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  1. 青森県議会 2013-09-18
    平成25年農林水産委員会 本文 開催日: 2013-09-18


    取得元: 青森県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-08
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 ○開 会  午前11時3分 ◯工藤委員長  ただいまから農林水産委員会を開きます。  慣例により、会議の記録署名委員を指名いたします。相馬委員西谷委員にお願いいたします。  本日の審査案件は、特定付託案件であります。  それでは、審査を行います。  初めに、執行部より報告事項があります。──一戸農林水産部長。 2 ◯一戸農林水産部長  まず、台風18号による大雨被害について報告させていただきます。  平成25年9月18日現在のものであります。  発生期日ですが、9月16日の月曜日、洪水警報解除が9月17日、17時25分でありましたので、多くはその後の調査となっております。  被害状況です。  農作物関係では、岩木川及び馬淵川流域を中心に水稲は9市町村リンゴは11市町村畑作野菜は3町で発生しております。具体的には、水稲は東青、中南、三八、西北の各地域であります。判明している分で、青森市で土砂流入が0.6ヘクタール。五戸町で同じく土砂流入が0.82ヘクタールとなっております。そのほかについては、調査中であります。  次にリンゴです。中南、三八、西北の各地域であります。いずれも調査中でございます。  畑作野菜です。中南西北上北地域でございます。判明しているのは、おいらせ町でのブロッコリーの浸水が0.47ヘクタールであります。大豆については調査中でございます。  次のページです。  畜産被害については、三戸町、田子町で発生しています。いずれも鶏舎浸水による鶏の死亡であります。三戸町では2カ所、鶏舎12棟が浸水し、4万6,000羽が死亡田子町では1カ所、鶏舎6棟、1万2,000羽が死亡で、被害額調査中でございます。  次に農地農業用施設関係であります。農地等被害は、弘前市、五所川原市、三戸町など、8市町で発生しており、現在、判明している被害額7,800万円となっております。具体的には、農地が31カ所、5,780万円。農業用施設が14カ所、2,020万円。内訳としては、水路の崩壊、ため池の崩壊道路崩壊等となっております。
     林地関係です。弘前市、平川市、大鰐町、東北町で発生しており、その内訳林地崩壊が3カ所、治山ダム袖部破損が1カ所となっています。いずれも調査中であります。  水産関係です。南部町、おいらせ町で発生しております。南部町で漁協事務所浸水、おいらせ町でサケ採捕施設の一部流出がございます。いずれも調査中であります。  次に漁港関係であります。八戸漁港内に船舶の停泊に支障となる流木等が漂着しております。  3番目として、これまでの県の対応です。  9月13日に臨時農業生産情報台風18号に対する技術対策を発行し、生産者関係者等に対して注意喚起及び事前対策徹底を呼び掛けました。また、9月17日に同じく臨時農業生産情報事後技術対策を発行し、生産者関係者等に対して同じく注意喚起及び事後対策徹底を呼び掛けております。  被害があった農産物に係る今後の対策の主なものであります。  水稲では、冠水浸水した圃場では、速やかに排水をすること、倒伏した圃場では、稲株を引き起こし、4ないし5株ごとに止葉の基部を束ね、穂発芽等による品質低下を防ぐこと、冠水や倒伏で品質低下が懸念される場合は、被害を受けていない圃場と仕分けして刈り取ること。  次、リンゴです。園地に停滞している水は速やかに排除に努めることとし、冠水した園地では、できるだけ早く果実や葉に付着したごみを取り除き、泥を清水で洗い落とすこと、また、有袋果実は除袋してから、これらの管理を行うこととします。「つがる」など早生の収穫は、水につかった果実を区別して行うこと、傷がついたり腐敗した果実は、速やかに取り除くこと、土砂の堆積が激しい場合は、木の根元の土砂を取り除くこと、などであります。  