青森県議会 2013-10-04
平成25年農林水産委員会 本文 開催日: 2013-10-04
[「なし」と呼ぶ者あり]
ないようでありますから、これをもって質疑を終わります。
これより議案の採決をいたします。
議案第1号中所管分及び議案第8号、以上2件の原案に賛成の方は御起立を願います。
起立総員であります。よって、原案は可決されました。
次に、部長から
報告事項があります。──一戸
農林水産部長。
26 ◯一戸
農林水産部長
まず1つ御報告がございます。9時半に
激甚災害法の指定について
閣議決定がされ、内容が
プレスリリースされましたのでお配りをさせていただきたいと思います。
それでは、この件につきまして御報告をさせていただきます。
10時20分過ぎに、
林農林水産大臣が
記者会見を行いまして、今般の台風第18
号被害について、本日、
激甚災害への指定が行われまして、
被災農業者等を対象として
災害関連融資、
農業共済による対策に加え、総合的に対策を実施することとしたとのことであります。
具体的な内容につきましては
プレスリリースの資料をごらんいただきたいと思います。3本の大きな柱となっております。
1つは、
災害関連資金の無
利子化であります。これについては
農林漁業セーフティネット資金等の
災害関連資金の
貸付利子を、貸付後、5年間無利子にするというものであります。
次に、
農業用ハウス、棚等の再建・
修繕等への助成。これは、
被災農業者向け経営体育成支援事業の実施であります。中身につきましては、
農業用ハウス、棚等の再建、修繕、
農業用機械の再導入に要する費用の一部を助成するものであります。
もう1点、果樹・茶の改植への助成であります。
被害果樹や茶の植替えにより生ずる未
収益期間に要する経費への支援であります。
以上の3本が大きな柱となっております。
以上であります。
次に、報告6件について御説明をいたします。
まず、昨日、15時現在の台風第18号による
大雨被害についてであります。
被害状況です。被害は26
市町村で発生しており、
農林水産部関係の判明分の
被害額は52億8,000万円余であり、その内訳は、
農作物関係8億3,800万円余、農地・
農業用施設関係37億4,000万円余、
林業関係6億2,400万円余などとなっております。
初めに、
農作物関係であります。
農作物被害は
岩木川流域及び
馬淵川流域を中心に、水稲が16
市町村、リンゴが12
市町村、
特産果樹が2町、畑作・野菜が13
市町村で発生しております。
被害額は、表の一番下にございますように8億3,867万6,000円となっております。
裏面であります。次は、
農業関係利用施設であります。
施設被害は、八戸市、三戸町の2市町、9棟で発生しています。
被害額は50万円であります。
次は、
畜産関係です。
畜産被害は三戸町、田子町の2町で発生しており、鶏舎18棟が浸水し、ブロイラー約5万8,000羽の鶏が溺死しております。
被害額は1,537万円であります。
次に、農地・
農業用施設関係です。
農地等の被害は、弘前市、平川市、三戸町など22
市町村、2,336カ所で発生しております。
被害額は37億4,039万円となっております。
次に、
林業関係であります。
林業被害は、弘前市、大鰐町など12
市町村、77カ所で発生しております。
被害額は6億2,443万5,000円となっております。なお、この
林業関係につきましては、
中南地域の被害が多く、まだ全容を把握するに至っておりません。よって、各
県民局が応援をしながら調査を早期に行い、全容を解明してまいりたいと考えております。
次が、
水産関係です。
水産被害は、青森市、八戸市、南部町、おいらせ町の4
市町村、6カ所で発生しております。
被害額は1,628万2,000円であります。
次が、
漁港関係です。
漁港被害は、八戸市の
八戸漁港や
八戸漁港海岸に、船舶の停泊や航行に支障となる
流木等が漂着しておりました。
被害額は4,500万円で、これについては既に
撤去済みでございます。
次に、これまでの県の対応です。9月13日に事前の
技術対策について
臨時農業生産情報を発行しております。また、17日には、事後の
生産情報を発行しております。9月18日に庁内、5部16課、教育庁1課と5
地域県民局地域農林水産部で構成する「台風第18号による
農作物等災害対策庁内連絡会議」を設置し、翌19日に第1回会議を開催いたしました。9月20日には
激甚災害への指定などについて、
政府調査団へ要望書を提出しておりまして、本日、それが指定となりました。
