デフレ回復と基本的な税収引き上げに必要なことは、働く世帯の賃金引き上げと雇用の拡大、中小企業対策などであります。
職員の給与費削減は、民間への連動、
地域経済や職員のやる気にも影響を及ぼすものであり、これ以上強行してはならないと考えます。また、学校で働く臨時講師のいわゆる空白の一日問題での解決を年金機構の見解に沿って解決すべきです。
私立高校に対する一人当たりの経常費補助単価は、国からの補助単価が上がっている一方、県の上乗せ分を減らし続けていることから十年間変わっておらず、私学関係者を落胆させています。知事は就任から人材育成を重要な柱としてきたが、私立学校への経常費補助の単価は十年間一円も上がっていない。私学の置かれている状況を直視してほしいとの声が上がっています。
議案第十七号、十八号、二十号及び二十一から二十三号については
地域主権一括法に絡んだ
条例案であり、この法律には、最低基準の
引き下げや要件緩和、人員削減、民営化の促進、国のナショナルミニマム保障における責任と
財政負担の縮減が意図されており、反対するものです。
議案第十九号「青森県新型インフルエンザ等対策本部
条例案」は、国の新型インフルエンザ等対策特別措置法案に基づくものですが、危機対策として、強権的に集会や施設を制限することについて懸念が寄せられており、国民的な議論が不足しているという問題点があります。
議案第二十五号「障害者自立支援法の一部改正に伴う関係
条例の整備に関する
条例案」は、改められた障害者総合支援法に基づくもので、障害者の範囲に難病患者を加え、身体障害者に限られていた重度訪問介護の対象を重度の知的障害者、精神障害者にも拡大されることなどが盛り込まれていますが、障害者も加わった総合福祉部会が提言した障害者を権利の主体として明記することや支援の無料化などが新法に盛り込まれていないことなどの問題があります。
議案第二十八号「青森県知事の権限に属する事務の事務処理の特例に関する
条例の一部を改正する
条例案」については、パスポート窓口を弘前市に
権限移譲させるというものであり、県民の利便性が向上されるという一面もあります。しかし、開設される予定の弘前市駅前分庁舎は、ビルの運営会社がビル全体を四億数千万円で購入し、その三階フロアを弘前市が六億一千百万円で購入したものであり、整備事業費は全体で八億一千三百万円にも及び、パスポート窓口を含めた分庁舎開設について、市民の間でも意見が二分されています。また、人件費の負担を弘前市に負わせることにも異議があります。
議案第二十九号「職員の
退職手当に関する
条例等の一部を改正する
条例案」は、
国家公務員退職手当法の改正に準じ、官民格差約四百万円の
退職手当水準の
引き下げを行うとするものですが、そもそも
国家公務員退職手当削減法案は、昨年十一月十六日、衆議院解散のどさくさに紛れてほとんど審議すらすることなく強行成立させたものです。こうした乱暴な
引き下げについて、国に準ずるということが大原則と言われても納得できるものではありません。
議案第三十六号「青森県病院事業
条例の一部を改正する
条例案」は、県立中央病院の非
紹介患者初診料の額を千五百七十五円から二千百円に改めるというものでありますが、皆保険制度の原則は、すべての診療を保険診療で受けられるようにするというものであり、二百床以上の病院に非
紹介患者初診料を徴収できることとした国の制度自体に問題があると考えます。また、どこの医療機関に行くかを選択するのは患者の自由であり、今回の値上げが受診抑制につながり、病気の重症化を生まないか懸念されます。
議案第三十八号「青森県学校職員定数
条例の一部を改正する
条例案」について、このたびの改正内容は、法定数に合わせ、児童生徒数の減により合計二百九十三人の学校職員を減らすというものです。今日的問題になっているいじめによる子供の自殺を防ぎ、教職員の精神性疾患などでの休職者を減らすという課題に取り組むべきであり、今こそ、教職員の数を減らさず、一学級の児童生徒数減のために活用する決断を図るときです。
諸外国の一学級生徒数は、アメリカ、ドイツ二十四人、英国三十人となっており、日本のおくれが目立ちます。前政権が五年間で全学年を一クラス三十五人にするとした約束を自民党政権がこれをほごにしたのは許されません。
