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  1. 青森県議会 2014-01-21
    平成26年商工労働観光エネルギー委員会 本文 開催日: 2014-01-21


    取得元: 青森県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-01-03
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 ○開 会  午前 11時00分 ◯寺田委員長  おはようございます。  ただいまから、商工労働観光エネルギー委員会を開きます。  委員長が所用のため、私、副委員長委員長の職を務めさせていただきます。  慣例により、会議の記録署名委員を指名いたします。  古村委員横浜委員にお願いいたします。  本日の審査案件は、特定付託案件であります。  なお、審査の順序は、エネルギー総合対策局関係商工労働部観光国際戦略局関係の順に行いますので御了承願います。  それでは、総合対策局関係審査を行います。  特定付託案件について質疑を行います。  質疑は所管外にわたらないよう簡明に願います。  なお、答弁者は挙手のうえ「委員長」と呼び、次に職名を言って発言を求めてください。  質疑はありませんか。──横浜委員。 2 ◯横浜委員  皆さん、どうも今年もまたよろしくひとつお願いします。  エネルギー政策につきまして質問させていただきます。  昨年の12月に国の総合資源エネルギー調査会エネルギー基本計画に対する意見が取りまとめられました。前政権時代に、荒唐無稽な革新的エネルギー環境戦略がつくられまして、原子力ゼロ政策が展開されたわけですが、今回の新エネルギー基本計画案では、原子力について、エネルギー需給構造安定性を支える基盤となる重要なベース電源と位置づけられました。
     原子力規制委員会安全性を確認した原発については、再稼動を進めると明記されました。  私としては、原子力政策が大きく転換されたことは、大いに評価しているところでございます。  しかしながら、県内の原子力施設については、依然として厳しい状況下にあります。今後の展望も見通せない状況でございます。東北電力東通原発については、活断層可能性が指摘されまして、再稼動に向けた手続に入れないという状況が続いておりますし、六ヶ所、日本原燃におきましても、10月の完成に向け1月7日でしたか、安全審査原子力規制委員会に申請したものの、同様の活断層の議論をめぐって審査長期化が懸念されております。  また、大間原発につきましても、一昨年の10月に工事の再開をみているわけですけれども、新規制基準への対応等により、事実上、工事は停滞しております。  今後、新基準に対応した安全審査の申請を今春以降に行うとしておりますが、見通しが立っていない状況にあります。  こうした立地地域状況は、大変疲弊しております。地域社会地域経済が深刻な状況にあることは御承知のとおりでございます。  県として、こうした状況、課題をどのように認識し、解決に向け、どのような対策を図っていくつもりなのか、具体的にお伺いしたいと思います。 3 ◯大澤原子力立地対策課長  ただいま県内の原子力施設立地地域における経済状況を踏まえた県の対応と認識という質問がございました。  県といたしましては、やはり原子力施設の再稼動につきましては、やはり安全の確保が第一であり、原子力規制委員会による安全性の確認が前提になるものと考えてございます。  また、その一方で、原子力施設稼動できない状況が長引くことに関して、やはり立地地域経済等への影響が懸念されるところでございますから、この問題は全国的な問題でございますので、原子力発電関係団体協議会といたしまして、国に対し立地自治体現状意向等を踏まえ、適切に経済対策を早急に実施するよう、そのように要求しているところでございます。 4 ◯横浜委員  エネルギー総合対策局サイドからいえば、まずは安全性の確保をしていただきたいということ、そしてまた、国に対して、立地地域現状をとらえて働きかけるというスタンス、これは以前から変わらぬ国の動向を注視するというスタンスであろうと思います。  しかし、立地地域は、御承知のとおり、長い歴史の中で国家のエネルギー政策に真摯に向き合って、そして高い誇りを持って協力してきています。それは、立地地域イコール立地都道府県、ただ、私が見たところでは、どうも立地地域と県のスタンスには温度差があるというふうな思いを常日頃持っております。  そういう観点で、具体的に県として、今の立地地域経済を含めて、具体的な支援策がもしありましたらお伺いしたいと思います。 5 ◯大澤原子力立地対策課長  原子力施設稼動しないということで、さまざまな経済活動が懸念されている状況でございますけれども、やはりなかなか抜本的な解決策というのは難しいと思います。少なくとも、原子力施設稼動──例えば、交付金の例でいいますと、発電量に応じまして、算定される交付金があるんですけれども、今回、止まっているわけでございますが、それについてもある程度のみなしといいますか、一定規模、発電していなくても算出するように国にお願いしたり、あるいは、交付金、さまざまございますけれども、使い勝手がよくなるような形で柔軟な対応をしていただくようにお願いしてございます。しかし、やはりなかなか経済活動の根本的な解決というのは、なかなかまだ思いつかないわけですけれども、我々としては、安全確保第一としながらも、まず、やはり厳格かつ迅速な審査をお願いしたいとそういう形で考えております。 6 ◯横浜委員  まず、規制委員会のほうはですね、今、御答弁にあったとおり、さっさと的確に迅速に審査を行っていただきたいということは、強く要望していただきたいと思います。  それから、財源的な支援でありますけれども、今、みなしの交付金関係も、稼動していなくても使えるような対策も積極的に要望していくということでございますので、その辺のところもよろしくお願いをしたいと思います。  それから、核燃料物質等取扱税──所管は総務部になるんでしょうか、これは一般財源として約150億円前後、今、試算しているわけですけれども、有効な財源であろうというふうに思います。そこも、全庁的、横断的な対応で前向きに立地地域経済に即する対応をとっていただけるよう、これは所管外になるかと思うんですけれども、要望をしておきたいと思います。  2点目でございます。  今の総合資源エネルギー調査会からの意見を踏まえたエネルギー基本計画案については、今月中に閣議決定されるのかと思っておりましたら、我が自民党国会議員間の中で、総選挙の公約と整合性がとれないとか、あるいはまた、御承知のとおり、東京都知事選で脱原発を掲げた細川元首相の立候補によりまして、原子力政策が争点になっております。  そういうこともありまして、国の閣議決定の手続が難航して、先送りされてしまうのかなというふうな状況にあります。  エネルギー基本計画案原子力政策の転換が明確にされたにもかかわらず、安易に世論に迎合した電力の大消費地、東京での脱原子力に向けた動向により、原子力政策が混迷し、振り回されている状況にあると思います。  けさの地元紙の中で、立地県、批判と歓迎という大きな見出しで出ておりましたけれども、新潟県と福井県ですね。青森県としても、私はやっぱり大事な今、時期にあるのかなと。県のスタンスを明確に表わすべきではないのかなという時期にあると思います。  本県は、こうした事態に対して、立地県として積極的に原子力政策への発言、発信を行わなければならないというふうに、私は思います。今こそ、日本の将来を見据え、原子力に対して本県がこれまで積み重ねてきた努力と熱意を政府国民各位に強くアピールする必要があるというふうに認識しております。  