次に飛びまして、9月30日には、
被災農家等への
緊急就労対策として、
農林水産部発注工事を対象とした
被災農家の
優先雇用について各
地域県民局へ通知しております。なお、
県土整備部も同様でございます。10月2日には、第2回の
庁内連絡会議を開催し、現場の
状況等について情報共有するとともに、
支援隊を強化することについて確認をいたしました。
今後も各
地域県民局を中心に
相談活動に取り組み、現場で苦労している
市町村等を支援し、
早期復旧に努めてまいりたいと考えております。
次に、
基準値を超える
放射性セシウムが検出された
野生キノコ──これは鰺ケ沢産のものですが──についてであります。
平成25年9月20日、
健康福祉部の検査において、鰺ケ沢町で採取された
野生キノコ、サクラシメジから
基準値を超える150ベクレルの放射性物質が検出されました。
経緯ですが、9月18日に採取され、9月20日の検査でセシウム134は未検出でありますが、
放射性セシウム137が150ベクレルとなり、
基準値の100ベクレルを上回ったものであります。
これまでの対応であります。9月20日に、県民に鰺ケ沢町産の
野生キノコを採取し食べないよう呼び掛け、報道機関にも情報提供いたしました。20日から21日にかけて鰺ケ沢町や卸売市場等に対し、同町産の
野生キノコ類について出荷自粛を要請したところであります。また、24日から25日にかけて、産地直売所、小売店等の巡回指導を実施いたしました。10月1日に、国から県に対し、これまでの3
市町村、青森市、十和田市、階上町でありますが、これに鰺ケ沢町を追加して、
野生キノコ類の出荷制限を要請するよう指示があり、県は鰺ケ沢町及び県内の卸売市場開設者、卸売業者、産地直売施設等に対し、出荷制限を要請したところであります。
今後の対応であります。引き続き、県内全域を対象に放射性物質モニタリング調査を実施し、その結果を県ホームページ等で情報発信をさせていただきます。
また、卸売市場に対して4市町産の
野生キノコ類が流通しないように、また、産地直売施設等に対しては販売しないように、
健康福祉部と連携して定期的に巡回指導を行ってまいります。
それから、出荷制限の解除に向けた取り組みであります。これまでも国に要請をしてまいりましたが、引き続き、
野生キノコ全種類に対して指示されている出荷制限の対象範囲を種類ごとや旧
市町村ごとに設定できるよう、国に働き掛けてまいります。また、4市町産の
野生キノコ類について、県内で一般的に食されているナラタケ属──サモダシでございますが──を中心に重点的な調査を行い、出荷制限の解除に必要なデータ等を蓄積し、国に提示をしてまいりたいと考えております。
次が、松くい虫被害の発生についてであります。深浦町大間越地区の「特別予防監視区域」内におきまして、クロマツの枯死木からマツノザイセンチュウが検出され、同地区で本年2例目となる松くい虫被害が確認されました。
被害木の状況ですが、大間越字筧地内で、クロマツ37年生、1本であります。
まず経緯でありますが、9月4日に青森県防災ヘリコプターによる上空探査で枯死木1本を確認し、直ちに伐採処理をいたしました。また、6日に簡易検査で陽性反応が出たため、盛岡市にある森林総合研究所東北支所に精密検査を依頼いたしました。9月25日に森林総合研究所から、マツノザイセンチュウが感染していると考えられる旨の鑑定書を受理したところであります。
これまでの対応です。監視区域内につきましては、9日から17日にかけて枯死木が確認されたクロマツ林、約2ヘクタールについて、全木のヤニ打ち調査を実施し、新たにヤニの流出が少ない19本が確認されましたが、簡易検査ですべて陰性と判明しました。しかし、これらについては、すべて伐採処理を果たしております。
また、監視区域以外については、9月17日に旧岩崎村全域で目視調査を実施したところ、異常木は確認されませんでした。
また、9月9日から13日にかけて、全
県民局で松林の目視調査を実施いたしました。上北
地域県民局管内で2本の枯死木が確認されたため、材片を採取し、林業研究所で簡易検査を実施しました結果、すべて陰性と判明いたしました。
今後の対応であります。繁殖・感染源の除去ということで、引き続き林野庁と森林総合研究所の指導・助言のもとに、東北森林管理局等と連携して監視区域を主体に監視を強化・徹底するとともに、枯死木や衰弱木については発見次第、伐倒、くん蒸処理し、検査を実施してまいります。また、デジタル航空写真で撮影した近赤外線カラー写真により、異常木の判読等を行います。加えて、県のホームページや