畑作野菜です。冠水した圃場では、ポンプや溝切り等により速やかに排水をするとともに、付着したごみを取り除き、泥を清水で洗い落とすこと、また、強風や冠水等により損害を受けた場合は、病害の防除に努めることなどについて指導を行っております。  被害について以上であります。  次に、次期青森総合販売戦略サードステージ骨子案についてであります。  ちなみに、平成16年度から20年度までをファーストステージ平成21年度から平成25年度までをセカンドステージ平成26年度からをサードステージと位置づけております。  別紙として、カラー刷り骨子案をお配りしておりますけれども、ここでは概要について、ワンペーパーで御説明をしたいと思います。  今回は、このほかに次期「攻めの農林水産業推進方針素案についてもお配りをしておりますが、内容が盛りだくさんでございますので、持ち帰りをしていただいて御検討していただき、できれば10月7日の委員会で御質問をお受けしたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。  なお、厚手の素案につきましては、まだ数字等が動きますので、委員限りということで取り扱いをよろしくお願いいたしたいと思います。  それでは、次期戦略策定に当たっての基本的な考え方であります。  これまでの取り組みと成果と今後の展開方向です。平成16年度から取り組んでいる青森総合販売戦略では、トップセールス商談会の開催など、各般の施策展開によって県産品の取引が拡大しただけでなく、様々な分野、部門の関係者ビジネスパートナーとして信頼関係を構築してまいりました。  次期戦略では、こうした人脈、ネットワークを生かして、さらなるビジネス拡大を目指すこととしております。  キーワードは、信頼、人のつながりに支えられた売れる仕組みづくりであります。  推進期間は、平成26年度から平成30年度までの5年間とします。  次期戦略の概要であります。  (1)から(5)の柱は、これまでと同様といたしまして、具体的な取り組み項目については、現状等を踏まえて設定し、これらに詳細な取り組み内容を付してまいります。  まず、(1)全体戦略であります。3本からなります。信頼・人のつながりを生かした総合的な販売戦略展開2つ目として、安全・安心を支える産地体制の強化。3番目として、青森県産品の総合的なブランドイメージの確立であります。  次が商品づくり戦略です。3項目であります。お客様から支持され選ばれる商品の創出。2つ目として、商品価値高めブランド力の強化。3つ目として、農商工連携や6次産業化による付加価値の高い商品づくり推進でございます。  次が流通戦略であります。2項目です。産地と連動した国内外市場の新たな販路開拓2つ目が、新たな市場創出に向けた成長分野への販路開拓物流システムの構築であります。  次は情報戦略です。ここは1項目であります。関係団体民間企業との連携による情報戦略展開としております。  最後地産地戦略です。2項目であります。さらなる県産品の愛用に向けた地産地消の推進。多様な分野との連携推進。  以上が主なる柱でございます。  策定のスケジュールについてですが、この販売戦略につきましては、これまで推進部会で2回検討しておりまして、その検討を基に今回農林水産委員会の皆様に骨子案を報告させていただきました。その後、10月と12月に推進委員会を開催いたしまして、12月に決定をしたいと考えております。  以上であります。  次に、農作物生育農作業進捗状況等についてです。  まず、これまでの気象経過と今後の見通しです。  気象経過等は、青森市、8月下旬から9月前半であります。平均気温は8月下旬、9月前半とも平年を上回りました。日照時間は、8月下旬は平年と比べて上回り、9月前半は下回りました。降水量は8月下旬、9月前半とも平年を上回りました。  今後の見通しです。気温は平年並みか高く、降水量並みか多く、日照時間は平年並みと予想されております。  裏面をごらんください。  農作物生育作業進捗状況と今後の対策です。  初めに、水稲であります。まず生育農作業状況についてです。  農林水産省が8月30日に発表した作柄概況、これは8月15日現在であります。