二点目として、地域資源である十三湖産シジミを県外にどのように売り込んでいくのかお伺いいたします。
次に、
津軽自動車道の整備についてお伺いいたします。
津軽自動車道は、
浪岡インターチェンジを起点に、五所川原市、つがる市を経由し、鰺ヶ沢町へと至る延長約四十キロの
自動車専用道路であり、完成すれば、地域医療や産業などの支援のほか、
西北津軽地域との青森空港や東北新幹線新青森駅など、
主要交通拠点間との所要時間短縮が図られ、沿線地域の医療の安心、経済活性化の見地から早期の実現が待たれるところであります。
浪岡五所川原道路、
五所川原西バイパス、柏─浮田間、
鰺ヶ沢道路の四つに区分されている
津軽自動車道は、
浪岡五所川原道路については、平成十九年十二月十四日より供用され、
五所川原西バイパス、
鰺ヶ沢道路の二区間が現在事業中であるものの、柏─浮田間はいまだ事業に着手されておりません。また、
津軽自動車道の経路について、冬の天候の厳しさが知られている本県の中でも、特に地吹雪と呼ばれる風雪に見舞われることの多い地域に立地しております。
実際、供用中の
浪岡五所川原道路において、ことし二月八日に、車両十台の
多重衝突事故、翌九日には十一台が絡み、死亡者まで出た地吹雪に起因する重大な交通事故が発生したことは、記憶に新しいところであります。
浪岡五所川原道路には防雪柵が設置されており、一定の地吹雪対策が施されているにもかかわらず、このような事故が起きてしまったことは、大変残念なことであります。
冬期の重大事故を防ぐためには、一定の基準のもとに、道路の通行自体をとめるなどの対応が必要になってくるものと考えるものであります。
そこでお伺いいたします。
第一点目として、
津軽自動車道の整備状況と今後の見通しについて知事のお考えをお伺いいたします。
二点目として、ことし二月に発生した交通障害を踏まえ、今冬の雪対策の取り組みについてお伺いいたします。
次に、医療・健康・福祉分野、いわゆる
ライフ分野における産業振興についてお伺いいたします。
短命県である青森県の平均寿命は、男女ともに全国最下位であります。この要因としては、高喫煙率、高
カロリー摂取、運動不足などによる肥満、アルコール多飲、病院受診の遅さなどが指摘されているところでありますが、この事実は大変不名誉なことであります。しかし、逆に言えば、これら生活習慣の課題は、
ライフ産業のための潜在的需要が地域内に存在することを示し、地域産業にとってはビジネスチャンスと捉えることもできるのも確かであります。
昨年県が策定した
青森ライフイノベーション戦略には次のように記されております。医療・健康・
福祉関連産業分野は、今後成長が期待される産業分野であり、
雇用創出効果も見込まれ、また、
健康寿命アップに貢献するなど社会的意義が高く、有望な分野である。この
ライフ関連産業を次世代における青森県の経済成長を牽引する重要な産業の柱として育成するため、本県の地域特性や特色ある地域資源、強みを最大限に生かしながら、
ライフ関連産業の創出と集積による地域経済の成長促進に向けた政策展開を一層強化することで、依然厳しい状況が続く本県経済に活力を与え、雇用創出に寄与し、青森県民の健康で豊かな生活の実現に貢献することを目指します。
見事な逆転の発想でありますが、県民目線で見た場合、具体的にどのような施策であるかの浸透が図られているとは言いがたい状況ではないでしょうか。もちろんこれを実現するには長い期間を要すると思いますが、この戦略を絵に描いた餅に終わらせることのないよう、確実に、そして、より具体的に取り組んでいく必要があると考えるものであります。
そこでお伺いいたします。
第一点目として、
青森ライフイノベーション戦略を着実に実行していくための県の取り組みについてお伺いいたします。
第二点目として、多
機能小型車両ヘルスプロモーションカーを活用した医療・健康・
福祉サービスシステムの
モデル実証事業の概要と各地域での取り組みの方向性についてお伺いいたします。
次に、津軽半島の観光振興についてお伺いいたします。
二〇一五年度予定の
北海道新幹線奥津軽駅開業が迫ってまいりました。開業を見据えた
津軽半島地域の観光振興については、以前にも一般質問で取り上げさせていただいたところであります。
北海道新幹線新函館駅への延伸は、本県観光にとって青函一体でのPRや誘客が期待できるというプラスの効果がある反面、観光客が本県を素通りし、北海道に流れてしまうという
マイナス要素も有するものと危惧しております。
したがって、
北海道新幹線新函館駅延伸をチャンスと捉え、本県の観光振興につなげていくために、
東北新幹線開業に向けて取り組んできた観光資源の磨き上げや地域一体でのおもてなしなどの取り組みを一層強力に推進し、
青森ならではの魅力づくりに努めることで、函館や北海道との差別化を図っていく必要があります。
特に津軽半島においては、
北海道新幹線県内唯一の駅となる奥津軽駅の開業に向けて、地元今別町のみならず、
津軽半島全域を挙げた観光振興の取り組みが急務と考えるものであります。
そのような中、平成二十一年度から二十三年度まで、県が奥津軽の観光振興策として実施していた奥津軽
トレインアテンダント事業、
ローカル私鉄では珍しい六名の
女性客室乗務員の存在が全国的にも注目を集め、津軽鉄道への乗客数増加や奥津軽の魅力の県内外への発信につなげるなど、一定の成果が見られていたところであります。
この事業を、今年度からは、これまで行ってきた県のほか、津軽鉄道、
津軽鉄道サポーターズクラブ、五所川原市、中泊町を加えた
津軽半島観光アテンダント協議会が引き継ぎ、名称を奥津軽
トレインアテンダントから
津軽半島観光アテンダントとしてリニューアルしております。
彼女たちが行う地域の観光や特産物の案内や宣伝、津軽弁での温かいおもてなしなどは、まさに
青森ならではの大きな魅力として、訪れる観光客から評価が高いと聞いております。
数ある津軽半島の名所や文化、特産品などのきめ細かな知識を習得し、情報発信を行っていくために、