議案第二十六号「青森県
地域県民局及び行政機関設置
条例の一部を改正する
条例案」については、
社会福祉法人及び社会施設の
指導監査に関する
事務等について、
県内全域を
東青地域県民局に集中させ、より充実した
指導監査を図るというものであり、
社会福祉法人での不祥事などが相次ぐ中、
指導監査の強化を図ることは重要と考え、賛成します。しかし、これを突破口に県民局の縮小を図るようなことがないよう意見を付しておきます。
最後に、知事
報告にあった茂木経済産業大臣への確認・要請についてにかかわり、一言意見を述べさせていただきます。
東京電力福島第一原発事故は、収束にはほど遠く、敷地内での日々ふえ続けている放射能汚染水の処理問題は深刻で、あと二年ぐらいで貯蔵タンクの置き場がなくなるという事態です。東電は、海洋放出を狙っており、放射性トリチウムを含む汚染水を海洋に大量放出すれば、海洋生物に取り込まれ、最終的には人間が体内被曝するという深刻な事態になります。
茂木大臣が、原子力規制
委員会による安全性の確認を前提として再稼働を進めていくといいますが、七月までに策定するという新安全基準は、事故原因もいまだにわかっていない中でのものであり、消防車や電源車を配置するなど、対症療法的な対策を並べたにすぎません。このような緊急対策での原発再稼動など絶対に許されません。
特に本県の東通原発、大間原発、六ヶ所の再処理工場はすべて敷地内及び近くに活断層の存在が指摘されており、厳重な調査が求められています。十月に完成予定の再処理工場は、十九回も竣工延期を続けてきたものであり、取り出したプルトニウムを使うはずのもんじゅもトラブルでとまっていることを考えれば、技術、安全性、コストを考え、核燃サイクルはとめるべきと考えます。
高レベル放射性廃棄物は、地下三百メートルの地層に埋めるとしても、放射能が十分に下がるまで数万年もかかるのです。こんな恐ろしいものをどれだけのお金を積まれても、手を挙げる自治体は出てこないというのが実態です。
知事が基本姿勢として掲げる安全・安心ですぐれた農林水産物を育む日本一健康な土ときれいな水
づくりを県内外、外国にもアピールするのであれば、原発も核燃もなくす以外ないということを申し上げ、一部
反対討論といたします。
26
◯議長(西谷 洌) 賛成討論、四番寺田達也議員の登壇を許可いたします。──寺田議員。
27 ◯四番(寺田達也) 自由民主党の寺田達也です。
賛成討論を行います。
本定例会に提出され、本日採決に付されますのは、
議案第一号「平成二十五年度青森県
一般会計予算案」を初めとした議案第十六号までの予算案十六件、
議案第十七号から
議案第四十二号までの
条例案二十六件、議案第四十三号から議案第四十九号までの単行
議案七件であり、そのすべてに賛成及び同意するものであります。
これらのうち、まず、
議案第一号「平成二十五年度青森県
一般会計予算案」について見解を申し上げます。
未曾有の被害をもたらした東日本大震災の発生から早くも二年がたちました。県は、平成二十四年度を復興元年と位置づけ、三村知事を先頭に、さまざまな分野における復旧・復興に全力で取り組んでいただきました。その結果、震災直後のあの状況からは想像もできないような目覚ましい復旧・復興を遂げたものと実感しております。
港湾、漁港などの主要インフラ施設はほぼ復旧が完了し、被災した漁船もその八割以上が再取得を果たしました。瓦れき等の災害廃棄物の処理も年度内に完了の見通しとなっているほか、観光客の入り込み数も震災前の水準にまで回復しております。また、震災による離職者の雇用、被災中小企業へのグループ補助や金融支援も最大限の対応をしていただいた結果、求人状況の好転、倒産件数の減少に着実につながっているものと考えております。
さらに、県外からの避難者の受け入れ、被災三県への応援派遣など、東北全体の復旧・復興にも力を注いでいただいているところであり、三村知事を初め、職員の皆さんの復興にかける真摯な姿勢と、この二年間のひたむきな御努力に改めて敬意と感謝の意を表するものであります。
また、平成二十五年度当初予算においては、防災公共の
