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  1. 茨城県議会 2011-10-27
    平成23年総務企画常任委員会  本文 開催日: 2011-10-27


    取得元: 茨城県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-12
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1                 午後1時31分開議 ◯山岡委員長 皆さん,こんにちは。  ただいまから,総務企画委員会を開会いたします。      ─────────────────────────────── 2 ◯山岡委員長 初めに,本日の委員会記録署名委員を指名いたします。  萩原委員青山委員にお願いいたします。      ─────────────────────────────── 3 ◯山岡委員長 次に,本日の日程について申し上げます。  本日の委員会は,「いばらきイメージアップ」について,まず,初めに,執行部から説明聴取を行い,その後,2名の参考人から意見聴取を予定しておりますので,よろしくお願いいたします。  これより議事に入り,執行部の説明を求めます。  鈴木広報広聴課長。 4 ◯鈴木知事公室広報広聴課長 いばらきイメージアップ等につきまして,お時間をちょうだいして説明をさせていただきます。  お手元に資料があるかと思いますけれども,全部で14ページになっております。  大きく3つに分けて御説明を申し上げたいと考えております。  まずは,いばらきイメージというものの現状でございます。これが1ページから6ページまででございます。  それから,これまで,我々として,どういう考え方及びどういう施策をとってきたかということを7ページから12ページで御説明を申し上げたいと思います。  そういったことを踏まえまして,今後の方向性の案ということで,最後,13ページのところにまとめてございます。  以上に従いまして御説明を進めてまいりたいと存じます。  まず,いばらきイメージアップの現状ということでございますが,これは先般の常任委員会の中でも資料として提示をさせていただきましたけれども,地域ブランド調査ということが,民間調査でございますが,全国的な茨城県の位置づけというものを出しておるものでありますので,これをもとに御説明をというふうに思っております。  地域ブランド調査の魅力度というものについてはいろいろな議論がありまして,これのみを偏重するのかという話も当然ありますけれども,地域資源の考え方でありますとか,そういったことで,我々としてもよく中身を突っ込んで理解をしていかなければいかん要素というのは少なからずあるのだろうということを考えておりますものですから,そういった意味で,少し中身の分析も含めて御説明を申し上げたいというふうに思っております。
     まず,1ページ目をごらんをいただきますと,我々がどういうふうに分析をしておるかということを簡単にまとめてございます。  一番上のところであります,魅力度と各指標との相関というふうになっています。  いろいろページがわたりますので,必ずしもとじてございませんので,同時に資料をごらんいただければと思いますが,1ページと2ページを同時にごらんをいただきますと,ここに前回の委員会でもお示しをいたしました各項目との比較ということで出てございます。  情報接触度というのは14位ということで,そんなに低くはないというところなのですが,魅力度は御案内のとおり47位ということになってございます。  まず,一番大きく見られるところとしては,2ページの真ん中辺に観光意欲度というのがございますが,これとの相関が非常に強いのかなということを感じております。  それから,右端の2つであります居住意欲度と人口の社会増減率がございますけれども,人口の社会増減率は,居住地としてどれだけ選ばれておるか,いわば実力値のようなところがあるかと思いますが,これで見ると6位とかなり上の方にいる一方で,左隣の居住意欲度については44位ということで,かなり大きなギャップが見られるところでございます。  続きまして,3ページ,4ページをごらんいただきたいと思います。  魅力度調査というものにつきましては,3ページ,4ページの左端に項目の数が打ってございますけれども,60以上の項目を同時に聞いてございます。魅力度というのはその2というところに出てまいりますが,何とか県は魅力的だと思いますかということを聞いて,それに対して答えているということの集計でございます。  3ページと4ページは基本的に同じ手法でございますが,それぞれ色をつけておりますのが,3ページについては,全体で10位以内の項目に対して赤をつけております。反対に,40番台,比較的低いものについて青をつけているという資料が3ページでございます。  続きまして,4ページでありますが,同じ項目なのですけれども,これは瞬間風速といいますか,昨年度と比較をした場合に,5番以上上がったものについて赤を,5番以上下がったものについて青を,そういったことでお示しをしてございます。  これでごらんをいただきますと,まず,4ページの方ですが,情報の接触度,情報接触の経路というのが大体4番から17~18番のところにございます。赤のところをごらんいただきますと,特に9から11のあたり,これは商品系の項目かなというふうに思っていますが,これについては上昇しております。これは被災地の応援フェア等,この調査そのものが7月にあったものですから,そういったところでの風評被害払拭のイベントといった効果がうかがえるのではないかというふうに考えております。  それから,一方で,1ページに戻っていただきまして,真ん中あたりですが,旅行系の指標の低迷というところで御説明を申し上げます。  まず,1ページと3ページを同時にごらんをいただきますと,訪問率というところで,左端の23番でございますが,これについては上がってはおりますけれども,その理由というのが赤のところであります。ビジネス,あるいは親戚・家族・友人への訪問といったことでございまして,観光については青になっていますが,24番で,観光という意識の訪問がなかなか少ないというところが一つの特色なのかなというふうに思っております。  それから,同じ3ページの情報の接触経路,ちょっと上の方になりますが,青いところをごらんいただきますと,6番,あるいは8番のあたり,旅やグルメに関する番組,あるいは旅行パンフレットやガイドブック等々での項目が非常に弱いというところがございます。  それから,少し下がっていただきまして,同じ3ページの地域資源でございますが,温泉,あるいはレジャー施設が36番,伝統芸能が38番,こういったあたりの旅行の必須要素といったものがどうしても弱くなっているという特色を感じております。  これに加えまして,5ページの方をごらんをいただきますと,若干,直感的にまとめさせていただいたところもありますが,世の中の人にどういう認識をされておるのかというのが高い,低いというのが左右の軸でございます。それから,上下の軸が,実際の実力としてどうかというところを並べておるものであります。  この中で非常にもったいないと言えるようなところ,これは1ページにも実力と認識のギャップというところでまとめさせていただいておりますけれども,例えば,先ほども申し上げました人口の社会増減率に関しては非常に高い方であるのに,住みたいと思われていないということでありますとか,あるいは,ロケ地に関してはずっと全国1位であるのに,情報の接触度でいうと,ドラマや映画という項目が45位であるとか,そういった意味で,先ほどの5ページの左上の部分が非常にもったいない部分として我々認識して,てこ入れをしていかなければいかんのかなというような認識を持っておるところでございます。  続きまして,6ページにお移りをいただきますと,もう一つの課題ということで,これはブランド調査都道府県ランキングに加えまして,市町村につきましてもそれぞれ別立ての項目で魅力度というのを聞いてございます。  左端が先ほどもありました都道府県別の魅力度の順位でございますが,それぞれの県の中で,市町村の競争の中でどのまちが一番魅力度として高いかということを,いわゆる最上位市区町村ということで挙げさせていただいております。  これで見ていただきますと,当然,若干の例外はあるのですけれども,特に上位の県については,おおむね代表選手の地位も非常に高いというところが見てとれるのかなというようなことを感じております。  そういった意味で,本県につきましても,先般の議論にもございましたが,代表選手の山の高さというようなことも十分に意識をしていかないといかん点なのかなということを感じておる次第でございます。  以上が,魅力度調査をもとにいたしました現状の実力分析でございます。  続きまして,7ページにお移りをいただきたいと存じます。  イメージということでポンチ絵を挙げさせていただいております。これは,昨年度,広報監をお迎えしまして,広報戦略室ができて,大体どんな考え方で仕事を進めているかというようなものを,我々が昨年からやってきたことをまとめたものでございます。  この中では,3つ,ステップというものを置いて考えたらどうかということでやってまいりました。  まず,横の軸は,テレビや,あるいはメディアに実際にお金を払って広告枠として出していただくということが左端の方です。反対に右の方は,出してもらえるかどうかは確実でないのですが,もし出してもらったら非常に大きいということで,報道の記事等にどうやって載せていくかということでございます。  それから,縦の軸については,下が県庁単独でやるもの,上の方がいろいろ県内のプレーヤーとともにやっていくという考え方でございますが,まずは,ステップ1として,できるだけ自分たちの使っているお金を効果的に使えるように配慮しようというようなことで,例えば,テレビのやり方だとか,そういったことについて反映をさせてきたというふうに考えてございます。  それから,右の方に移っていただきますと,ステップ2というところでございます。これは必ずしも無料のことばかりでもないのですけれども,例えば,PR会社などのお力もかりて,報道記事というところの枠にうまく載せていくということが非常に大事かなということでやってきてございます。  もう一つは,県内の発信総量というふうに書いておりますけれども,できるだけ県庁以外に,いろいろな方が,いろいろなステージで発信をしていただくというようなことを何とかうまく仕掛けられないか,あるいはそういう機運が醸成できないかということで考えてきたものでございます。  そういったことを踏まえて,8ページに,これは今年度のイメージアップという項目で,これは広報広聴課の分を中心に当初予算をラインナップを挙げさせていただいてございます。先ほどのステップ1の主なものというのが1番のテレビの関係,それから,ステップ2というのが県外のパブリシティ強化というようなことでございます。それから,ステップ3というところが県民参加型の魅力総発信ということで,8ページの右側に書いてあるような事業を行ってきたところでございます。  もちろん,こちらは典型的に広報広聴課の分だけをお示しをさせていただいてございますが,以下,9ページから12ページまででございますが,横表で,庁内各部局がイメージアップに絡んでどんな事業をしているかというものを,我々の方で主なものを簡単にリストアップをしてございます。  いずれにしても,7ページでお示しをしたような考え方に基づいて,この1年半,活動をしてまいったわけでございますが,依然,こちらの魅力度にもありますように,その結果の成果についてはいろいろな御意見があるところだというふうに思ってございます。我々としても,率直に申し上げて,手探りといいますか,いろいろ考えてはおるつもりなのですが,悩みながらやっておるところが多々ございます。  そういった意味で,今までやってきたこと,それから,今回の調査の分析結果というものを踏まえて,13ページに,あくまでたたき台でございますが,今後,我々としてどんなことを考えていくべきかというものをまとめさせていただいてございます。  きょうは本当に貴重な機会でございますので,委員の皆様方,あるいは参考人の先生方の御意見もちょうだいしながら,この方向性について議論が深められればというふうに思ってございます。  そういった前提で,この13ページの御説明を申し上げますが,まず,今後の展開について,長期というふうに2つ挙げてございます。  まず,県内の各主体を巻き込んだというところでございますが,これまで御説明をしたような1),2)ということはある程度こちらも考えてやってまいったのかなというふうに,不十分なところもあるかとは思いますが,思っております。特にステップ3番,どういう形で県内の主体とともにうまくやっていくかというところについては,ある程度,個人的な発信というところをどうも強く意識してきておるのかなと。これはこれですごく大事なことだとは思うのですが,県内の企業さんであるとか,あるいは市町村さん,そういったところと本当に効果的な連携ができてきたかという点につきましては,これはよく反省をして,有効な手だてというものを考えていかなければいかんのかなということを思ってございます。  それから,2番目のところで地域資源について書かせていただいております。先ほども,3ページ,4ページのところでお示しをしておりましたけれども,ついつい,我々,頭ごなしに県内のすぐれた資源をというふうに言ってしまいます。これ自体は非常に大切なことであろうと思う反面で,実際に,例えば,個々のお茶だったりお肉だったり,そういったものが全国にライバルがある。そういうライバルと比べたときにどういうふうに見られているかという全国的な総体的な位置づけみたいなことをもう少ししっかりとらえないといかんのかなということは思っておりまして,そういった意味で,2番目の点のところ,ステップ1,ステップ2等に象徴されますように,どう売るかということを,この1年半,非常に一生懸命考えてきたつもりではあるのですが,それだけでなくて,当たり前だというところではありますけれども,何をというところ,あるいは磨くということについても全庁的に取り組んでいくことが必要ではないかということで,昨年度から実はそういった取り組みの端緒は始めておったのですが,こういった状況も踏まえまして,改めてこういったところに力を向けていかなければいかんのかなということを考えておる次第でございます。  それから,短期とございます3番目につきましては,いまだ風評被害が続いてございます。そういう意味では,本当に観光業等を中心にまだ前の状態に戻っていない,非常に厳しい状況というのが続いてございますので,できるだけ短期に効果の見えるもの,あるいはその実利性を十分に考えたもの,そういったことを意識して進めていかないといかんかなということを考えておる次第でございます。  それから,14ページにつきましては,一応,御参考ということで,黄門マルシェを7月から行ってございます。この売り上げと,それから,報道の状況について,概要だけまとめさせていただいておりますので,御参照いただければと存じます。  簡単でございますが,御説明は,以上でございます。 5 ◯山岡委員長 以上で,説明聴取を終わりますが,説明漏れはございませんか。  ないようですので,説明聴取を終了します。  それでは,ただいまの説明に対する質疑に入ります。  質疑のある方はお願いいたします。  梶岡委員。 6 ◯梶岡委員 ただいま御説明いただきまして,ここ何年かで,執行部の方々の地域ブランド調査の受けとめ方が大分変わってきているのかなと思っております。課長さんが悪いとかではなくて,こういった47位という結果が出てしまっていることを年々重く受けとめてくださっているのかなということは非常に感じておりまして,その点では前進していると思っております。  ただ,この委員会だとか,県議会だとか,こういったところで議論をやっている感がどうしても私は強く感じております。最近,式典とか,そういった場で,私,県民の皆さんを巻き込もうと思いまして,いろいろなところで,3年連続47位なのですけれども,そういった皆さんの地域活動で少しでも前進できるようにということを来賓あいさつのときに地域でさせていただくと,意外と知らない方が多くて,ああ,そうだったのだ,47位だったのだという声が非常に多く私のもとに届いております。  そういった意味で,今,ステップ1,ステップ2,ステップ3とありましたけれども,そのステップ3で市町村や個人の方々にも情報発信のお力をいただきたいということでありますけれども,そういった意味で,一度,47位なのだと。そして,総括を何らかの形でいわゆる普通の県民の方々にも知らせていくことも大切かと思いますけれども,その点,御所見をお伺いいたします。 7 ◯鈴木知事公室広報広聴課長 おっしゃるとおり,47位ということを知っている方,知らない方,もろもろだと思います。実は,我々も今検討しておりますことで,我々だけでアイデアをつくったりとか,方針を決めて,それで,はい,こうなりましたからやってくださいというふうに県内にお願いしても,そういう参加過程での機会もないと,どこまで実効性があるのかというようなこともあろうかと思います。  そういうことも含めまして,先ほど御説明をしました地域資源をどうやって磨いたらいいかとか,あるいは,どういうものを本当に売っていったらいいのか,そういったことについて,きょう,お示しさせていただいたような資料も含めて,ソーシャルネットワークのフェイスブックに上げたいなと思っております。そういった資料をある意味探すことで,もちろん,そんなことを考えることが意味がないみたいな御意見も含めて,フェイスブックファンページのようなものを活用をして,本当に実名で責任ある御意見をいただきながら,これは発散するかもわからないのですが,一つ,ただ,こう言ったら怒られるかもわかりませんが,ある意味,失うものはないというところもありますので,そういう意味では,思い切ってそういったことも考えていきたいなというふうに考えております。 8 ◯梶岡委員 超保守的と言われているこの茨城県で,国からの課長さんが,いわゆる外の空気が入ることによって,広報監さんも入ることによって,やり方が全国にも負けないようなSNSの採用だとか,非常に前向きに進んでいると思っております。  そういった意味でも,一度,47位だったのだというのを認識していただくのも大切だと思うのですけれども,県として,この47位というものをどのように受けとめているのか。