いわき市議会 2018-02-28
02月28日-04号
平成30年 2月 定例会 平成30年2月28日(水曜日)議事日程第4号 平成30年2月28日(水曜日)午前10時開議 日程第1 市政一般に対する
質問---------------------------------------本日の会議に付した事件 〔議事日程第4号記載事件のとおり
〕---------------------------------------出席議員(37名) 1番 川崎憲正君 2番 木田都城子君 3番 木村謙一郎君 4番 山守章二君 5番 塩沢昭広君 6番 柴野美佳君 7番 鈴木 演君 8番 田頭弘毅君 9番 坂本康一君 10番 伊藤浩之君 11番 狩野光昭君 12番 福嶋あずさ君 13番 小野潤三君 14番 西山一美君 15番 永山宏恵君 16番 大峯英之君 17番 小野 茂君 18番 塩田美枝子君 19番 馬上卓也君 20番 吉田実貴人君 21番 渡辺博之君 22番 溝口民子君 23番 坂本 稔君 24番 上壁 充君 25番 蛭田源治君 26番 菅波 健君 27番 大友康夫君 28番 阿部秀文君 29番 安田成一君 30番 赤津一夫君 31番 小野邦弘君 32番 石井敏郎君 33番 蛭田 克君 34番 磯上佐太彦君 35番 佐藤和良君 36番 樫村 弘君 37番 佐藤和美君欠席議員(なし
)---------------------------------------説明のため出席した者 市長 清水敏男君 副市長 上遠野洋一君 副市長 鈴木典弘君 教育長 吉田 尚君
水道事業管理者 木村 清君
病院事業管理者 平 則夫君 代表監査委員 小野益生君
農業委員会会長 鈴木 理君
選挙管理委員会委員長 飯間香保子君 総合政策部長 大和田 洋君 危機管理監 舘 典嗣君 総務部長 岡田正彦君 財政部長 伊藤章司君
特定政策推進監 緑川伸幸君 市民協働部長 下山田松人君 生活環境部長 荒川信治君 保健福祉部長 高沢祐三君 こどもみらい部長 本田和弘君 農林水産部長 村上 央君 産業振興部長 石曽根智昭君 土木部長 上遠野裕之君 都市建設部長 高木桂一君 会計管理者 高橋伸利君 教育部長 柳沼広美君 消防長 猪狩達朗君 水道局長 上遠野裕美君
総合磐城共立病院事務局長 秘書課長 赤津俊一君 鈴木善明君 参事(兼)総務課長 遠藤正則君
---------------------------------------事務局職員出席者 事務局長 増子裕昭君 次長 山崎俊克君 参事(兼)総務議事課長 鈴木庄寿君
総務議事課主幹(兼)課長補佐 大須賀俊雄君 主任主査(兼)議事運営係長 金山慶司君
--------------------------------------- 午前10時00分 開議
○議長(菅波健君) おはようございます。これより本日の会議を開きます。 本日の議事は、配付の議事日程第4号をもって進めます。
---------------------------------------
△日程第1 市政一般に対する質問
△西山一美君質問
○議長(菅波健君) 日程第1、市政一般に対する質問を行います。14番西山一美君。 〔14番西山一美君第二演壇に登壇〕
◆14番(西山一美君) (拍手)皆さん、おはようございます。14番
いわき市議会志帥会西山一美です。 通告順に従いまして、市政一般について質問をいたします。 大きな質問の1番目は、原子力災害時における広域避難についてであります。 いわき
市原子力災害広域避難計画は、いわき
市地域防災計画(
原子力災害対策編)及び福島県
原子力災害広域避難計画に基づき、福島第一
原子力発電所そして福島第二
原子力発電所において、
原子力災害対策特別措置法に定める新たに原子力災害が発生、もしくは発生するおそれがある場合に、市域を越えた住民避難等の応急対策を迅速に実施する目的で、平成27年度に策定されました。 策定当時は、南方面の茨城県内を避難先と定め、西方面の避難先については調整中とのことでありました。しかし、平成28年度に西方面の県内21
市町村プラス新潟県24市町村が先に、避難先として選定されたことで、2方面が対象となる広域避難計画が整いました。 今回は、茨城県を対象避難先とした南方面について、新たに協定が締結されたとのことですので、この広域避難が、市民の皆様の御理解と御協力のもと、万全の態勢で実施できるよう本市の考え方について伺っていきたいと思います。 1点目は、
茨城県内市町村との協定についてです。 まず、1つ目として、平成27年度策定のいわき
市原子力災害広域避難計画において、本市として想定する原子力災害の状況について伺います。
◎危機管理監(舘典嗣君)
市原子力災害広域避難計画の上位計画に当たる
市地域防災計画(
原子力災害対策編)におきまして、福島第一及び第二
原子力発電所において重大な事故等が発生し、そのことに伴う放射性物質、または放射線の放出により生じる原子力災害を想定しております。
◆14番(西山一美君) 次に、2つ目として、今回の協定により締結された広域避難先について、茨城県内の35市町村を選定地区とした理由を伺います。
◎危機管理監(舘典嗣君) 南方面、いわゆる茨城方面における
避難先市町村につきましては、平成27年度から福島県、茨城県及び本市の調整により、茨城県内の各市町村における
受け入れ可能人数や、本市の地区単位におけるコミュニティーの維持等を考慮した協議をさせていただいたところでありますが、最終的に、茨城県において、県内44市町村中の35市町村を
避難先市町村として決定いただいたところであります。
◆14番(西山一美君) 仮に原子力災害が発生、もしくは発生のおそれが生じて、郡山市より西か茨城県内の市町村のどちらかに避難しなければならない場合、どのような条件で避難先を決定するのか。 3つ目として、避難先選定の判断基準について考え方を伺います。
◎危機管理監(舘典嗣君) 万が一、放射性物質の飛散により市内の
空間放射線量率が上昇し、市外への避難を判断しなければならなくなった場合には、本市周辺各地の
空間放射線量率及び被災の状況、並びに降雪等の気象状況を勘案しながら、国及び県と協議をし、避難先を決定することとなります。
◆14番(西山一美君) 判断の基準については理解をいたしましたが、原子力災害による避難時間が迫った状況では、市民の皆様は、大変不安な状態で時間を送ることとなるわけですので、国・県との協議に臨むに当たっては、一刻でも早く避難開始決定ができる本市独自の判断基準を設ける必要があるのではないでしょうか。 そこで、再質問させていただきますけれども、協議に当たって、本市独自の判断基準を設けることについての考え方はどのようか伺いたいと思います。
◎危機管理監(舘典嗣君) 基本的には、防災計画に定める内容に基づき判断いたしますが、具体的な道路の状況、その他、それから公共交通機関の運行状況、そして風向き、そういったものを加味した上での判断ということで、現時点では想定はしておりますが、まだ認定された形にはなっておりませんので、この辺につきましては検討を続けてまいりたいと考えております。
◆14番(西山一美君) 一定の基準はお持ちだということで、御対応よろしくお願いをしたいと思います。 それでは、次に、お配りしました資料の茨城県内の
避難先市町村マップをごらんください。これを見ますと、例えば、表中の黄色で表示してあります勿来地区は、近傍であります日立市と常陸太田市が避難先となっており、避難距離及び移動時間は少なくて済む設定となっています。しかし、久之浜・大久地区や小川・川前地区さらに三和地区などは、茨城県内最南部まで避難することとなり、勿来地区に比べますと、移動距離や時間は何倍にもなっています。いわき市内13地区の市民の皆様が、自家用自動車を利用して移動を開始すれば、国道や県道など通行する道路は限定されることが予想できます。 そこで、避難を開始した多くの市民の皆様が、同じルートをたどって移動することが想定され、交通渋滞の発生が心配されます。 そこで4つ目として、避難先への移動距離等の不均衡について伺います。
◎危機管理監(舘典嗣君) 万が一、原子力災害が発生し、市外への避難が必要となる場合には、福島第一及び第二
原子力発電所により近い本市の北部地区から先に避難になる可能性が高いと想定しております。そのため、その後の渋滞発生による避難の遅延を抑制するため、当該地区、北部地区におきましては、より遠方である茨城県南部の市町村に避難していただくこととしております。
◆14番(西山一美君) そのほかにも、厳冬期に郡山よりも西の地区に避難する場合、降雪や凍結などの問題が生じ、日ごろ雪になれていない市民の皆様には大きな問題となる可能性があります。また、南方面につきましても、福島第一
原子力発電所と同じく
原子力災害発生の可能性がある東海第二
原子力発電所が立地しており、この地域を越えてさらに南下しなければならない地区が出ることなど、移動の際のリスクについて、最悪の状況をも想定しておかなければならないと考えます。 そこで、安全を確保しながら確実に避難を実施するため、5つ目として、避難誘導の手順についての考え方を伺います。
◎危機管理監(舘典嗣君) 原子力災害が発生した場合、まずは災害時における市民の皆様の放射線による被曝量を少なくするため、放射線を遮蔽する効果のある自宅等の屋内に退避する屋内退避を指示するとともに、その後、万が一、市内の
空間放射線量率が上昇し、避難しなければならなくなった場合には、ただいま御指摘ございましたような周辺各地の状況を勘案しながら、国及び県との協議を踏まえ、
市災害対策本部として西方面または南方面への避難を決定し、
空間放射線量率の高い地区の市民の皆様から、順次市外への避難を指示することとしております。 避難の手順といたしましては、原則、自家用車による避難となりますが、自家用車による避難が困難な方につきましては、あらかじめ定めております一時集合場所へ、市の誘導のもと集合していただき、市や県が手配したバス等で避難し、その後、福島県が指定する
スクリーニング場において放射性物質が付着しているかどうか検査を受けた上で、
避難先市町村において本市が指定しておりますランドマークとなります避難先施設へ避難していただくこととなります。
◆14番(西山一美君) 7年前の東日本大震災を原因とした
原子力発電所事故を教訓に、35万人の市民の皆様の大切な命を、安全・安心に避難させるという大変難しい計画をここまで進めてこられたことは大いに評価されるものと考えます。しかし、市民の皆様の広域避難をより確実に実施するためには、隣接自治体との連携をこれまで以上に強化し、お互いの自治体が支援・協力してこそ万全の体制がとれるものと考えます。 そこで、2点目は、広域避難時における常磐三市協力体制についてです。 今回の茨城県内35市町村への広域避難については、県が主導して茨城県と調整したと聞いております。しかしながら、実施主体はいわき市であります。今回の広域避難の協定には、日ごろより固いきずなのもと、いろいろな面で連携をさせていただいている茨城県北茨城市と高萩市の両市は、避難先として含まれておらず、両市には協定締結に関して何の説明もなかったと伺っております。 県が決めたことだからということだけで済まされるのか大変疑問です。私は、常磐三市として連携している北茨城市及び高萩市に対して、広域避難の協定締結に至る状況の説明、そして避難時における支援と協力のお願いをすることは必要だったと考えます。 そこで、1つ目として、これまでに常磐三市で締結されている協定の内容について伺います。
◎総合政策部長(大和田洋君) 茨城県北茨城市、高萩市及び本市のいわゆる常磐三市で締結されている協定につきましては、三市の区域において災害が発生した場合、応急対策及び復旧対策を円滑に遂行するために、食糧、飲料水、生活必需品及び資材・機材の供給や職員の派遣などを行うことを目的といたしました災害時における相互応援協定がございます。 また、協定に基づくものではございませんが、一般国道6
号勿来バイパスの新規事業化に関する要望を初めとした共通する政策課題などについて、円滑な施行と促進を図ることを目的とした常磐三市長・議長会議や、広域的な観光誘客を推進するため、三市観光行政の連絡調整と観光の振興に寄与することを目的としたいわき市・北茨城市・高萩市
広域観光行政連絡協議会などを通して、三市による連携を図っているところでございます。
◆14番(西山一美君) 平成10年に常磐三市の間において、災害時における相互応援協定が結ばれています。その内容は、被災時の応急対策と復旧対策を円滑に行うためにお互いが協力するというものであると聞いております。そこで、さきの東日本大震災のときは、両市ともに被災しながらも、多くのいわき市民を受け入れ、支援をしていただいたものと記憶しています。 そのような経緯からも、今回の広域避難協定について、常磐三市の間で何かしらの協議が必要だったのではないかと考えますが、2つ目として、今回の広域避難に係る避難協力に対する考え方について伺います。
◎危機管理監(舘典嗣君) 本市は、福島県
原子力災害広域避難計画において、福島第一及び第二
原子力発電所での
原子力災害発生時に、県域を越える広域避難をすることが定められましたことから、福島県、茨城県及び本市の調整により、本市の避難先となる茨城県内35市町村と協議を進めてきたところであり、それ以外の市町村とは、具体的な協議等は行っていないところであります。
◆14番(西山一美君) いわき市と北茨城市の間には、津波浸水区間を回避し、災害時の避難・救援活動を支援する
ネットワーク道路として勿来バイパスの建設が進んでいます。勿来バイパスが完成すれば、通過する交通量の分散が図られ、国道6号の渋滞が緩和されます。医療施設への搬送時間の短縮など、地域の皆様の命を守る救急医療活動を支援し、さらには円滑な移動を実現することで、魅力ある観光地の再生をも支援する大変重要な道路に位置づけられています。 この勿来バイパスは、平成27年の事業着手からおおよそ10年で完成を目指すとされていますが、復興・創生期間中に十分な予算を確保し、一日も早い完成の前倒しに向け、両市間のさらなる協力関係の構築が不可欠であると考えます。そのような状況下で、両市の連携に水を差すことのないような最大限の気配りが必要ではなかったでしょうか。 3つ目として、今後の常磐三市協力体制について本市の考え方を伺います。
◎危機管理監(舘典嗣君) 本市は、北茨城市及び高萩市との間で、これまでも災害への備えとして、災害時における相互応援協定を締結しているほか、さまざまな分野で相互に連携・協力を行ってきましたことから、今後も引き続き、防災体制を含むさまざまな分野で、情報共有を密にしながら連携・協力を行い、常磐地域の発展をともに推進してまいりたいと考えております。
◆14番(西山一美君) 今後とも変わらぬ協力関係の維持、さらには、より一層の強化のために細心の注意を払い、しっかりとした対応をするように強く要望して、次の質問に移ります。 大きな質問の2番目は、除染事業についてであります。 7年前の福島第一
原子力発電所事故による放射性物質の拡散により、本市は物流や医療の停滞などが起こり、結果として被災された多くの市民の皆様に対する支援や、水道を初めとする各種インフラの復旧に大きな影響を与え、さらに多方面で風評被害が発生するなど、産業面においても極めて深刻な影響が生じました。 そのような状況の中、原発災害の一刻も早い収束に加え、防災体制の確立やモニタリングの拡大・充実とあわせ、除染に向けた各種取り組みを推進することで、市民の皆様の不安を解消するとの目的のもと、平成23年12月、いわき市除染実施計画が策定されました。実施計画に基づいた除染事業は着実に実行され、その進捗率が当初の計画通り、平成29年11月末時点で100%になったということでありますので、その内容について質問をしていきたいと思います。 除染実施計画では、放射線の影響を受けやすい子供の生活環境である教育施設、保育施設、公園等を優先的に除染することとし、実施をしてきました。 そこで、1点目として、子供の生活環境における現場保管中の除染土壌等の仮置き場への搬出計画についてです。 1つ目として、今回の仮置き場への搬出計画において、小・中学校からの搬出の見通しについて伺います。
◎教育部長(柳沼広美君) 除染土壌等につきまして、小・中学校からの搬出は、平成28年度より、市北部地区から順次実施しているところでございます。 平成30年度は、平及び遠野地区、平成31年度は小名浜及び常磐地区、平成32年度は勿来地区について事業を実施する予定であり、平成32年度末までの搬出完了を目指してまいりたいと考えております。
◆14番(西山一美君) ただいまの答弁によりますと、現場保管していた除去土壌等については、平成30年度、平及び遠野地区、平成31年度、小名浜及び常磐地区、平成32年度、勿来地区の小・中学校で作業が実施され、平成32年度末までには仮置き場への搬出が全て完了されることがわかりました。 次に、現場保管中の除染土壌等をどのように搬出するのか、搬出時の安全確保については、保護者の皆さんはもちろん、地域の皆さんも大変関心が高いところです。 そこで、2つ目として、小・中学校からの搬出に係る児童・生徒への安全対策について伺います。
◎教育部長(柳沼広美君) 小・中学校の児童・生徒の安全確保は、最優先事項であると考えております。具体的には、トラックによる搬出の際には、登下校の時間帯を避けるようにしていること、また、作業現場において、児童・生徒が近づかないように囲いを設置することなど、さまざまな安全対策を講じているところでございます。 今後におきましても、学校現場との連携を密にしながら、児童・生徒の安全対策につきましては、万全を尽くしてまいりたいと考えております。
◆14番(西山一美君) より影響を受けやすいとされる小さな子供たちに対して、どのようなスケジュールで搬出するのか、幼稚園・保育施設からの搬出の見通しについて伺います。
◎こどもみらい部長(本田和弘君) 公立・私立を含め、幼稚園・保育所からの除染土壌等の搬出につきましては、平成28年度から、北部地区や平地区の一部から順次実施しているところであります。 今後につきましては、平成30年度に平、常磐及び遠野地区、平成31年度に小名浜及び勿来地区において事業を実施する予定であり、平成31年度末までの搬出完了を目指してまいりたいと考えております。
◆14番(西山一美君) 4つ目として、搬出時、子供たちに影響が及ばない対策については、どのように考えているのか、その安全対策について伺います。
◎こどもみらい部長(本田和弘君) 幼稚園・保育所の園児の安全確保につきましては、搬出作業に一定の期間を要することから、作業エリアと園児の活動エリアを分離するため、仮囲いを設置するほか、運搬作業時には、交通誘導員の配置を行うなど、送迎時の園児の安全対策にも努めているところであります。 今後におきましても、各施設との連携を密にし、園児の安全対策に万全を尽くしてまいりたいと考えております。
◆14番(西山一美君) 5つ目として、不特定多数の市民の皆様が利用している公園からの搬出の見通しについて伺います。
◎都市建設部長(高木桂一君) 公園につきましては、平成28年度より搬出に着手しておりまして、昨年3月に久之浜、四倉地区を終了いたしまして、来月末までには平、内郷及び好間地区の搬出を終了するところであります。残る小名浜、勿来及び常磐地区につきましては、平成30年度に搬出を予定しており、平成31年3月末までに、全ての公園の搬出を完了する予定であります。
◆14番(西山一美君) 6つ目は、公園から搬出に係る利用者への安全対策について伺います。
◎都市建設部長(高木桂一君) 公園につきましては、利用者が誤って作業区域に立ち入らないよう、仮囲いを設置しているほか、誘導員を配置し、運搬車両等が出入りする際には利用者や歩行者を安全に誘導するなど、事故防止に努めております。また、着手する前には、地元区長等に業務内容を説明いたしまして、その内容を記載した回覧板を配布して周知するとともに、立入禁止等の注意喚起看板を設置するなど、安全対策を行っているところであります。
◆14番(西山一美君) 学校敷地等で現場保管している除去土壌等は、
フレコンバックに詰めて地中保管してあるものと思います。
フレコンバックの耐用年数はおおよそ3年ほどと聞いております。当然、劣化が予想され、新しいものに詰めかえてから搬出作業をするものと思います。搬出作業の際は、除去土壌等の飛散防止に対する万全の対策等、最大限の注意を払って作業を実施することをお願いします。このようなことも踏まえ、搬出作業全般について、環境省や福島県と連携のもと、モニタリングや市民の皆様との
リスクコミュニケーションを丁寧に進め、きめ細やかな対応をしていただくことを重ねてお願いいたします。 次に、仮置き場に集約された除染土壌等については、適正管理のもと、早期に中間貯蔵施設への搬出が求められますが、2点目は、本市における仮置き場から中間貯蔵施設への搬出見通しについてであります。 先ほど質問いたしました学校等施設からの除染土壌等、そしてそれ以外の施設から搬出された除染土壌等は、今後仮置き場に集約され、管理されるとのことですが、早い時期に、その全てを中間貯蔵施設に搬出できることが理想です。しかし、環境省による輸送調整会議で搬出量などが示されるため、それを受けた形で本市からの搬出量や
搬出スケジュールについても決定されるものと思います。 そこで、1つ目として平成30年度における見通しについて伺います。
◎生活環境部長(荒川信治君) 平成30年度における仮置き場から中間貯蔵施設への搬出の見通しにつきましては、昨年12月5日に開催された第8回
輸送連絡調整会議において、環境省より、平成30年度の本市の輸送可能量として、通常輸送分が2万2,200立方メートル、学校輸送分が7,800立方メートルの合計3万立方メートルが示されております。 市といたしましては、各地区の仮置き場から搬出する内訳といたしまして、通常輸送分は、久之浜・大久地区から1万500立方メートル、川前地区から5,600立方メートル、小川地区から2,800立方メートル、四倉地区から3,000立方メートル、田人地区から100立方メートル、調整量200立方メートルの合計2万2,200立方メートルを予定してございます。また、学校輸送分として、小川地区から600立方メートル、田人地区から700立方メートル、三和地区から6,500立方メートルの合計7,800立方メートルを予定しているところでございます。
◆14番(西山一美君) 今後の本市の仮置き場からの除染土壌等の
搬出スケジュールについては、中間貯蔵施設用地の取得状況によっても変わってくると思いますが、2つ目、現在の進捗状況から全量搬出完了の見通しについて伺います。
◎生活環境部長(荒川信治君) 本市における仮置き場から中間貯蔵施設への全量搬出完了の見通しにつきましては、環境省が平成28年3月に公表した、中間貯蔵施設に係る当面5年間の見通しから本市の輸送量を推計しますと、平成30年度までには四倉、田人の2地区、平成32年度までには小川地区、平成33年度までには久之浜・大久、川前、三和の3地区の仮置き場から搬出を予定しており、これにより、市内の全ての仮置き場からの搬出の完了を見込んでいるところでございます。今後につきましては、環境省に対し、引き続き中間貯蔵施設への早期搬出について、求めてまいりたいと考えております。
◆14番(西山一美君) 子供たちが多くの時間を過ごす環境においては、細心の注意を払って作業していただくこと。さらに、中間貯蔵施設に計画通り搬出できるよう、国・県対し、施設の早期完成と搬出の加速化について、引き続き要望するようにお願いをしたいと思います。 本市における除染土壌等の全量搬出が、一日も早く実現することを願って、次の質問に移ります。 次に、大きな質問の3番目は、農業振興地域整備計画策定再編事業についてです。 本市の農業を取り巻く環境は、東日本大震災以前からの課題である農業者の減少、高齢化や後継者不足、また、このようなことを原因として、耕作放棄地の増大や生産量の減少など、現在多くの課題を抱えております。 このような中、昭和48年度に計画が策定されて以来、平成18年度までの間に4回、総合見直しが行われていました。しかし、平成18年度に策定されてから、その後は見直しがなされておりません。東日本大震災の影響があり、見直しの実施は困難であったろうと思いますが、本計画は、本市の農地の保全及び集約等に大変重要であると認識しています。 今回、平成30年度からの農業振興地域整備計画策定再編事業の基本的な概要については、我が会派の代表質問で大峯会長が質問をしておりますので、皆様にお配りいたしました資料の2枚目、農業振興地域のイメージ図をごらんいただきながら、私からは事業の詳細についての質問をしていきたいと思います。 まず、1点目は、基礎調査についてです。 法で定められ、5年ごとに実施する必要のある基礎調査を行い、必要となれば見直すこととなるこの調査について伺ってまいります。 1つ目として、どのような内容について調査するのか、基礎調査の項目について伺います。
◎農林水産部長(村上央君) 基礎調査の項目につきましては、農業振興地域の整備に関する法律において、農用地等の面積のほか、農業就業人口の規模、農業生産の基盤の整備状況、農用地等の保全及び利用の状況、農業の近代化のための施設の整備の状況など、13項目の調査を実施することが定められております。
◆14番(西山一美君) 次に、2つ目として、調査に当たりましては、地域農業者の皆様の意見を取り入れることは重要であると思いますが、どのような方法で調査を行うのか、その調査の方法について伺います。
◎農林水産部長(村上央君) 調査方法といたしましては、農林業センサス等の国や市が実施する調査結果の資料の収集のほか、農業委員会や土地改良区など関係機関の有する資料を収集し、必要に応じ現地調査を実施いたします。さらには、意向調査として、調査の各段階において、集落単位の説明会、またはアンケート調査を実施することにより、地域農業者の意見を十分に取り入れる方法で実施してまいりたいと考えております。
◆14番(西山一美君) 基礎調査を実施して、必要があれば見直しを実施するとありますが、3つ目として現時点における計画を見直す必要性について伺います。
◎農林水産部長(村上央君) 現計画についての見直しの必要性につきましては、東日本大震災等に伴う復興事業による区画整理事業や農産漁村地域復興基盤総合整備事業の実施など、震災前と比較し、営農状況が大きく変化していることに加え、国の農業振興地域制度に関するガイドラインの見直しや、本市復興整備計画など本市における各種計画との整合性を図る必要があることから、見直しを実施するものでございます。
