青森県議会 2013-10-04
平成25年文教公安委員会 本文 開催日: 2013-10-04
18
◯相川委員長
ただいまの
報告事項及び
所管事項について質疑を行います。
質疑は議題外にわたらないように願います。
質疑はありませんか。──
熊谷委員。
19
◯熊谷委員
それでは私から、報告がありましたうちの1点、
県立三本木農業高校及び
同校馬術部の件について御質問をいたします。
報道が先行しておりましたけれども、ただいま、報道にはなかったことも含めて御報告をいただきました。まずは調査をしっかり行っていただきたいと思います。事実関係は今後の同校、そして
佐藤次長を
リーダーといたします
調査委員会に委ねるといたしまして、私から基本的なことについて何点かお伺いをいたします。
まず、「馬学」についてであります。余り聞き慣れなかったわけでありますけれども、
県立三本木農業高等学校において、科目「馬学」が設定された経緯と、「馬学」について
県教育委員会はどのように捉えているのか、まずお伺いをいたします。
20
◯成田学校教育課長
「馬学」についてお答えいたします。
三本木農業高校では、社会の変化や多様化する生徒の実態に対応するため、平成12年度に畜産科を改編し、動物の持つ特質等についても学ぶことのできる
動物科学科を設置しております。
動物科学科では、
畜産教育の領域に加えて、「馬学」や「
愛玩動物」という新しい科目が設定されております。このうち、科目「馬学」は、十和田市が全国でも有数の馬産地であったこと等を背景に、
社会動物という新しい分野の
専門教育を推進するとともに、地域と密着した教育を実践したいと考え、学校が設定しているものです。
県教育委員会としましては、
県内唯一の
動物科学科において、従来の畜産の領域に加え、科目「馬学」等を学ぶことを通して、
地域産業を担う人材や人間性豊かな職業人の育成に資するものと考えてございます。
21
◯熊谷委員
それで、これも
新聞報道でありますが、県の
財務規則によりまして
県所有馬の
管理責任は学校側にあるとのことでありますが、今御説明いただきました「馬学」における
教育環境の充実という観点からいたしますと、
県教育委員会も
県所有馬の
管理状況について把握をしておく必要があったのではないかと思いますが、
県教育委員会の見解についてお伺いをいたします。
22 ◯三上
学校施設課長
お答えいたします。
県で所有する馬は、
地方自治法に規定する財産のうち物品に分類されます。
県財務規則では、物品の管理の事務について、公所にあっては、その公所の長に分掌させると定められております。このことから、
県所有馬の管理については、
学校長が行うこととなります。
また、
三本木農業高校における
県所有馬の出納については、出納員である事務長が
動物出納簿を備え、出納の記録をしなければならないことと規定されております。
23
◯熊谷委員
規定からするとそういうことなのだとは思いますが、先ほども言いましたとおり、「馬学」という科目の
教育環境を充実させていくという観点からいうと、やはり
教育委員会もしっかりと監視をする必要があったのではないかということを申し上げさせていただきます。
それと、科目で使用する馬がすべて寄贈ということは、ある面ありがたいことではありますけれども、本来の在り方としてどうなのかなという気もいたします。しっかりと
予算措置が必要なのではないでしょうか。
また、「馬学」で使用されていた馬は
馬術部でも使われていたとのことでありますが、「馬学」の科目の目標ということを見ますと、
スポーツとしての馬術の特性を理解させるとあります。このことが直接的に部活動との関わりはないのかもしれませんが、「馬学」という科目の特色からして、
三本木農業高等学校における
馬術部の存在も私は重要ではないかと考えます。まずは、事実調査、そして改善策の策定が求められますが、今後、「馬学」の
教育環境をしっかりと整えていくことも大切だと思います。
そこで、今回の
県所有馬の問題により、「馬学」の学習及び
馬術部の活動への影響が懸念されるため、
県教育委員会として
三本木農業高校を支援していくべきだと考えますが、見解をお伺いいたします。
24
◯佐藤教育次長
お答えをいたします。
三本木農業高等学校では、「馬学」の授業、それから
馬術部の
活動ともに、現在学校で飼育している馬を活用し、なるべく支障のないよう工夫をしながら、生徒の学習等の指導を行っていると聞いております。
県教育委員会といたしましては、同校において充実した
教育活動を展開することができるよう
指導助言を行うとともに、学校と連携を密にしながら、今回の問題をできる限り早く解明し、生徒が安心して学習できる環境の整備に努めてまいります。
25
◯熊谷委員
昨日の朝の5時台、6時台の全国ニュースの中で、実は2週間ぐらい前にも放映をされておりましたが、捨てられて殺処分された動物の骨を砕いて土に混ぜて花を育てるということを通じて命の尊さを多くの方々に告げる活動を行っている学校が紹介をされておりました。
実は、2週間前に見たときも、昨日も、最初はどこの高校のことかなと思って見ていたんですが、よく見たら、その高校こそ
三本木農業高校で、しかも「馬学」を学んでいる
動物科学科の生徒たちでした。
教育現場におけるすばらしい取り組みだと思いましたし、県内だけではなく全国的にその取り組みが広がっているということであります。
今回の件で、教育現場、特に生徒たちにどのような影響があったのかということは、私はちょっと承知はいたしておりませんけれども、
県教育委員会として生徒たちの
教育環境をしっかりと整えて充実させていくということが非常に必要だと思います。
そのことを申し上げて終わります。
26
◯相川委員長
ほかに質疑はありませんか。──
川村委員。
27
◯川村委員
私からも
三本木農業高校の
馬術部元顧問による
県所有馬の
売却未遂についてお伺いをいたします。
先ほど、報告の2つ目にもございましたように、9月20日に公表された青森
県体育協会での
県馬術連盟の
補助金の
不正受給問題については、今議会でも様々な議論が行われましたし、
県教育委員会でのしっかりした調査と特に
再発防止対策というものを強く要請したいと思います。
これに加えて、9月26日、
三本木農業高校の
馬術部元顧問による
県所有馬の
売却未遂問題が発覚いたしております。
県教育委員会としては、馬の問題を2件抱えるということになったわけであります。
