茨城県議会 1993-08-31
平成5年農林水産常任委員会 本文 開催日: 1993-08-31
↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 午前10時38分開議
◯遠井委員長 ただいまから,
農林水産委員会を開会いたします。
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2 ◯遠井委員長 本日の
委員会記録署名委員を御指名申し上げます。
江田委員,山口(伸)委員,両名にお願いいたします。
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3 ◯遠井委員長 今期臨時会における本委員会の審査日程について申し上げます。
委員会は,御通知いたしましたとおり,本日1日間とし,前半は農地局関係,後半は農林水産部関係の審査を行うことといたしたいと存じます。
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4 ◯遠井委員長 それでは,これより議事に入ります。
農地局の審査を行います。
第196号議案平成5年度茨城県
一般会計補正予算(第1号)中農地局関係を議題といたします。
説明を求めます。
古賀農地局長。
5
◯古賀農地局長 本日,御審議をお願いいたしております案件に先立ちまして,2点ほど,最近の状況を御報告いたしたいと存じます。
第1点目は,事務事業の執行状況でございますが,農地局では,公共事業等の上半期執行率を77.5%を上回ること,こういう目標を設定して事業の推進に努めているところでございますが,7月末現在の執行率は32.7%となっております。これは,昨年の同期が15.6%でございますので,これと比べますと順調な進捗を示していると考えております。今後も,引き続き,目標達成に向けて努力してまいる所存でございます。
2点目は,去る27日の台風11号の被害でございますが,農作物の被害につきましては,後ほど農林水産部から報告されると存じますが,農地局にかかわります農地災害及び農業用施設災害につきましては,8月30日現在でまとめましたところ,被災箇所が45ヵ所,被災総額で9,100万円となっています。降雨量が比較的少なかったといいますか,場所によっては300ミリを県北の方で超えたところがありますけれども,全体では120ミリから180ミリ,200ミリ未満でございましたので,思ったほどの被害は出なかったというふうに見ております。これらの被災箇所につきましては,現計予算を活用いたしまして,なるべく早い時期に復旧ができるように努力してまいる所存でございます。
次に,今回提出いたしております案件は,一般会計の補正予算案でございます。これは,去る6月8日に成立いたしました国の
総合経済対策補正予算に関連する公共事業費のうち,本県への予算配分があったものを中心にいたしまして補正を行い,速やかな事業の執行を図ろうとするものであります。
現在,農地局では,農業生産基盤と生活環境基盤を一体的に整備いたしまして,農村地域の活性化を図るため,各種事業の推進に努めているところでございますが,今回の国の対策が生活関連事業を重点としたものでありますので,今回の補正内容につきましては,
農業集落排水事業など農村の生活環境整備に厚みを加えた予算配分となっております。
内容につきましては,お手元に配付しております説明資料をごらんいただきたいと思います。
第96号議案平成5年度茨城県
一般会計補正予算(第1号)についてでありますけれども,第1に,歳入歳出予算の補正でございますが,補正項目は
土地改良事業費でございます。補正総額が78億6,208万6,000円,この増額でございまして,財源の内訳は,特定財源が77億5,153万9,000円,一般財源が1億1,054万7,000円でございます。
この補正によりまして,農地局の予算でございますが,総額で,当初予算が554億4,851万2,000円でございますけれども,これに対しまして,補正後,633億1,059万8,000円となりまして,これは,県予算に占める割合は6.64%となります。
なお,課別の予算につきましては,下の表にございますけれども,農地建設課の補正額が75億914万6,000円,水利課が3億5,294万円となっております。
第2は,債務負担行為でございます。債務負担行為につきましては,新規分といたしまして,
県営ほ場整備事業工事請負契約など,この表にございます15件でございます。
第3は,地方債の補正でございます。その内容は,第1の歳入歳出予算の補正に伴いまして,起債の限度額の変更をしようとするものでございます。
以上でございますけれども,詳細につきましては,担当課長から御説明申し上げますので,御審議のほどよろしくお願い申し上げます。
以上です。
6 ◯遠井委員長
高橋農地局技監兼農地建設課長。
7
◯高橋農地局技監兼農地建設課長 それでは,今回の補正をお願いいたします農地建設課分につきまして御説明させていただきます。
資料の3)の39ページをお開き願いたいと思います。
今回,私の方で補正をお願いする項目は,今お開きいただきました39ページから48ページまでにわたります中で,国補事業13事業が該当してまいるわけでございます。その中で,特に,全体的には,39ページの上段に書いてあります全部が
土地改良事業費でございます。この
土地改良事業費の中で,今回の補正の大きな内容は,通常の予算の国費割当額に伴うものと,それから,あわせまして,国の経済対策に基づきまして,国からの割当内示を受けたものでございます。
トータル的には,
土地改良事業費で,予算額75億914万6,000円でございます。特定財源としまして,計で74億231万6,000円,一般財源で1億683万円でございます。
その内容でございますが,まず,
県営土地改良総合整備事業費であります。
予算額が2億1,518万円,特定財源で2億3,323万5,000円,一般財源で1,805万5,000円の減額でございます。
その内容でございますが,この事業は,現在,巴川地区外21地区で事業を実施中であります。今回,この中で通常の国費割当確定によりまして,5地区の変更,それから,経済対策によりまして,7地区に対しまして補正がございました。その合計額がここに記載されている金額でございます。
次に,40ページの項目でございますけれども,
農村基盤総合整備事業費でございます。
予算額1億3,407万1,000円,特定財源で,次ページの上の方にありますが,1億1,608万8,000円,一般財源で1,798万3,000円でございます。
その中身でございますけれども,前のページに帰っていただきまして,
農村基盤総合整備パイロット事業費でございます。これは,現在,石岡台地地区で実施中でありますが,この地区に対しまして,通常の国費の割り当てが増額されたものでございます。
次の
農村基盤総合整備費であります。これは,現在,藤代町の浜田地区というところで事業を実施中でございます。この地区の場合は,経済対策に伴いまして,それぞれの起債の補正があるものでございます。
次に,
農村集落環境基盤整備事業費でございます。現在,山方町の山方地区1地区を実施しておりますが,これに,今回,新たに,友部町の大田地区で本年度からこの事業に着手するための予算を計上することになりました。この大田地区の方では,新しく,今,ヒアリング中でありまして,この11月ごろに国の採択を受ける予定でございます。そのための予算措置でございます。
次に,中
山間地域農村活性化総合整備事業費でございます。
これは,現在,笠間地区と美和村の薩郷という地区で実施中であります。両地区に対しまして,通常の国費の割当確定と経済対策によります補正を行うものでございまして,それぞれ内容は,そこに書いてあります工事費補助,事務費補助,事務費等の金額でございます。
次に,ふるさと・水と
土保全モデル事業費であります。
これは,中山間地区を対象にしまして,国補事業として,平成5年度から,新規制度として国が制度化したものでございます。これに伴いまして,本県においても,桂村でこの事業を実施しようと,こういうことになりまして,新規に補正をお願いするものでございます。これも,現在,国の方のヒアリングを受けているものでございますが,内容的には,中山間地域におきます土地改良施設の多面的な機能を維持保全するために,施設の保全事業,あるいは土地改良施設の周辺の環境整備事業,歴史的な土地改良施設の保全事業,こういうふうなことを実施するものでございます。今回の桂村では,水田地帯にあります排水路を舗装するに当たりまして,水路のわきに遊歩道をつけたり,あるいは,ホタルが生息できるような護岸工事といいますか,護岸形態をとろうというふうなことで進めてまいるものでございます。これも,今年度着工が11月ごろになる予定でございますので,それのための予算措置でございます。
次のページに移らせていただきまして,42ページでございます。
農業集落排水事業費であります。
予算額が53億756万円でございます。それから,特定財源が52億9,085万7,000円,一般財源が1,670万3,000円の補正であります。
これにつきましては,現在,本年度は48地区を継続実施中でございます。このうち,通常国費の割り当てによりまして,26地区に補正がございます。さらに,経済対策によりまして,35地区に対しまして事業の補正があるわけでございます。それぞれ,工事費補助,事務費補助,事務費等の金額の補正でございます。
そのほか,この中の受託事業としまして,現在,八郷町外1町村を含めまして3地区で,県が受託してこの事業を実施しているわけでございますが,それに対しまして,事業費の割り当て増に伴う受託額の補正でございます。よろしくお願い申し上げます。
次に,
農村総合整備モデル事業費でございます。
予算額が1億9,774万円,特定財源で1億9,703万5,000円,一般財源で70万5,000円の補正でございます。
これにつきましては,現在,17地区で事業を実施しております。このうち7地区に対しまして,経済対策による補正を行うものでございます。
次に,
広域営農団地農道整備事業費でございます。
予算額9億4,048万円,特定財源が8億2,472万円,一般財源が1億1,576万円の補正でございます。
この広域農道事業は,現在,8地区を実施中であります。このうち,通常国費の割当確定に伴いまして,5地区に対する補正でございます。あわせまして,経済対策分としまして,5地区に補正を行うものでございます。金額等はそこに書いてあるような数字でございます。
それから,次の
広域営農団地農道整備事業推進費,減額80万円でございます。
これは,県北北部地域の広域農道の一部を取り込みまして,本年度から工事着手を予定しております
農用地整備公団事業の
農用地総合整備事業地区,奥久慈地区の推進のために国から調査委託費がある予定で,当初,組みましたけれども,事業が着工が確実になってまいりましたので,公団直営というふうなことで切り替わりまして,県への委託分が減額になったものでございます。
次に,次ページの44ページをお開き願いまして,
一般農道整備事業費であります。
その予算額は5,596万8,000円,特定財源で5,129万4,000円,一般財源で467万4,000円の補正でございます。
その詳細につきましては,前ページに戻っていただきまして,工事費等で5,280万円の増でございます。この事業は,現在,大子町の初原地区等7地区で事業を実施中でございます。今回,通常国費の割当確定によりまして2地区が事業変更がされます。それから,経済対策によりまして,2地区へ補正が行われます。内容的には,そういうふうなものでの補正でございます。
次に,
団体営農道整備事業費であります。
予算額5,812万7,000円,特定財源で7,004万1,000円,それから,一般財源で1,191万4,000円の減額でございます。
内容的には,現在,この
団体営農道整備事業は44地区で実施中であります。これに対しまして,
通常国費割り当てに伴い,13地区に対する補正と,あわせまして,経済対策によりまして13地区に対する補正であります。内容は,記載のとおりの金額であります。
次に,次ページの農林漁業用揮発油税財源身替
農道整備事業費であります。
予算額が8,565万円,特定財源が6,982万3,000円,一般財源が1,582万7,000円の補正であります。
内容としましては,前ページの方の下段に書いてありますように,農林漁業用揮発油税財源身替
農道整備事業費として,現在,高萩市の松丘地区外22地区で実施中でございます。通常国費の割り当てのみ6地区があります。
次に,下段の方にあります原因者負担であります。
現在,これは,農免道路の事業実施と同時に,それの道路に合わせまして,市町村等が歩道等を一体的に施行する場合に,市町村から,その歩道工事を県が一緒に工事するために委託をもらって,負担金をもらって工事を実施しております。今まで,利根町の利根地区で実施中でありましたが,この道路と同時に,今回新たに,那珂町の木崎地区でそういうふうな計画がございまして,一緒に工事するための負担分の増でございます。よろしくお願いします。
次に,次ページの
ため池等整備事業費でございます。
予算額が5,878万3,000円,特定財源としまして4,138万2,000円,一般財源で1,740万1000円でございます。
内容的には,前ページに戻っていただきまして,
老朽ため池等整備事業費であります。これは,現在,大規模地区ということで,内原町の三野輪池で実施しております。これに対しまして,通常国費の割り当てと経済対策分による増額補正があります。内容等は,そこに書いてあるような金額でございます。
それから,次ページに移らせていただきまして,
用排水施設整備事業費であります。
この事業の中では,小規模な地区の用排水路の整備というふうなことで実施しているわけでございますが,八千代町で2地区を実施中であります。この2地区に対しまして,今回,通常国費の割り当てが確定したために,そこに記載されているような減額の補正でございます。
次に,
農業用河川工作物応急対策事業費でありますが,現在,下館市の黒子堰を1地区実施中でございます。この地区に対しまして,通常国費の割当確定によります増額があったものであります。
次に,次ページの
湛水防除事業費であります。
予算額にしまして1億1,480万1,000円,特定財源で1億2,568万6,000円,一般財源で1,088万5,000円の減額であります。
その内容でございますけれども,現在,湛水防除事業としましては,猿島町の地域の飯沼川流域等を含めまして10地区で湛防を実施しております。このうち,通常国費の割当確定によりまして,3地区への補正でございます。さらに,経済対策によりまして,1地区に対しての補正でございます。金額,工事費で1億830万1,000円,それから,事務費で650万円の補正でございます。
次に,
水質障害対策事業費であります。
予算額が3,508万6,000円,特定財源で3,000万5,000円,それから,一般財源で508万1,000円の補正であります。
この事業は,現在,
猿島西部地区等2地区で実施中でありますが,今回,通常国費の割当確定により,あるいは経済対策によりまして,それぞれ2地区に対しまして,起債の補正があるものでございます。
それから,次ページに移らせていただきまして,
地盤沈下対策事業費であります。
予算額が2億9,670万円,特定財源で3億2,982万5,000円,一般財源では3,312万5,000円の減額でございます。
この
地盤沈下対策事業は,現在,県南県西地域におきまして,福岡堰等5地区で事業を実施しております。この5地区に対しまして,通常国費の割当確定による増額,経済対策によりまして,4地区の記載のとおりの合計の補正を行うものでございます。
次に,
農地還元資源利活用事業費でございます。
予算額が900万円,特定財源で2,232万5,000円,一般財源で1,332万5,000円の減額でございます。
その内容は,現在,この事業は,北茨城市の木皿川流域で1地区を実施しております。この事業に対しまして,経済対策によりまして,予算の増額補正を行うものであります。
以上,農地建設課分であります。
次に,1)の資料に移りまして,債務負担行為の補正について御説明をさせていただきます。
ページ6をお開き願いたいと思います。1)のページ6でございます。
第2
表債務負担行為の補正でございます。このうちの新規分としまして,当課の担当分を説明させていただきます。
上から4番目にあります,まず,
県営ほ場整備事業橋梁工事請負契約であります。
これは,
新利根北岸地区外1地区におきまして,それぞれの地区で河川を横断します橋梁を設置する計画になっております。その工事に当たりまして,橋梁下部工事にかかわる工事請負契約を,今年度と来年にわたりまして締結するための債務負担行為でございます。その期限は平成6年度としまして,限度額が1地区各5,000万円で,2地区分としまして1億円の限度額でございます。この事業は,通常の工事を実施するためのものであります。
以下の,
県営ほ場整備事業工事請負契約から次ページの
地盤沈下対策事業工事請負契約までの項につきましては,今回の経済対策に伴いまして,ゼロ国あるいは前金付き国債というような国の債務負担行為によります予算の割り当てに伴いまして補い替えするものでございます。いずれも,それぞれ事業ごと,並びに取り入れまして,平成5年度から6年度にわたる契約を締結するものでございまして,それぞれに書いてある事業,地区に対しまして,工事の契約あるいは補助をするための債務負担を計上するものでございます。その限度年度は平成6年度の期間をしまして,限度額はそれぞれに書いてある金額でございます。よろしくお願い申し上げます。
次に,ページの12ページをお開き願いたいと思います。
第3表の地方債の補正でございます。
今回補正をお願いしますのは,当課分としましては,上から6番目にあります湛水防除事業と土地改良事業に関するものであります。いずれも,国の経済対策によりまして,事業費が増額する国補事業におきます県負担分に対する地方債の補正であります。湛水防除事業におきましては,補正額が4,500万円,これによりまして,補正後の限度額は2億400万円になってまいります。
次の
土地改良事業費でございますが,集排事業等を初め,広域農道あるいは地盤沈下などに対するものでありまして,限度額の補正額が22億5,600万円でございます。これによりまして,補正後額は30億2,200万円になってまいります。
以上,
農地建設課関係の予算の補正の分の説明でございます。よろしく御審議のほどをお願い申し上げます。
8 ◯遠井委員長 久慈林水利課長。
9
◯久慈林水利課長 続きまして,水利課関係の補正予算の概要について御説明申し上げます。
概要説明書の3)の49ページでございます。
水利課関係は,
土地改良事業費の中の2件だけでございまして,まず,
土地改良事業費としまして,予算額3億5,294万円,特定財源3億4,922万3,000円,一般財源として371万7,000円でございます。これは,経済対策の当年度完了分の事業でございます。
内訳としまして,
県営かんがい排水事業費でございます。予算額3億2,506万円,特定財源3億2,231万3,000円,一般財源274万7,000円でございます。この事業は,現在,48地区で実施しておりまして,今回の補正の対象になるのは16地区でございます。その内訳は,国の割当内示によるものが8地区,総合経済対策に伴う増額補正が8地区でございます。内訳は備考のとおりでございます。
続きまして,50ページをお開き願いたいと思います。
水環境整備事業費でございます。
予算額2,788万円,特定財源2,691万円,一般財源97万円でございます。
この事業は,先般の現地調査で東山田地区というのを視察していただいたわけですけれども,水路とかダム,あるいは溜池,その周辺の空間を活用いたしまして,快適な生活環境を創造するというようなことで,具体的な内容としましては,親水景観の保全施設,あるいは生態系の保全施設,あるいは
利用保全施設等を整備する事業でございます。現在,3地区で実施しておりますけれども,今回の補正対象になるのは2地区でございまして,これは,総合経済対策に伴う増額補正でございます。
それから,臨時会議案の1)のページ7ページをお開き願いたいと思います。
債務負担行為の補正新規分でございます。これは,総合経済対策の
国費付き国債分というようなことで,すべて平成6年度を期間とするものでございます。
上から6行目になりますけれども,
県営かんがい排水事業の工事請負契約,これは,
猿島西部地区外3地区でございます。限度額が3億2,090万円,それから,
県営畑地帯総合土地改良事業工事請負契約でございます。安静地区外3地区でございまして,限度額が8,730万円でございます。
それから,
水環境整備事業の工事請負契約でございます。東山田地区外1地区でございまして,限度額が4,834万円でございます。
以上でございます。よろしく御審議のほどをお願いいたします。
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10 ◯遠井委員長 以上で説明は終わりました。
これより,質疑に入ります。
質疑のある方はどうぞ。
足立委員。
11 ◯足立委員 最初に,先ほど,古賀農地局長からお話がございました上半期の発注率の問題に関連をして,何点か質問をいたしたいと思います。