市町村の広報等により、一般県民にも異常木の情報提供を呼び掛けることとしております。裏面に位置図等を示しておりますので、後ほどごらんいただければと存じます。
次に、定例3件の報告になります。まず、農作物の生育と農作業の進ちょく状況についてです。
これまでの気象経過と今後の見通しです。青森市の9月中旬から下旬の気象経過であります。平均気温と日照時間は、9月中・下旬とも平年を上回りました。降水量は、9月中旬は平年と比べて上回り、下旬は下回りました。
今後の見通しです。気温は高く、降水量は平年並みか少なく、日照時間は並か多いと予想されております。
裏面であります。農作物の生育・作業進ちょく状況と今後の対策です。
まず水稲であります。生育と農作業の状況につきましては、農林水産省が9月27日に発表した9月15日現在の本県の作況指数でありますが、105の「やや良」となりました。また、9月30日現在の稲刈り進ちょく率は58%となっていますが、昨日の3日現在で既に7割程度の刈取りが進んでいるという状況にあります。
今後の対策であります。刈取り作業を急ぎ、刈遅れによる品質低下を防止いたします。適正な乾燥調製に努め、過乾燥米や胴割れ米の発生を防止いたします。冠水や倒木で品質低下が懸念される水田では、被害を受けていないものと仕分けして刈取りを行うようにいたします。また、稲わらの有効活用と焼却防止を徹底してまいります。
次に、畑作・野菜・花きです。主なものについてであります。生産と農作業の状況ですが、大豆は、稔実したさやの数が平年を下回っております。ナガイモの生育は、平年を上回っております。秋ニンジンは、乾燥による初期生育の遅れから平年を下回っております。
今後の対策であります。大豆は収穫に備え、雑草や青立ち株の抜取りと排水対策を徹底してまいります。露地野菜は、病害虫防除と排水対策を徹底していきます。
次に、リンゴ等果樹であります。生育と農作業の状況。リンゴの肥大は、「ジョナゴールド」が平年並み、「ふじ」がやや上回っております。「ジョナゴールド」の熟度は平年より遅れており、収穫は有袋が10月13日ころ、無袋が10月18日ころからの見込みであります。次に、「トキ」であります。「トキ」は、農協等の熟度調査の結果に基づいて適期に達した果実から収穫が始まっている状況にあります。
今後の対策です。中生種は、すぐりもぎを行うなど適期収穫を徹底します。特に「トキ」などの黄色い品種は、カラーチャートなどを利用して収穫するようにいたします。着色管理は、早くから過度な葉摘みを控え、気象状況にも留意しながら行うようにします。今回の冠水した園地では、ゴミや泥、腐敗した果実をできるだけ早く取り除き、また、土砂の堆積が激しい場合は、樹の根本の土砂を取り除くとともに、早めに耕うんするようにいたします。今後も台風や低気圧による強風に備え、防風網の点検・整備や支柱の結束・補強などに努めることといたします。
次に、飼料作物であります。生育と農作業の状況。9月27日現在の牧草の3番草の刈取り進ちょく率は、60%で平年並みとなっております。サイレージ用トウモロコシの乾物収量は、平年を下回っております。
今後の対策として、牧草の収穫作業は天候の推移を見極めながら、降雨が予想される場合は、早めにサイレージに仕向けます。また、サイレージ用トウモロコシは、子実の登熟状況を観察し、適期収穫に努めるようにいたします。
次に、県産農作物の販売動向についてであります。
まず、野菜、東京都中央卸売市場、9月中旬であります。ナガイモは、県産を含む入荷量が前年に比べて多く、価格は高値だった前年に比べて97%、過去5カ年平均比では108%となっております。ニンニクは、県産の入荷量が前年に比べて多かったものの、中国産の入荷量減により、価格は安値だった前年に比べて114%、過去5カ年平均比では94%となっております。ゴボウは、県産を含む入荷量が前年に比べて少なかったことから、価格は前年に比べて112%、過去5カ年平均比では102%となっております。大根は、県産の入荷量が前年に比べて多かったものの、他産地の入荷量減により、価格は前年に比べて179%、過去5カ年平均比では137%となっております。ネギは、県産を含む入荷量が前年に比べて多かったものの、価格は前年に比べて105%、過去5カ年平均比では108%となっております。
リンゴです。県産リンゴは、不作だった前年に比べ、入荷量が大幅に増加しているため、価格は高値だった前年に比べて80%となっておりますが、小玉傾向ではあるものの果実品質が良好なことから、過去5カ年平均比では101%と、ほぼ平年並みとなっております。
