青森県議会 2013-10-04
平成25年建設委員会 本文 開催日: 2013-10-04
つまりその12億円も内示で、今わかったということなんですか。それとも、もっと前から12億円についてはわかっていて、今の62億円と合計すれば74億円になるんだとという話なんでしょうか。
27
◯櫻庭監理課長
経済対策については、昨年度の2月補正、国でも補正ということになっておりますので、3月後半に内示ということで承った数字で、県が当初予算で上げていた2月補正の額から12億円の減という形での内示を、3月末にいただいたということでございます。
28
◯諏訪委員
わかりました。いずれにしましてもトータルでいえば、国の内示によってこうも影響を受けてくるということが、客観的な要素としてあるという話なんですが、ただそういうことをしょっちゅう繰り返していると、予算編成上問題になるし、事業の進捗にも、例えば地域の皆さんが待ち望んでいる事業であればあるほど影響が及ぶ、ということ等があるので、できるだけ客観的な情報を、道理ある情報を県民に提供していくということが大事ですので、問題点は言っておくということにならざるを得ませんので、率直に言わせていただきたいと思います。
ただここで一つだけ確認しておきたいのは、
地域自主戦略交付金が平成24年度では143億円来ていると。今度はそれが廃止になって、防災・
安全交付金になって平成25年度は147億円といくらかふえてきた。ただしその分、
社会資本整備総合交付金が27億円も減らされるといった問題もあるんですが、そこで防災・
安全交付金に変わることによって、それまでの
地域自主戦略交付金と何が違って、全体としては使い勝手がよくなったことになるのか、その辺の違いをわかる方がいたら教えていただきたいんですが。
29
◯横森県土整備部長
地域自主戦略交付金は、昨年度内閣府から配分されて、それをどの事業に当てるかについては、県の裁量によるものですから、そういう面では自由度があったのではないかと思います。ただ、手続き等が複雑であるという批判があったというのも伺っております。今年度の防災・
安全交付金については、各省庁のほうで配分するということになっておりますので、その面では自由度は少なくなっていると思うんですが、国全体として今安全・安心という観点が重視されておりますので、そちらを各所管別ではあるんですが、どの所管であっても、その分野を重視していただきたいという政府の方針なのかなと思っております。そういうことでよろしいでしょうか。
30
◯諏訪委員
後でまた勉強したいと思いますので、よろしくお願いします。
みちのくトンネルの
天井板撤去の予算も計上されてあるんですが、トンネル天井板の設置目的及び今回撤去する理由、
天井板撤去工事中における通行車両への
安全対策、まずこの二点を聞きたいと思います。
31 ◯鈴木道路課長
まず設置目的と、今回撤去する理由についてですけれども、昭和55年に完成供用した
みちのくトンネルは、当時の長大トンネルの換気方法としては一般的であった、半横流換気方式を採用しておりますけれども、この方式はトンネルの断面の一部を天井板で分離して、そこを送風ダクトとして使用するものです。天井板はそのために設置したものです。
当トンネルは昨年12月の中央自動車道笹子トンネル天井板落下事故を踏まえ、直後に緊急点検を行い、天井板の安全性を確認し、異常は認められませんでした。ということで当面の通行安全性は確保されています。
しかし当トンネルは完成後33年を経過しておりまして、今後さらなる老朽化が進むことは確実であり、さらに国が設置したトンネル天井板の落下事故に関する調査・検討委員会での議論において「天井板については撤去することが望ましい」とされたことから、本
定例会において、
補正予算として所要額を計上したところです。
次に
安全対策ですが、工事を実施する青森県
道路公社によりますと、一般車両の通行に必要な空間を確保するため、一定のトンネル内工事区間において、移動可能な車両防護設備 プロテクターと呼んでいますが それを設置して、その区間が約50mだと伺っています。それとその前後、工事車両の待機等に使用する区間、これは前後約200mくらい必要になりますが、その区間について片側交互通行方式による施工を検討しているということです。車両はこのプロテクターの内部を通行するということですので、プロテクターの外部で実施する
天井板撤去工事に伴う、例えば落下物等の影響を受けることはなく、安全確保は図られるものと考えています。
32
◯諏訪委員
天井板の設置目的は自動車の排ガス対策ですよね。それを撤去してしまうということについて、もう少し答弁していただきたい。