例えば,地域ブランド調査というものがなかった場合というのは,先ほど,20分の説明の中で課長さんがおっしゃられたように,茨城の観光資源はすばらしいとか,そういったものになっていたのでしょうか。その辺,お伺いいたします。 9 ◯鈴木知事公室広報広聴課長 これは,なかりせばというところで,お答えするのが難しい部分ではありますが,ただ,ある意味,全体を統括するような全国調査というものは,地域ブランドというブランド総合研究所のPRのうまさもありまして,これの調査がなければ,ここまでの注目というのは恐らく社会的にもなかったのかなというようなところはございます。  では,もしなければ,我々がどう受けとめていたかというところの御質問ですが,例えば,宿などの予約サイトといったところでは独自にアンケートをとっておられる会社さんがありまして,例えば,全国の旅行に行った満足度だとか,あるいは,また行きたいかとか,大人にとって魅力的な施設があるか,子どもにとって魅力的な施設があるかとか,そういったことの全国的なランキングというのも実は毎年毎年出しております。  私が観光物産課におりましたときに,そういったものはいただいて,そういう観点から,自分のところだけの調査で満足度が何%でしたということは,今後,余り意味がなくなってくるので,総体的にほかのライバルと比べてどうなのかというようなことはとらえてやっていこうよというようなことは言ってきたつもりではあるのですけれども,いずれにしても,この調査以外にも,各分野においていろいろ突っ込んだ,総体的な位置づけが示せるものというのはございますし,あるいは,その気になれば,こちらからそういう指標を取りに行くということもできるのかなというふうに考えておりますので,いずれにしても,総体的な位置づけというのはこれまで以上に十分意識しながら今後仕事を進めてまいりたいと考えております。 10 ◯梶岡委員 時間も限られているので,最後の質問にさせていただきたいと思います。  非常に取り組みに力を入れているということはこの委員会の場でも非常に伝わっております。  今回,いろいろデータを分析されて,非常に戦略的だなと思って拝見させていただきました。居住意欲度がなくても,実際の人口の社会増減率はなかなかいいということで,これは二とおりの解釈の仕方があると思うのですけれども,悪く言えば,嫌々住んでいる。よく言えば,住めば都。このどちらかだと思うのであります。そういった意味もいろいろなとり方があると思いますので,一度,県民の方々の力を使って,総力戦で,オール茨城イメージアップに取り組んでいこうというのであれば,この47位という結果をどう県としてとらえていて,ここが問題であってというこのような資料を一度県民の方々にお示しして,県としてはこのように認識していると。一緒にこの不景気を乗り越えていこう。観光も盛り上げていこうということで,この辺が非常に不足しているのだ,弱い分野なのだということで,県民の方々に一緒になって,ビジネスと,あと県勢発展をやっていこうというのを巻き込んでいく必要があるのかなと思っております。  ですので,難しいのかもしれませんけれども,県としての総括,今まで2年間,最下位を続けてきて,ことし3年目ですけれども,目をそらさずに,今,もう大分向いていますけれども,そろそろ,3年最下位ということですので,一度,自己分析というか,総括を県民の方々にしていくのも大切なのかなと思いますけれども,御所見をお伺いして,終わりにいたします。 11 ◯鈴木知事公室広報広聴課長 率直に,今こうとらえておりますということをお示しするということが非常に大事だと思いますので,そういった意味では,本日の資料の1ページにこういったものをきちっとお出しをして,御意見を問うていくようなことは考えてまいりたいなと思っております。  一方で,これは本当に私の中でも,答弁申し上げていて,悩みが尽きないところではあるのですが,例えば,最近のある新聞社さんのQAサイトみたいなところで拝見をしますと,余り47位ということを知らなかったのだけれども,3年連続などということを聞くと,うちの県はすばらしいと思っていたのだけれども,急に自信がなくなってきたと。皆さん,どう思いますかなどということを逆に聞いている方もいたりして,そういう意味では,愛郷心というか,誇りというか,ことしの県政の世論調査から,どれだけの方が愛郷心を持っていますか,あるいは自慢に思いますか,そういうことも今集計をしておるところでございますが,こういった心持ちに悪影響は与えない形でうまくそういったことを工夫していきたいなというふうに考えております。 12 ◯山岡委員長 ほかにございますか。  八島委員。 13 ◯八島委員 今お話があったように,私は嫌々住んでいるわけではございませんので,自分の土浦の実家を大変に誇りにしながら生きているなと思っております。  こういうようなテーマが出たときに,自分で毎日ブログを書きながら,どんなことを書くかなと思っていたのですけれども,一つは,茨城の地勢的にどうしても中心地がないというような,全般的に町が散らばっておりますので,水戸中心であるようですけれども,実は水戸に帰属意識もないなというようなことがあると思うのです。  また,もう一つの特色は,産業にしても農産物についてもないものがないので,飢餓感がないというか,欠乏感がないということがあって,自分自身たちは満足度が高いということが一つ特色ではないかなと思っているところです。  きのう,仙台に行ってきたのですけれども,上野からはやてに乗りますと2駅で仙台に着いてしまって,中身はストロー的で,その間とまらないわけですから,交流人口ということにはつながっていないなと思いながらも,新幹線文化というか,新幹線があったらきっと違ったのかな,もっといろいろな人がいたのかなというような思いがありました。まさに交流人口というものをもっともっと図る方法というのは政治的にはもっとやっていってほしかったし,これからの課題になっていくのかなという気がしてございます。  そして,それは,とりもなおさず,何を求めて地方に行くかといえば,文化なのかなと思うのです。ですから,茨城の持つ文化の豊かさというものをもう一度総括するというか,見直しをしていくということが,何を発信するかということで一番手っ取り早いような気がいたしております。  そこで,震災のときに,防災のFMが相当ありました。その中で一番気に入っていたのは,FMぱるるんのいろいろな県から出る情報をなまりのある方言で女性の方二人が掛け合いでやっていたのがあるのです。これがすごく私には心を打ちました。要するに,さっき,文化圏と言いましたけれども,茨城の文化圏というのは実は東京文化圏になってしまっていて,茨城の文化というのがだんだんだんだん浸食されて,東京に東京に,もちろん,キー局しかありませんから当然のことかもしれませんが,だんだんだんだん浸食されてしまって,実は東京文化圏になっているのだ。もう一度,茨城の文化を見直すということは,そのスタートに,声が発信する最大のものですから,茨城弁というか,なまりというか,なんだっぺというものを少しピックアップしてはいかがかなというふうに考えております。  そして,あわせて,FMラジオみたいなもの,地域がやっている地域交流のものをもっともっと支援していくことによって,さっき言ったように中心地がないわけですから,ありとあらゆるところの中で,自分の地域はこうだというのを言い続けられるような支援策というのが必要だと思うのです。  つくば市にいたときに,まちおこしをやっていましたけれども,まちおこしをやってうまくいかない最大の理由は,継続しないのです。継続しないということはどういうことかというと,継続して支援がないからなのです。そして,ある意味,賞を取ったら終わってしまうというような傾向性があるものですから,地域の文化圏をもっともっと大事にしていただきたいなと思っています。  一つ,質問するとなれば,個別のいろいろな文化というものを大切にするような施策というものをお考えかどうか,改めて聞きたいと思います。 14 ◯鈴木知事公室広報広聴課長 各地域の個別の文化をという御質問でございます。これにつきましては,例えばでございますが,8ページの右側の下のところで,いばらきの魅力再発見事業というようなこと,これは広報広聴課でない部局ではございますが,小学生の地域自慢,あるいは各市町村のネットワーカーさんにお願いをして,ふるさと自慢というようなことを実施してございます。  ただ,これで本当に必要十分かというようなところはまだまだ議論が尽きないところではあろうかというふうに思いますが,先ほど,委員御指摘のあった,各地域のFMだとか,あるいは県域放送のIBSだとか,そういったところと協力して,どういう地域文化みたいなことがプレアップできるのかとか,あるいは,今,NHKの県域放送さんも地デジが本格化して進んできておるわけでございますが,今もアップは取っていただいておるのですが,もっともっと各地域で頑張っている話とか,そういったものを取り上げていただくような働きかけであるとか,そういったことも含めて検討してまいりたいと考えております。 15 ◯八島委員 デメリット,もしくは自分たちが一歩引いてしまうようなところが実は最大の攻撃のポイントになっていると思いますので,マイナス点をプラスに変えるような,そこの転換点のきっかけをつくることが一つの政策のポイントではなかろうかと思うのです。47位で,47位を言い切ってしまうということも大事かもしれませんし,その辺の転換になるものを,一つは,幅広くやるか,突出した人が出るか,どっちかだと思うのです。今,ちゃんとやっていけることは,突出した人をつくるというのはプロデュースがなかなか大変なことだと思いますけれども,これからの参考人質疑の中でそれが聞けるかなという期待を持ってきょうは来ているわけですが,広くやるところは政策ですので,幅広くよろしくお願いしたいなと思います。  以上です。 16 ◯山岡委員長 ほかに。  青山委員。 17 ◯青山委員 御説明ありがとうございました。  私はちょっと違った考えで,そもそも,地域ブランド調査をそこまで重要視する必要があるのかなと私は逆に思っていまして,むしろ,いただいた細かいカラーの題を見て私は思ったのが,例えば,IT・先端技術のまちでは本当に上位ですし,住民参加のまちとか,教育・子育てのまちなどは逆に大幅に順位を伸ばしていますし,むしろ,そういったいいところを伸ばすような形で特化していったほうがいいのかなと私は思いますし,むしろ心配なのは,さっきのカラーのところで,例えば,学術・芸術のまちとか,スポーツのまち,デザインやセンスのよいまち,こういった部分が5位以上ランクダウンしている。何で去年に比べてこういった学術・芸術や,スポーツやデザインやセンスといったところで順位が下がったのか,そういった方を逆に分析していった方がいいのかなと思っております。  これは全く統計の方法が違いますけれども,例えば,東洋経済の「住みよさランキング」は,2010年を見ましても,茨城県も,守谷市は全国で4番目に住みよい町,つくば市は30位,神栖市は39位と,茨城県も結構上位にたくさんありまして,私は,いい部分をもっと宣伝していった方が逆にいいのかなと思うのです。  一般の県民の方たちは,地域ブランド調査47位というのは余り知らないと思うのです。その知らないところをあえて強調する必要はないのかなと逆に思っていまして,そういったいい部分の資料を集めてきて,どんどん宣伝していく。  あとは,最近,特に思うのが,先般の本会議の代表質問の知事の答弁で,震災以降,茨城県の人口が,たしか2,000人ですか,減ってしまったと。定住人口が減ってしまう方が逆に大きな問題だと思いますし,むしろ,そういった住みよいというのをどんどんアピールして,定住人口をふやしていく方に特化する方が今後の茨城のイメージアップにつながると私は思うのですが,その辺はどうでしょうか。 18 ◯鈴木知事公室広報広聴課長 実は,地域ブランドランキングというものの取り上げられ方,世間の取り上げ方も確かに年々小さくはなってきております。たしか,ことしは全国紙には1件載ったか載らないかぐらい,たしか載っていないくらいだと思うのですけれども,そういった意味では,ある意味,乱暴な言葉を恐れずに言えば,地域ブランド47位という言葉自体はうちにとっては風評被害みたいなところも実際あると言えばあるので,そういう認識は実はないではございません。  ただ,先ほど申し上げたとおり,ブランド調査,魅力度という数字そのものだけ1個を取ると,何のことやらというところもございますが,さはさりながら,60幾つかの項目,先ほど委員からも御指摘があったように,個々に見ていくと,対処すべき事項だったりとか,分析に値するサイドとか,そういったものは多々あるのかなというようなこともありますので,強いところを伸ばしていく,弱いところにてこ入れしていく,そういった指標としては十分活用していきたいなというふうに思っております。その上で,ではこの47位というものをどういうふうに扱うかというのは,これは本当にいろいろな御意見,御指摘があろうかと思っておりまして,正直に申し上げて,我々もちょっと悩んでいるところではあります。  一方で,県民の奮起を促すためにうまく使いたいと思う一方で,先ほどの自慢度とか,そういったものに悪影響を与えたくないという思いもございまして,そのあたりで,できるだけ両者にいい影響があるように,あるいは悪影響がないように,うまく活用してまいりたいなと存じます。 19 ◯青山委員 ですから,できれば,先ほど御説明いただいたいばらきイメージアップの今後の展開の中に,いかに県外から茨城県に新しく住んでくれる,特に若い世代の定住人口をふやすためには,そういった戦略もぜひ今後の展開には,ここは大きな柱として組み込んでもらいたいというふうに提案させていただきます。 20 ◯鈴木知事公室広報広聴課長 定住人口という観点は非常に大事な御指摘と存じます。もちろん,これだけではないのですけれども,例えば,今週のテレビの磯山さやかの「旬刊!いばらき」には,つくばスタイルということで,なぜつくばに来てよかったかというようなことを実際の家族にインタビューさせていただいたりとか,そういった形でやらせていただいておりますけれども,そういったことを初めといたしまして,今後も定住人口の増というのは県の活力の非常に大きな要素というふうに思っておりますので,しっかり取り組んでまいりたいと存じます。 21 ◯山岡委員長 ほかに。  ないようですので,以上で,質疑を終了いたします。  ここで,暫時休憩いたします。  再開は,午後2時20分といたします。                 午後2時10分休憩      ───────────────────────────────                 午後2時21分開議 22 ◯山岡委員長 休憩前に引き続き委員会を再開いたします。  それでは,これより議事に入り,参考人お二人の方から意見聴取を行います。  意見聴取の進め方でございますが,初めに,参考人から御意見をいただき,その後,参考人との意見交換を行いたいと思いますので,よろしくお願いいたします。  それでは,お一人目の参考人を御紹介いたします。  青山学院大学名誉教授の小林保彦様です。
     小林様のプロフィールにつきましては,お手元にお配りしておりますが,青山学院大学を初め国内外の大学において,広告,マーケティング,コミュニケーションを専門分野として,これまで数多くの優秀な人材を育成してこられました。  また,日本広告学会の会長として,日本の広告,マーケティングの発展と向上に尽力してきたことなどが認められ,広告界でとても栄誉のある賞とされる東京広告協会白川忍賞も受賞しておられます。広告に関係する著書も多数ございますが,現在は,日経広告研究所の副理事長として御活躍されております。  小林様には,大変お忙しい中,本委員会に御出席をいただきましてまことにありがとうございます。委員会を代表いたしまして,厚くお礼を申し上げます。  小林様からは,「茨城県の広報宣伝を考える」をテーマに御意見をお伺いいたします。  なお,補助役として,太田様も御出席くださっておりますので,御紹介いたします。  説明にはスクリーン画像が使用されますので,見にくい場合は,適宜,席を移動してごらん願います。  それでは,小林様,よろしくお願いいたします。 23 ◯小林参考人 ただいま御紹介いただきました小林と申します。  本日は,お忙しいところを,お話しできる機会を与えられまして,どうもありがとうございます。  3月11日の大震災でたくさんの被害者の方がいらっしゃる。お悔やみ申し上げなくてはいけません。また,復興も一日も早いことをお祈り申し上げまして,きょうは,水戸の議員の方々にお話しできる機会,実を申しますと,私的にも大変うれしく思っております。というのは,私は,大学1年生のとき,超大昔でございます。昭和36年に合宿で水戸の偕楽園におりまして,1カ月間,日本で最初のマーケティングリサーチというのを,当時の東京放送,今のTBSと一緒になりまして行いまして,水戸市内に1カ月間滞在して調査をさせていただいて,そのときに大変温かい市民の御支援をいただいたので,水戸の町がとても懐かしく思っております。  先ほども大工町とか五軒町とか,そういう名前を挙げたら,おお,よう知っているねなんて言われまして,個人的にも大変親しみを持っています。  ましてや,私の母校は,飛田穂洲,そして,私の大学時代は早稲田の野球部は石井藤吉郎さんがいて,それから,連蔵さんがいて,それから藤吉郎さんですか,大ファンの西鉄の豊田選手が水戸商業から出てきて,そういう意味では,水戸はとても懐かしい,また,思い出深い町なので,きょう,お話しできる機会,とてもうれしく思っております。  まず,いただいた時間は限られておりますので,できるだけむだ話はしないように進めてまいりたいと思います。  最初に,茨城のイメージを考えてみようということで話をしていきますが,きょうの資料の中で,たまたま広報監の方が,私の昔書いた原稿を探してくださいまして,ありがたいことに,ここに自動車と広告という古いもの,この写真は相当昔のものなのですが,これは,今読み返しましても多分通用するところが多々ありますので,後でもしお時間があったら読んでいただければ大変うれしいと思います。  まず,最初に,2枚つづりの資料を使ってお話を進めていきたいと思います。途中,図はパワーポイントで出てくると思いますけれども,このぺら2枚,ここで茨城県のイメージについてどう考えるかということについて,私の個人的見解を述べさせていただきます。  