ツイート シェア
  1. 茨城県議会 2009-11-16
    平成21年農林水産常任委員会  本文 開催日: 2009-11-16


    取得元: 茨城県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-12
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1                  午前11時開議 ◯飯岡委員長 ただいまから農林水産委員会を開会いたします。        ─────────────────────────── 2 ◯飯岡委員長 初めに,本日の委員会記録署名委員を指名いたします。  本澤委員と鈴木委員にお願いいたします。        ─────────────────────────── 3 ◯飯岡委員長 次に,本日の日程について申し上げます。  本日は,閉会中の審査テーマである「耕作放棄地解消等を中心とした農業・農村の再生」について,3人の参考人をお招きして意見聴取を行いますので,よろしくお願いいたします。        ─────────────────────────── 4 ◯飯岡委員長 それでは,これより議事に入ります。  参考人の意見聴取を行います。  本日は3人の参考人から意見聴取を行いますが,まず,お1人目の参考人として,農業生産法人有限会社みずほ農援,取締役兼管理部長の菊池正志さんをお招きしておりますので,御紹介いたします。  有限会社みずほ農援は,茨城みずほ農協が98%出資し,地域農業の担い手として平成16年に設立されたJA出資型農業生産法人です。菊池さんは,設立当初からみずほ農援の経営に携わり,以来,みずほ農援のかなめとして活動されていると伺っております。  詳細なプロフィールにつきましては,お手元に資料をお配りしておりますので,ごらんください。  菊池さんにおかれましては,大変お忙しい中,本委員会のためにお越しいただきましてまことにありがとうございます。本委員会を代表して,心より御礼を申し上げます。  本日は「JA出資型農業生産法人による地域農業の取り組みについて」と題して御意見をお伺いいたしまして,その後,意見交換を行うことといたします。  それでは,菊池さん,よろしくお願いします。 5 ◯菊池参考人 みずほ農援の菊池です。本日はよろしくお願いいたします。  まず最初に,「JA出資型農業生産法人による地域農業の取り組みについて」ということで,資料の1ページ目をお開きください。  まず最初に,地域の概況及びみずほ農援設立の背景ということで,茨城みずほの地域は中山間準農業地帯であります。農家の高齢化と担い手の不足により耕作放棄地が年々ふえている状況でございます。資料によりますと,就労人口ですね,65歳以上が占める割合というのが,昭和60年35%に対し,平成12年には69%ということで,物すごい勢いで高齢化が進んでいるといった現状でございます。
     私のおりましたJA茨城みずほは,平成15年2月に旧の金砂郷町,水府村,里美村が合併をいたしました。それで合併した初年度の15年5月に地域農業振興連絡協議会ということで,これは役場と農協関係が一緒になりまして,地域の農業をどうするかということで話し合う協議会を持っておりました。その5月の連絡協議会の中で出資型農業法人をつくろうではないかということで,協議会の中で相談され,同年の15年9月に設立の事務局を設置いたしました。  合併当初は,私は農協の支店長をやっておったのですが,9月のこの時期に設立事務局に配属になりました。その前が指導課長をやっておりましたので,そのときに特別会計事業ということで,うちのオペレーター,転作団地の管理といった業務を行っておりました。そのときに,今まで悪かったところを結構改善しましたので,そういった実績を買われたのかなと考えております。  次の年,平成16年の2月に農業生産法人みずほ農援を設立いたしました。  これにつきましては,JA金砂郷町で行っていた受託作業と,あと転作団地の管理業務,これをもとにして農業法人の基盤といたしました。  太田地区の農地面積ですが,全地区合わせますと水田で3,719ヘクタール,畑が2,824ヘクタール,これはことしの3月現在までの調べです。遊休農地については,現在,市役所の方で調査しているという状況です。  みずほ農協の正組合員数が6,971名ということで,合併当初はトータルでは7,000名を若干超えていたのですが,やはり高齢化等で7,000名を若干割るといった現象になっております。  みずほ農援の設立以前の状況ですが,金砂郷地区,水府地区,あとは太田地区ということで,太田地区は平成18年に合併をいたしました。この地区の中で主に特色としては,金砂郷地区,旧金砂郷町ですね,JA金砂郷町,これがオペレーター5名を年間雇用しておりまして,この中で受託作業を行っていたと。その中で転作団地が35ヘクタールありますので,それを管理しておりました。  それと,ほかの地区でやっていない作業としては,ソバ・大豆刈りというのを行っておりました。特に金砂郷地区においては,常陸秋そばの産地として特産物でございますので,早くから役所と農協の方でコンバイン等を補助事業で入れまして,刈り取り等を行っておりました。  あと,ほかの地区については,農作業関係は全部職員が対応していたというような状況でございます。  規模としましては,金砂郷地区育苗センターで言いますと約4万1,000箱ぐらい,水府地区はライスセンターがございませんでした。若干の耕起作業,代かき作業をやって,そのほかに育苗センターが2万4,000箱ということで,その程度の受託作業しか行っておりませんでした。  あと,金砂郷地区と里美地区がお茶工場という加工場を持っております。規模的には里美地区が圧倒的に多いのですが,金砂郷が15トンぐらいで,里美地区が43トンやっております。それと,ライスセンター育苗センターも里美地区の場合は持っております。  太田地区の場合には,耕起作業,代かき作業,田植作業,稲刈り作業を,受託部会が2つございまして,それに全面委託という形でやっております。職員による作業はライスセンター育苗センターという形でやってございます。  合併前については,各地域,各旧JAですね,これの農業関係の取り組み情勢とかは違いがあるため,みずほ農援ができてすぐに農地借り入れを行ったのですが,実質的には金砂郷地区で水田が2.5ヘクタールで畑が10ヘクタールを最初に借り入れました。  続きまして,農援の概要ということで2ページをお開きください。  みずほ農援は平成16年2月2日に設立をいたしました。2月2日になったのは,単に2月1日が日曜日だったものですから,それで1日ずれただけです。  所在地としては,旧金砂郷町の高柿町というところで,農協の旧金郷支店というところを,今の農援の本社にしてございます。  資本金は510万円で,500万円が農協からの出資でございます。それから10万円が我々とか取締役,下の役員構成の中にございますが,この中で10万円を出資してございます。  そのほかに農協から監事,代表監事と農業関係の監事ですが,2名をみずほ農援の監事としております。それから,オペレーターですが,現在13名,あとは事務員が1名,あとは季節雇用が2名ということで合計で24名でございます。この中で作業の従事者というのは20名おります。あとJA役員で4名となってございますのは,農協の理事長と常務,それから,監事2名ということになっております。  事業所につきましては,事業所が先ほどの旧JAごとに4つあります。  各事業所の役割としましては,私は管理部長として全体も見ますが,一応金砂郷事業所の,事業所長は別におるのですが,一応金砂郷事業所の補助員という形で,金砂郷を見ながら全体を見ております。あと事務員が1名と,オペレーター金砂郷地区は6名にふやしましてやっております。  規模としては,ライスセンターが2棟です。それから,育苗センター,製茶工場,あとはトラクターが9台,コンバインが6台,ダンプが2台,汎用コンバインが6台,軽トラが2台,田植え機2台となっております。あと大豆の乾燥施設がございます。  大豆の乾燥施設については,除湿乾燥システムということで,コンテナで乾燥する方式をとっております。その下の水府事業所につきましても,水府のライスセンターにつきましては除湿乾燥システムというのを使ってございます。  この除湿乾燥システムとはどういうものかといいますと,ページでいいますと一番最後のページになるかと思うのですが,一応参考としてつけてあります。写真になっていると思うのですが,上の図から説明しますと,上の図は単に箱です。箱の床面が網になっておりまして,床下から除湿した空気を出しまして乾燥するというシステムになっております。  これにつきましては掃除が簡単であるというメリットがございます。それと,品物で言いますと,米,麦,大豆,ソバ,大体のものがこれで乾燥できます。特にソバですが,ソバは金砂郷が産地なのですが,熱を使用しないで乾燥するため風味が落ちないということで,うちの方のソバ加工場で粉をひいておりますが,それについては大変いいという評価を得ました。  大きさですが,大きさでは田んぼのもみで言いますと約1反歩分,10アール分入ります。キロ数で,生もみで約800キロ近く入るようになってございます。下の図で言いますと,コンテナが並んでいて送風用ダクトがついて,それに脱着をするというシステムになっております。燃料的にはほとんど電気で除湿した空気を送るだけですので,燃料コストが安いというふうになってございます。これが水府の事業所が72基,金砂郷は大豆なので大豆は少量なものですから一応21基という形でやってございます。  なぜ72基もあるかと言いますと,1日分が24基,これを掛ける,乾燥には3日かかります。除湿した空気だけで乾燥しますので3日かかります。量が少なければ2日ぐらいでも乾くのですが,一応24基を3日分ということで72基という形になってございます。  これについては,あらゆるものが乾燥できるというメリットと,あとは,ソバには大変熱がかからなくていいということと,あとは掃除が大変簡単というメリットもございます。  逆に欠点としましては,コンテナ1個ずつを出し入れしますので,作業員が大変だということですね。一応リフトで出し入れするようにはなっているのですが,そういうシステムです。  戻りまして,水府事業所についてはオペレーターが2名と,事業所長が里美事業所と兼務という形でやってございます。里美事業所水府事業所につきましては,全体の中の事業所自体の事業高が,水府事業所で2,700万円ぐらい,里美事業所が4,600万円ぐらいということで,金砂郷事業所が1億3,000万円ぐらいの事業高になってございます。ほかと比べて事業高が少ないということで,事業所長は兼務という形にしました。  その下の太田事業所ですが,太田事業所につきましては,事業高でいいますと8,800万円ぐらい。先ほども申し上げましたように,太田事業所については育苗センターライスセンターのほかは,ほとんどが外部へ作業を委託してしまうという形です。これどうしてかと言いますと,旧農協時代に農協自体が農作業機械を持ってございませんでした。施設としてはライスセンター育苗センターがあるのですが,ライスセンターにつきましては,特に4カ所持ってございます。コンバインとかトラクターとか田植え機とかという機械が農協自体にございませんでしたので,これにつきましては受託部会に全面委託という形です。手数料を取って委託するという形ですが,そういう形でやっております。これはみずほ農援になってからも受託部会との関係はそのままつないでおるという次第です。大体8,800万円のうち二千五,六百万円はこの受託部会の方へそっくり行ってしまいます。  続きまして,3ページをお開きください。  みずほ農援の事業内容。  経営方針としましては,第1が,農家が安心して農業経営が維持できるような受託作業を展開するというのを第1の目標としております。  2番目としましては,管内農業振興の先導役を主体的に担う農業経営を展開するということで,農地も借り入れて農業経営を実際に行っております。  3番目としまして,地域の活性化に貢献する生産者・消費者との連携づくりということで,これが現実的にはちょっとまだ思うようにできていないというのが現実なのですが,一応こういうふうな3つの方針をもとにやっております。  事業内容としましては,受託作業を中心に,あとは農地を借り入れ遊休農地の防止に努めているということです。  2番目としまして,4事業所,旧JAごとに特色を生かしながら事業展開をしております。  これで言ったのは,先ほど申しましたように,農業施設や機械について,各地域ごとに差がありますので,なかなか全部同じ状態でできるということができません。今までの流れを少しずつ改善しながらやっているというのが現状です。  事業実績としましては,耕起で合計で240ヘクタール,代かきで138ヘクタール,田植えが61ヘクタール,稲刈りで188ヘクタール,ライスセンター関係の米のみですが,調整量で1,864トン,それから,ソバ刈りが78ヘクタール,大豆刈りが16ヘクタールになっております。  大豆刈りについては,二,三年前までは約30ヘクタールほどあったのですが,次にお話しますが,その品目横断が平成19年から始まりました。その政策から急に大豆の作付が減りまして,刈り取り作業面積については約半減しました。  それから,育苗センター,水稲苗なのですが,これは4カ所各地区に1カ所ずつございまして,12万3,169箱生産しております。これは販売した数字なので,そのほかにみずほ農援が水田を借りて行っている部分につきましては,同じくやはりここで生産しております。この枚数が大体5,000枚から6,000枚ぐらいやっております。  それから,お茶加工につきましては,里美と金砂郷地区で,これは去年の実績ですが,お茶の場合は当たり外れが激しいものですから,去年は56トンで平年並みというような数字になってございます。  それから,堆肥散布につきましては,金砂郷地区,里美地区,全体的には里美地区が中心なのですが,全体的に27ヘクタールやっております。ことしは30ヘクタールを多分超えると思うのですが。  それから,農地の借り入れにつきまして,農地の借り入れについては,平成21年ことしの実績で水田が83.3ヘクタール,畑が16.7ヘクタールということで合計で100ヘクタール行っております。前年が90ヘクタールでした。  この中で,ことしの場合,飼料稲というのを水府地区と里美地区に,里美地区10ヘクタール,水府地区に1ヘクタールということで合計で11ヘクタール飼料稲に取り組みました。去年が90ヘクタールで水田の作付では管理するのにこの辺が限界かなと感じていたのですが,その中で飼料稲を取り組むことによって,10ヘクタールぐらい拡大できたということです。  あと,ソバにつきましては52ヘクタール,大豆につきましては5ヘクタール,麦が36ヘクタール,麦も前は50ヘクタールぐらいつくっていたのですが,やはり品目横断の関係で畑等の面積をふやしてみても交付金が変わらないということで,収入が変わらないのであれば無理して畑にまでつくる必要はないということで作付は減らしました。現在が転作関係だけで36ヘクタール行っております。  それから,ブルーベリーを80アール,0.8ヘクタールですね,あとアシタバを0.1ヘクタールということで,アシタバについては薬メーカーと取り引きができればということで話を進めたのですが,現実的には1年目ではほとんど成長が悪くて売ることができませんでした。ブルーベリーについては,平成17年から作付をふやしまして,後で言いますが,将来的には観光農園みたいなものをやっていきたいなということで始めました。  あと,受託作業については,旧JAごとの設備の差,そういったものを少しずつ改善しながら,どこどこでしかできなかったという作業も全体的にできるようにということで,少しずつ改善をしております。  それから,平成21年度に飼料稲の収穫機を補助事業で導入しましたので,これについて11ヘクタールの飼料稲を取り組むことができました。  あと,農業経営については,借り入れ地が,設立時には2.5ヘクタールから始まったのですが,2年目には10ヘクタールを,これは田んぼだけなのですが,10ヘクタールを超えまして,現在では83ヘクタールと,全部の面積で100ヘクタールということになっております。ただし,この中で,むやみにふやしますと経営状態が悪くなるため,少しずつ慎重にふやしております。現在,100ヘクタールが限界と私は考えております。若干来年は伸ばす予定なのですが,この辺が今の機械の整備や作業ができることを考えますと限界なのかなと考えております。  また,JAとの関係につきましては,JAが出資した会社ですので,機械や施設についてはJAの機械で所有物です。それを,減価償却分ですが,それを賃貸料として農協の方へ支払っております。支払額としては,賃貸料として償却費分全地区合わせまして約5,100万円ぐらい,そのほかに農協の手数料として600万円ぐらい,合計で5,700万円ぐらいを農協の方へ支払います。  作業の方は,契約としましては作業委託契約,あとは機械施設等の賃貸契約ということで2つの契約を結んでおります。  受託作業につきましては,基本的に農協が仕事は受けるという流れになってございます。うちの方は農協の下請という形で,農協が貯金口座の方から作業料金を組合さんから引いて,手数料をもらってうちの方へ払ってくれるという流れになっております。  続きまして,次のページのグラフですが,これにつきましては,平成16年に設立しまして,去年までの事業高の推移ということになっております。  平成16年,17年に比べますと18年は上がっていますが,これにつきましては旧太田が合併しまして事業所が平成18年から4事業所ということになります。それで太田事業所分の売り上げが約8,000万円からございますので,その分が売り上げが伸びているという現状でございます。この18年現在で約2億4,000万円ぐらい,1億6,000万円ぐらいで始まったのですが,2億4,000万円ぐらいに事業高としては伸びております。  この中でお気づきかとは思うのですが,受託作業については余り大きく伸びてはございません。伸びておるのは農業経営の部分と事業外収益の部分になります。これというのは,農地を取得して農業経営が規模が拡大したために転作奨励金とかの事業外収益も,それに伴って上がってきたということになります。  真ん中のグラフですが,これにつきましては各事業所ごとの売上高の推移になっております。金砂郷地区が一番大きくて,去年で1億3,000万円ぐらいの売り上げなのですが,結構上がり下がりといいますか,これがございます。これというのは,うちの場合には大きく事業高を左右するのが米の収量ですね,米のとれ高,これが大きく影響します。18年は金砂郷地区だけでなく全体的に下がっているのですが,これにつきましては18年は米が不作で全体的にとれませんでした。ライスセンター関係の稲刈りと乾燥調整関係でうち全体では約9,000万円ぐらいの売り上げがございます。その中で,例えば米が不作でとれなったといいますと,5%下がっただけでも450万円ぐらい売り上げががんと変わってしまいますので,平成18年についてはそれで落ちました。  次に,その下の図をごらんになってください。