いわき市議会 > 2016-06-13 >
06月13日-02号

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  1. いわき市議会 2016-06-13
    06月13日-02号


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    平成28年  6月 定例会             平成28年6月13日(月曜日)議事日程 第2号 平成28年6月13日(月曜日)午前10時開議  日程第1 市政一般に対する質問---------------------------------------本日の会議に付した事件          〔議事日程第2号記載事件のとおり〕---------------------------------------出席議員(35名)     1番  木村謙一郎君     2番  山守章二君     3番  小野潤三君      4番  西山一美君     5番  塩沢昭広君      6番  柴野美佳君     7番  吉田実貴人君     8番  赤津一夫君     9番  渡辺博之君      10番  伊藤浩之君     11番  狩野光昭君      12番  福嶋あずさ君     13番  永山宏恵君      14番  大峯英之君     15番  蛭田源治君      16番  菅波 健君     17番  小野 茂君      18番  塩田美枝子君     19番  小野邦弘君      20番  大平洋夫君     21番  溝口民子君      22番  高橋明子君     23番  坂本 稔君      24番  上壁 充君     25番  佐藤和美君      26番  岩井孝治君     27番  遊佐勝美君      28番  安田成一君     29番  大友康夫君      30番  阿部秀文君     31番  蛭田 克君      32番  磯上佐太彦君     33番  石井敏郎君      36番  樫村 弘君     37番  根本 茂君欠席議員(なし)---------------------------------------説明のため出席した者 市長         清水敏男君   副市長        上遠野洋一君 副市長        鈴木典弘君   教育長        吉田 尚君 水道事業管理者    仲野治郎君   病院事業管理者    平 則夫君 代表監査委員     木村 清君   農業委員会会長    鈴木 理君 選挙管理委員会委員長 飯間香保子君  総合政策部長     新妻英正君 危機管理監      緑川伸幸君   総務部長       岡田正彦君 財政部長       伊藤章司君   特定政策推進監    大和田 洋君 市民協働部長     下山田松人君  生活環境部長     小野益生君 保健福祉部長     園部義博君   こどもみらい部長   本田和弘君 農林水産部長     村上 央君   産業振興部長     荒川 洋君 土木部長       松本守利君   都市建設部長     高木桂一君 会計管理者      大高雅之君   教育部長       増子裕昭君 消防長        草野正道君   水道局長       上遠野裕美君 総合磐城共立病院事務局長       秘書課長       赤津俊一君            渡部 登君 総務課長       久保木哲哉君---------------------------------------事務局職員出席者 事務局長       荒川信治君   次長         大槻雄二君 参事(兼)総務議事課長 山崎俊克君   総務議事課主幹(兼)課長補佐                               大須賀俊雄君 主任主査(兼)議事係長 金山慶司君---------------------------------------          午前10時00分 開議 ○議長(根本茂君) おはようございます。これより本日の会議を開きます。 本日の議事は、配付の議事日程第2号をもって進めます。--------------------------------------- △日程第1 市政一般に対する質問 △永山宏恵君質問 ○議長(根本茂君) 日程第1、市政一般に対する質問を行います。配付の質問通告表の順に発言を許します。13番永山宏恵君。          〔13番永山宏恵君第二演壇に登壇〕 ◆13番(永山宏恵君) (拍手)おはようございます。13番いわき市議会志帥会の永山宏恵でございます。 初めに、昨日、きょうと、また余震が続いておりますが、4月に発生しました熊本県及び九州地域を震源とする熊本地震により被災されました皆様に心よりお見舞い申し上げますとともに、犠牲になられた方々と御遺族の皆様に対し、心からお悔やみを申し上げさせていただきます。被災地の一日も早い復旧・復興、そして、被災された多くの方々が安心して暮らせる日々が一刻も早く取り戻せるよう衷心よりお祈り申し上げます。 さて、本定例会は、本年がいわき市市制施行並びにいわき市議会発足50周年という記念すべき年ということで、定例会期間中は、議員、そして執行部の皆さんもアロハを着用しての議会となりました。記念すべきアロハ議会の一般質問のトップバッターとして登壇させていただくことができ、大変光栄に思っているところでございます。 今や、いわき市といえばフラガールが生まれたまちと言われるようになりました。高校生によるフラガールズ甲子園も開催されるようになりました。いわきのフラダンスは、一企業が炭鉱から観光へと大転換する、会社再建のための発想の転換からスタートしたものでありますが、今ではいわきの文化となりました。何事もそうかもしれません。半世紀続けば文化となります。困難を克服し、日本の産業、いわきの産業を支え、いわきの文化とした先人たちのパイオニアスピリッツ、開拓者魂を私たちは忘れてならないと思っております。 また、昨日はいわき市消防幹部大会が行われ、民友旗受賞祝賀パレードも行われました。去る11日には、第69回県消防大会が開かれ、いわき市消防団は県内消防団最高の栄誉とされる民友旗受賞の栄に浴し、民友旗の贈呈を受け、昨日の大会でも報告がありました。民友旗の受賞は、1999年以来2度目の受賞ということのようですが、このたびの受賞は、東日本大震災とそれに伴う原発事故への対応において、みずからが被災者でありながら、救助活動、行方不明者の捜索、沿岸部火災の消火活動、地域住民への給水活動、食料配布など、崇高な消防精神のもとに市民の生命や財産を守るために多大な貢献をされたことを評価されての受賞とのことです。 災害対応の現場は、私たちには想像もできない修羅場とも言えるような状況に遭遇することも多々あったことでありましたでしょうし、それぞれがいろいろな思いと葛藤の中で苦労をされながら対応してこられたものと思います。改めて、団員の方々の御労苦に心から感謝を申し上げますとともに、敬意を表したいと存じます。これからも、常備消防を初め、地域、行政と連携し、市民の安全・安心のために御尽力いただけますようお願い申し上げます。このたびの受賞、まことにおめでとうございました。 過日、もう一つうれしいニュースがありました。平病院事業管理者の山上の光賞の受賞であります。山上の光賞は、日本の広範な健康・医療分野においてすばらしい活躍をし、よりよい社会を築くことに貢献している75歳以上の方々が対象で、高齢を迎えてなお、その豊富な経験、知性、そして知識を駆使しながら、後に続く世代の歩むべき道を照らす山の上の光、山上の光として活躍を続けておられる方々に顕彰されるとのことであります。 改めまして、管理者の経歴等拝見しますと、詳しいことはここでは申し上げませんが、世界で初めて、我が国初めてですとか、世界中に用いられている研究成果のおかげで多くの人命が救われたなどと紹介をされておりまして、世界の大学教育、研究、医学、薬学分野、医療福祉の発展に貢献をしてこられてきたとのことです。昨年より顕彰されている新しい賞でありまして、本当にすばらしい賞ができ、第2回の受賞7名のお一人に選ばれたことは、私たちも大変うれしく思っているところであります。これからも、持ち前の明るく元気な姿勢で、さらなる病院の発展のために尽力していただけますようお願いしたいと思います。本当におめでとうございました。 いわき市市制施行50周年を迎えるに当たり、大変喜ばしいニュースが続きました。今、いわき市市制半世紀の節目に立ち、この先、50年、100年先の未来に私たちが何を残していけるのか、何を残していかなければならないのか、大いに考えなければならないと思っております。偉大な先人たちが歩んできた道を歩くのではなく、先人たちが求めたものに向かって道を開いていかなければならないという思いを胸に抱きながら、以下、通告順に従い、一般質問をいたします。 大きな質問の1番目は、国民健康保険事業についてです。 国民健康保険は、国民皆保険制度の基盤となる医療保険として、地域住民の医療の確保と、健康の保持・増進に大きな役割を果たしておりますが、財政運営においては、加入者の高齢化や医療の高度化などにより医療費が増加する一方で、加入者の所得水準が低いため、保険税収入は減少傾向にあるといった財政上の構造的問題を抱えております。また、市町村によって医療費の水準や所得の水準、保険税に格差があることも問題となっております。 このような状況の中、国は昨年5月に、持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律を公布し、公費の拡充とあわせて、平成30年度から都道府県を財政運営の責任主体とすることで、制度の安定化を図ることとしたところであります。 本市の国民健康保険事業においては、平成26年度に資産割額を廃止し、平成27年度には所得割額の税率を引き下げることで被保険者の税負担の軽減がなされたところであります。こうした中、平成28年度の事業運営に当たり、いわき市国民健康保険運営協議会に対して、税率の据え置きと、地方税法施行令等の一部改正などによる所要の改正について諮問したところ、原案に同意されたことから、本定例会において条例改正の提案がなされております。 そこで、本年度の税率を据え置くことについて、また、将来にわたり安定した運営が図られるのかについて確認していきたいと思います。 1点目は、国民健康保険税引き下げ等による影響についてであります。 初めに、平成26年度に資産割額を廃止したことによる影響額について伺います。 ◎市民協働部長下山田松人君) 平成26年度に資産割額を廃止したことによる影響額は、廃止しなかった場合の試算額と比較いたしますと、単年度で約2億円の減収となっております。 ◆13番(永山宏恵君) では、平成27年度に所得割額の税率を引き下げたことによる影響額について伺います。 ◎市民協働部長下山田松人君) 平成27年度に所得割額の税率を1%引き下げたことによる影響額は、税率を引き下げなかった場合の試算額と比較いたしますと、単年度で約2億9,000万円の減収となっております。 ◆13番(永山宏恵君) そうしますと、資産割額の廃止と税率の引き下げにより、平成27年度以降は、毎年、課税額ベースで約4億9,000万円が減少したことになるわけですが、それでは、課税額のベースが減少したことを踏まえて、2点目は、平成27年度決算見込みについてであります。 国民健康保険事業の財政運営については、冒頭で申し上げましたとおり、年々医療費が増加する一方で、保険税収入は減少傾向となっているため、全国的に財政上の構造的問題を抱えております。 そこで、本市においても、この問題が当てはまるのかを確認していきたいと思います。 初めに、歳出である保険給付費の平成27年度決算見込みは、平成26年度決算と比較してどのような状況なのか伺います。 ◎市民協働部長下山田松人君) 保険給付費の平成27年度決算見込み額は、約249億円であり、平成26年度決算額と比較いたしますと、約1億円の増と見込んでおります。その主な要因といたしましては、被保険者数の年平均が、平成26年度と比較して、3,016人減の8万769人となった一方で、被保険者1人当たりの医療費が、平成26年度と比較して、1万4,911円増の36万8,989円となったことが挙げられます。 ◆13番(永山宏恵君) では、歳入である国民健康保険税の平成27年度決算見込みは、平成26年度決算と比較してどのような状況か伺います。 ◎市民協働部長下山田松人君) 平成27年度の国民健康保険税収入は約73億円と見込まれ、平成26年度決算額と比較いたしますと、約5億円の減と見込んでおります。その主な要因といたしましては、平成27年度の加入世帯数が、平成26年度と比較して、817世帯減の5万197世帯となったこと、また、平成27年度に所得割額の税率を1%引き下げたことが挙げられます。 ◆13番(永山宏恵君) ただいまの答弁によりますと、本市においても財政上の構造的問題があるのではないかと思われますが、そこで、平成27年度決算見込みにおける収支の状況について伺います。 ◎市民協働部長下山田松人君) 平成27年度決算見込みにおける収支状況につきましては、歳入決算見込み額約439億9,200万円に対し、歳出決算見込み額は約415億5,900万円であり、歳入から歳出を差し引いた収支差約24億3,300万円を平成28年度に繰り越すものでありますが、前年度からの繰越金を除いた単年度収支につきましては、約6億3,800万円の赤字になるものと見込んでおります。 ◆13番(永山宏恵君) そうしますと、平成27年度の単年度収支については、約6億円の赤字が見込まれる中で、平成28年度に繰り越される額が約24億円になるということであります。平成27年度に繰り越された額は約30億円だったということですが、やはり繰越金を一定程度確保しないと財政運営は厳しいものと思われます。 では、単年度収支が赤字となる要因について伺います。 ◎市民協働部長下山田松人君) 単年度収支が赤字となる主な要因といたしましては、歳入である国民健康保険税収入が減少した一方で、歳出である保険給付費が、ほぼ横ばいで推移するなど、歳出に見合った歳入を確保できなかったことが挙げられます。 ◆13番(永山宏恵君) これまでの答弁から、本市においても国民健康保険特有の財政上の構造的問題は存在していることとなり、今後は、単年度における歳入・歳出の収支均衡を図ることがなかなか難しくなるものと推察されます。そうしますと、現段階で24億円の繰越金が見込まれておりますが、この繰越金の額だけを見て、税率の上げ下げを論じることはできないのではないかと思われます。 そこで3点目は、今後の財政運営の見通しについて伺います。 国民健康保険事業の予算編成に当たっては、少なくとも今後何年かの収支を見通した上で、現行税率で安定的な運営が可能か否かを判断する必要があると考えます。一方、平成30年度からは、都道府県が財政運営の責任主体となって制度を安定化させるとされております。 そこで、伺います。 初めに、現行税率を据え置くとした上で、平成30年度の都道府県化に移行するまでの今後2年間の収支見通しについて伺います。 ◎市民協働部長下山田松人君) 平成30年度から国民健康保険事業の財政運営の責任主体が都道府県に移行するまでの今後2年間の収支見通しにつきましては、大きな制度改正はないものとした上で、現時点で判断されます被保険者数の推移、景気動向による被保険者の所得の状況及び医療費の動向などを踏まえ、現行の国民健康保険税率で見通した場合、平成28年度の単年度収支は約6億円の赤字、平成29年度への繰越金については約18億円、また、平成29年度の単年度収支は約6億円の赤字、平成30年度への繰越金については約12億円と見込んでおるところであります。 ◆13番(永山宏恵君) ただいまの答弁によりますと、都道府県化に移行するまでの今後2年間で約12億円の赤字が見込まれ、その結果、平成30年度までに繰り越せる額は約12億円とのことでありますが、では、そのような見通しの中で、現行税率を据え置くとしたことで、今後安定的な財政運営が図られるのか伺います。
    市民協働部長下山田松人君) 平成27年度の決算見込みを踏まえ、今後2年間の収支状況を見通した場合、現時点では、単年度収支が毎年約6億円の赤字と見込まれるところでありますが、被保険者の皆様の税負担を最優先に考慮し、現行税率を据え置くとした場合でも、繰越金により事業運営は可能であると判断したところであります。 今後は、国民健康保険税口座振替推進などによる収納対策を強化するとともに、ジェネリック医薬品の利用促進など、医療費適正化の推進を図り、また、特定健診の受診率向上による疾病の重症化予防などの保健事業を強化することにより、医療費の抑制に努めるなど、安定的な財政運営を図ってまいりたいと考えております。 ◆13番(永山宏恵君) 医療費の適正化や保健事業の推進により、健全な財政運営に努めることは、とても大事なことであると思います。 では、次に、平成30年度の都道府県化への移行に伴い、国民健康保険事業の財政運営の仕組みはどのようになるのか伺います。 ◎市長(清水敏男君) 平成30年度の都道府県化に伴う国民健康保険事業の財政運営の仕組みについては、現時点において、その詳細は示されておりませんが、県は、現在、福島県市町村国保広域化等連携会議を設置し、本県の財政運営のあり方について検討しているところであります。その内容につきましては、1つとして、県が県内市町村全ての医療給付費などを支払うこと、2つとして、財源については、国からの交付金、市町村からの納付金及び県の一般財源で賄うこと、3つとして、市町村からの納付金の額については、県が決定するということが示されております。 なお、県は、この納付金を市町村から十分に確保できるよう、各市町村における医療費水準や所得水準、保険税の収納率などを勘案し、市町村ごとの標準保険料率を別途示すこととしております。これらにより、市町村は、この標準保険料率を参考に、各市町村の財政状況等に応じて独自に税率を決定し、保険税の賦課・徴収を行うことで、県が決定した納付金を納付することとなる見込みであります。 ◆13番(永山宏恵君) ただいまの答弁からは、私がイメージしたものとは違うものとなっているようです。私は、後期高齢者医療制度のように、県が県全体の医療給付費を支払うこととなり、これを賄うための保険税については、県が県全体の収納率などを勘案しながら県内統一の税率を決定し、市町村は、この税率に基づいて保険税を賦課・徴収し、これを県に納付するものと思っておりました。また、県全体の収納率が見込みを下回ったことなどにより、医療給付費に見合う保険税が確保できなかった場合は、県が積み立てる基金などから補填されるものと思っておりました。 しかし、ただいまの答弁によりますと、今と何ら変わらないように思われますし、都道府県化による財政運営のメリットが十分得られないように思われます。皆さんもそのように感じるのではないでしょうか。国民健康保険制度は、国民皆保険を支える最後のとりでであります。市当局におかれましては、加入者が将来にわたって安心して医療が受けられるよう、都道府県化に向けた国・県の動向を注視しながら安定的な財政運営に努めるとともに、健康の保持・増進を図るための環境整備をすることが大切であると考えます。 今後も、医療費の適正化や保健事業の推進と健全な財政運営に、なお一層努めていただくよう強く要望いたしまして、次の質問に移ります。 大きな質問の2番目は、本市の債権管理についてです。 平成27年度の決算が間もなく取りまとめられる時期になっておりますが、平成26年度決算を見ますと、収入未済額は市税の約28億円、国民健康保険税の約34億円を初め、いろいろな会計で計上されており、多額の収入未済額の削減がまさに重要な課題となっております。 しかし、近年における個人情報の保護意識の高まりによって、債務者の資力情報の把握がこれまで以上に難しくなり、本市の債権管理等をめぐる環境が一段と厳しくなっているに加え、歳入の自然増は期待しにくい時代であり、社会保障関係費用等義務的支出が増大する時代になっており、財源確保という点からも、より適切で効果的な債権管理の実施が求められると思います。 そこで1点目は、収入未済額等の推移についてです。 決算の収入未済額や未収金には、国・県支出金などの実質的に徴収手続の不要な債権も含まれております。 そこで、本市の全会計における収入未済額等のうち、実際に徴収手続が必要となる金額の過去5年間の推移については、どのようになっているのか伺います。 ◎財政部長(伊藤章司君) 徴収手続が必要となる収入未済金等の推移につきまして、会計ごとに決算ベースで申し上げますと、一般会計及び特別会計につきましては、国や県からの補助金、負担金等を除いた収入未済金であります。一般会計におけるこの金額は、平成22年度が約77億円、平成23年度が約67億円、平成24年度が約62億円、平成25年度が約55億円、平成26年度が約50億円であり、特別会計では、平成22年度が約60億円、平成23年度が約48億円、平成24年度が約42億円、平成25年度が約41億円、平成26年度が約38億円となっておるところでございます。 また、企業会計につきましては、出納整理期間がないことから国・県補助金等に加えまして、一般会計からの繰入金、病院事業会計における保険機関から2カ月程度後に支払われる社会保険診療報酬等を除く履行期限の到来している未収金であります。その金額は、平成22年度及び平成23年度が約5億円、平成24年度から平成26年度までが約4億円となっておるところでございます。 ◆13番(永山宏恵君) 収入未済額は減少傾向にあるものの、まだまだ多い状況と思います。市税を初め、自主財源の確保は重要な課題であり、将来にわたって財政健全化を図っていくためには、安定した財源確保に努めていかなければなりません。そのためにも、市税等の徴収やその他の未収債権の回収は、貴重な財源を確保すると同時に、きちんと納付している市民との公平・公正な観点からも重要であると思います。このような中、今般の組織改正により、財政部内に債権管理室が新設されたところです。 そこで2点目は、債権管理室の取り組みについてです。 債権管理室を新設した目的について伺います。 ◎財政部長(伊藤章司君) 市には、市税のほか、使用料や手数料、負担金や貸付金など、種類や法律上の取り扱いの異なる債権が数多くあり、その一部で生じている収入未済金への対応については、債権を所管する部署が個別に行っている状況にあります。これらの債権を適切に管理することは、自主財源の確保や市民負担の公平性を図る観点から重要であり、他の中核市等の取り組み状況や関係部署との協議等を踏まえ、効率的・効果的な徴収体制の整備を図るため、平成28年度の組織改正において債権管理室を新設したものであります。 ◆13番(永山宏恵君) 2つ目は、本市では、本年度から新たな組織が設置されましたが、ほかの中核市では、どのような状況にあるのか伺います。 ◎財政部長(伊藤章司君) 本市が本年5月に電話照会により調査したところでは、課や係などの専任組織を設置している中核市は、本市を除く46市中、26市となっており、そのうち、高額などの理由により債権所管課からの移管を受け、滞納整理等の業務を行っている市は19市、市が有する債権の徴収手続等に関する指導・助言のみを行っている市は7市となっており、各自治体によってその対応は分かれているところでございます。 ◆13番(永山宏恵君) 3つ目としまして、他市でも一定程度、組織を設置し取り組んでいるようですが、本市の債権管理室では、具体的にどのような業務を行うのか伺います。 ◎財政部長(伊藤章司君) 市が有する債権の効率的・効果的な徴収体制の整備を図るためには、各債権所管課の管理の現状や課題を把握した上で、種類に応じて、その発生から消滅までの各段階に応じた統一的な事務処理手順等の明確化を図ることが必要であると考えておるところでございます。また、債権徴収に関する専門知識やノウハウの習得と共有化を図るほか、徴収機能の強化に向けた全庁一体的に取り組む体制づくりなどが重要であると考えておるところでございます。 