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宮城県議会 > 2007-10-02 >
平成19年  9月 定例会(第315回)-10月02日−05号

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  1. 宮城県議会 2007-10-02
    平成19年  9月 定例会(第315回)-10月02日−05号


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    平成19年  9月 定例会(第315回) − 10月02日−05号 平成19年  9月 定例会(第315回) − 10月02日−05号 平成19年  9月 定例会(第315回)      第三百十五回宮城県議会(定例会)会議録                            (第五号) 平成十九年十月二日(火曜日)   午前十時 一分開議   午後三時十七分散会       議長                高橋長偉君       副議長               千葉 達君 出席議員(六十一名)         第一番             菅原敏秋君         第二番             吉川寛康君         第三番             伊藤和博君         第四番             長谷川敦君         第五番             佐々木幸士君         第六番             村上智行君         第七番             細川雄一君         第八番             高橋伸二君         第九番             菊地恵一君
            第十番             須藤 哲君        第十一番             菅原 実君        第十二番             坂下 賢君        第十三番             遠藤いく子君        第十四番             庄子賢一君        第十五番             熊谷盛廣君        第十六番             寺澤正志君        第十七番             只野九十九君        第十八番             石川光次郎君        第十九番             外崎浩子君        第二十番             佐藤光樹君       第二十一番             中島源陽君       第二十二番             本木忠一君       第二十三番             熊谷義彦君       第二十四番             佐藤詔雄君       第二十五番             加賀たけし君       第二十六番             菊地文博君       第二十七番             菅間 進君       第二十八番             ゆさみゆき君       第二十九番             中山耕一君        第三十番             長谷川洋一君       第三十一番             佐々木喜藏君       第三十二番             佐々木征治君       第三十三番             須田善明君       第三十四番             寺島英毅君       第三十五番             安部 孝君       第三十六番             皆川章太郎君       第三十七番             佐々木敏克君       第三十八番             小野 隆君       第三十九番             小林正一君        第四十番             岩渕義教君       第四十一番             本多祐一朗君       第四十二番             袋  正君       第四十三番             藤原のりすけ君       第四十四番             内海 太君       第四十五番             坂下康子君       第四十六番             横田有史君       第四十七番             小野寺初正君       第四十八番             石橋信勝君       第四十九番             安藤俊威君        第五十番             中村 功君       第五十一番             渥美 巖君       第五十二番             柏 佑整君       第五十三番             畠山和純君       第五十四番             千葉 達君       第五十五番             仁田和廣君       第五十六番             藤倉知格君       第五十七番             菊地 浩君       第五十八番             高橋長偉君       第五十九番             相沢光哉君        第六十番             渡辺和喜君       第六十一番             今野隆吉君 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 説明のため出席した者       知事                村井嘉浩君       副知事               三浦秀一君       副知事               伊藤克彦君       出納長               庄子正昭君       公営企業管理者           佐藤幸男君       病院事業管理者           木村時久君       総務部長              三浦俊一君       企画部長              小林伸一君       環境生活部長            三部佳英君       健福祉部長             鈴木隆一君       経済商工観光部長          若生正博君       農林水産部長            伊東則夫君       土木部長              三浦良信君       出納局長              廣川俊美君       病院局長              黒沢正敏君       総務部秘書課長           松浦孝幸君       総務部財政課長           荒竹宏之君     教育委員会       委員長               藤村重文君       教育長               佐々木義昭君       教育次長              三野宮斗史君     選挙管理委員会       委員長               槻田久純君       事務局長              吉田祐幸君     人事委員会       委員長               石附成二君       事務局長              石垣仁一君     公安委員会       委員長               檜山公夫君       警察本部長             高橋美佐男君       総務部長              猪股恒一君     労働委員会       事務局長              鈴木敏明君     監査委員       委員                谷地森涼子君       事務局長              草苅 恭君 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−     議会事務局       局長                大坪富雄君       次長兼総務課長           福井利悦君       議事課長              三浦重夫君       政務調査課長            西條公美君       総務課副参事兼課長補佐       高橋 彰君       議事課副参事兼課長補佐       佐藤 昭君       政務調査課副参事兼課長補佐     立花 圭君       議事課長補佐            菅原 清君
          議事課長補佐(班長)        佐藤隆夫君       議事課長補佐(班長)        佐々木均君       議事課主任主査           布田惠子君 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−     議事日程    第五号           平成十九年十月二日(火)午前十時開議 第一 会議録署名議員の指名 第二 発議第六号議案 第三 議第百二十四号議案ないし議第百五十六号議案及び報告第十号ないし報告第十二号 第四 一般質問    〔長谷川洋一君、菅原敏秋君、菊地 浩君、吉川寛康君〕 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−     会議に付した事件 一 日程第一 会議録署名議員の指名 二 日程第二・日程第三 発議第六号議案・議第百二十四号議案ないし議第百五十六号議案及び報告第十号ないし報告第十二号 三 日程第四 一般質問    〔長谷川洋一君、菅原敏秋君、菊地 浩君、吉川寛康君〕 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− △開議(午前十時一分) ○議長(高橋長偉君) これより本日の会議を開きます。  本日の議事日程は、お手元に配布のとおりであります。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− △会議録署名議員の指名 ○議長(高橋長偉君) 日程第一、会議録署名議員の指名を行います。  会議録署名議員に、二十九番中山耕一君、三十一番佐々木喜藏君を指名いたします。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− △諸報告 ○議長(高橋長偉君) 御報告いたします。  監査委員遊佐雅宣君から、本日欠席、監査委員谷地森涼子君が代理出席する旨の届け出がありました。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− △発議第六号議案・議第百二十四号議案ないし議第百五十六号議案 △報告第十号ないし報告第十二号・一般質問 ○議長(高橋長偉君) 日程第二、発議第六号議案、日程第三、議第百二十四号議案ないし議第百五十六号議案及び報告第十号ないし報告第十二号を一括して議題とし、これらについての質疑と、日程第四、一般質問とをあわせて行います。  前日に引き続き、質疑、質問を継続いたします。三十番長谷川洋一君。     〔三十番 長谷川洋一君登壇〕 ◆三十番(長谷川洋一君) ただいま、議長のお許しをいただきましたので、さきに通告をいたしております大綱二点につきまして質問をさせていただきます。  その前に、春の統一選挙におきまして、新しくなった角田・伊具選挙区から二度目の当選をさせていだたきました。関係各位に感謝をささげながら、通算七回目の一般質問に立たせていただきます。  さて、四月の統一選挙から今日まで、サプライズが三つほどありました。その第一は、七月の参議院選、政府・与党の大敗であります。報道では、地方の反乱あるいは平成の農民一揆と表現されております。第二は、県が打ち出したみやぎ発展税の導入であります。知事は、政治生命をかけると言い切って、富県宮城を実現するため、法人事業税の超過課税であります。第三は、本年産米の概算金がみやぎのひとめぼれ、ササニシキが一俵六十キロ当たり一万二百円、対前年比千八百円も安い金額が示されたことであります。  さて、それでは、本論、大綱第二点につきまして質問に入らせていただきます。  持続可能な農業の確立について。  初めに、食料自給率の現状についてであります。  農林水産省は、昨年度の食料自給率が、カロリーベースで三九%だったと発表しました。四割を下回ったのは、凶作だった平成五年、三七%以来十三年ぶりのことであります。国民一人一日当たりの総供給熱量は二千五百四十八キロカロリー。このうち、国産の供給熱量九百九十六キロカロリー、三九%というものであります。一昨年まで八年連続四〇%が続いてきたのでありますが、昨年度は、天候不順で国内農産物の生産量が減ったことが要因となっております。減ったのは、果実、芋類など、自給率の高い米についても、一人一年に六十一キロと、前年対比〇・四キロ減少し、また、作況が九六となり、外国産MA米が加工用に供給されたことが自給率を引き下げております。食料自給率は、海外と比べましても、フランスの一二八%、アメリカ一二二%、ドイツ八四%、イギリス七〇%などで、食料輸入国のスイスで四九%、韓国の四七%よりも低く、日本の食料自給率は、先進国の中でも最低レベルに位置しております。また、世界の中で食料輸入金額のトップフォーは、日本、中国、ロシア、韓国と北東アジアに集中しております。これらのことについて、知事の所感をお伺いいたします。  また、本県の自給率はどの程度なのか。その数値について、知事はどのような所見をお持ちか、お伺いをいたします。  食料自給率低下の問題点につきまして。  食料確保は、国家の安全、エネルギーと並んで、国家存立の三本柱の一つであります。食料は、世界じゅうから幾らでも買えるという構想は楽観的過ぎます。先進国の中でも、日本を食料を自給できない国を想像できるか、いつも国際的圧力と危険にさらされていると皮肉っているのであります。自給率が低下することで、環境にもさまざまな損失をもたらすことが指摘されています。例えば米の関税が撤廃され、我が国の稲作が崩壊し、ほとんど輸入するとした場合には、日本の農地で循環可能な窒素は環境全体へ排出量が増加し、過剰な窒素は地下水を汚染し、人間の健康に悪影響を及ぼします。また、輸入米を日本でつくったら水がどれだけ必要かを示す数値のバーチャルウオーター−−仮想水は約二十二倍になります。米の輸入は、水不足が深刻な輸出国の水需要を逼迫させることになります。タイやアメリカでは、限られた水を有効に循環させて使っております。更に、食料輸入量に輸送距離を乗じた数値のフードマイレージの増加は、環境負荷も十倍になると言われております。大きいほど消費エネルギーがふえ、二酸化炭素の排出量が増加します。  地球温暖化が声高に叫ばれているとき、以上のようなことからも、我が国の食料自給率の向上は必要不可欠と考えますが、知事の所感をお伺いいたします。  食料自給率の向上対策について。  我が国の向上対策では、農産物貿易を自由化すれば強い農業が育つという意見もありますが、稲作などの土地利用型農業は、平均経営面積で、日本に対してアメリカは百三十倍、約二百ヘクタール、オーストラリアは二千六百倍、約四千ヘクタールであります。貿易の自由化は、日本農業の総力が備わる以前に壊滅的な打撃を受け、自給率は一二%まで下がるとの試算もあります。関税ではなく直接支払いとの意見もありますが、ゼロ関税のもとでその費用は毎年数兆円となり、現実性に問題があります。アメリカの農業補助金は年二兆円を超えていて、これも問題となっているところであります。  規制緩和を支持する次なる理由につきましては、自由貿易協定で仲よくなれば、日本で食料生産をしなくとも、オーストラリアが日本人の食料を守ってくれるというものであります。私たち日本人にとりまして、家族と地域と農業は、海外にとってかわることができないことを再認識すべきであります。食料は、自国を優先するのが当然で、不測の事態においての優先的供給を約束しても、その実効性は甚だ難しいと思うのが当然であります。  国は、経営所得安定対策で所得補償を導入しました。しかし、この交付金は継ぎはぎした程度で、担い手農家にとっては、そのプラス効果はほとんどありません。結論から言えば、私は、直接支払いなどの国の財政負担を考慮しながら、適切な関税水準の確保は譲れないと考えるものであります。また、福田新首相は、地方や農山漁村にも光を当てていくことを表明し、また、農水省幹部が、農政課題の取りまとめに御用聞き農政を取り入れるとしたところであります。このようなときだからこそ、疲弊した地方や農村の声をあらゆる機会をとらえて国に届けるべきと考えますが、このことについて知事の所見をお伺いいたします。  次に、米の概算金について。  本年産の概算金の単価が、六十キロ当たり一万二百円と決定されました。これまで出来秋に最終精算額に近い額を支払ってきましたが、全農では、本年産出来秋に低目の内金を支払い、売れ行きに応じて追加払いする方式を採用いたしました。基本的な金額を聞いて唖然として、あいた口がふさがりませんでした。六十キロ当たり七千円。以前の約三分の一であります。ただし、地域の実情に応じて加算できるとしたのであります。これに対し、各産地では、従来より金額が低過ぎて農家の生産意欲が減退する、生産費以下では生活ができないなど厳しい意見が相次ぎ、また、生産者の資金繰りが困難、共済や営農関連の支払いができないなどといった指摘も出され、加算する地域が多くなりました。東北、北陸は独自加算をし、概算金の額をほぼ一万円と定めました。本年度の概算金は内金プラス追加払い分ですので、あとは来年十二月の最終支払いとなります。しかし、過剰供給と販売競争が予想され、精算金は全く見当がつかない。あっても少額でしょうというJA関係者の話であります。  十七年決定の経営所得安定対策等大綱において、品目横断的経営安定対策、米政策改革推進対策、農地・水・環境保全向上対策の三本柱から成る戦後農政の大転換と銘打って本年度から本格導入された対策に、農業者は少なからずも期待を寄せていたのであります。しかし、三本柱のいずれの対策につきましても、現場からは制度の不備や不平、不満の声ばかりが聞こえていますが、本対策につきまして、本県の取り組み状況と問題点についてお伺いをいたします。  次に、米の需給調整につきまして。  米の生産調整は、平成十九年産から農業者、農業団体の主体的な需給調整システムに移行することにしておりました。  以前、一般質問でも取り上げましたように、生産調整の実施について、国、地方自治体のたがが外れたら、生産調整は確保されなくなるおそれがあるとの指摘をしたところですが、心配をしていたとおり、取り組みには地域間格差が見られ、全国的にも生産調整は確保されていない状況にあります。また、生産調整実施者から、無理して転作しているのに米が余っていると言われ、米価は下がる一方との不満が出されており、不公平感は増大するばかりであります。JAグループとしても、手に負えない状況というのが本音で、一たん総括をして、もはや継続できません、やはり国がやるべきことですという意思表示をしようかというところまで来ているのであります。  生産調整は、昭和四十五年から、国の施策において多くの関係者の涙ぐましい汗と努力の結晶によって、三十七年間にわたり継続されてきたものであります。行政の手を離れた途端、生産調整は崩れ、正直者がばかを見るようなことが、米価の下落とも相まって農村における社会問題ともなっております。そこで、生産調整の実施について、全国、東北各県、本県の状況についてお伺いをいたします。  また、問題を打開するための方策について、県としてどのようなことを考えているのか、知事の所見をお伺いいたします。  次に、水田農業について。  水田作農家、田畑八ヘクタールの農業所得は、近年の米価下落で大幅にダウンし、全国平均で、一戸当たり一九九五年の五百十三万から二〇〇五年には三百九十三万円と、百二十万円の減となっております。地方市町村での農業所得や公共事業の減少は、農村から都市への人口流出を生み、六十五歳以上の高齢者が集落人口の半数を超える限界集落もふえております。  夏目漱石の有名な言葉として、「草枕」の冒頭には、「知に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。」−−この後に続く一節は余り有名ではありませんが、「住みにくさが高じると、安い所へ引き越したくなる。どこへ越しても住みにくいと悟った時、詩が生れて、画ができる。」と続くのであります。今の農家の心境を一節に置きかえると、「生活ができる収入がないと悟ったとき、もう限界だと、投票用紙に書いてみた。」となるのであります。  高齢化、担い手不足、耕作放棄、農村が悪循環に陥っております。これに追い打ちをかけているのが米価の下落であります。  平成十八年産米生産費では、一ヘクタール未満の小規模経営では、経費を差し引けば利益は出ません。稲作を続けるために、生活費である微々たる年金の一部を農業費用に充てる農家がほとんどであります。新対策の担い手認定農家は四ヘクタール以上となっておりますが、作付規模五ヘクタール以上層の生産費調査でも、農業所得は二百三十六万円、これだけでは生活になりません。また、ことしの更なる米価下落は、生業としている大規模農家ほど甚大であります。  さて、このような状況のもとで、品目横断的経営安定対策に加入した本県の認定農業者二千三百二十三人、集落営農組織四百三十四団体に及ぼす影響は、想像以上の打撃との声もあります。担い手の育成は、絵にかいたもちになろうとしております。このような厳しい現状を県としてどのようにとらえ、どのような対策を講じていくべきと考えますか、知事の所見をお伺いいたします。  次に、大綱第二、行財政運営の課題とその対策についてであります。  初めに、行政運営の取り組みについて。  近年、自治体の厳しい財政の状況のもとで、自治体が自立し、行政サービスを保ち、住民のニーズに対処していくため、行政運営の見直しや住民との協働も大切な視点と思われます。また、職員みずからが創意工夫による施策を展開し、危機を打開していくことが求められております。予算がなければ事業ができないという概念を捨てて、職員みずからが汗をかき、知恵を出して、県民の求めるサービスにこたえていく取り組みも注目をされております。  長野県では、職員の人件費は最大の事業費と位置づけ、ゼロ予算事業を導入いたしました。職員からの提案をもとに、知恵と労力で事業を実施していくもので、毎年度百以上の事業に取り組んでおります。例えば、集落どこでも農声部実施事業、ハローワーク巡回心の健康相談事業など好評のようであります。二〇〇五年度以降、北海道、島根県など、そして本県においても取り組まれておりますが、その実施状況と特徴的なもの、成果の大きかった事業についてお伺いをいたします。  