県として、自治体として、積極的な行動を期待するわけですけれども、県当局の御見解をお伺いしたいと思います。 7 ◯八戸エネルギー総合対策局長  全国の地方自体の中には、原子力発電所賛成・反対、それぞれのお考え、立場があると思います。  そうした中で、国民生活産業経済を支えていくためのエネルギー電力、これを将来どう確保していくのかと。こういう国の根幹に関わる問題につきましては、やはり国が責任をもってゆるぎのない政策を打ち出していくべきであるというふうに考えております。  県といたしましては、国の原子力政策に対しましては、立地地域現状やこれまでの経緯等、十分踏まえていただいて、中長期的な方針を不透明にすることなく、現実的に実現可能な対策を着実に推進していただきたいと、こういった趣旨のことを機会あるごとに今までも国に要請してきたところでございます。  今後とも、国・事業者対応状況等を踏まえまして、県として要請すべき点はしっかりと要請していく、そういった適切な対応をしていきたいと考えております。 8 ◯横浜委員  今、こういったことを見ますと、原子力には脱原発、あるいは推進という、二項対立の議論がどうしても目立つと。客観的に何で原子力をやらなければならないのか、どうして原子炉が必要なのかということを、私はやっぱり立地県としても、もうちょっとアピールする必要があろうかと思っております。  青森県は、国のエネルギー情勢を十分理解したうえで、今まで国との信頼関係を築きながら、誠意を持ってやってきたわけであります。今、こういう状況の中で、立地県である青森県のスタンスというのは、世界のエネルギー政策に大きく影響する大事な世論をリードする鍵を握っているのかなと。それが私は青森県であるというふうに思っておりますので、立地地域は必死であります。もちろん、地元経済もそうでありますけれども、世界レベルで見て、人類が将来に向けて、この原子力と付き合っていくことによって、将来がひらけるということを今、立地地域はそういう思いでおりますので、同じ認識の中で、青森県としても、足並みをそろえていただきたいと思っております。  今後も積極的に原子力政策につきましては、立地県としての強いスタンスをもっていただきたいということを要望して終わります。 9 ◯寺田委員長  ほかに質疑はありませんか。──古村委員。 10 ◯古村委員  私も、横浜委員と同じく、エネルギー基本計画についてお尋ねをしたいと思います。  横浜委員のほうからもありましたけれども、エネルギー基本計画、延び延びになっていると。しかも、それに対して都知事選挙が思わぬ展開になっていることから、さらにその様子見をして、政府のほうでは決めるというような報道もなされています。  そういうことから、どうももたもたしているんではないかと。ただ、こうして考えてみますと、2012年の自民党政策集では、原子力に依存しない社会を目指していくというのがありますので、自民党もどちらかといえば、原発推進というよりも、依存しない、減原発の方向であるというぐあいに選挙公約を見れば、私は理解していますし、電源構成ベストミックスなんていうのも政策集では見られますけれども、原子力に依存しない経済社会構造をつくるというのが、自民党政府の公約であります。  これを踏まえて、今のエネルギー基本計画を見ますと、前段は極めて我々にとっては心地よい。というのは、安全神話に陥り、十分なシビリアンアクシデント対策を講じることができず、深刻な事態を招いたとか、防ぐことができなかったとか、深く反省しなければならない、事故原因を徹底的に究明するとか、国と東京電力の責任の所在を明確化するべき、などと今のところ、エネルギー基本計画に対する基本政策分科会意見では出ています。  ただ、これがそのままエネルギー基本計画案として閣議決定がなされるのかどうか。この辺なんかも、私どもは新聞報道を見るだけでありますので、まずはエネルギー基本計画検討状況についてお伺いいたします。 11 ◯大澤原子力立地対策課長  エネルギー基本計画につきましては、最終的には閣議決定されるものですけれども、今現状は、その前段階として、国の総合資源エネルギー調査会議において議論がなされ、昨年12月にエネルギー基本計画に対する意見として取りまとめられ、そのパブリックコメントが1月6日まで行われております。  国では、そうした寄せられた意見等を踏まえながら、今後、原子力関係閣僚会議等で議論を進めながら、最終的には閣議決定するというふうに国からは聞いております。 12 ◯古村委員  県のほうでは、知事もぶれのない、確固とした国家としてのエネルギー政策とか、そういう意味合いのことを本会議などでも答弁していますし、今も局長のほうから、揺るぎない政策、あるいは不透明にすることなくというような答弁がありましたけれども、やはりこうしてみますと、政府自民党自体、ぶれまくってるんではないかと。そういう感じがするんですが、その辺の認識、見解はいかがなもんですか。 13 ◯八戸エネルギー総合対策局長  原子力政策、国としては50年以上進められてきているわけですが、その中では、終始一貫して、やはり原子力というのは重要な電源であると位置づけられております。これは前政権でも現政権でも、そういう基本的な位置づけがされていると考えております。  そうした中において、核燃料サイクル政策に対しても、推進していくということは、基本的な方向としてこれまでと同様であると認識しております。 14 ◯古村委員  この重要な電源として位置づけられているということでありますけれども、今回、基盤となるベース電源であるというような表現が、この分科会基本計画に関する意見で述べていますけれども、この基盤となるベース電源原子力がなるということについて、県の解釈なりをお願いします。 15 ◯大澤原子力立地対策課長  今回の総合資源エネルギー調査会で取りまとめられました意見におきましては、すでに原子力発電について重要なベース電源として、引き続き活用していくというふうに記載されております。  ここでは、ベース電源という記述でございましたが、日々の需要を考えると、夜間も含め、ずっと一日中ある需要に対するベース電源、それから、日中のピークに対してピーク電源、その中間、ミドル電源と言われておりまして、従来、我が国でベースとなる電源については、水力発電原子力発電ベース電源であり、そういう意味では、ベース電源というのはそのような趣旨で書かれているものであると理解しております。  また、県といたしましては、やはりエネルギー政策につきましては、極めて国民生活等に影響がございますので、中長期的な見通しを含めまして、現実的な政策を立てていただきたい。その中において、やはり原子力発電についての発言を含めました確固たる国家戦略を明確に打ち出していただきたいと、そのように考えてございます。 16 ◯古村委員  そのベース電源というのは、何かわかるような感じがする。基盤となる一定の、それこそベースになる電源でしょうけれども。ただ、石油とか石炭、それから今、課長がおっしゃった水力、これらの項目では、別にベース電源という言葉で触れてはいないわけなんで、原子力にだけベース電源という──しかも基盤となると、何か同じような言葉を丁寧に重ね合わせて記述をしているということからみれば、やっぱり自民党の公約とは違って、原発推進、さらには核燃サイクル推進という本質がこの辺にあらわれているのではないかなと思いますけれども、その辺の認識といいますか、いかがなものでしょうか。 17 ◯大澤原子力立地対策課長  今回のエネルギー基本計画への意見でございますけども、基本的に政府がつくるものでございまして、現状エネルギー政策、あるいは中長期的な見通しを含めて、これから政府の案として、国民の意見を踏まえながら政府の案としてつくられていくものでございます。  