青森県議会 2013-09-18
平成25年文教公安委員会 本文 開催日: 2013-09-18
先般、弘前市の
ホームセンターにおきまして、
窃盗事件を起こしたとして逮捕した
巡査部長を9月12日付で減給100分の10、6カ月の
懲戒処分とし、同人は同日付で辞職いたしました。
本
事案は、
黒石警察署の
地域課に勤務する
巡査部長が、休暇中、弘前市に所在する
ホームセンターにおきまして、
販売価格2万6,000円のランタン1個を
万引きしたことから、
弘前警察署において逮捕したものでございます。
県警察といたしましては、本年、
警察官による
不祥事案が相次ぎ、
各種防止対策に努めてきたところでございますが、
本件事案が発生したことは誠に遺憾でございまして、県民の皆様に深く
お詫びを申し上げます。
このような
状況、組織全体で
危機感を持ちまして、全力を挙げて
再発防止に取り組んでまいる所存でございます。
どうか、
委員の皆様におかれましても、引き続き御指導、御べんたつを賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
5
◯相川委員長
ただいまの
報告事項及び
特定付託案件について質疑を行います。
質疑は、
議題外にわたらないよう簡明に願います。
答弁者は、挙手の上、「
委員長」と呼び、次に職名を言って発言を求めてください。
質疑はありませんか。──
丸井委員。
6
◯丸井委員
まず
徳永本部長には、ようこそ青森県へおいでいただきまして本当にありがとうございます。心より歓迎を申し上げる次第でございます。
先ほど話がありましたけれども、県民の安全と安心のために、不断の努力、一層の努力をまずもってお願い申し上げたいと思います。
しかしながら、冒頭に、御挨拶の後にまず
お詫びから入らなければならないということで、非常に残念な
気持ちではありますけれども、ただいま
本部長から報告を受けた
事案については、
犯罪者を捕まえるという立場の
警察官としてはあってはならないことであると私も思っております。本年は、なぜか
警察官による様々な
不祥事が続いているという印象が私はぬぐえないのであります。非常に残念な思いを感じております。
定年間近の
警察官が、
万引きに手を染めてしまった背景としては様々な問題を抱えていたのかもしれませんが、だからといって許されるような
事案ではないので、二度とこのようなことがないよう、失われた信頼の回復に努めていただきたいという思いを込めて質問させていただきたいと思います。
まず最初に、
県警察における昨年と本年の
懲戒処分の
実施状況についてお伺いしたいと思います。
7
◯伊藤警務部長
丸井委員の御質問にお答えいたします。
本
県警察職員の平成24年中における
懲戒処分者数は、1件3人で、これは平成23年と比較しますと、件数では2件減少、人数は同数となっておりました。
一方、本日現在の
懲戒処分実施状況につきましては、4件4人となっており、昨年1年間の1件3人を既に超えておりますことは、県警といたしましても
危機的状況と受け止めております。
8
◯丸井委員
そういう
事案が増えていることは非常に残念なわけでございます。
万引きをして逮捕されたという本
事案に対しまして、今回の処罰は減給というものになっております。決して軽いものではないと言えるかもしれませんけれども、ただ、市民の
皆様方、県民の
皆様方と話をすれば、私のほうには、何となく軽すぎるのではないかという意見も聞こえてまいりました。
そこでお伺いをしたいのですが、どのような
考え方で減給という
処分になったのかお伺いしたいと思います。
9
◯伊藤警務部長
万引き事案につきましては、
警察官としてあるまじき行為であり、
県警察といたしましても重く受け止めております。
他方、捜査の結果、
刑事事件として立件できるものは1件であり、また、
当該職員は長年にわたり
駐在所に勤務し、仕事に対して誠実に対応してきたことなどを考慮し、
警察庁の「
懲戒処分の指針」を参考にいたしまして、減給の中で最も重い6カ月といたしました。
10
◯丸井委員
繰り返しお伺いしますけれども、今の
処分の決定は、あくまで
警察庁の指針にのっとった
処分であると。
万引きの初犯であれば、減給の
処分で今まで行われてきているという理解でよろしいのですか。
11
◯伊藤警務部長
「
懲戒処分の指針」ですが、これは
警察庁が全国的に基本となる
懲戒処分の種類を示したもので、これによりますと
万引きをすることは停職又は減給となっております。
先ほど申し上げましたが、
警察官による
万引き事案はあってはならない行為であり重く受け止めております。
他方、捜査の結果、立件できましたものは1件でございます。そういった
当該職員の平素の
勤務状況も照らし合せた結果、減給の中で最も重い6カ月といたしました結果でございます。
12
◯丸井委員
まず、
全国統一の基準に沿ってやると、こういう結果になるということは理解させていただきました。
しからば、今回の
事案が発生した後に、どのような対策をとってきたのか、また、今後どのような対策をとっていくのかということをお伺いしたいと思います。
13
◯伊藤警務部長
今回の
事案の発生を受けまして、
県警察としては、
非違事案防止に関する
事務連絡を全
所属長あてに発出いたしましたほか、青森、八戸、弘前、それからむつの4
ブロック別に
緊急地域課長等会議を開催したところであります。
発生警察署におきましても、全署員による緊急全体会議の開催、それから
職員の家族に対する
署長書簡の
発出等を実施してまいりました。
さらに、今回の
事案を踏まえまして、改めて全
警察職員に対して、「
職務倫理教養の充実」、「
身上把握の強化」を徹底し、特に、指導に当たっては一方的でなく
職員の意見や要望、悩みなどを聞くように配慮するなど、双方向の取り組みに留意するとともに、上司や先輩などから複眼的にサポートするなどして、
非違事案の防止及び信頼の回復に努めてまいります。
14
◯丸井委員
青森県警でも2,300名以上の
職員がおり、いろんな方々がいらっしゃるでしょうから、全くゼロにしろというのはなかなか難しいのかもしれません。
ですが、やはり
警察官は周りから信頼をされる、また
逮捕権を持っているわけでございますから、もう少ししっかりした、何といいますか、そういう
気持ちの醸成を持っていただけるように、不断の努力のほど、また
本部長におかれましては、厳しくと言えばおかしくなるかもしれませんけれども。
私、ちょっと思うんですれども、昔、子供のころ、ちょっと悪さをするとおふくろによく言われたのが、まず「
おやじに言いつけるぞ」と。次は「学校の先生に言いつけるぞ」と。最後は「おまわりさんに連れて行ってもらうぞ」というのが口癖でございました。怖い存在だったという思いがあります。怖い存在の反面、やはり尊敬される存在だということも私は思います。それがこのごろ、だいぶ薄れてきてしまっていると。
おやじは分かりませんけれども、学校の先生も
警察官も、私はしかりじゃないのかなという思いがしておりました。
親しまれる
警察というのも非常に大事ではありますけれども、やっぱり、畏れられる
警察、尊敬される
警察を、もう少し頑張ってつくっていただきたいということをお願い申し上げまして、私の質問を終わります。
15
◯相川委員長
ほかに質疑はありませんか。──
伊吹委員。
16
◯伊吹委員
私から
行方不明者発見のための活動について伺いたいと思います。
生活安全部長初め、
県警本部並びに各署の
生活安全課の
職員、署員の皆様においては、
行方不明者の
捜索事案について特段の
調査協力に対して意を用いていただく機会があります。私も様々なそうした場面に出くわすことがありまして、日ごろのそうした活動に敬意を表するものでございます。
また一方、最近
ニュース報道を見ておりますと、こうした
行方不明者、連れ去り等といったような事故、
事案、
事件等の報道が頻発されるようになっております。先の
委員会でも、北朝鮮による拉致と思われる方々の
情報提供についても報告があったところであります。
そういった、いわば
