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平成24年第272回定例会(第3号)  本文 開催日: 2012-11-30
平成24年第272回定例会(第3号) 名簿 開催日: 2012-11-30

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  1. 青森県議会 2012-11-30
    平成24年第272回定例会(第3号)  本文 開催日: 2012-11-30


    取得元: 青森県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-08
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 ◯議長(西谷 洌) ただいまより会議を開きます。    ──────────────────────       ◎ 追加議案上程及び提案理由説明    ────────────────────── 2 ◯議長(西谷 洌) 知事より、お手元に配付のとおり議案等が送付されましたので、御報告いたします。《登載省略》  議案第三十五号及び議案第三十六号を一括議題とし、知事の説明を求めます。──知事。 3 ◯知事(三村申吾) おはようございます。  ただいま上程されました追加提出議案の概要について御説明申し上げ、御審議の参考に供したいと思います。  議案第三十五号「平成二十四年度青森県一般会計補正予算案」は、衆議院の解散に伴う衆議院議員総選挙及び最高裁判所裁判官国民審査に係る経費について、所要の予算措置を講ずることとしたものであります。  歳出につきましては、来る十二月十六日に執行される衆議院議員総選挙及び最高裁判所裁判官国民審査を行うのに要する経費として九億六千八百五十万円余を計上するとともに、歳入については国庫支出金を計上いたしております。なお、当該経費については早急に執行する必要がありますので、今後の御審議におきましては格段の御配慮をお願い申し上げます。  議案第三十六号「平成二十四年度青森県一般会計補正予算案」は、去る十月二十六日、現下の経済情勢を踏まえ、切れ目ない政策対応を行うため、平成二十四年度経済危機対応地域活性化予備費等の使用が閣議決定されたことに伴い、公共事業関係費について、国からの追加割り当てが見込まれることから、これに係る所要の予算措置を講ずることとしたものであります。  その結果、議案第三十六号の補正予算額は、歳入歳出とも三十一億七千九百万円余となり、これと既決予算額及び今定例会に既に提案しております補正予算額並びに議案第三十五号の補正予算額とを合計いたしますと、平成二十四年度青森県一般会計の予算規模は七千百八十八億七千三百八十万円余となります。  以下、歳出予算の概要について御説明申し上げます。  まず、一般公共事業費については、三十一億三千五百万円余を計上いたしました。  その内容として、道路関係では国県道道路補修事業費等三億三千四百四十万円余、河川海岸関係では床上浸水対策特別緊急事業費等一億六千八百三十万円余、林政関係では治山事業費等二億二千三百三十万円余、農村整備関係ではかんがい排水事業費等十九億五千四百八十万円余、漁港関係では水産流通基盤整備費等四億五千四百十万円を計上いたしました。また、国直轄事業負担金については、河川海岸に係る分として四千四百万円を計上いたしました。  以上が歳出予算の概要であります。  次に、歳入について申し上げます。  今回の補正予算の主なる財源としては、平成二十四年度経済危機対応地域活性化予備費等に係る国の財源措置の内容を踏まえ、歳出との関連において、国庫支出金、県債等を計上したほか、普通交付税五千三百二十万円余を計上いたしました。  以上、提出議案の概要について御説明申し上げましたが、議事の進行に伴い、御質問に応じ、本職を初め関係者から詳細に御説明申し上げたいと思います。  何とぞ慎重御審議の上、原案どおり御議決賜りますようお願い申し上げます。
       ──────────────────────       ◎ 一般質問継続    ────────────────────── 4 ◯議長(西谷 洌) 一般質問を継続いたします。  十番吉田絹恵議員の登壇を許可いたします。──吉田議員。 5 ◯十番(吉田絹恵) おはようございます。公明健政会の吉田絹恵でございます。  議長のお許しを得て、昨今の私たちを取り巻く環境についての所見を述べさせていただいてから質問に入らせていただきます。  今、日本は選挙一色でございます。政治家はこの選挙に躍起となっておりますが、有権者である国民は、政治に対する期待と落胆を何度も経験し、不信感が募っているように見受けられます。そして今、私たち有権者のあり方も、本当の意味で問われています。今までの、政治は政治家がやっていればいいというお任せの姿勢が問題山積みの日本をつくってしまったのだと反省しきりです。もちろん、政党や政治家にも反省点は多くあり、国民が政治に背を向けていた現状も不思議ではありません。しかし、頼れる政治家がいないと嘆いたり、また、有権者である国民の政治参加意識が低かったなどと反省することを繰り返すだけでは、今後何も生み出されることはありません。ただ現実として言えることは、政治はいや応なしに国民の生活にかかわってくるということです。  今回の選挙では、主権者である我々国民が政治や政党に対してどういう価値観を持っているのかしっかり見きわめ、意思表示をする必要が今まで以上に求められることと思います。選挙に勝つためだけの施策ではなく、今何が大事であり、そのことが将来にどうつながっていくのか、その方向性を考え、示しながら、政治家と国民が一体となって進めていくのが真の政治と考えております。  しかし、一言に政治と言っても、少子化、超高齢化、年金問題、介護の問題、医療の問題、雇用の問題、エネルギー資源の問題など、日本全体でも政治が対応しなくてはならない問題は数多くあります。  まず最初に、子育て・少子化支援について伺います。  現在の日本で、人口減少による国内市場の大幅な縮小が経済にも打撃を与え、さらに、地域社会の過疎化、超高齢化問題についても自明の理であります。現時点でも八十五歳以上の高齢者が七十八万四千人、さらに、百歳以上が五万一千人を超えており、国交省の審議会が昨年二月にまとめた報告によると、二〇五〇年には人口は二六%減少し、ゼロから十四歳の若年人口は八・六%になるという推計結果でありました。  少子化対策については二十年前から叫ばれてきているにもかかわらず、出生率は落ち込み、回復の兆しも見えないままです。国は、厚労省のみに少子化問題を任せた感があり、都市中心の政策が多く、地方の実情は理解されないまま政策が進められた気がしております。少子化問題には、医療、教育、雇用、さまざまな問題が深くかかわっており、一つの機関で取り組むのではなく、他機関との連携が必要であったと思っております。  厚労省の施策は、主に働く女性をターゲットにしてきたものと思われますが、確かに、働く女性が子育てをしやすい環境をつくるということは、少子化を食いとめるために重要なことであると考えます。しかし、世の中には仕事をしないで子育てに専念している女性たちも多くいます。必ずしも生活が安定しているからというだけの理由ではなく、子供と向き合う時間を多くしたいという考えのもと、苦しい生活の中でも仕事をせずに家庭で過ごしている方も多いと思います。子育て支援を考えていくには、そのような価値観を持って頑張っている女性たちの考えも尊重していかなければ片手落ちであります。  また、女性は社会のためだけに子供を産むのではなく、子供は社会保障の担い手としてだけに生まれてくるわけでもありません。若い世代の人たちがもっと根本的な問題、つまり、子供を産み育てる喜びを心から持てる環境を整えることが子育て支援には望まれるでしょう。  さらに、現在の若い世代の未婚率の増加についても、少子化に大きな影響を及ぼしていることは否めません。もちろん、価値観が多様化した現代の社会で、みずからの意思で結婚しないことを選んでいる人もいることと思います。しかし、結婚したくてもできない環境にある、また、結婚はしても子供が持てない環境にあるという方たちも、決して少なくはないと思います。まずは、これらの状況がどのようなことを背景に起こっているのか、経済的な理由がその多くを占めるかもしれませんが、ただ推測ではなく、地域での現状をしっかりとリサーチすることも必要と考えます。  二〇一〇年創刊の高校生向けの雑誌の記事で、全国の高校生に、女性は出産後仕事をするべきかどうかとアンケートをとったというものがありました。結果は、男女とも続けるべき、やめるべきとの答えが半々だったそうです。それぞれの理由として、高校生にとっては、社会の事情よりも育った環境の影響が大きく、自分の親が働いているか否かと、母親が働くことをよいと思っているかで答えが分かれたようです。  この答えからは、母親が仕事をしていることも、していないことも、子供たちにとっては同じ割合で受け入れられているということなのではないかと、とてもうれしく思いました。専業主婦であれ、働く母であれ、母親が生き生きと子育てをしながら生活できる環境があれば、それが子供たちに伝わっていくのだと思います。  少子化問題は、日本だけの問題ではありません。合計特殊出生率回復を国策として取り組んできたフランスでは、合計特殊出生率は二・〇人と回復傾向にあります。日本でも、これからやれることはたくさんあると思います。  そこでお伺いします。  一点目、県の子育て・少子化対策のこれまでの取り組みの成果について伺います。  二点目として、子育て・少子化対策に対する今後の取り組み方針について伺います。  次に、不妊治療についての支援についてお伺いします。  現在、子供を欲しいと強く願っても、自然には子供を授かることが難しい御夫婦もたくさんいると思います。子供が欲しくても何らかの理由でできない方には、不妊治療で子供を授かるという選択肢があり、私も身近に不妊治療を受けてようやく子供を授かった人を何人か知っています。  不妊治療については倫理的な問題という視点もあり、現在医療保険の適用外での治療がほとんどという現状であり、治療費が高額であるという問題があります。私の見解としては、不妊治療は子供を望んでいる方には一つの選択肢であり、子供を産みたいと頑張っている御夫婦をサポートすることは、少子化の対策にも有効であると考えます。  そこで伺います。  不妊に悩む方への支援について、一点目、本県の不妊治療費助成制度の内容と現状について伺います。  二点目、不妊治療等に関する相談への県の対応を伺います。  続きまして、若年者の認知症対策について伺います。  県では、高齢化に伴い、県内に三万人以上いるとされる認知症高齢者に対して包括的なケア、質の高いケアを提供する体制を模索し、認知症についての普及啓発、早期発見、早期対応、在宅高齢者支援認知症グループホーム入所者支援、人材基盤の強化の五つの課題に取り組んでおります。県の早い時期からの高齢者認知症対策は、現在も着実に進められているものと思います。  しかし、今回、私は、高齢者以外の認知症、中でも介護保険の適用にならない三十九歳以下の若年期の認知症についてどのような取り組みが行われているのかを伺いたいと思います。例えば、交通事故や脳疾患などで認知症の状態となった三十九歳以下の方たちについて、どのような対策が行われているのでしょうか。  一点目、県内の若年性認知症者の現状と課題について伺います。  二点目、若年性認知症対策について、県の取り組み状況を伺います。  三点目、若年性認知症を含む認知症対策に今後どのように取り組んでいくのか伺います。  次に、生活保護対策の取り組みについて伺います。  生活保護受給者は、一九九六年以降ふえ続け、二〇一二年七月時点で二百十二万四千人、生活保護費も二〇一二年度当初予算ベースで三兆七千億円と過去最多を更新しました。これに対し、世論からは、生活保護受給者の名前を公表すべきと生活保護制度に厳しい批判があり、一方、生活保護の受給者にかかわっている人からは、受給者たちは本当に生活困窮者であると訴えがあります。これらの現状は、生活保護の制度がどのように行われているのか不透明であることが発端の一つではないかと思われます。  国からは、生活保護を受給する前に就労支援を行うこと、また、受給抑制対象を拡大するという施策が出されたようですが、これらは、生活保護を本当に必要としている方へは迅速な対応を行い、不適切な受給は減少させる手だてとなり得るのでしょうか。  そこで、生活保護対策について伺います。  一点目として、稼働能力のある生活保護世帯の増加要因と、このような稼働能力のある世帯について、適正に保護の決定が行われているのか伺います。  二点目として、国では生活保護受給者に対する就労支援の強化を検討していますが、本県における就労支援の取り組みについて伺います。  続いて、県産杉材の消費拡大について伺います。  私は、三・一一の被害に遭ってから強く考えていることがあります。大地震による停電で一時暖をとれなくなったとき、まきストーブのある実家に行き幼い子供を守ることができたという若い母親の話、また、ある施設ではペレットで暖をとり、老人たちが安心して過ごせたという話などを伺いました。電気という便利なものに頼り切っていた生活がもろくも崩れ、不便であるようでも自分たちの周囲にある資源を使って生活する大切さを強く感じました。食べ物に限らず、青森にある資源を活用して生活できるような自給自足のシステムの構築は、非常に重要であると考えます。  中でも、林業は青森県の豊富な資源の一つです。経済の波及効果も大事ですが、まず、県民が地元の資源を活用して生活できる自給自足のシステムが少しずつでも構築されればと思います。  そこで一点目、本県で生産される杉材の需給の現状と課題について伺います。  二点目、県産材の地元消費を進めるため、今後県はどのように取り組んでいくのか伺います。  続いて、バイオマス資源を活用したエネルギービジネスの促進について伺います。  本県は、風力、地熱エネルギーと並び、農林水産業から排出されるバイオマス資源によるエネルギーの賦存量が多い県です。バイオマス資源は、再生可能な生物由来の二酸化炭素をふやさないカーボンニュートラルな資源で、この資源を活用したエネルギービジネスは循環型社会に貢献するものであり、ひいては農林漁業及び農山漁村の活性化や新たな産業の創出につながるものと思われます。  そこで、一点目、県内のバイオマス資源を活用したエネルギービジネスを展開する場合の課題について伺います。  二点目、バイオマス資源を活用したエネルギービジネスの促進のため、県はどのように取り組んでいくのか伺います。  続いて、一般廃棄物の減量及びリサイクルの取り組みについて伺います。  十一月二日に県が公表した平成二十四年版環境白書によると、本県の平成二十二年度の一般廃棄物は、県民一人一日当たりの排出量が全国平均を七十一グラム上回る千四十七グラムで、全国ワースト四位、リサイクル率は全国平均より七・九ポイント低い一二・九%でワースト三位と、いずれも下位に低迷しました。  私はこの事実を知り、まさかと声を出して驚きました。私の住んでいるおいらせ町でも、三村知事が町長時代ごみ問題に取り組み、指定ごみ袋を使い、分別にも力を入れてきました。現在では、ごみ袋に名前を書くのも、資源ごみの分別も当たり前なこととなっています。平成二十一年度には、生ごみ処理機を購入する家庭に補助金が出たこともあり、町内の生ごみの量も俄然少なくなりました。それにもかかわらず、青森県の廃棄物の排出量、リサイクル率がいずれも下位に低迷しているというのは一体どうしたことなのかと疑問に思いました。恐らく、一般廃棄物に対する住民の意識改革が依然必要とされているものと思います。  そこで、青森県での一般廃棄物対策について、一点目、一般廃棄物対策についての県の基本的な姿勢を伺います。  二点目、県内の一般廃棄物に係る排出量、リサイクル率などの現状と課題について伺います。  三点目、一般廃棄物に係る課題の解決に向けて、県では今後どのように取り組んでいくのか伺います。  次に、県立高等学校教育改革における通学支援について伺います。  十一月の文教公安委員会で御説明いただきました第三次実施計画後期において決定された事項に関して、今までもいろいろと意見が交わされてきました。今後もさらに各高等学校の統合は進んでいくと思いますが、私が一番気がかりなのは通学の手だてです。各高等学校の統合により、必然的に学生の通学距離は長くなります。高校教育は義務教育ではありませんが、やはり遠く離れた学校への通学については県のサポートも必要かと思います。  そこで、県立高等学校教育改革における通学支援について伺います。  一点目、県立高等学校教育改革第三次実施計画後期においては、生徒の通学に対してどのような配慮をしているのか伺います。  二点目、後期計画期間終了後の生徒急減期に対応する次期計画では、通学困難な生徒が生じないよう通学支援をあわせて考えていく必要があると思いますが、県教育委員会の認識を伺います。  次に、救急搬送体制の充実について伺います。  一一九番通報などの救急要請があった場合、消防機関による救急患者の迅速な病院搬送が患者の救命率の向上につながるものと思います。特に、その生命が危険な状態にある重度傷病者については、病院等に搬送されるまでの間に救急救命士の資格を有する救急隊員が医師の具体的な指示を受けながら適切な救急救命措置を行うことにより、傷病者の症状の著しい悪化を防止したり、予後の早期回復に大きく寄与すると言われております。  