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令和4年第1回定例会(第4号) 本文 開催日: 2022-03-04

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  1. 茨城県議会 2022-03-04
    令和4年第1回定例会(第4号) 本文 開催日: 2022-03-04


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    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1                     令和4年第1回                 茨城県議会定例会会議録  第4号          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 令和4年3月4日(金曜日)午後1時2分開議          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◯伊沢勝徳議長 これより本日の会議を開きます。          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 諸般の報告 2 ◯伊沢勝徳議長 諸般の報告をいたします。  知事から配付してありますとおり、第79号議案及び第80号議案が追加提出されましたので、報告いたします。          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 日程第1 第4号議案=ないし=第78号議案及び報告第2号 3 ◯伊沢勝徳議長 これより議事日程に入ります。  日程第1、第4号議案ないし第78号議案及び報告第2号を一括して議題といたします。          ────────────────────────────── 県政一般に関する質問並びに上程議案に対する質疑 4 ◯伊沢勝徳議長 これより県政一般に関する質問並びに上程議案に対する質疑を許します。  この際、申し上げます。  次の質問・質疑は、分割方式により行われます。  また、質問補助者が同席をいたします。
     なお、傍聴人の皆様に申し上げます。  本県議会では、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、出席議員を3分の2程度に調整しており、出席していない議員は、議員控室などにてモニター等で視聴をしております。  また、傍聴人の拍手は禁止されておりますので、御留意を願います。  星田弘司議員。                 〔34番星田弘司議員登壇、拍手〕 5 ◯34番星田弘司議員 いばらき自民党、星田弘司でございます。  初めに、新型コロナウイルス感染症によって亡くなられた方々に心よりお悔やみを申し上げますとともに、罹患された皆様に心よりお見舞いを申し上げます。  また、国際社会において、世界の平和を損ない、世界の人々に脅威をもたらせたロシアによるウクライナ軍事侵攻に断固抗議を申し上げますとともに、一日も早い収束と、ウクライナ、そして、世界に再び平和がもたらされることを強く願うところであります。  それでは、通告に従いまして質問に入りたいと思います。  今回、12回目の登壇となります。この機会をいただきました先輩議員、同僚議員に心より感謝申し上げます。  まず、初めに、ポストコロナを見据えた国際会議誘致について、大井川知事に伺います。  MICEは、インバウンド振興の重要な施策の一つとして、全国の都市が誘致に取り組んでいます。  その中でも、国際会議の開催については、一般の観光旅行に比べ、消費額が大きく、海外に対しても大きく情報発信ができ、経済効果のみならず、パブリシティー効果などによって新たなビジネスチャンス、そして、需要喚起にもつながることが期待される取組であります。  2016年のG7茨城・つくば科学技術大臣会合や、2019年のG20茨城つくば貿易デジタル経済大臣会合においても多くの開催効果が見られました。  特に、G20茨城つくば貿易デジタル経済大臣会合では、会合運営、宿泊、飲食等によって、約7億3,000万円の直接的な経済効果がもたらされました。  また、歓迎レセプション等において、恵まれた環境で育まれた茨城のおいしい食や伝統・文化を披露し、会議の様子とともに、テレビやWEB、新聞等にも広く取り上げられ、16億円を超えるパブリシティー効果もありました。  茨城県は、コロナ禍で外国人観光客は激減し、観光や飲食等は経済的に大きなダメージを受けています。  しかしながら、インバウンドが冷え切ってしまっている今だからこそ、ポストコロナを見据え、国際会議誘致実現に向けて全力で取り組むことを期待をしています。  現在、県は、水戸市とともに、2023年に日本で開催されるG7サミット関係閣僚会合の誘致に向けて取り組んでいます。コロナ禍によって冷えた経済からの脱却、そして、インバウンドの振興のためにも、誘致実現が強く望まれます。  そこで、G7関係閣僚会合の誘致実現に向けた取組について、大井川知事に伺います。  また、誘致実現に当たっては、これまでのレガシーやユニークベニューを生かした取組も重要だと考えています。  コロナ禍により、オンラインによる会議が日常的になった今、G7においてもオンライン開催となる会議も多く見受けられます。オンライン参加で十分と捉えられないためにも、これまで、G7とG20における関係閣僚会合のような大きな国際会議を開催してきた実績と経験、そして、レガシーを十分に生かすことも誘致実現には重要であります。  また、欧米では、特別感や地域特性を出せる歴史的建造物や文化施設、公的空間等もユニークベニューとしてイベント会場に活用しています。本県においても、世界の人々を魅了することのできるすばらしい施設が数多く存在していて、このような施設を活用することができれば、会議・レセプション等の開催を本県に誘致する上で強いアピールポイントになると考えています。  本県へのG7関係閣僚会合の誘致実現のためにも、これまでのレガシーをどのように生かしていくのか、また、県内の魅力的な施設をユニークベニューとして活用した開催実現と、実現した際の成功に向けて、今後の県の取組について、大井川知事に伺います。  この項目の壇上からの質問は、以上です。 6 ◯伊沢勝徳議長 星田弘司議員の質問、質疑に対する答弁を求めます。  大井川知事。                   〔大井川和彦知事登壇〕 7 ◯大井川和彦知事 星田弘司議員の御質問にお答えいたします。  ポストコロナを見据えた国際会議誘致についてお尋ねをいただきました。  まず、G7関係閣僚会合誘致の実現についてでございます。  私は、社会経済のグローバル化が進展する中、本県の存在価値を高め、県勢をより発展させていくためには、積極的にグローバル展開を図っていくことが不可欠であると考え、本県の魅力をアピールし、知名度を高める機会ともなる国際会議の誘致に力を入れてまいりました。  中でも、G7サミットは、国際的な重要性が非常に高い政府系の国際会議であり、本県では、2016年のG7科学技術大臣会合、さらには2019年のG20貿易・デジタル経済大臣会合をつくば市へ誘致し、本県の食の豊かさや魅力を国内外にアピールするとともに、国際会議の開催地としてのプレゼンス向上に努めてきたところでございます。  来年日本で開催されるG7は、本県の国際的な評価をさらに向上させる絶好の機会となりますので、関係閣僚会合の中でも特に注目度の高い外務または財務大臣会合を県都水戸市へ誘致したいと考えております。  水戸市は、明治維新の魁として、日本の近代化の原動力となった歴史的役割に加え、近世の日本の教育遺産群としての日本遺産にも登録された弘道館や、日本三名園の偕楽園などの史跡、水戸東武館に代表される武道など、世界に誇れる文化を有しております。  また、水戸市が東日本大震災からの復興のシンボルとして建設中の新市民会館は、G7関係閣僚会合に対応可能な会議機能を有するほか、国際メディアセンターとして運営が可能であるアダストリアみとアリーナ等と併せて、コンパクトで効率性の高い円滑な会議運営を図ることが可能であります。  つくば市と並ぶ開催拠点として、これらの特徴を備えた水戸市への誘致を実現することで、本県の国際会議開催地としての競争力向上を図り、さらなる国際会議の誘致に弾みをつけてまいりたいと考えております。  日本で開催されるG7サミットの開催地は、本年6月のドイツでのサミット開催までに決定され、引き続いて関係閣僚会合の開催地が決定される予定となっておりますことから、私自ら、迅速に関係機関等への働きかけを行ってまいりました。  1月には、林外務大臣を高橋水戸市長と共に訪問し、本県における国際会議開催の経験から、万全の体制で関係者をお迎えできることに加え、茨城が食材の宝庫であることや、水戸が誇る歴史・文化などによる特色あるおもてなし、東京との近接性といった本県開催の意義と優位性を強く訴えてまいりました。  また、昨日には、G7構成国の一つであるドイツのクレーメンス・フォン・ゲッツェ駐日大使が来庁され、本県とドイツとの交流に係る意見交換の中で、G7誘致の取組や本県ならではの魅力をアピールしたところでございます。  本県の一層のグローバル展開や県内経済の発展につなげていくため、引き続き、世界的に注目度の高いG7関係閣僚会合の誘致実現に向け、関係省庁との調整を重ねながら、私自身が先頭に立ち、全力で取り組んでまいります。  次に、これまでのレガシーやユニークベニューを生かした取組についてでございます。  議員御指摘のとおり、G7関係閣僚会合の誘致実現に当たっては、これまでのレガシーやユニークベニューを生かした取組も大変重要であると認識しております。  つくば市で開催され、成功裏に終了した2016年のG7科学技術大臣会合及び2019年のG20貿易・デジタル経済大臣会合において、本県が得た開催支援のノウハウは大きなレガシーであります。  私は、国際会議の開催においては、その開催機会を最大限に活用することが重要であると考えております。例えば、2019年のG20開催においては、最先端の科学技術やものづくり技術の集積を伝える魅力発信の場として、海外メディア向け県内視察ツアーの実施だけでなく、会合の開催に合わせて、輸出や対日投資に関するグローバル商談会を開催するなど、グローバル展開につなげられるよう努めた結果、海外との経済交流に発展するなどの成果が見られたところであります。  また、歓迎レセプションにおける常陸牛をはじめ全てを県産食材で賄った多彩で質の高い料理や地酒、書道パフォーマンスによる日本文化の披露などが好評を博したところであり、こうした本県ならではのおもてなしのノウハウも、誘致を進める上での大きなアピールポイントとなっているところであります。  加えて、将来を担う若者に向けて、グローバルな環境に身近に接する機会としていくことにも取り組んでまいりました。  具体的には、本県の児童・生徒がG20関係国の大使館等と交流するプログラムを実施したほか、つくば市の高校生は、食品ロス削減策について海外要人を前にスピーチを行い、海外メディアからの反響にも接するなど、グローバルな視点を持つ人財育成の活用を図ってきたところであります。  さらに、日立市の高校生は、G20サミットの関連イベントにおいて、各国政府などに政策提言をした経験から、国際舞台での活躍を志し、ハーバード大学へ進学した例も出てきており、本県開催の国際会議での経験をきっかけに、世界に羽ばたく人財が生まれてくるものと期待しております。  これらの開催実績やG7を契機とした経済交流、グローバル人財の育成への展開についても訴えかけていくことで、さらに誘致を図ってまいります。  また、G7の誘致実現に当たり、ユニークベニューの活用は、開催地の特別感をアピールする上で極めて効果的であると考えております。  水戸市には、日本の歴史や文化が体感できる施設が豊富にありますので、例えば、日本三名園である偕楽園を活用し、月池に面したエリアに整備中の迎賓機能を備えたパークレストランにおけるレセプションや、好文亭での茶道体験などについて、国へ提案しているところであります。  県といたしましては、水戸市をはじめ、各市町村や関係機関と連携し、G7関係閣僚会合の誘致実現に向け、本県の有するレガシーやユニークベニューを活用し、全力で取り組んでまいります。 8 ◯伊沢勝徳議長 星田弘司議員。 9 ◯34番星田弘司議員 再質問いたします。  ただいま、大井川知事より、誘致に向けた取組と、そしてまた、ユニークベニューをはじめ、各市町村との資源を活用した今後の取組等についてお話を伺いました。  今回の誘致実現に向けましては、私は、これまでの実績も大きなアピールポイントだと思いますけれども、それらを生かして、さらに安全面と、そしてまた、機運醸成が大きなポイントだというふうに考えております。  G7、G20の関係閣僚会合におきましても、安全に開催をできたということが大きな実績の一つかなと思っておりますけれども、その安全面においてどのように取り組んでいくのか、改めてお伺いします。  そしてまた、機運醸成についても大変重要なポイントだというふうに思っております。県民の皆様の後押しというものも必要だと思っていまして、そういった意味では、身近にそういったものを感じるというものだと、一つはやはりネットだと思うのですけれども、実は、「関係閣僚会合 誘致」で検索をするとなかなか茨城のことが出てこないのです。例えば、それで検索すると、「長野」、「群馬」、「香川」、「新潟」、「三重」で、なかなか茨城が出てこない。「関係閣僚会合 誘致」、そして「茨城」まで入れると、やっと、今、御答弁いただいた1月の誘致活動のニュースソースが出てくるというような状況です。  ですから、これから様々な機運醸成をする上では、ネットも含めた県民を巻き込んだ様々な取組も必要だというふうに考えておりますけれども、今後の取組について、改めて、大井川知事に、実現に向けての取組についてお伺いいたします。 10 ◯伊沢勝徳議長 大井川知事。                   〔大井川和彦知事登壇〕 11 ◯大井川和彦知事 再質問にお答えいたします。  安全面の対策については、2019年のG20関係閣僚会合を開催した経験も踏まえて、県警本部とも連携を取りながら、しっかりとした対策を行うということは十分可能であるというふうに考えておりますので、特段、安全面について心配をしているということはございません。  一方、機運醸成については、まだまだこれからということではないでしょうか。林外務大臣には直接お願いに伺いましたが、そのほか、様々、これからの活動をコロナ収束後にしっかりと本格的に行っていくことが重要ではないかなというふうに思っておりますので、その際には、ぜひ議員も含めた皆様のお力添えもお願いしたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。 12 ◯伊沢勝徳議長 星田弘司議員。                   〔34番星田弘司議員登壇〕 13 ◯34番星田弘司議員 今後、誘致実現に向けて大変期待をしております。  今回の国際会議誘致は、茨城の強みを世界にアピールする大きなチャンスだというふうに考えております。観光、飲食、生産者をはじめとした大きなダメージを受けた方々が多くいます。経済効果にも期待をしているところであります。我々もしっかりと応援をして、誘致実現に向けて取り組んでいただきますことをお願いいたします。  次に、コロナ禍における障害者就労支援施設への支援について伺います。  新型コロナウイルス感染症の拡大は様々な分野に影響を及ぼしており、就労継続支援B型事業所をはじめとする障害者就労支援施設もその一つです。  B型事業所は、一般企業などでの雇用が困難な障害者の方たちが通所をして、授産的な活動を行い、工賃を受給しながら、能力向上、あるいは一般就労等を目指す支援事業であります。  県では、2012年度に茨城県工賃向上計画を策定し、各事業所における工賃向上への主体的な取り組みを促進させるなど、障害者が持てる能力を最大限に発揮し、地域で生き生きと生活できるよう、官民一体となった取組を進めてきました。  これまで順調に上昇してきた本県の月額平均工賃は、令和2年度は新型コロナの拡大により伸び率が鈍化したとのことです。外出自粛やイベント等の中止により、対面販売の機会が減少したこと、県ではそのように分析をしていますが、経済活動の停滞により、事業所への受注減や対面での取引先開拓が難しかったことも大きく影響していると推察され、コロナ禍によって、これまでとは違った状況が工賃の伸びを鈍化させたものだと考えています。  神奈川県がB型事業所に行った調査では、新型コロナウイルス流行後の順調な事業の割合は、全ての項目で流行前に比べ減少していて、特に自主製造・販売、飲食は半減しています。  また、約8割の事業所が、事業が難航している理由として、新型コロナウイルスの影響を挙げており、その影響の大きさが伺えます。  先の見えないコロナ禍にあって、障害者の方が自分の能力に自信を持ち、地域で自立した生活を送ることができる支援が重要であります。  官公庁から優先調達に向けた市町村等への啓発や、共同受発注センターの活用、作業単価が高い施設外就労の促進などに一層取り組んでいただきたいと考えています。  そこで、コロナ禍における障害者就労支援施設への支援について、保健福祉部福祉担当部長に伺います。  この項目の壇上からの質問は、以上です。 