避難所運営マニュアルの作成指針を示し、避難所の設置・運営を支援しているところであり、この作成指針の中には、トイレの設置個数を、避難が長期化する場合、約20人当たり1基とすることや、男女別の割合を1対3とし、女性用トイレを多く設置するなど、スフィア基準に準じた対策も含まれております。
また、スフィア基準は、国の避難所運営ガイドラインにおきまして、避難所の質の向上を考えるときに参考とすべき国際基準とされておりますことから、研修会等を通じまして、市町に周知を図ってまいりたいと考えております。
引き続き、避難所の設置・運営に係る研修事業の充実を図るなど、避難所の質の向上に向け、市町を支援してまいります。
○石坂太 副委員長 野澤和一委員。
◆野澤和一 委員 ただいま、危機管理防災局長からご答弁をいただきました。スフィア基準を参考にしながら、市町の避難所運営に対しても県としてリードをしていただけるということであります。
避難者にとって、避難所生活が快適というわけにはいきませんけれども、できるだけいわゆる被災者に寄り添う行政、これが求められると思います。防災・減災に万全の体制で臨むこと、これは県内で生活を営む県民や、また県内企業のBCPにとっても安心の担保となり、本県の魅力アップにもつながってまいります。安全・安心が第一でありますので、新年度予算で予定されている防災・減災対策関連事業にしっかりと取り組んでいただくとともに、来年度以降の予算編成や事業計画策定に当たっては、県土の強靱化とともにスフィア基準に基づく避難所の設置・運営及び事前防災対策等の事業が前進しますよう、取り組んでいただくことを要望させていただきます。
次に、少子化対策について、知事に伺います。
令和5年の国内出生数は75万8,631人と、令和4年と同様80万人を切り、過去最低を更新いたしました。また、本県の合計特殊出生率は1.24で、全国の平均を下回り、5年前からの減少率では全国ワースト4位という状況であります。これまでの取組が十分な成果に結びついていない結果となっております。
知事は、新年度予算編成に当たり、少子化を静かなる有事、少子化の進行は待ったなしの課題とし、少子化を克服する決意を表明、新年度予算を「こどもの笑顔ととちぎの魅力フル加速予算」と命名いたしました。
少子化対策の目玉として、県は所得制限なしの第2子保育料免除事業を含む、笑顔輝く子ども・子育て支援
プロジェクト推進事業に4億8,800万円余、とちぎ男性育休応援事業に1億100万円余を計上したほか、とちぎ未来人材応援事業では、県内企業に就職した大学生等の奨学金返還支援に係る就職先の業種について、公務員を除く全業種に拡充するなど、県独自の取組が目立ち、できることは全てやるとの意気込みを感じるところです。
私は、少子化対策には、結婚に希望を抱き、家庭を持ち、子供を産み育てることができる安心な社会環境を整えること、そして、若者世代が不安を感じている子供の教育費などの経済的負担を社会全体で支える環境づくりが不可欠であると考えております。まさに、知事の本気度が問われると思いますし、今こそ思い切った対策が求められております。少子化対策は人への投資であり、未来への投資です。
そこで、希望が持てる未来のために、安心して子育てできる環境整備や経済的負担などの子育て不安の解消等、少子化対策にどのように取り組んでいくのか、知事に伺います。
○石坂太 副委員長
福田富一知事。
◎福田 知事 少子化の進行には強い危機感を抱いておりますことから、新年度においても少子化対策のさらなる充実・強化を図るため、とちぎ
少子化対策緊急プロジェクトの第2弾実施事業を取りまとめ、今般、予算を提出したところであります。
まず、子育て環境の整備につきましては、出産後の育児をサポートする産後ケアの助成事業に引き続き取り組みますほか、男性の育休取得を促進する企業への奨励金の支給額を拡充するなど、企業における仕事と子育ての両立を支援してまいります。
また、認定こども園等に通う第2子のうち、3歳未満児の保育料を免除する事業を実施し、子育て世帯の経済的負担を軽減するほか、県内企業に就職した大学生等への奨学金の返還支援の対象を、公務員以外の全業種に拡充することにより、若者の経済的負担軽減にもつなげてまいります。
さらに、こうした取組をはじめ、妊産婦・こども医療費助成制度など、本県ならではの支援制度や子育てに役立つ情報を容易に取得できるよう、今月下旬に開設する栃木県子育て支援ポータルサイト「とこぽ」により広く発信してまいる考えであります。
今後とも、県民誰もが笑顔で安心して子育てができる栃木県の実現を目指し、全身全霊で取り組んでまいります。
○石坂太 副委員長 野澤和一委員。
◆野澤和一 委員 ただいま、知事より答弁をいただきました。積極的な子育て支援に様々なメニューを加えていただき、新年度しっかりと取り組んでいくという力強い答弁でございました。
ここで、教育長並びに
経営管理部長に再質問をさせていただきたいと思います。本質問でも触れましたように、少子化対策の中でも子育て支援のポイントは教育費の負担軽減にあると考えております。学校給食費や高校、大学、専門学校等の授業料の無償化の拡大に向けて、国の制度に県がいかに上乗せをして子育て世代への支援を拡充できるか、これが重要なポイントであると思います。現在、所得制限つきで県立並びに私立高校の授業料の無償化が実施されておりますが、現在行われている支援でどのくらいの割合の生徒が支援されているのか、県立高校について教育長に伺います。また、私立高校については