続いて,裏にまいりますと,茨城県民文化と広報宣伝マインドということで,大体2つぐらいに分けていいと思ったのですが,3つに分けまして,将来,茨城県は独自の道を歩むというような形で私見を披露させていただきたいと思います。  まず,最初に,委員の方々は,マーケティングとか,広告とか,PRとか,いろいろな言葉を聞かれると思うのですが,一つ申し上げたいことは,広告宣伝とかPRという言葉は,専門家の方が,あるいは情報を送り出す方が,予算の関係で,これは広告費だ,これはPR費だなどというふうに分けていくわけなのですが,受け手である県民,市民の立場からいったら,それは同じものに見えるわけで,企業が送り出すものも消費者にとってみれば皆同じもので,新聞広告や,テレビや,ポスターや,口コミ,すべてが送り手のメッセージとして受け取るわけですから,余り,広告宣伝がああだ,PRがああだ,広報だということに区別することはないというふうに最初にお考えいただきたいと思います。  その理由は何であるかということになれば,幾らでも説明できるのですけれども,とりあえず,まず,マーケティングということをお話し申し上げたいと思います。  ここの第1番目のところのマーケティングという言葉でありますけれども,これはMarketという言葉にingという言葉がくっついてできたわけでありますが,マーケットというものを市場(しじょう)と読むか市場(いちば)と読むかということが出てくるわけなのですが,市場(しじょう)というふうに読むと,どうしてもそこには,人と人との間に,機械というか,マシーンというか,テレビだ,新聞だ,ラジオだという大量に情報を伝達していく媒介物が入ってしまった状況のまとまりを指すわけである。  それに対して,市場(いちば)というのは,顔と顔を見合わせて,人と人と顔を見合わせるようなことを指すわけでありまして,私は市場(いちば)という言葉が日本という国においてはとても大事な言葉であるというふうに思いまして,マーケットというのは市場(いちば)ですよねというふうにいつも考えているわけですけれども,最近,逆に,インターネットというのが出てくると,口コミとか人と人とがとてもくっつきやすくなってきて,三木谷さんの楽天市場というような言葉が出てくるように,アメリカ流の市場(しじょう)という言い方よりも,市場(いちば)というのがとても人間ぽいなというような気もいたします。  何はともあれ,マーケットというものに対してどういうふうに働きかけをしていくかということであります。この働きかけをしていくときには,必ず行動ということで実行です。市場(いちば)に対してどういうふうに働きかけをしていくかということがマーケティングということなのですけれども,これは,その行動を行う,作用する人の価値観,視点によって変わるわけであります。アメリカのように広大なところにいろいろな民族が入ってきて,早く同じ顔にして,同じ言葉を使ってというところでしたら,そこでは大量生産,大量消費というのはいいわけでありますけれども,今,日本ではそういうわけにはいかなくなってきて,むしろ市場(しじょう)を新しくつくっていくよりは,関係,つながりというものを大事にしていこうというような意味でマーケティングというものを考えていただきたいなということであります。  そして,私は,今,マーケットというものを,単純に企業,あるいは私企業の活動する場ではなくて,政治や宗教や教育,いろいろな分野が絡み合うところがマーケットというとらえ方もしていいのではないかということで,人間が出会う場というところにどういう働きかけをしていくかということがマーケティングであるというふうに考えると,県の議員の皆様方がどういうふうに対応されていくかということはまさにマーケティングの問題である。狭い意味で言えば,企業の活動です。だけれども,大きい意味でいくならば,もう行政の問題であるというふうに考えます。  そういうようなときに,ここで大震災が起こるわけであります。大震災が起こったその以前から,アメリカでつくられてきた大量生産,大量消費のマーケットというものを構築していくことがもうそろそろ難しくなってきたのだということで,具体的に21世紀に入ってそういう要素がどんどんどんどん出てきたわけであります。特に2008年のリーマンショック,そして,2009年という形で,金融市場というものの大変動に基づいて,今までのマーケットのつくり方,つまり,アメリカ流で世界に広がっていたマーケティングというものがとても難しくなってきたなという状況でありました。  そこへもってきて,3月11日の大震災が起こって,これまでの市場(しじょう)に対する取り組み方とは価値観を変えていかなければいけないのではないだろうかということが具体的に突きつけられたわけです。  私は,3月11日以降,今も大学で教えておるのですけれども,マーケティングというものの考え方を相当変えていかざるを得ないということが出てまいりまして,亡くなられた方々の供養も考えて,ぜひとも今こそ世の中の見方を考えていかなければならないことなのだなというふうに思っておりました。  そこへ,茨城県の責任者の方から,マーケティングと茨城県のイメージの問題を考えてみたらいかがかというテーマをいただきまして,実は,ここでふっと思ったことが,私が,かつて,名前を挙げてしまいますけれども,日本の大手の企業,サントリーとか,資生堂とか,腕時計のセイコーとか,西武デパートとか,パルコというのは特に大きかったのですが,ソニーとか,そういう企業が,突然,1985年,今から見るともう30年以上も前の話なのですが,とても商品が売れなくなったのです。  これは,資料的に見ると,日経ビジネスだとか,ダイヤモンドだとか,今,バックナンバーを見るとそのころのことが載っておりますけれども,私は,そこで,当時,情報の問題と絡み合わせて考えまして,1985年現象というものを考えてみたわけです。  1985年現象というのは何であるかというと,簡単に申し上げますと,戦後,テレビができて,新聞がだんだん盛んになってきて,日本中がイメージだ,広告だといって走り続けてきたときに,サントリーとか資生堂という会社がはっきり言ってイメージで大成功していきました。ぐーっと走り上がっていって,1980年代あたりから徐々に問題が出てきて,何が起こったかというと,1985年に,途端に,サントリーですとオールドとか,資生堂ですと,そのときの化粧品とか,驚くほどぱたっと売れなくなるのです。それは資料的に残っていて,大ブランド,イメージで形成してきたブランドが失墜してしまったという事件なのです。  そのときに私はコンサルティングを依頼されまして,サントリーとは5年間ぐらい,資生堂もブランドをもっと小さくして,少なくしてというようなお手伝いをして,サントリーと資生堂は完全に復活いたしましたので,もう名前を挙げて言っても今はしかられることもありませんし,その中で特にサントリーに対しては,水というものがいかに大事なのだということを提案いたしまして,今,「水と生きる」という会社のスローガンになっておりまして,そういう意味で,イメージで大成功してきて,広告で大成功,宣伝,PRで大成功してきたブランドが,あるとき,突然,失墜してしまう。  その理由を考えてみますと,もちろん,製品というものが時代の中でちょっとずれてきたということはあったのですけれども,ありていに申しますと,余りにもたくさんの広告宣伝をやり過ぎて,人々が飽きてしまったということがあったのです。  それを非常に重要視いたしまして,今,はたと県ブランドの評価ランキングというのを伺ったり資料を読むと,47位というようなことで大変苦労されている。私は,実を言うと,いや,これは見方によっては1位になることができるのではないか。何を言うのだと笑われるかもしれませんけれども,周回おくれで運動会でぐるぐるぐるぐる走っておりまして,そこでストップと言われたら,私,経験があるのですよ。静止したとき1番なのです。つまり,ここで言うと,その時代の価値観の中においてはすごく人気がないかもしれないけれども,ちょっと視点を変えてみると,実はそれがすごく上になるということがあり得るのです。  これはロングレンジで見ていきますととても価値観が違うのです。関係者がいたら勘弁していただきたいのですけれども,私のころは水戸の野球というのはすごい人気があったのです。でも,今は時代や何かが変わってきて違う価値観だ。これだって,もっとぐーっと伸ばしていって,15年ぐらいたつとまた復活するかもしれないわけでありまして,どのぐらいの視界でもって見ていくかということが非常に重要な問題なのだと思います。  そこで,茨城県というのはどういうイメージなのだろうかなということを考えてみました。私の周りにいる茨城県の友人や出身の方と話をしたりいろいろなことをしました。あるいは,早速に銀座にあります茨城県のアンテナショップを見せてもらったり,行って納豆定食を食べてみたり,いろいろなことをやりまして,感じるところは大変ありました。そこで言うと,私は,茨城県の一つのイメージというものを何か考えていくいいチャンスではないかなということを考えてみたわけです。  そこで,私が,かつて,企業の中で,サントリーとか資生堂という会社はとても華やかな会社だったのですけれども,もう一つ,ある企業,名前を挙げても結構だと思うのですけれども,日本ビクターというJBCという会社が,当時,皆さん,御存じの方はいると思いますけれども,VHSというビデオテープと,ソニーがベーターで激しく戦っているときに,私はビクターから面倒を見てくれと言われまして,10年間にわたってソニーと随分長いことコミュニケーションの戦いをやってみたわけですけれども,そのときに,JBC,日本ビクターというのが,技術力はあるのですけれども,ものすごい地味な会社なのです。本当に地味で,ソニーと比べると,若い人に聞くと,皆,ソニーの派手な,華やかなイメージが大好きなので,ビクターというと,犬が聞いていて,全然イメージが悪いのです。だけれども,その地味なイメージというものをじっくりと考えて,違う視点から考えていくと,実はすばらしい,いいところをどんどん見つけることができました。  それをもとにしてコミュニケーションを行って,最終的に,当時,ビデオに関してはVHSというのが勝つということになったわけですけれども,コミュニケーションの世界から,ほんの少し後押しをしたということがありました。  そういう意味で,広告宣伝というものを考えていくときに,アメリカ流の広告というのは,これまでは説得をしていくということが大事な方法だったのですけれども,日本の場合には,むしろ,関係をつくっていくとか,きずなをつくっていく,つながりをつくっていくということがとても大事なことになってまいります。  そういう意味で,広告とか宣伝というものは,私はここに広告者という言葉を使いました。一般には広告主ということを言うのですけれども,これは余りにも企業寄りな言葉なので,むしろ広告者,アドバタイズ,行う,アドバタイザーという意味で,政治や行政や教育や宗教,そして,個人が行う広告観というものを非常に考えていかなければいけないのではないかということを考えてみました。  では,そこで,まず,最初に考えていただきたいのは,広告宣伝とか広報とかPRというものを考えるときに,私が今しゃべっている広告と言ったときには,PRも宣伝も皆含めて聞いていただきたいと思うのですけれども,いろいろと探訪すると,あなたは広告というものをどう考えますかと企業の経営者に聞くと,まず,テレビのコマーシャルだ,新聞の広告だ,ポスターだというように答える経営者と,いや,そうではなくて,あらゆるコミュニケーションというもの全部を統合して考えるから,口コミといったような人と人とが介在してくるものはみんな広告なのですというふうに答える。いや,ある意味においては,我が社は受付の人を一番感じのいい人を置くとか,あるいは,電話がかかってきたときに,一番対応のいい人を広告だと思って大事にして置くという経営者がおりました。なるほど,それは広告を行う人の器,大きさによって,広告の,あるいはPRの広報が大きくなったり小さくなったりもいたします。  そういう意味で,まず,最初に,茨城県の担当者の皆様方にとって,あるいは県議会の議員の方々にとっては,ぜひとも広告,PRというものを大きな器でとらえていただきたいというふうに思います。  アメリカのマーケティングというものは,これまでは,何しろ拡大成長という形で来たわけで,すべてがポジティブに見ていく形のコミュニケーションが第一だというふうに考えてきたわけですけれども,ここで,今,正直に申しまして,アメリカが迷っております。アメリカが今までのようなやり方のコミュニケーションの方法ではちょっともう難しいぞ。つまり,アメリカも成長してきて,だんだん大人になってまいりましたので,もうそんな拡大成長とか,あるいは何でもポジティブ病とでも言うのですか,何でも前向きに,前へ前へ,大きく大きくというようなことだけではやっていけないということに気がつき始めてきたわけです。  そこで,茨城県の人々の県民性というものを考えていったときに,最初に思いついたのが,アメリカマーケティングとかPRとか広報だけの尺度にはのらないものではないだろうかなというふうに思います。違う尺度がまた必要になってくるのではないだろうか。  世界的に見るならば,アメリカ型のマーケティングというものを嫌う国というのは,今,大変ふえてきておるわけですので,このあたりが考えていかなければいけないことだなと思いまして,では,茨城県の県民性というのは何なのだろうか,書かれているものから引き抜いてきたので,何々というという言葉で書いてみたのですが,水戸の三ぽいとか,茨城の三ぽいというふうに言われているということで,理屈っぽいとか,骨っぽいとか,怒りっぽいとか,そういうぽいと言われているそうだということ。  こういうものを考えていくと,そこから見ていくと,今までのアメリカ流のマーケティングのコミュニケーションの方法にはちょっと乗り切らないところが多々出てくるのではないだろうかなというふうに思います。例えば,イメージ調査をすると,北海道はランキングが非常に高いです。イメージも大変人気がある。しかし,考えてみれば,夕張市も破綻してなかなか大変ですし,経済的にも大変だ。茨城県の場合には京都府や大阪府のイメージとは違っていいのではないか。いや,違うのだ。茨城県というのは重厚なイメージを持っている。これをむしろ強調して考えていくことが必要なのではないだろうかなと。  名前を挙げて大変失礼なのですが,私のことですから許していただきたいと思うのですが,宮崎県とか千葉県とか,すごくタレントっぽい知事さんがいるけれども,そういうようなやり方が茨城県の場合には合うだろうかということを考えてみて,県民の皆さんは喜ぶかどうかということを考えてみたら,多分,喜ばないだろうというふうに思うわけでありまして,宮崎県の知事も退任されたらどうなるだろうか。持続できるイメージの方法というのを考えているのだろうか。あるいは,千葉県には結構批判的な声がマスコミをにぎわすわけで,決して安閑としていられないのではないだろうかなということで,まず,茨城県のイメージということを考えていったらいいのではないかなというふうに考えたわけです。  ちょっとはしょってしまったわけなのですけれども,一番大事なことは,ここの図の中で申し上げたいことは,当時,1985年に企業の広告を調べたときに,今書いたのは,海面がありまして,三角形で書いたのは,これは氷山のつもりで書いたものなのです。これは簡単な図なのですけれども,1985年,私,現場で仕事に携わって,シンプルな絵なのですけれども,そのときから出てきた概念図なのです。  次の絵を見せてください。  これが,左側のところに海があって,これは企業の場合です。企業の場合に,必ずその企業の中に企業文化というのが一番下にあるのです。その上に企業文化をもとにして商品文化というのが生まれてまいります。海の上のところにあるのが広告,PRというもので,我々が目にするのは海の上の部分なのです。海の下の部分というものが実はあるのだけれども,考えないでやっていくというのがあるわけです。  当時,サントリーとか資生堂というのは企業文化や商品文化というのはちゃんとあるのです。でも,その意味と演出をしていく広告との間に若干のずれが出てしまった。言っている意味が抽象的だから,具体的に申し上げましょう。  資生堂の場合には,創業以来,企業文化はすばらしいものを持っております。日本の美の最高の存在でなければならないというのが福原一族の考え方でした。したがって,資生堂からつくられる美が化粧品にもパッケージにもすべて出てきて,企業から商品へでき上がっていく。資生堂の場合の企業文化というのはとても美しいから,広告も美しくつくっていかなければならないという考え方で,広告手法と言われるようなものをみんなとらなくてはいけないという考え方なのです。  それに対して,もう一つの会社で,例えば,花王という会社があります。花王という会社は,同じように明治時代初期に,長瀬富郎という人が,日本国民を清潔にしなければならないということで石けんをつくる事業から始まっていきます。そして,そこから出てくるところで,広告は大事なのだと。資生堂も大事にするけれども,花王もやはり大事にしているのだ。花王の場合には売上高の2割ぐらいは広告宣伝費に回すのだということを規則として決めてあったのです。  ところが,おもしろいことを言うのです。必ず商品の方が主役であって,広告はその後押しをすればいいということなのです。だから,広告は目立ってはいけないというのが花王の鉄則なのです。端的に言うと,お金でたくさんつくるのですけれども,タレントさんは目立ってはいけない。ブラウスの白さやシーツが白くなることを強調して,タレントさんの名前など忘れてしまってもいいのだという考え方なのです。それに対して,資生堂の方は,広告賞とかいろいろな賞を取らなくてはいけないということをやっていく。だから,アートにどんどんどんどん近づいていく。  自動車会社の中でも,例えば,トヨタはとてもこの辺をしっかり考えておりまして,当時,いつかはクラウンという形で,今はレクサスですけれども,クラウンより安い,当時,カローラとか庶民の車があった。カローラの広告とクラウンだったら,必ず広告のつくり方は,クラウンは立派に重々しくつくり,カローラは軽々しくつくっていくというので,言葉遣いまで決めていくのです。  それに対して,日産の方は,とても派手に,広告賞というのを,当時,イチロー選手がまだオリックスにいたころのを使って,イチロニッサンなどといって広告はヒットするのです。でもなかなか売れなくて,最後はゴーンさんがやってくるという形になったわけですけれども,この広告の使い方というものをどうやって商品文化と絡めていくか。  