◆14番(西山一美君) 東日本大震災により、農地を取り巻く環境が大きく変化してきていること、また、現計画の策定時から国のガイドラインが変わってきていることなど、いわき市農業振興地域整備計画も見直すべき時期が来ているものと考えられます。計画の見直しに当たっては、地域の農業者の皆様の意向を取り入れることが大変重要であると考えますので、地域の実情などを十分に把握し、さらには、農業の近代化を目指し、イノベーション・コースト構想の先端技術を取り入れるなど、今後、いわき市の農業発展に寄与する計画の策定に期待をいたします。 次に、2点目は、基盤整備実施地区などにおける農用地区域の整理についてであります。 農業の近代化を進めるためには、農地の大区画化等の整備は欠かせないものとなっており、今回見直しが実施される農業振興地域整備計画にも基盤整備事業が位置づけられているものと考えます。 そこで、基盤整備事業実施地区などにおける農用地区域の整理について伺います。
◎農林水産部長(村上央君) 基盤整備事業など、国の補助事業を活用する場合におきましては、いわき市農業振興地域整備計画に、新たな基盤整備事業として位置づけるとともに、当該区域を農用地区域として設定する必要があります。このことから、集落単位の説明会を開催するなど、地域の要望を十分に取り入れながら、農用地の整理を行ってまいりたいと考えております。
◆14番(西山一美君) 農業とそれ以外の土地利用の調整を図り、その地域の整備を計画的・集中的に行うことで、健全な農業の発展を目指す農業振興地域制度の目的に沿って、設計主体であるいわき市が、今回、いわき市農業振興地域整備計画の中で、地域の農業関係者の意見を聞きながら、基盤整備事業の前提となる農用地区域の見直しや整理について、適切に事業を進めていただきたいと思います。 次に、3点目は、本市の圃場整備の現状についてであります。 これまでお話ししてきたように、農業生産基盤である農地の整備が求められているところですが、本市においても、基盤整備事業に位置づけられた多くの地区で、圃場整備事業が実施されてきました。圃場整備事業は、農地の大区画化を図ることで、大型農業機械導入が可能となり、農作業の効率化、農道や用排水路の一体的な整備により、施設の維持管理の省略化が図れるなど、有効な手法であると認識しています。 さらには、東日本大震災以降の本県沿岸部において、農地や農業用施設の復旧と圃場整備事業に取り組み、大区画化など機能向上が図られた水田において、ICTやロボット技術等を活用した水稲の超省力大規模生産の開発・実証を行い、生産コストの低減と安定した収益が確保できる新たな農業のモデルを構築するとの目的で、福島イノベーション・コースト構想、先端技術等の導入による新しい農業の推進の柱としても組み入れられています。 圃場整備事業につきましては、事業主体が福島県であること、また、田や畑を集積する受益面積の規模と、事業完了後の担い手への農地集積率が事業の採択に関係するものであるということは理解をしていますが、そこで1つ目として、圃場整備事業の採択要件はどのようなものか伺います。
◎農林水産部長(村上央君) 圃場整備事業は、国庫補助事業により実施されており、補助事業として採択されるための主な要件といたしましては、田及び畑の受益面積の合計がおおむね20ヘクタール以上であることと、さらに事業完了時において、担い手への農地集積率が、50%以上となることが要件となっております。
◆14番(西山一美君) 次に、2つ目として、本市の実施予定地区について伺います。
◎農林水産部長(村上央君) 本市における今後の実施予定地区といたしましては、平成32年度からの事業着手を目指し、現在調査設計を実施している平の神谷第1地区、面積約49.7ヘクタール、勿来の山田地区、面積約49.1ヘクタールと、平成34年度からの事業着手を目指し、現在調整を行っている平の神谷第2地区、面積約85.8ヘクタールの3地区が予定されております。
◆14番(西山一美君) 3地区とも受益面積の規模等、条件的には要件を満たしているものと思います。ここに至るまでの過程において、圃場整備には多額の工事費がかかるのではないか、換地により自分の田んぼがどこになるのかわからなくなるのではないか、1区画に複数の地権者ができるので問題が起きないか等々の意見があったことも聞いております。その中でも多かったのが、整備事業にかかる費用の問題でありました。 そこで、3つ目、実施予定地区における受益者の負担について伺います。
◎農林水産部長(村上央君) 圃場整備事業の事業費の負担割合につきましては、国が50%、県が27.5%、市が11.25%、受益者が市と同じく11.25%負担することになっております。
◆14番(西山一美君) 受益者負担があることは、当然、理解をいたしますが、受益者の負担割合が事業費の11.25%と聞きますと高額な印象を受けます。 今後、本市において、整備事業を着実に進めていくためには何かしらの支援が必要と感じますが、4つ目として、実施予定地区への支援について伺います。
◎農林水産部長(村上央君) 実施予定地区への支援につきましては、国の支援事業として2つあり、事業完了後に中心経営体への農地集積率に応じて、総事業費に最大で12.5%を乗じた額の助成を行う促進費と、関係農家の意向調査及び担い手育成のための調整を図ることを目的とし、事業完了まで、毎年一定額の助成を行う推進費があります。
◆14番(西山一美君) 事業完了後の農地集積率により支援する促進費と事業の進展とともに支援する推進費の2つの支援事業があることがわかりました。このような支援により、圃場整備事業が進めば、ハード面において、圃場整備区域内にある県・市の道路や河川などの公共施設についても、地元からの要望のもと、施設管理者と調整し、非農用地を確保して整備事業とあわせながら実施区域内のインフラ整備を図ることも可能であると聞いております。 今後も、圃場整備事業の目的を関係地権者の皆様に正確に御理解をしていただき、本市においての農業イノベーションの進展に向け、新たな担い手の育成や農業技術の向上のための支援をお願いいたします。 採択に見合う農地集積が難しい地域に対する要件の緩和策や、さらなる受益者負担の軽減策など、本市独自の支援方法についても早急に検討の上、推進していただくことを要望して、次の質問に移ります。 次に、大きな質問の4番目は、イノベーション・コースト構想についてです。 福島イノベーション・コースト構想は、世界が注目する浜通りの再生を目指してという目標のもと、本県浜通りを中心とする地域経済の復興のため、東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年を当面の目標に、廃炉研究拠点、ロボット研究・実証拠点などの新たな研究産業拠点を整備することで、世界に誇れる新技術や新産業を創出し、イノベーションによる産業基盤の再構築を図り、避難を余儀なくされた住民の皆様の帰還に加え、新たな住民の皆様のコミュニティー参画を進めることにより、魅力あふれる地域再生を実現していくことを目指して着実に構想は進んでおります。 本市関連で進められているものは、5つの構想の柱のうち、新たな産業集積分野の農林水産業プロジェクトとエネルギー関連産業の集積です。魚介類の安全性確保のための研究開発や資源の持続的利用、経営安定向上のための技術開発などを目的とした水産研究拠点整備プロジェクト。また、原子力に依存しない新たなエネルギーの創出により復興の加速化を進めることを目的としている高効率石炭火力プロジェクトの2つとなっています。 そこで、1点目は、本市関連の構想進捗状況についてであります。 まず、1つ目として、福島県が主体となって小名浜地区でプロジェクトを進めている、水産試験研究拠点整備事業の進捗状況について伺います。
◎市長(清水敏男君) イノベーション・コースト構想における水産試験研究拠点整備事業につきましては、昭和41年に完成した現在の水産試験場について、原子力災害に伴う魚介類の放射能汚染や安全確認に向けた新たな課題に対応するため、放射能研究棟及び放射能飼育実験棟などの機能を強化して、現在の所在地に再整備するものであります。 なお、施設整備の進捗状況について、事業実施主体である福島県によれば、施設の実施設計は平成29年8月に完了し、現在は、既存施設の解体工事中であり、施設の本体工事につきましては、平成30年4月に着手し、平成31年3月末の竣工予定と伺っております。
◆14番(西山一美君) 次に、2つ目として、勿来地区において施設の建設工事が進んでいる石炭ガス化複合発電施設、IGCC建設の進捗状況について伺います。
◎市長(清水敏男君) 石炭ガス化複合発電施設、いわゆるIGCC建設につきましては、平成29年4月より本格着工し、地盤改良等の基礎工事を行ってきたところでありますが、本年1月からはタービン建屋等の建築工事に着手しており、平成32年9月からの運転開始に向け、おおむね計画通りに進捗しているとのことであります。
◆14番(西山一美君) 福島イノベーション・コースト構想に位置づけられた本市におけるハード面の拠点整備については、ただいま質問いたしました水産試験研究拠点整備事業とIGCCの2つですが、一方で、必ずしもハード面での拠点が本市に整備されない場合においても、福島イノベーション・コースト構想に基づく国や県の動きをしっかりと地域活性化につなげていくことは十分に可能であると考えます。 その1つに、福島イノベーション・コースト構想に位置づけられたエネルギー関連産業の取り組みが挙げられると思います。 昨年、11月定例会での私の質問に対し、県が陸上風車を整備するプロジェクトを進めていることなどを踏まえ、いわき市において風力のメンテナンス拠点を形成し、風力関連産業の集積に取り組むといった方針が、市当局から示されましたが、こうした取り組みは、原子力にかわる再生可能エネルギーを核として、また、浜通り地域全体に波及効果をもたらすものとして、福島イノベーション・コースト構想の推進にもつながる、まさにタイムリーなものではないかと感じています。 そこで、2点目は風力関連産業の振興についてであります。 まず、1つ目は、構想の取り組みの1つとして、福島県が主導し、阿武隈山地を中心に多くの風力発電施設を整備する風力発電拠点プロジェクトを進めておりますが、その県プロジェクトの目的はどのようなものか伺います。
◎産業振興部長(石曽根智昭君) 県におきましては、福島イノベーション・コースト構想や福島新エネ社会構想に基づき、風況データの県有化や環境アセスメントへの県の参画、環境面や地域貢献の観点ですぐれた事業者を公募・選定する風力発電拠点形成プロジェクトを推進しております。その目的は、豊富な風力資源を活用した再生可能エネルギーの導入拡大とあわせ、関連産業の振興を図り、浜通りの復興を牽引することとしております。
◆14番(西山一美君) 県のプロジェクトも関連産業の振興を目的に掲げているとのことですが、2つ目として、いわき市はこうした動向を受け、どのような形で風力関連産業の振興に向けて取り組んでいく考えなのか伺います。
◎産業振興部長(石曽根智昭君) 市といたしましては、浜通り地域に多くの風力発電施設が整備されることなどに伴う風力メンテナンス需要の増加を初め、世界規模で風力関連市場の拡大が見込まれること、風力発電施設が多くの電気・機械部品から構成され、本市のものづくり産業の技術を生かせる分野であることなどから、市内企業の風力関連産業参入に向け、積極的に取り組んでいるところであります。 具体的には、部品交換を初めとしたメンテナンス業務の経験を重ねながら、市内企業が付加価値の高い部品等を独自に加工できる技術力や人材力を培い、将来的には、県内に整備される風車にとどまらず、世界の風力発電関連産業への市内企業の参入を目指し、ステップを踏みながら、段階的な取り組みを進めてまいる考えであります。
◆14番(西山一美君) 風車を建設する事業者ではなく、機械加工や機械組み立てなど、市内で事業活動を行っている事業者を支えるために、メンテナンス産業を柱に、ステップを踏んで関連産業に取り組んでいくということがわかったわけですが、一方、メンテナンスや部品・製品において関係する企業間で統合的な物流システムを構築して取引を行う、いわゆるサプライ・チェーンについては、既に確立されたものがあり、市内企業が簡単に参入できるかどうかといった問題があります。 そこで、3つ目として、どのような形で市内企業の関連産業参入の可能性を高めていく考えか伺います。
◎産業振興部長(石曽根智昭君) 既存の取引関係、いわゆるサプライ・チェーンへの市内企業の参入については、メンテナンスや国内外の風力産業に関して豊富な知見を有している中核的な企業である株式会社北拓などから、市内企業が部品交換や補修などの助言・発注を受けながら、技術力や人材力を高めていくことにより、関連産業への本格的な参入が可能になるものと考えております。
◆14番(西山一美君) 私は、昨年11月に行われましたいわき産業フェスタの記念講演会に出席し、株式会社北拓副社長の、いわきのポテンシャルを生かした風力産業参入への可能性というお話を聞かせていただきました。そのプランを伺う中で、日本における風力メンテナンスの中核的企業である株式会社北拓の熱い思いを感じたところです。 メンテナンス産業を通して技術力を高めながら、その先には独自の部品づくりなどにもつなげ、世界の風力関連産業のマーケットをターゲットに活動をしていきたいとのことでしたが、そのようなことも踏まえ、4つ目として現時点で、市内企業が、どのような付加価値の高い部品を開発・製造していくものと考えているのか伺います。
◎産業振興部長(石曽根智昭君) 風力発電施設につきましては、今後、これまで以上に、収益性・事業性を高める観点から風車を安定的・効率的に稼働させる技術や、故障を未然に防ぐ予防保全型の維持管理技術が求められております。こうしたニーズに対応できる部品の例といたしましては、台風や落雷などの厳しい気象条件にも対応できる耐久性の高い部品や、最先端のセンサー技術や通信技術を組み込み、遠隔からでも状態確認ができる部品などが考えられます。 本市においては、市内企業がメンテナンス業務や大学・研究機関との連携を通して得られた知見を活用していくことで、こうした部品を開発し、製品化していくことも十分に可能であると考えております。
◆14番(西山一美君) それでは、これまで伺ってきたメンテナンス産業への参入や、新たな部品・製品の開発を行おうとする企業に対して、5つ目として本市はどのような支援を行う考えなのか伺います。
◎産業振興部長(石曽根智昭君) 具体的な支援といたしましては、風力関連産業に関する中核的企業や専門機関とのネットワークを活用しながら、風力関連産業に関する情報の受発信や研究活動・人財育成に対する支援、発電事業者や風車メーカー等関連企業と市内企業とのマッチング支援等をこれまで以上に強化していく考えであります。 また、資金面におきましても、国や県における設備投資や研究開発を支える制度の活用を支援するほか、工場等立地奨励金や技術開発支援事業など、市独自の制度による支援も行ってまいります。
◆14番(西山一美君) 市内企業が風力関連産業に参入していくステップについて、具体的なイメージ、そしてその取り組みに対する支援についても伺うことができました。 風力発電の施設というのは、部品数がかなりありまして、その中でも今いわき市で手がけておられる企業というのは少ないわけで、今度その中核的企業がいわきに来ればその中で広がりを見せて、ほかのほうから今メンテナンスに対してもこちらに来て直していることが、いわきからメンテナンスに対して人材が派遣できるということで、かなりの効果が期待でき、またそこで雇用も生まれてくると思うんですね。今回人材育成には触れていませんが、この企業等がいわきに進出することによって多くの技術者が生まれることをかなり私も期待をしているところです。そんなことも踏まえて、こうした風力関連産業の振興の取り組みを、県を初め、さまざまな関係機関と連携していくことが大変重要だと考えます。 6つ目として、関係組織との連携について本市の考え方を伺います。
◎市長(清水敏男君) 市ではこれまで、風力関連産業の振興に向け、いわき商工会議所や、いわき経済同友会といった商工団体、産業支援機関であるいわき産学官ネットワーク協会とともに、いわき風力産業推進協議会を設置し、官民連携により、市内企業の技術力や人材力の向上につながる中核的企業の誘致などに取り組んでまいりました。 今後は、こうした官民連携組織に加え、風力関連産業の中核的企業や大学、学会などの専門機関との連携体制を構築し、市内企業との橋渡しを行うなどの取り組みも強化していく考えであります。さらに、国や県との意見交換を積極的に行い、その動向と歩調を合わせた取り組みを推進し、風力発電施設が整備される浜通り地域全体に、風力関連産業振興の効果が波及するよう、取り組んでまいる考えであります。
◆14番(西山一美君) 福島県は、現在開会中の2月定例会知事説明において、福島イノベーション・コースト構想のさらなる推進のため、福島復興再生特別措置法に基づく重点推進計画の策定を進めるとともに、推進体制を強化するため、本年4月から企画調整部内に福島イノベーション・コースト構想推進室を新設することを表明いたしました。このように、国や県においては、福島イノベーション・コースト構想を浜通り地域の復興・再生の核に位置づけ、また、福島新エネ社会構想においても、こうした取り組みを支えていくこととしております。 今回質問いたしました風力関連産業の取り組みは、構想に位置づけられたハード面での拠点が本市に整備されるものではありませんが、浜通り全域に風力発電施設が整備されるプロジェクトを契機に、中核的な企業や専門的な大学、研究機関などの協力も得ながら、意欲ある地域の企業が世界に羽ばたこうとする挑戦を後押しし、関連産業の集積を実現していこうとするものであると理解するところです。 今回の取り組みが実を結び、風力関連産業と言えばいわき市、そして浜通りといったブランドができあがれば、いわき市の活性化はもとより、浜通り地域全体の復興・再生にもつながって、福島イノベーション・コースト構想の世界が注目する浜通りの再生も実現できます。 市や国・県といった行政だけではなく、市内外の産業界や学界、研究機関の力も借りながら、今回質問をいたしましたステップを着実に推し進めていただくことを、心から期待いたしまして、以上で私の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(菅波健君) ここで、午前11時10分まで休憩いたします。 午前10時57分 休憩
--------------------------------------- 午前11時10分 再開
△蛭田克君質問
○議長(菅波健君) 休憩前に引き続き会議を開きます。33番蛭田克君。 〔33番蛭田 克君第二演壇に登壇〕
◆33番(蛭田克君) (拍手)おはようございます。33番いわき市議会清政会の蛭田克であります。 来る3月11日をもって、東日本大震災の被害から7年が経過いたしますが、月日を経た今でも、当時の悲惨な状況が目に浮かんでまいります。犠牲となられた方々を思うとき、何としても復興を完遂していかなければならないとの決意を新たにするものであります。 さて、平昌オリンピックも多くの日本人選手の活躍が連日テレビで放映される中、この25日で閉会となりました。国民の皆様の記憶と記録に残るオリンピックになったと感じております。大会を振り返りますと、競技会場において日の丸の旗が振られたり、メダリストが国旗を背負って会場の歓呼に応えたりする姿などを見るたびに、国旗・日の丸が、国際社会において日本国を代表するという意義を再確認し、新たな感動を覚えました。我が国の国際社会での立場や役割の大きさを再認識しながら、来る2年後の東京オリンピックの大成功に向けて、官民挙げての取り組みが強化されますことを心から期待し、以下通告順に従い、質問いたします。 これまでの議員の質問と重複することがあるかと思いますが、御答弁のほどよろしくお願いいたします。 大きな質問の1は、清水市長2期目の市政についてであります。 昨年9月、清水市長は2期目の市長選当選を果たされました。清水市長の1期目の市政のかじ取りやその人柄・行動力、そして2期目への期待感などが、市民の皆様から高い評価をいただき、厳しい選挙戦に勝利をいたしました。まことに喜ばしく、改めまして心からお祝いを申し上げます。 市長は、平成30年年頭所感において、市政全般にわたることしの抱負と決意を述べられております。その中で、国の人づくり革命、生産性革命という新しい経済政策パッケージの策定を見定めながら、国内外の動向を的確に捉え、将来を俯瞰した上で、本市に合った効果的な施策を、困難があろうともあらゆる努力を惜しまず実施することが一層重要になるとの強い姿勢を示しておられます。国の人づくり革命、生産性革命とは、言うまでもなく、平成29年12月8日に閣議決定された新しい経済政策パッケージであり、少子・高齢化へ立ち向かう国家的経済戦略であります。国は、両改命を通し、2020年までに、安心できる社会基盤を築き、その上で経済を成長させて、一億総活躍社会を創出させるとしております。このことが実現されていけば、国のみならず、本市の将来への大きな展望が開かれることと思います。 以上の観点に立ち、以下質問いたします。 1点目は、国の人づくり革命についてであります。 国は、人づくり革命について2020年までに新しい仕組みづくりに向けた基礎を築くと述べておりますが、このことに関連して、本市に合った効果的な施策について、具体的にどのように展開していくお考えか、市長の御所見を伺います。
◎市長(清水敏男君) 国の人づくり革命につきましては、これまでの制度や慣行にとらわれない新しい仕組みづくりに向けた基礎を築き、子育て世代、子供たちに、大胆に政策資源を投入することで、社会保障制度をお年寄りも若者も安心できる全世代型へと改革し、子育て、介護などの現役世代の不安を解消し、希望出生率1.8、介護離職ゼロの実現を目指すものであります。 本市におきましても、国のこのような動きに呼応し、地域が人を育て、人が地域をつくるという基本的な考え方のもと、いわきネウボラの創設や保育所利用者負担金の引き下げなど、子育て支援の充実に取り組んでいるほか、外国語指導助手の増員や、小・中・高校、大学まで一貫した人財育成を進めるいわきアカデミア、さらには、本市の事業所等へ就職する学生を対象とした奨学金返還支援制度の創設など、人への投資に意を用いているところであります。加えて、高齢社会の進展を見据え、高齢者の介護予防や健康増進の取り組みの充実を図るなど、国の施策の効果的な活用に努めながら、本市の目指す人が輝くまちの実現に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
◆33番(蛭田克君) 2点目は、国の生産性革命についてであります。 国は生産性革命の実現について、2020年までを目途にすると言われておりますが、このことに関連して、本市に合った効果的な施策について、具体的にどのように展開していく考えか、市長の御所見を伺います。
◎産業振興部長(石曽根智昭君) 国においては、1つとして中小企業・小規模事業者等の生産性革命、2つとして企業の収益性向上・投資促進による生産性革命、3つとしてイノベーションによる生産性革命を掲げ、税制優遇や補助金、規制緩和などさまざまな支援を行うこととしております。 市といたしましても、こうした国の取り組みと歩調を合わせ、既存の地域産業の生産性向上を支援しつつ、将来をしっかりと見据えた新たな産業の振興につなげていく必要があると考えております。具体的には、中核的な企業の誘致活動を進めてきたことに加え、本市の地域特性を生かすことが可能なバッテリー関連産業を初め、風力関連を中心とした再生可能エネルギー関連産業などの成長産業において、研究会活動や技術・商品開発支援などを実施してきたところであります。 今後もこうした取り組みに加えて、国の税制優遇等、さまざまな制度も活用しながら、地域産業の生産性向上や、成長産業への市内企業の参入促進に努めてまいる考えであります。
◆33番(蛭田克君) 3点目は、本市の魅力ある都市づくりについてであります。 1つとしては、都市としての特徴を冠にした本市のバックボーン創出についてであります。 県内におきましては、県都福島、楽都・商都郡山、歴都会津などのように、それぞれの都市にバックボーンが確立されております。翻って、本市のバックボーンは何でしょうか。本市は、海・山・市街地と多様な地域的側面を持ち、また、気候・風土においても多くの特徴を有しております。言いかえれば、1つの背景・1つの言葉であらわすことができないほどの多面性を持つ自治体であると考えます。 しかし、一方で、都市間競争に勝ち抜き、市民共通のよりどころを構築していくためには、何としても、全国に知れ渡る、本市を印象づける特色ある背景が不可欠であると考えます。 そこで、本市の都市としてのよりどころ、また、都市を形成する背景など、全国に発信するバックボーンを創設する必要があると考えますが、御所見を伺います。
◎総合政策部長(大和田洋君) 人口減少が進行し、都市間競争が激しくなる中で、本市が選ばれるまちとなるためには、都市のバックボーン、すなわち歴史や文化に裏打ちされた本市ならではの差別化された魅力やイメージを、市内外にわかりやすく伝えていくことが重要と考えております。このことから、今年度、庁内においては若手職員等で構成する市シティセールスプロジェクトチームを設置し、また、市内の各種団体、クリエーター、大学生など、さまざまな分野で活躍する方々で構成する市シティセールス推進研究会を立ち上げ、本市の目指すべき都市イメージや、そのイメージを市内外に効果的に伝え共有化していく手法など、シティセールスの推進に向けて検討を進めてきているところでございます。 今後、こうした検討を踏まえ、本市の基本指針となるシティセールス戦略を取りまとめる予定であり、その中で本市のイメージをわかりやすく市内外に伝えるためのフレーズや呼称などにつきましても、整理してまいりたいと考えております。