33 ◯鈴木道路課長
先ほど言いましたが、このトンネルは30年以上たっています。その後の排ガス規制の強化に伴って、車両そのものの性能が大幅に向上しています。必要換気量は今の車両の排ガス基準で計算しますと、建設当時に比べて、大幅に減少するということがわかっておりますので、現状の交通量では天井板を撤去して、自然換気方式により対応可能であるということになっております。
34
◯諏訪委員
その辺を十分調査して対応しているということなので、間違いはないと思いますが、そもそもの設置目的が、トンネルがあまりにも長いから、脇から排出するためにつくったものなんだと思うので、車の性能ということで説明があり、また十分念入りに検討された結論だとは思うんですが、それを全部撤去してしまうことによって、今後新たな二次被害の問題が起きないよう対応していただきたいと思います。
安全対策についても、相当年月をかけて施工する工事だと思いますので、トンネルの中ですから、ぜひ
安全対策には十分な配慮をしていただきたいと思います。
工事費の積算方法及び工事受注者の選定について、どのように考えているのかお伺いします。
35 ◯鈴木道路課長
工事を実施する青森県
道路公社によりますと、工事費の積算方法は、県の基準にのっとるものとし、
天井板撤去工事などの特殊な部分については、過去の事例を参考とした積算基準等をもとに進めていくと伺っております。
また、工事受注者の選定につきましては、トンネル
天井板撤去工事がこれまで例のない工事であり、技術的難易度が高く、さらには安全管理が非常に重要であることから、大規模トンネル工事の経験が豊富な建設業者による、条件付き一般競争入札を検討しているとのことです。
36
◯諏訪委員
県内の業者が入り込む余地はあるんでしょうか。
37 ◯鈴木道路課長
県内でもトンネルを施工している業者もございますので、
道路公社にはそこを排除するかどうかはまだ確認しておりませんが、排除する必要はないのかなと思います。
38
◯諏訪委員
いつも費用対効果の関係で議論してきているんですが、こうした工事費が、地元に最大限落ちていく、回っていくということが大事ですので、その辺も公社との協議において十分配慮するように要請していただきたいと思います。
次に議案第11号「工事の
請負契約の件」
県営住宅小柳団地建設工事について、工事のスケジュール等については、本会議場でもいろいろやりとりがありましたので、そこはパスして構いません。そこで、先ほど
雪対策の話もあったんですが、
県営住宅小柳団地の設計において、従前より性能や設備を向上させた点について伺いたいと思います。
39
◯原田建築住宅課長
お答えいたします。この度の
県営住宅小柳団地の設計におきましては、バリアフリーや省エネルギー、
雪対策等に配慮いたしまして従前よりも性能や設備が向上しております。具体的には公営住宅の最新の整備基準に基づきまして、バリアフリーへの対応としましては、エレベーターの設置、段差の解消及び手すりの設置、また省エネルギー対策といたしましては、窓や壁の高断熱化を行うこととしております。住戸内の設備としましては、台所、浴室及び洗面所の3カ所に給湯設備を設置しますほか、浴室についてはユニットバスルームにしております。また、
雪対策としましては、玄関前通路及び物置を建物内部へ取り込むということで設計しております。以上でございます。
40
◯諏訪委員
やはり新しく手がけていく工事ですから、性能はどんどん向上していくと思うのですが、これまで
県営住宅等で一番受ける相談は結露です。これは今度の小柳の団地ではどう克服されることになるんでしょうか。
41
◯原田建築住宅課長
今回
小柳団地の設計におきましては、結露の発生を防ぐために、機械換気によりまして、全室換気とする計画にしております。また、省エネ基準につきましては、等級4ということで、断熱性能を向上させていくということでございます。
42
◯諏訪委員
建ってしまってから、あとあと結露問題が出てきて、新たに工事をし直すということがあったものですから、ぜひその点での対策に万全を期していただきたいと思います。あとスケジュールについて、4棟全部の建設が終わるのはいつか教えていただきたいんですが。
43
◯原田建築住宅課長
事業全体のスケジュールとしましては、4棟を建設しまして、その後古い住棟は解体します。最終的には平成33年度の事業完了を目指しております。
44
◯諏訪委員
これも業者の関係なんですが、この公営住宅は地元の建設業界で対応可ということでいいですか。
45
◯原田建築住宅課長
今回の