次に、事業の取り組みと職員の集中化についてであります。  地場産業の現場において、地域の目玉事業を振興しているとき、関係部署、関係機関はもちろんのこと、市町村などとも連携をとりながら指導に当たっており、各圏域ごとにその成果を上げているものが多数見受けられます。更に、今後、専門的な人材が必要としている場合、例えば普及センター、農業試験場、園芸センター、畜産試験場等の技術者を現場に勤務させ、持っているノウハウを大いに発揮してもらうことで、職員のモチベーションの向上、そしてその成果が期待できるのではないかと考えるものであります。  県の各専門機関は毎年職員数が減り、研究のための予算もあわせて減っており、思うような試験研究ができない場合もあると思われます。それよりも、現場で専門的技術者を必要としているのであれば、効果が大いに期待できるのではないでしょうか。一点突破、全面展開という言葉もあります。  岩手県や長野県では、地域振興等のため、市町村に職員を百名以上も派遣しています。また、青森県では、農林水産部内で総合販売課を設置し、職員三十五名全員、希望者を募って配置し、農林水産物の販売・流通を担当して成果を上げております。このような職員の配置についてぜひ実現を望むものでありますが、知事の所見をお伺いいたします。  次、県財政の健全化について。  昨年六月に、夕張市が財政再建団体への移行を余儀なくされ、全国的に夕張ショックが広まりました。財政の悪化は、九〇年代の不況や少子高齢化による税収の落ち込みに加え、景気対策に伴う事業拡大のツケが、自治体財政を窮屈なものにしております。更に、そこへ三位一体の改革による補助金や交付税の削減、新型交付税の導入等が追い打ちをかけ、自治体間や地域間の格差も大きく開き、三大都市圏のひとり勝ちとも言われております。  二〇〇六年版地方財政白書によりますと、地方債残高など借金の総額は推計二百一兆円余り、過去最高。経常収支比率も過去最高で九一・五%と、地方自治体の財政硬直化が一層進んでおります。本県の場合も、地方債残高は一兆三千億円余りとなりました。また、経常収支比率九三・六%は全国平均よりも高くなっており、財政構造の弾力性に乏しいと考えられます。本県の内容を分析して、今後、指数を下げていくために何をやらなければならないのかをお伺いいたします。  なお、経験的には、本県として何%程度が適当であるかをお聞きいたします。  また、公債費比率一三・一%、起債制限比率一一・九%、ともに改善をしてきていると思われますが、その理由と今後の目標値についてあわせてお伺いをいたします。  次に、発展税の導入について。  発展税については多くの議員諸兄が質問をされておりますが、次の点についてお伺いをいたします。  近年、森林環境税が平成十五年四月に高知県が導入して以来、本年度まで二十三県が実施し、更に平成二十年四月から福岡県が予定され、自主課税の流れからしてその議論が先にあるのではないかと思っていたところ、突如発展税導入の提案でありますが、知事に発展税導入を決断させた最大の理由、そして発展税が今後五年後、六年後にどのような形で日の目を見るのか、知事が想像する物語をお聞かせください。  財源不足の対応について。  本県では、平成十七年度策定の行財政改革プログラム及び新・財政再建推進プログラムにより、地方主権型社会と財政危機克服に向けてその推進を図っておりますが、現在の財政状況は極めて深刻な状況にある。今後二カ年において、新・財政再建推進プログラムによる対策を行ったとしても、なお約百八十一億円もの財源不足が見込まれるとのことであります。財源不足を来すこととなったと思われる理由、そして、その対策と今後の見込みについて知事の所見をお伺いいたします。  最後に、地方税源の充実について。  ことし五月の全国知事会におきまして、地方消費税の充実を最優先に、地方税財源の確保を求める意見書をまとめられました。会議では、高齢化と人口減少の同時進行による都市と地方の格差拡大が指摘され、地方財源の充実に向けて、消費税五%のうち一%を自治体に配分している地方消費税の拡充を国が最優先で取り組むべきということで一致を見たところでございます。また、同日に、村井知事を含む全国の四十歳代の知事五人が、地方自治の重要課題について政策提言するためのグループを立ち上げ、地方分権社会の活発な動きの中で、政府へタイムリーな提言を目指すことと報道がございました。  以上、知事会で採択された意見書について、知事の所感と、若手知事による政策集団から力強い提言に期待を寄せるものであります。知事が考えている国への具体的提言とはどのようなものかを、あわせてお伺いをいたします。  以上で、壇上からの一般質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。 ○議長(高橋長偉君) 知事村井嘉浩君。     〔知事 村井嘉浩君登壇〕 ◎知事(村井嘉浩君) 長谷川洋一議員の一般質問にお答えをいたします。大綱二点ございました。  まず初めに、大綱一点目、持続可能な農業の確立についての御質問にお答えをいたします。  初めに、食料自給率の現状についてのお尋ねにお答えをいたします。  昨年度の国内食料自給率は、カロリーベースで三九%となっており、食料・農業・農村基本計画で定めている、食料自給率四五%の達成を目指し取り組んでいる我が国にとっては、食料安全保障上、憂慮すべき数値と考えております。また、中国、ロシアを含む北東アジア地域において農産物の輸入額が増加していることは、これらの国々の著しい経済発展に伴う食生活の変化等による食料需要の増大が原因であると認識しております。こうした状況は、地球温暖化や穀物のエネルギー利用が進む中で、食料の多くを輸入に依存している我が国にとっては、極めて厳しい状況にあるものと受けとめております。  次に、我が県の食料自給率についてでありますが、農林水産省の試算では、平成十七年度の宮城県の自給率は、カロリーベースで七八%、全国第十位となっております。これは、全国平均と比べ高い数値となっておりますが、その要因は、我が県が米の主産県であるという農業生産の特徴があらわれたものと理解をしております。  今後は、野菜や飼料作物等の生産拡大を図るなど、バランスのとれた農業生産構造に誘導していくことが必要であると考えております。  次に、地球的規模の環境保全等の観点での食料自給率向上の重要性についての御質問にお答えをいたします。  世界の穀物需給については、人口増加や開発途上国の経済発展などに伴い、穀物等の需要増大が見込まれる一方、生産は水資源の不足や地球温暖化など、多くの不安定要因を抱えております。また、アメリカを初めとする世界的な燃料用エタノール需要の拡大は、世界の食料需給に大きな影響を及ぼす可能性が指摘されております。このようなことから、食料や飼料の大部分を海外に依存している我が国において、環境への負荷軽減の見地からも、安定的な食料の供給確保に向けた食料・農業政策の展開が必要であると認識しております。このため、県といたしましては、優良農地の確保や農業の担い手の育成確保などにより食料供給力の強化に努めるほか、食育の推進、地産地消の推進により、消費者の県産農産物への理解と信頼を高めるなど、生産、消費の両面から、関係者が一体となって自給率向上に取り組んでまいりたいと考えております。  次に、食料自給率向上対策について、疲弊した地方や農村の声を、あらゆる機会をとらえて国に届けるべきとの御質問にお答えをいたします。  食料自給率の向上を図るためには、農産物を安定的に供給できる農業構造を確立するほか、議員御指摘のとおり、適切な関税水準を確保することが、我が国の農業・農村を守っていく上でも、極めて重要なことだと認識をしております。こうしたことから、我が国の食料安全保障や自給率の向上を確保するという観点から、昨年十二月には、北海道・東北地方知事会として、日豪EPA交渉における農業分野での適切な国際規律の確立について緊急提言を行ったほか、ことし六月には、平成二十年度の国の施策予算に関する提案要望活動の中で、直接、私から、農業者の構造改革への取り組み努力をむだにしないよう、農林水産省を初め関係省庁に対し強く要望してまいりました。  県といたしましては、WTO農業交渉やEPA交渉はこれからが正念場でありますので、大変厳しい状況に置かれている生産現場の声が反映されますよう、市町村や関係団体等との連携を密にしながら、国に対しあらゆる機会を通じ、要望、提案してまいりたいと考えております。
     次に、ことしの更なる米価下落が担い手に及ぼす厳しい現状をどうとらえ、どんな対策を講じていくのかという御質問にお答えをいたします。  議員御指摘のとおり、米価等の下落により、平成十七年の農家一戸当たりの農業粗収益は、全国的に見ても十年前と比較して約五%減少しており、一方、農業経営費は約九%増加しております。米価の下落は大規模な稲作農家ほどその影響は大きく、また、多くの農家の生産意欲の減退を招き、米を基幹とする我が県の農業全体にも大きな影響を及ぼすものと危惧をしているところであります。食生活の変化や国内人口が減少に転じたことなど、米の消費量の減少傾向は今後も続くものと見られることから、産地間競争は更に激化し、市場原理がますます大きく作用するものと考えております。  このようなことから、水田農業の担い手を育成するため、より効率的で計画的な米づくりができるよう農地の利用集積を加速化するほか、消費者重視、市場重視のいわゆるマーケットインの視点で、家庭用、業務用などの多彩な売れる米づくりや、加工を取り入れたアグリビジネスの展開などを積極的に進めてまいります。  また、品質の高い麦、大豆、畜産における自給飼料作物及び収益性の高い園芸作物の生産を積極的に推進するなど、水田の高度利用や経営の複合化により、農業収入の向上と経営の安定が図られるよう、総合的に支援してまいります。  次に、大綱二点目、行財政運営の課題とその対策についての御質問にお答えをいたします。  まず初めに、環境税ではなく、発展税を決断させた最大の理由は何かとの御質問にお答えをいたします。  昨年度設置した税制研究会から、課税自主権に基づく新税制案として、(仮称)みやぎ環境税と(仮称)みやぎ発展税の二つが報告され、庁内において具体的な導入の可能性を検討してまいりました。その結果、(仮称)みやぎ環境税については、現段階では引き続き検討することが必要であると判断したものであり、みやぎ発展税については、富県宮城を一日でも早く着実に実現するため、企業の設備投資が活発化しているこの機を逃すことなく、企業誘致や中小企業の競争力強化、人材の育成など、積極的に産業振興施策を展開することが必要であると確信し、今回、導入を決断したものであります。  次に、五、六年後に発展税がどのような形で日の目を見ると思うかとの御質問にお答えをいたします。  みやぎ発展税による税収は、富県宮城の実現に向けて、産業振興施策を重点的に展開することや、近い将来発生が確実視されている宮城県沖地震の被害最小化施策を加速するために活用いたします。これにより、県内経済の活性化による取引の増加、関連産業への波及効果、新規雇用や雇用所得の増加、消費の拡大等さまざまな効果が相当程度発生するものと確信しており、そのような成果をしっかりと上げてまいる所存でございます。  次に、全国知事会で、地方消費税の充実を最優先に地方税財源の確保を求める意見書をまとめたがどうかとの御質問にお答えをいたします。  御案内のとおり、いわゆる三位一体改革の名のもとに、国から地方へ三兆円の税源移譲がなされたものの、その一方で、地方交付税が五・一兆円もの大幅削減されたことにより、一部の自治体を除いて地方公共団体の財政状況は極めて厳しいものとなっております。また、大都市圏を中心とした景気回復に伴う法人二税等の増収もあって地域間の税収格差が広がり、大都市と地方都市の財政力の格差は拡大傾向にあります。三位一体改革を経て、今後進められるべき第二次地方分権改革においては、このような現実を踏まえ、地方税財源の充実と偏在性の少ない地方税制の構築を図ることが、極めて重要な課題となっております。全国知事会においても、これらの視点から、偏在性の少ない地方消費税の充実を最優先に、地方税財源の確保を求める意見書をまとめたものと認識をしております。  私といたしましても、このような認識のもと、今後とも地方の力を結集して、その実現に取り組んでいかなければならないものと考えております。  次に、五県知事会議についての御質問にお答えをいたします。  五県知事会議は、山形県、鳥取県、徳島県、佐賀県、そして私の、四十代の若手知事五人が、地方分権改革の今後の進め方や地域間格差是正のための制度のあり方などについて、お互いに忌憚のない議論を交わし、意見がまとまったものについては積極的に国に提言、発信しようという趣旨で、この五月にスタートしたものであります。今までの議論におきましては、地方税財政制度について話し合う中で、いわゆるふるさと納税制度について、住民みずからの意思で納税先を選択できる制度の導入を図るため、五県知事会議として独自の案をまとめ七月の全国知事会で説明するとともに、先日、私が増田総務大臣にお会いした際に、五県知事を代表して、その実現に向けて提案を行ってまいりました。  今後とも、五県知事会議としてさまざまな課題について議論を行い、積極的に国に政策提案をしてまいりたいと考えております。  私からは、以上でございます。 ○議長(高橋長偉君) 総務部長三浦俊一君。     〔総務部長 三浦俊一君登壇〕 ◎総務部長(三浦俊一君) 私から、大綱二点目、行財政運営の課題とその対策についてのうち、経常収支比率を今後下げていくための対策と、どの程度の比率が妥当かとの御質問にお答えいたします。  経常収支比率を引き下げ、財政構造の弾力性を確保するためには、三位一体改革以降、税源移譲等により、算定上分母となる経常一般財源が増加傾向にある現状においても、分子となる、例えば義務的経費の人件費、公債費、そして補助費等を極力抑制する必要があります。そのため、本県においては、定員管理計画に基づく職員総数の削減などによる人件費総額の抑制、新発債の発行額の縮小や既発債の借りかえ等による公債費の縮減、補助金の整理合理化などによる補助費等の削減に、今後とも引き続き取り組んでまいります。なお、妥当な比率のレベルにつきましては、国に呼応して、経済対策を開始した前後数年間の七〇%から八〇%が一つの目安になるものと考えられます。  次に、公債費比率、起債制限比率の改善理由と今後の目標値についての御質問にお答えします。  両比率とも、比率の算定上、分子となる公債費が既発債の元利償還のピークの経過により減少したことに加え、分母となる標準税収入額等が税源移譲等により増加したことにより改善したものであります。また、今後の目標値につきましては、財政構造の更なる硬直化につながらないよう、少なくとも現行水準の維持に努めてまいります。  次に、財源不足を来すことになった理由と対策、今後の見込みについてはどうかとの御質問にお答えいたします。  本県の財政状況が危機的状況に陥っている原因は、歳入面では、三位一体改革の名のもとに、平成十六年度に地方交付税とその振りかわりである臨時財政対策債が大幅に削減され、現在までその水準が維持されてきたこと、歳出面では、国の経済対策に伴う公債費の増加に加え、高齢化の進展に伴う老人医療給付費等の社会保障関係経費が増加傾向にあることが大きく影響しているものと考えております。このため、歳入面では、地方税の偏在是正や地方交付税の機能維持等、地方一般財源総額の充実強化について、また、歳出面では、社会保障関係経費の財源は国が一定程度責任を持って確保すべきことについて、全国知事会と地方六団体と連携のもと、国に対し強く訴えてまいりたいと考えております。  また、財源不足の今後の見込みですが、平成二十、二十一年度の二年間で見込まれる百八十一億円は、今年度の法人二税の伸び悩みにより、税収が予算計上額を大幅に下回るため、今後更に拡大することが懸念されます。このため、プログラムに掲げた対策の着実な推進に加え、県債の活用等の更なる歳入確保対策、時間外勤務手当の適正化や補助金の執行凍結等の更なる歳出抑制対策を年度後半から確実に実施しなければならない差し迫った状況が継続するものと考えております。  私からは、以上でございます。 ○議長(高橋長偉君) 企画部長小林伸一君。     〔企画部長 小林伸一君登壇〕 ◎企画部長(小林伸一君) 大綱二点目、行財政運営の課題とその対策についての御質問のうち、ゼロ予算事業の実施状況と特徴的な事業についてのお尋ねにお答えをいたします。  県では、行政が有している調整力や信用力、県の財産や情報、人材などを活用することにより、予算を伴わない取り組みによっても行政目的の実現を図ることが可能であるとの認識のもと、非予算的手法、いわゆるゼロ予算事業に取り組んでおります。平成十七年度におきましては百二十八件、平成十八年度におきましては百四件の取り組みを実施いたしておりまして、平成十九年度には百八十四件実施することにしております。  具体的な事例といたしましては、首都圏の有名ホテルなどと連携し、食材王国みやぎをPRする「みやぎブランド首都圏浸透プロジェクト」、それから、基本的な生活習慣の定着によって元気な児童生徒を育成する、「はやね・はやおき・あさごはん推奨運動」などが特徴ある全国に誇れる取り組みではないかと認識をいたしております。  以上でございます。 ○議長(高橋長偉君) 農林水産部長伊東則夫君。     〔農林水産部長 伊東則夫君登壇〕 ◎農林水産部長(伊東則夫君) まず初めに、大綱一点目、持続可能な農業の確立についての御質問のうち、経営所得安定対策に係る三つの対策についての御質問にお答えいたします。  まず、品目横断的経営安定対策については、農業関係機関とともに対象者を明確化しながら、制度の周知徹底を図ってまいりました。その結果、認定農業者や集落営農組織が大幅に増加し、麦、大豆については作付面積のほぼ一〇〇%、米については約三〇%が加入する状況となっております。  現場から示されている課題としては、麦作経営安定資金の立てかえ払いがなくなったことによる運転資金不足、申請に係る書類の量や手続回数が多いことなどが挙げられております。  次に、米政策改革推進対策については、県としては、これまで同様、積極的に地域水田農業推進協議会を支援し、生産調整を推進してきております。課題としては、生産調整に取り組まない農業者が増加していることから、生産者間で不公平感が生まれている点が挙げられております。  次に、農地・水・環境保全向上対策については、地元説明会や担当者会議を通じて制度の周知に努めた結果、共同活動への支援は四万三千八百八十五ヘクタール、また、営農活動への支援は四千三百十ヘクタールとなっております。課題としては、運営に係る事務処理の煩雑さなどが挙げられております。県といたしましては、今後も生産者の声を十分聞きながら、それぞれの課題についてきめ細かく対処してまいります。  次に、米の生産調整についての御質問にお答えいたします。  今年度の生産調整実施状況については、農林水産省からまだ公表されていないことから、昨年度の数字で見ますと全国の作況指数が九六になり、実質的には過剰米の発生はありませんでしたが、仮に平年作であれば、過剰作付により目標数量に対して全国では四・四%、東北では五・四%、宮城県では一・一%の過剰米が発生すると見込まれております。この結果から見ますと、我が県の生産調整の取り組みや全国及び東北の中でもトップクラスの達成状況となっております。県といたしましては、今年度の生産調整の計画達成が一部地域で厳しい状況にあることから、来年度の生産調整に向けて、市町村、農協などで構成している地域水田農業推進協議会を通じて、更に十分な理解が得られるよう協力を要請したいと考えております。  また、国に対しては、各県の取り組み状況について格差がある状況を踏まえ、現行対策における需給調整システムの実効性を確保しつつ、我が県のように生産調整を着実に実施している県に対して、その努力が目標数量の配分等に反映されるよう引き続き要望してまいります。  次に、大綱二点目、行財政運営の課題とその対策についての御質問のうち、地域産業の現場等への専門的技術職員の配置についての御質問にお答えいたします。  試験研究機関においては、現在、地域におけるニーズの収集、掘り起こしを行い、共同研究や技術支援などを通じて、研究成果の地域産業への着実な技術移転に努めております。例えば、処理が課題となっていた杉間伐材を利用した防護さくや、ハタケシメジ「みやぎLD1号・2号」などを民間企業との共同研究により開発したところであります。  このように、きめ細かく地域産業のニーズにこたえていくことが重要と考えておりますので、今後とも、試験研究機関の職員には、地域の現場へ積極的に赴かせ、技術指導や商品開発支援などに努めさせたいと考えております。  私からは、以上でございます。 ○議長(高橋長偉君) 三十番長谷川洋一君。 ◆三十番(長谷川洋一君) 御答弁ありがとうございました。  何点か再質問をさせていただきます。  初めに、地方分権ということが言われている中で、今回の農政の大転換、これが例えば品目横断、こういうものの申請が国なんですね。あるいは農地・水・環境についても、国が主導して四千四百円を決めて市町村、県によこすという状況です。やはり時代の流れからすれば、逆行した流れではないかなということで、これが現場を知らない国、農林水産省の問題になっているのではないかなというふうに思うんですが、その点、知事はどういうふうに考えますでしょうか。 ○議長(高橋長偉君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 地方分権を進めるという観点から見れば、そういう切り口で見れば、国から一方的な方法を示され、それに従わざるを得なかったということに対していかがかという考え方があるのも納得できるわけですが、しかし、やはり国際競争力をつけて農政の体質を大きく変えていくという視点に立ちましたならば、やはりある程度大きな力が働かなければここまでできなかったろうなという思いもございますので、そういった意味では、やはり一番大切なことは、農業に携わっている皆さんが、将来、喜んでいただく方向にするということであろうかと思いますので、こういう形で進んでいる以上は、もう後ろに戻ることなく前に更に進んでいく必要があるのではないかと、このように考えております。 ○議長(高橋長偉君) 三十番長谷川洋一君。 ◆三十番(長谷川洋一君) 力強く、私は国なりに進言してもらいたいなということなんですよ。というのは、今お話ししたように、現場はかなりもう低迷状態、米の値段もかなり下がってきているということでありまして、いずれにしても、現場のことをよくわからない。