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1997.11.20 地方分権推進等調査特別委員会 本文
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  1. 1997.11.20 : 地方分権推進等調査特別委員会 本文 (24発言中0件ヒット) ▼最初の箇所へ(全 0 箇所)                 ※会議の概要 ◯委員長  ただいまから、地方分権推進等調査特別委員会を開会いたします。  本日の会議には、佐藤洋輔委員から欠席届がありましたので御報告しておきます。  本日は、説明員として総務局長、財政局長、ほか関係職員の方々に御出席をいただいております。  本日の日程は、お手元にお配りしておる日程表のとおり、初めに参考人からの意見聴取ということで、東京大学経済学部教授神野直彦氏よりお話をいただく予定にしております。テーマは「地方分権推進に向けた今後の課題」ということでさせていただきましたが、この際には、より身近な課題として、地方財政制度を中心に御意見をいただきたいということを私の方からお願いいたしておりました。また、意見聴取に当たっては、参考人の方から資料の提供がありましたので、本日、皆様のお手元にお配りしております。  なお、時間的には、意見聴取を約1時間30分ぐらい、質問・応答を30分ぐらいと予定しております。また、参考人に対する質問等が終わりましたら、若干休憩をとりまして、再開後、当局からの資料説明、以下、日程表に基づいて行っていきたいと考えておりますので、よろしくお願いをいたします。  それでは、参考人からの意見聴取に入りたいと思います。  なお、参考人には着席のまま発言していただくことにしておりますので、皆様の御了承をお願いいたします。  それでは、参考人に入室していただきます。御案内をお願いいたします。              〔参考人 神野直彦入室〕 ◯委員長  それでは、先生から御意見を伺う前に、私の方から先生の略歴及び現在の役職等につきまして御紹介をさせていただきます。  神野先生は、東京大学大学院経済学研究科・東京大学経済学部教授でございます。  主な職歴といたしましては、大阪市立大学経済学部助教授から現在は東京大学経済学部教授として活躍されております。さらには、主な公職といたしましては、地方分権推進委員会専門委員、その中でも、くらしづくり部会の委員として、補助金・税財源検討グループの座長として御活躍いただきました。また、税制調査会専門委員としてもお働きの方でございます。  先生はたまたま仙台にもおいで願っておりますので、きょうは、私どももそういう気持ちでお招きをいたしたところでございます。  それでは、早速、先生から御意見を伺いたいと思います。先生、どうぞよろしくお願いいたします。 ◯神野直彦参考人  ただいま御紹介にあずかりました東京大学の神野でございます。よろしくお願いいたします。  本日は、お招きをいただきましてどうもありがとうございました。  地方自治とか地方分権とかに、現実に携わられている皆様方の前でお話をさせていただくのは大変口幅ったい気持ちでございますが、地方分権推進委員会の第2次勧告のうち、地方税財源・補助金にかかわる部門につきまして、私、取りまとめを命じられてまとめさせていただきましたので、その点についての御説明をさせていただきながら、きょうは今後の課題ということのようでございますので、委員会とは別に、私個人の意見を述べさせていただきたいと考えております。  補助金・税財源の勧告につきましては、大分さまざまなところで批判を受けておりますが、先ほど鴇田委員長、辻副委員長ともお話をした際に申し上げたんですが、機関委任事務の方は、すべての地方公共団体が一致してとにかく廃止してほしいという要望が強くあったわけですが、補助金・税財源に関しますと、地方団体の中で必ずしも足並みがそろっておりません。例えば、町村などでは余り補助金を切ってもらいたくないとか、税の方でもらうよりもむしろ交付税とか補助金をふやしてもらった方がいいんだという意見がありましたり、それから交付税の配り方につきましても、府県は人口とか面積とか、できるだけ大ざっぱな指標で配ってくれないかというふうに要求いたしますし、逆に町村の方は細かく各地方の需要をきちんと算定して配ってもらいたいという要求も出てきますし、地方債の起債についても、それぞれの団体によって各種まちまちで、私ども分権を推進していく応援団は地方公共団体だけが頼りでしたから、地方公共団体の中で足並みがそろわないと、これはなかなか実現しにくいというところがあったということは、ひとつ御理解をいただきたいと思います。  それから、地方分権推進委員会の勧告の限界みたいなことは、後ほど述べさせていただきたいと思います。  それで、この勧告につきましては、一番御心配をされているのは恐らく市だろうと思います。特に、税源の移譲がなかったというようなことと、それから、この勧告で地方分権が進むと国から地方に、特に市の方には事務権限が移譲されると。ところが、事務権限は移譲されるんだけれども、それに伴って財源の方がついてこないと。財源がなくて事務権限だけ来てもらってもどうしようもないんだという御不満が、市の方の一番の御心配と、それが勧告を出したときの反応でございました。これは各新聞などもそういう評価をしたわけですが、実はこれは全く誤りであるということを、きょう初めにちょっと申させていただきたいと思います。  一応現物を見ていただかないとなかなか信用していただけないものですので、きょうお手元に資料を用意させていただきました。「地方分権推進に向けた今後の展望について」という表題のついておりますレジュメの2ページです。これは分権委員会の第2次勧告の抜粋でございますので、そのままでございます。  4のその他の(1)というところを見ていただきたいと思います。「国から地方公共団体への事務権限の移譲が行われた場合には、地方公共団体事務を自主的・自立的に執行できるよう、地方財政計画の策定等を通じて所要財源を明確にし、地方税地方交付税等の必要な地方一般財源を確保することとする」と明確にうたっておりますので、もしも仮に事務権限の移譲が行われたら、地方税と交付税で必ず必要な一般財源を確保しなければならないということになっているんですね。だから、国から事務権限が移譲されるということは、地方公共団体にとっては喜ぶべきことで、この勧告では事務権限が移譲されればむしろ地方税と交付税がふえることになっているので必ずふやさなければいけないと。そこがポイントなんですね。そういうふうになっておりますので、御心配は要らないと。  それから、「所要の財源を明確にし」というのは、交付税で面倒を見る見ると言っても、実際にはどこできちんと面倒を見てもらうのかよくわからないという御意見があるものですから、所要の財源を明確にして、これで手当てをいたしましたということをやってもらいたいとうたっておりますので、事務権限が移譲されて、財源がおりてこないということはないと。かつ、その財源も、地方税地方交付税という、地方が自由に使える一般財源で確保してくださいと、補助金はだめよと言っておりますので、事務権限が移譲されれば、地方税地方交付税はふえるという仕組みになっているということをまず御理解いただきたいと思います。  ただ、事務権限の移譲が余り行われないのではないかという方がむしろ問題なんですね。と申しますのも、例えば都市計画権限などがおりてきても、これはもともとそんなにお金が必要なものではありませんので、税源はおりてこないんですね。お金が必要な事務権限がどかっとおりてこないと一般財源はふえないと。都市計画権限だけがおりてきてもふえないので、例えば国道の管理とか河川の管理とかというようなことが地方におりてくると、それは財源がついてくるわけですから、それは自由な財源でおりてくるということになるのですが、財源が余り必要でない事務権限がおりてきても、地方の一般財源化は進まないということになります。  私どもは、実は財源がおりてくるほど大きな事務権限の移譲はないのではないかということを想定しております。それは、次の3ページ目をちょっとおめくりいただきたいと思います。  これは皆様御案内のことだと思いますが、ちょっと確認をさせていただこうということです。ここにアメリカドイツイギリスフランススウェーデン、日本とそれぞれの国々の三つのグラフがありますが、一番左の棒グラフを見ていただきたいと思います。これは国の歳出と地方の歳出の比率です。日本の場合には70%ぐらいが地方の歳出で、あとの30%は国の歳出であると。つまり、日本は世界で最も地方歳出のシェアが大きい、つまり公共サービスをも主として地方が供給している国であると。第2位がカナダですので、連邦国家であるカナダよりも上回っているということです。アメリカドイツのような連邦国家でも大体半分ぐらい、それから地方分権が進んでいると言われているスウェーデンでも大体50%ぐらい、半分を地方、半分が国というような感じでやっております。余り分権の進んでいないイギリスとかフランスは3割程度しか支出がないということです。  真ん中の棒グラフは地方税と国税の比率です。地方税の方は、今度は日本は地方税が3割で国税が7割ぐらいになってしまいます。真ん中の棒グラフで7割ぐらい。アメリカとかドイツスウェーデンとか分権が進んでいる国は、大体歳出に見合ったような形で地方税が配分されているということになるわけであります。イギリスは、御存じのとおりコミュニティーチャージという人頭税に失敗をしましたので、地方税は1.4%ですからほとんどないような状態でございますが、日本の場合には、イギリスフランスほど地方税のウエートは少なくないんだけれども、見ていただければわかりますが、歳出と地方税の格差が大き過ぎると。  この格差は何によって埋められているかというと、一番右の棒グラフが国の歳出に占める財源の移転ですが、国の歳出の中で、補助金とか交付税みたいな地方に移転される財源がどのぐらいあるかという比率ですが、一番右の黒で塗りつぶした棒グラフが移転財源になっておりますので、日本は移転財源のウエートが非常に高くて、親からの仕送りで生活している子供のように、国からの仕送りで生活せざるを得なくなってしまうということになっているわけでございます。  そこでもって、日本の場合には、もう既に地方公共団体が多くの仕事をしているんだということになるわけですね。7割もやっているわけですから。したがって、国から地方に仕事を移すといっても、移す仕事はもうそれほどないだろうと。世界ではやっている方なので、それほどないだろうと。しかし、問題なのは、地方が非常に多くの仕事をやっているといっても、自分の決定権で仕事をやっているわけではないと。いわば、国の命令によってやらされていると。つまり、国が地方のやっている仕事に関与することによって、地方が自主的に判断をして仕事ができなくなってしまっているというところが問題なのだということになるわけであります。  御存じのとおり、機関委任事務というのがあって、地方の首長さんを国の機関だとみなして仕事を命令してくる。日本では、都道府県の8割から8割5分、市町村の仕事の4割5分ぐらいが機関委任事務だと言われております。それから必置規制がある、それから補助金による関与があるということですね。したがって、自主的な判断で公共サービスを供給できないでいるというのが地方の実態であると。  地方分権を進めるのに二つのやり方があります。一つは、事務権限を移譲するというやり方。つまり、国の事務権限を地方に移譲するというやり方が一つですね。もう一つは、国が地方に加えている関与を縮小するというやり方があると。日本ではどっちをとったらいいのかということになるわけですけれども、私どもの地方分権推進委員会は、国が地方に加えている関与を縮小、廃止していくということが日本にとっては重要なのではないかと判断をしたわけです。