茨城県議会 1998-03-18
平成10年予算特別委員会 本文 開催日: 1998-03-18
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◯荒井委員長 ただいまから,
予算特別委員会を開会いたします。
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◯荒井委員長 会議に入る前に,一言申し上げます。
さきの本会議で報告がありましたように,本委員会の委員でありました
遠井光雄委員には,去る1月15日,逝去されました。まことに痛恨にたえません。ここに,本委員会といたしまして,心から哀悼の意を捧げますとともに,先生の御冥福をお祈りいたします。
また,
岡部英男委員が退職いたしました。
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◯荒井委員長 次に,委員席についてお諮りいたします。
委員席につきましては,ただいま御着席のとおりに変更したいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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◯荒井委員長 異議なしと認め,そのように決しました。
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◯荒井委員長 本日の
委員会記録署名委員を指名いたします。
澤畠委員と
杉田委員にお願いいたします。
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◯荒井委員長 これより,議事に入ります。
本委員会に付託されました案件の審査を行います。
本委員会に付託されました案件は,第1号議案ないし第23号議案及び第83号議案ないし第88号議案の29件であります。
これらの案件を一括して議題といたします。
これより,通告に従って質疑を行います。
お手元に,昨日17日に開催いたしました理事会の決定事項を配付してあります。これに基づいて,1委員の持ち時間を,質疑,答弁を合わせておおむね40分といたしますので,この時間を厳守されるよう御協力をお願いいたします。
なお,質疑,答弁は,要点を簡潔,明瞭にお願いいたします。
それでは,これより,質疑に入ります。
最初に,
新井委員。
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◯新井委員 自由民主党の新井昇でございます。
通告に従いまして質問いたしますので,委員長おっしゃったとおり,簡潔,明瞭な御答弁をお願いしたいと思います。
まず,最初に,常総線の複線化についてでございますが,
県西地域にとっては,常総線は縦の動脈となる重要な交通機関であります。今後,
常磐新線が開通することにより,新線と守谷で交差する常総線は,首都圏と
県西地域を結ぶ鉄道として,その果たす役割がますます大きくなってきております。
茨城県は,鹿島,そして,また,つくば,今はひたちなかと,すばらしい大プロジェクトの開発をしているわけでございますが,県西においては大きな開発がまだなされていない。
北関東自動車道においても,岩瀬から北側の方に迂回されているような,見るからに下館を中心とした
県西地域の開発がおくれぎみであろうというような不満が絶えず住民にある事実は執行部の皆さんもおわかりだと思います。やはりこれから均衡のとれた県発展のために,重要な課題を秘めるのは,これからの常総線を中心とした開発だと思います。その常総線の開発に関しましては,常総
地域促進期成同盟が平成3年にできまして,今,毎年,互いの情報を持ち寄って検討している最中であります。
しかも,昨年におきましては,各町村が基金をつくって,いよいよ形としてあらわそうではないかというような意見まで出ておりましたが,県としての体制が余りに積極さが薄いというような意見もその席で出されたわけでございます。そういうことを踏まえまして,地域の機運が上がっている今現在,今後,県としてはどのような対応で臨むのか,
企画部長にお伺いいたします。
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◯荒井委員長 新井委員の質疑に対する答弁を求めます。
高田企画部長。
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◯高田企画部長 常総線の複線化についてお答えいたします。
常総線の
沿線地域は,現在,整備が進められております
常磐新線の開通によりまして,東京圏と短時間で結ばれるようになるなど,首都圏の一翼を担う地域として,今後,発展が大いに期待されているところでございます。
このような地域の発展を支えるためには,委員御指摘のとおり,交通基盤の整備が重要でございまして,常総線も従来の
地域内鉄道という性格から,首都圏内の
都市間交通を担う鉄道として,その性格を転換していく必要があるのではないかというふうに考えております。そのための
輸送改善対策といたしまして,
水海道以北の複線化が考えられるわけでございます。
こうした鉄道の複線化を実現するためには,新たな
鉄道用地の取得や線路の増設,車両の導入などが必要となりまして,
鉄道事業者の投資額は相当なものになると思われます。
一方,常総線の利用状況を見ますと,既に複線化されております
取手水海道間の1日1キロメートル当たり約1万5,000人に対しまして,
単線区間であります
水海道下館間は約1,500人と,大変厳しい状況にございます。
このような状況のもとでは,
鉄道事業者の複線化のための設備投資に見合う旅客需要を生み出すことができる環境を整えることがまず必要でございます。そのために,県では,居住系,産業系を中心としました
常総線沿線地域の計画的な開発や,
地域資源を生かした交流拠点の形成につきまして,
沿線市町村と共同で取り組んでいるところでございます。
また,本年度からは,
鉄道事業者の経営基盤の強化を目的といたしまして,
水海道以北の
単線区間への
ワンマンカー導入事業に対する助成を国とともに行っているところでございます。
いずれにいたしましても,常総線の複線化につきましては,
鉄道事業者が安心して事業化できるような
環境づくりが必要というふうに考えておりまして,今後とも,
沿線市町村や
関係機関と協力しながら,その条件整備に積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。
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◯新井委員 常総線の開発は,かねがね,茨城,そして,栃木,福島の3県がお互いに手を結んで内陸型の開発をしていく重要な起点と考えているわけであります。
それで,常総線の複線化とともに,我々は,真岡線との連携によって,またそれが白河まで続いていくというような,今,地域で大きな会議を持ちながら進んでいる実情もあるわけでございますので,きょうは時間がありませんから,もっと続けてお願いしたいんですが,真岡線等の今後の連携も考えた上での
常総線開発を力強くバックアップしてもらうことをお願いして,
企画部長への質問は終わらせていただきます。
続きまして,教育長にお願いいたします。
下館の
中央地区開発事業における
美術館整備に対する支援ということでありますが,まず,その前に,
下館中央地区再開発の関連でございます下館市の
美術館整備に対する県の支援について,教育長にお尋ね申し上げます。
まず,
県西地域への
県立美術館の設置についてでございますが,今,県民のニーズは,身近なところですぐれた
芸術作品を鑑賞できる機会の充実を求めております。水戸市に
県近代美術館,
県南地域の
つくば美術館,さらには,昨年11月に
天心記念五
浦美術館がオープンいたしまして,
県内各地に県立の美術館の整備が進んでおります。
一方,
県西地域,特にこの地域の
拠点都市であります下館市には,文化勲章の陶芸家の
板谷波山先生,洋画家の
森田茂先生,さらには,
日本芸術院賞受賞者の
書道家浅香鉄心先生等,すばらしい芸術家を輩出しております。地元住民からも
美術館設置について強い要望がございまして,
県西地域にぜひとも県立の
美術館建設を進めるべきであると考えております。
そこで,
県西地域の
県立美術館の設置について,教育長のお考えをお聞かせ願いたいと思います。
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◯荒井委員長 齋藤教育長。
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◯齋藤教育長 御質問の
県西地域への
県立美術館の設置についてでございます。
御案内のように,本県には,既に3つの
県立美術館がございますが,
近代美術館,
つくば美術館,それから,昨年の11月に開館いたしました
天心記念五
浦美術館が,それぞれの特色を持ちまして,本県の芸術・文化の振興を図っているところでございます。
ところで,より身近な場所ですぐれた
芸術作品を鑑賞できる美術館などが
県内各地にできますことは,その地域の住民にとりましても非常に望ましいことでございます。したがいまして,下館市に県立の美術館ということではなくて,下館市において市の美術館を設置するという場合には,県といたしましても,その支援ができるかと,そういうふうに考えております。
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◯新井委員 県立美術館につきましては,今後,討議の段階に置くということで,要望といたしますが,
県西地域の
美術館設置については,現況の状況では難しい面があると思います。しかし,市の財政状況からいっても,
市立美術館では住民のニーズにどれだけこたえられるか不安な面もございますので,ぜひ県立の設置をお願いするという要望をしておきます。
そこで,今,教育長から御答弁にもございました,
下館市立美術館を設置する場合にはどのような支援が得られるのか,お聞かせ願います。
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◯齋藤教育長 県においてどのような支援ができるかということでございますけれども,一つには,これまで整備してまいりました
県立美術館の関係から,美術館の整備,あるいは管理運営に係る助言ということが一つできると存じます。
それから,財政的な支援が考えられます。この財政的な支援についてでございますけれども,市町村が建設しました文化施設に係る最近の財源調達の状況から見てみますと,例えば,国の
ふるさとづくり事業の中で,
元利償還金の
地方交付税措置がございます
地域総合整備事業債の活用や,県の
市町村振興事業費補助金等の補助金の導入により対応しているところでございます。
市町村の美術館の整備に対します補助金についてでございますけれども,財政困難な折でもございます。早急にとは申せませんけれども,今後の課題として,
教育委員会といたしましては受けとめさせていただきたいと存じます。
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◯新井委員 ありがとうございます。
それでは,次,
土木部長さんにお伺いいたします。
本地域の
道路形態は,
東西方向に国道50号が走り,南北方向に 294号が走り,これを補完する形で,市街地から
石岡下館線,
下館つくば線,
下館三和線の
主要地方道路や,
一般県道下館高田線,
下館八木岡線が放射線状にネットワークされております。このうち,
東西方向については,唯一の
骨格道路である国道50号に交通量が集中し,ほぼ全域で混雑している状況にあります。地域の東西を連結する新たな道路の整備並びに
広域的交通の
利便性向上や,北関東諸地域との新たな
地域間交流の活性化を促進するために,
北関東自動車道への
アクセス道路の整備が必要であると思われております。
そこで,質問いたします。
まず,国道50
号下館バイパスの
進捗状況と今後の見通しについてお尋ねいたします。
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◯荒井委員長 不破土木部長。
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◯不破土木部長 国道50号の
下館バイパスの
進捗状況と今後の見通しについてでございますが,国道50号は,国が管理いたします
主要幹線道路でございますが,御質問の
下館バイパスは,現在,4キロメートルが事業中でございます。このうち国道 294号から
県道高田下館線までの約 2.3キロメートルの区間につきまして改良工事を実施中でございます。そして,この区間につきまして,本年4月には暫定2車線で供用が図られる見通しとなっております。これも,ひとえに,委員を初め地元の皆様の御協力の賜物と,心から感謝する次第でございます。
また,残る県道の
高田下館線から国道50号の現道までの約 1.8キロメートルの区間につきましては,引き続き,用地取得を進め,早期に工事着手し,開通できるよう,国に対し強く働きかけてまいりたいと考えております。
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◯新井委員 続きまして,国道 294
号下館バイパスの
下館地域より南側の4車線への
取り組み状況についてお尋ねいたします。
これは,県としても,
重要道路として国の方に積極的にお願いしているようでございますので,その状況もお聞かせ願いたいと思います。
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◯不破土木部長 国道 294号についてのお尋ねでございますが,当道路は県が管理する筑西地域の
幹線道路でございます。その
下館バイパスの4車線化は,現在,栃木県境から国道50号付近までの約6キロメートル区間につきまして,もう既に4車線として整備が完了いたしてございます。
しかしながら,国道50号との
交差点付近につきましては,朝夕の混雑が著しい状況にございます。そういうことで,国道50号付近から旧 294号の交差点までの約3キロメートルの区間を
下館南工区といたしまして位置づけをし,平成10年度に
国補事業の採択をしていただけるよう国へ要望しているところでございます。
本年度は,事業化に向けた
道路設計のための各種調査を行っておりまして,
国補事業の採択は早期に工事に着手できるよう努めてまいりたいと考えております。