先ほど、
熊谷委員との質疑のやりとりで、私自身もこの「馬学」というのは、やはりふるさとの歴史を知るということ、また文化ということにも関わってくることでありますが、教育上でも非常に重要な学問だと理解をしておりますから、是非、今後も継続をしていただきたいと、評価をしていただきたいという思いであります。
そして、この
三本木農業高校の
馬術部については、2008年だと思うのですが、
同校馬術部の盲目の馬と少女の実話というのが映画化をされまして好評を博したところです。私自身も一般質問の中でこれを取り上げて紹介をし、PRに努めたところであり、それだけに教育現場でこのような事件が起きてしまったということを非常に残念に思っております。早急に調査が行われ、全容の解明がなされなければならないと思います。
そこで、
県教育委員会としては、これから本格的に調査が進められるということで、答弁ができない部分もあるのではないかと思いますが、何点か基本的な部分についてお伺いしたいと思います。
まず、馬も県の所有財産になるということでありますから、最初に、
県所有馬の管理について、改めて所属あるいは事務分掌についてどうなっているのかお伺いいたします。
28 ◯三上
学校施設課長
お答えします。
県で所有する馬は、
地方自治法に規定する財産のうち物品に分類されます。
県財務規則では、物品の管理の事務について、公所にあっては、その公所の長に分掌させると定められております。
このことから、
三本木農業高校における
県所有馬の管理については
学校長が行うこととなります。
29
◯川村委員
馬は物品に該当するということであります。国であれば物品管理法という法律があり、それに基づくことになると思うのですが、県の所有馬については
財務規則によるものだということで理解をしていいのか。
30 ◯三上
学校施設課長
県財務規則の規定に基づいて管理することになります。
以上でございます。
31
◯川村委員
報道によりますと、
県所有馬が現在は4頭のようでありますけれども、5頭あったということでありますが、県が購入したのか、あるいはどこから寄贈を受けたものなのか、この点について明らかにしていただきたいと思います。
32
◯佐藤教育次長
お答えをいたします。
先ほど、
熊谷委員の質問にもありましたけれども、すべて寄附されたものでございまして、日本中央競馬会馬事公苑から1頭、日本中央競馬会競馬学校から2頭、個人の方お二人からそれぞれ1頭ずつの計5頭について、いずれも平成13年度に寄附を受けております。なお、このうち1頭は、平成19年度に既に死亡しており、現在は4頭となっております。
以上です。
33
◯川村委員
すべて外部から寄贈されたということでありますが、この
売却未遂の馬は1頭のわけですが、これはどこから寄贈されたものでしょうか。
34
◯佐藤教育次長
売却を未遂に終わったものは、日本中央競馬会競馬学校から寄附を受けたものの1頭でございます。
35
◯川村委員
5頭全部聞きますけれども、2007年に死亡した馬が1頭いるということですが、それはどこから寄贈を受けたものか。また、不明、あるいは入れ替わりした馬が2頭ということでありますけれども、それはどちらから寄贈されたものか明らかにしていただきたいと思います。
36
◯佐藤教育次長
お答えをいたします。
既に死亡した馬は、同じく日本中央競馬会競馬学校から寄附を受けた馬でございます。それで、現在行方不明、他の馬と入れ替わっていると思われる馬は、2頭とも個人から寄附を受けた馬でございます。
37
◯川村委員
分かりました。
そこで、元顧問の方が民間の業者の方に売却をするということが未遂に終わったわけでありますけれども、年齢の詐称があったと、27歳の馬が16歳に詐称されたということなんですが、これはどういう理由、価格の問題になるんでしょうか。その点、どういうふうに理解をしていますか。
38
◯佐藤教育次長
その辺の詳細につきましては、まだつかんでおりませんので、今後、調査をしたいと思っております。
39
◯川村委員
もう1件、お伺いします。
県所有馬のほかに
馬術部で使用している馬が10頭ほどいるということで、その大半が元顧問の所有とされているわけですが、部になるんでしょうか、学校になるんでしょうか、貸借関係というのはどういうことになるのかお聞かせいただきたいと思います。
40
◯佐藤教育次長
お答えをいたします。
学校からの報告によりますと、8月12日現在では部活動で使用するための馬が11頭おりまして、後援会が設置した厩舎で飼育されておりました。そのうち9頭につきましては、元教諭が部活動を指導する上で必要であるという理由から調達をいたしまして、
馬術部で使用していたものですが、貸借契約などがあったかどうかにつきましては現在のところ分かっておりません。
今後、
調査チームで調査をしたいと思っております。
41
◯川村委員
今回、新たに県の
体育協会からの
補助金、遠征費
不正受給という問題が明らかにされたところでありますが、この点については過去に遡った調査が必要でありますし、この不正に受給したこの
補助金については返還をするということも必要になってくると思います。
そこで、教育現場で発生した事件でございますので、生徒あるいは地域、県民に与える影響というのは非常に大きいものだと私は受け止めております。したがって、速やかに全容の解明がされて、
再発防止策というのが打ち出されなければいけないと思っております。
先ほどの報告の中で、
佐藤教育次長をチーム
リーダーにして
調査チームが発足をしたということでありますので、改めて、今後の
県教育委員会による調査方針、見通し等についてもできれば明らかにしていただきたい。
42
◯佐藤教育次長
先ほど御報告をいたしましたとおり、教育庁内に
調査チームを設置いたしまして調査を進めることといたしております。
調査に当たりましては、県の所有馬や部活動で使用するための馬の管理の実態、そしてまた、その他、
馬術部の活動に関わる
会計処理の実態等につきまして、実地調査などにより、これまでの学校からの報告を一つ一つ確認するとともに、その時々で必要な追加調査が出てくると思います。それも行いながら全容を明らかにしていきたいと思っております。
43
◯相川委員長
ほかに質疑はありませんか。──中村委員。
44 ◯中村委員
先の一般質問において、吉田議員から、中学生の英語力育成についての質問がありましたが、その質問に関連して、英語教育について2点お伺いをいたします。
