運営者 Bitlet 姉妹サービス
宮城県議会 > 1974-12-10 >
昭和49年 12月 定例会(第163回)-12月10日−02号
昭和49年 12月 定例会(第163回)-12月10日−02号

ツイート シェア
  1. 宮城県議会 1974-12-10
    昭和49年 12月 定例会(第163回)-12月10日−02号


    取得元: 宮城県議会公式サイト
    最終取得日: -
    昭和49年 12月 定例会(第163回) − 12月10日−02号 昭和49年 12月 定例会(第163回) − 12月10日−02号 昭和49年 12月 定例会(第163回)     第百六十三回宮城県議会(定例会)議事速記録                        (第二号) 昭和四十九年十二月十日(火曜日)   午後一時七分開議   午後四時九分散会 議長                  木村喜代助君 副議長                 佐々木照男君 出席議員(五十三名)      第一番            駒口 盛君      第二番            櫻庭健朔君      第三番            後藤三郎君      第五番            遠藤雄三君      第六番            大沼茂三君      第七番            文屋 公君      第八番            安住仁太郎君      第九番            佐々木敬一君      第十番            小野寺信雄君
        第十一番            飯塚森雄君     第十二番            米沢清勝君     第十三番            三上良喜君     第十四番            木村幸男君     第十五番            金子哲郎君     第十六番            沖 直子君     第十七番            佐竹二郎君     第十八番            吉田泰男君     第十九番            野口孝吉君     第二十番            菊地辰夫君    第二十一番            佐藤甲二君    第二十二番            須藤正夫君    第二十三番            畠山勝雄君    第二十四番            畠山 孝君    第二十五番            森  康君    第二十六番            斎藤栄夫君    第二十七番            斎藤 惇君    第二十八番            佐藤常之助君    第二十九番            門馬重義君     第三十番            星 長治君    第三十一番            奥山紀一君    第三十二番            猪股春雄君    第三十三番            曽根冨二男君    第三十四番            田畑忠雄君    第三十五番            坂下清賢君    第三十六番            高橋富士男君    第三十七番            浦田冨男君    第三十八番            三春重雄君    第三十九番            錦戸弦一君     第四十番            越路玄太君    第四十一番            鮎貝盛益君    第四十二番            佐々木照男君    第四十三番            桜井亮英君    第四十四番            渡辺健一郎君    第四十五番            武藤洋一君    第四十六番            千葉松三郎君    第四十七番            斎藤善平君    第四十八番            阿部 蕃君    第四十九番            佐々木源左エ門君     第五十番            木村喜代助君    第五十一番            屋代文太郎君    第五十二番            村松哲治君    第五十四番            平野 博君    第五十五番            木村幸四郎君 欠席議員(二名)      第四番            舘股 巴君    第五十三番            門伝勝太郎君 欠員(一名)    第五十六番     −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 説明のため出席した者       知事            山本壮一郎君       副知事           大槻七郎君       副知事           石井 亨君       出納長           渡辺鉱助君       総務部長    事務吏員  松本太一君       企画部長    事務吏員  羽田光雄君       生活環境部長  事務吏員  田中 暁君       民生部長    事務吏員  千田敬司君       衛生部長    技術吏員  茂庭秀高君       商工労働部長  事務吏員  麻生卓哉君       農政部長    技術吏員  高橋元三郎君       水産林業部長  事務吏員  田村一夫君       土木部長    技術吏員  土肥春夫君       出納局長    事務吏員  佐藤幸紀君       総務部次長   事務吏員  佐藤卓郎君       総務部秘書課長 事務吏員  草刈長治君       総務部財政課長 事務吏員  森 繁一君       公営企業管理者       高橋善悦君   宮城県教育委員会       委員長           佐藤 茂君       教育長           津軽芳三郎君       教育次長          村上喜見君   宮城県選挙管理委員会       委員長           木村 強君       事務局長          斎藤謙一君   宮城県人事委員会       委員長           重村誠夫君       事務局長          門脇辰治君   宮城県公安委員会       委員長           加藤多喜雄君       警察本部長         佃  泰君       警務部長          宮崎 喬君       総務室長          伊藤忠雄君   宮城県地方労働委員会       事務局長          佐藤 章君   宮城県監査委員       委員            今泉徳衛君       委員            木村要蔵君       事務局長          相原末治君     −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−   宮城県議会事務局       局長            中村信男君       次長兼総務課長       八木慶雄君       参事兼議事課長       飯塚登喜夫君       調査課長          古積重敏君       議事課長補佐        新沼四朗君       調査課長補佐        佐藤富夫君       主幹            今野裕敏君       記録係長          藤田雄英君
          主事            佐藤 昭君     −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−     議事日程程   第二号           昭和四十九年十二月十日(火)午後一時開議 第一 会議録署名議員指名 第二 議第百三十九号議案ないし議第百五十五号議案・議第百五十七号議案ないし議第百六十二号議案並びに報告第五号・報告第六号 第三 一般質問     −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−     会議に付した事件 日程第一 会議録署名議員指名 日程第二 議第百三十九号議案ないし議第百五十五号議案・議第百五十七号議案ないし議第百六十二号議案並びに報告第五号・報告第六号 日程第三 一般質問〔小野寺信雄君・平野博君・櫻庭健朔君・錦戸弦一君〕     −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− △開議(午後一時七分) ○議長(木村喜代助君) これより本日の会議を開きます。  本日の議事日程は、お手元に配布のとおりであります。     −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− △会議録署名議員指名 ○議長(木村喜代助君) 日程第一、会議録署名議員の指名を行います。会議録署名議員に十二番米沢清勝君、十三番三上良喜君を指名いたします。     −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− △議第百三十九号議案ないし議第百五十五号議案 △議第百五十七号議案ないし議第百六十二号議案 △報告第五号 △報告第六号 △一般質問 ○議長(木村喜代助君) 日程第二、議第百三十九号議案ないし議第百五十五号議案、議第百五十七号議案ないし議第百六十二号議案並びに報告第五号及び報告第六号を議題といたします。  議第百六十二号議案につきまして、出納長の説明を求めます。出納長渡辺鉱助君。   〔出納長 渡辺鉱助君登壇〕 ◎出納長(渡辺鉱助君) 命により、昭和四十八年度一般会計及び特別会計の決算について、その概要を御説明申し上げます。  昭和四十八年度予算は当初におきましては、知事選挙執行童別にしての予算編成でありました関係から、いわゆる骨格予算でありまして、昭和四十八年度当初予算は一般会計で一千百九十五億二千百余万円、特別会計五十二億六百余万円、合計一千二百四十七億二千七百余万円と相なつております。  その後、六月定例会におきまして、自然環境保全対策の充実、水資源等の確保と生活環境の整備、高水準の福祉政策の充実、教育文化の振興、農政の確立と商工業の育成強化、豊な理想の地域社会の建設等、県政の重点とされました政策的な予算の補正が行われ、一般会計で二百七十二億一千六百余万円、特別会計で四十五億五千八百余万円が追加計上され、また、年度後半におきましては、石油危機に端を発した経済の急変、物価高騰により深刻な影響を受けた県民生活を安定させるための諸対策費、職員の給与改定に要する経費等、数次にわたる所要の補正を経て、最終予算現額は一般会計一千五百九十七億九千余万円、特別会計百四億九千四百余万円、合計一千七百二億八千四百余万円と相なつた次第であります。  これらの予算の執行にあたりましては、常に議決の趣旨を体しまして、厳正かつ効率的な執行を念願として最大の努力をはらつてまいつた次第であります。  まず、歳入決算について申し上げます。  一般会計歳入の主要項目であります県税収入についてみますと、一連の総需要抑制策の影響を受けながらもほぼ順調な伸びを示し、法人二税をはじめ、個人県民税、不動産取得税等の増収をみ、四百八十億三千五百余万円の収入額、対前年伸び率一三五・五%と大幅な増収となり、県税の歳入に占める割合は三〇・五%と、かつてない高まりを示しました。  次に、国庫支出金は四百六十八億四千三百余万円となり、前年に比べ二十八億九千七百余万円、六・六%の増、地方交付税三百五十六億四千二百余万円、そのうち普通交付税三百四十三億二千八百余万円、前年に比し四十億六百余万円、一三・二%の増、特別交付税十三億一千四百余万円、前年に比し二億一千四百余万円、一九・五%の増となつており、県債は収入済額八十三億一千九百余万円でありますが、経済情勢の推移に応じて起債額が圧縮されたことによるもので、前年度に比べ四十六億三千三百余万円の減となりました。その他の収入におきましてもその確保に努め、最終的には前年同様の収入率九九%を示し、歳入決算額は、一般会計で一千五百七十六億一千七百余万円、特別会計百二億八千百余万円、合計において一千六百七十八億九千八百余万円となり、この結果、前年に比し百七十八億五千八百余万円、一一・九%の増と相なりました。  