青森県議会 2013-10-04
平成25年環境厚生委員会 本文 開催日: 2013-10-04
また、
先天性風疹症候群の発生を予防するための
風疹ワクチンの
接種費用等に対する助成に要する経費3,514万6,000円を計上したほか、屠
畜処理頭数の増加が見込まれる三沢市
食肉処理センターにおける
検査体制の整備に要する経費3,427万3,000円を計上いたしております。
さらに、子ども・
子育て支援法に基づき、県が定める子ども・
子育て支援事業支援計画に関して意見を聞くなどのため、新たに青森県子ども・
子育て支援推進会議を設置することとし、同会議の開催に要する経費66万4,000円を計上いたしております。
議案第7号、「
国民健康保険の
県調整交付金に関する条例の一部を改正する条例案」につきましては、
国民健康保険の
国庫負担金等の算定に関する政令の改正に伴う所要の整備を行うため提案するものです。
議案第9号「工事の
請負契約の件」につきましては、
弘前地区健康福祉庁舎新築工事について、
請負契約を締結するため提案するものです。
以上、
健康福祉部関係の
提出議案につきましてその概要を御説明申し上げましたが、何とぞよろしくお願い申し上げます。
3
◯工藤委員長
山田病院局長。
4
◯山田病院局長
県議会第275回定例会に提出された諸議案のうち、
病院局所管に係るものについて、その概要を御説明申し上げ御審議の参考に供したいと存じます。
議案第4号「平成25年度青森県
病院事業会計補正予算(第2号)案」についてですが、
県立中央病院の
資本的収入及び支出において、青森県
地域医療再生計画に基づき
県立中央病院に
感染症病床を整備するために要する経費として、840万円を計上いたしております。
また、
県立中央病院における
画像診断機能強化に要する経費として、3,902万5,000円を計上いたしております。
以上、
病院局関係の
提出議案について、その概要を御説明申し上げましたが、何とぞよろしくお願い申し上げます。
5
◯工藤委員長
ただいま、説明のありました議案に対して質疑を行います。
質疑は議題外にわたらないように願います。
なお、答弁者は挙手の上、「委員長」と呼び、次に職名を言って発言を求めてください。
質疑はありませんか。──
岡元委員。
6
◯岡元委員
おはようございます。
この議案の説明の中にもありました、本県の特徴的な
医療課題の解決という部分の中の、本定例会で私も
一般質問で
課題解決という言葉を何回か使わせていただきました。過日、委員長もですね、質疑の中でこういう
課題解決の推進的な
取り組みをすべきだというお話をしていただきました。
そういう状況の中で、まさに本県の
平均寿命が全国で低い状況にあるわけでありますが、まず、なぜ低いのかということを詳細にわたって原因、あるいはそれの背景となっている理由について分析する必要があると思うのですが、まずは1点目として、本県の
平均寿命が全国に比して低い原因とその理由についてお伺いしたいと思います。
7
◯岡田健康福祉政策課長
本年2月に発表されました平成22年
都道府県別生命表をもとにいたしまして、全国と本県の
平均寿命を比較いたしますと、男性では2.31歳、女性では1.01歳の格差がございます。
各年代別の死亡率を比較いたしますと、特に全国との格差が大きい男性については、全世代とも
全国平均を上回っているという状況でございますが、特に比較的若い世代の死亡率が高くなっているところでございます。
具体的にみますと、全国と比べて30歳代では約1.3倍、40歳代では約1.7倍、50歳代では約1.3倍と高くなっております。これらが
平均寿命の格差を招く要因となっていると考えられます。
なお、女性については、最大で50歳代で全国比約1.2倍となってございます。
また、平成22年の
人口動態統計によりますと、本県では悪性新生物、心疾患、
脳血管疾患のいわゆる3大
生活習慣病による死亡者が多いところでございまして、死亡率でみますと、これらが全死亡の58.0%を占めているというところでございます。
この3大
生活習慣病の死亡率が他県などと比べて高い理由としましては、たばこですとかお酒の習慣、塩分のとり過ぎ、
運動不足といった要素がやはり挙げられるのではないかと思います。
喫煙率につきましては、平成22年の
国民生活基礎資料調査によりますと、全国で男性が1位と、女性が2位という高い数値を示しています。
また、平成18年から22年の
国民健康栄養調査、
年齢調整結果によりますと、
飲酒習慣者の割合については、男性が全国1位、1日平均の
食塩摂取量については、男性が全国2位、女性が全国5位と高い数値を示しております。
また、1日平均の歩行量ですが、男性が全国2位、女性が全国で7位と、逆にこれは一番少ないほうから数えての順位ですけれども。
というようなことで、これらのような
生活習慣による影響が少なくないと思われております。
8
◯岡元委員
ヘビースモーカー、大酒飲み、しょっぱ口、塩辛いものが好きと。さらに運動をしないと。まさに、普通、常識的に考えて健康に悪いすべての
生活習慣が証明されているような今の報告でありましたが、しからば、これをどう改善していくのかということなんですが、もうちょっと細かく分析していくことによって、例えば、
自分たちの年代であるとか、
自分たちが住んでいる地域であるとか、あるいは仕事柄の食生活の習慣であるとか、そういう部分をもう少し細かく目配りしていく必要があると思うんですね。
先ほど、男性の40歳代が比較して1.7倍と非常に高いわけであります。
まずは、ではなぜ40代が高くなっているのかというところまでの検証といいますか、そういう着眼点での調査が必要だと思うんですよね。30代、50代、はなぜ1.3倍なのかという流れで、それぞれの
年齢者ごとに、なぜ
ポイントが高いんだろうということを検証していく必要があろうかと思うんですが。
そこで、
平均寿命の主な原因として、地域や年齢によって格差があると思います。年齢の格差は大体分かったんですが、地域によっての格差というのは、どう分析しているかお聞きします。
9
◯岡田健康福祉政策課長
市町村ごとの
平均寿命につきましては、5年ごとに
市区町村別生命表というものが発表されてございます。
地域ごとの状況を知る1つの資料となってございます。
一番新しいデータとしては、今年7月に平成22年度の生命表が発表されてございます。ただしこれは、
東日本大震災の影響を統計的に排除する必要がございますので、平成22年の単年の
死亡者数だけを使って
平均寿命を算出したという事情があり、
圏域ごと、
地域ごとの格差の状況が分かりにくくなっておりますので、もう少し広いスパンで、これまでの
市区町村別生命表を通して見てみますと、
八戸圏域と上十三地域では
平均寿命が長い。
一方、
津軽圏域と西北五圏域では短いという傾向が現れているのではないかとみております。
また、地域別の
地域別死因別に死亡の状況をより適切に比較するために、
標準化死亡比という指標を用いた
分析手法がございます。これは
地域ごとに
年齢構成とかがいろいろ違いますので、それを是正した上で
全国水準と比較するという際によく用いられるものなんですけれども、この
標準化死亡比を用いまして、平成20年から24年におけます3大
生活習慣病の死亡の状況を見てみますと、最も
標準化死亡比が高いのは、悪性新生物、いわゆるがんでございますが、これについては男女とも
津軽圏域が高い。心疾患については、男女とも
青森圏域が高い。
脳血管疾患については、男性については
青森圏域、女性については
八戸圏域が高いというようなことが分かっていると思われます。
しかしながら、今、高い、低い、のような話を申し上げましたけれども、
全国平均との比較では、特定の圏域ということではなく、押しなべて本県全域的に
標準化死亡比が高いというところは出ておりますので、総じて県全体としての底上げというか、対策が必要だという認識はございます。
なお、年齢につきましては、先ほども少し触れさせてもらいましたけれども、0歳、20歳、40歳、65歳並びに75歳における
平均余命について、改めて見てみますと、本県では男性については、各年齢にわたりまして全国で最も短く、女性についても65歳を除きまして全国で最も短い状況であります。特に若い年齢においては、
全国平均との格差が大きいということで、この辺に対する対策というものがやはり必要なのかなと考えています。
10
◯岡元委員
圏域ごとに、八戸、上十三は長い、津軽、西北五の圏域は短いと、まさに先ほどの
地域ごとの食生活が違ったり、あるいは冬はどうしても雪が降ると運動量が減るということに想像にかたくないわけでありますし、やはり
地域ごとにですね、何がしかの背景にある、長い、短いという、理由を読み取る必要があると思うんですね。そのことによって、きめ細やかな様々な対策、施策に反映するといいますか、そういうカスタマイズというか、
圏域ごとに特徴を捉まえて、細かく対応していく必要があると思います。
例えばなんですが、
カップ麺のスープ、東日本と西日本とだしが違う。
ファストフードの味つけの塩分が違う。これは逆の意味で、その地域の味覚に合った、
塩分濃度に合った味つけを彼らはしているわけです。もちろん売上げを伸ばすためです。
例えば、
学校給食とか、あるいは病院の食事とか、多分その辺はおそらく一定の基準でやられているかもしれませんが、そこから出る残菜率。例えば、子供は正直ですから、味気ない、味がしない、となったら残してしまうとか、あるいは、塩気のあるものを逆に好んで食べるとか。
やっぱり子供のうちからも味覚に対する部分というのは、非常に大事だと思っていまして、ある意味、地域の塩分、
地域ごとの摂取量が違うとすれば、例えばですけど、そういうような調査をしながら、ではどういう方法で少しずつ味を塩辛いものから味つけの薄いものにシフトさせていくのか。しっかりだしさえとれば、塩気がそんなになくてもおいしいんだよという話もありますし。