14 ◯伊沢勝徳議長 飯塚保健福祉部福祉担当部長。                〔飯塚保健福祉部福祉担当部長登壇〕 15 ◯飯塚保健福祉部福祉担当部長 コロナ禍における障害者就労支援施設への支援についてお答えいたします。  障害の程度が比較的重い障害者の就労の場である就労継続支援B型事業所におきましては、障害者が働く喜びを実感し、自立した生活を営む上で、工賃水準の向上を図ることが大変重要であると認識しております。  このような中、新型コロナウイルス感染症の拡大により、全国のB型事業所における令和2年度の月額平均工賃は、令和元年度と比較して593円、約4%の減少となりました。  本県においても、同様に売上減少などの影響はございましたが、ネット販売への変更をはじめ、コロナ禍で需要の高かったマスクの製作や軽作業等の受注拡大に取り組み、令和2年度の月額平均工賃は、前年度比11円増の1万4,349円と、ほぼ横ばいにとどまりました。  しかしながら、本県の月額平均工賃は、令和2年度の実績で全国39位と低位であるため、今年度新たに策定した県の工賃向上計画において、県民所得等の状況を踏まえ、令和7年度に月額1万9,211円、全国10位の水準を目標工賃として設定いたしました。  この目標を達成するためには、さらなる受注拡大に向けて、事業所の自主的な取組や、県共同受発注センターの活用促進のほか、県や市町村による優先調達の推進などに取り組むことが不可欠であります。  このため、まずは、事業所の取組を促すため、今年度新たに工賃向上に関するガイドラインを作成し、県の目標工賃を提示するとともに、その実現に向けて、商品開発や販路開拓といった具体の改善ポイントの紹介、さらには、工賃向上指導員による個別訪問指導を行っております。  また、商品開発やマーケティングなどに関して、より専門的な支援を希望する事業所に対しましては、中小企業診断士などの専門家派遣による助言を行うほか、新事業展開に必要となる機器等の導入費用への助成など、意欲ある事業所を積極的に支援しているところでございます。  さらに、共同受発注センター新規発注案件の発掘を強化するため、4名の専門員が発注側企業へ直接出向いて、取引条件の交渉等を通じて案件獲得に注力しており、令和2年度には受注件数が276件、受注金額は約1億4,000万円に上るなど、受注件数、金額とも継続して前年度を上回っております。  しかしながら、受注側のB型事業所においては、障害特性によっては対応できる業務内容や作業量に限りがあるため、成約率は73%にとどまっております。  このため、今後は、B型事業所を対象として、施設外就労への挑戦や業務効率化に向けた工程管理の方法等に関する研修会により、受注能力の向上を支援してまいります。  一方、県や市町村の優先調達におきましても、事業所が提供可能な物品等の一覧表や調達に必要な手続をまとめたフロー図等の周知を通じて優先調達の拡大に努めておりますが、今後は、県内外の優良事例の普及・啓発により調達を推進してまいります。  県といたしましては、コロナ禍においても、障害のある方が持てる能力を最大限に発揮し、自立した生活ができる社会の実現に向けて、積極的に取り組んでまいります。 16 ◯34番星田弘司議員 再質問します。 17 ◯伊沢勝徳議長 星田弘司議員。 18 ◯34番星田弘司議員 ただいま御答弁をいただきました。  各事業所のほうもかなり努力をしていただきまして、ネット販売など様々な形でその減少部分を補おうと、本当に努力をしてきたようであります。  それぞれの施設によって状況は違うのだと思います。やはり減少をして困っている支援施設もありますので、そういった現状をしっかりと把握する、そういった調査も含めた取組をお願いしたいというふうに思っております。
     また、市町村の優先調達法に係る市町村の発注につきましては、市町村のそれぞれの実績を見ますと、かなり差が出ているように感じます。コロナ禍でかなり減った市町村もあるようであります。  そういった市町村に対して、どのようにその減った分、そしてまた、今後さらに工賃向上のために計画をさらに向上させていただくか、その取組について改めてお伺いしたいと思います。 19 ◯伊沢勝徳議長 飯塚保健福祉部福祉担当部長。                〔飯塚保健福祉部福祉担当部長登壇〕 20 ◯飯塚保健福祉部福祉担当部長 再質問にお答えいたします。  現状把握という御質問をいただきました。  私も農福連携の現場を見てまいりましたけれども、その現場においては、共同受発注センターが非常に機能しているというふうなお話を伺いました。  ただし、先ほど答弁申し上げましたように、障害の対応によっては、受けられる仕事が限られたりということもありますので、個々の事業所の状況に応じた状況を把握しつつ、受発注の強化に努めてまいりたいと思っております。  また、市町村の公共調達、ここの部分につきましても差があるということは事実でございますので、非常に頑張っている自治体の取組事例、好事例などを普及啓発することによって、この辺も推進を図ってまいりたいというふうに考えております。 21 ◯伊沢勝徳議長 星田弘司議員。                   〔34番星田弘司議員登壇〕 22 ◯34番星田弘司議員 コロナの影響によって、一時的に減ったところ、またあるいは維持できたところ、またあるいは減ったままのところ、様々あると思います。一定量の作業量が減ってしまうと、障害のある方々でありますから、より丁寧な対応が必要だと思っておりまして、心の不安定、生活への影響なども心配されるところであります。  ぜひ様々な取組を進めていただきまして、その支援、そしてまた、お仕事の確保、サポートをしていただきたいと思います。  次に、介護事業所におけるDX化の推進についてお伺いします。  介護ロボットを施設等で活用することは、介護従事者の労働環境の改善や、人材の確保や定着、質の向上に寄与するなど、様々な効果が期待できると考えています。  例えば、ここ数年の技術の進展による介護従事者の負担軽減に有効な介護ロボットの開発や、介護に係るデータの集積と分析による最適な介護プランの提供、要介護者の状態等を施設全体で情報共有できるなどの業務の効率化のほか、経験に基づく介護スキルの見える化が進み、若手人材の育成にも生かせるなど、介護の質の向上にもつながると考えています。  また、介護のDXは、単なる効率化・省力化などに変革をもたらすだけではなく、介護の在り方そのものを変革するものだと考えています。  先月、茨城県福祉介護事業協同組合が開催した茨城県介護ロボット地域フォーラムに伺いました。見守り・コミュニケーション支援ロボットや排せつ支援ロボットなどを体験してきましたけれども、いずれも介護現場において大きな効果が期待できるものだと感じました。  将来、誰もが介護の当事者となり得る中、過酷なイメージがある介護現場への認識を変える可能性がある介護DXの効果を、事業者はもちろん、社会全体に発信していくことが重要であります。  人とロボット等の融合により、ゆとりある質の高い介護が実現し、要介護者や家族も安心でき、若者の就業への心理的ハードルを下げ、人材確保にもつながると期待しています。  しかし、公益財団法人介護労働安定センターによる2020年度の事業所への調査結果では、介護ロボットの導入は、最も高い「見守り・コミュニケーション」でも3.7%で、「いずれも導入していない」は75.6%と、まだまだ広く導入されているとは言えない状況です。  さらなる介護ロボット等の導入を進める上で、一般への理解や、介護する側の理解を深める取組を進めるとともに、施設や現場ごとに状況によって必要な機器等が変わってくることから、施設ごとにきめ細やかに導入機器をアドバイスし、コーディネートする仕組みや人材の育成も必要と考えています。  そこで、介護事業所におけるDX化の推進について、保健福祉部福祉担当部長に伺います。  この項目の壇上からの質問は、以上です。 23 ◯伊沢勝徳議長 飯塚保健福祉部福祉担当部長。                〔飯塚保健福祉部福祉担当部長登壇〕 24 ◯飯塚保健福祉部福祉担当部長 介護事業所におけるDX化の推進についてお答えいたします。  超高齢社会が急速に進展し、今後、介護サービスの需要が増加する一方、生産年齢人口の減少に伴い、2025年に本県でも約5,700人の介護人材の不足が予測される中、人材確保が大きな課題となっております。  対面サービスを基本とする介護職は、身体的・心理的負担が大きいため、その負担軽減を図り、人材の確保・定着を図っていく上で、介護現場へのロボット機器の導入等によるDX化が不可欠であると認識しております。  このため、県では、介護職員の負担軽減を図れるよう、介護ロボットの導入等を支援しており、これまでに114事業所において延べ543台が導入され、特に介護の負担の大きい入居系施設で各種センサー機器の導入が進んでおります。  具体的には、センサーマットを導入した施設においては、自動で収集・データ化される利用者の生体データから微細な体調変化を把握し、最適な投薬時期や介護サービスの提供に活用をしております。また、排せつ支援センサーにより、円滑なトイレ誘導を行えるため、自立排せつにつながるなど、職員の負担軽減はもとより、利用者の生活の質の向上の面でも役立つといった現場の声を伺っております。  さらに、介護記録の作成や介護報酬請求に至る一連の事務作業が介護職の負担となる中、タブレット等でデータを電子化することで作業時間が半減し、介護サービスの時間的・質的向上につながったとする事例を踏まえ、新たに事務処理の効率化に資するICTの導入を支援対象に拡充しております。  一方、コロナ禍にあって、介護ロボットやICTの活用は、利用者との接触機会を減らし、感染防止対策の上でも大変有効でありますので、本年1月の臨時議会において、介護現場へのセンサー等の介護機器の導入支援を加速することといたしました。  介護ロボットやICTの導入によるDX化は介護現場を大きく変える可能性を秘めておりますものの、令和2年度に、公益財団法人介護労働安定センターが実施した実態調査では、導入コストや技術的に使いこなせる人材面の課題などから、介護ロボットは約8割、ICT機器については約6割の介護事業者が導入に至っておりません。  このため、今後は、個々の介護ロボットやICT導入支援に加え、新たに導入効果を見える化し、事業所の運営全体に効果を波及させるため、ロボット等の導入計画の策定から導入後の効果検証に至るまでの一貫した支援を通じて、介護分野のDXを牽引するような先進事例を創出してまいります。  また、介護ロボットやICT導入の有効性や必要性について、施設管理者を対象とした先進事例の成果発表や、具体の導入事例の紹介を通じて、その成果の横展開を図るとともに、各施設における介護ロボットの運用を担う人材の育成も強化してまいります。  県といたしましては、引き続き、介護現場におけるDX化を支援し、職員の負担軽減と利用者へのより良いサービスの提供に努めてまいります。 25 ◯伊沢勝徳議長 星田弘司議員。                   〔34番星田弘司議員登壇〕 26 ◯34番星田弘司議員 介護ロボットの今後の普及に大変大きな期待をしています。  これから、社会全体でその理解を深めていく上では、施設側の導入に対しての理解を深めるとともに、利用者の方々、御家族、そういった方々にも理解をしていただき、社会全体で理解を深めていくこと、これが重要だと思います。そういったことが、職員の負担軽減とともに、人材不足の解消、またさらには利用者へのより良いサービスの提供につながっていくものだと考えておりますので、引き続いての取組を期待申し上げます。どうぞよろしくお願いします。  次に、つくば市内の道路行政についてお伺いいたします。  まず、国道354号谷田部バイパスの整備の進捗と地域要望への対応について伺います。  この谷田部バイパス事業については、現在の国道354号が長年にわたって抱える大きな問題があるためと考えています。つくば市谷田部からつくば市赤塚までの区間は、慢性的な渋滞が各所において発生している問題があります。  また、つくば市上横場から赤塚の区間においては、国道354号沿いには住宅が建ち並び、昼間は慢性的な渋滞とともに、夜間には大型車両による振動にも悩まされています。  令和元年に、谷田部バイパスのうち、谷田部工区1.8キロメートルの区間が事業化されました。残る谷田部バイパスの県道取手つくば線から西側3.4キロメートルの事業未着手区間についても、地元小野川地区の8つの自治会が中心となって小野川地区整備促進協議会を立ち上げ、早期事業化に向けて、国、県、市に対して要望活動を行っているところでもあり、この事業未着手区間の早期事業化とともに、現在、事業が進められている谷田部工区の早期事業完了が求められています。  そこで、国道354号谷田部バイパス谷田部工区の今後の整備について、土木部長に伺います。  また、この谷田部工区の整備に当たっては、地元の皆様から、バイパスの整備に伴う機能補償に係る要望の声が上げられています。特に、市道1037号との交差部については、市道をこれまでどおりに通行できるように設計を見直すことを求めて、谷田部地区区長会連合会から要望書が提出されています。バイパスの整備とともに、地域の声としての要望についても対応し、地域にとって、よりよい道路事業になるよう取り組んでいただきたいと考えております。  そこで、国道354号バイパス整備に伴う地域要望への対応について、土木部長に伺います。  次に、都市計画道路上野花室線の整備についてです。  都市計画道路上野花室線は、中根・金田台の区画整理地を南北に縦断する4車線道路です。  この上野・花室線の通る中根金田台地区は、春風台から始まり、さくらの森、流星台と宅地開発も完了しました。そこへ住宅が建ち並び、大規模な商業施設も進出し、地域の人口が順調に増加をしているところです。  さらには、大手通販サイトの物流倉庫も進出し、これら開発の進捗に伴って交通量も増加し、地区内はもとより、周辺地区への深刻な問題を生み出しています。  この開発地区につながる県道藤沢荒川沖線においては、県道土浦境線との交差部で長い渋滞も発生していて、周辺集落への影響とともに、沿線開発地区のさらなる発展の足かせになることも心配されています。  また、この交通量の増加と渋滞等は、子どもたちの通学路における危険も出てきています。  私も、保護者の皆様と共に立哨指導を地元警察官と共に行いました。通学時間帯には、信号のない横断歩道ではなかなか横断ができず、危険な状況が連日見受けられます。  同じく中根金田台の上野・花室線へとつながる予定となっている、つくば市で進めている妻木金田線については、地元住民の皆様を対象に意見交換を行うなど、取組を進めてきています。  今後の中根金田台のさらなる開発の進捗を考えたとき、この都市計画道路上野花室線の早期整備は必要不可欠な問題であります。まずは事業化に向けて一歩踏み出すべきだと考えています。  そこで、この都市計画道路上野花室線の事業化に向けた取組について、土木部長に伺います。  この項目の壇上からの質問は、以上です。 27 ◯伊沢勝徳議長 仙波土木部長。                    〔仙波土木部長登壇〕 28 ◯仙波土木部長 つくば市内の道路行政についてお答えいたします。  まず、国道354号谷田部バイパスの整備の進捗と地域要望への対応についてでございます。  初めに、整備の進捗についてでございますが、つくば市内の国道354号は、市街地における交通渋滞の緩和やつくばエクスプレス沿線開発の支援などを目的に、県道つくば真岡線の真瀬入口交差点から学園東大通りの大角豆交差点までの延長約10.1キロメートルの区間を平成11年度に都市計画決定しております。  このうち、真瀬入口交差点から学園西大通りの稲荷前交差点までの約7.6キロメートルをバイパス区間として計画しております。  これまでに、真瀬入口交差点から都市計画道路新都市中央通り線までの約2.1キロメートル区間の整備が平成25年度に完了しております。  現在、新都市中央通り線から県道取手つくば線までの約2.1キロメートル区間につきまして、圏央道の4車線化や区画整理地内の宅地分譲が進み、さらなる交通需要の増加が見込まれることから、優先的に整備を進めているところでございます。  このうち、島名・福田坪土地区画整理地内の約300メートル区間については、区画整理事業において用地を取得しており、用地の取得率が約9割になったところでございます。残る約1.8キロメートル区間につきましては、これまでに、調査、設計を進め、今年度から用地の取得に着手したところであり、特に、今年1月から2月にかけて契約会を実施した結果、地元の多くの方に協力をいただき、用地の取得率が約4割になったところでございます。  今後も、地元つくば市と連携しながら、用地の取得に努めてまいります。  次に、国道354号谷田部バイパス整備に伴う地域要望への対応についてでございます。  市道1037号線との交差部は、県道取手つくば線の交差点と非常に近接しており、十分な交差点間隔が確保できないことから、中央分離帯を設置し、バイパスを横断できない計画としております。  このため、安全に迂回できるよう、バイパスに歩道や自転車道を設けるとともに、県道取手つくば線との交差点への信号機の設置について、交通管理者に依頼するなど、利便性と安全性を確保しつつ、地元の方に御理解をいただけるよう、丁寧に説明しながら事業を進めてまいります。  さらに東側の県道取手つくば線から稲荷前交差点までの3.4キロメートル区間の整備要望につきましては、現在、整備を進めている区間の進捗状況や周辺の交通量の動向を見極めながら、今後、事業化について検討してまいります。  