今の御説明ですと,上半期の発注目標が77.5%で,7月末が32.7%であるという話がありました。これは,土木部サイドの発注率ということから比較をいたしますと低いように思いますが,今,お話ですと,昨年は15.6%だったと,かなり努力をしていただいているというお話を伺いながら感じたわけですけれども,ただ,これ,いずれにいたしましても,昨年はもっと厳しかったわけですが,一挙に,上半期というと9月末までですから,7月までに半分もいっていない,5割もいっていないという状況がありますね。一挙に9月に集中をして発注しなければならないという状況がありますけれども,この工事の発注の平準化という作業は,ことし,努力をしたから上半期で32.7%になったのだと思うのです,また,土木部と違った面的な用地の関係等あることも十分わかっておりますけれども,もう少し何とかならないのだろうかなと,平準化の努力をしていただいていることは十分に理解をしながら,しかし,9月に集中してしまうというのは,何ともこれは,残念な思いでおりますが,この平準化ということについて,どういうことで今回,これは上げられたのか,また,今後,改善というか,より上半期に平準化して発注ができるような努力というものがこれからどんなことがあるのだろうか,疑問に思うのですけれども,まず,その点についてお答えいただきたいのと,それから,もう一つ,集中して9月に発注をするということに結果的になるわけですが,このことについての問題,これはないのかどうか,伺っておきたいと思います。
12
◯高橋農地局技監兼農地建設課長 局長の方から先ほど申し上げました数字から申し上げますと,昨年の進捗率よりは相当,今年度は頑張っていただいたわけでございます。その頑張った対策としましては,我々の方も,各事務所の所長さん会議,あるいは,担当の工務課長会議,こういうふうなところにおきまして,毎年,平準化,工事の早期発注というふうなことで激励をしてきてまいったわけであります。その効果が除々に現れてまいりまして,毎年,6月,7月,8月というふうなところの発注率が,徐々にではございますが,上がってきているわけでございます。しかし,土地改良事業の性格上,どうしても,田んぼ,あるいは畑等の中での作業でございます。そういうことで,どうしても端境期を狙った事業が従来の土地改良事業の性格でございます。そういうふうなこともございまして,なかなか,今の申し上げた6月から8月,9月にかけての工事発注というのは困難な点があるわけでございます。しかし,そういう中で,今回の報告のように,数字的には徐々に,それぞれ頑張っていただきまして,数字が上がってきている状態でございます。
今後は,さらにまた,事業の地区の推進,農家の理解を深めていただきまして,できるだけ早いうちに工事が着工できるような地元体制に,設計の作業の準備,前年からの作業の準備等を進めまして,今後の平準化の方の事業のための事業を図ってまいりたいと,こういうふうに思っております。よろしくお願い申し上げます。
13
◯古賀農地局長 今,農地建設課長が御説明したとおりでございますけれども,平準化というのは,私どもにとりましても,やはり,重要な課題であると考えまして,ここ数年来,それに努力をしております。建設課長申しましたように,土地改良事業の性格上,なかなか一般公共土木とは違った面がありますので難しいのでございますけれども,例えば,電算化を進めるとか,あるいは,当該年度予算がついてから設計すると,どうしても設計期間がかかりますので,前年度設計,例えば,ことしの予算で来年度工事を予定しているところを設計を行う,そういうようなことを,今後,もっと進めてまいりたい。そうしますと,予算が割り当てになってから比較的早く積算ができて,発注時期も早くなる,こういうようなことが考えられますので,引き続きそういうような対策をしてまいりたいと考えております。
それから,集中発注の問題はないかということでございますが,平準化が課題と申しましたのは,やはり集中発注をいたしますと,いろいろな点で支障がございます。受注される側からも,やはり,平準化が望まれております。集中発注はいろいろな混乱を来す恐れもありますので,なるべく避けてまいるように努力したいというように考えております。
14 ◯足立委員 これは,上半期の77.5%というと金額的にどのくらいになりますかね。4月末の発注が32.7%で,金額的にこれはどのくらいのものになるのか。発注件数ということになるとどうなりますか。さらに,9月末までに上半期77.5%の発注をするということですが,これは,残りが金額になるわけですけれども,今考えられている件数ではどのくらいの発注になるのでしょうか。
15
◯高橋農地局技監兼農地建設課長 一応,県が実施発注します県営事業に限ってお話し申し上げますと,今年度の予定金額は,恐らく,最終的に約300億円になるだろうと,ただ,当初予算としましては220~230億円になるだろうと。220~230億円に対しまして77.6%の執行と,こういうことになってまいると思います。そういうことから逆算してまいりますと,今後,8月あるいは9月にかけまして発注をする金額はそれの7割でございますので,約140億円近い数字がまだあると思います。
さらに,件数でございますけれども,例年,今のような金額でまいりますと,約980から1,000件の中に,今年度も予定されてまいると思っております。そういうことで,あと,件数的には,相当まだ残ってまいるのではないかと思っているわけでございます。
以上でございます。
16 ◯足立委員 お話を伺いますと,かなり,農地局の皆さん,出先の土地改良事務所等を含めて,大変な努力をいただいているというふうに伺っております。土木部サイドの予算額と比較をしても,農地局のスタッフ等,数少ないメンバーでかなりの努力をして,今回のこういう上半期の発注率を高めるための努力をされていると伺っておりますが,今のお話のようなことを含みあわせて,物理的に,端境期というようなことも含めて,あるいは面的な土地の関係ということもあることがわかった上で,人的にはどうなのでしょうか。例えば,もう少し農地局,この部分で,ある時期に集中して,農地局の中で人的な交流をするなり,工夫をしてやるということについてはどうなのでしょうか。
それから,もう一つ,発注の件数の問題ですが,土木サイドでは,これは,是非はともかくといたしまして,発注の大型化ということが言われていますね。例えば,1件当たりの発注高が,これをそのまま5,000万円にするとかというふうなこと,これはある意味での努力というのか,一つの方針というか,があります。これは,是非はともかくといたしまして,そういうことも考えられていますが,農地局では,そういった面での考えはいかがなものなのでしょうか。
17
◯古賀農地局長 委員御指摘のように,人的と言いますか,職員数は,私どもは十分ではないというふうに認識しております。したがいまして,例えば,時期になりますと,かなりの時間,土地改良事務所等では残業が出ると,やむを得ない状態でございますが,そういう実態にあることは確かでございます。したがいまして,適正な員数を確保するように,人事当局に対しましては,毎年,新規の採用をお願いしておるところでございます。
今,農地局の技術職員の数は,全部で,出先機関を含めまして259名となっております。一時期は290名くらいおりましたので,それから比べますと,かなり減少しているということでございます。
また,戦後入った方が結構おりましたので,その方々が今,退職しております。そういった意味で,退職者の数が比較的多いのに比べて,新規採用数がそれに伴わないというようなことでございますので,減ってきているところでございます。
それから,交流のお話がございましたけれども,一時的な交流というのは非常に難しいわけですが,例えば,集中する時期に,事務所の中でグループを編成して,例えば,ある部門の人が手伝うというようなことは考えられますけれども,それぞれやはり,それぞれの業務をそれぞれの課で持っているわけでございますので,実態的にはそれはなかなか難しいのではないかというふうに思っております。したがいまして,配置された職員の中で何とか努力していただくというような形になろうかと思います。
それから,2点目の発注の大型化の件でございますが,基本的には,発注については,一時は細分化といういろいろな話もあったのですが,今は,できるだけ大型化と,できるだけという限度がございますけれども,大型化を私らとしては支持しております。それはどういうことかといいますと,一つは,人が少ないということ。それから,余り細分化しますと,人が少ないために,設計に大変な手間がかかる,1件の工事,例えば設計するのに,1,000万円の工事でも,3,000万円の工事でも,かかる手間はほとんど変わりません。したがって,2件にすると約倍,それだけ手間がかかるというようなこともございますので,できるところからは,工事の種類,事業の種類によりましても違いますけれども,ある程度の大型化は今後も進めてまいりたいと思っております。
また,事業によりましては,大型化といいましても,どうしても小さな形で工区で発注しなければならないものもございますので,それによって,いわゆる中小企業者が受注の機会が少なくなるのではないかというような御懸念もあるかと思いますけれども,土地改良事業の場合は,地域性といいますか,非常に強いものですから,そういうような,例えば大手ゼネコンにたくさん行ってしまうとか,そういうような懸念はほとんどないのではないかというふうに思っております。また,発注に際しては,そういうことも十分配慮しながら行っていきたいというふうに考えております。
18 ◯足立委員 今回のこの補正の金額,78億6,208万6,000円,このうちのほとんどと言っても言い過ぎではない,5割以上が
農業集落排水事業の53億円ということになっておりますけれども,この
農業集落排水事業に関連をして,これは,発注は,先ほどの説明ですと,受託事業を受けているのは八郷外1市ですか,つまり,2市町村ということになるのでしょうか,を除いて,ほとんどがこれは市町村発注になりますね。前回の委員会でも,これは,問題提起がありましたけれども,この市町村発注に関連をして,県の方でも人的にかなりの協力をせざるを得ないと,こういう背景がありますが,実際,どうなのでしょうか。これも人的に,課ではかなりの負担になっているのでしょうか,この
農業集落排水事業に関する発注の具体的な作業においては,これはいかがですか。
19
◯高橋農地局技監兼農地建設課長 集排事業は,今,委員のおっしゃるとおり,すべてが県の方としましては補助事務でございます。一応そういうふうなことでございますが,やはり,件数がすごく多いというようなこともございますし,補助申請等の事務,あるいは市町村等の技術的な指導,施工の指導,こういうふうなことを含めて,相当な過重になっていることは確かでございます。しかし,団体営事業というふうなこともございまして,県としましては,発注につきましてのいろいろな介入といいますか,こういうふうなことは,一応控えておるわけでございます。あくまでも,施工の技術の指導,こういうふうなことの指導,あるいは経理等の指導,こういうふうなことに重点において指導を行っています。そういうふうなことで,これだけの,今後,当初予算の5割近い予算が補正になってまいりますと,県の方も大変でございますし,市町村としても相当な業務になってくることは確かでございます。一応,それにつきましても,経済振興というようなこともございまして,我々も,市町村も,市町村あるいは農村地域の環境の整備,促進というような意味で,それぞれ地区で頑張っていただいているところでございます。
20 ◯足立委員 ちょっと表現がまずかったかもしれません,発注に関連をしてという,技術指導とかその他という話で,しかし,結果的には,いい発注をするためには,そういう技術指導をしなければいけないということになりますから,間接的には,県の職員がかなりこの部分でそがれるというふうなことになるかと思いますが,この,八郷町外1市町村というのはどこですか。それで,実際,受託を県でした場合,なかなかこれ,極力,市町村発注させるということに,地方分権というか,方向性としてはそうなのでしょうけれども,この受託をしたことによって,県の負担というのはかなり,人的には,やはり,指導よりはとられるのでしょうか。これはいかがでしょう。
21
◯高橋農地局技監兼農地建設課長 今,県の方で受託をしておりますのが,八郷町につきましては,昨年の前半から現在もまだ続いているわけでございますけれども,地元と,いろいろな中で,いろいろな問題があります。そういうことで,急遽,その分を県が去年から実施しておるわけでございます。ただ,実施している分は,あくまでも,県の方の指導が要するというふうな,高度の技術を要するというふうなことで,処理上の部分に限って県が受託をして,去年から八郷町は実施しております。
さらに,今年度から,県の受託事業としまして,正式に受託制度を設けたわけでございます。それは,過疎地域の市町村におきます集排事業の促進というふうなこともございまして,過疎地域で実施する集排事業の処理部分につきまして,処理場の建設,工事,整備につきまして県が受託することにしています。その第1号としまして,現在,御前山の長倉地区というところで,今年度から,その部分の受託を実施しているところでございます。その実施で,実際の指導よりは,実際の現場設計なり,あるいは現場の監督なり,そういうふうなことで,従来の指導よりは相当な手をくうことは間違いない結果となっておるわけでございます。それぞれの専門の1地区に対しまして,担当の職員をつけて事業現場監督,監理等をするような格好になってまいりますので,集排指導というよりは,相当な県の方の人員を要することになっております。
22 ◯足立委員 農村生活環境整備ということ,生産基盤の整備から,そういった農村環境整備ということに重点が,農地局の仕事の中に移されてきておりますが,その最大の事業の内容というのが,この農村集落排水事業だと思います。これは,耐久年数その他あるわけですけれども,その整備が後で禍根を残すことになっては大変でございますので,大変でしょうけれども,賢明な対応と申しましょうか,技術的なものを含めて,万全を期すようにお願いをしておきたいと思います。
そこで,話はまたもとに戻りますけれども,発注の平準化,あるいは早期発注,そして大型化,こういった課題に取り組んでいくというお話でありますが,先ほど,大型化につきましては,発注の是非の問題,是非があるということを申し上げましたが,先ほど局長が言われたように,大型化することによって中小企業の受注の機会が少なくなると,これがあってはいけないので,大型化にプラス,合わせて発注の仕方も変えていかなくてはならないわけですけれども,昨日も本会議で,この発注の仕方について論議がありましたけれども,これは,一般公共土木事業についての議論であったように思います。指名競争入礼制度というものの見直しが,今,迫られております。農地局の発注の仕方も指名競争入礼というようなことであろうかと思いますが,これは,県の発注,今,見直しが,検討委員会など,副知事,知事職務代行者を中心にいたしまして検討されているようですが,農地局といたしましては,この発注の仕方というのは,従来どおりというお考えなのでしょうか。県の方針に合わせて,例えば,制限付き一般競争入札とか,そういった土木部サイドで検討されている内容の発注の仕方に変える検討はされているのかどうか,お伺いしたいと思います。
23
◯高橋農地局技監兼農地建設課長 今,いろいろと,指名競争入札の見直し,改善というふうなことで言われております。我々の方も,年間,相当の事業を担当し,発注しているわけでございます。そういう中で,今,基本的には,従来から指名競争入札を100%主体にしまして,それで執行してまいりました。しかし,今,世論等でそういうふうなお話でございますし,県としましても,今度,県全体の検討委員会を設けまして,意向確認型,あるいは制限付き一般競争の入札の導入,こういうふうなことを,具体的に,今年度中に,年内中にしようというふうなことがなっているわけでございます。当然,我々の方も,県の大きな方向に沿いまして,農地局としましても,何らかの格好でそのことに対して対応していかなければならないと,こういうふうな考えでおります。
特に,具体的に,基本的には,あくまでも,指名競争入札を基本にして置いてまいりますけれども,一部のそういうふうな工事につきましては,今,県の方で検討しているものの方向に沿いまして,我々の方も具体的に検討を進めてまいりたいと,こういうふうなことで,局としましても,県の全体の検討委員会と並行しまして,県の局長を委員長とします検討会を設けまして,そのことに対して,局内を挙げて検討中でございます。
今後,具体的な地区をつき比べて,その中から,できるもの,どういうふうにすればそういうものに,土地改良事業の性格を生かしながら,こういう制度を導入できるか,今後,年内に何とかできるような方向に沿うように,具体的な検討をしてまいりたいと,こういうふうに思っているところでございます。
24
◯古賀農地局長 入礼制度につきましては,検討委員会をつくりましたけれども,副知事がキャップになっております。きのう,副知事から答弁がありました,茨城県の建設工事の入札制度の検討委員会,これは,メンバーといたしまして私も入っておりまして,県全体として検討したいということでございますので,結果的には,ここで出た方向に基づいて農地局も行うということになると思います。
なお,細かな点の検討につきましては,並行して農地局でも検討を進めるということでございますので,御了承いただきたいと思います。
25 ◯足立委員 そうしますと,県全体の決められた方針の後追いをするという考え方なのでしょうか,例えば,先駆けて,より進んでやるというようなお考えは,農地局ではないわけでね。
26
◯古賀農地局長 先駆けとか後追いではなくて,同時にやっている,一緒に検討しているということでございます。農地局の仕事にどう使えるかというような,いろいろ細かな農地局の特殊な事業もございますので,どういうふうに具体的にやれるかということは,農地局サイドで,自分らでも勉強を兼ねて検討しているということでございます。並行してやっているわけでございます。大もとはやはり一つ,県としては一つでございますので,その中で,私も委員の中に入って,そこで検討された結果に基づいて行うということでございます。
27 ◯足立委員 問題提起されておりますように,公平性あるいは透明性,競争性,とかく,お話を伺っていると,より農地局サイドの土地改良を含めた発注の仕方というのは,限られた業者の中でサイクルしているような声を聞かないわけでもありません。内容的に,技術,経験を要するということもあるのかもしれませんけれども,ぜひ,そういう県全体の見直しに合わせて,農地局でも積極的な,より,あるべき発注ができるような,疑惑を招くことのないような発注ができるように,努力方お願いをしておきたいと思います。
最後に,水利課長,先ほどの
水環境整備事業ということで,私ども,視察にまいりましたが,これは三和町でしたか,猿島町にまたがる東山田地区の親水公園の整備等ということですが,これは,どんな内容を今後検討されるのでしょうか,どういう整備がされるのでしょうか。
さらに,負担金の問題ですけれども,県は97万円の負担で済むという,非常にこれ,金額がひっかかるわけですけれども,こういった環境整備については,つまり,これは,市町村の意向に従って,だから市町村がほとんど負担をするのだと,県はその一部でいいのだという考え方なのでしょうか。ここに一つ,県の姿勢が出ているような気がしてしょうがないのですけれども,この東山田地区外2地区ですね,今回,そういう環境整備をするということで考えられているのが。市町村の負担と県負担の配分というのはどんなことなのですか。
28
◯久慈林水利課長 東山田の調整池でございますけれども,先般の現地調査でごらんになっていただいたわけです。しかしながら,工事としては全然やっておりませんので,計画だけでございまして,これからやっていくことになります。年度としましては,平成4年度から5ヵ年間の計画でやる事業になっております。
現在やっておりますのが,ちょうど遊歩道の基礎杭を打っておりまして,これから基礎杭と,補正予算によりまして,上部を架設するというような計画です。
全体計画としましては,この湖は,燦く湖というような名称をつけておりまして,内容としましては,壁泉といいますか,壁から水が出るシステムとか,じゃぶじゃぶ池,これは,子どもが遊べるような池,あるいは太鼓橋とか植裁,それから,広場としましては,燦きの広場とか,そういうものを設置する予定になっております。
事業は,県営事業でございまして,補助率は,国が50%,県が25%,市町村が25%の事業になっております。あくまでも,景観に配慮するという事業は市町村からの申請に基づきましてやっておりまして,問題点としましては,将来的には維持管理をどうするかというのが問題になろうかと思いますので,市町村とよく協議しながら,地元の合意が得られたところでやっていくというようなことでございます。
予算的には,予算書で一般財源97万円になっておりますけれども,今回の,50ページに書いてありますけれども,県分につきましては,県債を充当すると,本年度経済対策につきましては100%を充当していいというようなことになっておりまして,県債で予算化されております。