小柳団地の建てかえ事業にあたりましては、4棟を建設しますが、4棟すべての設計と今回の1号棟の建設を担当するということでは、昨年度プロポーザル競技でコンソーシアムを決定しております。このプロポーザルの参加条件といたしましては、県内に本店を有する業者ということで、1号棟の
建設工事の契約の相手方は市内の業者ということになっております。2号棟以下3号棟、4号棟につきましては、順次条件付き一般競争入札をかけていく形になります。まだ決定しておりませんが、十分地元業者でも対応できると考えております。
46
◯諏訪委員
4棟全部の総
事業費がわかっていたら教えていただきたい。それから
県営住宅小柳団地を除くその他の
県営住宅の建てかえ計画については、どうなっているんでしょうか。
47
◯原田建築住宅課長
まず4棟全体の
事業費でございますけれども、全体で約65億円となっております。それと
小柳団地以外の
県営住宅の建てかえでございますけれども、県では現在
県営住宅を有効に長期にわたって活用するということで、平成23年度から32年度を計画期間といたしまして、
県営住宅等長寿命化計画を策定しているところでございます。この計画の策定にあたりまして、
県営住宅を建てかえとするのか、改善して活用していくのかということについて、建設時期ですとか、土地の高度利用等々を踏まえて検討を行っております。先ほども御説明させていただきましたが、
小柳団地が平成33年度までの事業ということで、現時点では平成23年度から32年度の長寿命化計画計画の中で、建てかえをするのは
小柳団地だけになっておりまして、それ以外については、建てかえの計画はまだありません。ただ、この長寿命化計画につきましては、社会経済情勢の変化等に応じまして、おおむね5年ごとに見直しをかけるということにしておりますので、その際に、建てかえを行うかどうかについて検討するというような形で考えております。
48
◯諏訪委員
小柳団地は築何年かよくわかりませんが、今回建てかえになりました。それに相応するような老朽化というか、数十年経っている団地というのは、どういうところがあるか、御紹介していただければと思います。
49
◯原田建築住宅課長
小柳団地につきましては、昭和47年から昭和49年度に建築をされているものでございます。まさに古いものでございますけれども、この
小柳団地と同年代のものといたしましては、青森市の幸畑団地の一部、八戸の白銀台団地の一部、青森市桜川団地、弘前の小沢団地の一部があります。
50
◯諏訪委員
どうするかはこれから検討していくのでしょうが、長寿命化という問題も含めて検討されると思います。ただそれ相応の手をつくさなければならない団地も青森県内にはまだ存在していると。
それから、現在の入居申請の状況について、抽選で当たれば、あいている箇所に入るということなのですが、県内のそれぞれの公営住宅の入居申し込みの倍率というのは、どのような状況なんでしょうか。例えば、低いところでこれくらい、あるいは高いところでこれくらい、平均的にいえばこれくらいになっているというような、つまり公営住宅の建設はなお需要があるかどうかという問題は大事なことですから、その辺の状況をお知らせいただければ。
51
◯原田建築住宅課長
平成24年度の申し込みの倍率でございますが、県全体の平均といたしましては2.9倍でございます。人気があります高い倍率のものにつきましては、最大15.7倍ということで、10倍を超えているものもございます。一方低いほうは、募集割れしており、0.5倍、0.6倍という状況のものもございまして、やはり団地によってばらつきがある状況でございます。
52
◯諏訪委員
行財政改革大綱でもそうなんですが、全体として公営住宅は、建てるのに段々消極的になっているんです。これは全体としての方向性というか、できるだけ有料の民間の賃貸住宅を活用してもらうとか、いろんな対応をしているということがあってのことです。しかし需要からいえば、公営住宅の建設は必要不可欠の分野であるということを強調しておきたいと思うんです。これからどう検討されるかということも含めて、やりとりはしていきたいと思いますが、私はそう思うということだけは強調して終わりたいと思います。
53
◯夏堀委員長
ほかに質疑ありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
ないようですから、これをもって議案に対する質疑を終わります。
これより議案の採決をいたします。
議案第1号中所管分、及び議案第2号、以上2件の原案に賛成の方は御起立を願います。
〔賛成者起立〕
起立多数であります。よって、原案は可決されました。
議案第3号、及び議案第11号、以上2件の原案に賛成の方は御起立を願います。
〔賛成者起立〕