取り組み推進、防潮堤の整備、漁船の避難対策、石油燃料の安定供給対策、物流拠点機能の強化など、震災の教訓を生かし、復興ビジョンの着実な推進を図るとともに、単なる復旧にとどまらない創造的復興に向けた
取り組みについても数多く盛り込まれており、その成果に大いに期待するところであります。
その他の重要施策においても、六次産業化や
地域経営など、攻めの農林水産業の推進、輸出、海外ビジネスの促進、ライフ分野などの本県の強みを生かした成長産業の創出、育成、金融円滑化法の終了に対応した中小企業金融対策、白神山地の世界遺産登録二十周年や三陸復興国立公園の指定、そして、北海道新幹線開業を契機とした全県的な観光振興、救急医療や
地域医療の
充実強化など、新年度予算は、我が自由民主党青森県支部連合会との政策協定及びこれに基づく知事への要望を踏まえ、県政のあらゆる重要課題に積極果敢に対応し、具体の施策推進を図られたものと受けとめるとともに、三村知事の県政に対する強い思いも感じたわけであります。
そして、その三村知事が就任以来懸命に進めてきた行財政改革の
取り組み、この地道な努力があったからこそ、震災対策はもちろん、このような積極的な予算編成が実現できたものと大いに評価するところであります。
三村知事におかれましては、どうかこれまで以上に強いリーダーシップを発揮され、また、執行部におかれましても、新年度予算における各種施策の効果が最大限発揮されますよう、万全の対応をお願いしたいと思います。
次に、
議案第二十九号「職員の
退職手当に関する
条例等の一部を改正する
条例案」について見解を申し上げます。
本
条例は職員の
退職手当の
支給水準を
引き下げるものでありますが、国に準じた取り扱いであり、他県においても同様の対応としていること。段階的な
引き下げや、実施時期を平成二十五年四月一日からとするなど、職員の将来設計や、いわゆる駆け込み退職の防止等に配慮したものであること、また、職員組合からも理解を得ていることなどを踏まえ、賛成するものであります。
ただし、職員の待遇について一点お願いしたいことがございます。今回の
退職手当引き下げに続いて、職員の給与削減も検討されていると聞いております。その検討に当たっては、最もお金のかかる子育て世代の経済的負担に配慮していただきたい。なぜなら、子育て世代は、少子化・
人口減少対策、消費の拡大など、本県が抱える課題解決のための最重要プレーヤーであるからであります。こういった子育て世代に大きな負担とならないよう、最大限の配慮をぜひともお願いしたいと思います。
最後になりますが、今月をもって退職されます職員の
皆様方には、長年の県政への御尽力に心から敬意を表しますとともに、今後の新たな人生における御活躍を祈念申し上げたいと思います。
以上、賛成討論といたします。
28
◯議長(西谷 洌) これをもって討論を終わります。
──────────────────────
◎ 議 案 採 決
──────────────────────
29
◯議長(西谷 洌) これより
議案の採決をいたします。
議案第四十八号「青森県人事
委員会委員の選任の件」、本件に同意することに賛成の方は御起立を願います。
〔賛成者起立〕
30
◯議長(西谷 洌) 起立総員であります。よって、本件は同意されました。
議案第四十九号「青森県監査
委員の選任の件」、本件に同意することに賛成の方は御起立を願います。
〔賛成者起立〕
31
◯議長(西谷 洌) 起立総員であります。よって、本件は同意されました。
議案第十六号及び
議案第二十八号、以上二件は所管
委員長報告どおり原案に賛成の方は御起立を願います。
〔賛成者起立〕
32
◯議長(西谷 洌) 起立多数であります。よって、原案は可決されました。
議案第一号、議案第二号、議案第四号、議案第九号、議案第十七号から議案第二十三号まで、議案第二十五号、議案第二十九号、議案第三十号、議案第三十六号、議案第三十八号、議案第三十九号、議案第四十一号、議案第四十二号、
議案第四十五号及び
議案第四十六号、以上二十一件は所管
委員長報告どおり原案に賛成の方は御起立を願います。
〔賛成者起立〕
33
◯議長(西谷 洌) 起立多数であります。よって、原案は可決されました。
