• "改正條例"(/)
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  1. 宮城県議会 1949-02-01
    03月18日-06号


    取得元: 宮城県議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-18
    昭和24年  2月 定例会(第18回)第十八回宮城県議会議事速記録(第六号)  昭和二十四年三月十八日(金曜日)    午後四時三十五分開議 議長                    椛沢敬之助君 副議長                   鮎貝盛益君 出席議員(四十七名)     第一番               森 健次郎君     第二番               大平良治君     第三番               遠藤 要君     第四番               椛沢敬之助君     第五番               木田豊吉君     第六番               師 義三君     第七番               欠員     第八番               加藤武雄君     第九番               千葉松三郎君     第十番               石塚英馬君    第十一番               阿部権治郎君    第十二番               欠員    第十三番               小野寺勝一郎君    第十四番               安倍春雄君    第十五番               今野貞亮君    第十六番               粟野豊助君    第十七番               石垣義雄君    第十八番               佐藤民三郎君    第十九番               高橋友衛君    第二十番               佐々木省三君   第二十一番               那須豊治君   第二十二番               清水源太郎君   第二十三番               加藤正義君   第二十四番               高泉勝次君   第二十五番               斎藤荘次郎君   第二十六番               鮎貝盛益君   第二十七番               菅原運治郎君   第二十八番               亘理正彦君   第二十九番               三春重雄君    第三十番               狩野 伝君   第三十一番               松尾力治君   第三十二番               清野源助君   第三十三番               千葉隆三郎君   第三十五番               全先清水君   第三十六番               屋代文太郎君   第三十七番               只木和六君   第三十八番               若林豊平君   第三十九番               千石正乃夫君    第四十番               浅野豊次郎君   第四十一番               小野寺誠毅君   第四十二番               阿部来太郎君   第四十四番               荒井律二君   第四十五番               高橋大蔵君   第四十六番               佐々木源左エ門君   第四十七番               百井英一君   第四十八番               松尾啓三君    第五十番               佐藤新助君   第五十一番               平野 博君   第五十二番               星 勇之助君 欠席議員(三名)   第三十四番               須田欣衛君   第四十三番               丹野亀一郎君   第四十九番               門間正寿君    ------------------------------ 執行機関よりの出席者 副知事                   高橋進太郎君  総務部長                 塩谷末吉君  民生部長                 立花繁男君  経済部長                 直江丙午郎君  土木部長                 照井隆三郎君  農地部長                 山尾三千雄君  