令和 3年 2月 定例会令和3年3月3日(水曜日) 午後1時1分開議 午後4時36分散会議 事 日 程 午後1時開議 1、日程第1 県の一般事務に関する質問 2、日程第2
知事提出議案第1号から第126号まで 付議議案に対する質疑本日の会議に付した事件 1、県の一般事務に関する質問及び
知事提出議案第1号から第126号 までに対する質疑出 席 議 員 1番 渡 辺 康 平 君 2番 鈴 木 優 樹 君 3番 渡 邊 哲 也 君 4番 太 田 光 秋 君 5番 江 花 圭 司 君 6番 水 野 透 君 7番 山 口 信 雄 君 8番 真 山 祐 一 君 9番 三 村 博 隆 君 10番 荒 秀 一 君 11番 橋 本 徹 君 12番 大 場 秀 樹 君 13番 大 橋 沙 織 君 14番 佐 藤 郁 雄 君 15番 佐々木 彰 君 16番 坂 本 竜太郎 君 17番 佐 藤 義 憲 君 18番 高 宮 光 敏 君 19番 宮 川 政 夫 君 20番 先 﨑 温 容 君 21番 伊 藤 達 也 君 22番 渡 部 優 生 君 23番 三 瓶 正 栄 君 24番 椎 根 健 雄 君 25番 佐久間 俊 男 君 26番 吉 田 英 策 君 27番 鈴 木 智 君 28番 佐 藤 雅 裕 君 29番 遊 佐 久 男 君 30番 星 公 正 君 31番 山 田 平四郎 君 32番 矢 吹 貢 一 君 33番 小 林 昭 一 君 34番 安 部 泰 男 君 35番 紺 野 長 人 君 36番 円 谷 健 市 君 37番 髙 野 光 二 君 38番 宮 本 しづえ 君 39番 宮 川 えみ子 君 41番 佐 藤 政 隆 君 42番 長 尾 トモ子 君 43番 西 山 尚 利 君 44番 渡 辺 義 信 君 45番 今 井 久 敏 君 46番 古 市 三 久 君 47番 高 橋 秀 樹 君 48番 宮 下 雅 志 君 49番 神 山 悦 子 君 50番 吉 田 栄 光 君 51番 杉 山 純 一 君 52番 満 山 喜 一 君 53番 佐 藤 憲 保 君 54番 青 木 稔 君 55番 亀 岡 義 尚 君 56番 宗 方 保 君 57番 西 丸 武 進 君 58番 瓜 生 信一郎 君説明のため出席した者 県 知 事 内 堀 雅 雄 君 副 知 事 鈴 木 正 晃 君 副 知 事 井 出 孝 利 君 総 務 部 長 佐 藤 宏 隆 君 危 機 管理部長 大 島 幸 一 君 企 画 調整部長 橘 清 司 君 生 活 環境部長 渡 辺 仁 君 保 健 福祉部長 戸 田 光 昭 君 商 工 労働部長 宮 村 安 治 君 農 林 水産部長 松 崎 浩 司 君 土 木 部 長 猪 股 慶 藏 君 会 計 管 理 者 阿 部 雅 人 君 出納局長(兼) 阿 部 雅 人 君
原子力損害対策 高 荒 由 幾 君 担 当 理 事 企 画 調 整 部 安 齋 浩 記 君 避 難 地 域 復 興 局 長 企 画 調 整 部 野 地 誠 君 文 化 スポーツ 局 長 保 健 福 祉 部 佐々木 秀 三 君
こども未来局長 商 工 労 働 部 國 分 守 君 観 光 交流局長 総 務 部政策監 阿 部 俊 彦 君 風 評 ・ 風 化 鈴 木 竜 次 君 対 策 監 知事公室長(兼) 鈴 木 竜 次 君 総 務 部 秘 書 課 長 山 内 建 史 君 総 務 課 長 清 野 宏 明 君 総 務 部 主 幹 金 田 勇 君 企 業 局 企 業 局 長 安 達 和 久 君 病 院 局
病院事業管理者 阿 部 正 文 君 病 院 局 長 伊 藤 直 樹 君 教 育 委 員 会 教 育 長 鈴 木 淳 一 君
選挙管理委員会 委 員 長 遠 藤 俊 博 君 事 務 局 長 深 谷 一 夫 君 人 事 委 員 会 委 員 大 峰 仁 君 事 務 局 長 林 昭 彦 君 公 安 委 員 会 委 員 森 岡 幸 江 君 警 察 本 部 長 和 田 薫 君 労 働 委 員 会 事 務 局 長 小笠原 敦 子 君 監 査 委 員 監 査 委 員 佐 竹 浩 君 事 務 局 長 中 村 修 二 君
議会事務局職員 事 務 局 長 佐久間 弘 元 君 事 務 局 次 長 星 貴 文 君 総 務 課 長 鈴 木 陽 一 君 議 事 課 長 新 妻 政 弘 君 政 務 調査課長 熊 耳 知 徳 君 議 事 課主幹兼 菅 野 義 君 課 長 補 佐
議事課主任主査 富 塚 誠 君
議事課主任主査 三 瓶 和 子 君 兼 委 員会係長 午後1時1分開議
○議長(太田光秋君) ただいま出席議員が定足数に達しております。 これより本日の会議を開きます。
△県の一般事務に関する質問及び
知事提出議案第1号から第126号までに対する質疑
○議長(太田光秋君) 直ちに日程に入ります。 日程第1及び日程第2を一括し、県の一般事務に関する質問及び
知事提出議案第1号から第126号まで、以上の各案に対する質疑を併せて行います。 通告により発言を許します。3番渡邊哲也君。(拍手) (3番渡邊哲也君登壇)
◆3番(渡邊哲也君) 自民党議員会の渡邊哲也でございます。通告に従い、質問に入ります。 このたびの本県沖を震源とする最大震度6強の地震で被災された方々、そして
新型コロナウイルス感染症に感染された方々に心よりお見舞いを申し上げます。 初めに、震災、原発事故からの復興についてであります。 2011年3月11日に発生した東日本大震災、東京電力福島第1原発事故からの復興について、県の考えを伺います。 震災が発生した3月11日午後2時46分、私は福島民友新聞の県政記者として県庁本庁舎にいました。悪夢のようなあのときから丸10年がたとうとしています。 私が福島民友の
浪江支局長時代からお付き合いをいただいている浪江町のある家族がいます。その家族は、祖父母と孫の高校3年の男子高校生との3人暮らしです。男子高校生の両親は、震災以前に事故で亡くなりました。震災、原発事故は、通い慣れた学びやや友人すらも彼から奪いました。 しかし、県内の避難先で男子高校生は祖父母から大切に育てられ、生き生きと小学校、中学校、高校生活を文武両道に過ごし、1日に県立高校を卒業しました。4月からは自衛官となります。 震災、原発事故からの影響下でも懸命に生きてきた子供たちがいます。その子供たちこそがこれから先の未来の福島を担っていく存在であります。 そこで、震災から10年を迎え、福島の未来を託す子供たちへの内堀知事の思いをお尋ねします。 次は、避難地域の復興・創生についてであります。 震災、原発事故から10年の月日が経過する中、除染が進み、避難指示は帰還困難区域を除いて解除されました。しかし、10市町村の旧避難区域の居住率は今なお31.8%にとどまっているとの報道がありました。 避難の長期化で、職場や学校など生活基盤をほかの地域に移した住民も多く、帰還者数は頭打ちの状態が続いております。こうした状況の中で、10市町村などでは避難住民の意向を踏まえた医療施設の整備や商業施設の開設など、居住環境の整備、再建に注力してきました。 また、近年は住宅補助の充実や雇用創出に力を注ぎ、移住の促進にも取り組んできました。さらに、震災・
原子力災害伝承館や道の駅などの施設などをツールとした交流人口は増加しています。 復興政策の基軸は帰還であることは不変ながらも、移住や交流など新たな観点を重視した観光人口の増加が、今後の旧避難区域のさらなる復興の加速化には不可欠であると考えます。 そこで、避難地域の復興・創生にどのように取り組んでいくのか、県の考えをお尋ねします。 次は、
福島ロボットテストフィールドを活用した産業人材の育成についてであります。 先月24日に開かれた議員勉強会の講師として登壇した
出村裕英会津大学宇宙情報科学研究センター長は、講話の末尾で宇宙航空学の分野での
福島ロボットテストフィールドの活用とその優位性について話され、大きな感銘を受けました。 私自身、昨年10月の
決算審査特別委員会で南相馬市の
テクノアカデミー浜を訪問した際、同校の校長からロボテスに整備した最新鋭の工業用機械である五
軸マシニングセンタを使用した授業を行っていると聞き、ロボテスを利用した産業人材育成の優位性、将来性について共感を覚えました。
福島イノベーション・コースト構想をはじめ、本県の復興を牽引する産業における人材育成の分野でロボテスを活用することは、本県の強みであると考えます。高校生や
高専生らものづくりへの志を燃やす若者が、ロボテスで生き生きと授業や研究などに没頭する姿に思いをはせます。 そこで、県は
福島ロボットテストフィールドを活用し、
ものづくり産業を担う若い人材の育成にどのように取り組んでいくのかお尋ねします。 次は、子供の心をケアする新たな拠点の設置についてであります。 震災、原発事故では、未曽有の災害そのものが与えた被害だけではなく、被災や避難、帰還など環境の変化が人々の心に及ぼした影響も甚大であり、深刻でありました。特に子供のメンタルヘルスについては、災害発生直後から専門家や関係機関がその問題を指摘し、各組織がそれぞれのリソースを用いて子供のケアに取り組んできた経過があります。 しかしながら、長期的に子供の心の経過を見守るためには、心の支援の中核となる専門機関が不可欠であります。これまで10年間の支援や相談の結果などを科学的に分析し、効果的な支援方法を開発しながら支援を体系化し、医療、福祉、教育など各分野の専門家、機関が組織横断的に子供の心をケア、支援する取組が求められております。 そこで、県は子供の心をケアする新たな拠点の設置に向け、どのように取り組んでいくのかお尋ねします。 次は、復興を加速化させる視点での入札制度改革についてであります。 震災では、道路、河川、海岸をはじめ様々な数多くのインフラや施設などに大きな被害をもたらしました。その応急対応から本復旧まで、建設業の方々の尽力には改めて敬意を表する次第であります。 県の工事は、定められた入札制度の下、発注が行われておりますが、関係建設団体からの要望や
入札制度等監視委員会での審議を踏まえて例年制度の見直しが行われ、本年度には県民の安全・安心を担う地域の守り手である企業の受注機会の確保を目的とした制度も試行導入されました。入札制度は、建設業を取り巻く環境など、状況に応じて継続した見直しが必要と考えます。 そこで、県はよりよい入札制度とするため、新年度に向けてどのように見直していくのかお尋ねいたします。 次は、県民生活に深刻な影響を及ぼしている
新型コロナウイルス感染症対策についてです。 国内の感染者数は43万人を超え、県内の感染者数も2,000人に迫ろうとしています。熾烈を極める医療現場では、人命を守るためにおのれを犠牲にしながら懸命に働く医療従事者の姿があり、その尽力には心より感謝の意を示す次第であります。 また、県内各市町村では、感染防止に向けて日々の生活を少しずつ我慢し、自粛するなど努力を続ける県民1人1人の姿があります。飲食店への時短営業要請など、県や市町村は感染拡大防止に向けた施策を絶え間なく実行してきましたが、それでも感染者数は増加の一途をたどっております。1日も早いワクチン接種が待たれますが、既に感染した方においては後遺症の問題が懸念されています。
国立国際医療研究センターが退院した
新型コロナ患者を対象に実施した調査では、世代を問わず、せきやだるさ、呼吸困難、脱毛、嗅覚障害、味覚障害などの後遺症が確認されています。こうした状況を踏まえ、国内外で後遺症に関する調査、後遺症に苦しめられている人々へのケアが始まっております。 そこで、県は感染症の後遺症についてどのように認識しているのかお尋ねいたします。 次は、看護職員の確保についてです。
新型コロナウイルスの感染拡大で世界中の医療現場が逼迫しています。世界を一変させたウイルスの流行は医師と看護師の不足という地方の医療体制の課題を浮き彫りにしました。特に医師と共に医療現場で懸命に従事する看護職員の確保は喫緊の課題であります。 感染拡大が続く中、健康への不安や家族の事情、風評などで離職を余儀なくされた看護職員がいます。コロナ禍により医療現場が逼迫する中で、慢性的に不足してきた看護職員の確保がこの状況下で県政の重要課題として改めて浮き彫りとなり、対応を求められています。 そこで、県は看護職員の確保にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。 次は、旅館、ホテルの観光誘客についてであります。
新型コロナウイルスの感染拡大により、県内の旅館、ホテルは宿泊客らが大幅に減少し、経営環境は大幅に悪化しています。各温泉地の中核的存在である多数の従業員を雇用している旅館、ホテルほどその影響は大であります。 国の
GoToトラベルキャンペーンに加え、県は観光、宿泊事業者を支援するための県民割事業を開始し、観光、宿泊需要の掘り起こしを図りました。しかし、年末年始の
県内感染者数の急増で同事業の一時停止を余儀なくされました。現状を勘案すると、令和3年度も含めた継続的な旅館、ホテルへの観光誘客の支援、誘客を喚起する取組が求められております。 そこで、県は旅館、ホテルへの観光誘客にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。 次は、
アフターコロナ対策についてであります。 初めに、子ども食堂についてただします。 全国的な傾向でもありますが、県内でも子供に無料や格安で食事を提供する子ども食堂は増加の傾向にあります。なじみの福島市内の総菜屋さんも子ども食堂を開設していますが、その店主からコロナ禍の影響で活動を休止せざるを得ない状況が続いていると聞きました。 密の回避が求められる中、子供が集う事業がなかなか実施しにくい現状があります。全国的に子ども食堂は会食の人数制限に加え、弁当や食材提供に事業の切替えを余儀なくされています。 県は、本年度も子ども食堂の支援を行っておりますが、今後は食堂の衛生用品や
弁当配布用容器代の補助など、よりコロナ禍の現状に沿った支援をすべきではないでしょうか。 そこで、県は子ども食堂の支援にどのように取り組んでいくのかお尋ねします。 次は、コロナ禍における高校生の就職支援についてです。 私は、リーマン・ショック時、県の商工労働部の担当記者として、有効求人倍率の低下など日々悪化する雇用情勢の取材を重ねました。思い出されるのは、有効求人倍率の低下とともに、新規高卒者の求人、就職環境の悪化であります。 現状においても、
新型コロナウイルスの感染拡大が高校生の就職に影を落とすことが懸念されています。求人が減り、本当に行きたい県内の就職先があっても行くことができなかった生徒が1人でも出ることは悲しいことであります。県による迅速な対応が求められます。 そこで、県は新規高卒者の県内就職に向けた支援にどのように取り組んでいくのかお尋ねします。 次は、
健康長寿県づくりについてであります。 登壇の機会をいただくごとに
健康長寿県づくりについてただしてまいりました。県は、健康寿命の延伸に向けて、食、運動、社会参加の3つをキーワードに掲げております。しかしながら、
新型コロナウイルス感染拡大により、県が予定していた食、運動、社会参加の取組は停滞を余儀なくされました。 食や運動については、私自身も愛用者である
ふくしま健民アプリのリニューアルなど、コロナ禍でも身近に実践できる取組を推進してきましたが、不要不急の外出自粛により、高齢者が社会参加をする機会は大きく減っています。外出機会が激減した高齢者の社会的孤立を防ぎ、健康維持につながる施策が求められています。 そこで、県はコロナ禍における高齢者の社会参加の促進にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。 次は、安全で安心な県づくりについてです。 初めに、
犯罪被害者支援についてただします。 私は、昨年の6月議会においても、
犯罪被害者支援について県の考えをただしました。県民誰もが犯罪に巻き込まれ、犯罪被害者の立場になり得ます。何の落ち度もない人が犯罪に巻き込まれる現実、そして家族と共に支援を求めざるを得ない現実があります。 犯罪被害者やその家族の支援のための条例を制定している都道府県は本年度も増加傾向にあります。震災、原発事故という未曽有の災害からの復興に向かって、この10年県民一丸となって立ち向かってきた本県が社会的弱者を守るための後進県であってはなりません。 再び訴えます。単独の
