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令和 3年 5月農林環境委員会(令和3年度)-05月14日-01号
令和 3年 5月県政経営委員会(令和3年度)-05月14日-01号

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  1. 栃木県議会 2021-05-14
    令和 3年 5月農林環境委員会(令和3年度)-05月14日-01号


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    令和 3年 5月農林環境委員会(令和3年度)-05月14日-01号令和 3年 5月農林環境委員会(令和3年度)     農林環境委員会会議記録 1 開会日時  令和3年5月14日(金)午前9時59分~午前11時19分 2 場  所  第2委員会室 3 委員氏名   委 員 長    琴 寄 昌 男   副委員長    石 坂   太   委  員    小 池 篤 史           小 菅 哲 男           野 村 せつ子           日向野 義 幸           五十嵐   清           岩 崎   信 4 委員外出席議員    なし 5 執行部出席者 (1)農政部    農政部長              青 栁 俊 明    次長兼農政課長           中 村 和 史    農政部次長             熊 田 欽 丈
       農村振興課長            増 田 康 則    経済流通課長            白 鳥 幹 久    経営技術課長            柴 田 和 幸    生産振興課長            青 木 岳 央    畜産振興課長            杉 井   拳    農地整備課長            和 氣 芳 道    農政課総務主幹           柿 沼 章 洋    農政課農政戦略推進室長       髙 山 明 彦 6 出席を求めた参考人  なし 7 会議に付した事件  (1)特定テーマの調査・研究  (2)報告事項  (3)その他 8 その他の必要事項   なし           ────────────────────                午前9時59分 開会 ○琴寄昌男 委員長 ただいまから農林環境委員会を開会いたします。  本日の会議録署名委員に、小池委員小菅委員を指名いたします。ご了承願います。  初めに、執行部への出席要求についてであります。  本日の委員会において、説明のため出席を求めました者は、配付資料のとおりであります。ご了承願います。  議事に入ります前に、農政部長から発言の申出がありましたので、これを許します。  青栁農政部長。 ◎青栁 農政部長 改めまして、おはようございます。  発言をお許しいただきましてありがとうございます。  委員会の開催に当たりまして、一言ご挨拶を申し上げます。  まず、4月17日に那須塩原市の2つの養豚場で発生しました豚熱につきましては、5月8日に殺処分が完了し、現在は農場の清掃、消毒などの作業を鋭意進めているところです。殺処分をした豚の数が2つの農場合わせまして3万9,000頭以上ということで、国内最大規模となりましたけれども、市町、建設業協会あるいは農業団体等のご協力をいただきまして、何とか収束が見えてきたというところです。  引き続き、県内の全ての養豚場の緊急点検を実施いたしまして、飼養衛生管理基準の遵守徹底を強く指導し、再発防止を図りますとともに、発生しました農場の経営再開に向けまして支援を行うとともに、さらには、県民への正確な情報提供と風評被害の防止にも努めてまいりたいと考えております。  また、4月10日、11日に梨の降霜被害が起きたわけですが、5月2日には県の北部、東部地域を中心としてひょうが降りまして、梨やネギなどに被害が発生いたしました。  県といたしましては、病害虫防除などの技術指導の徹底を図りますとともに、市町から要望があった場合には、災害条例の適用を行うなど、被災農家の支援に努めてまいります。  さて、本日の議題であります特定テーマ地域農業を支える担い手の確保」につきましては、この後、担当課長から現状・課題の説明をさせますが、人口減少下において、これまで進めてきた農業の成長産業化の流れをさらに伸ばしていくためには、何といっても次代を担う人、担い手あるいは主体を育てていくことが非常に重要であると考えておりますことから、本年度スタートさせましたとちぎ農業未来創生プランにおきましても、重点戦略の1つ目ということで位置づけをしまして各種施策を展開することとしております。本日、特定テーマといたしましてご議論いただく中で、委員の皆様から様々な忌憚のないご意見、ご提言をよろしくお願いしたいと思います。  また、報告事項といたしまして、冒頭触れました豚熱の防疫措置の状況につきまして担当課長から報告をさせますので、よろしくお願いいたします。 ○琴寄昌男 委員長 それでは、議事に入ります。  本日は、特定テーマの調査・研究を行います。  初めに、執行部から本県における現状と課題について説明を聴取し、質疑を行った後、意見交換を行うことといたします。  なお、質疑は説明終了後に一括して行うことといたしますので、ご了承願います。  それでは、説明願います。  説明は着席のままで結構です。  柴田経営技術課長。 ◎柴田 経営技術課長 それでは、お手元に配付しました資料をご覧ください。  地域農業を支える担い手の確保につきまして、現状と課題のご説明をいたします。  表紙おめくりいただきまして、目次となります。  本日は、1担い手の現状から5の本県農業の課題と対応方向まで、一通りご説明をさせていただきます。  まず、1ページ、担い手の現状になります。  (1)基幹的農業従事者、これは担い手の基本的な指標となるものです。  表1をご覧ください。  本県の基幹的農業従事者数、平成27年度から令和2年度で5万2,000人から4万2,000人と1万人減少しております。減少率を見ますと、本県18.7%、全国22.3%と全国よりは若干低い状況にございます。  その下、基幹的農業従事者数の推移ですが、注目していただきたいのは、一番下、70歳以上の割合になります。こちらは平成12年の30%から令和2年には48%、約半分が70歳以上になっているということです。  その下の図1につきましては、70歳以上が5割を超える市町を網かけで示したものです。中山間地域等を抱えます県の東部、そして西部の市町でこうした割合が高いということです。  続きまして、2ページ、農業経営体数の状況についてです。農業経営体、こちらは農家や法人組織の数ということになります。  表をご覧いただきますと、先ほどの基幹的農業従事者と同じように、5年間で約2割減少しております。  注目していただきたいのは、その下、表4、表5になります。これは10ヘクタール以上の経営体数、そして販売金額1,000万円以上の経営体数になりますが、まず、10ヘクタール以上の経営体数、こちらは年々数が増加している。さらに割合も増加しております。