参考までに、
インスタントラーメンを食べて、お湯で割っても味が薄くならないのは知っていますか。あれは、
化学調味料がそれだけ強いということなんです。普通、だしをとっていれば水を足せば段々味が薄くなるんですけれど、
化学調味料は強すぎて、味の濃さというのは変わらないんです。本当に。こんなに入れてもこの味なのというのが、まさに
化学調味料の味なんです。
だから、非常にいろいろな角度での調査が必要だと思います。例えば、
学校現場に協力してもらって、1カ月にどれぐらい
ファストフード、ハンバーガーを食べていますかとか。絶対、子供が食べれば塩分と脂肪分が多すぎる食事なんです。そういうところから少しずつ、
家族単位の中で食生活を少し見直していくためのきっかけになるようなアクションを起こす必要があると思います。
そこは、いずれかの機会に僕もいろんな知恵を出してムーブメントを応援したいと思っていました。
それはそれとしてですね、やはり、いざ自分の
健康状態を何ではかるかというと、やはり
健康診断です。この
健康診断にも様々な種類があると思いますが、どのようなものがあるのかお伺いしたいと思います。
11
◯工藤がん・
生活習慣病対策課長
お答えいたします。
健康診断は、すべての人が定期的に受けられるように関係する法律に基づいて実施されております。
主なものといたしましては、まず1つ目といたしましては、高齢者の医療の確保に関する法律に基づく心筋梗塞や脳卒中を予防するための40歳から74歳の加入者を対象といたしました「
特定健康診査及び
特定保健指導」。
2つ目といたしまして、
労働安全衛生法に基づき、労働者の安全と健康の確保を目的に事業主に実施が義務付けられております「
定期健康診断」。
3つ目といたしまして、
健康増進法に基づき、住民の
健康増進を図るために市町村が実施をしております「
がん検診」などがございます。
その他、
ライフステージごとにみますと、
母子保健法による乳幼児健診や
学校保健安全法による学校健診などがあるところでございます。
12
◯岡元委員
オギャーと生まれてから、様々な制度によって
健康診断が続いていくわけでしょうから。それを一元的に管理するのは難しいのかもしれませんけれども、青森県が
課題解決、
イノベーションなんていう言葉を使っていますが、そこからくるイメージとしては、全国に先駆けて、生まれてから亡くなるまでと言っちゃ悪いけれども、この辺の健康に対する情報をどこかに集める機能というか、細かく全部データベース化するところまではなかなか難しいと思うんですが、将来に予想されています国民総
背番号制といいますか、
マイナンバー制あたりが施行されますと、いわゆる病歴であるとか薬歴であるとか、
アレルギー情報であるとか、非常に個々人のQOLにとっても必要な情報がそこから取り出せると。例えば、毎年の
健康診断で、どの数字がどういう傾向になってきたか。自分で判断できればですね、ちょっとこれ、
コレステロール値が高いだとか、肝機能が弱ってきたなとか、となれば、その段階でセルフコントロールできるということにもつながるんでしょうし。
その辺の情報を集約する入れ物といいますか、機能といいますか、やっぱり市町村は市町村、協会は協会、
協会保険、県は県ということではなくて、皆、プレーヤーがある程度集まってですね、その情報を共有化していくということが大事なんだと思います。
とりわけ、
健康診断を受ける、受けないというような第1
ステージのところは、企業の従業員に対する
労働安全衛生法上の年に1回の
健康診断のクオリティとしても高いと伺っておりますので、まずここから企業に受けさせてもらう。ある意味これは、BCP、ビジネスコンティニュイティ・プランという概念からしても、人材というのは企業にとって
資産価値だと思うんですよ。これはやっぱり
金融界あたりも、将来的には注目しなきゃいけないことだと思うんですね。技術者や従業員の健康、あるいは経営者の健康というのは、
企業存続の意味では非常に
資産価値だという捉え方もできるわけですので、この企業ということを引き金にした
健康診断の受診率の向上というのは、私は非常に重要だと思っています。
例えばここも、関連する業界に協力を願って、例えば
建設業界とか、
飲食業界とか、そういう業界を巻き込みながら、今、受診率がどうなっているか。
企業ごとに
アンケート調査などをやって、低い場合はなぜそれが低いのか。あるいはまた、
精密検査という結果が出たのに、
精密検査にまでつながっていないのはなぜかとか。その辺を細かく掘り下げていく必要があると思っています。
それで最後に、事業主が行う
健康診断の受診率の向上に向けて、県としてどのように働き掛けているかお伺いします。
13
◯工藤がん・
生活習慣病対策課長
お答えします。
健康診断の実施面でみますと、事業主に義務づけられている健診と、
医療保険者に義務づけられている健診の2つに分けることができます。
まず1つ目の事業主に義務づけられている健診につきましては、
労働安全衛生法に基づく従業員を対象とする
定期健康診断ということでございまして、
労働基準局を通して
受診勧奨等が行われております。
また、
医療保険者に義務づけられている健診といたしましては、40歳から74歳の方々を対象といたしました
特定健康診査でございまして、県内の
医療保険者等で構成されております
保険者協議会等におきまして、
受診率向上に関する検討などが行われているところでございます。
県では、知事を会長といたしまして、
保健医療従事者、
行政関係者、
関係団体をもって構成しております「
健康寿命アップ推進会議」を開催いたしまして、関係者の
意思統一を図りますとともに、地域や職域におきます
健康診断の積極的な実施などにつきましても検討しているところでございます。
また、去る9月4日には、「健康あおもり21
ステップアップ県民大会」を開催いたしまして、
健康診断の重要性に関する知識の普及ですとか、あるいは
健康づくりに関する機運の醸成を図りますとともに、積極的に従業員に対して健診受診に取り組んでいる事業主に対しましては、これは本年度から創設したものでございますが「あ
おもり健康づくり奨励賞」という
表彰制度を利用しまして、表彰を行うなどの活動を通じまして、受診率の向上に向けた働き掛けを行っているところでございます。
今後とも、各
関係団体、あるいは企業におきましても、ヘルスリテラシー、健やか力の向上に向けまして様々な場面を活用して普及啓発に取り組んでいきたいと考えているところでございます。
以上でございます。
14
◯岡元委員
三、四年前になるんですかね。経産省が
健康会計という概念を打ち出していたと記憶しているんですが。健康に取り組む企業が、その会社の収益上どれぐらいプラスがあるんだよというようなことを推奨した概念を持ち込むという。これは、例えばトヨタとか大手の、
上場企業の中でも最大手の企業ぐらいしかまだ取り組んでいないという、あまり世間に知られていないんですが、まさにその考え方のですね、県内版を青森県でも導入すべきではないかと。
企業から、さっき言ったとおり、企業の将来的な事業の継続という観点から、例えばなんですが、3・11以降、
建設関連業界が
技術者不足で仕事を受注できないと。一定の仕事が増えれば一定の技術者が必要となります。仮にこれがたまたま今回はそういう事情で被災地に高額の給料を提示されて持っていかれちゃったよということなんですが、仮にこれが技術者が亡くなったりすれば、同じことが言えるわけで、大変困るわけであります。病気で休職したり、あるいはお亡くなりになったりすれば。
そういう意味で、まず、
インセンティブをどう与えるか、あるいは、ペナルティで何かという、どちらかのアプローチかと思うんですが。私は
インセンティブ型のほうが良いと思いますので、そういう意味合いにおいて1つのアイデアなんですが、
建設業界に
アンケートの協力依頼をして、実際、年に1回の定期健診をどれぐらいの企業が行っているかということをまず調査していただきたいと思います。
当然、その先に何があるのといったときに、これも部局横断で調整が必要なんでしょうけれども、例えば
経営事項審査の
加点ポイントにする。企業が取り組むべき対応というか、部分として、プラスに査定されるのはあってしかるべきだろうと思いますので、先ほど、
学校現場で
子供たちへ家庭の
アンケートということもありましたけれども、
健康福祉部だけで決まるのではなくしてですね、そこに関連する部局もあるはずですし、その辺をもうちょっと手を広げて、将来にわたって全県的な課題なわけですよ。
健康福祉部だけじゃなくて。
だから、そういう視点からですね、関連する、あるいはまた、こうなったらこう変わっていくんじゃないかとか。変わるためにまずこれを調べたい、調べなきゃいけないとか。そういう新しい
課題解決のための
イノベーションを作り出す前のテクニックというんですか、研究をこれから是非進めていただきたいとお願いして、私は終わります。
15
◯工藤委員長
ほかに質疑はありませんか。──
藤川委員。
16 ◯
藤川委員
昨日の質疑でも、大変興味深い質問があった議案第1号の平成25年度青森県一般会計予算についての歳出4款1項の予防費、風しんワクチン緊急接種支援事業費助成についてお伺いしたいと思います。
昨日の議論でもいろいろお話がなされたわけでございますが、あえてお聞きしたいと思います。
1番として、
先天性風疹症候群とはどのような疾患なのか。また、その発生状況についてお伺いします。
17 ◯三橋保健衛生課長
初めに、
先天性風疹症候群がどのような疾患なのかということについてですが、風疹に対する免疫が不十分な妊娠初期の女性が風疹ウイルスに感染すると、胎児もウイルスに感染し、難病や心疾患、白内障、また精神や身体の発達の遅れなど、症状を持った赤ちゃんが生まれる可能性があり、これらの病気を
先天性風疹症候群といっております。
ただし、風疹ウイルスに感染した妊婦から生まれた赤ちゃんがすべて