経営管理部長に伺います。
○石坂太 副委員長 阿久澤教育長。
◎阿久澤 教育長 県立高校におきましては、約8割の生徒が授業料無償化の対象となっております。
○石坂太 副委員長 仲山
経営管理部長。
◎仲山
経営管理部長 私立高校におきましては、年度によりまして若干増減はございますが、約5割の生徒につきまして実質的な授業料の無償化となっております。加えまして、約3割の生徒につきまして授業料の一部について支援を行っているという状況でございます。
○石坂太 副委員長 野澤和一委員。
◆野澤和一 委員 今、
経営管理部長、教育長から、県立高校については8割の生徒が、また私立高校は5割の生徒がこの対象になって支援を受けているというお話がございました。もう少しで100%に近くなってくるなと、このように思うわけでございますけれども、今高校進学というのは、もうほぼ義務教育同様の時代になってきているのではないかなと思っております。
そこで、このような状況を踏まえて知事に要望したいと思うのですけれども、少子化対策・子育て支援の取組の成果がなかなか思うように上がっていない、こういったものは当然、国の政策が進んでいないということが根本の原因になっていると思います。しかしながら、新年度予算の事業を見ても、随所で光を放つ県独自の取組、こういったものが目立つわけでございます。地方自治を維持する観点からは、新年度の事業について私は非常に評価できるなと思っているのです。
最終的には、シンガポールのように教育というものは国策であるという位置づけから、人づくりに学びの自由を100%、国がまた地方自治として地方を保障する、こういったことが求められるし、それを目指すべきであろうと、このように考えているわけでございますけれども、特に本県は人づくりに力を入れる知事の方針がございます。教育重視の栃木県として、段階的に地方から風穴をこじ開ける思いで、少しずつこの支援を拡充していく、こういう動きが必要だと思います。
そこで、高等学校の授業料無償化の所得制限の緩和を、徐々にではあるかもしれませんけれども段階的に進めていくことを要望し、次の質問に移らせていただきたいと思います。
最後になりますけれども、カーボンニュートラルの推進について、
環境森林部長に伺います。
2050年とちぎカーボンニュートラル実現に向けて、各分野での取組を本格化させなければなりません。そのため、省エネ行動や自然素材の日常活動への導入など、二酸化炭素の排出削減に向けた企業及び県民の行動変容や、森林整備などによる吸収減対策等を進めてきましたが、さらに取組の加速度を増すために、化石燃料由来のエネルギーからの転換へ積極的な取組が求められていると思います。
県は、新年度予算にカーボンニュートラル推進事業費として12億4,300万円余を計上するなどし、再生可能エネルギー導入促進事業など様々な事業に取り組むこととしております。
取組のポイントとして、県民の行動変容を促す新県民運動として「COOL CHOICE とちぎ」県民運動を見直し、脱炭素がもたらす豊かな生活という視点に立った運動を展開するとともに、栃木県気候変動適応センターや地元大学との連携を図り、国の再エネ推進交付金を活用しながら、カーボンニュートラル実現に向けた取組を強化するとしております。
私は、取組の加速度を増すために、県はさらに積極的な再生可能エネルギーへの転換へ取り組むことが重要であると考えます。
大分県や佐賀県、熊本県など再生可能エネルギー導入先進県では、バイオマス、バイオガス、小水力、地熱発電など、地域資源のポテンシャルをフルに生かし、再生可能エネルギーへの転換を行っております。
そこで、県は、再生可能エネルギーについて、本県のポテンシャルを生かしながら、再生可能エネルギー導入促進事業などにより、再生可能エネルギーの供給体制の構築や再生可能エネルギーへの転換促進にどのように取り組んでいく考えか、
環境森林部長に伺います。
○石坂太 副委員長
小野寺環境森林部長。
◎小野寺
環境森林部長 カーボンニュートラルの実現に向けましては、本県は、冬季の日照時間が長いなど、太陽光発電に高い可能性を有していることから、昨年3月に建物等への太陽光発電導入を基本に据えたアクションプランを策定し、再生可能エネルギーの最大限導入を目標とした取組を進めているところであります。
このため新年度におきましては、太陽光発電設備導入に対する助成を拡充するとともに、県民が十分に納得した上で住宅等に発電設備を設置できるよう、相談会の開催や効果的な情報発信に取り組んでまいります。
また、県におきましても率先して太陽光発電設備を導入し、その効果等を広く発信することで、市町や事業者の取組を牽引してまいる考えであります。
一方、バイオマス、水力、地熱などの発電事業につきましては、事業化に至るまでの基礎的調査や利害関係者との調整が必要となることから、事業化に求められるデータの提供や専門人材の派遣など、円滑な事業創出を支援してまいります。
今後とも、本県の地域特性を生かしながら、再生可能エネルギーへの転換促進に積極的に取り組んでまいります。