救急患者の病院前救護に当たる救急救命士の資格を有する救急隊員の果たす役割は非常に大きいものであり、この救急隊員の資質の向上などを中心とした救急搬送体制の充実を図っていく必要があるものと考えます。  そこで一点目、県内の消防本部における救急救命士の資格を有する救急隊員の配置状況について伺います。  二点目、救急救命士の資格を有する救急隊員の資質向上を図るため、県はどのように取り組んでいるのか伺います。  続いて、最後に、定年退職者の各分野における活用について伺います。  六十五歳まで働きたい人全員の雇用を確保することを企業に義務づける改正高年齢雇用安定法が来年四月に施行されると認識しております。既に七十六社が対応を済ませたと答えておりますが、定年を廃止した企業はなく、定年を六十五歳としたのはイオン、ヤマトホールディングスサントリーホールディングスの三社だったそうです。まだまだ一般企業でそのまま受けがたい状況のようではありますが、定年の延長等は若年層の雇用への影響も懸念されるところではあります。  県では全体の調整をしながら採用しているとのことであり、この点については問題はないかと思いますが、定年退職者の雇用形態については、民間は県を参考にしている部分もありますので、退職者の活用に向けた県の取り組みが重要になってくると思います。  そこで伺います。  一点目、県の定年退職者の対応について伺います。  定年退職した職員を県が再任用する際に、どのような分野で活用していくことを想定しているのか、知事部局職員に加え、教育職員、警察職員について、二点目、定年退職者の各分野における活用について伺います。  これで壇上からの質問を終わります。 6 ◯議長(西谷 洌) 知事。 7 ◯知事(三村申吾) 吉田議員にお答えします。  まず、私からは、子育て・少子化対策に対する今後の取り組み方針であります。  子供たちは、社会が生き生きとして輝いていく上での宝であり、子供たちを産み、育て、成長させることは、私ども青森県の未来をつくり上げていくことであります。  私は、これまでも、就学前児童の医療費支援のための乳幼児はつらつ育成事業の充実や妊婦健康診査公費負担制度の拡充、周産期医療体制の充実、多様な保育サービスの推進など、安心して子供を産み育てることができる環境づくりに取り組んできました。  今年度は、青森県基本計画未来への挑戦において、戦略キーワードであります「あおもり型セーフティネット」の中で幅広い事業を展開しております。  具体的には、子育て支援サービス等にかかわる情報をモバイル版マップとして情報提供を行う取り組みや、健康に対する意識の向上や、母子の受動喫煙防止のための妊婦の夫に禁煙指導等を行う取り組みなどを実施し、社会全体で子供を育む体制づくりに総合的に取り組んでおります。  さらに、少子化の流れに歯どめをかけるため、平成二十三年度に開所いたしましたあおもり出会いサポートセンターを拠点として、結婚したい男女の出会いの場づくりの支援にも取り組んでおります。  今後とも、子供たちがすくすく健やかに育つ青森をつくるため、引き続き子育て支援、少子化対策に全力で取り組んでまいります。  若年性の認知症を含む認知症対策に今後どのように取り組むかでありますが、高齢化の進展に伴い、認知症高齢者は今後ますます増加することが見込まれております。また、若年性認知症者は、働き盛りの世代が発症するため、高齢者とは異なる問題を持つなど、認知症対策は今後の重要な課題でございます。  私は、県民が安んじて生きられる、そして輝いて生きられる生活創造社会の実現に向け、住みなれた地域で生きがいを持って安心して暮らしたいという県民の皆様方の願いに応え、年齢や障害の有無などにかかわらず、誰もが個性や可能性を最大限に発揮しながら地域の中で安心して暮らすことができる環境をつくることが重要であると考えております。  この考え方に基づき、これまで、県の介護保険事業支援計画を策定し、高齢者の健康づくりや保健・医療・福祉包括ケアシステムの推進を初めとする各種施策に取り組んできたところであります。  認知症の方につきましても、住みなれた地域で生きがいを持って安心して暮らし続けられるよう、介護保険法、障害者自立支援法等による各種施策を基盤としつつ、平成二十五年度を初年度として国が策定した認知症施策推進五カ年計画──通称オレンジプランでございますが、これをも踏まえ、保健・医療・福祉関係者が連携した包括的かつ継続的なケアの推進、認知症の早期発見、早期対応を図るための体制の整備あるいは認知症に関する正しい知識の普及啓発など、総合的な取り組みを推進していきたいと考えております。  バイオマス資源を活用したエネルギービジネス促進のための取り組みであります。  私は、本県が有するエネルギー分野での高いポテンシャルを生かした産業の振興を推進するため、県内の豊富なバイオマス資源を活用したエネルギービジネスの新産業創出に取り組んできたところであります。  具体的には、産学官金の人材ネットワークでありますあおもり農工ベストミックス構想推進協議会を設置し、研究開発支援などの事業化に向けた取り組みを推進しております。  バイオマス資源を活用したエネルギービジネスは、資源の有効活用やエネルギーの安定確保の観点からも極めて重要であると認識しており、先般、産学官金の連携のもとで立ち上げましたあおもりバイオマスエネルギービジネス研究会等の活動により、ネットワーク体制の確立及び県内企業による事業化を促進し、雇用の創出、地域経済の活性化につなげたいと考えているところです。  一般廃棄物対策についての県の基本的な考えでございます。  これまでの大量生産、大量消費型の社会経済活動は、私たちの生活を豊かにはいたしましたが、一方で深刻なごみ問題、天然資源の枯渇及び地球温暖化等のさまざまな環境問題を引き起こしております。  これらの課題と向き合い、その解決のために、資源が循環し、二酸化炭素の排出の少ない低炭素・循環型社会に向けて取り組むことが私たちに課せられた責務とも考えます。  そこで、私は、県民、事業者、各種団体や行政など多様な主体がパートナーシップのもと、もったいないの意識を持ってごみ減量やリサイクルに取り組むことが必要と考え、平成二十年度から県民総参加のもったいない・あおもり県民運動を推進してきたところです。  また、本県の地域性を生かした循環型社会の形成を目指して、第二次青森県循環型社会形成推進計画を平成二十三年三月に策定し、廃棄物の適正処理と資源の循環利用の一体的な推進のための施策を展開しているところでもあります。  県としては、我々青森県の豊かな自然環境を将来に確実に引き継いでいくためにも、県民、事業者及び市町村等々と連携しながら、地球に優しい持続可能な青森型社会の形成に向けて全力で取り組んでいきます。  私からは以上です。 8 ◯議長(西谷 洌) 総務部長。 9 ◯総務部長(中村 賢) それでは、定年退職者の活用について二問いただいておりますので、順次お答えを申し上げます。  最初に、年金支給開始年齢の引き上げを踏まえた県の定年退職者への対応についてでございます。  年金支給開始年齢の引き上げに伴い、国家公務員においては、無収入期間が発生しないよう雇用と年金の接続を図るとともに、職員の能力を十分活用するため、定年退職する職員が希望する場合には、原則としてフルタイムで再任用をする方針とされているところでございます。
     一方、地方公務員につきましても、国家公務員の方針を踏まえ、定年退職する職員が再任用を希望する場合には、原則として当該職員を再任用職員として採用する方向で地方公務員法の改正が検討されていると伺っております。  県では、この法改正を受けて具体的な制度設計を行うこととしており、国の制度や他の都道府県の検討状況を踏まえながら、本県の実情に合わせた制度にしていきたいと考えているところでございます。  続きまして、定年退職した職員を再任用する際の活用分野の想定についてでございますけれども、知事部局におきましては、これまでも、定年退職した職員を再任用するに当たりまして、職員として長年培った知識、経験を生かすことのできる業務に配置することを基本としてきたところでございまして、引き続きそのような考え方で対応してまいりたいと考えております。  再任用職員には、各配置先における日常業務の中で、自身が持っている豊富な知識や経験をぜひ若手職員に伝えていただくようお願いしたいと考えております。  以上でございます。 10 ◯議長(西谷 洌) 行政改革・危機管理監。 11 ◯行政改革・危機管理監(小笠原靖介) 救急搬送体制の充実二点についてお答えいたします。  初めに、県内の消防本部における救急救命士の資格を有する救急隊員の配置状況についてです。  傷病者を搬送する際に、救急車等において医師の指示のもとに高度な救急救命処置を行うことができる救急救命士の資格を有する救急隊員については、毎年着実に配置が進んできており、平成二十四年四月一日現在、県内の十四消防本部の救急隊八十五隊に三百五十七人が配置され、救急業務を実施しております。  次に、救急隊員の資質向上を図るための県の取り組みについてです。  傷病者の救急搬送時において、救急救命士の資格を有する救急隊員が高度な救急救命処置を実施するためには、救急隊員個人の資質の維持向上を図ることが重要であります。  このため、県では、医療機関及び消防機関等で構成するメディカルコントロール協議会を設置し、救急救命士の研修等の充実を図っております。その主な取り組みとしては、昨年度から救急救命士の就業後の再教育について、二年間で四十八時間以上の病院実習と八十時間相当の日常的な教育を受けることなどを定めた実施要領を策定し、運用しております。このほか、毎年度、県内の救急救命士を含む救急隊員及び救急医療従事者を対象に救急業務研修会を開催しております。  県としては、今後とも、メディカルコントロール協議会等を通じて救急救命士の再教育に係る活動実績を検証、評価し、より実効性を高めた再教育体制の構築を図りながら、救急救命士の資質向上に努め、救急搬送体制の充実に努めてまいります。 12 ◯議長(西谷 洌) 環境生活部長。 13 ◯環境生活部長(林 哲夫) 一般廃棄物の関係についてお答えいたします。  まず、県内の排出量、リサイクル率についてでございますが、議員からも御指摘をいただきましたが、直近のデータでございます平成二十二年度の状況を申し上げますと、まず、一般廃棄物の処理実績は、県民一人一日当たりの排出量は千四十七グラムとなっております。前年度に比べまして二グラム減少しておりますが、全国平均の九百七十六グラムと比較いたしまして七十一グラム多くなっている状況になってございます。  そしてまた、リサイクル率につきましては一二・九%で、前年度と同率となっております。全国平均が二〇・八%でございますので、七・九ポイント低い状況となってございます。  こうしたごみの排出量が多い主な要因といたしましては、事業系ごみと生活系ごみに分類して全国平均と比較いたしますと、生活系ごみでは全国平均を十三グラム上回っているのに対しまして、事業系のごみで五十八グラム上回っているという状況になってございまして、特にこの事業系一般廃棄物の排出量が多いことが挙げられるところでございます。  そしてまた、リサイクル率が低い主な要因といたしましては、新聞や雑誌、段ボールなど、いわゆる紙類の資源化量が全国平均の約六割程度にとどまっていることが挙げられるところでございます。  そこで、今後の取り組みについてでございますけれども、県におきましては、全国下位に低迷しておりますごみ排出量及びリサイクル率の改善を量るため、平成二十年度からもったいない・あおもり県民運動を推進してまいりました。  県民運動の取り組みといたしましては、レジ袋の無料配布の取りやめによるレジ袋の削減、家庭から排出される紙ごみ対策として古紙リサイクルエコステーションや古紙リサイクルセンターの設置の促進、事業系ごみ対策といたしまして、事業所から無料で古紙の回収を行うオフィス町内会の設立の支援を行いますとともに、推進フォーラムの開催や県の広報媒体を活用した広報啓発もあわせて行ってきたところでございます。  特に、今年度からは、新たに、紙類に次いで排出量が多い市町村もございます事業系の食品残渣の資源化を図るため、事業系食品残渣リサイクル推進事業を実施しておりますほか、市町村等の職員を対象として、ごみ処理費用の見える化を通じてごみの減量化等を図ることを主な目的としたセミナーを開催しているところでございます。  今後とも、紙ごみの資源化を一層加速するため、オフィス町内会の会員の拡大や市町村、事業所と連携いたしました古紙リサイクルセンターの設置及び利用の拡大など、多種多様な古紙リサイクルシステムの取り組みを始め、県民、事業者、各種団体や市町村など、各主体による取り組みの拡大を促進し、ごみの減量化とリサイクル率の向上に努めてまいります。 14 ◯議長(西谷 洌) 健康福祉部長。 15 ◯健康福祉部長(江浪武志) 御質問いただきました七点につきましてお答えを申し上げます。  まず、県の子育て・少子化対策のこれまでの取り組みの成果についてでございます。  県では、青森県基本計画未来への挑戦におきまして、次代を担う子供たちが健やかに生まれ育つ環境をつくるため、社会で支え合う安心子育ての推進、さまざまな環境にある子供や家庭に対する支援の充実、親と子の健康の増進の三つの分野を施策の大きな柱と位置づけまして、安心して子供を産み育てることができる環境づくりに取り組んできたところです。  これまでの取り組みの主な成果をこの分野別に申し上げますと、社会で支え合う安心子育ての推進の分野におきましては、市町村の保育サービスや相談体制の充実に向けた支援を行いました結果、平成二十一年度から平成二十三年度の三年間で、放課後児童クラブの設置数は二百十五施設から二百五十五施設と四十施設の増加、延長保育や休日保育などの保育サービスを行う保育所は三百八十一カ所から四百五十一カ所と七十カ所増加するなどの成果があらわれております。  さまざまな環境にある子供や家庭に対する支援の充実の分野では、児童虐待に早期対応するため四十八時間以内で安全確認を行うなど相談体制を強化するとともに、虐待が起きた家庭や虐待を受けた子供を支援しております。  また、親と子の健康の増進分野では、親と子の乳幼児、妊産婦の健康づくりのため、全市町村で十四回の無料妊婦健康診査が受けられる体制が整備をされました。  さらに、平成二十三年度からは、出会いを希望する独身男女の出会いの機会づくりを支援するため、あおもり出会いサポート事業を実施してきたところでございます。平成二十四年十月末現在で、個人会員は六百二十二名となっておりまして、うち九名からは成婚の報告があったところでございます。  次に、本県の不妊治療費助成制度の内容と現状についてでございます。  県では、不妊治療を受けている夫婦の経済的負担を軽減するため、国の補助を受け、体外受精及び顕微授精など、いわゆる特定不妊治療に要する経費の一部を助成する特定不妊治療費助成事業を平成十七年度から実施をしております。  その内容は、平成二十二年度までは、治療一回当たり十五万円を限度に、年二回まで、通算五年間助成しておりましたけれども、平成二十三年度からは、初年度分を年三回までに拡大をしたところであります。また、事業の実施状況につきましては、事業を始めた平成十七年度は助成件数百二十九件、助成額一千二百七十八万五千円ということでございましたが、その後年々増加いたしまして、平成二十二年度は助成件数四百六十四件、助成額六千三百十六万二千円、平成二十三年度には助成件数四百九十九件、助成額六千七百八十二万九千円というふうになってございます。  次に、不妊治療等に関します相談への県の対応についてでございます。  県では、不妊に悩む夫婦等に不妊治療などの正しい情報や最新の治療方法を紹介し、安全な妊娠、出産を支援するため、平成十四年度から不妊専門相談センター事業を弘前大学医学部附属病院に委託しております。同センターでは、専門の医師が不妊治療などにつきまして面接による相談を実施しておりまして、平成二十一年四月からは、面接相談に加えましてメール相談も実施をしているところでございます。  面接相談は、事前に電話などによりまして予約をしていただく必要がございまして、予約の受付は地域県民局地域健康福祉部保健総室──保健所のほうで行っております。面接相談の場所は、弘前大学医学部附属病院産婦人科外来でありまして、開設日時は第一金曜日を除く金曜日の十四時から十六時まで、年四十日の開設ということでございます。  メール相談は随時行っておりまして、県のホームページに設けてあります青森県不妊専門相談センターメール相談あてに相談内容をメールしていただきまして、原則として二週間以内にメール相談に対する回答を返信するということとしております。  相談実績につきましては、メール相談も実施するようになりました平成二十一年度におきましては、面接相談二十件、メール相談十七件の合計三十七件、平成二十二年度は、面接相談十三件、メール相談十五件の合計二十八件、平成二十三年度は、面接相談六件、メール相談二十件の合計二十六件となってございます。  次に、県内の若年性認知症者の現状と課題についてでございます。  若年性認知症は、十八歳以上六十五歳未満で認知症を発症した方と定義をされておりますけれども、その若年性認知症を発症した方の多くは働き盛りの世代であるために、本人や御家族は、就労や介護、子供の教育などで多くの問題に直面し、精神的にも経済的にも負担が大きいとされております。  