◆33番(蛭田克君) よろしくお願いいたします。 2つとしては、いわき駅並木通り地区第一種市街地再開発事業についてであります。 当該事業は、本年3月を目途に都市決定を目指していくということが明示されました。このことにより、いわき駅前が本市の玄関口として立派に整備されていくことはまことに喜ばしい限りであります。本事業は、本市の市街地整備として大きな意義を持っておりますが、また同時に、浜通り地区全体の復興・創生の拠点としてのいわき駅周辺の整備という面においても大変重要な意義を持つ事業であると考えます。それは、今後の復興創生事業を考えたときに、いわき市が国との連携事業において大きな役割を担っていると考えるからであります。 復興庁も発足6年を経過し、2021年3月の設置期限まで残り約3年となりました。本市選出の吉野正芳衆議院議員が復興大臣に就任されておりますが、吉野大臣は就任以来50回以上の視察をこなすなど信頼回復に大車輪の取り組みを重ねているとの新聞報道がありました。吉野大臣の復興に向けた御尽力に心から敬意を表する次第であります。政府は、復興庁にかわる後継組織のあり方について、早ければ2019年度にも一定の方向性を出す方針であると言われております。 そこで、本市は、復興庁にかわる後継組織を今回の再開発地区に誘致したいということを国に強く要望していくべきであると考えます。このことが実現すれば、まさに名実ともに、いわき市が復興創生タウンとしての都市機能を有した、復興・創生の全国的拠点として大きな力を発揮していけると考えます。 このことについて、市長の御所見を伺います。
◎市長(清水敏男君) 復興庁は2021年3月末までの廃止が予定されておりますが、本市を初めとした福島県浜通りが、原子力災害からの復興・再生をなし遂げるには、さらに長期的な取り組みが不可欠な状況にあると認識しております。 このため、国が復興庁の後継組織を検討するに当たりましては、まずは、原子力災害からの真の克服に向け、原子力災害の被災者や被災地の抱える課題を国として直接把握し、被災自治体と連携を密にして課題の解決に取り組むことができる体制の構築を図っていくことが必要であるものと認識しております。
◆33番(蛭田克君) 今、駅前整備されるこのときこそが、いわき市の将来に向けて大きなチャンスだと思います。ぜひとも国の後継組織の誘致を積極的に進めていただきますよう、強く要望いたします。 3つとしては、(仮称)磐城平城・城跡公園整備計画の進捗と今後についてであります。 ことしは、戊辰戦争150年の記念の年に当たり、夏井総合図書館長のお話によれば、幕末の磐城平藩の歴史に関して、市民の皆様の関心は非常に高いということであります。本市の歴史や文化を大切にし、郷土愛や地域に対する誇りを醸成し、さらには城下町としての個性を生かしたまちづくりを推進、にぎわいの創出を図るという本事業は、各界各層の市民の方々の協賛をいただき、市民総意の建設を目指すという、まさに官民一体となった共創の具現化であり、時宜を得た事業であると確信いたします。 古今東西、古来より歴史文化を大切にしない国や自治体は、未来に対しての展望がないと言われており、また、愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶとの人生訓も言われております。本市は、仙台に次いで東北第2位の人口を誇り、面積は香川県に匹敵いたします。私は、これだけの都市環境を持ち、幕末の日本をリードした安藤信正公等の歴史的背景がありながら、磐城平城がこれまで建設されなかったこと自体が不思議でなりませんでした。今こそ建設を推進すべきであると思います。磐城平城の三階やぐら・八棟やぐら等を整備し、その歴史的重みを再現し、市民の誇りと自信を醸成していく礎石を築いていくべきと考えます。 また、平城の再建は、歴史・文化の向上のみにとどまらず、本市の将来を見据えた、新たな観光振興や都市間の連結強化など、広域都市いわきの一体化促進につながるものと考えます。すなわち、行政・歴史の中心平、物流・商業の中心小名浜、観光・温泉の中心常磐といった市内3拠点を結びながら、市全体を網羅していく地域間ルートの確立が大きく前進するものと考えます。 以上の観点に立ち、以下伺います。 初めに、磐城平城の三階やぐら・八棟やぐら等の整備に向けた今後の進め方について伺います。
◎都市建設部長(高木桂一君) 磐城平城を象徴する三階やぐらや八棟やぐらの整備に向けましては、財源の確保、構造や規模に係る歴史的検証、利活用方策の検討、さらには市民の皆様の機運醸成など、多くの課題がありますことから、今年度はまず、庁内関係部署により、これら解決すべき課題の共有化を図ってきたところであります。 今後におきましても、本市の歴史や歴史資料に深い知見を有する専門家等における調査検証結果等を踏まえまして、庁内関係部署が連携し検討を進めるとともに、磐城平城本丸跡地を活用したイベント等を通したさらなる市民意識の高まりなどを踏まえまして、適時、広く市民各界各層の御意見等をお聞きしながら検討を行ってまいりたいと考えております。
◆33番(蛭田克君) 市民の多くの期待の声がありますので、どうかよろしくお願いいたします。 次に、平城再建に関連して、平・小名浜・常磐の3拠点を迅速に結ぶ道路の整備について、どのように考えるか伺います。
◎土木部長(上遠野裕之君) 平・小名浜・常磐の3拠点を結ぶ道路の整備につきましては、現在、各拠点間の移動時間の短縮や交通渋滞の緩和を目的に、国・県道を初めとする主要幹線道路において、4車線化等の事業が進められているところであります。 主な事業の進捗状況につきましては、国によりますと、国道6号の常磐バイパスが今年度内に全線4車線化が完了する見込みであり、小名浜住吉地内から常磐下船尾町地内までの区間においては、交差点改良事業を鋭意進めているところであります。 また、県によりますと、都市計画道路平磐城線につきましては、今年度内に車道部の全線4車線化が完了する見込みであり、平成30年夏ごろに歩道部を含む全区間が完了する見込みとのことでございます。さらに、本市が内郷綴町七反田地内から堀坂地内にかけて整備を進めております都市計画道路内郷湯本線につきましては、堀坂トンネルを含む500メートル区間において、今年度内に暫定2車線による供用を予定しており、引き続き、主要幹線道路の整備が促進されますよう、国・県と一体となり、取り組んでまいりたいと考えております。
◆33番(蛭田克君) 次に、今述べたことと同様に、以上の3拠点を迅速に結ぶ新たな交通システムの導入について、どのようにお考えか伺います。
◎都市建設部長(高木桂一君) 本市におきましては、過去に、いわき商工会議所におきまして、平・小名浜・常磐などの各地区間を結ぶライト・レール・トランジット等による、次世代交通システムの調査研究が行われてきた経緯がございますが、現実的には、4車線化などの道路整備に合わせたバス優先レーン設置や交差点の改良による走行の円滑化を図るなど、バス路線のサービス向上や定時性の確保に努めてきたところであります。 今後におきましても、各地区間を結ぶ交通ネットワークを強化するため、鉄道やバス路線のサービス向上と利用促進に努めるとともに、技術開発が進み実証運行が行われている自動運転や、先進地の次世代交通システム導入事例等の情報収集に努めてまいりたいと考えております。
◆33番(蛭田克君) 平・小名浜・常磐この3拠点を結ぶこの地域のことを私は勝手にゴールデン・トライアングルと言っております。この3つの地区を連結することによって、いわきの将来の大きな姿が見えてくると思います。どうか御検討よろしくお願いいたします。 4つとしては、本市の英語教育の強化に向けた体制の整備についてであります。 国の国際理解教育の一環として、2020年に小学校5・6年生で英語が教科に格上げされます。教科になるということは、教科書がつくられ、テストが行われ、通知表に成績がつくということであります。このような中で、国の政策とはいえ、私はそもそも小学校に英語を教科として導入しなければならないのかという政策そのものに対する懸念を抱いております。 その理由は、現行の小学校教育制度の中で教師の英語の教科指導力は整備されているのかということ、英語を学ぶ前に、国語や算数など、基礎的な学力を身につけさせるべきではないかということ、また、真の国際化とは、単に英語を話せることではなく、自国の歴史・文化等をしっかり発信することができることではないかということなどからであります。 以上の観点に立ち、以下伺います。 初めに、本市小学校教員の英語教科指導をどのように強化していくのか伺います。
◎教育長(吉田尚君) 平成32年度から全面実施となる新学習指導要領におきましては、英語教育の早期化・教科化として、新たに3・4年生に外国語活動として年間35時間、5・6年生に外国語科として年間70時間が位置づけられることになります。 本市におきましては、文部科学省から示されている平成30年4月から2年間の移行期間への対応を踏まえ、3・4年生においては新たに外国語活動として15時間、5・6年においては現行の35時間に15時間を追加した50時間の外国語活動を実施するとともに、新学習指導要領の一部を取り扱う等、全面実施への円滑な移行に取り組む予定でございます。 本市小学校教員の英語指導力の強化につきましては、市総合教育センターでの教員研修を実施するとともに、平成28年度に、国の中央研修に派遣した本市英語教育推進リーダーを活用し、今年度と次年度の2年間にわたり、市内全小学校の教員への伝達講習を実施し、指導力の強化に取り組んでいるところでございます。
◆33番(蛭田克君) 次に、小学校教員に英検準1級以上を取得させる、このような考え方はないか伺います。
◎教育長(吉田尚君) 小学校教員の実用英語技能検定準1級以上を取得させることについては、新学習指導要領における小学校の英語教育は、多くの語彙や文法等との個別の知識がどれだけ身についたかに主眼が置かれるものではなく、読むことや書くことに触れながらも音声を中心としたコミュニケーション重視の学習内容であることから、小学校教員に資格取得が求められるものではないと考えております。
◆33番(蛭田克君) 次に、英語が教科になることにより、他教科、特に国語や算数などの教科に授業時間数などでしわ寄せはないか伺います。
◎教育長(吉田尚君) 英語が教科になることにより、国語や算数などの授業時数が削減されるといった他教科へのしわ寄せはございません。
◆33番(蛭田克君) 次に、こういったことが小学校教員へのさらなる負担増加になることはないか伺います。
◎教育長(吉田尚君) 小学校教員への負担増加につきましては、外国語の授業時数がふえるとともに、授業準備となる教材研究等が必要となりますが、本市においては、今年度より授業者の補助となる外国語指導助手の増員や、小学校英語教育に特化した研究指導員の新たな配置等により、外国語の授業を行う教員の支援体制整備に取り組んでいるところでございます。
◆33番(蛭田克君) 私の27年間の教員経験の中で、すぐれた教員いっぱいおられました。その先生方は、子供たちと向き合うときに本当にそれだけやって、例えば授業をやる、または課題をやる、または部活動をやる、本当に一生懸命かかわっておりました。ただそこにいろいろ事務的な要因とか、または指導案とか県に出せとか国に出せとか、そういうさまざまな附帯事項がつくと、これが教員の過重負担になってしまいます。私は今の先生方もすばらしい先生方がいっぱいいると思います。どうか先生方に負担にならないように、この導入をよろしくお願いしたいと思います。 5つとしては、今後の地域振興のあり方についてであります。 地域振興という言葉や制度は、これまで長きにわたり本市の大きな施策として実施されてまいりましたが、最近市民の方から、地域振興という1地域に限定した考え方が、いわき市全体の振興に結びついていないのではないかという指摘を受けました。つまり、地域振興の名のもとに、特定化された、自分の地域だけがよくなればいいという考え方になってはいないかということでした。 さらには、人口減少社会にあって、子供会や青年会など若い人が減少している地域が増加する中で、1地域だけの振興などはもはや困難ではないか、同様の特色を持つ地域同士が連携し合って振興を図ることのほうが、市全体としてはより効率的ではないかという御指摘でありました。時代を見据えた地域振興には、さまざまな形態が考えられますが、いずれにしても、地域振興が、いわき市全体の振興に連動するものでなければならないと考えます。 以上の観点に立ち、以下伺います。 今後の地域振興について、その形態を含めたあり方について、どのように考えるか伺います。
◎市長(清水敏男君) 広大な市域に恵まれた本市におきましては、地理的条件や歴史的背景により、地域固有の文化が育まれており、それぞれの地域に根づいた多様な地域資源を有することが、大きな魅力の1つとなっております。 これまで、本市では、各地域の特性に着目し、それらを磨き上げる地域振興に意を用いて、さまざまな施策を進めてきたところでありますが、一方、人口減少、少子・高齢化が急速に進行する中、中山間地域では、地域のコミュニティーを維持することさえもが困難な状況になってきており、共通する課題の解決を図るため、地域の枠組みを超えた取り組みとして、平成25年度から遠野町、三和町、田人町、川前町による中山間4地区区長会が設置され、具体的な活動が続けられております。このような日々の暮らしを支えるセーフティネットを確保していく取り組みを基盤としつつ、同時に、多様な資源を相互につなぎ合わせながら、地域内に新たな需要と富の再配分を生み出す仕組みを構築することにより、地域力を底上げしていくことが、これからの地域振興には必要不可欠なものと認識しております。 このようなことから、今後につきましては、地域づくりの主役となるあらゆる主体が、地域を越えた連携を強めることにより、本市全体の振興につなげていけるよう支援しながら、いわき新時代にふさわしい、市内からも市外からも選ばれる魅力あふれる地域づくりに邁進してまいりたいと考えております。
◆33番(蛭田克君) 私、遠野町のほうで、もみじまつり等やっておりますが、もみじまつり、年間4回ほど草刈りをやります。みんな70歳近い年とった人たちが腰を曲げて草刈りをしております。若い人がなかなかいらっしゃいません。これからそういう、いろんなことがどんどんふえてくると思うんですね。そういう中で例えば大学と連携するとか、いわき明星大学、それから東日本国際大学、そういう若い人がどんどん地域振興に入っていく、そういう連携事業をふやしていく、こういうこともお考えいただければ幸いに思います。 それでは、次に、6つとしては、本市への観光客誘致促進について、インバウンド事業に積極的に取り組むことについてであります。 観光産業は、その附帯産業や周辺産業への波及効果や経済規模の拡大が大いに期待されます。また、同時に、観光客や交流人口が多くなるということは、そのまちの品格や魅力が対外的に高く評価されるということにつながります。観光産業が発展することは、本市にとって大いにメリットがあり、市は積極的に推進していくべきと考えます。 その意味で、1つの戦略として外国人観光客を対象とした本市独自の温泉・医療・スポーツを活用したツーリズム構想を整備していくことを提言したいと思います。温泉・医療・スポーツは、どれも本市発展のコンセプトであります。本市の魅力をさまざまな角度から散りばめたインバウンド事業を展開すべきと考えますが、御所見をいただきます。
◎市長(清水敏男君) 本市のインバウンド事業については、これまで、観光情報サイトや観光パンフレットの多言語化、市内宿泊施設または観光誘客施設の事業者等が行う無線LAN環境整備への補助や、外国人の方にも被災地の現状を知っていただけるようスタディーツアーの通訳者育成等を行うなど、受け入れ環境の整備を図ってまいりました。 また、今年度は、ターゲットをタイに絞った上で、旅行事業者等を招聘したファムトリップを実施し、参加者へのヒアリングを重ねながら、タイの方々により訴求力のあるモデルコースを構築するとともに、今月タイで開催されました国際旅行博においては、いわき観光まちづくりビューローやじょうばん街工房21の方々とともに、構築したモデルコースのパンフレット等を用いて広報宣伝活動を行ったところであります。外国人観光客のニーズは、これまでの団体旅行を中心とした観光名所めぐりから、日本文化を体験するような個人旅行へと変化しております。 本市におきましても、改めて地域資源を見つめ直し、温泉・医療・スポーツなどの分野を初め、外国人観光客が遠方からでも足を運びたくなるような、本市で培われてきた伝統や文化、魅力的な人々などを活用したインバウンド事業を展開してまいりたいと考えております。
◆33番(蛭田克君) よろしくお願いいたします。 大きな質問の2は、市内における風力発電事業についてであります。 国内電力の維持確保のためには、太陽光や風力などの自然エネルギーや再生可能エネルギーの確保が必要になってきております。特に風力発電に関しては、本市は山林面積が広く、風力発電に適していると考えられ、田人・遠野・三和等の各地区において風力発電の実証基地として全国の企業が参入を計画しております。また、林業関係者からは、風力発電事業が進むことにより林道が開設され、このことにより、木材の切り出しや搬出入に大いに効用があり、山林の整備が進んでいくと言われ、この事業の進展を期待しているとの声が上がっております。山は切り開いていかないと山はだめになってしまうということを強く言われております。 本市産業振興部におきましても、風力発電関連産業分野での大規模なマーケットの創出が見込まれるとして期待を寄せており、官民連携の推進組織として、いわき風力発電産業推進協議会を組織し、事業の確実なステップを進める取り組みに着手していると聞き及んでおります。 しかし、一方で、遠野地区では、低周波・騒音・振動・自然破壊・景観などの観点から反対運動が発生しております。エネルギー対策や林業振興、また、風力発電関連産業の経済性などの観点から、私は人体や地域に重大な影響を及ぼさない限り、風力発電事業は推進すべきであると考えます。 そこで、以下伺います。 初めに、風力発電基地は、人体や地域の環境に重大な影響を及ぼすのか伺います。
◎生活環境部長(荒川信治君) 風力発電事業を行うに当たって、総出力が7,000キロワット以上の事業については、環境影響評価法、または福島県環境影響評価条例に基づいて、風力発電機や取りつけ道路など設置に伴う土地の改変による動植物・生態系への影響や、施設供用後における景観、騒音・低周波音、バードストライクなどによる環境への影響を把握し、その影響を回避・低減するよう環境の保全に十分配慮して実施するよう意見しているところであります。
◆33番(蛭田克君) 次に、市として風力発電関連産業の振興を目指している以上は、市やいわき風力発電産業推進協議会などを通して、風力発電の安全性・必要性等々について積極的に市民に説明をしていく必要があるかと考えますが、いかがでしょうか。
◎産業振興部長(石曽根智昭君) 風力発電を含む再生可能エネルギーや、水素などの新たなエネルギーに係る産業が地域に根づくためには、産業振興の取り組みに加え、環境負荷の低減やエネルギーの有効利用等の観点から、広く事業者や市民の皆様にも、新たなエネルギーの仕組みや必要性、効果などを知っていただくことが重要であると認識しております。 そのため、市といたしましては、産業振興の取り組みを通じてネットワークを構築してきた大学や学会などの専門機関等と連携し、全国各地の風力発電の事例なども紹介していただくセミナー等の実施により、風力発電に関するさまざまな情報提供を行ってまいりたいと考えております。
◆33番(蛭田克君) 本事業が、国・県が管轄する大きな事業であるということは理解しておりますが、今後、市としては各地域における風力発電基地建設に関して、例えば、建設マニュアルを作成するなど、市民の理解を深めるためにどのように取り組んでいくお考えか伺います。
◎生活環境部長(荒川信治君) 本市は、原子力発電に依存せず、温室効果ガスの少ない社会を目指す観点から、いわき市環境基本計画におきまして、太陽光発電や風力発電等の再生可能エネルギー利用の推進を位置づけております。 一方で、再生可能エネルギー利用の推進に係る事業におきましても、環境の保全を図ることが重要であるとの観点から、風力発電事業につきましては、これまで環境影響評価法に基づく手続において、事業者または県に対し、周辺住民の理解の醸成を図るとともに、環境全般への影響を回避・低減するよう意見してきたところでございます。 今後におきましても、同法に基づく手続において、引き続き、周辺住民の理解の醸成や環境全般への影響の回避・低減を図った上で、環境保全に十分配慮しながら、事業を進めるよう意見してまいりたいと考えております。
◆33番(蛭田克君) 市がこういったものを民間と一緒になって推進していくという、これも非常に大事な考え方だと思います。ただ一方で、そういう推進する中でいわき市の各地区の中で、残念ながら住民の反対・トラブルが起きている。片方で推進し、片方でうまくいっていない。こういう市のアンバランスというのはやっぱりこれから避けていかなければならない。そういう意味でいろんな問題があるかと思いますが、どうか市のほうで一生懸命積極的に、この地域間の住民の心が痛むことがないように、今後、御配慮いただければと強く思います。 次に、大きな質問の3は、いわき市文化財保護審議会についてであります。 本市には、国宝白水阿弥陀堂を初め、国・県、市の指定文化財が、合わせて278件あると聞いております。このことは、福島市の113件、郡山市の147件、会津若松市の168件と比較して、はるかに多く、改めて本市の歴史と文化の奥深さを再認識させてくれているものであります。文化財は復興に向けての市民の心のよりどころであり、地域振興の核となるものであると確信いたします。 そこで、文化財について中心となって活動しているいわき市文化財保護審議会について、以下質問いたします。 初めに、いわき市文化財保護審議会の役割について伺います。
◎
特定政策推進監(緑川伸幸君) いわき市文化財保護審議会は、教育委員会の諮問に応じ、文化財の保存及び活用に関する重要事項について調査・審議し、また、これらの事項に関して教育委員会に建議するため、設置しております。
◆33番(蛭田克君) 次に、委員はどのようにして選出されているのか伺います。
◎
特定政策推進監(緑川伸幸君) 委員は、建造物や彫刻、歴史資料などといった有形文化財や、芸能や工芸技術といった無形文化財のほか、有形民俗文化財や無形民俗文化財、史跡・名勝・天然記念物の各分野において、文化財の保存及び活用に関し、学識経験を有する方のうちから15名を、教育委員会が選出し委嘱しております。
◆33番(蛭田克君) 次に、この会長はどのようにして決められているのか伺います。
◎
特定政策推進監(緑川伸幸君) 会長は、委員の互選により決定しております。
◆33番(蛭田克君) 次に、会長及び委員の任期は、それぞれ何年になりますか伺います。
◎
特定政策推進監(緑川伸幸君) 会長を含め、委員の任期は2年であります。なお、再任されることができるものと規定しているところでございます。
◆33番(蛭田克君) 次に、次期委員の選任はどのように行われますのか伺います。
◎
特定政策推進監(緑川伸幸君) 現在の委員任期が本年3月末日までとなっておりますことから、次期委員につきましても、市内の文化財に関する深い知識を有し、また、文化財の保存及び活用などについて深い見識を有する方を、先ほど御答弁申し上げた分野ごとに選定してまいりたいと考えております。
◆33番(蛭田克君) この委員の方は特に何か資格を持たなければならないとか、そういうことはあるんでしょうか。
◎
特定政策推進監(緑川伸幸君) 先ほど御答弁申し上げましたとおり、資格というよりは、今までの研究実績とか、そういった分野での活躍を重視して選定しております。
◆33番(蛭田克君) 最後の質問でございます。市選挙管理委員会の組織のあり方について伺います。 選挙は、民主主義の学校と言われています。我が国の選挙制度の歴史を振り返りますと、終戦後になってやっと20歳以上の全ての男女国民に選挙権が認められるようになりました。この間、国民の多くが、選挙制度の発達に比例して民主主義を体得してきたのだと思います。しかし、このような動きに反して、近年各種選挙において、残念ながら投票率が低下してきております。このことを改善していくためには、市選挙管理委員会の各種選挙における取り組みが一層重要になってきていると考えます。ことしは県知事選挙、来年は参議院選挙・県議会議員選挙など大きな選挙が続きます。対応は急がれます。 以上の観点に立ち、以下伺います。 これまでの各種選挙において、公職選挙法違反の疑義ありと市民より指摘された事項については、検証を深めたり、上部団体へ指導・助言を仰ぐなどして、選挙のない時期に前もってその答えや対応に備えておいて、次の他の選挙にそのことを生かしていくべきと考えます。 このことについてどのようにお考えか伺います。
◎
選挙管理委員会委員長(飯間香保子君) これまで、市民の方から公職選挙法などに抵触しているのではないかとの問い合わせがあった場合につきましては、その内容について聞き取りを行うとともに、問い合わせのあった現場の確認を行うほか、公職選挙法や過去の実例及び判例等を確認しながら対応しているところであります。また、必要に応じて福島県選挙管理委員会に助言を求めた上で、市民の方からの問い合わせに適宜対応しているところであります。 しかしながら、公職選挙法の条文が複雑なことや、選挙が近づくにつれて、政治活動や選挙運動等に関する問い合わせが増加することなどから、事案によりましては、対応に時間を要する事例もございます。このようなことから、選挙終了後、時間を要した複雑な事例などの検証を深め、検証した情報の整理及び蓄積を行うとともに、その情報を職員間で共有化することにより、職員の認識及び能力向上を図ることで、次回以降の選挙における複雑な問い合わせ内容についても、迅速な対応ができるよう、さらなる研さんに努めてまいりたいと考えております。
◆33番(蛭田克君) 次は、選挙管理委員会の職員の専門性の強化についてであります。 選挙管理委員会の職員は、選挙に関する広い識見と、公平・公正な対応、また、何よりも不正を正すという強い使命感を持たなければなりません。実際的には、迅速な対応と法令遵守、過去の経験則や前例への理解、警察との連携などが要求されております。こういった必要条件を身につけるためには、私は選挙管理委員会職員の高度の専門性の育成が不可欠だと考えます。よって、以下について伺います。 市選挙管理委員会職員の専門性を強化すべく、市選挙管理委員会での在任期間を長くするなど職員のプロパー化を推進すべきと考えますが、いかがでしょうか。
◎