その中で原子力については、依存を減らすということもあるんでしょうけれども、この中で将来的にどのぐらい原子力発電を使うのか。それから、石油火力等をどれくらい動かすのか、そういった具体的な見通しが記されていない、そういう状況でございますけれども、原子力の特徴も踏まえまして、ベース電源として活用する、そういう記述がなされているわけですけれども、これは、日本においても、過去同様な形で活用されていたというふうに理解いたしてございます。 18 ◯古村委員  結局、政府にしろ、安倍政権にしろ、自民党にしろ、やはり原子力については、国民世論の動向を非常に気にしている、そういう面があるんではないか。  そして、この権力を維持していくためには、何とか原発稼動なり新設、こういうものも含めてやりたいんだろうけれども、なかなか国民世論の支持を得られないのではないか。そういう心配が強いんではないかと思っています。  その象徴的なものが、小泉元総理の「今まで、専門家のうそばかり聞いてだまされてきた」というような発言にもあるんではないかと思いますけれども、これだけ原子力政策というんですか、事業者に対する不信がやっぱり高まっているんではないかと。金にしろ、選挙で最大限応援をする、うそはつく、いろんなデータは改ざんする、ばらまきとか、こういういろんな今までの事業者なり、政府なりの原子力政策の進め方に対しての不信というのは、我々はもちろんでありますけれども、一般も含めて何となくうさん臭い、こういうところをきちんと整理をしないと、原子力の着実な推進というのは、おぼつかないのではないかと、こういう感じがしますけれども、いかがなものですか。 19 ◯八戸エネルギー総合対策局長  確かに、福島第一原子力発電所事故発生教訓を踏まえますと、原子力施設に対する、安全性に対する国民の不安、あるいは事業者に対する不信というのは、確かにあると思います。  そういった反省・教訓に立って、現在のエネルギー基本計画が検討されているというところでございます。  そうした上で、まずは世界最高水準ともいわれる規制基準の中で、まずは安全性を確認された原子力発電所をこれは最大限活用していくということだと思います。これは当面、このエネルギーを確保していくためにぜひ必要であるという、国の方針かと思います。  ただ、中長期的には、やはり原子力発電の比率は、それに代わる電源エネルギーが確保されたという前提かと思いますが、その中で原子力の比率は下げていくという方針かと思います。 20 ◯古村委員  ですから、原子力については、技術的な問題もいっぱいあるでしょうけれども、この先進国の最たる日本で福島で事故が発生したと。チェルノブイリの時は、あの時は、日本ではああいうことは発生しないと。炉自体が違う、黒鉛炉だというようなことで弁解してあったと思うんですが、現実的には、日本でも発生をしたと。こういう傲慢だというんですか、こういう態度自体が新潟県の知事にしても、大惨事の事故が発生しても東電自体が誰も責任を問われない。こういう事故が起きても責任を問われないんであれば、また事故が起こる危険性があるということで抵抗しているようでありますけれども、やはり本県もそういうような観点から事業者の態度、対応なりについて、きちんと意見を申し上げなければならないのではないかと。  特に、民主政治をこの原子力事業者政策がゆがめているんではないか。このまま原子力を推進していけば、政治そのものがゆがめられる、こういう危機感さえ感じるわけでありますけれども、これらについてはいかがなものでしょうか。 21 ◯八戸エネルギー総合対策局長  先ほども申し上げましたが、福島第一原子力発電所事故の反省・教訓を踏まえて、国、事業者、それぞれ責任があると思います。それぞれ反省のうえに立って、規制体制を見直し、規制基準も新しくいたしました。  さまざまな対策電源喪失を防止するための対策、あるいは地震、津波、火山、竜巻、いろんな自然現象に対する対策も強化されました。  そういった中で、今、やるべきことをやっているというふうに受けとめておりますが、引き続き安全性を向上していくためのさまざまな知見については、その都度、反映していただいて、原子力に対する安全の向上、あるいは不信の払拭、そういったことに国、事業者、一丸となって対応していただきたいと考えているところでございます。
    22 ◯古村委員  次に移ります。  日本原燃の経営なんですけれども、日本原燃そのものの大株主は東京電力であると。したがって、東京電力のほうから一貫して経営責任者を日本原燃のほうに送っているということが続いていますけれども、その本体の東京電力そのものの経営が行き詰まっているんではないか。株主責任なり、貸し手責任なりをはっきりさせて、経営をきちんと破綻させて出直すべきではないか、こういうような意見もあるわけなんですけれども、東京電力の経営が不透明だという中で、政府は15日に東京電力の再建計画を認めたところであります。仮に、東京電力が──株式会社ですから、破綻することもあり得るわけなんで、破綻したとすれば、その子会社みたいな位置づけの日本原燃も経営が行き詰まるんではないかと。そういう事態というのは、想定されるのか、あり得ないのか。これについて伺います。 23 ◯大澤原子力立地対策課長  東京電力につきましては、現在、原子力損害賠償支援機構によりまして、一時的な公的管理下にいます。これは、まさに破綻を避けるためにそのようになされたものと理解してございます。  日本原燃によりますと、日本原燃の経営全体でいえば、電力会社、東京電力のみならず各電力会社の契約に基づきまして事業を進めてございますので、やはり経営が厳しいというのは、東京電力だけではなくて、各社共通でございますので、日本原燃としては、その中で一層のコスト意識を持って事業を推進していくようにしてございます。 24 ◯古村委員  本県での、今までは、トップ企業である日本原燃の経営が行き詰まるという事態も考えられるのかどうかをお尋ねしているんです。 25 ◯大澤原子力立地対策課長  日本原燃株式会社は、やはり国の政策として核燃料サイクル事業を進めるという政策の下に、電力各社が出資してつくられてございますので、その中におきまして、電気事業電力各社においては、核燃料サイクルを進めるという前提で日本原燃に対して事業を契約し、進めているという認識でございますので、現時点におきましては、そのような破綻するというふうには考えてはございません。 26 ◯古村委員  核燃料サイクル事業というのは、もんじゅはもうだめになりましたので、これからどういう形で転用していくのか分かりませんけれども、今のところ、核燃料サイクルの中核を担っているのは六ヶ所の再処理工場であると。しかし、再処理工場を動かせば、今のところ使い道のないプルトニウムがたまっていく。そして、稼動しなければしないで、使用済み核燃料がたまると。しかも、最終処分場は全くお先真っ暗と、こういうような状況であれば、いずれ日本原燃の経営というのは行き詰まるのではないかと思いますけれども、その辺はどんなものですか。 27 ◯大澤原子力立地対策課長  核燃料サイクルにつきましては、当面、普通の原子力発電所で燃やすプルサーマルを推進し、やがては高速増殖炉で燃やす、そういうようなストーリーになっております。  今の時点でもんじゅがまだ動いてございませんけれども、高速増殖炉開発計画が止まったわけではないということと、プルサーマルにつきましても、今現在、プルサーマルを進めているところでございまして、電力業界としては、これからもサイクル施設の重要性に鑑み、プルサーマルを進めていくということでございます。  