つまり、事務権限の移譲というのは、国よりも地方は既に非常に多くの仕事をしているんだから、これ以上事務事業を国から地方に移す必要はないと。そうではなくて、もう既に多くの仕事をしているんだけれども、その仕事を地方が自分の判断でできなくなっているから、そういう関与を、機関委任事務の廃止とか、必置規制の廃止とか、補助金による関与を廃止して、自由に自分たちの判断ででき得るようにしてあげれば、地方分権が進むのではないかという考え方に立っているということを御理解いただきたいと思います。したがって、私たちの第2次勧告を見ていただいてもわかりますが、地方分権推進委員会は機関委任事務の廃止に全力を尽くしてきたと。それは、関与を縮小、廃止していくということが分権にとって重要だと考えたからだということであります。  そうなってくると、地方の税財源や補助金についても、事務権限がそれほどふえるわけではないわけですから、財源そのものを全体としてふやすということではなくて、財源の中で地方が自由に使える財源をふやしてあげると。つまり、今ちゃんと事務事業はできているわけですから、地方が使う財源を全体としてふやすわけではなくて、自由に使える財源をふやしてあげるという戦略を立てたということであります。  レジュメの方にお戻りいただきたいと思います。一番最初の表紙を見ていただきたいと思いますが、1のところで集権的分散システムから分権的分散システムへというふうに書いたのは、まず主として地方が仕事をしているという場合には分散システムというと、それから中央が仕事をしていれば集中システムというふうに考えると、日本は、集中システムのように国が主として公共サービスを供給しているのではなくて、地方が主として供給しているわけですから、現在は分散システムなんですね。しかし、それは分権的かというと、分権的ではないと。なぜなら、分権か集権かにとって重要なのは決定権限で、決定権限は国が握ってしまっているものですから、これは集権的だというふうに言わざるを得ないので、現在の日本の国と地方の財政関係は集権的分散システムだと。これを分権的な分散システムに変えてあげればいいんだというのが私たちの課題だということを、今お話をいたしました。  そして、財政の方では恐らく三つの課題になるだろうと。それは、地方の財源全体をふやすのではなくて、自由に使える財源にしてあげるということが課題になり、その課題は三つになると。  まず第1に、補助金という財源そのものを削ってしまって、一般財源、つまり自由に使える交付税とか地方税に振りかえると。  それから第2番目の課題は、補助金を配付する場合には補助金による関与──補助金にいろんな条件をつけることをやめていただくと。皆様も御存じのとおり、今は改善されておりますが、都市公園などには滑り台とブランコと砂場の三種の神器がないと都市公園ではないということで補助金は出さないということ。全国津々浦々みんな滑り台とブランコと砂場ができてしまうというような関与はやめてくれというのが、第2番目の補助金による関与を縮小するということ。  そして最後に、第1番目で補助金をまず削減すると言いましたけれども、補助金を削減するだけではなくて、地方税とか交付税とかというような一般財源、自由に使える財源をふやしてもらうとともに、課税や地方債の起債に加えている関与を縮小してもらうと。地方公共団体が自分の財布は自分で管理できるようなシステムにしてもらうというのが、第3番目の課題ということになるはずであります。  そこで、今言いました三つの課題についてお話をしていきますと、まず補助金の削減ということについてでございますが、補助金を削減する場合でも、補助金の削減ということを聞くと地方公共団体の方でともすれば心配されるのは、これまでの学習効果から補助率が削減されてしまうのではないかと。つまり、国の財政再建のための手段として補助金の削減というのが利用されてくるのではないかと御心配されると思いますが、地方分権推進委員会の第2次勧告は、この補助金削減というのは分権のためにやる削減であって、財政再建のためにやる削減ではないという姿勢を明らかにして、だからこそ補助率の引き下げみたいな手法、手段はとらないでほしいということを明確に打ち出しております。  お手元のレジュメの1枚目をめくっていただいて、1と書いてあるところの第2次勧告の抜粋を見ていただきたいと思います。第4章の補助金・税財源のところの抜粋でございますが、そのうちのIIのところで国庫補助負担金の整理合理化と書いてありますが、そのうちの1の国庫補助負担金の整理合理化の基本的考え方で、「また」で始まるところをちょっと見ていただきたいと思います。「また、国庫補助負担金の整理合理化は、地方公共団体の自主的・自立的な行政運営の実現に資するものであるから」ということは、地方分権のためにやるのであるからということですね。国庫補助負担金の整理合理化は、地方分権という観点から行われるものであるからという意味であります。したがって、「単に国庫補助負担金を削減するため補助負担率の実質的な引き下げを行うような手法はとるべきでない」ということを明確にしております。実質的なという意味は、補助率を引き下げてはいけないというと、補助対象事業の方を絞ってしまって、補助率の方は引き下げませんよということをいう場合があるわけですけれども、そうではなくて、実質的な引き下げをするようなことはやってもらっては困ると、形式的にも実質的にも引き下げをしてもらっては困るということをうたっておりますので、財政再建のために補助金を削減するということはないということを明確にいたしております。  と申しますのも、ここのところでいつも問題になるのは、そういうことをすると、国の財政再建が政策課題になっているときにいかがなものかというのが必ず出てくるわけです。それから後でお話ししますが、地方税の税源移譲についても、国の財政再建が必至なときに、国から地方に財源を移譲するというのはいかがなものかという議論が必ず起きてくるわけです。しかし、今の財政再建問題から申しますと、きのうもちょっと自民党の方でお話をしてきたんですが、事実をきちんと認識していただきたいということで、5ページ目を開けてください。  5ページ目に貯蓄投資差額のGDP比というのがございますが、これは財政赤字だと見ていただいて構いません。日本を見ていただきますと、中央政府の財政赤字は2.8ですね。それから地方政府の財政赤字は1.6です。ところが、日本の場合には、政府部門というのは地方政府と中央政府社会保障基金の三つになっておりますが、日本は現在、この社会保障基金というのが膨大な黒字になっております。これが3.1の黒字でございます。したがって、日本の政府部門の赤字幅は、全体として見ますと1.4にしか過ぎません。マーストリヒト条約という条約で、政府部門の赤字を3.0%以内に抑えろと言っておりますが、中央政府と地方政府社会保障基金のこの三つの政府全体を合わせて3.0以内に抑えなさいと言っておりますが、日本の現在の財政状況は、このマーストリヒト条約の条件を軽くクリアしている。MIT(マサチューセッツ工科大学)のサロー(経済学者)に、日本だけがマーストリヒト条約を完全にクリアできる健全な財政をやっているんだと言われているぐらい健全であります。  ところが、皆さん方はどこを見せられているかというと、社会保障基金を除きという数値をいつも見せられているんですね。社会保障基金を除いてしまいますと、日本の赤字幅は、下で見る4.5%というのになってしまう、ここをいつも見せられていると。しかし、マーストリヒト条約では、三つの政府の赤字を考えなさいというふうに言っております。見ていただければわかりますが、アメリカイギリスドイツフランスカナダを見ていただきますと、いずれも日本よりも悪い。ただ、ドイツだけは2.9で日本よりもいいわけですけれども、これは社会保障基金を除かない場合ですね。日本の場合には、除かない場合は1.4にしか過ぎませんから、きちんと三つでやればドイツよりも日本の方がよくなってしまうと。  なぜ除くのかという理由は、ドイツとかフランスイギリスとかというのは年金を賦課方式でやっていると。御存じのとおり、積立方式ではなくて、現在の世代が払ったものをみんなお年寄りに上げてしまうと。これは負担だと。しかし、日本とアメリカは積立方式でやると。これは自分のために積み立てているんだから、政府にお金が入ってくるけれども、これはいずれ返さなければいけない債務だから、これは除きますよということで除かれてしまっているんですね。ところが、もしも、社会保障基金としてお金が入ってくるけれどもこの入ってきているお金はいずれ返さなければいけない、国から言うと債務なんだという理屈を使うのであれば、国民にとってはそれは債権になりますので、社会保障負担というのを国民負担率のところから抜いてもらわなければいけないんですね。国民負担率のときには加えておいて、財政赤字のときには加えないというのはちょっとおかしな話で、どちらかにきちんと整理してもらわなければいけないということが第1点です。  それから、もう一つ重要な点は、仮に財政赤字が大変だと見たとしても、中央と地方のどっちが大変かと見ていただきますと、中央政府の2.8という赤字幅は、世界的に見るとドイツの2.5に続いていい数字なんですね。中央の赤字は余り大きくない。ところが、地方政府の赤字の1.6というのは、例えばイギリスを見ていただきますと0.1ですし、ドイツでいいますと0.7、フランスは0.0ですから、1.6というのは世界的に見て異常に大きいんですね。どっちが深刻な赤字なのか。  普通の常識からいいますと、地方政府というのは余り借金をしてはいけないんですね。中央政府というのは借金しても構わないといっては変ですけれども、日銀、つまり中央銀行の信用を握っていますから、借金そのものはそう心配するほどのことはないんです、金融政策を連動できますから。ただ、地方政府は余り借金をすべきではないというのが一般的に各国で考えられておりますので、ほかの国に比べると、日本の地方政府の赤字は深刻であるということなんですね。  したがって、税源の移譲をすると財政再建に反するといっても、今、真剣に考えなければいけないのはむしろ地方政府の財政再建であると。百歩譲って、地方政府の財政再建の方が重要ではないとしても、少なくとも現在の財政再建の課題は、国、地方を通じる財政再建であるということは間違いないんですね。したがって、国の財政赤字を地方に押しつけるような補助率の削減というのは、財政再建にも反するはずですし、それから国から地方に税源──税金を移譲したとしても、国と地方を通じる税金は減るわけではないんですね。国の税金を地方に移すだけですから、減るわけではない。そのことによって補助金がカットされ、国と地方を通じる歳出、つまり支出の方を抑えることができれば、実は税源を──財源を国から地方に移すことによって、国、地方を通じる財政再建にも役に立つんですね。したがって、財政再建のために地方分権を進めるような税財政の改革は行うべきではないという、一般的に言われている理屈は成り立たないと私自身は考えております。したがって、分権推進委員会も今言いましたように、単に補助率を引き下げるような改革はすべきではないと、明確にうたっているところであります。  それと、補助金を削減するに当たって、分権的に削減してほしいと申し上げております。それで、きょうお手元につけ加えさせていただきました44ページから始まる「国庫補助負担金の整理合理化」という方をごらんいただきたいと思います。  私どもの考え方は、補助金を整理合理化する場合には、補助金の性格をきちんと分けてもらいたいというふうにお話をしております。広い意味での補助金の中には、国庫負担金と言われているものと国庫補助金と言われている二つのものがあるわけです。御案内のとおり、国庫負担金というのは国が義務として出す補助金ですから、義務教育国庫負担金とか、生活保護にかかわるものとか、ナショナルミニマム、人々の最低限度の生活を守ったり、それから全国的な道路網を整備するようなときに出される負担金というものと、奨励的な補助金、つまりこういう事務を中央としてはやってもらいたいんだということで地方の事務に関与して奨励するような補助金と二つあります。