アテンダントたちのこれまで以上の研さんと、それを支える県の息の長いバックアップが求められているところであります。
そこでお伺いいたします。
第一点目として、
津軽半島観光アテンダントの活動状況についてお伺いいたします。
第二点目として、
津軽半島観光アテンダントについて、地域の観光資源としての役割をどのように認識しているのかお伺いいたします。
第三点目として、
北海道新幹線を控え、
津軽半島観光アテンダントの配置を今後も維持していくためには、民間事業者や地元市町村などとの連携はもちろんでありますが、まずは、県が零細な民間企業や一般財源に乏しい地元市町村の先頭に立って財源を確保していくべきであり、その上で、これからの
アテンダントの
情報発信力の向上が必要と考えるが、これらに対して県はどのように支援するのかお伺いいたします。
次に、外国語教育の推進についてお伺いいたします。
我が国では、長く
義務教育課程において中学校からの英語教育を行っております。高校、大学と十年余りの英語教育の期間がある割には、読めても、聞けない、話せない、
コミュニケーションのとれない日本人が多いのは衆目の一致するところではないでしょうか。
事実、英語を母語としない者を対象とした英語による
コミュニケーション能力を検定するための試験(TOEIC)で、生徒に英語を教える立場の中学教師の英語力を韓国と比較すると、平均スコアで韓国は七百十八点、日本は六百五十五点と大きく引き離されております。TOEICの点数だけで英語力を比較することについては、妥当でない面もあろうかと思いますが、一つの指標としての認識をする必要があるのではないでしょうか。
比較対象とした韓国では、小学校三年生から英語が必修科目化し、英語の授業では韓国語をほとんど使わないことにより、語学習得の推進を図っているとのことであります。
我が国の一般的な英語の授業はどうでしょうか。日本の場合、英語を教えるのに日本語を使っております。授業の中で使われる英語の情報量が圧倒的に少ないわけですから、考えてみれば、英語力に差がついて当たり前のような気がします。
これら国際競争力のある日本、青森県となるためには、国際公用語である英語を駆使する人材の育成に力を注ぐことが必須であります。
このことへの対策として、近年、小学校課程から外国語授業として英語を導入しているものの、その効果や実績については、もうしばらく推移を見守る必要があるところでありましょう。しかしながら、国内においても、社内公用語は英語とする企業が出てきている現状を鑑みますと、文部科学省の
指導要領改訂をのんびりと待っていられないのではないでしょうか。県独自にでも早急に英語教育に取り組むべきではないかと憂慮するものであります。
そこでお伺いいたします。
第一点目として、高等学校における
グローバル人材育成に向けた取り組みについてお伺いいたします。
第二点目として、教員の指導力向上に向けた取り組みについてお伺いいたします。
次に、ネット犯罪についてお伺いいたします。
先ごろ、東京都や大阪府などにおいて、
インターネット掲示板への無差別殺人や爆破の予告を書き込んだということで、一たんは犯人と見られる者が逮捕されたものの、その後、真犯人を名乗る者の犯行声明により、無実の方が誤認逮捕されてしまったことが明らかとなった事案が立て続けに起こっております。
これだけ
インターネット、パソコンが普及しており、多数の県民が利用している中では、
遠隔操作ウイルスにより、本人が全く知らずに犯罪行為の片棒を担がされ、あげくの果てに誤認逮捕されるということが、我々の周りでも起こり得るということであります。
インターネットでは県境も国境も存在しないため、
不正アクセスや
ウイルス感染などの
サイバー犯罪の防止や検挙のためには、次から次へと生まれてくるウイルスを初めとする
不正プログラムに、全国の警察が情報を共有化して対処することと、県民自身ができる限りの予防対策をとることが重要になってくるものと考えるものであります。
今回の事件では、報道を見る限り、
遠隔操作ウイルスを駆使している真犯人に警察が翻弄され、捜査が完全に崩されているように見受けられます。
このようなことで最も不安に感じるのは、警察の捜査技術が犯罪の上をいくようでなければ、冤罪が起こる可能性が高いということであります。もしも真犯人と見られる者から、逮捕されている被疑者は無実であるとの連絡がなければ、これら誤認逮捕された方々は、刑事裁判にかけられ、有罪になったかもしれないのであります。
そこでお伺いいたします。
第一点目として、コンピューウイルスを初めとする
不正プログラムの情報を全国の警察は共有し、
サイバー犯罪に適正に対処していく必要があると思われるが、警察ではどのような対策をとっていくのかお伺いいたします。
第二点目として、県民が
サイバー犯罪の被害に遭わないようにするため、県警察ではどのような対策を行っているのかお伺いいたします。
以上、壇上からの質問といたします。
4 ◯議長(西谷 洌) 知事。
5 ◯知事(三村申吾) おはようございます。寺田議員にお答えいたします。
まず、私からは、地域資源であります十三湖産シジミの県外販売についてであります。
私は、消費者起点に立った安全・安心で良質な
農林水産物を生産し、強力に売り込んでいく販売を重視いたしました攻めの
農林水産業を展開しております。シジミにつきましても、県内外の青森県産品のフェア等で積極的に販売をしているところであります。
例えば、今年度は、沖縄県や岡山県など四カ所の
県外大手量販店での
県産品フェアで販売をしてきましたほか、七月と九月には県内の量販店で開催されました
県産品フェアの際には、十三
漁業協同組合の組合長とともに、量販店の担当者に対して十三湖産シジミの取り扱いを要請したところでございます。
十三湖産のシジミは、その質と品質のよさから、既に全国に通用するブランドとなっております。十三
漁業協同組合では、その地位を守るため、平成十七年から生産履歴が確認できますQRコードを活用したトレーサビリティーシステムを導入し、
