次に,
経済対策についてであります。
最近の
我が国経済は,経済企画庁が発表いたしました8月の
地域経済動向調査において,
日本列島総不況と指摘されているように,全体として,非常に厳しい状況となっております。また,こうした動きは,
県内経済におきましても同様であり,生産,消費などの
各種指標が前年を下回る水準となるなど,長期的に景気の
低迷状態が続いております。
こうした
経済状況のもと,本県におきましても,厳しい
財政事情のもとではございますが,国の
総合経済対策と連携しつつ,
県内経済を一日も早く
回復軌道に乗せるため,今回の
補正予算におきまして,
社会資本の
整備や
中小企業対策などを中心に,
特別会計,
企業会計を含め総額703億円と,1回の
補正としては過去
最大規模の
経済対策を講じることといたしました。
その概要を申し上げますと,まず,
社会資本の
整備につきましては,
物流効率化,環境,福祉・医療・教育,
中心市街地活性化など,幅広い分野にわたって積極的に推進することとし,合わせて660億円を措置いたしたところでございます。
このうち
国補事業につきましては,国の
経済対策に伴う
公共事業を512億円,
公共事業以外の
投資的経費を43億円追加計上いたしております。
また,いわゆる
地方単独事業につきましては,県単
公共事業を48億円追加
補正いたしますほか,
公共事業以外の
投資的経費につきましても,
経済対策に係る国の
財源措置などを勘案し,既に
実施設計を終了している新
大洗水族館建設事業などを前倒し実施するなど,57億円を追加することとし,合わせて100億円を超える
増額措置を講じたところであります。
次に,
中小企業対策といたしましては,倒産の増加など,
中小企業を取り巻く現下の厳しい
経営環境にかんがみ,
倒産関連企業や
不況業種と認定された
企業が安定的に必要な資金を確保できるよう,新たに
融資金利2.0%の
連鎖倒産防止等緊急融資制度を創設し,50億円の
融資枠を設けますとともに,今後も高い
資金需要が見込まれます
中小企業パワーアップ融資につきましても,
融資枠を当初の100億円から150億円に拡大したところであります。
また,
金融機関の
貸し出し姿勢に依然慎重さが見られることから,
中小企業の
信用補完制度を充実し,金融の
円滑化を図るため,
信用保証協会基本財産出えん金を大幅に増額いたしました。
さらに,県内の厳しい
雇用情勢に対応するため,
緊急雇用対策といたしまして,
緊急求人開拓推進員を増員し,全
職業安定所に配置するとともに,
事業主と
求職者の
合同面接会の
開催回数をふやし,県内5ブロックで実施できるようにしたほか,
企業に対する
求人要請を行うこととするなど,きめ細かな
対策を講じたところであります。
今後とも,景気の動向や国の対応に十分留意しつつ,
本県経済の回復に向けて最善の努力をしてまいりたいと存じます。
次に,
県庁跡地の利用についてであります。
さきの第2回
定例会において申し上げましたように,
財政状況の急激な悪化に伴い,
県庁移転後,直ちに本格的な
跡地利用のための
施設整備を行うことは,極めて困難な状況となりましたので,当面の暫定的な
利用方法について,
専門家による
懇談会から御提言をいただくとともに,関係各方面の御意見も伺いながら,
県庁跡地の歴史的な
重要性,周辺への影響,今後の
財政見通し,
暫定利用に係る費用対効果などさまざまな角度から,総合的かつ慎重に検討してまいりました。
その結果,当面の
暫定利用のあり方といたしまして,
県議会議事堂を
図書館に転用いたしますとともに,
本庁舎につきましては,多数の
利用者が見込まれる事務所的な活用を基本として検討をしていくことといたしました。
現在の
図書館は,建築後40年が経過し,
老朽化・
狭隘化が著しく,その
整備は緊急の課題となっておりますことから,
議事堂の活用を図ることとし,今回の
補正予算において,
議事堂改修に向けた
基本設計費を計上いたしたところであります。
また,
議事堂と
本庁舎を除く残り5棟につきましては,
機能性の面から,再活用は極めて難しいものがあり,
移転後の
庁舎管理上の問題もあることから,速やかに取り壊すこととし,今回の
補正予算において,解体に係る
設計費を計上いたしました。