私は、この英語教育においては特に英会話の力を身に付けさせることが重要なのではないかと考えています。
そこで、1点目として、まず小・中・高等学校において、英語教育をどのように行っているか。2点目として、英語教育において、英会話を含めたコミュニケーション能力の育成にどのように取り組んでいるのかお伺いいたします。
45
◯成田学校教育課長
1点目、英語教育をどのように行っているかについてお答えします。
社会や経済のグローバル化が急激に進展する中、様々な分野で確かな英語力を身に付けた人材の育成が求められており、英語教育がますます重要となっております。
このような中、学習指導要領においては、留意事項として、小学校では第5学年及び第6学年に外国語活動を導入し、「聞くこと」「話すこと」を中心としたコミュニケーション能力の素地を育成すること。中学校では、コミュニケーションの基礎となる英単語をこれまで以上に習得させるとともに、「聞くこと」「話すこと」「読むこと」「書くこと」の4つの技能を総合的に育成すること。高等学校では、授業を英語で行うことを基本とし、コミュニケーション能力を養うこと等を挙げ、英語教育の充実を求めております。
これを受けて、小学校では、学級担任が中心となり、歌やゲーム等を取り入れながら英語を聞いたり、話したりすることを中心に、英語に慣れ親しむ活動が行われております。中学校では、生徒2人が1組となって行うペア学習やグループ学習等を適宜取り入れながら、外国語指導助手等を活用して、生徒が英語を実際に使う場面を設定した授業が行われております。高等学校では、中学校で学習した内容を踏まえ、生徒の実態に応じて、教師と生徒、生徒と生徒の双方向のコミュニケーション活動等を通じて身近な場面を想定した英会話を多くした授業が行われております。
次に、英会話を含めたコミュニケーション能力の育成に、どのように取り組んでいくかということについてでございます。
県教育委員会では、本県児童生徒に英語のコミュニケーション能力が身に付くよう、それぞれの発達段階に応じて様々な事業に取り組んでおります。
平成23、24年度に実施した「世界へはばたけあおもりっ子外国語教育推進事業」では、小・中・高等学校が連携して、児童生徒による交流活動や合同授業、教員による校種間の情報交換や交流等を通して、児童生徒の英語を話す力を含めたコミュニケーション能力の育成に努めてまいりました。
また、今年度から実施しております「中学生英語力育成事業」では、三沢市において、中学生が英語を使って共同生活を体験するイングリッシュ・キャンプを行いましたが、参加した中学生からは、自分が話した英語が外国人に通じて大変うれしい等の感想が寄せられたところでございます。
さらに、現在、県内6つの中学校を研究指定校として、生徒のコミュニケーション能力を高める効果的な指導法の研究を行っております。
高校生に対しましては、平成24年度から「英語力ステップアップ推進事業」を実施しております。これは、県内及び韓国のパジュにおいて、体験型の学習プログラムを取り入れたイングリッシュ・キャンプを行うことで、高校生により実践的なコミュニケーション能力を身に付けさせることをねらいとしております。
県教育委員会としましては、今後とも、児童生徒のさらなる英語によるコミュニケーション能力の向上を図り、国際社会に対応する人材の育成に努めてまいります。
46
◯相川委員長
ほかに質疑はありませんか。──
伊吹委員。
47
◯伊吹委員
私から、先ほどの
報告事項に関しまして何点かお尋ねしたいと思います。
まず初めに、青森
県馬術連盟による
補助金の
不正受給事案の調査結果に関連してでございますが、今回の結果とあわせて、今後の対応についてただいま報告がありました。この内容を見ますと、552万4,398円の返還を求めるということでございますが、この不正事案の概要を見ますと、いわば帳票類、見積書や
領収書等の偽造、虚偽の報告をしていた。いわば公文書の偽造をしておりました。公金の取り扱いにおいて不正な受給があったということかと思います。
通常であれば、これだけ多額の公金の取り扱いにおいて不正な、また偽造の状況が確認をされた時点で何らかの違法性に関わるような対処の仕方というものを検討する必要はなかったのかどうなのか。提訴を含めたそうした対応をとらないということのようなんですが、そう判断した理由についてお尋ねをしたいと思います。
48
◯花田スポーツ健康課長
今回の不正事案について、違法性に関する何らかの対応を検討しなかったのかということでございますが、本件につきまして、現在、
県体育協会が告訴を検討しているということでございます。
現在、
県教育委員会では、その推移を見守って判断してまいりたいと考えています。
49
◯伊吹委員
分かりました。
またもう1点は、先ほどの
三本木農業高校の
馬術部元顧問の方が、この報告書を見ますと、青森県
高等学校体育連盟馬術部専門部の事務を担当していたという関連性を考えた時に、この
馬術連盟の
補助金不正受給事案の調査に当たっても、当該顧問の関与等についても改めて確認調査をする必要があるのではないかと思いますが、その辺は既に終わっているものなのか、また調査の必要性はないと判断をしているのかお伺いします。
50
◯花田スポーツ健康課長
県
高等学校体育連盟馬術専門部と
県馬術連盟は別の団体でございまして、今回は
県馬術連盟に対する
補助金とは別の
補助金について
不正受給があったものであります。
51
◯伊吹委員
私の認識の違いということで、
馬術連盟は全く別のものだということのようですね。了解いたしました。
それでは、
県立三本木農業高校のこの事案について確認でございますが、先ほど来、馬の寄贈等の話がありました。今回の事案を踏まえて、馬の取得に当たってきちんと予算計上をすべきではないかと。また、馬の取得だけではなくて、馬を飼育するに当たっての経費、これについてもきちんと予算計上、
予算措置されているものと思いますが、その辺の取り扱い等についての考え方をお聞かせいただきたいと思います。
52
◯佐藤教育次長
お答えをいたします。
先ほど申し上げましたとおり、現在4頭馬がおりまして、授業等で活用しているところでございます。「馬学」を専攻しているものは
動物科学科の全員ではございませんので、その人数にも対応した形での頭数の所有ということで考えていきたいと思っております。現在4頭で実施しているところですので、またその馬が実際に授業で使えなくなった状況については適切に対応してまいりたいと思っております。