これは、負担金と補助金をつくったときに内務官僚でした三好さんという人がうまい説明をしております。負担金というのは割り勘的補助金だと、国と地方が割り勘でもって仕事をしようとしている割り勘的補助金であると。それに対して国庫補助金というのは、これはわいろ補助金で、国が地方にわいろを送るから仕事をやってくれという補助金であるということを言っております。  私どもの考え方は、負担金の方は本当に国の義務であると考えられるものに限定してくださいと。しかし、この負担金は一たび負担金だと決めれば、これは国の義務なんですから、必ず出してもらいたいと。つまり、ないそでは振れないよといって予算がないから負担金を削る、負担金は出せないというような性格のものであっては困ると、必ず義務としてきちんと出してもらいたいと。したがって、この補助金というのは負担金だと主張するのだったら、必ず予算措置をしてくださいと、これは義務を課すということをお願いしています。  それから、国庫補助金の方は、奨励的補助金の方は各省庁が本当に奨励をしたいというものに限定して出していただけないかとお願いをしています。それぞれの省庁が政策を行う上で、例えば教育政策を行う上で、本当にこのことを地方公共団体にやってもらいたいんだということだけに限定してくださいとお願いをしています。しかし、本当に必要なものだけに限定してくれと言いますと、どれも必要で重要なんだと各省庁は言うに決まっていますから、奨励的補助金の方は、各省庁で自分たちで計画を立てて計画的に削減をしていってくださいと。計画的に削減をしていく中で、重要なものだけ、本当に緊要なものだけを残していっていただけないかというのが私どもの方針でございます。そして、奨励的な補助金──国庫補助金については、すべてにサンセット、終わりを設けていただきたいというお願いをいたしております。  お手元の資料の44ページ、1の(4)を見ていただきたいと思います。「国庫補助金については、原則としてサンセット方式を導入し、一定期間(5年)の終期を設け、特別の理由がなければ、期限延長は行わないこととする」ということになっておりますので、補助金を出すといたしますと、5年間奨励をすると。しかし、5年間奨励したら、そこで補助金は打ち切ってもらいたいと。打ち切ってもらいたいというのは、財源がなくなることを意味しませんから、今まではひもつきで出していたのを、5年間で打ち切って一般財源にしてくださいということですから、ちゃんと財源は保障してもらうということです。ひもつきでなくても、奨励してもらえば地方公共団体はちゃんとやりますからと。言いかえますと、補助金を出すというのは使い道を指定してお金を渡すことですから、親が子供にお金で渡さないで図書券で仕送りしているようなものですね。おまえは勉強しないから図書券でしかやらないよと。しかし、図書券も5年間もらえば、もらうほどその習慣が身について、図書券が来なくなってちゃんとしたお金で来ても勉強するために本を買いますよということになるから、もう図書券ではなくて、やるとすれば一般財源で、つまり普通のお金で渡してくださいというお願いをしているということであります。  ただし、国庫負担金の方は、義務教育国庫負担金とか、義務的に出すものですから、これについては大体10年ごとに見直しをして、必要がなくなった場合には打ち切ってもらえないかというお願いをしているところでございます。  目検討でいいますと、皆さん御存じのとおり、国庫補助負担金というのは2,300あるわけです。2,300あるんですが、国庫負担金というのは法律で定められた26しかありません。国庫負担金は11兆円で補助金全体で15兆円ございますので、4兆円が国庫補助金。この4兆円の中に二千何ぼかの補助金が入っておりますので、補助金というのはえらく零細で小さな額のものがたくさん出ていると。負担金というのは、例えば義務教育国庫負担金が3兆円近くありますし、生活保護が3兆円ぐらいで、ボカンとボカンと大きいのが負担金だというふうに目検討をつけていただければと思います。  ただ、幾つか私どもの勧告で不十分な点を申しますと、先ほど言いました国庫補助金の方は、各省庁が削減計画を立てて、削減計画に基づいて切っていただけないかというお願いをしているわけですけれども、その削減計画を行政改革会議の方でつくられている削減計画にみなしていただいても構わないという勧告になっている点が、多分皆さんに御心配をおかけしているところだと思います。  45ページをごらんいただきたいと思います。(2)国庫補助金削減計画の策定といたしておりますが、国庫補助削減計画を立てる場合に、1)のところをちょっと見ていただきたいと思いますが、「国庫補助金削減計画は、制度的に検討すべきものを除いた国庫補助金を対象とし、一定期間、各年度の国庫補助金の削減率を定めることにより、抜本的な国庫補助金の廃止・縮減を行うこととする」と書いてございます。その後、問題なのは、この場合ということでありまして、「この場合、当面、財政構造改革の集中改革期間中においては、財政構造改革の推進について(平成9年6月3日閣議決定)との整合を図ることとする。その後については、集中改革期間中の削減・整理合理化の状況等を踏まえて検討することとする」と言っております。結局、私どもの勧告を出す前に、内閣が財政構造改革においてつくられた「財政構造改革の推進について」を閣議決定しており、そこの中で補助金の削減計画というのをうたい込んでおりますので、この削減計画を地方分権推進委員会が提唱している補助金の削減計画とみなしてもらっても構わないという書き方になっているわけです。少なくとも、私どもはもっと膨大な計画を立てていただいても構わないわけです。みなしてもらっても構わないし、もっと膨大な計画をつくっていただいても内閣は構いませんよという言い方をしているんですが、少なくとも、例えば財政構造改革期間中は、この財政構造改革会議の推進についての補助金削減計画でいくとすると、そこで規模と内容が決まってしまうんですね。我々の勧告が決めていないというところが、多分御批判をいただく点だと思います。  財政構造改革会議は、制度補助金とその他補助金とに分けますが、その他補助金というのは大体奨励的な補助金と考えていただいて構いません。ただし、奨励的な補助金から公共事業関係の奨励的補助金を引いたものがその他補助金なんですね。公共事業の奨励的補助金は、向こうでは制度補助金の方に入れてしまっているんです。制度的な補助金というのは、したがって負担金プラス公共事業関係の奨励的補助金になっているんですね。したがって、公共事業関係の奨励的補助金は、公共事業関係費は7%ずつ毎年度予算で減らしていくと、あっちのルールでいってしまうんですね。その他補助金の方は毎年10%ずつ減らしていくわけですが、その他補助金というのは一体幾らぐらいなのかと。例えば、奨励的補助金は4兆円あるわけですが、そのうちの幾らぐらいなのかというのは今、現に行われている10年度の予算編成の中で、各省庁と大蔵省がやり合って決めているんですね。だから、我々にとってみると、それは幾らの規模になるかというのがわからないと。私にもわからないというところが、地方公共団体の方に少し申しわけないところでございます。つまり、最初のうちは1兆円だと言っていた主計局が、今は4000億円ぐらいだとかと、どんどんどんどん少なくなってきてしまうと。そうすると、毎年それの10%ずつ3年間切っていくということになると、たかが知れてしまうということになるわけでして、削減計画の立案、その他を内閣にゆだねてしまっていて、結局きちんとした規模が明示できていないというところが、ここでの問題点だということだろうと思います。  これは、今年度の予算編成で決まるわけです。しかし、これも逆にとれば予算というのはあくまでも国民が決めるわけですから、この予算編成の過程でもっとその他補助金をふやして、もっとちゃんと補助金を削減しろというふうに規模を大きくしていただければ、自動的にそれはうまいぐあいに機能すると。抽象的に言えば、国民の意思決定次第であるということになるわけでございます。  それが補助金の削減の方でございますが、残った補助金、削減した後の補助金については、補助金を出すときの関与をやめてもらいたいと言っております。関与をやめてもらいたいというやり方ですが、一つはなるべく統合化し、メニュー化してもらいたいと。つまり、細かに補助金を出すと関与が多くなるものですから、補助金は大くくりにしてもらいたいと。なかなかこれも進みませんけれども、例えばフランスなどでは、補助金を出すときに公共事業補助金としてバカッと出すだけなんですね。そうすると、これは道路に使おうが何に使おうが構わないと、このぐらい大きくブロックしているんですけれども、日本の場合には各係一補助金ですから、少なくとも課単位、できれば局単位というようにやっていただければありがたいんですが、とにかくできるだけ大きな補助金にしてもらえればそれだけ関与は少なくなりますから、大きくしてもらいたいということをお願いしております。  それから48ページをおめくりいただきたいと思いますが、そこに「交付金化」と書いてあります。交付金化というのは、日本の補助金というのは大体定率補助金で、補助金を出すと何%持ちますよと、3割補助とか5割補助とかになるわけですね。そうではなくて、何か指標で配るやり方にしてくださいと。例えば、各地域の人口とかあるいは老齢者人口とか、そういう指標で配るような補助金のやり方をしていく。これを交付金化と申しますが、交付金化にしていただけないかということです。  それから、運用の弾力化、複合施設とかができないようなことではなくて、ちゃんと複合施設化してくれと。  それから、補助条件を適正にし、つまり違った目的に使うというようなことをチェックしてもらうのはいいんですが、補助目的以外にかかわるような関与はやめてくれというのが補助条件の適正化、緩和であります。  それから、少し大きく目玉として打ち出しているのは、48ページの(5)補助対象資産の有効活用、転用。つまり、義務教育の空き教室の利用みたいなものです。これまでこれは個別承認制で一々文部大臣許可が必要だったわけですが、それを49ページの方に移っていただきますと、3)のところですけれども、「補助金等の交付の目的及び補助対象資産の種類に応じ、一定期間経過後において、地方公共団体が他の公共施設・公用施設へ転用しようとする場合には、国の個別承認にかえて届け出制とするよう各省庁において具体的な運用の指針(基準)を定める」ということになりますから、転用する場合には、今までは一々個別承認しなければいけなかったんですが、届け出すればいいと。ただし、一定期間、例えば10年だったら10年を経過したら転用すればいいということをお願いいたしております。  それから2のところで、国庫補助負担金の制度・運用のあり方をめぐる新しいルールを確立してくださいと。(1)の1)のところで、標準的な処理期間を設定してもらいたいとかと書いてありますが、あとは(2)のところをちょっとごらんいただきたいと思います。「長期にわたり実施中の国庫補助事業について、社会経済情勢等の変化に応じて再評価し、中断すべき場合には過年度分も含め国庫補助負担金の返還を要しない仕組みとする」と。ここは、例えば中海干拓のような事業については、30年も40年も、下手をすれば50年ぐらいかかるわけですね。ところが、干拓は今や必要ない時代になってきて補助事業を中断いたしますと、それまでもらった補助金は全部返さなければいけないということに現在の法律ではなっておりますので、各地方公共団体は必要がないと思ってもやめるわけにいかないわけですね。やめると返さなければいけないと。退くも地獄、進むも地獄ですから、しようがない、とにかく補助事業をやり続けるということになってしまうと、これは余りにもひどいのではないかと。北海道で言っている時のアセスメントですね。