26
◯安藤委員
減反に協力する
農家の
方たちが
所得補償制度によって
転作作物をつけて、そして何とか
農業を継続できる条件がこの
所得補償制度によって補償されているということについては、やっぱり
農家の
方たちは継続を求める声があるかと思うのですが、来年度以降の
制度内容についてはどういう
状況になるのか伺いたいと思います。
27
◯黒滝農産園芸課長
国では、来年度については、既に
農家等がこれまでの
制度を前提として
営農準備を進めていることから、現場の混乱を避けるため、名称を
経営所得安定対策に変更しましたが、
交付対象や
交付単価等については
平成24年度と同じにするとしています。
なお、国では、
平成26年度以降については、
農業の
多面的機能を評価した日本型直接支払及び新たな
経営所得安定制度を中心とする
担い手総合支援の
制度を新たに創設することとし、その
調査費として
平成25年度当初
予算に
所要額を計上しているところです。
28
◯安藤委員
野菜や果樹にも
対象を広げてほしいという声が上がっていると聞いているのですけれども、
県内で
所得補償制度に対しての要望だとか意見だとか、
関係団体などから上がっているものでしょうか。
29
◯黒滝農産園芸課長
県内で上がっているのは、基本的に、
制度を継続してほしいということが1つと、あとは、そういう
予算をしっかり確保してほしい。
制度を継続してほしいというのは、余り急に変わると
農家の
経営に支障を来すので、そういう要望があります。
30
◯安藤委員
本当に
農家の方にしてみればその思いが率直なところだと思います。政権がかわるごとにころころと方針が変わるのでは、
農業の
経営方針を立てるに当たっても非常に混乱があるということだと思います。25年度は
内容的にはこれまでと変わらないということですが、それ以降についても、県としては
農家の
方たちの声も十分集約しながら国にぜひ声を上げていただきたいと思っています。
この問題は以上で終わります。
次の
質問に移ります。
原子力発電所の温
排水の影響について伺います。
東通原子力発電所の温
排水影響調査の
内容及び結果について伺います。
31
◯山内水産振興課長
県では、
事業者であります
東北電力株式会社とともに、
東通原子力発電所の温
排水が
施設前面海域及び
周辺海域に与える影響を把握するため、施設が稼働する前の
平成15年度から2年間、水温観測などの事前
調査を行い、施設が稼働した
平成17年度からは温
排水影響調査を行っております。
この
調査では、
事業者が原子力施設の取水口及び放水口の水温
調査を含めて、施設の周辺半径1キロメートルの前面海域を中心に19地点、そして、県が沖合約8キロメートルまでの16地点、合計35地点におきまして水温や塩分等の環境
調査を実施しているほか、35地点のうち、
事業者が6地点、県が2地点で魚の卵や、稚魚、動植物プランクトン等の生物
調査も実施しています。
これまでの
調査の結果、温
排水放水口から500メートル付近の放水口に近い
調査点におきましては、表層で約1度の海水温の上昇が見られたほかは、温
排水による影響は見られてはおりません。
また、生物
調査におきましても、温
排水の排出前後で、魚の卵や稚魚、動植物プランクトンの出現
状況に変化は見られておりません。
32
◯安藤委員
原発の温
排水の影響というのは、2度上がるというふうに一般的に言われていますが、今の
報告によりますと、表層の部分で1度の上昇が見られたということでしたけれども、一般的に言われている2度上昇するということと、現実の1度という、その差というのはどういうところなのでしょうか。この
調査の結果というのが東通原発の結果と捉えてよろしいものでしょうか。
33
◯山内水産振興課長
ただいまの御発言の中で2度ということであったと思いますが、今回の
東通原子力発電所の1度上昇というのは、
平成17年度からの
調査の中で1度上昇したというもので、そのときの海流とか暖流の勢力とか、それから気候とかさまざまな
要因があって一般に言われている2度ということではないということが1つと、あと、低層のほうから放水しておりますので、海面まで上昇する間に2度上昇するのか1度上昇するのか、それは拡散の範囲によって少し変わってくると考えております。