県庁跡地につきましては,今後の
経済情勢や
財政状況などにもよりますが,できるだけ早い時期に
本格的整備を図っていけるよう努力してまいりたいと考えておりますので,御理解を賜りたいと存じます。
なお,新
県庁舎への
移転につきましては,来年3月下旬から4月上旬の2週間程度の期間で作業を実施する予定であり,今後,鋭意その準備を進めてまいります。
次に,
ダイオキシン対策についてであります。
去る6月4日,
日本環境化学会の
討論会において,
竜ヶ崎地方塵芥処理組合城取
清掃工場周辺住民の血液中から,高濃度の
ダイオキシン類が検出されたとの
調査結果が発表されました。
県といたしましては,この
調査結果を受け,実態を把握することが急務であると考え,国や地元とも連携しながら,土壌,大気,水質などの
環境調査を進めてきたところでありますが,今般,さらに血液中における
ダイオキシン類の
濃度検査などの
健康調査を実施することとし,今回の
補正予算において
調査費を措置いたしたところであります。
今回の
健康調査の実施に当たっては,
調査の
信頼性を高め,
調査プロセスの
透明性を確保する観点から,
公衆衛生や医学,
環境分析などの
専門家及び
住民代表等から構成されます
検討委員会を設置し,
調査対象や
具体的手法などを十分検討しつつ進めることといたしております。また,
調査結果につきましては,今年度中にデータの評価・分析を行い,できるだけ早い時期にその概要を公表いたしたいと考えております。
次に,
竜ヶ崎地域における
中核病院の
整備についてであります。
現在,第3次
茨城県
保健医療計画の策定に向け,
保健医療圏の
見直し作業を進めているところでありますが,
人口急増に伴う
医療需要の増大に対応するため,従来の
取手サブ保健医療圏を独立の
医療圏として位置づけることとし,あわせて,特に病床が不足している
竜ヶ崎地域において,地域の中核となる
総合病院の
整備促進を図ることとしております。
竜ヶ崎地域中核病院の
整備は,地元における長年の悲願であり,
済生会病院を誘致するため,これまで県の仲介のもと,
竜ヶ崎市と
事業主体である
社会福祉法人恩賜財団済生会との間で協議・調整を進めてまいりましたが,このほど
総合病院の
整備について,基本的な合意に至った次第であります。
県といたしましても,市と
十分連携を図りながら,
中核病院の
整備促進について,積極的に支援してまいりたいと考えております。
次に,来月の17日から2日間にわたって開催される「ゆう
あいピック茨城大会」につきましては,4月に
大会実施本部を設置し,準備を進めてまいりましたが,
大会運営に携わる
ボランティアの募集には,実に7,000名を超える方々から御応募をいただくなど,県民の
皆様の関心も高まりを見せております。
また,去る6月28日に,開催100日前を記念する「ゆう
あいフェアいばらき」を開催し,大会のPRと機運の醸成を図ったところでありますが,先月初めには,
本県選手団500名の構成も決定し,いよいよ本番に向けたムードも盛り上がってきているところであります。
開催まで残すところ44日となりましたが,全国から来県する約4,200名の
選手団を温かく迎え,
知的障害者のスポーツの祭典として感動あふれる大会となりますよう,準備に万全を期してまいります。
次に,
首都機能誘致についてでありますが,
移転候補地が,
茨城中北部地域へと拡大されたことに伴い,去る7月16日に,
地元誘致組織が24
市町村から,
県北部を含む47
市町村による構成へと拡大改組されたところであります。
また,7月29日には,本県を初めとする
北東地域の5県による
北東地域首都機能移転5
県知事会議が開催され,
北東地域への
移転実現に向け,協力して積極的に取り組んでいくことを決議いたしました。
こうした中で,いよいよ今月29日には,
国会等移転審議会により,本県について
現地調査が行われることとなっており,この機会に
本県候補地の
優位性を最大限にアピールするとともに,来年秋ごろに予定される最終的な
移転候補地選定に向けて,
県議会や
地元誘致組織とも連携しつつ,より一層積極的な誘致,
PR活動や県民の
合意形成に努めてまいります。
次に,
産業廃棄物不法投棄対策についてであります。
この4月から,