牛については、今回はまだ集計がまとまっておりませんので省かせていただきます。
最後に、最近の漁模様等についてであります。
9月の主要魚種の動向です。サバ類は、太平洋で好調に推移したとありますが、実は、これは北海道釧路沖で漁獲されたものが八戸港に多く水揚げされたことによるものであります。スルメイカは日本海、津軽海峡ともに低調、太平洋で平年並みに推移いたしました。マダラは、日本海で好調、太平洋でやや好調に推移しておりました。クロマグロは、日本海で低調、津軽海峡で好調に推移しております。ブリは、日本海で好調、太平洋で低調に推移いたしました。
次に、沿岸水温であります。9月26日から30日までの半旬平均水温は、20度から24度台で推移しており、津軽海峡と太平洋でやや高め、陸奥湾でかなり高めとなっており、全地点──これは日本海を除きますが──での平年差は平均プラス1.2度で、やや高めとなっております。
その他として、最近の主要漁獲物の状況です。9月下旬の主要漁獲物は、日本海と津軽海峡ではスルメイカ、クロマグロ、ブリ、太平洋ではスルメイカ、サバ類、マダラとなっております。
最後に、陸奥湾のホタテガイ養殖についてです。9月26日付でホタテガイ養殖管理情報第8号を発行し、稚貝の分散作業については水温が23度以下になり、貝が成長していることを確認してから開始するよう指導しております。
また、10月21日から秋季陸奥湾養殖ホタテガイ実態調査を実施し、稚貝と平成24年産貝の成育状況、へい死率、保有数量等を調査することとしております。
以上であります。
27
◯工藤委員長
ただいまの
報告事項及び
所管事項について質疑を行います。
質疑は議題外にわたらないように願います。
質疑はありませんか。──長尾委員。
28 ◯長尾委員
災害についてお伺いします。
今回、
激甚災害の指定を受けたということは、関係者の御努力によるものと思いまして、私も被災者の一人でありますけれども、感謝を申し上げたいと思います。
それで、前回の質問でお伺いしたとき、災害に該当するのは原状復帰で40万円以上のものであるということでありました。今回、2,336ケ所と、非常に箇所数が多いわけでありますが、これらはすべて災害に該当する箇所と認識してよろしいでしょうか。
29 ◯影山
農村整備課長
前回の常任委員会でも御答弁を申し上げましたが、国庫補助による災害復旧は1箇所の復旧工事費が40万円以上のものということになりますが、40万円未満のものは国庫補助の対象とはなりませんけれども、地方自治体による復旧事業についてはその一部の起債が認められるというようなことで、災害復旧事業は対象となります。
今回の2,000を超える箇所につきましては被害見込額ということで報告されておりますけれども、今後、国による査定を受けまして、40万円以上であれば国庫補助の対象になりますし、今回、
激甚災害の指定を受けたということでありましたら、40万円未満の小規模なものであっても、施設や農地について相当のものが地方単独事業による復旧事業の対象となると考えております。
以上です。
30 ◯長尾委員
非常にありがたい決定でありますが、40万円未満の、いわゆる法面崩壊的なところが非常に多いわけです。例えば、リンゴ園地辺りですと、土砂を整理しないと運搬の作業車が回って歩けないとか、そういうところが多く見られます。
この災害で、そういうところを自力で整備した場合は、補助の対象にならないのかどうか。その辺のところはいかがなものでしょうか。
31 ◯影山
農村整備課長
災害復旧事業につきましては、今申し上げましたように
被害状況を確認いたしまして、国による査定を受けて、
事業費を確定し、補助金を確定し、それから工事に着手するというのが通常の流れでございますけれども、これ以上被害を拡大させないため等の緊急の要件がある場合には応急工事ということで、そういった査定を待たずに工事に着手することができます。
ただし、これは、やはり国庫補助を受けるということでございますので、あらかじめ
被害状況の写真だとか、そういった書類については事前に用意をいたしまして、それで国と協議をして、事前に着手することを協議することが必要となります。
以上です。
32 ◯長尾委員
国との協議というのが、多分非常に難しいと思うんです。例えば、
リンゴ農家は、今、中生種の収穫期に入っています。収穫期に入っているリンゴを収穫するために園地の中へ機械が入っていかなければ、手で運ばなければならないわけで、非常に難儀なわけですけれど、それが土砂を片付けるとか、そういうことが事前にできないとなると、農家は非常に苦労します。そういうところがいっぱい見られるんです。