そこで、県では、認知症高齢者に加えまして、若年性認知症者の現状などを把握するために、本年六月に県内市町村及び地域包括センターを対象といたしまして調査を行ったところでございます。  この調査におきましては、国の研究におきましても若年性認知症は五十歳以上の年齢での患者数が多いということがございましたので、基本的に四十歳以上の方について調査をしたものということでございますが、この調査結果によりますと、要介護認定におきまして、認知症により日常生活に何らかの支障が生じている状態とされます認知症高齢者の日常生活自立度判定基準に基づくランクがII以上と判定されました六十五歳未満の若年性認知症者は、回答がございませんでした七市町村を除く三十三市町村の合計で七百八十一名ということでございました。  また、今回の調査では、市町村及び地域包括支援センターのほうから若年性認知症対策の課題、意見を出していただいたところでございますけれども、その主なものといたしましては、若年性認知症の方に対して適切な支援などを行うためには、まず、若年性認知症の方々の正確な実態把握が必要ではないかという御意見。高齢者の認知症とは異なる若年性認知症の特性に合わせた介護等サービスの充実及び専門的な相談機関の設置が必要と考えるということ。また、若年性認知症の方の地域での生活を支えるために、保健・医療・福祉等関係機関の連携体制を一層強化していくべきであるというような御意見をいただいたというところでございます。  この若年性認知症対策についての県の取り組み状況についてでございます。  この若年性を含む認知症対策に関しましては、住民に最も身近な市町村が行うこととされておりまして、各市町村において取り組みが行われておりますけれども、県におきます若年性を含む認知症対策の主な取り組みといたしましては、認知症の方や家族を温かく見守り支援する認知症サポーター及びその研修の講師を担うキャラバン・メイトの育成、かかりつけ医に対します認知症対応力を向上するための研修の実施及びかかりつけ医への助言や専門医療機関と地域包括支援センター等との連携の推進役となります認知症サポート医の養成、認知症の早期発見及び適正な医療ルートの構築のための物忘れ検診の普及推進、地域において保健医療・介護機関などと連携し、鑑別診断、急性期医療、専門医療相談などを実施する認知症疾患医療センターの整備のほか、認知症に関する正しい知識と理解を広めるための各種広報・啓発活動などを行っているところでございます。  また、若年性認知症に特化した取り組みといたしましては、若年性認知症者への専門的サービスを提供する通所事業及び本人、家族への相談支援事業の実施、介護事業所等職員が若年性認知症者一人一人に適切に対応ができるための若年性認知症ケア実務者研修の実施及び若年性認知症相談対応ガイドブックの作成などを行っているところでございます。  なお、四十歳以上の方につきましては介護保険制度におきまして、また、議員から御指摘のありました三十九歳以下で事故などによりまして認知症あるいは高次脳機能障害という状態になられた方に関しましては、障害福祉サービスの中で福祉サービスを提供差し上げているというところでございます。  次に、生活保護対策の取り組みにつきまして、まず、稼働能力のある生活保護受給世帯の増加要因と、このような稼働能力のある世帯について適正に保護の決定が行われているのかということについてでございますが、生活保護受給世帯のうち、稼働年齢層にある方がいらっしゃると考えられるその他世帯の割合について見てみますと、平成十八年度の七・九%から平成二十三年度には一一・八%に増加しておりまして、その主な増加要因といたしましては、昨今の厳しい社会経済情勢を反映いたしました雇用環境の悪化によるものと考えております。  福祉事務所におきましては、生活保護の申請があった場合、世帯の生活状況、資産、収入、扶養義務者による扶養、援助の有無などにつきまして、御本人からの聞き取り及び関係機関への照会などにより必要な調査を行い、その結果に基づき、生活保護の受給の可否について決定をしております。  さらに、稼働年齢層にある方につきましては、職歴、求職活動状況の調査も行いまして、傷病がある場合には病状を調査の上、地域における雇用情勢なども総合的に勘案した上で、就労の可否を検討いたしまして、適正な保護の決定に努めているというところでございます。  最後に、生活保護受給者の方に対します就労支援の本県におきます取り組みについてでございます。  福祉事務所におきましては、稼働能力のある生活保護受給者ごとに就労支援に関する援助方針を策定いたしまして、早期就労による自立に向けて就労支援に取り組んでいるところでございます。  具体的には、公共職業安定所と連携いたしまして、求人情報をもとに、ケースワーカーや福祉事務所に配置されました就労支援員による求人情報の提供及び公共職業安定所への同行訪問などを行っております。なお、国におきましては、現在検討中の生活支援戦略の中で、生活保護制度の見直しについても検討しているというところでございまして、県といたしましては、引き続き国の検討内容を注視していきたいと考えているところでございます。 16 ◯議長(西谷 洌) 商工労働部長。 17 ◯商工労働部長(馬場良夫) バイオマス資源を活用したエネルギービジネスに係ります課題についてお答え申し上げます。  県では、本県の豊富なバイオマス資源を活用したエネルギービジネスの産業創出のため、これまでバイオエタノールの事業化の検討や、リンゴ剪定枝やもみ殻などの未利用バイオマス資源を活用した商品開発、収集方法の研究のほか、石炭コークスの代替燃料として注目されますバイオコークスの事業化可能性調査等を行ってきたところでございます。  これらの取り組みを通じまして、バイオマス資源を活用したエネルギービジネスの事業化を図る上での最大の課題は、低コストでの安定的なバイオマス資源の確保であり、そのための最適な収集・運搬・保管方法を確立する必要があると認識しております。  特に、本県では間伐材やリンゴ剪定枝などが比較的多く排出されますが、間伐材は約七五%が搬出費と木材価格の低迷から利用されずに林地に放置されており、また、リンゴ剪定枝は、約三〇%が園内で焼却されておりますほか、冬期間は積雪等の影響で確保できるバイオマス資源が限定される状況となっております。  県といたしましては、これらの課題解決に向けて、産学官金の一層の連携を推進し、バイオマス資源の供給側と利用側のネットワークづくりを行いながら、バイオマス資源を活用した関連ビジネスの事業化、産業化の促進を図ってまいります。 18 ◯議長(西谷 洌) 農林水産部長。 19 ◯農林水産部長(渋谷義仁) 県産杉材の消費拡大に関する御質問二点についてお答えいたします。  最初に、県産杉材の需給の現状と課題についてであります。  本県の杉人工林は、約二十万ヘクタールと全国第四位の面積を有しており、平成二十三年の丸太生産量は、ヒバやアカマツなどを含めた総生産量六十七万八千立方メートルのうち、約四分の三に相当する五十万九千立方メートルとなっております。  このうち、県内で利用または加工されているものは、住宅用の柱や板などの製材用が十三万九千立方メートル、製紙用チップや燃料用のペレットなどが五万四千立方メートルで、合わせて十九万三千立方メートルと推計され、杉丸太の全生産量の約四割にとどまっております。その他約六割の杉材については、丸太のまま県外に移出され、大部分が住宅用の集成材や合板などとして製品化されていることから、県内で生産された丸太を県内で加工し、付加価値を高めて販売することや、県内外において県産材の利用拡大を図ることが喫緊の課題となっております。  次に、県産材の地元消費を進めるための取り組みについてであります。  県では、国の公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律に基づき、青い森県産材利用推進プランを平成二十三年九月に策定し、県内の公共建築物等における県産材の利用促進に関する基本的な考え方を定めるとともに、県内各市町村に対しても、基本方針の策定に取り組むよう働きかけを行った結果、これまで三十七市町村において策定されており、社会福祉施設などへの県産材利用の機運が高まっております。  また、県産材の地元消費については、一般住宅において県産材を一定量以上使用した場合に、県産材を使用した家具等と交換できる県産材エコポイント制度に取り組んでいるところであり、国に対しても同様の制度創設を提案したところ、平成二十五年度の国の概算要求に盛り込まれたところであります。  県としては、現在、県産材を使用した住宅の事例集である県産材地産地消ガイドブックの書店等への配布や、住宅関連団体が行うあおもり産木造住宅コンテストの開催を支援しているほか、木質ペレットやチップを使用するバイオマスボイラーの導入を促進しているところであり、引き続き住宅建築での利用促進等を通じて、県産材の地元消費に努めていくこととしております。 20 ◯議長(西谷 洌) 教育長。 21 ◯教育長(橋本 都) 御質問三点にお答えいたします。  初めに、第三次実施計画後期においての通学に対する配慮についてであります。  県立高等学校教育改革第三次実施計画では、学校配置の方向性の基本的な考え方において、望ましい学校規模になるよう県内六つの地区ごとに中学校卒業予定者数の推移、社会や生徒のニーズに対応した普通科等、職業学科、総合学科の割合という観点から計画的に統合等を進めることとしております。  後期計画の策定に当たっても、第三次実施計画の基本的な考え方に基づいて学校配置を進めることといたしましたが、他の県立高等学校に通学することが困難な地域があることなども考慮し、柔軟な学校配置を行ったところです。  次に、次期計画で通学困難な生徒が生じないよう、通学支援をあわせて考えていく必要があるということについての認識であります。  後期計画期間終了後に迎える生徒急減期に対応するためには、未来を見据えた本県の高等学校教育の姿を改めて検討する必要があるものと考えております。  このため、次期計画の策定に当たっては、有識者などを委員とする検討組織を設置するなど、広く県民の皆様方から御意見を伺いながら、小規模校のあり方や生徒の通学に関する課題なども含め、教育環境の整備、充実に向けて引き続き検討を進めることとしております。  最後に、再任用職員の活用についてであります。  県教育委員会におきましては、定年退職した教育職員を再任用する場合、原則として退職前と同一の職種とし、管理職である校長、教頭の場合は教諭として再任用しております。  再任用職員は、長年培った知識や経験を生かし、退職前と同様に、各学校において児童生徒の教育を行っているところであり、県教育委員会としましては、引き続き再任用職員の能力を活用してまいりたいと考えております。  以上でございます。 22 ◯議長(西谷 洌) 警察本部長。 23 ◯警察本部長(山本有一) 警察職員の定年退職者の活用についてお答えいたします。  県警察では、退職警察職員を再任用する際には、当該職員の勤務経歴、能力等を考慮し、その知識、技能を生かすことができるよう、幅広い分野で配置を検討しております。現在、警務、生活安全、地域、刑事、交通の各部門に計六十五人の再任用警察職員を配置しております。また、非常勤職員として任用する際も同様でありまして、現在、交番相談員、警察安全相談員、スクールサポーター、社会復帰アドバイザーとして四十五人の退職警察官を配置しております。  今後とも、退職警察職員の有する知識、技能を最大限活用し、現場執行力の維持強化を図るとともに、若手警察官に対する伝承教養等にも生かしていきたいと考えております。  以上です。 24 ◯議長(西谷 洌) 吉田議員。 25 ◯十番(吉田絹恵) 多岐にわたって御答弁いただきました中に、連携という言葉がたびたび出てまいりました。本当に連携ということの大事さというのと、それから、県でそれを目指しているということがいろいろな部署で行われているんだなということを感じ、これからも連携を深めて県民のために頑張っていただきたいと思います。  それで、来年度予算に向けて、知事の少子化対策についての取り組み方針をまた改めてお伺いします。 26 ◯議長(西谷 洌) 知事。 27 ◯知事(三村申吾) 吉田議員の再質問にお答えいたしたいと思います。  私どもといたしましても、御案内のとおり、子供たちは青森県にとりまして大切な宝であります。そしてまた、人の財(たから)──人財という言葉を用いておりますが、この人財、そして何といっても、今、御案内のとおり自然減等を含めて非常に課題が多うございます。こういったことに対して、総合的に子供たちに対しての対策あるいは少子化対策を進めていくという強い思いがございまして、次年度予算にかかわることでございますから、詳しく内容等を申し上げる状況にはまだないのでございますけれども、しっかりと前向きに対応していくことだけはお話しできると思います。  宝である子供たちを青森県においてしっかりと育んでいく、このために頑張らせていただきます。  以上です。 28 ◯議長(西谷 洌) 午さんのため、暫時休憩いたします。 午前十一時三十七分休憩    ────────────────────── 午後一時再開 29 ◯副議長(森内之保留) 休憩前に引き続いて会議を開きます。  一般質問を続行いたします。
     四十八番相馬しょういち議員の登壇を許可いたします。──相馬議員。 30 ◯四十八番(相馬しょういち) 通告に従い質問いたします。  初めに、県立弘前中央高等学校定時制課程の募集停止等についてのこれまでの質問に対する知事及び教育長の答弁の問題点、疑問点を問いただすものであります。  まず、定時制の三校統合についての私の質問は、なぜ弘前中央高校、黒石高校及び尾上総合高校を一校に統合し、三部制の定時制高校として、設置場所を尾上総合高校とすることにしたのか、その理由を問いただしました。  初めに結論ありきで、尾上総合高校の校舎が比較的新しいからこの場所に三部制の定時制高校をつくるという、単純で、定時制の実態も考えないままの発想からであると指摘したのに対して、知事は、経済の発展や社会の変化に伴い、全日制高校への進学率の向上とともに、中学校卒業者の就職率が低下し、定時制課程への進学者が減少してきました。近年はさらに状況が変化し、現在の定時制課程は生徒の多様な教育的ニーズに応える場として大切な役割を担っているものと認識しております。したがいまして、今後もこれらのニーズに適切に対応していくという意味において、教育環境の整備ということが重要であると考えているとの答弁でありました。  この答弁では余りに抽象的であり、私が問うているのは、今回の三校統合に係る具体的な教育環境の整備についてであって、質問に対する答えになっていないのであります。したがって、現在の定時制の環境と統合後の環境の比較で、環境が本当に整備されることになるのかなどについて、より具体的な答弁を求めます。  また、教育長は、なぜ尾上総合高校に統合することになったのかという問いに対して、県立高校教育改革第三次実施計画では、高等学校グランドデザイン会議の答申を踏まえ、教育の機会均等の観点から、六地区に普通課程の定時制課程を各一校配置することを基本としております。弘前中央高校、黒石高校の両校とも定員割れが続いており、今後も中学校卒業予定者の数の減少が見込まれるため、全日制課程と同等の教育を行うという定時制課程における教育水準の維持向上を図る観点から集約することとしております。  集約に当たりましては、生徒が自分の学習スタイルに合わせて午前、午後、夜間の時間帯を選択することができる三部制を導入し、中南地区にある県立学校の施設の中で、中南地区の三市から通学が可能であることから、あるいは多様な教育活動の展開が可能であることなどから、尾上総合高校に三部制とすることとしたものでありますと答えております。  統合する尾上総合高校は、現在の弘前中央高校の現状と比較して見るに、決して教育環境の整備、教育水準の維持向上を図るような立地条件ではなく、何度か問題点を指摘しているとおり、最悪の環境と言わなければなりません。  具体的に指摘しますが、働きながら学ぶ生徒にとって最悪の状態であります。それは、通常午後五時まで働き、急いで五時三十分の弘南電車に乗り、二十一分かけて尾上高校前停留所で降り、学校まで徒歩で通学することになりますが、毎日約一時間の遅刻となります。これだと卒業の単位の取得に大きな支障があり、さらに、今まで負担する必要のなかった交通費の負担が生じることから、経済的に苦しく、働かざるを得ない生徒にとって新たな負担を強いることになります。  このことを見ましても、教育環境の悪化は鮮明であり、遅刻で単位不足から卒業できない状態に置かれることで、定時制への進学を諦めなければならない事態も予想されます。教育環境の悪化は、苦労して学んでいる生徒、学ぼうとする生徒を切り捨てることになるのです。これでは、教育の機会均等の精神で昭和二十三年に創設された定時制は完全に無視され、国の政策をも破壊する暴挙と言わざるを得ません。同様に、教育長が答弁した教育水準の維持向上どころではない。このような大きな問題のある統合は認められるものではないし、私から具体的な指摘を受けるまでもなく、弘前中央高校定時制の統合は断念すべきであります。  前に他県の例を申し述べましたが、私が調査した東北三県を見ましても、秋田県の明徳館高校、山形県の霞城学園高校、福島県の郡山萌世高校のように、三校統合に当たって慎重かつ長期にわたって先進校等も調査研究をし、通学者の利便性を最優先した、これこそ教育環境の整備であります。  