起立総員であります。よって、原案は可決されました。
部長より報告事項があります。──
横森県土整備部長。
54
◯横森県土整備部長
私の方から、台風第18号による
県土整備部関係の被害状況につきまして、その概要を説明したいと思います。
公共土木施設災害復旧
事業費国庫負担法に係る被害箇所数と被害金額についてでございます。9月27日に取りまとめ、国に報告をいたしました。これは市町村を含めた県全体で407箇所、41億8,830万円となっております。
施設別の内訳ですが、県管理分につきましては、河川が42河川、174カ所、19億4,880万円、道路が11路線、21カ所、2億2,600万円、橋梁が1カ所、500万円、港湾が1カ所、500万円、計197カ所、21億8,480万円となっております。市町村管理分につきましては、河川が43河川、64カ所、7億310万円、道路が109路線、143カ所、8億8,140万円、橋梁が1カ所、1,000万円、下水道が1カ所、3億9,600万円、公園が1カ所、1,300万円、合計210カ所、20億350万円となっております。
今後は、国による災害復旧事業の災害査定が終了次第、早期に復旧が図られるよう努めてまいります。
なお、早急に対策が必要な被災箇所につきましては、災害査定を待たずに応急仮工事を行っております。
また、県内では、弘前市を初め、平川市、大鰐町、鰺ヶ沢町において、人家に影響のある土砂災害が13カ所で発生しております。今後の対応につきましては、急傾斜地対策事業の採択要件を満たす弘前市の西茂森地区等において対策工事に着手する予定であり、早期の復旧に努めてまいります。以上です。
55
◯夏堀委員長
ただいまの報告事項及び
所管事項について質疑を行います。
質疑は議題外にわたらないようにお願いします。
なお、答弁者は、挙手のうえ、「
委員長」と呼び、次に職名を言って発言を求めてください。
質疑はありませんか。──
諏訪委員。
56
◯諏訪委員
今回の
定例会で台風第18号に関するやりとりがあり、局所的なゲリラ豪雨等の対策についても議論があったんですが、より本質的にいえば、やはり一級河川、この暴れ川と言われている河川から、どう災害を根絶するかという、究極の対策、抜本的な対策というものが、やはり基本方針上あるわけですから、どのような姿になったらそういう基本方針の具体的な姿になるのかということ等は、決定的な要素を持っているんだと思うんですよ。相当な
事業費を食うという話もあるし、そう簡単にいかないという話もあるけれども、10年間で5回も水害に遭遇するんですよね。遭遇している人達は、何なんだこの水害はと。不信なんですよ。これだけの一級河川がこれほどの重大な深刻な問題を、抜本対策をやる上で抱え込んでいるんだという理解がなければ、ただ水害を受けてしまうということに対する不信不満となります。そこでいかにこの基本方針を現実のものに転換していくか、その作業に思い切って入っていくということが重要だと考えるので、まず岩木川の治水対策の基本方針と現在の整備状況について聞いておきたいと思います。
57 ◯今河川砂防課長
岩木川では、河川整備の基本となるべき事項を定めた、岩木川水系河川整備基本方針が、平成17年5月に国により策定されています。
この基本方針は、将来の治水
安全度を100分の1、五所川原基準点における計画高水流量を毎秒3,800立方メートルとして、洪水調節施設により洪水調節を行うとともに、堤防の新設、拡築及び河道掘削等を行う計画となっています。
国では、基本方針に沿って、当面実施する河川工事の種類、場所等を定めた、岩木川水系河川整備計画を平成19年3月に策定しています。
現在、この整備計画に基づき、鶴田左岸地区や今回の台風第18号により浸水被害のあった上中畑地区の無堤区間等で堤防整備等を段階的に進めるとともに、津軽ダムについては、平成28年度の完成を目指し、鋭意施工中とのことです。
この整備の対象期間は概ね30年間、整備完了時の治水
安全度は、概ね40分の1と聞いております。
県としても、整備計画の目標が早期に達成されるよう、引き続き、国に対して要望してまいります。以上です。
58
◯諏訪委員
岩木川の基本方針、これは100年に一度の基本方針だと思いますが、今40分の1は30年間で対応するというお話でしたが、いつから30年ですか。それから基本方針の実現した姿というものは、どういうものなんですか。例えば津軽ダムが完成し、無堤防が完全になくなり、支流からの合流地点の堤防関係の整備も全部終わり、抜本的な対策となる。それが基本方針の実現の姿なんでしょうか。教えてください。
59 ◯今河川砂防課長