事件・事故に遭った
可能性が高い、又は自殺のおそれがあるような
行方不明者の
届出を
警察でこの5年程度受理している中で、傾向なり数的なものが分かっていれば、概略で結構でございますので御報告いただきたいことと、その
届出を受理した際、どのような調査並びに捜査を行っているのか、まずお伺いしたいと思います。
17
◯越川生活安全部長
伊吹委員の質問にお答えします。
過去5年ベースの数字では、今、持ち合わせておりませんが、
家出人の
受理状況につきまして、24年中は
受理件数は684件となります。そのうち、
特異行方不明者として受理したものは314人。
特異行方不明者というのは
事件とか事故に巻き込まれるおそれのあるものとして受理したものでございます。
それから、続きまして
事件・事故に遭った
可能性の高い、あるいは自殺のおそれのある
行方不明者の
届出を受理したとき、どのような捜査、調査を行うかというところでございますが、
事件・事故に遭った
可能性の高い、又は自殺のおそれのある
行方不明者につきましては、
届出を受理した
警察署長が、要
保護性の高い
特異行方不明者として
届出を受理することとなります。
これら
特異行方不明者につきましては、極めて要
保護性が高いため、早期に発見する必要がありますので、
届出を受理した
警察署では
届出人から発見に必要な
情報を可能な限り聴取した上で、
署長指揮の下、
署内各課の可能な人員を投入するとともに
警察犬を捜索に加えるなどして、予想される立寄り先を含め広範囲な
発見活動を行っております。
また、
状況に応じ、
関係法令に基づきまして
特異行方不明者の所在に関連する
情報を入手するなどして、その発見に努めているところでございます。
18
◯伊吹委員
ただいまの部長の答弁で、いわゆる
事件・事故に巻き込まれ、あるいは自殺のおそれのある
特異行方不明者が昨年度で684件の
届出の受理がなされたとの答弁がございました。非常に数として多いなという印象を持ちました。
こうした年間で684件、ざっとならしても1日に2件以上受理されている。
受理件数だけでこの分ですので、当然のことながら、何らかの事情で受理されていない
事案もあると思われます。
限られた
警察署の人員での捜査になるわけですが、例えば、自殺のおそれがある方が山に入った
可能性があるとき、消防署、あるいは
消防団といった他機関と連携した捜索が行われている報道をよく目にするのですが、どのような捜索を行っているのか、また人員的にはどのような体制で行われているのかについて伺いたいと思います。
19
◯越川生活安全部長
行方不明となる前の
状況や家族からの聞き取りの
状況等から、自殺のおそれのある者については
警察、家族を中心に、職場の同僚や
地域住民の方々の協力を得て必要な体制をとり捜索を行っております。
また、自救能力がない者が
山間部に迷い込んだと思われるような
事案等の場合は、
届出人と十分
協議し、必要に応じて
消防等の他機関と連携した捜索を行うこともございます。
20
◯伊吹委員
1点、お伺いしたいんですが、実はごく最近ですが、私の周りで
特異行方不明者に該当するような
事案が発生いたしました。その御家族が行方不明になった方の所在を自分で一生懸命探す中で、
方々情報提供をお願いに歩く中で、課題として浮かび上がってきたことがあります。それは
個人情報保護法に対する
取扱いと受け止め方の問題であります。
金融機関、
携帯電話会社、あるいは勤務していた職場においてさえ、
個人情報ということをいいながら、本人以外の者にはたとえ家族であったとしても
情報提供ができないといったようなことがあります。
特異行方不明者というのは
事件性のある、あるいは事故に巻き込まれる、そうした喫緊な
状況であるにもかかわらず、そういった対応がされているのが通例であるということに、改めて、ちょっとおかしいんじゃないのかなと私は思います。
こうした
個人情報の
取扱いについては、慎重でなくてはいけないことは当然ですけれども、命の安全にかかわるような事態になっても、なお
情報提供がなされないということは、捜査を阻害する要因にもなりかねないのではないかと思いますので、
県警察本部としてこの
個人情報の
取扱いについての
考え方、あるいは他機関への
情報提供の照会の際に今私が申し上げたような事態というのはないのかどうなのか、そうしたことについての受け止め方についてお知らせ願いたいと思います。
21
◯越川生活安全部長
委員御指摘のとおり、
個人情報に関連しましては、発見する際にむやみやたらと捜索願出人のプライバシーにかかわることについて、捜索する
関係者に聞き回るということはなかなか不可能でございます。
ただ、
特異行方不明者として受理したものにつきましては、可能な限り
関係機関、団体に協力を求めるほか、
委員御指摘のとおり、得られないような所在に関連する
情報につきまして、
関係法令に基づき可能な限り入手に努め、その発見に努めているところでございます。
22
◯伊吹委員
最後にいたしますけれども、
是非国においてこの
情報の
取扱いについても、今、種々
協議・検討もされていますし、角度はちょっと違いますけれども、いずれにしても人命の確保において
個人情報が壁となって立ちはだかることがないようにしなくてはいけないと思いますし、一般の国民の目線においても、やっぱり家族にさえ
情報が提供されないというのは異常だと私は思います。
こうしたことについての適正な法の執行がなされるよう、国に対してもしっかり、
県警察本部の立場として行えることがあれば求めていっていただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。
23
◯越川生活安全部長
委員御指摘の部分については十分理解いたしますが、他機関との連携という範囲内の協力を得る形と、あるいは捜索という観点ではあくまでも法令の範囲でしか現在は照会できないものですから、了承いただければと思っております。
24
◯相川委員長
ほかに質疑はありませんか。──
川村委員。
25
◯川村委員
2つの点についてお伺いしたいと思いますが、最初に、先ほど
丸井委員のほうで、
警察官の
不祥事の問題についての質疑がございましたので、そちらのほうを先にお聞きしたいと思います。
警察改革の継続についてであります。
今年に入りましてから、
警察官の
不祥事案が今回の
万引きを含めて公表されたのが4件と理解しております。
警察官、
職員の
不祥事対応として、平成12年に様々な分野での
警察改革が実施されたところでありますが、依然として
不祥事がなくならない
状況にあります。
そこで、
警察改革の一環として取り組んできた次の2つの点についてお伺いいたします。
1つは、各
警察署に
警察署協議会が設置をされるということになっておりますが、その概要と
運営状況についてお伺いいたします。
26
◯伊藤警務部長
川村委員の御質問にお答えいたします。
警察署協議会は、
警察署長が
警察署の
事務運営に民意を反映させるため、その在り方について
住民等から意見を聞くための機関であるとともに、
警察署長が
警察署の
業務運営について
住民等に説明し、理解と協力を求める場として平成12年の
警察法の一部改正の際に設置されたものであります。
同法第53条の2の規定を受けまして、「青森県
警察署協議会条例」及び「青森県
警察署協議会に関する規則」が制定されております。これらに基づき、県内18署すべてに
協議会が設置され、合計で130人の方々が青森県
公安委員会から
警察署協議会委員として委嘱されておりますが、2年に1度改選を行うものとしており、本年の6月1日付で通算で6度目となる改選が行われたところでございます。
警察署協議会の
委員は、
協議会が置かれた
警察署の
管轄区域内に居住し、又は勤務その他の活動の場を有する方でございまして、地域における安全に関する活動について知識又は経験を有する方の中から委嘱することとしております。
協議会の
運営状況といたしましては、おおむね四半期に1回の
会議開催といたしまして、年間で少なくとも3回開催することとしております。活動の