時をアセスメントして、人間はだれでも未来というのはよくわからないわけですから、未来の予測を間違えてしまうということは恥ではないので、社会経済状況の変化に応じて時をアセスメントしてもらって、今やもう必要ないという判断が下ったら返還しなくてもいいことにしてくださいと。これは既に効果があらわれておりまして、建設省がダムについては評価して途中でやめてしまうと。やめてしまった場合には、ダムについてもらった補助金は返さなくてもいいですよと言っております。この勧告以後、効果が出ております。評価をしてもらって、必要がなくなった場合には返さなくてもいいようにするということであります。  文章は抜いておりますが、今言いました補助金についていいますと、事務事業がなくなってしまう場合はいいけれども、補助金を削減した場合には必ず一般財源化すると。例えば、なくなってしまう場合というのはどういう場合かといいますと、国立公園の管理にかかわる補助金を廃止しますが、廃止するかわりに国立公園の管理にかかわるような問題について、環境庁はみずからが直接出向する、自分でやると言っているものですから、事務そのものが地方公共団体の仕事ではなくなってしまうわけですね。そういう場合には構わないけれども、事務事業を続ける場合には、補助金を切ったら必ず一般財源化してくださいと。一般財源化というのは、地方税と交付税で必要な財源を手当てした上で国庫補助負担金を廃止することを言うと、必ず明記しておりますので、補助金はカットされるけれども事務事業が行われている場合には、あとの財源が来ないということは必ずないということになります。  最後に、今のような形で補助金を削減し、そして補助金による関与をなくしただけではなくて、そのかわりとして、一般財源といいますか、自由に使える財源が、必要にして十分な財源として地方公共団体手当てされなければなりませんので、自由に使える財源をどうやって充実させていくのかというのが、第3番目の課題になります。  そこで、私のきょうのレジュメの2枚目の1ページをごらんいただきたいと思います。  地方税財源の充実確保というところがそこになりまして、自由に使える財源の確保。まず、(1)地方税の充実確保のところを見ていただきますと、1)のところで、先ほど御説明いたしましたように、「国と地方の歳出純計に占める地方の歳出の割合は約3分の2であるのに対し、租税総額に占める地方税の割合は約3分の1となっており、歳出規模と地方税収入との乖離が存在している。地方税については、基本的に、この地方における歳出規模と地方税収入との乖離をできるだけ縮小するという観点に立って、課税自主権を尊重しつつ、その充実確保を図っていくべきである」と、先ほどの格差をできるだけ解消するということが基本的な目的だとうたっております。  そこでもって、実は、それを充実するやり方を中長期的な問題と短期的な問題との二つに分けておりまして、当面は何をやるかというと、当面は、おめくりいただいて2ページ目の3)のところを見ていただきたいと思いますが、「このような考え方に立って地方税の充実確保を図っていく必要があるが、当面は……」、先ほど来、説明しているように二つの場合があるわけです。一つは事務権限の移譲が行われた場合と、それから国庫補助負担金の削減が行われた場合ですので、「当面は、国庫補助負担金の廃止・縮減を行っても、引き続き当該事務の実施が必要な場合や国から地方公共団体への事務権限の移譲が行われた場合において、その内容、規模等を考慮しつつ」、そこが重要なんですが、「地方税等の必要な一般財源の確保を図ることとする」と。ここは微妙なやりとりなんですけれども、地方交付税というのを抜いているんですね。とにかく地方税を充実してくださいということをお願いしております。地方税等ということで、地方交付税というのは明確に入っておりませんから、まず地方税を充実するという方針になっているということです。一般財源で確保すると。  したがって、事務権限の移譲が行われなければだめなんですね。かつ、その事務権限の移譲も、繰り返すようですが、お金のかかる事務権限がおりてこないと地方税がふえないということなんですね。幾らふえるかというのは、まずお金のかかる事務権限がどのくらいかかっているか、都市計画などだとちょっと無理なんですね。  それからもう一つは、我々がちょっと不十分だったかもしれませんが、国庫補助負担金がどの程度削減されていくかという量によると。この削減の額がどのぐらいになるかということを今ここで皆さんに御説明できないというのが私の責任なんです。つまり、額を内閣にお任せしてしまっているわけですから。ここの額が今年度予算などで決まって幾らになってくるかということになって初めて、地方税の移譲がどのぐらいになってくるのか、拡充がどのぐらいになってくるのかというのがはっきりしてくるということになります。ですから、ここら辺は地方公共団体、特に皆様方にお願いして、ちゃんと監視をしてもらうと。十分おりてくるようにしてもらわないと、これはどうとでも読めるんですから、国はどういう言い方もできるわけですね。我々は抽象的にしか書いていないものですから、多くすることもできるし少なくすることもできるということになります。  ただし、2番目のところを見ていただきますと、1ページ目の2)のところを見ていただきたいと思いますが、今のは当面差し当たって二つの場合だけですが、もっと中長期的には、2)のところで、「今後、地方分権の進展に伴い、地方公共団体の財政面における自己決定権と自己責任をより拡充するとともに、住民の受益と負担の対応関係をより明確化するという観点から、国と地方公共団体との役割分担を踏まえつつ、中長期的に、国と地方の税源配分のあり方についても検討しながら」──ここが非常に重要な点です。税源配分のあり方というのは、中長期的には国税と地方税をどうやって割り振るかというあり方を検討して、地方税の充実確保をしていってくださいと。つまり、中長期的には、きちんと国、地方を通じる税制改革をやって、地方税と国税の税源配分のあり方を検討して、地方税の充実確保を図っていってくださいということにしております。  そして、この場合、具体的にどういう地方税を考えているのかということを余り書き込んでいないというのが御批判にありますが、しかしこれは税調マター(問題)でもありますので、我々は余り踏み込んでおりませんが、考え方だけはきちんと書いております。それは、「この場合、生活者重視という時代の動向」ということをうたっておりますが、ここは非常に難しいところであります。というのは、平成6年度の税制調査会の答申によりますと、今後の地方税というのは、中長期的には個人住民税と固定資産税の充実によって賄っていくべきだとうたっているんですね。固定資産税というのが地方税として非常に重要だと考えられる理由は、地方の公共サービスが、警察とか消防とかの財産を守るようなサービスが中心であって、あるいはそれに公共事業ですね、生活道路をつくったり、公園をつくったり、土地の価格を上げるような公共サービスであったような時代には、不動産課税と申しますか、固定資産税みたいな税金が、原則からいって公共サービスの利益にかなっていたと考えられるのですが、これからの地方公共団体サービスは、福祉とか教育とか、生活者重視、つまり財産保護するようなサービスではなくて、人的な社会サービスが重視されていきますよと。そういうことを考えた上で、これまでのように単に資産課税、固定資産税みたいなのを重視するだけではなくて、所得、消費、資産の間における均衡のとれた税体系をつくってくださいとお願いしていますので、ここは非常に微妙な読み方をとっていただかなければいけないというところであります。そこで偏在性が少なく、税収の安定性があるというようなことを考えているわけであります。  今、税金を充実していくということをお話しいたしましたけれども、これからは、(2)の課税自主権の尊重。地方公共団体でも、ある程度自分で自由に税金をかけるようにしようとしているのが課税自主権でございます。これも、地方公共団体の方からは余り人気のないところなんですね。つまり、住民を説得して税金をかけるということは余り要求しないわけですね。この権限を広げてあげますよといっても地方公共団体は喜ばないんですが、ただこれは非常に重要で、前の石原副官房長官がおっしゃっていますが、例えばロサンゼルスなどでは、税金を引き上げる、そのかわり地下鉄をつくるというのを住民投票にかけるんですね。そうすると、まずノーというのが出てくるわけです。しかし、ノーと言って地下鉄をつくらないでいると、そのうちロサンゼルスに入ってくる橋の道路が全部いっぱいになってきてしまうと。その次に、もう1回かけると、今度はイエスとなると。税金でも上げて、公共交通機関をつくらないとやっていけないと。少なくとも、そういう自己決定権ができるような仕組みをつくらないと、住民を説得したものをつくらないと、どうもだめなのではないかと。いわば地方税というのは、マンションの管理費みたいなものです。管理費が高いところはマンションの管理がいいわけです。管理費が高いところにみんな住みたくないというかというと、そうではなくて、管理がいいところに住みたいという人もあれば、管理なんかどうだっていい、とにかく負担が少ない方がいいという人もいるわけですから、これはできるだけ自由にしようということにいたしているところでございます。  それで、法的外普通税、つまり新たに税金をつくる場合に、現在は許可制度をとっているわけですけれども、この許可制度を事前協議制に移すということにいたしております。事前協議制というのは、国と地方が合意を求めて誠実に話し合うことになっているんですが、国の合意を必要としない場合と必要とする場合があるんです。この場合には、私は合意を必要としないというふうにしたかったんですけれども、ついに合意を必要とするということになってしまいましたので、合意を必要とします。ただし、これまでの国の許可制のときにチェックする審議事項は、税源の所在があるかどうか。つまり、税金をかけて、税収がちゃんと上がるかどうかということをチェックされるわけですね。それから、財政需要があるかどうかということもチェックされてしまうんですね。核燃料税などをつくりたいというと、ちゃんとそれは需要があるのかと言われてしまうということがあるわけですけれども、これは協議事項に入れないということにしております。協議の際の協議事項から除外するといたしておりますので、税源があるかないかとか、その地方に財政需要があるかないかなどを国が関与するというのは、これは余計なお世話だということにいたしておりまして、事実上、何をチェックするかというと、国税と重複していないかどうか、国税とバッティングしていないかどうかだけを協議事項にして協議するということでございますので、そのように御理解をいただければと思います。  ここではちょっと省かせていただきましたが、地方税財源の充実というところは、地方の決定権を増すということが主要な目的ですから、交付税についても可能な限り交付税の配付決定に地方の意見を取り入れる。それから、逆に言いますと、国の関与を少なくするという方向で交付税についても勧告をいたしております。しかし、交付税は必要な制度ですから、国は必要な行政水準を確保するところまではきちんと責任を持って保障しなさいということをうたっております。ただし、その配分方法については、地方公共団体が意見を述べる権限を法的に手当てしなさいとかとしているのが、地方交付税のところでございます。  それから地方債のところですが、これも現在許可制度になっておりますけれども、この許可制については事前協議制に移すということにいたしておりますが、この事前協議制は合意を必要といたしません。したがって、国との合意が必要なく起債できるということになっております。  ただし、3)のところを見ていただきたいと思いますけれども、これは事前協議制ですから、地方議会に予算をかけるときには国との合意が成り立つよということを前提に議会に説明しているはずなんですね。