県といたしましては、つくば市内の国道354号は、地域の経済活動を支える重要な路線であると認識しておりますことから、事業中であるバイパス区間の早期供用を目指すとともに、未事業化区間を含めた全体の道路ネットワークの完成を目指してまいります。  次に、都市計画道路上野花室線の整備についてでございます。  都市計画道路上野花室線は、中根・金田台地区の骨格となる交通軸として、平成11年に妻木金田線とともに都市計画決定された道路であり、県道藤沢荒川沖線から県道土浦境線に至る延長約3.3キロメートルの計画となっております。  つくばエクスプレス沿線開発の関連道路については、土地区画整理事業の進捗や道路ネットワーク形成の状況を勘案しながら、順次、道路整備を進めてきており、現在は、県道土浦境線のつくば市西平塚から酒丸までの区間で4車線化を進めるとともに、都市計画道路新都市中央通り線のつくば市下萱丸から谷田部までの区間などの整備を進めているところでございます。  中根・金田台地区の関連道路といたしましては、これまで、県道藤沢荒川沖線のさくら大橋を含むバイパス整備や、県道土浦大曽根線及び県道藤沢荒川沖線の現道拡幅などを進めてきたところでございます。  このような中で、UR都市機構による中根・金田台地区のまちづくりが進んできたこともあり、朝夕の通勤時間帯を中心に、周辺の道路において交通渋滞が発生している状況を確認しております。  この渋滞を緩和するためには、上野花室線の整備のほか、学園東大通りと中根・金田台地区を連絡する妻木金田線との一体的な整備が大変重要であると考えておりますが、この妻木金田線ついては、地元と事業実施に当たっての意見交換を実施している段階と、つくば市から聞いてございます。  県といたしましては、上野花室線については、妻木金田線と時期を合わせ、連携して整備していくことが、この地域の道路ネットワーク形成の観点から、最も重要であると考えております。  このため、現在、妻木金田線の整備主体となるつくば市と、上野花室線の事業化に向けて協議を行っているところでございます。  一方で、上野花室線の整備に当たっては、中根・金田台地区から県道土浦境線方面へ向かう橋梁が必要となり、その整備に多額の事業費を要するとともに、道路の完成までに長い期間を要することなど、多くの課題がございます。  県といたしましては、周辺道路の整備状況や交通状況などを勘案しながら、事業化について、引き続き、つくば市と調整を図ってまいります。 29 ◯伊沢勝徳議長 星田弘司議員。                   〔34番星田弘司議員登壇〕 30 ◯34番星田弘司議員 354号の谷田部バイパスの地域課題への対応については、大変失望をする答弁であります。やはり地域課題への対応というのは大変重要だと思います。用地の提供、様々な形で地域で協力をしているところであります。その上で、地域の機能保障というのは大変重要なところでありまして、生活に大きな影響を与えます。  まだこの事業は設計段階です。まだ時間的余裕もあると思います。そういった中で、これから協力をいただく地元の皆さんの声をしっかりと真摯に受け止めて、今後の対応について検討を進めていただくことを、この場をお借りしまして強く要望をしたいと思います。  また、上野花室線につきましても、市との連携も大変重要でありますけれども、県としてしっかりと一歩を踏み出すことが大変重要だと思います。事業化に向けた取組を強くこちらも要望しまして、次の質問に入りたいと思います。  次に、つくば地区の人口増加に対する県立高校の対応について伺います。  つくば市の統計データによりますと、1987年の市制施行当時の人口は15万7,202人でありました。現在は、茨城県常住人口調査によると、直近の令和4年1月1日においては24万7,822人で、1.5倍以上になっています。この人口増加の傾向は、33年間連続いている状況でもあります。  2015年度から2020年度にかけて、第2期つくば市教育プランでは、「教育日本一」を掲げてICT教育の充実などに取り組んできました。小中一貫校制度やつくばスタイル科という研究都市の教育資源を生かした独自の教科など、教育環境が注目され、子育て世代を中心とした県内外からの人口流入につながっているものと考えていて、2022年度では小中学校の児童生徒数は県内で1位となっている状況です。  一方で、中学生の進学先としての県立高校に係る問題が発生しています。  この問題は、並木中等教育学校の開設まで遡ります。当時の並木高校が中高一貫校になったことにより、それまで並木高校へ進学していた学力の生徒の行き場が突然なくなりました。そのため、進学先を私学や市外の高校へと変えていくことになり、その影響は現在もなお続いていて、市内県立高校への進学先は少なくなっているのが現状と考えています。  また、2011年には上郷高校も廃校となり、人口増加をしているつくば地区から、市内の県立高校から2校分の定員がなくなっているのが現状です。  近年は、市内小中学生が急激に増加をしている中、附属中学校設置に伴い、県立高校の募集枠減少が進められていて、つくば市周辺の県立高校においても募集枠が減少していくことになっています。  これらの状況を心配する一部の市民の方々から、県立高校新設を求める声を上げているように、つくば市内県立高校への進学を望む声も寄せられています。  市内県立高校においては、つくば工科高校のサイエンス専科高校への改編によって、2クラスの増員募集が計画されています。ただ、市内生徒の進学先としては、十分な定員増加には至っていないことが心配されます。  既存校の筑波高校などの改編も含め、市内にある県立高校の改革や、進学先として通学できるエリアの県立高校の定員増を図るなど、生徒が安心して望んだ進学先を確保できるように、教育環境を整える必要があると考えています。
     そこで、つくば地区の人口増加に対する県立高校の対応について、教育長に伺います。  この項目の壇上からの質問は、以上です。 31 ◯伊沢勝徳議長 小泉教育長。                    〔小泉教育長登壇〕 32 ◯小泉教育長 つくば地区の人口増加に対する県立高校の対応についてお答えいたします。  県立高等学校改革プランでは、交通網の変化や生徒の通学実態などを考慮し、県内各地区を12のエリアに分け、中学校卒業者数や生徒・保護者のニーズなどを踏まえて、学校や学科の配置を検討することとしており、つくば地区につきましては、つくば市のほか、つくばみらい市、守谷市、常総市を含めたエリアとして設定しているところです。  また、教育委員会が推計している将来の中学校卒業者数では、来春から2030年にかけて、県全体では約2,900人減少する一方、つくばエリアでは約800人増加する見込みとなっております。  県では、こうした中学校卒業者数の変動に対しては、原則、募集学級数の調整で対応しており、昨日実施した令和4年度県立高等学校入学者選抜においては、欠員の多い学校などを対象に11学級を削減いたしました。  一方、つくばエリアについては、令和5年度につくば工科高校をサイエンス専科高校に改編することに伴い、2学級増やすことなど、エリアの実情に応じて柔軟に対応しているところであります。  また、現在、県全体で中学校卒業者数の減少が進んでいる中、つくば市内の全日制の県立高校では、竹園高校以外は欠員が生じており、また、隣接する土浦市や常総市、下妻市などにある県立高校でも定員に満たない学校が生じ始めております。  こうした状況を踏まえますと、まずは、既存の県立高校の魅力化を図り、志願者を確保することを優先すべきであると考えております。  このため、サイエンス専科高校として新たなスタートを切るつくば工科高校につきましては、幅広く科学技術を学びつつ、ゼミ形式の課題研究で生徒自ら研究やものづくりを実践したり、大学や研究機関などと連携した教育活動を展開することにより、理系の大学等への進学を希望している中学生から志願してもらえるよう、生徒や保護者などへの広報活動に力を入れてまいります。  また、筑波高校につきましては、これまでも、大学進学に向けた指導体制の構築により、国立大学への進学者を輩出しているほか、地域を支える人財の育成を目指した体験的な学習活動である「つくばね学」の実施により、地域の方々から一定の評価をいただいているところでありますので、志願者確保に向け、ICTの活用による個別最適化学習を展開するなど、生徒や保護者の多様なニーズに対応した魅力づくりに向け、抜本的な対策を検討してまいります。  県といたしましては、地元つくば市などと連携を図りながら、県立高校のさらなる魅力化を着実に進めることにより、つくば地区の人口増加に対応してまいります。 33 ◯伊沢勝徳議長 星田弘司議員。 34 ◯34番星田弘司議員 時間がないので、簡潔にお伺いいたします。  県立高校の募集枠についてであります。  つくば市内の急激な増加というのはこれからも続いていくわけでありまして、お住まいのエリア、そしてまた、学力によっては、どうしてもこれから減少していく枠の中で、大変厳しい状況に陥ってしまう子どもたちもいます。  そういった意味では、既存校、特に通学できるエリア、周辺市における高校等の募集枠の増加というものも検討すべきではないかなというふうに考えておりますが、教育長に改めてお伺いいたします。 35 ◯伊沢勝徳議長 小泉教育長。                    〔小泉教育長登壇〕 36 ◯小泉教育長 再質問にお答えいたします。  つくば市から通学可能な県立高校の募集定員増につきましては、今後の中学校卒業者数の動向や隣接エリアを含めた県立高校の志願状況などを注視しながら、必要な対応を取ってまいりたいと思います。  また、通学方法も問題となりますので、地元つくば市と連携し、生徒の視点に立った対応を検討してまいります。 37 ◯伊沢勝徳議長 星田弘司議員。                   〔34番星田弘司議員登壇〕 38 ◯34番星田弘司議員 今のつくば市内の人口増加、子どもたち、児童生徒の増加というのは大変インパクトが大きくて、これからさらに増えていくことが予想されます。子どもたちが安心して通学できる、そういった教育環境をさらに整備していただくことを改めて要望いたします。  最後に、つくば特別支援学校の過密対策について伺います。  この問題につきましては、県議会議員に初当選以来、一般質問で取り上げている問題です。  211人でスタートしたつくば特別支援学校は、開校以来、少子化が進む中でも児童生徒数は増加が続いていて、県内最大規模となっています。  このつくば特別支援学校の過密問題については、県の第2期県立特別支援学校整備計画において最優先で検討すべき課題として位置づけられています。  平成30年度には、つくば特別支援学校の通学区域の一部である茎崎地区を伊奈特別支援学校へ変更したほか、平成31年4月には、石岡特別支援学校を開校したことに合わせて、通学区域の一部である旧筑波町地区を変更するなど、つくば特別支援学校の過密解消に向けて取り組んでいただいています。  また、このつくば特別支援学校本校舎においては、一つの普通教室をパーティションで2つに分けて使用したり、特別教室を普通教室へ転用するなど、対策を講じていますが、依然として抜本的な問題解決には至っていません。  県では、県立特別支援学校の教育環境の向上を推進するため、令和2年2月に県立特別支援学校教育環境整備計画、いわゆる「いばとくプラン」を作成しました。  その中で、つくば特別支援学校は、令和6年度においても慢性的な普通教室の不足が見込まれ、教室利用の工夫や改修などによってもその解消を図ることができない学校の一つとされ、つくば特別支援学校の不足教室の解消のために、近隣の用地取得も含め、校舎を増築するなど、施設の拡充を検討するという対応方針が示されています。  一日も早い過密状態の解消と、子どもたちの教育環境の改善が求められる中、つくば特別支援学校の過密状態解消のための取り組みについて、教育長に伺います。  この項目の壇上からの質問は、以上です。 39 ◯伊沢勝徳議長 小泉教育長。                    〔小泉教育長登壇〕 40 ◯小泉教育長 つくば特別支援学校の過密対策についてお答えいたします。  つくば特別支援学校につきましては、平成19年の開校当初は児童生徒数が211人でありましたが、平成29年には410人まで増加し、教室不足が生じていたために、通学区域の変更や特別教室の普通教室への転用などによりこれまで対応してまいりました。  しかしながら、令和元年度時点でも、児童生徒数は令和6年をピークに増加することが予想され、普通教室17室の不足が見込まれておりましたので、新たに校舎を増築することとし、先月、事業者と契約を締結したところであります。  増築する校舎は、軽量鉄骨2階建て、延べ床面積1,400平方メートルで、令和5年4月から利用が可能となります。  設備面につきましては、全ての教室に空調を整備し、トイレは温水洗浄機能付の暖房便座とするとともに、多目的トイレを各フロアに整備するほか、エレベーターやスロープを設置するなど、障害のある子どもたちの使いやすさに配慮したものとなっております。  この校舎が増築されることにより、教室不足が解消され、普通教室に転用していた特別教室も本来の用途に使用することで、理科の実験や家庭科の被服、調理の実習などができるようになるなど、児童生徒の教育環境がより充実したものとなります。  県といたしましては、つくば特別支援学校の過密対策に速やかに取り組み、子どもたち一人一人が安全・安心で快適な学校生活を送ることができるよう、教育環境の整備・充実に努めてまいります。 41 ◯伊沢勝徳議長 星田弘司議員。                   〔34番星田弘司議員登壇〕 42 ◯34番星田弘司議員 増築への答弁をいただきました。  障害のある子どもたちです。児童生徒からは、増築による大規模化への不安というのも述べられているところでもございます。  先ほど、答弁のほうでは、環境変化に対する不安を感じている方々のことも理解をしていただきまして、環境変化に対する配慮も丁寧に答弁をしていただきました。  今後、令和5年4月からのスムーズな移行というものをできるように、また、丁寧な対応をしていただきたいというふうに思います。  児童生徒のよりよい教育環境づくりのために、引き続き取り組んでいただきますことを、この場をお借りしまして改めて要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。  御清聴、誠にありがとうございました。(拍手)          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 43 ◯伊沢勝徳議長 暫時休憩をいたします。  なお、会議再開は、午後2時20分を予定いたします。                     午後2時3分休憩          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━                     午後2時21分開議 県政一般に関する質問並びに上程議案に対する質疑(続) 44 ◯舘静馬副議長 休憩前に引き続き会議を開き、県政一般に関する質問並びに上程議案に対する質疑を続行いたします。  なお、傍聴人の皆様に申し上げます。  傍聴人の拍手は禁止されておりますので、御留意願います。  八島功男議員。                 〔38番八島功男議員登壇、拍手〕 45 ◯38番八島功男議員 公明党の八島功男です。  初めに、新型コロナウイルス感染症に罹患され、お亡くなりになられた皆様に心からお悔やみを申し上げます。  オミクロン株の猛威から、思いもよらず感染された皆様にもお見舞いを申し上げます。  そして、社会経済活動の現場で奮闘されている全ての皆様に、感謝と敬意をお伝えいたします。  また、ロシアによるウクライナ軍事侵攻に断固抗議するとともに、核による威嚇・牽制は断じて容認できるものではないと申し上げ、即時停戦を求めます。  歴史の行方を根底で決定づけるのは、ウイルスの存在ではなく、あくまでも私たち人間にほかならないとの哲学者の言葉があります。今こそ、何のため、誰のためにの目的感を明確に、足下の現実をまっすぐ見据えてこの難局を乗り越えてまいりたい。  私は、SDGsの精神である誰一人取り残さない政策実現で茨城県の新しい価値創造に挑戦したい、挑戦し続けたいと決意しております。  それでは、通告に従って質問いたしますので、知事をはじめ教育長、各部部長には明快なる御答弁をお願い申し上げます。  最初に、2050年を展望し、新しい茨城づくりのグランドデザインとなる新茨城県総合計画と、社会の成熟に伴う幸福への希求に応えるいばらき幸福度指標について、知事に伺います。  新総合計画の基本的な考え方にある「活力があり、県民が日本一幸せな県」の実現に向け、ウィズコロナ・ポストコロナ時代を見据え、5つの視点で4つのチャレンジの推進は、知事1期目の政策を踏襲しつつ、新型コロナウイルス感染症へ毅然と取り組む決意があふれていると評価したいと思います。  知事が言う非連続との時代認識はもちろん、コロナ危機があらわにした差別や分断に向き合い、社会の在り方を紡ぎ直す時が来たと考えます。  新しい茨城のバリュー(価値)は、物の追求ではなく、自他ともに喜び合える関係性を深める行動にあります。その意味で、いばらき幸福度指標を作成するに当たっては、日本一幸せとの抽象性へのジレンマと、当たり前として見逃してしまう幸福の見える化が必要不可欠だと考えます。