29 ◯足立委員 わかりました,すみません,県債と一般財源合わせてちょうど25%ということは,4分の1負担ということですね,つまり。ぜひに,これは,また機会を改めて議論したいと思いますが,よく,土地改良に関連をして,水路の整備が3面張りとよく言われますね,コンクリートで固められる,それから,さらに,この東山田地区も,行ってみますと,それこそすべて周りがコンクリートという状況があります。何か,あれで親水型といえるのかなという疑問がないわけではありません。緑を入れたり,自然な池の場面を残すという工夫というのがもう少しされていいのではないかなと,こういう気がいたしました。
この事業というのは,今のお話ですと,市町村から申請をするというお話ですけれども,土地改良も含めたこういう親水型というのでやろうとすると,地元負担が入ってくるということで,なかなか前に進まない。やはりこれは,積極的に県で面倒をみるという姿勢が必要になってくるのではないかなと。やはり,東山国地区の問題も,どなたが行っても,あれはもう少し何とかできないかという思いに駆られるのではないかと思うのです。それを考えたやり方をやらなければいけないので,県がもう少し手を伸ばし,予算もつけてあげて,その部分については単県で面倒をみるというようなことも,工夫があっていいのではないかと思いますので,これは要望にとどめ,また,次の機会に議論をしていきたいと思いますが,せっかく農地局全体の予算の中身が,基盤整備から生括環境整備へと,環境型に変わってきているわけでして,当然,水路だとか,そういう線,面の整備についても,環境型のものの要勢が積極的に入ってきていいのではないか。その分を県が考える,市町村申請ではなくて,県が積極的に誘導していく,金も面倒をみようと,こういうことがあっていいのではないかと思いますので,ぜひ,御検討いただきたいと思います。
これは,要望にとどめて,質問を終わります。
30 ◯遠井委員長 川井委員。
31 ◯川井委員 広域営農団地農道整備事業について,高橋課長さんにお尋ねしますけれども,この農道事業は,単に農林業の振興というだけではないだろうと,ということは,非常に,地域にとりまして,国県道の補完という意味も大きく加味されまして,地域にとりまして,本当に喜びにたえないというようなことを実際に伺っております。同時に,国県道との連絡も,極めてスムーズにいっているということで,広域農道につきましては,大変好評をいただいているということでございます。
それで,先ほど,課長さんのお話で,現在,8地区において実施をいたしておると,それで,今回は5つの地区に対する補正だと,こういうふうにお話がございましたけれども,現在,8地区の事業の進捗状況はどのようなものなのか,余り細かくなくても結構ですから,お教えをいただければ,まず,それから伺っておきたいと思います。
32
◯高橋農地局技監兼農地建設課長 現在,今の8地区,継続地区が,稲敷地区から,新しい,今年度着工しましたつくば下総地区まで8地区あるわけでございます。その全体の事業費が496億円になっておりまして,平成4年度まで消化した金が370億円でございます。したがいまして,パーセントにしますと,トータル的には,約70%の進捗になっているわけでございます。
ただ,中を見てまいりますと,それぞればらばらといいますか,それぞれ新しい地区,古い地区がございます。そういうことで,1地区,1地区見てもらいますと,古い地区では,大体,もう80%強いっている地区がございますし,最近着工しまして2~3年経った地区では,まだ17%前後にいると,こういうふうな状況でございます。
33 ◯川井委員 今のお話でいきますと,大体の全体計画が約500億円ですよね。それで,これを見ますと,現計で28億8,000万円,さらに,補正で,これは工事費ですよ,工事費で見ましても8億8,800万円ということですから,37~38億円というのが,現在の,平成5年のすべてですね。そうしますと,地域によっては,相当進捗率がございまして,供用開始,部分的にやっていたり,あるいは完成もするだろうと,しかし,地域によりましては,これは大変息の長いレースになってしまうのではないかということだと思うのです。
そういうことで,農地局の配慮によりまして,県北の北部につきましては,農用地事業公団が事業を一部肩代わりをしてくれるということで,大変,事業の進捗に大きく展望が開けたわけです。しかし,それにしても,まだまだもって,いつできるのかという懸念がないわけではないわけでございまして,それで,ここで,債務負担行為もございますけれども,笠間外2地区の農道整備,1億3,500万円が債務負担と,さらにまた,ゼロ国等の補正もあると,いろいろそういうものを含めて,細かに伺うこともどうかと思うので,一番肝心の,私が聞きたいのは,県北の東部,北部の現在の進捗状況と,本年現在,補正を見込まれている額でどういう数字になっているのかと,県北の東部と北部の1,2期と,そういうことを伺いながら,細かいかもしれませんけれども,いずれにしても,非常に,冒頭申し上げましたように,単なる農林業の振興のみならず,その地域の交通体系の補完にも大いにこの威力が発揮できるという道路ですから,その辺に対して,配慮の仕方がどういうふうになされているのか,一番,着工以来,なかなか営々努力しながらも進まない地域に対する特段の予算の配分の仕方,こういうものを,基本的な考えでも,余り細かになりますと,いずれ聞く折りもございましょうから,配分に対する基本的な考え方を高橋課長さんにお伺いをいたしておきたいなというのと,どこですか,去年あたり新しく計画を立てられた地域があったように聞いたのですけれども,今,新しい地域が計画を立てられて新規着工をしたと,それ以外にも,県内全域を網羅したときに,やはり,広域農道で農林業の振興やら地域の交通体系にも大いに寄与するというような地域を御検討をなさっているような場所でもございますれば,ひとつお聞かせいただきたい。
34
◯高橋農地局技監兼農地建設課長 まず,最初の話でございます県北東部,県北北部地区につきましての状況でございます。
県北東部につきましては,全体が171億円というふうな事業費を持っているわけでございますが,平成4年度,去年までの時点では36%の進捗でございます。さらに,今年度の場合は,さらに大きな構造物を実施しております。そういうふうなこともございまして,重点的な配分を行うというようなこともございまして,11億円の予算が当初で計上されております。
それに対しまして,今回,現年度の追加分ということで,さらに,債務負担行為としまして1億円の予算を計上いたしました。したがいまして,今年度は,約12億円の事業費で年度実施がされると思います。そういう意味で,工事は急速に伸びてまいるのではないかと,こういうふうに感じているところでございます。
さらに,北部でございますけれども,北部1期,2期とあるわけでございますが,それをトータルして御説明申し上げますと,全体的には,一部の部分を奥久慈に持ってまいりました,公団の方へ持ってまいりましたので,残りの事業としまして,約80億円の予算にトータルでなっております。そういう中で,今年度までは,パーセント的には,大体34~35%のパーセントにトータルでなっていると思います。そういう中で,当初,面地区合わせまして約5億5,000万円の事業費を組んでおります。
これに対しまして,今回も,現年の予算配分としまして,国の通常予算で2億円の追加を行っております。したがいまして,今年度は約7億円から8億円近い事業の実施になってまいると思います。これによりまして,この地区も今後伸びていくだろうと,こういうふうに思っているわけでございます。
さらに,広域農道としましての予算配分の基本的な考えでございますけれども,我々の方は,国から来る予算は,年間を通しまして,毎年通しまして,大体30億円前後が基準になっているわけでございます。そういう中で,8地区を実施してまいりますと,それぞれの方に分割しますと,主要な工事がある地区はなかなか進まないことになります。そういうことで,基本的には,大きな構造物がある地区に対しては集中的に予算を配分しまして,その間,他の地区は幾らか我慢してもらうと,こういうふうな予算配分を基本的に考えて実施しております。そういうふうな大きい地区が終わりますとほかの地区と,こういうふうな格好の進め方,予算配分をしているところでございます。
今後とも,そういうふうな考えで配分をしてまいりたいと思っております。よろしくお願いします。
35 ◯篠原農地計画課長 広域農道の新規の地区の検討ということでございますけれども,確かに,広域農道はかなりやっておりますので,その便利さとか,その機能性は,先ほど言われましたように,大変いいのですけれども,今の段階で,具体的にどこというようなことの検討は,まだされておりません。これは,地元の事情もありまして,それと,建設省の出方もいろいろ最近は出てきておりまして,その辺の調整が必要になってきているということで,新しいものは大変困難な時期になってきていますということでございます。
36 ◯川井委員 おおむね理解ができましたけれども,計画課長さん,おっしゃるとおりだと思うのですけれども,この広域農道は,繰り返すようですけれども,本当に,地域の広範囲な中で,国県道だけに頼れない地域があろうかと思うのです。そういう地域をカバーするのには極めて有効な事業の一環であると,こういうふうに思いますので,建設省やその他のかかわりもございましょうけれども,できる限り,そういう地域がありまして,あるいはまた,地域の市町村からの御要請やら,あるいはまた,可能な地域があれば,さらに一層,御尽力をお願いをしたいと,このように,これは御要望を申し上げます。
さらに,高橋課長に最後に一言,第3回定例会がございますよね,通常,第3回定例会は予算が提案されるということなのだけれども,局長の方ですか,第3回定例会には,この広域農道関係の予算が計上される見通しは,現在はおありではないということですか。あるいはまた,十分,国との折衝の上,さらに一層,地域によって,あるいは地域の農道によっては補正も考えられるということでしょうか。
37
◯古賀農地局長 通常の年ですと,大体,国の補正が決まるのが秋ごろになってまいりますので,第3回定例会以降に,あるいは第3回定例会ぎりぎりのあたりに補正ということが考えられますけれども,ことしは,御承知のような形で,年度当初予算と一緒に補正まで行われましたので,国の動き,聞いている範囲では,新たな補正が具体化するというようなことはまだ聞いておりませんので,国補事業については,大きな動きはないのではないか。一部分,事業によりましては,微調整ということが起こる可能性がありますけれども,大きな補正は期待できないというふうに考えております。
したがいまして,広域農道につきましても,9月での,今回の第3回定例会での補正は,今のところ予定しておりません。
なお,第3回定例会では,県単公共につきましては,今回まだ,この議会では御提案しておりませんので,第3回定例会での御審議をお願いすることになるのではないかというふうに考えております。
38 ◯遠井委員長 常井委員。
39 ◯常井委員 今,局長が言った,平常の年だというと,本来は第3回定例会でやるというのは常識ですよね,今まで。今回の,きのうからきょう,あしたにかけてやることは,どこまでも臨時的な場合で,経済緊急対策事業の一環として先行したわけですね。本来なら,これは第3回定例会と一緒に合わせてやるべきが筋合いですね。だが,今回は異常事態で,知事が辞めるというような事態の中で,選挙戦に突入してしまう,選挙が終わってからではおくれであると,そういうようなことで,臨時県会を早期にやって,そして,その経済浮揚のみを早期にやろうと,こういうような形で出したわけなのです。本来は,一般的な予算の,国においてもしかり,県の単県事業においてもしかり,公共においてもしかり,あるいは,農地局独自の単独財源においてもしかり,これは,第3回定例会で当然出るべきものと思っているのですがね。そういうふうに,財政当局との調整も行っておってしかりだと思うのです。今回の事業においても,大型事業のみが大変にクローズアップしていますけれども,むしろ,今までの日の当たらないような,きめの細かい行政というものは補正でというような形が一般的な常識だと思うのですね。
これは,やはり,9月の補正で,一般の第3回定例会の中においてできる限りの予算を確保していくということが農地局の仕事であろうし,しかも,時期的に,春とか,あるいは今の稲刈りが終わらない前にとか,あるいは,田んぼでも畑でも同じだ,これは。収穫が終わった後において,その工事を施工しやすい時期に工事をやるということですから,これは相当にやるべきが至当であるし,しかも,今お話しになっておりますように,いわゆる広域営農団地の大型農道,そういったものの整備というものはかなり進んではおりますけれども,それと並行して,いわゆる一般のほ場の整備の中で,農道と橋梁というものを早期に整備をする必要があるのではないかということを前に言っているわけです。
それで,高橋課長も,この前は,ちゃんとそれを調査して,そして,それに対応するということが言っているわけですね。これは,何も国補事業のみが今回の緊急経済対策事業ではなくて,県でその事業を起こしてもできるという事業でしょう,県でやっても。だから,私はこれは,むしろ第3回定例会の中において,農道とか橋梁というものは第3回定例会の中でできる限りの事業費というものを計上していくことが景気の浮揚につながるし,あるいは,農村の環境整備の一環としても,私は,プラスになるのではないかと思うのです。それができなければ,ちょっと,前もって言っていたことが,高橋課長なんか,とうとうとして説明していたのだけれども,農道においては調査は終わってます,橋梁においてやってなかった,急いでやりますと,それで対応すると言ったことが第3回定例会に出てこなければ意味がないと思うんですよね,どうなのですか,これは。
40 ◯篠原農地計画課長 ただいまの御質問は県単の事業でございますけれども,それにつきまして,調査して,今度の県単の,きょうの私どもの方で該当なかったものですから資料は持ち合わせてございませんけれども,次の機会の中の県単事業の中で,かなり要求させていただいております。
41 ◯常井委員 それ,だめなんだ,そういうふうなことでやらなくてはだめなんだよ。うまいことばかり言ってたって我々が聞いているんだから,県民が聞いているし,みんな聞いている中でやっているわけですから,第3回定例会において予算が計上ができない,これであれだなどということを言われると困っちゃうから,ひとつ,そういうような面は大幅に取ってもらうように,大いに努力してもらって,我々もバックアップはしますから,ひとつ頼みます。
それから,先ほど,足立委員からよく言われておりました,この前,私,問題にしたのですが,いわゆる農村環境整備の一環としての水質浄化の問題,いわゆる水質の浄化の問題ですね。あれは,やはり,県内の公平化を期する,いわゆる制度的にはぴちっとどこも,発注基準も,設計単価においても,同じだと,こういうようなことを言っておりますけれども,私はあれは,連合会に出してやっておりますけれども,できる限り県が主導権を握ってやらないと,例えば八郷のような問題が起きるし,あるいは,今,業者の選定において,あるいは入札の方式の問題がいろいろと問題になっておりますけれども,これらにおいても,やっぱり私は,国とか県だけではないと思うのですよね。むしろ市町村に問題が生じてくるものと思うのです。
そういったものを,結局,工事の発注の仕方においては,国の,あるいは,県というのは比較的調整はとりますけれども,市町村となると,なかなかとれないような形になると思うのです。市町村に問題が出てくるような気がします。
だから,それだけの能力がないような,技術もないような業者が受け取ってしまって,それをごじょごじょごじょごじょにしていく,それが,トラブルのもとになる,あるいは利害関係がそこで惹起する,あるいは調整の中の派閥色が出てくる,そういった中で,いろいろなトラブルが出てくる。むしろ県が主導権を握って,しかも,土地改良事務所などにおいてもほ場整備などもかなりもう進んでおりますので,手があいているようです。さっき,人手が足りないと言っておりますけれども,実質的には相当有能な職員がたくさんいると思うので,これらの研修を進めながら,県が主導権を握って進めるようなことをやった方が,工事の進捗度合いが,非常に平準化も進むし,それから,早期に完成をするもとになるのではないか,そしてまた,公平な工事ができると,こういうふうに思うのですが,その辺はどうですか。
42
◯古賀農地局長 ただいまの,いわゆる水質浄化といいますか,集排事業のことだと思いますけれども,そのお話の前に,先ほどの県単の補正の話,ちょっと補足させていただきたいと思います。
今回の補正では,国補公共事業のみに限って,総合経済対策の一環として補正させていただきましたけれども,いわゆる小規模事業,国補に該当しない事業につきましては,県単独の施策を持っておりますので,それにつきましては,今,委員御指摘がありましたように,その補正も積極的には行う必要があると,これは,第3回定例会で,次の議会で御提案させていただきたいと思います。
なお,現在のところ,いわゆる既定の事業といいますか,制度化されている各種事業,県単事業の補正,増額補正というものを検討しております。新たな制度の導入につきましては,従来から財政当局と折衝中でございます。現在も折衝中でございます。これにつきましては,私どもとしましては,9月,いわゆる第3回定例会で補正として上げたいという意思は伝えておりますけれども,具体的に申しますと,新規制度につきましては年度当初が妥当ではないかと,こういうような意見もございまして,まだ結論をみておりません。引き続き,努力したいと思いますけれども,第3回定例会で上程できない可能性もございますので,お含みいただきたいと思っております。御指摘のような御意向は,十分,私ども理解しておりますし,努力を重ねているところでございます。
それから,2つ目の水質浄化の件でございますけれども,県が主導権を持ってという御意見でございますが,非常に難しい面がございます。と申しますのは,これは,団体営事業でスタートいたしまして,市町村が事業主体になって,かなりの実績も上げてまいりました。したがって,ここで団体営から県が,主導権にもいろいろな意味がございますけれども,例えば受託県営とかという方向に切り換えていくのは,かなりの抵抗が実際に感じられます。したがいまして,先ほど高橋課長が御答弁申しましたように,とりあえず制度化しましたのは,過疎地域,いわゆる市町村の人的な弱さといいますか,そういうことが懸念される地域に対しましては受託県営という制度化をしたところでございます。
それから,指導の範囲でございますけれども,団体営事業,特に市町村が事業主体になっておられるところでは,市町村が執行権を持っております。そこに対する指導は,やはり,おのずと限度がございますので,余り県が主導権を握ってという形にはちょっとできないのではないか。ただ,技術的な設計とか,あるいは監督の方法とか,そういう技術サイドについては,私どもも団体営事業の指導という立場から,県自体の職員の研修を行いながら,技術力の向上を図って,その指導力は強めていきたいというふうに考えているところでございます。
なお,そうかといって,市町村事業でいろいろ問題が起こると困りますので,できる範囲での指導というところの指導の範疇でそういうことが起こらないように努めてまいりたいと,こういうふうに考えております。
43 ◯常井委員 新規とか何かについて,当初予算で予算をとるべきだと,こういうようなことは当然なんだけれども,これは,時点時点の調整だから,できる限りもらった方がいいです。頑張って取ってください。
44 ◯遠井委員長 岡部委員。
45 ◯岡部委員 入札制度の透明度という,いろいろ今日的に何でも新しくならなくてはならないと,そういう世論があるわけだ。お話,昨日の本会議を聞いていたのですが,一部押しかけていますが,ちょっと休んでしまいまして,聞いていなかった面もあって,けさほど原稿をあれなんですが,これ,農地局という一つの時代の趨勢があるわけです。例えば,3年前までバブルというあの非常に物価高騰したときは,農地局にいる古い方は,仕事をやってくださいと持ち歩かなければ,業者はやらなかったですよ,農地部の仕事は安くて。例えば,揚水機場なら揚水機場をやりたいと,積算したらみんな赤字ですよと,一方では民間工事は加熱しているわけですから,それでなくても,農地部の仕事は質が悪いと,質というのは利益がないと指摘されてきたわけです。現段階の,副知事がやっているいろいろな制度の改革がありますが,私は,制度を本格的に,本当に,建設省の指導もありましょうし,郵政省もいろいろあるでしょう,各官庁,農林水産省もあるでしょう。あの制度を本格的にやってきましたら,県内の中小企業は入れないんですよ。これ,執行部の皆さんが一番知っていると思います。
先ほど,大型の工事の問題が出ましたね。執行部は,1億円の仕事を地場産業育成というので,細分化して3本ぐらいに出すわけだ。1億円の仕事をそのまま出せば,諸経費も県はそう乗せなくたっていいでしょうよ。それを,1億円の仕事を,3本なら3,300万円ずつやれば,諸経費は,恐らく倍までいかないけれども,それに匹敵する諸経費を皆さん乗せているんでしょうよ。一方から言えば,これは,県のむだ遣いなんだよ。1本で,1億円で出してもらえば,県の方も技術者1人で済む,受注した方も済む。
なんで私は,細分化という問題,今度のいろいろな問題がありますから,新しくなることが今の時代の要請であるとすれば,それをやっていきますと,例えば,今の建設省も農林水産省もみんなそうですが,資格審査というのがありますよね。そうすると,土木ならば,1億円の仕事には1級土木士何人,例えば3,000万円以上の土木については2級土木士何人,建築で10億円だったら1級建築士何人という適格者が要求されますよね。