またこの間、収入未済額十三億四千二百余万円を生じましたが、その主なるものは県税十一億五千五百余万円、分担金及び負担金一億六百余万円であります。  なお、この収入未済額は、出納閉鎖後において相当額の納付が行われておりますが、今後ともその解消になお一層の努力をはらつてまいる所存であります。  次に、歳出におきましては、一般会計一千五百五十二億四千九百余万円、特別会計九十七億三千八百余万円、合計一千六百四十九億八千八百余万円、前年に比し百七十億五千百余万円、一一・五%の増と相なりました。  本年度に執行されました主な事業並びにその決算額は別表の主要項目表のとおりであり、その成果は、お手元の「県政の成果」のとおりであります。  なお、予算現額に対する支出済額の割合、いわゆる執行率を見てまいりますと、議会費九九・八%、総務費九九。三%、民生費九六・三%、衛生費九八・八%、労働費九三・七%、農林水産業費九八・四%、商工費九八・一%、土木費九二・〇%、警察費九八・五の幻、教育費九九・一%、災害復旧費九九・二%、公債費九九・八%、諸支出金九九・九%、総体で九七・二%となつております。  この間、総額で八億七千九百余万円の不用額を生じましたが、その主なものを申し上げますと、民生費の一億一千七百余万円は、主として児童福祉費及び生活保護費の精算によるものであり、土木費の一億四百余万円は、主に事業の一部が翌年に繰り延べられたものであり、土地取得特別会計の二億九千五百余万円につきましては、国道四号線岩沼バイパスの拡幅用地の買収遅れによるものであります。  翌年度への繰り越しでありますが、御承知のごとく、経済情勢の異常な変動に対応する一連の総需要抑制策の強化に基づく公共事業の執行繰り延べによる繰越明許費三十四億八千六百余万円、建設資材等の高騰、入手難、天候不順による工事遅延等による事故繰り越し九億三千余万円を生じました。  なお、この財源でありますが、既収入特定財源として、国庫支出金、分担金及び負担金、諸収入、県債において四億五千五百余万円、未収入特定財源として、国庫支出金、県債で二十一億五千五百余万円、一般財源十八億六百余万円になつております。  また、昭和四十七年度から繰り越されました十五億四千五百余万円につきましては、すべての事業において予定されました執行計画に基づき、適正な施行を完了いたしましたことを御報告いたします。  次に実質収支でありますが、厳しい財政環境の中で、積極的に施策を展開しつつ、効率的な財政運営を図つた結果、形式収支において二十九億九百余万円、実質収支において六億四千八百余万円の黒字と相なりましたが、単年度の収支におきましては三億六千余万円の減となつた次第であります。  最後に、資金の運用管理でありますが、財政規模の増大と、金融面における厳しい引締め措置をも伴つて、各種工事の前金払及び貸付金等早期に支出を要するものが多額であつたことに加えて、給与改定に伴う人件費等の増額から資金の運用には腐心いたしましたが、国庫支出金の早期収入促進等、資金運用計画の適切な策定による収入金の確保を図りましたほか、一時運用金の限度額七十五億円のわく内で資金運用部資金の効率的な活用を図り、おおむね順調に運用管理を行うことができました。  なお、所定の期日に出納を閉鎖いたし、歳計剰余金を翌年度へ繰り越すとともに、本年度決算の終了を見た次第であります。  以上で決算概要の御説明を終わりますが、何とぞ慎重に御審議賜りまして、認定されますようお願い申し上げる次第であります。 ○議長(木村喜代助君) この際御報告いたします。地方公務員法第五条第二項の規定に基づく関係議案について県人事委員会の意見を求めましたところ、お手元に配布の写しのとおり意見が提出されました。     ………………………………………………………………………………                          宮人委第333号                          昭和49年12月9日  宮城県議会議長 木村喜代助殿                    宮城県人事委員会                      委員長 重村誠夫           条例に対する意見について  昭和49年12月4日付け宮議第330号で求められた下記条例に対する意見を別紙のとおり提出します。                記  議第148号議案 県吏員恩給条例等の一部を改正する条例 (別紙)     「県吏員恩給条例等の一部を改正する条例」に対する意見  この条例は、恩給法等の一部を改正する法律(昭和49年法律第93号)、恩給法等の一部を改正する法律等の一部を改正する法律(昭和49年法律第100号)及び昭和42年度以後における地方公務員等共済組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律(昭和49年法律第95号)の施行に伴い、これに準じて外国政府等の職員期間の通算条件の緩和及び通算退職年金の額の改定をするもので適当なものと認める。     ……………………………………………………………………………… ○議長(木村喜代助君) ただいま議題となつております各号議案についての質疑と、日程第三、一般質問とを併せて行います。  質疑、質問は順序に従いお許しいたします。十番小野寺信雄君。   〔十番 小野寺信雄君登壇〕 ◆十番(小野寺信雄君) 第百六十三回の本議会のトツプを切りまして質問のお許しをいただきましたので、私は、まずやむことを知らずに進行を続けている経済不況下にありまして、その底辺で悩んでいる中小企業者に対する対策、次にはこれまた戦後最大の不況にあえいでいます浅海養殖業者及びそれらに関連する若干の問題を知事にお尋ねいたしたいと思うのであります。  戦後私たちは昭和二十九年あるいは四十年と数度にわたりまして不況の波をくぐつてまいつたのでありますが、実質経済の成長率がマイナスと言われるような経済不況はいまだ経験しておりませんし、更にまた、これほど長期化した不況も経験することがなかつたのであります。それだけに事態はまさに深刻であります。企業の倒産件数及びその金額も全国にその例を引くまでもなく、東北六県における中小企業者の十一月までの倒産件数を見ましても六百九十一件と、昨年同期の比較で八〇%増、金額においても約六百七十六億円と、これまた昨年同期よりも二倍半近くも多くなつているのが実情でございます。もちろん本県における中小企業者もその例に漏れませんで、昨年は一年間で百二十一件の倒産件数があつたにもかかわらず、本年は既に十一月までで百四十三件と最も危険な十二月を待たずして二十二件も既に多く倒産しております。その負債額においても百二十二億七千余万円となつており、昨年一年間で六十四億四千余万円だつたことから比べますれば、既に二倍になつておるわけであります。これからいよいよ最大の危機であります師走の決算時期を迎えるわけでありますから、中小企業者の心中は察するに余りあるものがあろうと思います。こうした実情の中にあつても、卸売物価が最近やや鎮静化の傾向にあるとはいいましても、なおコストアツプからの物価はその上昇を静止するまでに至つておらず、したがつて今後もなお物価抑制の対策といたしまして、日銀の窓口指導などによる資金の量的な、そしてまた質的な規制がゆるめられるとは思われないのであります。更に加えまして、これら一連の抑制政策が中小企業の下請会社という立場から、親会社からの下請量が減少し、あるいは手形サイトの長期化などという形でも影響してまいり、物価高騰と相まつて、中小企業の経営環境はますます厳しさを加えてまいろうと思います。  そこで、県では既に十九億円の原資を各金融機関に預託をいたしまして、約七十億円の融資のわくを準備しておりますが、中小企業者の経営安定に供するこれらの施策が、これからの危機も迎えるにあたりまして、まずその融資のわくの利用状況がどうなつているか、それに加えてその資金量で十分なのかどうかをお尋ね申し上げたいと思うのでございます。  次に、融資は受けましても、それはあくまで借りたものでございますから、必ず返済する時期がやつてくるわけでございますが、そうした立場から安心して返済ができるような経営指導が十分になされているかどうかの面についてお尋ねをいたしたいと思うのであります。  そこで、本年十一月まで倒産いたしました企業の原因別状況を見ますと、百四十三件のうち五十一件が放漫経営とトツプに立つております。それから過去の業績不振が三十三件、過小資本が二十二件、連鎖倒産が十五件となつており、その原因がはつきりしておるのでありますから、その指導及び対策の立て方によつては、未然に倒産を免れたのではないか、このようにも考えられるわけでございます。つまり連鎖反応のごときにおきましては、一例を申し上げて恐縮でございますが、去る八月負債総額約二十五億円で倒産いたしました大船渡造船のように、宮城県の取つた処置が余りにも鮮やかで、本県の債権額が気仙沼市の二億五千万円を中心に約三億円程度であつたにもかかわらず、大船渡造船という企業が宮城県にあるのではないかというような、通産当局から錯覚を受けるような、適切かつ迅速に処置をされました結果、一件も連鎖反応を起こさずに、知事はじめ担当係官が絶賛を博したのであります。このような処置が講ぜられておりましたら、連鎖倒産が未然に防止できたのではないかと思われるのであります。過小資本のごときにおきましても、県の経営資金の活用のしかたがもつと周知徹底しておれば、これまた倒産の憂き目を見ずに済んだのではないかと思われるのであります。こうした面で、折角県が中小企業者のために適切な財政の処置をなされておるにもかかわらず倒産企業を出しておるということは、その面の活用、利用に対する県の指導方法に遺憾がなかつたかと、悔やまれてならないのであります。その点の知事の考え方をお聞かせいただきたいと思います。  次に原因別で見ます倒産件数の最も多い放漫経営及び過去の業績不振についてであります。私は本当の意味で県の中小企業対策が成功しているかどうか、この尺度は、この放漫経営あるいは業績不振で倒産する企業の多寡によるものだと考えております。つまり放漫経営と申しますと、一見すべてが経営者自身の責任のように感じられるのでありますが、実は今日のごとき複雑多岐にわたる経済組織の中にありまして、すべての経営者が先見の明にさえておるとは限らず、また適正な方向の判断ができる者ばかりとは限らないのであります。むしろ右往左往しながら正しい進路の方向の指導を待ち望んでいるというのが実態だろうと思うのでございます。こうした意味から、総需要抑制下での需要の動向の正しい把握、あるいは今後予想されます安定成長産業への配慮、更にはこれらへスムーズに移行できるような指導等、大変難しい国際経済機構の中における需要と供給の動向を専門家などを交えて専門に研究し正しく指導することにより、県内の中小企業者から放漫経営などという不名誉な理由による倒産件数を減少させることができるのではないかと思うのであります。この点に対しても知事の考え方を更に年末、年度末と危険な時期を迎えている際でございますので、それらの見通し等も含めてお答えをいただきたいと思うのでございます。  なお、昨九日から工場が再開されました村田の東京時計のような明るいニユースもございますが、一方ではいよいよ師走を迎え、あるいは楽しいはずのお正月を明日に迎えようとしているとき、会社の倒産、若しくは経営の合理化などという名のもとに、誘致工場などでも人員の整理をしておるようでありますが、こうした人々の再就職の状況、あるいは給料の未払い等による不幸な越年労働者が多いようでありますが、これらに対する労働金庫等の資金量なども十分に整つているかどうか、この辺のところもお聞かせを願いたいのであります。  更に、これまた余り明るい話題でなく大変恐縮でございますが、陸の産業の不況に足並みをそろえまして、自然を相手にする海の産業もまた大不況にあえいでいるということであります。  今や遠洋漁業者は、国際海域からの締め出しばかりでなく、資材の高騰に苦しむばかりか、魚価の低迷は企業経営を根底から揺さぶり続けておるのであります。お互いに膨大な設備資金の借り入れには、友人や縁者を探し求めてはお互いに相保証している関係にありますので、これこそ一つの発火点が爆発をいたしますと、燎原の火のようにとどまるところを知らないような状態が心配されるのであります。こうしたことなどの配慮についても是非知事にお願いしたいのでありますが、それに加えまして、今回は特に浅海養殖業についてお尋ねをさせていただきたいと思います。  