債権管理室におきましては、これらの取り組みを通じて、債権所管課との連携を強化し、市が有する債権の管理及び徴収に関する指導・助言を行うなど、各債権の適正管理と収入未済額等の縮減を目指して、全庁的な徴収体制の整備に取り組んでまいりたいと考えておるところでございます。 ◆13番(永山宏恵君) 4つ目として、そのような業務について、組織設置の初年度となる今年度は、どのようなスケジュールで進めていくのか伺います。 ◎財政部長(伊藤章司君) 今年度の取り組みといたしましては、全庁一体的な取り組みを進めるために、収入未済金を有する22の関係課等で組織するいわき市債権管理庁内連絡会議を設置し、去る5月31日に、第1回会議を開催したところであります。この会議の中では、債権管理の手続やこれまでの経過を説明の上、収入未済金の管理状況について調査を行うこととしたところであります。 今後は、この調査に基づく関係課等へのヒアリングや先進事例の調査を行いながら、各課等が所管する債権の種類や法律上の取り扱いを明確にし、その管理の状況や課題等について整理してまいりたいと考えております。その上で、庁内連絡会議において、債権の種類や徴収の各段階に応じて取り組むべき対策等について取りまとめた基本方針を、年度内をめどに策定し、これに基づき、効率的・効果的な徴収体制の整備を図ってまいりたいと考えております。 ◆13番(永山宏恵君) 収入未済額の削減は、今後の復興財源を確保する観点や市民負担の公平性の観点からも重要でありますので、庁内が一体となって債権の管理と収入未済の縮減に取り組まれるよう要望いたしまして、次の質問に移ります。 大きな質問の3番目は、情報通信格差の解消についてです。 現在、インターネットは、情報収集のほか、映像・音声コンテンツの利用やソーシャルメディアの利用、商品の購入など、さまざまな場面で利用されており、インターネット関連サービスも多種多様となってきております。総務省が実施した通信利用動向調査によりますと、平成26年末時点で全国の82.8%の方がインターネットを利用しており、さらには、企業においてもインターネットを利用する場面がふえてきていることから、その重要性は増してきていると考えられます。このようなインターネットサービスを利用するためには、より高速な通信環境が必要になると考えられます。 現在、市内においてはADSL等のブロードバンドは利用可能となっておりますが、一部地域においては、通信状態によりブロードバンドの利用ができない世帯も点在しており、さらに、光ファイバー回線等による超高速ブロードバンドサービスも利用できない地域が存在していることから、これら地域の情報通信格差の解消が、住民の利便性の向上や社会経済活動の活性化につながるものと考えております。 そこで1点目は、ブロードバンドの整備状況についてです。 全国においては、多くの方がインターネットを利用しているとの調査結果が出ておりますが、本市におけるインターネットの利用割合はどのぐらいなのか伺います。 ◎総務部長(岡田正彦君) 本市のインターネット利用状況につきましては、いわき市地域情報化推進計画の策定に当たりまして、市内に居住する16歳以上の市民3,000人を対象に、平成26年8月に実施いたしました市民アンケート調査結果によりますと、その利用率は74.7%となっております。 ◆13番(永山宏恵君) 次に、市においては、平成21年度に国の補助事業を活用し、ブロードバンド環境が整備されていない地域にADSLなどのブロードバンド環境の整備を行っておりますが、現在の普及率はどのくらいなのか伺います。 ◎総務部長(岡田正彦君) 市が整備をいたしました三和、田人、川前などの地域におけるADSL等のブロードバンドの普及率は、平成28年3月末時点で10.2%となっております。 ◆13番(永山宏恵君) せっかく整備されたADSL等のブロードバンドの普及率が低いわけですが、これらのブロードバンドを利用するに当たり、課題となっている点について伺います。 ◎総務部長(岡田正彦君) ADSL等のブロードバンドの課題につきましては、多様化するインターネットサービスにより、通信の高速化や大容量化が求められている中で、ADSLや広域無線LANは、電話収容局からの距離や無線を利用する際の障害物の状況等により、通信速度が低下してしまうことが課題として挙げられます。 ◆13番(永山宏恵君) 整備されたので、いざ利用したいと思っていても障害物により無線が飛ばない、会社で利用されている方は、肝心なときに画面がフリーズしてしまうなど問題も多いようです。ADSL等のブロードバンドでは、現在のインターネットの多様化には対応し切れなくなってきているのではないかと思われます。 そこで2点目は、今後の超高速ブロードバンドの整備についてです。 光ファイバー回線を利用した超高速ブロードバンドの整備に向けた今後の取り組みについてですが、現在、市内においては、どのくらいの割合の世帯が超高速ブロードバンドを利用することができる環境にあるのか伺います。 ◎総務部長(岡田正彦君) 市内全世帯のうち、光ファイバー回線による超高速ブロードバンドを利用できる状況にある世帯の割合につきましては、平成28年5月時点で98.5%となっております。 ◆13番(永山宏恵君) では、市内において、超高速ブロードバンドが利用できない地域はどこなのか伺います。 ◎総務部長(岡田正彦君) 市内において、光ファイバー回線による超高速ブロードバンドを利用することができない地域につきましては、三和、田人、川前などとなっております。 ◆13番(永山宏恵君) 次に、以前に超高速ブロードバンドサービスに加入する意思などについて意向調査を実施したと聞いておりますが、その調査結果について伺います。 ◎総務部長(岡田正彦君) 本市におきまして、平成25年6月に、光ファイバー回線による超高速ブロードバンドの未整備地域であります三和、田人、川前、小川の一部地域の2,505世帯を対象に、接続サービスの利用意向等についてアンケート調査を実施しましたところ、未整備地域全世帯に占める利用希望世帯の割合は、23.4%となっております。 ◆13番(永山宏恵君) 市が超高速ブロードバンドの利用環境を整備する場合、国からはどのような財政支援があるのか伺います。 ◎総務部長(岡田正彦君) 光ファイバー整備のための地方公共団体を対象とした国の補助といたしましては、情報通信利用環境整備推進事業があり、設備投資や光ファイバーの敷設費用など、超高速ブロードバンドを提供するために必要となる施設及び設備に係る事業費の3分の1が補助の対象となっております。 ◆13番(永山宏恵君) 国の補助があるということですけれども、中山間地域等における超高速ブロードバンドの整備が進まない状況であります。整備を行う上で、どのようなことが課題となっているのか伺います。 ◎総務部長(岡田正彦君) 超高速ブロードバンドの整備につきましては、設備投資や光ファイバーの敷設費用、また、それらの維持管理に多額の事業費が必要となること、さらには、電気通信事業者がサービスを提供するに当たっては、採算に見合った利用契約者を確保することなどが課題となっております。 ◆13番(永山宏恵君) いろいろな課題はあると思いますが、高校生の中にはインターネットを利用しての宿題もあるようで、環境の整っていない地域では、帰りに親戚の家や図書館などで宿題を済ませて帰ってきている。そうするとバスにも間に合わず、迎えに行っているなど親御さんからの相談もありました。また、実家で仕事をしながら親を見るとUターンして帰ってきた息子さんがいたんですけれども、インターネット環境が整備されていないため仕事にならず、環境の整った市街地に出て行ってしまったという事例もあります。 ことしの総務大臣の年頭所感では、世界最先端のICT大国へを目指し、ICTは国民生活に不可欠な基盤でありますとともに、未来への投資を加速させ、成長と雇用を生み出す鍵となる重要な分野と話をしております。高速モバイル、ブロードバンドなど、地域の通信・放送環境の整備を推進との方針も出しております。 それら国の動向も踏まえ、本市は、今後の超高速ブロードバンドの整備についてどのように考えているのか伺います。 ◎総務部長(岡田正彦君) 光ファイバー回線による超高速ブロードバンドは、市内全世帯のうち、98.5%の世帯で利用可能となっておりますが、未整備地域につきましては、国・県の施策の動向や、技術革新が目覚ましい無線技術の開発状況なども踏まえながら、電気通信事業者による整備やサービス提供の可能性について協議を行うなど、引き続き調査・研究を行ってまいりたいと考えております。 ◆13番(永山宏恵君) 自治体が超高速ブロードバンドの整備をしているところもあるようですが、本市においては広域のため環境整備をするとなると大変な予算がかかることと思っております。しかしながら、これだけの情報化社会になり、誰もが平等に情報の共有ができないという状況を見過ごすことはできないと思います。さらには、地方創生というならば、中山間地域のブロードバンドの環境整備は必要不可欠ですし、産業振興や生活基盤として活用、浸透する社会インフラとしての観点からも重要な施策、整備と考えます。 先ほどもお話をいたしましたが、予算的なことを考えると大変なことはわかります。難しいのであれば国に強く働きかけ、補助金ということではなく、国策で整備をしてもらうぐらいの要望をしていくべきと考えます。でなければ、いつまでも格差の解消などできないと私は思っております。 この件に関して、市長の意見を伺えればと思います。 ◎市長(清水敏男君) 先ほども総務部長から答弁ありましたが、超高速ブロードバンドの整備につきましては、多額の費用、そして維持管理にも大きな金額が必要となります。そういう意味でも、今後とも電気通信事業者と採算に見合った利用契約者を確保することなど、そういったことについて協議を重ねていきたいと思っております。 ◆13番(永山宏恵君) 市長として、国にぜひ要望もしていっていただきたいと思います。なかなか市のほうで整備となりますと、そういった予算等の関係もありますし、なかなか見通しが見えません。どうか執行部、皆さんにおかれましては、要望活動もぜひお願いをしたいところです。よろしくお願いいたします。中山間地域では深刻な問題であり、死活問題であります。状況を踏まえ、行政としてもできる限りの情報収集をし、早急な対応のできる技術も調査していただきたいと思っております。 現在、インターネットは生活の基盤となりつつあり、欠かすことができないものとなっております。今後もさまざまなサービスで利用が拡大されていくことが考えられ、インターネットの重要性はますます高まってくると思われます。今後、市民の皆様が、住んでいる地域にかかわらず平等にサービスを受けることができるよう、超高速ブロードバンドの整備に向け、検討を進めていっていただけるよう要望いたしまして、次の質問に移ります。 大きな質問の4番目は、本市の公共交通についてです。 広大な面積を持ち、広域多核型の都市構造である本市においては、モータリゼーションの進展や道路網の整備などにより、自家用自動車が利便性の高い移動手段として定着する一方で、本市の公共交通の根幹をなす路線バスにおいては、人口減少や少子・高齢化などに伴って、利用者減少による採算性の悪化に伴い、これまでに便数の減少や路線の統廃合が行われ、公共交通空白地域が生じている状況にあります。 本市は、現在、久之浜・大久地区において公共交通実証運行を実施しております。当地区においては、震災により甚大な被害を受け、新たなまちづくりに地域を挙げて取り組んでおり、公共交通においては地区住民によるワークショップ、本年1月には公共交通運営協議会を設立し、今回の実証運行となっております。5月6日から7月20日までの運行ということで、短い期間での実証でありますので、どれだけの実態が明らかになるのか、その結果をどう生かし、どのような交通形態が確立されるのか、私たちも大いに注視しているところであり、地域の方々にとって安心して暮らしていくためにも、何とか確立していきたいとの強い思いを感じるところであります。 いろいろな事情があるにせよ、また、各個人での自家用車保有が普及したにせよ、交通弱者にとっては足となる公共交通はなくてはならないものであることは明白であります。 そこで、以下伺います。 1点目は、地域の交通についてです。 まず、公共交通空白地域などでの移動手段の確保を図るため、本市ではこれまでどのような取り組みを行ってきたのか伺います。 ◎都市建設部長(高木桂一君) 本市では、マイカーの普及や人口減少等に伴うバス利用者の減少などにより、公共交通空白地域が生じている状況にあることから、誰もが利用しやすい新たな交通手段の確保を目指し、地域の皆様と一緒になって社会実験などに取り組んでまいったところであります。具体的には、平成17年度より、常磐、四倉、田人、久之浜・大久地区において、乗り合いタクシーやコミュニティーバスの社会実験を行い、平成19年度には、三和地区におきまして過疎地有償運送の社会実験に取り組んできたところであります。 ◆13番(永山宏恵君) 本市では、これまで地域の実情に即した公共交通づくりに向け、社会実験を行ってきたとのことですが、これまでの取り組みによりどのような成果を得られたのか伺います。 ◎都市建設部長(高木桂一君) これまでの取り組みにつきましては、当初見込んだほどの利用がなく、採算がとれる見通しが立たなかったこと、さらには、地元負担金の確保が困難であったことなどの理由によりまして、いずれの地区におきましても、本格運行には至らなかったところでありますが、これらの取り組みにより、本格運行に向けて解決すべき課題が明らかになったほか、地域住民の間に、地域の交通は地域で育むという意識の醸成が図られたものと考えております。 ◆13番(永山宏恵君) いずれの地区においても本格運行に至らなかったことは、路線が廃止となった地域における持続可能な公共交通の構築がいかに難しいかを示しているのではないかと思います。改めて、路線バスが走っているありがたさを感じるところであります。 そこで2点目は、4月に行われました路線バスのダイヤ改正についてです。 高齢者が多い中山間地域においては、路線バスは、通勤、通学、買い物などの重要な移動手段となっております。しかしながら、路線バスにおいては、毎年4月と10月に利用実態を踏まえたダイヤ改正が行われており、この4月のダイヤ改正においても大きなダイヤ改正となり、平日の減便、さらには土曜・日曜・祝日の運行が全くなくなるという路線もあり、高校生の部活や日常生活に大きな支障が生じ、相談が寄せられているところであります。 そこでまず、本年4月に行われましたダイヤ改正の概要について伺います。 ◎都市建設部長(高木桂一君) ダイヤ改正の概要でありますが、新常磐交通株式会社におきましては、東日本大震災の影響により、これまで以上に運転手の確保に苦慮しているところであり、今回のダイヤ改正におきましては、運転手の適正な配置と安全性の確保の面から、ダイヤの維持・継続が困難な状況となったため、市内のバス路線121路線のうち、25路線において運行本数の削減を行ったものであります。その25路線のうち、いわき駅-沢渡-上三坂線、平菱川町-高崎線など6路線につきましては、特に利用者の少ない土曜、日曜及び祝日の運行を取りやめ、市全体としてのバス路線の維持を図ったものでございます。 ◆13番(永山宏恵君) 2つ目は、ダイヤ改正まで、市はバス事業者とどのような協議を行ったのか伺います。 ◎都市建設部長(高木桂一君) 今回のダイヤ改正に当たりましては、当初、新常磐交通株式会社より、平日の運行廃止を含む大幅なダイヤ改正案が示されたところではありますが、市といたしましては、改正案がそのまま実施された場合、ほかに移動手段を持たない児童・生徒など、市民に多大な影響を与えることから、平日における通学の足が確保されるよう改正案について協議を重ねた結果、市全体としてのバス路線の維持が図られる今回のダイヤ改正となったものであります。 ◆13番(永山宏恵君) 3つ目は、今回のダイヤ改正によりまして、三和地区におきましても、高校生などに影響が出ており深刻な問題となっております。協議経過を聞けば、さらなる減便につながるのではないかと大変心配するところであります。 そこで、このような状況に対し、今後、市はどのように考えていくのか伺います。 ◎市長(清水敏男君) これまでバス路線については、バス事業者による経営努力や人材確保、さらに、市からの補助や市民に対する利用促進の啓発などにより、バス路線の維持に努めてきたところであり、今後もバス事業者とバス路線の維持に向け協議していきたいと考えております。また、公共交通の空白地域や減便等による不便地域におきましては、乗り合いタクシーや自家用自動車による有償の旅客運送など、地域の実情に応じた持続可能な新しい公共交通のあり方について、地域の皆様とともに検討してまいりたいと考えております。 ◆13番(永山宏恵君) 久之浜・大久地区の実証運行、これまでの社会実験を踏まえ、それぞれの地域の実情に合った公共交通を、もう構築しなければならない状況に来ております。ぜひ本格運行に向けた取り組みをしていっていただきたいと思います。全国的に公共交通のあり方については大きな課題となっており、各自治体の取り組みもさまざまなようであります。 京都府京丹後市においては、一般のドライバーが自家用車を使って人を運ぶ自家用車ライドシェアという新たな取り組みを行っているようです。このライドシェアは運輸法、安全性に課題もあるようではありますが、背に腹はかえられない状況が出てきているということです。何事にもそうですが、物事には一長一短があります。何よりライドシェアのメリットは、交通空白地域に暮らす人々へ生活に必要な足を提供することができるということです。 少子・高齢化が進んでおり、今後、運転免許証を持たない高齢者など、移動制約者がふえていくことが予想され、市民の移動手段の確保が重要となっていくものと思われます。市としては、市民の移動手段を守るためにも、新たな公共交通の導入を早急に検討するよう、将来にわたり、また持続可能な公共交通のネットワークづくりを進めていただくことを強く要望いたしまして、私の一般質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(根本茂君) ここで、午前11時5分まで休憩いたします。          午前10時53分 休憩---------------------------------------          午前11時05分 再開 △小野潤三君質問 ○議長(根本茂君) 休憩前に引き続き会議を開きます。3番小野潤三君。          〔3番小野潤三君第二演壇に登壇〕 ◆3番(小野潤三君) (拍手)3番いわき市議会志帥会の小野潤三です。 選挙を経て有権者の皆様からこの市議会に送っていただいて間もなく丸4年になります。市議会とはどんなところだろうと思ってこの場にやってきました。議員になってしばらくしまして、議会改革ということが全国的に行われていることを知りました。我がいわき市議会も今期中いろいろな取り組みを行ってきました。議会報告会への評価などはいろいろあり得ると思いますけれども、続けることが大事だと思っております。次の任期では議会基本条例が大きなテーマになると思っております。個人的には、議長選挙に先立つ所信表明会をぜひ実現すべきだと思っております。 この4年間言うべきことは言う議員でありたいと思ってきました。おまえは言い過ぎだと時々言われました。変にえらい議員にはなるまいとも思ってきました。4年の任期を振り返り、次のいわき市議会をつくり上げる時期が来ていると感じています。改選前最後の登壇となる予定であります。以下、通告順に従い、一般質問を行います。 大きな質問の1番目は、文化スポーツ室と観光交流室の新設についてであります。 平成28年度の組織再編で新たに文化スポーツ室と観光交流室が設置され、1人の特定政策推進監が統括するという体制になりました。文化スポーツ行政は従来の教育委員会所管から市長部局への移管という大きな変化となりました。観光行政については商工観光部から独立した形になり、観光政策の重視という市の姿勢が明確になりました。そして、この両室が連携していくというのが新たな体制であります。組織再編の趣旨と今後の取り組みについてお尋ねをしてまいります。 1点目の質問は、文化スポーツ行政についてであります。 文化もスポーツも、市民生活を豊かにする趣味や健康、教育などの社会的な側面があります。その一方で、例えば、オリンピックやサッカーワールドカップが巨大なビジネスでもあるように、産業としての側面も軽視することができません。また、文化もスポーツも収益性があるからこそ次の文化やスポーツを生むことができるわけで、再生産という観点からも経済性は重要であります。両者とも地域経済の活性化につながる施策展開をすべきであり、その意味で文化スポーツ行政の新たな形に期待をしています。 そこで、まず、文化スポーツ室を設置した目的についてお尋ねをいたします。 ◎特定政策推進監(大和田洋君) 復興の先を見据えましたまちづくりの推進に向けましては、市民の皆様の心の復興を図ることが必要であり、そのためには地域づくりや交流人口の拡大など、他の施策とも連動した文化・スポーツ施策の積極的な推進が重要であることから、文化・スポーツ施策の専門的かつ機動的な取り組みが一層可能となるよう教育委員会から市長部局に移管の上、専任組織として文化スポーツ室を新設したところであります。 文化スポーツ室には、文化施策を所管する文化振興課を、スポーツ施策を所管するスポーツ振興課をそれぞれ設置し、さらには、東京オリンピック・パラリンピックの競技種目や合宿等の誘致に向けた積極的な取り組みを図るため、スポーツ振興課内に東京オリンピック・パラリンピック担当を設置したところでございます。 ◆3番(小野潤三君) 次に、今後の施策展開についてお伺いしますが、まず、文化行政について、今後どんな展開を図るのかお尋ねをいたします。 ◎特定政策推進監(大和田洋君) 本市におきましては、人口減少や少子・高齢化の進行等により、コミュニティーの希薄化や地域の担い手である若年層の地域離れなどの状況が進んでおります。こうした課題に対し、地域資源の発掘や新たな視点による活用、多様な世代への発信力など、文化芸術が有する力を生かし地域コミュニティーの振興、さらには、地域の文化に光を当てた観光産業等の振興による自律的なまちづくり、いわゆる文化創造都市を目指した施策を展開してまいりたいと考えております。 このような観点から、文化創造都市を支える人材の育成に向けまして、次代を担う子供たちに地域文化の学びを通し地域への愛着・誇りを育む教育や、文化芸術体験を通し子供の独創性や創造性を豊かにするための人材育成プログラムの構築に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆3番(小野潤三君) 文化につきましては、アリオスを中心としたイベント系の事業のあり方、考古資料館などの学術系の事業のあり方は分けて考える必要があると思いますし、文化行政のあり方そのものについてもっと議論を深めることが必要だと考えております。同僚議員もこの問題に後ほど触れますので、時を改めて、また議論していきたいと思います。 次に、スポーツ行政につきまして、今後どんな展開を図っていくのか伺います。 ◎特定政策推進監(大和田洋君) 本市のスポーツの振興に当たりましては、市スポーツ推進基本計画の基本目標であります市民一人一人の健康で豊かなスポーツライフの実現に向けまして、まず、生涯スポーツ、競技スポーツの推進の観点から老若男女を対象とした各種スポーツ教室等の開催や、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会を見据えた市内競技者の競技力の向上を目的とする、めざせオリンピック・トップアスリート養成事業等の実施、また、スポーツ交流の推進の観点からスポーツ大会の開催・誘致など、さまざまな施策に取り組んでいるところでございます。 今後につきましては、これらのスポーツ施策に加えまして、自治体や民間企業、スポーツ団体などと連携・協力しながら、新たなスポーツイベントの創出や誘致等によりスポーツのさらなる振興を図るとともに、スポーツを地域の資源として交流人口の拡大や地域の活性化につなげていく、スポーツコミッションの取り組みの可能性につきましても調査・研究してまいりたいと考えております。 ◆3番(小野潤三君) 新たなスポーツ行政という点で、ここ一、二年急に大きなテーマが生まれてきました。 2点目の質問は、株式会社ドームが設立したサッカーチームいわきFCに対して、市としてどう取り組んでいくのかということであります。 アメリカの新興スポーツ用品メーカー、アンダーアーマーの日本総代理店であります株式会社ドームが、いわきに巨大な物流倉庫を建設し数百人の雇用を生むなど地域経済に新たな役割を果たしています。しかし、ドームの構想は本業のスポーツ用品販売にとどまらず、スポーツを通じていわきを東北一の都市にするという壮大なプランを打ち出してJリーグ入りを目指すサッカーチームいわきFCを設立しました。 その快進撃は既に皆様御存じのことと思いますけれども、福島県社会人サッカー2部リーグで初戦8対0、2戦目8対0、3戦目12対0と向かうところ敵なし、第23回全国クラブチームサッカー選手権福島県大会におきましては、初戦から3対1、9対0、4対0、10対0という圧勝で優勝しました。さらに、第52回全国社会人サッカー選手権福島県大会におきましても、1回戦6対0、2回戦6対1、3回戦6対1と勝利をおさめ、今週末に準々決勝ということで活躍に期待が膨らんでおります。 1992年のJリーグ発足以来、全国各地でプロサッカーチームが設立をされ地域密着の運営でまちづくりと連動してきました。いわきでは具体的な動きがなく、サッカーによる地域づくりは大きく出おくれてしまいました。 ドームの構想が魅力的なのは、単に後追いでJリーグチームをつくろうということではなくて、Jリーグでも果たされていない欧米型のスポーツ産業をつくり出し、一気に日本最先端のモデルをつくり出そうとしていることであります。ドームによると、ニューヨークヤンキースと読売ジャイアンツの観客動員数は同じぐらいなのに、収益力はヤンキースのほうが何倍も上だということであります。関連グッズの販売、ホームスタジアム周辺の商業施設の集積や放送権料などを通して欧米においては日本にないビジネスモデルが確立しています。 こうした構想は、ひとりドームのみで実現するものではなくて地域の支援が不可欠であります。そこで、市としては、ドームとどのように連携し、この構想とかかわっていくのかお尋ねをしてまいります。 まず、こうしたドームの構想について、どのように評価しているのかお尋ねをいたします。 ◎特定政策推進監(大和田洋君) 株式会社ドームの、スポーツを通じていわき市を東北一の都市にするをテーマにした、本市の震災復興と地域活性化に対する考え方につきましては、スポーツを軸としたまちづくりや交流人口の拡大につながり、さらには、地域ブランドの向上など、多方面に好影響を及ぼすものと考えており、本市に対し熱い思いをお寄せいただいていることに対しまして、大変心強く感じているところでございます。 ◆3番(小野潤三君) やはり期待感はあるということだと思います。しかし、それに対してパートナーとしてかかわっていくのか、単に傍観していくのか、その違いは大きいと思うんですね。民間企業が勝手にやっていることだと突き放すのではなくて、可能性を一緒に追求していくべきだと思っております。 ただ、プロチームができるから市も協力しろというだけのことではいけないのでありまして、こうしたチームの存在によってどういう効果が期待できるのか冷静な評価も必要であります。Jリーグのチームがいわき市にあれば、地域は間違いなく盛り上がると思います。 その一方で、いわきをホームタウンにすることによる経済効果などについて、どう考えるのかお尋ねをいたします。 ◎特定政策推進監(大和田洋君) 本市での経済効果につきまして、一概に申し上げることは困難でございますが、一般に地域に密着したプロスポーツ活動につきましては、教育・文化への貢献、人々の交流、郷土意識の高まりなど地域にさまざまな効果をもたらすとともに、地域の活性化だけではなく域外からの観光客等の集客や地域交流の機会を創出することとなり、その影響がさまざまな産業分野に及ぶことで地域経済の活性化に資することが期待されるところでございます。 ◆3番(小野潤三君) いわきFCが一日でも早くJ1入りを果たせるよう期待するところでありますが、それに当たって問題となるのがスタジアムの建設ということであります。我々市議会議員もドームの操業開始のときなど、何度かお祝いのパーティーにお招きいただいておりますけれども、その際に、安田社長がたびたび清水市長にスタジアムをつくってもらおうという発言をされています。いかにも体育会系の乗りだなと思いますけれども、現実的にこの問題を考えていく必要があります。 Jリーグへの昇格には一定規模のスタジアム建設が条件だということであります。J3に加入するには5,000人規模のスタジアムが必要でありまして、J1は1万5,000人規模ということであります。福島2部からスタートしたいわきFCは、福島1部、東北2部南、東北1部、JFLと来まして、J3、J2、J1と、J1への昇格は最短で7年ということであります。しかし、全国社会人サッカー大会で上位入賞すれば、翌年JFL昇格という道もあります。可能性としては、向こう一、二年でJFLに昇格しスタジアムが必要な状況が生じるということもあり得ます。 そこで、スタジアム建設に対して、例えば建設費が100億円かかるというときに市としてどのぐらい出すんだという話になります。しかし、そういう短絡的な問いかけの前に、ドームが示す新たなビジネスモデルは果たして実現が可能なのかどうか、まずは詳細に検討することが必要だと思います。スタジアムの建設は単なるコストではなくて、そこから収益を得て、やがてコストは回収されるべきです。それは果たして何年でできるのかといったビジネスプランが必要だと考えます。そのためには、まず、ドームに加え、行政や産業界も含めた協議会を立ち上げるところから始めるべきだと考えます。そこで、スタジアム建設といった巨額の費用を要する案件にどう対応していけばスポーツを通した地域づくりや経済効果が達成されるのか、議論を深めるべきだと思います。 こうした協議会の設立に関して、市の考え方を伺います。 ◎市長(清水敏男君) いわきFCが今後市民の期待に応え社会人リーグからJリーグへ昇格することは、大変望ましいことでありますが、仮にJ1への昇格となればハード面において1万5,000人以上を収容するスタジアムの整備が必要となるなど、その整備主体や立地場所、さらには、財源の確保や管理運営のあり方などさまざまな課題が想定されます。これらを踏まえ、議員おただしのような協議会の設置を含め、市のかかわりにつきましては、今後のいわきFCの動向や市民の皆様の意識の高まりなどを注視しながら適切に判断してまいりたいと考えております。 ◆3番(小野潤三君) 先ほど申し上げたドームのパーティーにおきまして、先日、市長はスタジアムの建設場所をどこにするのか考えているんだというような挨拶をされておりました。もちろん市として、スタジアム建設へのかかわり方を決めたということではないと捉えておりますけれども、まずは、適切にということでありますけれども、まずは、協議する場を設けることが必要だと思いますが、その点について再度市長のお考えを伺います。 ◎市長(清水敏男君) 協議する場の設置については、適切に判断してまいりたいと思います。 ◆3番(小野潤三君) ぜひ適切に判断していただきたいと思います。私は、いわきFCの件に関しましては、官民挙げてトライしてみるべきテーマだと思っております。まずは、市としてのスタンスを明確にするところからスタートしてもらいたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 3点目の質問は、観光行政についてであります。 震災以来、いわき市の観光は風評被害により厳しい状況に置かれております。こうした状況を打開するため、私は、従来の観光政策のあり方を転換しデータに基づく戦略的な観光政策が必要だと訴えまして、昨年2度にわたって、欧米型の戦略的観光まちづくり組織でありますDMOと呼ばれる観光政策の司令塔をつくるように訴えてまいりました。その意味で、今回の組織再編は観光に特化した部署を新設したということで、その実現に向けた新たな一歩と受けとめております。物見遊山といった狭い意味での観光だけではなくて、さまざまな分野と連携し交流人口の拡大を目指す展開に期待をしております。 そこで、まず、今回の組織再編によりまして、今後の観光行政をどのような方向に向かわせる考えか伺います。 ◎特定政策推進監(大和田洋君) 本年4月の行政組織改正によりまして、観光交流人口の早期回復とさらなる増大に向けまして、観光交流に係る企画機能と事業実施機能の強化を図るため、観光交流課及び観光事業課で構成する観光交流行政の専任組織といたしまして、観光交流室が新設されたところでございます。 今後におきましては、本市観光まちづくり戦略の中核機関であります一般社団法人いわき観光まちづくりビューローとの緊密な連携を図りながら、マーケットリサーチに基づく観光交流施策を戦略的に展開するとともに、いわきサンシャイン博を初めとする持続可能な着地型観光の実現に向けた取り組みや、東京オリンピック・パラリンピックを見据えたインバウンド施策の推進など、地域づくりや文化・スポーツ、観光などの融合による観光誘客の促進に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆3番(小野潤三君) 昨年来、私が訴えてまいりましたのは、今、お話がありましたいわき観光まちづくりビューロー、これを先ほど申し上げた戦略的観光まちづくり組織、DMOに転換をしていくべきだということでありました。ビューローはこの春、いわき市産業振興公社を吸収合併しまして、いわき市石炭・化石館ほるるの指定管理者となりました。また、新たな人事で組織を強化する方向に向かっていると捉えております。今後のビューローのあり方についてお尋ねをいたします。 まず、ビューローがほるるの指定管理者となったことによりまして、ほるる自体の集客や収益性の改善が期待されますし、ビューローがほるるで物産販売を行うことでビューロー自体の新たな収益も期待されます。新たな体制になりまして、まだ2カ月余りでありますけれども、ビューローが指定管理者となった効果をどう捉えているのか伺います。 ◎特定政策推進監(大和田洋君) いわき市石炭・化石館ほるるにつきましては、いわき市産業振興公社を吸収合併したいわき観光まちづくりビューローが4月から指定管理者となりまして、2カ月が経過したところでございます。今後、全体的な効果の検証を行うこととなりますが、例えば、5月の連休中の来館者数は前年比113%、ミュージアムショップの売り上げは前年比127%とそれぞれ増加しており、一部でその効果があらわれてきているものと考えております。 今後も、ビューローの営業力などを生かしたほるるの広報宣伝を積極的に実施することなどにより、来館者の増加を図り、また、ビューローにおきましてもミュージアムショップの改装、市内物産品の品ぞろえの充実を図りながら収益増を目指すこととしております。 ◆3番(小野潤三君) ビューローをDMO化していくには、予算の問題と人材の問題があるというのは、昨年指摘したとおりであります。今回、市の職員などをビューローに出向させたわけでありますが、外部からの専門家を投入するなど、さらなる人材確保が不可欠だと考えます。今後、ビューローのDMO化はどのように進めていく考えか伺います。 ◎特定政策推進監(大和田洋君) いわき観光まちづくりビューローのDMO化の推進につきましては、中・長期的な自主財源の確保を初め、各種データ等の継続的な収集や分析によるマーケティング、明確なコンセプトに基づいた戦略の策定、PDCAサイクルの確立など、ビューローが主体となり観光戦略を立案し実践することが不可欠となります。このため、本市におきましては、いわき市産業振興公社との合併や市職員の派遣等により、財政基盤、組織体制の両面からその強化を支援してきたところでございます。 また、マーケティング担当者などの人材確保の観点につきましては、本市の観光事業を取り巻く環境やこれまでの経過等を十分に踏まえながら、観光戦略を推し進める必要がございますことから、ビューローにおきまして、研修受講などによる職員のスキルアップ等を通じた人材育成を図り、さらなる体制の強化に取り組んでいるところでございます。 ◆3番(小野潤三君) 人材・財政の強化を図ってきたということでありますけれども、まだまだ道半ばでありますし、既存の人材だけではなくて、今申し上げたとおり外部の専門家を投入するというところは必要不可欠だと思いますので、引き続きの取り組みをお願いしたいと思います。 4点目は、文化スポーツ室と観光交流室の統合についてであります。 2つの室は、組織的には分離されておりまして、冒頭述べたように、1人の特定政策推進監、大和田推進監が統括する形になっております。文化、スポーツなどはそれぞれ固有の目的もありますけれども、交流人口というくくりで考えますと、2つの室が連携しながらいわきの新たな活力をつくっていくことが期待されます。であれば、いずれ2つの室は1つの部として統合すべきではないでしょうか。 来年度以降の組織のあり方について見通しを伺います。 ◎総務部長(岡田正彦君) 文化スポーツ室及び観光交流室につきましては、それぞれが所管する施策の推進に向けまして、専門的かつ機動的に取り組むため、いずれの部にも属さない専任組織として本年4月に設置したものでございまして、現在、スポーツイベントの開催等を通じて観光交流人口の拡大を図るなど、両組織が連携して取り組みを進めているところでございます。このようなことから、次年度以降の組織体制につきましては、両組織における業務の執行状況等を十分見きわめた上で検討してまいりたいと考えております。 ◆3番(小野潤三君) 両組織は連携しながら進めているということでありますけれども、今のままではおさまりが悪いように思いますので、きちんとした体制をとることができるように、今後、検討をお願いしたいと思います。 大きな質問の2番目は、いわき市における人材育成についてであります。 震災後のいわき市における教育の取り組みに対しましては、大きな敬意を表しております。特に、中学校の生徒会長サミットから始まりまして、その拡大版のいわき志塾、さらに高校生版のいわき志塾という取り組みはすばらしいと思っております。また、体験型経済教育施設Elemの取り組みも、今後の成果に期待をしております。 この春には教育大綱が示されまして、これまでの取り組みを含めていわき市としての教育のあり方が体系的にまとめられました。また、地域創生の観点からいわきアカデミア推進協議会が設立されまして、いわき市の課題に対し人材育成の面からアプローチしようとしております。これらの新たな取り組みについてお尋ねをいたします。 1点目は、教育大綱についてです。 法律改正によりまして、教育委員会制度が変更されていわき市においては新教育長が就任をされ、総合教育会議が昨年4月に設置されました。この法律でもう一つ定められたのが、各自治体において教育大綱をつくるということであります。いわき市ではこの4月に教育大綱が策定をされました。その内容について、まず伺います。 まず、いわき市教育大綱の特徴はどのようなものか伺います。 ◎総合政策部長(新妻英正君) 本市の教育大綱におきましては、教育先進都市いわきの実現に向け、地域が人を育み、人が地域をつくるという考え方に基づき、学校や家庭を初め、企業やNPOなど地域を取り巻くさまざまな主体が相互に連携しながら、個性にあふれ、多様性に富み、みずから考え判断する自立した心を持ち、知・徳・体のバランスのとれた子供たちを育んでいくことを目指しております。 このため、子供から大人まで、市民一人一人が、それぞれのライフステージの中でふるさと・いわきに誇りと愛着を持てるような学びの機会を設けるとともに、いわきで育った人が、また次の世代を支え育てる豊かな土壌づくりを進めることを基本理念として掲げたところであります。 ◆3番(小野潤三君) いわき市教育委員会におきましては、震災の翌年から4年にわたって教育メッセージが出されてきました。最初のメッセージから使われておりました、地域が人を育み、人が地域をつくる、あるいは、豊かな土壌づくりという言葉が基本理念の中に踏襲されておりまして、教育大綱は、いわば5度目の教育メッセージではないかという印象を持ちました。 前市長の時代からの取り組みの流れの中で、今回の教育大綱ができ上がったと感じておりますけれども、教育長は、教育大綱に対してどのような所感をお持ちかお聞かせいただけるでしょうか。 ◎教育長(吉田尚君) 教育大綱の策定に当たっては、昨年度5回にわたる総合教育会議での熟議を経て、今後の本市の教育の方向性を明確にすることができたものと受けとめております。特に、議員御指摘の震災以降教育委員会が教育メッセージとして発信してきた、地域が人を育み、人が地域をつくるという基本理念、基本認識が踏襲され、学校・家庭はもとより、企業、NPOなどのさまざまな主体が教育にかかわり、ふるさと・いわきに誇りと愛着を持てる人材を育てるという基本的な理念を打ち出すことができたことは意味のあることであると考えております。 今後とも総合教育会議の場を活用して、市長との協議を深める中でより一層緊密に連携しながら、教育先進都市いわきの実現に向け各種施策に取り組んでまいる考えでございます。 ◆3番(小野潤三君) では、大綱の中でいわき市はどのような人材を育てようと考えているのか、目指すべき人材像はどのようなものかお尋ねをいたします。 ◎総合政策部長(新妻英正君) 現在、我が国においては、グローバル化や情報化の進展を初め、さまざまな分野における技術革新など、社会環境が大きく変化するとともに、少子・高齢化や人口減少の急速な進行による地域の活力低下が懸念されるなどさまざまな課題に直面しております。こうした中、今後のまちづくりを展望いたしますと、これら時代の変化に的確に対応しつつ未知の領域に挑戦し、次の世代をリードする人財をいかにつくるかが最も需要であると受けとめております。 このような考えのもと、本市の大綱におきましては、市民一人一人が持っている個性や能力を磨きそれらが最大限に発揮できる学びの場をつくり出すこと、とりわけ子供たちについては、基礎的な知識や教養を高め、みずから課題を見つけ、解決する意思や力を身につけるとともに、震災の経験を糧として、自然に対する畏敬、命のつながりや他者を思いやる心、困難に立ち向かう勇気など豊かな心と生きる力を備えた人材を育むことを念頭に、各般にわたる施策の基本的な方向性を定めたところであります。 ◆3番(小野潤三君) それでは、目指すべき人材を育てるために、どのような具体策を考えているのか伺います。 ◎総合政策部長(新妻英正君) 目指すべき人財を育成するための特徴的な取り組みといたしましては、実社会で生きる力を養うために、基礎学力の向上に向けた学習支援を初め、体験型経済教育施設、いわゆるElemを活用した学びの機会や、生徒会長サミット、いわき志塾など、子供たちの企画力や問題解決力を高める本市独自のキャリア教育を推進するとともに、確かな人間力を育むために子供たちの自己肯定感を高める取り組みや、命の大切さを伝える教育にも力を入れてまいる考えであります。 また、子供たちの郷土愛を高め、地域への誇りや愛着を育むため、本市の歴史や文化、産業などに関する地域に根差した教育素材を作成し、学校教育の中で活用するとともに、地域の団体や学校、企業等が連携し、土曜学習の推進を図るなど、地域を知り理解を深めるさまざまな取り組みを進めてまいる考えであります。 ◆3番(小野潤三君) 2点目の質問は、いわきアカデミア推進協議会についてであります。 5月にこの協議会の設立が発表されましたが、そこでうたわれているのは、教育を軸とした人財還流の仕組みづくりに地域全体で取り組むため、産業界を初め、高等教育機関や経済団体、NPO、行政機関など市内各界各層の方々からなる組織をつくるということでありました。これはまさに、地域が人を育み、人が地域をつくることそのものでありまして、教育と地域づくりの密接な連携だと考えます。 そこで、まず、いわきアカデミアとは、一体どういうものなのかお尋ねをいたします。 ◎総合政策部長(新妻英正君) いわきアカデミアにつきましては、本年2月に策定したいわき創生総合戦略に基づく具体的なプロジェクトの一つとして、いわきの次世代を担う人財育成と、教育を軸とした人財還流の仕組みづくりを官民が一体となり推進することを目的としております。 その主な取り組みといたしましては、高校生向けキャリア教育プログラムの実施や、小・中学生の社会科見学のメニュー化など、子供たちのライフステージに応じた地域における一貫した人財育成プログラムの企画運営を行うほか、首都圏大学生向けの実践的なインターンシップの実施など、本市への人財還流を促進する取り組みなどを推進していくこととしております。 ◆3番(小野潤三君) 次に、このいわきアカデミアを検討しますいわきアカデミア推進協議会はどのように進めていくのか伺います。 ◎総合政策部長(新妻英正君) いわきアカデミアが掲げる目的を地域が一体となって実現していくため、去る5月23日に、いわき商工会議所、県・市を初め、市内の企業、金融機関、NPO、さらには高等教育機関など、市内各界各層からなるいわきアカデミア推進協議会が設立されたところであります。今後、この協議会を中心として、市内小・中学校や高校等の理解と協力を得ながら、地域を取り巻くさまざまな主体の連携のもと、未来を担う子供たちの知の拠点づくりに向け、鋭意取り組んでまいりたいと考えております。 ◆3番(小野潤三君) いわきアカデミアの中で、今、お話もありましたけれども、これまでいわき市教育委員会が行ってきました1つのキャリア教育の場として、いわき志塾の高校生版をスタートさせると伺っております。高校となりますと多くは県立でありまして、一部私立とか、あるいは国立の高専もということになりますと市を超えた協力関係が必要となります。 この点をどのように進めていくのかお尋ねをいたします。 ◎総合政策部長(新妻英正君) 高校生版いわき志塾の取り組みといたしましては、1つとして、地域のさまざまな分野で活躍されている経営者等を講師に迎えるフィールドワークを通じて、高校生が地域課題と向き合い、働くことの意味や自分の将来について考えるワークショップ、2つとして、会社の立ち上げから清算まで、企業経営を模擬体験するプログラムであるスチューデントカンパニー・プログラムの実施を予定しております。 これらのプログラムの展開に当たりましては、高校生の参加を幅広く募るため、7月2日にキックオフイベントを開催するとともに、市内各高校の協力のもとで参加者の公募を行った上で、高校生の夏休み期間である8月を目途に、事業に着手してまいりたいと考えております。 ◆3番(小野潤三君) 各高校の理解というのが非常に大事だと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。 次に、首都圏に出て行った学生たちが再びいわきに戻ってくる流れをつくるという意味で、首都圏在住学生向けインターンシップも重要な意味を持つと考えております。 これはどのように行っていくのか伺います。 ◎総合政策部長(新妻英正君) 首都圏在住の大学生向けインターンシップにつきましては、1つとして、幅広く本市の企業を知ってもらうための短期の体験型インターンシッププログラム、2つとして、より実践的に受け入れ企業の実務を1カ月以上の長期にわたり研修する実践型インターンシッププログラムを予定しております。 これらのプログラムの実施に当たりましては、首都圏で実施しているいわき若者会議との連携を図るなど、さまざまな機会を捉えて首都圏大学生に対し参加を呼びかけるとともに、インターン受け入れ企業に対しては、学生を受け入れる際のノウハウや学生へのPR手法に関するセミナーを実施するなど、実効性の高い取り組みを展開してまいる考えであります。 ◆3番(小野潤三君) 昨年、広野町に新たな県立の中高一貫校ふたば未来学園が開設されました。ふたばの教育復興応援団ということで、建築家の安藤忠雄さん、宇宙飛行士の山崎直子さん、作曲家の秋元康さん、予備校講師の林修さんなどの著名人が外部講師を務めるということで話題になりました。