それから2点目でございます。飼育の経費でございますが、県有馬につきましては適切にその飼育にかかる経費を計上している状況にございます。
以上です。
53
◯伊吹委員
是非、今後の馬の取得、管理においてかかる実費についてはきちんと
予算措置をすると。各方面からの御厚意をお受けするということは今後もあるのかもしれませんけれども、こうした事案を再発させないための措置はしっかりと取っていただくよう、お願いをしたいと思います。
あわせて、一番心にかかるのは、今日の報告をいただく前に既に
新聞報道等で一部報じられました。その時点での学校における生徒への説明等がどうなされているのか。また、聞くところによりますと、今日、こうしてマスコミも入っている中で委員会が開かれ、この後、
教育委員会としても記者会見を開くやにお聞きもしております。こうした報道がなされるものと思いますので、それを受けた生徒への説明といいますか、その辺はどのように考えているのか。先ほどもありました、本当に伝統のある学校でもありますので、そこに学ぶことを誇りに思っている生徒の心を考えたときに、是非、その心中をおもんぱかって、しっかりとした対処を取っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
54
◯佐藤教育次長
御指摘のとおりだと私どもも考えております。
学校長とも密接に連携をとりまして、生徒さん、それから生徒の保護者の皆様、それから今まで関わってきていただいた
関係者の皆様方に、十分な説明もしながら不安を取り除くよう努めてまいりたいと考えております。
55
◯相川委員長
ほかに質疑はありませんか。
[「なし」と呼ぶ者あり]
ないようでありますから、これをもって
教育委員会関係の審査を終わります。
午さんのため暫時休憩いたします。
再開は午後1時といたします。
○休 憩 午前11時52分
○再 開 午後1時
56
◯相川委員長
休憩前に引き続き、委員会を開きます。
警察本部関係の議案及び
所管事項について審査を行います。
審査の順序は、初めに議案について、その後、
所管事項について行います。
なお、本日は、東山警備部長が欠席のため、鷹山警備第一課長が代理出席となっております。
提出議案について執行部の説明を求めます。──徳永警察本部長。
57 ◯徳永警察本部長
今定例会に提出されました諸議案のうち、警察本部所管に係るものについて、その概要を御説明申し上げます。
議案第1号「平成25年度青森県
一般会計補正予算(第3号)案」に計上されました警察費の
歳出予算額は383万2,000円の増額となっております。
主なものといたしましては、警察管理費において、県道鰺ケ沢蟹田線の拡幅工事に伴う外ヶ浜警察署工作物移転工事に係る経費として1,135万1,000円を計上しております。
また、警察活動費においては、交通安全施設整備に要する経費について、事業計画変更に伴い8,953万9,000円を減額したほか、老朽化した信号機の更新に係る経費として6,003万4,000円を計上しております。
以上、警察本部所管に係る
提出議案について、その概要を御説明申し上げましたが、何とぞよろしく御審議いただくようお願い申し上げます。
58
◯相川委員長
ただいま説明のありました議案に対して質疑を行います。
質疑は議題外にわたらないようにお願いします。
なお、答弁者は、挙手の上、「
委員長」と呼び、次に職名を言って発言を求めてください。
質疑はありませんか。──
伊吹委員。
59
◯伊吹委員
議案第1号「平成25年度青森県
一般会計補正予算(第3号)案」、交通安全施設整備に要する経費について、ただいま、交通安全施設整備に要する経費として、事業変更に伴い、8,953万9,000円を減額したとの報告がございました。これは15カ月予算に伴うものというふうにお聞きをしておりますが、まずその概要についてお伺いをしたいと思います。
60 ◯小林交通部長
「平成25年度青森県
一般会計補正予算(第3号)案」、交通安全施設整備に要する経費のうち、事業計画に伴う8,953万9,000円の減額について計上の上、御審議いただいているところであります。
これは、平成25年度当初予算の一部事業を平成24年度2月
補正予算において前倒ししたことから、その経費について減額補正するもので、その概要は、信号機の停電対策として、自動起動型発動発電機3基の新設経費1,134万5,000円、車両及び歩行者用信号灯器252灯の更新経費4,410万4,000円、信号柱44本の更新経費3,282万8,000円などとなります。
以上でございます。
61
◯伊吹委員
ただいま、答弁の中でもございました信号機の停電対策ということもあったかと思います。東日本大震災からまもなく2年と7カ月が参ります。最近では震災対応はもちろんでございますが、竜巻であるとか突然の自然災害により信号機の停電等の事案も全国ニュース等でも報じられているところであります。平時からこうした緊急時への対応をしっかり対策として講じておく必要があると思いますが、信号機の停電対策の現状と今後の方針について伺いたいと思います。
62 ◯小林交通部長
停電対策につきましては、本年9月末で、停電時に発動発電機が自動で起動する自動起動型発動発電機が50基、内蔵されているリチウムイオン電池を電源供給源とする静止型非常用電源付加装置16基、そして各警察署に可搬式発動発電機120台を整備しており、県内の交差点に設置されている信号機2,071基のうち、最大186基の消灯が解消できるものとなっております。
さらに、本年度当初予算で認められました静止型非常用電源付加装置1基が、本年12月に完成するところであります。
大規模停電時において、早急に交通の安全と避難経路や輸送経路の確保が必要と認められる主要幹線道路の交差点について、停電対策を強化することとしており、今後、10カ年計画で長時間稼働可能な自動起動型発動発電機を24基と静止型非常用電源付加装置19基を増強する計画でございます。
また、停電時における警察官の対応能力の向上を図るため、本年6月に各警察署の警察官を対象に、手信号実戦塾を開催し、手信号による交通規制の実施方法や発動発電機の信号機への接続方法についての訓練を実施したほか、各警察署においても同種の訓練を行っているところであります。
以上でございます。
63
◯伊吹委員
