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宮城県議会 > 1975-12-11 >
昭和50年 12月 定例会(第168回)-12月11日−03号

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  1. 宮城県議会 1975-12-11
    昭和50年 12月 定例会(第168回)-12月11日−03号


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    昭和50年 12月 定例会(第168回) − 12月11日−03号 昭和50年 12月 定例会(第168回) − 12月11日−03号 昭和50年 12月 定例会(第168回)     第百六十八回宮城県議会(定例会)会議録                      (第三号) 昭和五十年十二月十一日(木曜日)   午後一時五分開議   午後五時六分散会 議長                     木村幸四郎君 副議長                    渡辺健一郎君 出席議員(五十六名)      第一番               山田 元君      第二番               菅原保雄君      第三番               金沢哲男君      第四番               中村健一君      第五番               佐藤清吉君      第六番               佐藤寅之助君      第七番               亀谷博昭君      第八番               佐藤儀左エ門君      第九番               斎藤 堯君
         第十番               舘股 巴君     第十一番               遠藤雄三君     第十二番               飯塚森雄君     第十三番               櫻庭健朔君     第十四番               三上良喜君     第十五番               金子哲郎君     第十六番               沖 直子君     第十七番               石黒達也君     第十八番               錦戸弦一君     第十九番               後藤三郎君     第二十番               安住仁太郎君    第二十一番               和田鉄夫君    第二十二番               米沢清勝君    第二十三番               須藤正夫君    第二十四番               大沼茂三君    第二十五番               小野寺信雄君    第二十六番               文屋 公君    第二十七番               野口考吉君    第二十八番               佐々木敬一君     第三十番               菊地辰夫君    第三十一番               木村幸男君    第三十二番               猪股春雄君    第三十三番               曽根冨二男君    第三十四番               坂下清賢君    第三十五番               田畑忠雄君    第三十六番               奥山紀一君    第三十七番               高橋富士男君    第三十八番               杉岡広明君    第三十九番               佐竹二郎君     第四十番               吉田泰男君    第四十一番               森  康君    第四十二番               斎藤 惇君    第四十三番               佐藤常之助君    第四十四番               桜井亮英君    第四十五番               門馬重義君    第四十六番               斎藤栄夫君    第四十七番               星 長治君    第四十八番               阿部 蕃君    第四十九番               武藤洋一君     第五十番               小林仁司君    第五十一番               渡辺健一郎君    第五十二番               佐々木照男君    第五十三番               木村喜代助君    第五十四番               佐々木源左エ門君    第五十五番               平野 博君    第五十六番               千葉松三郎君    第五十七番               木村幸四郎君 欠席議員(一名)    第二十九番               畠山 孝君     −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 説明のため出席した者       知事               山本壮一郎君       副知事              石井 亨君       出納長              渡辺鉱助君       企画部長       事務吏員  鷲尾 潔君       生活環境部長     事務吏員  佐藤卓郎君       民生部長       事務吏員  千田敬司君       衛生部長       技術吏員  茂庭秀高君       商工労働部長     事務吏員  麻生卓哉君       農政部長       技術吏員  高橋元三郎君       水産林業部長     事務吏員  田村一夫君       土木部長       技術吏員  小林郁夫君       出納局長       事務吏員  佐藤幸紀君       総務部次長兼財政課長 事務吏員  鈴木 淳君       総務部秘書課長    事務吏員  草刈長治君       公営企業管理者          高橋善悦君    宮城県教育委員会       委員長              永野為武君       教育長              津軽芳三郎君       教育次長             高橋 章君    宮城県選挙管理委員会       委員長              木村 強君       事務局長             小川善次郎君    宮城県人事委員会       委員長              大泉吉郎君       事務局長             赤倉 満君    宮城県公安委員会       委員長              加藤多喜雄君       警察本部長            神川誠太郎君       警務部長             宮崎 喬君       総務室長             伊藤忠雄君    宮城県地方労働委員会       事務局長             佐藤 章君    宮城県監査委員       委員               今泉徳衛君       委員               木村要蔵君       事務局長心得           渡辺 満君     −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−    宮城県議会事務局       局長               中村信男君       次長兼総務課長          佐藤豊之助君       参事兼議事課長          飯塚登喜夫君       調査課長             本田 浩君       総務課長補佐           武田 寛君       議事課長補佐           新沼四朗君       調査課長補佐           佐藤富夫君       主幹               今野裕敏君       議事係長             並木孝氏君       記録係長             藤田雄英君       主事               佐藤 昭君
        −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−     議事日程         第三号            昭和五十年十二月十一日(木)午後一時開議 第一 会議録署名議員指名 第二 議第百十七号議案ないし議第百四十九号議案、議第百五十一号議案ないし議第百六十二号議案並びに報告第八号 第三 一般質問〔後藤三郎君・小野寺信雄君・菅原保雄君・杉岡広明君・佐藤儀左エ門君〕     −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−     会議に付した事件 日程第一 会議録署名議員指名 日程第二 議第百十七号議案ないし議第百四十九号議案、議第百五十一号議案ないし議第百六十二号議案並びに報告第八号 日程第三 一般質問〔後藤三郎君・小野寺信雄君・菅原保雄君・杉岡広明君・佐藤儀左エ門君〕     −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− △開議(午後一時五分) ○議長(木村幸四郎君) これより本日の会議を開きます。  本日の議事日程は、お手元に配布のとおりであります。     −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− △会議録署名議員指名 ○議長(木村幸四郎君) 日程第一、会議録署名議員の指名を行います。会議録署名議員に三十七番高橋富士男君、三十八番杉岡広明君の御両名を指名いたします。     −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− △議第百十七号議案ないし議第百四十九号議案 △議第百五十一号議案ないし議第百六十二号議案 △報告第八号 △一般質問 ○議長(木村幸四郎君) 日程第二、議第百十七号議案ないし議第百四十九号議案、議第百五十一号議案ないし議第百六十二号議案並びに報告第八号を一括して議題といたします。  ただいま議題となつております各号議案についての質疑と、日程第三、一般質問とをあわせて行います。  前日に引き続き質疑、質問を継続いたします。十九番後藤三郎君。   〔十九番 後藤三郎君登壇〕 ◆十九番(後藤三郎君) 私は不況対策の推進と水産問題の二つについて質問をいたしたいと存じます。  四十八年後期に端を発しましたオイルシヨツクによる不況の嵐は、その後時を経るに従つて日本経済を根本から揺さぶり、一般企業のみならず、国の財政とともに地方自治体の財政を危機にまで追い込んでおることは了知のとおりでございます。いま私どもはこの不況の原点にメスを入れて云々することは不可能なことで、時を待ちながら国内の経済体制を検討再編し、国民一人一人がお互いをかばい合い、じみちに国力を充実させることが最も大切ではなかろうかと存ずるのでございます。  かような観点に立ち、本県議会も六月編成の際に新たに不況対策調査特別委員会を設置し、本県産業の各般にわたり調査を繰り返し、九月議会において委員長よりその中間報告をなし、その対策として商工金融の充実促進、公共事業の完全実施、雇用対策の促進等知事に要請し、不十分ながらその成果を上げておりますことは、関係各位の御努力のたまものと、心から感謝申し上げる次第でございます。しかしながら九月以降上向きとの希望的観測にもかかわらず、なべ底景気の行方は知らず、七日の新聞報道によりますと、十月の完全失業者の数が百三万人と、再び百万の大台を突破し、企業倒産も一千三百件、金額にして二千四百億円を超え、一カ月の倒産負債金額としては最高と言われるまでに至つておる現状でありまして、本県といたしましても九月に協和カーボンの倒産を目の当たり見るほどでございまして、私どもはこの危機を突破するために、国に対して更に強力な景気浮揚策を要請いたしますとともに、本県独自の景気浮揚対策を強力に推し進める必要を感じ、次に各般にわたる対策、事業の実施を要請いたすものであります。  まず第一に、公共事業の完全実施についてでありますが、これについては、議会において強く要請し、知事も資金の効率的な運用の面からしても、これだけはということで、ほとんど実施のめどが立つておるようでありますが、五十一年度におきましても大変きつい財政に追い込まれるとは思いますが、続けて完全実施の方向で進めてもらいたいのであります。なお、県単独事業につきましては、財政投資効率が小さいので、この財政危機のもとに例年並みの実施を要請しても無理なこととは存じますが、ぜひとは申し上げることも大変心苦しいのでございますが、県単でなければやれない、それでいて大変住民サービスにつながる事業もございますので、資金獲得技術を拡大して、必要最小限度は実施するよう配慮いただきたいのであります。資金獲得拡大の一例といたしまして、これは農業団体関係者からなどもサゼツシヨンがあるわけでございますが、県営土地改良事業の県費負担分の起債については、これまで受益者に限度があるという立場で適債とは認められず、自主財源で賄つていたと伺つていますが、今後できたらかような起債を認めさせて事業の推進を図るべきと考えられるのでありますが、いかがなものでしようか。それが認められれば、三十億円ぐらいの自主財源が浮くようでございます。現在職員の給与関係についても大変つまずいておるような状態でございまして、その辺にもその金の流用ができるとも存じますので、その辺について伺いたいと存ずる次第であります。  その他土木建設事業につきましては、計画外の新事業への予算の配慮は大変むずかしいと考えますが、景気を浮揚させるためには、事業の発注を推進し、雇用を促進し、担税力を豊かにして、県財源を大きくするといつた連鎖的現象があることを意図されまして、お取り組みくださることを希望いたす次第であります。  次に、農林漁業についてでございますが、これも大変前向きに取り組んでいただいてはおりますが、価格体系、流通体系の整備等の難事業を抱えておりますので、この解決は国家的視野で行われなければならないので、なお十年の時間の経過が必要と考えられます。ただその間、農林漁民が果たして地位の安定が保ち得るかどうか、兼業農漁家が脱落しようにも、現在の不況が続く限りにおいて転業業種の選定もむずかしい時代です。国土庁は六十年度までの長期計画の中で、新農民の確保を条項の中にうたい上げておりますが、私は果たして現業者が脱落せずともよい農林漁業の政策の推進ができ得るや否かの危惧を持つているもので、この点について、豊かな農林漁業環境に恵まれておる本県といたしまして、十年の展望を原点として、じみちな、そして強力な指導体系を検討する時期と考えられるものでありますが、その点について知事が特別のお考えをお持ちでしたらお聞かせいただきたいのでございます。  なお、気候、海況によつて作不作が決まり、生産的不安定を救うためには、従来の災害給付の助成金制度より脱して、国の災害補償法に県の配慮を加えて災害補償制度を一貫して推進することこそ、農漁業の恒久的不況対策につながると考えられますので、このことについて、国の制度のもとに、県もその制度に準ずるお考えがあるか否か、御所見をお伺いする次第でございます。  次に、観光事業も大変不況にあえいでおります。不況対策について、これはなかなか予算を伴うことができませんので話しにくいのでございますが、行政指導などの面でひとつ強化をいたしていただきたいのでございます。観光は繁雑化する現代の社会機構の中に対応して人間性を回復し、職場の生産機能を高め、人生をエンジヨイするために大切な面を受け持つていることは、いま私が申し上げるまでもありませんが、本県において本年の夏は海洋博で客足が西向き、秋は長期ストなどで昨年よりずいぶんとダウンしているようであります。これは県の投資で云々というものではありませんが、今後の県の行政指導によつて大きく改善されるものがあるようですので、その点二、三触れてみたいと思います。  現在本県において観光事業の不振は、決してホテルが足りないとか、汚いとか、あるいは施設がどうのではなく、宮城県ならではといつたアピールが足りないと感じられます。御了知のように、宮城県は山あり海ありで、海や山の新鮮な食べ物に恵まれておるので、地元への流通を円滑にして、食べ物によるアピールを施すこと、また観光には、接客を職業とする人たちが必要ですが、この人たちに接客のマナー、教養といつたものを身につけさせる講習会などがあつてはどうかと、それが必要ではないかと考えられるのでありますが、いかがなものでしようか。最近ホテル等でルームサービスの係の者の全く不親切な態度に接するとき、我々は一体何のために金を払つて観光地に来、ホテルに泊まつているのか、全くわからない思いにさせられるときが時折ありますが、遠来の旅のお客にかような接客態度では失礼になるのみか、次第に客足が遠のくことも考えられるわけで、人手不足がこうしたと申せばそれまでですが、今後は業者サイドでも、観光県の立場としても、その姿勢を正す必要があると考えられます。