初めに、議案第185号「青森市個人番号の利用に関する条例の制定について」であるが、審査に当たって理事者側から次のとおり説明を受けた。
本条例制定の背景についてであるが、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律、いわゆる番号法が平成28年1月1日から一部施行され、個人番号の利用が開始されることとなっている。
番号法においては個人番号を利用することができる事務が特定されており、1つに、
地方公共団体が法定事務以外で個人番号を利用する場合、2つに、
地方公共団体の同一機関内において法定事務間で個人番号を含む情報を利用する場合、3つに、同一
地方公共団体内の他機関へ
特定個人情報の提供を行う場合は、当該事務を条例に規定しなければならない旨規定されているところである。
市では、市長部局内において法定事務間で個人情報を利用しながら事務を行っており、番号法に規定する
地方公共団体の同一機関内において法定事務間で個人番号を含む情報を利用する場合に該当することから、当該事務を条例に規定することが必要となったものである。
次に、条例制定の趣旨についてであるが、番号法の施行に伴う個人番号の利用について必要な事項を定めるために制定しようとするものであり、
児童福祉法による事務や
生活保護法による事務等の法定事務において、
地方税関係等の法定事務の情報を利用してこれまでどおり事務を進めるために、必要な法定事務間の
特定個人情報の利用について条例で規定しようとするものである。
次に、条例の内容についてであるが、第1条は、条例の趣旨を明らかにするものであり、番号法第9条第2項に基づく個人番号の利用に関し必要な事項を定めることを明記したものである。
第2条は、条例における用語の定義について規定したものであり、条例において使用する用語の意義は、番号法において使用する用語の例によることを規定したものである。
第3条は、個人番号の利用範囲について規定したものであるが、第1項は、番号法第9条第2項の規定に基づき条例で定める事務を本条の第2項及び第3項に規定する事務とすることを明らかにしたものである。
第2項は、第3項に規定する事務のほか、法定事務間で
特定個人情報を利用する事務を個別に規定したものであり、別表において18事務を規定したところである。
第3項は、
番号法別表第2に規定されている法定事務間で
特定個人情報を利用する事務について包括的に規定したものである。
また、第2項及び第3項のただし書きは、国や他の
地方公共団体との間で
特定個人情報のやりとりを行うための仕組みである
情報提供ネットワークシステムを使用できる場合の取り扱いについて規定したものであり、具体的には、同一機関内で
特定個人情報の利用が可能な場合であっても、番号法の規定により、
情報提供ネットワークシステムを使用して他の
地方公共団体などから
特定個人情報の提供を受けることができる場合は、
情報提供ネットワークシステムからの提供が優先されることを規定している。
なお、本システムの運用開始は、
地方公共団体においては平成29年7月から予定されているところである。
第4条は、条例の委任事項を規定したものであり、条例の施行に関し必要な事項については規則で定めることを規定したものである。
附則は、条例の施行期日を規定したものであり、番号法が一部施行となる平成28年1月1日から施行することとしている。
別表は、第3条第2項で規定する事務について、18事務を規定し、各事務において利用する
特定個人情報を明記したものである。
以上が説明の概要であるが、審査の過程における主なる質疑応答は次のとおりである。
1 「本条例第3条第3項において『市の機関は、法別表第二の第二欄に掲げる事務を処理するために必要な限度で、同表の第四欄に掲げる
特定個人情報であって自らが保有するものを利用することができる。』と規定されているが、『同表の第四欄に掲げる
特定個人情報』の『同表』とは何を指すのか。その内容を具体的に示せ」との質疑に対し、「『同表』とは番号法の別表第2であり、具体的には、第1欄として
情報照会者、第2欄として事務、第3欄として
情報提供者、第4欄としてそれぞれの
特定個人情報について規定されている。番号法においては、同法別表第2で規定されている事務については個々に条例で規定する必要がないとされていることから、このような規定となっている」との答弁があった。
1 「
地方公共団体では、平成29年7月から運用を開始する
情報提供ネットワークシステムから優先的に情報提供を受けるとのことであるが、なぜわざわざ同システムから情報提供を受けなければならないのか疑問である。同一機関内で
特定個人情報の利用が可能な場合であっても、必ず同システムから優先的に情報提供を受けなければならないのか」との質疑に対し、「番号法の規定により、優先的に受けなければならないものであり、そのために本条例第3条第2項及び第3項にただし書きの規定を設けたものである」との答弁があった。
1 「本条例第4条では、『この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。』旨を規定しているが、当該規則は、いつ、どのような内容で定めるのか」との質疑に対し、「現在制定作業中であり、本条例と同様に平成28年1月1日の施行を予定している。その内容は、本条例の別表で定めた18事務について、個々の
事務内容ごとに利用する
特定個人情報の内容を定めるものである」との答弁があった。
1 「本条例を定めることにより市民にどのような利便性があるのか」との質疑に対し、「本条例が定められない場合は、法定事務間の情報のやりとりができなくなることから、例えばこれまで申請者から提出の必要がなかった
生活保護申請時の税情報等について、申請者が添付書類として証明書等を準備することが必要になるなど、市民に負担をかけることになる」との答弁があった。
1 「個人番号を使いたくない人にとっては不便になるということか」との質疑に対し、「今回の条例は、現在行っている法定事務間の情報連携を
番号法施行後も継続して行えるようにするために制定するものである」との答弁があった。
1 「個別の事務における個人番号の取り扱いは決まっていないのか」との質疑に対し、「個別の事務における個人番号の取り扱いについては、
個人番号そのものを
事務担当職員が使う場合と、市民が窓口で個人番号を求められる場合が考えられる。例えば、生活保護の申請があった場合に本市の職員が
個人番号そのものを利用することはないが、生活保護の申請に当たって個人番号を求められる場面は出てくるということである。ただし、個人番号を求めるのは窓口に来た市民が本人であることを特定するためであり、個人番号を利用して生活保護の事務を進めるものではない」との答弁があった。
1 「窓口におけるさまざまな申請時に本人確認を行うために個人番号を求められるのか」との質疑に対し、「窓口で申請者に対し個人番号を求めることは個人番号の利用に当たるが、個人番号を利用する事務は個々に法律で定められていることから、本市の全ての窓口において個人番号を求められるということではない」との答弁があった。
1 「現在
個人番号通知カードが7000余通未配達ということだが、番号法の施行に間に合わないのではないか。各事業所においては
社会保険事務等で従業員が自分の個人番号を事業所に報告すると思うが、法施行までにこれが間に合わない場合等の取り扱いはどのようになるのか」との質疑に対し、「これまでに返戻された
個人番号通知カードは8000通以上となっているが、平成28年1月1日以降に個人番号の利用が可能な状況になるものであり、例えば、従業員の個人番号は、事業所からの求めに応じ事業所に届け出るものであることから、平成28年1月1日までに間に合わない場合でも、実際に個人番号を使う必要が生じる時期までに入手することができればよいものである。仮に届かない場合は、個人番号が記載された住民票を請求することにより、本人の個人番号を確認することも可能であることから、必ずしも今回郵送している通知カードのみでしか本人の個人番号を確認できないということではなく、複数の方法で本人の個人番号を知ることが可能である」との答弁があった。
1 「民間の事業所では、現在、年末調整を行うために必要な書類を従業員に配付しているが、当該用紙には個人番号の記載欄がある。記入する必要はあるのか」との質疑に対し、「個人番号の記載欄がある年末調整の用紙は、平成28年用の年末調整の用紙と思われる。当該用紙は平成28年の今ごろの時期に税務署に提出しなければならない書類であることから、現時点で事業所が、平成28年用の書類に個人番号の記入を求めているとすれば、時期尚早と考える」との答弁があった。
1 「
個人番号通知カードの配達が平成28年1月1日までに間に合わない中で、年末調整の申請は12月15日までであり、事業所から個人番号の記載欄がある年末調整の用紙を渡された従業員としては、当該用紙が平成28年の年末調整の用紙だとしても、今から個人番号を記入しなければならないのではないかという強迫観念を持つと思うがどうか」との質疑に対し、「平成28年の年末調整の用紙は、恐らく多くの事業所において平成28年の今ごろの配付になると思われるが、渡された従業員としては、事業所から記入を求められた時点で、個人番号がわかっている場合は
当該事業所が適正に管理することを前提に記入するか、まだ記入する時期ではないことから記入しないかのいずれかの対応をとることになると考える。事業所が従業員に個人番号の届け出を求めるに当たり、従業員によっては税もしくは労働保険等の手続上、来年の年末よりも早期に求める場合も想定されることから、必要の都度記入を求めるという運用が望ましいと考える」との答弁があった。
1 「各事業所における従業員からの個人番号の取得等について、市と商工団体の連携はどうなっているか」との質疑に対し、「
個人番号制度の導入に当たっては、市民もしくは事業所等へのPRのためのセミナーや説明会等を開催してきており、そのトップを切る形で、本市と税務署の共催により、平成27年7月22日に
マイナンバー制度の概要と実務をテーマに
法人会向けのセミナーを行ったところである。その後もさまざまな関係機関から
説明会開催の依頼を受け、これまで15回開催し、参加者859名に対し説明を行っており、依頼に応じて市民向け及び
事業所向けの説明を行っている」との答弁があった。
以上が審査の過程における主なる質疑応答であるが、このほか一部委員から次のような意見・要望が出された。
1 今回の条例の審査に当たり、番号法の別表第2に関する資料が配付されていなかった。議案の内容を十分に理解して審査するため、今後このようなことがないようにしていただきたい
1 個人番号を利用する事務は個人のプライバシーにかかわるものが多く、利用範囲が拡大することによる
情報漏えいや成り済まし等さまざまな危険性が払拭できない状況が明らかになってきたと考えている。したがって、条例を定め個人情報を利用していくことにより被害が発生する危険性があること、また、条例を定めなくても今までどおりの事務を行えば市民に不利益は生じないことから、本条例を制定することには賛成できない
1 今回の条例は、法の規定により自治体として制定せざるを得ないということは理解しているが、
マイナンバー制度そのものに反対であることから、本条例についても反対せざるを得ない
1
マイナンバー制度については市民や事業所に十分浸透していないと危惧していることから、商工団体との連携等を十分に図り、スムーズに制度が運用されるよう対応していただきたい
以上が主なる意見・要望であるが、本案については、起立採決の結果、賛成多数をもって、原案のとおり可決すべきものと決したものである。
次に、議案第186号「青森市職員の退職管理に関する条例の制定について」であるが、審査に当たって理事者側から次のとおり説明を受けた。
本条例は、
地方公務員法の一部改正に伴い、青森市職員の退職管理に関し必要な事項について規定するため制定しようとするものである。
地方公務員法の一部改正に伴い、元職員による働きかけが規制されることとなり、離職後に
営利企業等に再就職した元職員が、離職前に在職していた
地方公共団体の執行機関の組織等の職員に対して、
当該営利企業等と在職していた
地方公共団体との間の
契約等事務について、離職前の職務上の行為をするように、またはしないように、要求または依頼することが禁止されることとなる。
改正された
地方公務員法においては、
地方公共団体は、
当該働きかけ規制の円滑な実施及び退職管理の適正確保に必要と認められる措置を講ずるものとされており、そのために必要と認めるときは、職員の再就職情報を届け出させることを条例で定めることができる旨規定されているところである。
これまでも、本市においては要綱に基づき実施しているところであるが、離職した職員が再就職した場合に、その情報の届け出を義務づけ、当該内容について公表する旨改めて条例に規定しようとするものである。
次に、本条例案の各条文について説明する。
第1条は、改正された
地方公務員法の規定に基づき、職員の退職管理に関し必要な事項を定めるという条例の趣旨について規定するものである。
第2条は、法で規定する
働きかけ規制の円滑な実施及び退職管理の適正確保に必要と認められる措置を講ずるため、法で働きかけが規制される期間と同じ離職後2年間、元職員が再就職した場合、その状況について届け出る義務について規定するものである。
第3条は、第2条の規定により各任命権者に届け出られた事項を市長へ報告する義務と再就職情報の公表について規定するものである。
なお、再就職情報の公表内容についてはこれまで要綱に基づき公表してきた内容、具体的には、再
就職先区分ごとの再就職者数等の再就職状況の概要及び退職時の職位が課長級以上であった者については氏名、退職時の所属及び職名、再就職先の名称及び役職等について公表することとしている。
施行期日は、改正法の施行日と同日の平成28年4月1日からとしている。
以上が説明の概要であるが、本案については、全員異議なく、原案のとおり可決すべきものと決したものである。
次に、議案第187号「青森市特別職の職員の給与に関する条例の一部を改正する条例の制定について」であるが、審査に当たって理事者側から次のとおり説明を受けた。
本条例は、
非常勤特別職の報酬の見直しに当たり、
特別職給与条例の一部改正をしようとするものであり、平成26年度に実施した市長の給料等の見直しの際、別途各
行政委員会等の委員の報酬のあり方を平成27年度において検証することとしたことから、6月から7月にかけて各
行政委員会の
活動状況等の調査を実施し、その結果を踏まえ検討を重ねてきたところである。
初めに、改正内容についてであるが、
教育委員会については、
委員長報酬を据え置き、委員報酬を現行11万7100円から10万5400円に引き下げ、監査委員については、いわゆる識見委員の報酬を現行18万1100円から22万3400円に、
議会選出委員については、現行5万3700円から5万9600円にそれぞれ引き上げ、
選挙管理委員会及び
農業委員会については、いずれも据え置き、
固定資産評価審査委員会については、現行の日額8700円を日額1万2600円に引き上げ、附属機関については、日額8700円を据え置きとするものである。
次に、検討内容についてであるが、まず、
教育委員長の報酬額については、
選挙管理委員長及び
農業委員会会長との活動量を比較し、相互の報酬水準に大きな乖離・不合理性がないこと、また、
地方教育行政法の改正により
教育委員長の職は平成27年4月1日をもって廃止され、本市においては現教育長の任期が満了する平成29年5月までの経過措置として在任していることからこれを据え置き、また、教育委員の報酬額については、その活動量等をもとに算定すると8万3400円となるところであるが、際限なく報酬を削減することなく、職責相応の活動量を要請する観点から一定の削減幅を設定することとし、近年の報酬削減の実質的な最大幅である
議員報酬削減率の10%を準用して算定を行い、10万5400円としたものである。
なお、
当該報酬額については、改正後の
地方教育行政法のもとでの活動内容・活動量を踏まえ改めて検証していくこととしている。