選挙管理委員会委員長(飯間香保子君) 選挙の執行に当たりましては、複数の期日前投票所や、選挙当日に約140カ所にも及ぶ多くの投票所の管理・運営を行う必要があるとともに、その後の開票事務にも多くの職員の配置が必要となります。 また、投開票事務の適正な執行のためには、主要な業務に対し、選挙管理委員会事務局等を経験した職員を配置する必要があり、選挙事務に精通した職員を数多く育成することが必要であると考えておりますことから、定期の人事異動は必要不可欠なものであると認識しております。 しかし、一方で、選挙は民主主義の基盤となる重要な制度であり、常に公明性・公正性を求められており、公職選挙法等関連法を十分に理解した上で、選挙に関する市民の方からの問い合わせに対し、的確な判断を速やかに導き出すような、高度の専門性を有する職員の育成も不可欠なものであると認識しておりますことから、今後、関係部と協議しながら対応してまいりたいと考えております。
◆33番(蛭田克君) 選挙管理委員会は民主主義のとりでであります。選挙管理の実務というのは、誰でもできるものではありません。そういうことで、専門性を持って、そして崇高な考え方、自信と誇りを持って選挙管理委員会の皆様方には本当に専門家として頑張っていただきたい、そういう思いでいっぱいであります。どうかよろしくお願いいたします。 以上で、私の質問は全て終わるわけでありますが、何回質問しても時間配分を間違ってしまいます。さっきいっぱい書いてあったのをずっと削ったら時間が大きく余ってしまいました。こんなこと本当に残念でありますが、質問は以上でございます。 それで、今回の質問作成に当たり、私は多くの本市のよいところを再発見いたしました。その上で、将来に向けては、本市のよいところをもっともっと伸ばしていくことが大切であると実感いたしました。教育も子供の短所を突くのではなくて、よい面を伸ばせと言われております。自治体も同じだと思います。この困難な時代を乗り切っていくためには、だめだ、だめだが多くなると市政の進展が鈍くなると思います。 2期目に入った清水市長をかなめとして、職員、市民の皆様の英知を結集して、本市の長所を伸ばしていくことに全力を傾注してほしいと思います。近い将来、ふるさと・いわき市のよい面、長所が市内各地域で咲き誇ることを心から念願いたします。 結びになりますが、この3月をもって御退職になられる職員の皆様、これまでの市政進展への御尽力に感謝を申し上げ、第二の人生に幸多かれと心から御祈念申し上げます。 少し早いですが、以上をもちまして、私の一般質問の全てを終わります。御清聴まことにありがとうございました。(拍手)
○議長(菅波健君) ここで、午後1時10分まで休憩いたします。 午後0時02分 休憩
--------------------------------------- 午後1時10分 再開
△佐藤和美君質問
○副議長(蛭田源治君) 休憩前に引き続き会議を開きます。37番佐藤和美君。 〔37番佐藤和美君第二演壇に登壇〕
◆37番(佐藤和美君) (拍手)37番いわき市議会志帥会の佐藤和美でございます。 震災から間もなく7年を迎えようとしております。当面の最優先の課題であった復旧・復興事業もハード整備は終えんに向かいつつあり、その先を見据えたまちづくりが大変重要になってくる段階にあると認識しております。 今後、いわき市は、人口減少、少子・高齢化が一層深刻化し、それに伴う税収の減、扶助費の増、さらには公共施設の老朽化対策など、財政的制約が強まる中で、市民の安全・安心のとりでとなる新病院が、巨額の費用が投入され建設されます。また、定住人口の減少を交流人口の増加によりカバーし、需要を創出すべく観光やスポーツの分野に地域経済の活路を見出そうとしておりますが、このマーケットには多くの自治体が参入し、激しい競争が繰り広げられております。 私は、復興後に進むべくかじ取りを今ここで間違えると、取り返しのつかない危機的状況になってしまうと危惧しており、執行部には復興バブルに浮かれることなく、高度な緊張感を持って行政運営に臨んでほしいとの思いのもと、通告順に従い、市政一般に対する質問をいたします。 まず初めに、大きな質問の1番目は、財政問題についてです。 平成30年度当初予算編成に当たっては、新・市総合計画基本計画に掲げる目指していくいわきの姿の実現に向け、復興の総仕上げに向けた取り組みを着実に推進しながら、その先を見据えて、魅力あふれるいわきの創造に向けたいわき新時代の推進を基本として予算を編成したとのことでありました。 また、平成29年度予算は、市政施行50年を踏まえ、さらなる50年に向けた魅力あふれるいわきを、さまざまな方々との連携でともにつくる共創のまちづくりを進めるものとして編成され、共創のまちづくり元年の旗印のもと、復興・創生の加速化を図るため、現在、各種事業に取り組んでいるものと理解しております。 こうしたことを踏まえ、まず1点目として、本市の財政状況について伺います。 1つ目として、年度の途中ではありますが、平成29年度の一般会計決算見込みについて伺います。
◎財政部長(伊藤章司君) 平成29年度の一般会計決算見込みにつきましては、現在、予算の執行段階にあり、収支を的確に見込むことは困難でありますが、歳出につきましては、一部事業の繰り越し等が見込まれるほか、各種経費に不用額が生じる見込みとなっております。 また、歳入につきましては、歳出と同様に、一部事業の繰り越し等に伴い、国・県支出金及び市債等が減収となる一方、市税が個人市民税の増などにより増収となる見込みであり、復興事業の進捗に伴い、関連事業費が収れん傾向にある中で、ピーク時と比較して実質収支が縮小するものと考えられますが、平成29年度決算につきましては、前年度と同様に黒字決算となる見込みであります。
◆37番(佐藤和美君) 新・市総合計画後期基本計画の財政運営の方針には、普通交付税の一部振りかわりである臨時財政対策債を除く市債残高と財政調整基金の残高が位置づけられております。 そこで、2つ目として、平成29年度末の一般会計の臨時財政対策債を除いた市債残高見込みについて伺います。
◎財政部長(伊藤章司君) 平成29年度末における一般会計の臨時財政対策債を除きました市債残高見込みにつきましては、約641億1,000万円で、本庁舎等耐震化改修事業などに伴い、前年度末の残高と比較しますと、約9億2,000万円の増となっております。
◆37番(佐藤和美君) 3つ目として、平成29年度末における財政調整基金の残高の見込みについて伺います。
◎財政部長(伊藤章司君) 平成29年度末における財政調整基金の残高の見込みにつきましては、約121億9,000万円となっております。
◆37番(佐藤和美君) 本市はこれまで、新・市総合計画後期基本計画に基づき、その重点戦略として位置づけた復興の取り組みを着実に進めるため、さまざまな財源を確保しながら、復興事業に要する経費に重点的に予算を配分してきたと認識しております。 平成30年度は、5カ年の復興・創生期間の3年目、折り返しとなる年度であります。残すところ3年余りとなりました。 そこで、2点目として、復興事業について伺います。 まず、1つ目として、本市の復興に係る当初予算額について、過去5年間の推移を伺います。
◎財政部長(伊藤章司君) 本市の復興に係る当初予算額について、一般会計、特別会計及び企業会計の総額で過去5年間の推移を申し上げますと、平成25年度は約849億2,000万円、平成26年度は約631億4,000万円、平成27年度は約648億3,000万円、平成28年度は約188億6,000万円、平成29年度は約149億2,000万円となっております。
◆37番(佐藤和美君) 2つ目として、本市の復興に係る平成30年度当初予算案について伺います。
◎財政部長(伊藤章司君) 復興にかかわります平成30年度当初予算案につきましては、除去土壌等管理・搬出推進事業など、総額で約79億5,000万円となっており、復興事業の進捗に伴い関連事業が収れん傾向にあることなどから、前年度と比較いたしますと、約69億7,000万円、46.7%の減となっておるところでございます。
◆37番(佐藤和美君) 本市においては、現在、復興事業を進めている最中で、これらの財源が手厚く措置されていることなど、本市財政の健全性が一定程度確保されると思われます。しかし、復興関連事業の収束が本市の財政運営に及ぼす影響などは先行き不透明感が残るところです。 そこで、3つ目として、復興事業が一段落した後の中長期的な財政運営の見通しについて伺います。
◎財政部長(伊藤章司君) 復興事業等が一段落した後の中長期的な財政運営の見通しにつきましては、これまでの計画的な財政運営により、人件費や公債費が減少傾向にあること、復興需要などにより市税が増加してきたこと、さらには、復興関連事業に対する財政措置が手厚いこともあり、財政調整基金保有額及び市債残高につきましては、財政目標を達成できるものと見込んでおり、現時点では、財政の健全性が一定程度確保されているものと考えております。 このような中、国の制度改正や財政措置の動向、復興関連事業の収束が本市の地域経済・雇用に及ぼす影響等が不透明であることなどから、的確にお答えすることは困難でありますが、人口減少とともに財政的な制約が高まることが予測される中、少子・高齢化に伴う社会保障関係経費の増嵩を初め、新病院の建設や公共施設の老朽化への対応、さらには、地域創生に向けた新たなまちづくりへの取り組みなどの財政需要も見込まれることから、事業の選択と集中や財源の確保などに意を用いながら、将来にわたり持続可能な財政運営に努めてまいりたいと考えております。
◆37番(佐藤和美君) 本市においては、復興事業の総仕上げを着実に進めるとともに、多様化する市民のニーズを踏まえ、市民サービスの維持向上を図る観点から、公共施設の老朽化の進行、人口減少や少子・高齢化の進行に伴う社会保障関連経費の増加に加え、新病院建設に伴う多額の財政需要など、さまざまな課題に的確に対応した施策を計画的に実施していくことが求められております。 そのためにも、弾力的な財政運営を維持し、社会経済や行政需要に適切に対応できる財源を確保することが重要と考えられます。震災後、復興事業等に対する国からの財源措置が手厚いことなどもあり、本市の財政運営に余裕が生じているとの印象を持ちがちですが、本市を取り巻く行財政環境は依然として予断を許さない厳しい状況にあるものと考えております。 市当局においては、現在の状況と今後の状況とをしっかりと分析をして、活力に満ちあふれた持続可能なまちの創造に向け、引き続き財政運営の健全化を確保し、効率的・効果的な行財政運営に一層努められるよう要望いたしまして、次の質問に移ります。 次に、大きな質問の2番目は、新病院建設事業についてです。 新病院建設については、開院まで一年を切りました。昨年末に、新病院の開院が本年12月25日に決定し、開院まできょうでちょうど300日となりました。 このような中、本定例会に事業費の増額補正の予算案が提出されております。事業費については、増額が繰り返されてきており、現時点では、約440億円に上る状況となっております。これまでの本市の建設事業の中でも、大きな事業であった21世紀の森公園整備事業の事業費は、私が調べたところでは約200億円で、新病院の事業費は既に、その倍の金額となっております。 この経過については、疑問を感じている市民も少なくないのも事実であり、その意を受け、我々志帥会においては機会あるごとに、この案件について、この議場の場でただすとともに、さきの市長選挙においても新病院建設事業費の透明化を訴えてきたところです。私は、多くの市民の皆様が関心を持ち、熱い期待を寄せている事業であるからこそ、この案件について、より一層丁寧な説明が必要となるのではないかと考えております。 そこで、この案件について、細かく質問していきたいと思います。 まず、1点目は、事業費の推移についてです。 普通であれば事業費が確定すべきである基本設計以降も、事業費の増額が繰り返されている状況にあります。 そこで、これまでの事業の推移について伺います。
◎
総合磐城共立病院事務局長(鈴木善明君) 新病院建設における事業費につきましては、基本設計時には、病床数を700床とし、消費税増税等への対応も含め、全体事業費を約343億円としたところであります。 また、実施設計時には、基本設計作成後に、国の地域がん診療連携拠点病院の指定を受けたことを踏まえ、がん診療機能などの充実を図ったこと、国のインフレスライド条項に基づき、基本設計時点から実施設計時点までの建設物価の高騰への対応を図ったことなどから、全体事業費を約402億円としたものであります。 さらに、医療機器等整備計画作成時には、増額内定いたしました県補助金の有効活用を図るため、医療機器等の整備手法を購入とリースの併用から全て購入する方式へと変更したことなどにより、リースで対応する予定でありました約27億円分を含めまして、全体事業費を約440億円としたところでございます。 今回、県の東日本大震災の復旧・復興事業等における積算方法等に関する試行要領に基づき、遠方から作業員を確保するための費用として約4億6,000万円を追加計上し、全体事業費を約444億円としたところでございます。
◆37番(佐藤和美君) ただいまの答弁では、基本設計時点の事業費は約343億円、今回の増額を含めると約444億円となり、その差額は約100億円を超えるものとなっております。 来年度の当初予算案が発表されましたが、一般会計の総額は約1,354億円、それと比較しても、いかに大きな金額が増となっているのかわかります。そのような経過をたどってきた事業費が、県の制度に基づき、遠方からの作業員確保に要する経費として、さらに増額されるとのことであり、本定例会に、補正予算が議案として提出されております。 そこで、2点目は、今回の事業費の増額についてです。 1つ目として、事業費を増額変更しなければならない制度の内容について伺います。
◎
総合磐城共立病院事務局長(鈴木善明君) 新病院建設事業につきましては、建設作業員の人件費や建設資材の高騰、深刻な作業員不足などに対応した国のインフレスライド条項や県の試行要領の適用を受けることとされておりますが、今回の事業費の変更につきましては、議員御指摘のとおり県の要領に基づき行うものでございます。 この制度は、東日本大震災からの復旧・復興事業が本格化し、入札の不調・不落が相次ぐなど、社会経済情勢が大きく変化する中で、事業の継続が懸念される状況に対応するため設けられました被災地域限定の特例措置であり、地元からの作業員の確保が困難となった場合に、事業者に過剰な負担を強いることで、当該事業が滞る事態が生じないよう、遠方からの作業員の確保に必要となる経費が生じた場合には、発注者がその費用を確保することとされているものであります。 今回、病院本体の建設工事が一定程度進捗し、本年9月の引き渡し、12月の開院を見据え、遠方からの作業員確保に向けた全体的な枠組みがまとまりましたことから、所要額を計上させていただくものでございます。
◆37番(佐藤和美君) 2つ目として、今回の事業費増額の内容について伺います。
◎
総合磐城共立病院事務局長(鈴木善明君) 今回、増額となります事業費につきましては、新病院建設に係る作業員として、現時点で見込まれる延べ約33万人のうち、遠方から確保する必要がある延べ約13万9,000人に係る経費となっております。 その内容といたしましては、既に運用を開始しております仮設の作業員宿舎では収容し切れない延べ約4万5,000人分の地元の旅館・ホテルへの宿泊費として約3億円、全ての遠方作業員の宿泊先から工事現場までの送迎費等として約1億円、募集・解散等に要する費用として約6,000万円、合計約4億6,000万円を見込んだところでございます。
◆37番(佐藤和美君) 遠方からの作業員確保に要する経費のほか、国のインフレスライド条項による建設物価の変動に係る経費についても、対応する必要があると伺っておりましたが、3つ目として、国のインフレスライド条項に基づく事業費の今後の見込みについて伺います。
◎
総合磐城共立病院事務局長(鈴木善明君) 国のインフレスライド条項に基づく対応につきましては、先ほども御答弁申し上げましたとおり、基本設計時点から実施設計時点までの上昇分について既に実施しておりますが、現在の建設物価の動向は、その時点と同程度の水準で落ちつきを見せている状況にありますことから、今後における当該条項に基づく対応は不要と見込んだところでございます。
◆37番(佐藤和美君) これだけ巨額な事業費となれば、その財源についても重要な課題となります。 そこで、4つ目として、全体事業費に係る財源の内訳について伺います。
◎
総合磐城共立病院事務局長(鈴木善明君) 新病院建設に係る全体事業費約444億円の財源といたしましては、事業開始時から、関係機関への積極的な要望活動を実施し、増額確保を図ってまいりました県地域医療復興事業補助金約113億1,000万円に、今年度新たに交付内定を受けました国土交通省所管の災害時拠点強靭化緊急促進事業国庫補助金約4,000万円を加えた国・県補助金約113億5,000万円のほか、病院事業債が約320億7,000万円、自己資金等が約10億2,000万円と見込んでいるところでございます。
◆37番(佐藤和美君) 補助金についても、費用負担の軽減を図るため、これまで国・県に対し、強く要望を行ってきたと認識しております。 5つ目として、県地域医療復興事業補助金の交付の見込みについて伺います。
◎
総合磐城共立病院事務局長(鈴木善明君) 県地域医療復興事業補助金につきましては、新病院の本体工事や医療機器整備等に係る毎年度の支出額に応じて交付されるものでございまして、平成28年度までに本体工事費等を対象とした約36億8,000万円の交付を受けているほか、今年度には約17億1,000万円が交付される見込みとなっております。 また、当該補助金の最終交付年度となります来年度、平成30年度におきましては、県の当初予算案に、本体工事の残額及び医療機器整備への充当分として、約59億2,000万円が盛り込まれましたところであり、これにより、交付内定額である約113億1,000万円の全額が交付されるものと見込んでいるところでございます。
◆37番(佐藤和美君) 病院事業債については、約320億円と非常に多額になるわけですが、6つ目として、病院事業債の償還について伺います。
◎
総合磐城共立病院事務局長(鈴木善明君) 新病院建設事業に係る病院事業債の償還に関しましては、半年賦、元利均等又は元金均等の方法により、病院建物等については30年償還、うち措置期間5年、医療機器については5年償還、うち措置期間1年の条件となっております。 毎年度の元利償還につきましては、その2分の1の額については、医業収益など病院収益を、残る2分の1の額は、総務省の地方公営企業操出基準に基づき繰り出される一般会計負担金を財源に行われることとなりますが、一般会計におきましては、当該負担金のおおむね2分の1の額が、普通交付税の基準財政需要額に算入されることとなっております。
◆37番(佐藤和美君) 7つ目として、今回の補正額のうち、本年9月に竣工予定の新病院の本体工事に係る経費としては幾らかかるのか、その内訳について伺います。
◎
総合磐城共立病院事務局長(鈴木善明君) 今回の補正額のうち、本体工事に係る経費につきましては、約3億1,000万円を見込んでおり、遠方から確保する必要がある延べ約13万9,000人の作業員のうち、本体工事に係る延べ約12万1,000人を対象とした経費となっております。 その内訳といたしましては、仮設の作業員宿舎には収容し切れない延べ約2万7,000人分の旅館・ホテルへの宿泊費として約1億9,000万円、本体工事に係る遠方作業員全員の宿泊先から工事現場までの送迎費等として約7,000万円、募集・解散等に要する費用として約5,000万円を見込んでおります。
◆37番(佐藤和美君) 同じく8つ目として、今回の補正額のうち、本体工事、竣工後の既存施設の解体及び駐車場整備工事等に係る経費の内訳について伺います。
◎
総合磐城共立病院事務局長(鈴木善明君) 今回の補正額のうち、本体竣工後に行います既存施設の解体及び駐車場整備工事等に係る経費につきましては、約1億5,000万円を見込んでおり、遠方から確保する必要がある延べ約13万9,000人の作業員のうち、既存施設の解体等に係る延べ約1万8,000人を対象とした経費となっております。 その内訳といたしましては、旅館・ホテルへの宿泊費として約1億1,000万円、宿泊先から工事現場までの送迎費等として約3,000万円、募集・解散等に要する費用として約1,000万円を見込んでおります。
◆37番(佐藤和美君) 基本設計は、平成26年2月に作成されており、既に4年が経過しているわけですが、9つ目として、これまで、今回の事業費を計上できなかった理由について伺います。
◎
総合磐城共立病院事務局長(鈴木善明君) 新病院建設事業につきましては、未曽有の複合災害である東日本大震災からの復興を進める中で実施している巨大プロジェクトであり、建設物価が高騰するなど、社会経済情勢が大きく変化するとともに、工事に要する膨大な建設作業員についても、その不足が深刻化している状況にある中、国のインフレスライド条項や、県の試行要領の適用を受け、事業を着実に推進してきたところでございます。 しかしながら、これらの費用の積算に当たっては、建設物価の動向のほか、作業員の必要数やその確保先の選定によって大きく変動し、所要額を事前に正確に見積もることが困難な状況にありましたことから、基本設計以降これまで、社会経済情勢の動向を見きわめてきたところであります。 今般、一定の事業進捗が図られた中で、市内の建設業を取り巻く状況も落ちつきを見せてきましたことから、先ほど御答弁申し上げましたとおり、国のインフレスライド条項のさらなる適用は不要と判断するとともに、作業員の確保対策に一定の見通しが立ったことを踏まえまして、県の試行要領に基づき所要額を計上させていただくこととしたところでございます。
◆37番(佐藤和美君) 今回の増額を含め、事業の進捗とともに、事業費が増加している状況などになっております。 そこで、3点目は、今後の見通しについてです。 1つ目として、今後、さらに事業費の増額があるのか、その見通しについて伺います。
◎
総合磐城共立病院事務局長(鈴木善明君) 今回の事業費の増額につきましては、事業全体の見通しに立った上で、作業員確保に係る経費の積算を行っておりますことから、本年9月に竣工予定の病院本体の建設工事につきましては、さらなる増額は不要であると見込んでおり、新病院開院後、工事が本格化いたします既存施設の解体や駐車場整備工事等につきましても、不測の事態が生じない限り、補正後の事業費により対応できるものと考えております。
◆37番(佐藤和美君) ただいまの答弁では、今後は、補正後の事業費で対応が可能であるとのことでしたが、解体及び駐車場整備工事等については、不測の事態が生じない限りとの条件がついておりました。 不測の事態とは、どのようなことを想定しているのか伺います。
◎
総合磐城共立病院事務局長(鈴木善明君) 不測の事態とはどのようなものを想定しているのかという御質問でございますけれども、現時点で想定できる、あくまで一例ということで申し上げます。 解体及び駐車場整備工事等を実施する際には、大量に生じる廃棄物の適正な処理などが必要となってまいりますことから、これにつきましては、一定の事前調査を行った上で、経費の積算を行い、事業費に組み入れているところでございます。一方、病院につきましては、御案内のとおり昼夜を問わず医療を提供している施設でございますので、患者さんが療養をしております病室や手術室など、詳しい事前の調査ができない箇所が一定数ございまして、これらに事前で把握できないアスベスト等の所在が判明した場合や、廃棄物の処理に関する国の基準が厳格化された場合などには新たな対応が必要となることも想定されます。 しかしながら、現時点におきましては、このような不測の事態が生じない限り、先ほど御答弁申し上げましたように、補正後の事業費で対応できるものと考えているところでございます。
◆37番(佐藤和美君) 新病院本体に係る経費については、竣工まで7カ月となり、内容の変更は困難だと思いますが、ただいまの答弁を聞くと、その後に行われる解体工事などについては、まだまだ変動要素があり、逆に事業費を削減できる余地が残っているものと考えます。 そこで、2つ目として、本体竣工後の解体及び駐車場整備工事等における事業費の圧縮について伺います。
◎
総合磐城共立病院事務局長(鈴木善明君) 解体や駐車場整備工事等につきましては、新病院開院後の着手となるため、現時点では詳細な施工体制が構築されていないことから、一定程度進捗いたしました本体工事を参考に、遠方作業員と地元作業員の比率を算出し、必要数を積算したところでございます。 今後につきましては、施工体制の詳細を決定していく中で、より多くの作業員を地元から確保できるよう事業者に要請し、可能な限り事業費の圧縮に努めてまいりたいと考えております。
◆37番(佐藤和美君) 今後、不測の事態が生じたとしても、予算の範囲内で対応できるよう、できる限り事業費を抑える努力を行っていただきたいと思います。 先ほどの答弁にもありましたが、事業費については、基本設計以降、平成27年12月の実施設計終了時、平成29年2月の医療機器等整備計画作成時、そして今回と、3度にわたって増額されているということでした。平成26年9月に清水市長が就任して以降、約100億円を超える増額が行われているということになります。このような状況を受け、質問いたします。 3つ目として、度重なる事業費の増について、清水市長はどう考えているのか伺います。
◎市長(清水敏男君) これまで行ってきました建設事業費の増額につきましては、労務費や建設資材の高騰、地域がん診療連携拠点病院の指定を受けたことなどによる施設の機能の充実に加え、高度な医療機器の導入や機器のリースを購入に切りかえたことなどに起因しており、増額確保した福島県地域医療復興事業補助金を有効活用しながら、高度先進医療の拠点病院を創出するために必要であると判断したところであります。 今回の増額につきましても、東日本大震災からの復旧・復興が進められる中、不足する建設作業員に対応するため、県が定めました制度の適用を受けるものであり、必要な措置であると考えております。 新病院の建設につきましては、市民の皆様が熱い期待を寄せていることから、予定されている本年12月25日の開院に向けまして着実に事業を推進することとし、御指摘いただいた解体や駐車場整備等の事業の執行に当たっては、共立病院事務局長が答弁申し上げましたとおり、可能な限り事業費の圧縮に努めてまいりたいと考えております。