ですから、こういう状況の中で写真を撮っておけば、例えばバックホーで崩れたほうに取りあえずは寄せておいたという場合も該当させていただかないと、農家は非常に苦しむと思うのです。
そういう場合は対象にしてもらえないんでしょうか。
33 ◯影山
農村整備課長
御発言の趣旨も踏まえまして、県としましてもできるだけ柔軟に対応していただくということを国に要求することが必要だと考えております。今の状況としましては、
市町村におきましては
被害状況の把握に努めているところでございまして、今後、そういった応急工事については要望が本格的に話として聞こえることになると思いますので、県としては、営農の実態や農家の意向を踏まえて柔軟に対応していくように心掛け、国と調整を図ってまいりたいと考えております。
34 ◯長尾委員
課長から非常に心強い御発言をいただきました。是非とも柔軟に対応して、農家の作業に支障がないように、個々の農家では土砂の整理になると思うので復旧までいかないと思うんです。写真等を撮っていただくというのはあらかじめ農家の方にも言わなければだめだと思うのですが、そういうことをしながら、農家の作業に支障がないような形で復旧できるように望んでおります。
35
◯工藤委員長
ほかに質疑はありませんか。──
成田委員。
36 ◯
成田委員
ただいまの松くい虫の報告について、3点お伺いしたいと思います。
その前に、台風18号につきまして
激甚災害に指定されました。今、長尾委員が申し上げたとおり、現場は泥の中という状況でありまして、そういう中で農家の方々が自力で撤去しなければならない。非常に大きな作業であると思っております。
このことについては、農家の方々に応分の費用が支払われるようなことを特に要望していかなければならないし、各
地域県民局においてはまず現状把握をし、そして農家の方々の話を聞いて対応していかなければならないわけでございますので、大変な努力をしなければなりません。
激甚災害に指定されたのですから、有意をもって農家に大きく支援していかなければならない。これが県の新しい使命であると思っていますので、よろしくお願いします。
それでは松くい虫についてですが、まず長崎から出発して日本列島を北上してきたわけでございまして、半世紀以上になります。日本海側も太平洋側も全部食い荒らして今の現状であります。いよいよ本県に入ってきたわけでございまして、我々は今まで、松くい虫は寒冷地には来ないのではないかというような安堵を持っていましたけれども、徐々に進んできております。
今回は、本県の深浦町まで来たわけでございます。しかし、この現状を見ると、寒冷地は大丈夫だと思っていたけれども、今回、民有林の低いところに発生しております。現在、国有地の山の高いところの発生は見えていないので、ここでとまるのかなと、そういう一つの期待感もありますけれども。これは本県にとっては何としても、今日の新聞にもありましたけれども、あの屏風山の砂丘地帯をとめたのはまぎれもなく本県のクロマツの植林によるものでありまして、長い年月と莫大な金をかけて今のように砂丘をとめたわけでございます。これが
万が一にも、また元に戻れば大変なことになりますので、良い方法がないものかと思っております。
1点目として、今回の松くい虫の被害が発生した箇所は6月に発生した箇所に近いことから、関連性はあるのか伺います。
それと2点目、これまで松くい虫についてどのような防除をされてきたのか伺います。
最後に3点目として、松くい虫による被害の拡大を防止するために被害地周辺の生育調査などを強化すべきではないかと考えておりますので、この3点についてお伺いしたいと思います。
37
◯野呂林政課長
まず1点目、6月に発生した箇所に近いこととの関連性はいかにということでございますけれども、松くい虫の専門家によりますと、今回発見された被害木につきましては、今年の6月に発生したものとほぼ同時期に罹患、感染したのではないかということでございまして、時間差によりまして、生長度合いによるといいますか、その時間差によりまして枯死したものであろうとの見解を示しているところでございます。