まずこの計画対象期間の30年というのは策定された時期、
つまり平成19年からと考えています。それから抜本的な姿というのは、直轄管理区間について堤防が全て完成し、当計画流量に対応した治水
安全度100分の1の流量に対応した河道掘削が完了した時点でと考えております。以上です。
60
◯諏訪委員
津軽ダムも必要なんですよ。こうすれば100年に一度に対応できる基本方針が実現できると、総合的にもう一度言っていただきたいんです。
61 ◯今河川砂防課長
津軽ダムも当然完成しているという状態で、なおかつ堤防も全て完成、河道掘削も全て完了しているという状態で、治水
安全度100分の1が達成されると考えています。以上です。
62
◯諏訪委員
30年のものは出てきているんですが、基本方針は最終的にいつ完成すると見ればいいんですか。
63 ◯今河川砂防課長
河川整備には膨大な
事業費と期間がかかります。このため河川整備計画の策定に当たっては、おおむね30年程度を目標期間として当面の目標を定め、さらにそれが終わった時点で、次の段階に進むものと考えております。以上です。
64
◯諏訪委員
次の段階でどう進むかという計画は、30年を経過して新たに練り上げるということになるんだと思うので。今からという話ではないんだと思うんですが、そのことについて、地域の皆さん、例えば岩木川の沿川の皆さんや、あるいは毎年台風等で被害を受けるような皆さんが、岩木川が氾濫していつも被害を受けるということについて、なんとかしてもらいたいという場合に、岩木川の治水対策の基本方針というのはこうなんだけれども、今、年月を区切っていつまでにこれをやるということは到底できないので、当面の手当てとしては最善を尽くして頑張りますなど、何らかの説明の仕方があるのではないだろうかと私は思うんです。
次に、馬淵川に行きますが、10年間で5回水害を受けるような、そういう河川です。基本方針があるけれども、いつのものになるかわからない。ところが一方で駒込ダムは、今工事用道路をつくっていますが、450億円をかけてつくるわけです。下湯ダムができて、幾分堤川の氾濫は食い止められているんですが、それでももう一つダムが必要だというので、今工事に入ろうとしています。また、岩木川では津軽ダムができると。しかし基本的にいえば、どのように治水対策が完成するのかということの夢と希望の話と、現実に被害をこうむってしまうギャップについて、どのように住民に説明責任を果たしていったらいいのかということに、私も悩むんです。その辺、どう考えたらいいのか、教えていただきたいんですが。
65 ◯今河川砂防課長
まず河川整備計画についての住民への説明ということですけども、これは河川整備計画を策定するにあたり、公聴会を開催して住民への説明を行っております。そのほかに、工事説明会等を開催して、住民に対して
事業計画を説明しております。以上です。
66
◯諏訪委員
馬淵川の治水対策の基本方針と、現在の整備状況について、教えてください。
67 ◯今河川砂防課長
馬淵川では、河川整備の基本となるべき事項を定めた馬淵川水系河川整備基本方針が、平成19年7月に国により策定されています。
県が管理する馬淵川中流部について、河川整備基本方針には、「治水対策を早期かつ効果的に進めるため、河道や沿川の状況、氾濫形態等を踏まえ、地域との合意形成を図りつつ、連続堤の整備だけでなく、輪中堤や宅地のかさ上げ等の対策を実施する」と記載されています。県では、この考え方に沿った形で、平成22年6月に馬淵川水系河川整備計画を策定し、20年に1度発生する洪水から宅地を防御することを目標として、河川改修事業を進めているところです。
これまでにも県では、直轄管理区間の整備状況に合わせて、蛇行部の解消や宅地かさ上げ等の治水対策を進めてきましたが、より一層の浸水被害の軽減を図るため、平成20年度から馬淵川土地利用一体型水防災事業による輪中堤の整備や河道掘削に着手するとともに、昨年度からは水防災事業を床上浸水対策特別緊急事業に格上げし、完成年度を2年短縮し、平成27年度に事業を完成させることとしています。
これまでに、南部町虎渡地区等、5地区で河道掘削を行うとともに、今年度は川守田地区の輪中堤に着手することを予定しています。
しかし、先般の台風第18号により、平成23年に続き、甚大な被害が発生したことから、今回の洪水に関する検証を行い、現在の計画で充分な治水
安全度が確保できるかどうか、検討を進めてまいります。以上です。
68
◯諏訪委員