先天性風疹症候群を発症するものではなく、通常は妊娠20週未満で風疹ウイルスに感染したことが明らかな場合にその発生を考慮する必要があるとされております。
次に、全国における
先天性風疹症候群の発生状況ですが、昨年は5例の発生報告でしたが、今年に入ってからは既に14例が報告されております。
なお、本県における
先天性風疹症候群は、感染症法に基づきまして全数報告対象となった平成11年からこれまでには報告はございません。
18 ◯
藤川委員
医師会でも県民の皆さんでも、あまり多くはないんですが、大変気にしていたこの風疹症候群で、個人的なことをいえば、うちにも娘がいるものですから、親からですね「やってるのか、やっているのか」っていう話を近ごろよく聞いていて、ちょっと興味を持っておりまして、よく決断をしていただいたと思っております。
2番目として、
先天性風疹症候群の発生防止に係る
取り組みについてお願いを申し上げます。
19 ◯三橋保健衛生課長
風疹の予防については、ワクチンの接種が有効とされていることから、これまで県は、妊婦への感染を未然に防止するために、妊娠の可能性のある女性、そのほか妊婦の同居家族などに対して予防接種を受けることがあると確認されていない場合には、任意で予防接種を受けることを検討していただくよう、市町村等の関係機関を通じて周知を図ってまいりました。
また、妊娠している方については、なるべく人混みを避け風疹に感染しないように呼び掛けを行ってきたところです。
国立感染症研究所によりますと、週当たりの風疹の報告数はかなり減少しているものの、再流行する可能性は否定できないとなっておりまして、また、
先天性風疹症候群の発生予防の観点から、今後、妊娠する可能性のある女性で、風疹ウイルスに対する免疫を十分に持たない女性に対する妊娠前のワクチン接種が最も重要であると指摘しているところです。
このことから、県では、来年の流行に備え、
先天性風疹症候群の発生予防を目的としまして、
風疹ワクチン接種費用及び母体検査の費用、これらの負担軽減措置を実施する市町村に対しまして補助を行うこととし、本議会に所要の予算を計上し、方針の理解をいただいているところでありまして、本県で安心して子供を出産できる環境づくりに努めているところです。
以上です。
20 ◯
藤川委員
いろいろありがとうございました。
風疹というのは、我々大人からみれば「三日はしか」という感じで、そんなに重いとは思っていなかったんですが、アメリカでも1950年代に相当多くの方が亡くなったとか、五所川原市でも何年か前に数人の方が亡くなっておりまして、若い人、あるいは、これは男の人も十分気をつけなきゃならないということを聞いております。
どうぞ、今後ともよろしくお願いを申し上げます。
ありがとうございました。
21
◯工藤委員長
ほかに質疑はありませんか。
[「なし。」と呼ぶ者あり]
ないようでありますから、これをもって質疑を終わります。
これより議案の採決をいたします。
議案第1号中所管分、議案第4号、議案第7号、議案第9号、以上4件の原案に賛成の方は御起立を願います。
〔賛成者起立〕
起立総員であります。
よって、原案は可決されました。
次に、
所管事項について質疑を行います。
質疑は、所管外にわたらないよう願います。
なお、答弁者は挙手の上、「委員長」と呼び、次に職名を言って発言を求めてください。
質疑はありませんか。──
藤川委員。
22 ◯
藤川委員
先ほど、風疹ということでお聞きしましたが、難聴、心臓奇形とかが起こるという話を聞いたわけですが、そこで軽度、中度の難聴児への支援に対してちょっと。風疹からくる方もいらっしゃるのではないかと思うんですが、ちょっと気にしていまして、先月、八戸の方ですが、何人かいらしてお話をしていたもので、私も八戸市で調べておりました。
それで、県内において聴力レベル70デシベル未満の軽度・中等度難聴児がどのぐらいいらっしゃるかお伺いしたい。
23 ◯菊地障害福祉課長
県内で軽度・中等度難聴児がどれぐらいの人数かという御質問でございますけれども、軽度・中等度の難聴児は一般的には両耳の聴覚レベルが30デシベル以上70デシベル未満の児童とされております。
こういった軽度・中等度の難聴児につきましては、身体障害者手帳の交付対象とならないということで、その総数については統計データとしては把握はできておりません。県内におきまして、精密聴力検査実施医療機関であります弘前大学医学部附属病院に受診をしている軽度・中等度難聴児は90名いると伺っており、県南地域の方は、他県の医療機関を受診している場合もありますので、県内の対象者ということになれば90名よりも多いと思われます。
以上でございます。
24 ◯
藤川委員
2番目に、県内市町村における軽度・中等度難聴児の補聴器給付に係る支援状況についてお伺いします。
25 ◯菊地障害福祉課長
県内の市町村では、平成25年4月から八戸市において身体障害者手帳の交付対象とならない軽度・中等度難聴児の言語習得及びコミュニケーション能力の向上を図ることを目的として、「八戸市軽度中等度難聴児補聴器購入費補助事業」を実施しております。
事業内容につきましては、八戸市内に住所を有する18歳未満で、両耳の聴力レベルが30デシベル以上70デシベル未満等の要件を満たす児童を対象に補聴器購入に要する費用の3分の2の助成を行っていると伺っております。
以上です。
26 ◯
藤川委員
難聴児の軽度・中等度に対する支援要望は、数年前に自由民主党からも国に要望書が出ていると思うんですが。これも風疹と同じようにですね、難聴になれば教育的に遅れるとか、そういう子供さんが多くなってきている。数はそんなに多くはないんですが、とても気になる病気なわけでございまして、それで、今、八戸市の話が出たわけでございますが、東北では秋田県、それから岩手、宮城では、この軽度・中等度に対しての助成がなされているわけでございました。
補聴器は1つ大体15万円ぐらいと聞いておりましたが、本当かどうか分かりませんが、15万円ぐらい、2つ付けるとなると相当の金額になって、今、お話があったように弘前に行かなきゃならない。あるいは、県南地区だとすれば盛岡の病院に行かなきゃならないというのがありまして、そこへの交通費とか、大変多くの負担があるということを聞いております。教育的な面からもみても、やはりそういうお子さんを少なくしていくということが、私は必要と思います。県内においても、八戸市みたいにその理解があるところと、そうでないところがある。やはり県でも少しこのことを考えてみていただけないだろうかと。
県として、今後どのようにお考えになっているかお聞きしたいと思います。
27 ◯菊地障害福祉課長
補聴器の給付に係る支援といったことについて、全県を対象に取り組む必要性があるのではないかという御質問だったかと思いますけれども。
まず、本県の難聴児の状況ということを把握するため、弘前大学大学院医学研究科の耳鼻咽喉科学講座に意見を伺っているところです。その中で、耳鼻咽喉科学会等で検査機器等の精度の向上により、乳幼児の段階で難聴であることが確認され、早期に補聴器を装用することで、語彙力ですとか、コミュニケーション能力の向上効果が期待できるというような報告があると伺っております。
そういった中で、軽度・中等度の難聴児の支援につきましては、基本的には全国で統一して行うべきであると考えておりまして、先ほど委員からも御指摘がありましたとおり、平成24年2月の県議会においても、国に対して意見書を提出しておることを踏まえまして、今後も国に対して要望していきたいと考えております。
28 ◯
藤川委員
大変期待したいと思ってますので、どうぞ、教育面からみても公平に勉強できる、教育が受けられるようにお願いを申し上げたい。
そして、今後パラリンピックがあるじゃないですか、こういう子供さんたちがちょうどいい年だと思うんです。7年後。そういうことからも、この青森県からパラリンピックに参加できるような人を育てていただきたい、これも補聴器に関係していますので、よろしくお願いして終わります。
29
◯工藤委員長
ほかに質疑はありませんか。──清水委員。
30 ◯清水委員
ドクターヘリの運用についてお伺いします。
一般質問でも横浜議員から、随分役に立っているというお話が出ていました。2機体制での運用が開始されてから1年経過しましたが、2機体制運用の1年間の実績とその効果についてお伺いします。
31 ◯楠美医療薬務課長
お答えします。
ドクターヘリの2機体制の運用は、昨年10月から青森
県立中央病院、八戸市立市民病院を基地病院といたしまして開始したところであり、本年9月までの1年間の実績は、要請事案数が787件で、このうち出動が698件、不出動となったものが89件となっております。
これを前年同期と比較いたしますと、要請事案数は262件増で約49.9%の増。出動は271件増で63.5%の増と、いずれも増加しております。
また、出動698件のうち、第1要請先の基地病院が出動中のため第2要請先の基地病院で対応した事案や、両基地病院で運航時間が重複したなどの事案67件につきましては、1機体制で対応できなかったものであり、2機体制運用の導入に当たっての期待された効果が現れたものと捉えております。
以上です。
32 ◯清水委員
次に、北東北3県ドクターヘリ広域連携運航の課題についてお伺いしますが、現在の広域連携運航における課題というのは、私は2点あると思うんですね。その第1点は、自県ヘリ優先要請原則の存在。それからもう1つは、他県ドクターヘリへの要請順位が3番目であること。大きくはそういう課題が2つあると思いますが、その1つ、先ほど言いましたように自県ヘリの優先要請原則の存在。広域連携に係る覚書及び運航マニュアルでは、自県ヘリが出動できない場合のみ、他県ヘリを要請できることとなっております。
岩手県の久慈市や二戸市など、県境に近い地域は、10分前後で到着する他県の八戸ヘリではなくて、到着まで20分以上の時間が掛かる自県ヘリを要請しなければならず、ドクターヘリの効果を十分に得ることができない、そういうルールになっていると思います。