不況の際にこそ私は本県が全国に先駆けて、これを観光行政の中に組み入れてはと考えておりますが、いかがなものでしようか。県の制度の中でそうした講習を受けた者、その証明書の所有者が賃金の面で優遇される仕組みにしたらどうでしようか、御検討をお願いしたいのでございます。  また、県内のある観光地において、客引きによる客の奪い合いで評判を落としているところもあるようですが、強引に客を引き、サービスは低く、金をとつてしまつてそれまででは、見るところではあるが泊まるところではないと、客が逃げる可能性もあるので、それを是正させ、長い展望で発展させるように行政指導をしてほしいと考えられるのであります。とにかくこれは県といたしましても、観光客その他による遊興飲食税は大きな財源でもあり、地方業者の全収入の〇・七掛ける〇・一、つまり免税点の上下、非免税のもの等、平均して総売り上げの七〇%に対して一〇%の課税がされていると、私なりに思量しておるものでありますが、その税収が地方財源を潤している現状からしても、県はこの際観光行政における指導の強化を図ることも不況対策の大きな焦点とも考えられますので、その点について、観光投資にかわる指導行政の強化をなされるお考えがあるかどうか、お伺いいたしたいのでございます。  なお、結論として申し上げるならば、不況対策は必ずしも官公投資だけによつて万全を期し得るものではなく、県や私どもが真剣になつて不況対策に取り組んでも、わずか四十億円程度にとどまる予算がせいぜいであります。しかるに県内においても、ある企業が本社社屋に九十億を投資するということを仄聞しておりますが、最後には民間投資家が立ち上がれば、百や二百億円の投資はすぐになされ、景気回復がそれだけ早まると思われますことから、県はこの際民間が投資しやすいよう取り計らいを推進すべきと思われます。市街化区域の線引きなどにおいても、民間のデベロツパーの取得地を区域に入れますと、企業との癒着がどうのこうのと見られてはということで、そんなごたごたで線引きがおくれたとも聞いておりますが、これは真偽のほどはわかりませんが、だれが見てもそうするのが本当だと判断されることについては、行政的に親切に速やかに進めながら景気浮揚政策を進めることになると存ずる次第でございます。景気浮揚施策を進めますと、公害とかその他の多少のひずみの出ることはありましようが、そのひずみをできるだけ抑え、正しいとか正しくないとかの不毛の論争にとらわれることなく、住民の福利への近道に焦点をしぼり、知事は長い展望で資源問題、エネルギー問題の解決を図り、資源小国日本の将来を思い、他県におくれをとることのない景気浮揚策を進めるお考えがあるかどうか、新しく険しい情勢の中で、知事は県民の福利を推進するために、攻めの行政を行うお考えがあるかどうかお伺いいたしまして、不況対策に関する私の質問を終わります。  次に、水産問題について質問いたします。国土庁はさきに新全総の総点検を進めておりましたが、十一月十五日、農林水産とその対策について、中間報告をまとめて発表いたしております。それによりますと、「六十年度までに農業生産においてその自給率を七五%まで伸ばし、水産においては日本列島の沿岸を一大漁業基地として見直し、沿岸漁業は現在全漁獲高の二〇%しか占めていないが、これを年間一千万トン一〇〇%へもつていくよう、工業、都市化で汚染し続けてきた海を国民の主要食糧基地に取り戻す計画を進めたい。」という内容であります。これは私どもとしてまことに歓迎すべき計画であり、たとえ国土庁の作文でありましても、ほのかな幸福を感じます。がしかし、翻つてこれを基礎に実質計画を組むとするならば、農業において五十兆円、漁業において五十兆円、合わせて百兆円の開発投資が必要であり、年次ごとに十兆円に上る国家財源をこの計画のために必要であることを、国土庁のお役人は知つてか知らずか、農漁民に夢を与えるという面ではまことに当を得た計画であつても我々は獏ではありませんから、夢を食うて生きていくことはできません。現在の国力からして、十年間にこの計画に百兆円を出せるとはとうてい考えられませんので、よしんば百兆円の金が出たところで、金だけで解決できないということも多々ありますので、我々はそれなりにこの計画を受けとめたいと考えておりますが、そこで農業問題については、私以外にもエキスパートである諸先生がおられますので、その先生方にお譲りいたすことにし、私は私の立場から、水産におけるこの計画に対し、国あるいは本県において実施可能と考えられる水産行政の一端を抽出し、その方向実施について知事の御所見をお伺いいたしたいと存ずる次第でございます。まず私は、この計画を少しでも実現に近づけるために、あすとは言わず、きようからやらなければならない事業といたしまして、サケ・マスのふ化放流事業の推進をあげたいと思います。なぜかと申しますと、現在海水魚の蓄養殖事業が進められておりますが、ハマチを除いてはほとんどが試験事業の域を越えず、そのハマチですら、えさ等の高騰により採算が苦しく、また養殖海面の適漁場が少ないことであります。そんな立場から、今後は海洋牧場に見られる放流計画を太平洋の北半分的規模で行う必要があるからであります。御存じのごとく、サケ・マスには育つた河川に卵を産みに帰るという帰巣本能があり、放流後四、五年で三キロから四キロの親魚になつて沿岸に帰つてきます。その数は、河川に上つて捕獲されるものが放流数の〇・六%、付近の海で捕獲されるものが〇・六%ぐらいと、統計的数字が出ております。そこでいま全国でふ化放流しておる匹数は、東北、北海道合わせて十億足らずと思われますが、これを十年計画で五百億粒の卵をふ化放流したとしますと、十五年後の昭和六十五年度には、東北、北海道沿岸に五億匹の魚が帰巣し、捕獲されることになります。この五億匹が平均三キロといたしますと、実に百五十万トンの漁獲になります。この百五十万トンとはどれほどかと申しますと、北洋におけるサケ・マス母船式独航船の総水揚高が十万トンですから、実にその十五倍に当たり、それが実現いたしますと、秋から冬にかけて東北・北海道は、実にサケ・マスのラツシユに見舞われ、金額にしてキロ四百円にして六千億円に上る計算で、六千億に上る収益になることになります。仮に宮城県がその十分の一の漁獲を得るとしても、実に六百億円になるわけで、もしこれが実現しますと、全国より漁業者や運搬業者、更に観光客が詰めかけて、生きたサケ汁を楽しむということになり、東北の発展に最大の寄与をすることが考えられるのであります。しかもこの魚は、四、五年どこで育つかと言いますと、日本サケの育つところは、カナダ・米国の西海岸二百海里付近であります。つまりカナダ・米国の経済水域内のえさを食うて日本に帰つてくるわけで、日本漁船を二百海里からシヤツトアウトしても、魚はおかまいなしなのです。こんな経済効果の大きな事業はないのであります。五百億粒の受精卵のふ化はできないという人もあると思います。宮城県でも五十億粒は無理という方もあるかもしれません。しかし県内には、大きな川では阿武隈・北上、中小準用河川を含めますと、何十河川も利用できます。汚れた気仙沼湾の大川にばんばんサケが上つておりますので、小さなことは心配ありません。これらを開発すれば、優に二十五億粒のふ化は可能と考えられます。そして稚魚の放流に保護を加えて卵の効果を倍に上げることです。そのためには、放流した魚を現在のように河口から千メートル付近の建網で一円にもならぬのに、何となくとつてしまつたり、またランプ網でコオナゴとともにがばつととつてしまつたりすることを禁ずる条例をつくることであります。放流後ある期間定置網の目を大きくするとか、あるいは放流時期以後ランプ網の操業を停止させる等、あるいは十センチになるまで河川付近の海面で生けす飼育して放流すること等、種々の政策が講ぜられることが考えられるのであります。  更に、現在淡水漁協は弱小でありますので、沿岸漁協との合併等を促進し、体制の充実を図り、国も県も金を出し、受益者ももちろん負担するために、捕獲した魚から何人といえども一割のふ化放流基金の拠出を法律で義務づけることであります。  時間の関係上詳細にわたつて説明できませんが、宮城県が今後の方向として絶対的にやらなければならない水産業といたしまして、以上提言するものでありますが、知事の御所見をお伺いいたす次第でございます。  その次に、漁場開発整備法の問題についてお伺いいたします。このたびの漁場開発整備法は、二次構を前進させて大幅の漁場開発を目的として、一指定地域当たり百億から百五十億の投資規模で始められたのでございますが、五十年度におきましては、県北部がその指定を受けておりますけれども、関係の法案がまとまらず、公共事業にのつておりません。そんな関係から、受益者の負担区分がはつきりしませんで、今年度はほとんどもう小さな額で終わるようでございます。これでは一体、国土庁がいま計画したような事業がいつ完成するでしようか。私たちは速やかに国に要請いたしまして、関係法案を整備し、完全なる公共事業として進めていただくよう要請いたすものでございます。  なぜ一体私がこれを提案するかと申しますと、養殖事業には、海域において生産力の限度がございます。そんな観点から、密殖にすればするほど生産が減退するのでございますが、自然の海況はそれを克服するだけの能力を持つておるのでございます。そんなことから、魚礁をどんどんつくり、そして放流事業を続けることによつて、私は大きな沿岸漁業での成果が期し得るものと考えられるのでございます。私は現在戸倉の漁協を指導しておりますが、四十五年度にはアワビの一年間の漁獲高が四千五百キロまで下がりました。その後放流事業を続け、禁漁区を設けて進めましたところ、年々増加いたしまして、四十九年度には一万キロを超え、本年五十年度には既に四回の開口で一万キロを突破しておるような状態でございます。今後この事業によりまして魚礁をどんどんつくり、いま谷川でもつて進められております国の採苗センターなどを活用いたしまして、アワビその他の稚貝などを放流いたしまして進めれば、いまの沿岸漁業が養殖事業を進めた以上の大きな効果が期待されるのでございまして、このような立場でぜひとも速やかに沿岸漁場開発整備法の関係法案を整備し、それにのつとりまして県がこの事業を強く推進してもらいたいのでございます。県においても非常に指導はしておりますが、県行政はまことに前向きではございますが、政策がないような感じもいたすものでございます。金がないからと言つて憶病になつておるようでございますが、これからはもつと大きな構想で、そして指導されれば、金は私は何とかなると思つております。サケ・マスその他海水魚のふ化放流あるいは養殖事業につきましても、民間の会社が一千万から二千万投資してもいいと、ただ会社に対する方向として、県が五十万なり三十万なり出してくだされば、我々はそれから一銭ももうからなくとも、将来の食糧資源に寄与するために、進んで農林漁業に金を投資してもよいということで、私も中央のそうした会社に足を運んでおりますが、これは全く漁業団体からも何の補助もなく、また私自身自分の旅費でこうしたものを進めておりますけれども、県はやはりこういうような民間の投資家の意欲をそそり、そうした面からも資金を得て、水産業の発展、沿岸漁業の発展のために今後前向きで進んでもらいたいのでございます。世の中の進展は二十年を一期とされておるようでございます。現在の状態でも我々現業指導者は何とか食つていけると思いますけれども、いまから十年、十五年、二十年、我々の子供、孫の時代までも考えて、こうした食糧政策を進めなければならない事態に私たちは立たされ、それをやることが我々政治家の使命ではなかろうかと存ずる次第でございまして、どうかそのような立場で、来年度からの漁場開発整備法をどのような方向で進められるか、まだ国の方向が決まつておりませんので、県でも確たる答えは出ないと思いますけれども、ひとつ大きな意欲を持ちまして、沿岸漁場の開発整備に立ち向かつていただきますことを心からお願い申し上げまして、私の一般質問を終わらせていただきます。 ○議長(木村幸四郎君) 知事山本壮一郎君。   〔知事 山本壮一郎君登壇〕 ◎知事(山本壮一郎君) ただいまの後藤議員の御質問にお答えをいたしますが、お話しがございましたとおり、現在の不況は我々の予想に反しまして、大変に長期かつ深刻なものがございます。当面県政の最重点目標を、この不況からの脱却、景気の浮揚、こういうことにおきまして必要な予算を御提案申し上げておりますことは、御承知のとおりでございます。言われますように、今日の不況は、輸出が振るわない、民間の設備投資も出てこない。また一般個人の消費需要も完全に冷え切つておる。そういう中で、やはり景気を浮揚さす一つの直接のきつかけとしての公共事業の推進が最も有効であろう、こういう考え方に立つていろいろと努力をいたしておるのでございますけれども、世界的ないろんな経済の動きもございましようが、いまだにこの景気回復の曙光が見えないということは、大変残念でございます。政府におきましても引き続いてこういう対策をとるようでございます。県としても、あらゆる面におきましてこの不況からの脱却ということを、当面最大の課題に取り組んでまいらなければならないと存じます。そういう意味におきまして、来年度もこの公共事業につきましては、極力完全実施、消化の方向で努力をしなければなりませんし、またいろいろと財源の工夫をこらしまして、必要な県単事業もできるだけ積極的に取り上げてまいりたい。またこれらの実施方法等につきましても、できるだけ県内の中小の業者、こういう方々に恩恵が直接まいりますような、そういう発注工事の施行方法に留意をいたしてまいりたいと考えております。そういう中で、農業基盤の整備事業は、今日百十数億に達しておるわけでございますが、これはお話しのように適債事業になつていないところが、財政的にも非常に苦しいところでございます。昨日も申し上げておりますように、現在の起債の運用が非常に弾力性に欠く、適債事業にいろいろと制限があり、また起債の許可をする率等におきましても問題がある。そこで私どもは、今日当面いたしております財政危機対策の一つの課題として、地方債の運用をもつと弾力的に改善すべきである、こういう方向で強く国に迫つておるわけでございますが、そういう中で、この問題につきましてもかねての主張でございます、取り上げてまいりたい、かように存じております。  なお、農林水産業の振興対策でございますが、お話しがございましたように、世界的な食糧の需給関係が将来にわたつて非常に心配をされております。そういう中で、これまで例えば農業関係におきましても、安い農産物があれば外国から入れればいいではないかと、こういう空気が一時我が国におきましても支配的であつたわけでありますけれども、我々はそういう中で、東北地方はあくまで日本の食糧供給基地の役割りを果たしていくんだと、我が宮城県はその中心になるんだと、こういうことを宣言いたしまして、農林漁業の振興対策には格段の留意を払つてまいつたつもりでございます。幸いおそきに失した感はございますけれども、政府におきましても食糧の自給率をできるだけ国内で上げていこうと、こういう方向を打ち出し、これにいろいろ今後必要な対策、具体の戦略手段を整えさしてまいらなければならないと存じます。またそういう中で農家や漁民の方々が生活の安定を図り、また将来の仕事に対して希望を持つていただけるような、あらゆる総合的な、いま申し上げますように、自給率を上げるとするならば、これに従事される方々に対する生活が安定し、そして将来に希望の持てるような価格面の対策、あるいはまた生産面の対策、流通面の対策、あるいはまた、広く生活環境の整備等々、数多くの仕事があるわけでございますので、こういう諸点につきまして総合的にこの対策を整備し、また国と県の事業をうまくかみ合わせることによりまして、我々は日本の食糧基地としての役割りを今後とも果たしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。  なお、お話しがございましたように、価格安定対策を考えますときに、これとリンクいたしまして、農林漁業関係における共済制度、保険制度の充実が必要であることは、私もかねがね災害があり、被害があるたびに痛感をいたしておるものでございます。現在曲がりなりに米につきましては一応の体制が整つておるようでございますけれども、農業関係におきましては、畜産等の問題、あるいはまた果樹、蔬菜等につきましても、もつともつとこういうものは整備されなければなりませんし、また水産関係におきましては特にそうでございまして、今日養殖漁業がここまで普及発達いたしております中で、安定的な生産、そしてまた、そのことが農家の生活安定につながる、こういう意味におきまして、共済制度の充実強化を今後国との協力関係におきまして、りつぱなもの、完備したものにする努力をいたしてまいるつもりでございますので、皆様方の御協力をお願い申し上げたいと思います。  それから観光事業、これまた本県の一つの大きな特色といたしまして、かねがね東北の開発の中でも、日本の保養、休養の基地としての役割りを強く打ち出しております。幸いいろいろとすばらしい観光資源に恵まれた本県のことでございますので、これらのよさを国民の皆様方にわかつていただく努力、特に最近都市化が進み、そしてまた工業化が進む中で、国民の大ぜいの方々が、いわゆるふるさとへの回帰といいますか、ふるさとを求めて盛んに地方に出ていかれる、こういう傾向が非常に強くなつておるように私には思えるのでございます。