11
◯相馬委員 まあ、一年が原則なんでしょう。そうしますと、雇用期間が終了した後については、県としてどのような対応をしていくのかお答え願います。
12 ◯工藤(兼)委員長
商工労働部長。
13
◯馬場商工労働部長 平成二十四年度に実施した事業につきましては、事業終了後の継続雇用の状況や雇用形態につきましては、今後、委託先に対して
アンケート調査を実施する予定としております。
なお、平成二十二年度、二十三年度の
緊急雇用創出対策事業の雇用状況につきましては、昨年度、調査を行っております。その結果では、回答がございました四百三十六事業所におきまして二千五百五十三人が雇用されたところでございますが、そのうち事業終了後に継続雇用された方は五百二十一人でございまして、二〇・四%の割合となっております。雇用の形態でございますが、正規雇用が二百二十二人、非正規の雇用が二百九十九人となっているところでございます。
14 ◯工藤(兼)委員長
相馬委員。
15
◯相馬委員 二〇・四%が正規雇用になったということでございまして、できるだけ非正規の雇用から正規雇用になっていかないと、働く人の生活も安定しませんし、二〇・四と。さらにこの率が上がってくるように、上げるように、ひとつ、努力をしていただきたいということを要望しておきます。
次に、
主要施策成果説明書の二十三ページ、
再生可能エネルギー関連の産業振興についてでありますけれども、今、どういうようになっているのか、本県の
再生可能エネルギーの導入状況について、ひとつ、お答え願いたいと思います。
16 ◯工藤(兼)委員長
エネルギー総合対策局長。
17
◯八戸エネルギー総合対策局長 本県における
再生可能エネルギーの導入状況については、本年三月末現在、風力発電の設備容量が三十二万九千六十三キロワットで、五年連続全国一位となっております。
太陽光発電では、住宅用の設備容量が本年六月末現在、二万七百七十八キロワット、全国的には低い水準ではあるものの、伸び率では
全国トップクラスとなっています。
また、
固定価格買取制度が開始された昨年七月以降の設備認定の状況につきましては、国が公表したデータによりますと、この一年間で合計件数が二千二百七十二件、認定出力が四十五万六千八百五十五キロワットとなっています。その内訳としては、
太陽光発電が二千二百五十九件で三十八万一千八十八キロワット、風力発電が九件で六万八千八十キロワット、水力発電が三件で三十六キロワット、
バイオマス発電が一件で七千六百五十キロワットとなっております。
18 ◯工藤(兼)委員長
相馬委員。
19
◯相馬委員 今、答弁をいただいたわけですけれども、これ以外の
再生可能エネルギーについて、何か事業をやってはいないのか、この点、ひとつお答え願います。
20 ◯工藤(兼)委員長
エネルギー総合対策局長。
21
◯八戸エネルギー総合対策局長 ただいま申し上げた
再生可能エネルギーは、実際、国のほうに認定申請して、認定が終わった件数と容量でございます。そのほか、例えば地中熱につきましては、これはどちらかというと省エネという意味がございますが、かなり住宅建設の中で進んできております。また、地中熱につきましては、弘前市で実際、掘削調査が行われております。また、
海洋エネルギーにつきましても、これはまだ実証段階でございますが、県内で何件か計画されている事業があるというふうに聞いております。
以上です。
22 ◯工藤(兼)委員長
相馬委員。
23
◯相馬委員 この
再生可能エネルギーの企業、いろいろな企業があるわけですが、何か地元の青森県内の企業が具体的にそれに取り組んでいないような感じがするわけでありますが、県内の企業が何とかこういう
再生可能エネルギーに取り組んでいくということが非常に大事だと思うんですよ。今のところは、県内の企業というのはないんですか。
24 ◯工藤(兼)委員長
エネルギー総合対策局長。
25
◯八戸エネルギー総合対策局長 再生可能エネルギーに係る
県内事業者の参入件数につきましては、風力発電については八件、
太陽光発電のうち、いわゆる
メガソーラーにつきましては三件、小水力発電のうち、農業用水を活用した発電については二件となっています。また、発電事業以外では、風力発電のメンテナンスや
住宅用太陽光発電の販売・施工などの関連産業において県内企業の参入が進んできています。
以上です。
26 ◯工藤(兼)委員長
相馬委員。
27
◯相馬委員 地元でも何企業かやっているということですが、これに対する県の補助なんかはどういうふうになっているのか、ひとつ、お知らせいただきたいと思います。
28 ◯工藤(兼)委員長
エネルギー総合対策局長。
29
◯八戸エネルギー総合対策局長 直接的な補助につきましては、実際、
住宅用太陽光発電の設備につきまして市町村で行っている例がございます。これは、国の補助もございます。
県は
グリーン電力証書制度といいまして、
自家発電部分について、その環境価値をグリーン電力証書化いたしまして、この証書を企業に買っていただいたその代金をまた家庭に還元するという、そういう制度をやっております。それから、風力発電を初めとする発電事業につきまして、資金面において、県の融資制度を拡充しております。風力発電については
利子補給制度を創設したところでございます。それから、
日本政策金融公庫と連携しまして、
貸し付け制度も創設されたところでございます。あと、県としては
さまざま県内企業の取り組みに対しまして、ソフト面での例えば
ネットワークづくり、人材育成の支援を行っていきたいと考えております。
30 ◯工藤(兼)委員長
相馬委員。
31
◯相馬委員 国のほうの助成ということになると、これはまた別でありまして、県としても、この
再生可能エネルギーに取り組む企業というものを育成していくぐらいの努力が必要ではないのかなと、こう思うんですよ。もちろん、金がかかりますから、それらに対する融資の制度も非常に大事なことだと、こういうように思っております。
昨年、大津の自治体の研修所で、この
再生可能エネルギーの講演があったときに行ったんですけど、野村證券の方もお見えになっていましたが、何しゃべっているのかわかりませんでした。私もわからないんですから、あと、自治体の職員だとか、なかなか事業をよく理解できなかったのではないかなと。質問する時間もなかったしね。
融資制度そのものについても、県の制度として、こういう企業に対する県の融資制度というものをつくってあるのかどうか。もしつくってないとすれば、つくる必要があるんじゃないかと。それをやることによって、
再生可能エネルギーに取り組む企業が出てくると、こういうふうに思うんですけれども、ひとつ、お答えをいただきたいと思います。
32 ◯工藤(兼)委員長
エネルギー総合対策局長。
33
◯八戸エネルギー総合対策局長 先ほども融資制度につきましてはお答え申し上げましたが、県のほうでは、県の単独の融資制度におきまして、大体、十億から十五億ぐらいの限度額で融資制度を新たに、
再生可能エネルギーを対象としたところでございます。また、先ほど申し上げましたように、風力発電につきましては、そのうち
利子補給制度というものを設けたところでございます。県内企業、できるだけ、この
再生可能エネルギーの発電事業、あるいは関連産業に参入できるように、できるだけ意欲を喚起するような方向でいろんな支援を行っているつもりでございますが、やはり何としても企業間の
ネットワーク、これをもっと強調していきたいなということで、さまざまな支援を行っているところでございます。
34 ◯工藤(兼)委員長
相馬委員。
35
◯相馬委員 ひとつ、積極的に県としても取り組んでいただきたいと。いろいろなことをやってはおりますけれども、やっぱりそれだけでは、まだ件数は、企業は非常に少ないわけです。これをふやすためにも、ひとつ、ふえていくような、そういう政策というものを考えていただきたい、これは要望しておきます。
次に、
主要施策成果説明書の七十一ページ、
世界自然遺産の白神山地の保全についてお尋ねをいたすわけでありますが、白神もたしか世界遺産に登録されて十年経過したと。鹿児島の屋久島と同時に指定されたわけですけれども、何かいろいろ
マスコミ等で報道されている状況を見ていますと、だんだん白神山地に入っていく人が少なくなっている、激減しているというふうなことを言われているわけでありますけれども、その入込数の推移はどのような状況になるのか。これ、何カ所かから入れますね。暗門もそうだし、秋田のほうからも、それから鯵ヶ沢のほうからもということですけれども、できれば、その
入り口ごとにどの程度の人数かというのをお知らせいただきたいと思います。
36 ◯工藤(兼)委員長
環境生活部長。
37
◯林環境生活部長 白神山地の入込状況について申し上げますと、まず、全体的な数値として、青森県の観光入込統計に基づきまして申し上げますと、この統計自体は白神山地の入込について、年度によって集計方法が異なりますため、単純に比較することはできませんけれども、世界遺産に登録された平成五年が約十二万人であったものが徐々に増加いたしまして、平成十八年には約八十八万人の入込がございました。その後、委員からも御指摘がございましたように減少に転じまして、平成二十三年には震災の影響もございまして、約三十三万人となってございます。
その入込数というものを地域別で見ますと、
世界遺産地域に隣接いたします十二湖、そして