産地偽装防止に努めておりますほか、
シジミ資源の継続管理にも積極的に取り組み、平成二十一年には、海洋環境や水産資源に優しい持続可能な漁業や水産物商品を認証いたしますマリン・
エコラベルの認証を受けるなど、おいしさに加えて、このような漁業者の取り組みも伝えながら、私もそうでございますが、組合員の皆様方もPRしていると伺っております。
県としては、漁獲量が日本一となったことを契機として、シジミといえば青森県産品と消費者から言ってもらえるよう、今後とも、関係団体と連携を図りながら、本県産シジミのさらなる認知度向上と販売促進に努める所存です。
津軽自動車道の整備状況と今後の見通しでありますが、
津軽自動車道は、西北地域の主要産業であります
農林水産業や観光産業の活性化、災害時における緊急輸送や
救急医療体制の支援など、住民生活を支える大変重要な路線であると認識いたしております。
これまでに
浪岡五所川原道路が開通しており、現在、
五所川原西バイパス、
鰺ヶ沢道路の整備が進められております。
五所川原西バイパスにつきましては、先月二十七日、岩木川をまたぎます橋長四百九十六メートルの
仮称岩木川橋上部工の締結式がとり行われたところであります。また、
鰺ヶ沢道路につきましても、去る九月十日に起工式が開催され、本格的な改良工事に着手されたところであります。双方の工事が着実に進展しているところでございます。
さらには、今年度、未着工区間であります柏─浮田間につきましても、新たに概略ルート、構造の検討に係る調査に着手し、調査の熟度を高めているところであります。
高
規格幹線道路は、ネットワークとしてつながってこそ効果を最大限発揮するものでありますから、未着手区間を含め、一日も早く全線供用が図られるよう、引き続き、
関係市町村等と一体となって、国に対しまして強く働きかけていきます。
青森ライフイノベーション戦略を着実に実行するための取り組みであります。
医療、健康、福祉といった
ライフ関連産業分野は、今後成長が期待されている分野であり、本県の
物づくり企業のすぐれた技術が生かせる分野でもありますとともに、県民のQOL(生活の質)の向上にも貢献するなど、社会的意義が高い分野でございます。
このため、県では、
ライフ関連産業を次世代における重要な産業の柱として育成するため、基本指針となります
青森ライフイノベーション戦略を昨年十一月に策定いたしました。
また、本戦略を着実に推進していくためには、専門家からの助言やより具体的な施策の検討が必要でありますから、
青森ライフイノベーション戦略アドバイザリーボード委員会を本年六月に設置したところであります。
先般、本委員会からの提言をいただき、本戦略をより実効性の高い具体的なプランとする
青森ライフイノベーション戦略サブクラスター戦略プログラムを取りまとめたところであります。
こうした中、昨日でありますが、十二月二日、東通村におきまして医療機器を搭載した多
機能小型車両ヘルスプロモーションカーの国内第一号となる実車が納車されました。また、引き続き、地域の三百名を超える皆様とともに、
ヘルスプロモーションカーへの期待や包括ケアに貢献する本
実証プロジェクトの推進をテーマにフォーラムを開催し、議論を深めたところでございます。
このように、
青森ライフイノベーション戦略の実現に向けてのさまざまな
プロジェクトが具体的に実行に移され、地域においても着実に進展しているところでありまして、今後は、より具体化された施策展開が取りまとめられました
サブクラスター戦略プログラムに基づきまして、
青森ライフイノベーション戦略を着実に実行しながら、本県の
産学官金連携による新産業の創出に取り組んでいきたいと考えているところであります。
地域観光資源としての
津軽半島観光アテンダントの役割の認識でありますが、多様化する旅行者のニーズに対応し、私ども青森県の観光力を高めていくためには、各地域の自然、景観、文化等の地域資源を生かすことはもちろんでありますが、観光客の方々に青森らしさを感じていただけるようなおもてなしをする地域の人々の魅力も重要であると考えております。
津軽半島観光アテンダントは、津軽半島の歴史、伝統、文化、食、特産品などの魅力を郷土色豊かに、かつ、創意工夫を凝らして紹介するなど、その行動力や
情報発信力は、私が期待しております
人財力そのものであり、その活躍の様子はさまざまなメディアにも取り上げられ、津軽半島全体の魅力向上と誘客促進に大きく寄与しているものと認識するところであります。
今後とも、
アテンダントの皆さんが地域の魅力を効果的に発信する中で、観光客の方々との触れ合いにより、旅がさらに思い出深いものとなり、再び訪れる方がふえるような積極的な取り組みを期待しているところであります。
私からは以上です。
6 ◯議長(西谷 洌)
商工労働部長。
7
◯商工労働部長(馬場良夫)
ヘルスプロモーションカーを活用した医療・健康・
福祉サービスシステムの
モデル実証事業の概要と各地域での取り組みの方向性についてお答え申し上げます。
ヘルスプロモーションカーは、可搬式の医療機器等を搭載し、巡回診療、健康診断、健康教室などの多様な用途に柔軟に対応できる多
機能小型車両でございます。今年度、東通村、深浦町、南部町を実証地域といたしまして、この車両を活用して訪問診療や
介護予防活動、安心見守り等を実施することにより、地域の課題解決に貢献する新たな医療・健康・
福祉サービスシステムの実証研究を行うこととしております。
実証を行います三町村のうち、東通村は、事業全体の中心的な役割を担い、慢性疾患を抱えている方を中心とした取り組みや住民全体を対象とした取り組みなど、総合的な実証を行うこととしております。
深浦町では、診療所から遠距離の集落が多数存在し、特定健診率が低いこと等の地域特性を踏まえた実証を行うこととしております。
南部町では、多数の集落が近距離間で所在し、在宅患者や