例えば、八戸から岩手県の二戸まで8分掛かります。それから、八戸から久慈までが11分掛かります。これが岩手県からヘリが出た場合は、矢巾町にありますから、そこから二戸までは23分掛かります。そしてまた、久慈まで24分掛かるわけです。そういう計算になるわけでありますが、その辺の件に関してはどう考えているかお尋ねします。
33 ◯楠美医療薬務課長
今般の北東北3県の広域連携につきましては、3県の関係者及びヘリ運航会社による協議結果に基づき、それぞれの県のドクターヘリで自県全域に対応することを基本としつつ、重複要請などにより自県のドクターヘリが出動できないときには、県境を接する3県が互いに円滑に連携して補完し合うことを目的に他県のドクターヘリの出動を要請することとして試行を開始したところでございます。
以上です。
34 ◯清水委員
2番目の、広域連携に係る運航マニュアルでは、岩手県、秋田県の両県からの他県ヘリ要請は、自県ドクターヘリに加え防災ヘリが対応できない場合のみに限られております。
そのため、岩手、秋田の両県の場合は、他県ドクターヘリの優先順位は自県ヘリ及び防災ヘリの次となって、実質的には3番目となるわけでありますので、そういう面では、現在の運用下では広域連携運航の効果は非常に期待が薄くなってしまうのでなかろうかなと思いますが、その辺についてはいかがですか。
35 ◯楠美医療薬務課長
先ほどの答弁の繰り返しになりますが、今般の広域連携につきましては、3県の関係者及びヘリ運航会社による協議結果に基づき現行の方法を定めて試行をしているところでございます。
今後、この広域連携につきましては、試行的運用開始から6カ月程度経過後に3県による実績と課題の検証を行うこととしているところであり、引き続き3県の連携体制の強化に努めていきたいと考えております。
以上です。
36 ◯清水委員
この間、新聞にも出ていましたけれども、山形、福島、新潟の3県のドクターヘリの広域連携運航の出動要請基準が書いてありましたが、今から言う3つの条件が1つでも該当すれば要請が可能ということだったんです。重複要請により自県ヘリが出動できない場合が第1点。傷病者が多く、自県ヘリだけでは対応できない場合が1点。隣県ヘリのほうが救命に有効と認められる場合。この3つのうち1つでも該当すれば要請が可能であるという新聞記事を読まさせていただきました。
その辺についての北東北3県連携の今後の進め方についていかが思うか、御答弁いただきたいと思います。
37 ◯楠美医療薬務課長
山形、新潟、福島におきます3県連携につきましては、確認したところ、3県で連携するという基本的合意はありますが、実際の運航については10月中にその詳細について取りまとめて、その後、広域連携の運航を開始すると伺っております。
その際の具体的な取り決めについては、まだ決定していると聞いておりませんので、その内容については、詳細が決まり次第、確認しながら、岩手、秋田との広域連携についての参考となるよう、進めていきたいと考えております。
38 ◯清水委員
去る10月2日に、北東北開発促進協議会から北東北3県連携の運用の柔軟化についての要望が出ておると思いますが、今後の進め方について、分かる範囲で結構でありますから、お伺いしたいと思います。
39 ◯楠美医療薬務課長
10月2日に北奥羽開発促進協議会からの要望に際してもお答えしているところでございますが、この広域連携につきましては、試行的運用開始から6カ月程度経過後に3県による実績と課題の検証を行うこととしているところであり、引き続き3県の連携体制の強化に努めていきたいと考えております。
40 ◯清水委員
青森県だけが2機体制なものですから、感覚的には、青森県が岩手県、あるいは秋田県に出す一方になっちゃうような感じがいたしますが、人命は秋田県であろうと岩手県であろうと青森県であろうとですね、同じ北東北の人間でありますから、その辺を柔軟に対応できるような体制をいち早くつくっていただければ、2機体制をつくったかいがあるのではなかろうかと思っておりますので、要望して終わります。
ありがとうございました。
41
◯工藤委員長
午さんのため、暫時休憩いたします。
再開は13時ちょうどといたします。
○休 憩 午前11時56分
○再 開 午後1時
42
◯工藤委員長
休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を継続いたします。
質疑はありませんか。──
阿部委員。
43 ◯
阿部委員
と畜検査手数料の積算根拠、あわせて県のと畜検査手数料の積算根拠が適正と判断しているかお伺いします。
44 ◯三橋保健衛生課長
まず、積算根拠についてですが、と畜検査手数料は毎年度、人件費、旅費、減価償却費、消耗品費などの必要経費をもとに算出しておりまして、昨年度行った平成25年度と畜検査手数料の積算に係る必要経費は、人件費が3億6,203万円、印刷製本費が13万円、減価償却費が2,011万円、その他の経費として4,896万円となっており、消費税込みの合計額は4億3,466万円となっております。
このことから、25年度の1頭当たりの経費を算出しますと396円となったところです。
また、今年度行った26年度と畜検査手数料の積算に係る必要経費については、人件費が3億6,594万円、印刷製本費が13万円、減価償却費が2,137万円、その他経費が5,046万円となり、消費税込みで合計4億4,367万円となっております。
これによりまして、平成26年度、1頭当たりの経費を積算しますと403円となり、現在の手数料400円を上回っているところです。
もう1点、積算根拠が適正かどうかということですが、と畜検査手数料は、実費補填手数料と言われているものであり、人件費、旅費、減価償却費、消耗品費などの必要経費をもとに算出されるべきものです。
現行の豚1頭当たりのと畜検査手数料については、屠畜検査に必要な人件費など、必要経費をもとに算出していることから、適正であると判断しております。
以上です。
45 ◯
阿部委員
相当答えを訂正してまいりましたね。このと畜検査手数料については、去年の6月の委員会、8月の委員会、そして10月の委員会と、いろいろ議論されていました。
そのときの保健衛生課長の答弁がね、今の課長の答弁と全然違う。そのときも実費補填手数料というような字句を使っていますけれども、実費補填手数料というのはなんぞやということもまた聞かせてもらいますけれども、去年の課長の答弁はこうだったんですよ。これで我々も、豚のと畜検査手数料400円というようなことで、なるほどなと思っていた。保健衛生課長の6月の答弁です。「人件費が約5億9,000万、食肉衛生検査所の管理運営に係る経費が3,600万、屠畜検査に係る費用が9,000万円、合わせて7億2,000万円。」こういう答弁。だから、豚のと畜検査手数料そのものは4億からなっています。400円掛ける100万頭で4億。4億の手数料が入っていてもね、7億2,000万の実費が掛かるとなれば、400円というのはいいんだろうなと感じていました。
頂いた資料の中で、手数料収入の概算要求の積算の方法ですよ。これ持っています。
さっき、当時の答弁は人件費が5億9,000万だと言っている。ところが今は3億6,000万ちょっとということ。
だから、冒頭、答弁を変えてきたなと言ったのはそのことなんです。何でこういう答弁になったのか。しかし、そこが先ほど言った、実費補填手数料というところの答弁となれば、今、課長が私に答弁しようとする内容がまた違ってくるよ。どうして7億2,000万がこうなったの。
46 ◯三橋保健衛生課長
昨年6月の常任委員会で答弁した内容ですけれども、昨年度の経費については、食肉衛生検査所に係るすべての経費を含めた額が、先ほど委員がお話しした額となっております。
私が述べたのは、積算のための根拠ということで、屠畜検査の1頭当たり検査費用、人件費が当初は全体の経費、今回は屠畜検査費用を捻出するための経費ということで、昨年度の人件費5億9,000万、これは間違いでしたのでおわびして訂正させていただきます。申しわけございませんでした。
47 ◯
阿部委員
去年の6月の委員会での答弁間違いを、今言ってもらっても困る。もちろん、三橋課長でもなかった。しかし、行政というのはね、連続性を持っているんですよ。今、簡単に、訂正しますと言いましたけれど、部長は去年もいらっしゃった。部長、委員会に対してこういうことでいいのかな。
48
◯江浪健康福祉部長
昨年度の保健衛生課長の答弁の中では、屠畜検査を実施する体制としての食肉衛生検査所の人件費、あるいは施設の運営費というものを当初予算ベースで申し上げたということだと理解しております。
今回、と畜検査手数料の実際の内訳、積算に関します数値といった場合に、全体の費用ではなくて、そこから一定割合をさらに抽出して、当時は、答えるべきだったかなと考えておりますけれども、その当時の答弁としては、全体の運営経費ということでお答えをさせていただいたものということでございまして、今回、改めてと畜検査手数料の実際に掛かる積算というものをもとにお答えさせていただきまして、あわせて過去の答弁について誤解を与えるものだということを私からもおわびしたいと思います。
49 ◯
阿部委員
この答弁によりましてね、合計で7億2,000万が屠畜検査そのものに掛かっているんだと。人件費から何から。そういう中で逆算していけば、先ほども言いましたけれども1頭当たり400円、これがこの7億2,000万ということになればね、その部分は負担してもらわなきゃだめだろうという思いの中でのやり取りが去年だったと思うんです。この数字を示されれば、私だってそう思います。