県全体では「やや良」となっております。9月2日現在の登熟状況は、「つがるロマン」、「まっしぐら」とも平年を上回りました。刈取り適期は9月下旬ごろの見込みとなっております。  今後の対策です。刈取り適期を迎えているため、適期刈取りに努めることとします。適正な乾燥調製に努め、過乾燥米胴割れ米の発生を防止します。稲わら有効活用焼却防止徹底してまいります。  次に、畑作野菜花きです。まず、生育農作業状況であります。  大豆は稔実したさやの数が平年を下回っております。ナガイモ生育は平年を上回っております。トマトは9から10段花房の収穫期となっております。花きは、おおむね順調に生育しております。  今後の対策です。大豆収穫に備え、雑草や青立ち株の抜取り、排水対策徹底いたします。露地野菜は、病害虫防除排水対策徹底いたします。トマト花きなどのハウス栽培では、適正な温度管理かん水管理徹底いたします。  次に、リンゴ等果樹です。まず、生育農作業状況です。  「つがる」の収穫は終盤となっております。リンゴの肥大は平年並みでございます。  今後の対策ですが、「つがる」の収穫は9月23日ごろまでに終えるようにいたします。除袋や葉摘みなどの着色管理は、気象情報に留意しながら進めることといたします。中生種は、すぐりもぎを行うなど適期収穫徹底いたします。特に、黄色系の「トキ」などの品種は、カラーチャートなどを利用して収穫するようにいたします。また、今後も台風に備え、防風網の点検・整備や支柱の結束・補強などに努めることといたします。  最後飼料作物です。  生育状況です。牧草の3番草の乾物収量は平年並みとなっております。サイレージ用トウモロコシは、絹糸抽出期が平年よりも早く、収穫適期はやや早い9月下旬から10月上旬の見込みとなっています。  今後の対策です。牧草の収穫作業は、天候の推移を見極めながら行い、降雨が予想される場合は、早めにサイレージにしむけるようにいたします。サイレージ用トウモロコシは、子実の登熟状況を観察し、適期収穫に努めてまいります。  次に農産物販売動向についてです。  初めに、野菜であります。東京都中央卸売市場、9月上旬であります。  ナガイモ価格市場全体の入荷量が多かったことから、高値だった前年に比べて93パーセント、過去5カ年平均比では108パーセントとなっています。ニンニクの価格は、市場全体の入荷量が少なかったことから、安値だった前年に比べて123パーセント、過去5カ年平均比では100パーセントとなっております。大根の価格は、主力の北海道産の入荷が少なかったことから、安値だった前年に比べて149パーセント、過去5カ年平均比では128パーセントとなっております。トマト価格は、市場全体の入荷量が少なかったことから、安値だった前年に比べて165パーセント、過去5カ年平均比では112パーセントとなっております。ネギの価格は、市場全体の入荷量が少なかったことから、前年に比べて130パーセント、過去5カ年平均比では124パーセントとなっております。  次に、リンゴであります。平成25年産の価格は、気温高めに推移したことから、梨やブドウの引き合いが強く、品薄で高値だった前年に比べると70パーセント、過去5カ年平均比では91パーセントとなっております。ただし、この価格については、ほぼ平年並みでありまして、22年産と昨年産の9月が高いためにこういうパーセンテージとなっております。  裏面です。  子牛です。青森家畜市場9月の結果であります。  黒毛和種の子牛価格は、全国的な子牛不足の中で需要が増加したことにより、前年比で115パーセント、過去5カ年平均に比べて116パーセントとなっております。  最後は、最近の漁模様等についてです。  まず、8月の主要魚種の動向であります。  スルメイカは、日本海津軽海峡太平洋ともに低調に推移いたしました。サバ類は、太平洋で低調に推移しました。マイワシは、太平洋で好調に推移しました。クロマグロは、日本海津軽海峡ともに低調に推移いたしました。ブリは、日本海津軽海峡で好調、太平洋では甚だ低調に推移しております。  次は、沿岸水温です。  9月1日から5日までの半旬平均水温は21度から26度台で、津軽海峡で平年並み日本海陸奥湾及び太平洋かなり高めとなっています。