活性化に向けて、地域に密着した業務に関する視察や
体験等の活動に留意しているほか、昨年は新たな試みといたしまして、各署の
短期的重要課題の
選定過程に
警察署協議会の意見を取り入れることとしたところでございます。
27
◯川村委員
民意をしっかり受け止めるという点と、
警察のいろんな業務について正しく理解をしていただくという意味合いもあると思います。是非、それらの目的が達成されるように、しっかりした運営をしていただきたいと思います。
次に、
公安委員会に苦情申出制度ができているわけでございますが、その概要と苦情の
受理状況についてお伺いいたします。
28
◯伊藤警務部長
都道府県公安委員会に対する苦情申出制度は、
警察行政の
透明性の確保と
自浄機能の強化のため、
警察職員の
職務執行に対する苦情の適正な処理を図ることを目的といたしまして、
警察法の一部改正により規定されたもので、平成13年6月1日から施行しております。
この制度は、
警察職員の個別具体的な
職務執行について不服や不満のある方が、
公安委員会に対して文書により苦情の申出をすることができるというものでございます。
公安委員会では、苦情を受理した場合は、必要な事実関係の調査を行い、その処理結果を申出者に通知することとしております。
最近3年間における青森県
公安委員会あての苦情申出ですが、平成24年11件、このうち3件が一部不適切対応ありです。平成23年が10件、不適切対応はございません。平成22年が6件、このときも不適切対応はございません。
以上でございます。
多くの場合は
警察の対応に不適切な点はなかったものでございますが、いずれも文書により回答をしております。
また、平成25年は8月末現在で4件受理いたしまして、2件は文書回答済み、このうち1件が不適切対応でございます。残る2件は調査中となっております。
最近の苦情の主な内容といたしましては、
事件・事故の現場対応における
警察官の態度、それから説明不足に関する不満、
警察署訪問時や電話照会時の応対への不満、交通取締り方法に対する不満、このようなものでございまして、調査の結果、対応に不適切な点があった場合については指導教養を行うなど、業務改善に生かしているところでございます。
29
◯川村委員
今、お話をいただいたのは
公安委員会への苦情の申出制度の
受理件数ということでありましたが、件数的にはそれほど多くないとは思うのですが、これとは別に、もともと
警察自体に県民から苦情が出されるというケースが相当数多くあるのではないかと思うのですが、同様の
受理件数についてお聞かせいただきたいと思います。
30
◯伊藤警務部長
県警察に寄せられる苦情につきましても、
公安委員会に対する苦情と同様に必要な事実関係の調査を行い、不適切な点があれば改善するとともに、その処理結果を口頭、電話又は文書により申出者に通知しているところでございます。
また、これらの
状況はすべて
公安委員会に報告しているところであります。特に苦情は業務改善のきっかけと捉えるよう
職員の意識改革を図っているところであり、平成24年においては164件受理し、対応いたしました。
なお、このうち一部であれ
警察の対応に不適切な点が認められたものは41件であり、これも業務改善に反映させております。
31
◯川村委員
この
警察改革については、
警察全般、非常に広い範囲に及びますので、是非別な機会に改めて議論をしたいと思うのですが、
県警察に対する苦情ということでありますから、申出される県民の方も、かなりの覚悟を持って苦情を出されていると思うのです。そこで、
県警察としてもしっかりこのことを受け止めていただきたいということをまずお願いしたいと思います。
また、言葉遣いや対応が悪いという指摘も恐らくあるのではないかと。ただ、逆に、このような苦情でそれぞれの職場が萎縮をするということになりますと、広く県民のためにはならないということにもなりますので、是非適正かつ積極果敢な
職務執行を行っていただきたいということを要望しておきたいと思います。
次、質問の2点目なんですが、外国人の逃走
事案についてお伺いいたします。
9月5日でありますが、五所川原市の建設現場で不法滞在、不法就労の疑いがあるとして、翌日も含めて
警察によって7人の身柄が確保されたことが報道されております。これだけまとまった外国人が不法滞在となったのはなぜなのか、またどのように入国したのか、また五所川原市で瀬戸際での不法就労防止ということになったわけですが、それ以前になぜ判明しなかったのかという疑問がそれぞれ残るわけであります。
ただ、現在捜査中ということで、質疑にはなじまないと思いますので、この種の
事案の一般的な質問をさせていただきたいと思います。
1つは、昨年と本年中の本県における外国人による不法滞在や不法残留などといった、いわゆる出入国管理及び難民認定法、入管法違反
事件で検挙がどの程度あるのかお伺いいたします。
32 ◯
鷹山警備第一課長
昨年のいわゆる入管法違反
事件の検挙ですが、2件2人でございます。この2件についてはいずれも中国人女性が資格外活動許可を得ることなく飲食店で働いていたとして、無許可活動で検挙をしております。
本年は、今日9月18日現在で10件10人の検挙となっております。内訳は韓国人男性や元留学生の中国人女性が資格外活動の許可を得ることなく、コンビニエンスストア等で働いていたとして無許可活動で3件3人が検挙され、さらに今回の中国人男性7人による旅券不携帯や不法残留の7件7人となっております。
33
◯川村委員
非常に増加傾向にあると理解しましたが、外国人による不法滞在や不法残留などの
事案に対する
警察の基本的な対応方針についてお伺いいたします。
34 ◯
鷹山警備第一課長
警察といたしましては、不法滞在者そのものの取締りのみならず、集団密航
事件、合法滞在を装う偽装結婚、偽造在留カード事犯等の組織的な背景を有する悪質な犯罪に重点的に取締りを行っているところであります。
また、不法滞在、不法就労等の未然防止などを図るための広報活動や、外国人が被害者とならないための防犯・保護活動にも努めています。
さらに、研修生を受け入れているなど関係事業所に対する管理者対策など、あらゆる
警察活動を通じて来日外国人の実態把握に努めるとともに、その過程において不法残留等の法令違反が判明した場合には、検挙又は入国管理局への引渡しなど、所要の措置を講ずることとしております。
35
◯川村委員
この種の
事案では入国管理局や海上保安庁など、
関係機関と連携した
情報共有、あるいは合同訓練など、日ごろからの連携が非常に重要だと思います。現在、県警としてどのような対応をしているのかお伺いいたします。
36 ◯
鷹山警備第一課長
関係機関との連携及び有事に備えた訓練の実施は、この種の
事案対策の重要な施策と認識しております。
入管法違反取締りについては、常日ごろから入国管理局、海上保安部、税関と連携を密にし、容疑
情報の相互通報など
情報共有、
情報交換を積極的に図っており、さらに具体的な
事件の現場においては、相互に捜査員、
職員を臨場させ連携の上、
事件処理に当たるなど、いわゆる合同摘発による捜査活動を積極的に行っているところであります。
また、合同訓練につきましては、入国管理局、海上保安部、税関、港湾管理所など約20の
関係機関・団体で、外国船舶が入港する青森港と八戸港の重要な港において、国際テロ組織の侵入や密航・密輸
事案等の未然防止など万全な措置を図るため、毎年、合同訓練等を行っているところでございます。
37
◯川村委員
最後になりますが、東日本大震災の復旧・復興事業、あるいは公共事業が大幅に増えたことで、こういった建設分野での建設技術者の不足、労働者の不足で、外国人の今回のような不法滞在、不法就労が今後も予想されるわけであります。
そうなりますと労働災害、あるいは様々な
事件に発展する
可能性というのも出てまいりますので、是非
県警察においては
関係機関と十分連携をとりながら、しっかり対応していただきたいということを要望しておきます。
38
◯相川委員長
ほかに質疑はありませんか。
[「なし」と呼ぶ者あり]