◆37番(佐藤和美君) 新病院の建設については、市政始まって以来の歴史に残る大規模事業であり、多くの市民の皆様が一刻も早い開院を待ち望んでおります。開院日も本年12月25日と決定していることから、この事業をとめることはできませんので、今後も着実な推進を図っていただく必要があると考えております。 しかしながら、今回の増額により、事業費は約444億円となります。増額分だけでも約100億円を超える金額となっております。今後は市長が先頭に立って、事業費増大の経過について市民の理解を得られるよう努めていただくとともに、巨額の事業費にふさわしい病院となるよう、また、喫緊の課題である医師の確保などに、しっかり取り組んでいただくことをお願いし、次の質問に移ります。 大きな質問の3番目は、常磐地区の諸課題についてです。 今定例会において、いわき市常磐湯本財産区管理会条例の制定について、議案が提出されておりますが、本市の財産区で唯一議会を設置していた常磐湯本財産区において、議会を廃止し、他の財産区と同様に、管理会を設置するとのことであります。 常磐湯本財産区では、湯本温泉の各旅館への温泉の給湯を実施しておりますが、今回非常に長い歴史を持つ財産区議会が廃止されることにより、本市の大きな観光資源である湯本温泉の今後に影響が出ないのか、非常に心配するところもありますので、以下質問いたします。 まず、1点目は常磐湯本財産区についてです。 1つ目として、常磐湯本財産区の概要について伺います。
◎財政部長(伊藤章司君) 常磐湯本財産区は、現在の常磐湯本町を区域として大正2年に設置されて以来、地方自治法上の特別地方公共団体として、財産区民の福祉の増進を図ることを目的に、本市からは独立して財産を所有し、公の施設を設置しているものであります。 現在は、区域内の旅館や家庭等への温泉給湯事業や、みゆきの湯及び上の湯を設置・運営する公衆浴場事業、市や財産区民に対して所有する財産の貸し付けを行う財産管理事業を実施しているところであります。
◆37番(佐藤和美君) 2つ目として、湯本財産区が実施している事業の経営状況について伺います。
◎財政部長(伊藤章司君) 常磐湯本財産区が実施する事業のうち、財産管理事業については、土地の貸し付けにより安定的な収入が確保されているものの、公衆浴場事業では、昨年4月から料金の引き上げを行ったところでありますが、上の湯において利用者数が減少傾向にあることから、さらなる収入の確保が必要であると考えております。 また、温泉給湯事業につきましても、加入件数や使用湯量の減少等に伴い、収入が減少傾向にあることから、事業の見直しなどによりまして、収入確保や経費縮減に向けた取り組みが必要であると考えておるところでございます。
◆37番(佐藤和美君) 3つ目として、厳しい経営状況にあっても、給湯施設の更新が必要になると考えますが、更新にはどのように対応するのか伺います。
◎財政部長(伊藤章司君) 給湯管やポンプ場等の給湯施設の多くが昭和50年度から51年度にかけて整備したものであることから、温泉給湯事業の将来的な運営を見据えた上では、給湯施設の計画的な修繕・更新が必要であるものと考えており、これまでも施設の状況や収支状況等を見きわめながら、優先度に基づき対応してきたところであります。 常磐湯本財産区の運営は、特別会計により独立採算で実施していることから、今後におきましても、収支均衡を図りながら対応していくことになりますが、今議会に条例提案しております管理会の設置により、今後、財産区特別会計については、市議会の議決が必要となりますことから、歳入確保に向けた取り組みを積極的に推進することなどを通して、着実な進捗を図ってまいりたいと考えておるところでございます。
◆37番(佐藤和美君) 4つ目として、今回、財産区議会を廃止するに至った背景について伺います。
◎財政部長(伊藤章司君) 財産区議会におきましては、温泉給湯事業収入等の減少傾向を踏まえ、将来にわたる健全な財産区運営に向け、歳入確保を図るための新たな取り組み等を含めた経営改善について検討を進めているところであり、昨年4月には、区議会みずからの改善方策として、議員報酬の引き下げを実施したところであります。 そうした中、より効率的な運営を図るため、さらなる改善方策といたしまして、区議会の存廃についても検討することになり、現在、区議会で審議しております財産区特別会計等につきまして、財産区民による新たな審議機関である管理会の同意を得た上で、市議会で御審議いただくことにより、より慎重かつ丁寧な審査が行われるとともに、透明性の確保が図られるものと判断した結果、今般、区議会を廃止し、管理会を設置することとされたものと考えておるところでございます。
◆37番(佐藤和美君) 5つ目として、財産区議会の廃止に伴う財産区民等への影響について伺います。
◎財政部長(伊藤章司君) 常磐湯本財産区につきましては、財産区議会を廃止し、管理会を設置することに伴い、来年度以降の財産区の運営に関する議決機関が区議会から市議会にかわることになり、予算編成等に市が関与することになります。 しかしながら、財産区自体は、来年度以降も特別地方公共団体であり、現在実施する事業についても継続して実施することから、財産区議会の廃止をもって財産区民の方々に直接影響することはないものと考えております。
◆37番(佐藤和美君) 6つ目として、今後の常磐湯本財産区の運営、とりわけ温泉給湯事業の継続について、市としてどのように考えるのか伺います。
◎市長(清水敏男君) 今後の温泉給湯事業の継続に向けましては、給湯施設の計画的な修繕・更新への対応など、新たに設置する管理会を中心に検討を進めていくことになりますが、湯本温泉が本市の主要な観光資源であることを踏まえ、財産区のみの問題とするのではなく、市としても積極的に関与していく必要があるものと認識しております。 このことから、平成30年度予算案において、財産区における今後の収支見通しや、温泉を活用した新たな観光振興施策等に関する調査研究事業費を計上させていただいているところであり、市と財産区が緊密に連携し、常磐湯本地区のみならず市全体の観光振興などについても念頭に置きながら、温泉給湯事業の健全な運営に努めてまいりたいと考えております。
◆37番(佐藤和美君) 私は、この温泉を医療や介護を初めとするさまざまな分野で活用することができるのではないかと考えます。それにより、経営の安定を図ることができるばかりでなく、市民に身近な資源となり、いわき市全体の大きな財産とすることで、常磐湯本地区のみならず、いわき市全体の観光振興・産業振興につなげることができると思いますので、市としても、さまざまな活用について検討されるよう要望します。 また、今回の常磐湯本財産区議会の廃止により、来年度以降は、市議会が財産区の運営に関する審議を行うことになりますことから、我々議員も財産区の運営状況を細かくチェックしながら、本市の重要な観光資源であるいわき湯本温泉の発展につなげていきたいと考えておりますので、議員各位の御理解を賜りますようお願い申し上げまして、次の質問に移ります。 2点目は、市営住宅天王崎団地及び吹谷団地の跡地活用についてです。 常磐湯本地区では、東日本大震災の影響により温泉宿泊客が激減し、温泉観光地としての厳しい状況が続く中、旅館のおかみさんたちが着物姿でフラを踊るフラ女将が結成され、地区の活気を取り戻すべく奔走しております。 しかしながら、一方で、町なかを見ると、震災後、空き地や駐車場が増加するとともに、観光客の減少が商店街にも影響し、歩行者も少なく閑散とした雰囲気になっております。 このような状況変化を踏まえ、市におかれましては、常磐湯本地区まちづくり計画を昨年7月に改定したところであり、本計画では、温泉とフラ文化の融合によるわが街ブランド育成プロジェクトや、市営住宅天王崎団地や吹谷団地の跡地などを活用し、にぎわいづくりの拠点整備を図る湯本駅前賑わいプロジェクトなどを重点プロジェクとして位置づけ、優先的・重点的に取り組むこととしておられます。 私も、特に湯本駅前賑わいプロジェクトは、この地区の活気を取り戻す重要な取り組みと考えております。官民挙げて進めていただきたいと思っております。 そこで、湯本駅前賑わいプロジェクトの具現化に向けて、以下質問いたします。 まず初めに、市営住宅天王崎団地と吹谷団地については、現在、市において団地の用途廃止に向けた入居者への対応をされていると思いますが、現在の入居状況について伺います。
◎土木部長(上遠野裕之君) 入居状況につきましては、本年2月1日現在、天王崎団地は、一般入居者が8世帯、店舗が11軒となっており、吹谷団地は、一般入居者は全て退去したことから、店舗のみで6軒となっております。
◆37番(佐藤和美君) 2つ目として、入居者への対応について伺います。
◎土木部長(上遠野裕之君) 入居者への対応につきましては、一般入居者の方々に対し、平成28年8月に説明会を開催し、団地の用途廃止に伴う移転期日や移転補償費、移転先に市営住宅を斡旋することを説明し、協議が整った方から順次、希望された市営住宅などへ転居をいただいております。 また、店舗入居者の方々に対しましては、平成26年6月と昨年12月の2回にわたり説明会を開催し、移転期日や移転補償費について説明し、移転先となる店舗のめどが立ち、協議が整った方から順次移転していただいております。なお、転居や移転が済んでいない方々に対しましては、電話や戸別訪問において個々の事情の把握に努め、御理解をいただきながら対応しているところでございます。
◆37番(佐藤和美君) 引き続き、市当局においては、平成30年度の用途廃止に向けて、入居者への対応について、丁寧に取り組まれることをお願いいたします。 次に、3つ目として、湯本駅前賑わいプロジェクトの具現化についてです。 団地の跡地利活用については、地元との協議を進められると聞いておりますが、具現化に向けた取り組み状況について伺います。
◎都市建設部長(高木桂一君) 湯本駅前賑わいプロジェクトにつきましては、温泉観光地としてのにぎわいと魅力にあふれ、地区住民にとっても暮らしやすい市街地の再生に向け、公民が連携して、団地跡地の利活用等について取り組むものでございます。 当プロジェクトの具現化に向けましては、じょうばん街工房21から提案されました土地利用構想を踏まえまして、これまで、地元のまちづくり関係者により設立されましたまちづくり会社準備会におきまして、導入機能を検討してきたところでありまして、さらに、民間活力を活用して事業収益性を高めながら、まちづくりを進めるための手法についても、調査・研究を進めているところであります。一方、庁内におきましても、公民連携、観光、商業等の関係課で構成いたします関係課長会議を設置いたしまして、まちづくり会社準備会との意見交換を行うなど、連携して検討を進めてきたところであります。 今後におきましても、当プロジェクトの具現化に向けまして、引き続き、導入機能の検討のほか、民間事業者等と広く意見交換を行うなど、公民連携のもと、取り組みを進めてまいりたいと考えています。
◆37番(佐藤和美君) 市では、共創のまちづくりを推進し、魅力にあふれたいわきを実現していくと宣言されております。 共創のまちづくりは、地区の課題を行政だけでは解決が困難になっているため、民間もともに知恵を出し合って取り組むものでありますので、まさに、この常磐湯本地区における湯本駅前賑わいプロジェクトは、新時代のいわきのまちを築く重要なモデル事業となるものであります。 引き続き地元との連携を密に、プロジェクトの具現化に邁進されますことを期待いたしまして、次の質問に移ります。 大きな質問の4番目は、スポーツを通じたまちづくりについてであります。 まず、1点目は、聖火リレー誘致推進事業についてです。 1つ目として、リレー実施に向けた公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会のこれまでの動向について伺います。
◎
特定政策推進監(緑川伸幸君) 2015年2月に公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会が国際オリンピック委員会に提出した大会開催基本計画によりますと、聖火リレールートは2019年に発表されることとなっており、現在、同組織委員会内部に聖火リレー検討委員会を設置し、聖火リレールート策定における基本方針などについて検討が進められているところでございます。
◆37番(佐藤和美君) 2つ目として、今年度、本市が実施した取り組みについて伺います。
◎
特定政策推進監(緑川伸幸君) 今年度は、聖火リレールートに対する市民の皆様の関心を高めていただく観点から、昨年4月から、本庁舎玄関前に本市への聖火リレールート誘致に係る啓発看板を設置するとともに、本庁舎1階ロビーにおきましても福島県内で製造されている聖火トーチを展示しているところでございます。 また、去る8月3日には、当該トーチをバトンに見立てた復興トーチリレーinいわき2017を小名浜港アクアマリンパークで開催したところであり、さらに2月13日には、聖火リレーが、東日本大震災の津波被災地域である浜通り地域を縦断する国道6号がルートとなるよう、東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会担当大臣、復興大臣、環境大臣に対して、双葉地方町村会と合同で要望活動を実施したところであります。
◆37番(佐藤和美君) 来年度は、楢葉町、広野町と合同で(仮称)被災地復興トーチリレーを実施する予定であるとのことですが、3つ目として、(仮称)被災地復興トーチリレーの実施内容について伺います。
◎
特定政策推進監(緑川伸幸君) (仮称)被災地復興トーチリレーは、聖火リレーを浜通り地域へ誘致するための取り組み姿勢をPRするとともに、復興の状況を国内外に向けて発信することを目的に、本年10月に、楢葉町、広野町との共催により、Jヴィレッジをスタートした後に、JR広野駅前で中継し、いわき市役所周辺をゴールとする全長約20キロメートルのコースを、3市町の小・中学生等がリレーでトーチをつなぎながら実施するものでございます。
◆37番(佐藤和美君) こうした取り組みが、東京2020オリンピック競技大会・パラリンピック競技大会本番の聖火リレー誘致に向けた市民一人一人の機運醸成につながっていくものと考えます。 そこで、4つ目として、聖火リレー誘致に向けた機運醸成の取り組みについて伺います。
◎市長(清水敏男君) これまで取り組んできた啓発看板の設置や聖火トーチの展示に加えて、来年度は、東京都等が所有する歴代のオリンピックポスターや1964年東京オリンピックの入場券、プログラム等の記念品など、貴重な資料を借用し、より多くの市民の皆様にごらんいただくことを目的に、(仮称)東京オリンピック聖火リレーポスター展をいわき総合図書館で開催する予定であります。
◆37番(佐藤和美君) 復興五輪と位置づけられた今回のオリンピックは、本市の復興の姿を発信する絶好の機会であり、聖火リレールート誘致のために、私も全面的に協力していきたいと考えておりますので、市当局の全力を挙げた取り組みに期待いたします。 2点目は、スタジアム整備についてです。 御承知のとおり、本市をホームタウンとする社会人サッカークラブいわきFCが目覚ましい活躍を遂げており、市内外での認知度が高まり、遠くない将来のJリーグ入りへの市民の期待も高まってきております。 Jリーグに昇格するためには、J2で1万人、J1で1万5,000人以上が収容可能な公認スタジアムを有することなどが施設基準として求められており、仮にJ2に昇格することとなれば、市内に基準を満たすスタジアムがないことから、グリーンフィールドなど既存の施設の改修か、新たなスタジアムの整備が必要となってきます。 一方で、現在の国内のスタジアムの実情としては、J1のトップチームのホームスタジアムであっても、その運営は厳しいものであるとの話も聞こえてきます。このような中で、今後、スタジアム改修や整備を進めるためには、市民の機運醸成を図るとともに、地域経済への波及効果等を念頭においた魅力あるスタジアム構想を示し、市民の理解を得ていく必要があるものと考えます。 そこで、1つ目として、今後、市民の機運醸成をどのように進めていく考えか伺います。
◎総合政策部長(大和田洋君) いわきFCは、平成27年12月に本格的なスタートを切って以降、目覚ましい活躍を続けている一方、運営主体であるいわきスポーツクラブは、スポーツを通じて社会を豊かにするという理念のもと、競技としてのスポーツにとどまらず、スポーツの成長産業化や人材育成など、スポーツを通じたまちづくりに取り組んでおられます。 こうしたクラブの取り組みは、交流人口の拡大や地域ブランド力の向上など多方面に好影響を与えるものでありますことから、これらの取り組みが将来にわたり継続できますよう地域全体でチームを応援し支えていく必要があるものと考えております。 このことから、昨年7月に市や商工会議所など地域の6団体により夢・感動・未来づくり共同宣言を行い、機運の醸成に努めてきたところであり、同10月には、市内の各界・各分野68団体の参加のもと、スポーツによる人・まちづくり推進協議会が設立されたところであります。 市といたしましては、今後、同協議会を通じ、本市初となる地域密着型プロスポーツチームの誕生、そして未来を生きる子供たちがわくわくするような夢と感動にあふれたまちづくりに向け、さらなる機運醸成に努めてまいりたいと考えております。
◆37番(佐藤和美君) 2つ目として、今後、市民の理解を得られる魅力的なスタジアム構想をどのようにつくる考えか伺います。
◎総合政策部長(大和田洋君) スタジアムの整備に当たりましては、本来的な役割であるプロスポーツに対応した高度な設備や機能を備えることはもとより、まちづくりの核となる集客装置として機能し、地域経済へ広範な波及効果をもたらす施設となるよう、本市の未来に向けた都市戦略として捉える必要があるものと考えております。 このため、スタジアムの検討に当たりましては、本市の地域特性やポテンシャル、スポーツビジネスを取り巻く環境変化などを踏まえつつ、その整備主体や整備手法、立地場所、規模や機能、さらには整備後の管理運営体制などについて、客観的・専門的な見地からの調査及び評価が不可欠であることから、専門機関による事業可能性調査に要する経費につきまして、新年度予算案に計上したところでございます。 市といたしましては、当該事業可能性調査の中で、Jリーグスタジアムの先進事例なども幅広く調査研究しながら、今後のいわきFCの動向や市民の皆様の意識の高まりなどにも留意しつつ、スタジアムの機能や市のかかわりのあり方について、調査・研究を重ねてまいりたいと考えております。
◆37番(佐藤和美君) スタジアムの整備については、夢のある話題であり、市民の皆さんの関心も高く、私個人としても地元いわき湯本温泉街活性化の起爆剤となってほしいと期待を抱いているところですが、その夢のある施設が、将来、市や市民の皆さんの負担になるようなことは、あってはならないことだと考えております。 共立病院に巨額の投資をした後で、新たなスタジアムを整備するのはどうなのか、既存のグリーンフィールドを改修したほうが費用対効果を発揮できるのではないかという意見も一部聞こえております。 市当局においては、スタジアム新設ありきで考えるのではなく、本市の特性や置かれた環境を十分に踏まえつつ、民間の知恵や投資も活用したあらゆる方策を模索しながら、慎重に調査・研究を進めていただき、まさに未来に向けた都市戦略として、本市の将来にとってよりよい選択をしていただきますことを要望させていただき、私の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(蛭田源治君) ここで、午後2時30分まで休憩いたします。 午後2時10分 休憩
--------------------------------------- 午後2時30分 再開
△樫村弘君質問
○副議長(蛭田源治君) 休憩前に引き続き会議を開きます。36番樫村弘君。 〔36番樫村 弘君第二演壇に登壇〕
◆36番(樫村弘君) (拍手)36番いわき市議会創世会の樫村弘です。 ただいまより、通告順に従い、一般質問を行います。 質問の第1は、いわき市暮らしの伝承郷の維持管理についてです。 この施設は、いわきニュータウン内の県立いわき公園内に、いわき市が平成11年7月18日にオープンさせたもので、江戸時代後期から明治時代初期ごろの伝統的な民家を移築し、民具などとあわせて保存するとともに、和やかな雰囲気を味わいつつ、体験を通して気軽に学習できる施設として、過去の再発見、新しい文化の創造、豊かな人間形成に役立つことを目標にしております。 来場者は年間約2万人を数え、昔のことを思い出すことから認知症対策や外人誘客にも役立ち、映画の舞台にもなったことがあるということです。 古民家は、県指定有形文化財で江戸時代後期の遠野町入遠野にあった旧樋口家、木造、カヤぶき寄せ棟づくり、平屋建て、市指定有形文化財で江戸時代後期の田人町旅人にあった旧芳賀家、同じく市指定有形文化財で明治時代初期の内郷御厩町にあった旧川口家、同じく市指定文化財で明治時代初期の好間町川中子にあった旧猪狩家、同じく市指定有形文化財で江戸時代後期の常磐藤原町にあった旧高木家の5棟で、いずれも木造、カヤぶき寄せ棟づくり、平屋建てで、旧猪狩家のみは一部瓦ぶきですが、いずれも貴重なものでございます。ほかに各家の馬屋、馬屋兼納屋、納屋などがあり、私は先日、現地を訪れ、オープンした当時を思い出しながら、じっくりと見てきました。オープン当時、私は市議会議長で、祝辞を述べたことを思い出し、感無量でございました。 私がなぜ、こんな質問をするのか、既におわかりのことと存じますが、この古民家の傷みがひどく、何人かの市民から、いわき市は文化財をどう考えているのかとの指摘を受け、そのたびに、市当局に補修を申し入れていたからです。特に屋根の傷みがひどく、今にも崩れ落ちそうで、中には屋根から空が見えるように穴があいていたり、シートをかぶせたままのところもあり、余りのひどさに、長年放置していた責任はどこにあるのかとさえ感じました。特に、風が吹けば屋根が吹っ飛びそうで、雨漏りも心配でした。 なお、毎年定期的に補修していれば、数百万円程度の費用で済んだのに、今は全体を直すには約1億円はかかるだろうと推測されているようでございました。どうやら、新年度に若干の補修費がついたとの話を聞き、その点については評価したいと存じますが、やはり心配です。 そこで、次の各点について伺います。 1点目は暮らしの伝承郷の価値の認識について伺います。
◎
特定政策推進監(緑川伸幸君) ただいまお話にありましたとおり、いわき市暮らしの伝承郷は、伝統的建造物である民家及び民俗に関する資料の収集・保存、展示を行い、郷土の生活文化に関する市民の知識及び教養の向上を図ることにより、市民文化の発展に寄与することを目的として平成11年7月18日に開園いたしました。 県指定有形文化財に指定されております旧樋口家、及び市指定有形文化財に指定されております旧川口家・旧猪狩家・旧高木家・旧芳賀家の4棟の計5棟を初め、馬屋など施設内に移築し、民具などとともに、江戸時代後期から明治時代初期の景観を復元展示しております。 また、正月飾りやお月見どろぼう等の年中行事、民話の語りや竹かごづくり等のワークショップを通して、先人たちが暮らしの中で培い、伝承してきた知恵や技術・風習などを楽しく学習していただいており、現在では、毎年2万人前後の入園者を数えるなど郷土の生活文化を伝える文化施設としての役割はもとより、観光交流の場としての役割も担っているものと認識しております。
◆36番(樫村弘君) 2点目は、これまでの補修要請の受けとめ方についてお伺いします。
◎
特定政策推進監(緑川伸幸君) いわき市暮らしの伝承郷の日常的な維持管理や定期点検につきましては、指定管理者である公益財団法人いわき市教育文化事業団に委託しているものでございます。これまで、古民家の屋根を初めとする施設のふぐあい等の発見、また、市民の皆様から御意見等があったものにつきましては、随時、当該事業団から報告を受け、予算の状況に応じまして、対策を講じてきたところでございます。
◆36番(樫村弘君) 次に、その維持管理の実態について、今それぞれやってきたなんて言っていたけれど、実際はそんなことないから。じかに、どんなことをやっていたのか。
◎
特定政策推進監(緑川伸幸君) いわき市暮らしの伝承郷の維持管理に際しましては、ふぐあいが生じているもののうち、入園者等の安全管理上問題があるもの、カヤぶき屋根など郷土の生活文化を継承していく上で欠かすことのできないもの等を優先し、補修に努めてまいりました。これまで、放水銃の交換工事や常設展示室の温度調節器の修繕、また、旧樋口家等の古民家5棟のカヤぶき屋根について、部分ふきかえや差しカヤ等の対応につきましては実施してきたところでございます。
◆36番(樫村弘君) 次に、数百万円ずつ補修していればという推測がございますが、それについてはどうなのか。
◎
特定政策推進監(緑川伸幸君) 古民家の屋根につきましては、これまで、差しカヤ修繕等を行ってきたところでありますが、近年の異常気象による暴風や台風の影響により、屋根の破損の進行が急速に拡大している状況にあります。こうしたことから、屋根の部分ふきかえでは対応が難しく、総ふきかえ工事等の対応が必要となってまいりまして、その経費もかさむ結果となっております。
◆36番(樫村弘君) 次は、全体の補修をやるとすればどのぐらいかかるのか。
◎
特定政策推進監(緑川伸幸君) 5棟ある母屋につきましては、当座の措置として4面ある屋根のうち1面をふきかえ、残り3面は差しカヤ修繕対応とした場合、業者見積もりによりますと、各棟約1,200万円程度、また、4棟ある馬屋につきましては、総ふきかえが必要となっており、業者見積もりによりますと、各棟900万円程度となり、修繕費につきましては9棟合わせまして、先ほど御指摘がありましたとおり約1億円程度となるものと見込んでおります。
◆36番(樫村弘君) この項6点目、今後の方針について伺います。
◎市長(清水敏男君) 伝承郷の古民家の屋根につきましては、全体的に劣化が進行し、文化財の適切な保存管理の観点からも、修繕は急を要するものと認識しておりますが、カヤぶき屋根住宅等が減少している中、カヤ材の調達やカヤぶき職人の確保も困難な状況となっております。 こうしたことから、予算の確保に努めながら、順次、損傷状況を踏まえ、ふきかえ工事など、適切な対策を講じてまいるほか、市民の保全意識の醸成や今後の安定的な施設の維持管理に向けて、カヤの栽培やカヤぶき等に関する技術の伝承についても検討してまいりたいと考えております。