ところが、この問題が、それこそ答弁が間違っておったというのが、さっきの実費補填手数料というところに兼ね合わせれば、実際、と畜検査手数料というのは何なのかというようなことからいけば、実費補填手数料だというようなことを言われましたから、7億2,000万も総掛かりで掛かっているということになれば、と畜検査手数料というものが4億入っています。4億のと畜検査手数料でも、行政サービスとして負担の部分がある。手数料を頂く。もちろん、実費に見合うほどの手数料というけれども、そんな解釈の仕方をしてみても、手数料そのものというのは、行政サービスの一部なわけですよ。だから、4億入っても7億掛かっているんだから、その部分で、本来の計算からいけば、600円にも700円にもなるだろうな、そういう感じで引き下がっていたと思う。前に沼尾議員がした質問ですけどね。沼尾議員もそうだなと。そう引き下がったと思うんです。総合的な判断により手数料は400円だと。そして、その後、現行額をずっと県は維持している。平成12年からですよ。13年間400円の手数料を維持している。ということを課長が答弁しておりますからね、なるほどなと。例えば、実際は600円としてでも、200円というのは行政のサービスだなと。そう思って引き下がってきた。
実費補填手数料とは何なんですか、御説明ください。
50 ◯三橋保健衛生課長
手数料の考え方については、地方自治法で、地方公共団体は、その事務に関して特定の者のためにするものにつき手数料を徴収することができるとされておりまして、屠畜検査により当該事務の提供を受ける特定の者が受ける利益とは、屠畜検査を申請した者が利益を受けるもので、県民に負担をお願いするものではございません。
したがって、屠畜検査を申請した獣畜を食肉用に提供できるようにするという行為を行う生産者が負担するべきといったものでございます。
51 ◯
阿部委員
だから、実費補填手数料って何だって聞いているんだよ。手数料というのは分かっているんです。自治法の227条、特定のものに対するものについて手数料を徴収することができる。それは分かっているんです。実費補填手数料って出てこない。昨日からずっと図書館をあさってるんだけどね。実費補填手数料って何なんですか。次の質問に行けないから聞いている。
52 ◯三橋保健衛生課長
手数料については、先ほども述べましたけれども、その屠畜検査、豚1頭を検査するに当たる人件費、旅費、減価償却費、これに必要な試薬や消耗品など、これら等に掛かる経費をもって算出すると認識しております。
53 ◯
阿部委員
実際に掛かる費用、そのようなことの意味だろうと思う。
ただね、私はそれも違うと思うんだ。
手数料の中にはね、印鑑証明とか、登記簿謄本とか、抄本、そういう自治体そのものが窓口で証するやつもありますよね。
しかし、実費補填手数料というのは初めて見たんでね、何なんだろうなと思っていた。
そこで、あなた方が積算根拠ということでの積算が、先ほども言いましたよね、396円80銭。一旦決めてしまった条例だから400円でもらっていたんだろうけれども、実際の手数料というようなものをもらったということになれば、行政として理屈が通りませんよ。そのとき点で訂正すべきだったのではないですか。
54 ◯三橋保健衛生課長
先ほどから述べてまいりましたが、手数料は、毎年度の経費について積算しております。
ここ5年についてみますと、平成21年度は411円、22年度409円、平成23年度は402円、今、お話にありました24年度は396円ということで、食肉衛生検査所の職員の
年齢構成、随時人事異動があるわけですけれども、その辺で人件費に多少の差が出てきます。その辺については、その都度、関係部局と協議しまして、毎年の小さな誤差があるわけですけれども、その範囲内でということで、400円で協議した結果、それできております。
55 ◯
阿部委員
説明すれば説明するほど合わなくなっちゃう。人件費云々って言っていますよね。
もちろん、消費する頭数のこともある。
今、課長が人件費って言いました。人件費が多くかかっていれば、積算が大きい数字になってくると思うんですよ。もちろん、その他の減価償却云々もありますが、これはそんなに変わらない。そういう中でも、396円というのは、人件費の多いときだった。人数も1人増えているときだった。人件費が多くなれば、手数料も多くなるって今、言いましたけどね、今の答弁、違いますよ。24年度の人件費が3億5,800万、去年の396円のときが3億6,200万。何でこうなるの。
56 ◯三橋保健衛生課長
ここ3年の人件費の額についてお話いただきましたけれども、平成23年度は確かに3億5,800万、24年度が3億6,200万、25年度が3億6,500万と、数百万程度の違いがございます。これにつきましては、どうしても毎年の定期人事異動による職員の構成によりまして、なかなか今、若い世代が入ってこないということで、年齢がちょっとアップしているという点と、共済費等の社会保障費がここ3年間でアップしているということで額が若干高く積算されております。
57 ◯
阿部委員
この400円は、東北は宮城県が350円、あとは400円、北海道も400円というふうに近隣と合わせる、そういういろんなバランスもあるでしょう。そういう中で、東北では400円という手数料を使っている。宮城県も東北だけど、宮城県が何で350円なの。
私はね、皆さんが言った実費補填手数料ということを今、問い詰めていっているんですよ。それでしたら、宮城県だってそうなんだろうなという思いの中で今の答弁なんですよ。宮城県は何で350円なのか。
58 ◯三橋保健衛生課長
宮城県の額は確かに350円ということです。我がほうでも調査しました。積算については、宮城県の答えも人件費、減価償却費等と、我がほうと同じような積算方法で積算されています。
ただ、今お話ししたとおり、建物とか
精密検査機器とか、そういうものの減価償却費の問題とか人員の
年齢構成とか、その辺の諸問題については、明確な答えをいただいておりませんので、諸般の事情について多少異なるものがあるかと思います。
また、今、
阿部委員がおっしゃった地域によるバランスということもありまして、宮城県につきましては、関東地区がそのような額ですので、そっちのほうに調整したものということは認識しております。
59 ◯
阿部委員
ということはね、関東に宮城県が近いから、そのところの手数料のとり方なんだろうということを今、課長がおっしゃった。
ということは、実費補填手数料とはかけ離れますよね。地域的な問題という答弁だったんですよ。
ですから、この手数料そのものというのは、皆さん方が過去にいろんな答弁をされても、実費補填手数料という辞書を探しても出てこないようなそういう手数料なんだという説明をいただいても、きちんとした基準はないんですよ。
だから私は、さっきから言っているけれども、400円を切ったあんたたちの積算があった。しかし、その前から四百十何円、420円近くもかかっておったからなんて、そんなことは行政は通りませんよ。実費補填手数料ということであれば、そんなことでは通りませんよ。それにきちんと合わせたような取り方をしたらいいんじゃないの、ということになっていくんだけれども。そうではない。実態もいろいろ分かっています。東京なんていうのはもっと安い。東京は310円だ。群馬、千葉、これも豚の生産の多い場所というところであっても300円だ。大阪府は100円ぐらい、これはちょっと論外でしょうけれども。まさに、これ、実費補填手数料ではないですよ。47都道府県の中でね、400円以上の手数料を取っているのはわずか12道県。あとの35都府県は、380円以下ですよ。
だから、あなたたちがさっきから何回も実費補填手数料だって言って、そうやって手数料をもらってきた。行政的なところの中で、何としてでも、この手数料を取るということは何なのかということなんですよ。安心して食べられる肉を消費者に届けるがための検査手数料なんですよ。
日本は皆そうですけど、アメリカではね、屠畜場で手数料を取る。日本だけですよ、行政がこうやって手数料とっている。しかし、先ほども言いましたけれどね、実費補填手数料、これでは、突き進めなくなっちゃう。
さて次、今の青森県の養豚・養鶏振興プラン、今年の3月に出した。知事が出したんです。農林水産部の畜産課でも何でもありません。知事が出したプラン。行政執行部のトップ。そして33年を目指して、あと30万頭ぐらい、豚については増えていく、そういう計画ですよ。
それから、TPP。今、大変な議論をしていると思います。まだ、我々には何も示されていない。しかし、この豚肉も牛肉もテーブルに上がっている。間もなく関税が撤廃される。その中で、生産者たちが良いものを作ろうとして、一生懸命この知事が提案したプランにのっとって、育成に努力している。青森県の養豚の事業者というのは年々減っている。しかし、年々減っているけれども頭数は増えている。大規模化している。
というような中で、いろんな環境の部分でも、金も掛かっている、そして今のTPPだ。そういう中で、この行政の手数料のコストというのは、下げてあげたいよな。
そして、この知事が出したプランではですね、コストを下げろ、コストを下げろと、1円以下のコストまで下げた、そういうような飼育づくりをしなさいというようなことになっている。それにもかかわらず、何とか行政の中で手伝いできるということになれば、さっきの手数料を10円下げれば年間1,000万円違います。20円下げれば2,000万円違います。それが生産者のところでいろんな新しいもの、あるいは機構の改革等々、そういうことをやってまた良いものを消費者に届けていくことができる。その中できちんとした検査をしなければならない、その行政の立場。そこに皆さん方の行政の意味があるんだろうと思います。
どうですか、見直す気はないでしょうか。
60 ◯三橋保健衛生課長
養豚・養鶏振興プランについては、畜産課からも御説明を受けて、我がほうとしてのそのプランの中にある食肉の安全の確保という項目がございます。その件につきまして、我々も食肉
検査体制を万全にして、安全な畜産物を消費者に提供するという意味で、この養鶏養豚プランに十分貢献していきたいと考えております。
また、委員がおっしゃった実費補填の部分の考え方ですけれども、この考え方につきましては、財政等の関係部局と、協議して対応していきたいと考えております。