ないようでありますから、これをもって
警察本部関係の審査を終わります。
午さんのため、暫時休憩いたします。
再開は午後1時といたします。
○休 憩 午前11時36分
○再 開 午後1時1分
39
◯相川委員長
休憩前に引き続き、
委員会を開きます。
教育委員会関係の審査を行います。
初めに
執行部から
報告事項があります。──橋本教育長。
40 ◯橋本教育長
委員長のお許しを得まして、県馬術連盟による国民体育大会等派遣費補助金に係る不正受給について御報告させていただきます。
県教育
委員会では、国民体育大会及びその予選となります東北総合体育大会の派遣費を県体育協会を通じて各競技団体へ補助しているところであります。
9月5日、県体育協会より県馬術連盟に交付した派遣費のうち、大会に使用する馬を運搬するための「馬匹運搬費」の会計処理に疑義が生じているとの報告がありました。
その後、9月12日に県体育協会から、補助金の不正受給の事実が認められたとの報告があったことから、県体育協会に対しまして県馬術連盟に交付しているすべての補助金につきまして詳細に調査するよう指示いたしました。
このことは、誠に遺憾であり、甚だ残念なことだと思っております。
今後は事実関係の把握に努めまして、その後、報告を待ちまして厳正に対処してまいります。
41 ◯佐藤教育次長
私から2点報告をさせていただきます。
まずお手元に配付しております「平成25年度青森県教育
委員会の事務の点検及び評価に関する報告書」についてであります。報告書の1ページをお開きいただきます。
点検評価に当たっての「1 趣旨」のところでございますが、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の規定により、教育
委員会は毎年その権限に属する事務の管理及び執行の
状況について点検及び評価を行い、その結果については、報告書を作成して議会に提出するとともに公表することとされております。
この規定に基づき、今後の効果的な教育行政の推進及び県民への説明責任を果たすことを目的として、教育
委員会の事務の点検及び評価を行い、その結果につきまして、このたび報告書を作成したところであります。
報告書の概要でありますが、平成24年度の教育に関する事務が適切に実施されているかを点検するとともに、その成果及び課題等について評価を行っております。
具体的には、「青森県基本計画未来への挑戦」の中の「教育、人づくり分野」のうち、教育
委員会が所管しております11の施策及び37の取り組み事項、並びにこれらの施策・取り組み項目を推進するための主な事業63事業を対象といたしまして、学識経験者等による「点検・評価アドバイザー」からの知見を得ながら、点検・評価を行い、その結果を取りまとめております。
県教育
委員会といたしましては、今後とも点検・評価を通して、課題や今後の方向性を明らかにし、効果的・効率的な教育行政の一層の推進に努めてまいります。
2点目でございます。
2点目は、国の文化審議会での次期世界遺産推薦候補の審議結果についてであります。
世界遺産登録を目指します「北海道・北東北の縄文遺跡群」につきましては、4道県と関係市町が連携し、今年度のユネスコへの推薦、そして平成27年度の世界遺産登録の実現を目指し取り組んでまいりました。
去る8月23日、文化審議会世界文化遺産・無形文化遺産部会及び同世界文化遺産特別
委員会が開催され、最も推薦準備が整っているといたしまして「長崎の教会群とキリスト教関連遺跡群」が推薦候補として選定され、「縄文遺跡群」につきましては、さらに推薦に向けた検討が必要として、今年度の推薦は見送られたものでございます。
このため、4道県並びに関係市町では、課題の把握のために文化庁との意見交換の場を設けるための調整を現在行っているところでございます。
以上が文化審議会での次期世界遺産推薦候補の審議結果についてであります。
なお、マスコミ報道等で既に御存じのことと存じますが、政府内での検討の結果、今年度は「明治日本の産業革命遺産」をユネスコに推薦することが、昨日発表されましたので、あわせて御報告いたします。
42 ◯中村教育次長
それでは、私からは、県内公立学校における体罰の実態把握の対応につきまして御報告させていただきます。
お手元の資料1をあわせてごらんいただければと思っております。
昨年度、県教育
委員会が行いました体罰の実態把握の結果について、5月の本
委員会において御報告いたしましたが、このたび、
関係者の
処分等がおおむね終了しましたので、対応
状況について御報告いたします。
今回の実態把握で確認された110名のうち、昨年度末の退職者等10名を除いた100名が対象となりますが、そのうち24年度中に
処分等を行った13名を除く87名に対して、今年度
処分等を行ってまいりました。
内訳としては、減給が1名、戒告が3名、文書訓告が14名、口頭訓告が68名で、
処分等保留が1名となっております。
また、管理監督責任として文書訓告等の措置の対象とした管理職は28名で、このうち25名が今年度中の措置となっております。
県教育
委員会では、4月1日付で教
職員の意識啓発用のリーフレット等を配付するとともに、校内研修等で活用し、体罰の根絶に向けて学校一丸となって取り組むよう要請しましたが、改めて、9月4日付で体罰禁止を徹底するための研修の実施や体罰発生時及び児童生徒等から訴えがあった際の報告の徹底等について通知したところです。
また、体罰の実態把握については、今後も継続して行う必要があることから、現在その方法を検討しているところであり、今後とも市町村教育
委員会等と連携し、体罰の根絶に取り組んでまいります。
なお、資料2といたしまして、お手元にございます「青森県立特別支援学校教育推進プランの後期実施計画について」、それから資料3といたしまして、「青森県立学校校舎等の利活用について」を置かせていただいておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
43
◯相川委員長
ただいまの
報告事項及び
特定付託案件について質疑を行います。
質疑は
議題外にわたらないよう簡明に願います。
なお、
答弁者は挙手の上、「
委員長」と呼び、次に職名を言って発言を求めてください。
質疑はありませんか。──中村
委員。
44 ◯中村
委員
今ほど、教育次長から体罰の実態把握に係る報告でした。これに関連して若干質問をします。
この体罰禁止のために、県教育
委員会はこれまでどのように取り組んできたのか。それから、この体罰禁止に向け、今後どのように取り組むのか、再度聞かせてください。それと3つ目は、この体罰の実態を今後どう把握していくのか。その3点について伺います。
45 ◯田村教
職員課長
まず最初に、県教育
委員会では、これまでどのように取り組んできたのかについてです。
県教育
委員会では、体罰を含む非違行為の根絶のため、各市町村教育
委員会教育長及び各県立学校長に対し、機会あるごとに会議や通知等により指導の徹底を要請するとともに、総合学校教育センターで実施している教
職員の研修等の際には服務規律に関する講義を行っているほか、校長会、各種研修会、学校訪問等様々な場面において指導の在り方について指導・助言しております。
また、4月には「体罰のない学校づくりのために」、これは教
職員用リーフレットですけれども、これを作成・配付し、各学校の校内研修会等の機会での活用を促すことにより、体罰禁止の徹底を図っております。
実際、学校におきましては、校内研修の中で、リーフレット等を活用して自らの指導方法を振り返ったり、校内の指導体制等や体罰に関する通知等の共通理解を図る、生徒及び教
職員を対象に体罰に関するアンケートを行う、部活動顧問会議で指導や体罰について注意するなど、体罰禁止に取り組んでおります。
次に、今後、県教育
委員会ではどのような取り組みをしていくのかについてです。
現在、各学校における体罰禁止に係る研修等の
実施状況の調査を行っておりますので、その取り組み事例を
情報共有し、さらなる取り組みを求めることとしております。
