青森県議会 2013-01-21
平成25年総務企画委員会 本文 開催日: 2013-01-21
資産運用に係る
公社等の体制ということでございますが、資産の
運用益によって
公益事業を実施している法人におきましては、適切な
資産運用が図られるよう
資産運用規程を定め、
資産運用に係る法人の
意思決定を行っているところです。また、一部の
公社等でございますが、例えば
むつ小川原地域・
産業振興財団及び
青森学術文化振興財団では、
外部有識者を含む
資産運用委員会を設置し、同
委員会の意見を参考にしているというような状況でございます。
30
◯諏訪委員
そうすると、今の説明だと、
資産運用規程というものは存在すると。それから、第三者の有識者
委員会ですか。
理事会の承認を得るという点についてはどうなんですか。
31
◯大澤行政経営推進室長
いずれの法人におきましても、
理事長の決裁を得て、また、その運用状況については
理事会に報告する等の所定の手続を行っているところです。
32
◯諏訪委員
資産運用規程の
見直し、あるいは運用の改善、
リスク情報を含めた情報開示、大事なのはそういう運用原資に公金が含まれているという認識を持つことだと思うんです。県は出資していますからね。ここが窓口になって、
リスク情報を含めた情報開示が適切になされ、
総務企画委員会の委員メンバー等含めて、現状を適切に報告していただきたい。そして議論の対象にしてもらいたい。黙っていると、何もないままに推移していくという問題があるので、その辺は担保できるでしょうか。
33
◯大澤行政経営推進室長
どのような形で各法人の
資産運用状況を
情報提供するか等につきましては、各法人の
取り組み、また、各部局の
取り組み、そういったこともそれぞれ相談をしながら、どのような対応ができるのか考えてみたいと思います。
34
◯諏訪委員
指摘にとどめますが、全部とは言わないまでも、公的資金が原資になっていて、しかも
リスクがつきものの
仕組債になっているということの問題意識も、改めて総合的に判断し、検討を加えていただいて、県民が不信を抱くような結果となることがないように、十分、適時適切な指導助言をしていただきたいということだけは述べておきたいと思います。
福島県を初めとする県外からの避難者に対する支援についてですが、避難者の困り事や要望をどうやって把握しているのか、まず伺っておきたいと思います。
35 ◯柏木生活再建・産業復興局次長
本年1月9日現在、930人の方が県外から本県に避難されております。
県では、避難されている方々のさまざまな相談や要望等に対応するため、平成24年4月から青森県社会福祉協議会へ委託して、専用の相談電話を設置するとともに、県内6つの市の社会福祉協議会へ委託して、希望に応じて支援員を派遣して、困り事等を聞き取り、必要なアドバイス等を行ってきているところです。
また、避難者の交流会への出席等を通じての情報収集にも努めておりまして、そういった中で出された要望に基づき、福島県職員が青森市に来て、福島県からの避難者との意見交換を行う会合を開催するといった対策も実施いたしました。
今後も同様の
取り組みを継続するとともに、避難者の皆様の意向調査等も行いながら、関係機関とも連携して、きめ細かな支援に努めてまいります。
36
◯諏訪委員
実は、福島県から自主避難してきた方から相談が最近ありました。福島県と弘前大学病院で契約が成立して、ホールボディカウンター内部被曝検査が行われるようになったんです。それから、甲状腺の検査も、弘前大学で、たしか去年の9月からやれるようになったと聞いていたんです。ところが内部被曝検査のほうは、4歳未満は対象外だと。なぜかというと、ちっちゃい子は動くと。しっかり静止した状態で検査しないとうまく撮れないということで対象外にされたという問題があるんです。福島県のほうでは、動いていても検査できる手法について、検討結果を出すというような話があるらしいですが、そういった情報も、相談電話やそういう相談会をやる場合には、近々、そういう検査方法が確立しますからと、しっかり
情報提供しないと、対象外にされたということだけが残ってしまいます。それから、甲状腺検査を弘前大学でできるという情報がないために、6月か9月のそれ以前に福島県に甲状腺検査に行くんですよ。そうすると、1分か2分で検査が終わって、旅費だけはかかる。しかも、その検査結果はいつ出るかはっきりわからないというようなこともあって、こんなことでいいんだろうかというような話なんです。
したがって、同じ相談電話なり、相談会をやる際でも、やっぱりデリケートな問題がいろいろありますので、しっかりした