衛生部長                 古野秀雄君  商工部長                 坂本 晃君  水産部長                 石井省一郎君  労働部長事務取扱)副知事        高橋進太郎君  渉外事務局長(兼)            立花繁男君  出納長                  岡信侠助君  副出納長                 松岡敏介君 総務部  秘書課長                 荘司庄九郎君  文書課長                 斎藤浩蔵君  人事課長                 新澤亀壽君  庶務課長                 嶺岸與四郎君  税務課長                 及川角壽君  地方課長                 石川一郎君  会計課長                 松岡敏介君  調査課長                 後藤正夫君  特殊物件課長               小野 勤君  弘報課長事務取扱)           塩谷末吉君 民生部  社会課長                 木村要蔵君  児童課長                 西村千代子君  保険課長                 松岡義雄君  世話課長                 鈴木 忠君 経済部  農務課長                 嶺岸長五郎君  農業改良課長               志賀政敏君  食糧課長                 曽根敏夫君  畜産課長                 木村忠吾君  林務課長                 吉田潤彌君  蚕糸課長                 山本友之丞君 土木部  監理課長                 富岡茂雄君  計画課長                 塩原三郎君  道路課長                 北村正之君  河港課長                 大谷 英君  砂防課長                 米村新之助君  住宅課長                 伊藤一男君  建築課長                 渡邊秀雄君 農地部  農地課長                 瀧澤昌一君  農業協同組合課長             大泉吉郎君  耕地課長                 安部義正君  開拓課長                 大須賀利清君 衛生部  医務課長                 泉田 寔君  公衆保険課長               伊吹皎三君  予防課長                 藤田靜夫君  薬務課長                 五十嵐吉久君 商工部  企画課長                 橋森義松君  商工課長                 秋山徳郎君 水産部  漁政課長                 二瓶 保君  水産課長                 小貫道也君  施設課長                 成澤淳一君 労働部  労政課長                 長沼 進君  職業安定課長事務代決者          関 長七君  失業保険徴収課長             山田武夫君 渉外事務局  渉外第一課長               中島良夫君  同 第二課長               早坂四郎君  庶務課                  高橋彦治君  教育委員会委員代表            野口秀敏君  教育次長教育長代理者           高山政雄君  総務課長                 大槻七郎君  学務課長                 山下 忠君  社会教育課長               廣野和藏君  保健体育課長               常松 喬君  宮城県公安委員長             青沼吉治君  宮城県警察隊長              沼田喜三雄君  国警宮城県警務部長            長谷川俊之君  国警宮城県会計課長            佐藤新之丞君    ------------------------------    議事日程一、開議一、会議録署名員選挙一、諸報告一、報告第四号の継続議一、知事出席一、決算特別委員長報告一、報告第四号認定一、常任委員選挙一、正副常任委員長選挙一、議第二十四号議案乃至議第四十四号議案上程一、知事提案理由説明一、請願陳情等報告一、散会動議一、散会    ------------------------------ △開議 ○議長(椛沢敬之助君) 出席議員半数以上であります。