また、総合学校教育センターでは、今年度新たに体罰問題等に関する特別セミナーを開催するとともに、「運動部活動の研修講座」において体罰禁止を含めた部活動の充実に向けた講義を行うこととし、体罰の禁止を徹底することとしております。
最後に、今後どのようにして体罰の実態把握をしていくのかについてです。
県教育
委員会では、9月4日付で発出した通知で、各学校において、万が一、教員が体罰をした場合、管理職に報告しやすい環境を整備すること、また、管理職は、教員から体罰の報告を受けた場合や児童生徒、保護者から体罰に関する訴えを受けた時点で、結果的に体罰ではなかったとしても、直ちに教育
委員会へ報告することを徹底したところです。
また、このほかの実態把握の方法につきましては、今後検討することとしておりますが、例えば、学校が行っている既存のアンケートの活用とか、相談電話等の活用による把握などの方法を検討しています。
46 ◯中村
委員
言うまでもなく体罰の児童生徒の心身における人権問題ですね、人権侵害です。ですから、これからもさらに徹底して真摯に取り組んでほしいと思います。
47
◯相川委員長
ほかに質疑はありませんか。──熊谷
委員。
48 ◯熊谷
委員
本年2月の一般質問におきまして、内閣府が自立した一人の人間として力強く生きていくための総合的な力と定義づけております人間力について、本県の教育分野においても定義づけをして育成するべきではないかという私の問いに対しまして、教育長からは、「人間力は県教育
委員会が育成に努めている生きる力と同義として捉えている」ということでした。そして、「学校教育を中心とした縦の連携と、学校・家庭・地域の横の連携により、具体的な取り組みを進めていく」とのことでしたが、この取り組みは、今、県教育
委員会が進めており、今年度掲げた3本の施策の柱の1つでありますキャリア教育の取り組みのことだと思います。
そして、たった今配付されました報告書の中では、48ページからの施策の7の中にキャリア教育について記されておりますが、キャリア教育について今日は何点かお伺いさせていただきます。
初めに、平成23年に中央教育審議会が示したキャリア教育の目指すところと、学習指導要領のねらいとなっている「生きる力」を育むということは、私は同義ではないかと考えております。
そこで、県教育
委員会では、キャリア教育の意義と必要性について、どのように認識しているのかお伺いいたします。
49 ◯成田学校教育課長
今、
委員の御質問にありました「生きる力」とキャリア教育のねらいについては、
委員の御指摘のとおりと考えてございます。
それでは、キャリア教育の意義と必要性についてお答えいたします。
今日、若者の勤労観、職業観の未成熟や、社会人・職業人としての基礎的、基本的な資質・能力の不十分さが指摘されております。このようなことから、子供たちが自己の生き方や職業について目標を持ち、将来直面する様々な課題に柔軟かつたくましく対応できるための「生きる力」を身に付けることが強く求められております。
このため、県教育
委員会では、本県の子供たち一人一人の社会的・職業的自立に向け、郷土に愛着と誇りを持ち、チャレンジ精神あふれる人間として育つよう、その基盤となる資質、能力、態度を培うためのキャリア教育を推進することが重要であると考えております。
50 ◯熊谷
委員
御答弁いただきましたとおり、この報告書とほとんど同じような内容だったかと思いますが、キャリア教育の意味と必要性については全く同感であります。
また、教育
委員会が昨年3月に策定いたしましたキャリア教育の指針を読まさせていただきました。非常にすばらしい指針だとは思いますが、実行していくにはなかなか教育現場も苦労するのではないのかなという感じも持ちました。
特に、既存の教育活動をキャリア教育の視点で捉え直すということが明記されておりますが、そのためには、まずは実施に向けた校内の体制づくりが必要ではないかと思います。
そこで、キャリア教育を効果的に推進させていくためには、各学校の校内体制を充実させていく必要があると思いますが、小・中・高等学校別の全体計画や年間指導計画の策定
状況並びにキャリア教育担当教員の校内分掌への位置づけの
状況についてお伺いいたします。
51 ◯成田学校教育課長
平成24年度の県内小・中学校におけるキャリア教育の全体計画や年間指導計画の作成
状況は、小学校が約77パーセント、中学校が約78パーセントで、前年度と比較し、小学校が約33ポイント、中学校が約30ポイントの増加となっております。
高等学校においては、すべての学校で総合的な学習の時間の全体計画や年間指導計画が作成され、その中にキャリア教育に関する活動が網羅されているところでございます。
また、平成24年度のキャリア教育担当教員を校内分掌に位置づけている学校の割合は、小学校が63パーセント、中学校が66パーセントで、前年と比較し、小学校が27ポイント、中学校が31ポイントの増加となっております。高等学校においては、進路指導部、教務部等が中心となって具体的な計画を立て、キャリア教育を推進しております。
52 ◯熊谷
委員
各学校の計画の策定、そして担当
職員の位置づけ等、体制づくりが進んでいるということだと思います。
平成23年に中央教育審議会から今後のキャリア教育の在り方についての答申を受けて、教育
委員会でも、先ほど言いました指針の策定、それと一般質問で教育長に御答弁いただきました学校間、学年間などの縦の連携、学校・地域・家庭等との横の連携によるキャリア教育を推進するなどの取り組みを行っているということで、この報告の中に記されておりますが、改めまして県教育
委員会が平成23年度に取り組んでいる「明日へはばたけあおもりっ子キャリア教育推進事業」及び学校におけるキャリア教育を地域が支える仕組みとして平成24年度から取り組んでいる「地域の力で夢を育む教育支援プラットフォーム事業」のこれまでの取り組み
状況と具体的な成果についてお伺いいたします。
53 ◯成田学校教育課長
最初に、「明日へはばたけ」の事業について御回答いたします。
本事業は、小・中・高等学校の一貫したキャリア教育の指針を策定し、各学校のキャリア教育の指導体制及び全体計画等を整備するとともに、地域の特性を生かし小・中・高等学校が連携した効果的な指導方法を確立し、広く県内普及させることを目的としております。
県教育
委員会では、平成23年度に「青森県教育
委員会キャリア教育の指針【総論編】」を作成し、24年度には「青森県版キャリアノート」を作成いたしました。
これらの取り組みを通して、学校におけるキャリア教育の方向性が明確に示されるとともに、日常の実践の中でキャリアノートが活用されてきております。
なお、今年度は、各学校の取り組みの好事例をまとめた実践編を作成することとしております。
また、本事業の研究指定校においては、それぞれの地域の小・中・高等学校が連携し、特色のある取り組みを実践しております。
具体的には、高校生による中学校への出前授業、NPO法人と連携した職場体験活動やインターンシップの実施、文化祭や運動会での校種間の交流などが行われております。
これらの取り組みを通して、子供たちにはしっかりとした勤労観や職業観、具体的な目標や将来の夢が育まれるなどの成果が挙がっております。
54 ◯中野生涯学習課長
「地域の力で夢を育む教育支援プラットフォーム事業」の取り組み
状況と成果についてお答えいたします。
本事業では、学校と企業・NPO等を結ぶ仕組みである教育支援プラットフォームを県内各地区に構築し、ボランティアである教育支援活動推進員が学校の希望に応じて、企業等が行う出前授業のプログラムを紹介したり、職場体験活動の受入れ先のコーディネートを行っております。
これまでに、本プラットフォームの仕組みを活用し、出前授業や職場体験活動等を行った学校数は、昨年度は37校、今年度は8月末現在19校となっております。
また、本事業には今年8月末現在、835カ所の企業・NPO等が協力しており、32名の方が教育支援活動推進員として活躍しております。