県犯罪被害者支援条例を制定すべきときではないでしょうか。犯罪被害者や家族が受けた被害を回復、軽減し、生活を支えるための見舞金の単独支給、または市町村への支援、転居、引っ越し費用の助成、啓発事業の実施など、犯罪被害者を支援する施策は全国的に拡充されてきました。今こそ先進的な取組を採用し、本県ならではの視点を取り入れた条例の制定が求められています。 そこで、
犯罪被害者支援に関する条例を制定すべきと思いますが、県の考えをお尋ねいたします。 次に、
フィッシング被害の防止についてです。
新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、外出を控える人が増えたことを背景に、街頭犯罪や空き巣などは大幅に減少していると聞いています。しかし、メールや
インターネットなどを介した
フィッシング被害は全国的に多発していることが新聞やテレビなどで報道されています。 この被害について調べると、まず企業や銀行を装って偽のホームページに誘導し、
クレジットカード情報、銀行の口座番号やパスワード等の個人情報を入力させ、これを盗み取り、その情報を
ネットショッピングや
ネットバンキングで不正に利用するというものであり、身に覚えがない請求が手元に届き、気がついたときには高額な被害が発生しているというものでした。 実際私の
フェイスブックのメッセンジャーにもIT実業家を名乗る不審なメッセージが届きました。内容は、無償融資をするので、個人情報を入力してほしい旨でした。まさに
フィッシング被害は県民にとっても身近なものであります。このように、人の情報を巧妙に盗み取り、
インターネットで不正利用することは、なりすまし詐欺同様に到底許されるものではありません。 この犯罪は、メールや
インターネットを介することから、どこで誰もがいつでも被害に遭う可能性があるものであり、県警察にはこのような犯罪に遭わないよう被害防止にしっかりと取り組んでいただきたく切望する次第であります。 そこで、
インターネット上において個人情報が盗まれる、いわゆる
フィッシング被害の防止について、県警察の取組をお尋ねいたします。 最後の質問は、教育文化の振興についてであります。
県教育委員会が発掘調査を実施している川俣町の前田遺跡から全国的にも珍しい多様な木製品、編み組み製品、色鮮やかな漆塗り製品、人骨などの遺物の出土が相次いでおり、文化財としても貴重な遺物であると考えられます。縄文時代中期から後期の遺跡であることなど、同遺跡の特異性は顕著と考えます。 昨年
県教育委員会が開催した現地説明会には、コロナ禍にもかかわらず、全国各地から大勢の考古学ファン、専門家が参加し、専門的視点からの注目の高さを示しました。同遺跡の調査は、令和3年度も実施する予定と聞いており、発掘調査によって新たな発見がもたらされ、前田遺跡の重要性もさらに明らかになることが期待されております。 そこで、
県教育委員会は川俣町の前田遺跡の文化財としての価値をどのように評価しているのかお尋ねいたします。 以上で私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(太田光秋君) 執行部の答弁を求めます。 (知事内堀雅雄君登壇)
◎知事(内堀雅雄君) 渡邊議員の御質問にお答えいたします。 子供たちへの思いについてであります。 10年前に発生した未曽有の複合災害直後から本県の子供たちは多くの困難に直面し、様々な制約や環境の変化にさらされながらもたくましく成長してきました。先日、そんな子供たちが高校生となり、これまでの経験を振り返って本県の現状などを発信する機会が設けられ、私も参加をしてまいりました。 ある生徒は、福島のネガティブなイメージが払拭されていない現状を紹介し、正しい知識と情報を得た上で、自分で考え、自分の言葉で発信すること、そして何よりもその一歩を踏み出す勇気が大切であると訴えていました。聴衆をしっかり見詰めるそのまなざしから、ふるさとに対する真剣な思いが伝わってきました。若者たち1人1人が自分の考えを力強く語る姿を見て、福島の子供たちがこの間様々な経験を通して大きく成長していることを改めて実感いたしました。 本県は今多くの困難な課題を抱えています。そんな苦しいときだからこそ大切にしてほしいことがあります。それは、どんな逆境にあっても諦めず挑戦することであります。 私は、子供たち1人1人が自分の可能性を信じ、それぞれの思い描く夢に向かって挑戦を続け、力強く羽ばたいていける環境づくりを着実に進めてまいります。 そのほかの御質問につきましては、関係部長等から答弁をさせます。 (
総務部長佐藤宏隆君登壇)
◎総務部長(佐藤宏隆君) お答えいたします。 入札制度につきましては、関係団体等の意見も踏まえながら不断の見直しを行っております。 新年度に向けた主な改正点として、設計金額が3,000万円以上の工事について、地元企業の受注機会も考慮し、総合評価方式での発注を全部局に拡大するほか、担い手確保及び若手や
女性技術者育成の観点から、総合評価方式において新たな評価項目を加えることとしております。 (
生活環境部長渡辺 仁君登壇)
◎
生活環境部長(渡辺仁君) お答えいたします。
犯罪被害者等の支援につきましては、これまで福島県安全で安心な県づくりの推進に関する条例に基づき、相談対応や医療費助成、
県営住宅優先入居等の支援をしてまいりました。 一方で、近年県内外で痛ましい事件が発生するなど、被害者やその御家族が受けた被害の早期回復及び軽減を図り、1日も早く日常生活を取り戻せるよう、社会全体での支援の重要性がより一層高まっていることから、(仮称)福島県
犯罪被害者等支援条例の制定に向け準備を進めてまいります。 (
保健福祉部長戸田光昭君登壇)
◎保健福祉部長(戸田光昭君) お答えいたします。
新型コロナウイルス感染症に係る後遺症につきましては、嗅覚障害や呼吸困難等、様々な症例があるとの報告がありますが、どのような症状があり、どのくらい続くのか等が明らかではないことから、現在国において研究が進められているところであり、県といたしましては、今後の調査結果を注視し、対応してまいる考えであります。 次に、看護職員の確保につきましては、これまで看護学生への修学資金貸与や離職防止に向けた病院内保育所の運営支援及び勤務環境改善のための施設整備補助など、様々な取組を行ってまいりました。 新年度は、県内の未就業看護師等への復職支援活動をより充実させるため、県ナースセンターのサテライトを新たに設置し、ナースバンクへの登録促進や求人施設と求職者のマッチング支援などの取組を強化することとしており、引き続き看護職員の確保に努めてまいります。 次に、高齢者の社会参加につきましては、コロナ禍にあっても、新しい生活様式を踏まえ感染症対策を徹底した上で、高齢者が知識と技術を生かし、地域で活躍できる場を充実させ生き生きと生活できるよう、今年度より感染症対策を講じた地域コミュニティー活動に対して補助しているところであり、今後とも高齢者が安心してスポーツや文化活動の大会などに参加できるよう取り組んでまいります。 (商工労働部長宮村安治君登壇)
◎商工労働部長(宮村安治君) お答えいたします。
福島ロボットテストフィールドを活用した産業人材の育成につきましては、新年度新たに
テクノアカデミー浜の教育訓練においてドローンによる構造物の検査実習を行うほか、これまで浜通りの工業高校等4校を対象に実施してきた当該施設の見学や出前授業を中通りや会津の高校で実施数を拡大し、直接
ものづくり産業の魅力を感じ取ってもらうなど、若い人材の育成に取り組んでまいります。 次に、新規高卒者の県内就職につきましては、コロナ禍による厳しい経済情勢にあっても、地域の未来を支える若者が希望する企業に就職し社会への第一歩を踏み出せるよう、経済団体を訪問し、会員企業等における求人確保を要請しているところであります。 また、高校生の職業観を育み、企業理解を深めるため、県内企業で働く若手社員が自らの経験を直接伝える講話を実施するとともに、合同就職面接会を開催するなど、新規高卒者の県内への就職と定着を支援してまいります。 (避難地域復興局長安齋浩記君登壇)
◎避難地域復興局長(安齋浩記君) お答えいたします。 避難地域の復興・創生につきましては、これまで医療、商業施設、産業、なりわいの再生等帰還環境の整備を着実に進めてまいりました。 今後は、これまでの住民帰還の支援に加え、移住、定住の促進や交流、関係人口の拡大を図り、様々な力の結集により地域再生を果たすとともに、住民がこの地域に夢や誇りを持ち、健康で心豊かな暮らしや心のよりどころと実感できるふるさとの再生に向け、避難地域の復興・創生に全力で取り組んでまいります。 (
こども未来局長佐々木秀三君登壇)
◎
こども未来局長(佐々木秀三君) お答えいたします。 子供の心をケアする拠点につきましては、県精神保健福祉協会に委託し、ふくしま子どもの心のケアセンターとして福島駅前の福島学院大学内に今春開設し、同大学及び県立医科大学との連携の下、医師の派遣と助言を受け、公認心理師等の専門職が現場に出向くアウトリーチ支援を行い、教育や保健福祉等の地域での取組と連携して、震災と原発事故で傷ついた子供たちの心を継続的に支援してまいります。 次に、子ども食堂につきましては、地域の子育て家庭を見守り、困難を抱える子供を早期に発見して適切な支援につなげる役割が期待できるため、地域が主体となった子育てを促進する観点からその立ち上げを支援しているほか、子ども食堂の趣旨に賛同する企業や団体等と連携して衛生用品等を配布し
新型コロナウイルス感染症対策を支援するなど、子供に対する地域での支援の輪を広げてまいります。 (観光交流局長國分 守君登壇)
◎観光交流局長(國分守君) お答えいたします。 旅館、ホテルへの観光誘客につきましては、コロナ禍においていち早く県民割を開始したほか、身近な温泉地の魅力発信など多様な取組を展開してまいりました。 2月補正予算では県民割1万5,000泊を、新年度当初予算では13万泊を追加し、新型感染症の拡大防止に努めながら、さらなる観光誘客の促進を図り、深刻な状況の続く旅館、ホテルを切れ目なく支援してまいります。 (教育長鈴木淳一君登壇)
◎教育長(鈴木淳一君) お答えいたします。 川俣町の前田遺跡につきましては、縄文時代中期から晩期の集落跡であり、一般的に遺物として残りにくいとされている漆塗り製品や人骨が出土し、また様々な埋葬方法を示す遺構が確認されるなど、当時の暮らしぶりを知り得ることから、文化財として重要な価値を有するものと考えております。 引き続き、発掘調査を行うとともに、出土品等の分析や当時の生活の考察を進めてまいります。 (警察本部長和田 薫君登壇)
◎警察本部長(和田薫君) お答えいたします。 いわゆる
フィッシング被害の防止につきましては、偽のサイトやメール等を用いてパスワード等を入力させるフィッシングの特徴を踏まえ、県警ホームページやSNS等を通じて、その危険性や被害防止対策を呼びかけるなどの広報啓発に努めているほか、関係機関、団体への情報提供や企業等に対する被害防止の講習を行っております。 今後もこうした取組を推進し、
フィッシング被害の防止を図ってまいります。
○議長(太田光秋君) これをもって、渡邊哲也君の質問を終わります。 通告により発言を許します。11番橋本徹君。(拍手) (11番橋本 徹君登壇)
◆11番(橋本徹君) 県民連合議員会の橋本徹と申します。民友新聞の同期に続いて、その巡り合わせに感謝しながら質問をいたします。 初めに、コロナ禍の状況で復興五輪を国内外に発信することについてです。
新型コロナウイルスの流行が止まらず、延期された東京オリンピック開催の是非が、残念ではありますが報道されるようになりました。自分は、感染防止対策を行って開催することは可能と考えますが、コロナ流行前の想定とはかけ離れた格好での開催になるかもしれません。 昨年2月議会では、聖火リレーの再開が発表された出発地点、Jヴィレッジの清掃活動を通じて、ぜひ開催してもらいたいと一般質問の冒頭で話したことを思い出しました。世界各国の選手たちは、東京オリンピックに照準を絞り、人生の全てをかけていると言っても過言ではないと思います。選手たちの思いをおもんぱかると、国内外から訪れた観衆による万雷の喝采の中で競技に取り組んでほしいと願うばかりです。 知事は、これまで東京オリンピックを通して福島の復興の現状を国内外に発信していきたい、風評被害を払拭するためには、実際に福島に来て、見てもらうことが最も重要だとおっしゃっていました。ただ、1年延期となったコロナ禍の中で、復興五輪という位置づけで福島の復興の現状を国内外に伝えていくことが非常に難しくなっていると思います。 そこで、知事はコロナ禍での復興五輪において本県の現状をどのように発信していくのか伺います。 次に、被災地域の復興再生について何点か質問します。 初めに、特定復興再生拠点区域外の避難指示解除についてです。 当会派の亀岡県議の代表質問の関連で質問します。 震災、原子力災害から間もなく10年の区切りを迎え、現在県においては県民の意見を取り入れながら第2期福島県復興計画の素案を策定しています。避難区域の本格的な復興には、第2期福島県復興計画においても課題とされた避難地域における特定復興再生拠点区域外の解除方針の明示が必要であり、地元自治体からも早急な方針の明確化と対策が求められております。 そこで、県は特定復興再生拠点区域外の避難指示解除に向け、どのように取り組んでいくのか伺います。 次に、避難地域への移住、定住の促進についてです。 県は、新年度避難地域への移住、定住の促進を打ち出しました。これまでも県全域を対象とする移住、定住施策に取り組んでおります。自分は、避難地域12市町村においては、特色ある取組を実施するなど、他地域との差別化を図る必要があると考えております。ほかの都道府県の多くが移住、定住政策を推進しており、特色を打ち出さなければ想定どおりには進まなくなると懸念しております。 そこで、避難地域の移住、定住の促進にどのように取り組んでいくのか、県の考えを伺います。 次に、被災市町村における健康支援についてです。 復興公営住宅入居者のいわゆる孤独死が続いています。被災者の健康づくりは重要な課題です。被災市町村では、依然として住民の広域分散化が進んでいる一方、市町村主体での健康支援だけではなかなか健康づくりの取組は定着していない状況です。被災者自らが健康づくりに関心を持つよう行動変容を促す取組が必要ですし、健康保持に向けて継続的な健康支援を行うべきと考えます。 そこで、県は被災者の健康づくりの促進にどのように取り組んでいくのか伺います。 次に、国際教育研究拠点についてです。 復興庁から昨年末、法人を設立するなど青写真とも言える概要が示されました。今後どのような規模を目指すのかなどの具体案が示されることを期待します。 これからの最大の焦点となる立地場所に当たっては、選定に際して立地候補となっている被災市町村の思惑がそれぞれあろうかと思いますが、地域が分断されないような誰もが腑に落ちる結論となるよう、今後の協議を進めてもらいたいと強く思っています。 そこで、国際教育研究拠点の立地地域の選定についてどのような考えの下で進めていくのか、県の考えを伺います。 次に、Jヴィレッジを核とした地域振興についてです。 新型コロナのため滞っているものの、被災地の今を知らせ、魅力を知らせる取組の継続性が求められています。自分は、Jヴィレッジを核に捉えて、スポーツイベントはもちろん、職場研修や教育旅行の受入れ、意識が高まっている健康をテーマにした仕掛けを積極的に行うべきと考えています。 これまでJヴィレッジはサッカーをはじめとしてスポーツ利用を中心に利用されてきました。震災と原発事故後は、廃炉作業の前線基地となりましたが、再開を果たしたのは記憶に新しいところです。そして、今月25日にはオリンピック・パラリンピックの聖火リレーのグランドスタート地点にもなっています。これを機会に、Jヴィレッジもステップアップを果たし継続的な利活用がなされるよう、双葉地域のにぎわいを創出する存在であってほしいと思っています。 そこで、県はJヴィレッジを核とした地域振興にどのように取り組んでいくのか伺います。 産業、仕事づくりについて何点かお尋ねします。 