青森県議会 2012-12-06
平成24年商工労働観光エネルギー委員会 本文 開催日: 2012-12-06
労政・
能力開発課におきましては、
労働力活用対策費において、
県内就職を希望する
県出身学生と
県内企業との面談の場である
就職ガイダンスを開催する経費として112万4,000円を計上しております。
また、
市町村が実施する
緊急雇用創出対策事業に要する経費を精査し、来年度における活用を図るため、3億6,305万7,000円を減額しております。
以上、
商工労働部及び
労働委員会所管に係る
提出議案について、その概要を御説明申し上げましたが、何とぞよろしく御審議くださるようお願い申し上げます。
3
◯岡元委員長
佐藤観光国際戦略局長。
4
◯佐藤観光国際戦略局長
今
定例会に提出されました諸議案のうち、
観光国際戦略局所管に係るものについて、その概要を御説明申し上げ、御審議の参考に供したいと思います。
議案第1号「平成24年度青森県
一般会計補正予算(第2号)案」についてでありますが、
観光国際戦略局関係の
補正予算額は、1,887万1,000円の減額となっております。
この
財源内訳といたしましては、諸収入、増額18万7,000円、
一般財源、減額1,905万8,000円となっております。
これは、
給与改定等に伴う
人件費の補正であります。
議案第13号「平成24年度青森県
一般会計補正予算(第3号)案」についてでありますが、
観光国際戦略局関係の
補正予算額は102万5,000円の増額となっております。
この
財源内訳といたしましては、諸収入、減額18万7,000円、
一般財源、増額121万2,000円となっております。
以下、
歳出予算に計上いたしました主なるものについて御説明申し上げます。
観光企画課におきましては、
自然公園施設整備費において、昨冬の豪雪による
公園施設の
被害対応に要する経費として121万2,000円を計上しております。
以上、
観光国際戦略局所管に係る
提出議案について、その概要を御説明申し上げましたが、何とぞよろしく御審議くださるようお願い申し上げます。
5
◯岡元委員長
ただいま説明のありました議案に対して質疑を行います。
質疑は議題外にわたらないように願います。
なお、
答弁者は挙手の上、「
委員長」と呼び、次に職名を言って発言を求めてください。
質疑はありませんか。──
川村委員。
6
◯川村委員
議案第13号「平成24年度青森県
一般会計補正予算(第3号)案」、歳出7款1項10目「新
産業創造費」、
八戸地域医療機器産業集積可能性調査事業の
取り組みについてでありますが、
事業内容等については、議案に対する質疑の場で明らかにされておりますので省略いたします。私のほうからは、関連した部分について質疑をさせていただきます。
今回の
八戸地域医療機器産業集積可能性調査事業は、
青森ライフイノベーション戦略の一角をなすものと考えます。そこで、
青森ライフイノベーション戦略における
医療機器産業クラスター形成の
方向性についてお伺いいたします。
7
◯相川新産業創造課長
青森ライフイノベーション戦略では、「
医工連携」「
サービス」「
プロダクト」、この3つの分野につきまして、重点的かつ集中的に推進することによりまして、
クラスター形成を進めることとしてございます。そして、
医療機器産業クラスターの形成につきましては、
医工連携分野の
取り組みに
位置づけられるものでございます。
医工連携分野におきましては、
医療現場と
ものづくり現場の徹底した連携を推進することとしてございまして、具体的には、
医療現場のニーズに対しまして地域の技術で
産業サイドから徹底支援するための仕組みの構築であるとか、医療・
介護現場等での
潜在ニーズをねらった
薬事外周辺機器類の
開発促進、
医療用要素部品・部材に特化した
医療中堅・
大手企業との戦略的なアライアンスの推進などに取り組むこととしてございます。
地域別に申し上げますと、
県内屈指の
医療機関が存在し、大学、それから
公設試験研究機関などの
知的集積などを有する
弘前エリアを、
医工連携のみならず、
サービスや
プロダクト分野も含めた総合型の
ライフ産業クラスター形成を目指す地域として
位置づけてございます。また、高い技術を有します
ものづくり企業が集積し、
工業系大学などの
ものづくりに関する
知的拠点や
産業支援機関なども集積してございます
八戸エリアを
次世代型の
医療関連機器の
研究開発拠点を目指す地域として
位置づけているところでございます。
本
調査事業につきましても、これらの
方向性に即した
取り組みでございまして、
医療機器産業クラスターの形成を推進していくものでございます。
8
◯川村委員
地域的に弘前、あるいは、東青に次いで、今回、八戸の
事業化というものに検討を加えるということで理解いたしました。
八戸地域ということであれば、あ
おもり生業づくり復興特区に該当いたしております。もちろん、現在は
可能性調査の段階ですから、直接の対象にはならないと思いますが、対象4業種の中の
ライフイノベーション関連産業に該当し、事業展開される場合は、当然、対象になるのではないかと思われます。そこで、本事業のあ
おもり生業づくり復興特区での
位置づけについてお伺いいたします。
9
◯相川新産業創造課長
生業特区での
位置づけにつきましてお答えいたします。
本県の
創造的復興を支える
生業づくりの実現を目指すために策定された
復興推進計画でございますあ
おもり生業づくり復興特区におきましては、
ライフイノベーション関連産業は、八戸市を初めといたします
対象区域における集積の形成、活性化を目指す
産業分野の一つとして
位置づけられているところでございます。
本事業は、
八戸エリアにおきまして、
医療機器関連企業の
集積拠点化を目指すに当たっての
可能性と具体的な方策などについて
調査検討を実施するものでございまして、これは
復興推進計画同様の
産業集積を目指すものであり、
復興推進計画の実現をまずは推進する事業であるというふうに考えてございます。
10
◯川村委員
先月の20日でしたけれども、
イノベーションネットワークあおもりが主要10機関による