以上のことについて教育長の答弁を求めます。  次に、生徒の通学における安全確保についての教育長の答弁は、事件は過去に一回あったが、その後は聞いていないとして、今後は下校時に教職員が下校時指導を行うという。街灯については、平川市に協議をお願いして明るくできるように努める。また、防犯協会等と連携し、通学路の安全を含めた学校の安全体制の強化を図っていくなどの対応に努めたいと考えておりますと答弁していますが、他の行政機関や民間団体に協力を求めなければならないような問題のある場所であることから、現状よりはるかに問題のある教育環境と言わざるを得ないのでありますが、現在までその協議はどのように進展しているのか、お答えをいただきたい。  次に、第二百六十九回定例会において、今までに言われたさまざまな意見について検討していくという答弁に対して、その後どのようなことを検討しているのかただしたのに対し、答弁は、いろいろな意見を踏まえて、尾上総合高校の教育内容の充実のほか、働きながら学習することのできる環境の整備、不登校などさまざまな課題を抱えた生徒が学習することができる環境の整備、夜間下校時の安全確保、経済的な理由により就学が困難な生徒への対応などについて検討しているという、全く抽象的な内容となっています。より具体的な内容の答えを求めます。  また、弘前中央高校定時制課程の閉課程は見直すべきであるとの質問に対する見解として、尾上総合高校への定時制の三部制の導入並びに弘前中央高校及び黒石高校の定時制課程の募集停止は平成二十五年度を計画していることから、現在実施している平成二十四年度高校入学者選抜の状況を含め、志願・入学状況や生徒の状況について確認してまいります。  また、働きながら学ぼうとする生徒の修学機会が確保されるよう、県民の皆様からいただいた御意見も参考にしながら、関係機関と協議を行い、さらに検討してまいりますと答えております。言葉は立派であります。  関係機関との協議検討をしてまいりたいと言われますが、どのような機関と協議をしたのか。その結果は、特に働きながら学ぼうとする生徒の修学機会が確保されるよう県民の意見を参考にしながらとも答えているが、県民からどのような意見があり、どのようにしたのか答弁を求めます。  三校統合案では、あなたは、働きながら学ぼうとする生徒の修学の機会が確保されるようと答弁していますが、私が具体的に指摘しているように、統合されることによって、それが確保されるどころか、全く逆であることが今までのやりとりで明らかになっています。このことから、弘前中央高校定時制課程の募集停止、閉課程を見直すべきであることについて、いま一度わかるように、具体的に、親切丁寧に答弁を求めます。  第三次高等学校統合計画で、弘前中央高校、黒石高校及び尾上総合高校の三校統合による三部制の定時制高校を尾上総合高校に設置する主な理由は、教育環境の整備であって、全日制課程と同等の教育を行うという定時制課程における教育水準の維持向上を図る観点から三校を集約することとしたのでありますが、今までの弘前中央高校定時制で働きながら学んでいる生徒は、学校は市街地にあり、今まで全く問題なく通学し、勉学にいそしむとともに、部活動もしながら学校生活を送っているのであります。それが統合することによって、電車通学をしなければならず、新たに交通費の負担がふえ、通学時間も長く、さらには毎日始業時に約一時間遅刻することで単位の取得に支障を来たし、単位不足によって卒業できないという事態が発生し、今まで三年で卒業できた三修制もだめになります。三修制は、私が以前文教公安委員会に所属していたとき、定時制教育振興のために必要であると強く主張してできた本県での制度であります。  また、尾上総合高校の校舎のある場所は田んぼの中で、ビニールハウスが向かいに二棟もあり、自動車道もあることから、夜間、女子生徒に危険な場所であり、冬場は吹雪で通学路は見えなくなり、深い側溝があることから、危険であります。そして、通学にも長い時間を要するなど、どれ一つとっても現在の教育環境とは雲泥の差で、現在の定時制の教育環境より著しく悪化することで、統合の目的である教育環境の整備、教育水準の向上を図ることは望むべくもない状態であります。  したがって、統合の目的である教育環境の整備という目的を失ったことから、この統合計画は全く無意味なものとなり、統合計画から弘前中央高校定時制は除くべきであると強く求めるものであります。答弁を求めます。  次に、県教育委員会は十一月十二日、県立高校の再編計画、県立高等学校教育改革第三次実施計画の後期案を発表しておりますが、それによると、岩木高校は十五年度で募集停止するということであります。記者会見で教育長は、さまざまな要望は真摯に受けとめる、地区説明会のほか、自治体に伺うなどし、考え方をしっかり説明したいと述べたと報道されましたが、結果は県民の声を聞く機会を無視して、聞かずに決定しております。非常に独善的だと言わざるを得ません。  ところで、岩木高等学校閉校後、どのように活用するのか、その予定をお尋ねいたします。  次に、県指定文化財について伺います。  その一つは、県指定文化財の指定の基準及び具体的な指定、その数について伺います。  その二は、県重宝の指定の種類別数量について。  その三、県重宝に対する補助制度について伺います。  最後は、社団法人青い森農林振興公社分収林について問うものであります。  青い森公社は、経営に行き詰まり民事再生手続に入るという新聞報道に驚かされたところであります。それによると、莫大な負債で経営の継続ができないことから民事再生手続に入るということで、確定した再生債権額は三百六十七億二千九百六万円であり、公社の資産等で弁済した残額三百五十五億九千二百七十二万円は、県の債権放棄で県民の負担になる見込みであるというものでありました。  今回倒産に追い込まれた公社も、設立当初は木材価格が順調に推移していたが、昭和四十五年に分収造林事業を開始後約十年を経過した昭和五十五年以降、長期にわたる木材価格の低迷や労務単価の上昇で、森林整備コストの増加、そして林業を取り巻く社会経済状況の変化に伴い、林業の採算性が悪化するところとなり、公社の債務問題が顕在化してきたというのであります。  公社、そして県が十年以上の長期にわたって収支の改善に関する各種の対策を講じてきたが、収支改善の見通しができず、平成二十二年度になって長期の収支見通しの試算をしてみたところ、事業開始の昭和四十五年から事業終了予定の平成六十八年度までを通じて約三百十三億円の借金返済のための償還財源に不足が生じる見通しとなったというのであります。  そこでお尋ねしますが、分収造林事業が始まって約十年以降、長期にわたる木材の価格の低迷や造林の手入れに要する費用が増加し、林業を取り巻く社会経済状況の変化から、採算性が悪化し、債務問題が顕在化したと民事再生手続についての中で述べているが、早い時期に経営が容易ならざる事態に至っているにもかかわらず、なぜもっと早い段階で具体的な経営改革に取り組み、公社の債務を少しでも少なくする努力をしなかったのかと考えますが、県はこのことにどのように考え、そしてその責任はどのように感じているのか、見解を求めます。  次に、社団法人青い森農林振興公社の民事再生手続によって県が引き継がざるを得ない分収林について、民間の視点から経営を行うべきと考えるが、県はどのように考えているのか。  また、分収林の経営に当たっては事業効率を十分考えた上で経営しなければならないが、その中で県産材の需要を拡大する必要があると考えるが、県はこれまでどのような取り組みを行ってきたのか伺います。  以上で壇上からの質問は終わります。 31 ◯副議長(森内之保留) 三村知事。 32 ◯知事(三村申吾) 相馬議員にお答えいたします。  私からは、教育環境の整備ということでの御質問がございましたのでお答えしたいと思っております。  まず、純粋にハード的な意味であれば、もちろん改築であるとか耐震に対応するために予算確保していくといったことでございますが、議員の御趣旨としては、ソフト的な意味としての御質疑と考えた次第でございますので、そういった点からお話ししたいと思います。  私は、本県の子供たちが郷土に愛着と誇りを持ち、志を抱き、社会で自立する力や広い視野を身につけ、たくましく成長してほしいと願っているところでございます。  そこで、現在の定時制課程ということになりますが、現行の状況は、勤労青少年のための教育機関としてだけではなくて、加えるに、多様な生徒の教育的ニーズに応える場として大切な役割を担っているものと私としても認識しているところでございます。これらのニーズに適切に対応していくということでの私としての思いが、教育環境の整備というソフト的な意味におきましてはそういった思いがございます。  以上です。 33 ◯副議長(森内之保留) 青山副知事。 34 ◯副知事(青山祐治) 社団法人青い森農林振興公社分収林の二点の御質問にお答え申し上げます。  まず、県は早い段階で公社の経営改革を行い、公社の債務をより少なくすべきであったと考えるがについてでありますが、分収林を取り巻く環境につきましては、議員からもお話があったように、経営を大きく左右する木材価格が、低価格な外材の輸入による国産材需要の減退等から、ピーク時の昭和五十五年に比べ約三割に下落する一方で、労務単価は昭和四十五年の公社設立時に比べ約五倍に上昇するなど、大変厳しい状況にあります。  このような状況を踏まえ、県と公社では、これまでも経営改善に向けた対策として、平成十五年に新規造林の中止や公庫借入金の低利資金への借りかえを行うとともに、平成二十一年から公社の負担を伴わない定額助成事業の導入などの支出抑制策や、収益を上げる利用間伐の推進などの収入確保対策を講じてきたところです。また、国や公庫に対しては、各都府県と連携し、経営改善のための支援を要請してきました。  県では、このような経営改善の取り組みを行う一方、分収林の今後のあり方や経営について抜本的に検討することとし、外部有識者による公社経営検討委員会等から御提言をいただくとともに、県議会各会派を初め、県内各界各層からの御意見等を踏まえ、また、県民共通の公共財としての性格を考慮して、公社の経営改革を先送りせず、将来の県民負担の拡大を食いとめることが必要と判断し、平成二十二年十二月に県が分収林を引き継ぐことを決定したところです。  公社の経営改革につきましても、この問題を先送りせず、将来の負担の拡大を食いとめることが今私たちに求められる責任と考え、県が引き継ぐことを決断いたしましたが、結果として県民負担が生じることになったことについては、県議会並びに県民の皆様に御心配をおかけし、申しわけなく思っております。  次に、県が引き継ぐ分収林について、民間の視点で経営を行うべきと考えるがについてであります。  県では、平成二十五年四月から県民環境林として引き継ぐ分収林の経営方針や県民負担の軽減策等についての具体的な提言を得るため、経営に関する学識経験者や公認会計士、分収造林契約者、林業団体、消費者の代表などの外部有識者で構成する県民環境林経営検討委員会を設置して御議論いただき、去る十一月十九日に報告書を提出していただいたところです。  この報告書の中で、県民環境林の経営については、業務の効率化により経費を削減するとともに、利用間伐の推進等による収益の増加に配慮した経営が重要であることから、民間の経営のノウハウを活用するため、利用間伐や路網整備に関する技術提案を公募し、五年程度の一定期間、業務を一括で民間事業体に委託する公募型プロポーザル方式を導入するよう提言されております。  県としては、この提言を最大限尊重し、民間経営の視点を常に念頭に置きながら、適切に管理、経営していきたいと考えております。 35 ◯副議長(森内之保留) 農林水産部長。 36 ◯農林水産部長(渋谷義仁) 分収林に関する御質問のうち、分収林の経営に当たっては、県産材の需要を拡大する必要があると考えるが、県はこれまでどのような取り組みを行ってきたのかについてお答えいたします。  県では、これまで、杉などの認証県産材を一定量以上使用した住宅の建築やリフォームの施主に対して、県産材を使用した家具や建具と交換できる全国で初めての県産材エコポイント制度に取り組んできたほか、県産材を使用した住宅の事例集である県産材地産地消ガイドブックによる県産材住宅の普及や、住宅関連団体が行うあおもり産木造住宅コンテストを支援してきたところでございます。  また、公共建築物での利用促進に向けては、国や県、市町村等で構成する県産材利用促進ネットワークにより、需要者側と供給者側への情報提供と円滑な木材流通に取り組んできたほか、公共建築物の木造化を進める国の公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律に基づきまして、平成二十三年九月に青い森県産材利用推進プランを策定し、公共建築物等での利用促進についての基本的な考え方を定めるとともに、県内三十七市町村において方針が策定されたところであり、今後は公共建築物の木造化を進めてまいります。  さらに、木質バイオマスとしての利用については、木質ペレットやチップを使用するバイオマスボイラーへの導入支援や、バイオマスボイラー施設の導入を普及する木質バイオマスプランナーの養成などに取り組んできたところでございます。 37 ◯副議長(森内之保留) 教育長。 38 ◯教育長(橋本 都) 御質問のうち、初めに県指定文化財について、県指定文化財建造物の指定方法及び指定状況についてお答えいたします。  文化財の県指定に当たっては、文化財保護法、青森県文化財保護条例及び国の文化財指定基準にのっとり、市町村教育委員会等から推薦された候補物件について、県文化財保護審議会の各専門分野の委員が文化財としての価値、保存状態等に関する調査を実施し、所有者からの申請を受けて県教育委員会が同審議会に諮問し、答申を得て指定しております。  候補物件については、意匠的に優秀なもの、技術的価値の高いもの、流派的または地方的特色において顕著なもののほか、歴史的価値、学術的価値について総合的に審議され、県にとって重要なものと判断された場合には、県重宝として指定することとなっております。  県重宝のうち建造物は現在四十件で、近年では平成二十一年二月十八日に八戸市松館にある大慈寺山門、平成二十三年八月十九日に弘前市にある岩木山神社社務所が指定されております。  次に、補助制度についてです。  県指定文化財への補助については、青森県文化財保護条例により所有者に対し予算の範囲内において補助金を交付することができると規定されております。  これを受け、県教育委員会では、県指定文化財建造物等の保存活用を図るため、保存修理を行う所有者に対して文化財修理費補助金を交付しております。  交付に当たっては、緊急性、修理方法等について専門的見地から調査を行い、その結果、修理することが適当であると判断された建造物について、修理に要する経費の五〇%以内もしくは八百万円以内の額について、予算の範囲内において補助しております。  平成二十四年度は、弘前市にある弘前昇天教会の教会堂保存修理事業に五百四十万円、五戸町にある寳福寺本堂の保存修理事業に八百万円補助することとしております。  次に、県立弘前中央高校学校定時制課程の募集停止等について、第二百六十九回定例会においての答弁についての検討内容を具体的にということでございました。  まず、高等学校教育改革第三次実施計画は、社会の変化や中学校卒業予定者数のさらなる減少が予想される中にあって、現在小学校や中学校で学んでいる子供たちが夢を育み、進路実現に向けた高等学校教育を受けることができるよう策定したものであります。  定時制課程においても、生徒がさまざまな個性や価値観に触れ、互いに切磋琢磨できる教育環境を整えることが大切であり、既に三部制を実施している北斗高校、八戸中央高校の午前部、午後部は志願者が多いことから、中南地区においても定時制課程を集約し、三部制を設置するものであります。  一方、弘前中央高等学校及び黒石高等学校の定時制課程の募集停止に当たりましては、下校時の交通手段の確保、弘前市内で就業する生徒への対応、尾上総合高等学校周辺の安全確保などの御意見について対応を検討しました。  まず、下校時に弘前駅からのバスの運行時間に間に合うようにするため、尾上総合高校の夜間定時制の授業時間を他の夜間定時制課程より早めることとしました。また、定時制課程は一日四時間の授業を四年間受けることが基本ですが、尾上総合高校では三部制とすることから、他部の授業の履修や、弘前中央高等学校定時制課程と同様に、通信制課程の授業を定時制課程の時間割に組み込むことにより、先ほど議員からもありましたいわゆる三修制、三年間で卒業することもできるようにしております。このことにより、一時間目に間に合わない生徒も四年間で卒業でき、さらに高等学校卒業程度認定試験等により単位を修得した場合には、三年間での卒業も可能となります。  このほか、学校周辺の街灯をより明るいものとしたり、教職員による下校指導を行い、安全を確保するとともに、働きながら学ぶ生徒の通学支援として、定時制課程及び通信制課程の修学奨励金による対応等についても現在検討を進めております。  働いている生徒が通学できないのではないかということでございますけれども、現在、定時制課程でアルバイト等をしている生徒の割合は、夜間定時制で三四%、午前部で三五%、午後部で二三%であり、生徒は、自分の学習時間に合わせてアルバイトの時間帯を選択している状況にあります。