次の下については,今申し上げましたように,平成18年度についてはライスセンター関係の売り上げが落ちたために赤字になりました。これは収支なのですが,平成16年,17年と,わずかですがもうかってはいたのですが,平成18年につきましては,そういった理由と,あとそのほかに農業法人を設立してから2年間は消費税が免除になります。そして3年目に納付ということで,その分は太田地区が合併することによってカバーできるかなと私は考えていたのですが,実施的にはカバーできませんでした。この年で約450万円ぐらいの赤字になりました。  次の年は米が逆にとれまして,何とかカバーすることがてきたのですが,経営状態からいいますと,こういったのが2年以上続けば債務超過に陥る可能性が高いと。まして,うちの場合は資本金が500万円しかございませんので,1回の赤字で460万円赤字ですから,ちょっとした不作が続けばあっという間に債務超過に陥るという危険がございます。  先ほど申し上げましたように,特に太田地区が合併しても,太田地区の場合は大部分が作業を委託していますので,利益が太田事業所は現実的に少ないのですね。そういったのがこの年に,この年から私,平成16年にはJAからの出向ということで,平成16年,17年については専務ということでやっておったのですが,平成18年から私が社長になった途端にいきなり赤字になりまして,私もかなりこのときは緊張しました。秋に,今ごろになっては大体見通しが先に立ってしまいますので,かなり参ったなということで,この年はかなり暗い気持ちでおりました。  それをカバーするために平成19年に何とか頑張りまして,平成19年,20年については借り入れ農地もふやしまして,何とかカバーできるように努力したというのが現状です。  平成20年につきましては,急に収支が伸びているかなと思われると思うのですが,これにつきましては平成19年にやった分の精算金とか,そういったのがまとめて入ったために,事業をやった割には伸びたのはそのせいです。  続きまして,次のページをお開きください。  4番目としまして,事業が地域にもたらす効果ということで,受託作業につきましては,先ほど申し上げましたように,乾燥室がなかった水府地区,この地区については稲刈り等乾燥調整が,最初の年は売り上げ的には少なかったのですが,2年目からは順調に伸びております。この地区に関しては農協で稲刈りとか乾燥とかやってございませんで,地域でやっていた農家が何軒かあったのですが,この人たちが高齢化で先行きできないということで,合併してから水府地区へライスセンターをつくりました。現在では順調に伸びております。  先ほど説明しました水府地区の除湿乾燥システムですか,これを水府地区へ取り入れたというのは,水府地区の場合は平均で田んぼの耕作面積が1軒10アールぐらいなのですよ。多いところでも20アールぐらいしかつくっていないので,先ほど言ったように,コンテナ1つで10アール入りますので,水府地区についてはこういったのがいいかなということで,それで導入した次第です。  それから,ソバ刈り作業です。ソバ刈り作業については80ヘクタール,ことしは多分超えると思うのですが,やっております。ソバ刈り80ヘクタールのうち,約70ヘクタール近くが金砂郷地区です。金砂郷地区の場合は早くから汎用コンバインを補助事業で入れましてソバ刈りを行っていたという実績がございますので,そのほかの地区については19年から少しずつやるようにはなったのですが,それで10ヘクタールぐらいがほか地区でやっておる面積です。特にソバにつきましては,金砂郷では特産ということで早くから力を入れていたということもございますが,品目横断的政策が平成19年に始まってから,畑ではつくるものがないと,大豆をつくっても採算に合わない,麦をつくっても採算に合わないということで,遊休農地がふえました。合併当時はこのソバ刈り作業もこの半分以下です。30ヘクタールぐらいしか仕事としてはやっておりませんでした。ところが品目横断関係が始まってから,うちの方もコンバインはふやしたのですが,ソバ刈りについては作業料金も安く設定しましたので,あいている畑にソバをつくって農協で収穫してもらえるならば,あいている畑にはソバをつくろうということで,ソバ刈りの面積がふえました。  ただ,私がこの中で心配しているのは,ソバは特産でありますが,産地が平場へ移行してしまったというのをちょっと私心配しております。完全な山間地帯であるソバが金砂郷の場合有名だったのですが,その地区が高齢化でできなくなってきてだんだん平場へ,産地としてはちょっとソバの産地が移行したというのは,品質に問題があるのかなということで心配をしております。  この中でソバ刈りというのは,遊休農地化の防止ということにもかなり貢献しているのではないかと考えております。  2番目としまして,遊休農地の防止ということで,先ほどソバの話をしましたが,金砂郷地区についてはソバ畑11ヘクタールをほかに,金砂地区に借り入れまして,田んぼのほかにソバをつくっております。これも早くからソバの産地であるのですが,高齢化で金砂地区の畑に空きが出てきているということがありましたので,それに伴って畑を借りて生産を始めました。これにつきましては,畑を借りるについては,実質的に私と役場の職員とで歩いたのですが,1日で10ヘクタールの面積を借り入れました。ほとんど二つ返事でオーケーでした。むしろ,ここだけではなくてそっちも借りてくれないかということで結構あったのですが,機械でできないところは一応お断りをしました。  あと,このほかには担い手対策課と連携してということで書いてありますが,農地保有合理化事業,これを活用しまして農地を拡大したい農家と,貸したい農家との仲介役を担うと書いてありますが,実質は今ごろ,大体秋の収穫時期が終わりますと,私のところへ農家の人が土地を来年からお願いしたいと,借りてくれないかということでたくさんみえられます。そういった方を私のところだけでは受けきれませんので,地域でやっている人に大体話をしまして,農協が間に入るからどうですかと,なかなか農家の方は個人間での貸し借りというのを嫌がるのですね。貸してもらったら草を刈ったりとかをやらないとか,荒らされるとか心配して嫌がるのですが,私が間に入って,何かあったときには農協の方が間を取り持つからということで話しまして,結構仲介を私の方で進めております。  ただ,農家の方でも借りてもいいよ,拡大してもいいよという方は,ほとんどの人が生産調整を達成していない方が多いのですね。面積は,田んぼはやっているのですが。なかなか行政の方でやっている認定農業者という制度には乗れないものですから,私が間に入って,田んぼについてはやってくれと,あと,地域ごとに担い手の人と話をしながら,こういったところが出てきたからどうしたということで話をつないでおります。  あとは3番目としましては,先ほどもお話申し上げましたが,平成19年から始まりました品目横断によって麦,大豆をつくる人が採算が合わなくなってつくれないという現象になってきますので,あとは転作団地等についても,麦をつくっていたのでは採算が合いませんので,これについてはうちの方で刈り入れということで,転作団地については平成19年からみずほ農援で30ヘクタールからの転作団地を借り入れました。あとは個人でやっている麦,大豆の生産者については,みずほ農援との雇用契約,経営委託契約という2つを結びまして,みずほ農援の名義で農家のものを販売するという形をとりました。実質説明会を行ったところ,説明会には結構いらっしゃったのですが,現実的にやるよといったは30数戸しかございませんでした。あとは高齢化でもうできないから,どうせ入らないという方も結構おりました。  あと,これで欠点なのは事務申請関係の事務の手続が大変面倒です。これについては,うちの方で担い手対策課というのがございますので,こっちの方へお願いして,事務は全般的にやってもらっております。  それから,4番目としまして,地域雇用の受け皿ということで,季節作業員としまして,春に65名,これは育苗センター関係ですが,秋にはライスセンター関係で51名を雇用してございます。これから事業を拡大していけば,あとは新規事業とかも取り組めば,この拡大は予想されます。ことしは太田地区にオペレーターを1名増員しました。今のところ太田地区の借り入れ農地の面積が少ないものですから,声としては結構借りてくれという声はありますので,来年から借り入れ地を太田地区は少しふやすという考えで,オペレーターの方を増員して教育していくという考えでおります。  あと,これには載ってはいないのですが,5番目としましては,地産地消に貢献しているのではないかと考えます。地産地消に貢献している理由としましては,ソバですね,金砂郷がソバが特産なものですから,ソバについては我々が生産し,また農家の収穫を手伝い,それを農協のソバ加工場において加工してソバ工房とか,金砂庵というソバを売るところでソバを販売しているということです。若干地域以外にも販売しますが,これはほんの少しです。ほとんどが地域内で消費をされるということになっております。  それから,もち米をつくっております。みずほ農援でことし平成21年度は5ヘクタールほどつくりまして,これについてはJAの直売所と葬祭場で使用しております。ここで使用している分については全部みずほ農援でもち米をつくって出しています。その前までは県内から買い集めて使っていたのですが,品質が一定しないとか,あとは地元でないといった理由がございますので,平成19年からもち米をつくるということで始めました。  このもち米をつくる場合には,普通ライスセンター関係でやりますと,乾燥機の中でもち米とうるち米が混ざってしまいますので,普通はできません。もち米を行えるようになりましたのは,先ほど説明しました水府ライスセンターの除湿乾燥システム,これでコンテナへ収穫したものを入れっ放しにします。うるち米が全部終わってから,最後に掃除を行いましてもち米を現地で行えるようになりましたので,本当にこのコンテナシステムのおかげでもち米もつくれるようになったということです。  続きまして,次のページをお開きください。  会社を行っていく中で,5番目としまして課題ですが,課題につきましては,1番目に人材教育ということで上げてございます。これはどういった事業を行っても人材教育というのは一番先に出てくるのかなと思いますが,私の方につきましても一番の課題になるかなと考えます。今現在では各事業所長という形で各事業所ごとに置いておりますが,どうしても経営感覚がちょっと低いということを懸念しております。実績とか費用に余りこだわらないのですね。費用がなんぼかかって,なんぼの売り上げがあったということに,どうしてもこだわらない。この事業をやっても採算に合うか,合わないのかと私が問いただしても,「うーん」という答えでわかっていないというのが現状なのですね。  それから,栽培技術の低さということで,どうしても借り入れ地がふえればふえるほど,ただつくるだけという形になりがちです。うちの方は,借り入れ地がふえるほどに,田んぼで言いますと,田んぼ10アール当たりの反収ですか,取れ高というのがどんどん減っております。どうしても管理しきれないというのが現状です。過去6年間,みずほ農援になってから行っておりますが,平均反収で8俵を超えたのは一番最初に始まった,2ヘクタールを借りて始まった年だけが8俵を超えまして,あとは全部8俵未満です。  もちをつくっているというのもあるのですが,もちは余りとれませんから,そのせいで反収が下がる原因にはなるのですが,それにしても特に水府地区,里美地区については反収が低いというのが私の嘆きです。これ,金砂郷地区,太田地区の場合については,平均反収でいうと8俵というのは当たり前にとれるところなのですが,それでも8俵を割ってしまうというのは,やはり技術的なものがあるのかなと感じております。  あとはオペレーターの修理技術ですね。どうしても作業は一生懸命やってくれるのですが,修理技術という面では,故障になるとすぐに農協さんをお願いしますという形でやられてしまいますので,ある程度簡単なものについては少しずつ教育,研修等も何日かしているのですが,ある程度は自分たちで直すという感覚を身につけませんと,故障の原因がふえるのですね。修理費としましては,昨年は2,600万円かかりました。19年度は1,600万円ぐらいで済んだのですが,19年から20年に比べますと約1,000万円上がりました。機械が大きいものですから,1つの修理について100万円近い修理が出るというのは結構ございます。これは機械がふえればふえるほど,そういった現象は続きますので,やはりオペレーターが自分たちで直すということを自覚していれば,故障になる前にとめて修理をするということが可能ですので,この修理技術については,メーカーさんとか全農さんとかにお願いして,そういった研修会があれば積極的に行かせるようにしております。  それから,2番目としまして,農業施設・農業機械の整備ということで,これにつきましては少しずつは行っておるのですが,これから各作業とか借り入れ面積をふやしていく中では,作業機械によって作業量や作業日数が決められてしまいますので,これについては徐々に拡大していかなければいけないと。現在困っているのは,割と農業関係で機械の買える補助事業が少ないのですね。ことしの場合は飼料稲の集荷機を補助事業で入れることができましたが,普通のソバ用のコンバインとか汎用コンバインとか,そういったのはなかなか補助事業は少なくてふやせないというのが現状です。  先ほどソバ刈りの話をしましたが,ソバ刈りも空き地へつくる人がふえましたので,ソバ刈りが現実的には間に合わない状況です。先ほど80ヘクタールと言いましたが,これを6台の機械でやっております。6台でやっていたのでは刈りおくれに実質なっております。  80ヘクタールのほかに,みずほ農援で約50ヘクタールソバをつくっておりますので,実際には130ヘクタールで6台,うちはサムスンという,外国で使っているような大きい汎用コンバインが1台あるのですが,それは圃場が大きいところだけしか使えないので,転作団地専用という形で使っているのですが,今の台数では収穫が完全に借りおくれということになっております。  3番目に,借り入れ農地の拡大ということですが,これにつきましては,1番目と2番目で言いました人材教育,あとは作業機械の整備,これとあわせながら慎重に進めないと,赤字要因をつくり出す原因となります。この中でも栽培管理が,栽培技術が低いというお話をしましたが,現実的にはなかなかこれが向上しない。どうしても会社になってしまいますと,サラリーマン化といいますか,田んぼを巡回に行かせても草刈りばかりやっていて,実質田んぼの生育状態を見ないとかいろいろあるのですよ。  それから,あとは結局間に合わない部分を外部委託でカバーするかと言いますと,やはりこれも費用率として上がってしまいますので,今現実での100ヘクタールの中では農協の機械を使って作業員として季節雇用でお願いしてやっているというのが現状なのですが,これが間に合わなくなってくれば,田植えとか代かきとか,そういったものを外部にお願いするという形をとりますと,費用率,費用額ではなくて費用率としてかなり上がってきてしまいますので,今現在ではうちの場合には草刈りだけを外部委託するという形で進めております。これは,市の方で行っているシルバー人材センター,こちらをお願いして水田の草刈りを年3回やっております。ことしからシルバー人材センターの方へは年間予約制という形をとりまして,6月,7月,8月の3回,これをシルバー人材センターの方でスケジュールを決めてやってもらうという形をとっております。  外部委託をしないでできるのは今の面積が限界かなと,私の方では考えております。特に田んぼはまだ収益性がいいのですけれども,畑については特に採算性がないと。金砂郷地区の場合にはソバがつくれるものですから,ソバで何とかカバーできますが,麦,大豆については採算性が全然合いませんので,麦,大豆については余り面積をふやすことができないというのが現状です。  秋口になりますと,先ほど話しましたように,農地の借り入れということでお願いに来る方がかなりいらっしゃいます。それを私の方ではあっせんしたり,あとは今借りているところのすぐ近くであれば借り入れて,少しずつはふやすようにしているのですが,現在的には作業の限界に近い状態なものですから,来ても断らざるを得ないというのが現状です。  それと,山間地帯の方が農地を借りてくれということで来るのですが,やはり作業効率を考えますとできないのが現状です。実際には「見捨てるのか」と言われるのですが,厳しいですが,実質的にはそういう形になってしまいます。  これを拡大していくには,4番目に上げましたが,地域の担い手を育成するということが,どうしても一番大事かなと考えます。私が考えておるのは,地域ごとに担い手を育成すると,広い地域と狭い地域,山間地域とかいろいろあります。その地域ごとによって特産物というか,合った作物をつくる形をとりまして,担い手を地域ごとに育てると。その中でみずほ農援が間に,一応農協の方では担い手対策課というところがあって,実質的には農地保有合理化事業はそこが担当しておるのですが,そこでは実質的に担当者がまだちょっと若い人のため,現実的に話をしても中身がないというか,そういうものですから,私が一緒に行って話をしながら進めていくというのが現状なのですが。  みずほ農援だけでは現実的に,先ほど言ったように限界に近い数値かなと考えています。人材教育や機械整備をふやしても,先行き,やはり限界値というのはそんなに大きくできるものではございませんので,やはり担い手を地域ごとにつくる,これが一番かなと考えております。  その中で一番課題になるのは,担い手になった場合に,生産調整というのはどうしてもかかってくるのですが,そういった相談に乗ったりしながら,あとは仕事がないときにはうちの方から仕事を少し預けたりとか,そういう関係をつなぎながら来ているのですが。  地域でやっている方の中には,うちの方から稲刈りを少し離れている場所があるから,そこを刈ってくれないかということでお願いしたり,なるだけ関係を保って,田んぼで行き会えば田んぼでそういったいろいろなお話をしながら顔つなぎをしていくというのが,私のやり方なのですが,その中で地域の人と少しずつでも溶け合っていくという形でやっております。  それから,6番目としまして,今後の取り組みですが,先ほど話ましたように,1番目としましては,観光農園,貸し農園を考えております。  水府地区というところは,つり橋とか竜神ダムとかで観光客が多い地域なものですから,特に山間地帯で畑も少ない,田んぼも少ないという地域なものですから,この地区にブルーベリー園をつくって消費者と交わる場をつくりたいと考えております。  現実的に4年目を迎えるのですが,なかなかさっき課題の中で言ったように人材教育の話になりますが,なかなか観光農園ってやったことがないものですから,どういうふうにやっていいかわからないと。あとは管理が,どうしても草だらけになってしまうということで,一応来年観光農園としてはオープンする予定なのですが,現実的にできるかどうか,今のところ不安な状態です。  いろいろなところに研修に行くように言うのですが,なかなか行ってくれないというのも現状です。自分で担当すればこれをやるんだよと言っても,どうしても消極的に,やったことがない部門なものですから消極的な態度だというのが,私の方の課題になっております。  将来的には観光農園を交えて,そこを中心に体験圃場とか貸し農園とかをその周りに,空き畑が結構ありますので,そこを中心に設置していきたいというのが今後の展望です。  地域外の消費者との交流の場づくりということで,ブルーベリーでジャムをつくったり,何かそのほかにハーブも植えてみようかなということで一応考えてはいるのですが,現実的にはなかなか担当者が張り切らないものですから,なかなか思うように進まないというのが現状です。