美しい自然があり、歴史があり、伝統の芸能があり、またふるさとの味があり、民芸品があり、ふるさとの心がある。そういうものに飢えておるのが、いまの日本人の全体であり、したがつてまた、そういうものを求めまして、本県などへの観光客の誘致ということも十分に将来考えることではなかろうか。そこで、せつかくおいでになつた方々に対しまして、やはり親切な扱い、不愉快な思いをさせないと、一度行つた方が必ず二度、三度来たくなるようなサービス面でのいろいろな不十分な点の改善、これにつきましては、講習その他適切な方法を講じまして、改善すべき余地がまだまだあろうかと存じます。世界で有名な観光国でありますスイスにおきましては、スイス・ホスピタリテイーということを非常にやかましく言つておりまして、一人一人のタクシーの運転手にまでそういう心構えが浸透しておつたように、私はかつて経験したことがあるのでございますけれども、少なくとも観光県としての面目を今後にわたつて発揮してまいろうということになるならば、大ぜいのこの観光事業に従事されます方々が、日本のふるさとの心を、来られた方々に十分味わつていただけるような、そういうサービスをおやりいただけるような行政指導を強化いたしてまいるつもりでございます。  なお、先ほど申し上げましたように、現在の不況の一つの大きな、不況が立ち直らない大きな原因に、民間設備投資の冷えきつた状況も数えられておるわけでございますので、本県の将来の開発にとりまして望ましい民間デベロツパーの投資、あるいは民間の設備投資、こういうものは大いに歓迎をし、また誘導をすることによりまして、不況対策の一つとしても、そういうことをぜひ進めてまいらなければならないと存じます。また同時に、県の財源を要しない、例えば新幹線でございますとか、縦貫道の建設でございますとか、こういう非常に大きな額の事業、そしてそれも全部国の経費でできる仕事の促進、こういうことも、県が行います公共事業とあわせまして、ぜひこの機会に促進をしてまいる。それが県内のいろいろと環境の整備、あるいはまた今後の地域開発の基盤整備につながる。これは言うならば一挙両得といいますか、一石二鳥の効果があるのではないか。そういう考え方に立ちまして、この深刻な不況からの脱却にあらゆる努力をいたしてまいるつもりでございます。  第二点は、水産業につきましていろいろお話しがございましたが、先ほども申し上げますように、食糧基地ということになりますと、ひとり農業面のみならず、水産の振興ということが非常に大きな問題になるわけでございます。そこで、ただいま後藤議員からサケ・マスのふ化放流につきましての大変含蓄のあるお話しがございました。世の中には取らぬタヌキの皮算用という言葉がございますが、いまのお話しは、まさに取れるサケによります確実な漁業振興の方策として承つたのでございます。サケ・マスのふ化は、せいぜい本県におきましては本年約千五百万尾程度しかやつておりませんのが現状でございますが、お話しのように、これを数をふやしていく、そのことによりまして、遠く外国の海で太つて大きくなつて本県の川に帰つてくるという、こういう一つの循環方式を活用いたしまして、とかく乏しくなりがちな水産資源の確保を図つていくということ、これらの御提言につきましては、真剣に今後検討いたしまして、そういう方向で具体化ができますように努力をいたしてまいるつもりでございますので、いろいろとお知恵を拝借をいたしたい。お願いを申し上げておきたいと存じます。  なお、漁業をめぐります国際環境が非常に厳しくなつております中で、やはり水産たん白資源が必要であるとするならば、沿岸の漁業というものをもう一度見直し、これの開発を図つていくということが我々としては当然とらなければならない道でございます。お話しがございました沿岸漁場の開発整備事業、法律によります事業でございますが、若干法体系その他制度の不備から、公共事業としての扱いがなされていないという欠点があるようでございますが、この点は五十一年度から公共事業として実施されますように、関係法令の整備について、ただいま国の方にも強く働きかけをいたしておるところでございますので、やがてそういうことになろうかと存じますし、この仕事につきましては、本県の場合約百億以上の事業が予定されておりますので、できるだけ早い機会にこの事業を推進をいたしてまいりたい。いずれにいたしましても、先ほど申し上げますように、沿岸漁業への重点の指向ということは、当然避けて通れない課題であろうかと存じますので、これらの点につきましては、お話しがございましたように、あくまでも新しい国際的な環境視野に立ち、かつ長期の視点に立ちました沿岸漁場の開発整備に真剣に取り組んでまいりたいと存じますし、またそういう中で、漁民の利益になりますような民間デベロツパーの協力体制、こういうことにつきましても、お話しのように当然そういう方々の御協力もいただかなければならないと存じます。もちろんその場合、漁民が犠牲になるようなことのないように、漁民の利益になるような方向での開発、常に申し上げます正しい意味での開発を私どもは決して進めることに憶病であつてはならないと、かような姿勢で取り組んでまいるつもりでございますので、御協力、御指導のほどをお願い申し上げる次第でございます。 ○議長(木村幸四郎君) 二十五番小野寺信雄君。   〔二十五番 小野寺信雄君登壇〕 ◆二十五番(小野寺信雄君) お許しをいただきまして、私は赤潮問題及び学校建設の問題について、知事にお伺いをいたすものでありますが、それに先立ちまして、まことに厳しい財政の中から赤潮被害の漁民のために、待避漁場等の予算が処置されましたことを、知事初め県当局、特に本問題に深い御理解をいただきました議員各位に心から御礼をさせていただきたいと思います。今回の処置は、おくればせとは申せ、まさに氷山の一角に手がつけられたのでありまして、その労をまことに多とするものでございます。特に本問題解決のために、従来は水産部サイドのみでその責任負担をしてきたわけでありますけれども、今回は大槻副知事を本部長といたしまして、気仙沼湾水産物被害対策本部を設置していただき、水産部はもちろん、生活環境部、土木部それに衛生、民生の各部を含めた総合的立場から取り組んでいただいておりますことは、赤潮を複合汚染であるとの認識を深めた結果であり、まさに画期的核心に踏み出したものと理解し、大きな期待を寄せているものでございます。私はこの組織を赤潮発生メカニズムが解明されるまで、ぜひ継続をしていただきたいものだと考えておりますが、知事の考えをお聞かせいただきたいと思います。ところで去る十一月二十二日、県気仙沼水産試験場におきまして、水産庁の森川漁場保全課長を初めとする各専門家の方々によつて、リアス式海岸での穴あきワカメの被害発生機構に関する調査研究検討会が開かれたようでございます。十二月初めからは宮城、岩手の水産試験場、東北水研、それに北海道大学等が受け持ちを分担いたしまして、穴あきワカメの再現実験や、バクテリア菌相と病源性の選別など四項目の調査研究方針を決めたようでありますが、私はその成果に大きな関心を寄せざるを得ないのであります。もちろんこの研究費は、環境庁が本年度特別獲得した予算でありますことは聞いておりますが、きのうも知事が沖議員の質問に答えておられるように、来年度は環境庁の予算でなく、当該研究は水産庁にそのまま引き継がれる見込みが濃厚であり、もしそれが本当だとするならば、私は非常に残念だと思うものでございます。とは申しながら、私は水産庁の研究に反対の意思を表明するものではなく、むしろ大いに歓迎するものであります。ただ水産庁と環境庁のおのおのの果たす役割りがおのずから違うものでありますから、仮に同じ問題を取り上げるにいたしましても、その結論はそれぞれ違つた方向に進むはずであります。したがつて研究結果から出る対策の方向も、片や養殖漁業の方法論として、あるいは片や生活環境の維持保全へと進むのではなかろうかと思うものでございます。つまり同一の現象を研究するにしても、研究テーマの設定の仕方が環境庁と水産庁とでは違うものでありますから、私はぜひそれぞれの各庁に予算の要求が必要と思うのでありますが、知事のお考えをお聞かせいただきたいと思います。幸か不幸か、気仙沼湾は天然の良港なるがゆえに発展してまいつたのでありますが、それだけに背後の都市化現象から受ける海水汚濁の影響密度も濃厚であります。今後気仙沼湾を先例とする三陸のリアス式海岸はもちろん、日本の各港は気仙沼港をモデルケースとして赤潮発生の徹底究明をしなかつたならば、海洋汚染の進行に歯どめをかけることは不可能だろうと思うものでございます。こうした意味でも知事は安易な妥協をすることなく、養殖漁業育成の立場と生活環境保全の両面から赤潮発生のメカニツクを早急に解明する方策を講じていただきたいのであります。これに対する御意見をいただきたいと思います。  今回庁内に生まれた対策本部も、そうした意味で今後ともそれぞれの機能を十分に発揮していただきたいと思います。知事もまたそのような指導をしていただきたいものだと思います。更には東北大学にも農学部と理学部が置かれて、それぞれ違つた立場から水質や微生物の研究が進められておるはずであります。特に加藤学長はその道の権威者であるばかりでなく、県の公害審議委員として、最悪時でありました気仙沼湾の視察もしておいでになるはずでありますから、この際文部省の予算も動員していただきまして、理学部での研究も進めていただきたいと思うのでございますが、知事の御所見をいただきたいと思います。  次に、先ほど御礼を申し述べました待避漁場につきまして、若干の問題点を伺わせていただきますが、漁民は今回の予算は苦心の予算であることは了解をしながらも、さて実際それを利用する場合、果たして血ガキ全部を待避漁場に移すことができるだろうかとする不安と焦燥、否むしろ不可能だとの考え方が多い上に、それを運搬する船をもつている組合と、そうでない組合、更には運搬コストからくる採算の問題、それ以上に台風や高波の被害を受けた場合の補償、もしくは先ほど知事の説明にもありますとおり、共済制度の不確実な点から出る問題等々が山積しておるのでございます。待避漁場に移したために商機を失うおそれなどもその心配の一つであります。何せ未経験の仕事に取り組むわけでございますから無理からぬこととは思いますが、この際こうした不安を取り除き、漁場の更生ができるまでの間、せつかくの待避漁場が有効に利用されるための提言がないものかどうかをお伺いをさせていただきます。  次にお尋ね申し上げたいことは、赤潮発生の元凶であると信じられておりますヘドロの除去についてでございますが、まず漁港区域になつております湾の最奥部、つまり蜂ケ崎以北の海底は、各種排水の堆積場所であり、その堆積されたヘドロが汚染の最大原因に挙げられておるわけであります。したがつてその取り除き作業が強く要望されているところでありますが、何せこうした事業は多額の費用が必要でありますので、市や県のみの力ではどうにも対処ができないと思われます。そこで環境維持保全事業などによる本格的な国費導入ができないものかどうかお聞かせをいただきたいと思います。また土木部関係だけでも問題が決してないわけではなく、商港の前面も蜂ケ崎以北に続く汚染区域といたしまして、常に赤潮の滞留の場所となつており、埋め立てしたそのものも議論の対象とはなつておりますが、せめて商港前面海域のしゆんせつはできないものかどうか。更には港湾機能を充実させるとともに、海水交換機能を促進させるためにも、湾の入り口の浅海部分、つまり大島沖合いのホヤ根付近の浅海部の掘削をすることが必要であろうと思われます。こうしたことは松島湾における作澪工事と同様の効果があると思われます。これこそまさに一石二鳥の対策となるわけでありますが、知事にそうしたお考えがあるかどうかもあわせてお伺いをさせていただきます。  次に学校の建設問題、設備の充実の問題でございますが、特に校舎改築についてお尋ねをさせていただきたいと思います。知事は社会福祉に貢献できる人間を育成する立場から、積極的に県立高校の整備を進められ、さきには泉高校の新設、本年度は向山高校、更に明年度は多賀城高校と相次いで高等学校の新設を図る一方、在来高校の改築も意欲的に進められているところであり、昭和四十九年度は黒川高校の改築を完成いたしましたほか、石巻高校、飯野川高校等の屋体までも完成をいたしたのでございます。老朽校舎の解消にも、かようにその成果は見るべきものが多いのであります。しかしながら県にはなお分校を含みます七十校の普通高校のうち約三〇%がいまだに未改築の老朽校舎の中で、風じんに耐え、寒さをしのいでいる生徒がいることも直視しなければならないと思うわけでございます。その数の論議は別といたしましても、総合計画に示されております十七校の新設校についても、各関係地域の人たちの期待の夢を私は破るわけにはまいらないと思うのでございます。こうした実情を踏まえまして、知事は、財政窮乏と低成長の時代に入るわけでありますが、一体どのようにこれらの問題に対処するおつもりなのか、今後の方針をお聞かせをいただきたいと思います。しかも例えば気仙沼水産高校のごとくに、昭和四十七年度に着工はいたしましたものの、実質四カ年の歳月が経過したにもかかわらず、一部の仕上げ工事に着手いたしたのみで、いつ移転ができるか全く予想がつかない学校もあるわけでございます。そこで学校建築における財政運営のシステムについてでありますけれども、新設高校である多賀城高校の場合、県の開発公社に委託をいたしまして立てかえ建築をさせ、単年度で供用開始ができる方法をとられたのであります。その費用はつぶさではございませんが、土地代約十一億円、屋体を含む建築費は約十五億円のようであります。その他七年間で返済をいたす間の金利は十一億円と言われております。したがつてこの金利の負担率は、工事全体の約四二%に相当するわけでございます。一方気仙沼水産高校の場合はどうかと申しますと、先ほども申し上げましたように、昭和四十七年度に着工いたし、その当時は完成予想金額の総額が約五億円と想定されておつたにもかかわらず、四年後の本年度まで投資された総額は四億五千万を超えておるわけでございますが、先ほど申し上げましたとおり、屋体はおろか校舎部分の一部仕上げに入つたばかりで、移転の目安が全く立つていないのが実情でございます。しかもこれが今後完成時までの費用をざつと見積もりますと、五億五千万が必要だと言われておりますので、既に計上されました金額を含めますと、十億円という金額になりますから、当初予想のちようど倍の金額が必要であるという結果が出ておるわけでございます。このような両校の建設の方式を比較してみた場合、だれが見ても前者が有利であるということはわかるわけでございます。そしてまた利用する生徒の立場から考えましても、五年も六年も待たせられる子供たちの心情はまことに察するものがあろうと存じます。知事はこうした二つの実例をごらんになり、これからの校舎改築及び新築に当たつて、どのような方針で財政運営をなさるお考えなのかをまずお聞かせをいただきたいと思います。  次に、具体的に気仙沼水産高校の今後の完成見込みについてお尋ねをさせていただきたいのでございますが、御存じのとおり気仙沼水高は、市内の潮見町の現在地から階上地内の景勝地に新築移転をいたそうとするもので、完成の暁は現在地の県有地と移転先の市有地を等価交換をするとの約束なようでございます。気仙沼市におきましては、そうした約束に基づいて、さきの総合計画におきましても、その跡地利用を検討してまいつたのでありますけれども、未曽有の財政事情とはいえ、いまだに移転の時期が明瞭にならないので、その利用計画も二転、三転をせざるを得ない実情であります。市の都市計画遂行上あるいは水産業の振興上大きな障害となつていることは事実でございます。もちろん一つの高校を新築するに当たつても、多額の費用を要しますし、その上政府からの助成制度が確立されていない現在、県の単独事業として実施するわけでございますから、まことに険しいものがあろうと存じます。気仙沼水高の生徒たちは、こうした中でも毎年の入学式、そしてまた卒業式も、校内にその設備がございませんので、市の市民会館を借りまして、その式を挙げざるを得ないのが実情でございます。間もなく卒業式のシーズンにも入つてまいります。こうしたことを考え、しかも気水高は改築高とは申しながら、新設の高校と同様、全く新しい土地に移転するわけであり、他の改築高校と違い、でき上がつた一部から先に利用することができないという特殊な事情がある学校でありますから、何とぞ新設学校並みの、あるいは三年くらいの債務負担行為で早期に完成を図つていただきたいと思うのでございますが、知事の御期待のできる御答弁をお願いを申し上げる次第でございます。  最後に、海洋青年の家についてお尋ねをいたします。これにつきましては、本年当初二億一千六百万円の予算を計上していただき、夢の海洋青年の家いよいよ実現と、県下の青年を跳び上がらせたのでございますが、残念なことに九月の補正では一億六千六百万の減額に至りましたものの、それでも六千三百万円の債務負担行為が承認されましたので、計本年度一億一千三百万円の金額をもちまして、着工ができることになつたわけでございます。