ですから、今度、農水省の幹部が地方に出て、そして御用聞き農政をやるということは、全く今までやってきたことが理解されていないなというふうに思うんですよ。その辺を更に私は力強く国に通していただきたいというふうに考えます。その点についてお願いします。 ○議長(高橋長偉君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 現場の声を国に届ける、これはもう我々にとって非常に重要なことだというふうに認識しておりますので、農家の皆さんのこの悲痛な叫びをしっかりと届けるようにしてまいりたいと思っております。  今後も東北農政局の方と私が直接お話しする機会もあるということでありますので、そういった機会をぜひともとらえて、しっかりと伝えていきたいと、このように考えております。 ○議長(高橋長偉君) 三十番長谷川洋一君。 ◆三十番(長谷川洋一君) 国にいろんな仕事が、県の今までやったことが国に行ってしまうことによって、県のいわゆる担当部局でいろんな現場の生の声を把握し切れていないというふうに私は考えているわけです。ぜひその辺、現場として部長さんあたりは、例えば品目横断あるいは農地・水・環境、今いろいろお話をいただきましたが、詳しい問題点があるというふうに私はとらえていますが、おおよそ部長さんとして、現場の悩みをどのように深刻にとらえているのか、まずお聞かせください。 ○議長(高橋長偉君) 農林水産部長伊東則夫君。 ◎農林水産部長(伊東則夫君) 今年度から始まりました経営所得安定対策の大綱に基づく三つの対策ということで、問題、課題について先ほどお話し申し上げました。  細かく申し上げますと、品目横断につきましては、先ほど申し上げましたとおり、集落営農組織の運転資金の不足、あるいは、そもそも事務処理の煩雑さという課題の声をお聞きいたしますので、まず、今後とも、制度資金の周知あるいは利用促進を図りながら、書類の作成等の細かな支援も行っていきたいと思っております。  農地・水・環境保全対策についてでありますが、これも同じように今年度からスタートしたと。初年度ということもございまして、運営に係る事務処理の膨大さといいますか煩雑さという声を聞くわけでございます。研修会あるいは意見交換会、農地・水・環境保全向上対策、地域の推進協議会と連携しまして、きめ細かな指導助言を行っていきたいと思っております。  米政策改革推進対策でございますが、いわゆる米の生産調整でございます。これは、生産過剰による米価の急激な低下を防ぐと、あるいは担い手の経営安定を図るためには必要不可欠と考えてございます。やはり生産調整に取り組む農家、取り組まない農家、この不公平感が生産者間で非常に大きいというふうに受けとめております。引き続き、生産調整の達成に向けて、地域水田農業推進協議会を通じまして、その制度のメリット、その辺の内容の理解が得られますように、これからも協力を要請してまいりたいと考えております。 ○議長(高橋長偉君) 三十番長谷川洋一君。 ◆三十番(長谷川洋一君) 米価下落も、今いろんな問題はあるわけですけれども、大きな生産調整、いわゆる転作を未達という状況、宮城県も未達なんですね。でも、上位からすれば、やっている方だという表現をいただきましたが、そのことの認識について私は非常に甘いと思うんですが、その点について再度お伺いします。 ○議長(高橋長偉君) 農林水産部長伊東則夫君。 ◎農林水産部長(伊東則夫君) 全国あるいは東北の生産調整の取り組みの数量、先ほど申し上げましたが、今年度、生産調整の仕組みがJA主体に変わったということもございます。水田農業推進協議会の県の会長が知事であるということでございますので、引き続き、県としても積極的に支援については取り組んでいきたいと思っております。 ○議長(高橋長偉君) 三十番長谷川洋一君。 ◆三十番(長谷川洋一君) 生産調整が一つ問題。それから、今、国の制度の中でいわゆる備蓄米、あるいは外国産のMA米、それから転作で言う加工米、いろんな制度がごっちゃになっているんですね。更に、生産調整が未達。ことしは通常の、作況九九です。ですから、一定の量がとれると。今のところ全国で、七万ヘクタールからの転作していない面積の米が出回るということで安さを導いてくるわけですね。ですから、そういうもろもろの制度一つ一つに問題があるわけですが、その辺、制度的なものをしっかりと現場の声を国に届けてもらうということがやはり一つ必要だろうというふうに思います。生産調整もしっかりやってもらう。ペナルティーがない。ですから、まじめに転作した人は他用途米、加工米で二袋、六十キロ四千四百円で出している。片方の人は転作をしないで米出したら一万二百円。全く同じ米が、まじめにやった人がばかを見るというようなことで、これらについても真剣に考えてもらわなければならないなというふうに思います。  次に、農地・水・環境ですが、ことし宮城県は、四万四千ヘクタール弱やっていますが、これは当初予算計画に対して、どの程度なんでしょう。 ○議長(高橋長偉君) 農林水産部長伊東則夫君。 ◎農林水産部長(伊東則夫君) 年度当初に予定した面積にほぼ近い数値となっております。 ○議長(高橋長偉君) 三十番長谷川洋一君。 ◆三十番(長谷川洋一君) 全国的に国は二百万ヘクタール予定しているんですが、今のところ、全国取りまとめ百十万ヘクタール。要するに、かなりの枠があるので二十年度も取り組んでほしいという話があるんですが、そのことにつきまして、県はどのように考えておりますか。 ○議長(高橋長偉君) 農林水産部長伊東則夫君。 ◎農林水産部長(伊東則夫君) 農地・水・環境保全の来年度以降の取り組みについてのお話でございます。  前に本議会等でもお答えしてございますが、これまでの経過ございまして、まず一階部分の共同活動が前提になるわけでございますが、この一階部分については、五年以上の協定締結が前提ということで今年度から一斉スタートしたわけでございます。このことにつきましては、昨年度来計画策定、市町村とも連携を図りながら、各共同組織を支援してまいったところでございます。そして、本年四月に地域協議会を設立しまして、関係市町と緊密な連携のもとに、活動組織の採択申請がことし八月まで可能であるという趣旨を徹底しております。活動組織への事務処理等の研修会等を開催しながら、市、町を通じまして、採択申請をしていなかった組織への働きかけも行ってまいりました。集落での合意形成に至らなかったという理由で、今年度、新たな採択申請を行った活動組織は結果としてありませんでした。したがいまして、来年度、一階部分の新規採択については行わないという方針には変わりございません。二階部分の営農活動の支援につきましては、当初十九年度はモデル的に行うという予定でございましたが、市町村からの昨年度秋以降、一階部分の共同活動と一体的に実施してほしいという要望が強く出されたことから、本年度から本格的な実施に至ったということでございます。  こういう経過を含めまして、本県の財政状況を考えた場合、新規採択ということは難しいと考えております。 ○議長(高橋長偉君) 三十番長谷川洋一君。 ◆三十番(長谷川洋一君) この点については国の要望なんかもしていたんですが、交付税措置につきましてはどうなっているか、今把握しておりますか。 ○議長(高橋長偉君) 農林水産部長伊東則夫君。 ◎農林水産部長(伊東則夫君) 一応、地方財政措置につきましては、地方負担分について普通交付税で二分の一、残りの部分について特別交付税で、都道府県には五割、市町村には七割を措置するという仕組みになっておるということであります。 ○議長(高橋長偉君) 三十番長谷川洋一君。 ◆三十番(長谷川洋一君) 大分、国の方でも考慮したと思うんですよ、厳しい財政を考えまして。そういう点からすると、東北各県の中でも宮城県のこの面積、必ずしも多いわけじゃないんですよ。更にことしの米価下落を考えると、いわゆるこれで二階部分まで対応すると、十アール一万円ぐらいになるんです。ですから、農家にとってはすごい救いの事業だなというふうに私は考えているので、再度新規採択を希望される−−ただ、各担当者というか地域では、事務処理が非常に面倒だという情報が流れてしまいまして、手をおろしたところがいっぱいあるわけです。そのことを再度考えていただいて、二十年度採択に向けて対応するよう検討していただきたいということですが、いかがでしょう、知事。 ○議長(高橋長偉君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) これは今部長から答弁いたしましたとおり、五年というお約束でスタートいたしました。したがって、五年間でしっかりとまず検証していかなければならないというふうに考えてございますので、新規採択についてはかなり難しいというふうに思っております。また、事務処理が非常に煩雑であるという声も確かに届いておりますが、これ国からのお金も入っております、我々のお金も入っている、市町村からのお金も入っているということでありますので、当然、会計検査の対象にもなります。したがって、しっかりとしたお金の使われ方がしているかどうかということを検証しなければいけませんので、どうしても書類がふえてしまうということも御理解をいただきたいというふうに思います。ただ、そのようなお手間をかけているということについては、国の方にもしっかりとお伝えをしてまいりたいというふうに思います。 ○議長(高橋長偉君) 三十番長谷川洋一君。 ◆三十番(長谷川洋一君) 難しいという話ですが、ことしの米価下落を、県は本当に深刻な状況としてとらえていないんですね、全く。農家が非常に苦しい状態を何で救うのかということが議論されていないというふうに思うんですが、再度いろんな面で御回答をお願いします。 ○議長(高橋長偉君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 農地・水・環境保全向上対策を米価下落の補てんのための施策ではないというふうに認識をしておりまして、やはり環境を維持し、そして良質な作物をつくっていただくための制度だということでございますので、集落営農に誘導していくという施策でございますので、そういった視点から考えまして、ちょっと米価下落の補てん策という形で考えるべきではないというふうに私どもは認識をしております。 ○議長(高橋長偉君) 三十番長谷川洋一君。 ◆三十番(長谷川洋一君) 平成の初めに米の生産二千億、去年が九百億、ことしの米価下落で八百億、私は切ると思うんです。一千数百億ですよ、これが減ってきている。手をこまねいて、じゃ見ているのかということで、県として私はできること、園芸振興、畜産振興あるだろうと思うんですが、その辺の対応について考えるべきところがあるんですが、再度お願いします。 ○議長(高橋長偉君) 農林水産部長伊東則夫君。 ◎農林水産部長(伊東則夫君) 先ほど知事からも、農業の複合化によりまして担い手の経営安定を図られるように支援してまいるというお答えを申し上げております。複合経営推進に活用できるような助成措置といたしまして、県単独の市町村総合振興補助金もございますし、県の強い農業づくり交付金等がございます。市町村総合振興補助金には、麦、米、飼料作物あるいは園芸作物の導入に利用できるメニューもございますので、この辺の周知方を今後図っていきたいと思っております。 ○議長(高橋長偉君) 三十番長谷川洋一君。 ◆三十番(長谷川洋一君) メニューも多いんですけれども、額が小さい、今は。要するに、十年前百万あったもの、例えばですよ、今、毎年シーリングで下げられてきていて、実際末端にいくとき小さいものになっていると。要するに、例えば一つのことをやるにも課が三つにまたがる。いわゆる事業も三本立てになっていると。こういうものが私は問題だと思うんです。生産、指導、流通、それを一本化した形で、例えば青森のように部署を一本化して、予算もスクラップ、スクラップ、スクラップ、三つスクラップしてビルドするんですよ、一本。そういうような補助要綱をつくるべきではないかなと。そうでなかったら、もう今、一町歩未満の宮城県の農家、六万戸のうち四万戸です。これがほとんどもうけがありません。私は今回の米価下落で大変な状況になると思うんですよ。それを救っていくということは、やはり県としてできることが私はあるんだろうというふうに思います。職員の配置についても、私はもっと積極的に現場に配置すべき−−岩手県、長野県は実際やっているわけです。青森県もやっているんです。そのことについて再度お願いします。 ○議長(高橋長偉君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 今、先ほどの質問でもよく聞かせていただきました。先進県のそういったすばらしい事例がございますので、我々もぜひ参考にさせていただきまして、柔軟に対応させていただきたいというふうに思います。 ○議長(高橋長偉君) 三十番長谷川洋一君。
    ◆三十番(長谷川洋一君) いっぱいあるんですが、以上で終わります。 ○議長(高橋長偉君) 一番菅原敏秋君。     〔一番 菅原敏秋君登壇〕 ◆一番(菅原敏秋君) この四月の統一地方選挙で県議会に初めての議席をいただきました改革みやぎの菅原敏秋でございます。新人議員にもかかわらず、会派の皆様方の御配慮により、宮城県議会議員として、初めてこの九月定例会で一般質問の機会をいただきましたことを心から感謝を申し上げます。また、村井知事初め執行部の皆様には、新人議員に免じて御懇切なる御答弁をいただきたく、よろしくお願いを申し上げます。  それでは、通告に従いまして、順次質問をしてまいります。  まず、みやぎ発展税についてお尋ねをいたします。  本件については、これまで、先輩議員の方々も既に質問をされており、重複する部分もあるかと存じますが、本県の将来にとって極めて重要な問題であると認識しているところから、あえて質問をさせていただきます。  このたびのみやぎ発展税による超過課税により、税収の見込み額を単年度約三十億円、当面の課税期間五年間における税収見込み額を約百五十億円と想定し、この増税額の使途を、県は、富県宮城の実現に向けた産業振興の充実と、宮城県沖地震の発生に備えた防災体制の整備などのほか、工場誘致促進を図るとのことであります。  そこで、知事にお尋ねいたします。  知事は、県職員に対する就任あいさつの中で、創造こそがこの四年間の県政運営のキーワードですと訓辞しておりますが、このたびのみやぎ発展税がその第一弾ということであれば、残る任期の中で、富県宮城という目的に向かって、二の矢、三の矢はいかなるものを創造し、放とうとしておられるのか、お伺いをいたします。  また、知事は、多くの県民の皆様方が今日の生活を払拭し、確かなあすへの保障をいかに県政に強く求めているか、それを実現するための県政への思い、期待を強く肌身で感じましたと話されておりますが、このたびのみやぎ発展税が果たしてその期待にこたえるものであるのか、いささか疑問に思うのでありますが、知事はどのように認識されておられるのか、お伺いをいたします。  更に、知事は、このみやぎ発展税の導入によって、公約として掲げた県内総生産額十兆円は産業連関表による試算でいつごろ達成すると県民に約束をしようとしているのか、お伺いいたします。  次に、総務部長にお尋ねいたします。  平成十八年度の実績で、超過課税対象法人は八千七十八社とのことでありますが、その中には、社員の賃金カット、ボーナスの廃止などの経営努力で過去の赤字から脱却し、所得金額がようやく四千万円を超えたばかりの企業も超過課税の対象となるのでしょうか。  また、宮城県では、生活保護世帯が平成九年の六千六百八十六世帯から、十九年までの十年間に二倍以上の一万三千七百六十六世帯にふえるなど、県民生活が非常に困窮している現状にかんがみるとき、県がこれまで実施してきた県職員の人件費抑制などの行政改革が的確に行われてきたと、果たしてそのことが県民に評価されているのか、甚だ疑問なのであります。このことは、県職員の給与額と国家公務員の給与額を比較する指数であるラスパイレス指数が、さきの先輩議員が述べましたけれども、宮城県は、東京都、静岡県に次いで全国第三位であることからも推察されるのであります。  ちなみに、このラスパイレス指数の全国都道府県平均は九九・二となっており、総務省は、地方公務員の給与については、各地方公共団体の努力により、全体としては、適正化が進展していますが、まだ一部の自治体で給与制度の運用などに問題が残されていますと、今後とも適正化に向けての一層の努力を求めていますが、本県は、そうした指導を受けているのではありませんか。また、その指導に対してどのような適正化対策をとろうとしているのか、お尋ねいたします。  更に、平成十八年度には、一般行政職職員の三〇・八%が六カ月か又は十二カ月の昇給期間を短縮されていますが、人事委員会規則上、特別昇給による昇給期間の短縮が認められているのは一五%と規定されているはずであります。県は、財政力指数が全国の第十五位であるにもかかわらず、給与水準が全国第三位という中にあって、給与費の増加につながる昇給期間の短縮などは行うべきではなく、むしろ昇給延長による給与費の抑制を行うべきと思いますが、なぜこのような運用をなされたのか、お伺いをいたします。  再び知事にお伺いをいたします。  知事は、総人件費の抑制を実施してきたと胸を張っておられましたが、未曾有の緊迫した財政状況の中で、このように国や大部分の県より高い指数にある本県の給与水準の実態や、給与制度の不適正と思われる運用の実態があるにもかかわらず、企業や県民に犠牲を強いることになるおそれのあるみやぎ発展税を導入することが、企業や県民に理解されるものとお考えなのでしょうか。  また、今後、県職員の給与水準の適正化にどのような方針で臨まれようとしているのか、お伺いをいたします。  次に、人事委員会委員長にお尋ねいたします。  まず、本県の給与水準が全国第三位であることを人事委員会はどのように認識されているのか、御所見をお伺いいたします。  次に、昨年の県職員の給与に関する人事委員会勧告の中で、宮城県を除く全都道府県が既に実施している給与構造改革について、十九年度から国に準じた改革を実施をするとしていますが、本県は、なぜ全国都道府県の最後に実施することになったのでしょうか、お伺いをいたします。  また、この給与構造改革の内容はどのようなもので、その改革による効果が本県の給与水準の適正化にどのように反映されるのか、お伺いをいたします。  更に、その給与構造改革の内容が、みやぎ発展税の導入を目前にして、企業や県民にどう評価されるものとなるのか、御所見をお伺いをいたします。  次に、経済商工観光部長にお尋ねをいたします。  このみやぎ発展税による企業集積促進策は、第二仙台北部工業団地への自動車産業を中心とした企業誘致を図ることを重点にしているもののようでありますが、県内の他の地域との新たな格差が生ずるおそれがあると思うのであります。県は、こうしたひずみにどのような対応を考えておられるのでしょうか。  また、東北地方に工場の立地を考えている企業は、みやぎ発展税による優遇策を受けたとしても、後々に、みやぎ発展税による超過課税の対象となるのであれば、岩手県や福島県に立地した方がよいという判断になるのではないでしょうか。それとも、これらの企業は、将来とも超過課税対象外となるのでしょうか、お伺いをいたします。  次に、地方分権への県民意識の高揚方策と、政策人材の育成についてお尋ねいたします。  二十一世紀にふさわしい地方自治体の構築を目指した平成の大合併が推進され、本県においても、県北地域を中心に市町村合併が行われ、県民も、広域行政の成果やいかにと、期待を寄せられております。これと軌を一にして、地方分権の議論もあわせて展開され、地方分権改革推進法の施行とも相まって、制度上は、一応、国、都道府県、市町村が法的に対等になったとはいえ、県民の間には、市町村合併ほど関心が高まっていると言えない状況にあるのではないでしょうか。この広域行政と地方分権は、まさに卵が先か鶏が先かの論のごとく、さまざまな機会や場所で語られていますが、その割には、県民にその本質がどれほど理解されているのか、甚だ心もとないのであります。特に、今日盛んに論議されている地方分権についてですが、これは皆さんも御案内のとおり、これまでの国の画一的な指示によって行われてきた地方行政の流れを、地方自治体が住民意識の変化に応じて、みずからの判断と責任で実施できるように変えようとする理念に基づいたものと認識しているところであります。私は、今日の国際化時代への対応や生活重視の観点から、政府の機能を鈍化し、地方自治体へ更に一層大幅な財源と権限の移譲を行うべきであると考えているところであります。ところが、この必然的な方向にあるはずの地方分権がこれほど論議されているにもかかわらず、県民の関心が今一つ盛り上がりに欠けているのではないかと感じられるのは、私だけでしょうか。  地方分権改革については、ことし四月に発足した政府の地方分権改革推進委員会などで論議されているとはいえ、中央省庁がその権限や関与の維持、財源の移譲に極めて消極的な姿勢にも原因があるものと思われますが、やはり地方分権の必要性について、県民の意識の向上や県民の理解を深め、支持の広がりを図ることも重要ではないかと思うのであります。地方分権の推進について、広く県民の支持を得るためには、宮城県政は、今まさにこれだけのよい仕事をしているのであるから、更に権限と財源を与えられれば、もっと県民の生活を改善されますよということを強く語りかけていくことが重要であると思われます。そのためには、まず県が行っている事務事業について、更に県民の理解を深めることではないでしょうか。無論、県はこれまで、いろいろな広報・広聴活動を村井知事が先頭に立って実施されているものと拝察しております。その努力に、敬意をあらわすものでありますが、本当に県行政と県民の距離は近づいているのでしょうか。もっと県の行政が県民自身のものであることを実感させる必要があるのではないでしょうか。  また、分権論議の中で重要なことは、県行政の施策や事業を厳しく選別するとともに、その施策・評価を新たな政策立案に結びつけるなど、住民に税金が有効に使われていることをわかりやすく提示していくことではないかと思われるのであります。  よい県政が行われていることを県民に理性で納得していただくためには、入居希望者が多数待機している養護老人ホームの建設を促進をするとか、体の不自由な人や高齢者、子供が交通事故の危険にさらされている日常生活道路を改善するというような身近な問題を適時適切に解決していくことのほか、長期的な施策においても、税金が最も大事なところに使われていくということを県民にきちんと示すことが、県民の理解と信頼を一層高めることにつながるのではないかと思うのであります。  