昭和53年 10月 定例会 昭和53年10月31日(火曜日)
議事日程 第3号 昭和53年10月31日(火曜日)午前10時
開議日程第1
市政一般に対する
質問日程第2 議案第27
号~議案第28
号上程日程第3 議案に対する
総括質疑 -------------------------------本日の会議に付した事件 〔
議事日程第3
号記載事件のとおり
〕 -------------------------------出席議員(46名) 1番
菅波庄助君 2番
永井俊正君 3番
沼田一之君 4番 大平多太男君 5番 斉藤誓之助君 6番
緑川定美君 7番
伊東達也君 8番 高萩充君 9番
鹿島清造君 10番
菅野留之助君 11番
芳賀定雄君 12番
木内浩三君 13番
間宮俊彦君 14番 矢吹康君 16番
藁谷勝男君 17番
伊藤正平君 18番 久田正君 19番 鈴木久君 20番
蒲生伸吾君 21番
白土和男君 22番
佐川吉平君 23番 木田裕君 24番
柳楽孝作君 25番
渡辺善正君 26番 四家啓助君 27番 市橋武君 28番
高木芳郎君 29番 園部茂君 30番
渡辺多重君 31番
鈴木正平君 32番
大村哲也君 33番
安藤正則君 34番
吉田豊重君 35番
多賀重吉君 36番
佐久間昭君 37番
金子松男君 39番 三辺寛君 40番 渡辺君 41番 鈴木榮君 42番 橋本勲君 43番 星昭光君 44番
鈴木勝夫君 45番 蛭田仁君 46番 菅波大十一君 47番
合津義雄君 48番
小林周喜君
欠席議員(2名) 15番
磯上久美君 38番
斉藤隆行君
-------------------------------説明のため出席した者 市長
田畑金光君 助役 橋本渡君 助役
山口恵比古君 収入役
関内栄三君
教育委員長 小泉農夫也君 教育長 松本久君
水道事業管理者 永野孝夫君
代表監査委員 田辺保孔君
選挙管理委員会 勝沼勝応君 総務部長 作山優君 委員長
財務部長 坂本平助君
市民部長 青沼康裕君
衛生部長 永山新君
福祉厚生部長 蛭田喜久男君
農林部長 沢田三男治君
商工水産部長 真
名田重喜君
企画開発部長 小泉毅君
土木部長 沢田次男君
都市建設部長 古内義光君 副収入役
加瀬正志君 消防長
嶋崎忠好君
水道局長 内山栄一君
教育次長 下山田民部君
総務課長 山田英治君
秘書課長 杉本大助君
事務局職員出席者 次長
事務局長 永山巌君 布田功君 (兼)
総務課長 議事調査課長補佐 議事調査課長 舛田良作君 鈴木司君 (兼)
議事係長 主任主査 滝賢一君
議事係事務主任 伊藤正敬君 (兼)
調査係長 議事係事務主任 鈴木正一君
調査係主査 木村普昭君
調査係主査 青山靖男君
調査係主査 山口安雄君
------------------------------- 午前10時2分 開議
○議長(橋本勲君) これより本日の会議を開きます。 本日の議事は、配付の
議事日程第3号をもって進めます。
-------------------------------
△日程第1
市政一般に対する質問
△
伊東達也君質問
○議長(橋本勲君) 日程第1、
市政一般に対する質問を行います。7番
伊東達也君。
◆7番(
伊東達也君) 〔登壇〕(拍手)
伊東達也でございます。ただいまより
日本共産党議員団を代表いたしまして、
市政一般に対する質問をいたします。 質問に入る前に、さきの市長選での当選に対し心からお祝いを申し上げます。
田畑市長の再度の当選は、一つに過去四年間の実績と、二つに市長の人格、識見、行動、三つに2期目の
市民要求に根ざした公約に大多数市民が共感し、期待し、支持を与えたものと思います。これからの四年間健康に留意され、
いわき市民としっかり手を握ぎって、
市民本位の市政を一層進展させるために奮闘されることを祈念するものであります。 さて、質問の第1は
通学道路の整備問題についてであります。 2期目の
田畑市政の公約の中にも
通学道路の整備をうたっているわけですが、市民から長い間強く要望されてきたにもかかわらず、
新市発足以来あまり進まなかったというのが実情だったと思います。いわきの市道の長さが他市町村の比でないこと、しかもその大部分が未舗装のまま
市町村合併になっていること、あるいは
通学道路といっても2メートルから3メートル幅のものが多く、かなりの
部分農道が指定されている場合も少くありません。こんなところに
通学道路を舗装してほしい、整備してほしいという要望が強く出されても、現実にはなかなか対応できないということが実態だったのではないでしょうか。 さらに、対市民との関係では二つの問題があると思います。一つは、多くの父兄は
通学道路に指定されれば、そこを通れと指定したのだから他の道ほどうあれ、整備しないのはおかしいという感情があり、一方市役所の方では、交通安全上PTAの方々と話しあって、登下校の際はこの道路を通るようにしましょうと決めたにすぎず、指定したから即整備を約束したのではないというとらえ方のギャップがあると思うのであります。 もう一つの問題は、
通学道路についての
役所内部の問題です。それは
通学道路についての
役所内部での意志の統一が不十分であり、担当課や窓口も指定した
教育委員会だ、いや市道になっているから土木だ、いや農道だがら別な課だということになり、陳情に来たり相談に来た父兄の方ですっかりいや気が差してしまう場合も少くないのであります。一口に
通学道路といっても干差万別、しかもいま述べたような問題もあると思いますので、そう簡単に事が進むものではないことを理解しています。しかし、
通学道路の整備は多くの父母の願いであり、子供のことでは事情が理解されれば他のことが少々おくれたとしても、市民の合意が得られる面も多いと思います。そこで、少しでも