不法投棄の一掃を目的とした「WASTE・クリーンアップ
茨城大作戦」を展開しておりますが,去る7月25日,茎崎町において,自治体代表者や
ボランティアU・D監視員など約1,000名が参加し,
不法投棄防止県民大会を開催いたしました。大会では,300万県民が一丸となって,
不法投棄のない環境づくりに努力する旨の宣言を採択するなど,
不法投棄防止に向けた取り組みへの意欲を新たにしたところであります。
また,これまでに県民から寄せられた通報件数や
不法投棄現場での監視件数,警察による摘発・検挙件数が,昨年度を大幅に上回るなど,大作戦の成果は顕著にあらわれてきており,今後とも県民総ぐるみで監視の目を光らせ,
不法投棄の一掃に努めてまいります。
次に,昨年3月に発生しました動燃東海事業所における火災・爆発事故を契機に,原子力防災
対策等の見直しを行うため,同年8月に原子力防災
対策検討委員会を設置し,検討を進めてまいりましたが,このほど,
委員会の最終
報告書がまとまり,8月20日に提出されたところであります。
報告書では,住民避難計画策定の基本的な考え方などについてさまざまな御提言がなされており,県といたしましては,本
報告書を踏まえ,今年度末をめどに原子力防災計画の改定を行い,より一層実効性のある原子力防災
対策を確立してまいります。
次に,地域高規格道路の追加指定についてでありますが,6月16日付で,新たに2路線が指定され,1路線が格上げされたところであります。すなわち,水戸外環状道路から国道118号に至る
茨城北部幹線道路が候補路線として,また,百里飛行場と常磐自動車道及び東関東自動車道水戸線を結ぶ百里飛行場連絡道路が計画路線として,それぞれ新たに指定されるとともに,谷和原村の常磐自動車道から栃木県に延びる常総・宇都宮東部連絡道路が,候補路線から計画路線に格上げになりました。
今回の指定を受け,各路線ごとに所要の
調査を行うなど,早期
整備に向けた準備を進めてまいります。
次に,日本一の園芸県を目指し,生産者みずからが生産量や品質などについて10%アップすることを目標に掲げて実践する園芸日本一「10アップ運動」の推進大会が,8月25日,つくば市において盛大に開催されました。大会では,この運動に取り組む66
市町村の365生産集団を初め,農協,市場関係者など約1,000名が一堂に会し,力強い運動の展開を誓い合ったところであります。
県といたしましても,生産振興を図るための施設化や機械化に対する助成など,「10アップ運動」の成功に向けて積極的に支援してまいります。
次に,さきに開催されたワールドカップフランス大会は,地元フランスの優勝で幕を閉じたところでありますが,私も日本対クロアチア戦を中心に
大会運営,警備,交通輸送状況など現場の状況について視察をしてまいりました。セキュリティー面での対応や交通規制など大いに学ぶべき点があり,今後の本県の対応に十分に生かしていきたいと考えております。
いよいよ本県が開催地となる2002年の大会まで,あと4年となりましたが,今後は,会場となりますカシマサッカースタジアムの改修に着手いたしますとともに,交通輸送
対策や警備
対策,
ボランティア対策などの検討を進める一方,ワールドカップ開催に向けた機運の醸成を図ってまいります。
次に,県立施設等の
整備についてでありますが,去る7月5日,大子広域公園内に多
目的温泉プール,フォレスパ大子がオープンいたしました。この温泉プールは,近年の余暇の拡大や健康への関心の高まりに対応するため,大子町の豊富な温泉資源を活用し,幅広い年齢層の方々に,一年じゅう利用していただける施設として
整備いたしたものであります。
オープンから約2カ月間の8月末までに,県内外から延べ7万5,000人の方が訪れており,新しい時代のスポーツ・レクリエーション拠点として大いに活用され,あわせて,県北地域の活性化にも寄与するものと期待いたしております。
次に,
提出議案等について御説明を申し上げます。
今回の
提出議案は,予算の
補正に関するもの12件,
条例その他18件,
公営企業会計決算の認定1件,
専決処分の
報告1件であります。
まず,一般会計の
補正予算についてであります。
今回の
補正予算は,さきに申し上げましたように,