また、入学直後の一学年の五月には一割程度であった就業者の数が、二学年の五月には三割程度にまでふえており、時間の経過や学年の進行に従って就業者が増加する傾向にあります。  具体的に申し上げますと、弘前中央高校では、五月時点で十九人、二五%であった就業者が、十一月二十六日時点では二十四人、三三%になり、五人増加しております。このことは、入学後に生徒各自の学習時間に合わせて就業先を選択している結果であると認識をしているところであります。  また、先ほど御説明したところでありますが、もう少し具体的に、三年間で卒業できないのではないかということですけれども、尾上総合高校では、通信制課程の併修を含めますと、一年間に二十六単位の取得が可能となっております。仮に、一年生から一校時目に出席できない場合は、卒業までに三年間で十一単位不足ということになりますが、この不足単位を、先ほどの御説明のように四年が原則ですので、四年次で取得、あるいは高等学校卒業程度認定試験を受ける、あるいは通信制の個人併修等をすることによって取得が可能となります。  それから、経済的にも公共交通機関といえども費用がかかるということでございますが、現在働きながら定時制課程または通信制課程に在学する生徒に対しては、月額一万四千円を貸与している貸与制度があるわけでございますけれども、これは、定時制課程または通信制課程を卒業した場合には返還の全部が免除されます。先ほどと繰り返しになりますけれども、現在この定時制課程及び通信制課程修学奨励金に通学費用の一部を増額して貸与することができないかということで、支援策を検討しているところでございます。  それから次に、他県は大変よくやっているというようなことでございます。  確かに、他県において、秋田県と山形県、福島県の例をお話しいただきましたけれども、本県におきましては、北斗高校、八戸中央高校という既に二つの三部制の学校を設置しておりまして、中南地区にもぜひ三部制高校をつくりたいということでございます。秋田県は三部制高校は県に一校、山形県は一校、福島県は二校設置しているところでありまして、各県の実情に応じて整備しているものと考えております。また、調査については、特に尾上総合高校の職員は、毎年他県の実情を視察して教育内容の充実に努めております。  それから、弘前中央高校定時制の募集停止を延長してどのようなことをしっかり確認をしたのかということでございますが、弘前中央高校等の募集停止については、パブリックコメントや説明会における意見等を踏まえまして、定時制三部制の総合学科として展開するに当たり、スタート時点から実施計画案で示した以上に多くの系列を開設し、生徒に多様な学習機会を提供するほうが望ましい。あるいは、定時制課程の生徒の就業状況など生徒の実態を十分に把握する必要があるといったことから、実施年度を二十五年度に変更したものでありました。  これまで中学校卒業予定者数の推移、志願・入学状況、定時制課程の生徒の通学や就労の状況等を確認するとともに、尾上総合高校における系列の内容や多様な学習機会を提供するための教育課程の編成について検討をしてまいりました。  それから、通信制の勉強をやるということはまた大変であるということでございましたけれども、現在でも、弘前中央高校でも通信制の併修に取り組んでおり、定時制の時間割の中に通信制の併修を組み込むことによって三修制が実施できているわけでございます。三部制単位制高校の特色を生かして、生徒の多様なニーズに対応するための方策の一つとして、弘前中央高校でも取り組んでおります通信制の面接指導を定時制の時間割に組み込むほか、高等学校卒業程度認定試験等による単位の取得など細かな指導を行うこととしております。  今後とも、働きながら学ぼうとする生徒の修学機会がしっかりと確保されるよう、県民の皆様からいただいた御意見も参考にしながら、特に今後は小学校や中学校の保護者等からの御意見をしっかり聞くということで、PTA、連合PTAあるいは高等学校PTAの皆様方とも意見をさらに伺いながら協議を行い、さらに検討してまいりたいと考えております。  よろしくお願いいたします。 39 ◯副議長(森内之保留) 相馬議員。 40 ◯四十八番(相馬しょういち) まず、定時制の問題から入りますが、知事の答弁は全然なっていませんよ。あんな話を聞いても誰もわかりません。私は何を言ったかというと、今、統合するに当たって、今まだやっている定時制と統合したことによってどう改善されるのか、それを言っているわけですよ。ですから、全体的なことをただ話をしているだけで、私にそれで納得せいといっても、全く納得できません。  それから、まず教育長、きょう新聞に出ました定時制高校の志望の一次調査が出ましたけれども、これで今回尾上総合高校、これは募集停止していますから尾上総合高校でやっているわけですけれども、夜間の部、たった三人ですよ。それでは、その前のときは中央高校が二十三人、黒石高校は九人、三十二人なんです。三十二人がたった三人になったということは、この統合はだめだということのあらわれなんですよ。それをどう考えますか、まずこれを一つ。  それから、言葉ではいろいろ言っていますが、現実にどうかというと、結局は今ある定時制よりも、統合することによってぐっと環境が悪くなってくる。そのことについての答えがないよ。そんな環境が悪くなるんだったら、環境の整備であれば、今のとおりやっていればいいじゃないですか。特に中央高校は──黒石高校、尾上高校は昼の定時制ですから、中央高校のことを考えれば、これはこの統合に入れるべきではない、除かなければ、言っている教育環境の整備には全然つながらない、全く反対ですよ。ですから、私は中央高校の定時制はこの統合の計画から外しなさいと、こう言っているわけです。これについてもう一度答えを求めます。  本当に、何か環境を悪くするのが環境の整備なんですか。日本語ではどうなっていますか。教育委員会がこんなこともわからないでやっていたらだめですよ。しかも、全然周りの調査もしないで。私が調査して初めていろんなことを指摘したものだから、慌てていろんなことを言っていますけれども、県南の定時制をちょっと調査しているだけだ。こういう重要な三校統合をやるときには、もっと──先進校があるわけです。どこの学校もみんなそれを調査していますよ。秋田、山形、福島、全部やっています。本県はそれをやらない、最初からあそこにやるんだということだから、何も調査する必要ないということでしょう。それでは、県民の声を聞くとかいろんなことを言っていますが、何も聞いていない。言葉だけでそんなことを言ったって、これは承服できるものじゃないです。  二つ今質問しましたから、また答えていただきます。  それと、県重宝。県重宝については、補助金がさっぱり出ないのがあるんですよ。神社もお寺もいろいろありますが、お寺というのは比較的檀家から金を集めやすいんです。神社はそうはいきません。氏子がいるといったって、別に神社でそう帰属しているという意識は働かないんですよ。ですから大変だと。重宝を返上すると言っているんですが、これに対してどうしますか、答えていただきたい。  それから岩木高校。この前に弘前でみんなで集まって、議員も──弘前だけではない、周辺の市町村長と議員が集まって教育委員会と話をするといったら断られたでしょう。今そこに西谷議長は座っていませんからね。何か西谷議長が連絡をとるということでしたけれども、次の日になったら私のところに電話が来て、あれは教育委員会でだめだそうですと。では、何も声を聞いているんじゃないでしょう。どうするんですか、この後の校舎。どうするのか。後で、あした齋藤爾議員がまた質問するそうでありますが、しっかりしてもらわなきゃ困ります。  それから、森林公社の関係ですけれども、前から経営が大変だということをわかっておった。わかっておったんだが、それじゃ経費の節約等に努めたかというと、決してそうではない。私も決算書を、飛び飛びで三年分をいただきました。もう大変な事態になっても、役員報酬も払っていれば多額の給料も払っております。こんなことをしたら倒産するのは当たり前ですよ。  この前に民事再生の申請をしたときに、新聞の記事の中に、倒産ではないという、担当者が倒産でないと。民事再生が倒産でなくて何が倒産なんですか。こんな感覚で事業をやっているから赤字になって、多額の県民負担がふえてくるということなんですよ。なぜもっと経費節約できなかったのか。三年分だけ私は要求しましたけれども、私が見ればわかりますよ。  それから、これからいろいろやっていくのに、有識者、専門家の話を聞いていますと言うけれども、この人たちは本当に専門家ですか。何人も名前を連ねていますけれども、専門家だというのは何か一人ぐらいは入っていますけれども、あとは専門家ではないわな。それぞれの分野の専門家ではあるけれども、森林の造林にかかわることの専門家ではないですよ、この人たちは。これでいいのかどうか。最後に誰かが一人でまとめたのかもしれません。よほどしっかりしていかないと、県で代物弁済で受けるということで、それは今我々にも了解を求めているわけですけれども、大変なことだと思います。  少しだけいいのは、債権放棄をした中で、引き継ぐ債務の中で、県債を発行して利息の五〇%は交付税に織り込んでもらうという、これだけはありますけれども、あとは何もないわけです。本当に大変だと思いますよ。  過ぎたこととはいえ、大体、倒産でないなんていう意識を持っているのがおっては、これはどうしようもないんですよ。本当にこの責任は重大だと思いますよ。責任の話は出ませんね、誰が責任をとるのか。もう少ししっかりした姿勢で、一種の企業ですから、私がちょっと決算書を見ただけでも問題だらけですよ。森林の造林をするのに社長はいなくたっていいんですよ。名義だけの社長だけでいいの。報酬を払わなくてもいいんです。それがもう多額の報酬が出ている。人件費だって、多額の給料が出ている。ですから、山の造林の手入れをするほうはやらなきゃなりませんが、それ以外のほうになぜこんなに金を使ったのか。  もうだめだということがわかってきてからこんなことをしているんですよ。公務員がやるものというのは、とかくこういうのが多いんです。責任をとらなくてもいいからね。困るのは県民ですよ。県民に多額の負担をかけるわけですからね。三百五、六十億円あったら、知事、いろんなことができますでしょう。八戸のスケートリンクは幾らかかるんですか。やはりもっと県民が身を切って納めている税金を大切に使わなきゃならない。どうしても、公務員はボーナスが減ることもない、成績が悪くたって、昇給はするわ、そんな中でやっていますから、企業も公務員がやれば必ず倒産するんですよ。  これからこの造林を六億幾らで、今度は代物弁済で受けるわけですから、これをやっていかなきゃならないわけでしょう。木材の価格がどんどん上がればいいんですが、下がってきたときはまた大変ですよ。ですから、そのことを十分意識して、余り時間がないのでこの辺でこれは終わりますが、後でまた、あるいは正確に調べた上で厳しく追及するかもしれませんけれども、ここで終わります。答弁を求めます。
    41 ◯副議長(森内之保留) 教育長。 42 ◯教育長(橋本 都) 先ほど答弁すべきところを議員のほうから再質問という形でしていただきました。大変失礼を申し上げました。  岩木高校の校舎等の利活用について答弁をいたします。  募集停止が決定した高等学校の校舎等の利活用につきましては、平成十九年三月に策定された青森県県有施設利活用方針に基づき、まず最初に県全体で検討を行いますが、県が利用しない場合には、当該学校が所在する市町村に対し、利活用が可能かどうか照会することとしております。そして、所在市町村においても利活用が見込めない場合には、民間への売却を進めることとなります。  また、利活用の検討時期については、これまで、募集停止となる学校に在籍する生徒の教育活動を充実させ、安心して卒業できるよう支援していくことを第一に考え、募集停止となった年度以降としてきたところです。  県教育委員会といたしましては、岩木高等学校についても同様に、利活用方針に基づいて県有施設の有効な利活用が図られるよう取り組んでまいります。  次に、再質問の部分でございますけれども、本日の新聞の第一次進路志望調査のことにつきまして、夜間部の希望が減ったのは通学できないというような問題があるのではないかというようなことでございました。  第一次の進路志望状況調査は、当該年度の中学校卒業予定者が最初に希望した学校を調査しているもので、現在までのさまざまな進路情報をもとに志望した結果であると認識しております。今後、第二次進路志望状況調査も行うこととしておりますので、その状況も見ていく必要があるものと思っております。  なお、他の三部制高校の志望状況で、御案内のことでございますが、北斗高校は夜間部六人、八戸中央高校夜間部四人となっております。  次に、定時制課程における教育環境の充実ということでございますけれども、全日制課程と同等の教育を行うという定時制課程における教育水準の維持向上を図る観点から集約をしたところでございます。  集約に当たりましては、生徒が自分の学習スタイルに合わせて午前、午後、夜間の時間帯を選択することができる三部制を導入し、中南地区にある県立学校の施設の中で、中南地区の三市から通学が可能であること、あるいは多様な教育活動の展開が可能であることなどから、尾上総合高校に三部制とすることとしたものでございます。  これまでの弘前中央高校、黒石高校、尾上総合高校の三校の定時制課程を合わせた生徒数で見ますと、出身市町村の割合はおおむね弘前市三一%、黒石市三四%、平川市一〇%、その他一九%となっておりまして、三部制移行後も、三市を初め、中南地区それぞれから入学者があるものと予想を立てているところでございます。  それから、文化財の返上のことでございます。  県指定文化財の指定の解除につきましては、青森県文化財保護条例において、指定文化財がその価値を失った場合その他特殊の事由がある場合には、県文化財保護審議会に諮問し、答申を得て、その指定を解除することができると規定されております。これまで県指定された文化財においては、指定を解除した例はございませんが、今後とも所有者の御理解を得ながら、文化財の適正な管理が図られますよう努めてまいります。 43 ◯副議長(森内之保留) 八番沼尾啓一議員の登壇を許可いたします。──沼尾議員。 44 ◯八番(沼尾啓一) 自由民主党会派の沼尾啓一です。  通告に従いまして質問させていただきます。  まず、東日本大震災を教訓とした防災体制の整備についてであります。  東日本大震災から一年と八カ月が経過しましたが、いまだに新聞には、震災で亡くなった方々のうち、新たに身元が判明した方々の名前が掲載され続けています。  宮城県石巻警察署の身元不明・行方不明捜査班は、遺体を早く家族に返してあげたいと、生前の似顔絵を作成し、二十人の身元が判明するなど、あらゆる手段を試み、必死の捜査を続けていますが、いまだに二百三体の身元がわからないと言います。また、震災直後の混乱の中、遺体の取り違えもあり、まだまだ犠牲者の家族にとって震災は当時そのままと言っていいのではないでしょうか。  震災後の調査で、岩手・宮城・福島県における死者は、女性八千三百六十三人、男性七千三百六十人、不詳六十三人となっており、女性が男性より千人多く、ほとんどが七十歳以上の死者数の差によるもので、高齢者で男女の差が大きくなっていること。年齢別で見た場合、六十歳以上が女性六七・六%、男性六三・七%と高齢者が多く犠牲になっています。  一方で、津波からの避難行動については、内閣府消防庁及び気象庁の調査では、災害発生時において、女性は、家族や近所の人々など、周囲の声がけにより情報を入手し、複数人で避難するなど、男性と比べて地域の人とのつながりが強いことが浮かび上がったとも言われています。さらには、東日本大震災を契機に、避難時、避難所等における男女の地域生活の特徴やニーズの違いなどが指摘されており、防災体制がしっかりしなければ同じように犠牲者は出る。避難所も女性にとっては耐えがたいものになります。  このような中、震災で津波被害を受けたおいらせ町で総合防災訓練が行われ、この訓練にあわせ、県では、男女共同参画地域防災体制づくり事業の一環として、安心できる避難所づくりに向けたワークショップを実施したとのことであります。  報道によれば、その訓練では、町民や関係者約六百人が参加し、避難路を確認しながら指定場所へ向かい、けが人や歩けない高齢者等日ごろから要援護者の情報を町と消防が共有することの必要性や、長期の避難となる場合の女性や高齢者に対する配慮やルールづくりの大切さが実感できたなどの感想も多く寄せられたとのことであります。  今後の地域防災の取り組みにおいては、これらの課題を整理し、男女共同参画の視点を反映させていくことが重要と考えます。  そこで、男女共同参画地域防災体制づくり事業の実施状況についての第一点目として、男女双方に配慮した避難所の運営など、男女共同参画の視点を取り入れた取り組み内容についてお伺いします。  第二点目として、事業の成果を踏まえ、今後どのように取り組んでいくのかお伺いします。  次に、自主防災組織の育成強化を通じた地域防災力の向上について伺います。  今回の震災で、自分の命は自分で守ること、逃げることの大切さが、てんでんこ、てんでんこという言葉で強調されました。同時に、要援護者の避難体制の確立も問題になりました。災害から身を守るためには、各市町村における自主防災組織の充実強化が最も基本になります。  県では、自主防災組織の育成強化を通じた地域防災力向上のためどのような取り組みを行っているのかお伺いします。  