老人ホーム入所者に対し、小まめに訪問診療を行っているなどの地域特性を踏まえた実証を行うこととしております。
本実証事業を着実に進め、その成果を
ライフ分野関連の産業振興に生かしていきたいと考えているところでございます。
8 ◯議長(西谷 洌)
農林水産部長。
9
◯農林水産部長(渋谷義仁) 十三湖及び小川原湖におけるシジミの安定生産への
取り組み状況についてお答えいたします。
十三湖及び小川原湖の
関係漁業協同組合では、全国上位の漁獲量を誇る本県産シジミの安定生産を図るため、漁獲する漁業者数や一日当たりの漁獲量の制限のほか、保護区や禁漁期間を設定するなどして資源の管理に取り組んでいるところであります。
また、県及び地方独立行政法人青森県産業技術センター内水面研究所では、
関係漁業協同組合とともに、シジミの現存量調査のほか、湖の水質やシジミが生息する湖底の状況などの漁場環境調査を実施し、その状況に応じた資源管理の指導助言を行っているところです。
これらの取り組みにより、本県の
シジミ漁獲量は、近年三千トン前後で安定的に生産され、平成二十三年の漁獲量は日本一となったところであります。
10 ◯議長(西谷 洌) 県土整備部長。
11 ◯県土整備部長(成田昌規)
津軽自動車道のことし二月に発生した交通障害を踏まえた今冬の雪対策の取り組みについてでございます。
国土交通省青森河川国道事務所では、
津軽自動車道浪岡五所川原道路が交通障害により全線通行どめとなったことを踏まえ、視界不良対策として、延長三千メートルにわたる自発光式視線誘導標を増設しているところです。
また、現地の路面状況や気象状況等を的確に把握し、早期に対応できるよう、監視カメラを増設するとともに、気象予測情報をもとに、道路パトロールを強化することとしております。
さらに、今月上旬には防災訓練を実施し、また、交通障害が見込まれる場合には、適切な時期に事前通行どめとすることを徹底するなど、管理体制の強化を図り、安全な冬期対策に努めていくと伺っております。
12 ◯議長(西谷 洌) 観光国際戦略局長。
13 ◯観光国際戦略局長(佐藤淑子)
津軽半島観光アテンダントについて二点お答えいたします。
まず、活動状況についてでございます。
津軽半島観光アテンダントは、平成二十一年度から三年間設置された奥津軽
トレインアテンダントが、西北地域の魅力向上や誘客に大きく寄与してきたことから、今年度から
津軽半島全域を活動対象として配置されたものです。
具体的には、日本最北の民間鉄道である津軽鉄道に乗務して
津軽半島全域の観光案内を行うとともに、地域のお勧め情報を
アテンダントの視点で紹介する津軽半島通信の発行、津軽半島列車や七夕列車などの列車運行の企画、ホームページやブログを活用した最新情報の発信、首都圏や関西地域等に出向いての誘客宣伝活動、さらには、夏の五所川原立佞武多における「太宰治と津軽」をテーマとした山車の制作と運行など、地域の魅力の発信に積極的に取り組んでいるところです。
今後は、これまでの活動に加え、地域の魅力の一層の掘り起こしに努めながら、津軽半島全体を紹介するパンフレットの作成や、各地域に伝わる素朴で懐かしい食べ物を紹介するイベントの実施などにも取り組み、津軽半島の観光力強化に向けた活動を継続していくこととしております。
続きまして、観光
アテンダントに対する支援についてでございます。
県では、五所川原市、中泊町及び津軽鉄道株式会社等とともに、
津軽半島観光アテンダント推進協議会を設立して
アテンダントを配置し、全国に向けて津軽半島の観光、食、伝統、文化、そして特産品などの情報を効果的に発信し、誘客の促進を図っております。
また、今年度から各エリアごとに地域プロモーション会議を設置し、地域の魅力の発信と観光コンテンツの開発について地域の方々と一緒に検討を進めておりますが、西北地域プロモーション会議には、
アテンダントの皆様にも御参加をいただいております。
県としては、引き続き、
津軽半島観光アテンダント推進協議会の一員として、地元関係機関等と一層緊密に連携しながら、
アテンダントの企画・開発能力や
情報発信力の向上に資する研修機会の提供に努めてまいります。
以上でございます。
まず初めに、産科・小児科医療の確保についてです。
県民、特に子供を持つべき世代が安心して子供を持ちたくなるような対策が必要と考えます。ここで非常に大きな問題は、近年の産科医不足により、居住地でお産ができない地域がふえていることです。
知事は、率先して医師の確保、定着に取り組んでおり、その成果が着実にあらわれてきているところでもあります。また、県病に総合周産期母子医療センターが設置されて以来、乳児死亡率の改善なども図られていると認識しております。
しかし、その一方で、郡部を中心として、居住地に産科医や小児科医がいない地域がほとんどであり、県民からは、どこに住んでいても安心して出産し、子育てができるよう、産科・小児科医療の充実が求められてきているところであります。
そこで質問ですが、産科・小児科医療の確保に係る県のこれまでの取り組みと今後の取り組み方針について伺います。
次に、子育て支援対策についてです。
本県の平成二十三年における合計特殊出生率は一・三八であり、平成十八年以降全国平均を下回る状況が続いております。近年、私が特に気になることは、本県のみならず、若年層からは子供を産もうとする意欲が感じられないという点であります。
先ほども申し上げましたが、居住地に産科医、小児科医がいないことを含め、出産、子育てに対する不安や負担が重くのしかかり、子供を産むことにためらいがあるのではないかと考えます。また、現在においては、生活のバランスを考える余り、子供は一人が限界と感じている世帯も多く、これが出生率の低下を招いています。
一般に、一世帯当たりの平均で子供が三人以上いないと人口減少となると言われております。将来の生産年齢人口の増加を図るため、子供を産み育てるべき世代が、出産、子育てに対する不安感、負担感を持たずに子供を産み育てたくなるような対策が必要であると考えます。