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◯新井委員 続いて,
県道下館つくば線の
下館バイパスの
都市計画決定に向けた
取り組み状況についてお伺いしたいと思います。
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◯不破土木部長 県道下館つくば線の
下館バイパスの
取り組みについてでございますが,下館市の一本松地内の国道 294号から東へ,大塚地内の
下館つくば線現道までの間約3キロメートルにつきまして,現在,ルートを検討いたしております。
現在,下館・
結城都市圏総合都市交通体系調査というものを実施中でございまして,その中では道路網の
マスタープランづくりを進めておりまして,ことしの5月には策定される予定となっております。その
マスタープランの中で,この区間は,下館市の
環状道路の一部として位置づけられることになっております。
今後は,これをもとに,建設省,農林水産省など
関係機関と調整に入り,調整が整い次第,
都市計画決定の手続を進め,事業化を検討してまいりたいと考えております。
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◯新井委員 この
バイパスは,先ほど申し上げましたとおり,50号の緩和の一環をなしておりますので,
都市計画をなるべく早い時期に決定願いたいと思います。
続いて,
県道高田下館線の
バイパスの整備と
進捗状況についてお尋ねいたします。
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◯不破土木部長 県道高田下館線でございますが,当路線は,下館市と栃木県二宮町を結ぶ主要な道路でございます。
その
高田下館線の
バイパス整備でございますが,現在の
道路幅員は非常に狭く,また,屈曲部が多いために,交通の障害となっております。これを解消するために,下館市川澄から羽方までの延長約3キロメートルの区間につきまして,平成8年度より
バイパスとして事業を進めているところでございます。
この路線につきましては,地元の協力が非常に得られまして,現在,既に,一部工事に着手いたしたところでございます。今後とも,下館市の協力を得ながら,当
バイパスの事業の進捗を図ってまいりたいと考えております。
また,北側の残る区間につきましては,現在,整備中の区間の
進捗状況を見ながら,今後,その事業化について検討を進めてまいりたいと考えております。
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◯新井委員 続いて,下館の駅前の
都市計画道路稲荷町線についてでございますが,これは,先ほど下館市の
中央地区再開発の問題等とも絡んでいる問題でございまして,現在,住民から,もう県に既に
沿線商店街から同意書が届いていると思いますが,今,事業化されている区間の
進捗状況を,まず,お聞かせ願いたいと思います。
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◯不破土木部長 お尋ねの稲荷町線は,
JR水戸線の
下館駅前から国道50号に至る幅員16メートル,延長 680メートルの
都市計画道路でございまして,下館市の
中心商店街を通る目抜き通りに当たっている路線でございます。
このうち国道50号から下館市
中央地区再
開発事業の区域までの約 140メートルの区間につきまして,平成2年度に事業化し,現在,用地買収を進めております。
当地区は,
借地借家人が多く,
土地所有者との話し合いが難航していることもありまして,用地交渉に時間を要しております。現在までの
用地取得状況は約68%となっております。今後とも,地元の協力を得ながら用地の確保に努め,事業の進捗を図ってまいりたいと考えてございます。
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◯新井委員 残りの
中央地区地点から駅までの今後の
取り組みについてお伺いしたいと思います。
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◯不破土木部長 残りのまだ事業化していない区間についてでございますけれども,
中心市街地の核となる地域でございますので,
地元商店街と一緒に
まちづくりについて検討をする必要があると考えております。既に
地元商店街と,県,市,それから,
商工会議所などで構成いたします
商業近代化実施計画策定委員会におきまして,商店街の活性化についての検討を進めております。空洞化の進行している中心地の活性化を図るため,今回,新たに,現在の国会に提出されておりますが,通称「
中心市街地活性化法案」というのがございます。この法律が成立しますと,
土地区画整理事業でございますとか,あるいは道路等の公共施設の整備と同時に,
商業施設等への支援措置を一体的に進めることができまして,
中心市街地の活性化に向けた
まちづくりを総合的に推進することが可能になると考えておりまして,今後,検討していく上に当たりましては,これが有力な手段となり得ると考えております。
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◯新井委員 最後になりますが,
都市計画道路小川女方線の
供用開始の見通しについてお尋ねいたします。
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◯不破土木部長 都市計画道路小川女方線につきましては,現在,
県道小川川島停車場線と国道50号を結ぶ約 1,780メートル区間の整備を昭和63年度から進めているところでございます。このうち県道から
川島小学校付近までの約 1,060メートルの区間につきましては,平成7年度までに工事を完了いたしてございます。現在,
JR水戸線を立体でまたぎまして,国道50号までの残りの区間約 720メートルを工事中でございます。平成10年度は,跨線橋の桁を架設するとともに,舗装や照明灯の設置などを行い,平成10年の秋には全区間の
供用開始ができるものと考えております。
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◯新井委員 以上で,
土木部長さんへの質問は終わります。
続いて,福祉部長さんにお願いいたします。
現在,下館市の心身障害者福祉センターへ通所している障害者が非常に困った状態に置かれております。障害者が狭い一つの部屋で生活をしておりますので,行動が制約され,ストレスがたまり,部屋から飛び出し,福祉センターに来ているお年寄りたちに迷惑がられております。障害者はつらい環境に置かれているわけであります。今後も,養護学校を卒業し,センターに通所を希望する障害者もふえる一方ですので,県としての支援はどのようにしていくのか,お伺いしたいと思います。
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◯荒井委員長 石川福祉部長。
32 ◯石川福祉部長 お尋ねの下館市の心身障害者福祉センターについてでございますが,下館市といたしましては,障害者とお年寄りが一緒に利用できますように,昭和59年に心身障害者福祉センターと老人福祉センターの機能をあわせ持った総合福祉センターというものを整備したものでございます。その後,利用者の増加に伴いまして作業室などが狭くなったために,平成7年に心身障害児,あるいは障害者の団体から,作業訓練や機能回復訓練などを行う障害者単独の施設を新たに整備してほしいという御要望がございまして,市といたしましては,一部改修を行うなどして対応してきたところでございますけれども,昨年の11月に,市に対し,再度,同様な趣旨の要望がございまして,現在,新たな施設整備について検討しているということでございます。
いずれにいたしましても,市からまだ具体的な話がございませんので,具体的な協議があった段階で市と十分連携を図りながら対応してまいりたいと考えております。これは,県の単独事業で補助制度がございます。
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◯新井委員 今後,積極的な指導をよろしくお願いいたしまして,福祉部長の質問を終わります。
衛生部長さんにお願いいたします。
過日,石川委員から献血の問題が提起されまして,非常に県内注目の事件になってしまったわけですが,献血におきましては,常に安定的に供給することは県民の命を守る上で最も基本的なことであります。
昨年,県内唯一の献血の採血供給機関である茨城県赤十字献血センターにおいて労働争議が発生して,一時的にではありますが,県内で必要とする献血の実に9割も他県に依存せざるを得ない状況になりました。北は北海道,南は沖縄から空輸されたと聞いておりますが,さらに,血小板製剤のように有効期間が採血したときから72時間と非常に短いものがあることを考えあわせますと,本当に鳥肌のたつ思いであったわけであります。
このような事態について,自民党としても極めて憂慮し,労使双方に正常化の働きを打ってきましたが,昨年12月1日に,橋本知事立ち会いのもと,献血センター労使間で献血体制の確保に関する確認書が取り交わされ,基本的な合意が成立したと聞いております。
そこで,その後の献血センターの体制改善などどの程度進んでいるのか,衛生部長にお伺いいたします。
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◯荒井委員長 牛尾衛生部長。
35 ◯牛尾衛生部長 確認書締結後の血液センターにおける体制改善の
進捗状況についてお答えいたします。
おかげさまで,昨年の労働争議の最大の原因でありました夏期一時金の問題につきましては,12月17日に妥結しました。そのほか,第3回定例会で御指摘のありました献血ルームへのタクシー利用による通勤など一部は改善されたところでございます。
しかしながら,確認書の大きな柱の一つであります健全な労使関係というものがまだ確立されていないため,労働基準法36条に基づく協定の完全締結や,移動採血車の休日,祝祭日の運行などについてはまだ解決されておりません。そのため,2月時点におきまして,県内で必要とする血液の約3割をまだ他県に依存している状況でございます。
36
◯新井委員 今の答弁によりますと,まだ未解決の問題があるようでございますが,これは,献血センターにおける労働争議が昨年に限ったことではなく,過去20数年にわたり続いているということでありますので,したがって,今後も引き続き県が積極的に指導,支援を行っていくことが必要でないかと思われます。この点についてどのように考えているか,お伺いいたします。
37 ◯牛尾衛生部長 委員御指摘のとおり,血液センターにおきましては,相対峙する2つの労働組合がありますこと及び長期にわたる異常ともいえる内容の労使協定が積み重なっていることなど,体質上の問題がございます。したがいまして,その解決にはまだかなりの紆余曲折が予想されます。
このため,県といたしましては,日本赤十字社茨城県支部に対しまして,労使を含めた関係者による協議の場を設けるように指導しまして,去る2月25日,茨城県赤十字血液センター血液供給安定化懇話会が発足したところでございます。
さらに,血液センターの円滑な管理運営を確保するため,職員の派遣増強についても検討を進めるなど,今後とも積極的に指導してまいる所存でございます。
38
◯新井委員 献血センターにおける献血の供給体制の改善については,ただいまの答弁で理解いたしましたが,引き続き,なお一層の努力をお願いしたいところでございます。
しかしながら,一方,県民に献血の重要性を理解していただき,より多くの献血者を確保する必要もあるのではないかと思われます。下館市の場合,ライオンズクラブなど積極的に協力している団体もありますが,他県と比較した場合,本県の献血率は低いと聞いております。
そこで,他県に比べ,本県の献血状況はどのようになっているのか,また,県では,献血者確保のためにどのような対策を講じているのか,最後にお伺いいたします。
39 ◯牛尾衛生部長 本県における昨年の献血者数は,労働争議の影響もありまして,約8万7,000 人となっております。これを県人口対比でみますと2.9%で,全国平均の4.8%を大きく下回っております。このため,県民の皆様が献血しやすいよう県が助成いたしまして,来る5月2日,日立市に新しい献血ルームが開設される予定となっております。
また,県民一人一人が献血の重要性を理解し,御協力いただくためには,ライオンズクラブなど関係団体の御支援のもとに,今年度から下館地区を初め県内6カ所において移動採血車の運行とあわせて,献血推進のためのキャンペーンを積極的に推進することといたしました。
40
◯新井委員 それでは,衛生部長への質問は終わらせていただきまして,県警本部長さんに,代行運転の対応についてお伺いいたします。
現在,茨城県のタクシーは,御承知のとおり,規制緩和の真っただ中にありまして,そして,また,この不況の中で,非常に厳しい経営状況の中で運行しているわけでございます。現在の状況は,会社が275社,台数が3,705台という状況の中で運行しているわけですが,現実は,この70%前後が実働稼働の状況であります。
そのような中で,サービス向上を上げ,また,観光茨城の一環も兼ねまして,乗務員等の教育にも十二分配慮して努力している業界であるわけですが,我々の,今,業界の中で非常に問題になっているのが代行運転の現況の状況であります。実質的な白タク営業がなされ,本来の代行ではなくて白タク営業をしている実情が非常に見受けられる現況であります。しかし,なかなか状況がしっかり定められないものですから手が打てないというようなことがあります。
それと,また,事故が非常に多発しております。我々の自賠責は10万円強でございますが,一般自家用車では1万 8,000円ぐらいの差があるわけです。そのように不安定な白ナンバーの運行が今後横行しますと,我々業界との摩擦ももちろんのこと,住民に対する不安な運行ということになりますので,その辺の
取り組みを本部長さんにお伺いしたいと思います。
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◯荒井委員長 千葉警察本部長。
42 ◯千葉警察本部長 委員も御案内のことだろうと思いますけれども,運転代行業者というのは,実は,現在,事業を開始するに当たりましての法的な規制は全くございません。私どもといたしましても,その実態の把握が大変難しい状況にございます。
しかし,現在,私どもが把握している代行業者というのは,県内では50業者ございまして,このうちの約半数が茨城県運転代行サービス組合,または茨城県運転代行事業協同組合というものに加入をしている実情でございます。