また、県では、大規模災害に備え、市町村や消防、自衛隊などの防災関係機関と連携した防災体制の充実強化のために、市町村や関係機関との連携による防災体制の充実についてどのような取り組みを行っているのかお伺いします。  次に、津波浸水予測を踏まえた防災対策の今後の取り組みについて伺います。  太平洋沿岸沖でマグニチュード九の地震発生なら、津波浸水域百三十平方キロ、高さは最大二十四メートル、浸水被害は震災超え、津波どう備え、どう行動。去る十月三日に報道された県海岸津波対策検討会がまとめた試算の内容と本県太平洋岸の津波浸水予測の見出し文字を見ただけで恐ろしくなりました。私は、イの一番に、我が町は、小川原湖周辺は大丈夫なのかと、記事に目を凝らしました。短時間に押し寄せる津波からの避難、次いで原子力災害からの避難。どこにどのように避難すればよいのか。実際に震災被害を受けた八戸市、階上町、三沢市、おいらせ町はもとより、沿岸部の六ヶ所村、東通村、風間浦村、この人たちのショックははかり知れないものがあったのではないかと思っています。  今回公表されたものは、震災を教訓に、国の中央防災会議専門調査会が示した新たな津波対策の考え方を受け、五百年から千年に一度程度と発生頻度は極めて低いものの、甚大な被害をもたらす最大クラスの津波の襲来を想定したものであり、今後の防災対策の強化の基礎になるものとされています。災害時の避難の第一次的な対応は市町村です。市町村はこの想定に基づいて、それぞれの実態に即した防災計画をつくる必要があります。  先般行われた青森県原子力防災訓練には、現地での訓練が一番大事との思いから、六ヶ所村の千歳平小学校での訓練を参観いたしました。同村の泊・出戸地区から避難した住民約三十人がスクリーニングを行い、陸上自衛隊が住民の輸送に使用したバスの放水機による除染が行われていました。  訓練に参加した泊地区町内会会長の野田泰夫さんに、実際に避難することになったらどうですかと尋ねると、泊地区からの主要避難道路である三三八号は津波で寸断される可能性が高い。今回の訓練のように避難できればよいが、取り残された場合どうするのか。この避難所に来るための道路は国道三三八号一本しかないと、避難道路の整備の必要性を強調していました。  津波から身を守るためにはとにかく逃げるしかないと言うが、泊地域のように、海岸近くの急傾斜地に住宅が密集している地域は、津波から逃げるルートが大きな問題で、避難隧道でもつくらなければ高台のバイパスまでの避難が難しい。現在、各市町村はそれぞれの実情によって、津波からの避難、さらには原発事故からの避難など、津波浸水予測に対する対応策を迫られているものと考えます。  県は、今回の訓練で浮かび上がった課題を整理し、今後の訓練に生かすと同時に、市町村が抱える問題についても整理し、市町村の防災計画の策定と避難ルートや避難所の確保を支援していく必要があると考えます。  そこで一点目として、津波浸水予測の概要について。  二点目として、津波浸水予測を踏まえた市町村及び県の今後の取り組みについて。  三点目として、防災公共における市町村の取り組みに対する具体的な対応についてそれぞれお伺いします。  次に、地域農業の持続的な発展についてであります。  農業を初め、本県の第一次産業の振興については、これまでも一般質問で取り上げ、農地の水利施設の存続、担い手対策について質問してきたところであります。  食料供給県として、また、食産業あおもりを目指す本県においては、農山漁村の持続的発展は何が何でもなし遂げなければならない大命題であります。しかしながら、現状は、国内の産地や輸入農林水産物との競合により極めて厳しい状況にあることは御承知のとおりであります。  十一月十九日の報道によれば、本県の六次産業化は、計画認定三十二件で東北一、国の委託を受け県産業技術センターが開設した相談窓口には、本年度これまで四十五件の相談があり、年度末までには昨年度の累計七十五件を上回りそうだとのことであります。このことは喜ばしいことですが、一方では、多くの中小農家は、いまだに、六次産業の言葉はよく耳にするが、自分たちがどう取り組めばよいのかわからないと言っています。したがって、六次産業への取り組み方についても、もっと各市町村との連携により浸透を図る必要があると考えます。  国、県が進める六次産業化もまだまだこれからという状況の中で、県は、本年度から、農山漁村の持続的発展を図る地域経営の推進のため、農山漁村「地域経営」担い手システム確立事業をスタートさせ、先般、本年度分の助成金を配分したということであります。  事業の狙いは、地域の課題を関係者が共有し、創意工夫を凝らして、地域みずからが事業内容を提案し、将来の組織・人材育成の取り組みを支援するというものであります。  また、地域経営の概念は、地域の農林水産業の中核を担う経営体が、農林漁業者と多様な業種、産業との連携によって地域資源、人、自然、技術、土地、資本、文化などを広く生かす経営活動を展開することで効率的に付加価値と雇用を生み出し、持続的、自律的に支えていくこととしています。  そこで、今回は、県が実施する農山漁村「地域経営」担い手育成システム確立事業について、第一点目として、将来における地域農業の担い手をどのように育成していくのかお伺いします。  二点目として、市町村が取り組んでいる地域経営の特徴的な内容についてお伺いします。  次に、飼料用米の活用についてであります。  国は、我が国の水田が農業生産及び食料の供給に果たす役割の重要性に鑑み、水田の主要な生産物である米穀の新用途への利用を促進するための措置を講ずることにより、米穀の新たな需要の開拓及びその有効な利用の確保を図るとともに、水田の有効活用に寄与し、もって国民に対する食料の安定供給の確保に資することを目的に米穀の新用途への利用の促進に関する法律を制定しました。  稲作農家の現状は、米の価格が下がり過ぎて窮地に陥っていることは言うまでもないところです。減反は国の割り当てが毎年ふえる一方、転作は何を作付しても生産コストに見合わず、定着しない中で水田も減少するばかり。このままでは、食産業あおもりを目指す本県の将来の食料生産に大きな問題となることを心配しているのは私だけでしょうか。  飼料用米の価格ではコスト割れが必須で、戸別所得補償制度の十アール当たり八万円があって成り立っているのが現状です。いかに高収量、低コスト化に取り組むかが大きな課題となっていますが、大規模化によるスケールメリットだけでは、大半の農家は成り立ちません。  農家の試算ですが、家族五ないし六人の農家が米作だけで生計を維持するためには収入五百万円が必要です。ことしの米価一万二千円をベースにしても、少なくとも十ヘクタールの水田を保有し、半分を主食用米、残りを加工米や飼料用米などの非主食用米として作付しなければなりません。しかも、戸別所得補償十アール当たり、主食用米一万五千円、飼料用米八万円、加工用米二万円が続くことが大前提です。現在飼料用米等を作付している農家は、これまでもそうであったように、また何年かしたら戸別所得補償がなくなってしまうのではないかと心配しています。  さて、家畜飼料の県内資源を活用した自給率向上の必要性については、さきの六月議会で質問し、地域資源の有効活用が重要であり、地域のエコフィードの取り組みや県の研究成果等を踏まえながら、地域飼料資源を活用した家畜飼料の実用化を図っていくとの答弁をいただきました。今、県内では、平成二十二年から本格的に飼料用米の作付が行われているとのことです。  外国産の輸入穀物価格が高どまりの状態ということからしても、畜産農家にとっても安定的に安心して利用できることになります。また、今後安定的に水田利用が続けられるという点で、耕作放棄がとまり、食料供給県としては大きな課題が一つクリアできるものと考えます。  そこで一点目は、本県における飼料用米の作付状況及び飼料用米の作付が水田の有効活用にどのように寄与しているのかお伺いします。  二点目は、県産の飼料用米は県内の畜産業にどのように活用されているのかお伺いします。  三点目は、新聞報道のあったつがる市の立毛放牧は、小規模生産者にとって設備投資も少なく、すぐにでも導入できるようであります。  立毛放牧は、本県の肉用牛の振興を図る上で有効な手段と考えますが、今後の県の取り組みについて伺います。  次に、和牛の生産振興について伺います。  先般、長崎県佐世保市で行われた第十回全国和牛能力共進会に、本県として初めて全九部門に出場し、第四区、繁殖の部、系統雌牛群で、本県代表牛は優等六席に入賞を果たし、基幹種雄牛第一花国が前々回大会で獲得した成績と並んだとのことであります。  私は、さきの六月議会の一般質問で、本県として初めて全九部門に出場するに当たっての対策と意気込みについて質問し、知事から、出品する牛については上位入賞を目指し、万全の体制で臨むとの答弁をいただきました。  第四区における六席の入賞は生産関係者のこれまでの努力の賜物でありますが、今回の大会結果を今後の和牛生産振興発展につなげていただきたいものです。一から七区の繁殖部門はまだまだ全国のレベルが高く、今後の課題も見えたのではないでしょうか。  先般、内閣府の食品安全委員会は、牛海綿状脳症、いわゆるBSE対策で実施している米国産などの牛肉規制を緩和し、輸入対象月齢を現行の二十カ月以下から三十カ月以下に引き下げることを容認する評価書を正式決定し、厚生労働省に答申、政府は来年初めにも輸入規制緩和を実施するという報道もありました。国内での競争に加え、外国産牛肉の規制緩和となれば、競争力のある牛肉の生産技術の開発が重要と考えます。  そこで第一点目、第十回全国和牛能力共進会における本県出品牛の成績についてお伺いします。  二点目は、今大会の結果を踏まえて、今後の和牛振興をどのように進めていくのかお伺いします。  次に、陸奥湾におけるホタテガイ産業の振興についてであります。  ホタテ養殖の先駆者と言われる豊島友太郎氏や工藤豊作氏が、とる漁業からつくり育てる漁業への転換を目指し、ホタテの育苗生産に取り組み、養殖に成功して以来、陸奥湾ホタテ養殖は今日百億円超の産業に発展し、本県を代表する水産業となっています。  そのホタテが、一昨年の平成二十二年の高水温による大きな被害に続き、今年もまた高水温による被害が出ました。ホタテ産業にとって、高水温による被害のたび重なる発生は、根底を揺るがす大きな問題であります。  先般の調査によれば、地域により被害にばらつきがあるということであります。二十二年度の被害を踏まえた県の指導と漁業協同組合並びに漁業者の対応が功を奏したところもあるようですが、地球温暖化が進む今日、高水温被害はいつでも起こり得ることを想定する必要があると考えます。  本県のホタテ産業の継続的発展のためには、今回の調査を踏まえ、高水温時の対応策として、水温の低い深場への移動や養殖施設の管理方法など、総合的な対策が必要と考えます。  そこで一点目として、本年夏以降の陸奥湾における水温状況について伺います。  二点目として、本年の高水温によるホタテガイへい死状況について伺います。  次に、原子力分野における人材育成、研究開発についてであります。  震災以来これまで、国民的議論と言われるものは、原発があったほうがいいか、ないほうがいいかという議論ばかりで、原発ゼロとなっても大きな問題として残る放射性廃棄物については、全く議論の対象にもなりませんでした。そこが不思議でなりません。金の稼げる原発の開発には大いに研究費をかけ、利用価値の見えない危険な廃棄物には金をかけたくないというのでは、人間として余りにも無責任です。放射性廃棄物のより安全な最終処分は、原子力発電を開発し、利用してきた者の責任として、将来子孫に負の遺産を残さないように処理すべき問題です。日本だけではなく、原子力発電を持つすべての国の責任です。  県が今年度策定するとしている原子力人材育成・研究開発計画についての委員会では、高レベル廃棄物の減容化や放射線の医療分野での研究開発が検討されているとのことであります。このような問題に取り組むことは、青森県から地球の未来の安全・安心を世界に発信するものであり、ぜひとも実現していただきたいものです。  そこで一点目、国が原子力分野における人材や技術の維持強化に取り組むとしている中、県として原子力人材育成・研究開発を推進する意義は何かお伺いします。  二点目、青森県原子力人材育成・研究開発基本構想の実現に向けて県はどのように取り組んでいくのかお伺いします。  最後に、七戸川の河川改修事業についてであります。  八甲田山脈を源流として七戸町及び東北町を流れ、小川原湖に注ぐ七戸川と、その七戸川の支流赤川は、昭和三十年代は大雨や台風のたびに水害が起こる暴れ川でありました。  七戸川は昭和五十五年から河川改修事業が実施された結果、これまで大きな被害は起きていません。一方の赤川は、平成五年から河川改修事業により堤防整備を進めているものの、流域にある東北町豊田地区はいまだに大雨や台風のたびに湛水被害の常襲地帯のままです。  私の記憶では、平成十五年から十七年まで三年連続、そして直近では、昨年の台風十五号で湛水被害を受けました。田んぼの稲の湛水、住宅の床上・床下浸水だけではありません。水をかぶった田んぼには、数百羽のカルガモを初め、米を食料としている陸ガモの大集団が、さながらカモ専用の大レストランができたとばかりに押し寄せます。  地元住民は、ただ茫然と見つめながら、臨時に設置された排水ポンプにより水の引くのを待つばかりです。川の堤防工事が進んでいるにもかかわらず、なぜ水害が起きるのか。原因は、豊田地域の上流部にある鉄道橋の下にありました。川の堤防が鉄道橋の下をくぐる形になっていて、そこだけ堤防が低くなっていたのです。鉄道がJR時代は、堤防のかさ上げと鉄道のり面への堤防すりつけを相談しても、鉄道の安全性に影響を与えるということで断られてしまいました。  台風十五号の被害以降、県では、現地調査を実施し、十二月上旬にはのり面の補修工事を完了し、本年度は、抜本的対策として、七戸川・赤川工区の鉄道橋前後の改修計画を進めていることについて、地元の豊田地区住民と土地改良区関係者は、これでようやく水害を心配しなくて済むと大変喜んでいると同時に、早期完了を願っています。  馬淵川など、被害の大きい地域だけでなく、被害が小さく目立たないまま被害を受け続けてきた同地区に対する抜本的な対策を進めていただいていることに対し、この場をおかりして感謝申し上げます。地元の方々は一日千秋の思いで工事着工、そして完了を待っています。  そこで、赤川工区事業の進捗状況と今後の取り組みについてお伺いします。  以上で壇上からの質問を終わります。 45 ◯副議長(森内之保留) 三村知事。 46 ◯知事(三村申吾) 沼尾議員にお答えします。  まず、津波浸水予測を踏まえた市町村及び県の今後の取り組みでございます。  先般、東日本大震災を踏まえた国の地震・津波対策の基本的な考え方に基づき、本県太平洋側について、発生頻度は極めて低いものの、甚大な被害をもたらす最大クラスの津波を想定した津波浸水予測図を作成、公表しました。いや、実際、私も驚きました。  今後、市町村では、津波避難計画や津波ハザードマップの見直しなど、住民避難を軸とした総合的な津波対策を進めることになります。  県としては、この市町村の取り組みを後押しできるよう、市町村と一体となって、今進めております防災公共を強力に推進し、人命を最優先に、逃げるという視点に立ったソフト対策とハード対策を推進していきたいと考えております。  あわせて、この津波浸水予測をもとに総合的な被害想定調査を実施し、市町村や自衛隊を初めとした防災関係機関とも情報共有を図りつつ、県地域防災計画の見直しに反映させるなど、県全体の防災対策の充実強化に取り組んでいくこととしております。  今後とも、県民のとうとい生命を守り抜くという断固たる決意と覚悟のもと、市町村とも密接に連携しながら、災害に強い地域づくりに取り組んでいきます。  将来における地域農業の担い手の育成についてでございます。  本県農業は、多くの先人たちが県内各地域においてその立地特性を生かした産地づくりに励み、これを脈々と次世代に引き継ぐことにより、県経済を支える基幹産業として発展してきました。  私は、今後、人口減少が加速する中で、本県農林水産業を着実に継承し、さらなる成長産業として高めていくためには、地域みずからがしっかりと次代の担い手を育成確保していく仕組みを構築していくことが極めて重要になると考えております。