ところが,現在,先ほど常井委員からも出ましたが,市町村でそれを的確にやられたら仕事できませんよ。法的に決まった資格者を一現場に必ず置きなさいといったら,仕事できないんだよ。いないんだから,人が。行政はそこまでかぶってやっているわけだよな。だから,私は,今度の指名の新しい方向にどういう,例えば,制限付き一般競争入札とか,今度,意向確認指名競争入札というのがあるけれど,あれとってみたって,一つここに工事がありますよと,では,12社から自分の意向の希望を出してくださいよと,それだけでしょう。その中で意向を聞いて指名する。だけど,現実に,取った仕事の中でのきちっとした,県,国で決めたあれをやれば,適格者というのは中央,また,県内のAクラスだけであって,民間指向でやっている業者には適格者はいないでしょう。
皆さん,市町村にいろいろ委託,また,農地も各町村いろいろあった,さっき高橋技監から説明のあった八郷,あれだって,技術者がいれば,ああいう問題はできないわけですよね,そうでしょう。発注する町役場にしても,それを請け負った業者にも,L型U字溝を裏と表反対に使っちゃったなんて,そういうミスはないわけですよ。それは,地方業者の,中小の,弱小──弱小って失礼ですが,技術者がいないですよ。いないところにそういう指名をしているわけですよ。だから,今日的にいろいろ制限が出てきた場合,恐らく,だんだんだんだん,むしろ中小企業は仕事をやれなくなってしまうと思いますよ。
建設省は,今度は資本金で決めてきたでしょう。例えば,10億円の仕事なら資本金は何億円から何億円までという制限価格を設けてきているわけですから,これは当然,地方業者も入れない,茨城県もそういうものが入ってくるなら,茨城県だって県内業者はやれないですよ。例えば,10億円のうち5億円の資本金を持たなくてはだめだとか,発注金額の半分の金額の資本金でなくてはだめだということ。そしたら,大手さんは300億円とか1,000億円とか2,000億円ですから,そうすると,発注金額の50%は資本金あるわけですよ。だから,そういう詳細なものを,私,今度建設省のあれを見ていましたら,そういうことが出てきていますから,今度,いろいろこの問題の中で透明度が要求されるわけでございますが,いずれにしても,建設業とか,何でもそうなのです,そういう時代だから,そうあるべきだと思いますけれども,一般では談合だなどとも言われていますが,100年間やってきてしまったんだよね。いいか悪いか。
私,談合だなどというのはないと思うんですよ。日本の社会は自由競争ですから,そういうことを明示してあるわけですよ。私は談合だなどというのはあり得ないと思う。ただ,今の言ういろいろな会則,指名に対してのいろいろな制度の中では,それを本格的にやってきた場合,県内業者の中小というか,B,Cクラスが指名に入れなくなってしまうでしょう。指名審査する方も,これは5,000万円の土木ですよ,そうすると,2級土木士が何人と指定するでしょう。そうすると,その会社がほかに2本仕事を取っていて,10人の社員しかいないとき,技術者が3人しかいなければ指名に入れないでしょう。その辺の勘案をしていかないと,中小企業というものはますます追い込まれてしまう。今,総合的にいろいろ問題は出ているけど,そういう勘案をしたら,それは新しいことをすることもいいけど,やっぱり地場産業育成という一つの視点からいけば,見直しはいいけど,そういう面をどうクリアするのだと,農地局だって,いろいろの会社から指名願いが出ていましょうよ,農地管理課ですか,計画課へ出すのかな,農地局は。監理課ですか。指名のあれはね。
そうすると,それを見ても,実際には,帳簿上には,例えば1級土木士が何人いますよと出てきて,事前に調査したら,名前だけでその人はいないと。多々あることなのです。それを厳密にやったら,県内業者は入れないです,特に中小企業は。そういう意味合いを兼ねたときに,やっぱり,いろいろ,今後,そういう問題が出てくるけど,まあ,知事部局でやっているという,土木部で委員会をつくってやっているんでしょうけれども,その辺の取り上げ方というのを慎重にしていただきたい。
一方では地場産業,公共の投資の中で,経済,何とか浮揚しなくてはいけないという現段階で,逆に,やれば,そういうものつくればつくるほど,下のクラスというのは入れませんから,これは現実に皆さんが一番知っていることだ。そして,先ほどちょっと,蛇足だけど,3年前か4年前,あのバブルのときは,農地部の仕事なんかやる人いなかったでしょうよ。やってくれ,やってくれと持ち歩いたわけだから。今度民間がなくなってきましたよと,だから今度は仕事をくださいと,さっきも私,笑ったのですが,私らの選挙でも,4年に一遍やられるけれども,全然会わない人は,新党さんかさきがけさんかわからないけれども,手を上げて,票は入るかしれないけれども,我々では票はふえない。やっぱり,集会所へ行ってお願いするか,個別訪間は違反だからやれないにしても,そういうところでお願いして,お互いに顔と顔を知り合う。役所に一遍も来ない人を役所が指名するわけないでしょう。当然,3,000万円以上は建設業登録を取らなくては業法違反になりますからね。だから,茨城県の土木でも何でも監理課が建設業登録を取るために来るわけだ。それが必ずしも指名をもらいたくて取ったわけではないからな。業法で言う,建設業の許可がなければ請負業できないでしょう,民間でも。今,5,000万円になったが,違反だから。その人と,今言ったように,1年に一遍も,変ですが,出先の農地局が8つあるのかな,改良事務所,そこへ全然行かない人が,出先だと指名しますか,現実の問題として。恐らく,うーん,来たことないな,わからないな,というのが,私は,本心だと思う。
そういう踏まえ方すると,先ほど言った,農地局は農地局の歴史,それは何も古いものを求めるのではなく,そういう伝統もあって,その時代に苦しんだ人もいるわけだから,皆さん,まだ新しいから,先輩の部課長は,どうせこれ,揚水機場だけど,ものすごく赤字だと,18億円もあったけど,1割の1億8,000万円赤字だから,だれも受けてがない。持ち歩いて,ぜひやってくださいよと,そういって仕上げてきたわけだからな。
そういう視点を踏むと,今度の制度と見直しというものは,見直しではなく,新しいものができてくるかもしれないけれども,やっぱり,県内の弱小企業といったら失礼だけど,中小企業というものをどこですくい上げてくれるかと,そういうことを,局長,見直ししてください。いい面で,どうすくい上げるか。先ほど常井委員も言った,出先の市町村にも問題がある,これは事実です。私も日立周辺にいますが,その会社は仕事を6本取った。実は技術者がいない。1人で3ヵ所見ているわけです。これは端的に指摘したら違反です。1ヵ所には必ずいなさいという原理ですよ。いない。それが,実際,県内の中小企業の実態なのです。
そういうことで,局長さん,見直すという,新しい制度へいくだろうけれども,そういうものを踏まえてやっていただきたい。そういう制度の中で,どう新しくするか,これはやっぱり風土の中でそれだけ育ってきたわけだから。ひとつ,局長さん,ちょっと,簡単でいいですから。
46
◯古賀農地局長 基本的には,今,岡部委員がお話しになりました問題につきましては,先ほど申しました茨城県の建設工事の入札契約制度の検討委員会の中で,今後検討を進めるわけでございますけれども,これまで行ってきた指名競争入札がすべて悪いというふうには私どもも考えておりませんし,昨年出しました建設省の中建審ですか,これの中間報告でも,それをベースにしながら,新しい方策を検討していかなければならないと,こういうような基本的な姿勢をとっております。
指名競争がとられた経緯は,もう,重々御承知だと思いますけれども,やはり,信頼できる業者,ちゃんとした技術がある,資本力のある,それで,適正な価格で適正な仕上げが期待できる,そういうような業者を対象に選んでいるわけでございまして,特に公共工事につきましては,きちっとした出来型が要求されますので,そういった意味でリスクを減らすという意味で,指名競争入札が今までやられてきたというふうに考えております。
ただ,そういう制度の中でいろいろな問題が発生したのもですから,それ一辺倒でいくわけにはいかないということで,新たな検討が必要になったというふうに理解しております。
それで,現在,検討されております,あるいは,話に出ております,例えば,技術情報募集型であるとか,あるいは,技術情報募集型に加えて施工技術の提案型であるとか,あるいは意向確認型とか,こういうのは,最終的には指名という形に落ち着いていくわけです。それと大きく違うのは,いわゆる制限付きであれ一般競争入札,これは,指名とは全然異質なものになってまいりますけれども,その違いは非常に大きいわけでございます。
それで,どちらが,どこまでいけばいいかというのは,正直なところ,私どももまだはっきりいたしておりませんで,研究段階でございます。検討させていただきたいと思います。申し上げましたように,制度を変えることによって,例えば事務当局もさることながら,あるいは受注される業界も大きな混乱を招くというようなことでも困りますし,私どもが最終的に目標にしています,公共事業のいい出来型が確保できる,信頼できる工事ができる,それができなくなると困りますので,そういうことのないように,しかも,今,県民の皆さんが広く関心を持たれておりますような公正さ,あるいは透明性,そういうものをちゃんと納得していただけるような,そういうような制度の一つになるのではないか。これに収れんするというものではないと思いますから,そういうものを十分頭に置きながら,検討してまいりたいと考えております。
47 ◯岡部委員 今のお話を聞いてあれなのですが,まさに,公正さと透明さだと思うのですが,一般的にはあれですか,例えば,指名願いをやりますね。そのときに,農地局は農地局で受理して審査しているのですか。
48
◯古賀農地局長 それは,土木の監理課で一括して審査しております。
49 ◯岡部委員 これは,審査の中では,結局,毎年,国税の納税証明書を添付しているわけですよね。それは,利益が幾らあるのだと,それに対して,納税額は幾らなのだという証明書をつけているわけですよ,今。だから,信頼度の問題の中で,さっきの技術者の数とか,対内部的な,財務がどうなんだと,結局は,資金的にはどうなんだというような信頼確度の高いものを添付しているわけですから,全部。そういうことで,ランク別というものは区別してあると思うのですよ。
だから,今言った,会計検査院の検査もあることだし,技術的に高度なものが今,要求されてますから,そういう面では,そういう審査の過程の中のあれはランクつけであるという認識をしていただかないと,ただ,Aクラスだと上がってきたとか,Bクラスで上がってきたとか,Cクラスで上がってきたということではないのです。そういう信頼的なものも添付してあるわけですから。
私,きょうは歯の治療をやっているものですから,ちょっと発音が悪いのですが,聞きづらかったと思うのですが,勘弁していただいて,以上で……。答弁は結構ですから。
50 ◯遠井委員長 ほかにございませんか。──。
江田委員。
51 ◯江田委員 今回の補正の中で,土木部に次いで農地局が,公共事業ということでメーンになって,補正額も多いわけですけれども,その中で,1点だけ,ちょっとお聞きしたいと思うのですけれども,地方債の方で,湛水防除と土地改良事業で,合計で2億3,000万円ですか,の地方債の限度額の変更があるということで提案されているわけですけれども,この地方債の方は,農地局の方では,湛水防除と土地改良関係の2本だけでございますか。
52
◯高橋農地局技監兼農地建設課長 地方債の,先ほどの1)の資料の中の12ページだと思いますが,従来,我々の事業で,従来から制度としまして,県の負担分が起債対象になっているのは,湛水防除事業,あるいは,その他の防災事業が従来から回っているわけでございます。そのほかの土地改良事業は,ほ場整備事業を初めとしますいろいろな集排事業等につきましては,起債事業は制度的には認められておりません。今回に限りまして,経済対策というふうなことで,県の事業の県負担分に対して起債が認められた,地方債が認められた,こういうふうなものでございます。
全体的に22億円というのは,ほ場整備から始まりまして,広域農道,集排事業,これに対する県負担分を地方債として計上することが認められた,認めていくというふうなものの承認でございます。
53 ◯江田委員 22億5,600万円の話,わかりました。
農地局として,地方債の発行残高は現在どのくらいあるわけでしょうか。
54
◯古賀農地局長 地方債につきましては,一括して財政当局の方で決めておりますので,農地局で幾らというものはございません。だから,今回も,幾らにするかというのは,財政当局の方の協議でやっているようでございますので,こちらではお答えできません。
55 ◯江田委員 はい。平成5年度末の予定が,何か,県の一般会計の方で,5,500億円ぐらいというふうな地方債の累計が予定されているという中で,農地局,公共事業をやる割に,大変,農地局自体の地方債のパーセンテージが非常に少ないのではないかなというふうに思いまして,今,質問をしたわけでございますけれども,結構です。
56 ◯遠井委員長 常井委員。
57 ◯常井委員 今,建設業界では,暇で暇でどうしようもない,まるで仕事がなくて。若い人でも年寄りでも同じだけれども,従業員がパチンコ,雨降りのパチンコというのならいいけど,お天気のいいときにもパチンコなんか行って遊んでいる。赤のれんなんかばかりくぐって酒飲みやってどうしようもない,仕事がなくてどうしようもないと言っているのだから,ひからびている。機械も何もみんな赤さびになってしまう。だから,これやったら,平準化も必要だろうけれども,この際は緊急経済対策事業の趣旨に沿って,即,私は発注してやるべきだと思うのです。いつごろ出せるの,これ,本当に。
58
◯古賀農地局長 すべて把握しておりませんので,いつころとはお答えできませんけれども,今回につきましては,国の補正が早く決まっておりましたし,額もつかんでおりましたので,早期発注に間に合うものにつきましては上半期に,上半期に間に合うものについては上半期に発注しようと,こういうことで事務所を指導してまいりましたので,上半期は当初予算主体にやっておりましたけれども,下半期に入りまして早い時期にほとんど発注できるというふうに認識しております。
59 ◯常井委員 とにかく,上半期に間に合うように発注してやれよ。みんな待っているから。
60 ◯遠井委員長 では,質疑がないようでございますので,質疑を終了いたします。
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61 ◯遠井委員長 これより,議案の採決を行います。
第96号議案中農地局関係について,原案のとおり可決することと決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
62 ◯遠井委員長 御異議なしと認め,本件は,原案のとおり可決することと決しました。
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63 ◯遠井委員長 農地局関係の審査は,以上で終了いたしました。
御苦労さまでした。
また,執行部交代のため,暫時休憩いたします。
再開予定は,午後1時10分といたします。
午後0時36分休憩
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午後1時10分開議
64 ◯遠井委員長 休憩前に引き続き,
農林水産委員会を再開いたします。
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65 ◯遠井委員長 これより,農林水産部関係の審査を行います。
議事に入るに先立ち,御報告いたします。
農林水産部の出席説明者のうち,石川水産振興課長が出張のため委員会に欠席する旨届けがあり,委員長において許可いたしております。
なお,かわりに,大崎同課総括課長補佐が出席しておりますので,御了承のほどをお願いいたします。
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66 ◯遠井委員長 それでは,議事入ります。
第96号議案平成5年度茨城県
一般会計補正予算(第1号)中農林水産部関係,第108号議案県有財産の取得について,以上2件を一括して議題といたします。
説明を求めます。
松丸農林水産部長。
67 ◯松丸農林水産部長 初めに,ただいま委員長から御報告がありましたように,出席説明者に変更がございますので,紹介いたします。
石川水産振興課長が公務出張中のため,かわりまして出席しております,総括課長補佐の大崎正昭です。
それでは,本日お願いしております付託案件の説明に先立ちまして,二,三御報告申し上げます。
まず,8月27日に本県を襲った台風11号による農林水産業関係の被害についてでございます。被害を受けられた方々に対し,心からお見舞い申し上げます。
被害の概況につきましては,台風通過後,直ちに,農業総合センター農業改良普及所や関係機関を通じ調査したところ,農作物で,被害面積が約900ヘクタール,被害金額が約7億5,000万円,漁業関係で,漁網,漁船に対する被害が130万円に及んだほか,治山施設,林道など,公共施設で1億6,000万円の被害を受けたところであります。
主な農作物被害といたしましては,速報値でありますけれども,水稲が,東村,石下町を中心に701ヘクタール,4億3,000万円,ナスが,三和町,結城市等で40ヘクタール,1億4,000万円,梨が,八郷町,常陸太田市で14ヘクタール,4,000万円等となっております。
県といたしましては,農業総合センター農業改良普及所等を通じ,被害の状況に応じ,排水対策や病害虫防除,樹草勢回復のための技術指導に努めるとともに,今後,被害市町村等関係者の意見を聞きながら,きめ細かな対応を図ってまいりたいと考えております。
また,ことしの夏の低温,日照不足による農作物に対する影響についてであります。
ことしの梅雨入りは,6月2日と,平年に比べ1週間早い訪れとなり,梅雨明けは7月21日と,例年にない長い梅雨となりました。また,梅雨明け後も,低温,日照不足の日が続き,特に,早生種の水稲について,生育過程で重要な時期に天候不順となり,不稔粒の発生やイモチ病の発生が懸念される事態となりました。
県といたしましては,低温,日照不足に対し,病害虫防除などの指導の徹底を図ったところでありますが,梅雨が予想外に長引いたため,農業総合センター内に,低温,日照不足等に対する農作物技術対策班を設置するとともに,本庁におきましては,県農林水産漁業災害対策委員会等を招集し,農作物の生育状況の把握や技術対策等を協議し,稲のイモチ病に関しては,注意報及び警報を相次いで発令し,農業総合センター農業改良普及所を通し,イモチ病の防除や発熱向上剤の散布,適正な肥培管理など,技術対策の徹底指導に努めてきたところであります。
このように,関係者一体となった努力もあり,8月27日に公表されました8月15日現在の水稲の作況指数は,全国95に対し,本県は96となっております。
また,野菜につきましては,一部,生育のおくれや収量の減少が見られますが,県全体としては,堅調な市況に支えられ,平年並み,あるいはそれ以上の所得を確保している状況にあります。
県といたしましては,今後とも天候の推移を見守りつつ,状況に応じ,適切な措置を遅滞なく講じてまいりたいと考えております。
次に,いばらき農林水産フェアーについてでございます。
去る27日から今週の9月2日まで,中1日の休みを挟みまして6日間,東京日本橋三越本店において,いばらき農林水産フェアーを開催中でございます。
このフェアーは,本県のすぐれた農林水産物及びその加工品を広く東京都内の一般消費者にアピールし,県産品の消費拡大とイメージアップを図るため,展示販売を行うもので,ことしで3年目を迎えるものであります。特に,ことしは,テレビ,ラジオによるPRを新たに加えたほか,ダイレクトメールなどによる誘客活動を強化しており,多くの消費者に来場していただけるものと考えております。また,昨年,おととしと,これまで本県産メロンの出荷最盛期の開催でしたが,ことしはちょうど赤梨,幸水の出荷時期と重なり,本県産梨をPRできるものと思っております。
産地間競争がますます激しくなってきている現在,今後とも,本県産農林水産物のイメージを高め,販路を拡大するため,このようなイベントなど,販売戦略に知恵を絞ってまいりたいと考えております。
それでは,今回お願いしております農林水産部に係る案件につきまして御説明申し上げます。
お手元の資料,B4判1枚の資料をごらんいただきたいと思います。
その1枚の資料の中の平成5年8月第2回臨時会
農林水産委員会説明資料がありますけれども,それをごらんいただきたいと思いますが,資料の最初にございますように,第96号議案平成5年度茨城県
一般会計補正予算(第1号)のうち農林水産部所管分,第108号議案県有財産の取得についての議案2件でございます。
付託案件の概要について申し上げますと,第96号議案の
一般会計補正予算は,総合的な経済対策として公共投資等の拡大による社会資本整備の新たな展開を図るための補正で,その補正額は,1枚目の歳入のところに補正額が出ていると思いますけれども,40億5,697万7,000円の増でございます。この結果,農林水産部の一般会計予算は,その右に書いてありますけれども,563億3,667万5,000円となります。