警察といたしましては,陸運支局とも連携を強化をいたしまして,これらの業界団体を通じて,適正な事業のあり方といいますか,こういうものについて指導を行ってまいったところでございますし,そういう過程の中で取り締りも実施してまいったということでございます。
ただいま委員の方から白タク行為が目に余るという御指摘がございましたけれども,実は,この白タク行為につきましては,運転代行の代行形態によって白タク認定上に非常に大きな疑義があることも御案内のとおりだと思います。
一方,私どもも限られた人員の中で仕事をしている関係がございますので,この取り締りについて完全を期すというわけにはなかなかまいらないというのが実情でございますけれども,いずれにしても,委員の御指摘もよく理解できるところでございますので,陸運支局等との連携を強めながら,交通安全の指導なり,あるいは代行業者に対する違法行為の防止についての指導を行いますとともに,あわせて,白タク事犯につきましても取り締りを強化してまいりたいというふうに考えております。
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◯新井委員 県警本部におかれましては,かつて7年度の
予算特別委員会で,大工町の駐車場等の問題をお伺いしたところ,速やかな答えをいただきまして,今,整然と大工町も路地にタクシーがとまっているというようなことがないようになりましたので,この席で感謝しまして,質問を終わらせていただきます。
あと1分26秒ありますので,最後に,一言,知事に要望して終わりたいと思います。
今回の平成10年度の予算,非常に緊縮財政で,将来的に 1,400人近いリストラをして財政改革に入るというような内容を骨格にした予算でありますが,今,国が,今回,とりあえず2月に2兆円の減税,そして,また,今後,本予算が通った後に大型補正をしても景気を回復させたいというような意欲で臨んでおる現況であるわけです。そういうことを踏まえますと,茨城県が余りに緊縮の財政面だけを県民に与えてしまうと,やはり全部貯金に回ってしまうというようなおそれが私はあると思いますので,今後,国の経済の動向をよく見まして,景気の対応に十分力を入れていただきたいと思うわけであります。
知事のお顔はえびす顔でございますので不景気には向きません。景気のいい顔をどんどん見せていただいて,茨城の力をつけていただきたいと思いますことを要望して,終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
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44
◯荒井委員長 次に,大和田委員。
45 ◯大和田委員 自由民主党の同じく大和田稔でございます。
通告に従いまして,御質問させていただきたいと思います。明快な御答弁をお願いいたしたいと思います。
初めに,新年度予算におきましては,医療福祉制度への自己負担金導入について,福祉部長にお伺いいたします。
県は,これまで,迫り来る少子・高齢社会を踏まえて,福祉医療制度の充実に努めてまいりました。中でも,少子化対策の一環として,3歳未満の乳幼児や,社会的,精神的負担の多い母子家庭,また,重度心身障害者に対しても医療費の無料化施策を進めて,福祉施策の一つの柱として,年々,整備拡充を図ってきたところであり,高く評価をされております。他県に誇れる制度でございます。
また,この福祉医療制度はマル福制度と呼ばれ,医療保険の一部負担額を公費で助成する無料化施策として県民に広く定着している制度であります。
さて,県は,平成10年度の予算編成に当たり,事務事業の全般にわたる徹底した見直しを行い,財政の健全化に向け努力をされておりますが,この事務事業の見直しの一つとして,医療福祉制度についても自己負担制の導入が提案されております。
そこで,今回の医療福祉制度への自己負担金制度についてどのようなお考えで導入しようとしているのか,まず,お伺いいたします。
46
◯荒井委員長 大和田委員の質疑に対する答弁を求めます。
石川福祉部長。
47 ◯石川福祉部長 医療福祉制度への自己負担の導入の考え方についてお答えをいたします。
本格的な少子・高齢化社会を目前に控えまして,福祉施策の充実を求める声が県民の中でも高くなってきております。
しかしながら,委員御指摘のとおり,厳しい財政状況の中で,県民の要望にこたえるためには,応分の受益者負担を求めながら,福祉施策の拡大を図っていくということは時代の要請であり,また,必要であると考えております。
国におきましても,昨年9月には,老人医療制度や,あるいは12年の介護保険制度につきましても自己負担を求めておりますし,他県におきましても自己負担の導入が検討されていることなどを総合的かつ慎重に考慮いたしまして,できるだけ経済的な負担をかけないように,受診機会の多い重度心身障害者の方や入院を除きまして,1回 500円,月最高2回までで1,000円の自己負担というものをお願いすることにしたものでございます。
この自己負担額の導入につきましては,事業主体でございます市町村,あるいは医師会等々
関係機関など多くの方々の御意見を伺いながら設定したものでございますので,御理解のほどをお願いしたいと思います。
48 ◯大和田委員 その導入については,そうかということでございますが,今回の自己負担額については,外来1回 500円,1カ月2回を限度としているとのことですので,1人当たり年間最大で1万 2,000円の負担となるわけですが,この負担金導入による県への財政効果はどのくらい見込んでおられるのか,お聞きしたいと思います。
49 ◯石川福祉部長 自己負担の導入によりましてどのぐらいの財政効果があるのかという御質問でございますが,現行制度の乳幼児,母子家庭の医療費につきまして,外来に限り1カ月1,000 円ということで負担をお願いいたしますと,1年間で計算した場合に,最大の見込み額といたしまして,県の負担分で約5億 4,000万円程度になると推計をいたしております。この事業の実施主体である市町村におきましても同額が軽減されるということになるわけでございます。県といたしましては,この節約された財源というものを,10年度に新たに創設いたします妊産婦及び父子家庭に対する医療費の助成制度などの福祉施策に振り向けることといたしております。
50 ◯大和田委員 福祉施策については,単に採算性のみを考えるべきではないという根強い考え,意見もありますので,1カ月 1,000円になるこの自己負担額について,将来,削減などの見直しをすることも考えているのかどうか,今後の医療福祉制度について,福祉部長の御所見をお伺いいたします。
51 ◯石川福祉部長 自己負担額を見直す考えがあるかという御質問でございますが,先ほど申し上げましたように,この自己負担額につきましては,事業実施主体でございます市町村,あるいは医師会等
関係機関など多くの方々の御意見を伺いながら設定をしたものでございますので,まずはこの負担金で10年11月から実施したいと思っております。
ちなみに,老人医療では,外来が1月最高2,000円まで,入院は1日1,000円の一部負担となっておるわけでございますが,マル福につきましては外来のみで,その半分に当たる1月最高 1,000円までを限度にお願いしたところでございますので,御理解を賜りたいと存じます。
また,今後の医療福祉制度につきましては,平成12年度に予定されております国の医療保険の抜本改正の動向,あるいはこの事業の実施主体となる市町村の意向,または今後の財政状況などを総合的に勘案して対応してまいりたいと,このように思っております。
52 ◯大和田委員 平成12年の抜本改正を踏まえてということでございますので,福祉関係はこのぐらいにして,次の質問に入りたいと思います。質問を終わります。
次に,取手競輪場の活用方策について,総務部長と福祉部長にお伺いしたいと思います。
まず,取手競輪場の運営状況について,総務部長に伺います。
取手競輪場は,昭和25年に開設されて,収益の一部を県の一般会計に繰り入れるということで,長年にわたり県の財源確保に重要な役割を果たしてまいりました。また,地元の取手市においても,昭和32年に開催権が認められ,その収益は市の財政にも貢献してまいったところです。競輪事業は貴重な自主財源を生み出すものでありますが,バブル経済の崩壊と時期を同じくして売り上げが悪化しつつあり,県の一般会計への繰入額が減少しているやに聞いております。
そこで,ここ数年における県主催の競輪の観客数,売り上げ金額,一般財源への繰入額の状況と売り上げ悪化の要因について,総務部長にお伺いいたします。
53
◯荒井委員長 川俣総務部長。
54 ◯川俣総務部長 お答えいたします。
まず,県営取手競輪の運営状況についてでございますが,委員御指摘のとおり,その経営環境は大変厳しいものがございます。
お尋ねの入場者数や車券売り上げの状況につきましては,平成2年度をピークにしまして,それ以降,年々減少の傾向にございます。このような傾向は全国的に見ても同様でございまして,また,唯一,売上高が微増傾向にあります中央競馬を除きまして,競艇やオートレースなど他の公営競技につきましてもほぼ同じような状況で推移してございます。
県営取手競輪の最近の3カ年間の状況を具体的な数字で申し上げますと,入場者数につきましては,平成6年度では年間約44万 3,000人でございましたが,平成7年度では約40万人,平成8年度では約36万 6,000人となっており,各年度それぞれ10%程度の減少傾向を示してございます。
また,車券の売り上げでございますけれども,平成6年度で約 275億円,平成8年度では約211億円,対前年度比で毎年約12%から13%の減少状況となっております。
こうした状況から,一般会計への繰出額につきましても,平成5年度では約34億円ございましたけれども,その後の3カ年間は毎年約20億円程度と下がってきております。
なお,平成9年度,今年度につきましても約11億円まで減少する見込みでございます。
次に,これら売り上げ悪化の要因でございますけれども,主として,バブル経済崩壊後の長引く景気の低迷によるものと思われますが,そのほか,近年のレジャー産業の多様化,それから,若い世代など新しいファンが獲得できないという関係,さらには,取手競輪場固有の問題としまして,施設の老朽化等も考えるところでございます。
また,これらの要因に加えまして,売上額に応じまして,その一定割合を納付することになっております日本自転車振興会等への交付金制度がございます。これも収益の面に大きく影響しているところでございまして,例えば,平成8年度で申し上げますと,売上額の約5.3%,金額で約11億3,000万円を納付しておりまして,これも事業経営を圧迫している一因と考えられます。
以上のようないろいろな要因が関連しまして,現在のような厳しい経営環境をもたらしているというふうに受けとめておるところでございます。
55 ◯大和田委員 売り上げが年々落ちているということであれば,主催者として憂慮すべき事態であると思います。県として,売り上げを改善する方策としてどのようになものを実施しているのか,また,今後,どのようなものを実施したいと予定しているのか,お伺いいたします。
56 ◯川俣総務部長 車券売り上げが年々減少にありますことは,競輪事業の目的でございます自主財源の確保の面からも大変大きな問題でございます。
このため,車券売り上げの改善方策といたしまして,昨年度は,快適な環境で観戦できるようにということで,特別観覧席の大幅な改修を行いましたし,今年度は,車券につきまして,従来は枠番制というのをやっておったわけでございますけれども,それに加えまして,車番制を導入しました。また,迫力あるシーンを提供しようということで,大型映像装置も設置したところでございます。
さらには,事業運営の効率化というのを図ろうということで,自転車競技事務所というものがこれまで水戸にあったわけでございますけれども,それを現地に移転するなど,いろいろ経営改善に積極的に取り組んでまいっているところでございます。
また,来年度,平成10年度につきましては,特に取手で開催しております記念競輪の場外車券発売所を大幅にふやしたいというふうに考えておりますし,また,通信衛星──CS放送でございますけれども,それを使った競輪の放映を行っております。その放映回数を従来よりもふやして,電話投票の拡大というものも推進してまいりたいというふうに考えております。
なお,今年度,競輪関係者等からなります検討委員会というものを設置しておりますので,その中で中長期的な視点に立った競輪場の基本的な振興方策について調査検討を行っているところでございますが,今後は,これらの結果を踏まえながら,施設の改善,あるいはイメージアップなど具体的な活性化のための対策に積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
さらに,先ほどお話しました日本自転車振興会等への交付金につきましてもかなり負担が大きくなっておりますので,昨年12月に,通産省等へ交付金の軽減について要望したところでございますけれども,今後とも,他の施行者,ほかの県でもやっておりますので,そういうところと一緒になって,引き続き,その改善方について強力に働きかけてまいりたいというふうに考えております。
57 ◯大和田委員 それでは,次に,競輪場の活用方策についてお伺いします。
取手競輪場の敷地は,JR取手駅より徒歩で5分の至近距離にありまして,風光明媚な高台に位置し,地元取手市はもとより,常総線沿線30万人住民の貴重な公共空間であると考えます。
先月末に,取手市から県に対し要望書が提出されており,その中で,競輪場の約10万4,000平方メートルという広大な敷地を有効に活用するということで,競輪場内に県立の仮称県南総合福祉センターというものを建設してはどうかという意見,要望が出されておりますが,競輪場の恵まれた立地条件を考えれば,有効な利用方策ではないかと思います。
そこで,競輪場内に県立の仮称県南総合福祉センターを建設の関連事柄について,総務部長と福祉部長にお伺いいたしたいと思います。
また,取手市の要望に,東京芸術大学の学生により,競輪場の壁面に絵をかいてもらってはどうか,そういう要望がありまして,県として助成処置が設けられないかということでありましたので,そういうユニークなアイデアについて,助成処置を含めて,総務部長はどのようにお考えなのか,お聞きいたします。
58 ◯川俣総務部長 今,委員から陳情のこともございまして,私も承知しております。
その中で,取手競輪場内に県立の県南総合福祉センターというものを建設してほしいというようなことがあったかと存じます。