通学道路の舗装を進めていくためには、
市役所内部の
共通認識を図り、基本的なルールの確立が必要だと考えるのであります。この辺をどのように考えられているのかお伺いし、あわせていま進められている市道の見直しとどのようにかかわってくるのかもお伺いするものであります。 質問の第2は、
市立大学の調査や研究の問題についてであります。 現在公立の4年制大学は全国で33校、内訳は22校が県立、11校が市立と聞いております。横浜
市立大学や大阪
市立大学、また神戸市立外国語大学など、大都市が経営している
国立なみの
市立大学もあるわけですが、人口22万の高崎市の
市立高崎経済大学や、人口3万2,000 の山梨県都留市の
市立都留文科大学などのように、その特色とともに全国的に名を知られた
市立大学もあるわけです。
東北地方では大学が最も多い仙台市において、最近
仙台市立大学を創立しようという市の方針が打ち出されたと聞いております。先日
都留文科大学を視察する機会を得ましたが、日本の
地方都市も大学にまで目が向いてきてか、ひと月に1市ぐらいの割合で視察にきて研究の材料にされているということでした。 さて、昭和32年の
石城地方市町村議会議長会において
大学誘致が決議されて以来、20年という長い時間を経過しています。大学を誘致するという大事業を考えれば、20年という歳月は当然なのかもしれません。ようやくこの数年条件は大いに前進してきたと思います。
市民世論もかってなかったほど盛り上がってきています。いよいよ詰めに入ってきたというべきかもしれません。
市立大学最大の問題は、財政的な見通しからいって経営が可能かどうかにあるといっても過言ではないと思います。しかし、一方では市民の合意が得やすいことや、一定の質の確保や、福島大学や茨城大学などで国・
公立大学との交流ができやすいなどの利点もあると思うのであります。そのような意味でも
市立大学に関して調査や研究することは今後さまざまな点で役に立つだろうと思うのでありますがbゥがでしょうか。 質問の第3は
障害児の問題についてであります。 この数年、福祉の全体的な底上げが図られるなかで、
障害児及び障害者についても大きな前進を見てきたところであります。
あさひが丘学園への教師の派遣やひびきの学級など
特殊学級の開設、そして
授産施設である
いわき学園の誕生など、関係者にこんなに喜ばれた仕事はこれまであまりなかったと思います。しかしこのような前進面はあっても、これまでの数十年間の遅れは、依然として解決されていない深刻な問題を残しています。その実態の一端を単なる一般論にしたくないために、やや個人的な
取り上げ方になりますが、御両親の了解も得ていますので、お話しを申し上げ御理解を得たいと思います。 森田真君は8歳ですが、
明治団地にある私立の
平幼稚園に常磐から通園しています。真君は、原因はいまだに明確ではありませんが、
言語障害、知能のおくれ、情緒不安定という三つの障害を持っています。5歳の時に医者から、家においておくだけではだめだ、同じ年ごろの
子供たちと遊ばせ、社会性を身につけさせることが一番大切なことだと言われて、
常磐支所に相談に行ったそうです。ところが、公立の保育所も幼稚園も障害があれば入れませんの一言で、言ってみれば門前払いを食いました。その後何度も行って事情を話し、お願いしてもだめでした。しかたなく私立の幼稚園探しが始まったわけですが、ようやくたどりついたのが現在通っている
平幼稚園でした。幼稚園に通いだしてから真君は表情も豊かになり、日に日に成長するさまがわかったということです。そのような時、
あさひが丘学園の定員が1人あいたので入園させたらと言われましたが、幼稚園に通うようになってからのあまりの変化に、両親はあと1年幼稚園に通園させたいと言ったそうです。そして1年後、すでに8歳となりぐんと体も大きくなったので、
あさひが丘学園に入園させようと門をたたいた時には、定員いっぱいなので入園させられないという返答をもらいました。真君の両親は、以前の幼稚園探しと同じようにあらゆるところを頼みましたが、結局
いわき市内で入れてくれるところがなく、富岡町の
東洋学園にやるしかないという、つらく悲しい結論になったのです。いま両親は、福祉の不十分さと行政の立ちおくれのために、ただただ涙を流して苦しむばかりであります。 内郷高坂町のS君の場合は、同じ8歳ですが
アイセル病で、知能がおくれ骨が弱く身体も不自由です。医者は真君と同じように、
子供たちと遊ばせることが一番いいことだと言い、公立の保育所や幼稚園に当たりましたがだめでした。思いあまって私立の
さかえ幼稚園を訪ね、
園長先生に直訴し、ようやく入園させていただきました。いまはすでに卒園し、週2回の
在宅訪問教育を受けていますが、仲間のいっぱいいる学校に毎日通よわせたいという切なる願いを持っています。 同じ内郷のK君は、
脳性麻痺ですが、真君と同じ
平幼稚園に通園しています。しかし来年は
小学校入学の年齢です。この
秋いわき市内の
関係機関をすべてまわってお願いしましたが、どこもだめだったそうです。いまK君の
お母さんはどこに光を探していいのかわからないと言っています。 四倉のA君は、自閉病ですが、やっぱり公立の幼稚園と保育所は入れてくれません。
平幼稚園で
障害児も入れてくれると聞いて、このほど駆けつけましたが、
平幼稚園にはいま5人の
障害児が入園しており、これ以上ふやせないということでした。あきらめ切れない親は、いますべてをなげうって
平幼稚園のある
明治団地の近くに引越して、持久戦になっても入園させてもらおうと努力しています。 以上、私は最近直接訴えられたり、話しを聞いたりした人たち4人の事例を挙げました。実はこれらの例はほんの一部であるのであります。たとえば、この4人以外にも、10月6日の