また、最終処分場、まだ現状、実施地点が決まったわけではございませんけども、これにつきましても、国におきまして問題意識がございますので、最終処分関係閣僚会議こういったものの中で、最終処分場選定に向けた国の姿勢が示されていくものと理解しているところでございます。 28 ◯古村委員  プルサーマルについては、福島原発事故以前でも4基ぐらいの原発であったと思うんですけれども、果たしてじゃあ、これからプルサーマルを受け入れる自治体というのが、どれぐらい出てくるのか。16ないし18基というような話もあったけれども、遠く及んでいない。しかも、もんじゅについては、期待を持っているような答弁がありますけれども、おそらくこれだけ信頼性がなくなれば、動かすというのは、現実的にはありえないんではないかと思います。そういう不確定な要素ばかり多いというのが、今、核燃料サイクルの実態なんですけれども、やはりこれに対して、県もとりあえず今日を明日をとりつくろうという形ではなくて、サイクルは破綻しつつあるんだということで、ある程度、撤退するというんですか、安全性に対して確固たる考えを持って事業者に臨むというのが、今一番必要ではないのかと。何か見ていますと、審査の申し入れにあたっても、県はどういう感じなのかわからないけれども、簡単に了解しているような感じがしますので。何となく青森県というのは、事業者に追従しているような感じがするんですが、そういうことはないんでしょうか、あるんでしょうか。 29 ◯大澤原子力立地対策課長  核燃料サイクル施設を含めて、原子力政策というのは国策として進められてきてございまして、県としましては、安全確保第一に国の施策であれば協力するという形で進んできました。その途中でも、エネルギー政策原子力政策に変更があるかどうかについては、大臣等に対して確認するなど、そういう対応をしております。  現状、福島の事故がございまして、原子力発電所が再稼働に向けて審査が進められておりますけれども、まだ現実に再稼動していない。そういう状況の中におきましては、確かに原子力発電所見通し、それを前提としたサイクル施設の見通しが、現状、不透明であるのが事実でございますけれども、そこにつきましても、やはり、これまで、現時点におきまして、国として原子力政策を進めてきたわけでございますから、今後どうしていくのか、そこを我々としては、はっきりさせていきたい。その上での対応を考えていきたいと考えています。 30 ◯古村委員  事実上、原発ゼロで新年を迎えたわけなんで、それでも日本では、今のところ、コストがかかっている、国の富が海外に逃げているとか、そういうような報道はありますけれども、現実的には支障がない。こういう状況をみれば、やっぱり県も過度に原子力に依存をしていく。それで、未来を変える挑戦、などといったところで長期計画そのものも破綻するおそれがあるんではないかと、そういうぐあいに心配をしているところであります。  次に、ちょっと解せないのがリサイクル燃料貯蔵株式会社の中間貯蔵施設についてでありますけれども、協定上でいけば、施設の耐用年数は50年ということであります。  では、施設の耐用年数が50年ということになりますと、使用済み核燃料についても、次々と入れていくというわけにはいかない。50年経ったら、全部撤去しなければならない。しかも、六ヶ所の再処理工場の操業がどうなるかわからない。いつまた、本格操業になったとしても、既に800トンというのがずるずる後退していますし、しかもトラブルがいつまた起きて、長期に運転を休止するかわからない。そういうような中で、何で50年で終わりということにしたのか、ちょっと疑問なんです。それだけこの中間貯蔵施設というのは、バラック的な建物なのかということで心配になっています。  例えば、施設が運用してから49年目に使用済み核燃料が施設に入ったとすれば、1年で搬出しなければならないわけでしょう。ですから、何で供用開始から50年としたのか疑問に思って、施設ってそんなに貧弱、応急的な建物なのかなということで、安全に対しての心配が出てきたところなので、この理由についてお伺いいたします。 31 ◯大澤原子力立地対策課長  ただいま、御質問にございました中間貯蔵施設の件でございますが、これにつきましては、平成16年2月に県に対しまして立地協力要請を受けた際、東京電力からは、貯蔵建屋の使用期間について50年という説明を受けております。その説明を踏まえまして、平成17年10月の使用済み燃料中間貯蔵に関する協定書において50年と設定しております。  この50年という位置づけと、貯蔵キャスクの搬入でございますけれども、当時の説明におきましては、操業後、10年から15年ぐらいかけて、とりあえず3,000トン運ぶ。それを一定期間を貯蔵いたしまして、40年目くらいから運んでいくと、50年目にはゼロになると。そういう説明を受けております。  したがいまして、最初にというか、途中で運んできたものは50年たたないうちに、当然、搬出するわけでございますけれども、大体10年から15年かけて、当初運んでくるというふうに聞いてございます。  建屋は50年でございますけれども、これはもちろん、50年目で壊れる設計はできないわけですから、実際、建屋は鉄筋コンクリートの造りでございまして、勿論、国では耐震性とか遮蔽が要求されますので、一般の鉄筋コンクリートと比べれば、やはり非常に強度の高い設計なんです。  また、50年というのは長期間ですので、途中、途中の経年変化に対する評価をする。それに対しまして、保全活動を行う。ここが事業を継続するうえで必須だというふうに事業者はしております。 32 ◯古村委員  六ヶ所の再処理工場は、平常に運転していると。そうであれば、この中間貯蔵の使用済み燃料というのは、最低、中間施設に何年保管して六ヶ所に持っていくということがあるんですか。。 33 ◯大澤原子力立地対策課長  むつの使用済燃料中間貯蔵施設のそもそもの政策の前提として、当時ですけども、我が国の使用済み燃料の発生量年間900から1,000トンございまして、それに対して、六ヶ所の再処理能力が800トンですので、やや余剰分が出ます。これについてどうするかというと、再処理するまでの間、一時的に中間貯蔵するという前提で、この事業が始まったわけでございます。  もちろん、我々としては、再処理するまでの間、一時貯蔵するという前提でこれを受け入れてございまして、そういう場合、今のところ、六ヶ所村の再処理施設も40年とされてございますので、当然いずれにしても、再処理されるという前提で最大50年という説明を受け、我々はそれをもとに協定を結んでおります。 34 ◯古村委員  では、5,000トンという計画、構想がありますけれども、2棟目の2,000トンというのも、そのうちに着工するというとらえ方でいいんですか。 35 ◯大澤原子力立地対策課長  最大で5,000トンということで、1棟目が3,000トンでございますので、残りの2,000トンにつきましても、いずれ、この事業が順調に進めば、建設する計画をもっております。 36 ◯古村委員  1棟目で保管していたものを50年近くになれば2棟目を建設して、2棟目に移すということでもあるんですか。 37 ◯大澤原子力立地対策課長  2棟目の建設時期は、はっきりと明示されてございませんけれども、確か、当時受けた説明では、その終わりというよりも、むしろ重なっているふうに説明を受けたわけです。 38 ◯古村委員  この中間貯蔵した使用済み燃料が、2棟目に移されたりということで、最初は50年ということはあるでしょうけれども、これから協定を見直しをして、例えば、補強なりをして耐用年数を50年以上に見直すということも、これはありえると、そう思ってよろしいんですか。  これは、よく法律をつくっても最初は優しくして、段々改正して、自分たちの思いを遂げていきますよね。