それでこそ、その時の気分に支配される人生の満足を主観的幸福と客観的指標にリンクさせるチャレンジは、拡大・成長の時代から成熟・定常化の時代に向かうとき、重要な試みでありましょう。  さて、知事は、幸福とは、チャレンジできることとお考えのことと思っております。それゆえ、県民がチャレンジできる環境づくりを新総合計画に落とし込んだと拝見しましたが、いかがでありましょうか。  その上で、私は、挑戦したくともできない県民もいるとあえて申し上げます。コロナ禍が差別と分断を生んだことは紛れもない事実です。結果は、自己責任と割り切る冷たさより、自他ともに喜びを分かち合える関係性をきめ細やかな政策で実現してまいりましょう。  私は、持続可能性(サスティナブル)、多様性(ダイバーシティ)、しなやかな強さ(レジリエンス)、包摂性(インクルーシブ)を兼ね備えた茨城を実現する新総合計画を遂行されることを期待したいと思います。  ついては、県民幸福度No.1の新しい茨城づくりに挑戦するための新総合計画といばらき幸福度指標について、知事の御所見を伺います。  次に、コロナウイルス感染対策から考える国と地方の役割について伺います。  現下の難局にあって、国と地方自治体は緊密な連携が必要なことは当然のことながら、時に、国と地方自治体の役割分担で齟齬が生じているとの指摘があります。また、政策遂行において、国と地方のスピード感が違うとの議論もあります。  新型コロナウイルス感染対策において、国は、基本的対処方針を定め、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置を発令、入国制限を行います。都道府県は、時間短縮営業・休業を要請する具体的な対象を決定する。また、市町村へのワクチン配分などを行うとともに、保健所のコロナ対策を統括します。保健所は、入院調整とともに、感染者情報を国に提供する役割を担います。市町村は、小中学校の休校判断や定額給付金の実務を担ってまいりました。  このような中、緊急事態宣言下にあって、大型商業施設などの休業要請に関する範囲をめぐり、国と地方の見解の相違が見られ、休業補償金の財源をめぐり、地方の裁量が制限されているとの指摘がありました。  有識者からは、平時と緊急時で国と地方の役割分担を見直すべきであるとの意見もあるようであります。  大井川知事は、茨城版コロナNextの策定や「いばらきアマビエちゃん」のシステム採用など、国に先駆けて重要施策に取り組まれたことを承知しております。  また、本県は、国への中央要望や全国知事会等の共同提案要望を活用しており、地方が輝く時代にあって、大井川知事の国との連携と発信力に期待が高まると考えるものであります。  ついては、コロナウイルス感染対策から考える国と地方の役割について、知事の御所見を伺います。  次に、県民幸福度No.1の新しい茨城づくりに挑戦を推進するために策定された積極果敢な県財政運営について、令和4年度当初予算編成の財政事情について伺います。  今回、当初予算で示された一般会計予算案は、1兆2,816億円と前年比1.0%のマイナスとなるものの、過去2番目の規模となりました。歳入では、県税収入では、法人税が前年比36.6%上回り、999億円となるなど、県税収入全体で374億円増の3,981億円となりました。  加えて、地方交付税が前年比99億円増の1,967億円を計上した結果、臨時財政対策債が前年比635億円減少、通常県債も前年比55億5,000万円の減少となったと概括できます。  このことから、令和4年度単年度の財政事情は、県債残高やプライマリーバランスを見ても、厳しい財政が一息つくものと思われますが、コロナ禍にあって、令和5年度以降の県税収入が不透明である以上、歳出における義務的経費の増加や積極果敢な事業組成要求にあって、選択と集中による財政管理にも一層のめり張りが必要であると考えます。  そこで、健全な県財政の運営の指標となるプライマリーバランスの目標値を示し、さらなる改善策を含めて、未来志向の財政運営における戦略的予算編成を目指しての令和4年度当初予算編成の財政事情について、総務部長の所見を伺います。  続いて、幅広い手法による財源の確保への取組について伺います。  今、都道府県の新しい財源の確保手段として、環境改善や社会問題解決を目的としたESG債の発行が各地で計画されております。環境施策を推進する目的を明示して個人向けに発行する市場公募債(グリーンボンド)がその一例です。県の取組む環境改善施策へ共感する県民への広がりは、県の政策転換の大きな推進力となると考えます。  また、3月1日まで募集していた県有施設へのネーミングライツ(命名権)による財源確保等は、県有資産の有効活用のみならず、同時に、施設命名権者は、企業名や商品名などを幅広くPRすることで地域貢献のイメージアップが期待できます。金額を安価にすることで、歩道橋などは、命名権者が誇りと愛情を持って施設の美化に励むなど、単なる購入にとどまらない効果を期待したいと思います。  そこで、今後の県財政の多様な財源確保の一つとして、市場公募債の発行やきめ細やかな県有施設へのネーミングライツの推進について、総務部長の所見を伺います。  さらに、県財政の見える化について伺います。
     新しい茨城県総合計画の挑戦する県庁への改革では、県は、未来志向の財政運営の施策として、財政健全化目標の設定と財政状況の見える化を掲げました。中でも、県財政の見える化の推進方策では、財政収支の見通しや予算・決算等の分かりやすい広報をするとしております。私は、この推進方策をぜひとも実現していただきたいと申し上げます。  現在、県民が本県の財政状況を自ら知ろうとするとき、県のホームページで茨城県財政状況との検索が可能です。検索によれば、まずは、地方自治法等に基づく公表文書、次いで、貸借対照表・行政コスト計算書・資金収支計算書・純資産変動計算書などの財政書類、さらに、主要財政項目を時系列的に示す茨城県の財政状況と今後の財政収支見通しを見ることができます。  これらをもって、県は、見える化の広報は十分であると考えているかもしれません。そもそも、県財政の見える化とは何のためにあるのでしょうか。見ていただく対象者とは誰でしょうか。確かに、県財政を理解するのは難しい。しかし、私は、難しいを難しいままにしていれば見える化にはならないと考えます。現在と将来の財政状況を知ることは、行政施策に暮らしを委ねる県民の権利です。県民には、税金の使い道、そして、財布の中身を知る当然の権利があります。  かつては、「いばらき家の家計簿」がありました。県予算20億円が1万円の家計簿でありました。  見える化とは、県民の知りたいことに答えることです。県財政の全てではなく、問いと答えを「茨ひより」が優しく教えてくれれば、それでも構いません。県民目線の県財政であるべきです。  本来、新公会計制度の財務書類4表は見える化のための資料であると考えます。この4表の活用にはまだまだ工夫が足りません。  以上を踏まえて、県民のための県財政の見える化にどのように取り組んでいくのか、総務部長の所見を伺います。  次に、霞ヶ浦の新しい価値創造について伺います。  第17回世界湖沼会議からはや3年が経過しました。最終日には、生態系サービスを公平に享受することと次世代に引き継ぐことを柱としたいばらき霞ヶ浦宣言2018を採択いたしました。  生態系サービスとは何か。簡潔に言えば、生態系とは自然であり、サービスとは恩恵です。本県では、2014年に策定の茨城の生物多様性戦略の中で、生物多様性から受ける恵みを生態系サービスという考え方に落とし込み、生態系サービスと人間の福利との関係を相関して、4つのタイプを提示しました。  その上で、生態系サービスを経済的な価値として試算し、2016年分試算では、基盤サービスで166億円、供給サービスで463億円、調整サービスで751億円、文化的サービスで3億円を示しました。これは画期的なことであると考えております。  とともに、ここで最も大切なことは、生態系サービスの指標の推移と経済的価値です。県が提示した1945年(昭和20年)から2018年までの推移では、マイナス指標として内水面漁業や伝統的工芸や水産加工物などを示して、約10億円のマイナスと表示いたしました。プラス指標では、農業用水・工業用水・水道用水など水供給と洪水調整による自然災害の防護により、約1,126億円の便益があると結論しました。  歴史を振り返れば、霞ヶ浦開発事業は、霞ヶ浦周辺地域を洪水や塩害から守り、高度経済成長や農業、工業の発展に伴い増大した茨城県、千葉県、東京都の水需要に対応するための霞ヶ浦を水源地化する開発事業でありました。  私事ではありますけれども、八島家は、昭和19年の初頭に埼玉県川口市から疎開し、入植いたしました。土浦市田村町の霞ヶ浦湖畔の堤防横に一軒家を構えました。隣接の簡便な堤防は毎年のように決壊し、多くの農家を悩ませました。1960年代、母校の小学校にはプールがなく、霞ヶ浦をプールにして、何度も霞ヶ浦の水を飲みながら水泳を覚えました。これが私の「泳げる霞ヶ浦」の原体験です。  高台にある小学校を目指す通学路からは、風を受け、湖面を走る数えきれないほどの帆引き船に心躍らされました。この光景は観光ではなく、霞ヶ浦漁業のなりわいそのものでありました。  昨年、森林湖沼環境税の4期目の継続が議決されました。県の水質浄化への取組では、高度処理型浄化槽の設置補助をNP型に限定するなど、環境税の充当事業の縮小を提示しながら、一方で、浄化効果の高い事業に重点化するといたしました。  このように霞ヶ浦水質浄化対策は手詰まり感が明らかになったと思っております。現時点で、霞ヶ浦の未来展望を示していないことが残念でなりません。  これらを踏まえて、私がここで申し上げたいのは、今こそ、私たちは霞ヶ浦のために何ができるかを問うべきであるであります。生態系サービスを論じて、俯瞰して霞ヶ浦を再考しても、当たり前の存在である霞ヶ浦の真実を多くの県民は忘れているように思います。  時代は、持続可能な開発目標を展望するSDGsを力強く実践する絶好機です。だからこそ、今こそ霞ヶ浦の未来構想を自由に論じて、霞ヶ浦の新しい価値創造の一歩を踏み出したいのです。  その意味から、例えば、霞ヶ浦未来構想フォーラムのような議論の場を立ち上げていただきたい。そして、中核機関として、霞ケ浦環境科学センター機能の充実強化を図りたいと思います。霞ケ浦環境科学センターの4つの機能を、市民、研究者、企業及び行政の4者のパートナーシップでさらに充実させていただきたい。センター機能の充実を図り、人の集まるランドマークになってほしい。自主財源獲得の工夫も必要だと考えます。  また、霞ヶ浦について広く学ぶ教科書が必要ではないでしょうか。  かつての霞ヶ浦対策課は、2001年に「霞ヶ浦学入門」というすばらしい冊子を作成しました。これを改訂し、再び霞ヶ浦の全貌を広く知らしめてほしいと思います。  霞ヶ浦を知るのは本当に難しい、これが偽らざる私の本音です。霞ヶ浦は自然現象であり、同時に社会現象であると言った識者がおります。先人の果たした歴史を大切にし、霞ヶ浦への新しい展望を取りまとめていただきたい。  さらに、環境学習の充実が必要です。県民にとって当たり前で、疑いのない生態系サービスを実感し、感謝できるように教育の必要性があります。「愛する霞ヶ浦」とどれほどの県民が誇りを持って世界に伝えていけるか、茨城県らしい環境教育体系の整備を求めたいと思います。  以上を踏まえて、霞ヶ浦の新しい価値創造について、県民生活環境部長の所見を伺います。  次に、改正された民法が施行される4月1日を目前にして、成年年齢18歳の権利と義務、そして、責任について伺います。  我が国の法律では、“大人”かどうかを法の適用基準とする場面が多く見られ、その一つに成年があります。民法では、成年者に対して、独立・完全な行為能力を与えており、親の同意を得ない各種の契約を締結できるようになります。一方、未成年者には様々な制限が規定されております。  民法の成年年齢が引き下げられた結果、令和4年4月から、18歳、19歳の者も単独で有効な契約をすることが可能になり、父母の親権に服さなくなります。また、民法以外の法律や制度にも影響があり、10年間有効なパスポート取得や各種の国家資格の取得も可能となります。  一方で、飲酒・喫煙、馬券投票券などの購入については、健康被害の防止やギャンブル依存症対策といった観点により、二十歳という年齢要件が維持されているものもあります。  なお、時代とともに“大人”の年齢も変わる中で、少年法の適用年齢を考えるときに、成年と少年の区別については、今後も議論が続くことになると考えております。  来る新年度、多くの若者が高等学校在学中に成年年齢に達することになります。それも、ある日一斉ではなく、誕生日の到来順であり、クラスには成年と未成年が混在する事態となります。高校では、18歳選挙権への対応の経験はあるものの、今回はフルサイズで法的行為能力が違う生徒に対して、教員の皆さんは対応していかなければなりません。  さて、成年年齢を迎える前に理解を深めてほしいことの第一、それは契約です。ライフステージのほとんどで繰り広げられる法律行為である契約は、当事者双方の合意をすることで、片方または双方が権利や義務を負うことです。約束事と契約の違いは法的拘束力の有無です。約束が守られなかった場合には、強制的に権利や義務を履行してもらうことが可能です。  今まで二十歳までできなかったことができるという権利と同時に、未成年を保護していた未成年者取消権を失うなど、自らの行動への責任があることへの理解を深めなければなりません。理解不足が原因で予期せぬ契約不履行などに陥り、未来ある人生に影を落としてはなりません。  これらを鑑み、消費社会にあって、トラブルに巻き込まれず、契約社会のルールに従い、暮らしとお金の価値を知る自立した消費者として成長するための成年年齢18歳の権利と義務、そして、責任について、教育長の所見を伺います。  次に、権利擁護支援の地域ネットワークを構築するための成年後見制度の利用促進について伺います。  まず、現状と課題、今後の推進施策についてです。  言うまでもなく、成年後見制度とは、認知症、知的障害、精神障害などによって物事を判断する能力が十分でない人の日常活動を法律的に支援する制度です。判断能力があり、将来に備えた方の任意後見制度、既に判断能力に不安がある方の法定後見制度があります。  預貯金の引き出しをはじめ、お金の管理ができなくなるおそれ、介護サービスや入院が必要で契約ができなくなるおそれ、消費者被害や詐欺のターゲットとなるおそれがあるなど、認知症高齢者は約600万人と推定されています。加えて、単独世帯の高齢者の増加が見込まれることから、成年後見制度の必要性はいやまして高まります。  一方で、令和2年12月末の成年後見制度利用者は全国で約23万人にとどまり、本県でも約3,000人と低位にあります。  幾つかの課題も指摘されております。財産の不正使用を防ぐという観点から、親族よりも法律専門職が後見人に選任されることが多くなったことで、家族の戸惑いや生活密着のきめ細やかな支援の不足、報酬への不満などがあるというものであります。  国は、今般、2022年度からの成年後見制度利用促進基本計画を取りまとめました。そこでは、地域共生社会の実現を目的に、県が市町村の体制整備の推進や、市町村単位で解決の困難な広域的な課題への対応を促進するとしています。  県は、専門職の協力を得て、親族後見人や市民後見人等に対して、意思決定支援研修を継続的に実施し、権利擁護体制の組織的な整備を推進していただきたいと考えます。  さらには、成年後見に係る役割に応じた多様な担い手の確保と育成を充実させ、各家庭裁判所との情報交換や橋渡しに注力していただきたいと思います。  誰もが人としての尊厳を保ったその人らしい生活を継続できるよう、本県の成年後見制度の現状と課題、今後の推進施策について、保健福祉部長の所見を伺います。  次に、市民後見人の育成と活躍機会の創出について伺います。  市民後見人とは、専門職や社協以外の人で、本人と親族関係がなく、社会貢献のために、自ら後見人養成講座に学び、一定の知識や技術、態度を身につけた上で、希望して家庭裁判所から選任を受けた後見人です。今も増加し続ける後見需要の担い手として、今まで以上に期待されております。  その活動形態は、個人と法人がありますが、個人が市民後見人として家庭裁判所からの選任が難しいように感じております。一方で、市民が主体となってのNPO法人や一般社団法人等が後見受任しての活動が増加していることは喜ばしいことであります。法人として所属員の衆智を集め、最善の後見方策を検討し、複数の見守りが継続的に実施され、報酬の受領を含め、地道な成果が積み上がるなど、市民後見法人はこれからの成年後見の柱となり得るものだと考えております。  今後の成年後見は、当初は、弁護士など専門職により、債務整理などの課題を解決し、状況が落ち着いてから市民後見人に交代するというリレー方式が必要であるという指摘があるようであります。弁護士など法曹人口が少なく、地域偏在のある本県には重要な方向性です。  私は、困難を抱える多くの高齢者や障害者の身上監護と権利擁護に奔走していただく成年後見人の増加と成年後見制度を本県にしっかりと定着させてまいりたいと考えます。  ついては、県のリーダーシップときめ細やかな施策による市民後見人の育成と活躍機会の創出について、保健福祉部長の所見を伺います。  次に、持続可能な農業の政策を展望し、農業者に対するGAP(農業生産工程管理)と農業版BCP(事業継続計画)策定の促進について伺います。  農林水産省は、持続可能な農業とは、農業の生産性を高めると同時に、環境への負荷を軽減させる農業としております。