いわき民報でも大きく報道されましたが、「
ひまわり保育園」のように32人の
障害児をもつ
お母さん方が中心になって、どこも見てくれないなら
自分たちでと毎月2回
臨時保育園を開設している人々もおります。 ここに共通しているのは何でしょうか。第1に就学前の
障害児の問題です。障害を持った
子供たちは、
いわき市立の幼稚園にも保育所にも入れず、反対に私立の幼稚園が5人と人数は少くとも門戸を開いているということです。
浜児童相談所の調査では、どこにも入れてもらえず在宅している就学前の
障害児が71人もいるとのことです。
あさひが丘学園に3人、
平幼稚園に5人入園していますから合計79人の就学前の
障害児がいますが、そのうちの71人が在宅、すなわち90%の人がどこにも入れないでいるわけです。 第2は、学齢に達しても人学できる学校が少いという問題です。平窪の
福島整肢養護学校は
肢体不自由児は入校できても、
精神薄弱児は入校できません。草野の聾学校は、聾であっても別な障害を持っていればほとんどだめです。
国立翠ケ丘は
重度心身障害だけであり、ほぼ治療を中心とした
収容施設になっています。わずかに
あさひが丘学園だけですが、定員が60人しかないためどうにもなりません。こうして
いわき市民でありながら、他市町村の学校に親元を離れて入校している子供が、私の調査では100 人に及んでいます。これが障害のない子供であった場合、いわき市の学校がいっぱいだから、親もとを離れて他市町村の学校に行かなければならないということになれば、いったいどういうことになるでしょうか。 以上のことから、市当局並びにわれわれが考えなければならないことは明白だと思います。 一つは、就学前の問題です。
あさひが丘学園の定員を現状のままでふやすといっても敷地などの関係でむずかしいだろうと思いますので、結局
あさひが丘学園のようなものをもう1カ所建設するか、それとも私立の
平幼稚園のように公立の幼稚園や保育所で入所の道を切り開くかであります。 いま国は重度心障児を2人入所させれば1人の割合で保母さんの人件費を出すことにしており、また県は
障害等級が3級から7級の
障害児を入所させた場合は1人につき月5,000 円の補助金を出すことにしているわけですが、不十分ではあっても検討に値すると思うのであります。 二つは、
障害児の入学できる学校をふやすことだと思います。あるいはやはり
あさひが丘学園のようなものをもう1カ所建設して定員をふやすか、または、新しい
養護学校を設置するしかありません。 54年度、来年度から県は
養護学校の設置を義務づけられました。しかし現在までのところ
県立養護学校の具体的な話しを聞いておりません。父兄にとっては県立か
いわき市立かは問題の中心ではありません。血のにじむような親の声にこたえられるような答弁を期待しましてこの質問を終ります。 次に、
酒害相談員制度問題について簡単にお伺いいたします。 いまから2年前の51年3月定例会においてこの問題を取り上げ、その時1点として断酒会の存在や保健所の管轄等を広く知ってもらうため市の力を出せないか。2点として断酒会に対する何らかの援助がとれないか。3点として市独自の
酒害相談員制度をつくれないかという質問をしました。その後、断酒会の活躍が広報に掲載されるなど前進を見ています。そこで前回特に強調した
酒害相談員制度についてですが、県の
精神衛生相談員もいますが、いわゆる
精神障害が中心で
アルコール中毒までは十分手が回らないことや、釧路市での市独自の
相談員制度等を紹介しながらその必要性を訴えたわけであります。当時、今後の課題として前向きに対応してまいりたいという答弁であったわけですが、その後どのようになっているのかお伺いするものであります。 最後の質問は、無担保無
保証人融資制度の運用についてであります。この問題も以前触れたことのある問題ですが、今年の夏から秋にかけて3件ほど市民の方から全く似たような
問題提起を受けましたので、改めて改善方を訴えるものであります。 その一つは、ある市民が支所に行って無担保無
保証人融資制度の申込み用紙をもらおうとしたところ、支所には置いてないと言われたそうです。実は私も置いているものとばかり思っていましたが、聞いてみますと発足当初は置いていたが、
トラブルなどもあってずいぶん前から置かなくなったことを知ったわけです。
トラブルとは、申込み用紙を支所からもらって銀行に提出したが、要件を満たしていなかったため、融資を受けられなかったという人が申込み用紙をくれたということは即融資が受けられるということではないかということで言い争いになったそうです。的を射た表現ではないかもしれませんが、
大学受験の申込み用紙をもらったから大学に入学できるということにならないのと同じではありますが、その融資を受けられるかどうかで営業の存続がかかっているようなときは、こんな
食い違いが生まれてくるのかもしれません。 この
トラブルだけが原因だとは思いませんが、支所には担当課がなかったり、
金融関係の専門家が全部配置されているわけではないので、結局本庁だけにおくようになったのだと思います。しかし支所の充実が市民の願いであり、市の方針としても支所の充実を図ろうとしているときに、問題の解決は支所から申込み用紙をなくすことではなく、いかにして
トラブルや
食い違いをなくすかに焦点が当てられるべきであろうと考えるのであります。いかがでしょうか。二つ目の問題は、銀行の対応と銀行と市当局の認識の問題です。湯本の銀行で申し込みをしたら、説明を求めてもいないのに、この融資は市がほとんど関知していないものだ、資金もほとんど銀行の方でやっているのだと言って、えんきょくに、だから銀行の言うことを聞いてくれということで大変困ったという苦情を聞きました。 また勿来の銀行では、別な融資ならなんとかなるといって、とうとう無担保無