     このため、本年度からは、中核的な経営体が地域に収益、そして雇用を生み出し、経済と社会を支えていく地域経営の確立に向けて全力を挙げて取り組んでおり、各市町村においても、今年度策定した担い手育成五カ年計画に基づき、農林漁業者のみならず、商工関係者など、地域のキーパーソンを巻き込みながら、将来の担い手を育成する活動を本格化させております。  県としては、これらの活動成果を情報共有することによって各市町村の取り組みを充実させますほか、将来の本県農業をリードする若手農業トップランナーや農村女性起業の育成を初め、集落営農組織の法人化に向けた支援など、地域の取り組みを強力にサポートすることで、地域の担い手は地域が育てる仕組みづくりを着実に進め、地域農業の持続的発展を担う組織、人財の育成、確保に努めていきます。  長崎大会の結果を踏まえての今後の和牛振興であります。  本年十月に長崎県で開催されました第十回全国和牛能力共進会には、私も会場に赴き、出品者や関係団体の皆様を激励するとともに、出品牛の審査も拝見させていただきました。  この中で、第一区の審査に本県から出品した雄牛は、他県からの出品牛に決して引けをとらない立ち居振る舞いを見せるなど、調教の成果が随所に見られたほか、各部門において、本県関係者の出品にかける熱意やここに至るまでの努力の跡をひしひしと感じたところでありました。  今大会では、本県として初めて出品する部門もある中で、いわゆる上位入賞であります優等賞を前回大会を上回る四点獲得したほか、特にすぐれた特徴を持つ牛に与えられる特別賞も二点受賞できましたことは十分に評価されるものでありますが、全国の頂点に登り詰めるまでには、まだまだ乗り越えるべき高い壁があり、五年後の次回大会に向けた取り組みを今後着実に進めていかなければならないとの思いを新たにしたところであります。  県としては、今後、今大会の第九区で優等賞を受賞した第二花国や、全国的な知名度を得ている第一花国と抜群の相性を持つ優福栄を積極的に活用し、優良子牛の生産を拡大していくとともに、県基幹種雄牛のさらなる能力向上や、優秀な血統を引き継ぐ繁殖雌牛の整備による和牛改良など、次の大会に向けた方向性をしっかりと定め、全国に強くアピールできる牛づくりに取り組む決意であります。  続いて、県として、原子力人材の育成・研究開発を推進する意義ということでございます。  県では、原子燃料サイクル施設を初め、国際核融合エネルギー研究センターなどの原子力関連施設の立地を、本県の人づくり、産業づくりに最大限生かしていくため、平成二十年二月に青森県原子力人材育成・研究開発推進構想を策定し、その実現に向けた取り組みを進めてきたところであります。  私としては、原子力施設の安全管理や福島における除染等に関する技術の向上、人材育成が極めて重要と考えており、そのためには、将来にわたって原子力関連産業の維持発展が可能となるような政策が必要であると考えております。  引き続き構想実現に向けた取り組みを進め、我が国における原子力人材育成・研究開発への貢献を目指すとともに、多様な原子力関連技術の開発、普及を通じて、本県の人づくり、産業づくりを進めていく所存であります。  以上です。 47 ◯副議長(森内之保留) 行政改革・危機管理監。 48 ◯行政改革・危機管理監(小笠原靖介) 東日本大震災を教訓とした防災体制の整備、二点についてお答えします。  初めに、自主防災組織の育成強化を通じた地域防災力の向上についてです。  大規模災害時には、地域でともに助け合う共助の精神に基づき、町内会や自主防災組織を単位として、地域住民が迅速かつ確実に避難し、避難所の運営等に主体的にかかわることが不可欠であり、平時から防災に対する主体的な姿勢を持って、実際の活動を念頭に置いた備えを行うことが極めて重要です。  このため、県では、これまで市町村と連携してシンポジウムなどを開催し、自主防災組織の必要性等について幅広く啓発活動を行ってきたほか、昨年度は、市町村での自主防災組織の育成等の取り組みを後押しできるよう、地域防災活動に主体的に取り組むリーダー育成を目的とした研修会を実施したところです。  さらに今年度、地域防災活動に携わる関係機関の幅広い参集を得て地域防災連絡会議を開催し、自主防災組織活性化に向けた連携方策等を検討するとともに、鰺ヶ沢町をモデル地区として地域勉強会を行い、仮称地域防災心得書を取りまとめ、県民に広く周知し、自主防災組織の活動を通じた実践的な備えを促したいと考えています。  県としては、震災を契機に、みずからの地域はみずから守るとの考え方が再認識されているこの時期を捉え、引き続き市町村と連携し、自主防災組織の育成強化を通じた地域防災力の向上に努めてまいります。  次に、市町村や関係機関との連携による防災体制の充実についてです。  大規模災害時には、迅速な初動体制の確立と的確な応急対策の実施が何よりも重要です。  このため、災害が発生した場合に、市町村だけでなく、防災関係機関と連携して情報収集や応急対策を実施できるよう、平時から連携体制の強化に向けた取り組みを推進することが不可欠です。  このような基本的な認識のもと、県では、年間を通じて計画的に市町村や防災関係機関を交えた県総合防災訓練や図上訓練を実施しています。また、訓練の実施だけではなく、実施までの調整過程を通じて、県や市町村、防災関係機関との間で役割分担や対応能力について確認や認識共有を行うことが相互連携強化に当たり有効であると考えています。  今年度、具体的には、弘前市と共催で、警察や消防、陸海空自衛隊、海上保安部など、幅広い関係機関の参加を得て県総合防災訓練を実施したほか、食料等確保対策、輸送対策や航空機の運用調整など、個別テーマに特化した図上訓練を実施しています。  今後も引き続き計画的に図上訓練等を実施し、実践的な対応能力の向上や防災関係機関との連携強化に努めてまいります。 49 ◯副議長(森内之保留) 環境生活部長。 50 ◯環境生活部長(林 哲夫) 男女共同参画地域防災体制づくり事業についてお答えいたします。  まず、取り組みの内容についてでございます。  東日本大震災を契機に、避難所等における男女のニーズの違いなど、男女双方の視点への配慮や、防災体制に男女共同参画の視点を取り入れることの重要性などが再認識されているところでございます。  このため、県では、男女共同参画の視点を取り入れた防災体制づくりのモデル地域として、青森市とおいらせ町において、地元市町と連携協力を図りながら、町内会や自主防災組織、民生委員など、地域住民を含めた実行委員会を組織し、安心できる避難所づくりをテーマに、それぞれ五回のワークショップを実施しました。  中でも、地域住民も参加して実施しました避難所体験では、男女別の更衣室や簡易トイレ、人目を気にせず授乳できる部屋の設置など、男女共同参画の視点を取り入れた避難所を実際に体験することで、その必要性を認識していただいたところでございます。  県としては、これらの成果をハンドブックとして取りまとめるほか、十二月八日には講演会を開催するなど、事業の成果を広く県民に周知することとしているところでございます。  次に、今後の取り組みについてでございます。  男女共同参画地域防災体制づくり事業の成果につきましては、男女共同参画の視点を取り入れた誰もが安心して過ごせる避難所づくりのポイントを紹介するハンドブックを取りまとめることとしております。  県としては、このハンドブックを災害発生時や防災活動において中心的役割を果たす市町村や自主防災組織等の関係者、団体等に配布し、避難所等を設置運営する際の指針として活用するよう働きかけていくとともに、今後とも、各種研修会等の機会を積極的に活用しながら、男女共同参画の視点を取り入れた防災体制の必要性について継続的に普及啓発をしていくこととしております。 51 ◯副議長(森内之保留) 農林水産部長。 52 ◯農林水産部長(渋谷義仁) 御質問七点についてお答えいたします。  最初に、市町村が取り組んでいる地域経営の特徴的な内容についてであります。  県が本年度創設した地域提案型の農山漁村「地域経営」担い手育成システム確立事業では、県内の全市町村において策定した担い手育成五カ年計画に基づき、将来、地域の核となり得る若手農業者や新たな生産組織の育成のほか、新規作物の導入による生産拡大や六次産業化により起業を目指す取り組みなどが進められております。  その特徴的なものとして、比較的担い手が確保されている東北町では、認定農業者や農業経営士、ViC・ウーマン等で組織する農業振興会を中心に、収益性が高く機械化が可能な新作物タマネギの産地化や、町特産物の情報発信拠点ともなる農家レストランの運営体制の確立に取り組んでおります。  また、人口減少が深刻な西目屋村では、既存の集落営農組織の強化に加え、県外から新規就農希望者を呼び込み、定住させる仕組みの構築を目指して、首都圏のNPO法人や大学と連携した農業体験プログラムの作成など、受け入れ態勢の整備に取り組んでおります。  県としては、各地域の計画に掲げている目標が達成され、担い手の育成、確保が図られるよう、地域県民局に設置している農山漁村地域経営推進チームが中心となって、地域段階の取り組みを強力にサポートしてまいります。  続きまして、飼料用米の活用に関して、まず、本県における飼料用米の作付状況及び飼料用米の作付が水田の有効活用にどのように寄与しているかについてであります。  本県における飼料用米の作付状況は、国が平成二十二年度から戸別所得補償モデル対策による助成措置を講じて以降大幅に増加しており、平成二十四年産は約三千ヘクタールで、対策以前の平成二十一年産の約二十三倍となっております。このような水稲を主食用以外の用途に仕向けるいわゆる水稲転作は年々増加しており、特に飼料用米については水稲転作の五一%を占めております。  この飼料用米の作付については、栽培技術や保有している作業機械を活用でき、新たな栽培手法の導入や投資を必要としないこと、水田機能をそのまま維持できることに加え、高騰している畜産飼料の自給率向上にも貢献するなど、水田の有効活用に寄与しているものと考えております。  次に、県産の飼料用米は県内の畜産業にどのように活用されているのかについてであります。  県内で生産された飼料用米は、飼料製造工場において配合飼料の原料として使われているほか、一部の採卵鶏の農場や養豚場では、飼料用米の生産農家から直接購入したもみ米や玄米を給与し、市販の鶏卵や豚肉との差別化を図っております。また、乳用牛や肉用牛農家においても配合飼料の一部代替として玄米を給与する事例が見られております。  さらに、本県での新たな活用方法としては、肉用牛農家において、稲を刈り取らずに水田でそのまま食べさせる立毛放牧や、もみ米を粉砕して密封、貯蔵し、乳酸発酵させた稲ソフトグレインサイレージとして給与する取り組みも見られております。  次に、立毛放牧に対する今後の取り組みについてであります。  水田の稲を刈り取らずにそのまま牛に食べさせる立毛放牧は、飼料給与作業を省力化できる飼育方法として、また、水田の新たな活用方法として注目されております。  県内では、本年度から西北地域において、九月中旬から降雪前までの約二カ月間、電気牧柵を設置した約二十アールの水田で黒毛和種の繁殖雌牛三頭による立毛放牧を行っており、利用農家からは、牛の体調がよくなることや繁殖管理が容易になることなどのメリットを実感していると聞いております。  県としては、西北地域や県外での事例を検証しながら、地域における飼料用稲の作付状況などを踏まえ、公共牧場での夏季放牧との組み合わせなどによる立毛放牧の取り組みを推進していくこととしております。  続きまして、第十回全国和牛能力共進会における本県出品牛の成績についてであります。  本県では、去る十月二十五日から二十九日まで長崎県で開催された第十回全国和牛能力共進会に、これまでで初となる九部門すべてに二十六頭を出品いたしました。  審査の結果、肥育牛部門では、第八区と第九区に出品した三組すべてが上位入賞となる優等賞を受賞し、特に第八区の安平勝2を父とする肥育牛については、屠畜前の体重に比べた枝肉重量の割合、いわゆる枝肉歩どまりが出品牛の中で最も高いことが評価され、特別賞である歩留賞もあわせて受賞いたしました。  この部門に出品した三組すべてが優等賞となったのは本県を含めて四県だけであり、本県種雄牛の持つ能力と生産者の肥育技術の高さを全国にアピールすることができたところであります。  また、繁殖牛部門では、地域で長年飼われている系統の牛だけが出品できる第四区で、三戸地方黒毛和種育種組合の牛が、優等賞に加え、子育てに欠かすことのできない乳器の豊かさなどが全出品牛の中で最もすぐれていることが評価され、特別賞である乳徴賞を受賞いたしました。  今回の成績は、和牛改良の基礎となる雌牛づくりが着実に進んでいることを示すものであり、次の大会に向けて生産者の大きな励みになったものと考えております。  次に、本年夏以降の陸奥湾における水温状況についてであります。  本年夏以降の陸奥湾における水温は、陸奥湾海況自動観測ブイのデータによると、ホタテガイの養殖施設が設置されている水深十五メートル層において、八月に入り急上昇した後に一旦平年並みまで低下しましたが、中旬以降再び急上昇し、八月下旬から十月末までは平年に比べて二度から四度高目で推移し、十一月以降も一度高目となっております。  また、平成二十二年に初めて観測された二十六度を超える水温は、外ヶ浜町平舘沖観測ブイで十日間、青森市久栗坂沖観測ブイで六日間観測されるなど、猛暑により異常高水温となった平成二十二年に匹敵する高い水温となりました。  最後に、本年の高水温によるホタテガイへい死の状況についてであります。  県では、去る十一月五日から十三日にかけて、湾内全漁業協同組合が主体となって実施した秋季陸奥湾養殖ホタテガイ実態調査の現地調査結果と、その後の聞き取り調査で得られた保有数量をもとにホタテガイのへい死率を取りまとめたところ、稚貝のへい死率は全湾平均で二四・三%となり、平年の五・八%よりも高い数値となりましたが、約七割がへい死した平成二十二年との比較では低い結果となっております。また、二十三年生まれの新貝のへい死率は全湾平均で一八・六%と、平年の八・九%より高いものの、稚貝と同様に、七割がへい死した平成二十二年に比べ低い結果となりました。  以上のへい死率調査のほか、現在、来春に親貝となる新貝や来年以降出荷される稚貝の保有状況、成育状況等を取りまとめ中であり、十二月中旬に開催する報告会において最終の調査結果を報告することとしております。  なお、全湾的なホタテガイの大量へい死は回避されたものの、稚貝のへい死が多く見られたところもあることから、県では、むつ湾漁業振興会とともに、稚貝の融通が円滑に進むよう、関係漁業協同組合を通じて漁業者に働きかけているところであります。  以上でございます。 53 ◯副議長(森内之保留) 県土整備部長。 54 ◯県土整備部長(成田昌規) 御質問三点についてお答えします。  まず、津波浸水予測の概要についてでございます。  昨年の東日本大震災による甚大な津波被害を受け、国では新たな津波対策の考え方を示しており、その中では、住民避難を柱とした総合的防災対策を構築するために最大クラスの津波を想定することとされております。  県では、これを受けて、今年二月に青森県海岸津波対策検討会を立ち上げ、最新の科学的知見に基づき、青森県東方沖を震源域とする東日本大震災と同規模のマグニチュード九・〇の地震を想定し、津波シミュレーションを行い、青森県太平洋沿岸の津波浸水予測図を十月二日に公表しました。  これによりますと、太平洋沿岸での津波の高さは最大で二十四メートル、浸水面積は百二十九・五平方キロメートルと、これまでの想定を大きく超えるものとなりました。  なお、日本海、陸奥湾及び津軽海峡の各沿岸の津波浸水予測図につきましては、早期の公表に向け現在作業を進めております。  次に、津波浸水予測を踏まえた防災公共における市町村の取り組みに対する具体的対応についてでございます。  津波から県民のとうとい生命を守るためには、津波避難計画の策定とその具体化が必要不可欠です。市町村が津波避難計画を策定するためには、津波到達予想時間や避難可能時間など、設定しなければならない事項があります。  そのため、県では、関係部局で構成される防災公共庁内ワーキンググループにおいて検討を行い、津波到達予想時間の設定の考え方などを被災四市町及び下北地域の市町村に対して説明したところです。今後、海岸線を有する他市町村に対しても説明会を開催し、津波避難計画策定の支援を行っていきます。  また、津波避難計画を具体化するために、地域県民局単位に、県、市町村で構成される防災公共県民局ワーキンググループを設置し、現状に即した最適な避難経路、避難場所が確保されているのか検証します。  今後、必要な対策は防災公共推進計画に位置づけ、その事業実施に当たっては、優先的に予算配分されるよう国へ要望してまいります。  最後に、七戸川河川改修事業、赤川工区の進捗状況と今後の取り組みについてでございます。  赤川は、東北町の市街地を流下し、水田地帯を経て七戸川に合流する一級河川であり、昭和五十五年度から七戸川河川改修事業の赤川工区として、七戸川合流点から青い森鉄道橋までの千八百メートル区間について河川改修に着手しています。  当該改修事業では、下流から計画的に堤防の整備を進めておりましたが、昨年九月の台風第十五号により、未整備区間である鉄道橋付近において越水被害が発生したことから、早急に対策を実施することとし、鉄道橋から上下流右岸の百五十メートル区間の堤防整備を来年度までに完成させる予定としております。  また、赤川のさらなる治水安全度の向上につきましては、七戸川本川の進捗状況にあわせて対応することとしておりますが、今後とも、河道内の支障木の伐採等適切な河川管理を行い、水害の防止、軽減に努めてまいります。 55 ◯副議長(森内之保留) エネルギー総合対策局長。 56 ◯エネルギー総合対策局長(八戸良城) 青森県原子力人材育成・研究開発推進構想の実現に向けた取り組みについてお答えいたします。  県では、これまで、青森県原子力人材育成・研究開発推進構想の実現を図るため、その活動拠点となる施設、仮称ですが、原子力人材育成・研究開発センターの整備に向けた取り組みを進めてきたところです。  こうした中、本県の八戸工業大学や八戸工業高等専門学校では、平成十九年度から国の支援制度を活用した原子力教育を実施しているほか、東北大学では、平成二十年度から六ヶ所村において社会人向けに原子力分野の大学院教育を実施するなど、既に県内外の大学によって本構想に関連する具体的な取り組みが展開されています。  