さらにその下、販売金額1,000万円以上の農家につきましても、その下の割合のところを見ますと、令和2年には12.8%まで増加してきているということです。  その下、欄外になりますが、少し大きい1億円以上の経営体数、こうしたものを見てみますと、令和2年には193経営体ということで、ここ10年で約30の経営体数が増えているということになります。  続きまして、3ページ、少し細かく品目別の担い手の現状を見ていきたいと思います。  まず、ア土地利用型作物の現状、これは米麦中心の農家になりますが、稲作の生産者数、表6ですが、こちらは年々減少しているということです。  その下、表7集落営農組織の数になります。こちらは、ほぼ横ばいの推移ということになっておりますが、各集落営農組織に今後の見通しアンケート調査をしてみますと、「後継者の確保が見込めない」と。つまり、この後存続が難しいと答えた組織が51.9%ということで5割を超えておりまして、今後担い手の確保について考える上で一つのポイントになる部分かなと思います。  続きまして、園芸の現状になります。  まず、①野菜(全体)につきましては、10年間で生産者数が30%減少しているというところです。  開いていただきまして、4ページ、こちらが少し細かく、野菜、果樹、花卉の状況になります。それぞれ生産者の数を見ていきますと、②のイチゴであっても約10年間で2割が減少していると。その下の果樹が約10年間で3割、花卉は少し細かいですが35%減少という状況にございます。  続きまして、5ページが畜産の現状となります。  まず、①乳用牛ですが、飼養戸数は10年間で約3割減少、一方、飼養頭数を見てみますと、10年間で減少はしているのですが4%の減少ということで、飼養戸数は減っているのですが、メガファームや個々の規模拡大、こうしたもので飼養頭数の減少を抑えているという状況にあるかと思います。  その下、②肉用牛につきましては、飼養戸数は10年間で約4割、飼養頭数は約2割と大きく減少しているということです。  ページをおめくりいただきまして、6ページが農業法人の数になります。  表14をご覧いただきたいと思います。  合計がございますが、農業法人は年々増加してきておりまして、令和2年には656法人が県内にございます。  表にはございませんが、中身で、県内のJAの出資型法人、これは土地利用型とか、イチゴ農園を経営していたり、様々な形態がございますが、その中で土地利用型農業を中心としている法人が6つございます。ただ、中身を見てみますと、出資型法人が経営している農地は条件不利地が多くて、現状では赤字の法人が多いという状況にありますので、こうした点も今後の対策を考える上でポイントになるかなと考えております。  その下、(5)が企業参入です。こちらは平成16年からの数字となりますが、県内では食品関連業者ですとか、建築業者等々、いろいろな業種が行っている企業参入がございまして、19事例あるということです。  続いて、7ページ、こちらが地域の保全活動、こうしたものに着目したものです。  表16、こちらは多面的機能支払、そして中山間地域等直接支払、これらの面積になりますが、令和2年度の合計を見ていただきますと、25市町で約4万2,800ヘクタール、こうした農地の保全活動が実施されております。農振農用地面積に対するカバー率、これを見ますと42%という実態がございます。ただ、市町により差が大きいというのが実態かと思います。  その下、農業労働力を見てみますと、特に臨時雇いが平成22年からの10年間で6割減ということで、労働力を確保するのが非常に難しい状況が見てとれるかと思います。  ページをおめくりいただきまして、8ページ、ここからが新規就農者の現状となります。  図2をご覧いただきたいと思います。  新規就農者は、平成30年をピークに減少傾向ということです。中身を見てみますと、棒グラフの白い部分が雇用就農、薄い網かけが自営就農、そして黒い部分が新規参入、農業以外とか、県外から来られた方ということで、雇用就農者は増加傾向なのですが、網かけの部分、黒塗りの部分が減少していると、自営就農者が減少しているというのが現状です。  その下には、関東の他県と分析して比較した表がございます。見ていただきたいのは、表の上にあります親元就農、一番左側にあります(A)と新規参入(B)、こちらの状況です。本県の人数と他県の平均とございますが、特に、新規参入(B)の部分、本県は59人、他県平均140人。その下に割合がありますけれども、本県は新規就農に占める新規参入の割合が14%、他県平均は39%ということになりますので、ここが本県の一つの弱点と捉えられるかと思います。  続きまして、9ページ、こちらが農業大学校と農業高校の就農の状況です。表19が農業大学校、そして表20が農業高校。その中で網かけにしてございますのが就農率になります。こちらは、少し上下ありますが平均を見てみますと、農業大学校からの就農率が42%、農業高校生は卒業生の1.4%が就農という現状です。  ページをおめくりいただきまして、10ページからが農地の状況、担い手が使う農地の状況ということになります。  表21をご覧ください。上から、令和元年度の数字ですけれども、耕地面積が12万2,600ヘクタール、うち8割が水田となります。1経営体当たりの農地の面積が3.7ヘクタール、農地の利用集積、担い手の集積率が52.7%というのが本県の実態となっております。1経営体当たり農地面積全国平均を上回っているという状況です。  その下、基盤整備の状況につきましては、表22の整備率は67.9%ということになっておりますが、農振農用地区域内の水田の約7割で圃場整備が済んでいると。これは30アールの区画になります。もう少し大きい50アール以上の大区画で見てみますと11.8%ということで、まだ約1割にとどまっているというのが現状です。  続きまして、11ページが荒廃農地の状況です。こちらは、本県2,270ヘクタールが現状ですが、その下、再生利用が困難、今後ももう使えないと見込まれる農地の割合が徐々に増加していると。全国平均の68%に比べるとまだ低い数字ですが、増加しているという状況です。  続きまして、12ページ、こちらは少し視点を変えまして、農業への期待ということで、これは県内の農業高校生、そして農業大学校生へのアンケートを行ったものです。  図3については、若者の農業に対するイメージということで、割合が大きいもの、上から「生活に直結する必要な産業である」、「豊かな自然の中で仕事ができる」、「今後伸びていく産業であり将来性がある」というように捉えております。  その下、若者が農業に就きたい理由といたしましては、「農業が好き」、「自然や動物が好き」、「学んだ技術を生かしたい」、「農業はやり方次第でもうかる」というような理由となっていますので、こうした声を生かしていければと考えております。  最後、13ページ以降が本県農業の課題と対応方向ということで、これまでご説明してまいりました内容を4つの項目に絞ってまとめたものです。  まず、(1)の土地利用型農業の担い手の確保・育成、こちらにつきましては、課題としまして、担い手が急速に減っていると。あと、担い手の作業の効率化が進んでいないということで、特に集約化ですとか、団地化、これはまだまだという状況かなと思っております。