     2番目としまして,飼料稲の取り組み,これはことしから大々的に11ヘクタールということで始まりました。ことし補助事業で収穫機械を導入することができましたので,これについて里美地区,事業所でいうと里美事業所を中心に,里美事業所はこういった水田をいっぱいつくるよりも飼料稲で転作を進めるという形で進めていきたいということで考えております。  里美地区の場合は山間地帯なものですから,田んぼの面積がどうしても狭いのですね。1枚にしますと大体10アール平均なのですよ。里美地区では17ヘクタール近く借りているのですが,田んぼの枚数にすると160枚あるのですよ。段々の田んぼなものですから草刈りだけでも大変なのですが,飼料稲であれば作業が,普通の水稲よりも遅く田植もできますし,収穫も遅いということで,一般の受託作業と重複する部分がずれますので,それで里美地区を中心に飼料稲をやるということで始めました。  また,里美地区の場合には畜産農家が多いものですから,飼料稲の供給先ということでも安定した供給ができるということで里美地区を中心に考えました。  水府地区と里美地区については,先ほども話しましたが,田んぼの反収が低いと,山間地帯なものですから日照時間も少ないし,水も冷たいということで,どうしても田んぼがうまくできないのが現状です。反収で言うと,ひどいときには5俵という俵数なのですが,そうすると普通の田んぼがとれるところの半分の収益しか上がらないのですね。これについては飼料稲をやることによって転作奨励金ということで,経営面でも安定するということで,うちにとっては一石二鳥という形で里美地区を中心に始めました。  それから,3番目としまして,就農希望者の研修ということで,ことし鯉淵学園の研修生を1名引き受けました。この人については金砂郷地区の人なのですが,来年度もう少し勉強したいのでうちの方で雇用するという形で話を進めました。これからは,就農希望者の方がいれば,これについては行政とか,あとは全農の方でやっております支援センターの方で,そういった講習会をやっておりますので,そういった希望者がいれば,その希望者に機械体験とか,あとは圃場を活性という形でとっていきたいと考えております。  1人でも多く就農希望者をふやしていくと,あとは一番大事なのは農業に入るのは簡単なのですが,やはり食べていけないと長く続きませんから,こういった経営面でも勉強させていくということで,こういったものに力を入れていきたいと考えております。  雑駁ではございますが,一応がみずほ農援の概要,あとは課題や今後の取り組み,展望ということになります。  私の方からは以上です。 6 ◯飯岡委員長 どうもありがとうございました。  ただいまは菊池さんから,中山間部の農業をすることは大変厳しいと,また,現場において農業経営ですか,その生の声を聞かされました。そういう中で御意見をいただいたところですが,これからは意見交換会の時間とさせていただきます。  ただいまの御意見につきましては,委員の方で意見または質問等がありましたらお願いいたします。  今委員。 7 ◯今委員 最初の方で聞いていなかったのですけれども,4つの農協ですか,それが合併したのはいつなのですか。 8 ◯菊池参考人 最初に平成15年2月に金砂郷,水府,里美というところが合併を行いました。それから,農協でいうと1期分ずれるのですが,3年後の18年度に太田,旧常陸太田市,これが合併しました。 9 ◯今委員 この役員構成を見ましても,JAの出向の方々がほとんどみたいなので,この会社をつくる必要性というのは何があったのかなと。JAの方でこういう部門ってないのですか。わからないのですが。 10 ◯菊池参考人 前は農協独自で職員が作業等は行っておったのですが,農地の借り入れ,農地の取得ですね,これには農業法人でないと農協自体では借り入れはできませんから,それで空き農地を借りるというのが目的で法人化しました。 11 ◯今委員 そうすると,そういう法律なのですか。法律。 12 ◯菊池参考人 はい。 13 ◯今委員 法律がなければ必要なかったということですか。 14 ◯菊池参考人 そうです。 15 ◯今委員 わかりました。ありがとうございました。 16 ◯飯岡委員長 よろしいですか,ほかにございますか。  半村委員。 17 ◯半村委員 詳細にお聞きしますが,この数字が載っておりますけれども,平成20年度実績ということで3ページ,これを見ますと,稲刈りなど太田と金砂郷で大体数字は同じようなのですけれども,乾燥調整になると半分になってしまいますけれども,これは自分で乾燥調整する人もいたりするのかどうか。これ半分ですね,500と1,008ですから,その辺はバランスで区別するみたいですけれども,この辺はどうなのですか。 18 ◯菊池参考人 これは金砂郷地区についてはコンバインが6台ございまして,その刈り入れをやったものを中心にライスセンターの方へ入れております。  太田地区の場合には,4カ所ライスセンターがありまして,普通の自分で刈った稲もライスセンターの方へ持ち込むということをやっておりますので,それで調整量が多いということになります。  ただ,この場合には一応予約制という形で,一般の方のものも引き受けるという形でやっております。 19 ◯半村委員 そうすると,例えば田植えなどもアンバランスになっているし,代かきなどもなっていますが,それは自分で代かきなどをやって,田植えが終わったら乾燥だけやってくれとか,刈り取りだけやってくれとか,こういう方も多いのですか。 20 ◯菊池参考人 おります。 21 ◯半村委員 多い。 22 ◯菊池参考人 はい。 23 ◯半村委員 そうすると,うちの方でも例えば代かきと田植えだけやって,コンバインとかは高いし大変だからやってもらってしまおうということですが,これ10アール当たり農援さんでは幾らぐらい,例えば刈り取りと乾燥をして農家にはいできましたと持っていくのには,大体10アール幾らぐらい。 24 ◯菊池参考人 それは収穫の分かな。  収穫は,刈取料というのは10アール当たり,刈り取りが1万9,500円ぐらいです。乾燥がうちの場合はキロでやっておりまして,乾燥から玄ずりまでやってキロ35円という形でやっております。 25 ◯半村委員 これでやっていきますと,例えば,田植えは61ヘクタール,稲刈りは188ヘクタールというのは,今私が話したように,稲刈りは自分でもやるけれども,要するに刈り取りと乾燥だけは農協にこのまま持っていってやってくれと,もみができたら持ってきてくれと,例えば玄米にしたらね,そういう話なのかな。 26 ◯菊池参考人 そうです。  要はトラクターは自分の家にあるから,トラクター作業は自分の家で,田植機まではやるよと,そこから先はコンバインを買えば乾燥機も買わなければいけませんから,今は運ぶ機械も買わなくてはいけませんから,そういったのを考えますと,やはり農協に頼んでしまった方が安いかなということで頼む方は結構いらっしゃいます。 27 ◯半村委員 それと,さっきソバの話が出ましたけれども,ソバで機械が,台数が足りないので刈りおくれる農家もあると言われましたね。そうすると,その順番をつけるのはどういうふうにつけるのと,例えば管理部長さん,私のを早くやってくれと言うのか,それともおくれたところは品質が悪くなるから,それだけ売るのに安くなっちゃう,この辺はどうなんですか。 28 ◯菊池参考人 安くなるということはないのですが,同じ値で農協で買いますから。これについては6台の機械を地域ごとに配分します。大体申し込みを受けた時点で多い地域へ,例えばこの1台はこの地区とこの地区をやりなさいよという配分の仕方です。だから,少しの面積でちょっと離れたところが1軒ありますと,そういうところがおくれてしまうのですね,今のある台数では。なるだけ移動時間を少なくやりたいので。 29 ◯半村委員 そうすると,ことしは余りとれないような話を聞いておりますが,大体ことしは1俵から2俵ぐらいなんて,それとも3俵ぐらい。 30 ◯菊池参考人 いや,とれません。1俵ぐらいでしょう。 31 ◯半村委員 1俵ぐらい,でしょうね。そうすると,今言うように刈り取りの仕事の受託料も少ないのですね。キロでやるなら,目方でやるなら,そうじゃなくて。 32 ◯菊池参考人 ソバの場合は10アール幾らです。  ソバの場合は10アールの刈り取り賃が7,350円なものですから,稲刈りと比べると効率が大変悪いのですよ。稲刈りは2万円前後取りますけれども,その半分以下ですから,1日当たりにできる量も,田んぼの場合は1ヘクタール以上1台の機械でできますから,ところがソバ刈りの場合は0.7ヘクタールぐらいしかできないのですよ。1日当たりの売り上げにしますとかなり低いものですから,収益はソバ刈りは余りやりたくないというのが現状なのですね。 33 ◯半村委員 そうすると,先ほど言ったように,稲の方のもみについてはキロ50円だと,ソバの方については10アール幾ら,こういうあれでやっているということだね。 34 ◯菊池参考人 ええ,刈り取りについては,田んぼも面積幾らです。 35 ◯半村委員 刈り取りはね。そうなると乾燥の方は。 36 ◯菊池参考人 乾燥はキロ幾らです。  ソバについても乾燥調整,この表には少しなものですから載っていないのですけれども,最近は乾燥調整までソバの方もお願いする方がいらっしゃいます。これは1袋当たり500円ぐらいかな。 37 ◯半村委員 うちの方は農協でこういうのをやっていないものですから,うちの方はむつみ農協といってやっていないものですから,農家の人がみんな自分で,大体50から60ヘクタールぐらい請け負って,せがれだのみんなでやっているんです。こういうのがうちの方には多いのですけれども,こちらの方ではこういう方は,先ほど高齢化になってしまったのでできなくなったということがありますが,全体的にそういう見方ですか。 38 ◯菊池参考人 受けている方でやっている人はいます。二,三人はいます。1人当たり1ヘクタールぐらいですかね,やっても。それは種まきまでを自分でやって,あと収穫から乾燥調整は全部お願いしてしまうというのが,やっているのは3人ぐらいかな。 39 ◯半村委員 はい,わかりました。 40 ◯飯岡委員長 ほかにありませんか。  鈴木(せ)委員。 41 ◯鈴木(せ)委員 いろいろ大変な御苦労をされているようですけれども,観光農園でブルーベリーをふやしたいのですが,草取りがどうのこうのとさっきおっしゃっていましたね。シイタケはそこはつくっていないのですか。 42 ◯菊池参考人 シイタケ部会というのは里美村の方で部会独自でやっております。 43 ◯鈴木(せ)委員 そのシイタケの原木の使い古しをブルーベリーの根本にまくと,草取りをやらないようにうちの方でもやっているのですけれども,そういうこととか,それから,貸し農園,ここは畜産農家が多いためにたい肥が出ますよね,そういうので土づくりをすれば,貸し農園もすばらしい貸し農園ができると私は思っているのですけれども。  そういうことの取り組みはいかがなものでしょうか。 44 ◯菊池参考人 材木屋は結構多いものですから,杉のはがした皮,あれをブルーベリーのところへ敷いています。これはただでもらってきてやっているのですが,それでもやはり草は生えてしまうのですよ。やり方が悪いせいかちょっとわかりませんが,やってはいますが,草は結構生えてきます。  それとたい肥の方ですが,たい肥の方もマニアスプレッダというのがありますので,一応はやってございます。  私がさっき課題として上げたのは,人の方なのです。先ほども言いましたように,ブルーベリーのところであれば,そういったのをどんどんやるとか,人の管理をやる意識的なものが少ない,どうしてもほかの作業が,目の前にあった作業があれば,そっちばかりをやってしまって,間に合わなければ人を頼んでやるという感覚がないというか,結局時期的に,農業ですから,時期にあわせた仕事をやらなければいけないわけですね。それがいまいちできていないというのが現状なのですよ。 45 ◯鈴木(せ)委員 やる気ですね。 46 ◯菊池参考人 やる気なんですよ。  貸し農園も,その周りにあいた畑があるものですから,将来的にはやりたいなと考えているのですが,現実的にはブルーベリーもそういう状態でまだ商売になれる状態ではないものですから,貸し農園まで事実手が回らないというのが現状です。  ブルーベリーの方では,ことしジャムの試作を何回かやりまして,それも販売する予定ではいたのですが,味についても勉強が足りなくて,アンケートを出したならば,農協の職員にアンケートを何件かとってもらったのですが,試作品を持っていって,余りいい評判をもらえなかったのですよ。そうしたら,それでめげてしまいまして,そのままになってしまったというのが現状なのですよ。 47 ◯鈴木(せ)委員 勉強させていただくところはたくさんあると思うのですね。そういうところで勉強させていただいて,いい商品ができることを期待しております。 48 ◯菊池参考人 ありがとうございます。 49 ◯飯岡委員長 ほかにありませんか。               〔「なし」と呼ぶ者あり〕 50 ◯飯岡委員長 ないようですので,以上をもちまして菊池さんからの意見聴取を終了いたします。  菊池さんには貴重な御意見をいただき,大変ありがとうございました。本日いただきました御意見等につきましては,今後の委員会における審査の参考とさせていただきたいと存じます。本日は,まことにありがとうございました。 51 ◯菊池参考人 どうもありがとうございました。 52 ◯飯岡委員長 ここで暫時休憩いたします。  再開は1時10分といたします。                 午後0時10分休憩          ───────────────────────                 午後1時10分開議 53 ◯飯岡委員長 休憩前に引き続き委員会を再開いたします。  本日お2人目の参考人として,全国農業会議所,農地・組織対策部長の伊藤嘉朗さんをお招きしておりますので,御紹介いたします。  伊藤さんは,平成5年に全国農業会議所,企画農政部調査役に就任され,平成21年より農地・組織対策部長として御活躍されております。  農地制度に精通され,制度の適正な執行などを指導されておりますが,特に最近は制度改正の周知徹底のため全国を飛び回る多忙な日々をお過ごしと聞いております。  詳細なプロフィールにつきましては,お手ともに資料をお配りしておりますのでごらん願います。  伊藤さんにおかれましては,大変お忙しい中,本委員会のためにお越しいただきましてまことにありがとうございます。本委員会を代表しまして,心より御礼を申し上げます。  本日は「改正農地法の概要と農業委員会の役割について」と題して御意見をお伺いしたいと思います。その後,意見交換会を行うことといたします。  それでは,伊藤さん,よろしくお願いします。 54 ◯伊藤参考人 どうも,御紹介いただきました伊藤でございます。本日はよろしくお願いいたします。座って失礼させていただきます。  また,本日は県議会の農林水産委員会に,私ども農業委員会組織が多くの仕事を担います新たな農地制度,それから,我々農業委員会組織に課せられた多くの保守業務がございますけれども,それについて御説明をさせていただく機会をいただきましてまことにありがとうございます。よろしくお願いいたしたいと思います。  私は,先ほどのプロフィールにもございましたとおり,ことしの4月から農地・組織対策を担当する者として業務をやってきております。  その前,3月までは農政・企画の担当をしておりまして,ここは国会の対策を主にやってまいりました。今御紹介いただきましたとおり,私は4月以降は農地・組織の担当ですので,今は制度をいかに円滑に動かしていくか,現場にいかに御理解をいただくかということを中心にやっておりますが,それまでは制度そのものの国会審議に向けて,いろいろな御議論,自民党を初め各政党と意見交換等もさせていただきながら対応をしてまいりました。農林水産委員会がこの1年をかけて,遊休農地対策について一生懸命いろいろな角度から勉強されて提言をされると聞いております。まことに時宜を得た大変難しい問題かと思いますが,大変時宜を得たテーマだなと思っております。  私がきょうお話するのは,先ほどありましたとおり,「改正農地法等の概要と農業委員会の役割について」というトータルな話になりますので,どれだけお役に立つか農林水産委員会の皆さんの御検討にどのぐらいお役に立つかよくわかりませんが,おつき合いをいただければと思っております。  本日は簡単なレジュメと,それから,改正農地法の概要をまとめた,今はこのぐらいしか冊子がなくて,今は御案内のとおり政省令の議論が行われておりますので,それがほとんど盛られていない法律そのものの中身になりますが,この2種類を出させていただきました。本日はできるだけレジュメに沿ってお話をさせていただければなと思っております。  大きく5点についてお話をさせていただきたいと思います。  1点目は,なぜ農地が一般の土地と異なる取り扱いが行われているのかという点でございます。  二つ目は,今回の農地法の改正の背景にあるもの,これは一体何なのかということであります。  そして3点目に,今回の改正,非常に法律は長いものでありますので,端から端まで御説明する時間はございませんので,ポイントについてお話ができればなと思っています。  4点目は,非常に重要だと私どもは考えておりますが,今回の改正法が現場にどんな影響をもたらすのか,今後の課題をどのように考えればいいのか,とりわけ農地制度は農業経営が農地の規模拡大をするですとか,農地の賃貸借をするですとか,権利移動するとか,そういった制度ではありますけれども,土地そのもの,農地そのものを扱っているものでありますので,地域農業ですとか,さらに農村社会,そうした構造にまで影響を及ぼすものだと私どもは考えておりますので,そういった点からどういうふうに考えていけばいいのかというのを4点目にお話できればなと思います。  最後に,新たな農地制度,これから運用が始まるわけでありますけれども,今年12月中旬以降に施行されると聞いておりますので,我々農業委員会組織が担うべき役割,それにどう対応しようとしているのかということについて,できるだけ簡潔にお話をしたいと考えているところであります。  それでは,中身に入らせていただいてレジュメの方が中心になりますので,まず第1点目には,なぜ農地は一般の土地と異なる取り扱いがされているのかということをレジュメの1ページ目に入れておりますが,よく言われるのは,農地の権利移動ですとか,転用になぜ特別の規制があるのですかという問題と,もう1つは,なぜ民主的に選ばれた農業委員会の審査が必要なのかと,そういった審査が必要なのかということだと思いますが,こういうことがよく言われます。  私どもそれに対して3点ぐらい考えております。農地法というのは,御案内のとおり,民法の特例法でありますので,民法の特例法として個々の農地の売買,貸借ですとか転用などの権利について,特別の統制を行っているのですが,これはなぜかということであります。  1つ目は,(1)にありますとおり,農地は他の生産資本とは異なりまして,長い年月をかけて地域の文化,歴史の中で形づくられたものです。そういう意味では,貴重な食料生産のための資源でありますし,転用ですとか長期間不耕作をしてしまえば復元は非常に難しくなる。利用しているということは大変極めて重要だということが1点目であります。