次に、監査委員のうちいわゆる識見委員の報酬額については、常勤職である
代表監査委員の活動量と報酬額との比率をもとに、22万3400円に引き上げることとし、また、
議会選出委員の報酬額については、監査委員としての役割・職務内容は識見委員と何ら変わらないことから、識見委員の
報酬引き上げ率を同様に適用した上で、監査委員の機能は議会の監視機能と類似する面もあることを考慮し、これに
現行議員報酬を決定した際の削減率10%を準用して算定し、5万9600円に引き上げることとしたものである。
次に、
選挙管理委員会及び
農業委員会については、活動量がほぼ同程度であることから、両者を比較検討した結果、
選挙管理委員長の活動量に比べ、
農業委員会会長の活動量が多いときがあることから、
農業委員会会長の
現行報酬額が
選挙管理委員長の報酬額を若干上回っていることは合理的であると考えられること、また、
選挙管理委員と農業委員の報酬額の違いは、委員の人数の違いによる委員1人当たりの責任の所在という面で見た場合に合理的であると考えられること、さらに農業委員については、
農業委員会等に関する法律の一部改正により農業委員のあり方が抜本的に見直され、新制度のもとでの新たな報酬水準の検討が急務であることから、これら委員の報酬額を据え置きとするものである。
次に、
固定資産評価審査委員会の報酬額については、現在の委員が
不動産鑑定士、税理士及び建築士であり、職責の重要性と職務内容に照らし、今後も同種の専門職を委員に任命することが想定されることから、
民間給与実態統計調査における
当該業種区分の
平均給与額を参照し、日額1万2600円に引き上げるものである。
以上の各
行政委員会の報酬月額・日額の区分については、各
行政委員会の職責の重要性及び活動内容を検討し、
固定資産評価審査委員会を除く各
行政委員会において
現行どおり月額制を採用することに特段の不合理性はないものと判断したところである。
次に、附属機関の委員についてであるが、附属機関の役割、本市の
附属機関委員の業種等を考慮し、
民間給与実態統計調査の
関連業種区分の
平均給与額をもとに日額8200円と算定し、委員の年齢、経験年数を考慮し現行の日額8700円の据え置きが適当と判断したところである。
当該報酬額については、定期的に、おおむね二、三年に一度、職務給の原則・均衡の原則のもと、活動量・活動内容を踏まえた検証・見直しを行うこととし、特に、改正法のもとでの教育委員の活動内容の検証及び抜本的な見直しが行われた新制度のもとでの農業委員の報酬水準については、早い段階での検討を始めなければならないものと考えている。
なお、施行期日は平成28年4月1日を予定している。
以上が説明の概要であるが、審査の過程において一部委員から「
住民監査請求に当たっては、意見聴取や議論等の場があると思うが、1件当たりの審議回数はどれくらいか」との質疑に対し、「大体四、五回である」との答弁があり、また、一部委員から「
住民監査請求に対する監査委員の判断により政策的な決定をする場面が多いことから、
代表監査委員や識見委員には相応の立場と見識が求められること、また、
議会選出委員は議会開会中は監査が行えず、閉会中の監査において一定期間拘束されることから、今回の
報酬引き上げは妥当である」との意見が出され、本案については、全員異議なく、原案のとおり可決すべきものと決したものである。
次に、議案第188号「青森市
市税条例等の一部を改正する条例の制定について」であるが、審査に当たって理事者側から次のとおり説明を受けた。
本案は、平成27年度税制改正において、納税者の負担の軽減を図るとともに、早期かつ的確な納税の履行を確保する観点から、平成26年度税制改正での国税の見直しと同様、地方税においても、新たに納税者の申請に基づく換価の猶予制度が創設されるなどの見直しが行われ、制度運用にかかわる手続等について、各地方団体において条例で定めることとされたところであるため、青森市市税条例を改正しようとするものである。
地方税法における猶予制度としては、これまで、納税者に災害、盗難、病気、事業の休廃止など、納付を困難とさせる事由が生じた場合に、納税者の申請に基づき徴収を猶予する制度と滞納者が納税について誠実な意思を有する場合において、事業の継続または生活の維持を困難にする等の事由がある場合は、地方団体の長の職権により、財産の換価を猶予する制度が規定されていたところである。
今回の地方税法の改正に伴い、従来の地方団体の長の職権による換価の猶予に加え、納税者の申請による換価の猶予が創設されるとともに、徴収猶予及び換価の猶予に関する分割納付や申請書の記載事項及び猶予に当たり担保不要な場合などの規定が追加となったものである。
改正案の概要についてであるが、猶予制度の規定に当たっては、近隣自治体間において取り扱いが異なると納税者に混乱を招く可能性があることから、青森県や他自治体の動向を踏まえ、本市における取り扱い内容を検討してきたところである。
他自治体の状況を調査した結果、1つに、青森県及び県内他市は全て、徴収猶予及び換価の猶予に係る手続等については国税に準拠して定めるとしていること、2つに、中核市及び東北の県庁所在市47市のうち38市において国税に準拠して定めるとしていること、3つに、本市が独自に取り扱い基準等を定めなければならない特別な事情はないことから、本市においても、条例に規定する事項については国税に準拠して定めることとしたものである。
今回の改正により条例に規定する事項であるが、1)徴収猶予に係る徴収金の分割納付又は分割納入の方法、2)徴収猶予の申請手続等、3)職権による換価の猶予の手続等、4)申請による換価の猶予の申請手続等、5)担保を徴する必要がない場合の5項目であり、各項目の該当条項及び具体的内容についても整理したところである。
主な内容であるが、1)、3)、4)に共通する分割納付の方法は、毎月もしくは市長が指定する月に納付させる方法とすること、2)、4)における申請書には、猶予の要件に該当する事実、一時に納付することができない事情の詳細及び猶予を受けようとする金額等を記載すること、また、この際の申請書及び添付書類の訂正期間を通知日から20日とすること、2)、3)、4)に共通するが、猶予に当たっては、猶予の要件に該当する事実を証する書類、資産、負債についての書類等を提出させること、4)の申請による換価の猶予の申請期間を納期限から6カ月とすること、5)の担保を徴する必要がない場合とは、猶予する金額が100万円以下、猶予期間が3カ月以内の場合とすることなどとしている。
以上が、地方税における猶予制度の見直しに伴う青森市市税条例の改正についてであるが、分割納付の取り扱いについては、実質的にこれまでの本市における取り扱いと大きな違いはなく、引き続き納税者の事情をできる限り考慮して対応していくこととしている。
次に、地方税分野における個人番号・法人番号の利用に係る所要の規定の整備についてであるが、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の施行に伴う対応については、国が定めた利用範囲の中で、平成27年第2回定例会において、市税に係る申告や減免申請等の際に記載が必要である事項について、個人番号または法人番号を加える改正を行ったところであるが、今般、国からの通知により、個人番号または法人番号に係る取り扱い方法が一部変更となり、納付書、納入書については個人番号及び法人番号を当分の間記載しないこととされたため、平成27年第2回定例会において制定した青森市
市税条例等の一部を改正する条例の一部を改正する必要が生じたことから、所要の規定の整備を行うものである。
具体的には、平成27年第2回定例会において改正した事項のうち、納付書、納入書に係る事項についてのみ、記載事項から法人番号を除く改正としたところである。
なお、個人番号については、納付書、納入書に記載する事項として規定されていないことから、今回の改正は不要である。
以上が説明の概要であるが、審査の過程において一部委員から「換価の猶予については、今までの長の職権に加え、法律上納税者から申請できることになるが、滞納者の納税相談の内容が実質的には分割納付になっているので、納税相談をもって事実上の猶予申請であると捉えてよいか」との質疑に対し、「分割納付に当たり納税相談の中で納税者の事情等を聞いた上で判断しており、今回の改正により、換価の猶予に関して納税者の申請手続が法律上規定されたことで、本市における取り扱いに関しては特に今までと変わることはない」との答弁があり、本案については、全員異議なく、原案のとおり可決すべきものと決したものである。
次に、議案第189号「青森市土地改良事業負担金等徴収条例等の一部を改正する条例の制定について」であるが、審査に当たって理事者側から次のとおり説明を受けた。
初めに、条例制定の趣旨についてであるが、今回の改正は、地方自治法第231条の3第2項に基づく督促手数料及び延滞金の徴収等に関する定めのある青森市土地改良事業負担金等徴収条例を初めとする5条例の規定を整理することを目的としている。
地方自治法第231条の3第2項は、分担金、使用料、加入金、手数料及び過料その他の普通
地方公共団体の歳入を納期限までに納付しない者に対して同条第1項の規定に基づき督促をした場合は、普通
地方公共団体の長は条例に定めるところにより、督促手数料及び延滞金を徴収することができる旨を定めている。
本市においては、青森市税外諸歳入滞納金督促手数料及び延滞金徴収条例において、督促、督促手数料及び延滞金の計算、徴収、免除並びに滞納処分に関する一連の手続を定めており、法令または他の条例に定めるもののほか、延滞金等の徴収手続は当該条例の定めるところによることとしているところである。
青森市税外諸歳入滞納金督促手数料及び延滞金徴収条例の適用対象となる税外諸歳入金のうち、土地改良事業負担金等、下水道使用料、公共下水道事業分担金、後期高齢者医療保険料、介護保険料の5項目については、各個別条例でも延滞金等の徴収手続に関する規定を設けており、これらの税外諸歳入金に係る延滞金等の徴収手続は、個別条例に規定のある部分は当該個別条例が、個別条例に規定のない部分は青森市税外諸歳入滞納金督促手数料及び延滞金徴収条例が適用されることとなる。
その結果、1つとして、税外歳入金に係る延滞金等の徴収手続の中に、個別条例が適用になる部分と青森市税外諸歳入滞納金督促手数料及び延滞金徴収条例が適用になる部分が混在し、また、個別条例を見ただけでは、青森市税外諸歳入滞納金督促手数料及び延滞金徴収条例のどの規定が適用になるかの判別が困難で、延滞金制度の全容が納付義務者である市民にとってわかりにくいこと、2つとして、一連の事務手続の中で青森市税外諸歳入滞納金督促手数料及び延滞金徴収条例と個別条例の規定の適用が入り組んでいることにより、事務処理のミスが発生するリスクがあることなどが問題となっていたところである。
このような点を踏まえ、平成27年度第1回青森市収納対策本部会議において、各税外歳入金に係る延滞金等の徴収手続を納付義務者たる市民にもわかりやすく明確に示すこと及び事務処理ミス発生のリスク回避を目的として、個別条例に延滞金等の徴収に関する規定を設ける場合には、青森市税外諸歳入滞納金督促手数料及び延滞金徴収条例で規定している督促から滞納処分に至る一連の手続を全て規定し、各個別条例の中だけで手続を完結させることとしたものである。
次に、条例改正の概要についてであるが、まず、第1条の青森市土地改良事業負担金等徴収条例については、改正前は督促手数料及び延滞金について青森市税外諸歳入滞納金督促手数料及び延滞金徴収条例を準用する旨を規定していたが、督促及び滞納処分についての規定がないことから、現行の準用規定を生かす形で、青森市税外諸歳入滞納金督促手数料及び延滞金徴収条例を準用する対象に督促及び滞納処分を追加するものである。
次に、第2条の青森市下水道条例についてであるが、同条例第30条の2第3項で督促手数料は徴収しない旨を定めているが、延滞金の徴収方法、滞納処分、延滞金の免除の条項が不足していることから、それぞれの規定を追加するものである。
次に、第3条の青森市公共下水道事業分担金条例についても、同条例第10条第3項で督促手数料を徴収しない旨を定めているが、延滞金の徴収方法及び滞納処分の条項が不足していることから、各規定を追加するものである。
次に、第4条の青森市後期高齢者医療に関する条例についてであるが、督促、督促手数料及び延滞金の徴収方法、滞納処分、督促手数料及び延滞金の免除の条項が不足していることから、まず督促については、第5条の督促手数料を全改正し、督促時期、指定納期限及び督促手数料を規定したほか、督促手数料及び延滞金の徴収方法、滞納処分、督促手数料及び延滞金の免除についての条文を追加するものである。
次に、第5条の青森市介護保険条例についてであるが、まず、督促について、第8条第1項に督促時期の定めはあるが、督促状に指定すべき納期限の定めがないことから、同条第2項に指定納期限の規定を追加するものである。
また、延滞金の端数計算方法のうち、計算後の延滞金の確定額の端数処理の規定はあるものの、延滞金計算の過程における保険料元金の端数処理の規定がないことから、第9条第1項の本文中に保険料元金の端数処理に関する規定を追加するものである。
このほか、督促手数料及び延滞金の徴収方法、滞納処分、督促手数料及び延滞金の免除についての条文を追加するものである。
各個別の条例には具体的な規定がなく、青森市税外諸歳入滞納金督促手数料及び延滞金徴収条例が適用されていた部分について、各個別の条例の中で完結するように同じ内容を規定するものである。
施行期日であるが、今回の改正は専ら規定の整理に係るものであり、実際の事務の取り扱いには変更がないことから、条例の公布の日からとしている。
なお、市民への周知については、各税外歳入金の所管部局において、納入通知書及び督促状等の記載文を見直すほか、各種チラシや窓口における掲示等を工夫することなどにより対応していくこととしている。
以上が説明の概要であるが、本案については、全員異議なく、原案のとおり可決すべきものと決したものである。
次に、議案第191号「青森市消防団員等公務災害補償条例の一部を改正する条例の制定について」であるが、審査に当たって理事者側から次のとおり説明を受けた。
本案は、被用者年金制度等の一元化を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律が平成24年8月に公布され、その一部の規定が平成27年10月1日に施行されたことにより、非常勤消防団員等に係る損害補償の基準を定める政令の一部改正が行われたことに伴い、青森市消防団員等公務災害補償条例について所要の改正を行うものである。
青森市消防団員等公務災害補償条例附則第9条第1項から第6項までにおいては、公務災害補償のうち、傷病補償年金、障害補償年金及び遺族補償年金の年金たる損害補償及び休業補償を受ける権利を有する者が、同一の理由により厚生年金保険法等、他の法令による障害年金、遺族年金等が支給される場合に、損害補償の額の調整を行うことを規定しており、この中の損害補償額の調整の対象となる他の法令による年金及び調整率について整理をするものである。
主な改正内容であるが、1つ目は、国家公務員共済組合員期間、地方公務員共済組合員期間に共済制度創設以前の在職期間が含まれる者に支給される共済年金、これを追加費用対象期間のある共済年金というが、この期間を有する者が一元化法の施行後に新規裁定され、年金が支給される場合は共済年金が支給されることとなる。この支給される障害共済年金、遺族共済年金については、厚生年金と同様の性質を有することから、年金たる損害補償額の調整の対象となり追加されたものである。
2つ目は、同条例第22条の特殊公務に従事する団員の特例に規定する高度な危険が予想される状況下における公務上の災害を受けた場合に支給される補償については、特殊公務に係る加算分が加算されていたが、厚生年金制度に統合されたことにより加算額が減額とならないよう、新たに調整率が規定されたものである。
3つ目は、語句の整備等その他の所要の改正を行うものである。
本条例は、公布の日から施行されるが、適用日を平成27年10月1日とし、適用日以前の取り扱いについては、従前どおりの調整を行うこととしている。