一体ここでどんな教育が行われるんだろうかと思いまして、4月にこの学校を訪れお話を伺ってきました。何で広野町に新しい高校なんだろう、何で有名人なんだろうと思いましたけれども、そのビジョンや取り組みに大変共感して帰ってまいりました。 この学校は、今まで双葉郡内にありました双葉高校や富岡高校などを休校にして、新たな双葉郡内の高校教育をどう行っていくかという必要性の中から誕生しました。しかし、この学校の特徴はそれだけではなくて、双葉郡の未来を担う人材を育てる仕掛けがいろいろと施されております。特に、答えのない課題にどうアプローチするか、既に広野町の子供たちはこの答えのない課題に直面をしているわけでありますけれども、それに対するアプローチをどうするかという問題解決型の人材を育てるカリキュラムを用意しておりまして、まさに日本の教育改革の方向性を先取りした学校づくりを行っております。 文部科学省もこの学校には立ち上げからかかわっておりまして、地元の要請を受けて南郷市兵さんという方を副校長として送り込んだりしております。文部科学省は、この学校から新たな日本の教育を展開しようとしていると言っても過言ではありません。そして、それは、いわき市が教育大綱やいわきアカデミアの中で進めようとしている人材育成の方向性と一致しているというのが大事なところです。いわきのすぐお隣でこうした取り組みが行われているわけですから、いわきの教育にもその成果を取り込んでいくべきだと思います。 ふたば未来学園との連携について伺います。 ◎総合政策部長(新妻英正君) ふたば未来学園につきましては、原子力災害により大きな被害を受けた双葉郡の復興はもとより、世界に誇れる福島発の復興教育を掲げ、グローバル・リーダーの育成と地域の課題解決を目指した未来創造型教育を展開しており、その先進的な取り組みは、全国的にも注目を集めているところであります。とりわけ、実社会での実践に通じた課題解決型・探究的学習を展開するふるさと創造学は、世界に視野を広げつつ、地域のよさや課題を見つめ直そうとするものであり、本市が目指すグローカル人財育成と軸を一にする取り組みとして、学ぶべきところが多いものと受けとめております。 こうした考えのもと、協議会のアドバイザーとして同校の南郷副校長に参画していただいたところであり、その御意見・御助言を事業内容に反映するとともに、今後いわきアカデミアが展開するプログラムを磨き上げる過程において、同校との連携なども視野に入れてまいりたいと考えております。 ◆3番(小野潤三君) グローバルだけではなくて、ローカルも含めてということだと思います。 ここまで、幾つかの切り口で質問をしてまいりましたけれども、いわき市においても双葉郡においても、地域づくりにはどんな人材を育てるかが死活的に重要だということでありますし、その人材というのは、答えのない課題に答えを出していく、自分で考えて問題を解決していくという力を持った人ということになろうと思います。それは、今、日本の国全体が求めている人材でもあります。この被災地からそうした新しい人材を先駆けて輩出しようとしております。既に、触発されて行動している中学生や高校生があらわれております。そこから新しい地域づくりが始まることに期待をしております。 3点目の質問は、いわき市体験型経済教育施設Elemについてであります。特に、交通費の問題に絞って取り上げてまいります。 Elemの取り組みは大変すばらしいんですけれども、これまで伊藤議員が取り上げてきましたように、各学校からElemまでの交通費の課題がありました。実は、ことし私が娘の中学校のPTA会長になりまして前年度の決算書を見ましたところ、Elemへのバス代に約18万円かかっておりまして、それをPTAの予備費から支出をしておりました。生徒数が減少する傾向にありまして、年々PTA予算も厳しくなる中で、新たに18万円もの支出をするというのは大変で、やりくりをするために学力テストに対して行ってきました受験料の補助を1回分やめるという予算組みをすることになりました。 ほかの議員に聞きましたところ、やはり各地域の学校現場で負担を感じているというお話があるようです。また、Elemへの距離の問題がありまして、地域によって交通費の負担に差があるのではないかということも推測されます。 こうした議論はデータに基づいて行うべきだと考えまして、教育委員会にお願いをして、昨年度の実績としてどの程度の交通費の負担があったのか、全ての小・中学校に対する調査をお願いしました。その結果について伺ってまいります。 まず、Elemでの体験活動に参加した実績はどのようなものか伺います。 ◎教育部長(増子裕昭君) 昨年度の市内公立小・中学校の活動実績につきましては、小学校62校、中学校39校で実施し、小学生3,018名、中学生3,128名が参加しております。 ◆3番(小野潤三君) では、どんな交通手段でElemに行ったのか、その利用実績について伺います。 ◎教育部長(増子裕昭君) 交通手段につきましては、小学校においては、貸し切りバスの利用が44校2,255名、路線バスの利用が3校159名、タクシーの利用が4校29名、電車の利用が5校211名、徒歩が4校349名、保護者等の送迎が2校15名となっております。また、中学校におきましては、貸し切りバスの利用が16校1,337名、タクシーの利用が1校で9名、電車の利用が11校966名、徒歩が3校535名、保護者等の送迎が8校281名となっております。 ◆3番(小野潤三君) 貸し切りバスの利用が最も多かったということでありますが、1人当たりの単価は平均でどの程度だったか伺います。 ◎教育部長(増子裕昭君) 貸し切りバス費用につきましては、小学生が1人当たり平均1,515円、中学生が1人当たり平均1,666円となっております。 ◆3番(小野潤三君) 関連しまして、交通費の1人当たりの単価が最も大きかった学校は、1人当たりどの程度の金額だったのか伺います。 ◎教育部長(増子裕昭君) 小・中学生合わせて最も高かった1人当たりの平均は、3,394円となっております。 ◆3番(小野潤三君) 貸し切りバス1,500円とか1,600円が平均という中で、学校によっては3,300円余りというところもあるということで、やはり公平性という観点で問題があるのではないかというふうに思います。 では、昨年度、市内の小・中学校全体でかかった交通費の総額は幾らかお尋ねをいたします。 ◎教育部長(増子裕昭君) 昨年度の交通費の総額は、小学校合計で350万2,298円、中学校合計が248万9,300円、総額が599万1,598円となっております。 ◆3番(小野潤三君) 総額で約600万円ということですね。 それでは、交通費はどのように拠出したのか、支出方法について伺います。 ◎教育部長(増子裕昭君) 交通費の主な支出方法につきましては、ほとんどの学校において、PTA予算等を含めた保護者負担となっております。 ◆3番(小野潤三君) 今回の調査の中で、交通費に関して各学校からどのような意見があったのか伺います。
    ◎教育部長(増子裕昭君) 交通費に関しましては、保護者等の負担を軽減するためにも補助を求める意見が多くございました。 ◆3番(小野潤三君) 先ほど、総額で600万円程度という金額がありましたけれども、全ての学校で一律貸し切りバスということになりますと、予算はもっと大きなものになる可能性もあります。徒歩で来られる学校は徒歩で来る、電車を使えるところは電車を利用するという形で行っていけば、このぐらいの予算でおさまるということかと思います。 多くの学校で負担を感じている交通費について、市の予算で賄うべきではないかと考えますけれども、御所見を伺います。 ◎教育長(吉田尚君) Elemは、全国でも先進的な体験型経済教育施設として、子供たちが社会の仕組みや経済の働きを体験学習し、将来の進路や生き方について考えることができる大変価値のある教育を実施しております。このことから、各学校に対しては、それぞれの行事等の精選を図ることや、交通手段を工夫するなどの調整をお願いしてきたところでありますが、今般のアンケート調査において、各学校から保護者費用負担の軽減について要望が寄せられたことなどを踏まえ、今後、交通費のあり方について検討してまいります。 ◆3番(小野潤三君) 教育先進都市を標榜されてまいりました清水市長におかれましては、こうした学校や保護者の負担感について、特段の配慮をお願いしたいと思っております。 4点目の質問は、18歳投票についてであります。 この問題も昨年から取り上げさせていただいておりますが、7月10日投開票の参議院選挙から、いよいよ18歳投票が始まります。若年者の政治参加という意味で、極めて注目すべき選挙でありますし、高い投票率を期待しております。逆に、ここで18歳、19歳が今までの20代の若者のように低い投票率となってしまっては、民主主義社会の基盤が揺らぎかねないというように懸念をしております。そこで、まず、高校生に対して、投票行動を通して自分自身の主権者としての意思を表明していくことの意味を教育していく、その結果として多くの高校生が選挙権を行使するという、いわゆる主権者教育が重要になってきます。 今年度は実際の投票が始まりますので、まさに主権者教育元年と言ってもいいと思います。ここまでの高校における主権者教育への取り組み状況について、把握している限りで結構でありますので、お示しください。 ◎選挙管理委員会委員長(飯間香保子君) 高等学校における主権者教育につきまして、選挙管理委員会といたしましては、平成28年度におきましても、引き続き福島県選挙管理委員会及び福島県教育委員会と連携し、未来の福島県知事選挙と題した模擬投票を実施することとしております。本年度は、いわき光洋高等学校、好間高等学校、磐城農業高等学校、勿来高等学校の4校で実施する予定であります。 ◆3番(小野潤三君) 公職選挙法が改正されまして、住んでいる場所に関係なく、誰もが投票できる共通投票所の設置が可能となりました。しかし、二重投票を防止するために全ての投票所をつなぐ通信インフラが必要なため、最近の報道によりますと全国で設置するのは4カ所しかないということです。いわき市は投票所が多いですので、共通投票所の設置はなかなか難しいと思います。 しかし、期日前投票所をふやすという方法であればハードルはかなり低いと考えます。18歳投票の促進という観点で言えば、学校帰りに投票に行ける環境を整えるということは重要なことと思います。土日も部活などがある高校生にとりましては、平日の学校帰りに期日前投票を行えるということは確実に投票の促進につながります。このたびいわき駅前のラトブで期日前投票所を開設すると発表されましたが、大いに歓迎したいと思っております。 ただ単に投票所を設置するだけではなくて、少しでもそこに行ってみようかなと思わせる仕掛けが必要だと思います。ラトブ周辺、高校生が下校時に多く通過する場所、駅構内とか、あるいはペデストリアンデッキ、あるいは路上も含めて、今投票できるよ、簡単だよ、と伝える看板など、できるだけ多くのサインを設置することが必要だと思いますが、そうした予定はあるのかお尋ねをいたします。 ◎選挙管理委員会委員長(飯間香保子君) ラトブに新たに開設するいわき駅前ラトブ期日前投票所につきまして、ラトブ6階のいわき産業創造館フリービジネスブースを利用し、7月3日から9日までの7日間、午前10時から午後8時まで開設することとなっております。期日前投票所につきましては、公示前に全有権者に送付する選挙のお知らせや地区ごとに発行するお知らせの回覧、市ホームページなどにより周知するとともに、ラトブ館内や施設周辺の案内の掲示、ペデストリアンデッキのまちなか情報発信施設による案内など、有権者にわかりやすい案内に努めてまいりたいと考えております。 ◆3番(小野潤三君) ぜひ高校生が行きたいなと思うような看板を立ててもらえればと思っております。 もう一つ、学校内でも選挙間近になったときに、投票の呼びかけとともに、期日前投票所が設置されることを周知するチラシなどを配布することが必要だと考えますが、そうした予定はあるのか伺います。 ◎選挙管理委員会委員長(飯間香保子君) いわき駅前ラトブ期日前投票所は、鉄道・バス等の交通結節点であるいわき駅前に立地し、通学・通勤で公共交通機関を利用する多くの高校生や一般の有権者、買い物や公共施設を利用する有権者の利便性の向上が図られるものと考えております。 特に、今回の参議院議員通常選挙におきまして、初めて18歳選挙権が適用される高校生等に対しましては、当該期日前投票所に気軽に立ち寄り投票していただけるよう、各高等学校を通じて投票日や期日前投票所などを周知する文書を配付するほか、校内放送やホームルームの時間を活用して、新有権者に投票を呼びかけていただくなどの要請もあわせて行ってまいりたいと考えております。 ◆3番(小野潤三君) 7月の参議院選挙は、最初の18歳投票の機会となります。多忙な選挙事務の中とは思いますけれども、できるだけの啓発をお願いしたいと思います。 大きな質問の3番目は、世界水族館会議についてであります。 昨年の太平洋・島サミット、ことしの国際廃炉フォーラム、そしてアンダー15野球ワールドカップと国際イベントが続きまして、海外の方々を迎え入れるノウハウも徐々に蓄積されてきていることと思います。これに続くのが、2018年開催の世界水族館会議です。 まず、この世界水族館会議の開催概要についてお尋ねをいたします。 ◎特定政策推進監(大和田洋君) 世界水族館会議につきましては、世界各地の水族館関係者が一堂に会し、4年に1度、研究の成果発表や情報交換等を行うものであり、平成26年10月に開催された世界水族館会議運営委員会中間会議におきまして、第10回世界水族館会議の本市における開催が決定されたとのことでございます。現時点におきましては、平成30年11月6日から11日までの6日間に参加国20から25カ国、参加者500人程度の規模での開催を想定しているとのことでございます。 内容の詳細につきましては、公益財団法人ふくしま海洋科学館が主体となりまして、今後、県及び市、経済団体等の関係機関から構成され設立される予定の実行委員会における協議を経て決定していくこととされております。 ◆3番(小野潤三君) この会議は、今、お話がありましたふくしま海洋科学館、いわゆるアクアマリンふくしまが誘致をしてきたもので、2016年のことしバンクーバーで開催されますけれども、本来4年後の2020年開催のところをアクアマリンふくしまサイドの提案で、2年前倒しで2018年開催となったものであります。2020年の東京オリンピックを何らかの形でいわきに誘致しようとしている今、その2年前にこうした国際会議が行われるのは、会議それ自体の意味も当然大きいわけですけれども、オリンピックに向けた一つのステップとも捉えることができまして、いわき市にとっては重要な意味を持つと考えます。 これまでの国際イベントは、政府主催であったり、国際機関が主催であったため、市が主体的にさまざまな交流の仕掛けをすることが難しい一面がありました。水族館会議はアクアマリンふくしまがホスト役でありますし、民間の会議でありますので、来られた方々がまちと触れ合う機会も期待できる事業だと考えます。そうした意味で、この会議はこれまでの国際イベントを踏まえ、さらにいわきが国際コンベンション都市として機能を高める上での試金石になります。特に、訪日外国人を迎えるに当たっての基盤整備をどれだけ行えるかが問題であります。 1つは、通信環境の問題です。訪日外国人の来訪、いわゆるインバウンドを進める上で、Wi-Fi環境の整備は大きな課題です。国際廃炉フォーラムの際にもWi-Fi環境について不満の声をお聞きしました。 宿泊先や公共施設などへのWi-Fiの整備をどのように進めるのか伺います。 ◎特定政策推進監(大和田洋君) 訪日外国人旅行者の要望の多くに、旅行先における無線LAN環境の整備が挙げられておりまして、市といたしましても、世界水族館会議や東京オリンピック・パラリンピックを見据えたインバウンド対応力の向上を図るためには、市内観光誘客施設等への無線LAN環境の整備が不可欠であると認識しております。このため、民間事業者が行う市内宿泊施設や観光施設への無線LAN環境の整備を支援するいわき市観光誘客施設無線LAN環境整備事業補助金を創設し、6月1日から募集を開始したところでございます。 今後におきましても、当該制度の周知を図り観光誘客施設における無線LAN環境の整備促進に努めてまいりたいと考えております。 ◆3番(小野潤三君) もう一つ、言葉の問題は大きな課題です。日中の会議は、アクアマリンふくしまサイドで対応するとしまして、宿泊の際にストレスなく意思疎通ができるかどうか。いわき市内に居住する外国人にお手伝いいただくということもあるかもしれませんけれども、今後のインバウンドを考えれば、一般の市民の中に必要な意思疎通のお手伝いをできる外国語ボランティアを養成するということも必要なことだと思います。 向こう2年あればその程度のことは実現可能だと思いますので、ぜひ取り組みを行っていただきたいと思いますが、御所見を伺います。 ◎特定政策推進監(大和田洋君) 平成27年5月に開催されました国際首脳会議第7回太平洋・島サミットにおきましては、地元プログラムの一部運営などに、公益財団法人いわき市国際交流協会に登録されている通訳ボランティアの方々の協力をいただいたところでございます。 今後につきましては、観光情報を発信するホームページや観光案内板等の多言語化などを進めますとともに、受け入れ側となります市内宿泊施設等の事業者や関係団体などと連携を図りながら、国際交流協会の通訳ボランティアや県内において有償で旅行ガイドを行う県登録の福島特例通訳案内士等の活用可能性を探るなど、インバウンド対応力の強化に向け研究を進めてまいりたいと考えております。 ◆3番(小野潤三君) 既存の通訳ボランティアにお願いするということはあると思いますけれども、そういった方の厚みを増していくという意味では、養成ということが非常に大事だと思いますので、その点もぜひ御検討いただきたいと思います。 最後に、この国際会議をインバウンドの契機と捉え、市としても全面的に支援していくことが必要だと考えますが、お考えを伺います。 ◎市長(清水敏男君) 市といたしましては、世界水族館会議を多くの外国人の方々をお迎えするまたとない好機と捉え、本市のさまざまな魅力や復興創生に向け着実に前進している姿を広く世界に発信することにより、今後のインバウンド増大につなげてまいりたいと考えております。会議を含めた全体の具体的な内容については、公益財団法人ふくしま海洋科学館を中心として組織される実行委員会での協議を経て、決定していくこととされておりますが、この会議を万全の体制で迎えるためにも、実行委員会における協議を踏まえながら、本市としての効果的な支援策を検討してまいりたいと考えております。 ◆3番(小野潤三君) アクアマリンふくしまにお聞きしますと、いわきの地域づくりにこの会議を活用してほしいという思いを強く感じました。風評の払拭も含めまして、福島県とも連携しながらすばらしい国際会議になるようにお願いを申し上げまして、以上で私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(根本茂君) ここで、午後1時5分まで休憩いたします。          午後0時04分 休憩---------------------------------------          午後1時05分 再開 △小野邦弘君質問 ○議長(根本茂君) 休憩前に引き続き会議を開きます。19番小野邦弘君。          〔19番小野邦弘君第二演壇に登壇〕 ◆19番(小野邦弘君) (拍手)19番いわき市議会清政会の小野邦弘であります。 それでは、質問に入る前に、恒例にしておりますスポーツ関連の話題についてお話をさせていただきたいと思います。 このたび、いわき新舞子ハイツの隣接地に平成25年度から整備が進められてきた新舞子多目的運動場と、その隣接地に日本サッカー協会や国際サッカー連盟の御支援により、人工芝フットボール場が整備されました。これら2つの施設は、既存の体育館やテニスコート、ヘルスプールなどの体育施設と宿泊施設の新舞子ハイツとあわせ、施設全体の総称としていわき新舞子ヴィレッジと定められ活用されることで、今後、国内外のスポーツ団体等の合宿等の誘致につながるものと大いに期待しているところであります。 また、本年7月29日から、ここいわき市で開催されます第3回WBSCアンダー15ベースボールワールドカップの会場となる南部スタジアムが、全面人工芝化等を行う改修工事が終了し福島県初の人工芝公式野球場として供用が開始されました。以前から私は、本市に全国規模の大会や合宿を誘致するためには、天然芝または人工芝のグラウンドが必要不可欠になってきていると主張しており、その意味では、今回、こうしたスポーツ施設が整備されたことは意義深く、いわき市のスポーツ振興はもとより、交流人口の拡大、地域経済の活性化、さらには風評被害の払拭にも大きくつながるものと確信しております。 今後もさまざまなスポーツ施設の環境整備が進められスポーツの持つ力がその後押しとなり、そのことで明るく元気ないわき市の創造が実現されることを切に願っております。 また、最新のニュースとして、盛岡市で開かれている第45回全国自治体職員サッカー選手権東北大会で、いわき市役所サッカー部が13時20分キックオフで由利本荘市と全国を争って戦います。勝利の報告を期待して、以下、通告順に従い、質問を行います。 大きな質問の1番目は、本市の人材育成についてであります。 人は石垣、人は城、人は堀という言葉があります。これは風林火山の軍旗で有名な戦国時代きっての名武将武田信玄の言葉であります。この言葉には幾つかの解釈がありますが、人は石垣や城と同じくらい戦の勝敗を決するのに大切であるという、人材育成の大切さ、適材適所の重要性をうたったものと捉えております。 さて、ことし市制施行50周年を迎える我がいわき市は、さきの震災から5年を経過し6年目を迎えます。市内を見渡してみると、目覚ましい回復をしているとはいえ、現在でも観光交流人口は以前の8割程度という状況にあります。そのような中で、復興・創生を加速し、従来にも増して魅力あるいわきとするためには、なんといってもベースとなる人財が必要であります。ふるさと・いわきを愛し、いわきのお役に立ちたいという高い志を持った人財を育てていく重要性がここにあると思っています。 そこで、1点目は、人口減少に歯どめをかけ、将来にわたりまちの活力を持続していくことを目的として、本年2月にいわき創生総合戦略が策定されましたが、地域創生の観点から、グローバルな視野を持ちながら地域の課題解決に向き合う、いわゆるグローカルな人材育成についてどのように捉えているのか、市としての考えを伺います。 ◎総合政策部長(新妻英正君) 本市の将来のまちづくりに向けた基盤となる人口の動向を見据えますと、今後、少子・高齢化及び人口減少が加速度的に進行していくものと見込まれており、こうした傾向に歯どめをかけ、将来にわたり地域の活力を持続させていくためには、本市の次世代を担う人財をいかに育成するかが鍵を握るものと認識しております。 特に、今後、我が国を取り巻く社会経済環境が大きく変化していく中で、新たな技術革新や産業構造の変化に適切に対応するためには、グローバルな視野で物事を捉える力を備えつつ、地域の課題に向き合い、その解決に向けてみずからの能力を発揮できる人材を育成する仕組みづくりを、地域が一体となって進めていくことが重要であると考えております。このような考えのもと、本年2月に策定したいわき創生総合戦略におきましては、重点的に取り組む推進モデルとしていわきアカデミアを位置づけ、グローカルな人財の育成に向け、積極的に取り組むこととしたところであります。 ◆19番(小野邦弘君) 2点目は、いわき創生総合戦略の中で、特に、先駆的、重点的に取り組むべき事項として、人材育成に関する推進モデル、いわきアカデミアが位置づけられていますが、具体的にどのような取り組みを進めるのか伺います。 ◎総合政策部長(新妻英正君) いわきアカデミアにつきましては、子供たちの地域に対する誇りや郷土愛を育むとともに、小学生から大学生までライフステージに応じた切れ目のない教育プログラムを実施することにより、多様性、柔軟性に富んだ人財を育成し、人づくりとまちづくりの好循環を生み出すことを目的としております。