このような取り組みを通じて、学校では地域の教育資源を活用した学習活動の重要性に対する認識の高まりが見られております。また、企業等においても社員の仕事への意欲や誇りの向上につながるとともに、教育支援活動に対する意識が高まっているとの声が出ております。
これらのことから、学校におけるキャリア教育を地域が支える仕組みづくり、人づくり、ネットワークの形成が着実に進んでいるものと捉えております。
55 ◯熊谷
委員
これまでの取り組みの中で、確かに体験活動は成果が出ているんだと思います。
先日も、これも学校教育課だと思いましたが、東日本大震災で被災した被災地に高校生が行って、交流活動とかボランティアをやってくる。実際に行った学校長と話もしたのですけれども、非常にいい体験をさせていただいたという報告をいただいております。
また、ある幼稚園に行ったときに、たまたま八戸のグッドジョブといいまして、職場体験をしてきたわけですけれども、そのとき、実際に体験している子供と話をしてみても、戸惑っている感もありますけれども、いい学びをしているなということも感じ取りました。
ただ、一方で、日常の教育活動の中でキャリア教育の視点を持った取り組みを実際に進めるということになると、何となく私は素人だからなのかもしれませんが、イメージが湧きづらいなという気がいたします。そしてまた、もしかすると教育現場での時間の確保が必要なのかもしれませんし、それでなくても多忙を極めているといわれている教
職員の負担、特に教
職員のキャリア教育に対する意識、あるいは資質の向上、さらにはキャリア教育の評価はどのように行うのかという課題があるように思います。
そこで、県教育
委員会並びに各学校のこれまでの取り組みを踏まえて、キャリア教育を推進していく上での課題を県教育
委員会がどのように捉え、今後どのように対応しながら取り組みを進めていくのかお伺いいたします。
56 ◯成田学校教育課長
キャリア教育を推進する上での主な課題としましては、例えば、1つに教
職員間でキャリア教育に対する共通認識を持つことで、
委員御指摘のとおりでございます。
2つ目に、発達段階に応じたキャリア教育に係る指導を継続的に行うこと。
3つ目として、職場体験活動・インターンシップ等を行う際に協力していただける事業所を確保することなどが挙げられます。
これらの課題に対しましては、教
職員を対象としたキャリア教育の研修をさらに充実させるとともに、各学年間や校種間で連携を図り、キャリア教育の指針及びキャリアノートの継続的な活用を促進してまいります。
また、関係部局や
関係機関と連携を深めることで、事業所の確保や協力体制の強化に努め、より効果的な職場体験活動・インターンシップ等の実施に向け、各校の取り組みを積極的に支援してまいります。
県教育
委員会としましては、今後とも学校種を越えた「縦の連携」と、家庭や地域、企業等の
関係機関との連携・協力といった「横の連携」を図り、本県のキャリア教育の充実に取り組んでまいります。
57 ◯熊谷
委員
教育現場に実際にいる小学校・中学校・高等学校、それぞれの教
職員の方々とも、ちょっとキャリア教育について意見交換をさせていただきました。
まずは、先ほど御答弁の中で共通認識を持つことが必要だと課題として挙げられておりましたが、正直に言って、キャリア教育に対する関心、あるいは意義、熱心さというものが、教
職員によってかなり開きがあるなということを痛感いたしました。
それと今はモデルケースの段階だと思いますが、施策の柱に県が掲げているわりには申し訳ないのですが、県教育
委員会が考えているほどキャリア教育そのものが周知されていないなという感も持ちました。
また、話をする中で具体的な方法が分からないという意見もちょっとあったんですが、それは例えばキャリアノートの活用が私は有効だと思うんですけれども、キャリアノートが活用されている、そしてまた継続的に活用をこれからさせていくということでしたけれども、これもキャリアノートの存在そのものが現段階ではまだあまり徹底されていないのではないのかなという感じを私は持っております。
キャリア教育自体は、私が言うまでもなく、最初に御答弁いただいたとおり大切な教育だと思います。また、国の意向には従っていく必要があるんだと思いますが、特に指導主事の方々は現場のことが分かっているはずですので、新たにこれから指針を策定されるということですけれども、キャリア教育が効果的に、着実に浸透していくためにも、教育現場が組織的に、計画的に、そして現実的に対応できるような指針策定と指導が必要ではないかと思います。
キャリア教育を通して本県の子供たちの生きる力、そして私は人間力という言葉を使わせていただいておりますけれども、育まれていくことを期待しております。
58
◯相川委員長
ほかに質疑はありませんか。──
川村委員。
59
◯川村委員
2点ほどお尋ねをしたいと思います。
最初に、全国学力テストについてであります。今年4月、4年ぶりに悉皆方式、全員参加方式で2013年度全国学力・学習
状況調査が全国の小学6年、中学3年を対象に実施されまして、文部科学省は8月27日に結果を公表いたしております。
本県の科目別正答率では、国語Aで小学校が2位、中学校が5位となるなど、好成績が目立っております。また、全科目においても平均を上回る好結果であったと思います。
そこで伺います。県教育
委員会は、今回の調査結果をどのように受け止めているのかお伺いいたします。
60 ◯成田学校教育課長
今年4月24日、文部科学省は、全国の小学校第6学年及び中学校第3学年の児童生徒を対象に、国語と算数・数学のいわゆる学力の調査と生活習慣等に関するアンケート調査を実施いたしました。
調査結果をみますと、本県公立小・中学校の児童生徒の学力は、知識を問う問題及び知識や技能を活用する問題のいずれにおいても平均正答率が全国平均を上回っていることから、全体としては比較的良好であると捉えております。
これは、本県の児童生徒が主体的に学習に取り組んできたことや、各学校が積極的に授業改善を行い、きめ細かな指導を積み重ねてきたこと等によるものと受け止めております。
なお、中学校国語及び数学の知識や技能を活用する問題については、平均正答率が全国平均をわずかに上回ったものの、さらに改善に努めていく必要があると考えております。
また、生活習慣等に関するアンケート調査から、本県の児童生徒は比較的家庭で復習する習慣や規則正しい生活習慣が身に付いていること等が明らかとなっており、これらのことも本県の児童生徒の学力向上につながっているのではないかと考えております。
一方で、家庭学習にかける時間が短いという課題が認められており、十分な学習時間の確保が必要であると考えております。
61
◯川村委員
家庭学習にかける時間が短いという課題もあるようでありますが、この調査結果が児童生徒の将来の進学、あるいは就職活動に有効に活用されなければいけないのではないかと私は受け止めておりますけれども、調査結果を県教育
委員会として、どのように今後活用していくのか伺います。
62 ◯成田学校教育課長
県教育
委員会では、全国学力・学習
状況調査が始まった平成19年度当初から、調査の結果を分析することで本県の児童生徒の学力面での課題を把握し、様々な方策を講じて、その解決に努めてまいりました。
今年度の調査につきましても、現在、調査結果について詳細な分析を進めている最中であり、今後、各教科の問題の正答率やアンケート調査の結果等が明らかとなった課題について、改善すべき事柄や指導事例を示した報告書を作成し、教育事務所や市町村教育
委員会及び小・中学校等に配付することとしております。
これを受けて、教育事務所や市町村教育
委員会では、学校訪問や研修会等を通じて指導方法等について具体的な指導助言を行います。
また、各学校では、報告書や学校訪問等での指導助言を基に、自校の課題とその改善策を明らかにし、具体的に授業や一人一人の学習習慣等の改善に取り組んでいくことになります。
県教育
委員会としましては、引き続き、全国学力・学習
状況調査の結果を積極的に活用し、市町村教育
委員会及び学校と連携して、本県児童生徒のさらなる「確かな学力」の向上に取り組んでまいります。
63
◯川村委員