後で、成り立たなかったんだけれども発行しますよと、国の合意を得られなかったんだけれども発行しますよという場合には、つまり合意の整わない地方債を発行する場合には、当該地方公共団体議会に報告することとすると。とにかく議会に報告をしてくださいと。協議が整いませんでしたけれども、発行していただきますからということを報告してくださいということを、ここで規定しているだけでございます。  ただし、地方債の中には、御案内のとおりに、交付税でもって元利償還を見る地方債がございます。それから政府資金、国の資金を使う場合がございますが、この二つの場合には合意が整わなければいけないと。これは当然です。そうしないと、地方公共団体が勝手に発行できてしまうと困りますから。この二つの場合にのみ、合意を必要とするということになっているのが内容でございます。  以上が、勧告の補助金・税財源に関する内容の御説明でございます。  それでは、一体どういうことが今後残された課題になるかということになりますが、先ほど来御説明しておりますように、この勧告というのは、ある意味で抽象的な……、つまり後退をしているわけではなく、踏み込むこともできるし後退することもできるというような内容になっているので、今後の課題というのは、財源を伴う事務権限がどの程度おりてくるかという問題と、それから補助金の削減というのがどの程度進むかということによって自分たちが自由に使える財源がどの程度ふえるかどうかということが、地方公共団体にかかっているというのが大きな課題になってきます。これは、既に御指摘をさせていただいたところでございます。  それから、地方の税源、地方税として何を持ってくるかというようなところが非常に抽象的になっているわけですが、そういうところの考え方を御説明していく前に、今なぜ地方分権ということが言われるようになったのかということを考えてみたいと思います。  お手元の資料の6ページを開けていただきたいと思いますが、上のグラフをごらんいただきたいと思います。  上のグラフは、1970年代──71年から80年までの経済成長率を横軸にとって、租税負担率を縦軸にとっているわけです。これを見ていただきますと、租税負担と経済成長率との間に余り関係がないんです。ところが、1980年から90年──1980年代の経済成長率を横軸にとって、租税負担率を縦軸にとった下の図を見ていただきますと、租税負担と経済成長率の間に逆の相関関係が明確に出てくる。つまり、租税負担率の低いところは経済成長をするけれども、高いところは経済成長をしないという関係が明確に出てまいります。これが実は1980年代から地方分権ということが叫ばれ始めた背景なんですね。これはなぜこういうことが起きるのかといいますと、経済がボーダーレス化しグローバル化したからなんです。ブレトンウッズ体制という世界秩序を維持していた体制が崩れて、為替が変動相場性に移ってしまう。それと同時に、金融自由化の時代になってきて、金融の時代になってしまう。ここでまたビッグバンが進みますから、ビッグバンが進むと、資本というものは一瞬のうちにある国からある国へパッと移ってしまうわけですね。そうすると、1980年代になってなぜ租税負担の高い国が経済成長しなくなるかというと、租税負担の高い国から低い国にすぐに資本がフライトしてしまうと。つまり、資本逃避が起きて、資本が高い国から低い国へ一瞬のうちに動くという現象が起きてきたからなんです。そこで、各国とも租税競争と言われていますが、租税引き下げ戦争が1980年代から起きてきます。そうなってくると、税制改革の合い言葉は、1980年代から、皆さんも御存じのとおり、所得から消費へ、それから広く薄い負担へと移ってしまうんですね。これまでは、私たちの生活を守っていくというのが国の主とした任務ですが、人々の生活を守るやり方は、国は主としてお金を再分配する。市場は弱肉強食、優勝劣敗で、競争原理でやっていますので、早い人が勝って遅い人が負けてしまうという原理でやっているわけですが、それを守るのに、市場で強い人に税金をかけて、市場の外側で弱い人にお金を配ってあげることによって生活を守ってあげたわけです。失業すれば失業保険、それから生活保護とか、子供が生まれれば児童手当、年をとれば年金と、お金を配ってどうにか生活を見てきたわけですが、それには片一方で、所得税とか法人税とか、所得にかかる税金で豊かな人からお金を取って貧しい人に回さなければいけなかったんですね。貧しい人からお金を取って貧しい人に戻しても意味がないわけですから。それが現在でも言っているわけですが、実は1980年代になってきますと、法人税の税負担率を引き下げろ、それから所得税の最高税率を引き下げなさいと、どんどん引き下がってきて、お金持ちからはお金を取らないようにすると言われてきたんですね。  下の方に、政府の役割と書いてありますが、国の方の、中央政府の任務として、国家公共財の供給。公共財というのは、個人個人に割り当てられない財という意味ですから、防衛とか全国的な道路網とか、政府が全国的にやらなければいけないというのが国家公共財ですね、それをやるということが一つと。それから、所得再分配をしましょうと。お金でもって所得再分配をしましょうというのが国の任務だと考えらていました。  地方では、この所得再分配はできないと今まで考えられてきたんですね。なぜできないかというと、所得再分配というのは、ボーダーを管理しないと、境界を管理しないとできないと考えられていたんです。もしも地方公共団体が所得再分配をやろうとして貧しい人にお金を出すと、例えば仙台市がそれをやれば、仙台市に各地から貧しい人々が押し寄せてくる。そうすると、税金を上げなければいけないと。税金を上げると、豊かな人からお金を取らなければいけない。お金を取ろうとすると、地方公共団体というのは境界を管理していなくて出入り自由ですから、豊かな人たちは違う地方に行ってしまうと。そうすると、貧乏の人たちがまた追っかけていく。これを追跡効果と申しますけれども、必ず追跡効果になってしまうと。ところが、国がやる分には国境を管理しているからできますよと言われていたんだけれども、今やボーダーレスになって管理できなくなってしまって、国も所得再分配が非常に難しくなってきたという時代に入ってきたわけであります。  地方公共団体の方の仕事は何かというと、ここは地方公共財の供給と書いてありますが、地方公共財というのは、先ほど言いましたように、警察とか消防とかの割り当てられないサービス、それから道路とか公園というものをつくる地方公共財を供給している。これしかないと考えられていたんです。もともと義務教育とかをやっていますけれども、基本的には地方公共財しかやっていないと。ところが、国の方で人々の生活の面倒を見ていたんですが、それができなくなってしまったということで困った。ではどうすればいいかということになってきて、1980年代から地方公共団体に所得再分配をやらせないと、もう社会はもたないのではないかと考えられてまいりました。  この所得再分配という機能は、地方公共団体はできないんですね。お金でやろうと思っても、さっき言ったような原理で、もともとボーダーを管理していないわけですからできないんですが、そのかわり地方公共団体は、準私的財とここに書きましたけれども、個々人に現物を割り当てられるサービス。例えば、介護とか医療とか、これは個々人に全部割り当てれるわけですね、定義からいうと。これは公共財ではないんです。ちゃんと割り当てられる福祉関係のサービスをやることによって、事実上、所得再分配ができるのではないか。これだったら現物だから所得再分配はうまくいくのではないかと。現金だと、さっき言ったようなことが起きるわけですけれども、現物でちゃんと充実すればいいのではないかと。したがって、これからは現金による所得再分配が中央で困難になるので、準私的財という社会福祉とか医療とか人々の生活を守ってくれるような公共サービス、先ほど言いました生活者重視の公共サービスを地方公共団体が供給して人々の生活を守りながら、そのことによって地域社会の人々の生活を安心させていくというのが地方の政府の重要な任務として加わってくるのではないかと言われるようになってきたわけであります。これが地方分権ということが世界的に言われ始めた原因で、経済がボーダーレス化してきたと。ボーダーレス化してくると国境を越え始めてしまう。今までは国家ということでやってきたんだけれども、経済は広がり過ぎてしまって、国民国家では狭過ぎると。  そこでもって、国民国家の一部の機能をもっと大きな政府に移そうという動きが出てきます。ヨーロッパでいいますとEU──ヨーロッパ共同体、これは中央銀行をヨーロッパ全体でつくって通貨を統一しようと。そうしないと、今は国民国家ごとの通貨では、ボーダーレス化して金融の時代なのだからとても無理だということで、国民国家の機能の一部を上に移そうと。そうしないと経済は発展しないんだと。  しかし、政府の機能には、経済を発展させるとともに人々の生活を守る機能がある。ところが、人々の生活というのはボーダーレス化、グローバル化しないんです。人々の生活というのは、やっぱり私たちの地域社会に根づいているんですね。それを守るのには、国の方は無理になってきていると。だから、地方分権をして、地方公共団体ごとに任せましょうということをヨーロッパではやり始めておりまして、ヨーロッパでは1985年にヨーロッパ地方自治憲章というのをつくって、ヨーロッパ市民という概念を打ち出して、ボーダーレス化しグローバル化したから、今はもはやヨーロッパ市民だと。そして、ヨーロッパ市民の生活を守るのは個々の地方公共団体であると。だから、ヨーロッパでは、地方自治体にもヨーロッパ市民なんだから外国人でも選挙権を与えろと言っているんですね。そういう動きが出てきたのが地方分権の動きなので、これからは国にかわって地方公共団体が生活を守る役割を果たしていく。国の方はもっと重要な仕事があって、横の政府、各国民国家間の調整をやらなければいけないわけですから、そちらの仕事に専念してくださいという動きになってきたということになります。  そうなってくると、一体どういうことになるかというと、やっぱり地方公共団体が自分たちの生活実態に合わせて公共サービスを供給できるようにしなければいけないと。そのためには、地方の税を充実させていく必要があるということになるわけです。  では、分権が進んでいるほかの国々は、どういうふうに地方税を分けているのか見てみますと、4ページ目を開けてください。各国の租税収入のGDP比になっています。先ほど見ていただきましたが、日本よりも地方税のウエートが高いのはアメリカドイツスウェーデンだけですから、アメリカドイツスウェーデンを見ていただきますと、スウェーデンは、所得・利潤課税のうち個人、つまり個人所得税の地方のところが、国民総支出に占める割合が17.0%、そして中央の所得税が1.0%ですから、地方に所得税を持ってきましょうという配分になっているわけですね。重要な点は、この地方の所得税は比例税率です、累進税率ではありません。1.0%という国税だけが累進税率です。先ほど言いましたように、地方は所得再分配をしませんから、累進税率でかける必要はないんですね。これはこういう考え方です。人々がこれから共同でやる準私的財というのは、もともと人々が家族やコミュニティーで相互扶助あるいは共同作業で助け合いながらでやっていたんですね。お年寄りの面倒を見る、子供たちの面倒を見ると家族の中でやっていたんですが、その家族の中の働き手である女性が今や社会的に進出するようなってきて、ただで労働してくれる人がいなくなった。家族の機能があれば人間は生活できるわけですから、この家族の機能を地方公共団体が肩がわりしましょうということになっているわけです。家族の機能というのは、家族がだめだったら、今度はコミュニティーで助け合えばいいわけです。したがって、例えばその地域社会のお年寄りの面倒を見るために、1カ月間だったら1カ月間、みんな働いてくださいというようにやればいいわけです。ところが、1カ月分働くのは非効率的だから、働くかわりに、地方公共団体が税金を取ってそれは地方公共団体がやりますよという場合には、1カ月分の所得をあきらめればいいわけですから、1カ月分の所得をそれぞれあきらめてくださいよということになりますから、比例的な所得税で構わないということになって、比例税でやっております。そして、スウェーデンの方は、消費課税のうち一般消費課税、これは付加価値税、日本でいうと消費税ですが、その8.0%というのは国に全部持ってきていると。日本でいうと、消費税は国に、所得税は地方にと割り振っている。