以上です。
61 ◯
阿部委員
さっきも話したけれどね、生産者は一生懸命だ。そして、今のと畜検査手数料、行政がいただいている手数料、このコストが下がることによって、だれが一番恩恵を受けると思いますか。生産者じゃないんだ。消費者なんですよ。行政がやっている行政サービスというのは、最終的には消費者なんです。そのためにも、コストを下げていかなきゃならないという振興プランの中で、行政が何をできるかということを考えていくときだろうなと、私はそう思って、今回、この問題を取り上げたんです。そして、あなたたちが私に示してくれた、この積算でいけばね、400円を切っている。26年度の積算でもそうですよ。
さっき課長が403円34銭、税込みですよ。もちろん、消費税がどうなっていくか分かりませんけれども、その辺のところは、言いたいことがいっぱいあるんですけれどね、税抜きで398円11銭、400円を切っているんです。
見直すのに非常に良いプランが出た今年、私は何回も言う。三村知事が出したんです。生産者にもそうですけれども、最後には消費者なんです。そのためにも、行政コストの部分。もう1回言います、10円下げれば1,000万、20円下げれば2,000万、皆さんの積算でいけば110万頭でございますから、2,200万。消費者に還元されるんです。部長、お考えをお聞かせください。
62
◯江浪健康福祉部長
この手数料の考え方については、青森県においては、財政基盤というものが非常に脆弱であるという中で、ある意味、厳密に行政コストというものを積み上げて、必要な経費を手数料の中で賄うというやり方でやってきたものだと理解をしております。
しかしながら、前回、
阿部委員がおっしゃった平成24年6月の委員会の中でありますけれども、この手数料に関しましては、平成11年に業界振興の観点、隣接県動向を踏まえながら、総合的な判断によって手数料を400円に引き下げたということもありまして、その後、その額を維持しているということになります。
そのときに、しかしながらこの手数料がコストを賄うものということでありますから、行政的には、コストの範囲をいろいろと見直すなどして、最終的に必要なコストというものは、この手数料の中で賄われているという考え方を堅持しながら、これまでもやってきたものだと考えております。
そういった中で、この手数料のコストに関しましては、確かに平成25年度の積算は単年度400円を割り切っているというところもあるわけですけれども、過去、それまでの経緯を見ますと、割り込んだのはこの2回だけという中で、平成25年度の水準を定めるときには、現行水準をそのまま維持したということであります。
しかしながら、平成24年6月の委員会でも課長からも御答弁させていただいておりますし、今日、委員から強く御指摘をいただいている状況でもございますので、畜産振興の推進を担当しております農林水産部とも連携をしながら、畜産の現状、畜産振興のための施策の状況でありますとか、検査手数料の見直しの必要性とか影響についての状況を共有していきまして、検査手数料に関しまして来年度どう設定していくのかという中でしっかりと検討していきたいと思っております。
63 ◯
阿部委員
しっかり検討していただきたい。このプランを達成させるためにも、そういう意味合いで、行政の縦割りの非常にマイナスの部分だと思うんです。農林水産部と皆さん方の部署と話し合うということは、なかなかないかもしれない。しかし、これを一つのきっかけにしながら、話し合ってみてください。何ぼでなければだめだということはないんです。先ほども言いました。47都道府県の中で、400円以上のところは12道県。あとは300円のところが一番多い。そういう中で、安心して食べられる、そういうものを提供するためにもね。
前に、十和田の食肉衛生検査所に行ってみました。所長さんが言っていた。若い子がね、一生懸命頑張っている。しかし、あの検査員の若い人たちも、あの人たちはね、検査料を稼ぐために働いているんじゃない。より安全なものを提供するために頑張っている。そして、より安全なものをつくってもらいたいと生産者にも思いを込めて、あの人たち、あそこで働いているんだ。
以上で終わります。
64
◯工藤委員長
ほかに質疑はありませんか。
[「なし。」と呼ぶ者あり]
ないようでありますから、これをもって
健康福祉部・
病院局関係の審査を終わります。
執行部入替えのため暫時休憩いたします。
○休 憩 午後1時39分
○再 開 午後1時41分
65
◯工藤委員長
休憩前に引き続き委員会を開きます。
環境生活部関係の審査を行います。
提出議案について執行部の説明を求めます。──林環境生活部長。
66 ◯林環境生活部長
今定例会に提出されました諸議案のうち、
環境生活部関係について、その概要を御説明申し上げ、御審議の参考に供したいと存じます。
議案第1号「平成25年度青森県
一般会計補正予算(第3号)案」についてでありますが、
環境生活部関係の
補正予算額は4,539万9,000円の増額となっております。
この財源といたしましては、
国庫支出金2,916万9,000円の増額、
財産収入12万3,000円の増額、繰入金1,504万7,000円の増額、
一般財源106万円の増額となっております。
以下、歳出予算に計上されました主なものについて御説明申し上げます。
県民生活文化課関係につきましては、県民生活費において、国の地方消費者行政活性化交付金を活用し、消費者被害防止に向けた啓発活動の強化及び市町村等による消費者問題に関する活動への支援等に要する経費として3,084万7,000円を計上しております。
環境政策課関係につきましては、廃棄物対策費において、国の地方消費者行政活性化交付金を活用し、食品ロスの削減に係る普及啓発等の実施に要する経費として918万5,000円を計上しております。
原子力安全対策課関係につきましては、原子力環境対策費において、国の原子力発電施設等緊急時安全対策交付金を活用し、緊急事態応急対策等拠点施設における設備の整備等に要する経費として、943万9,000円を計上しております。
次に、予算以外の議案につきまして、その概要を御説明申し上げます。
議案第6号「青森県一般旅券発給手数料等徴収条例の一部を改正する条例案」については、旅券法の改正に伴う所要の整備を行うために提案するものであります。
以上、
環境生活部関係の
提出議案について、その概要を御説明申し上げましたが、何とぞよろしくお願い申し上げます。
67
◯工藤委員長
ただいま説明のありました議案に対して質疑を行います。
質疑は議題外にわたらないように願います。
なお、答弁者は挙手の上、「委員長」と呼び、次に職名を言って発言を求めてください。
質疑はありませんか。──菊池委員。
68 ◯菊池委員
今回提出されております議案について質問をさせていただきたいと思います。
議案第1号「平成25年度青森県
一般会計補正予算(第3号)案」、消費者行政費についてお伺いをいたします。
近年、消費者を取り巻く環境は、経済のグローバル化や高度情報化の進展などによりまして、ますます複雑多様化しております。
全国的に増加をしております高齢者を狙った悪質商法、さらには食に関する表示など、消費者の安全・安心の確保、消費者被害の未然防止に向けた広範な
取り組みが求められているところでございます。
本県においては、現在、国の交付金で造成しました青森県消費者行政活性化基金を活用し、県及び市町村において、消費者行政活性化事業に取り組んでいるところでございますけれども、今回、
補正予算計上をされておりますので質問させていただきます。
まず今回の
補正予算対応に至った経緯について伺います。
69 ◯濱谷県民生活文化課長
今回の
補正予算案には、国の交付金を青森県消費者行政活性化基金へ上積みするとともに、この基金を活用した消費者行政活性化事業の実施に要する経費を計上しているものであります。
具体的には、国の平成25年度予算において、「食品ロスの削減」や「体系立った消費者教育の展開」といった政策テーマに呼応した地方公共団体の先駆的な
取り組みに対しまして、通常の基金事業とは別枠で地方消費者行政活性化基金の上積みが行われることになったことから、本県におきましても、この制度を積極的に活用することとし、国から5月に交付決定を受けました県の事業費分の1,188万5,000円と市町事業分783万4,000円、計1,971万9,000円を計上しているものであります。
また、国からの交付金は、一旦基金に積み増しする必要があるため、基金積立金として、預金利息を含めました1,984万2,000円。さらに、消費者行政活性化事業費と市町村補助金との調整による増減補正、前年度における基金事業の予算執行残額等47万1,000円を加えました総額で4,003万2,000円を計上しているものであります。
以上でございます。
70 ◯菊池委員
県及び市町村にこれを配分するというわけでございますが、そこで国の平成25年度当初予算に関する県及び市町村の活用希望、それから国から交付決定を受けた事業内容についてお伺いいたします。
71 ◯濱谷県民生活文化課長
県では、消費者庁からの通知等を踏まえまして、庁内関係部局等のほか、各市町村に今回の事業に係る活用希望を照会したところであります。
その結果、県では当課と環境政策課から、また市町村では、青森市と鶴田町から活用希望がありまして、それを踏まえて国へ交付申請を行ったところであります。
国からの交付決定の内訳は、県事業につきましては、食品ロスの削減に関する事業として、環境政策課の「生ごみ減量・資源化普及啓発事業」、これが568万6,000円。それから、「県内主要自治体ごみ組成調査事業」、これが349万9,000円。また、適格消費者団体設立の促進に関する事業として、当課の「消費者団体等活性化事業費補助」、270万円となっております。
