ひたちなか市議会 2018-12-26
平成30年第 4回12月定例会-12月26日-付録
平成30年第 4回12月定例会-12月26日-付録平成30年第 4回12月定例会
△
議会活動概況報告書
議会活動概況報告書
平成30年第3回市議会9月定例会以降の議会活動は,次のとおりであった。
(平成30年9月27日~平成30年12月10日)
┌─┬────┬────────────────────────────────┐
│月│ 日 │ 概 要 │
├─┼────┼────────────────────────────────┤
│9│ 27
│議会運営委員会開催 │
│ │ ├────────────────────────────────┤
│ │ │議会広報委員会開催 │
├─┼────┼────────────────────────────────┤
│10│ 1│茨城県
北市議会議長会定例会(那珂市)議長出席 │
│ ├────┼────────────────────────────────┤
│ │ 2│産業の振興と観光の
推進調査特別委員会開催 │
│ ├────┼────────────────────────────────┤
│ │ 3
│議会広報委員会開催 │
│ ├────┼────────────────────────────────┤
│ │ 4│防災・
減災対策調査特別委員会開催 │
│ ├────┼────────────────────────────────┤
│ │ 10~12
│全国都市問題会議(新潟県長岡市)議長・ふるさと21出席 │
│ │ ├────────────────────────────────┤
│ │ │日新クラブ行政調査(岩手県紫波町,青森県八戸市) │
│ │ ├────────────────────────────────┤
│ │ │公明党議員団行政調査(熊本県水俣市,鹿児島県鹿児島市) │
│ ├────┼────────────────────────────────┤
│ │ 16
│全員協議会開催 │
│ ├────┼────────────────────────────────┤
│ │ 18
│文教福祉委員会開催 │
│ ├────┼────────────────────────────────┤
│ │ 23
│議会運営委員会開催 │
│ │ ├────────────────────────────────┤
│ │ │茨城県
市議会議長会定例会(行方市)議長出席 │
│ ├────┼────────────────────────────────┤
│ │ 24
│全国高速自動車道市議会協議会第1回理事会(東京都)議長出席 │
│ ├────┼────────────────────────────────┤
│ │ 25
│総務生活委員会開催 │
│ ├────┼────────────────────────────────┤
│ │ 29
│経済建設委員会開催 │
│ ├────┼────────────────────────────────┤
│ │ 30│第1回茨城県
市町村負担金審議委員会(水戸市)議長出席 │
├─┼────┼────────────────────────────────┤
│11│ 2│産業の振興と観光の
推進調査特別委員会開催 │
│ ├────┼────────────────────────────────┤
│ │ 5~6
│全国市議会議長会基地協議会関東部会総会(東京都福生市)副議長出席│
│ ├────┼────────────────────────────────┤
│ │ 6
│議会広報委員会開催 │
│ ├────┼────────────────────────────────┤
│ │ 7│愛媛県
新居浜市議会視察来訪 │
│ ├────┼────────────────────────────────┤
│ │ 8│防災・
減災対策調査特別委員会開催 │
│ ├────┼────────────────────────────────┤
│ │ 12│
全国市議会議長会基地協議会理事会(東京都)議長出席 │
│ ├────┼────────────────────────────────┤
│ │ 13
│会派代表者会議開催 │
│ ├────┼────────────────────────────────┤
│ │ 19│沖縄県読谷村議会来訪 │
│ ├────┼────────────────────────────────┤
│ │ 19~20│茨城県市議会議長会第1回議員研修会(つくば市)深谷副議長,所議員,│
│ │ │弓削議員,加藤議員,
樋之口議員出席 │
│ ├────┼────────────────────────────────┤
│ │ 21│産業の振興と観光の
推進調査特別委員会開催 │
│ ├────┼────────────────────────────────┤
│ │ 22
│全国市議会議長会産業経済委員会(東京都)議長出席 │
│ │ ├────────────────────────────────┤
│ │ │文教福祉委員会開催 │
│ ├────┼────────────────────────────────┤
│ │ 29
│経済建設委員会開催 │
├─┼────┼────────────────────────────────┤
│12│ 3
│全員協議会開催 │
│ │ ├────────────────────────────────┤
│ │ │予算委員会開催 │
│ │ ├────────────────────────────────┤
│ │ │決算委員会開催 │
│ ├────┼────────────────────────────────┤
│ │ 4
│議会運営委員会開催 │
└─┴────┴────────────────────────────────┘
△議案付託表
平成30年第4回
ひたちなか市議会12月
定例会議案付託表
〇予算委員会〔平成30年12月20日(木)午前10時開議,
議事堂全員協議会室〕
議案第95号 平成30年度ひたちなか市
一般会計補正予算(第3号)
議案第96号 平成30年度ひたちなか市
水道事業会計補正予算(第1号)
〇
総務生活委員会〔平成30年12月21日(金)午前10時開議,
議事堂全員協議会室〕
議案第97号 ひたちなか市職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例制定について
〇
経済建設委員会〔平成30年12月21日(金)午前10時開議,議事堂第3委員会室〕
議案第98号 水戸・
勝田都市計画事業佐和駅東土地区画整理事業施行規程を定める条例の一部を改正する条例制定について
議案第99号 高場雨水11号幹線管きょ布設工事2工区(30国補公下雨第1号)請負契約の締結について
△請願・陳情文書表
請願・陳情文書表
平成30年
ひたちなか市議会12月定例会
┌───────┬─────────────┬───────┬────────────┐
│受理番号 │陳情第25号
│受理年月日 │平成30年11月8日 │
├───────┼─────────────┴───────┴────────────┤
│件名 │議会として,「医師養成定員を減らす政府方針の見直しを求める意見書」を│
│ │国に提出することについて │
├───────┼──────────────────────────────────┤
│請願・
陳情者 │茨城県水戸市城南3-9-20 │
│住所氏名 │茨城県
医療労働組合連合会 執行委員長 松崎みどり │
├───────┼─────────────────┬──────┬─────────┤
│紹介議員 │ │付託委員会 │文教福祉委員会 │
├───────┴─────────────────┴──────┴─────────┤
│(陳情趣旨) │
│ OECD(
経済協力開発機構)加盟国の人口1,000人当たりの医師数が平均3.3人で│
│あるのに対し,日本は2.4人,35か国中30位であり,医療に従事している医師の総数3│
│08,105人(2016年)は,OECD平均と比べて11万5,000人も少なく,日本│
│の絶対的な医師の不足が浮き彫りとなっている(OECD,2016年調査)。 │
│ 総務省「
就業構造基本調査」によれば,週労働時間が60時間を超える医師の割合は,41.│
│8%と職種別で最も高く(雇用者全体では14%),特に,救急や産科では,週の平均労働時│
│間が80~90時間を超えている。夜間の救急対応のための当直を含む32時間連続勤務が強│
│いられ,医師の過労死や過労自死が後を絶たず,命を守る現場で,医師の命が脅かされている。│
│また,
全国医師ユニオンが2017年に行った
勤務医労働実態調査(有効回答1,803名)│
│によれば,月の休みが1日も取れてない医師が10.2%存在し,「労働条件で改善したいこ│
│と」の問いに「完全休日を増やす」が50.0%で1位,さらに「改善に有効な方法」の問い│
│に対して「医師数の増員」が63.7%と圧倒的な1位となり,医師数の絶対的な不足の解消│
│を勤務医自身が最も必要と求めている実態が明らかとなった。 │
│ また,東京医科大学で女性の不当差別入試が発覚したが,前理事長が述べた「女性医師は,│
│男性医師に劣る」や「女性は年齢を重ねると医師としてのアクティビティ(活動性)が下がる」│
│などの発言は「女性は長時間勤務できないという意味でいわれていた」と調査委員会が説明し│
│た。過労死や過労自死をももたらす,医師の異常な長時間労働をなくし,男性医師も女性医師│
│も差別や偏見なく人間らしい働き方を実現するためにも,医師の大幅増員こそ求められる。 │
│ ところが,厚生労働省「医療従事者の需給に関する検討会・
医師需給分科会」は,「第3次│
│中間とりまとめ」(2018.5.31)において,遅くとも2033年頃には医師の需給が均衡すると│
│して,2022年度以降の医学部定員の減員に向け,医師養成数の方針等を見直していくべき│
│との方針を示し,これを受けて政府は,「骨太方針2018」で2022年度以降の医学部定│
│員減について検討することを打ち出した。 │
│ しかし,厚労省が定員減の根拠とする医師需給推計は,医師の労働時間を最大週80時間と│
│するケースも含まれ,医療需要の見込みは,入院ベッドを減らすという地域医療構想に連動し│
│ている。医療需要を少なく見積もり,長時間労働ありきを前提に割り出された推計を根拠とす│
│る定員減の方針は,長時間労働解消の議論に真っ向から対立するものである。救急・産科・小│
│児科などの医師不足で,医師数の抑制を転換して増加を実現してきた現在の医師養成数の水準│
│を引き下げれば,再び地域医療崩壊の危機を招きかねない。 │
│ ご存じのように,茨城県の医師数(人口10万人対)は平成14年以降連続で
全国ワースト│
│2位が続いており,大井川知事は「茨城県
医師不足緊急対策行動宣言」(2018年2月23日)を │
│発出して,県民一丸となって医師確保対策に取り組むことを呼び掛けている。医師の養成定員│
│が減少しては,茨城県への医師の誘致も厳しさを増す課題となる。日本の医療崩壊を防ぎ,地│
│域住民が安心して暮らせる救急医療や
地域包括ケア体制の充実のため,医師の増員を引き続き│
│求めていくものである。 │
│ 以上をふまえ,貴議会としても,地域住民の命と健康を守る立場から,また,茨城県の医師│
│確保に力を入れる方針にも沿い,以下の内容を「医師養成定員を減らす政府方針の見直しを求│
│める意見書」として国に対して上げていただくよう陳情するものである。 │
│ │
│ 記 │
│ │
│ 2022年度以降の
医師養成定員減という方針を見直し,医療現場と地域の実態を踏まえ,│