既に二千万円で整地も完成いたしたようでありますし、残りの九千三百万円で本体工事に着手ができるということは、厳しい財政事情から考えて、その御苦心には感謝を申し上げるものであります。とは申せ、せつかく苦しい事情のもとで着工いたした事業でございますから、せめて来年度はその一部の利用でもさせていただきたいと思うものでございます。有為な青年の育成に活用させていただければまことに幸甚と存ずるものでございます。これに対する知事のお考えをお聞かせいただきまして、私の一般質問を終わるわけでございますが、緊急の問題でございますので、通告外につきまして一点だけお伺いをさせていただきたいと思います。  きのうからの各議員の質問及びそれに対する知事の答弁で、きのう現在までについては大方承知はいたしておりますけれども、職員給与改定の問題につきまして、知事は今後も継続をして団体交渉に当たつておるわけでございます。そこでもう年の瀬も迫つておりますし、私どもも円満な妥結を願つてやまないものでございますけれども、きのうの経過から、更に本日に至る間の経過をこの議場を通してお知らせをいただきたいと思うものでございます。できれば本議会に提案ができるのかどうか、その辺までをあわせてお伺い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。 ○議長(木村幸四郎君) 知事山本壮一郎君。   〔知事 山本壮一郎君登壇〕 ◎知事(山本壮一郎君) 小野寺議員の御質問にお答えをいたしますが、大変残念なことでございますが、ことしもまた気仙沼湾におきまして赤潮の被害が発生いたしまして、大ぜいの漁民に被害が出ておりますこと、心からお見舞いを申し上げたいと存じます。県に置きました被害の対策本部は、お話しのとおりこの赤潮の対策が十分とれますまで継続をいたしまして、ひとり水産部のみならず県庁挙げまして、この問題の対策に今後も精力的に取り組んでまいるつもりでございます。  なお穴あきワカメの調査ということになつておりますが、水産庁が取り上げましたこの調査研究は、あくまで今回出ました赤潮のメカニズム、発生原因、これを追求しようというものでございまして、お話しがございましたように、東北水研、関係県の水産試験場、あるいは学識経験者の方々等々の御協力をいただきながら、本年度の調査に入つておるわけでございますが、来年度の予算が水産庁になつておりますが、これは水産物の被害との関連におきまして、この原因を追及していこうということでございまして、これは仮に環境庁が行いましても、私はそう結果が違うというふうには考えておりませんけれども、我々が予想できます原因も、恐らく湾内に流入いたします陸上の水が大きな原因であろう、またそういう中で水族が出します有機物が、どの程度影響するのか等々が、恐らく海流の関係等も入れまして明らかにされるのではなかろうか、かように考えておりますけれども、環境庁にも調査費の調整費という予算がございますので、なお御指摘の点につきましては今後努力をいたしてまいるつもりでございます。いずれにいたしましても、非常に原因の究明が瀬戸内海におきましても行われておるようですが、なかなかいろんな複雑な要因がかみ合つておるようでございます。あくまでも気仙沼の現地の特色、あるいは背後地のもちますいろんな関係、こういうものからのメカニズムが解明されることを心から期待いたしておるものでございます。なお、必要に応じまして東北大学等の先生方のお力をかりるということも大変適切な案でございますので、これらにつきましても今後の調査の進行状況等々とにらみ合わせまして必要な措置をとつてまいるつもりでございます。  なお緊急の対策といたしまして、一応今回外洋の避難漁場に、被害を受けたカキを移すことによりまして、被害をかなりの程度軽減できると、こういう試験研究の結果実施に移そうといたしたものでございまして、これに要する経費二億円につきましては、県と市で負担をしようということでございます。ただお話しがございましたように、船の問題とか必要な施設の問題等々がございますが、こういうもののない組合には、別途構造改善事業等によりまして、当該組合と十分協議をいたしまして、そういうものを備えていただく。また作業等につきましては、熟練訓練等を青年グループを中心にして現在指導中でございますけれども、今後もそういう方々に、ぜひ一つの新しい試験であり、試みであり、実験でもあるわけでございますので、ぜひ地元の皆さん方の御理解と御協力をいただきましてこれを成功させたいと、かように考えるものでございます。そういう点におきまして皆さん方の御指導もひとつお願い申し上げたいと存じます。  なおヘドロの対策でございますけれども、ことしとりあえず県単で湾内のヘドロ除去の予算も組んでおりますが、養殖漁業者の皆さん方の御意見によりまして、これが実施が年明けになるようでございます。ただ本格的なしゆんせつにつきましては、御提言がございましたように、港湾サイドから取り上げる方法もあるようでございますので、これらにつきましては関係省庁と十分連絡をとりまして、本格的なヘドロの除去も、当然赤潮対策、被害対策の一環として取り上げてまいらなければならないと存じます。これらにつきましても国の補助の制度もございますので、これに乗せる方策を考えてまいりたいと思います。  次に学校の建設でございますが、本年度におきましても約二十七億ぐらいになりましようか、高等学校を中心にいたしまして、教育環境の整備にはこれまでも力を入れてまいつたつもりでございます。  なお、人口急増地域であります仙台周辺における新設校の建設を急ぎますために、債務負担行為を起こしまして、開発公社によります建設を考えて新しくそういう制度を開いたのでございます。今後は、一つは最近政府の方でもいろいろ問題になつております高等学校の新造建設分に補助を出すこと、その補助の出ることによつて浮きますといいますか、余裕の出てまいります経費を改造、改築等に回していくという方法が一つ考えられます。あるいはまた大変気仙沼の水産高校につきましては建設の期間が長くなつておりまして、生徒の諸君、皆さん方に御迷惑をおかけいたしておりますことは申しわけないことでございますので、御提言の趣旨等も踏まえまして、これからの建設の促進につきましては十分配慮をいたし、できるだけ御期待に沿えるような方向で善処をいたしてまいりたいと存じます。と同時に、きのう以来財政危機の中での県政のあるべき姿、今後の運営等にいろいろと御議論をいただいております。今後も御意見があろうかと思いますが、やはりことし、来年、極端な危機を乗り切りまして、いわゆる安定成長の時代での県政の推進の中では、依然として教育の充実の問題は非常に大事な課題でございます。しかし財政力というものを超えたアトランダムなやはり学校改築、建築に手をかけるということも慎まなければならないのではないかと、お話しのとおり、手をかけた以上は三年ぐらいで完成できるような計画的な学校の増改築等をやつていく必要があるのではないか。これまでもそういう計画につきましては教育委員会でいろいろ苦労しておるようですが、いま一度そういうものを見直した新しい計画をつくることが必要ではなかろうかと、こういうふうにも考えますので、今後の方針としては、いま手をかけておりますものは、できるだけ早く完成をいたしますとともに、今後の計画的な運営につきましては、なお一層考えを新たに構想を立ててまいりたい、かように存ずる次第でございます。  なお海洋青年の家の建築につきましては、当初の計画は体育館を先につくろうと、地形の関係でそうなつたようでございますけれども、それよりもやはり宿泊施設を先にいたしまして、お話しのように一日も早く利用できるような方策を考えるべきである。こういうことで若干計画の手直しをいたしたのでございますが、こういう厳しい財政下ではございますが、できるだけ早く、全部完成ということでなくとも利用できますように、今後努力をいたしてまいるつもりでございます。  なお職員の給与の改定問題につきましては、昨日もたびたび大ぜいの皆様方にお答えをいたしたとおり、組合と我々といたしましては誠心誠意お話し合いを続けておるのでございまして、その後も副知事を窓口にきようも話し合いがもたれたようでございます。なお妥結に至つていないということは、まことに残念でございますが、お話しがございましたように、極力円満な妥結のもとに今議会に御提案を申し上げたい。そういう気持ちはいまも変えておりませんし、今後もその線に沿いまして努力をいたすつもりでございます。お話しのように、こういう不況下でもございます。年内に差額が出ますように、あらゆる努力を続けてまいるつもりでございますので御了承いただきたいと存じます。 ○議長(木村幸四郎君) 二番菅原保雄君。   〔二番 菅原保雄君登壇〕 ◆二番(菅原保雄君) 私は、まず昨日我が党の桜庭議員を初め、各議員から質問のあつた県職員の給与改定に関して更にお尋ねをいたします。  その第一は、人事委員会委員長にお尋ねをしたいのであります。人事委員会は去る十月六日内外の厳しい情勢の中で、独自の立場を堅持をしつつ本年四月からの給与改定の勧告を行つたにもかかわらず、今日行政府である知事部局は、この人事委員会勧告の完全実施を行わず、特に将来にわたつて全職員に著しい不利益をもたらす一号俸切り下げを提示をしております。このことは県職員の身分、待遇を退職時まで不利益の処分をすることを意味するものであると考えます。人事委員会は勧告の完全実施についてどのような見解をもち、努力をしているのか、お聞きをいたします。また職員の身分にかかわる不利益処分に値する一号切り下げについていかなる見解をもつているのか明らかにしていただきたいと思います。  次に、この問題につきまして、先ほども知事が御答弁をなさつておるようでございますが、誠心誠意ということをきのう来言われております。更に先ほど小野寺議員も円満な解決と、こういうふうな御意見をお出しになつておるようでございますけれども、しかし誠心誠意だけで中身が伴わない限り、この円満な解決というものは、かなり困難さを伴つておるのじやなかろうかと、こういうふうに考えざるを得ません、したがつてこの問題の円満解決を図るとするならば、知事は一号切り下げについて撤回をして、改めて解決策を組合と話し合いをしなければ、今議会中に組合側との妥協点に達した上で関係議案を議会に提案することは不可能と考えますけれども、重ねて知事の所見をただすものであります。  更に私は、三つの項目について、知事並びに県当局の考えをお聞きしたいと存じます。その一つは、不況下における雇用問題についてでございます。昨日来の知事答弁でもお認めのごとく、四次にわたる不況対策の効果が薄く、景気の回復は動きが鈍いままに年を越そうといたしております。したがつて依然として雇用不安は解消されず、むしろ企業倒産の件数が増加をしております。日本の労働市場は、一般に、職種別に横断的に形成をされないで、特に大企業の分野では企業別に労働市場が封鎖されているのが特色でございますが、その有効求人が低下をし、昨日桜庭議員も指摘をいたしましたとおり、十月の完全失業者が再び百万人台を突破をしたと言われております。同じ十月の企業倒産は前年同月比二四・九%増の千四百六十五件に及び戦後最高水準になつたと発表されております。県内におきましても例外でなく、製造部門の企業経営危機に陥つているのが数件出ており、県がその救済とてこ入れに働いたようでございますけれども、ままならない状態にあると承知をいたしております。人員整理も相次いで起きており、年の瀬を控えてますます雇用不安が広がつていることを憂慮するものであります。私が九月議会で、雇用問題、雇用不安を解消する一つの方策として雇用保障委員会を設置してほしいと申し上げました。県も設置をする方向で努力していることを評価いたしますが、いつ発足させようとしているのか、そのめどなり運営をどのようにお考えになつているのか、お聞かせ願います。  次に来春高校なり大学を卒業する青少年の就職の問題についてであります。県内の工業専門の大学と、高校における十月末現在の就職状況の例を申し上げます。これまでは一〇〇%の就職率を示してまいりましたが、それが大学の場合、昨年は求人会社が千二百八十社あつたのが、ことしは五百八十三社、昨年対比での四五・六%、求人数で昨年は、三千四百四十九名であつたのが、ことしは千三百七十名、昨年対比で三九・七%にしか達しておりません。しかも昨年は卒業見込者のうち四百九十八名七四%が既に内定しておつたのが、ことしは四十八名七・五%しか内定しておりません。高校の場合就職希望のうち、半数ちよつとが決定を見ている状況で、採用中止を連絡してきた会社数が七十三社にもなつております。県内の他の大学、高等学校も同じ傾向にあるものと考えております。学校を出て社会に飛び出す青少年の働く意欲と希望を満たしてやるのが、社会の責務だろうと思います。県当局も各企業に求人開拓の要請をするなど、努力をなされているようでございますが、県が把握をしている就職状況をお知らせいただきたいことと、その対策についてお聞かせ願います。  二つ目は、がん、成人病予防対策についてでございます。六月議会でがん、成人病予防対策について問題提起をしたことにより関心をお持ちの方々より多くの御意見をいただいておりますので、重ねて県当局のその後の取り運び、状況をお聞かせいただきます。結核、母子衛生対策における宮城県の行政が、東北はもちろん全国水準の向上に著しく貢献した功績は衆目の認めるところであります。更に近年におけるがん、成人病対策も本県がその先駆けとなり、推進力となつていることは党派を超えて評価したいと存じます。しかしながら結核予防対策といい、母子衛生対策といい、それは法体系、医療体系総論の過程は、ともかくといたしまして、立法の時点においては、いわゆる富国強兵の思想に立脚したものと言われております。しかし全国に影響を与えてきた本県のがん、成人病対策は、このような発想に基づくものではなくて、だれしも安らぎの中に生きることができるように、生命の尊厳、生命を大切にする倫理に立つた民間運動そのものを基盤として今日に至つております。がん、成人病対策のより充実強化のため、これまでしばしば指摘をされてきました行政サイドの立ちおくれを克服するために、対策要綱の作成がどこまで進んでいるか、お聞かせをいただきます。  なお対策審議会はいつ発足をするのか、お聞きいたします。審議会を発足させるためには、審議委員の選出が必要になつてまいりますが、聞くところによりますと、県独自に行政的な選出をお考えのようでありますが、問題が残りますので、公共団体、住民サイド、学識経験者、成人病専門医といつた各層、グループごとに選出するのが妥当と思われますがどうでしようか。更にこの対策が、ともすれば結核、母子衛生に包括されがちなおそれがあるわけですが、あくまでも別個にがん、成人病対策として系統立ててほしいと思います。  三つ目は、宮城県警察本部の運営指針についてでございます。その運営指針によりますと、県民に信頼をされる警察の確立ということがうたわれております。確かに犯罪防止、凶悪犯罪の摘発、交通事故防止等、県警察の日常の労苦を多とするものであります。しかし、事労使問題、労使間に起きた紛争に県警察が対応し、介入の仕方を見ますと、果たしてこの運営指針が生かされているのかどうか、はなはだ大きな疑問を持たざるを得ません。先般行われたスト権ストと言われた全国的なストライキ行動の特徴は、あれだけの規模でありながら実に整然と行われたことと、比較的に国民が冷静に受け止めたことだろうと思つております。もちろん私は、ここでストライキの是非について言おうとは思つておりません。ただ県内でもほとんどの職場で何らのトラブルもなく終わつております。そのような状況の中でまことに残念ながら郵政部内、全逓関係の地方貯金局と保険局でストライキ準備行動の中で紛争が起きました。御存じのとおり貯金局と保険局は郵便局などと違いまして直接利用者とは接しない原簿を預かる計算官庁であります。しかも両局とも半数は女子組合員が占めております、ストライキの影響が全然ないとは申しませんが、利用者に及ぼす迷惑の度合いはかなり希薄なものであることは間違いございません。このような職場で紛争が生ずるのでありまするから不思議な話でございます。郵政当局は、これまでストライキ対策として戦時無法論の立場をとつてまいりました。ストライキ不参加者を確保するために、どんな手段や方法をとつてもよいというものであります。力ずくでも抑える、ストライキ不参加の数が多ければ管理者の出世の道につながるわけですから、非組合員、管理者は目の色をかえて実力を行使してくるというのが実情であります。しかも最後は警察の力をかりてとなるわけですから、全逓のストライキとなると県内至るところに県警察の部隊が出動するということが、今日まで繰り返されてまいりました。今回の事件で県警察は、三名の全逓組合員を逮捕し、身柄を拘束した上で取り調べを行いましたが、強制捜査をしなければならない理由が明らかでありません。法に従い令状をとつて職務執行したと言つておりますが、令状を請求したのはあくまでも警察自体の判断であると思います。郵政当局が報道機関に発表した事件の内容がいかに誇大宣伝であり、でたらめであるかは既に明らかな事実であります。警察当局は肋骨骨折、一カ月の重傷の報道が事実に反しているとしても、強制捜査の必要性の妨げにはならないと言つておりますが、刑事訴訟法第百九十九条の逮捕状による逮捕の要件に満たないものと思つておりますが、県警察本部長の見解をお聞かせ願います。