世界遺産地域の緩衝地域にございます暗門の滝への入込数というものが全体の約八割を占めている状況になってございます。
38 ◯工藤(兼)委員長
相馬委員。
39
◯相馬委員 いろいろ震災等があったといっても、八十八万から三十三万というようなことに激減している。屋久島はそんなことはないんですね、私、行きましたけれども。白神と屋久島の違いというのは、やっぱり屋久島は前から観光のためにいろいろ開発されていますから、ですから、三十分コースだの五十分コースだのつくって、木道でやっているわけですね。白神にはそれはないんだろうと思いますよ。
そこで、入込数が激減している理由を県はどう捉えているのかお答えいただきます。
40 ◯工藤(兼)委員長
環境生活部長。
41
◯林環境生活部長 入込数が減少している理由でございますが、全体としては余り明確な分析というものはございませんけれども、ここ二、三年の状況として、例えばここ数年、非常にあの地域でも豪雪の状況がございました。そういったこともございまして、例えば暗門の滝までの遊歩道の開通時期が例年に比べまして、ここ数年、大幅におくれております。例えば、ことしの山開きというものは七月十四日というような状況でございました。そして、そのほかに度重なります大雨による増水等がございまして、その都度、遊歩道が損壊して閉鎖されるというような状況もございました。こういった状況もございまして、状況を伺いますと、結果として
団体ツアーの日程がツアーとして組みにくくなっているような状況もあると、こういうふうな状況を伺っているところでございます。
42 ◯工藤(兼)委員長
相馬委員。
43
◯相馬委員 一部には入山規制をしているんじゃないかと。結局、木を傷つけられる、いろんなことをするということを心配して入山規制をしているんじゃないかということなんですよね。この入山規制については、私、屋久島に行ったときに環境省の職員と会って話をしました。そしたら、やっぱり入山規制っていうのはすべきではないと。そういうような、木を傷つけられるし、いろんなことをしないように、マナーを守るように指導していくべきであって、入山規制はすべきではないと、こういうことを言っていましたけれども、白神については入山規制はあるんですか、ないんですか。
44 ◯工藤(兼)委員長
環境生活部長。
45
◯林環境生活部長 白神山地のいわゆる核心地域についてのいわゆる入山の状況についてでございますけれども、入山する際には、現状といたしまして、
森林管理所や深浦、鯵ヶ沢、西目屋の各役場、そのほか白神山地の
ビジターセンター等の窓口に入山者の名前や連絡先、登山行程などを記載いたしました
入山届出書を提出することとなってございます。そしてまた学術研究や
テレビ取材など登山以外の目的で入山する場合には、
森林管理所への
入山許可申請が必要となります。したがって、いわゆる入山規制という形ではございませんけれども、届け出に基づいて二十七ルートについては入山できるような状況となっているところでございます。
ただ、この核心地域でございますが、もともと地形が険しいということもございまして、山腹の斜面や深いV字型の渓流など、非常に危険な箇所が多うございます。したがいまして、一般登山者向けのコースではないということから、この届け出制が入込客数の減少に直接影響しているというふうには考えていないところでございます。
46 ◯工藤(兼)委員長
相馬委員。
47
◯相馬委員 実は、届け出制度が誤って伝えられている面もあるんじゃないかなと思うんですよ。それが入山規制だと。私も時々、そんなことを聞くものですから。入山規制をするというと、屋久島では環境省の人と話をしたときも、そうやって随分違いが出てくるわけですのでね、入山規制はしていない、届け出制だということです。その点であれば、きちんとしなければならない。そのことをもって、入山規制だというふうに思われれば、ちょっと困るわけですね。これは入込数がふえてくるわけはない、規制されているということになりますと。先ほども申し上げましたように、屋久島だったら、前から観光のために、環境を破壊されない程度で入れるようになっているわけですよ。私、歩いてみましたけれども。ですから、その点を誤って伝えられているとすれば、何か誤って伝えられているような感じがするんですよ、私のところに聞こえてくる話では。ですから、その点は、きちんとやっぱりPRをして、山に入るんですから、やはり入山届を出しておかないと、きょう帰ると言っているけどまだ帰ってきてないとか、いろんな話がありますので、そういう点では、届け出は私はすごく重要なことだと思うんですよ。それに対しても、恐らく人によっては、そういうことやらなくてもいいんじゃないかというところもあるようですけれども、やっぱり届け出制というのはいいと、やらなきゃならないと。ただ、そういう誤解が出ないように、そういう努力はやっぱりしていく必要があるんではないかなと、こういうように思っております。これはこれで終わりますが。
先日、新聞を見ていましたら、白神にクマゲラの巣もないと。前はクマゲラいたんですよね。その巣も見えない、こういうようなことを言われておりますけれども、まさか白神山地の環境が悪くなって、クマゲラもすめなくなったということではないと思うんですけれども、県としてはどうですか。
48 ◯工藤(兼)委員長
環境生活部長。
49
◯林環境生活部長 白神山地につきましては、世界遺産の登録前から環境省が管理いたします自然環境保全地域、そして林野庁が管理いたします森林生態系保護地域、県が管理いたします津軽国定公園や明石渓流暗門の滝県立自然公園など、各種制度によりまして保全措置が講じられているところでございます。
そして、世界遺産登録後につきましては、ブナ林や動植物等に関するモニタリング調査を継続して実施いたしますとともに、白神山地
世界遺産地域管理計画を策定いたしまして、関係する国、そして青森県、秋田県等が連携いたしまして、各種保護制度の円滑な運用に努めておりまして、
世界遺産地域の自然環境というものは登録前と同様の状況が保たれているものと考えてございます。
そして、ことし改定いたしました白神山地
世界遺産地域の管理計画におきましては、生態系の保全・管理の項目におきまして、遺産地域内に生息が確認されているイヌワシ、クマタカ、クマゲラといった希少種については、周辺地域も含めた広域的な観点からの生息域等の保全に努めるというふうにしているところでございます。そしてまた、環境省や林野庁では、巡視員によりまして巡視活動を継続しておりまして、クマゲラの具体的な生息数とか生息場所等については公表してございませんが、確認いたしましたところ、今年度のクマゲラに関する情報について問い合わせしましたところ、数件の目撃情報はあるというふうに確認されているところでございます。
50 ◯工藤(兼)委員長
相馬委員。
51
◯相馬委員 それから、先般、テレビで見ました鹿、これはいろいろな環境に悪い影響を与えるんじゃないかと。若い芽を食べたり、そういうようなおそれがあるということで、テレビにその姿がきちんと映っていましたけれども、これについてはこれからどういうような、まあ、木そのものだけの影響じゃないんですけれども、どういうふうに考えていますか。
52 ◯工藤(兼)委員長
環境生活部長。
53
◯林環境生活部長 ニホンジカにつきましては、委員からも今、お話がございましたように、ことしの四月に弘前市の百沢地区で、そしてまた九月に西目屋村の大秋地区というところで目撃されているところでございます。こうした県内に侵入しているニホンジカは、十月七日に開催いたしました白神山地
世界遺産地域科学委員会におきまして報告がございまして、DNA解析の結果、岩手県からの侵入と考えられるという報告がなされているところでございます。
現在、県内に生息しておりますニホンジカは、生息密度が低いことから、有効な捕獲方法がないというのが実情でございます。県といたしましては、引き続き目撃情報の収集に努めますとともに、ニホンジカの生息状況を把握いたしますとともに、白神山地の
世界遺産地域連絡会議、この会議がございますので、こういった会議を初めとする国等の関係機関との協議の場を通じて、どういった対策が可能なのか検討してまいりたいと考えてございます。
54 ◯工藤(兼)委員長
相馬委員。
55
◯相馬委員 今の白神山地は観光のためには特に活用されていないのではないかなと思うんですね。ですから、県として少しそういうことも考えてみる必要があるのではないか、これは要望しておきます。
次に、歳出七款二項一目「観光振興費」の十和田湖の観光振興についてちょっとお尋ねをいたしますが、十和田湖の観光については年々、観光客が減っております。そして、ホテルだとか旅館の廃業もありますし、したがって、お土産の店も少なくなってきている。さらに、遊覧船も、私も秋に、この季節に行ってみたことがあるんですが、誰も人がいない。その後、二時間おくれてまた行ったんですよ。今度は団体がいました。遊覧船に乗っているの、我々の団体だけ。あと誰も乗っていません。そういう意味では、本当に十和田湖を訪ねる人が少なくなってきている。少なくなっているというより、激減しているという感じがするんですよね。ホテルのお土産の売り場も、りんごも、りんごが腐っているんですね。これはだめだよという話をしたことがあるんですが、やっぱり人がだんだん減ってきていると、こういうようなことですので、過去五年間における十和田湖への観光客の入込状況、その推移をひとつ伺いたいと思います。
56 ◯工藤(兼)委員長 観光国際戦略局長。