○石坂太 副委員長 野澤和一委員。
◆野澤和一 委員 ただいま、
環境森林部長より答弁をいただきました。太陽光を中心に今現在、事業を進めているところでございますけれども、そのほかの再生可能エネルギーの転換についても調査や調整、またそういったものを推進しようとする事業者への支援をいただけるという力強い答弁だったと受け止めさせていただきました。
ここで知事に要望したいと思いますけれども、2050年のカーボンニュートラルは、絶対に成し遂げなければならない目標であります。やってできなければ再チャレンジすればよいというものではありません。したがいまして、これまでの各分野での取組に加え、新年度には新県民運動など新たな事業が計画されているわけでありますけれども、あくまでも県が、知事が本気度を示し、リーダーシップを発揮しなければ、前進するものではありません。そこで、新年度に掲げた事業計画に対し、成果にこだわり、果敢にチャレンジしていただきたいことを要望させていただきます。
加えて、クリーンエネルギー供給体制の構築に向けては、官民協働での再生可能エネルギー発電事業の創設を要望したいと思います。本県には、水力をはじめ、酪農、園芸、下水汚泥を利用したバイオガス、那須火山帯の恩恵での地熱、豊富な水源・水路を利用した小水力、太陽光など豊富なポテンシャルがございます。県主導の再生可能エネルギー供給体制の構築に着手すべきと考えるところでございます。
この事業は、単なるカーボンニュートラルの実現にとどまらず、他に先駆けた取組が差別化を生み、企業誘致や観光誘客、ひいては移住・定住にもつながり、本県経済の基盤を充実させるなど、本県の魅力や活力の基盤をつくることになります。
今後の年度予算編成時における調査研究費や計画策定費の計上など、再生可能エネルギー供給体制整備計画に向けた段階的な予算計上を要望して、今回の全ての質疑を終わらせていただきます。
○石坂太 副委員長 以上で、公明党栃木県議会議員会の質疑は終了いたしました。
この際、休憩したいと思います。午後2時45分から再開いたします。
休憩いたします。
午後2時36分 休憩
────────────────────
午後2時45分 再開
○山形修治 委員長 委員会を再開いたします。
引き続き、総括質疑を行います。
発言通告者に対し、発言を許します。
保母欽一郎委員。
◆保母欽一郎 委員 皆様、こんにちは。県民クラブの保母欽一郎でございます。
県民クラブを代表して、これより質問をさせていただきます。
時間が限られておりますので、簡潔かつ明瞭な答弁をお願い申し上げます。
まず初めに、いちご王国・栃木のさらなる発展に向けて、新年度に進めるいちご王国・栃木の生産とブランド戦略について、農政部長にお伺いをいたします。
栃木県は、生産量55年連続日本一をはじめ、産出額28年連続日本一を守り続けるなど、いちご王国・栃木として、国内はもとより世界にその名をとどろかせております。
県は、平成30年1月15日を「いちご王国・栃木の日」と宣言し、令和4年度には、未来を創る「いちご王国・栃木」の挑戦と題して、10年後を見据えたいちご王国・栃木の戦略を策定し、現在その実現に向け事業を進めているわけであります。
その中心となるのが、長年、全国的普及品種となった「とちおとめ」の後継者、「とちあいか」であります。「とちあいか」は食味と日もち、栽培のしやすさなどから関係者の評判が大変よく、いちご王国・栃木を背負うエースとして期待が高まっているのであります。
そこで、当初予算事業の中で、いちご王国・栃木のさらなる発展に向けた生産とブランド力の取組についてお聞かせ願います。
○山形修治 委員長 熊田農政部長。
◎熊田 農政部長 いちご王国・栃木のさらなる発展に向け、まず生産戦略につきましては、主力品種に位置づけた「とちあいか」を重点に生産拡大を図るため、栽培マニュアルに基づく技術指導を行いながら、環境制御装置の導入やハウスなどの施設整備を支援してまいります。
あわせて、作業の分業化による経営規模の拡大に向けまして、定植するイチゴ苗の生産の外部委託や、広域パッケージセンターを活用した出荷調整作業の共同化などを進めてまいりたいと考えております。
また、ブランド戦略の取組としまして、「とちあいか」の知名度向上を図るため、農業団体が行う大型ディスプレイを活用したPRや量販店等でのキャンペーンを支援してまいります。
さらに、県産イチゴの販路拡大を図るため、首都圏や関西圏での販売を促進しますとともに、海外におけるプロモーションを展開し、輸出拡大にも取り組んでまいります。
○山形修治 委員長 保母欽一郎委員。
◆保母欽一郎 委員 それでは、農政部長に再質問させていただきます。
今後、主力にしていく「とちあいか」の生産戦略は、現在「とちおとめ」を栽培している作付面積を約5年かけて「とちあいか」に80%転換させ、10年後には作付面積80%の現状を維持しながら、生産量を約1割拡大していく戦略となっております。
私は、いちご王国・栃木を不動のものにしていくためには、「とちあいか」の生産量や規模の拡大はもとより、作付面積の拡大と高設栽培への転換、さらには法人化への移行戦略が重要と考えるのであります。