市町村事業につきましては、食品ロスの削減に関する事業として、鶴田町の「家庭系食品ロス実情調査事業」、これが535万9,000円。また、体系立った消費者教育の展開に関する事業として、青森市の「若者に対する消費者教育推進モデル事業」、これが247万5,000円となっております。
以上です。
72 ◯菊池委員
ただいま、御答弁の中に消費者団体等活性化事業費補助という文言が出てまいりましたけれども、この趣旨と事業内容についてお尋ねをさせていただきます。
73 ◯濱谷県民生活文化課長
消費者団体等活性化事業費補助であります。この補助金は、消費者庁から示された政策テーマである、「適格消費者団体の設立の促進」というテーマに呼応いたしまして、特定非営利活動法人青森県消費者協会が実施する調査研究事業を支援するものであります。
適格消費者団体と申しますのは、不当な勧誘等の消費者トラブルがあった場合に、事業者にその不当行為の差止の請求を行うことができる団体で、内閣総理大臣の認定が必要なものであります。
現在のところ、全国で11団体しかありません。東北、北陸及び四国には、現在のところ存在しておりません。
このため、国におきましては、認定を受けていない消費者団体も含めまして、地方の消費者団体等の関係者に、事業者の不当行為に対する差止の申入れに関する知見やノウハウの共有等を図り、地域の消費者被害防止活動の活性化や適格消費者団体の設立を促進し、民間ベースでの消費者被害拡大防止活動を広げていきたいとしております。
今回計上した補助事業の内容といたしましては、NPO法人青森県消費者協会内に調査研究委員会を設置し、適格消費者団体の具体的な活動や設立に当たっての課題等について調査研究を行うほか、広く県民への普及啓発を目的とした適格消費者団体を考えるシンポジウムの開催を計画しているところであります。
県では、本事業の実施により、青森県消費者協会を初め、県内消費者団体等の活性化を期待しているところであります。
以上であります。
74 ◯菊池委員
冒頭でも申し上げたとおり、いわゆる弱者、高齢者を狙った事例が多発しておりまして、昨今、新聞報道等では景品等についても積み増しをして、そういった事例が起こっているやに伺っております。是非とも、消費者団体の皆様が消費者を守るという観点から、しっかりと気を使って活動していただくよう、監視を含め、この基金についての取り扱いをお願いさせていただきまして質問を終わりたいと思います。
75
◯工藤委員長
ほかに質疑はありませんか。
[「なし」と呼ぶ者あり]
ないようでありますから、これをもって質疑を終わります。
これより議案の採決をいたします。
議案第1号中所管分、議案第6号、以上2件の原案に賛成の方は御起立を願います。
〔賛成者起立〕
起立総員であります。
よって、原案は可決されました。
次に、執行部より報告事項があります。──林環境生活部長。
76 ◯林環境生活部長
お手元の資料に基づきまして御報告を申し上げます。
案件といたしましては、三栄化学工業株式会社に対する滞納処分の執行停止等についてでございます。
県におきましては、県境不法投棄事案に係る行政代執行費用収入未済額の徴収に関しまして、平成25年10月2日に当該三栄化学工業株式会社に対しまして、滞納処分の執行停止を行ったところでございます。
その執行停止の理由でございますが、滞納処分執行可能な財産がないためでございます。
平成25年3月に同社に係ります差し押さえ不動産の公売が完了いたしました。その後の調査におきまして、滞納処分執行可能な財産がないことを確認したことによるものでございます。
今回の執行停止に係ります収入未済額といたしましては、309億6,908万4,921円となってございます。
米印のところに記載しておりますように、平成15年度分から平成24年度分までの代執行の費用に係ります収入未済額は全体で409億4,175万円余となっております。ただ、このうち、末尾にございます平成23年度分と24年度分、合計99億7,267万円余につきましては、当該三栄化学工業株式会社のほかに三栄化学工業株式会社の元代表取締役、そして懸南衛生株式会社の元代表取締役との連帯債務となってございます。
したがいまして、現在、三栄化学工業株式会社元代表の所有の土地、これは、現在の水処理施設の用地でございますけれども、この用地を差し押さえしているという財産がございますため、これにあわせて執行停止することができないということから、先ほど申し上げました23年度分と24年度分の99億円ほどを除きました、平成15年度分から22年度分に係ります額、309億6,908万円余を今回執行停止するものでございます。
2番でございます。
不納欠損処分についてでございます。
この廃棄物処理法に基づく代執行費用につきましては、国税滞納処分の例により徴収するとされてございまして、国税徴収法におきましては、1)として滞納処分執行可能な財産がないときのほか、2)、3)に記した状況のときは、滞納処分の執行停止ができるとされてございます。
そしてまた、この滞納処分執行停止後3年が経過したときは、滞納国税の納付義務が消滅するとされているところでございます。
そしてまた、県の財務規則におきましては、滞納処分執行停止後3年経過によりまして、納付義務が消滅した債権については、不納欠損処分することとされてございます。
したがいまして、今回の滞納処分の執行停止から3年経過後の平成28年10月に不納欠損処分を行うこととなるものでございます。
以上でございます。
77
◯工藤委員長
ただいまの報告事項及び
所管事項について質疑を行います。
質疑は議題外にわたらないように願います。
質疑はありませんか。──清水委員。
78 ◯清水委員
随分長い間がかかりましたけれども、いよいよ大詰めですね。これもひとえに部長さん初め、皆様方の頑張りで、いよいよ大詰めにきたなという感じがいたしております。
振り返ってみますと、もう10年ですね。10年たったんですが、負の遺産を何とか早く無くしようということで、三村知事さん初め皆様方が頑張ってくれたからこういう結果になったんではなかろうかなと。心から感謝を申し上げる次第であります。部長さんももう何代目、3代目か4代目ぐらいですよね。随分御苦労をかけましたけれども。
2点ほどお伺いしたいと思います。
まず、こういう負の遺産になった原因は何だったのか。振り返って、私も今、考えているんですが、やはり最初は多分、政治家のどなたかが絡んでいたと思うんですが、それが原因で県の職員の皆さん方もなかなか止めることができなかったのがずっと積み重なってきたのではなかろうかなと。不正はこれからもきちんと正していかなきゃならないと思いますので、その辺も良い教訓になったのではなかろうかなと思っていました。負の遺産はとにかく1日も早く解決しなきゃならないなと、私自身も随分勉強になったと思っていましたが。当時、確か、同じような事例で瀬戸内海の何島でしたっけ。
[「豊島」と呼ぶ者あり]
豊島だったですかね。あれも見に行きましたけれども。あれもちょうど今振り返ってみますと、真夏に現場を見に行ったんですが、大変な政治闘争になっていまして。なかなかその不法投棄を摘発できなかったのが瀬戸内海の島でありますけれども、今印象にあるのは、それを摘発したのが広島県警だったということですね。国松さんという、警察庁長官をやった方でありますけれども、その方が広島県の県警本部長ということで、正義感で摘発して、そして政治闘争が始まったと。そしてまた、その島の住民の皆さん方の助っ人というんですか、中坊さんが一生懸命無料で裁判をやっていただいてあれが解決した、そういう記憶があるんですが。それに匹敵するぐらいの現場ではなかったのかなと思っております。
それで、三栄化学工業株式会社に対する滞納処分の執行停止について、今、県から三栄化学工業株式会社の代執行費用、収入未済額に関する滞納処分の執行停止と不納欠損処分に関して報告がありましたが、この報告に関連して何点か確認していきたいと思っております。
まず1点は、今回、滞納処分の執行停止を行わなかった部分について、今後どのように対応するのかお尋ねします。
79 ◯神県境再生対策室長
今回、滞納処分の執行停止を行わなかったことにつきましてでございますが、不法投棄原因者として、三栄化学工業株式会社、同社の元代表取締役及び懸南衛生株式会社の元代表取締役が連帯して債務を負っている部分ということになります。
これは、国税庁の通達によりまして、連帯債務者から滞納分を徴収できる場合は、滞納処分の執行停止を行わないとされていることによるものです。
この部分に関する今後の対応についてでありますが、まずは、滞納処分執行可能な財産がない三栄化学工業株式会社を除きまして、二人の個人の連帯債務者につきましては、財産調査を引き続き実施し、滞納分の徴収に努めてまいります。
なお、連帯債務者の一人である三栄化学工業株式会社の元代表取締役につきましては、県が滞納処分執行可能な財産としまして、既に土地を差し押さえしていますが、この土地には現在、不法投棄現場の汚染地下水を浄化するための浸出水処理施設が設置されていることから、公売の実施は代執行完了後となります。
これらの滞納処分の結果、すべての連帯債務者について、滞納処分執行可能な財産がないことが明らかになった段階において、滞納処分の執行停止を行い、その3年経過後に不納欠損処分を行うこととなります。
以上です。
80 ◯清水委員
次に、今回の滞納処分の執行停止後に仮に財産が判明した場合はどのように対応するのかお伺いします。
81 ◯神県境再生対策室長
国税徴収法では、滞納処分の執行停止から3年以内に財産が判明した場合は、執行停止を取り消さなければならないとされています。
したがって、三栄化学工業株式会社について、今回の滞納処分の執行停止から3年以内に財産が判明した場合は、執行停止を取り消し、判明した財産に対して滞納処分を執行することとなります。
また、今回の滞納処分の執行停止から3年経過後に財産が判明した場合は、今回、執行停止した代執行費用収入未済額の納付義務が消滅しておりますから、平成23年度以降の代執行費用収入未済額を徴収するため、判明したその財産に対して滞納処分を執行することとなります。