│医師数をOECD平均以上の水準に増やすこと。 │
└──────────────────────────────────────────┘
請願・陳情文書表
┌───────┬─────────────┬───────┬────────────┐
│受理番号 │陳情第26号
│受理年月日 │平成30年11月30日 │
├───────┼─────────────┴───────┴────────────┤
│件名 │教育予算の拡充を求めることについて │
├───────┼──────────────────────────────────┤
│請願・
陳情者 │茨城県水戸市笠原町978-46 茨城教育会館2F │
│住所氏名 │茨城県教職員組合 杉山 繁 ほか506名 │
├───────┼─────────────────┬──────┬─────────┤
│紹介議員 │ │付託委員会 │文教福祉委員会 │
├───────┴─────────────────┴──────┴─────────┤
│(陳情主旨) │
│ 学校現場における課題が複雑化・困難化する中で子どもたちの豊かな学びを実現するために│
│は,教材研究や授業準備の時間を十分に確保することが不可欠である。そのためには教職員定│
│数改善などの施策が最重要課題となっている。 │
│ 特に小学校においては,18年度から新学習指導要領の移行期間に入り,
外国語教育実施の│
│ため授業時数の調整など対応に苦慮する状況となっている。明日の日本を担う子どもたちを育│
│む学校現場において,教職員が人間らしい働き方ができるための長時間労働是正が必要であ │
│り,そのための
教職員定数改善も欠かせない。 │
│ 義務教育費国庫負担制度については,小泉政権下の「三位一体改革」の中で国庫負担率が2│
│分の1から3分の1に引き下げられた。厳しい財政状況の中,独自財源による定数措置が行わ│
│れているが,地方自治体の財政を圧迫している。国の施策として定数改善に向けた財源保障を│
│し,子どもたちが全国のどこに住んでいても,一定水準の教育を受けられることが憲法上の要│
│請である。 │
│ 豊かな子どもの学びを保障するための条件整備は不可欠である。こうした観点から,201│
│9年度政府予算編成において本陳情事項が実現されるよう,地方自治法第99条の規定にもと│
│づき国の関係機関への意見書提出を陳情する。 │
│ │
│(陳情事項) │
│1.きめ細かな教育の実現のために,計画的な
教職員定数改善により少人数学級を推進するこ│
│ と。 │
│ │
│2.教育の機会均等と水準の維持向上をはかるため,
義務教育費国庫負担制度を堅持すること。│
└──────────────────────────────────────────┘
△
予算委員会審査報告書
平成30年12月26日
ひたちなか市議会
議長 清 水 立 雄 殿
予算委員会
委員長 樋之口 英 嗣
予算委員会審査報告書
本委員会に付託された議案は,審査の結果,次のとおり決定したので,会議規則第110条の規定により報告します。
記
1 議案番号及び件名
議案第 95号 平成30年度ひたちなか市
一般会計補正予算(第3号)
議案第 96号 平成30年度ひたちなか市
水道事業会計補正予算(第1号)
2 議決の結果
原案のとおり可決すべきものとする。
3 議決の理由
提案の趣旨及び質疑を通しておおむね妥当であると認める。
△
総務生活委員会審査報告書
平成30年12月26日
ひたちなか市議会
議長 清 水 立 雄 殿
総務生活委員会
委員長 三 瓶 武
総務生活委員会審査報告書
本委員会に付託された議案は,審査の結果,次のとおり決定したので,会議規則第110条の規定により報告します。
記
1 議案番号及び件名
議案第 97号 ひたちなか市職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例制定について
2 議決の結果
原案のとおり可決すべきものとする。
3 議決の理由
提案の趣旨及び質疑を通しておおむね妥当であると認める。
△
経済建設委員会審査報告書
平成30年12月26日
ひたちなか市議会
議長 清 水 立 雄 殿
経済建設委員会
委員長 大 谷 隆
経済建設委員会審査報告書
本委員会に付託された議案は,審査の結果,次のとおり決定したので,会議規則第110条の規定により報告します。
記
1 議案番号及び件名
議案第 98号 水戸・
勝田都市計画事業佐和駅東土地区画整理事業施行規程を定める条例の一部を改正する条例制定について
議案第 99号 高場雨水11号幹線管きょ布設工事2工区(30国補公下雨第1号)請負契約の締結について
2 議決の結果
原案のとおり可決すべきものとする。
3 議決の理由
提案の趣旨及び質疑を通しておおむね妥当であると認める。
△請願・陳情の審査報告書
平成30年12月26日
ひたちなか市議会
議長 清 水 立 雄 殿
文教福祉委員会
委員長 武 藤 猛
請願・陳情の審査報告書
本委員会に付託された請願・陳情を審査した結果,次のとおり決定したので,会議規則第143条第1項の規定により報告します。
記
┌──────┬──────┬───────┬────┬─────┬─────┬───┐
│ 受 理
│ │請願・陳情者の│ │ 委員会の
│ │ │
├──┬───┤ 件 名
│ │紹介議員│ │審査の結果│ 措置 │
│番号│年月日│ │ 住所・
氏名 │ │ 意見
│ │ │
├──┼───┼──────┼───────┼────┼─────┼─────┼───┤
│ 陳 │ H │教育予算の拡│茨城県水戸市
笠│ │願意を妥当│採択すべき│意見書│
│ 情 │ 30 │充を求めるこ│原町978-46 茨│ │と認める。│ものとす │を提出│
│ 第 │ ・ │とについて
│城教育会館2F│ │ │る。 │する。│
│ 26 │ 11
│ │茨城県
教職員組│ │ │ │ │
│ 号 │ ・
│ │合 │ │ │ │ │
│ │ 30
│ │陳情代表者 │ │ │ │ │
│ │ │ │杉山繁外506名
│ │ │ │ │
└──┴───┴──────┴───────┴────┴─────┴─────┴───┘
△閉会中の継続審査申出書
平成30年12月26日
ひたちなか市議会
議長 清 水 立 雄 殿
総務生活委員会
委員長 三 瓶 武
閉会中の継続審査申出書
本委員会は,審査中の事件について,次のとおり閉会中もなお継続審査を要するものと決定したので,会議規則第111条の規定により申し出ます。
記
1 件 名
陳情第 20号 東海第二原発再稼働反対の決議を求めることについて
陳情第 21号 東海第二原子力発電所の運転20年延長・再稼働に関することについて
請願第 22号 「東海第二原子力発電所の20年延長運転を認めない」意見書の提出を求めることについて
陳情第 23号 東海第二原子力発電所の運転20年延長・再稼働に関することについて
2 理 由
慎重審査の上結論を出したい。
平成30年12月26日
ひたちなか市議会
議長 清 水 立 雄 殿
文教福祉委員会
委員長 武 藤 猛
閉会中の継続審査申出書
本委員会は,審査中の事件について,次のとおり閉会中もなお継続審査を要するものと決定したので,会議規則第111条の規定により申し出ます。
記
1 件 名
陳情第 25号 議会として,「医師養成定員を減らす政府方針の見直しを求める意見書」を国に提出することについて
2 理 由
慎重審査の上結論を出したい。
△閉会中の継続調査申出書
平成30年12月26日
ひたちなか市議会
議長 清 水 立 雄 殿
総務生活委員会
委員長 三 瓶 武
閉会中の継続調査申出書
本委員会は,所管事務のうち次の事件について,閉会中の継続調査を要するものと決定したので,会議規則第111条の規定により申し出ます。
記
1 件 名
(1)企画行政について
(2)行財政改革について
(3)税務行政について
(4)市民生活行政について
平成30年12月26日
ひたちなか市議会
議長 清 水 立 雄 殿
文教福祉委員会
委員長 武 藤 猛
閉会中の継続調査申出書
本委員会は,所管事務のうち次の事件について,閉会中の継続調査を要するものと決定したので,会議規則第111条の規定により申し出ます。
記
1 件 名
(1)福祉行政について
(2)教育行政について
平成30年12月26日
ひたちなか市議会
議長 清 水 立 雄 殿
経済建設委員会
委員長 大 谷 隆
閉会中の継続調査申出書
本委員会は,所管事務のうち次の事件について,閉会中の継続調査を要するものと決定したので,会議規則第111条の規定により申し出ます。
記
1 件 名
(1)経済環境行政について
(2)建設行政について
(3)都市整備行政について
(4)水道行政について
平成30年12月26日
ひたちなか市議会
議長 清 水 立 雄 殿
議会広報委員会
委員長 加 藤 恭 子
閉会中の継続調査申出書
本委員会は,所管事務のうち次の事件について,閉会中の継続調査を要するものと決定したので,会議規則第111条の規定により申し出ます。
記
1 件 名
(1)市議会だよりの編集及び発行に関する事項
(2)市議会ホームページの管理及び運用に関する事項
(3)市議会の広報に関する事項
平成30年12月26日
ひたちなか市議会
議長 清 水 立 雄 殿
議会運営委員会
委員長 鈴 木 一 成
閉会中の継続調査申出書
本委員会は,所管事務のうち次の事件について,閉会中の継続調査を要するものと決定したので,会議規則第111条の規定により申し出ます。
記
1 件 名
(1)議会運営に関する事項
(2)議会の会議規則,委員会条例等に関する事項
(3)議長の諮問に関する事項
2 理 由
円滑な議会運営を図るため。
△議案の提出について
平成30年12月26日
ひたちなか市議会
議長 清 水 立 雄 殿
文教福祉委員会
委員長 武 藤 猛
議案の提出について
次の議案を別紙のとおり会議規則第14条第2項の規定により提出します。
記
1.議案番号及び件名
議案第101号 教育予算の拡充を求める意見書提出について
教育予算の拡充を求める意見書
学校現場における課題が複雑化・困難化する中で子どもたちのゆたかな学びを実現するためには,教材研究や授業準備の時間を十分に確保することが不可欠である。そのためには
教職員定数改善などの施策が最重要課題となっている。特に小学校においては,18年度から新学習指導要領の移行期に入り,
外国語教育実施のため授業時数の調整など対応に苦慮する状況となっている。明日の日本を担う子どもたちを育む学校現場において,教職員が人間らしい働き方ができるための長時間労働是正が必要であり,そのための
教職員定数改善も欠かせない。
義務教育費国庫負担制度については,「三位一体改革」の中で国庫負担率が2分の1から3分の1に引き下げられた。いくつかの自治体においては,厳しい財政状況の中,独自財源による定数措置が行われているが,地方自治体の財政を圧迫している。国の施策として財源保障をし,子どもたちが全国どこに住んでいても,一定水準の教育を受けられることが憲法上の要請である。ゆたかな子どもの学びを保障するための条件整備は不可欠である。
よって,国会及び政府におかれては,地方教育行政の実情を十分に認識され,地方自治体が計画的に教育行政を行えるよう,継続的に予算措置をしていくべきである。したがって,教育予算を国全体として,しっかりと確保・充実させるために,下記の措置を講じられるよう強く要請する。
記
1 きめ細かな教育の実現のために,計画的な
教職員定数改善により少人数学級を推進すること。
2 教育の機会均等と水準の維持向上をはかるため,
義務教育費国庫負担制度を堅持すること。
以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成30年12月26日