農業は手間暇のかかる作業の繰り返しです。農作物の生育はお天道様次第で、販売価格を自ら決めることも容易ではありません。だからこそ、生産性向上と付加価値向上が重要です。  私は、これらを実現するために、農産物が食品として安全であることを認証するGAPの取組を推進してまいりたいと考えます。  本県は、2020東京オリンピック・パラリンピックへの食材提供のための制度として、茨城県GAP第三者確認制度を運用してまいりました。本制度は、本県独自の茨城県GAP規範に基づき、46者・団体が審査承認され、オリパラ終了までのものでありました。  もとより、GAPは、農業活動を改善し、よりよい農業経営を実現する取組です。ぜひともGAPの上位クラスに挑戦し、本県農産物の輸出を支えていただきたいと考えます。  さらに、GAPには新しい展開が期待されます。GAPは、食品安全、環境保全、労働安全、労務管理、経営管理が柱であり、農業経営の持続可能性のために必要不可欠な制度です。  そして、これらは、農業版BCPに展開されます。農業版BCPは、自然災害に対して、被害額軽減や事業継続のリスクマネジメントに備えるチェックリストも農業経営に有効な確認事項であり、災害にあっては、復旧復興のレジリエンスになると確信します。  ついては、これからの持続可能な農業経営を展望し、農業者に対するGAPと農業版BCPの策定の推進について、農林水産部長の所見を伺います。  次に、農業の持続可能性は女性の活躍で決まるとの思いから、農業を支える女性の活躍について伺います。  国は、農業女子プロジェクトを立ち上げ、農業内外の多様な企業・教育団体と連携して、農業女子の知恵を生かした新しい商品・サービスの開発、未来の農業女子を育む活動・情報発信等を行うなど、農業女子同士のネットワークづくりに取り組んでおります。  これらの目的は、女性農業者の存在感を高め、意識改革と経営力の発展に寄与し、若い女性から職業選択に農業を加えるとしていることから、本県としても、地域農業のリーダーとしての女性農業士の選抜や交流などと方向性を同じくしていると考えます。  農業従事者の重要な担い手は、約5割弱を占める女性です。農業女子は、農業の魅力を、おいしいものを多くの人に届けられる、農業そのものが楽しいと語ります。農業女子の前の職業は、農家ではなく、サービス業が最も多いという調査もあります。  そして、農業女子の強みは、きめ細やかな気配り・目配り、そして、消費者マインドがあるであります。私は、このような農業女子の意欲と能力を最大限に発揮させるかどうかが茨城農業発展の成否を決めると確信します。  農業は食と一体です。大切な友人にどのような農作物を食べてほしいのか、最高の食べ方は何かを知るのは女性の力が必要です。この力を農家レストランなど地域複合アグリビジネスへと発展すると期待しております。  さらに、都市部からのふるさと回帰の大きな力になりましょう。  そこで、農業県茨城のこれからを展望し、農業所得の向上や雇用の創出、風土や地域の伝統文化の保全など、様々な場面で期待が高まる農業を支える女性の活躍について、農林水産部長の所見を伺います。  以上で、質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 46 ◯舘静馬副議長 八島功男議員の質問、質疑に対する答弁を求めます。  大井川知事。                   〔大井川和彦知事登壇〕 47 ◯大井川和彦知事 八島功男議員の御質問にお答えいたします。  初めに、新総合計画といばらき幸福度指標についてお尋ねをいただきました。  私は、知事就任以来、新たな発想で、失敗を恐れず、総合計画に掲げた4つのチャレンジを推進することで、「県民が日本一幸せな県」の実現に向けた取組を進めてまいりました。  その中で、様々な事情で支援を必要とされている方に対しても、生き生きと暮らせるための必要な施策を講じているところであります。  例えば、今般のコロナ禍により困難な状況にある方々に対しては、就労支援の強化や、教育費の負担軽減、子どもたちの学習支援などに取り組んできたほか、事業者に対しても、事業継続に必要な資金繰り支援や、新たな生活様式に対応した事業を始めるための支援など、県民の命と健康、生活を守る取組を全力で進めてまいりました。  その上で、デジタル社会を見据え、行政や教育、医療、産業、インフラなどの様々な分野でDXを推進するとともに、全ての県民がその恩恵を受けられるよう、デジタルデバイドの解消に取り組むなど、新たな未来を切り開く取組についても進めているところであります。  現在策定を進めております新しい総合計画においても、こうした歩みを止めることなく、ポストコロナやデジタル社会の到来、カーボンニュートラル達成に向けた動きなど、本県を取り巻く大きな環境の変化に対応した施策について、変化や失敗を恐れず、新たな発想で挑戦してまいります。  また、政策・施策を展開する視点として、性別・国籍・家庭環境等にかかわらず、誰もが生き生きと暮らせるような誰一人取り残さない社会づくりや、県民誰もが自身のかなえたい夢に向かって挑戦できる環境づくりなどを継続して設定し、新しい茨城づくりに向けた4つのチャレンジを進化させながら加速してまいります。  さらに、今まで抽象的な概念にとどまっていた幸福について、県民の共感と納得を得られるよう、いばらき幸福度指標を導入し、県民一人一人が幸せを実現できる環境の充実度を見える化することで、政策の方向性を検討するとともに、本県の豊かさ・暮らしやすさを県内外に発信してまいります。  今後とも、「挑戦」「スピード感」「選択と集中」の3つの基本姿勢を徹底しながら、県民幸福度No.1の実現に挑戦してまいります。  次に、コロナウイルス感染対策から考える国と地方の役割についてお答えいたします。  議員御指摘のとおり、感染症への対応に当たっては、国と地方が緊密な連携を図りつつも、それぞれの果たすべき役割をしっかりと分担することが非常に重要であります。  私は、感染症対応などの緊急時においては、時々刻々と変化する地域の状況を的確に捉え、迅速かつ効果的な対策を講じることができる地方こそイニシアティブを持つべきであると考え、かねてより全国知事会などを通じて国に提言してまいりました。  本県においては、県内で初めて新型コロナウイルス感染者が確認される以前から、医師が必要と判断したケースは全て検査する方針を打ち出すとともに、PCR検査のローラー作戦や、福祉施設における全員検査を迅速に実施するなど、ウイルスの早期探知と封じ込めに向けた検査体制の拡充に取り組んでまいりました。  また、国が感染状況を判断する指標を用い始める3か月前には、県独自の対策指針茨城版コロナNextを発表し、対策の明確化と透明性の確保を図るとともに、「いばらきアマビエちゃん」システムを導入し、県民や事業者に利用を義務づける条例を制定するなど、感染対策と社会経済活動の両立を図ってまいりました。  さらに、令和2年秋以降の第3波においては、感染拡大市町村の指定によるピンポイント対策や、県独自の緊急事態宣言の発令など、先手先手の対策を講じることにより、感染の早期抑制を図ってまいりました。  しかしながら、国においては、本県からの度重なる要請にもかかわらず、緊急事態宣言の適用を躊躇するなど、対策方針に関して、本県と見解が異なったことに加え、宣言地域とそれ以外の地域との間で財政的な支援に差が出るなどの弊害も生じたことから、新型インフルエンザ等対策特別措置法の改正について全国知事会から国へ提言したほか、私は、複数の知事とともに、中小事業者に対し、公平な支援を行うよう国に強く申し入れを行いました。  その結果、感染拡大を早期に防止するためのまん延防止等重点措置が創設され、飲食店への協力金が宣言地域と同等に引き上げられるなどの改正につながったところであります。  さらに、ワクチン接種につきましては、県内5か所に大規模接種会場を設置したほか、接種状況を見える化し、目標を明確化することで、昨年10月までに全人口の8割の方への2回目接種を完了いたしました。  年明けから感染が急拡大した第6波におきましても、本県では、オミクロン株の特性を踏まえ、濃厚接触者の待機期間短縮や小学校のリモート学習の実施など、国に先んじた新たな対策を講じるとともに、ワクチン3回目接種の加速等について知事会などを通じて提言した結果、国の基本的対処方針において、2回目接種から6か月を経過した方々への接種促進が盛り込まれるなどの見直しが行われたところであります。  今後も、引き続き、感染症の早期克服に向け、私自ら陣頭に立って取り組むとともに、本県が迅速かつ効果的な対策を講じられるよう、適宜、中央要望や知事会などの場を活用し、国に働きかけてまいります。 48 ◯舘静馬副議長 次に、飯塚総務部長。                    〔飯塚総務部長登壇〕 49 ◯飯塚総務部長 積極果敢な県財政運営についてお答えいたします。  まず、令和4年度当初予算編成の財政事情についてでございます。  令和4年度当初予算は、県民の命と健康、暮らしを守り、社会経済活動との両立に注力するとともに、茨城の底力を最大限引き出しながら、未来を見据えた施策を積極的に推進するための予算として編成いたしました。  令和4年度の県税収入につきましては、令和3年度の税収の状況や県内企業の動向、国の地方財政計画などを踏まえ、見積もったところでございます。  今後、将来にわたり安定した県税収入を確保していくためには、県内経済の活力を維持することが不可欠でありますことから、令和4年度当初予算においても、カーボンニュートラルへの対応のほか、企業誘致の推進、県産品の輸出拡大など、本県産業の稼ぐ力を伸ばすための事業に予算を計上したところでございます。  一方、議員御指摘のとおり、新型コロナウイルス感染症の今後の状況やウクライナをめぐる国際問題が日本の景気に及ぼす影響など、不透明な部分も抱えております。
     今後、不測の事態により、税収が急激に落ち込んだ場合には、減収の状況により発行が認められる減収補てん債を活用するほか、国に対し、地方交付税などを通じた適切な財源確保を働きかけることで一般財源総額を確保し、必要な行政サービスをしっかりと県民に提供していける体制を常に整えてまいります。  併せて、引き続き、国の交付金等の積極的な活用や、事務事業の不断の見直しに取り組むとともに、不測の事態にも躊躇なく対策が講じることができるよう、一般財源基金の確保にも努めてまいります。  なお、プライマリーバランスにつきましては、県総合計画に臨時財政対策債を交付税として算定した場合の黒字の維持を掲げ、令和4年度当初予算においても、771億円の黒字と目標を達成しているところであります。  プライマリーバランスの数値目標については、国においても具体的な数値を示していないなど、設定は難しい面もございますが、引き続き黒字を確保し、健全な財政基盤を維持してまいります。  今後も、安定した歳入の確保に努め、非連続の時代におけるほかとの差別化に果敢にチャレンジできる財政基盤の確立に取り組んでまいります。  次に、幅広い手法による財源の確保への取組についてでございます。  県では、これまで、財政健全化のための歳入確保策として、県税徴収率の向上、県有未利用地の売却、ネーミングライツの導入などに取り組んでまいりました。  議員から御指摘のありましたESG債でございますが、カーボンニュートラルの取組や環境保全施策など充当する事業を明示し、投資家から資金を募るものであり、近年、発行する地方自治体が増えていると承知しております。  ESG債は、通常の市場公募債との比較では、金利など発行条件面での違いはありませんが、銀行などからの借入れより金利が高くなる可能性があること、投資家からの資金募集のためのPRのほか、充当事業に関するレポート作成など事務コストが新たに発生することもございますので、資金調達のコスト縮減の方法なども併せて、他県事例を参考に研究してまいりたいと存じます。  資金の確保につきましては、本県では、毎年、安定的に歳入を確保するという観点から、県有資産の有効な活用方法について、従来の方法にとどまらず、発想を広げて、積極的に取り組んでいるところでございます。  昨年は、洞峰公園の運営に当たり、民間の視点からの施設の有効活用によりサービス向上を図るパークPFIを導入し、収入確保につなげることといたしました。  また、ネーミングライツにつきましては、令和元年度から2施設において導入しておりますが、令和4年度からの導入に当たり、これまでの文化・スポーツ施設などの大型施設に加え、新たに歩道橋など住民に身近なインフラ施設も対象とし、最低希望金額を年額11万円から応募可能とするなどの工夫をし、募集を行った結果、歩道橋や身近な公園などでこれまで対象としていなかった施設に対しても応募をいただいているところでございます。  今後、引き続き、住民に身近な県有施設のネーミングライツの導入に積極的に取り組んでまいります。  このほか、ふるさと納税の仕組みを活用し、偕楽園の左近の桜復活のための寄附金を募ったところ、多くの方々から3,000万円を超える御寄付をいただいたところであります。従来の発想ではなく、県の保有する資産の価値をあらゆる角度から見つめ直し、収入源として活用するとともに、今後とも、県民の県政への参加の促進を念頭に置きながら、県有資産のさらなる有効活用などにより、安定的な財源確保を図ってまいります。  次に、県財政の見える化についてでございます。  県の財政状況や施策を分かりやすく伝えていくことは、県民への説明責任や健全な財政運営を図る上で重要なものであることから、予算・決算や財政状況について、県広報紙「ひばり」やラジオ放送、ホームページ等の多様な媒体を活用しながら、幅広く情報提供を行っているところでございます。  また、貸借対照表等の財務書類につきましては、発生主義に基づき、現金主義会計である行政の予算・決算では見えにくいコストやストックを把握するものとして、国が示す統一的な基準に沿った方式により、行政コスト計算書や貸借対照表など4種類の財務書類を作成・公表しております。  財政用語は、日常生活になじみがなく、理解していただくことが難しい側面があることから、用語の説明やグラフを活用するなど、少しでも分かりやすい資料となるよう工夫をしているところでございます。  財務諸表の活用方法については、引き続き、他県の事例を研究するとともに、財務省がホームページ上で一問一答式の形式での日本の財政状況を紹介している事例などもありますことから、現在公表している資料に加えて、より親しみやすく、関心が持てるような工夫を凝らし、県民目線での分かりやすい情報提供にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。 50 ◯舘静馬副議長 次に、矢口県民生活環境部長。                  〔矢口県民生活環境部長登壇〕 51 ◯矢口県民生活環境部長 霞ヶ浦の新しい価値創造についてお答えします。  議員御指摘のとおり、霞ヶ浦は、私たちに、生命、その多様性に関わる基盤サービス、飲料水や水産資源などを提供する供給サービス、治水や自然浄化機能などの調整サービス、景観や観光レジャーなどの文化的サービスの4つの生態系サービスをもたらしてくれております。  しかし、近年、この生態系サービスは、富栄養化や外来種の侵入、気候変動など様々な影響を受け、大きく劣化しつつあります。併せて、都市化やグローバル化が進む私たちの暮らしの中においては、これら霞ヶ浦の恵みを実感しにくくなっております。  このような状況の下、生態系サービスの価値を広く県民に伝え、後世に引き継いでいくことは、今を生きる私たちに課せられた使命であると認識しております。  このため、現在、策定を進めております第8期霞ケ浦水質保全計画においては、2018年の世界湖沼会議での霞ヶ浦宣言を受け、生態系サービスを公平に享受し、次世代に引き継いでいく、その取組を新たに計画に位置づけることといたしました。  具体的には、市民団体と連携したシンポジウムを開催し、市民、研究者、企業及び行政の4者による流域連携を推進しているところであり、また、将来を担う子どもたちに対し、各種のイベントを通じ、霞ヶ浦の豊かさや恵みを実感させ、霞ヶ浦を大切に思う心を育んでいるところでございます。  さらに、第8期の計画においては、流域における野鳥の生息種数や農業産出額、湖岸を走るサイクリストの数などから、霞ヶ浦の豊かさを評価する霞ヶ浦ふれあい指標を検討することとしております。  今後、このふれあい指標を定期的かつ客観的に評価・分析、発信することで、霞ヶ浦の新たな価値を見出し、魅力向上につなげてまいります。  また、環境学習につきましても、豊かな恵みをもたらす霞ヶ浦の生態系サービスを、より魅力ある形で次世代に引き継いでいくことを基本理念として第8期の計画に位置づけ、着実に進めてまいります。  県といたしましては、議員御指摘の点も踏まえ、引き続き、霞ケ浦環境科学センターを霞ヶ浦対策の拠点施設として、環境学習の推進や市民活動との連携、霞ヶ浦に関する情報の収集・発信などに鋭意取り組んでまいります。 52 ◯舘静馬副議長 次に、小泉教育長。                    〔小泉教育長登壇〕 53 ◯小泉教育長 成年年齢18歳の権利と義務、そして責任についてお答えいたします。  議員御指摘のとおり、18歳成年となると、選挙権をはじめ、様々な権利を取得する一方で、単独で有効な契約をすることが可能となることに伴い、未成年者取消権を失うなど、自らの行動に責任と義務が発生しますので、成年後の法的な権利と義務、責任に関する教育は大変重要であると認識しております。  