議案第三号、議案第五号から議案第八号まで、議案第十号から議案第十五号まで、議案第二十四号、議案第二十六号、議案第二十七号、議案第三十一号から議案第三十五号まで、議案第三十七号、議案第四十号、議案第四十三号、
議案第四十四号及び
議案第四十七号、以上二十四件は所管
委員長報告どおり原案に賛成の方は御起立を願います。
〔賛成者起立〕
34
◯議長(西谷 洌) 起立総員であります。よって、原案は可決されました。
──────────────────────
◎ 請 願 採 決
──────────────────────
35
◯議長(西谷 洌) 次に、請願の採決をいたします。
請願受理番号第一号及び請願受理番号第二号、以上二件に対する
委員長報告は不採択であります。
以上二件は、所管
委員長報告どおり不採択とすることに賛成の方は御起立を願います。
〔賛成者起立〕
36
◯議長(西谷 洌) 起立多数であります。よって、請願受理番号第一号及び請願受理番号第二号は不採択とすることに決定いたしました。
次に、お諮りいたします。
委員会審査報告書中、特定付託案件について閉会中の継続
審査の申し出があります。これを継続
審査に付することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
37
◯議長(西谷 洌) 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
──────────────────────
◎ 発 議 案 上 程
──────────────────────
38
◯議長(西谷 洌) 発
議案が提出されましたので、お手元に配付してあります。
発議第五号及び発議第六号を
一括議題といたします。
──────────────────────
◎ 発 議 案 採 決
──────────────────────
39
◯議長(西谷 洌) お諮りいたします。発議第五号及び発議第六号は、提案理由説明、質疑、
委員会付託及び討論はいずれも省略し、直ちに採決いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
40
◯議長(西谷 洌) 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
これより発
議案の採決をいたします。
発議第五号及び発議第六号、以上二件の原案に賛成の方は御起立を願います。
〔賛成者起立〕
41
◯議長(西谷 洌) 起立総員であります。よって、原案は可決されました。
なお、意見書の取り扱いについては本職に御一任願います。
──────────────────────
◎ 各常任
委員会委員選任
──────────────────────
42
◯議長(西谷 洌) 各常任
委員の選任を行います。
お諮りいたします。常任
委員については、
委員会条例第五条第一項から第三項までの規定により、お手元に配付の常任
委員会委員選任名簿のとおり指名いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
43
◯議長(西谷 洌) 御異議なしと認めます。よって、常任
委員はお手元に配付の名簿のとおり選任することに決定いたしました。
──────────────────────
◎ 議会運営
委員選任
──────────────────────
44
◯議長(西谷 洌) 次に、議会運営
委員の選任を行います。
お諮りいたします。議会運営
委員については、
委員会条例第五条第一項及び第三項の規定により、お手元に配付の議会運営
委員会委員選任名簿のとおり指名いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
45
◯議長(西谷 洌) 御異議なしと認めます。よって、議会運営
委員はお手元に配付の名簿のとおり選任することに決定いたしました。
──────────────────────
◎ 特定案件議会運営
委員会付託
──────────────────────
46
◯議長(西谷 洌) 次に、議会運営
委員会に対する特定付託案件を議題といたします。