ひたちなか市議会
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣 あて
総務大臣
財務大臣
文部科学大臣
内閣官房長官
△議員派遣の件
議 員 派 遣 の 件
平成30年12月26日
地方自治法第100条第13項及び会議規則第166条の規定により,次のとおり議員を派遣する。
記
1 平成30年度第2回茨城県市議会議長会議員研修会
(1)派遣目的 議会の円滑な運営を行うため,市議会に共通する事項についての講演会を行うとともに各市議員間の交流を図り,地方自治の振興発展に寄与する。
(2)派遣場所 土浦市
(3)派遣期間 平成31年2月1日(金)(1日間)
(4)派遣議員 清水健司議員,大内健寿議員,雨澤正議員,薄井宏安議員
△特別委員会調査報告書
平成30年12月11日
ひたちなか市議会
議長 清 水 立 雄 殿
産業の振興と観光の推進調査特別委員会
委員長 薄 井 宏 安
特別委員会調査報告書
本委員会付託の事件について,次のとおり会議規則第110条の規定により報告します。
目 次
1.付託事件 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 1
2.特別委員会の構成 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 1
3.調査の経過 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 4
4.調査の結果 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 6
1.付託事件
平成28年6月24日の
ひたちなか市議会定例会において調査研究を付託された事件は,次のとおりである。
1 賑わいの創出による観光振興に関すること
2 ひたちなか地区の魅力発信に関すること
3 企業誘致に関すること
なお,本件調査については,調査終了まで継続して閉会中も調査できるよう議決されているものである。
2.特別委員会の構成
(1)委員会
委 員 長 薄 井 宏 安
副委員長 所 茂 樹
委 員 清 水 健 司
〃 大 内 健 寿
〃 山 形 由美子
〃 雨 澤 正
〃 鈴 木 一 成
〃 大 谷 隆
〃 三 瓶 武
〃 深 谷 寿 一
〃 大 内 聖 仁
〃 樋之口 英 嗣
(2)説明のため出席した者
企画部長 中 山 茂(H29.3.31退職)
〃 兼市長公室長 小 倉 健(H29.4.1着任)
〃 参事兼企画調整課長 福 地 佳 子(H30.4.1異動)
〃 企画調整課長 藤 咲 裕 之(H30.4.1着任)
〃 企画調整課長補佐兼公共交通政策室長 神 永 明
〃 企画調整課長補佐兼企業誘致推進室長 大 谷 宏(H29.4.1異動)
〃 企画調整課長補佐兼企業誘致推進室長 近 藤 貴 文(H29.4.1着任)
〃 企画調整課企画員 内 藤 奈 歩
〃 企画調整課主幹
(ひたちなか海浜鉄道派遣) 中 山 茂(H29.4.1着任)
〃 企画調整課主事 進 藤 博 紀(H30.4.1異動)
〃 企画調整課主事 安 和 哉
経済環境部長 稲 田 修 一(H30.4.1異動)
〃 商工振興課長 大和田 征 宏(H30.4.1異動)
〃 商工振興課長補佐兼係長 小 川 孝 博(H30.4.1異動)
〃 商工振興課長補佐兼係長 前 橋 大 介
〃 商工振興課主事 川 又 崇 史
〃 観光振興課長 松 本 竜 宝(H29.4.1異動)
〃 観光振興課長補佐 磯 崎 一 宏(H30.4.1異動)
〃 観光振興課長係長 市 毛 智 香(H30.4.1異動)
〃 水産課長 打 越 稔(H29.3.31退職)
〃 水産課長補佐兼係長 松 本 有一郎(H29.4.1異動)
教育委員会事務局教育次長 根 本 宣 好(H30.3.31退職)
〃 総務課長 湯 浅 博 人(H30.4.1異動)
〃 総務課文化財室長兼
埋蔵文化財調査センター長 千 葉 美恵子
ひたちなか海浜鉄道㈱代表取締役社長 吉 田 千 秋
ひたちなか市観光協会会長 海 野 泰 司
ひたちなか市観光協会専務理事 岡 田 一 男
ひたちなか商工会議所
観光飲食サービス業部会長 海 野 泰 司
ひたちなか商工会議所企業支援課長 小石川 由 治
平磯無線保存と観光の会 代表 磯 崎 順 三
国立研究開発法人情報通信研究機構 高 田 誠
(3)議会事務局担当職員
局 長 根 本 善 則(H29.4.1異動)
〃 黒 澤 浩(H29.4.1着任)
次 長 安 藤 ゆみ江(H30.4.1異動)
〃 永 井 四十三(H30.4.1着任)
〃 補佐兼係長 田 口 清 幸
主 幹 成 田 賢 一
主 幹 益 子 太(H29.4.1着任)
主 任 栗 田 耕太朗(H29.4.1異動)
主 事 吉 村 真 純
主 事 安 信 也(H30.4.1着任)
3.調査の経過
本委員会は21回にわたり委員会を開き,付託された事件に対し,調査を進めてきたところであるが,その活動状況は次のとおりである。
┌───┬─────┬───────┬────────────────────────┐
│ 回数 │ 年月日 │ 場 所 │ 概 要 │
├───┼─────┼───────┼────────────────────────┤
│ 1 │H28.6.24 │第2委員会室 │ 正,副委員長の互選を行い,委員長に薄井宏安委員,│
│ │ │ │副委員長に所茂樹委員を選出した。 │
├───┼─────┼───────┼────────────────────────┤
│ 2 │H28.7.22 │全員協議会室 │ 委員会の今後の進め方について協議した。 │
│ │ │ │ │
├───┼─────┼───────┼────────────────────────┤
│ 3 │H28.8.17 │全員協議会室 │ ひたちなか海浜鉄道の延伸および市内の文化財,史│
│ │ │ │跡名勝について執行部より説明を受け,質疑を行っ │
│ │ │ │た。 │
├───┼─────┼───────┼────────────────────────┤
│ 4 │H28.10.3 │全員協議会室 │ ひたちなか市第2期観光振興計画および企業誘致に│
│ │ │ │ついて執行部より説明を受け,質疑を行った。 │
├───┼─────┼───────┼────────────────────────┤
│ 5 │H28.11.4 │埋蔵文化財調 │ 市内の文化財,史跡名勝の現地調査を行った。 │
│ │ │査センター,虎│ │
│ │ │塚古墳,十五郎│ │
│ │ │穴ほか │ │
├───┼─────┼───────┼────────────────────────┤
│ 6 │H29.1.16 │那珂湊反射炉,│ 市内の文化財,史跡名勝等の現地調査を行った。 │
│ │ │観涛所,那珂湊│ │
│ │ │お魚市場周辺 │ │
│ │ │駐車場 │ │
├───┼─────┼───────┼────────────────────────┤
│ 7 │H29.2.17 │全員協議会室 │ 委員会の今後の進め方について協議した。 │
├───┼─────┼───────┼────────────────────────┤
│ 8 │H29.4.11 │ひたちなか地 │ 企業誘致に関することについて,市内の工業団地 │
│ │ │区ほか │(山崎工業団地,常陸那珂工業団地)の現地調査を行│
│ │ │ │った。 │
│ │ │ │ また,ひたちなか地区の魅力発信に関することにつ│
│ │ │ │いて,ひたちなか地区,常陸那珂港区の現地調査を行│
│ │ │ │った。 │
├───┼─────┼───────┼────────────────────────┤
│ 9 │H29.5.15 │全員協議会室 │ ひたちなか海浜鉄道湊線の延伸について執行部より│
│ │ │ │説明を受け,質疑を行った。その後,行政調査につい│
│ │ │ │て協議した。 │
├───┼─────┼───────┼────────────────────────┤
│ 10 │H29.7.4~│北海道函館市,│ 北海道函館市,岩手県花巻市を訪問し,縄文文化交│
│ │7.6 │岩手県花巻市 │流センターに道の駅を併設した経緯や企業誘致の取り│
│ │ │ │組みについて調査を行った。 │
│ │ │ │ (H29.12.1 12月定例会において,委員長より │
│ │ │ │中間報告を行った。) │
├───┼─────┼───────┼────────────────────────┤
│ 11 │H29.8.9 │全員協議会室 │ 湊線延伸基本計画について執行部より説明を受け,│
│ │ │ │質疑を行った。その後,視察のまとめおよび中間報告│
│ │ │ │に向けての進め方について協議した。 │
├───┼─────┼───────┼────────────────────────┤
│ 12 │H29.10.4 │全員協議会室 │ 中間報告に向けて協議した。 │
│ │ │ │ また,ひたちなか海浜鉄道湊線の延伸について,こ│
│ │ │ │れまでの調査研究について委員間で協議した。 │
├───┼─────┼───────┼────────────────────────┤
│ 13 │H29.10.30│ひたちなか海 │ ひたちなか海浜鉄道湊線延伸に関することについ │
│ │ │浜鉄道湊線延 │て,延伸ルート及び新駅予定地の現地調査を行うとと│
│ │ │伸ルート及び │もに,株式会社ひたちなか海浜鉄道代表取締役社長吉│
│ │ │新駅予定地,平│田千秋氏と意見交換を行った。 │
│ │ │磯太陽観測セ │ また,賑わいの創出による観光の振興について,国│
│ │ │ンター │立研究開発法人情報通信研究機構平磯太陽観測センタ│
│ │ │ │ーの現地調査を行った。 │
├───┼─────┼───────┼────────────────────────┤
│ 14 │H30.1.22 │全員協議会室 │ 委員会の今後の進め方について協議した。 │
├───┼─────┼───────┼────────────────────────┤
│ 15 │H30.2.13 │全員協議会室 │ 3つの付託事項について協議した。 │
├───┼─────┼───────┼────────────────────────┤
│ 16 │H30.4.11 │全員協議会室 │ 企業誘致に関することについて,市内の工業団地 │
│ │ │ │(山崎工業団地,常陸那珂工業団地)の現地視察を行│
│ │ │ │った。また,ひたちなか地区の魅力発信に関すること│
│ │ │ │について,ひたちなか地区,常陸那珂港区の現地視察│
│ │ │ │を行い,国土交通省関東地方整備局鹿島港湾・空港整│
│ │ │ │備事務所長より説明を受け,質疑を行った。 │
├───┼─────┼───────┼────────────────────────┤
│ 17 │H30.7.4~│静岡県沼津市,│ 静岡県沼津市,静岡県熱海市,奈良県大和郡山市を│
│ │6 │静岡県熱海市,│訪問し,観光振興および周遊施策について,昭和工業│
│ │ │奈良県大和郡 │団地地区まちづくり基本構想について,「営業する市│
│ │ │山市 │役所」の取り組みおよび観光振興施策について調査を│
│ │ │ │行った。その概要は別紙のとおりである。 │
├───┼─────┼───────┼────────────────────────┤
│ 18 │H30.7.26 │全員協議会室 │ 行政調査のまとめを行った。 │
├───┼─────┼───────┼────────────────────────┤
│ 19 │H30.10.2 │全員協議会室 │ ひたちなか市観光協会における観光施策等の取り組│