57 ◯佐藤観光国際戦略局長 最近五年間の観光客入込数について、十和田湖休屋にあります十和田ビジターセンターでは、平成二十四年の入込数は三万七十八名でしたが、これは震災のあった平成二十三年と比較して九五・六%、また、震災前との比較では、新幹線新青森開業年である平成二十二年に比べ七六・一%、二十一年に比べ七六・八%、二十年に比べ九九・一%となっております。
次に、奥入瀬渓流にあります石ケ戸休憩所は、平成二十四年の入込数が二十六万七千七百二十五人で、同じく二十三年と比較すると一〇七・七%となっておりますが、震災前の二十二年比で八四・九%、二十一年比で八七・八%、二十年比で一〇二・一%となっております。
また、十和田湖休屋地区の主要宿泊施設の宿泊者数は、平成二十四年が十万九百十六人で、二十三年と比較すると一二九・二%となっていますが、震災前の二十二年比で八七・七%、二十一年比で六九・五%、二十年比で八三・八%となっております。
震災前の水準まで回復していない要因といたしまして、東日本大震災による大幅に落ち込んだ北海道等からの教育旅行や外国人観光客の回復のおくれ、そして名古屋便、大阪便の機材の小型化などにより、中部・関西圏からの団体客が減少したことなどが挙げられますが、そのほか大きな課題といたしましては、近年の旅行の形態が団体客による名所旧跡訪問型から個人客による体験型へ大きく変化している中、その土地ならではの食や体験プログラムの提供といった個人客のニーズへの対応がおくれているということも考えられます。
以上です。
58 ◯工藤(兼)委員長
相馬委員。
59
◯相馬委員 今、局長の答弁を聞いていると、そんなに減っていないというふうに聞こえますが、実際、十和田湖行ってくださいよ。休屋だって、誰も休む人、いませんよ。人が行っていない。だから、遊覧船も会社が倒産しているわけでしょう。人が行けば乗るわけです。
私ね、この間、田沢湖に行ってきました、この質問をするために。(「いいな」と呼ぶ者あり)景観はね、うちのほう、十和田湖、最高にいいですよ。何で田沢湖がこんなに人が来るのかなと。規模からいったって、景観そのものからいったって、全然違うんですよね。ですから、私、思うんですけれども、十和田湖で、やっぱり来るのを待っているんではなくて、人を呼んで行事をやるぐらいのことをしないと、このまま行ったら、十和田湖魅力なくなりまして、外から人来ませんよ。ですから、どうですか、行事としてやっているの、どういうのがあるんですか。
60 ◯工藤(兼)委員長 観光国際戦略局長。
61 ◯佐藤観光国際戦略局長 十和田湖におきましては、その時期、その時期、四季折々の季節ごとにイベントを開催しております。例えば、七月には十和田湖湖水まつり、それから二月には十和田湖の冬物語、それから毎年七月にはウオークイベントとして十和田湖を一周するイベント、そういったものが開催されております。
62 ◯工藤(兼)委員長
相馬委員。
63
◯相馬委員 そういうのをやって、人がどれだけ集まっているかということなんだよな。奥入瀬も道路はいっぱい車通っていますよ。でも、肝心のところには行っていない。これがやっぱり最大の観光の欠陥ではないかな、十和田湖については。
何で田沢湖があんなにいろんなことをやって人を集めるとか、あそこはたつこ姫がいるからではないかな。そうじゃないんですよ。いろんな行事をやる。田沢湖マラソンでしょう。フルマラソンあるのは、東北でも白神のアップルマラソンと田沢湖のマラソンですよ。それ以外もいろんな行事をやっぱりやっています。そうすると、ふだんから田沢湖に人が集まっていくんですから、だから新幹線の駅もあるわけだ。角館からちょっと行けば新幹線の駅ありますから。私はもっとやっぱり積極的に、これは県が積極的にというよりも、いろいろな関係者が積極的に取り組んでいかなきゃならないことなんですが、県も少しアドバイスをしなきゃだめじゃないでしょうかね。国際戦略局でしょう。何も戦略、ないようになっちまう。
例えば十和田湖マラソン、そしたら弘前の人が余計なことしゃべんなじゃと。そんな小さいこと言えばだめだよと。今、すごいでしょう、マラソンブームで。マラソンなんて、一人でいいわけ。駅伝だと人数そろわなきゃ出られませんけどね。それから、ツーデーマーチ。ツーデーだと、平日入るから、なかなかこれはできないかな。そういうようなものを、あるいはもっと文化的なものでもいいですよ。短歌の大会だ、俳句の大会だ、でも、川柳はきついけどね。こういうものも、やっぱりやっていく必要があると思う。テレビをよく見ると、そのたんびにいろいろなことをやっている。でも、川柳大会はやらないでください、やっちゃだめですよ。川柳大会とか人数が集まらないわけですからね。ある会社が何でしないんだと、川柳の募集をしたそうです。さっぱり集まらない。集まらないわけではない。やるのがおかしい。そうでなくて、川柳もいいけれども、短歌も俳句もやればいい。結局、川柳ということをおっしゃったから、そんなに集まらなくて、もっと集めてやればいいじゃないかという話になっているそうですが。ですから、いろんなことをやっぱりやっていく必要があるんですが、ただ、十和田湖などは割に、実際、住んでいる人は、余り多くないのかな。やっぱり地域の協力もなければ、これからだめなものですから、もう少しやっぱり人がふえる努力をしていかないとだめだと。七年後には東京オリンピックもあるんで、そうすると外国から人が集まる。それを十和田湖のほうに連れてきて、青森県全体の観光を盛り上げていく、そういうようなことも考えていかなきゃならないと、こう思うんですよ。
どうですか、マラソン、ひとつ、やってみませんか。
64 ◯工藤(兼)委員長 観光国際戦略局長。
65 ◯佐藤観光国際戦略局長 現在、地元の十和田市を中心に、国や県、地元関係者等で構成します十和田湖活性化対策会議を設置いたしまして、休屋地区の観光振興に向けた協議を進めているところです。この会議では、十和田湖への誘客の促進や地域の活性化を図るため、平成三十一年度を目標年次とする行動計画を年度内に策定することとしており、学識経験者、その他、地元の方々も交えながら、今現在検討を進めているところです。
御提案のマラソンやツーデーマーチのようなイベントにつきましても、十和田湖活性化対策会議などを通じまして、地元関係者、十和田市に提案してみたいと考えております。
66 ◯工藤(兼)委員長
相馬委員。
67
◯相馬委員 マラソンも、弘前あたりはことし、千六百名か。あれはそんなに人数がなかった。どんどんどんどん、やっぱりふえてきて、駅伝だと十人とか八人とか、そのぐらいないといけませんけれども、そうすると、前の日、泊まるということも出てきますからね。いろいろやっぱり協議ばかりしていないで、マラソンは競技ですけれども、その辺の協議をしても、それじゃあ、人は集まりませんよ。お一人でも人を十和田湖に呼ぶ、そのための行事をやっていかないと。十和田湖でマラソンをやれば、高低の差があるから、おれは嫌だよ。みんな、四十二・一九五キロ走らなきゃだめじゃなく、五キロでも、三キロでもいいし、十キロでもいいわけです。やり方でできるんじゃないかと、こういう話をしておりますので、その点はひとつ、取り組みをしていただきたいということで、それから十和田・八幡平誘客促進事業というのはどんな内容なんでしょうか。
68 ◯工藤(兼)委員長 観光国際戦略局長。
69 ◯佐藤観光国際戦略局長 本事業は、十和田湖・八幡平・鹿角エリアの冬期の誘客を促進するため、北東北三県の地域県民局と地域振興局、地元市町が十和田・八幡平誘客促進事業実行委員会を設置し、旅行エージェントによる旅行商品の造成、販売、送客を支援することにより、当該地域への誘客を促進したものです。
具体的には、平成二十四年十一月から二十五年三月にかけて造成された当該地域を周遊する一泊以上の旅行商品の広告に対する支援を実施したものであり、十和田湖地域への宿泊客の実績は六百三十九人となっております。
70 ◯工藤(兼)委員長
相馬委員。
71
◯相馬委員 さっき局長が言っていた十和田湖冬物語、何かビールの名前のような、ビールに何とか物語とかってあるんですけれども、そんな感じもしますが、これはどんな内容と期間にやっているのか、そしてどれぐらいの人が集まっているのか、その点をぜひひとつお知らせをいただきたいと思います。金かけてる割に、さっぱり実績が見えてこない。恐らく何をやったって、出てこないんですね。この点について、お答え願います。
72 ◯工藤(兼)委員長 観光国際戦略局長。
73 ◯佐藤観光国際戦略局長 十和田湖冬物語は、本県の冬期観光の振興を図ることを目的に、平成十年度から開催されており、平成二十四年度で十五回を数えております。昨年度は、約十六万個のLED電球で会場内を飾りつけ、白い雪に映える青い光が幻想的な雰囲気に包み込むブルーイルミネーションというものを展開しましたが、冬花火や秋田、青森の味が楽しめるゆきあかり横丁、雪見足湯、それから津軽三味線のライブやなまはげ太鼓などの郷土芸能を披露し、来場者の方々に楽しんでいただいております。
過去五年間の来場者の推移につきましては、平成二十年度から二十一年度は二十四万人台で推移し、東北新幹線新青森駅開業を迎えた二十二年度は二十八万人を超え、それまでの最高値となりましたが、二十三年度以降は震災等の影響もあり、二十万人から二十一万人となっております。会期はいずれも二十四日間です。
74 ◯工藤(兼)委員長
相馬委員。
75