これまで、県立高校では、公民科の「現代社会」や「政治・経済」の授業において、個人の権利と義務について学習しているほか、今年度からは、モデル校2校で生徒会役員対象のリーダー研修会を実施し、夏服の在り方や学校行事の運営などについて、生徒が主体的に議論を進め、規範意識を醸成するような機会を設けております。  引き続き、来年度からは、新たに必履修科目となる「公共」で、生徒に身近な事例を題材に、法の仕組みや社会におけるルールについて考えたり議論したりする学習に取り組んでまいります。  また、議員御指摘の契約に関する教育につきましては、家庭科の授業などにおいて、具体的な契約等のトラブルに対応する力を身につけるため、消費者教育の教材である「社会への扉」や消費生活センターの出前講座等を活用し、適切な意思決定ができる生徒の育成を目指してまいります。  さらに、県内の金融機関等から提供されたライフプランや金融トラブル防止に関する動画教材をはじめとする消費者教育や金融教育の教材をまとめたポータルサイトを今月中に開設し、全ての教員や生徒がいつでも契約等のトラブルの事例とその解決方法について学ぶことができるようにしてまいります。  県といたしましては、成年年齢の引下げに対応し、生徒が成年としての法的な権利と義務について理解し、社会的な役割や責任を自覚できる教育にしっかり取り組んでまいります。 54 ◯舘静馬副議長 次に、吉添保健福祉部長。                   〔吉添保健福祉部長登壇〕 55 ◯吉添保健福祉部長 成年後見制度の利用促進についてお答えいたします。  まず、現状と課題、今後の推進施策についてでございます。  成年後見制度の導入から20年が経過し、利用者は着実に増加しておりますが、一方で、市町村によって取組に温度差があることや、議員御指摘のとおり、近年、親族が家庭裁判所から後見人に選任されにくくなっていることなどの課題も指摘されております。  このため、国では、平成28年度に成年後見制度の利用の促進に関する法律を制定し、市町村に対して、利用促進に関する計画の策定や住民への広報・相談に対応する中核機関の設置などを求めているところです。  このような状況を踏まえ、県では、積極的に市町村の取組を支援してまいりました。  具体的には、職員に法律上の専門的知識が必要とされることから、毎年、制度説明会や、先進事例や裁判所への申立て手続などを学ぶ実務研修会を実施してまいりました。  また、市町村から、家庭裁判所との連携が難しい、地域に制度に詳しい弁護士などの専門職がいないなどの意見が多く聞かれたことから、県が中心となり、家庭裁判所や県弁護士会等を交えた意見交換会を定期的に開催しているところです。  このような取組の結果、3年前には計画策定や中核機関の設置が完了していたのは2市のみでありましたが、今年度末には28市町村が計画を策定し、18市町村が中核機関を設置するなど、取組が着実に進んできております。  さらに、来年度からは、社会福祉士に成年後見制度に関するアドバイザーを委嘱し、市町村からの専門的な相談にも対応できる体制を整備してまいります。  県といたしましては、引き続き、関係機関と連携し、市町村の実情に応じた丁寧な支援を行い、成年後見制度のさらなる活用を促進してまいります。  次に、市民後見人の育成と活躍機会創出についてでございます。  本制度の創設当初は、後見人に選任されるのはほとんどが親族でありましたが、現在では、弁護士、社会福祉士などの専門職が選任される事例が約7割に増加しております。  しかし、本県においては、成年後見の実務に関わる専門職が他県よりも少ないことに加え、これらの人材の地域偏在という課題もあることから、市民後見人の育成と活用は重要な課題であると考えております。  県では、これまで、市民後見人養成に関する先進事例や研修プログラムの情報提供を行うなど、市町村の取り組みを支援してまいりました。その結果、県内14市町村において177名の市民後見人が養成されております。  しかしながら、住民に本制度がまだ十分に知られていないことや、専門的な知識の習得が負担であるなどの理由により、市民後見人の担い手の確保に苦慮している市町村が多い状況であります。  このため、市町村や家庭裁判所等と連携し、市民後見人の必要性のPRを強化し、養成研修の受講者確保に取り組むとともに、市町村単独での研修会の開催は難しいとの意見も寄せられていることから、新たに広域での開催にも取り組んでまいります。  また、家庭裁判所や県弁護士会との協議会において、市民後見人の活動機会の確保策や、本県での活用実績が少ないリレー方式の推進のための体制づくり等についても検討を行ってまいります。  県といたしましては、引き続き、関係機関と連携し、市民後見人の育成と活躍機会の創出に全力で取り組んでまいります。 56 ◯舘静馬副議長 次に、根崎農林水産部長。                   〔根崎農林水産部長登壇〕 57 ◯根崎農林水産部長 持続可能な農業の政策についてお答えいたします。  まず、GAPと農業版BCPについてでございます。  GAPにつきましては、具体的な生産管理方法を学ぶセミナーの開催などにより、認証取得を支援しました結果、県のGAP認証制度による取得が46件、グローバルGAPやJGAPなど国際水準のGAPによる取得が74件と、5年前の2.5倍に増えているところでございます。  こうした中、国では、都道府県のGAP認証制度につきまして、輸出に対応できるよう、国際水準GAPと同等の引上げを検討しているところでございまして、本県におきましても、農業者や関係団体の意見を伺いながら、その対応を検討しているところでございます。  また、農業版BCPにつきましては、令和元年の台風15号・19号による被災経験から、その重要性について、県として改めて認識し、BCPの考え方に基づく農業用ハウスの被害軽減対策や被災時の事後対策をマニュアルとしてまとめまして、施設園芸農家への周知を図ったところでございます。  一方で、国では、令和3年1月に農業版BCPのフォーマットをホームページで公開するなど、全国的な普及への取組を始めており、本県におきましても、農業者を対象とした研修会等を通して指導・啓発を行ってまいります。  県といたしましては、こうした取組により、近年頻発する気象災害への備えや、農業者自身による不断の経営改善を促すことで、持続可能な茨城農業の実現を進めてまいります。  次に、農業を支える女性の活躍についてでございます。  これまで、県では、女性農業士の認定に加えまして、いばらき農業アカデミーに女性農業経営者育成講座を開設するとともに、経営発展に向けたプランの作成を支援してまいりました。  また、このプランの具体化を図るため、経営発展モデル実現アシスト事業により、プロモーションやマーケティング、資格取得等の支援を行っているところでございます。  その結果、自社農園のロゴマークをSNSで拡散させて販路開拓につなげたり、自ら食育インストラクターの資格を取得し、食育活動を展開するなど、女性ならではの発想と行動力により、経営発展につながる取組が出てきているところでございます。  今後、このような活躍事例につきましては、いばらき農業アカデミーの講座を通して紹介いたしますとともに、農業会議やJA中央会などの関係機関とも協力し、委員や役員への女性の登用などについても一層推進してまいります。  県といたしましては、こうした一連の取組により、意欲ある女性農業者の能力が最大限に発揮できる魅力的な環境を整え、本県農業の持続的な発展を図ってまいりたいと考えております。          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 58 ◯舘静馬副議長 暫時休憩をいたします。  なお、会議再開は、午後3時35分を予定いたします。                     午後3時20分休憩          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━                     午後3時36分開議 県政一般に関する質問並びに上程議案に対する質疑(続) 59 ◯伊沢勝徳議長 休憩前に引き続き会議を開き、県政一般に関する質問並びに上程議案に対する質疑を続行いたします。  なお、傍聴人の皆様に申し上げます。  傍聴人の拍手は禁止されておりますので、御留意願います。  沼田和利議員。                 〔14番沼田和利議員登壇、拍手〕 60 ◯14番沼田和利議員 いばらき自民党の沼田和利であります。  質問に先立ちまして、新型コロナウイルスの第6波が猛威を振るう中、お亡くなりになられた方々に御冥福を心からお祈り申し上げますとともに、罹患された方々にお見舞い申し上げます。  また、このたび、自身、4回目の一般質問をさせていただくことになりました。この機会を与えてくださいました先輩議員並びに同僚議員の皆様に感謝申し上げます。  それでは、通告に従いまして、順次、質問してまいりますので、知事はじめ執行部の皆様には、明快な御答弁をお願いいたします。  はじめに、「茨城県ケアラー・ヤングケアラーを支援し、共に生きやすい社会を実現するための条例」に基づく取組についてお伺いいたします。  ケアラーとは、介護や看病など、ケアの必要な家族や近親者などを無償でケアする人と言われております。  また、ヤングケアラーとは、一般に、本来、大人が担うと想定されている家事や家族の世話などを日常的に行っている子どもを指すと言われております。  これまで、例えば、障がいを持っている方であれば、障がいの程度に応じた支援、介護が必要であれば、介護される方への支援を行うなど、支援を受ける側を対象に様々な施策が講じられてきているところであります。  一方、支援する側であるケアラーやヤングケアラーに対しては、社会的な認知はまだ高いとは言えず、支援が十分行き届いているとは言い難い状況であります。  ケアラーは、よりよいケアをする役割が求められ、自分自身の生活や人生をケアに捧げることにより、精神的に追い詰められ、社会から孤立しがちになります。  また、ヤングケアラーは、家族の世話をしていても、その多くは声に上げることもなく、結果として、進学や就職を諦めざるを得ないなど、自分らしい生活や将来を犠牲にしているという実態があります。  このように、ケアラーやヤングケアラーを取り巻く状況は深刻で、この課題の解決に向けた支援をしていく必要があるため、いばらき自民党では、ケアラー支援を目的としたプロジェクトチームを立ち上げ、勉強会を重ねてまいりました。  そして、議員提案により、昨年の第4回定例会において、「茨城県ケアラー・ヤングケアラーを支援し、共に生きやすい社会を実現するための条例」を制定したところであります。
     条例の制定を契機として、ケアラーやヤングケアラーを支援し、共に生きやすい社会を実現していくためにも、市町村等とも緊密に連携を図り、具体的な施策を講じていただきたいと考えております。  条例が制定された後、知事は、記者会見で、ケアラーについて、実態がどうなっているのか、どういった支援が求められているのか、調査していく必要があるとの発言がありました。  県の来年度予算案において、新規事業として、ケアラー・ヤングケアラー支援事業を実施するとのことであります。  知事は、これまで、スピード感を持って様々な施策に取り組まれてきておりますので、まずは、ケアラー・ヤングケアラーに関して、実態調査を早急に行い、本県の現状をしっかりと把握するとともに、社会的認知度の向上等にも取り組んでいただきたいと考えております。  そして、ケアラーやヤングケアラーといったケアする側にも光が届くような施策が実現できることを私は大いに期待しているところであります。  そこで、今後、県として、ケアラーやヤングケアラーの支援に向けてどのように取り組んでいくのか、知事にお伺いいたします。  次に、県有未利用地の処分についてお伺いいたします。  多くの公共施設は、今後、大量に更新時期を迎える一方、人口減少等により、施設の利用需要の変化が予想され、更新や改修等をどう実施していくのかは重要な課題であると考えております。  県では、平成27年3月に公共施設等総合管理計画を策定し、長寿命化の推進や時代のニーズに即した資産総量の適正化、資産の有効活用を進めていると伺っております。  また、この総合管理計画は、施設ごとに定めたメンテナンスの実施計画を踏まえ、中長期の維持管理や更新等に係る経費の見通し、長寿命化対策の効果等を盛り込んだ上で充実を図り、今年度中に見直すとのことであります。  今後見込まれる維持管理や更新等の経費は、長寿命化対策を実施したとしても、多大な財政負担が見込まれるので、維持管理や更新等の経費を抑えていくことはもとより、歳入の確保を図っていく取組なども必要だと考えております。  こうした中、私は、歳出の抑制や歳入の確保という観点から、県有未利用地の早期処分も重要だと考えております。  県有未利用地については、処分されるまでの間に、金額の多寡はあるにせよ、ある程度の維持管理費がかかる一方で、処分ができれば、収入の増加につながるため、早期に処分していくことは、歳出・歳入の両面からも重要であります。  県有未利用地の処分に当たっては、分割払いができることや、県と直接の売買のため仲介手数料が不要など、様々なメリットについて情報発信していく必要があると考えております。例えば、不動産を取り扱う専門業者を活用した情報発信も重要ではないかと考えております。専門業者であれば、土地の売買等に関する情報をリアルタイムで把握することができ、県は、こうした情報を活用することで、効果的な処分につなげることができ、また、歳入の確保にもつながっていくのではないかと考えております。  他県では、市町村ではありますが、専門業者を活用した情報発信を行っている事例もありますので、こうした取組も検討する価値はあるのではないでしょうか。  県有未利用地の中には、様々な事情で処分がなかなか進まないといった案件もあるかと思います。  また、今後、施設の更新等により、県有未利用地の発生が見込まれることも想定されます。  そこで、県として、今後、県有未利用地をどのように処分してくのか、総務部長にお伺いいたします。  次に、牛久沼を活用した地域振興についてお伺いいたします。  この質問は、これまで、牛久沼周辺の関係市町村の先輩議員や同僚議員によって行われてきたところであります。私も、牛久沼に面する市町村からの選出議員として、改めて県の姿勢について質問させていただきます。  牛久沼は、私の地元牛久市のほか、龍ケ崎市、つくば市、取手市、つくばみらい市の5市に囲まれ、面積が6.5平方キロメートル、周囲が20キロメートルもの広大な沼であり、茨城観光百選にも選ばれております。  また、その周辺は豊かな自然に囲まれ、様々な水鳥たちの憩いの場となっているだけでなく、地元住民の憩いの水辺としても親しまれてきているところであります。  私は、平成28年10月、龍ケ崎市が主催したまちづくりに関する勉強会に市議会議員の立場として参加させていただいたことがあります。そこでは、「牛久沼及び牛久沼周辺の活用」について議題となり、市内の若手経済人や地元大学生など、幅広い関係者が集まって活発な議論が交わされました。  その中で最も多かった意見が、まずは周辺市町村がしっかりと連携し、牛久沼の活用に当たって、どのような方向性で進めていくかというものでありました。  その後、平成29年7月、牛久沼周辺の5市に河内町を加えた首長が一堂に会する牛久沼周辺首長会議が初めて開催され、牛久沼に対する考え方や現状について議論が行われ、私は今後の活動に期待を大いに寄せていたところであります。  しかし、現状を見てみますと、例えば、牛久市では、牛久沼の景観を壊さないようにウッドデッキの遊歩道を整備し、龍ケ崎市では、公園を整備するなど、それぞれ個別に整備している状況となっております。その結果、全体的にアンバランスな整備となってしまい、牛久沼が持つ地域資源としての魅力を十分に発揮できていないのではないか。私は大変懸念しているところであります。  こうした中、牛久沼の具体的な活用に向けて、牛久沼周辺首長会議を改変し、新たな協議会を設立する準備が進められていると伺っております。  県では、政策企画部長がその構成員として協議会に参加する予定であると伺っておりますので、県がこれまで培ってきた地域振興のノウハウを活用し、積極的に支援を行っていく必要があると考えております。  私は、牛久沼の特色を生かした一体感のある環境整備が行われ、より多くの方に牛久沼を訪れていただけるよう、大いに期待をしているところであります。  そこで、今後、県として、牛久沼を活用した地域振興に向けてどのように取り組んでいくのか、政策企画部長にお伺いいたします。  次に、待機児童解消に向けた取組についてお伺いいたします。  昨年8月、厚生労働省の発表によりますと、令和3年4月1日時点での待機児童数は全国で5,634人と、前年比で6,805人も減少しており、我が国の深刻な社会問題の一つでもあった待機児童の問題は、数字の上では改善の兆しが見えてきているのではないかと感じております。  本県の状況を見てみますと、令和3年4月1日時点での待機児童数が13人となり、前年比で180人も減少し、ピークだった平成29年より503人も減少しており、実に40市町村で待機児童がゼロとなっております。これは、県が、待機児童の解消を目指し、積極的に保育の受皿整備を進めてきた結果であると伺っておりますが、果たして本当に待機児童問題が解消に向かっているのか、私は疑問を感じているところであります。  