また、ブランド力、販売戦略においては、輸出の拡大も重要でありますが、関西圏も含め国内マーケットのシェアを拡大していくことが最も重要であり、その戦略にもっと注力すべきと考えますが、併せてお聞かせ願います。
○山形修治 委員長 熊田農政部長。
◎熊田 農政部長 何点かお尋ねがありました。まず、作付面積の拡大でございますが、いちご王国・栃木戦略の5年後、それから10年後の目標につきましては、現状維持という形を取っております。これは現在人口減少とか高齢化に伴う担い手の減少によりまして、イチゴの面積が総じて減少傾向にあります。ただ、それで手をこまねいているわけにはいかないということで、やはり産地として維持・発展させる必要がありますことから、経営規模の拡大、それから新規就農者の確保・育成、これを進めまして、作付面積を増やして維持をしていきたいと考えているところでございます。ただ、やはり今委員がご指摘のように、作付面積を拡大していくということは大変重要でありますので、引き続き、新規就農者の確保、それから規模拡大、それを進めまして、作付面積の拡大を進めてまいりたいと考えてございます。
それから、高設栽培のお尋ねでございます。こちらは高設ベンチ栽培といいまして、普通は土に畝を立てて栽培するのが今は主流なんですけれども、やはりベンチで栽培すると腰よりも高い位置で管理作業ができるということで、非常に省力化、効率化につながるというメリットもございます。ただ投資額が大きくて、採算性の課題もあるということで、現状としてはまだ一部の取組にとどまっているということでございます。経営者の今後の経営動向、意向、それから状況などを把握しながら導入を進めてまいりたいと考えてございます。
それから、法人化のお尋ねがございました。こちらは、やはり法人化いたしますと信用力向上、雇用の確保がしやすいということもございまして、関係団体と共に推進を図っているところでございます。イチゴでは、法人化した経営が増加しているという状況でございます。引き続きこちらも推進してまいりたいと考えてございます。
それから、国内マーケット、輸出のお尋ねでございます。まずは首都圏では、栃木県のイチゴということはかなりシェアを拡大しておりまして、引き続き取り組んでまいりたいと考えております。関西圏については、PRなどを積極的に取り組んでいるところでございますが、まだ流通量は一部にとどまっているという状況もございます。引き続き、関係団体と共にシェア拡大に向けた取組も進めてまいりたいと考えてございます。あわせて、輸出拡大にも取り組んでまいりたいということでございます。
以上でございます。
○山形修治 委員長 保母欽一郎委員。
◆保母欽一郎 委員 戦略を練るということは、時代の趨勢と市場、消費ニーズを読みながら、現状を踏まえ、将来に向けた計画を図るわけであります。ライバルの福岡県は、主要品種「あまおう」を高品質、高価格で販売価格日本一の戦略を進めております。我が栃木県は、新品種「とちあいか」を主軸として、高品質、低価格で生産量、産出額日本一の戦略を図っているわけであります。その戦略を踏まえるならば、やはり国内のマーケットのシェアの拡大にもっと注力すべきだと思うのであります。市場ごとのシェアの拡大目標を計画に掲げることが最も重要だと思います。
そして、生産戦略についてでありますが、新規就農、自営就農の促進を図るためには、やはり時代に合った生産体制にしていく必要があると思います。生産分業化については既に着手済みでございますが、土耕栽培から高設栽培への転換は遅れており、いまだ全体の6%と伺っております。品質の安定化と若い世代の参入を促すためにも、高設栽培への転換戦略は必須であり、やはり目標を掲げ、県単補助も入れるなど取り組むべきと考えます。
そして、イチゴ農家は個人経営者がほとんどだと私は伺っております。法人化への転換促進は、企業的経営体制による稼ぐことやコスト意識を高め、生産力、利益率の向上を図るなど必須でありますので、ぜひ戦略の中に入れていただいて、いちご王国・栃木を不動のものにしていただくようお願いして、次の質問に入ります。
第三期県立高等学校再編計画に基づく今後の整備構想について、教育長にお伺いをいたします。
県は、少子化による生徒数の減少や時代の要請と教育ニーズの変化などに対応するため、魅力と活力ある県立高校を目指し、平成16年に第一期、平成29年に第二期県立高等学校再編計画を策定し、現在まで計画を進めております。
しかしながら、県は、今後さらに生徒数が減少することや、社会の急速な変化に伴う教育ニーズの多様化が進んでいることから、令和3年から第三期県立高等学校再編計画の策定に着手し、約3年の歳月をかけ、令和5年度に最終的な再編計画を取りまとめたのであります。
いよいよ令和6年度から前期実行計画に着手していくわけでありますが、令和6年度当初予算において、栃木農業高校、栃木工業高校、栃木商業高校の3校を統合して、未来共創型専門高校に再編し、栃木商業高校の敷地内に整備を進めるための調査費が計上されております。そこで、どのような構想と工程の下、未来共創型専門高校へ整備していくのか、お聞かせ願います。
○山形修治 委員長 阿久澤教育長。
◎阿久澤 教育長 栃木農業高校、栃木工業高校、栃木商業高校の3校を統合して設置する新校につきましては、農業科、工業科、商業科を併置する未来共創型専門高校とする計画であります。