御案内のとおり,取手競輪場につきましては,公営競技を行う専用の施設ということでございます。今後,先ほど申し上げましたとおり,非常に厳しい環境にございますので,取手の競輪をこれから守り立てていこうということでございますので,今後は,取手で行う通常開催に加えまして,他場で行われる特別競輪というものがございますので,それの場外発売というものをあそこの取手競輪場でやろうということで,しかもそれを大幅にやっていきたいというふうに考えております。そして収益を確保していきたいと考えておりますし,そういうことで,いろいろあそこの施設を改善したりして,専用施設としてやっていきたいということでございますので,御提案のあった施設について,あそこに併設ということはどうかということでございますけれども,現状では大変難しいのではないかというふうに考えておるところでございます。
なお,地域への貢献策につきまして述べさせていただきますと,昨年度から,県内の施行者が共催によって取手けいりんフェスティバルというものを開催しまして,広く市民の方々にあそこに来ていただいて,レクリエーションなどを楽しんでいただいておるところでございます。また,さらに,広い駐車場がございますので,地元からいろいろ要請がございます。例えば,取手市観光協会が主催します桜祭り,あるいは町内会の防災訓練などにあそこの駐車場を使いたいというような要請がございますので,それについては使っていただいて,活用を図っていただいておるところでございます。そのほかにもいろいろ使ってもらっております。そういうことでございますので,今後とも,非開催日におきます施設の開放につきましては,できる限り地元の要望等に沿ったように対応してまいりたいというふうに考えております。
また,もう1点,東京芸術大の学生によります壁画デザインの件でございますけれども,その件につきましては,地域の方々,あるいは学生にも競輪場に親しんでもらえるということ,また,ある意味では芸術的な雰囲気づくりがされるんで,話題性も出てきて,あそこのイメージアップも図れるというようなこともあろうかと思います。大変そういう面では意義のあるものというふうに考えますので,今後,その実現方策がとれるかどうか,地元の取手市や,あるいは大学側と相談してまいりたいというふうに考えております。
59 ◯大和田委員 総務部長への質問は終わります。
次に,今の問題について,県南総合介護福祉センター──仮称ですが,そういうことでございますので,総務部長の御答弁では,建設がなかなか困難であるということでございますが,福祉部長のお考えはどのようなものか,お聞きします。
60
◯荒井委員長 石川福祉部長。
61 ◯石川福祉部長 競輪場内に県立の県南総合福祉センターを建設することにつきましては,先ほど総務部長がもろもろの理由によって困難であるというふうにお答えをいたしておりますので,私からのコメントは差し控えさせていただきますが,私からは,県立での社会福祉施設の整備の考え方について申し上げたいと存じます。
現在,国におきましては地方分権推進委員会,県におきましては行財政改革特別委員会を中心といたしまして,さまざまな行財政改革の推進が図られておるところでございますが,その中で,県と市町村の役割分担の見直しというものが行われております。その中で,県の役割といたしましては,市町村が単独では実施できないような広域的,あるいは専門的な分野を担当し,市町村におきましては,住民に最も身近で基本的なニーズに対応するきめ細かなサービスを提供することがその役割ではないかと,そのようにいわれておるわけでございます。
こうした観点から,福祉・保健サービスというものを考えてみますと,平成12年度からスタートする介護保険制度におきましても,サービス提供の基盤づくりというのは各市町村の重要な役割ではないかと,このように思っております。したがいまして,総合福祉センターの建設につきましても,身近な福祉・保健サービスの総合化という視点を生かしまして,県立施設というよりは,むしろ住民の多様なニーズにこたえるサービス拠点として,市町村みずからが国や県の財政的な支援を受けながら整備すべきものと考えております。
62 ◯大和田委員 総合福祉センターの建設は困難であるということですが,あれだけ立地条件が恵まれた土地を有効に活用できないかということが地元の悲願であります。戦後復興のため,何らかの支援策に基づいて始まった競輪事業であると思います。復興目的も達せられたと考えられているこの現在,時代の趨勢でもあり,何らかの有効な活用が図られるよう手だてを考えていただくことを強く要望いたしまして,質問を終わります。
63
◯荒井委員長 暫時休憩いたします。
なお,再開時刻は,午後1時を予定いたします。
午前11時40分休憩
───────────────────────────────
午後1時1分開議
64
◯荒井委員長 休憩前に引き続き,委員会を再開し,質疑を続行いたします。
───────────────────────────────
65
◯荒井委員長 井手委員。
66 ◯井手委員 公明の井手義弘でございます。
衛生部長,生活環境部長,そして,
土木部長に御質問をさせていただきたいと思います。
質問は簡潔に行いますが,どうか御答弁は丁寧に,明確に,そして,実のある御答弁をよろしくお願いをしたいと思います。
それでは,最初に,衛生部長にお伺いをいたします。
昨年の秋,私は,ある御婦人から相談をお受けをいたしました。その内容は,きのうまで元気であった娘さんが,血液のがんともいわれます急性リンパ性白血病に冒され,緊急に入院をしたという内容でございました。
そして,さらに,その方の周囲には,近年,複数のお子さんが白血病などの血液の病気で入院をしたり亡くなっているという御相談をいただいたわけであります。
早々,県や保健所とも相談をいたしまして,付近の実態を調査いたしました。その結果,その周辺で,ここ五,六年のうちに,急性リンパ性白血病,血小板減少性紫班病,再生不良性貧血などの病気により,未来を担うべき少年,少女が病に冒されているという事実が判明をいたしました。こうした血液の病気をより身近なものとして実感をする結果となったわけでございます。
白血病などの血液の病気に関しましては,現在,骨髄移植が行われております。しかし,骨髄移植は,提供者──ドナーに全身麻酔が必要で,負担が大きく,普及が余り進んでいない現実がございます。
そこで,骨髄移植にかわって,赤ちゃんの出産時に,今までは捨てられておりましたへその緒などに残る血液──これを臍帯血というふうに呼ぶそうでございますが,この臍帯血を移植する研究が進んでおります。
この臍帯血の移植はドナーへの負担も少なく,骨髄移植よりも簡単,安全な治療法として,臍帯血を冷凍保存して保管し,必要な患者さんに移植用の臍帯血を提供する臍帯血バンクの設立が待望されております。
我が公明でも,昨年の夏,公的な臍帯血バンクの設立に向けての署名運動を県内を初め全国で展開をいたしました。県内では2万名以上,全国では37万名以上の方々に御賛同をいただき,署名をいただくことができました。
こうした県民の声を受けて,10年度の予算要望にも臍帯血バンクの設立に向けて準備予算の計上を知事にお願いをしたところでございます。
そこで,衛生部長にお伺いをいたします。
白血病や再生不良性貧血の治療法として,こうした臍帯血移植の有効性について,専門家の間ではどのような評価がなされているのでしょうか。まず,お伺いしたいと思います。
67
◯荒井委員長 井手委員の質疑に対する答弁を求めます。
牛尾衛生部長。
68 ◯牛尾衛生部長 委員御指摘のとおり,最近,白血病,それから,再生不良性貧血といった血液疾患の治療法としまして,へその緒,あるいは胎盤に含まれる血液を利用した臍帯血移植というものの実用化が期待されているところでございます。
この臍帯血移植は,これまで実施されてきました骨髄移植とその目的とするところは全く同じでございますが,手法によりまして若干の違いがございます。
そういう意味で,骨髄移植としてこの臍帯血との比較を申し上げますと,まず,利点でございますが,移植が必要なときにすぐに利用できる。それから,移植の際には副作用としましてさまざまなものがあるわけなんですけれども,そのうちの最も重篤な副作用であります対移植片拒絶反応というものが臍帯血移植の場合には極めて少なく,白血病の型が不一致でも利用できる可能性がある。それから,臍帯血の提供者である母体,新生児への負担が全くない。それから,採取が容易であるといった利点がございます。
しかしながら,一方,問題点としましては,提供者1人当たりからの採取量が限られているということから,体重50キロ以上の患者さんの治療には血液量が不足することが多いということで,現段階では,臍帯血移植は子供の場合に限られて行われています。それから,血液の保存費用が必要であるといった問題点がございます。
また,安全に臍帯血移植をするためには,臍帯血の採取,分離,検査,保存等解決すべき医学的な問題がございます。したがいまして,現在,国におきまして,臍帯血移植を推進する立場から,移植の安全性,有効性の研究や,臍帯血バンクの設置と運営上の課題等について検討がなされているところでございます。
しかしながら,多くの方々の強い要望がございますものですから,国としましても,保険適用については,本年の4月1日から適用されるということを聞いております。
69 ◯井手委員 ただいまの御説明を伺いまして,子供に対する白血病等の治療に対しましては,この臍帯血移植が非常に有効である,そのことがよく理解することができました。また,国においても,説明にございましたとおりに,4月1日からこの臍帯血移植で治療を行うことに関しましては保険が適用される。保険が適用されるということは,国もこの安全性,有効性を認めたというふうに私どもは理解をしているわけでございます。
それでは,こういう形で,子供の治療に限って言えば,臍帯血移植はまさによいことづくめの治療法であるというふうに私どもは思っているわけでございますが,この臍帯血の移植について,現在までの県の
取り組みはどのようなものがあったのか,御説明をいただきたいと思います。
70 ◯牛尾衛生部長 これまで,県といたしましては,既に公的バンクが設立されております骨髄移植を推進する観点から,茨城県骨髄移植対策連絡協議会を設置しまして,より多くの骨髄提供者の登録を進めるための対策を検討したところでございます。そして,近年になりまして,当初はこの骨髄移植を補完するものとして,そして,さらに,最近になりまして,その骨髄移植より,より安全で効果的な方法ではないだろうかということで臍帯血移植が注目されるようになってまいりました。そういうことから,同協議会──これは,骨髄移植対策という名称にはなっておりますが,その場におきまして臍帯血移植に関する情報を収集を始めたところでございます。
加えて,本県では,県内の中の唯一の骨髄移植の認定施設として,しかも,骨髄移植に積極的に取り組んでおります県立こども病院において,臍帯血移植に対する準備的な
取り組みを行ってきたところでございます。
具体的に申し上げますと,昨年の4月からでございますが,県立こども病院に隣接する周産期センターとの連携によりまして,同センターで出産された方々のうちで了解を得られた方々からの臍帯血の採取,保存を開始したところでございます。これによりまして,これまでに23の臍帯血を採取,保存しておりますが,これら採取しました臍帯血のデータにつきましては,非公的バンクであります神奈川県立こども医療センターに登録いたしまして,移植治療が可能となるよう準備を進めてまいったところでございます。
71 ◯井手委員 厚生省の資料等におきまして,現在,臍帯血を保存をしている都道府県立の医療機関を調べてみたところ,神奈川県のこども医療センター,それから,静岡県立こども病院など,ほとんど例というものは少ないということがわかりました。今の御説明にありました県立こども病院の
取り組みは,まさに全国的に見ても先駆的な事例,非常にすばらしい事業であったというふうに,私,個人的に敬意を表したいと思います。
さて,茨城県ではこうした実績があるわけでございます。その上に立って,平成10年度の臍帯血移植への
取り組み方について,具体的にどういう形をお考えになっているのか,御説明をいただきたいと思います。
72 ◯牛尾衛生部長 先ほども少し触れさせていただきましたが,この臍帯血移植につきましては,国におきまして,実用化に向けて着実かつ急速に条件整備を進めているところでございます。そういった観点から,公的な臍帯血バンクが設立されたときに,本県におきましても,直ちに移植治療が実施できますよう,平成10年度にそのための体制整備を図ろうというふうに考えているところでございます。
具体的には,臍帯血移植のためには,まず,採取した臍帯血の分離を行い,白血球の型などを調べるHLA検査をした後に一定の温度で冷凍保存する必要がございます。したがいまして,平成10年度予算におきましては,県立こども病院におきまして,それに必要な冷凍庫の整備等約500万円の予算措置をお願いしているところでございます。
73 ◯井手委員 今の御説明をいただきまして,500 万円の具体的な予算をつけていただいている。これは,ある意味では小さい額かもしれませんけれども,こういう病気をお持ちの方,また,臍帯血の提供を志している方については本当に心強い予算額だというふうに評価をするものでございます。
ただし,一言申し述べさせていただければ,現在,県立こども病院で行われている臍帯血の保存は,入院治療をしている患者さんの近親者や,また,知人から提供された臍帯血であると思います。また,周産期センターに入院をされているという一部の方の臍帯血であると思います。私が開設をしておりますインターネットのホームページには,臍帯血の提供を申し出る電子メールが数多く寄せられております。
そこで,どうか県内の主な産婦人科病院や県立中央病院など提供の意志のある妊婦からの要望にこたえて,臍帯血を採取できるシステムづくりを急いで行っていただきたいと要望させていただきたいと思います。毎年の出産数の1割の臍帯血の採取,保管ができれば,子供の白血病などの移植治療には十分な量の臍帯血が集まると言われております。かけがえのない子供の命を守るために,どうか今後の臍帯血移植の推進と公的バンク設立に向けての県当局の万全な準備をお願いいたすものでございます。
以上で,衛生部長への質問を終わります。
続きまして,原子力安全協定につきまして,生活環境部長にお尋ねをいたします。
現在,県と周辺市町村,そして,原子力の事業者とが結んでおります原子力安全協定は,原子力施設周辺の住民の命と健康を守り,地域の生活環境を保全するために,昭和49年12月に初めて締結されたものであります。