保証人融資制度の申込み用紙すらくれなかったということです。銀行には銀行としての立場があることはお互い百も承知ですが、
銀行サイドだけで処理されてしまうのでは、無担保無
保証人融資制度がつくられた趣旨がねじ曲げられてしまいます。発足の趣旨を改めて明確にして、真に市民のために生かされるよう訴えながら、私の
一般質問を終らせていただきます。
○議長(橋本勲君) 市長。
◎市長(
田畑金光君) 〔登壇〕
伊東達也議員の御質問にお答えいたします。通学路の問題についていろいろお話しがございましたが、ごもっともなことだと考えるわけであります。 まず、一般論的に申しますと、昨日も申し上げたわけですが、現在の市道は7,899 路線、3,274 キロにわたっておりますが、いずれも旧
市町村時代に認定したものと、合併後新たに認定したものが現在の市道であります。市道の整備は緊急度により舗装をしているわけですが、砂利道については一部部落等の協力を得ながら整備しているわけであります。 現在の
道路台帳は、旧
市町村単位の
認定基準に基づいたもので、道路の起点、終点、幅員及び境界等が不明確な面もございまして、
道路管理上に支障を来しているのが実情であります。今後きめ細かな
道路行政を進めるためには、その基本となる正確な台帳が必要であり、昭和52年度、53年度の2カ年で市道の見直しの作業中で、完了しましたならば議会に提案し、御審議をお願いする考えでおるわけであります。 市道の整備については、
事故防止の観点から地区の協力を得ながら重点的に整備していく考えであります。特に、
交通安全施設については、
地区交通安全対策協議会等の意見を反映させながら、
公共単独事業で
優先順位により施行、今後一層努力を払う方針でおります。いずれにいたしましても、お話しの
通学道路は国道あり、県道あり、市道あり、私道あり、農道あり各般にわたっておるわけでございまして、どんな性格の道路にあるにいたしましても、お話しのように通学路と指定された以上は、子供や子供の親はその道路が安全な道路であるように、また
安全施設が整備されて
子供たちの登下校が安心して通学できるような道路の整備をしてくれ。これはいつも
市政懇談会においても、あるいはいろんな機会に父母の方から強く要望されている問題でございまして、お話しがありましたように、そっちの所属だこっちの所属などということはまことにお粗末なことだと考えておるわけで、役所内の共通の理解と認識の上に立って、どこが中心になってこの問題と取り組んでいくべきなのか、この問題については早急に役所の内部におきまして協議をし、明確な方針のもとに今後通学路の整備を進めていくように取り計らってまいりたいと考えておりますので、御了承願いたいと思います。 次に、大学問題に関連いたしまして、特に市立の大学の調査・研究等についてもっと積極的に取り組むべき時期に来ているのではないか、このような御発言であります。
市立大学の調査・研究については、
大学誘致期成同盟会総会の中でも
市立大学を考えてはどうかとの意見もしばしば出ております。全国的に調べて見ますと、現在、市立の4年制大学が全国で11校ございます。いずれも昭和24年から37年に設置されておりますが、いわき市に一番近いのがお話しの群馬県
高崎市立高崎経済大学でございます。参考までに高崎市の人口は、53年3月31日現在21万7,765 人でございます。経済学部1学部でございまして、学生の総数が2,079 名おります。ただ、学生の
出身地別を調べて見ますと、52年度
入学生総数554 名の中で、
高崎市内からはわずか11名、
入学総数の1.9 %、
群馬県内からは高崎市も含みますが85名、
入学総数の15.3%でありまして、圧倒的に多数の
学生諸君が
高崎市外や群馬県外から入学しておる、こういうことであります。 この大学に係る昭和52年度決算を見ると、5億8,500 万円、
うち市費負担額3億3,700 万円で、
負担割合は決算額の57.6%に上っておるわけでございます。6割近くが市の持ち出し、こういうことになっておるわけであります。 大学を設置した自治体における影響と申しましょうか、効果と申しましょうか、それは市民の学術・
文化水準の向上と
地域社会の発展に非常な貢献をなしていることはどの地域の大学を見ても地域と大学の関係においては共通の現象でございます。ただ問題は、さきほど申し上げましたように、財政の問題であります。すなわち、学生の
負担能力の限度との関連もあり、市の
財政負担が年々増加の一途をたどっておるわけでございますし、他面においては
教員確保の困難な
問題--こういうようなことでございまして、これはいわき市を想定いたしましても同じことが言えようと思うわけであります。しかし、私はお話しのように、市民の中にも
市立大学構想を提昌されておる人もありますし、学識経験者の中においてもそのような考え方について有力な意見をお持ちの方もおられますので、この問題については今後さらに調査・研究を進めてまいりたいと考えておるわけであります。 ただ、御案内のように、今回、国土庁が地方定住圏構想の一環として推進しております大学の地方移転促進に関連いたしまして、当いわき市が国士庁から委託を受けて行っている、「地方地域における大学等の立地条件の整備に関する調査」を進めているわけでございますが、来年の2月末までに国土庁に報告書を出すことになっておることは御存じのとおりでございますが、このようなこともせっかく動き出しているわけでございますので、この問題の処理線上にあるのは従来の
大学誘致運動でございますが、この努力をさらに継続すると同時に、それと平行的に
