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令和 3年度栃木県議会第381回通常会議-12月07日-04号

  • "青木克明"(/)
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  1. 栃木県議会 2021-12-07
    令和 3年度栃木県議会第381回通常会議-12月07日-04号


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    令和 3年度栃木県議会第381回通常会議-12月07日-04号令和 3年度栃木県議会第381回通常会議 (1)出席及び欠席議員の議席番号及び氏名 12月7日(火曜日)  出席議員 45名   1 番      小 池 篤 史   2 番      湯 澤 英 之   3 番      石 坂   太   4 番      岡 部 光 子   5 番      加 藤 雄 次   6 番      金 子 武 蔵   7 番      あ べ ひろみ   8 番      中 屋   大   9 番      塩 田 ひとし   10 番      野 村 せつ子   11 番      相 馬 政 二   12 番      西 村 しんじ   13 番      小 菅 哲 男   14 番      小 林 達 也   15 番      平 池 紘 士
      16 番      高 山 和 典   17 番      吉 羽   茂   18 番      池 田   忠   19 番      琴 寄 昌 男   21 番      横 松 盛 人   22 番      加 藤 正 一   23 番      斉 藤 孝 明   24 番      松 井 正 一   25 番      保 母 欽一郎   26 番      青 木 克 明   27 番      野 澤 和 一   28 番      山 口 恒 夫   29 番      白 石 資 隆   30 番      関 谷 暢 之   31 番      中 島   宏   32 番      早 川 桂 子   33 番      日向野 義 幸   34 番      渡 辺 幸 子   35 番      阿 部 寿 一   36 番      佐 藤   良   37 番      山 形 修 治   40 番      一 木 弘 司   43 番      岩 崎   信   44 番      小 林 幹 夫   45 番      五月女 裕久彦   46 番      相 馬 憲 一   47 番      螺 良 昭 人   48 番      三 森 文 徳   50 番      木 村 好 文   51 番      板 橋 一 好  欠席議員 1名   39 番      山 田 みやこ (2)説明のため出席した者の職氏名  地方自治法第121条の規定による出席要求によって出席した者   知事       福 田 富 一   副知事      北 村 一 郎   副知事      末 永 洋 之   総合政策部長   阿久澤 真 理   経営管理部長   國 井 隆 弘   県民生活部長   千金楽   宏   環境森林部長   鈴 木 英 樹   保健福祉部長   仲 山 信 之   産業労働観光部長 辻   真 夫   農政部長     青 栁 俊 明   県土整備部長   田 城   均   国体・障害者スポーツ大会局長            橋 本 陽 夫   会計管理者会計局長            熊 倉 精 介   企業局長     琴 寄 行 雄   総合政策部次長総合政策課長            笹 川 正 憲   財政課長     小 林 宣 夫   教育長      荒 川 政 利   代表監査委員   平 野 博 章   人事委員会事務局長            清 水 正 則   労働委員会事務局長            渡 邉   慶   警察本部長    野 井 祐 一 (3)職務のため議場に出席した事務局職員の職氏名   事務局長     大 橋 哲 也   次長兼総務課長  伊 藤 美智雄   議事課長     栗 原   亨   政策調査課長   土 屋 篤 史   議事課課長補佐  諏 訪 勝 也   課長補佐     谷 平 正 治   副主幹      小 材 忠 宏   主査       手 塚 英里子   主査       君 島 義 人   主査       関   敏 秀   主査       荒 川 尚 子 ◎大橋哲也 事務局長 出席議員数を報告いたします。  ただいまの出席議員数は45名であります。             ―――――――――――――――――――――――――――――    午前10時 開議 ○阿部寿一 議長 ただいまから本日の会議を開きます。             ――――――――――――――――――――――――――――― ○阿部寿一 議長 日程第1 第1号議案から第10号議案まで及び第13号議案から第22号議案までを一括して議題とし、質疑並びに県の一般事務に関する質問を行います。発言通告者に対し、発言を許します。平池紘士議員。    (15番 平池紘士議員登壇) ◆15番(平池紘士議員) 皆さん、おはようございます。とちぎ自民党議員会の平池でございます。新型コロナウイルス感染症の感染拡大の状況につきましては全国的に落ち着きを見せておりますが、世界ではオミクロン株など新たな変異株の存在も報道されており、いまだ予断を許さない状況が続いております。県は、第6波に備えて万全の体制を整えるべく、自宅療養者の治療体制、臨時医療施設の設置を含む入院等の体制、医療人材の確保などの準備を進めているとのことですが、県民の気持ちに寄り添うような支援や取組をお願いしたいと思います。  さて、本日は、これら新型コロナウイルス感染症の影響による閉塞感を少しでも打開することを目的として、県立美術館50周年、県立博物館40周年、県民ゴルフ場30周年の力強いPRについてであったり、ICT、そしてエレクトロニックコマース、GIGAスクール構想など、デジタルに関連した質問を中心に、県議会議員としてこれまで見聞きしてきた県政の現状や、地元住民の方々からの声などを踏まえながら、大きく8つの項目にわたって質問させていただきます。一般質問最終日でお疲れのところでございますが、知事をはじめ執行部の皆様には、明快かつ前向きな答弁をお願いいたします。  それでは、発言通告書に従い順次質問をしていきます。  まず初めに、県立美術館50周年、県立博物館40周年、県民ゴルフ場30周年の取組について、知事に質問させていただきます。県立美術館は1972年に開館し、来年50周年を迎えるほか、県立博物館は1982年に開館し、来年で40周年を迎えます。また、県民ゴルフ場は1992年に運営を開始しており、来年でちょうど30周年を迎えることから、それぞれの施設にとって10年を周期とした記念すべき年に当たります。県立美術館や博物館に引き継がれている貴重な作品や資料は文化の象徴であり、これらを活用し、県民の文化に対する理解を促進することで、文化を育む心や人間性の涵養を実現するとともに、大切に保管し、これらのすばらしい文化を後世につないでいかなければなりません。また、県民ゴルフ場を活用し、県民福祉の増進を目的として、今後も高齢者の健康づくり生きがいづくり、若年者の健全育成に取り組んでいかなければなりません。  こうした中、来年は、いちご一会とちぎ国体・とちぎ大会が開催される予定であり、これを機に、新型コロナウイルス感染症対策に留意しながら、両大会に合わせた記念イベントを各施設において開催し、両大会を盛り上げていくとともに、両大会や文化プログラムに合わせた各施設のPRを積極的に展開すべきであると考えます。  そこで、両大会の開催に合わせ、県立美術館50周年、県立博物館40周年、県民ゴルフ場30周年をどのようにPRし、周年事業を実施する考えか、知事にお伺いいたします。 ○阿部寿一 議長 福田富一知事。    (福田富一知事登壇) ◎福田富一 知事 ただいまの平池議員のご質問にお答えいたします。来年は、お話しがありましたように本県でいちご一会とちぎ国体・とちぎ大会が開催され、多くの来訪者が見込まれますことから、本県の魅力を全国に発信する絶好の機会であります。こうした年に、県立美術館・博物館及び県民ゴルフ場は、それぞれ開設50周年、40周年、30周年と大きな節目を迎えます。私はこの記念すべき年に、これまで3施設を支えていただいた県民の皆様に感謝の意を表するとともに、両大会の盛り上げと栃木の魅力向上にもつながるよう、それぞれ周年事業を実施してまいりたいと考えております。  全国に先駆けて開館した美術館につきましては、本県の芸術のすばらしさと美術館の価値を見詰め直すきっかけとなるよう、収蔵作品を中心に半世紀の軌跡を紹介する企画展や、これまで応援していただいた方々に向け、国内外で人気の高い優れた美術作品に触れ親しむことができる記念の企画展などを開催してまいります。県内の歴史と自然に関する調査研究、普及の拠点である博物館におきましては、本県初の国史跡指定から100年を迎えた下野薬師寺を中心に、関連する国宝や重要文化財等の貴重な資料を展示するなど、本県が誇る歴史と文化を再認識していただけるような特別企画展の開催に向け、準備を進めているところであります。さらに、幅広い年代の方々に親しまれている県民ゴルフ場につきましては、より一層愛着を深め、気軽に楽しんでいただけるよう、30周年を記念する式典やコンペを開催するとともに、国体の正式競技でもあるゴルフにつきまして、改めて生涯スポーツとしての魅力を発信し、ゴルフ愛好者の拡大に努めてまいります。  これらの事業の実施に当たりましては、美術館、博物館の記念の企画展を両大会の文化プログラムとして一体的に周知いたしますとともに、3施設が連携したPRにも取り組んでまいる考えであります。いちご一会とちぎ国体・とちぎ大会開催と施設の大きな節目の年が重なる貴重な機会に、県立美術館・博物館及び県民ゴルフ場の魅力を県内外に積極的に発信し、本県の文化、スポーツのさらなる振興に努めてまいります。 ○阿部寿一 議長 平池紘士議員。    (15番 平池紘士議員登壇) ◆15番(平池紘士議員) ただいま知事の答弁の中に、記念イベントに関しての説明がございました。一体的にPRもしていくということでございますが、この10周年の周期と国体が重なることは、もしかしたらもう二度とないかもしれないチャンスだという認識に私は立っておりますし、多分知事もそのような認識であると思いました。  ここで再質問させていただきたいと思います。各施設における記念イベントについては、先ほども申し上げましたように10年単位で実施することになります。その中でも美術館や博物館は、社会の情勢が変化していく中で、すばらしい文化を後世につないでいくための土壌として、また、我々の生活に文化的な潤いを与えるものとして、各施設とも、今後も文化の振興に重要な役割を果たすことが期待されております。  そこで、どのような将来展望の下、次の10周年に向けて施設運営を行っていこうと考えているのか、知事にお伺いいたします。 ○阿部寿一 議長 福田富一知事。 ◎福田富一 知事 再質問にお答えいたします。県立美術館・博物館は、本県の豊かな自然や歴史、文化芸術などに県民が親しむ拠点であり、また、それらを将来に引き継いでいく重要な役割を担っております。今回の周年展をはずみに、若い世代を中心に、より一層両館の文化芸術に親しんでもらえるよう、さらに本県への愛着の醸成にもつながるよう、企画や展示等の工夫に取り組んでまいりたいと思います。  また、近年急速な進展が見られておりますデジタル技術を活用して、県民の多様なニーズに対応していく取組も必要であると考えております。特にその中でも美術館につきましては、老朽化が進行し、機能面での課題も生じておりますことから、今後の在り方等につきましての将来構想の策定を進めてまいりたいと思います。 ○阿部寿一 議長 平池紘士議員
       (15番 平池紘士議員登壇) ◆15番(平池紘士議員) 先々を見据えた上での10周年ごとの区切りを考えながら、願わくば未来永劫、栃木県が存在している限り、美術館、博物館もしっかりと存在させるという意気込みを私なりに感じ取ることもできました。  ここで要望と申しますか、提案として申し上げておきたいと思います。美術館と博物館をしっかり維持していくには、やはり維持できるなりの予算を確保していかなければなりません。新たな財源を生む1つの手段として、この両施設に関連したイベントを行う際にクラウドファンディングを導入したり、あるいはふるさと納税の使い道に明文化することもあるのではないかと思います。代表的なところでは、東京都三鷹市ではふるさと納税を活用した運営支援交付金の仕組みを構築しておりまして、三鷹の森ジブリ美術館の持続可能な施設運営を支援しているところがございます。また、近代・現代日本画の豪華なコレクションで知られております東京都渋谷区の山種美術館では、コロナ禍における来館者の減少による財源不足を乗り切るためにクラウドファンディングを活用しております。  県内でも、那須町がエミールガレ美術館ペア入館券を、そして那珂川町は、馬頭広重美術館ミュージアムグッズふるさと納税の返礼品にしています。そういった全国の様々な自治体で、ふるさと納税クラウドファンディングを活用した取組が行われております。ぜひ本県においても、中長期的な視点に立って、ふるさと納税クラウドファンディングの積極的な活用を検討していただきたいと思います。  維持することはたやすいことではありませんが、この節目を契機に、なるほど栃木県の美術館と博物館はほかと違う、そのような評判をいただきながら、国内にとどまらず世界各国からも来館者が訪れるような施設にしていけるよう、よろしくお願い申し上げます。  次の質問に移ります。マイナンバーカードの普及促進について質問させていただきます。マイナンバーカードは、マイナンバーが記載された顔写真つきのカードで、本人確認のための身分証明書として利用できるほか、自治体サービスe-Tax等電子証明書を利用した電子申請等、様々なサービスにも利用できます。このマイナンバーカード健康保険証として利用できる制度の本格運用も今年の10月から始まっておりますが、先月、11月1日現在、県民のカード取得率は36.4%にとどまっております。  マイナンバーカードの取得率を向上させること自体は確かに重要なことではありますが、真に重要なことは、個人情報がカードに入っているのが不安、情報漏えいのリスクがあるのではないかといったマイナンバーカードの取得に関する県民の不安の声に真摯に向き合って、安全性と利便性を丁寧に説明し、マイナンバーカードについての十分な理解を得た上で取得してもらうことでございます。マイナンバーカードがあれば、現状でもコンビニエンスストアで住民票の写しや課税証明書が取得できるほか、子育てなどに関する手続がオンラインでできるといった利点があります。また今後、新型コロナウイルスワクチン接種証明書オンラインで入手できたり、将来的にはマイナンバーカード運転免許証が一体化されるといった話もございます。このように、マイナンバーカードは今後のデジタル社会に欠かすことのできない重要な基盤であることから、カードの発行を担う市町と連携し、今後も取得率の向上に継続的に取り組んでいく必要があります。  そこで、県民理解に基づくマイナンバーカードの取得の促進に今後どのように取り組んでいくのか、経営管理部長にお伺いいたします。 ○阿部寿一 議長 國井隆弘経営管理部長。    (國井隆弘経営管理部長登壇) ◎國井隆弘 経営管理部長 ただいまのご質問にお答えいたします。マイナンバーカードは、行政のデジタル化におけるサービス提供の基盤であり、県民の皆様への普及に当たりましては、カードの安全性と利便性を正しく理解していただくことが重要であります。