黒ひし形の3つ目に、大規模な担い手と労働力を補完する地域活動が結びついていないと書いてあるのですが、草刈りですとか、水管理、こうした人手のかかるもの、規模を大きくするとやはりこういう部分を確保していかないといけないというところです。  こうした中、その下には本県の主な取組とありまして、今、大規模化に向けた効率化の支援というもの、農地の集積・集約化、大区画化、先ほどの農地の維持活動、こうしたものに取り組んでおりますが、今後の対応方向とあり、まずは地域の実情に応じたとちぎ広域営農システムの構築ということで、計画に位置づけた取組を最優先で進めていくと。①、②、③に記載した地域、こういうものをイメージしながらシステム構築を進めていくと。特に④の担い手の取組プラス地域住民のサポート、こういったものが鍵であると捉えております。  14ページになります。  (2)園芸の担い手の確保・育成です。  課題としましては、こちらも生産者の減少。イチゴにおいても10年で2割減っていると。さらに、ひし形の2つ目、参入には、特に施設園芸の場合ですと、例えば資金とか、技術習得が必要になるということだと思います。現在、制度融資ですとか、補助事業、こうしたもので各種支援を行ったり、専門家を派遣して技術力、経営力のアップに努めていたり、あとはひし形の3つ目、後継者不在経営資源新規参入者への円滑な移譲、リフォーム事業というのがございますが、こうしたもので支援をしています。  今後の方向につきましては、新規参入者が少ない果樹、花卉等の経営継承の円滑化、こうしたものですとか、やはり収益性の高い園芸ということで、稼げる園芸モデルの育成、こうしたものを進めていく考えです。  続きまして、(3)畜産につきましても、課題としましては、生産者の育成、その下にポチがありますが、メガ経営体、大規模化、こうしたものは増えておりますけれども、生産者をこれ以上減少させないということが重要かと思っております。さらに、就農には多くの資金、宿舎の整備とか、機械の取得、こうしたものが負担になると。さらには動物を扱いますので、拘束時間が長いですとか、休日の確保、こういったものが必要かと思います。  主な取組としては、機械・施設の整備の支援ですとか、先ほどの経営資源の移譲、省力化機械の導入支援、こうしたものに取り組んでいくと。  今後の方向としましては、やはり地域農業を支える上では、これ以上の減少、これを食い止めるということで、経営継承のための仕組みづくりですとか、複合経営、省力化の推進、こんなものを考えて進めていきたいと考えております。  最後、(4)県内外からの新規参入者の確保・育成ということで、これは課題のひし形の2つ目です。他県と比較して、やはり新規参入者が少ないという点、そして、就農に対して農地ですとか、生産施設の確保、そして所得に不安を持つ若者が多いと、こうした声にしっかりと応えていくというところが必要かと思います。  今の主な取組ですが、こうした中、情報発信ですとか、就農相談、そうしたもの、いちご学科の開設、そして、とちぎ農業マイスター制度、こうしたものを進めておりますが、今後は、最後、矢印2つありますが、情報発信力、特に新規参入者に届くような情報発信力の強化、そして、支援体制をさらに充実させていくということで、入り口と出口対策、しっかりと強化をしていきたいと考えているところです。  説明長くなりました。以上となります。よろしくお願いいたします。 ○琴寄昌男 委員長 以上で説明は終了いたしました。  これまでの説明に対する質疑をお願いいたします。  小池委員。 ◆小池篤史 委員 丁寧なご説明ありがとうございます。  栃木県が他県と比べて新規参入者の割合が非常に低いと。新規参入に関するハードルというのは、どこの都道府県も同じように書かれていると思うのですが、栃木県が低い理由というのは他県と比べて栃木県独自の理由があるのか、どうして栃木県が低くなっているのかを分かる範囲で聞かせていただきたいです。 ○琴寄昌男 委員長 柴田経営技術課長
    ◎柴田 経営技術課長 8ページの表18の新規参入親元就農の割合の表を見ていただきますと、確かに新規参入14%、親元就農86%となっております。これまで栃木県の場合は、ある程度条件が整っていますので親元就農を中心に進めてきたというところと、様々な支援策等はあるのですが、それが、東京圏の学生や、県内もそうなのですけれども、若い方に十分届いていないのではないかと。1月から3月までオンラインの集団就農相談を行いまして、前年より相談数が増えるといったことが見られましたので、様々な取組を行ってきていたのですが、少し控えめというか、他県に比べるとそうした部分の取組が弱かったというのも一つの原因かと考えております。 ○琴寄昌男 委員長 小池委員。 ◆小池篤史 委員 もともと親元就農というのがある程度しっかりしていたから、ある意味そこに甘んじていた部分、新規参入に他県と比べて若干乗り遅れたのかなという状況ということですかね。分かりました。ありがとうございます。 ○琴寄昌男 委員長 ほかにございますか。  岩崎委員。 ◆岩崎信 委員 担い手の確保というのは何が一番大事かというと、やはり産業として農業が成り立っていくかどうかが問題で、やはり稼げないと誰もその担い手になる気にはならない。ここで販売金額1,000万円以上の農業経営体数の推移とありますが、1年間やって1,000万円の販売といったら、利益は幾らになるのかと考えたら幾らでもない。1,000万円ぐらいでは家族が生活できないと思うのだが。1億円が193経営体とありますが、他県と比較してこういう販売金額の状況というのはどうなっているのかということと、今、小池委員が言ったように、新規の就農者、これは栃木県が少ないという話ですけれども、私はここで今、柴田経営技術課長が言ったように、親元就農が非常に多いというので、私はその親元就農をもう少し強化すべきだと思っている。新規就農も大事だよ。しかし、新規の人が来て農業をやるには、まず土地を確保したりと、いろいろ大変な場面が非常に多い。ですから、それもそれでしっかりやってもらわなくてはいけませんけれども、親元就農をもう少しやってもらいたい。私はこの親元就農に対する県の取組というのが弱いと感じている。新規の人にはいろいろなメニューがある。メニューはありますけれども、それに比べて、親元就農は少し弱いのではないかと感じているのですが、それについてのお考えを聞かせていただきたいと思います。 ○琴寄昌男 委員長 柴田経営技術課長。 ◎柴田 経営技術課長 まず、販売金額のところですが、販売金額1,000万円といいますと、所得率5割とすると一つの経営として500万円というのは確かにまだまだで、それでは少ないということがありますが、今のところ、徐々にここを伸ばしてきていて全国平均を上回っていると。さらに、1億円プレーヤーなど、ちょっと夢のある部分をこれまでいろいろなサポートをして、今10年間で30経営体増えてきているということで、もっともっとここは伸ばしていきたいと考えています。  親元就農につきましては、確かにそこを強化すべきというご意見をいただいております。例えば、国の次世代人材育成の150万円の事業も、最初は全くそれが支援の対象にならないということになっていましたが、少し要件が緩和されてきておりまして、親元就農であっても要件をクリアすれば対象になるものもあるというところなのです。