産学官金ラウンドテーブルを弘前で開催し、私も出席させていただきました。
産学官金連携の非常な熱気を感じました。
産学官連携の強さというのが事業の成果に結びつくものだということを改めて感じました。そこで、本事業はどのような
連携体制のもとで実施するのかお伺いいたします。
11
◯相川新産業創造課長
連携体制につきましてお答えいたします。
本事業では、
八戸地域での
医療機器産業クラスター形成の中核を担っていく
関係機関などで構成をいたします
調査検討委員会を組織することとしてございまして、本調査の実施や評価などに対して意見や助言などを行っていただくこととしてございます。
具体的な構成といたしましては、
地元企業、
医療機関、
教育機関、
産業支援機関、行政、
商工団体など地元の
関係機関を中心としながら、
全国組織であります
医療機器業界団体や
専門的知見の豊富な
学識経験者などにも御参画いただく予定としてございまして、まさに
産学官、各主体が連携をして本事業の推進に取り組んでいくこととしてございます。
調査開始時点から本
委員会を組織いたしまして、各主体が連携して取り組むことによりまして、委員となる
関係機関の間で
クラスター形成基盤構築のためのノウハウが蓄積されて、各主体間での
連携体制が構築されますとともに、本
事業終了後におきましても、調査結果をもとに、各主体の連携によって
クラスター形成に向けた具体的な
取り組みが進むものと期待してございます。
12
◯川村委員
はい、わかりました。
八戸地域ということでありましたので、
震災復興ということが大きなテーマになっております。ぜひ
事業化に向けて成果が得られるように
取り組みをしていただきたいと思いますし、先ほども言いましたように、基本になる病院と
工業分野の連携ということが非常に左右することになるのではないか。そういう連携もしっかり運用していただきたいと思います。
次に、歳出5款1項3目「
雇用対策費」、
就職ガイダンス開催費の内容についてであります。
就職ガイダンス開催費については、毎年開催している事業だと思いますが、今回、予算補正して対応する理由について伺います。
13
◯鈴井労政・
能力開発課長
県では、
県出身学生等の
県内就職を推進するため、青森県
雇用対策協議会と連携し、
県内企業との面談の場である
就職ガイダンスを青森、弘前、八戸と東京、仙台でそれぞれ年2回ずつ実施してございます。
この
就職ガイダンスは、今年までは2月と4月に開催していたところですが、学生や企業からより早い時期の開催を求める声が多かったことから、この要望に応えるため、来年は開催時期を1月と3月に早めるものでございます。
このため、来年度の4月に実施する経費を、今年度の3月に前倒しする必要があることから、今回補正するものでございます。
14
◯川村委員
要望に応える形で前倒しをするということで理解をいたしました。
これまでの
就職ガイダンスの
開催状況についてお伺いいたします。
15
◯鈴井労政・
能力開発課長
開催状況でございますが、
就職ガイダンスへの
参加企業数につきましては、平成22年
開催分で199
事業所、平成23年分で161
事業所、平成24年
開催分で179
事業所となっています。また、
参加学生数につきましては、平成22年が1,378名、平成23年が1,312名、平成24年が1,013名となっています。
16
◯岡元委員長
ほかに質疑はありませんか。──
伊吹委員。
17
◯伊吹委員
議案第13号「平成24年度青森県
一般会計補正予算(第3号)案」、歳出7款1項10目「新
産業創造費」、
八戸地域医療機器産業集積可能性調査事業の実施について伺います。
まず初めに、
青森ライフイノベーション戦略の趣旨と目標について伺いたいと思います。
18
◯相川新産業創造課長
ライフイノベーション戦略の趣旨と目標につきまして、お答えいたします。
医療、健康、福祉といった
ライフ関連産業分野は、今後成長が期待されている分野でございまして、本県の
ものづくり企業のすぐれた技術が生かせる分野であるとともに、県民のQOL(生活の質)の向上にも貢献するなど
社会的意義が高い分野でございます。
青森ライフイノベーション戦略は、この分野での
施策展開を一層強化いたしまして、
ライフ関連産業を
次世代における
本県経済の成長を牽引する重要な産業の柱として育成していくために、
ライフ関連産業分野における
産業振興の基本的な
方向性を示す指針として、昨年11月に策定したものでございます。
本戦略では、
ライフ関連産業の企業、
医療機関、大学、行政などが互いの領域の壁にとらわれずに連携して、
独自性の高い事業を生み出すことなどによって、青森県の持続的な
経済成長を支える「次の
基幹産業」をつくること、そして、これらの
取り組みを通じて、地域の医療・健康・
福祉分野における
課題解決の支援がなされることによりまして、県民の健康で豊かな生活が実現して、生活の質・幸福度、こういったものが向上することなどを目標としてございます。
19
◯伊吹委員
本事業の
実施スケジュールについても伺いたいと思います。
20
◯相川新産業創造課長
実施スケジュールにつきましてお答えいたします。
本事業は、
八戸地域におきまして、
医療機器関連企業の
集積拠点化を目指すに当たっての
可能性と具体的な方策などについて
調査検討を実施するものでございます。具体的には、
関連企業取引構造分析や大学の
研究シーズの
洗い出し、既存の
企業技術の
医療分野への
応用可能性調査などを行った上で、
調査検討委員会を組織して、専門的な知見を加えながら検討を行うこととしてございます。
本
定例会で
予算案を御承認いただいた後に、速やかに
調査手続きを開始することとしてございまして、そのために現在、
予算案の成立を前提とした
調査委託先の公募を開始するとともに、
委員会の
委員予定者から委員の就任の内諾をいただくなど、事前の手続きを可能な限り進めているところでございます。
予算成立後は、
取引構造分析のための
データ収集であるとか既存の
企業技術の
洗い出しなど、前段となります調査を12月中をめどに実施して、
関係者への聞き取りや分析、