だから、とりあえず50年ということにするけれども、ちょこちょこって格好つけて、改良工事なんかやって、いや50年じゃないんですよと。あと20年はもちますよというやり方もあると思うんですが、これは原発の廃炉期限なんか40年を延長しているのを見てもそうなんだけれど、こういう手も残されているというぐあいに理解していいんですか。 39 ◯大澤原子力立地対策課長  50年という数字があるので、50年もつから建屋が50年ということはないので、当然、事業者において、全体的な安全性なり、事業の見直しなりを勘案した上で50年と設定したわけですから、我々としては、当然、50年で終わりというふうに認識しています。 40 ◯古村委員  いずれにしましても、原子力現状というのは、極めて不確実性が強くて不安定であると。これぐらい不安定なエネルギーというのはないのではないか、そう思っています。  いざ、事故が起きれば長期になって運転が止まる。トラブルはしょっちゅうある。問題指摘がしょっちゅう出されて、今の技術では汚染水さえもままならない。しかも、東京電力では事故原因は津波だという話をしていますけれども、本当の原因というのは、今もってわからない。こういう状況では、まだ原子力に頼るというのは、我々としては、妥当ではない。そういう不安定なエネルギーこそが原子力だと、そういうぐあいに感じているところであります。  これで終わります。 41 ◯寺田委員長  ほかに質疑はありませんか。  [「なし」と呼ぶ者あり]  ないようでありますから、これをもってエネルギー総合対策局関係審査を終わります。  午さんのため、暫時休憩いたします。再開は午後1時からといたします。 ○休 憩  午前 11時48分 ○再 開  午後  1時02分 42 ◯高橋委員長  休憩前に引き続き委員会を開きます。  商工労働部観光国際戦略局関係審査を行います。  特定付託案件について質疑を行います。  質疑は、所管外にわたらないよう簡明に願います。  なお、答弁者は挙手のうえ、「委員長」と呼び、次に職名を言って発言を求めてください。  質疑はありませんか。──古村委員。 43 ◯古村委員  改めて、おめでとうございます。今年もよろしくお願いします。  あと2回委員会があるわけですけれども、商工労働部の方にお尋ねをしたいのは、報道では景気は確実に回復しつつあるというのが大方であります。果たして、本県の経済も好転しているのか、しつつあるのか、そのことをただすために、求人倍率を例に挙げて議論をしてみたいと思っています。  まず、昨年の11月の有効求人倍率が0.75倍、22年ぶりの高い水準だということでありますけれども、これについての県の認識について、まず冒頭お伺いいたします。 44 ◯鈴井労政・能力開発課長  お答えいたします。  平成25年11月の有効求人倍率、季節調整値は、御指摘のとおり0.75倍で、平成3年2月の0.87倍に次ぐ、過去2番目に高い水準となっております。  雇用情勢が改善している要因としては、緩やかに持ち直しているとされる県内景気を背景に、県が新産業の創造・育成や戦略的な企業誘致などの産業振興と求職者に対する各種支援などの雇用対策を一体的に実施してきた取り組みの成果も着実に表れてきているものと認識しております。
     しかし、依然として、本県の有効求人倍率の水準は、全国と比較して低位に位置していることから、引き続き青森労働局をはじめとした関係機関と連携を図りながら、雇用の場の確保・創出に取り組んでいく必要があると考えております。 45 ◯古村委員  この有効求人倍率が0.75倍ということでありますけれども、22年前と比べたら人口が減少しつつある、高齢化している、そういう要因の違いというのが大きいんではないかと。特にこういう高齢になって、今までずっと何回も何回もハローワークに行っても、再就職できなかった。そういうことから、就職をあきらめると、こういう場合は、当然、求人倍率には全く反映しないわけなんで、そういう点からいって22年前、20年あたり前と現在との従業員数というんですか、働いている人の数、どれほどの違いがあるのでしょうか。 46 ◯鈴井労政・能力開発課長  有効求人倍率が過去最高だった平成3年2月と現在の就業者数の比較でございますけれども、平成2年と平成22年の国勢調査によりますと、平成2年の就業者総数は71万7,945人、平成22年は63万9,584人となっておりまして、就業者数は7万8,361人減少し、割合としては10.9%減少しております。 47 ◯古村委員  1割以上は働いている人が減っている。この有効求人倍率の0.75倍の中身なんですが、働いている人の質も当然変わってきているのではないかと。前であったら正職員というのが主体であったのが、今は派遣とか、こういう形になっていますし、中身自体は、劣化しているんではないのか。勤務条件というんですか、賃金労働条件が当時と比べて格段に悪くなっている中での0.75倍、22年前に次いで2番目という、そういうぬか喜びはできないんではないかと思うんですが、その点はどんなもんでしょう。 48 ◯鈴井労政・能力開発課長  雇用の質、常勤とか、パートとか、そういったデータについては、今、手持ちにはございませんけれども、0.75倍という数字に実態は伴っているのかということでいいますと、1つは就職率、これは求職者のうち就職することができた方の割合でございますけれども、平成21年に28.6%だったものが、毎年上昇しまして、今年度は11月までで40.5%となっておりまして、つまり求職者が就職することができる割合は、やはり有効求人倍率の上昇に伴ってふえているということは言えると思います。  その点では、実態が伴っていると言えるとは思うんですが、一方で、求人の充足率、求人数に対する充足された求人の割合は減少傾向にございます。これは、求人があるのに求職者が集まらないなどの状況にある割合がふえているということになりまして、この現象は、求職者の立場からすれば、求人は出ているけれど、自分の就きたい仕事は少ないという印象を与えている可能性はございます。  求職者が就職できる割合もふえているけれども、同時に枠が埋まらない求人の割合もふえているということでございます。 49 ◯古村委員  前もって話しておけば良かったんだと思いますが、県全体で0.75倍、じゃあ、例えばむつ市とか黒石市とか、率の低いところ、こういう県内の各地域の有効求人倍率の状況というのは、いかがなものなんでしょうか。 50 ◯鈴井労政・能力開発課長  ハローワーク別の有効求人倍率は、昨年11月の原数値で、青森安定所が0.92倍、八戸が1.03倍、弘前が0.86倍、むつが0.63倍、野辺地が0.91倍、五所川原が0.56倍、三沢が0.82倍、黒石が0.58倍でございました。 51 ◯古村委員  先ほど、県の取り組みの成果も表れているのではないかといいましたけれども、南部が高く、中弘、西北が低いということになれば、津軽から知事を出して欲しいという声も徐々に出てくる理由があるのかなというような感じをいたしました。  この有効求人倍率をみても、県内の経済は確実に回復というか、いつの時点を指して回復していると言ったらいいのか、好転しつつあるということについては、はっきり、そう受け取ってもいいわけですね、課長。 52 ◯鈴井労政・能力開発課長  求職者のうち就職することができた方の割合がふえているという点においては、雇用情勢が改善していることは言えると思います。 53 ◯古村委員  しかし、私の地域というか、町内というか、あまり就職状況も好転しているという感じはしていない。  次に移ります。  例年、問題になるのが、折角、就職してもすぐ辞めてしまうと。次の職を見つけてから辞めるのではなくて、あてもなく辞めてしまうと、こういうことが問題になったりしているわけでありますけれども、今年3月の新規高等学校卒業者の県内就職の内定状況、県の就職の促進策といいますか、取り組みをお聞きします。 