新校では、各学科の専門教育を十分に行った上で、異なる学科の生徒同士が連携・協働して一つの課題を探求的に学ぶなど、学科横断的な学習を推進していくこととしており、令和7年度から設置する新校設立準備委員会におきまして、教育課程等の検討を進めてまいります。
また、新年度は、校地となる栃木商業高校の敷地の測量調査等を行い、各学科の実習施設を含め、未来共創型専門高校の特色ある学びに必要な施設の効率的な整備の手法や工程等の検討を進めてまいります。
今後とも、新校が地域の産業教育の拠点となるよう、魅力ある学校づくりに取り組んでまいります。
○山形修治 委員長 保母欽一郎委員。
◆保母欽一郎 委員 それでは、教育長に再質問をさせていただきます。
私は、未来共創型専門高校の構想の考え方はよいと思うのでありますが、一方で、このたびの高校再編計画には、社会の急速な変化と生徒の多様なニーズに対応していく環境づくりという目的があるわけであります。その目的から考えるならば、職業専門高校の統廃合においては、生徒の多様なニーズに対応が図れる総合学科制と単位制を組み合わせた未来共創型専門高校にすべきではないかと考えるのですが、教育長のお考えをお聞かせ願います。
○山形修治 委員長 阿久澤教育長。
◎阿久澤 教育長 今、2つお尋ねがあったと思います。単位制につきましては、今、保母委員がご指摘いただいたように、教員を手厚く配置できるというメリットがあることから、授業の中身、生徒の興味・関心に沿ったきめ細かな対応ができるというメリットがあります。実業系の高校につきましては、これまでも実習等におきましても非常に少人数学級などを積極的に取り入れているということで、今後、統合した新しい未来共創型専門高校においてどのような学びの姿が一番適正なのか、単位制という方法もあるかもしれませんし、今の現状の中で対応できるということもあるかもしれません。現状としては、単位制は今の計画の中では普通科高校にまずは入れていくということになっておりますので、未来共創型専門高校における単位制については検討課題とさせていただきたいと思います。
それから、総合学科のお尋ねがあったと思うのですけれども、総合学科につきましては、現在も県内幾つかの学校で総合学科を行っておりまして、高校に入ってから、2年生に進級するときなどに自分の進路を決めていけるというメリットがあります。ただ、今お話ししましたように未来共創型専門高校につきましては、専門性を重視する学校というコンセプトを今我々は持っておりますので、専門性を重視する上では1年次からある程度、専門的な科目を学ぶということの重要性もあります。
こういった中で、その辺りのバランスをどう取っていくのか。未来共創型専門高校において総合的な視野を持つというのは非常に重要なことだと我々も考えておりますので、その辺りも踏まえながら、総合的な選択の在り方、カリキュラムの組み方については検討してまいりたいと思います。
○山形修治 委員長 保母欽一郎委員。
◆保母欽一郎 委員 職業系専門高校において、総合学科制と単位制を組み合わせるということは、生徒が入学時に選んだ学科を途中で変更することができ、生徒が学びたい専門科目を自ら選択することがかなうため、興味のある専門科目と専任の先生から学ぶことができ、より専門性や興味を深めることができると思うのであります。そして、そこに職業系専門高校のよさである研修や実験施設が整備されているわけですから、まさにこれこそ未来共創型専門高校の目的が名実ともに図られるのではないかと思うのであります。
高校時代は、多感であり、様々な影響を受け、迷いや戸惑いを繰り返しながら自らの進路を模索する時期であると思います。また、県立高校は、基礎を学び、興味を深め、さらなる高みへ導く役割が大きいものと思います。その意味においても、私が申し上げました総合学科制と単位制を組み合わせた未来共創型専門学校にすることがよろしいのではないかと思いますので、検討願います。
また、総合学科制と単位制の導入には少しお金が余分にかかるということもあるようでございますが、やはり教育は人づくり、栃木県の100年の計につながりますので、ぜひちゅうちょすることなく検討をお願い申し上げます。
続きまして、指定管理者制度に関するガイドラインに基づく公募及び選定状況について、
経営管理部長にお伺いをいたします。
県は、公の施設の指定管理者制度に関するガイドラインの応募資格要綱の改定、兼業禁止規定の解除を昨年10月に急遽行い、県が指定管理者制度を導入している42施設の中で、令和6年3月末に指定期間が終了となる27の県有施設のうち、債務負担行為が発生する25施設について、総額233億2,969万8,000円に上る限度額の設定を行い、新年度予算に必要経費を計上しております。
そこで、急遽行った新たな指定管理者制度に関するガイドラインの下、令和6年4月に更新となる県有施設の指定管理者の公募及び委託料の上限額に対し、どのような状況となったのか、併せてお聞かせ願います。
○山形修治 委員長 仲山
経営管理部長。
◎仲山
経営管理部長 本年4月1日から新たに指定開始となります27の県有施設について、今通常会議に指定管理者の指定及び債務負担行為の設定に関する議案を提出いたしました。