ただいまより会議を開きます    ------------------------------会議録署名員選挙 ○議長(椛沢敬之助君) 会議録署名員を指名いたします。十八番、十九番、二十番の御三名にお願いを申し上げます。 この際時間を若干延長いたします。    ------------------------------ △諸報告 ○議長(椛沢敬之助君) 次に御報告いたします。議員平野博君より本日一日間病気のため欠席する旨の届出がございました。 次に総務部長塩谷末吉君より二十二日まで、衛生部長古野秀雄君より本日一日間いづれも出張のため、それぞれ欠席する旨の届出がありました。    ------------------------------ △報告第四号の継続議 ○議長(椛沢敬之助君) 次に本日の会議日程は上程中の報告第四号の継続議であります。    ------------------------------知事出席 ○議長(椛沢敬之助君) この際知事の出席を求めます。  〔知事以下各参與員出席〕    ------------------------------決算特別委員長報告 ○議長(椛沢敬之助君) 次にかねて調査を附託いたしました報告第四号すなわち昭和二十二年度宮城県歳入歳出決算および同年の特別会計歳入歳出決算について決算委員長の御報告を願います。  〔六番師義三君登壇〕 ◆六番(師義三君) 附託されました昭和二十二年度一般会計並びに各種特別会計に関しまする審査の経過並びに結果を御報告致します。 全部の案に対しまして皆様の御賛成を得まして各分科会に分担御審議を願つたのでありますが、その結果を分科会主査より三月十七日それぞれ御手許に配布致してあります通りの報告がありまして、これの主査会を開きまして審査致しました結果、監査員の報告にもありましたけれども各款にわたり不用の残額が非常にあります。これは勿論国庫下渡金あるいは国庫交付金に依存する本県財政といたしましては、まことにやむを得ないものと思はれますので、その結果といたしまして現われますことは国庫よりの収入と人件費を合せましたものが歳出予算の費目として現はれるのでありますから、それでなくても非常に少い人件費を不用の予算の方に制約することになりまして緊急実施しなければならぬ施策を予算化し得ぬことになるのであります。 これはまことに遺憾とせねばなりません当局は予算の計上にあたりましてその基礎計算と見透しを十分検討せられねばならないと思います。 各主管課におきましても歳出に対しまして特に慎重なる調査検討が必要と思はれますけれども、昨年あるいは二十二年度の事情に鑑みましてやむを得ないものが認められますので、これに関しましては監査委員報告等を十分に参考にされまして、今後十二分に御注意を願うことにいたしましてこれから述べますところの各関係の主査の方の希望條件をつけましてこれを認定いたすことにしたのであります。 希望條件を申し上げますが、まず総務関係におきましては第一に警察行政運営上国家警察自治警察等財産分量を適正迅速に促進せられたい。第二に地方貸付資金の中収入未済のものが非常に多いように思われるのであつて、これの回収に努力をいたされると同時に年度経過未収入分で今後絶対回収の見込のないものは欠損措置を講ぜられたい。 さらに衛生部関係におきましては衛生部技術職員特に保健所関係の欠員問題は従前より懸案事項でありましたが、補充困難の原因は一に待遇問題にあり、このままに放置しまするときは名目のみの機構となつて何ら実効をあげることはできなく遂には衛生行政は危殆に瀕することは明白であります。本決算におきましても以上の理由により、歳出経常部第七款第二項保健所費におきまして二八萬七千二百七九円六三銭という多額の不用額を出しておる現状であります。これが根本的解決をはかることは焦眉の急務であり萬全の措置を講ずべきであります。 次に教育関係におきましては歳入臨時部第三款第一項第三目教育寄附金七十一萬九千八百九十円の収入減があり、古川高等工業学校分十四萬円、南郷農業高等学校分十五萬円あつて県立移管に伴う責任額で悪例を残すことになるから厳重に督促すべきであります。 第三に特別会計昭和二十二年度宮城県教育資金は大正三年勅令第二百五十九号教育基金令に基いて設定しておるのでありますが、これは時勢に伴わざるものと認められるので適当に当然一括して整理統合すべきものだと思はれるのであります。 次に経済農地関係の分でございまするが監査委員の報告にもありまする通り開拓関係におきましては住宅を購入してありまするが未だ登記も等閑に附しておるような状態であつて一年を経ました現在におきまして登記の手続中であるということは、はなはだこれは遺憾千萬と思われますので、この点は厳重に警告を申し上げたいのであります。 