まずは、産業の集積を生かした取組についてです。 少子高齢化に伴う人口減少が顕著です。これに伴って、後継者問題や人手不足などが深刻で、地元、地場産業の廃業などが続発しています。潤滑油の存在でもある金融業界の統廃合も進んでいくことが想定されます。震災と原発事故を受けた本県はさらに当初の想定よりも人口減少が進んでいます。 一方、震災と原発事故からの復興再生の施策によって多くの予算が投入され、産業集積や再生可能エネルギーの普及、促進などの産業分野において他県よりも優位に進んでいます。この状況を強みに取組を強化し、地方経済の縮退に抵抗していかなければいけません。 そこで、県は本県の強みを生かした新たな産業の集積にどのように取り組んでいくのか伺います。 次に、航空宇宙産業についてです。 新型コロナの世界的な流行で、今年度はなかなか事業者同士の商談や県としての支援が難しい状況が続いたと思います。ただ、関係企業の裾野が広く、航空機は使われる部品数が自動車の100倍にも及ぶことから、今後の安定した成長が見込まれる産業だけに、コロナ禍の状況を踏まえながら臨機応変に対応していくことが必要であると思います。 本県が強力に推し進める航空宇宙産業については、コロナ禍からの回復期に向けて、企業の競争力の強化を引き続き支援するなど、その取組をさらに前進させなくてはいけません。 そこで、県は航空宇宙分野に取り組む県内企業をどのように支援していくのか伺います。 次に、持続可能な水道事業についてです。 県は、将来の水道のあるべき姿を示す水道ビジョンを今年度末までに策定すると聞いています。時代や環境の変化に的確に対応しつつ、安全な水を合理的な対価をもって持続的に供給していくことが重要です。こうした水道事業のおかげもあって、誰でもどこでも蛇口を回せば安全で安心な水が出ることが当たり前になっています。 また、先月13日の地震では県内各地で断水や濁り水の被害が発生しましたが、水道事業者と民間関係者の昼夜を問わない復旧作業により速やかに解消しました。関係者の日頃の研さんと御尽力に敬意を表します。 水道事業は拡大路線を走ってきましたが、人口減少時代に突入した時代背景もあり、拡大から維持管理へのスムーズな転換が求められています。しかし、市町村等の水道事業に関わる技術者も年々減少しており、水道事業を維持管理するために人材確保と育成が一層必要と考えます。 そこで、県は水道事業を担う人材の育成にどのように取り組んでいくのか伺います。 次に、サケの資源回復についてです。 震災と原発事故以降、サケの回帰が思わしくなく、各漁協は対応に苦慮していると思います。震災前における本県のサケ資源は、増殖事業の成果により毎年約40万尾の回帰があり、海と川でそれぞれ半分を漁獲し、沿岸漁業を支えるとともに、観光資源として重要なものでありました。 しかし、震災や台風第19号により、サケのやな場やふ化場は大きな被害を受け、稚魚放流数が大きく減少したことにより、回帰するサケも激減していると聞いています。加えて、ここ数年全国的にもサケの資源が減少していると聞いています。 そこで、県はサケの資源量の回復にどのように取り組んでいくのか伺います。 関連して、次はアユの遊漁振興についてです。 アユは、本県の遊漁において柱となる魚種であり、浜通りなど一部の河川を除き遊漁の再開も進んでいるところでありますが、遊漁者数の数はまだまだ回復途上と伺っております。 そのような中、内水面水産試験場がアユの友釣りに適した縄張をつくる性質の強い種苗の開発を東北大学と共に研究していると聞きました。こうした研究成果などを活用しながら、アユの遊漁復活を進めることが重要であると思います。 そこで、県はアユの遊漁の振興にどのように取り組んでいくのか伺います。 人、絆、健康、豊かな地域づくりについて何点か質問します。 初めに、健民アプリのさらなる活用についてです。 多くの人がいわゆるコロナ太りになったと回答するなど、健康への取組が一層大切と思います。私は、本県が進めるアプリ、
ふくしま健民アプリをスマホに入れておりますが、立ち上げないことが多くなってしまっています。例えば起動させなくても目標歩数が達成されれば通知が来るなどの工夫があれば、もっと利用者数が伸びるのではないかと思っています。そうすれば、健民アプリを開いて、アプリ内にある健康に関するイベント情報などを見る機会が増えるのではないでしょうか。 地元の浜通りでは、復興と銘打ったマラソン大会や自転車のロードレース大会、ウオーキング大会が今後も企画される予定です。太平洋側を走る浜街道などを利用しながら、イベントを通じてアプリと本県の今を県内外に知らせる絶好の機会です。 そこで、県は健民アプリのさらなる活用による県民の健康づくりにどのように取り組んでいくのか伺います。 次に、外国人住民が安心して暮らせる環境づくりについてです。 本県内においても、留学生や技能実習生が多く見られるようになりました。コンビニエンスストアの店員など、身近な場所で若い外国人住民が増えたように思います。国際化の流れに沿ったものと言えますが、生活習慣や日本語の習熟度の違いなどの課題があるため、来日して間もない外国人住民の方々が地域で安心して暮らすためには、地域住民との相互の理解を深めていかなければならないと思います。 そこで、県として留学生や技能実習生等が安心して暮らせるようどのように取り組んでいくのか伺います。 次に、教育格差の解消に向けた取組状況についてです。 家庭環境を改善するための大きな手段は教育であると思います。子供たちの世代がよりよく変わっていくためには、学校現場、地域の方々の支援を受けながら、親が我が子に勉強やスポーツ、社会生活などの教育をしていかなければならないと思います。 ただ、戦後すぐの時代に見られたように、日々の生活が精いっぱいで経済的に困窮している家庭などは、なかなか子供たちへの教育に目が向かない状況にありました。本人の努力次第で打開できることは言うまでもありませんが、現代においても同様な家庭はあります。 子供は親を選べません。子供たちの未来を変えるためには、生活困窮の世代間連鎖を解消する福祉的な面から、経済的に困窮している家庭への学習支援が必要と考えます。 そこで、県は経済的に困窮している家庭への学習支援にどのように取り組んでいるのか伺います。 次に、視力低下に歯止めをかけるための取組についてです。 自分は、高校入学時から近視と乱視がひどくなり、眼鏡をかけるようになりました。周りを見渡すと、眼鏡かコンタクト使用者ばかりです。近年視力の低下はより若年化が進んでいるように感じます。テレビゲームやスマホの普及が背景にあろうかと思います。 視力の低下は、病気ではなく、遺伝的要因と生活習慣によるところが大きいとされますが、視力をなるべく維持し、裸眼で生活できるような取組や啓発が子供の頃から求められていると思います。 そこで、
県教育委員会は公立小学校において児童の視力低下の予防にどのように取り組んでいるのか伺います。 次に、ふくしまの学校“キラリ”学力向上推進事業による授業の改善についてです。 本県の子供たちの学力向上の取組が始まってから長い年月が経過しています。地道な取組が必要なことから、関わっている教職員の方々への敬意と感謝を申し上げます。 さて、小学校においては今年度より、中学校においては新年度より新学習指導要領が完全実施となる中、主体的で対話的で深い学びの実現が求められております。しかしながら、今年度においては
新型コロナウイルス感染拡大防止に伴う一斉臨時休業のため、授業時数の確保を最優先課題として教育活動が展開されてきたと思います。 そのため、新年度においては、授業時数だけではなく、授業の確保も求めていかなくてはならないと考えております。 そこで、
県教育委員会は公立小中学校における授業の改善にどのように取り組んでいくのか伺います。 最後に、県警察のワーク・ライフ・バランスの取組についてです。 職場のサポートを受けながら、自分の仕事にやりがいを感じて仕事を続けていくことができれば、まさに職場の理想の形だと思います。警察官の業務は不規則であり、昼夜を問わず発生する事件、事故の対応や当直勤務など、ワーク・ライフ・バランスとは相反するような激務が続くようなときもあります。寝食を忘れて仕事に没頭しなければならないこともあろうかと思いますが、志高く警察官を志望し、仕事にやりがいを感じていたとしても、働く職場環境をよりよくしてこそ警察官の士気は高まりますし、結果として地域の安全・安心の向上にもつながるものと思います。 警察本部長は、年頭所感でワーク・ライフ・バランスの取組促進を打ち出しました。警察官、警察職員の職場環境の向上につながるものと期待しております。 そこで、県警察におけるワーク・ライフ・バランスの取組について伺います。 最後に、3.11と刻まれる、忘れられない、忘れてはいけない日から間もなく10年となります。津波襲来直後に見た地元の変わり果てた光景。これに追い打ちをかけた原子力災害。絶望のふちからもう10年かという受け止めが心を占めます。3.11が近づくたびに様々な思いが去来し、気分の浮き沈みもあります。 コロナ禍、そして先月13日の余震がありました。改めて、亡くなられた方、罹患者、被災者の方々にお見舞いを申し上げます。震災を含めた昨今の状況から感じるのは、何げない日常を過ごせることが何よりの幸せということです。微力ですが、この何げない日常を送ることができるよう、そして本県の復興と新たな県づくりのため、諦めることなく努力していきたいと考えております。 「退かざる者は必ず進む」。学問のすゝめで説いた福沢諭吉の言葉どおり、本県を共に前に進めていきたいと思います。 以上、ありがとうございました。(拍手)
○議長(太田光秋君) 執行部の答弁を求めます。 (知事内堀雅雄君登壇)
◎知事(内堀雅雄君) 橋本議員の御質問にお答えいたします。 コロナ禍での復興五輪における発信についてであります。 私は、
新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止が最優先の課題と考えており、総力を挙げて取り組んでいるところであります。その上で、復興五輪として開催される東京大会においては、これまでいただいた御支援に対する感謝と復興に向け前進している姿、依然として様々な課題に向き合っている姿の両面を国内外に発信することが重要であります。 そのため、聖火リレーでは、津波被災地や原発事故による避難地域をはじめ県内を巡るルートをランナーの皆さんが聖火をつないでいくことで福島の今を発信するとともに、市町村と連携しながら、県民の皆さんと一緒に地域の魅力を伝えていきたいと考えております。 また、あづま球場周辺やライブサイト会場で本県の現状を広くお伝えできるよう、大会における観客数の取扱い等を見極めながら準備を進めるとともに、ホストタウンの交流を通して子供たちが世界各国との絆を深めるなど、共感の輪を広げてまいります。 今後とも、関係の皆さんと知恵と工夫を出し合い、最重要課題である感染症対策を徹底しながら、感謝の思いと復興に向け挑戦を続ける本県の姿を発信することができるよう、しっかり取り組んでまいります。 その他の御質問につきましては、関係部長等から答弁をさせます。 (企画調整部長橘 清司君登壇)
◎企画調整部長(橘清司君) お答えいたします。 国際教育研究拠点の立地地域の選定につきましては、昨年末の政府の成案において、地元自治体の意見を尊重し、避難指示が出ていた地域への立地を基本として選定するとの方針が示されております。 現在国に対し、研究内容や面積など、立地地域の選定に必要な具体的な条件等を示すよう要望しているところであり、今後しかるべき時期に市町村の意向等を確認し、広域自治体として
福島イノベーション・コースト構想の効果が最大化される地域を選定してまいります。 次に、Jヴィレッジにつきましては、スポーツでの活用のほか、コロナ禍も踏まえ、教育旅行の誘致やビジネス利用の推進など、幅広く利活用促進に取り組んでまいりました。 新年度は、双葉8町村の周遊促進を望む声や来場者の周辺観光をしたいといったニーズに応えるため、新たに郡内の見どころや飲食店、体験スポットなどのPRカードを作成、設置し、来場者が地域の魅力に触れる機会を創出するなど、Jヴィレッジを拠点とした地域振興に取り組んでまいります。 (
生活環境部長渡辺 仁君登壇)
◎
生活環境部長(渡辺仁君) お答えいたします。 留学生や技能実習生等につきましては、言葉の習得や生活習慣に違いがあることから、日本語学習機会の拡充をはじめ、コロナ禍では健康相談や通訳支援などを行ってまいりました。 新年度は、市町村と連携し、地域住民との交流事業を行い、生活ルールや災害時の対応などを理解し、互いの顔が見える関係づくりを進めることにより、地域の一員として安心して暮らせるよう積極的に支援してまいります。 (
保健福祉部長戸田光昭君登壇)
◎保健福祉部長(戸田光昭君) お答えいたします。 被災者の健康づくりにつきましては、被災者自らが自分の健康状況を把握し、自発的、継続的に取り組むことが重要であることから、新年度は新たに人々を望ましい行動に誘導する行動経済学のナッジ理論を専門家の助言を得ながら活用し、検診であれば、受診案内に受診を促す工夫をすることで受診率の向上につなげるなど、被災者の健康づくりに資する行動を促進するための取組を市町村と連携して進めてまいります。 次に、水道事業を担う人材の育成につきましては、安全な水を安定的に供給していくためには、専門的な技術力を確保、維持していくことが重要であることから、これまで実務経験の少ない職員等を対象とした研修会を県内各方部で行ってまいりました。 新年度からは、研修事業を拡充し、新たに上、中級者向けの講座を設けるほか、市町村等が抱える課題に応えることができる専門家を紹介するなど、引き続き人材育成に取り組んでまいります。 次に、健民アプリの活用による健康づくりにつきましては、目標を持って身近なところで運動できるよう、歩数達成を条件としたプレゼントキャンペーンの実施や、市町村と連携して地域にあるウォーキングコースをアプリ内に設定するなど、楽しみながら継続できるよう取り組んでまいりました。 引き続き創意工夫して、より多くの方が健康づくりに興味を持つよう健民アプリの内容の充実を図ってまいります。 次に、経済的に困窮している家庭への学習支援につきましては、ノウハウを持つNPO法人等に委託し、生活困窮世帯の小学生から高校生を対象に生活習慣の改善や教育、進路選択等に関する支援を行っており、各家庭や公民館等を利用しての学びの場の提供や定期面談による退学防止等の相談などを実施しております。 今後とも、生活困窮世帯の子供を取り巻く課題に総合的に対応してまいります。 (商工労働部長宮村安治君登壇)
◎商工労働部長(宮村安治君) お答えいたします。 本県の強みを生かした新たな産業の集積につきましては、国内有数の拠点施設である
福島ロボットテストフィールド等を最大限活用し、再生可能エネルギーや航空宇宙など成長分野における先端企業の招致や研究開発から事業化まで一体的支援を展開してまいりました。 新年度は、部内組織の再編により取組をさらに強化するとともに、異分野連携によるイノベーション創出等を通して新産業の集積に取り組んでまいります。 次に、航空宇宙分野に取り組む県内企業の支援につきましては、
新型コロナウイルス感染症の感染拡大による航空需要の低迷に伴い、航空機部品を生産する県内企業にも受注の減少や商談の中断など、事業活動に大きな影響が生じております。 そのため、アフターコロナを見据えて、新年度は航空宇宙関連産業への参入や取引に必要な認証の更新等に要する経費の助成、オンライン商談会への出展支援等、県内企業の競争力の維持や強化に努めてまいります。 (農林水産部長松崎浩司君登壇)
◎農林水産部長(松崎浩司君) お答えいたします。 サケの資源量の回復につきましては、沿岸漁業の操業拡大はもとより、浜通り地域の振興に極めて重要であることから、サケ増殖団体が行う回帰率の高い大型種苗の生産や放流への支援、種苗生産に関する技術指導に取り組んでまいります。 さらに、全国的にサケの回帰率が低下し、稚魚の確保に影響が生じていることから、原因究明やふ化放流の技術開発などを引き続き国に求めてまいります。 次に、アユの遊漁の振興につきましては、アユ釣りは本県を代表する遊漁であり、地域振興にも重要であることから、震災後に減少した遊漁者数の回復に向け、縄張をつくる性質が強く、友釣りに適した種苗の開発やアユ冷水病対策の徹底により、優良な種苗を放流できるよう引き続き支援してまいります。 あわせて、