非公募の4施設を除く23施設について公募を行った結果、21施設について1者から応募があり、残る2施設については2者からの応募でありました。
また、複数年度にわたり委託料を支出することとなる25施設について、債務負担行為を設定したところであり、その限度額の総額233億2,969万円余に対しまして、指定管理者候補者から提示のありました委託料の総額は233億1,201万円余でありました。
議決をいただいた後は、本年4月からの円滑な施設の管理運営に向けまして、協定締結の手続を進めるなど、速やかに指定管理者と協議調整を行ってまいります。
○山形修治 委員長 保母欽一郎委員。
◆保母欽一郎 委員 それでは、ここで知事に再質問させていただきます。
知事は、指定管理者制度の応募資格要件を改め、知事、副知事、県議会議員、行政委員が関係する会社や団体が応募できるようにいたしました。確かに総務省が示す地方議会に関する地方自治法の解釈の中で、指定管理者制度は外部委員会の審査などを経ることを理由に、地方自治体の解釈に委ねております。
しかしながら、行政のトップである知事は、人事権はもとより予算編成や事務事業などの執行権、調整権、監督権も含め、大統領制に準ずる権限を有しているのであります。知事、副知事、県議会議員においては兼業禁止規定を残すことが、県民に疑念や不信を与えず、職員や業界団体、関係者などに忖度を与えることなく、県民目線、社会的通念、政治倫理の観点からもよいと考えますが、所見をお聞かせ願います。
○山形修治 委員長
福田富一知事。
◎福田 知事 指定管理制度の見直しにつきましては、総務省通達を職員が見逃してしまったと、そして変更が遅れたということであります。各都道府県の状況を確認したところ、31県で設定をしていないということで、総務省通達にのっとって対応していると、こういうことを把握いたしました。過ちて改めざる、それすなわち過ちなりという論語の言葉がありますけれども、指定管理者制度そのものは、県民益にかない、かつ県民サービスを向上させるという制度でございます。つきましては、間口を広くして、最も優秀なサービスが提供できるグループないし事業者を選定するということが、県民益にかなうものだと思います。
今回の件については、年度途中でイレギュラーではありましたが、方針の変更にあって、既に受託をしている指定管理者が何か特別な利益を被っているか、あるいは今後このまま継続した際に県民が不利益を被るのか。これらを十分判断した上で、指定管理者は変えずに制度を変更し、多くの指定管理者の期限が切れる令和5年度中に見直して、新たな基準の下に選考し直したというものでございます。
○山形修治 委員長 保母欽一郎委員。
◆保母欽一郎 委員 今、知事がおっしゃられましたけれども、私は、指定管理者制度の応募資格要件から知事、副知事、県議会議員、行政委員を外したからといって、公募事業者が今後増えて、県民益につながるということはないのではないかと思うのです。本当に公募事業者を増やそうとするならば、また県民益を得るとするならば、指定管理者制度のPRや周知、各施設の指定管理内容を丁寧に幅広く発信するなど、応募しやすい環境を整えていくことが必要と考えるのであります。
権限を持つ知事が、自ら知事の関連企業や団体が県の指定管理者制度に応募できるようガイドラインを改定したわけであります。もし、知事の関わる企業や団体が応募に参加したとすれば、その事業の発注権者は知事なわけであります。このことはどう考えても、社会通念、政治倫理から逸脱していると私は思います。
先般、内閣官房総務官室から国務大臣規範を取り寄せました。国務大臣規範においては、職務権限や公職の清廉さの保持と、政治、行政の国民の信頼を確保するために、営利企業などの兼職は報酬を得る、得ないにかかわらず禁じているのであります。
知事は以前、権腐十年という自らを戒める言葉を知事選で述べられました。知事自身は腐敗しないように日々研さんされ、また頑張っていらっしゃる。このことは私も理解をします。しかし、権腐十年のもう一つ政治的な意味は、権力が長期化すると、その権力者を取り巻く関係者が忖度や権力者の関係性を利用して問題を起こすなど、腐敗していくことへの戒めも含まれるのではないかと私は思うのであります。そのいい例が今の国政の騒ぎであり、政治不信につながっていると私は思います。どうかいま一度、知事の政治姿勢、倫理観に照らされて、賢明な判断を切望し、私の全ての質問を終わらせていただきます。
○山形修治 委員長 以上で、県民クラブの質疑は終了いたしました。
発言通告者に対し、発言を許します。野村せつ子委員。
◆野村せつ子 委員 日本共産党栃木県議団の野村せつ子です。
後期高齢者の命と暮らしを守る保険制度の在り方について、
保健福祉部長に質問いたします。
75歳以上の方などの公的保険である後期高齢者医療制度は、本県では2024年1月末現在、約29万8,000人が加入しておられます。保険者の栃木県後期高齢者医療広域連合が2年ごとの保険料率の決定や給付を担い、市町が窓口事務や保険料徴収などを実施しています。後期高齢者医療広域連合の財源は約5割を国、県、市町の公費で負担し、残りを保険料と他の医療保険からの支援金などで負担する仕組みとなっております。