     2つ目は,農業は御案内のとおり,水の利用を初め,周辺の資源ですとか環境を共有して成り立つ産業であります。そういう意味では農地利用は地域における他の土地利用との調整が不可欠。そこだけ何かをやっていいということではなくて,調整が不可欠だという点であります。  3つ目は,これは御案内のとおり,農業生産は基本的に1年1作でありますので,その年,年の天候に大きく左右をされてしまう。そういうことを考えれば,中期と長期的にわたる農地の保有の確保,これはコストも含めてだと考えますが,これが農業経営の継続なり安定に必要不可欠なものだと。農地の保有が安定することですね,これが不可欠だと。  そこで,農地法は農地に関する権利取得の規制を行っているわけでありますけれども,その意味は大きく2つあるだろうと考えています。  1つは,みずから農業を行う者が権利を取得し,効率的に利用することを確保していこうということであります。そうした観点から,農地の利用の許可,権利移動の許可に当たって,みずから農業を行う者でない者を排除しております。あわせて農作業については常従事,つまりしっかり自分で農業作業をするということであります。それから,余り小さいところでやっても,それは経営として長続きしませんから,農業経営の経営農地の下限面積などの要件をつけているというのが1点であります。  2番目にありますとおり,法人についても同様の視点で規制をしております。何でもかんでも法人であれば農地の所有ができるわけでなくて,基本は一定の要件を備える法人を農地法上,農業生産法人というように位置づけて,これ会社法ではございませんけれども,農地に関する権利取得を認める一方で,それ以外の法人の取得は原則的に禁止をしてきたというのが,これまでの流れであります。  特例として少しずつ拡大をしてきました。御案内のとおり,特別区域,特区法で始まりました特定法人貸し付け事業というのも既に動いております。また,今回の法律で農業生産法人以外の一般の株式会社,一般の企業にも一定の要件のもとで,所有はだめですけれども,利用については認めようという動きになっておりますが,基本的には農業生産法人をベースにやってきたということであります。つまり,そういう意味では「改正農地法がもたらした課題」と書いてありますけれども,農地は不動産であるのは当然でありますけれども,非常に特殊な扱いになっているわけであります。権利移動や転用に特別の規制をしておりますし,原則,農業者しか権利の取得ができないというのが実際でありますけれども,しかし残念ながら,埼玉県に及ぶと言われておりますけれども,遊休化が非常に拡大をしてきていると,こういう中でしっかり利用すれば主体は問わないという議論が出てまいりました。つまり,入り口でしっかり規制をするだけではなくて,途中,出口で規制をしていくという法律に今回生まれ変わるということが1点であります。  めくっていただきまして,2ページ目に,もう1点は,農政の基本は将来にわたって私どもは家族経営であるべきだと考えているところであります。農業は御案内のとおりネットワーク産業,例えば水は高いところから低いところに流れてまいります。水路も同様であります。水路を活用するためには皆さんで,地域の人たちがみんなで,総出で整備をしたり掃除をしたりしているわけですね。そういう意味では資源,環境の共有で成立をしているのだろうと。  例えばでありますけれども,今,政権が変わりまして,新たな平成22年度の概算要求の中に米の戸別所得補償方式というのが生まれようとしておりますけれども,例えば一般企業に所得補償ができるのかといえば,これは国民的にはちょっとおかしいんじゃないかと言わざるを得ないではないか。つまり,中長期にわたる農地の保有の確保というのが,農業経営の安定に不可欠だということだというふうに思っております。そういう意味では,今回の法律は非常に地域重視を打ち出した,地域に対するものとして,非常に地域を重視しているという法律になっております。  もう1点は,FTAとかEPAの議論が盛んに行われております。各国間の共同市場の形成を促進していこうというものでありますけれども,金ですとか物ですとか労働力,これが自由に流通をしていくわけでありますが,その中で農産物を一体どうしていくのかという議論がいつもあります。  そういったことを考えれば,あくまで強い農業経営をつくっていくのか,それとも競争は確かに重要でありますけれども,自給率向上のための地域に根差した家族経営育成をしていくのかということが実は問われているというのが,今の状況ではないかというふうに考えているところであります。  2点目に,今回の農地制度改正の背景にあるものは一体何なのかということについて,少しお話をしたいと思います。  御案内のとおり,最近は野菜の価格もスーパーに行くと少し安定をしてまいる,低いぐらいだと思いますけれども,一時期は非常に高騰して台所を直撃したわけでありますけれども,国際的な食料需給の逼迫というのが,それで直っているわけではありませんので,依然としてある。  もう1つ不安なのは,輸入食品に対する不信とか不安ですね。これはいろいろな記事にもなりましたし,ギョウザの問題は言うまでもありませんし,そういうことがあるわけですね。  一方で,食料自給率はどうなのかというと,最新の数字で41%という低迷をしている。でもそういう中で食料と農業へは注目が集まってきているのだろうと。つまり,そういう意味では農業・農村の追い風につながっているのではないかと。今期待されているのは,キーワードで言えば,かつては食の安全だとか安心ということが非常に言われましたけれども,今はさらにそれに加えて信頼だとか健康ということが大変重要になっているのでないかと思っております。その意味では,農業・農村の持つ機能ですとか役割が再評価されて,農政に国民の直接的な負担を求める。つまり農業を守るために税金である財政を投入する,こういうことに対して一定の理解が進んでいると考えてもいいのだろうと思っております。  しかし一方で,とは言っても農業・農村は大変厳しい状況にあることに変わりはございません。まさに正念場を迎えているのだろうと思いますが,そうした国民からの期待ですとか負託に農業・農村がちゃんとこたえられるのかということが,今,問われているんだろうと,こういう時代ではないかと思っているところであります。  そうした状況の中で,1つは地域の中で,これは農林水産委員会でもいろいろな調査をされたということで敬意を表したいと思いますけれども,耕作放棄地が大変ふえております。生産者の現場の声を聞くとそうでありますけれども,家族農業経営もそうでありますけれども,高齢化して,おれは年をとったというのが大体最初に出てくる言葉,次に出てくる言葉は,年をとって農業をやめたいんだけれども,じゃあだれにやらせればいいのかと,後で継いでくれる人がいないんだよというのが2つ目に大体出てくる言葉です。  本当にそうであれば,これは近いうちに耕作放棄地がどんどんふえていってしまうということになってしまうわけであります。食料自給率が大変低迷している中で耕作放棄地がどんどんふえていく,大変危機的な状況だと言っていいのだろうと思います。  農地は農地として有効に,とにかくだれでもいいから有効に利用していただく。これが一つの基本的な考え方のベースになっているわけで,今回の改正のベースになっているということであります。  2つ目は,経団連等を中心に財界から,企業参入をもっと認めたらいいじゃないかと,もっと効率的な農業をやるためには企業のノウハウも必要ではなくかと,もっと規制緩和を進めるべきじゃないかという声が大変強く出ておりました。  こうした中で新たな農地制度の検討の中で一般企業に所有権を与えないと,所有権を与えなということを基本ルールに,貸借について規制緩和をしたというのが今回の法律の一番大きい問題であります。  今回の農地法改正で,そのときの国会を成立するとき,それから国会に提出されたとき,一部のマスコミは,一般企業の所有を認める一里塚ですとか,一般企業に所有をさせるための準備段階だと取り上げられたのは事実でありますけれども,我々農業委員会組織としては,そうしたことは当初から反対でありますし,今回の仕組みは一定それを阻止することができた仕組みではないかと考えているところであります。  先ほど申し上げましたとおり,新たな農地制度の基本的なルールは,農地を有効に利用する者はだれでも,とにかくしっかり利用する者に利用してもらうというものだと申し上げました。しかし,我が国の農業は家族農業経営があくまで主体だと,これを重視していくということは何ら変わらないと思っております。  世界の基礎的な最初の組織単位というのは家族でありますし,個人もありますけれども,組織的な単位というのは社会一般的には家族であります。しかし,家族1つだけでは地域としては成り立たないので,我々が最も目を向けなければいけないのは集落ですとか,地域ですとか,コミュニティだと考えております。これを壊すということが決してあってはならない。この最小の単位でありますコミュニティを活性化する,いわゆる地域を活性化しなければいけないというのが,私たちが農地制度改正に向けた,あるいは農政に関してと言っていいかもしれませんけれども,基本的な考え方であります。  ですから,制度としてだれでもいいと,考え方としてはそういうことがあると思いますけれども,制度として本当にだれでもいいのかというとそうではない。やはり地域の人が,その地域にある農地をより有効に利用するための農地法の改正にならなければならないというのが我々の偽ざる気持ちであります。確かに一般企業が参入しやすくなる,それから,農業生産法人組織に一般の企業が投資しやすくなるという規制緩和は実施されたわけでありますけれども,しかし,勝手に企業が地域の中にずかずかと土足で踏み込んでくるようなことは,今回の改正においては簡単に認めませんよというふうなスタンスでできていると考えているところであります。  地域で地域にある農地を有効利用してもらうというのが最も一番いいわけでありますので,そのために我々農業委員会組織も,これまでもそういう方針で頑張ってきたわけでありますが,これこそが一番重要だということには何ら変わりはないと思っております。  先ほど申し上げましたとおり,生産者の年齢がだんだん高くなっていって,あと10年ぐらいできるかなという人が現実にふえているわけであります。そして,では息子に継いでもらおうかと思うと,息子は一緒に住んでいない,都会に行って帰ってくる気持ちは全くないという話も,現場にいますとよく聞くというのは,委員方々もよく御案内のことだと思いますが,となれば,そうした高齢者の方々が働けなくなったときに,農地が農地として利用されなくなる。ではその農地をだれが引き受けるのかということであります。  常識的に言えば,例えば私が農家であれば,年をとって働けなくなってしまったと,だれかやってくれないかな,でも息子はいないと,家族は,息子たちは東京に行ってしまっていると,帰ってこないし困ったなと考えますね。  するとどうするかというと,一番最初に相談するのは,まず隣近所であります。次に親戚,あとは地区の農業委員,農協,土地改良区もありましょう,そういった形になるでしょう。  そうしたときに,地域の中でだれかがやってくれる,すぐに引き受けてくれる,隣の人がやってくれるですとか,親戚が,おれがやってやるよなんてことを言ってくれればいいわけでありますが,それがいなければ,次にやるのは,例えば水田であれば地域の協議会がございます。畑であれば,例えば生産組合もございます。じゃあこの土地,だれかやる人はいませんかと言ったときに,だれか手を挙げてくれる人がいて,それが集落の中でやってくれるのが一番いい。これが農地の性格だと思っています。  そうすれば,農地の面的な集積を図る必要もありませんし,分散錯誤の状態だから確かに面積集積を図ろうとしているのですが,地域の中でこれを引き受けてくれる人がたくさんいて,その心配要らないよという状況が一番いいわけです。しかし,残念ながら,地域の人たちもみんな高齢化をしてしまって,今さら人のところまで耕作するのは難儀だなんて地域も実際には多いわけであります。  そういうときにどうするかいうと,今回の農地法の改正では,JAが農業経営をできることになっています。例えばJAさん引き受けてください,あるいは新規就農者の方,若い人,NPO法人,近所で頑張っている農業生産法人,それから,今は制度はありますけれども,地元の建設業者などの企業,どういった方でもいいのですけれども,まず身近なところから,恐らく相手方,農地の貸し手というもの,借りてくれる人というのを探すというように思います。  それでもなお引き受ける人がいないときに,初めて地域の外に向けて,だれかいないでしょうかという話になるのではないかと思っています。そうしたときに,一般企業でも利用権の設定ができるようにしておくというのが,今回の法律の考え方だと私は思っています。  要は選択の幅を広く持っておかないと,だれもいなければ,どんどん耕作放棄地がふえてしまうということにつながってしまうわけであります。そういう意味では,まず地域を大事にすべきだと,地域のコミュニティというのを大事にするべきだということだと思っているところであります。それが改正農地法の基本的な考え方でありますし,ですから,地域と密接に関係を持つ農業委員や農業委員会,さらに農協も含めて,地域に根差していろいろな組織がございます。これの機能と役割の強化がぜひ必要だというふうに考えているところであります。  それから,3点目でありますが,今回の農地制度改正のポイントでありますけれども,3ページ目の最初にスケジュールが出てございます。御案内のとおり,平成21年6月24日に公布されました。法律の附則で公布から6カ月を超えない範囲で施行するということになっておりますので,施行は12月の中旬,一番遅くて23日ということですが,余り23日ということはないと思います。15日とか20日とか,ある程度切りのいい日になるのかなと思っていますが,今現在は10月21日から30日間の政省令ですとか,処理基準等に関するパブリックコメントを実施して,これが11月の19日までということになりますので,そこでいろいろな意見があったものをさらに手直しをして,それで施行に向けて準備を急ぐということになると思っております。  農地法の主な構図と書いておきましたけれども,先ほど申し上げたとおり,1つは,耕作放棄地はどんどんふえている中で,農地面積の減少を抑制して農地をしっかり確保していこうというのが1つの大きな目的であります。  もう一方は,制度の基本を所有から利用に再構築していこうというのが,この法律の大きな2つの柱になっているところであります。  ここで時々誤解があるので申し上げておきたいと思うのですが,決して所有はだめだと言っているわけではなくて,農地は所有をしてやることが一番効率が高いのですね。みずからの土地ですから投資ができますので,それをいつ返す,いつ返さなければいけない,いつか返さなければいけない,いつ取り上げられるかわからないとうことであれば,それは生産性を上げる投資でさえできにくくなって,これは所有が一番,あくまで農地については基本だと思っております。  ところが御案内のとおり,今は農地価格も農業の収益で買えるようなレベルではなくなってきているということから考えれば,現実は権利移動の動きの中では利用が大半であります。そういう意味では,さらにそれを正常化して,より貸しやすく,借りやすく,さらにしていこうよというのが今回の制度の主な内容であります。  その中身について何点かだけ,こちらのこうなる農地制度という冊子をお配りさせていただいているかと思います。先ほど申しましたとおり,すべて話してしまうとそれで時間が終わってしまいますので,主な点について何点かだけお話をしたいと思います。  まず,5ページ目を,大変恐縮ですがお開きいただきたいと思います。  法律そのものの目的が変わったということであります。現行の規定はこちらの3ページに入っておりますけれども,レジュメの3ページでありますが,現行法は,農地はその耕作者みずからが所有することを最も適当と認めて,耕作者の農地の取得を促進し云々かんぬんと書いてありまして,これが古い言葉でありますけれども,いわゆる耕作者主義と言われたものであります。  改正法の規定は,3ページに条文を入れておりますけれども,農地は国民の資源であり,かつ地域における貴重な資源,耕作者みずからによる農地の所有が果たしてきている重要な役割を踏まえつつ,耕作者による地域との調和に配慮した権利の取得を促進し,地位の安定と農業生産の増大を図り安定供給を確保していくんだというふうに,大きく法律の目的を切りかえたということであります。これは国会修正も実は行われた部分でありますけれども,でも重要なのは,ここで権利取得を促進すべき対象に耕作者ということが,改正法にも明記されているということであります。  これは後ほどお話します3条の農地の権利の移動ですね,農地を農地として利用する場合の権利移動と兼ね合わせると,権利の取得者,農地を権利する方々は農作業に常従事する耕作者が原則だよということは明記されたと思っております。つまり,それ以外の法人,例えば株式会社が今度は入ってくることになりますけれども,そうした法人は例外と位置づけて,利用権に限って制約のもとに権利取得を認めると。つまり本則と例外という形で位置づけることができたということを考えれば,耕作者主義という古い言葉で余り最近は言わなくなったのですが,よく学者の皆さんはこういう議論をされますが,耕作者主義というのは,基本的には残ったと言っていいのではないかと思っております。  こちらの冊子の5ページ目をごらんいただきますと,2番目に農地の権利を有する者の責務の明確化と書いてあります。これは新たに設けられたことで,農地の所有権,貸借権等の権利を有する者は,その農地についてしっかり使っていかなければいけないという,なければならないという責務規定が設けられたところであります。  これは,直接的に法的な効力を持つものではありませんけれども,これをベースに転用の問題ですとか,貸借に当たっての適切な利用の確保ですとか,遊休農地対策の強化ですとか,そういったもののベースになる条文になっているものであります。  それでは中身について,こちらの冊子の6ページ目をごらんいただきますと,農地の減少をこれ以上食いとめて,しっかり農地を確保していきましょうということで,転用規制の強化を行ったりですとか,違反転用に対する処分・罰則,たしか茨城県は大変いい制度をつくられたと聞いております。そういったことも,この法律がさらに強化しなければいけない部分はあるかもしれませんけれども,右側に額がありますけれども,最高で1億円の罰金にまで引き上げたということ。  それから,8ページ,9ページ目は農用地区域内の農地,これは優良農地といわれているところでありますので,これをしっかり確保していこうということで,まずは目標をしっかり立てましょうよと。