◯相馬委員 これは経済効果、調べたことありますが、冬物語をやって、なかなか見えてこないんですね。冬あそこでやるというのはなかなか、目のつけどころはいいんですけれども、冬場というのは交通の便とか、なかなか容易でないと思いますが、金かけても効果がないんじゃないかなと思うんですが、経済効果について伺います。
76 ◯工藤(兼)委員長 観光国際戦略局長。
77 ◯佐藤観光国際戦略局長 十和田湖冬物語は休屋地区のホテル、旅館等の冬期間の営業が可能になりますことで、地域の活性化と冬期間の雇用の創出が図られますことや、十和田湖冬物語が東北を代表する冬のイベントとして定着し、県内全体の誘客の牽引役と考えております。十和田湖冬物語、新幹線新函館開業、もう二年後には予定されておりますけれども、それまでにまたコンテンツ等、一層のブラッシュアップをしまして、また新たな観光周遊ルートにも取り上げていただきたいと考えております。
78 ◯工藤(兼)委員長
相馬委員。
79
◯相馬委員 十和田観光は終わりますけれども、何としても、あれだけのいい場所、あのいい湖を活用して、そうすると、あそこだけ行くわけじゃない、県内も結構歩きますから、何とかもっと盛り上げるように──いやあ、本当に田沢湖に行ってみて、びっくりしているんですよ。これで物すごく人気が出てきて、人が集まってくる。十和田湖は景観はすばらしいんですよ。でも、人が来ない。ここをもう少しやっぱり考えて、人が集まって、協議をするために集まって話をするだけでは進みませんよ。具体的なことをやっぱり手をつけていかないと。人を呼び集めるというのはなかなか難しいと思いますので、よそを見てきて、私は言っているわけですけれども、あの程度の景観で、あれだけの人。行事はずいぶん多い、田沢湖を中心にしてやっている行事はすごく多いです。あの劇団は田沢湖にいる。あれは私は可能な企画だと思っているんですけれども。ですから、もっと、本当にごく限られた専門的な知識を持っている人が集まるような会合だとか何とかではなくて、一般の人が誰でも参加できるようなものをやっぱり考えていく必要があると思いますよ。もちろん、地元も相当協力しなきゃならないことになりますが。何とか十和田湖の観光をもっと盛り上げていただきたいということを要望して、これは終わります。
最後に、歳出六款一項九目「担い手対策費」の新規就農の促進等についてということでありますが、担い手対策費ではどのような担い手を支援対象としているのか伺いたいと思います。
80 ◯工藤(兼)委員長 農林水産部長。
81 ◯一戸農林水産部長 お答えいたします。
県では、担い手対策費によりまして、今後、就農を目指す若い農業後継者から地域農業のリーダーである農業経営士まで幅広い担い手に対して、その経営発展段階に応じて支援をしております。
具体的には、農村青少年クラブの就農初期の若手農業者、地域農業を牽引する青年農業士や地域の指導者となる農業経営士に加えて、六次産業化やマーケットインの視点で生産・販売に意欲的に取り組む若手農業トップランナー、さらには集落営農組織や農業生産法人など、本県農業を支える中核的な担い手を支援の対象としております。
82 ◯工藤(兼)委員長
相馬委員。
83
◯相馬委員 ところで、二十四年度で新規就農者数はどの程度になっておったのか、そして、その傾向はどういうようになっているかお答えをいただきたいと思います。
84 ◯工藤(兼)委員長 農林水産部長。
85 ◯一戸農林水産部長 本県の平成二十四年度における新規就農者数は二百六十七人でございまして、前年対比一四一%に増加し、平成に入ってから最も多い人数となっております。
近年の傾向として、新規就農者数は平成二十一年度以降、毎年増加しておりまして、このうち形態別で見ますと、Uターン等と新規就農者が増加し、また、年齢別では三十代と四十代が増加しております。この理由としては、他産業への就職状況が厳しいことや、親の高齢化により経営継承が進んだことのほか、県の担い手育成対策や国の青年就農給付金事業の実施などによるものと考えております。
86 ◯工藤(兼)委員長
相馬委員。
87
◯相馬委員 ところで、この予算が当初予算から八千九百二十五万円減額補正をしていますけれども、これはなぜこういう減額をしたのかお聞きします。
88 ◯工藤(兼)委員長 農林水産部長。
89 ◯一戸農林水産部長 減額補正の主なものにつきましては、国の青年就農準備給付費補助と青年就農給付費補助がメーンとなっております。
その理由としては、青年就農準備給付費補助において、一部の給付希望者が就農時の年齢が四十五歳未満の給付要件を満たさなかったため、これで給付対象にならなかったこと、また、青年就農給付費補助では、これに加えて農地を確保できなかったことや、年度当初までに給付要件を満たすことができず、要件を満たした年度途中からの給付となったことが挙げられます。
90 ◯工藤(兼)委員長
相馬委員。
91
◯相馬委員 これから聞くのは、部長の答弁の中に入っているような気がしますけれども、青年就農準備給付費補助及び青年就農給付費補助の事業内容、それから受給者数、そしてその成果をお知らせいただきます。
92 ◯工藤(兼)委員長 農林水産部長。
93 ◯一戸農林水産部長 青年就農準備給付費補助につきましては就農前の研修期間の最長二年間、青年就農給付費補助については就農直後から最長五年間を対象に、国が一人当たり年間百五十万円を給付するものであります。
昨年度の受給者数は、青年就農準備給付費補助が五十六人で、うち、営農大学校生が二十七名、また、青年就農給付費補助は二百三十七人で、このうちUターン等が百四人、新規参入が二十四人、新規学卒が七名で、両補助の合計は二百九十三名となっております。
本事業の成果としては、昨年度、新規就農者が二百六十七人と、前年に比べ約四割ふえておりますが、このうち約半数の百三十五人が青年就農給付金を受給しており、本事業が新規就農を後押ししたものと考えております。
94 ◯工藤(兼)委員長
相馬委員。
95
◯相馬委員 これで最後になりますけれども、青年就農準備給付費補助、その受給者について、研修後の就農状況を、もう既に就農している人があるかもしれませんし、それからこれから就農するという人もふえてくるだろうけれども、それに対してどういうふうな取り組みをしていくのか、お答えをいただきたいと思います。
96 ◯工藤(兼)委員長 農林水産部長。
97 ◯一戸農林水産部長 まず、準備給付金の受給を受けた研修後の就農状況でございますが、五十六名のうち、現在研修中の者を除きまして、今年三月までに営農大学校や生産組合等での研修を終えた九名全員が就農してございます。うち、県内に二名が就農し、県内に就農した七人につきましては、全員が独立自営就農をしてございます。これを類型別に見ますと、施設野菜が三人と最も多く、露地野菜、果樹、水稲、畜産、それぞれ一名となっております。また、これらにつきましては、やはりしっかりと定着していくことが重要でありますので、県としては農業改良普及員、それから農協の営農指導員等による巡回指導、それから研修会も多く開催する、また、農業経営士をトレーナーとして昨年度まで委嘱しておりましたが、農業経営士等がそういう新規就農者に密着をしながら、いろんな相談を受けたり、経営の指導をすると、そういう形で定着率を高めていきたいというふうに考えております。
98 ◯工藤(兼)委員長
相馬委員。
99
◯相馬委員 今、農業をやっている人の中に、これを希望して、今、研修を受けている人もいると思うんですよ。ただ、その場合に、今ある農業、あるわけですが、これを分けてやるんでは、これはやっぱりだめだと思いますよ。小規模になるということは大変なことですから、ですから、ある程度、規模も大きくしなきゃならないし、新規就農の研修を受けた人はやっぱり農地を取得していかないとだめだと思うんですよ。土地も農業として統一した経営はできませんからね。ですから、そういうものに対する対応、資金の面もあるし、その点はどうなっているのかお知らせいただきたいと思います。
100 ◯工藤(兼)委員長 農林水産部長。簡潔にお願いします。
101 ◯一戸農林水産部長 就農者はやはり経営を安定させていくというのが非常に大事でございまして、実は就農給付金、親戚から借りるのはだめだという要件が二十六年度からは若干、その辺も考慮して、親戚からでも大丈夫だろうというような状況も出てきておりますので、できるだけ我々も地域の状況を見ながら、新規就農者に農地がうまく手に入るような手だてをしっかりと講じていきたいというふうに考えております。
102 ◯工藤(兼)委員長 午さんのため、暫時休憩いたします。
午前十一時五十九分休憩
──────────────────────
午後一時再開
103 ◯工藤(慎)副委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
菊池憲太郎委員の発言を許可いたします。──菊池委員。
104 ◯菊池委員 午前中の
相馬委員の非常に格調の高い質疑の後で気おくれをしておりますけれども、何とか残り少ない午後を努めてまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
初めに、歳出四款五項四目「原子力環境対策費」及び歳出八款二項三目「道路新設改良費」、原子力防災対策及び避難路としての道路整備について伺います。