以上であります。
82 ◯清水委員
これも、ありがとうございました。
時限立法でですね、10年掛かってできたわけなんですけれど、当時の政治家の大島先生とか、津島先生とか、随分お世話になりまして、時限立法が成立したわけでありまして、その間に知事の大英断があってできたわけでありますので、今後とも、県内にこういう類のものが何かちょっとあるやに聞いておりますので、素早く対応していただきますよう、お願い申し上げまして終わります。
以上です。
83
◯工藤委員長
ほかに質疑はありませんか。──松尾副委員長。
84 ◯松尾委員
私のほうからは、先般の台風18号にかかわる部分でいきたいと思います。
昨日の質疑の中でも、まだ被害総額からいくと85億円、もしかして100億まで到達するのではないかという、そういうふうな話もございました。本当に1日も早く被災された方々の日常への復帰ができることを心からまず願うところでございますけれども、ちょうど、県議会の開会をしたときでありまして、各議員、またそれぞれ所管の委員会、各地に出向いて至急の中での現場調査等を各議員がやったわけでございますが、私も建設の委員会に同行をして、馬淵川流域の調査に行きました。
その際に水害の規模が段々大きくなってくると、これまでなかなかこういった被害が出ないようなところにもいっぱい、別の形で被害が出てくるものだなと、そういうふうなことを実感したわけです。
というのも、川沿いには確かに隣接はしてあったんですが、三戸町、そしてまた田子町のほうで養鶏場が水没をして、そこで飼われていた46,000羽が水死をしたと。本当に残念な話なんですけどね。じゃあ、それを1日も早く原状に復帰をして、そのことが被災をされた方々が元気になる、そのための一番大きな要素だと思っています。
そういった中で、要望をされたものがありました。というのは、よく鶏が大量死した場合、鶏インフルエンザの場合であれば家畜伝染病予防法、そういった形で埋設をするという形で進めます。
今回の場合は、家畜伝染病予防法という形とは、また形は異なるんですが、現場に行ってその養鶏場の代表の方から見せられたのが、泥の中に一輪車と一斗樽かな、それに泥を持ってきて、その泥の中から鶏を1羽ずつ出して、これを洗って泥と死体と分別をして、それからでないと焼却に回せない。回せない上に、今度はそれをきれいにした後保健所に検査をしてもらうことになるので、早く回復していくためには、この処理をできるだけ早く済ませたい。そういう意味で埋設ということは検討できないのか。そういうことを要望されました。
本当にそういうことができればいいなと、心から思うわけですけれども、廃棄物処理法の絡みもいろいろあるようでございますし、いろんな面でこういった場合の処分というものをどういうふうにしていったらいいのかというのをお伺いしたいと思います。
そこで、養鶏場の鶏が死亡した場合の処分方法と今回の災害により死亡した鶏の処分状況についてお伺いをいたします。
85 ◯鳥谷部環境政策課長
養鶏場で死亡した鶏の処分に適用される法律としましては、農林水産部所管の家畜伝染病予防法及び当部所管の廃棄物の処理及び清掃に関する法律がございます。
家畜伝染病予防法に規定する伝染病が発生した場合には、同法が廃棄物処理法に優先して適用されますが、それ以外の場合には排出事業者が廃棄物処理法に基づき自ら適正に処分するか、廃棄物処理法に基づく許可を受けた業者に委託して処分することになります。
なお、今回の災害により死亡した鶏の処分については、被災市町村が特に処理が必要と認めたものにつきましては、当該市町村で処理することも可能でございます。
今回の台風18号により死亡した鶏の処分状況については、農林水産部に確認したところ、本日現在では、養鶏業者3者のうち2者は、産業廃棄物処分業者において処理済みとなっており、残る1者も他の産業廃棄物処分業者に処理する予定と聞いております。
以上でございます。
86 ◯松尾委員
ただいまの答弁で、3者のうち2者はそれぞれ処分業者にもう処理をお願いしていたということでございます。
これも災害になってから、前もってですね、そういうことを想定してということで、いろんなことをそれぞれの事業者がやっているのであれば、それもスピード感があっていいんでしょうけれども、いざそのときになってみないとこれがどういった災害になるのかということで、事業者サイドで前もっての準備というのはなかなか難しいと思います。
まして、それこそこういう水害のときですと、建物、実際の被害になった養鶏の部分以外にも、他の被害も重なって、やっぱり起こったりして、そういうふうな場面でまた人手もかき集めてやるといっても、そこら一帯、みんなかぶっているわけですから、それぞれやっぱり人手も足りない。そういうときの対策というものを講じていかなきゃ、前もって考えていかなきゃならないんだろうなと思っていますが、今の御答弁の中で、この被災に遭った市町村がそれぞれの立場でというのかな、市町村で受入れをすることが可能というお話がございましたが、これはどういうことなのか、ちょっとお伺いをしたいなということと、また、今も若干触れましたけれども、前もっての市町村で受入れができるのであれば、その対策というのも市町村のほうでやはりいろいろ検討されているべきだろうと思うんですが、その辺のところは、県のほうではどのようにされていたのでしょうか。
87 ◯鳥谷部環境政策課長
市町村の処理についてでございます。
災害で発生した廃棄物につきましては、特に処分が必要と認めたものにつきましては、当該市町村が処理することができます。
県では、今回の災害により死亡した鶏の処分につきまして、関係する町に対して、被災市町村で処理した他県事例の紹介や廃棄物処理法上可能な処分方法等について助言したところでございます。
また、県内の他の市町村に対しましても、今月25日に開催する予定であります市町村施策セミナーなどにおきまして、今回の事例などを含め、災害時に大量に発生する廃棄物の処分が円滑に進むよう周知してまいりたいと考えております。
また、前もっての対策ということでございますが、今現在の状況を申し上げますと、県内では、平成18年の9月29日になりますけれども、大規模災害時の青森県市町村相互応援に関する協定というものが締結されてございまして、市町村自らの処理が困難な場合は、県に応援を要請することができるという協定がございまして、県と全市町村が協定を結んでございます。
また、産業廃棄物協会というものがありますけれども、県と協会で平成20年3月19日に大規模災害時における災害廃棄物の処理等に関する協定書というものを締結しておりまして、市町村の要請に応じまして、災害廃棄物の撤去、収集運搬、処分などで協力することとしておりまして、先般の
東日本大震災におきましては、階上町がこの協定により要請をしているところでございます。
それから、青森県環境整備事業協同組合というものがございます。県が平成16年12月7日に無償団体救援協定書というものを締結しておりまして、市町村の要請によりまして、し尿、それから浄化槽汚泥の収集運搬に協力することといたしておりまして、同じく先般、階上町が要請し、11台、20人が協力従事したと伺っております。
なお、地域防災計画、市町村の地域防災計画の中で災害廃棄物の処理について規定しているところでございまして、実施主体は市町村ということで、県では調整と技術的援助、モニタリング等を実施することとしているところでございます。
以上です。
88 ◯松尾委員
今の御説明を聞きますと、25日に市町村に対してセミナーを行って、周知をしていくという、今回のような事例の周知をしていくということでございますが、それは最後におっしゃられた地域防災計画、それについてのやはりあらかじめのものをしっかり打合せをして、住民との調整もしっかりしておいてくださいということを県のほうから指導といいますか、教えていくということになるんだと思いますが、是非そのところはですね、しっかりと。実際の災害時にすぐに対応できるようなものに1日でも早くしてもらうためにもお願いをしておきたいと思います。
それと、今の説明の中にありました相互応援の協定、これは県に対してということなんですが、それとあと、大規模災害協定書、これもですね、階上もその際にはなったということなんだけれども、ここの部分でいくと、今回の場合というのは、町とのやり取り、県とはどういうふうな形でこれをやれたのか。どういう課題が残ったのかというのは、何か今の相互応援の協定という話を聞けば、ある一定の危惧もあったのではないのかなと、そんな気もいたしますが。その辺についてはどうなんでしょうか。
89 ◯鳥谷部環境政策課長
先ほど説明いたしました当該協定類につきましては、各市町村とも十分承知しているものと捉えております。
今回の災害に当たりましては、被災市町村からそういう要請はなかったということでございます。
以上です。
90 ◯松尾委員
そういうことであれば、県のほうもなかなか、ということもあるのかなという気がいたしますけれども、いずれにしても、地域を守っていく一番のプレーヤーというのは、各自治体、またそこの住民でございますので、やはりそこに対しての啓発と、また万全の対策を実施するための県の努力を求めていきたいと思います。
91
◯工藤委員長
ほかに質疑はありませんか。
[「なし」と呼ぶ者あり]
ないようでありますから、これをもって
環境生活部関係の審査を終わります。
次に、お諮りいたします。
当委員会に付託されております特定付託案件について、さらに継続審査とすることに御異議ありませんか。
[「異議なし」と呼ぶ者あり]
御異議なしと認め、継続審査と決定いたしました。
なお、委員長報告の作成については、本職に御一任願います。
以上をもって
環境厚生委員会を終わります。
○閉 会 午後2時18分
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