     それに対してアメリカを見ていただきますと、アメリカ個人所得税のうち中央というのが8.1で、地方が2.0ですので、所得税は国にという分配の仕方をしていると。消費課税のうち一般消費課税というところを見ていただきますと、中央の方はなしで、地方の方が2.2ですから、2.2を地方に持ってきており、アメリカは地方に一般消費税を、所得税の方は国へと分けております。  うまく分割しているのはドイツで、ドイツを見ていただきますと、個人所得税の中央、地方の比率が4.7、6.4、それから消費課税のうち一般消費税が4.3、2.2というように分けているわけです。  日本で見てみると、日本は、個人所得税のうち地方というのが2.4、これはアメリカの2.0と匹敵する低さです。アメリカの方はもともと国の方に地方税を持ってきていると言っている国なんですね。日本はアメリカ並みに地方に一般消費税を持ってきてくれているのかというと、うち一般消費課税は地方には設定されていなくて、1.4というのが国に設定されているだけです。4月から地方消費税ができましたので、ここのなしというところがこれからはふえるわけですけれども、今のところはないということなんですね。  そうなってくると、今後の戦略は、地方消費税をふやしてもらうか、個人所得税をふやしてもらうかということにどうしてもならざるを得なくなってくるでしょうという考え方になってまいります。基本的には、先ほど言いましたように、比例的に所得税をふやしてもらえばいいのですけれども、個人的な所得税をふやしてもらうと、例えばスウェーデンみたいに個人所得税で全部取ってしまうと、実は、大変なのは……、仙台市を例えば考えてみます。仙台市はどの程度かわかりませんが、例えば仙台市に働きにきている人がいると。東京などはそうですけれども、夜間人口と昼間人口は全然違うわけですね。スウェーデンでは、所得税で取ると、住んでいる人のところに税収は行きますから、夜間人口のところにみんな税収が行ってしまうわけです。そうなってくると、夜間人口と昼間人口で後で分け直したりなどしなければいけなくなっております。したがって、どういうことをすればいいかというと、例えば仙台市の隣の市に住んでいる人は、隣の市でも税金を納めるけれども、仙台市に働きにきている限りは、病気になれば市立病院のお世話になったりするわけですから、仙台市でもサービスを受けるでしょうと。  そうなってくると、お手元の7ページ目を見ていただきたいと思いますが、課税のインパクトと書いてありますが、国民所得というのは、所得が生産されて、そこで新たな価値が生み出される。新たな価値が生み出されると、いろんな人に分配をされていく。分配されたものをもらった人たちが消費支出をするという三つの段階に分かれるわけですね。それぞれに比例的に税金をかければいいのではないかというのが私の考え方で、まず新たに所得が生産されると、その生産会社で利潤とか利子、賃金、地代とかで支払うわけですね。支払った段階で支払い地で課税すると。つまり、企業が仙台市で賃金を支払えば、仙台市はその支払い賃金と支払った利潤、支払った地代にお金をかけてしまう。だれかに必ず行くわけですから、そこでまずかけてしまえばいいのではないか。これが事業税の外形標準化と言われているものであります。事業税は現在利潤にしかかかっておりませんけれども、事業税を概計標準化して、これからは払ったところで比例的でいいのではないかという考え方ですね。  今度は、しかし仙台市ではないところに住んでいる人は、仙台市ではないところでもやっぱり公共サービスを受けるわけですから、会社から賃金を受け取った地点でまた個人住民税を納めるということにしたらいいのではないですかというのが分配所得のところです。それから、仙台市でもって買い物をして帰るということになると、買い物をしたところでいろいろ公共サービスの利益を受けるわけですので、支出段階でも地方消費税みたいなことで課税すると、この三つの局面でバランスよくやれば、後で調整する必要はないはずですというのが考え方であります。  こういうふうに地方税を充実させると、必ず地域間格差が広がってしまうという非難が出てくるんですが、比例的にやれば地域間格差は広がりません。例えば、私がこの間出したのは、住民税というのは御存じのとおり都道府県市町村をあわせると、最低は5%から始まって、5%、10%、15%と累進税率で納めているんですが、これを全部10%にすると。そうすると、これまで5%で納めていた人は10%の税率で納めるようにすると。10%で納めるんだけれども、5%で納めていた人は、国の所得税を10%で納めているんですね、最低税率15%ですから、国の方の税金は減税してあげると。つまり、国と地方を通じる税負担は同じなんだけれども、今まで5%で地方税を納めていたのを10%にしてもらって、国の方の税金を5%にしてもらうと。それから、豊かな人の方は、地方税は10%で減税するけれども、国の税金の方は5%分は増税するということいたしますと、貧しい人の方が多いから、国から地方に3兆円の税源が移譲されます。ところが、地方税だけをとってみると、貧しい人が増税されて、豊かな人が減税されますので、地方公共団体からいうと、全体として地方税がふえますので、どこの地方公共団体税収がふえますけれども、貧しい人がたくさん住んでいるところ、貧しいところがよりふえて、豊かなところは余りふえないということになります。この試算でいくと、都道府県でいきますと、東京都が一番伸びない。一番ふえるのはどこかというと、お隣の山形県なんですね。  山形県はそれほど貧しいとは思わなかったのになぜふえるのかと思っていたら、向こうの総務部に聞いてみてもよくわからないんですが、山形県が言うには、山形県は男女平等が発達していて、女性が非常に働いていると、これは事実のようであります。残念なことに、日本の場合には女性の賃金は低いと。そうなってくると、最低税率で課税されているところに女性の納税者が多くて、ここがどうもきいてきているんだというのが山形県の説明でありますが、いずれにしても山形県がふえるということで、格差はむしろ縮小するような方向で税源を移譲できるはずであるということであります。  こういうような形で税源を地方に移譲するという道筋が明確には書いてありませんが、私の書こうとしたところは、今言いましたように生活者重視、つまりこれからは本当に生活の面倒を見ていかなければいけない時代になってくるので、そのために所得、消費、資産のバランスを考えながら、少し税金を考えてくださいと。文言の中に今言ったようなことを少し想定しながら考えておりますので、考え方としては、分権ということによってこれから地方公共団体の国民の生活を守るという任務がふえて、重要になってくるんだと。そのためには、今までの財源だけではちょっと無理で、特に、例えば固定資産税だけでやっていけというようなことでは、とてもじゃないけれどもできない。そのためには、どうしても人的サービスが必要なのでそれに見合った税源をもらわないとこれからの地方公共団体の任務は果たせない、分権社会に生きていけないんだと。これは好むと好まざるとにかかわらず、21世紀はボーダーレスの時代になってしまうんだからというのが私の考え方であります。  時間が10分ばかりオーバーいたして申しわけありませんでしたが、私のつたないお話をここで終わらせていただきます。 ◯委員長  それでは、ただいま先生から御意見を伺いましたが、この際、皆様から先生に対しまして何か御質問等がありましたら、お願いをいたします。 ◯福島一恵委員  大変短時間でしたけれども、なぜ地方分権と言われるようになってきたのかという背景にまで踏み込んだお話を伺えまして、本当にありがとうございます。  私から二つぐらい御質問をさせていただきたいと思います。大変貴重なお話を伺っていながらちょっと失礼なお伺いの仕方になるかもしれませんが、御意見を伺いたいということで御勘弁いただきたいんですけれども、最近私が読んだ文献の中に、大阪市立大学の加茂先生が書かれている「地方分権推進委員会の中間報告から第4次勧告までを振り返って」というちょっとした文章があります。今、先生が中心的に御報告というか、御説明いただいた第2次勧告のところで、先生も非常に残念だと、税財源移譲を含むというのが書き込めなかったというか、明確に打ち出せなかったとおっしゃっておりましたけれども、案文ではそこが書かれていたが大蔵省の抵抗で消えてしまったというような表現があったんですけれども、そこは、先ほど先生が御説明していらっしゃった1ページの地方税の2)、生活重視という時代の動向の前段のところに、本来であるならば含まれるべきというというか、含めたいなとお考えになっていたのかなということが一つと。  それから、地方分権推進委員会が掲げた自己決定権に基づく分権型社会の創造といった理念が、先ほど先生も非常に残念だとおっしゃっていましたけれども、内閣に予算規模内容をゆだねてしまったというところで、残念ながらトーンダウンしてしまったのではないのかなと思われますけれども、その点はいかがなのかなという点。まず2点を伺いたいと思います。 ◯神野直彦参考人  第1点につきますと、おっしゃるとおり、最初に税源移譲という言葉があって、それに対して大蔵省が抵抗したわけです。大蔵省の抵抗の主要な理由は、税源移譲というのを狭く解釈しているんですね。これは官僚だからかもしれませんが、例えばお酒の税金をそのまま左から右へ移すと、これは税源移譲であると。税源移譲というのを書かれると、向こうは税源移譲をやらなければいけなくなるがどこの税金を移すんだと。そうではないやり方で地方税の充実をすることはできるはずだと。例えば、国税の所得税を減税して別な地方税を増税するというのは、これは税源移譲ではないというのが向こうの主張なんですね。  それから、例えば規模が大きければともかく、先ほど言いましたように、補助金のカットの歩合が少なかったりなんかする場合に、例えばの話ですが、現在、有価証券取引税というのを廃止するという案がありますね。有価証券取引税を廃止したら税収が減りますので、大蔵省は絶対そういうことは認めないから、有価証券取引税を廃止するんだったら、所得税の方でキャピタルゲイン課税をやりますよと言うわけです。有価証券取引税を廃止すると、有価証券取引税というのは国税で地方には全然関係がありませんから、その分キャピタルゲイン課税で所得税がふえると。そうすると、所得税がふえると交付税がふえますから、そのキャピタルゲイン課税がふえた分だけ地方交付税が自動的にふえてしまうじゃないかと。その上、所得税の課税ベースが広がると、自動的に住民税の課税ベースもふえてしまいますから、そうすると地方税がふえるじゃないかと。それで、こんなわずかな財源だったらというふうなことがあり得た場合には、税源移譲がなくてもちゃんとできているではないかと。そういうことがあるから、つまりやり方はいろいろあるんだから、税源移譲という言葉は書かないでくれと。そういうことで妥協しておりますが、ただ税源移譲はなくなったわけではなくて、それは含んでいると。  なぜやらなければいけないかというと、これもまた官僚用語でちょっと申しわけないんですが、1ページ目を見ていただきたいと思います。一番上の文章ですが、「なお、国・地方ともに極めて厳しい財政環境のもとにあるが、地方分権の観点からこのような見直しを行うことにより、国・地方を通ずる行政の簡素・効率化や財政資金の効率的な使用に資するものと考えられる」と。ここは素人ではこんなふうに読めないんですけれども、これはこう読んでいただかなければいけないんですね。