昨年の3月13日,動燃東海事業所におきまして発生いたしました火災爆発事故は,我が県の原子力行政に大きな課題を突きつけております。連絡通報体制の整備,広報体制の検討,環境モニタリング体制の強化,原子力事業者との連携強化など,その課題は多岐にわたっております。そして,何よりも原子力施設の安全確保に対する私たち自身の緊張感の継続が強く望まれているわけでございます。
この1年間,こうした課題に真っ正面から取り組まれてこられました橋本知事,金沢生活環境部長を初め所管課である原子力安全対策課の皆様の御努力に敬意を表するものでございます。
一連の動燃事故に関する対応策等につきましては,知事の所信表明や一般質問などで触れられておりますので,この場では原子力安全協定に絞って質問をさせていただきたいと思います。
知事は,これまで,安全協定の見直しを示唆をしておりましたが,事故後1年を経て,その見直しを急ぐ必要があると思います。
そこで,改定のめどをいつごろに置いているのか,現在までの検討の経緯を踏まえて,生活環境部長にお伺いをいたします。
74
◯荒井委員長 金沢生活環境部長。
75 ◯金沢生活環境部長 委員お尋ねの原子力安全協定の見直しの検討経過と改定の時期についてお答えをいたします。
県は,委員御指摘のように,昭和49年に,県,所在市町村,隣接市町村,原子力事業者との間で原子力施設周辺の安全確保及び環境保全に関する協定,いわゆる安全協定を締結をいたしまして,的確な運用に努めてきたところでございます。
動燃の事故を契機といたしまして,これまで,事故・故障の連絡対象になっていなかった常陸太田市や大宮町などから情報伝達を求める要望がありまして,県としても,事故時における通報連絡の範囲を広げる必要があるというふうな判断をいたしまして,昨年8月22日に,県が立会人となりまして,隣々接市町村と原研,動燃,原電の間で,別途,通報連絡等に関する協定を締結したところでございます。
その際,常陸太田市につきましては,東海村の原子力施設にも近く,隣接市町村として位置づけることが適当であるという判断をいたしまして,このため,先ほどの所在隣接市町村と締結をしております安全協定に常陸太田市を加えるということとして,年度内を目途に見直し作業を進めているものでございます。
76 ◯井手委員 今,部長から具体的に年度内という御答弁をいただきました。私は,今回の改定に当たっては,動燃の火災爆発事故だけではなく,原研東海研究所の火災事故も含め,通報連絡を迅速に,そして,確実に行う体制や,事故や故障の際の風評被害,要するに,うわさの被害を含む地元の被害に対する全面的な補償を明確にする必要があると考えております。
さらに,事故の対応だけにとどまるものではなく,原子力施設の新設や増設に対する事前の了解や放射性廃棄物の発生量の削減努力なども明示することも大切ではないかと個人的には考えております。
改定に当たっての基本的なお考え方を部長よりお聞かせいただきたいと思います。
77 ◯金沢生活環境部長 改定に当たりましての基本的な考え方でございますが,現在の安全協定は,基本的には問題があるとは考えておりませんが,動燃事故などを踏まえまして,より一層の安全管理の強化などを図るため,放射性廃棄物の保管の管理,放射性廃棄物の発生量の低減化,減容化,原子力施設の新増設に対する事前了解の明確化,事故・故障時における迅速な通報連絡,原子力施設が原因となって発生した損害の補償などについて,必要な整理,見直し検討を進めているところでございます。
また,現行の安全協定は,協定本文,覚書,運営要綱などから構成されておりますけれども,このうち覚書を廃止しまして,その内容を協定本文及び運営要綱に整理することといたしまして,全体として簡潔な内容にいたしまして,円滑な運用に努めてまいりたいというふうに考えております。
78 ◯井手委員 先ほどの部長の御答弁にもございましたけれども,今回の改定に当たっては,県のみならず,周辺の市町村からも十分に意見を聞くことが大切だと思います。周辺市町村との意見交換についてはどのように今回の協定改定の中で反映させるおつもりでいるのか,お聞かせいただきたいと思います。
79 ◯金沢生活環境部長 これまで協定当事者である関係市町村とも協議を行ってきております。この中で出されました立入調査を行う場合の要件の緩和でありますとか,事故・故障等の連絡事項をわかりやすく整理してほしいという御意見もございますので,その御意見も踏まえまして,改定案の整理を行っていこうとしているところでございます。
80 ◯井手委員 動燃事故から1年がたちまして,一連の事故を一応総括をして,今後の教訓といたすためには,この原子力安全協定の改定作業がぜひとも精力的に進められまして,実りあるものにしていただきたいと御要望をさせていただきまして,生活環境部長への質問を終わります。ありがとうございました。
3番目の質問に移ります。
3番目は,公共工事に関する一括下請,いわゆる丸投げの問題を取り上げたいと思います。
限られた県の予算を有効に公共事業に配分するためには,入札制度の改善とともに,建設業者に建設業法などの法令をしっかりと守らせることは,県は一層の努力を傾ける必要があると思います。
しかし,残念ながら,建設業法違反などにより,指名停止や行政処分が,最近,しばしば新聞などに取り上げられております。ごく最近も,平成8年度の公共土木事業で,法令で定められた専任技術者を置かなかったとの理由で1カ月の指名停止,さらに,営業停止の処分を受けた業者がおりました。
そこで,まず,
土木部長にお伺いをいたします。
近年の県内建設業者の指名停止及び行政処分の状況はどのようになっておりますでしょうか。
81
◯荒井委員長 不破土木部長。
82
◯不破土木部長 指名停止と行政処分の状況についてお答えいたします。
初めに,指名停止と行政処分,余り一般の方には違いがわからない部分があろうかと思いますので,一言だけその違いを述べさせていただきたいと思います。
指名停止は,各種法令等に違反したり,工事事故など安全管理が不適切であった場合などに,公共工事の発注者でございます県,あるいは市町村などが,当該業者を契約の相手方として不適切であると判断し,一定の期間,指名をしないこととする,いわば内部的な規制措置でございます。
一方,行政処分につきましては,建設業法に基づきまして,建設業者の監督権限を有する建設大臣,または都道府県知事が,建設業法違反や建設業の業務に関し,贈与,独禁法違反等他の法令に違反する事実があり,建設業者として不適正な者と認めた場合に,指示,営業の停止,許可の取り消しを行い,不正行為の是正,再発防止等を図るものであります。
それでは,指名停止及び行政処分の状況でございますが,近年の指名停止及び行政処分の状況につきましては,まず,指名停止でございますが,平成8年度は18件,57業者でございます。平成9年度は,現在までに17件,47業者が受けております。このうち建設業法違反を理由とするものは,平成8年度はゼロ件,平成9年度は6件,21業者となっております。
次に,行政処分でございますが,平成8年度は7件,60業者,そして,平成9年度は,現在までに8件,9業者でございまして,このうち建設業法違反を理由とするものは,平成8年度で2件,2業者,平成9年度は6件,6業者でございます。
83 ◯井手委員 こうした丸投げとか一括下請というような不正行為を調査する体制についてお伺いをしたいと思います。
最近の事例では,市民団体の指摘が引き金となって県の調査が行われた,そういう事例もあるというふうに聞いております。年間数千件という県が発注する公共工事のすべてに関して専任技術者の有無を確認することは非常に困難な作業であると思います。現在の制度において,建設業法に抵触するかどうかをチェックするシステムはどのようになっているのでしょうか。今回のケースのように,市民団体やマスコミ等の第三者の指摘がなければこうした調査は行われないのでしょうか。この辺に関しまして,部長の御所見,御説明をいただきたいと思います。
84
◯不破土木部長 不正行為のチェックについてでございますが,県におきましては,公共工事を請け負おうとする入札参加業者に対しまして,一定期間ごとに企業の経営状況などを審査する経営事項審査というものを実施いたしております。このため,県では,この経営事項審査の際に不正行為のチェックを行っております。この審査におきまして,建設業法に抵触する事項が明らかになった場合には,是正,あるいは処分を行っておるところでございます。
また,県工事の発注を行う各機関におきましても,工事現場を監督する立場から,建設業法の遵守につきまして,指導,監督を行っております。
さらに,県におきましては,本年2月1日付で,茨城県建設工事適正化指針を改定いたしまして,まず,2月から3月にかけまして,茨城県建設業協会会員に対して説明会を実施したところであります。
また,建設業協会の会員でない業者に対しましては,今後,毎年実施いたしております経営者研修会を例年より早く開催するなどいたしまして,早期に周知徹底を図ることといたしております。
また,公共工事を発注いたします県の各機関につきましては,その趣旨を周知させるために,文書指示するとともに,2月にはその内容の説明会を開いたところであります。
また,各市町村に対しましても,その周知徹底を図るべく,県と市町村で構成いたします茨城県公共工事契約業務連絡協議会を3月末に開催することといたしております。
今後とも,あらゆる機会をとらえまして,建設業法の趣旨の徹底を図り,不正行為の防止に努めてまいりたいと考えております。
85 ◯井手委員 土木工事の場合には,2,500 万円以上の工事に専任技術者が義務づけられているというふうにお伺いしております。その件数も年間で2,500件から3,000件に上るというお話も伺いました。その全部を厳正なチェックができないとするならば,私は,ある一定の基準を設けて,その基準以上の工事に関しましてはすべて厳密な調査を行うような体制整備が必要ではないかと考えております。さらに,将来的には,コンピューターの活用による一元的なデータ管理に移行する必要も感じております。
また,この点は,今後,部内でも十分に御検討をいただきたいと思います。
さらに,県民による健全な監視体制を補完するためにも,先ほど部長も御説明いただきました経営事項審査の資料が情報公開されているという事実を広く県民に告知するべきだと思います。新県庁舎移行時には,閲覧しやすい,そういう体制もぜひ整えていただきたい。このことを提案をさせていただきたいと思います。
さて,この質問に当たりまして,私は,過去の新聞社等のデータベースを検索をしてみました。先ほど事例として挙げました建設業者は,平成4年にも同じような疑惑で新聞社に指摘され,県の調査を受けておることが判明をいたしました。そのときの県の調査の結果は,著しい違反行為ではなく,改善もされたということで,行政処分には至っておりませんでした。しかし,そのときの教訓は生かされずに,今度の再発の法令違反となったわけでございます。建設業法違反により指名停止や行政処分を受けた者が再び同じような違反を起こした場合,どのような処分になるのでしょう。再び同じような違反をした場合,私個人的には,即永久指名停止などという厳しい対応が必要であると考えております。この件に関してはいかがでございましょうか。
86
◯不破土木部長 類似の違法行為を繰り返した場合の指名停止と行政処分についてでございますが,まず,指名停止につきましては,指名停止の措置要領に従いまして,指名停止の期間満了後,1年以内に同じような違反を起こした場合には,初回の指名停止期間が1カ月以上の場合であれば,次回はその2倍の期間が指名停止となります。また,初回が1カ月未満の場合ですと,次回は1.5倍の期間が指名停止となります。
次に,行政処分につきましては,特に何年という定めはございませんが,短期間の間にまた同じような違反を起こした場合には,初回が指示処分でありましたら,次は営業停止処分に,初回が営業停止処分であれば,次はより長期の営業停止処分などになるわけでございます。
87 ◯井手委員 今年度の予算編成におきましても,知事を初め執行部の皆様が英知を結集して行財政改革に推進をされました。県民の生活に直接関連をしてくる福祉や医療,教育に関する予算もいわゆる聖域なしに見直しを図られたわけでございます。こうした県民への負担増,またはサービス低下をお願いする上では,従前の予算執行体制もより厳しく見直す必要があると考えております。特に公共工事の効率化は最も重要性がある課題でございます。
ちまたでは,公共工事は一般企業の発注する工事よりも2割から3割割高であるともいわれております。そうした疑問の温床となっているのが,今回,指摘をいたしました一括下請,いわゆる丸投げの問題であると思います。元請業者がペーパーマージンだけを取って下請に一括して工事を請け負わせる行為は絶対に許される行為ではありません。県当局に,二度とこのような違法の業者が出ませんよう,厳正な指導をよろしくお願いをいたすものでございます。
私どもも,県内90名余りの地方議員と1万名の党員の総力を挙げて公共工事の適正化を厳しく監視していく決意でございます。
時間がまだ残っておりますが,どうかこの公共工事の適正化に関する皆様方のより一層の御努力を要望いたしまして,私の質問は終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。
───────────────────────────────
88
◯荒井委員長 次に,細田委員。
89 ◯細田委員 民主党の細田武司でございます。
委員各位のお許しをいただきまして,通告に従い,順次,質問をいたします。
まず,県央広域工業用水道事業についてであります。
御承知のように,本事業区域には,ひたちなか市などにおける既存企業を給水対象とした那珂川工業用水事業のみであり,今後の工業開発の進展に伴う工業用水の確保が課題となっております。
県では,新たに開発が進んでおりますひたちなか地区などに産業の血液とも言うべき工業用水を供給するために,県央広域工業用水道事業の整備を進められておられるわけでありますが,その事業概要と現在までの取水施設や浄水施設などの工事の
進捗状況につきまして,企業局長にお尋ねいたします。
90
◯荒井委員長 細田委員の質疑に対する答弁を求めます。
小瀬企業局長。
91 ◯
小瀬企業局長 県央広域工業用水道事業の御質問にお答えいたします。
委員御指摘のとおり,県央地域にはひたちなか開発や北関東横断自動車道などの交通網の整備によりまして,新たな工業団地の造成が進んでおります。
このような状況を踏まえまして,県央広域工業用水道事業は,ひたちなか市外7市町村の工業開発に不可欠な工業用地を供給するという目的で,平成7年度に事業化いたしたところでございます。
まず,本事業の概要でございますが,計画給水数量は1日最大6万 2,000トンであり,総事業費は 185億円としており,建設期間は平成7年度から平成16年度の10年間で進めることにしております。