情報提供と、体制上こうなっていますということについての懇切丁寧な助言と言ったらいいか、そういう対応をしていただくように、ぜひ復興局が窓口になって対応していただきたい。これは要望にとどめますけれども、とりわけ原発災害で避難している方々の思いというのは深刻なんですよね。私どもが考えているよりも想像以上のものです。しっかり対応していただければと思います。
復興プランの
進捗状況ですが、主要インフラ施設の復旧が年度内に完了する見通しとなっている一方、被災者への住宅再建、被災漁船の復旧など、引き続き取り組むべき重要な課題もあると考えています。決算特別
委員会でもやりとりしましたけれども、その後の状況も含めてお知らせいただきたい。
37 ◯柏木生活再建・産業復興局次長
県では、平成23年5月に青森県復興プランを策定いたしまして、主要インフラ施設の機能回復など、おおむね2年以内の復旧という目標を掲げ、これまで着実に
取り組みを進めてきております。
その一方、被災者の住宅再建や被災漁船の復旧、農林水産物の安全安心の確保、それから県外から避難されてきている方々への支援など、継続して取り組む必要がある課題につきましては、関係機関と連携しながら、引き続き万全の対応に努めてまいりたいと考えております。
特に住宅の再建につきましては、今後、被災市町におきまして、個々の被災者の方の現況や今後の意向等をしっかりと把握して、いまだ不安定な生活を送られている方が一日も早く安定的な生活基盤を確保することができるよう、よりきめ細かに対応していくことが必要になってくるものと考えておりまして、県といたしましても、こういった被災市町の
取り組みを支援してまいりたいと考えております。
また、被災漁船の復旧その他の諸課題につきましても、担当部局と連携しつつ、
進捗状況等を公表するなど
進行管理を行いながら、一日も早い完了に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
38
◯諏訪委員
決算特別
委員会のときに住宅再建の未着手の数が報告されておりますが、現時点で幾らか是正、改善した部分はありますか。それから漁船の確保の問題です。12月10日の調査時点で、対象漁船の78%という水準ですが、この対象漁船の数というのは、これまた
所管部になってしまうのかもしれませんけれど、わかりますか。
39 ◯柏木生活再建・産業復興局次長
まず、住宅の再建状況でございます。以前の数字ですと、いわゆる住宅再建支援金の基礎支援金の申請済み件数が513件でございましたが、1月15日現在で515件でございます。このうち、住宅の再建方法に応じて支給される可算支援金というもの、以前の数字は330件でございましたが、現時点では341件でございます。ということで、現時点での数字でいきますと、これら515件と341件の差、174世帯が住宅再建に未着手の状態にあるものと考えられますが、以前の数字、513件と330件とを差し引きをいたしますと183世帯。183世帯が174世帯へ減少したという状況かと考えております。
もう一つ、被災漁船の復旧対象となる漁船の数値ですが、農林水産部に確認しておりますところでは、被災した漁船数620隻のうち、復旧予定がないというふうに把握している漁船152隻を差し引いた468隻が復旧対象となる漁船数と把握していると聞いております。
40
◯諏訪委員
政権がかわって、被災地に対する抜本的な支援、特に住宅再建にかかわる思い切った支援をする必要があるという動きがあるんですが、これまでのように加算給付300万円までという生活再建支援法に基づくルールと、これから支援していく、加算されていく分と、何か不平等が起きるとか、そういう問題点については、何か情報が入っているでしょうか。
41 ◯柏木生活再建・産業復興局次長
去る1月15日に閣議決定されました国の補正予算におきまして、津波による被災地域において安定的な生活基盤──生活基盤というのは住まいということでございますが、この形成に資する施策を通じて住民の定着を促し、復興まちづくりを推進する観点から、被災団体が地域の実情に応じて弾力的かつきめ細かに対応することができるようにということで、平成24年度分の震災復興特別交付税の総額に1,047億円を加算するということが決定されたところでございます。現時点までで把握している情報によりますと、この加算される震災復興特別交付税につきましては、震災に係る津波により滅失し、または損壊した住宅で、災害危険区域内にあるものを除いたもの、この再建による住民の定着促進に係る事業を実施するための基金の積み立て等に要する経費を調査した上で、青森県も含めまして、被災地域がある県に対して交付することを予定するということでございますが、詳細は今後通知するとされているところでございます。今のところ、把握している情報の中で、具体的な住宅再建の施策につきましては、被災団体、いわゆる市、町が地域の実情に応じて決定していくということになりますので、今後、国のさまざまな