ちなみに、今お話がありましたこの自動、済みません、ちょっと言葉が余り聞こえなかったんですが、その最初のほうの自動で、これは確か燃料を入れてやるやつだと思いますけれども、それとリチウムイオン電池式のやつと、それぞれのバッテリーのもちといいますか動作の後続性といいますか、どのような時間帯になっているのかということと、あと、今後10カ年で整備していく計画だということですが、例えば、この計画に当たって主要幹線道路というお話がありました。24基と19基ですから、合わせて43基ということですけれども、先ほど、全体で今現在2,701でしたか、という数かと思うんですけれども、私どもが生活している中で数としてこれで十分といえるのかどうなのか。主要交差点の数からして。その辺も含めてちょっと状況についてお答えを願いたいと思います。
64 ◯小林交通部長
まず自動起動型発動発電機についてでありますけれども、この導入機器は1基当たり約350万円で、ディーゼルエンジン式の発動発電機で約24時間稼働するほか、軽油の補給が可能で長時間の停電に対応するというメリットがある反面、装置が大型で、ある程度の設置スペースを要することなどのほか、維持管理経費として電気代が若干要するというところであります。
また、静止型非常用電源付加装置には、導入経費が1基当たり約180万円で、電池を内蔵するだけであるため電気代がかからない、スペースの確保が容易であるというメリットがある反面、電気の供給が2ないし3時間しかできず、それ以上の停電時間には可搬式発動発電機の接続が必要であるというデメリットがございます。
また、10カ年計画で進めている主要幹線道路の停電対策でありますけれども、多ければ多いほどいいことは確かなんですけれども、現在、各署に配分しております発動発電機、これについては復旧が終わった署から順次停電箇所には増強するというような運用を行いますので、一応の対応はできるのではないかと思っております。
65
◯相川委員長
ほかに質疑はありませんか。──
川村委員。
66
◯川村委員
議案第1号「平成25年度青森県
一般会計補正予算(第3号)案」、交通安全施設整備に要する経費についてお伺いいたします。
今年4月の当委員会で、信号機に関する質疑を行ったところでありますが、その際の答弁で、県内には約2万6,000個の車両及び歩行者用信号機が設置されていることが明らかにされております。これらの信号機が今後、寿命を迎えることになると莫大な経費が必要になってくるのではないかと思われます。信号機は、市民がお互いに交通ルールを守り、事故なく円滑に車両を走行させたり、あるいは歩行するために欠かせないもので、電気や水道などと並ぶ大事なライフラインの一つであると考えます。
したがって、中長期的視野に立った老朽化対策をとっていく必要があるのではないかと考えるものです。
また、県内に広く設置されているLED式信号機は、節電などのコストやどこからでも判明しやすいという安全面に優れている反面、冬場着雪しやすいという欠点があるので、まもなく迎える今年の冬を見据え、何らかの対策を考えていかなければならないのではないかと思うものです。
そこで、最初に老朽化した信号機の更新に係る経費として6,003万4,000円が計上されているわけですが、その概要についてお伺いしたいと思います。
67 ◯小林交通部長
「平成25年度青森県
一般会計補正予算(第3号)案」に、交通安全施設整備に要する経費として6,003万4,000円を計上の上、御審議いただいているところであります。
これは、老朽化した交通安全施設の更新にかかる経費で、その概要は、信号機の制御機10基の更新にかかる経費が3,243万4,000円、車両及び歩行者用信号灯器136灯の更新にかかる経費が2,760万円となっております。なお、信号灯器の更新はLED式信号灯器とするものであります。
68
◯川村委員
それぞれ今回の
補正予算によって整備されていくわけですが、この整備が完了しますと、青森県全体、ほとんどLEDの信号式に更新をしていくということになると思うんですが、どの程度、LED信号機が導入されて更新されたということになるのかお伺いいたします。
69 ◯小林交通部長
LED信号機の整備状況でありますけれども、本年度の当初予算に基づく信号機の整備と今後の老朽化対策によりまして、平成26年3月末では信号灯器総数2万5,954灯のうち約34.4%に当たる8,934灯がLED式信号灯器となる見込であります。
以上でございます。
70
◯川村委員
34%ほどの整備になっていると。是非、順調に整備を進めていただきたいと思います。県内に整備されている信号機、私どもが見ても非常に古いと、遠くから色彩も判明できないような信号機も相当出てきておりますので、こういった次々老朽化していくと思われる信号機、これに今後どのような対策をとっていくお考えなのかお伺いしたいと思います。
71 ◯小林交通部長
県内の交通信号機は、本年6月末現在、2,579カ所に設置され、それに付随し、信号柱が1万2,577本、車両及び歩行者用信号灯器が2万5,857灯あります。
これら交通安全施設の老朽化対策といたしまして、雪解け後の4月と10月の交通安全施設点検整備強化期間等による各警察署の警察官による点検整備や、委託業者による年1回の保守点検により老朽化の現状を把握し、緊急を要するものにつきましては、その都度対応しているほか、限られた予算の中で優先度を勘案しながら効果的な更新を図っているところであります。
なお、今後、老朽化した交通安全施設が年々増加していくことから、交通の安全と円滑を確保し、県民が安全・安心を実感できるための計画的な更新整備が図られるよう、交通部内に交通安全施設整備合理化検討委員会を設置し、交通安全施設の整備合理化を踏まえた中・長期計画を検討しているところであります。
以上でございます。
72
◯川村委員
是非、計画的な整備をお願いしたいと思います。
そこで、前段申し上げましたように、今年の4月の委員会で、冬場のLED信号機に対する危険性というものを指摘させていただいたんですが、これまでの着雪状況というものを踏まえて、今年の冬、県警としてどのような対策をとられるのかお伺いをしたいと思います。
73 ◯小林交通部長
LED式信号灯器は、降雪期に信号灯器へ雪が付着し、視認性が低下するということがあるため、昨冬は警察官及び保守業者により、317カ所の信号機に対し、延べ1,759回の着雪除去作業を実施し、そのうち10回以上着雪除去作業を実施した箇所は、LED信号灯器39カ所、電球式信号灯器25カ所、合計64カ所となっております。