以上が説明の概要であるが、審査の過程における主なる質疑応答は次のとおりである。
1 「同一の理由により年金が支給される場合は損害補償額が調整されて支給されるとのことであるが、年金ということであれば、退団後に補償されるという認識でよいか」との質疑に対し、「例えば、公務中に損害をこうむる場合もあることから、退団後の補償に限られるものではない」との答弁があった。
1 「公務中の損害にはどのようなものがあるのか」との質疑に対し、「本市消防団員の公務災害補償としての支給実績は3件であり、消防作業従事中の事故による負傷・死亡である」との答弁があった。
1 「特殊公務とは何か」との質疑に対し、「特に危険が予想されるような業務であり、例えば震災時に水門を閉めに行くなど、誰が見ても危険な状況の中での活動のほか、一般的な火災現場であっても、誰が見ても危険と思われるような状況もあり、個々の状況に応じて判断されることになる」との答弁があった。
以上が審査の過程における主なる質疑応答であるが、本案については、全員異議なく、原案のとおり可決すべきものと決したものである。
次に、議案第192号「契約の締結について(議会棟耐震補強及び大規模改修工事)」であるが、審査に当たって理事者側から次のとおり説明を受けた。
本工事は、平成22年度に実施した耐震診断の結果を受け耐震補強工事を行うほか、議会棟の老朽化に伴う内外装のリフォーム工事やバリアフリー化に必要な改修工事等を実施するものであり、工期は平成29年12月22日までを予定している。
平成27年10月20日に一般競争入札を執行した結果、予定価格内で落札されたことから、相互建設工業株式会社と2億5571万1600円で契約を締結しようとするものである。
以上が説明の概要であるが、審査の過程において一部委員から「相互建設工業株式会社の建築工事に係る本市の等級を示せ」との質疑に対し、「建築一式工事のA等級である」との答弁があり、本案については、全員異議なく、原案のとおり可決すべきものと決したものである。
次に、議案第193号「契約の締結について(富田ポンプ場建築工事)」であるが、審査に当たって理事者側から次のとおり説明を受けた。
市では、富田・沖館地区における浸水被害を軽減するため、平成25年度から富田ポンプ場の整備を進めている。本工事は、その一環として、富田ポンプ場の地上部分の建屋の新築工事を行うものであり、その構造は、鉄筋コンクリート造2階建て、延べ床面積は1709.57平方メートルで、工期は平成28年12月17日までを予定している。
平成27年10月20日に一般競争入札を執行した結果、予定価格内で落札され、株式会社桜井工務店と1億6826万4000円で契約を締結しようとするものである。
以上が説明の概要であるが、本案については、全員異議なく、原案のとおり可決すべきものと決したものである。
(以 上)
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文教経済常任委員長報告書(審査経過及び結果)
初めに、議案第199号「公の施設の指定管理者の指定について(青森市青森駅前自転車等駐車場)」であるが、審査に当たって理事者側から次のとおり説明を受けた。
本案の対象となる施設は、青森市青森駅前自転車等駐車場である。
指定管理者候補者の選定方法であるが、選定基準及び配点については、「管理運営全般について」、「管理について」、「運営について」、「効率性について」の4項目で評価した。
管理運営全般については、施設の設置目的への適合性を見る管理運営方針や管理運営の実績、地域や関係団体との連携状況について評価し、配点は20点としている。
管理については、地元雇用への配慮、職員等の配置計画、雇用・労働条件、研修計画、施設の管理計画、防犯、防災、緊急時の対応に関する取り組み、個人情報保護の取り扱いに関する取り組み、環境保全、負荷低減への取り組みについて評価し、配点は40点としている。
運営については、市民の平等な利用を確保するための方針、利用者等の要望等の把握と反映方法、サービス向上の対策、利用促進及び利用拡大について評価し、配点は40点としている。
効率性については、経費の妥当性と全体経費の縮減を評価するもので、配点は25点としており、以上4項目合計の125点を満点としている。
また、候補者の水準を確保するため、各項目において「普通」と評価される場合の合計点である68.5点を最低得点として設定しており、これを下回る場合は選定しないこととしている。
個別項目の採点基準については、各評価項目について「大変よい」から「全く不十分」までで評価している。
指定管理者候補者の選定に当たっては、応募団体の物的能力、人的能力等を総合的に判断して行うプロポーザル方式による書類審査を基本とし、市民政策部理事を委員長とする各部局の理事または次長級の職員、学識経験者及び税理士を委員とする指定管理者選定評価委員会を本年10月6日に開催して選定したところである。
応募団体は、東洋建物管理株式会社、青森アドセック株式会社、公益財団法人青森市シルバー人材センター及び太平ビルサービス株式会社の4団体であり、このうち、公益財団法人青森市シルバー人材センターは現在の指定管理者となっている。
選定審査の結果、応募資格を満たしていること、評価点数が97.71点で応募団体中最高点であり、最低得点の68.5点を上回っていることから、平成28年4月1日から平成33年3月31日までの5年間の指定管理者候補者として、青森アドセック株式会社を選定したところである。
以上が説明の概要であるが、審査の過程における主なる質疑応答は次のとおりである。
1 「指定管理者候補者である青森アドセック株式会社の本社は六ヶ所村にあり、本市には中央地区に事務所があるとのことだが、同社が本市に事務所を構えたのはいつごろか」との質疑に対し、「その時期は確認していないが、同社が設立されたのは平成19年10月である」との答弁があった。
1 「本市にある青森アドセック株式会社の事務所を実際に訪れてみたところ、入り口が施錠されていて入ることができなかったが、当該事務所に常駐している社員の数は把握しているか」との質疑に対し、「事務員がいることは聞いている」との答弁があった。
1 「青森アドセック株式会社については、会社としての実態があるのか疑義を抱く面もあるが、同社は、5年前に八甲通り路上駐車場の指定管理者として指定を受け、これまでその業務を行ってきた事実もある。こうした中で、今回の審査結果では、『地元雇用への配慮』の評価点数が満点の5点となっており、必要な配慮が相応になされることになっているが、具体的には、青森駅前自転車等駐車場の指定管理業務に際し、何名の従業員をどのようなシフトで雇用することになっているのか」との質疑に対し、「募集要項で示しているモデルとしては、管理棟に常駐する者が1名、放置自転車の巡回指導に当たる者及び放置自転車の撤去作業に当たる者がそれぞれ2名の合計5名を基本とし、これを午前と午後のシフトに分けて雇用することで延べ10名の従業員とすることを示しているが、指定管理者の工夫により、例えば午前と午後を通して従事させる形態での雇用も可能となっている」との答弁があった。
1 「青森駅前自転車等駐車場は、これまで公益財団法人青森市シルバー人材センターが指定管理業務を行っており、このことは、高齢者の雇用を確保する意味でも重要なことだと思うが、今回の指定管理者候補者である青森アドセック株式会社が同様に指定管理業務を行うことができるのかについては、懸念されるところもあると思う。今回の審査結果では、『同種の施設管理業務の実績』の評価点数が5点満点の4点となっているが、具体的にどのようなことが評価点数として反映されたのか」との質疑に対し、「同社は、これまで八甲通り路上駐車場の指定管理者として管理運営業務を行っており、このことが実績として評価されたものと考えている」との答弁があった。
1 「青森アドセック株式会社は、どのような業務を行っている会社なのか」との質疑に対し、「原子力関連施設の警備、廃棄物の輸送業務、各種警備と安全に関する研究、各種施設の総合管理業務の請負、厚生施設の運営管理、労働者派遣事業等の業務を行っている」との答弁があった。
1 「指定管理者が公益財団法人青森市シルバー人材センターから青森アドセック株式会社にかわることにより、現在の指定管理業務に従事している同センターの従業員の雇用が今後どうなるのかが懸念される。現在の従業員をそのまま同社が雇用することは考えにくいが、高齢者の雇用対策のためにも、市として、引き続き現在の従業員を雇用するよう同社に指導することが必要だと思うが、どうか」との質疑に対し、「雇用するかどうかの判断は、あくまでも同社の責任においてなされるものであり、市としてそのような指導をすることはできかねるが、同社が正式に指定管理者として指定された後、現在の従業員の経験を活用できる観点から、引き続きの雇用を提案することは可能であると考えており、そのように対応したい」との答弁があった。
1 「今後、青森アドセック株式会社では、指定管理業務のため従業員を募集することになると思うが、その際、同社では、現在の指定管理者である公益財団法人青森市シルバー人材センターに所属する高齢者を雇用することを念頭に置いているのか」との質疑に対し、「指定管理者選定評価委員会の審査ではそのような議論はなされていないと思われ、また、応募に係る資料にもそのような記載はないことから、今後、正式に指定管理者として指定を受けた後に、同社に対してそのような提案をしていきたいと考えている」との答弁があった。
1 「現在の指定管理者である公益財団法人青森市シルバー人材センターが今回選定されなかった最大の理由は何か」との質疑に対し、「同センターの評価が低かったということではなく、同センターの提案を上回る内容のものを今回の指定管理者候補者が提案したことによるものである。例えば、『利用者等の要望の把握と反映方法』や『利用促進及び利用拡大』の評価項目では、ホームページ等を活用した苦情の受付や利用促進のPRを行うこととしており、こうした工夫が評価されたものと考えている」との答弁があった。
1 「仮に本議案が今期定例会で閉会中の継続審査となった場合、指定管理者の指定に向けた今後の流れはどのようになるのか」との質疑に対し、「平成28年第1回定例会で議決を得ることになった場合、同年4月からの指定管理業務には間に合わない可能性がある。その場合は、市直営で管理業務を行う期間が生じることとなり、そのための条例改正手続も必要になる」との答弁があった。
1 「現在、青森駅前自転車等駐車場ではレンタサイクル事業も行っているが、青森アドセック株式会社が指定管理者となった場合でも、当該レンタサイクル事業は引き続き行われるのか」との質疑に対し、「当該レンタサイクル事業は、基本的には指定管理業務外のものであり、現在の指定管理者が独自に実施しているものであるが、今回の指定管理者候補者の提案においても、自主事業としてこれを引き継いで実施していくことが示されている。このことは、指定管理者候補者の選定に当たっての判断材料でもあることから、正式に指定管理者として指定された場合には、これをきちんと実施する必要があり、指定管理者の独自の判断で取りやめることは基本的にできないものである」との答弁があった。
以上が審査の過程における主なる質疑応答であるが、このほか一部委員から次のような意見・要望が出された。
1 これまでの指定管理者である公益財団法人青森市シルバー人材センターは、高齢者の雇用の創出という面で、その担う役割は非常に大きいと思う。今回指定管理者候補者に選定された青森アドセック株式会社は、本社が六ヶ所村にあるとのことであるが、青森駅前自転車等駐車場の指定管理者としてわざわざ市外の事業者を指定することは疑問であり、本議案には反対したい
1 今回の指定管理者の指定に当たっては、高齢者の雇用の確保を最大限尊重して考えるべきだったと思う。市として、今回選定された青森アドセック株式会社に対しては、これまで指定管理業務に従事してきた公益財団法人青森市シルバー人材センターの高齢者を一人でも多く雇用するよう指導してもらいたい
1 青森アドセック株式会社は、本市にあるという事務所が実態として機能しているのか疑問である。また、同社は、これまで八甲通り路上駐車場の指定管理業務を行っているが、今回その指定管理者の更新を迎えるに当たり、同駐車場の指定管理者候補者に選定されておらず、このことは、同社が、採算面から引き続き同駐車場の指定管理者となることを望まないため、意図的に低い評価点数となるような提案をしたのではないかと疑わせるものである。こうしたことから、本議案の審査に当たっては、同社の企業理念や経営方針をしっかり把握する必要があり、同社が真剣に青森駅前自転車等駐車場の指定管理業務に取り組む姿勢を有しているのかを確認しなければならず、それがなされないまま結論を出すことは避けるべきである。したがって、本議案は閉会中の継続審査とすべきである
1 本議案には反対である旨をさきに述べたが、閉会中の継続審査とすべきとの意見があるのであれば、それでもよい
以上が主なる意見・要望であるが、このほか理事者側から「青森アドセック株式会社は、今期定例会に議案第224号として提案している八甲通り路上駐車場の指定管理者の指定に際し、その応募者にはなっていない」との説明があり、本案については、全員異議なく、閉会中の継続審査とすべきものと決したものである。
次に、議案第200号「公の施設の指定管理者の指定について(青森市古川市民センター)」及び議案第201号「公の施設の指定管理者の指定について(青森市沖館市民センター)」の計2件については、当該施設が同一の条例により設置されているものであり、関連があることから一括議題とし、審査に当たって理事者側から次のとおり説明を受けた。
まず、議案第200号「公の施設の指定管理者の指定について(青森市古川市民センター)」であるが、指定管理者候補者の選定に係る選定基準の項目については、議案第199号と同様であり、各項目の配点は、「管理運営全般について」の20点を初めとする4項目の合計で130点を満点としている。
個別項目の採点基準については、各評価項目について「大変よい」から「全く不十分」までで評価している。
また、候補者の水準を確保するため、各項目において「普通」と評価される場合の合計点である69.5点を最低得点として設定しており、これを下回る場合は選定しないこととしている。
指定管理者候補者の選定に当たっては、指定管理者選定評価委員会を本年10月5日に開催して選定したところであり、応募団体は、現在の指定管理者である青森市古川市民センター管理運営協議会であった。
選定審査の結果、評価点数が93.57点であり、最低得点の69.5点を上回っていることから、平成28年度から5年間の指定管理者候補者として、青森市古川市民センター管理運営協議会を選定したところである。
次に、議案第201号「公の施設の指定管理者の指定について(青森市沖館市民センター)」であるが、指定管理者候補者の選定方法については、議案第200号と同様であり、応募団体は、現在の指定管理者である青森市沖館市民センター管理運営協議会であった。
選定審査の結果、応募資格を満たしていること、評価点数が93.69点で最低得点の69.5点を上回っていることから、平成28年度から5年間の指定管理者候補者として、青森市沖館市民センター管理運営協議会を選定したところである。
以上が説明の概要であるが、両案については、いずれも全員異議なく、原案のとおり可決すべきものと決したものである。
次に、議案第202号「公の施設の指定管理者の指定について(青森市森の広場)」であるが、審査に当たって理事者側から次のとおり説明を受けた。
本案の対象となる施設は、青森市森の広場である。
指定管理者候補者の選定に係る選定基準の項目については、議案第199号と同様であり、各項目の配点は、「管理運営全般について」を20点、「管理について」を45点、「運営について」を30点、「効率性について」を25点とし、これら4項目の合計で120点を満点としている。
また、候補者の水準を確保するため、各項目において「普通」と評価される場合の合計点である64.5点を最低得点として設定しており、これを下回る場合は選定しないこととしている。
個別項目の採点基準については、各評価項目について「大変よい」から「全く不十分」までで評価している。