本県独自に調査結果を分析して、今後に生かしていくという決意でございますので、よく理解いたしました。
この学力テストでトップクラスにあるのが隣の秋田県でありますけれども、秋田県では県独自にこの学力調査を実施していること、またインターネット上で自己採点の結果の集計分析をするためのシステムを独自に構築していることで、これを提供しているということから、各学校における課題を整理して、さらなる改善への取り組みがなされているということ、また県教育
委員会における成果、課題も明確にし、指導改善、十分な取り組みがなされていると伺っております。
青森県は青森県独自の対策があると思いますけれども、全国で学力向上のために様々な取り組みがなされておりますので、是非、それらも参考にしながら引き続き、さらなる学力のアップに取り組んでいただきたいということを申し上げる次第であります。
次に、先ほど佐藤教育次長のほうから伺いました世界遺産を目指す縄文遺跡群の推薦先送りについてお伺いいたします。
相川
委員長の大変な御配慮で、当
委員会として県内の重要遺跡、あるいは先般は北海道の遺跡の現地調査をすることができまして、私は非常に未熟だったわけですが、だいぶ理解を深めることができました。改めて感謝を申し上げたいと思います。
残念ながら本年度は推薦の先送りとなったわけでありますが、私は勝負はこれからではないかと思っております。明年度以降の推薦獲得に向けて、是非総力を結集して取り組んで行くべきだと思っております。
そこで改めて、今確認させていただきますが、これまでの取り組みの経緯についてお伺いいたします。
64 ◯岡田参事(文化財保護課長)
それでは、これまでの取り組みについて説明いたします。
北海道、青森県、岩手県及び秋田県並びに関係自治体では、縄文遺跡群世界遺産登録推進本部を組織し、平成27年度の世界遺産登録を目指し、「縄文遺跡群」の顕著で普遍的な価値の学術的な証明や国内外の類似資産との比較研究を行うとともに、国際会議を開催し、世界遺産登録推薦書原案の作成に取り組んでまいりました。
また、4道県共通リーフレットの作成や共同ホームページを立ち上げたほか、民間団体との連携により、世界遺産登録に向けた気運醸成や普及啓発活動を行うなど準備を進め、本年7月には、世界遺産登録推薦書原案を、同推進
本部長である三村知事から青柳文化庁長官に提出したところであります。
しかし、御報告にもありましたとおり、「縄文遺跡群」については、今年度の推薦にはならなかったものであります。
今後については、「これまでと同様、国内外の専門家の助言や文化庁の指導を受けながら、早期にユネスコへ推薦していただけるよう全力で取り組む」と、同推進
本部長であります三村知事の意向が示されております。
65
◯川村委員
冒頭、文化審議会での次期世界遺産推薦候補の審議結果についての報告があったわけでありますが、県として、今後推薦の実現に向けてどのような取り組みを行っていくのか。先ほどの報告の中にも若干この課題の整理ということについて触れられておりましたけれども、その点についてお伺いしたいと思います。
66 ◯岡田参事(文化財保護課長)
今後の取り組みについてでありますが、文化審議会世界文化遺産・無形文化遺産部会及び同世界文化遺産特別
委員会は、非公開で審議が行われており、審議内容が明らかになっていないことから、早期に文化庁からその内容を確認するために、現在、
協議のための日程調整を行っているところであります。
今後は、縄文遺跡群世界遺産登録推進専門家
委員会及び文化庁の指導や助言をいただいて、聴取した内容を整理、検討の上、縄文遺跡群世界遺産登録推進本部で、世界遺産登録に向けた新たな取り組み目標等について
協議、決定し、推薦の実現に向けて全力で取り組んでまいります。
67
◯川村委員
文化審議会でその内容が非公開ということでありますが、なぜ推薦に至らなかったかというのは聞いてみないと分からないわけでありますけれども、一般的にみて課題がいくつかあるのではないかと私自身は考えております。
というのは、例えば長崎の教会群とキリスト教関連遺跡群については、近世の歴史事でありますから、国際的にも非常に認知度が高いのかなと思いますけれども、それに比べて縄文遺跡の場合は、数千年も前の世界ですから、例えば県民にしてもまだまだ理解が不足であるということ、また国際的にも知名度がまだ低い部分があるのではないかというのが課題の1つだと思っております。
また、この18の遺跡が遺跡群として登録を目指しているわけでありますが、それらの保全管理もまだまだ課題もあるのではないかと。
また、4つの道県、あるいは市町によって、共同で連携して取り組んで行くわけでありますが、これらの官民含めた共同連携ということにも課題があるのではないかと私自身も受け止めております。
是非、私どもも自らそういう課題というものを認識しながら、今後、文化庁からどういった答えが出てくるのか分かりませんけれども、その辺の課題をしっかり整理して取り組む必要があるのではないかと思います。その点についてもお答えをいただければと思います。
68 ◯岡田参事(文化財保護課長)
繰り返しになりますが、国の審議会については審議が非公開になっておりますので、課題があるとすればそれについて具体的にお聞きして整理し、早急に取り組めるものに関しては取り組んでいきたいと思っております。
69
◯相川委員長
ほかに質疑はありませんか。──
伊吹委員。
70
◯伊吹委員
まず、先ほど報告のあった件から入らせていただきますが、体罰の実態把握に係る対応について、2点お伺いしたいと思います。
確認された110名について、そのうち10名は既に退職並びに任期満了になっているということですが、この10名について、退職者の再任用制度というのがあるのですが、再任用として採用されている方がいるのかどうなのかということと、残り100名のうちで、再任用を希望する、あるいはそれに該当する人がいた場合の対応の
考え方についてお伺いします。
71 ◯田村教
職員課長
まず最初に、10名の者が再任用されたかどうかということですけれども、いわゆる再任用制度によって定年退職したものが再任用された事例はございません。
あと、今後のことだと思いますけれども、再任用する際には勤務実績とか、その辺をきちんと判断をして再任用するということにしておりますので、その際の参考というか、そういう事実があったということを踏まえて実施してまいりたいと考えております。
72
◯伊吹委員
続いてですが、資料3の県立学校校舎等の利活用についての資料がございました。9月4日の県教育
委員会におきまして、旧青森戸山高等学校及び旧八戸南高等学校の利活用方針が決定されたということです。
そこで改めて、今回の方針決定を受けまして、今後どのようなスケジュールで手続を進めていくことになるのか、まず伺いたいと思います。
73 ◯三上学校施設課長
今後のスケジュールについてお答えいたします。
旧青森戸山高校及び旧八戸南高校は、昭和56年の建築基準法の改正による新耐震基準により建築された耐震補強等の必要のない安全性の確保された校舎等ではありますが、昭和58年の開校以来、大規模な改修工事を実施しておりませんでしたので、今回の利活用に際しましては、施設の機能回復のため屋根や外壁の防水などの外部工事、内装のリニューアルや暖房設備の更新などの内部工事が必要となります。
また、両校とも普通高校として整備されており、今回利活用する青森商業高校及び八戸第二養護学校はそれぞれ専門高校及び特別支援学校でありますことから、利活用する学校の教育内容に応じた転用改修が必要となります。
さらに、この利活用に係る整備を進めるに当たっては、教育環境の質的向上を目指し、各利活用校と教室等の配置計画などについて十分
協議をしていく必要があります。
これらのことから、
協議が円滑に進められた場合、利活用に係る整備スケジュールは両校とも最短で平成26年度に設計を行い、平成27、28年度の2カ年で改修工事を実施し、平成29年度当初から供用を開始したいと考えております。
なお、青森商業高校におきましては、現校地内に生徒会館や卓球会館など、学校後援会が所有する施設がありますことから、これらの施設の利用方法についても同様に