評価等などの本格的な調査を1月から2月の中旬あたりをめどに実施することとしてございます。この間に、あわせて、
調査検討委員会の委員の方々から随時、専門的な知見をもとに御助言をいただくこととしてございます。
その後、2月中旬から3月上旬あたりをめどに
調査検討委員会を開催して、さらなる検討を加えて、年度内に事業を終了することとしてございます。
21
◯伊吹委員
本事業、議案で1,748万2,000円が計上されております。ただいまの御答弁の中で、本年度の事業という
位置づけのようでございますが、
調査検討事業ということで、
検討調査をするのに1,748万2,000円というのは
それなりの金額かと思いますので、この予算の内訳といいますか、
構成内容、もしお答えできるようでしたらお願いします。
22
◯相川新産業創造課長
1,748万円の内訳についてでございます。
まず、シンクタンクなどへの
調査委託が1,500万円、残りの248万2,000円につきましては、
調査検討委員会の運営ですとか旅費とか、そういった
事務費を計上してございます。
23
◯伊吹委員
これが次の産業の実際の
取り組みに着実に移行できるように、
それなりに多額の
予算計上になっておりますので、しっかりと
取り組みを進められるよう求めたいと思います。
あわせて、先ほどの
川村委員からの質問でのやり取りの
答弁内容も踏まえて考えたときに、先ほどもお尋ねした
青森ライフイノベーション戦略そのものが、弘前を中心とする津軽、それと、八戸を中心とする南部といったような、2極を対象としているようでございます。県都青森も津軽に入るといえば津軽に入るんですが、これはかねてからの課題なんですけれども、
県庁所在地でありながら
製造関連産業というものの集積がなかなか進んでいないというのは、非常に大きな課題だと思うんですね。今回の事業、
戦略そのものが
試験研究機関等との連携、あるいは、
ものづくり産業との連携ということですので、直ちにというのはなかなか難しい側面もありますけれども、できれば中長期的な展望として、青森への
産業形成の
位置づけとして、
製造関連の産業の
取り組みといいますか、そういうことも必要なのではないかと。
私は、雇用の側面を見ていても、どうしても
商業中心の町となっていることが、この県都青森の町の経済的な勢いというものを阻害──阻害と言ったら、言葉がちょっと言い過ぎかもしれませんけれども、いま一つ
経済発展が見られない原因の一つなのではないかというふうに思いますが、この辺について、新
産業創造課長、いきなり聞いてあれでしょうけれども、東京から来られて、青森県の広い地域にあって、産業の集積という面で考えたときに、県都青森の産業の集積のあり方というか
位置づけはどのように考えておりますでしょうか。
24
◯相川新産業創造課長
青森ライフイノベーション戦略の中では、地域の特性であるとか強み、
地域資源、そういったものを活用してうまく
イノベーションを起こしていこうということを考えてございまして、そういった観点から、まさに
弘前エリアで、病院だったり大学、そういったところがあるので、そこを生かしながらやっていこうと。
八戸エリアであれば、
ものづくり企業の集積がございますので、そこを生かしてやっていこうというふうに考えてございます。
御指摘の青森につきましては、確かにそういった
ものづくりが少ないのかもしれないですが、逆に、
都市機能であるとか、県病を初めとする中核の
医療機関、そういったものがございますので、そこの強みを生かして、
ライフイノベーション戦略の中では、
プロダクトであるとか、
サービスの実証とか、
マーケティングとか、そういったものと
位置づけてございまして、うまく我々としてもそういった強みを生かしながら、青森県全体として産業を集積していくということを前提に考えております。
25
◯伊吹委員
マーケティングとしての
位置づけという御答弁、それはそれで大事な観点かと思いますけれども、でき得れば、ぜひ
製造関連産業の集積ということについても、調査、
取り組みの促進をお願いしたいということをこの機会に御要望しておきたいと思います。
続いて、もう一点だけお伺いしたいんですが、これは通告しなかったことなんですが、
市町村が実施する
緊急雇用創出対策事業に要する経費を精査し、来年度における活用を図るため、3億6,305万7,000円を減額補正するということで議案に上がっております。この意味合いについてなんですが、今回減額される3億6,305万7,000円は、来年度の、いわゆる
市町村が実施する
緊急雇用創出対策事業の経費として新たに計上されるということで理解していいのか。この減額補正の意味合いといいますか、目的、中身についてお伺いしたいと思います。
26
◯鈴井労政・
能力開発課長
委員御指摘のとおりでございます。予算の減額に大きく関係する事業が、国の平成23年度第3次補正予算で新設された雇用復興推進事業という事業でございます。その配分額が全部で6億円でございました。これについては、6億円全てを
市町村が実施する24年度事業費として一括計上しておりましたが、今年度の実施分を除いた約4億4,000万円を減額いたしました。その一方で、今年度中に実施する震災等緊急雇用対応事業の新設及び拡充で8,000万円の増額をしております。4億4,000万円から8,000万円を差し引いた約3億6,000万円について、25年度以降の事業として活用するものでございます。
27
◯伊吹委員
要は、予算で盛られたんだけれども、それに該当する事業がなかなか上がってこなかったという意味合いで理解してよろしいのか。それとも、4億円余りの──これは3億円ですけれども、減額補正をしなければいけなかった。つまり、予算があるにもかかわらず、それを使うことができなかった意味合い、理由というのは何なのでしょうか。
28
◯鈴井労政・
能力開発課長
全部で6億円と申し上げましたけれども、もともと平成27年度末までに使うものとして6億円を交付されておりますので、年度ごとの額で言えば、必ずしも余ったからということではございません。
29
◯伊吹委員
わかりました。単年度ではないんですね。了解です。