東日本大震災から二年と七カ月が経過をいたしました。未曽有の災害も、時の流れとともに希釈をされているように危惧をするものであります。しかし、平時の防災意識、避難対策はおろそかにできないものだと考えております。
県では、昨年十一月三日、東北電力東通原発の苛酷事故を想定した県原子力防災訓練を実施いたしました。訓練には、自衛隊や海上保安部、県警や消防など、約七百名が参加をした非常に大規模なものとなったと記憶をしております。
そこで、今回初めて実施をしたこの広域避難訓練の内容及び成果、課題についてお尋ねをいたします。
105 ◯工藤(慎)副委員長
環境生活部長。
106
◯林環境生活部長 委員からもお話がございましたように、昨年十一月三日でございますが、福島第一原子力発電所の事故後、初めて東通原子力発電所での事故を想定いたしました原子力防災訓練を実施したところでございます。
この訓練におきましては、原子力発電所にかかわる防災対策の重点区域が三十キロメートルに拡大したことに伴う住民避難への対応を主なテーマの一つといたしまして、施設から三十キロメートル圏内の全市町村が住民避難誘導訓練を実施し、その中で東通村から青森市内までの広域避難訓練を初めて実施したところでございます。
また、広域避難の受け入れ先でございます青森市の協力のもと、スクリーニング等の緊急被曝医療活動ですとか避難所の運営訓練を行いまして、青森市を含む各関係機関の連携・役割などを確認いたしまして、訓練参加者の防災意識の醸成と防災業務従事者の緊急時対応能力の向上を図ることができたものと考えているところでございます。
また、訓練後に実施いたしましたアンケートでは、自然災害による国道の寸断や厳冬期を想定した住民避難、より多くの避難者が発生した場合の対応など、さまざまな想定のもとでの訓練の実施の必要性について御意見をいただいたところでございまして、県としても、こうした認識のもと、より効果的な訓練となるよう、今後の訓練にも反映してまいりたいと考えてございます。
107 ◯工藤(慎)副委員長 菊池委員。
108 ◯菊池委員 訓練後に、三村知事も実効性のある訓練に引き続き取り組んで、県民の安全・安心の確保に努めたいとお話をされておりました。しかし、課題はもっと深刻なのではないかと感じております。
昨日の畠山委員のSPEEDIに関する質疑でも取り上げられましたが、去る十月十三日、新潟県長岡市において、柏崎刈羽原発の事故を想定した避難訓練が実施をされました。この訓練において、風向きを考慮して避難場所を想定をしたが、予想した風向きとは実際は別の方向に風向きが変化をし、混乱を招いたという事態が報道されておりました。より精度の高い情報収集と、それに伴う実効性のある計画が必要ではないかと思った次第でございます。
そこで、市町村の避難計画の作成を初めとする原子力防災対策の充実に向けた取り組みに対して、国及び県はどのような支援をしているのか伺います。
109 ◯工藤(慎)副委員長
環境生活部長。
110
◯林環境生活部長 国におきましては、市町村の避難計画や地域防災計画の充実を図るため、原子力発電所立地地域ごとに原子力防災専門官や各省庁防災担当者、道府県担当者等から成ります地域防災計画等の充実支援のためのワーキングチームを設置いたしまして、自治体だけでは解決が困難な対策について、積極的に支援していくこととし、本県では東通原子力発電所にかかわります東通ワーキングチームにおいて、避難計画等を策定する上での課題等の抽出を行っているところでございます。
また、県におきましては、これまでも関係市町村に対しまして、避難計画作成の手引となります避難計画作成要領を示すとともに、広域避難の受け入れ先の調整を行ってきているところでございます。加えまして、今年度は東通原子力発電所周辺住民を対象といたしまして、原子力災害時の避難を想定したコンピューターのシミュレーションを実施いたしまして、避難に要する時間を推計した上で、改善事項等の検討を行うことによりまして、原子力防災対策の強化に資することとしているところでございます。
今後とも関係市町村間で協議・調整が行われる中で、県としてかかわる必要のある事項が生じた場合には適切に対応してまいります。
111 ◯工藤(慎)副委員長 菊池委員。
112 ◯菊池委員 市町村、さらには地域に対する避難計画への支援というものに関しては、ソフト面も非常に重要であるということは認識をいたしておりますが、究極の面では、やはりハード面での整備が必要であると考えております。極めて現実的、効果的に、そして確実に避難の実行を可能とするためには統一的な避難路の確保が最優先の課題であると考えております。
そこで、下北地域における広域避難路の確保について、その考え方、これまでの実施状況及び今後の見通しについて伺います。
113 ◯工藤(慎)副委員長 県土整備部長。
114 ◯横森県土整備部長 下北地域におけます広域的な避難路として、県ではこれまで国道二七九号の現道の安全確保のため、風間浦村易国間地区におきまして、平成十七年度から昨年度まで、約四十四億円の予算規模で落石対策工事を進めてきたところでございます。
さらに、今年度も引き続き四億五千万円を計上し、県道薬研佐井線における避難路整備に必要な調査設計や改良工事、県道川内佐井線における通年通行に向けた防雪施設の調査設計や災害防除工事を実施しております。
また、平成二十四年度に複合災害時における広域的な避難路の検討を行っており、大間町から易国間地区までの区間におきまして、既存、または計画中の農道・道路を連絡する避難路を整備することとしたところでございます。
今年度は易国間地区における短期的に整備すべきルートにつきまして、道路予備設計に着手したところであり、引き続き早期整備に向けて地元風間浦村とともに取り組んでまいります。
以上です。
115 ◯工藤(慎)副委員長 菊池委員。
116 ◯菊池委員 下北半島は、誰が見てもわかるとおり、行った道を帰るしかない、非常に代替性に乏しい道路であります。これもわかり切った話でありますが、広域避難を考えた場合、動脈である幹線道路、これを太くしていく必要があろうかと思います。そして、下北半島縦貫道路の早期全面開通こそが広域避難対策の核であると言えます。
そこで、下北半島縦貫道路について、これまでの整備状況及び全線開通までの見通しについて伺います。
117 ◯工藤(慎)副委員長 県土整備部長。
118 ◯横森県土整備部長 下北半島縦貫道路につきましては、これまで有戸バイパス、野辺地バイパス、有戸北バイパスを供用するとともに、現在、吹越バイパス、むつ南バイパス及び今年度からの新工区であります横浜南バイパスの三工区において整備を進めているところでございます。
今年度は、吹越バイパスにつきましては、改良工事の進捗を図ることとしております。むつ南バイパスにつきましては、用地取得の促進と改良工事の進捗を図ることとしております。横浜南バイパスにつきましては、用地測量、詳細設計の一部に着手し、来年度以降につきましては用地測量などを行い、工事に必要な用地の早期取得を目指すこととしております。
今後とも現在事業中の区間の整備促進を図るとともに、むつ市から横浜町の未着手区間につきましても早期に新規事業化され、一日も早く下北半島縦貫道路の全線完成が実現するよう、国の積極的な関与を強く働きかけてまいります。
以上です。
119 ◯工藤(慎)副委員長 菊池委員。
120 ◯菊池委員 我が国の原子力規制委員会のモデルとなった米国の合衆国原子力規制委員会、いわゆるNRCにおいて、避難計画なくして原子力の新規建設も再稼働はなしとして、マンハッタン島の隣のロングアイランドに建設中のショーラム原発を避難計画の非実現性を理由として、稼働する前に閉鎖へと追い込んでおります。
このように、各州に対して、米規制委員会は避難計画の策定に当たって積極的なインフラの整備、関与を求めております。連邦政府制を敷く米国と我が国、本県の事情とは状況が異なるかもしれませんが、住民の安全を守る意識と課題の克服、この点については相違はないものと考えます。下北半島縦貫道路は原子力災害の避難とは一線を画すような捉え方で県は捉えているかもしれませんが、整備の重要性が一層高まる、そのようなことを踏まえて、引き続き早期全線完成に向けて全力を尽くしていただきたいと強く要望させていただきたいと思います。
続いて、歳出九款一項四目「警察施設費」、むつ警察署及びむつ自動車運転免許試験場の設置について伺います。
本年八月三十日、むつ警察署の新庁舎が完成しまして、私も竣工式典に参加をいたしました。非常に広々とした駐車スペースと、むつ市役所と向かい合う立地をしていまして、非常に立派な施設でありました。外観のデザインについては、むつ市という大海原に浮かぶ船で市民を守るというのがコンセプトのようでありますが、むつ警察署の建てかえに当たってはどのような点に配慮して設計・建設を行ったのか伺います。
121 ◯工藤(慎)副委員長 警察本部長。
122 ◯徳永警察本部長 お答えいたします。
まず、警察署は治安の基盤をなす警察活動の拠点でございまして、その建てかえに当たりましては、老朽・狭隘の程度、管内の治安情勢、住民の方々の御意見・要望、経費面等について総合的な検討を行った上で進めているところでございます。
このたび委員の皆様の御理解を賜りまして、むつ警察署を建てかえることができたわけでございますが、その建てかえに当たりましては、警察署を訪れる地域の皆様方の利便性に配慮したほか、明るく広々とした待合ホール、あるいは利用しやすい受付窓口の設置など、親しみやすい施設となるように配慮させていただいたところでございます。また、職員の勤務環境の快適性、業務の効率性等を高め、機能的な施設となるようにしたところでございます。