被疑事実の軽量、軽微な事件、被疑者は定まつた住所を有しており、逃亡のおそれもなく、事件の内容からいつて罪証を隠滅する必要もないのになぜ強制捜査に踏み切つたのか、どう考えてもわからないのであります。その判断と結論を出したのは県警自体なのか、中央警察庁の指揮なのか、所轄署の意思はどのようであつたのか、指揮命令系統についてお聞かせをいただきます。警察当局は、よく労使問題については、厳正中立の立場を強調いたしますが、今回の事件の捜査の仕方を見ますと、明らかに郵政当局側に立つており、一方的な判断に偏つていると指摘せざるを得ません。したがつて意図的、政治的不当な刑事弾圧事件と見ざるを得ないと考えております。全逓を初め労組員も県民であります。県民に信頼を求めるとするならば、今後労使問題に対応する県警察の態度と姿勢はより慎重であつてほしいと思います。  次に、警察官の待遇改善についてでございます。第一線で働く警察官の苦労は並み大抵ではなかろうと思います。しかもみずからの待遇改善を迫る手段を有しておりません。したがつて本庁職員、教職員とともに、人事委員会の勧告は、勧告どおり実施すべきものと思います。賃金水準が全国的に見て四十位台というかなり低い位置にあると言われておるわけでございますから、なおさらのことと思います。県警察本部長はいかなる努力をして警察官の待遇を改善しようとしているのか、その考えをお聞かせをいただきたいと思います。  以上をもつて私の質問を終わります。 ○議長(木村幸四郎君) 知事山本壮一郎君。   〔知事 山本壮一郎君登壇〕 ◎知事(山本壮一郎君) ただいまの菅原議員にお答えを申し上げます。  第一点の職員の給与の改定でございますが、これは昨日来たびたび申し上げておりますように、私どもといたしましては、人事委員会の勧告が出ました以上、これはもう当然その勧告どおり改定を実施をいたしたい、こういう気持ちはもうやまやまでございます。ただこれまたたびたび申し上げておりますように、ことしの県の財政がまさに異常な破局的な状況にある、何としても県民の信託にこたえ、期待にこたえる上におきましても、この再建団体への転落だけは回避したい、そういうことになりますと非常に大きなシエアを占めます人件費につきまして、県の職員の皆さん方、いまお話しの警察官を含めまして、一生懸命に県政のために働いてくれております職員に、人事委員会の勧告すらそのとおり実施できないということは、本当に知事としては忍びない、申しわけない話ではございますけれども、お互いこの県政を背負つておるのだと、県民のために県政をあずかつておるのだと、こういう立場に立つてたえがたい、忍びがたいことではございましようけれども、今回我々が提案いたしております七・六%のアツプ率で七月実施ということでがまんをしていただきたい、この事情を私もたびたび組合員の諸君にお話しをいたし、大ぜいの良識のある組合員たちは、私のこのつらい立場、あるいは県のおかれております財政の立場、そしてこの際みんなで県の財政、自治を守らなければいけないのだと、こういうことについて理解を深めていてくれるものと確信をいたしておりますが、そういう方向で何とか組合との話し合いをまとめまして、先ほどもお話しいたしましたとおり、この会期中に改定の議案を御提案申し上げたい、そういう気持ちを改めて申し上げておきたいと存じます。  それからお話しがございましたように、現在の不況下の中で、雇用の不安というものは依然として続いております。そういうことと関連して申し上げるつもりはございませんけれども、県内のそういう状況等から見ました場合に、大ぜいの県の職員がお互い人員を直接減らすという方向ではなしに、この人件費の圧力に耐えていくような方向、お互いに乏しきを分かち合うと、こういうことについても理解がしてもらえるのではあるまいか、こういうふうに考えるのでございますが、御提案ございました雇用保障委員会的なもの、これは前回も申し上げましたとおり、現在の法制との問題、委員会の権限の問題、また何をどうするか、運営の問題等々大変にむずかしい問題があることは申し上げたとおりでございますが、それにもかかわらずなお行政サイドあるいは労使団体が一体になりまして、こういう事態に対処する方向で何らかの措置をとり得ないものであろうかということで、なお現在勉強をさせていただいておりますので、いましばらく時間をおかしいただきたいと思います。  なお、来春の学卒者の就職状況でございますけれども、一応中学校の方々につきましては心配のないような状況になつておるようでございます。厳しい状況にかんがみまして、この九月以来知事名によります求人の勧奨を県内あらゆる事業所に送付し、協力をお願いし、また公共職業安定所長を動員いたしまして、主要企業を訪問して協力を要請いたしましたり、十月には高卒者の就職促進の連絡協議会を開催いたしまして、県内の主要企業、団体、高校長の参加を求めまして、お互い意見の交換をし、求人の勧奨をいたし、これが推進を図つておるわけでございます。十月末におきまして県内の高校卒業者の求人倍率は一・四倍でございます。内定は五〇%程度でございます。前年が五一・一%、ことしは五〇%までこぎつけておりますので、高校生の諸君につきましても、おおむね心配がないのではあるまいかと、ただ大学の諸君につきましては、実は御承知のようにそれぞれの大学が労働大臣からの委任を受けまして、いわゆる職業紹介事務を行つておりますので、私どもの方で詳細な数字をいま持つておりませんが、大学の卒業生につきましても、九月、十月の時点では非常に厳しい状況でございましたが、その後時の経過とともに九月、十月に考えられていたよりはかなり前進をしておるのではあるまいか、ただ女子学生につきましては、非常に厳しい状況でございます。なお、私どもでできますお願い、その他促進につきましては、今後も努力をいたしてまいるつもりでございます。まあここでやや話題がそれるようで恐縮でございますけれども、やはりこういう不況の中で大学卒という、いわゆるハイタレントの働き場がまだまだ我々の地域では足りない、よく東北の開発を論じます場合に、開発を推進するハイタレントが必要である、それを養成しなければならない、こういうことを言いながら、現に東北大学を初め、数多くのりつぱな大学があり、この学校で勉強した優秀な人材があるにもかかわらず、これらの人たちを県内あるいは東北地方の発展のために働いてもらえないような状況、こういう意味におきましても、今後先ほどもお話しがございましたように、正しい開発というものを我々はやはり勇気をもつて進めていく必要があるのではないかという感を深くいたすものでございます。  なお、この成人病の対策でございますが、お話しがございましたような成人病対策の審議会につきましては、来年、年明け早々にも発足させべくただいま人選等を準備中でございます。委員につきましては各界各層からの代表が入つていただくつもりでございます。なお、対策要綱の作成につきましては各県からの要請を受けまして、ただいま国において基本的事項の策定中でございます。これらの国の基本要綱を早急に提示するようにただいま求めておりますが、これらを受けまして本県で発足させます審議会で、更に本県の特色を踏まえました要綱をつくつてまいりたい、かように考えておりますので、御報告を申し上げておきます。なお、その中で母子衛生、結核は富国強兵策だから必要ないという意味ではあるまいと思いますけれども、成人健康、生涯健康ということを考えますときに、やはり母子衛生が基本になるというのが原則のようでございます。しかしそうではございますけれども、当面取り上げる問題といたしましては、いま成人病として特に問題のありますがん、脳卒中、こういうものを中心に取り上げました対策を総合的にこの中で体系化をしていただく、それに応じまして我々のこの行政を展開していく、こういう考え方で取り組んでまいるつもりでございますので、御了承いただきたいと存じます。 ○議長(木村幸四郎君) 人事委員会委員長大泉吉郎君。   〔人事委員会委員長 大泉吉郎君登壇〕 ◎人事委員会委員長(大泉吉郎君) 二番議員さんのお尋ねにお答えを申し上げたいと思います。  本議会の、この議場を通じまして、任命権者であります知事から、県職員の給与の問題につきましては、再三にわたりまして御答弁がありますように、目下本件につきましては、県当局におかれまして、審議の現段階でありますので、その決定までは、人事委員会といたしましては、正式な公表は御遠慮申し上げさせていただきたいと思います。ただ二番議員さんのお尋ねのありました点につきまして、人事委員長という立場において御答弁申し上げられます点につきましては、去る十月六日に県議会並びに知事に対しまして通告、あるいは勧告を申し上げましたので、その趣旨に沿うて実施されますことを念願しておるということにつきましては、今日なお変わりはございません。公務員の給与決定の方式につきましては、最後的には条例審議の原則によるものでございますので、やがて知事から本議会に正式に提案されるものと考えますので、その段階におきましていろいろと人事委員会といたしましても表明せねばならない段階がありますれば、その機会に議会からの意見等もお尋ねなられることになろうかと思いますので、その席にお譲り申し上げたいと思います。  なお、最近まで県財政が非常に緊迫化しておるという面につきましては、間接の立場におりながらも、人事委員会といたしましては、知事並びに三者共闘会議の交渉経過等に対しましては、終始関心をもつてこれを見守つておるわけでございます。なお、いろいろな財源問題等の兼ね合いなど、困難な事情のあることも十分我々も承知いたしており、関心を持つておる段階ではございますけれども、できる限り勧告の趣旨に沿われるように措置していただきたい、これは二番議員のお尋ねに対しまして、人事委員長として答弁し得る限度でございます。なお、先般県当局と交渉をもたれました代表者が参られまして、人事委員会の今後の任命権者に対する措置、勧告をしつ放しでいいかというような御意見もございまして、それも踏まえまして、先般県当局に面会を求めまして、人事委員会の勧告の趣旨に沿うていただけるように、人事委員会といたしましては、重ねて強く要望をいたしておりますことを御理解いただきたいと存じます。  なお、最後にお尋ねのありました給与の一号俸の切り下げが不利益問題になると思うがという前提のように拝聴したわけでございますが、いずれ先ほど申し上げましたとおり、知事から条例提案が今議会にやがてなされる段階になろうと思います。したがいまして仮定におきまして本議会の議決になつた条例の施行ということになりました場合におきましては、これは不利益の減給処分にはもちろん該当しない、あるいはまた勤務条件の措置要求の問題というふうに私は理解したいのでございますけれども、この問題につきましても、条例が議会におきましての議決事項に基づく施行でありますれば、いずれも該当しないものと私どもといたしましては理解しておりますので、御了承いただきたいと思います。 ○議長(木村幸四郎君) 警察本部長神川誠太郎君。   〔警察本部長 神川誠太郎君登壇〕 ◎警察本部長(神川誠太郎君) お答えいたします。
     警察は、その責務の遂行に当たりましては、警察法に明記されておりますとおり、あくまでもその責務の遂行のために不偏不党、かつ公平中正を旨としておりまして、労使関係であるとか、あるいは労働問題に対しましては、これに介入すべきものでないという基本的な姿勢態度をもつて今日まで臨んでおります。今後ともこの基本姿勢については堅持すべきものと考えておるわけでございます。ところが暴力は労働運動と全く無縁のものでございまして、暴力の行使と違法な行為に対しましては、法の定めるところに従いまして犯罪の捜査を行うことは、警察の当然の責務であると考えております。去る十一月二十九日仙台地方貯金局と仙台地方簡易保険局内で発生いたしました傷害事件は、被害者の方からの告訴や、診断書をもつての被害申告、更に管理者からの告発もございまして、捜査の結果被疑者の逮捕の理由と、その必要から逮捕状の発行を得まして、捜査上の必要から強制捜査を行つたものでございます。警察はあくまでも公正に事案の真相を究明するものでございまして、不当介入や圧力をかけるなどということは毛頭ございません。県警察は、これからも県民の方々から信頼される警察の確立を図るために、警察諸般の問題について推進努力をいたしてまいりますが、今後ともよろしく御理解御協力を賜りますようお願いを申し上げる次第でございます。  次に、事件の捜査につきましては、犯罪の発生地を管轄する警察署長の指揮で行いますが、犯罪の規模、種類、態様等によりまして、警察署長は、警察本部長の指揮を受けて捜査することにいたしております。今回の事件につきましても、警察署長は本部長の指揮を受けて捜査をしておるものでございまして、警察庁からの指揮命令を受けるという筋合いのものではなしに、私の責任において指揮をいたしておる事件捜査でございます。  次に、警察官の待遇改善についてでございますが、警察官の勤務環境並びに給与など、勤務条件につきましては、従来からその改善に努力をしてまいつてきておるところでございます。御質問の待遇改善につきましては、県人事委員会において毎年給与の増額についての勧告がなされまして、それに基づいて給与の改善がなされておるのでございますが、警察においては、勤務の特殊性のほか職員組合がないなどの事情をも踏まえまして、私を初め幹部が職員の利益の代弁者という立場に立ちまして、給与の改善を人事委員会及び県当局に強く要望をいたしておるところでございます。今年度も給与改善についての人事委員会の勧告が出されておりまして、もちろん警察といたしましても、それが完全実施されることを願うものでありますが、今年度は県の財政事情から給与のベースアツプを人勧どおり実施することが困難であることを伺つておりますけれども、警察といたしましては、当局に警察の特殊性と、全国的に見ても低い本県警察官の給与水準をるる説明いたしまして、県当局の理解を深めていただくよう努力いたしておるところでございます。私といたしましては、今後ともなお警察官、更にまた警察官以外の職員、全警察職員の勤務環境の整備、給与等、勤務条件の改善に努力をいたしまして、士気の高揚を図つてまいる所存でございます。 ○議長(木村幸四郎君) 暫時休憩いたします。   午後三時八分休憩     −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−   午後三時四十三分再開 ○副議長(渡辺健一郎君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑、質問を継続いたします。三十八番杉岡広明君。   〔三十八番 杉岡広明君登壇〕 ◆三十八番(杉岡広明君) お許しを得ましたので、私は財政問題、過疎過密対策、防災対策の三点にわたり、幾つかの具体的な問題を提示しながら御質問を申し上げたいと思います。  まず第一に財政問題についてでありますが、昨日以来先輩各議員の質問を通して種々論議がなされ、知事からの御答弁もありましたので、重複する点はすべて割愛いたしまして、私は今後の財政運営上の問題点として、財政調整基金、並びに特定目的のための基金についてのみ御質問を申し上げたいと思います。  まず財政調整基金についてでありますが、積立金として年度間の財源調整と今後における弾力的な財政運営に資するための財源の留保というものは、財政難のときだけに重要な問題になろうかと思うのであります。御承知のように今日までの県財政運営の上からも効果的な役割りを果たしてきたことは言うまでもありません。今年度も貴重な十四億円余の基金をすべて取り崩すことによつて、今日の財政危機の乗り切りに少しでも役立てようということであります。しかしながら来年度以降については、本年度末の決算期を考えてみますと、剰余金等も全く期待できないので、基金の積み立ては行き詰まりの状態に追い込まれるものと考えられるのであります。基金の処分につきましては、地財法第四条の四並びに財政調整基金条例第五条にそれぞれ規定がなされておりまして、災害により生じた経費、又は災害により生じた減収を埋めるための財源に充てるとき、あるいは経済事情の著しい変動等により財源が著しく不足する場合において当該不足額を埋めるための財源に充てるときなどと、不測の事態に対応して弾力的に財源の調整に資するものであります。したがいまして、今後においてもし不測の事態が起こつた場合、これに弾力的に対応できる財源としての基金が期待できないということであれば、これは問題であります。日常の県民の生活の知恵としても、どんな厳しい経済情勢の中でも、不測の事態に備えて少しでも節約しながら計画的に貯金しようと努力するのであります。そこでお伺いするのでありますが、こうした現況と予測される事態のもとで、もし不測の事態が起こつた場合、どのように対処なさるおつもりか、財政調整基金の運用の面から県当局の御見解をお示しいただきたいのであります。  次に地方自治法第二百四十一条に基づく特定目的のための基金についてでありますが、今後の厳しい財政運営の上からも重要な意味をもつものと考えられるのであります。現在条例の定めるところによりまして、土地基金、社会福祉基金、畜産経営緊急対策基金、あるいは県有林基金など、また災害救助法第三十七条に基づくところの災害救助基金などがそれぞれ運用されているのであります。