知事は、県政担当の目標といたしまして、常に弱者を救済することを旨としておりまして、私もその点誠に敬意を表しておるものでありますが、浅海養殖業者もまたその弱者の一つであろうと思うのでございます。と申しますのは、長期総合計画の中でも、水質の汚染、漁場の老化傾向を認識しながらも、何とか生産の安定のためにコストの低減、生産性向上のための高度な技術の導入、指導、そして新しい沖合い漁場開発など、その経営向上のための保護育成策を打ち出しており、今議会におきましても、県下全般にわたりますノリ、カキの不況に対する処置といたしまし三億円の融資と、その利子補給のための費用を計上いたし、援助の手を差し伸べておるのであります。この点誠に感謝にたえない次第でございます。そこで、私は知事に、この優遇の処置にこたえるためにも浅海養殖業者は一体今後どのように生きたらよいのか、どのようになれば知事の安心する安定産業に成長することができるのかをお尋ねいたしたいと思うのであります。  ちなみに昭和五十一年度までのローリングシステムには、昭和六十年度までには、四十三年に比べて五・八倍の生産額に期待できると、こういうふうに申しておるのでありますが、なるほどノリの昭和四十三年度の県内の生産額は約二十三億円、これに対しまして昨年の昭和四十八年には約五十九億円と、六年間で二・五倍の成長を示しており、目標以上の成果を挙げておると思うのでございますが、実はこの四十三年の前の年、つまり四十二年度には八十二億三千万円と、昨年の実績よりも既に二十三億円も多く生産されておるのでございます。たまたま計画基準年次の四十三年度が少なかつたから目標に達しておるように思われるのでございますが、こうしたことは、もちろんすべてにわたることではなくして、ワカメ、カキなどについては、そうした現象がないかもしれませんけれども、いずれにいたしましてもその年次、年次によりまして浮き沈みの多いのがこの産業の欠点でございます。不安定な要因を基本的に抱えている対策の難しい産業であると思うのでございます。特に昨年のノリなどは、史上最高の六億三千万枚以上のノリの生産量を上げながらも大量貧乏といわれまして、実質はその前年よりも二十億円ほど収入が少なかつたなど、その価格につきましても常に不安定で、ワカメ、カキもその例に漏れないのであります。そこで過去、昭和四十三年あるいは四十六年と度重なる不況を乗り越えて経営を続けてまいりましたものの、ちようどその不況時に借金をいたしまして返済の時期を迎えている今年に至りまして、更に追い打ちをかけるような決定的な不況を今年はみたのでございます。参考までに申し上げますならば、昨年の全国のトツプを切つて全国のノリ相場を占うと言われておりますところの県漁連の階上倉庫での初入札が十一月十六日に行われましたが、昨年の平均の価格の一千六百三十七円に対しまして、今年は五百六十四円、これは百枚についてでございますが、第二回目の入札では昨年の一千九十四円に対しまして、今年は五百二十六円、それぞれ平均で三分の一、あるいは半分の相場しか出ていないのであります。生産量につきましては、これは大方の予想が、県内のノリの八〇%を生産する松島湾におきまして、昨年度の二〇%前後だろう。ほか石巻、気仙沼においても全く事情が同じでございまして、志津川、歌津、戸倉などはまだ一回もノリをとつていないというのが現状でございます。県漁連などの予想でも、県全体のノリの生産量は昨年の二〇%、最高よくて三〇%どまりだろう。なお価格は昨年の半分くらいと予想しておりますので、養殖漁家の収入は昨年のたつた一割程度であろう。このような状態でございまして、全く壊滅的打撃と申さざるを得ないと思うのでございます。したがつて今回の三億円の融資は全く干天の慈雨に等しいものでありますが、先に借りた分の借金の返済、そして師走を迎えての生活、あるいは再生産のための資金等考えますと、養殖漁家の方々の心中が察せられるのでございます。せめてこの際先にお借りした分の返済期日の延期、あるいはそれらに対する利子補給等が一時的救済の措置として講ぜられないだろうかということをお願いし、お伺いするものであります。と同時に各漁業協同組合は、加入組合員の生産品の販売手数料で運営されているわけでありますから、今年のように養殖品目全般にわたつての不況下にありましては、組合運営そのものに支障を来たすことが目に見えておるのでございます。これに対する配慮がなされているかどうかもお伺いを申し上げたいと思います。  次には、養殖漁業における共済制度の確立でございますが、この共済制度は農業関係の共済制度に比べまして、国及び県の対策援助が遅れていることはだれが見ても否定できないと思うのであります。幸いそんな中でも今年の十月一日からワカメ及び漁船漁業についての一部義務加入が確立され国などの補助も後ればせながらいただけるようになりましたが、その他の種目はいまだに未整備でありまして、漁民救済の立場から問題点も非常に多いとは聞いておりますが、どうしても一日も早い共済制度の全般的確立が望まれるところでございます。その点について知事がどのようにお考えをお持ちか、今後の見通し、及び政府に対する働きかけの御意思などについてもお伺いをさせていただきたいと思います。  次には、気仙沼湾内における血ガキの問題についてお伺いをしたいと思うのであります。この事件は、去る十月十六日、東京市場のカキ取引委員会から県漁連の気仙沼支所にあてて、気仙沼湾内産の養殖ガキに血ガキが目立つので、当分の間出荷を見合わせてほしい、こういう旨の連絡があつた事から始まるのでございます。元来三陸沿岸のカキは十月末から十一月初めにかけて大量に出回る広島産のカキが出荷され、大きく値崩れをする前の一カ月ないし一カ月半が勝負の時期でありますから、この勝負の時期の出荷中止の連絡が漁民に与えた衝撃はどのように大きいかが想像できるのであります。しかも初出荷の相場が高値で十キロ当たり一万四千円、安値で一万一千円と、昨年の約四〇%高で取り引きされ、その後も一五%ないし二〇%の価格が維持されておつたのでありまして、こういう中の出荷停止であつたわけであります。そもそもこの血ガキは植物性プランクトンの異常発生による赤潮がその原因だとされておるのでありますが、例年であれば春から夏にかけて出現する赤潮が、今年は三陸沿岸の大規模な冷水塊、冷夏、天候不順、異常気象、更には異常降雨等と重なり、湾内の水質汚染と漁場の老朽化が更にそれを追い打ちいたしまして、血ガキがなかなか回復せず、出荷再開後も最低価格が二千円と低迷するようになつたのでございます。もちろんこれは湾内全般の現象ではなく、湾の奥部に行くに従つてその現象が著しくなつており、各単協によつてその事情を異にしておるのでありますが、恐らく鹿折、松岩、そして大島の大半は昨年の生産金額の二割、これが確保できれば上等の部類であろうというふうに予想されておるのでございます。そこで養殖漁業家の生活、あるいは各単協の維持の問題につきましては先にも触れましたので、ここでは湾内の奥部に従つて被害が増大しているという事実から、湾内の複合的水質汚染と漁場の老朽化の問題を避けて通るわけにはまいらぬと思うのでございます。したがつて養殖業者自身の湾内清掃はもちろんでありますが、行政面でも漁場の更生対策といたしまして、抜本的に事業を推進するお考えがないのかどうか。この点につきましては松島湾内の作澪工事がかなり成功を収めていることからいたしましても、何とか早急に湾内の清掃の対策を樹立していただくとともに、都市下水あるいは工場排水等についても特段の御指導をいただきたい、このように考える次第でございます。  最後に遠洋漁業及び浅海業が、どこを向いても明るい話題のない漁業の昨今でありますので、気仙沼湾のような漁業を基幹産業として発展してきた町が、何を頼りにこれから町の経済を支えてゆくべきなのか、全く暗たんたらざるを得ないのであります。そこで、この際一つくらい明るい材料を知事に提供していただくためにお尋ねを申し上げたいのでございますが、幸い気仙沼地方は三陸沿岸国立公園に編入されておりまして、県民ばかりではなく、広く各地からの御利用をいただいておるのでございます。この貴重な観光資源を更に一層皆様に御提供を申し上げながら、漁業不信の経済を補完する産業としても成り立つような、もちろんこの際自然環境保全と生活環境を万全に守りつつ育成できるような対策をお願いできないものだろうか、こういうことをお尋ねいたしたいのでございます。例えば水族館の建設にいたしましても、広域観光のセンターとしての機能が十分に果たせるような規模と能力を持つた設備でありたいと思いますし、あらゆる英知と力を結集すれば行政だけでは及ばない役割を果たすことが何らかの方法でできないものだろうか。あるいはまた国民休暇村の建設につきましても、単に宿泊の設備だけに魅力があるのではなくして、若者の広場、運動場、キヤンプ場、そして遊歩道、あるいは海水浴場の新設など、こうしたところにこそ本当の意味の真価があろうと思われますので、若者がこの際期待できるような方向での建設もお願いしたいと思うのでございます。こうした明るい材料に対するお見通し、御対策などを最後にお聞きいたしまして、私の一般質問を終わらしていただきます。 ○議長(木村喜代助君) 知事山本壮一郎君。   〔知事 山本壮一郎君登壇〕 ◎知事(山本壮一郎君) ただいまの小野寺議員の御質問にお答えを申し上げたいと存じます。  第一点は現在の不況についてのお話しがございましたが、確かにお話しのとおり我々のかつて経験したことのない誠に厳しい経済環境の中で、特に力の弱い中小企業の皆さん方が非常な不安と、またその中で懸命に御努力をいただいておりまして、県といたしましてもあらゆる対策を総合的に講じまして、これらの方々に対する御援助を強化してまいらなければならない、かように存じておる次第でございます。  具体の御提言、あるいは御質問がございました。まず第一点の県の中小企業に対する制度関係の融資でございますけれども、これは既に御承知のとおり、経営安定資金につきましては今年の特殊な状況を考えまして、そのわくを昨年度の五十億から七十億にまで今年は増やしておるのでございます。その他組織金融につきましても、去年の七億五千万を今年は十二億、小規模金融につきましても去年の二億一千万を今年は三億三千万、これと若干性格は異なりますが、公害防止対策関係の融資につきましても十五億から三十五億、かなり大幅に増やしまして不測の事態に対応できるような準備をいたしてまいつたのでございます。特に安定資金につきましては、七十億のわくに対しまして現在まで出ておりますのが四十億でございます。度々担当の部局とこの辺の見適し等につきましては議論をしたのでございますが、あと三十億わくが残つておりますので、今後年末あるいは年度末にかけての需要には十分こたえていけると、そういう見通しをもちまして弾力的な、機能的な運営を図つてまいりたい、かように考えておる次第でございます。  なお、この倒産の原因をいろいろ御分析になりまして、県のただいま申し上げましたようないろんな資金関係についての中小企業担当者へのPR、これらにつきましてもかねがね十分の努力をいたしてまいつたつもりでございますけれども、今後もこの点につきましては細心の留意を払いまして、倒産という不幸な事態になる前に、いろいろ資金的な御援助を申し上げて、あるいはまた、これまでも県の機関あるいは商工会議所、あるいは商工会等関係の指導機関とともにこの診断の指導あるいは経営の指導等をそれぞれやつてまいつたつもりでございますけれども、お話しがございましたように、現在の経済の動きが単に国内の動向のみならず、資源の問題、国際的な原料の値上がりの問題、非常に難しい問題をたくさん含んでおるわけでございますので、御注意がございましたように、より内容の高い、質の高い、密度の濃い指導を申し上げられるように十分その辺の県の体制につきましても、指導の内容につきましても一段と充実をいたしてまいるつもりでございます。  なお、大変残念なことに、最近のそういう環境からいたしまして離職者の数が増えております。あらゆる機会、職業安定機関等通じまして、その再就職についてのお性話も申し上げておるわけでございますが、特に御指摘がございましたように年末を控えまして、こういう方々に対する一時的な資金の需要、年末資金等の需要が出ていまろうかと存じます。