2024年と2025年の第9期保険料率が10年ぶりに引き上げられることが、2月14日の栃木県後期高齢者医療広域連合議会定例会で議決されました。県は、新年度予算に負担金等関係経費約248億円を計上しております。保険料率がどのくらい上がるのかといいますと、均等割が2,400円、所得割が0.3%増え、年間の1人当たりの保険料は前期に比べ6,468円、約1割も増えるという試算です。
この制度では、2022年10月に年収200万円以上の人などの医療費の窓口負担が1割から2割へと倍になったばかりです。さらに、今年12月には紙の保険証が廃止され、マイナンバーカードに一本化されようとしています。相次ぐ制度の改悪に、被保険者はこの先ますます保険料や医療費の負担が重くなるのではないかと不安を感じておられます。
後期高齢者は、年金が唯一の収入という方がほとんどです。所得が低いため均等割の軽減措置を受けている方は、昨年7月の時点で被保険者の66.3%を占めます。この間の食料品や電気代などの異常な物価高で、どんなにかご苦労されているかと思います。そんなときに保険料を引き上げるなんて、私はとんでもないと思います。
高齢者に暮らし向きを伺ってみましたら、食品は値下げを待って買いに行っていると、暖房は自分がいる部屋だけだと、そしてトイレの温度は3度くらいになっている。こんなお話を聞いてびっくりしました。ヒートショックを起こしかねないですよね。こういった節約で体調を崩したり、窓口負担が気になって受診を控え重症化したら、医療費の給付が増加し、結果として保険財政が圧迫されます。本末転倒ではないでしょうか。
今回の保険料率の引上げは、後期高齢者の増加に加え、現役世代の負担の抑制や出産育児一時金の費用の一部を保険料に上乗せ、徴収する仕組みの導入によるものですが、後期高齢者にまで負担を強いる、これは酷というほかありません。
栃木県後期高齢者医療広域連合は、剰余金等を活用して引上げ幅を抑えたとのことですが、十分とは言えません。県は、後期高齢者医療財政安定化基金からの繰入れなど、被保険者の負担軽減のため、特段の対策を講じるべきだったのではないかと考えますが、
保健福祉部長の答弁を求めます。
○山形修治 委員長
岩佐保健福祉部長。
◎
岩佐 保健福祉部長 後期高齢者数や医療費の増加が今後も見込まれることから、栃木県後期高齢者医療広域連合におきましては、世代間の負担の公平性を確保し、後期高齢者医療制度を持続可能なものにするため、今回約10年ぶりに保険料率を引き上げるという決定になったところでございます。
保険料率の算定に当たりましては、栃木県後期高齢者医療広域連合が法に基づきまして、国や県からの負担金や医療給付、保健事業等に要する費用、国の制度改正等を踏まえるとともに、被保険者の負担軽減に配慮し、大幅な保険料率の上昇を抑えるため剰余金等を投入するなど、財政均衡を保てるよう設定がなされたところであると認識をしております。
県としましては、栃木県後期高齢者医療広域連合の運営状況等を把握いたしまして、適切な助言等を行っているところでございますが、今回の算定結果につきましてはおおむね妥当と考えておりまして、予期せぬ医療給付費の増加や保険収納率の低下等による財源不足等に備えるため、後期高齢者医療財政安定化基金の活用は行わない方針としてございます。
引き続き、国の制度改正や医療給付費の動向等を注視しつつ、円滑な制度運営が図られ、被保険者が安心して必要な医療が受けられるよう、栃木県後期高齢者医療広域連合と連携しまして後期高齢者医療制度を推進してまいります。
○山形修治 委員長 野村せつ子委員。
◆野村せつ子 委員 保険料を抑えるために県が取り得る対策として、唯一、後期高齢者医療財政安定化基金からの繰入れというのが認められているわけですね。しかし、今回もこれは繰り入れないという判断をされたと。制度ができてから基金は一度も使われたことがございません。2015年まで積み立てられ、32億円そっくり残っているのです。今使わなくていつ使うのかと、こういうタイミングを私は逸したのではないかと思うのですね。
また、厚生労働省が後期高齢者医療財政安定化基金を使うと、次期の保険料が上がる要因になり得るなどと事務連絡を出しているということも承知しておりますけれども、これは非常に違和感のあることでして、国が負担を増やして保険料が上がらないようにする。これは選択肢として排除されているのだと思うのですね。国の政策で保険料が上がるようにしたのですから、国の負担割合を増やすのが当然ではないかと、私はこのように考えます。
これは国の問題でもございますので、知事に再質問をさせていただきます。今後の制度の在り方として、被保険者や地方の負担をこれ以上増やさないために、公費の国庫負担の割合を引き上げるよう国に求める必要があるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
また、出産育児の支援金では、今期の算定では2年間で4億円というこの負担がさらに2倍以上、8億円以上の負担になり得ると、こういう見通しもあると聞きました。少子化財源を保険料に上乗せして確保する方針に今歯止めをかけないと、少子化対策を進めれば進めるほど保険料負担が増えると、こういうことになってしまいます。県として、この制度の在り方の見直し、中止を併せて国に求めていただきたいと思いますが、知事の見解を伺います。