次に,事業の
進捗状況でございますが,本事業の施工に当たりましては,水源となります霞ヶ浦導水事業の
進捗状況及び水需要を見きわめながら整備を進めることとしており,現在,水需要の確定しておりますひたちなか地区の開発の整備にあわせて事業を進めているところでございます。
その他の地域につきましては,水需要の発生状況を見ながら,平成16年度までに,順次,整備を進めてまいりたいと考えております。
各施設の整備状況でございますが,取水施設につきましては,平成10年度に着手し,平成12年度までに完了する予定でございます。
また,浄水施設につきましては,平成9年度に着手し,当面,必要な3万 1,000トンを平成12年度までに完成する予定でございます。
さらに,配水管につきましては,平成8年度から着手し,平成16年度までに完了する予定でございます。
平成9年度までの事業ベースでの
進捗状況は12%であり,平成10年度には20%になる見込みでございます。
92 ◯細田委員 今,局長から
進捗状況の御説明をいただきました。まだ事業認可も間もないということもありまして,また,建設工事には平成8年度から着手したばかりだという状況から,総体的に進捗率は余り高くないということが言えるかと思います。
しかし,企業からの早期の工業用水の供給が望まれておることも事実でありますし,また,この地区には,御承知のように,常陸那珂火力発電所の運転開始,すなわち平成14年度を考え合わせますと,この給水開始というのを急ぐべきだというふうに私は思っております。
そういう中で,ひたちなか地区への給水開始についてはいつごろになるのか,その辺の見通しもお聞かせいただきたいと思います。
93 ◯
小瀬企業局長 ひたちなか地区への給水開始時期についてお答えいたします。
ひたちなか地区につきましては,委員御指摘のとおり,常陸那珂火力発電所が平成14年度に運転を開始する予定であります。これらに先立ちまして,平成13年の10月から試運転をすることとなっておりますので,この段階から工業用水を使用すると伺っております。したがいまして,企業局といたしましては,平成12年度までに給水施設を整備いたしまして,平成13年10月からの一部給水を開始したいと考えております。
94 ◯細田委員 今,平成13年度に間に合わせるように12年度に完成するという給水開始の見通しを示されたわけですが,私,幾つかの課題があると思っております。その一つが,取水地点並びに塩害とその対応ということであります。
那珂川からは,既に那珂川工業用水道の取水を行っておるわけでありますが,県央工水の取水地点は那珂川のどのあたりを予定されておられますか。
那珂川では,毎年のように,渇水になりますと塩分の遡上の影響を受けております。現在,取水をしております那珂川工水の渇水による塩害の状況及びその対策はどうしておられるのか。また,新たに取水する県央工水の渇水による塩害の見通し及びその対策をどのように考えておられるのか,お伺いをしたいと思います。
95 ◯
小瀬企業局長 県央工水の取水点及び塩害対策についてお答えいたします。
県央工水の取水点は,現在の那珂川工業用水道の取水点であります那珂川河口の17.5キロメートルの約50メートル上流というようなことを予定しております。
また,那珂川における塩害及び取水制限につきましては,昭和62年,平成5年,平成6年,平成8年の4月から5月にかけて発生をしております。渇水時における那珂川工業用水道取水よりさらに上流まで,委員御指摘のとおり,塩分が遡上している状況にございます。
その影響により,塩分濃度の高い受水企業におきましては,みずから受水制限をするとともに,私どもの受水制限に御協力をいただきまして,これまでの状況では10%ないし20%の調整をさせていただいているところでございます。
企業局といたしましては,塩分濃度の高い時間帯の取水を避け,可能な限り塩分濃度の低い時間帯に取水を行うという,いわゆる潮見運転を行い,できるだけ塩分の影響を緩和し,工業用水として供給をしているところでございます。
なお,県央工水は霞ヶ浦導水を水源としておりますので,この事業が完成すれば,那珂川工水を含め,渇水の影響による塩害の発生はないものと考えております。
96 ◯細田委員 工水ですから,企業側も恐らくそれなりの対策は講じられているというふうには私は思ってはおりますが,いずれにしても,塩害の遡上は事実でありますから,今,企業局長がおっしゃったようなことを,取水に十分配慮されながら,今後もひとつお願いしたいというふうに思います。
次に,もう一つの課題は,霞ヶ浦導水事業がおくれた場合の対応についてであります。先ほど説明がありましたように,県央工水の水源となっておりますのが霞ヶ浦導水事業であり,この導水事業は平成12年度完成ということでの計画でありますが,聞くところによりますと,完成が何年かおくれそうだという話も出ているようであります。
私の調査でも,平成10年度末の進捗率は51.5%の見込みであります。現在,年平均約 100億円の事業費の現状から推察いたしますと,平成12年度の完成は難しい状況と判断され,厳しいと言わざるを得ないと思っております。
県央工水は,先ほど平成13年度給水開始ということなので,霞ヶ浦導水事業が計画どおり完成すれば問題はないわけでありますが,仮にこの霞ヶ浦導水の完成がおくれた場合,県央工水で計画している給水量をどのように確保していくのか,その辺についてはいかがでしょうか。
97 ◯
小瀬企業局長 霞ヶ浦導水事業がおくれた場合の対応についてお答えいたします。
現在の時点では,建設省から,霞ヶ浦導水事業の工期延長等についての協議はございません。仮に,委員御指摘のとおり,霞ヶ浦導水事業の完成がおくれた場合には,平成13年度からの取水は暫定水量となるわけでございます。
このような状況になった場合,河川管理者である建設省と十分協議をして,必要水量を確保してまいりたいと考えております。
しかしながら,暫定水量は,渇水時には取水停止という厳しい状況になりますので,受水企業への給水ができなくなることもあろうかと想定をしております。これらを踏まえまして,事前に各企業に対しましては,那珂川の渇水状況を十分に説明し,受水企業の対応策といたしまして,貯水タンクの増設,みずからの渇水対策についても要請をしているところでございます。
また,企業局といたしましても,配水池の容量を大きくいたしまして,貯水能力を高めるとともに,渇水の影響を極力少なくするよう努力するとともに,代替水源の確保についても検討を進めているところでございまして,受水企業に送水できるよう対応してまいりたいと考えております。
98 ◯細田委員 企業局長の心強い御答弁をお伺いしまして,ひたちなか地区には自信を持って暫定取水の確保も含めて給水すると,このように私は理解をさせていただきたいというふうに思います。
今回は時間がなくて,
企画部長にはお伺いすることができませんでしたが,どうか霞ヶ浦導水事業とさらなる連携をとられまして,万全の体制で対応をされるようお願いし,企業局長への質問を終わります。
続きまして,インターハイへの
取り組みについてであります。
4年後に迫りました茨城インターハイは,1974年の茨城国体以来の間に28年間の空白が存在することになります。この空白が,結果的に,本県のスポーツ振興をおくらせたと言えなくもありませんし,一方,インターハイは学校教育の一環としての全国大会であり,その本質を踏まえて準備を進めなければならないと考えます。
茨城国体から24年,本県のスポーツを取り巻く環境は厳しいものがありますが,4年後を見据えて,県民全体のインターハイへの意識を高めることが,インターハイの成功,ひいては21世紀のスポーツの振興につながると私は考えます。31市町村に及び,延べ50万人が集うと見込まれる中で,茨城らしさを出した茨城インターハイの成功に向けてどのような大会を考えておられるのか,教育長の御所見をお尋ねいたします。
99
◯荒井委員長 齋藤教育長。
100
◯齋藤教育長 平成14年度インターハイの成功へ向けての御質問についてお答えいたします。
インターハイは,高等学校教育の一環としまして,高校生に広くスポーツ実践の機会を与え,技能の向上とスポーツ精神の高揚を図り,心身ともに健全な高校生を育成すること,これを目的として開催するものでございます。
本県といたしましては,この大会の趣旨を踏まえ,県内のすべての高校生が何らかの役を持ち,大会に参加しますとともに,31会場地市町村の住民のみならず,多くの県民の協力を得まして,若人のスポーツの祭典にふさわしい大会にいたしまして,全国から集う高校生を初め多くの関係者を温かく迎え,友情をはぐくみ,心触れ合う,実り多い大会にしてまいりたいと考えております。
101 ◯細田委員 私は,この大会に,他の県から選手を含めて多くの皆さんが来県されます。そういう意味で,茨城の文化にも触れてもらえるようなインターハイ,こういうものを切望をするわけであります。
と同時に,県民運動と連携をされて,このインターハイの後ももう一回茨城に来てみたいと,このような運動を展開していただきたいなと,このように思います。
そのような中で,平成9年度は,競技種目別会場地市町村が決定しました。そして,準備体制は準備担当が配置をされまして,準備活動が本格化してきているわけでありますが,今後の市町村を含む準備体制並びに全体計画というのはどのような考え方で進めていくのか,お聞かせいただきたいと思います。
102
◯齋藤教育長 準備体制並びに全体計画についてお答えいたします。
現在,保健体育課に担当者を配置しましてインターハイ開催の準備を進めているところでございますけれども,平成10年度には,新たに,
教育委員会の中に全国高校総体準備室を設置いたしまして,準備業務を推進してまいります。
さらに,県,県
教育委員会,会場地市町村,県内各機関,団体の代表者によります茨城県準備委員会──これは,平成10年度,11年度に開催するわけでございますが,それを開催いたしまして,その後,平成12年度からは,この組織を,知事を会長とします茨城県実行委員会といたしまして,その中で,総合開会式や競技,輸送対策,宿泊対策などに関する基本的な全体計画を検討いたしながら大会に備える考えでございます。
また,31の会場地市町村におきましても,県に準じまして,市町村,市町村
教育委員会,競技団体等の代表者からなります準備委員会や実行委員会などの準備体制を整え,競技種目別大会の諸準備に取り組んでいただくことにしております。
103 ◯細田委員 今,全体計画が示されたわけでありますが,次に,具体的な
取り組みについて,数点,お伺いをしたいと思います。
冒頭に県民全体のインターハイの意識を高めることが,大会の成功,ひいては21世紀のスポーツの普及につながるんだと,こういうことを申し上げました。問題は,県民の意識の高揚についてどのような考えを持っておるのか,県中体連を初めとした県民への意識の高揚についての
取り組みについて,考え方をお聞かせいただきたいと思います。
104
◯齋藤教育長 県民の意識の高揚についてお答えいたします。
県民の意識を高めるためには,学校関係者や県民にインターハイについて十分に御理解をしていただくことが大変重要だと考えております。
このため,現在,
教育委員会の広報紙であります「教育いばらき」などを通しまして広報いたしますとともに,県高等学校体育連盟を通しまして,県内各小・中・高等学校など及び会場地市町村や県内体育施設などへ広報ポスター「インターハイだより」を配布いたしております。
今後とも,インターハイへの機運が一層高まりますように,積極的に県民の意識の高揚に努めてまいりたいと考えております。
105 ◯細田委員 次に,選手の強化策についてお伺いしたいと思います。
勝つことだけがすべてではないと私は思いますが,しかしながら,競技面では一定の成果も必要だろうというふうに考えます。
その人材育成には,平成7年から指導者養成,さらに,平成9年から選手の強化に努められておりますが,次年度以降の
取り組み,どうなっておられるのか。
また,28競技を見てみますと,平成9年度の高中体連の調査によりますと,競技者の多い競技,上位を見てみますと,バスケットボールが1万 8,524人,その次がソフトテニスで1万7,437人,次に,サッカーが1万4,461人という状況です。
しかし,一方,競技人口が少ない競技を見てみますと,自転車が10人,アーチェリーが13人,フェンシングが23人と,こういう状況で,競技人口の多い少ないの格差が著しくなっているわけであります。したがいまして,競技人口の少ない競技についての普及策も非常に重要だろうと思うわけでありますが,この辺についてはどのようにお考えになっておられますか。
106
◯齋藤教育長 選手の強化策について,まず,お答えいたします。
本県の高校生がインターハイにおいてすぐれた成果をおさめるためには,選手の強化と指導者の養成が不可欠でございます。このため,本年度から,インターハイ選手強化事業を開始いたしまして,平成14年度に高校生となります現在の中学生を対象にしまして,競技種目であります28競技を中心としまして,合宿練習会,実技講習会を実施し,選手の強化を計画的に進めているところでございます。
また,指導者の養成につきましては,平成7年度から,中・高等学校指導者を対象にしまして,研修会の開催や全国の強豪校への派遣を行いますインターハイ特別指導者養成・活用事業を実施しているところでございます。
特に委員御指摘の競技人口の少ない自転車,アーチェリー,フェンシングなど10の競技につきましては,本年度と来年度の2年間,中・高等学校指導者,10競技,80名を対象にいたしまして研修会を開催し,養成とその資質の向上に努めますとともに,これらの指導者を有効活用し,競技団体,市町村等との連携の中でスポーツ教室等を開催し,競技人口の少ない競技の普及に努めているところでございます。
107 ◯細田委員 続いて,体育施設の整備についてでありますが,平成10年度におきます大規模建設事業の見直し,この中で県営体育施設再編事業約 230億円のうち約16億円が整備内容等の見直しにより削減されております。これは,規模等が縮小されたのか,また,インターハイの実施に支障はないのか,そのかかわりについてどうなのか,また,今後の市町村の体育施設の整備見通しについて,あわせてお伺いしたいと思います。
108
◯齋藤教育長 インターハイに関連しまして,笠松運動公園整備事業の見直しについてでございますが,インターハイに必要な施設整備を最優先することといたしまして,総合開会式や陸上競技の会場となります主陸上競技場は,公認取得に必要な改修や老朽化に伴う改修を行いまして,インターハイの開催に支障を及ぼさないよう,事業費を削減したものでございます。