馬淵川のほうは、岩木川よりももっと見通しがないというか。被害地調査で、例えばブロイラーがやられた現場に行ってきた。熊原川はちゃんと堤防があるが、上流から流れ込んでブロイラーがやられたと。しかも泥水なので、焼却処分ができない、1羽ずつ全部水で洗わねばならないという話を聞いてきたんですが、堤防をかさ上げし手当てしても、新しい洪水が現出してくるという問題があるんです。結局海が満潮だと、岩手県側から積もり積もってきた水が結局蓄積して、どんどん被害を広げてしまうという問題がある。このための抜本対策、基本方針は何なのかということが見えない。基本方針は立てているんです。では、どういう姿になればこの基本方針が実現できるんですか。
69 ◯今河川砂防課長
河川整備基本方針は長期的な将来の姿を描いたものであります。現在河川整備計画に基づき、治水対策を進めているところであり、この整備計画では20年に1回の洪水から宅地の浸水を守るということでございまして、そのために現在輪中堤の整備と河道掘削を進めております。以上です。
70
◯諏訪委員
要するに基本方針は、ただ描いているだけなんですか。基本方針というものは何なんですか。
71
◯横森県土整備部長
災害対応として、河川の災害についても、いろいろ計画はつくっています。その計画を超える災害が起きているということで、その繰り返しである点ではきりがないということもあるんですが、ただやはり河川の整備を進めるために、長期、中期、あるいは短期という計画を持たないと、現実的に行政は進められませんので、現在は、おおむね100年に一度生じる洪水をベースに、長期の計画をつくり、それにより例えばダム計画をつくったり、堤防計画をつくったり、掘削計画をつくって、総合的な計画をつくるわけですが、これまでの経験から100年に1回の洪水に対応する計画を実現するには、何十年もかかるわけでございます。何十年もかかるような計画を掲げていても、いつになったらできるのかわからないという御批判もございました。そこで、大体20年から30年に一度生じる洪水に対応して、20年から30年くらいの中期的な計画をつくろうというものが、河川整備計画でございます。さらに、その計画を進めている最中でも、洪水被害が生じる時もございます。馬淵川につきましては、
諏訪委員の御指摘のとおり、2年間に1回というような頻度で起きています。上下流の関係もあって、馬淵川の県管理区間の治水
安全度を上げることは、これまで難しかったわけですが、下流のほうの整備が進んできましたので、平成20年の土地利用一体型水防災事業により、初めて本格的に着手できたのかなと思っています。ただ、平成23年にまた大きな洪水がございました。洪水の短期の計画としては、同じ洪水が起こっても、再び災害、氾濫がないようにしようというのが、短期の目標になるわけです。その計画として床上浸水対策特別事業を国に認めていただきました。これは平成24年度から始まって、27年の完成を目標にしております。その
事業計画を作るにあたって、当然地域の方々の意見も聞いているわけですが、地域の方々にとっても、説明を聞いても、なかなか一回聞いたくらいでは覚えられないということもございますし、今回また洪水が起こったというのもございます。今回の洪水はまだ床上浸水対策特別事業が完成しておらず、改修途上でございますので、受け皿が現時点では整っていないというのもございますが、平成23年度の工事と比べてどうなのかというのもございますので、そこら辺は検証させていただいて、その検証した結果は、また住民の方に説明していきたいと思っています。その検証の結果、今の床上浸水対策特別事業ではまだ不十分だということであれば、災害防止のために、再度国に働きかけていきたいと思っています。そういう状況でございます。
72
◯諏訪委員
短期、中期と計画を立てて、手当していくというのは、それはすごい大事な話ですし、それをやらないと駄目なんですが、基本方針を掲げている以上、長期にどういう水準のものを形成していったら100年に一度に対応できるんだという目標を持たないと、短期、中期で対応できなくなってしまっているんです。要するに100年に一度がしょっちゅう来ているということなんです。水量は全然違うかもしれません。半分であったり、それより低いかもしれないが、水害の被害に関していえば、しょっちゅう100年に一度なんですよ。そうなってくると短期も中期もきちんとやった上で、同時に抜本的にどうしたらいいのかというのを、住民が希望を持てるような洪水対策として、発表していく必要があるんだと思うんですよ。例えば堤防を下流からちゃんと整備すると。支流と合流する地点も、相当のかさ上げが必要だ。ずっとやっていくと1千億円、2千億円の事業になるでしょう。ないしは遊水地を途中に2、3カ所つくる必要がある。しょっちゅう氾濫する箇所であれば、田んぼ等を用地買収して、しっかりとした遊水地を確保する。