54 ◯鈴井労政・能力開発課長  青森労働局の発表によりますと、平成26年3月新規高等学校卒業者の11月末現在の状況は、県内求人が2,908人で、前年同月に比べて570人、24.4%増加しまして、県内就職内定者は前年同月よりも52人多い、1,324人。内定率は前年同月比6.8ポイント上回る62.5%となっております。  県では、新規高等学校卒業者の県内就職促進を図るため、県内経済団体に対して知事等が求人提出と採用活動の早期取り組みを要請するとともに、県職員が県内企業を訪問しまして、同様の要請を行う求人開拓ローラー作戦を実施しております。  また、県内企業の理解を深めてもらうため、県内就職希望の高校生を対象に青森労働局と連携しまして、企業見学会を開催しているほか、高校生の就労意識形成や保護者の就職環境の理解促進を図るために、高校生と保護者に対するセミナーを開催しています。 55 ◯古村委員  新卒の内定状況も今までとは違って格段に改善されていると。この求人ローラー作戦なんかは、どの程度効果があるものなんですか。  というのは、企業というのは、自分の収益でいろいろ新規採用をふやしたりとかというのはあると思うんですが、知事が口をきいたからって、そう簡単に「うちのほうで、今年3人ふやします。」とか、そういうことはあるものなんでしょうか。 56 ◯鈴井労政・能力開発課長  お答えします。  御指摘のとおり「採用する気がなかったけれども、要請を受けたから求人を出すことにした。」とおっしゃる事業所が大多数であるわけではありませんが、事業所によっては、「採るかどうか迷っていたけれども、今年、お願いされたことも踏まえて採用を考えたい。」とか、あるいは、「求人票を出すのが遅れてしまえば、優秀な人材の確保が難しくなるというアドバイスを踏まえて、ちょっと早めにやってみようか。」という気になっていただける事業所はあると承知しております。 57 ◯古村委員  別にケチをつけているわけではありません。  企業の件数、どれぐらい訪問したりしているものなんですか。 58 ◯鈴井労政・能力開発課長  今年度は、県内の525事業所を対象といたしまして、そのうち御協力をいただけた481事業所に対して、聞き取りと要請活動を実施いたしました。 59 ◯古村委員  ありがとうございました。  次に、先ほど申し上げました離職状況、勤めてもすぐ辞めてしまうと。統計的には、勤めて3年とかというのもあったと思いますけれども、この新規高卒者の離職状況についてお聞きをして、次に定着化への取り組みについてお尋ねしたいと思っています。 60 ◯鈴井労政・能力開発課長  青森労働局の調査によりますと、本県は平成22年3月卒業者の3年後の離職率は46.4%でございまして、全国平均の39.2%を7.2ポイント上回っています。東北では宮城県の48.4%、福島県の48.0%に次いで高く、全国でも9番目に高い状況となっております。  卒業から3年後の離職率の推移をみますと、平成16年3月卒では59.8%でしたが、その後、年々低下し、平成21年3月卒では37.3%と5年間で22.5ポイント改善しました。  ただ、平成22年3月卒では、逆に9.1ポイント悪化しているという状況にございます。 61 ◯古村委員  この離職率の高さをどうみるのか。というのは、やっぱり就職をしてみたけれども、劣悪であった、あるいは、自分の性にあわない、そういう場合もあるだろうし、その3年間の経験を活かして、何らかの起業をするとか、あるいは、親が死んで農業につくとか、商店を経営するとか、いろいろあると思うんですが、この辺については、県のほうではどういうぐあいに受けとめているものでしょうか。 62 ◯鈴井労政・能力開発課長  離職率が高い要因でございますが、さまざまな背景が関係していると思われますが、一般に求人倍率が高いと希望する職種や雇用条件で就労できる可能性が高まることから、これらのミスマッチは減少し、離職率が改善する傾向があります。  本県は、全国と比較して厳しい雇用情勢が続いていることから、県内で就職を選ぶ際の選択肢が少ないことや、それに伴う雇用条件の格差も離職率が高いことの一因になっているのではないかと考えています。  また、新卒で就職した若年者が、離職を考える理由としては、就職する前に思っていたものと勤めてからの条件が違っていた、あるいは、職場の人間関係がよくなかった、仕事内容が自分に合っていない、仕事が面白くない、労働条件、休日、休暇、賃金の条件がよくなかった、などが考えられます。  企業側の状況を見ますと、本県は中小零細企業が多いことから、企業における若年者の人材育成や働きやすい職場環境づくりが十分でない場合もあること、また、職場における相談相手がいないという状況も考えられます。  その一方で、企業側からは、若年者本人の職業意識や職業能力が不十分であること、コミュニケーション能力が不足している等の背景も指摘されております。  以上です。 63 ◯古村委員  この離職率が高いことは、必ずしも悪いことではない。いろんな職を経験することによって、自分に合っている職は何かというのを30代後半、40代後半でも見つけていく、悟っていくということになれば、我々みたいに終身雇用が一番良いとやってきたものとは違って、新たな活力になるんではないかと、そうも思ったりしているわけでありますけれども、やっぱり、県内の企業の労働条件が劣悪である─ブラック企業というような報道もなされてましたけれども、そういう点があるとすれば、それは是正していかなければならないだろうと思ってます。  そういう意味で、県の定着化に向けた取り組みというのは、どのようになっているのかお尋ねします。 64 ◯鈴井労政・能力開発課長  県では、これまでも若年者の早期離職防止と定着促進を図るために各種対策を実施してきたところですが、今年度は、若年者を指導する管理職や中堅社員に対して、部下や後輩のやる気を引き出し、人材を育成する力をつけさせたり、若年者本人に社会人としての心構えやビジネスマナーを習得させたりすることを目的として、新入社員、中堅社員、経営者、管理職、それぞれに対する研修会を県内6か所で24回開催し、約450名の参加をいただいております。  また、それぞれの企業の職場定着に関する課題に対応したオリジナル研修を1月から2月にかけて5社で実施することとしておりまして、若年者が働きやすい職場環境づくりを推進しております。 65 ◯古村委員  企業経営者の意識改革がまだ遅れているんではないかと思いますが、その辺はどうでしょう。 66 ◯鈴井労政・能力開発課長  お答えいたします。  御指摘のとおり、人を育てるというのは、非常に重要だと考えておりまして、県においては、人財の育成こそが、未来の青森県づくりの基盤となる考え方に基づいて、人づくりの施策が進められてきているところでございます。  人財育成につきましては、県や企業もそうですが、家庭や地域、行政、全て一体となって県民総ぐるみで取り組んでいく必要があると思います。  そういう意味では、企業において劣悪な雇用管理を行って労働者を使い捨てるようなことがあってはなりません。最低基準としての労働関係法令の遵守はもちろんでございますけれども、それ以上の労働福祉向上に努めて、良好な環境で人財を育成していただきたいというふうに考えております。 67 ◯古村委員  この雇用情勢に関して最後なんですが、県のほうでは、就職促進とか、高卒者の就職について、督励に歩いているわけでありますけれども、最近、安倍政権が誕生してから、私には全く考えられないんだけれども、総理大臣が先頭になって賃金を上げろと、しかも、自民党の親分が給料を上げろということで迫ると、自分も年を取ったな、世の中変わったんだろうなという感じがするんですが。