今冬は、着雪により信号灯器の視認性の低下が懸念される箇所について、これまでの視認性低下に関する警察官や一般の方からの通報待ちに加え、天候の変動に応じ、着雪が懸念される場合には、除去作業を先行的に集中して実施できるよう保守体制を整備するとともに、各警察署及び道路管理者と連携して通報受理体制を強化することとしております。
また、着雪対策として、青森市、弘前市等に、突起部分のないフラット型信号灯器8カ所38灯、撥水レンズを用いた信号灯器4カ所4灯を試験導入しているところであります。
本年度は、新たにフラット型信号灯器を五所川原市方面に、撥水レンズを用いた信号灯器を青森市の新青森駅付近の国道7号に設置し、地域別や風向きによる着雪状況と効果を検証することとしております。
以上でございます。
74
◯川村委員
分かりました。
危険箇所の特定が必要だということで指摘をさせていただいたんですが、かなりの箇所を重点的に対策をとっていただくということで、お願いをしたいと思います。
LEDについては、例えば角度を下向きに変えることによって着雪しづらいという効果もあるようでありますし、また、先ほどは通報によって危険と思われる箇所については署員があらかじめ除去するように先行していくというお話もあったのですが、吹雪の状況の中ではこれは大変な作業になると思いますし、非常に危険な作業にもなりますので、是非この辺は、危険回避ということを十分頭に入れながら対応していただきたいと。
それとやはり、着雪しない器具の開発ということが重要だと思いますので、今後、是非メーカーと共同研究、開発というものに心掛けていただきたいと思います。
前にも提案しましたけれども、特に危険な箇所については白熱、電球式の信号機のほうが着雪しづらいと、しにくいという状況がありますので、場合によっては取り替えると、また元に戻るわけですけれども、危険防止のために取り替えるということも必要ではないかということを申し上げて終わります。
75
◯相川委員長
ほかに質疑はありませんか。
[「なし」と呼ぶ者あり]
ないようでありますから、これをもって質疑を終わります。
これより議案の採決をいたします。
議案第1号中所管分の原案に賛成の方は御起立を願います。
[
賛成者起立]
起立総員であります。よって、原案は可決されました。
次に、
所管事項について質疑を行います。
質疑は所管外にわたらないように願います。
質疑はありませんか。──中村委員。
76 ◯中村委員
9月16日、本県に最も接近した台風18号は、県内の農作物や家屋などに甚大な被害をもたらし、今なお多くの方々がその復旧に苦しんでいます。
人的な被害がなかったのがせめてもの救いでありますが、これはたまたまそのような被害がなかったということではなく、陰ながら警察や消防の皆さんによる必死の活動があったればこそと私は強く感じ、深く感謝いたしております。
そこでお伺いをいたします。台風18号の発生に伴い、県警察ではどのような活動だったのか。また、人命救助につながったような事例があれば紹介していただきたいと思います。
77 ◯鷹山警備第一課長
中村委員の質問にお答えをいたします。
県警察では、9月16日、月曜日、午前11時31分に、青森地方気象台が大雨、暴風警報を発令したことに伴い、警備第二課長を長とする青森県警察災害警備対策室を設置し、警報が発令された地域を管轄する6警察署と合わせて、総員140名の警備体制で対応いたし、巡回強化、警戒に当たりました。
その後、県内ほぼ全域に大雨、洪水警報が発令されたほか、津軽地方に土砂災害警戒情報が発表されたことなど、被害拡大のおそれが認められたことから、同日午後2時30分、警備部長を長とする青森県警察災害警備本部に格上げするとともに、県下全警察署に各警察署長を長とする警察署災害警備本部の設置を指示し、総員785名体制で災害警備体制を構築し、避難指示が出た津軽方面の岩木川や中村川、県南方面の馬淵川流域などにおける避難広報及び避難誘導に努めたほか、被害情報の収集、交通規制、救出救助活動等を実施したところでございます。
それから、人命救助に関しまして、2件の事例がございました。
1件目は、三戸警察署管内でございます。9月16日、月曜日の午後7時ころ、三戸郡三戸町大字豊川の北向橋付近において、大雨により増水した熊原川付近の冠水した道路上で、立ち往生した車両に家族4人が取り残され、110番で救助を求めるという事案でございました。
通報を受けた三戸警察署員が現場に急行したところ、車両が濁流に流されそうな状況だったことから、現場の消防署員と連携して、当該車両をロープで固定した上、車両に取り残された親子4人のうち子供さん2人を1人ずつ背負い、また親御さん2人を固定したロープを利用して付き添いながら移動させ、約1時間を要して全員を救助しております。
2件目は、黒石警察署管内でございます。同日午後、平川の増水により中州に取り残された男性がおりまして、消防が救出を試みましたが、現場に近づけず、青森県防災ヘリコプターの出動を要請し、防災ヘリコプターがつり上げ救助したという事例でございます。
県警察としましては、今後とも災害警備活動に当たりましては、各自治体や消防等防災
関係機関との緊密な連携の下、総合的な防災対策を推進し、県民の生命、身体及び財産の保護を第一とした警察活動を行っていきたいと考えております。
以上でございます。
78
◯相川委員長
ほかに質疑はありませんか。──
川村委員。
79
◯川村委員
1点だけお尋ねいたします。暴力団対策についてであります。
昭和60年前後には、県内においても暴力団同士の対立抗争が非常に盛んでありました。私が住んでいる弘前方面でも、白昼堂々の発砲事件等もあったように記憶しておりますし、夜の飲食店街は特に怖かったという印象があります。
それから約30年近く経過をしているわけですが、私どもが普段の生活をしている限りにおいては暴力団を目にすることが少なくなったように感じておりますが、これが果たして暴力団が弱体化したものなのか、それとも地下に潜って巧妙に姿を見せないようにしているからなのか、私どもにはよく分からない状況にあります。
市民が暴力団による被害に遭ったとき、又はその恐怖にさらされたとき、最後に頼れるのはやっぱり警察であります。
暴力団を取り締まり、壊滅できるのも警察でありますので、県警察においても、あらゆる手段を駆使して暴力団を壊滅していただきたいと思うところであります。