済みません、1点だけ御要望させてください。きのうの質疑の中での健康福祉部関係の事業、ひとり親家庭の支援事業は、県でも初めての
取り組みだと思うんですね。いわゆる県内の民間企業の方々でコンソーシアムを構成していただいて、その方々が、いわゆる訓練プログラムを提供して、なおかつ、民間企業の協力をいただいて発注者にもなる。ですから、訓練で終わるのではなく、発注も継続して行うという非常に画期的な事業を行うということで提案されております。縦割りの話でいけば、これは直接的には厚生労働省の事業に乗っかる形なんですけれども、そこは何省、何省と言わずに、商工のほうでもこうした新しい
取り組みとしておもしろいかなと。熊本県がさらに進んでいることをやっている、付託事業として、親がITのパソコンを使わない時間に子供に教育プログラムを提供するという事業も全体の中には組み込まれている、熊本県では既にそれを実施しているという話をきのうの質疑終了後に健康福祉部の方からお聞きいたしました。
ぜひ、すき間といいますか──地元の企業をどう結びつけていくのかという視点での
ライフイノベーション戦略かと思います。ちょっと次元は違うんですけれども、商工の雇用の創出対策に当たっても、青森県内の民間企業の中にもさまざまなポテンシャルを有する企業があるかと思いますので、そこをどうマッチングさせていくのか、この辺のことをぜひ来年度に向けて、積極的に事業提案をしていただくようお願いしたいと御要望して終わりたいと思います。
30
◯岡元委員長
ほかに質疑はありませんか。
[「なし」と呼ぶ者あり]
ないようでありますから、これをもって質疑を終わります。
これより議案の採決をいたします。
議案第13号中所管分、本件の原案に賛成の方は御起立を願います。
[賛成者起立]
起立総員であります。
よって、原案は可決されました。
次に、
所管事項について質疑を行います。
質疑は所管外にわたらないよう簡明に願います。
質疑はありませんか。──
川村委員。
31
◯川村委員
時節柄、皆さんお忙しい時期でございますので、スピーディに、淡々と進めていきます。
最初に、日中の外交問題が
本県経済に及ぼす影響などについてお伺いしたいと思います。尖閣諸島問題などの外交問題で反日デモ、破壊行為、日本製品ボイコット、中国人従業員からの法外な賃上げ要求等々が相次いだことから、日本企業が中国から撤退し、東南アジアにシフトする、あるいは、日本にUターンするなどの動きが加速していると中国紙も報じているようであります。本県としても二、三年前から貿易や海外進出など、中国での事業展開に支援してきたところであります。今回の外交問題が
本県経済活動にも影響を及ぼしているのではないかと懸念されるところであります。
そこで、
県内企業の中国ビジネスへの影響と、県の今後の対応についてまずお伺いいたします。
32 ◯小山国際経済課長
県内企業の中国ビジネスへの影響としては、中国大連市で10月中旬に開催されることになっていた展示商談会に
県内企業の出展支援を行う予定でしたが、直前になって開催の延期が決まりまして、その後、現在まで開催の連絡は入っていません。
一方で、11月14日から16日まで中国上海市で開催された中国最大規模の国際食品総合見本市には、当初の予定どおり青森県ブースを設置して、
県内企業3社の出展を支援したほか、先般、ついこの間ですけれども、12月1日から4日にかけまして、上海市のホテルや高級レストランの経営企業約5,000店舗で構成される上海市レストラン料理行業協会の
関係者11名を本県に招聘して、県産品製造現場の視察とか、
県内企業との商談を行うビジネスツアーを予定どおり開催できたところです。
また、県の現地ビジネスコーディネーターなどを活用した中国への県産酒の輸出促進の
取り組みの結果、県内酒造メーカー2社が、11月から上海と香港に輸出を始めるなど新たな取引も始まったところでございます。
県では、福島原発の事故を受けまして、国からの依頼に基づき、県内で生産・加工されて輸出される食品等につきましては、これまで産地証明書の発行を行っていますが、中国向けにつきましては、この10月以降も、計17件の証明書の発行依頼がございまして、リンゴジュースとか調味料が主体でございますけれども、現時点ではこれまでどおりの取引が行われているものと推測しているところでございます。
このような状況から、日中の外交問題が
県内企業の中国ビジネスに与える影響は、現状では、ほとんどないものと認識しており、県としましては、今後も日中の外交問題の推移を注視しつつも、中国へのビジネスに取り組む
県内企業の支援を引き続き行ってまいりたいと考えてございます。
33
◯川村委員
はい、わかりました。県内への影響はさほどないということでありましたが、先ほどお話がありましたように、大連の商談会が延期されているということもあるようであります。県としてはこれまでどおり、対中国との戦略を進めていただけると思うんですが、あのようなお国柄でありますから、いろんなリスクも当然伴ってくるわけですので、その辺をしっかり受けとめて対応していただきたいと思います。
また、中国に進出した企業が県内にUターンしたいという情報も一部聞いておりますので、これは
市町村のレベルになるのかもしれませんけれども、ぜひその辺は県としてもしっかり情報収集をしていただきたいというふうにお願いしておきたいと思います。
次に、観光面についてですが、昨年の東日本大震災の影響が最も大きかったわけでありますが、中国からの観光客も大幅に落ち込んでいるという状況であります。今回の外交問題もさらに追い打ちをかけることになったのではないか。そこで、中国からの誘客への影響と県の今後の対応についてお伺いいたします。
34 ◯石川観光交流推進課長
本県におけます中国からの観光客誘致は、福島第一原子力発電所事故による影響とか、あるいは、円高の傾向に加えて、委員からお話がございました尖閣諸島問題によります中国との関係悪化など、取り巻く環境というのは大変厳しいものであると考えています。