考え方等を情報収集に努めながら、被災市町に
情報提供しながら、検討を
お願いしていきたいと考えております。現時点ではこういったところであります。
42
◯諏訪委員
主要インフラについては、今年度で基本的に達成できるという見通し、そういうところまで来たということですよね。ただ、被災者は、まず、住むところがないとだめですし、漁師も船がないとだめなわけですから、これらを希望している人たちの思いに対し、引き続きしっかり応えられるように尽力されることを心から要望申し上げておきたいと思います。
地方公務員の給与引き下げ問題です。
1月15日に開催された国と地方の協議の場において、国側は地方公務員の給与を国家公務員並みに平均7.8%削減すべきと発言していますが、本県の対応を伺いたいと思います。
43 ◯工藤人事課長
1月15日の国と地方の協議の場におきまして、麻生副総理・財務大臣は、地方公務員給与について、国家公務員給与と同様の減額措置を実施するよう地方6団体に対して要請するとともに、減額措置分の地方交付税を削減する考えを表明されたところでございます。
その際、山田全国知事会会長を初め、他の団体の代表者の方々から、1つとして、地方はこれまで国に先んじて人員の大幅な削減や独自の給与削減を断行し、既に国を上回る不断の行革を実施してきていること、2つとして、今後の地方公務員給与については、国・地方を通じた中長期的な行財政改革の中で協調していくことが必要であること、3つとして、国から一方的に給与削減を強制することなく、地方において自主的かつ適切な対応が図られるよう、十分御配慮いただきたいことなどを趣旨とする御発言があったと承っております。
これを受けまして、協議終了後、新藤総務大臣から、近日中にも地方6団体との協議を行いたいとの意向が示されておりまして、本県といたしましては、これらの協議の状況やその後の
動向等を注視してまいりたいと考えてございます。
44
◯諏訪委員
予断をもって言えない状況なんだと思うんですが、今も述べられましたけれども、全国知事会の会長、京都府知事の山田さんが、一方的に交付税を削減するのは乱暴だと、報道が正しければ、そう言っているわけですね。それから、交付税を国が地方をコントロールする道具として使うことは地方の自立を妨げることになるとも言っている。1999年度から2011年度まで、地方は約2兆円、独自に削減してきたわけですよね。ただ、麻生さんのあの姿勢を見ると、かなり強い意思で向かってきている。撤回は可能なんですかね。何か判断していることがあるでしょうか。なければないで構わないです。
45 ◯工藤人事課長
現在のところは、国と地方6団体との今後のやりとりについて注視しているという状況でございます。
46
◯諏訪委員
国家公務員の給与を7.8%減らしておいて、それとの比較で地方公務員給与が高いから下げろという
考え方は、やっぱりまずいんだと思うんです。ましてや、ずっと削減してきて、しかも退職手当の平均400万円の削減問題まで出てきて、このまま強引に進めていいのだろうかと思うものですから、この問題も取り上げました。県職員の給与は守らなければならないです。
次に移ります。
政府予算の越年編成に伴う県の予算編成の影響です。
政府予算の越年編成に伴い、地方財政計画の公表がおくれ、県の当初予算編成の影響も懸念されていますが、予算編成作業をどのように進めていくのかお伺いしておきたいと思います。
47 ◯仲財政課長
地方財政計画は、地方交付税法第7条に基づきまして、内閣は翌年度の地方財政計画を国会に提出するとともに、一般に公表することを義務づけられております。例年であれば、この地財計画は年末までに公表される政府の予算案とともに決定されるところではございますけれども、今回、政府予算の決定が越年したということに伴いまして、いまだ地財計画も示されていないという状況にございます。
本県の平成25年度、来年度の当初予算編成におきましては、こうした状況も踏まえまして、中期財政フレーム、あるいはこれまでの地方交付税額の推移、公共事業費の実績などを参考に編成作業を進めているところでございますけれども、国に対しては地方の予算編成作業におくれが生じないよう、政府予算案の一日も早い決定に努めるとともに、社会保障関係費等の増額に伴う厳しい地方財政の状況を踏まえまして、地方交付税総額の確保に十分配慮するよう、全国知事会などを通じて要望しているところでございます。