出荷制限指示の早期の解除を進めるため、モニタリング検査を継続し、安全性を確認するなど、アユの遊漁の振興に取り組んでまいります。 (避難地域復興局長安齋浩記君登壇)
◎避難地域復興局長(安齋浩記君) お答えいたします。 特定復興再生拠点区域外につきましては、様々な機会を捉えて国に対し各自治体の意見を尊重しながら丁寧に協議を重ね、除染、家屋等の解体を含めた具体的な方針を早急に示し、帰還困難区域全ての避難指示解除について責任を持って対応するよう求めているところであります。 引き続き、国や地元自治体と連携しながら、帰還困難区域の復興再生に向け、しっかりと取り組んでまいります。 次に、避難地域への移住、定住につきましては、これまでの住民帰還の支援に加え、移住や避難地域に関心が高い方を中心に戦略的な情報発信や移住体験機会の充実、地域の受入れ体制の整備、さらには移住して就業、起業する方への支援金の給付など、特色ある施策を積極的に推進し、全国から新たな活力を呼び込むことで復興再生が加速化されるよう、その促進に全力で取り組んでまいります。 (教育長鈴木淳一君登壇)
◎教育長(鈴木淳一君) お答えいたします。 公立小学校における児童の視力につきましては、ゲーム機の普及や学習へのICT機器の導入などにより、その低下が懸念されるところであります。 このため、眼科検診を通した個別の保健指導をはじめ、部屋の明るさや活用時間、姿勢など、ICT機器の適切な使用について家庭も含めて周知を図ることにより、視力低下の予防に取り組んでまいります。 次に、公立小中学校における授業の改善につきましては、体験活動等を生かした探究的な学習において、児童生徒が実感を伴った考えを基に話合いを重ね、自らの考えを広げ、深めていく授業の工夫が重要であると考えております。 このため、ICTを活用して互いの考えを比較し、よりよい考えを生み出す授業の事例集を新たに作成し、広く周知するなど、思考力、判断力、表現力等の育成を目指した授業の改善に努めてまいります。 (警察本部長和田 薫君登壇)
◎警察本部長(和田薫君) お答えいたします。 県警察におけるワーク・ライフ・バランスの取組につきましては、男性職員の育児に伴う休暇等の取得促進をはじめ、超過勤務の縮減、育児や介護を抱える職員に対する組織的支援、柔軟な勤務時間の設定などの取組を進めているところであり、こうした取組は複雑、多様化する警察事象に効果的に対処するためにも重要であると考えております。 今後とも、職場環境の整備に努めるなど働き方改革を推進してまいります。
○議長(太田光秋君) これをもって、橋本徹君の質問を終わります。 通告により発言を許します。5番江花圭司君。(拍手) (5番江花圭司君登壇)
◆5番(江花圭司君) 東日本大震災、原発事故から復興10年がたとうとしている我が県は、昨年度の令和元年東日本台風からの復旧途中で、2月13日に起きた福島県沖の地震では、10年前の被害箇所にもさらなる追い打ちをかけられ、多くの被害が見つかっております。復旧作業に従事されている方々に感謝申し上げますとともに、被災された方々、お亡くなりになられた方にお見舞い申し上げます。 我が県は、コロナ禍からの対策と回復も含めると四重の苦である現実をしっかり受け止めながらも、議員としても誰一人取り残さないという強い意志を持って行動していくために一般質問させていただきます。 初めに、財政の見通しについてであります。 コロナ禍や災害による経済的打撃により県税収入の減少が見込まれていますが、令和3年度事業計画を着実に遂行していく必要があります。 そこで、県税収入の減少が見込まれる中、財政運営をどのように行っていくのか伺います。 次に、過疎・中山間地域の活性化についてです。 1つ目に、新たな過疎対策法について、現行の過疎地域自立促進特別措置法が今年度で失効し、新年度から新たな法律、過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法が施行される見通しであります。 この新たな法律では、県内でこれまで過疎地域に指定されていた31市町村のうち、会津坂下町と湯川村が対象から外れることが見込まれております。両町村は、財政的な影響を懸念しており、1月13日、県に対して支援要望させていただきました。 本県の過疎・中山間地域は、県土の約8割を占め、この地域の活性化は県政の最重要課題の1つであり、県としても新しい法律の制定をきっかけとして、本県の過疎・中山間地域の現状を踏まえながらその対策の充実を図るべきと考えます。 そこで、県は新たな過疎対策法の下、過疎・中山間地域の振興にどのように取り組んでいくのか伺います。 2つ目に、地域おこし協力隊についてです。 現在県内各地で地域おこし協力隊が活躍しております。隊員が充実した活動を行い、地域に定着していくためには、自らの活動を地域の方々に幅広く知ってもらい、モチベーションを向上させていくことが大切です。そこで、地域おこし協力隊の活動を広く発信し、隊員の意欲向上につなげなければなりません。 県は、地域おこし協力隊の任期後の定着をどのように支援していくのか伺います。 次に、県庁内におけるデジタル改革についてです。 私は、喜多方市議会の議会改革において、議員と職員の業務効率の改善を図るため、議会運営委員長のときにICT化に取り組んでまいりました。コロナ禍によるテレワークが進む中、ICT化による県庁内と出先機関を連携させる業務効率の改善は喫緊の課題であり、県内どこの市町村よりも先駆けて環境整備を行い、お手本モデルを示すべきと考えております。 現に12月25日には行財政改革推進本部会議と電子社会推進本部会議の合同会議が行われ、3月にはデジタル変革の推進に向けた中間報告がなされます。また、ニュースなどでは県のコロナ対策本部会議の模様が映し出されることが多く、モニターを使った知事執行部の会議が行われており、庁内の電子文書の共有は既に可能と思われます。 そこで、県は県庁内におけるデジタル変革にどのように取り組んでいくのか伺います。 次に、再生可能エネルギーについてであります。 県は、再生可能エネルギー先駆けの地の実現を目指すとして、再生可能エネルギーの導入推進に積極的に取り組んでおり、令和元年度、2019年度末の県内導入量は県内電力消費量の8割を超えるなど順調に進展してきております。 県内では、様々な取組が展開されているものと思いますが、会津地域においても、地元と連携して小水力発電事業に取り組み、さらにはその電力を関連する施設で活用しようとする動きが出てきております。今後もさらに導入を推進していくに当たっては、県内企業等による発電事業など、地域主導の再生可能エネルギーの導入を支えていくことが重要と考えます。 そこで、県は地域主導による再生可能エネルギーの導入推進にどのように取り組んでいくのか伺います。 次に、ごみ減量推進プロジェクトについてでございます。 本県の1人1日当たりのごみ排出量は、東日本大震災以降高止まりしており、県はこの状況を改善するのに、来年度、事業系ごみと家庭系ごみ、それぞれの削減に向けたモデル事業を実施するための予算を計上しております。 事業系ごみについては、北塩原村と猪苗代町において、食品残渣、いわゆる生ごみの削減に取り組むとのことでございます。この事業を通じて両町村の課題を解決する意味でも、モデルを構築し、ごみ減量化が推進されることを期待しております。 そこで、県は事業系生ごみの削減に向け、ごみ減量推進プロジェクトにどのように取り組んでいくのか伺います。 次に、有害鳥獣被害対策についてでございます。 まず1つ目に、毎回のように議会でも取り上げられている鳥獣害、そのイノシシに関して、新年度における効果的な対策が必要と考えております。 そこで、県はイノシシの指定管理鳥獣捕獲の効率化や捕獲従事者の育成にどのように取り組んでいくのか伺います。 2つ目に、令和2年度における様々な市町村からの要望への対応が必要と考えています。 そこで、県は市町村が行う農作物に被害を及ぼすイノシシの捕獲や解体処理の効率化をどのように支援していくのか伺います。 次に、農産物の供給についてです。 昨年の秋口からコロナ禍によるサプライチェーンの変化で幾つかの全国展開する業者から加工、業務用野菜を出荷できる産地がないかと相談を受けました。また、加工、業務用野菜の生産に取り組みたいという農家の声も聞いておりますが、実際には価格や量、流通の面などの折り合いがつかず、継続が難しいと聞いております。 加工、業務用野菜の取組は、あらかじめ契約に基づいて安定した出荷が担保されることから、農家にとっては経営の見通しが立てやすいというメリットがある取組です。私は、今後の本県の園芸振興を進めるためには加工、業務用野菜の一層の生産拡大を図っていくべきと考えます。 そこで、県は加工、業務用野菜の生産拡大にどのように取り組んでいくのか伺います。 次に、酒米の生産振興についてです。 これは、毎回議会でも質問させていただいておりますが、コロナ禍により日本酒需要が見通せない状況であり、令和2年産の酒米を使い切れずに来年度に回さざるを得ない蔵元が多く、令和3年産酒米の需要の増加も多くは見込めません。 酒米の作付は、蔵元の需要に連動して動くものと思われます。日本酒は、本県を代表するブランド品であり、原料となる酒米を必要なときに必要な量を提供することが求められます。 コロナ禍が収まれば、いずれは日本酒の需要も回復すると思われます。だからこそ、そのときには蔵元が求める量の酒米を生産できるよう農家に種子を供給する必要があります。 そこで、県は酒米の種子生産にどのように取り組んでいくのか伺います。 次に、コロナ禍における県内の経済循環についてでございます。 2月21日応募締切りのオールふくしま買って応援キャンペーン、私も登録させていただいて、何口も応募させていただきました。知事、大変好評でございました。 第2期にはアプリからも応募可能ということで、ダウンロード数は約9万4,000、SNSでは続々と当選した賞品写真が投稿されております。大変使い勝手のよいアプリになっており、県の代表的なアプリ、先ほど橋本議員からもありましたが、健民アプリが約4万7,000有効ユーザー数のダウンロード、この買って応援キャンペーンアプリは勢い的にも県民ニーズにマッチしたアプリになったのかと感じられました。健民アプリとの連動も今後要望したいところでございます。 また、今回の蓄積された消費動向のレシートからのデータは県政の政策とは異なる県民ニーズが満載のデータとなっていると思います。今後生かさない手はないと感じております。年齢、性別、地域とマッチした消費分析ができる一方、賞品応募データにより県内産品の消費ニーズも分かるので、ぜひともオープンソースとして商工団体などの活用にデータ開示をお願いしたいものです。 そこで、県は消費需要の喚起を図るため、どのように取り組んでいくのか伺います。 次に、中小企業の事業承継支援についてでございます。 地域経済において中小企業の果たすべき役割は大きく、その経営活動を通じて、経済のみならず、技術や技能、文化の承継においても重要な存在である一方、復興10年、令和元年東日本台風、今回の地震、コロナ禍において中小企業は大変な痛手を負い、事業継続を諦め、廃業したいという切実な声を聞いております。 帝国データバンクの調べによると、県内においても、昨年の社長さんの平均年齢は60.7歳、3年連続で過去最高年齢を更新している一方、64.1%の企業において後継者不在の状況にあり、中小企業の後継者不足は大変深刻な問題でございます。 事業承継には、後継ぎを育成する時間を考えれば、少なく見ても5年から10年は必要であり、周到な準備と綿密な計画が求められることから、事業者に寄り添った対応が大変重要です。 さらに、コロナ禍による経営の先行きの不透明さから、廃業が早まり、各商工会議所、商工会においても、対策するも厳しい状況にあります。そこで、早急な後継者への事業承継支援が求められております。 そこで、知事は中小企業の事業承継支援にどのように取り組んでいくのかお伺いします。 次に、観光人材の育成についてです。 本県の観光は、原発事故による風評被害からの復興を目指し、会津地方を中心に旅行者数の回復が図られてきたところではございますが、今般のコロナ禍により再び苦境に立たされております。 県では、猪苗代高校に観光ビジネス科がありましたが、普通科に統合され、コース化されてしまいました。テクノアカデミー会津においては、観光プロデュース学科を設置し、これまで観光人材の育成をしております。 昨年度テクノアカデミー会津の観光プロデュース学科と一緒に会津塩川のナマズを題材にした絵本の制作に取り組みました。テクノアカデミー会津がある塩川は、ナマズの産地です。まさに地元再発見の取組であり、マイクロツーリズムの歴史であります。こうした取組は、ウィズコロナの観光に向けてさらに推し進めていくべきものと考えております。 そこで、県はテクノアカデミー会津において観光人材の育成にどのように取り組んでいくのか伺います。 次に、会津大学における起業家の育成についてです。 会津ICTビルが完成し、AiCTという名前がつきました。AiCTには、22社の企業が入居しており、シェアワークスという4畳半ほどの間仕切りの部屋には全国から海外の日本法人のICT部門が15社ほど入居しております。 会津大学が設立された当初は、大学生がICTベンチャー企業にアルバイトしながら新たなベンチャー企業を設立し、現在は会津大学発ベンチャーが38社となっております。しかし、現在は大学カリキュラムが密になっており、地元ICT企業にアルバイトへ赴けない状況があります。 その反面、ICT民間企業からは大学生アルバイトは有効で必要だといいます。社会経験や卒業後の就職、会社設立をする企業、地元定住に対してもかつては貢献してまいりました。会津で起業する人材を多く輩出することを会津大学には期待しております。 そこで、会津大学において起業家の育成にどのように取り組んでいるのか伺います。 次に、自転車活用についてです。 1つ目に、最近ではコロナ禍の自粛もあり、全国で自転車に関する取組が盛んになり、琵琶湖を1周するビワイチや瀬戸内海の島々を結ぶしまなみ海道などのサイクリングルートが注目されています。 本県においても、サイクリスト向けの大会は盛況で、桧原湖を1周するルートが県のサイクリングモデルルートに位置づけられるなど、県内各地で自転車に関する取組が盛んになっているところです。さらに、令和元年11月1日からは県でも2人乗りのタンデム自転車で公道を走行することができるようになりました。 このタンデム自転車は、障がい者でも自転車に乗って風を感じることができる夢の乗り物です。これからは、全ての人が自転車のすばらしさに触れ、このタンデム自転車の利用も増えていくものと考えられます。 自転車は、ウオーキングやランニングに比べて足腰への負担が少なく、体全体の脂肪を燃焼させる効果があるとされており、自転車の活用を推進し、自転車を利用する人が増えれば、県民の健康改善に寄与することができるのではないかと考えているところです。 先ほどから出ている健民アプリにおいても、歩数の計測のみではなく、距離でのポイント加算も望まれるところです。 福島県民の健康状況は、生活習慣病による死亡が死因別死亡数の半数以上を占め、メタボリックシンドローム該当者の率も18%と、全国で4番目に多い状況です。 県は、県民の健康づくりのため、自転車活用をどのように推進するのか伺います。 最後に、磐梯朝日国立公園における自転車の活用についてです。 ふくしまグリーン復興推進事業において、自然公園の魅力向上体験を含むツアーやワーケーションを推進するとのことで、その滞在期間の余暇における地域資源の利活用を含めた振興策について、国立公園全国周遊支援事業として、サイクリスト等の国立公園への誘致、自然公園内及び周辺地域におけるトレイルコースの設定等、周遊促進を図る必要があると考えます。 県は、磐梯朝日国立公園における自転車活用についてどう取り組んでいくのか伺います。 これで壇上からの質問とさせていただきます。発展的な答弁を期待し、御清聴ありがとうございます。(拍手)