地方分権の観点からは、地方分権をやると財政資金は効率的に使用できるようになるということは、増税はあり得ないということを意味するんですね。国、地方を通ずる増税は絶対あり得ないというふうに読むんだと、これは官僚的な、普通はちょっと読めないのではないかと思うのですが、こう読んでいただかないといけないんですね。ここはそういう意味なものですから。そうすると、国、地方を通じては、少なくとも増税はしないということを条件に地方税を充実していただかなければいけないと。充実はさせろというのは全部書いてあるわけですから、それは移譲していただかなくてもいいんだけれども、何らかの形でもって地方税を充実してくださいよと。しかし、その充実をする場合に、国、地方を通じては税負担を上げてもらっては困りますよというたがをはめておりますので、税源移譲をすれば一番簡単ですけれども、そうじゃないやり方をしたいというのであれば、それなりに工夫をしてやっていただかなければいけないということになっておりますと。お答えになったかどうかわかりませんが、そういうことであります。  それから2番目の方の、理念としての自己決定と自己責任というのは、これは後退してはいませんが、先ほど言いました補助金削減計画を自分が決められないというのも、これは分権推進委員会が盛り込めなかったと。例えば、今ある補助金のうち、4兆円のうち2兆円を削減してほしいという要求が地方公共団体にありましたが、そういうような形で具体的な数値を盛り込めなかったということを申し上げたので、そのことは地方公共団体に自己決定権と自己責任を与えるという理念とは別な話になります。  そちらの方の問題から申し上げますと、私どもは、確かにそういう感じで地方公共団体、六団体の要求である4兆円を2兆円にするということを3年間でやるとすれば、今、財政構造改革会議ではその他補助金を年間10%ずつ切っていくということになっているわけですが、そのやり方でもしも奨励的補助金を半分にするということであると、奨励的補助金を毎年3年間20%ずつ切っていくということを勧告の案文に盛り込めば地方公共団体の要望におこたえしたということになるわけですが、それを分権委員会の力でできたかというと、財政構造改革会議の方には元首相が集まって政治力を発揮しているわけですけれども、私どもの方で、もしもあの勧告がなかったらそこまでできたかどうかというのは、これは白紙でわからないと。あれより踏み込めたかもしれないし、逆にあれより踏み込めなかったかもしなれない、それはやってみないとわからなかったと。財政構造改革会議というのは、我々にとって毒になったのか薬になったのかというのは、これは何とも言えないと。  補助金というのは、繰り返すようですが、地方公共団体の方でも切ることに消極的なところが非常に多いということが一つと、それから各省庁とやってみると、どうも各省庁も当事者能力がないんですね。後ろに応援団が控えているものですから、自分のところでも切るとはなかなか言えないと。機関委任事務と違って、後ろの応援団が来まして、話し合っていてもどうも当事者能力がないというところがございまして、そういう意味では、どこまで切り遂げたのかということは、フリーハンドがあったとしてもちょっと自信がなかったというところが正直なところでございます。 ◯岩崎武宏委員  ただいまの質問者と一部重複する点があるかもしれませんが、ぜひこの機会に二つほどお伺いさせていただきたいと思います。  ただいま先生からるるお話を伺った中にもありましたように、税財源の地方への配分、地方税の充実確保ということは、私ども地方自治にかかわる者にとっても一番大きな関心事なんですけれども、この点について、勧告の内容、そして今の先生のお話を伺っておりますと、当面の施策ということもありましたが、その充実確保策の大宗といいますか、その具体策については、中長期的な検討にゆだねられているというようなお話だったかと思います。しかし、分権推進法は5年の時限立法だと伺っているわけでありまして、分権推進法の時限が切れた後において、地方税の充実確保の具体策をどのように確立していくかということについて、後ろ盾を失ってしまうような、何かそんな気がしないわけでもないんですね。このあたりについて、先生はどんなふうにお考えになっていらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。  それからもう一つは、これも非常に大事なこととして拝聴したんですが、課税自主権の確立の問題なんですけれども、国との事前協議制、合意を要するものもあり要しないものもあるということですが、事前協議制というのは形を変えた新たな国の関与ということで、地方自治体の課税自主権というようなものが果たしてどこまで確立できるのかなという感じがするんです。例えば、地方債についての説明がありましたが、合意がなくても発行できるというものもあるということなんですけれども、事実上、国との事前協議をし、国の合意がなくてもどうしても市民、住民のサービスの充実のために必要な財源だということで、地方自治体が自主的にこれを発行するというようなときに、国のペナルティーといいますか、そういったようなものもあるのかないのか。本当に地方自治体の課税自主権というようなことがこのことで確立ができるのかどうか、そのあたりをお伺いしたいと思います。 ◯神野直彦参考人  第1番目の、地方税を充実するということについては、中長期的な課題にしているわけではなくて、当面は補助金や負担金がカットされ、それから事務権限が移譲された場合に、それを地方税と交付税で手当てしなければいけませんので、どのぐらいの地方税がおりてくるかということについては、補助金の削減と事務権限の移譲がどの程度が行われたかということにかかっていると。これが多ければ、地方税の移譲が大幅に進むということなんですね。ですからこれは、今年度末のその他補助金制度的な補助金との区分けと。区分けができて、その他補助金がどの程度の規模になるか、それから制度的な補助金の検討でどの程度の財源が捻出されてくるかということによるということですので、税源移譲というのは、そのときにかなりの規模になれば必ず行われます。やらなければいけないわけですね。それを短期的に、税源移譲というのはもうなくなってしまうんだと言ってもらっちゃうと、先ほど言いましたように、大蔵省は税源配分の見直しというか、税源移譲というのを狭く解釈して削っただけですから、地方税の移譲はしなくてもいいんだということに言われてしまうと、本当にやりませんので……。ここに書いてあることは、そこがふえれば必ずやってもらわなければだめだと書いてあるわけですから、中長期的にも短期的にも行われると。中長期的には、抜本的な税制改革をやってくれというふうに言っているだけですので、現在の税制を前提にした上で税財源の充実確保は必ず行われないとだめだということを短期的にも言っておりますから、短期的にもやってもらわなければ困るということです。第1点のことにつきましては。  それから、第2点の課税自主権の拡大ということについていうと、確かに合意を必要とする事前協議制ですから、ここについては限界がありますが、主として地方が困っていたのは、新しい税金をつくる場合に、特に財政需要があるかどうかというのをチェックされることなんですね。そこは繰り返すようですが、これまでの許可制ではそれは審議事項になっていたんですが、これからの事前協議制では、国の方はそこは協議できないんです。これは国税と同じ税金ではないかということしか言えませんので、その点では、私の考えとしてはかなりこれは開かれたと。住民さえ説得すれば、工夫さえすれば幾らでもできるということでありますが、余地は必ずできているのではないかということです。  それから、地方債についても、事前協議制で合意が成り立たなくても発行できるといっても、実際にそれをもって発行できるということがあり得るのかどうかということですが、事前協議制というのは、そもそも両者が誠意をもって合意に到達するということを前提にしていますので、合意なくして発行するというのは、いわば例外中の例外と考えているということです。必ず合意に達するんだと。事前協議制というのは両者が誠実に合意を求めて努力するということになっていますから、合意に達するんだということが前提で、合意に達しないということは例外中の例外であると。  しかし、合意がなくても発行できるという権限を持って事前協議制に臨むのと、なくて事前協議制に臨むとのとは決定的に違うだろうというのが我々の考え方なんです。例えば、機関委任事務というのは、前の地方自治法でいうと、マンデーマス・プロシーディングでもって、訴訟を起こされて代執行されてしまうとか、それから首長が首になってしまうとかというようなことがあって、機関委任事務というのは担保されているわけですけれども、実際に機関委任事務で代執行をやったことがあるかというと、沖縄のことを除けば、砂川事件のときに1回やっただけですよね。けれども、それが担保するということが効いていて、機関委任事務というのが命令できるわけですから、実際に発動できなくても、合意が成り立たなくてもいつでも発行できるんだよということをもって交渉に臨むのと臨まないのとでは大分違うのではないかというのが我々の意見です。  それから、実際にも、仙台市はちょっとわかりませんが、豊かな市などで地方債のロットが大きければできない話ではなくて、東京都などは何回もやろうとしたことがあるわけです。ロットが小さい、財政力の小さな市町村ではちょっと無理かと思いますけれども、ロットさえ大きくなれば、いざとなれば自分でもやるというところが出てきかねないと。つまり、そういうところは条件がよくなるわけですから、やれないという話ではないと。確かにおっしゃるとおりに、実際にどのぐらい行われるかというと、数は少ないかもしれないけれども、あるのとないのとでは大分違うのではないかというのが私どもの考え方です。 ◯礒村豊和委員  お忙しい中、詳しい説明……、ただ、難くてなかなか理解できない頭なものですから愚問になるかもしれませんが、先生が第2次勧告で補助金の取りまとめ役、リーダーをなされたということで、特に国庫補助金の整理合理化について、私の場合は、なぜ補助金を削減するのかという意味が初めてわかったと言っていいくらい、そういう頭で理解をいたしておりました。  そこでお尋ねしたいのですが、補助金を削減してひもつきでない一般財源にシフトしていくと、これは地方自治体にとって大変大きなものになろうかと思うんであります。先ほど先生のお話の中で、国庫補助金削減計画を勧告しているわけでありますけれども、これは国の方で補助金をなくしていくというふうに先生方の方から勧告を出されたと思うんですが、原則としてサンセット方式ということで、一定期間の終期を設け、特別の理由がなければ期限超過は行わないということです。これが現実的にどう進んでいくのか。国といっても各省庁にわたるわけですので、国全体として補助金の削減計画を勧告に従い進めていくということになると思うんですが、先ほどの先生のお話の中では、具体なといいますか、地方の方もただ補助金が減らされるというイメージが強くていろいろ温度差もあったと、そういう御説明だったように私は理解したんですけれども、その辺、これからどうなっていくのかというのが一つと。  それから、財政構造改革は、正念場というか、国がこれは絶対やるんだということで熱心に取り組んでいまして、地方にとっては、下手をすると補助金削減が一般財源にシフトしないで、ただ減らされっ放しということになりはしないかという危惧があるんですが、その辺の考えをお聞かせいただきたいと思います。  それから、先ほど、ボーダーレス化の時代で国は市民生活まで見ることができないと。そこが地方分権の大きなうねりといいますか、そういうところから1980年代に起きてきたということでありますが、地方への財源が伴う権限移譲、前の委員会でも政令都市でも22項目くらいのことを掲げながらいろいろ運動してきたんですけれども、第4次勧告で5項目ほどしか入っていないということのようであります。