安定的に進めていく上では、確かにある程度経営資源がそろっていて、規模拡大を進めやすいような条件が整っている親元就農の方、逆に言うと、親元に帰らずに他産業に就職してしまうことがないように、これからどういった見える形で支援ができるのか、特定テーマ等も通じて検討させていただければと考えております。 ○琴寄昌男 委員長 岩崎委員。 ◆岩崎信 委員 今説明いただきましたが、農業大学校に行って習っている期間も様々な補助メニューがあるのですよね。新規就農して何年かしたら、何百万円だか給付されるような制度もある。しかし、親元就農だとそういうものがない。ですから、もっと親元就農をしっかり強化していただきたい。要望です。 ○琴寄昌男 委員長 ほかにございますか。  日向野委員。 ◆日向野義幸 委員 園芸の状況ですけれども、本県は園芸大国を目指して、様々な園芸支援に関しては先んじて様々な取組をしてきたと認識しているのですが、数値を見ると、いわゆる生産者数も作付面積も減っている状況です。これは、総じてやはり産地形成の大規模化が進んでいないということが顕著にあらわれているのかなと思いますけれども、この辺りの分析というのは、今後その産地形成をする上でどういったところに問題があるのかをお示しいただきたいと思います。 ○琴寄昌男 委員長 青木生産振興課長。 ◎青木 生産振興課長 園芸品目につきましても、いずれもやはり高齢化ということで、年齢層の高いところに栽培者がいるので、それがダイレクトに面積の減につながってきてしまうのです。一方で、1戸当たりの栽培面積、要するに、若手の栽培面積、あとは単収です。こういったところがしっかり伸びてきている。これは技術であるとか、新たな品種の導入、こういったところでその成果というのはしっかり表れてきていると思うのですが、今、日向野委員がおっしゃったように、産地として見たときどうかというところを考えますと、やはり今後栽培面積を増やすと、生産量が増えるというところでは分業化の支援といったところが非常に重要になってくるかと考えております。  今、広域での集出荷調整施設、またパッケージ、こういったところの施設整備も進んで計画をされているので、生産者がもっと栽培面積を増やせるような状況をしっかりつくっていくということが必要かと思います。また、そういったところでゆとりを持って栽培ができるという状況であれば、そういった栽培者や新規参入者が入ってくる。そういった環境も併せて整えられるのではないかと考えております。 ○琴寄昌男 委員長 日向野委員。 ◆日向野義幸 委員 もう一点お伺いします。  全体的に農業の法人化の状況なども見ましても、本県農事組合の法人化の状況が、他県からすると非常に低いと見受けられます。多いところですと倍増倍増と法人化率が非常に上がっているところ、法人化率が進むということはそれだけ大規模営農に適する環境を整えるということだと思うのですが、本県がこうして法人化率がなかなか上がらないという原因がどういったところにあるのか、分析していればお示しください。 ○琴寄昌男 委員長 柴田経営技術課長。 ◎柴田 経営技術課長 委員ご指摘のように、全国に比べると法人化率が非常に低いと。前の5か年のプランでは、例えば、集落営農などの法人化も4倍に増やすという目標で取り組んできたのですが、実際は伸びないということで、これは法人化のメリットなどが十分に伝わっていなかったのかなと。ただ一方で、集落営農の法人化したところなどに聞いてみますと、やはりこれから人を入れていくためには法人化は必須ですということと、今、農地を規模拡大して集めてきても、法人ではないと解散したときにまた農地がばらばらになってしまうと。直近5年ぐらいでできてきた法人の方と話すと、やはり継続的に経営を大きくしていくためには法人化が必要ということが、大分浸透してきましたので、我々はそこの説明が足りなかったのかもしれませんが、そういう形で法人化のメリット等も伝えながら法人化を図っていきたいと。あとは、企業参入も実際の法人の方に最初から入ってもらうというのにも力を入れて、それだけ個別経営の方がある程度しっかり地域を支えていたという現状もあるのかと考えております。 ○琴寄昌男 委員長 日向野委員。 ◆日向野義幸 委員 法人化が進んでいないということは、簡単に言えば、農地の集積もなかなか進まないということです。国では人・農地プランの策定を進めていて、人・農地プランの中では集積化に伴う法人化のそういったメリット、さらには農地整備の集積化に対する減免措置や補助支援、そういったものが明確になっているという状況ですが、これと併せて、本県の人・農地プランの策定などはどの程度進んでいるのでしょうか。 ○琴寄昌男 委員長 青木生産振興課長。 ◎青木 生産振興課長 人・農地プランにつきましては、平成24年から栃木県内で、旧村単位ですので意外と大きなエリアでプランを練っていたのです。一昨年度と昨年度までに人・農地プランの実質化ということで、従来よりももう少し狭いエリアでしっかりプランを練っていこうと。その人・農地プランというのは、集積の方向性や担い手の明確化、こういったところを集落の話合いの中できっちり地域の中でやっていきましょうと2年間進めてまいりました。その結果、県全体で約670の地域でこの実質化が完了しスタートラインに立ったということで、今後実現に向けてさらに地域の話合い、それと農地利用最適化推進委員として500名以上の方がその任に当たっており、そういった方を中心に地域の調整を行っていくということを今後進めてまいりたいと思っております。 ○琴寄昌男 委員長 小菅委員。 ◆小菅哲男 委員 教えていただきたいのが、県が進めている田んぼを露地野菜にしていくというあたり、これが始まってからどれくらい転換されているのか、少しもったいないと思ったので、それを教えていただきたい。  それと、新聞報道でもあったと思いますが、県農政部が進めるイチゴ団地化というのか、産地というか、宇都宮市の白沢街道沿いに今度新規就農者を入れる取組ありましたよね。それは新規就農者に向けて行っていくということだと思うのですが、今日のテーマは担い手の確保ということなので、やはり今現在担い手としてやっている、また、法人でやっている方々が辞めていっている状況だと思うのです。個人の農家で跡継ぎがいないのは昔から当たり前のことで、大きくやってきたのにもかかわらず、それが継続されていかないというところが問題だと思うのです。新しい人を入れていくよりは、その大きい農業団体を継続していってもらったほうが県としては、今までの生産量を確保できると思うので、その辺りのところが問題なのではないのかなと常々思っているところなのですが、なぜ継続していかないのか。やはり先ほど岩崎委員からも話があったように、もうからないから、魅力がないからなのではないのかなと、その辺どのように分析しているのか。  あとは、いちご王国に税金をここ何十年かなり投入していると思うのです。ただ、農業者に、県がこんなに税金を投入しているということがなかなか伝わっていないのが現状だと思います。こんなに税金をイチゴに投入しているわけですから、農業者にはもっとイチゴを作ってもらいたいと、私個人の意見ですけれども、その3点なのですが、ご意見いただければありがたいです。 ○琴寄昌男 委員長 青木生産振興課長。 ◎青木 生産振興課長 まず、露地野菜の振興についてです。今、水田での露地野菜ということで、これまでの約3か年で産地モデルをつくるため進めてまいりました。当初80ヘクタールであった面積が、今28の産地で200ヘクタールまで増えてまいりました。その露地野菜を水田で作るということがしっかり定着してきていると考えています。その200ヘクタールという数字は、県全体では800ヘクタールですから4分の1を占めております。こういったモデルを今度はほかの地域にしっかり展開していくということ。それと、本年度の事業のメガ産地ということで、50ヘクタール規模のところを狙ってまいりますので、販売力の強い産地育成ということにつなげてまいりたいと考えております。  それと、イチゴに関してですが、新規参入者、また、後継者についても、やはりイチゴはしっかりと新たな担い手が就いているという状況がございます。こういったことから、やはりイチゴの収益は結構高いのかなと。それと、先ほど言いましたように、芳賀地域などでは、パッケージセンターなど、そういったところはしっかり進んできており、規模拡大も図っていると。労働力の確保ということでもしっかり実習生にも働いてもらっています。これまで進めてきたという経過もありますので、イチゴにつきましては、先進地の状況も踏まえて、個別の農業経営をしっかり確立していく、経営を高めていくということを今後しっかり行っていきたいと思っております。  また、イチゴに関しては、ほかの品目よりもかなり手厚く補助金投入ということになっておりますけれども、「とちあいか」という新しい品種も出てきておりますので、引き続き、いちご王国の基盤強化に向けてしっかりと対応してまいりたいと考えております。 ○琴寄昌男 委員長 白鳥経済流通課長。 ◎白鳥 経済流通課長 いちご王国のプロモーションについて補足させていただきます。  ご案内のとおり、いちご王国のプロモーションに関しましても丸4年取組が経過しておりまして、県内において、その認知度が6割を超えるなど、農家、消費者を含めて、その成果が表れつつあると考えております。  今年度については、県外からの利用客が多い駅にイチゴの装飾をしたり、イチゴに関する情報が様々な形で分散して伝わっておりましたので、それらを一元的に発信するようなウェブサイトを構築しまして、そういった実際の面と、インターネットの両面でいちご王国を全国にアピールしていきたいと考えております。  また、今年度「とちあいか」をさらに売り出していこうということで、テレビ番組ともタイアップして、「とちあいか」の魅力を伝えるなど、栃木県のイチゴの露出度を高めていきたいと考えております。そうした消費者に対する訴求の中で、農家に対しても栃木県のイチゴをPRしているということをきちんと伝えて、イチゴの生産振興に努めていきたいと考えております。 ○琴寄昌男 委員長 小菅委員。 ◆小菅哲男 委員 ありがとございました。  露地野菜が順調にいっているのならいいのですが、昨年は米が1俵1万2,000円ぐらい、今年は1万円ぐらいになってしまうのではないかという話がもう出ています。そうすると、米を作っていく方がまた離れていくということになりますから、そうすると、次何をやろうといったら、やはり県が推奨しているその露地野菜ということなのでしょう。ただ、同じ機械でできないので、ジャガイモを植えて今まで持っていた機械でやれるかといったらやれないですから。切り替えるときに機械補助金をもっと出すなど、そこだと思うのです。当然県のほうでも分かっているとは思うのですが、その辺りをお願いしたいと思います。  それと、イチゴです。やはりイチゴは新規参入といったら本当に手取り足取りではないけれども、物になるまでに本当に大変なものです。いちご学科をつくっているのですが、そこへ入学して卒業して稼ぐまでといったらこれは大変です。そうした場合は、今やっている方々の技術を子供に伝えていき、それで成り立っているところは最高ですが、そういうものを絶やさないで、大きい産地化していただいて、今やっている方々の技術を継承してもらうのが一番簡単なのです。そこをこれから強く進めていただきたいと思います。要望です。 ○琴寄昌男 委員長 さきほどの2番目の質問、大丈夫ですか。  では、青栁農政部長。 ◎青栁 農政部長 小菅委員の2つ目の質問で、大規模形態のお話をいただいたかと思います。確かに、地域によって様々な農業あるいは農業形態があるわけです。まず基本は、地域の実態をよく踏まえた上で、どういう方向で将来のこの地域の農業があるべきかということをしっかりとした話合いの中で進めていくというのが大前提かと思います。  小菅委員が言われた大規模形態について、土地利用型でお話をさせていただきますと、先ほど日向野委員からも話がありましたように、例えば、面積としては50ヘクタールやっています。でも、農地が点在していて水回りするだけで半日かかるなど、そういった部分がまだまだ十分でないと。したがいまして、とちぎ広域営農システムという今年からの取組のご紹介もさせていただきましたが、それは形態をつくると同時に、その地域の中でもう一度農地の最も効率的な利用の在り方、集積、団地化、そういったものも併せて取り組んでいきます。それはまさに人・農地プランの実践だと思っています。もう1つは、先端技術、ドローンなど、そういった様々な機械が実装化のレベルまで来ていますので、今後の形態を考えていく中では、そういった部分もきっちりと導入を支援しながら、若い人がやっていけるような生産環境を整えていくということも合わせ技でやっていこうと考えているところです。  それとイチゴの技術のお話をいただきました。やはり農産物の力というのは個々の経営体の技術力も大事なのですが、結局売り物です。産地としていかに交渉力を持つか、有利販売ができるかということが大事だと思います。その意味では、言うまでもないのですが、10ヘクタールの産地よりも100ヘクタールの産地のほうが買うほうとしては将来も見越せるし、量も安定して供給していただけるということで、産地としての供給力、交渉力含めて、産地力を鍛えるということが非常に重要だと思っています。そういった中で、とちぎ農業マイスターという制度を去年から始めていますが、産地、地域として、イチゴだったらイチゴの後継者を、イチゴ農家が主体的に育てていくのだと、これは行政だけではなくて、農家も一緒になってやっていくのだと、そういう取組が非常に大事だと思っております。これについても、産地力を高めるという視点で、先端技術の導入もそうですが、今後とも進めていきたいと思っております。非常に貴重なご意見ありがとうございました。 ○琴寄昌男 委員長 この後、委員間で意見交換をしますが、現状と課題の部分でほかにご質問ございませんか。  野村委員。 ◆野村せつ子 委員 9ページの新規就農者の現状のところで、農業大学校と農業高校の就農状況についてのご説明がありました。若い方たちの就農をいかに促進していくかということは本当に大きな課題だと思っていますけれども、この資料の数字でいうと、農業大学校でも就農率が52.5%ということ、中でも、自営で就農される方というのはさらに少ないということであり、また、農業高校については就農される方が1.8%しかいないということです。  