次に、今日の自治体経営が未曾有の難問山積しているとき、国から離れて自主自立の、そして独自の工夫による地域活力を創造するためには、時代の変遷や環境の変化を先取りした自治体ビジョンを打ち立てて、戦略的に実現していく人材を早急に育成し、地方分権の受け皿を構築することが喫緊の課題であると認識しているところであります。  そこで、知事に対してお伺いいたします。  まず、今後、県政に対する県民の信頼を高め、地方分権の論議を盛り上げ、県民意識の高揚を図るために、どのような理念に立って政策を選別し、広報・広聴活動を展開しようとしているのか、その基本的な考え方をお伺いをいたします。  次に、地方分権の推進に重要な政策立案を担当する人材の育成をどのように展開されようとしているのか、基本方針をお伺いをいたします。  次に、さきの平成大合併の際に、住民の合意が調わず合併が実現しなかった県南地域の市町村について、今後の自治体運営の指導をどのように推進していくのか、お尋ねいたします。  御案内のとおり、首相の諮問機関であります第二十七次地方制度調査会の論議の中で、財政力が弱く地方分権の受け皿となりにくい小規模自治体の業務、権限の縮小論が交わされていたとのことでありますが、今後このような議論は、先般の合併に至らなかった市町村の行財政運営の行き詰まりが顕著になった時点で、蒸し返されるおそれがあるのではないでしょうか。  そこで、知事にお伺いをいたします。  知事は、こうした基礎自治体としての責務を負うことが困難となることが想定されている県南市町村の今後の自立対策や合併論議をどのように指導されようとしているのか、その基本姿勢をお伺いをいたします。  次に、民間ユネスコ運動六十年の評価と今後の活動支援策についてお尋ねをいたします。  皆さんの御承知のとおり、ユネスコは、国際連合教育科学文化機関の英文名の略称であり、第二次世界大戦が終わった昭和二十年に、人類が二度と戦争の惨禍を繰り返さないようにとの願いを込めて、国際連合の専門機関として創設され、日本は、昭和二十六年に六十番目の加盟国となりましたが、これは日本が国際連合に加入が認められる五年も前のことでありました。そのきっかけとなったのが、仙台に世界で初めて誕生した仙台ユネスコ協力会であったことは、意外と知られていないのであります。仙台発祥のこの民間ユネスコ運動が全国に波及して、一大運動に盛り上がって政府や国会を動かし、ユネスコ加盟の機運を高めていったとのことであります。  仙台が戦後の荒廃と混乱の中にあった昭和二十一年十一月に、戦争は、人の心の中で生まれるものであるから、人の心の中に平和のとりでを築かなければならないという憲章を掲げてユネスコが誕生したという報道に接した仙台市民の心に共鳴し、行動を起こさせ、仙台ユネスコ協力会を発足させたのは、ニュースに出会ってから一年もたたない昭和二十二年七月十九日でした。これこそが世界で最初の民間ユネスコ運動の誕生だったのであります。  世界で最初に民間ユネスコ運動をスタートさせた仙台ユネスコ協力会は、ユネスコにあてて、戦争を拒絶し平和を守り立てる運動は、国家の指導者や少数の人々にゆだねることなく、心に平和のとりでを固めた人々によって広く進められるべきとメッセージを送りました。この手紙は、戦争直後で紙がないため障子紙に書かれていましたが、世界じゅうで大きな反響を呼び起こし、第二回ユネスコ総会で、日本の民間ユネスコ運動が紹介され、後々、平和を愛する民主国家として再建の途にある日本が、国際社会に復帰する原動力になったのであります。  自来、今日まで仙台ユネスコ協力会は、仙台ユネスコ協会、社団法人仙台ユネスコ協会と組織を充実発展させ、日本のみならず世界の民間ユネスコ運動の先頭に立って、ユネスコの理念を宮城県民の中に浸透させていくため、地域に根差した自発的なユネスコ運動を展開してきたのでありますが、ことしの七月十九日でちょうど満六十年、人間でいえば還暦を迎えたのであります。社団法人仙台ユネスコ協会がこの六十年もの間にいろいろな活動を行ってきた中で、最も特筆されるべきことは、青少年の健全育成のため、国際サマースクールを五十年間も開催してきたことであります。この間、およそ七千名もの子供たちが巣立ち、宮城県内はもとより、全国で活躍する有為な人材として育ったのであります。また、宮城県在住の外国人留学生の生活をサポートするため、県民や企業などから提供された生活日用品を無料で配布するなど、本県における国際協力の草分けとして、有識者の間で高く評価されているとのことであります。  そこで、まず知事にお伺いいたします。  知事は、このユネスコ協会の県内組織である宮城県ユネスコ連絡協議会の名誉会長を引き受けておられ、ユネスコ活動には積極的な支援を行っているとのことでありますが、これまでの六十年にわたる社団法人仙台ユネスコ協会の宮城県における青少年の健全育成や国際交流の草分け的な活動をどのように評価されているのか、その所感をお聞かせいただきたいと思います。  また、宮城県内のユネスコ協会はわずか四協会のみで、岩手県の二十二協会、福島県の八協会に比べて余りにも少ないのでありますが、今後、宮城県において、ユネスコ活動を広範囲に展開するためにも、すべて市単位ぐらいにはユネスコ協会の組織化が必要と思うのであります。私は、この点について、県の教育委員会が市町村教育委員会を積極的に指導を行うべきでないかと思うのであります。特に、岩手県では、県内ユネスコ協会の連合組織の会長に現職の教育委員長が就任し、先頭に立ってユネスコ活動を行うとともに、県内ユネスコ活動の指導育成に努めているとのことであります。  そこで、教育長にお尋ねいたします。  ユネスコに関する法律第四条には、地方公共団体は、ユネスコ活動を支援又は指導助言することと記載をされていることからも、県教育委員会として、市町村教育委員会に対し、その責務をどのように果たしていくべきであると考えておられるのか、御所見をお伺いをいたします。  次に、平泉の文化遺産の世界遺産登録に関することについてお尋ねをいたします。  九月二十八日に、宮城県が文化庁に松島を世界遺産としてユネスコの暫定リストへの掲載を求めましたが、今回はさきに通告をいたしました平泉の文化遺産についてのみ質問させていただきます。  ユネスコは、地球の生成と人類の歴史によって生み出され、過去から引き継がれた顕著で普遍的な価値のある文化遺産や自然遺産を未来に守り伝えていくための国際協力の枠組みをつくり、世界各国に世界遺産条約の締結や世界遺産の保護を呼びかけています。我が国でも、既に十四件の文化遺産、自然遺産が世界遺産として登録をされております。  政府は、昨年十二月に、平泉の世界遺産登録推薦書、「平泉―浄土思想を基調とする文化的景観」をユネスコに提出し、正式に受理されたとのことであります。お隣の岩手県は、今、来年の登録を目指し、朝野を挙げて環境整備に努めているとのことであります。  平泉の文化遺産については、皆様御承知のとおり、伊達政宗公が手厚い保護を加えられ、政宗公が植えさせたと伝えられているあの月見坂の杉並木などが、「平泉―浄土思想を基調とする文化的景観」の重要な遺産となっているのであります。隣県にある平泉であっても、もし来年世界遺産に登録された場合には、宮城県にとりましてもはかり知れない影響があるものと推察されるのであります。  そこで、知事にお伺いをいたします。  宮城県として、松島を世界遺産としてユネスコの暫定リストの掲載を求めた今、平泉の世界遺産登録への支援活動や登録後の対応についてどのような方針で臨まれようとしているのか、御所見をお伺いをいたします。  以上で、終わります。  ありがとうございました。 ○議長(高橋長偉君) 知事村井嘉浩君。     〔知事 村井嘉浩君登壇〕 ◎知事(村井嘉浩君) 菅原敏秋議員の一般質問にお答えをいたします。大綱五点ございました。  まず初めに、大綱一点目、みやぎ発展税についての御質問にお答えをいたします。  初めに、みやぎ発展税に続く富県宮城に向けた二の矢、三の矢についてどうかとの御質問にお答えをいたします。  私は、宮城の将来ビジョンの中で、経済のグローバル化や少子高齢化の急速な進行など、大きな転機を迎えた社会変化に的確に対応しつつ、すべての県民が希望を持って安心して生活ができる地域づくりを進めていくため、将来の宮城のあるべき姿や目標を県民の方々と共有し、その実現に向けて県が重点的に取り組むべき施策を明らかにしました。その中で、政策推進の第一の柱に富県宮城の実現を掲げ、低迷している県内総生産を十年後には十兆円にすることを最優先の目標として、県政の運営に当たっております。今回のみやぎ発展税は、この十兆円の達成をより確かなものにするため導入を決断したものであり、二の矢、三の矢はどんなものかとの御指摘ではありますが、当面はこの財源を有効に活用し、立地奨励金の引き上げや、県内中小企業の技術力向上などによる産業集積、地域資源を活用した地域産業や観光の振興など、県内総生産十兆円達成に向け、全精力を傾けていくことに専念したいと考えております。  次に、みやぎ発展税は、多くの県民が求める県政への強い期待にこたえるものなのかとの御質問にお答えをいたします。  みやぎ発展税は、本県経済を活性化し、県外からの企業誘致と県内企業の更なる技術高度化や取引の拡大を促すことによって、富県宮城を着実に実現することを最大の目的とし、導入しようとするものであります。これにより、しっかりとした経済基盤の構築と産業経済の安定的な成長を図り、創出される富の循環によって、福祉や教育、環境、社会資本整備などの取り組みを着実に推進することにより、県民一人一人が幸福を実感し、安心して暮らせる宮城を一日でも早くつくりたいと考えており、私といたしましては、みやぎ発展税の導入による効果は、多くの県民の県政への思いと一致し、県民の強い期待にこたえるものであると確信をしております。  次に、みやぎ発展税の導入による県内総生産額十兆円の達成時期についての御質問にお答えをいたします。  今回導入しようとしているみやぎ発展税は、その税収の大部分を企業集積促進、中小企業技術高度化支援、人づくり支援、地域産業振興促進など、製造業を中心とした産業振興施策に充てようとするものであります。これらの施策を実施した場合には、企業誘致や地元の企業の競争力強化などにつながり、地域内での新たな需要が掘り起こされるとともに、県内外の需要を取り込んだ製品の出荷額の増加など、我が県にとり、経済の高循環がもたらされるものと確信しております。しかしながら、みやぎ発展税の実際の経済波及効果と県内総生産十兆円の関連については、立地企業の規模や業種、また、既存企業の技術力向上、受注機会の増加などによる生産拡大の波及効果が予測できないことなどから、目標としている十兆円がいつごろ達成されるかを現時点で県民の方々にお示しすることは、大変困難であると思います。  いずれにいたしましても、経済波及効果の大きい製造業の集積促進や、地域外の需要を取り込む観光関連産業の振興など、みやぎ発展税の導入による積極的な施策の展開により、十兆円の達成がより確実になるものと考えております。  次に、過去の赤字から脱却し、所得金額が四千万円を超えたばかりの企業も超過課税の対象となるのかという御質問にお答えをいたします。  みやぎ発展税の導入に当たっては、中小企業の税負担能力に配慮し、資本金の額又は出資金の額が一億円以下の法人で、かつ、所得金額が年四千万円以下の法人については、超過課税の対象から除く不均一課税を実施することといたしました。不均一課税の適用については、税という性質上、法人個々の個別的事情を考慮して行うことは適当でないため、御指摘のようなさまざまな経営努力により、所得金額が年四千万円を超えることとなった企業についても超過課税の対象とせざるを得ないものでありますが、県といたしましては、いただいた税がそのような企業の血のにじむような努力の結果であることを認識し、本県経済活性化に向けた富県宮城の実現の取り組みをしっかりと進めてまいりたいと考えておりますので、どうか御理解をお願いをいたします。  次に、県職員の高い給与水準や不適正と思われる運用実態から、みやぎ発展税の導入が企業や県民に理解されるのかとの御質問にお答えをいたします。  本県の給与水準については、人事委員会勧告に基づいたものであり、民間給与を反映したものであると考えております。また、運用についても、条例及び人事委員会規則にのっとり実施しているものであり、適正なものと認識をしております。  ラスパイレス指数が平成十八年四月一日現在で全国第三位となったことについては、本県の給与削減措置が平成十七年度をもって終了したことや、給与構造改革の導入が国及び他都道府県より一年おくれたこと、また、二十道府県が財政健全化のため、給与削減措置を実施していたことなどが要因であると考えております。  なお、本県におきましては、平成十二年度の第四十七位など、他県に先駆けた給与削減や定数削減を実施し、総人件費抑制に努めてきたことを御理解をいただきたいと思います。  次に、県職員の給与水準の適正化に向けた方針についての御質問についてでありますが、現在の運用については不適正なものはないと考えておりますが、今後とも、国や他の都道府県の状況や動向を把握及び分析し、適正な給与制度の維持に向け取り組んでまいります。  職員給与についてはこのような実態でありますので、機会あるごとに説明を行い、新税導入についての理解が得られるよう努めてまいります。  次に、大綱二点目、地方分権への県民意識の高揚方策についての御質問にお答えをいたします。  初めに、どんな理念に立って施策を選別し、広報・広聴活動を展開するのかという御質問にお答えをいたします。  本年四月から、いわゆる第二期地方分権改革が本格的にスタートいたしました。来るべき分権型社会にあっては、自己決定、自己責任による行財政運営がますます強く求められることになります。限られた行政資源を有効活用するためには、より選択集中型の県政運営が必要になると認識しており、その際、何より納税者である県民の視点に立ち、施策を選別していきたいと考えております。  また、地方分権改革の今後の議論のあり方といたしましては、県や議会にとどまらず、広く県民の皆様とともに繰り広げていくことが何より重要であることは、議員お話しのとおりであります。このため、分権改革の意義や重要性について今後も積極的に情報提供を行っていくとともに、県民の県政参加の機会拡大に努め、さまざまな主体との連携共同体制を構築しながら、県政を推進してまいります。  こうした取り組みを重ねることで、地方分権への県民の理解をより深めていきたいと考えております。  次に、人材育成についての御質問にお答えをいたします。  地方分権が進む社会において、県は、政策を創造的に企画、立案、遂行し、県民に満足度の高いサービスを提供することが求められております。本県では、平成十八年三月に、みやぎ人財育成基本方針を策定し、地方分権の推進に対応できる職員の人材育成に取り組んでいるところであります。その中では、既存概念や前例にとらわれず、常に問題意識を持ち、政策力を身につけた県行政のプロフェッショナルとして行動する職員をしっかりと育成することとしております。基本方針に基づいて、人事・研修制度全般を育成の視点で見直しし、能力開発とキャリア形成の双方を追求する人材マネジメントの推進等を通じて、県民のために、ふるさと宮城の幸せのために積極果敢に問題解決に取り組み、創造性豊かで自律的に行動する職員の育成を目指してまいります。  次に、大綱三点目、住民の合意が整わず、合併が実現しなかった県南地域の市町村について、今後の自治体運営の指導をどのように推進していくのかについての御質問にお答えいたします。  人口規模の小さい市町村においては、人口減少率や高齢化率が高くなる傾向にございまして、行財政運営は、今後ますます厳しい状況に追い込まれていくことが予想されているところであります。市町村が自立したまちづくりを進めるためには、何よりも行財政基盤の確立が必要であり、まずは徹底した行財政改革が求められるほか、住民の方々にわかりやすく情報を開示し、行政と住民が一体となって、地域の将来について真摯に考えることが必要であると考えております。そのため、集中改革プランの着実な実施や行政情報の積極的な公表等について、県から助言を行っているところであります。  旧合併特例法下で合併に至らなかった県南地域につきましては、昨年、角田、大河原、村田、柴田の一市三町において、市議会、町議会議員が中心となり県南中核都市実現の会が結成され、合併に向けた活動が進められております。本年八月四日には、実現の会主催による一市三町合併研究集会が開催され、私自身、出席させていただいたところであります。このほか、昨年来、出前講座を四回実施したほか、県作成のパンフレットを商工会など関係団体にも直接お持ちし、地域での議論喚起や機運醸成に努めているところであります。もとより、地域の将来は地域みずからが主体的に考え決めるべきものでありますので、県は、そのために必要な情報提供や助言を今後とも行ってまいりますとともに、合併に向けた動きが具体的となった市町村につきましては、その実現に向けて、可能な限り支援をしてまいります。  次に、大綱四点目、民間ユネスコ運動六十年の評価と今後の活動支援策についての御質問のうち、私からは、仙台ユネスコ協会の活動の評価についてのお尋ねにお答えをいたします。  仙台ユネスコ協会は、議員お話しのとおり、昭和二十二年、その前身である仙台ユネスコ協力会として発足し、民間組織として世界に先駆け誕生して以来、六十年の長きにわたり、さまざまな活動を展開してまいりました。その歴史的意義はもとより、国際サマースクールや留学生国際交流フェスティバルなどの国際交流や、青少年の健全育成に関する取り組みなど、ユネスコ憲章の実現に向けた着実な活動を続けており、高く評価しております。また、更に、県内のユネスコ協会で構成する宮城県ユネスコ連絡協議会の事務局としての役割も担っており、民間ユネスコ運動の牽引役として、今後ますます発展されることを期待をしております。  次に、大綱五点目、平泉の文化遺産を世界遺産に登録する運動についての御質問にお答えをいたします。  まず、支援活動についてお答えをいたします。  岩手県の平泉が世界遺産に登録され、これまでよりも多くの人が平泉を訪れるようになりますと、平泉に近い我が県に与える経済効果などは相当大きいものと期待しております。平泉につきましては、これまでも情報交換をしてまいりましたが、今後も連携を密にして、宮城県としてできる限りの協力をしてまいりたいと考えております。  次に、登録後の対応についての御質問にお答えをいたします。  これまでも、観光などにおいて広域連携を進めており、平成二十年秋に宮城を中心に行われるデスティネーションキャンペーンでは、瑞巌寺や中尊寺などを巡る四寺廻廊といった観光ルートを作成しております。  今後とも、お互いの相乗効果が期待できることから、平泉とは共同での新たな情報発信や観光モデルルートづくりなどを通じ、更に連携を深めていきたいと考えております。  私からは、以上でございます。 ○議長(高橋長偉君) 総務部長三浦俊一君。     〔総務部長 三浦俊一君登壇〕
    ◎総務部長(三浦俊一君) まず、私から、大綱一点目、みやぎ発展税についての御質問のうち、初めに、給与制度の運用等に関しての国からの指導状況とその対応についての御質問にお答えいたします。  本県の給与制度全体に関しては、国から指摘を受けている事実はありませんが、国と比較し、一ランク上位となっている初任給基準については個別に指導を受けているところであります。この初任給基準については、平成二年の人事委員会規則の改正により、仙台市と同程度に引き上げを行ったものであります。その結果、現在の初任給基準の金額は、仙台市の初任給基準及び県人事委員会が調査した民間企業の初任給基準とほぼ均衡が図られたものとなっており、優秀な職員採用のためには必要な措置であることを御理解願います。  次に、特別昇給の運用実績についての御質問にお答えいたします。  特別昇給定数は、人事委員会規則において、職員定数の一五%を超えない範囲内での実施とされておりますが、これは、昇給短縮期間を十二カ月とした場合の規定でございます。特別昇給については、勤務成績に応じてきめ細かい運用とするため、人事委員会の承認を得て六カ月の昇給短縮期間に換算し、三〇%を超えない範囲内での実施としているところであります。そして、その換算後の割合で、平成十七年度における一般行政職の特別昇給者の割合は三〇・八%となりますが、全職種の合計では二九・三%であり、人事委員会規則の規定にのっとったものであり、不適正なものではないと考えてございます。  私からは、以上でございます。 ○議長(高橋長偉君) 経済商工観光部長若生正博君。     〔経済商工観光部長 若生正博君登壇〕 ◎経済商工観光部長(若生正博君) まず初めに、大綱一点目、みやぎ発展税の御質問のうち、仙台第二北部工業団地と県内の他地域との新たな格差が生ずるおそれと、また、こうしたひずみへの対応策についての御質問にお答えいたします。  県では、交通アクセスに恵まれ、工業用水や電力など、立地環境インフラの充実している第二仙台北部工業団地に、産業のすそ野の広い自動車産業や付加価値の高い高度電子機械産業のうち、比較的大規模な企業の立地を想定しております。このことは、これらの企業を核といたしまして、県内に広く分布しております約百六十社の自動車関連や約三十五社の高度電子関連等既存中小企業等との取引拡大を図りまして、発注企業と地元企業とによる重層的な産業集積と県土の均衡ある発展を目指すことにございます。しかしながら、発注側である誘致企業からは、厳しい品質、コスト、納期などが求められることから、地元企業の技術力の高度化や経営基盤の強化、育成等を図っているところでございます。また、これらの業種に加えまして、地域特性や実情に合った食品製造業などの誘致にも力を入れているところでございます。  今後、これらの取り組みを通じまして、県内の新たな格差を生むことのないよう、努めてまいりたいと考えてございます。  次に、みやぎ発展税による超過課税の対象となるのであれば、他県に立地した方がよいと判断すると思うがどうかとの御質問にお答えいたします。  東北地方への工場立地を検討している企業の中には、他県と比べ、超過課税による負担感を感じる企業があるかもしれません。しかし、この超過課税で生み出された財源は、そのほとんどを製造業の振興や産業基盤の震災対策などに充てることにしてございます。当然、進出してくる企業も課税要件に該当すれば超過課税の対象となりますが、これらの企業にとりましての具体的なメリットを申し上げますと、まず、企業集積促進策といたしましては、立地の際の奨励金拡大に加えまして、立地後の新増設に係る奨励金についても拡充されること、また、中小企業技術高度化支援策といたしましては、立地企業が中小企業であればその支援が受けられますとともに、大企業でございますれば、結果的にいわゆる地元調達率の向上につながるということが期待できます。