34
◯安藤委員
それでは、
調査地点においては1度の上昇ということだけれども、それは海流だとかいろいろな条件でそうなったというふうに理解してよろしいということですね。そこを確認させてください。
35
◯山内水産振興課長
そのとおりだと思います。
36
◯安藤委員
魚の卵や稚魚などには余り影響はないというお話でしたけれども、この
調査結果ではそういうことだということでしょうけれども、そのほかの
漁獲の変化とか、それからその他の近海の昆布だとかそういうものに対する影響というのはどのように認識しておられるでしょうか。
37
◯山内水産振興課長
ただいま申し上げましたとおり魚の卵や稚魚、動植物プランクトンの出現
状況には影響がないと。そのほかの魚ということでございますが、県では、
主要漁獲物動向調査ということで、サケ・マス類やイカやその他のヒラメとかさまざまな
主要魚種の
漁獲動向を
平成15年あたりから調べておりますが、温
排水による
漁獲変動はこれまでは認められておりません。また、沿岸の昆布やアワビ、その他のウニ等につきましても、通常の親潮とか黒潮の影響で
漁獲の変動はあった年もありますけれども、この温
排水による変動というのはこれまでの
調査では認められておりません。
38
◯安藤委員
それでは次に、建設が進められている大間
原子力発電所の温
排水影響調査はどのようにするのか伺います。
39
◯山内水産振興課長
大間
原子力発電所につきましては、東日本大震災発生後、施設の耐震安全性の確認や国の原子力規制委員会が策定中の新安全基準への対応などのため、現在、施設の稼働開始時期は未定となっております。
県といたしましては、今後の
動向を注視し、稼働開始時期が決まった場合には、
事業者の電源開発株式会社と
連携しながら、施設周辺
地域の漁業
関係者の意見も踏まえまして温
排水調査計画を策定し、事前
調査及び温
排水影響調査を行うこととしております。
40
◯安藤委員
今お話しされたのは、今後の稼働がどうなるかということを踏まえて影響
調査を計画していくということだと思うのですが、これまで
青森県が、大間原発の建設に絡んだ温
排水の対策といいますか、影響をどういうふうに見るかということで電源立地
地域温
排水対策事業というのをされているかと思うのですが、この
調査について、その経緯と、それから
調査の結果をどのように捉えておられるかということを伺います。
41
◯山内水産振興課長
県では、大間の
原子力発電所が稼働した場合に排出される温
排水を有効
活用するために、今、委員から御発言のとおり、電源立地
地域温
排水対策事業というものを行って、その一環として、基礎の
調査といたしまして、昭和61年度から
平成13年度まで、大間町や東通の海域及び陸上施設を
利用いたしまして、魚類や海草類、ウニなどの
調査や飼育試験を行ってまいりました。特に大間町では、ヒラメの中間育成試験や、クロソイ、ホシガレイなどの養殖試験を実施しており、養殖などが可能であることを確認しており、実際に温
排水を
活用した場合は、試験で得られた結果よりも高成長が見込まれるものと考えてございます。
42
◯安藤委員
そういう
調査結果を踏まえて、大間原発が稼働した際には温
排水を
活用した養殖をしようという、そういう計画になっているという理解でよろしいのですか。
43
◯山内水産振興課長
大間の振興プランの中で今の種苗センター──大間町にございますが──そこではアワビの種苗を生産しております。現在50万個規模で生産しておりますが、将来温
排水を
活用した場合は100万個程度の規模を見込むという計画となってございます。その他の魚類についてはまだちょっと確認してございませんが、さまざまな温
排水の熱を
利用した養殖について、実際行う場合は、先ほどお答え申し上げたとおり、可能になるものと思います。
44
◯安藤委員
温
排水を
活用した養殖ということを視野に入れているということですが、大間マグロだとか、それからウニ、アワビ、昆布などがとれる漁場なわけですけれども、こういうところへの温
排水の影響というのが東通原発では出ていませんという先ほどの話でしたけれども、大間原発が稼働されたとした場合に、温