その一方、12ページです。若者の農業に対するイメージや、農業関係の仕事に就きたいという理由、これらを見ますと、農業を若い人たちが敬遠しているということはなく、これはもちろん農業に就きたい方のアンケートですからこういう結果になっているのだと思いますが、やはり農業そのものが好きだと、それから、自然や動物が好きだと、そういう思いを持って、やはり農業高校や農業大学校に進学されるのだろうと思うのです。ですが、実際にはそこで学ぶ中で最終的に就農の道を選ばないという、ミスマッチといいますか、うまくそこの思いが就農に結びつかない、そういう状況が一体なぜなのかというところをしっかり分析する必要があるのではないかと思うのです。そのあたりを、もし調査されていましたら教えていただきたいと思いますし、あるいは、執行部として考えていらっしゃる見解などありましたら教えていただきたいと思います。 ○琴寄昌男 委員長 柴田経営技術課長。 ◎柴田 経営技術課長 野村委員のご指摘の点ですけれども、まず、農業大学校の就農率、卒業後は、民間企業に就職する方もいらっしゃるのですが、何年かそこで別のスキルを身につけて、また自分の親元に帰ってくるなど、そういった方の追跡調査は実はできていないのですが、プラスアルファの部分もあるかと思っております。  農業高校のほうは、今、進学率が高まっておりまして、これは農業高校を卒業してすぐ自営や就農するという方の割合であります。進学や他産業に就職してしまう方を、いかに農業のほうに引き込んでいくかと。農業大学校の入学生のうち農業高校の出身者というのが平均で63%です。あとは普通高校からも農業大学校に進学して学んでいるという状況なのですが、この農業高校から農業大学校を目指すルートをさらに太くするために、今、新たなデジタル技術を用いたVRや新たな教材の開発、農業に関心を持ってもらって農業大学校に入ってもらおうという取組も進めているところです。 ○琴寄昌男 委員長 野村委員。 ◆野村せつ子 委員 ぜひ農業大学校で就農しようという意欲を高めていただけるような、そういった授業内容の拡充でありますとか、あるいは、今後、いちご学科ができたわけですけれども、そういった即就農に結びつくような、そういった支援も伴う学び方というのですか、そういったところもぜひ検討していく必要があるのかなと思います。  全体として、大規模化でありますとか、あるいは、もうかる農業とか、そういったことも大きな就農の動機にもなっている部分もあるかもしれませんけれども、同時に、やはり農業の多面的な価値との関係でいいますと、ここで若い方たちが農業に就きたいと思っているその理由の中にもあるような「家族で一緒に仕事ができる」とか、あるいは「自ら経営の采配を振れる」とか、今までの家族経営で実現されてきたような、そういった農業の形態の在り方でも生活していける、そこでしっかり農業人として生計を立てていけるという展望がやはり持てるかどうかというのは非常に大事だと思うのです。若い方たちにIターンとか、Uターンとかという形ででも新たに就農していただく、そういう条件を整えていく上で、いきなりやはり大規模化とかということにはなかなかならないだろうと。やはりそこでまず自営して、就農して、家族経営なり、自分で就農していけるという、そういう展望やら、自信、技術もつけていく中で、様々な営農方法にも結びついていくのではないかと思うのです。そこの選択肢がしっかりあるということが栃木県農業の幅を広げる上で非常に重要なのではないかと私は考えます。そういったところで、農業の持っている可能性を引き出していく上でも、多様な選択肢が経営の形態としても選べるような、そういった農業の在り方というものを県としても示していく必要があるのではないかと考えます。  以上です。 ○琴寄昌男 委員長 よろしいですか。ほかにございませんか。                (「なし」と呼ぶ声あり) ○琴寄昌男 委員長 以上で質疑を終了いたします。  先ほど、執行部から本県の現状と課題等の説明を受け、質疑を行いましたが、特定テーマに係る今後の調査や議論を深めるため、続いて、委員同士で自由に意見交換をしたいと思います。  委員の皆様がふだんからお考えになっていることや本日の説明を通じてお考えになったことなど、自由に発言していただければと思います。  なお、執行部におかれましては、各委員から追加の質疑等もあるかと思いますので、ご着席のままでお願いいたします。  それでは、資料の13ページから15ページまでが本県農業の課題と対応方向について記載されており、分量もありますので、ページごとに意見交換を行いたいと思います。  初めに、資料13ページの土地利用型農業の担い手の確保・育成に関して、委員のご意見をお願いいたします。  五十嵐委員。 ◆五十嵐清 委員 13ページ、一番下です。地域住民などが草刈り、水路の清掃などで担い手をサポートしますということで、これは今までもやっていたのだと思うのですが、地域の住民もそういう意識が根づきつつあるので、これはこれで進めてもらいたいのですが、肝腎な部分のある程度の作業は、実際はその農家の人が中心になって担っていたのに、そこが高齢化してしまったので、例えば、水路回りをやるときに、斜面とかのり面の草刈りが、75歳を過ぎた方とか70歳を過ぎた方には危なくてできないとか、重機を使ったちょっとした整備ができないということをよく聞くようになったので、地域住民に対する呼びかけは呼びかけでいいのですが、本体業務をやれる体制をどのように確保していくかということは、やはり県農政部、出先の事務所も含めて、市町や、土地改良の方々と現状をよく把握してこれからの体制づくりというのを考えないと、この対応方向だけだとちょっと心配かなという印象を持っています。  以上です。 ○琴寄昌男 委員長 日向野委員。 ◆日向野義幸 委員 全ての課題に共通することなのですが、本県の主な取組の中で幾つか提案がされました。担い手の大規模化、さらには農地の集積等々ありますけれども、この前提になるものがここにはちょっと抜けていると思います。先ほど岩崎委員小菅委員からも指摘をされましたように、稼げる農業をどうしていくのかという視点がここには抜けていて、例えば、産地形成のための戦略性を持った販売ルートの確立だとか、さらには、一番の問題意識があるのは、例えば、東京という大消費地を控えている本県にとって、本当ならば産地形成を広げるということになれば、もっと流通量や、先ほど供給量と交渉力の話がありましたが、そういった機能を高められると思いますけれども、その売る部分です。そこがここには抜けているなと思っています。  特に、いつも思うのですが、交渉力の窓口になる母体がJA。全国の農業形態を見ていると、JAの経営方針によって、それぞれ県の農業形態や農業の方向性というのが大きく左右されてしまっていて、県がいかに露地野菜を中心にした園芸大国だと言っても、そこをJAがしっかりと酌み取って販売戦略を練ってくれるのかというふうなことが相まっていないと、どんないいものを作ってもやっぱり売り先の交渉力の窓口になるJAが、連動して動いてくれるというのが大切だと思っています。