◆36番(樫村弘君) 市長の答弁よろしくお願いします。 質問の第2は、松ヶ岡公園内の天田愚庵のいおりの補修についてです。 この質問も、暮らしの伝承郷補修と同趣旨のものですが、暮らしの伝承郷ほどではないものの、愚庵邸は屋根などが傷んでおります。この屋根は20年ほど前だったでしょうか、当時の予算で約1,000万円でふきかえたものですけれども、老朽化が進み心配されています。 いわきが生んだ偉人、文僧天田愚庵は、平藩勘定奉行天田平太夫の五男として生まれ、15歳で元服を迎えた明治元年、戊辰戦争で平城が7月13日、篠突く雨の中で落城した戦に参戦し、戦乱の中で行方不明となった両親と妹を生涯探し続け、明治37年、1904年1月17日、京都の伏見桃山のいおりで51歳の生涯を閉じました。 その生涯は波乱万丈で、清水次郎長を描いた東海遊侠伝や正岡子規に影響を与えたことなどで知られておりますが、この愚庵邸は昭和39年11月、京都市の都市計画により、昭和40年8月までに取り除かなければならなくなり、所有者の専修大学教授、木村喜一郎氏は、出生地の平に移し、愚庵の偉業を後世に伝えたいと模索し、鎌倉市の詩人、荻原井泉水氏や磐城通運社長斉藤昌平氏らと相談し、当時、平城建設期成同盟会長でもあった平市長諸橋久太郎氏が誘致を決め、昭和41年11月20日に松ヶ岡公園の現在地で落成式が行われました。 列席者は木村教授と当時の天田愚庵顕彰会長をしていた大和田弥一市長らで、昭和44年7月に、愚庵邸がいわき市に寄附され、同年19日に市長より教育長に対し、建造物を市民に使用させるため管理及び事務を委任したと記録にありますが、愚庵邸復元祝賀会には、岐阜の明治村に移築するはずだったが、平にあっせんした内木間組顧問、荻原井泉水、大垣棟梁、大口寄附者の阿部政右衛門氏らも出席したと言われております。 現在の愚庵会は昭和54年に発足し、私も発足後すぐに入会し現在に至っているわけでありまして、愚庵についての詳しい話をする時間はありませんけれども、いずれにしても、愚庵邸は貴重なものでございます。 なお、平成7年1月17日の愚庵の命日には、愚庵邸脇に天田愚庵資料展示室が愚庵会によって建築され、いわき市に寄附され、活用されているところでございます。 そこで、次の各点について伺います。 1点目は、愚庵邸の移築経過の認識について簡潔にお答えください。
◎
特定政策推進監(緑川伸幸君) 愚庵邸につきましては、ただいま議員のお話にありましたとおり、晩年を過ごしたいおりでございまして、移設については各界各層のさまざまな方々の御尽力によりまして、出生地である平に移築されたものと認識しております。昭和41年、天田愚庵顕彰会が主体となりまして、現在松ヶ岡公園のほうに移築されまして、昭和44年7月に、愚庵顕彰会からいわき市に寄附され、現在に至っていると認識しております。
◆36番(樫村弘君) これは改めて聞くまでもないと思いますが、2点目は、愚庵邸の価値についてはどう判断されているでしょうか。
◎
特定政策推進監(緑川伸幸君) 天田愚庵は、いわきの地に生まれ、戊辰戦争で生き別れになった家族を生涯にわたり探し続ける中で、山岡鉄舟や山本長五郎など時代を彩ったさまざまな人物と交流いたしました。特に、山本長五郎をモデルに愚庵が記しました東海遊侠伝は、一介の侠客であった清水次郎長の名を全国に知らしめる契機ともなりました。さらに、その漢詩や和歌の才能は、正岡子規など日本を代表する俳人・歌人に影響を与え、明治文学の革新運動にも貢献した、いわきの偉人でございます。 そのいおりが数々の人の協力によりまして、京都から移築され、現在も残っておりますことは、愚庵の功績とその生涯を後世に伝えていくために大変価値のあることと考えております。
◆36番(樫村弘君) 今の答弁のとおりですね。 次に、これまでの補修の経過についてお伺いします。簡潔にお願いします。
◎
特定政策推進監(緑川伸幸君) 移築されて以降、昭和55年には庭園の整備、平成4年には屋根の補修工事を行っております。また、天田愚庵没後100周年に当たります平成15年には、屋根の修繕のほか、木戸や生け垣の整備などを行ったところでございます。
◆36番(樫村弘君) 松ヶ岡公園4点目、補修の必要性について伺います。
◎
特定政策推進監(緑川伸幸君) 一般的にカヤぶき屋根の耐用年数は15年程度となっておりまして、その時点でふきかえ等の手入れが必要となると言われております。愚庵邸は平成15年に補修が行われてから、14年余りが経過しておりまして、一部損傷が見受けられる状況となっております。
◆36番(樫村弘君) 次は、今後の方針について伺います。
◎
特定政策推進監(緑川伸幸君) 愚庵邸はいわきの偉人であります天田愚庵の功績を後世に伝える大切ないおりでございまして、今後も適切な保存によって継承されるべきものでありますことから、今後、老朽化の状況に応じ、必要な対策を講じてまいりたいと考えております。
◆36番(樫村弘君) ひとつよろしく頼みます。 最後に、愚庵会の認識について伺います。
◎
特定政策推進監(緑川伸幸君) 議員が会長を務められております愚庵会でございますが、郷土の文僧天田愚庵の遺徳を顕彰し、その文学・思想の究明など精神文化の高揚発展に寄与することを目的として発足されました。毎年、愚庵忌を開催するほか、いおりの庭園清掃や天田愚庵に関する講演会の開催など、天田愚庵の功績を市民の皆様に広めていただいているものと認識しております。
◆36番(樫村弘君) 何分今後ともよろしくお願いします。 質問の第3は、天皇陛下の退位に伴う行政の対応についてでございますが、来年5月1日に平成から新しい年号にかわるということでございますので、万全の対応をしていただくように要望して、質問は割愛をさせていただきます。 次の質問は、さわやかトイレリフレッシュ事業から見た、市民と市の共創によりますまちづくりについてです。 行政は最少の経費で最大の効果を上げることが大切でありますけれども、行政はまた、市民への最大のサービス業でもありますが、大切なのは市民と市との共通認識による協力し合った事業の推進です。そうした観点から昨年制定された、いわき市以和貴まちづくり基本条例、市民と市の共創、ともにつくる共創によるまちづくりは大切な考え方です。 さて、本市のさわやかトイレリフレッシュ事業は、昨年度から今年度にかけてJR川前駅、末続駅、赤井駅のトイレを、市の予算で、水洗洋式化や多目的トイレの設置を図るなど環境整備を行うことで、地域のシンボルであるとともに交流拠点である駅の利便性を向上させ、鉄道交通の利用促進による交流人口の拡大等につなげることを目的に駅トイレの整備を行うもので、大いに歓迎すべき事業であり、供用開始後の清掃等の維持管理に関しては、地区住民団体に業務委託するもので、建設費は1カ所約1,000万円ということです。 ただ、私は、この事業に何か違和感がありました。たまたまことし1月15日付福島民友新聞11面の読者の声に、洋式賛成だが和式も需要あると題する福島市の71歳の男性の次のような文章が掲載されておりました。 5日、木幡浩福島市長が東京オリンピックや今後に予想される観光客の増加に伴うニーズに応えるため、観光地や公園のトイレを洋式に順次切りかえていく方針を打ち出したことを報道で知った。確かに身体的に障害のある方や高齢者、そして外国人の利便性を考慮することは大事である。多くの方に快く福島を楽しんでいただくためにも大賛成である。しかし、全ての便器を洋式に切りかえてしまうのもいかがなものだろう。頻尿などの高齢者も多い昨今、最低1カ所は和式便器を残していただけないだろうか。医療機関やデパートなどでは衛生上、洋式便座に肌が直接触れないようにするため、ペーパーシートやアルコールなどによる消毒する工夫がなされているところも多い。心因性など、さまざまな事情で、どうしても洋式便座を使えない方もおられると聞く。和式便器は我が国の伝統・文化であるメリットもある。市当局のお考えを伺いできれば幸いであるという投書でございますが、私は、この読者の声を読んで、私の違和感の原因を直感しました。これは事前に、住民に説明にして、住民の声をよく聞いて、合意を得て施工すれば、なお一層歓迎されるではないのか。住民サービスにハートがあるかどうかが問われているのではないか。 本市の場合、現にトイレ建設工事設計・施工一括発注に係る公募型プロポーザル審査基準書には、駅利用者や周辺住民等への事前説明は十分に対応されているかなどの、プロポーザルのコンセプトも記されているが、これらは守られていたのでしょうか。 先ほどの読者の声のとおりになるのは困難なことと思われますけれども、可能な限り、利用者の声を反映するという姿勢がハートのある市政であり、対話があれば、今後の維持管理もうまくいく。つくってやるからありがたく思えの感覚を感じさせてはいけない。 その基本条例の前文には、これからの社会は、市民と市が課題についての認識を共有し、持てる知恵と資源を結集し、共に地域の課題の解決を創造に取り組むことが求められている等々のスローガンが並べられておりますが、この基本条例の精神は守られているのでしょうか。何回も共創の精神という言葉がこの議会でも出ております。言うのは簡単ですが、いざ実行するとなると実はなかなか難しいのが、この共創の精神でございます。 なお、先ほどの読者の声の回答が、ようやく2月11日付で、福島市商工観光部観光コンベンション推進室からありました。内容は改修の内容を検討したいというもので、残念ながら共創の精神は感じられませんでした。 そこで、次の各点について伺います。 1点目は、洋式トイレを採用した理由についてです。
◎都市建設部長(高木桂一君) バリアフリー法に基づく公共交通移動等円滑化基準におきまして、トイレを新設する場合、洋式の多目的トイレの設置が義務づけられておりますことから、公募型プロポーザルの具体的な指針である要求水準書におきまして、洋式の多目的トイレを最低限1基整備することを条件としたところであり、今年度整備を進めている赤井駅前及び末続駅前の公衆トイレにつきましては、ともに女子トイレは洋式の多目的トイレを兼用し、男子トイレは洋式トイレ1基と小便器1基の提案がなされまして、審査会での審査を経て採用したものであります。
◆36番(樫村弘君) 2点目は、ペーパーシートやアルコール消毒は考えなかったのかについてでございます。
◎都市建設部長(高木桂一君) ペーパーシートやアルコール消毒につきましては、維持管理や盗難等の問題があることから、これまで整備を行ってきた駅前公衆トイレや公園等のトイレにおきましても設置しておらず、現在整備を進めている赤井駅前及び末続駅前公衆トイレにおきましても設置の予定はございません。 しかしながら、今後、トイレの衛生面に対する市民のニーズの高まりなども踏まえ、公共施設のトイレにおける全市的な課題として捉える必要があるものと考えております。
◆36番(樫村弘君) 今の答弁のとおり、共創のまちづくりというのは、利用者とか住民の声を聞いてともにやることを共創のまちづくりと言うんだから、今のそういう声を聞いて対応したいというのはそのとおり正しいことだと思います。 次に、和洋両方の便座を考慮しなかったのかについてですが、これは今までの答弁で了解しましたので、割愛いたします。 4点目は、新聞の読者の声の感想について、端的に、簡潔に、ちょっと感想を聞かせてください。
◎都市建設部長(高木桂一君) 先ほど紹介されました福島民友新聞の読者の声につきましては、福島市による観光地や公園のトイレの洋式化に当たり、利用者の声を聞いてほしい旨の意見であると理解しております。 公共施設の整備や改修に当たっては、利用者のさまざまな事情を踏まえ、より多くの方が満足されるよう努めるべきと考えており、今後、複数のトイレを整備する場合におきましては、事前に利用者の御意見等をお聞きしながら、和式トイレの設置も検討する必要があると考えております。
◆36番(樫村弘君) 5点目は、公募型プロポーザルの審査基準は守られたのかについてお伺いいたします。
◎都市建設部長(高木桂一君) 公募型プロポーザルを実施するに当たり、事業者が最低限守るべきものとして定めた要求水準書におきまして、事業者は、駅利用者及び周辺住民などへ、早期に工事期間等の周知・説明等を行うよう求めており、審査基準につきましては、選定委員会におきまして、その提案内容を評価するために定めたものであります。 今回のプロポーザルにおきましては、事業者から、駅周辺住民に対しまして、工事を周知するチラシを配布するという提案がなされ、事業者は、その提案内容に沿って、赤井駅前及び末続駅前トイレともに、周辺住民等にチラシの配布を行ったほか、工事用表示板を設置し、駅利用者や周辺住民等へ周知を行ったところでございます。
◆36番(樫村弘君) 私が申し上げているのは、工事を始める前に、皆さんどんなもんでしょうか、こういうのを予定しているんですが、何か意見ありませんか、そういう話し合いの中で、こういうことがあるからしようがないね、そうなるしかないねという合意があって着工するのが、それが共創のまちづくりというんだよ。こうやったからって説明に歩ったって、着工してから歩ったって、それは共創のまちづくりとは言わないですよ。 最初のこの答弁の中に、今後いろいろな声を聞いていきたいという言葉がありますが、そういうようなことで、共創のまちづくり、これは1つの事業だけでなくて、言うのは簡単、皆の声を聞いてやる、どんな事業をやるときにも、皆の声を聞いてやったら事業なんかさっぱり進まない。この基本条例は大変きれいごとではあるけれども、実際やるとなったら大変に難しい。そういうことをよく認識していただければと思います。 6点目は、今後の利用者の声の反映については、いろいろな声を聞いたら、可能であればそれは実行するという理解の仕方でいいのかな。
◎都市建設部長(高木桂一君) 当該トイレの供用開始後における主に維持管理等に関する利用者からの御意見等につきましては、今後、日常的な管理を委託させていただく予定であります地元の皆様と協議を行いながら、その意見の反映に努め、快適に利用していただけるよう対応してまいりたいと考えております。
◆36番(樫村弘君) 7点目が、一番大切な質問なんです。 この共創のまちづくりの観点から見たさわやかトイレリフレッシュ事業についてということなんだけれども、例えば、今後地域の団体にトイレの維持管理、1カ月間1万円ですか、それで任せると。そういう点からも、そういうのはスムーズに喜んでうちで参加しますというような意味からも、共創のまちづくりに基づいた事前の話し合いによって、こういう形でトイレをつくりますよと。お互いに、それでわかった、いいよ、よろしく頼むという合意のもとにやると、維持管理なんかを委託するときもうまくいきやすい。そんなようなことを言いたくて7点目の質問をしたんですが、もし何かこの件で申し上げたいことがあれば、どうぞお話しください。
◎都市建設部長(高木桂一君) 直接的には、この御質問ということではなくて、事前にという先ほどのお話の中で、本事業におきましたプロポーザル方式という事業を採用して、提案者の自由な発想に基づく設計を重視する、それから限られた予算の中で、最大限いいものをつくっていただくということで、設計の内容につきまして、事前に、地区の皆様に意見を反映させる考えには至らなかったということにつきましては、反省をしております。
◆36番(樫村弘君) 反省という言葉を聞いたからほっとした。そうなんだ。共創というのは、どんな事業だって一人一人市民の意見を聞いてやるなんていったら、やるほうは大変なんだから。そういう意味で、共創というのは言うのは簡単。例えば、トイレ1つつくるのだって、共創の事業の推進を反映、基本条例ができたわけだから。それを反映するのは大変だと思いますが、極めて大切な考え方ですので、今後実行するように強く要望しておきます。 この質問恥ずかしいんだけれど、質問の第5は、花粉症対策と地元産材利用促進を含む林業振興対策についてです。 私は毎年、つまり平成14年から昨年2月定例会まで、16年連続にわたり、花粉症に関連する林業振興対策について、要望を兼ねた質問をしておりますが、17年連続17回目となる今回も強く要望しながら、考え方をお示しいただきたいと存じます。 さて、この質問は、もうことしあたりはやめようと思っておりました。しかし、昨年12月12日付福島民友新聞6面読者の声の植林と林業衰退見解聞きたいと題する田村市の85歳の団体役員の投書を見て、17年連続になってしまいました。その投書には、次のように書いてありました。 森林が大切なことは誰でも知っている。しかし、周りを見ても植えた森林は全く売れず、樹齢100年余の杉林が幾つもある。春は花粉が吹雪のように舞い上がり迷惑している。先日、地区神社の境内にある杉の6本が電線の邪魔になるというので、業者に依頼して切ってもらった。売れないし、少子・高齢化のため、地区内で切ることができる人がいないからだ。伐採費は総額32万円。神社の杉のために一戸6,000円の負担となった、たった6本で。売るつもりで植えた杉だったのに。不満が出た。周りでも杉に限らず、松やナラなどの木が売れたという話は全く聞かない。日本は災害大国だ。ことしの九州の台風の被害は筆舌に尽くし難かった。県内でもかなりの被害が出た。しかし、外材の輸入などで林業の衰退は続いている。森林の意義はわかるが、植林した林業衰退について関係者の見解を聞いてみたいというもので、全く同感です。 毎回の質問の要旨は、国策として数多く植林された杉の木は、除伐・間伐・枝打ちを十分に実施すると優良材に成長する。それは同時に、花粉症の主な原因となる花粉を減らし、医療費の削減にも直結する。さらに、助成制度を充実させて、地元産材の公共事業などへの活用を促進させ、森林振興を図ることはCО2削減による地球温暖化防止にも有効で、まさに一石二鳥にも三鳥にもなるというもので、毎回前向きの答弁をいただいております。 森林は、林産資源ばかりではなく、おいしい空気をつくり、水を蓄え、土砂災害を防ぎ、人の心に安らぎを与えてくれるほか、海の魚たちに栄養源を届けてくれているものですが、そのためには、森林の手入れが欠かせません。 これらの観点から毎年質問しておりますけれども、今回は、さまざまな問題を含みながらも、与党税制改正大綱で森林環境税の創設が決まったことを受けての質問ですので、若干、答弁に前向きになるような変更があることも期待しております。 森林や水源の保全については、本県初め、独自の課税制度を設けている自治体が多く、二重課税とも受け取られかねなく、目的や使い道を明確に示し、理解を得ることが必要ですが、国の森林環境税は地球温暖化対策や災害防止・国土機能保全を理由に、2024年度から全国で約6,000万人が納める個人住民税に1人年間1,000円を上乗せするということで、創設を2024年度に先送りするのは、東日本大震災からの復興などを目的とした1,000円の住民税上乗せが2023年度まで続くためということです。 増収分は年間600億円が見込まれ、市町村が所有者にかわって間伐したり、林業の担い手育成、木材利用の促進に充てたりするということで、自治体への配分は新税創設に先立つ2019年度から始めるということです。これは林野庁が19年度に導入する新たな森林管理制度に間に合わせるためで、いずれにしても、地方への財源として期待されます。 さて、ことしも、3人に1人とも、5人に1人とも、最近では2人に1人とも言われる国民病、花粉症患者にとってつらいスギ花粉の季節が到来いたしました。 そこで、次の各点について伺います。 1点目は、本市の花粉症の実態認識について、どのように認識されているでしょうかお伺いいたします。
◎保健福祉部長(高沢祐三君) 花粉症につきましては、法律に基づく届け出が医療機関に義務づけられていないことから、正確な患者数の把握は困難であります。 なお、先月日本気象協会から公表されました花粉の飛散予測によりますと、東北地方の花粉飛散量は平年比では110%程度でありますが、昨シーズンと比較すると2倍を超えると予測されておりますので、花粉症の対策等についての相談や情報提供に努めてまいりたいと考えております。
◆36番(樫村弘君) 最近の、いつものことですが、今ごろの季節になると、新聞とかテレビとか毎日のように花粉の記事や話が出ております。そういう意味においては、保健福祉部のそういう観点からも花粉症対策についていろいろなことを考えていただければと要望いたします。 2点目は、国と県の森林環境税の受けとめ方についてでございます。 この質問の趣旨は、森林整備のほうに役立つお金が新たに確保されるのではないかと期待をしながらお伺いをいたします。
◎財政部長(伊藤章司君) 森林環境税(仮称)でございますが、平成31年度の税制改正におきまして、森林整備等に必要な地方財源を安定的に確保する観点から、国税として創設されたものであります。平成36年度から課税が予定されているものでございます。 なお、福島県におきまして、平成17年3月、福島県の森林環境税条例を制定いたしまして、個人と法人の県民税均等割に加算して課税いたしまして、その税収でございますが、森林環境の保全及び森林を全ての県民で守り育てる意識醸成に関する施策に要する経費の財源に充てられているところでございます。 ただし、福島県においては5年毎に効果の検証・見直しを行うものとされておりまして、条例の課税期間は平成32年度までとなっておるところでございます。これに対しまして、国の森林環境税(仮称)でございますが、こちらは平成36年度から課税されることになっておりまして、現時点におきましては、二重課税にならないよう配慮されている内容となっておるところでございます。 本市におきましては、森林面積が広く、森林環境税の創設につきまして、いわき市森林組合からも要望もあったことから、この制度の創設によりまして、より一層の森林整備等が図られるものと期待しておるところでございます。
◆36番(樫村弘君) そういうことだから、いろいろな税金が上がれば反対はする。でも、税金がないといろいろ事業はできないというジレンマはございますが、やっぱり森林というのは大切だから、この森林環境税できるといいなと、私はそう思っております。 3点目は、この5年間の森林整備の実績についてでございます。 アとして、除伐について伺います。
◎農林水産部長(村上央君) 除伐の実績につきましては、平成25年度は464ヘクタール、平成26年度は465ヘクタール、平成27年度は368ヘクタール、平成28年度は383ヘクタール実施しておりまして、平成29年度は299ヘクタールを見込んでいるところでございます。
◆36番(樫村弘君) 次に、間伐についてお伺いいたします。
◎農林水産部長(村上央君) 間伐につきましては、平成25年度は1,057ヘクタール、平成26年度は839ヘクタール、平成27年度は1,279ヘクタール、平成28年度は1,149ヘクタール実施しておりまして、平成29年度は1,212ヘクタールを見込んでいるところでございます。
◆36番(樫村弘君) 次に、枝打ちについてお伺いいたします。
◎農林水産部長(村上央君) 枝打ちにつきましては、平成25年度は59ヘクタール、平成26年度は77ヘクタール、平成27年度は46ヘクタール、平成28年度は37ヘクタール実施しておりまして、平成29年度は32ヘクタールを見込んでいるところでございます。
◆36番(樫村弘君) 4点目でございます。 毎年質問しておりますので、もう少しふえないかなと思うところでございますが、除伐・間伐・枝打ちの今後の拡大策についてお伺いいたします。
◎農林水産部長(村上央君) 本市の森林整備につきましては、県の造林補助を受けた事業者に対する上乗せ補助や間伐作業道開設費の一部助成を行うことにより、一定の事業量は確保されているものと認識しております。 今後におきましても、福島県及び森林組合等と連携しながら、森林所有者の計画的な森林整備を促進し、間伐等の面積拡大を図り、森林の保全に努めてまいりたいと考えております。
◆36番(樫村弘君) これ割愛するかと思ったけれど、まだ時間あるので、5点目は、CLT、よくばらになっていますね。直交集成板工法の促進についてお伺いします。
◎農林水産部長(村上央君) 国におきましては、農林水産業・地域の活力創造プランの中で、CLTの生産体制の構築を目標の1つに掲げ、新たな木材需要の創出を図ることとしております。 市といたしましては、このような国の動きを踏まえ、全国的にCLTの需要増加が期待されますことから、いわき市森林・林業・木材産業振興プランの重点施策にCLT関連の施策を位置づけ、情報の収集に努めているところでございます。 今後におきましても、国等の動きを注視するとともに、福島県及び市内木材関係事業者と情報の共有を図りながら、適時適切に対応してまいりたいと考えております。
◆36番(樫村弘君) 6点目は、高層木造ビルの部材開発、この件について、最近よく新聞に出て、高層ビルをつくるのに木でつくると。これは木材の利用促進に大いに貢献するのではないかと思いながらお伺いいたします。
◎農林水産部長(村上央君) 高層木造ビルの部材開発につきましては、昨年12月に国の認定を受けた3時間耐火の木製部材を使用することにより、15階建て以上の高層ビルを木造で建築することが可能となりました。 本市においても、高層の建築物が木造で整備されれば、木材の使用量がふえ、地元産材の活用につながるものと期待しております。
◆36番(樫村弘君) 次に、木材輸出・40年ぶり高水準という新聞記事が掲載されておりましたが、これについてはどのように受けとめていられるでしょうか。
◎農林水産部長(村上央君) 平成29年の国産材の輸出額につきましては、林野庁によりますと、中国における木材需要の高まりにより、主にこん包材や土木用材等に利用される丸太が大きく増加し、前年比37%増の326億円となっております。 国におきましては、昨年6月に木材・木材製品の輸出拡大に向けた取組方針を公表し、さらなる輸出拡大に向けた取り組みを推進していることから、市といたしましても、国の動きを注視するとともに、福島県及び市内木材関係事業者と情報の共有化を図り、適切に対応してまいりたいと考えております。
◆36番(樫村弘君) 木材というのは全部輸入ばかりしているのかと思ったら、こういうことがあるから、これが盛んになれば地元の産材活用に役に立つと思いますので、なお一層、調査・研究に励んでいただければと思います。 次は、放置森林を集約管理する森林バンク制度についてお伺いいたします。