そこで質問ですが、子供を産み育てるべき世代が子供を産み育てたくなるような対策を講じるべきと考えますが、県の考えをお伺いします。
人口動態を決定づけるもう一つの要素が社会動態です。
施策の効果があらわれるまでに相当の時間を要する自然動態に比べ、転入者の超過により社会動態を増加させる取り組みは即効性が期待できます。言いかえれば、自然動態対策の効果があらわれるまでの間、社会動態対策によっていかに人口減少を食いとめるかが鍵になるわけであります。これについては、既に関東・関西地区において、東京都や大阪府において人口集約施策が実施されてきました。
そこで、以下の三つの観点から社会動態の増加対策について伺います。
一点目は、私立大学などの誘致についてです。
私は、平成二十二年度の決算特別委員会において、県のエネルギー総合対策局が推進している原子力人材育成・研究開発推進構想に関連し、全国各地の大学との連携の必要性について提言させていただいております。
本県は、六ヶ所再処理工場や東通原発などの原子力関連施設、日本一の出力を誇る風力発電施設、八戸地域に建設中のLNG輸入基地やメガソーラーなど、全国的にもまれな最先端のエネルギー関連施設が集積する県であります。これらの施設は、物理学、量子力学など、エネルギー関連分野を専攻する学生にとっていわば生きた教材であり、本県に大学あるいは一部の学部を誘致する際の強力なツールになり得るものと考えます。
エネルギー分野に限った話ではありません。本県に大学が立地することにより学生が全国から集まり、人口増加による需要、消費の拡大、県内経済・産業の活性化が期待されるほか、優秀な人材を求める県外企業の本県への誘致、集積、関連企業等への雇用の拡大、本県への定住促進などにつながるものと考えます。また、県内高校出身者の県外流出防止にも効果があるのではないかと考えております。
人口増加対策の一環として、国公立大に比べ機動的かつ柔軟な対応が期待できる私立大学をターゲットに誘致の取り組みを積極的に行うべきであると考えます。
そこで質問です。
エネルギー分野など、他県にはない本県の強みを生かして私立大学を誘致する考えはないのかお伺いいたします。
次に、移住・定住対策についてです。
県外から人を呼び込んでくる移住、定住に向けた取り組みは、社会動態の増加対策として有効な取り組みであると私は考えます。近年では、田舎暮らしへの興味の高まりや自然回帰志向、ライフスタイルの見直しなどと相まって、幅広い世代において、環境に恵まれた地方への移住や定住、または地方との交流を希望する方々がふえており、そうした状況を踏まえ、全国の自治体において人口減少の問題への対応策の一つとして、地方に関心のある方々の移住、定住を推進するためのさまざまな取り組みを行っていると聞いております。
そこで質問ですが、移住・定住対策の県のこれまでの取り組みと今後の取り組み方針についてお伺いします。
社会動態の三点目は、教育環境の充実についてです。
少子化の進行は、教育分野においてもさまざまな影響を及ぼしています。
先般、平成二十六年度から二十九年度までを対象とする高等学校教育改革第三次実施計画後期計画が県教育委員会において策定、公表されました。計画では、この四年間に募集停止となる学校が、校舎を含めて三校、学級減で対応する学校が十五校となっており、改めて少子化の影響の大きさを感じ取ったところでもあります。
仮に統廃合を行わなければ、学校が小規模化し、野球やサッカーなどの部活動の選択の幅がなくなる、さまざまな教科を教える教員が十分確保できなくなる、行事も小ぢんまりとなってしまうなどさまざまな影響が懸念されることから、私は、この高校教育改革を進めていく必要性については理解しているつもりであります。
しかしながら、この高校改革によるマイナスの影響も無視できないのであります。特に郡部の高校生は、通学が困難になり、通学費用や通学時間もかかるなどの負担がふえるといった問題です。バスや電車の本数が少なく、強風や大雪などですぐに交通麻痺すると、生徒たちは学校に通えなくなります。中には、通学できないという理由で学校近くに下宿する生徒、家族で郡部から市部に転居してしまった方もいると聞いています。
このように、少子化、人口減少に対応するための高校教育改革が、結果として郡部と市部の地域格差、ひいてはさらなる人口減少を引き起こしているという側面もあると考えられます。
平成三十年度以降は、その後の四年間で二千三百人の生徒が減少する生徒急減期を迎えると聞いております。そのためにも、平成三十年度からの次期高校教育改革では、ぜひこのような状況も考慮していただき、子供たちにとって望ましい学校教育の充実はもちろんですが、通学事情など家庭の負担についても配慮していただきたいと望むものであります。
そこで質問ですが、子供たちが学ぶための環境づくりが重要と考えますが、県教育委員会のこれまでの取り組みと今後の対応について伺います。
以上が、自然動態及び社会動態の両面から現在における県の姿勢、取り組み方針を伺ったところでありますが、これらは、さきに申し上げた経済白書に記載のある人口減少社会におけるが基本ベースであり、つまり六次産業化や経営安定化サポート等の施策により人口減少に歯どめをかけることを狙ってきました。結果、一定の効果はあったものの、人口減少に歯どめをかけることはできなかったわけであります。
そこで、人口減少に歯どめをかけるという目標ではなく、人口増加を目標とした対策が打てないものかとの思いが生じたのであります。人口増加対策というものは、単独の部局では到底できない取り組みであると思います。例えば、人口増加計画のような人口増加に向けた全庁的、総合的な対策が必要だと考えます。
他県の施策を見渡してみても、人口増加に向けた取り組みはほとんど見当たりません。ぜひ、本県こそが全国に先駆けて取り組んでいただきたいのであります。
そこで最後の質問です。
県は、人口減少を前提とした対策だけではなく、県人口を増加させる取り組みを積極的に講じるべきと考えますが、県の考えをお伺いします。