指定管理者候補者の選定に当たっては、指定管理者選定評価委員会を本年10月16日に開催して選定したところであり、応募団体は、現在の指定管理者である新城縁故者委員会であった。
選定審査の結果、応募資格を満たしていること、評価点数が83.61点で最低得点の64.5点を上回っていることから、平成28年度から5年間の指定管理者候補者として、新城縁故者委員会を選定したところである。
以上が説明の概要であるが、審査の過程において一部委員から「青森市森の広場の利用の申し込みは1カ月前から受け付けているが、現地で直接申し込みをすることとなっており、数日間にわたって利用する場合で1カ月前に予約しようとすれば、何日も現地に出向いて申し込みをしなければならず不便である。利用申し込み方法の改善についてもう少し配慮してもらいたいと思う」との要望が出され、本案については、全員異議なく、原案のとおり可決すべきものと決したものである。
次に、議案第203号「公の施設の指定管理者の指定について(青森市西部工業団地多目的施設)」であるが、審査に当たって理事者側から次のとおり説明を受けた。
本案の対象となる施設は、青森市西部工業団地多目的施設である。
指定管理者候補者の選定方法については、選定基準及び配点として、「管理運営全般について」を20点、「管理について」を45点、「運営について」を40点、「効率性について」を25点とし、これら4項目の合計で130点を満点としている。
また、候補者の水準を確保するため、各項目において「普通」と評価される場合の合計点である70.5点を最低得点として設定しており、これを下回る場合は選定しないこととしている。
個別項目の採点基準については、各評価項目について「大変よい」から「全く不十分」までで評価している。
指定管理者候補者の選定に当たっては、指定管理者選定評価委員会を本年11月5日に開催して選定したところであり、応募団体は、東洋建物管理株式会社、株式会社城ヶ倉観光、太平ビルサービス株式会社及び青森アドセック株式会社の4団体であった。
選定審査の結果、応募資格を満たしていること、評価点数が103.51点で応募団体中最高であり、最低得点の70.5点を上回っていることから、平成28年度から5年間の指定管理者候補者として、株式会社城ヶ倉観光を選定したところである。
以上が説明の概要であるが、本案については、全員異議なく、原案のとおり可決すべきものと決したものである。
次に、議案第204号「公の施設の指定管理者の指定について(青森市ふれあい農園)」であるが、審査に当たって理事者側から次のとおり説明を受けた。
本案の対象となる施設は、青森市ふれあい農園である。
指定管理者候補者の選定方法については、選定基準及び配点として、「管理運営全般について」が3項目で20点、「管理について」が8項目で45点、「運営について」が4項目で40点、「効率性について」が25点となっており、これらの合計点である130点を満点としている。
個別項目の採点基準については、これまで審査された他の議案と同様である。
指定管理者候補者の選定に当たっては、指定管理者選定評価委員会を本年11月2日に開催して選定したところであり、応募団体は、青森農業協同組合の1者であった。
選定審査の結果、応募資格を満たしていること、評価点数が99.12点で最低得点の70.5点を上回っていることから、平成28年度から5年間の指定管理者候補者として、青森農業協同組合を選定したところである。
以上が説明の概要であるが、本案については、全員異議なく、原案のとおり可決すべきものと決したものである。
次に、議案第205号「公の施設の指定管理者の指定について(南北後潟館)」から議案第207号「公の施設の指定管理者の指定について(牛館ふれあいセンター)」までの計3件については、当該施設が同一の条例により設置されているものであり、関連があることから一括議題とし、審査に当たって理事者側から次のとおり説明を受けた。
これらの議案の対象となる施設は、南北後潟館、野木ふるさと館及び牛館ふれあいセンターである。
まず、議案第205号「公の施設の指定管理者の指定について(南北後潟館)」であるが、指定管理者候補者の選定に当たっては、選定基準及び配点として、「管理運営全般について」が2項目で20点、「管理について」が9項目で50点、「運営について」が3項目で30点、「効率性について」が25点で、これらの合計点である125点を満点としており、議案第206号及び議案第207号についても同様である。
個別項目の採点基準については、これまで審査された他の議案と同様である。
指定管理者候補者の選定に当たっては、指定管理者選定評価委員会を本年10月22日に開催して選定したところであり、応募団体は、南北後潟館管理運営協議会の1者であった。
選定審査の結果、応募資格を満たしていること、評価点数が74.39点で最低得点の66.50点を上回っていることから、平成28年度から5年間の指定管理者候補者として、南北後潟館管理運営協議会を選定したところである。
次に、議案第206号「公の施設の指定管理者の指定について(野木ふるさと館)」であるが、指定管理者候補者の選定方法は議案第205号と同様であり、応募団体は、野木ふるさと館管理運営協議会の1者であった。
選定審査の結果、評価点数は74.60点となり、議案第205号と同様の理由により、平成28年度から5年間の指定管理者候補者として、野木ふるさと館管理運営協議会を選定したところである。
次に、議案第207号「公の施設の指定管理者の指定について(牛館ふれあいセンター)」であるが、指定管理者候補者の選定方法は議案第205号と同様であり、応募団体は、牛館ふれあいセンター管理運営協議会の1者であった。
選定審査の結果、評価点数は74.60点となり、議案第205号と同様の理由により、平成28年度から5年間の指定管理者候補者として、牛館ふれあいセンター管理運営協議会を選定したところである。
以上が説明の概要であるが、審査の過程において一部委員から「各指定管理者候補者は、評価項目のうち『運営について』の評価点数が満点の半分程度であり、低い点数ではないかと思う。当該評価項目の選定基準として、障害者への対応や平等利用に対する認識等の適切さが挙げられているが、指定管理者候補者の対応がこうした面において不十分であるならば、その改善に向け、市から指定管理者候補者に対し要望すべきと思うがどうか」との質疑に対し、「仮に指定管理者候補者の対応が十分でないのであれば、市としても必要な指導をしていきたいと考えている」との答弁があり、各案件については、いずれも全員異議なく、原案のとおり可決すべきものと決したものである。
次に、議案第208号「公の施設の指定管理者の指定について(女鹿沢農村センター)」から議案第215号「公の施設の指定管理者の指定について(孫内農村センター)」までの計8件については、当該施設が同一の条例により設置されているものであり、関連があることから一括議題とし、審査に当たって理事者側から次のとおり説明を受けた。
これらの議案の対象となる施設は、女鹿沢農村センター、銀農村センター、増館農村センター、五本松農村センター、吉野田農村センター、徳長農村センター、郷山前農村センター及び孫内農村センターである。
まず、議案第208号「公の施設の指定管理者の指定について(女鹿沢農村センター)」であるが、指定管理者候補者の選定に当たっては、選定基準及び配点として、「管理運営全般について」が2項目で20点、「管理について」が9項目で50点、「運営について」が3項目で30点、「効率性について」が25点で、これらの合計点である125点を満点としており、議案第209号から議案第215号までについても同様である。
個別項目の採点基準については、これまで審査された他の議案と同様である。
指定管理者候補者の選定に当たっては、指定管理者選定評価委員会を本年11月2日に開催して選定したところであり、応募団体は、女鹿沢農村コミュニティーセンター連絡協議会の1者であった。
選定審査の結果、応募資格を満たしていること、評価点数が79.69点で最低得点の66.50点を上回っていることから、平成28年度から5年間の指定管理者候補者として、女鹿沢農村コミュニティーセンター連絡協議会を選定したところである。
次に、議案第209号「公の施設の指定管理者の指定について(銀農村センター)」であるが、指定管理者候補者の選定方法は議案第208号と同様であり、応募団体は、銀町内会の1者であった。
選定審査の結果、評価点数は79.69点となり、議案第208号と同様の理由により、平成28年度から5年間の指定管理者候補者として、銀町内会を選定したところである。
次に、議案第210号「公の施設の指定管理者の指定について(増館農村センター)」であるが、指定管理者候補者の選定方法は議案第208号と同様であり、応募団体は、増館町内会の1者であった。
選定審査の結果、評価点数は79.69点となり、議案第208号と同様の理由により、平成28年度から5年間の指定管理者候補者として、増館町内会を選定したところである。
次に、議案第211号「公の施設の指定管理者の指定について(五本松農村センター)」であるが、指定管理者候補者の選定方法は議案第208号と同様であり、応募団体は、五本松農村センター管理委員会の1者であった。
選定審査の結果、評価点数は79.69点となり、議案第208号と同様の理由により、平成28年度から5年間の指定管理者候補者として、五本松農村センター管理委員会を選定したところである。
次に、議案第212号「公の施設の指定管理者の指定について(吉野田農村センター)」であるが、指定管理者候補者の選定方法は議案第208号と同様であり、応募団体は、吉野田町内会の1者であった。
選定審査の結果、評価点数は79.69点となり、議案第208号と同様の理由により、平成28年度から5年間の指定管理者候補者として、吉野田町内会を選定したところである。
次に、議案第213号「公の施設の指定管理者の指定について(徳長農村センター)」であるが、指定管理者候補者の選定方法は議案第208号と同様であり、応募団体は、北部農業構造改善センター管理運営委員会の1者であった。
選定審査の結果、評価点数は79.69点となり、議案第208号と同様の理由により、平成28年度から5年間の指定管理者候補者として、北部農業構造改善センター管理運営委員会を選定したところである。
次に、議案第214号「公の施設の指定管理者の指定について(郷山前農村センター)」であるが、指定管理者候補者の選定方法は議案第208号と同様であり、応募団体は、郷山前町内会の1者であった。
選定審査の結果、評価点数は79.69点となり、議案第208号と同様の理由により、平成28年度から5年間の指定管理者候補者として、郷山前町内会を選定しところである。
次に、議案第215号「公の施設の指定管理者の指定について(孫内農村センター)」であるが、指定管理者候補者の選定方法は議案第208号と同様であり、応募団体は、孫内町会の1者であった。
選定審査の結果、評価点数は79.69点となり、議案第208号と同様の理由により、平成28年度から5年間の指定管理者候補者として、孫内町会を選定したところである。
以上が説明の概要であるが、審査の過程において一部委員から「指定管理者候補者の審査結果の評価点数を見ると、各議案の全てにおいて同一の79.69点となっているが、各議案とも同種の施設であり、審査方法も同じであったことから、このような結果になったのか」との質疑に対し、「特に何か理由等があるわけではなく、通常に審査された結果であると認識している」との答弁があり、各案件については、いずれも全員異議なく、原案のとおり可決すべきものと決したものである。
次に、議案第216号「公の施設の指定管理者の指定について(青森市営八甲田放牧地第一牧場等)」であるが、審査に当たって理事者側から次のとおり説明を受けた。
本案の対象となる施設は、青森市営共同牧野であり、青森市営共同牧野条例に位置づけられた青森市営八甲田放牧地第一牧場、同第二牧場、同第三牧場、同育成牧場及び青森市営柴森山放牧場の5施設を一括管理するものである。
指定管理者候補者の選定に当たっては、選定基準及び配点として、「管理運営全般について」が3項目で20点、「管理について」が8項目で55点、「運営について」が4項目で30点、「効率性について」が25点であり、これらの合計点である130点を満点としている。
個別項目の採点基準については、これまで審査された他の議案と同様である。
指定管理者候補者の選定に当たっては、指定管理者選定評価委員会を本年10月15日に開催して選定したところであり、応募団体は、東青畜産農業協同組合の1者であった。
選定審査の結果、応募資格を満たしていること、評価点数が87.92点で最低得点の70.5点を上回っていることから、平成28年度から5年間の指定管理者候補者として、東青畜産農業協同組合を選定したところである。
以上が説明の概要であるが、本案については、全員異議なく、原案のとおり可決すべきものと決したものである。
次に、議案第217号「公の施設の指定管理者の指定について(月見野森林公園)」及び議案第218号「公の施設の指定管理者の指定について(浅虫温泉森林公園)」の計2件については、当該施設が同一の条例により設置されているものであり、関連があることから一括議題とし、審査に当たって理事者側から次のとおり説明を受けた。
両案の対象となる施設は、月見野森林公園及び浅虫温泉森林公園である。
まず、議案第217号「公の施設の指定管理者の指定について(月見野森林公園)」であるが、指定管理者候補者の選定に当たっては、選定基準及び配点として、「管理運営全般について」が3項目で30点、「管理について」が8項目で45点、「運営について」が4項目で40点、「効率性について」が25点で、これらの合計点である140点を満点としており、議案第218号についても同様である。
個別項目の採点基準については、これまで審査された他の議案と同様である。
指定管理者候補者の選定に当たっては、指定管理者選定評価委員会を本年10月8日に開催して選定したところであり、応募団体は、森林組合あおもりの1者であった。
選定審査の結果、応募資格を満たしていること、評価点数が91.33点で最低得点の74.5点を上回っていることから、平成28年度から5年間の指定管理者候補者として、森林組合あおもりを選定したところである。
次に、議案第218号「公の施設の指定管理者の指定について(浅虫温泉森林公園)」であるが、指定管理者候補者の選定方法は議案第217号と同様であり、応募団体は、浅虫林業振興協議会の1者であった。
選定審査の結果、評価点数は89.41点となり、議案第217号と同様の理由により、平成28年度から5年間の指定管理者候補者として、浅虫林業振興協議会を選定したところである。
以上が説明の概要であるが、両案については、いずれも全員異議なく、原案のとおり可決すべきものと決したものである。
次に、議案第219号「公の施設の指定管理者の指定について(郷山前農村公園)」から議案第222号「公の施設の指定管理者の指定について(北中野農村公園)」までの計4件については、当該施設が同一の条例により設置されているものであり、関連があることから一括議題とし、審査に当たって理事者側から次のとおり説明を受けた。
これらの議案の対象となる施設は、郷山前農村公園、杉沢農村公園、本郷農村公園及び北中野農村公園である。
まず、議案第219号「公の施設の指定管理者の指定について(郷山前農村公園)」であるが、指定管理者候補者の選定に当たっては、選定基準及び配点として、「管理運営全般について」が2項目で20点、「管理について」が9項目で50点、「運営について」が3項目で30点、「効率性について」が25点で、これらの合計点である125点を満点としており、議案第220号から議案第222号までについても同様である。
個別項目の採点基準については、これまで審査された他の議案と同様である。
指定管理者候補者の選定に当たっては、指定管理者選定委員会を本年10月20日に開催して選定したところであり、応募団体は、郷山前町内会の1者であった。
選定審査の結果、応募資格を満たしていること、評価点数が80.83点で最低得点の66.50点を上回っていることから、平成28年度から5年間の指定管理者候補者として、郷山前町内会を選定したところである。