それもあるけれども賃上げをしなければならない、内部留保を吐き出さなければならない、そういうような雰囲気にはなっているようであります。県内においても、知事がいろいろ成果を出してきたというお話もあったわけでありますけれども、先頭をきって県内の企業、経営者に対して、もう少し賃上げしてもらえないかと、こういう督励活動なんかを考えているのかいないのか。いないとすれば、こういう要請もまたすべきではないのかと思いますが、部長、いかがでしょう。 68 ◯馬場商工労働部長  議会の一般質問でもお答えしているところでございますが、まず企業の賃金というのは、やっぱり企業の経営状況等も大きな影響がといいますか、それを斟酌した上で最終的に企業の経営者が決定するところであるというところの大前提がございます。  今、委員のほうからもお話がございましたが、本県を取り巻きます雇用環境は、厳しいという、そういう認識はございます。  あわせまして、県内の中小企業におきましても、業種によっては非常に厳しい局面に立っているところもございますし、また、今のアベノミクスの効果等があって、非常に活気を呈している。例えば、建設業ですとか、そういう分野もございますが、そういう意味で企業とのバラツキがあるということも認識しているところでございます。  先般、厚生労働省が発表いたしました、2013年賃金構造基本統計調査の都道府県別の速報によりますと、基本給に当たります所定内給与の平均額、これが青森県は前年、2012年に比較しまして5,100円の増、23万2,300円という統計の数値が出てございます。  28都府県で減少して、青森県を始めとする19道府県が増加したというふうな統計上の数値が出ております。
     私ども県内の企業もそれなりに頑張って、賃金のアップですとか、労働条件の改善についても努力をしているということが、この統計では全てではないですが表れているということで、まさにこれからの取り組みも含めて、県内の企業も前向きに人材の確保ということについては、取り組んでいる企業がふえてきているというふうに自覚しているところでございます。  そういった面で、まずは商工労働部といたしましては、県内企業の元気をさらにつくっていくんだということで、来年、当初予算等もございますし、新たな基本計画でも「未来を変える。」ということで、こういう挑戦をしているということでございますので、まずは企業の元気を取り戻す取り組み、あわせて、今、委員からのお話にございましたが、雇用環境、労働環境の改善ということで、賃金だけではなく、休暇ですとか、そういう勤務時間等の労働条件につきましても、先ほどの雇用ローラー、あるいはそれ以外の企業と接触する場面、そういう場面において、県としての取り組み、あるいは企業とともに取り組んでいきたいと考えております。  そういう意味で、直接、知事が企業の方々に賃金アップということではなくて、まずは元気を取り戻すというところに全力を挙げて取り組んでいきたいと考えております。 69 ◯古村委員  三村知事は、連合と非常に緊密な関係があるわけなので、少し、連合を応援して、経営者協会なんかと対峙をするということがあってもいいんではないかと。しかも、来年の6月は知事選挙でありますので、労働組合の歓心を買っておいてもいいんではないかと、そういうような感じでございます。  次に観光国際戦略局でありますけれども、青森県輸出拡大戦略素案というものを拝見をいたしました。いろいろ農産物、水産物、林産物の販売拡大に向けて取り組んでいるわけでありますけれども、1つだけ申し上げれば、平成23年、24年、25年間の輸出拡大戦略というか、中華圏では210億円の販売目標を掲げておりました。しかし、結果的に、それは達成できなかったと。最高で150数億円とか、直近では138億円とかという数字が出てましたけれども、平成26年度から5カ年の輸出拡大戦略においても、県産農林水産品輸出額の目標を同じ210億円にしたと。未来を変える戦略、あの華々しさから比べれば、同じ210億円、極めてつつましいというんですか、何か実現できるような額に設定したということで、何なんだろうということに疑問を持ったんです。210億円でいいのかなと。  今まで210億円の目標を掲げてあったんであれば、250億円とか、未来を変えるという大層な目標を掲げているのであれば300億円というものがあってもいいんではないかと、そういう感じがしたわけです。理由をお伺いします。 70 ◯小山国際経済課長  お答えいたします。  県産農林水産品に係ります現行戦略、これは、今、委員がおっしゃったように平成22年11月に策定しました、青森県農林水産品輸出促進戦略では、県として輸出の取り組みを本格的に始めた平成17年──具体的に申し上げれば、県と輸出関係団体で構成する「青森県農林水産物輸出促進協議会」設立の翌年の平成17年を基準年としまして、その平成17年の輸出額110億円の概ね倍増を目指すこととしまして、平成25年に210億円という目標を設定したところでございます。  しかしながら、その後、欧州債務危機などによる世界経済の不況、それからあとは歴史的な円高、平成23年11月は、確か1ドルが75円台でございました。今は104円でございますけれど。何と申し上げても、東日本大震災に伴う原発事故等の影響によりまして、平成23年で138億円と、伸び悩んでおり、目標達成は厳しい状況となっていました。  このため、次期戦略の目標を定めるに当たりまして、外部有識者委員会の委員会で1つが平成23年の倍増の280億円、もう1つが1.5倍の210億円。それから、3つ目としましては、これまでの輸出推移で理論的に伸ばした170億円──これは、直線回帰による推計値でございますが、の3案で検討していただきましたところ、各国においては、さまざまな輸入規制を行っております。現状、現時点でも、中国や韓国をはじめとする諸外国、計37カ国が、未だ日本に対しまして、何かしらの輸入規制を行っている状態であるという、厳しい環境の中で倍増の280億円を目指すのは、現状、現実的ではないなどの意見が多かったことなどから、県としましては、最終的に1.5倍の210億円を目標として提案しまして、委員の方々の了承を得たものでございます。  以上でございます。 71 ◯古村委員  課長、今、とうとうと御説明しましたけれども、実は、これをみて「あ、なるほどな」と思ったの。本当は売りたくても品物が、なかなかまとめて手に入れるというのは、難しいというのもあるんではないですか。  それともう1つは、特に北海道と競合する、しかもなおかつ、本県ではまとめた数量を毎年安定して確保するというのが難しい。そういう点が210億円というつつましい数字にしたんではないですか。一番の理由は何ですか。 72 ◯小山国際経済課長  お答えいたします。  実は、先ほど申しましたとおり、平成23年の輸出額というのは、138億円でございますけれども、実はその後、ジェトロ青森が公表しました平成24年の輸出額は、なんと前年比74%の102億円まで落ち込んだのでございます。落ち込んだ結果、目標の210億円というのは、直近の金額が平成24年の輸出額のほぼ倍増というふうになるものでございます。  ということで、同じ、結果的には、旧計画の210億円、今の新計画の210億円と同じでございますが、その時には、直近の輸出額の倍増であるということです。  以上でございます。 73 ◯古村委員  リンゴを例にとれば、生産量の落ち込みが天候で左右されると。それから、生産者そのものが高齢化していると。問題になっている放棄地がふえているということになれば、いくらトップセールスなんかで売り込み攻勢をかけたとしても、物が出てこない。