今後の財政事情からその基金の額等について見直しをする必要があるのではないかと考えるものであります。現在問題になつておりますところの赤潮などによる養殖漁業の被害など、いわゆる不測の時点において、人災あるいは天災によるそうした事態が発生した場合、これに対応して関係者の給与安定のための緊急対策としての基金など、あるいはまた公共事業の実施に伴いまして立ち退き、移転等、そうした補償などについて予測し得なかつた補償費を必要とする場合がたまたま発生することが考えられるのでありまして、そうした場合に対応できる財源としての基金など、今後考えておかなければならない問題がいろいろあるのではないかと思うのであります。また近く提案されるでありましよう消費者保護条例の訴訟費用の援助に関連しまして、既に先進県等につきましては訴訟資金貸付基金などもお考えになつているようであります。この際こうした基金を検討すべきではないかと思うのでありますが、現在保有の基金と新たに必要とされるであろう基金について、当局の御見解をお示し願いたいと思うのであります。以上が財政問題についてであります。  次に、過疎過密化の進行に伴う当面する具体的な問題について御質問を申し上げたいと思います。去る十月一日現在での五十年度国勢調査の結果、本県の総人口は、御案内のとおり長期総合計画におけるところの年平均増加率を上回るペースで増加いたしておりまして、百九十五万五千二百七十四人といういよいよ二百万人口に近づいてまいりました。四十五年度の調査に比べまして十三万六千人、七・五%の増となつたことは御承知のとおりであります。特に仙台圏への人口集中は一段と進んでおりまして、百万を突破、仙台市と泉市の両市だけで県内増加人口の六七%を占めるという増加ぶりであります。一方鶯沢町の二七・四%減を初めといたしまして、花山村、七ケ宿町、女川町、田尻町など減少率が他に比して高く、過疎化の現象もまた進んでいるのが事実であります。県当局におきましても、当然今回の調査の結果から長期総合計画の修正と、過疎過密対策についてのより充実した対策を検討なさる御用意があると思うのでありますが、過疎過密化の現象というものは、絶えず現在進行の形であります。ですからその対策につきましても、ローリングシステムの実施計画の中に重点的に組み込まれ、そして手を入れていかなければならない問題であろうかと思うのであります。したがいまして財政難とはいいながら、過疎過密化の進行に伴う県行政の地域的な不公平と不均衡を絶えず是正しながら、地域住民の生命と健康の保全、教育の機会均等、公共の安全と秩序の維持など重点的に取り組んでまいるべきでありますが、知事の御所見をお伺いするものであります。  次に、具体的な問題として三点について御質問申し上げたいと思います。第一に、地域人口に対応した保健所の機能強化についてでありますが、今回の国勢調査の結果から、当然保健所の機能が十分発揮できるよう対象区域の調整を行うべき段階にきていると思うのであります。特に泉市、富谷町など人口急増地域を抱える宮黒保健所につきましては、人口密度に基づく地域性からしても、泉市を中心とした地域保健の機能を充実させるためにも、保健所の泉市への移転を早期に検討すべき段階にきていると思うのでありますが、県当局に御検討の用意があるならばお示しをいただきたいのであります。  第二に、地域人口に対応した警察行政の充実についてであります。ただいまも申し述べましたように、人口急増都市でありますこの泉市について考えますと、人口七万の地方都市として、本県におきましては石巻市に次ぐ第三番目の都市に昇格をいたしております。更に今後の発展要素を考えますならば、人口十万台の都市になることは、そう遠い先のことではありません。したがいまして、都市化の進行に伴う交通事故を初めとする都市型の災害、あるいは都市型の犯罪が当然増加の傾向をたどることを考えなければならないのであります。泉市は現在仙台北警察署の管轄区域にありまして、南光台と七北田に警官派出所が配置されているのでありますが、現在の警察の機動性は一応評価できるものとしましても、なお泉市の地域住民の生命の安全を守り、公共の安全と秩序を維持するためにも、泉市内に新たな警察署の設置を早期に検討すべき段階にきていると思うのでありますが、県警当局にその御意図がおありかどうか。また当面警察署が設置されるまでの間の対応策がありますならば、あわせてお示しをいただきたいのであります。県警本部長からの御答弁をお願いいたします。  第三点といたしまして、人口急増地区における県行政の充実強化に伴う第一線職員の増員配置についてお尋ねをいたしたいのであります。仄聞するところによりますと、知事は県財政危機の打開策の一環として職員定数の削減をお考えのようでありますけれども、少なくとも人口急増地区における県行政の充実強化のため、人口増に伴うところの行政需要に対応する最低限必要な第一線職員の定数は、どうしても将来にわたり確保しなければなりません。学校教職員の場合を考えるならば、仙台市だけでも四十六年から五年間に小中校新設十三校、これに対応する教職員の増員から見ても、今後更に人口の急増が予想される仙台圏の公立の小中校・高校の増設計画、こうしたものを考え合わせますと、相当数の教職員を増員しなければならないのであります。また先に述べましたように、泉市などのように急速にふくれ上がつた都市部については、地域住民の生命の安全を守り、公共の安全と秩序を維持するために必要な第一線警察官の増員配置が要請され、また御承知のとおり東北縦貫道が来年度古川まで更に伸びるとするならば、そこに配置さるべき高速道路交通警察隊員の増員配置も要請されることになつてまいります。そのほか行政各般にわたり人口急増地区への第一線職員の増員が要請されることになるのでありますが、知事はこうした事情を十分御配慮の上に職員定数問題に対処すべきであると思うのでありますが、御見解を承りたいのであります。  次に防災対策についてでありますが、特に私は消防防災を中心に、その対策について御質問を申し上げたいと思います。去る十一月二十五日発表になりました消防白書によりますと、四十九年度中の火災は全国におきまして六万七千七百十二件、それによつて千六百四十六人のとうとい人命が奪われております。そしてこれに伴う財産の被害は、千百二十三億円に及んでおると、こうした事実が報告されているのであります。本県におきましても、四十九年火災は一千四十五件、損害額十六億九千五百万円、死者三十三人、負傷者百十六人、罹災人員二千百四十一人となつていることは御案内のとおりであります。また御承知のように、死者百三人という、デパート火災としては史上最高の犠牲者を出しましたあの熊本の大洋デパートの火災、また大阪千日ビルの火災など、多くのとうとい教訓が残されていることは、いまだ記憶に新しいところであります。ちよつとした不注意からとはいいながら、多くのとうとい人命と財産が奪われるという火災の恐ろしさというものを改めて痛感するものであります。それぞれの火災の原因について見ますと、失火が約八〇%を占めておりまして、このことは少しの注意で大半の火災は防ぎ得たということと同時に、半面人間は過ちを避けられないということも示しているのであります。したがいまして、消防行政としては人間の過失の不可避性というものを十分考慮した上で防災対策に取り組んでいかなければならないのでありますが、特にたつた一人の過失が大きな被害に結びつくところのマンシヨン、アパートなどの共同住宅、また不特定多数の人の集まる百貨店、スーパー、ホテル、雑居ビルなどが急増している今日におきまして、被害を最小限に食いとめる方策を常に分析研究し、災害の芽を摘み取ることが肝要なのであります。  そこでまず第一に消防行政を指導する県当局が、みずからの姿勢を正し、人命尊重を第一とする立場に立つて、じみな仕事ではありますが、防災対策に誠実にたゆまない努力を払うべきことをまず申し上げておきたいのであります。そしてまずみずから率先垂範するため、県管理の公共施設の消防用設備等の見直しと、その改善に即刻取り組まれることを強く要望するものであります。四十九年六月、消防法の一部を改正する法律が公布されまして、百貨店、地下街、複合用途防火対象物、旅館、病院その他特定防火対象物については、既存のものについてもスプリンクラー設備、その他消防用設備の設置が義務づけられたのでありますが、公共用施設につきましても、不特定多数のものが出入りします。又は収容する施設につきましては、その改善を求められていることは御承知のはずでございます。しかるにいまだその改善に本気になつて取り組んでおられないということは極めて遺憾なことでございます。仙台市内における県の施設についても、既に消防当局の査察、立ち入り検査の結果、改善を要するものにつきましては具体的に指摘をされております。例えば県スポーツセンターについてはスプリンクラー、屋内消火栓など、また県民会館についてもスプリンクラー、固定消火設備など、それぞれ改善を求められているはずであります。これは非常に大事な問題であると私は考えております。本県の施設を代表するスポーツセンター、あるいは県民会館というものは、御承知のとおり利用率が極めて高く、万が一多くの県民が利用している際に火災が発生したと想像するなら、重大な結果を招くことになるのであります。いかに財政難とはいえ、県民の生命を守る立場から、何にも優先して改善のため必要な措置をとることは当然であります。財政難だからそうした目立たないものは後回しだという考えはこの際許されない、このように私は考えております。県当局に早急に改善する御意思がおありかどうかお尋ねするものであります。もちろんスポーツセンター、県民会館以外についても同様でありまして、この際県の管理下にある学校、病院、福祉施設など、公共施設の防災設備と機能について、早急に総点検をみずから実施をしその改善を図るべきでありますが、その御意思がおありかどうかあわせてお尋ねするものであります。このように県当局みずからが姿勢を正し、その上で県下全市町村についても強力な行政指導がなされてこそ、県民のとうとい生命と財産を守る県政の姿勢が鮮明にされるということは、言うまでもないのであります。  第二に共同住宅、雑居ビル等の消防用設備の改善促進について御質問を申し上げます。先にも申し述べましたように、近年都市部のビル火災、共同住宅などの火災について多くの問題が提起されているのでありますが、例えば仙台市内において査察、立ち入り検査の結果、本年三月現在で共同住宅三千三百五十棟について八千二百六十四件の改善指示があつたのにかかわらず、改善されたものはわずか一千七百四十五件、指示件数に対して二〇%程度にとどまつております。雑居ビル等につきましても、本年三月現在六百三十六施設について総指示件数一万八百二十一件、そのうち改善された件数はわずか一千四百二件と一三%程度にとどまつているのであります。したがいまして県下各市町村について共同住宅、雑居ビルなどの消防用設備の改善方を強力に促進しなければならないということは、言うまでもありません。そのため県当局は当然各市町村とタイアツプして、その改善促進の強力な行政指導を実施すべきでありますが、県当局の御見解をお示し願いたいのであります。  また改善促進に関連いたしまして、融資対策についてお伺いするのであります。消防法の改正に伴う不特定多数のものを収容する防火対象物の消防用設備の設置につきましては、多額の資金を必要とすること申し上げるまでもありませんし、仙台市内だけでもこの共同住宅、あるいは雑居ビル等の改善に要する資金は、概算四十億必要だというふうに言われております。また遡及適用の期限内に実施をしなければならないということから、同改正法附則第六項の規定に基づいて、当該設備などの設備改善に当たつては、日本開発銀行を融資機関としまして、対象工事費の五〇%程度を限度とする安全対策融資制度が設けられているのであります。更に所得税及び法人税にかかわる減価償却の特例措置が講ぜられているのは御承知のことと思うのであります。このことにつきまして昨年七月二十九日付で消防庁安全救急課長名で、各都道府県消防主管部長あてに、その周知徹底を図るため管下市町村を指導するよう指示があつたはずであります。いまだその周知徹底を欠いているところが多く見られるのであります。この際早急に再度徹底を図るべきであります。また県当局においても、この融資制度に対する利子補給など積極的な取り組みをもつべきであると考えるのでありますが、当局の御見解をお示し願いたいのであります。  第三に、ビルなどの火災発生の場合、消防用設備の設置とあわせて大事なことは、特に不特定多数の人の集まる百貨店、スーパー、ホテル、雑居ビルなど、建築物に対して避難施設、防火区画、非常用の照明装置、進入口などの施設を設置することが大事であります。建設省は悲惨なビル火災の教訓から、今後新しく建築されるものへの設置、更に既存の建築物にもさかのぼつて設置を義務づけ、利用者の安全を図るため建築基準法の法改正案を昨年の通常国会に提出したのでありますが、一部業界の反対と圧力によつて一年半以上もたなざらしになつているということであります。この際知事はその法改正の実現を政府並びに国会に対して積極的に要請すべきであると思うのでありますが、知事の御所見を伺いたいのであります。  最後に、防災対策のための危険物の規制に関連いたしまして、液化石油ガス等のガス爆発事故の未然防止対策について御質問を申し上げます。御承知のように、最近東京都八王子市郊外の高層マンシヨンにおきましてガス爆発事故が発生いたしまして、その結果コンクリートづくりの耐火構造建築が爆発に対して予想外にもろいということがさらけ出されました。関係者やマンシヨン居住者に大きな不安を与えており、都市部における高圧ガス、液化石油ガスの保安体制について種々問題が提起されているのであります。通産省におきましては、本年八月に施行しました一般高圧ガス保安規則の一部を改正する省令及び液化石油ガス保安規則の一部を改正する省令についての補完基準をまとめまして、LPガスの生産輸入基地、中継基地及び一般充てん所の保安距離の確保、防・消化設備の能力増加、貯水槽、配管設備の改善など、一連の保安措置を図ろうとしているのであります。そこで問題になるのは、市街地において高層建築物や商業、住宅建築物の密集地域にありますところの営業車用の燃料としてのLPガスの充てんスタンドについてであります。既に東京都におきましては、危険なガス爆発による災害防止のため、LPガスの充てんスタンドなどの規制に乗り出しておりまして、都心部への新設の規制、既設スタンドの郊外移転など、保安対策に積極的に取り組んでいると伺つているのであります。本県におきましても、市街化と高層過密化の進んでいる地域につきまして、ガス爆発の不測の災害防止と震災時の二次災害発生の未然防止の見地からしましても、その保安対策については厳しい態度で取り組むべきであると思うのであります。例えば仙台市内には八カ所のLPガスの充てんスタンドがありますが、そのうち四カ所は市中心部の商業地域にあつて、一部には高層ビル、ホテル、病院等が隣接いたしております。また準工業地域に一カ所、工業地域に一カ所、特別工業地域に二カ所と、このような分布をいたしております。特に市中心部に位置するものにつきましては、いままでもガス漏れ事故などがあり、周辺住民から不安の声が起こつていることは既に御承知のことと思います。そこでLPガスの充てんスタンドなどの設置の許可につきましては、県当局としては、今後の行政指導としましては、市中心部にあるものについて、本格的な保安設備の改修を必要とするものにつきましては、この際積極的に市中心部を離れたしかるべき立地条件のところに移転するよう勧告し、今後新設されるものにつきましても、保安上十分立地条件を考慮した上で許可するなど、適切な措置を講ずべきであると思うのであります。またガス爆発事故の危険な災害防止に積極的に取り組むものといたしまして、当然一般高圧ガス、液化石油ガスを対象とした保安体制強化のための必要な条例の制定等も考えるべき段階であると思うのでありますが、県当局の御見解をお示しいただきたいのであります。  以上、当局の明快にして誠意ある御答弁を期待いたしまして私の質問を終わらしていただきます。御清聴ありがとうございました。 ○副議長(渡辺健一郎君) 知事山本壮一郎君。   〔知事 山本壮一郎君登壇〕 ◎知事(山本壮一郎君) ただいまの杉岡議員の御質問にお答えを申し上げます。  第一点は財政問題、特に不測の事態に備えて調整基金をもつべきではないかと、こういう御指摘でございますが、全くそのとおりでございます。ただ先般来たびたび申し上げておりますように、本年度に限つて申し上げますと、俗なたとえで恐縮でございますが、逆立ちしても鼻血も出ないまで財源をしぼり出しまして、必要な行政、給与改定等に臨もうとしておるわけでございますが、それでもなおかつ、これはもう本当にこういう席で申し上げにくいことでございますけれども、再建団体になるかならないか、すれすれの多額の赤字が出ると、こういう事態でございますので、そういう中でなおかつ財政調整基金を積み残しておくといいますか、それを使わずに残すということは、言うべくして大変むずかしいことでございます。