日本政府観光局(JNTO)によりますと、中国からの訪日客数は、本年1月から8月までは、震災前の平成22年同期比で9%増と好調に推移しておりましたが、9月11日の尖閣諸島の国による取得以降、中国現地旅行社の販売自粛や消費者需要の減退など、団体旅行を中心に影響が出始め、9月は平成22年同月比10%減、10月は同33%減と、震災前の水準を下回っている状況にございます。
また、県内の宿泊施設への中国人宿泊者につきましては、主な宿泊施設に確認したところ、新規予約が現状入ってこない状況が続いているとの報告を受けております。
中国からの観光客誘致につきましては、今後も厳しい状況が続くと見込まれますことから、当面、国や
関係機関等との連携を密にしながら情報収集に努め、事態の推移に注視してまいりたいと考えます。
35
◯川村委員
観光面についてもいろいろ影響を受けているということで、今、総選挙の最中でありますが、政権が交代する
可能性が非常に高まっております。新しい政権が中国との外交をどう進めていくのかということで、大きく変化、あるいは、そのまま継続ということになるのか、変わる
可能性というのがありますけれども、その辺、しっかり注視をしていただいて、県としては、ビジネスでも観光面でも、何とか中国との関係を強化したいという立場でしょうから、
取り組みをお願いしたいと思います。
次に、対中国との関係も非常にあるんですけれども、株式会社ANOVAの経営状況等についてお伺いいたします。新聞報道などによりますと、株式会社ANOVAにおいては、中国における日本製品の不買運動が懸念されるということでありまして、ANOVAの現在の生産状況及び今後の見通しについてお伺いいたします。
36 ◯前多産業立地推進課長
去る11月28日に、第4回オーダーメイド型貸工場事業経営状況等点検会議を開催し、株式会社ANOVAから、生産活動の状況、事業計画及び資金計画などについて説明がありました。
その中で、同社から、平成24年7月からの第2期目における生産状況は、おおむねこれまでどおり推移していますが、今後の見通しとしては、欧州の債務問題リスク等による世界的な成長の鈍化、円高基調の推移、中国の反日活動による自動車や電気製品不買運動の影響を受けまして、国内の大手メーカーの業績不振が続いておりますことから、同社としましても、その影響を受けることが懸念されるとの説明があったところです。
37
◯川村委員
ANOVAの今後の見通しということで、中国との関係などから販売が下がるのではないかという見通しがあるわけでありますけれども、販売体制の強化なり、あるいは、今の製品をさらに技術的に高めていく、こういったことが重要になってくると思うのですが、今後の見通しを踏まえた対応についてお伺いいたします。
38 ◯前多産業立地推進課長
株式会社ANOVAでは、今後の見通しを踏まえ、営業力を強化しながら海外メーカーも含めた新規顧客開拓に努めるとともに、今後、受注の増加が期待される静電容量型タッチパネルの生産技術の向上や量産に向けての生産性改善を図ることとしておりまして、第2期についても、利益を確保できるよう取り組んでいくと聞いております。
また、県としましては、21あおもり産業総合支援センターと連携し、同点検会議を通じて同社の経営上の問題点について助言を行うほか、業界に精通した県の企業誘致顧問やアドバイザーの協力を得ながら、グローバル化した業界の最新動向や事業環境の変化に対応した生産体制についてアドバイスを行っていくなど、引き続き同社の経営安定化が図られるよう適切に対応してまいります。
39
◯川村委員
新商品の開発ということでは、タッチパネルの世界というのは、iPadに見られるように急激な進化を続けているわけです。これらに本当についていけるのかという疑問があるわけですが、どの辺の新商品の開発を目指しているのか、その点だけお伺いいたします。
40 ◯前多産業立地推進課長
ANOVAでは、これまで取引のある各社からいろいろな試作品の受注を受けておりまして、その中から新しい製品に取り組んでいくと聞いています。
41
◯川村委員
なかなか先が見えない答弁でありますけれども、しっかり
取り組みをしていただきたいと思います。
次に、先ほど新規学卒者の関係ということでお話があったわけですが、職場定着の問題についてお伺いいたします。
先月末、青森労働局発表の新規学校卒業者の3年後の離職率について報道されております。高卒で37.6%、大卒で31.6%、全国平均よりも高校で1.6ポイント、大学で2.6ポイント、青森のほうが高くなっているということが明らかにされております。新規学校卒業者の就職については、三村知事も先頭に立って、経済界と連携しながら取り組んできたところですが、せっかく就職しても3年後に3割から4割の方が離職するという現実は、非常に残念でなりません。そこで、新規高等学校卒業者及び新規大学卒業者の3年後の離職状況について、改めてお伺いいたします。
42
◯鈴井労政・
能力開発課長
青森労働局の調査によりますと、本県の新規高等学校卒業者の3年後の離職率は、平成21年3月卒で37.3%となってございまして、前年の平成20年3月卒に比べ6.2ポイント改善しております。
新規大学等卒業者の3年後の離職率につきましては、平成21年3月卒で31.6%となっておりまして、前年の平成20年3月卒に比べて1.7ポイント改善してございます。
43
◯川村委員
こういう非常に残念な結果なんですが、県としても若年者の職の定着を図るということで
取り組みをしているようでありますけれども、県の
取り組みについてお伺いいたします。
44
◯鈴井労政・
能力開発課長
県では、若年者の早期離職防止と職場定着の促進を図るため、若年者定着・正規雇用化促進支援事業を実施しています。本事業では、社会保険労務士が県内
事業所を訪問し、県が作成した若年者職場定着促進ガイドブックを活用した社内セミナーですとか相談業務を実施することによりまして、若年者が働きやすい職場環境
づくりを促進しているところでございます。
また、若年者の職場定着のためには、若年者本人が社会人としての心構えやビジネスマナーを修得するとともに、若年者を指導する管理職等が職員育成のノウハウを持つことが必要でございますので、新入社員、中堅社員、経営者、管理職それぞれに対する研修会を、6月から10月にかけて県内6カ所で開催したところでございます。