それから2点目、6月の発生以降、どのような防除対策を取ってきたのかということでございます。県では、今年の6月の発生を受けまして、大間越地区に設置した特別予防監視区域内において、被害が発生した林分、約2ヘクタールございますけれども、全木のヤニ打ち──こういう筒の上に皮を打ちまして、松ヤニの出ぐあいをみる──調査を直ちに行いました。それから被害木以外の林分、3キロメートルの区間につきまして目視調査を実施したところでございます。異常木、衰弱木につきましてはくん蒸したほか、9月には防災ヘリコプターによりまして上部探査をし、新たに1本が見つかったということでございます。
それから近赤外線のカラー写真を撮影しまして、その判読を実施するなど、被害の拡大がないかどうか重点的に監視をしているところでございます。
また、県内での対策としましては、関係機関や有識者による松くい虫等被害対策協議会を開催しまして、その情報を共有する。それから、それぞれの役割を確認したほか、マツノマダラカミキリ──病原菌を運ぶのですけれども──の生息調査、それから予防監視、防除監視員による巡視などを継続して実施しておりまして、被害の早期発見に努めてきたところでございます。
3点目の被害地周辺の生息調査などを強化すべきではないかという御質問でございますけれども、今回の松くい虫被害が確認されました特別予防監視区域内におきましては、マツノマダラカミキリの誘引器──トラップですけれども──を3地点に4基ずつ、計12基を設置しまして、他の区域に比べて濃密に生息調査を行っているところであり、今後とも継続して生息調査を実施していきたいと考えているところでございます。
以上でございます。
38 ◯
成田委員
いろいろとあの手この手で国を挙げて防除に当たっても、残念ながら一向にとまらないという現状であります。これまでの調査の成果がないということは、いかに防除が難しいかということであり、非常に大きな問題になっております。
今、本県も12基をあちらこちらに設置し、松くい虫を事前に把握できるということでありますが、松くい虫は食ってしまった後に枯れる、枯れたときにはもう既に松くい虫がそこにいないわけでございます。どこかに移動しているわけでございます。後手後手に回った格好でありますので、どうかひとつ、青森県がもう少し力を入れて、12基が100基でもいいし、いろいろな飛び地に行ってマツノマダラカミキリを捕まえるような、そういうことも必要ではないかと。それはやはり
林業関係者、もちろん林野庁もそうでありますけれども、協力しながら事前に松くい虫を捕獲すると、そういう方法も一つの方法ではないかなと思っております。
万が一、屏風山に入ってきた場合は非常に無残なことになるものでもあるし、県内であっても、他県であっても同様でありましょう。何としてもここで食いとめるという努力をすることは、我々に与えられた使命であろうと思っておりますので、そういう形の予算の執行もそうですし、なるほど青森県が防止したのかと、そういう対策をひとつ実行していただければ、
万が一、ここで防除すれば、おそらく青森県がノーベル賞の対象になると思いますので、負けずに、大変な仕事でありますけれども、頑張っていただきたいということを要望して終わります。
39
◯野呂林政課長
研究者にもよりますけれども、例えば御発言がございました100基ということを提言されている方も実はございます。ただ、トラップ誘引器にはマツノマダラカミキリが好む松ヤニの匂いと言いますか薬品が入っております。マダラコールと称するものでございます。それを多く設置するということは、逆に呼び込む危険性もあるということの認識もございます。
今、私どもが研究としてそのような形で行っているのが、専門家に言わせますと、まず最良の策だろうとの意見をいただいているところでございますので、これ以上行ったとしても、逆に呼び込んでしまって、危険性が増すことも考えられますので、どうぞ御了承願いたいと思います。
40 ◯
成田委員
はい、分かりました。
41
◯工藤委員長
ほかに質疑はありませんか。──相馬委員。
42 ◯相馬委員
今回、風は幸い来なかったわけでありますが、雨のために物すごい被害が出たということです。農作物については最終の被害金額なのかどうか。まずお尋ねをいたします。
43 ◯一戸
農林水産部長
まだ調査中のものもありますので、これからまた増えてくる可能性がございます。
44 ◯相馬委員
先ほど、被害で1カ所40万円を超えればということだったんですが、それで国はいつごろまでに被害に遭った場所の調査に来るのか。これがあまり伸びますと、また雨が降って、土砂崩れのところはまた崩れると。さらに被害が広がるということが十分考えられるわけです。私も現地を見ましたけれども、雨が降ったら、これはもっといくなと。そうなったら、リンゴの木なんか皆倒れてしまうのではないかと思うんですが。