また、人づくり対策といたしましては、企業ニーズに即した人材確保が一層容易になりますとともに、企業みずからが行う従業員研修への支援などのメニューも検討しております。また、このような取り組みを通しまして、県全体としてみれば、企業集積等に伴う経済活性化により、取引や消費の拡大が期待できますことから、進出してくる企業にとりましても、超過課税による負担感は十分に解消できる内容であると考えております。更に、これらの施策と相まって、立地に際しての優遇税制も検討してございますので、仮にみやぎ発展税に負担感を抱く企業がありましても、十分に御説明を尽くせば御理解を得られるものと考えております。  私からは、以上でございます。 ○議長(高橋長偉君) 教育長佐々木義昭君。     〔教育長 佐々木義昭君登壇〕 ◎教育長(佐々木義昭君) 大綱四点目、民間ユネスコ運動六十年の評価と今後の活動支援策についての御質問のうち、ユネスコ活動に対する県として果たすべき責務についてのお尋ねにお答えをいたします。  民間ユネスコ協会は、ユネスコの理念、目標に沿って、地域で独自の活動を行っている非政府組織であり、現在、県内には四つの協会がございます。各協会では、発足以来、地域の方々の地道で自発的な取り組みにより、青少年の健全育成や国際交流の分野で着実な成果を上げております。このようなことから、民間ユネスコ運動に対する支援は、自主的・自発的を尊重することが基本であると考えております。したがいまして、県教育委員会といたしましては、市町村教育委員会とともに、ユネスコ運動についての積極的な情報提供等により、機運を高めていくことが大切な役割であると考えております。  なお、県内の民間ユネスコ協会で構成される宮城県ユネスコ連絡協議会については、これまで社会教育関係団体として支援を続けており、今年度におきましても、民間ユネスコ六十周年記念東北大会を県教育委員会の共催という形で支援してまいりました。  以上でございます。 ○議長(高橋長偉君) 人事委員会委員長石附成二君。     〔人事委員会委員長 石附成二君登壇〕 ◎人事委員会委員長(石附成二君) 大綱一点目、職員給与費等に関する御質問のうち、人事委員会関係分についてお答えいたします。  初めに、本県の給与水準に係る人事委員会の認識についてお答えいたします。  県人事委員会では、地方公務員法に定める給与決定の原則に従い、職員給与実態調査及び職種別民間給与実態調査の結果に基づき、県職員と民間企業従業員との給与額の格差を算出し、議会及び知事に勧告いたしております。したがいまして、職員の給与水準は、県内民間企業の給与水準を反映した適切なものであると認識しております。  給与水準が平成十八年四月一日現在におきまして全国第三位となったことについては、本県の給与削減措置が平成十七年度をもって終了したこと、一部の県では、財政上の理由から職員に対する給与削減措置を行っていること、更に、給与構造改革の導入による抑制効果が本県と比べ一年早くあらわれたことによるものと考えております。  次に、給与構造改革の実施が都道府県の中で最後になったことについてお答えいたします。  人事院勧告に準じて給与構造改革を実施した場合、給料表水準の引き下げと地域手当の新設を一体的に取り扱う必要がありますが、地域手当につきましては、仙台圏では市街地が連檐し生活圏が一体化していること、圏域を超える県職員の通勤が一般的となっていることなどから、国の基準をそのまま適用することが妥当か詳細な検討を行う必要がございました。また、勤務実績に基づく処遇についても、より客観的かつ公平、公正な評価制度を準備していくことが求められていること等の課題があることから、更に検討が必要であると判断したため、平成十七年度の人事委員会勧告には盛り込まなかったものであります。  次に、給与構造改革の内容等についての御質問にお答えします。  給与構造改革は、能率的な人事管理を推進するため、年功的な給与上昇要因を抑制した給与システムを構築し、職責や勤務実態に応じた適切な給与を確保するためのものであります。本県においては、本年四月から実施しておりますが、その具体的内容といたしましては、給料表水準の平均五・四%の引き下げと地域手当の新設、給与カーブのフラット化、勤務実績をより給料に反映しやすくするため、給料表号俸の四分割化などであります。これらの改革は、行財政改革の一環として、企業や県民に理解されているものと考えております。  以上でございます。 ○議長(高橋長偉君) 暫時休憩いたします。     午後零時七分休憩 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−     午後一時十六分再開 ○副議長(千葉達君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。  質疑、質問を継続いたします。五十七番菊地浩君。     〔五十七番 菊地 浩君登壇〕 ◆五十七番(菊地浩君) 私からは、通告しております大綱二点、教育問題と観光振興についてお伺いをいたします。  昨年十二月、教育基本法が戦後六十年ぶりに改正され、六月には、それに関係する教育関連三法、すなわち、教員免許法、学校教育法、地方教育行政法が改正をされました。法律が改正されれば、直ちに理想とする教育環境が整い、理想とする子供たちが育つわけではありません。しかし、教育の現状を見ると、子供たちの自殺、いじめ、殺人、不登校、学力低下などなど問題は山積し、数えれば枚挙にいとまがありません。国民の大半は、何らかの改革を求めていることも事実であります。子供たちが未来に夢を持てる学校環境、公教育の場を整備し、結果として、安全で安心して暮らせる活力ある平和な社会をどう構築していくか、これは人類にとって永遠のテーマでもあり、大いに議論すべきであろうと思います。  今回の改正は、安倍晋三前内閣が美しい国づくりをするために、モラルの低下など教育の荒廃に歯どめをかけ、グローバルな社会で力強く活躍する人材育成をするために再スタートを切らなければいけないという強い思いが強調され、成立をいたしました。しかし、この改革のモデルは、一九八八年、イギリスのサッチャー政権下で制定された教育改革法がモデルであると言われます。  では、イギリスの教育の現状はどうなっているのでしょうか。サッチャー首相のねらいはただ一つ、子供たちの学力向上にあったと思われます。当時、イギリスは、イギリス病の真っただ中にあり、経済不況の中でまちには失業者があふれ、若者には生気がなく、この停滞の原因は学力低下によると考えられ、教育改革を望む声が大きく、サッチャー首相は、国の活力と国際競争力を取り戻すために、市場原理を導入し、学校間の相互競争で学力向上を図る政策を打ち出しました。  その柱は、大別すると四項目からなり、一つは、全国共通カリキュラム(ナショナルカリキュラム)と統一学力テスト(ナショナルテスト)で、これまで統一されていなかったカリキュラムを五歳から十六歳まで、義務教育期間を四段階に分け学習の内容を定めるとともに、到達水準を設定、また、ナショナルテストは、これまでは十六歳の義務教育修了試験だけだったものを、各段階終了時の七歳、十一歳、十四歳を加え、四回行うことにいたしました。  二つ目は、統一テストの成績の順位−−リーグテーブルと言いますが、上位校から下位校までをすべて公表し、学校選択の情報として、また、学校予算は生徒数に応じて配分されるバウチャー制度を導入し、成績のよい人気校は、定員が満たされることから全額支給、不人気校は、定員割れとなる減員分は減額という制度に改めました。  三つ目は、自治の確立で、学校にアカウンタビリティー(説明責任)を負わせ、学校理事会に校長の任命権から教師の採用、予算、授業の進め方、教材選択など、すべて運営を任せます。理事会は、ナショナルテストの成績の向上のみに重点を置く施策をとることになりました。  四つ目が、学校査察機関の設置で、アカウンタビリティーの遂行は、国の機関によって厳しく査察され、成績が非常に悪い学校を失敗校と認定、二年以内に改善が見られない場合は閉鎖を命ずることができ、その査察結果も公表され、統一試験の結果とともに、親の学校選択の情報となるようなシステムを確立いたしました。  このように、市場原理導入による相互競争の中で学校運営が行われた結果、改革から二十年を経て、イギリスの公教育は、今、大きな転換期を迎えていると言われます。  サッチャー時代から一連の教育改革を引き継いだブレア首相は、就任時、政権の重要課題はという問いに対し、教育、教育、そして教育と述べたことはよく知られております。  言葉どおり、二〇〇七年には、就任時より予算も六百四十九億ポンド−−日本円に直しますと約十五兆ぐらいになりますが、日本の十九年度の文科省予算は五兆二千億円ですから約三倍、このように倍増され、校舎や教育施設の整備はもちろん、教員も増員され、小学校低学年の三十人学級の実現も可能にいたしました。その結果、十一歳児のナショナルテストで、二〇〇六年に、一九九七年と比較し飛躍的に向上したと政府の方は発表をいたしております。  しかし、一方では、競争原理を導入し、成績を公表した結果、優秀校に希望者が殺到、学校周辺の地価は三割も高騰し、下位校は低所得者、移民、難民の子供たちが残り、教育の階層格差を助長したというふうに言われております。ブレア政権では、千七百五十六校の小中学校が特別学校、特別に指導が必要な学校に指定され、うち、二百四十六校が閉校に追い込まれました。このため、学校現場は点数至上主義に走り、テストと無関係の科目は極端に減らす。また、授業開始時間を早め、昼休みも短縮し、テストの実施日には成績不振の生徒を故意に欠席させるなど不正事件も多発し、子供たちも、テストのストレスで食欲不振や睡眠障害が急増したとの報告もあります。  このように競争原理を導入した結果、ナショナルテストの成績目標を達成することが目的となり、真の学力向上が見失われたと言われております。この教育改革で、テストの知識は向上し、合格する能力を身につけましたが、思考力、表現力は低下し、真の学力向上のための授業方法を根本から変えるべきとの意見が強まり、その反省に立って、現在、ウェールズやスコットランドを中心にナショナルテストを廃止して、子供中心に置いた教育制度の再構築を始めております。特に、リーグテーブルの公表は、悪い学校を名指しで辱める教育体制に終止符を打つ、確実に敗者をつくることのないような不公正な教育体制は到底正当化できないなど大変厳しい批判が浴びせられ、イギリス全体が教育の再生を目指しているのが現状であります。すなわち、市場原理中心の新自由主義が教育になじまないのではないか、そのことを示唆しているのではないかというふうに私は思っております。  一方、サッチャー流教育改革と正反対の手法で子供の学力向上に成功した国がフィンランドだと言われております。  一九九〇年代前半は、二〇%を超える失業者がまちにあふれ、この経済危機を教育改革によって十年余りで世界一の学力水準を達成するとともに、人づくりによって経済の国際競争においても世界一の地位を獲得し、現在も継続している奇跡とも呼ばれる改革を行いました。この国は、OECDが実施した十五歳児の国際学力テスト(PISA)でトップクラスの成績を続け、学力世界一と言われております。  公教育を支えているのは、民族、性別、経済状況にかかわらず、すべての子供に平等に質の高い教育の機会を与えるという理念のもとで、移民でハンディのある子供には、定員十名の特別クラスで語学など基礎科目を指導し、一年後、一般クラスへ移動する。また、授業についていけないあるいは病気で学校を休みおくれている子供は、定員五名の特別補助クラスで授業を受け、担当教員の判断で一般クラスへ戻るなど、子供中心の手厚い支援体制が組まれており、もちろん統一テストなどはありません。  どのクラスも二十人前後に設定され、教師もすべて大学院修了者に限られ、質の高い教育指導を子供と教師が互いに信頼し合い行われており、特に教育費は義務教育から大学院まですべて無料、国が補償するというふうに言われております。フィンランドの教育から学ぶことの第一は、未来への希望をはぐくむ教育への確かな哲学、それに実行する高い意思だというふうに私は思います。どちらを選択するか、歴然です。しかし、小泉構造改革以来、日本の教育は地方に一部権限が移譲され、地方の自由度が大きくなり、義務教育で東京都の品川区を初め、全国市区町村の一五%前後が既に学校選択制を実施し、足立区では、学力テストの成績で各校の予算に差をつけることを提案し、まさにサッチャー改革のバウチャーを思わせる手法を取り入れようとしました。しかし、区教育委員会は、多くの反対で実施は困難と判断し、テストを基準とした予算配分はしないと提言を撤回いたしております。  折しも、本年より全国統一試験が始まりました。足立区では不正事件が報道され、競争原理を導入したイギリスの教育改革をほうふつをさせられた人も多かったことと思います。また、学校を客観的に評価する学校評価制は、学校を選ぶ前提条件でもあり、平成十六年で公立校の自己評価が九六%、外部評価が七八%で行われており、結果を公表しない学校が多数あるものの、学校選択制導入の前提条件は整っていると思われます。  このように、日本の教育は、まさにイギリス教育改革の後追いの様相を呈しておると言っても過言ではありません。  私は、持論として、義務教育は階層格差に左右されることのないようなフィンランド方式で、学校運営は地方の独自性を生かし各学校の裁量に任せるものの、国が責任を持って支援すべきだと考えております。  高等学校については義務教育ではなく、自由競争社会の中でたくましく生き抜くためにも、バウチャー制あるいはアメリカのチャータースクール制などを取り入れ、現在の各種専修学校も学校教育法の第一条校として認定し、選択肢の多い環境を整備すべきと考えております。  このような教育の現状を踏まえ、宮城の教育をどう進めていくのか、以下、質問をいたします。  一、相反するような観点でのイギリスとフィンランドの教育改革について、知事及び教育長はどう受けとめられているのか。また、私の持論についても感想をお聞かせください。あわせて、日本の教育改革の現状に対する御意見と、地方分権が進む中、宮城県のトップとしての教育のあり方、理念をお聞かせください。  二、高等学校の二十二年からの学区撤廃は、さきに話しましたように、私個人としては大賛成です。しかし、義務教育で選択制を行っている品川区や大分県豊後高田市などで見られるように、不人気校の生徒が急激に減少といった弊害が既に報告されております。学校の序列化や地域コミュニティーの崩壊につながるとも考えられます。本県での義務教育の選択制に関する基本的な考えと今後の対応についてお伺いをいたします。  三、本年度より小学六年と中学三年を対象にした全国統一テストが七十七億という巨費を投じて実施されました。しかし、愛知県犬山市の公立小中学校十四校と私立学校の四割が参加を見送りました。犬山市の教育長は、不参加について、独自の予算で教師を雇い、少人数授業などで学力を保障している。教育に市場原理を持ち込むことは無益で、競争やバウチャー制導入の参考資料とする意図が見えると批判をしております。本県では、四県統一テストを行ってまいりましたが、今後の対応と統一テスト結果が発表されれば、各県間の競争は必須と思われます。競争に対する考えと、教育現場での活用方法についてお聞かせをください。  このほか、以前のように知識偏重教育に戻ってしまうのでは、不登校児や特別支援児の必要な児童が学校間競争で見捨てられるのでは、管理が強まり教員の自主性が損なわれるのではなど、懸念する声も多数あります。これらに対する考えもあわせてお聞かせください。  四、教育再生会議で議論された教育バウチャー制度は、今回は先送りされるようですが、いずれ浮上してくるものと思われます。義務教育のバウチャー制度導入に対する考えと、アメリカのチャータースクールやそれに類似する公設民営方式が既に他県では検討されているところがあります。本県としてどうとらえ、また、検討されているかどうかもあわせてお伺いをいたします。  五、小中学校の学校評価制度で、外部評価、内部評価が行われておりますが、県内の実施率と、公表している学校の比率をお知らせください。これがすべて公表されれば、イギリスのリーグテーブル成績順位表と同じ意味を持つことになりかねません。県として、今後どのような方針で臨まれるのか、お示しください。  六、財政制度審議会は、二〇〇四年の全国公立小中学校五百二十七校を二百二十一校に統合した結果、約百七十億円の削減効果があったとして、今後更に統廃合を進め、教育費の削減に努めるべきと強調しております。また、地方教育費も二〇〇五年まで九年間連続で減少をしております。教育は、本来、個人の発育・発達に即して行われるべきであり、予算に左右されるものであってはなりません。県の予算も削減傾向にありますが、知事及び教育長のこの件に関する御意見と、今後の教育予算に関する方針についてお聞かせください。  七、昨年、高等学校での未履修問題が全国で約一割、五百四十校に上ることが発覚し、文部科学省は、例外規定で生徒救済策を打ち出すなど、大きな社会問題となりました。背景には、週五日制の授業時間不足が考えられ、ゆとり教育の見直しも議論をされております。実際、土曜スクールや土曜寺子屋などの名称で、実質的な授業を行うケースも広がりつつあります。本県の現状とゆとり教育に関する見解をお聞かせください。  八、フィンランドでは少人数学級で成果を上げ、アメリカでも少人数学級は学力の向上のみならず、行動面での問題も改善されるとの報告が見られます。フィンランドでは、塾はほぼ皆無と言われております。公教育の怠慢で乱塾時代があるとすれば、猛省しなければなりません。このことは、階層格差を助長していることでもあり、特に義務教育では、塾に頼らず、しっかり学べる学校環境の改善こそが望まれます。県としての考えと今後の対応についてお聞かせください。  このほかにも、教員研修制度、教育委員会のあり方、カリキュラム、教育格差など問題が山積しておりますが、今後の改革の推移を見ながら改めて議論したいと思います。  日本の教育は、子供を中心に据えた質の高いフィンランド型の制度に近づけるべきであり、現在の方向は間違いなくサッチャー教育改革に近づいていると思います。  教育基本法及び関連三法の改正は荒廃した教育の現状を改め、日本の未来を、日本の教育の未来を託せるものにしてほしいと期待をしております。人づくりなくして経済の発展も、公正、公平な社会の構築もできません。十分な議論の中で、子供たちが夢と希望を持って学べるシステムを宮城県から発信すべきだと思います。  本県の教育委員会の高邁な活動に期待をし、次の質問に移ります。  観光産業は、二十一世紀のリーディング産業として大いに期待されており、国でも、二〇〇三年から始まったビジット・ジャパン・キャンペーンでは、訪日外国人観光客が五百万人を十年までに一千万人へ倍増し、また、日本人の観光旅行による一人当たりの年間宿泊数を、二〇〇六年の二・七七泊から四泊にするなど、国土交通省は、具体的数値を挙げて観光立国推進基本計画をまとめました。しかし、この目標達成は現状を見る限り、大変厳しい状況にあると言われております。  我が宮城県でも、将来ビジョン行動計画で、平成十七年の観光客入り込み数を、二十一年までに約六十万人増の五千九百万人、宿泊観光客を約六十万人増の九百八十万人、都市と農村の交流人口を、二十二年までに約二百万人増の二千九百万人に、それぞれ二割から三割増を目標に掲げ、今後、三年間で総事業費六億三千六百万円を投じ、仙台・宮城デスティネーションキャンペーンを初め、外国人観光客の誘致活動やバリアフリー化、ユニバーサルデザイン、グリーンツーリズムなどを推進し、地域が潤う、訪れてよしの観光王国みやぎの実現を目指すとしております。しかし、宿泊観光客数を見ても、平成三年をピークに、ここ十年間は横ばい傾向にあり、魅力ある観光資源をどう全国に発信するか、既存の観光地の広報宣伝活動や誘致対策だけでは、到底目標達成は大変厳しい状況にあるのではないかというふうに思われます。しかし、宮城県には、まだまだすばらしい観光資源があり、積極的に開発整備し、誘客につなげることで目標達成を模索すべきではないでしょうか。私は、その埋もれた観光資源の一つに、二口街道を中心とする二口渓谷、大東岳周辺を整備し、山寺へ抜ける林道二口線を開通させることが大変有望な観光ルートになると考えております。  二口街道は、平安時代から江戸時代を中心に、明治の中ごろまで、仙台と山形を結ぶ最短の主要な街道として使われ、明治十五年、現在の国道四十八号線、関山越えの開通や昭和十二年の仙山線の開通によって、人々から忘れ去られるようになってしまいました。しかし、この街道は、古くは平安時代に松島の瑞巌寺の前身寺院を開山したと言われる慈覚大師円仁は、この街道を通って山寺へ出て立石寺を開山したと秋保町史に記されており、その途中にある仙台市若林区の陸奥国分寺や秋保湯元の泉明寺、大滝不動堂も円仁と大変深いかかわりのあることで知られております。特に、大滝不動堂は、山寺立石寺の奥の院というふうにも呼ばれております。  このように、山形と宮城県を結ぶロマンあふれる街道であり、街道沿いには秋保温泉、秋保大滝、二口温泉、姉妹滝、磐司岩、白糸の滝と続くすばらしい景勝地があり、晴れた日に山頂ゲート付近から一望する山形盆地、そして月山、湯殿山など、朝日連峰の景観はまさに圧巻、心が洗われるという気がいたします。  また、二口渓谷に伝わる磐司磐三郎と円仁の伝説は、宮城、山形県に共通するものであり、後世に大切に伝えていかなければならないと思います。慈覚大師円仁にまつわる寺院や伝説を一つの物語とする発想は、国で推奨する観光戦略にもマッチし、MYハーモニープランの観光交流にも大きな成果を生むものと考えます。  林道二口線は、昭和四十二年、秋保、山寺両住民の長年の要望で、青森、秋田県の両営林局長、宮城県知事、山形県知事の四者により、地域開発や沿線国有林の管理経営の万全を期すことを目的に二口林道開設に関する覚書を締結し、山形では、これに沿って山形県側総延長八千九百六十三メートルを、昭和四十三年から平成十八年まで国庫補助を含め十二億三千万円余を投じて改良、全線舗装工事を完成しております。  一方、宮城県側は、総延長一万五十六メートルを昭和四十二年から四十八年まで、八億五千万円をかけ一部舗装、砂利道で昭和四十六年から平成十六年まで相互交通可能な整備がなされており、平成十六年の十月一日の調査では、一日五百五十台の車両の利用があったという報告があります。その後、大雨による土砂崩れなどにより、危険を理由に、宮城県で県境と白糸の滝付近にゲートを設置、通行禁止としてからは、荒れ放題、歩行でも困難な状況にあります。山形県では、この林道の開通を強く要望しており、本県としてもいつまでも放置していることはできません。