これから財源が伴うような事務移譲を運動していく余地が残されているとは聞いているんですけれども、この辺についての先生の考え方なり個人的な意見でも結構ですから、お聞かせをいただきたいと思います。この2点であります。 ◯神野直彦参考人  おっしゃっている意味は、まず、こういうことだろうと思うんです。財政構造改革会議なり、あるいはもう少し広くいいますと、行政改革会議なりが官民の役割分担というのを見直しているわけです。そこで、国、地方を通じてとにかく政府をスリムにしなさいと。つまり、役割を少なくしなさいと。私は別にこれに賛成しているわけではないんですが、とにかくそういう動きが一方であると。その中でもって、今言いましたように、私の方は地方分権だけですから、地方分権の方からいうと、国の方が補助金を削減したならば、事務事業をやるのであれば必ず一般財源で手当てしてくださいとうたっておりますし、それから、ほかの審議会と違って、この地方分権推進委員会で書いたことは、すべて実行されなければならないということに法律的に裏づけられております。だから我々は、各省庁から全部了承をとってこいと言われたので、了承をとったわけです。だから、ここに書いたことは尊重義務がありますので、寸分漏らさず尊重されなければならない。実行されなかった場合には、我々はモニタリングして監視し、それに対して意見を言うことができますので、やらなかった場合には、当然意見を言うことになっておりますので、必ず実施されると。  ただし、問題は、今言いましたように事務として残れば必ず財源は保障されますけれども、官民の役割分担で、もうその事務はやるなと言ってくる場合があるわけです。地方の仕事からとにかく外してしまえと。そうなってくると、全体として地方公共団体の財源がふえるかというと、一方では、とにかく地方公共団体ではこういう仕事をやるなと減らされてしまって、やらなくてもいいよと。つまり、事務として残らないわけですから、そちらを考えて、地方公共団体に税源がふえるかと言われると、現在の世の中の情勢からいって、差し引きでどうなるかわからないと。分権の方でいえば、必ず減らされるということはないんだけれども、全体としていうと、地方に来る補助金の額は、一般財源化されたものと残った補助金とを合わせると減っていたということがあると。しかし、残った部分についてはやらなくてもいいと言われているわけですから、やらなくてもいいということになると。ただし、やらなくてもいいと言われたんだけれども、仙台市は納得しないと。そういうふうに言っているかもしれないけれども、やってくれないかと言われたという場合には、しようがない分権委員会の方では新たな税金をつくっていいということを言っていただいておりますので、自己決定権で、仙台市としては、例えばパチンコ税をつくりますけれどもいいですねとか、何か工夫をしてもらわないとだめなようになってしまっていると。そういう余地は、先ほど言いましたように、パチンコ税というのは国の税金にないわけですから、これはバッティングしませんのでオーケーだということになるということですね。だから、どういうふうに削減がされるのかというのは、官民の役割分担の話と分権の話と二つありますので、これの差し引きでどうなるかということだろうと思います。  削減計画は、これは確かに抽象的ですけれども、ただ書いたことは実施されなければいけませんので、その他補助金に分類されれば、各省庁は10%切っていかなければいけないということになりますので、必ず10%切ります。ただ、その額が多いか少ないかというのはちょっとわからないということです。  それから、財源が伴う改革というのは、私の方ではなくて、仕事としてはむしろ事務区分の方になるのですが、財源が伴う事務権限の移譲がどの程度行われたのかというのは、今のところ、事務権限の移譲だけでは余り財源はふえないと。都市計画、その他では財源そのものが伴ってきませんので、試算してみないとわかりませんが、大幅には移らないだろうということが正直なところだと思います。 ◯委員長  それでは、大分長時間にわたりましたので、先生からの御意見聴取はこの程度で終わりたいと思いますが、委員の皆様、よろしゅうございますね。              〔「はい」と呼ぶ者あり〕 ◯委員長  それでは、私から先生に対しまして、お礼のごあいさつをさせていただきます。  先生には大変お忙しいところを、きょうの日程を曲げて御出席いただきました。私どもこの委員会としましても、先生に直接生のお話をお伺いしたいということでございました。長時間にわたりまして、いろいろな角度から、とかく一番心配されている財政に関してということで先生から詳しくお話をいただきまして、大変ありがとうございました。  今後、さらにこの委員会が調査活動をいたすことになりますが、先生の御意見を十分参考としまして、委員会はさらにこの責務を果たしてまいりたいと思っております。本日は大変ありがとうございました。              〔参考人 神野直彦退室〕 ◯委員長  引き続き会議を開かせていただきます。  当局より、前回の委員会におきまして委員の方々からそれぞれ御要求がございました資料が配付されておりますので、その説明からお願いをさせていただきます。 ◯総務局長  それでは、地方分権推進委員会の勧告において、機関委任事務の廃止に伴い自治事務とすべきとされたもののうち、政令指定都市に関する事務、これは資料1でございます。  それから、同委員会の勧告において、政令指定都市事務権限を移譲すべきものとされた事務、これは資料2でございますが、これにつきまして、事務管理課長より説明をいたさせます。 ◯事務管理課長  それでは、まず資料1の方から御説明させていただきたいと思います。  資料1につきましては、地方分権推進委員会の第1次勧告から第4次勧告までの四つの勧告におきまして、機関委任事務の廃止に伴い、それを自治事務法定受託事務とに振り分けをしているわけでございますが、そのうち自治事務とされたものに関しまして、指定都市が関係している事務を抜き出したものでございます。  詳しくは、後ほどごらんいただきたいと思うのでございますが、1ページから11ページまでございまして、法律数にして88件の法律に関する事務が自治事務というふうに分類されております。  次に、資料の2でございます。資料2の方は、先日御説明いたしました、地方分権委員会の第4次勧告において、政令指定都市事務権限の移譲ということで勧告された中身17件、それから2枚目の一番上に記載してございますけれども、第2次勧告におきまして、都市計画に関して政令指定都市につきましては、都市計画区域の指定と市街化区域と市街化調整区域の線引きはこれまでどおり県が行うということでございますが、それ以外の都市計画決定、道路、公園区画整理事業、都市開発事業等に関する都市計画も含めて、ここにございますような特別のものを除きまして、指定都市に移譲すべきという勧告が出ておるものでございまして、これを合わせまして18件この表に載せてございます。  これらの18件の事務につきましては、現在県が所管しているということでございますけれども、これらの事務のうちほとんどにつきましては、申達事務、それから関連する業務を仙台市で現在行っているということでございまして、各担当部局で事務の内容についてはおおむね把握してございます。それで、特に移譲に当たっての支障ということについて心配しているというようなことは、現在のところ聞いていないという状況でございます。今後、具体的な事務の内容、事務量等につきまして、県との情報交換を行いながら対応を整理していくということになろうかと思います。 ◯委員長  説明が終わりましたが、この説明に対しまして、何か皆さんから御質問がございましたらお願いいたします。              〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ◯委員長  それでは、終わらせていただきます。  きょうもお話をいただきましたが、地方分権に関しまして、何かここで皆様から特に御提言なり御意見等がございましたら、これもお聞きしておきたいと思います。              〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ◯委員長  いずれ、後で設定いたしまして、委員各位の御意見はお聞かせをいただきます。  それでは次に、次回の委員会の持ち方で協議を願いたいと思います。この件につきましては、前回の委員会において、もっといろんな方々を招いて御意見を伺ったらどうかということもございました。そういうことでもあったので、きょうの意見聴取を踏まえて考えましょうということにしておりましたので、もし何かございましたら、皆様からの御発言、御提案をお願いいたしたいと思います。  申し上げましたように、前回は、全く別な方あるいは地元の方からも必要ではないかという御意見がございました。もしそうであるとすれば、予定としましては、12月はとても忙しいし、1月の末ころならばもう1回開かせていただきたいなと思っておるところでございます。いかがなものでしょうか。 ◯岩崎武宏委員  委員長の今の時期的なお考えは私も結構だと思うんです。実は、きょう神野先生のお話を伺うことができて、私も大変勉強になったと言ったのではちょっとあれなんですけれども、もやもやしてよくわからなかったようなところも自分なりに随分整理ができたかと思うんです。これは、委員長が冒頭おっしゃったように、例えば地方分権の4次にわたる勧告全般についてとかというようなことではなくて、その中の、特に私ども地方自治体側にとっても大きな関心事であった地方税財源の移譲や分配というか、その充実に関する部分についてというようなことでテーマを絞り、そしてそれに最もふさわしい人を参考人という形で呼んでいただいたので、こういうようなお話が伺えたと思うんです。ですから、もしこのほかにまた参考人なり何なりを呼んで専門家の方から御意見を伺うんだということになれば、今回のように、今度は別のテーマといいますか、問題点をかなり絞って、そしてその部分を中心に参考人の意見をお伺いするというような形で設定していただいたらいいのではないかなと思うんです。一応、意見として申し述べます。 ◯委員長  そういうことも含めて検討させていただきますが、前回は、特に名前が出ましたね。地元の山本さんも御意見をいただく大事な一人ではないかといったような話もあったんですが、その辺は特に考えないでよろしゅうございますか。 ◯福島一恵委員  その辺は、私も含めてこの場で皆さんも即答しかねるのではないのかなと思いますので、12月の初旬ぐらいにまで、議会もありますけれども、こういう人のお話を聞きたいしこのぐらいの予算で来てくれそうだみたいなのも含めて、個別に要望をそれぞれ委員長、副委員長にお話しするということで、それを含めて委員長、副委員長のところで御検討していただくということでいかがでしょうか。私自身も、この前私自身が名前を挙げた方以外にも、きょうの神野先生のお話を聞いたりしまして、また別な人の名前も浮かんできたりしましたので、そういったことを情報として提供したいと思いますので、そんなことでいかがでしょうか。
    ◯委員長  わかりました。ただ、余り多くの先生を推薦されてもどうかと思いますので、近いところであればせいぜい二人ぐらいからお聞きしたいものだと思っています。いろんな先生方の御希望がありますが、これも整理をしていただきながら、御一任をいただきまして、委員長、副委員長で相談して、皆さんの意向に沿いたいと思いますので、その辺でお任せいただければ結構だと思います。よろしゅうございますか。              〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ◯委員長  それでは、そのような方向で次回を持ちたいと思いますので、きょうは以上でもって、この委員会を閉じたいと思います。  大変ありがとうございました。