次に、議案第220号「公の施設の指定管理者の指定について(杉沢農村公園)」であるが、指定管理者候補者の選定方法は議案第219号と同様であり、応募団体は、杉沢町内会の1者であった。
選定審査の結果、評価点数は80.83点となり、議案219号と同様の理由により、平成28年度から5年間の指定管理者候補者として、杉沢町内会を選定したところである。
次に、議案第221号「公の施設の指定管理者の指定について(本郷農村公園)」であるが、指定管理者候補者の選定方法は議案第219号と同様であり、応募団体は、本郷町内会の1者であった。
選定審査の結果、評価点数は81.24点となり、議案219号と同様の理由により、平成28年度から5年間の指定管理者候補者として、本郷町内会を選定したところである。
次に、議案第222号「公の施設の指定管理者の指定について(北中野農村公園)」であるが、指定管理者候補者の選定方法は議案第219号と同様であり、応募団体は、北中野町内会の1者であった。
選定審査の結果、評価点数は81.25点となり、議案219号と同様の理由により、平成28年度から5年間の指定管理者候補者として、北中野町内会を選定したところである。
以上が説明の概要であるが、各案件については、いずれも全員異議なく、原案のとおり可決すべきものと決したものである。
次に、議案第223号「公の施設の指定管理者の指定について(青森市浪岡交流センター)」であるが、審査に当たって理事者側から次のとおり説明を受けた。
本案の対象となる施設は、青森市浪岡交流センターである。
指定管理者候補者の選定方法であるが、選定基準及び配点については、「管理運営全般について」、「管理について」、「運営について」、「効率性について」の4項目で評価した。
管理運営全般については、施設の設置目的への適合性を見る管理運営方針や管理運営の実績、地域や関係団体との連携状況について評価し、配点は25点としている。
管理については、地元雇用への配慮、職員等の配置計画、雇用・労働条件、研修計画、施設の管理計画、防犯、防災、緊急時の対応に関する取り組み、個人情報保護の取り扱いに関する取り組み、環境保全、負荷低減への取り組みについて評価し、配点は45点としている。
運営については、市民の平等な利用を確保するための方針、利用者等の要望等の把握と反映方法、サービス向上の対策、来館者を増加させるためのPR及びイベントの実施計画または自主事業、観光・交通情報の提供に関する取り組み、地域における多様な活動の促進に向けた事業実施計画、地域資源を活用した地域ブランド開発の促進に資する運営の提案について評価し、配点は60点としている。
効率性については、経費の妥当性と全体経費の縮減を評価するもので、配点は30点としており、以上4項目合計の160点を満点としている。
また、候補者の水準を確保するため、各項目において「普通」と評価される場合の合計点である87点を最低得点として設定しており、これを下回る場合は選定しないこととしている。
個別項目の採点基準については、各評価項目について「大変よい」から「全く不十分」までで評価している。
指定管理者候補者の選定に当たっては、応募団体の物的能力、人的能力等を総合的に判断して行うプロポーザル方式による書類審査を基本とし、市民政策部理事を委員長とする各部局の理事または次長級の職員、学識経験者及び税理士を委員とする指定管理者選定評価委員会を10月26日に開催して選定したところである。
応募団体は、青森市浪岡商業協同組合グループ、株式会社東北ダイケン秋田支店、太平ビルサービス株式会社及び東洋建物管理株式会社の4者であった。
選定審査の結果、応募資格を満たしていること、評価点数が124.49点で最低得点の87点を上回っていることから、平成28年度から5年間の指定管理者候補者として、青森市浪岡商業協同組合グループを選定したところである。
以上が説明の概要であるが、審査の過程において一部委員から「浪岡交流センターについては、以前の指定管理者を指定する際の議案審査において、当時の指定管理者候補者が計画どおりに業務を遂行できるのかについて疑義が示され、大きくもめた末にようやく指定管理者として指定された経緯があったが、結局は計画どおりに業務が遂行されず、最終的に指定管理業務から撤退することとなった。このことを踏まえ、再発防止のための検証等についてどのように考えているか」との質疑に対し、「今回の指定管理者の募集に当たっては、応募書類の見直しを行い、指定期間中安定した管理運営ができる団体であることを確認する書類として、当該団体の直近3年間の事業報告書及び決算報告書一式を提出させることとした。また、複数の団体で施設の管理を行うグループ応募の場合も、当該グループを構成する全ての団体について同様に直近3カ年の経営状況を確認する書類の提出を求め、経営状況を確認することとした。さらに、指定管理者による管理運営業務の開始後においても、指定管理者制度導入基本方針に基づき、年2回実施しているモニタリング調査や、毎年度の事業終了後に提出させている事業報告書により、指定管理者の施設運営状況についてこれまで以上に詳細な確認、検証を行うとともに、提案のあった事業については随時進捗状況を把握し、不適切な状況等の有無を確認しながら必要な指導を行っていきたいと考えている」との答弁があり、このほか一部委員から次のような意見・要望が出された。
1 以前の指定管理者の指定の際は、その業務遂行能力について議会から疑義が示されていた中で、市側はそれを打ち消す説明をしていたが、結果としてその疑義が現実のものとなったことから、今後はこのようなことがないよう、しっかり対応してもらいたい
1 以前の指定管理者は、事業者としての実態がなく、指定管理業務の事業計画もおよそ実現できないような内容のものであったが、書類審査だけではこうした実態を見抜くことができなかったものであり、反省している。さきに継続審査とすべきものと決した議案第199号についても、指定管理者候補者の実情を考えるとこれと同様の可能性を含んでいることから、その企業理念等をしっかり確認しなければその可否を判断できないと思う
以上が主なる意見・要望であるが、本案については、全員異議なく、原案のとおり可決すべきものと決したものである。
次に、議案第224号「公の施設の指定管理者の指定について(青森市八甲通り路上駐車場)」であるが、審査に当たって理事者側から次のとおり説明を受けた。
本案の対象となる施設は、青森市八甲通り路上駐車場である。
指定管理者候補者の選定方法であるが、選定基準及び配点については、「管理運営全般について」、「管理について」、「運営について」、「効率性について」の4項目で評価した。
管理運営全般については、管理運営方針、同種の施設の施設管理業務の実績、地域や関係団体との連携について評価し、配点は20点としている。
管理については、地元雇用への配慮、職員等の配置計画、雇用・労働条件、研修計画、施設の管理計画、防犯、防災、緊急時の対応に関する取り組み、個人情報保護の取り扱いに関する取り組み、環境保全、負荷低減への取り組みについて評価し、配点は40点としている。
運営については、市民の平等な利用を確保するための方針、利用者等の要望等の把握と反映方法、サービス向上の対策、利用促進及び利用拡大について評価し、配点は40点としている。
効率性については、市への納付金の提案額を評価するもので、配点は25点としており、以上4項目合計の125点を満点としている。
また、候補者の水準を確保するため、各項目において「普通」と評価される場合の合計点である68.5点を最低得点として設定しており、これを下回る場合は選定しないこととしている。
個別項目の採点基準については、各評価項目について「大変よい」から「全く不十分」までで評価している。
指定管理者候補者の選定に当たっては、指定管理者選定評価委員会を本年10月13日に開催して選定したところであるが、応募団体名については、応募者が2者であったことから、選定されなかった団体の名称を守秘するため非公表としている。
選定審査の結果、応募資格を満たしていること、評価点数が89.39点で最低得点の68.5点を上回っていることから、平成28年4月1日から平成33年3月31日までの5年間の指定管理者候補者として、東洋建物管理株式会社を選定したところである。
以上が説明の概要であるが、審査の過程において一部委員から「現在の八甲通り路上駐車場の指定管理者は、議案第199号において指定管理者候補者となっている者であるが、さきの同議案の審査の際、その者は今回の本議案の指定管理者としては応募していないとの説明があった。しかしながら、一般に社会的責任を有する企業であれば、例えば業務に関する契約の期間が満了したとしても、それまでの実績を維持する観点から、たとえ多少の赤字になることがわかっていても引き続きその契約を継続しようとするのが通常である。にもかかわらず、現在の八甲通り路上駐車場の指定管理者は、来年度以降引き続き指定管理者になろうとしなかったとのことであり、その意図は不可解である。指定管理業務が全く採算に合わないために応募しないのだとすれば、指定管理者の募集内容にそもそも問題があることになるが、そうではないのに応募しないのだとすれば、その企業理念等に問題があることも考えられ、やはり、議案第199号の審査はより厳しくなされるべきであると改めて思う」との意見が出され、本案については、全員異議なく、原案のとおり可決すべきものと決したものである。
次に、議案第225号「公の施設の指定管理者の指定について(青函連絡船メモリアルシップ八甲田丸及び青森港旅客船ターミナルビル)」であるが、審査に当たって理事者側から次のとおり説明を受けた。
本案の対象となる施設は、青函連絡船メモリアルシップ八甲田丸及び青森港旅客船ターミナルビルである。
指定管理者候補者の選定に当たっては、選定基準及び配点として、「管理運営全般について」を20点、「管理について」を45点、「運営について」を40点、「効率性について」を25点とし、これら4項目の合計で130点を満点した。
また、候補者の水準を確保するため、各項目において「普通」と評価される場合の合計点である70.5点を最低得点として設定しており、これを下回る場合は選定しないこととしている。
個別項目の採点基準については、各評価項目について「大変よい」から「全く不十分」までで評価している。
指定管理者候補者の選定に当たっては、指定管理者選定評価委員会を本年11月6日に開催して選定したところであり、応募団体は、特定非営利活動法人あおもりみなとクラブの1者であった。
選定審査の結果、応募資格を満たしていること、評価点数が100.90点で最低得点の70.5点を上回っていることから、平成28年度から5年間の指定管理者候補者として、特定非営利活動法人あおもりみなとクラブを選定したところである。
以上が説明の概要であるが、本案については、全員異議なく、原案のとおり可決すべきものと決したものである。
なお、以上の議案審査の終了後、指定管理者制度全般に関することとして、一部委員から「指定管理者候補者の選定基準として、職員の雇用・労働条件に関する評価項目があるが、議案第200号を初めとする複数の議案において、指定管理者候補者の得点が5点満点中2点となっており、かなりの低い点数である。このような点数で、職員の労働条件はしっかりと守られるのか」との質疑に対し、「当該評価項目については、市が示した賃金等の額を下回る提案を応募者がした場合、評価点数が下がる仕組みとなっているが、実情としては、雇用される側が年収130万円未満となるような短時間雇用を望んでおり、それに合わせた提案を応募者が行うため、結果として人件費が下がることで当該項目の評価点数も下がっているものである。すなわち、応募者である事業者としても、職員に係る社会保険料を負担せずに済むため、全体の人件費が抑制されているだけであり、法律上の問題があるわけではなく、劣悪な労働条件にあるというわけでもない。とはいえ、こうした採点の仕組みは見直す余地もあるのではないかと認識しており、今後、指定管理者制度全般を所管する市民政策部等と協議していきたいと考えている」との答弁があり、このほか一部委員から次のような意見・要望が出された。
1 雇用・労働条件は、働く者にとって非常に重要な事項であり、指定管理者であるならば、しっかりと対応してもらいたい
1 議案第200号の古川市民センターについても、職員の雇用・労働条件に関する評価項目が5点満点中2点となっているが、実際には地元住民をしっかりと雇用し、必要な配慮もなされていることから、このような誤解を生む採点方法は見直してもらいたい
次に、12月16日に開催した本委員会において、さきの本委員会で閉会中の継続審査とすべきものと決した議案第199号「公の施設の指定管理者の指定について(青森市青森駅前自転車等駐車場)」を改めて審査したが、審査に当たって理事者側から次のとおり説明を受けた。
本案の指定管理者候補者として提案している青森アドセック株式会社の青森営業所の営業状況及び勤務者の現況についてであるが、同社は、代表取締役が小林正基であり、本社を青森県上北郡六ヶ所村大字尾駮字家ノ前1番地106に置き、平成22年2月に本市中央二丁目1番18号中央大橋ビル3階に青森営業所を開設し、市内民間企業の受付、車両管理、警備を行っているほか、保養所の管理・調理を行っている。また、平成23年4月からは、青森市八甲通り路上駐車場の指定管理業務を行っている。
同社の青森営業所に常駐している者は、代表取締役、企画営業部長及び事務員の3名となっている。
同社が本市内において営業活動を行い、法人市民税等の未納がないことについては、完納証明書によって確認されており、当該企画営業部長及び事務員が青森営業所に勤務していることについては、労働契約書によって確認されている。また、代表取締役については、本人から聞き取りを行い、青森営業所勤務であることを確認している。
指定管理者候補者の青森営業所における営業活動及び常駐する者の現況は以上であるが、さきの本委員会で速やかにその説明ができなかったことについておわび申し上げる。
以上が説明の概要であるが、審査の過程において一部委員から「現在、青森アドセック株式会社が指定管理者となっている八甲通り路上駐車場は、何名の従業員が配置されているのか」との質疑に対し、「管理人として3名配置されているが、通常の勤務体制は2名となっており、これを当該3名による交代勤務で行っている」との答弁があり、また、一部委員から「青森アドセック株式会社については、青森営業所に従業員が常駐していることが証明されたとは思うが、同社は六ヶ所村に本社があり、青森駅前自転車等駐車場の指定管理者としてわざわざ市外の事業者を指定することは疑問である。また、現在同社が指定管理者となっている八甲通り路上駐車場についても、これまでの指定管理期間においてしっかりと管理されてきたとは思えない。そもそも指定管理者制度の導入を拡大すること自体に反対する立場でもあり、本議案には反対する」との意見が出され、本案については、起立採決の結果、賛成多数をもって、原案のとおり可決すべきものと決したものである。
(以 上)
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都市建設常任委員長報告書(審査経過及び結果)
初めに、議案第190号「青森市営一般乗合自動車料金条例の一部を改正する条例の制定について」であるが、審査に当たって理事者側から次のとおり説明を受けた。
本件は、北東北ウェルカムカードの利用の終了に伴い所要の整理をするため、青森市営一般乗合自動車料金条例の一部を改正しようとするものである。
北東北ウェルカムカードは、北東北3県の国際観光振興を目的に、北東北国際観光テーマ地区推進協議会が平成16年から発行しているものであり、在留期間1年以内の外国人が青森県、秋田県及び岩手県内の協賛する宿泊施設、観光施設、交通機関等を利用する際に、当該カードを提示することにより、各種料金の割引等の優遇を受けることができるものである。
交通部においても当該事業の目的に賛同したことから、当該条例の規定を整備し、当該カードの交付を受けた外国人が市営バスを利用する際の片道料金を5割引きとする優遇措置を講じてきたところである。
