今回の補正予算においては、震災関連経費として
東日本大震災復興交付金基金の積み立てに要する経費及び
八戸地域における医療産業クラスターの形成に向けた調査検討に要する経費を盛り込んでおります。
震災以降、県におかれましては、三村知事を先頭に、攻めの姿勢による創造的復興に向け懸命に取り組んでおられるところであり、今後も青森県復興ビジョンの一層の推進を期待するところであります。
このほか、八戸市立市民病院の産科病床整備に対する支援による産科医療体制の強化、県費単独事業の早期発注を可能とするゼロ県債の設定など、県民生活に深くかかわる喫緊の課題に対し、迅速かつ柔軟な対応を講じているところであり、今後も積極的な対応をお願いするものであります。
次に、今定例会に提出された二件の議案について見解を申し上げます。
まず、議案第二十七号「権利の放棄の件」、これは
社団法人青森県
肉用牛開発公社に対する債権の放棄についてであります。
下北地域における肉用牛の生産拡大、基幹種雄牛第
一花国の
知名度向上など、同公社が本県の畜産振興に果たした役割は大変大きなものであります。
平成十五年の解散以降、公社は所有地の売却を進めてきたところですが、長期借入金の返済を賄えるだけの売却益が得られず、結果として県民負担が生じることはまことに残念なことであります。
しかしながら、今後も地価の上昇が見込めない中、評価額を上回る金額で公社所有地を売却できる見通しであること、公社所有地は売却後においても採草地や放牧地として活用され、引き続き本県の畜産振興に寄与するものであることを踏まえ、今回の
債権放棄はやむを得ないものであると考えます。
次に、議案第二十八号「権利の放棄の件」、こちらは
社団法人青い
森農林振興公社に対する債権の放棄についてであります。
同公社は、これまで約一万ヘクタールに上る森林の造成を通じ、水源の涵養や土砂災害の防止など県民生活を広く支える森林の公益的機能の発揮、加えて、山村地域の雇用創出など地域経済の振興に大きく貢献してまいりました。
輸入木材の増加に伴う木材価格の低迷や担い手の減少などにより分
収造林事業は経営が悪化し、今般の民事再生計画の提出となったものであり、
債権放棄額二百二十七億円は非常に大きな額であると認識しております。しかしながら、三村知事は、就任後速やかに新規造林の中止を決定し、低利資金への借りかえ等さまざまな支出抑制策を講じてきました。
また、県に移管される分収林が県民共通の公共財として今後も引き続き公益的機能の発揮が期待されること、民事再生手続により破産手続をした場合を上回る債権の弁済が受けられること、第三セクター等改革推進債の活用が平成二十五年度までの時限措置であること等、県民負担の可能な限りの軽減を最優先に考えれば、民事再生計画案への同意並びにその前提となる今回の
債権放棄はやむを得ないものであると考えます。
いずれの議案についても多くの批判を覚悟の上で、判断を先送りすることなく、将来世代が背負うこととなる負担の拡大を今ここで食いとめることとした三村知事の判断を尊重すべきと考えるところです。
ただし、県にとってはこれからが正念場であります。特に、今後県に移管されることとなる分収林については、国に対しあらゆる支援策を粘り強く要請していただきたい。さらに、今回の判断及び今後の経営は、県民の理解と協力が大前提であるということを忘れず、誠実かつ丁寧な説明に努めていただくよう求めるものであります。
我々県議会も、県民の代表として、今後の経営を厳しく見きわめてまいりたいと考えております。
以上、賛成討論といたします。
25
◯議長(西谷 洌) これをもって討論を終わります。
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◎ 議案採決
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26
◯議長(西谷 洌) これより議案の採決をいたします。
議案第三十三号「青森県公安
委員会委員の任命の件」、本件に同意することに賛成の方は御起立を願います。
〔賛成者起立〕
27
◯議長(西谷 洌) 起立総員であります。よって、本件は同意されました。
議案第三十四号「青森県公害
審査会委員の任命の件」、本件に同意することに賛成の方は御起立を願います。
〔賛成者起立〕
28
◯議長(西谷 洌) 起立総員であります。よって、本件は同意されました。
議案第二十七号「権利の放棄の件」、本件は所管
委員長報告どおり原案に賛成の方は御起立を願います。
〔賛成者起立〕
29
◯議長(西谷 洌) 起立多数であります。よって、原案は可決されました。
議案第十三号、議案第十四号、議案第十六号、議案第十九号、議案第二十号から議案第二十四号まで、議案第三十号及び議案第三十一号号、以上十一件は所管
委員長報告どおり原案に賛成の方は御起立を願います。
〔賛成者起立〕
30
◯議長(西谷 洌) 起立多数であります。よって、原案は可決されました。
お諮りいたします。ただいま議案第十三号「平成二十四年度青森県
一般会計補正予算案」が可決されましたが、本件の字句、数字、その他の整理を要するものについては、その整理を本職に委任されたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
31
◯議長(西谷 洌) 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
議案第二十八号「権利の放棄の件」、本件は所管
委員長報告どおり原案に賛成の方は御起立を願います。
〔賛成者起立〕
32
◯議長(西谷 洌) 起立多数であります。よって、原案は可決されました。