次に経済部関係だけではありませんけれども特に経済部におきまして旅費の過誤払二重払等が依然として繰返されておるよらでありましてまことに遺憾千萬でありますので、この点につきましても十二分に御注意を願はなければならないと思うのであります。さらにその次に農業会に補助しましたもので宮城県農業会に補助したもののうち事業が不実行に終りましたものは監査を待つまでもなく補助金を返納すべきものであるに拘らず一年間も放任することは、これはまことに不可であると思はれるのであります。速かに整理してゆかなければならないと思うのであります。 次に土木関係におきましては特定財源であるところの土木費負担金収入未済額十五萬六千十一円余、同寄附金四千二十萬九十六円余およびその他の収入未済がありましてこれら負担金寄附金等特定財源につきましては事業実行の上からその事業計画の上にも慎重調査をなし適正妥当な基礎のもとに行い少くとも年度内に整理が励行され未納を生ぜざるよう努力すべきであります。 今後未収入額につきましては一層各土木出張所を督励しまして滞納を一掃することに最善の努力を払つてもらわなければなりません。 第二に財産売払代金の中におきまして百五十四萬八千七百七十二円の収入未済額があり、主として塩釜の埋立地の売払代金と認められますものでこれは県財政の一助ともなり歳入を確保し健全化を図る必要がありますから未納者に対しましては厳重なる警告する等積極的な措置を講ずべきである 以上の希望條件を附しましてこれを認定いたすことに致したのであります。 どうぞ皆様の御賛成を願いたいと思うのであります。(拍手) ○議長(椛沢敬之助君) 以上の通り決算委員長より報告がありました。なおこの際に決算委員長にたいして、ただいまの御報告にもとづき御質問がございましたならお許しを申し上げたいと存じます。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕    ------------------------------ △報告第四号誠定 ◆四十四番(荒井律二君) ただいま報告第四号、すなわち昭和二十二年度宮城県歳入歳出、および同年度特別会計歳入歳出決算について委員長より詳細なる報告があつたのでありますが、まことに適当なるものと認められますので、委員長報告通り認定せられんことの動議を提出いたします。何卒皆さんの御賛成をお願い申し上げます。  〔「賛成」と呼ぶ者あり〕 ○議長(椛沢敬之助君) 四十四番の動議は議題と相なりました。右動議に御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(椛沢敬之助君) 御異議ないと認めまして、右動議の通り決定いたします。    ------------------------------常任委員選挙
    ○議長(椛沢敬之助君) 次にお諮りいたします。宮城県議会常任委員会委員が全員辞任されました。よつて本日の日程を追加いたしまして、その委員の選任並びに各常任委員会委員長、および副委員長選任の日答を本日議題といたすことに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(椛沢敬之助君) 御異議がないと認めまして右選挙を本日の日程といたします。ただいまより常任委員の選挙を行います。 ◆四十四番(荒井律二君) 常任委員の選挙につきましては選挙の煩を省ぶき議長より指名推薦せられんことの動議を提出いたします。満堂の御賛成をお願いします。  〔「賛成」と呼ぶ者あり〕 ○議長(椛沢敬之助君) 四十四番の動議は議題と相なりました。右動議に御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(椛沢敬之助君) 御異議ないと認めまして指名いたします。 総務常任委員会委員として  森 健次郎君   加藤武雄君  粟野豊助君    斎藤荘次郎君  菅原運治郎君   亘理正彦君  清野源助君    千石正乃夫君  平野 博君 以上九君を指名いたします。 次に民生教育衛生常任委員会委員として  千葉松三郎君   今野貞亮君  三春重雄君    全先清水君  只木和六君    若林豊平君  丹野亀一郎君   佐々木源左エ門君  松尾啓三君 以上九君を指名いたします。 次に経済農地常任委員会委員として  大平良治君    師 義三君  小野寺勝一郎君  佐藤民三郎君  那須豊治君    加藤正義君  狩野 伝君    千葉隆三郎君  荒井律二君    佐々木省三君 以上十君を指名いたします。 