経済対策に関連する経費を計上するほか,国庫補助事業など額の確定したもの及び当初予算編成後の情勢の変化に対応するため緊急に必要となったものにつきまして,
予算措置を講ずることといたしました。
今回の
補正予算の財源といたしましては,国庫支出金や県債を活用しますとともに,所要の一般財源50億200万円は,
経済対策分として増額された地方交付税43億5,500万円及び
平成9年度からの繰越金の一部,6億4,700万円を充当することといたしました。
次に,
公共事業以外の歳出の主なものについて申し上げます。
まず,
経済対策に関連するものといたしまして,新大洗水族館の
整備事業費36億1,200万円,
ダイオキシン類分析測定機器の導入経費1億8,200万円,メディアパークシティ構想に係る第三セクター設立出資金等5億8,600万円,老人ホーム等社会福祉施設の
整備に対する助成18億3,300万円,
連鎖倒産防止等緊急融資制度の創設,
融資枠50億円,
中小企業パワーアップ融資の
融資枠の拡大,
融資枠50億円,
信用保証協会基本財産出えん金の増額2億5,700万円,
緊急雇用対策に係る経費1,400万円,畜産試験場の
整備事業費5億2,000万円,中学校における心の教室相談員配置に要する経費8,900万円などを計上いたしました。
経済対策以外の主なものといたしましては,
県議会議事堂を
図書館に転用するための
基本設計費2,500万円,
ダイオキシン類に係る
健康調査の実施に要する経費6,800万円,
中小企業年末融資の
融資枠の拡大,
融資枠261億円,棚田地域の保全を目的とした基金の造成1億8,000万円,生徒数の確定に伴う私立高等学校等経常費補助の増額3億8,600万円などであります。
これらによる今回の
補正予算の総額は,751億6,900万円となり,この結果,
補正後の一般会計の予算総額は,1兆1,980億9,700万円となります。
また,債務負担行為としては,新大洗水族館建設
工事請負契約など新規8件,変更1件であります。
次に,
特別会計及び
企業会計の
補正予算についてであります。
特別会計は,
経済対策関連の流域下水道事業の
補正など8会計の
補正が,総額318億1,200万円,債務負担行為が新規2件,変更3件となっております。また,
企業会計は,
経済対策に係る水道事業の
補正など3会計の
補正で,総額2億5,600万円であります。
次に,
条例その他の概要について御説明申し上げます。
条例は,新たに制定するもの1件,改正するもの7件であります。新たに制定する
条例は,特定非営利活動促進法,いわゆるNPO法の施行に伴い必要な手続を定めようとする
茨城県特定非
営利活動促進法施行条例であり,一部を改正する
条例は,保健所の再編
整備に係る
茨城県
行政組織条例の一部を改正する
条例などであります。
条例以外の
議案といたしましては10件で,八千代町と石下町の
境界変更についてなどであります。
次に,認定は,
平成9年度
茨城県
公営企業会計決算の認定であり,
報告は,
専決処分の
報告であります。
以上で,
提出議案等の説明を終わりますが,なお,詳細につきましては,お手元の
議案書等により御審議の上,適切な御議決を賜りますようお願い申し上げます。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
日程第3 休会の件
15
◯議長(
横田修平君) 日程第3,休会の件を議題といたします。
お諮りいたします。9月4日及び7日は,
議案調査のため休会とすることにいたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
16
◯議長(
横田修平君) 御異議なしと認め,さよう決しました。
なお,休会中は,緊急事案の
調査等不測の事態に対処できるよう,招集地において
議案の
調査をお願いいたします。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
17
◯議長(
横田修平君) 以上で,本日の日程は全部終了いたしました。
次回は,9月8日午後1時から本会議を開き,一般質問,質疑を行います。
本日は,これにて散会いたします。
午後1時45分散会
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