○議長(太田光秋君) 執行部の答弁を求めます。 (知事内堀雅雄君登壇)
◎知事(内堀雅雄君) 江花議員の御質問にお答えいたします。 事業承継支援についてであります。 県内の中小企業は、近年経営者の高齢化や後継者不足という課題を抱えている中、東日本大震災以来、幾重もの災害に見舞われ、その経営環境はますます厳しさを増しております。 こうした中、先日商工団体が行った調査から、コロナ禍にあっても約9割の事業者が事業継続に意欲を持っておられることが明らかになりました。また、長く休業していた会津地方の酒蔵の先代のおいに当たる方から「県外から移住してきて後を継ぎました」といううれしい報告をお聞きする機会がありました。 このように、本県には事業の継続に不可欠な事業者の皆さんの強い意欲とその意欲の源となる魅力と潜在力がそれぞれの地域に備わっていると確信しております。 この優れた特性を生かすため、本県では事業承継の支援に積極的に取り組むこととし、昨年度から関係機関が一体となった支援体制の構築と必要な人材の確保、承継時に利用できる補助や融資など、準備段階から実施段階まで一貫して支援する仕組みを整備してまいりました。 新年度は、新たに支援に携わる専門家のさらなるスキルアップや相談窓口機能の強化を図り、より円滑、的確な支援を行うことで、本県の経済を支えている中小企業の皆さんの事業の継続と振興に全力で取り組んでまいります。 その他の御質問につきましては、関係部長から答弁をさせます。 (
総務部長佐藤宏隆君登壇)
◎総務部長(佐藤宏隆君) お答えいたします。 財政運営につきましては、県税収入の減少が見込まれる中においても、
新型コロナウイルス感染症への対応や復興・創生に向けた取組、防災力強化など膨大な財政需要に対し、健全性を保ちながら安定的に運営することが極めて重要であります。 今後とも、復興や感染症対策に必要となる財源はもとより、一般財源総額の確実な措置を国に求めるとともに、感染症の影響を踏まえた事業見直しを徹底するなど財源の確保に努め、健全な財政運営に取り組んでまいります。 次に、県庁内のデジタル変革につきましては、これまでタブレット端末50台によるペーパーレス会議の導入や、市町村と出先機関も含めたウェブ会議システムの整備、ソフトウエアによる業務工程の自動化、いわゆるRPAの15業務での導入など、ICTを活用した業務改革を進めております。 今後は、押印の見直し等を含む業務工程の再構築や行政手続のオンライン化の拡充等、県庁内のデジタル変革を一層推進し、県民の利便性のさらなる向上につなげてまいります。 次に、会津大学における起業家の育成につきましては、自らのスキルを磨き、将来の起業等に生かすイノベーション・創業教育プログラムにより教育や支援を行っております。 また、地元企業での実務経験をインターンシップ単位として認めるとともに、スマートシティAiCT入居企業や地域の方々との連携、交流を通じて実践的な課題解決手法を学ぶなど、様々な手法で起業家の育成に取り組んでおります。 (企画調整部長橘 清司君登壇)
◎企画調整部長(橘清司君) お答えいたします。 過疎・中山間地域の振興につきましては、今後の取組の方向性を示す過疎・中山間地域振興戦略を年内に策定することとしております。 次期戦略では、新たな過疎法の理念を踏まえ、「持続可能な里・山社会の実現」を目標に据え、人と地域、しごと、暮らしの3分野を柱に、人の流れづくりやデジタル等の新技術の活用、周辺地域を含む広域での連携等の施策を盛り込むこととしており、社会情勢の変化を的確に捉え、当該地域の振興を図ってまいります。 次に、地域おこし協力隊の定着につきましては、任期中の活動を通して、その地域に欠かせない人材として受け入れられていると実感を持てることが重要であります。 そのため、地域での認知度を高める活動成果報告や隊員同士の連携強化を図る交流、定着したOB、OGから助言をもらう研修等の機会を設けるとともに、後継者が不在の新聞販売店を継承し、定着に至った過去の事例をはじめ、隊員の活動を県の情報サイトで発信するなど、任期後の定着に向けて支援をしてまいります。 次に、再生可能エネルギーの導入推進につきましては、県民や県内企業が主体となって事業を推し進め、地域の活性化につなげていくことが重要と考えております。 このため、売電収入を活用した地域貢献の取組を引き続き促進するとともに、新年度は県内企業等による小水力発電やバイオマス発電の設備導入支援を拡充するなど、再生可能エネルギー推進センターと連携の上、地域主導による再生可能エネルギーのさらなる導入推進に取り組んでまいります。 (
生活環境部長渡辺 仁君登壇)
◎
生活環境部長(渡辺仁君) お答えいたします。 ごみ減量推進プロジェクトにつきましては、県内有数の観光地であり、宿泊施設等が多数立地していることなどから、住民1人当たりで算出したごみの排出量が多い北塩原村と猪苗代町の宿泊施設を対象として、事業系の生ごみ削減の実証を行うこととしております。 具体的には、生ごみを効率的に分別した上で業務用の処理機による減量化や町営施設での堆肥化を行い、費用を含め、効果を検証し、減量化モデルの構築に取り組んでまいります。 次に、イノシシの指定管理鳥獣捕獲の効率化等につきましては、捕獲従事者の高齢化に対応する上で重要であることから、新年度はこれまでの狩猟者確保対策等に加え、新たに捕獲従事者の見回り負担の軽減を図るため、わなの作動をメールで通知する機器の貸出しを行うとともに、捕獲経験の浅い免許取得者を対象に熟練狩猟者による捕獲技術の実地研修を実施してまいります。 今後も捕獲の強化と併せてイノシシ対策にしっかりと取り組んでまいります。 次に、磐梯朝日国立公園における自転車の活用につきましては、関係部局や市町村等と連携し、猪苗代湖や磐梯山の1周コースなど、利用者の様々なニーズに応じ、変化に富んだ5つの自転車コース設定に取り組んでおります。 今後は、コースやビューポイントをPRする動画やパンフレットを作成するとともに、直接魅力を体感していただくため、スタンプラリーなどの参加型イベントを開催し、自転車の活用促進に積極的に取り組んでまいります。 (商工労働部長宮村安治君登壇)
◎商工労働部長(宮村安治君) お答えいたします。 消費需要の喚起につきましては、事業者が行う新しい生活様式への対応を支援するとともに、県民割や飲食店応援券をはじめ幅広い業種を対象とした買って応援キャンペーンなどの実施により、県民の消費活動の維持と地産地消の促進に取り組んでまいりました。 今後とも、感染拡大防止を前提として、県民割等による消費喚起策と国のGoToキャンペーンを効果的に組み合わせ、県内経済の再生に努めてまいります。 次に、テクノアカデミー会津における観光人材の育成につきましては、多様化する観光ニーズ等に即応できる人材が求められていることから、新年度新たに仮想現実、いわゆるVR機器を導入した教育訓練を実施するとともに、本県の新たな魅力の発信に向けて地産地消型の観光商品の企画提案力を向上させるなど、ウィズコロナに対応できる観光人材の育成に取り組んでまいります。 (農林水産部長松崎浩司君登壇)
◎農林水産部長(松崎浩司君) お答えいたします。 イノシシの捕獲や解体処理の効率化につきましては、狩猟者等の負担軽減を図る上で重要であることから、イノシシの効率的な捕獲場所の選定等を行うため、新年度から市町村におけるドローンを活用した行動範囲の調査を支援してまいります。 また、捕獲したイノシシの焼却を容易にする解体施設の整備に対し、引き続き助成するなど、地域の実情に応じたイノシシの捕獲や解体処理の効率化を支援してまいります。 次に、加工、業務用野菜の生産拡大につきましては、新たな販路開拓や契約に基づく生産販売により経営の安定化が図られる一方で、価格が安価な場合が多く、利益を確保するための低コスト化が必要となります。 このため、商談会を開催し、加工事業者等とのマッチングを促進するとともに、先進事例を学ぶセミナーを開催するほか、大規模化、省力化に必要な機械の導入等を支援し、低コスト化を推進するなど、加工、業務用野菜の生産拡大に取り組んでまいります。 次に、酒米の種子につきましては、農業総合センターが生産する原種を基に、県やJA、酒造協同組合等で構成する米改良協会が酒米の需要量を見極めた上で生産しております。 県といたしましては、引き続き需要の変動に対応し得る複数年分の原種を確保し、米改良協会において需要に応じた種子生産量を適切に調整することにより、円滑な種子生産に取り組んでまいります。 (土木部長猪股慶藏君登壇)
◎土木部長(猪股慶藏君) お答えいたします。 自転車の活用につきましては、昨年3月に策定した福島県自転車活用推進計画において、利用人口の拡大による県民の健康増進を目標の1つに掲げ、サイクリングルートの整備や自転車ポータルサイトによる情報の発信などを行っております。 今後は、各部局や市町村と連携し、本県の優れた自然や景観を巡る広域的なサイクリングルートを設定するなど、心身ともにリフレッシュできる快適で魅力的な自転車利用環境の創出に取り組んでまいります。
○議長(太田光秋君) これをもって、江花圭司君の質問を終わります。 暫時休憩いたします。 午後2時54分休憩 午後3時11分開議
○副議長(青木稔君) この際、私が議長の職務を行います。 休憩前に引き続き、これより会議を開きます。 直ちに、質問を継続いたします。 通告により発言を許します。12番大場秀樹君。(拍手) (12番大場秀樹君登壇)
◆12番(大場秀樹君) 県民連合議員会の大場秀樹です。よろしくお願いいたします。 まずは、去る2月13日に発生しました地震によりまして被災された方々に心からお見舞いを申し上げます。 それでは、質問に入らせていただきます。 本県においては、以前から人口減少対策として移住、定住施策に力を入れておりました。大震災を機に一時的には落ち込んだものの、昨年度の本県への移住世帯数は509世帯で過去最大となり、増加傾向にあります。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、在宅勤務やテレワークが急速に普及しました。都会に住まなくても今の仕事ができるという認識が広まり、高い家賃や満員電車での通勤など、都会での生活に疑問を持ち始めた人々が増えております。 人口が密集した首都圏を避け、地方のすばらしい環境での生活に関心が高まるなど、人々の価値観が変化しているように感じております。住民基本台帳人口移動報告によると、昨年2020年の東京都の転入超過数が前年より大幅に縮小しており、特に昨年7月以降は6か月連続で転出超過が続いています。転出先は、東京近郊への移住が増えているようですが、今こそ絶好のチャンスと捉え、積極的な施策を展開すべきと考えます。 そこで、ウィズコロナの状況が続く中、人口減少対策における移住、定住の促進にどのように取り組んでいくのか、知事の考えをお尋ねいたします。 次に、医療従事者への支援についてです。
新型コロナウイルス感染症が蔓延する中で、感染するリスクを抱えながら働いてくださる医師や看護師、検査技師、薬剤師をはじめとする医療従事者の皆様に心から敬意と感謝を申し上げます。 医療機関への支援は、
新型コロナウイルス感染症の患者に対する診療報酬の引上げや病床確保に対する補助などが行われております。感染を恐れた患者が通院や入院を敬遠することで病院の経営が悪化し、ボーナスカットや減給がなされた話も聞きました。また、感染患者に対応したということだけで医療従事者がいわれなき誹謗中傷を受ける事例も耳にしました。 医療従事者は、身体的、精神的な負担が大きいにもかかわらず、このような厳しい環境の中で強い使命感を持って業務に従事しており、このような医療従事者に対し直接届く支援を行う必要があると考えます。 そこで、県は
新型コロナウイルス感染症に対応する医療従事者をどのように支援していくかお尋ねいたします。 次は、PCR検査体制についてです。 本県において
新型コロナウイルス感染症が確認されて、およそ1年になります。この感染症の問題点は、軽症者や無症状者でも他人に感染させてしまうこと、感染しても発症までの期間が長く、大丈夫だと思っていても他人に感染させてしまうことです。したがって、この感染症拡大を抑えるための第一の取組は、PCR検査をしっかり実施し、感染者を的確に把握することだと考えます。 第1波とされる昨年の4月頃には、なかなかPCR検査が受けられないといった声が県内でも多く聞かれました。その後、徐々に検査体制が整えられ、感染の疑いのある方が以前よりは検査を受けやすい状況となっています。 しかし、新たなクラスターの発生などによって感染拡大が生じた地域においては迅速に多数の検査を行うこととなるため、PCR検査の体制を一層充実させる必要があると思いますが、県の考えをお尋ねいたします。
新型コロナウイルス感染症に関する誹謗中傷や心ない言動が社会問題となっております。感染者や濃厚接触者だけでなく、医療従事者など最前線で
新型コロナウイルス感染症と闘う関係者並びにその家族が
インターネットやSNS等の様々な媒体によって差別や偏見、心ない誹謗中傷を受け、臆測による誤った情報が拡散されたりするなど、人権を脅かすような事例が発生していると聞いております。 こうした行為は、当事者の心を深く傷つける、決して許されない行為であります。これらを防ぐためには、
新型コロナウイルス感染症に関する科学的根拠に基づく行動を学ぶ環境の構築や、差別や誹謗中傷の被害に遭われた方々をしっかりと支援していくことが重要であります。 そこで、県は県民からの
新型コロナウイルス感染症に関する誹謗中傷の相談にどのように対応していくのかお尋ねいたします。 次に、アウトソーシングの推進についてです。
新型コロナウイルス感染症の発生から1年がたちました。しかし、いまだに終息する兆しは見えておらず、厳しい状況がなお続いております。それに伴い、感染拡大の防止や検査体制の拡充、事業者への経済的支援、ワクチン接種など、感染症対応に係る業務が急増しております。 また、震災からの復旧・復興に向けては、第2期復興・創生期間においても、帰還環境の整備や風評の払拭、廃炉、処理水対策など、切れ目のない取組が急務であります。 震災からの復旧・復興業務に加えて、
新型コロナウイルス感染症対策による業務が増大する中、人員も限られていることから、業務を外部委託、すなわちアウトソーシングすることで全体の業務量を削減し、職員の負担軽減を図ることが重要であると考えます。 そこで、
新型コロナウイルス感染症対策に関わる業務も含め、アウトソーシングの推進にさらに取り組むべきと思いますが、県の考えをお尋ねいたします。 次は、公立学校における感染症教育についてです。
新型コロナウイルス感染症対策のために昨年3月に実施した全国一斉の臨時休校は、各学校においてその後の教育活動の実施に大きな影響を与えました。3月から5月までの断続的な臨時休校による教育活動の中断、学校再開後も感染リスクの高い活動や学校行事の延期や中止、さらには部活動の自粛や大会、コンクールの中止など、通常どおりの教育活動が実施できず、子供の心身の成長にも影響を及ぼしかねない状況が現在も続いております。 今後、児童生徒の健やかな成長のためには、学びの機会を保障することが必要です。そのためには、コロナ禍による影響を最小限に抑えるための児童生徒への直接的な感染症教育が重要になると思います。 そこで、
県教育委員会は公立学校における
新型コロナウイルス感染症の教育にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。 次に、外国人住民への支援についてです。 県内の外国人住民は、技能実習生や留学生を中心に増加傾向が続いており、令和元年12月末現在では1万5,357人となり、前年度比で1,304人増加しております。 私もかつてボランティアで途上国に滞在したときに体調を崩して入院をしたことがありました。本当に大変な思いをしました。母国を離れ、異国の地で暮らす外国人は、生活習慣の違いや言葉の壁もあり、必要な情報が十分に得られず、また相談できる相手も限られるなど、苦労されている方々も多いと思います。 特に現在はコロナ禍にあり、外国人住民も我々と同じように