以上で壇上からの質問を終わります。
82 ◯議長(西谷 洌) 知事。
83 ◯知事(三村申吾) 工藤慎康議員にお答えいたします。
まず、私からは、産科・小児科医療確保に係るこれまでの取り組みと今後でございます。
本県の産科・小児科医療を継続的、安定的に確保するため、産科医及び小児科医の育成、確保を図るとともに、周産期医療を中心に産科、小児科の医療連携体制の整備ということに私は取り組んできました。
産科医及び小児科医の育成確保につきましては、弘前大学医学部に委託し、産科、小児科がいずれもかかわる周産期医療分野に医学生や初期研修医等が関心を持ち、進んでもらうことを目的とした研修を実施しておりますほか、八戸市立市民病院を中心とする広域的な産科医療ネットワーク構築に対する支援などの取り組みも行ってきました。
また、医療連携体制につきましては、周産期医療につきましては、青森県周産期医療システムを構築して体制整備に努めてきましたほか、地域医療再生計画に基づき機能強化にも取り組んでおります。小児科医療につきましては、重症度に応じた医療機関の役割分担と連携の強化を図りましたほか、小児科医の負担軽減と子育て中の家族の不安軽減を図る小児救急電話相談について、当初、土日祝日の実施といたしましたものを、昨年八月からは三百六十五日対応に拡充するなど、体制整備にも努めてきました。
今後も、子供の誕生を望む方々と子供たちのために、安定的に産科・小児科医療を提供できる体制を整備していきたいと考えております。
子供を産み育てたくなるような対策についてであります。
青森県の未来を創造する子供たちは、まさに県民の宝であります。希望であります。そして、子供たちが笑顔にあふれ、健やかに心豊かに育つための支援は未来への大切な投資であると認識します。
このため、未来への挑戦におきまして、子供を産み育てやすい環境づくりということを掲げ、ワーク・ライフ・バランスの実現による子育てと仕事の両立を支援するとともに、地域社会全体で子育てを見守り、支え合う体制を整えるなど、安心して子供を産み育てることができる環境づくりを推進しております。
具体的には、県民誰もが安心して妊娠、出産することができる環境づくりのため、妊婦健康診査の公費負担制度や特定不妊治療費の助成の拡充、あるいは周産期医療体制の充実や多様な保育サービスの推進など各種施策に取り組み、出産、子育てを支援してきました。
さらに、平成二十三年度には、あおもり出会いサポートセンターを設置し、結婚に関する機運を盛り上げ、結婚を望む男女に出会いの場づくりを行う取り組みを進めております。
今後とも、安心して子供を産み育てることのできる環境づくりに全力で取り組んでいきます。
人口増加に向けた総合的な対策の推進についてであります。
議員御指摘のとおり、本県の人口は、昭和五十八年をピークに減少が続いており、さらに国全体としても人口が減少に転じている状況を踏まえますと、今後も本県人口が減少傾向で推移することは避けられないものと考えるところであります。
こうした状況のもとでは、やはりこの人口の減少のスピードを少しでも緩やかにするとともに、人口減少を前提とした社会の対応を着実に進めていくことが重要であると考えるところであります。
このため、少子化対策に資するための子育て支援、若年層の県内定着を促進するための雇用の場の確保、多彩な地域の魅力の活用による交流人口の拡大、そして社会を築き支える人財──人の財(たから)の育成など、人口減少の抑制、ひいては、このことによって人口増加につながる取り組みとともに、人口減少の影響により機能の低下が懸念される地域コミュニティーの活性化や高齢者の安全・安心を地域全体で支える体制の構築など、人口減少社会に対応した取り組みを部局横断的に進めているところであります。
今後とも、この人口減少、少子高齢化が進む傾向の中であるわけでございますが、我々としても地域の実情をしっかりと踏まえ、青森県の未来を展望しながら持続可能な地域づくりに向けて、したがって、そのことによって人口増加ということにつながるいわばターニングポイントを目指す、そのポイントを求めながら全庁を挙げて積極的に取り組んでいきたいと考えているところでございます。
以上です。
84 ◯議長(西谷 洌) 総務部長。
85 ◯総務部長(中村 賢) それでは、私立大学の誘致につきまして御答弁を申し上げます。
大学につきましては、地元での進学機会の確保や県外からの進学などにより人口の社会減に対し一定程度の効果が期待できることなどから、地方に限らず、都市部を含めて誘致活動が行われてきているところでございます。
しかしながら、私立大学につきましては、入学者数の約七割が学校数で約二割にすぎない定員千人以上の大規模な大学に集中している実態がございます。一般論としては、地方の中小規模の大学を取り巻く状況というのは、厳しさを増している状況かと思います。
そこで、県では、原子力関連施設の立地など本県のポテンシャルを生かした人材育成、研究開発を推進するため、平成十九年度に青森県原子力人材育成・研究開発推進構想を策定し、活動の拠点施設の開設に向けた取り組みを進めているところでございまして、また、県の要請に応え、東北大学は新たな研究部門を六ヶ所村に設置しているところでございます。
県といたしましては、原子力人材育成・研究開発推進構想を初めとする本県の強みを生かした人材育成策を着実に推進してまいりたいと考えております。
86 ◯議長(西谷 洌) 企画政策部長。
87 ◯企画政策部長(小山内豊彦) 移住・定住対策の県のこれまでの取り組みと今後の取り組み方針についてお答えいたします。
県では、交流人口の拡大と移住、定住を促進するため、これまで、首都圏等の団塊世代から若者世代に至る幅広い世代を対象に、本県の豊かな自然や文化、食、人に触れる体験ツアーの実施や特色ある資源を活用したプロモーション活動などの取り組みを行ってきたところです。