主な特徴といたしまして、運転免許証の即日交付機能を有します運転免許試験場を新たに併設いたしましたほか、来庁者用駐車場の大幅拡充、高齢者の方々の安全・利便性を配慮いたしましたエレベーター等の設置など、バリアフリー化にも対応したところでございます。
123 ◯工藤(慎)副委員長 菊池委員。
124 ◯菊池委員 ただいまの答弁にもございましたが、新庁舎には運転免許試験場が併設をされまして、下北地域で初めて免許の即日交付が可能となることから、地域住民の利便性が大きく向上すると期待をされております。しかしながら、現実としてはなかなか住民の思うとおりに行っていないというような現状でありますが、改めてむつ自動車運転免許試験場における運転免許事務の運用について、考え方を伺います。
125 ◯工藤(慎)副委員長 警察本部長。
126 ◯徳永警察本部長 お答えいたします。
これまで下北エリアの方々が新たに運転免許証を取得する場合、むつ市内において、隔週、二週間に一回の割合で実施しておりました運転免許試験を受験していただいておりましたが、合格しましても免許証を受け取るまでには約二週間を要するほか、改めて最寄りの警察署に足を運ぶ必要がございました。また、むつ警察署、または大間警察署で運転免許証の更新を申請する場合には、むつ警察署では週一回、大間警察署では月二回、それぞれ実施する更新時講習を受講していただいておりましたが、その新たな更新した免許証を受け取るまでには約四週間を要しておりまして、多い方で申請時を含めまして三回、警察署等に足を運んでいただく必要がございました。また、青森市内にございます運転免許センター等では、運転免許証の即日交付が可能であるわけでございますが、下北エリアの方々がこれを利用するには、経済的・時間的な負担となっていたところでございます。
このたび開業いたしましたむつ自動車運転免許試験場におきましては、運転免許試験をこれまでの隔週から毎週一回に拡大実施するとともに、免許証の即日交付を開始することといたしました。また、更新につきましても、これまでの週一回ないし月二回から週二回に拡大実施いたしまして、そのうち月二回は利便性を考慮して日曜日に行うこととし、免許証の即日交付を開始することといたしました。こうしたことによって、下北エリアの方々に対します運転免許行政サービスは向上するものと考えております。
127 ◯工藤(慎)副委員長 菊池委員。
128 ◯菊池委員 今の答弁で、いかに不便であったかということが改めて示された御答弁でございました。
これまで青森運転免許センターまで、むつ中心から通うとしても約二時間かかっていたわけでございます。そういった点から関しましても、非常に、旧来からすると、便利さは向上したと思いますけれども、この業務の内容をホームページで閲覧をしますと、「更新、再交付、試験及び運転経歴証明書の即日交付業務が開始となります」と掲載されております。これだけですと、毎日、即日交付が実施されるかのように思われますが、実は先ほど答弁あったとおり、更新講習は講習の種別に応じまして曜日を決めて実施をされているというただし書きがございまして、結局のところ、毎週水曜日と隔週の木曜日、日曜日の週二日だけで、月の平均で言いますと約七日から九日の即日交付であることがわかります。これでは、どう見ても期待外れと言わざるを得ません。
そこで、県内の運転免許施設及び各警察署における運転免許事務の運用状況について伺います。
129 ◯工藤(慎)副委員長 警察本部長。
130 ◯徳永警察本部長 むつ自動車運転免許試験場以外に即日交付を行っております運転免許試験場等は県内に三カ所ございまして、そのうち青森市の運転免許センターでは平日の運転免許試験業務及び更新業務のほか、毎週日曜日に更新業務を実施しております。また、八戸自動車運転免許試験場では第二、第四金曜日を除く平日に試験業務及び更新業務を、弘前自動車運転免許試験場では第一、第三金曜日を除く試験業務及び更新業務をそれぞれ実施しているほか、それぞれ月二回の日曜日に更新業務を実施しているところでございます。
各警察署の運転免許事務につきましては、青森、八戸、弘前及びむつ警察署以外の十四警察署並びに青森警察署の平内交番におきまして、管内の運転免許保有者数等に応じて、少ない署で月一回、多い署で週二回ほど更新業務を実施しておりますが、いずれの署でも運転免許証の即日交付は行っていないところでございます。
また、このたびのむつ試験場の開業に合わせまして、大間警察署を含む三警察署につきましては、実施する更新時講習につきましては津軽方面の各警察署と同様に優良講習のみを対象としたところでございます。
131 ◯工藤(慎)副委員長 菊池委員。
132 ◯菊池委員 八戸と弘前、それぞれ他の施設においては、ほぼ毎日のように運用がされているかのように思われます。免許の保有者数の違いが理由であるということなのかもしれませんが、住民の利便性の向上という視点からは若干かけ離れているのではないかと考えます。さらには、先ほど答弁にありましたとおり、大間警察署管内における運転免許事務に関して、これまで大間警察署で行っていた事務手続が一部省略されたとも伺っております。
そこで、むつ自動車運転免許試験場や大間警察署における運転免許事務に関して、今後、地元からの要望や実際の運用状況などから運用方針を変えるつもりがあるのかどうかお尋ねいたします。
133 ◯工藤(慎)副委員長 警察本部長。
134 ◯徳永警察本部長 お答えいたします。
このたびのむつ自動車運転免許試験場などの運転免許事務に関する運用計画に関しましては、昨年八月三十日から九月三十日までの間、パブリックコメント手続により意見募集を行いましたほか、運転免許事務の見直しを予定しておりました警察署の警察署協議会において必要な説明を行うなど、地域住民の方々の御意見を頂戴しながら進めてきたところでございます。
繰り返しにはなりますが、むつ運転自動車運転免許試験場の開業によりまして、運転免許試験につきましては隔週一回から毎週一回にふやすとともに、更新業務につきましても週一回から週二回、そのうち月二回は日曜日に行うこととしたほか、運転免許証の即日交付を開始することとし、利便性の向上に努めているところでございます。
御指摘にございました大間警察署を含めまして十一警察署等では、更新時講習を優良講習のみと実施することとし、これらの警察署等では、原則として優良講習に該当する方以外の更新手続というのは行うことはできないとしているわけでございますが、他方で地域の集会所などに警察官が出向いて行います特定任意講習というものも受講していただければ、更新時講習そのものが免除されますので、即日交付とならないものの、その特定任意講習を受講していただければ、これまでどおり最寄りの警察署で更新手続を行うことが可能となっております。既に優良講習のみを行っております警察署の一部では、地域住民の方々の御要望を受けまして、この特定任意講習を実施することとしておりまして、大間警察署の管内におきましても同様の御要望がございますれば、適切に対応することとさせていただきたいと思っております。
188 ◯菊池委員 確かにALT、コミュニケーション能力の向上、さらには英検の面接にもまたおつき合いをされているように伺っておりますが、このことによって合格率がアップするということも入試においての一つのアドバンテージになろうかと思います。しかし、この事業、聞くところによりますと、昭和の時代から始めているということでありますが、そろそろ大学入試に実際につながる取り組みが求められているんではないかと思いますので、一歩進んだ施策をどうか打ち出していただくようお願いさせていただきます。
最後は、百十ページ、あおもりスポーツ推進プロジェクト事業の取り組み内容等についてであります。
初めに、小学校六年生から中学校三年生を対象にしたスポーツ選手基礎力向上キャンプ事業を進めていると聞いておりますが、その目的と内容について伺います。あわせて、本事業のこれまでの成果について伺いたいと思います。
189 ◯工藤(慎)副委員長 教育長。
190 ◯橋本教育長 初めに、目的と内容であります。
県教育委員会では、昨年度から将来、オリンピックを初めとする国際大会や国民体育大会等の全国大会で活躍できる人材を発掘・育成するために、スポーツ選手基礎力向上キャンプを実施しております。
具体的には、先ほど委員からお話がありましたように、小学校六年生から中学校三年生までを対象に、年二回の宿泊合宿を実施し、県スポーツ科学センターを活用したメディカルチェックや体力測定、基礎トレーニング指導やさまざまな競技体験、栄養指導やアンチドーピング指導を行いまして、将来、トップアスリートとなるために必要な技術や知識を身につけさせております。また、昨年度はロンドンオリンピックの陸上競技に出場しましたディーン元気選手の講演を直接聞かせるなど、子供たちのスポーツに取り組む動機づけや意欲の向上にも取り組みました。さらに、保護者を対象とした栄養指導やアンチドーピング指導のほか、県内指導者を対象にジュニア選手の発掘、育成についての研修会を実施しております。
次に、事業の成果であります。
昨年度のスポーツ選手基礎力向上キャンプは、夏季、冬季の二回実施したところであり、県内各地から自答生徒八十名、保護者四十三名、合わせて百二十三名の参加がありました。