市立大学を設置した場合の功罪等についても調査・研究を積極的に進めてまいりたいと考えておるわけであります。 お話しがありましたように、都留文化大学、人口わずか3万1,796 名の市が
市立大学を持っていることなどまことに珍しいことでございまして、十分沿革なり歴史なり、さらに実情なりを調べてみたいと考えております。 次に、障害児対策についていろいろ事例を挙げてお話しがございましたが、現況について福祉の面から申し上げますならば、保育所における障害児の受け入れについては、国としても昭和49年度から試行的に助成措置を講じておるわけであります。さらに、国においては今後一層の推進を図るため、昭和53年度において実施方針並びに補助制度の改正を行った。こういうことでございます。すなわち、保育に欠ける障害児で、保育所で行う保育になじむ者については保育所に受け入れる。保育所に受け入れる障害児は、一般的に中程度までの障害児とし、集団保育が可能で日々通所できる者であること。保育所に受け入れる障害児の数は、それぞれの保育所において障害児と健常児との集団保育が適切に実施できる範囲内の人数とすること。
障害児の入所に当たっては、
障害児の保育について知識・経験等の保母がいること。
障害児の特性に応じて便所等の設備及び必要な遊具等が備わっていること等、受け入れ体制が整っている保育所に入所させることにすること。このようになっておるわけであります。 以上のことから問題点として考えられることは、
障害児保育にあたる保母がいるかどうか、したがって現状におきましてはむずかしいわけでございますので、専任保母の養成が必要な問題となるわけであります。また、施設・設備の改善に要する経費が多額に見込まれることであります。もっともこれは財政的な問題でございますので、
障害児の保育ということに取り組むならば、この程度の問題は当然対処できることだと私は考えるわけであります。 入所基準にかかわる中程度で集団保育が可能な児童の判定基準を専門的見地からまとめる必要がありますが、このようなこと等もいろいろ研究しなければならん問題点だと考えるわけであります。 今後の方針といたしましては、昭和54年度の保育所入所申請--募集期間は53年11月10日から53年12月11日までですが、この入所申請結果に基づき該当人員を把握の上、早急に
障害児保育の基本的なあり方について考えてまいりたい。ちなみに、当市の保育所における
障害児の状況は、これは軽度
障害児でございますが、公立保育所に精神薄弱、
言語障害、
肢体不自由児、自閉症、その他26名入っております。私立の保育所に11名、合計37名の
障害児のお子さんたちが保育所に入っていらっしゃる。実は、この判断の基準は保母さん方の判断基準であることを断っておきます。
あさひが丘学園についていろいろお話しがございましたが、
あさひが丘学園は、精神薄弱の児童を日々保護者のもとから通わせて、これを保護するとともに、独立自活に必要な知識・技能を与えることを目的にした施設でございまして、現在60名の児童が通園しております。現在市内の
精神薄弱児は293 名で、在宅しているものが108 名おります。この在宅児童のうち訓練等が必要と見られる軽・中度の
障害児は約60名と見られております。
あさひが丘学園の運営の現況は、
特殊学級を併設してしいることから、福祉と教育の両面より児童の育成に当たっており、効果を上げております。このため、通園児童の大部分は就学年齢児になっておりまして、未就学の児童で入所を希望しても入所困難の状況が出ているわけであります。 お話しにもありましたように、国は県に対し54年度を目標に
養護学校の設置を義務づけておりまして、就学年齢児童は
養護学校において教育する方針になるわけであります。現在県において検討しているようでありますが、残念ながらまだ具体化していない実情であります。今後の問題といたしまして、在宅している中度・重度の
障害児の福祉の向上のためにも、
教育委員会ともよく連絡をしながら、
養護学校の建設を促進し、また、児童福祉施設の人所措置権者である県とも協議を重ねまして、在宅
障害児童が多く通園できるよう努力したいと考えておるわけであります。また、施設の増設につきましては、
養護学校との関連もありますので、県の動向を見ながら検討してまいりたいと思っておりますが、いずれにいたしましても、県が
養護学校の設置の義務を負っているわけですから、速やかに
県立養護学校の促進方を図りまして、それとの関連でこの
障害児の問題を御父兄の皆さん方が大変心身ともに、物心ともに苦労なさっておられる実態というものはよくはだ身におぼえますので、この問題については私も真剣に研究し、先ほど来、県との関係もございますが、この問題については速やかなる結論や方針を出さねばならない、こう考えておるわけでして、しばらく時間を借していただきたいと思うわけであります。
酒害相談員制度の問題についてお話しがございましたが、昭和51年3月定例市議会において、伊東議員から市独自の
酒害相談員制度の設置及び断酒会に対する援助についての御意見がございました。現状はどうかと申しますと、昭和52年3月31日に福島県精神衛生センターが実施した
アルコール中毒患者実態調査によりますと、いわき市の
アルコール中毒患者は109 名、そのうち入院患者90名、通院患者19名でございますが、在宅の
アルコール中毒患者ば400 から500 名と推定されるわけであります。
アルコール中毒患者を持つ家庭のいろんな悲劇、社会に対する悪影響などを考えて見ますると、この問題については市といたしましても積極的に取り組む必要があろうと考えているわけであります。 県は精神衛生法第42条に基づき、平、磐城、勿来の3保健所で精神衛生指導員による在宅患者の訪問指導のほか、毎月2回相談日を設け相談と指導に当っているわけであります。今後の問題でございますが、相談員制度については、設置の方向でいわき断酒会の役員といま協議をしておるわけであります。また、昭和54年度から断酒会に対する活動費補助についても検討しているわけで、この点は54年度予算の中で善処するつもりでおります。なによりも