しかし、北東北国際観光テーマ地区推進協議会から事業を引き継いだ東北観光推進機構によると、近年、当該カード利用率の低迷が続き、事業効果も期待できない状況になったことから、事業継続の可否を協議し、その結果、北東北ウェルカムカードの事業廃止を決定したとのことであった。
当該カードは、平成27年3月31日で既に発行を終了しており、その利用期間についても平成28年3月31日をもって終了となることから、交通部においても当該カードに伴う優遇措置を廃止しようとするものである。
その改正内容であるが、第8条第1項第1号ハの条項を削除し、第8条第1項第1号ニの文言の整理と条項の繰上げを行うものである。
なお、施行期日は、当該カードの利用終了日に合わせ、平成28年4月1日としている。
以上が説明の概要であるが、本案については、全員異議なく、原案のとおり可決すべきものと決したものである。
次に、議案第232号「市道の路線の廃止について」及び議案第233号「市道の路線の認定について」の計2件については、内容に関連があることから一括議題とし、審査に当たって理事者側から次のとおり説明を受けた。
市道の認定は、道路法上の道路として道路管理者を決定し、適正に維持管理するために行うものであり、認定済みの路線の起点もしくは終点またはそのいずれもが変更となる場合や、2つ以上の路線を合わせて1つの路線とする場合などにおいて、旧路線を廃止すると同時に、新路線を認定するという手続が必要となる。
初めに、議案第232号「市道の路線の廃止について」であるが、今回、廃止しようとする路線は32路線であり、延長が5642.9メートル、面積が3万1447平方メートルとなっている。これら32路線は、道路用地の市への寄附や開発道路の市への帰属により、既に認定済みの路線の起点もしくは終点またはそのいずれもが変更となるため、旧路線を廃止し、新路線として再認定しようとするものや、石江土地区画整理事業による道路整備が完了したことに伴い旧路線を廃止しようとするものなどである。
廃止理由の内訳は、寄附によるものが8路線、開発行為に伴う帰属によるものが6路線、その他が18路線であり、その他18路線のうち、石江土地区画整理事業に関するものは12路線となっている。
その一部について説明する。
まず、A22-27旭町二丁目27号線については、その地先を寄附採納したため、当該路線を一旦廃止し、新たに寄附部分を含めA22-32旭町二丁目32号線として再認定しようとするものである。
また、F6-92西滝92号線及びF6-61西滝61号線については、その中間部分の寄附を受けたことで1路線とすることが可能となったため、当該2路線を廃止し、新たに寄附部分を含めF6-121西滝121号線として再認定しようとするものである。
次に、議案第233号「市道の路線の認定について」であるが、今回、認定しようとする路線は62路線であり、延長が9720メートル、面積が6万811平方メートルとなっている。これら62路線は、道路用地の市への寄附や開発道路の市への帰属により新たに認定する路線、既存路線を延長するため、一旦旧路線を廃止し新路線として再認定する路線、市で新たに築造した道路や橋を新たに認定する路線などである。
市では、平成27年3月26日の北海道新幹線開業や、来年度に実施される青森県・函館デスティネーションキャンペーンに向け、多様なプロモーションを実施しているところであるが、今般、国の交付金を活用して、津軽笑っせ劇場と青森の食をコラボレーションしたイベントを首都圏で開催し、強烈な本市の魅力のPRでさらなる観光誘客を図ることとした。
イベントの名称は、「あおもり発 津軽笑っせ劇場in世田谷~東京で青森を観る・聞く・食べる。~」と題し、本年12月13日、東京都世田谷区にある玉川区民会館で開催する。
世田谷区と本市とのつながりについては、これまでの同区桜新町と本市浪岡地区との交流の縁から、去る9月に桜新町においてねぶた運行をしたところであるが、今般のイベントの実施により、同区とのさらなる交流の促進を目指すこととしている。
イベントの内容であるが、ステージは4公演とし、津軽笑っせ劇場のレギュラーメンバーや歴代の青森県民謡王座等により、本場の伝統芸能を披露することとしている。また、青森の特産品をそろえた物産市のほか、ホタテや八甲田牛等の食材を使用したあおもり特製弁当を食しながら津軽三味線を楽しんでもらう「ランチLIVE」を実施する。
このほか、青森市観光PRコーナーやUターン・Iターンコーナーを設置しながら、移住、定住の促進も図ることとしている。
次に、冬のイベントについて説明する。
冬のイベントについては、北海道新幹線開業を見据え、冬季観光の充実と中心市街地のさらなる活性化を目的に、青森商工会議所や青森観光コンベンション協会及び各報道機関、各ベイエリア観光施設等とともに「こころ、あったか。あおもり冬感動プロジェクト実行委員会」を立ち上げ、実施しているところである。
同実行委員会が主催するイベントであるが、今年度は、昨年度よりも開始時期を早め、平成27年12月4日から平成28年2月7日までの66日間を会期とし、青森ベイエリアを会場に5つのイベントを順次開催する。
まず、初日の12月4日には、ワ・ラッセ西の広場において、イベントの幕あけとなるあおもり灯りと紙のページェントの点灯式を行い、園児のアトラクションや振る舞い鍋等で来場者をもてなすこととしている。このあおもり灯りと紙のページェントは、会期を通して、A-FACTORYからワ・ラッセを通ってラブリッジに至る青森ベイエリア遊歩道において、市民が制作した和紙オブジェ「雪だるま~る」を800体展示し、夜間には点灯するものである。
次に、八甲田丸イルミネーションについては、12月31日から2月7日までの39日間、八甲田丸の外観をイルミネーションで彩るものであり、初日は、大みそか恒例の八甲田丸カウントダウンにおいて、打ち上げ花火や汽笛の吹鳴とともにカウントダウン点灯を予定している。
次に、あおもり雪灯りまつりについては、1月29日から同月31日までの3日間、ワ・ラッセ西の広場において開催するものであり、市民や事業所、各種団体の関係者が参加し、自分たちの好きなモチーフでつくった雪の灯籠が設置された会場は、雪とキャンドルによる幻想的な空間を演出する。また、期間中は、雪明かり3000個への点灯作業等に市民ボランティアの協力を得ることとしている。
次に、青森冬まつりについては、2月6日及び同月7日の2日間、青い海公園アスパム裏を会場に開催するものであり、陸上自衛隊第5普通科連隊の協力により、雪の大型滑り台や雪像を制作するほか、本市ならではの親子で雪を楽しめるような催しも予定している。
さらに、2月6日の夜には、今回で4回目となり、市民にも毎年好評を得ているザ・もつけ祭り&冬花火をワ・ラッセ西の広場において開催することとしており、ねぶたみこしの運行や雪上綱引き大会を行い、フィナーレを冬の花火で飾るなど、会場に詰めかけた多くの者に、熱い青森の冬で大いに盛り上がってもらいたいと考えている。
なお、同実行委員会が主催するこれらのイベントのほかにも、浪岡地区の細野相沢冬物語やモヤヒルズのウインターフェスティバルなど、他団体が主催するイベントとも連携を図りながら、市内で開催される冬のイベントの情報発信に努めていく。
次に、青森駅周辺整備推進事業について説明する。
青森駅周辺整備推進事業については、平成24年2月に青森駅を中心としたまちづくり基本計画を策定し、青森駅複合拠点プロジェクトと総合交通ターミナル充実プロジェクトの2つの重点プロジェクトに取り組むこととしてきたところである。
こうした中で、昨年度末、概算事業費が当初計画の約1.5倍になるとの検討結果が出されたことから、市では、事業費縮減に向け、JR東日本に協力を依頼し、おおむね本年度末での判断を目指すこととしたほか、青森駅から市役所にかけてのまちづくりについて関係団体等から意見を聞くことについても進めていきたいと考え、本年7月、その旨を各派代表者会議、議員への説明会及び臨時記者会見において説明したところである。
このうち、青森駅から市役所にかけてのまちづくりについて関係団体等から意見を聞くことについては、市が現在進めている中心市街地活性化の取り組み及び市役所庁舎建設事業を踏まえ、青森駅・中心市街地・市役所の各施設をつないで育むまちづくりを推進することを目指し、去る11月11日、第2回青森駅を中心としたまちづくり有識者会議をウエディングプラザアラスカにて開催したところである。
当日の出席者は、代理出席を含め、委員14名中13名であり、会議の内容としては、事務局から青森駅周辺整備推進事業の今後の方向性及び本年7月に示した市の判断について説明した後、にぎわいづくりについて、現在中心市街地で行われている取り組みや他都市の事例に関し委員と情報共有することにより、将来のまちづくりに何が必要なのかの議論を今後進めていきたいと考え、2名の出席委員からにぎわいづくりの取り組み事例の紹介があった。具体的には、新町商店街が専門店ならではの各店舗の逸品を市民や観光客に紹介しながらツアーを行っている「しんまちの逸品」等の取り組みや、中心市街地の空き店舗を活用して芸術活動を行うなど、文化・芸術振興からの地域の活性化を創出することを目指しているアートで音楽のあるまちづくり等の活動についての紹介があったところである。これらの事例から、一過性のイベントで人を集めることを目的としている町ではなく、町の中ににぎわいを継続させる活動があることが、再生や元気につながるということを情報共有した。
その後の意見交換では、委員から、青森駅周辺整備に関することとして、「駅から庁舎までをつなぎ活性化を図るということが、どういう状況にあるのか示していただかないと具体的な話ができない」との意見があったほか、まちづくりに関することとして、「一過性ではなく、持続可能なまちづくりをしっかりしていかなければならない」、「新町商店街の取り組みを伺って、イメージが変わった。この活動をいろんな人に知ってもらい、参加すれば、商店街のイメージが変わる期待感を感じる」、「大人も子どもも集まるように今までとは違った手法を行うことが大事」、「ハード整備だけではなく、地元の熱意のある取り組みが必要」、「まちに貢献したい気持ちがあれば、何度も足を運ぶこととなるから、そのような場、空間、時間づくりをすべき」、「新町を必要とし利用する人にとって、役立つまちとしての取り組みを続けていることが大切」といった意見が出された。
また、会議の座長である北原啓司氏からは、「駅から庁舎までのまちづくりを考えたときに、その間がどう変わっていくかが重要である。青森は、ポテンシャルもあり、コンテンツもあり、いろんな人もいる。よいものがあるのだからこそ、もっと町を歩いてもらうことが重要で、青森が持っている魅力をクリエーティブなものにつなげ、もっと引き出す。イベントなど非日常的なことを、日常的なことにつなげる努力が必要である」との意見が寄せられたところである。
今後については、今回の会議で寄せられた委員の意見を踏まえた上で、青森駅・中心市街地・市役所の各施設をつないで育むまちづくりを推進するよう意見を聞いていきたいと考えており、今年度末までに2回程度会議を開催する予定としている。
なお、会議当日の資料及び会議概要については、会議録を取りまとめ次第、全議員に配付したいと考えている。
次に、石江土地区画整理事業一般保留地について説明する。
当該保留地に関しては、本年3月19日に事業決定した区画番号2)-1の変電所について、事業者である東北電力株式会社と本年9月28日に売買契約を締結した。
今後は、事業決定されていない新青森駅東側の7区画についても、一般保留地購入助成制度等の各種助成制度のPRを行うなどしながら、引き続き販売に努めていく。
次に、アウガについて説明する。
初めに、青森駅前再開発ビル株式会社の10月の店頭売上高及び買い物客数であるが、店頭売上高は、速報値で1億839万6000円であり、損益試算比80.7%・前期比89.3%となっており、買い物客数は、速報値で5万8809人であり、前期比88.7%となっている。
次に、第24期におけるテナント出退店及び空き区画の状況であるが、これまで4店舗が退店する一方で、5店舗が出店し、本年11月11日時点の空き区画数は、1階の2区画及び2階の2区画の計4区画となっている。なお、出店した5店舗のうち3店舗が、本年11月末までの短期出店となっている。
次に、同社の今期上半期の経営状況であるが、店頭売上高は7億4729万円で、損益試算比93.4%・前期比92.7%となり、収入合計は2億4978万1000円で、損益試算比較では1234万1000円のマイナスとなっている。
経費合計は2億8446万5000円で、損益試算比較では525万4000円のマイナスとなっている。
営業損益は3468万3000円の赤字となり、損益試算比較では708万6000円のマイナスとなっており、営業損益に営業外収益と営業外費用を加えた経常損益は3663万3000円の赤字となり、損益試算比較では442万9000円のマイナスとなっている。
経常損益に特別損失を加えた当期純損益は3666万2000円の赤字となり、損益試算比較では445万8000円のマイナスとなっている。
次に、同社の今期上半期終了時点での貸借対照表であるが、資産の部にあっては、流動資産合計が2億30万3000円、固定資産合計が34億9583万1000円で、資産合計は36億9613万4000円となっている。
負債の部にあっては、流動負債合計が1億4968万2000円、固定負債合計が32億7944万円で、負債合計は34億2912万3000円となっており、純資産合計は2億6701万1000円で、負債及び純資産合計は36億9613万4000円となっている。
次に、同社の現預金残高であるが、今期上半期終了時点で7652万4000円となっている。
次に、同社等に対する訴訟についてであるが、同社が設置し、本年5月に解散したアウガ経営改善委員会の委員長であった五十嵐永吉氏が、同社及び副市長であり同社の代表取締役副社長であった加賀谷久輝氏に対して訴訟を提起したことについては、去る10月21日開催の文教経済常任委員協議会において、訴状は届いていなかったものの取り急ぎ報告したところである。
今般、同社から市に対し、当該訴訟について、本年11月3日に青森地方裁判所から訴状の送達を受けた旨の報告があった。
訴状の内容については、市が同社から聞き取りするとともに、青森地方裁判所で閲覧、確認したところ、原告は五十嵐永吉氏で、被告は青森駅前再開発ビル株式会社及び加賀谷久輝氏であり、訴えの内容は、「青森駅前再開発ビル株式会社が、アウガ経営改善委員会を理由もなく解散し、それに基づき、同社の代表取締役である加賀谷副市長が誤った内容を市議会で答弁し、事実に反する解散理由をマスコミに説明したことにより、五十嵐永吉氏が精神的苦痛を受け、それを慰謝するために、同社と加賀谷久輝氏に対し500万円の損害賠償を求めるものである」とのことであった。
今後、同社では、顧問弁護士と相談し、適切に対応していくとのことである。
次に、本年8月2日、市長が同社の代表取締役会長として、アウガ前で通行人にうちわとリンゴジュースを無料で配布し、アウガの利用を呼びかけた行為に係る弁護士への確認結果についてであるが、このことについては、本年第3回定例会一般質問において、赤木長義議員から「うちわ等の配布については、市長の立場では、法律がうたう利益供与に当たるのではないか。市の弁護士に確認した上で、議会に報告してもらいたい」との要請があったところである。
これを受け、市の顧問弁護士に確認したところ、無償で物品を配布する行為は、一般的な意味合いでの利益供与に該当するものの、今回市長がビル会社の代表取締役会長として行ったうちわ等の配布は、会社法の観点では、一般の市民や観光客に対して行われた行為であり、株主に対して行われた行為ではないこと、また、公職選挙法の観点では、市長としてではなくビル会社の代表取締役会長として行った行為であるとともに、うちわのデザインも、アウガの名が記されたものであり、その対価性も低く、ビル会社の販売促進活動の一環として配布する際に相当であると認められるものであることから、会社法及び公職選挙法に抵触しないとのことであった。
以上が説明の概要であるが、審査の過程における主なる質疑応答は次のとおりである。