主な事業について申し上げますと,資料の中段から下の方に書いてありますように,新農業構造改善事業費12億5,014万9,000円,農業農村活性化農業構造改善事業費11億9,673万1,000円,林業山村活性化林業構造改善事業費7,980万4,000円,新栽培漁業センター整備事業費3億379万9,000円,造林事業費等林業関係公共事業費3億1,543万2,000円,漁港修築事業費等水産業関係公共事業費1億1,418万9,000円と,それぞれ事業量の増に伴う補正でございます。
債務負担行為の補正につきましては,新規分が3件で,内容につきましては,議案書の1)の6ページをごらんいただきたいと思います。
6ページの一番上の欄の林道開設事業工事請負契約,次の欄の林道開設事業費補助,その次の欄の海岸防災林造成事業工事請負契約でございます。
地方債の補正につきましては13件でございます。その内容につきましては,同じ議案書の12ページをごらんいただきたいと思います。12ページでございます。
一番上の欄の治山事業1億1,300万円の増,次の欄の林道事業が1,200万円の増,その次の欄の造林事業1,200万円の増,その次の欄の漁港整備事業が5,600万円の増,その次の欄の沿岸漁場整備事業が2,200万円の増となっております。
また,次のページの上から6番目の欄の防火林道整備事業,これが1,000万円の増,次の欄の新栽培漁業センター整備事業が1億8,500万円の増,その次の欄の山村等振興対策事業が1億3,500万円の増,その次の欄の農業構造改善事業が4億5,000万円の増,その次の欄の林業構造改善事業が2,300万円の増,その次の欄の林業生産基盤施設整備事業が200万円の増,その次の欄の間伐促進強化対策事業が400万円の増,その次の沿岸漁業構造改善事業が7,100万円の増となっております。
次に,同じ議案書1)の45ページをごらんいただきたいと思います。
この108号議案県有財産の取得についてでございますが,年々,増加する農業用廃プラスチックの処理を円滑に行う再処理施設を新たに整備するため,事業用地を取得しようとするものです。
以上でございますが,詳細につきましては各担当課長から説明させますので,よろしく御審議を賜りますようお願い申し上げます。
68 ◯遠井委員長 次に,左田本農政企画課長。
69 ◯左田本農政企画課長 皆様のお手元にございます3)の資料をごらんいただきたいと思います。ページが19ページでございます。
農業構造改善対策費でございますけれども,この事業は,カントリーエレベーター,それから,集出荷施設,こういった農業生産の近代化の施設を地域の実情に応じて整備をする,こういう事業でございまして,右の欄の方をごらんいただきたいと思いますけれども,新農業構造改善事業,これは,昭和63年度から指定になっておりまして,金額として,12億930万9,000円でございまして,中身としましては,岩瀬町,旭村,猿島町外5町村で,ライスセンターとか,それから,青果物の集出荷施設,こういうものを整備する費用でございます。
それから,その下の欄,農業農村活性化農業構造改善,これは,今申し上げました新構造改善の後を受けて,平成2年度からスタートした事業でございまして,11億6,309万2,000円でございまして,これは,東村,麻生町,関城町外7町村の農産物加工施設とか,それから,堆厩肥センター,こういうものを整備する事業でございまして,農業構造改善事業は,トータルで24億4,688万円の事前正をお願いするものでございます。
次のページをごらんいただきたいと思います。
地域振興対策費でございまして,その下の方に山村振興対策費というのがございます。これは,県北の山村地域の農林業の振興を進めるために,特産物の開発とか,それから,観光農園,こういうものを実施するものでございまして,やはり,右の欄をごらんいただきたいと思いますけれども,一番上が第三期山村振興農林漁業対策,これは,昭和54年度からスタートした事業でございまして,2億5,545万円で,大子町,日立市,高萩市,この3町村の特産物,あるいは郷土文化施設等の整備をするものでございます。
それから,その下の新山村振興,これは,平成3年度から10年に向けて指定をした事業でございまして,9,660万円でございまして,七会村,美和,この2村で,直売所,そういうものを整備する事業でございます。これが締めて,山村振興が3億9,331万4,000円の補正増をお願いするものでございます。
次のページをお開きいただきたいと思います。
中山間集落機能促進事業でございますけれども,これが3,087万円でございまして,これは,日立市の中里地区の集落道の整備に要する費用でございます。
その次の農村環境整備費,やはり,右の欄をごらんいただきたいと思いますけれども,新農村地域定住促進対策費,この事業は,高齢化や人口減少地域で,地場産品の直売所,それから,生活から生産にわたる環境整備,こういうものを整備する事業でございまして,山方町外4町村で,ほ場整備,それから,農産加工施設等の整備を進めるもので,金額としては5,568万4,000円でございます。
次のページをお開きいただきたいと思います。
農山漁村活性化定住圏創造事業でございますけれども,これも,5,625万円で,緒川村1村でございますけれども,これは,同時放送──親局があって,災害などのときには無線で同時に放送する,こういう施設でございますけれども,これを整備する……。
70 ◯常井委員 「おがわ」は,小さい方の,東茨城郡の小川ですか。
71 ◯左田本農政企画課長 東茨城郡の緒川村の方でございます。糸偏の緒川の方でございます。──那珂郡です,ごめんなさい。
そういうことで,農政企画課,締めまして29億5,667万7,000円,そのうち国補が23億2,600万円,県債が,先ほど出てまいりましたけれども,5億8,000万円,一般財源が4,521万5,000円ということでございます。
よろしく御審議をお願い申し上げます。
72 ◯遠井委員長 次に,鯉渕園芸蚕糸課長。
73 ◯鯉渕園芸蚕糸課長 1)の資料の45ページ,第108号議案県有財産の取得について御説明を申し上げます。
先ほど,部長の説明にもございましたように,年々,増加する廃ビニールの再利用をするための茨城県園芸用資材リサイクルセンター整備を進めるに当たっての用地の取得をするためものでございます。
議案書の45ページにございますように,ビニール園芸の非常に盛んな地域,しかも,県のほぼ中央に位置しているということで,東茨城郡茨城町網掛地内に5万1,363平方メートルの敷地を取得する,用地を取得するというものでございます。予定価洛は3億円でございまして,この予算措置につきましては,土地開発基金を充当しておりまして,最終補正で予算措置をお願いするものでございます。取得は,地元地権者を含めまして11名でございます。
若干,ここに至るまでの背景等について御説明申し上げます。
日本一の園芸県を目指す本県といたしましては,園芸の施設化を促進することが非常に重要な案件になってまいりました。この施設化に伴いまして,排出されます農業用廃プラスチックの処理につきましては,園芸振興上,大変重要な課題となっております。
本県では,昭和61年から,社団法人茨城県農業用プラスチック処理協会が中心となりまして,収集処理に当たってまいりましたが,現在の処理施設,神栖町にあるわけでございますが,ここでは,処理能力が年間4,000トン,そこへ,現在回収されておりますのは約6,000トンでございますので,年間2,000トンほどオーバーしてしまう,処理能力をオーバーした収集になっているというのが現状でございます。
さらに,今後,園芸の施設化を進めてまいりますと,計画では,平成12年度に年間1万トンを処理しなければならないということが予想されますので,早期に,新たな再処理施設の整備が必要になってまいりました。
そこで,茨城県園芸用資材リサイクルセンターを整備いたしたく,施設の整備等につきましては,この次の議会において予算を御審議いただく予定にしておりますけれども,その整備事業に先立ちまして,今回,県有財産の取得について御審議をいただいているところでございます。
これから増加する廃棄物の適正な処理を可能にするために,また,今後,いろいろ技術開発がなされても対応できるような,処理施設の増設が可能なような関係を見きわめまして,5ヘクタールという規模を計画したわけでございます。
なお,取得価格につきましては,不動産鑑定士の指導はもちろんのこと,地元町との協議結果も踏まえまして設定したところでございます。
以上,増大する農業用廃プラスチックの収集,リサイクル処理施設の整備に関しまして,周辺環境と調和した緑豊かなセンターを設置すべく,我々関係者一同,英知を結集して,早期完成に目指して努力しているところでございますので,よろしく御審議いただきたいと存じます。
74 ◯遠井委員長 次に,大久保農林水産部次長兼林政課長。
75 ◯大久保農林水産部次長兼林政課長 林政課の補正につきまして御説明いたします。
3)の22ページの後段からの林業構造改善水深対策費の林業構造改善対策費でございます。
林業山村活性化林業構造改善事業につきましては,大子町外1町2村におきまして,平成3年から実施しているところでございます。
今回の補正につきましては,通常ベースの国のヒアリングに基づく内示,それから,総合経済対策として打ち出されたものとあります。トータル,差し引きいたしまして7,980万4,000円の増をお願いするものでございますが,この内容につきましては,平成6年度に予定しておりました,美和村及び里美村におきます林道開設事業及び舗装につきまして,前倒しになったものでございます。
次の林産物振興対策費でございますが,このうち,林業振興資金貸付につきましては,特に国産材産業資金につきまして,これも経済対策といたしまして枠の増大が認められまして,3,875万円,実は,これは,さらに預託されまして,民間の金融機関におきましては,この4倍になりまして貸し付けになるわけでございます。したがいまして,この4倍といいますと1億5,500万円の貸付増がありまして,トータルで9億2,300万円という中身になります。
次ページをお願いいたしたいと思います。
24ページの木材振興対策費でございます。
この事業につきましては,県産材の振興ということを目標に,今年度の新規の国補事業でございます。これにつきましても,一部,通常ベースのヒアリングの結果,減額された事業費と,それから,その下にあります原木安定供給事業費としましては,これは,平成6年度に計画しておりましたが,大宮町にございます木材の貯木場でございますが,この舗装が前倒しになったということ,それから,工業化製品供給事業費補助でございますが,これは,木材乾燥機の導入,これもやはり,平成6年度に計画しておりましたが,前倒しになったための1,560万5,000円の増をお願いするものでございます。
課の計といたしましては,1億5,361万4,000円,中身につきましては,このとおりでございます。
以上でございます。よろしくお願いいたします。
76 ◯遠井委員長 次に,等々力林業課長。
77 ◯等々力林業課長 それでは,3)につきまして,24ページの林業課の補正について御説明いたします。
まず,25ページの真ん中ほどにございます造林事業費でございます。
これにつきましては,通常の国の内示によるものと,それから,経済対策によるものでございます。
この中で,右側の一番下にございます公的分収林整備推進事業費補助でございます。
これは,新たにお願いする事業でございまして,内容といたしましては,水源涵養林とか,あるいは山地災害防止等,そういった公益的機能の高い森林につきまして,特に森林所有者等がなかなか森林の整備ができないという,そういった森林に対しまして,分収方式によりまして森林を整備する事業でございます。大子町におきまして,33ヘクタールほどの森林の整備を計画しているところでございます。
その下にございます集落周辺森林整備事業費でございます。
この事業につきましては,概に,御前山村におきまして,平成3年度から実施している事業でございますが,さらに,新たに,日立市におきまして,事業を実施するものでございまして,路網の整備事業費,いわゆる作業道を1,500メートルほど計画をしているところでございます。
次,26ページにまいりまして,間伐促進対策事業費でございます。
これにつきましても,国のいわゆる通常ベースによる内示のものと,それから,経済対策によるものでございます。総体としまして,1,400万7,000円の増額をお願いするものでございます。
次,27ページにまいりまして,林道費でございます。
28ページをお開き願いたいと思います。
まず,林道事業費でございますが,これにつきましては,経済対策によりまして,3路線の林道開設事業を行うものでございます。
その下にございます林道改良事業費,これも,経済対策によりまして2路線の改良を行うものでございます。
さらにその下にございます林業地域総合整備事業費でございます。
この欄の右側に森林コミュニティー整備事業費というのがございますが,これは,2,146万6,000円ほどの減額になっているところでございますが,これにつきましては,当初,国に対しましてコミュニティセンター,いわゆる箱ものを計画していたところでございますが,国の査定によりまして,駐車場及び進入路のための用地整備というような形にメニューが変更になりまして,それに伴う減額ということでございます。
次,29ページへまいりまして,治山事業費でございまして,その下にございます山地治山事業費,これにつきましては,経済対策によるものでございまして,大洋村と大子町におきまして,流路工及び床固め工を設置するものでございます。
その下にまいりまして,地域防災対策総合治山事業費でございます。
これにつきましても,経済対策によるものでございまして,流路工を計画しているものでございます。
次,30ページにまいりまして,中ほどにございます地すべり防止事業費でございます。
これにつきましては,現在,北茨城市神岡下で地すべり工事を行っているところでございますが,その法面,約1万4,600平米ほどの法面がございますが,それに対して吹きつけをやるものでございます。
それから,その下にございます集落水源山地整備事業費でございます。
これにつきましては,大子町佐貫によって現在行っているものでございますが,これも経済対策によりまして,前倒しとして,床固め工2基をやるものでございます。
それから,31ページへまいりまして,防災林造成事業費でございます。
これにつきましても,経済対策によりまして,消波根固め工という,ブロックを積んで波のエネルギーを減殺して,いわゆる防潮堤,あるいはその背後の砂防林を保護するための工事でございます。これにつきまして,根固め工65メートルを計画しているものでございます。
それから,保安林整備事業費でございます。
これについては,右側に保安林改良事業費以下,次のページにまいりまして,32ページ,多目的保安林総合整備事業とございますが,これにつきましては,国の内示による変更でございます。
以上,林業課計といたしまして,3億2,943万9,000円の増額の補正をお願いするものでございます。
よろしくお願いします。
78 ◯遠井委員長 次に,大崎水産振興課総括課長補佐。
79 ◯大崎水産振興課課長補佐(総括) それでは,水産振興課関係につきまして御説明申し上げます。
3)の32ページをお開きいただきたいと思います。
今回お願いいたしておりますのは,大きく水産振興費と漁港建設費の2項目でございます。
次の33ページにまいりまして,まず,漁業振興対策費でございますが,これは,本年度及び来年度の2ヵ年で鹿島町に建設を予定しております新栽培漁業センターでございますが,この整備事業費でございまして,来年度に建設を予定しております二枚貝等を,このたびの総合軽済対策によりまして,本年度実施しようとするものでございまして,3億379万9,000円の増でございます。
続きまして,新沿岸漁業構造改善対策事業費でございます。これは,3事業ございます。
まず,新沿岸漁業構造改善事業費でございますが,このうち,基本地域分につきましては,鹿島灘漁港の漁具倉庫等をこのたびの経済対策により整備しようとするものでございます。事業費補助で6,686万6,000円の増でございます。
その次の美しい漁村づくりモデル事業費の事業費補助でございますが,これは,波崎町で予定をしておりますトレーニングセンターの事業費の増でございまして,事業費補助で240万円の増でございます。
続きまして,沿岸漁業構造改善事業費(後期対策)推進対策事業費でございますが,これは,国の内示に伴う事務費の増でございます。
次に,34ページにまいりまして,沿岸漁場整備対策事業費でございます。
まず,人工魚礁についてでございますが,その規模により名称が異なってございます。小さな順に申しますと,400空立米──空立米と申しますのは,立方体の中が空でないと魚礁になりませんので,空という意味ですけれども,400空立米以上のものを並型魚礁,2,500空立米以上のものを大型魚礁,3万空立米以上のものを人工魚礁,そして,15万空立米以上のものを海域礁というふうに称しております。
それでは,戻りまして,人工魚礁造成事業費でございます。経済対策に伴い,平成9年度までの事業の中の一部前倒し分でございまして,県北部地区に計画を進めているものでございまして,工事費で960万円の増でございます。
次に,大型魚礁設置事業,その下の並型魚礁設置事業費でございますが,それぞれ国の内示の減によるものでございまして,459万円,273万円のそれぞれ減でございます。
一番下の海域礁設置事業費でございますが,平成12年までの事業の中の経済対策に伴う一部前倒しによる事業費の増でございまして,旭村沖に計画をいたしておるものでございまして,工事費で2,890万円の増でございます。
35ページにまいりまして,水産物流通加工振興対策費でございます。
北茨城市の大津漁港と大津港加工流同組合が共同で,平成5年度,6年度の2ヵ年計画で建設を予定していたものでありますけれども,今回の経済対策によりまして,平成6年度分を前倒しで認められたものでございまして,事業費補助で1億2,581万3,000円の増でございます。
続きまして,大きな項目で2つ目の漁港建設費でございます。
初めに,漁港修築事業費でございますが,波崎町の利根川沿いにございます臨港道路を改良しようとするものでございまして,経済対策分で,工事費9,700万円の増でございます。
36ページにまいりまして,漁港修築事業費でございますが,磯崎漁港の防砂堤工事に伴う国補の内示によるものでございまして,工事費で380万円の減でございます。
漁港区域海岸保全事業でございます。
日立の水木漁港で昨年の12月にがけの崩落がございました。この護岸改修費用,工事費と事務費合わせてちょうど8,000万円でございますけれども,この増でございますが,このうち3,000万円につきましては,このたびの経済対策で,それから,残りの5,000万円につきましては,次に御説明申し上げます平潟漁港から流用をいたしたものでございます。
次の平潟漁港でございますが,静穏域確保のための突堤工事を,現在,実施中でございますが,思いのほか難工事のため,進捗率がはかどらず,先ほどの水木漁港と,次にまた御説明いたします波崎漁港にそれぞれ予算を回したものでございまして,工事費,事務費合わせて6,300万円の減でございます。
次に,波崎漁港でございますが,親水護岸の造成の一部といたしまして,ただいまの平潟漁港からの流用分が国から認められたものでございまして,工事費,事務費合わせて1,800万円の増でございます。
37ページにまいりまして,中央ほどの漁港環境整備事業費でございます。
まず,波崎漁港でございます。経済対策分として,河畔プロムナードの事業量の増が認められ,事業費補助で1,192万8,000円の増でございます。
続きまして,那珂湊漁港でございます。当初,親水施設,海中プールでございますけれども,この施設を計画していたわけでございますが,漁港区域の変更に思いのほか時間を要すというようなことから,今年度はこの計画を中断いたしまして,かわりまして,那珂川沿いにふれあい公園を整備しようとするものでございまして,相殺いたしまして5,950万円の減でございます。
最後に,漁業集落環境整備事業費でございます。
平潟漁港区域の集落排水施設と集落道路の整備をしようとするものでございまして,さきに要求をしておりました通常分が一律10%のカットということで,金額で1,065万円の減となったわけでありますけれども,このたびの経済対策によりまして,この分が予算化されるということで,1,064万円,その差1万円の事務費の減でございます。
以上,増減ございますけれども,今回お願いいたします水産振興課分といたしましては,6億1,724万7,000円の増でございます。
以上でございます。よろしくお願いいたします。
80 ◯遠井委員長 以上で,説明は終わりました。
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81 ◯遠井委員長 これより質疑に入ります。
常井委員。