これは今までは農林水産大臣が基本指針ということで定めたものを,都道府県知事も県内の面積をしっかり法的に位置づけて目標をつくってくださいと変えましたし,農用地区域から逆に除外の厳格化ということも行われたところであります。  一番重要なのは,10ページ目以降の農地を貸しやすく借りやすく,地域との調整の上最大限に利用していこうということであります。  ここは,10ページの一番上のピンクの部分にありますが,所有については厳しい規制,今の現行の規制を維持して貸借について規制緩和をしたというものであります。その場合と書いてありますが,地域における他の農業者との適切な役割分担のもとに,継続的・安定的に農業経営を行うということですね。地域との調和要件とよく言いますけれども,周辺地域との調和,先ほど土地利用というのは地域との調整が極めて重要だというお話をさせていただきましたが,そのことがこの部分に盛り込まれております。  それから,11ページ目に,ここが規制緩和をしたところで,解除条件つきで一般法人等の参入を容認したということであります。新設と法律上の書き方をしているのでわかりにくいのですが,農地の貸借について,農地を適正に利用していない場合に貸借を解除できる旨の条件が付された契約で,地域の他の農業者との適切な役割分担のもとに農業経営を継続的・安定的に行うということが見込まれる農作業常時従事者以外の個人,農業生産法人以外の法人。つまり1)は農家以外と言っているわけでありますね。2)は生産法人以外の一般の株式会社のことを指しておりますけれども,それにも貸借であれば認めますよということにいたしました。  農業生産法人以外の法人については,役員のうち1人以上の者が耕作等の事業に常時従事,これは耕作ではございません。耕作等と書いてあるのは,農作業と農業という法律上の言葉がありまして,農作業は耕すことですね。農業は企画管理等,例えばマーケティングをやる人,これは農業に入りますので,農業の方のことであります。それで認めようということで,つまり特例として認められたということであります。  その場合,11ページの下の方にありますが,そういう方々が農地の権利を取得したいという申請があったら,市町村長を通じて市町村長はいろいろな意見を言うことができるようにしておりますし,めくっていただきまして12ページ目の2)にありますが,毎年そういう権利を取得した例えば株式会社等は,毎年どんなふうに農地を利用しているのかについて報告をしなければならないという義務規定を置いております。これに反すれば,13ページにありますが,貸借の契約解除または許可取り消しということが行われるということであります。これは権利の剥奪,財産権の剥奪ということになりますので,非常に政省令,それから,通知等で事細かに現在決まっております。一番大変なのは法的対抗力を持っていないといけないということでありますので,それに耐えれるような仕組みとしてつくり上げていくというのが,今の動きであります。  それから,14,15ページ目に,さらにこれは株式会社以外にもすべてにかかるところでありますが,下限面積の弾力化ということで,今,原則は50アールで,現行法では都道府県知事がそれ以下の面積,特段の面積を設定することができるとなっているのですが,新たな法律は農業委員会が新たな面積を設定することができると変わりました。  それから,4)番目は,許可を受ける必要のない権利取得の届け出,例えば相続ですね,相続は民法の問題ですので,農地法は抜かれてしまいますので,農業委員会が一応管理する上で相続が起こってもすぐに連絡が来ませんので,だれがだれに農地が移ったかということがわかりません,許可も要りませんから,そういうときに,これは権利を取得した者が届け出なければならないという義務規定になっております。それによって農地の情報というのは,農業委員会にさらに一元化をしていこう,そうしないと地域の農地管理ができないねということであります。  それから,5)番目の15ページ目が農地の借賃情報の提供ということで,標準小作料制度が廃止をされました。農業委員会は,そういう意味では小作料の標準額を定めているのですが,これは標準小作料制度ということで,あわせて現行法には減額勧告制度まであります。標準小作料と大分違う場合は減額を勧告できるという制度がありますが,その両方がなくなりまして,統制はいかんと,これは非常に私どもとしてはじくじたる思いがあるのですが,地域における借賃等の動向を収集・提供して,地域の目安として活用してもらうということをやりなさいということに変わっております。  それから,納税猶予も変わったのですが,もう1点は,同じ冊子の20ページ目に農地の面積集積の促進と書いてありますが,これは新たに経営基盤強化促進法の中でありますけれども,農地利用集積円滑化事業というのが創設されました。これはありていに言えば,地主さんがだれかに農地を,私は農業をもうやらないので貸したいといったときに白紙委任を受けるのですね。民法上の白紙委任を受けて,その組織がだれに貸せばいいのかということを決めるのですね。それによって,借りる者,担い手が中心になりますけれども,この方々にできるだけ農地を面的に集めていって分散作耕状態を解消していこうと,単純に言えばそういうものでありますが,つまり売り渡し,貸し付けに関する代理権,委任代理権を付与する組織,円滑化団体と言いますが,この事業が新しくできるということです。これは全国,全市町村につくりましょうということになっております。  それから,22,23ページ,これが1年間農林水産委員会で大変御努力をいただいている遊休農地対策の強化であります。これは,現行は基盤強化法に基づく仕組みにありましたが,今回すべて農地法に移管されて,農地法に基づく仕組みとなりました。  ということはベースが変わったということです。今までは遊休農地のうち,市町村がこの地域は農地として活用しなければいけないよと基本構想で要活用農地というものを位置づけて,そこを中心に必要な措置を講じるということになっておりましたが,今回の改正で,すべての遊休農地が対象となります。そのために農業委員会は毎年1回,農地の利用状況はどうなっているのかということについて,しっかり利用の状況を調査してくださいねというのが義務づけられております。  こういった日常的な把握を通じて,23ページ目の右の欄の一番下のところにありますが,制度の仕組みと書いてありますが,これは運用通知で位置づけられているのですが,もし荒れている農地があれば,農業委員会が所有者さんに対して,きちんと利用しなさいよという指導を行います。この指導の対象というのも運用通知で決まっております。例えば1年以上不耕作になっているような農地,今後も耕作が見込めないような農地,周辺の農地と比べて荒らしづくりですとか捨てづくりが激しくて低利用となっている農地について,まず指導しなさいと。  指導に従ってくれればそれでいいのですが,従わなければ,農業委員会が,この農地は遊休農地だよということを通知しますよと。通知をした段階で6週間以内に,その通知を受けた権利者ですね,これは借りている人もいるでしょう,所有している人もいるでしょう,その方々が6週間以内に利用計画,この農地をこういうふうに利用していきますよと具体的に示した計画書を提出します。その計画書がうまくない,不適切である,ちゃんと書かれていないということになれば,もちろん書き直しということになりますけれども,所有者等に対して,だれかに貸しなさいという勧告を行う。勧告に従わなければ調停,裁定ということに向かっていくという制度上の仕組みになっているということであります。  以上,法律の中身を駆け足でお話しました。また,後ほどもし必要があればお目通しをいただければ大変幸いだと思っております。  それではレジュメにまた戻っていただいて,4つ目に,4ページ目の7番に農地制度改正をめぐる今後の課題と書いてありますけれども,私どもは,この間,農地制度の改正にいろいろな取り組みをしてまいりましたけれども,農地法が改正されたからといって,あすから日本の農業が明るくなるなんてことは決して考えているわけではありません。経営所得安定対策,今,戸別所得補償対策というものが動き出そうとしていますけれども,あと中山間直接支払制度も概算要求で盛られましたので,また通常どおり動いていくと思いますし,農地・水環境向上対策,いろいろな政策があります。こういったいろいろな政策を含めて,さらによりよい政策をつくって積み上げて総合的に機能させていく。そのことこそが重要だと考えております。  そういったいろいろな施策がかみ合って,初めて我が国の農業,そしてそれを支える農村社会の未来が開けていくのだろうと思っております。残念ながら,今はまだそれが本当にうまくかみ合ったのかなというふうに思うと,もうちょっとかなと,まだまだだなとは思っておりますけれども,我々農業委員会組織でありますので,我々としても農業,農村現場の声を真摯にお聞きをして,政策を少しでもよりよく,さらに手直しを要望しながらかみ合わせる努力をしていく,このことが,今我々に最も課された課題だなと考えているところであります。  改正された農地法は,今後の農政の考え方に直結していると考えております。つまり新たな農地制度がだれを主体に位置づけているのか。さらに,だれを農政の対象の主体として位置づけているのかということが極めて鋭く問われているのだろうと思っております。私たちは,今後とも意欲を持って,これからの日本の農業,地域の農業を頑張って担っていく,こういう人たちをより手厚く支援していくべきだと考えているということであります。  先ほどちょっと申し上げましたけれども,おれの代で跡継ぎもいない,農業はおれの代限りだなという方も事実おられます。そういう人たちは,決して意欲がないわけではないのですね。これまで一生懸命頑張ってきた先人の人たちですから,この人たちの今までやってこられた仕事,経験,これに対してしっかり評価をしていかなければいけませんし,さらに地域の活性化に力を注いでいただかなくてはいけない。つまり,地域だとかコミュニティに対する支援を強化しながら,残す期間と言うと怒られるかもしれませんけれども,その期間を一生懸命さらに生産活動ですとか,地域の振興,活性化に向けた取り組みを続けていっていただきたいという思いであります。  意欲ある者,法人であろうと個人であろうと結構ですけれども,最後に本当にポケットに幾ら金が残るかということが問われる世界でありますので,意欲ある者を,おれはもうけたいんだと言って一生懸命いろいろなものに取り組んでおられる人たち,頑張っている人たちに手厚く支援をしながら,なおかつ地域というものにもあわせて支援をしていくということが,私どもは重要だと考えているところであります。  そして,そうした中でさまざまな施策と今回の改正農地法が相まって,地域が頑張る,そういった地域につくり変えていく,持続可能な農業・農村の実現につなげていきたいというのが私の願いでありますし,最終的にはもうかる農業につなげていきたいと。やはりもうけるためには,仕事を一生懸命やった人と怠けている人と歴然に差が出るのは当たり前でありますので,一生懸命頑張ればもうかる,こういう産業にしていきたいと思います。  一方,怠けていれば,これは中小企業の社長さんでも同じでありますけれども,怠けて毎日,言葉は悪いですけれども,パチンコに行ったり競馬やったり遊んでばかりいて自分の経営に余り頑張らなければ,経営は厳しくなりますし倒産も恐らくするでしょう。それは当たり前のことだと思うのです。ですから,農業であっても,一生懸命やる人にしっかり支援する仕組みをつくり上げていく,このことが極めて重要だということであります。農業をそういう産業にさらにしていきたいと思っているところであります。  5番目に,新たな農地制度に伴う我々農業委員会の役割と対応をどういうふうに考えていけばいいのかということを,最後にお話をしたいと思います。  この冊子の25ページをお開きいただいて,済みません,この冊子の見方を先ほどお話すればよかったのですが,後ろからは法律になっております。法律は右とじでなければいけないのでちょっと見にくいのですが,後ろは法律になっていて,こちらからが資料ということになっておりますので,こちらの資料の方の25ページをお開きいただきたいと思います。  一番下の新たな農地制度に対応した農業委員会の新たな役割と書いてありますが,8本ほどいろいろな業務のことが書いてありますが,少なくても新たな農地制度の運用が始まれば,私ども農業委員会はこのぐらいの業務がふえてきますということであります。  我々農業委員会というのは,農業委員会法で規定をされている組織でありますけれども,3つの役割を持っております。  1つは,農地の法令業務を含めて農地行政を担うという組織。もう1つは,地域農業の振興をしっかりやっていこうよと,農地を核にやっていこうよというのが2つ目。3つ目は,選挙で選ばれた委員を中心にしておりますので,農業者の公的な代表組織として農業者の声を発信すると。農業者の声をいろいろな政策に生かしていくんだという3つの基本的な役割を持っておりますので,新たな農地制度の改正の趣旨,目的を達成するということを考えれば,そうした農業委員会,現場で運用を担う農業委員会の取り組みに大きく左右されると言わざるを得ないということであります。  そのために,こちらの26ページ目にこんな図があります。26ページ目に改正農地法等施行に向けた組織対応についてということで,4点ほど上げております。  1つは,この制度は先ほどの届け出制度の話をしましたけれども,届け出の相手は別に農家ではないんですね。一般の市民の方々も含まれているわけです。農業以外からの農業参入もあり得るわけですから,そういう意味では農業内部だけではなくて,農業外に対する理解を求めていく。もちろん農業内部に周知をしていただいてしっかり運用していくことは当然重要なことでありますが,さらにもっと広く周知の徹底を図っていかなければいけないというのが1点目であります。  2点目は,この改正法が適正,適切に運用するというためには,それを担う農業委員会の体制の整備というのは,これ当然必要であります。全国で今,農業委員会職員の全国平均,1町村当たりの,1農業委員会当たりの平均は4.4人です。全国平均で4.4人。なおかつ専任職員ということになれば2.3人です。ですから,小さい町の農業委員会に行けば,専任の職員がいないという農業委員会もございます。これは皆さん既に御案内だと思いますが,そういったことでは本当に制度が運用できるのでしょうかということであります。そういうことをちょっとずつ減らしていこうよと,強化していこうと。  もう1つは,当然でありますけれども,事務を適正に実施をしている。これは信頼性の問題であります。恣意的なことはしない,しっかり法律に基づいた業務をやっているのですが,法律に照らし合わせてどうかということですね。これをしっかり見ているということが,我々は極めて重要だと。  あわせて,2の下に書いてありますけれども,組織でありますから,活動の計画をしっかりつくっていって,みずからも評価していって点検確認をしながら現場につないでいく。これはどの組織であろうと当たり前のことでありますけれども,私ども行政委員会,株式会社でございませんので,行政委員会としてしっかりこういうことを担っていこうということが2点目であります。  3つ目は,農地制度の円滑な運用に向けた対応等と書いてありますが,これは3万7,000人の農業委員さんが全国におられます。一番多いときには6万人を超えていました。5年前,今,農業委員さんには農業委員会は全国で担当制というのを敷いています。地区担当制,この地区についてはAさんが見てください,この地区についてはBさんが見てくださいということの取り組みをしているのですけれども,その面積が,5年前は1人当たり82ヘクタールでした。今は134ヘクタールになりました。非常に広くなってしまって,かつてであれば,大体だれがこの農地をやっていて,あの人はだれだなとわかるのですね。今はわからなくてなってしまったということがあります。すべて大変厳しいのですけれども,農業委員さんの自覚,法律も変わった,時代も変わってきているということがありますで,しっかり意識を持って対応していただきたい。また,事務局職員の方々も,制度だとか実務に精通した方々をいかにたくさんつくっていくかということが大変重要になっているのが3つ目であります。  4つ目は,農地基本台帳というのですが,これはなかなか聞きなれない言葉かもしれませんけれども,農業委員会では農地の情報について,基本台帳ということで台帳化しております。これは手書きがまだ残っておりますが,結構7割ぐらいでしょうか,電算化されています。要するにコンピュータになっておりまして,地図で管理をされるところもたくさんあります。  でも,このもとがしっかりしていないと,農地制度は農地のことをやるわけですから,だれがどこに農地を持って,どういう経営をして,どういう状態なのかということがしっかりわかるデータがないといけないのですね。つまりこの法律のためには,この基本台帳がしっかり補整されているということは極めて重要でありますので,年1回農業委員会で頑張ってやってもらっているのですけれども,点検,補整を急がなくてはいけない。そのめに,今,農地パトロールというのを全国の市町村農業委員会でやっております。これは多分いろいろな市の農業委員会がやられて,うちもやっているよというお話を聞かれると思います。農業委員さんが頑張って現場を見てしっかり,利用状況どうなっているかな,権利,移動の変化はないかということを確認するためのパトロールでありますけれども,こういったものを通じて,実地で見て台帳を変えていくというふうなことが,今極めて重要になっていますので,それをみずからも頑張ってやっていこうと考えています。これは我々の責務でありますので,しっかり取り組んでまいりたいと思っております。  最後になりますけれども,新たな農地制度,今年12月の中旬に施行されて運用が始まります。この円滑かつ適正に運用を図っていくということが極めて重要であります。これには行政ですとか,農業関係団体と連携をしてしっかり取り組まれていくということが,極めて重要だと考えているところであります。この中核をなすのは,現場で農地制度の運用の最前線に立つという意味では,農業委員会であります。  ぜひきょうは県議会の皆さんであります。また,きょうは大変恐縮でありましたが,私の背の方には県の関係者の方々もたくさんおられるようでありますので,ぜひそういった視点から,この制度をうまく運用して,現実に目的の達成に向かってうまく動かしていくということを考えれば,ぜひ物品両面からのバックアップを心からお願いを申し上げたいと思います。  我々農業委員会組織も,いい地域,自分の市町村,本当に頑張っているぞという,そういった地域をさらに1つでも2つでもつくっていきたい,ふやしていきたいと,私ども仕事を通じて一緒に考えております。頑張るぞと言っていけだけるような地域が全国にあふれることを,またあふれさせること,これが我々のこれからの大きな目標だというふうに私自身は強く考えております。ぜひ皆様のこれまで以上の御支援,御協力を心からお願いして,ちょっと時間残りましたけれども,私のお話を終わりにしたいと思います。  どうも御清聴ありがとうございました。本日はどうもありがとうございます。 55 ◯飯岡委員長 どうもありがとうございました。  ただいま伊藤さんから御意見をいただいたところですが,これからは意見交換の時間とさせていただきます。  