こういう悩みというのは、相当、これを見れば悩んでいるように受け取れますけども、その辺は、販売戦略、海外への販売戦略にあたって、どの程度まで県当局に心配をおかけしているものなのか、お聞きをします。 74 ◯小山国際経済課長  やはり、今、委員がおっしゃったように、セールスには、良い物がなければセールスできないということがございます。  例えば、リンゴに関して申し上げれば、平成24年産ですけれど、台風が来るというんで、早もぎしまして、味が回らないまま、トキなんかが中心ですけれども、輸出して、それが非常に台湾でも不評を買ったと。それがずっと後々まで尾を引いたというのがございました。  ということで、その後、農協とか県の農林水産部が、品質重視の生産づくりを徹底して実施したところ、今年産は非常に品質が良いものが販売されて、着色や食味も良いというようなリンゴができて、非常に平成25年産は、今のところ順調に輸出されております。  それから、あとは、今、申し上げましたとおり、これまでは、ただ販売、販売ときましたが、やはり生産、輸出を目指した生産体制づくりといいますか、輸出を意識した生産者の育成とか、海外向けの品質とか、その辺の生産の確保とか、もう少し生産も巻き込んで、農協や農林水産部と、いろいろ連携しながら、やっぱり良い物をつくってそれを輸出するということで、今、新戦略のほうで書いてございますが、初めて生産体制を、体制づくりも含めた戦略にしたということでございます。 75 ◯古村委員  リンゴを台湾に、今まで重点的に売り込んできたんですが、台湾の当局の調べによれば、アメリカは47%でした。チリが圧倒的なんです。そして、日本といえば、イコール本県でしょうけれども、10%に満たない9%台と。これはもう量でいけば大体限界に達しているものなんでしょうか。いわゆる上等品、富裕層を目指した上等品ということでしょうけれども、これ以上伸びるということは考えられるものかどうか。 76 ◯小山国際経済課長  お答えいたします。  今、委員がおっしゃるとおり、台湾もリンゴを輸入しておりまして、大体、年間15万トンぐらい輸入しております。そのうち、やはりトップがアメリカでございまして6万7千トンぐらい。それで次がチリで5万トンちょっと。日本はとなると、ニュージーランドとほぼ互角の1万トンちょっとぐらいという数字でございます。  比率はアメリカが大体40から45%、チリが30から35%、日本とニュージーランドが大体10%ぐらい。  ところが、平成18年度におきましては、日本産が約19%の時もございました。今、現状が約10%より下ということで、本当の理由としましては、年々外国産、特にアメリカ産の品質がすごく良くなってきていまして、今、アメリカ産も半分以上がふじを生産しておりまして、その良いものが台湾のほうに、大体日本の価格で2分の1から3分の1の価格で入っていくと。1玉が台湾でアメリカ産が100円であれば日本産が300円ぐらいというような状況でございまして、結論から申し上げれば、アメリカ産が日本産のシェアを食ったというか、そのような状況でございますものですから、何とか今、アメリカ産からシェアを取り戻すように、1つは外国産は大玉で食味がよくて品質が良いものはなかなかつくれないというのがあり、これをまず重点的にやっていくというものと、それからある程度、中玉でも台湾の一般消費者に買っていただけるような、そのようなものをつくりましょうということで、今、頑張っているところでございます。 77 ◯古村委員  台湾でのそういう事情もあって、最後の質問になりますけれども、マレーシアに販路を拡大したいということで、この間、知事と局長がニコニコ、とてもじゃないが県庁で見られないような笑顔でトップセールスをやっておりました。本当にさわやかでありました。  マレーシアで実施した青森リンゴのトップセールスの手応えと、マレーシアでの今後の輸出見通し、どういうものなのかお尋ね申し上げます。 78 ◯小山国際経済課長  お答えいたします。  現状では、本県産リンゴの輸出量の90%以上が台湾向けとなっております。そのため、一層の輸出拡大、販路拡大を図るため、県では輸出関係団体等で組織しました青森県農林水産物輸出促進協議会と連携しまして、特に近年の経済成長の著しい東南アジアの市場開拓に取り組んでいるところでございます。  マレーシアにつきましては、現状では日本からの輸出量が年間10トン程度ということでとどまっておりますけれども、国全体としては、毎年10万トン程度の外国産リンゴを輸入しております。ということで、トップがアフリカとか、そういう形で輸入しております。  また、マレーシアにつきましては、人口が約2,900万人ですけれども、とても親日的で富裕層も拡大してきているほか、日本とのEPA──経済連携協定の発効によりまして、日本産リンゴの関税がゼロであり、また、植物検疫検査なしで輸出できるという、輸出しやすい環境にあることから、今回、初めてマレーシアの協力を得まして、青森リンゴのトップセールスを実施するとともに、在マレーシア日本国大使館をはじめとする関係機関を訪問しまして、リンゴの輸出拡大の協力を要請してまいりました。  本県産リンゴを試食しました現地の消費者からは、地元や他国産のリンゴに比べまして、非常にみずみずしく、とても甘くておいしいので、青森リンゴが好きですとか、それから、あとは、見た目もとてもきれいであると。色つきがいいなど、好評価をいただきまして、やっぱりマレーシアでもアメリカ産リンゴの2倍から2.5倍の高い本県産リンゴが順調に販売されまして、手ごたえを感じることができたというような状況でございました。  アメリカ産リンゴが1個66円だったものが、日本産の青森リンゴは1個165円と。これも、フェア価格でおまけしてそうなので、本来は二、三百円するところなんですが、それでも順調に売れて、手ごたえを感じたと。ということで、今後の見通しにつきましては、特に富裕層が多い中華系住民、華僑の方とかを対象に本県産リンゴの食味とか、品質の良さをアピールしながら、贈答需要の多い旧正月時期、春節時期を中心に売り込んでいくことにより、一定量の輸出拡大を図ることが可能ではないかというふうに考えております。 79 ◯古村委員  マレーシアって熱帯地方になるんですか。  では、トロピカルフルーツとか、トロピカルジュースとかってなるんでしょう。ああいうところでも、やっぱりリンゴは嗜好品ということになっているものなんですか。関税ゼロだから、自分たちの国のフルーツには影響がないから関税をかけなくても入ってこない、そういう感じがあるんだけど、そういうことはないですか。 80 ◯小山国際経済課長  お答えします。  インドネシアもそうでございますが、マレーシアでもほとんど国内ではリンゴをつくっておりません。それで非常に外国からリンゴを輸入しておりまして、自国の果実とはほぼバッティングしないので、そういう意味では関税ゼロということで、年間10万トンとか15万トンの外国産リンゴを輸入していると。  ただ、現状、日本産はまだ数十トンなんで、あとは、食い込む余地があるということで、今、やっております。 81 ◯古村委員  リンゴに例えれば、やっぱりある一定の量が海外に輸出されるということになれば、やっぱり産地市場でも一定の価格水準を保つということで、ありがたいということなので、ひとつ頑張ってください。  終わります。 82 ◯高橋委員長  ほかに質疑はありませんか。  [「なし」と呼ぶ者あり]  ないようでありますから、これをもって商工労働部観光国際戦略局関係審査を終わります。  以上をもって、商工労働観光エネルギー委員会を終わります。 ○閉 会  午後 1時46分 Copyright © Aomori Prefecture, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...