いずれにしましても、県としては、国の制度改正などの動向を注視しながら、引き続き情報収集に努めまして、県民生活に影響が生じないよう取り組んでまいります。
48
◯諏訪委員
これもまた予断をもって言える状況にはないということなんですが、ただ、農家への戸別所得補償や高校授業料無償化などの政策転換、
見直しの作業の問題は、もしそれがあり得るということで実行に移されてきた場合、何か情勢分析というか、情報収集というのはあるでしょうか。
49 ◯仲財政課長
おっしゃったような現行の施策、制度等に変更がありましたら、本県の予算編成についても少なからず影響が生じることが十分に予測されるわけですけれども、結局、具体の内容が明確になっていない現時点におきましては、その見込みを立てるのは事実上困難というふうに考えております。先ほども申し上げましたが、いずれにしても、引き続き情報収集に努めるということに尽きると考えております。あと、国に対しても、引き続き一般財源、総額の確保といったことを求めていきたいと考えておりますし、全体のスケジュールでいけば、改めて申し上げると、これは本県だけでなく、各都道府県、そして各
市町村すべてでございますけれども、予算編成作業というのは、来年4月からの国民、県民生活、市民生活に影響が出てこないようにするためにも、年度内に仕上げるということが重要ですので、それに向けての政府予算案の早期の決定ということを
お願いしたいと考えております。
50
◯田中委員長
ほかに質疑ありませんか。
[「なし」と呼ぶ者あり]
ないようでありますから、これをもって
総務部等関係の審査を終わります。
午さんのため、暫時休憩をいたします。
再開は午後1時といたします。
○休 憩 午前11時51分
○再 開 午後 1時03分
51
◯田中委員長
それでは、休憩前に引き続き、
委員会を開きます。
新しい年初めの
委員会でございます。新しい年を迎えまして、皆様、どうもおめでとうございます。
それでは、
企画政策部関係の審査を行います。
特定付託案件について、質疑を行います。
質疑は、
所管外にわたらないよう簡明に願います。
なお、
答弁者は、挙手の上、「
委員長」と呼び、次に職名を言って発言を求めてください。
それでは、質疑ありませんか。──
諏訪委員。
52
◯諏訪委員
小惑星を「縄文青森」と命名するに至った経緯、縄文遺跡群の世界遺産登録に向けた機運醸成に活用する考え、あるいは、今後どのように活用していくのか、まとめてお伺いします。
53 ◯蒔苗企画調整課長
今回の小惑星「縄文青森」の命名は、三戸町出身で東京在住の佐々木隆氏が本県の地域活性化に一役買いたいとの思いのもと、アマチュア天文家で、この小惑星の発見者であります旧知の渡辺和郎氏に依頼して実現したものです。
昨年6月に、佐々木氏から県に対して、小惑星に本県ゆかりのある名前をつけさせてもらえるようになったので、いい名前を提案してほしいとの連絡をいただいたことから、内部で検討を重ねまして、7月末に「縄文青森」という名称を提案させていただいたものです。
この名称を佐々木氏から渡辺氏に伝えていただき、9月ごろに渡辺氏から小惑星センターのほうに申請をしていただきました。その後、小惑星センターでの審査を経て、昨年12月28日発行の小惑星回報で命名が正式に報告されたところでございます。ことし1月4日の知事による年頭の記者会見で発表の運びとなったものでございます。
また、今回の命名に当たりましては、単なる自然風景や観光地、地域名というだけではなく、政策的にも活用できることを想定しながら、さまざまな名称を検討いたしましたが、その結果、平成25年度、来年度でございますけれども、北海道・北東北を中心とした縄文遺跡群の世界遺産登録に向けた推薦書の提出を控えた正念場の年であり、これまで以上に積極的な機運醸成を図っていく必要があるということから、「縄文青森」という名称を佐々木氏に提案し、同氏からも非常にいい名前だということで同意をいただいたところでございます。
したがいまして、今回の命名について、北海道・北東北を中心とした縄文遺跡群の世界遺産登録に向けた機運醸成に積極的に活用してまいりたいと考えております。
また、具体的な活用の方法でございますけれども、現在は「縄文青森」という名称が正式に登録されたという段階でございます。せっかくの機会なので、この名称を積極的に活用していくことについて検討しているところでございます。
具体的には、小惑星の発見者である渡辺氏などをお招きして、例えば「縄文と星」をテーマとしたシンポジウムを開催できないかなどについて検討しております。また、各種縄文関係のイベント等でのPR、
ホームページやツイッター等での発信、また、今回の命名が縄文遺跡群のみならず、青森県全体のイメージアップにもつながるような