カードにはプライバシー性の高い情報は格納されておらず、なりすまし防止措置などによりまして高いセキュリティーが確保されていることから、県民の皆様に安心してご活用いただきたいと考えております。そのため、県ホームページや広報誌などにより安全性や利便性を広く呼びかけますとともに、行政改革ICT推進課に配置したマイナンバーカード普及促進員による企業訪問活動を通じた事業所内の取得需要の掘り起こしや、市町と連携した出張申請受付などに取り組んでいくこととしております。  今後、マイナンバーカードはその重要性がますます高まりますことから、引き続き県民の皆様への周知に努めますとともに、様々な取組によりましてカードの取得を促進してまいります。 ○阿部寿一 議長 平池紘士議員。    (15番 平池紘士議員登壇) ◆15番(平池紘士議員) 要望させていただきます。マイナンバーカードを保有する利点はある程度明確であり、県民に対しても説明しやすいと思います。一方で、マイナンバーカードを保有する不安の声として、個人情報漏えいのリスクなどが挙げられており、盗難、紛失のリスクがあるほか、家にしまっておく場合でも、強盗が入って持ち去られて、氏名、住所、個人番号が漏えいする可能性が考えられるなど、全てのリスクを完全に説明することは難しいと思われます。しかし、特定個人情報につきましては、こういったリスクに幅広く対応するため、収集、保管、特定個人情報ファイルの作成が禁止されていることや、個人情報保護委員会による監視、監督が行われており、マイナポータルでは情報提供等記録の確認ができるなど、制度面においての保護措置がなされております。あわせて、個人情報の分散管理や、マイナンバーではなく符号を用いた情報の連携、アクセス制御による制限、管理が実施されているなど、システム面での保護措置もしっかりと行われております。  先ほどご答弁にもありましたマイナンバー普及のための専門職員の方々には、申請方法を記したチラシの配布や、カードの出張申請の受付にとどまらず、県民に対して、これらの制度面やシステム面での安全性をしっかりと説明し、マイナンバーカードを保有する不安を少しでも払拭していただくとともに、カードを持つことによる様々な利点をしっかりと伝えていただき、普及を促進していただきたいと思います。よろしくお願い申し上げます。  次の質問に入ります。情報コミュニケーション条例と栃木県障害者ICTサポートセンターについて質問させていただきます。社会全体のデジタル化が進展する中、県は、多様な意思疎通手段の普及や県民意識の醸成を図ることで、障害者の円滑な情報取得やコミュニケーションを促進する情報コミュニケーション条例の制定を目指しております。そして、この条例の方向性や考え方を施策として具現化すべく、先月、とちぎ視聴覚障害者情報センター内に、視聴覚障害者スマートフォンやパソコンを使い必要な情報を入手したり、コミュニケーションを取ったりすることなどを支援する栃木県障害者ICTサポートセンターを設置いたしました。ICTサポートセンターでは、専門の相談員が視聴覚障害者を中心としてICT機器の利活用に関する相談対応を行うほか、地域別講習会の開催や障害者のパソコン等の使用に関する支援を行うためのボランティアの養成、派遣を行うとしております。  そこで、情報コミュニケーション条例の目指すべき方向性と、それらを栃木県障害者ICTサポートセンターにおける活動を通じてどのように具現化させようと考えているのか、保健福祉部長にお伺いいたします。 ○阿部寿一 議長 仲山信之保健福祉部長。    (仲山信之保健福祉部長登壇) ◎仲山信之 保健福祉部長 ただいまのご質問にお答えいたします。県では、障害者差別解消推進条例に基づき、障害者への不当な差別的取扱いの禁止や合理的配慮の浸透、定着に取り組んでまいりました。これまでの取組状況の検証を踏まえ、合理的配慮の中で最も重要な手話や点字などのコミュニケーション手段の利用の促進を図るため、情報コミュニケーション条例の制定に向けた準備を進めているところであります。本条例には、社会参加に資するICT機器の利活用の推進をはじめ、生命、財産を守る災害時等の連絡体制の整備や、いちご一会とちぎ大会を契機とした意思疎通支援の充実に向けた内容を盛り込みたいと考えております。  これらの実現に向けまして、障害者ICTサポートセンターの活動を通して、視覚や聴覚など、障害特性に応じたコミュニケーション手段の利用を促進し、快適な日常生活や働きやすい雇用環境の確保、意思疎通支援者の養成、さらには災害時における情報の伝達の円滑化等を推進してまいります。 ○阿部寿一 議長 平池紘士議員。    (15番 平池紘士議員登壇) ◆15番(平池紘士議員) ここで保健福祉部長に再質問したいと思います。誰一人取り残さない地域共生社会づくりの理念に基づけば、センターで培った障害者に対するICT支援のノウハウは、障害のある方々にとっても、ただICT機器を使えるようになるというだけではなく、使い方、活用の仕方によっては、未来に向かっての様々な可能性を見いだすことができるはずです。障害のある方であっても、ICT機器をうまく使いこなすことができれば、障害があることを気にせずに健常者と同じステージに立ち、社会に参加することが可能になると考えます。  そこで、県障害者ICTサポートセンターで培った障害者に対するICT支援のノウハウをほかの障害者施策にどのようにつなげていくのか、保健福祉部長にお伺いいたします。 ○阿部寿一 議長 仲山信之保健福祉部長。 ◎仲山信之 保健福祉部長 再質問にお答えいたします。県では現在、心のケアのためのSNSを活用しました相談支援でございますとか、ひきこもりの方のためのオンライン上の居場所づくりの事業など、ICTを活用しました事業などにも積極的に取り組んでおります。  パソコンやスマートフォンなどにおける障害者をサポートする機能につきましては、健常者が障害者に対して働きかける際にも非常に有効であると考えておりますので、今後、市町と連携をしまして、ICTを活用するメリットといったものを広く普及することにより、合理的な配慮のより一層の浸透、定着を図りまして、障害者の自立、社会参加に向けた支援に取り組んでまいりたいと考えております。 ○阿部寿一 議長 平池紘士議員。    (15番 平池紘士議員登壇) ◆15番(平池紘士議員) 要望になりますが、昨年、私は文教警察委員会のメンバーとして、インクルーシブ教育について学ばせてもらいましたが、この問題もまさに「ともに学ぶ」という言葉がキーワードになり、全県民それぞれが主体的に取り組める大きな意義がございます。県として独自の施策を充実させるためにも各市町との連携が必要不可欠になりますし、また、この問題においては、栃木県の近隣県の中でも同じような福祉問題の一つとして捉えられるというところもあり、関東近県の方々とも情報を共有してもらって、良好な関係づくり、そういったものもこの施策を通してできるのではないかと思えます。そういった部分も通して、担当部署の意欲的に取り組む姿勢を期待していきたいと思っております。  また、センターで培った障害者に対するICT支援のノウハウは、障害のある方のみならず、高齢者のICT機器の利用支援にも幅広く活用できると考えられます。私も実際に、障害をお持ちの方がスマートフォンを活用する動画を拝見いたしました。とても慣れた様子でお使いになられており、その姿を見たときに、そのICT機器の扱い方を健常者も学ぶことができる、真似することもできるわけであり、そういう形で、より多くの方々がICTを活用した充実した生活ができるのではないかと感じました。  一般の県民向けのデジタル関連の施策にもこれらのICT支援のノウハウを活用し、情報格差の是正などに取り組んでいただき、誰もがICTを身近に感じられる地域づくりを展開していただきますよう要望させていただきます。  続きまして、ECの推進について質問させていただきます。EC、これはエレクトロニックコマースの略語になりますが、インターネット上で物やサービスを売買することでございます。EC市場は、デジタルシフトの動きとともに今後も拡大していくことが予想されます。  コロナ禍における外出自粛等で不便を強いられる中、ECサイトを今まで利用してこなかった人がその便利さに気づき、日常的に使うようになったケースもあると思います。自宅まで商品を届けてもらえる、外出せずに重いものや大きいものが購入できる、時間を気にせずに買物ができるなどの理由で利用が拡大しており、これらの理由はコロナ禍が解消された後でもECを利用する利点となります。県内の多くの物産販売等の事業者はコロナ禍においてECに取り組んでおりますが、中には高齢者だけで経営している事業者など、ECになじみがなく、なかなか取り組めていない事業者もいらっしゃいます。このような中、来年3月に公益社団法人栃木県観光物産協会が主体となり、県産品を幅広く取り扱うECサイト「とちぎもの」を開設する予定であると聞いております。  そこで、ECサイト「とちぎもの」が目指すべき姿はどのようなものなのか、また、サイトの開設に当たって、どのように県観光物産協会の支援に取り組んでいくつもりなのか、産業労働観光部長にお伺いいたします。 ○阿部寿一 議長 辻真夫産業労働観光部長。    (辻 真夫産業労働観光部長登壇) ◎辻真夫 産業労働観光部長 ただいまのご質問にお答えいたします。デジタル化の進展や新型コロナウイルス感染症の影響等によりまして物販のEC市場が拡大しており、県産品の情報を観光情報と一体的に発信いたしますことで効果的な販売につなげていくため、県観光物産協会が運営する県観光公式ホームページ「とちぎ旅ネット」に、新たにECサイト「とちぎもの」を開設することといたしました。本ECサイトにつきましては、本県の多種多様な県産品の販売を行いますとともに、県産事業者の商品へのこだわり、商品の持つ背景等をストーリーとして伝えることで、その魅力を余すことなく発信し、県産品のブランド力向上を図るサイトとしていきたいと考えているところでございます。サイトの運営に当たりましては、ECに不慣れな事業者等にも参加していただけますよう、商品の掲載や登録の助言を行いますなど、サポートを行うこととしております。  また、観光物産協会への支援につきましては、これまでもECサイト構築に要する経費の助成や、デジタル知識を持つ専門人材を派遣し技術的な助言等を行っておりまして、開設後も観光物産協会と一体となりまして、観光物産店での本サイトの案内、それから大手検索サイトへのバナー広告の掲出等、「とちぎもの」への集客を図るPR活動を積極的に行ってまいります。  引き続き、観光物産協会をはじめ関係機関と連携しながら、「とちぎもの」を効果的に活用することで県産品の魅力を十分に発信し、その知名度の向上とさらなる販売拡大を図ってまいります。 ○阿部寿一 議長 平池紘士議員。    (15番 平池紘士議員登壇) ◆15番(平池紘士議員) 1点再質問させていただきます。ECサイトの立ち上げは産業労働観光部が主体となって支援していくものと考えますが、ECサイトそのものをより魅力的なサイトにしていかなければならないと、先ほどの答弁でもそういった支援をしていくということもお伺いしました。そして本県のDX、こちらも効果的に推進していくためには、CMOの指揮の下、総合政策部をはじめ、各部局が連携して取り組んでいくことが必要不可欠であると考えますが、総合政策部長にその点についてお伺いしたいと思います。 ○阿部寿一 議長 阿久澤真理総合政策部長。 ◎阿久澤真理 総合政策部長 再質問にお答えいたします。魅力的なECサイトを構築していくことは、県のブランド力向上についても非常に重要なことであると考えております。このため、CMOにおきましては、検討の様々な段階において、専門的な知見などを活用してご指導いただいてきたところであります。  今後とも、県庁の中で、幅広いデジタルマーケティングの分野が、例えば観光誘客であるとか、県産品の農産物の販売促進であるとか、様々な分野がございますので、そういったところで専門的な知識についてご指導いただきながら、総合政策部としても全体のマーケティングの向上に向けて取り組んでまいりたいと考えております。 ○阿部寿一 議長 平池紘士議員。    (15番 平池紘士議員登壇) ◆15番(平池紘士議員) ECはインターネット上にお店を構築するだけで、すぐに物を売れるようになります。店舗の立地に左右されず、国内はおろか、世界のマーケットに進出することすら可能であり、物産販売等において、今後ますますEC化が広がっていくことは間違いないと思います。  一方で、ECのネガティブな側面として、消費者は商品を直接見ることができない、店員の顔が見えないといった不安の声が上げられます。これらに対して、県観光物産協会がECサイトを取りまとめ、県が支援することにより、消費者の皆様に利用に当たっての信頼感や安心感を与えることができるのではないかと思います。さらには、店員の顔が見えないという消費者の不安に対して、DXの進展に伴い、人工知能を搭載した接客システムや、チャットシステムを活用したおもてなし接客などが日々進化していると報道されております。こうした技術については、産業労働観光部だけでなく、CMOや、デジタル戦略課を擁する総合政策部が連携して支援に当たることが重要であると考えますので、県観光物産協会の支援に当たってはオール栃木体制で実施していただき、よりよいECサイトの構築、運営につなげていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。  それでは、次の質問に入ります。無電柱化について質問させていただきます。県は、2019年3月に策定いたしました栃木県無電柱化推進計画に基づき、無電柱化に取り組んでいるところであります。同計画では、今年度までに整備すべき道路としての無電柱化推進計画延長115キロメートルを定め、80%の無電柱化率を目指しております。しかし、電線等を地下に埋める無電柱化の工事は、東京電力やNTTなどの電気通信事業者との工事の調整に期間を要するほか、地上に置く機器の設置場所については地域住民の理解を得なければならず、完成までに時間を要すると伺っております。  一方で、無電柱化することで、市街地の景観が改善されるだけでなく、歩行者や車椅子利用者が暮らしやすい環境が整備されるとともに、地震や事故による電柱の転倒被害の未然防止など、防災の面でも様々なメリットが期待できることから、一層推進していく必要があると考えます。また、私の地元栃木市においても、栃木駅から中心市街地を南北に抜ける通称大通りの無電柱化は県内でもいち早く整備していただきました。おかげさまで、中心市街地の景観の改善に加え、栃木市の代表的な祭りの一つでありますとちぎ秋祭りの際に、その大通りを練り歩く人形山車が広範囲に移動することが可能になりました。そして、現在は大通りに接続する路線でも整備が進められているところであります。  そこで、無電柱化の着実な実施に向け、県は今年度新たに計画を策定すると伺っておりますが、どのような視点で計画を策定し無電柱化を推進していくのか、また、栃木市内での無電柱化の整備状況と今後の予定について、県土整備部長にお伺いいたします。 ○阿部寿一 議長 田城均県土整備部長。    (田城 均県土整備部長登壇) ◎田城均 県土整備部長 ただいまのご質問にお答えいたします。本県の県管理道路につきましては、防災、安全、景観、観光振興の観点から115キロメートルの無電柱化を目標としておりますが、今年度末までに約76キロメートルを完了できる見込みであります。一方、国が本年5月に全国で新たに約4,000キロメートルの無電柱化に着手することを目標としましたことから、これに合わせまして、本県でも、特に電柱倒壊リスクがある市街地の緊急輸送道路や、景観形成等に資する箇所の無電柱化をさらに進めるため、年度内に新たな無電柱化推進計画を策定してまいります。  このような中、栃木市におきましては、県道宇都宮亀和田栃木線の大町地区約450メートル区間におきまして、平成30年度から無電柱化に着手しておりまして、令和5年度の完成を目標に工事を推進しております。