新型コロナウイルス感染症に対して不安を持っています。本県で暮らす外国人住民が安心して暮らしていけるよう、正確な情報を分かりやすく提供していくことが重要であると考えます。 そこで、県はコロナ禍における外国人住民への支援にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。 次は、障がい者就労施設における農福連携の促進についてです。
新型コロナウイルス感染症の影響により、これまで障がい者就労施設の製品を広く販売できる機会であったイベントや共同販売会が中止されています。売上げが減少することに伴って、障がい者就労施設利用者の工賃確保が厳しい状況にあります。 こうした施設製品の販売機会や企業からの受注機会が減っている状況を踏まえ、まずは県や市町村が障がい者就労施設の物品等を優先的に調達する取組を積極的に推進すべきです。 さらには、現在のコロナ禍にあっても、3密を回避して作業ができる農家への障がい者の派遣など、いわゆる農福連携の取組をさらに積極的に進めることが障がい者就労施設利用者の工賃確保につながるものであり、非常に重要な取組であると考えます。 そこで、県は障がい者就労施設における農福連携の促進にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。 次に、道路の整備と管理についてです。 震災以降、本県では復興に向けた道路整備が進められ、早期完成が待ち望まれております。また、県内各地では交通安全対策等のさらなる道路整備が求められています。一方、本県が管理する道路の延長は全国3位と長く、また高度成長期に建設された橋梁やトンネル等の老朽化が進んでいるため、これらの道路施設の管理をしっかり行い、県民の暮らしの安全と安心を守る必要があります。 しかしながら、首都圏等への人口流出と少子化による本県の人口減少は県内の経済活動への影響を及ぼし、県政のとりわけ財政面において将来大きな課題になると私は考えます。財政面の課題は、県土を支えるインフラ整備や管理にも影響が出るものと危惧します。 そこで、県は予算が限られている中で道路の整備と管理にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。 次に、道路整備についてであります。 国道399号は、いわき市を起点に阿武隈山系を縦断し、山形県南陽市を終点とする一般国道であります。県北地域においては、伊達市中心部や観光地である飯坂温泉や茂庭ダムを通っており、重要な路線の1つとなっております。 飯坂温泉の周辺においては、平成12年3月に飯坂バイパスとして県道福島飯坂線から西側の区間が開通しています。しかし、県道福島飯坂線から東側の区間は未整備となっており、飯坂温泉周辺の国道399号は道路が狭く、自動車の擦れ違いが困難な状況にあります。この未整備区間の整備により、西は飯坂温泉、東は本年5月に未整備区間の開通が予定されている東北中央自動車道へのアクセス道路として期待されています。 そこで、県は国道399号、福島市飯坂町字銀杏地内から飯坂町湯野地内間のバイパスの整備にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。 次に、県警察における人材確保の取組についてです。 県内の治安情勢は、刑法犯認知件数が18年連続で減少し、交通事故の発生件数や死傷者数ともに減少傾向が続いています。一方で、子供や女性が被害となる犯罪や、高齢者が被害者となるなりすまし詐欺、交通事故事案などの発生が高止まりの状態にあり、引き続き県警察による各種取組の強化が求められています。 このような中、少子化の波が今後ますます予想され、県警察においても決して他人事ではなく、現に警察官採用試験における申込者数は年々減少傾向にあると聞いております。県民の安全・安心に直結する治安維持を担う警察官については、1人でも多くの優秀な人材を採用し、現場の執行力を維持していただかなければなりません。まさにそれこそが福島県の安全・安心の実現につながるものと思います。 そこで、少子化の中での人材確保について県警察の取組をお尋ねいたします。 次は、県立美術館を活用した芸術文化の振興についてです。 県立美術館は、改修工事により現在休館中ですが、今年春には再オープンし、7月からは「ミネアポリス美術館 日本絵画の名品展」が開催されると聞いています。今年度は、ガラス工芸品を展示した「ブダペスト国立工芸美術館名品展」や江戸時代に作られたお土産を紹介する「大津絵展」など、趣向を凝らした企画展が開催されました。しかし、
新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、入館者数が限られたことはとても残念でした。 芸術文化は、人々に感動や生きる喜びをもたらし、人生を豊かにするものであると同時に、社会全体を活性化する上で大きな力となるものです。コロナ禍の中、今だからこそ県立美術館において多くの県民の皆さんが芸術に触れ、喜びを味わえるよう、芸術文化の振興に取り組んでいく必要があると考えます。 そこで、
県教育委員会は県立美術館を活用した芸術文化の振興にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。 2020年12月6日、はやぶさ2が小惑星リュウグウから持ち帰ったサンプル入りのカプセルが地球に到着しました。このサンプルを分析することで、太陽系の起源や進化の解明、さらには生命の原材料物質の解明に大きく貢献するものと思われます。また、サンプルリターン探査技術の確立により、日本の技術力の高さを世界にアピールしました。 さきに開催された県議会議員勉強会で会津大学出村裕英先生のすばらしい講演がございました。この重要なミッションには、会津大学や県内8つの企業が深く関わっており、この県内企業の技術力がなければこのミッションの成功はなし得なかったと言っても過言ではありません。 世界から高い評価を得ている日本の航空宇宙産業は大きな注目を浴びております。日本が確立してきた航空宇宙産業における高い技術をさらに発展させ、次世代へ伝えていくためには、義務教育の段階から宇宙教育を充実させることが重要と考えます。 そこで、
県教育委員会は公立小中学校における宇宙に関する教育にどのように取り組んでいるのかお尋ねいたします。 最後の質問は、選挙についてであります。 選挙権の年齢は、平成27年に20歳から18歳に引き下げられました。しかし、その後の選挙において若年層の投票率が他の世代より低い状況が続いております。特に令和元年11月の県議会議員選挙では、これからの社会を担う20代の投票率が僅か2割程度にとどまっており、こうした状況を私は大変危惧しております。 核家族化と個食化の影響もあると思いますが、親世代のいわゆる選挙離れの影響もあって、家族での会話に政治や選挙の話題が少なくなってきているとも思います。若い世代が政治や選挙に興味を持つためには、より早い段階から民主主義の根本である選挙について学ぶ学校教育が重要です。 現在も小中学校、高等学校においては、学習指導要領に基づき、それぞれの段階に応じて政治に関する教育が行われていますが、これからの社会を担う若者には、教科書から学ぶだけではなく、選挙をより身近に感じるための取組が求められます。 そこで、県
選挙管理委員会は若年層の投票率の向上に向け、どのように取り組んでいくのかをお尋ねし、質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(青木稔君) 執行部の答弁を求めます。 (知事内堀雅雄君登壇)
◎知事(内堀雅雄君) 大場議員の御質問にお答えいたします。 移住、定住の促進についてであります。
新型コロナウイルス感染拡大により、地方生活への関心の高まりや働き方の価値観などが大きく変化をしております。こうした流れを的確に捉え、首都圏の方々のテレワーク体験を支援するとともに、専門的な知識やスキル等を活用し、地域の課題解決に貢献したいという都市部の副業人材の呼び込みを進め、200名を超える多くの方々とのつながりを築いてきたところであります。 今後は、新型感染症を契機とするこうした取組を引き続き行うとともに、首都圏との近接性、広大な県土と地域ごとに異なる多様な暮らし、復興へのチャレンジの場としての可能性など、福島ならではの魅力についてあらゆる機会を捉えて発信をするほか、首都圏や県内7方部の相談窓口等においてきめ細かな対応を行ってまいります。 さらに、新年度においては、仕事と地域交流や地域貢献なども組み合わせたワーケーションを新たに実施するなど、コロナ禍にあっても人と人とのつながりを大切にしながら、人口減少対策にも資する新しい人の流れの創出に努め、移住、定住を促進してまいります。 その他の御質問につきましては、関係部長から答弁をさせます。 (
総務部長佐藤宏隆君登壇)
◎総務部長(佐藤宏隆君) お答えいたします。 アウトソーシングの推進につきましては、震災以降も復興・創生に向けた行財政運営方針に基づき、公共工事の事業管理等で外部委託を拡大してきたところであります。 また、
新型コロナウイルス感染症対策に係る業務においても、電話相談の窓口や事業者への協力金交付事業等で外部委託を行っており、今後も増大する業務等に円滑に対応するため、アウトソーシングを一層推進してまいります。 (
生活環境部長渡辺 仁君登壇)
◎
生活環境部長(渡辺仁君) お答えいたします。 コロナ禍における外国人住民への支援につきましては、外国人コミュニティーの訪問や出前講座等を通じて情報発信を行っているほか、19言語で保健師等が相談に対応する専用電話を開設し、さらには技能実習生等のニーズに応え、LINE通話からも相談できるよう改善を図ってきたところであります。 今後とも、外国人住民に寄り添い、必要な情報の提供や相談対応等にきめ細かに取り組んでまいります。 (
保健福祉部長戸田光昭君登壇)
◎保健福祉部長(戸田光昭君) お答えいたします。
新型コロナウイルス感染症に対応する医療従事者への支援につきましては、医療機関等に勤務する職員に慰労金を給付したほか、県独自の取組として、感染症指定医療機関等において診療や検査などを行った場合の特別手当や帰宅が困難となった際の宿泊費用を補助してまいりました。 新年度も県独自の取組を継続し、強い使命感を持って対応する医療従事者をしっかりと支援してまいります。 次に、PCR検査の体制につきましては、県衛生研究所及び中核市保健所での検査に加え、検査対象者の増加に対応できるよう、民間検査機関等への業務委託により、1日当たりの検査可能数1,422検体を確保し、医療機関での保険診療による検査可能数と合わせて2,842検体まで拡充してまいりました。 今後も検査の実施状況に応じ、必要な検査が確実に実施できるよう、検査体制の充実に取り組んでまいります。 次に、
新型コロナウイルス感染症に関する誹謗中傷の相談につきましては、昨年9月、専用の電話相談窓口を開設し、患者やその家族など被害を受けた県民からの相談に対し助言や情報提供を行うとともに、事案に応じて警察や法務局等の専門的な相談機関を紹介してきたところであります。 引き続き、関係機関と連携し、差別や偏見、誹謗中傷を防ぐ呼びかけと併せ、相談に対して丁寧に対応してまいります。 次に、障がい者就労施設における農福連携の促進につきましては、福島県授産事業振興会にコーディネーターを配置し、障がい者の農家への派遣調整や商品開発等に取り組むとともに、今年度は農家と施設の双方で活用できるよう参考となる事例や事前準備の留意点等を盛り込んだマニュアルを新たに作成したところであります。 今後は、さらにJAと連携した研修会を開催するなど、農福連携の促進に積極的に取り組んでまいります。 (土木部長猪股慶藏君登壇)
◎土木部長(猪股慶藏君) お答えいたします。 道路の整備と管理につきましては、物流機能や広域的な防災ネットワーク機能の強化など真に必要な路線を重点的に整備するとともに、管理においては、災害時に交通機能が確保できるよう、のり面対策や道路施設の耐震補強などを計画的に実施しております。 今後とも、県民の生活と安全・安心を支えるため、適切な道路の整備と管理に取り組んでまいります。 次に、国道399号福島市飯坂町のバイパスにつきましては、福島都市圏における幹線道路として重要な整備区間であると認識しております。 今後、相馬福島道路が全線開通することで周辺道路の状況が大きく変化すると考えられることから、交通事情等を把握しながら必要な調査を進めてまいります。 (教育長鈴木淳一君登壇)
◎教育長(鈴木淳一君) お答えいたします。 公立学校における
新型コロナウイルス感染症の教育につきましては、児童生徒が感染症を正しく理解し、適切に行動できるようにすることが重要であると考えております。 このため、感染症対応マニュアルを徹底し、自ら風邪の症状等への迅速な対応ができるよう促すとともに、偏見によるいじめ等が生じないよう配慮しつつ、最新の知見に基づき、発達段階に応じた感染症教育を推進してまいります。 次に、県立美術館を活用した芸術文化の振興につきましては、これまでも絵画や彫刻など様々なジャンルの企画展や親子のための創作プログラムなどを開催してまいりました。 今後もドラえもんをモチーフにした現代アートの企画展や学芸員による学校と連携したワークショップの開催、福島ゆかりの若手作家を支援する作品紹介などを通じて広く県民に鑑賞機会を提供し、芸術文化の振興に努めてまいります。 次に、公立小中学校における宇宙に関する教育につきましては、児童生徒の好奇心に働きかけ、科学に対する関心を高めるためにも大切であると捉えております。 そのため、県内のモデル校においてJAXA等から講師を招き、工作や実験を通して宇宙の不思議や魅力を感じる体験講座やはやぶさ2の技術力の高さを学ぶことができる講演会等を実施しているところであります。 今後とも、JAXA等と連携し、宇宙に関する教育の充実に取り組んでまいります。 (
選挙管理委員会委員長遠藤俊博君登壇)
◎
選挙管理委員会委員長(遠藤俊博君) お答えいたします。 若年層の投票率の向上につきましては、選挙のときだけでなく、主権者教育を通じた啓発が重要であると認識しております。 そのため、高校や大学などにおける選挙出前講座や模擬選挙に加え、今後は児童生徒に政治の仕組みや選挙の大切さを理解してもらうよう、市町村
選挙管理委員会を通じて小中学校における取組を働きかけるなど、学習の段階に応じた啓発をしっかりと進めてまいります。 (警察本部長和田 薫君登壇)
◎警察本部長(和田薫君) お答えいたします。 県警察における少子化の中での人材確保につきましては、就職世代の方々に一層の関心を持っていただくため、県民の期待など、やりがいを実感できる業務の魅力に加え、幅広い職種があること、充実した福利厚生や公平な競争による昇任制度等の特徴について説明会やSNS等による発信に努めております。 また、来年度からこれまでの福島会場に加え、新たに関東圏の試験会場を設けて受験者の利便性の向上を図るなど、今後とも優秀な人材の確保に取り組んでまいります。
○副議長(青木稔君) これをもって、大場秀樹君の質問を終わります。 通告により発言を許します。21番伊藤達也君。(拍手) (21番伊藤達也君登壇)
◆21番(伊藤達也君) 公明党の伊藤達也です。通告に従い、質問させていただきます。 初めに、本県の産業政策についてであります。 2011年度に6兆5,608億円まで落ち込んだ県内総生産は2018年度には7兆9,054億円と、一定の回復が認められます。名目県内総生産の経済活動別構成比は、2010年度と比較すると、建設業の構成比が高くなっています。経済成長率も2011年に過去最大のマイナスとなりましたが、2018年度は名目で7年連続、実質で3年連続のプラスとなっています。これは、除染や建設などの復興需要が大きな要因だと考えられます。 企業収益を見ても、復興関係の金融支援や補助金、賠償金等も大きく影響しており、営業利益など本業の売上げがどのくらい回復しているのかを慎重に分析する必要があります。また、
新型コロナウイルス感染症による外食、娯楽、宿泊などのサービスは非常に厳しい状況が続いており、住宅投資も減少、雇用所得環境も弱い動きとなっています。 今後マクロ的視点では、復興需要のピークアウトに加え、