それを考えてみると,県民文化というのが一番下のところにあって,その上に行政を執行していくものがあって,その上に広報というものが出てくるわけなのですけれども,実は,上に出てくるだけが広報ではなくて,県民文化を考えてその企画を立てていくところからもう広報なのだから,議員さんや県の職員の皆さんがみんな広報に携わっているということなのです。  私は,自分の大学を約10年間ぐらい広報をやりまして,そのときもとてもずれていたのです。青山学院というと,ちょっと派手っぽいというイメージがあったのですけれども,それをいかにして逆にスピードを落として堅実なイメージにしていくかということで,勉強もしているのですよというようなイメージをつくり上げていかなくてはいけないということをやりました。そのときに一番大事にしたのが,守衛さん,あなたが一番最初のPRなのですという形で,守衛さんが外部から来た人に対して一番親切にしていくということをやりましょうというようなことを行いました。  その意味で,県民文化というものをじっくりと踏まえて,それをよく理解した上で,さらに行政・実行を行っていく方々,そして,皆様方が実は広報マン,PRマンで,毎日がPR,広報でなければならないという形になるかと思います。  そういうようなことを考えていったときに,私は,この間,資料として,「干しいも学校」のパッケージをいただきまして,それを見てみましたら,2ページ目に入りますけれども,茨城県の「干しいも学校」のデザインをなさった方は,一生懸命考えて,まさに県民文化というのを踏まえて出してきたイメージだと思うのですけれども,華麗なイメージではない。ゴージャスなイメージではないけれども,そこにきちんとした伝えたいイメージというのがあって,むしろ寅さんのイメージではないだろうかなと。そう言っていると,世の中は変わってきて,きょうの新聞でも,三菱の丸の内朝大学の中で寅さん学部をつくって,いろいろなことを教えていこうなどとあるわけで,価値観が変わってきているわけです。  そういう意味で,茨城県の持っている,むしろ華麗ではない,ゴージャスではない,派手ではないイメージというものも,実は外部に対して,そして,県の内部の県民に対して関係をつくっていくということが必要ではないだろうかなということを非常に考えます。  こういうことを思うのは,当時,県民文化というのは大事だということは,古くなりますけれども,竹下内閣のときでしたでしょうか,町や村に,まちおこしだ,むらおこしだといってお金を配って,それで何かやりましょうということだったのですけれども,自分たちで何していいかわからないから,コンサルティング会社や広告代理店に頼んだら,同じ企画が出てきて,どこの町に行っても同じ建物が出て,箱ばかりでき上がって,中のソフトができなかったということがあります。  これは企業でも同じなのです。自分の企業の海の下にある部分を大事に考えないでやっていくと,すぐ外部に頼んでしまって,同じような企画のものができてしまうということはたくさんありまして,軽薄なブランド論というのがとてもはやった時代がありました。大学も同様にみんな同じような企画でやっていってしまって,何にもならなかったということが実にあるわけです。  そういう意味において,腹の据わっている企業では,アメリカ型のマーケティングが入ってきても,パナソニックの松下幸之助,あるいは本田技研の本田宗一郎,ソニーの井深さん,盛田さん,みんなそこのところは腹では確実に自分の会社の文化というものを踏まえて経営を行ってきたわけです。表面的にはアメリカのマーケティングを使っていただければと言っているのですけれども,腹ではきちっとその辺を押さえていたということは,私はとても勉強になりました。  そんなような形で考えていきますと,まず,茨城県は独自の道を歩んでいく必要があるのではないかなというふうに思います。今,本当に考え方,軸を変えるときなのです。今ここで委員の方々にお話し申し上げておりますけれども,学会でもどこでも,マーケティングを教える者や企業の第一線の者たちもみんなここのところを変えていかなくてはならない,考え方を変えていかなくてはならないという大転換の時期に入ってきて,教科書は今ないのです。それをどうやってやっていくか。  そういう意味において,私は,大震災の後,あるいは原発のいろいろな問題の後,大きく価値観が変わっていくのではないだろうか。特に生活のスタイル,思考,価値観というものが変わってまいります。今こそまさにいばらきスタイルの広報というものを考えていかなければいけないのではないだろうかなというふうに思います。  こういったときにどうしたらいいだろうかということの中で,経営戦略の中では一番考えられるのは,資源依存型の経営戦略を行うべきである。これを私は強調したいのです。資源というもの,つまり,茨城県の内部の資源というのをぜひ見直してみることから県コミュニケーションの運動がまず始まるのではないか。何があるのだろうか。茨城県は大変なものを持っております。日本で第1位の農作物や,第2位のいろいろなものを持っている。メロンだとかいろいろなものが考えられるけれども,それもぜひ他の県の果物とか何かと比較してもらう。ちょっと重みのあるものがあるわけです。例えば,干しいもだったらイメージが違うと思う。メロンだって,すぐにメロンとりに行きましょうなどと,そんなことできないぐらい大きいものでありますから,戦略というのはちょっと違うと思うわけです。  しかし,そこで,まず,どういったような資源があるか。そこから考えていくということを行います。そして,茨城県のブランドというものを考えてみたいと思います。  ブランドというのを簡単に申し上げます。  第1段階,第2段階,第3段階というふうにブランドというのは進化していきます。ここのところに書いておきましたが,第1段階というのは,これは私のものですよという名前をつけることです。名前をつけることが実はブランドの第1番目です。牛や馬が自分の牧場から逃げていったものを,隣の牧場に入ったのは,これは私の牛だという形で目印をつける。英和辞典を引いてみると,必ずブランドというところに焼き印とかそういうのが出てくるわけでありますけれども,私の所有であるという所有権を示すのが第1番目なのです。  第2番目のレベルというのは,性能品質の保証機能をしていきます。私がこの商品,この食べ物,この農作物の品質を保証いたしますというのが第2番目の機能なのです。だから,ここの絵で書きますと,これは企業用で書いたものなのですけれども,真ん中の白い部分の商品の品質とか性能という基本的性能を保障するという機能を行うのが第2番目のブランド政策という形になります。  実は,ここのところをないがしろにして,第3番目のブランド政策に走っていっているのが多くのブランド論なのです。第3番目のブランド論というのは,周りに書きましたイメージとしての意味をつけ加えていくものなのです。これは何かといったら,意味なのです。例えば,ソニーが出てきたから,SONYというソニーという意味がもう価値を持って動いてくるわけです。これが第3番目のイメージなのです。  ところが,茨城県というイメージをつけ加えようと思っていろいろなことをやっても,多分,茨城県の県民性から言って,褒めると,また,そんなことないよとしかられたりもする。僕は茨城県の方を褒めると,そんなことないよなどとと言われてしまう。だから,ここのところの外側ばかりを一生懸命やってもまた難しいわけです。  これがアメリカ型のマーケティングでいくと,外側のところを大きくしていくから,言ってみれば,ブルーで書いた部分がすごく分厚い商品と,それから,あるものはすごく薄皮のようにこんな薄くて,中の性能,品質はぐーっと大きいブランドというのがあるわけであります。  こういう違いというものを考えていったときに,私は,茨城県の資源依存型で行う方法として,何と言っても実質的な性能品質保障機能を実行していくことが必要ではないかなというふうに思います。  今,短期的な方法として,これまでの時代の価値観ばかり気にして,これまでの時代の価価値観に合わせていこうといって,茨城県のイメージをくっつけようとしていってもこれは無理だと思います。むしろそんな厚化粧などする必要なくて,一気に,長期的に新しい価値観というものの中で,実は,実直に,ありのまま伝えていく。  今,ここに私は新聞切り抜きも持ってきているのですけれども,放射能の線なども,この間の新聞に載っていたのを見ると,はっきり言うと,茨城県の放射能のところが隣の県とか何かよりも圧倒的に低い形が出ているわけです。こういうものもよく注意して,できれば相当な予算をかけてでも,茨城県から出ていく農作物に対して,まず,全数調査をして,品質保証を行うということをやっていただくということがとても大事なことではないだろうかなと。これがイメージというものをつけ加えていくPRよりも,本来,実質的なPRということになっていくのではないか。  そして,首都圏の食生活の担い手なのだと。まさに首都圏へいかにたくさんの食料を送っているかということをもっとリアルな形で,食生活の担い手である食料庫なのだということの実質本位のリアルな意味をもっともっと強調していった方が,県民の皆さんに自信を持ってもらった方がいいのではないだろうかなと。これが,後に,茨城県のイメージというものが非常に評価されていく。実直なイメージを,今,余り効いていないなと思われるけれども,後日,必ずやこれが効いてくるのではないだろうかなと思います。  では,雪国まいたけの最近のコマーシャル,これは新しい価値観の中でつくられてきたコマーシャルということなのですが,ちょっと見ていただきたいと思います。用意してくださったので,見ていただこうかと思います。                〔コマーシャル放映〕  これは単一のブランドなのですけれども,言いたかったことは,今までのコミュニケーションの方法というもののスタイルを変えて,時代の中ではこういうことを静かに話をしていった方が通じるのではないだろうかという新しいコミュニケーションの方法としても考えてみた方がいいのではないかなと。郷ひろみという人を新しいベクトルの中で使ってみるということが,これがクリエイティブということで,これが氷山の絵の中の上の部分の出ているところでの能力なのです。どういうふうに演出をしていくか,これは広報担当の県の責任者の方の大きな仕事だと思います。  しかし,海の下の部分のこと,ああいうコミュニケーションが合うなということを検討して企画を立てていくということが茨城県としてはとても大事なことではないか。それがトータルで,これ全部でクリエイティブディレクションという一つのコミュニケーションの方向づけを行っていくということが出てまいります。  私は,かつて,イメージで大成功して,大失敗したサントリーとか資生堂とか何かのクリエイティブディレクションということを行いまして,責任者である経営者の方や,トップマネジメントや,そういう方々が聞いてくださったということがとても勉強になったわけです。こういうことをぜひとも茨城県の皆様方にも何かお役に立つのではないだろうかなというふうに思います。  そういったようなことを考えますと,演出の方法,どういうふうに伝えていくかというコミュニケーションの方法ということになってまいりますと,世の中には,コミュニケーションの方法で,2枚目の下のところのプリントに小さい字で書いておきましたけれども,桃李成蹊などという言葉があります。立派なよい桃やスモモは,黙っていても,そのにおいや花を見て,いいなという人がやってきて,その木の下に道ができるという桃李成蹊という中国の李将軍をたたえる「史記」から出てくる言葉です。  それから,陰徳の美という言葉とか,あるいは,世阿弥が,風姿花伝の中で,秘すれば花というようなことを言っております。こういうものもとても重要な意味を持っております。  かつて私がいろいろとお手伝いさせていただいて勉強することができた本田技研の本田宗一郎さんの精神というのはとてもPRをするときに学びました。当時,本田技研から海外へ留学で行ったときに,アメリカへ行って,大学へ行って学位など取らなくたっていいよと。学位とがつがつ勉強しているよりも,たくさんのお友達をつくって,帰ってきて,クリスマスカードをたくさん出せる人になりなさいと言って本田宗一郎は送り出したということですが,そういうコミュニケーションを行っていく仕組みというのは,PRマインドとして,海の下の部分にとても大きな力を持っているところがあると思います。  私は何でこんなことを強調しているのかというと,今までの時代の中では,1985年に大失敗するサントリーとか資生堂のように華やかにやっていたものがここずっと続いてきたのですけれども,そうではない。例えば,昔の新潟県の長岡藩,今の長岡市に小林虎三郎という人が出てきて,お米をもらったけれども,それを今すぐに食べてしまうよりも,それをもとにして学校をつくってという米百俵という映画ができました。彼は河合継之助と激しく対立した人ですけれども,長岡藩を助けていくためには,長い目で見て,PRを考えていった人ではないだろうかなというふうにも思います。  私は,たまたま,きょう,北茨城市で岡倉天心さんの映画をつくるという話を伺いました。実を言うと,私は岡倉天心さんの大のファンというか,私の理論構築の中においては,岡倉天心さんが東京美術学校で教えた画風,つまり,横山大観とかああいった人たちに伝えていった方法というのが,西洋流の絵画の方法ではなくて,実は人間そのものを描いていくという心を描くという画法だったのです。そういう意味で私は岡倉天心さんが大好きで,五浦の六角堂にも一度は行きたいと思っていたのですけれども,残念ながら流されてしまったので,そういう映画をつくるということもすごくいいことだなと思うし,もっともっとそういうことを地道に県民の皆さんに知ってほしいなというふうに思います。  最初,私,野球か何かの話で出てきたのですけれども,実は,美術とかそういうようなものにおいても,茨城県の持っている先人のすぐれたものをもっともっとつくり上げていく。資源というのはそういう意味で大変なものを持っているのではなかろうかなということを,新潟県に行って,小林虎三郎の映画をいまだに県民たちに見せる。そういうこともやっている。これもいいことだなと。  本田宗一郎のマインドというのは,今の広告の中で,むしろ海外で重要視されて使われている。そういうようなものもありまして,大変勉強になった次第であります。  もう少しお話をと思ったのですが,とうとう時間がやってまいりましたので,1時間,これぐらいにさせていただきます。  どうも失礼いたしました。 24 ◯山岡委員長 どうもありがとうございました。  ここからは意見交換の時間とさせていただきます。  ただいまのお話について,委員の方で,何か意見,質問がありましたらお願いいたします。 25 ◯小林参考人 質問の時間なのですけれども,私は,前に広報担当の責任者の方から「ほしいも学校」のをいただきまして,これは中身は私は大好きなものですから,この「ほしいも学校」という本を読みまして,ここのページのところに,歌もあるのですけれども,このデザインをなさった方,私は知りません。お会いしたこともないのですけれども,この本だけで,干しいも学校,何と田舎くさい名前でしょう。しかし,このあか抜けない名前に未来の可能性をどうしようもなく感じてしまったのです。干しいもは,とかく現代に求められるキーワードから,何から何まで真逆なのです。あか抜けない,格好悪い,不細工,濁っている,しわだらけ,でこぼこ,遅い,不均一,挙げれば切りがない現代と真逆のありさまにとんでもない魅力を感じてしまいましたというデザイナーの方は,きっと茨城県にやってきて感じたと思います。  私もこういうふうに感じて,この本がすごいいい本だなと思って何度も読みました。つくりからすべて,この方に会ったことないのですけれども,これだけ見てすごいなと思って,これもおいしかったのですけれども,これは本当にすごい。  今言ったことは,私のきょうの話の中を非常に裏打ちしてくれる。たまたま賞をもらったとかいう話をメールでいただきましたので,担当者の方からいただいたのですけれども,そういうすばらしいものが出てきているのです。  どこの商店がつくったのかということは抜きにして,茨城県というものからこの商品を見て,大変すばらしいなというふうに思いまして,ぜひ皆様方,県議会の方々も見ていただきたいなというふうに思いました。大学の授業では今度使ってみようかなというふうに思っておりますけれども,現代の風潮と真逆のことまで極端にデザイナーの方は言ってしまったのですけれども,この間,銀座にある茨城県のアンテナショップに行ってきました。正直言って,ちょっと違うなということを感じたところがあるのです。黄門マルシェというのですね。マルシェって何ですかと人に聞いたら,わからないと言うのですよ。恥ずかしい。私,フランス語ができないものですから意味がわからないですよ。でも,黄門様とマルシェってどういうふうにつなげていったらいいかなんて考えたのですけれども,黄門様もフランス語的に言えばいいのかもしれませんが,これもコミュニケーションの方法ですから,何か考えていくのが企画担当の人だと思いますけれども,そういう違和感もあったということは正直な話です。  でも,もったいないなと。すばらしい,立派ですよね。大きくて。他の県と比較しましたけれども,茨城県の持っているアンテナショップの立派さというのはすごいなと思ったのですけれども。 26 ◯山岡委員長 八島委員。 27 ◯八島委員 ありがとうございました。  今のお話の中で,文化という骨太の中心軸についてお話をちょうだいしましたけれども,黄門マルシェもそうですが,一つの出し方といいましょうか,見えるところという部分に悩みが大きいのかなと思うわけです。テレビの媒体もそうですし,仮にテレビがあるとしたら,その出し方の演出の部分でギャップという使い方もあろうと思うのですが,一番効率的な,今,世間においてキャッチするような出し方という部分もあろうかと思います。