しかし一方において、それでは一体不測の事態が起こつたときにどうするんだと、それで知事の責任を果たせるのかと、こう言われますと、これまたまことにごもつともな御指摘になるわけでございまして、そこで先般来、例えばお話しに出ております株をこの際売つ払つたらどうだと、こういうお話しがございますけれども、私はできればいまの杉岡議員のおつしやるような不測の事態に備えることも含めましてですね、その程度のものはできるならば維持したいという考えを前々からもつておるものでございますので、いずれ財政の再建をいたします過程におきまして、逐次今回のこういう事態を貴重な教訓にいたしまして、毎年適正な財調は積み立てていくと、常に一定の財調基金をもつと、こういう財政運営を今後はとつてまいらなければならないと、かように今回の財政危機に関連して一つの大きな教訓として受けとめてまいらなければならないと存じます。  なお、ほかの特定目的の基金につきましては、お話しがございましたように数項目の基金をただいまもつておりますが、これらもいずれもその行政目的からいたしまして、まだまだ不足をいたしております。今後の財政状況とにらみ合わせながら、こういう基金が有効に機能を果たし得るまで逐次増額を図つてまいりたい、かように考える次第でございます。  なお消費者保護条例につきましては、これから各方面の御意見を伺いまして取りまとめてまいるつもりでございますけれども、例えば、お話しがございました当然訴訟に対する援助等が一つの項目として入つてこようかと存じますが、とりあえず発足当時におきましては一体どの程度の訴訟費用がいるのか、それの減免措置をどうするのかということも、なかなか捕捉しかねると思いますので、とりあえずは予算措置で出発をいたしまして、それらの経験を踏まえながら、将来におきましては御提言がございました基金というものもあわせて検討をいたしてまいりたい、かように考えておりますので御了承を賜りたいと存じます。  第二点は過疎過密対策でございますが、御指摘がございましたように、今回の国勢調査の結果におきましては、仙台圏を中心に人口の集中が続いておりますし、また一方におきまして人口の減少地域もある、過疎化が進んでおるのでございます。ただこの今回の調査の結果からうかがわれますことは、五年前の前回に比べてみますと、例えば人口の減りました町村、前回では五十八の市町村が人口減でございましたが、今回は四十四市町村に減つております。またこのうち過疎地域の一つの要件となつております人口の減少率一〇%以上の町村は、前回が十町村から今回は三町村に減つておるのでございます。逆に人口増のものが十六団体から三十にふえておる。全体の中で、お話しのように依然として仙台周辺の人口集中は続いており、また一部におきまして過疎化が進行いたしておりますが、五年前に比べますとかなり過疎化の、つまり人口減少いたします町村の数が減つておる、ふえつつある町村の数がかなり多くなつておることは、これだけでもつて決して私は満足すべきものではないと思いますけれども、この五年間における県内の過疎減少にやや歯どめがかかり、好ましい方向だけは出つつあるのではないか、こういう方向を今後一層強めてまいりますような県内調和のある開発、発展、あるいは県土の建設を進めてまいりたい。基本的にはそのように考えるのでございますが、お話しがございましたような過疎過密対策、これは県民の生活のあらゆる面で、非常に日常の生活に関連いたすところが多い問題でございますので、常にローリングシステム等々によりながら、臨機応変に生きた行政の中で衛生の問題、教育の問題、あるいは保安対策、治安の問題等々に取り組んでまいるつもりでございます。また今後の、いわゆる地域開発の基盤になりますいろんな新しい交通網の整備等々を受けまして、県内における地域格差、地域的な不公正の是正、こういうものを基礎に踏まえました県土づくりに努力をいたしてまいるつもりでございますので、何とぞその点につきましては今後一層の御指導を賜りたいと、かように存ずる次第でございます。  それからそういう問題に関連いたしまして、保健所等の機能、特に対象区域の調整を、宮黒の保健所の例をお出しになつて御指摘がございましたが、確かにいまの保健所は二十三年当時の人口、十万人に一カ所というものを基準にいたしましてでき上がつたように私は聞いておりますので、これらは明らかに新しい人口の分布、更には今後の動向等を踏まえまして、再編整備をする必要を痛感いたしております。こういう点につきましては今後前向きに検討いたしてまいるつもりでございます。  また警察につきましても当然同じような問題があるわけでございますが、これは本部長からお答えをいたすことにいたします。  なお、今後人口急増地域におきます各種の行政面の仕事がふえてまいりますことは当然でございます。そういう意味で、県の職員の今後定数の是正の問題にも取り組んでまいらなければなりませんが、その中で特に必要な地域には必要な人員を確保する、こういうことは当然考えなければならぬことでございます。全体の数はできるだけ圧縮の方向で臨みたいとは思いますけれども、必要なところへ必要な適正な人員を配置すると、これは当然必要なことでございますので、そういう面での配慮は強めてまいるつもりでございます。  なお防災の問題につきましてもいろいろと具体の御提言をいただきましたが、その中で県の施設そのものの消火施設の改善、これらにつきましてもなお猶予期間があるようでございますけれども、御指摘のとおりこの際スポーツセンター、県民会館を初め県の管理いたします施設の総点検の上に立ちました改善策を早急にとらしてまいるつもりでございます。また共同住宅、その他消防施設の改善につきましては、市町村の消防機関を督励いたしまして十分必要な対策をとつていただくように指導を強化いたしますとともに、開銀その他環境衛生金融機関等々の融資のPRが足りないという御指摘でございますので、これらにつきましても今後一層力を入れてまいるつもりでございます。なお百貨店等の構造的な設備の改善をするための法律の改正の促進につきましても、御協力をいただきながら国会その他に働きかけをいたしまして、一日も早く法的な根拠ができますように努力をいたしてまいるつもりでございます。  なお、市街地における高圧ガスのスタンドの取り締まりにおきましては、現在法律に条例制定の根拠を委任してないように承知をいたしておりますが、いずれにいたしましてもそういうことであるならば、法律の改正についても立法論として国に働きかけるか、あるいはまた今後の行政の指導等によりまして、新設のものにつきましてはできるだけ安全な場所につくつていただく。なお保安施設の点検等々につきましては今後一層の努力をいたしまして、要は我々いろんな行政の中にあるわけでございますけれども、お話しがございました、じみではありますけれども、地域住民の健康と安全、生命と財産の安全を守る、そういう意味での防災対策、防災の対策があらゆる政治行政の基本であると、こういう考え方に改めて思いをたいし、またそういう中で都市化が進み、いろいろと社会の状況が変わつてまいります。変わつてまいります中での新しい防災対策、防災上の行政、こういう面を関係機関と協力をとりながら今後一層強めてまいりますことを申し上げまして、一応御答弁を終えますが、残りました問題は本部長からお答えをいたします。 ○副議長(渡辺健一郎君) 警察本部長神川誠太郎君。   〔警察本部長 神川誠太郎君登壇〕 ◎警察本部長(神川誠太郎君) お答えいたします。  泉市におきましては、ここ数年大規模団地の造成などから人口が急増いたしまして、これに伴う犯罪等も増加をいたしてまいつてきておりますが、県警といたしましては、泉市の治安を維持、増加をする各種の犯罪あるいは事故等に対処するため、今日まで派出所の設置、外勤警察官の増員、あるいは移動交番車によるパトロールの強化などの措置を講じてまいつたのでございます。しかし泉市におきましては、今後更に団地の造成、交通網の整備によりまして、都市化がますます進展するでありましようし、人口が増加するものと考えられますので、これらの情勢の推移を見きわめながら警察署の設置につきまして検討してまいりたいと考えております。なお、当面は新たに造成される団地に対する派出所の新設であるとか、あるいは派出所員の増員、パトカーの増強というような面で、それぞれの対応措置を段階的に講ずることによりまして、泉市の治安維持の万全を期してまいる所存でございますので、御了承賜りたいと存じます。 ○副議長(渡辺健一郎君) あらかじめ会議時間を延長いたします。八番佐藤儀左エ門君。   〔八番 佐藤儀左エ門君登壇〕 ◆八番(佐藤儀左エ門君) 私は二つの問題をとらえまして、質問をさしていただくわけでございますが、まず質問の第一は、予約限度超過米対策についてでございます。  我が国の農業は、高度経済成長期を初め、長年にわたり軽視され続けられてまいりましたが、その結果農民の生産意欲はだんだんと低下の方向にあるということであります。現在世界的に食糧危機が大きな問題とされている中にあつて、我が国の食糧自給率は年々減少の方向にあり、食糧不足はまずます深刻化することは極めて明確な事実であろうと思います。かつては国際分業論を唱えました我が国の経済合理主義は、地球上の一地域内における不作は、国際穀物市場におきましてストツプ高を招来し、結果は御承知のとおりいつでも買えると思つておりました穀物市場さえもが、輸出の規制を突如として言い出すという状況にかんがみ、食糧事情に大きな混乱を来し、農業を見直すための大きな教訓になりましたことは御案内のとおりであります。現在我が国の稲作はたゆまない農家の努力又は技術の向上、自然条件等によりまして豊作続きであり、国民の主食として米の供給は満たされているものの、しかしこれが農家の意欲減退及び自然条件の変わりばえによつて供給動向は現在過剰であつても、将来における過剰の保障はどこにもないということであります。したがいましてこうした食糧の長期的政策を講ずることなく、単なる一時的な米の過剰をとらえ、更に今後水田総合利用対策事業なるものを打ち出しまして、生産調整を進めようといたしておるようでございますが、何とも理解しがたい気がいたしてならないのであります。本県におきましても予約限度超過米が予想外にできる結果となり、作況指数は一〇八となり、予想収量高は六十一万五千百トンを見込まれるとのことであります。このうち政府米の限度買い入れ数量は四十五万五千四百トンと、飯米保留十一万九千七百トンを見ると、超過米はまさに四万トンの勘定と相なるのであります。政府は十一月二十八日、この超過米に対する助成措置として六十キロ当たり流通促進奨励金一千三百円を決定いたしております。このほか特別販売奨励金二百円につきましては、一時発表いたしましたが、いまだ明確になつておらない現状であります。仮に流通促進奨励金の一千三百円の助成を加えましても、政府米との格差は優にいまの予想からすれば、総額で約二十億円近いものになるということであります。御案内のとおり本県の農家は、稲作に依存するウエートは極めて高く、米生産県としての有利性を遺憾なく発揮でき得る体制を考える必要があろうかと存じます。そこでお伺いを申し上げたいと思うのでありますが、県は昭和四十八年度超過米に対しまして、助成の措置を講じておりましたが、今年は財政難から無理でございましようからして、農家、農民、農協が期待いたしておりますものに、呼び名の違いはございましても、感謝をこめました意欲的な生産対策費として、金額の多少は別問題ではございますけれども、行政機関を通しまして、単位農協に流していただく措置はいかなるものでございましよう。更にはまた、同じ米でありましても、価格体系の格差によつて生ずる超過米の価格政策を政治の面から制度化できないものか、生産県としての知事の御高見を伺いたいのであります。従来超過米につきましては、発生が予想されました年においても十二月から翌年の二月にかけて県下の調整を行つてきたようでございますが、限度数量の増枠の予想はいかがでございましようか。  次に、米の生産過剰が今後も続く傾向にあるとするならば、県は農業団体と連携のもとに、米消費拡大運動の展開をする必要があろうと存じますが、いかがでございましようか。そこで教育長にお尋ねをいたすのでございますが、現在の学校給食法は、食糧不足のときに制定されたものでありまして、輸入小麦を原料とするパン食でございますが、現在の国民食糧動向から見て、パン食から米食に切りかえはできないものか、国の考え方、あるいは各県の動きなどをお知らせ願いたいのであります。  先般自民党文教部会におきまして、この文教部会は本県の三塚代議士が座長になつておられますが、そこで米消費拡大の当面の課題として学校給食が取り上げられておつたようであります。更にはまた農林大臣あるいは文部大臣が会談をいたしまして、学校給食に関しまして検討を始めたということでございますが、その内容等についておわかりでございましたならばお知らせを願いたいのであります。  次に、超過米の販売対策でございます。今年度の場合は量的にも大変でございまして、去年の実績から見ましても、完全消化は極めて困難であろうと見ております。政府売り渡しとは異なりまして、超過米販売等につきましては、余りにも経費がかかり過ぎる傾向にございます。したがつてこれが解決の方策といたしましては、備蓄の方向をとつていただきますよう強く政府に対し、備蓄量の拡大を図るための運動を展開する必要があろうかと存じます。農業見直し論が叫ばれている今日、長期展望に立つての我が国の食糧自給度の強化農政は、それとうらはらに超過米の始末にも事欠く現状を見るにつけ、生産を誇る本県といたしましては、生産農家を守るためにも、米の流通混乱を避けるためにも、また大きくは日本の農業を守るためにも、今後超過米の全量政府買い上げ等を基本とする農政に改めていただくための好機であろうと思いますが、いかがでございましようか、再考をお願い申し上げたいのでございます。  質問の第二は、ダム建設の問題についてでございます。近年急速に水の需要が高まつてまいりましたが、工業用水あるいは飲料水又は農業用水、特に今後大きくあらわれてくるであろうところの公害追放に要する水資源ははかり知れない感がいたします。更にはまた最近における畑作農業の振興は規模の拡大によつてとはうらはらに、小規模経営、つまり少ない面積から多くの収入を上げるハウス栽培あるいは園芸施設の方向にだんだんと変わりつつあるということでございます。ここでも相当量の水を必要といたしておるのでございます。最近の農業は自然の天候を相手にだけでは成り立たないということでございます。このことは本県だけではございませんで、全国共通の問題であろうと思います。したがつて水資源の確保につきましては、今後における近い将来わずか十年足らずの展望の中で見ましても、水の需要に対策が追いつかないという状況化におきましては、ダムの建設は一日も早くというのが課題とされておる今日であります。本県におきましても目下計画中のもの、あるいは工事中のもの、いずれも早期に完成をされまして、県政発展の原動力たらんことを願つてやまない次第でございます。そこで私はお尋ねをいたしますが、いま計画中にございます地元七ケ宿ダムがなかなか思うように進まないようでございます。県側からダム建設の計画のあることが発表されましたのは昭和四十六年とのことでありますから、まる四カ年が経過しておるわけでございます。不本意ながらも対策協議会が生まれ、総会やら役員会で優に百回を超す協議が行われ、精神的な負担は大変なことであろうと思います。私は県会議員の立場におきまして、本領はわかつておるのでございますが、地元選出の立場にある以上、その役割りは重大でありまして、計画の促進に協力するのが本分ではございますが、これから水没する地権者のことを考えますと無関心ではおれず、双方の立場にありまして、戸惑いをいたしておるのでございます。そこでいま地権者の心境はどうかと申しますと、全くあきらめの状態であるということでありまして、県の公共事業には反対はしきれず、観念を余儀なくされているということでございまして、あきらめや観念的なものは既にダム建設に協力することを意味するものとして評価してもよろしいではないかと思うわけでございます。しかしながら他面この問題は、地権者にとりましては、まことにお気の毒な思いでありまして、年老いました水没老人が嘆きます。「いまどきなんでここさダムをつくるんでしよう。」これは八十歳になる老人でございます。何代にもわたりましてここに住みついておつて何なく生活をやつておるにかかわらず、ここにダムができますというと、我々は所がえをしなければならない、何とかこいつならないものかと。だがしかし、お上のやることですからして反対はできません。「お上」という言葉をつかつておるのでございます。お上は役所でございます。このような心情をくみ取らないわけにはまいらないと思うのであります。都会ではちよつと見られない光景でございます。かわいそうな気がいたしてならぬのであります。このようにしてダムは必ずできるものであるという気運がみなぎつておりますものの、反面裏話しもございます。どういうことかと申しますと、国の権力や、あるいは県の権力でもつて抑えるような場合は絶対承知はできません。こういうことでございます。私は県に対しまして申し上げたいのでありますが、決して権力でもつて押し切るようなことだけは避けていただきたいと御要望申し上げたいのであります。