取り組みに活用できないかということで検討している段階でございます。
54
◯諏訪委員
ただいまの答弁で、その活用の仕方というもののポイントを言われたような気がします。実は、世界遺産登録の話と、その小惑星の名がどうしてリンクするんだろうと、内心思ったんです。しかし、そういうことによって機運醸成を図っていくというような話があったので、どこにポイントを置いた活用の仕方を考えているのだろうかと思ったんです。つまり、縄文遺跡と星の関係でシンポジウムをやるとか、そういうふうないろんな連携、結合の仕方と言ったらいいのか。いい意味で、なるほどなと思わせるような、そういう活用の仕方を、ぜひ検討していただきたい。世界遺産登録する機関というのは全く別の話であって、一般的にはそう結合するものではないんだろうというのもあるものですから、そこは知恵を絞っていただいて、なるほどと思わせるような対応をしていただければと御要望申し上げておきたいと思います。
東北新幹線のスピード向上の問題です。春のダイヤ改正があって、東北新幹線の最高速度が宇都宮-盛岡間で時速320キロメートルになるということですが、そのほかに時速320キロメートルで走行可能な区間はあるのか伺いた思います。
55 ◯山谷交通政策課長
現在、東北新幹線の最高速度は、周辺への騒音や振動を考慮して、都心区間を走行する東京-大宮間で時速110キロメートル、大宮-宇都宮間で時速275キロメートル、宇都宮-盛岡間で時速300キロメートル、盛岡-新青森間で時速260キロメートルとなっています。
このうち、宇都宮-盛岡間においては、現状の運行設備を使って最高速度を時速320キロメートルにまで引き上げることが可能となったことから、JR東日本では春のダイヤ改正において、下り2本、上り1本のはやぶさの所要時間を2時間59分に短縮すると発表しております。
56
◯諏訪委員
よくわからないところもあるんです。例えば、ダイヤ改正で2時間59分に短縮されるというイメージがまずある。そうすると、東京-新青森間が320キロ走行可能というイメージで受け取れてしまうんです。ところが、実際は、整備新幹線の設計速度と言えばいいんでしょうか、盛岡-新青森間が260キロになっているわけですよね。宇都宮-盛岡間は300キロのところが320キロになったというさっきの説明ですね。これはどのようにすると、そのスピードアップが可能になるんですか。例えば、東北新幹線のほうは、整備新幹線の設計速度が260キロだと。これは、例えば300キロにするのは可能なのかどうかという話なんですが、それは無理な話なんでしょうか。まず最初、イメージで全部受け取ってしまうことについての説明というのをきちんとやっていかないとだめだなと。単に新聞で書かれると、東京-新青森間320キロというイメージだけが先行するので、ここはやっぱり冷静に伝えていかなければならないなという思いが一つありました。
あと、速度を速める諸条件というのはどういうものなのかお教えいただきたい。
57 ◯山谷交通政策課長
まず、新幹線の最高速度、この設定の方法について御説明申し上げます。
今、委員から御指摘がございましたとおり、新幹線のレールというのは国が定めた新幹線鉄道構造規則に基づき設計、建設されております。設計最高速度は、東海道新幹線が210キロ、山陽、東北、上越、北陸の各新幹線が260キロメートルとなっておりまして、これに基づいてカーブの大きさを示す最小曲線半径、カーブ内容における傾き、バンク角を示します最大カント量、それから上り、下りの勾配を示す最急勾配量などが決まっております。このように設計された新幹線のレール上を東北新幹線では宇都宮-盛岡間で300キロで走行しております。
では、なぜ設計最高速度260キロのところで300キロで走行できるのかというと、これは新幹線の車両の性能が向上したからでございます。1964年に東京-新大阪間を走りましたゼロ系新幹線に比べまして、現在の車両はモーターの出力、それからブレーキの性能、これが向上しました。また、空力性能が向上したために、ダウンフォースが働いて、車両を地面に押しつけるように走行できる、また、サスペンションの能力が高まったがゆえに、カーブを高速で走ることができる、こういったことから、JR東日本においては、これまでの走行実績や走行試験の結果を踏まえて、春のダイヤから宇都宮-盛岡間の最高速度を300キロから320キロに引き上げることとしたものでございます。
58
◯諏訪委員
引き上げることの理由はわかったんですが、盛岡-新青森間の速度の向上というのは、今後、あり得るんですか。つまり、260キロを300キロに引き上げることが可能なのか。そうすると、2時間59分どころではなく、もっと短縮になる可能性があるという話なんでしょうか。