アルコール中毒患者の社会的な害悪という問題については、広報活動等を通じもっと市民に周知し、市民の自発的な運動の中でこのような悪い風潮というものを除去することが必要であると考えておるわけであります。 最後に、無担保無
保証人融資制度についてお話しがございましたが、昭和50年当制度が発足時点においては、各支所の窓口に配布されていたわけでございますが、内容が金融の相談であり、各支所での交付した件数も少なく、まず希望者は各支所所管区域の商工会、商工会議所支所、または金融機関に相談が多いので、はとんどがそういう実情でございますので、それらの窓口で配布されていたわけであります。今後はお話しがありましたように、各支所の窓口にも配布いたしまして、市民の利便を図ってまいりたい。このように考えておるわけであります。同時に、現在受け付け窓口が東邦銀行のみでございますが、預託金も年々ふえているのが実情でございますので、来年度は預託先もふやすことにして、いま検討を進めているという状況でございますので御了承願いたいと思います。 以上で答弁を終わります。
○議長(橋本勲君) 教育長。
◎教育長(松本久君) 〔登壇〕
通学道路の整備と市道の見直しにつきまして御質問ございました件で、当
教育委員会に関する分についてお答えいたします。通学路と称しておりますので特に
教育委員会の小・中学校並びに幼稚園児等に関する通学路でございまして、それには御指摘のとおり、国、県、市道のほか、私道を含めた農道等児童・生徒が主たる恒常的な登下校道路につきまして、児童・生徒の安全面、指導面を参酌いたし、学校安全会法の被災適用の観点から当該学校が一応登下校の道路といたしまして通学路を指定しておるわけでございます。 この指定された通学路のほとんどは生活道路でございまして、それぞれの道路の管理者は明確になっている次第でございますが、各管理者において所管の道路を整備するというたてまえから、毎年
通学道路のうち国、県、市道につきましては、学校等から年度当初に要望を聴取いたしまして、
教育委員会でその要望等を取りまとめ、実態に即しまして
関係機関が合同または単独でそれらの要望に沿った実地の調査をいたしまして、それぞれの立場で予算等の範囲もございますし、整備の計画もございますが、
優先順位を決めて整備を図っているというのが現況でございます。ただ、農道とか私道につきましては、教育委育会所管といたしまして、地権者の方々と御相談申し上げまして、PTA、地域の方等の協力を得ながら、児童・生徒の交通事故を未然に防止するために、砂利敷等の整備、
交通安全施設の充実に努めているのが現況でございます。 たまたまPTAの懇談会等にまいりまして、道路の幅を広げてほしい、舗装してほしいという要望がございまして、先ほど申し上げました国、県、市道等の整備の関係から、強く要望申し上げまして道路の幅員を広くし、舗装いたしましたところ、いままで通らなかった自動車が頻繁に通るようになってかえって児童の通学に悪い状況になってしまった。中途半端な幅員であれば歩道専用の道路もできないので困っているという問題もございまして、対策の面ではいろいろあると思いますけれども、なんと言っても交通が至便であり、なおかつ安全が確保されるというふうな道路の確保が私どもの通学道整備のために必要でございますので、これら
関係機関とも十分連絡をとりまして整備をしてまいりたい。私道、農道につきましては舗装までまいりませんので、従来どおり砂利道等を整備してまいりたい考えでございます。 次に、
障害児対策についてでございますが、心身
障害児幼児教育につきましては、小・中学校における心身
障害児教育とともに、御父兄からの要望が強く出てきております。幼稚園教育で取り組んでいる現課題は、入園し切れない幼児のための園舎の急増対策と、文部省設置基準を充足する
教員確保の問題で、
教員確保につきましては年次計画でその充足に努めている現況でございます。 義務教育における
特殊学級の1学級当たりの定数は、7人ないし9人であり、幼稚園において心身
障害児の指導にあたる場合には、3人ないし4人が1教員の教育可能人数とされておるわけであります。4歳、5歳児の精神年齢、生活年齢で、40人定員という集団の中での
障害児教育は、先ほど市長の答弁にもありましたとおり、福祉部門と同様、障害の軽度なもので集団生活に順応できる範囲に現在のところ限定されるわけでございまして、市立幼稚園でも現在18名の軽度心身に障害のある園児を預かって指導しておる現況でございます。しかし、御指摘のとおり養護教育の54年度からの義務制に伴い、心身
障害児対象の幼児養護施設の拡充は当然図ってまいらなければならない問題でございまして、この対策に当たりましては、積極的に研究・検討を加え、増設する問題について対処してまいりたい考えでおります。同時に、
養護学校設置についての構想について御要望がございましたが、義務教育における心身
障害児教育につきましては、
教育委員会といたしましては、かねてから重点施策の一つといたしまして取り組んで、その内容の充実と施設設備、教師の育成・確保、このことに努めてまいっておる現況でございます。 小・中学校における
特殊学級在学児童につきましては638 名、中学校生徒数につきましては326 名、計964 名ございます。それぞれ精神薄弱学級に855 名、病弱学級に18名、虚弱学級に29名、言語難聴学級に50名、情緒障害学級に7名、弱視学級に5名となっております。現段階では就学困難な重複心身