排水によって今の豊かな漁場に変化が出るのではないかという危惧の声も大いにあるということですが、この辺について、もし御見解があったら伺いたいと思います。
45
◯山内水産振興課長
電源開発株式会社が事前に行っている環境アセスメントでは、温
排水の拡散範囲が1キロメートル以内という結果が出ております。その周辺
地域の漁業等は、ごく一部の磯根漁業が行われているものと思いますが、沖合の大間マグロとか
スルメイカの回遊、その他サケ・マスの回遊等については、今の拡散範囲から想定いたしますと影響はないものと考えております。
46 ◯宝多水産局長
ただいま、東通の事例を見て、1度の拡散範囲が非常に狭いところということで、全ての水産生物、魚卵等の生息や漁業には影響が見られていないということを申し上げました。もちろん大間も同じようにするわけであります。水産生物の生息、
漁獲量には影響がないと思われますけれども、先ほど申しました温
排水を
利用した各種試験につきましては、海の中で行っても温度差がほとんどないと想定されるものですから、そういうことを
地元で考えているのではなくて、
原子力発電所の温
排水を放出する際の海水温と放出水の水温差を7度以下にしなければいかんというものがあります。実際に放出されてしまうと、海水の容量に温
排水が負けて、すぐ1度以下になってしまうのですけれども、そうではなくて、将来
利用するとしたら、温
排水を海に流す前に、この温
排水を陸上で、もう少し温度の高い
状況で
利用するという
地元の計画があり、それについて県も試験の支援をさせていただいていたということでございます。
47
◯安藤委員
大間町がそういう思いで計画をしようということでしょうけれども、私の思いとしては、
放射性物質の影響が出ないのだろうかという不安は持ちます。温
排水を使うということでの魚への影響というのはどうなのかなという単純な思いですけれども、こういうふうな心配は特にしなくてよいのでしょうか。
48
◯山内水産振興課長
全国でも、静岡とか富山のほうでも温
排水、先ほど局長が申し上げましたとおり、温
排水の温度差を
利用した陸上養殖ということでさまざまな、マダイとかいろんな養殖をしてございます。外国におきましても温
排水を
利用した──例えば地下のパイプで老人ホームの床暖房に使うとか、スズキの養殖とかさまざまなことで温
排水を
利用した
取り組みがなされております。
大前提となるのは、放射能は微量でも漏れていないということになろうかと思いますが、それにつきましては、住民の方々は理解しており、特別温
排水で養殖したものだからということで、そういうふうな影響があって値段が低いとかそういうことは、私のほうでは確認はしてございません。そういうようなものを養殖しながら、安全で大丈夫だということを宣伝していくことが大事かと思っております。
49
◯安藤委員
大間原発が稼働されるかどうかというのは、今後の
状況を見ないと断定はできないと思いますが、そういう温
排水を使って養殖をして、その養殖の魚を
県内外の人たちに食べてもらうという方向よりも、やはり放射能の心配のない海でとれた魚を大いに食べていただく、それがやっぱり
県内外の
方たち、消費者の
方たちに安心を提供することではないかというふうに私は思います。
私の思いを述べさせていただきまして、大間原発の温
排水影響の2つ目の
質問はそれで終わりまして、もう
一つ、大間原発の温
排水が
陸奥湾の漁業に影響を与えないかということでの心配の声が寄せられています。特にホタテが海水の上昇によってさまざまな打撃があるということで、大間原発の温
排水が影響しないだろうかという声が寄せられています。この点について
質問いたします。
50
◯山内水産振興課長
事業者である電源開発株式会社が行った大間
原子力発電所建設の環境影響評価、いわゆる環境アセスメントでは、先ほど申し上げましたとおり、施設から出る温
排水の影響によりまして海水温が1度上昇する範囲は、施設の放水口から半径約1キロメートルとされております。
さらに、当発電所が建設されている場所は下北半島西側の最北端に位置し、
陸奥湾の湾口部までは約40キロメートルあること、また、津軽暖流が
津軽海峡の西から東に強く流れ、大間崎や尻屋崎を通過して