観光ルートとして再考してみる必要があると思い、以下、質問をさせていただきます。  一、林道二口線の四者による合意書をどう認識しているのか。また、閉鎖について山形県にどう説明し、どのような回答を得ているのか、お聞きかせください。  二、地元秋保温泉初め各町内会の皆さんも、地域活性化のためにも、また、多くの方々にすばらしい景観を見ていただくためにも林道の早期開通を願っており、観光振興のための陳情書も提出される予定になっております。林道の管理は、現在、県の所管であり、管理の状況と今後の整備の方針についてお知らせください。  三、私は、慈覚大師円仁の偉大な足跡を後世に伝えるためにも、MYハーモニープランに示されている両県の交流をテーマとするモデル事業の一つとして取り上げることは国の新観光戦略にもマッチし、支援を受けることも可能ではないかと考えております。また、国交省が支援を検討している日本風景街道の対象にもなり得るのではないかとも思います。九州各県の代表者による九州物語委員会と同じような両県の観光資源に特化した委員会を立ち上げ検討すべきと思いますが、いかがでしょうか、お伺いをいたします。  四、早急な整備が難しいとの判断であれば、少なくとも白糸の滝付近までは完全舗装とし、駐車場を整備するとともに、二口渓谷及び磐司岩周辺を散策できるハイキングコースを整備し、県民、市民はもちろん、県外からの旅行客にもすばらしい景観を満喫していただくとともに、森林浴を楽しんでいただき、健康増進に寄与する環境を整えるべきと考えますが、いかがでしょうか。  五、このほか、この地域は大東岳登山コース、二口温泉から大東岳を経て面白山駅へ、大東岳から小東岳を通って山寺へ通じる登山道もあり、仙台市では林道入り口付近に二口キャンプ場、秋保ビジターセンターを整備しておりますので、教育施設を含め、子供から高齢者まで楽しむことのできる環境整備をすることで、山形との交流も一段と進むのではないかというふうに思います。宮城県、山形県、仙台市、そして地域の代表を含む四者で新たな発想での協議の場も必要と考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。  最後に、知事は、磐司岩を見たことがおありでしょうか。秋の紅葉の季節は中国の墨絵をほうふつさせるようなすばらしい景観に必ず感動されると思います。この景観を埋もれさせることなく全国に発信し、宮城の観光戦略に生かしていただくように期待をし、壇上からの質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。 ○副議長(千葉達君) 知事村井嘉浩君。     〔知事 村井嘉浩君登壇〕 ◎知事(村井嘉浩君) 菊地浩議員の一般質問にお答えをいたします。大綱二点ございました。  まず初めに、大綱一点目、教育改革と宮城の教育についての御質問にお答えをいたします。  初めに、イギリスとフィンランドの教育改革についてのお尋ねにお答えをいたします。  イギリスの教育改革は、当時のイギリスの社会経済状況の中でとられた政策であり、その点で、目指した方向性や基本的な考え方については理解できるものと思っております。しかし、一方で、過度な市場原理の導入により、テスト至上主義的な学校教育に陥るなどの弊害が起きているとも伺い、教育の難しさを痛感しております。  また、フィンランドの教育改革については、一人一人を大切にした平等な教育ができる体制を築き、教員養成の充実を図るなどして学力水準の向上に成功したと聞いており、質の高い教育が展開されているとの印象を持っております。いずれにいたしましても、両国ともにそれぞれの時代的、社会的、経済的な情勢を背景とし、国の再生という大きな命題のもとでの改革であったと認識しているところでございます。  次に、義務教育における国の役割と、高校における学校選択の環境整備についての御質問にお答えをいたします。  義務教育は、憲法で保障されている国民の権利であり、国民がひとしく一定水準の教育を受けられることが求められております。このため、国においては、その枠組み制度をしっかりつくり、その上で、地方においては、地域の実情を踏まえた創意工夫のある教育をみずからの責任で行うことが必要であると考えております。  高校においては、中学校における教育の成果を更に発展、拡充させるとともに、教養を高め、専門的な知識、技術及び技能を習得させ、個性に応じて将来の進路を決定させることが肝要であります。このようなことから、高校における学校選択の環境整備については、生徒一人一人の多様なニーズにこたえられる、特色ある学校づくりを進めることが必要であると考えており、それが選択肢の幅を広げることにつながるものと考えます。そういう意味では、現在の専修学校、各種学校についても、多岐にわたる分野で有為な人材を社会に送り出すなど、大きな社会的役割を果たしているものと認識をしております。  次に、日本の教育改革の現状と地方分権が進む中での教育のあり方、理念についての御質問にお答えをいたします。  さきの安倍内閣において、すべての子供に高い学力と規範意識を身につける機会を保障することなどを目指して教育基本法を初めとする関係諸法の改正が行われ、戦後の教育改革以来の大改革が進められているところであります。私は、現在、社会のありようを見たとき、この教育改革はぜひ必要であり、改革の目指すところについても理解ができると考えております。  私は、常々、教育は社会の基盤となる人づくりであると考えております。我が県において言えば、宮城の将来ビジョンの「富県共創 活力とやすらぎの邦づくり」の実現のためには、まさにこの人づくりがかぎであります。そのようなことから、学校教育はもとより、生涯を通じたさまざまなステージにおいて、時代の地域社会を支え、未来を創造する人づくりに全力で取り組んでいく必要があると考えております。教育は、人をつくる、そして国や地域をつくる大事な取り組みでもあり、地方分権が進む中において、国と地方がそれぞれの役割を担い、そして連携協力しながら、望ましい教育が展開できるよう努めていくことが肝要と考えております。  次に、教育予算についての御質問にお答えをいたします。
     近年の地方教育費の減少につきましては、児童生徒数の減少に加え、国、地方公共団体の厳しい財政状況が背景にあるものと認識しております。このような状況の中で豊かな教育環境を確保していくためには、授業の効率化や見直し等に伴い生じる財源を、教育の成果、質を高める施策、事業にシフトさせ、限られた財源を効果的に活用していく必要があると考えております。  今後の教育予算の編成に当たっては、新・財政再建推進プログラムによる歳出削減に取り組む一方、宮城の将来ビジョンに掲げた着実な学力向上と、希望する進路の実現等の施策に優先的・重点的に財源を配分するなど、厳しい財政状況の中ではありますが、必要な予算の確保に努めてまいります。  次に、大綱二点目、観光戦略としての林道二口線活用についての御質問にお答えをいたします。  まず初めに、MYハーモニープランの交流事業として林道二口線整備を取り上げ、新観光戦略や日本風景街道などによる国の支援を得るべきとの御質問にお答えをいたします。  林道二口線周辺は自然景観にすぐれ、また、慈覚大師円仁ゆかりの歴史、文化を有しており、宮城、山形両県が共有する貴重な観光資源と認識しております。しかしながら、林道整備をMYハーモニープランの交流事業として取り上げることは、現在の財政状況等も考慮する必要があり、困難であるものと考えております。  また、国関連の支援に関しては、観光立国推進基本計画がことし六月に閣議決定され、今後、国内各ブロックごとの計画が策定されることとなっておりますが、支援策については検討されていない状況にあります。更に、日本風景街道の対象となるかどうかについては、林道二口線が閉鎖中であることから容易ではないものと認識しておりますが、今後、国と協議してまいりたいと考えております。  次に、両県の観光資源に特化した委員会を立ち上げ検討すべきではとの御質問にお答えをいたします。  九州物語委員会のような、山形県と宮城県が観光資源の活用法を検討する委員会の立ち上げについてですが、現在、両県で観光振興を図るため、宮城・山形観光推進協議会を設置し、両県間の連携事業の調整や情報交換を行っておりますので、この中で、今後、ロマンあふれる二口街道のPR方法等について検討してまいりたいと考えております。  次に、白糸の滝近くまで完全舗装し、駐車場の整備とともに、散策できる散歩道を整備してはどうかという御質問にお答えをいたします。  白糸の滝付近までは、交通に支障のない範囲で維持管理していくこととしておりますが、完全舗装は当面難しいものと考えております。  また、新しい駐車場や散歩道を整備していくことについては、用地の確保が容易でない地形上の制約や、蔵王国定公園の区域内であることによる法的規制等解決すべき課題が多いことから、現時点では困難な状況と考えております。  私からは、以上でございます。 ○副議長(千葉達君) 経済商工観光部長若生正博君。     〔経済商工観光部長 若生正博君登壇〕 ◎経済商工観光部長(若生正博君) 私からは、大綱二点目、観光戦略としての林道二口線活用についての御質問のうち、各種施設等の整備を行うことで山形県との交流も進むと思われるが、関係四者で新たな発想での協議の場も必要と思うがどうかとの御質問にお答えいたします。  県道仙台山寺線の終点である二口温泉バス停付近には、仙台市で設置しております秋保ビジターセンター、秋保二口キャンプ場、周辺の散策路などがございまして多くの人に利用されているほか、大東岳登山コースやその他の登山コースの起点ともなっております。この周辺の観光に関する環境整備を検討する宮城県、山形県、仙台市、地域代表の四者での協議の場の設置につきましては、まずは地元である仙台市の意見を伺う必要があるものと考えてございます。それらを踏まえまして、両県で構成する宮城・山形観光推進協議会などの既存の組織の中で、新たな協議の場の設置について議論してまいりたいと考えております。  私からは、以上でございます。 ○副議長(千葉達君) 農林水産部長伊東則夫君。     〔農林水産部長 伊東則夫君登壇〕 ◎農林水産部長(伊東則夫君) 初めに、大綱二点目、観光戦略としての林道二口線活用についての御質問のうち、覚書に対する認識はどうか。また、閉鎖について山形県にどう説明し、回答を得ているのかとの御質問にお答えいたします。  二口林道については、四者間の合意に基づき昭和四十八年に完成させ、本覚書の趣旨に基づき、これまで維持管理に努めながら、全線通行の確保を図ってきたところであります。しかしながら、近年の相次ぐ大雨による災害と、のり面の老朽化による崩落の危険性などにより通行の安全が確保されず、改修に多大の経費を要することから、平成十七年度にやむを得ず通行どめとしたものであります。また、山形県とは年一回、二口林道の管理に関して協議をしており、宮城県側の事情を説明し理解をしていただいております。  次に、林道の管理の現状と今後の整備方針についての御質問にお答えいたします。  まず、林道の維持管理の現状ですが、起点から白糸の滝付近のゲートまでの区間において、県単独事業として、緊急かつ応急的工事を中心に実施しており、今年度も既に路面補修等の維持管理工事を実施しております。当面は、観光資源としても貴重な磐司岩が眺望できる白糸の滝付近まで交通に支障のないよう維持管理していく考えであります。  次に、今後の整備方針でありますが、県民の皆様からの強い要望もあることは認識しております。しかしながら、我が県の財政状況から、早期に着手することは困難であると考えており、今後、中長期的に整備手法や利用、管理のあり方も含めて検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○副議長(千葉達君) 教育長佐々木義昭君。     〔教育長 佐々木義昭君登壇〕 ◎教育長(佐々木義昭君) 大綱一点目、教育改革と宮城の教育についての御質問にお答えをいたします。  初めに、イギリスとフィンランドの教育改革についてのお尋ねにお答えをいたします。  イギリスにつきましては、テスト成績の学校順位を公表することなどは別にいたしましても、学校間の切磋琢磨によって教育水準あるいは学力の向上が図られたことは、意義深いと考えております。また、経済協力開発機構が実施した生徒の学習到達度調査、いわゆるPISAで優秀な結果を出したフィンランドについては、すぐれた指導力を持ち生徒との信頼関係が確立している教員による、一人一人のペースに合わせた子供中心の教育の進め方に学ぶべきところが多いと感じております。  いずれの国におきましても、文化や歴史、社会制度などが日本とは異なる中での教育改革ではありますが、それぞれの取り組みの中で、よいところについては学んでいくということが大切であると考えております。  次に、義務教育における国の役割と高校における学校選択の教育環境整備についての御質問にお答えをいたします。  義務教育は、議員御指摘のとおり、すべての国民にひとしく行わなければならないものと考えております。教育の全国的な水準を維持し、教育の機会均等を確保するため、国においては、学習内容の基準を示すなど、義務教育の基本的な枠組み整備を行う役割があり、一方、地方公共団体及び各学校では、地域の実態や課題、ニーズを踏まえた創意工夫により、自主的・自立的な教育を推進することが重要であると考えております。  また、高校においては、中学生の多様なニーズに対応するさまざまな学校が選択肢としてあることが望ましいと考えております。現在、県教育委員会では、県立高校において特色ある高校づくりに取り組んでおり、平成二十二年度入試からは全県一学区制を導入するなど、選択肢を広げる取り組みを更に行うこととしております。  高校におけるバウチャー制やチャータースクール制などについても議員からの御提案がありましたが、それぞれの制度にはメリットとともにさまざまな課題もあり、また、国全体の制度にも大きくかかわるものでありますので、県教育委員会といたしましては、今後とも、情報収集をしながら更に研究をしてまいりたいと考えております。  次に、日本の教育改革の現状と地方分権が進む中での教育のあり方、理念についての御質問にお答えをいたします。  昨年改正されました教育基本法及びその後に改正されました教育関連三法において、教育の目標の明確化や教育行政の責務など、教育制度の根幹にかかわる大きな改革の方向性が示されました。これらを受けて、現在、国では、教育振興基本計画の策定や学習指導要領の改訂に向けた議論が進められております。  教育は国家百年の計であり、その実施に当たっては、不易と流行という言葉で言いあらわされるように、変えてはいけないものは大切にしながら、現実に起こっているさまざまな課題に対して適切に対応していくことが必要であります。また、地方分権が進む中にあって、教育については、国と地方がそれぞれの役割の中で相互に協力・連携し取り組んでいくことが大切であります。  教育はまさに人づくりであり、特に学校教育においては、家庭や地域社会とも連携しながら、児童生徒が持つ個性や能力を最大限に引き出し伸ばしていくこと、加えて、心身ともに健康に育てていくことが重要であると認識しております。  このような教育を展開していくためにも、国においては、教育改革の実施に当たって拙速になることなく、地方や学校現場の意見をしっかりと反映した取り組みをぜひ進めてもらいたいと考えております。県教育委員会といたしましても、しっかりした役割を果たしてまいりたいと考えております。  次に、義務教育への学校選択制導入と今後の対応についての御質問にお答えをいたします。  学校選択制につきましては、市町村教育委員会の判断により導入できるとされております。学校選択制を導入することで、保護者が学校により深い関心を持つこと、保護者の意向、選択、評価を通じて、特色ある学校づくりを推進できるなどのメリットがあるとされております。その反面、学校の序列化、学校と地域とのつながりが希薄になるおそれもあるなどとの指摘がされているところであり、東京都品川区のような、希望する学校に自由に就学を認める自由選択制については、県内市町村では導入されておりません。  県教育委員会といたしましては、義務教育段階への学校選択制の導入は、教育の機会均等、一定の教育水準の確保を前提とすべきであると考えております。したがって、市町村が検討を進めるに当たっては、地域の実情を踏まえながら、児童生徒、保護者にとって望ましいものとなるよう、相談、情報提供等を行ってまいりたいと考えております。  次に、全国学力・学習状況調査の実施に伴う各県間の競争や教育現場での活用等についての御質問にお答えをいたします。  これまで我が県で実施してまいりました学習状況調査と同様に、今回の全国学力・学習状況調査の趣旨は、児童生徒の学力・学習状況を把握、分析することで、教育の結果を検証し改善を図ることにございます。  競争につきましては、児童生徒が切磋琢磨することで相互に自分たちの力を高めていくという教育効果はあると考えておりますが、今回の全国調査の結果公表につきましては、調査の趣旨を十分踏まえ、各県等の序列化や過度な競争につなげてはならないものと考えております。また、全国調査の結果の活用につきましては、詳細な結果分析を行い、学校における事業改善等につながる具体的な方策を打ち出し、市町村教育委員会と連携を図りながら、我が県の児童生徒の学力向上に努めてまいりたいと考えております。  なお、全国調査の実施により、議員御指摘のような知識偏重教育に戻ってしまう、不登校児や特別支援の必要な児童が見捨てられるなどというようなことが起こることは、学校教育においてはあってはならないことでございます。県教育委員会といたしましても、全国調査の趣旨の周知や徹底に今後とも努めてまいりたいと考えております。  次に、義務教育に対してのバウチャー制度や公設民営方式等についてのとらえ方と検討についての御質問にお答えをいたします。  教育バウチャー制度につきましては、その導入により、学校間の競争原理が働き、特色ある学校づくり等、教育の質の向上が図られるとされております。また、チャータースクールや公設民営方式の学校につきましては、児童生徒、保護者が望む多様な教育のニーズにこたえるための学校制度でございます。一方、これらの制度につきましては、公教育の継続性の観点や教育格差の拡大、財政負担等の問題も挙げられており、義務教育段階への導入は、教育効果や運用方法でも多くの課題があると考えております。県教育委員会といたしましては、今後、国や先進県の動向を見守りながら、情報収集に努めてまいりたいと考えております。  次に、県内小中学校の学校評価の取り組み状況についての御質問にお答えをいたします。  平成十八年度にいわゆる内部評価を行っている小中学校の実施率はともに一〇〇%で、結果を公表している学校は、小学校で六七・五%、中学校で五九・六%となっております。また、外部評価については、平成十七年度実績になりますが、小学校の実施率は三八・八%、中学校は三八・九%であり、そのうち結果を公表しているのは、小学校は七九・二%、中学校で七一・四%となっております。  学校評価制度は、教育活動の改善、教職員の意識改革、保護者や地域住民の学校への協力などが目的であり、保護者、地域住民から信頼される開かれた学校づくりを進めるために大変重要であると考えております。県教育委員会といたしましては、各種会議や指導主事訪問等を通じ、その結果の公表に当たっては、学校の序列化に結びつかないように十分配慮するとともに、現在実施しているモデル事業の紹介を行うなど、各小中学校での学校評価の取り組みを促してまいりたいと考えております。  次に、教育予算についての御質問にお答えいたします。  児童生徒や地域の多様なニーズに適切に対応し、教育環境の整備を着実に推進していくためには、教育予算の持続的な確保は重要と考えておりますが、一方で、我が県の財政が大変厳しい状況にあることも認識しております。このような状況を踏まえ、県教育委員会といたしましては、事業の効率化や見直しの徹底を図るとともに、宮城の将来ビジョンに掲げた取り組みについて予算の優先的な確保を図るなど、限りある財源の効率的、重点的な執行に努めているところでございます。  今後とも、この方針のもと、みずから学び、考え、行動する豊かな人間性と創造性を備えた子供を育成するために、必要な予算を確保してまいります。  次に、我が県の高等学校での土曜日の活用状況等についての御質問にお答えいたします。  県立高校では、資格取得のための検定試験や模擬試験、教科学習の補習や発展学習のための課外講習等に土曜日が活用されており、平成十九年五月時点では、県立高校全体の五七%、五十二校で実施しております。これらの取り組みは、指導時間を最大限に確保しようとする各学校における創意工夫のあらわれであると認識しております。ゆとりの中で生きる力を培うという、いわゆるゆとり教育につきましては、その趣旨を踏まえた取り組みを進めてきたところでございますが、一方では、学力低下への懸念の声もあり、中央教育審議会において議論が進んでいるものと認識しております。我が県でも、高校現場の声を踏まえ、都道府県教育長協議会等を通じ、国に対し、実態に応じた制度改善等の意見を述べてきており、今後の議論の動向を注視してまいりたいと考えております。  次に、児童生徒が塾に頼らずに学べる学校環境の改善についての御質問にお答えいたします。  児童生徒の基礎基本の定着や学力の向上については、基本的には学校教育の中で行われるべきものと考えております。県教育委員会では、我が県教育の最重要課題としている学力向上に向けて、教員の教科指導力の向上、児童生徒の学習習慣の形成及び教育環境基盤の充実が必要であると考えており、市町村教育委員会と連携を図りながら、学校環境の改善に取り組んでいるところであります。  具体的には、県では少人数指導、少人数学級や小学校教科担任制モデル事業等を実施してきており、授業につまずく児童生徒の減少や学習意欲の向上等の効果が見られております。また、各学校では、市町村教育委員会の指導のもと、就業前に読書活動や繰り返し学習を実施したり、放課後や長期休業期間中の個別学習相談を実施するなど独自の取り組みを行ってきており、学習習慣の定着が見られるなどの報告がなされているところでございます。  県教育委員会といたしましては、今後も、市町村教育委員会と連携を深めながら、学校教育の中で基礎基本が定着するよう、しっかり学べる環境づくりの充実に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○副議長(千葉達君) 五十七番菊地浩君。 ◆五十七番(菊地浩君) 答弁ありがとうございました。  