さらに、来年度から、県道栃木佐野線の倭町地区約170メートル区間で無電柱化に着手する予定であります。  今後とも、電線管理者等と緊密に連携を図りながら、無電柱化を着実に推進してまいります。 ○阿部寿一 議長 平池紘士議員。    (15番 平池紘士議員登壇) ◆15番(平池紘士議員) 答弁で計画等々の流れが分かりました。ここで県土整備部長に再質問いたします。防災の観点に着目しますと、災害時における物流道路を確実に確保するためには、国や市町の管理道路の無電柱化の取組と連携することが重要であると考えます。  そこで、今後、無電柱化を推進する上で国や市町とどのように連携していくのか、県土整備部長にお伺いいたします。 ○阿部寿一 議長 田城均県土整備部長。 ◎田城均 県土整備部長 再質問にお答えいたします。市街地におきまして、防災上の観点から無電柱化を進めるに当たりましては、ただいま議員からご指摘のとおり、国、県、市町の各道路管理者がそれぞれ個別に無電柱化を進めているとその効果を十分に発揮できないということであると思っております。そこで、国、県、市町の道路管理者それぞれが、災害時にあっても市街地内の道路ネットワークを守る、維持するという観点に立ちまして、各管理者一体となって無電柱化を進めていけますように、栃木県無電柱化推進協議会、こういった会合の場がございますので、こういった場を活用いたして、各道路管理者、そして電線管理者等々と情報交換、そして協議を進めて一体的な整備を進められるよう推進してまいります。 ○阿部寿一 議長 平池紘士議員。    (15番 平池紘士議員登壇) ◆15番(平池紘士議員) ぜひ、その推進委員会を通して、確かに整備に限っては大変費用もかかるということも伺っておるわけでございますが、そういった委員会を通して深い議論、そして前向きな議論を今後も続けていただきたいと思います。  要望になりますが、無電柱化につきましては、私の父も県議であったとき、とても気にかけておりました。私個人としても思い入れのある項目でございます。先ほども申し上げましたとおり、無電柱化に取り組んでいただいたおかげで、栃木市の代表的な祭りの一つであるとちぎ秋祭りの際には、大通りを豪華けんらんな山車を長い距離を走らせることができるようになりました。地域の活性化に非常に貢献してくれている状況になっております。また、大地震の際には、無電柱化されていなければ、倒壊や電線の破断により、緊急車両の通行をはじめ、緊急物資の輸送にも支障が生じる懸念がございます。さらには、台風が発生すると、毎回のように電線や電柱の破損による大規模停電がニュースになるなど、生活インフラが抱える災害リスクが浮き彫りになっております。  近年、自然災害は頻発化、激甚化している中で、市街地の景観の改善だけでなく、歩行者や車椅子利用者が暮らしやすい環境が整備されることになる無電柱化の取組に、今後も積極的に取り組んでいただきますよう要望させていただきます。  それでは、次の質問に入らせていただきます。いちご一会とちぎ国体・とちぎ大会のテロ対策について質問させていただきます。来年、本県において、いちご一会とちぎ国体・とちぎ大会が開催され、大勢の選手や観客の参加が見込まれるほか、天皇皇后両陛下をはじめとした皇族方のご来県が想定されております。それだけに、テロを企てる者にとっては格好のターゲットになり得ることから、厳重な警備体制が求められております。また、小田急線車内で発生した無差別刺傷事件や、京王線の特急電車内で男女17人が刃物で刺されるなどして重軽傷を負った事件なども発生しており、無差別に大人数を狙った凶悪かつ悪質な事件への対応は喫緊の課題となっております。  県は先日、国体におけるテロを想定した国民保護訓練を実施し、そこに警察本部も参加するなど、万全の体制で両大会に臨むべく準備を行っていると聞いておりますが、こういったテロや事件を防ぐには、警察本部が先頭に立ちつつ、関係機関、民間事業者、地域住民等と緊密に連携しながら取り組んでいく必要があると考えます。  そこで、凶悪かつ悪質な事件を防ぎ、安全・安心ないちご一会とちぎ国体・とちぎ大会を実現すべく、どのような意気込みで警備に当たる考えか、警察本部長にお伺いいたします。 ○阿部寿一 議長 野井祐一警察本部長。    (野井祐一警察本部長登壇) ◎野井祐一 警察本部長 ご質問にお答えいたします。県警察では、いちご一会とちぎ国体・とちぎ大会の安全かつ円滑な運営を確保するため、警備や交通等の諸対策を関係機関と連携しながら推進しております。特に、テロ等不法事案対策については、発生が懸念される事態を幅広く想定し、競技会場周辺の危険箇所の把握をはじめとした情報収集及び分析、式典会場や公共交通機関等における事態対処訓練の実施、不審者や不審物を発見した際の警察への通報を働きかける広報活動等に取り組むなど、警備諸対策を着実に推進しているところです。  引き続き、県及び市町をはじめ、関係機関・団体等との連携を一層緊密にしつつ、テロ等不法事案対策をはじめとした諸対策に取り組み、安全・安心な両大会の実現に向けて全力を尽くしてまいります。 ○阿部寿一 議長 平池紘士議員。    (15番 平池紘士議員登壇) ◆15番(平池紘士議員) 要望になりますが、先日も栃木駅構内で鉄道事件を想定した訓練が実施されたとの新聞報道を拝見いたしました。様々なシチュエーションを想定して訓練を実施されていると思いますが、複合的な事象が発生するケースや、別の場所で同時に起きることなども想定して、さらなる警備体制の強化に努めていただきたいと思います。  また、本大会の競技そのものは、各種目に応じて県内各所で行われます。開会式、閉会式だけに限らず各競技開催会場においても、規模の大なり小なりはあると思いますが、選手においては、心おきなく試合に臨めるように、観戦に来られた方々も心置きなく選手の活躍を観戦できるように、万全の体制づくりに心がけていただきたく要望いたします。これもまた1つのおもてなしの姿でもありますので、よろしくお願い申し上げます。  続きまして、ICT教育の推進についてのGIGAスクール構想とICT教育の推進について質問させていただきます。国のGIGAスクール構想により、今年の春から小中学校で1人1台の情報端末を使った教育が本格化しております。GIGAスクール構想のGIGAを直訳すると、全ての人のためにグローバルで革新的な入り口をという意味で、小中学生に1人1台のパソコンやタブレット端末を配備し、小中高校に高速通信ネットワーク環境を整備する事業であり、最終的には、児童生徒の力を最大限に引き出すことのできるICT教育環境の実現を目指すものであります。このGIGAスクール構想は、コロナ禍の影響で対面の授業が難しくなったこともあり、推進に拍車がかかっております。県内においては、昨年度中に全ての小中学校で1人につき1台の端末の配備が完了したほか、県立高等学校においては3分の1の配備が完了しており、今年度中には1人につき1台の端末が配備できる見込みであると伺っております。  一方で、新型コロナウイルス感染症の第5波では、一部の自治体で児童生徒の密集を避けるため、分散登校やオンライン授業が実施されましたが、オンライン授業への参加でアクセスが集中すると通信障害が生じるなどの課題も報告されており、快適な通信環境が整っていないといったハード面での課題もあると伺っております。  そこで、GIGAスクール構想を推進する中で明らかになったこれらのハード面における課題に今後どのように対応するつもりか、教育長にお伺いします。  また、GIGAスクール構想を推進し、効果的にICT教育を推進していくためには、課題の洗い出しが必要であり、実際の教育現場の声を聞くことが非常に重要であると考えます。そこで、現場の教員から寄せられた様々な意見や課題を今後どのように反映させてICT教育に取り組んでいくつもりか、併せてお伺いいたします。 ○阿部寿一 議長 荒川政利教育長。    (荒川政利教育長登壇) ◎荒川政利 教育長 ただいまのご質問にお答えいたします。コロナ禍の影響等で、GIGAスクール構想が加速し、今年度から本格的にICT教育が始まったところでありますが、ハード、ソフトの両面で課題も明らかになってきております。まず、通信環境における不具合等につきましては、外部の専門家の協力を得ながらその原因を究明し対策を講じることで、着実に改善を図ってまいります。また、ICT機器のより効果的な活用に向けましては、タブレット端末の活用研修や、機器操作に係る動画配信を行うほか、ICT支援員等を学校に派遣するなど、教員のICT活用指導力の向上を図っております。さらに、市町との連携会議や県立学校における情報担当者会議を通しまして、教育現場の課題の把握や、その解決に向け参考となる先進事例等の情報共有にも努めてまいることとしております。  今後も、子供たちがICT機器を効果的に活用し、未来社会を切り開く資質、能力を身につけることができるよう、ICT教育の充実に取り組んでまいります。 ○阿部寿一 議長 平池紘士議員。    (15番 平池紘士議員登壇) ◆15番(平池紘士議員) 要望になりますが、答弁にもありましたように、支援員の配置ということも伺いました。これはぜひ、現場の教員の皆さんも、支援員を待つだけでなく主体的に、教員一人一人が率先して学んでいただきたい。GIGAスクール構想が先行して、いろいろなものに拍車がかかって進んでいる状況でございますので、そういった部分でも、一人一人が主体的に自らが率先して学んでいく、いろいろなものを取り入れていく、そういった姿勢を期待していきたいと思っております。  また、新たな教育への移行期間だからこそ、これまでの教育の検証が新たな気づきを基にできると思います。ここで言う新たな気づきとは、今までは当たり前過ぎて気にもしなかったことがとても重要であったと気づくことをあえて新たな気づきと言わせていただきます。現代社会で、コロナ禍の前から問題にされております心の貧困、大人や子供も関係なしに、真に豊かな心を育んでいくことが極めて重要です。教育現場において、これから行われるアンケートや様々な検証に新たな気づきが多く取り上げられてくると思います。それこそがその問題解決への大きなアプローチになります。現場の声にしっかり耳を傾けていただき、よりよい栃木の教育が行われますことを期待いたします。  そして、最後の質問に入らせていただきます。遠隔・オンライン教育と対面による指導の在り方について質問させていただきます。新型コロナウイルス感染症の第5波では、児童生徒の密集を避け、学びを保障する観点から、各自治体では非常時の対応として分散登校や遠隔・オンライン教育など様々な取組が実施されました。しかしながら、遠隔・オンライン教育については、児童生徒の健全育成に関して、体力面の育成やICTに関連した情報モラルなど、多くの課題が指摘されております。遠隔・オンライン教育が可能となるICT環境の整備が進められる一方で、学校教育が直接的な人との関わりや学び合いの中で行われる特質を持つことに鑑み、今後、対面による指導の充実を図る必要があると思います。  そこで、新型コロナウイルス感染症については社会全体で長期的な対応が求められる状況でありますが、学校教育における遠隔・オンライン教育と対面による指導の在り方について、教育長の所見をお伺いいたします。 ○阿部寿一 議長 荒川政利教育長。    (荒川政利教育長登壇) ◎荒川政利 教育長 ただいまのご質問にお答えいたします。2年近くに及ぶコロナ禍を振り返りますと、児童生徒の学びを止めないという観点からICTの活用は有効でありましたが、同時に学校行事など、児童生徒が共に学び成長できる活動の場の重要性を改めて認識したところであります。遠隔・オンライン教育は、学校休業時において機能するほか、遠方の学校と交流を行うなど、目的に応じて効果的に活用することにより学習の幅を広げることができると捉えております。一方、これからの時代をたくましく生き抜く力を育むためには、体験活動等を通して、人と人との直接的な関わり合いを大切にし、教員が児童生徒の様子を間近で見守りながら指導していくことも必要であります。  今後とも、市町教育委員会と連携し、対面による指導と遠隔・オンライン教育それぞれの強みを生かしながら、児童生徒の資質、能力を着実に育成することができるよう取り組んでまいります。
    ○阿部寿一 議長 平池紘士議員。    (15番 平池紘士議員登壇) ◆15番(平池紘士議員) 対面授業においても、ICT教育についても、どちらもその特質をしっかりと生かして、いわゆるミックスアップさせて今後取り組んでいくということでございますし、しっかりと教育長にも、対面授業の重要性という部分はお伺いできたと思っております。  この設問が先ほどの要望にも直結するわけでございます。まさに今、感情を素直に表現することや、コントロールすることが実に難しい時代なのかもしれません。現場を受け持つ教師や、児童生徒の喜怒哀楽といった様々な感情は、互いに向き合った対面の中でしか伝わりません。豊かな心を育む大事な経験ができる場所です。学校での対面による学習が、児童生徒にとって今まで以上にかけがえのない大切な一分一秒になることを目指していかなければならないと個人的に考えております。  そういった部分で、今年2月の一般質問、また今通常会議の質問の中では関谷議員、そして加藤議員からも、学校現場においての問題、課題等の質問がありました。やはり、子供とイの一番に向き合っております現場の教職員の皆さんの資質、そして情熱、こういったものが素直に子供に反映されているわけでございます。対面によって、今の子供たちは学習の中で学ぶ姿勢も教師からきっと学んでいるのではないかと感じております。私も学生時代に野球をやっておりましたが、先輩の後ろ姿を見てそれを盗めということをよく教えられました。まさに、学校現場では教師が模範となって、その姿を見て子供たちは学び方や学ぶ姿勢を学び、そこからさらにほかに何を学ぶのかを考えていくことが重要であると思います。  教育長の答弁にもありました、栃木県の子供たちはたくましく、そしてしなやかに育ってほしい、そんな強い思いを持って、ぜひとも今後の教育委員会の取組に期待していきたいと思っております。  最後にまとめになりますが、今回は県立美術館50周年、県立博物館40周年、そして県民ゴルフ場の30周年のPRから始まり、マイナンバーカードの普及促進、ECの推進など、デジタル社会に向けた視点で幅広く質問させていただきました。今回、新型コロナウイルス感染症については、国内や県内で落ち着きを見せていたことから質問では触れませんでしたが、デルタ株に続きオミクロン株が世界を騒がせていることから、まだ気を緩めずに対策に取り組んでいただきたいと思います。とはいえ、新型コロナウイルス感染症の状況が落ち着きを見せている現状では、感染対策に留意しながら、経済の回復や新たな日常に向けた県民生活の向上に少しずつでも取り組まなければなりません。それぞれの対策や支援策を実施するのは部局ごとの対応になると思われますが、県民の命を守ることを最優先に考えていただきながら、今回の質問でも多く触れさせていただきましたが、部局横断的な視点を持ちつつ、各種取組を展開していただくことをお願いして、私の全ての質問を終了させていただきます。ありがとうございました。 ○阿部寿一 議長 この際、15分間休憩したいと思います。議事はただいまの継続議事であります。  休憩いたします。    午前11時01分 休憩             ――――――――――――――――――――――――――――― ◎大橋哲也 事務局長 出席議員数を報告いたします。  ただいまの出席議員数は44名であります。             ―――――――――――――――――――――――――――――    午前11時15分 開議 ○佐藤良 副議長 議長の都合によりまして、私が議長の職務を行います。よろしくお願いいたします。  ただいまから会議を開きます。議事は休憩前の継続議事であります。発言通告者に対し、発言を許します。青木克明議員。    (26番 青木克明議員登壇) ◆26番(青木克明議員) えがおの会の青木克明でございます。質問も3日目、最後から2番目ということもございまして、重複した質問もありますが、視点を変えて質問させていただきます。  最初に、脱炭素社会実現に向けた取組についてお伺いいたします。2020年に菅政権は2050年カーボンニュートラルを宣言しました。大きな業績と評価されています。第6次エネルギー基本計画においては、2050年カーボンニュートラル及び2030年度の温室効果ガス排出削減目標の実現を目指し、電力の脱炭素化に向け、再生可能エネルギーの主力電源化を徹底し、再生可能エネルギーに最優先の原則で取り組み、最大限導入を促すとしています。このような中、本県においても、2050年温室効果ガス排出量実質ゼロを掲げ、2050年とちぎカーボンニュートラルの実現に向けたロードマップ案を先月公表したところであります。排出量の削減目標として、2030年で2013年度比50%削減、2050年で実質ゼロとしています。  国はエネルギー基本計画に基づいて、エネルギーの転換を図り、脱炭素化を推進していくこととしていますが、その道筋が見えないとも言われています。現在、県は再生可能エネルギーの導入目標策定業務を委託発注していると聞いておりますが、今般、県が示したロードマップ案において、再生可能エネルギーについては、家庭や工場、ビルなどの再生可能エネルギー導入の数値などは明記されていますが、メガソーラーなどの太陽光や風力、地熱、バイオマスなどのプラントの具体的な数値目標や全体計画の数値目標はなく、カーボンニュートラルの実現に大きく寄与する再生可能エネルギー導入拡大に向けての強いメッセージになっていないと考えております。  そこで、再生可能エネルギー導入拡大に向けた具体的な全体計画を早急に示し、多くの企業や民間の協力を得て、温室効果ガス削減に向けての取組を推進していくべきであり、脱炭素社会実現に向けて、知事の覚悟が問われていると思いますが、知事の考えをお伺いいたします。 ○佐藤良 副議長 福田富一知事。    (福田富一知事登壇) ◎福田富一 知事 ただいまの青木議員のご質問にお答えいたします。再生可能エネルギーは化石燃料を使用せず、太陽光や水力、地熱など、自給可能でクリーンな地域資源を活用することから、温室効果ガス排出量の大幅な削減のみならず、持続可能で力強い経済社会の構築を目指す本県のカーボンニュートラルの実現に大きく寄与するものであります。本年10月、国では第6次エネルギー基本計画を閣議決定し、2030年度の電源構成における再生可能エネルギーの占める割合を38%程度まで引き上げ、その主力電源化に取り組む方針を明らかにしたところであります。  こうしたことを踏まえ、今般取りまとめたロードマップ案におきましては、工場、事業場、家庭等における太陽光発電設備の導入目標を定めるとともに、とちぎ再生可能エネルギーMAXプロジェクトを重点プロジェクトの一つに位置づけ、再生可能エネルギーの最大限導入に向け積極的に取り組むことといたしました。このプロジェクトの推進に当たりましては、賦存量調査の結果を踏まえ、県民、市町、事業者や専門家などのご意見を伺いながら、中長期的な全体目標の設定や具体的方策を検討し、マイルストーン、いわゆる中間目標や実現に向けた取組を盛り込んだ新たなアクションプランの策定をしてまいります。さらに、カーボンニュートラル実現の意義や必要性等を県全体で共有するため、経済と環境の好循環によるグリーン社会の実現に向けた新たな条例につきまして、来年度中の制定を目指してまいる考えであります。  今後とも、県民や事業者、市町など、あらゆる主体と緊密な連携・協働を図りながら、栃木の総力を挙げて、脱炭素社会の実現に全力で取り組んでまいります。 ○佐藤良 副議長 青木克明議員。    (26番 青木克明議員登壇) ◆26番(青木克明議員) 中間的なアクションプランの計画があるというようなお話がありました。国は温暖化対策を推進していくための取組として、再生可能エネルギーの導入目標を設定することを都道府県に義務づけていると、法律の確認をしたときに私はそのように認識しております。先ほども言いましたが、今策定作業に入っているということでありますが、さきの質問でも出ましたけれども、促進地域を設定する作業も併せて進めていくということになりますとかなりの時間がかかります。入札の方向性を見てみますと、来年の1月にその計画が一応示されると。その後、県の協議がなされる。そして、促進地域もその中で決定されていく。そういうような作業があるわけでありまして、来年1年間は多分その作業に追われる。そうすると、残り7年で再生可能エネルギーの具体的な取組をすることになるわけであります。具体的に取り組んでいく中において、開発許可等の支援といったものも盛り込まれているわけでありますが、そういったことについて県は具体的に県の取組としてどのように考えているのか、当然考える時期に来ていると思いますが、環境森林部長にその考えがどのようなものであるか、お聞きをしたいと思います。 ○佐藤良 副議長 鈴木英樹環境森林部長。 ◎鈴木英樹 環境森林部長 再質問にお答えいたします。先般取りまとめましたロードマップ案におきましては、2030年度に2013年度比で温室効果ガス排出量の半減を目指すということでございます。再生可能エネルギーの導入によりまして削減をしていくということは大きな柱の一つと考えております。この中で特に大きなファクトといいますか、要因といたしましては、本県の場合は東京電力が主力の系統電源となると思いますが、この系統電源のCO2排出量の半減ということ、これは国でも系統電源の排出係数の半減が目標として掲げられておりますので、そういったことを踏まえて、メガソーラー等再生可能エネルギーを十分活用しながらそれを目指していくということを前提としております。  その中で、さらに県といたしましては、先ほど議員からご指摘もありましたように、太陽光発電の家庭用、事業用といったものの設置をさらに加速するというようなことで進めていきたいと考えております。  既にFIT(固定価格買取制度)による認定を受けた大規模な太陽光発電の計画もございますので、そういったものが具体化していく中で、東京電力、系統電力のCO2排出削減に寄与するのではないかと思っておりますし、また、先ほど申し上げました小規模な太陽光発電についてもしっかりと、こちらは県がサポートしていくということで考えているところでございます。 ○佐藤良 副議長 青木克明議員。    (26番 青木克明議員登壇) ◆26番(青木克明議員) バイオマスの話を1つだけさせていただきます。新聞報道によると、茨城県は28万キロワット、栃木県は5.8万キロワットとなっていますけれども、県からもらった資料では7万キロワット、茨城県と栃木県の同じような環境の中でそれだけの差がある、もう既にそれだけ遅れている、そういう実態を十分に把握していただくことと、それから、国はワンストップサービスとか簡素化をしろと。開発許可に対して、アセスの問題とかいろいろ課題があって時間がかかると、そういうこともやれと言っているわけですから、ぜひ、この再生可能エネルギーの導入がより早く進むように県としても工夫していただきたいと思います。  次にコロナ禍における医療提供体制の強化についてのうち、医療資源の効果的な活用について伺います。今日、日本の新型コロナウイルスの感染拡大は減少傾向にあります。第5波が収束し小康状態にある今こそ、第6波に備えた医療提供体制を万全に整えておくことが重要であり、その上でいかに早く経済活動を正常化していくかが求められていると思います。  先日、新たな変異株であるオミクロン株が南アフリカ共和国で初めて確認されました。欧州、北米、オーストラリアなど、感染が世界的に拡大し、緊張感が高まっていると思います。第5波で猛威を振るったデルタ株より感染拡大の速度が速く、再感染リスクが高いとも言われており、今までの想定を超える感染力が疑われることから、第5波で発生した医療逼迫を生じさせない取組が必要になっていると思います。  今夏の第5波では、医療が逼迫し、容体が悪化してもすぐに入院できない状況が発生しました。県は、感染拡大時においても陽性となった全ての患者が速やかにかつ継続して保健所や医療機関から健康観察や必要な医療を受けられる体制を維持、構築するとして、県南・安足・県央地区に全5か所で最大100床の臨時医療施設の設置を目指すとしています。臨時の医療施設は、医療従事者の人材資源が限られていることから、私は5か所に設置するのではなく、県南、県央にそれぞれ50床の臨時の医療施設を設置し、医師会、病院協会、看護協会などの連携による抗体カクテル療法等の対応ができる中等症専門の臨時の医療施設の整備が重要であると考えます。  そこで、限られた医療資源を集約して機能性を高めていく取組により必要病床を確保することは重要と考えますが、保健福祉部長のお考えを伺います。 ○佐藤良 副議長 仲山信之保健福祉部長。    (仲山信之保健福祉部長登壇) ◎仲山信之 保健福祉部長 ただいまのご質問にお答えいたします。県では、第5波の課題を踏まえ次の波に備えるため、先月末に策定した保健・医療提供体制確保計画におきまして医療提供体制の強化を図ることとし、確保病床数を今夏の461床から533床に増やすとともに、効率的な活用にも努めていくこととしたところであります。これに加えまして、感染拡大時において、自宅療養中に症状の悪化した患者等に対して、より身近な地域で速やかに医療を提供できるよう、患者発生の多い県南・安足・県央地域に5つの臨時の医療施設を整備し、重症化防止に向けた中和抗体薬の投与をはじめ、点滴や酸素投与等も可能な体制を確保してまいります。また、これらの施設を安定的に稼働させていくためには医師や看護師等の確保が重要であることから、県として、関係団体への協力依頼や公募等を行うとともに、県内の医療機関に対して幅広く医療従事者の派遣を働きかけるなど、様々な手法を用いまして、人材の確保に取り組んでまいります。 ○佐藤良 副議長 青木克明議員。    (26番 青木克明議員登壇) ◆26番(青木克明議員) 昭和大学の病院長のコメントが新聞に載っているのをご覧になったかもしれません。実際に病床の集約化への対応が何よりも重要だと、そういう話を新聞でコメントしています。私は、医療資源、医師や看護師や医療関係者の資源というのは、今保健福祉部長が答弁されたように簡単には確保することは難しい、ある資源をどれだけ活用するかということが大事だと思います。ぜひ集約化ということを、あくまでも集約化をして機能性を高めて、今ある医療資源で最大に県民の命を守る、それを実現していただきたい。  もう一つお話ししておきたいことが、大阪府の吉村知事が野戦病院と言われた病院を運営するときの話であります。これは実際になかなか医師が受けてくれない、病院が受けてくれないということで、大阪大学の病院で最終的に受けたのですけれども、関西経済同友会が説得したという記事が日経新聞に載っておりました。私はまさに知事が言うオール栃木、こういう究極のときは何といっても知事が強いリーダーシップを持って積極的に、医療関係者に限らない多くの方々が医療資源の最大の機能性を発揮するためにどうしても必要だという認識の中で、しっかりとした協力体制をいただくような働きかけをしていくことが大事なのではないかと思います。何といっても知事の強いリーダーシップが必要だと思いますので、ぜひこの集約化と、それから様々な人材の力を借りて、医療資源を最大に活用し機能性のある医療提供体制を整備していただきたいと思います。  次に自宅療養者に対するオンライン診療についてであります。本県では、新型コロナウイルス感染症の第5波において、病床逼迫で自宅療養者が最大で1,495人となり、自宅療養者の重症化を防ぐ取組は特に重要であると考えます。県は、本年2月から自宅療養者への対策として電話診療に取り組んでいますが、協力医療機関は20機関であり、当番制で毎日1医療機関が電話診療を担当しているということであります。一方で、東京都と東京都医師会は、保健所指定のURLを通じてインターネットで対応可能な医師の診察が受けられるシステムを構築しています。私は、電話ではなく自宅療養中の患者へのインターネットを活用したオンライン診療を県医師会や薬剤師会、訪問看護ステーション協議会などとの連携によって推進することにより、自宅療養者の重症化防止や症状悪化時の早期入院につなげることができるとともに、往診の負担を減らすことも可能であると考えます。限られた医療資源を有効に活用していくために、導入すべきと考えます。  そこで、自宅療養者に対するインターネットを活用したオンライン診療の導入について、保健福祉部長の考えをお伺いいたします。 ○阿部寿一 議長 仲山信之保健福祉部長。    (仲山信之保健福祉部長登壇) ◎仲山信之 保健福祉部長 ただいまのご質問にお答えいたします。先月末に策定しました保健・医療提供体制確保計画において、病床や宿泊療養施設の確保を進めてもなお、感染のピーク時には自宅療養者が見込まれますことから、症状の軽減、重症化防止、緊急時の対応等のため、安心して自宅療養ができる体制を構築することといたしました。具体的には、県、県医師会、県訪問看護ステーション協議会及び県薬剤師会が連携して、自宅療養者の症状に応じて電話診療または往診を実施し、その際に必要となる訪問看護や薬剤の提供を行うこととしたところであります。インターネットを活用したオンライン診療につきましては、患者の表情等を確認しながら診察ができるメリットがある一方、医師と患者双方で環境を整備する必要があるなど一定のハードルがあることから、現在の仕組みを補完するものとして、今後研究してまいります。 ○佐藤良 副議長 青木克明議員。    (26番 青木克明議員登壇) ◆26番(青木克明議員) 今、保健福祉部長から検討するという話がありました。先ほど、臨時の医療施設のときも申し上げ、そしてこのオンライン診療でも申し上げた、医療資源をどれだけ最大に活用できるかという知恵を栃木県がどれだけ出すことができるか、機能性を高めることがどれだけできるか、ここにかかっていると思います。これこそまさに、県民に対してしっかりと発信していく姿を見せていく、そういう必要性があると思っています。電話診療が駄目と言っているのではなくて、もっと前進していく、もっと機能性を高めていく、そういうことにぜひ力を注いでいただきたいと思います。これは強く要望しておきたいと思います。  次に、保健所体制の強化についてであります。新型コロナウイルス感染症の対策は、感染者の把握、感染者に対する治療、感染拡大を抑える対策の3つと言われています。いずれも県が中心的役割を果たし、国や市町との連携も重要であります。感染者の把握を担うのが保健所であり、新型コロナウイルス感染症が拡大すると、PCR検査や積極的疫学調査等の業務が増大し、保健師が多忙を極めるのは明らかで、対応の遅れなどの問題も発生しました。現在、保健所には保健師が計76人配置されています。県の保健所には新型コロナウイルス感染症以外の業務も多く、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、保健師の負担が増大しており、多くの職員に時間外勤務や休日出勤など、過大な負担がかかっています。  県は今日まで行政改革の中、職員の削減を進めてきました。県はICT活用で業務の効率化を進めることや、新型コロナウイルス感染症対策において機動調査チームなどを派遣することで、今日まで対応してきました。行動歴調査など、感染患者へのアプローチを主な業務とした保健師の増員や、保健所への職員配置の見直しを行うこと、デジタル化などの業務改革も重要と考えます。  そこで、保健所体制の強化は重要と考えますが、どのように取り組んでいくのか、保健福祉部長にお伺いいたします。 ○佐藤良 副議長 仲山信之保健福祉部長。    (仲山信之保健福祉部長登壇) ◎仲山信之 保健福祉部長 ただいまのご質問にお答えいたします。県ではこれまで、全庁からの応援職員をはじめ、感染症対策の専門家や潜在保健師、看護師、市町職員の派遣により、疫学調査や健康観察を実施するなど、感染拡大により逼迫した保健所の体制強化を図ってまいりました。