太平洋へ流れ出ており、
陸奥湾の漁業には影響を与えないものと考えてございます。
51
◯安藤委員
影響を与えないという答弁でしたけれども、もし、大間原発が稼働するということになったとしたら、ぜひ
調査はしていただきたいと思いますので、このことは要望したいと思います。
52
◯山内水産振興課長
温
排水の
調査は、大間周辺で、
事業者と同時に行うということにしてございます。
53
◯安藤委員
きょうは原発による温
排水ということでの漁業への心配からの
質問でしたけれども、ぜひ
青森県の農
水産物の安心・安全を提供するという観点から、その保証となる
調査をしっかりと行っていただきたいということを再度申し上げまして、この
質問は終わります。
それから、次の
質問ですけれども、今回の自衛隊大湊基地所属の護衛艦による定置網漁業被害について、県はどの程度把握しているのか伺います。
54
◯山内水産振興課長
当課では、去る1月21日午前2時30分ごろ、尻屋崎灯台から南約14キロメートル付近の海域において、海上自衛隊大湊基地を母港とする護衛艦「おおよど」が定置網に接触し、左舷のスクリューに定置網のワイヤーが絡まって一時航行不能となり、同日午後0時57分にそのワイヤーが外れ、現場海域を離脱したとの海上自衛隊大湊地方総監部の
情報を東北防衛局から得てございます。
なお、定置網漁業被害につきましては、東北防衛局に確認したところ、海上自衛隊と被害を受けた漁業者との間で協議が継続しているとのことでございます。
55
◯安藤委員
今回の被害がなぜ起きたのかということについては、県は
情報を得ていないのでしょうか。
56
◯山内水産振興課長
海上保安部等が事故の詳細原因を現在
調査していると聞き及んでおりますが、原因についてははっきりとは
報告を受けておりません。
57
◯安藤委員
再発を防止するためにも、なぜこういう事件が起きたのかということを、やはり県として、その
調査結果をしっかりと
報告をしていただいて、そしてまた、今回の護衛艦のこうした事件について、やはり
青森県に対して謝罪と、そして再発防止の考え方などについて、国から県に話があってしかるべきだと思いますが、県から国にそういうことを求めていくべきだと思いますが、その辺についてはどうでしょうか。
58 ◯宝多水産局長
原因究明等の
調査、
情報収集につきましては、
農林水産委員会では
所管外という御理解をいただきたいと思います。
59
◯安藤委員
実は、私自身は気象
状況の関係で参加できなかったんですが、共産党の下北地区委員会が、被害を受けられた漁業者の
方たちにお会いしました。そうしましたら、定期的に自衛隊の訓練がされていて、こうした被害が起きないような監視ということもされているようだけれども、今回のようなことが起きたのは、やはり監視の怠慢ということもあったのではないかという怒りの声もあったと聞いています。
今回は、補償については調整をされているとは思うのですけれども、被害の大きさとすればそう大きな被害ではなかったようでありますけれども、やはり大きさの問題ではなくて、漁業に対するこうした被害が及ぶようなことはあってはならないと思いますし、県としても、こちらの管轄ではないということかもしれませんけれども、再発が起きないような声を上げていただきたいと思いますので、
関係機関にぜひ取り計らっていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
以上です。
60
◯黒滝農産園芸課長
先ほど、
農業者戸別所得補償制度の米の
申請件数、2万8,040件とお答えしたんですけれども、この中に
水田以外でつくられている
畑作物の所得補償
交付金の
申請件数も入っていまして、実際は米の
申請件数は2万3,922件と訂正させていただきます。
61
◯小桧山委員長
ただいまの訂正、わかりましたでしょうか。
62
◯安藤委員
はい。
63
◯小桧山委員長
ほかに
質疑はございませんか。
[「なし」と呼ぶ者あり]
ないようでありますから、これをもって審査を終わります。
以上をもって
農林水産委員会を終わります。
○閉 会 午前11時56分
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