59 ◯山谷交通政策課長
盛岡以北で最高速度を320キロで走行させるためには、JRの技術関係者の方々の話を総合すると、一部、人家密集地域での防音壁のかさ上げとか、また、トンネル緩衝工の手直しが必要になりますが、最大のネックは新幹線に電気を供給するトロリ線、これを補強する必要があるそうでございます。盛岡以南のトロリ線というのは高速で走行する新幹線用に開発されたヘビーコンパウンドカテナリ方式というものが張られておりますが、盛岡以北では1編成当たりの車両が16両から10両に減少すること、また、1日の走行する本数も減少するということで、このヘビーコンパウンドカテナリ方式というものをやや簡素化した高速新カテナリ方式のトロリ線が採用されておりますために、最高速度を上げるためには、これの張りかえが生じるというふうに言っております。
60
◯諏訪委員
ただ速ければいいというのも考えものだと思うんですが、ただし、何か360キロを目指しているというような話も聞くし、もちろん安全第一でしょうが、技術上含めて、なお時間短縮は可能になるという、そういう見通しでいいんでしょうか。例えば、あと数年後、2時間59分が2時間40分になるというような見通しを描いていいものなのか伺います。
61 ◯山谷交通政策課長
JRの技術関係者の話によると、現在、最大ネックになっているのはトロリ線でございまして、盛岡以北のトロリ線を本格的なものに張りかえれば、理論上は高速走行が可能になるとJRの技術関係者はおっしゃっております。
62
◯諏訪委員
それはJR東日本の責任で、安全第一で対応していただくということになります。速度を速めるために金もかかるという話になって、地元負担が伴うような話になると、これまた困る話になりますので。状況は大体よくわかりました。何を直せば、そういうことが可能になるということもわかりました。
次に、北海道新幹線ですが、この間の説明によると、平成30年春に1日1往復が高速走行するという説明を受けました。それまでは時速140キロメートルで走行するということでよいか、これ、確認です。
それから、1日1往復が実現したとしても、当面の期間は時速140キロメートルで走行する新幹線が存在することになるが、30年春以降も存続することになるのか。それと、地元負担の関係をどのように考えるのか。どうもやっぱり問題を引きずるんですよ。その際の扱い、基本方針をしっかり定めておく必要があるんではないでしょうか。
63 ◯千葉新幹線・並行在来線調整監
最初の140キロの件ですけれども、国によりますと、平成30年春に1日1往復の高速走行実現を目指しまして、それまでは青函共用走行区間については安全性を確保するため、現在の在来線特急列車と同程度の時速140キロメートルで走行する方針だとのことでございます。
次に、地元負担の関係についてでございますけれども、北海道新幹線新青森-新函館間については、青函共用走行問題に関する当面の方針を受け、平成30年春に1日1往復の高速新幹線の走行実現を目指すこととされました。また、時間帯区分案による高速走行のさらなる拡充や中長期的方策による抜本的な解決についても、国が主導して、責任を持って対応していくこと、また、これらの
取り組み状況について、県に対して適宜
情報提供を行い、本県の意見を尊重して取り組んでいくことが示され、県は国からの文書によって、このことを確認しているところでございます。
県としては、全国新幹線鉄道整備法の規定に基づき、北海道新幹線新青森-新函館間の平成27年度末開業に向けて、必要な工事に対する負担を行いつつ、国は責任を持って高速走行の拡充を図っていくよう、県議会と連携して強く働きかけていくことが重要であると考えております。
64
◯諏訪委員
これまでも働きかけてきたし、これからも働きかけていくんですよね。ただ、現実問題として、140キロ走行の新幹線が存続しているんですよ。どれぐらいの本数なのかというのは、30年以降、1日何往復、200キロ以上の高速で行くのかということにかかわるんですが、数年に及んで、いずれにしても140キロの新幹線が存在し続けていくということは、現実の問題としてあるものですから。それと地元負担の関係は、地元に迷惑をかけないようにという考えを持っているようですが、しかし、そのことによって地元負担が軽減されるかどうかというのは、予断をもって言える状況にない。したがって、基本方針をしっかり確立して、そのための地元負担の軽減対策、割合としてはどうなりますという、そういう方針上の問題を確定していく作業に入るべきなんだと思うんです。どの程度の割合で地元負担を軽減していくか。