│ │ │ │みについて,観光協会会長と意見交換を行った。 │
│ │ │ │ また,ひたちなか商工会議所観光・飲食サービス業│
│ │ │ │部会における観光施策等の取り組みについて,部会長│
│ │ │ │と意見交換を行った。 │
├───┼─────┼───────┼────────────────────────┤
│ 20 │H30.11.2 │全員協議会室 │ 最終報告書のまとめについて協議を行った。 │
├───┼─────┼───────┼────────────────────────┤
│ 21 │H30.11.21│全員協議会室 │ 最終報告書について協議を行った。 │
└───┴─────┴───────┴────────────────────────┘
4.調査の結果
人口減少・少子高齢化と東京への人口の一極集中の進展により,地方経済の弱体化が懸念されるなか,国では「まち・ひと・しごと創生総合戦略」を策定し,地方における雇用の創出を目指しており,観光は大きな成長が見込める分野であるとされている。さらに,平成28年3月に策定した「明日の日本を支える観光ビジョン」において,2020年訪日外国人旅行者数4,000万人,旅行消費額8兆円等の大きな目標を掲げるとともに,観光を我が国の基幹産業へと成長させ,「観光先進国」の実現を図るため,政府一丸,官民一体となって取り組んでいる。
茨城県においては,平成31年に「いきいき茨城ゆめ国体・いきいき茨城ゆめ大会」,翌32年に東京オリンピック・パラリンピックの開催を控え,多様化する観光客のニーズに的確に対応し,観光の振興に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため,また,県政運営の基本方針である「茨城県総合計画」の部門別計画として,平成28年度を初年度とする5年間の「茨城県観光振興基本計画(平成28年度~平成32年度)」を策定した。
本市においては,国や県の施策と整合性を図りながら,ひたちなか市が有する数々の魅力を,人々に伝えるとともに,来訪客をあたたかく迎え入れる「まち」と「ひと」を創るために,県内でも有数の観光来訪地域となるよう取り組むことを目的に,「ひたちなか市第2期観光振興計画」を平成28年3月に策定した。美しい自然景観,国営ひたち海浜公園などの観光施設,史跡・名勝,祭りや伝統文化などの観光資源を地域の食やイベントなどと結びつけ,ひたちなか海浜鉄道湊線をはじめとした公共交通機関とも連携しながら,回遊性のある観光ネットワークづくりを推進している。また,ソーシャルネットワークの活用など戦略的な情報発信を行うほか,おもてなしの心による地域に根差した観光振興を図るとともに,広く海外からの観光客へ対応し,交流人口の拡大に積極的に取り組んでいる。
本市が末永く発展を続けていくためには,本市の持つ観光資源の魅力を広く内外にアピールするとともに本市の地理的,交通インフラ等の優位性を生かした産業を活性化し,日々の生活を支える働く場を確保するとともに,近隣自治体とも連携し,まちの活力を高めながら,自立と協働のもとに職住近接のまちづくりをさらに進めてくことが必要である。
本委員会は,本市の観光施策,産業振興施策についてさまざまな意見を執行部に提言し,また,ひたちなか海浜鉄道湊線の延伸に関してはその進捗状況等を調査研究してきた。本報告書は,その委員会の活動及び調査研究結果を報告するものである。
(1) 賑わいの創出による観光振興に関することについて
市内各所の観光資源の発掘,磨き上げ等を進め,観光地域づくりを高めていく上で10年,20年と賑わいを持続させ,地域の活性化,観光の振興につなげていくためには,交流行事の創出と交流人口の増加を促進することが必要である。また,過去の観光施策の検証や先進事例から必要な取り組みや要素を学び,それを関係する部署で横のつながりをもって共有していくことも重要である。
各種イベントについては,ひたちなか祭りやみなと産業祭,産業交流フェアといった催しものが開催され,地域の賑わいの創出とともにひたちなか市をPRするよい機会となっている。その他にも民間イベント(ドゥナイトマーケットやTA・MA・RI・BA)が開催されていることから,それらを交流人口の増加に一層活用することも必要である。
そこで,交流人口の拡大の一つの例として次のことを挙げる。阿字ヶ浦地区は海岸線の魅力だけでなく,学生陸上競技,サッカー合宿地の拠点であることはあまり知られていない。毎年多くの部活動が阿字ヶ浦地区の民宿等に長期滞在し,汗を流している。ラグビー合宿の菅平のように阿字ヶ浦地区をスポーツ合宿地の憧れの場所として県内外に認識される取り組みを図られたい。
また,スポーツ合宿や試合の開催以外にも,引き続きロック・イン・ジャパン開催都市として「音楽のまち」で聖地を目指し,市民相互や県内外者との交流を活発化させ,スポーツや音楽を通じた交流の盛んな都市で,かつ持続可能な賑わいを有するまちづくりに取り組むべきである。
ア 道の駅
道の駅は,道路利用者への安全で快適な道路交通環境の提供と地域の振興に寄与することを目的に全国に整備が進められている。本市近郊でも常陸大宮市に続き常陸太田市でも相次いで道の駅が開業した。
道の駅建設は,地元特産品の販売や交流人口の拡大による地域経済の振興の観点から地元の要望は強い。一方で前述のとおり本市近郊,県内各地に道の駅は建設されており,また,これから建設を希望する自治体も多い。そのような状況を鑑みれば,今後は経営悪化等を理由に閉鎖するリスクもあることを認識しなければならない。
委員会の視察では,「全国モデル道の駅」に選定された岩手県遠野市の「遠野風の丘」や登録博物館を併設する北海道函館市の「縄文ロマン南かやべ」などに赴き現状等を調査してきた。今後市内において建設を検討する際には,立地条件や建設のコンセプトを十分に調査検討したうえで判断することが必要であるとの結論に至った。
イ 平磯電波研究所
平磯電波研究所は,平成28年12月その役割を終え閉鎖された。電波研究所の前身は1915(大正4)年に発足した逓信省電気試験場平磯出張所である。その後,所管や名称を変え2001年独立行政法人通信総合研究所となるまで太陽活動の観測や無線通信技術発展に貢献してきた。
当施設は平成33年開校予定の統合校に隣接しており,また市内の景勝地である水戸藩内随一の波の見所とされた観涛所にも近い。また一帯はジオパークの候補地でもある。このような地理的,歴史的特性等を考慮しつつ,地元との協議を重ねながら今後の跡地利用を検討していくことが望まれる。
ウ おさかな市場
おさかな市場は,東京からも近く,テレビの情報番組などでも取り上げられることも多いため県内外に広く認知されるようになった。その一方で,年末や5月の大型連休をはじめ週末の交通渋滞は,地域住民生活にも大きな影響を与えている。交通アクセスは,観光の生命線である。おさかな市場に通じる市内道路の渋滞は長年指摘され続けている懸案事項であり,引き続き道路の拡幅や駐車場の拡大を県と協議し,要望活動を継続していくことを求める。また,本市としても高速道路からのう回路案内の周知や臨時駐車場の確保など抜本的な取り組みが必要である。
エ 市内史跡名勝
市内には国指定史跡の虎塚古墳や水戸徳川家ゆかりの文化的建造物をはじめ史跡名勝が点在している。地域に眠る貴重で魅力的な資源を発見,発掘し磨きをかけることも重要である。
近年はニーズの多様化により「ものよりコト」と言われるように観光客自らが体験できるツアーに人気がある。このような観光ニーズを的確に把握し,本市のすばらしさを堪能できる市内観光地,史跡名勝等を結ぶ観光周遊モデルコースを充実させ,広く周知することが必要である。
さらには市内の貴重な文化遺産を次世代に継承することも重要である。那珂湊地区には,湊公園,反射炉,山上門など歴史的な資源が数多く集積しているが,老朽化が目につく。地区の重要な観光資源を保存,活用するためにも国の補助事業を活用するなどして早急に文化財保存活用の基本計画を策定することを検討すべきである。
また教育委員会,経済環境部,都市整備部の横の連携を密にし,史跡名勝周辺の観光環境の維持整備を進めることも必要である。留意すべきなのが駐車場,トイレ整備の重要性である。史跡名勝,観光地の駐車場の確保およびトイレの美化と数の確保(特に女性用)に集中的に取り組むことが必要である。
(2) ひたちなか地区の魅力発信に関することについて
ひたちなか地区は,ひたちなか市と東海村にまたがる面積1,182ヘクタールの開発地である。地区内は,都市ゾーン(商業施設等),レクリエーションゾーン(国営ひたち海浜公園等),産業ゾーン(工場等),港湾ゾーンに分かれ,そのうち都市ゾーンには大規模商業施設が複数店舗立地しているものの,その周辺には未利用地が残っており,留保地利用計画に則れば,今後発展の可能性が大きい地区である。
ひたちなか地区の土地利用計画を定める「ひたちなか地区留保地利用計画(平成18年策定)」は策定後10年が経過し,インフラ整備や企業立地状況など計画策定当時とは情勢が大きく変化していることから,現況に応じた見直しがなされ平成29年3月改定がされたところである。
ひたちなか市内を走行するひたちなか海浜鉄道湊線沿線には,買い物客で賑わうおさかな市場や史跡名勝等の観光資源が数多く存在する。これら観光集客地を結びつける公共交通体系が十分とは言えないことから,来訪者の移動は自動車利用に依存しているのが実態である。公共交通体系が改善されれば沿線はもとよりひたちなか地区としての魅力の向上につながることが期待できる。また,ひたちなか海浜鉄道湊線の延伸とその終着駅予定地に検討されている交通ターミナルを中心とした駅前広場(交通結節点)の整備は,より良い公共交通体系の構築と,観光資源等を有機的に結び付けることによる来訪者の回遊性向上,交流人口の増加につながり,ひたちなか海浜鉄道湊線自体の活性化や魅力向上に寄与することも期待できる。
ア 茨城港常陸那珂港区
茨城港常陸那珂港区は,北関東自動車道(東水戸道路)が港に直結した日本で唯一の港と高速道路を一体として計画された港湾である。北関東自動車道は,平成23年3月に茨城県から栃木県を経て群馬県へ至る整備が完了し,関越自動車道,東北自動車道,常磐自動車道とも接続されアクセスが格段に向上し,かつ渋滞もほとんどないため計画性をもった輸送が可能である。さらに,常陸那珂港区は港湾内でのゲート待ち時間がないことから1日に複数回往復することが可能であり,輸送時間の短縮によるコストの低減やトラックドライバーの負担軽減など物流の効率化に優位性がある。
茨城港常陸那珂港区では,現在,国内外を結ぶ定期航路全17航路が就航している。また,北ふ頭への出入港船舶の航行の安全および湾内の静穏性向上等を目的とした東防波堤整備(全体延長計画6,000メートル)が進められている。さらに,港湾貨物需要増加に対応するための中央ふ頭整備も進んでおり,平成28年に水深12メートル耐震強化岸壁が供用開始され,大型船の就航も可能となった。供用開始後,飛鳥Ⅱをはじめ大型観光クルーズ船の寄港もあり,輸送産業,観光両面で港区の活性化に結び付いている。
引き続き,前述の優位性を前面に押し出した港湾利用促進に取り組み,首都圏における物流拠点である京浜港の代替港としての役割を担うべく中核国際港湾として発展することが期待される。
イ ひたちなか海浜鉄道湊線の延伸
ひたちなか海浜鉄道湊線は,第3セクター方式に移行し平成30年で開業10周年を迎えた。廃線の危機を乗り越え,年間乗客数100万人を超えるまでに回復した。
市内には年間200万人の来場客数を誇る国営ひたち海浜公園や100万人のおさかな市場が存在する。ひたちなか海浜鉄道湊線のひたちなか地区方面への延伸は,このような地域観光資源の回遊性向上や交流人口の増進などとともに,ひたちなか地区のまちづくりと田園風景や海を臨むことのできる地方鉄道の魅力発信のコンテンツとして期待できる。さらに,おらが湊鐵道応援団や自治会等地元団体と連携することで地域の活性化に寄与することも期待できる。しかし,一方で事業費高騰による市の財政負担の増加や延伸に対する市民理解が低い状況,少子高齢化による利用者の減少などを懸念する声も聞かれる。いずれにしても,地域の人が乗ってこそのローカル鉄道を念頭にJR,路線バス,スマイルあおぞらバス等との接続に着目し交通弱者の移動手段としてさらなる利用促進を図られたい。今後は,いろいろな角度からの分析が必要である。