◎農林水産部長(村上央君) 森林バンク制度につきましては、平成31年度からの新たな森林管理制度として、国が創設を目指しているものでございます。 内容としましては、森林所有者の責務を明確化するとともに、森林所有者が適切な森林管理を実行できない場合に、市町村に管理を委託するものであり、林業の成長産業化と森林資源の適切な管理の両立を図るための制度でございます。 必要な財源につきましては、国が創設する、仮称でございますが、森林環境税の財源を充当することを検討していると聞き及んでおりますが、詳細につきましては、今後決定されることとなっております。
◆36番(樫村弘君) この項最後の質問ですが、地元産材の公共建築物への利用促進についてどのように取り組んでおられるのかお伺いいたします。
◎市長(清水敏男君) いわき市地域材利用推進方針におきまして、市が整備する公共建築物のうち、低層の建築物については、原則、木造により整備することとし、可能な限り木材の利用に努めることとしております。これまで、この推進方針に基づき、休日夜間急病診療所を初め、地震や津波で被災した集会所や、戸建ての災害公営住宅を中心に木造・木質化による整備を行っております。 今後におきましても、引き続き、公共建築物における木造化や木質化を積極的に推進し、地元産材の利用拡大に努めてまいりたいと考えております。
◆36番(樫村弘君) 地元産材、先ほどのあの読者の声を読んでいると涙が出るようなかわいそうな思いがいたしますので、やっぱり地元の木材をなお一層利用促進されるように頑張っていただこうとお願いしながら最後の質問に移らせていただきます。 質問の第6番目になりますか、第5になるのかな。広報いわきの記事に関連する課題についてでございます。 昨年の11月初めごろだったでしょうか。私のところに市内のHさんが訪れ、広報いわき10月号はうそを書いている。何かしなくてはおさまらない。裁判も考えていると言うのです。詳しく聞いてみると、広報いわきの7ページに、中央卸売市場開設40周年記念大会で市場まつり開催の記事があり、10月29日(日曜日)水産棟で催し物としてサンマの無料配布との文章がありました。しかし、Hさんが行ったときには、既にサンマは配布済みで、残りはなかった。これは明らかに市民にうそをついている。だましていることになる。どうしても許せないと言うのでございます。 ちなみに、いわき市中央卸売市場開設40周年記念大会実行委員会の市場まつり、秋本番、みんなで食育、楽しく花育のチラシの裏面の午前11時からサンマ無料配布のお知らせには、なくなり次第終了とあり、10月28日付いわき民報1面にもなくなり次第終了との記事がありましたが、Hさんは、ほかに何と書いてあるのかは俺は知らない。俺は広報いわきを信用して行ったんだと、ふんまんやる方ないという表情で、広報いわきに掲載したとおりに無料配布すべきだと訴えるのでございます。私は、これらを農林水産部長に話し、11月18日には、40周年記念大会実行委員長名でHさん方に文書で、要望に対する回答書を持参したそうですけれども、理解してもらえなかったようでした。 私は、知人の弁護士や司法書士に損害賠償などの裁判を起こしたらどうなるか、参考までに意見を聞きましたが、扱い方がなかなか難しいとのことで、サンマがなくなれば終了するのは常識の範囲ではないかなどの声も聞きました。また、Hさんは何人かの国会議員初め、市会議員やいろいろな人にこのことを訴えて何かおかしいのではないか、うそをついているのではないかと何人もの議員にも相談したそうでございます。 いずれにしても、問題発生の根源は、広報いわきの文章の表現にありそうな気がしてなりません。広報いわきは、市民に対する一種の公文書でございます。公文書は、市民全てに理解してもらえるよう、正確に誤解されないように表現することが大切です。用意したサンマがなくなれば終了すると理解するはずだなどと、一方的に推測しては誤解を招くこともあるのではないでしょうか。また、スペースがなくて、なくなり次第終了との文章を入れられなかったとしても、1ページを使ってのPRの記事ですので、そんなところをスペースに載せるだけの余裕は十分に確保できると思います。 私は、今回の件を質問することに正直、一瞬逡巡しました。ちゅうちょしました。まともに取り上げることに迷いました。しかし、あえて質問したのは、市の公文書のあり方に警鐘を打ち鳴らしたかったからでございます。制限なしに、時間内に無料配布すべきという市民の素朴な質問に答えなければならないと感じたからでございます。 私は昔、文章を書くことを仕事にしていた新聞記者でございましたが、当時も世の中で文章で一番難しいのは公文書だというのは仲間の中の言葉でございます。それは、公文書には例外は認められないからでございます。市民に対する文書のときに、この人なら適用する、この人には適用しない、こう理解できる、こう理解できないなどという言いわけが一切きかないのが公文書でございます。公文書は、したがいまして読むとわかりにくい、よく公文書というのはわかりにくいなという言葉がありますが、それは例外を認めないように文章をつくるから公文書は難しいのでございます。公文書というのは、そういう意味があって、広報いわきに書いてあることは、一種のこれは市で発行している公文書でございますから、こんなことを申し上げているところでございます。 また、Hさんは、司法による判断も受けたいと、それに、市長の見解を聞きたいと何回も話しておりました。なお、無料配布の方法についても、もっと公平・平等な配布方法でやるべきとの声もありました。 そこで、幾つかお伺いいたします。 広報いわきに、なくなり次第終了などのただし書きを入れなかった理由について伺います。
◎農林水産部長(村上央君) 主な理由といたしましては、広報いわきの最終校正日が市場まつり開催日の1カ月以上前であり、特に、今年度はサンマが不漁で、どの程度確保できるかわからないなど、事業の詳細が確定しない中での発行となったこと、さらに、限られた紙面に多くのイベント情報を盛り込む必要があったことなどによるものでございます。
◆36番(樫村弘君) 今申し上げましたように、それでは公文書とは言えないんですよ。その辺を注意しておきたいと思います。 2点目は、サンマの無料配布のあり方について、いろいろな声がございましたが、しばらくやらないと思いますが、今後やるとすれば、どんなような注意を必要とするのかお伺いいたします。
◎農林水産部長(村上央君) サンマの無料配布につきましては、実行委員会の中で、多くの市民の方々に旬のサンマを味わっていただきたいとの思いで企画し、来場者が公平に受け取ることができるよう先着順で配布したところでございます。 次回の市場まつりにおいては、さらに公平な配布方法等について、実行委員会の中で検討してまいりたいと考えております。
◆36番(樫村弘君) 次に、無料配布要望に対する回答書を持参した理由についてお伺いいたします。
◎農林水産部長(村上央君) 回答書を持参した理由につきましては、市場まつり当日に無料配布ができなかったこと、及び後日配布ができない理由について、口頭で御説明したところでございますが、当人から書面にて回答してほしいとの要請があったことから、回答書を作成し持参したものでございます。
◆36番(樫村弘君) 4点目は、このHさん、市民の不満の受けとめ方、いろいろ難しいと思うんですね。何でこんなことがわからないのかなとも言えるし、なるほどなとも思うし。この不満の受けとめ方についてはどんなふうにお考えでしょうか。
◎農林水産部長(村上央君) 今回いただきました御意見につきましては、先ほども申し上げましたが、次回の市場まつりの参考にさせていただきたいと思っております。
◆36番(樫村弘君) 5点目は、後日でも配布すべきという声についてでございますが、何かこれは農林水産部長が答えるのではなくて、広報いわきの部長が答えるのかと思ったら、農林水産部長が答えるのか。俺は広報の書き方に問題があると言っているんだ。後日でも配るべきだという声については不可能なんだね。どう思う。
◎農林水産部長(村上央君) 当日、サンマを受け取ることができなかった市民の方が大勢いらっしゃることなどから、特定の方に後日配布することは、公平性の観点から困難でありますので、御理解願いたいと思います。
◆36番(樫村弘君) そうなんだ。当日、受け取れなかった人はいっぱいいたんだ。そして、今サンマ不漁で値段高いから、そんなに用意できないというのはよくわかる。だからこそ、そのなくなり次第締め切るとか先着何人とか、そういうのは公文書としてただし書きが絶対必要なものだから、あえて今回こんなことを質問しましたので、今回のいろいろ、広報、市の公文書を作成するときに1つの参考にしていただければと思います。 最後に、まだ3分残っていました。このHさんが市長の見解を聞きたいと何回も言うもんだから、本当は市長にこんなこと聞くのも悪いんだけど、本人が個人で電話をかけて聞けば一番いいと思うんだけど、せっかくついでだから、ついでと言ったら怒られてしまうか。清水市長はこの件について、どのような見解をお持ちでしょうかお伺いいたします。
◎市長(清水敏男君) 市場まつりは、市民の皆様に卸売市場の機能や役割を理解していただくことを目的として5年に1度開催しております。 開催に際し、各種媒体を活用し広報活動を行った中で、広報いわきの掲載内容において、一部の方に誤解を与える結果となりましたことにつきましては、反省すべき点があったと思います。広報紙に関しては、多くの方が情報源として活用していることを念頭に置き、今後とも、よりわかりやすく情報を提供できるよう努めてまいりたいと考えております。 また、同様のイベントを開催するに当たっては、不満が生じない運営に努めてまいりたいと考えております。
◆36番(樫村弘君) あと40秒あるから。今の言葉こう答えていたというのをお伝えしますけれども、本人は何でもかんでも裁判をやって、どっちが悪いか決めたいなんて頑張っているもんだから、うまくまとめましょう、このことについては。市民にそういう声があったことは確かですから、それはそれで真摯に受けとめるべきだと思いながら質問を終わりたいと思います。御清聴、御答弁ありがとうございました。以上でございます。(拍手)
○副議長(蛭田源治君) ここで、午後3時40分まで休憩いたします。 午後3時30分 休憩
--------------------------------------- 午後3時40分 再開
△馬上卓也君質問
○副議長(蛭田源治君) 休憩前に引き続き会議を開きます。19番馬上卓也君。 〔19番馬上卓也君第二演壇に登壇〕
◆19番(馬上卓也君) (拍手)19番いわき市議会清政会の馬上卓也であります。 地域全体で人を育て、誇れるまちいわきをつくると掲げられているいわき市教育大綱の基本理念は、地域が人を育み、人が地域をつくるという認識に基づき掲げられた理念であることは、御承知のとおりであります。 この認識こそが私たち市民の一人一人が常に身近に持ち合わせ、意識し、その施策を考えていかなければならない、行動しなければならない考え方であると思います。いわき市においては、この認識に基づいたさまざまな施策が展開されているところであり、各方面から表彰も受けていることは御承知のとおりであります。しかしながら、残念なことに、なかなか市民の皆様方にその取り組みが浸透しきれていないこともまた事実かなと思っております。より一層、当市の取り組みを市民の皆様に広く知っていただき、世代を越えて御参画いただくために、以下、通告順に従いまして、質問をいたしたいと思います。 大きな質問の1番目は、地域が人を育み、人が地域をつくる取り組みについてであります。 昨年11月27日の地方紙に、市立御厩小学校の取り組みであるみまや土曜たいけん隊が、平成29年度地域学校共働活動推進に係る文部科学大臣表彰を受賞したことが掲載されました。御厩小学校は、2015年、平成27年度に土曜学習をモデル実施化した当時から、実施校として土曜学習に取り組んでおり、その活動には毎回、特に多くの地元企業などや学校・保護者がかかわっていると聞いております。企業のCSR活動、いわゆる社会貢献活動をプログラムとして盛り込むなど、企業・学校・家庭・地域を巻き込んでの活動、そして受賞は、土曜学習の取り組みが高く評価されたものと認識いたしております。 そこで、まず初めに、土曜学習推進事業についてでありますが、その取り組みの状況についてお伺いいたします。
◎教育部長(柳沼広美君) 土曜学習推進事業につきましては、子供たちが土曜日をこれまで以上に有意義に過ごせるよう、公民館がつなぎ役となって、学校や家庭、地域が連携し、学びの環境を豊かにするとともに、いわゆる生きる力の育成を図るものでございます。 これまでの取り組みといたしましては、平成27年度には5校、平成28年度には13校でモデル事業として実施し、平成29年度からは土曜学習推進事業として18校で実施しております。
◆19番(馬上卓也君) 次に、平成27年度から土曜学習推進モデル事業として実施されている土曜学習が、翌年には規模を拡大し、さらには昨年土曜学習推進事業として本格実施されてきているわけでありますが、その内容についてお伺いいたします。
◎教育部長(柳沼広美君) 土曜学習推進事業におきましては、地域の方々や企業等の協力も得ながら、子供たちの成長を支える多様なプログラムを計画・実施しております。 その内容の一例としまして、御厩小学校と内郷公民館によるみまや土曜たいけん隊では、川と私たちの生活や大地のつくりなどの科学に関する体験講座や、内郷の歴史や伝統文化、芸能等について学ぶ郷土学習など、地域や教科とのつながりを考慮した学びの場が設けられております。
◆19番(馬上卓也君) 次に、土曜学習は、先ほどの御厩小学校の例にもあるように、地域の多くの企業を初め、地域の貴重な人的資源の集約とも考えられるわけですが、地域との関わりについてお伺いいたします。
◎教育部長(柳沼広美君) 土曜学習推進事業における地域とのかかわりにつきましては、地域の方々の経験や技能を生かした農業体験やフラダンス、炭焼きなどを初め、企業等の専門性を生かした科学実験や食育講座、職業体験、大学や工業高等専門学校の教育力を生かしたエネルギーや福祉、スポーツに関する学習など、さまざまな分野で参画を得ております。
◆19番(馬上卓也君) それでは、土曜学習にかかわった方々の声についてお伺いいたします。
◎教育部長(柳沼広美君) 土曜学習推進事業に参加した児童からは、いろいろな先生に教えてもらえて楽しいやもっと学びたいなど、肯定的な声が多く、有意義な土曜日になっていることが伺えます。 また、保護者からは、家庭や学校では学べないことを学ぶことができた、実施校からは、学校と公民館で子供を教育する体制がありがたいなどの声をいただいております。さらには、講師となった方からは、子供たちに地域の魅力を知ってもらうことは、地域の発展につながる、また、子供たちから元気をもらっているなどの声が寄せられており、地域全体で子供を育む機運が醸成されるとともに、地域コミュニティーの活性化にもつながっているものと考えております。
◆19番(馬上卓也君) 土曜学習は、子供たちの健やかな成長を図るため、学校や家庭、公民館等の地域が連携し、役割分担しながら実施されている取り組みであります。まさに、地域が人を育む典型的な例であると認識いたしております。さらに、この取り組みは、世代を問わず地域の人たちを巻き込みながら、ふるさとの未来を担っていく子供たちへの地域文化の継承として考えることもできると認識いたしております。 この土曜学習をどのように展開していくのか、当市としての今後の取り組みについて所見をお伺いいたします。
◎教育部長(柳沼広美君) 土曜学習推進事業の今後の取り組みにつきましては、平成30年度は、本年度実施校に2校を加えた20校の児童を対象に、各地区の特徴や学校のニーズを踏まえた内容で実施したいと考えております。 また、平成31年度以降につきましては、新たな学習指導要領への対応など、今後の状況の変化等を見きわめながら検討してまいりたいと考えております。
◆19番(馬上卓也君) さて、平成18年12月16日に成立し、同年12月22日に公布・施行された教育基本法第13条において、学校、家庭及び地域住民その他の関係者は、教育におけるそれぞれの役割と責任を自覚するとともに、相互の連携及び協力に努めるものとすると定められております。その教育基本法改正に先立って、当市においても、平成12年度より、モデル地区で学社連携・融合事業という、学校教育と社会教育の連携により、子供たちに多様な学習機会を提供する事業に取り組み、平成17年度から小・中学校で全市展開、また、地域ぐるみで学校や子供たちの支援に取り組むという文部科学省委託事業である学校支援地域本部事業を、内郷・小川地区をモデル地区として展開してきたところであると認識いたしております。 これら2つの事業を発展的に統合することとし、平成24年度から実施しているのが、学校・家庭・地域パートナーシップ推進事業であります。まさに、当市は地域ぐるみで子供たちを育てるという、いわば、公民館を軸とした地域と学校との連携・協力体制が強みとなっていると強く認識しておるところでございます。 そこで、次に学校運営協議会制度、いわゆるコミュニティ・スクールについて幾つか質問したいと思います。 学校運営協議会制度、いわゆるコミュニティ・スクールは、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第47条の6を法令上の根拠とする学校運営について、教育委員会の下部組織として、一定範囲で法的な効果を持つ意思決定を行う合議制の機関であると位置づけられているわけですが、この制度の導入の経緯についてお伺いいたします。
◎教育部長(柳沼広美君) 制度導入の経緯につきましては、社会状況の変化に伴い、学校を取り巻く環境がより複雑化・困難化し、学校現場が抱えるさまざまな課題解決のために、地域と一体となって学校運営を進める仕組みの必要性の高まりを受け、教育改革国民会議の提言、中央教育審議会による検討等を経て、国は平成16年に地方教育行政の組織及び運営に関する法律を改正し、学校の所在する地域の住民や保護者等で構成される委員が、学校の運営に関して協議する機関を置く学校として、コミュニティ・スクールの制度について定めたところであります。
◆19番(馬上卓也君) 学校評議員制度、学校支援地域本部として進められてきた従来の制度とはどのように異なるものなのか、なかなかわかりにくい点もある制度であります。 そこで、まず、コミュニティ・スクールの概要についてお伺いいたします。
◎教育部長(柳沼広美君) コミュニティ・スクールの概要につきましては、学校と地域住民等が力を合わせて学校の運営に取り組むことが可能となる、地域とともにある学校への転換を図るための有効な仕組みであり、コミュニティ・スクールを導入することにより、学校運営に地域の声を積極的に生かし、地域と一体となって特色ある学校づくりを進めていくことができる制度であります。 また、この制度において設置される学校運営協議会には、学校評議員制度や学校支援地域本部等の制度に比べ、校長が作成する学校運営の基本方針に関する承認等の一定の権限が与えられていることが大きな違いであります。
◆19番(馬上卓也君) ここ数年、導入・設置されることが多くなったように聞かれるコミュニティ・スクールでありますが、その取り組み状況について、以下、お伺いいたします。 まず初めに、国の取り組み状況についてお伺いいたします。
◎教育部長(柳沼広美君) 文部科学省では、平成25年に、第2期教育振興基本計画において、コミュニティ・スクールを全国の公立小・中学校の1割に当たる約3,000校に導入することを目標とし、平成29年4月現在、3,398校の小・中学校及び義務教育学校にコミュニティ・スクールが導入されております。
◆19番(馬上卓也君) 次に、県の取り組み状況についてお伺いいたします。
◎教育部長(柳沼広美君) 福島県では、平成29年4月現在、30校の小・中学校にコミュニティ・スクールが設置されております。
◆19番(馬上卓也君) 次に、いわき市の取り組み状況についてお伺いいたします。
◎教育部長(柳沼広美君) 本市の取り組み状況につきましては、これまで、学校・家庭・地域パートナーシップ推進事業などの取り組みにより育まれてきた、公民館を軸とした地域と学校との連携・協力体制を生かし、福島県内の市としては初めて、平成28年度から、田人小・中学校をモデル校に指定して、コミュニティ・スクールを開始いたしました。
◆19番(馬上卓也君) いわき市においては、平成28年度から田人小・中学校がモデル校として導入をしたとの御答弁をいただきましたが、モデル校の実態も考慮した上でのモデル校における取り組みの成果について、どのように考えているのか、所見をお伺いいたします。
◎教育部長(柳沼広美君) モデル校である田人小・中学校のコミュニティ・スクールにおきましては、田人への思いを深め、田人の未来を創造し、周囲と協働して目標に向かって挑戦できる人材の育成を目指し、地域住民との交流活動等の特色ある教育活動を進めております。 モデル校におけるこのような取り組みの成果といたしましては、まず、田人小・中学校の児童・生徒が地域住民との交流活動を行い、地域行事へ主体的に参加することなどを通して、地域の一員としての自覚が育まれていることがあげられます。 また、アンケート調査等の結果から、学校・家庭・地域の相互交流が図られ、コミュニティ・スクール制度に対し、児童・生徒、保護者、地域住民の理解が深まり、児童・生徒が地元のよさを再認識することにつながったなどの成果が見られたところでございます。
◆19番(馬上卓也君) それでは、同じくモデル校における取り組みの課題については、どのように捉えているのか、御所見をお伺いいたします。
◎教育部長(柳沼広美君) モデル校における取り組みの課題といたしましては、これまでの成果を踏まえ、コミュニティ・スクールをより充実させることができるよう、これまでの取り組みを継続・発展させるとともに、さまざまな機会を捉えて、コミュニティ・スクールの制度について、その有効性を含め、保護者及び地域住民の皆様へお知らせをして、御理解・御協力をいただくことが大切であると捉えております。
◆19番(馬上卓也君) 成果及び課題を考慮した上でのいわき市の今後の取り組みについてお伺いいたします。
◎教育部長(柳沼広美君) コミュニティ・スクールのモデル校におきまして、一定の成果が確認できたことに加え、平成29年度3月の法改正により、コミュニティ・スクールの設置が努力義務化されたことから、いわき市内の他地区における新たなコミュニティ・スクールの導入を視野に入れ、地域とともにある学校づくりをさらに進めてまいる考えであります。
◆19番(馬上卓也君) 当市は、1つ目の質問で述べたような土曜学習に見る生涯を通した学習の推進を強く推し進めており、多くのさまざまな実績があります。地域とともにある学校づくりを力強く推し進めるために、さらには、地域住民参加による地域全体の活性化のためにも制度の導入を積極的に御検討いただきたいと思います。 続いて、大きな質問の2番目、(仮称)イオンモールいわき小名浜開業についてであります。 小名浜ばかりでなく、いわき市におけることしの目玉と申しますか、(仮称)イオンモールいわき小名浜開業は、大変大きな話題の1つであります。イオンモールいわき小名浜に関しては計画段階から、さまざまな観点から諸先輩議員も質問を重ねているところではございますが、開業を目前に控え、市民の皆様から関心を寄せられている点に関しまして、再度お尋ねしたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。 1点目は、(仮称)イオンモールいわき小名浜の進捗状況についてであります。 イオンモールは、現在その全貌をほぼあらわし、それを目にした市民の方々もその大きさに驚いているところでございます。店舗の壁面、さらには求人募集のチラシなどにも夏オープンの文字が目に入るところですが、開業予定日が未だに明確に発表されておりません。 そこで、まず初めに、開業予定についてお伺いします。
◎都市建設部長(高木桂一君) イオンモール株式会社によりますと、本年6月に開業する見込みであり、開業日の発表時期につきましては、開業のおおむね1カ月前になるとのことであります。
◆19番(馬上卓也君) 次に、夏の開業を前に、既に求人の説明会なども開かれているようですが、そこに入る店舗がどうなるのか、地元のお店はどのぐらい入るのかが市民の皆様の関心事になっております。 そこで、現在判明しているテナントの状況についてお伺いいたします。
◎産業振興部長(石曽根智昭君) イオンモール株式会社によりますと、地元店舗の出店状況も含め、その決定状況等について、現時点で発表することは差し控えたいとのことであり、その発表は開業のおおむね1カ月前を予定しているとのことであります。
◆19番(馬上卓也君) 恐らく多くの店舗が入ることになるであろうイオンモールでございますが、その商圏や来場者数に関し、当局はどのように見積もっておられるのか、マーケット試算についてお伺いいたします。
◎産業振興部長(石曽根智昭君) 商圏につきましては、イオンモール株式会社が福島県に提出した商業まちづくりの推進に関する条例に基づく特定小売商業施設新設届出書によりますと、車でおおむね30分で到達できる日常的な利用を想定した集客予定区域を新設予定地周辺15キロメートル圏としております。 また、来客数につきましては、同じくイオンモール株式会社によりますと、市内全域のほか、本市隣接町村や茨城県北部方面からの集客を含め、年間800万人が見込まれております。
◆19番(馬上卓也君) 非常に広大な商圏と多くの来場者数の御答弁をいただきましたが、それらを実現していくためには、交通網の整備は大変重要な問題となってまいります。イオンモールを地域の商業施設として位置づけるのみならず、地域の活性化の大きな手段、あるいは起爆剤として捉えるとするならば、しっかりと受けとめるための交通網の整備は重要かつ必須の要素であると考えます。さらに、このイオンモールのほか、アクアマリンパークも含めた小名浜港背後地周辺には、大幅な観光交流人口の増加が見込まれます。 そこで2点目の質問は、交通網についてであります。 まず初めに、小名浜港背後地周辺へのアクセス道路の整備状況についてお伺いいたします。