○山形修治 委員長
福田富一知事。
◎福田 知事 栃木県後期高齢者医療広域連合会のコメントの受け売りになってしまいますが、大きく負担が増えるのは高所得者か現役世代並みの所得がある人で、引き上げられても低所得者には従来どおりの軽減措置もあると。持続可能な社会保障制度の構築などのためには制度の改正は必要であって、理解してほしいというコメントが出ました。今ご指摘のように後期高齢者医療財政安定化基金、あるいは国の負担という話がございましたが、まずは被保険者の負担感が今後どのように変わっていくのかを確認した上で、県として知事として何をすべきか検討してまいりたいと思います。
○山形修治 委員長 野村せつ子委員。
◆野村せつ子 委員 先ほど私も申し上げましたように、もう十分に今、高齢者の皆さんは暮らしの中の節約、そして少しでも出費を抑えるために必死で頑張って暮らしていらっしゃるのですよ。ここに保険料の上乗せがあるということは、それだけで大きな負担になるということは、ぜひお心を寄せていただきたいと思うのですね。
広域連合の全国組織の全国後期高齢者医療広域連合協議会も、昨年国への要望で、高齢者にさらなる負担になるような制度の在り方はやはり検討してほしいという要望もされております。知事会などでも、こういった現場の声にしっかりと寄り添っていただいて、ぜひ要望していただきたいということは重ねて要望させていただきたいと思います。
保健福祉部長に、紙の保険証の廃止の問題に関して再質問をさせていただきたいと思います。マイナ保険証のトラブルの問題は、私、昨年6月の通常議会でも一般質問で取り上げさせていただきました。7月には下野新聞の1面でもこのように大変大きく取り上げられまして、これは栃木県保険医協会の実態調査の問題で、マイナトラブルがこの調査の中で6割もあったということで取り上げられております。国会でも追及されて、国が地方にも点検調査を求めたと聞いております。県としてマイナ保険証のトラブルをどのように掌握されているのか伺いたいと思います。
また、12月からの紙の保険証廃止で不利益を強いられることがないよう、どのように取り組んでいくのか、お答えいただきたいと思います。
○山形修治 委員長
岩佐保健福祉部長。
◎
岩佐 保健福祉部長 マイナンバーカードの健康保険証の利用につきましては、医療機関等の業務効率化であったり、県民の利便性向上に大きく寄与するものであると考えております。ただ一方で、ご指摘のように別人の方の情報がひもづけされているなどのトラブルがあったということも事実でございまして、県としましては、国の方針に基づきまして、それぞれ全ての情報の突合、確認作業を行ったところでございます。
紙の保険証が廃止という方向性で進んでいるところでございますけれども、マイナンバーカードを持たない方なども不利益を被ることがないよう、具体的な制度の詳細についてはまだ示されていない部分もございますけれども、国としっかり連携をしながら、適切な対応を講じていきたいと考えてございます。
○山形修治 委員長 野村せつ子委員。
◆野村せつ子 委員 今回質問するに当たりまして、国保医療課に県としてマイナ保険証のトラブルについてどのように掌握されていますかと伺いましたときに、管轄が国民健康保険制度は市町であり、後期高齢者医療保険制度は栃木県後期高齢者医療広域連合だから、県は直接この調査には関わっていないというお話で、十分掌握されていないということでした。それから、栃木県後期高齢者医療広域連合や市町からも、特段マイナ保険証のトラブルがあるという話は聞いていないともおっしゃったのですね。
しかし、先ほどもご紹介いたしました保険医協会、ここが全国組織で今回1月末にも調査結果を発表しておられますが、38都道府県の8,672の医療機関から回答を得て、やはりその6割でトラブルがあったと。これは国が点検を求めた10月1日以降の調査なのですね。そこでもやはり6割と変わっていないのです。その中で、栃木県でどのくらいのトラブルがあったかといったら、13件あったということも分かっております。
このように、やはり現場で何が起きているかということを県はしっかり掌握する責任があると思うのです。それをやらなければ、その対応というのは具体性を欠くということだと思います。ぜひ、現場の声、保険者、それから医療機関、被保険者、こういう皆さんからしっかりと聞き取りをしていただいて、マイナ保険証一本化によって不利益を被る被保険者が出ないようにしっかりと取り組んでいただきたいと思いますし、そのためには国に対して紙の保険証の存続を求めると、私はこれ以外に……
○山形修治 委員長 簡潔に願います。
◆野村せつ子 委員 (続)道はないと思っておりますので、ぜひこのことも併せて国に要望していただくよう要望いたします。
○山形修治 委員長 以上で、日本共産党栃木県議団の質疑は終了し、令和6年度当初予算関係議案に対する総括質疑は終了いたしました。
以上をもちまして、本日の日程は全て終了いたしました。
次回の委員会についてでありますが、明日15日午後2時から、令和6年度当初予算関係議案の採決等を行います。
これをもちまして、本日の委員会を閉会いたします。
午後3時26分 閉会...