平成29年3月、厚生労働省は、待機児童の定義を見直し、「保育所の入園要件を満たしているにもかかわらず、入園していない子ども」としておりますので、こうした子どもたちが全て待機児童として含まれているわけではありません。例えば、保護者が希望する特定の保育所に入所できなかったにもかかわらず、自宅から車で30分未満のところに別の保育所があり、そこが受入れ可能だった場合や、子どもを預けられないために求職活動をすることができず、やむを得ず休止しているような場合も待機児童として含まれないこととなります。  このように様々な理由で待機児童の数に含まれない子どもたちは潜在的待機児童と呼ばれており、国が公表している待機児童数よりもかなり多く、実態とかけ離れているとも言われております。  実際、私の地元牛久市では、待機児童の数がゼロとなっておりますが、地元の方からは、保育園に入ることができなかったといった声も聞いておりますので、矛盾しているのではないかと感じております。  私は、国が示している待機児童の定義とは別に、県で独自の基準を示すとともに、潜在的待機児童についてもしっかりと把握し、より実態に即した対策を講じていく必要があると考えております。  そこで、潜在的待機児童を含めた待機児童の解消に向けて、県として今後どのように取り組んでいくのか、福祉担当部長にお伺いいたします。  次に、キャッシュレス決済の普及に向けた取組についてお伺いいたします。  キャッシュレス決済は、利用する消費者の利便性を向上させるだけでなく、店舗で行っていたレジ精算業務の削減など、現金管理の手間や時間を減らすことができ、また、消費者の手持ちの現金が不足したことによる機会損失の防止にもつなげることができます。  また、現金でのやり取りでは取得することができなかったデータを得ることができ、消費者に対して、よりよいサービスを最適なタイミングで提供することができるようになるなど、店舗に様々なメリットをもたらすこともできます。  国は、消費税率の引上げのタイミングで、令和元年10月から令和2年6月末までキャッシュレス・ポイント還元事業を実施し、消費者によるキャッシュレス決済の利用促進や事業者におけるキャッシュレス決済の環境整備を進めてきたところであります。  その結果、我が国のキャッシュレス決済比率の状況を見てみますと、令和2年には約30%と過去最高を記録し、10年前と比べると2倍以上も伸びており、今後もキャッシュレス決済の比率は伸び続けていくのではないかと考えております。  折しも、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により消費が落ち込む中、キャッシュレス決済は、現金に直接触れず、消費者と従業員との接触機会を減らし、衛生的な取引ができることから、普及を一気に加速させる要因の一つになったのではないかと感じております。実際、お店に買い物に行きますと、クレジットカードや電子マネー、スマートフォンなど、利用者の用途に応じた様々な決済手段が用意されており、キャッシュレス決済は、もはや私たちの日常生活には欠かすことのできないアイテムになりつつあると感じております。  このように消費者の利便性が図られている一方、キャッシュレス決済の導入に対して慎重な姿勢を示している事業者も少なくありません。こうした事業者からは、導入したくても、どこに問い合わせればいいのか分からない、手続が複雑で難しいのではないかといった不安の声を聞いております。  今後もキャッシュレス決済の利用はさらに広がっていくことが予想されますので、こうした事業者の不安の声を払拭できるよう、実態を把握した上で、県として支援していく必要があるのではないかと考えております。  そこで、事業者に対するキャッシュレス決済の普及を推進していくために、県として、今後どのように取り組んでいくのか、産業戦略部長にお伺いいたします。  次に、eスポーツの推進に向けた取組についてお伺いいたします。  令和元年10月、本県で開催された第74回国民体育大会「いきいき茨城ゆめ国体」の文化プログラムで全国初の全国都道府県対抗eスポーツ選手権が開催され、予選を含めて約1万5,000人もの方々に参加いただき、eスポーツの社会的な認知が急速に高まったのではないかと感じております。  令和2年においても、選手権の予選大会が私の地元牛久市や日立市で開催され、eスポーツが本県の新たな文化として着実に根づきつつあるのではないかと考えております。  また、産学官が連携して協議会を設立したとも伺っておりますので、eスポーツと言えば茨城と、全国はもとより、世界からも認識してもらえるような取組を大いに期待しているところであります。  このeスポーツは、一昔前までは、社会的に、ただのゲームではないかといった偏見が根強くあった分野ではありますが、今では職業としての地位を確立しつつあります。  昨年、民間会社の行った調査によりますと、全国の男子中学生が、将来、なりたい職業の第2位にプロeスポーツプレイヤーがランクインするなど、意識の変化をうかがい知ることができます。  こうした中、今年4月、東京都渋谷区において、日本初となるeスポーツ専門の高校が開校するといった動きも出てきております。  県内では、高校でeスポーツを部活動として行っているところがあるとのことでありますが、私は、世界で活躍できるeスポーツプレイヤーをはじめ、eスポーツを牽引する人材が輩出されるよう、高校eスポーツ活動の活発化に取り組んでいくことも重要だと考えております。  また、eスポーツを福祉の分野で活用する動きも出てきております。新聞報道によりますと、秋田市の障がい者支援施設では、eスポーツをリハビリの一環として取り入れたところ、楽しみながら取り組めるので、やる気が出るといった声が上がっているとのことであります。  私は、年齢や性別、ハンディキャップの有無にかかわらず、誰もが楽しむことのできるeスポーツは様々な可能性を秘めており、今後、交流人口の拡大や社会問題の解決など、新しい分野での活用に取り組むことがeスポーツのさらなる普及や発展の鍵になると考えております。  そこで、eスポーツを推進していくために、県として、これまでの取組を踏まえ、今後どのように取り組んでいくのか、産業戦略部長にお伺いいたします。  次に、道路行政についてお伺いいたします。  まず、県道竜ケ崎阿見線の整備についてであります。  県道竜ケ崎阿見線は、龍ケ崎市から牛久市内を経て、阿見町の国道125号までを結ぶ県南地域にとって重要な路線であります。  私がこの路線の整備に関する一般質問を行ったのは令和元年第2回定例会であります。私は、牛久市久野町地内から国道125号までのバイパスが完成する一方で、バイパスの南側、龍ケ崎市八代町地内の県道美浦栄線バイパスまでの区間について、いまだルートの決定がされておらず、一日も早くルートを決定してほしいとお尋ねいたしました。  その際の答弁は、阿見東インターチェンジより南側の区間のバイパス整備が国の補助事業として採択され、龍ケ崎市や牛久市と協議しながら、整備が円滑に進む具体的なルートを早急に決定していくとのことでありました。そして、その5か月後の令和元年11月に正式にルートが決定されたことは大きな前進だったと大変評価しております。  しかし、依然として、この区間の道路は、週末になりますと、阿見吉原地区にあるあみプレミアム・アウトレットを訪れた買い物客による交通渋滞が発生しているほか、近くには乙戸川が流れており、台風等で大雨が降った際には、道路が冠水してしまうなど、地元住民の通行の支障を来たしている状況に変わりはありません。  正式なルート決定が行われてから2年が経過しており、計画では、圏央道の4車線化に合わせて供用が開始される予定と伺っておりますが、いまだ目に見える形で進んでいないのが現状であります。  そこで、ルートが決定された県道竜ケ崎阿見線バイパス南側の区間における整備状況について、土木部長にお伺いいたします。  最後に、国道408号(仮称)岡見バイパスの整備についてお伺いいたします。  平成23年、私が牛久市議会議員になって初めての一般質問で最初に取り上げたのが国道408号の道路整備についてでありました。  私は、その質問で、国道408号は牛久市を東西に貫く非常に重要な幹線道路である一方、道路の幅員が狭く、歩行者や自転車、ドライバーにとっても大変危険な道路であると警鐘を鳴らしました。  以前は国道408号の交通量は少なかったところでありますが、今は交通量が圧倒的に増えており、普通自動車だけでなく、大型トラックの往来も多くなっている状況であります。  国道408号沿いには小学校があり、その付近には歩道が整備されており、地元の小学生の通学路にもなっておりますが、その歩道が大変狭く、雨が降った日には、お互いが傘を差しながらすれ違うことも難しい状況となっております。私は、子どもたちが危険にさらされながら通学している状況が続けば、いつか大きな事故が起きてしまうのではないか、大変懸念しております。  こうした中、円滑な交通や安全確保を目的として、平成6年4月に都市計画決定したのが国道408号(仮称)岡見バイパスであります。しかし、計画決定から30年近く経過したところでありますが、いまだ整備の話は聞こえてきておりませんし、地元の方からも、この計画自体がなくなったと思っている方もおります。私は、このバイパスが整備されれば、交通量が緩和され、子どもたちも安心して通学できるのではないかと期待しているところであります。  そこで、国道408号(仮称)岡見バイパスの現在の状況と事業化の見通しについて、土木部長にお伺いいたします。  これにて質問は終えますが、最後に、今年の冬は雪が降り積もるなど厳しい寒さでしたが、ここ数日は寒さが和らいできたと感じております。間もなく春の訪れであります。一日も早くコロナが収束し、桜がきれいな季節だと感じられる日常と、県政のさらなる発展及びそれぞれの分野への旅立ちと、そして、そこでの活躍を願い、私からの質問とさせていただきます。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 61 ◯伊沢勝徳議長 沼田和利議員の質問、質疑に対する答弁を求めます。  大井川知事。                   〔大井川和彦知事登壇〕 62 ◯大井川和彦知事 沼田和利議員の御質問にお答えいたします。  茨城県ケアラー・ヤングケアラーを支援し、共に生きやすい社会を実現するための条例に基づく取組についてお尋ねをいただきました。  家族など身近な人のケアを担うことにより、学業や就業を断念したり、社会から孤立するといったケアラーをめぐる問題が指摘される中、私は長引くコロナ禍の影響による事態の深刻化に強い危機感を抱いております。  特に、未来を担うべき子どもたちが、親の介護や幼い兄弟の世話を担うヤングケアラーについては、過度なケアの負担が、子どもたちを社会から孤立させ、学業や進路など、その将来にまで影響を及ぼすことは極めて憂慮すべき事態であると認識しております。  就学期にある児童・生徒については、遅刻や欠席、課題提出の遅れ、友人関係など、学校生活やその後の成長に影響を及ぼします。  このため、学校現場におきましては、ヤングケアラーを早期に発見し、適切な支援につなげるため、児童・生徒の小さな変化を見落とさないように努めるとともに、教職員だけでは対応が困難なケースについては、スクールソーシャルワーカーや市町村の福祉部門などと連携して課題解決を図っております。  しかしながら、ケアラーが抱える課題については、家族がケアを担うことを当然とする風潮や、幼い頃から介護が日常にあり、本人や家族もその現状に気づくことがなく問題が深刻化しているケースも多いため、表面化しにくいといった問題が指摘されております。  昨年7月、県が実施したいばらきネットモニターへのアンケート調査結果においても、ケアラーの認知度は5割未満と低い状況にあり、また、現状では、ケアラーの人数や支援ニーズなど、基本的な情報が十分把握されておりません。  このため、まずは、早急に、広くケアラー全般の実態調査を実施してまいります。  具体的には、県内の中学・高校生に加え、小学生も調査対象に含めるほか、ヤングケアラー以外のケアラーや支援機関に対しても調査を実施し、ケアラーと支援機関双方の課題やニーズを把握してまいります。  さらに、ケアラーの支援に際しては、社会全体としてケアラーの認知度を向上させることにより、課題を抱える身近なケアラーに気づき、早期に必要とする支援につなげていくことが重要となります。  このため、ケアラーに対して広く県民の理解を深めるため、具体の問題事例に即した動画の配信や、ケアラー当事者の自覚を促すための学校や大学等の教育現場における広報・啓発に取り組んでまいります。  さらに、ケアラーと接する機会の多い市町村や支援機関の職員を対象に、支援に関する基本的な知識の習得やケースワーク等の研修のほか、相互の情報交換の場を設定するなどして、ケアラーに対し、適切に対応できる体制づくりを進めてまいります。  また、ケアラーの支援に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、実態調査の結果を踏まえた上で、有識者の意見を聴きながら、推進計画に取り組むべき施策を反映させてまいります。  県といたしましては、誰一人取り残さない社会の実現に向けて、積極的にケアラー支援に取り組んでまいります。 63 ◯伊沢勝徳議長 次に、飯塚総務部長。                    〔飯塚総務部長登壇〕 64 ◯飯塚総務部長 県有未利用地の処分についてお答えいたします。  県では、限られた財源の中、行政サービスを将来にわたり持続していくため、茨城県公共施設等総合管理計画に資産の有効活用の推進として県有未利用地の積極的な処分を掲げ、不動産業界のノウハウなど、民間のアイデア等を利用し、売却に取り組むこととしております。  県有未利用地の処分に当たりましては、県における再利用や地元市町村における取得希望がない場合には、原則として、一般競争入札により民間への売却を進めることとしております。  現在、売却の促進を図るため、県のホームページに、常時、売却可能な物件情報を掲載するとともに、一般競争入札の実施に当たりましては、新聞への広告掲載などのほか、物件所在地周辺の不動産事業者への個別訪問に加え、県宅地建物取引業協会や全日本不動産協会茨城県本部といった県内の業界団体に物件情報を提供するなど、多くの県内不動産事業者が入札に参加していただけるよう、積極的に働きかけをしているところでございます。  その際、県の売却物件には抵当権等の設定がないなど権利関係が整理されていること、県と直接売買のため仲介手数料は不要であることなど、購入のメリットについても詳細に情報発信を行っております。
     一方、県有未利用地として管理しております土地は、現在、31件、48.7ヘクタールありますが、利便性の高い場所に所在するなど条件のよい物件の処分が進んだ結果、近年は、市街地から離れていたり、隣接地の地権者との調整に時間を要するものなど、売買が容易ではない物件の占める割合が高くなってきているところであります。  議員御提案の不動産を取り扱う専門業者を活用した情報発信として、例えば、全国展開している専門業者が運営しているサイトへ物件情報を掲載することは、県内だけでなく、県外の不動産事業者へも広く直接的に物件を周知する上で有効な方法でありますので、費用対効果も念頭に置きながら、活用について検討を行ってまいります。  また、今後、施設の更新等を行う場合には、現在地での建て替えを基本とすることや、移転をする場合も、既存の県有未利用地を移転先の優先候補とすることなど、県有未利用地の増加の抑制にも留意し、資産総量の適正化を図ってまいります。  県といたしましては、県有未利用地の処分を一層推進するとともに、県有未利用地を含めた全ての県有財産を経営資源として捉え、有効活用による歳入の確保と管理コストの縮減による歳出の抑制を図り、将来にわたって行政サービスの提供が持続できるよう、しっかりと取り組んでまいります。 65 ◯伊沢勝徳議長 次に、玉川政策企画部長。                   〔玉川政策企画部長登壇〕 66 ◯玉川政策企画部長 牛久沼を活用した地域振興についてお答えいたします。  牛久沼は、霞ヶ浦や涸沼に次いで本県第3位の広さを誇る湖沼であり、白鳥やカモ、ウナギ、ワカサギといった多様な生物が生息する豊かな自然環境が育まれております。  また、古くから漁場や農業用水の水源として活用され、湖畔には、歴史的な遺構である牛久城跡や、小川芋銭の住居兼アトリエとして知られる雲魚亭、住井すゑ文学館といった文化施設に加え、牛久沼水辺公園や遊歩道等も整備され、地域住民の憩いの場として長年親しまれてまいりました。  加えて、周辺は、JR常磐線や国道6号線といった広域交通のネットワークが形成され、都心から約1時間でアクセスできるなど、首都圏からの誘客を期待できる大変恵まれたエリアであると考えております。  一方、長らく土地の所有権問題が課題となっておりましたが、これが平成28年に解消されたことを契機に、牛久沼を活用して地域を盛り上げようとする機運が高まり、関係5市1町の首長で組織される牛久沼周辺首長会議が発足し、本格的な議論が開始されたところでございます。  その大きな方向性といたしまして、会議の事務局を担う龍ケ崎市において策定された「牛久沼感幸地構想」をベースに、道の駅の整備や水上アクティビティ、アウトドア等での活用といった具体のアイデアについて意見が交わされております。これらは、コロナ禍にあって、近年の屋外レジャーのニーズにマッチした取組になるものと期待されます。  議員御紹介のとおり、現在、推進体制の強化を図るため、既存の首長会議を改編し、国や県の関係機関をメンバーに加えた新たな協議会を設立する準備が進められております。