つまり輪中堤と逆の理屈で確保する。岩手県側にも、3つくらい遊水地をつくってもらう。抜本的にはやっぱり上流にダムをつくる必要がある。そういう構想も長期的に問題提起して議論していかないと、被害を受けている人達は、いつも100年に一度なんですよ。だから、長期で基本方針を描いて、住民に説明していく必要があるんじゃないでしょうか。そうでもしないと、いつも水害を受けているという人たちの思いに立てば、大変なんです。それから、岩手のほうもそうですが、なぜ県管理分を国直轄にできないか。国直轄にしたから、右から左に基本方針が着実に進むかというと、そういう単純な話ではないんですが、やはり一級河川は国が責任を持って対応するということが、あちこちで言われているんですが、なぜ国へ移管ができないのか、何がネックになっているんでしょうか。そういうことも含めてお答えいただきたいと思います。
73
◯横森県土整備部長
まず最初の話のほうでございます。これは住民の方々に説明する際に、長期の考え方の内容、中期の考え方の内容、短期の考え方の内容、一連の説明をする中でわかりやすくやっていきたいと思っております。今回の洪水の検証で、一番の大ごとの基本方針まで変えるというような話になりますと、それはまた国の判断になりますので、検証結果によりますが、そういうことを踏まえて長期で見直す必要があるのか、中期で見直す必要があるのか、その辺は結果を踏まえて国のほうと相談していきたいと思っております。それと国の一体管理について、これは馬淵川の県管理区間と国直轄である下流の治水のバランスがかなり密接に関わっています。管理や防災を考えると、県としてはやはり国の一体管理が望ましいと思っています。そういう方向で、これまでも国に対して要望を行っているところですが、最終的に国がどう判断するかというのは、推測でしかないんですが、こちらから要望している感触としては、今は地方分権の時代で、国の管理を減らす方向なんだという話をされる機会が多く、そういう世の中全体の大きな流れがあります。しかし、地域は地域の事情もありますし、困っている自治体もありますので、その辺は何とかお願いしたいということで、これからも声をかけていきたいと思っています。
74
◯夏堀委員長
ほかに質疑はありませんか。──畠山委員。
75 ◯畠山委員
最近、高速道路の上の歩道橋の点検をしていないという報道がありました。先ほどの質疑にも出ておりました、笹子トンネルも点検をしていなかったと、また、JR北海道のレールの問題等、びっくりするようなことが多いわけですが、私たちが日常使っている高速道路の上にある歩道橋について、県内にあるものは大丈夫なんだろうかと思うわけです。そこで東北縦貫自動車道弘前線及び八戸線をまたぐ橋梁の
維持管理の現状と今後の方針について伺います。
76 ◯鈴木道路課長
東北縦貫自動車道弘前線及び八戸線をまたぐ橋梁につきましては、県が管理する道路橋が7橋、市町村が管理する道路橋が44橋、市町村が管理する市町村道以外の農道及び水路橋が12橋あります。
このうち県が管理する橋梁につきましては、橋梁アセットマネジメントに基づき、定期点検を行い、予防保全型の
維持管理を行ってきたところであり、今後も継続して行っていくこととしております。
また、市町村が管理する道路橋につきましては、各市町村が策定する橋梁長寿命化修繕計画の一環として点検を行っているところです。
農道等につきましては、所管外であることから、道路課では把握しておりませんが、市町村の農林担当部局等で現状把握及び対応方針について検討するものと考えております。
77 ◯畠山委員
県で管理しているものについては大丈夫だということでした。次に
道路公社が管理する
みちのく有料道路についてはどうでしょうか。
78 ◯鈴木道路課長
道路公社が管理する有料道路のうち、有料道路をまたぐ橋梁が存在する路線は、第2
みちのく有料道路のみとなっております。
本路線をまたぐ橋梁は5橋ございますけれども、全ての橋梁について、
道路公社が平成21年度に点検を行ったところ、異常は認められませんでした。
今後とも、定期的な点検に基づき、必要な対応を行う予定としております。
79 ◯畠山委員
それでは、下北半島縦貫道路についてはどうですか。
80 ◯鈴木道路課長
下北半島縦貫道路における供用済区間をまたぐ橋梁につきましては、10橋ございますけれども、全て県が管理しております。
これらの橋梁につきましては、橋梁アセットマネジメントに基づき、これまでと同様に定期点検を行いながら、予防保全型の
維持管理を行ってまいります。
81 ◯畠山委員
県が管理する分については、しっかりやっているということでした。安心しました。ありがとうございます。