しかしながら、第5波では派遣開始の遅れや人員の不足などの課題が明らかになったことから、今般策定した保健・医療提供体制確保計画におきましては、感染状況に応じて必要な人員を早い段階から配置することといたしました。また、保健所の感染症対応業務に従事する保健師を来年度増員するとともに、患者情報のデジタル化を進め、重複する入力や報告等の事務作業の負担軽減を図ってまいります。  引き続き、必要な保健所機能の維持ができるよう、体制強化に取り組んでまいります。 ○佐藤良 副議長 青木克明議員。    (26番 青木克明議員登壇) ◆26番(青木克明議員) 答弁ではデジタル化の話はお答えがなかったのかなと、そう思っています。デジタル化について、一々ファクスで送っているとか、そういう手作業の省力化が図れる何よりも重要な取組だと思いますけれども、保健福祉部長、本当にデジタル化は考えないのですか。再度お聞きしたいと思います。 ○佐藤良 副議長 仲山信之保健福祉部長。 ◎仲山信之 保健福祉部長 今後の感染拡大を見据えた際に、保健所の業務改善を図ることは重要だと考えておりまして、その場合に、デジタル技術の活用といったものは一つ有効な手段であると考えております。例えば、国や他県で導入しております健康観察も含めました患者管理システムにつきましては、患者情報の収集管理などにつきまして事務負担の軽減が図れるものと考えております。一方で、患者側の環境整備を図らなければならないことや、感染拡大時における情報のメンテナンス等につきまして一定の課題もあるということも指摘されておりますので、今後どのような方策が取れるか、研究をしてまいりたいと考えております。 ○佐藤良 副議長 青木克明議員。    (26番 青木克明議員登壇) ◆26番(青木克明議員) 少なくとも、取り組む方向に向けて研究をしていただきたい。ただ研究するのではなくて、やるんだという意思が絶対に必要なのです。それによって全然調査や研究の方向が変わってきますから。これからいかなる感染症が拡大するか分かりません。そういった中でもっと機能性を高めていく、そのためにも、ぜひこの取組を積極的に取り組んでいただきたい、心から期待をしたいと思います。  あえて医療資源が厳しいこの感染拡大の中で、検査や健康観察などをする保健所の重要性、また、医師の治療に対する役割の重要性、そういったものにぜひ最大限の県の力を見せていただきたい、医療提供体制の強化の姿をしっかりと表していただきたい、そう思っております。我々議員もしっかりとその取組を支援し、さらに強化される提案を続けていきたいと思っておりますので、ぜひしっかりと取り組んでいただきたいと思います。  次にコロナ禍における経済対策についてであります。岸田文雄政権が掲げる成長と分配の好循環の実現に向けた追加の経済対策が、補正予算で35兆9,895億円で閣議決定しました。財政が厳しい状況にある本県にとって、今回の経済対策を最大限に活用し、県内経済に好循環をもたらす取組を実行していくべきと考えます。  コロナ禍は、県内の経済に大きな影響を及ぼしています。特に、ホテル、飲食業などや、その関連産業への消費の落ち込みは大きいと思います。このような中、ガソリン価格の高騰は県民生活にも、農業や林業、経済全体へもさらなる負担となり、今後の経済への不安が高まっています。政府はこのたび、石油備蓄の一部を放出し、価格の引下げを目的とした対応を決定しました。原油価格の安定は、コロナ禍から経済回復を実現するには重要な取組であると考えます。本県において、約2年となる新型コロナウイルス感染症の経済への影響は大きく、今後さらに拡大すると考えるべきです。厳しい財政状況の下、経済対策を実行していくことは多くの困難があります。国の対策を最大限に活用するとともに、本県産業の特色を十分に考慮した経済対策が求められます。  県は、制度融資や県民一家族一旅行など様々な経済対策に取り組んでいますが、十分とは言えないと思います。今苦しんでいる企業などへの支援や、制度融資については借換えや追加の融資、償還期間の延長など、柔軟な対応が必要です。また、本県にとって重要な産業である観光産業への支援も大変重要であります。  12月2日に行われた小林幹夫議員の質問に対する知事の答弁で、国の経済対策に呼応し、県としての具体的な経済対策が表明されました。県として可能な、できる限りの経済対策に取り組んでいただきたいと思います。  その上で、コロナ禍において、本県の経済を再生するための成長産業の育成も大変重要と考えます。国は補正予算案で、新しい資本主義の起動として、半導体などの成長分野への取組も盛り込んでいますが、県としてどのように取り組んでいくのか、知事にお伺いいたします。 ○佐藤良 副議長 福田富一知事。    (福田富一知事登壇) ◎福田富一 知事 ただいまのご質問にお答えいたします。新型コロナウイルス感染症により、本県経済は大きな影響を受けたことから、県ではこれまで、借換えも可能な資金繰りの支援や、売上げが減少した事業者への支援金の支給に加え、観光需要喚起に向けた県民一家族一旅行の実施など、様々な支援策に取り組んでまいりました。  こうした中、国におきましては、コロナ克服・新時代開拓のための経済対策を示し、資金繰り支援の延長や、事業規模に応じた支援金の支給、Go To トラベル事業の再開など、感染症の影響を受けた事業者等に対して支援することとしたところであります。県におきましては、現在第2弾県民一家族一旅行を実施しているところでありますが、国の経済対策に呼応して、隣県在住者への対象拡大や対象期間の延長を図るほか、国の経済対策における各種支援策を事業者が効果的に活用できるよう情報収集に努めますとともに、経済団体等と連携し、その周知や相談対応等を行ってまいります。また、国は、今般の経済対策におきまして、ポストコロナを見据えた成長戦略を推進することとしており、地方の活性化に向け、地方におけるデジタルの実装を進めるとともに、中小企業等のグリーン・デジタル分野等の成長を後押しするため、新事業展開、業態転換、生産性向上に資する設備投資等を支援することとしております。  本県産業の持続的な発展のためには、デジタルやグリーンなどの成長が見込まれる分野における産業振興が不可欠であります。このため、県におきましても、ものづくり県である本県の強みとなっている優れた技術や産業集積を十分に生かしながら、国の支援策の活用などにより、AIやIoT等の未来技術の社会実装を進めるほか、グリーン成長分野等における新たな技術や新製品・サービス開発を促進するとともに、それらを活用した新産業の創出などに取り組んでまいります。  今後とも、現下の状況を十分踏まえ、国や市町、関係団体等と緊密に連携し、本県経済の早期回復を実現するとともに、成長産業の振興等を図りながら、本県経済の活力の維持とさらなる発展に向け、積極的に取り組んでまいります。 ○佐藤良 副議長 青木克明議員。    (26番 青木克明議員登壇) ◆26番(青木克明議員) 知事の答弁で、成長産業にもしっかり取り組んでいくという姿勢が示されたわけであります。これは最も重要なことであります。今苦しんでいる人に、苦しんでいる企業にしっかり支援する、将来展望が期待できる、将来を期待できる産業をどう育成していくか、これが大事だと思います。国も、昨日の所信表明でイノベーション、デジタル、気候変動、経済安全保障の4つを掲げて成長産業への取組を積極的にすると言っているわけですから、何らかの予算がついてくると思って、そこに目を向けて、栃木県で可能な、支援できる取組をぜひやっていくべきと考えますが、産業労働観光部長としてどう考えるかお聞きしたいと思います。 ○佐藤良 副議長 辻真夫産業労働観光部長。 ◎辻真夫 産業労働観光部長 ただいま知事からの答弁にございましたとおり、成長分野の産業振興につきましては、本県にとって不可欠なものと考えておりまして、今回、国の補正の中でも、グリーン枠等を使いまして、新たな技術や製品の開発への支援、それから生産工程への支援等が盛り込まれております。県といたしましても、県として何ができるかも考えながら、こうした分野の振興にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。 ○佐藤良 副議長 青木克明議員。    (26番 青木克明議員登壇) ◆26番(青木克明議員) しっかりと取り組むというお話ですので、ぜひしっかりと取り組んでいただきたいと思います。  次にマイクロツーリズムの取組についてです。コロナ禍の中、人の移動と3密を避けながら、安全・安心な旅行ができ、また身近にある地元の魅力を再発見する、県内など近隣地域内での観光、いわゆるマイクロツーリズムが注目されています。長引く自粛で大人も子供もストレスを抱えて、特に子供は心身ともに成長する大切な時期に、旅行を通して見聞を広めることや、自然や文化に親しむことなど、貴重な体験の機会が乏しくなっていると思います。関東というエリアでの観光の促進に向け、近隣県と連携を強化し、マイクロツーリズムをさらに発展させていくべきと考えます。  現在、新型コロナウイルスの感染拡大が落ち着いていることから、県は県民割の対象範囲を拡大し、期間も延長する方針を示しております。国もGo To トラベルを来年から開始することが見込まれています。このような動きに合わせて、県内の18歳以下の子供の県内も含めた関東エリア内での旅行に対して支援することは、観光産業の支援や旅育にもつながることから、本県独自のマイクロツーリズムとして取り組むべきと考えますが、産業労働観光部長の考えをお伺いいたします。 ○佐藤良 副議長 辻真夫産業労働観光部長。    (辻 真夫産業労働観光部長登壇) ◎辻真夫 産業労働観光部長 ただいまのご質問にお答えいたします。新型コロナウイルス感染症の影響によりまして落ち込んだ県内観光地の経済の早期回復を図りますため、県内、首都圏、全国へと段階的に観光需要喚起対策を展開していくこととしております。現在、感染の落ち着きが見られておりまして、いわゆるマイクロツーリズムは早急に推進すべき取組であると考えております。このため、第5波の収束後、速やかに県民による県内旅行を促進いたします第2弾県民一家族一旅行に取り組んでいるところであります。今後は、安全・安心な旅行を確保しながら、隣県在住者への対象拡大等を図る考えであります。  現在、厳しい経営状況にあります宿泊施設をはじめとする県内観光関連事業者への支援が喫緊の課題となっておりまして、旅育の効果につきましては十分に認識をしていますところでございますが、検討が必要な課題もありますことから、まずは18歳以下の子供も含めまして、県内へのより多くの観光誘客を図ってまいりたいと考えております。  引き続き、県内の市町や各関係機関はもとより、隣県とも十分連携しながら、本県観光関連産業のさらなる振興を図ってまいります。 ○佐藤良 副議長 青木克明議員。    (26番 青木克明議員登壇)
    ◆26番(青木克明議員) 県内の観光産業、ホテルが大変厳しい環境にある中にあって、他県に出かけていくのを応援しろと、こういうのは答えにくい、やるとは言えない、そういう気持ちもよく分かっております。情けは人のためならずという言葉があります。要は、人のために何かいいことをしてあげれば、その人のためにもなるけれども、最後には自分のためにもなるのだということでありまして、やはり関東全体がよくなる、自分だけではなくて周りも全部よくなる、そういうことをぜひ考えていただきたい。そういうことの中で、連携とか、お互いのつながりというのが、絆が生まれてくるのだろうと思いますので、ぜひ、このマイクロツーリズムは今後も研究を続けていただいて、県民にとって最も望ましいマイクロツーリズムを確立していただくことをお願い申し上げて、次の質問に移ります。  次に医療的ケア児への支援についてであります。医療的ケア児は、日常生活及び社会生活を営むために、恒常的に医療的ケアを受けることが不可欠である児童のことであり、県が令和元年度に実施した調査では288人の医療的ケア児が把握されています。医療的ケア児の看護は、主に家族が担っていることから、医療的ケア児と家族が安心して暮らし、楽しい時間を過ごすためのサービスと支援は重要であります。  このような中、本年9月に医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律が施行されました。自治体間で温度差があった支援の格差解消が進むと期待されています。支援やサービスを向上させるためには、保健、医療、福祉、教育などの各分野にまたがる支援を調整し、総合的かつ包括的な支援の提供につなげる医療的ケア児等コーディネーターや、多くの関係機関の調整を担う医療的ケア児支援センターの役割は大きいと考えます。  そこで、医療的ケア児支援センターを早期に整備するとともに、コーディネーターの機能性を高め、医療的ケア児が安心して、心地よく暮らすためのサービスや支援に具体的に取り組んでいくべきと考えますが、保健福祉部長の考えを伺います。 ○佐藤良 副議長 仲山信之保健福祉部長。    (仲山信之保健福祉部長登壇) ◎仲山信之 保健福祉部長 ただいまのご質問にお答えいたします。県では、医療的ケア児支援のため、自立支援協議会の下に多分野にわたる関係機関を構成員とする部会を設置し、必要な支援策等について協議、検討を行ってまいりました。これまで、家族のレスパイトのための短期入所施設の整備促進をはじめ、医療的ケア児等コーディネーターや喀たん吸引を行える人材の養成など、支援の充実を図ってきたところであり、今年度は新たに、コーディネーターのスキルアップ研修を実施することとしております。こうした中、医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律が施行となったことを受け、現在、部会を活用しながら、本県の実情に合った医療的ケア児支援センターの在り方やコーディネーターの機能強化について検討を進めているところであります。  引き続き、市町等と連携し、医療的ケア児とその家族が安心して暮らせる環境づくりを推進してまいります。 ○佐藤良 副議長 青木克明議員。    (26番 青木克明議員登壇) ◆26番(青木克明議員) 今答弁でもございましたが、レスパイト入院の施設についてお伺いしたいと思います。小児慢性疾患の方の施設は8施設あるのです。それ以外の方が短期入所できる県の確認されている施設数は今6施設ということであります。6施設はそれぞれの地域に分散しておりますので、利用する人にとっては近隣の施設を利用できるという利便性はそれほど不自由していないかもしれません。しかし、数の問題、288人がいざ、急遽何か、面倒を見ている家族の具合が悪くなったとか、いろいろな状況が変化していく中で、そういったものにきちんと対応できるレスパイト入院の施設というのは必要なんだろうと思います。今申し上げたようなことなどは1つの例ですけれども、医療的ケア児が十分なサービスを受けられる、法律を見ると、家族が離職しないで済むための支援が必要だと書かれているわけですから、そういったことなども含めて、しっかりとした支援が必要だと思いますが、そのレスパイト入院を受けてくれる施設の確保についてもっと増強すべきだと思いますが、どのように考えているか、保健福祉部長にお聞きしたいと思います。 ○佐藤良 副議長 仲山信之保健福祉部長。 ◎仲山信之 保健福祉部長 ただいまのご質問にお答えいたします。医療的ケア児の受入れが可能な小児慢性特定疾病児童等の入院事業におきましては、9医療機関において受入れをしているところでございますが、ご指摘のとおり、体制につきましては、今の体制が十分であるのか等につきまして、実態をよく確認して、対策を講ずる必要があるのかどうか調査等を行いながら、対応については検討してまいりたいと考えております。 ○佐藤良 副議長 青木克明議員。    (26番 青木克明議員登壇) ◆26番(青木克明議員) ぜひ、医療的ケア児とその家族を少しでも安定した、また健やかに成長できるゆとりある生活ができる環境にしていくための支援がどうあるべきか、私はレスパイト入院施設が重要だと思っておりますのであえてお聞きしましたが、ぜひ積極的に取り組んでいただきたいと思います。高知県などを見ますと、トータルアドバイザーという制度があって、これはコーディネーターへの助言やサポートなどをするというような役割を担っているらしいですけれども、こういったような仕組みもつくったり、工夫しているところもあるわけですから、制度自体のしっかりとした取組をすることも大事ですけれども、それに加えて、本県の独自の取組を期待したいと思います。よろしくお願いしたいと思います。  それでは最後に、魅力ある人材の教員登用についてお伺いいたします。学校教育の多様化、活性化を図ることは重要であると考えます。教員の免許がなくても、優れた知識、経験を有する社会人を登用することのできる特別免許状をより活用すべきと考えます。文部科学省は今年3月、特別免許を含む社会人向け免許制度について検討するよう中央教育審議会に諮問するとともに、5月には特別免許状に関する指針を改定し、都道府県教育委員会による特別免許状の授与を促しています。  近年、全国的に特別免許状の授与数は増加傾向にあります。ALTから英語の教員になる外国人や、宇宙開発関連会社で宇宙用ロボットの研究をしていた社員から高等学校のロボット工学科の教員になるなど、様々な能力のある人材が教員として採用されています。本県では、今日まで私立高等学校で2名、県立高等学校で6名の特別免許状による教員採用はありますが、小中学校での採用はありません。国は、2022年度から公立小学校の高学年の英語、算数、理科、体育で教科担任制を本格導入するとしています。小学校教科担任制を充実した教育にするために、特に英語は外国人教員による指導が必要と考えます。また、子供の健やかな成長に大きな影響を与えるよき教育者の存在は必要不可欠でもあります。  そこで、専門性や個性を持った社会人が、その知識と経験で教育の発展に貢献できるよう、高等学校に加え、小中学校において特別免許状を活用し、教育に大きなプラスの効果が期待できる魅力ある教員の登用を実現し、小中高等学校の教育力向上に取り組むべきと考えますが、教育長のお考えを伺います。 ○佐藤良 副議長 荒川政利教育長。    (荒川政利教育長登壇) ◎荒川政利 教育長 ただいまのご質問にお答えいたします。特別免許状につきましては、県立高校において福祉の分野等で活用しており、高いレベルの専門知識と豊かな経験に基づく授業を行うことで生徒の理解が深まるとともに、人間性の育成にも効果を上げております。義務教育段階におきましては、小学校高学年への教科担任制の導入も見据え、専門教科の免許状を所有する専科教員の配置や、特別非常勤講師などの外部人材の活用により、専門性を生かした指導の充実に努めております。特に、英語教育につきましては、県内全ての市町教育委員会におけるALTの配置に加え、教員採用試験で特別選考を実施し、英語力のある人材の採用にも取り組んでおります。小中学校での特別免許状授与の在り方につきましては、国の動向を見極めつつ、学校現場の声や他県の状況等も参考に研究するとともに、今後とも、小中高等学校における教育力の向上に向け、魅力ある人材の登用に努めてまいります。 ○佐藤良 副議長 青木克明議員。    (26番 青木克明議員登壇) ◆26番(青木克明議員) 今、教育長からALTを活用した英語の教育の充実を図るというような答弁がありました。小学校においては、小学校の教員はご案内のとおり、英語の専門的な教育能力を有しているわけではありません。必ずしも全ての教員が英語ができないというわけではないと思いますけれども、免許を持っている方は少ないと思います。そういった中でしっかりとした教育をするために、かなり覚悟を持って英語教育、要は世界でコミュニケーションがしっかり図れる環境をどうつくっていくかということになりますから、そういった教員の能力を高めていくことも重要ですけれども、新たな英語の教育をするための人材を確保するための取組というのも必要なのではないかなと思います。再質問は、もう時間の関係もありますのであえてしませんけれども、今申し上げたような、小学校における特に英語の教育においては、ほかの制度もありますけれども、この特別免許状というのをうまく活用して取り組むべきではないかなと思います。  質問でも申し上げましたが、教育の向上、それは何が一番重要かといったら、やはり教員の教育力の向上にある。教員自体が持っている能力をどう発揮して教育力を上げていくかということにかかっていると思いますので、しっかりと力のある、教育力のある人材を、ぜひこれからも小学校、中学校、高校においても採用していただきたいと思います。ぜひ、教育の環境を向上するために頑張っていただきたい、そのように思います。  最後に一言だけ申し上げます。ワイズ・スペンディング、賢い支出、前にもお話ししました。これが今、コロナ禍の中で、新型コロナウイルス感染症対策をするために、そこに一点集中していき、いろいろな予算も含めていろいろな流れができていると思います。こういった中で、しっかりとした賢い支出をしていくために再度考えておくべきことが一つあると私は思っているのです。それは、政策決定をするのは総合判断、根拠やデータというのは重要だと思いますけれども、今は総合判断だけでいろいろなことが決められているケースが多々見受けられます。しっかりとしたデータを取って、そして、しっかりとした根拠をきちんと定めて総合判断をする、そういう賢い支出に向けて、ぜひ全庁を挙げて、オール栃木で頑張っていただきたいと思います。以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。 ○佐藤良 副議長 この際、休憩したいと思います。午後1時15分から再開いたします。議事はただいまの継続議事であります。  休憩いたします。    午後0時16分 休憩             ――――――――――――――――――――――――――――― ◎大橋哲也 事務局長 出席議員数を報告いたします。  ただいまの出席議員数は44名であります。             ―――――――――――――――――――――――――――――    午後1時15分 開議 ○阿部寿一 議長 ただいまから会議を開きます。  議事は休憩前の継続議事であります。発言通告者に対し、発言を許します。三森文徳議員。    (48番 三森文徳議員登壇) ◆48番(三森文徳議員) とちぎ自民党議員会の三森文徳でございます。今通常会議最後の質問者でありますけれども、どうぞよろしくお願い申し上げます。  では最初に、県庁周辺整備について知事にお伺いします。県庁周辺整備につきましては、昨年の12月に板橋議員が福田県政の仕上げとしての県庁周辺整備と題して質問をしました。また、今年6月には螺良議員が、文化と知の拠点としての県庁周辺整備についての質問をしているわけです。私も、福田知事が5期目の当選を果たして丸1年を経過したこの時点で、改めて知事の考えをお聞きしたいと思います。  知事はこれまでの質問に対して、県庁周辺整備は重要課題であって、将来の財政状況を見極めながら国体後をめどに方向性を打ち出す、また、LRT事業といった宇都宮市が取り組むまちづくりの事業の動向も踏まえたいと答弁されています。これを要約しますと、来年10月開催のいちご一会とちぎ国体・とちぎ大会が終わって、また宇都宮市の動向も踏まえた上で方向性を定めると読めるわけですけれども、仮に、LRT事業の西側整備の動向を待った上で判断するとしたら、知事の今回の任期中に方向性を打ち出すのは、かなり難しいのではないかと思います。確かに、栃木会館跡地をはじめとする県有地の利活用については、これは宇都宮市のまちづくりとの整合性を見極める必要があると私も思いますけれども、100年に一度の県庁建て替えを実現した福田知事には、ぜひ早期に方向性を出していただきたいと思います。特に、県庁の目鼻立ちが大きく変わるシンボルロードの整備は、県有地の利活用と密接な関係を有するものでありますけれども、できるだけ早く方向性を打ち出してほしいと切に願っております。  ご存じのとおり、シンボルロードといわれる路線のうち、大通りから南側、これは宇都宮市役所までは宇都宮市の道路であります。したがって、県庁から市役所までの全体像を県が今描くというのは極めて難しいとは当然思うわけですけれども、県庁前交差点から大通りまでの部分というのは、県の判断でやる、やらないが決められると思います。しかし、NTTをはじめとする沿道の地権者との交渉、そして大通り交差点の地下道、こういった様々な難しい課題があるわけですから、判断が遅れれば、事業化はどんどん遠のいていくのではないかと思っています。シンボルロードの整備についても、栃木会館跡地をはじめとする県有地の利活用と一体的に検討を進めた上で方向性を出す、これは当然必要であると思います。  そこで、シンボルロードを含めた県庁周辺整備について現時点でどのように考えているか、知事にお尋ねいたします。 ○阿部寿一 議長 福田富一知事。    (福田富一知事登壇) ◎福田富一 知事 ただいまの三森議員のご質問にお答えいたします。県庁周辺は、公共公益施設や文化施設が集積するなど、県都の顔として重要な地域であると考えております。このため県では、県庁周辺整備を県政の重要課題の一つとして位置づけ、シンボルロードの拡幅や県有地の利活用について、継続的に検討を重ねてまいりました。このうち、シンボルロードにつきましては、栃木会館跡地の一部を活用して県庁前交差点改良を実施するなど、将来の拡幅を考慮した対応を図ってきたところであります。引き続き、宇都宮市が取り組むまちづくり事業の動向等を見極めた上で、拡幅の延伸を視野に、県有地を含む沿道周辺の土地利用の在り方と一体的に検討を進めてまいります。  また、栃木会館跡地や中央郵便局跡地などの県有地につきましては、社会情勢の変化や県庁周辺にふさわしい良好な都市景観の形成に十分配慮するとともに、NTTなどの隣接地権者とも意見交換等を行いながら、栃木の魅力発信につながるよう、利活用手法を幅広く検討してまいります。  今後とも、県議会のご意見も伺うとともに、宇都宮市とも十分に連携を図りながら、県立美術館や図書館等に係る将来構想の策定と併せて検討を進め、国体後を目途に方向性を打ち出してまいります。 ○阿部寿一 議長 三森文徳議員。    (48番 三森文徳議員登壇) ◆48番(三森文徳議員) 今、県庁前から大通りまで全体で360メートル、これまでに130メートルの拡幅改良が終わったわけですから、残りは230メートルになったわけです。ただいま知事から、重要課題の一つとして、将来の対応をこれからはしていく、検討に入ると。知事が毎回言っているように、国体後に方向性を出すというのは、それはそれでいいと思うのですけれども、私が申し上げたいのは段取りというのですか、それに向かってのいろいろな交渉事やら対応については早く始めたほうがいいだろうということを申し上げているわけであります。ぜひ、今日おっしゃったことを踏まえて、早速拡幅延長、230メートルの改良に向けて、アクションを起こしてほしいと思います。  県庁は南向きであります。大通りから入ってくる玄関にたどり着く進入路というのは、まさに県庁の顔だと私は思います。したがって、ここがしっかり整備されるまでは、私は県庁建て替え整備は終わったと言えない、そういうふうに思っています。ですから、一刻も早くこれは着手すべきであると。県庁というのは、県庁の機能ばかりが問題ではなくて、やはり栃木県民が誇りを持てる県庁であってほしい。そのためには、整えるべきはしっかり整える。家も玄関構えというものは非常に大事なわけですから、これについては知事のご英断でやる方向だとお聞きしましたので、ここをしっかり受け止めて、執行部の皆さんもいろいろなところが関わると思うので、その準備に入っていただきたいということを改めて申し上げたいと思います。  続きまして、総合的な文化振興について、これも知事にお伺いします。知事は5期目の選挙に臨む際の政策集に、我々の意見も取り入れていただいて、歴史・文化の回廊の創設と、文化による地域の活性化を挙げていただいたわけですが、これをぜひ実現していただきたいという観点から質問させていただきたいと思います。  まずは、推進体制でありますけれども、今の組織論で言えば、歴史文化の保存、継承及び郷土愛の醸成というのは教育委員会、文化資源による観光振興、まちづくりといったものは、知事部局とすみ分けがあるわけで、私は、文化を生かすという大きな方向性を考えますと、現状の進め方には課題があるのではないかと思っています。今年度の県の事業で言えば、大田原市湯津上の侍塚の330年ぶりの発掘事業、それから、これは文化庁のモデル事業ですけれども、とちぎの食文化調査研究発信事業で、しもつかれを調査研究する事業があります。これらの事業をどのようにして郷土愛の醸成や地域振興に結びつけるのかということを考えるに、先ほどの執行体制のすみ分けの中でうまくいくのだろうかという疑問を常々投げかけてきたところです。侍塚を発掘して、それをどのように地域振興に結びつけるのか。しもつかれを本県の郷土食としてどのような活用、PRをしていくのだろうと。こういった総合政策的な考え方を執行部の皆さんにはぜひ持っていただきたいと思います。  また、本県が今後、歴史文化をより一層生かしていくためには、文化財課、県民文化課、観光交流課といった部署との連携はもとより、農政部、あるいは県土整備部、こういった部局との連携も必ず必要になってくると思うのです。本県に多くの観光地があって、また観光ルートに文化をどう組み入れていくのか、また、県内25か所ある道の駅、あるいは県の公園、こういったものとの関係性の強化はどう図っていくのかという課題もあると思います。さらには、文化資源を生かした地域おこしに取り組もうと考えている市町、これは多分、様々な課題も生まれるわけですよね。それを相談する先は一体どこなのか、こういうことで困っているのではないかと思います。  私は、群馬県のように文化行政を知事部局に一元化することが現在は難しいとすれば、少なくとも、知事部局の中に文化事業調整監を置くとか、文化事業調整室をつくるとか、一歩踏み込んだ対策が必要ではないかと考えています。  そこで、今後、本県の優れた文化資源を思い切り生かすための総合的な政策をどのように進めていくのか、知事にお伺いいたします。 ○阿部寿一 議長 福田富一知事。    (福田富一知事登壇) ◎福田富一 知事 ただいまのご質問にお答えいたします。本県の多彩で豊かな文化資源は、住む人の愛着を醸成し、地域の魅力を高め、活力を生み出す宝として、先人の暮らしや様々な活動の中で育まれ、守り伝えられてまいりました。私は、県民共有の財産である文化を地域づくりに生かしながら、将来の世代に確実に引き継いでまいりたいと考え、とちぎ未来創造プランに、地域の文化財の保存・継承の推進と、文化資源と観光等との連携による地域活性化を車の両輪として掲げ、知事部局と教育委員会が連携を図りながら各種施策を展開しているところであります。  観光等との連携といたしましては、今年度開始したとちぎの文化の新たな魅力創造・発信事業では、現在発掘調査中の侍塚古墳を含む県北地域をモデル地域の一つに選定したところであり、今月中旬には、市町や地域の関係者と専門家による意見交換会を開催し、観光誘客や地域づくりの取組につなげていくこととしております。あわせて、文化、観光等の関係者から成る全県的なネットワーク会議の設置や、優良事例等の共有を図るシンポジウムの開催等を進め、県内各地で文化資源を活用した様々な取組が展開されるよう支援してまいります。しかしながら、人口減少、少子高齢化の進行等により担い手不足が深刻化し、貴重な文化資源の保存・継承が危ぶまれる地域も生じており、関係機関が連携・協働して、地域のあらゆる資源を活用する総合的な取組が求められてきております。また、文化資源の保存・継承や発信に、デジタル技術を積極的に活用する取組も必要であると考えております。  