    28 ◯小林参考人 私は,一つは,今,世間でよく言っているのは,ネットだネットだと言うのです。これは否定しません。ウエブコミュニケーションというのは。ところが,ネットというのはどのくらい見ているのかということもよく吟味してみることが大事で,むしろ,テレビとか,新聞とか,マスメディアも結構見られているということも事実なのです。  どういうことをいいメディアなのだろうかということに対しては,こっち側が今何を一番伝えていこうかなということを決定しないとなかなか難しいと思うのです。相手がもう決めてしまって,高齢者とかそういった人たちをねらってやっていこうと思ったら,しかられるけれども,新聞とかテレビの方がむしろいいと思う。でも,若い人ということになると,ネットとかそういうことが出てくると思うのですけれども,どれがいいということは,実は目的性によって変わらざるを得ないのです。それを広報をやっていくときに,どの人たちを,どういうように変えていくのかということを先に決めなければいけないのではないだろうかなと思います。  世間で言うと,ネットコミュニケーションだとか,ソーシャルメディアというようなことがよく言われるのです。ただ,それが本当にすべてに効いているかどうかということは,私は個人的には余り思っていなくて,むしろ新聞とか,あるいはテレビというものも大事に見ていった方がいいのではなかろうかなとか思います。 29 ◯八島委員 そうすると,先生のお考えでは,高齢者とか,そういうようなところが茨城らしい一つの広報のターゲットになるというお考えということでしょうか。 30 ◯小林参考人 それはデータも全部私も勉強させてもらいました。そうすると,茨城県というのは,高齢者,男性,女性に弱いですよね。そういうようなところが数字では出てくるのです。だけど,そこを,高齢者をねらっていく,男だけに人気が出ればいいのだと腹をくくるかですね。いや,ここで若い女性の人たちに人気を出させていくというふうに決定するとしたら,女性が喜ぶメディアとかコミュニケーションというのを出していく方法が必要になってくるのではないかなと思うのですけれども。ただ,そんなの無理だと最初から諦めてしまったらつまらないなと思うのです。 31 ◯八島委員 では,もう一つ。そうすると,一番ターゲットになった「水戸黄門」,テレビでなくなってしまうのですけれども,「水戸黄門」というものについてどのようなイメージをお持ちで,また,あれが続いていたらよかったなというようなお考えがありますか。 32 ◯小林参考人 私は,「水戸黄門」というのは時代劇の象徴という形で,時代劇がすごく好きなものですから,それは大事だと思った。ただ,「水戸黄門」の醸し出すあの雰囲気というのは今の時代には相当難しいなと。特に若い人にはとても難しいなというふうに思います。印籠にすればすべてが解決がつくということは,一歩間違うと,考え方によっては相当難しいものを含んだ,プラスとマイナスになる非常に難しいキャラクターだなということを今感じるのです。 33 ◯八島委員 勧善懲悪というのは今はだめでしょうか。 34 ◯小林参考人 若い連中には,一歩ずらして見ていくというか,すっとずらすという形があるものですから。 35 ◯八島委員 多様性にこたえられていない。 36 ◯小林参考人 こたえられないのでしょうね。 37 ◯八島委員 ありがとうございました。 38 ◯山岡委員長 ほかに。  磯崎委員。 39 ◯磯崎委員 きょうはありがとうございました。  「ほしいも学校」のお話をいただきましたが,私の地元で,私の後輩がつくって,企画したものなので。  当人はコクブという食品会社に勤めていまして,実家の家業を継いで,ファーストリテイリングの柳井さんのように実家の商店を継いだけれども,世界的な企業にしましたけれども,そこまでは行きませんけれども,一生懸命頑張ってやっておるというような感じです。  地域ブランド47位という茨城県が,だれもが何らかのじくじたる思いを持っているわけですけれども,いいと思っている人はいないと思うのです。  最近の大震災で風評被害というのがあります。当初は,3県,岩手県,宮城県,福島県ということで,それが大変だ大変だということなのですが,茨城県も2兆数千億円やられて,大変なのです。それに準ずるくらいのものなのですが,復興に際しては東北3県並みにということで,初めは言ってなかったのですけれども,後になってから茨城県も言い出したりしているのですけれども,それもこれもみんな風評被害を克服して,さらに未来へというような感覚でいると思うのですが。  中国のサーズのときなども,中国に旅行しようとした人はみんな取りやめたりなどしましたから,そこを責めるわけにはいかないと思うのです。  そういう中で,きょうの先生のお話と風評被害といったものについて御意見をお伺いしたいと思います。 40 ◯小林参考人 風評被害というのが一番つらいです。これは何とかして払拭していくためには,大丈夫だということを言い続けないといけないと思うのです。それを当分の間,相当な形で,コミュニケーション手段をいろいろなものを使って言っていかなくてはならないし,むしろ一本に絞ってぐらいにして,水戸黄門様よりも,まず風評被害を何とか払拭するということ。  この間の新聞に出ていた放射線のこういうのを見ていると,実は,はっきり申しまして,茨城県は他県から見たらちょっと低いのです。そういうようなことをもっと言っていくべきではないだろうかなと。そのためには,絶対安全なのですということを,県としてはお金をかけて全部チェックしているのですということの努力を見せていくよりほかないのではないかなというふうに思っております。  だから,広報費というのがどのぐらいあるかということの中で,外部的に派手な広報費を少しでも削ってでもいいから,実質的な,リアルな対策をすることも広報なのですということを私は思うのです。そういう意味では,風評被害に対して,そのまま座して死を待ってはいかんと思いますので,大丈夫だということをむしろ言い続けなければならないのではないかなというふうに思います。待っていてもしょうがないと思うのです。 41 ◯磯崎委員 ありがとうございます。  47番目ということにつきまして,これはどうしようもないのか,先ほどのように1周おくれで区切れば1位になる可能性もあるということで,1周おくれを瞬時に取り戻して,1着になる秘訣というのを教えていただければ。 42 ◯小林参考人 それは難しいと思いますね。一番困るのは,茨城県民性というのが,褒めれば,また,そんなことないと怒るのですよ。PRすれば,また,いや,そうではないと。しなければまただめだ。とても難しいのです。これを既成の広告やマーケティングの考え方では乗らないのです。だからこそ私は,茨城県というのは本当に考えてみたいなと思っているのですけれども,やるとしたら,実質本位で,長期レンジで見て,次の世代にまでつながる形で,じっくりと,地道に伝えていく方法しかないのではないか。実直な人だとか実直なものをつくっていくということを伝えなくてはならないと思うし,それが伝わっていないのではないかなと思うのです。東京の連中だって,一番食料をつくっている県なのだということを知らないと思うのです。  短期的な療法はないと思いますね。 43 ◯磯崎委員 わかりました。  今の先生のお話をお伺いしまして,私なりに結論がつきました。やはり県民性から変えていかなければならないと思います。一応,地方議員,政治の世界に身を置いているものですから,茨城県の県民性ということからすると,茨城県で総理大臣を1人も輩出していないのです。山口県とか何県とかは盛り立てるのですけれども,そういう県民性がないとみんな言われているのです。  そんなことで,私の方がこういうことを言うのは主客転倒なのですけれども,早稲田大学の御出身なので,田中真紀子さんの少し上かと思いますけれども,早稲田大学も医学部を茨城県に持ってこようということで今やっているのですが,悲願ですから。そうしたら,同志社大学も京都府の方に医学部がどうしても欲しいということで,そうしたら,前原政調会長が新潟県の泉田知事と一緒になって一生懸命誘致しておりますし,医師会の反対でもやるのだという腹をくくっているのです。  そうしたら,今度,東北も,安住さんが,村井知事というのが,医学部を,早稲田大学に負けまいとして,早稲田大学以上に進んで,この大震災を契機として持ってこようとしているのです。  そのほか,もう一つ,それと同じくらい有力なところがあるのですけれども,それは,千葉県は野田首相が生まれて,森田健作知事が,これも非常に熱心に成田にライフイノベーションでやろうということなのです。  茨城県の場合はではどうなのだということになったときに,政治的に,京都府の同志社大学は前原さん,財務大臣の安住さん,それから,千葉県は森田さんと野田総理というようなことで,茨城県にそれに匹敵する方が残念ながら見当たらない。今まで盛り上げて大物をつくってなかったということですが,そんな県民性なのです。イメージアップのために早稲田大学の医学部はいいのではないかと皆さんに何分の1かはお世辞に言われるのですけれども,その辺が弱いなと。こういうときに災いになっているなという感じでおるのです。  そういうことで,臭いものにふたしただけでもだめなので,根っこからというのはありますけれども,三ぽいということを反省して,ホスピタリティーをもっと持った県民性になるようなことでいかないといけないかなというふうに感じましたので,申し上げました。 44 ◯小林参考人 磯崎委員に締めていただきまして,結論はそこに行くのです。でも,私から言えなかったのですけれども,大変すばらしい締めのお言葉をいただいて,勉強になります。 45 ◯山岡委員長 よろしいですか。  それでは,以上で,「茨城県の広報宣伝を考える」について,意見聴取を終了いたします。  小林様には,貴重なお話をありがとうございました。  本日,お話しいただきましたことにつきましては,今後の委員会審査に参考にさせていただきます。  どうもありがとうございました。  ここで,暫時休憩をいたします。  再開は,午後3時45分といたします。                 午後3時30分休憩      ───────────────────────────────                 午後3時45分開議 46 ◯山岡委員長 休憩前に引き続き委員会を再開いたします。  本日,お二人目の参考人として,株式会社オレンジ・アンド・パートナーズ代表取締役副社長の軽部政治先生をお招きしておりますので,御紹介いたします。  軽部先生のプロフィールにつきましては,お手元にお配りしておりますが,以前,別の企業の代表取締役を務めていたときに,現在のパートナーであり,放送作家,または,映画「おくりびと」の脚本家としても知られる小山薫堂氏と出会い,株式会社オレンジ・アンド・パートナーズを設立なさいました。  現在は,さまざまな要素をミックスしたマーケティングメソッドを構築し,コミュニケーションクリエイターとしての活動をする傍ら,東北芸術工科大学デザイン工学部企画構想学科の教授としても御活躍されております。  軽部先生には,大変お忙しい中,本委員会に御出席いただきましてまことにありがとうございます。委員会を代表しまして厚くお礼申し上げます。  軽部先生からは,「茨城がもったいない」をテーマに御意見をお伺いいたします。  なお,補助役として,木村様も御出席くださっておりますので,紹介いたします。  それでは,軽部様,よろしくお願いいたします。 47 ◯軽部参考人 御紹介いただきました軽部でございます。  お声かけいただきまして,お呼びいただく封筒が会社に届いて,封をあけてみたら,参考人意見聴取と書いてありまして,どんな悪いことをしたのだろうなと思いました。  ちょっとどきどきしましたけれども,こういう場で話をすることは余りないので,でも,すごいですよね。僕は企画をする会社をやっているのですけれども,2時間以上の会議に参加したことが余りないので,集中力って2時間ぐらいしか続かないと思うのですけれども,委員の皆さん方,最後はなるべくおもしろい話をしますので,もう一息おつき合いいただければと思います。 48 ◯山岡委員長 座ってください。 49 ◯軽部参考人 僕,立たないと調子が出ないというか,先日,亡くなったスティーブ・ジョブズに対するオマージュではないのですけれども,立ってプレゼンテーションをさせていただければと思います。  早速ですが,これからお時間をいただいてお話ししたいと思いますが,「茨城がもったいない」というテーマでこれからお話をさせていただきたいと思います。  まずは,自己紹介を。  今,委員長の方から御紹介いただきましたけれども,改めまして,軽部政治と申します。  コミュニケーションクリエイターという仕事をしていまして,ちょっと聞きなれない,耳なれない仕事かもしれませんが,先ほどの小林先生のお話の中にもあったコミュニケーション全体を設計するということを主な仕事としています。  オレンジ・アンド・パートナーズという会社で代表をやっておりまして,東北芸術工科大学というところで,多分,企画を教える学科としては日本で唯一なのではないでしょうか。3年前につくった学科ですが,ここで教鞭をとらせていただいております。  僕の説明はともかくとして,もう一人,パートナーの説明をさせていただきたいと思います。これも委員長の方から御説明があったと思いますが,僕の相方は小山薫堂という男でございます。社会的な職業は何かというと,放送作家とか脚本家です。僕と一緒にオレンジ・アンド・パートナーズという会社の代表をやっておりまして,同じく山形の企画構想学科という学科の学科長をしております。一緒につくった学科なのですけれども。  この男は,先ほど,「おくりびと」の脚本家という話がありましたけれども,多分,彼の作品,「おくりびと」でちょっと文化人みたいな感じにイメージされているかもしれませんが,意外と実はバラエティーの男で,もともとは「11PM」で作家デビューしました。その後はいろいろやっています。「料理の鉄人」などもつくらせていただいたりとかしていますし,青山委員とかの時代はそうかもしれませんが,「進め!電波少年」とかもやらせていただいたりとかしています。  ただ,そのほかに,最近では,TBSさんで「世界遺産」とか,こういう番組もやったりしています。  テレビ番組では,こういうちょっと趣味性の高い番組を今までずっとつくってきましたが,おととしになりますが,初めて映画の脚本をやった「おくりびと」で,ありがたいことにアカデミー賞を受賞させていただくことができました。  僕と小山が何でこういう会社をつくったかというと,先ほど小林先生のお話の中でいろいろとマーケティングや広告の話がありましたけれども,結局,今,PRとか広告,何をやっていいかわからないですよね。さっき話がありましたけれども,僕はいろいろな講演会をやらせていただいているときに,一番最初にお話しするのですけれども,企業のPRもそうですし,観光PRもそうなのですけれども,発信者が言いたいことと消費者が聞きたいことが一致していないのです。  先ほど,八島委員の方から,水戸黄門はどうですかという御質問が出ていたようですけれども,僕は島根県の観光アドバイザーもやらせていただいています。熊本県もやらせていただいています。熊本県にいくたびに,加藤清正で大河ドラマをやってくれと毎回言われるのです。どうにか加藤清正で大河ドラマをやってほしいのだ。だけど,熊本県民が思っているほど全国の人は加藤清正なんて知らないのです。発信したい情報と消費者が受け取りたい情報とが一致していないのに,発信者は,ついつい自分のところにある自慢のネタばかり言おうとするのです。でも,受け取る側は余り自慢ではないのです。余りよく知らないし,興味もないのです。なので,大変言葉が悪いですけれども,水戸黄門は思ったよりどうでもいいのです。どうでもいいというか,水戸黄門はすばらしいコンテンツだと思うのですけれども,でも,実は今の消費者にとってはどうでもよかったりするのです。  何で小山とこの会社をつくったかというと,エンターテイメントは大衆娯楽なのです。消費者の耳に情報が入りやすくなるというか,みんな好きで娯楽を見ますから,野球だってそうです。プロレスだってそうです。ドラマだって,バラエティーだって,みんな自分の趣味嗜好でみずから望んで見るわけです。なので,情報が耳に入ってきやすいのです。でも,広告やPRや広報は,さっき言ったとおりに,言いたい人が言いたいことばかり言っているので聞きたくないのです。  今,僕が小山とこの会社でやろうと思っていることは,要は,発信したい情報を消費者が聞きたいコンテンツに乗せかえて発信すればみんな聞いてくれますよね。という,いたってシンプルな,単純なことです。  そのためには,発信の力にエンターテイメントの力をミックスすると一体何ができるのだろう,こういうことをチャレンジしたくて,小山と5年前にこの会社をつくりました。  そんな僕たちの発想の根底にあるキーワード,これは僕らが企画を立てる上で小山と僕らが常に大事にしているキーワード,それはもったいないというキーワードです。各都道府県にすばらしい観光資産があるのに,なかなかそのよさに気づかれない現状,先ほどからいっぱい話が出てきました。茨城県にもいっぱいいいものがありますよね。きょう,僕,委員長と副委員長にお話をお伺いしていて,農業の生産が全国2位とか,僕,きょう初めて知ったのですけれども,本当にいいものがいっぱいある。でも,いいものがいっぱいあるのに気づかれない現状がそこにある。一生懸命いいことを言ったって聞いてもらえないという現状がそこにあったりする。  そこで,茨城県のもったいないと思われるものに,新しい付加価値,新しい価値をくっつけて発信すれば,さっき言ったとおりです,聞いてくれないなら,聞いてくれる情報につけ加えて,付加価値を加えて発信すればみんな聞いてくれるようになるわけです。これはすごくいたってシンプルなことです。  とにかく,既に持っている茨城県のいいところに,ちょっとした演出,これもさっき小林先生の話の中にありましたけれども,演出を加えて,発信の仕方を変えるだけで,聞かなかった人が聞くようになるわけです。  では,具体的にはどんなことかというと,もったいないを新しい価値に変える具体的な事例を幾つか持ってきています。  僕らの会社の話から最初にしたいと思うのですけれども,今からちょうど4年前になります。僕らが会社をつくって,オフィスを移転しようという話になりました。そのときに,小山と話をしていて,一番最初に思ったこと,それは会社の受付がもったいないなと思ったのです。何で会社の受付がもったいないかというと,僕らは20人ぐらいの小さな会社なのです。通常,大きな会社でしたら,受付があって,受付嬢がいる。だけど,20人ぐらいの会社ですから,そんなに1日何人も来客が来るわけではないのです。受付嬢に月に20万円も30万円もお給料を払っても,そんなに来客がないではないですか。そうすると,暇な時間にどうせその女の子はメールをやったりとか,下で雑誌を読んだりとか,そういう子にお給料を払うのは本当にもったいないなと思ったのです。  ただ,会社の受付が内線電話では余りにもホスピタリティがないなと。