全地点での平年差は平均プラス1.3度でかなり高めとなっております。  最後に、その他であります。  まず、最近の主要漁獲物状況です。  9月上旬の主要漁獲物は、日本海津軽海峡ではスルメイカクロマグロ太平洋ではスルメイカサバ、マダラとなっております。  陸奥湾ホタテガイ養殖です。水温はピークを過ぎ、下降傾向になっていますが、まだホタテガイ生育に適した水温状態ではないことから、適水温になるまで作業を行わないよう指導しております。  八戸港の水揚げです。8月の水揚げは、1万1,521トンで前年に比べると47パーセント、金額は27億385万円で、前年に比べると77パーセントとなっております。主な要因としては、中型イカ釣り漁業によるスルメイカアカイカ、大・中型まき網漁業によるサバ水揚げが減少したことが挙げられております。  また、1月から8月までの累計水揚げは、3万56トンで、前年に比べると59パーセント、金額は66億3,111万円で前年に比べると73パーセントとなっております。その主な要因としては、アメリカオオアカイカや船凍スルメイカなどイカ類の不漁が挙げられております。  以上で説明を終わります。 3 ◯工藤委員長  ただいまの報告事項及び特定付託案件について質疑を行います。  質疑議題外にわたらないように願います。  なお、答弁者は挙手の上「委員長」と呼び、次に職名を言って発言を求めてください。  質疑はありませんか。──長尾委員。 4 ◯長尾委員  今回の災害についてお伺いしたいのですが、まだ調査中の所が多いので、これからかなり農林水産に関する被害が拡大してくるものと思われます。  冠水した田んぼや畑はもちろん大変なんですが、私がちょっと歩いてみた感じでは、法面崩壊、農道の崩壊、あるいは樹園地の傾斜地の崩壊。これがかなり多く見られるように思われます。  今までのこういう災害に関しても、我々も調査に歩いたり、どういう支援策ができるかということで県のほうにお願いしたり、国のほうにお願いしたりするんですが、なかなか具体的な支援、いわゆる崩壊した道路を完全に復旧させるとか、そういう意味での支援というのはなかなかできない部分が多いと感じているんですが、今回の場合は、どういう対応が考えられるのかお伺いしたいと思います。 5 ◯影山農村整備課長  台風被害につきましての御質問でございました。  委員の御指摘のとおり、現在、被害状況については調査中でございますが、その一部が挙がっている状況でございます。これにつきましては、今後、さらに調査をして被害状況を確定していきますけれども、今回、被害状況が非常に大きくて、国の補助による災害復旧事業というのは、一定以上の規模の方が対象になり、それに基づき原形に復旧するということが目的となります。  今回は、状況を確認いたしまして、例えば、被害額復旧額が40万円以上のものにつきましては、国の補助による災害復旧事業に基づきまして、原形復旧をすることが可能となります。  県としましては、こういった被災した農地農業用施設復旧に当たって、事業主体となる市町村土地改良区などと連携しながら、被災農家の意向を確認した上で災害復旧事業による速やかな復旧ということを目指して支援してまいりたいと思っております。 6 ◯長尾委員  40万円以上の被害原形復旧ということでありますが、かなりのこれは箇所数が出てくるかと思われます。是非とも、これは農家個人で、例えば、農道の法面が崩落した樹園地に行っているとか、そういうところが多々見受けられますので、支援のほうをお願いしたいと思いますし、もう1点は、県として、今回、災害対策本部を設けませんでした。対策本部を設けた場合と、設けなかった場合で国の支援の仕方というのは違いがあるのかどうか、お伺いしたいと思います。 7 ◯西谷農林水産政策課長  今回の大雨の件につきまして、国と相談しながら情報収集に努めて、詳細を詰めていきたいと思います。 8 ◯長尾委員  要望しておきたいのですが、対策本部を設置した場合と設置しない場合で、国の支援の仕方に違いがあるとすれば、これは対策本部を速やかに設置していただくほうが、可及的に災害復旧に取り組む姿勢を見せることができるのではないかと思います。これは、農林水産部のみならず、県土整備部関係かなり被害が出てきていると思います。私が見ている感じでは、水路等被害かなりありますし、そういう関連もありますので、できれば、国の支援を速やかに、しかもある程度、被害に遭った方々が満足できるといいますか、原形復旧が本当にできるような形での支援ができる体制を県としてつくっていただくよう要望して終わります。 9 ◯西谷農林水産政策課長  委員の先ほどの御質問ですけれども、本部設置そのもの対策の変更があるということではなく、やはり災害状況、その実態に合わせて、これから国と協議しながらやっていきたいと思います。 10 ◯工藤委員長  相馬委員