ただいまの御意見につきまして,委員の方で意見または質問等がありましたらお願いいたします。  本澤委員。 56 ◯本澤委員 どうもありがとうございます。  この御説明の中で,農地制度のパンフレットの23ページで御説明いただいた件でございますけれども,農業委員会が一元化して耕作放棄地に対して勧告するというところが御説明にありました。はがきでいろいろ勧告するということで,勧告されたところは6週間以内に計画書を提出するということになっているようでありますけれども,それでも従わない場合はどのような処置がとられるのでしょうか。 57 ◯伊藤参考人 もちろん計画書を出していただくというのは,これは義務でありますので,出していただかない場合,それから,計画がしっかり,こういうことを書いてくださいねということは通知で決めていくということになりますけれども,不備がある場合はもちろん,何回か出してくださいねと,人と人の仕事ですから顔も見える関係ですから,それはすぐに何かをするということはないと思いますが,何回かお願いして,それでも改善がされないということになれば,ここにありますとおり,農業委員会が所有者に対して,だれかに貸してくださいと。要するに遊休農地が直らないのあれば,だれかに貸してくださいという勧告を行うということになります。そうすると農業委員会はあっせん名簿とかいろいろな名簿を持っていて,借りたい人たちを押さえておりますので,その人たちに貸してくださいということを勧告するということになります。  さらにここで勧告に従わない場合は,これは農業委員会ではございませんけれども,協議を行うのですが,その協議が不調に終わるということになれば,最終的には都道府県知事に上げて裁定をしていただくと,こういう手続になります。  この一番最後のことは,今現在もこういう仕組みがあるのですが,ここまでいった事例はございません。大体指導,それから,せいぜい,そう言ってもなかなか難しいのですけれども,何かつくれ,何つくればいいんだと言われてしまうので簡単にはいかないのですが,でも耕作できる状態に大体戻してくれるというのが,どうも指導すれば実態のようでございます。 58 ◯本澤委員 今までも農業委員会の方々が努力されて,いつも勧告はしていたというのは,今までも聞いております。ですが,やはり何も改善されない。例えば貸してくださいという方がいれば,どうぞという状態であるにもかかわらず,借り手もいないという条件の悪いところが耕作放棄地になっているところが多いものですから,それを最終的にどういう形でそれを耕作していくような状態になるのかなということで期待しているわけですが,以上,どうでしょうか。 59 ◯伊藤参考人 わかりました,質問の趣旨がわかりました。  要するに,農地として今までずっとこの間,何十年も前から農地は山登りをしまして,適地じゃないところにも広げていって生産を広げていくという取り組みが行われたのは,歴史上事実でありますので,昨年の秋ですね,全国で,これ市町村にお願いしたのですが,実際は農業委員会がほとんどやったのですけれども,とにかく今遊休農地がどうなっているかというのを全筆見てみようよということを国の指示でやりました。信号と同じです。赤,黄色,緑に色分けをしました。  緑のところは少し手を加えれば農地に戻るし,ここは農地に戻さなければいけないところだよねと。  黄色のところは,もうちょっと手を加えれば,ここは何とか農地に戻して生産活動ができるようにしていこうよというのが黄色ですね。ちょっと重機でも入れなければいけませんけれどもというような状態。  問題は赤です。赤は例えば山際で,これは新しく開田した,新しく開発したところですとか,傾斜地になっていて,とてもじゃないけれども生産性から見てもやっていけないぞと。つまり農地として活用ができないよというところに整理をいたしました。赤は結構あったのですが,赤についてどうしたかというと,赤は基本的には転用です。転用オーケーにしました。非農地証明を出していいと。だけどそれは単純にはいきませんので,基本的には山林転用ですね。山に戻そうよ,もう半分山に戻っているのが実際なのですけれども,山に戻そうと,もしまた何かあって農地を広げるということになれば,上物が建っていない限りは戻せますよね。そういう意味ではもう一度山に戻して,そうすれば環境面にも意味があるし,自然の体系も壊すことはございませんし,そこに大きいホテルが建っていれば別でしょうけれども,そういうことは基本的にはしないで山に戻していこうと。山に戻すことも転用でありますので,そういう形で周辺の環境とあわせて判断していこうということを,今現在取り組んでいるところだと思います。
     去年の秋から始めていますので,すべて終わっているとは思いませんので,よほど農地に戻せないところはそういう形で今対応をしているところだと思います。すべての遊休農地を100%戻すのは,これは不可能だと私は思っていますし,そういう取り組みがあってしかるべきだと,当然のことだと思います。 60 ◯飯岡委員長 ほかにありませんか。  半村委員。 61 ◯半村委員 今のお話で耕作放棄地,例えば山の方,細いところを山林に戻そうといった場合に台帳も変えなければなりません。そうすると,農業委員会を通らないから,売買などをするときには,農地じゃないからだんだん少なくなってしまうと思うよね,その辺はどうなんですか。 62 ◯伊藤参考人 そこは少し問題が残ると思います。しかし,赤の台帳というのは残りますので,たしか残していると思いますので,もともと農地のものを色分けしているのが実際ですから,それはしばらくずっと見ていくということになっていますので,全く農業委員会から手が離れるというふうにはなっていないと思います。  それで,転用やり得みたいになってしまっては制度の考え方とはちょっと違ってしまいますので,それはしっかり,どのくらいの期間ということはよくわかりませんけれども,管理をしていくということは今やっているはずですし,これからもしばらくは,もともと農地だったところでありますから,それを単純に赤になって山林になったからといって,はいそうですかと言って,権限がないと言えばないということになるのですが,でもしっかり確認をしていくということはやっていくということになると思います。 63 ◯半村委員 伊藤さん,私も前に2回ほど農業委員でお世話になっているんです。そのころの農業委員と,今度改正になって,これ相当農業委員さんも勉強しないと大変だと思うのですね。今回農地法は改正になったけれども,例えば年間60日以上従事しないと農業委員会の選挙ができないとか,そういうのは変わらないのですね,そういうのは変わらなくて農地法だけ変わったのですね。 64 ◯伊藤参考人 そうです。 65 ◯半村委員 その中で,例えば今,農業委員の皆さんが重点的にパトロールをやっているのですよ。そうすると,昔わからないから,わからないというのではないけれども,見落としたかどうか知らないけれども,畑を舗装して駐車場に使っていた。そういうのを見つけたら,原状復帰に戻せと結構やっていたね,方々の市町村でもやっていたと思うのですね。やっているのですけれども,最近うるさくなったよなという声を聞くのですよ。  それは,農業委員会の役目ですからしようがないとしても,しかし最終的に,今度は新たに申請をしてくださいよと,場合によって,駐車場にするならということでありますけれども,そういうのがたくさんほかの市町村でやっているというのを目にしますので,いいことなのか,悪いことなのか,農地を守るということですから,いいことなのですけれども,そういう状況があります。  ですから,今度これだけ農業委員さんが8つも,今までやっていたこともあったとして,台帳を書いたり何か指導したりする,これ相当農業委員さんも大変な農業委員になるのではなかろうかと考えまして,この農地法の改正は非常にいいとしても大変だなと,このように思うわけであります。  それから,みんな地区の担当制になっていますけれども,やはり面積が,持ち分の面積がふえるということは,相当みんな,地区担当制は地元の農家の人とみんな知り合い,知っていますから,だから,あそこの田んぼとこっちの畑をつくっているんだというようなことだと思うのですけれども,こういう地区制も今までと同じようにやっていくのですか。 66 ◯伊藤参考人 1点目は,本当にありがとうございます。おっしゃるとおり,大変農業委員さんの仕事がふえます。ちょっと御説明しなかったのですが,きょうの資料の一番最後に予算のことも実は入れさせていただいております。ここは説明の趣旨ではございませんでしたのでお話をしませんでしたけれども,国としても,1番の農地制度実施円滑化事業という事業名で71億3,300万円ほどの概算要求が行われていますが,すべて10分の10の予算であります。これを何とか取りに行くと,これは行政ルートに流れるものであります。かつてのように直轄事業ではありません。10分の10の行政ルートで流れるものでありますので,これを活用して,これは多分今農業委員さんが減っていますから,農業委員会協力員というのは全国で今200ぐらい置かれておりますけれども,この人たちの費用弁済もできる予算でありますし,いろいろなものに使えますので,これをしっかり取っていきたいと思っています。  もう1点は,2つ目の前に地方交付税交付金の算定基礎のうちに,農業委員会職員設置費というのがございます。これが今現行3人になっているのを5人にふやしてもらおうということで,既に総務省に要請をしております。年末の政府編成のときに,政府案の編成のときでないとわからないのですけれども,何とかいい環境をつくっていきたいと思っておりますので,ぜひさらに御支援,御協力をお願い申し上げたいと思います。  それから,地区担当制,これは農業委員会もそれを置かないと,それをやらないと農地管理ができないですよね,広過ぎちゃって。私の話で恐縮なのですが,実は私の女房の実家が宮城県にありまして,1つの郡が1つの市になりました。9町村が1つの市です。端から端まで車で行っても1時間かかります。そういうところで農業委員会は1つしかありません。そこで農業委員さんが,地区担当しても大変厳しいのに,地区担当しなければどこに農地がどうなっているか全然わからなくなってしまいますね。ですから,市町村合併は非常に激しかったですけれども,そういう中でもしっかり地区担当は守ってきていると思います。  全国的にもそれをやらないと,農地の管理かできなくなっていますので,地区担当は大変農家の方々は苦労されていますけれども,農業委員さんの苦労は大変だと思いますが,でも地区担当でその地区に責任を持ってもらうということで仕事をしていただくことと,そういう意識を持ってもらうことが極めて重要だと思っておりますので,これからも私どもは運動として続けてまいりたいと考えております。 67 ◯半村委員 今のお話で出ました農業委員さんの協力員,これまだ市町村で協力員さんが配置されていないところもあるので,それを国の農業委員の方からも市町村に,協力員をこれから置かないと,ただ15人なら15人の農業委員だけがやるというと,台帳だの見たりするのが大変だと思うので,それをひとつお願いしたい。  あと,昔は地元の地区委員のところに,今度こちらの畑を買うのでとか,農地を買うのでといって,昔は地区委員の判こがあったのです。ところが今は,みんな農業委員会,町に持って行って,月に1回とか,そういうときに調査をしてやるだけになったのですね。昔からやっているような方法で例えばやったとすれば,あそこの家で今度土地を売るのとか,こっちで買うのかとか,そういうのがわかるのですけれども,今は月に1回,前もってわかっていないので,役場に行って農業委員会に出席したとき,あそこのおやじ今度土地を売ったのかとか,こっちのおやじ土地を買ったのかという方法なのですね。昔はそうではなかった。地元の委員さんのところに行って,今度こういうふうに土地を買いたいのでぜひお願いしますと判こもらったのですね。それが今は違ってきたのですね。その辺がちょっとどうなってくるかなと。 68 ◯伊藤参考人 多分昔もその分の制度は変わっていないので,多分合併前は,今より比較的市町村の面積小さいですから,農業委員さんの数もそれなりにおりましたので,大変農業委員と現場との関係の密接度というのでしょうか,これが非常に厚かったと思うのですね。そういう意味では,本当に相談相手になれて,地区の有力な方がよくなっていただいたりしているという,いい面も悪い面も実はあるのかもしれませんが,基本的にはよく地区のわかっておられる方がやっている。農家の方々も,だれだれが農業委員ということは非常によくわかっている。とにかく彼に1回相談してみましょうというふうな行動規範があったのではないかと思います。  でも最終的に,今,委員,判こというお話をされていましたけれども,昔も今も農業委員会は総会で物事を決する仕組みになっておりますので,多分その農業委員さんが引き受けて探してやるよといっていろいろな取り組みをやるために,同意書か何かあったかもしれません,判こがあったかもしれませんけれども,それはあくまで任意のものだったと。制度的にはありませんので,そういうことができたという関係を持っていたという時代が非常に長くあったし,そのことは非常に重要だったと思いますが,今は逆に広くなってしまいましたので,なかなかだれが農業委員さんだかよくわからないみたいなこともありましょうし,ちょっと農業委員さんが,昔に比べれば身近でなくなってしまったのかなと,そういう努力を私どももしなくてはいけないのは当然でありますけれども,残念ながら人が減って面積が,先ほど82から134と申しましたけれども,面積も広がってしまったと。それで関係がどうしても薄れてしまったというのは,これは否めない事実だと思いますので,さらにそれをどういうふうに埋めていくかということは,委員おっしゃるとおり,協力員のやり方もありましょうし,いろいろなやり方もあると思いますので,ぜひ私どももさらにそういうことを進めてまいりたいと考えているところであります。 69 ◯半村委員 わかりました。 70 ◯飯岡委員長 ほかにありますか。  副委員長,大高委員。 71 ◯大高委員 本日はありがとうございました。  1点だけ,今の半村委員のお話ではないのですが,私の方でも要望なのですが,これどこでもそうなのではないとは思うのですけれども,農業委員会が部会ごとに分かれているケースが,私のところなどはそうなのですけれども,そうすると農地法上の3条権利の問題,4条,5条の形状変更などの部会と生産部会と全部別個になっておりまして,地域からは逆に言ったら,所有関係のパトロールなどのことを農業委員会で問題にしたくても,部会が違うからあなたは黙っていろという,こういう状況になっているところもあるんです。ぜひそういうところはアドバイスいただいて,うまく円滑に農業委員会が,私も昔のような農業委員会の方がフェースとフェースで見えていたと思いますので,だんだんにで結構ですが,アドバイスをいただけたらと思いますので,よろしくお願いしたいと思います。 72 ◯伊藤参考人 おっしゃること,よくわかります。  今,市町村の区域が大きくなって物すごく負担になって,マックスで,ちょっと資料がないのであれですけれども,相当人数が置けることに農業委員さん,それでも前に比べれば,市町村合併前にはその地域に100人農業委員さんがいたのに,30人になっちゃったみたいなことあるんですけれども,法律上,法定農地部会というのがあって,これ総会にかわることができる3条許可,要するに法令業務ができる部会としてありますね。農地部会ですね。ここが人数が少なくて,小回りがきくといい面もある一方で,今おっしゃられるように,情報の共有化が足りなくなってしまうということもあるやもしれません。  地域にはいろいろな違いあるようですが,例えば農業委員さんは任期3年ですので,1年半交代にして半分入れかえたりするですとか,いろいろなことをやっているのですが,その案件がいつ出てくるかによって当然違ってきてしまいますので,制度上の話なのでなかなか難しいのですが,参加することは可能であります。でも実は制度上は発言することもオーケーなのですよ。採決に入れないのですよ,仕組み上は,それはもう一度私どもも組織を使って,こういった仕組みですよということは申し上げていきたいと思います。ありがとうございます。 73 ◯飯岡委員長 ほかにありませんか。  ないようですので,以上をもちまして伊藤さんからの意見聴取を終了いたします。  伊藤さんには,貴重な御意見をいただき大変ありがとうございました。本日いただきました御意見等につきましては,今後の委員会における審査の参考とさせていただきたいと存じます。  本日は,まことにありがとうございました。 74 ◯伊藤参考人 どうもありがとうございました。 75 ◯飯岡委員長 ここで暫時休憩いたします。  再開は2時40分といたします。                 午後2時25分休憩          ───────────────────────                 午後2時40分開議 76 ◯飯岡委員長 休憩前に引き続き委員会を再開いたします。  本日3人目の参考人として,大子町中郷集落協定代表の飯村憲章さんをお招きしておりますので御紹介いたします。  飯村さんは,大子町中郷集落において中山間地域等直接支払制度に取り組むに当たり,集落内の取りまとめ役として,平成12年度から活躍されております。また,長年,農業に従事する傍ら,農業委員として町の農業振興にも御尽力されていると伺っております。  詳細なプロフィールにつきましては,お手元に資料をお配りしておりますので,ごらん願います。  飯村さんにおかれましては,大変お忙しい中,本委員会のためにお越しいただきましてまことにありがとうございます。本委員会を代表しまして,心より御礼を申し上げます。  本日は「大子町中郷集落における中山間地域等直接支払制度への取り組みについて」と題して御意見をお伺いいたしまして,その後,意見交換を行うことといたします。  それでは,飯村さん,よろしくお願いします。 77 ◯飯村参考人 ただいま御紹介いただきました中郷集落協定代表の飯村でございます。  私たちの集落ですが,中山間地域等直接支払制度に参加して今日まで活動をしてこられましたのも,これひとえに県議会の先生方初め,県の関係部局の職員の皆さんの御支援のおかげと考えております。厚く御礼を申し上げます。  本日はこのような席で私たちの活動のあらましについて報告し,意見を述べる機会をいただきまして,まことに光栄と存じます。しかしながら,私自身人前で話すことは余り,何と言いましょうか,意に沿わないと言いましょうか,そういうことでございまして,しかも県議会の農林水産委員会と言えば,農業県の茨城県であります農政全般にわたり重要案件を審査するところでありまして,大変に緊張しておるわけでございます。  そういうことで,私が話していることが委員方々にどれほど伝えることができるか心配でありますが,今日まで私たち仲間が10年間,この制度を活用しかかわってきたことを述べさせていただきます。よろしくお願いいたします。  それでは,説明に入らせていただきますが,座ったままでの御説明をお許しいただきたいと思います。  本日の説明は,私たちの住んでいる大子町と中郷集落の現状に始まりまして,中山間地域等直接支払制度の概要,大子町の実施状況,中郷集落の活動内容,活動の成果,継続するに当たっての課題について御説明をいたし,最後に耕作放棄地の発生防止に必要なことを私なりに考えてきましたので,それをまとめにしたいと考えております。