82 ◯常井委員 林道関係で,林道ということはないですが,前座を言えば,今回の経済対策の事業でかなりの予算が計上されておりますけれども,かなり仕事がおくれているというか,当初の計画が,土木においても,農林水産においても,当初の見込みから見るとかなり執行率が落ちていると,こういうような状況のところへもってきて,本県がとんでもないことが生じて,またおくれていると。それで,今回,臨時県会でこういうような事態になったというようなことなので,この県会が終わったらば,なるべく早期に発注をして,そして,経済浮揚の一端を担えるように,ひとつ,まず,要望を申し上げます。
次に,林道の関係なのですが,お聞かせをいただきたいのですが,本県の林道というものの延長はどのくらいになっているか,それの舗装率ですね,そういったものはどの程度に舗装率がなっているかということをちょっとお聞かせいただきたい。
83 ◯等々力林業課長 まず,林道の延長がどのくらいになっているかということでございますが,現在,林道延長としましては,512キロメートルということでございまして,年間12~13キロメートルの工事量というようなことでございまして,やはり,計画より大分おくれているわけでございますが,現在,平成18年までにさらに370キロメートルの延長を実施し,林内道路密度を22.4メートルにしようということで,今,事業を進めているところでございます。
また,林道密度でございますが,現在,林道舖装につきましては,集落を結ぶ林道とか,あるいはまた,集落周辺の生活環境の改善を図るというようなことで,そういったところについての林道を実施しているところでございます。現在までには,183キロメートルということでございまして,林道に対する舗装率は約33%の舗装率になっているところでございます。
今後,これを伸ばしていきまして,目標354キロメートル,現在の林道の延長での考えでございます。今後,林道が延長していきますと,おのずから距離そのものが伸びていくと思います。
以上でございます。
84 ◯常井委員 これは,年次計画はやっているんですか。何年計画で林道の整備計画はなっているんですか。
85 ◯等々力林業課長 これにつきましては,現在,林道整備計画を策定しまして,それによってやっているところでございます。
86 ◯常井委員 何年とかと出せないの,何年から何年まで何次の何年計画というのがあるんじゃないですか。
87 ◯等々力林業課長 まず,平成4年から18年までには370キロメートルでございまして,そのうち平成4年から8年までが105キロメートル,それから,平成9年から13年までが130キロメートル,さらに14年から18年までが135キロメートル……。
88 ◯常井委員 課長,答弁の場合はある程度具体的に,整理をして,先へ話してしまって,後からバックしてまた言ってみたりなんかしないで,整理して言ってもらった方がいいんだな。我々は頭が悪いからわかりづらくてしょうがない。18年計画だとかまた言って,今度,8年計画だとかと言ったって,ちょっとわからないから,ある程度整理して説明してくれないかな。
それで,これは,本県は関東平野の中でも,全国的にも非常に平坦地が多い,可住地面積が多いというけれども,非常に林地もあるんですね,結構。それで,山を,そっちこっち他県の状況を見てみましても,林道というものは,やはり,つくるときはいいのですけれども,後は自然災害というものに非常にさらされやすくて,管理がなかなかできないのですね,人がそこに住んでいないから。それで,利用法,価値が季節的に限られたものですから,だから,やはり舖装というものに,林道,それから農道などというものは,改良したらば,道路を新設したらば,即舖装ということを,管理上の問題でね,これをやらなくてはだめなのです。
そのために,昔,県会においても,舗装率を高めろというようなことで50%の県費助成をやってきたのです。今もそうでしょう。今は違いますか。大型,例えば,町村間にまたがる広域林道というものに対しては,補助率が高いとか,あるいは補装の助成率が高いとか,そういったことになっていればいいんだ,これね。だけれども,何かそこらあたりの説明が,ややもすれば今まで県会の中での質疑の中においては盲点だったかもしれない,これは。余りやっていないと思うのですね。林道のどうのこうのなどということは言っていない。たまに私がこういうようなことを指摘するぐらいのところで,だけれども,この林道の活用というものは,皆さんが言っているいわゆる森林,緑の人類に及ぼす効果というものははかり知れないほど貴重なものであると,こういっているわけですね。山は青く,水は清くと,そういうふうなことで考えるならば,いわゆる一つの自然の空気の浄化の役目を果たしているのは緑であって,しかも,その緑は雑草の緑でなくて,質の高い,高度な,大森林になるような植林,あるいは,間伐などをやりながら,技打ちをやって,立派な大森林に仕上げていくのは,これは,国の宝だ。そういう質の高い緑というものを生育させるためには,どうしても,この林道というものはやっていかなくてはならない。人手もない,それを手入れする人がいない,山に入るのに道がなくて行けない,必ず機械化の時代になってくる,省力化の時代とか,そういったことを考えれば,林業というものの振興を図るためには,何としても林道が大切である。
その前段としては,間伐林道が必要だというわけで,昔,林業課長の際にも,私,たまたまそのとき県会の議長なんかやっていて,一挙に5,000万円の間伐林道というものを予算をつけて,林業課がてんてこ舞いしたと,こういうようなことで,羽田さんが,その後農林水産部長になった人が,いわばうれしい悲鳴を上げたと,こういうようなことがあったのですけれども,その後,割合に県会の中で取り上げていないことが実態だと思うのですね。余り収益性がない,材木なんか外国から買った方がいい,あるいは生活様式の変化において,鉄筋コンクリートがいいなどということですが,今,木材の需要というものに関して,県が鳴り物入りで宣伝をやっているでしょう,ここに専門家の川井委員もいるけれども。そういうようなことが,日本の土壌の中で,非常に,木造建築というものが見直されてきているということが実態なのです。そうした将来の需要にこたえるために,やはり,森林と,それから,国土保全上の治山事業等もやっていかなくてはならない。
その中において,林道の今の事業の計画が明確に答えられないということはちょっと問題だと思うのです。これは,後でもいいから,すっきりした形で,私は資料をもって,こうして林業の振興策の中において林道というものを,あるいは治山事業においてもこうしているのだということを,資料をもって,後刻,説明をしてもらいたいと,こういうふうに思うのです。
これは,ひとり林業者の経済的な面ばかりでなくて,緑というものは,一般県民,国民の貴重な財産である,これを育成していかなければならない,これは,国民の健康上においても重大な問題だ。
そこで,私は,つい先だって,あるところで,テレビだか何かでちょっと見たのですが,私,忘れてしまって名前が違ったらあれなのですが,「ヒトントッチ」というものはどういうものだか知っていますか。「フィトンチッド」というんですか。これは,フィトンチッドというものは森林関係者はわかっているんでしょう。では,それをちゃんと説明してもらえますか。
89 ◯大久保農林水産部次長兼林政課長 これは,フィトンチットといいます。私も明快な答弁というわけにいかないのですが,実は,御承知のとおり,とにかく山の中に入りますと,何となく体全体が新しい空気に触れたといいますか,状態になるかと思いますが,その成分は,今,御指摘ありましたような,大気の中,森林の中に含まれるフィトンチッドという成分のためだといわれております。よく,森林の中を歩きますと,樹水といいますか,特にヒノキの壮齢年,大体,37~38年から40年にかけての森林の中に特にそういった成分が多いわけでございます。
実は,これは,子どものぜんそくにも最高に効くというようなことで,ヒノキの葉っぱを敷きまして,ぜんそくの子どもたちをその上に寝せると治ったというふうなものがございます。
最近,そんなことから,森林浴という言葉が大変叫ばれておりまして,御指摘のように,山の中を歩くと,そういった大気中の成分,樹木の吐き出す成分によって,精神の浄化作用といいますか,非常に効用があるというふうなことに聞いております。
90 ◯常井委員 これは,全くそのとおりだと思うのです。私はそういうふうな説明を聞いたわけです。だけれども,実質的に,本来は,これは一般の,都会の人たちが,あるいは学校教育の中でそういったものが周知されて,それを利用,活用するような,例えば,それに対する現場というものを提供するのが,私は,県なら県のいわゆる林政であり,林業の役目であろうと,こういうふうに思うのですね。
それが,ついせんだって,何回か私は,いわゆる時短の問題,それから,週体2日制の問題,あるいはレジャー等の休日の利用,活用というようなところで,水と緑との活用というものは,恐らく,将来大幅に増大するであろうということを言っているわけなのです。いわば,自然環境に親しむというような,もとに戻るというか,ふるさとへ戻る,浄化と保全というものの中において,あと人口というようなそういったことから,私は,非常に重要な資源であろうと思うのですね。例えば,山などを見てみましても,植林までは一生懸命にやるけれども,その後,林業関係の継承者がない。そのために山が荒廃化して,いつの間にか山が崩れていく。間伐もやらないから根っこが入れ上がってしまって,自然に土が崩れていく,山が自然に,今度は,雪崩にあって崩れていくとか,あるいは,その根っこが粘りがない,非常に自然に対する抵抗力がないので,木がどんどん,間伐もやらないぐらいに,枝打ちもやらないぐらいに,折れて,腐って,倒れていく,そしてまた,雑草化していく。ツタによって覆われていく。緑ではあるけれども,冬になったら空山だと。そういうような状態が,この茨城県の全体の山の中においても,全国的にも,そういうことがどこへ行っても見られる。これを思うときに,私は,例えば,山の中に,遊歩道路,いわゆる森林浴の遊歩道路というものを大幅につくって,例えば,夏休みに都会の子どもたちが田舎へ来て交流ができるようにとか,一つの教材にもなるように,また,健康というものを考えてみた場合には,一般の人たちが遊歩道路によってある程度軽い汗を流すとか,そういったもので,私は,このフィトンチッドの活用というもの,いわゆる森林浴ですね,この散歩のいわゆる遊歩道路というものは,例えば,親子の中においても,学校教育の中においても,あるいは集落の単位においても,町内単位においても,これは,有効に活用したらば,立派な健康のための森林の提供ということになって喜ばれるのではないか。
特に,このフィトンチッドというものは,いわゆる睡眠なり,あるいは食欲,ストレス,それから,小さい子どもたちにとっては教材となる,そしてまた,自然を大切にするという一つの教材に提供するというようなことで,できる限りの林道というものを,林道でなくても,例えば間伐道をつくったなら,それを今度は遊歩道に転換していく,転換策ですね,そういったことをやったならば喜ばれるのでないかなと,こういうふうに思うのですね。
これに対して,次長なり,部長なり,私は,本当に,政策の転換を図って,大いにこういったものを活用するようなことをやってみてはどうかと思うのです。
それと,今言った林道の舗装率が,年次計画の中にあったって,問題にならない。茨城県の林道ぐらいお粗末な林道はない。これ,皆さんがやっていないとは言っていないですよ。よその県,例えば,栃木県へ行っても,福島県へ行っても,新潟県へ行っても,秋田県へ行っても,山形県に行っても,私は随分山を歩いている。しかしながら,茨城県ぐらい,林道をつくりっぱなしであとはぶん投げておくところはない。これは,公共事業といって,治山事業でも何でも,相当にどこでも金をかけているけれども,茨城県は,首都圏の中にあると,ころの,この森林の中の道路の状況というものは余りにもお粗末。治山事業もしかり。そういった自然地の中において,他県においては相当の金をかけている。予算の取り方も私は下手だと思う。
これを,今後,今から,例えば,林業の振興上における林道でも,あるいは治山事業でも,災害防止の事業でも,どういうふうにして今から転換していくか,例えば,これを8年なり10年なりの事業の年次を,相当夢物語のような,そういった長期的なプランを立てても,私は意味がないと思うのです。だから,例えば,3年計画とか,5年計画とか,そういったものにして,この茨城県の林地というものを,首都圏の中にある茨城県の森というものをつくっていくような形で,政策の転換を大いに図るべきだと思うのですが,いかがですか,これは。何か名案はありますか。
91 ◯大久保農林水産部次長兼林政課長 全く御指摘のとおりで,山があっても,本当の効果を果たしていないという山がほとんどになってしまいました。これからの林業政策を考えますと,全くの御指摘のとおりで,とにかく機械化を進めるについても,道がなくては機械が入っていかないという状況で,御指摘のように,今のままの林道の進捗でいきますと,機械と並行しないというようなこともございます。
また,今,御指摘ありました遊歩道等につきましては,県民の森とか,昭和の森等におきましては,かなり高密な遊歩道ができておりまして,もっと一般的な山でも,将来の林業経営を振興するためにも,何といっても林道が大切でございます。
ただ,森林組合等でも,一部,県北の森林組合等では,作業道等をどんどんあれしまして,大子町では,恐らく,1万メートル以上の道路を毎年つくっているような傾向にございます。
今後,それら等も十分踏まえて,ただ,林産物の搬出のための林道ではなくして,今,お話ございましたように,何とか作業道とか兼ねて,また,遊歩道とか,一般に活用されるような道も兼ねて,この進度は何とか早めたいということで,実は,県単事業でございますが,既設の事業,今,お話ございましたように,かつて,私どももそういった経験があるのですが,急に作業道が出てきたときは,確かにてんてこ舞いいたしました。ですけれども,その当時つくった道が,今,林道に格上げされ,あるいはまた,密度の向上に果たしているのが非常に高いのですが,今後も,機械化の導入を図りながら,なおかつ,先ほど言いましたように,どうしてもこのためには1メートルでも2メートルでも林道密度を上げませんと効率的なものはできない。また,都市住民に山に入っていただくにしても,道がないために非常に入りにくいといったこともございます。その点,十分考えながら,できるだけ早い期間で,これから林道というものは重点的に,また,林道のみならず,非常に作業道といったものも重要かと思いますので,そこら辺も含めて,対応してまいりたいと思いますが,さしあたりまして,来年度におきましても,そういった観点から,作業道の大幅な延長を,今,要求しようとして準備しているところでございます。
92 ◯常井委員 ただ思っているとか,そういうことを考えているではだめなのです。この次の第3回定例会の一般の定例県会もあるわけですから,まだ決まっているわけではないでしょう,固まっているわけではない。そういった中において,具体的な,足元から水鳥が飛び出すようなわけではないけれども,もうずっと長い間の懸案が累積されているのだから,本当に,そして,どんな事業を計画して,どんな予算の要求をやっているのかわからないけれども,実質,現状においておくれをとっているということが,私は問題だと思うのですね。
だから,先ほど言ったように,いわゆる間伐林道だって,あの当時,みんな想像つかないようなことでしょう,本当の政治ベースでやらないとだめなのです。行政マン,専門官,あなた方はプロなのだから,それに気づいてそれをやらなくてはだめなのです。洋服着てネクタイを締めているのではなくて,作業服を着て山へ入ってみなさい。わからない,実態は。現状を把握して,そしてやってみたらどうですか。この現状,県内全域のそういった林道のやつは,他県の状況でも,我々も一構になって見せてあげますよ。余りにもお粗末だ,これは。というのは,私は実際的に山に入って,歩いてみているからわかるんです。一般の人はいい道だけすっと素通りして,高級乗用車に乗っておったのでは,県会だってわからないですよ。実際,汗みどろになって歩いてみて初めてわかるわけです。
だから,それを,実態を調査してみて,そして,対応策というもの,いわゆる今までできている既設の道路に対する対応策と,あるいは新設なり,計画なり,そういったものをがっちりとやっていくというようなことで,ひとつ御努力を願いたい。
それから,森林組合の問題が出ましたけれども,今,合併,合併とやっているけれども,これ,大変にいいことだけれども,この森林組合の強化策もひとつやっていかないと。やって,これを協力体制をとらないと,いわゆる行政機関がそういうような指導体制をとっていかなかったら,だれも見向く人もいなくなってしまいますよ。山は完全に荒廃化してしまう。どうしようもない。だから,それらの件について,早急に計画を見直して,そして,新規計画を,今回の第3回定例会の中においてそういったことが説明できるように,こういうような方向で新年度においてはやりますよと,今年度は,第3回定例会においては,とりあえずこうしたことで計画を進めますというようなことを具体的に説明してもらいたいと思います。
それから,今言ったような,いわゆるフィトンチッド街道でもつくって,道路でもつくって,そして,茨城のフィトンチッド遊歩道路と,そういうようなことでもやったら,相当に利用されるのではないかと思うのですね。特に子どもたちの歌声が森に山にこだまするような一つの環境というものが望ましい姿であろうと,いわゆる五感の教育などにも大きな役割を果たすと,こういうふうに思うのですね。
それ,十分知っているのだから,聞けば。大久保次長など,いたって明快に説明しているわけだよ。だから,それを知っていて実行しなくてはだめだよ。やる気ありますか,本当に。ないのなら部長に返事してもらうから。いい加減な話ではだめだよ。
93 ◯松丸農林水産部長 いずれにしても,豊かな森林を保全するというのは,これは,今申しましたように,非常に重要なことでございます。そういう面からしても,そういう作業道,また,さっきありましたフィトンチッドというのですか,遊歩道というのですか,そういうものの整備ということもありますので,農林水産部といたしましても,そういう面から,やっぱり検討していかなくてはならないと思っております。大いに頑張っていきたいと思っています。いろいろ調査をして,検討してまいりたいと,このように思っております。
94 ◯常井委員 やってください。
95 ◯遠井委員長 川井委員。
96 ◯川井委員 常井委員の,まさに謹聴に値する御質問なので,私も,今回は,立場というか,自分の本業に近いことになるので御遠慮しようかなと思ったのですが,まさに,常井委員のお話は謹聴に値するというようなことなので,一,二点伺いたいのですけど,私は,一番の基本は,日本の林政の基本計画をすべてなす林野庁が,戦後,復興のために,大変力を持った時代があったのですが,現在の林野庁を見ますと,いろいろな意味で,本当にもう,名だけはあるけれども,実際に発言権は全くないような林野庁になってしまっているなというような感じがするのです。当時,まさに労働組合が盛んなころ,林野の方々も全く親方日の丸方式で,きょう今日,こういうようになることを,私ども何回となく警告したことがあるのだけれども,そういったことを振り返って,本当に今日,一番の原因は,林野庁に余りにも能力がなくなっていると,先ほど常井委員のおっしゃるように,林道の舖装をするにしても,国は幾ら出してくれているのだと,私は,県の林業行政をお話しする以前に,林野庁の林政に対する,農林水産省なのでしょうけれども,国は,その中においても,どうも林業に対する林野庁の力が余りにもなくなっているということが,一番私は大きな問題だと,外材を入れるにしたっても,林野などは振り回されっぱなし,国産材を最も重要視しなければならない林野庁が,何ですか,この間ごろは,カナダから3階建ての住宅まで,通産省では埼玉県へ持って来て建てている。何にも,ブレーキのかけようがないのですね,今の林野庁は。あらゆるものを見ても,もちろん赤字,少なくても3兆円に近いような累積赤字を持っているということなので,一番の原因は,林野庁が本当に,農林水産省の中でも,あるいは,国政の中でも発言力がなくなっているということが一番大きな原因だなと,毎日毎日,そういうことを考えています。
先ほど,水産委員会の前に,農地局の審議がありましたけれども,私,広域農道のことを聞いたのです。広域農道では,大体,計画が500億円近くは持っていますと,それで,少なくても,毎年,相当量の予算を計上している。その広域農道,県内8地区やっています,現在8地区をやっているのだけれども,その予算を見ただけでも,常井委員がおっしゃるように,いかに林道予算が少ないかということは,これはもう,歴然としたものがあるのです。
ちなみに,先ほど質問したから覚えていますけれども,現在,広域農道は,本年度,工事費だけで,今度の補正を含めると38億円ぐらいになるのです,広域農道だけで,38億円。林政,林業で,林道関係,一般国補,すべて,あるいは奥久慈林道等も含めても,とてもこの比ではないと思います。幸い,林政,林業の御努力をいただいて,筑波の稜線林道が終わったと思うのです,やっと終わったばかりです。それに引きかえて奥久慈林道を林業地帯林道整備事業の中でやっていただきまして,これがあるからどうやら,林道予算だという形が整われている。幾らかでも,林道予算はこのぐらいありますよということが言えるけれども,あれでもなくなったら,本当に幾らでもないですよ。ちなみに,両方の予算の比較をちょっと,林業課長ですか,説明していただけますか。