さらに、移住、定住については、受け入れ体制の整備が重要であることから、意欲のある市町村や地域団体等の情報交換の場として、あおもり移住・交流推進プラットフォームを設立、運営するとともに、東京に設置しているあおもりキャリアセンターに移住・交流コーディネーターを配置し、移住相談や情報提供を行っているところです。
移住者の誘致につきましては、全国的に競争が激化しているところですが、移住先としての地域の魅力の情報発信や住まい等生活環境の整備、受け入れ地域における総合的なサポートの有無などが大きな判断材料となっていると考えられます。
そのため、県としては、効果的な情報発信に努めるとともに、市町村や地域団体等と連携しながら、さらなる受け入れ体制の整備などに努め、引き続き交流人口の拡大及び移住、定住の促進に取り組んでいきたいと考えております。
88 ◯議長(西谷 洌) 教育長。
89 ◯教育長(橋本 都) 子供たちが学ぶための環境づくりに係るこれまでの取り組みと今後の対応についてお答えいたします。
県教育委員会では、新しい時代を主体的に切り開く人づくりを目指し、本県の未来を担う子供たちが社会の中で自立した人間として成長できるよう、さまざまな教育施策を進めてまいりました。
具体的には、小・中学校の少人数学級編制や公立学校の耐震化を初めとした教育環境の整備、特別支援教育の充実、小・中・高等学校の連携の推進、学校、家庭、地域の連携の仕組みづくりなど、子供たちの教育環境の充実に努めています。
また、県立高等学校教育改革第三次実施計画においては、他の県立高校への通学が困難となる地域の事情などにも配慮しつつ、中学校卒業予定者数が減少する中にあっても、高校生が切磋琢磨できる環境の中で、確かな学力や豊かな人間性とともに、高い志を持ち、それに向かって進路実現を図るためのたくましい心を身につけることができるような学校規模・配置に努めております。
県教育委員会としましては、少子化という大きな時代の流れの中で、子供たちが郷土に愛着と誇りを持ち、志を抱き、青森の未来を切り開く人財として成長できるよう、今後とも教育環境の充実に努めてまいります。
90 ◯議長(西谷 洌) 工藤議員。
91 ◯十五番(工藤慎康) ただいま御答弁いただきましたが、誤解なきように申し上げておきます。
現在の基本計画に基づいて──基本計画には四つの柱がありますね。それぞれに対する施策が人口減少の歯どめを目途として取り組まれたのは知っております。過去の一般質問の御答弁の中にも、人口減少に歯どめをかけるべくというお答えを何度もいただいているんですね。今の答弁の中で、総務部長の御答弁についてちょっとお伺いしたいんですが、一般論的に地方の中小規模の大学を取り巻く状況は厳しさを増している。どういう意味なんでしょうか。
結果として、答弁としてお答えはいただいていないんですが、東北大学が学部を設置していろんな研究をするというお話をいただいたんですけれども、私の質問は、私立大学を誘致するべきではないのかという質問なんですね。それにお答えいただいていないんですよ。ですから、今説明のあった一般論というのはどういった概念があるのか、それもあわせて説明していただければありがたいです。
それから、次の教育環境の充実についてですけれども、他の県立高校への通学が困難となる地域の事情などに配慮しつつという言葉がありました。どこに配慮しているんでしょうか。私、壇上の説明の中で、学校に通うことが費用面にも負担になる、通うのも、例えば雪が降った、風が強くなったので電車がとまる、バスがとまる。そういったことで通えなくなるから、下宿に移るとか、家ごと、家族ごと引っ越してしまったという話を聞いているんですよ。それが教育委員会で言う配慮なんですか。それを聞きたかったんですよ。
もう一つは、郷土に愛着と誇りを持つ。今のような状態の中で、郷土に愛着を持てるんでしょうか。それも含めて再度お伺いしたいんですが、現在実施されている教育改革が人口流出の原因の一つとなっているという指摘を私は言わせていただきました。それを含め、今後の教育環境の充実をどのように考えるのか、再度お伺いさせていただきます。
先ほども申し上げましたように、医療関係についても居住地にないんですよ。結局、子供を産みたい、子供ができました。確かに検査します。でも、基本的には生まれるまで自宅待機なんですよ。結局、例えば陣痛が来たといったときに、そこから何分かけて病院に行くんでしょうか。そういうことなんですよ。それが安心感、不安の原因の一つなんじゃないかなということなんですね。それぞれの部局で取り組んでいることは非常に大事なことだと思うんですが、目標が人口減少に歯どめをかけるという目標なものですから、そこで終わってしまうのかなという、ちょっと私自身の不安があるんです。
ですから、逆に、ちょうど来年度から次期青森県の基本計画の見直しに入ると思うんですが、次期の計画では、人口減少社会に向けた取り組みではなくて、人口をどうにかしてふやすんだ、そういう意義を持った、気持ちを持った上での計画を立てていただきたい。
再度、人口減少に歯どめをかけるとの視点だけではなくて、人口増加の視点も加えた、ぜひとも人口増加につながる全庁的な、かつ抜本的な取り組みを講じていただきたいとお願いしたいんですが、知事、その思いを教えていただけますでしょうか。
92 ◯議長(西谷 洌) 知事。
93 ◯知事(三村申吾) いわゆる人口増加の視点ということが大切でないかということでのお話をいただいているわけでございます。
しかして、現状を申し上げますと、国家そのものとしても、我々地域としても、現状の現実としては、いかにしてその転換点を迎えるか。増加のためには加速はついています。その転換点を迎えるかということが重要でございますので、基本的な部分としては、例えば集落営農を地域経営という形にして──具体的に少しお話し申し上げますけれども、そのことで六次化云々をやっていますけれども、若い方々が戻ってこられる、加工や流通の部分に入ってこられる、子供さんがつくれるような経済の状況をつくると。