これにつきましても九月の議会で御同意をお願いいたしまして十分と思われる措置をいたしたつもりでございますが、特に今年は異常な状況にございまして、近くこの会期中に更に労働金庫に対する預託を増やしまして、そういう職を一時失われた方々、あるいはまた会社の都合で年末の資金が出ないと、そういう面に対する手当てを強化いたしてまいりたい、かように考えておりますので、この点につきましてはあらかじめひとつ御了承を賜りたいと存じます。いずれにいたしましても本当に厳しい環境にある、また年末を控えまして指導面、あるいは融資面、あるいはまた従業員の方々に対する対策、総合的に私どもの考え得るあらゆる対策を強化いたしまして万全を期してまいるつもりでございますので、今後とも御協力のほどをお願い申し上げる次第でございます。  なお、第二点にお話しがございました陸における一般の不況の中で、海の産業でございます浅海養殖漁業、遠洋漁業を問わず、お話しがございましたように、これまた非常に厳しい環境下に置かれております。特に養殖漁業ノリ、カキ等につきましては、かつてない不作である、と同時に資材は上がつておる。またその半面価格が低迷しているという二重、三重のパンチを受けているわけでございます。とりあえず今回の補正予算におきましてもこれらの方々に対する生活資金、あるいは再生産を確保するための資金、これにつきまして緊急の融資をいたしまして、市町村とも協力してなるべく多額の利子補給を実施をいたしたいということで予算をお願い申し上げている次第でございます。同時にまた、今年のそういう状況はひとり本県のみならず各県にも及んでおるようでございます。是非皆様方のお力もかりまして天災融資法の発動にまでこぎつけてまいりたい。これは今後強力に国に対して働きかけをいたしてまいるつもりでございます。ただそういう中で過去に借りた借金の返済期がきておる、こういうものにつきましても一部延伸の措置もとつておりますが、実態に応じまして適切な対策を講じてまいりますように十分配慮をいたしてまいるつもりでございます。なおまた組合の運営等につきましても、それぞれ組合の実態等を見まして、必要な援助の道は検討させていただきたい、かように存ずる次第でございます。  なお、災害あるいは不況のこういう事態に必ず問題になりますのは、共済制度の充実強化の問題でございます。かねてから私どもも漁業における共済制度をもつともつと強化する必要があるという考え方で、国に対してもそういう点につきかねてより働きかけを強めてまいつたつもりでございますけれども、お話しのとおり現在の制度におきましては決してこれは満足すべきものではございません。よりこの制度の充実を図りまして、養殖漁業等に従事される方々が最低限度の安定を確保するために、安心してその仕事に励んでいただけますような制度の強化が是非必要である。こういうことで、これからも皆様方のお力もかりまして、この制度の充実のために努力をいたしたいと存じます。また漁業者の方々も共済というものに対する御認識を深めていただきまして、積極的にこれに参加していただけますようにひとつ御指導を賜りたいと思うのでございます。なお御承知のように、今年度からノリの養殖漁業につきましては収穫高保険方式によります共済を試験実施中でございます。四十九年のノリ養殖業の共済の適用につきましては現在現地調査中でございますので、できるだけ有利にこれが働きますように、これからも努力いたしてまいりたいと思います。  なお、気仙沼湾におきましては、先般血ガキの問題が出まして大変に漁業者の皆様方に不測の思わざる御迷惑をおかけいたしたのでございますが、これは赤潮が原因のようでございますし、お話しのように抜本的な対策といたしましては漁場の更生、老朽化いたしました漁場の清掃といいますか、そういう点に重点を置いた恒久的な対策をとらなければ解決しない問題のようでございます。既に本年度から下水道の整備につきましては事業を開始いたしております。なお水産加工廃水の処理につきましては昭和五十年度から水産物流通加工センター形成事業によりまして、三年計画ぐらいでこれはやはり汚水を出さないような対策を講じると同時に、現在老朽化いたしております漁場の更生対策でございますが、これも本年から施行されました沿岸漁場の整備開発法に基づきまして、本格的な事業を計画的に実施をしていくことになろうかと思いますけれども、当面、とりあえずの緊急措置といたしましては、例えば海底の耕転方式によります底質の改善なども考えられますので、本格的なそういう取り組みと併せまして緊急措置としてのそういう措置も、是非来年度から漁民の皆様方の御協力もいただきながらやつてまいりたい、こういうふうに考えまして漁場の更生のための対策をとつてまいりたいと存じます。  なお、気仙沼の将来の発展のために観光事業というものが一つの大きな将来への課題であることは御指摘のとおりでございます。本県唯一の国立公園、唯一の海中公園の指定も既に受けております。大島には国民休暇村の設置が決まつております。五十一年度を目標に一部開村を計画いたしまして、それぞれの施設の整備を進めてまいるつもりでございます。現にとりかかつておるのでございます。これらの開発の方式等につきましては、これもお話しがございましたように、あくまでもあの地域のいい自然、こういうものを大切に残しながら、いわゆる余暇時代というものを迎えておるわけでございますので、余暇対策として必要な、特に全国の若い方々の期待にこたえ得るような、そういう観光の諸施設の整備を、今後地元の皆様方の御意見を十分伺い、また協力をいただきながら進めたいと思いますし、また、特にああいう地域におきましては、民宿等につきましても今後一層広まるのではなかろうか。そういうものに対する御援助の方法等につきましても、いろいろと必要な施策を強化いたしまして、漁業そのものの近代化、安定策、こういうものとも真剣に取り組み、また観光の余暇産業としての観光事業の発展のためにも県としてなし得る、考え得る対策は講じてまいるつもりでございますので、地元の御協力もひとつお願い申し上げる次第でございます。 ○議長(木村喜代助君) 五十四番平野博君。   〔五十四番 平野 博君登壇〕 ◆五十四番(平野博君) 私はあらかじめ三点について質問の通告を行つておりましたが、都合によりまして東京時計問題対策についてのみお尋ねをいたしたいと思います。  去る十一月二十日会社更生法の適用につきまして申請を行いました東京時計製造株式会社は、事実上倒産状態にあると言われておるわけであります。東京時計製造株式会社の再建、更には下請関連企業の倒産防止、あるいは従業員総数千七百名のうち、本県内にあります東京時計製造株式会社村田工場約九百名の生活再建対策等につきまして、知事の所信をただしたいと思います。同社村田工場は現在農村工業導入指定町になつております柴田郡村田町に立地せられておるのでありまして、しかもこの工場は村田町の工場誘致第一号の工場であつたわけであります。同社の社長は佐藤守彦氏でありまして、しかも同氏は同町出身の方であります。今日まで佐藤守彦社長はじめ、会社の人々は地域の福祉、開発等に物心両面にわたつて大きな事績を収められてまいつたことは、ひとしく県民の知つているところであります。したがつてこの工場は、村田町におきましてはおらが町の会社であると、このように親しまれ、あるいはまた農家の子弟七百数十名、更にまた農家の主婦を中心といたしました。パートタイマーの百数十名を雇用しておる時計製造会社でありまして、日本ではセイコーあるいはシチズンに次いで時計メーカーとして大変有名な会社でありましたが、先に申し上げましたごとく、突如として会社更生法適用の申請を出されたのであります。私は本問題発生と同時に県内におります外注下請業者あるいはまた物品等の取り引きを行つております業者等に対する関連倒産防止の見地からいたしまして、緊急の金融対策につきまして県当局を鞭撻し、また県当局と一体になりまして、今日までお世話をいたしてまいりました。またその傍ら自由民主党県議員会調査団長といたしまして、同僚八名の議員とともに、同社村田工場を視察いたしまして、更に会社代表あるいは従業員七百五十名をもつて組織いたされております東京時計をよくする会の代表十五名、更にはまた町長以下町当局者、あるいは町議会にありますところの特別委員会の方々と真剣に協議をいたしたのであります。しこうして東京時計製造会社が会社更生法申請に至るまでのさまざまな問題等につきまして、また今後再建への意欲の問題や、更にこれが見通しなどにつきまして事細かに意見を交換いたしてまいりました。その際今後の再建の成否は、債権者の皆さんの格別な御理解と御協力、しこうして最終的には裁判所の判断にまたなければならないということが明らかになり、特に東京時計製造株式会社が、会社更生法申請にあたりまして、あらかじめ準備書類を提出されておりますが、これによりますれば、既にこの内容については一部報道されておりまするがごとく、川崎市にあります工場を閉鎖、売却等の処分をいたしまして、村田工場を基幹といたしまして、再建をしたい旨の再建計画書が提出されておるのであります。村田工場従業員が会社をよくする会を結成しまして、約七百五十名の署名を集めまして、会社の再建なくして生活再建の道はないと、これを相言葉といたしまして団結し、整然として秩序ある行動をとつておることが確認されました。また一方県内下請関連の業者並びに取り引き業者は総数五十数社でありまするが、債権総額は約四億円弱であることがわかりました。その後東京時計製造株式会社の負債は、総額におきましてはかなり増えてまいりまして、実際は八十三億を上回るものと一部報道が行われておるのでありました。したがつて先日開かれました債権者総会の動向が非常に懸念されたのでありますが、幸いこれら債権者の皆さんは、会社再建のために精一杯の御協力を申し上げる。また再建計画につきましても、この計画案を了承されたと報道せられておりまして、私どもはいささか愁眉を開いた次第であります。ところがその後横浜裁判所から任命されました岡部保全管理人等の調査によりまして、同社は過去四年間にわたり粉飾決算があつたという事実が突きとめられまして、直ちに証券取引所に対し、株式売買等の停止が通告されるに及びまして、事態は一変して深刻な見通しとなりました。このため村田工場従業員による東京時計をよくする会は、即日労働組合を結成いたしまして、今後の長期的な対策に備える体制がとられた現況であります。  以上が事件発生以来のあらましの経過でありますが、この際知事にお尋ねいたしたいのでありますが、その第一点は、緊急の措置として県内下請及び取り引き業者に対し、去る十一月二十五日県商工労働部長主催によりまして、緊急融資説明会が行われ、私も議会からただ一人出席させていただきまして、その際中小企業経営安定資金をはじめとする国や県の金融制度をフルに活用されまして、緊急の融資の具体的な措置がとられたこと誠にこの点は感謝にたえないのであります。しかしながら、県及び信用保証協会等の折角の御努力にもかかわらず、県下各金融機関の協力がいまひとつ十分でない点があります。したがつて早急に県はこれらの金融機関の鞭撻をお願いいたしたいと思います。また利子その他融資の条件等につきましても、一々親身になつて御指導を賜りたいと思いますが、こういう点につきまして、どのような手だてが尽くされておりますか、お伺いいたしたいと思います。  第二点といたしまして、既に割引き手形等によつて金繰りをいたしております下請業者等に対し、金融機関は、その決済金を支払うよう命じておりますが、これでは金融機関の痛みは全くゼロでありまして、独り下請業者のみが二重、三重の責め苦を受けるという結果になつておるのであります。その結果は下請を倒産に追い込む、そのために足を引つ張るというような形になりかねしないのであります。事態は極めて由々しい問題であろうと考えます。金融機関は単に金貸し屋に成り下がるとするならば、百九十万県民の負託にこたえて立たなければならない本議会あるいは県当局ともに重大な決意をもつて対処しなければならないと考えますが、これらの金融機関の一方的なやり方に対し、適切な助言あるいは指導、こういうものを行つていただきたいと思いますが、いかがなものでございましようか。  第三点といたしましては、従業員の生活再建の問題についてお尋ねいたします。先に申し上げましたとおり、この師走の空に約九百名の従業員は職場を失い、今後の生活の不安におびえておるのであります。県はいち早く現下の経済不況の対策の一環として、労働金庫に対し二億三千万の預託を、ただいま開かれておりますこの県議会に、十二、三日ころ追加補正の提案を行いたいと聞き及んでおります。