どうぞよろしくお願いします。  最初に,大子町と私たちの集落について説明したいと思います。  委員の方々におかれましては,既に御存じのことと思いますが,大子町は県の北西部に位置しておりまして,北は福島県,西は栃木県に接しております。町の総面積は約320平方キロメートルと非常に広大な町でございます。県土の約5%を占める町でございます。町の面積の約80%以上は山林でありまして,八溝山系と阿武隈山系からなる山林で,八溝山や男体山など主峰を擁するとともに,清流久慈川が町の中心部を流れております。また,気候は年間平均気温は12度から13度,平均降水量は1,400から1,500ミリメートルで低温多湿で寒暖の差が非常に大きいといった特徴がございます。  このようなことで,大子町は地勢及び気候の特性から,お茶,リンゴ,コンニャク,シャモ,アユ等の農林水産品や特産品も数多くあります。また,袋田の滝や大子温泉に代表されるような豊かな自然,観光資源にも恵まれております。昨年の9月には袋田の滝に新しい観瀑台がオープンし,連日にぎわいを見せておるわけでございますが,今は紅葉も盛りの時期を迎えておりますので,さらに多くの観光客が袋田を訪れております。委員方々にも大子町の観光発展のためにも,さらなる御高配をいただきますよう,この席をおかりいたしましてお願いをいたします。  さて,私の中郷集落は,画面でお示ししましたように,大子町の北東,福島県の境に近いところに位置しております。中山間地というより,この写真でもごらんのとおりと思いますが,山間地といってもいいほどのところでございます。北には県下最高峰1,022メートルの八溝山から921メートルの高笹山と,福島県の境界を東南に走る稜線の切れ目が私どもの住んでいる集落でございます。町の中心からは約15キロ,車で25分ほどかかります。周囲は大半が人工林の山林で,県道に沿って農地が点在しているようなところでございます。  次に,中郷集落に関するデータを集めましたが,大子町の人口は,高度経済成長のころから都市部への人口の流出に歯どめがかからず,平成21年度現在では2万344人となっております。また,少子高齢化が急速に進行しておる町でございます。さらにデータでもわかるように,農業に携わる人も年々減少しております。中郷集落もこのようなことと同様に,今こういう傾向にあるわけでございますが,全体の中郷集落の世帯数は111戸,人口が322人,約60%は60歳以上の高齢者の集落でもございます。  この表には入っておりませんけれども,農地の面積は,水田が約34.4ヘクタール,畑が65.7ヘクタールとなっております。昭和40年代後半までは農地の90%強は荒らさずに耕作してきました。しかし,現在は約農地の30%程度は耕作放棄地となっております。特に谷津田ですか,沢田といいましょうか,そこはほとんど荒れ地でございます。私たちの集落は,昔からコンニャクや材木の生産地として名が通っておりました。多くの農家が材木やコンニャク,これらの生産物で生計を立てており,比較的豊かな集落であったと思っております。  昭和40年代から50年代前半は,この山林の立木も現在の4倍から5倍の価格で売れました。これは山林の価格ですが,4倍から5倍といいますのは,今は1立米,柱材で1立米8,000円ぐらいですか,当時は,昭和40年代後半当たりまで石で1万円ですから,1立米3万6,000円ですから,かなりの4倍ぐらいの開き,現在は4分の1ぐらいの値段にしかなっておらないというのが現状でございます。  それから,特産物のコンニャクですが,これも当時昭和40年代から50年代は生玉で1トン70万円ぐらいしていたものが,これもかなり50年代以降は暴落しまして,今1俵30キロで3,000円から4,000円ぐらい。ですから,皆様,荒粉(あらこ)というものがわかっているかどうかわからないですが,コンニャクを干して乾燥したものなのですが,これが1俵で45キログラムあるのですが,これが10万円ぐらいした当時がありました。ですから,荒粉1俵10万円というと,1段で40万円ですから,これ5段も切ると家が建つぐらいのコンニャクの相場でした。こういうことですから,ほとんど畑はコンニャク畑をやって,水田ももちろんコンニャクを植えまして,それでも畑が足りないということで原野を起こしてコンニャクをつくったわけです。ですから,当時は耕作放棄地などは到底考えられない時代もありました。  しかし,昭和50年代に入りましては,中国からのコンニャクの輸入によりまして,それにより徐々に相場も,今申し上げましたように30キロ2万円だったのが3,000円から五,六千円という,まさに暴落いたしまして,その期間も非常に長いために採算が合わなくなりまして,コンニャクはやめまして,頼りだった木材も徐々に安くなりまして,そういうことで集落の人たちは他の現金収入を求めていくようになりまして,農業,林業を営む人は年々少なくなっていきました。コンニャクを作付していた畑もお茶に切りかえるようになりまして,また,比較的うちの方は水が豊富で,非常にきれいな水もありまして,特に畑などの草地も虫が好むような草がかなり繁茂していたものですから,そういうことで和牛に切りかえまして,非常に和牛も一時は盛んになったわけでございます。集落の7割がお茶,米,和牛の経営に変わったわけでございます。  そういうことで,コンニャクの方は暴落ということで1軒残らずやめてしまいまして,それでも多くの農地は荒らされることなく管理が行き届いておりましたということは,一家の主が農家をやめてほかに仕事に出るようになっても,家にいる奥さんたちとか年寄りたちが和牛を飼って,荒れた農地の草を刈って,和牛の飼育をやってきたわけでございます。ですから,自分たちの力でできる工夫をしながら農地をしっかりと守り通してきたのではないかと思っております。  話は変わりますけれども,平成5年から11年にわたりまして,奥久慈区域で耕地の基盤整備事業が始まりました。それで,八溝山地及び奥久慈山地の山ろくに位置する中山間地に私どもの集落はあるために,耕地は非常に河川に沿った小規模な団地が未整備のまま,そのまま散在しておりました。こういうことですから,私たちもこの事業があるということを知りまして,農業基盤の整備事業と農道の整備を,すぐに参加して実施してきたわけでございますが,地域の活性化を含め,農業の生産向上と所得の向上をこういうことで図ることにいたしました。  私どもの集落は,平地と違いまして基盤整備も大変な難工事でございました。私どもの工区は平成9年に始まりまして,10年に完工いたしましたが,最初の見積額の倍もかかったわけですね。と言いますのは,岩盤が出る狭い10アールぐらいの面積のところで田んぼが5枚も10枚もあるところですから,土手が多く,ちょっと重機を入れると岩盤が出ると,そういうことで非常に工事も難工事でしたし,そういうことですから金も当初の倍も,予算の倍も金がかかったような工事でありまして,大変苦労いたしました。  それで,基盤整備事業が完了したことによりまして,確かに耕作のしやすい農地にはなりましたけれども,しかし農地ののり面や農道の草刈りをしたり,水路の清掃や補修をしたりといった農地周辺の環境の管理までは,なかなか手が回ってこない状況でございました。  また,このころ集落で耕作放棄地が発生するようになりまして,農地のおよそ2割が耕作放棄地となってしまいましたが,耕作放棄地が発生することによりまして問題になることがありました。これは耕作放棄地にイノシシが非常に活発に出てきて,耕作放棄地を住みかにして住みついたり,それに,病害虫ですか,カメムシ類とか,そういうものもこの耕作放棄地に飛来して繁殖するようになりまして,そこに隣接する農地の作物に非常に大きな被害を及ぼしたわけでございます。  ですから,こういうことを考えますと,耕作放棄地の発生は集落全体の問題ですし,自分たちだけがよければいいという考えではなく,とてもそういう考えでは農業を継続できませんし,集落全体に耕作放棄地の悪影響を与えるわけでございます。  このような中で平成12年に中山間地域等直接支払制度がつくられまして,私たちの集落も対象になるということで,集落のみんなで,なかなか最初は決めるまでは大変だったのですけれども,それでもみんなやろうということで,取り組んでみようということになりまして現在に至っているわけでございます。  ここで,中山間地域等直接支払制度の概要につきまして御説明いたしますが,私はこの制度の導入の経緯の内容の詳しいことはわかりませんので,詳しい内容につきましては,県の担当の方からお聞きしていただければと思います。  私たちが住んでいる中山間地域は河川流域の上流部に位置するところで,農村が有する水源の涵養,洪水の防止などといった,いわゆる多面的機能によって下流部の都市住民を含む多くの国民の生命,財産と豊かな暮らしを守るという大きな役割を担っているわけでございます。しかしながら,私たちが住む中郷地域の中山間地域は,平地に比べて経済的あるいは社会的条件が極めて不利な地域であります。また,さらに高齢化の進展により,農業者の担い手の減少など多くの課題を抱えています。  これらの問題により農家が耕作を続けられなくなるようなことによって,農地が持ついわゆる多面的機能が低下するおそれがありますし,そうなれば,私たちが住む集落はもちろんのこと,国全体にとっても大きな経済的損失が生じることが懸念されるわけでございます。特に耕作放棄地の増加は,多面的機能を著しく低下させる原因であると考えます。  このために,私たち耕作放棄地の発生防止などにより農地の多面的機能を維持するという,この事業の目的を深く認識して,平成12年から10年間,最初は14名の,後ほど説明申し上げますけれども,14名の仲間で始まったのですが,3名が欠落いたしまして,現在は11人の仲間とともに中山間地域等直接支払制度に取り組んでいるところでございます。  次に,対象となる地域についてですが,法律で指定された地域内で,傾斜地など農家の生産条件が厳しい農地が対象となるわけです。面積は1ヘクタール以上のまとまりが必要となります。  対象となる行為は,協定に基づきまして5年以上継続して行う農業生産活動が対象となります。  それから,「協定」とは,集落内の農業者が農地や道路,水路の適切な管理の方針や集落の目指す農業生産体制,その実現のために取り組むべき活動について話し合いを行い,これらの内容を協定して市町村と締結するものでございます。  もし協定者が位置づけた活動が5年間のうちに達成できなかったとすれば,協定者は農用地内に耕作放棄地を発生させてしまったりした場合もそうなのですけれども,それまでに支払われた交付金について,5年間の全額を遡及して返還しなければならないという大変厳しい条件がございます。そういうことで,一たんいただいた金を返すということは,これは大変なことになりますので,協定参加者はお互いに協力し合いながら集落の農地を守っているわけでございます。  交付を受ける対象者は,この協定に基づき5年間以上継続して生産活動を行う農業者でありまして,交付された金額は水田で10アール当たり,1反歩当たり2万1,000円となりますが,耕作放棄地の発生防止や農道,水路の管理など基本的な活動のみを協定に位置づけている場合,単価が8割の1万6,800円になります。  私たちの中郷集落は基本的な活動のみを行っておりますので,10アール当たり1万6,800円が現在交付されております。第1次平成12年度から16年度までは10アールあたり2万1,000円でございましたが,第2次17年度から現在までは1万6,800円ということで交付金をいただいております。  それから,大子町の制度の取り組みの状況ですが,現在大子町では,私たちの集落を含めて13の集落が取り組んでおります。第1期は14集落あったのですが,1集落が抜けまして,現在は13集落でございます。  交付面積は全部で22.1ヘクタール,これは大子町はすべて畑は入っておりません。水田だけでございます。交付金額は全集落,先ほど説明した8割単価で10アール当たり1万6,800円でございます。平成20年度の交付金の総額は約380万円となっております。それから,協定に参加している方ですが,これはすべて農業者でございます。  次に,私たちの協定の内容について説明を申し上げます。  協定で定めた農用地の面積はおよそ3.3ヘクタールで,先ほども申し上げましたように,すべて水田でございます。傾斜は18分の1以上ですので,100メートル行って5.5メートル以上上がるイメージでございます。  それから,協定参加者は,先ほどちょっとお話しましたが,当初は14名でしたが現在は11名でございまして,2人の方はほかに転出してしまいまして,1人は昨年交通事故に遭いまして車いすの生活になりまして,当初から入っていた14名の中の3人は抜けたわけでございます。  それから,役員は,代表は私が務めているのですが,そのほかに書記,会計,それから,法面担当係という方がおるのですが,これがいわゆる作業の責任者でありまして,現場監督とでも言いましょうか,そういう方が法面点検担当係ということで置いております。  私たちが管理している農地は,ごらんになっている地図の黄色い,ちょっと見づらいのですが,黄色い部分です。この農地の写真が何枚かありますので,ごらんいただきたいと思います。  これが私どもの集落の中で一番大きいぐらいの田んぼです。面積が約1反8畝ぐらいですか,18アールぐらい,これが一番大きな田んぼなのです。向こうは県道なのですが,こちらは農道なのです。農道は一部私たち協定者で,急なところはコンクリート,生コンをぶって舗装してあります。  協定では,集落の農業の将来像を定めることになっております。私ども集落では,自分たちが目指す将来像について,今話し合いを行い,ここに記載してあるように,これ写真の方を見ていただきますと,こういうところですから後ほどお話しますが,イノシシなども常に出てくるようなところなのですよ。これ農道なのです。土手も結構高くて草刈りも大変なのです。ちょっと土手のところをやったら,これ環境美化運動といいますか,サツキを植えておくような状況なのですね。  協定では,集落の農業者の将来像を定めることになっております。私たちの集落では,自分たちが目指す将来像について話し合いを行い,ここに記載してありますように,水路・農道等の管理は共同作業で行いつつ,後継者の農作業に対する技術の習得についても集落で話し合い,耕作放棄地を少しでも防止しようと努力をしているわけでございます。  次に,協定で定める活動内容について説明をいたします。  農道,農地のり面の定期的な点検ですね,それから,4月には水路の清掃を行います。これは泥上げとか,いわゆる堀さらいです。それから,4月と8月,場合によっては6月にも水路,農道の草刈りを行っております。また,台風とか洪水とかの降雨時には水路の点検もいたしております。それから,今申し上げました農道の草刈り,さらに農地の地力増進のために協定参加者が結構,畜産農家が多いものですから,その方たちの農家からたい肥をいただいて堆きゅう肥を水田に活用するということにしまして,これは全員がこれを徹底しております。  中山間地の農地に堆肥を入れるということは,うちの方はもともと石が多く,耕作の障害になっておりました。そして基盤整備を行ったせいか,非常に表土が薄いために,やはり金肥だけでは土はできないので,何といっても堆肥を使って作物の土地の地力を上げるとともに,作物の根張りを強くしてよい作物を生産すると,そういう意味も堆肥を徹底的に入れているわけでございます。それと,堆肥を使うことで何よりも環境に優しい作物ができるという観点から,それと地力を高めるということから,堆肥を徹底して使っておるわけでございます。  また,何らかの理由で耕作ができなかった場合,先ほどもお話しましたが,農作業の集落内容の協定者に委託することにより,生産活動を維持することとしております。3人が先ほど脱落というか,協定者からやめてほかに転出してしまったということでございますが,これらはやめたからといって,そこを荒らすわけにはいかないので,我々11人でその3人の分も現在つくって,たしかな田んぼにして耕作をしているわけでございます。  1から5の写真がありますけれども,これは水路や農道の管理を行っているところです。これらは中山間地の私どもの集落内の農地ではないのですが,隣接の農地なのですよ。隣接がこういうふうに荒らされるとイノシシ,カメムシが発生,もちろんハクビシンなども出てくるということで,やはりこの農地を持っている人も年寄りで刈れないものだから,私たちの仲間でこれを刈ってやっているところで,向こうは県道なのです。  そういうことで,役員がこういうところも定期的に見回りをして草刈りをやって,景観が保全されるばかりでなく,効率よい農作業ができるように,また耕作放棄地の発生防止につながっているという考えから,こういうあれをやっています。  これは台風のために倒木されまして,水路が埋まったところを補修しているわけでございます。これは基盤整備したから現地よりも低いものですから,大雨が降ると田んぼに水が入ってしまうので,これかさ上げの作業をしているところでございます。この補修については,交付金をうまく利用しまして,セメントの購入費や,またユンボの費用などにも交付金を充当しているわけでございます。これが掘りさらいの様子でございます。  それから,6から8まで写真がございますが,これはイノシシが荒らした後でございます。これは写真で見ると大してさほどではないように見えますけれども,かなり,これ大人のひざ当たりまでの高さに掘ってあるわけでございます。ですから,こういうふにやられると一晩で10アールぐらいは簡単にイノシシはやってしまうのですね。これもイノシシがやった後です。これも写真より現物,現況を見ると物すごいんです。そういう状況でございます。これもイノシシのあれです。これ,かなりデコボコの差は激しいのですよ。  これが電気さくです。いわゆる電牧というものですか,田んぼは全部これを共同で回しておくのです。電気さくは穂が出る10日前のころから脱穀が終わるまで,これをやっているのですが,非常にこの電牧の管理も,これ管理が大変なのです。その線の下が電気が流れる関係上,かなり草の勢いが強くてすぐ草が伸びてしまうのです。そうすると,草が伸びると電牧の線に草が触ると漏電してしまって,この効果は全くないのですよ。ですから,年じゅうこれ草刈りをやるか,あるいは除草剤はちょっとうちの方は使わないのです。というのは,牛に食べさせますから除草剤は使わないのですよ。ですから,これ年じゅう草刈りをやっているように,1週間に一遍かそこら辺はやっているから,その労力が大変なのですね。  これをやらないと必ず入ってきてしまいますから,これはバッテリーは自動車のバッテリーを使っているんですよ。小さい,これはミニ盤と言って電池が6本入っているのですが,これはちょっと弱いものですが自動車のバッテリーを使っているので,長靴ならいいけれども,ズボンなど触るとビリッと半身ぐらいくるのですね。ですから,イノシシが鼻でこれを触るとばんと,間違って田んぼに入ってしまうと大変なのです。今度は出られなくなって荒らしてしまいますから,そういうことだから絶対に田んぼに入らないようにするには,下の下草を刈って漏電を防ぐということですね。これがイノシシには一番効果がありますね。  トタン板とかいろいろやる方法が,網戸だとかありますけれども,フェンスなど破って入られてしまいますから,トタンはもちろん上から飛び越えてしまう。これが一番今のところは電気さくが効果は100%ですね。  それから,写真がないのですが,まず,堆きゅう肥の施肥についてですが,電気さくの漏電を防ぐためには刈り取った下草を,協定参加者の畜産農家のえさとして利用してもらいまして,そのかわりに堆肥を安く仕入れるようにしております。  中郷集落は,先ほど御説明いたしましたが,基本的な活動を行っておりますので,8割の単価で交付されております。平成20年度の交付総額は,記載されておりますように,交付金をいただいているのは55万116円ということでございます。