◎土木部長(上遠野裕之君) 小名浜港背後地周辺へのアクセス道路につきましては、現在、市内外の各拠点への連絡強化や交通渋滞の緩和を目的に、国・県道において、4車線化等の事業が進められているところであります。 主な事業の進捗状況につきましては、国によりますと、国道6号の小名浜住吉地区内から常磐下船尾町地内までの区間において、交差点改良事業を鋭意進めているとのことであります。 また、県によりますと、小名浜花畑町地内から小名浜字辰巳町地内までの約1.4キロメートル区間の都市計画道路平磐城線につきましては、今年度内に車道部の4車線化が完了する見込みであり、平成30年夏ごろに歩道部を含めた全区間が完了する見込みとのことであります。 さらに、小名浜港と常磐自動車道を直結する全長約8.3キロメートルの小名浜道路につきましては、事業面積に対する用地取得率が1月末現在で約60%、工事に関しましては、橋梁や工事用道路の整備に着手しており、平成30年代前半の完成に向けて鋭意取り組んでいるとのことであります。 市といたしましては、引き続き、国・県と一体となり、事業が円滑に進められるよう取り組んでまいりたいと考えております。
◆19番(馬上卓也君) 次に、現在建物ができ上がりつつあるイオンモールの北側には、路線バスの乗降場、また、西側には高速バス及びタクシーの交通ターミナルが整備されているようですが、路線バス乗降場及び交通ターミナルへの乗り入れについてお伺いいたします。
◎都市建設部長(高木桂一君) 路線バスにつきましては、(仮称)イオンモールいわき小名浜の開業に合わせ、いわき駅や泉駅と小名浜を結ぶ路線などを路線バス乗降場へ乗り入れるため、現在、バス事業者とイオンモール株式会社との間で、具体的な本数やダイヤ等につきまして協議を進めているところであります。 また、高速バスにつきましても、共同運行を行うバス事業者間において、運行開始時期や乗り入れる路線、運行ルート等に係る協議・調整が進められていると伺っております。 さらに、タクシーにつきましても、福島県タクシー協会いわき支部におきまして、具体的な乗り入れ方針等を検討しているところであります。
◆19番(馬上卓也君) 高速バスに関しては、震災前には小名浜-東京間などの始発・終点の乗降場として同地点は機能していたわけですが、今回高速バスが再度整備されるとなれば、小名浜地区以外の例えば勿来地区あたりの住民の方々からも、経由地として希望する声も上がっているやに伺っておるところであります。イオンモールの開業が小名浜地区以外の利便性につながることも切に願うものであります。 次に、小名浜地区の方々の大きな関心事であり希望でもある福島臨海鉄道の旅客化についてであります。 旅客化が実現すれば、イオンモールへの車の渋滞緩和に寄与することは間違いありません。その沿革をひもとけば、大正4年6月に磐城海岸軌道株式会社が設立され、町なかにレールを敷き、軽便馬車で旅客・貨物の営業を開始したことにさかのぼります。その後大正15年6月に、軽便馬車から重量4トンのガソリン機関車による運転を開始し、当時としては近代的輸送施設として地域の便益に貢献いたしました。昭和16年11月には地方鉄道となり、蒸気機関車で旅客・貨物輸送を開始しました。そして、昭和26年9月、内燃動車による旅客輸送を開始、昭和47年10月1日に旅客営業を廃止することとなりました。 旅客営業廃止となった福島臨海鉄道でありますが、その復活を望む声は少なくありません。余談ではありますが、当時の小名浜-泉間の料金は30円で、9月30日の最終日には、小学生の私も友人と一緒に記念に乗車し、その様子がテレビニュースで放送されました。忘れもしない私のテレビデビューの日でありました。 市民の移動交通が車となったため、利用者の減少により、その採算が合わないという理由も要因となり廃止された旅客営業ですが、イオンモールが引き金となり、再旅客化の可能性というものが市民の皆様の声で急浮上していると認識いたしておりますが、福島臨海鉄道の旅客化について、市当局の所見をお伺いいたします。
◎都市建設部長(高木桂一君) (仮称)イオンモールいわき小名浜の開業による交流人口の増加に対応するため、福島臨海鉄道株式会社と旅客化について協議を進めてきたところでありますが、新たに駅舎やホームの整備、自動列車停止装置や信号機など保安装置の設置、及び旅客車両の購入などの多大な費用負担が伴うことが想定されることなどから、現時点におきましては、採算性の確保の面で困難であるとの考えが同社より示されているところであります。 しかしながら、鉄道による旅客輸送は、輸送能力の高さや定時性の観点から効果的であると考えており、今後の交流人口の動向等を踏まえながら、旅客輸送の可能性について、適宜、同社と協議してまいりたいと考えております。
◆19番(馬上卓也君) 福島臨海鉄道の旅客化につきまして、当局の所見をお伺いいたしましたが、小名浜地区の方々からは、小名浜-泉間にとどまらず、いわき駅まで常磐線への乗り入れも検討できないものかというような声も上がっております。今後の高齢化という社会状況を考えた場合、乗りかえなしで小名浜-平間をつなぐことができれば、利便性の向上につながるのみならず、観光客の回遊人口増加にも寄与するものと考えるところであります。当局におかれましては、是非ともこの点も考慮し、今後、調査研究していただきたいと思い、お願い申し上げます。 次に、周辺住民の皆様方の最大の関心事、そして心配事が駐車場の問題であります。多くの来店者や従業員数が見込まれる中、適正に駐車場は確保されるのかお伺いいたします。
◎都市建設部長(高木桂一君) イオンモール株式会社によりますと、来店者用駐車場につきましては、大規模小売店舗立地法に基づき必要とされる駐車台数に対応するため、1階ピロティ部分に706台、屋上部分に433台、東側に隣接する敷地に111台の合計1,250台を確保するとともに、アクアマリンパーク内の駐車場との共同利用に向け、現在、各施設管理者間において協議を進めているとのことであります。 また、従業員駐車場につきましては、通勤形態から想定される駐車台数を敷地外に確保するとしております。
◆19番(馬上卓也君) 3点目は、雇用問題についてであります。 既にイオンモールでは、開業に向けて新聞折り込みで複数回の求人募集をしておるところですが、イオンモールが行っている求人の状況についてお伺いいたします。
◎産業振興部長(石曽根智昭君) ハローワークによりますと、テナントの1つとされている(仮称)イオンスタイルいわき小名浜から、食品レジ、生鮮食品の調理加工など20件の職種、合計300人の求人票が提出されております。主な職種の時給について申し上げますと、食品レジ、生鮮食料品の調理加工が1,100円、食品品出し、サービスカウンター、衣類販売等が900円となっており、また、勤務形態については、日中を中心としたフルタイム勤務のほか、早朝や夕方・夜などに勤務する短時間パートがあります。 このほか、イオンモール株式会社におきましては、テナントの採用活動を支援するため、イオンモールで働きたい人材を確保するための登録会を行っているところであります。
◆19番(馬上卓也君) 比較的高い時給で大量の雇用を確保するならば、地域における他の商店主などとのいわゆる労働力の奪い合い状態にもなりかねないと考えられるわけですが、地域に与える影響について、当局の所見をお伺いいたします。
◎産業振興部長(石曽根智昭君) ハローワークによりますと、市内の求職者のうち、働きながら仕事を探す方の割合が高い傾向が見られます。市内における平成29年12月の常用的パートタイムの時給は、販売の職業が852円から943円、サービス業の職業が861円から990円となっており、(仮称)イオンスタイルいわき小名浜の賃金は、先ほど御答弁申し上げたとおりでありますが、その他勤務条件等によりその転職も見込まれるところでございます。 一方、イオンスタイルにおいては、それぞれのライフスタイルに合わせて働き方が選べるようになっていることから、現在就業していない潜在的な労働力の活用や、女性、障がい者、高齢者など多様な人々の社会進出の活躍につながる側面もあるものと捉えております。 市内の事業所においても、有効求人倍率が高い水準で推移し、人手不足が顕在化している現状を踏まえ、パートタイムの正社員化への移行や、働きやすい職場環境の整備など、人材を確保するための取り組みを進めることが必要になるものと考えております。
◆19番(馬上卓也君) 4点目の質問は、地域連携についてであります。 小名浜のまちづくりについては、小名浜まちづくり市民会議が月1回の勉強会を通して、さまざまな課題解決のために活動されているわけですが、イオン開業に伴い、今後も小名浜まちづくり市民会議としてもイオンモールを念頭に置き、そのイベント等を注目・考慮しながら取り組みを進めていくと考えられるところであります。 そこで、まず初めに、汐風竹町通りポケットパークの活用についてであります。 イオンモール開業前に、回遊人口をふやしながらまちの活性化を図るべく4カ所のポケットパークを含む汐風竹町通りが整備されたわけであります。その汐風竹町通りの南側の終点となるイオンモール北側のペデストリアンデッキのところにあるポケットパークは、既にミニコンサートやノミの市などに利用されているわけですが、市はどのようなポケットパークの活用方法を想定していたのかをお伺いいたします。
◎市長(清水敏男君) ポケットパークにつきましては、小名浜まちづくり市民会議や地元商店会等の皆様と意見交換を行いながら、汐風竹町通りの一角に整備したものであり、電気設備、散水栓、ベンチ及びステージ等を備えた広場であります。 その活用につきましては、屋台、朝市、フリーマーケット、ミニコンサート、ダンスパフォーマンス及びアート展示など、地域が主体となったさまざまなイベント等を想定しており、アクアマリンパークと都市センターゾーンのにぎわいを既成市街地に波及させるとともに、港と既成市街地との一体的なにぎわいの創出を図ることとしたものであります。
◆19番(馬上卓也君) 次に、ポケットパークの活用に関しては、昨年10月11日に株式会社まちもりシオカゼが設立され、汐風竹町通りを中心とした徒歩圏エリアの価値を向上させ回遊人口をふやすというミッションを掲げ、小名浜地区の課題解決とともに、にぎわい創出を行うという試みをしているところであります。特筆すべきは、株式会社まちもりシオカゼは100%民間による出資であるということです。既に遊休不動産のリノベーションを開始し、イオン開業に向けた準備も着々と進んでいるところであります。株式会社まちもりシオカゼでは、ポケットパークを利用した、年間の特徴を生かした月別のイベント案も持ち合わせ、その準備が進んでいるわけですが、そのまちもりシオカゼを中心としたさまざまなイベントに対する支援策についての当局の所見をお伺いいたします。
◎市長(清水敏男君) 株式会社まちもりシオカゼによりますと、(仮称)イオンモールいわき小名浜の開業により訪れる多くの方を既成市街地に誘導する仕掛けとして、汐風竹町通りを中心としたさまざまなイベント等が検討されております。 港とまちの回遊性向上は、小名浜港背後地エリアの開発に当たっての大きなテーマであり、市といたしましては、今後、イベントの開催を通じて汐風竹町通りの魅力を来街者に認知してもらうなど、にぎわい創出に向けた具体の事業計画を確認・共有しながら、新たな地域主体の取り組みを積極的に支援してまいりたいと考えております。
◆19番(馬上卓也君) 以上お伺いしましたとおり、イオンモールは、小名浜のまちを大きく変え、にぎわい創出のチャンスになると考えられます。先ほどのまちもりシオカゼでは、道路空間を活用したにぎわいあるまちづくりを目指し活動を活発化させ、小名浜のみならず、いわきの活性化を図りたいと考え、将来的には、都市再生整備推進法人を目指しながら、地域貢献を図りたいと考えているようであります。このように、民間活力を引き出すと同時に、地域の力を結集することは、当市の目指す共創のまちづくりの典型であると思います。 一方で、急速に進む地域開発でさまざまな課題が出てくることも同時に予想されるところであります。チャンスは大きく利用することはもちろんのことでありますが、課題に関しても、地域住民の声に耳を傾け、行政サイドと民間との連携のもと、スピード感を持って解決に向け努力していただくことを要望して、次の質問に移ります。 大きな質問の3番目は、第三者認証GAP取得の取り組みについてであります。 第三者認証GAPにつきましては、ちょうど1年前の3月3日、平成29年2月定例会において、青森県の五所川原農林高校のグローバルGAP取得の取り組みを例に挙げて、人材育成の面からその取り組みについての質問をさせていただいたところであります。その後、GAPについては、ますます新聞・テレビ等マスコミで取り上げられることも多くなってまいりました。その一因と考えられるのが、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会選手村の食材の調達ではないかと認識いたしております。 しかしながら、GAPの取り組みはそればかりではないと思います。特に当市、福島県においては、薄れてきたとはいえ、いまだに根強く残る福島第一原発事故による風評被害の払拭に寄与するなど、GAP取得の推進には多くのメリットがあると認識いたしております。そこで、以下、前回の質問内容を踏まえながら質問したいと思います。 初めに、昨年5月15日、内堀福島県知事が、ふくしま。GAPチャレンジ宣言を行いましたが、その背景についてお伺いいたします。
◎農林水産部長(村上央君) ふくしま。GAPチャレンジ宣言の背景といたしましては、県は震災による原発事故以降、福島県産農産物に対する放射性物質対策や、きめ細かい検査及び情報提供に努めてきましたが、いまだ県産農産物の風評の払拭には至っていない状況にあることから、県がよりよい農業の証であるGAP取得日本一を目指すこととしたものでございます。
◆19番(馬上卓也君) 次に、第三者認証GAPについてでありますが、GAPは環境保全や人権の視点、また、国際取引に関する視点等によってさまざまな種類が存在すると認識いたしておりますが、まずは、改めまして、第三者認証GAPの主な種類についてお伺いいたします。
◎農林水産部長(村上央君) GAPの取り組みを認証機関が審査し、信頼性の高い生産管理体制のある農場として認証するいわゆる第三者認証GAPの主な種類につきましては、日本の標準GAPとして既に国内で多くの農業者等で取得が進んでいるJGAPや、欧州へ農産物等を輸出する際に取得が必要となるグローバルGAPに加え、一般財団法人日本GAP協会がアジア共通の第三者認証GAPとしての位置づけを目指しているアジアGAP、福島県が県産農林産物の安全を確保し、消費者の信頼性の向上を図る目的で新設したふくしま県GAPなどがあります。
◆19番(馬上卓也君) 次に、GAPの必要性を当市としてはどのように考えていらっしゃるのか、その所見をお伺いいたします。
◎農林水産部長(村上央君) GAPとは、農産物等の安全性を確保するため、多岐にわたる基準に基づいて生産工程を管理するものであり、農作業事故の回避や肥料・農薬による環境負荷の低減に加え、異物混入や農産物由来の食中毒の低減など、農産物の安全性が大幅に高まることが期待できます。 さらに、消費者や流通業者からの安全・安心な農産物を求める声に対応していくためにも、第三者認証GAPの取得が必要となっております。
◆19番(馬上卓也君) では、我が県独自の第三者認証GAPであるふくしま県GAP、いわゆるFGAPの特徴についてお伺いいたします。
◎農林水産部長(村上央君) ふくしま県GAPの主な特徴につきましては、審査手数料が無料であることや、認証取得までの期間が3カ月程度と短期間で取得できることに加え、他の第三者認証GAPでは明確でない放射性物質対策を詳細に規定していることが最大の特徴となっております。
◆19番(馬上卓也君) GAPに関しては冒頭にも述べましたとおり、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会選手村の食材に関連しても注目されているところであります。 そこで、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会選手村で使用される食材について、以下、幾つか質問をいたします。 まず、食材調達の基準についてお伺いいたします。
◎農林水産部長(村上央君) 公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会が示している農産物の調達基準につきましては、食材の安全性の確保、環境や生態系の調和、作業者の安全性の確保の3点が必須の要件となっており、この3つの要件を満たすグローバルGAPやアジアGAP、もしくは、これと同等の水準の第三者認証GAPを取得した生産者が生産した農産物が、食材として採用されることとなっております。
◆19番(馬上卓也君) 次に、福島県産食材の採用について、県としての取り組みをお伺いいたします。
◎農林水産部長(村上央君) 東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の福島県産食材採用について、県の取り組みといたしましては、食材供給に必須の要件でありますJGAPやグローバルGAPなどの第三者認証GAPの取得に対する支援をしているところであります。 また、県の環境にやさしい農業拡大推進事業により、有機農産物等の生産体制の整備を行い、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催に伴い、需要が拡大する有機農産物等の供給強化等の取り組みをしているところでございます。
◆19番(馬上卓也君) 東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会選手村の食材の採用をきっかけとして、また、先ほどお話ししました、ふくしま。GAPチャレンジ宣言もきっかけとなり、今後、ますますGAPの取得が進んでいくものと認識いたしております。 そこで、いわき市の取り組みにつきまして、以下、お伺いいたします。 初めに、現在のいわき市での第三者認証GAPの取得状況についてお伺いいたします。
◎農林水産部長(村上央君) 市内農業者の第三者認証GAPの取得状況につきましては、平成30年2月1日現在、5事業所がJGAPを取得しており、その内訳といたしましては、トマトなどを生産するあかい菜園株式会社、株式会社JRとまとランドいわきファーム、有限会社とまとランドいわき、農事組合法人大野水耕生産組合の4事業者に加え、フリルレタスを生産する磐栄アグリカルチャー株式会社がJGAPを取得しております。
◆19番(馬上卓也君) 次に、当市としてのGAP取得支援体制についてであります。 昨年2月にGAP推進あいづ会という民間団体が発足し、GAPの取得に向けた学習会や取得申請事務サポートを始めているという記事が地元紙に掲載されました。 県内初となる第三者認証取得サポートの民間団体であるそうですが、当市におかれましては、GAP取得支援体制についてはどのようにお考えなのか、所見をお伺いいたします。
◎農林水産部長(村上央君) 第三者認証GAPの取得を希望する農業者に対しましては、指導員の養成費用や認証取得費用等について、県の補助事業である第三者認証GAP取得等推進事業の活用を推進してまいりたいと考えております。 また、県の助成対象とならないGAP取得に必要な生産設備や農業資材の導入につきましては、市独自の農業生産振興策であります第四期新農業生産振興プラン推進事業により費用の一部を助成するなど、関係機関・団体と連携を密にしてGAP取得について支援してまいりたいと考えております。
◆19番(馬上卓也君) 先ほどの御答弁の中に、いわき市内でGAP取得した中に、フリルレタスを生産している磐栄アグリカルチャー株式会社がありました。この磐栄アグリカルチャー株式会社の親会社である磐栄ホールディングスは、先ごろ第3回ふくしま経済・産業・ものづくり賞特別賞を受賞した企業でもあります。受賞自体がもちろん大変すばらしい、誇らしいことであります。 ここで注目すべき点は、この磐栄アグリカルチャー株式会社がGAP取得のフリルレタスの生産・出荷に障がい者及び地元県立高校である磐城農業高校の生徒を採用していることであります。昨年、私が質問したところの人材育成につながる施策ではないかと感じているところであります。1つの施策の実現によって、幾つもの効果を上げるため、それが直接的でなくとも間接的に影響が出てくる、出すというところが民間企業のすばらしい取り組みではないかと感じるわけであります。 いわき市の目指す共創のまちづくり、さらには今回の質問のテーマでもある地域が人を育み、人が地域を育てるという基本的な考え方を力強く推し進めるためにも、市長が先頭に立って第三者認証GAP取得の取り組みに御尽力いただきたいと思います。 大きな質問の4番目は、災害公営住宅入居者の自立再建とコミュニティーの維持についてであります。 初めに、災害公営住宅入居者に対する自立再建の支援についてであります。 災害公営住宅の家賃については、本市は他市に先駆けて独自減免制度を立ち上げ、早期生活再建に取り組んできたところであるのは御承知のとおりであります。しかしながら、昨今、新聞・テレビで家賃の値上がりについての報道が取り上げられております。 本市においても、入居者から要望が上がり、さきの議会においても充実を求める請願が採択され、先日、制度充実に関する報道発表があったところであります。 そこで、以下、何点かお伺いいたします。 まず、これまでの市独自の災害公営住宅家賃減免制度についてお伺いいたします。
◎土木部長(上遠野裕之君) これまでの市独自の災害公営住宅家賃減免制度につきましては、災害公営住宅に入居された皆様に対し、早期の生活再建に向けた支援や、低額所得者の負担軽減等を図ることを目的といたしまして、災害公営住宅の管理開始から、最初の3年間は50%の減免を行い、4年目、5年目は、段階的に通常家賃へ引き上げる経過期間といたしまして、引き続き25%の減免を行うこととしております。 しかし、災害公営住宅に3年以上入居し、一定の基準を超える収入がある方、いわゆる収入超過者につきましては、市独自の家賃減免の対象外としております。
◆19番(馬上卓也君) 次に、今回の制度の拡充の内容についてお伺いいたします。
◎土木部長(上遠野裕之君) 今回の制度の拡充の内容につきましては、本市において、本年4月から、収入超過者と認定される方がおりますが、市独自の家賃減免制度の対象外となることに加えまして、収入に応じた割り増し家賃をお支払いいただくこととなり、家賃が大幅に上昇しますことから、復興創生期間である平成32年度までに収入超過者と認定される方に対しまして、民間賃貸住宅の家賃相当額である近傍同種家賃への引き上げ期間を、本制度拡充により階層ごとに1年から2年延長し、現行制度の各年における割り増し後の家賃を減額する激変緩和措置を講ずることとしたものでございます。
◆19番(馬上卓也君) 3点目に、制度の拡充を検討するに当たり、考慮した点についてお伺いいたします。
◎土木部長(上遠野裕之君) 今回の制度の拡充は収入超過者を対象とするものであり、検討に当たりましては、公営住宅法では入居者は収入に応じた家賃を負担することが基本とされていること、また、減免を受けていない民間賃貸住宅や一般の市営住宅に入居している方との公平性を確保する必要があること、一方、収入超過者も被災者であり、家賃の大幅な上昇による自立再建に与える影響が懸念されること、さらに、本市は、早期再建に向けまして独自減免制度をいち早く立ち上げていることや、他の津波被災自治体と比べて、震災復興土地区画整理事業の宅地引き渡しがほぼ完了し、復興が進んでいる状況であることなどを考慮し、検討を行ったところでございます。
◆19番(馬上卓也君) 今後、自立再建に伴う退去により入居者が減少し、団地内のコミュニティーの維持が困難になることが危惧されます。 そこで、団地内のコミュニティー維持に向けた取り組みについてお伺いいたします。
◎市長(清水敏男君) 団地内のコミュニティーの維持につきましては、自立再建に伴う退去によりまして入居者が減少し、空き室が発生することが懸念されますことから、団地内のコミュニティーの維持や、入居者が負担する共用部分の電気料などの共益費の増大を防ぐ観点などから、退去が進んでいる一部の団地の空き室を対象といたしまして、平成30年秋ごろの一般市営住宅化を検討しているところであります。 一般市営住宅化によりまして、空き室の発生が抑制され、団地内のコミュニティーの維持などにつながるものと考えております。
◆19番(馬上卓也君) 今後も、被災者に寄り添いながらの自立再建の支援をすることは非常に重要なことであります。加えて、団地内のコミュニティー維持に向け、1日も早く一般市民の方を災害公営住宅に入居させるなどの施策に取り組んでいただきたいと同時に、低額所得者への減免につきましては、一般の市民の方との公平性も考慮しながら検討していただくことを、是非ともよろしくお願いしたいと思います。 さて、私は、1人の若者に出会いました。彼は、自分の夢をひたすらに追い続け、一歩ずつ実現している生まれも育ちもいわきの青年です。現在の彼の夢は、いわきの魅力に気づかずに、ふるさとを離れていく若者にいわきの魅力を伝え、自分の夢を追い求めるには最高の場所であることを気づかせ、いわきからの若者離れを阻止することだそうです。彼は言います、僕はふるさと・いわきが好きなんです。いわきには海・山などの自然も、そして歴史もあります。そして何よりいわきの人が大好きです。大好きないわきで自分の夢を育て、実現していきたい。そして私が夢を現実に変えているところを同世代の若者たちに見てほしい。そして、こんなにすばらしいふるさと・いわきで頑張れることに誇りを持って欲しい。だから、同世代の者たちに大きな声で呼びかけたい。一緒にふるさとで頑張ろうよ、僕たちのふるさとはこんなにすばらしい場所なんだからと。 今、いわき市は共創のまちづくり、すなわち行政と民間・市民が力を合わせ、ふるさと・いわきを明るく元気なまちとして、次世代につなげていくことに邁進しているところであります。この若者のようにふるさと・いわきのために頑張っている市民は、実はたくさんおります。清水市長を初め、執行部の皆様におかれましては、これらの市民をしっかりと側面からサポート、そして後押しし、さらには、時に前に立ち力強く先導していっていただくことを切にお願いし、私の一般質問を終わりたいと思います。御清聴ありがとうございました。(拍手)
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△散会
○副議長(蛭田源治君) 以上で、本日の日程は全部終了いたしました。 明日の本会議は、午前10時より再開の上、市政一般に対する質問を続行いたします。 本日は、これにて散会いたします。 午後4時35分 散会
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