次に土木常任委員会委員として  遠藤 要君    石塚英馬君  安倍春雄君    高橋友衛君  松尾力治君    屋代文太郎君  小野寺誠毅君   阿部来太郎君  高橋大蔵君    星 勇之助君 以上十君を指名いたします。 次に商工水産労働常任委員会委員として  木田豊吉君    阿部権治郎君  石垣義雄君    清水源太郎君  高泉勝次君    須田欣衛君  浅野豊次郎君   百井英一君  門間正寿君    佐藤新助君 以上十君を指名いたします。 次に議会運営常任委員会委員として  大平良治君    遠藤 要君  安倍春雄君    石垣義雄君  清水源太郎君   只木和六君  小野寺誠毅君   松尾啓三君  平野 博君    星 勇之助君 以上十君を指名いたします。 以上であります。御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(椛沢敬之助君) 御異議ないと認めまして、それぞれ以上の通り決定いたします。暫時休憩をいたします。  午後四時五十四分休憩  午後五時二十五分開議    ------------------------------ △正副常任委員長選挙 ○議長(椛沢敬之助君) 再開いたします。ただいまより各常任委員長及び副委員長の選挙を行います。 ◆四十四番(荒井律二君) 常任委員長、及び副委員長の選挙につきましては選挙の煩を省き、議長指名とされんことの動議を提出いたします。御賛成を願います。 ○議長(椛沢敬之助君) 四十四番の動議は議題となりました。右動議に御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(椛沢敬之助君) 御異議なしと認めまして御指名いたします。 総務常任委員会委員長に千石正乃夫君民生教育衛生常任委員会委員長佐々木源左エ門君。経済農地常任委員会委員長師義三君。土木常任委員会委員長高橋大蔵君。商工水産労働常任委員会委員長浅野豊次郎君。議会運営委員会委員長松尾啓三君。 次に総務常任委員会、副委員長菅原運治郎君。民生教育衛生常任委員会、副委員長若林豊平君。経済農地常任委員会、副委員長佐々木省三君。土木常任委員会、副委員長高橋友衛君。商工水産労働常任委員会、副委員長百井英一君。議会運営常任委員会、副委員長に遠藤要君。以上であります。御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(椛沢敬之助君) 御異議なしと認めまして、それぞれ以上の通り決定いたします。(拍手)    ------------------------------ △議第二十四号議案乃至第四十四号議案上程 ○議長(椛沢敬之助君) 次にお諮りいたします。本日の日程を追加いたしまして、知事の提案にかかる、議第二十五号議案、議第四十四号議案に至る二十議案を本日の日程といたすことに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(椛沢敬之助君) 御異議なしと認めまして議第二十五号議案ないし、議第四十四号議案を本日の日程といたします。 次に当局に対して、ただいま提案になりました各号議案提案理由の説明を求めます。  〔番外佐々木知事登壇〕    ------------------------------知事提案理由説明 ◎番外[知事](佐々木家寿治君) ただいま上程に相なりました昭和二十四年度一般会計、並びに特別会計予算案、及び付隨する他の議案の上程に当りまして、提案の理由を申し上げ、同時に所懐の一端を申し上げたいと存じます。 私は民選第二代目の本県知事として、この機会において自分の県政施行に対する方針を明らかにいたしたいと存じておつたのでございますが、現下の諸々の情勢、特に経済復興九原則の発表等によりまして、財政、行政、各般にわたりまして大転換をも予想せられ、従つて昭和二十四年度の国庫予算などもいまだ成立はもちろん、編成さへにもならないような状態に相なつておりますので、国政との関連において考察せらるべき県の政策といたしましては、今後国庫予算の成立をまちまして、十分考究し、直ちに実施に移すべく財政の方針を立てまして、次の機会において発表を申し上げたく存じておりますので、何とぞその点よろしく御了解をお願いいたしたいと思います。 なお財政の現情と予算の編成につきまして、その所見を申し上げたいと存じます。 現下の経済界の情勢を願みてみますとインフレーシヨンは依然として継続いたしております。物価騰貴による財政の需要の増嵩、租税滞納の漸増、起債市場の不振等、財政運営におきまする障害は何らの好転をも見せておりません。むしろ次第にその深刻性を加えまして、国庫及び地方財政の前途がまことに憂慮にたえないものがあるのであります。