     この使途につきましては,協定に定めるとおり,集落が受け取る交付金のうちの半分を農家に面積割で,10アール当たり8,000円で直接支払いをしています。残りの半分を,先ほど申し上げました草刈りや清掃や資材費などの共同の活動の経費に充当しております。  このような活動によって,私たちの集落の協定農用地は急傾斜の条件不利地であるにもかかわらず耕作放棄地が発生することはなく,こういう面では非常に多面的機能が維持されているのではないかと存じております。  次に,活動による成果を説明いたします。  1つ目は,この制度に取り組んだことにより,耕作放棄地の発生が防止されたということであります。中山間地域直接支払制度は,先ほど説明しましたとおり,5年間の協定を締結し,その間,耕作を続けることが必須の活動であります。言いかえますと,5年間にわたって協定に定めた農用地の中に耕作放棄地が発生してはならないということであります。  この制度は,また現在2期目の最終年度を迎えておりますが,私たちの集落では平成12年の1期目から取り組みを始めておりますし,つまり10年の間,協定農用地である3.3ヘクタールについては耕作放棄地が全く発生しておりません。耕作を続けてきたということでございます。もしこの制度に取り組んでいなかったとしたならば,協定農用地のうちの約2割程度は耕作放棄地が発生していたのではないかと推測をしております。  中山間地域のような傾斜地にある農地では,1つののり面の面積が,先ほども写真で出ましたけれども,非常に大きくなります。草刈りをするだけでも大変な労力がかかるわけでありますし,昨今米価も下がっているという中で,コストのかかる中山間地域の農地は,小さいところからどんどんと荒れていってしまうことは当然でありまして,もしこれらのり面や農道の草刈り,水路の草刈りなどを1人でやらなければならないとすれば,到底あきらめの気持ちが出てきまして,そう何年も続けられなかったと思います。1人ではそういう作業は無理だけれども,全員でやればできるということでございます。  しかし,この制度に取り組むことで集落全体で協力しながら農地を守っていこうという意識が醸成され,耕作が続けられています。集落の共同活動として取り組むからこそ,継続的に農地が保全されているのではないかと考えておる次第でございます。  2つ目は,耕作放棄地発生防止の効果以外にも,集落における共同意識の醸成,農村地域の環境を保全しようとする意識の向上などの効果が見られております。昭和50年代ごろまでは大雨が降ったり,洪水になったりしたとき,また水路が詰まったりということがあれば,草刈りや掘りさらいのとき,また土手が崩れたときなどは非常に,当時はだれからも声もかけることなく,みずから道具持参で現場に集まりましたけれども,到底作業が間に合わないと隣の人が手伝いに来てくれたり,このような昔ながらの結いとか手伝いとか,そういう関係によって互いに助け合いながら暮らしを立ててきましたが,しかし,近年残念ながら農村でのそういうぬくもりのある関係は失われつつあるのではないかと考えております。人間関係,集落意識も都会に近いような方向になっているのではないかと,非常に残念に思っているわけでございますが,こういうことを思うと,私たち中山間地域等直接支払制度に参加したおかげで,一昔前の農村の良好な関係にあった時代に少しでも近づいてきたことをうれしく感じているわけでございます。  仕事を共同で楽しく取り組む心が養われ,自然の環境に対しても気配り,あるいは目配りがはぐくまれてきたと感じております。私たちはこのようなことが大きな何よりの収穫であると思っておりますし,私たち中山間地の小規模農家にとっては,生産向上の効果を上げるばかりでなく,人間形成,人づくりにもこの事業が大変実りの多い事業であると感じ取っておるわけでございます。  次に,制度に10年間近く取り組んできましたが,お互いに心の通う仲間同士ですので,苦労という苦労はそんなになかったような感じもいたします。むしろ,みんなで共同で取り組む作業が,楽しくやって,その事業が推進できたという気持ちが強いわけでございます。しかしながら,今後,我々が継続していくに当たって検討していただきたい点を申し上げたいと思いますが,1つ目が,非常に事務的な関係なのですが,実績報告書などの書類作成を担当する書記や交付金の支出などを管理する会計係など,なれない事務仕事に苦労している点でございます。もちろんこれは手書きではだめだの,パソコンを使わなくてはだめなので,特にパソコンを操作できる人が集落内にいないとちょっと無理なことでございます。  ですから,農家の人は事務仕事は苦手な人が結構多いのですね。面倒くさくて嫌だという人が,農家の人はそういう人ばかりですから。ですから,この中山間地域直接支払制度や今の農地の水と環境向上対策事業というのもございますが,これはいずれも農村の環境向上のために使われる交付金制度でございますので,事務処理を少しでも簡素化できれば,もっと推進できるのではないかと思っております。  2つ目が,条件の規制緩和についてでございますが,農地の面積や経営者にこだわらず,65歳以上の高齢者集落や耕作放棄率の高い集落,耕作条件の悪いところなどは,こういうところは協定に参加できればいいのではないかと思います。そうすれば,多くの地域でこの制度に取り組み,耕作放棄地の発生もある程度は控えられるのではないかと思います。  次に,耕作放棄地の解消ですが,これは難しい問題だと思います。これから一層ふえていくのではないかと心配しています。耕作放棄地の増加が,ふえていくことが社会に及ぼす影響は大変なものがございます。耕作放棄地は火災,あるいは洪水の危険の増加,イノシシなどの鳥害獣が人家に近づきやすくなるために,人身に直接被害を及ぼす,そういう原因にもなるのではないかと思っております。  耕作放棄地は我々にとっても,国民全体にとっても決して利益になるようなことではございませんし,農業者自身もこの問題を深く受けとめるべきだとは思っておりますが,そのために私なりに耕作放棄地の発生防止につながると思われることを整理してみました。  1つ目が,中山間地域等直接支払制度の継続ですが,この制度は平成12年度から平成16年までが1期,それから,17年度から21年度,今年度が最終年度になりますが,2期となっておりますが,また来年以降につきましては,農林水産省が制度を継続する方向で予算要求をしたと伺っておりますが,この制度のおかげで中山間地域の耕作放棄地の発生が抑えられるようなことを実感しておりますので,ぜひとも委員方々にもこの制度の継続をお願いしたいと思っております。  2つ目が,耕作放棄地を防ぐ重要性を,農家以外の住民にも感じていただくのも大事かと思っております。ですから,行政や農家はもちろんなのですが,一般住民全体で考えるべき課題であります。耕作放棄地というのは,何回も申しますけれども,火災や,あるいは洪水,あとは廃棄物などの捨て場にもなり兼ねない,そういういろいろな悪い面がございます。ですから,これは農家ばかりでなく,一般住民全体でも考えていかなければならないのではないかと思っております。行政にも,その辺の耕作放棄地防止のPRをぜひお願いしていただきたいと思っております。  次に,私たちが農地を耕作していて大変困っていること,先ほどもイノシシによって荒らされた田んぼが写真に出ておりましたけれども,イノシシの出没によりまして荒らされると,せっかくつくったものが一晩でだめになってしまうので,農業者の方も非常にそれを見ると,つくりたくてもイノシシにやられて耕作意欲を失ってしまいまして,イノシシの被害のために耕作放棄地にせざるを得ないという方もたくさんおります。自然の生態系で,イノシシとか鳥獣類とかは生態系の中では大事だと言われています。イノシシの場合,マムシを食べるのでかなりイノシシが激減してしまうとマムシが増殖すると言われております。しかしながら,農家にとりましてはイノシシは一番の敵でございますので,イノシシを保護するということは,私たちはこれは結構ではないと思います。  それから,またイノシシのことですが,休猟区や保護区ですね,これがどうも設定箇所に問題があるのではないかと私は思うのです。要するに県道や河川を境として休猟区や保護区を設定しているわけです。道路や県道,河川が境となると,みんな農地が点在しているわけです。ですから,いわゆる保護区や休猟区の中には農地がいっぱい含まれているということでございますので,そこを休猟区にしてしまうとイノシシが出てくるということでありまして,できれば農地から外して,山沿いに休猟区や保護区のエリアをつくっていただきたいなと,そのように思っておるわけでございます。  最後になりましたが,農業政策全体については,委員方々は全員知り尽くしているとは思うのですが,政権交代でこれまでと違った発想で政策が展開されてくるのではないかと思いますが,農業者が中山間地域で生活していけるような政策を今後期待したいと思います。  雇用状況の悪化によりまして,農業に就業する方がふえております。自治体も農地を買い取り市民に活用してもらったり,あるいは企業も農地に参入したりと,急速に農業に関心を持つようになりました。大変結構なことと思います。農業を思い切って見直すチャンスではないかと感じております。大半の農家からは,農業だけでは食べていけないという切実な声がございますが,安定した所得が確保できる農業施策の実行によってこそ,安心,安全な食料の生産,供給ができるのではないかと思います。  また,戸別所得補償制度につきましては,私ども農家として大変強い関心を持っておりますが,地域差がなく公平に支給できるような制度にしていただければと思っております。中山間地域での農業には,面積割でも平地とは問題にならないほど生産費もかかるわけでございます。また,中山間地農業は,先ほども何回か申し上げましたが,所得面ばかりでなく,多面的機能を果たす重要な役割を持っている現場でもございますし,そういうことで中山間地域の農業が活力を見出せる農業施策をぜひお願いしたいと思いますので,よろしくお願いをいたします。  以上で,私の参考人意見陳述を終了させていただきます。御清聴,本当にありがとうございました。 78 ◯飯岡委員長 どうもありがとうございました。  ただいま飯村さんからの御意見をいただいたところですが,これからは意見交換の時間とさせていただきます。  ただいまの御意見につきまして,委員の方で意見または質問等がありましたらお願いいたします。  半村委員。 79 ◯半村委員 資料の30ページ,個人配分の充当額が26万9,600円と交付金額が書いてありますね。それで11人と。11人で割ると平均2万6,900円ぐらいだよね。 80 ◯飯村参考人 ちょっと最初からお願いします。 81 ◯半村委員 30ページ,中郷集落に対する交付金,これで26万9,600円が個人配分充当額。 82 ◯飯村参考人 これは反別割の個人配分の分ですね。 83 ◯半村委員 これは11人で中郷地区でやっていますから,平均すると2万6,960円だよね,平均すると,11人で。それで一番多くやっている方は幾らで,小さいものは幾ら。  それから,下の28万516円は役員さんの報酬だとか機械の使用料だとか,道路を直す材料を買うんだということでありますが,これで畜産の方が多いという話を聞きましたが,畜産などを飼っている方は何頭ぐらい牛を飼っているの,豚を飼っているのか,その辺ちょっと聞かせてください。 84 ◯飯村参考人 交付金については,一番多い方が7万5,000円ぐらいですか,少ない人は2万二,三千円となります。ですから,下の共同活動費はみんな1日4,000円なのですよ。日当が。それで計算するのですが,それで上の部分は多い人は7万5,000円ぐらいだと思ったな,あと少ない人は2万二,三千円の方がおりますか,そういうことです。 85 ◯半村委員 あとは共同作業に出れば1日4,000円もらえるの。 86 ◯飯村参考人 4,000円です,そうです。 87 ◯半村委員 それと畜産農家の方は。 88 ◯飯村参考人 うちの方は豚とか鶏とかシャモとかいません。和牛だけです。  和牛が,うちの方のこの協定者の中では6人は和牛を飼っております。頭数はみんな少数飼いです。多い人で四,五頭です。あとは2頭,3頭。 89 ◯半村委員 そうすると,例えば和牛の四,五頭でこのものだけで,あとほかにも田んぼなどを持っているのですか。この11人の方はほかにも,それで生活して。 90 ◯飯村参考人 ほかにも持っていますけれども,私たち11人の集落協定者は。 91 ◯半村委員 これ,やっているところだけがこれだというのでしょう,ほかにも。 92 ◯飯村参考人 そうです。ほかにも田んぼはありますけれども。 93 ◯半村委員 それはどのくらいあるのですか。  そうでないと,これでは和牛の四,五頭とこれだけでは食っていけない。だからほかにも田んぼがあったり……。 94 ◯飯村参考人 ですから,私たちの集落協定者はここだけの協定に締結した田んぼだけ。あとは集落協定に入っていない方は20アールとか30アールが郷の中に沿ってあるわけです。 95 ◯半村委員 そうするとこの人たちは,11人は牛の四,五頭を飼って,田んぼがここだけじゃ,ここだけでしょう,田んぼ,生活するのに米も一番下の人は2万7,000円ですよ,それでお金をもらって米に直すと。 96 ◯飯村参考人 ですから専業農家はいないです。専業農家は私と2人ぐらいです。あとは……。 97 ◯半村委員 ほかに勤めているのか。 98 ◯飯村参考人 ええ,みんなあとは公務員とか会社員とか,あとは,せがれさんが出てこられない場合はおやじさんが来たり,ですから,これではとてもじゃないが食っていけないですよ,米の1万2,000円や3,000円のあれでは。ですから,みんな公務員だったり会社員だったり,そういうことです。  ですから,この共同作業は平日はちょっと無理なのですよ,ですから日曜日でないとできないから,日曜日には全員でこれをやっているわけです。そういうことです。 99 ◯半村委員 わかりました。 100 ◯飯岡委員長 ほかにありませんか。  大高副委員長。 101 ◯大高委員 本日はいろいろありがとうございました。  この実績報告,活動報告の書類が大変多いという話で,これはほかのエコファーマーの件とか茨城県でもいろいろ言われているのですが,実際の提出窓口は,これは大子町の農政課なのですか。 102 ◯飯村参考人 大子町の農林課です。 103 ◯大高委員 そうすると,役場の人も気をきかせてくれて,ちょっと教えてくれたり何かしてくれると全然違うんだと思うのですが。 104 ◯飯村参考人 うちの方の集落の若い人もいて,パソコンも結構それなりに使いこなすのがいるので何とかできていますけれども,とてもじゃないけれども,そういうパソコンも使う人がいない年取った人などばかりだと無理ですよね。だから,そういう書類の作成,提出もある程度緩和してもらわないと,なかなかこういう事業は難しいよ,参加するのに。  最初にこれに参加するときにも説明をされたわけですから,こうだ,こうだと,幾ら説明を聞いても私たちは全然わからないから,やってみて初めてだんだんわかってきたのですが,ですから,なかなかそういう書類をつくるとなると結構手間がかかるのですね。  あとは役場の方でもある程度は,わからないところは指導はしてくれますけれども,あくまでも自分たちの交付金をいただいているのだから,やはり自分たちで整理しなければ,それが本来の協定のあれですから。 105 ◯飯岡委員長 ほかにありませんか。               〔「なし」と呼ぶ者あり〕 106 ◯飯岡委員長 ないようですので,以上をもちまして飯村さんからの意見聴取を終了いたします。  飯村さんには,貴重な御意見をいただき,大変ありがとうございました。  本日いただきました御意見等につきましては,今後の委員会における審査の参考とさせていただきたいと存じます。本日はまことにありがとうございました。 107 ◯飯村参考人 どうもありがとうございました。 108 ◯飯岡委員長 以上で,本日予定いたしました参考人からの意見聴取を終了いたします。  執行部に対しても退席で結構ですから,以上でありがとうございました。御苦労さまでした。                  〔執行部退場〕 109 ◯飯岡委員長 委員の皆様には,この後御審議いただきたい事項がございますので,このままお待ちください。  休憩いたします。                 午後3時45分休憩          ───────────────────────                 午後3時46分開議 110 ◯飯岡委員長 再開いたします。  これからは,閉会中のテーマである「耕作放棄地解消等を中心とした農業・農村の再生」について協議いたします。  本年の閉会中の農林水産委員会としては本日が最後となります。ことしの委員会の運営については,審査の結果を中長期的な県の施策に反映させるよう政策提言としてまとめ,第4回定例会において報告するとされていますので,次回の第4回定例会会期中の委員会において,執行部に対して提言を行ってまいりたいと思います。  本委員会では閉会中委員会の活動テーマとして「耕作放棄地解消等を中心とした農業・農村の再生」について参考人意見聴取や県内,県外調査を実施してまいりました。この審査の中で委員や参考人の皆様から出された御意見等につきまして,これを整理し次回の第4回定例会会期中の委員会において,執行部に対して提言を行ってまいりたいと思います。これに御異議ありませんか。              〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 111 ◯飯岡委員長 異議なしと認め,そのように決しました。  次に,その提言書を今配ったと思いますが,見ていただければ。  それでは,お手元に配付した提言の骨子をもとに提言書を作成したいと思います。提言書の案分につきましては,委員長に御一任願いたいと思いますが,御異議ありませんか。              〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 112 ◯飯岡委員長 異議なしと認め,そのように決しました。        ─────────────────────────── 113 ◯飯岡委員長 それでは,以上で終了いたします。  大変長時間にわたりお疲れさまでした。                 午後3時48分閉会 Copyright © Ibaraki Prefectural Assembly, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...