97 ◯等々力林業課長 林道予算につきましては,全体的に17億円からの予算でございます。そのうち舖装につきましては,1億7,000万円ほどの予算でございます。
98 ◯川井委員 いや,奧久慈林道が何億で,一般国補が何億だと,奥久慈林道があるから,林道という予算があるよというぐらいに,国の方の予算が少ないですということを,この際,御説明をいただきたいということ。
99 ◯等々力林業課長 奥久慈林道につきましては,全体で8億1,000万円ほどでございますが,大体半分がその事業で占めているところでございます。
100 ◯川井委員 今,お話のように,奧久慈林道があるからね,これでもなかったら,本当に,林道予算なんていうのは何かの涙ぐらいですよね。というのは,私,国の方で一番基本的に,次長さんは林野にいたことがあるからわかるでしょうけれども,結局,林野が一番,今日,力がなくなってしまっていると思うのですよ,えらい借金を抱え込んでね。
それで,私,何回となく,昔の話だけれども,営林署へ行って言うのですよ。山へ入っている労働者が朝8時半に営林署へ行って,それから山へ行けば午前10時になってしまうのです。それで,暑いからといって午後3時ごろ帰ってきて,何時間働けるんだと,こんなことではとてもじゃないが,どうして採算に乗るのですか。本当にあのころの林野庁あたりの労働組合の,まさに親方日の丸というか,国を食ってしまったと,林野庁を食っちゃったのはあのころの労働組合です,いうなれば。一生懸命,材木屋らが,労働者が働いたって,あのころ親方日の丸ですから,林野庁はつぶれるの当たり前ですよ。そういう時代があったことは,多分,御存じだと思うのですよね,皆さんも。それでいて,今になって,いろいろと社会党を中心にして,今日の林業を取り巻く行政を何とかしようなんて,本当に,ちゃんちゃらおかしいと思うぐらいですよ。そういうことがあったのですよ,本当に。
私ども,林業地帯において生活している者にとりましては,林業,林政,ともどもに,いろいろ本当にお骨折りをいただいていますから,余り申し上げることはございませんけれども,私は,基本的には林野庁が弱すぎると,こういうことが言えるのではないかと思うのです。
とにかく,常井委員のお話のとおりですから,特に,舖装等についても──しかし,林道をつくるだけが精いっぱいなのに,舗装をやれといったって,とにかくやりようはないですね,今の様子を見ていますと。私は,町会議員時代は林道町会議員だと言われるぐらいに,林道の開設には努力しました。そういうようなことでございます。
さて,あと一つだけ伺いたいのですが,部長さん,先ほど,本年産米のお話,冷たい夏で大変な状況だと,本県は全国ベースよりも1%ぐらい高いからまあまあだというような話なのだけれども,しかし,一般報道,マスコミ等を取り上げると,もっと厳しいことを言われているのだけれども,現実に,96%という米は,実際にどのぐらいの,あるいは全国平均95%というのは,平成5年度産米ですね,国の需給に対してどのぐらいの程度になるのか,国民の主食である米に不安はないものなのか,そういう点,どういうふうに判断をなさっているのか,一言お尋ねをしておきたいなと思います。
101 ◯柴田農産課長 ただいまの御質問にお答えしたいと思います。
8月の27日に,統計情報部の方から,平成5年産の水稲の8月15日現在の作況指数の公表があったわけでございます。作況指数と申しますのは,このあと,9月15日,10月15日,それから12月と,4回,公表されることになっております。その中で,委員御指摘のように,全国の作況は95,茨城の場合,96というようなことになっております。
原因につきましては,7月中旬以降の低温なり,日照不足というようなことから,早場米地帯を中心に作柄が心配されるということで,本年は,水稲の生育が平年よりもかなりおくれておりますが,幸いにして,8月の20日以降の好天気が続きました。そういう意味で,気温や日照時間も,平年並み程度に回復しております。
そういうことで,早生種は別として,中生を中心に,登熟もまあ順調に進んでいるというふうに考えておりますし,今後の天候次第では,作柄の向上も期持できるのではないかというふうに一応考えております。
102 ◯川井委員 今の水稲の作柄の指数のお話ですけれども,それはわかったのですけれども,全国,ある程度持ち直して,95がどの程度持ち直すかわかりませんけれども,そういう場合に,主食の米の不安というものはどうなのかということを,ひとつ。
103 ◯柴田農産課長 実は,食糧庁の方で,平成5米穀年度というのがございます。これは,平成の4年の11月,昨年の11月から,今年の10月までが,大体その米穀年度に入ってございます。その計画の中で,昨年の10月末の在庫は大体26万トン,在庫があったわけです。それと,平成4年の,ことし,今食べているわけですから,平成4年の米そのものと合わせて,平成5年の10月,ことしの10月末には,大体35万トンから45万トン,こういうものが一応見込まれるということになってございます。
ですから,そういう意味では,既に確保した米でつないでいるということと,あとは,10月末までには,政府米なり自主流通米合わせて400万トンぐらいの新米も出回りますし,そういう意味では問題がないと,こういうふうに聞いております。
104 ◯遠井委員長 川井委員,質問中で,フィトンチッドとか林道とか,さっき,明細な資料を欲しいと言ったけれども,もらうのですか,あれは。
105 ◯川井委員 特に明細な資料ということは,申し上げましたかな。
106 ◯遠井委員長 必要でなければいいんです,必要だったら求めますということです。
107 ◯川井委員 多分それは,私の質問の中で,林道の予算が広域農道に比較して云々という,それとの比較でしたか。ちょっと忘れてしまったのだけれども,特に今のところ,この委員会の中で資料は求めてはおりません。いずれまた,そういう機会がありましたら,お願いします。
108 ◯遠井委員長 はい。
ほかに,質問。──足立委員。
109 ◯足立委員 私の方からは,108号議案の県有財産の取得についてに関連をして,二,三質問をしたいと思いますが,この108号議案の内容は,茨城県の園芸用資材リサイクルセンター整備事業用地として,3億円の予算を組み,その取得をするための条例なわけですけれども,前もって,これ,説明は既に受けておりますが,改めてちょっと確認をしたいのですけれども,これによって,最大どの程度の量の処理量のリサイクルセンターの整備を図られるおつもりなのか。それと,あわせて,現在の処理量がどういう状況か,まず最初に伺っておきたいと思います。
110 ◯鯉渕園芸蚕糸課長 まず,現在の処理量でございますが,先ほども申し上げましたように,6,000トン,平成4年で5,983トンの収集がございましたけれども,原料ベースでは4,000トンの処理をいたしております。
それから,今度新たに整備をしようとしております施設につきましては,通常ベースで年間1万トン処理する能力ということで考えております。通常ベースと申しますのは,一応,8時間稼働で操業した場合に1万トン処理できる能力を備えたプラントというようなことを計画しております。
111 ◯足立委員 もう一度確認したいのですが,現在の処理可能量がどれだけで,処理している量がどうなりますか。今,6,000トンが処理可能量ですか。
112 ◯鯉渕園芸蚕糸課長 4,000トンでございます。4,000トンが処理能力でございまして,能力いっぱいに処理をしております。
113 ◯足立委員 4,000トンの処理可能量で5,983トンの処理をしていると。
114 ◯鯉渕園芸蚕糸課長 収集量が,平成4年度で5,983トンでございます。
115 ◯足立委員 4,000トンの処理可能量で,収集量が5,983トンと,これは,付随をして,そのビニールに水滴だとか,泥だとかというのを除去して,つまり,収集量としては5,983トンであるけれども,結果的に4,000トンの処理をしてますよと,限度いっぱいに処理をしていると,こういう意味ですね。後ほどお答えください。
それで,これが,通常ベースで1万トンの処理可能の施設をつくると,これは,現状でも6,000トンからの回収をしているわけですから,内容的にはわからないわけではないのですけれども,今後の本県の農業の方向性というか,これだけの処理量の廃ビニール,つまり,数量が出てくるということの裏返しは,今後の施設園芸に多大な力を入れると,こういう理解の仕方でいいのかどうか,これは,同じ課長の答弁でよろしいのでしょうかね。
116 ◯鯉渕園芸蚕糸課長 平成2年度に園芸振興プランを立てております。園芸振興プランについては,何回か御説明いたしておるところでございますが,その中の施設化率,本県は,御承知のように,どちらかといえば露地型の野菜が非常に多いということから,今後,気象等に左右されないで安定的な生産出荷ができるように施設化を進めていこうと,そのことが非常に大きな柱になってございますが,その施設化率は,平成7年度で10%,それから,平成12年度が最終目標にしておりますが,15%,野菜で見てみますと,6,060ヘクタールほどの施設面積になるわけでございます。
つまり,このプランは,昭和63年を基準年度として,平成7年度,平成12年度を見越した計画になっておりまして,その施設化率の増大率を見ますと,昭和63年を100とした場合の平成7年度は147%,平成12年度は222%というような施設化率にもっていこうという目標を掲げてございます。
117 ◯足立委員 施設化率,園芸振興プランはわかりますが,現実的に,こういった進捗で進められているのでしょうか。平成4年度実績,それから,平成5年度の現在の状況でいかがでしょうか。
それと,今も川井委員からお話がありましたけれども,ことしの作況指数の問題の質問がありました。この水田利用再編対策というのでしょうか,減反の絡みの中で,施設園芸というものの,これは,オーバーラップしてくるというか,連関をしてくる,関連をしてくることもあろうかと思うのですけれども,こういった園芸振興プランというものが,そのまま,今の計画どおり拡大をしていく,予定どおり拡大するというふうな予測の仕方で,今,言えますか。
118 ◯鯉渕園芸蚕糸課長 まず,過去の経緯でございますが,昭和61年度収集処理体制が確立した後の今日,平成5年度までの収集量は,ほとんど直線的に収集量が経年的に増大いたしております。その過去の実績に加えまして,平成7年度,平成12年度の施設化率をプロットしてみますと,その線よりも若干下降したところに置かれておりますのものですから,過去の経過からも見て,今後とも,農家の経営その他を勘案いたしますと,園芸作物の振興,それから,その中での中身的な変化,そういったものを予測したところは,ほぼ,その線をたどるものというふうに予測しております。
119 ◯足立委員 これは,労働力というか,当然,施設園芸,露地ものというのは,かなりの労働集約的な作業になりますね。今日までは確かに直線的,経年的に,今のお話のようにふえてきている。でもこれから,今までのような同じ伸び方で伸びるのかなというふうになりますと,果たして,物理的にそういった環境が整うのだろうかという心配がありますね。
それから,これは,農産課長の課題なのかどうかわかりませんけれども,いわゆる水田利用再編対策の関連の中で,この転換作目というか,経営的な視点も,投資をする施設園芸をして,いろんな転換作目がどんなものが検討されているのか,あるいは,これは,県西用水の関連の中で水がたくさんやってくると,では,その水になじんだ,水の価格に見合う作目は何なのだろうかと,こういうふうなことを考えてまいりますと,当然,これが,では,そのままストレートに露地ものに行くのかと,これは,また疑問があろうかと思います。
それで,単純にそういう,これまでと同じような伸び方で伸びるのかなという部分については,若干,疑問の点があるわけですけれども,その辺はどういう理解の仕方をされておりますでしょうか。
120 ◯鯉渕園芸蚕糸課長 今までの伸びとは,若干,労働事情なり経営の内容なりで紆余曲折はあるかもしれませんけれども,やはり,経営内容的に高所得をねらっていくということになりますと,単価の高いものを効率よく生産していくということになるものですから,特に,ある作型を早期化する,あるいは遅くまで収穫する,そういった場合には,どうしても被覆栽培というふうに,施設型に頼らざるを得なくなってまいります。
それから,露地の場合では,年間二作ぐらいしかつくれない作型のものも,例えば,ホウレンソウのようなものですと,周年裁培,周年出荷ということになりますので,都市化が進んできている県南地方,そういった中での農業となりますと,露地型から,やはり,施設型に変わらなければならない。どちらかといえば,露地型が比較的多い県西の野菜地帯でも,これから徐々に,白菜等についても転換されて,露地型から施設型への転換というのが考えられるわけでございます。そういったことで,ほぼ,予測した数字で施設化が進んでいくだろう。
なお,施策の中でも,今,ビニールハウス,パイプハウス等も補助対象事業にして,農協等でリースの形で施設化を奨励しているものですから,そのあたりの農家の取り組み具合も比較的順調に進んでいるというのが現状でございます。
121 ◯足立委員 素直に考えるべきなのでしょうけれども,今,農業の見直しがかなり迫られてますよね。例えば,施肥の問題にしても,極力,有機的なものを使って,無機肥料を使わないようにするとか,しかも,大量にバッとやる,使えばそれだけの収穫が得られるでしょうけれども,環境を考えるとそれは使えない,極力施肥を節約しよう,あるいは,水の問題も,これも節約型の,環境に配慮した農作物を考えよう,経営的な部分と環境というのは,今,経営的なものから環境を必ず意識しなければいけないという状況になっています。
それで,この施設ものについても,リサイクルセンターというのは使った廃ビニールを再処理するわけですから,それは環境になじむと言ってしまえば,素直に考えられることかもしれませんが,しかし,これは,無制限に,このまま直線的に伸びていくということは,果たして,今後の農業にふさわしいのかどうかという点についての,若干,そういう点に疑問があるのです。しかも,それは,農家に負担をそれだけ強いることになりますよね。では,その負担に見合う収穫はどうなのだろうということも,当然,考えなくてはならないことですけれども,その点は,こういうリサイクルセンターをつくる際の,今後の施設園芸ということに若干配慮しているのかどうか,考慮して,つくる判断の中にそういったものが入っているのかどうか,確認しておきたい。
122 ◯鯉渕園芸蚕糸課長 先ごろも,そういったことについて,主要農協の営農指導員の方々,特に産地を支えている方々にお寄りいただきまして,近時点の見通し,それから,約10年間ぐらいの見通し,そういったものを伺いましたけれども,施設園芸については,着実にふえていくであろうと,そういった現場での御意見等もちょうだいしております。
123 ◯足立委員 配慮の中に,負担の問題とか,申し上げた考えるポイントがありましたかという質問です。
124 ◯鯉渕園芸蚕糸課長 環境にやさしい云々というような形で,多肥,多労の農業から自然に戻ったというようなことが言われておりますが,施設園芸,必ずしも多肥,多労ということではなしに,機械化がかなり進んでまいりましたし,無理な作業姿勢というようなものが作業能率その他に影響するというようなものについては,かなり,収穫時に腰かけてそのまま車で動けるような作業機の開発とか,そういったものも,逐次進んできているところでございます。別な事業で,機械化一貫体系のようなものを確立する事業も仕組んでおりますものですから,そういった作業体系の機械化等々も相まっていくならばということで,その辺も,一応考慮して,経営転換がスムーズにいくようなことを見ながら,施設化というのは進めているところでございます。
125 ◯足立委員 この問題の終わりに,平成12年に1万トンの処理量になると,このリサイクルセンターそのものの経営的なものというのは,土地はこちらで提供する,建物も,言ってみればこちら側でつくる,収集もこちら側がやる。それで,収集された処理をして,それをそれなりに販売をするということで,処理と販売がペイできるような形で任せるという形ですよね。
これも,かつて昭和50年代の初めころに,同種の考え方でやって失敗をした苦い経験が本県ではあるわけですけれども,処理量が1万トンになるということについての,今度は量がそれだけふえるわけですから,ふえた分,では,処理がスムーズにできるのかという心配も当然ありますし,量がふえれば,今度は,あくまでも再処理製品ですから,果たして使う資材によっては,その時代の変遷,変化がどうなるかわかりません,国全体の流れがリサイクルという方向に10年後はいくでしょうから,当然それは可能かと思いますが,価格の点でどうか,経営的にどうかなどということ,当然そういう詰めも,このリサイクルセンターについてはやられていると思うのです。
それは,未来永劫にわたって,こちらは土地を提供し,建物を提供すれば,後はもう,赤字になろうがどうであろうが,その業者がやるという,そういう契約になってますか。また,そういう理解の仕方でよろしいのでしょうか。
126 ◯鯉渕園芸蚕糸課長 このあたりの将来予測というのは,確定要因ばかりでないので,立てにくいところがありますけれども,まず,昭和50年当初に取り組んだ処理対応のときの園芸農業の現状と今日では大きな違いがあるという背景がまず違っているということが一つございます。
当時は,採算ベースに乗せるために,いかに収集するかということで,ベースに乗るような収集量が集まらないで,なかなか経営が苦しいというような事態が,鹿行公社などでも見られたわけですが,現在は,御承知のように,昭和61年から収集に力を入れて,適正な収集がなされ,現場でもかなり環境的にもきれいになってきた。農家自身もその辺は認識して,廃棄物という考え方ではなくて,これは,いずれ原料になるものであるというような考え方で折り畳んで,ごみなどが入らないような形で出すように訓練がされてきているといったようなバックグラウンドがございますので,適正な収集と,それに見合った処理がなされてきております。
しかし,あくまでも,収益事業というよりも,中間処理ということで,ユーザーから見たものは,やはりバージンのものに再製品を混ぜて製品化していく,製品はほとんど住宅のPタイルになっていくわけでございますが,そういったことで,ここ2年間ぐらいは,若干,市況は湿りがちでございます。建築ブームがなかなか押さえられていて,床材の需要というものが押さえられている。
そういった中でも,平成4年度の会社の収支を見てみますと,300万円余りの経常利益を出しているということで,1企業としては,そう大きな利益を出しているわけではございません。将来,4,000トン能力から倍以上の1万トン処理ということになれば,スケールメリットでかなり収益がよくなるのではないだろうかというふうな見方も,一方ではされますけれども,しかし,こういう円高になってまいりますと,原油の輸入が大変安く済む。そうするとバージンを多く使った方が有利であるというようなことから,再製品の価格というものは低く押さえられる可能性があると,そういったことで,若干その辺を,1割あるいは2割,1割5分ぐらい現在の単価よりも押さえたぐらいで収支を計算してみますと,何とかとんとんにいくのではないだろうか。とんとんというのはおかしいですけれども,平成12年度で約800万円から1,000万円ぐらいの,現在の延長線上で計算してみますと,そのくらいの経常利益になっていくのではないだろうかというふうな試算はいたしております。
127 ◯足立委員 ぜひ,これは,現状は既に,廃ビニールが野積みになっていて,周辺から苦情が出ているというふうな,現在の処理センターがそういうふうになっておりますから,早急に施設整備をお願いしたい,これは,県民共通の要望だと思いますが,ただ,結果として,施設園芸ということでの農家負担に著しくつながっていく,あるいは,今申し上げた昭和50年代当初のような,結果的に経営的にうまくいかないから,さようならって行ってしまわれる,こういうことがあってはならないことでありますので,ぜひ,それは契約その他,きちっと歯どめをかけていただいて,これまた,いたずらな県民の負担につながる,県の負担につながることのないような対応をお願いをしたいと思います。
それから,先ほどちょっと川井委員が質問された作況指数の問題なのですが,今の柴田課長のお答えですと──これは,茨城県全体で答えるべき性格のものではないと思いますが,需給逼迫,全然大文夫と,逼迫ないと,新聞報道等では,かなりこれは,需給が逼迫をして,既にやみ業者が横行を始めていて,早場米にしろ,何にしろ,自主流通米等含めて,今のうちに確保しておいた方がいいと,つまり,食糧庁とその他のいわゆる業者とのせめぎ合いが始まっているというふうな話がございますけれども,本当に,今お話しのように,需給のバランス,まさに調和のとれた,あるべき状況に今,なりつつあるのかどうか。むしろ,今回,96という作況指数で,これは,よく見てこんなふうな状況ではないのかなという見方もあります。大変厳しいという現実を訴える農家の方もおられますが,その辺はもう一度,恐縮ですけれども,見通し,ことしの県の見通しと,それから,全国はわからないでしょうけれども,巷間言われていることが果たしてどうなのか,どんな考え方を持っておられるのか,伺いたいと思います。