目下条件闘争の過程にございまして、県といたしましても、いろいろ手だてを御配慮中とのことでございますが、条件の内容等につきましては、私の判断するところでは、決して無理でもなければ乱暴でもなさそうでございます。したがつて知事は勇断をもつて要望をおのみになつてはいかがでございますか。細切れ的な交渉は、かえつて住民感情を害し、いたずらに工事の遅延を促す結果となりはしないかと思うのでございますが、いかがでございましようか。いま建設中の名取ダム、あるいは漆沢ダムは、いずれも工事のおくれに伴いまして当初予算の二倍にもなつたということ、これほど県民の負担増と相なつてまいるわけでございます。補償交渉が長引けば長引くほど工事の着工がおくれます。おくれればおくれるほど工事費がかさまつてまいります。現状は、来年度には一筆調査あるいは立木の調査の段階に入るとのこと、予算も四億円ほどになるとの説明もございますが、地権者側はいままで協力はしたが、一筆測量は交渉の決め手となるので、これを限界線として要望をかなえさせていただくまでがんばります、こういうことでございます。したがつて私は提言を申し上げたいのであります。県は県としての方針もおありでしようが、補償額に対するかさ上げと、工事おくれに伴う工事費増額の計算の判断はいかなるものでございましようか、この比較は極めて明解であろうと存じます。本格的な交渉の段階における県側の姿勢をお伺いいたしたいのであります。私は早期妥結によつて工事の促進を図り、切迫した水需要の要請におこたえすることこそ急務であり、県民に対する最大の奉仕であろうと確信するものでございます。七ケ宿は御案内のとおり山間僻地の農村でございまして、高度経済成長の余波の受けない自然環境が破壊され、公害のない、まさに本県の代表するふるさとの町でございます。しかしながら、農業の実態は、小規模零細経営の典型とも言うべき経済的には極めて貧弱でありまして、専業農家の数は少なく、ほとんどが出かせぎによつて生計を歩んでおるのが実態でございます。知事は地権者の要望に回答し、現在の生活水準を下回らないことの基本的なお約束をなさつておるようでございます。もしその具体的な構想、若しくは御計画がおありでございましたならば、お漏らしを願いたいのであります。水没する百六十四戸のうち、五十戸近い方々が物件が少なく、補償額で所がえするのがやつととのこと、生活の根拠すら失う人もできかねない状態でございます。たとえ財産があるにいたしましても、水没者の半数近い者が他の市町村に移転を希望しておるようでございますので、地価の価値からすれば、我が家の財産が三分の一か、十分の一に転落することが予想されます。更には半身不随のように屋敷が残つて田畑が水没する。田畑は残るが屋敷が水没する。全くどうしたらよいやら困惑している方もあるわけでございます。したがつてここでも問題を提起いたしたいと思いますが、ダムができることによつてかたわにもひとしい状態下にある方々を何とか七ケ宿町内にとどめる方途はないのか、限られた財産がダムのために犠牲にならないように守る方策はないのか。もちろん町といたしましては、当然その対策については検討中とのことでございますが、政治的にも財政的にもまことに困難であろうと思います。したがつて、これまた県の援助に待たなければなりませんが、幸いにいたしまして、県の開発公社がございます。町は適地を選定いたしまして、公社が目指す目的のため発動をしていただきまして、特別のお計らいをもつて造成地の低廉供給はできないものかをお伺い申し上げたいのであります。いままで何回となく七ケ宿ダムの話し合いやら、あるいは論議がなされてまいりましたが、水資源の情勢や利水関係の一方的な説明により、早くダムをつくるべしというものに終始いたしておりまして、早期に建設着工するための具体的な打開策の論議がなされていなかつたことでございます。ダムのために犠牲になられる方々の思いやりに、少しは気を配つていただいたらいかがなものでございましよう。私は水資源の確保が急務の課題であり、生活するための根拠をなすものであるとするならば、当然水没する方々の生活の根拠も考えてやらねばならないと思うのでございます。本県はこれから先ダム建設の問題もさることながら、県民に奉仕する公共事業の計画は、すべて県民大衆のために犠牲になられる方々の立場を最優先に取り扱い後世に悔いの残らない県政発展の礎のために喜んで協力を惜しまない態勢こそが行政を執行するに当たり大事な条件と思いますが、いかがでしようか。それでこそ豊かな県政、住みよい郷土の建設が約束されるものと信じて疑わないのであります。  質問の第三点は、これは通告外の質問でお許しをいただきまして、ひとつ質問させてもらいたいと思うのであります。けさ新聞紙上をにぎわしました、いわゆる農協の不祥事件の問題であります。たまたま農協の不祥事件が発生をいたしまして、極めて遺憾でございます。そこできよう質問させてもらいます問題は、牡鹿町農協の事件の概要についてであります。これは農事組合法人新山農蚕組合が経営が不振となりまして、その債権、債務を農協が引き受けまして事業の再建に尽くしたのであります。計画どおりに進展いたしませんで、結局土地を売却して債務の解消に当てようとし、その土地の売買をめぐる不動産業者とのあつれきに起因したものでありまして、本年八月の県検査並びに農協中央会の監査を通しまして明るみになつた問題でありまして、その内容は、定期貯金受け入れ、約束手形振出等組合長の権限を踰越いたしました行為でありまして、総計二億四千百余万円になつておるそうでございます。  そこで、当農協におきましては、八月二十七日より再三にわたりまして緊急理事会を開催し、組合長を解任するとともに、この事態の収拾等について協議を重ねてまいつたのでございますが、九月六日には、債権、債務の相手方が遠隔地居住者でありますので、農協といたしましては、弁護士等にその処置をお願いし、問題の解決に努力してまいつたという経過がございます。  そこで事件の内容についてでございますが、前組合長が独断で愛知県岡崎市の七名から二回にわたりまして、定期貯金として一億四千万円を受け入れ、また八光通商KKに対する約束手形振り出し合計九枚でございます、四千四百万円、定期貯金裏利子と見られるもの九百四十万円、架空貸し付け二千二百万円、その他資金を導入するための諸経費であり、組合の帳簿に記載していないで処理したものであります。また、これらの導入資金から愛知県の会社に貸し付けをし七千三百万円の約束手形を受け取つているという事実でございます。  以上述べましたような事情でありますが、県としても事の重大さの上に立つて県農協中央会、各農協連合会と慎重に対策を検討し、いやしくも組合員に迷惑を来さないような、そういう対策が必要であろうかと存じます。今後この種の事件発生を考慮されまして、行政指導の強化徹底を期していただきたいのでございますが、県としてのお考えを御披露願いたいのであります。  なお、この事件の発生を事前に察知されまして、農協といたしましては、石巻の警察署に捜査の依頼方をお願いしたのだそうでございますが、遺憾ながらその反応は示されなかつたということでございまして、少なくとも事件を未然に防止する警察署あるいは事件を最小限に抑えることをたてまえとする警察が、何らの事情かわかりませんでしたけれども、その反応はなかつたということでして、まことに残念にたえない次第でございます。  以上三点申し上げまして質問にかえさせてもらいます。 ○副議長(渡辺健一郎君) 知事山本壮一郎君。   〔知事 山本壮一郎君登壇〕 ◎知事(山本壮一郎君) ただいまの佐藤議員の御質問にお答えを申し上げたいと存じます。  第一点は、ことしの米の予約限度を超過いたします、いわゆる俗に言われております超過米がかなり出る見込みでございますが、これが対策でございます。昨年は非常な不作でございますが、ことしは幸い農家の御努力もございまして、お話しのように六十一万五千トンばかり、本県としては史上空前の大豊作に恵まれたわけでございます。ただこの大豊作を簡単に喜べないところに、いまの食糧管理制度のもつ大きな矛盾があろうかと思いますけれども、我々は既にこういう事態を予測いたしまして、特に東北地方米作県の関係知事と相はかりまして、この対策を政府において強力にとるように、こういう強い申し入れをいたし、先般も農林大臣を初め関係方面にも強く要望いたしてまいつたのでございます。十一月の末でございましたか、一応政府がいまのところ決めております対策は、既に御承知のことと思いますが、全量自主流通米に準ずるルートによりまして流通させると、これに伴います自主流通の促進奨励金と特別販売奨励金とを含めて、六十キロ当たり千五百円が交付されるほか、金利、保管料としまして同じく六十キロ当たり百十三円助成、自主流通米の千六百五十円と、金利、倉敷料の百三十五円と比較すれば若干の格差はございますけれども、本県の場合は御承知のように非銘柄米を買い入れ限度枠に入れまして、ササニシキの枠外分を自主流通米に準じて販売する、こういうことで個々の農家の収益は確保できるのではなかろうか、こういうことで、いま農協等とも相談をいたしまして、農家にこの方策の恩恵がうまく還元できますような方策をとつてまいりたい、かように考えておるのでございます。このことしの余り米が出ました理由と、四十八年度のそれとはかなり私は事態が違うと思います。御承知のように四十八年度の場合は、いわゆる単純休耕の時代であり、そういう中で我々はあえて自主調整というものを農家にお勧めをし、その余つた米の処理につきましては、これはやはり県が責任をもつて処理をしなければならない、今回はおおむね政府の言つております転作等の定着ができておりまして、その上この豊作の原因が主として天候によるものであり、その豊作が原因で余り米が出ておるわけでございます。これはやはり原則として国に処理をさすべきである、こういう考え方は私も強くもつものでございます。  なお、今後枠設定、増枠等の問題におきましても、例えば北海道はかなりの不作のようでございまして、枠が余つておるはずでございます。県間の枠の調整はするということを、先般も農林大臣は約束をいたしております。その辺はこれからも引き続きまして努力をいたしてまいるつもりでございます。  なお、米の消費拡大を図るべきである、こういう御意見には私も全く同感でございます。小さいときから学校で米食の習慣をつけるということになりますと、米の足りない時代ならいざ知らず、これだけお米が十分に生産される時代に、日本人の本来の食習慣である米食の習慣を小さいときから身につけないと忘れてしまう、またそういう中で最近お湯さえ入れれば簡単に食べられるような、いわゆるインスタントの食品がたくさん出ております。私は、これはやはり各国それぞれの食生活、食事というものは長年かかつてでき上がつたその民族の文化遺産ではないのか、それを失うことはいかにも残念な話でございます。学校での米食の給食は、今後関係方面に強く働きかけをいたしまして、そういう方向に物事が進みますように努力をいたしてまいりたいと思います。お話しがございましたように、先般農林大臣と文部大臣がそういう方向で意見の一致を見ておるようでございます。あらゆる面で米食の消費の拡大は、政府もさることながら、我々も、県民みんなもそういう点におきまして協力できますような方策を今後お互い考えてまいりたいし、またそういう方向での努力をいたしてまいりたい、かように考えるものでございます。なお、政府の施策としては、もう一つ備蓄をふやすべきである。この点につきましても、我々はかねがね主張いたしてまいつたところでございます。先般の総合食糧政策の中でも、かなり備蓄量をふやしていこう、こういう考えもあるようでございますので、こういう方策の際にこそ計画以上のものを備蓄すべきである。この点につきましても御意見のとおりでございますので、その線でいままでも話し合いをいたしておりますが、今後もそういう方向で努力をいたしてまいるつもりでございます。  それから第二のダムの建設でございますけれども、お話しがございましたように、資源の確保のためにダムは建設をしなければならないし、急がなければならない。しかしそれを水没地域における地権者の方々の犠牲のみを強いることによつて、この建設をするという考え方は間違いであろう。下流におきましてこれを受益する者もそういう地権者の方々に対して温い心からの感謝をもつて、やはりこれに報いていく。また我々が、仲に入ります行政当局も、地権者の方々がその祖先伝来のそういう土地を提供してくださるという心情や立場に立ちまして、十分なやはり対策を立てなければいけない、そういう上に立ちましての御協力をいただき、みんなが使う水を確保していく。そういうことで、具体に申し上げますならば、例えば移転されます方々には代替地の取得が必要でございましようし、農用地の造成も必要でございましようし、職業の転換の必要もございましよう。あるいは職業訓練の必要もございましようし、七ケ宿町への企業の誘致、立地等の問題もございましよう。それぞれ個々いろいろと御要望や条件が違つておるはずでございますので、基本の姿勢としては、これまで以上の生活をしていただけるように、また町の開発発展にもつながる方向で、こういう基本の姿勢に立ちまして、十分誠意をもつたお話し合いの中から御協力をいただけますような、そういう補償を具体に話を詰めました上で御協力をいただくようにしてまいりたいと思います。またそういう中でお話しがございました開発公社によります町営住宅のための宅地造成、これは喜んでお引け受けをするものでございますので、地元の議員さんとして今後も御協力のほどをお願い申し上げる次第でございます。  なお、最後にお話しの牡鹿の農協の不正事件でございますが、私も詳しいことはまだ十分担当者から聞いてはおりませんが、この内容はただいま佐藤議員がお話しになりましたように、不動産業者との間に農協法に違反する取り引きがあつたということのようでございます。その是正方を指導してまいりましたが、前組合長が独断で三回にわたりまして二億一千万円という貯金を導入し、うち七千万円は組合の資金として運用されておりますけれども、一億四千万円は、いわゆる転貸、浮き貸しですか、をいたしまして、その債権が回収不能となつており、今日の事態を招いたもののようでございます。なお、このほか組合長の権限に背いて振り出しました約束手形の未決済分が合計四千七百万円あると、これをどう処理するかという問題があるようでございますけれども、これらの問題を処理する基本の考え方といたしましては、組合並びに組合員の損害をとにかく最小限度に食いとめる、こういう基本の姿勢に立ちまして、中央会や信連との連絡をとりながら、そういう対策をとりあえずとらすように指導をいたしておるところでございます。  なお、警察署の問題も出ましたが、警察は警察の考えがあつたのであろうと思いますが、いずれこの問題が、そういう警察の、司法当局の手を煩わすことになるのかならないのか、この点につきましては、いま私の口からは申し上げるべきではないと思いますが、いずれにいたしましても、大変に農協自体といたしましては残念な事件でございますし、またこういう事態になつたいろいろ複雑な原因等は十分明らかにいたしまして、これらの教訓を今後の農協の経営にぜひ生かしてもらわなければいけないし、また県といたしましても、そういう指導、監督を一層強めてまいりたい、かように考えておりますので、御了承いただきたいと存じます。 ○副議長(渡辺健一郎君) 教育長津軽芳三郎君。   〔教育長 津軽芳三郎君登壇〕 ◎教育長(津軽芳三郎君) お答え申し上げます。過般文部省の学校給食に関する審議会がパンとともに並んで米飯を取り入れるという方針を決定いたしました。したがいまして、この線に沿つて文部省でも施策の決定が行われるものと思いますので、その決定を待ちまして、宮城県に合つた方法によつて導入を検討いたしてまいりたい、こういうふうに存じます。 ○副議長(渡辺健一郎君) 警察本部長神川誠太郎君。   〔警察本部長 神川誠太郎君登壇〕 ◎警察本部長(神川誠太郎君) 農協の事案につきまして、地元署が手ごたえないというおしかりをいただきましたが、本件の問題につきまして告訴あるいは告発というものは警察は受けておりません。ただ地元署といたしまして、そういう問題を耳にいたしておりまして、独自にその事実関係につきまして調査の面をやつております。言うなれば、事実関係の確認を進めてまいつてきておつたところでございます。これが刑事事件として何罪になるか、その問題等について、まだ事実判断のいろいろの要件上については明確に打ち出せない段階でございます。したがいまして、本件について私まで調査状況について報告はまいつておりますが、刑事事件として、直ちにこれこれの司法上の手続をとれという指示をいたすところまで入つてまいつておりません。したがいまして、本件のようなケースの場合におきましては、話を入れて直ちに警察が手を打つという性格のものでございませんので、放任をいたしておるわけではございません。警察としての責務は現在も十分果たしつつございますので御了承いただきたいと思います。 ○副議長(渡辺健一郎君) 残余の質疑、質問は明日に継続することといたします。     −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− △散会 ○副議長(渡辺健一郎君) 以上をもつて、本日の日程は全部終了いたしました。  明日の議事日程は追つて配布いたします。  本日は、これをもつて散会いたします。   午後五時六分散会