本事業の実施により参加した児童・生徒は、自分の体力や能力の特徴を認識するとともに、ウエートリフティングや自転車、アーチェリー等、これまで経験したことのない競技を体験するなど、自己の可能性に気づくよい機会となり、スポーツに対する興味、関心を高めることができたと考えております。また、保護者を対象とした栄養指導やアンチドーピング指導により、体づくりのための食事のとり方や薬に関する正しい知識など、保護者自身の意識啓発にもつながっております。
191 ◯工藤(慎)副委員長 菊池委員。
192 ◯菊池委員 最後の質問になりますが、国民体育大会等の選手強化に向けて、今後どのように進めていくのか伺います。
193 ◯工藤(慎)副委員長 教育長。
194 ◯橋本教育長 本県選手の国際大会や全国大会における活躍は、県民に大きな夢と感動を与えるものであり、特に本県の未来を担う子供たちの郷土に対する誇りを育むことにもつながり、本県スポーツの振興に大きく寄与するものと認識しております。
このため、県教育委員会では、これまでさまざまな競技力向上に取り組んできたところですが、さらなる向上を図るためには、ジュニア期からの育成が大事であると考えており、今後とも県体育協会や関係団体等と連携を図りながら、国民体育大会等の全国大会に向けて、選手強化に取り組んでまいります。
195 ◯工藤(慎)副委員長 菊池委員。
196 ◯菊池委員 ジュニア期の強化ということでございますが、先ほどの基礎力向上キャンプにも共通しますが、たとえメジャー競技に不向きであったとしても、マイナー競技での開花が見込まれるのであれば、その方向に育てて、新たな実績と分野拡大も図れることとなります。幅の広いスポーツ環境を構築できるわけでございます。東京都では、恐らく本年度の国体を見込んでのことと思いますが、既にマイナー競技に着目をして能力が高い選手の発掘に努めております。どうか本県の競技力向上のためにも、いま一度、マイナースポーツに対しての取り組みを強化してくださるよう要望いたしまして、私の質問を終わります。
197 ◯工藤(慎)副委員長 ここで、執行部入れかえのため、少々お待ちください。
〔執行部職員入れかえ〕
198 ◯工藤(慎)副委員長 寺田達也委員の発言を許可いたします。──寺田委員。
199 ◯寺田委員 自由民主党、寺田達也であります。平成二十四年度
決算特別委員会の質疑のトリを務めさせていただきます。
平成二十四年度
主要施策成果説明書について、六ページであります、トコトン青森体験ウイーク開催事業について。
トコトン青森体験ウイーク開催事業で、ソウル・ランタンフェスティバルに青森県ブースを開設したとのことでありますが、ソウル・ランタンフェスティバルの参加趣旨について、まずお伺いいたします。
200 ◯工藤(慎)副委員長 企画政策部長。
201 ◯小山内企画政策部長 お答えします。
本県唯一の国際定期航空路線である青森・ソウル線については、東日本大震災後、一時運休し、平成二十三年十月末から運航を開催されたものの、福島第一原子力発電所事故や円高の影響から、韓国人の需要が激減したまま、なかなか回復しない状況が続いておりました。そのため、韓国人需要の喚起による青森・ソウル線の路線維持や交流人口の拡大による外貨獲得等を目指して、トコトン青森体験ウイーク開催事業を実施し、青森酒フェアの開催、ソウルフード二〇一二への出展、日韓交流おまつりinソウルやソウル・ランタンフェスティバルへの参加などにより、本県の観光や物産、そして安全・安心を情報発信、PRしてきたところであります。
このうち、ソウル・ランタンフェスティバルは、韓国・ソウル市最大のお祭りであり、韓国のマスコミや一般消費者に向けて、本県の安全・安心や魅力を直に情報発信する絶好の機会であることから、五所川原立佞武多の展示や青森県ブースの設置等により、韓国の皆様に直接PRを行い、本県への韓国人渡航需要の喚起に努めたものであります。
202 ◯工藤(慎)副委員長 寺田委員。
203 ◯寺田委員 二十三年の十月の末から青森・ソウル便が運航再開されたが、激減した韓国人需要がなかなか回復しない、そのための外貨獲得を目指した青森県の情報発信、PR活動をするため、そういうことでありますが、それでは、現地、ソウル・ランタンフェスティバルでの青森県ブースにおいて行った情報発信やPR活動の内容についてお伺いいたします。
204 ◯工藤(慎)副委員長 企画政策部長。
205 ◯小山内企画政策部長 青森県ブースにおいては、バナーや映像、パンフレットにより、本県の安全・安心をPRしたほか、青森・ソウル線の運航情報や、青森でロケを実施し、好評を博した韓国ドラマ「チャカンナムジャ」のロケ地情報、本県の観光についての情報発信やPRを行うとともに、うちわ製作体験や青森りんごジュース試飲、ミスりんごによるりんご加工品のPR等を通じてソウル市民との交流を図りました。多くのソウル市民にブースに起こしいただくとともに、韓国の新聞やラジオの取材もあり、多くの方に本県をPRすることができました。また、期間中、ソウル市長等の訪問もあり、ソウル市からは青森県のブースは市民に大好評であるとのお話もいただいたところであります。
206 ◯工藤(慎)副委員長 寺田委員。
207 ◯寺田委員 実は、私もこのソウル・ランタンフェスティバルに行ってきました。青森県ブースをにぎわせて、五所川原立佞武多、多くの方々、現地の方々に興味を示していただいていたのを覚えております。ことしの立佞武多のお祭りでは、韓国の方、そして、中国など外国の方々も目にするようになってきております。これらの取り組みの成果のあらわれだと評価をさせていただいております。
それでは、同じくこの事業の課題についてです。どのように認識されているのか、そして青森・ソウル便の利用促進に向けて、これからどのように取り組んでいくのかお伺いをいたします。
208 ◯工藤(慎)副委員長 青山副知事。
209 ◯青山副知事 お答えします。
本事業の効果等もあり、昨年末から本年夏にかけては、多くの韓国人観光客に本県においでいただき、青森・ソウル線の韓国人需要が回復傾向を見せたところです。しかしながら、回復傾向を見せていた韓国人需要が福島第一原子力発電所の汚染水問題等の影響を受けて、夏以降は非常に厳しい状況となっております。
青森・ソウル線の路線維持のためには、日韓双方の需要の喚起と利用促進が必要であることから、引き続き韓国に対して、本県の安全・安心や魅力について、繰り返しPRしていくこと等により、交流の促進と利用促進と取り組むこととしております。
また、さらに利用促進に向けて、大韓航空、それから韓国観光公社等へのトップセールスを初めとして、青森空港国際化促進協議会と連携した青森からの旅行商品の造成支援や仁川空港を経由する海外乗り継ぎ便としての青森・ソウル線の活用促進などを図るほか、国に対して海外向け情報発信の強化を図るなど、安全性のPRにも努めていきたいと考えております。今後とも本県にとって世界に開かれた窓である青森・ソウル線の安定的運航に向けて、しっかりと取り組んでまいります。
210 ◯工藤(慎)副委員長 寺田委員。
211 ◯寺田委員 先月の初めであります、ソウル便利用率向上のために団体で青森・ソウル便を利用させていただきました。(「また行ったのか」と呼ぶ者あり)そのとき、現地でのガイドから聞いた話でありますけれども、ソウルでは今、ピクニックなどアウトドアが大分はやっているそうです。青森県にもすばらしい青森県ならではの自然、そしてアウトドアに適した場所もたくさんあります。県土整備部と連携をして、おもてなしの心で、多少の整備をして、ガイドブックなどを制作してPRすることなども、青森・ソウル便の利用促進につながるのではないか、提案をして次の質問に入らせていただきます。
九ページ、離職者等再就職訓練事業について。
民間教育機関等を利活用した委託訓練の実施、四校百七十一コースとありますが、この主な訓練コースの内容についてお伺いをいたします。
212 ◯工藤(慎)副委員長
商工労働部長。
213
◯馬場商工労働部長 離職者等再就職訓練事業は、雇用保険の受給資格者を主な対象といたしまして、円滑に再就職できるよう、介護、事務、ITなど、幅広い分野の職業訓練を民間教育訓練機関等に委託して実施しているものでございます。
二十四年度に実施した訓練コースは、まず、座学を中心に求職者に必要な知識・技能等を付与いたします知識等習得コース、これを百三十三コース、そして次に介護福祉士または保育士の資格取得を目的とした資格取得コースを十五コース、座学と職場実習を組み合わせた委託訓練活用型デュアルシステムを十二コース、訓練修了後の採用を前提して求人提出企業において現場実習を行います求人セット型訓練を十一コースということで、以下、お話ございましたが、全部で百七十一コースとなっているところでございます。
214 ◯工藤(慎)副委員長 寺田委員。
215 ◯寺田委員 それでは、訓練の成果として、就職者数が平成二十五年七月の末で千四百八人とありますが、少しでも何らかの形で訓練内容が生かされた就職状況になっているものなのか、就職状況についてお伺いをいたします。
216 ◯工藤(慎)副委員長
商工労働部長。
217