誠にこれは時宜に適した適切な御措置であると感謝にたえないのでありますが、この際ひとつ注文を申し上げておきたいのでありまするが、このような異常なる経済不況下において、破産、倒産、更にまた失業あるいは一時帰休といつたような深刻な労働問題を惹起いたしておる事情にかんがみまして、労働金庫は本来のその使命というものを遺憾なく発揮していただきたい。そのためにも、折角県の方から預託されたその預託金の少なくとも最低三倍以上の融資わくを拡大しまして、生活不安におびえておる皆さんに対し、適切な融資の措置をとられるようにお願いをいたしたいと思いますが、いかがなものでございましようか。  第四点といたしましては、会社再建に欠くことのできない会社更生法の適用の問題につきましてお願いをいたしたいのでありますが、これは先に申し上げましたとおり、債権者の皆さんの深い御理解と御協力、しこうして最終的には裁判所の判断によるものでありますが、県は既に村田工場を中心としてこれを守り、再建させたいという、そのような方針を県民に明らかに示しておるのであります。これまた極めて歓迎すべきところでございますが、同社の長期にわたる粉飾決算の事実が明らかになり、今後の推移は極めて憂慮せられるところでありますが、粉飾決算ははなはだ遺憾なものではございまするが、今日の異常なる経済不況、高物価、インフレーシヨン、あるいはまた国際市場における輸出製品の売れ行きの悪化等々は、すべてその根源は政府の施策よろしきを得なかつたところと断ぜざるを得ないのであります。東京時計製造株式会社の放漫経営のみが、今回の事件のすべてであるとはにわかに判断し得ないのであります。したがつてこの際師走を迎え、かかる悲劇を見たということ、誠に遺憾であるとともに、もしその会社の再建が不可能となつた場合の社会に及ぼす影響は極めて大きく深刻と思料せられるのであります。よつて粉飾決算を行い、商業道徳や社会構成を傷つけた会社経営の責任者は厳しく責められ、処断されることは当然といたしましても、このことをもつてして会社更生法の適用や、下請関連倒産防止の法律適用が行われないとするならば、断じて私どもは容認できないのであります。知事は全力を挙げられまして、法適用について必要な具体の手だてを尽くされるようにお願いをいたしたいのでありまするが、その具体的な手だてということにつきまして、お持ちであればお示しいただきたいと思います。  最後に、同社村田工場は、債権者や保全管理人の格別の御了解のもとに、現在日産自動車のカーウオツチを下請しておりまして、比較的原材料費のかからない工賃かせぎの作業を始めており、工場は操業いたしておるのであります。そのために必要な若干の資金融資等につきましても格別の御配慮をいただきたいと思います。聞く由によれば、日産自動車の岩越社長は本県とも深いゆかりがあり、特に宮城県の長期総合計画、すなわち新しいふるさとづくりの策定本部の顧問等もお引き受けされたと聞き及んでおるのでありまするが、今後引き続き日産自動車会社からの発注が行われまするように、格別の御措置を賜るように知事のお力添えをお願いをいたしておきたいと思います。このことによつて村田工場再建への足がかりができるとするならば、大変幸いとするところであります。経済不況下における中小企業や、そこに働いておる人々を大きく励ますためにも、全力を挙げてお取り組みをいただくことを重ねてお願いを申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。
     御清聴ありがとうございました。 ○議長(木村喜代助君) 知事山本壮一郎君。   〔知事 山本壮一郎君登壇〕 ◎知事(山本壮一郎君) ただいまの平野議員の御質問にお答えをいたしたいと思いますが、東京時計が会社更生法を申請いたしましてから、それ以後の経緯等につきましては、ただいま詳しくお話しがあつたとおりでございます。お話しがございましたように、県内に数多くの企業がございますけれども、いわゆる誘致企業といいますか、農村工業導入の、実は私どもといたしましては、この工場はモデルケースであると、かような評価をいたしておつたのでございます。その会社が唐突に更生法の申請を出された、私も非常に大きなシヨツクを受けておるのでございますが、これが県内の関連下請業者、あるいはまたそこでまじめに働いていらつしやる皆さん方に与える影響は誠に大きなものがあるわけでございます。結論から申し上げますならば、平野議員がいろいろとお話しがございましたが、県といたしまして、知事といたしましてあらゆる方策を講じまして、これらの今後出てまいります不測の事態を最小限度に食いとめ、そして再建にもつていつていただきたいというのが私の現在の偽らざる心境でございます。既にああいう事態がおこりましてから、下請けの関連企業に緊急の融資をするということにつきましては準備もいたしております。ただお話しがございましたように、そういう際に金融機関が十分な理解をもつて協力をしてくれない面があるとするならば、これは大変に残念なことでございます。会社更生法の適用につきましては、お話しのように現在裁判所の管理下にあるわけでございますので、今具体に私としてああする、こうすると言いにくい面もたくさんございます。しかしいろいろと事態の推移に応じまして適切な対策を講じてまいるつもりでございますが、いずれにいたしましても関連の下請の企業までが、この影響を受けて倒産するということになりますと大変なことになりますので、第一点、第二点で御指摘がございました金融機関の御協力につきましては、これまでも度々お話しをいたしておりますけれども、今後も十分の御協力が得られますように、県といたしましても、私といたしましてもあらゆる努力をしてまいりたいと思います。また大変にまじめにあそこで働いてこられ、また更にこういう事態になつて、なおかつ会社の再建のために協力して、一致して努力をしようと、こういう従業員の方々に対します手当等につきましても、当然労働金庫その他の方法手段によりまして、年末の必要な資金等につきましてはできるだけの御援助を申し上げたいと思います。また労金におきましても、これは一般論といたしまして、融貸率の向上に努力をしていただきまして、今回の県の融資を考えておりますが、できるだけ多くの融資わくを確保していただきまして、大勢の勤労者の皆さん方の期待にこたえ得るような、そういう業務を展開していただきたい、そういう指導を強めてまいるつもりでございます。  なお、この再建の問題あるいは更生法の適用の問題につきましては、大変に残念ながら過去におきます粉飾決算等の問題が出てまいつております。これがどういう成り行きになりますか、予断を許さないところでございますし、現在の会社はそういうことで、いわゆる保全管理人、これの支配下にあるわけでございます。そこで今ここで私がこの見通し、あるいは将来の再建の具体の対策に、あまり具体的なことには触れない方がいいと思います。何としても現在この申請が裁判所で聞かれることを、我々といたしましては心から期待をいたしておるわけでございますが、幸いお話しがございましたように、債権者の方々も非常に好意的でもございますので、そういう方々の御理解と御協力をいただきながら、一日も早く具体の会社再建の道が開けますように、これは私としてできますあらゆることは努力をいたすつもりでございますが、非常に微妙な問題でございますので、具体に何をどうするかということはこの席で申し上げかねます。また今後の事態の推移というものを、この関連におきまして、最善の方途をとらせていただきたいということを、ここで申し上げておきたいと存じます。  なお、現に工場の方では一部操業をしておられるわけでございます。またそれに対して本県御出身の岩越さんが社長をなさつていらつしやいます日産からある程度の御援助をいただいております。こういう面につきまして今後こういう方面の援助を強化していただくような考え方に立つならば、そういう面でも幾らでも我々としては働く余地があろうかと存じます。そういうことを含めまして、村田のあの折角の工場、そして大勢の非常に立派な従業員の方がいらつしやるわけでございますので、こういう方々が、会社が更生法の適用になるのか、将来の再建策がどうなるのか、今具体には申し上げられないのでございますけれども、いずれにいたしましても、あそこで引き続いて働いていただけますような事態の実現を目指しまして、度々申し上げるようでございますけれども、県としてもあらゆる総合的な努力をしていく、私個人といたしましても、できますことは御協力を申し上げたい、そして一日も早くこの不安定な事態を解消いたしまして、あれだけ地域から大きな評価を受けた工場でございます。仮りに、仮りにでございますが、経営者が代わるような事態になりましても、従業員の方々が安んじて働いていただけるように、そしてそのことが地域の開発と発展に役立つような、そういう事態を一日も早く実現するために努力をいたしたいと存じますので、かねてからこの問題について深い御関心がございました平野さん、そしてまた議会の皆様方の格段の御指導と御協力をこの機会にお願いを申し上げる次第でございます。 ○議長(木村喜代助君) 暫時休憩いたします。   午後二時三十分休憩     −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−   午後三時五分再開 ○副議長(佐々木照男君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑、質問を継続いたします。二番櫻庭健朔君。   〔二番 櫻庭健朔君登壇〕 ◆二番(櫻庭健朔君) 昨年の石油シヨツクに端を発した物価狂乱のあらしは、今日に至つても一向にその衰えを見せず、あと二十日余りで暮れようとしている昭和四十九年の師走の月も、庶民にとりましては誠に肌寒い、木枯らし歳末の感を一層深めているところであります。この異常なまでの物価高騰の原因は数々あるでありましよう。田中前総理のように「国際的インフレのなせる業」と、いとも軽く片付けてしまうほど単純なものではないはずであることは確かでありまして、私は今日の高物価、インフレの大きな要因として是非挙げなければならぬものの一つに、政府が余りにも安易に実施した各種公共料金の相次ぐ引き上げを漫然と看過するわけにはゆかないと考えるのであります。事実、本年に入つてからの主な公共料金の引き上げを拾つてみますと、電力、米価、国鉄、私鉄、都市交通、医療、水道、ガス等の基幹料金のほとんどが一斉に、しかも大幅に引き上げられており、来春早々には二倍以上の郵便料金、四〇%以上の電話料金、七〇%以上のたばこ価格がそれぞれ引き上げられるのは確実と言われており、まさに庶民にとりましては、重くよどんだ灰色の空を見るような暗然たる思いに沈むほかないほどのやるせなさではなかろうかと思うのであります。このような各種公共料金のうち、これに許認可を与え、これを実施する権限のほとんどは政府の掌中にあるのでありますが、希少のものとして各地方自治体の管轄に属するのが、市立、県立などの、いわゆる公立学校の授業料であります。今当県の県立高校を例にとつてみますと、昭和三十年から九年間月額五百五十円、昭和三十九年から二年間同じく六百円、そして昭和四十一年から本年までは月額九百円に維持され、特に昨年の議会におきましては、相次ぐ公共料金の引き上げのさなか、物価抑制の悲願に燃えた知事の英断により、従来の授業料のままこれを据え置かれたのでありますが、この際昭和五十年度の県立高校の授業料の値上げを見合わせ、さなきだに教育費の負担の増大にあえいでいる県下の父兄たちに大きなプレゼントを行うことは、物価狂乱の折だけに極めて当を得た措置であると存ずるのでありまするけれども、来年度の県立高校の授業料に関し、知事はどのような御所見をお持ちになつておられるのか、是非承りたいと思うのであります。また市立校を持つている仙台、石巻などに対し、今後どのような行政指導を行われるおつもりなのでありましようか、質問の第一点としてお尋ねいたしたいのであります。  次に私学振興対策、とりわけ私立高校に対する助成についてお伺いいたします。私学振興対策につきましては、この議場において多くの同僚議員から問題が提起され、幾度か論議が交わされたところでありますが、昨日の定例記者会見における知事の言明によりますれば、県はこの度九千九百万円にのぼる私学補助を本議会に追加提案され、その結果本年度は十二億五千三百万円と、四十八年度の約二倍に相当する補助金に引き上げられた旨報道されているのでありまするけれども、このうち私立高校補助総額九億一千七百万円を生徒一人に換算しますと、年額約三万八千円、月額約三千百七十円という数字であります。