せっかくお客様がいらっしゃってくれたのに,内線番号を押してくださいでは余りにもホスピタリティがないではないかと思って,ではどうしたらいいのだろうというふうに考えたのです。受付嬢に給料を払うのはもったいない。内線電話では味気ない。では,どうやったらこのもったいないを解決できるのだろうと思った。  こんなことをやったのです。東京タワーの近くにあるとあるビル,この真っ直ぐあるのが僕らのオフィスです。オレンジ色の看板がありますよね。自動ドアがあるわけです。入っていきますと,ここはコックコートを着た女の子が立っているわけです。どう見てもパン屋さんです。上にカレーパイとか書いてあります。スープとかも書いてあります。これはパン屋さんなのです。パン屋のようなのですが,カウンターの奥のドアをあけて中に進んでいってみるとオフィスがあるわけです。これが僕らの会社なのです。  これはどういうことか,意味が余りおわかりにならないかもしれませんが,どういうことかというと,オレンジのオフィスの受付は,おいしいパンとオレンジジュースのある売店になっているのです。僕らの会社は受付がパン屋さんなのです。これはどういうことかというと,受付がパン屋だったら,受付嬢の女の子が自分のお給料を自分で稼いでくれるわけです。それで,従業員がお腹が減ったらいつでもパンが食べられる。コンビニに行く手間も省けるわけです。  それで,一番よかったのは,僕らは東京の神谷町というところにオフィスがあるのですが,周辺に余り食事をするところがないのです。意外とOLさんとかランチ難民が多いのですけれども,パン屋さんができたことで,後ろに会社があることを知らずに,純粋にパン屋さんだと思っていっぱいお客さんが来てくれる。要は,常に人が出入りする会社になったわけです。活気があって,外からいろいろな空気をもたらしてくれる。  要は,ここに書いてありますとおりに,オフィスの受付をただ受付としてだけつくったら,それは受付嬢に一方的にお給料を払って,お客様をお出迎えするだけ。でも,そこに収益性を別途つけ加えました。そして,コミュニティ性もつけ加えました。これが僕らが考える新しい価値だと思うのです。ただの受付ではない。そこにパン屋の機能でお給料を自分で稼ぎ,パンをいつでも食べられる。こういうことが付加価値,価値だというふうに思っています。  これからは,さらに,どういうふうに発信していったらいいかという事例を,僕らが今までやってきた具体的な事例をもって幾つかお話しさせていただきたいと思います。  最初は,物語をつくる。ストーリーをつくる。さっき言ったとおりに,断片的な発信,情報はなかなか消費者は受け取ってくれないのです。納豆とかそばと言われても,別にそばなんかどこにでもあるよと思うわけです。物語があるから話を聞いてくれる。なので,一番最初にストーリーをつくるということを僕らはすごく大事にしています。  こんなことをやりました。依頼内容は,東武鉄道さんからいただきました。東武鉄道のスペーシアという浅草から日光鬼怒川まで結ぶ特急列車。この特急列車のイメージアップをしてくれないかという依頼を東武鉄道さんからいただいたのです。小田急のロマンスカーに随分とイメージが押されていて,挽回したいのだということで,東武鉄道スペーシアのイメージアップの依頼を受けました。  列車のイメージアップのために考えたツールはお弁当です。何をどうやってイメージアップをしようかというふうに考えたときに,そうだ,一番最初に,特急列車に乗って,一番親和性が高い,みんなが食べるものは何だろう。お弁当だろうということで,まず,お弁当をブランドアップのためのツールとして考えました。  まず,それぞれの観点でお弁当開発にいろいろな人たちに結集してもらいました。総合プロデュースは僕の相方です。小山薫堂です。あとは,主婦代表として,元フジテレビのアナウンサーの中井美穂さんに来てもらいました。あとは,料理評論家で山本益博さんです。それで,パッケージデザインは,アートディレクターの細山田さんといって,雑誌の「ブルータス」とか「ポパイ」とかのデザインとかをやられている方ですが,この4名に集結してもらいまして,どうやったらすごくスペーシアに一番ふさわしいお弁当をつくるかという商品開発から始めたわけです。  お弁当開発のプロセスをすべて雑誌の「クロワッサン」という,主婦の方がよく購読する雑誌ですが,この「クロワッサン」という雑誌で連載にしていただきました。これは,一番最初,こういうふうに書いてありますけれども,「列車の旅をおいしくしたい,新しいお弁当づくりが始まります」というところから連載がスタートするわけです。  この4人が東武鉄道スペーシアに乗って,沿線でおりて,地元の食材とかを探して歩くわけです。どの食材がおいしいのだろうというのを沿線をおりながら探して歩いて,どういうお弁当がスペーシアに一番ベストなのかということを考える。  連載が何カ月か続いていって,誕生したのがこういうお弁当です。「まごにはやさしいひざの上の食堂」という弁当で,「夢のお弁当完成,さあ出かけませんか」ということで,最後,「クロワッサン」でこのお弁当ができ上がったという号が掲載されるわけです。  ちなみに,これは2008年にやった施策でございまして,それに合わせて,2,008円という,結構お弁当にしては高額なお弁当をつくりました。  ただ,その結果,ただ駅弁をつくっただけなのです。それなのに,日本テレビの「スッキリ!!」とか,あと,BSの番組で特集を組まれたりとか,ただの駅弁が,こういうふうにパブリシティとして,これはお金を1銭も使っていません。本当に取材に来てくれたわけです。  このような形でテレビ番組にこの駅弁が取材をされたり,そのほかにも,27誌の雑誌,ほか10紙の新聞などにもただの駅弁がこれだけ掲載されるわけです。これは広告ではありません。ただパブリシティとして書いていただいたわけです。  この露出を媒体換算すると,大体1億円ぐらいになります。  これもさっきの受付と同じ考え方です。駅弁をつくって広告宣伝しました。取材に来てくれました。宣伝効果が1億円ありました。ただ,このお弁当も,その期間,1カ月しか売らなかったのですけれども,その1カ月の期間中の東武鉄道スペーシアの駅弁の中で売り上げナンバーワンだったわけです。2カ月半で1,600個売りました。350万円の売り上げを上げました。要は,宣伝のためにつくった駅弁が利益も上げるわけです。そして,それがパブリシティとして取材もされる。  要は,お金をかけて雑誌やメディアを買って広告を出すばかりが広告ではなくて,物語をつくって,ちゃんと消費者との距離感を縮めてあげれば,メディアも情報として取材に来てくれます。最後は,その商品も売れます。そして,結果的には,消費者がそれを受けとめてくれて来てくれる。実際にこれで乗降客数が1.6倍ぐらいにアップしました。  ここでは,列車で過ごす時間ってもったいないよねというものに,ストーリーのあるお弁当を食べにきませんか,ただ列車に乗って日光まで2時間をむだに過ごすのではなくて,2時間の列車の中で物語のあるお弁当を一緒に食べて日光まで行きませんか,こういう付加価値をつけることによって生活者に愛着と期待感をわかせる。プロダクトをきっかけにメディア露出によるイメージアップを図る。これがもったいないという僕らの考え方の企画の原点です。  では,次に,応用事例2に戻って,機運をつくるというもの。さっきは物語をつくると言いましたが,もう一個は,物語をつくって,消費者が,市民が聞きやすい情報に変換するというのを先ほどお話ししましたけれども,もう一個は機運をつくる。みんなが,おっ,何かはやっているみたいだよという機運づくり,これは一つのきっかけなのです。  先ほどからずっと議論されていた茨城県の認知度,魅力度という話もありましたけれども,意外と茨城いけてるみたいだよという機運づくりは瞬間的にできるのです。
     機運をつくるというようなやり方で具体的に我々がやったものがあります。ミッションは,首都高速道路さんからお仕事をいただきました。首都高速道路が民間法人になって,いろいろとやっているのですが,首都高速はなかなか交通事故が減らない。首都高速道路さんから,どうにか交通事故を減らすキャンペーンをやりたいのだと。ただ,今までの交通事故削減キャンペーンだと全然変化がないし,だれも参加してくれない。みんなが協力をしてくれるような交通事故削減キャンペーンをやってくれないかという依頼が我々の会社にきました。  首都高では年間1万2,000件の事故が発生しています。平成18年度なので,今は随分減ってきていますが,我々が依頼を受けたタイミングでは1万2,000件の事故が起きています。ただ,そのうちの80%以上が本当にドライバー同士のささいなミスコミュニケーションなのです。例えば,ウインカーを出さないとか,料金所から合流するときに譲り合わないで接触するとか,本当にささいな事故なのです。だから,重大事故は首都高ではほとんどないのです。  このコミュニケーションエラーが首都高の事故の大半を占めているということに僕らは目をつけました。今までの交通事故削減キャンペーン,今までの呼びかけではなかなか振り向いてくれない。これは,多分,観光キャンペーンにもすごく相通ずるところだと思います。要は,従来の交通安全キャンペーンというのは,自分には関係ないねとか,捕まりたくないけどとか,押しつけがましいなとか,あとは,かた苦しい,よくわからないとか,またやっているのとか,これが多分消費者の率直な意見だと思います。こういうことを幾ら繰り返しやっていても共感は生まれないですよね。絶対に共感は生まれない。  僕らは新しい価値を付加した共感をつくり出すことを考えました。新しい事故削減プロジェクトがこうなったらいいなというふうに考えたのです。おしゃれだな,格好いい,あの人も参加しているらしい,自分にもできそうだ,おもしろそう,新しいことをやっている。同じ交通事故削減キャンペーンでも,何だよ,またかた苦しいことやってる,取り締まられるのかと思われるのではなくて,格好いいね,おしゃれだね,自分にもできそうじゃん,こういうふうに目線を落として,参加しやすい機運づくりをつくれば,その首都高速の交通事故は減るだろうというふうに考えました。  一番最初に立ち上げました,コミュニケーションの力で事故を減らすプロジェクトというタイトルで,TOKYO SMART DRIVERという名前でやっております。このただのピンクのチェックに見えるかもしれませんが,このピンクチェックはgood design companyという,結構日本では今有名なグラフィックデザイナーの水野学という男がデザインをしたロゴマークです。  今までの交通安全キャンペーンみたいに,交通事故のシーンとかをポスターにして,交通標語を五七五で並べるというようなことではなくて,まずは,だれでも見やすい,だれでも覚えやすいというロゴマークをつくり,TOKYO SMART DRIVERというだれでも口にできそうなアイコンをつくりました。  そして,僕と小山の友人のいろいろな著名人の人たちに,これはギャラを払っていません。任意で参加してくれる呼びかけをしました。その結果,さまざまな著名人やクリエイターが賛同してきてくれました。左側は栗コーダーカルテットというアカデミー賞で音楽とかも受賞したことがあります。あとは,真ん中はケン・イシイという世界的に有名なテクノミュージシャンです。右側は,福島県の復興で,今,一生懸命頑張っている箭内道彦というクリエイターでございます。そのほかにも,元Jリーガーの中西さんとか,いろいろな方々がこの首都高の交通安全キャンペーンに賛同して,協力してきてくれました。  そのほかに,やったことで,これは結構おもしろかったのですけれども,先ほどFM局という話もありましたが,車といったらラジオです。在京5局に一斉に呼びかけました。余り例がないと思うのですけれども,文化放送,TBSラジオ,ニッポン放送,TOKYO-FM,J-WAVEという,AM,FM,全部で在京5局にTOKYO SMART DRIVERという同じ名前の番組を全部の局でやってもらいました。同じ曲で,同じ内容の番組を,それぞれの局の看板パーソナリティの人たちに出てもらって,うちの小山が1局ずつ回って,ゲストパーソナリティとして話をして,首都高速をどうやって交通事故を減らすかという番組を在京5局一斉にやりました。  こういう動きに連動して,ここにあるような「UOMO」というファッション誌というか,ライフスタイル誌ですが,ここの編集長が,おもしろいねということで,「首都高の事故を減らすのは大人力だ」というふうに,これも広告ではありません。「UOMO」というファッション誌がおもしろがってくれて,首都高速の事故を格好よく減らそうという特集を5カ月にわたって「UOMO」という雑誌の中でただで連載を組んでくれました。  こういう動きをしていたら,いろいろな企業が賛同してきてくれまして,1個,そこにCDがありますのは,ソニーミュージックさんが,首都高でこのCDをきくと,いらいらしないで,事故を起こさないで済むというアルバムをCDで出してくれたのです。これも僕らは1銭もお金を使っていません。ソニーミュージックさんがおもしろがってくれて,このプロジェクトに賛同して,首都高をいらいらしないで走れるCDというのを出してくれて,これは本当にタワーレコードとかいろいろなところで普通に販売をされました。  こんな形でどんどん共感者があらわれてきて,うねりが出てくるわけです。  従来の交通安全キャンペーンといえば,さっきも申し上げましたとおりに,悪い運転を取り締まるばかり。ただ,このTOKYO SMART DRIVERは,よい運転を褒めようと。これはすごい大事だと思います。交通事故を取り締まるので,いつも厳しいことばかり言っているキャンペーンを,怒るのではなくて,褒めようというふうに視点を切りかえたのです。いい運転をしている人を徹底的に褒める交通安全キャンペーン,褒められたらいい気分になるではないですか。取り締まられると嫌な気分になるけれども,褒められるといい気分になるので,みんなをいい気分にして,交通事故削減キャンペーンに賛同してもらおうというふうに思ったわけです。  このアイデアを日産自動車さんに話しました。日産の志賀社長とかとちょっと懇意にさせていただいている関係もありまして,僕らのこのアイデアを日産自動車さんに話をしました。そうしましたら,日産自動車が大変共感をしていただきまして,首都高と日産自動車を手を結ばせまして,完成したのがこんなものです。世界で1台しかないホメるパトロールカー,ホメパトというのをつくりました。このパトカーは取り締まらないのです。怒らないのです。このパトカーは徹底的にいい運転をしている人を探し出して褒めてくれるという世界に1台しかないホメパトというパトカーをつくったのです。日産自動車からはGT-Rという車を御提供いただきまして,このデザインは,中村史郎さんという日産のデザインチーフがデザインしてくれた唯一の褒めるパトカーです。  これだけでは発信性がないです。おもしろいですけれども発信性はない。それで,これのお披露目をやろうということになりまして,お披露目をやりました。そして,このホメパトの初代ドライバーは近藤真彦さんに,初めてのホメパトの運転手はマッチにお願いをしたわけです。  ただのしゃれでつくった褒めるパトカーを首都高で発表しますという記者会見を,ここにありますが,左側は小山です。真ん中は日産の志賀社長です。隣がマッチで,右側が当時の首都高速道路の長谷川会長ですが,たったあれだけです。褒めるパトカーをこれから首都高で走らせますという記者会見をやったら,見てください,テレビ局も含めて,さんざんメディアが集まってきてくれました。  結果的には,17紙の新聞に掲載をされました。そのほかにも,9番組のテレビニュースで,このような形で,もうその日の夕方のワイドショーとかニュース番組で,普通の地上波でこれだけずらりとテレビニュースで放送がされました。  ということで,これはヤフーのトップニュースとかにもなったのですけれども,この記者会見にかけたお金というのは,五,六百万円しかかけていないのです。なのですけれども,テレビの番組,新聞とかインターネットを含めると,あれだけで広告換算すると2億円以上の露出をつくったのです。たった1日です。500万円の原価しかかけていない記者会見で2億円ぐらいの広告をつくったわけです。  ただ,ここまでだったらどこにでもありそうなPRイベントというか,PRの考え方と一緒だと思いますが,一番お話ししたいのは,ここからがすごく大事だと思うのですが,このTOKYO SMART DRIVERというプロジェクトは,今現在も実は続いております。ことしで4年目になります。  今,どういう現象が起きているかというと,この交通安全キャンペーンを一つのブランドにしたことで新たな動きが始まりました。ここが大事なところだと思います。これは僕らも余り予期していなかったのですけれども,一般市民の方から賛同者がぞくぞくとあらわれてきたのです。要は,僕らも協力させてくれというわけです。本当に一般の消費者の方,市民の方がみずから僕らの事務局のところに連絡をよこして,この活動に参加させてくれということで,これは全員一般市民の方です。こんなすばらしい交通安全キャンペーンに僕らも参加させてくれというふうに言ってきて,今でも,3年前から,毎月第4水曜日,首都高速の会議室を開放しまして,首都高の会議室に一般市民が集まってきて,首都高速の交通事故を減らすためにはどうしたらいいかという会議を勝手に市民がやってくれています。本当に勝手にやってくれているのです。  商品開発までしてくれる方が出てきて,首都高の交通安全キャンペーンなのにどんどんどんどん自走していっているのです。しまいには,今どんなことになっているかというと,この交通安全キャンペーンにファンがついたわけです。いわば,言いかえると,茨城県の観光キャンペーンにファンがつくのと同じことです。観光キャンペーンはただ単に発信するだけと思われているかもしれないですけれども,その活動にファンがつくのです。ファンがついたことによってこんなことになっているのです。何と,TOKYO SMART DRIVERというのが,今,全国に広まりまして,実は茨城県にもあるのですよ。IBARAKI SMART DRIVERといって,任意の市民の方が,我々の県でもSMART DRIVERというコミュニケーションの力で交通事故を減らすという活動に参加させてくれということで,茨城県民の方々,これは一般の県民の方ですが,我々に申し出がありまして,こういうふうにIBARAKI SMART DRIVERというロゴマークをちゃんとおつくりになって,ステッカーをつくって,地道に市民活動として,多分御存じないと思いますけれども,もう茨城県民の方が自主的にやられているのです。  