こうした状況を踏まえ、文化行政の一元化などを含め、望ましい推進体制の在り方について検討を進め、文化資源を生かして未来に継承していく政策を、総合的かつ戦略的に展開してまいります。 ○阿部寿一 議長 三森文徳議員。    (48番 三森文徳議員登壇) ◆48番(三森文徳議員) 総合的に文化の推進を行うためにそういった取組をするということでずっと言い続けてきたので、一歩前進したかなと思っています。やはり様々な課題、問題があるわけですから、それはもちろん分野分野でしっかり取り組むことも大事ですけれども、総合的に調整していって一つのものをつくり上げるという取組は絶対必要だと思いますよ。これをしないと、いつまでたっても調査はしたけれどもそれからずっとほこりをかぶる、そういう状況が続くと思います。  文化というものは、これから物すごく私は大事だと思っています。今回、知事が2023年開催予定のG7サミットに伴う関係閣僚会合への誘致に日光市を掲げて名乗りを上げたということですけれども、これは知事の中に、もちろん日光の自然もすばらしいものがありますけれども、勝道上人が平安時代から奈良時代に男体山を開いて、それから日光東照宮につながっていく、その脈々と続く歴史の深さに自信があるからだと思うのです。これは多分どこの国の人が来ても、日光に来たら、いやすばらしいところだなということを感じていただける、そういう知事の自信ではないかなと私は思うのですよ。これは日光ばかりでなくて、我々の住むそれぞれの地域にある歴史文化をやはりもう一回磨き込む。そして、それを総合的に地域の中で生かしていく。そして、そこに住む人たちが知事と同じように自信を取り戻す。そういうことが今すごく大事な時期に来ていると思います。そういうところに不思議と人は集まるのですよね。そういうことを私は積極的に進めていただきたいというのをずっとずっと言ってきましたので、今日一歩進めていただいたと思っていますけれども、さらに速度を上げて進めていただきたいと思います。  イギリスの歴史哲学者のアーノルド・J・トインビーは、歴史を忘れた民族は例外なく滅びている、そういう名言を言っていますよね。だから、地域が元気を失わない今のうちに、ぜひ歴史をもって自信を取り戻し、そして地域の皆さんが元気になるような、そんな栃木県にしていただきたいと思いますので、一元化した総合的な文化振興をぜひ図っていただきたいと思います。  続いて、栃木県の国際戦略について、知事に2つほど質問させていただきます。県は、世界から選ばれるとちぎを目指しまして、今年度から5年間のとちぎ国際戦略を策定しまして、東アジア、東南アジア、アメリカの3地域を重点エリアとして取組方向を打ち出しました。しかし、昨年の2月からコロナ禍の拡大によって、国と国とをまたぐ人の移動というのは極端に制限されたわけで、具体的な国際戦略の進展、展開というものはかつてない厳しい状況になっています。  この間、アメリカやドイツといった主要国での首脳交代もあったわけで、国際情勢の変化もあり、新型コロナウイルス感染症が収束した後の本県の国際戦略もおのずと見直していかなければならないところが出てくると考えています。その一つとして、本県の唯一の国際出先機関であります栃木県香港事務所の在り方について質問させていただきます。  我が県の香港事務所につきましては、平成2年に足利銀行香港支店内に設置されて31年が経過します。現在はジェトロ香港センターの中に共同事務所方式で運営されていますけれども、設置当初から考えますと、物すごく国際情勢は変わっている。特に戦略の中で重点エリアになっている東アジア、東南アジアの情勢というのは、もう本当に劇的に変わっていると言ってもいいのではないかと思います。同時に、世界の2大大国に成長した中国とアジアをはじめとする世界各国との関係も今まさに変化する中にありまして、本県の香港事務所の今後の在り方については、私は一度立ち止まって考える時期ではないのかなと思います。私は、コロナ禍で海外に出て行けないこの時期というのは、そういう意味での、晴れて海外に雄飛するときに備える時期だと考えています。  知事は、10月下旬から東南アジア3か国の駐日大使館を訪問して、とちぎ型大使館外交をスタートさせたわけで、早速、ベトナムのファム・ミン・チン首相が来県して、ビンフック省との協力に関する覚書を締結するという成果があったわけですけれども、今後、本県として世界のどこにアンテナを立てておくのがいいのか、また、このDXの時代に入って、民間活力を利用した新たな国際情報収集戦略が求められていると思いますけれども、これらについて知事のお考えをお伺いいたします。 ○阿部寿一 議長 福田富一知事。    (福田富一知事登壇) ◎福田富一 知事 ただいまのご質問にお答えいたします。グローバル化の進展に対応するため、県では、平成2年10月に栃木県香港事務所を設置し、中国、東南アジアの経済動向等の情報収集や、これらの地域に進出する県内企業の支援、観光誘客等を行ってまいりました。具体的には、現地企業などから経済状況に関する情報収集等を行い県内企業に提供することで海外展開を後押しするとともに、海外旅行代理店への働きかけ等によるインバウンドの促進に取り組んでまいりました。さらに、県内企業の販路開拓のため、海外のバイヤーとのマッチングや見本市への出展を支援するなど、業務を拡充してきたところであります。一方、設置から31年が経過し、中国が経済大国として台頭するほか、ASEANは著しい経済成長により、この10年間でGDPが2倍以上となるなど、アジアの経済情勢は大きく変化していることから、改めて、県海外事務所の在り方を検討する必要が生じてきていると認識しております。  検討に当たりましては、県内企業のニーズ、情報収集や観光誘客の効率性、市場の規模や将来性、政治情勢や周辺諸国への移動の利便性などを考慮する必要があると考えております。また、これからの国際戦略の推進に当たりましては、これまで以上に広く情報を収集する必要がありますことから、現地の実情に詳しい金融機関等との連携を強化するほか、デジタル化が進展する中、デジタル技術にたけた民間事業者等の活用による情報収集・分析についても検討してまいります。  今後、有識者や関係機関等のご意見も伺いながら、東アジアや東南アジアの拠点としての県海外事務所の在り方を検討してまいります。 ○阿部寿一 議長 三森文徳議員。    (48番 三森文徳議員登壇) ◆48番(三森文徳議員) 香港事務所の役割というのを今、知事からお話があったわけですが、ご存じのとおり、香港は1国2制度の政治下にあったのですけれども、それが大きく変わったと。ただ、経済状況はそれほど変化していないようで、本県の進出企業が撤退したという話は今のところないと聞いています。そういう中で、隣県の状況を見ますと、茨城県、群馬県は上海、東京都は外郭団体ですけれどもタイのバンコク、神奈川県はシンガポール、アメリカ・ニューヨーク、それから千葉県、山梨県は設置していないのですよね。そういう状況ですけれども、本県としてどうするのか検討する必要が生じているという認識を共有していただきましたから、今後、様々な関係者にいろいろお話を聞いて、よく考えていただければと思います。  いずれにしても、アジアは大きく変わってきていますから、これに対応する、ついていくのはある意味本当に大変だと思いますよ。日本の速度と違います。だから、そこを考えた上で次の戦略を打っていかないと、県内企業の進出の応援や海外のインバウンドの誘致、さらには本県の優秀な農産物等の輸出、こういうことに遅れが生じると思いますので、これは本当に真剣に考え始めていただきたいと思います。  次に海外都市との関係について、知事にお伺いします。栃木県は現在、4つの都市と交流をしています。中国の浙江省、アメリカのインディアナ州、フランスのヴォークリューズ県、そして、一番新しく交流が始まったのが台湾の高雄市。浙江省が一番古いのですけれども、これが1993年から交流をしているということで、新しい高雄市は2017年に知事が市長のところへ訪問して、観光分野を中心に交流が始まっているわけです。  私が今注目したいのが、日本から一番近い台湾の高雄市との交流であります。その理由を幾つか申し上げますと、さきほどGDPの話が出ましたけれども、台湾というのは非常に成長が期待できる。台湾はアジアの中で、シンガポール、香港、韓国に次いで国民1人当たりのGDPが高い。さらには今、自動車産業が生産縮小せざるを得ない状況になっていますけれども、この原因は半導体でありますが、台湾は半導体の一大生産地であります。また、今年に入って日本が議長国を務めますTPPへの加入申請の表明を台湾がしました。日本経済との関係性というものはますます高まっていくと考えて間違いないと思います。また、東日本大震災の際には、どの地域よりも早く、日本へ支援金等の援助を実施していただきましたし、新型コロナウイルス感染症対策については、今度は日本がワクチンの支援を行ったような、台湾と日本とは大変よい関係にあります。  また、これは早く何とかしたいという課題ですけれども、福島第一原子力発電所事故以来、台湾へは本県の牛肉、米、梨、イチゴといった農産物が全く輸出できないわけですよね。これは中国も同じ状況になっているわけですから、そう簡単に解除にはならないと思う反面、解除された際には、私は台湾というのは大変有力な市場になり得ると考えています。そして、この2年間で激減した本県へのインバウンドを復活させるためにも、台湾とのよりよい関係を築いていくことが重要だと考えます。  ただ、ここに来て台湾に対する中国の態度がかなり厳しくなってきているという事実があって、日本はもちろんですけれども、アメリカ、ヨーロッパ、こういった国も中台関係に注目しているわけです。これはあくまでも私の私見ですけれども、台湾に自由主義経済圏の仲間でいてもらうということは、日本の国益にとって大変重要なことだと私は思っています。したがって、日本はいろいろな面で台湾の応援団であるべきだと、これは私の個人的意見です。  いずれにしましても、外国との都市交流というのは、もちろん実益だけを求めてやるべきではないと思います。文化や教育といった分野も含めての交流でありますけれども、高雄市、そして台湾との交流をぜひ強化していく方向を持ってもらいたいと思いますが、これについて知事の考えをお伺いいたします。 ○阿部寿一 議長 福田富一知事。    (福田富一知事登壇) ◎福田富一 知事 ただいまのご質問にお答えいたします。台湾は、我が国と地理的に近く親日的でありますことから以前より親交を深めており、貿易や観光等の経済面での結びつきも強く、重要なパートナーとなっております。本県におきましても、県内の外国人宿泊者数が、令和元年まで7年連続第1位、県内企業の輸出額がアジア地域の中で第4位となるなど、経済的に重要な地域であります。また、高雄市とは、私が平成24年に訪問して以降親交を深め、平成29年には経済分野及び教育分野における友好協力に関する覚書を締結し、県産品の展示商談会を実施するなど、交流を進めてきたところであります。  こうした状況を踏まえ、とちぎ国際戦略におきましては、台湾を経済分野での交流を強化していく地域として位置づけるとともに、インバウンドの促進や文化交流などにも積極的に取り組むこととしております。現在は、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大により、観光等での直接の交流が困難となっておりますことから、コロナ禍後を見据え、今年度は台湾人サイクリストのモニターツアーによる魅力発信や、旅行会社の招聘による新たな旅行商品の造成を促進するほか、将来の教育旅行の受入れにつなげるため、現地学校と県立高校のオンラインによる交流を実施することとしております。さらに、台湾は農産物の輸出先としても魅力的な市場でありますが、お話しありましたように、福島第一原子力発電所事故に伴う輸入規制によりまして、現在も輸出ができない状況にありますことから、引き続き県産農産物の安全性をアピールしてまいりたいと考えております。  また、高雄市とは、コロナ禍にあってもデジタル技術を活用した観光動画の相互発信に取り組むほか、今月高雄市で開催される南台湾最大の旅行博へ出展するなど、経済交流を進めることとしております。高雄市をはじめとする台湾は、本県にとって重要な交流先と考えておりますことから、観光や経済、教育、文化等の幅広い分野において、より一層の交流強化に向けて取り組んでまいります。 ○阿部寿一 議長 三森文徳議員。    (48番 三森文徳議員登壇) ◆48番(三森文徳議員) 重要なパートナーとして、アフターコロナも見据えて取組を促進する、さらにはデジタル技術、オンラインといった技術を駆使して交流を今からでもしていく。そういう前向きな姿勢を示していただきました。知事も身は1つですし、海外、そういったいろいろな取組に投資できる財源も無限ではないわけですから、私はある意味、その効率性を考えていかないと、ちょっと悪いのですけれども薄く広くはもう通用しなくなっている時代になったなと思うのです。ですから、選択と集中ではありませんけれども、いろいろなところとの交流はあっていいと思うのですよ。けれども、やっぱり集中して取り組むということについては、ぜひ明確なビジョンを持って海外都市との交流は進めてもらいたいと思います。その辺りをぜひよろしくお願いしまして、次の質問に入りたいと思います。  とちぎ食肉センターの今後の運営について、知事に質問させていただきます。株式会社栃木県畜産公社が運営します食肉センターは、最新鋭の設備を整えまして、令和2年度に稼働を開始して、はや1年9か月が経過いたします。しかし、今年4月に本県で発生しました豚熱の影響を大きく受けまして、経営が厳しい状況にあると認識をしています。今年度は豚熱の発生によって、3万9,000頭という殺処分をせざるを得なかったということに加えて、新型コロナウイルス感染症の影響も受けまして、豚の集荷頭数が計画を大幅に下回ってしまっていると。その上で、経営計画を見直すということになっていると聞いています。  我々とちぎ自民党議員会はこの状況を踏まえて、9月予算要望において運営主体である畜産公社の取り組む経営改善策に対して県は助言、指導を行うとともに、出荷奨励金による集荷支援や資金貸付けを行うことを提言しまして、9月の五月女議員の代表質問でもこのことを取り上げていただいて、実行していただくことになっています。食肉センターというのは、当初、牛は年間1万2,000頭、豚は31万頭を集荷する計画でスタートしたわけです。牛はほぼ計画どおりに集荷されていますけれども、豚の集荷というのが相当苦戦をしていると思います。豚の生産者の出荷ルートというのは主に2つありまして、1つは全農を通すルート、もう一つは、商社などを通すルートがあって、そこに大手食肉メーカーや大手スーパーなどが入ることもあって、極めて複雑だと聞いています。  私は、食肉センターがスタートする前から、センターの経営が黒字化するまで県が主体性を持って関わっていく必要があると言ってまいりました。特に、食肉センターがどのように計画どおりの集荷をするかは、オール栃木で臨まないと、今後も相当厳しいと感じています。  そこで、食肉センターの今後の運営は、複雑な流通ルートにも鑑みて、県をはじめ、関係者が一堂に会して議論するといったことなど、オール栃木体制を再構築して取り組むべきと思いますが、まず知事の考えをお伺いします。  同時に、17ヘクタールある食肉センター南側の畜産酪農研究センター芳賀分場跡地についても、食肉関連企業が進出できるような有効利用に県がしっかり取り組んでほしいというお願いをしてきたところでございますけれども、具体的な計画が動き出していると聞いておりますから、その進捗状況も併せてお伺いいたします。 ○阿部寿一 議長 福田富一知事。    (福田富一知事登壇