これらいわきの次世代を担う人財育成や教育を軸とした人財還流の仕組みづくりを地域全体で推進していくため、去る5月23日に、いわき商工会議所、県・市を初め、市内の企業、金融機関、NPO、さらには高等教育機関など、市内各界各層からなるいわきアカデミア推進協議会が設立されたところであります。 今後、この協議会を中心として小・中学生の社会科見学のメニュー化や、高校生向けキャリア教育プログラム、さらには、首都圏大学生向けのインターンシップなどに取り組むことにより、未来に夢を持ち挑戦し続ける子供たちを育んでまいりたいと考えております。 ◆19番(小野邦弘君) 国家百年の計は、教育にあり。ことし2月に策定されたいわき市教育大綱に書かれてある言葉であります。次代のいわきを担う子供たち、新しい時代を切り開く子供たちを大切に育てていくことが我々大人の重要な使命であると感じています。そして、子供たちの生きる力を育む学校教育こそ、人材育成そのものであります。本市教育委員会では、未来をつくるいわきの学校教育ABCプランを改訂したと伺いました。 そこで、3点目は、本市の小・中学校において、生きる力を育むためにどのような目標や理念を掲げ、人材育成に取り組んでいるのか伺います。 ◎教育長(吉田尚君) 本年2月に策定されたいわき市教育大綱を踏まえ、平成28年度から5カ年を実施期間として、未来をつくるいわきの学校教育ABCプランを改訂したところでございます。このABCプランにつきましては、次代のいわきを担う、生きる力を身に付けた子どもの育成を目標に掲げ、夢に向かってチャレンジする子どもを育むことを学校教育の約束としております。 これらを実現するために、さまざまな体験活動や学習支援事業を推進すること、教育の土台となる部分をより一層充実すること、子供たちの命を守ることの3つを具体的な取り組みの視点として示しております。特に、人材育成にかかわっては、各学校において、課題の発見・解決に向けた主体的・協働的な学びを推進することや、学校、家庭、地域、NPOなどの多様な主体による協働型の教育を推進することなど、新たな視点も盛り込んだところでございます。 また、これまで取り組んできたいわき生徒会長サミット事業、いわき志塾、体験型経済教育事業など、先進的な取り組みを継続する中で、企画力・問題解決力・実践力などを児童・生徒に身につけさせ本市の未来を担う人材育成に取り組んでまいる考えであります。 ◆19番(小野邦弘君) 4点目は、各学校での人材育成における取り組みや、市教育委員会のさまざまな事業についての御説明をいただきましたが、1つ目として、その事業の中からいわき生徒会長サミット事業における実施状況について伺います。 ◎教育長(吉田尚君) いわき生徒会長サミット事業は、各学校の生徒会活動を活性化させるとともに、子供たちが、グローバルな視点から夢や希望、志を持ち、ふるさとの未来を担う有用な人材となるため、企画力・問題解決力・実践力を身につけることを目的に平成23年度から実施してまいりました。本事業においては、生徒会長などで構成されるサミット・メンバー同士のディスカッション、長崎市の中学生との交流事業や韓国派遣事業、ヤングアメリカンズ生徒会サミット公演などのさまざまな活動をNPO団体などと連携しながら実施しているところであります。 また、平成26年度から始まったいわきグローバルアカデミーいわき志塾は、市内全ての中学生を対象としており、中央省庁や医療機関などで活躍する方々、アスリートの方々などを講師としてお招きし、子供たちが講師の生き方や人間力に直接触れて、その学びの成果を発信することによってみずからの生き方を考える機会となっております。平成26年度、平成27年度の2年間でいわき志塾の開催は計19回、招いた講師の数は約150名、参加生徒数は延べ1,300名となっております。 ◆19番(小野邦弘君) 2つ目として、これからも多くの成果が期待できる事業でありますが、今後の方向性について伺います。 ◎教育長(吉田尚君) いわき生徒会長サミット事業については、平成23年度の事業開始以来、年々その拡充が図られており、これまでの事業に参加している生徒の様子から、リーダーに必要な資質・能力が着実に身についていることを実感しております。また、参加した生徒へのアンケート調査などから、郷土に対する愛着の高まりが見られるところです。今後も生徒会長サミット事業については、本市の未来を担う人材を育成する重要な施策の一つであると捉え、これまでの事業を継続するとともに、今年度より始まる高校生版志塾など、いわきアカデミアとの連携を図りながら内容の充実に努めてまいりたいと考えております。 ◆19番(小野邦弘君) 5点目は、体験型経済教育事業についてであります。 1つ目として、スチューデント・シティ、ファイナンス・パークでの実施状況について伺います。 ◎教育長(吉田尚君) 体験型経済教育事業につきましては、スチューデント・シティを小学校5年生、ファイナンス・パークを中学校2年生を対象として行っております。昨年度の市内公立小・中学校の活動実績につきましては、小学校62校3,018名、中学校39校3,128名の児童・生徒が参加いたしました。 実施後のアンケート調査によると、教員からは全ての学校において有意義な活動であったとの評価をいただいております。また、児童・生徒からは、社会の仕組みや経済の働きがよくわかった、進路選択や将来設計の大切さがよくわかったなどの感想が数多く寄せられております。さらに、ボランティアとして参加した保護者からは、社会勉強になるすばらしい体験活動である、将来の生活設計に役立つ力を育成できる有意義なプログラムであるなどの声が寄せられているところでございます。 ◆19番(小野邦弘君) 2つ目として、体験型経済教育施設、通称Elemができてことしで3年目となり、小・中学生の活動も順調に進められているようですが、本事業の今後の方向性について伺います。 ◎教育長(吉田尚君) Elemでの2年間の活動の成果を踏まえ、小学生、中学生それぞれのプログラムを今後も継続していくとともに、希望する学校に対しては、ジュニア・アチーブメント日本が提供している新しいプログラムを実施する予定であります。具体的には、自分たちの住んでいる社会が身の回りの人々の仕事によって支えられていることを学ぶ小学校3年生から5年生向けのプログラムや、仮想の会社経営を体験することで責任感や意思決定力、チームワークを学ぶ小学校6年生、中学校1年生向けのプログラムなどを新たに加え、体験型経済教育事業における学習の充実に努めてまいる考えであります。 ◆19番(小野邦弘君) はばたこういわきから日本へ世界へ未来へ。これは、先ほど質問した生徒会長サミットのスローガンであります。子供たちが掲げるこのスローガンに負けぬよう、これまでの先人の努力によって築かれてきた多くの人財を大切にするとともに、今まで以上にチームいわきの和を全国、世界へと発信し、一層魅力あるいわき市を築いていきたいと強く願い、次の質問に移ります。 大きな質問の2番目は、いわき市市制施行50周年記念事業についてであります。 東日本大震災から5年余りが経過し、困難に打ち勝って前進しようとする市民一人一人の努力や、清水市長が就任以来積極的に展開されている、災害公営住宅の整備等による被災者の生活拠点の確保、医・職・住への対応等の諸施策が着実に成果を上げつつあり、さまざまな分野で復興に向けた歩みが加速しているものと考えております。今後は、震災からの復興をなし遂げた明るく元気ないわきを内外に発信し、地域のきずなや、本市を支援していただいた多くの国や自治体の皆様、企業や団体とのネットワークを糧に、震災前よりもさらにすてきないわき市の実現に、官民を挙げて取り組んでいくことが求められております。 平成28年は、本市の復興・創生の幕あけの年として、これまでの歴史を振り返りながら、さらなる50年に向けた魅力あふれるいわき市の創生に向けた足がかりとしてさまざまな事業が企画されております。そこで、これらの事業のうち、行政のほか多くの団体、市民が一体となって取り組んでいる大規模なイベントでありますいわきサンシャイン博及び第3回WBSCアンダー15ベースボールワールドカップ2016inいわきについて、お伺いいたします。 初めに、質問の1点目として、いわきサンシャイン博についてであります。 市は、市全域を博覧会場に見立て、既存の観光資源やイベント等を組み合わせながら、観る、学ぶ、交流するをテーマに1年を通して楽しいいわきを提供することにより、震災後停滞する観光交流人口の拡大を目指すとともに、観光誘客をまちづくりにつなげる観光まちづくりの仕組みづくりを行っておりますが、1つ目として、これまでにどのような取り組みを実施してきたのか、その内容について伺います。 ◎特定政策推進監(大和田洋君) これまで実施した取り組みといたしましては、市内外の皆様にいわきサンシャイン博を発信するためのポスター、パンフレット、リーフレット、のぼり旗を作成し、いわき市石炭・化石館ほるる内に設置したビジターセンター及び市内の13地域の公共施設等に設置したサテライトに備えつけたところでございます。 また、いわきサンシャイン博を広く周知するため、市内におきましては、4月10日に21世紀の森公園においてオープニングイベントを開催し、本市にゆかりのある芸能人を初め、市内各種団体によるステージイベントや市内13地域のまちづくり団体等によるPRブースの設置など、いわきサンシャイン博の魅力を凝縮してお届けしたところでございます。 また、首都圏におきましては、4月21日にJR新橋駅前のSL広場におきまして、いわきサンシャイン博のPRを展開するとともに、震災以降、多大な御支援をいただいている皆様への感謝の意を伝えるいわき感謝の広場を開催し、市立湯本第一中学校3年生83名による感謝のメッセージ、合唱、東京オリンピック応援エールなどを、あわせて実施したところでございます。 ◆19番(小野邦弘君) 次に、2つ目として、いわきサンシャイン博の情報発信については、広報いわきや市公式ホームページなどで行っておりますが、市民に余り浸透していないように思われ、さらなる情報発信が必要であると考えます。 そこで、今後の情報発信についてお伺いいたします。 ◎特定政策推進監(大和田洋君) いわきサンシャイン博は、市外から多くの観光客の方々をお迎えするとともに、市民の皆様にもお住まいの地区以外を知っていただく絶好の機会であると認識しております。 したがいまして、今後におきましても、広報紙、ホームページやSNSを使ったPRを継続するとともに、ビジターセンターやサテライトに加え、多くの市民の皆様が訪れる公共施設や市内事業所へパンフレット等の配置やポスター・のぼり旗の掲示を行うなど、その周知に努めてまいりたいと考えております。さらに、旅行雑誌や市内外のタウン誌、首都圏等における広告掲出など、さまざまなメディアを活用しながら広く情報発信をしてまいりたいと考えております。 ◆19番(小野邦弘君) 次に、3つ目として、観光交流人口の拡大を図ることを目的に、いわきサンシャイン博を実施しておりますが、今後、どのように実施していくのか伺います。 ◎特定政策推進監(大和田洋君) 今後におきましては、四半期ごとに基幹オープニングイベントを開催し、季節ごとの事業のPRを行いますとともに、観る、学ぶ、交流するのテーマに沿った事業を展開してまいります。具体的には、地域が行うイベントや行事などを観光資源として情報発信することにより各地域へ観光客を誘導し、より深くいわきを観る機会を提供いたします。また、地域の歴史や文化を学ぶプログラムといたしまして、文化教育施設などにおける企画展や地域学講座、観光まちづくりをテーマとした有識者による人材育成セミナー等の開催を通してリピーターの確保を図ってまいります。 これらの取り組みを有機的に連携させるため、シャトルバスを運行するとともに、食のイベント、体験メニューなどにより観光客と市民との交流の促進を図りながら、観光都市いわきの魅力を高め、震災後停滞する観光交流人口の拡大を図ってまいりたいと考えております。 ◆19番(小野邦弘君) 次に、4つ目として、いわきサンシャイン博を今後の観光まちづくりにどのように反映させていくのか伺います。 ◎市長(清水敏男君) 各地域において、市民の皆様が住みやすく誇れるまちづくりを進め観光誘客につなげていく、いわゆる観光まちづくりの取り組みは、本市の観光振興を図る上で、非常に重要な取り組みであると認識しております。市といたしましては、いわきサンシャイン博において実施する地域資源の磨き上げや地域間の連携強化、地域外への情報発信により継続的な観光誘客を図り、それらを地域の活性化につなげるため、今後とも各地域の主体的な観光まちづくりの活動を支援してまいりたいと考えております。 ◆19番(小野邦弘君) いわきサンシャイン博による観光まちづくりの取り組みは、一朝一夕に成るものではないと考えます。この機会を契機に、地域と一体となって継続した取り組みがなされるようお願いいたします。 次に、質問の2点目として、第3回WBSCアンダー15ベースボールワールドカップ2016inいわきについてですが、本年度7月29日から8月7日にかけて、ここいわき市で開催されます。これまで、第1回、第2回の大会がメキシコで開催され、第3回目の会場が本市で開催されることは本市にとって大変喜ばしいことであります。 また、日本を含め世界各国12の国や地域から15歳以下のすぐれた野球少年たちが集い、世界一の称号を争う大会が開催されることは、本市のみならず福島の復興を世界に発信できる絶好の機会であり、同年代の中学生を含め本市の若い世代にとっても、その視野を広げ将来に向けた夢を育む重要な機会となるものと考えております。このような観点から、以下、質問させていただきます。 まず、1つ目として、本年度、本市においてアンダー15ベースボールワールドカップ2016が開催されるに至った経過について伺います。 ◎特定政策推進監(大和田洋君) 本大会がいわき市開催に至った経過につきましては、本大会の主管団体である一般財団法人全日本野球協会により、2014年8月に日本での開催決定が公表されたところでございます。本市におきましても、市民の皆様のスポーツ振興に向けた機運の醸成や震災復興の姿を国内はもとより、世界に発信する絶好の機会であると捉え、市長を先頭に本大会の誘致活動を行ってきたところであり、同年12月に本市での開催が正式に決定したところでございます。 ◆19番(小野邦弘君) 次に、2つ目として、現在の開催に向けた準備状況はどうなっているのか伺います。 ◎特定政策推進監(大和田洋君) 開催準備につきましては、一般財団法人全日本野球協会など関係団体で組織される国内実行委員会といわき市など開催地の地元団体を主体として組織するいわき開催支援委員会が、それぞれ役割分担をしながら作業を進めているところでございます。本年4月には、市職員10人によるプロジェクトチームを発足させ、いわきグリーンスタジアム内に執務室を設け着実に準備を進めているところでございます。 今後におきましては、市の体制をさらに充実させることはもとより、ボランティアスタッフとして多くの企業の方々や学生などの協力を得ながら、官民一体となって円滑な大会の運営に向け、万全な体制を整えてまいりたいと考えております。 ◆19番(小野邦弘君) 次に、3つ目として、本大会は過去2回がいずれもメキシコで開催され、我が国において十分に浸透している状況にはないと思われますが、市民への事業の周知について、どのように考えているのか伺います。 ◎特定政策推進監(大和田洋君) 市民の皆様への周知につきましては、現在、市役所本庁舎玄関前やいわき駅前に開催を周知する看板等を設置するともに、いわき-東京間に大会公式ロゴをラッピングした高速バスを走らせるなどPRを進めているところでございます。今後は、開催PRの看板やのぼりを公共施設や主要道路などPR効果の高い場所を中心に設置するほか、ポスターやチラシを初め、新聞、テレビ、ラジオ、さらには、市や関係機関の公式ホームページ、SNSなど、さまざまな媒体を通じて広く情報発信を行ってまいりたいと考えております。 ◆19番(小野邦弘君) 次に、4つ目として、市民の機運醸成に向けて、どのような取り組みを検討しているのか伺います。 ◎特定政策推進監(大和田洋君) アンダー15関連の機運醸成に向けた取り組みといたしましては、大会応援大使である中畑清氏を初め、プロ野球OB選手を招いての野球教室を開催したほか、100日前イベントにおいてカウントダウンボードを設置するなど、市民の皆様に対する大会機運の醸成に努めているところでございます。 今後につきましては、さまざまな媒体を通した情報発信はもとより、選手と同世代の中学生やその御家族に対する来場の働きかけや、アンダー15に係る著名人による講演会の開催、さらには、市内の全小・中学校を対象とした大会応援給食の提供や、12の国や地域にちなんだ食にかかわるイベントの開催などについても検討しているところでございます。 ◆19番(小野邦弘君) 次に、5つ目として、特に、同年代の中学生との交流が重要と考えますが、現時点でどのような対応を検討しているのか伺います。 ◎特定政策推進監(大和田洋君) 本大会の実施に当たりましては、参加する国・地域の選手と同世代の中学生が学校ごとに交流し、応援する1校1国・地域運動を実施することとしております。具体的には、応援する国や地域の試合観戦に加えまして、横断幕の作成や吹奏楽部による国歌などの演奏のほか、各国との有意義な交流に向けて各校の生徒たちが一体となった特色のある取り組みについて、現在、検討いただいているところでございます。 ◆19番(小野邦弘君) 次に、6つ目として、本市の復興を内外に示す観点から、本事業の効果について、どのように捉えているのか伺います。 ◎市長(清水敏男君) 本事業の開催効果といたしましては、本市が震災から復興した姿を国内外に発信する絶好の機会になるものと考えられるとともに、本市の国際的な知名度や都市イメージの向上により、スポーツや国際的な観光を通じた交流人口の拡大が図られるほか、中学生を初めといたしました、より多くの市民の皆様にかかわっていただくことで国際理解の進展にもつながるものと考えております。 さらには、諸外国や関係団体との親密なネットワークの形成や国際大会等の運営能力の蓄積と向上が図られ、2020年の東京オリンピック・パラリンピック関連事業を含め、大規模な大会等の受け入れ態勢の整備にもつながるものと期待しております。 ◆19番(小野邦弘君) 国においては、平成23年度のスポーツ基本法制定や、今後の東京オリンピック・パラリンピック開催を背景に、国民が生涯にわたり心身ともに健康で文化的な生活を営むことができる社会の実現に向けて、昨年10月、スポーツ庁を新設し施策を展開しているところであります。地方都市にとりましても、スポーツの振興は、子供たちの体力向上や市民の健康増進のみならず、交流人口の拡大、地域経済の活性化にも資する重要な取り組みとなっております。 このような中、本市においては、サッカーを通じていわき市を東北一の都市にするの宣言のもと、将来のJリーグ参入を目指していわきFCが始動したほか、冒頭申し上げましたように、JFAによるフットボール場の整備完了に伴う新舞子ヴィレッジのグランドオープンなど、注目すべき動きが続いております。今夏、開催されるアンダー15ベースボールワールドカップ2016もこうした動きを追い風として生かしながら、これまで以上にスポーツの振興に向けた市民の意識醸成、さらには市外からの合宿誘致等につなげてくださることを期待しております。 今回、いわき市市制施行50周年事業に関連する2事業について質問をいたしましたが、両事業とも行政だけではなく、市民や関係団体、企業などが一丸となって取り組んで初めて意義のある大会となり真の意味での成功に導くことができます。職員の皆さん一人一人がこのような意識を共通し市民の皆さんとともに手を携えて、次の明るい50年が展望できる市制施行50周年事業を代表するイベントとしていただきたいと思います。 次に、大きな質問の3番目は、平中心市街地の基盤整備についてであります。 平中心市街地であるいわき駅周辺地区においては、これまで駅前再開発ビルラトブや南口駅前広場が整備されてきたほか、ペデストリアンデッキ、南北自由通路、さらには本年3月末に、鉄北地区からの利便性の向上に寄与する北口交通広場が完成するなど、都市機能の集積が図られ、本市の陸の玄関口としてふさわしい風格のある市街地の整備が進められてきたところであります。本市においては、平中心市街地のさらなる活性化が図られるよう、今後、さまざまな取り組みがなされるものと思われます。 そこで、まず、質問の1点目として、磐城平城本丸跡地についてであります。 磐城平城は、徳川家康の腹心である鳥居忠政公により、慶長8年、1603年に築城されて以来、明治元年の落城まで260年余りの歴史を持つ本市の貴重な歴史的資源の一つでありますが、本丸跡地については、民間に払い下げとなって私有地であるため、長きにわたり市民が自由に立ち入ることはできませんでした。 しかしながら、昨年4月から6月の3カ月間、ふくしまデスティネーションキャンペーンに合わせて、平まちなか復興まちづくり計画推進プロジェクトチームの御尽力により、磐城平城本丸跡地が一般開放され、市内外より約2万人が来場されました。その後も同プロジェクトチームの企画・運営などによる磐城三藩交流剣道御前試合や平城紅葉まつりなど、年間を通じさまざまなイベントが開催され、多くの市民でにぎわったところであります。 このような磐城平城本丸跡地を開放してのイベントに、市民、特に子供たちが参加したり、訪れたりすることは、いわきの歴史に関心を持つきっかけとなり、ふるさとへの誇りや郷土愛醸成につながる貴重な機会であると考えており、今後もこのような機会が継続されていく必要性を感じているところであります。 平成28年度も、引き続き磐城平城本丸跡地の一般開放が行われているようでありますが、1つ目として、そのイベント等の概要について伺います。 ◎都市建設部長(高木桂一君) 磐城平城本丸跡地におけるイベント等につきましては、今年度も、平まちなか復興まちづくり計画推進プロジェクトチームによりまして、アフターデスティネーションキャンペーンに合わせ、4月から6月までの土曜、日曜及び祝日に一般開放されているほか、さまざまなイベントが実施されてきております。4月に開催された平城さくらまつりでは、園内の美しい桜が披露されたほか、5月の平城端午の節句では、勇壮なこいのぼりが泳ぐ中、和太鼓演奏や小学生による剣道大会などが行われ、延べ10日間に約4,100人の来場者でにぎわったと聞き及んでおります。 今後につきましても、10月に開催予定のいわき市市制施行50周年記念事業磐城平城復元「一夜城」プロジェクトに向け、平城願いの七夕や平城名月祭など、毎月多彩なイベントが予定されているところであります。 ◆19番(小野邦弘君) 桜やこいのぼりなど、季節や文化を生かした魅力的なイベントが行われてきたほか、今後につきましても、民間団体により、さまざまなイベントが予定されているとのことであり、市民の関心がより高まるものと期待されます。このような市民意識の高まりを踏まえ、本年1月の市長年頭所感において、当該地の公有化の検討に着手するとのことでありましたが、私も磐城平城の歴史を伝え継ぐ上で、公有地化は大変重要であると考えております。 そこで、2つ目として、公有地化に向けた市のこれまでの取り組みについて伺います。 ◎都市建設部長(高木桂一君) 磐城平城本丸跡地の公有化の検討に当たりましては、市民の皆様の意見や意向を反映することが重要でありますことから、昨年度のイベント開催時におきまして、来場者を対象に本丸跡地の利活用に関するアンケート調査を実施したところであります。また、当該地の利活用は、駅周辺における回遊性の向上とにぎわい創出につながることから、いわき市中心市街地活性化協議会の運営委員の方々などと公園整備の必要性や、そのイメージなどにつきまして意見交換会を実施するとともに、土地所有者や地元自治会長への意向確認を行うなど、広く市民意見の把握に努めてきたところであります。 ◆19番(小野邦弘君) 3つ目として、公有地化に対する市民意見についてでありますが、関係団体等に対し行った意見交換会などでは、どのような意見が出されたのか伺います。 ◎都市建設部長(高木桂一君) 主な意見といたしましては、まず、来場者アンケート調査におきましては、定期的なイベント開催や、市民や観光客がいつでも訪れることができる公園の整備を希望する意見が多く寄せられたほか、意見交換会におきましては、本市の歴史や文化を語り継ぐ場などとして恒久的な保存を望む意見など、当該地の公有地化や持続可能な管理・運営の必要性について、さまざまな御意見をいただいたところであります。 ◆19番(小野邦弘君) そのような公有地化等に対するさまざまな意見等を受け、4つ目として、市は、今後、具体的にどのような取り組みを進めていくのか伺います。 ◎市長(清水敏男君) 市といたしましては、これまでの一般開放イベントなどによる市民の関心の高まりや公園整備を望む意見等を踏まえ、当該地の公有地化とあわせて歴史と文化を感じながら、誰もが自由に利用できる公園としての整備に向け、より具体的な検討を進めてまいる考えであります。このため今年度は、公有地化に必要な現地測量などを実施するほか、引き続き有識者の皆様などに御意見を伺いながら、公園としての利活用方策や整備コンセプト、具体的な施設整備方針などについて検討を行い、公園の基本構想・基本計画を取りまとめてまいりたいと考えております。 ◆19番(小野邦弘君) 冒頭にも申しましたが、磐城平城本丸跡地は、本市の歴史と文化を後世に伝える貴重な資源であり、いわき駅に近接した当該地を本市の歴史的シンボルとなる公園として整備することは、市民が身近に本市の歴史を感じ関心を深める機会につながるほか、平地区に歴史・文化の要素が付加されまちの魅力が深まるとともに、イベント開催などによるにぎわいの創出、さらには観光面での情報発信による交流人口の拡大につながるなど、大きな効果があるものと考えておりますことから、公有地化、公園整備の実現に向け、引き続き検討を進めていただくようお願いします。 次に、質問の2点目は、都市計画道路掻槌小路鯨岡線の整備についてであります。 北口交通広場が本年3月に供用されたことにより、駅の北側、いわゆる鉄北地区への交通量がこれまでより多くなるものと予想されますが、この対応として、北口交通広場へのアクセス道路となる都市計画道路掻槌小路鯨岡線の整備計画が進められていると伺っております。 そこで、1つ目として、本路線の整備目的について伺います。 ◎土木部長(松本守利君) 都市計画道路掻槌小路鯨岡線につきましては、国道399号の平跨線橋北側の交差点から、いわき駅北口交通広場を経由し、都市計画道路正内町北目線の梅香町交差点までの区間約980メートルにおいて、幅員が狭隘で歩道が未整備であることから、歩道つき2車線道路の整備を行うものであり、歩行者や自転車の安全性の確保及び自動車交通の円滑化、さらには、北口交通広場へのアクセス強化を図ることを目的とするものであります。 ◆19番(小野邦弘君) 次に、2つ目として、現在の取り組みについて伺います。 ◎土木部長(松本守利君) 現在の取り組み状況といたしましては、平成27年度から測量、調査及び設計に着手し、これまで地権者及び沿線住民の方々に対し事業説明会を開催してきたところであり、現道の利用状況を踏まえ、歩行者の交通量が多い北口交通広場から梅香町交差点までの区間、約560メートルの柳町工区を先行して整備することとし、現在は、柳町工区の基本計画幅員20メートルを17メートルに変更する協議を県と進めるなど、都市計画の変更に必要な手続を進めているところであります。 ◆19番(小野邦弘君) 次に、3つ目として、今後の見通しについて伺います。 ◎土木部長(松本守利君) 今後の見通しにつきましては、柳町工区の基本計画幅員などの変更案について、広く市民の皆様から御意見を伺うため、今月27日にいわき市都市計画公聴会を開催し、その後、いわき市都市計画審議会の議を経て、都市計画の変更を行いたいと考えております。さらに、本年度内には、都市計画法に基づく事業として実施するための事業認可を取得し、平成29年度から用地取得等に着手してまいりたいと考えております。 ◆19番(小野邦弘君) 歩行者の安全・安心及び交通の円滑化、さらには先ほどの磐城平城へのアクセス性向上のためにも、早期に完成されることを望むものであります。 次に、質問の3点目は、平並木通り地区の再開発についてであります。 平並木通り地区は、いわき駅周辺に位置しながらも低層の木造家屋が立地するなど、都市機能の更新がおくれており、震災により建物の多くが被災し、地権者間では地区の復興・再生とにぎわいの創出に向けた話し合いが持たれるなど、再開発を目指す動きが活発化してきていると聞き及んでおります。当地区の再開発は、いわき駅周辺地区のさらなる魅力向上と潤いの創出につながるものと感じておりますことから、何点か質問いたします。 1つ目として、地元が主体となった再開発に向けたこれまでの動きについて伺います。 ◎都市建設部長(高木桂一君) いわき駅西側の国道399号、通称並木通りの北側につきましては、震災により建物の多くが被災したことなどを契機として、地権者が主体となって建物の共同化による復興や、一体的な土地利用による地区の再生などについて話し合いが行われ、おおむねの合意が得られたことから、平成26年3月に地権者によるいわき市並木通り地区復興市街地再開発ビル協議会が組織されたものであります。 その後、当協議会では、市に対して再開発の事業化について協力を求める要望書を提出するとともに、継続的に勉強会を開催し、当地区にふさわしい土地利用や導入機能などについて、検討が進められてきたものであります。 ◆19番(小野邦弘君) 地元においては、おおむね地権者が同意し、再開発に対する検討が進められてきたとのことでありますが、2つ目として、市では、当地区の再開発について、これまでどのような取り組みを進めてきたのか伺います。 ◎都市建設部長(高木桂一君) 市といたしましては、平並木通り地区の再開発を進めることは、まちなか居住の推進や、さらなる市街地のにぎわいの創出につながり、本市の中心市街地の活性化を図る上でも重要であると認識しております。このことから、昨年12月からは市も協議会が開催する勉強会に参加し、組合施行による再開発事業の手法や進め方について助言を行いながら、まちづくりの方向性につきまして、意見交換をしてきたところであります。 ◆19番(小野邦弘君) それでは、3つ目として、市は、並木通り地区の再開発について、今後、どのように取り組んでいく考えなのか伺います。 ◎市長(清水敏男君) 市といたしましては、再開発事業の具現化に当たり、より具体的な検討を進める必要があることから、本年度は、専門的知識とノウハウを有するコンサルタント等に委託し、協議会の皆様と連携を図りながら各種調査を実施することとしております。その中で、民間事業者へのヒアリングなども行い導入する施設の需要を把握し、建築物の適正な規模や配置、資金計画等について検討を進めるとともに、国・県などの関係機関と協議しながら、事業の熟度を高め地元が主体となった再開発の取り組みを支援してまいりたいと考えております。 ◆19番(小野邦弘君) 人口減少、少子・高齢化の進展、さらには、消費生活の変化等に対応したコンパクトなまちづくりを推進する上では、いわき駅周辺を中心とした拠点性の高い市街地において、都市的な機能の集積を図るとともに、先ほど質問いたしました磐城平城本丸跡地のような歴史や文化を肌で感じられる要素を加えることにより、平地区の魅力向上と活性化が図られ、ひいては、いわき創生につながるものと考えておりますことから、今後も地権者を初めとした地域の皆様と一体となって再開発の具現化に努めていただけることを期待しております。 次に、質問の4点目は、国道399号北目町工区の整備についてであります。 国道399号については、福島県が東日本大震災からの復興を担うふくしま復興再生道路として位置づけ、上小川地区における十文字工区の一部において、国の直轄権限代行事業として戦略的に整備が進められることと伺っております。また、平北部地区から平中心市街地へ流入する要衝として、北目町交差点においては、北目町工区として橋梁工事が進められているところでありますが、朝夕の通勤・通学時間帯においては、交通渋滞が発生しており、市民生活や産業活動などに支障を来しているところであり、道路を利用する方々や周辺の北目町地区の方々にとりましても、一日も早い渋滞解消を願っているところであります。 このようなことから、北目町工区の進捗状況について伺います。 ◎土木部長(松本守利君) 進捗状況につきましては、慢性的な渋滞が発生している平字北目町地内の北目町交差点において、自動車交通の円滑化や、歩行者の安全性の確保を図るため、北目町交差点付近から好間町川中子地内の加賀分交差点付近までの区間において、左折レーンや両側に歩道を整備する計画であり、これまで平川橋を除く区間の整備がおおむね完了しております。現在、県では、平川橋の拡幅工事を行っているところであり、既に完成した橋脚2基に引き続き、橋台2基の工事を実施しており、平成30年代前半の事業完了を目途に鋭意取り組むとしております。 ◆19番(小野邦弘君) 北目町交差点の渋滞が一日でも早く解消されるよう、本工区の早期完成をお願いしまして、私の質問を終わらせていただきます。御清聴まことにありがとうございました。(拍手) ○議長(根本茂君) ここで、午後2時20分まで休憩いたします。          午後1時59分 休憩---------------------------------------          午後2時20分 再開 △上壁充君質問 ○議長(根本茂君) 休憩前に引き続き会議を開きます。24番上壁充君。          〔24番上壁 充君第二演壇に登壇〕 ◆24番(上壁充君) (拍手)24番いわき市議会創世会の上壁充でございます。 質問に入る前に、4月14日に発生した熊本県を中心とした大震災において、大きな被害を生じ多くの方々が犠牲になり、現在も避難している人も多くいるとのことですが、私からも犠牲となりお亡くなりになられました方々に心から御冥福をお祈りし、被災されました方々にはお見舞いを申し上げたいと思います。一日も早い復興と生活再建ができますよう御祈念申し上げます。 ただ、残念なのは、避難所の設置や仮設住宅等がおくれ、車中で生活し亡くなられた方もいたということで、国、政府は東日本大震災の教訓は何だったのか、何を生かしてきたのかを疑問に感じていた1人でございます。政府に対しては、速やかな対応を望むところでございます。 なお、本市から派遣されている、これからも派遣されます職員の皆さんには、健康管理には十分留意しながら、熊本県・大分県を初め、九州の復興、生活再建に向けた職務の支援を心からお願いを申し上げたいと思います。 さて、本日は、多くの皆さんは悪天候と言うと思いますが、田んぼをやっている私にとっては恵みの雨になりました。いつも穴があいて一晩で水がなくなる田んぼにこうした水がたまるというのは、本当に恵まれているなときょうは感じているところでございます。きょうも質問が終わりましたら、田んぼに行きましてアメリカザリガニの親子に穴をあけないようにとお願いをし質疑をしたいと思いますので、ひとつきょうの質問に対しましては、前向きな回答をぜひお願いをしまして、以下、通告順に従いまして質問いたします。 第1番目の質問は、復興・創生等に向けた適正な人員配置及び職場環境改善についてです。 第1点は、今後の復興・創生関連業務の業務量の見通しについてお伺いいたします。 全国の自治体では、1980年以降の行革大綱に基づき、公共施設の民営化を中心として自治体職員の削減が進められてきました。そうした中で、本市においては、3.11東日本大震災が発生し、それ以降は通常業務に復旧・復興の業務が重なり職務が膨らみました。このことから、年次休暇の取得も難しくなり心身ともに疲労が生じ健康障害も発生してきました。本年からは、復興・創生としてスタートとなりました。しかし、正規職員の採用は少々ありましたが、この間の業務内容や組織再編などを考えると、今後の業務量はどのようなものかという不安の声が上がっているのも事実であります。 その意味で、執行部は今後の業務量をどのように捉えているのかお伺いしたいと思います。 ◎総務部長(岡田正彦君) 今後の復興・創生関連業務の見通しにつきましては、復興関連事業であります津波被災地域における震災復興土地区画整理事業や、住宅除染事業などの進捗に伴う業務縮小が見込まれる一方、子育て支援や文化・スポーツの振興、産業集積など、地域創生関連事業に新たに取り組むこととしております。このようなことから、総合的に勘案いたしますと、全体の業務量としては緩やかに減少していくものと考えております。 ◆24番(上壁充君) 震災以前の通常業務時においても、各職場からは人員不足が常に言われ、あと1人欲しいと要求されてきました。つまり、退職された人数分にあと1人でもいいから追加した人を配置してもらえれば助かるというようなことで、正規職員で採用してほしいという声があったわけであります。 そこで、第2点は、本市職員の平成25年度以降の主な職種の退職者数の推移についてお伺いいたします。 ◎総務部長(岡田正彦君) 平成25年度以降の主な職種ごとの退職者数につきまして、定年退職者数、普通退職者数の順に申し上げますと、まず平成25年度は、一般事務職が22人と9人で合わせて31人、土木職が5人と2人で合わせて7人、保育士が9人と1人で合わせて10人、保健師が定年退職のみで1人、看護師が11人と24人で合わせて35人、薬剤師が普通退職のみで1人となっております。 次に、平成26年度は、一般事務職が24人と9人で合わせて33人、土木職が16人と2人で合わせて18人、保育士が8人と2人で合わせて10人、保健師が1人と3人で合わせて4人、看護師が12人と30人で合わせて42人、薬剤師がそれぞれ1人で合わせて2人となっております。 平成27年度は、一般事務職が23人と14人で合わせて37人、土木職が9人と4人で合わせて13人、保育士が6人と1人で合わせて7人、保健師が2人と5人で合わせて7人、看護師が10人と28人で合わせて38人、薬剤師がそれぞれ2人で合わせて4人となっております。 ◆24番(上壁充君) それでは、その退職者数に対して、第3点は、平成26年度以降の各年度における主な職種の採用者数の推移についてお伺いいたします。 ◎総務部長(岡田正彦君) 平成26年度以降の職員採用候補者試験による主な職種の採用者数につきましては、平成26年度中の採用が、一般事務職43人、土木職11人、保育士6人、保健師1人、看護師39人、薬剤師が2人となっており、同じく平成27年度は、一般事務職20人、土木職7人、保育士5人、保健師4人、看護師36人、薬剤師2人、平成28年度は、4月1日現在で、一般事務職38人、土木職14人、保育士7人、保健師9人、看護師45人、薬剤師2人となっております。 ◆24番(上壁充君) 採用はしているなというようには感じますけれども、先ほど申し上げましたように、やはり現場実態とはちょっとまた違うなという感じもします。 それでは、第4点は、平成23年以降の主な職種の年次休暇の取得状況についてですが、年次休暇の取得は、職種によっては時期的な面もあると思われますが、主な職種での年次休暇の取得状況はどのようなものかお伺いいたします。 ◎総務部長(岡田正彦君) 平成23年以降の年次休暇の取得状況につきまして、主な職種の平均取得日数で申し上げますと、平成23年は、一般事務職が7.4日、土木職が7.2日、保育士が10.1日、保健師が8.6日、看護師が5.8日、薬剤師が8.9日、平成24年は、一般事務職が9.6日、土木職が9.3日、保育士が11.0日、保健師が10.4日、看護師が4.1日、薬剤師が8.1日、平成25年は、一般事務職が8.9日、土木職が8.6日、保育士が9.8日、保健師が10.5日、看護師が4.0日、薬剤師が6.6日、平成26年は、一般事務職が9.4日、土木職が8.6日、保育士が10.2日、保健師が10.0日、看護師が3.7日、薬剤師が8.0日、平成27年は、一般事務職が7.4日、土木職が7.7日、保育士が9.0日、保健師が9.2日、看護師が5.3日、薬剤師が7.4日となっております。 ◆24番(上壁充君) 次に、第5点は、病休者等について伺います。 平成26年6月定例会で、市職員の健康管理と適正な人員配置の中で、今後の予防対策の強化について伺いました。当時の答弁では、平成26年度も健康相談員を1名増員し、新たに職員の心の健康問題の未然防止や復職した職員へのフォローアップを目的に、メンタルヘルスの専門家である臨床心理士に継続して相談できる事業を開始したとのことであり、今後も良好なさまざまな取り組みを通して、良好な職場環境づくりや職員が気軽に相談できる相談体制を整えるとともに、健康管理に対する意識向上や予防対策の充実を図り、明るく元気ないわき市役所をつくってまいりたいとのことでした。 私もそれには大変同感でありまして、そこで最初に、そうしたことも踏まえて、平成23年度以降の7日以上の精神疾患に係る病休者の推移について、どのようなものかお伺いいたします。 ◎総務部長(岡田正彦君) 平成23年度以降の精神疾患による7日以上の病気休暇の取得状況につきまして、年度ごとの実人数で申し上げますと、平成23年度は67人、平成24年度は40人、平成25年度は34人、平成26年度は32人、平成27年度は36人となっております。 ◆24番(上壁充君) それでは、次に、ただいま答弁ありましたその人数に対して、その7日以上の精神疾患に係る病休者の復帰状況についてですが、1人でも多くの職場復帰を期待しておりますが、どの程度職場復帰をされているのか伺います。 ◎総務部長(岡田正彦君) 平成23年度から27年度までに、精神疾患により7日以上の病気休暇を取得した職員の復職の状況につきましては、本年4月1日現在で、復職している職員は103人で、病気休暇等を取得している職員は17人となっております。 ◆24番(上壁充君) これからも、本当に職場環境を整えながら、そういったメンタル的な面も含めて一緒になってカバーをしながら、そういった病休者が生じないようにお願いをしたいと思いますし、対応もお願いしたいと思います。 では、次に入りますが、職場復帰も大事だということでお願いするようになりますけれども、確かに職場復帰に向けての対応は、本人、家族、専門家や相談員などとの連携が必要であり、時間もかかるし、難しいところもあるとは存じますが、そういった意味で引き続きお願いしたいと思います。それとあわせて職場環境の改善と業務量の負担軽減としての人員確保の対策も重要と思っております。 その意味で、第6点は、今後の復興・創生関連業務に係る人員の確保についてになります。 先ほど申し上げましたように、あと1人欲しいという職場が多いと言いましたが、そうしたことによって超過勤務も少なくなり、希望日に年次休暇が取得でき心身ともに癒せる時間ができる職場環境になっていきます。 私は、この間、各職場の実態等を報告しながら、復旧・復興に向けては、一般職員や技術職員から福祉・医療関係職員など、全ての職員の健康管理が重要であり、そのためにも試験による正規職員の採用、人員確保が必要として要望をしてまいりました。通常業務でも、時代の流れによって業務量が多様化し、対応が追いつかない職種も出てきております。こうしたことによって病休者が増加し、定年前に退職する職員も発生し問題となってきました。 いわき市でも同じでありまして、特に、東日本大震災、福島原発の人身事故によって生じた放射能問題などの対応に追われ労働条件が厳しくなってきており、市民サービスの低下にもつながってきております。それぞれの職場では、電話の対応で時間がとられる、あるいは、あの人にこうしてやりたいが相談に乗ってやりたいんだけれども、でも、手が回らないといった職場もふえてきています。 その意味では、明るく元気ないわき市をつくり、市民に喜ばれる行政にしていくために、現場の実態をもっと把握をし、厳しい状況の職場と共通の認識に立ち改善していくことが必要だと思っております。嘱託職員を含め臨時職員が必要であるということは、正規職員が必要との実態であり、現業職員も含めて、試験によって採用された正規職員は、行政の立場での責任があり、また、安定した生活を営むことができるのであって、それがいわき市の人口減少に歯どめをかけるきっかけになるかもしれないのです。 そうした意味も含めて、冒頭伺った復興・創生関連業務も踏まえ、人員増も含めてそれぞれの職場の業務量に見合った正規職員を確保していくべきと存じますが、現時点での御所見をお伺いいたします。 ◎市長(清水敏男君) 本市におきましては、効率的・効果的な行財政運営を図ることを基本としながらも、震災からの復旧・復興事業等に的確に対応するため、必要な人員の確保に努めてきたところであります。今後におきましても、復興及び地域創生に関する各種事業の着実な推進を図るため、引き続き適正な定員管理に努めながら、正規職員の採用を初め、全庁的な応援体制や再任用職員、任期付職員及び嘱託職員等の多様な任用形態を活用するなど、柔軟かつ効率的な職員配置を行いながら、必要な人員の確保に努めてまいりたいと考えております。 ◆24番(上壁充君) 今後ともいろいろな要望があると思いますけれども、いろいろな面で相談に乗りながらお願いをしたいと思います。 第2番目の質問は、高齢者の自動車運転免許証の返納に対する補助についてです。 本市における80歳以上の自動車運転免許証の所持者の推移についてですが、既に御承知のように日本の人口は、平成20年ごろまでは増加傾向にありましたが、それ以降は減少傾向にあり、少子・高齢化が進行しております。 しかし、このような中、自動車運転免許証の所持者数は増加傾向にあります。古くなりますけれども、例えば、昭和41年の保有者数は約2,285万6,547人ということでしたが、平成元年には約5,915万9,342人と約3倍近くの所持者数となっております。さらに平成10年には約7,273万3,411人、平成20年は約8,044万7,842人、そして平成27年には約8,215万8人となっております。その中で80歳以上の所持者数で言うと、平成26年末時点では、180万4,915人ということで、平成27年末では196万2,443人とふえております。今後も増加傾向が続くと思われます。 こうしたことから本市においては、80歳以上で自動車運転免許証の所持者数がどの程度なのか、過去4年間の推移についてお伺いいたします。 ◎市民協働部長下山田松人君) 福島県の交通白書によりますと、本市における80歳以上の運転免許証の保有者は、平成24年が5,173人、平成25年が5,543人、平成26年が5,932人、平成27年が6,382人と年々増加傾向にあります。 ◆24番(上壁充君) それでは、第2点は、交通事故の発生状況の推移についてであります。 高齢者においては、急発進などで店舗等に突っ込む事故や駐車場などでの事故、さらには高速道路での逆走行、あるいはトラクターでの転倒事故などなど、高齢者による運転事故のニュースがたびたび報道され、大変心配されているところであります。 その意味で、本市において80歳以上の運転免許所持者が加害者となった過去4年間の事故の推移はどのようなものか伺います。 ◎市民協働部長下山田松人君) 本市の交通事故白書によりますと、80歳以上の高齢者が加害者となった交通事故の発生件数は、平成24年が81件、平成25年が78件、平成26年が55件、平成27年が58件となっております。 ◆24番(上壁充君) それでは、第3点は、80歳以上の自動車運転免許証の返納の推移についてです。 本市において、80歳以上で自動車運転免許証を自主返納したのはどの程度なのかお伺いいたします。