また,補助陸上競技場の夜間照明の設置を先送りしますとともに,テニスの競技会場が神栖町に決定しましたことに伴いまして,テニスコートの改修を先送りし,事業費を削減したものでございます。
次に,市町村の施設整備についてでございますが,インターハイ開催市町村の施設につきましては,既存施設の有効利用を基本としておりますけれども,円滑なインターハイ運営と,この大会を契機としまして,市町村の生涯スポーツの基盤づくりという観点から,開催市町村の要望を踏まえまして,インターハイ関連施設に対する補助制度を設けているところでございます。
その結果,インターハイ開催が決定しております31市町村のうち,これまでに約半数の16市町村がこの制度を活用した施設整備を進め,また,計画しているところでございます。
109 ◯細田委員 この関連した施設という観点では,せっかく50万人集う人が来るわけでありますから,宿泊対策というのも非常に重要なことだというふうに思っております。
一つ,私が住んでおりますひたちなか市の例を取りますと,私どもの市は,年間,民宿を含めて,1日当たりの宿泊能力が約5,800人から5,900人と言われております。このひたちなか市には,現在のところ,陸上競技,バレーボール,水泳,この3つの競技が決定をしているわけでありますが,この3つの競技で,役員を含めますと,過去の大会の事例では約 9,600人程度が見込まれております。
しかし,この時期は,御承知のように,臨海部は海水浴のシーズンであります。したがって,海水浴客とのバッティング等もあるわけでありますが,この宿泊対策については早めにその検討をする必要があろうと私は考えるわけでありますが,その対応等についてはいかがお考えになっておられますか。
110
◯齋藤教育長 宿泊対策についてでございますが,県で調査いたしましたところ,各競技への参加人数等から考えますと,県内の市町村における宿泊施設で十分な対応をするためには,競技種目開催の日程の調整が必要であるということでございます。
したがいまして,県といたしましては,今後,平成10年度に設立いたします県準備委員会に競技や宿泊に関する事項を検討します専門委員会を設置いたしまして,旅館組合等との連携を密にして,大会開催期間内での競技日程の調整をいたしまして,対応してまいりたいと考えております。
111 ◯細田委員 最後に,プレ・インターハイについて,御提言も含めて,御質問させていただきたいと思います。
先ほど全体計画が示されたわけでありますが,県民の盛り上げという意味では,前年度に,県並びに競技団体主催等によるプレ・インターハイ的なものを開催したらどうか,このように思います。このことはなぜ申し上げるかというと,ひとつ本番に備えて,万が一施設の手直し等がある場合にも役立つことも考えられますし,さらには,また,県民の意識の盛り上がりということにもつながるものと私は思っております。そういう意味で,プレ・インターハイ的な考え方に対する御所見をお伺いしたいと思います。
112
◯齋藤教育長 プレ・インターハイの開催についてお答えいたします。
インターハイを円滑に運営するためには,リハーサルとなるような大会を実施いたしまして,競技,運営等に関する問題点をチェックし,本大会までに修正していくのが通常でございます。本県におきましても,このリハーサルとなるような大会の開催につきましては,競技種目によって異なるわけでございますけれども,インターハイが開催されます平成14年度までに,例えば,高等学校の関東大会や,規模等がインターハイ競技に相応する大会を開催いたしまして,本大会に備えたいと考えております。
113 ◯細田委員 最後に,教育長に御要望しておきますが,今,28競技の内容等についても触れられましたが,私は,茨城インターハイのにぎわいという意味では,28競技に限られることなく,例えば,馬術等も含めて,競技人口があるもの等については,施設の受け入れが可能であればこういうものを受け入れて,特色あるインターハイをつくるのも一つの手法かなというふうに思っております。その辺のところの御検討も今後お願いし,そして,長野オリンピック,さらには,また,長野パラリンピックの感動の再現をぜひこの茨城インターハイでも実現できるよう,教育長を初め関係者にお願いを申し上げまして,私の質問を終わります。ありがとうございました。
114
◯荒井委員長 暫時休憩いたします。
なお,再開時刻は,午後2時25分を予定いたします。
午後2時3分休憩
───────────────────────────────
午後2時26分開議
115
◯荒井委員長 休憩前に引き続き,委員会を再開し,質疑を続行いたします。
───────────────────────────────
116
◯荒井委員長 鬼沢委員。
117 ◯鬼沢委員 自由民主党の鬼沢であります。
通告に従いまして,知事並びに福祉部長に質問をいたします。
まず,最初に,行財政改革の推進について,知事にお尋ねをいたします。
我が国の橋本内閣は6つの改革に取り組んでおりますが,バブル崩壊後,長期にわたる不況,さらには,山一,北海道拓銀の倒産を初め我々の予想をはるかに超える経済情勢の変化を来しており,今,橋本内閣は改革の見直しを迫られ,景気対策を最重点にと言われておりますが,改革を実行しながら景気対策にも十二分に配慮すると言っておられます。
本県も,このような我が国の長期にわたる不況により,法人二税及び個人県民税の減収,それに伴い,県債の発行残高は10年度末には1兆 900億円に達し,基金も10分の1という数字になるという極めて厳しい財政事情を踏まえ,知事は,平成10年を行政改革元年と位置づけ,不退転の決意で取り組んでいくとのことですが,どのような姿勢で臨むものか,改めてお伺いいたします。
118
◯荒井委員長 鬼沢委員の質疑に対する答弁を求めます。
橋本知事。
119 ◯橋本知事 行財政改革に対する姿勢につきましてお答えを申し上げます。
行財政改革につきましては,これまでも行政改革大綱を策定いたしまして,スクラップ・アンド・ビルドを徹底する,あるいは,また,シーリング方式を導入するなど,全庁一丸となって取り組んでまいったところでございます。
しかしながら,ただいま委員の方から御指摘がございましたように,今,県の財政,大変に厳しい状況に置かれておりまして,このままでは,将来,予算が組めないのではないかといった状況にも立ち至っております。
また,一方で,今後の少子・高齢化の進行や,あるいは,また,地方分権の進展,こういったものに対応してまいりますためには,今,この時期に総力を挙げて,しっかりとした体制づくり,行財政基盤をつくり上げていかなければならない時期を迎えておるわけでございます。そういった意味で,これまでの行財政改革といったものよりはさらに積極的な意味も持たせて,行財政改革に取り組んでいく必要があるのではないかなと思っております。
そのために,議会におきましても,行財政改革調査特別委員会を設置していただいて,いろいろな御意見を承ってまいったところでもございますし,また,民間の有識者の方々によります行政改革推進懇談会,ここからもさまざまな御意見等を承っているところでございます。
そうした上で,平成10年度を初年度とする新たな行財政改革大綱を今月末に策定することといたしておるところでございまして,この大綱に基づきまして,行財政運営全般にわたり,事務事業や組織機構,定員などを大胆に見直し,予算配分の重点化や,徹底した簡素,効率化を進めてまいりたいと考えております。
そして,この行財政改革にはある程度の痛みといったものも伴ってくるのだろうと思っております。しかしながら,21世紀に向けまして,郷土茨城を輝かしい未来に導いてまいりますためには,この痛みを乗り越えていかなければならないものと考えておりますので,精いっぱい,今後とも,不退転の決意をもって行財政改革に取り組んでまいりたいと思っておりますので,よろしく御指導のほどをお願い申し上げます。
120 ◯鬼沢委員 ただいま知事の決意のほどがございましたけれども,この行財政改革は,単なる福祉部と衛生部の統合,あるいは農林水産部と農地局の統合を含めたものばかりではなく,本庁の再編についても,ただいま言われましたように,平成11年度を目途に作業を進めていると言われますが,この行財政改革というものは大変厳しい,難しい問題があると思われます。
そこで,私は,知事直轄の部署を設け,そして,さまざまなる情報を収集し,さらには精査をし,常に知事が的確なる判断ができるようにすべきであると,このように思いますが,知事の所見をお伺いいたします。
121 ◯橋本知事 ただいま御指摘ございましたとおり,今後の行財政改革を進めていく上で,的確な政策判断をするということが大変に重要ではないかなと思っております。情報の収集とその精査というものは,これから県政というものを県民の声に沿って進めていくためにはぜひともこれからも重点的に力を入れていかなければならない分野であると思っております。
これまでも総務部内に政策調査員というものを置きまして,この業務に当たらせてきたところでございますけれども,今回,議会の特別委員会の中間報告におきましても,総合政策調整機能の一層の充実強化が必要であるとの考え方をお示しいただいたところでございますので,この機能を担う組織として,直轄組織として,今後,考えていくべきであるという御指摘をいただいておりますので,そういった方向で,平成11年度の部局再編に合わせて検討してまいりたいと考えております。
122 ◯鬼沢委員 この10年度予算におきましても,行財政改革により,聖域なく事務事業を見直し,一律に15%削減,あるいは大規模事業の先送りをされております。私は,本来,このように一律に削減するべきものではなく,21世紀に向けて到来する少子・高齢化社会に対する対策,あるいは生活環境の整備等を重点的に実施し,知事が常に言われている,住んでよかったと言われる茨城づくりを目標にして,必要な部署,あるいは事業の推進をすべきであると思いますが,知事はどのようにお考えなのか,お尋ねをいたします。
123 ◯橋本知事 ただいま御指摘ございましたように,平成10年度の予算編成に当たりましては,事務事業全般について,聖域を設けることなく徹底した見直しを行って,歳出の節減,合理化を図ったところでございます。
しかしながら,一方で,あと3年後に21世紀がやってくるわけでございまして,私ども,その21世紀に向けての体制づくりというものも十分にやっていかなければいけないということは胆に命じておるところでございます。そのために,例えば,少子・高齢化の進行に対応するための福祉施策の充実,あるいは本県がさらに飛躍してまいりますために必要な社会資本の整備などといったことにつきましては,優先順位の厳しい選択を行いながらではございますけれども,さまざまな工夫を重ね,予算化に努めたところでございます。例えば,少子・高齢化対策といたしましては,新たに妊産婦や父子家庭について医療費助成制度を創設いたしましたし,また,目前に迫った公的介護保険制度の円滑な導入に向けて,市町村の体制づくりを積極的に支援をしていくこととしておるところでもございます。
また,社会資本の整備につきましても,本年,第1船の入港が予定されております常陸那珂港の整備,あるいは2002年のワールドカップ開催に対応します国道,県道などの整備には特に予算の重点配分もしたところでございます。
今後とも,行財政改革を進める中で,真に必要な事業につきましては,財源配分の一層の重点化,効率化を図りながら,できる限りの予算化に努めてまいりたいと考えております。
124 ◯鬼沢委員 先ほど知事直轄の部局を設けてやるということでございますけれども,今回の改革は,知事部局はもちろんのことでございますが,県出資団体の統廃合,あるいは見直し,さらには,企業会計特別会計等についても幅広く見直しをすべきであると思いますが,知事の所見をお伺いいたします。
125 ◯橋本知事 行財政改革を進めていくに当たりましては,ただいま御指摘がありましたとおり,出資団体,企業会計特別会計などにつきましても聖域なく見直していく必要があるものと考えております。
県出資団体の見直しにつきましては,もう既に議会の方から報告をいただいておるところでございまして,この報告書で統廃合すべき団体として御提言をいただきましたアメニティマート振興財団と中小企業振興公社,あるいは農業担い手育成基金と農林振興公社,あるいは開発公社と土地開発公社の管理・業務部門などにつきましては,それぞれ統合を実現すべく,今,努力をしておるところでございます。
また,業務運営を適正化すべきであると御提言をいただきました開発公社の工業団地事業や,住宅供給公社の住宅団地事業などの見直しにつきましても,それぞれの公社内に設置いたしました委員会等において検討を進めておるところでございますけれども,来年度以降,検討結果に基づく見直し事項を計画的に実施していきたいと考えております。
また,公営企業につきましても,例えば,県立の中央病院につきましては大変赤字が多いということで,7年度に策定をいたしました経営改善計画を着実に実行をしておるところでございまして,8年度以降,成果が上がってきておるところでございます。今後とも,この計画に基づき,経営の改善に努めてまいりたいと考えております。
また,企業局につきましても,独立採算を確保するという観点から,新たに中期的な経営計画を策定し,経営の効率化に努めてまいりたいと考えております。
このように県出資団体,公営企業などにつきまして見直しを行い,経営の健全化や効率化を図り,今後とも経営基盤の一層の強化を進めていきたいと考えております。
126 ◯鬼沢委員 この行財政改革を成功させることは,一つには,やはり知事の決断,判断,これは大事でありますけれども,また,職員の協力というものも不可欠なものであろうと私は思っております。
そこで,今,部長級の方は58歳で退職され,他の団体に再就職されております。今後は,この行財政改革と並行して,部長級の方々も各種出資団体に出向をさせ,あらゆる出資団体に知事の目が届くようにするとともに,働く方々にも,60歳まで現役で働いていただき,あとはボランティア活動をしながら人生を送るのもよし,あるいは能力を必要とされ,それぞれの職場で働くのもよしとすることが大切であろうと思います。知事は,この行財政改革を機会に,よく検討をしていただきたいと強く要望をいたします。
次に,企画部事業調整課の工事発注についてお尋ねをいたします。
鹿島特別会計は,鹿島3町の開発に伴うさまざまな地元の要望にこたえるため,各種事業を実施しております。しかし,この部署におられる実際の担当者は1人であります。その1人で20数億円の予算を執行しております。土木事務所を見ますと,水戸土木では54名の技術者で約 150億円,鉾田土木事務所では15名の人数で約34億円,潮来土木事務所は19名で約43億円の予算を執行しており,職員1人当たりにすれば,執行額は鹿島特別会計と比べてはるかに少ないが,私は,土木事務所の職員は工事の発注だけでなく,現場の管理監督,あるいは完成検査もしております。