要するに、転換点を迎えていくために、まず何よりも──あとまた、高齢化という、これは非常にいいことです。少子は非常にあれですが、高齢化ということは、元気に年をとっていただくことは非常にいいことでございますが、これも加えて対応を一緒に進めなければいけないということだと思うんですよ。
要するに、多元的に──物すごく理屈になりますけれども、減少は急降下で来ているわけですけれども、これをいかに抑えながら、要するに羽を広げながら落ちていった飛行機を抑えますけれども、それをいかに今度は上昇気流に乗せていくかというところの転換点、これに至るためのさまざまな施策というものが大事なわけです。
それで、この人口減少社会に対応する仕組みというものを提案し、具体化し、要するに羽を広げる。空気を蓄えて転換点で上に戻っていくということになるわけでございますが、これが国家そのものとして非常に国力が落ちておりますし、もう身もふたもない話を言いますと、国家としては、日本国として財政的にぐっちゃぐちゃ、ぐるぐるなわけですね。
こういったもの等も全て踏まえた上で、いかにして、経済の成長だけではなくて、いかにそれぞれの地域、それは国家ということになりますけれども、この日本で頑張ろうかと、教育委員会のことを褒めるわけではないですけれども、ふるさとのことを、日本のことを好きで頑張ろうという方々をふやしていけるかということでもありますし、要するに、私とすれば、やはり減少ということに対しての徹底した対応策を示しながら、そこにこそ実は転換点がある。
したがって──となりますけれども、二十五年度で終わりますけれども、次期計画におきましては、この未来への挑戦の調査検討、要するにしっかりとこれをもう一度分析した上で人口減少の抑制、ひいては増加につながるという転換点をどこに求め、どの形で広げていくかということを進めていきたいと思います。
しかしながら、これは申し上げたいんですけれども、一県の課題ということではなくて、国家の戦略としてどういうふうに、この日本の国が経済、要するに飯を食えるかということを示していかない限り、なかなか厳しいものであると思いますので、今回の国政選挙には大いに期待するところであります。
以上です。
94 ◯議長(西谷 洌) 総務部長。
95 ◯総務部長(中村 賢) 私立大学につきまして御答弁申し上げたいと思います。
私が申し上げました地方の中小規模の大学を取り巻く状況が一般論として厳しいという部分でございますけれども、千人以上と言われる──これは大規模な大学でございますが、これは大体都市部にあることが通常でございます。それが約百二十六校ございますけれども、これが全体学校数に占める割合が二割でございます。
一方、入学者数は、この千人以上の大学に三十二万人入っておりまして、約七割の入学者が入っているということでございます。したがいまして、小さい規模の大学が少ない入学者数を争っているような状況があるというところでございます。
それから、答弁漏れではないかということでございますけれども、先ほどの中小規模の大学を取り巻く状況は厳しいということに加えまして、県内には十ほど大学がございます。人口当たりの大学数に換算いたしますと、全国で十番目に多い状況になっております。そういう状況でございまして、まずは、県といたしましては、この原子力人材育成・研究開発推進構想を初めとする本県の強みを生かした人材育成策を着実に推進してまいりたいというところでございます。
96 ◯議長(西谷 洌) 教育長。
97 ◯教育長(橋本 都) 再質問二点にお答えいたします。
初めに、他の県立高校への通学が困難となる地域の事情にも配慮したというようなことであったがというところですが、このことについては、第三次実施計画後期において、中里高校、田子高校の二校について、大幅な定員割れが続いておりますけれども、他の県立高校への通学が困難となる地域があるということで一学級減としたということについての説明でありました。
後期計画においては、小・中学校と違いまして、高等学校は学区が県下一円ということで、大変遠いところから通ったり、さまざまな自分の志望する学校に行きたいという生徒たちもたくさんいる中で、後期計画においては、公共交通機関を利用して近隣の県立高校までの通学が可能であるか、極端に早い時間帯、五時台とか、そういう交通機関を利用しなければ間に合わない状況かなどにより判断をしたところであります。
それから、二つ目の郷土に愛着と誇りを持ちというところのことでございますけれども、高校生の県内就職の希望者が県外就職希望者より多いという状況にあるということは、子供たちは県内で仕事を得て、住みたいという気持ちを持っているということではないかなと思います。
そういうことでは、やはり私どもとしては、産業・雇用等の問題なども深くかかわっていることであり、知事部局の関係部局ともまた連携しながらキャリア教育の充実にも努めなければならないと考えておりますし、小学校、中学校、高等学校を通しまして、やはり郷土に愛着と誇りを持つということを大事にしながら教育を進めてまいりたいと考えております。
98 ◯議長(西谷 洌) これをもって一般質問を終わります。
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◎ 本会議休会提議
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99 ◯議長(西谷 洌) 本職より提議があります。
お諮りいたします。議案熟考のため、明四日は休会といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
100 ◯議長(西谷 洌) 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
以上をもって本日の議事は終了いたしました。
十二月五日は午前十時三十分から本会議を開きます。
本日はこれをもって散会いたします。
午後四時四十五分散会
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