さらに、それぞれの企業の職場定着に関する課題に対応したオリジナル研修を、来年1月から2月にかけて5社で実施することとしております。
また、就労前から若年者の就労意識の形成を図るため、高校生と保護者が一緒に参加できるセミナーや企業見学会を開催してございます。6月から8月にかけては、高校3年生を中心としたセミナー、企業見学会を7つの高校で開催いたしまして、10月から来年2月にかけては、2年生を対象といたしまして、県内6カ所で開催する予定としております。
県としては、今後とも
関係機関と連携を図りながら、若年者の定着促進に努めてまいりたいと考えております。
45
◯川村委員
県の
取り組みは、たしか去年あたりから本格的に始まったというふうに理解をしておりますが、そうしますと、これらの
取り組みが成果として出てくるのが、来年度いっぱいということになりますか、その時点ではかなり改善されるという見方をしてよろしいのでしょうか。
46
◯鈴井労政・
能力開発課長
本県の高校卒業者の3年後の離職率につきましては、平成16年3月卒の59.8%というのを最高にして、年々改善してきています。平成21年3月卒では37.3%、2年間で22.5%の改善をしているところでございます。一般的には、求人倍率が高いと雇用のミスマッチの件数が減少して離職率が改善する傾向にあるわけですが、ここ数年は新規高卒者の求人倍率が横ばいでありながらも、離職率が改善するという傾向もございます。県としてはこれまでもいろいろな
取り組みをやってきておりまして、そういった成果が出てきて、効果があらわれて最近、改善しているものと考えておりまして、今年度実施した事業の成果につきましては、1年後、2年後、3年後に改善ということで結果がついていくことを期待しております。
47
◯川村委員
最後になりますが、会社のほうでも若い人が定着するためのいろいろな
取り組みをしているようであります。研修制度を充実させるとか、あるいは、若い方に活躍の場を提供するとか、あるいは、職場環境を整備するとか、こういう
取り組みがなされているようでありますが、一方では、やめる理由として、賃金が低い、職場の人間関係が問題、仕事がきつい、こういったことが上位になっているようであります。なかなかすぐ改善される
取り組みはないと思いますが、県の
取り組みが非常に大きな影響を与えるということも言えると思いますので、しっかりした
取り組みをお願いして終わります。
48
◯岡元委員長
ほかに質疑はありませんか。──花田委員。
49 ◯花田委員
東北新幹線新青森駅が開業して約2年間たったわけですが、これまでの2年間、開業効果獲得のためにどのような
取り組みをされてきたのか、そしてまた、3年目以降、どのような
取り組みをしていくのかをお伺いします。
50 ◯高坂
観光企画課長
去る12月4日に東北新幹線全線開業から丸2年が経過いたしました。開業後、
関係者一丸となりまして開業効果獲得に向けての
取り組みを進めている矢先の東日本大震災でございましたけれども、一日でも早い震災からの復興と開業効果の獲得を目指して全力で取り組んでまいりました。
開業後1年目の昨年度は、「東北の元気を青森から」、これを合言葉にいたしまして、単独では本県初となるデスティネーションキャンペーンを震災直後の4月から実施したほか、SLの運行や復興応援植樹ツアーなど、県内各地で多彩なイベントやおもてなしを実施したほか、日本の祭りinあおもりの開催や大型コンベンションの積極的誘致にも取り組んでまいりました。
また、2年目となる今年度は、東京を初めとする大都市圏の旅行エージェントに対するセールス活動を本格化させるとともに、教育旅行の誘致にも強力に取り組んでまいりましたほか、JR東日本とタイアップして、東北新幹線八戸開業10周年記念キャンペーンなどに取り組んでいるところです。
開業3年目に向けましては、開業効果の継続獲得を目指すため、来年度は白神山地の世界遺産登録20周年を迎えるほか、三陸復興国立公園の指定が予定されているということから、これらを契機といたしまして、地元
市町村、関係団体と連携した情報発信、誘客宣伝活動に積極的に
取り組みたいと考えています。
さらに、北海道新幹線函館開業を見据えて、現在の旅行の主体となってきている個人客を一層意識しながら、県内全域での観光コンテンツのさらなる発掘、磨き上げに取り組むとともに、JRや北海道と連携した青函の広域観光の推進、それから、海外からのインバウンドの回復促進に努めてまいりたいと考えております。
51 ◯花田委員
ありがとうございました。さまざまな
取り組みをされていたこと、そして、これからまた新たに北海道と組みながらいろんなこと、それこそ観光コンテンツを磨き上げていくことなどをやられるということで、ぜひ期待しております。北海道と組むということで、世界自然遺産の、既に白神山地がありますけれども、そのほかにも今、縄文遺跡群で北海道と北東北の縄文遺跡群が世界遺産に登録されようとしている流れにあります。これをいち早く登録していただいて、そして、それをうまく観光コンテンツとして県のほうでも利用していただけるように、心からお願いして終わります。
52
◯岡元委員長
ほかに質疑はありませんか。──
伊吹委員。
53
◯伊吹委員
私のほうからも、東北新幹線全線開業2周年目の、特に冬季観光の推進についてお尋ねいたします。東北新幹線全線開業後の冬季の観光客の入り込み状況についてお伺いいたします。
54 ◯高坂
観光企画課長
県が毎月調査をしてございます県内主要観光施設のサンプル調査によりますと、東北新幹線全線開業1年目の平成22年12月から翌23年3月までの冬期間の観光客の入り込み数でございますけれども、開業直後の12月から2月までは、開業効果もございまして、前年同期比で127.5%と大きく増加しましたが、3月に発生した東日本大震災の影響によりまして、冬期間全体では108.2%の増加にとどまってございます。
また、2年目の平成23年12月から平成24年、ことしの3月までにつきましては、前年の開業効果の反動や、大雪などの影響などもございまして、前年に比べますと97.4%、開業前と比べて105.4%という実績になってございます。