ウ 新駅
ひたちなか海浜鉄道湊線延伸計画区間における新駅整備について,当初計画では延伸区間に3駅を整備予定であったが,建設費用等を総合的に判断し2駅整備に変更された。終着駅予定地には,交通ターミナルを中心とした駅前広場(交通結節点)と市内外の人々に向けたインフォメーションや休憩所,地元特産品の購入や地元食材を楽しむことのできる物産館など拠点施設の整備が必要である。
エ 国営ひたち海浜公園の位置づけ(市内観光との有機的結合)
春のネモフィラ,秋のコキアに代表されるように国営ひたち海浜公園は,彩り豊かな花々が咲き四季を通じて楽しめ,年間を通じて多くの来訪者がある。近年は雑誌やSNSで取り上げられるようになりアジア圏などの海外でも評判となり外国人観光客が急増している。
市内を訪れる観光客は,外国人を含め日帰り旅行者が圧倒的である。日帰りが多い理由として,首都圏から近距離であるということもあるが,観光客が国営ひたち海浜公園を軸とした市内周遊「海浜公園+α」を知らないことが影響している。
今後は宿泊客と国営ひたち海浜公園来園者の相乗的な増加を狙った,ホテル・旅館とのタイアップの強化や旅行会社と協力し観光パッケージ商品の開発,県や周辺自治体と連携しエリア観光の周知,そして観光客が必要としている情報の効果的・適時的に提供できる情報の一元化を検討する必要がある。
(3) 企業誘致に関することについて
茨城県は東京から近いという地理的優位性や交通ネットワーク環境の整備,各種優遇制度等を活用した積極的な企業誘致により,立地面積や県外企業立地件数は,全国トップクラスを維持している。
本市は,北関東自動車道をはじめとする広域幹線道路網や茨城港常陸那珂港区などの地理的優位性を生かして企業立地を推進し,雇用の場の創出や拡大を図っている。また,ひたちなかテクノセンターをはじめとする産業支援機関と連携し,やる気をもって創意工夫に努めるベンチャー企業の進出支援,環境づくりに努めるとともに,市内や近隣自治体に立地する高等学校,大学等と連携して地元雇用を促進し,若年層の定住を進め職住近接のまちづくりをさらに推進することが必要である。
さらに,優良企業誘致の素地にもなり得る技術力の高い地元企業育成のために,これまで以上に産業活性化コーディネーターの活動を充実させ,地元企業育成にまい進すべき時期である。民間企業の誘致と同様に,公的機関や各種学校等の誘致も地域経済に大きなメリットを与える意味では選択肢の一つとして考慮していくべきである。
ア 山崎工業団地
本市は,電機・機械産業の大手企業の工場とそれらを支える高度な技術を有する中小企業が集積しており,IT企業を含めた,ものづくり産業の集積地となっている。また隣接の東海村には,大強度陽子加速器施設「J-PARC」をはじめ,原子力関係の研究機関が集積している。こうした産業の集積を最大限に活用すれば,今後成長が見込まれる経済的波及効果の大きい分野を中心に,さまざまな分野で国際競争力のある新技術・新製品の開発が可能である。山崎工業団地には,印刷業,製造業や運送業など地元に根付いた各種中小企業が立地している。今後は,団地内企業のニーズや空き状況をいち早く把握する体制を整備し,要望解決へ向けた取り組みを進めるとともに,進出希望企業に対して的確で迅速な情報提供の環境整備構築が必要である。
イ 常陸那珂工業団地
常陸那珂工業団地は,茨城港常陸那珂港区に隣接し,北関東自動車道に直結した交通アクセスに優れている工業団地である。近年の販売単価や売却面積の見直し等により進出希望企業にとってはこれまで以上に魅力的な工業団地となっている。本市も引き続き県と協力し,市内外を問わず進出希望企業の発掘とさらなるPR活動に注力する必要がある。
おわりに
本委員会は,平成28年6月に設置され約2年半にわたり活動し,さまざまな調査研究そして提言を行ってきた。特に観光施策とひたちなか海浜鉄道湊線の延伸に関することについては,多くの時間をあて重点的に調査研究してきたところである。
今後,本市においては,「ひたちなか市第3次総合計画」や「ひたちなか市まち・ひと・しごと創生総合戦略」,「ひたちなか市第2期観光振興計画」など各計画を本委員会の意見を踏まえながら着実に推進するとともに,定期的に議会へ成果報告を行い,そして今回の提言等を市政運営に反映されるよう期待する。
別紙1 《調査概要》
静岡県沼津市
沼津港周辺の観光振興および周遊施策について
1 みなとオアシス沼津について
「みなとオアシス」とは,みなとを核とした地域活性化のための取り組みがなされている,また今後計画されている地域を認定し,賑わいの創出等を図るための制度である。
沼津港は平成19年11月に国土交通省から認定され,静岡県内では現在沼津港をはじめ3港が認定されている。茨城県においては大洗港が認定されている。
(主な認定要件)
①安全性及び利便性に配慮し,地域振興及び災害時の生活支援に資するものであること
②「みなと」に関する情報,地域情報,観光情報,災害情報を提供すること
③休憩等のできる場所が準備されていること
④地域のイベントを実施できること
⑤地域振興にかかる取り組みが継続的に可能なこと
・みなとオアシス沼津の取り組みについて
海の幸を存分に楽しめる「魚市場」「飲食店街」という魅力を生かしながら,マーケットモール「沼津みなと新鮮館」や大型展望水門「びゅうお」などの観光施設も備え,年間156万人(平成27年度調査)もの人が訪れている。また,「水産祭」や「沼津みなとの街BAR(バル)」といったイベントも展開され,にぎわいを創出している。
より一層魅力的な「みなとまちづくり」を目指し,現在,静岡県が策定した「沼津港みなとまちづくり整備計画」に基づき整備を行なっている。
・市からの補助や支援策はどのようなものか
みなとオアシス沼津の運営団体である「沼津港振興会」に参画し,負担金10万円/年を支出している。なお,静岡県は15万円/円,会員は1万円/円を負担している。
・地域経済の活性化,雇用創出にどのような効果があったか
3年に一度行っている入込客数調査によると,沼津港への来客は右肩上がりに伸びているが,「みなとオアシス」の認定は限定的である。また,活動は外向きなものが主であるので,雇用創出にはそれほどの効果は見られない。
しかし,港の建設時などハード面整備の際には地元企業の雇用創出にプラスになっていた。
沼津港入込客数調査及びアンケート調査による結果(概要)
■入込客数調査(平成27年11月)
年間総入込客数 2,198,945人/年(推計)
(前回(平成24年11月)調査時 1,454,397人/年(推計))
■据え置き型アンケート調査(平成28年4月1日~平成29年3月31日)
来訪者の交通手段
・自家用車73% ・公共交通機関13% ・観光バス5% ・その他9%
来訪者の居住地
・関東地方51% ・県東部伊豆23% ・県中西部6% ・愛知山梨岐阜8%
沼津港への訪問回数
・3回以上43% ・2回目19% ・初めて38%
来港の目的
・食事55% ・観光22% ・その他(買い物等)23%
入込客数調査及びアンケート調査を踏まえた課題と必要な取り組み
・沼津市以西,または市内からの来訪者増に向けた取り組みが必要
→中部みなとオアシス連絡協議会との連携
・自家用車から公共交通機関,自転車などへの交通手段の啓発や転換が必要
→まちかどスポットの設置
→観光バスの重視
・昼前後に観光客が集中しているため夜間の利用に向けた取り組みが必要
→沼津みなとの街BAR(バル)の開催
→沼津魚市場のライトアップ
2 沼津港周辺の観光振興および周遊施策について
・賑わいの創出について
平成29年度に行われたイベント
┌───┬───────────────┬──────────────────┐
│開催月│ イベント名 │ 内容 │
├───┼───────────────┼──────────────────┤
│4月 │ポートタウンパーティー │スワップ(Swap交換)・ミート(Meat │
│ │ │出会い)の開催 │
│ │ │市場内にクラシックカー100台展示,│
│ │ │車の部品展示及び販売をすることで出会│
│ │ │いと情報交換の場の提供 │
├───┼───────────────┼──────────────────┤
│5月 │沼津水産祭 │体験さかなセリ │
│ │ │漁船体験乗船 など │
├───┼───────────────┼──────────────────┤
│5月 │沼津みなとの街BAR(バル) │沼津港エリア内及び周辺の参加店舗での│
│ │ │食べ飲み歩き │
│ │ │夜の船を背景に音楽を楽しむ │
│ │ │沼津港エリア内でJazzの生演奏会 │
├───┼───────────────┼──────────────────┤
│10月│ライジングサンマフェスティバル│東日本大震災被災地支援チャリティイベ│
│ │ │ント開催 │
│ │ │市場内で炭火焼きしたサンマ1,000│
│ │ │尾をふるまう │
├───┼───────────────┼──────────────────┤
│通年 │沼津魚市場市場施設ライトアップ│沼津魚市場株式会社が主体となり,大型│
│ │ │展望水門「びゅうお」や沼津魚市場「I│
│ │ │NO」など市場施設のライトアップ │
├───┼───────────────┼──────────────────┤
│通年 │まちかどスポットの設置 │沼津駅から沼津港まで2.2kmの間にパン │
│ │ │フレットやガイドマップ等を設置 │
│ │ │「お休み処」を紹介し中心市街地への回│
│ │ │遊を期待 │
└───┴───────────────┴──────────────────┘
・飲食店街との連携における工夫や苦労されている点
沼津港エリア内の組合や飲食店が協力し「Sea級グルメ」を作成し,全国グルメ大会等各種イベントへの出店等に協力してもらっている。沼津港の一番の魅力である飲食店街の盛り上げに大きく貢献してもらっている一方で,組合,飲食店それぞれが自らの思いを持って活躍しているので統一的意思形成を図ることに難しさがある。
・沼津観光ポータルの運営について
沼津市は,従前は市の公式ホームページ内に観光サイト(名称:観光WEB)を開設していたが,より自由度が高く,消費者にとって利便性の高いサイトを作成するため,公募型プロポーザルにより委託先の民間事業者を選定,独自のドメインアカウントを取得し,平成30年2月1日にサイト(名称:沼津観光ポータル)を立ち上げた。
沼津ポータルサイトは,民間の宿泊予約サイト・グルメサイトの検索機能を実装し,レコメンド機能を持たせるなど消費者ニーズに適応したサイトとなっている。また,市民が取材執筆を務める「市民ライター執筆記事」を掲載し,民間店舗の紹介も含め,やわらかく自由度の高いページづくりを志向している。
・市内回遊施策で工夫されている点や苦労されている点
沼津港は,首都圏の消費者にも訴求力が高く,市内で最も集客力を誇る観光スポットであるが,他方,日帰り客が多く,その他の観光スポットに十分な回遊性を発揮できないなどの課題を抱えている。
このため,JR沼津駅から沼津港へのライン上に「まち歩き」を楽しみたくなるスポットの新設を図り徒歩での移動をしてもらえるような取り組みを進めるとともに,大瀬佐崎・戸田地区など沼津市の特長のひとつである長い海岸線(63km)に位置するさまざまな観光スポットの更なる充実化,PR施策の展開を行っている。
3 視察を終えて各委員の感想等