障害児を対象とした、
あさひが丘学園を中心に、小名浜東小、小名浜第二中学校の分室といたしまして、小学校4学級、中学校2学級を設置いたしまして、教員を派遣し義務教育終了の資格を付与しているわけでございます。 将来独立自治に必要な知識・技能を授けるためのこれら施設につきましては、義務制という54年度からの出発にかんがみまして、現在県内にございます
養護学校は、郡山、平、須賀川、福島、喜多方、相馬、西郷、富岡、猪苗代、福大付属
養護学校で10校でございます。そのなかで、小学部、中学部、高等部を持っているのは郡山、福島でございます。ほかは小学部と中学部でございます。なお、郡山と平は
肢体不自由児を対象とした
県立養護学校でございます。須賀川は病弱、虚弱を中心とした
養護学校、他の
養護学校はすべて精神薄弱、中度並びに重度の精薄者でございます。そう言う観点から、ただいま申し上げましたとおり、いわき市の特殊教育対応といたしましては、七つの分野にわたって開設をいたしておりますが、過般議会にも請願ございました49年の5月、坂本議員、金子議員、永山議員が紹介議員として、いわき市精神薄弱者育成会長阿部伝六氏からの中度知能
障害児のための
養護学校を設置せよという請願がありまして、
教育委員会としてもこの問題に文教常任委員会で鋭意研究を重ねたのでございますが、たまたま54年から、県
教育委員会が主催いたしまして
県立養護学校を建設するというような事案につきまして検討を加えている段階でございましたので、一応市立の
養護学校の建設問題を県立の
養護学校に移行いたしまして、中度の心身
障害児のための
養護学校を建設する促進をしたわけでございます。したがいまして、これらの課題につきましては、現在も県
教育委員会におきまして、いわき方部における
養護学校の建設をどのようにするかという問題でございますが、たまたま当市におきましては、県立の
養護学校-―
肢体不自由児を中心とする
養護学校が県内に一カ所あるわけでございますが、その分室としては
国立翠ケ丘療養所内に重複心身重症障害者の方々をお預かりしているような内容でございます。したがいまして今後は、ただいま伊東議員御指摘のように、中度の障害を持つ、あるいはそういう障害のためにいわき市に受け入れ施設が不足しておりまして、福島、喜多方、相馬、西郷、富岡、猪苗代と各方面にわたって学習を続けておられる方々があることと存じます。ただ、私どもは54年から
養護学校が義務制になるとはいえ、現在に至るまで全国におきまして精神薄弱、病弱、肢体不自由を対象とする学童に対しましての施設は義務制でございませんので、当市においては長い間福祉厚生部が中心となりまして、就学猶予免除の
子供たちを18歳までお預かりいたしまして、生活指導をし、知識・技能を習得させる段階で手厚い訓練・指導をしてきたことを忘れてならないと思います。 18歳までといいましても、小・中学校の義務制の
養護学校は15歳まででございますので、終わって3年間は家庭におかれまして御父兄の方々もこの措置については相当問題があるのではないか、生活訓練等を通して就職される方々は別といたしまして、やはりここに3年間児童・生徒の方々をお預りしてなお一層高度な訓練を積み重ね、
いわき学園に入所できるまでの間、この期間を私どもは手厚く見てあげなければならない。そういう観点から、
養護学校の義務制に伴いましても、医療機関並びに福祉機関との関連があるような
あさひが丘学園の今後の将来につきましては、十分、両者あるいは三者の関連の中で、子供を中心として考えてまいりませんと、単なる組織・制度の中で学校をつくったからいいんだとは解釈しておらないわけで、ますます児童数のあるいは生徒数の受け入れ体制を拡充する養護施設の問題と共に、18歳まであるいは
いわき学園に入所できるまで私どもは幼児部、高等部を併設したいわき市独自の養護教育、あるいは特殊教育
養護学校の建設について考えていかねばならん。そのなかには医療部門との関連、福祉部門との関連、お金はかかるかもしれませんが、そういう観点で今後対処してまいりたいと考えておりますので、御了承願いたいと思います。 ----------------------------
△日程第2 議案第27号及び議案第28号一括上程
○議長(橋本勲君) 日程第2、市長より追加提出になりました議案第27号及び議案第28号を一括議題といたします。 〔議案は別冊参照〕 ----------------------------
△市長提案理由説明
○議長(橋本勲君) 提出者より提案理由の説明を求めます。市長
田畑金光君。
◎市長(
田畑金光君) 〔登壇〕本日、追加提案いたしました景気浮揚対策の公共事業費に係る補正予算につきまして、提案理由の御説明を申し上げます。 最近の経済情勢を見ると、全体として緩やかな景気回復傾向にはなっているものの、雇用面では、いまだ目立った改善が見られず、また国際収支面における急激な円高が、国内経済に与える悪影響も懸念されるに至っておるわけであります。このため、政府は去る9月、国民生活の充実に重点を置いた総額2兆5,000 億円の公共投資の追加等を内容とする「総合経済対策」を決定し、これらを踏まえ、今次臨時国会において補正予算が議決されたところであります。これら国の諸施策により、このたび景気浮揚対策の一環として、国・県から一部の公共事業に対し追加配分がございましたので、本市におきましても、国の施策に呼応した補正予算を編成し、本日、ここに追加提案することといたしたのであります。 