また、県内の主な冬まつりの入り込み客数の状況でございますが、開業1年目は、前年と比べますと109.9%、約1割の増加でございますが、2年目の昨年の冬は、御承知のように大雪の影響もございまして、特に弘前城雪灯籠まつりの入り込み客が大幅に減少するなど、前年と比べると約8割、開業前と比べても86%という数字にとどまってございます。
55
◯伊吹委員
12月に入りまして本格的な冬を迎えておりますが、今後、冬季の誘客促進にどのように取り組んでいくのかお伺いいたします。
56 ◯石川観光交流推進課長
東北新幹線全線開業効果の維持拡大を図るため、観光客が減少いたします冬季間の誘客促進を図ることが極めて重要であるというふうに考えます。
このため、十和田湖冬物語、あるいは、弘前の津軽ひろさき冬の旅、八戸市のえんぶりといった「青森冬の三大祭り」のほか、八甲田の樹氷、冬の風物詩となりましたストーブ列車などの定番商品や、冬の魅力を生かした個性的なイルミネーション、あるいは、スノートレッキング、雪人参掘り体験など、多彩な観光コンテンツを旅行エージェント等にPR、提案いたしまして、旅行商品の造成に向けた積極的な働きかけを行ったところでございます。
また、旅行雑誌などの宣伝媒体や、青森県観光情報サイトの活用による情報発信を図るほか、「食」と「温泉」の魅力をPRするため、本県にゆかりのある著名人を起用したポスターやパンフレットを作成し、県内外に向けた誘客宣伝活動を実施しております。
さらに、開業2周年目を迎える今年度は、JR東日本が開業効果の維持拡大や冬期間の継続的な誘客を目指して12月から来年3月末まで実施いたします青森県・函館冬期観光キャンペーンと連携を図りまして、冬季の誘客に取り組んでいるところでございます。
今後とも、青森県観光連盟、
市町村、観光団体などと連携を図りまして、冬季のさらなる誘客促進を図ってまいりたいと考えております。
57
◯伊吹委員
エージェントとの連携というのはこれまでもなさってきたと思いますが、先日、地元紙に「視点 私見 あおもり」という県内に赴任をしてこられている経済人のコーナーがございました。いわば転勤等で来られた方々、こうした方々との連携、活用というんですか、これも非常に効果があるのではないのかなと。特に、各赴任先の責任者として来られる、また、全国を転勤して歩いてこられたりするという意味では、お土産も含めてですけれども、観光情報の発信をするお手伝いをしていただくということが有効なのではないかというふうに思いますけれども、こうした県内に赴任されて来られている方々との連携を図ってはいかがかと思いますけれども、どうでしょうか。
58 ◯高坂
観光企画課長
委員の御指摘のとおりでございまして、主要な企業様の支店長さん、青森支店長さん方を対象にいたしまして、かねてより文化観光大使という制度を設けてございます。現在、115名の支店長さん方に御就任をいただいておりまして、この大使の皆様方に定期的に私どもの観光情報を御提供申し上げましたり、また逆に、皆様方からいろいろ御意見をお聞きするという機会も設けてございまして、大使の皆様方には、例えば、仙台であるとか、本社からおいでいただく方におもてなししていただく、もしくは逆に、東京で会議があったりする際に青森県の情報発信を積極的にやっていただくということでお願いしているところでございます。
59
◯伊吹委員
大変浅学非才でございまして、不勉強で大変失礼いたしました。より積極的な
取り組みをされるよう期待して終わりたいと思います。
60
◯岡元委員長
ほかに質疑はありませんか。──三橋委員。
61 ◯三橋委員
青森県中小企業振興基本条例の基本方針の7番、「中小企業の販路の開拓の推進を図ること」は、今までの1から6までの基本方針ともかなりかぶる部分があります。販路を開拓する中でも特に営業力──県内だけで同じパイを食い合うのではなく、他県や世界に向けてどうやって売っていくかという営業力の強化が大変重要と考えますけれども、県のこれまでの
取り組みについて伺います。
62 ◯田中地域産業課長
御指摘のとおり、本県中小企業の販路拡大を図るには、営業力の強化が重要であると考えています。このため、県では、平成22年度から2カ年にわたって青森県中小企業経営力向上支援事業を実施しました。具体的には、県内の食品製造業者等を対象に「売れる商品
づくり」や「商談力の高め方」についてのセミナーを開催し、合計で200名ほどが受講しています。また、
県内企業10社に対して、専門家からの個別指導やバイヤーとの模擬商談会の実施等を通じて、県内中小企業の営業力の強化を図ってきたところです。
また、同様の目的で、企業の技術や製品のPRを行い、商談につなげるため、首都圏で開催される大規模展示会への出展を支援しております。去る10月に、東京ビッグサイトで開催された中小企業総合展2012には、全国から約800社が出展しましたけれども、本県からも、レッツBuyあおもり新商品事業で認定された企業を初め14社が出展して、実際のPRや商談活動を通じて販路開拓を図ったところです。
県としては、引き続き各種事業を実施して、中小企業の営業力の強化に取り組んでまいります。
63 ◯三橋委員
ビッグサイトでの大規模展示会の出展に支援したということです。800社ある中の14業者が青森だと。私たちもよく見に行くんですけれども、イベントコンパニオンを呼んで、食品だったら試食をさせて、ほかのものだったら販促の商品を渡してという、かなりの金額をかけて大規模にやられているところもあれば、ブースの片隅に資料だけ置いて、パネルをちょっと展示してというところもある。この14社がどの程度の規模でやられたのかわかりませんが、ただカタログを置くだけで、営業の方が誰とも話をしたくないように、ただそこにポツンと立っているだけでは販路の開拓には絶対つながらないわけです。ですから、こういった形で支援するときには、その効果が最大限に発揮されるように、まずは自分たちで本当に売れるものをつくる、それから、どういった需要があるかしっかり
マーケティングした上で、こういった企画展で営業の方に最大限の力を発揮してもらう。