特に本県は関西圏の販売形態を拡大するために栃木県大阪センターを設立し、さらに、そういった情報収集を今しているわけですけれども、大消費地を抱えていた本県のJAが関西のほうにそういった目を向けていくのかということ。やはりここでしっかり分析をして、本県の農業の全体のJAに対する依存度はどのぐらいあるのかと。大消費地を抱えたときに、そういったところに小利をつけて販路拡大をするためのそういう仕組みが、JAや他の機関と連動してしっかりできるのかということをしっかり考えていかないと、そのことが前提になって担い手の育成や産地間の拡大、産地形成ということを考えていかないと、基本的なところが我々の認識の中で抜けていると、これは成立していかないのではないかと思いますので、その点については、今後の一つの課題として取り組んでいただければと思います。 ○琴寄昌男 委員長 岩崎委員。 ◆岩崎信 委員 土地利用型の担い手の確保・育成ということですが、技術がどんどん進歩して、スマート農業などをやっていますけれども、田んぼなどで除草剤を散布したり何かしたりするのも、今、ヘリコプターではなくてドローンで行っている。しかし、そのドローンの免許が要るのだというのだよね。だから、県もそういうところはしっかり支援するとか、あと、自動運転のトラクターや田植え機なども、どういうシステムでやっているのか分かりませんけれども、そういう具体的な話をもっと現場としっかり密に連絡取って、どんどん進めてもらいたい。やはり今はスピードがなくては駄目だよ。ぜひお願いしたいと思います。 ○琴寄昌男 委員長 先ほど日向野委員からお話が出たJAとの連携については、どのように行われてきたのか、ご説明いただければと思うのですが。  熊田農政部次長。 ◎熊田 農政部次長 品目によって系統のシェア率というのは大分違います。イチゴは比較的高いですし、米ですと約半分ぐらいということで、それぞれ物によって違うのですが、やはり農産物を売るということでは、本県の場合は近県と比べてJAのシェアが比較的高いということで、その役割が期待されております。例えば、先ほど大阪センターの話などもございましたが、輸出の話などがあり、そういうときには常に系統と打合せをして、今後どういうことが可能かということをいつも詰めながら進めております。  日向野委員から、もう少しいろいろなチャンネルというのですか、販路の開拓などが必要ではないかというお言葉もありましたけれども、確かにどちらかというとやはり市場出荷が中心でありまして、それ以外の契約栽培などが比較的、他県に比べるとちょっと守りの部分が強いのかなというところが見られますので、需要の開拓先や他県の事例など、そういうものを踏まえながら、JAと一緒に販路開拓、マーケティングを進めていければと考えているところです。他県でやっているところは本当にすごいところもあるというのも承知してございます。 ○琴寄昌男 委員長 ありがとうございます。  ほかにございますか。                (「なし」と呼ぶ声あり) ○琴寄昌男 委員長 それでは、次の資料14ページの(2)園芸の担い手の確保・育成及び(3)畜産の担い手の確保・育成に関して、委員のご意見をお願いいたします。  五十嵐委員。 ◆五十嵐清 委員 ここの園芸のところの一番下で、AIやICT等の活用による収益性の向上、これについては実装ということで先ほど青柳農政部長から言及もありましたし、岩崎委員も先ほど前段でお話いただいたのですが、私の周りの話を聞くと、やはり各地域に1人ぐらいこういうものを使うのが好きな若い人がいて、そこでの情報共有はあるけれども、それぞれがその地域の仲間にそういう話をしていないような感じがします。やはりそういうのが好きな人というのが地域で分かっているから、なかなかそこが地域の財産とかノウハウになっていかないので、やはりそれをいかに地域のものにしていくかという取組体制が必要なのかと思うのです。そういう意味では、AIとかICTが得意な人を、農業振興事務所にもっと配置しなくてはならないけれども、地域にもそういう人をつくる。そして、農業協同組合なり、そういう関係団体にもつくっていかないと、なかなか掛け声をかけても地域全体に浸透していくことはないのかなと思いますので、そういう仕組みづくりについては、この農林環境委員会の報告書の中に少し書き込んでいけるといいのかなと思います。 ○琴寄昌男 委員長 ほかに意見ございますか。  野村委員。 ◆野村せつ子 委員 果樹の経営継承の話が出てきていますが、やはりこの間の霜やひょうなどで、果樹が大きな影響を受けるというのは今までも経験してきているわけです。ブドウにしても一度降雪で非常に大きな被害が出たことがございましたが、それで木がやられてしまうと、再生して出荷できるようになるのに最低でも5年ぐらい期間がかかってしまうわけです。その間、経営を維持することができなくて、結局は辞めてしまうという例もかなりあるのではないかと思うのです。そういうことを考えたときに、これは自然との付き合いですから、必ずそういった、どんなに努力をしてもカバーできないということが起きてくるわけです。そういったときの県としての支援の在り方などというのが、やはりまだ足りないのではないかなと。もちろん、技術指導等、そういったところはいろいろ行ったり、あるいは、各種支援の助成などもあるけれども、経営そのものを維持していくための支援というところまで踏み込まないと、やはり辞めてしまう方が後を絶たないのではないかと。今後もそういったことが起こり得ることですので、それに対する対応をしっかり打ち出していく必要があるのかなと感じています。 ○琴寄昌男 委員長 ほかにございますか。よろしいですか。                (「なし」と呼ぶ声あり) ○琴寄昌男 委員長 それでは、次に、資料15ページの県内外からの新規就農者の確保・育成に関して、委員の皆様からのご意見をお願いいたします。                (「なし」と呼ぶ声あり) ○琴寄昌男 委員長 それでは、ないようですので、これで意見交換を終了します。  最後に、本日の調査内容全体につきまして、何かご意見がございましたらお願いいたします。                (「なし」と呼ぶ声あり) ○琴寄昌男 委員長 よろしいですか。(「はい」の声あり)  本日の委員会で議論していただきました内容については、今後の特定テーマの調査内容等に反映していきたいと思います。  次回の調査内容等につきましては、正副委員長にご一任いただければと思いますが、いかがでしょうか。                 (「異議なし」と呼ぶ声あり) ○琴寄昌男 委員長 それでは、そのように進めさせていただきます。