今回の景気浮揚対策の総額は、一般会計で債務負担行為を含め7億1,894 万円、特別会計で1,200 万円合わせて7億3,094 万円となりますが、本年度分の予算計上額は、工期等の関係から3億9,882 万6,000 円となり、残りの3億3,211 万4,000 円につきましては、昭和54年度分として債務負担行為を行い、切れ目のない財政運営に努めることといたしたのであります。 初めに、議案第27号昭和53年度いわき市一般会計補正予算(第6号)について御説明申し上げます。 まず、土木費関係でありますが、都市計画街路事業費として内郷駅-平線の舗装工事ほか1線分として9,600 万円を計上したほか、都市下水路整備事業費といたしましては、江栗都市下水路の整備費として、さきに昭和54年度分として債務負担行為を設定いたしておりましたが、これを廃止し、今回4,475 万円を追加計上し、当該地域の排水対策を講ずるものであります。なお、都市公園事業費につきましては、三崎公園ほか2公園について、それぞれ植栽並びに照明灯などを施し、市民の憩いの場として親しまれるよう整備するものであり、合わせて1,800万円を追加計上いたしたものであります。 次に、教育費関係でありますが、小学校建設費といたしましては、長倉小学校危険校舎改築事業を昭和54年度から施行する予定でありましたが、今回これを1年繰り上げて施行することとし、これが第1期計画分2億4,584 万円のうち約40%に相当する1億163 万6,000 円を今年度予算に計上し、残り約60%の1億4,420 万4,000 円については昭和54年度支払分として債務負担行為を行うものであります。また、勿来第一小学校の屋内運動場改築事業費として1億650 万円のうち約40%の4,590 万円を今回計上し、残り6,060 万円については昭和54年度における債務負担行為といたしたのであります。 次の中学校建設費におきましては、平第三中学校の校舎新増築事業費2億785 万円のうち約40%の8,054 万円を計上し、残り1億2,731 万円については他の学校と同じく昭和54年度の債務負担行為といたしたものであります。 以上により、今回の補正額は3億8,682 万6,000 円となり、既定予算額と合わせますと補正後の予算総額は516 億6,656 万4,000 円と相なったわけでございます。 なお、これが補正財源といたしましては、国庫支出金1億6,356 万7,000 円、市債1億7,550 万円、その他をもって充当いたしたものであります。 次に、議案第28号昭和53年度いわき市土地区画整理事業特別会計補正予算(第3号)につきましては、勿来駅前土地区画整理事業として区画街路の舗装及び支障物件等の移転補償費として合わせて1,200 万円の追加計上を行い、当該区画整理事業の促進を図るものであります。 以上、追加提案の御説明を申し上げましたが、いずれも国の施策に呼応した景気浮揚対策事業でもあり、早期発注と年度内完成を期さなければならない案件でありますので、何とぞ慎重御審議の上、速やかなる議決を賜りますようお願い申し上げます。
○議長(橋本勲君) 以上で提案理由の説明は終了いたしました。 この際、ただいま上程の2件について質疑の通告がなければこのまま会議を進めたいと思いますが、通告ありませんか。--通告がないようですので会議を続行いたします。 ----------------------------
△日程第3 議案第1
号~議案第28号に対する総括質疑
△
渡辺善正君質疑
○議長(橋本勲君) ただいま上程中の2件とあわせて、日程第3、議案第1号から議案第26号までを一括議題といたし、議案28件に対する総括質疑に入ります。通告の順に発言を許します。25番
渡辺善正君。
◆25番(
渡辺善正君) 議案第5号昭和53年度いわき市一般会計補正予算第8款土木費第5項都市計画費第1目都市計画総務費中、委託料についてお尋ねいたします。 第1点は、平駅前地区市街地環境整備基本構想調査委託料についてでありますが、平駅前再開発については種々なる角度観点から、地域住民あるいは商業、街区形成などの諸点から、開発のための調査・研究のため累年予算計上されてまいりましたが、いかんながら再開発の端緒も開きがたく、いわき市の顔であり、表玄関である平駅前再開発は一向に進まないのが現状であります。幸いにいたしまして、市長の積極的取り組みとして平駅前再開発調査事務所が平駅構内の一角に設立され、専任職員の配置体制がなされたことは、地域住民並びに関係商店会などに再開発の希望に一抹の明るさを与えたものと考えられます。 去る10月26日、平青年会議所主催にて平駅前再開発のための調査研究会が開催されたようだが、こうした市民の自主的、意欲的な盛り上がりこそ再開発を前進させる大きな要因であります。そこで、この調査費を効率的支出をするために、どのように調査計画を進めようとするのかお尋ねいたします。 次に第2点として、吉野谷鉱泉調査委託料についてでありますが、私は、去る3月の定例市議会において、吉野谷鉱泉問題についてその存置方をお尋ねしました関係上、お伺いいたします。 いわき市は、ニュータウン建設を地域振興整備公団と契約いたしたので、吉野谷鉱泉もその中に含まれております。したがって、一切について公団が責任をもって建設工事を推進しているものと考えられますので、この委託費200 万円は公団の要請に基づき支出をするものなのか。契約時点における建設のための費用負担の契約はどのようになっているのか承りたいと思います。 また、現在までに契約後、ニュータウン関係に支出がなされているとすれば今期中--これは、ただいま参考資料をいただきましたので省略いたします。それからニュータウン建設のための支出は今後もあるのかどうかお尋ねいたします。 またこの200 万円で行う地質調査結果の活用をどのように考えているのか。調査については吉野谷鉱泉側と合意に基づいた調査であるのかどうかお尋ねいたします。以上であります。