私からは、知事、教育長、それに教育委員長に一言ずつお伺いしたいんですが、教職は聖域と考えておりますか。それとも、教育も聖域にあらずと考えておるんですか。お答え願いたいと思います。 ○副議長(千葉達君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 教育は最も大切にしなければならないものであるというふうに考えてございますので、ある意味では聖域であろうというふうに思いますが、しかし、ハード面の整備といったようなものについては、これは教育関係の施設であったとしても、やはり県全体のバランスというものも考えなければならないというふうに考えております。 ○副議長(千葉達君) 教育委員会委員長藤村重文君。 ◎教育委員会委員長(藤村重文君) 私も同様に考えるわけでございますけれども、ただ、私、職業柄、医者をしておりまして、生命を守るということから、同じように、子供たちの、何と言いますか、将来を左右するということから言いましては、ある意味では聖域ではない、聖職であるというふうに考えておりますが、ただ、一般的に言えば、普通の人間でございますので、何対何かわかりませんが、必ずしもそうとも言えないところもあると思います。 ○副議長(千葉達君) 教育長佐々木義昭君。 ◎教育長(佐々木義昭君) 教育は聖域かどうかというお尋ねでございますが、極めて教育は人づくりという大事で重要な仕事でございますので、聖域かどうかにつきましては具体的にお答えできませんが、非常に大事な分野であるということで考えております。 ○副議長(千葉達君) 五十七番菊地浩君。 ◆五十七番(菊地浩君) どうもありがとうございます。  よくわかったようなわからないような。  実は私は、資質の高い教員を養成することが改革の基本になると考えているんですよ。ですから、それを望むんであれば、それに見合った処遇が必要だと思うんですね。明治時代には、教育費にGDPの一〇%を超えて教育投資をしたという計算があるんですよ。今、日本では三・五%しかないですね。こういう積み重ねが今までの日本をしっかりとしたものにつくり上げてきたと思っているんです。そう考えると、やはり教員のステータスをどう上げるかが、教育再生につながる一番強い太いパイプじゃないかというふうに私は思っているんです。ですから、その辺のところを教員にどういうふうな形でステータスを与えるか、そこが問題だと思いますので、その辺のところをどう考えているのか、知事それから教育長で結構ですので、お答えください。 ○副議長(千葉達君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 全く同意見でございます。 ○副議長(千葉達君) 教育長佐々木義昭君。 ◎教育長(佐々木義昭君) 教員のステータスを上げること、極めて大切でございます。やはり子供たちは、教員の影響というのは非常に受けるわけでございます。そういう意味で、教員の資質向上を図るという意味では非常に大事なことでございます。研修制度とか何かもいろいろありますので、そういったものを活用しながら、教員の資質の向上に努力してまいりたいと思っております。 ○副議長(千葉達君) 五十七番菊地浩君。 ◆五十七番(菊地浩君) 時間がないので多くは言いませんが、いわゆる教職を聖職でなくしたときから荒廃が始まったという、これはアメリカの大学の総長のお話があるんですよ。ですから、もうちょっと教職というものをどう考えるか、しっかり考えながら宮城の教育を進めていただければというふうに思います。  ありがとうございました。  これで終わります。 ○副議長(千葉達君) 二番吉川寛康君。     〔二番 吉川寛康君登壇〕 ◆二番(吉川寛康君) 私は、今春四月の統一地方選挙で多くの県民の皆様の温かい御支援を受け、青葉選挙区から初当選をさせていただきました二十一世紀クラブの吉川寛康でございます。御支援をいただきました有権者の皆様の熱い思いと御期待を忘れることなく、この宮城県の発展と県民の皆様の幸せのため、全力で頑張る所存でございます。高橋議長を初めとする県議会先輩議員の皆様、同期議員の皆様、そして村井知事を初めとする県執行部の皆様の温かい御指導と御厚誼を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。  それでは、通告に従いまして、大綱二点、順次御質問をさせていただきます。  大綱一点目は、宮城県の産業経済振興についてでありますが、その中で、四点ほど御質問させていただきます。  第一点は、地域経済の再生と産業振興策についてであります。  今議会において、村井知事は、製造業の誘致振興を目指し、新たな財源として、所得水準をもとに、一部企業を対象とした新税を御提案されましたが、私は、今日の厳しい財政状況と、今後の地域経済を冷静に展望したとき、今回のこの提案は、知事の先見性に満ちた、しかし大変苦渋の末の決断であると受けとめ、これを評価し、賛同しております。  当たり前の話でございますが、政治の第一義は、経済成長の実現と雇用の安定確保にあります。万難を排し、経済成長を持続させ、雇用の安定を図る、それこそが政治家に課せられた使命、責務であると考えますが、今回の新税の導入に当たり、知事が政治生命をかけると申されたことは、この経済成長と雇用の安定のための地域経済の再生に全身全霊、全力で取り組むという強い決意のあらわれであり、政治家本来のあり方であると思います。  私が社会人の第一歩を踏み出したのは、日本のバブル経済が崩壊し始めた平成四年でありますが、社会人の歩みは、まさに日本経済がバブル崩壊後の深刻な景気低迷の中で、経済の再生に向け、試行錯誤、苦闘苦悶を続けた時期でもありました。失われた十年とも称されたこの期間の末期に当たります平成十四年においては、完全失業率が五・四%台、県内有効求人倍率〇・五八、県内企業倒産三百五十三件、一千三百三十二億円と、極めて深刻な状況にありましたが、この時期を底に、現在では、完全失業率四%弱、県内有効求人倍率一・〇四、県内企業倒産百八十四件、四百八十七億円と、わずかながらにも回復を続け、バブル崩壊後の我が国経済は、ようやく長い低迷のトンネルを抜け、やっと反転に転じつつありますが、このバブル崩壊が未曾有の経験だったとしても、十数年という長い期間に要した数百兆円にも及ぶ財政出動、そして、数々の金融機関や企業の経営破綻、リストラや解雇による多数の失業者の発生など、余りにも犠牲が大きかったと考えます。  低迷が長期にわたった最大の原因の一つとして、政治が旧来の観念や制度に固執し、問題の先送りや実態にマッチしない政策を実施したためであると考えておりますが、そういう点からすれば、軽症であったはずの傷がより悪化してしまったという面は否めないと思っております。なぜ、日銀は、小出しの後追い的な公定歩合の引き下げではなく、先手先手で金融緩和措置を講じなかったのか。平成八年ごろ、回復の兆しが出かけたとき、その時の政府が景気の腰を折る消費税率のアップや歳出カットの財政構造改革をあえて実施したのか。失われた十年ではなく、政治本来の使命を忘れた人災の十年だったとも思います。  問題がより深刻化すれば、解決に要する経費も労力も当初よりもはるかに大きくなるのは世の習いであります。今日、国や地方の財政とともに巨額の借金を抱えた原因が、過去の経済政策にかかわる後手後手の対応にもあったとも考えます。失ったものは余りにも大きかった。と同時に、賢者は歴史に学ぶという言葉があるとおり、二度とこうした悲惨な結果を招来しないためにも、日本国じゅうが辛酸をなめたこの十数年の歩みから、大いに学ぶ必要があると考えます。まず、経済社会の現実をしっかりと直視し、分析した上で、課題解決にとって効果的な方策があれば、既成の制度や観念にとらわれることなく、万難を排し、政治の責任で迅速果敢に断行すること、それがこの十数年で学んだことだったように感じております。  この七月から八月にかけまして、世界経済や金融を震撼させる大きな出来事が発生いたしました。低所得者向けのサブプライムローンの不良債権化に端を発した米国の金融システムの動揺、信用機能の収縮であります。予想以上の金融のぶれで、一時はどうなるかと懸念もされましたが、直ちにEUの中央銀行の巨額資金が市場に供給されたばかりか、米国の中央連邦準備制度理事会(FRB)が思い切った利下げの断行、その後、直ちに、ブッシュ大統領が政府系保証会社の保証をこのサブプラムローンまで拡大する方針を明らかにするなど、政府、中央銀行が一体となって、この金融システムを守るために全政権を総動員するということを明らかにしました。バブル崩壊後の日本の動きとは全く対象的とも言える、現実直視の迅速果敢な対応であると言えます。  バブル崩壊後の当時、地域経済の再生を担うはずの宮城県政の場で具体的な取り組みや論議が余り県民の前に聞こえてこなかったのが、正直言って不思議だというふうに感じておりました。所得を向上させ、県民の生活を安定させるのが、県政の本来的な課題であると考えますし、当時県内の企業経営、雇用環境は悪化の一途だったにもかかわらず、経済対策は国の問題であると言って、ほとんど論議されなかったように記憶しております。  経済対策が県議会で本格的に俎上に上がったのは、平成十五年の緊急経済産業再生戦略が、近年では初めてではないでしょうか。国の対策が後手後手に回ったように、宮城県政においても、根幹的な県政の課題の取り組みが少しおくれていたのではないかと推察します。  宮城県の経済成長率は、平成十七年度の県内総生産が名目で八兆五千四百五十億円と、前年比一・二%の増、実質では二・三%の増であり、平成十三年度を底に回復基調にあるように見受けられますが、消費関連で見ますと、ここ数年、前年比マイナスが続いておりますし、主力産業である建設業においても、公共工事が大幅に減少したままで、まだまだ脆弱な経済環境にあります。強固な産業基盤、経済基盤の育成確保は、依然として県政の最大の課題ですが、村井県政になって初めて富県戦略と称し、地域経済の再生が県政の最優先のテーマに位置づけられたことは、大変共感するものであります。  知事御自身、バブル崩壊後のこの国の動きをどう評価されるのか。また、もし学ぶ点があったとすれば、お示しいただきたいと思います。また、地域経済にかかわる地方行政の役割、そしてトップの責任のあり方についてどのような見解をお持ちなのか、改めて御所見をお伺いいたします。  第二点は、昨今の日本経済と宮城県経済の現状についてであります。
     御存じのとおり、私たちの身の回りには、全国的な経済回復についての解説がたくさん出ているにもかかわらず、反面、多くの地域住民の方々からは、回復の実感がなかなか感じられないという話が寄せられて久しいわけでございますが、私は、この実感こそが経済の実態を的確にあらわしているものだというふうに考えております。  県内の消費指標を見ても、小売店の販売額は、百貨店、スーパー、コンビニエンスストアともに四年以上前年比マイナスが続いている状態であり、乗用車の新車登録台数を見てみましても、同様にマイナスを続けている現状にあります。地域の主力産業である建設業においても、公共工事請負額がこの五年間で約四割近く減少しております。  生活困窮者の指標でもある生活保護世帯は、平成十二年十二月時点で八千五百八世帯、一万二千三百九十九人であったのに対し、平成十八年十二月時点では一万三千五百五十世帯、一万九千六百十八人と急増しており、全国台で見てみても、平成十七年度末で、何と百万世帯を超える結果となっております。  消費が伸びないのは、給与所得が一向にふえないことがこの大きな要因であり、勤労者統計調査によれば、県内の現金給与総額は、平成十二年が三十三万三千三百四十三円であるのに対し、平成十八年は二十九万三千七百六十九円と、何と一二%も減少している実情にあります。有効求人倍率などの雇用指標は改善し、デフレスパイラルに陥るほどの深刻さはないものの、いざなぎ景気をもしのぐ景気回復の恩恵が残念ながら幅広く行き渡っていないことが、この点からもはっきりとうかがえます。給与が増加している製造業分野でさえも、所定内賃金である基本給は据え置きあるいは減少しており、時間外手当や特別加算の増加等で結果的に給与が増加しているだけであり、そういった意味からすれば、どの業種も賃金抑制基調にあると言えます。  こうした経済の実態を冷静に直視すること、それが経済政策を立案する上で何よりも大切な視点ではないかと思いますが、県の景気観は、国と同様に、景気は持ち直しの動きを続けているとの見解のままであります。では、どのような根拠で持ち直しと言えるのか。果たして、今のままで、回復の軌道に乗るのかどうか。県内経済の現状認識、更には日本経済の現状認識もあわせ、知事の御所見をお伺いいたします。  第三点は、人口問題が地域に与える影響と対策についてであります。  今ほど質問の中でも申し上げましたように、近年、景気は回復したとは言われていても、給与が伸び悩み、消費などの内需に勢いがない状態が続いておりますが、私は、グローバル経済のもとで、産業界では、競争力維持のためのコスト削減が際限なく続いているのに加え、構造的に消費需要が減退し始めたことが背景にあるのではないかと考えます。  最大の要因は、少子化の急速な進展に伴うこの人口構造の劇的な変化であります。平成十七年の国勢調査では、日本の総人口は一億二千七百七十六万人であり、予想よりも早く人口減少に転じております。二〇二五年までに総人口は八百五十万人減少し、生産年齢人口も八千四百四十二万人から七千九十万人と、一気に千三百五十二万人減少すると予想されております。宮城県においても、七十七銀行の将来推計によれば、二〇二五年までに、県内総人口は約二十三万人減少すると見込まれております。このことは、産業の担い手が今後構造的に不足する可能性が高くなりつつあるだけではなく、消費産業中心の産業構造を抱えた地域は衰退する懸念があることを意味します。  また、高齢者の急増は、社会保障費の増大を通して地方の財政支出の増加を招き、増加する社会保障費以上の税収がふえなければ、財政はより悪化することになります。人口の減少は、県政将来ビジョンで掲げる人口減少時代を迎えと軽々しく言えるような課題ではなく、地域社会の多くの分野に大変深刻な影響を与える重要な問題であると考えます。  人口減少問題への総合的な対処策は国も県もまだ示されておりませんが、人口減少がこのまま進んだ場合、地域社会に与える影響は、経済も含めてどうなのか。今後の県政運営で人口減少を是認して進むのか。人口の減少、増加の是非を含めて、県民的な議論が避けては通れない時期に来ていると思います。こうした人口問題について、知事は、どのような御認識をお持ちなのか、実際にどのように対処されようとしているのかについて、その御所見をお伺いいたします。  第四点は、県内産業構造の転換についてであります。  依然として厳しさが消えず、今後、総人口減少時代の到来が確実視される中で手をこまねいていれば、地域経済はより深刻な事態に陥るのではないか。県内総生産の約八割を第三次産業が占める今のこの宮城県の産業構造の現状を放置して果たしていいのか。また生産年齢人口の減少にどう対処するのかなどもあわせ、今の宮城県経済はまさに正念場であると考えます。経済成長を持続できるのか、それとも衰退の道を歩むのか。その分岐点に差しかかっているとの厳しい認識が必要だというふうに考えます。  東北は、押しなべて総人口の減少と高齢化の進展で、地域経済は疲弊の坂道を歩んでいるというのが、正直な現状ではないでしょうか。最近よく耳にする地方の不満という言葉が現実あったとしても、地方への厚い手当てを期待するというわけにはいかないと思います。今こそ、県内の各分野が立場を乗り越え、手を携え、全力で地域経済再生に邁進するときではないかと考えます。  また、人口減少時代においても県経済が持続的に成長していくためには、第三次中心のこの産業構造の転換を急ぐ必要があると考えます。なぜなら、各県が毎年発表します県民経済計算をベースに、県内総生産の中の製造業ウエートと県民一人当たりの所得とを対比させてみますと、製造業ウエートが高い県ほど県民所得が高い。また、一人当たりの所得水準もおおむね高い傾向にあることがうかがえます。平成十六年ベースで見ますと、この宮城県は製造業ウエート一五・五%に対し、県民所得二百五十三万円でございますが、隣県の福島県は二八%、二百七十一万二千円、栃木県は三七%、三百六万二千円、静岡県も三七%、三百二十四万七千円、滋賀県においては、四二%、三百二十三万五千円と、製造業ウエートが高い県ほど県民所得水準も高い結果になっております。現金給与総額を見ても、他業種の多くが減少を続けている中、この製造業だけは、平成十八年分を平成十二年対比で見ますと、全国でも一・〇四、この宮城県においても一・〇八と、増加を唯一維持しております。  したがいまして、構造的に消費の総量が減少する中では消費産業も衰退しかねないことを考慮すると、外部からの富の確保、集積という点では、製造業の効果は大きく、製造業中心の産業構造へ急速に転換していくことが大切であると考えます。知事が今回の新税関係で、製造業中心への構造にシフトしていくと表明されたことは、まさしく総人口減少時代を見据えた、この宮城県の産業構造の転換の必要性を強く認識された上での産業振興策であると私なりに考えますが、いかがでしょうか、御所見をお伺いいたします。  次に、大綱二点目、宮城県の防災訓練のあり方についてお伺いいたします。  政府の地震調査研究推進本部がことし一月に公表しました県の宮城県沖地震発生確率によれば、十年以内で六〇%程度、二十年以内だと九〇%程度、三十年以内ともなると九九%と、公表されている地震発生確率は、年々高まってきている実情にあります。先月一日には、自衛隊多賀城駐屯地で県の防災訓練が行われましたが、私も初めて参加をさせていただき、大変新鮮な目で訓練を拝見することができました。  宮城県沖を震源とするマグニチュード八・〇、多賀城市で震度六強を観測する地震が発生するという想定のもと、行政機関と消防組織、地域住民が一体となり、避難訓練や救助訓練、応急救護訓練などが繰り広げられましたが、特に、自衛隊との連携は大変意義深いものだというふうに私自身感じました。私も会社勤めのときには、社内で防災訓練が行われておりましたし、新潟中越沖地震の際には、会社の同僚が、実際に被災地に出動し、昼夜を問わず復旧に当たっており、その当時の大変生々しい話などを伺っております。  当たり前のことですが、震災時におけるライフラインの早期復旧は、地域住民の方々にとっては、大変重要な課題であります。また同時に、震災時における重要施設、例えば災害対策本部となるこの県庁、人命にも直結する病院などの施設への電源車による電源確保手段の確立なども検討する必要があるのではないかと考えております。ついては、防災協定も含め、このライフラインを日々管理する関係箇所との震災に備えた連携強化の必要性並びにライフラインの早期復旧のみならず、重要施設への緊急的な電源確保も含めた防災訓練の実施について、その御所見をお伺いいたします。  以上で、壇上からの質問を終わらせていただきます。  御清聴ありがとうございました。 ○副議長(千葉達君) 知事村井嘉浩君。     〔知事 村井嘉浩君登壇〕 ◎知事(村井嘉浩君) 吉川寛康議員の一般質問にお答えをいたします。大綱二点ございました。  まず初めに、大綱一点目、宮城県の産業経済振興の御質問にお答えをいたします。  初めに、バブル崩壊後の国の動きへの評価と、学ぶべき点についてのお尋ねにお答えをいたします。  バブル崩壊後の国の施策を振り返りますと、公共事業の増加や減税による景気刺激策と財政再建との間で揺れ動き、この間に短期的な景気の回復が何度かございましたが、持続的な景気拡大を実現することはできず、結果的に、我が国の実質経済成長率は低迷し、また、国と地方を合わせて八百兆円を超える膨大な債務残高を生じさせる要因となりました。その後、小泉内閣では、改革なくして成長なしという基本方針のもと、構造改革の取り組みが推進され、雇用情勢の改善や主要銀行の不良債権比率の正常化などが図られるなどして、民間需要主導の回復基調が持続し、我が国経済はようやくバブルの負の遺産の清算を終え、景気回復が軌道に乗ったものとされております。しかしながら、現在の景気回復は、民間需要が強い東京など大都市を中心とした一部の地域に集中していること、個人間の所得格差が広がるなど、現状を子細に見れば、国の経済政策を決して手放しで評価できるものでもないと考えております。この間の国の経済政策に学ぶ点があるとすれば、旧来型の公共投資や減税を中心とした景気回復策は短期的なもので一定の限界があることから、民の力を最大限に発揮できるような政策の着実な実行とともに、国全体に活力がみなぎるような、バランスのとれた取り組みが極めて重要であるということではないかと私は考えております。  次に、地域経済にかかわる地方行政の役割についての御質問にお答えをいたします。  地域産業の振興や経済の活性化など、地域経済にかかわる地方行政の役割は、雇用の安定や所得の増大などによる真に豊かな社会の基盤の確立を目指し、民間の経済活動が公正、公平かつ効率的に行われる環境を整備していくことにございます。また、その際、国の動向も注視しつつ、地域の実態を踏まえた独自の経済基盤の整備に取り組むことが肝要であると考えております。  このような前提の上で、私は、知事就任当初から、故松下幸之助さんが提唱した、繁栄を通じての平和と幸福の実現を政治理念として県政運営に当たっております。このため、我が県は、まず、しっかりとした経済基盤を築き、そこから生み出される富の循環により、福祉や教育、環境などへの取り組みを着実に進めていくことが重要だと考え、宮城の将来ビジョンを策定するとともに、その第一の柱に、富県宮城の実現、県内総生産十兆円への挑戦を掲げ、全力で取り組んでいるところであります。  次に、トップの責任のあり方についてどうかとの御質問にお答えをいたします。  政治の第一義は、経済成長の実現と雇用の安定確保にあるとのことですが、私も全く同感であります。私は、本年三月、宮城の将来ビジョンを策定し、「富県共創 活力とやすらぎの邦づくり」を県政運営の基本理念として掲げながら、産業経済の安定的な成長により、十年後を目途に、県民一人一人が幸福を実感し、安心して暮らせる宮城の実現を目指すこととしており、みやぎ発展税についても、県民生活の充実と安定につながる富県宮城を一日も早く実現するにはこの機をおいてほかにないと確信し、新税導入という道にあえて踏み込むことを決断いたしました。  正直申し上げて、私を応援し、ここまで育ててくださった企業の方たちに増税を強いるということになりますので、断腸の思いではありますし、慎重にすべきだ、導入を見送った方がよいというアドバイスも多数ありました。