1 「『あおもり発 津軽笑っせ劇場 in 世田谷』に係る予算額は、どの程度か」との質疑に対し、「国の地域活性化・地域住民生活等緊急支援交付金を活用して実施するものであり、事業費は657万8000円である」との答弁があった。
1 「『あおもり発 津軽笑っせ劇場 in 世田谷』に係る各種発注業務は、どのような方式で行っているのか」との質疑に対し、「イベントを主催する実行委員会に交付金を宛てがい、当該実行委員会において、コーディネーターとなる企画会社により業種ごとに看板やチラシ等の各種事業者に発注する方式であり、形態としては随意契約によるものである」との答弁があった。
1 「『あおもり発 津軽笑っせ劇場 in 世田谷』の総合プロデュースを務める者の事務所が、イベントを主催する実行委員会と関係していることはないか」との質疑に対し、「総合プロデュースと司会は別の者が務めることとしており、市内の企画会社が総合運営する形となっている」との答弁があった。
1 「津軽笑っせ劇場が開始した当初、その主催者から、県外から本市に観光客を呼び込むため、津軽笑っせ劇場はあくまでも本市で開催するという話を聞いたことがある。この話をした主催者は、今回のイベントの総合プロデュースを務める者であるが、今回のように県外で津軽笑っせ劇場を開催することに関し、その者から異論や抵抗は示されなかったか」との質疑に対し、「特にそのようなことは聞いておらず、各出演者は自分たちの演技を披露できることを喜んでいると聞いている」との答弁があった。
1 「津軽笑っせ劇場は、本市での開催を観賞してもらうという当初のコンセプトからやや軌道修正し、今後は世界にアピールするため、東京に打って出るという理解でよいのか」との質疑に対し「今回の『あおもり発 津軽笑っせ劇場 in 世田谷』は、あくまでも本市への誘客を目的とするものであるが、首都圏で本市の魅力を食とともにPRすることのほか、世田谷区との交流の一環としても実施するという2つの側面がある」との答弁があった。
1 「今回、津軽笑っせ劇場を県外で実施することとした判断は、市の意向として、主催者である実行委員会に要請してなされたものなのか。あるいは、実行委員会の中で協議した結果なのか」との質疑に対し、「市も実行委員会の構成員となっているが、市の意向を踏まえつつ、実行委員会の総意で決定したものである」との答弁があった。
1 「通常行われている津軽笑っせ劇場に係る経費は、市も負担しているのか」との質疑に対し、「観光誘客施策の一環として市の予算も投入しており、そのほか入場料等で運営している」との答弁があった。
1 「津軽笑っせ劇場の開催のために使用している『ねぶたの家 ワ・ラッセ』のイベントホールの使用料等は、支払われているのか」との質疑に対し、「主催者である実行委員会の運営費の中から、当該使用料のほか、出演者の出演料やポスターの作成、音響設備の手配等に係る経費を事業者ごとに支払っている」との答弁があった。
1 「津軽笑っせ劇場に対する市の年間支出額は幾らか」との質疑に対し、「市から実行委員会に対する負担金が年間420万円となっている。また、入場料収入については、前売り券を1枚1000円として、観覧席が180席あり、年間194万4000円の予算を見込んでいる」との答弁があった。
1 「『あおもり発 津軽笑っせ劇場 in 世田谷』では、来場者に青森の食材も提供する予定とのことだが、具体的に何を提供するのか」との質疑に対し、「本市産のホタテや八甲田牛等の食材を使用した特製弁当を提供し、青森の食をPRするとともに、同じ会場に観光パンフレットを置き、本市への誘客を図ることとしている。また、当該弁当は、イベントの会場では直接調理することができないため、都内の業者において調理した弁当を持ち込んで提供することとしており、価格については現在調整中である」との答弁があった。
1 「津軽笑っせ劇場を今回初めて世田谷区で開催するとのことであり、この機会を生かすためには、来場者に提供する食材についても、実際に青森に来て食してもらうことを想定しながら取り組むべきと思うが、どうか」との質疑に対し、「今回行う物産市や弁当の提供については、ホタテ、八甲田牛、リンゴ等の青森の食材を現地でPRしながら、青森を訪れてこれらを食してもらうよう誘導する事業として考えている」との答弁があった。
1 「本市の特色ある食材として七子八珍があるが、今回『あおもり発 津軽笑っせ劇場 in 世田谷』で提供する弁当については、こうした食材を使用することは考えていないのか」との質疑に対し、「七子八珍も確かに食材の1つであるが、今回に限っては、ホタテや八甲田牛を食材の代表として用いた弁当を提供することとしている。また、七子八珍等についても、観光パンフレット等でPRしている」との答弁があった。
1 「『あおもり発 津軽笑っせ劇場 in 世田谷』については、これまでの世田谷区桜新町と浪岡地区の20年来にわたる交流を踏まえ、さらに別な形で本市をアピールすることになるかと思うが、どのように考えるか」との質疑に対し、「これまで当該交流活動を踏まえながら、これが発展した形となり、首都圏における観光PRという面において一定の成果に結びついたものと考えている」との答弁があった。
1 「世田谷区とは、本市のほか、県内では八戸市及び西目屋村が交流を持っているようであるが、特に西目屋村では、世界自然遺産である白神山地を大いにアピールしており、また、他の県内市町村でもさまざまな形で東京にアピールしている。本市でも、いかに首都圏にPRしていくかが肝要であり、交流のある世田谷区や中野区などと連携しながら取り組んでいくことが必要であると思う。その中では、物産品の販売や観光のPRにも当然取り組んでいくと思うが、どのような形で進めていくのか」との質疑に対し、「今回の『あおもり発 津軽笑っせ劇場 in 世田谷』では、物産・観光のPRや、Iターン・Uターンによる移住、定住の促進も図ることとしているが、世田谷区とどのような形で進めていくかについては、今後の課題として同区と協議していくことになると思う」との答弁があった。
1 「今回開催する『あおもり発 津軽笑っせ劇場 in 世田谷』については、これまでの世田谷区と浪岡地区との20年来の交流を生かし、単発で終らせることなく、今後もさらに取り組みを進めてもらいたいと思うが、どのように考えるか」との質疑に対し、「今回のイベントは、世田谷区の好意により実施することとなったものであるが、市としても、今回限りで終わらせるのではなく、今後さらに発展させていきたいと考えている」との答弁があった。
1 「青森駅前再開発ビル株式会社がアウガ経営改善委員会を解散したことに関して同社等が訴えられた訴訟において、原告は、ビル会社の代表取締役であった加賀谷副市長が誤った内容を市議会で答弁したと主張しているとのことだが、具体的に何をもって誤った内容だと主張しているのか」との質疑に対し、「市としては、加賀谷副市長の発言について、アウガ経営改善委員会がビル会社の守秘義務等に反して情報を漏えいし、コンプライアンス違反があったことから、取締役会で同委員会の解散を決めたという説明をしたものと捉えているが、原告は、このことが誤った説明であると主張しているようである」との答弁があった。
1 「市長が青森駅前再開発ビル株式会社の会長としてうちわを配布した行為については、公職選挙法上問題がないとのことであるが、そうだとすれば、我々議員も、例えば何かの会社名を表示したティッシュペーパーを街頭で配布しても問題ないのではないかと思うが、そのような理解でよいのか」との質疑に対し、「今回のうちわの配布については、市長があくまでもビル会社の会長として行った行為であったことから、公職選挙法上の問題はないとのことであったが、市長の立場として行うような場合は、それが公務なのか、あるいは個人的な宣伝行為なのかによって判断されることになると思う。したがって、指摘のようにティッシュペーパーを配布する行為の是非について、この場で言及することはできかねる」との答弁があった。
1 「青森駅前再開発ビル株式会社等に係る今回の訴訟は、同社と加賀谷副市長を相手方とするものだが、加賀谷副市長に係るものは、同副市長個人を訴えたものではなく、市を訴えたものなのか」との質疑に対し、「今回の訴訟は、ビル会社と加賀谷久輝氏個人を相手方とする訴えである」との答弁があった。
以上が審査の過程における主なる質疑応答であるが、このほか一部委員から次のような意見・要望が出された。
1 青森のPRを行うことは大事なことであり、県でもさまざまな活動を行っているが、今回の「あおもり発 津軽笑っせ劇場 in 世田谷」が果たして本市のために有益なものなのか疑問である
1 世田谷区桜新町とは、浪岡地区が20年来の交流を続けてきており、アップルヒルで行われるりんご花まつりにも桜新町の商店街関係者が訪れるなど、以前からつながりが深い関係にある。こうした中で、国の交付金を活用した今回の「あおもり発 津軽笑っせ劇場 in 世田谷」が開催されることは、これまで浪岡地区で取り組んできたことが大きく発展したようで、非常にうれしく思う
1 世田谷区桜新町と交流のある浪岡細野地区では、グリーンツーリズムを初め、田舎のよさを前面に出した取り組みを行っており、餅や漬物等の地場産品を桜新町の商店街の祭りで提供するなどしている。また、世田谷区民まつりでねぶたを運行する等の交流も行われている。このような中で、現在、日本版CCRC構想の議論も展開されているが、いかに首都圏の人々に青森を知ってもらい、青森に来てもらうかが重要である
1 これまで浪岡地区が取り組んできた世田谷区桜新町との交流については、やはりおのずと一定の限界もあったところである。こうした点を考慮すれば、今後は市の経済部が主導権をとって取り組んでいくことにより、また新たな側面も見出していくことができるのではないかと思う。今回の「あおもり発 津軽 笑っせ劇場 in 世田谷」は、国の交付金によって実施するとのことであるが、こうした国の支援があるのであれば、これを100%活用してぜひ青森をアピールしてもらいたい
1 「あおもり発 津軽笑っせ劇場 in 世田谷」の是非については、さまざまな意見があると思うが、その費用対効果等についてはしっかり検証する必要がある。その検証をしないまま、漫然とイベントを実施することはやめてもらいたいと思う
1 イベントによって青森のPRを行うことは有意義だとは思うが、やはり、費用対効果等さまざまな側面からその有効性を考える必要がある。今回、せっかく世田谷区で津軽笑っせ劇場を開催しておきながら、現地の住民が実際に本市で開催されている津軽笑っせ劇場を鑑賞しに来た際は、必ずしも今回の出演者全員が出演しているとは限らないのではないか。そうだとすれば、本市の津軽笑っせ劇場を見たくて訪れた観光客を満足させられないことになる。津軽笑っせ劇場にも公費が投じられており、庁内の検討組織や市民意見による事業効果の検証は、その都度行うべきである。総合プロデュースを務める者を初めとする関係者は、もちろん本市のためにその活動を行っているものと思うが、やはり定期的な検証を行い、次年度以降の取り組みを検討することが必要であると思う
1 市では先般、第2期冬期バリアフリー計画を策定したが、青森駅周辺整備推進事業に関し、青森駅・中心市街地・市役所の各施設をつないて育むまちづくりのためにまちなかを歩いてもらうことが重要であるとするならば、同計画と青森駅を中心としたまちづくりをリンクさせることが必要であり、しっかりとその方向で取り組んでもらいたい
1 青森駅周辺整備推進事業については、これを着実に進めるという市長の姿勢が必要であり、その担保のもとで有識者から意見を聞けば、今以上に参考となる意見が多く出てくると思う。市長の姿勢がはっきりしないままでは、青森駅を中心としたまちづくりの方向性等も不透明である
1 青森駅周辺整備推進事業は、これに着手するという市長の決断がおくれたために当初計画から事業費が膨れ上がったものであり、速やかに事業に着手していれば、現在のような事態にはならなかった。それにもかかわらず、単に事業費が約1.5倍になったことにだけ力点を置くような市長の姿勢は、許しがたいものがある。仮に、JR東日本が独自に青森駅のバリアフリー化を実施してしまえば、もはや市が協議する余地はなくなってしまうことから、架空の議論ではなく、確実に事業を実施するという市の姿勢を明確にした上での議論が必要である
1 青森駅を中心としたまちづくり有識者会議の委員は、単に青森駅の問題として捉えるのではなく、まちづくり全体の視点から検討してもらえるような委員構成となっており、大いに期待している。単なる充て職の委員による通り一遍の意見だけでは、なかなか議論が進まない面もあることから、青森駅の整備のみならず、まちづくりをどのように考えていくかという点において新しい視点から適切な提案をするような方を、今後も随時委員等に加えてもらいたい
1 アウガに関し、市長が本年8月に通行人にうちわを配布した件については、本年10月に開催された文教経済常任委員協議会において、市から誤った説明がなされたようである。市としては、青森駅前再開発ビル株式会社から聞き取った内容をそのまま議会に説明したものと思うが、そうだとすれば、事実を誤認したビル会社は全く会社の体をなしていない。同社の体質として、仕事に対する意識が欠如していると言わざるを得ず、この点については改めて改善するべきである。第三セクターだからといって市に甘えるのではなく、きちんと自分の仕事に責任を持ってもらうとともに、市としても、同社の筆頭株主としてきちんと指導してもらいたい
1 市長がアウガ前で通行人にうちわ等を配布した件に関しては、それがビル会社の会長として行ったものだとしても、それを受け取った市民や観光客は、会長としてではなく、あくまでも市長から受け取ったものと認識するはずであり、そこは肝に銘ずるべきである。今回の件は、市長の無用なパフォーマンスから生じたものであり、今後は慎重な対応を求めたいと思う
以上が主なる意見・要望であるが、本委員会は、今後とも所期の目的を達成するため、さらに閉会中の継続審査とすべきものと決したものである。
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委員会名 議会広報広聴特別委員会
事 件 議会広報広聴について
理 由
閉会中の9月28日及び10月20日に本委員会を開催したが、まず、9月28日に開催した本委員会においては、初めに、あおもり市議会だより第43号の編集について、議会事務局及び委員長から次のような説明を受け、審査した。
協議事項の1)、トップタイトル、表紙の写真、トップリードについては、関連した内容とし、トップタイトルの参考案として、「青森市浪岡地域振興基金条例や平成26年度各会計決算など38件を可決」、サブタイトルについては、参考案の1として、「青森と首都圏をつなぐビジネス交流拠点構築事業費を含む補正予算を可決」、参考案の2として、「平成27年度一般会計補正予算案は、アウガ内に情報コーナー機能を整備する費用を削除した修正案を可決」など、平成27年第3回定例会で話題となった案件の掲載を予定しており、この内容でよろしいか、またその場合、いずれを掲載するのか協議をお願いする。
表紙の写真については、サブタイトルに関連した内容の参考案として、「市では、市内に起業相談等を行える地域交流拠点を整備しようとしている。写真は、新町通りにある現在の『起業・創業等相談ルーム』」、「情報コーナー機能の整備が検討されていたアウガ4階の青森市情報プラザ(アイ・プラザ)」のいずれかの掲載を予定しており、この内容でよろしいか、またその場合、いずれを掲載するのか協議をお願いする。なお、トップリードについては、本日の決定を受けて、トップタイトル等に連動させた内容で議会事務局が作成する。
協議事項の2)、可決された主な議案については、参考案として、平成27年第3回定例会で審議され話題となった案件などを考慮し、1つに、青森市浪岡地域振興基金条例の制定についての概要、2つに、契約の締結について(青森市情報通信利用環境整備工事)の概要、3つに、財産の取得について(ロータリ除雪車の購入)の概要、4つに、市町村建設計画「青森浪岡21世紀まちづくりビジョン」の変更についての概要、また、5つに、平成27年度青森市一般会計補正予算(第4号)の主な事業である、青森と首都圏をつなぐビジネス交流拠点構築事業、農業移住・新規就農サポート事業、庁舎等耐震対策事業、青森市浪岡地域振興基金積立金、古川一丁目12番地区優良建築物等整備事業、まちなか保健室運営事業のそれぞれの概要の掲載を考えているが、この内容でよろしいか協議をお願いする。