考え方を、数字上の問題を含めてやっていかなければならないんだと私は思うんだけれども、その辺はどう考えたらいいのか。それは国のほうで、いろいろそういう
考え方もあるんだけれども、しかし、現実にこういう状況になってしまったということで反省の弁を述べて、何か釈明するとか、そういうものでもあるのかどうか。何かけじめをつけていかないと、ずるずるずるずると行くんだろうと思うんだけれども、その辺の事情、どう考えたらいいんでしょうか。
65 ◯千葉新幹線・並行在来線調整監
ただいま
諏訪委員から御意見といいますか、出ましたが、当初、260キロメートルで高速走行するというような北海道新幹線の工事実施計画だったわけですが、それが平成17年の認可以降に中越の地震の関係で安全性を高めなければいけないですとか、いろいろな当初想定していないような状況も発生しましたので、国としても安全性を高めるため、ハード面での設備の増強ですとか、そういったことが必要になったということでございます。ですから、全く国の手落ちといいますか、不作為的なことでこういうふうになったということであれば、当然に、県としてもそういったものに対する国の姿勢なりをちゃんと今、委員からありました謝罪ですとか、そういったことにもなるんでしょうけれども、そういった自然災害によります今後の安全性を確保するために、いろいろ検討して高速走行を目指すということですので、時間的なおくれといいますか、検討に時間を要するということですから、その辺はやむを得ないものではないかと考えております。
しかし、当面、260キロから140キロで走行するという一昨年の12月の方針が出てからは、それだと、全然、当初の約束とは違うというふうな県議会の意見も踏まえまして、昨年春からずっと国のほうに260キロの高速走行の実現を具体的に示してくれということを要望してまいりまして、昨年12月に当面の方針ということで、30年春の1日1往復ではありますけれども、それを目指すということを国から具体的に示していただきました。当面、県としては100点ではないけれども、それはやむを得ないのではないかということで、認可申請の県の意見を求められた際に、昨年12月25日付で、特別
委員会から出された今後さらなる負担を求めないとか、そういった条件を付しまして、今回の変更認可に同意したところでございます。ですから、
諏訪委員がおっしゃられました高速走行が実現されない場合の県の負担金に対する方針というものを今から具体的に検討するということは、特に考えていないところでございます。
66
◯諏訪委員
約束がある、他方で現実に140キロの新幹線が30年以降も一定の割合で続くんですよね。現実にそう見えてしまったんです。そうすると、3割の地元負担というのは、260キロ、200キロ以上の約束で地元負担というものが発生しているわけですから、基本方針上も一定の割合で地元負担は減額する。そうしないと、現実にもうわかり切った話ですよね。28、29年は140キロなんですよ。30年以降も一定の140キロ走行の新幹線が存在し続けていく。やはり基本的な方針上の問題、計算上の問題も、腰を据えて考えなければならないんじゃないかと私は思うんだけれども、早とちりなら早とちりと言ってください。それ以上はいいです。
政権交代しました。青函共用走行技術検討ワーキンググループは引き続き開催していくんだと思うんですが、その辺の状況、あるいは構成メンバーとか含めて、こういったものの継続性がどうなるのか教えてください。
67 ◯千葉新幹線・並行在来線調整監
国で設置いたしました青函共用走行技術検討ワーキングでございますけれども、昨年12月11日に第4回目を開催いたしまして、その際に、先ほども出てきました青函共用走行問題に関する当面の方針というものが発表されました。この中におきまして、引き続きワーキングについては継続していくということが述べられています。というのは、この当面の方針というのは、あくまで短期的方策についての具体案を提示するということでございましたので、ワーキングについては、短期的方策と中長期的方策の2本立てで検討するということになっており、まだ中長期的方策についてのワーキングとしての取りまとめ案が出ておりません。これは年度末までにということになっておりますので、引き続き開催されるということでございます。
また、今、メンバーのお話がありましたけれども、この当面の方針の中に、今現在あるワーキングのほかに実務技術の検討の場を設けるということになっておりまして、この場において、さらに具体的な安全性の検証、技術上必要となる追加的対応策の検討等となりまして、中長期的方策については、すれ違い時の減速システム等による共用走行案、また、新幹線貨物専用列車導入案に的を絞って検討を継続していくとのことでございます。
68
◯諏訪委員