     以上で意見交換を終了いたします。  次に、農政部所管事項について報告があります。  報告事項は、豚熱(CSF)に係る防疫措置の状況について1件です。  なお、質疑については報告終了後に行うことといたしますので、ご了承願います。  それでは、報告願います。  説明は着席のままで結構です。  杉井畜産振興課長。 ◎杉井 畜産振興課長 4月17日に県内で発生しました豚熱に係る防疫措置の状況についてご報告させていただきます。  報告事項1をご覧ください。  防疫措置の状況ですが、5月8日に殺処分が全て完了いたしまして、現在農場の清掃や消毒を実施している最中で、防疫措置の終了につきましては5月17日を予定しております。  消毒ポイントの設置状況はご覧のとおりです。  また、動員の状況ですが、国や他県の獣医師、市町、農業団体、建設業協会等協定団体の皆様の協力を得まして、現在までに約1万6,000人が作業に従事しているところです。  次に、緊急点検の実施状況です。  こちらは、豚熱の再発防止のため、国の疫学調査結果を踏まえまして、全136農場を対象に防護柵の設置や豚舎の出入口での消毒など、飼養衛生管理基準の遵守状況の点検と改善指導を面談等により実施するものです。昨日までに75か所の農場の調査が実施、終了しておりまして、21日までには全ての農場の点検を終了する予定です。  今後の対応ですが、防疫措置完了後、県職員、獣医師が全農場に対しまして改めて立入りを実施し、野生イノシシの侵入防止や消毒の徹底を強く指導してまいります。また、民間獣医師を活用した効率的なワクチン接種体制を構築してまいります。さらには、発生農場の経営再建に向けた支援や風評被害の防止、また、野生イノシシ対策についてもしっかり取り組んでまいりたいと思います。  以上です。 ○琴寄昌男 委員長 ありがとうございます。  以上で報告は終了いたしました。  委員の質疑をお願いいたします。  岩崎委員。 ◆岩崎信 委員 この豚熱の対応本当にご苦労さまでした。本当に感謝申し上げたいと思います。県職員も、西側の駐車場から毎日バスに乗っていくのを見ていて、非常にご苦労さまだなという感じがしました。1万6,000人も出て作業して、県の人が9,800人で、行った人の話を聞くと、3回も4回も行って、生まれた子豚まで殺処分するので、非常に大変だったという話を聞くので、職員の皆さんの心理的なフォローもしていただきたいと。  そこで、作業した人に対して特別手当みたいなものは出たのかどうか、その点をお聞かせ願いたいのと、もう一点、発生してから自衛隊が来たというので、自衛隊員がいっぱい作業してくれるのだと私は思っていた。しかし、自衛隊員は幾らもいないで帰ってしまったという話を聞いたので、自衛隊を責めているわけではないよ、一生懸命来て作業してくれたのだから、自衛隊には自衛隊の基準があったのだろうと思うので、何かそういう基準があって何日までしかできないなど理由があったのであれば、お聞かせ願いたいと思うのです。 ○琴寄昌男 委員長 中村次長兼農政課長。 ◎中村 次長兼農政課長 職員への手当につきましては、特殊勤務手当ということで1回従事するごとに、僅かなのですが支給させていただいております。(「幾らなの」の声あり)300円ということになっておりまして、職員のボランティアに近いようなところでお願いしているということで、本当に恐縮です。本当によくやっていただいたと思っております。今のところ、メンタル面などで問題が起きたということは聞いておりませんので、そこはよかったかなと思っております。 ○琴寄昌男 委員長 杉井畜産振興課長。 ◎杉井 畜産振興課長 自衛隊の派遣というか作業についてですが、自衛隊としましては、今回の伝染病が蔓延するのを抑えると、その緊急的な部分を対応するということで、農場内におきましても、いわゆる患畜が発生している豚舎の作業に従事していただきました。それ以外の症状が出ていない関連農場などについては、最優先ではないということで、県職員等や地元で対応すればよいということで、今回は最初のところの従事で終了になったという状況です。 ○琴寄昌男 委員長 岩崎委員。 ◆岩崎信 委員 17日で終息するというので大変ご苦労さまでした。ただいま話聞いて、県庁の職員が夜中まで作業したというのですよ、3交代だかで夜中。それについて300円というのは、それは特別手当といっても低過ぎるのではないかという感じがするので、改善できるところがあればご検討をお願いしたいと思います。  以上です。 ○琴寄昌男 委員長 ほかにございますか。  五十嵐委員。 ◆五十嵐清 委員 岩崎委員がおっしゃるとおり、収束に向かっていること自体は本当に何よりだし、ありがたいなと思うのですけれども、ただ、一般の県民、特に近隣の地域住民からすると、あれだけの規模で埋却してしまったがために、これがその地域の環境に本当に影響ないのか心配だと思うのです。今のところ水質検査しても問題ないとなっていますけれども、埋めたばかりだから大丈夫なのかと思っている方も多いと思うので、これがどの程度きちんとチェックが入っていくのかと、あと、これだけの規模なので、やはり県のこれまでの感覚だけでは対応できないこともあるのだとすれば、やはり国の専門の方にもよくよく相談をして、もし仮にどこかで水質に異常を来した場合にどうするのだというところまで今から考えておいていただけるとありがたいなと思いますので、要望させていただきます。 ○琴寄昌男 委員長 野村委員。 ◆野村せつ子 委員 今、五十嵐委員がおっしゃったことと同じことを質問申し上げようと思っていました。私もやはり地元の方から同様のご心配の声を聞きました。そちらの環境の問題ということになりますと、農政部でどこまで対応するのかという問題はあると思うのですが、何せ県内で発生したのが初めてですし、これだけ大規模に埋設したということで、その後の経過をやはり丁寧に追って、そして環境状況についてきちんと地元住民の皆さんに説明する機会を設けていくということは重要ではないかと思うのです。そこはぜひよろしくお願いしたいと思います。 ○琴寄昌男 委員長 青栁農政部長。 ◎青栁 農政部長 各委員からご指摘のあった周辺環境への影響というのは非常に重要だと認識しております。現在は3つの農場を取り囲むような形で6つの井戸から地下水を採取して、ご指摘いただいたような形で水質の検査をしておりまして、取りあえず、今のところは異常なしということです。ただ、ご指摘ありましたように、市のほうからも継続してということで要望等もいただいているところです。実は、この地下水の調査につきましては、環境森林部と農政部で連携して取り組んでおります。今後市の意向、それから委員の方々のご指摘も踏まえて、環境森林部、それから市とも協議して、できるだけそういった地元の心配を払拭できるような形の体制で進めていきたいと思っております。 ○琴寄昌男 委員長 ぜひ引き続きの対応をよろしくお願いいたします。  ほかにございますか。  中村次長兼農政課長。 ◎中村 次長兼農政課長 先ほど、岩崎委員の質問の特殊勤務手当の額ですが、300円ではなくて、申し訳ございません、660円ということで、大して額は違わないのですが訂正させていただきます。 ○琴寄昌男 委員長 ありがとうございます。  ほかにないようですので、以上で質疑を終了いたします。  次に、その他の所管事項について、何かありましたらお願いします。                (「なし」と呼ぶ声あり) ○琴寄昌男 委員長 なければ、その他の所管事項についても終了いたします。  以上で、本日の日程は全て終了いたしました。  次回の委員会は6月10日木曜日午前10時から開催する予定です。  詳細につきましては後日ご連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。  これをもちまして、農林環境委員会を閉会いたします。               午前11時19分 閉会...