協議事項の3)、編集後記については、本委員会において、編集後記の執筆順が決定されていることから、新政無所属の会会派が執筆することとなるが、中村節雄委員と中村美津緒委員のどちらが執筆者となるのか協議をお願いする。
協議事項の4)、その他の記事については、トピックスや傍聴の案内、市議会だより点字版・テープ版・CD版のPRなどの記事は、掲載スペースに余裕がある場合に掲載する取り扱いでよろしいか協議をお願いする。
以上が説明の概要であるが、審査の過程において一部委員から次のような意見が出された。
1 サブタイトルについては、議会で修正案を出しているため、アウガ内の情報コーナー等について触れるべきではないか
1 サブタイトルについては、ビジネス交流拠点にしたほうがよいと考える
1 アウガ内の情報コーナーは、新聞報道である程度知られていると思う。しかし、ビジネス交流拠点については、市民の方々は余りわかっていないのではないかと思うので、市議会だよりとしてお知らせする内容としては、サブタイトルにこちらを入れたほうがよいと考える
1 アウガ内の情報コーナーに係る予算の修正案は、議会として提出して議決をした大きな成果でもある
1 アウガ内の情報コーナーに係る予算の修正案については、これ以上取り上げなくてもよい
1 アウガ内の情報コーナーの設置は、一般質問、予算特別委員会等で非常に議論が多かったテーマであるので、それに触れないのも不自然だという感じがする
以上が主なる意見であるが、あおもり市議会だより第43号の編集については、本委員会での審査を踏まえ、サブタイトルは、「青森と首都圏をつなぐビジネス交流拠点構築事業費を含む補正予算を可決」に、表紙の写真は、サブタイトルに関連した「市では、市内に起業相談等を行える地域交流拠点を整備しようとしている。写真は、新町通りにある現在の『起業・創業等相談ルーム』」に、編集後記の執筆者は中村節雄委員となることと決定され、それ以外の事項については、議会事務局及び委員長の説明のとおり決定された。
次に、新着図書について、議会事務局から次のような報告を受けた。
7月8日から本日までの間に購入または寄贈を受けた新着図書は、購入1冊、寄贈1冊の計2冊である。
なお、歴史に分類される図書名「皇室 Our Imperial Family 第67号」は、一般財団法人日本文化興隆財団より本年8月に寄贈を受けたものであり、議会図書室の新着コーナーに備えつけている。
以上が報告の概要であるが、新着図書については、議会事務局の報告のとおり了承された。
次に、図書の購入について、議会事務局から次のような説明を受け、審査した。
市民クラブ会派から、青森県図書教育用品株式会社発行の「青森・東津軽の昭和」というタイトルの図書1冊の購入申し込みがあったこと、また、議会事務局から「国会便覧」を含めて4冊、合計で5冊の図書の購入を予定していることから、本委員会での承認が得られれば、速やかに購入手続を行いたいと考えている。
以上が説明の概要であるが、図書の購入については、議会事務局の説明のとおり決定された。
以上が報告の概要であるが、市議会だよりの改革については、委員長の報告のとおり了承された。
以上が主なる審査の経過であるが、本委員会は、今後とも所期の目的を達成するため、さらに閉会中の継続審査とすべきものと決したものである。
平成27年12月22日
雪対策特別委員会委員長 舘 田 瑠美子
まちづくり対策特別委員会委員長 木 戸 喜美男
議会広報広聴特別委員会委員長 渡 部 伸 広
4 議員提出議案一覧表(意見書)
議員提出議案第26号
青森県乳幼児はつらつ育成事業(子ども医療費助成事業)の拡充を求める意見書(可決)
本市の平成26年の合計特殊出生率は1.31(国、青森県はともに1.42)となっており、近年、わずかながら上昇傾向ではあるものの、依然として、人口維持に必要な率(2.07~2.08)からはかけ離れており、その対策が急務となっている。
青森県が平成25年にゼロ歳から15歳までの子どもを持つ親を対象に実施した「子どもと子育てに関する調査」によると、理想の子ども数は2.54人であるのに対し、予定の子ども数は2.17人と乖離があり、その理由としては、子育てに関する経済的負担が最も多く、若い世代ほどその負担を大きく感じているという結果になっている。
このようなことから、本市においては、人口減少対策として、より多くの子育て世代の経済的負担の軽減、子どもを産み育てる環境づくりのため、本年8月から、子ども医療費助成の対象を中学校3年生までの入院・通院に拡大した。
一方、青森県の乳幼児はつらつ育成事業は、就学前までの子どもを対象としており、また、所得制限が厳しく、4歳以上の子どもについては一部自己負担金も生じる制度となっている。
本市を初め、県内のほとんどの市町村は、この青森県の制度に加え、独自に対象者の拡大や負担軽減を図る助成を行っているが、市町村間で認定基準や助成範囲が異なり、住む地域によってサービス格差が生じている。
子どもを安心して産み、育てることができる社会の実現には、地方制度の安定化が必要であり、また、青森県内のどこに住んでも等しいサービスとするには、県による支援が不可欠である。
よって、青森県乳幼児はつらつ育成事業に関する以下の事項について要望する。
記
1 給付対象を中学校3年生までの入院・通院に拡大すること。
2 所得制限を緩和すること。
3 4歳以上の子どもに係る一部自己負担金を撤廃すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成27年12月22日
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議員提出議案第27号
夜間中学の整備と拡充を求める意見書(可決)
全国夜間中学校研究会の推計によると、15歳を過ぎて義務教育が修了していない者は百数十万人にも上るとされているが、現在、夜間中学は全国8都府県に31校しかなく、北海道、東北、北関東、中部に加え四国や九州には、自主夜間中学はあっても、夜間中学は1校もない状況にある。また、現在、夜間中学在籍者のうち外国人が占める割合は8割を超え、その約6割は日本語の習得を目的としているが、この夜間中学で学ぶ外国人の中には、日本の義務教育を終えていないために、就職や進学ができず困っている方も多くいる。
地域においては、言葉とともに日本の文化や社会の仕組みについて知らなければ、長く住む上でいろいろな問題が生じる。夜間中学の現状から考えると、日本に住み、日本語を学びたい外国人に対応した整備と拡充が求められる。一方、夜間中学がある地域においても、入学要件が「市内在住」もしくは「市内での一定期間の正規就労」などとなっており、夜間中学が開設されている自治体以外に住む方々の就学の機会が制約されている状況がある。
このような現状に適切に対応することで、地域の活性化や治安の改善にも資すると考えられ、また、政府が掲げる一億総活躍社会を実現するため、国籍や居住地等に関係なく、希望する人々に対して夜間中学への就学の機会を提供できるようにすることが必要である。
よって、政府に対し、夜間中学の整備と拡充のための以下の取り組みについて迅速に対応するよう求める。
記
1 年齢、国籍、居住地等に関係なく、希望する誰もが学べる夜間中学の全都道府県への設置を促進すること。
2 夜間中学における日本語教育のため、教員の加配を含めた専門家の配置について、国と都道府県が連携して財政支援を行うこと。
3 義務教育未修了者や在留資格を持つ外国人が夜間中学の情報を入手しやすいように配慮した広報の展開や、低所得者に対する教材費など、減免の誘導策を推進すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成27年12月22日
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議員提出議案第28号
ブラッドパッチ療法の保険適用及び脳脊髄液減少症の治療推進を求める意見書(可決)
脳脊髄液減少症は、交通事故、スポーツ外傷等の身体への強い衝撃により、脳脊髄液が漏れ、頭痛、目まい、吐き気、倦怠感等のさまざまな症状が発症する病気である。その症状は外見的には見えないため、患者及びその家族は、医療現場や交通事故時の保険関係者の無理解に、肉体的、精神的な苦痛を味わってきた。
国は、平成19年に厚生労働省の研究班を立ち上げ、平成23年には、脳脊髄液減少症の一部である脳脊髄液漏出症の診断基準が定められた。また、平成24年には、ブラッドパッチ療法が先進医療として承認され、平成26年1月に行われた厚生労働省の先進医療会議においては、ブラッドパッチ治療の有効率は82%(527件中432件が有効)と報告されたところである。さらに、外傷を機に発生する脳脊髄液の漏れの診断基準の研究がなされており、ブラッドパッチ療法の保険適用が切に望まれる。
よって、国においては、次の事項について早期に実現されるよう強く要請する。
記
1 脳脊髄液減少症の治療法であるブラッドパッチ療法(硬膜外自家血注入療法)を保険適用とすること。
2 脳脊髄液減少症に関する厚生労働省の研究事業において、18歳未満の症例を加えること。
3 脳脊髄液減少症の早期発見・早期治療のため、医療関係機関への情報提供を徹底すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成27年12月22日
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議員提出議案第29号
地方大学の機能強化を求める意見書(可決)
地方創生に向けた政府の総合戦略において、地方大学の果たす役割は重視されており、特に、地域ニーズに対応した人材育成や地方課題の解決への貢献、地元企業への就職率の向上・地元への若者の定着など、これまで以上の取り組みが期待されている。
しかし、国立大学法人運営費交付金は年々削減され、教育の質の低下や将来的な学生定員数の削減につながりかねない状況にあり、私立大学においても、少子化の進行による定員充足率の低下や私学助成の減額によって、大学経営そのものが大きな影響を受けている。
地方創生に向け、地域と大学がこれまで以上に積極的に取り組もうとする中、若者の地元定着や、地域のニーズに対応した人材育成などに大きな影響が出てくることが懸念されることから、以下の項目について強く推進するよう求める。
記
1 知の拠点である地方大学を地方創生の拠点として位置づけ、地域の産業振興・雇用創出に資する研究開発、若者の地元定着や地域人材の育成につながる教育など、地方創生に貢献する取り組みに対し、支援を図ること。
2 地域ニーズに即した人材育成や技術開発を初め、地域課題の解決に向けた地元自治体や産業界等と連携した取り組みに対し、支援の充実を図ること。
3 地方で若者が一定水準の専門知識を習得できるよう教育の質の確保を図るとともに、大学で学ぶ学生定員の確保のため、その基盤となる国立大学法人運営費交付金の充実及び私立大学に対する私学助成の拡充を図ること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成27年12月22日
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議員提出議案第30号
子どもの医療費無料化と国民健康保険に係る国庫負担金減額の
ペナルティーをやめることを求める意見書(否決)
厚生労働省が発表した2014年度合計特殊出生率は1.42であり、人口を維持するのに必要な2.08への回復は依然として困難で、まさに危機的な水準を推移している。少子化の進行は一層の人口減少をもたらし、社会経済や社会保障に影響を及ぼすとともに、未来を担う子どもたちの健全な成長にも大きな影響を及ぼすことが懸念される。こうした中、子育て中の世帯への直接的な経済援助、育児への心理的支援は大変重要である。
国による子育て支援が不十分な中で、地方自治体は、子どもの医療費の無料化を求める声に応えて、子どもの医療費助成制度を拡充してきた。本市も、厳しい財政状況ながら、子どもの医療費の助成対象を中学生まで拡大するなど、子育てしやすい環境づくりに努力している。
子育て家庭の経済的負担を軽減することは、少子化対策の重要施策であり、全ての都道府県で子どもの医療費への助成を実施している。しかし、国においては何らの措置も講じておらず、早急な対応を求めるものである。
さらに、医療費助成の方法を窓口での支払いが不要な現物給付にした場合には、国民健康保険に係る国庫負担金が減額調整され、現物給付による助成を行っている市町村にとっては、財政運営上の大きな支障となっている。
今や日本の人口問題は喫緊の課題であり、国においても少子化対策を担当する大臣を配置し、子育てしやすい環境づくりに力を入れ、人口減少を食いとめようとしている。国民健康保険に係る国庫負担金の減額調整は、これに矛盾する措置である。
以上のことから、下記の事項について強く要望する。
記
1 子どもの医療費を無料化すること。
2 国民健康保険に係る国庫負担金の減額調整を廃止すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成27年12月22日
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議員提出議案第31号
若い人も高齢者も安心できる年金を求める意見書(否決)
消費税の増税、アベノミクスによる賃金の停滞や物価の上昇などにより、庶民の暮らしは苦しさを増している。法人税の減税、大企業・金持ち優遇の税制により、大企業は過去最高の内部留保をため込み、高額所得者が増大する一方、年金や医療、介護などの社会保障制度の改悪により、貧困と格差はますます広がっている。
安倍自公政権によって、正規労働者の減少と非正規労働者の拡大が進み、年収200万円以下のワーキングプアの拡大が国民年金の未納者を増大させ、将来、無年金・低年金者が続出することが懸念されている。
老齢基礎年金だけを受給している人は約800万人で、その年金額は月約5万円であり、高齢者の大半は低年金者である。この年金も毎年引き下げられており、年金生活者は悲鳴を上げている。ことしの3月までに2.5%の年金が引き下げられたが、4月からマクロ経済スライドが実施され、さらに0.9%が引き下げられた。マクロ経済スライドは、高齢者の平均余命の伸びと現役人口の減少を合わせた率で年金額を毎年引き下げていく仕組みとなっている。さらに政府は、65歳の年金支給開始年齢の引き上げや保険料の納付義務期間の延長なども狙っている。
以上のことから、ヨーロッパ各国で実施している最低保障年金制度を創設し、若い人も高齢者も安心できる年金制度を直ちに確立するよう、政府及び国会に対し、以下の事項を求める。
記
1 年金を毎年引き下げるマクロ経済スライドを廃止すること。
2 年金の支給開始の年齢引き上げ、保険料の納付義務期間の延長など、さらなる年金改悪はやめること。
3 全額国庫負担の最低保障年金制度を早急に実現すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成27年12月22日
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議員提出議案第32号
TPP交渉に関する意見書(否決)
TPP参加国は、10月5日に大筋合意し、11月5日にTPP協定に関する暫定案文を発表した。
この大筋合意は、米国産米・豪州産米合わせての約7.8万トンの特別輸入枠の設定を初め、牛肉の関税を15年かけて38.5%から9%へ引き下げることや、豚肉の関税を1キログラム当たり最大482円から10年後に50円に引き下げること、麦の事実上の関税であるマークアップの45%削減、米国、オーストラリア、ニュージーランドに対するバター・脱脂粉乳の輸入枠の設定、甘味資源作物の輸入枠の新設など、農産品重要5品目全てで譲歩するとともに、農産品重要5品目の細目(タリフライン)の3割で関税撤廃としている。