128 ◯柴田農産課長 先ほどお答えしたことの繰り返しになる部分があろうかと思うのですが,ことしの,平成5年の10月末の持ち越し在庫というのは,もう既に織り込み済みの,昨年度,平成4年産の米が計算されているわけです。ですから,ことしの10月末につきましては,当初から,35万トンから45万トン,一応確保できるという,平成4年産米で確保できるような公表された数字等でございます。
それは,平成4年産は,たまたま,作況が平年並みの101であったこと,それから,転作面積等も緩和されておりました。そういうことから,平成5年の10月末の在庫は35万トンから45万トン,こういうことで,平成5年米穀年度,平成4年の11月から平成5年の10月までの間については,問題がない。
しかも,何かあったとしても,ことしの米も,平成5年産米もだんだん集荷されてまいりまして,通年,10月末までには,大体,政府米,自主流通米合わせて400万トンを超える集荷が見込まれると,こういうことでございますから,今年度につきましては需給に問題はないと,こういうことでございます。
129 ◯足立委員 その前段が,果たしてそうなのかということですよ。つまり,平成4年末で26万トン確保されていると,残で。それで,平成4年産米がどのぐらいなのですか,それが入ってきて,計画,例えば,1,000万トンとか何かが,全部それが収種されて初めて,平成5年末の,ことしの10月末で35トンから45万トンという計算でしょう。平成4年産米が,これは新聞報道ですけれども,予定どおり集まっていないという話を聞いているのですよ。だから,つまり,平成5年,ことしの10月に35万トンないし45万トンというのは在庫がないと,こういう見方もあるわけですね。したがって,ことし,さらに作況指数が悪いから,したがって需給というのは逼迫するのではないかというのが某新聞に出ていた記事でしたけれども,いかがでしょうか,これは。私は記事に基づいて申し上げているのですが。
130 ◯柴田農産課長 私どもの方では,非公式ながら,国の方から得た資料でございますと,今,私が申し上げたような報告で,作況指数95を前提としても,当面の米の需給見通しについては,次第に新米の集荷が開始されるし,10月末までには,政府米,自主流通米,400万トンぐらい集まるから,これは,平成4年産米の在庫量と合わせれば,全体的には米の需給には心配はないという情報を一応得ているところでございます。
131 ◯足立委員 これは,後またどういう結果になるか,10月末でまた議論をしたいと思いますが,去年も厳しいし,ことしも,本来,食糧庁で集めるべき米が集まらないということで厳しさを言っているのですね。だから,どうなるかわかりませんけれども,本当に今,柴田課長の言うようになれば,それはいいことであって,新聞報道であるようなことがなければいいなという思いで,今,質問させていただいているわけですが,ただ,そこで,果たして水田利用再編対策というのは,こういう状況を踏まえても,どうこれから取り組むのか,全く変わらない方向で厳しく対応していくのか,その辺,その見通しはいかがですか。
132 ◯柴田農産課長 足立委員が御案内のとおり,米を,例えば,現在の潜在生産力というふうにいっておりますけれども,全部,転作をやめて米を全部つくった場合は,300万トンから400万トンぐらいの過剰になってしまうという,構造的には過剰基調であることには変わりがないというふうに一応考えております。ただ,その需給の状態で,在庫積み増し,安全というか,非常に操作しやすい100万トンというようなものを積み増すためにどうするかというようなことは,これから国で検討されるであろうということで,水田営農活性化対策というのは,ことしから平成7年度まであります。その真ん中,平成6年では,3年間面積を固定ということがございますけれども,100万トンの在庫積み増しに対して国が緩和の方向を検討するのかどうか,その辺はこれからの問題であろうというふうに考えております。
133 ◯足立委員 これで質問はやめますけれども,一説には,こういうふうな状況を踏まえて,物理的に米の輸入をしなければいけないのではないかと,こんな話も伝わっておりますが,そんなことにならずに,なおかつ,水田利用再編,つまり,減反が現状固定でいけるような流れになればなという思いでおりますけれども,それは国の判断によろうかと思いますが,いずれにしても,これは,10月末,これからの時の推移を見ていかなければわかりませんけれども,これまた,結果的に農家の方々が困る,米もとれない,なおかつ輸入だと,これはもう,泣きっ面にハチですね,そうなってしまうと。そんなことにならないような期待を込めています。なおかつ,今,冷夏,それから台風,異常気象,そういうことで,今,刈り取る,まさに大事な時期でもありますので,県でできる限りの対応をお願いして,質問を終わりたいと思います。
134 ◯遠井委員長 鯉渕課長,さっき,6,000トン収集して4,000トン焼却でしょう。あと2,000トンは九州へ持っていくというのだろう,九州へ行って処理すると。それで,さっき,機械化という話も出たよね,労力省力化ということで,これからの園芸野菜も。それで,機械化,ことしから3年か何かで重点的にやっていくというのだろう。そういうことも,ちょっときょう話しておいてください。今言ったようなこと,ビニールの問題も含めて。4,000トンから1万トンというと,いかにも幅があるようだけれども,6,000トンのうち2,000トンは九州まで運んでいるということを,皆さん,御理解いただいていないと思うよ。そういうところを含めて,機械化と両方説明してください。
135 ◯鯉渕園芸蚕糸課長 若干,説明不足のことがありましたことをおわびいたしたいと思います。
6,000トン集めて4,000トンしか処理できない,あとの2,000トンはどうしているのかということは,ただいま委員長がおっしゃいましたように,茨城化工の親会社に当たっております東南化工という鹿児島の会社に,運賃だけもって,それで処理をしていただいておる,あくまでも,収集したものを最後まで処理するのは,産業廃棄物を収集するものの責務でございますので,いい加減な処理はできないというようなことで,そういう適正な処理をお願いしてきているところでございます。
この処理料が,運賃だけで,県内の運賃以上に,3倍ほどになるものですから,そのようなことを年々重ねていくわけにはまいりませんので,新しい処理施設を早急に整備していこうと,それと同時に,先ほども若干触れましたように,稲作ではかなり手労働に頼らないで機械化が進んでいるわけでございますが,野菜については,どちらかといえば,まだまだ機械の開発もおくれておりますし,作業体系等についても不備な点がございますので,そのあたりを,国も,新政策の中では,これらに対する取り組みを強化しているところでございますので,県といたしましても,同時並行的に機械化を進めていって,また,効率的な野菜づくりということで,幾らかでも,後継者の残るような条件を整備して進めていくというようなことと,園芸日本一という大きな課題に向かって,茨城県の農家の士気といいますか,意欲といいますか,あるいは希望といいますか,そういったものを喚起して,力を結集していくためには効率のいい野菜づくりに転換していかなくてはならない,必然的に施設化の方向が出てまいりますし,農家自身もそのあたりを要望しているところでございますので,これらは施策と要望とが合致している点だというようなことで,これを進めていくには,どうしてもリサイクルセンターの再整備ということが必要になっております。
それから,足立委員が触れておりましたように,現在進めております神栖の方は7,000平米ほどの敷地でございますが,ほとんど原料を置いておくので余地がないというような状況,それから,周囲の住民との取り決めの中で,操業時間の延長とか,あるいは,再投資,能力のアップとかというものを厳しく抑えられておる関係から,今の現状で24時間操業等で切り抜けるというようなこともできないという現状がございますので,そういったものを早期に取り除くために,今回の用地取得,それから,施設の整備については,この次の議会に予算を提案をいたしまして,整備を図ってまいりたいというふうに考えておりますものですから,御理解をいただきたいと思います。
136 ◯足立委員 ちょっと,私,聞き間違っていたのですね,では。前もって説明を受けた際に,ビニールを回収すると,だから,先ほどそういうことで理解を単純にしたのですけれども,水が,バージンというか,もともとの製品というのがそんな重さがあると,例えば1,000トンあったとすると,それに泥がついたり,水滴がついたり,重さがかなりなものになると,4,000トンでも2割ぐらいか,ちょっとそんな説明を受けたようにも記憶している,だから,実際の処理量というのはそれで済んでいるのだという説明を受けたのですけれども,そうすると,では,バージンのもので,4,000トン,6,000トンというのは,では,6,000トンそれだけという意味なのですね。2,000トンは,鹿児島ですか,行っているわけですか。さっき私に説明のあった,泥だとかついたその重さはどこに飛んでしまうのですか。
137 ◯鯉渕園芸蚕糸課長 現在収集しております4,000トンとか2,000トンとか処理ベースで言っておりますものは,既に土砂がついた状態ものを言っております。ですから,例えば,4,000トン処理すると,製品として出てくるのは2,000トンか2,000トンを欠けるぐらいでございます。そういったことでよろしいでしょうか。
138 ◯足立委員 後ほど,また改めて,後で聞きます。
139 ◯遠井委員長 江田委員。
140 ◯江田委員 今に関連する問題ですけれども,リサイクルセンターの問題でございます。そういうことで,能力をオーバーして,神栖の方ではパンク状況で,新しく早急に用地確保してというようなことでお話を承ったわけですけれども,この場所を茨城町の,これから,県内の各地区から1ヵ所になるわけですので,運搬車の進入道路関係は,この土地には十分確保できるような状況になっていますか,どうですか。
141 ◯鯉渕園芸蚕糸課長 現在でも,ほぼ,トラックが通れる道路になっておりますが,ことし中に測量がなされて,県道の整備が,別途,バイパスができて,海老沢から極めてスムーズに行く道路の新設が土木事務所の方で計画されて,今年度中に買収に入るというような計画になっておりますものですから,操業とあわせては,若干,道路の方が遅くなるかもわかりませんけれども,現在の道路でも,農免道路に接地している用地でございますので,その利便性からは問題がないと思います。
142 ◯江田委員 ぜひ,後で苦情が起きないように,また,利便性が保てるように,ひとつ,御配慮をお願いしたいと思います。
それから,涸沼のそばということで承ったのですけれども,例えば,このリサイクルセンターの方から,排水関係で,水が恐らく涸沼に落ちるのではないかなというふうに思うわけですけれども,涸沼の方では,漁協もあると思うわけですけれども,その辺の地元の方々との調整というのはどういうふうになっているでしょうか,ちょっとお伺いします。
143 ◯鯉渕園芸蚕糸課長 涸沼漁協というのは,かなり厳しいといいますか,どこでも漁業関係は水質には厳しいと思いますけれども,既に,神栖で処理している場合も,浄化施設を通して霞ヶ浦水系に放出しているわけですけれども,その水質が問題がないという実績も待っておりますし,今度の場合も,水処理施設は,当然,十分なものを備える,それから,できるだけ水の再利用を考えていくというようなことで,少なくとも,現在の水質を悪化させるようなものは流さないというような処理体制で確んでいるということが計画いたしております。
それから,地元の同意関係でございますけれども,涸沼漁協の組合長さんはこの集落内の方でございますし,若干,大洗とか常澄に在住する役員で異論を唱えている方もいらっしゃるようですけれども,先般,理事の方々に神栖の処理工場を見ていただいて,現地での検討もいただいたというようなことをしながら,御理解をいただきながら,問題がなく,スムーズにいくように,現在,努力しているところでございます。
ほぼ,見通しとしては,理事の中に二,三異論を唱えている方がいらっしゃいますけれども,理事長以下の人たちは,時間をかけながら,説得をして理解をいただいていこうというような,非常に協力的な姿勢で県の側に立っていていただいておるものですから,ほとんど理事の方々にお任せのような形で,側面的に資料なりアドバイスなりするような形で,現在,私どもは接触しているところでございます。
144 ◯江田委員 ぜひ,頑張っていただきたいと思います。
それから,もう一点ですけれども,新栽培漁業センターについてお伺いしたいと思いますけれども,私,勉強不足でわからないのですけれども,つくり育てる漁業ということで,大変力を入れていることはいいことだと思うのですけれども,今回,3億円からの補正を組んだわけでございます。先ほどの御説明ですと,何か,二枚貝の施設だというふうなことを聞いたのですけれども,この漁業センターは,基本的には魚と,ヒラメとか,貝類と,大きく分けてその2種類を育てると,そういうふうなセンターであるわけですか。
145 ◯大崎水産振興課課長補佐(総括) ただいまの新栽培漁業センターについてでございますけれども,目的は,つくり育てる漁業を一心に推進して経営安定を図るという,大きく考えればそういうことでございまして,委員おっしゃいました種類といたしましては,ヒラメ,アワビ,ホッキガイ,スズキとかハマグリ,このようなものを種苗から育て,あるいは中間育成をして海洋に放流すると,そういう計画でございます。
それで,先ほど私が申しました二枚貝等でございますけれども,これは,当初は,アワビ等を今年度実施をいたしまして,二枚貝等については平成6年度実施ということで,当初計画を立てていたわけでありますけれども,先ほども申しましたとおり,経済対策によって,その来年度の二枚貝等分約3億円が前倒しになったということで,今年度,あわせて実施をすると,そういうことでございます。
全体的には,38億円の予定でございまして,今年度で約14億円,来年度で24億円,そのような計画で進めております。
146 ◯江田委員 そうすると,ことしに,1年度,計画より早くなったというようなことでございますけれども,中間育成というと,魚ならば推魚みたいな形で,その場所でもって育てるという形になるわけでございますか。
147 ◯山田農林水産部次長兼漁政課長 技術的なことでございますので,私の方からお答えさせていただきます。
中間育成と申しますのは,普通,裁培センターというところでつくっているのは,小さい時期までをつくりまして,それを本来的には,栽培センターの中で大きくして放すのが,一番確実なのでございますけれども,栽培センターの容積と申しますか,そういう面で,なかなか,たくさん大きくすることができないというふうな,非常に効率が悪くなるということで,ヒラメですと5センチぐらいまでに栽培センターでしまして,それを,今のところは,各漁協ごとに,各港の中にいけすを置いて,その中で漁協の責任で大きくしてもらって,それを10センチぐらいにして放流すると,そういうふうなものを中間育成という形で呼んでおります。
148 ◯江田委員 そうすると,各漁協にお願いして,あとはある程度大きくして放流すると,先々心配なのですけれども,例えば,放流したものが,どのくらい,食べられるような,捕獲しても収穫できるような状況に,確率的にはどのくらいのパーセントが大文夫なのでしょうか。
149 ◯山田農林水産部次長兼漁政課長 ヒラメは,現在のところ,30万尾程度のヒラメを放流しているということで,それから考えることでしかないのですが,今のところ,2割とか3割,その放流した時点,それから場所によって,随分生き残り方が違うということで言われております。それについても,その30万尾程度,今放流しているものから,水産試験場がいろいろ検討をして,今後,200万尾体制のときに,よりよい生き残りの仕方をどうしたらいいか,これは,一つには,漁業者が小さいのをとらないということが一番大きいわけでございますけれども,その辺について,これからソフト面でも漁業者教育をあわせながらやっていくということを考えてまいりたいと思います。
150 ◯江田委員 魚の場合は,泳いでしまうから,相当よそにまで行ってしまうと思うのですけれども,貝の方は余り動きが少ないような気がするのですが,これで,例えば,茨城県で育てて,放して,潮の流れその他でもって,茨城県にどのくらいの戻りといいましょうか,茨城県で育てたものが,福島県へ行ってしまう,どこへ行ってしまうというようなことに,待ったはかかりませんから,泳いでいってしまうわけですけれども,そういう点で,貝と魚はかなり泳ぐ距離が,移動する距離が違うと思うのですけれども,その辺,どこの県でとれても,これは,仕方ないことだと思うのですけれども,茨城県に戻りといいましょうか,茨城県の漁業者がどのくらいの割合で,また後で捕獲できるのかというようなことをちょっと疑問に思ったものですから,お伺いしたいと思います。
151 ◯山田農林水産部次長兼漁政課長 委員おっしゃるように,貝類はほとんど移動しませんで,特に,ここでメーンにしております二枚貝のハマグリあるいはホッキガイは,特に砂浜性のものでございますので,那珂川と利根川に囲まれた,いわゆる鹿島灘ですか,その中から外へ出るということはないと思います。
ただ問題は,天然に置きますと,それが産卵して泳いでいる時期があるわけです。その泳いでいる時期に他県に持っていかれるというふうなことがあるわけですけれども,この場合は,ある程度大きくしてから放流するということになっていますので,これは定着する。それから,アワビにつきましても,岩礁域でございますので,具体的には大洗から北の方の浜になると思いますけれども,そこの岩礁域から遠く,平潟あたりへいきますと隣へ行くという可能性はあるかと思いますけれども,ほとんどないと思います。
それから,魚につきましては,御指摘のようなことが確かにございます。それで,標識放流といいまして,標識をつけて,魚の移動等について,今,いろいろ研究しているところでございますが,ただ,我々,やっていながら思うことは,お隣の福島県も,これから100万尾体制の栽培センターをつくるということでございます。それから,千葉県もそういうことで,今,全国どこでも,栽培漁業センターがつくられてございますので,万が一どこかに行っても,また他の県が来るというような,そういうふうなこともこれから考えなくてはいけないのですけれども,いずれにしても,ヒラメはどちらかというと地先性が強いというふうなことで言われておる魚でございます。そういうことで,回収方法を高めるために,これから試験研究等を行ってまいりたいと思っております。
152 ◯江田委員 これから,壮大な実験が始まるわけですけれども,茨城県だけでなくて,全国的にやれば,お互い,とってもらっても,とられても,これはお互いさまですから,いいなというふうに思うわけですけれども,できるだけ茨城県で,そういう費用をかけて育てた魚介類は茨城県の方に還元回収できればというふうに思っているわけでございます。
以上で終わります。
153 ◯遠井委員長 ほかに。──山中委員。
154 ◯山中委員 1点だけお伺いします。
今の裁培センターも含めて,農林水産部のいろいろな事業があろうかと思いますけれども,当初の予定どおり,発注の時期,発注は恐らく営繕課ですると思うのですけれども,その予定には変わりございませんか。発注の時期,当初の予定どおりですか。
155 ◯大崎水産振興課課長補佐(総括) 栽培漁業センターでございますけれども,先ほども御説明申しましたとおり,2年度にわたりまして実施をするということでございますので,現時点では,裁培漁業センターの方は,当初計画の方は,現時点での,2四半期までで27.5%を予定しております。これは,先ほども申しましたとおり,2ヵ年計画ということでございますので,27.5%という低い数字になっております。
それから,補正で,ただいま申し上げました3億円の二枚貝等の方でございますけれども,これにつきましては,60%ぐらいの率で,現在,進んでおります。
156 ◯山中委員 その時期,当初予定したとおりかということ。
157 ◯山田農林水産部次長兼漁政課長 補足させていただきます。
栽培センター,ことしと来年の事業になってございますけれども,1期工事,2期工事というふうなことで,全部で3つほどに分けた工区になっておりますけれども,その1工区,2工区につきましては,遅くとも来月程度には発注ができるのではないかと,これは,営繕課の方の執行になりますけれども,そういうふうな形で進んでいるところでございます。
158 ◯遠井委員長 ほかに。──。
ないようでございますので,質疑を終了いたします。
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159 ◯遠井委員長 これより,議案の採決を行います。
第96号議案中農林水産部関係,第108号議案,以上2件について,原案のとおり可決することと決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
160 ◯遠井委員長 御異議なしと認め,本件は,原案のとおり可決することと決しました。
農林水産部関係の審査は,以上で終了いたしました。
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161 ◯遠井委員長 本委員会に付託されました議案の審査は,全部終了いたしました。
委員会を閉会いたします。
御苦労さまでございました。
午後3時21分閉会
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