だとすれば,鹿島特別会計と土木事務所とのこの違いは何なのか。1人で工事の発注だけでなく現場の監督,完成検査もしているのか,もしそれができるとするならば,土木事務所の職員は多過ぎるのではないか,こういうふうにも出るわけでございますが,知事はこの現状をどういうふうにとらえておられますか,お答え願いたいと思います。
127 ◯橋本知事 土木事務所の職員につきましては,毎年の当初予算比で,ほかの各県と比べましても,業務量が大体14番目ぐらいの量になっておりまして,特別に多いということはまずないと思っております。
一方で,鹿島特別会計の方でございますけれども,鹿島特会に係ります道路排水路,公園などの工事の実施につきましては,ただいま1人というお話がございましたけれども,企画部の専任職員2人と兼務職員3名,それと,測量調査,あるいは工事管理・監督など工事執行に係る業務の一部を委託しております鹿島都市開発株式会社の担当職員が5名おりまして,こういった形でやっておりますために,1人で20億円ということではなくて,金額的にも土木事務所の方とそんなに差はなくなってくるのではないかなと思っております。
128 ◯鬼沢委員 ただいま知事は,鹿島都市開発の職員の手を煩わせてこの事業を遂行しているということでございますけれども,鹿島都市開発は赤字会社でございます。それで,少なくとも県のあらゆる機関で黒字の部署からその利益を何らかの形で補っている。一例を挙げるならば,現在は,すべての施設においては消防施設の点検というのがございます。ところが,鉾田の鹿行総合事務所の保守点検は40万円足らずでございます。ところが,鹿島都市開発で行っております下水道事務所の保守点検は 230万円を超えている。こういう状況であります。であるならば,今言われたように,鹿島都市開発にきちんとした払うべきものは払う,そういう姿にするか,あるいは県独自でやるか,きちんとした整理をすべきであろうと思う。知事の所見をお伺いいたします。
129 ◯橋本知事 御指摘を踏まえまして,十分に検討させていただきたいと思います。
130 ◯鬼沢委員 知事はいろいろ言いますけれども,現に,今,事業調整課で発注しております,いわゆる神栖の総合公園の工事でございますが,これは,数字はちょっと申しにくいので申し上げられませんけれども,教えてくれと言えば申しますけれども,それは申しません。しかしながら,余りにもずさんな発注であると。しかも,先ほど知事は充足していると言われますけれども,とにかく平成8年で,一般会計で35件,しかも,繰越明許費がありますから,恐らく45件から50件近い。それから,9年度は54件という数字が出ております。こういう数字を見たとき,やはり私は,今の体制では,率直に言ってまずいと。ですから,予算の計上は事業調整課で計上いたしましても,その事業は,今,教育庁部局で土木に委任をしておりますけれども,そういう形の事業の発注,施工をすべきであると,このように思いますけれども,知事の所見をお伺いします。
131 ◯橋本知事 鹿島臨海工業地帯の造成事業につきましては,もともと港湾,あるいは道路,街路等の建設は土木部,代替地造成は農地部,工業用水道は企業局が行うなど,庁内関係部局の総力を挙げて推進してきたところでございます。昭和50年代の後半にほぼ建設計画の諸目標が達成されましたことから,59年の開発組合解散を機に,残された事業につきましては企画部において執行することとしておるところでございます。
残された事業は,鹿島開発の収束に向けた生活環境整備事業が中心となっておりますので,地元とのより綿密な調整を行っていく必要性なども考えまして,企画部において扱っておるところでございますが,現在でも専門的な技術が必要な港湾整備工事やカシマサッカースタジアム建設工事などは,随時,土木部において執行をしておるところでございます。
今後とも,ただいま委員から御指摘いただきましたことを踏まえまして,十分に執行体制について検討してまいりたいと考えております。
132 ◯鬼沢委員 それでは,ひとつしっかりと頑張っていただきたいと思います。
以上です。
次に,福祉部長にお尋ねをいたします。
生まれながらにして知的障害を持っておられる方の8割は出産時にあるということを言われております。また,何らかの理由によって知的障害を生ずる方もありますけれども,これらの子供を持つ親は,自分で健康であるうちは世話ができるけれども,年老いたときは,将来,この子供をどうしようかと非常に心配しておられるのが現状であります。何とかでき得れば施設に入れてほしいということも我々も言われておるところでありますが,今,こういう施設は県内では何カ所くらいありますか。さらに,また,その定数は何人になっておりますか。福祉部長にお尋ねをいたします。
133
◯荒井委員長 石川福祉部長。
134 ◯石川福祉部長 知的障害者施設の数でございますが,知的障害者の入所の施設の数は,公立を含めまして47でございまして,入所の定員は2,865人,入所されている方は2,672人でございますので,入所率は93.3%ということになっております。
135 ◯鬼沢委員 入所されている方には,要するに,措置費といいますか,国,県から支給されていると思いますが,この措置費と申す金額というのはどのくらいですか,お尋ねをいたします。
136 ◯石川福祉部長 措置費の額でございますが,施設の種別,いわゆる児とか者とか更生とかいろいろあるんですが,そういう種別や施設の規模,あるいは施設の職員の勤務年数などによって差があるんでございますが,大まかに申し上げまして,1人当たり約25万円前後の措置費が国と措置権者である県,または市から施設の方に支払われております。
137 ◯鬼沢委員 そうしますと,国,県から25万円は施設に支払いをされていると。それ以外に,障害者年金が支給されているということを聞いておりますけれども,これは,支給はされているんですか。もしいるとすれば,その金額をお知らせ願いたいと思います。
138 ◯石川福祉部長 障害者年金は,その病気やけがによって障害者になったときに,その障害の程度に応じて支給されるわけでございまして,1級は年額98万 1,900円でございます。2級は年額で78万5,500円でございます。
139 ◯鬼沢委員 それは在宅者も同じですか。
140 ◯石川福祉部長 はい,入所者も在宅の方も同じように支給されます。
141 ◯鬼沢委員 その年金というものの使い道,施設に入ることによりまして,県と国は月額約25万円を支給していると。そのほかに年金は年額98万円と78万円,こういう金額が支給されていると。そうすると二重の支給というふうな形になりますけれども,入所されている方々が,要するに,必要な金額はそれほどではないと思いますが,25万円で賄いをしますから,年金で個人が使用するというものはそれほどではないと思いますけれども,現在,どういうふうにとらえておられますか。知っておればお知らせを願いたいと思います。
142 ◯石川福祉部長 入所者の所持金で,要するに年金で負担できるものといいますのは,措置費の中で一般生活費というのが支出されるのでございますが,それに適当でないもの,あるいは本人に帰属するもの,例えばラジオだとか音楽テープだとか本とか,そういうようなものが年金額から支払われております。それと,措置費に対する,先ほど25万円平均と申し上げましたが,措置費の中にその年金額,先ほど年額で申し上げましたけど,月に直せば8万円とか6万円前後になるわけでございますが,例えば1級の場合で申し上げますと,月8万円ちょっと年金が出まして,自己負担というのがございます。自己負担が月3万 4,100円ほど負担をするということでございますので,残り5万円弱の程度が自分の手元に残るという形になります。
143 ◯鬼沢委員 ある施設ではございますけれども,入所者が,今,5万円ということでありますと,20年入りますと 1,000万円の個人の預金ができると。こういうことは,私は,その金は,当然,個人のものでございますから,やがては身元引受人のところに入っていくと。こういうことになりますと,二重に国,県で金を支給しながら,何ら世話もしない,そして,放置しておいた,県,国に面倒を見てもらっておきながら,その方のところへ,引受人というだけの立場で金が行くということ,これが非常に私は抵抗を感じております。部長は,このことについてどのように感じておられますか,お答えを願いたいと思います。
144 ◯石川福祉部長 先ほど申し上げましたことをちょっと整理させていだきますと,障害者基礎年金というものは,病気やけがによって障害者になったときに,障害の程度に応じて,施設入所者,在宅の区別なく一律に支給される。お尋ねの施設入所者にかかわる基礎年金というものが障害者本人に支給されまして,入所していることに要する自己負担分を納入しまして,残金につきましては措置費で対応できないような,先ほど申し上げました,本とかCDとかそういった嗜好品に使われると。残りは自分が保管しているということでございます。
このように,施設入所者につきましては,年金給付と福祉給付,いわゆる措置費が重複していることから,委員御指摘のように,おかしいのではないかと,年金の支給を停止,または減額すべきではないか,あるいは入所者に適切な自己負担を課すことによって調整すべきではないか,このような意見もございます。
一方,国におきましては,年金審議会というのがございまして,公的年金制度の抜本的見直しのための検討を,現在,行っております。その年金審議会の中でもこのような議論がなされているそうでございます。
いずれにいたしましても,平成10年秋ごろにこの年金審議会の答申といいますか,意見書が取りまとめられまして,それを受けまして,平成11年には年金改正法案を国会に提出する予定と伺っておりますので,こういった国の審議の動向を見守っていきたいと,このように考えております。
145 ◯鬼沢委員 ただいま平成11年を目途にして,この問題については検討されておると言われますけれども,何と申しましても,これから高齢化社会,そして,また,各種福祉政策をとるには非常に金の必要性がございます。そういった中で,こういう制度は,私は,率直に言いまして,入所者に迷惑をかけてはならない。ですから,極論を言うならば,もちろんこれは国の決めることでございますから,我々は希望的観測でございますけれども,要するに,その施設に単年度予算で1人50万円なら50万円ということで出すと。例えば,それが足りなかった場合には次に補正を組む。それから,余れば次に残すと,こういうふうにすれば個人の財産にはならない。しかも入所者は迷惑はかからないというふうに思うものでございます。
いずれにいたしましても,部長は,機会あるごとに,国に対して,こういう問題を率直に発言をいたしまして,改正をさせるべきであると,このように強く要望いたしまして,質問を終わります。ありがとうございました。
───────────────────────────────
146
◯荒井委員長 大和田委員。
147 ◯大和田委員 関連質問ということで,今の鬼沢委員の質問に対して,知的障害者の現況,あと施設数とか,簡単な質問ですが,福祉部長に,現況,数が充足されているのか,知的障害者の施設数,それで,現在の……。
148
◯荒井委員長 委員長はまだそれ以上発言を許していないから。
大和田委員の関連質疑を許します。
なお,質疑時間は,答弁を含めて10分以内でお願いします。
大和田委員。
149 ◯大和田委員 茨城県の知的障害者施設の現況,それと,充足されているのかどうかが一つ,あと一つは,地域的に隔たりはないのかどうか,その点についてお伺いいたします。
150
◯荒井委員長 石川福祉部長。
151 ◯石川福祉部長 お答え申し上げます。
先ほどは知的障害者の入所の施設の数を申し上げましたけれども,通所──通いの施設もございまして,それを合わせますと,通所施設が18施設,定員が 584人,それから,そこに通っている児者は 533人ということで,入所率は91.3%ということで,先ほど入所の方は入所率が93.3%でございます。
152 ◯大和田委員 地域的に隔たりがあるのかないのかをお教えいただきたいと思います。
153 ◯石川福祉部長 今,待機者ですか,需要の人で 100人くらい待っていらっしゃるということでございますが,我々としましては,障害者プラン──これは14年までにつくるわけでございますが,障害者プランにのっとりまして,それぞれの地域ごとにプランをつくりまして,それに基づいて整備しようとしているところでございます。
154 ◯大和田委員 わかりました。質問を終わります。
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〔「関連質問」と呼ぶ者あり〕
155
◯荒井委員長 青木委員。
156 ◯青木委員 関連質問をさせていただきます。
ただいまの質問に関連をいたしまして,県内に知的障害者を含め,いわゆる重度障害者というのはどのくらいいらっしゃるんですか。
157
◯荒井委員長 石川福祉部長。
158 ◯石川福祉部長 8年の現在でございますけれども,身体障害者は1級は2万 1,226人,2級は1万5,331人,知的障害者は,最重度2,126人,重度3,598人でございます。
159 ◯青木委員 そこで,これから社会で私は大変問題になると思われるのは,その障害を持つ子供さんの両親ですね。これは極めて深刻な悩みを抱えているわけです。一口に申しますと,この子を残しては死んでも死にきれないというのが知的障害者や重度障害を持つ親たちの悲しい姿ですね。これを21世紀に向かって一体どういうふうにして安心のできるような政策が立案されるかどうかということが私は非常に大切だと思うわけです。実際に,この子を残しては死んでも死にきれないというのがたくさんいらっしゃるわけです。これを安心して任せて次の世代に送るという施策をこれから展開しなければならないと思うんです。今直ちに福祉部長に答弁を求めても無理と思いますから,答弁は求めませんが,これからの施策の立案に当たっては,そういう環境に置かれた人々に対する愛の手を差し伸べる政策をぜひ立案していただきたいということを要望いたして,質問を終わります。
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160
◯荒井委員長 以上で,本日の日程は終了いたしました。
次回は,3月19日午前10時30分から,当会議室において委員会を開会し,質疑を続行いたします。
本日は,これにて閉会いたします。
長時間,御苦労さまでした。
午後3時10分閉会
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