協議を進めてまいります。
74
◯伊吹委員
では、次の質問とちょっと重複するかもしれませんけれども、旧青森戸山高校の校舎の利活用に当たって、関連してですが、青森商業高等学校の保有する生徒会館など、県有以外の施設の
取扱いについて、どのように対応していかれるのかお尋ねしたいと思います。
75 ◯三上学校施設課長
県有以外の施設の利用方法につきましては、建物が相当年数経過しているということもありますので、使用方法については生徒たちが十分に利活用しやすいような方法はないか等々、学校
関係者と
協議をしながら、さらに検討してまいりたいと考えております。
76
◯伊吹委員
私も、学校敷地内にある生徒会館などの施設については、あるいは卓球会館ですか、そういったものがあるということをお聞きしております。生徒の安全面、また利便性、こういったことをしっかりと考えていただきながら、ただ、いずれやっぱり戸山に移るのであれば、そのことを前提とした今後の在り方についても含めて検討していかれるようお願いしておきたいと思います。
この件、3つ目でございますが、旧八戸南高校の校舎利活用についてですが、このたび、八戸第二養護学校による利活用を進めるということを決定したわけでございますが、生徒の通学手段が課題となります。この通学手段を確保するため、バス路線の増便等が必要になるかと思いますが、八戸市に対してこの増便等を要望すべきと考えますが、県教育
委員会の考えを伺いたいと思います。
77 ◯成田学校教育課長
旧八戸南高等学校校舎を利活用し、移設を進めるに当たり、在籍児童生徒の通学手段の確保については、移設前と同様に配慮が必要であると考えております。
今の
委員の御提案も含め、あらゆる
可能性について検討の上、
関係機関との調整を十分に行いながら対応してまいりたいと考えております。
78
◯伊吹委員
バス路線の維持、存続並びに増便といった点につきましては、第二養護学校の高等部の皆さんの利便性向上はもとより、実は今回、利活用されることとなる八戸南高等学校の校舎周辺地域の住民の願いでもあります。
したがいまして、是非、第二養護ができて子供たちが安心して通学できる環境、そして
地域住民も喜んで第二養護を迎え入れて、一体となって教育環境を形成していける方向に八戸市とも
協議を進めていただきたいということをお願いしておきたいと思います。
最後になりますが、本県の公立学校における不登校児童生徒の現状と対応について伺いたいと思います。
よく、新学期になると、まずはゴールデンウィーク、5月病ということが言われます。その後、夏休み、冬休みといった長期休暇明けの新学期を境とした不登校という事例が散見されると。
ちょうど今、二学期が始まりました。そこで、不登校児童生徒の現状がどうなっているのか、またその対応について伺いたいと思います。
79 ◯成田学校教育課長
昨年度公表した文部科学省の児童生徒の問題行動調査によりますと、本県公立学校における不登校児童生徒数は、小・中・高等学校の合計で1,454人となっており、前年度と比較し、213人の減少となっております。
全児童生徒数に占める不登校児童生徒数の割合は、小・中・高等学校の合計で1.02パーセントで、全国平均を0.24ポイント下回っております。
また、不登校となったきっかけと考えられる要因といたしましては、小・中・高等学校とも「無気力」「不安などの情緒的混乱」といった本人にかかわるもののほか、「親子関係をめぐる問題」や「いじめ以外の友人関係」といった対人関係にかかわるものが挙げられます。
なお、
委員御指摘のとおり、国立教育政策研究所によると、不登校になる時期として多いのは、入学式が終わり1カ月ほど経過した時期や、長期休業明けの時期となっているとのことでございます。
不登校への対応について、県教育
委員会では、各学校に対し、教育相談体制を整えることや不登校傾向の子供に対し、早期の家庭訪問や電話連絡等を通して家庭と連携することを指導しております。
また、県総合学校教育センターにおいて、不登校対策研修講座を初め、各種の研修講座を開設して教員の資質向上に取り組んでおります。
さらに、庁内には相談電話を設置して、不登校に関して子供や保護者の相談にのるとともに、専門的な知識や技能を有するスクールカウンセラーを派遣し、子供や保護者にカウンセリングを行っております。
県教育
委員会としましては、今後とも、教員の指導力の向上や教育相談体制の充実を図り、各学校での取り組みを支援するとともに、
関係機関等との連携を図りながら、不登校の未然防止及び早期解消に努めてまいります。
80
◯伊吹委員
今、御答弁の中でありました人数が、22年度に比べて23年度が少なくなっていることは傾向としては非常に好ましいなと思うのですが、多いか少ないか、見方によると思うのですが、いわば、ここで言う不登校というのは30日以上連続して欠席している児童生徒を不登校と定義づけておりますので、30日に至らない欠席者はこれには含まれておりません。
今も答弁にありました早い段階での支援がやっぱり必要で、それにどう手を差し伸べていくのか、そこが遅れれば遅れるほど長期にわたる完全な不登校傾向につながってしまうことになります。
今の夏休みが終わって、どうなんですかということで、聞き取りの段階でお尋ねしました。残念ながら、小・中については市町村が所管していますのでその把握に時間がかかると。では県立学校はどうなんですかと言ったら、公表はできないということで、残念ながら今の実態についてはお聞きすることができませんでした。
ただ、当然所管課の皆さんはその数を承知し、把握されていると思います。是非、実態を踏まえて、
関係者一丸となった体制によって不登校を防止する、抑止する、そうした取り組みをしっかりととっていただきたいと思います。
先ほどお話がありました平成25年度の教育
委員会の点検評価報告書の中にも、施策の8番で学校・家庭・地域の連携強化による社会全体の教育の事業の中で、家庭における教育力向上のための支援の充実に取り組みますといったことなどを初めとして、いくつかこれに該当するような項目もあります。そういう面では、学校現場のみならず地域全体でのサポート体制、家庭と学校現場が連携した児童生徒に対する心のケアも含めたサポート体制が必要かと思いますので、その辺、しっかりと取り組みをしていただきたいと思います。
午前中、実は
警察本部の質問の中で、私は
特異行方不明者の
事案について質問させていただきました。いわば緊急性のある
事件、事故に遭遇している
可能性があると思われる
行方不明者の
届出件数、年間で600件抱えております。その中に100件以上だったと記憶していますが未成年の方々も含まれております。これは
届出がされているものだけであります。
私、なぜここでこういう話をするかといいますと、先ほど答弁の中でありました家庭環境の問題、あるいは対人関係、いろんなことが引き金となりまして思いもよらない行動に走るといったことも十分に考えられる危険性があるのではないかと思いますし、最近の報道では連れ去りであるとか、あるいは行きずりの殺傷
事件のようなことも起きております。子供を取り巻く環境というのは決して良くはなっていない。
そうしたことを考えたときに、今、申し上げた社会全体で子供を守り支える環境づくり、これは本当に大事だと思いますので、今一度、数は公表できないとか、そういう形にこだわることなく、是非点検して、じゃあ守ろうと。今うちの学校はこうだと、この地域はこうだと。そういう中で総合力で取り組むような県教育
委員会の姿勢であっていただきたいなということをお願いして終わりたいと思います。
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◯相川委員長
ほかに質疑はありませんか。
[「なし」と呼ぶ者あり]
ないようでありますから、これをもって
教育委員会関係の審査を終わります。
以上をもって
文教公安委員会を終わります。
○閉 会 午後1時59分
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