そこで、本県における過去3年間及び本年の暴力団犯罪の検挙状況についてお伺いをいたします。
80 ◯青山刑事部長
川村委員の御質問にお答えします。
本県における過去3年間及び本年の暴力団犯罪の検挙状況でありますが、平成22年中は検挙件数119件、前年比プラス57件、検挙人員68人、前年比プラス15人、平成23年中は検挙件数65件、前年比マイナス54件、検挙人員56人、前年比マイナス12人、平成24年中は検挙件数57件、前年比マイナス8件、検挙人員67人、前年比プラス11人となっており、本年は8月末現在で検挙件数35件、前年同期比マイナス4件、検挙人員42人、前年同期比プラス3人となっております。
過去3年間の総検挙人員を罪種別にみますと、覚醒剤取締法違反、傷害、窃盗、詐欺、恐喝が上位5罪種となっており、これらの罪種が全体に占める割合は、約66%となっております。
また、暴力団の威力をあからさまに示す恐喝等の犯罪が全体に占める割合は減少傾向にあり、暴力団の威力を必ずしも必要としない窃盗・詐欺等の犯罪が増加傾向にあります。
以上でございます。
81
◯川村委員
検挙状況については平成22年度の119件という件数に対して、年々かなり少なくなってきているということで、県警の対応の結果が出ているのではないかと受け止めております。
暴力団の人員についてなんですが、おそらく60年ころがピークではないかと思うんですが、最も高い時期と最近の暴力団の人数についてお知らせをいただきたいと思います。
82 ◯青山刑事部長
まず、昭和60年代当初における県内の暴力団情勢についてお答えいたします。当時の県内の暴力団構成員等の勢力は約750人で、前年に比べ、約20人増加しております。
次に、60年当時における県内の暴力団犯罪についてお答えいたします。当時の総検挙人員は321人となっております。
本県の昨年末現在で、構成員は約370人で、前年に比べ約60人ほど減少しております。6代目山口組、稲川会、住吉会の主要3団体で、県内暴力団勢力のほぼ100%を占めております。
以上でございます。
83
◯川村委員
平成23年2月に議会で可決されて同年7月から施行された青森県暴力団排除条例、暴排条例と言われているようでありますけれども、これによって暴力団の規制といいますか、禁止事項が強化されたということになるわけですが、この条例の適用例の有無についてお伺いしたいと思います。
84 ◯青山刑事部長
委員の御質問にお答えします。
青森県暴力団排除条例は、暴力団の威力を利用する目的や暴力団の活動を支援する目的で暴力団に金品等の供与を行ったり、暴力団事務所に使用されることを知りながら不動産を譲渡するなどした事業者等に対して勧告や公表などの措置を講ずること、また、学校等の敷地から200メートルの区域内に暴力団事務所を開設するなどした暴力団員に対して、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金という罰則を科すことを規定しております。
青森県暴力団排除条例の適用例でありますが、これまでに同条例を適用し、事業者に勧告した事例が1件あります。
その内容は、県南地方において飲食店を経営する男性が、暴力団の威力を利用する目的で、平成24年9月上旬ころ、6代目山口組系暴力団組長に対して、飲食店の記念パーティーのチケット120枚、額面合計310万8,000円相当を無償で提供したもので、本条例第13条に規定する「金品等の供与の制限」に違反する行為として、同年12月14日、この飲食店経営者に金品を提供することのないよう勧告いたしております。
以上でございます。
85
◯川村委員
今、御答弁にありましたように、勧告が1件ありましたということでありますが、県警察として、この暴排条例制定による暴力団への影響というのをどのように受け止めておられるのかお伺いいたします。
86 ◯青山刑事部長
委員の御質問にお答えします。
青森県暴力団排除条例制定による暴力団への影響をどのように受け止めているかについてでありますが、本条例に規定している勧告の適用のほか、県警察では本条例の基本理念に基づき、事業者に対して条例を遵守するよう指導したり、暴力団に対する警告を行っており、指導・警告によって暴力団を排除した事例として、暴力団員に対する会合中止の警告や、飲食店経営者に予約の取消しの指導を行い、暴力団の会合を阻止した事例。事業者に、暴力団と知りつつ興行の会場を提供したり、正月用品を購入することのないよう強く指導し、暴力団を排除した事例があります。
本条例に基づく勧告のほか、このような警察による指導・警告により、暴力団が従来から資金集めのために行ってきた会合やディナーショーなどの開催が規制され、資金獲得活動に確実に打撃を与えているものと受け止めております。
以上でございます。
87
◯川村委員
分かりました。
県の中で暴排条例がまだ十分理解をされてない部分があると思います。県警としてはパンフレットを作って呼び掛けをしている部分もあると思いますが、是非、県民にこの条例の趣旨というものをさらに浸透していただきたいというふうにお願いをしておきます。
最後になりますが、この暴力団の壊滅というのを強く願っているところでありますが、暴力団対策、壊滅に取り組む青森県警察の決意について、青山刑事部長からもう一度、お伺いいたします。
88 ◯青山刑事部長
委員の御質問にお答えいたします。
暴力団対策に取り組む県警察の決意でありますが、暴力団の存在は、県民生活の安全・安心に大きな脅威を与えているものと認識しております。
県警察では、今後とも暴力団による違法行為を看過することなく、あらゆる法令を適用して徹底した取締りを継続するとともに、暴力団対策法や青森県暴力団排除条例の効果的運用に努めてまいります。
また、県警察が前面に立ち、県民の方々の安全確保を図りながら、行政機関、関係団体、事業者などと一体となった暴力団排除活動を推進するなどして、暴力団の弱体化、壊滅に向けた取り組みをさらに進めてまいります。
以上でございます。
89
◯相川委員長
ほかに質疑はありませんか。──
熊谷委員。
90
◯熊谷委員
少年非行の防止についてお伺いをいたします。
昨年もそうでありましたけれども、近年、本県における少年非行は減少傾向にあります。常任委員会における今年の県内調査の際の各警察署からも、減少しているという説明を伺っております。