国ではいつごろまでに行うことになるのか、だいぶ被害地が多いと思いますので。
45 ◯影山
農村整備課長
9月16日の台風18号の被害につきましては、現在調査中でございますけれども、農地・農業用施設については、おおむね1カ月が経過するときを目安に
被害状況を報告する。その後、査定に向けての書類を作成いたします。この査定に向けての書類の提出期限は発生から60日となっておりまして、今のところ、実際に査定に入るのが早いところ──上北管内は若干他の管内に比べると少ないものですから──上北管内では11月上旬ころに準備が整うのではないかと考えております。ただ、一番被害の大きな中南については、
被害状況を取りまとめているところでございまして、県も
市町村と連携しながら査定のための書類を早く作成をいたしまして、査定を早く実施したいと考えているところでございます。
46 ◯相馬委員
あと雨が降らなければいいのですが、雨が降ったら、崩れているところはさらに被害が広がります。ですから、これは早くしないと。
私も、被害を受けた方たちには、日付の入った写真を撮っておけよということは言ってますけれどもね。そうでないと、これは大変なことになりますしね。
先ほど長尾委員が言っていましたように、被害の状況を国に調査してもらった上でないと手を掛けられないわけでしょう。自分のところでそれをやったらどうかということに対する答えは出てなかったわけですけれどもね。その点もひとつ。
47 ◯影山
農村整備課長
正確には、おっしゃるとおり、査定を受けてから工事を行うことになりますけれども、緊急の場合につきましては査定を受ける前にも工事に着工、着手することができます。
48 ◯相馬委員
まあ、こういうときですから、柔軟に対応をしていただかないと、しゃくし定規でやられるとどうしようもないことが起きますから。その点は分かりました。
それから、特に農作物の被害はこれからさらに拡大することもあり得ると、こういうことでして。風が来なかったからリンゴの被害等は、台風の風が来たときの被害よりは軽いんじゃないかなと思いますけれども、通常であれば収穫期に収穫をして売れるわけですが、この被害を受けたことによって今度は売り物にならない、あるいは売り物になっても加工品として安いものになると。こういうことでありますから、共済について、いつも共済金は遅くなるんですよ。いろいろなことを考えながらやっているでしょうけれどもね。
ですから、できるだけあまり遅くならないように、対象になるところについては。そうでないと農家の人たちもそれぞれ、力のある人は借金をしょっていませんけれども、借金をしょっていろいろやっているわけです。時期が来れば借金を返さなければならない。
こういうことを考えますと、何とか共済金、いろいろな手続はあるというのは分かりますが、こういうときこそ早く共済金を払って、被害に遭った人を救済してやるということは大事なことだと思うんです。こういうときこそきちんとやらないと、共済に加入する人が少なくなってしまいますから。あまりに少なくなって、あのとき、
市町村で何とか補助金を出して加入者を増やしてくれないかということで増やしてやったこともあるわけですけれどもね。
ですから、これは県から共済組合に対して──共済組合も単独の共済組合だけではなくて、今度政府も皆、絡むわけですけれども──何とか早く、被災した農家の救済を早くということで共済金の支払いを早めるような要請をしていただきたいと思いますが、いかがですか。
49 ◯小田原団体経営改善課長
お答え申し上げます。
県の
農業共済組合の連合会によりますと、水稲、大豆、リンゴなど
農業共済の対象になっているものの
被害状況については、現在調査中でございまして、今後、損害評価が取りまとめられまして、共済金の支払い対象となる場合には水稲は本年の12月、大豆は平成26年3月、リンゴは平成26年2月に共済金が支払われる見込みです。
県としましては、去る9月17日におきまして県の
農業共済組合連合会及び各
農業共済組合に対しまして、遺漏なき被害の申告ですとか迅速かつ適切な損害評価の実施及び共済金の早期支払体制の確立を徹底するように文書で要請しているところでございます。
以上でございます。
50 ◯相馬委員
リンゴについては26年に入ってからということなんでしょう。そうすると、大体、リンゴの収穫をしたら、農協に良いリンゴを入れたり、あるいは市場に持っていって、それで返済は収穫したらすぐということになっているわけですよ。12月中には返済をしなければならない。それが翌年になってしまうということは、被災した農家にとってみれば大変なことなんですよ。