    市民協働部長下山田松人君) 市内3警察署からの聞き取りによりますと、本市における80歳以上の高齢者による運転免許証の自主返納者数は、平成24年が67人、平成25年が115人、平成26年が119人、平成27年が149人と年々増加傾向にあります。 ◆24番(上壁充君) 年々増加傾向にあるということで、私が仄聞しているのと同じような感じになっております。 第4点は、返納者への公共交通等利用者に対する利用料金の補助についてであります。 仄聞するところによりますと、交通事故の死亡者が多いのは、大体75歳以上ということであります。このことから、高齢者の交通事故を撲滅させるためには全国的な対策が求められております。その対策として注目を浴びているのが自動車運転免許証の自主返納であります。その自動車運転免許証の自主返納は、都市部と農村地帯などとの違いはあるかもしれませんが、今答弁ありましたように、年々増加傾向にあると言われております。 増加傾向の理由の1つとして、当初の制度は、申請による運転免許証の取り消しと言っていたそうですが、それでは自分が交通違反や事故などを起こして免許証を取り上げられたというような印象があり普及しなかったと言われております。それを自主返納という呼び方に変えたことが、自主返納の増加になったのではないかと言われております。2つ目に、運転免許証にかわる運転経歴証明書というものが発行されていること、3つ目に、各自治体での取り組みとして、自主返納者への公共交通機関などの優待などが挙げられております。 ちなみに2つ目に挙げました運転経歴証明書は、運転免許証にかわる公的な身分証明書で外観も自動車運転免許証とそっくりということですが、当初、2002年は有効期間が6カ月しかなく普及しなかったそうです。しかし、2012年からは有効期限が無期限となったようであります。 3つ目の自主返納者への優待策ですが、地域によっての違いはありますが、例えば東京都では、高齢者運転免許自主返納サポート協議会という団体が結成され、自宅への無料配送やレストランの飲食割引などが用意されているそうです。また、バスやタクシーなどの公共交通機関による優待も用意されており、共通バスカードの贈呈や運転経歴証明書提示によるタクシー料金の割引などが用意されている自治体もあるということです。 このような取り組みなどから、自主返納者は急激にふえ2012年には10万人を突破し、2014年には2倍にも及ぶ20万人を超えたようです。ちなみに2014年に自主返納した20万8,414人のうち、65歳以上の人が94.8%ということでした。いわき市は広域ということもありますが、本市においても、高齢者の死亡事故を撲滅するための対策が必要と思います。 その意味で、例えば、自動車運転免許証を自主返納し、運転経歴証明書の保有者を対象として乗り合いバスを利用した場合には、利用料金を本市が支払うとか、あるいはタクシーを使用した場合には、1日1往復に限定し片道2,000円をタクシー会社に支払うなどの制度などを検討してはどうかと思いますが、御所見をお伺いいたします。 ◎市民協働部長下山田松人君) 運転免許証返納者への公共交通等利用に対する補助につきましては、自動車等の運転に不安を感じる高齢者が免許証を返納しやすい環境をつくることにより、交通事故を未然に防止する効果が期待できるものの、免許証を所持していない高齢者との公平性や公共交通機関の確保などの観点から、現時点においてはその実施は困難であると考えておりますが、高齢者の交通事故防止に向けましては、現在、各警察署において70歳以上の方々の免許更新の際に高齢者講習を実施しているところであり、また、免許証の自主返納者に対する運転経歴証明書の発行などを通じた返納の促進にも取り組んでいるところであります。 さらに、本市におきましては、高齢者を対象とした交通安全教室を開催し、体験・実践型のドライバーシミュレータを活用した身体能力や歩行力の診断を行うほか、免許証の自主返納に関する啓発活動を実施しているところであり、今後も引き続き、こうした取り組みを通じ高齢者の事故防止に努めてまいりたいと考えております。 ◆24番(上壁充君) 以上で、私の一般質問は終わりますが、人員確保においては、今後も関係団体との協議を行いながら、明るい職場環境と市民サービスの向上をお願いしたいと思いますし、関係団体はアンケートを行いながら市民との接点や問題点などを把握しておりますので、そうした意見を真摯に受けとめ、明るく元気ないわき市を築いていただきたいとお願い申し上げたいと思います。 高齢者の件ですが、さきの定例会で溝口議員が高齢者について質問しましたが、高齢者が65歳ということで、私も還暦を過ぎて数年過ぎると65歳になりまして、65歳では高齢者とは私自身言われたくないという気持ちでいっぱいですけれども、ただ、80歳以上の方々に対しては、いずれにしても大変に運動神経というか体の動きも鈍くなってきておりますので、そういった意味ではそういったところに対する対応もお願いを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。御清聴まことにありがとうございました。(拍手) ○議長(根本茂君) ここで、午後3時まで休憩いたします。          午後2時50分 休憩---------------------------------------          午後3時00分 再開 △伊藤浩之君質問 ○議長(根本茂君) 休憩前に引き続き会議を開きます。10番伊藤浩之君。          〔10番伊藤浩之君第二演壇に登壇〕 ◆10番(伊藤浩之君) (拍手)アロハ・アウイナラ。やっぱりかみましたね。なれないことをやるものではないと。10番日本共産党いわき市議団の伊藤浩之です。 今定例会は、アロハ議会ということで、本会議場の装飾や初日の本会議前のフラダンスの披露、そして会議に出席する皆さんのアロハシャツの着用など、本議会に華やぎと和らぎを添え、その目的とする親しみやすい議会、市民に開かれた議会が、市民の皆さんの心に響くことを心から願っております。 今定例会に冠したこのアロハという言葉ですが、挨拶の言葉で、午後という意味のアウイナラと組み合わせたのが、先ほどのアロハ・アウイナラで、こんにちはという意味になり、朝という意味のカカヒアカと組み合わせれば、おはようございます、晩という意味のアヒアヒと組み合わせれば、こんばんはという意味になるということであります。 また、アロハは挨拶と別の意味も持っているようで、2つの秘められた意味カオナというものがあるそうです。その1つがアロハを分解して、アルファベットで言うと、A、L、O、H、Aとなりますが、このアルファベットそれぞれが意味を持った単語の頭文字となり、このうちLはロカヒで、この言葉には日本語で言えば協調とか調和、統一や一致という意味があるのだそうであります。 さて、昨年、憲法も民主主義も踏みにじった安倍政権に対して、国民の皆さんが野党は統一して安倍自公政権を打ち破れ、こういう道筋を示し、これに応えて野党が参議院選挙で選挙協力をするという流れが全国でつくり出されてまいりました。この福島では、民進党、社民党、そして共産党が市民の皆さんとともに、安保関連法制、私たちは戦争法と呼びますが、この戦争法の廃止、集団的自衛権行使容認の閣議決定の撤回、そして、アベノミクスによる格差と貧困の拡大の是正など7つの合意点の実現に向けて、それぞれが力を尽くそうということになりました。 政策の違う政党が選挙協力をするのは野合だという批判の声も聞きます。しかし、さきの通常国会では、野党が共同で残業時間規制を含む労働基準法の改正案など18の法案を提出することができました。そして、3党のこの7つの合意事項は、憲法、自衛隊の派兵、そして経済政策まで幅広い分野に及び、この項目が土壌になって、さらに豊かな政策の花を開かせることができるものと思います。本定例会に冠されたアロハ、この言葉の精神をこのいわきでこそ引き継いでいかなければならない、このように思っております。 そこで、早速、格差と貧困にかかわる問題として、市民の皆さんの公的な負担の軽減をどう図るかという問題について、質問してまいりたいと思います。 国民健康保険税の問題であります。 国民健康保険については、国庫負担を医療費の50%から給付費の50%を負担するあり方に変更して以来、高騰を続け、今では加入者が高すぎて支払いが厳しいと感じるほどの水準になり、全国的にも問題になっております。そうした中、本市では、一昨年には資産割を廃止し、昨年には所得割で1%の引き下げを図り、また、法定減免の対象者を拡大するなど負担の軽減を図ってまいりました。そして、本年度の国保税は、昨年度の税率で収支を見込むと約6億円の収支不足が生じるものの繰越金を充当することで、国保会計の運営は可能だという判断から税率は現行どおりに据え置くことを提案しております。そこで、まずは、昨年度の決算にかかわって幾つか伺っていきたいと思います。 本年度の国保税を決定するに当たって、市長は国保運営協議会に諮問をしていますが、その諮問では、決算の状況について次のように述べていました。平成27年度は、被保険者数の減少、復興需要による被保険者の所得増の鈍化、さらには資産割の廃止及び所得割額の税率引き下げなどの影響により、国民健康保険税収入は減少傾向に転じ、一方、保険給付費については被保険者数は減少しているものの、被保険者の高齢化や医療の高度化などにより1人当たり医療費が増加し、平成25年度以降は、ほぼ横ばいで推移している状況にあるため単年度収支は赤字となる見込みであります、こういう内容です。ここに盛られた内容について、具体的にどのように決算に影響したのかを伺っていきたいと思います。 まずは、被保険者数の減少による国保税収の影響額はどの程度になるのか伺います。 ◎市民協働部長下山田松人君) 被保険者数の減少による国民健康保険税収入への影響額につきましては、平成26年度と平成27年度の調定額をもとに算出いたしますと、約2億9,100万円の減収となっております。 ◆10番(伊藤浩之君) 次に、被保険者の所得増の鈍化としておりましたが、推移はどのようになっておりますか。 ◎市民協働部長下山田松人君) 平成23年度から平成27年度の被保険者1人当たりの所得額から算出される課税標準額の推移で申し上げますと、平成23年度は43万5,520円、平成24年度は44万1,085円で前年度と比較して5,565円1.3%の伸び、平成25年度は52万7,335円で前年度と比較して8万6,250円19.6%の伸び、平成26年度は56万2,922円で前年度と比較して3万5,587円6.8%の伸び、平成27年度は57万6,191円で前年度と比較して1万3,269円2.4%の伸びとなっており、近年、その伸びが鈍化している状況にあります。 ◆10番(伊藤浩之君) 鈍化はしたといっても、平成23年度、平成24年度あたりに戻ったという程度ですね。 この所得増の鈍化による国保税収への影響額はどの程度になるのでしょうか。 ◎市民協働部長下山田松人君) 所得増の鈍化による国民健康保険税収入への影響額につきましては、国保税の調定額をもとに算出いたしますと、平成26年度の伸びは約3億7,600万円であるのに対し、平成27年度の伸びは約1億4,000万円となっておりますことから、影響額といたしましては、約2億3,600万円の減収となっております。 ◆10番(伊藤浩之君) 次に、資産割額の廃止による影響額はどの程度になるでしょうか。 ◎市民協働部長下山田松人君) 平成26年度に資産割額を廃止したことによる影響額は、廃止しなかった場合の試算額と比較いたしますと、単年度で約2億円の減収となっております。 ◆10番(伊藤浩之君) 次に、所得割額の税率引き下げによる影響額はどの程度になるのでしょうか。 ◎市民協働部長下山田松人君) 平成27年度に所得割額の税率を1%引き下げたことによる影響額は、税率を引き下げなかった場合の試算額と比較いたしますと、単年度で約2億9,000万円の減収となっております。 ◆10番(伊藤浩之君) 以上のようなことなどから、決算では前年度に比べて国保税収としては5億円程度減少したということであります。一方、これらのことは予算編成時においてある程度は織り込んでいると思います。現実に2015年度、平成27年度の予算現額では、前年より国保税の収入額を1億円低く見積もっていました。それに対して、2015年度の国保税の収入は約5億円の減と見込まれるとのことですが、歳入のうち、国民健康保険税の予算現額に対する決算見込みは、約1億6,200万円の増となっております。 増となった要因は何と見ているでしょうか。 ◎市民協働部長下山田松人君) 予算現額に対する決算見込額が増となる主な要因といたしましては、現年度分の収納率の増、滞納繰越分の調定額の増、及び滞納繰越分の収納率の増が挙げられます。 ◆10番(伊藤浩之君) ということで、前年度と比べるとなかなか減額があったけれども、それぞれ収納率の向上、または調定額の増ということで、それが国保税収の増額につながっていくということが、今の答弁からわかってきたんだと思います。 単年度収支で赤字となっているわけですが、この理由はどのようなところにあると捉えていらっしゃるでしょうか。 ◎市民協働部長下山田松人君) 平成27年度の単年度収支が赤字と見込まれる主な要因といたしましては、歳入である国民健康保険税は、予算現額を上回る収入を確保できる見通しであるものの、被保険者数の減や所得割額の税率を1%引き下げたことにより、前年度と比較し約5億1,400万円の減収となること、一方、歳出である保険給付費は、予算現額は下回るものの被保険者の高齢化や医療の高度化などにより、1人当たりの医療費が増加しており、前年度と比較し約1億1,400万円の増となることが挙げられます。 ◆10番(伊藤浩之君) 単年度の収支が赤字であっても全体としてのバランスはとれているし、繰越金も24億3,000万円余りと前年度の本算定時並みに見込むことができているという状況が、この決算からは見てとることができると思います。その上に立って今年度の本算定では、2015年度の決算状況、2016年度の被保険者数の推移及び保険給付費等の支出を見込み、国民健康保険税について試算したところ、現行税率では約6億円の収支不足が見込まれるものの、平成27年度からの繰越金により事業運営は可能との見通しに立って、税率を据え置く、このようにしたわけです。ただ、一方では、昨年に引き続き、国の財政支援策が継続をしております。 国は、国民健康保険の財政基盤強化策として約1,700億円の支援を行いますが、今年度、本市への影響額はどの程度が見込まれるのでしょうか。 ◎市民協働部長下山田松人君) 国の財政基盤強化策に係る今年度の本市への交付額は、約3億8,300万円と見込まれますが、この交付に伴って、国庫負担金が約1億4,000万円の減収となりますことから、影響額といたしましては、約2億4,300万円が見込まれます。 ◆10番(伊藤浩之君) ほぼ前年度並みには確保できるんだろうと、こういうことであります。あわせて県の支援策もせんだって新聞報道されておりました。その報道では、県独自の18歳以下の医療費の無料化に伴い、国が県内市町村への国保財政への補助金を減額していることから、県は今年度、減額分の一部を独自に補填することにしたとされておりました。 県は補填によって市町村の国保税の引き上げを緩和できるなどと新聞記事には書かれておりましたが、この本市国保会計への影響額はどの程度が想定されるでしょうか。 ◎市民協働部長下山田松人君) 県が、本市に対して支出する額は約2,000万円が見込まれます。 ◆10番(伊藤浩之君) 国・県合わせておおよそ2億6,000万円ほどのプラス要因があるということであります。今年度は現行税率では約6億円の収支不足が想定されるとしています。 そこで、単年度収支の推移はどのようになっているのかお伺いします。 ◎市民協働部長下山田松人君) 平成23年度から平成27年度までの5年間の単年度収支につきましては、平成23年度は約4億8,700万円の黒字、平成24年度は約13億4,400万円の黒字、平成25年度は約3億4,600万円の赤字、平成26年度は約6億1,700万円の黒字であり、平成27年度については約6億3,800万円の赤字となる見込みであります。 ◆10番(伊藤浩之君) 赤字と黒字を繰り返しているという状況でありますが、この単年度収支は、年度の実質収支から前年度の実質収支を差し引いた収支であり、当該年度だけの収支を把握しようとするものと解説をされておりました。これが赤字ということは、前年度までの蓄積の一部を食い潰すことを意味しているということであります。 ただ、一方で、単年度収支は一定の期間をおいて赤字になるのが健全であるとする解説もあります。地方自治体は利益を追求する団体ではないからであります。本市でも現実に単年度収支で黒字となったり赤字となったりを繰り返していることから、単年度収支が赤字になったからといっても、それは健全な財政の状況を示しているかもしれないということが言えるのだと思います。 そこで、次に繰越金の推移を伺います。朝一番の永山議員の質問で、繰越金の推移だけで上げ下げを論ずるべきではない、このようにくぎを刺されておりましたが、ここはあえてこの禁断の領域、禁断の地に足を踏み入れて、踏み込んで質問していきたいと、このように考えております。 そこで、繰越金の推移がどうなっているのか、まず伺います。 ◎市民協働部長下山田松人君) 平成24年度から平成28年度までの5年間の繰越金につきましては、平成24年度に繰り越された額は約14億5,500万円、平成25年度は約27億9,900万円、平成26年度は約24億5,400万円、平成27年度は約30億7,100万円であり、平成28年度については約24億3,300万円となる見込みであります。 ◆10番(伊藤浩之君) 平成24年度以降、10億円を超え20億円を超え30億円にも迫る、そういう繰越金があったときもあるということであります。2015年度決算見込みの繰越金を見ると、30億7,000万円であったものが、平成28年度予算案の繰越金では24億3,000万円と6億4,000万円ほど圧縮しており、これまでの蓄積を食い潰している状況はありますが、それでも24億3,000万円もの繰越金がある、そういう状況です。平成26年度と同額ということになります。 この繰越金なんですけれども、繰越額の適正規模をどのように捉えているのかお伺いします。 ◎市民協働部長下山田松人君) 国の通知におきまして、国民健康保険財政の基盤を安定・強化する観点から、一定の保有額を、基金での積み立てと予備費に計上することと示されておりますが、基金の保有額については、過去3カ年における保険給付費等の平均年額の5%以上に相当する額を積み立てることとされており、また、予備費については、保険給付費の3%以上の額を計上することとされております。 これをもとに計算いたしますと、本市の場合、基金保有額については、約16億円の積み立てが必要とされ、また、予備費については、約8億円の計上が必要とされますことから、保有額としては、約24億円が必要となります。現在、本市においては、国民健康保険基金に約1億1,000万円を積み立てており、予備費には1億円を計上しております。これに加え平成28年度への繰越金が、約24億3,300万円と見込まれますことから、合計で約26億4,300万円の保有額があることとなります。 ◆10番(伊藤浩之君) 繰越金ということだけを捉えてみれば、そこには適正な値というのはない。当然であります。そういう状況の中で、ここ数年20数億円以上の繰越金が続いてきたということです。 昨年6月の市民福祉常任委員会では、医療制度がどう変わるかわからないことに加えて、インフルエンザ等の予測しがたい事態を考えると10億円でも繰越金は足りないのではないか、こういうふうな議論がされておりました。基金がない中でこういう繰越金そのものが基金の役割を担っているというのが、今のいわき市の現実ということになっているのかと思います。 ただ、こういう状況を続けていいのかというのが、また一方ではあるわけで、こうした繰越金の状況を見たときに、先ほどの質問の中で確か、平成30年度には12億円程度まで圧縮するのではないかという見通しを示されていたように思いましたけれども、この繰越金をさらに圧縮する観点を加えながら、今年度の国保税は引き下げも可能になっていくのではないかと、このように考えておりますけれども、どのようにお考えでしょうか。 ◎市民協働部長下山田松人君) 今ほど議員がおただしのように、基金保有額については一定額保有しております。ただ、先ほども申しましたように国保税を引き下げたこと、それから医療費がふえていることなどをもとに、今後、単年度の赤字が推移することでありますことから、平成30年度に12億円保てるとしても、今現在、国保税を引き下げるということは、1年度で相当の風邪とか流行があると耐え切れない状況もありますので、相当のリスクを背負うので引き下げをすることは困難だと考えております。 ◆10番(伊藤浩之君) 1つだけ確認したいんですが、過去において、インフルエンザとか風邪等の流行で会計が赤字になったとか打撃を受けた事例というのはあったのでしょうか。 ◎市民協働部長下山田松人君) 備えとして繰越金等がありましたので、インフルエンザ等のはやりで、それを超えたですね、繰り上げ需要が生じるような事態が生じたことはございませんが、一定の保険給付費を見込んでおりますので、その中で対応できたということだと思っております。 ◆10番(伊藤浩之君) 今年度の処置は、次年度以降を見据えての判断ということですので、現実に来年度、今年度の国保会計がどんな決算になるのか、しっかりと見きわめていきたいと考えております。 次に、公民館の嘱託職員化等について伺います。 4月14日、熊本県熊本地方を震央とするマグニチュード6.5、震度7を前震としながら、16日のマグニチュード7.3、震度7を本震とした大地震、熊本地震が発生しました。この地震で犠牲になられた方の御冥福をお祈りすると同時に、被災者の皆様が一刻も早く日常の生活を取り戻されることをお祈りしたいと思います。 この地震は、今から5年3カ月前、2011年3月11日に私たちが経験した東日本大震災を思い起こさせるものとなりました。私の住む遠野町は、4月11日、12日の塩ノ平断層を震源とした大きな余震に見舞われました。記録では震度6弱ということで、3月11日と同程度の揺れでしたが、地元で体験した方が、本震はこっちだよねと言うほど、4月11日、12日のほうの揺れが大きく感じられる、そういう地震であり、また、住宅の損壊なども多く発生しておりました。 このとき、遠野町では、上遠野公民館、入遠野公民館、そして、深山田集会所が避難所となり、余震で自宅に被害が出た方、相次ぐ余震で自宅にいることに不安を覚えた方などを受け入れて、住民の不安解消に役割を果たしておりました。その公民館は現在36館ある公民館のうち、連絡調整館6館を除く30館を全て地区公民館と位置づけて、2020年、平成32年度までに全て嘱託職員化することにし、今後、毎年5館程度ずつ嘱託化していく計画となっております。 2月定例会での質問では、嘱託化の効果が十分に検証されないままに、嘱託職員化が進められることは、結局、職員削減ありきのやり方で問題があるとする立場から質問を行いました。今回は、災害時の対応等について伺ってまいりたいと思っております。 東日本大震災時に市内では、学校体育館、公民館など、さまざまな施設が避難所等に活用され、震災後の被災者や困窮する市民生活を支える役割を果たしてまいりましたが、まず、公民館は震災後の被災者対応にどういう役割を担ったのかお伺いします。 ◎教育部長(増子裕昭君) 公民館につきましては、東日本大震災時において避難所を開設し、避難者を受け入れたほか、地域の実情に応じて、物資の配布や給水等、支援の拠点としての役割を担ったところであります。 ◆10番(伊藤浩之君) この避難所等に対応した公民館数は何施設となっておりますか。 ◎教育部長(増子裕昭君) 公民館全36施設のうち、東日本大震災への対応として24施設で避難所を開設いたしました。 ◆10番(伊藤浩之君) このときの公民館職員の対応状況はどのようなものだったのでしょうか。 ◎教育部長(増子裕昭君) 東日本大震災の発災時における公民館職員の対応状況につきましては、各災害対策地区本部の指示のもと、保健福祉部等の関連部署と協力しながら対応したところでございます。 ◆10番(伊藤浩之君) 協力しながら公民館職員も対応したということで、私も公民館が物資の配給拠点となり、地域の方と一緒に活動したというお話を地域の方からお伺いしました。このときは当然、正規の職員が配置をされていたわけですが、一緒に活動することに非常に安心感を覚えて、災害対応の活動を進めることができた、こういう感想を話されておりました。そのときに、この公民館職員、嘱託化をさらに推進しようということになっているわけであります。