その協議会には私も参画させていただくことになっておりますので、県内外の人々にも訴求できるよう、広域的な観点から、魅力向上や情報発信の方策・仕組みづくり等に関する助言、先進事例の情報提供などを行ってまいりたいと考えております。  地域の振興は、その地域を最もよく知る地元の方々が主体となって進めることが重要でありますが、牛久沼の取組は、まさに関係自治体が連携して主導的に進めるものであり、今後の進展を期待しているところでございます。  県といたしましては、関係自治体が連携して取り組む、県内外から多くの方が訪れるような波及効果の高い取組につきまして、可能な限り応援してまいります。 67 ◯伊沢勝徳議長 次に、飯塚保健福祉部福祉担当部長。                〔飯塚保健福祉部福祉担当部長登壇〕 68 ◯飯塚保健福祉部福祉担当部長 待機児童解消に向けた取組についてお答えいたします。  県では、女性の就業率の上昇などを背景として、保育需要が増加傾向にあることを踏まえ、待機児童の解消を図るべく、保育所等の整備や保育人材の確保など、保育の受皿拡大に積極的に取り組んでまいりました。  特に、保育所等の整備については、待機児童数がピークの平成29年度から令和2年度までの間に、一般的な保育所に加え、小規模保育事業所や家庭的な環境で保育を行ういわゆる保育ママなど、多様な保育の受皿の確保に努め、81か所の保育事業所の整備を進めてまいりました。  さらに、保育人材につきましても、修学資金の貸付等による保育士の育成・確保のほか、いばらき保育人材バンクを活用して潜在保育士の復職支援を実施し、平成30年度から令和2年度までの間に、潜在保育士と保育施設のマッチングを通じて、226件の直接雇用につなげたところでございます。  こうした取組の結果、令和3年4月1日時点における本県の待機児童数は13人となり、ピーク時の平成29年の516人から大きく減少いたしました。  しかしながら、待機児童数には含まれておりませんが、保育所等への入所を希望しているにもかかわらず、その希望がかなわない潜在的待機児童が一定数おります。  潜在的待機児童の多くは、開所時間が保護者の需要に合うことや、自宅から30分未満で登園可能なことなど、国の基準による利用可能な保育所等があるにもかかわらず、各市町村において待機児童には含まれないと判断された児童となっております。  令和3年4月1日現在1,329人が本県における潜在的待機児童とされておりますが、その8割を超える1,115人が、特定の保育所を希望していて、利用可能な施設に入所しない方となっております。  待機児童の解消を図るには、保育所等の入所調整の段階で、申込者のニーズを詳細に聞き取り、希望に沿った施設やその空き状況等に関するきめ細かい情報提供が重要となりますが、こうした取組は潜在的待機児童の解消にも有効であると考えております。  このため、県では、市町村の保育担当窓口において、きめ細かく申込者のニーズの把握や情報提供に対応しながら、保育所等との入所調整を行う保育コンシェルジュの配置を促進しており、現在、9市町村に配置されております。  今後も、保育所等への入所の希望をかなえるため、待機児童の解消に向けて、市町村への保育コンシェルジュの配置を働きかけてまいります。  さらに、保護者が他の市町村に通勤している場合など、市町村間の区域をまたぐ保育の広域利用を進めることも待機児童等の解消に向けて有効な手法であります。  このため、今後は、住所地以外の保育所等を申込者に案内できるようにするため、他市町村の児童の積極的な受入れについて、市町村間の調整を強化してまいります。  また、潜在的待機児童など申込者のニーズによっては、小規模保育事業所やいわゆる保育ママなど、保育所によらない保育受皿確保も必要となりますので、引き続き、多様な保育ニーズに対応してまいります。  県といたしましては、引き続き、市町村との連携を密にしながら、待機児童の解消に努め、子どもを産み育てやすい環境の整備に取り組んでまいります。 69 ◯伊沢勝徳議長 次に、前田産業戦略部長。                   〔前田産業戦略部長登壇〕 70 ◯前田産業戦略部長 キャッシュレス決済の普及に向けた取組についてお答えいたします。  クレジットカードや電子マネー、QRコードを活用したキャッシュレス決済の普及は、消費者の利便性向上やコロナ禍における感染対策にとどまらず、事業活動の効率化やアフターコロナを見据えた誘客促進を図る上でも大変重要であり、着実に推進していく必要があるものと考えております。  国の報告書によれば、令和2年6月の国のキャッシュレス・ポイント還元事業の終了後も、国内のキャッシュレス決済の導入店舗は増加を続けており、特に、スマートフォンを活用したQRコード決済の利用が増加するなど、近年のキャッシュレス決済比率は順調に増加しております。  そうした中、県内の飲食店では、大手チェーン店の9割以上がキャッシュレス決済に対応しているのに対し、その他の小規模店舗等では約4割の対応にとどまっており、その要因として、パソコンやスマートフォンになじみがないなどの利用方法に関する声や、導入メリットが不明などの情報不足を指摘する声をお聞きしております。  そのため、県といたしましては、決済事業者と連携し、スマートフォン購入時の使い方教室などでは、飲食店や小売店を想定したキャッシュレス決済の方法が紹介されるよう、情報提供の具体化を促し、県内事業者の新たな関心を喚起してまいります。  また、キャッシュレス決済の導入により、例えば、県内の酒類販売店からは、これまでは年配客が中心だったが、若者などの新規の来客が増えて売上げが増加したとの声や、笠間の陶炎祭への出店者からは、以前よりも高価格帯の作品が売れるようになり、顧客単価が上がったとの声をお聞きしております。  今後は、こうしたキャッシュレス対応の成果を収集し、県のメールマガジンなどで広く周知に努めることにより、好事例の横展開を図ってまいります。  さらに、商店街全体で海外観光客の誘客促進を目指し、Wi-Fi環境の整備やクレジットカード決済への対応、免税カウンターの設置などに集中的に取り組む事例や、地域の金融機関が電子通貨を発行し、町なかでの買い物やタクシー利用、税金の支払いなどの日常生活での利用を促進することで、住民の地元消費を喚起している事例もございます。  県内では、議員御地元の牛久シャトーや牛久駅周辺で、歩いて楽しめるまちづくりが推進されるなど、地域が一体となった取組が進められておりますことから、県としましても、幅広い情報提供とともに、決済事業者の協力を得てキャッシュレスの導入支援に取り組むなど、地域の意欲ある取組をしっかりと後押ししてまいります。  こうした取組に加え、国では、Wi-Fi環境の整備等に利用可能な補助制度が設けられており、今後は、補助率が最大4分の3にまで引き上げられますことから、県としましても、商工団体等との連携の下で情報提供に努め、県内事業者による活用を促してまいります。  県といたしましては、こうした取組により、キャッシュレス決済の効果的な普及を推進してまいります。  次に、eスポーツの推進に向けた取組についてお答えいたします。  eスポーツは、年齢や性別、障害の有無にかかわらず、広く県民が参加できる取組であり、ITスキルや国際感覚の涵養など、幅広い人材育成にもつながるものと考えております。  また、民間事業者の調査では、2020年のeスポーツの世界市場は約1,100億円、国内市場も、eスポーツファンの増加等により、前年比109%増の66.8億円、2024年には184億円に達するとの予測もあるなど、今後の成長産業としても大きな可能性がございます。  そのため、県では、令和元年の茨城国体のレガシーをフル活用し、eスポーツの一大拠点化に向けた取組を推進しているところであり、今後は、さらに、関係人口の拡大に注力し、新たなビジネス機会の創出にもしっかりと取り組んでまいります。  具体的には、昨年11月、アメリカに本部を置くeスポーツの団体の協力を得て、県内21校41チームが参加する高校生eスポーツ大会と、その勝者が全国の強豪校と対戦する全国大会を開催いたしました。その結果、eスポーツを通じて情報発信の楽しさを感じた、他校との練習試合の話が持ち上がったとの声や、特別支援学校の学生から、他校と同じ土俵で戦えて自信が持てたとの声をいただいております。  今後は、こうした声を踏まえ、大会を契機とした学生の自主的な取組をしっかりと後押しすることにより、eスポーツのさらなる機運醸成に努めてまいります。  また、来年度の栃木国体では、都道府県対抗eスポーツ選手権の開催が予定されておりますことから、関東ブロック大会の誘致を進め、県内開催の定例化による本県の一層の認知度向上を図ってまいります。  こうした大規模な大会の継続とともに、eスポーツに携わる関係者の裾野拡大に取り組むことが大変重要であります。そのため、まず、教育関係者のさらなる理解促進に向けて、論理的思考力やコミュニケーション力向上などのeスポーツの効果をセミナーを通じて精力的に紹介するとともに、新たに学校への機材の貸出しや指導方法の紹介にも取り組み、県内活動の一層の活性化に努めてまいります。  また、社会福祉協議会とも連携し、広く施設の利用者や職員にeスポーツの体験機会を提供することにより、親しみやすい取組として、健康維持やリハビリへの活用を提案してまいります。  さらに、県では、昨年度から、県内企業や市町村が参加する協議会でeスポーツの交流戦を実施しており、今後は、さらに、県外企業との交流や、試合の様子を魅力的なコンテンツとして配信するなど、新たなビジネス機会につながる取組を強化し、参加者の主体的な活動の加速化を図ってまいります。  こうした取組に加え、先月、水戸駅前にeスポーツの体験施設がオープンするなど、県内でeスポーツを活用した地域活性化の取組が進展しておりますことから、今後は、県内の観光資源との連携など、工夫を凝らした提案に努め、本県の新たな魅力の発信につなげてまいります。  県といたしましては、こうした取組により、本県におけるeスポーツ活動をしっかりと推進してまいります。 71 ◯伊沢勝徳議長 次に、仙波土木部長。                    〔仙波土木部長登壇〕 72 ◯仙波土木部長 道路行政についてお答えいたします。  まず、県道竜ケ崎阿見線の整備についてでございます。  本路線は、龍ケ崎市から牛久市を経て阿見町を結ぶ県南地域の主要な幹線道路であり、地域住民の日常生活を支えるとともに、災害時における緊急輸送道路としての役割を担う重要な路線でございます。  しかしながら、本路線の現道につきましては、道路幅員が狭く、屈曲した箇所があるとともに、大雨の際などに道路冠水が生じていることや、沿道への商業施設等の立地により交通渋滞が発生するなど、円滑な通行に支障を来している状況でございます。  このため、安全で円滑な交通の確保を図るとともに、圏央道へのアクセス性向上による地域振興を目的に、阿見東インターチェンジから北側、阿見町島津の国道125号までの延長約7.2キロメートル区間のバイパス整備を進めてきたところでございます。  この区間のうち、南側の阿見東インターチェンジから阿見町追原の国道125号バイパスまでの約5.9キロメートル区間につきましては、本年1月までに4車線化が完了したところでございます。  さらに、阿見東インターチェンジの南側、牛久市久野町から龍ケ崎市八代町の県道八代庄兵衛新田線までの約6.4キロメートル区間におきましては、国道408号を境に、北側の約3キロメートル区間を県道竜ケ崎阿見線バイパスとして、南側の約3.4キロメートル区間を県道美浦栄線バイパスとして、令和元年度に国の補助事業の新規採択を受け、事業に着手いたしました。  このうち、議員御質問の県道竜ケ崎阿見線バイパスの整備状況といたしましては、令和元年11月に地元説明会を開催した後、路線測量、道路詳細設計を行い、令和2年度には、乙戸川渡河部において橋梁詳細設計を進めるとともに、用地測量にも着手いたしました。  今年度は、引き続き用地測量を進め、昨年12月には、測量作業が完了した箇所から用地の取得に着手したところでございます。  今後は、地元牛久市の協力を得ながら、引き続き用地の取得を進めてまいります。  県といたしましては、本バイパスが完成することにより、円滑な交通が確保されることはもとより、圏央道へのアクセス性向上に加え、工業団地へのアクセスや、牛久大仏などの主要な観光拠点を結ぶ広域的な観光周遊ルートの形成にも寄与することが期待されることから、圏央道の4車線化に合わせて本バイパスが供用できるよう、着実に整備を推進してまいります。  次に、国道408号(仮称)岡見バイパスの整備についてでございます。  国道408号は、千葉県成田市を起点とし、本県の南部から西部を縦断して栃木県高根沢町の国道4号に至る広域的な幹線道路であり、物流や観光など、地域の産業や通勤通学などの日常生活を支える重要な役割を果たしております。  このうち、牛久市における国道408号(仮称)岡見バイパスにつきましては、圏央道や国道6号牛久土浦バイパス、県道土浦竜ケ崎線などとともに、都市計画道路牛久・学園線として延長約3.4キロメートル区間を平成6年に都市計画決定しております。  牛久市周辺の交通ネットワークにつきましては、圏央道が暫定2車線で供用されており、現在、東日本高速道路株式会社により4車線化が進められているところでございます。  また、県では、圏央道の整備効果を最大限に発揮させるため、圏央道アクセス道路整備アクションプランを策定し、県道土浦竜ケ崎線バイパスや県道竜ケ崎阿見線バイパス、県道美浦栄線バイパスなどのアクセス道路の整備を重点的に進めているところでございます。  令和3年3月には、土浦竜ケ崎線バイパスにおいて、牛久阿見インターチェンジ南側の約1.9キロメートル区間の4車線化が完了したところであり、北側の約2キロメートル区間についても圏央道の4車線化に合わせて整備を進めております。  議員御質問の国道408号(仮称)岡見バイパスの整備につきましては、小野川に架かる橋梁の工事や軟弱地盤の地盤改良工事が必要となるなど、多額の事業費を要するとともに、道路の完成までには長い期間を要することなど多くの課題がございます。  一方、国道408号の現道部は岡田小学校の通学路に指定されており、朝夕の登下校時には多くの小学生が通学しておりますが、幅員が狭い上、自動車の交通量や自転車通学をする中学生や高校生の往来が多いことや、牛久市の通学路交通安全プログラムにおいて対策が必要な箇所として位置づけられていることなどから、まずは現道の交通安全対策を進めることが重要であると考えております。  このため、県では、道路管理者として、平成30年度から岡田小学校の前後約400メートル区間の歩道整備を実施しております。これまでに小学校前の約150メートル区間の整備を優先的に進め、令和3年3月に工事が完成したところであり、現在は、残る250メートル区間の早期完成に向け、用地の取得を進めております。  県といたしましては、まずは、現道の歩道整備による通学路の安全確保を着実に進めるとともに、(仮称)岡見バイパスの整備については、現在事業中である圏央道の4車線化など、周辺の幹線道路の整備状況を勘案し、これらの整備に伴う交通状況の変化を見極めた上で検討してまいります。          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 73 ◯伊沢勝徳議長 暫時休憩をいたします。  なお、5分後に会議を再開いたしますので、よろしくお願いいたします。                     午後4時37分休憩          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━                     午後4時41分開議 日程第2 第79号議案及び第80号議案 74 ◯伊沢勝徳議長 休憩前に引き続き会議を開きます。  日程第2、第79号議案及び第80号議案を一括して議題といたします。          ──────────────────────────────  第79号議案 教育委員会教育長の任命について  第80号議案 公安委員会委員の任命について          ────────────────────────────── 75 ◯伊沢勝徳議長 この際、知事から追加提出議案の説明を求めます。  大井川知事。                   〔大井川和彦知事登壇〕 76 ◯大井川和彦知事 本日、追加提出いたしました議案は、人事に関するもの2件であります。  第79号議案は、教育委員会教育長小泉元伸氏が、来る3月31日付をもって退職することに伴い、新たに森作宜民氏を任命しようとするものであります。  第80号議案は、公安委員会委員のうち、来る3月29日付をもって任期満了となる本間源基氏を再任しようとするものであります。  何とぞ適切な御議決を賜りますようお願い申し上げます。
             ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 77 ◯伊沢勝徳議長 以上で、本日の日程は全て終了いたしました。  次回は、3月7日午後1時から本会議を開き、一般質問、質疑を続行いたします。  本日は、これにて散会いたします。                     午後4時43分散会 Copyright © Ibaraki Prefectural Assembly, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...