昨年末マツカーサー元帥から吉田首相に書簡を送られまして、わが国の財政、通貨、価格、及び賃金の安定を実現し、輸出用生産を最大限に引上げることを目標とする、いわゆる経済復興九原則を明らかにいたしました。国民全部の奮起を要望されたのでございます。財政もまたこの新しい時代のもとにいかに発足すべきか。ことさらにこの九原則はその冒頭におきまして急速に予算の均衡をはかることを要求しております。その構想をいかに実現し、財政の新規建直しをいかにすべきものであろうか。まさに終戦以来の経済の大転換期に立ちまして、その重要さと困難さは容易ならぬものがあると存ずるものであります。しかしこれが施策を強力に推進し、賃金、物価の安定の度合を強めまして、生産を増加し、輸出の見通しが立つてこそはじめて外資の援助も強化され、前途に明るい希望を持ち得るものと信ずるものであります。政府におきましては目下この新経済安定計画に基きまして、昭和二十四年度予算を編成中でありまして、いまだ国会にも提出されておらないのでありますが、この予算成立によつて、はじめて具体的な実施計画が樹立せられることと存ずるものであります。従いましてこの間に処して編成いたしました本県の昭和二十四年度予算は勢いいわゆる骨核予算の性格を帯びたものとならざるを得なかつた次第であります。 昨年実施されました地方税財政制度の改革も経済界の急激な変動に応ずる弾力性も自由性もなく、今なお国庫予算に一層依存せざるを得ない状態にあるのであります。 目下地方財政委員会におきましては、地方財政の現情に鑑みまして、さらに第二次財政制度の改革につき立案中でありますので、積極的施策に要する経費につきましては、後日国庫予算及び経済九原則に基く具体的実施目標等とも睨み合せ、成案を得次第、追加予算として提出する見込みであります。今回の予算案は原則として第一に植林に要する経費、第二に法令に基く義務的経費、第三に連合軍の命令、または要請により実施を要する経費、第四、災害復旧費第五、継続的性質を有する公共事業費にとどめることにいたしました。災害復旧費、及び継続的性質を有する公共事業費は、国庫予算の編成方針に大変革を加える様子でもあり、国庫補助金問題の見通しもつきませんので、おおむね第一四半期における所要見込額を計上いたしたのであります。なおこれらの経費といえども経費の真に必要とする範囲にとどめ、また職員の給與につきましては六千三百七円ベースに切り替え、一応昭和二十三年度予算定員を基礎として所要額を計上することといたした次第であります。 以上の方針によりまして編成いたしました予算案中、おもなるものについて御説明申し上げたいと存じます。 災害復旧事業につきましては、昭和二十三年度において十九億九千四萬円を計上し、融雪期までこれが実施を期すべく政府に強く要望し、復旧の努力を続けて参つたのでございますが、現在までの政府認承額は七億七千余萬円程度にすぎません。さらに政府に対しまして実状を訴え、事業費の増額、または融資につき懇請するとともに、県内において一億円の公債を公募するなど、資金の許す範囲において事業の促進を期しておる次第であります。昭和二十四年度分につきましては、政府の予算も右決定に即します全体計画を樹立し得ない状態にありますので、とりあえず年度当初において必要とする復旧費四億余萬円を計上いたした次第であります。災害復旧事業の完成は、本県として最も重大であり、かつ焦眉の急務でありますので、今後とも関係方面とも折衝をいたし、強力に推進し、必要経費を予算に計上し、萬遺憾なきを期する覚悟であります。 次に教育委員から提出の予算に関しましては、日本再建の基礎は教育の振興にありと存じますので、特に慎重なる検討を加えまして計上をいたした次第でございます。すなわち第一に新学制施行以来、特に小学校につきましては、逐次教員及び設備の充実をはかり、新教育の徹底を期しておるところでありますが、今回学級数、及び一学級当りの教員数を相当数増加し、また新制中学校につきましては、昭和二十四年度から全学年が義務制となりましたので、これに伴う教員の増員を行い、新制度の充度を期することにいたしました。 第二に新制高等学校につきましては、本春新制中学校を卒業する者に対し、教育の機会を得せしめるためにおおむね各学校とも一学級を増加いたしましたほか、涌谷、若柳高等学校に男子部、加美、亘理、津谷、伊具、各農林、農産高等学校に普通科を新設するとともに、校舎補修に要する経費を相当額計上いたしました。また定時制高等学校につきましては、分校十五校を新設し、教育の普及充実とをはかることにいたしたのであります。 第三に盲聾唖教育の徹底をはかるため、特に聾唖学校の敷地、建物の購入費を計上するのほか、教育委員会に補導資材を配給し、急速に新教育の一般普及を期することにいたした次第であります。 