・さまざまなターゲット層に漁港に来ていただくということは非常に重要だと思っていて,それを実際に実践していた。例えばクラシックカーの展示イベント,これは一見全く関係ないようなイベントだが,新たな客層を開拓しようという取り組みは非常にいいと感じた。ぜひ,ひたちなか市も港らしいイベントに限らず新たな客層を取り込む,ちょっと一風変わったイベントネタというのもまたおもしろいと感じた。
沼津は,港エリアを地域の共有財産として捉え,水産業関係者,港湾関係者,観光業者,民間事業者,それから周辺住民等々と協働,協調し連携した働きの上で開発をしていこうという方向性を持っていると感じた。これは非常に重要なことで,私たちのまちにも共通する取り組みとして生かせるのではないかと感じた。
・沼津港ですが,一体的な整備が進んでいると感じた。工事者の安全対策を含め,渋滞の解消,またアクセスの向上等も含めて。本市にも那珂湊港があり,同じような課題が山積しているような状態である。沼津市は防災機能の強化,防災の動線の確保,また景観の改善等を含めて整備が進んでいると強く感じた。また,その他関係する機関,漁協等を含めて良好な関係を保ちながら,双方にメリットがある開発を推進しているという感想を持った。
・沼津は本市に比べて約9倍の海岸線がある。行政の水産に対する取り組み,熱の入れ方が違うと感じた。緑地整備など景観を大事にしていることや,エリアマネジメントなど民間の投資者の活力によって開かれた組織が存在し,非常に魅力的に映った。魚市場も,完全ではないが密閉された空間で,すごく衛生的な感じがした。そして,協同組合が主体的に駐車場をはじめとするさまざまな施設を運営されていて,本市としても非常に参考になった。できれば,駅から市場というか港まで散策してみたいと思わせるようなまちであった。
・沼津といえば港町という印象がある。港町ですので,考えの上では市外から来た方は飲食が中心と思うが,それだけではなくて,何度でも来てもらえるように,飲食とは別に,さまざまな客層にもアピールをしている。車の展示とか,PORT・TOWN・PARTY(ポート・タウン・パーティー)もやっているということで印象的であった。そして,市場といえば朝から昼ぐらいがにぎやかであり,夜は早く引けていくものだが,その空いた時間を活用して,これはまさにニッチだと思いますが,「まちBAR(バル)」を仕掛け夜の海を楽しんでもらう,あるいは船を見たり,音楽などを聴くなど,そういった仕掛けづくりが非常に印象的であった。
それから,町なかスポットという町中でおもてなしをする,そういう雰囲気があったというのは非常に印象的であった。まち全体で観光客を迎えるという,それがまちの活性化につながっていると思った。
それから,これはひたちなか市で仕掛ければできると思うが,「Sea級グルメ全国大会」,B級というのはあるんですけども,それに対して「C(Sea)級グルメ全国大会」,こういったイベントもやり方によっては本市も開催できるのではと思った。
・沼津おさかなリサイクル工場というのが「びゅうお」のすぐ脇にありましたけども,いわゆる余ったもの(魚)をどのように扱うか試行錯誤的にやっているということで,非常に気になった取り組みであった。
・「みなとオアシス」という制度(茨城でいえば大洗港が該当)があることは知らなかった。港を核としたまちづくりの促進とか,利用者の利便性,災害時の人々の生活支援の拠点ということで,そういう点からいろいろ見ようとしたが時間がなく深く視察することはできなくてちょっと残念に思った。
沼津みなと新鮮館を見ても,年間57万人利用ということで非常に活気づいているというか,きれいだという印象だった。湊の魚市場なんかを見ていると,魚がむき出しになって,呼び込みがあって,意外と活気があるという印象だが,沼津はそういうのがなくて,やっぱり利用する対象者が違うのかなと思った。家族で来て,家族分だけ少量購入するところの違いなのかなと思った。そういう意味では,観光じゃなくて,地域の活性化,利便性を高めるという,地域に住んでいる人たちのための港という,そういう印象がした。
市場の運営について,普通なら漁業協同組合をつくるところ,ここ沼津は株式会社だった。漁業協同組合か株式会社かという違いだけの問題なのかもしれないが,どんなふうにしてそういう発展をしたのか,もう少し詳しく知りたかった。
・現状として乗用車で来るお客さんが7割,問題になっているのが交通機関の利用の問題ということで,やはり本市にも非常に似通った部分がある。沼津では観光バス中心でやっていくというお話ですけども,交通機関をしっかりとつくるということが,観光地においては大事だと改めて勉強になった。
「みなとオアシス」の現場でちょっと聞かせていただいた,基本的に3年に1回ずつ集計をとっている中で,実際に客数が伸びているということがすごいと思った。ただ,雇用が伸びないことが課題という部分があって,やはり本市においても同じようなことがあるのかなと。そこをしっかりと検討しながらやっていくということが大事と思った。
・大体3年から4年ごとに観光客がふえる施策や事業を取り入れ,それらが効果に出ているとのこと。やはりある程度何年かごとに手を加えながら,その事業をきちんと成果に導くことが大事と強く感じた。
・沼津港においては沼津港振興会というものが組織されていて,この振興会が中心にいろいろなイベントを企画,実行している。県と市はその振興会と連携しながら進めている。やはり港湾関係事業所で働いている人たちが前向きに意欲的に活動していることが,この「みなとオアシス」が栄えている要因だろうと思う。やはり本市においても,そこで働いている人がいかに前向きに意欲的にできるか,その環境を整え,連携すること,そういう体制を構築していくことが大切だということを勉強した。
別紙2 《調査概要》
奈良県大和郡山市
昭和工業団地地区まちづくり基本構想について
1 まちづくり基本構想の概要について
(1)基本構想策定の目的
昭和工業団地は,開発されて以降奈良県の産業をリードしてきたが,近年,工業製 品出荷額が低下するなど,かつての活力を失いつつある。このような現状を踏まえ,奈良県,大和郡山市,昭和工業団地協議会の三者が協働して工業団地における現状と課題を整理,共有し,課題解決に向けて取り組むため策定するものである。
(2)昭和工業団地の概要
昭和工業団地は,昭和38年に「低開発地域工業開発促進法」の地区指定を受けた後,工業用地の造成が始まり,昭和42年に約108ha(開発面積約116ha)の工業団地として完成した。
工業団地完成当初は,誘致企業46社により操業が開始され,現在においては機械機器,金属製品,化学製品,食品などの製造業をはじめ,運輸・物流業,サービス業など多業種の約140社が操業する奈良県下最大の工業団地である。
また,平成26年3月,工業団地内に西名阪自動車道の「大和まほろばスマートインターチェンジ」が整備され,平成27年3月には西名阪自動車道と京奈和自動車道を結ぶ「郡山下ツ道ジャンクション」が開通したことにより利便性が格段に向上し,大和郡山市経済活性化の基盤を構築している。そして,昭和工業団地には各企業間の密接な連携と相互の発展及び福利厚生の向上,また地域社会との協調を図ることなどを目的に設立された「昭和工業団地協議会」があり,この協議会は昭和46年に39社で発足され(当時の名称は昭和工業団地企業事務連絡協議会),現在における会員企業数は80社(うち7社は賛助会員)である。
2 工業団地への支援について
対象地区では,奈良県企業立地基本計画において,工場立地法の特別措置を実施する区域に指定され,市条例により特定工場の緑地面積率と環境施設面積率が緩和されている。また,工場を新増設する場合の奨励金の交付も行っている。
3 昭和工業団地協議会との連携について
・市職員を派遣にすることでどのような効果があったか
平成27年4月から昭和工業団地協議会に市職員を派遣し,工業団地の意見,要望の集約や調整,情報収集(団地内の空き状況の把握など)に努め,それらを県や市にスムーズにあげられるようになった。要望等の中には,慢性的な交通渋滞の発生個所や夜間暗いと感じる箇所の改善があった。そのうち,子育て環境の充実やワークライフバランス(仕事と生活の調和)の推進という要望があったため,市として工業団地の北にあった勤労青少年ホームを用途転用して保育園とし,平成28年12月には大規模改修も行い,定員を50名増やした。
・地域経済の活性化,企業誘致および雇用創出にどのような効果があったか
工業団地が開発され相当年数が経過していることから,建物や機械の更新が必要な企業もある。また,成長戦略として増床を計画する企業もあるが,団地内やその周辺には工業用地としての空地がないのが現状。地区内企業等の連携低下による地域経済の循環不足が懸念されている。
(解決への具体的な取り組み内容)
・地区周辺の就労ニーズ調査
・企業の魅力・情報発信(企業紹介ツアー等)
・県内の高専や高校と連携し,学生の地元企業への就職促進
・異業種交流や若手従業員の交流,女性従業員の交流促進
・人材育成に関する講習会の実施
・企業の魅力・情報発信
(合同ビジネスマッチングセミナー,企業紹介冊子の発行など)
・地域ブランド商品の共同開発
・職住近接,ワークライフバランスをどのように推進していくのか
高齢化は,地区内企業においても今後進展することが予想される。奈良県における就業の特徴として,県外への就業率が高く,女性の就業率が低いことがあげられる。さらには,県下最大の企業集積地にも関わらず市外に居住する従業員が多く地域経済への効果が低いことが課題である。
(解決への具体的な取り組み内容)
・健康セミナーの継続実施と内容の充実
・仕事と子育て,介護の両立支援の強化
・従業員の職住近接を促進(転入・定住家族の絆応援助成金の積極PR,活用等)
・街頭(防犯灯)や防犯カメラの設置による安全確保
・公共交通等による通勤手段のニーズ把握調査
上記のような取り組みを基に,市外からの労働者の移住や雇用の創出につなげたい。
4 視察を終えて各委員の感想等
・地元の方々が工業団地内企業に就業していないという実態がある。地元で働いていただけるような環境づくり,そういったところで保育園整備もあったと思っているが,次世代につなぐ働ける環境づくり,それを目標に取り組まれているというところは非常に方向性としていいなと感じた。また,鉄道インフラと高速道路等々の道路のインフラ,これは企業が立地する環境としてやはり大きな影響がある。本市も高速道路が伸びてきて港湾の整備も進んでいるところで,そこにマッチした企業にどんどんアプローチして,工業団地に入っていただけるよう,そして今も進めている職住近接(企業を呼び込むプラスそこに定住できるような環境),こういったものをセットで考えていければ,相乗効果が生まれるのではないかと考えている。
・女性の就業率の向上や,本市と同様の職住近接などの企業誘致,市民と一体となるまちづくりをしているというのが非常に印象的であった。
・工業団地の中に保育園を設けるということで,工業団地にお勤めしている方のためと思っていたが,約10%とのこと。これから職住近接とかいろいろ考える場合に,保育園のあり方,どこに置くかとかいろいろ工夫する必要があるのではないかと思っている。
なお,工場誘致ということだけでは人はふえないような気がする。工場自体が人をあまり必要としなくなってくると思うので,それに応じたまちの体制をどういうふうにしていくかが重要と感じた。職住近接というだけで,いわゆる仕事をする人がそのまちに住むとは思えない。教育関係も含めて,いろんな形でそこに住む人をふやすということを考えないと難しいと思った。
・一般的に行政側というのは住民や企業を相手にいろいろ政策とかを考えていくが,大和郡山市は企業で働く人を第一に考えていて,常に団地内企業を減らさない状況をつくっていこうという努力が感じられた。