◯馬場商工労働部長 平成二十四年度の離職者等再就職訓練事業による就職状況についてでございますが、就職のために中退した者も含めますと、訓練修了者は二千百八人おりました。したがいまして、委員からお話ございましたが、千四百八人が就職しておりますので、就職率は六六・八%ということになってございます。特に介護福祉士または保育士の養成施設に委託して訓練を実施いたします資格取得コースは、修了生百七人全員が国家資格を取得し、この資格をもとに九十一人、八五・〇%の方が再就職をいたしているところでございます。全国的に見ますと、依然として厳しい状況にある今回の雇用情勢を踏まえますと、本事業により一定の成果が上がっているものと認識しているところでございます。
218 ◯工藤(慎)副委員長 寺田委員。
219 ◯寺田委員 一部のコースでありますけれども、八五%の方が就職を果たしていると。大変喜ばしい成果であります。
では、先ほどの質問で、雇用保険の受給資格者を対象にしてとありましたけれども、雇用保険の受給資格者だけなのか、雇用保険受給資格者以外の求職者の職業訓練はどのようになっているのかお伺いいたします。
220 ◯工藤(慎)副委員長
商工労働部長。
221
◯馬場商工労働部長 雇用保険の受給資格がない方のうち、労働の意思と能力があり、職業訓練などの支援を行う必要があると認められる方につきましては、国による求職者支援制度の対象となっているところでございます。
この制度の対象者は、求職者支援訓練を原則として無料で受講することができまして、収入・資産などの要件を満たす場合には、職業訓練受講給付金として受講手当や通所手当が支給されることになってございます。この制度により雇用保険を受給できない求職者の方も、職業訓練によるスキルアップを通じて早期就職を目指すことができる仕組みが整備されております。
なお、県による離職者等再就職訓練事業、先ほど説明いたしましたが、これにつきましてもハローワークと連携し、雇用保険の受給資格がない方の受け入れも行っておりまして、その場合においても職業訓練受講給付金の支給を受けながら訓練を受講することが可能となっているところでございます。
222 ◯工藤(慎)副委員長 寺田委員。
223 ◯寺田委員 この離職者等再就職訓練事業でありますが、私の周りにもこの事業で訓練を受けられた方、結構おりまして、再就職を希望する者、特に若い人には大変喜ばれている事業であります。有効求人倍率が本年五月に県全体で〇・七%台に回復したとはいえ、依然として厳しい雇用状況にあります。これからも再就職を希望する方々へのさらなる取り組みをしていただきますよう申し上げて、次に質問に入らせていただきます。
十五ページ、西北らしい肉牛づくり推進事業についてであります。
まず、西北らしい肉牛づくりの推進事業、この事業の目的と内容についてお伺いいたします。
224 ◯工藤(慎)副委員長 農林水産部長。
225 ◯一戸農林水産部長 お答えいたします。
本事業は、県内屈指の水田地帯である西北地域において、西北らしさを生かし、飼料用稲の利用拡大を図りながら、繁殖雌牛の改良や飼育管理技術の向上などに取り組み、肉用牛経営の改善と所得向上を目的に実施しているものであります。
主な事業内容は、資料用稲を刈り取らずに牛を水田に放牧し、稲を丸ごと食べさせる立毛放牧や、市町村、農協及び地域の和牛改良組合で構成する指導チームによる子牛の哺育・育成などの技術改善指導のほか、地域の銘柄牛である深浦牛や市浦牛を対象とした消費者ニーズに対応できる新たな加工品の開発に対する支援などとなっております。
226 ◯工藤(慎)副委員長 寺田委員。
227 ◯寺田委員 それでは、飼料用稲の利用拡大を図る、そして肉用牛経営の改善と所得向上を目的としているということでありますけれども、それでは平成二十四年度における飼料用稲利用拡大立毛放牧実証の取り組み内容とその成果についてお伺いをいたします。
228 ◯工藤(慎)副委員長 農林水産部長。
229 ◯一戸農林水産部長 お答えをいたします。
立毛放牧実証の取り組み内容は、つがる市木造地区の水田、約二十アールを実証ほとして設置し、九月中旬から降雪前までの約二カ月間、立毛放牧を行い、米の収穫と牛の飼育の両面から作業性やコスト面の検討を行ったものです。
成果としては、収穫前の実証ほに電気牧柵を設置し、黒毛和種の繁殖雌牛三頭による食べ方など採食状況を調査した結果、牛の採食に合わせながら電気牧柵を徐々に移動させることにより、食べ残しがなく、水田が効率的に利用できることが実証されました。
230 ◯工藤(慎)副委員長 寺田委員。
231 ◯寺田委員 水田の効率的な利用と牛の飼育での両面での作用性やコストの削減が図れないか、西北らしいというのはどういうことかと思っていたんですが、水田利用による牛の飼育、このことが西北らしさという理解をさせていただきました。
かつて本県産和牛の販売価格は、一般に低水準で取引されていた時代もあったようでありますが、優良な種雄牛が誕生したことによって、全国上位クラスの子牛価格を維持しておるようであります。特に西北地域では県外の平均以上の価格をつけるに至っていると伺っております。今後も他県、本県ほかの地域とも差別化を図りながら、西北地域の産業として育てていただきたいと思います。
最後に、深浦牛、市浦牛を対象とした加工品の開発に対して支援をしてきたと伺っておりますけれども、その加工品の開発状況と平成二十四年度の事業実施状況を踏まえて、今後どのように取り組んでいくのかお伺いをいたします。
232 ◯工藤(慎)副委員長 農林水産部長。
233 ◯一戸農林水産部長 まず、平成二十四年度の加工品の開発状況についてであります。
加工品の開発は、観光客のニーズに対応する加工品として、牛肉の中で利用の少ない部位とされるすね肉などを活用した市浦牛の牛肉コロッケやしぐれ煮など三品、深浦牛のレトルトカレーなど二品、計五品が開発され、このうち市浦牛しぐれ煮が現在、地元の道の駅で販売されております。
次に、今後、どのように取り組んでいくかについてです。
県では飼料用稲を活用した肉用牛経営の確立を図るため、西北地域の強みを生かした稲の立毛放牧を初め、玄米の飼料利用や稲ホールクロップサイレージ利用、さらには水田放牧など、立地条件や経営状況に応じた多様な取り組みについて、協議会や研修会の場を通じて広く地域に浸透させ、自給飼料の安定確保を進めることとしております。
また、飼育管理技術の向上については、深浦牛や市浦牛などの生産者に対して、繁殖雌牛ごとに適切な組み合わせの種雄牛についての情報を提供するとともに、子牛の哺育・育成技術の改善指導などを通じて子牛価格の向上に努めるほか、銘柄牛の加工品については、今年度開発している新たな商品も含め、西北地域の特産として定着するよう、さまざまな機会を捉えて情報発信などに取り組んでまいります。
234 ◯工藤(慎)副委員長 寺田委員。
235 ◯寺田委員 それでは、次の質問に入らせていただきます。
三十三ページ、「奥津軽駅」
ネットワーク構築事業について。
まず、「奥津軽駅」
ネットワーク構築事業の事業概要についてお伺いをいたします。
236 ◯工藤(慎)副委員長 企画政策部長。
237 ◯小山内企画政策部長 お答えいたします。
「奥津軽駅」
ネットワーク構築事業では、今別町に平成二十七年度末に開業する北海道新幹線仮称奥津軽駅の利用促進に向け、当駅を起点として県内各地域への周遊を促すことが必要であるという認識に立ち、携帯電話のGPSデータを活用し、現状における本県訪問者の周遊状況に関する調査を実施するとともに、駅の利用動向や二次交通の整備に向けた課題等を整理したところです。
また、東北新幹線の駅に隣接する案内所スタッフ等を対象として、観光案内等に関する情報・意見交換会を三回開催するなど、民間事業者等による駅の利活用促進に向けた人的
ネットワークの構築に取り組んだところです。
238 ◯工藤(慎)副委員長 寺田委員。
239 ◯寺田委員 奥津軽駅を起点として、県内各地への周遊を促すことが必要であるとの認識に立っているということでありますけれども、そのとおりであると私も思います。二〇一五年度末に北海道新幹線新函館駅開業まであと二年と少しであります。奥津軽駅が観光の表玄関として多くの乗降客に恵まれるために、特に津軽半島全域において観光振興に取り組む必要があると、このように考えます。
そこで、今後、奥津軽駅の活用に向けてどのように取り組んでいくのかお伺いをいたします。
240 ◯工藤(慎)副委員長 企画政策部長。
241 ◯小山内企画政策部長 県では、仮称奥津軽駅の利活用を図るため、平成二十五年度において、昨年度に引き続き「奥津軽駅」
ネットワーク構築事業を実施し、二次交通の整備に向けた取り組みを行っているところです。具体的には、JR蟹田駅を仮想の奥津軽駅とする周遊型バス、「太宰と奥津軽号」の実証運行やレンタカー及び乗合タクシーに関する事業者へのヒアリング、DMV、デュアル・モード・ビークルの導入可能性に関する調査等を行っているところです。
県としては、引き続き、交通事業者や地元自治体などの関係者と連携しながら、利用者のニーズを踏まえた利便性の高い二次交通の整備に向けて取り組んでいきたいと考えております。
242 ◯工藤(慎)副委員長 寺田委員。
243 ◯寺田委員 利用者のニーズを踏まえた二次交通の整備に取り組むとのことでありますが、まさに人的
ネットワークの構築と交通
ネットワークの構築を急がなければなりません。
今年度、県ではDMVの調査を実施しておりますけれども、奥津軽駅から二次交通としてDMV導入の可能性が認められた場合、県として導入を進める考えがあるのかお伺いをいたします。
244 ◯工藤(慎)副委員長 企画政策部長。
245 ◯小山内企画政策部長 お答えします。