この土砂崩れなんかで、それも造らなければならない。全額補助をくれるんですか、激甚。そうなのかどうか、答えてもらいたいんですがね。全部こないとすれば、今度は自己負担をしなければならない。そういうようなことがありますので、その点についても、もう一回答えをいただきたいと思います。
51 ◯小田原団体経営改善課長
お答え申し上げます。
農業共済の果樹共済、リンゴ共済につきましては、先ほどお答え申し上げましたとおり来年2月に共済金が支払われることになるのでございますけれども、その間、運転資金が当然必要になってくるものがあるかと思います。例えば株式会社日本政策金融公庫の農林漁業セーフティネット資金というものがございまして、こちらについては今般、国から
激甚災害の指定を受けた
プレスリリースに関連しまして、
農林漁業セーフティネット資金等の
災害関連資金の貸付の利子、5年間無利子にする措置が公表されているところでございます。
その他にも、年末をまたぐような資金需要については
災害関連資金を融資する各種の制度を御用意しておりますので、そちらについて御利用をいただければと考えております。
以上です。
52 ◯相馬委員
金融機関は、なかなかぱっぱと決めてくれないんですよ。窓口に行ったら、なかなか。最初は良い話をしますが、だんだん貸さなきゃならない事態が近づいてくるとなかなか貸さないんですよ。だから困るんですね。
こういう災害は、金がある人、ない人、何も関係なく来るわけですからね。ですから、本当にそういう金融機関が、あれ持ってこい、これ持ってこいでしょう。なかなかね、貸付けが実行されるまで時間がかかりすぎるという問題もあるのでね。この果樹共済──ここだけで決まるわけじゃないのは分かります。最後になれば全国展開でやるようですけれども──何とか早く、年内に支払いができるような方法を。
もし共済組合で、例えばリンゴであれば来年の2月というのであれば、何か県としてそういう制度を作って、そして後でそちらからお金をもらった後でそれなりに精算するということも考えていただきたいと思うんですよ。被災に遭った、金は来ない、借金は督促されるでは、踏んだり蹴ったりになりますのでね。
部長、少しその点について考えはありませんか。
53 ◯一戸
農林水産部長
先ほどの長尾委員からのお話もあったとおり、被災者は非常に今、苦しんでいると。これは我々も現場からの先般の会議の中の報告でも切実に感じております。
確か40万円以下──県が事業を行いながら、
市町村が
事業主体──これについては写真で状況を把握したら、できるだけすぐできるような形になるように、これから
市町村ともまた連携をして、すぐこれはやっていきたいと思います。
また、国に対しても、しっかりとその辺のところをお話をしながら、できるだけ早く、それも手続を簡素化しながら、早く対応できるようお願いをしていきたいと思います。
また、今の資金の問題、
農業共済組合連合会にも、今回、こういう事態でありますので、もう一度、できるだけ早く共済金が出してもらえるようにお願いはしてまいりたいと思います。
県でどういうような対応ができるか、先ほどのような資金の面も今、お話がありましたので、いろいろまた状況を把握しながら、できるだけ対応できるような、そういうことも検討していきたいと思います。なかなか難しいとは思いますけれども、その辺のところは我々としても様々な資金がありますので。また、手続等を簡素化できるような形で少しお願いをしていきたいと思いますので、是非その辺のところは御容赦願いたいと。
54 ◯相馬委員
よろしくお願いします。
55
◯工藤委員長
農村整備課長。
56 ◯影山
農村整備課長
1点補足させていただきます。40万円未満の国庫補助の対象とならない災害復旧につきましては、
事業主体は今回の災害については特に県ではなく
市町村が
事業主体となるということでございますので、補足させていただきます。
57
◯工藤委員長
ほかに質疑はありませんか。
[「なし」と呼ぶ者あり]
ないようでありますから、以上をもって審査を終わります。
次にお諮りいたします。当委員会に付託されております特定付託案件について、さらに継続審査とすることに御異議ありませんか。
[「なし」と呼ぶ者あり]
御異議なしと認め、継続審査と決定いたしました。
なお、
委員長報告の作成については、本職に御一任願います。
以上をもって
農林水産委員会を終わります。
○閉 会 午後0時15分
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