新型コロナウイルス感染症の影響に備えなければなりません。また、本県は全国と比べ、情報通信業や卸売、小売業が低い産業構造で、1人当たりの県民所得は2018年度294万3,000円と、1人当たりの国民所得の319万8,000円より低い状況が続いており、
福島イノベーション・コースト構想推進機構や情報通信分野に強い会津大学、ふくしま医療機器産業推進機構等とも連携し、未曽有の災害の経験も踏まえた本県の強みを生かしつつ、時代を先取りしながら県内に新たな産業を創造しなければなりません。 ミクロ的視点では、今後はハードよりもソフト面での各事業者への経営分析や技術指導、サプライチェーンの構築などのコンサルティングが重要で、その中でウィズコロナ時代の新たなビジネスモデルを確立できるかが鍵であり、現在の被災地域での官民合同チームやオールふくしまサポート委員会等のプロの専門家による県内全域の事業者への支援をさらに強めていく必要があります。 そこで、知事は県内経済の発展にどのように取り組んでいくのかお尋ねします。 次に、大阪・関西万博における福島復興の発信についてであります。 本県は、1876年8月21日に若松県、福島県、磐前県の3県の合併によって成立し、2026年8月21日には誕生150周年を迎えます。本県においては、2021年度から2030年度までを第2期福島県復興計画の計画期間としており、まさに途中の2026年度は本県の復興・創生のターニングポイントとなります。 そこで提案ですが、2026年8月21日に向けて、福島県民と福島県に関わる方、福島県に思いを寄せる方とともに今の福島県をしっかりと見詰め、さらに福島県の復興の姿と魅力を世界に発信し、希望ある福島県を子供たちにつないでいくため、福島立県150周年プロジェクトを立ち上げ、復興庁や県内59市町村とも連携して、例えば県民総ぐるみの福島ふるさと万博を開催するなど、式典やイベント、多様な事業を展開することを提案します。 その前の年の2025年は「いのち輝く未来社会のデザイン」がテーマの大阪・関西万博が開催されます。想定来場者数は2,800万人であり、世界中から注目を集める大阪・関西万博は東京五輪と並んで福島復興を発信する絶好の機会です。 特に大阪市には、本県の大阪事務所があり、企業誘致とともに万博への大阪との連携協定に向けた働きかけを行うべきです。福島空港と伊丹空港の定期路線もあり、来場者を福島伊丹路線で福島県へホープツーリズムとして誘客することも可能です。 また、大阪・関西万博の目的はSDGs達成への貢献と日本の国家戦略Society5.0の実現であり、IoT、AI、ロボティクス、ビッグデータ、バイオテクノロジーといった技術により様々な地球規模の課題が解決される社会で福島県が力を入れている施策と合致しており、復興庁と連携して福島復興をPRするブースを出展すべきです。 さらに、企業等による未来社会を見据えたイノベーション創出の促進を図るため、2021年度に夢洲をフィールドとした先端技術等の実証実験を行う予定であり、
福島イノベーション・コースト構想の
福島ロボットテストフィールドとの連携も考えられます。 そこで、大阪・関西万博において本県の復興の姿を世界に発信すべきと思いますが、県の考えをお尋ねします。 次に、観光振興についてであります。
新型コロナウイルス感染症によりGoToキャンペーンや県民割が中断し、観光産業は大きな打撃を受けました。観光産業とは、非常に裾野の広い産業であり、観光庁発表の2018年の日本国内の旅行消費の経済波及効果は、付加価値誘発効果28.2兆円、雇用誘発効果441万人と、他産業との比較でも有数の規模です。 新型コロナからの観光復活ステージでは、コロナ終息後は3密を避けながら、第1段階として県内旅行、第2段階として隣県などの地域内、第3段階に日本全域、第4段階にインバウンドの呼び込みになると想定され、まずは国内旅行に注力すべきです。 2020年の観光白書の消費額を見ると、国内宿泊旅行が17.2兆円、国内日帰り旅行は4.8兆円、海外旅行国内分は1.2兆円、訪日外国人旅行は4.8兆円となっており、日本人消費額が全体の8割を占めています。また、3.7兆円の経済効果を占める2,000万人の日本人の海外旅行者の意識も含め、国内旅行客の福島県内への入り込みをどう進めるかが課題です。 コロナ禍における誘客策として、ワーケーションの推進とともに、オンラインによる情報発信ツアーの実施が効果的ではないでしょうか。オンラインの取組は、感染症の状況によることなく、県内外の多くの方々に本県の魅力を伝えることができ、ウィズコロナだけでなく、アフターコロナにおいても有効であるものと考えます。 そこで、県はオンラインを活用した観光振興にどのように取り組んでいくのかお尋ねします。 次に、知的財産の活用についてであります。 福島県の多様で活力ある社会経済を維持していくためには、産業政策の柱の1つとして知的財産戦略の活用によるイノベーションを進めるべきです。本県においては、2005年2月にうつくしま、ふくしま知的財産戦略を策定し、目指すべき姿として、知的財産を経営戦略の核とした企業の創出を掲げ、その実現に向けて、知的財産を尊重する風土づくり及びうつくしま発知的財産の創造と活用の促進を図ってきました。 同戦略策定から15年以上が経過し、その間東日本大震災と東京電力福島第1原子力発電所事故という未曽有の複合災害を経験し、
福島イノベーション・コースト構想などの復興・創生の推進や
新型コロナウイルス感染症に対応したリモートワークやオンライン学習の普及など、本県を取り巻く環境は著しく変化しており、同戦略の定期的な見直しが必要です。また、近年激動する世界の経済社会情勢の中で同戦略を実効性のあるものへと刷新し続けなければなりません。 そこで、公明党福島県議団は福島県知的財産によるイノベーションの推進に関する条例案を作成しました。条例案では、県や市町村、事業者、大学等、金融機関、県民の取組を明示し、うつくしま、ふくしま知的財産戦略委員会を設置し、同戦略の計画的実施と3年ごとの見直しを盛り込んでいます。本県において速やかに新たな条例制定や戦略の改定を行い、それに基づく新たなアクションプランの提示や知財支援のプラットフォームの整備などの具体的措置を講じるべきです。 そこで、県は県内企業における知的財産の戦略的な活用を保護するため、どのように取り組んでいくのかお尋ねします。 次に、SDGsの推進についてであります。 SDGsとは、国連の持続可能な開発のための国際目標であり、17のグローバル目標と169の達成基準から成っており、世界中がこの取組を進めています。今後、子供たちにどう分かりやすく丁寧に伝えていくかが重要であり、特に2030年は今の小学校の高学年は20歳以上となり、大学生や社会人等でまさにこの国の未来を担う世代であり、SDGsをしっかりと小学生のときに学ぶことが重要です。例えばSDGsを分かりやすく解説した副読本を作成し、全小学校の高学年に配付するなど、SDGsへの理解を進めるべきだと考えます。 そこで、
県教育委員会は公立小中学校におけるSDGsの視点を取り入れた教育にどのように取り組んでいくのかお尋ねします。 次に、脱炭素社会についてであります。 政府は、2050年までに温室効果ガス排出実質ゼロ、カーボンニュートラルを目指すことを表明するとともに、グリーン成長戦略を取りまとめました。国際エネルギー機関の経済推計では、グリーン政策を実行しなかったケースよりも実行したほうが2050年時点で成長率を0.8%分高めるという研究結果もあり、政府も同戦略により2050年に見込まれる経済効果は年間190兆円程度と見込んでいます。 本県においても、豊かさだけを追求する経済から、地球環境を守り、国民の生命と安全・安心を確保するグリーンリカバリーへの発想の転換が必要です。知事も先日福島県2050年カーボンニュートラル宣言をしたところですが、その実現に向けてはグリーンリカバリーの観点からもぜひ進めていただきたいと考えます。 その一方で、福島県2050年カーボンニュートラルの実現に向けては県民の協力が不可欠です。現在改定作業をしている福島県地球温暖化対策推進計画に2050年までに温室効果ガス排出実質ゼロを盛り込むとともに、新年度からは県民に向けた様々な事業を積極的に推進していくべきと考えます。 そこで、県は脱炭素社会の実現に向け、県民総ぐるみの地球温暖化対策にどのように取り組んでいくのかお尋ねします。 カーボンニュートラルの重要な部分を占めているのが再生可能エネルギーの最大限の導入であり、本県は2040年に県内エネルギー需要の100%を再生可能エネルギーで賄う再生可能エネルギー先駆けの地を目指しており、福島県を全国のモデルとする取組が急務です。 特に重要なのが水素社会の実現です。福島県浪江町には世界最大級の水素製造施設である福島水素エネルギー研究フィールドが2020年3月に開所しました。また、環境省は2021年度、脱炭素の分野で全国初となる福島県に特化した自立分散型エネルギーシステム等の導入に関しての補助制度を設けており、まちづくり、地域づくりの視点からのビジネスモデルを構築すべきです。特に今後は安全に考慮しながら、福島水素エネルギー研究フィールドを活用し、電柱等を利用した水素パイプラインの構築を検討すべきと考えます。 ともあれ、国は水素・燃料電池関連インフラの国内市場規模を2030年には1兆円、50年には8兆円と試算しています。福島県内で自治体とも連携し、水素のサプライチェーンを構築したビジネスモデルを打ち立て、水素・燃料電池関連の産業クラスターの形成と人材育成を図るよう要望します。 そこで、県は水素社会の実現に向け、関連産業の育成・集積にどのように取り組んでいくのかお尋ねします。 次に、ふくしまグリーン復興構想についてであります。 第26代アメリカ大統領セオドア・ルーズベルトは、100年以上前に大自然という地球の宝を全ての時代の人が享受できるよう国立公園の設定を進めるなど、国立公園制度の礎を築きました。アウトドアスポーツ愛好家として、自然保護のためには国民による自然景観の共有が必要であると説いています。 県においては、平成31年4月に福島県と環境省が共同で福島県内の自然資源活用による復興を推進するためにふくしまグリーン復興構想を取りまとめ、また昨年8月には福島の復興に向けた未来志向の環境施策の推進に関する連携協力協定を締結しました。これらを踏まえ、福島県、環境省、市町村、関係団体等が一体となり、ふくしまグリーン復興推進協議会を昨年11月に設立し、自然資源活用による交流人口の拡大の取組を進めています。 そこで、県はふくしまグリーン復興構想の推進にどのように取り組んでいくのかお尋ねします。 次に、新たな文化振興基本計画の策定についてであります。 本県では、平成16年3月に福島県文化振興条例を制定し、平成17年3月に福島県文化振興基本計画を策定しました。その後、平成22年3月、平成25年3月には新たに計画を策定し、平成29年3月に改定を行い、文化振興に関する施策を進めてきました。 現在、県では新たな文化振興基本計画を令和3年度に策定することとしていますが、新たな計画においても本県が誇る豊かな地域資源や特色ある多様な文化を大切にしていくべきと考えます。一方で、コロナ禍を経験し、新しい生活様式が求められ、デジタル化やVRなど技術の急速な発展により、本県の文化振興も大きな転換期を迎えています。 そこで、県は新たな文化振興基本計画をどのように策定していくのかお尋ねします。 次に、産業人材の確保についてであります。 人口減少、少子高齢化時代にあって、産業人材の確保が課題です。長期的には、結婚ブームづくりや合計特殊出生率の向上などを進めていくべきですが、短期的には、県内への移住、定住促進のため、
福島イノベーション・コースト構想とも連携した国内外の企業や技術者の受入れを積極的に進めていくことが本県の持続可能な産業人材確保のために重要です。 あわせて、政府が来年度に検討している避難12市町村への移住支援金を積極的にPRし、特に県外企業に勤務し、リモートワークをしながら12市町村に暮らしたり、起業する若者の移住も進めるべきです。 また、二地域定住の子供を持つリモートワーカーやワーケーションを県内に呼び込むため、子供たちが学期ごとに2つの学校で授業をシームレスで受けられる、徳島県美波町で取り組んでいるデュアルスクール制度も検討すべきです。 さらに、離職した女性やシニア世代の雇用確保も重要であり、人事部のデータから国籍、性別、年齢、顔写真などの属性を外し、業績やキャリア、現在の仕事と将来の希望で採用や異動の判断を行っている企業も出てきており、そのような多様性のある人材確保を行政分野でも採用すべきです。 また、第1子出産後に4割超の女性が仕事を辞めており、また管理職手前で介護離職する女性も多く、保育や介護の社会環境を整備することが喫緊の課題です。 一方、シニア世代はその経験を生かしてコンサルタントや営業代行業等のサービス業の分野で独立、起業する方が多く、本県においても福島復興の志を持った、真に秀でたスキルや経験を持った人材を学歴、性別、年齢等にとらわれずに登用したり起業支援を行うべきです。あわせて、雇用のミスマッチの解消やUIJターンの促進、非正規雇用の正規化を進めなければなりません。 そこで、県は人口減少が進む中、産業人材の確保にどのように取り組んでいくのかお尋ねします。 次に、航空関連産業の人材育成についてであります。 県内の航空関連産業の振興のためには、若者の人材育成が不可欠であり、育成のためには、航空関連産業への敷居を下げて、皆がそれぞれの視点でシームレスに航空関係に関わり、その上で継続的な航空関連の人材育成を進めていかなければなりません。 福島県と室屋義秀氏の株式会社パスファインダーとの産業人材育成に係る連携協定に基づく活動第1弾として「REAL SKY プロジェクト」が始動し、本年度テクノアカデミーの学生との取組が報道等で取り上げられるなど大きな話題となっており、今後さらなる展開が期待されるところです。 そこで、県はテクノアカデミーにおいて航空関連産業の人材育成にどのように取り組んでいくのかお尋ねします。 次に、県産品の輸出拡大についてであります。 政府は、2030年までに農林水産物、食品の輸出額を5兆円達成する目標を掲げ、実行戦略を策定し、本格的な輸出拡大の加速化に乗り出しています。 本県においても、2019年度の農産物の輸出量が前年度比40%増の305トンとなり、3年連続で過去最高を更新しました。品目別では、米171トン、リンゴ36トン、梨35トンで、いずれも過去最高であります。 また、県産品の輸出額については、2019年度のアルコール類や農産物が7年連続過去最高となるすばらしい実績を上げる一方、加工食品は前年度比19%減となっており、品目ごとには課題があるようにも思います。 2020年度は、