そこで、昨年までの数字は承知をいたしておりますので、本年1月からこれまでの現状について、また一昨年より各小学校にリトルJUMPチームの結成を働き掛けておりますけれども、導入後の低年齢児童の非行状況についてお伺いをいたします。
91 ◯越川生活安全部長
熊谷委員の質問にお答えします。
本県においては、刑法に触れる行為をして検挙補導された少年、いわゆる刑法犯少年は、本年8月末現在で324人と、昨年同期より174人減少し、減少率では東北で最も高くなっております。
この刑法犯少年のうち、少年が最初に手を染めやすいとされる万引き・自転車盗などの初発型非行で検挙補導された少年は229人で、刑法犯少年全体の70.7%を占めており、東北では高い割合となっております。
また、刑法犯少年のうち、再び検挙補導された、いわゆる再非行した少年でございますが、96人で、刑法犯少年の29.6%を占めており、この割合は東北では最も高くなっております。
このほか、深夜徘徊、飲酒、喫煙等で補導された不良行為少年については、本年8月末、2,819人で、昨年同期に比べ60人の減少となっております。
少年非行防止リトルJUMPチームの導入後の小学生の補導人員につきましては、平成23年は84人、刑法犯少年の8.8%を占めておりましたが、本年8月末現在では22人と、刑法犯少年の6.8%まで減少している状況にございます。
以上でございます。
92
◯熊谷委員
今年のこれまでの状況についてお知らせをいただきました。全体的には本年も減少傾向にあるということですが、少年非行、当然減少傾向だけではなくて限りなくゼロに近づけていかなければならないわけであります。
また再非行率が依然として高いということでもありました。警察では、これまで少年の再非行を防ぐための取り組みとして、過去に犯罪を犯した少年に警察が直接手を差しのべる「立ち直り支援活動」というのを行っているようであります。
そこで、具体的にどのような取り組みをしているのかお伺いいたします。
93 ◯越川生活安全部長
お答えします。
県警察では、平成23年度から、警察において非行少年として取り扱った少年のうち、家庭裁判所の審判決定後に交友関係等から再非行の可能性が高いと認められる少年に対し、保護者の同意を得た上で、少年の立ち直りに資するための活動を実施しております。
この活動は、少年と地域社会とのきずなを構築し、少年の居場所をつくり、規範意識を高めることが重要であることから、少年警察ボランティア等と協働して実施しており、少年が抱える問題を把握し、少年及び保護者と相談の上、少年の状況に応じた立ち直りの目標を個々に設定し、目標達成に向けた支援活動を行っております。
具体的な取り組み例としましては、苦手科目の克服のための勉強会、社会とのきずなづくりのための野菜づくりなどの農作業体験やデイサービス等の社会奉仕体験等であります。
なお、本年は28人の少年に対して支援を行い、8月末現在、14人の少年に対し現在も継続中でございます。
以上でございます。
94
◯熊谷委員
最近では、いわゆるスリルを楽しむというだけではなくて、少年非行も計画的に行われている傾向もあるというふうに伺っております。
立ち直り支援も取り組まれているようですけれども、やはり基本的に巡回のさらなる強化も必要だろうと思います。
また、冒頭の答弁におきまして、少年非行が全体的に減少傾向にある中で、今の再非行率の高さに加えて万引き等の、いわゆる初発型非行の多さ、さらに深夜徘徊、喫煙などの不良行為少年の数も相変わらず多い現状にあります。
そこで、そのような状況を踏まえて、今後、少年非行の防止に向けてどのような取り組みをしていくのかお伺いをいたします。
95 ◯越川生活安全部長
お答えします。
初発型非行防止対策につきましては、初発型非行の81.7%を占める万引きを抑止することが少年非行の減少に効果的であることから、大型店舗や小売店業者の方々で組織されている万引き等防止協力会や本県独自の施策として、お店の店長等を委嘱し活動していただいている万引き防止啓発指導者「マンボウマイスター」と呼びますが、マンボウマイスター等と連携を図りながら、売り場での商品陳列方法などの防犯体制の指導、声掛け励行など自主的な防犯意識高揚を図る管理者対策、街頭広報活動等を実施するほか、少年非行防止JUMPチームやリトルJUMPチームによる全校集会での万引き防止の呼び掛けなど、万引き防止のための啓発活動を継続実施して、小・中・高校生の規範意識の醸成を図ることとしております。
また、再非行防止対策につきましては、少年の支援活動に際し、個々の少年の状況に応じた、よりきめ細やかな支援活動を行い、少年の立ち直りを図ることとしております。
不良行為少年の対策につきましては、
関係機関・団体と連携して、街頭補導活動を一層強化し、不良行為を行う少年の早期発見・補導を通じて、早い段階での少年非行の未然防止に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
96
◯熊谷委員
ただいま、答弁の中にもありました少年非行防止JUMPチーム及びリトルJUMPチームは、児童生徒の規範意識の醸成を目的とした本県独自の取り組みということで、そのことだけが要因ではないかもしれませんが、導入以来、少年非行が減少傾向になっておりますし、また大阪府議会等、他県からも視察に来るなど注目をされております。
聞くところによりますと、来月、これまでの活動の検証等に向けたフォーラム等も開催するようですが、今後、さらに活動を強化していただきたいと思います。
いずれにいたしましても、県警におかれましては非行少年を生まない、そして非行少年のいない社会づくりを目指して、今後も
県教育委員会や各学校、さらには地域と連携をしながら少年の健全育成に努めていただくことを要請いたして終わります。
97
◯相川委員長
ほかに質疑はありませんか。
[「なし」と呼ぶ者あり]
ないようでありますから、これをもって
警察本部関係の審査を終わります。
次に、お諮りいたします。
当委員会に付託されております特定付託案件について、さらに継続審査とすることに御異議ありませんか。
[「異議なし」と呼ぶ者あり]
御異議なしと認め、継続審査と決定いたしました。
なお、
委員長報告の作成については、本職に御一任願います。
以上をもって
文教公安委員会を終わります。
○閉 会 午後1時45分
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