今,ここに書いてあるとおりに,神戸市ですとか,神奈川県,千葉県,埼玉県  徳島県だけ青が入っているのは,徳島県は大塚製薬さんのおひざ元ということで,徳島県だけは大塚製薬さんが企業スポンサーに入ってくれているようで,なぜか大塚製薬のイメージカラーの青が入っているのですけれども,こんな形で,首都高速から始めた交通安全キャンペーンにファンがついて,そして,それがどんどん自走していって,今や全部で18カ所の地域で自主的な活動としてこのSMART DRIVERという交通安全キャンペーンが広がっていっています。  ということで,もったいないというところは,一方的な交通事故削減キャンペーンというのはもったいないではないかと。そこにみんなで楽しむコミュニティという付加価値をつけ加えて,共感を高め,自発的に伝搬するファンをつくろうと。要は,大事なのは,発信者を,僕らが発信するだけではなくて,受けとめた消費者が共感をして,みずから発信してくれる人たちにどう変えていけるかということが大事だと思います。  これは観光キャンペーンではないですけれども,一つの観光キャンペーンにも通じる話だと思います。  大事なことは,最初から完璧なものをつくって発信するのではなく,再三言っていますが,とにかく人々が共感する種をつくる。僕は,多分,行政も含めてやることはこういうことなのだと思うのです。すべてお膳立てをして,はい,いいでしょう,いいでしょう,いいでしょうとパンフレットをつくって,ポスターをつくって,テレビCMをしてやるのではなくて,本当に地元の人々が参加して,つながることで大きなうねりをつくるためには,種をつくってあげること,機運づくりのきっかけをつくってあげることにもっと集中してあげるべきだと思うのです。  ここで参考となる事例を一つ。先ほど申し上げました,今,熊本県の観光キャンペーンも我々の方でちょっとお手伝いをさせていただいたりしています。加藤清正はだめですよという話をしたのですが,具体的に熊本県の観光でやった事例をここでお話をさせていただきたいと思います。  熊本県の観光キャンペーンは,「くまもとサプライズ」というキャンペーンタイトルをつけました。そもそも,九州新幹線の全線開業をきっかけに,熊本県民がみずからの周辺にある驚くべき価値のあるものを再発見し,それをより多くの人に広めていこうという運動です。  ということで,県が発信するというよりは,熊本県民が,これをきっかけに自分たちの県のいいところを知るというキャンペーンです。どちらかというとインナーキャンペーンなのです。でも,インナーキャンペーンが本当は外の人たちを迎え入れるのに一番重要なキャンペーンだというふうに我々は思ったので,まず,こういうことから始めました。  このキャンペーンの根底にあるもの,それは,そもそも観光って何なのだろうということを僕らはすごく考えました。地元にいいものがあるとしたら,ここが結構キーワードだと思うのですが,それを,まず,自分たちが楽しまないともったいないではないか。そもそも,うちの県いいですよ,来てくださいと言っているのだったら,言っている人たちが,そのいいもので楽しんでいるのですかという話ですよね。そもそも自分たちが楽しんでいないようなものを人に勧めること自体がおかしいではないですか。自分が経験して楽しいと思って,いいと思ったから,初めて人に伝えて,感動が伝わるわけであって,自分たちが楽しめていないものを,一生懸命,いい写真だけ撮って発信しようと思ったって,やっぱり絶対伝わらないですよね。  なので,地元にいいものが本当にあるのだとしたら,茨城県にいいものが本当にあるのだとしたら,そもそも自分たちがまず楽しまないともったいないではないか。その上で,それを知った人たちが,それぞれが外に発信する。要は,全県民が観光大使になる。きょう,1時半から一貫して議論されていることはここにあるのだというふうに思いますが,全県民が観光大使になる。そのためには県民が県を楽しまなければいけない。ここから始めようというふうに思いました。  この考えを,まず,熊本県庁の職員の方々に話をしました。そうしたら,ありがたいことに,熊本県庁の職員がこの考えに賛同してくれて,サプライズ体質になったのです。人を喜ばせよう,驚かせようという体質になってくれたのです。茨城県庁の方になってくれと言っているわけではないのですけれども,そういう体質になってくれました。  こんなことがありました。小山と熊本県に行ったのです。熊本県に行ったら,県庁の前からタクシーに乗ったのです。そうしたら,女性の運転手さんだったのですけれども,県庁から乗って,グランドホテルに行ってくださいと言ったかな。そうしたらなかなかメーターをおろさないのです。あれ,メーターをおろさない,これラッキーだなとちょっと思っていたのです。ラッキー,ラッキーと思っていたのですけれども,忘れているのかなと思ったら,ずっとおろさないのです。若干,良心の呵責に耐えかねて,「あの,運転手さん,メーターおろさなくていいんですか」というふうに聞いたのです。そうしたら,県庁の敷地から出たところにある信号で必ずつかまるのだと言うのです。これは県庁の敷地だと。ここからメーターをおろしたらお客さんに申しわけない。なので,県庁の敷地の信号が青になったらメーターをおろしますと言ったのです。僕と小山は大変感動しまして,何て熊本県の運転手はいい人なのだと思ったのです。  それを熊本県の県庁の職員の方にお話をしたのです。そうしたら,次の月に会議に参加したら,会議室がこんな感じで会議をしているのですけれども,ネームプレートによくわからない名前の女性の方が1人座っていて,だれだろうな,あの人と思ったのです。そうしたら,ここに書いてあるとおりに,熊本県の職員の方が,その話をもとに,何時に,どこで乗って,どこのタクシー会社だったかを調べ上げて,その運転手さんをサプライズで連れてきてくれていたのです。それが熊本日日新聞にこういうふうに取り上げられて,くまもとサプライズの提案者に逆サプライズということで,こういうすてきな運転手さんを県の職員が探してきてくれて,再会を果たしましたということが翌日の新聞にこんな形で載ったのですが,後日談をお話しをすると,小山が,この取材の後,僕のところに来て,耳元で,「あの人じゃないと思うんだけど」って一言言いまして,驚愕の事実を僕は伝えられました。一応これは熊本県では美談として伝えられているので,それは話をしないまま,そのままになっているのですが,どうもこの運転手ではなかったようなのですけれども,こんなようなことがありました。  まず,熊本県でくまもとサプライズで具体的にやったことです。サプライズアワードというのをやりました。これは,熊本県にあったらいいなと思うサプライズのアイデアを県民に募集したのです。外ではなくて,県民に。熊本県にあったらいいなというサプライズアイデアを募集したところ,県民から1,000通以上の応募が実際にありました。この県民の1,000通以上の応募を本当に審査しまして,ちゃんと予算もつけて実施をしようということにしまして,こんなアイデアが上がってきたのです。例えば,県民アイデアで,笑顔でばいばいまた来てね。新幹線,JRの車両の扉が閉まり,熊本県を発つ瞬間に,ホームにいる熊本県民の皆さんは,とにかく笑顔で思いっきり手を振って見送る。すてきだと思いますよ。県民の方から自主的に出たアイデアです。熊本駅にいたら,県民はとにかく電車に向かって笑顔で手を振ると。本当にすばらしいな,僕はグランプリかなというふうに思ったのですけれども,だれが県民で,だれがどうだかよくわからないみたいな話もあって,一たん,これは保留になりましたけれども,そのほかにこんなアイデアがありました。  熊本県にパパと呼ばれる知事がいる。熊本県の知事,蒲島知事なのですけれども,バカボンのパパにそっくりなのですよ。本当にバカボンのパパにそっくりで,それは県民の方が一番知っているみたいで,県民から募集したら,知事の親しみやすい風貌,ちょっとしたしぐさや表情がだれかに似ていると考えたことがスタート。大変失礼だけれども,天才バカボンのパパに似ていると。なので,知事がバカボンのパパになって一生懸命熊本県をアピールしてくれと。これに蒲島知事は大乗り気だったのです。ただ,ほかの県の職員の方が,さすがにそれはやめてくれという話で,なぜかこれも保留になりました。  結果的にこんなアイデアが採用されました。サプライズアワードの優秀作品ということで,春日人おてもやん,九州新幹線全線開業後のJRくまもと駅に旅先案内人のおてもやんがおもてなしということで,これは案内人のボランティアがおてもやんの格好をして案内をするというような,比較的,企画としては僕は余りおもしろくないなと思っているのですけれども,当たりさわりのない県民のアイデアが優秀作品として選ばれました。  ただ,ここで一番大事なことは,出てきたアイデアがおもしろいか,おもしろくないかということではなくて,県民に,あなたたちも観光に参加してください,あなたたちのアイデアがそのままちゃんと県の観光キャンペーンに反映されますという姿勢を示すこと,参加をさせることが一番大事だと思います。1,000通の応募が実際に来ました。これを皮切りに,県民の意識は,本当に参加意欲が出てきました。  くまもとサプライズでやったこと,2番目ですけれども,くまモン,このキャラクターも我々がつくりました。そもそも,熊本県にはもともとゆるキャラと言われているものがあったのだと思います。ただ,それとは別に,これもTOKYO SMART DRIVERのロゴマークをつくったgood design companyの水野学というデザイナーチームにつくってもらったのです。くまモンというのが何となくかわいいなと思って我々の方で考えたのです。県のゆるキャラというよりは,キャンペーンのキャラクターとしてつくったのです。ただ,これが県民に愛されるキャラクターにどんどんなっていきました。これが一番の予想外の事実でした。このくまモンが僕らにとっては最大のサプライズになったのですけれども。  くまモンを,まず,県民の皆さんに広めるために,一番最初に考えたこと,それは,県の許可さえ取ればだれでも自由に使えるというふうにしたのです。要は,著作権とかロイヤリティーも一切取りません。企画書を上げてくれて,県が許可さえすれば,一般人とか法人の方を問わず,このキャラクターを自由に使っていいですよということで,ライセンスフリーにしました。  その結果,とにかく,ぬいぐるみから伝統工芸品まで何百種類,ちなみに,くまモンの仏壇まで出てきました。下の方にありますけれども,くまモンの仏壇もありまして,これは本当に冗談抜きで,もし熊本県に縁のある方がいたら聞いていただきたいのですけれども,今,もうくまモングッズって女子高生に大人気らしいのです。  ということで,このゆるキャラ,ただのゆるキャラをつくるつもりはなかったのです。象徴としてつくって,自由に使っていいですよというふうに配りました。要は,キャラクターは県の持ち物ではないです,みんなの持ち物ですよということで,自由に許可をしてつくらせるようにしました。何百種類ものグッズができました。  くまモンが県民を代表して県外PRに奮闘ということで,今,くまモンのキャスティングをするのが大変なぐらいタレントになっていて,県の職員の方も,最初は面倒くさがってやっていたのですけれども,このくまモンの着ぐるみを貸し出すマネージャーみたいな人が県の職員にいるのですけれども,今や彼はすっかり引っ張りだこになってしまって,売れっ子タレントのマネージャーみたいに,結構,熊本県では羽ぶりがよくなっているみたいですけれども。  そんな感じで,くまモンが県民を代表して県外にPRして,いろいろやってくれています。その姿に熊本県民が感情移入して,行政と県民の思いが一つになりました。こんな感じで,特大名刺作成とか,ブログで支援,頑張る姿に感動みたいな形でどんどんどんどん広がってきています。  このくまモンブームは県民から火がついたのです。県民がかわいがってくれたのです。結果的には,公式サイトの月間アクセスは5万アクセス弱,ツイッターのフォロワーは1万7,600人ぐらいいます。使用申請許可,グッズの使用申請の許可をした数だけですが,申請数はこれの3倍ぐらいありますが,民間の法人から商品化したいという依頼が来て,許可した数だけで1,282件,その中で具体的に商品化された点数は612点に及びます。これは日々ふえています。  くまモンのPR効果を広告換算すると6億4,000万円。これは新聞にも出ています。くまモン効果6億4,000万円,メディア露出を広告料換算ということで,ゆるキャラを1個つくって,県民の人たちに自由に使ってもらうことによって,6億4,000万円分の広告価値をつくったということです。  くまもとサプライズでやったことの3番目です。これも,さっき,地元のFM局という話がありましたけれども,地元のメディアは本当に重要だと思います。熊本観光のためにショートフィルムをつくりました。この映像なのですが,熊本放送,テレビ熊本,くまもと県民テレビ,熊本朝日放送,NHK熊本放送局,要は,熊本県のすべてのテレビ局が1本の映像をつくるために全社協力してくれたのです。  何で熊本県にこんなに力を入れているかというと,小山が熊本県の天草出身なのです。自分の出身地ということもあって,結構一生懸命やったのですが,このショートフィルムは,小山が書き下ろしで脚本,監修をしました。映像制作はすべての局が協力をしてくれて,何と1本つくった映像をすべての局で流すという,東京というか,在京の民放では考えられないようなことを熊本県の地元のテレビ局が全部賛同してやってくれたわけです。  このつくった映像の予告編,短いので,皆さんに見ていただきたいと思うのですが,見ていただく前に,この映像のポイントをお話ししたいと思います。  冒頭にお話をしましたとおりに,言いたいことと聞きたいことは違うのですよというお話をしました。あと,もう一つ,本当の観光って何なのだろう,聞きたいことって何だろう,見たいことって何なのだろうと思ったときに,地元の人たちが本当にいいと思ったものを,本当にそのままの目線で伝えることが一番の感動と共感を呼ぶのだろうというふうに思いました。なので,この映像に関しては,多分,皆さんが今までごらんになった観光PR用の映像とは全然違います。要は,観光地など出てきません。観光地の説明も出てきません。何も出てこないです。ただ,多分,熊本県に行きたいと思うと思います。そういう映像をつくってみました。ちょっとごらんください。                  〔動画鑑賞〕  ということで,先日,これがようやく完成をしました。完成をしまして,この前,九州新幹線開業のイベント,震災の影響で春のイベントが先日までずれてしまって,この前,熊本城の下で大きなイベントをやったのですけれども,そこで,最後に,この映像の完成版を県民の方に一番最初にお披露目をさせていただきました。順次,この映像は,熊本県のテレビ局が放送してくれまして,DVDにしてどんどんただで配って,県民にあげて,県民が見せたい人たちにどんどん見せていくというような運動をこれからやっていこうというふうに思っています。  本当にこれで観光映像になっているのかというと,確かにそれに関してはいろいろな問題もあるかもしれませんけれども,そこに住んでいる人たちの美しさ,その人たちの視線で見たその県のきれいさ,美しさこそが共感を呼ぶのだろうというふうに思って,こんな映像をつくってみました。  もう時間ですので,最後に,僕から,アイデアを一つというか,アイデアということではないのですけれども,こんなお話をさせていただいて終わりにしようかというふうに思います。  お隣の県ですが,栃木県に日光金谷ホテルというホテルがあります。明治初期に開業した,今現存する日本最古の西洋式のリゾートホテルです。140年ぐらいになります。結構いろいろな文化人が訪れたりする非常に由緒正しいホテルですが,金谷ホテル,御存じだと思いますけれども,10年ちょっと前ですか,民事再生にかかってしまいました。いろいろと設備投資も含めて財務体質が傷んでしまって民事再生を余儀なくされた。ただ,建物も含めて根強いファンがいましたし,文化財としての価値もあるということで,結果的には,地元の足利銀行とか,JTBとか,いろいろなところが支援に乗り出して,どうにかつぶれずに済みました。  ただ,このときに,お金的にはどうにか再建ができた。ただ,従業員のモチベーションがむちゃくちゃ落ちていたのです。ホテルというのはホスピタリティ産業で,お客様をお出迎えする。観光と一緒です。お客様をお出迎えするのに,お金はあっても,従業員が暗かったら,結果的にはお客さんはまた来なくなる。それで,経営者の金谷家の孫娘,三代目の女性社長がいたのですが,どこでどう聞きつけたか,僕と小山が昔から金谷ホテルが好きで,ここのバーが非常にいい感じのバーなのですけれども,何度かお伺いしていたのです。お客として僕らが行っていることを聞きつけたらしくて,いきなりオフィスに電話がかかってきた。我々のホテルは今こんな現状にあると。どうにか私たちのホテルを救ってくれという依頼が来たのです。  ただ,民事再生がかかったばかりでお金はないと。なので,報酬は,死ぬまで僕らは泊りに行ったときただにしてくれる。そういう報酬だったのですけれども,ただ,この金谷ホテルは本当に大変すてきなホテルなので,金額の問題ではなくて,こういうホテルが守れるならということでお引き受けしましょうということでお引き受けしました。  ただ,本当に予算がないのです。何をしようか一生懸命考えたのです。一番最初にこんなことをやりました。名刺をつくることです。名刺をつくることというと当たり前のような気がします。多分,もう名刺を持っていない方はいらっしゃらないと思うのですけれども,名刺はずっと一貫してもったいないという考え方の思想があります。受付がもったいないというのと一緒です。名刺はどっちにしてもつくる。お金がないけれども名刺はつくる。  こういう会議をやったのです。スタッフ全員を会議室に呼びました。一人一人に,あなたたちがこのホテルで一番どこが好きだか言ってくださいと全従業員に聞いたのです。全従業員,30人ぐらいだったのですけれども,その従業員に,あなたたちはこのホテルに長年勤めてきて,一番どこが好きですかというのを聞きました。そうしたら,本当はそこの支配人というか,大番頭さんみたいなのが,「そんな聞くまでもないですよ。うちはやっぱり入り口の明治時代の大谷石でできた受付が一番の売り物ですから」と言うわけです。ただ,待ってくださいと。一人一人に聞きたいのですと言って一人一人に聞いたのです。そうしたら,びっくりするぐらい,全員,好きな場所が違ったのです。