    11 ◯相馬委員  この台風による被害、私も朝から晩までずっと見て回りました。そうすると、先ほど、「つがる」の収穫等についても9月23日までと言っているわけですが、橋が崩落しちゃって、収穫に行けないわけですよ。そういう場所もありますから。  緊急を要するものが、私が見てみただけでも相当あります。ですから、これについては、まだ被害全体が挙がってこないでしょうから、急いで対応しなきゃならないもの、きちんと順位をつけて急ぐものはとにかく急いでもらわなきゃならないと。こう思いますので、これからいろいろ取りまとめをしていくんでしょうけれど、急いで対応していただきたいということ。これも要望しておきます。 12 ◯工藤委員長  ほかにありませんか。──渋谷委員。 13 ◯渋谷委員  それでは、私も、まずこの報告の台風被害の件で、畜産被害のほうで、三戸町、田子町で発生している鶏舎ですが。12鶏舎、6鶏舎かなりの数の鶏が死んでいるわけですが、どういう状況死亡しているのか。そして、これからおそらく鶏舎そのものが水につかって、病気などのことも考えられますので、そういう指導対策はどのようにしているのかお聞きします。 14 ◯高橋畜産課長  死亡したのはブロイラーでございまして、ブロイラーについては、平飼いといって、土間で飼っていますので、その部分に水が浸入して鶏が水死したという状況でございます。  事後対策でございますが、死亡鶏については速やかに化製処理といい、専門の所で処分する形をとらなければ駄目ですし、その後については、土砂等を撤去した後に家畜保健所のほうで消毒の徹底を行いまして、次のひなの導入をしまして、経営再開に向けて指導していく形になっております。 15 ◯渋谷委員  過去にこういうことはあったのでしょうか。何が言いたいかというと、かなり水の問題が取り沙汰されたものですから、事前に何かできなかったのかどうか、お伺いします。 16 ◯高橋畜産課長  実を申しますと、平成23年の台風15号、ちょうど9月の今ごろ発生したものについても、同じ場所で同様の被害が起きております。ですから、その辺については、鶏舎が立地している地形等の問題も多分あると思いますので、実態を調査しながら、今後の指導に当たっていきたいと考えております。 17 ◯渋谷委員  了解しました。是非、同じ問題が起こらないように、県としても指導しながらやっていただければと思います。  それでは、所管事項に入らせていただきます。  ロジスティック推進事業における県産水産物航空輸送試験についてお伺いいたします。  先般、福岡の情報センターに行ったときに、ブランドづくりということで様々な取り組みをしている中で、今回の航空輸送事業が話題となりまして、センターでも非常にこの事業に対する期待が大きかったように感じております。  今回、輸送試験の目的と内容、このことについてまずお伺いします。 18 ◯村上総合販売戦略課長  輸送試験の目的と内容についてお答えいたします。  県ではこれまで、県産品の販路拡大に向けて、大手量販店等との連携により、九州地方を初め、全国各地で青森県フェアを開催してきたところです。  その結果、大手量販店との通常取引額は着実に増加してきたところですが、販売時の鮮度が特に重視される水産物については、関西以西において、トラック輸送では、青森県内を出発してから3日目以降の販売となるなど、鮮度の保持が難しく、継続した取引に至っていない状況にあります。  このため、県では、今年度、高鮮度出荷による県産水産物の遠隔地への販路拡大とブランド化を進めるために、遠隔地への輸送時間が大幅に短縮となる航空便を活用した輸送試験に取り組んでいるところです。  