新型コロナウイルスの感染拡大が県産品の輸出にも影響を及ぼしたと懸念しておりますが、今後も続くコロナ禍において、品目ごとの課題を解決しつつ、県産農林水産物や加工食品をはじめとした県産品の輸出拡大を着実に進めることが重要であります。 そこで、県は県産品の輸出拡大にどのように取り組んでいくのかお尋ねします。 次に、住宅セーフティーネット制度についてであります。 昨年の12月定例会で住まいと暮らしの安全を確保する居住支援の強化を求める意見書が全会一致で可決され、住宅セーフティーネット制度の拡充など、住宅の確保に配慮を要する方々への支援強化を国に要望したところです。 また、1月の新聞報道によれば、郡山市が独り親世帯を対象にアンケート調査を行った結果、回答者の約6割が民間賃貸住宅への家賃補助を希望していることが明らかになっており、このような状況を踏まえれば、住宅セーフティーネット制度を活用した支援が必要と考えられます。 そこで、県は住宅セーフティーネット制度の活用に向け、どのように取り組んでいくのかお尋ねします。 次に、流域治水への取組強化についてであります。 国は、2021年度から5年間で総事業費15兆円に上る防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策を始めます。その大きな柱の1つが党として強く訴えてきた流域治水の推進です。 現在国においては、令和元年東日本台風被害を受けて、1,840億円を投じて阿武隈川緊急治水対策プロジェクトを推進しており、令和2年7月、社会資本整備審議会にて、気候変動を踏まえた水害対策のあり方についてが答申されたことを踏まえ、県及び流域市町村とともに流域治水協議会を開き、流域全体で取り組む流域治水を進めています。 県でも一級水系においては流域治水の協議を進めていますが、県管理河川の二級水系においても関係市町村との協議の場を設け、河川の遊水地や県管理施設への貯留施設の整備、さらには県による道路埋設型貯留施設の整備及び支援など、流域全体での対策を進めるべきと考えます。 そこで、県は二級水系における流域治水にどのように取り組んでいくのかお尋ねします。 次に、踏切道の改良についてであります。 国土交通省は2021年度、事故や渋滞の要因になる開かずの踏切や踏切事故を減らすため、地方自治体による踏切道改良計画事業を支援するとしています。また、今通常国会に踏切道改良促進法改正案を提出、自治体や鉄道会社が行う対策実施期間の5年間も撤廃し、事業期間が長期にわたる単独立体交差事業やまちづくりとの一体的な対策などを対象に個別補助制度を創設します。 また、既存の連続立体交差事業の支援メニューと併せて踏切の安全対策を後押しする考えです。このほか、通勤通学時に安心して歩けるよう踏切幅を広げたり、自転車の走行ルートを転換させるため、踏切周辺に道路を整備したりする場合も対象となります。 現促進法に基づき、平成28年度以降に指定を受け、現在県内で改良が進められている踏切道は4か所となっており、これ以外にも各自治体や周辺住民から要望の多い踏切道の改良について、新たな国の方針に基づいてより積極的に取り組み、利用者の安全・安心の確保を図るべきです。 そこで、県は踏切道の改良にどのように取り組んでいくのかお尋ねします。 次に、公立夜間中学の設置についてであります。 平成28年2月定例会の一般質問で公立夜間中学における学習ニーズ調査についての質問をさせていただき、さらなる学習ニーズの把握に取り組んでまいる考えでありますとの答弁をいただきました。あれからちょうど5年、先日の衆院予算委員会でも菅総理は公立夜間中学について答弁し、「高齢の方や不登校の経験者など十分な教育を受けられない方々に対し、また日本で生活する外国人の方々を受け入れる重要な役割を果たしている」とした上で、「今後5年間で全ての都道府県、指定都市に夜間中学校が少なくとも1つ設置をされる。このことを目指し、全国知事会や指定都市会長の協力を得て取り組んでいきたい」と、首相として初めて5年間で設置するとの並々ならぬ意気込みを表明されました。全国で夜間中学校設置に向け活動してこられた方々が大変に喜ばれていると思います。 現在全国で34校設置されています。福島県においても、実際福島市内では自主夜間中学も長年実施されてきており、私も以前から参加させていただき、先生や生徒の皆様と懇談して夜間中学の必要性を実感しています。夜間中学での学びと絆がまさしく本人の生きづらさを解消して、よりよい人生を開く活力となっています。ニーズ調査を何年もかけて丁寧に続けてくださったことに感謝しますが、今後5年間で全ての都道府県と指定都市に1つ設置するとの首相の言葉を重く受け止め、本県での公立夜間中学設置を強く要望します。 そこで、
県教育委員会は公立夜間中学の設置に向けてどのように取り組んでいくのかお尋ねします。 次に、ペットのマイクロチップ装着の普及啓発についてであります。 動物愛護管理法が改正され、令和4年度から犬猫販売業者に対しマイクロチップの装着が義務づけられ、一般の所有者においても装着の努力義務が課せられます。 間もなく東日本大震災から10年となりますが、当時福島県が警戒区域内から保護した犬猫のうち飼い主の元に戻れたのは全体の3分の1ほどでした。犬猫にマイクロチップなどの所有者明示措置がされていれば、もっと多くの犬猫が飼い主の元に戻れたのではないかと考えます。 今後法施行を見据え、また東日本大震災での教訓も踏まえ、犬猫に対するマイクロチップ装着の普及を進めなければならないと考えます。あわせて、動物愛護センターや警察署など県内の関係機関にチップの情報を読み取るためのマイクロチップリーダーの設置も必要と考えます。 そこで、県は犬猫に装着するマイクロチップの普及啓発にどのように取り組んでいくのかお尋ねします。 最後に、事業者の再建支援についてであります。 2月13日に発生した福島県沖の地震で被災された方々とその御家族に心よりお見舞いを申し上げます。今回の地震により、ホテルや病院などでは、スプリンクラーの作動により水浸しになったり、時短解除の準備を行っていた飲食店の酒類や食器類が壊れて大きなダメージを受けております。 この福島県沖の地震は、エネルギーの大きさと縦揺れや横揺れの特徴から、ビルや倉庫等のコンクリートの壁のひびや剥がれ、ガラス窓の割れ、また時がたつにつれ施設や設備の被害も明らかになってきております。 このような中、先月26日に中小企業等グループ補助金の閣議決定がなされました。その円滑な実施をはじめ中小企業、小規模事業者に対する手厚い支援を速やかに実施すべきです。 そこで、県は2月13日に発生した福島県沖の地震で被災した事業者の再建支援にどのように取り組んでいくのかお尋ねします。 2011年3月11日、あの日から10年を迎えようとしております。公明党福島県本部は、所属全議員と議員OBでふくしま復興10年委員会を立ち上げ、光と影が交錯する福島県のこれから歩む希望の道を模索し、各種研修、討議、現地調査を重ねてきました。このたび、その集大成として、次の10年に向け政策提言を発表する予定です。 「人生最大の快事は理想の天地を作るにあり」とは、福島県が生んだ世界的な歴史学者、朝河貫一博士の箴言ですが、福島の挑戦は世界の勇気になるとの確信を胸に、希望あふれる福島県の構築に全力で取り組んでいくことを県民の皆様にお誓いし、私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(青木稔君) 執行部の答弁を求めます。 (知事内堀雅雄君登壇)
◎知事(内堀雅雄君) 伊藤議員の御質問にお答えいたします。 県内経済の発展についてであります。 本県経済は、東日本大震災の影響により、製造品出荷額等が震災前の約7割にまで落ち込むなど大きな痛手を受けましたが、その後の県を挙げた様々な取組と県内事業者の皆さんの御努力により、平成29年以降は震災前年の水準を上回るまでに回復してまいりました。 こうした中、今回の
新型コロナウイルス感染症の影響は深刻で、飲食業、宿泊業をはじめ広く製造業にも及んでおり、県ではこれまで緊急事態措置等に伴う事業者への直接的支援、事業活動を継続するために必要な融資など、地域経済の歯車を回すための需要喚起策を3つの柱に、コロナ禍における経済対策を機動的に実施してまいりました。 引き続き、融資制度の柔軟な運用による資金繰り支援と感染防止対策の徹底を前提とした需要喚起策により、県内事業者の事業活動の維持継続と雇用の確保を図ってまいります。 あわせて、はやぶさ2のミッション成功で示された優れた技術力等を生かした地元企業の振興、ロボットや再生可能エネルギーなど次世代産業の育成・集積、昨年以降の国内回帰の動きも捉えた企業の積極的な誘致等により、本県の復興と創生の推進に資する産業政策を積極的に展開してまいります。 その他の御質問につきましては、関係部長等から答弁をさせます。 (企画調整部長橘 清司君登壇)
◎企画調整部長(橘清司君) お答えいたします。 大阪・関西万博につきましては、昨年末に閣議決定された基本方針において、東日本大震災からの復興をなし遂げつつある姿を世界に発信することが基本的な考え方の1つに位置づけられており、本県にとっても復興の現状を世界に発信する機会となることが期待されます。 今後メードイン福島の新技術をはじめ、復興の成果を効果的に発信できるよう、国や関西圏の自治体等関係機関との連携を深め、実施内容の検討の進捗状況を注視してまいります。 (
生活環境部長渡辺 仁君登壇)
◎
生活環境部長(渡辺仁君) お答えいたします。 地球温暖化対策につきましては、地球にやさしいふくしま県民会議を中心として、福島議定書事業やエコチャレンジ事業等により温室効果ガスの排出削減に取り組んでおります。 新年度は、これらの取組を強化するほか、家庭における省エネ家電への切替えと省エネルギー活動を組み合わせた実証や企業等における専門家の助言を踏まえた省エネルギーの効果的な取組を行い、その成果の普及啓発を図るなど、県民総ぐるみの温暖化対策を積極的に推進してまいります。 次に、ふくしまグリーン復興構想の推進につきましては、自然公園を周遊する自転車ルートやビューポイントを巡るコースの設定に加え、越後三山只見国定公園への編入を見据えた自然体験型メニューの開発など、公園の魅力向上を図る取組を進めております。 新年度は、自然体験等を組み合わせたワーケーションツアーや尾瀬の参加体験型イベントを実施し、自然や地域の魅力を感じていただくなど、引き続き環境省や市町村、関係団体等と連携して本構想を推進し、交流人口の拡大を図ってまいります。 (
保健福祉部長戸田光昭君登壇)
◎保健福祉部長(戸田光昭君) お答えいたします。 犬猫に装着するマイクロチップにつきましては、チップの情報を読み取ることで所有者情報が明らかになり、動物の遺棄の防止や災害時等に迷子になった動物の所有者への返還に有効であることから、動物愛護週間のイベントや講習会などの機会を活用してマイクロチップ装着の有効性について理解を促すなど、引き続き普及啓発に取り組んでまいります。 (商工労働部長宮村安治君登壇)
◎商工労働部長(宮村安治君) お答えいたします。 県内企業における知的財産の戦略的な活用につきましては、特にこの3年間、特許庁や日本弁理士会等の協力を得ながら、セミナーの開催や保有する知的財産権を生かした販路開拓の支援などに集中的に取り組んでまいりました。 新年度は、こうした取組をより実効性あるものとするため、多くの県内関係機関から成る新たな協議会を設置し、具体的な行動計画を策定、実行することで知的財産の戦略的活用を積極的かつ計画的に推進してまいります。 次に、水素社会実現に向けた関連産業の育成・集積につきましては、これまで福島再生可能エネルギー研究所や福島水素エネルギー研究フィールドなどが立地する環境を生かしながら、関連技術開発の支援や企業の発掘などを進めてまいりました。 今般改定された福島新エネ社会構想において、水素社会の実現に向けた取組が大きな柱として位置づけられたことから、今後さらなる成長が見込まれる分野として、関連産業の育成・集積を図るための取組を加速してまいります。 次に、産業人材の確保につきましては、本県独自の奨励金制度等により、長時間労働の是正や年次有給休暇の取得促進など、働きやすい職場環境づくりを推進しております。 また、県内企業のPR動画やガイドブック、合同企業説明会等により、若者向けにその魅力を広く発信するとともに、働く意欲のある女性や高齢者を対象としたマッチング面談会の開催等により、引き続き県内外から多様で幅広い世代の人材の確保に努めてまいります。 次に、テクノアカデミーにおける航空関連産業の人材育成につきましては、地元関連企業からも基礎的能力を備えた技術者の確保が求められております。 今年度は、エアレースパイロットの室屋義秀さんの協力の下、学生が主体となり、エアレース機の部品開発を行うとともに、新年度は軽量飛行機を教材として導入し、航空機部品の加工や機体の組立てを通して、より実践的な技術の習得を図りながら、人材の育成に積極的に取り組んでまいります。 次に、2月13日の福島県沖地震で被災した事業者の再建支援につきましては、特例として措置されることとなった中小企業等グループ補助金の活用をはじめ、新型感染症対策として創設した実質無利子型資金の融資も可能とすることで支援を強化するとともに、商工団体等と連携してきめ細かに経営相談に応じるなど、被災した事業者が1日も早く事業を再建できるよう支援してまいります。 (土木部長猪股慶藏君登壇)
◎土木部長(猪股慶藏君) お答えいたします。 住宅セーフティーネット制度につきましては、これまで市町村への技術的助言や賃貸人等に対する住宅登録の働きかけなど制度の普及促進に取り組んでまいりました。 本制度の必要性が高まり、国において家賃や改修費の補助を拡大するなど制度の拡充を予定していることから、今後は市町村の意向を聞きながら効果的な制度の活用について検討してまいります。 次に、二級水系における流域治水につきましては、夏井川や宇多川など、令和元年東日本台風等による被害が大きかった水系において、関係市町村と協議会の開催に向けた調整を進めているところであります。 今後は、河川管理者が実施する治水対策と市町村等が実施する流出抑制対策などを併せた流域治水プロジェクトを県が市町村等と共に策定し、住民の安全・安心の確保に向けて、あらゆる関係者が連携した流域治水にしっかりと取り組んでまいります。 次に、踏切道の改良につきましては、交通事故の防止及び交通の円滑化を目的に、踏切道改良促進法に基づき、立体交差化や拡幅等を実施しております。 現在国において完了まで5年以内とされていた事業期間の撤廃や個別補助制度の創設などの検討が進められており、今後は改良事業が一層進めやすくなることから、鉄道事業者をはじめとする関係機関と連携し、踏切道の改良に積極的に取り組んでまいります。 (文化スポーツ局長野地 誠君登壇)
◎文化スポーツ局長(野地誠君) お答えいたします。 文化振興基本計画につきましては、新総合計画の検討状況等を踏まえ、先月文化振興審議会に新たな計画の策定を諮問したところであります。 策定に当たっては、文化活動の促進や伝統文化の継承等、これまでの取組の成果や課題を総括し、復興状況や人口減少等の社会情勢を踏まえ、誰もが多様な文化に触れ、生涯にわたって生き生きと暮らせるよう、市町村や文化団体等、多くの方々の御意見も丁寧に伺いながら策定を進めてまいります。 (観光交流局長國分 守君登壇)
◎観光交流局長(國分守君) お答えいたします。 オンラインを活用した観光振興につきましては、今年度より新たにリモートによるホープツーリズムや教育旅行の誘致活動に取り組んでおります。 また、エアレースなど、いわゆるエクストリームスポーツにおいて、県内を拠点に活躍する著名な方々が本県の魅力を語る動画を世界に発信いたします。 今後とも、アフターコロナを見据えながら、オンラインを積極的に活用した観光誘客を強化してまいります。 次に、県産品の輸出拡大につきましては、今年度米の輸出量が過去最高を更新する一方、コロナ禍により海外での営業活動が困難になったことなどから、多くの品目で輸出量が減少しております。 このため、新年度は現地での営業代行による県内事業者の支援や海外のオンラインショップと連携した日本酒や農産物の販売促進キャンペーンの強化など、ウィズコロナ、アフターコロナに対応した県産品の輸出拡大に取り組んでまいります。 (教育長鈴木淳一君登壇)
◎教育長(鈴木淳一君) お答えいたします。 公立小中学校におけるSDGsの視点を取り入れた教育につきましては、身近な社会の課題と地球規模の課題とのつながりに理解を深めることが大切であると考えております。 今後は、各地域において小中学校が行う持続可能な社会の実現に向けた取組を17の目標で整理し、ウェブ上で周知するなど、児童生徒が目標達成のために自分にできることを考える機会を提供することにより理解の促進に努めてまいります。 次に、公立夜間中学につきましては、学び直しの場であるとともに、ひきこもり等からの社会的自立のためにも重要であると考えております。 このため、広く県民への理解促進を図るため、セミナーを開催するとともに、市政だよりなどによる広報や
インターネットを活用したニーズ調査を行っているところであります。 引き続き、設置検討委員会において13市と共に本県にふさわしい夜間中学の在り方を検討してまいります。
○副議長(青木稔君) これをもって、伊藤達也君の質問を終わります。 本日は、以上をもって議事を終わります。 明3月4日は、定刻より会議を開きます。 議事日程は、県の一般事務に関する質問及び
知事提出議案第1号から第126号までに対する質疑並びに議員提出議案第81号に対する審議並びに議案撤回の件及び請願撤回の件であります。 これをもって、散会いたします。 午後4時36分散会...