しかしながら県のこのような思い切つた公費助成にもかかわらず、私立に学ぶ生徒の父兄は、公立の十七倍の入学一時金、六倍以上の授業料をはじめとして、年々上がる一方の多額の学費を負担しなければならず、既に来年度の授業料だけで一万円を超える値上げを発表している学校も若干ならず数えられており、公私の学費の格差はますます増加拡大の一途をたどつているのであります。  このような高い父兄負担にもかかわらず、私立高校生には公立の半分の教育費しかかけられていないばかりか、そのため専任教員の定数が少なく、教室もすし詰め、教育施設も不十分といつた悪条件の中で学ばなければならないのが私立高校生徒たちの偽らざる実情なのであります。私事にわたつて恐縮なのでありまするけれども、私の長女も父親たる私に似て余り頭脳明晰でなく、ために現在私立高校に通学しているのでありますが、先月分の納付金額を見ますと、授業料六千二百円、校舎建設費二千円、学校諸費千円、卒業準備費九百円など、総計一万三百三十円に達し、あらためて不肖の子を持つた親の思いは、天を仰いで長嘆息するのほかなき始末なのであります。特に昨今の諸物価の高騰、人件費の増大など、私学の経営危機はいよいよその加速度を強めてゆくことは必至の情勢であります。教育は何人もひとしくこれを受けるのが大原則であり公立、私立の違いによつて教育に差があるなどということは、本来許されるものではありません。ましてや巷間流布されておりますように「親孝行の始まりはまず公立校に合格すること」などと言つて、幾春秋に富む少年、少女たちにあらぬ荷重をかけることがなくなるように、昭和五十年度以降思い切つた私立高校に対する助成措置を強める必要があろうかと存じます。そのためには、県費、県単の財政援助も十分措置しつつ、例えば私立大学に対する国の助成が立法化されていることと照らし合わせて、この際私立高校にも同様の立法措置を早急に制定し、危機にあえぐ私学の救済を図らなければならないのではないかと思うのでありますが、これに対する知事会の動向、政府の受けとめ方、立法の見通しなどについて知事の見解を伺いたいと思うのであります。  次に、東京時計に端を発した中小企業対策についてお尋ねいたします。既に東京時計の件につきましては、平野議員も触れられましたように、その経営規模、特殊産業としての存在、地域に対する貢献度などから、今回の倒産事件は、地元はもとより県内の大きな関心を集めておりましたが、間髪を入れぬ県のてこ入れ、債権者の協力態勢、大手商社のバツクアツプなどが効を奏し、昨九日から操業再開にこぎつけ再建のめどが立ちつつあることは県民の一人として誠に御同慶にたえないところであります。従業員に対する給与の未払いがまだ残つているのがいささか気がかりではありまするが、早急にこれを解消し一日も早く再建が軌道に乗るよう祈るものであります。思えば私も先年議会の一員として同社を視察し、渓流の水にも似た作業の流れ、寸分も狂わぬ技術のはしはし、ちりをもとめぬ静讃な工場の環境、福祉施設の充実などを目の当たりに見、近代企業はかくあるべきかなと、驚嘆これ久しうした記憶がありますが、このような企業においてすら、需給の減少、輸出の伸び悩み、総需要抑制下における金融引き締めに抗し切れなかつたことに思いをいたすとき、この種の進出工場はもとより、県内地場産業の前途は、風雪ことのほか厳しいものがあるのではなかろうかと憂うるのであります。十二月五日発表の帝国興信所調査による負債額一千万円以上の全国の企業倒産は、本年十一月において一千百十五件に達し、これはなべ底景気と言われたあの昭和四十三年三月の千百九十六件に次ぐ史上二番目の高水準となつており、既に今年に入つて十一月まで一万五百二十三件を記録していると伝えられているのでありますが、この中には、先程の東京時計が七十七億六千万円の負債を生み、上場会社としては既に本年三件目の倒産を数えたほか、辞典のしにせとしてあまねく人口に膾炙されていた三省堂なども、負債五十三億円で倒産するなど、資本金五千万円以上の中堅企業が特に顕著となつていて、同興信所では「この傾向は年末から来年三月にかけて最大の倒産の山を迎える」と、その見通しを述べているのであります。このことは特にこれまでの建設、不動産、繊維中心の企業から、製造業の機械、金属、出版、印刷などの倒産が相次ぐものとして、極めて注目されるところでありますが、事実、宮城県下におきましても、著名な九つの機械金属会社に、人員整理、操業短縮、一時帰休制などの具体的提案がなされ、来年三月ごろにはこれが頂点に達するであろうと予測されているのであります。私は日本の経済全体が、今日のような深刻な不況下におきましては、倒産という事態が起きましても、これは挙げて県の行政責任であるなどとは申し上げませんが、少なくともこのことによつて企業を失つた市町村の損失、それにも増して巷に放り出された勤労者への生活保障の手だては、政治の基本として一刻の遅疑逡巡をも許されない課題であると思料するものでありますが、迫りくるこれら一連の事態に対し、県は東京時計にとられたような適切な対策などを各企業のそれにも十分とられる用意がありますかどうか。勤労者への雇用の安定、生活保障などを含めて、具体的対策を明らかにしていただきたいと思うのであります。  それと同時に、年末から来年三月まで、県内の零細商工業者は不況のあおりを受け、特に金融引き締めによる金ぐりをどうして円滑に運ぶかが悩みの種であると、一様に訴えておるのであります。この際県は零細企業向けの預託を増やし、それも銀行よりは信用金庫、信用組合への比重を強め、これらの人々が手軽く県の恩恵に浴することができますように、更にはまた、保証協会の保証による借り入れにさえ、歩積み両建てなどを強制されることのないように県当局の一層の親切行政を要請いたしたいのであります。  最後に、物価問題について二点お伺いいたします。  私は昨年の九月議会において、建材用の各種鉄材、ビニールパイプなどの、いわゆる物不足の傾向をとらえ、引き続き物価問題について県当局に具体的な提言を行い、その解決のための対策を要請してきたところでありますが、県当局もこれにこたえられ、物価問題懇談会の設置、需給安定本部の発足、消費者モニターの増員、流通機構の調査、通産局との連携の強化、各種業者への協力要請など、物価鎮静への一連の行政措置を強められてまいつたことに対し、深い敬意を表するものでありますが、これらの行政対策が地域的に成功した反面、未曽有のインフレという厚い壁を打ち破ることはできず、地方自治体の物価対策の困難さ限界ざを改めて了察した一人でもあります。しかしながら知事の提案理由の中に触れておりますように、今日の日本経済の動向がやや鎮静化したとは言え、物価は相変わらず急上昇を続け、それはほとんど高値安定化しつつあると言うことができると思います。県のモニターの調査によれば、砂糖をはじめとする十四品目の生活必需物資は、昨年九月を一〇〇とした場合、本年十一月のそれは天ぷら油の二〇六・六%を最高に、砂糖一九七・二%、灯油一七六・八%と、平均で軒並み一五〇%を凌駕する高値を見せているのであります。これらの生活用品のうち、私の最も不審でならないものの一つに灯油の価格があります。本年六月一日政府指定の標準価格が廃止された途端、一かん平均四百二十七円だつたものが一挙に六百十五円に暴騰し、翌七月には更に六百四十一円と、約六〇%も値上がりを続け、今月に至るも六百四十円台からは一向に値崩れを見せていない状態であります。ところが十二月六日の新聞報道によれば、十一月に入つて灯油は平均わずか六円ながら全国的に値下がりの傾向にあるといい、このため通産省は灯油などの石油製品の値下がりを期待している国民の願望をよそに、来年三月の下期までに約六百五十万キロの減産指導に乗り出すと伝えられており、これが実施されれば品薄現象と、またまた大幅な値上がりは必至であります。一方県内の灯油価格は、地域によつてバラつきが目立ち、最も安いのが仙台鶴ケ谷の五百八十円、最高価格は栗原地区の六百六十七円、県平均で申しますと六百四十円から六百五十円の間の価格で購入している消費者が全体の約半数を占めているのでありますが、この価格は、輸送上も流通上も当県よりははるかに悪条件下にあると言われる北海道が逆に六百円の数字を示すという珍しい現象さえ生じているのであります。私のところでは灯油の置き場所が狭いため、その都度、二かんずつ買い求めておりますけれども、その価格は六百六十円であります。その小売業者は、それでも一かんにつき四十円しかもうからないと嘆いているのでありますが、本年二月の議会でも申し上げましたように、問題は小売価格にあらずして、それに至る以前の段階の流通機構、すなわち問屋筋の卸価格にメスを入れなければ、本来の意味での価格安定にはなり得ないと思うのであります。気仙沼のある町内会が、他の業者への遠慮もあつて値下げに踏み切れずにいた灯油業者を説得し、一かん五百五十円で仕入れ、それを世話人が五百七十円で配達するという極めてユニークな共同購入方式を導入し、あるいはまた生協が直接業者と交渉して一定の価格を了承させ安価な灯油を購入するなど、それぞれ自衛手段を講じて灯油の値上がりに挑戦している姿は、賢い消費者の一面を持つものとして、今後とも奨励されるべきことではありましようが、自衛手段を講ずれば価格が下がり、それを持たなければ高い買い物をしなければならぬとあつては、私は政治はいらないのではないかと思うのであります。寒冷地という特殊事情にある本県にとつて、灯油の低価格実現は県民生活安定のためにも急務であり、これは県の行政の範礁の中において実施できるものと考えるのでありますが、業者との接触も含めて卸段階も網羅した価格安定につき、いかなる方策をお持ちになつておられるのか。更にまた通産省の減産指導により、今後灯油の品不足、価格の高騰が予想されるのでありますが、このような場合低い標準価格の設定を国に求めてゆくお考えがおありなのかどうか、この機会にお聞かせいただきたいと思うのであります。  物価問題の最後に、特に年末の生鮮食料品対策についてお伺いいたします。昨年のちようど今ごろ、本県は二度にわたる豪雪に見舞われ、折からの石油シヨツクに加え、年末用野菜の品薄と値上がりのダブルパンチを受け、大変憂うつな年の瀬を迎えた苦い記憶を思い出すのでありまするけれども、幸い本年は降雪も少なく豊富な野菜が店頭に出回つていることに、多くの主婦はいささかならず安堵の胸をなで下ろしているものと推察されるのであります。特に本県が野菜の生産地であり、魚の出荷県であり、肉類におきましても、本年は養豚数六十万頭の実績を持つ生産県でありまするから、新鮮で豊富な生鮮食料品を提供するのには、他の消費地と違つて極めて条件が整つているものと考えられるのであります。県は従来農協との提携による産直販売などをその都度実施してまいつたのでありますが、約半年の準備期間を経て、各関係者の協力を得ながら十一月二日バイパス方式による青果見本市を仙台市内デパート前で開いたのを皮切りに、青少年クラブの大きな応援を得て野菜、果物などの青空市場を開設、肉、魚などの定例奉仕デーも具体的に発足を見たことは、まさに、最近の県の消費者対策におけるクリーンヒツトであり、物価高に悩む主婦から極めて高い好評を呼んでいることは、既に周知のとおりであります。市場を混乱させるという批判もないわけでなかつただけに、消費者サイドに立たれて準備を進められた事務当局の御労苦を謝したいと存じますが、このための補正として、県は新たに七百八十三万円を計上されました。今後とも引き続きこの種の試みを県下一円に及ぼしていただきたいと要請するとともに、年末の安売りデーや見本市、青空市場などを、特に団地などの大消費地を対象として十二月二十五日以降の年末の日を選び、連続三日間ぐらい開設されれば、なお効果的であろうと思料いたしますが故に、あえてこれを提起し、県当局の特段の御配慮をお願いいたしたいと思います。  以上をもちまして私の質問を終わらせていただきます。 ○副議長(佐々木照男君) 知事山本壮一郎君。   〔知事 山本壮一郎君登壇〕 ◎知事(山本壮一郎君) 桜庭議員の御質問にお答えを申し上げたいと存じます。  