この試験では、水産物の輸送環境を把握するための温度の推移や離着陸時における衝撃の計測、また陸送時とのコストの比較などを調査し、その実用性について検証することとしております。 19 ◯渋谷委員  それでは、今回の試験結果をどのように分析しているのか。また、今後の課題についてお伺いします。 20 ◯村上総合販売戦略課長  お答えいたします。  今回の試験では、下北地方で漁獲された県産ヒラメを、独立地方行政法人青森県産業技術センター青森県立八戸水産高校が共同開発した、水の無い状態でヒラメを仮眠させる「無水ヒラメ技術」を利用して、生存したまま着荷させることを目的として鹿児島市の水産卸売市場までの輸送に取り組んだところです。  輸送した7尾のヒラメは、8月30日、午前6時30分に青森中央卸売市場を出発し、青森空港8時20分発の羽田空港行きの航空機に搭載、羽田空港での乗り継ぎを経て、午後3時30分ごろに鹿児島市の水産卸売市場に到着しました。  水産卸売市場到着時の状態では、発泡スチロールをクールバッグに入れた2尾はすべて生存、クールバッグに入れなかった5尾のうち3尾が生存という結果になりました。  羽田空港での乗り継ぎに要した2時間余りの間、30度を超える外気温にさらされる悪条件の中、2尾が死んでいたことから、生存のための温度を保つ輸送試験、輸送方法を確立することと、鹿児島市での販売価格が仕入れ輸送コスト等の経費を下回ったことから、コストの低減や経費を上回る価格での販売先の開拓が課題として挙げられます。 21 ◯渋谷委員  大体、収支は何割ほどとか、そういうのはあるんでしょうか。 22 ◯村上総合販売戦略課長  今回、生存していたヒラメは、鹿児島市の市場で1キロ4,600円で競り落とされました。  その結果、収支としましては、売上げが約4万5,000円、それについての費用は、仕入れ、送料あわせて約7万8,000円となっております。 23 ◯渋谷委員  まだ、最初の試験なので、コストが当然高くなると思っておりますが、今後、このコストを下げていくことがもちろん必要であると思います。  今回出ました次期青森総合販売戦略」でも、その中心となるのがやっぱり全体戦略で販売網、そして商品づくり、ブランド化の協力、まさにこの水産物も同じ取り組みを行っていかないといけないと思います。  そして、何よりも大事なのが販路拡大となります。買い先がなければ、いくらコストを下げてもなかなか事業として成り立たないものですから。特に九州のほうでは、青森県のヒラメはなかなかブランド力があるという話を伺っていますので、この航空輸送を利用した販路拡大に向けてどう取り組んでいくのかお伺いします。 24 ◯村上総合販売戦略課長  お答えいたします。  今回の輸送試験により、遠隔地への県産ヒラメの活魚による販売の可能性が実証されましたが、コストや輸送技術に関する課題も明らかになりました。  今後、実施予定の輸送試験では、これらの課題の解決に向けて関係者連携して取り組んでいくこととしています。  あわせて、魚を活け締めで食べる食文化を有する九州地方を中心に、出荷する頻度を高め、認知度の向上を図っていくとともに、その価値を認め、高額で取引いただける飲食店等の販路開拓にも取り組んでいきます。 25 ◯渋谷委員  是非、このヒラメが青森のブランドとして高まっていって、成功事例となるように取り組んでいただきたいと思います。  特に、このヒラメに関しては、活け締めでやりますので、コストを考えますと、販売先は高級寿司屋とか料亭とか、そういったところに限られてくると思いますので、是非、漁業団体、生産者、そして県が一体となってこの成功事例をつくっていただきますように、今後の取り組みを期待しながら要望して終わりたいと思います。 26 ◯工藤委員長  ほかに質疑はありませんか。  [「なし」と呼ぶ者あり]  ないようでありますから、これをもって審査を終わります。  以上をもって、農林水産委員会を終わります。 ○閉 会  午前11時37分 Copyright © Aomori Prefecture, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...