・昭和工業団地地区のまちづくり基本構想,これを見て私はすごく驚いたんですけど,私たちは工業団地というと,広い土地に企業を誘致するということを考える。だから工業団地の中に1つの町ができているというか,住宅もあり,こういう団地があるというのは初めて知った。ここでは,多分,既存の住宅がある中に工業団地を誘致して,こういう形をつくったと思うが,企業誘致というのはいろいろな企業が来るわけで,居住地にはふさわしくない企業もあるでしょうし,そういうのは制限しているのかどうかということも聞きたかったと思った。
それから,まちづくりの1つとしてふたば保育園が団地内に新しく建て直されてあった。工業団地は,そこに来て働くだけでなく,交通の便だとか働きやすさだとか,そういうことも考えいろいろ工夫されていた。その1つに保育園づくりがあったと思うけれど,実際聞いてみたら,ここで働く人たちの子はそれほど多くない。でも今,保育園が全国的に不足しているものだから,ふたば保育園も満員の状態であった。こういう工業団地の中のまちづくりというのはどうあるべきなのか,どう進めるべきなのかというのは,1つの示唆を得たと思った。ここは県とともに進めている工業団地なので,歴史もあって,奈良県で一番大きい団地で一番着手が早かったという。いろんな経過があることなので,一概にはいえないが,まちづくりという点から非常に参考になった。
・昭和工業団地には,140社が入っていて,そこで大体もう確定(空きなし)という状態になっている。やはり工業団地内に保育園をつくるというのはなかなか考えがつかない。逆にひたちなかの工業団地のほうが利用価値は高いのかなと感じた。
・昭和工業団地について,市職員を派遣しているという特徴的なところがあって,工業団地内のいろいろなニーズ等を確認,意見を集約するということで取り入れた。本市にはこのタイプの工業団地がない。確かに保育園等のニーズと実際のところがマッチしていないし,今後調査や実態を把握するというのが必要だと思った。ただ,工業地区団地とまちづくりという意味では,将来こういうことも本市に必要になってくる場合には,モデルとしては非常に参考になった。
・工業団地としてのまちづくりの中では,産官学との連携を強化して人材を確保するとか,企業の魅力を広く発信していくとか,働き方,働く環境の向上ということで取り組んでいる。
ここは完成した工業団地で次の段階は何をしていくかというと,それぞれの企業が連携をして衰退しないようにしていき,どんどん企業力をアップしていく,それによって雇用を確保し,その次には,行政としては税収を確保できるとかにつながっていくので,本市にとっては段階が1つ先かなと思いましたけども,工業団地が完成した後はこういう取り組みも参考になると思った。
別紙3 《調査概要》
静岡県熱海市
「営業する市役所」の取り組みおよび観光振興施策について
1 「営業する市役所」の取り組みについて
・その概要と特長について,そして観光客の増加,産業の振興等にどのような効果があったか
①民間投資の促進による産業振興プロジェクト
熱海市が所有する遊休資産(遊休土地等)について,民間事業者に情報を提供し,営業,折衝等を通じて熱海市の活性化につながる具体的な活用を促す。
(具体的成果)
民間投資による産業振興計画として,平成24年2月より海岸沿いの市有地(約782㎡)の利活用者を募集し,利活用する事業者を株式会社ローソンに決定。
■事業計画の特長「人と情報の交流基点(玄関)」=ゲートウェイローソン
・ローソン初 海が一望できるオープンデッキフロア
運転手が“ほっと一息つける憩いの場としてだけでなく,住民の集いの場としてのイベント開催など情報交流の場としても開放予定。
・ローソン東日本初の風力発電の設置など,環境面への配慮
風力発電装置をはじめ,屋根上の太陽光発電装置,駐車場のEV用充電器など,環境に配慮した設備が盛りだくさん
・「海上花火大会」や「熱海の名産品」など熱海の観光振興や産業振興への協力海上花火大会開催時の屋上テラス団体利用への協力や,熱海ブランドA-PLUSをはじめとした名産品の取り扱いなどを提案。
②民間企業とのパートナーシップ協定
民間企業と相互に効果的な連携体制を構築し,市内の観光客及び定住人口の増加,経済の活性化,産業振興等について,対等な立場で効率的な事業の展開を行うことを目的とした協定の締結をする。
(具体的成果)
【株式会社 静岡銀行】
・情報交換に関すること
・首都圏等市外への情報発信及び販路の拡大に関すること
・調査研究に関すること
・マーケティングに関すること
・民間投資促進のための企画に関すること
・その他必要と認められる事項
【株式会社 ぐるなび】
・首都圏等市外への情報発信及び販路の拡大に関すること
・「食」に関する総合的な調査研究及び情報提供に関すること
・マーケティングに関すること
・「食」を通した地域経済活性化のための企画に関すること
・中国におけるインターネットを活用した情報発信及び販促活動に関すること
・その他必要と認められる事項
【三島信用金庫】
・情報交換に関すること
・首都圏等市外への情報発信及び販路の拡大に関すること
・調査研究に関すること
・マーケティングに関すること
・地域活性化のための企画に関すること
・その他必要と認められる事項
③A-biz(熱海市チャレンジ応援センター)
熱海市と熱海商工会議所が連携して,売上向上や新事業などの新たな取り組みに挑戦しようとする熱海市内の事業者を「知恵」と「工夫」,「情報」と「ネットワーク」を駆使して応援する。運営にあたっては全国的なモデルとなっている富士市産業支援センター(f-biz)と連携し,運営指導等を受けながら行う。
(具体的成果の一例)
・創業93年の老舗油店からの相談
「せっけんの原料や化粧品として販売している「椿油」を食用として売りたい。」
→椿油は古くから化粧品として使われていたが,食用としては一般に流通することは少なく(某有名ホテルやてんぷら専門店に卸している程度),幻の油ともいわれている。椿油は,植物性油脂で体によいとされるオレイン酸を80%以上含んでおり,ほかの植物性油脂に比べ酸化しにくく,低温になっても固まりにくい性質を持っている。無添加なので自然の恵みそのままに,子供や年配の方にも安心して使うことができる。
「揚げたてんぷらの食感も軽く胃もたれしない」,「火が通りやすく短時間で揚がるため衣が白く素材の色が引き立つ」という特長を前面に押し出したパッケージを作成し販売に至った。
2 観光振興施策について
長期滞在型の世界の保養地-心と体を回復させる現代の湯治場「熱海」-
熱海観光の原点である「温泉」にもう一度光をあてながら,時代と社会ニーズの変化に合わせ,長期滞在が楽しめ,何度来ても新しい発見と癒しを体験できる,市民そして観光客にとって満足度の高い心と体を回復させる「現代の湯治場」という世界に開かれた保養地づくりを目指す。
・長期滞在,連泊および市内回遊の取り組みはどのようなものか
(施策実現のための4つの柱)
1 温泉中心主義-湯治場「熱海」の復権-
熱海は大正期の熱海線乗り入れを契機に,それまでの湯治場から大衆温泉観光地へ大きく変貌を遂げたが,同時にこの頃から熱海の主役であるべき「温泉」が脇役に回ってしまった。熱海の湯治場としての歴史をさかのぼり,温泉情緒あふれる景観や温泉文化を再生させるとともに,時代のニーズに合わせた魅力を付加し,現代の湯治場を提案していく。
・温泉情緒感じられるまちづくりのために湯けむりによる演出や,外湯施設の整備を行うとともに,街路・景観・史跡・観光施設などコンセプトを統一した街並み整備を推進など
2 もう一度行きたくなる街-満足度アップの仕組みづくり─
国内外からの観光客が欲しいときにいつでも熱海の情報を得られる環境,行きたいときに容易にアクセスできる環境,そして滞在して自分に合った楽しみ方を満喫できる環境づくりを進め,観光客が連泊して熱海に滞在し,また一度来た観光客が「また来たい」と思っていただくための,満足度アップを目指した取り組みを進める。
・観光客の長期滞在を促すため,観光客ニーズにあったハンドメイドのプログラム提案を行う体制づくり,観光案内の充実と機能強化,「花」,「夜の賑わい」などを切り口に新しい魅力づくりの推進など
3 歩いて楽しい温泉保養地-経済的効果の各業界への拡大-
市内の観光施設,保養施設,商店街,飲食店などをつなぎ,回遊ルートを整備する。このことにより観光客のもたらす経済効果をホテル・旅館業以外の業界へも拡大させていく。また,同時に市民にとっても恩恵のある施設整備を進める。
・安全で快適な歩行空間の確保,都市景観の向上のため,歩道の拡幅や階段の改善など歩道整備,外国人がひとり歩きできるレベルのわかりやすい案内サインの配置等により,人にやさしい歩行空間を整備するなど
4 全員参加のまちおこし-総合的な観光事業の実施-
市役所,観光協会,旅館組合など,現在観光施策を実施している機関の協力・連携を強化し,熱海の発信するメッセージの統一と予算の効率的・効果的な活用を目指す。また,まち全体で観光客を迎え入れる文化をつくるため,市民に対する啓発活動に力を入れていく。
・ホスピタリティ向上を目指したと取り組みを進めるとともに,観光客の要望やクレームについて市民・企業・行政が協働で討議できる仕組みやルール構築など
・上記取り組みを実施する上で苦労された(ている)点
ホテル・旅館業は,建設業からサービス業まで多業種との関連があり,また老人から障害者まで活躍できる仕事が存在するという非常にすそ野が広い産業である。熱海市の人口における特徴として,県内23市中,高齢化率46.3%(最高),合計特殊出生率1.22(最下位)となっており高い高齢化率と低い出生率という現状がある。また,熱海市の産業別就業人口は下図のように第3次産業が圧倒的に高く市民のほとんどが何らかの形でサービス業に従事している。一方,熱海市は海に面しているにもかかわらず第1次産業従事者が少なく,農業,漁業従事者が極端に少ないという現状がある。
若年労働者の減少,労働者の高齢化は今なお人の手によるサービス,おもてなしがメインのホテル・旅館業にとっての衰退を招き,ひいては観光業が主力産業である熱海市にとって,市全体の経済力低下を招く。また海産物をはじめとする地場産の食の魅力を高めなければ地産地消の流れからは取り残され,さらに観光客の満足度を低下させ,地域の魅力も低下する。
熱海市の財政状況を鑑みても限られた財源で効率よく事業を進めなければならないことはもちろん,市民や事業者と協働することが多いためその調整や理解を得るのに多くの時間や労力等を割かなければならない。また調整を重ねやっとの思いで新規事業の開始に至っても,思うような成果が出ない,または成果の表見まで時間を要するということも少なからずある。計画通りに進まないことも多々ある中で試行錯誤を重ねなければならないところに,やりがいを感じる一方苦労もあるとのこと。
産業別就業人口 *H27国勢調査
┌─────┬──────┬──────┐
│区分 │就業人口 │構成比(%)│
├─────┼──────┼──────┤
│第1次産業│ 265│ 1.6│
├─────┼──────┼──────┤
│第2次産業│ 2,045│ 12.3│
├─────┼──────┼──────┤
│第3次産業│14,120│ 85.2│
├─────┼──────┼──────┤
│分類不能 │ 136│ 0.9│
├─────┼──────┼──────┤
│合計 │16,566│ 100.0│
└─────┴──────┴──────┘
3 熱海型DMOとインバウンド対応について
・熱海型DMO組織の特徴について
約90年ぶり全面建て替えとなった熱海駅・駅ビル開業をきっかけとした官民共同プロモーション活動により,最重要市場である東京・横浜エリアでの熱海ブランドを浸透させ,誘客促進を行う。
ラグビーワールドカップ,東京オリンピック・パラリンピックに向け増加が期待されるインバウンド客に対して,熱海駅にオープンした観光案内所においてワンストップによる情報提供を行うことにより市内回遊性を高める。
広域連携による商品造成,市内回遊施策の展開により,滞在時間の増加を図ることで,宿泊客・観光レクリエーション客の増加及び観光消費額の増加を目指す。