以上のほか、民生安定上必要な生活保護費、昨年一月から実施された児童福祉法の施行に要する経費、保健衛生に要する経費及び県債償選に要する経費等がその主なるものでありまするが、いずれも義務的経費でありまして、このほか県の産業の振興上必要なる経費、県民の福利増進に必要なる経費等、いずれも本県として重要施策を行うための必要な経費が山積しております。しかし前述のごとき財政状態にありますため、歳入面における制約もあり、これをすべて予算化することはなかなか容易なことではなく、これらの経費につきましては、差当り、年度当初において、必要と認める僅少なる額に限定せざるを得なかつたことは、私の最も遺憾に存ずる次第でございます。幸い各位の御協力によりまして地方財政制度の理想的改革が実現し、多少なりとも余力ができますれば、本県として施行を要する重要施策を逐次解決するよう振向けたいと念願しておるものであります。かくして編成いたしました歳出予算総額は二十六億七千余萬円に達したのでありますが、これが財源といたしましては国庫支出金十一億八千四百余萬円現在一億円、使用料、手数料その他の特定財源として、一億八千四百余萬円を見込みました。残る十二億二百余萬円は県税、相続税を充当することといたしたのであります。この県税、相続税は地方財政制度改革も未決定になつておりますので、二十三年度の実績を基礎といたし、経済施策に応じた自然増収を見込んでおりまして、計上いたしたのでありますが、徴税技術の向上を図り、適正なる課税を行うとともに、脱税の防止に全力を傾注し、もつてこの収入を確保したいと存ずる次第であります。 なお使用した手数料中、女子専門学校、及び高等学校の授業料、寄宿料は、物価水準の上昇とも考え合せ、現行の六割程度増徴することといたしましたほか種畜場の種つけ手数料も値上げすることとし、これらの改正條例を同時に提案して、おります。その他使用料、手数料については政令に基く徴収限度もありますので、県税同様現行料額により自然増収を見込み計上いたしました。 以上は一般会計歳入歳出予算の概要でございます。 議第二十六号から議第三十七号議案までは、各種特別会計に属する予算案でありますが、一般会計同様の方針に則りまして、最小限度の経費を計上いたした次第であります。 議第三十三号議案以下は予算案に附隨する必要なる案件でありますが、県議会議員その他特別職の現在の報酬額等は、現下の物価事情からいたしまして実情にそぐわないものがあると認めましたので、それぞれそれを引上げたいと存じまして提案いたした次第であります。 以上一般会計及び特別会計予算案、並びに附属議案の概要について御説明をいたしました。何とぞ慎重御審議の上、御議決あらんことをお願いする次第であります。(拍手) ○議長(椛沢敬之助君) 御聞き及びの通りの提案理由説明がありました。従いまして上程中の各号議案はそれぞれの所管に属する各常任委員会にその審査を付託いたします。    ------------------------------請願陳情等報告 ○議長(椛沢敬之助君) この際御報告いたします。請願陳情等二箇件が追加提出されております。書記をしてその件名を朗読いたさせます。 石巻女川間鉄道電化に関する請願 鰹鮪漁業乗組員に対する主食増配に関する陳情 ○議長(椛沢敬之助君) 以上の通りであります。ただいま追加提出いたしました請願陳情等は、それぞれの所管に属する各常任委員会にその審査を付託いたします。    ------------------------------散会動議 ◆四十四番(荒井律二君) ただいま上程中の議第二十五号議案、並びに議第四十四号議案につきましては、明十九日は議案審査のために本会議を休会とし、二十日、二十一日は日曜、祭日のために当然休会とし、来る二十二日に継続上程することとし、本日はこれをもつて散会されんことの動議を提出いたします。何とぞ御賛成を願います。 ○議長(椛沢敬之助君) 四十四番の動議は議題と相なりました。右動議に御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕    ------------------------------ △散会 ○議長(椛沢敬之助君) 御異議なしと認めまして右の動議の通り決定いたします。 では本日上程中の各号議案につきましては、明十九日は議案審査のため本会議を休会とし、二十日、二十一日は日曜、祭日でありますので当然本会議を休会とし、来る二十二日に継続上程することといたします。なお二十二日の会議日程は、上程中の議第二十五号議案、並びに議第四十四号議案継続議であります。 本日はこれをもつて散会いたします。  午後五時四十九分散会...