政権がかわったからといって、新幹線問題のワーキンググループの検討状況がかわるというのも、これまた変な話ですから、継続して、青森県により有利になる方向で検討を継続していただければと思っております。
最後ですが、TPP問題、この問題で企画政策部はどのような役割を果たしているのか伺いたいと思います。
69 ◯蒔苗企画調整課長
TPP協定につきましては、農林水産業を初め、食の安全や公的医療保険など広範囲にわたり県民生活に影響を及ぼすことも予想されております。県といたしましても、全庁的に対応する必要があることから、県行政の総合的企画調整を行う企画政策部が取りまとめ役となり、庁内各部局が把握した国の動向や本県への影響、関係団体等の状況等について、関係部局における情報共有を図っております。
また、県ではこれまでも全国知事会、北海道・東北知事会等を通じた要請を初めとして、国に対して要請活動を行ってまいりました。その際に、企画政策部が本県としての意見取りまとめや調整を行っているところでございます。
70
◯諏訪委員
その要請内容は、主たるものとしてどういうものになっていますか。
71 ◯蒔苗企画調整課長
要請内容でございますけれども、TPP協定交渉参加につきましては、国が十分な情報開示と説明を行うとともに、国民各層の意見をしっかりと聞き、国民的議論、国民的合意を得た上で進められるべきという内容になっております。
72
◯諏訪委員
それで何項目か文書回答を要請したのに、その回答が来ないということになっているようですが、今もその回答はないんでしょうか。政権交代したから回答はあるんでしょうか、その辺の情報はありますか。
73 ◯蒔苗企画調整課長
全国知事会から国のほうに対しては、これまでも文書で要請をしております。その一部については、委員、おっしゃいましたように回答が来たものはございます。ただ、十分な回答がないものにつきましては、引き続き全国知事会のほうから国のほうに求めている状況にございます。
74
◯諏訪委員
そういう情報収集が企画調整課としてはとても大事な仕事になるんだと思うんですよね。回答も寄せられていないようなものもあるし、そういう状況をどのように受けとめていますか。つまり、この間、5回ぐらいかな、県議会で意見書を採択し、三村知事もJAの県民大会でTPP反対の態度表明をして頑張ろうと言う。つまり、向かっていく姿勢の問題なんですが、その情報収集の不徹底の問題と、三村県政として臨んでいく姿勢と言ったらいいか、その辺は、軸足はどこにあると受けとめたらいいんでしょうか。
75 ◯蒔苗企画調整課長
企画政策部が情報収集をした内容等につきましては、県庁内の関係課、関係部局で連絡会議のほうを持っており、その中で情報共有をして、関係部局がおのおの所管する部分での要請活動等にも反映させることにしております。また、県といたしまして、東北・北海道知事会の場、知事ももちろん出席しておりますし、全国知事会の場もそうですし、北海道、北東北3県、4道県のサミット等でも緊急提言等も行っております。そういうことで、国に対してはしっかりと県の立場、地域の意見を申していくという立場にございます。
76
◯諏訪委員
日米首脳会談が本当なら1月中にでもやる予定だったらしいんですが、2月になりそうだということで、特にアメリカ側は安倍総理が訪米する際に、何か手土産を待っているようだという情報も入ってくるし、安倍首相自身も関税撤廃原則が緩和されるならば、つまり、その原則がなくなれば、交渉参加も道は開かれる、そういうような姿勢というか、言い方にもなっている。私どもの見解としては、関税撤廃は原則、いささかの緩和も何もありはしない、それが前提条件ですから、入り口で、そういう何か条件を見せたからといって前提が崩れたといって交渉に前のめりになっていくと足をすくわれる、そういう問題があると考えています。2月のそういう首脳会談で何らかの動きが出てくる等もありますので、ぜひ各部局、これは農林水産だけではなく、医療の分野もそうです、公共事業の入札の問題もそうです、いろんな分野にみんなかかわってくるようなテーマだけに、ぜひ情報収集に努めていただいて、間違いのないような対応に努めていただきたい。私も何か情報等でいいものがあったら寄せるというぐあいに、相互にまた連携をとって頑張っていっていただきたいと考えております。終わります。
77
◯田中委員長
ほかに質疑ありませんか。
[「なし」と呼ぶ者あり]
ないようでありますから、これをもって
企画政策部関係の審査を終わります。
以上をもって
総務企画委員会を終わります。
○閉 会 午後 1時35分
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