この取り組みを加速化させるため,官民連携のDMO組織に進化させ,観光地経営の仕組みを確立する。
(事業が先導的であると認められる理由)
【自立性】
熱海市が積極的に関与し,市内観光・商工関連団体及びJR東日本JTB等の旅行会社などの参画を得て,DMO化の道筋について本事業の推進と併行して検討する。着地での旅行商品の造成,手配に対する手数料収入などに加え,入湯税などの安定財源の確保が自立のカギと考えている。
【官民協働】
伊豆箱根の玄関口となる熱海駅開業をきっかけとし,交通事業者,旅行会社,地域の観光関連団体が連携協力し,集中的なプロモーション活動を展開。若年層・インバウンド客誘致のために,共通認識の下,統一的なPR活動を推進するとともに,これを契機にDMO組織への移行を図る。
【政策間連携】
持続的な観光地をめざし,新規顧客(若年層・インバウンド客)の誘客,リピーター層の来訪促進に取り組むことで,旅行者ニーズに対応した施策(例えば食の魅力づくり)が必要。そのため市内への創業支援や農林水産業との連携など,地域を挙げて常に魅力ある観光地づくりに取り組む。
【地域間連携】
新しい熱海駅・駅ビルを真の伊豆箱根エリアの玄関口とするため,国内外からの観光客に対し広域的な観光情報を提供するとともに,広域周遊ルートを開発し,エリアでの滞在時間の増加を図る。熱海駅観光案内所を熱海型DMO組織のワンストップサービスの拠点と位置づける。
・目標の達成に係る評価の手法について
重要業績評価指標(KPI)及び目標年月
【数値目標】
┌─────┬─────────┬─────────┬─────────┐
│ │平成29年3月末 │平成30年3月末 │平成31年3月末 │
├─────┼─────────┼─────────┼─────────┤
│宿泊客数 │ 3,126千人│ 3,175千人│ 3,217千人│
├─────┼─────────┼─────────┼─────────┤
│うち外国人│ 61,442人│ 64,344人│ 66,403人│
├─────┼─────────┼─────────┼─────────┤
│滞在人口率│ 1.09%│ 1.11%│ 1.14%│
└─────┴─────────┴─────────┴─────────┘
※ 滞在人口率 : 平日15 時の滞在人口率(滞在者数÷国勢調査人口)
評価の方法,時期及び体制
熱海市観光戦略会議により,毎年度,数値目標の達成比率測定,各事業の実施内容(時期・量・関係した団体等)の客観的判断をし,必要性,有効性,効率性の視点から点検・検証を行い,効果を明確に見える化し,最適な見直しを行う。
4 視察を終えて各委員の感想等
・観光地とあって,データも事細かにとっていたというイメージがある。気になったのは,統計のとり方が熱海市に訪れた「観光客数」ではなく「宿泊客数」であった。実際は,日帰り客がどれぐらいいるのか全然わからなかったが,やはりそこにほぼ宿泊客しか来ない熱海と,日帰りのほうが多いひたちなかの温度差があったと感じた。
また,熱海市民の観光地としての意識が高いというのも感じた。ちょっと散策したときにも,飲食店街とタクシーが連携していて,「ここの飲食店を使った場合にここのタクシーを使うと1,000円なり2,000円なり割引します」という看板があったので,民間とうまく協働しながら営業しているなと。もう一つは,熱海市チャレンジ応援センターの「A-biz」という事業ですが,こちらも本当に行政のほうが事細かに民間と協働して,いろいろと支援をしていると感じた。
・事業承継とか非常に心配ではないのかなというお話をさせていただきましたが,そこはやはり先んじていて,課題としては捉えていて,熱海に愛着を持って,熱海でチャレンジしたい事業者を発掘する熱海会議,この取り組みがすごいと感じた。実際,地場で生まれ育って地元のよさを知る方々が,それを磨いて光らせて観光の商品にしていくというのも1つの方法かもしれません。わがまちの光り輝くもの,それは外から見えるものもあるということで,ひたちなか市を元気にしよう,ひたちなか市に愛着,魅力を感じていただける,そういった方を創出する,または発掘するような機会をやはり東京とか大都市圏でチャレンジしてみるのも,新たな人材を呼び込むことにつながっていくのではないかということで,熱海会議は非常に参考になりすごく印象に残った。
「A-biz」は,研究開発であるとか,時間であったり,資金力であったり,アイデアだったりそういった部分を全面的に,そして総合的にサポート,支援してくれることが事業者側としては非常にありがたい,チャレンジしやすい環境づくりにつながっているのではないかと思っている。
・行政と観光業者が非常に近い距離にあるように感じた。行政側の知識量も多く,またマーケティングの実施も非常に進んでいると感じた。やはり見ただけではなくて,きちんとしたデータをとって,そのデータベースによって対策を練っている。その中には,行政だけではなく,一般の企業にお願いして,企業側からもきちんとした情報を得て,それを有効に使ってまちづくりを進めているという感想を受けた。特にデータ収集や分析,ブランディングという部分に関しては非常にすばらしい結果を出しているのではないかと感じた。
また,旅館の方々にインバウンドの件で質問をした際も適切な答えが返ってきて,訪日外国人に頼ることなく国内のお客様をケアしていく,また訪日外国人,インバウンドに対してもきちんとした対応をしていくと。それは情報を持っているからこそ,そのような対応ができているという感想を受けた。
・熱海市は事業承継の問題,人口比率の急激な変化とか,商店街の低迷など,どこの自治体でも抱えているような問題に直面している印象。メディアプロモーションなど24時間体制で職員の方も当たられるなど,すごく熱意は感じたが,本市にはあまり参考にならないと思った。熱海市というのは古い町で,旧村ごとに観光協会が存在しているということで,非常にこれをまとめていくのは行政にとっても大変だなという印象を持った。
・熱海の町なかの目立つところにあるすし屋の看板に「石巻の魚」と書いてあった。石巻の魚のすし屋さん。熱海は印象で言えば海,温泉が中心ですけども,漁業についてどのぐらいの経済的なシェアなのかという話を聞いたが,第1次産業的にはあまり盛んではないと正直におっしゃっていました。実を捨てて,イメージを大事にしてやっているという,そういうたくましいものが見受けられた。イメージをつくっていくというのが大事。観光としてはそういったものが重要になってくる。
・海岸線に,かなりきれいなトイレが5つあった。やはりトイレというのは観光では重要な位置を占めるので,ぜひきれいなものを用意するということを考える必要があると思っている。
それから,来宮神社,皆さんも気がついたと思いますが,いわゆるスマホ用の写真台があった。ちょっとした心遣いで,訪れてきた人に対して非常に優しい感じがした。こういうことを考えないと,やっぱり観光のまちづくりというのは基本的にやっていけないのではないかと感じた。
それから,いわゆるチラシがものすごく多かった。どこかに行きたいときはチラシを見ればはっきりするということが熱海の特徴ではないか。市・職員全体が観光業で成り立っている意識を感じた。
・ひたちなかの商店街もどんどん空き店舗がふえる中で,そこに対して市が政策を打つ。生き残っているホテル,旅館はさらに売り上げが上がるように,そして後継ぎがいない店舗に対し新しい人が入れるような施策に関して,ひたちなかの商店街にも必要なことであると思った。
あとは,市のほうで企業に対するチラシを一個一個つくっていることに衝撃を受けた。湊駅前,勝田駅前,両方の活性化ということが第一であれば,こういったチラシを打つことに関してはすごく応援したい。
・江戸時代からの温泉地で歴史があって,どんどん栄えたが,バブル以降はかなり客数も減り,事業所も減っている。それをどのように今風な観光地に刷新していくか,いろいろ努力している話を聞くことができた。
新事業所が81(H24年~26年),廃業する事業所が110ということで,本当に今どこに行ってもこういう点では時代の変化で,商業,工業かかわらずある。そういう中で,市民の人たちが本当に働きやすい,住みやすい,暮らしやすいまちをどのようにつくっていくのか,地域をどうつくっていくのかということをもう1回振り返って勉強したいと思った。
・営業力,企画力,それとお金,ここの部分がしっかりしているのは,起業する上で一番大事な部分だと思った。民間投資のプロジェクトは副市長とか観光経済課とか都市整備,このような部署がプロジェクトを組んで営業活動,誘致活動をするところがすごいと感じた。それと,企業とのパートナーシップ協定という部分で,銀行とパートナーシップをつくってお金を借りる前に知恵を借りるという,この考え方は非常に大事な部分と思った。
「A-biz」,これは知恵と工夫で,またネットを使いながらやっている部分が非常に参考になると思った。また,私が一番驚いたのが,公園を個人の寄附でつくっていると。やはりひたちなかもそういう方があらわれるように,ひたちなか市を大好きだと言われるような市にしていかなくてはと思った。
・営業力とは,市職員の熱意が民間とか他の市民には伝わるということだということを強く感じた。やっぱり民間の活力,連携というのは言葉としては簡単だが,いざ実際にまちづくり,観光等となると,一長一短に短期間でできることではない。けれども,そういう信頼関係を持つことで観光という方向性は見えてくることを強く感じた。
・熱海市の観光施策について,大きく2つの勉強,調査だったと思った。「営業する市役所」のほうは,平成25年度までは空き店舗に補助していったが,補助が切れると廃業してしまうという,そういう現状があったということから,今度は「A-biz」という取り組みを始めた。これは売り上げ増加に向けて,事業所の皆さんと一緒にコストをかけずに知恵を出し合うと,結果にこだわって支援していく,とにかく事業所の方と一緒にとことん考えて挑戦していく。こういう体制をつくって取り組んできたことで,いろいろ効果が出ている。この手法は本市にも生かせると思った。
観光施策については,いろいろなマーケティング調査をしている。本当に綿密によくここまでマーケティングに力を入れてやっているなと感心をした。今後,このマーケティングの結果に基づいていろんな観光施策を考えていくということだったので,どんな手法を使って,またどんな観光施策に結びつけていくのか,これは今後参考になると思った。まず現状を知るということについて,本市もそういう取り組みをしていったほうがよいと思った。
△常任委員会委員名簿
ひたちなか市議会常任委員会委員名簿(第2種委員会)
平成30年12月3日
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│ 常任委員会 │ 常 任 委 員 名 │委員定数│
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│ 予算委員会 │◎樋之口 英 嗣 ○雨 澤 正 清 水 健 司 │ 12人 │
│ │ 所 茂 樹 岩 本 尚 之 鈴 木 道 生 │ │
│ │ 宇 田 貴 子 鈴 木 一 成 大 谷 隆 │ │
│ │ 三 瓶 武 大 内 聖 仁 佐 藤 良 元 │ │
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│ 決算委員会 │◎薄 井 宏 安 ○海 野 富 男 大 内 健 寿 │ 12人 │
│ │ 弓 削 仁 一 北 原 祐 二 山 形 由美子 │ │
│ │ 加 藤 恭 子 深 谷 寿 一 武 藤 猛 │ │
│ │ 打 越 浩 井 坂 章 安 雄 三 │ │
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◎委員長 ○副委員長...