議案第十五号、議案第十七号、議案第十八号、議案第二十五号、議案第二十六号、議案第二十九号、議案第三十二号及び議案第三十六号、以上八件は所管
委員長報告どおり原案に賛成の方は御起立を願います。
〔賛成者起立〕
33
◯議長(西谷 洌) 起立総員であります。よって、原案は可決されました。
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◎ 請願採決
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34
◯議長(西谷 洌) 次に、請願の採決をいたします。
請願受理番号第二号及び請願受理番号第四号、以上二件に対する
委員長の報告はいずれも不採択であります。以上二件は所管
委員長報告どおり不採択とすることに賛成の方は御起立を願います。
〔賛成者起立〕
35
◯議長(西谷 洌) 起立多数であります。よって、請願受理番号第二号及び請願受理番号第四号は不採択とすることに決定いたしました。
次に、お諮りいたします。請願受理番号第三号、本件は所管
委員長報告どおり採択とすることに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
36
◯議長(西谷 洌) 御異議なしと認めます。よって、請願受理番号第三号は採択とすることに決定いたしました。
次に、お諮りいたします。
委員会審査報告書中、特定付託案件について閉会中の継続
審査の申し出があります。これを継続
審査に付することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
37
◯議長(西谷 洌) 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
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◎ 発議案上程
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38
◯議長(西谷 洌) 発議案が提出されましたので、お手元に配付してあります。
発議第二号及び発議第三号を
一括議題といたします。
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◎ 発議案採決
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39
◯議長(西谷 洌) お諮りいたします。発議第二号及び発議第三号は、提案理由説明、質疑、
委員会付託及び討論はいずれも省略し、直ちに採決いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
40
◯議長(西谷 洌) 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
これより発議案の採決をいたします。
発議第二号及び発議第三号、以上二件の原案に賛成の方は御起立を願います。
〔賛成者起立〕
41
◯議長(西谷 洌) 起立総員であります。よって、原案は可決されました。
なお、意見書の取り扱いについては本職に御一任願います。
以上をもって議事は全部終了いたしました。
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◎ 閉会あいさつ
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42
◯議長(西谷 洌) 知事の御挨拶があります。─知事。
43 ◯知事(三村申吾) 県議会第二百七十二回定例会の閉会に
当たり、一言御挨拶を申し上げます。
今回の議会におきましては、去る十一月二十二日開会以来、本日まで十九日間にわたり、本議会に提案いたしました平成二十四年度青森県
一般会計補正予算案など四十件の議案につきまして慎重な御審議をいただき、それぞれ原案どおり御議決、御同意並びに御認定をいただき、まことにありがとうございました。
その執行に
当たりましては、審議の過程において議員各位からいただきました御意見を十分尊重し、最善の効果をおさめるよう誠意を持って努力していきたいと思います。
さて、本年も余すところわずかとなりました。ことしは東日本大震災からの復興元年と位置づけ、震災をばねに県民の暮らしと本県産業の更なるレベルアップを図る創造的復興を加速させ、県を挙げて県経済の活性化、そして県民の生命と暮らしを守るための取り組みに全力を注いできました。
その結果、有効求人倍率が二十年ぶりに〇・六倍台に上昇するなど改善傾向にある雇用環境を初め、震災以降減少しておりました観光客も順調に回復するなど、さまざまな分野で明るい兆しが見え始めております。
このようなよい流れを維持し、向上させていくため、明年につきましても攻めの姿勢で各種施策に全力で取り組んでまいる所存であります。
また、国の明年度の予算編成や地方財政対策等につきましては、極めて不透明な状況にありますが、国の制度改正や地方交付税の動向等による地方財政への影響について最大の関心を持って注視していくとともに、衆議院議員総選挙後に発足する政府に対しましても、地方財政の充実強化を強く求めていく所存でありますので、引き続き議員各位の御支援、御協力を賜りますようお願い申し上げます。
歳末を迎え、議員各位におかれましては、一層多事多端のこととお察しいたしますが、御自愛の上、よい年を迎えられますよう心からお祈り申し上げ、閉会の御挨拶といたします。ありがとうございました。
44
◯議長(西谷 洌) これをもって第二百七十二回定例会を閉会いたします。
午後一時四十九分閉会
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