そこで、次に、嘱託職員の勤務条件などについて確認をしたいと思います。 嘱託職員の雇用条件はどのようなものになっているでしょうか。 ◎教育部長(増子裕昭君) 公民館の館長の職務に従事する嘱託職員の賃金につきましては、月額が21万7,500円、特別手当として、6月に22万4,025円、12月に24万3,600円を支給することとしております。次に、常勤の嘱託職員の賃金につきましては、月額が16万1,300円、特別手当として、6月に7万4,198円、12月に8万650円を支給することとしております。 次に、非常勤の公民館主事の賃金につきましては、月額が10万2,400円、特別手当として、6月に4万7,104円、12月に5万1,200円を支給することとしております。 このほか、館長の職務に従事する職員及び常勤嘱託職員については超過勤務手当を、通勤手当につきましては、全ての嘱託職員を対象に、正規職員に準じて支給することとしております。 ◆10番(伊藤浩之君) この嘱託職員なんですが、災害時にどのような役割を果たすことになるのでしょうか。 ◎教育部長(増子裕昭君) 災害等が発生した場合には、公民館が支援の拠点としての役割を担うことから、各災害対策地区本部の配備体制に応じて、被害状況の報告や避難所の開設、避難者の受け入れ等に従事することになります。 ◆10番(伊藤浩之君) こうしてお伺いしていきますと、嘱託職員化されるその嘱託職員については、賃金が低い状況の中でも職員同様に活動しなさいと、正規の職員同様にですね、活動しなさいということが求められているということがわかってまいります。 公民館運営指針に基づいた職務遂行も当然そこでは求められることになっていきます。嘱託職員も正規の職員と同じような仕事をするといっても、現実には低コストでもっと働けということになりますので、これまで以上にもっと働け、つまり公民館運営指針でこれまでよりもいい公民館をつくっていく仕事が求められているわけで、そういう意味では、低コストでもっと働きなさいというような中身になっているわけで、少し無茶な感じを抱くのは、私だけではないと思います。 そこで、嘱託化のメリットについて伺いたいと思います。 公民館では、地域の振興等にかかわってさまざまな業務を担っている実態があります。その中で公民館運営指針に盛られた地域の学びをささえる、はぐくむ、いかす、むすぶ場としての具体的な取り組みを進めることに対して、職員の嘱託化はどのような効果を発揮すると判断しているのかお伺いします。 ◎教育部長(増子裕昭君) 公民館の嘱託職員化に際しては、配置する嘱託職員について、地域からの御推薦等を踏まえ地域の実情に明るい方や、学校、社会教育の分野での経験のある方等を選定できることから、土曜学習事業を初めとする公民館事業における学校や地域との連携強化に効果を発揮すると考えております。加えて、非常勤公民館主事の増員配置による人員体制の充実等により、利用者の利便性の向上が図られるものと期待しているところであります。 ◆10番(伊藤浩之君) そういう効果を期待してのことだということで、これまでも伺ってきたわけでありますが、現実にはどういう方が配置されるかによる問題だよねという御意見も経験者等というか関係者等に伺ったこともございます。昨年度ですけれども、モデル館として3館、モデル事業を実施してきたわけでありますが、この中で2館については、早1年で職員がおやめになっているというようなお話を聞いているんですが、その辺の事情というのはどういうものなのか。正確には1人はおやめになって、1人は異動したと言ったほうがいいですかね。 どういう事情があったのかお伺いしたいと思います。 ◎教育部長(増子裕昭君) 今年度、嘱託館長が変更となった2館につきましては、まず、嘱託館長の一身上の都合により事後的に常勤での勤務が困難となったことから、やむなく退職することとなった事例が1件ございます。もう1件は、平成28年度に実施した5館の嘱託館長の選定に当たり、その地域の実情に明るいことへの優位性とか、社会教育に関する知見や経験等の観点から総合的に勘案した結果、平成27年度に配置した嘱託館長を新たに嘱託化する公民館へ配置の変更を行った事例がございます。 ◆10番(伊藤浩之君) 先ほどの答弁の中では触れていなかったんですが、これまでの説明の中では、例えば、嘱託職員になって5年間ほどですか、安定的に経験のある人を配置し、そのことで効果を上げることができるという説明もあったんですが、現実の問題とすれば、やはり嘱託職員は1年契約ですので、その配置された方の都合等によって、その部分ではなかなか思ったような効果が上げられないことも実はあったわけということが、このモデル館の実態だと、モデル事業での実態だということになるんですね。 それで、改めてこの公民館運営指針に目を通してみたんですけれども、この職員の嘱託化については、第6これからの公民館の課題の項3、行財政運営の適正化に向けた対応についての1、組織体制上の課題にごく短く触れられているだけでした。 読み上げてみると本市の公民館の組織体制については、市アウトソーシング計画において、公民館職員の嘱託化等が位置づけられているほか、地区公民館を中心とした職員体制の脆弱さが課題になっている状況を踏まえ早期の改善が必要とされている。一方、組織体制の見直しに当たっては、施設の整備計画同様、今後の生涯学習の推進体制のあり方や出先機関の再編計画、さらには本市としての大局的な中山間地対策等との十分な整合を図る必要があることから、現状の地区公民館の経営課題を踏まえながら、その方向性について、引き続き関係部局との協議を進めていくこととするというふうになっております。 つまりここには、生涯学習の推進体制のあり方や出先機関再編計画等との整合の検討があり、かつ現状の地区公民館の課題の洗い出しなどがあって、初めて組織体制のあり方、すなわち正規職員で公民館を運営するのか、それとも嘱託職員で公民館を運営するのかを検討するということが書いてあるように思うんです。しかも運営指針の中では、いわば主たる方針としては語られていないという感じがあります。 ところが現実には、他の項目の実践に先んじて、何よりも優先して嘱託職員化が進められているという感じを受けております。前回、結局、嘱託化は職員削減ありきで進んでいるようなやり方だと指摘しながら、この方針の撤回を求めてきたわけですが、嘱託化の方針について、やっぱり見直すべきだという思いを強くしております。 先ほど嘱託職員の労働条件なども伺いました。館長でも年収300万円強、嘱託主事でも200万円強に過ぎないという低賃金で、正規職員以上の仕事をしろというやり方、今回の嘱託化ということになっていると思います。これでは、運営指針に盛られた公民館の強化方向に十分に取り組むことができないのではないか、運営方針は絵に描いた餅になる可能性があるのではないか、そんなふうに思います。 嘱託化は見直すべきだと思いますが、改めてお考えをお示しください。 ◎教育部長(増子裕昭君) まず、どこから言えばいいかと思いますけれども、まず一つは、2011年震災発災直後から、市職員は身を挺して職場を放棄することなく、持ち場、持ち場、厳しい状況のもと公僕としての務めを果たしてまいりました。これは職制とか年齢にかかわらず、もちろん賃金の多寡にも一切関係なく、市民の安全・安心のために地域を守るという公務員上の志を頼りに業務を遂行してきたところです。 公民館の嘱託館長につきましても、一たび公務員に拝命されたからには、責任を持ち率先して震災対応に当たってもらうのは当然のことであると思っています。もちろんその嘱託館長だけが責務があるわけではなくて、連絡調整館とか中央公民館、そして担当課である生涯学習課の指示・協力のもとに連携を密にしながら、保健福祉部とか災害対策関係の部署と一体となって災害に当たっていくというふうな組織体制をとっておりますので、そこは嘱託、あとは正規の別なくやっていけると考えております。 ◆10番(伊藤浩之君) 結局、今のお話の中に、言葉としては公務員としての志に頼って、この災害時の対応を進めたのが、あの東日本大震災の経験だったということをおっしゃっておりました。文字どおりそのとおりだと思うんです。職員の方は一般的には退職60歳まで勤めることが保証されているというとちょっとあれなんですけれども、勤めることができます。嘱託職員の方は長くて5年ということになるんですね。捉え方の問題なんですが、私は、その違いというのはやはり大きいのではないかなと思います。そういうこともありまして、やはり安定的に公民館を運営していく、いざの場合に対応していくというときに、正規の職員を配置していくというのは非常に大切なことなのかなと思っておりますので、ぜひ、その点での見直しというのは改めてお願いをしまして、次の質問に移りたいと思います。 大きな3番目、市立保育所保育士の正規化の拡大等についてです。 2月定例会では、民間保育所の人員確保の問題などが議論されましたが、今回、私は公立保育所の人員確保にかかわり質問したいと思います。本市立保育所でも、保育士の人材の確保ができないために、待機児童が発生するなどという事態が発生しておりますけれども、こうした問題を抜本的に改善するためには、苦労の割には待遇が劣悪な労働条件の改善を抜本的に図る以外にはないと思っております。 今、政府が1億総活躍プランの一環として出した保育士の処遇改善は月平均6,000円、ベテランで4万円の収入アップとしておりますが、これでは平均給与で月11万円も他の職種と格差があるという現実には到底及ばない状況であり、抜本的な処遇改善の道を探ることが政府には求められていると思います。 ただ、公立保育所の場合は少し事情が異なってくるのかと思います。 そこで、まず現状を伺います。 市立保育所の保育士数はどのような基準で決まっていくのでしょうか。 ◎こどもみらい部長(本田和弘君) 市立保育所の保育士数につきましては、国が定める保育士配置基準を基本にしながら、障がい児保育における保育士配置基準など、市独自の基準を加え決定しているところでございます。 ◆10番(伊藤浩之君) そういう形で配置をされた職員なんですが、保育所によっては所長がクラスの担当になる場合があると聞いております。 どのような場合に担うことになるのでしょうか。 ◎こどもみらい部長(本田和弘君) 保育所長がクラスの担当を担う場合につきましては、市独自の加算措置等で、複数の担任を置くクラスの中に、あらかじめ担任の1人として配置される場合、及びあらかじめ担任としては配置されていないものの、クラス担任の休暇等の際に、その代替としてクラスに入る場合が挙げられます。 ◆10番(伊藤浩之君) 休暇等の代替として入る、つまりそれはやむを得ない場合というところの一つの範囲に入ってくるんだと思うんですが、最初から担任の1人として期待をして配置をされているという部分もあると今の答弁でわかります。 そこで、この保育所長が担う業務なんですけれども、どのようなものがあるのかお伺いします。 ◎こどもみらい部長(本田和弘君) 保育所長が担う業務につきましては、主なものとして、保育計画等の指導及び評価、給食業務管理及び職員管理などが挙げられます。 ◆10番(伊藤浩之君) そういった業務を担うには、一定程度、その業務について時間を拘束されるということは当然あると思うんです。クラス担任を持つこの所長の管理職にかかわるこれらの業務遂行に充てる時間は勤務時間内において、どのような形で保障されることになるのかお伺いします。 ◎こどもみらい部長(本田和弘君) 市独自の加算で、複数の担任を置くクラスの中に担任の1人として配置されている所長につきましては、主に児童の午睡の時間帯を中心に所長としての業務を行っており、また、クラス担任の休暇等の際の代替としてクラスに入る所長につきましては、担任を担わないときに所長としての業務を行っているものでございます。 ◆10番(伊藤浩之君) 午睡等の時間ということでございますが、なかなかそれでもその業務をこなすのに厳しいという状況があるということを聞いております。先ほど挙げたような業務のほかにも、例えばメール等で調査等がかかる場合もあったりとか、さまざまな業務がやはり発生してくるということも伺っておりますので、結局クラス担任を所長に持ってもらうという場合にはですね、ある一定程度の残業を前提とした配置にならざるを得ない。実際にはなっていると、そういうことになるんだと思います。 こういう本来管理職としての役割を果たさなければならない所長が、クラス担任を持つことについてどのように評価するのか、その辺のお考えをお伺いできればと思います。 ◎こどもみらい部長(本田和弘君) 兼任所長につきましては、今クラス担任の中に組み込まれているという場合につきましては、あくまでも国の基準を超えた市独自の基準の中で配置しているものでございます。 したがいまして、保育所長が所長の業務に抜けたとしても、国の基準を満たさないわけではございません。そういう中であっても、所長が児童の午睡の時間等、できるだけ児童の保育に影響を及ぼさない時間に所長の業務を行っているものでございます。このような中で、聞き取りの中では兼任所長を配置する保育所にあっても、施設の管理・運営に大きな支障は来していないと判断しております。 ◆10番(伊藤浩之君) 国の基準がそもそも低過ぎるというところに原因があって、市は努力をしているんだ、そういうお話なのかもしれないんですが、それでもなおかつですね、そういう保育士さんの努力に負っている部分があると伝え聞きもするので、さらに市はそこのところを解消するために努力を重ねていくということこそが求められているのではないかと思います。 そういう改善を求めながら、正規保育士の雇用拡大ということについて伺ってまいりたいと思うんですが、まず、保育士の雇用形態別の人数の推移はどのようになっているのかお伺いします。 ◎こどもみらい部長(本田和弘君) 雇用形態別保育士数の推移について申し上げますと、10年前である平成19年度は、正規職員237人、臨時職員179人、合計416人となっており、5年前である平成24年度は、正規職員196人、嘱託職員31人、臨時職員106人、合計333人となっております。次に、直近3年間で申し上げますと、平成26年度は、正規職員185人、再任用職員7人、嘱託職員71人、臨時職員118人、合計381人、平成27年度は、正規職員181人、再任用職員9人、嘱託職員116人、臨時職員94人、合計400人、平成28年度は、正規職員181人、再任用職員8人、嘱託職員130人、臨時職員84人、合計403人となっております。 ◆10番(伊藤浩之君) 今の数字をですね、保育士数に占める構成比ということに、割合にするとどれくらいですか。 ◎こどもみらい部長(本田和弘君) ただいま答弁した数字を構成比に直して申し上げますと、平成19年度は、正規職員57%、臨時職員43%、平成24年度は、正規職員58.9%、嘱託職員9.3%、臨時職員31.8%となっております。 次に、直近3年間の数字でございますが、平成26年度は、再任用職員を含む正規職員50.4%、嘱託職員18.6%、臨時職員31%、平成27年度は、再任用職員を含む正規職員47.5%、嘱託職員29%、臨時職員23.5%、平成28年度は、再任用職員を含む正規職員46.9%、嘱託職員32.3%、臨時職員20.8%となっております。 ◆10番(伊藤浩之君) ただいまお答えいただいた中身を見ると、正規職員が全体として減少してきている傾向にあると見ることができると思います。平成27年4月1日現在の本市の待機児童数は21名おり、そのうち障がい児統合保育にかかる入所希望者数の増等によるものが、18名となっているということがホームページに載っております。その原因に、これまでの答弁では保育士を確保できなかったことなどが挙げられておりました。 確保できない原因をどう捉えていらっしゃるのでしょうか。 ◎こどもみらい部長(本田和弘君) 保育士が確保できない原因といたしましては、平成26年12月に市内の保育士養成機関の協力を得て実施した保育士実態調査によりますと、保育士として就業しなかった理由として、別の職業を希望したこと、また、就業時の希望条件として、勤務日数、勤務時間、給与等年収を挙げる回答が多く見受けられたことなどから、労働・賃金環境での課題が保育士確保の困難性の一つになっていると考えております。 ◆10番(伊藤浩之君) そういうことですね。待遇が悪いということが非常に大きいところだと思います。これまでの答弁では、保育士の確保策として臨時職員の賃金など待遇面での改善のほか、広報いわきでの求人募集、ハローワークなどでの求人登録、臨時保育士の復職支援研修などを実施しているとしてまいりました。 その効果はどのようなものだったのでしょうか。 ◎こどもみらい部長(本田和弘君) 市が実施しております保育士確保策の効果についてでありますが、昨年度、保育所において実習を中心とした復職支援研修会を5回実施したところ、延べ12名の方に受講いただき、このうち4名の方が復職したところであります。また、本年4月から臨時保育士の賃金を日額7,200円から7,500円に引き上げる処遇改善を行うとともに、引き続き、広報いわき等での求人募集やハローワークでの求人登録、復職支援研修会を実施するほか、国が新たに取り組むこととした再就職支援事業や保育所復帰支援事業などの周知を図りながら、保育士確保に向け全力を挙げ取り組んでまいりたいと考えております。 ◆10番(伊藤浩之君) なかなか実数として保育の職についてもらうというところでは苦労しているというのが、今の数字、答弁の中ではわかるような気がしました。 そこで、このいわき市における正規雇用の保育士の募集数と応募の状況がどのような状況となっているのかお伺いします。 ◎総務部長(岡田正彦君) 保育士の職員採用候補者試験の募集数と応募の状況につきまして、採用予定人数、受験申込者数の順に申し上げますと、10年前の平成19年4月採用の試験では、2人程度に74人、5年前の平成24年4月採用では、3人程度に31人、同じく、平成26年は、5人程度に34人、平成27年は、3人程度に27人、平成28年も、3人程度に27人となっております。 ◆10番(伊藤浩之君) つまり、保育士になりたい方は多いというのが、今の答えの中に示されているんだろうなと思います。倍率で見ればかなりの倍率ということになっております。正規職員であれば、一定程度待遇等もしっかりしておりますので、そこのところには保育士になりたいということで応募をしてくると。一方では、これは聞くところによると、嘱託職員及び日々雇用職員の場合にはなかなか確保することも困難だというお話も聞いております。 今の正規雇用の応募の状況からも、非正規雇用ではなくて、正規の雇用で保育士を確保していく、そういう方向にかじを切りかえることが必要だと思っておりますが、ぜひ、市長の御見解をお願いします。 ◎市長(清水敏男君) 正規保育士の雇用につきましては、正規職員の退職者数の推移や公立保育所の保育需要なども見きわめながら、計画的に採用してきたところでありますが、今後におきましても、これらに加え、幼児教育や子育て家庭に対する保育所の支援の重要性が高まっていくと考えられる中で、正規保育士の果たすべき役割なども勘案しながら検討してまいりたいと考えております。 ◆10番(伊藤浩之君) ぜひスピード感を持って検討していただきたいと思います。 次に、常磐共同火力発電所のデータ改ざんに関する問題についてお伺いしていきたいと思います。 常磐共同火力が同社勿来発電所の6号機から9号機の排出ガスのデータを改ざんしていたと発表したのが昨年の12月でした。それから対応策を発表したのが1月ということで、そこから5カ月が経過しようとしております。この間の常磐共同火力の対応などについてお伺いします。 まず、常磐共同火力株式会社はデータ改ざんに関する再発防止策を策定後、これまでどのような取り組みを進めてきたのかお伺いします。 ◎市長(清水敏男君) 常磐共同火力株式会社勿来発電所における虚偽報告につきましては、本年1月22日に、同社から市に対して、第三者によるばい煙量等の測定、外部講師による研修会の開催、公害防止管理者及び次長職の役割に係る社内規程の見直し、企業倫理・法令遵守に係るモニタリング、経営層・上位職を対象とした研修会、内部監査体制の強化、並びに法令相談窓口の設置など計21項目の再発防止対策に係る実施計画が示されたことから、市といたしましては、3カ月ごとにその取り組み状況について報告するよう指示したところであります。 同社からの1回目の報告では、3月30日時点において第三者によるばい煙量等の測定、外部講師による研修会の開催、公害防止管理者及び次長職の役割に係る社内規程の見直し、内部監査体制の強化、並びに法令相談窓口の設置など計10項目が実施されており当該実施計画にのっとって進められていることを確認しております。 今後は、企業倫理・法令遵守に係るモニタリングや、経営層・上位職を対象とした研修会など計11項目を実施することとなっておりますことから、市といたしましては、引き続き、同社における再発防止対策の取り組み状況を確認・検証しながら、再発防止対策の確実な実施について指導してまいりたいと考えております。 ◆10番(伊藤浩之君) すみません、時間がなくなってまいりましたので、次のイとウについては割愛をさせていただき、(2)の7号機への対応についてということで、質問をさせていただきたいと思います。この7号機なんですけれども、7号機に関しては、排出ガスデータに問題があると聞いております。 現在、どのような状況になっているのかお伺いします。 ◎生活環境部長(小野益生君) 本年4月から5月における検証の結果、7号機の最大出力時における排出ガス量は、実測による値と燃料分析に基づき算出された値が乖離しているほか、実測による値が電気事業法に基づく届出値を超過していることが確認されました。このことから、7号機における排出ガス量が電気事業法に基づく届出値を超過した要因は、測定に用いた機材以外に大きな要因があるものと推測されました。このため、常磐共同火力株式会社勿来発電所に対しましては、再度、6月から7月にかけて、ガス流速の測定方法や測定箇所を変更するなどして、その原因究明に係る調査を実施するよう指導したところであります。 ◆10番(伊藤浩之君) 聞くところによると、届出値80万立米に対して、実測値で10万立米の違いが出ているというお話を聞いたような気がするんですけれども、この7号機なんですけれども、今後どのような対応をしていくことになるのかお伺いします。 ◎生活環境部長(小野益生君) 7号機につきましては、今後、実測による値と燃料分析に基づき算出された値が乖離している原因を究明し、その改善について指導してまいります。なお、原因を究明し現実的に可能な対策を講じてもなお、実測による値が電気事業法に基づく届出値を超過する場合には、常磐共同火力株式会社勿来発電所に対し、同法を所掌する経済産業省に指示を仰ぎ、適切に対応するよう指導してまいります。 ◆10番(伊藤浩之君) 適切に対応するよう指導ということなんですが、適切な対応の中身ということになってくると思うんですけれども、仮に、このデータが理論値と合致しなかった場合、いや、データが届出値を超過する状況に変わりがなかった場合には、最終的にはどういう措置ということがとられるのかお伺いします。 ◎生活環境部長(小野益生君) 先ほど御答弁申し上げましたとおり、測定箇所や測定回数、今10カ所ですか、それを20カ所とか測定して、さらに詳細な分析をすることとしております。また、現実に実測値と届出値が一致しない場合につきましては、排出ガス量の多寡自体については、法令で規定される規制値はございませんので、電気事業法上、変更届出の道も開かれているということですので、そういった対応もされることも可能ではないかと思いますが、先ほども申し上げましたけれども、その乖離が生じているその原因の究明は、検証は必ずしていただきたいと考えております。--------------------------------------- △散会 ○議長(根本茂君) 以上で、本日の日程は全部終了いたしました。 明日の本会議は、午前10時より再開の上、市政一般に対する質問を続行いたします。 本日は、これにて散会いたします。          午後4時01分 散会---------------------------------------...