しかしながら、知事というのは行政のトップであると同時に政治家であり、十年間で県内総生産十兆円を目標にすると言った以上は、どんなことがあっても達成しなければならないと思い、新税導入という、あえて火中の栗を拾う選択をいたしました。  トップの責任のあり方とは、目標に向けて、信念を持って誠心誠意自分の考えを訴え、取り組むことではないかと私は考えております。  次に、人口減少問題についての認識と対策についての御質問にお答えをいたします。  人口動態や合計特殊出生率等の推移状況から見ると、我が国全体として、また、宮城県においても人口減少社会を迎えております。  人口減少が地域社会にもたらす影響については、労働力人口の減少や社会保障費の増加が見込まれ、経済の停滞や社会の活力低下といった問題を引き起こす大きな課題であると認識をしております。このような状況にあっても、県民だれもが幸福を実感し、安心して暮らせる地域づくりを進めていくため、宮城の将来ビジョンを策定したところであります。今後、産学官の連携による高度技術産業の集積促進を初めとする富県宮城の実現に向けた産業振興策を進める一方で、次代を担う子供たちを心身とも健やかに生み育てることができる環境づくりに取り組んでまいります。更に、女性や高齢者の方々にさまざまな分野で活躍していただくための多様な就業の機会や環境を創出するとともに、地域の資源や特性を生かした交流人口の拡大を図るなど、人口減少社会にあっても活力ある宮城となるよう努めてまいります。  次に、総人口減少時代を見据えた宮城の産業構造の転換の必要性についての御質問にお答えをいたします。  宮城県の経済は、よく支店経済と言われますように、これまで産業構造上、地域内の需要に依存した商業、サービス業、いわゆる第三次産業を中心に発展してきておりました。しかしながら、平成十六年をピークに、我が県も人口減少社会に突入したものと見られ、このような社会情勢の変化の中で県経済が持続的に発展を続けていくためには、域外、県外需要を取り込む製造業の振興が不可欠であり、企業誘致や地元中小企業の育成、競争力強化といった取り組みを一体的に進めていくことが肝要であります。  御質問の中で、具体的な数字を挙げて他県との比較をされましたけれども、まさにそのとおりであります。このため、宮城の将来ビジョンにおいても、特に産業のすそ野が広い自動車関連産業や高度電子機械産業、更には集積が進んでいる食料品製造業を中心に、いわゆる内発・外発の各種施策を展開し、これまで以上に製造業の集積促進に取り組むことにしているなど、富県宮城の実現を第一の目標としているところであります。  今回のみやぎ発展税は、このビジョンの取り組みを加速させ、富県宮城の実現の目標数値である県内総生産十兆円の達成を確実なものとするため導入しようとするものでありますが、当然、御指摘の産業構造の転換も強く強く意識したものであります。  次に、大綱二点目、県の防災訓練のあり方についての御質問にお答えをいたします。  大規模災害時においては、行政と電気、通信、ガス、水道等のライフライン事業者とが密接に連携し、ライフライン施設の被害の影響を最小限に食いとめ、早期の復旧を図ることが、県民生活を守る上で大変重要であります。これまで、ライフライン事業者とは、九・一総合防災訓練など各種訓練への参画を要請するとともに、個別に情報交換を図ってきたところでありますが、宮城県沖地震の再来が日々切迫の度を増していることから、一層の連携強化の必要性を痛感しているところであります。  今後、ライフライン事業者との定期的な意見交換会の設置を初め、県災害対策本部への参画など、連携強化に向け、より実践的な視点に立った取り組みを進めてまいりたいと考えております。  次に、重要施設への電源確保についてお答えをいたします。  県庁舎、県立病院において、非常時への備えとして自家発電装置、無停電電源装置を設置しているところであります。しかしながら、大規模災害時においては、さまざまな事態が想定されますことから、より万全を期すため、県庁舎や主要公共施設への電源車の配備確保を図ることとし、そうした点を踏まえた防災訓練を実施してまいりたいと考えております。  私からは、以上でございます。 ○副議長(千葉達君) 企画部長小林伸一君。     〔企画部長 小林伸一君登壇〕 ◎企画部長(小林伸一君) 大綱一点目、宮城県の産業経済振興についての御質問のうち、景気持ち直しの根拠と経済の現状認識についてお答えをいたします。  県では、県内の主要経済指標をもとに、毎月、県内経済の状況を分析しておりますが、ここ数年の動きを年単位で見ますと、生産面では鉱工業生産指数や大口電力使用量が、それから、投資面では新設住宅着工戸数が、更に、雇用面では有効求人倍率、実質賃金指数、雇用保険受給者実人員がそれぞれ上昇、改善を続けております。  議員御指摘のとおり、大型小売店販売額や乗用車新車登録台数など、個人消費が低調であるなど回復の動きが全般的でないという面も見受けられますが、このように、生産、雇用などでの上昇改善が続いているというところから、総合的には持ち直しの動きにあると判断をいたしております。  ちなみに、議員からも御指摘ありましたが、県内総生産は、平成十四年度から実質でプラス、平成十六年度からは名目、実質ともにプラス成長となっております。  我が国の経済動向につきましては、この九月の内閣府月例経済報告におきまして、景気はこのところ一部に弱さが見られるものの、回復しているとの判断が示されております。  経済のグローバル化の中で、アメリカ経済や原油価格の動向などに影響を受ける面もありますので、そういう要素に留意する必要もございますが、基本的には、今後も緩やかな回復基調で推移していくものと認識をしております。  以上でございます。 ○副議長(千葉達君) 二番吉川寛康君。 ◆二番(吉川寛康君) 御答弁ありがとうございました。  大綱一点目の産業経済振興に関連しまして、今回提案されております新税について幾つか質問をさせていただきます。  まず、この新税導入には、税負担対象企業との合意形成が必要であり、この新税導入効果として、将来の景気拡大そして経済発展があるという共通認識を、県もそして企業も、そして県民も持つことが必要であると考えますが、この理解を得るためのポイントをどうとらえておられるのか。また、税負担対象企業と宮城県との今後の新たな信頼関係構築についてどのようにお考えか、この点についてお伺いしたいと思います。 ○副議長(千葉達君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) みやぎ発展税の導入は、新たな税負担を求めることになりますので、御指摘のとおり、税負担企業の理解と御協力を得るということは、極めて重要であると思っております。そうでなければ、導入目的であります本県の経済活性化について共通認識を持っていただかないことになりますので、結果として、施策がうまくいかないということになろうかと思っております。  新税についての税負担対象企業の理解を得るためのポイントでございますけれども、今回の信頼関係の構築と表裏一体であるというふうに考えてございまして、何といいましても御指摘が多かった県の県行政改革努力、これがはっきり見えるようにしていくということ、それから、税の仕組みと負担の内容はもとより、税の使途と効果についての理解を得るように、全力を尽くして説明を引き続きしてまいりたいというふうに考えてございます。  みやぎ発展税の税収は、富県宮城の実現に向けた産業振興策の重点的な実施と宮城県沖地震の被害最小化施策のために使うということにしております。具体的な事業につきましては、予算編成の過程で、精査、決定をいたしまして実施していくことになりますけれども、しっかりと皆様に説明をしていくということをしてまいりたいと思いますし、また、議会でも、この新税分はこのように使ったということをできるだけわかりやすく説明をするように努力をしてまいりたいと考えております。 ○副議長(千葉達君) 二番吉川寛康君。 ◆二番(吉川寛康君) ありがとうございました。  また、新税に関連して御質問させていただきます。  今回、新税の導入についての論議が交わされているわけですけれども、私、個人的には、導入することが目的ではなく、導入後の積極的な産業集積あるいは確実な企業誘致が本来の目的と考えております。ことし六月には、いわゆる企業立地促進法が施行されまして、地域の特性、強みを生かした産業集積などの地域活性化に向けた取り組みが今後各地で加速的に活発化していくことが推察されますが、この、まさに待ったなしの企業誘致合戦をかち取っていくための知事の思いといいますか、所見を改めてこの場でお伺いしたいと思います。 ○副議長(千葉達君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 本県の景気回復に伴いまして、企業立地、かなり活発化してきております。再生戦略で取り組んだことが実を結んできたというのも、これ一つあろうかというふうに思いますけれども、企業立地件数はおかげさまで四年連続で増加しておりまして、昨年は五十三件、これは全国的な−−数だけです、規模は別にして。数だけ見ますと全国で十位ということで、昨年一年もかなりの成果が出たものというふうに思っております。これを加速をさせていかなければならないと思っています。国は、ことしの六月に施行されました企業立地促進法がございますが、これに県も手を挙げました。いろんな産業集積を図る地域を決めまして、そして自動車産業、関連産業、それから高度電子機械産業、この二つの職域、これについてぜひともやらせてもらいたいということでお願いをいたしまして、おかげさまで第一号の同意を得ることができたわけであります。したがって、国とも非常に同じ方向を向いて仕事を進めやすくなってまいりました。  県といたしましては、実は昨年の八月に、私の肝いりで宮城県企業立地推進本部を設置をいたしました。当然、私が本部長になりまして、これも何としてもやりたいと。何度も会合を開いております。全庁挙げて取り組みます。昨年から企業への訪問を大幅にふやそうということにいたしまして、既に八月以降、千百社を企業訪問いたしました。やはり歩けば情報をもらえるものでありまして、非常にいい情報をもらって、それをまた次の企業誘致に結びつけると、いい展開、正のスパイラルの方にだんだん向かっているなというふうに思っております。また、わかりやすいフレーズで県庁職員を鼓舞しなければいけないということもありまして、「御用聞き1・2・3プラン」というのもやっています。これは、何か質問を受けた場合は、必ず一日以内で返答しましょうと。よく、役所は一回言ってもなかなか返事をよこさないと言われますので。検討している、こういう検討をするということを含めて一日で返答する。そして、三年間で二千社という、ワン、ツー、スリーでございますけれども、こういったことを具体的な課題として、我々企業訪問を一生懸命取り組んでおります。  こういったようなことをしながら、なお、このみやぎ発展税を活用しまして、更に企業誘致を進めていこうというふうに思っております。いろいろ企業誘致をしておりますけれども、やはりこの間決まりました東京エレクトロンさんのような、ああいうマザー工場が一つ来ますと、その下の一次サプライヤーと言われるような企業が来ます。そうしますと、その下にまたぶら下がる関連企業がどんどんつながってくるということで、東京エレクトロンさんが一社来るだけで、関連企業百八十社来られますので、その百八十社のうちの何社かが、数十社が既に土地の照会を県に来て出してきているということもございますので、できる限りこの税を使って、そういった大きな企業そしてそれに関連する企業を集積、企業誘致するとともに、あわせて県内企業にもぜひとも仕事を受注していただき、設備投資を活発化していただくように、そういう呼び水にしてまいりたいというふうに思っております。  ちょっと長くなりましたけれども、そのように考えて一生懸命取り組もうと思っております。 ○副議長(千葉達君) 二番吉川寛康君。 ◆二番(吉川寛康君) ありがとうございました。  今後の経済対策を推進していく上で、より機動的な経済調査の実施が必要であると考えますが、現在の県のGDPであります県民経済計算では、速報版でも早くとも一年以上のおくれとなっている実情にあります。県のGDPの役割からすれば、もう少しこの発表を早め、あるいは国のように四半期ごとの発表あるいは半期ごとの発表に変えるですとか、そういった検討も今後必要になってくるんではないかというふうに考えております。  ちなみに、兵庫県では四半期発表に切りかわっておりますし、三重県では前年の試算まで発表しております。この点についてどのようなお考えをお持ちなのか、お伺いします。 ○副議長(千葉達君) 企画部長小林伸一君。 ◎企画部長(小林伸一君) 議員お話しのように、本県では、この県民経済計算の早期推計につきましては、その調査対象年度終了後、一年経過時点ぐらいで発表しているということであります。それで、三重県なり兵庫県の例が出されましたけれども、私ども調べてみたら、その後で出す確定値を出すために使う資料よりも、相当ラフな資料で計算して速報値を出しているということでございまして、後から出てくる確定値と比べると、かなり乖離があるケースも間々あるようであります。したがいまして、宮城県といたしましては、正確性を第一に公表をしていきたいというふうに考えておりますので、今直ちに、この従来の発表方法を変える必要があるというふうには考えておりませんが、ただ、計算のベースになる関連資料の入手の時期なりその内容等の分析をいたしまして、余り正確性を損なわないでより早く公表できないかどうか、なお検討させていただきたいというふうに思っております。 ○副議長(千葉達君) 二番吉川寛康君。 ◆二番(吉川寛康君) ありがとうございました。  企業立地、産業集積、これが今回の提案で新税が導入されるという前提での御質問になるわけですが、この産業集積が実現した際の従業員確保といった側面からの質問をさせていただきます。  今後、製造業を中心に企業誘致を活発化させるとき、工場で働く担い手をどう確保していくのかという点も、実は大変重要な課題であるというふうに考えます。たとえ、工場の誘致が実現したとしても、やはりそこで働く従業員を確保できなければ、なかなかこの工場進出といった絵は実現しづらい形になるんだろうというふうに考えております。  総務省の統計局で発表しています事業所・企業統計調査によりますと、県内の従業員数は、ここ数年、大きく減少傾向にあります。今後、少子高齢化で若い労働力が更なる減少を続けるといったものが確実視されている中、この産業集積の取り組みを一生懸命頑張っていく一方で、この従業員確保といった、実際潜在する問題についても避けては通れない課題の一つと考えますが、この点についてどうお考えなのか、御所見があればお伺いしたいと思います。 ○副議長(千葉達君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 企業を回っておりまして、必ず言われるのがそこであります。人材が宮城では確保されるでしょうかと、長く勤めてもらえるでしょうかと、必ず聞かれます。  今、一番景気がよいと言われている愛知県では、有効求人倍率が二倍を超えております。つまり、正規雇用がもう一倍を超えているというような状況でございますので、人が採れない。だから愛知に集積した方が便利ですけれども、残念ながら愛知では集積できないと、こういうような状況になっています。九州も同じような状況にだんだんなってきていると、特定の地域はですけれども、なってきているということであります。したがって、企業が今後生き残っていくためには、やはりいい人材を、しっかりとした人材を確保していかなければならないということになろうかというふうに思います。  そういった意味で、私ども宮城県は、今のところまだ有効求人倍率が一倍に届いたばかりだということでございますけれども、まだまだ優秀な人材がたくさんおられますし、大学や高校を卒業した若い方が、多くの方が宮城県に就職をしないで他県に出ているといったようなこともございます。毎年、大学や専門学校だけで二万人以上の若い人が宮城県に来ますので、そういった人たちをぜひとも引き続き宮城県に卒業した後もとどまっていただけるように、こういったことをまずしっかりやっていかなければならないというふうに思っておりまして、そういった意味のPRなども一生懸命努力しようと思っております。  また、新規の高卒者が、実は調べてみると三年以内に離職−−会社をやめる率が五割を超えておりまして、早い段階からのしっかりとしたキャリア教育だとかあるいは製造現場での職業体験、こういったようなものをやっていかなきゃいけないなと、こういう問題意識も持っております。我々といたしましては、みやぎ産業人材育成プラットホームというものを設置をいたしました。多種多様な人材育成メニューを調整、整備をいたしまして、体系的な人材育成、こういったようなものに努めていきまして、来られる企業あるいはこれから工場を大きくしたいと思っておられるような会社にすばらしい人材を送れるように努力をしていこうというふうに思っております。 ○副議長(千葉達君) 二番吉川寛康君。 ◆二番(吉川寛康君) ありがとうございました。  続いて、大綱二点目の防災訓練のあり方についての再質問をさせていただきます。  発生が予想されますこの宮城県沖地震に向けまして、いかに災害を最小限に抑えるかどうか、これはやはり県民一人一人の高い防災意識のもと、地域コミュニティー力をどんどん高めていく、これが大きなポイントであろうと考えております。自治体、企業、家庭だけではなくて、庁内における地域コミュニティーも含めた対策、いわゆる点ではなくて面としての減災対策といったものをどんどん拡充していく必要があるんだろうというふうに考えております。この減災を確実なものとするためには、何といっても、そういった意味では地域の力といったものが必要なわけでありますが、この地域コミュニティー強化の必要性並びにその実践に向けた県としてのフォローをどう位置づけておられるのか、その対応方針などもあれば、あわせて御所見をお伺いします。 ○副議長(千葉達君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) よく災害への対応は、自助・公助・共助と言われますけれども、そのうちやはり共助というのは非常に大きいというふうに思います。そういった意味で大規模災害、特に宮城県は大きな地震が来ると言われておりますので、地域コミュニティー−−、共助の分について、しっかりと力を入れていかなきゃならないというふうに思っております。  具体的には、これまで防災アドバイザーの派遣によって、自主防災組織の育成、これをやっておりました。また、地域防災リーダーの養成にも積極的に取り組んでまいりました。本年度から新たに地域防災に企業の持つ力を活用してはどうだろうかというふうに考えまして、企業防災リーダーを養成したいなというふうに思っております。企業も地域に溶け込んでいただく、これも大変重要なことでございますので、今までの地域という概念から、企業というものも含めた地域コミュニティーというものの概念に変えまして、企業の防災リーダーの養成、これにも力を注いでいこう、これはことしからですけれどもやっていこうというふうに思っております。 ○副議長(千葉達君) 二番吉川寛康君。 ◆二番(吉川寛康君) 続きまして、障害者の方の防災対策についての取り組みについて一点だけお伺いします。  震災時における障害者の対策、特に耳の不自由な、聞こえない聾唖者の方々については、町内会単位のそういった防災組織の方々のお話を伺う限りでは、やはりなかなか安否確認といったものが集約できない、そういった実情にあるという話をよく伺います。この安否の早期確認、これはやはり怠ってはいけない対策、望まれる対策なんだろうというふうに考えております。  この聾唖者の方々は全国で二万四千人、この宮城県においても六百人ほどいらっしゃるというふうに伺っておりますけれども、この多くの方々の震災に対する不安をやはり少しでも解消するとともに、スピーディーで確実な安否確認のシステムづくりといったものの確立が急がれるべき課題の一つだというふうに、私個人は考えております。やはり健常者、障害者、隔てなく被害を最小限にしていくためにも、まだまだこういった未整備な部分といったものはあろうかと思いますので、確実にそういった未整備部分を見つけ出し、確実に解消していく取り組みが必要であると考えますけれども、この聾唖者に対する防災対策の取り組み状況、並びにこの安否確認システムの早急な確立の必要について、どのようなお考えをお持ちなのか、御所見をお伺いします。
    ○副議長(千葉達君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) これも大変重要な問題であります。耳が聞こえないわけでありますので、ラジオを活用するというわけにもいきません。非常に重要な問題だというふうに、県としては認識をしております。  実は、昨年、市町村が策定をいたします市町村災害時要援護者支援マニュアルというのがございますけれども、これの指針として、県が災害時要援護者支援ガイドラインというものを策定をいたしました。そのガイドラインの中では、市町村は聴覚障害者の皆様に配慮するために、メールやあるいは一斉ファクスサービスなどの文字による防災情報や避難勧告等の情報伝達を行う必要があるということを明示をしておるわけであります。しかしながら、昨年度時点の調査では、作成済み、あるいは現在作成中という市町村が県内でまだ五市、町、五つの市と町だけでございまして、今後作成予定としたところが十八の市町ということになってございまして、まだまだ不十分だというふうに考えております。そういった意味で、障害者の方々の理解を求めつつ、要援護者の安否確認が適切に、円滑に行われるように、更に市町村とも協議をしながら、話を進めながら、しっかりと取り組んでまいりたいというふうに思っております。  また、当事者団体、例えば宮城県聴覚障害者関係団体連絡協議会の中に、災害対策ワーキンググループを設置し研究を行っていただいております。関係団体における取り組みもあることから、今後とも、聴覚障害者の団体であります社団法人宮城県ろうあ協会等関係団体の意見も聞きながら、しっかりと防災対策に前向きに、積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 ○副議長(千葉達君) 残余の質疑、質問は、明日に継続することにいたします。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− △散会 ○副議長(千葉達君) 以上をもって、本日の日程は全部終了しました。  明日の議事日程は、追って配布をいたします。  本日は、これをもって散会いたします。     午後三時十七分散会