    ◎福田富一 知事 ただいまのご質問にお答えいたします。県では、とちぎ食肉センターを運営する株式会社栃木県畜産公社の経営安定を図るため、10月末に資金貸付けを実行するとともに、11月に畜産公社に設置された県、全農栃木県本部、農林中央金庫等で構成する経営改善委員会において指導、助言を開始したところであります。現在、畜産公社の努力もあって、11月の豚の集荷頭数が計画を約1,000頭上回るなどの結果も出てきており、畜産公社が目指す3年後の黒字化が確実に達成されるよう、引き続き、集荷頭数や収支等により経営状況を毎月把握するとともに、四半期ごとに開催される経営改善委員会を通じて支援してまいります。  私は、本県の養豚振興を図るためには、最新の設備を備え、高度な衛生管理が可能な食肉センターの優位性を生かし、県内の養豚関係者が一体となって取り組むことが重要であると考えております。  そこで、県としましては、県養豚協会や畜産公社、関係団体等で構成する協議会を年明け早々に、新たに設置することといたしました。この協議会におきましては、食肉センターへの集荷拡大はもとより、集荷される年間数十万頭に及ぶ豚の肉質等のデータを活用した生産性や品質の向上、県産豚肉の販路拡大やブランド化、家畜防疫対策強化による豚熱再発防止等の取組を戦略的に進めていく考えであります。特に、当面の最重点課題である豚の集荷拡大につきましては、県、畜産公社、県養豚協会が中心となって、生産者や食肉関連企業に対して、食肉センター利用の優位性をしっかりPRしてまいります。  次に、食肉センターの南側の畜産酪農研究センター芳賀分場跡地につきましては、食肉関連企業の産業用地として活用するため、昨年8月に公募により県内の開発業者を選定し、令和4年度の用地造成開始、令和6年度の食肉関連企業の操業開始を目指し、現在、開発業者により手続が進められているところであります。県といたしましては、食肉関連企業による県産食肉の利用拡大や雇用創出が図られ地域の活性化につながるよう、地元芳賀町と連携して必要な支援を行ってまいります。  今後とも、とちぎ食肉センターを核とした生産から流通、販売までの取組をオール栃木体制で推進し、本県畜産の持続的な発展を図ってまいります。 ○阿部寿一 議長 三森文徳議員。    (48番 三森文徳議員登壇) ◆48番(三森文徳議員) 集荷拡大ばかりではなくて、防疫だったり肉質の向上だったりも含めて一体となって会議ができる、関係者を集めて構成する協議会を設置していただけるという答えをいただきました。ありがとうございます。ぜひしっかり取り組んでいただきたいと思います。  養豚農家は県内もたくさんありますけれども、全部が食肉センターへ持っていっているわけではないし、県外の大手商社やそういったところへの働きかけも必要です。畜産公社は非常に努力しているのは私もよく分かります。ですが、やはりこれは栃木県で取り組むことによって大きく局面打開できるところがあるかなと思いますから、ぜひ、ただいま知事が答弁いただいたことを実行していただいて、食肉センターの運営を軌道に乗せるようにお願いしたいと思います。  続いて、今後の米づくりと作付転換の推進について、知事にお伺いいたします。今年8月末に、JA全農とちぎから、農家に支払われる県産コシヒカリ概算金が前年比27%減、9,000円ということで、これに関して9月通常会議では、これも五月女議員の代表質問をはじめ、複数の議員が需要拡大、生産振興を質問したわけです。今回の概算金の大幅下落というのは、JA全農とちぎの扱う主食用米の8割が業務用、主に外食産業用ということで、これらの需要がコロナ禍によって大きく落ち込んだわけですから、このような結果になったと。そのような中で、政府は来年の主食用米の需要に見合った生産量を今年より26万トン減の675万トンに設定したと先月報道されました。米の需要の落ち込みの速度は早まる一方、これは対応も待ったなしになっているなと思います。  昨日の加藤雄次議員の質問にもありましたけれども、本県は、転作については非常に真面目に取り組んでいる県、今年産については主食用米から飼料用米などに4,300ヘクタールの面積を転換しているのですよね。これはJA、そして県、生産者ともども危機感を持っている証だと思います。にもかかわらず、今年の主食用米の需要見込みを受けて、JAグループ栃木は、来年産新たに6,000ヘクタールの作付転換を目指すと発表しています。もう既に、かなり無理をして作付転換を農家は行っているわけですよね。さらなる転換というのは非常に困難が伴うものと思います。今後、目標達成のためには、主食用米から飼料用米や麦、大豆、そういったものに転換するか、水田で露地野菜等の園芸作物に転換するか、どちらの道を選ぶにしても、これは大変、これまで以上に県や国の支援が必要だと思っています。ぜひ、来年度当初予算には、国の動向に左右されない、従来施策の延長でない作付転換への県としての強い意思を示す支援策を盛り込むといった、農家の規模やら条件不利地域などにも配慮した、県独自の対策を講じていただきたいと思います。また、主食用米については、コロナ禍の影響や本県農業の直面する課題をしっかり踏まえて、将来を見据えた生産や販売の在り方を示していくということが極めて重要でありますから、県や農業団体、集荷団体などで構成する検討会をつくっていただくわけで、この中でより一層議論を深めてもらいたいと思います。  そこで、本県の米づくりと作付転換の推進について今後どのように取り組むのか、知事のお考えをお伺いいたします。 ○阿部寿一 議長 福田富一知事。    (福田富一知事登壇) ◎福田富一 知事 ただいまのご質問にお答えいたします。米の需要が減少する中、本県農地の8割を占める水田を活用し農業の収益性を高めていくためには、今後の米の生産・販売の在り方や、主食用米から転換する作物の作付計画を明確にし、オール栃木体制で進めていく必要があると考えております。このため、県農業再生協議会内に検討会を設置し、将来を見据えた本県水田農業のあるべき姿を示した推進方針の骨子を取りまとめたところであり、需要が見込まれるマーケットへ的確に対応する米づくりと、水田をフル活用した作付転換の加速化を2本柱として推進していくこととしております。まず、米づくりにつきましては、気候変動や需要変化を踏まえた品種構成の見直しや、消費が伸びている家庭向けの米のブランド力向上による販売強化に取り組むとともに、多収品種やスマート農業技術を活用し、生産コストの低減や輸出用米の拡大を図るほか、県産米の消費を拡大するため、栃木県民ごはんの日のさらなる定着や、関西圏での新たな販路開拓に努めてまいります。  次に、作付転換の加速化に向けましては、整備された広大な水田などの強みを最大限に生かし、競争力の高い50ヘクタール規模の露地野菜の産地づくりを推進するほか、国産需要が高まっている大豆について、収量性の高い品種選定を進めるとともに、共同乾燥調製施設の整備や収穫機械の導入等を支援していく考えであります。また、飼料価格が高騰する中、畜産が盛んな本県の飼料自給力を向上させるため、飼料用米への転換に加え、飼料用トウモロコシや稲発酵粗飼料の生産拡大を推進していくこととしております。推進方針につきましては、今月20日に開催される県農業再生協議会総会において決定した上で、各地域の協議会を通じて取組を着実に推進するとともに、その実現に向け、国の施策の動向も十分踏まえながら支援策を検討してまいります。今後とも、市町や農業団体と一丸となって、本県農業の持続的な発展に向けて取り組んでまいります。 ○阿部寿一 議長 三森文徳議員。    (48番 三森文徳議員登壇) ◆48番(三森文徳議員) ただいま様々な取組方針が示されまして、それぞれ、いろいろ課題はあると思いますけれども、ぜひ実行してもらいたいと思います。  その中で、先ほど国際戦略の話をしましたので、輸出用米の生産振興、これは前回の9月の通常会議で、海外においては日本産米の需要が高まっているから、この好機を逃さず、輸出に取り組む産地を拡大していくぞという知事の話、今もその話がありました。2020年の輸出先としては、香港、シンガポール、台湾、アメリカというのが1、2、3、4番目。台湾へは南の県はもう輸出していますからね。そういう意味で、輸出用米について農政部長に再質問しますけれども、輸出用米の今後の本県での可能性、それから、これからの取組についてどのように考えているか、お願いします。 ○阿部寿一 議長 青栁俊明農政部長。 ◎青栁俊明 農政部長 再質問にお答えいたします。議員からもございましたように、海外で日本食ブームということもあって、米の需要が高まっております。本県における輸出の状況でございますが、令和2年度になりますけれども、輸出の量でいうと5.4トン、面積でいうと106ヘクタール、金額は約1億円ということで、これは本県における過去最高となっております。しかし、今後も需要の伸びが期待できる米の輸出をさらに増やしていくために一番のネックとなっておりますのが、主食用米との価格の差をどう埋めていくかという部分でございます。このため、県では本年度からコメ輸出拡大支援事業ということで、スマート農業などの低コスト生産、あるいは多収品種の導入でありますとか、海外向けのパックご飯の商品化、それから海外でのテストマーケティングなど、産地の新たな取組を支援しているところでありますし、また、県が定める産地交付金の中でも輸出用米というのを対象としているというところでございます。  県では、令和7年度の米の輸出額目標を2億円と設定しておりますし、先ほど答弁でもありました今般の新たな米づくりの方針の中でもきちんと位置づけをしたところでございます。  今後とも、この目標の達成、そしてさらなる上積みに向けまして、国の助成も活用しながら、オール栃木で取り組んでまいりたいと考えております。 ○阿部寿一 議長 三森文徳議員。    (48番 三森文徳議員登壇) ◆48番(三森文徳議員) 輸出用米の振興についても難しい点があると思いますけれども、しっかり取り組んで、海外に販路があるのであれば、国内でつくったものを売るというのは自然な流れというか、非常にいいわけでありますから、しっかり進めてもらいたいと思います。  時間がなくなってまいりましたので、最後の質問、次期県立高校再編計画について教育長にお尋ねいたします。栃木県の全日制公立高校というのは、昭和60年の68校をピークにして、今は58校になりました。こういう中で、本県の中学校卒業見込み者数が、これは教育委員会事務局の統計ですが、令和17年には約4,600人減る、27%減になるとなっています。これを教育事務所別に見ますと、私の地元の塩谷南那須管内では27%どころか36%減るとなっているのですよね。中学校を卒業する子供がですよ。厳し過ぎる現状があるわけです。このような中で、次期高校再編計画の策定に向けて、今、県立高校の在り方検討会議において有識者によって検討がなされて、今年度中に提言がまとまると聞いています。本県の県立高校の適正規模と適正配置は非常に難しい問題ですけれども、いかに各学校の特色化を推進するか、そこを私は注目したいと思っています。  その中で、2つほどお尋ねしますけれども、栃木県は普通系学科7、職業系専門学科3という、すみ分けというか、募集定員の比率をずっと維持してきています。これを今後どのように考えるのかということと、単位制、それから中高一貫教育校の設置拡充も含めた普通科の特色化をどう進めていくのか、お聞きしたいと思います。  第2点目は、第2期計画で特例校の制度をつくったわけですけれども、特例校を含めて、人口減少、少子化、そして過疎化が進む周辺校をどのようにしていくのか、このことについて2つお尋ねします。 ○阿部寿一 議長 荒川政利教育長。    (荒川政利教育長登壇) ◎荒川政利 教育長 ただいまのご質問にお答えいたします。社会が急速に変化する中、高校教育には生徒一人一人の資質、能力を最大限に伸ばすとともに、社会に主体的に参画し、他者と協働しながら新たな価値を創造できる人材の育成が求められています。このため、本年2月に有識者会議を設置し、学科の在り方や学校の特色化、規模と配置の適正化など、今後の望ましい県立高校の在り方につきまして検討を進めております。  この会議では、中学生の進路実態を踏まえ、普通科と職業系学科の募集割合を維持すべきとの意見や、普通科におきましては、生徒の目指す進路に合った科目選択が可能な単位制の導入を促進すべき、さらには中高一貫教育校を増やすべきなどの意見が出されたところであります。また、特例校につきましては、一定の条件で統合などを行う現計画の考え方を維持しながら、地域との連携・協働による特色ある学びや多様な学びを推進すべきとの意見が上がっております。今後は、今年度末に有識者会議から提出される提言を踏まえながら、県立高校の将来の構想を策定し、これまで以上に魅力と活力ある学校づくりを推進し、本県の将来を力強く切り拓く人材の育成に努めてまいります。 ○阿部寿一 議長 三森文徳議員。    (48番 三森文徳議員登壇) ◆48番(三森文徳議員) 教育長に再質問します。端的に質問します。文部科学省は今年、令和の日本型学校教育というのを打ち出した中央教育審議会の答申を受けて、その中の高校の普通科改革を来年4月に施行するというようなことです。何が改革なのかといったら、普通科にその他の普通教育を施す学科を認めましょうと。その他の学科といったときに、何なのかといったら、これはSDGsの実現やらSociety5.0の到来といった、近未来に起こる諸課題、最先端の課題を深める魅力ある学科をつくってもいいよと。また、その高校が存在している地域、市町村、こういったところの今の課題、将来の課題を深く考えていく、そういった学科も普通科内に設置していいですよと。そういう意味で、周辺校にあります私の地元の烏山高校や黒羽高校などあるわけですけれども、そういったところにそういったものを導入することは、私は非常にいいことではないかと思いますので、この点についてどのような考えなのか、お伺いします。  それからもう1点、中高一貫教育校は今は3校ありますけれども、どれも併設型で、要は高校のときにもう一回募集をするわけですよね。中等教育学校という中高一貫教育校の形があります。これは中学で入学した人が6年間そのまま学習する。私はこの形を導入することがいいのではないかと思いますので、この2点について教育長の考えをお伺いいたします。 ○阿部寿一 議長 荒川政利教育長。 ◎荒川政利 教育長 再質問にお答えいたします。まず、普通科改革に関しましてですけれども、普通科志向の強い本県におきましては、特色ある普通科の新設よりも、入学後に生徒がその後選択できるような構成といいましょうか、そういったものが望ましいのではないかというようなご意見、それから、県の周辺部の高校におきましては、生徒が単位制によって幅広く興味、関心、進路希望に応じた多様な学びをできるようなところが必要だというようなご意見が多く出ております。  それからもう一つ、中高一貫教育校についてでありますけれども、現在の併設型に対しまして一定の評価を示すご意見もあれば、設置拡充を望む意見、また議員からご指摘がありましたように、今高校入学段階での募集に課題のある現在の併設型から中等教育学校への設置転換が望ましい、こういった意見も出ているところでございまして、これらの内容に関しましても、有識者会議の提言を踏まえましてしっかりと検討していきたいと思っております。 ○阿部寿一 議長 三森文徳議員。    (48番 三森文徳議員登壇) ◆48番(三森文徳議員) 人づくりの根幹に関わる県立高校でありますから、しっかり取り組んでいただければと思います。知事の掲げる人づくり、これはやはり高校教育に一つ大きく根拠があると思いますので、ぜひ新たな取組を含めて対応していただきますようにお願いして、全ての質問を終わります。ありがとうございました。 ○阿部寿一 議長 以上で上程議案に対する質疑並びに県の一般事務に関する質問は終了いたしました。  この際、申し上げます。お手元に配付いたしました議案付託表に記載の議案については、それぞれ所管常任委員会に付託いたします。ご了承願います。                             〔配付資料は巻末に掲載〕 ○阿部寿一 議長 以上で本日の日程は終了いたしました。17日は定刻から本会議を開きます。  本日はこれで散会いたします。    午後2時16分 散会...