そうすると、営業部分、営業の人材をどう育てていくかということが大変重要になってくるわけですね。いかに他県の方や世界と接して、自分のところのいいものをアピールしていくか。いいものがあることを前提としても、やはりいい人材がいなければ、そこで手にとってもらう、売れるということが行われないわけですが、この人材育成に向けた主な
取り組みについて伺います。
64 ◯田中地域産業課長
今年度の事業として、本県中小企業の営業力の強化に向けて、県内食品製造業者等を対象に、より実践的な研修を取り入れた「売り上手あおもり」推進事業を実施しています。
この事業では、豊富な実務経験を有する首都圏の食品スーパーの元バイヤーを講師として商品提案力や商談力を高める商品力・商談力向上研修を7月と9月に実施しました。また、中小企業の広報活動に豊富な指導実績のある講師による、プレスリリースの書き方などの演習を取り入れた、伝え上手・PR上手になるための広報力・発信力強化研修を9月に実施しました。
以上の研修を踏まえて、実店舗等における体験型の総合実習として、株式会社JR東日本青森商業開発と連携して、11月10日と11日に青森駅前のA-FACTORYにおきまして、参加者みずからが自社商品の陳列コーナーをつくって試食販売実習を実施したところでございます。さらに、本日6日から8日まで、上野駅で開催されますあおもり産直市での販売実習を実施することとしています。
県としては、今後とも本県中小企業者の販売力の底上げを図るため、
関係機関と密接に連携を図りながら、本県産業を牽引する人材の育成に積極的に取り組んでまいります。
65 ◯三橋委員
本県の売り上手で営業力があるといえば、三村知事がいらっしゃいますけれども、私たちも食品会社をやっていて、実際に試食販売等をやってみますと、お客さんといかに接するかというのは非常に難しいところがあります。例えば、笑顔をしっかりと伝えて、本当に心の底からお客さんにこのいいものを伝えたい、食品だけに限らずですけれども、そういったことでは、以前、県が行ったほほえみプロデュース事業といったものを受けてもらって、お客さんがどう思うかという接し方を学んでもらうとか、
商工労働部でやる事業、観光国際戦略局でやる事業だけではなく、前々から言っている幅広い連携を持って、県のあらゆる総合力を駆使した形で人材を育てていただければ、大規模展示会出展の支援等が、より効果的になってくるということをぜひ認識していただいた上で、来年度予算編成等をしっかりと進めていただきたいと思います。
来月には「中小企業の国際的視点に立った事業展開の推進を図ること」という8つ目の項目について、それから、県立美術館の運営について質問させていただくということを予告いたしまして、私の質問を終わります。
66
◯岡元委員長
ほかに質疑はありませんか。
[「なし」と呼ぶ者あり]
ないようでありますから、これをもって
商工労働部・
観光国際戦略局関係の審査を終わります。
午さんのため暫時休憩いたします。再開は午後1時といたします。
○休 憩 午後 0時05分
○再 開 午後 1時00分
67
◯岡元委員長
休憩前に引き続き
委員会を開きます。
エネルギー総合対策局関係の審査を行います。
付託議案等がありませんので、
所管事項について質疑を行います。
質疑は所管外にわたらないよう簡明に願います。
なお、
答弁者は挙手の上、「
委員長」と呼び、次に職名を言って発言を求めてください。
質疑はありませんか。──花田委員。
68 ◯花田委員
「EV・PHVタウン」推進に係る県の
取り組み状況についてお伺いします。
69 ◯濱舘エネルギー開発振興課長
「EV・PHVタウン」推進に係る県の
取り組み状況についてでございます。
3年前の平成21年3月に経済産業省が公募した「EV・PHVタウン」、東北・北海道で本県が唯一採択を受けまして、電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド車(PHV)の率先導入、本格普及に向けた実証実験に取り組むとともに、22年2月には、青森県EV・PHVタウン推進マスタープランを策定して、地域産業と連携した
取り組みを推進しているところです。
具体的な
取り組みとしては、平成23年度からの2カ年の重点事業として、昨年11月に、県内の
産学官金等で構成するあおもりEV・PHV関連ビジネス研究会を設置して、EV・PHVを活用した先進事例等の調査や、本県で実現可能なビジネスモデルの検討を行っています。
また、今年度は、研究会で検討したビジネスモデルの一つとして、既存のガソリン車を電気自動車に改造する、いわゆるコンバートEV分野における
事業化の
可能性に着目して、県内事業者によるコンバートEVの開発、製造に取り組むとともに、技術を習得するための研修会を開催することとしてございます。
県としては、こうした
取り組みを通じて、EV・PHVに関連する
県内企業等による
事業化及び参入の促進を図りまして、関連産業の振興につなげてまいりたいというふうに考えております。
70 ◯花田委員
ありがとうございました。平成21年の3月に公募をし始めて、東北と北海道で唯一実証実験をすることになったということに対して、本当に本県の職員の皆さん、一生懸命頑張られているなという印象を受けました。この後もコンバートEV、研修会が開かれるということでございますけれども、ぜひそういった最先端の技術を本県で担っていけるような形に持っていってほしいと思います。
71
◯岡元委員長
ほかに質疑はありませんか。
[「なし」と呼ぶ者あり]
ないようでありますから、これをもって
エネルギー総合対策局関係の審査を終わります。
次に、お諮りいたします。
当
委員会に付託されております特定付託案件について、さらに継続審査とすることに御異議ありませんか。
[「異議なし」と呼ぶ者あり]
御異議なしと認め、継続審査と決定いたしました。
なお、
委員長報告の作成については、本職に御一任願います。
以上をもって
商工労働観光エネルギー委員会を終わります。
○閉 会 午後 1時03分
Copyright © Aomori Prefecture, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...