82
◯夏堀委員長
ほかに質疑はありませんか。──
花田委員。
83
◯花田委員
建設企業の
受注機会の確保についてであります。今回の
補正予算では、
県内企業の
受注機会の確保に配慮しているとありますが、今後予定される災害復旧工事の発注におきましても、地元企業の
受注機会確保が非常に重要であり、県の
受注機会確保の取り組みについて確認したいと思っております。県では工事規模に応じて、指名業者を選定して発注していると思いますが、県発注工事における工事規模ごとの指名業者の選定方法について、まずお伺いします。
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◯櫻庭監理課長
お答えします。県発注工事の工事規模に関しましては、発注工事の工種が、土木一式工事及び建築一式工事の場合、請負工事設計額が4,500万円以上のものを特A級、1,000万円以上4,500万円未満のものをA級、1,000万円未満のものをB級の建設業者に発注することを標準としております。
また、建設業者の等級につきましては、建設業法に基づきます経営事項審査の総合評定値と工事成績点等による発注者別評価点の総合点などにより決定しています。
指名業者の選定は、各発注機関の建設業者等選定委員会において、発注工事の工種及び工事規模に応じた等級に属する建設業者の中から、発注工事の地理的条件や手持ち工事の状況等に留意するとともに、会計年度における指名及び発注の状況を勘案し、選定が特定の者に偏しないよう行っています。
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◯花田委員
今回このような質問をさせていただきましたが、やはり災害復旧に係る関係ということで、岩木川にしても馬淵川にしても、県内各地でいろんな災害が起きてしまったと、それに対応する工事について聞かなければならないといったところでありまして、今の御答弁の中では、4,500万円以上の工事はランクの高い特A級の業者を対象に発注するということでありましたけれども、地域によりましては、やはりその業者数が少ない地域というのもあるかと思います。対象となる業者が少ない場合には、工事を分割するなどして、数が多い階位等級の業者に発注する方法も考えられると思いますけれども、地元企業の
受注機会の確保に関する県の考え方についてお伺いします。
86 ◯小関整備企画課長
公共工事の発注に当たって、毎年閣議決定されております、中小企業者に対する国等の契約の方針も踏まえて、本県では可能な限り分離・分割発注に努めており、地元企業の
受注機会を確保していくこととしております。
厳しい経済情勢の中で、経済の悪影響を受けやすい中小及び小規模建設業者の
受注機会を確保することは、地元経済の活性化と雇用対策の観点から極めて重要であります。
さらに、地域の実情に精通した地元企業による除雪等の
維持管理や災害時の対応において、地域住民の安全・安心につながるものと考えております。
今後も、公共工事の発注に当たりましては、工事規模、工事内容、工期などを考慮するとともに、施工の合理性・効率性に配慮し、可能な限り分離・分割発注を行い、地元企業の
受注機会の確保に努めてまいります。
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◯花田委員
ありがとうございました。本県におきましては、建設関係、土木関係に従事されている方々の割合が、産業別でも人数が多いと思いますので、今御答弁いただきました中で、地元の経済の活性化や雇用の拡大、そういった意味合いからもぜひ建設産業の維持、また発展のために、
受注機会の確保に取り組んでいただきますよう、御要望申し上げます。
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◯夏堀委員長
ほかに質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
ないようでありますから、これをもって審査を終わります。
次に、おはかりいたします。
当委員会に付託されております特定付託案件について、さらに継続審査とすることに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
御異議なしと認め、継続審査と決定いたしました。
なお、
委員長報告の作成については本職に一任願います。
以上をもって
建設委員会を終わります。
○閉 会 午後 0時28分
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