例えば,掃除のパートのおばさんは,私は2階の階段の踊り場の窓から見たケヤキの木が大好きだというわけです。厨房の皿洗いのお兄ちゃんは,僕は厨房のすき間から見たダイニングルームが一番大好きだというわけです。みんなそれぞれ従業員が長年同じところで勤めてきたのに,1人ずつ,あなたはここのホテルのどこが好きですかと聞いて歩いたら,1人ずつ,好きな場所が違ったのです。それで,ほら,こんなにいいところがあるのですよね,気づかなかったでしょうということで,一人一人,こんなにいい場所があるというホテルへの愛情をまずは再確認しました。  それで,そのみんなが好きだと言った場所を,1カ所ずつ,これもお金がないのでプロのカメラマンを雇えないので,僕と小山が自分でカメラを持って,それで,その好きな場所を写真を撮って歩いたのです。この写真をそれぞれの従業員の名刺の裏側に印刷をしたのです。要は,自分が好きだと言った風景をその人の名刺の裏へ写真を印刷したのです。  本来は,厨房スタッフとかパートのおばさんなど名刺を持たないのですけれども,全員に名刺をつくったのです。これで自分もホテルの一員なのだという誇りを持っていただきました。  こんなメッセージを,お金がないので,手づくりの,手書きのポスターを1枚,ある日,ホテルのフロントに張り出しました。こんなポスターです。「皆さん,御存じでしょうか。金谷ホテルのスタッフは,一人一人違う写真のついた名刺を持っています。全部で30種類。すべて集めると金谷ホテルの小さな写真集ができ上がりますから,どうぞスタッフに声をかけて名刺をもらってください」というポスターをつくったのです。  要は,名刺の裏に写真を印刷している名刺は多分いっぱいあると思います。でも,それは,さっき言ったとおりに,言いたいことを一方的に言っている名刺なのです。アイデアです。写真集ができ上がります。なので声をかけてくださいというポスターを1枚張り出しました。そうしたら,日光金谷ホテルは子どもが遊ぶところがないのです。大人向けのリゾート。でも,ファミリーの方が来ている。一番最初に飛びついたのはお子さんなのです。「お兄ちゃん,お兄ちゃん,名刺ちょうだい」って言って名刺をもらうわけです。スタンプラリーみたいな感覚ですよね。名刺ちょうだいって言って名刺をもらう。そうすると,気のきいたフロントのスタッフが,僕らがやりたかった趣旨を理解してくれて,1週間ぐらいすると,おいでおいでと。「レアな名刺を持っているお兄ちゃんを紹介してあげるよ」なんて言って,手をつないで厨房の裏側へ連れていくわけです。「あそこにいるお兄ちゃんは3週間ぐらい前に入ったお兄ちゃんだから,レアだよ,あの名刺は」なんて言うわけです。  でも,普通は,厨房のスタッフなどはお客さんに名刺を渡すことなどないのです。でも,これをやることによって,だれもが,いつお客様に声をかけられるかわからないという緊張感を持つわけです。そして,ぎくしゃくしながら厨房の皿洗いの兄ちゃんは子どもに名刺をあげるわけです。そうすると,その子どもは,無邪気に,「お兄ちゃんありがとう」と笑顔になるわけです。その笑顔を見て,一人一人がお客様にサービスするということを体感してもらうわけです。サービスをするという喜びを理解してもらうわけです。  ということで,本当にびっくりするぐらい,これをやることでホテルの従業員の雰囲気が明るくなりました。  それだけではなくて,思わぬ副産物がありまして,こういう名刺をつくったことで,結局,メディアにいっぱい取材をされて,ホテル自体の宣伝にも結果的につながったということです。  きょう,一貫してお話しをしてきました。とにかくアイデア次第です。僕は従業員にいつも言っているのは,企画とは,大好きな人にバースデープレゼントを選ぶのと同じことだといつも言っています。企画の原点はそこにあると思います。プロがやるものが企画ではなくて,企画は,届けたい人に真剣に考えてプレゼントを選んであげるのと同じこと,それだけピュアな気持ちで企画をするかどうかが一番重要なことだと僕は思っています。  なので,アイデア次第で,お金をかけなくたって,効果的な話題づくりや広告は実現することが絶対にできると思います。  例えば,茨城県のいいところを県民投票する。そのベスト100を県職員の名刺にする。これはコレクションできる名刺ですよということで,それをコレクションできる名刺ブックを皆さんに配布する。これによって,自分でつくるガイドブックが茨城県にあるのだよとやるだけで,県の職員の人たちとのコミュニケーション,もしくは,議会の議員の方たちとのコミュニケーション,県民の人たちのコミュニケーション,全部の名刺をコレクションしたら県から何か表彰してあげてもいいと思います。アイデアの力だけで県と行政の間は縮まると思いますし,それによって,県外の人たちにも,それを自分でつくるガイドブックということで,名刺がガイドブックになるということ自体が話題だと思います。アイデアの力で話題づくりは幾らでもできるというふうに思っています。  出過ぎた意見だったかもしれませんが,一つ,僕からアイデアをお伝えさせていただきました。  ということで,時間になりました。  最後ですが,外から人を呼ぼう。その前に大事なことは,茨城県のよさをもう一度見つけよう。県民の方,要は,茨城県に住んでいる人が本気で茨城県のよさを見つけて,本気で茨城県を楽しまない限り,県外の人は楽しんでくれないと思います。  御清聴ありがとうございました。 50 ◯山岡委員長 どうもありがとうございました。  ここからは意見交換の時間とさせていただきます。  ただいまのお話について,委員の方で,何か意見,または質問がありましたらお願いいたします。  梶岡委員。 51 ◯梶岡委員 具体的なお話,ありがとうございました。  瞬間的に機運が高まるということが非常に印象的だなと思ったのですけれども,今,茨城県が最下位というのも特徴の一つになるものなのでしょうか。先ほど,委員の方々からも,執行部の方々からも,47位というのはマイナスイメージだから,なるべく露出しないようにという保守的な御意見が多かったのですけれども,私は,取ろうと思ってもなかなか最下位は取れないと思うので,ここは,今,取れていますから,それを一つの機運として,47位から1位でも2位でも上げていこうという一つの機運として,そして,メディアからも注目されるのかなとは思うのですけれども,その辺,御意見をお伺いしたいと思います。 52 ◯軽部参考人 47位ということに何の意味があるのだろうなというのが,正直,思ってしまうところがあるのです。というのは,どうしても,こういう場というか,県単位で考えると,大きくマスの人たちをどうやって県に呼ぶか,どうやってマスに対する認知度を上げるかという議論ばかりをするではないですか。でも,結果的に,消費者って,うまい食い物があればそこに行くし,いいお店があったらそこに行くし,いい旅館が1軒あるだけでそこに絶対に行くのですよね。  人の興味の嗜好性というのは相当細分化されていると思います。そういう意味で,満遍なく,1億総国民に茨城県の認知度を上げるという活動はナンセンスきわまりないと僕は思っていて,基本的には,おそば好きの人たちに対して,おそば好きの認知度を上げるための施策は何をするのですかということと,では,茨城県にいいお店があって,いい人がいてということを個々に取り上げて,そこに最もシンパシーを感じてくれる県外のターゲットをどうやって探し当てて,その人たちにどういうメディア,コンタクト方法を使って情報提供をするか。こういう人たちを少数でも集めていけば,トータルとしての認知度と魅力度が上がっていくのだと思うのです。  なので,47位という考え方を,一回,僕は忘れた方がいいのではないのかなというふうにすごく思うのです。1個1個の趣味と嗜好性の集大成が認知度と魅力度の順位であって,これをまとめて47位を底上げしましょうという議論がすごく的外れな気が僕はするのです。もうちょっとフォーキャストして,どの消費者が何に影響を持ってくれるのか,何に感動をしてくれるのかを1個ずつ細かく探し当てて,その人たちに対して適切なコンタクトポイントを探して情報提供をする。これを県単位でやるとどうしても大きな施策しか打てないということになるかもしれないですけれども,結果的に,それでは効果が出ないと僕は思います。 53 ◯梶岡委員 そうすると,県議会の委員会で議論するのがなかなかナンセンスなことになってしまうのかなと思うのですけれども,私は,茨城県の特徴として,軽部先生がおっしゃられたように,日本全国総国民から,いわゆる普通の人から認知度や魅力があるような県ではないのかもしれなくて,例えば,釣り人とか,おそば好きとか,サーフィンをやられる方とか,滝好きとか,そういったいわゆるマニアックな方々からの嗜好性が非常に高いのかなと思うのですけれども,例えば,おもてなしナンバーワンの鵜の岬の国民宿舎へ行っても,その周りに余りなくて,点がなかなか線や面になっていかない。袋田の滝へ行っても,竜神峡へ行ったら意外とそうでもなかったなとか,そういったつながりがなかなかなくて,満遍なく見どころが普通にあるような感じで,観光として来ないようなのが,本当に厳しい目で見ると,茨城県の特徴なのかなと思うのですけれども,その辺を考慮して,先ほど,すべて具体的な話ですごくありがたかったのですけれども,そういった茨城県を厳しい目線で見たときに,先生の具体的な打開策みたいなものを教えていただければありがたいのですけれども。 54 ◯軽部参考人 観光も含めたインフラ整備はお金もかかることですし,例えば,鵜の岬の周辺に何もないということを,では何かつくりましょうといってテーマパークをつくりますとか,アウトレットをつくりますというわけにはいかないではないですか。結果的に何もないものは何もないのですよね。  きょうの話の中で一番僕が大事だなと思っているのは,全部考えてつくって,行政サイドが,はい,やりますではなくて,種をつくってあげるということで,結果的には,県民の方たちが自発的に動く環境づくりにどれだけお金と労力を割くかということに目線を切りかえない限り,自走していかないと思うのです。  例えば,僕は,今,星野リゾートではないですけれども,ホテル再生とか地域振興とかのお仕事もさせていただいたりして,特にホテルの再生は,1個のホテルのホスピタリティやレベル,さっきの金谷ホテルではないですけれども,上げるだけでは足りなくて,周辺の観光があるかないかというのは絶対にマストになってくるのです。でも,ないから諦めるかといったら,それこそ未来がないではないですか。観光施設ができるまで待ちますかという話になってしまう。  ただ,旅館であるとかホテルのオーナーの考え方とか企画とか熱意によっては,本当によくなったりする。例えば,星野リゾートがあって,軽井沢にもともと星野温泉がありました。お父さんの代から星野さんは引き継いで,軽井沢はもともと避暑地で,観光地でしたけれども,星野リゾートがあるのは中軽井沢のあたりで,余り周辺にないのです。星野さんは,その周辺の森を歩いてムササビを見たりというピノッキオというプログラムを自分でつくって,旅館の周辺を歩くというオリエンテーリングコースをつくり上げたわけです。これは新しい観光施設ができたわけではなくて,星野さんの自発的な考え方によって,アイデアの力で周辺を観光地にしたのです。  という意味で,そういうアイデアを本当にすべて県が上げぜん据えぜんで全部やってあげますかというのは不可能だと思うのです。なので,種をどうやって与えてあげますかということだと思います。  場合によっては,大変手前みそですけれども,僕は,ここで話をしているより,茨城県の県民の方々を集めていただいて僕が話をした方がよっぽど価値があると僕は思います。ごめんなさい,ちょっと変な話かもしれませんけれども,それも機運づくりの一個だと僕は思うのです。という気がしています。  なので,そういう意味では,県民がどういうふうにやったらやりたくなるかという機運づくりにお金と施策をどう練るかということを考えていった方がいいのではないかなというふうにすごく思うのですけれども。 55 ◯梶岡委員 ぜひ先生の基調講演を県民の方々で聞けるような体制を執行部の方にもつくっていただいて,県民総ぐるみで何とか茨城県を盛り上げていこうというふうになれるように,執行部の方にお願いをして。 56 ◯軽部参考人 押し売りをしているわけではないですけれども。 57 ◯梶岡委員 質問を終わります。ありがとうございました。 58 ◯山岡委員長 ほかに。  八島委員。 59 ◯八島委員 今のお話で,いろいろプレゼンをしていく。物語をつくって,感動をつくっていくというのは,一つ一つ,フェース・トゥー・フェースで1対1だよという話になりましたけれども,それが茨城県というところにつなげる。要するに,升につなげていくというところの仕掛けは必要なのかなと思うのです。  プレゼンの仕方,プレゼンというか,アプローチの仕方は1対1だよということはよくわかりました。でも,それを茨城県というふうに持っていったときに,人の心の動き方というのは,きっと県民性もあるかもしれないけれども,どこでも同じものがあるのかなと思うのです。そこの茨城県と持っていくところのフェーズというのは何なのかなということを教えていただけますか。 60 ◯軽部参考人 きょう,小林先生の話でも出ていましたけれども,今,マスコミ,マスメディアから情報を一方的に降らせる時代ではないし,非常に口コミというのが大きいと思います。  きょうの話は,まずは,県民主体で機運をつくって,口コミのネタをつくるという話もしましたが,今の八島委員のお話のとおりに,口コミだけでは爆発的なマスの認知には広がらないので,どこかのタイミングでは,マスメディアと言われているところに情報を取り上げていただく必要性があるのです。  僕はずっと一貫して話してきましたけれども,ここが大事なところで,お金を払って,広告としてマスメディアに出すのではなくて,マスメディアが取材をしたくなるようなネタをどうつくるかということなのです。結果的には,マスメディアに取り上げてもらわないと全国にはならないです。これはタイミング的には絶対にマスメディアに最後は情報をブロードリーチで降らせていただく必要はあるのです。  ただ,ここがずっと議論されていたとおりに,広告の広報の予算があったときに,純広告と言われている,この枠を幾らで買いますという広告の方法ではなくて,例えば,テレビ局に交通費と御飯代を出してあげるから,こんなおもしろいネタがあるから来ないかと言う。これは,多分,PR戦略の一個だと思います。ある意味,僕らはテレビ局と比較的関係が近いところにあるので,そういうテレビ局の人間に,要は,県が発行するプレスリリースをやられている文章ではおもしろくも何ともないのです。テレビ局がそのプレスリリースを見たときに,取材に行こうという気にならないのです。文章の書き方一つなのだと思います。  なので,PR戦略の中で,まず,機運をつくる。おもしろいネタづくりをする。それをマスメディアにどう取り上げてもらうかというリレーションを,プレスリリースの書き方一つ,もしくはメディアとのリレーションというか,ふだんのつき合い一つで,どこかのタイミングで取材で取り上げてもらうというのが必要になると思います。
    61 ◯八島委員 きっと人の心を打つポイントというのは定番があるのだと思うのです。寅さんを見たら,寅さんを見て泣く人もいるし,そのポイントというのは何かなと思うのです。  私は選挙をやっていますけれども,選挙運動も実はそれなのです。オバマの選挙運動も実はそうで,自分が黒人であるというようなものを乗り越える力に対して感動が起きるということで,自分たちの選挙運動というのはプレゼンの世界でありますので,どこかで切りかえているわけですけれども,そこを乗り越える感動のポイントというのは,人の心を動かすポイントというのを,今,どこに置かれているのか。  見たもののレベルの高さというものばかりに実は圧倒されてしまった。特に先ほどの映像については,クリエイティブすぎるぐらい,余りにもレベルが高いという気がしたのですけれども,その中で,何が心のひだを打つのかということを,一つ教えていただければと思うのですが。 62 ◯軽部参考人 これは,さっき小林先生もおっしゃっていましたけれども,何をだれに伝えたいのかという整理をしないと,どこが感動のポイントかというのは一緒くたには言えないところがちょっとあったりします。なので,さっき言った,県をひっくるめて,県のよさを,感動を与えるというのはなかなか難しいなというふうに思ったりして。  熊本県の場合は,映像のクオリティが高いと言いましたけれども,あれ,300万円でつくったのです。ただ,小山が地元なので,本当にただ同然でつくったのですけれども,要は,老若男女問わず,感動を呼びやすいのは人だなと思うのですよ。 63 ◯八島委員 人そのもの。 64 ◯軽部参考人 はい。なので,熊本県の映像は,観光地の美しさを見せるのではなくて,ある熊本県に在住する5人の方々の生活と目線を通した風景を見せることで,その人に共感を寄せるという感動と共感のつくり方をしたかったのです。 65 ◯八島委員 喜怒哀楽だったらどれだと思われますか。泣きがありました。笑いがありました。笑いをとろうとしたけれども,泣きもあったと思うのですけれども,あそこの場合は何を中心したのですか。 66 ◯軽部参考人 見ていてじんわり泣けてくるというのがねらいです。要は,何でもない日常なのに,あそこにも書いてありましたけれども,何だか泣けてくる。夕日を見たら,何か気がついたらすっと目に涙がたまっているという感動なのでしょうか,美しさなのでしょうか。だけど,結果的には泣きですよ。でも,号泣させたくはないのです。じんわりとです。目の端っこに涙がたまるような映像がつくりたかったのです。 67 ◯八島委員 そこが小山薫堂さんですね。シナリオのテイストなのだろうというふうに思いましたけれども。  ありがとうございました。 68 ◯山岡委員長 ほかにありますか。いいですか。  それでは,以上で,「茨城がもったいない」についての意見聴取を終了いたします。  軽部様には,貴重なお話をありがとうございました。  本日,お話いただいたことにつきましては,今後の委員会審査の参考にさせていただきます。  どうもありがとうございました。  以上で,意見聴取を終了いたします。  以上で,委員会を閉会いたします。  大変お疲れさまでした。                 午後5時10分閉会 Copyright © Ibaraki Prefectural Assembly, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...