お話しがございましたように、最近の異常な物価高の中で県民の生活をどうして防衛するかと、これは度々機会あるごとに申し上げておりますように、当面いたします県政の最大の課題として私としては取り組んでまいつておるつもりでございます。物価問題、消費流通問題、これまでの県政の中で、どちらかといいますと経験の薄い、なじみの薄いものが数多くあるわけでございますが、私どもはそういう中で、ある時は県政のわくを越えましていろんなことを考え、また消費者の皆さん方の、あるいは生産者、流通業者の皆さん方の御協力をいただきながら、まずできるものから実施に移してまいる努力をいたしたつもりでございます。今後も試行錯誤はあると思います。しかし桜庭議員が最後にお話しがございましたように、生鮮食料品を中心といたしまして、新しい流通体系をここでつくり上げるぐらいの気持ちをもつて今後とも取り組んでまいるつもりでございますので、格段の御協力をお願い申し上げたいと存じます。  現在の物価高の元凶が公共料金にあると、こういう説が確かにございます。公共料金の利用者の負担で上げるのがいいのか、あるいはまたそれができない場合に国民全体の税金で補てんするのがいいのか。この辺はいろんな考え方があろうかと思います。しかし軒並み公共料金が上がります中で、私は少なくとも私どもの判断と権限で決め得る大きな公共料金的な性格を持ちます県立高校の授業料だけは据え置きたいと、できることなら据え置いてまいりたい、こういう気持ちを強く持つものでございます。しかし、学校における人件費をはじめ需用費の大幅な経費の増大をみておりますことも事実でございますし、一方におきまして、第二点にお話しがございました私学との格差の問題等考えますときに、引き続いて物価対策の一つの目玉として公立高校のそれを据え置くのがいいのか。仮に上げました場合には、たとえわずかでも私学への援助に回すのがいいのか、この辺につきましては非常に難しい問題でございます。いずれとも決めかねておるような状況でございますけれども、なおこれらの問題につきましては、来年度の予算等考えます場合に十分検討してまいりたいと存じております。そういう中で私学が現在非常に経営に困つております。私学に行つております子供をお持ちの親御さんの気持ちも、まさに今桜庭議員がお話しがございましたが、おつしやるとおりであると思いますし、私どもも私学は私学なりのいい教育をやつてくれておりまので、県の財政の許す限り援助を強めてまいつたつもりでございます。今議会におきましても、なお若干の上積みをいたしたい、こういうことを考えておりますが、それをいたしましても、なおかつこれは問題解決にならないところに今日の私学援助の限界があるわけでございます。かねがね申しておりますように、また桜庭議員がおつしやいましたように、私はやはり高等学校の教育というものは、それは公共団体がやろうが、私の法人が設置者であろうが、やはり同じ国の責任ではないかと、その辺のところを基本をはつきりいたしまして、最近大学にとつておりますような、そういう私立高等学校、あるいは中学校に対する財政援助法的なものの制定を、これは実は私が知事会で前々から提唱をいたしまして、その運動を続けてまいつたのでございます。文部省の中におきますいろんな審議会あるいは研究会等からも、最近ようやくそういう声が出てまいつておりますし、昨日発足いたしました三木内閣に異色の文部大臣が誕生いたしましたことも、最初のインタビユーでもそういう点に触れてお話しになつておりますので、来年度の予算に、つまり来たるべき通常国会で是非私はこの法律を作り、我々が期待しておりますような固の私学に対する財政援助ができますように、あらゆる私も努力をいたすつよりでございます。どうか議会の皆さん方にもそういう方向でひとつお力をおかしいただきたい。また私学の経営者にもこういうことは度々呼びかけておりまして、全国的にも運動を展開いたしておる最中でございますけれども、これが実現に向かつて今後とも努力をいたしてまいるつもりでございます。  なお、この不況下でいろいろと御苦労をいただいております中小企業に対する対策につきましては、先程来お二人の方にお答えを申し上げたとおりでございます。東京時計の再建も、決して私は甘くはないという厳しい環境にあるという前提に立ちまして、あらゆる努力をいたすつもりでございますし、また、ひとり東京時計のみならず、県内に立地いたしております進出の企業、地場産業、いずれも問題は同じであろうと思います。適時適確な対策、これを講ずることによりまして、不幸な事態を最小限度に食い止める努力をいたしたいと思います。また、そのためにお話しがございました預託の増大の問題、これも手軽に借りられるような金融機関がいいというお話しでもございますので、そういう点につきましても、これからタイミングを見まして必要とあればそういう措置もとつてまいりたいと思います。また信用保証協会が歩積み等求めるようなことがあれば誠にけしからぬ話でございます。本当に弱い者の味方としての機能を発揮できますように、従来そういう点でも不備な点があるとするならば十分指導を強化いたしまして、こういう際にこそこういう機関が弱い方々の味方としての役割を果たし得るように、これからもあらゆる努力をいたしてまいるつもりでございます。  なお、物価の対策は冒頭申し上げましたように、我々は大変に地方の段階でなかなか思うような対策が講じられないもどかしさを感じながらも、しかしこれはまさに県民の生活を守ると、自治体は本来そういう機能を持つものであると、こういう考え方に立ちましていろんな試みをいたしてまいりまして、これからもいたしてまいりたいということは先程も申し上げたとおりでございます。具体のお話しが出ました灯油につきましては、実は昨年来原油の価格が非常に大幅に上がつておると、そういうことと、昨年のいわゆる物不足、灯油の非常な値上がり等の経験からいいまして、今年の夏以来、実は北海道・東北の知事会におきまして、適正な標準価格を設けるようにという申し入れを政府に強くいたしてまいつたのでございます。しかし通産当局といたしましては、そういう考え方に対して、今年は灯油は十分量的に確保できておると、なまじ標準価格を作ることは、ある程度の高値安定になりかねないということで、その後の推移を見ておりますと、いわゆる店頭渡しの六百円前後というような価格、最近では若干それが低下ぎみにあるというようなことでございますので、量的な面からいいまして去年のような事態にはならないのではないかという見通しをもつております。しかし桜庭議員がおつしやるように、こういう中で減産が行われるというようなことになれば問題は別でございますので、そういう際には適切な指導価格制度、その他の対策を要請しなけりやいけないと思いますけれども、現時点におきましては、通産省が考えておりましたような趨勢をたどつておるのではあるまいかと、我々はそういう認識に立つておるわけでございます。いろんなこの価格につきましては、バラつきがあるようでございますけれども、これは地域的に卸の段階を何回も通るというような場合、あるいはまた仙台市のように、かなり大勢の方が集団的に一括購入をするというようなケースと、若干は異なるケースもあり得るんではなかろうか。こういうものを全般的に統制価格的なものにするのがいいのか悪いのか、この辺が非常に難しいところでございます。現在の灯油の標準的な指導価格にいたしましても、かなり政策的な配慮が加わつた価格であるように聞いておるわけでございます。しかし今後の価格の推移等見まして、当然必要な対策を講じてまいらなければならないと存じます。また現時点におきましては、ある程度物が量的にかなりタブつきぎみでもありますので、専らしわ寄せが小売り段階にされておりまして、その競争の中で値下げが行われておる。しかしお話しのようにそういうことが非常に好ましくないことでございます。これからも安定的な供給をさすためには卸の段階という問題が出てまいりますので、こういう点につきましては通産省、通産局等とも十分お話し合いをいたしまして、適正な価格での安定した供給確保が得られますように、今後一段と努力をいたしてまいるつもりでございます。  なお生鮮食料品につきましては、我々県内の生産者が折角作つていただきました野菜なり、また水揚げされました水産物、こういうもの、新鮮なものを、更には畜産物もそうでございましよう。消費者の手元へできるだけ中間の流通経費がかからないようなかつこうでお届けをしたいということで、いろんな試みを今年もやつてまいつたのでございます。幸い関係の皆さん方の深い御理解と御協力をいただきまして、逐次こういう制度が定着の傾向にありますことを実は内心大変喜んでおりますし、また関係者の皆さん方に感謝をいたしておるわけでございますが、去年以来一年勉強いたしてまいりましたこういう各種の対策を、年末を控えまして十二月にはこれらの成果を総合的にひとつ実施をいたしてみたい。十二月を生鮮食料品の安定月間にいたしまして、お話しがございましたように、年末にかけまして肉なり野菜なり、あるいは魚等につきまして、いわゆる見本市的なもの、青空市場的なもの、あるいはまた奉仕デー、こういうものをできるだけ団地その他を中心に、県内くまなく実施をいたしまして、物価高で悩んでおられます消費者の方々に、たとえ物価の本質的な解決策にはならないにいたしましても、一つの対策として、また県がなし得る唯一の方策といたしまして、できるだけ喜んでいただけるような、数多くの物品について実施をいたすつもりでございますので、御了承をいただきたいと存じます。 ○副議長(佐々木照男君) 三十九番錦戸弦一君。   〔三十九番 錦戸弦一君登壇〕 ◆三十九番(錦戸弦一君) お許しをいただきまして、二点につきましてお伺いいたしたいと思うのであります。  まず第一点は、鳥獣保護区における農作物食い荒らしの被害補償制度の問題についてであります。私は去る十月の本会議におきまして、立派な自然保護を遂行する場合の現行法によるお犬様行政では守れないのではないかという点について、県下各所の具体的な問題を提示して知事に所信を伺い、知事からまた極めて積極的な、しかも前向きな御答弁をいただいてまいつたのであります。すなわち自然は国民いや県民の財産である。したがつて県民一人一人が立派な自然環境、いい自然を守るという気持ちを持つことが必要である。よつて特定の方々の犠牲によつて保全するというのではなくて、県民の全体的負担において自然を守ると、こういう制度ができなければならない。極めて前向きな御答弁があつたのであります。積極的な答弁の中には緑地環境保全地域の所有者の方々に対して経済的マイナス面を県費をもつて負担するという予算措置、あるいはこれらの方途というものを実施いたしましたので、これらの方向も考えると、こういうのでありました。極めて私は意を強くして今日の経緯と推移をうかがつておつたのであります。したがつて、その後どのように、どこの所管で調査をお進めになり、あるいは被害の状況等についての掌握の問題、あるいはこれらに対するところの臨時的な措置あるいは応急的な措置など、どのように進めておられるか。この関係農民の方は首を長くして待つておるのでありますので、この際ひとつ具体の進め方についてお答えをいただきたい。このように思うのであります。  次は第二点目の問題でありますが、方向を変えまして、私は県内の水資源の問題でいろいろと知事に御配慮を煩してきたわけでありますが、非常に知事の積極的な姿勢によりましていい方向に進展していることを喜ぶものであります。今回は特にこの水資源に関係する問題ではありますが、上水ではなしに下水の再利用の考え方について伺おうとするものであります。人間社会の文化の進展と福祉の充実による変化は、水資源を急激に要求することは世界の先進国で実証されておるのであります。私は水資源の利用計画の重要性について、今日ほど真剣に取り組まなければならない時はないのではないかと考えるのであります。上水道の利用人口は県の総合計画によりましても、昭和六十年度を目途に二百万人を準備しなければならないとうたつておるのであります。私は今回この水資源の利用計画のうち、工業用水の確保に下水の再利用を考察し、私の考え方をひとつ提言したいと思うのであります。いわゆる下水道の三次処理についての技術開発の現況につきましては、建設省下水道三次処理研究室長安藤先生のもとから、既に文献として、あるいは報告として各それぞれの関係者に報告されておるのであります。一例を言うならば、昭和四十六年度横須賀市において下水処理場に併設をするところの第三次処理プラント、四十七年には京都鳥羽の下水処理場内に設置するところのパイロツトプラント、これらの問題が政府関係者と提携をいたしまして進めておるのであります。問題は第三次処理の必要性の問題でありますが、これはそれぞれの意義をもつのでありますが、水質環境基準の維持の達成、あるいは水資源の有効利用のための再利用というのが、この研究課題の中に発表されておるのであります。さて、工業用水の大部分が最近は地下水に依存しているのが宮城県の現状であることは皆様方御承知のとおりであります。最近は特に地盤沈下による被害が、無計画な地下水くみ揚げによるということが、どうも定説になつておるようであります。しかしながら、さて見返りの水源をどこに求めようかとすると、なかなか難しい問題になつてまいりまして、最近苦竹地区にあるコカコーラ工場におきましては、やむを得ず上水道をこの用水に切り換えなければならないという状態が起き、あるいはまた切り換え水源として、更に工業用水に県から二千八百トンの切り換えをお願いする、こういうような大勢の中で、県あるいは市の指導によりまして地下水くみ揚げの抑制に協力をするというような現況が見られるのであります。私は去る七月十六日の本会議におきまして、上水道の水資源を中心に県の取り組むべき姿勢について提言をしたのでありますが、今回は県が計画をしておるところの下水道事業の計画を中心に、下水を水資源としたところの工業用水の利用により、生活用水の水不足に対応する考え方について伺おうとするものであります。これは昭和四十九年五月、宮城県の発行したところの仙塩流域下水道事業計画の説明概要、これは議員さん方もお持ちのとおりであります。本県の下水道の現況を見まするときに、公共下水道を実施しておる都市は、仙台と塩釜ぐらいなものであろうと思うのでありますが、そこで本県の計画をした下水道政策として、昭和六十年度を目標に、県下市街化地域全域の三万三千ヘクタールの整備を計画したのであります。この計画の一部で現在着工中の仙塩中央下水処理場で、一日最大三万三千トンの下水を処理しようとするものであります。すなわち、ここに一日三万三千トンの水源を無視するわけにはまいらないのであります。今日下水の再利用につきましては全国各地で検討され、その可能性は立証されております。ただ問題となりますのは、工業雑用水として利用する場合、環元再利用の水のコストの問題、採算の問題で、これがネツクとなつて今日まで余り普及されていないというのが現況のようでございます。  さて、現在の仙台市蒲生下水道処理から海洋に放流される汚水は、現在は簡易処理放流でありまして、この単価の問題に触れたいと思うのでありますが、トン当たり五円程度の費用によつてこの施設が運営されておるようであります、県の計画しておるところの多賀城大代の施設の処理場方式は、活性汚泥法を採用しておりますから、いわゆる恒久処理で、通称二次処理方式とも言われております。この処理によりますというと、大代から出てまいりますところの下水はBODにおいて一四PPM、SSにおいて一九PPM、CODにおいて一四PPMで貞山堀に放出しようとしておるものであります。さて工業用水の雑用水の水質はBOD五PPM以下だと言われておるのであります。だとするならば、この基準を基盤として処理に要するところの費用を私は逆算して考えてみた。トン当たりにして考察いたしますと、仙台市の蒲生処理場に併設した場合の想定でその費用を換算してみた。一次処理でトン当たり五円から七円、二次処理にすれば十五円から二十一円、三次処理にすれば四十円から四十五円、こういうような大体係数になつてくるようであります。上水道をもつてして都市近郊の工場地帯に水を延々と運ぼうとするならば、その使用料は一体何ほどになるのであろうか。これを比較してみなければならないと思うのであります。これは水源の場所、距離によつて多少のバラつきは出てまいりましようが、現時点におけるところの釜房水源からトン当たり現在の上水は五十八円〇五銭で売られておるのであります。これが七ケ宿の、いわゆる白石川上流のダ水から延々と工業用水をもらうとするならば、これはダム負担金の額によつて異なろうと思いますけれども、現在計画想定されておるアロケーシヨンで換算するならば、大体七十五円程度になるのではないかというのが技術筋の見方であります。第三次処理によつて工業用水として使用できる水、これの再利用するために、例えば下水の再利用を考えた場合、この費用に加算されるものはどれだけになるだろうか。現在海水汚濁防止基準、あるいは河川の水域基準というものがそれぞれ厳しくなつてまいります。河川においてはAA水域においては一PPM以下とさえ言われておる。松島湾におきましては、昭和四十六年にA水海域として指定されたのは皆さん御承知のとおりであります。したがいまして、この海に放流する下水はどうしても一四PPM程度から、ないしは近い将来には五PPM以下で放流しなければならない時点がくると私は想定するのであります。今の状態が続くならば、恐らく松島湾のいろいろな海産物については相当な打撃を与えることは必至であります。したがつて上水道によつて供給せんとする場合の費用が、トン当たり七十五円とするならば、下水再利用による二次処理分までは規定の下水のかかる費用でありますから、三次処理にする分の上積みの分は何ほどになるかと想定するならば、二十四、五円の経費を上積みすればよろしいわけでありますから、これによつてトン当たり四十円から四十五円の上積みによつて工業雑用水が得られるとするならば、大変私は見逃せない水資源ではないかと思うのであります。更に農民の方々がひでりでござい、何でございということで、農業用水に非常に困つておる実態を勘案するならば、農業用水に下水の再利用というものを環元しようとするならば、もつと格安な処理で再利用ができるのでありますから、この水資源は決しておろそかにできないものであろうと思うのであります。すなわち、下水の再利用は時代に即応する緊急な政策ではないかと考えるのであります。この際県は下水の再利用に対してプロジエクトなどを編成し、五十一年、この計画では五十一年運転開始と書いてあるんですが、これは遅れておりますから、五十一年に運転が開始されるであろう、いわゆる県営の仙塩中央処理場の水源を考えて、この施設の中に第三次処理施設を一部でもいいから試験プラントとして着工することを私は提言するものであります。このことは今後公共下水道を進めようとする県下各市町村に対し、極めて貴重な指導指針になるものと思われますので、知事の所見をお伺いしたいというのが私の質問の要点であります。  以上二点について、極めて簡潔でありますけれども要点を絞つて申し上げましたので、知事のひとつ前向きのお答えをお願いいたしまして、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。 ○副議長(佐々木照男君) 知事山本壮一郎君。   〔知事 山本壮一郎君登壇〕 ◎知事(山本壮一郎君) ただいまの錦戸議員の御質問にお答えを申し上げたいと存じます。  鳥獣保護、自然保護を行います場合に、それによります経済的なデメリツトを受ける人たちに対しまして、これはやはり県民全体で補償しなければならない。こういう考え方は前回申し上げたとおりでございます。ただ十月にお答えいたしまして、あれから三カ月の間に、それじや何をやつたかと、こういうことでございますけれども、例えば鳥の害、よく言われますカルガモ等の害にいたしましても、一体ある地域についてそれがどの程度一年間を通じてカルがモが被害を及ぼすのか。これはカルガモだけが例えば米なら米、稲を食べるならいいんですけれども、一緒にやはりスズメや野ネズミも食べておるということもあるようでございます。これは補償ということになりますと、かなり詳細なデータが必要になつてまいります。前回もお答えいたしましたように、四十八年から三カ年計画で学識経験者等にお願いをいたしまして、科学的な今実態調査をいたしておる最中でございます。そういう中にはカルガモの腹をさきましてどの程度胃袋の中に稲の粒があるか。そういう生体的な調査も必要でございましようし、年間を通じましてのそういう科学的な根拠のある調査が必要でございますので、実は十月にそういう基本の方針をお答えいたしたのでございますけれども、今日それがどうなつたかということについては、今しばらく時間をおかしいただきたいと思います。ただそういう仕組みが定着しなければ、いたずらに自然の保護だけを言つても、私はこれはうまくいかない。また保護される自然の中でも、そういう動物につきましてはやはり一種の管理が要るということ、金華山の鹿のごとくですね。そういうシステム等につきましても今後の研究課題であろうかと思いますので、自然保護についてはそういう問題があると、大変大事な問題の御指摘をいただきましたので、引き続いてこれは勉強いたすつもりでございます。しかしそれじや農家の方の被害を放つておいておるのかということでございますが、現在、例えば有害鳥獣の駆除等におきましても、これは四十八年度の実績でございますが、鳥類、獣類合わせましてその駆除の許可をいたしました件数は二千八百四件、駆除件数といたしましては五万一千件という現在必要な有害のそういう駆除はいたしておりますし、また今年の米の問題につきましては、四十九年産米の鳥獣害によります災害につきましては、これはいわゆる共済で補てんをすると、これは現在十三組合、支払い対象共済面積が五十ヘクタールで、減収量四万八百四十キロ、支払い共済金が五百八十九万と、現在あります駆除の方法、あるいは共済によります補てんの方法、現時点におきましては、これらによりまして当面の農家の方々の被害を食い止めていくと。なお先程申し上げましたように、本来の自然保護行政の中で、もう一方の柱になりますデメリツトの補償の問題につきましては、十分システムとしてのそういうものを完成してまいりたい。現在、先程申し上げましたように、その根拠になります実態を科学的に調査中でございます。  それから、錦戸議員は度々水資源の重要性について御指摘をいただき、この点につきましては御意見をもとにいたしまして、将来の水資源の確保に万遺憾なきを期しておるつもりでございます。今日お話しがございましたように、更に将来の問題といたしまして下水の三次処理をいたしまして、これを再生利用、循環利用すると、これは当然必要な課題であろうかと存じます。で、我々の地域におきます水資源も、これは無限ではないわけでございますので、三次処理の技術の今後の開発に期待をいたしながら、当然このことは考えてまいらなければならないと存じます。特にお話しがございましたように、現在仙台市のいわゆる蒲生の処理場でございますが、これは一日約二十万トン排出されております。将来約五十万トンに達すると見込まれております。仙塩の流域下水道におきましても、最終的には三十万トン以上の排水が考えられるわけでございますので、これらをひとつ三次処理によりまして工水に転用をすると。その分だけ上水の使用が助かるわけでございますので、当然に取り組まなければならない課題であろうかと存じます。現在私どもが聞いておりますのは、東京都で江東工業用水道が下水処理水の利用を行つておるように聞いておりますし、川崎、名古屋、大阪でもそういうプロジエクトがだんだん進んでおるというふうに聞いておるわけでございます。国におきましても、より能率のよい、そしてコストのかからない技術開発を今後強力に進めていただきますことを期待するものでございますが、いろいろ細かいコストの計算までしていただいておりまして、これは大変有難いことでございます。その数字につきましては十分ひとつ専門家に勉強をさせまして、直ちにこれを、お話しのとおり五十一年運転の仙塩下水道にテストプラントとして設置することがいいかどうか。我々といたしましても当然そういうことを考えまして三次処理の敷地は確保いたしてございます。折角の御提言でもございます。プロジエクトチームのお話し、あるいはテストプラントのお話し、十分前向きにひとつ検討をさせていただきたいと存じます。先程御披露いただきましたコストの数字等は、ひとつ私どもにも教えていただきたいと存じます。 ○副議長(佐々木照男君) 残余の質疑、質問は明日に継続することにいたします。     −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− △散会 ○副議長(佐々木照男君) 明日の議事日程は、追つて配布をいたします。  本日は、これをもつて散会いたします。   午後四時九分散会