県としては、これまで進めてきた県内外の大学や企業等との意見交換や産学官連携に関する調査等を踏まえ、今年度はさらに具体的な検討を進め、センターの早期開設実現に向けた実効性のある計画づくりを行うこととしています。 57 ◯副議長(森内之保留) 沼尾議員。 58 ◯八番(沼尾啓一) 詳しい、わかりやすい答弁、ありがとうございます。  今回の質問は、今やっていること、それから、これから進められること、どうあるべきなのかというのを自分の思いを含めながら話させていただきました。  したがって、きょういただいた答弁をぜひ確認しながら、実際に効果が上がる事業として進められているのかどうかというものを見ながら取り組んでいくのが私の仕事だろうというふうに思っていますので、中身を吟味しながら、研究しながら、また必要なものは質問していきたいと思っています。  ということですから、再質問はございませんが、三点ばかり要望したいと思います。  まず、防災体制の整備。これは、これから市町村の地域防災計画ができます。地域防災組織もできます。しかし、いざというときのためには、先ほども答弁の中にもありましたけれども、やはり日ごろの訓練というものが地域住民にとっては一番大事なことなんだろうというふうに思います。したがって、今後、定期的に市町村における訓練が促されていくような、そういう対策をとっていただきたいものだというふうに思っています。  加えて、けさの新聞に載っておりました。原発事故時の住民避難時間を予測する国内初の取り組みを本県など二十一道府県が行うということがあります。これもまた、中身がまとまってくれば各市町村が対応していかなければならないということになりますので、これについての市町村への対応についてもよろしくお願いを申し上げたいというふうに思います。  それから、二点目は、農業の持続的な発展でございます。  第一次産業すべてに言えることですけれども、今取り組んでいる六次産業、東北一の進捗率という形にはなっていますけれども、生産者にとってはなかなか厳しいものがあるのかなというふうに思いますし、この六次産業は、私的に見ると、生産者そのものに、自分たちで流通確保の努力をしなさいと言っているように今聞こえます。  かつて大手小売業者が、地方の中小都市まで、この青森県まで大型ショッピングセンターを建設するために、国に大店法を廃止させて立地法をつくらせました。その意図は、あるいは目的は、自社ブランド商品を自社の大型店で直接販売する。つまり、これまで仕入れて売っていたという形をやめて、すべて中間マージンを省いて、安く売ってももうかるという商売に変えたわけですけれども、これは流通革命でありますけれども、大手企業だからあそこまでできたんだろうというふうに思っています。  しかし、今の農業、第一次産業の力で、そこまで自分たちだけで持っていくというのは至難のわざだろうというふうに思っています。やはりここは県が本腰を入れてしっかりと支援していく必要があります。この際、大手の小売業者にここまで青森県ももうけさせたわけですから、見返りと言ってはなんですけれども、少しは恩返しをしていただきたいということで、やはり大手小売業というものの参画も促しながら、知事の柔軟な発想と優秀な県職員の力を結集して、何とか他県にまねのできないようなウルトラC的な手法というものを確立していただけないものかと、努力してほしいなという思いがしておりますので、よろしくお願いします。  三点目は、赤川です。  先ほども申し上げました。本当に豊田地区の人たちは長い間被害を受け続けて、自分たちはもう見捨てられているのではないかというぐらい、そういう言葉が飛び交いました。それが抜本的対策という形で進められていることに本当に喜んでおりますし、期待もしています。
     計画の作成はもとより、事業の推進には、地権者の問題やら、改良区の問題、さまざまな課題が出ると思いますけれども、どうか万難を排して、一日でも早く豊田地区の人たちが喜びの日を迎えられるように進めていただくことを要望して、終わります。 59 ◯副議長(森内之保留) 十五分間休憩いたします。 午後三時休憩    ────────────────────── 午後三時十六分再開 60 ◯議長(西谷 洌) 休憩前に引き続いて会議を開きます。  一般質問を続行いたします。  十四番高橋修一議員の登壇を許可いたします。──高橋議員。 61 ◯十四番(高橋修一) 自由民主党の高橋修一です。愛する自由民主党の一員としてこの場に立てることを誇りに感じます。  それでは、議長のお許しをいただき、所感を申し上げながら質問を行います。  本日で十一月も終わりとなります。あすから十二月。ことしもあと一カ月を残すのみとなりました。少し早い気もいたしますが、ことし一年を振り返ってみますと、さまざまな出来事がございました。  私がことし一番うれしく、胸が熱くなったこと、それは、自民党の総裁に安倍晋三先生が御就任されたことであります。思えば、私が県議会に初めて議席を頂戴したのが平成十九年四月でありましたが、そのとき総理・総裁だった安倍先生には、やはり特別な思いを抱きます。  平成十八年九月に安倍晋三内閣総理大臣が誕生し、日本の国家像に明確なビジョンを打ち出しました。その主軸となったのが我が国の次世代が誇りを持てる美しい国日本を目指すことであります。そして、戦後レジームからの脱却を提唱し、戦後日本のあり方を根本から見直すとの壮大な国家目標を掲げた安倍総理の誕生は、新鮮さと英知に満ちあふれたものであり、歴代自民党政権がなし遂げられなかった教育基本法の改正や防衛庁の省昇格、憲法改正の布石となる国民投票法の制定などをなし遂げました。  外交面でも、米国、中国、韓国などはもちろん、安倍総理になってからの国際社会での外交に対する信頼など、日本はたくましさと新鮮さにあふれ、我が国の戦後保守政治は新しい時代の幕あけを迎え、揚々たる光を放っておりました。まるできのうのことのように思い出されます。病気による総理辞職から五年の歳月を経たことし、自民党は再び安倍先生に我が党の命運を託し、日本が抱える難局を打開するための切り札に選んだのであります。このたびの安倍総裁の誕生は、安倍晋三先生の再チャレンジであり、自民党の再チャレンジであり、日本の再チャレンジと捉えております。  自民党は、三年前、下野いたしました。なぜそうなったのかという深い反省を常に心に抱き続けてきました。国民は瞳を凝らして見ております。自民党は変わったのか、開かれた国民政党という立党の精神を本当に取り戻したのか。私どもは、国民の厳しい目を強く意識し、自民党という原点に立ち戻り、すべての党員が努力を重ねてまいりました。  後世歴史家が振り返るとき、現在の自民党に課せられた責務は重大であります。そのことを強く意識し、我々は国民の皆様とともに再び誇りある日本を取り戻すために、残り一カ月となったこの年を実りあるものとしなければなりません。新しい年が安倍晋三総理・総裁のもと、日本の立て直し元年になることを念願し、質問に入ります。  初めに、東日本大震災による被災自治体への職員派遣についてです。  十一月十一日、私ども自民党青森県連青年局は、女性部と合同で大会を開催いたしました。当日は、私ども自民党青年局の仲間である宮城県女川町の須田善明町長をお迎えして、東日本大震災からの復興に向けてをテーマに御講演をいただきました。女川町は、場所によっては高さ二十メートルもの大津波が襲い、町内の住宅の七割が流失し、人口のおよそ一割、一千人近くの方がとうとい生命を失うという未曾有の災害に見舞われました。  須田町長は、美しかったふるさとが一瞬にして見渡す限り瓦れきの山と化してしまったその姿に言葉を失い、ただ立ち尽くすしかなかったそうです。食べるものも着るものもない中で、凍えるような寒さに震え、あすへの希望すら失いかけた。しかし、今を生きる自分たちの世代が復興の第一歩目からその責任を担おうと誓い、新たな女川をつくり上げる、復興をなし遂げる、そう決意したそうです。  政治家としての正義感、覚悟、気概を持つ人物であり、同志として我々青年局世代の政治家も大いに刺激を受け、大変有意義な時間ともなりました。そして、御講演の最後に、今、被災地が何を一番必要としているのか。今、他の自治体に対して一番お願いしたいことは何かという点を述べられました。それは、人だそうです。具体的には町役場で働く職員の数が圧倒的に足りないとのことでもありました。  女川町を初めとする被災自治体は、全国各地から寄せられた支援に支えられ、今新たな一歩を踏み出そうとしております。同町でも町の復興計画を策定し、魚市場の再始動、仮設住宅、仮設店舗の完成と、町も徐々に活力を取り戻しつつあるようですが、より早い復興をなし遂げるための原動力となるのは、確かに最終的には人の力となると考えられます。  そこで、被災自治体からの派遣要請を受ける仕組みと、現在の職員の派遣状況を、知事部局所管分、教育委員会所管分、県警察本部所管分、それぞれお伺いするものであります。  次に、原子力防災対策の推進についてであります。  十月三十一日、原子力規制委員会は、原子力災害対策指針を定めました。これに基づき、本県を初めとする原発立地地域周辺自治体は、来年三月までに地域防災計画を策定しなければなりません。  示された指針では、福島第一原発事故を踏まえ、住民避難に備える原子力災害対策重点区域、UPZの目安を、原発の半径八から十キロ圏から三十キロ圏にまで拡大、五キロ圏を重大事故発生と同時に即時避難する区域、PAZとして新たに定めました。これは、福島事故前に比べて九倍の広さへの拡大。この結果、関係する自治体は、従来の十五道府県四十五市町村から二十一道府県百三十五市町村に増加し、対象人口は、現行の七十三万人から四百八十万人に膨れ上がることになりました。  重点地域の拡大で、青森県の場合、東通原発の防災重点区域の住民は、十キロ圏では四市町村、約八千五百人だったものが、三十キロ圏では野辺地町を加えた五市町村となり、対象人口は八倍超の約七万三千人にまでふえ、五キロ圏内の約三千人は、事故の際、即時に避難しなければならない対象となります。  一方、事故に備える重点区域を原発三十キロ圏内と拡大したものの、今後の検討事項として内容が不明確なものが多数あります。最も重要な項目の一つが避難などに使われる判断基準と言われておりますが、原発の地元自治体はそれぞれに地域特性があり、いかに避難を実行させるかという難問を抱えながら、それぞれが手探りで地域防災計画の検討作業を進めているというのが実態ではないでしょうか。福島第一原発事故では、避難の基準がなかったため、原発の知識に乏しい政治家の判断で、避難地域が三キロから十キロ、二十キロへと段階的に広げられるなどして混乱を招いたという失態を忘れてはなりません。  そもそも、国家の非常時、限られた時間内で、政府や自治体、電力会社は、これだけ多数の住民、青森県だけでも七万三千人に被曝を避ける情報を的確に伝え、各種の要請に応えられるすべを持ち得ることはできるのか。また、大勢の人が一度に動けばパニックに陥りかねないわけで、それを防ぐ手だてを講じることが本当に可能なのか。加えて、今後の検討課題とした項目には、SPEEDIの活用方策など、福島第一原発事故の対応で問題視され、国民の関心が高い事項も含まれております。福島第一原発事故の教訓が生かされた指針でなければ、実効性のある対策を講じることは困難であると指摘せざるを得ません。  さらに、オフサイトセンターの今後のあり方、緊急被曝医療のあり方、安定ヨウ素剤の投与判断の基準など、いずれも避難計画策定の基礎となる事項が今後の検討事項として積み残されております。抽象的で大まかな骨格を示されただけで、各自治体は果たして本当に実効性ある地域防災計画を策定することが可能なのか。今後、本県を含む関係自治体の地域防災計画づくりは難航をきわめるのではないかとの懸念を抱くものであります。  以下、お伺いいたします。  まず、原子力災害対策指針を踏まえた対応についてでありますが、原子力規制委員会が示した原子力災害対策指針について、その概要及び県の評価。  原子力災害対策指針を踏まえ、地域防災計画(原子力編)の修正等に向けた県及び市町村の対応とスケジュールについて。  地域防災計画(原子力編)修正後、原子力防災対策の実効性をどのように高めていくのか、それぞれお伺いいたします。  次に、原子力防災訓練の実施についてですが、いずれにしても、防災計画の策定準備は進めなければならず、県は、原子力防災訓練を十一月三日に行いましたが、十一月三日に実施した原子力防災訓練の目的及び概要についてお伺いいたします。  また、原子力防災訓練によって得られた成果、課題を今後の原子力防災にどう反映させていくのかお伺いするものであります。  次に、青い森鉄道線の利用促進等についてであります。  新幹線整備の前提としてJRから経営分離された並行在来線青い森鉄道線は、より利用しやすい、そして利用したくなる鉄道として、地域に密着したサービス提供を行う交通機関へと変わることができなければ、同鉄道線が将来に向けて安定した運行を続けていくことは望めません。鉄道を利用する県民、市民あるいは観光客の視点に立った利便性の高い交通機関として万全の対策が講じられることを望むものであります。  そこで、青い森鉄道株式会社が本年七月に策定した中期経営計画に対する県の評価、認識をお伺いいたします。  また、豪雪による運休が青い森鉄道株式会社の経営に悪影響を及ぼしているものと考えます。今冬における青い森鉄道線の雪対策について、会社ではどのような取り組みを行っているのか伺います。  さらに、青い森鉄道株式会社の安定的な経営を図るためには、会社のみならず、県、沿線市町村及び地域住民等が一体となった利用促進対策を進める必要があると考えますが、どのような取り組みが行われているのか伺います。  次に、県内中小企業の振興対策についてであります。  本県経済に占める中小企業の重要性と厳しい経営環境を踏まえれば、県におかれましては、今後とも金融機関や商工団体等の関係機関と連携を密にしながら、全庁一体となって県内中小企業の振興に努めていく必要があります。  県内中小企業の多くは、年末や年度末の運転資金がかさむ時期をこれから控えて、果たして自分の企業が持ちこたえることができるのかといった切実な不安を抱いております。  そのような中、平成二十一年施行された中小企業金融円滑化法は、来年三月には期限切れを迎えるとされております。県内中小企業に対して、金融機関が同法の期限切れ後、貸し渋りや融資条件を厳しくするとすれば、多くの県内中小企業の経営は成り立たず、倒産件数の増加やそれに伴う失業者の発生などが懸念されます。  中小企業の金融対策は、県内中小企業の現状を踏まえれば、中小企業金融円滑化法終了後においても切れ目ない金融円滑化対策を講ずる必要があります。  以下、お伺いいたします。  本県の経済、産業、雇用における中小企業の役割をどのように位置づけているのか、県の認識について。  県内企業の求人状況、倒産件数など、県内中小企業を取り巻く環境はどのような状況にあるものと認識しているのか。  来年三月に期限切れを迎える中小企業金融円滑化法について、その概要及びこれまで県内中小企業の経営安定に果たした役割についての認識。  中小企業金融円滑化法が終了する来年四月以降の県内中小企業の資金繰り悪化が懸念されるが、県ではどのような姿勢で金融面での支援を行っていくのか、それぞれお伺いするものであります。  次に、陸奥湾におけるホタテガイ産業の振興についてお伺いします。  陸奥湾のホタテガイ産業は本県の基幹産業の一つでありますが、一昨年の異常高水温被害によって大きな被害をこうむっており、陸奥湾ホタテの再生に向けてこれまで関係者一丸となった対策が講じられてきたところであります。  その成果としましては、昨年は出荷数量の減少が見込まれ、また、親貝不足の中で必要数量の稚貝を確保することができ、多くの関係者が陸奥湾再生に向けた期待感を膨らませたことと思います。しかしながら、その期待もつかの間、ことしの夏以降も陸奥湾は高水温となり、まことに残念なことに、ホタテガイの大量へい死が確認されております。一昨年の被害から回復し切れない漁業者や加工業者の心情を察すると胸が詰まります。  陸奥湾におけるホタテ産業は、地域経済に与える影響が非常に大きいことから、官民一体となった安定的生産の確立に向けた不断の努力が求められます。  そこで、本県の水産業における陸奥湾ホタテガイ産業の位置づけ及び重要性について県の認識を伺います。  また、一昨年の高水温被害を踏まえれば、本年の養殖管理の指導内容はレベルアップしてしかるべきものと思います。  そこで、本年の高水温に対するホタテガイ養殖管理の指導状況についてお伺いいたします。  さらに、一昨年、本年と頻発する高水温被害を踏まえると、水温上昇の予測や高水温に強い養殖技術の開発研究など、持続的な生産確保のための長期的視野に立った抜本的対策が必要と考えます。  そこで、今後の高水温に備えた抜本的な対策について、県の認識及び対応状況をお伺いするものであります。  今月、環境厚生委員会の県外調査で佐賀県に行ってまいりました。以下、県外調査内容に関連して質問をいたします。  初めに、がん対策の推進についてであります。  佐賀県は本県同様がん死亡率は全国高位にあり、また、沖縄県を除く九州、山口の各県もがん死亡率が全国平均よりも高く、効果的ながん対策が求められてきました。  そのようなことから、佐賀県では、平成二十三年三月の九州新幹線鹿児島ルートの全線開通に合わせて開業した新鳥栖駅前に、九州では初めて、また民間では日本で初めて、最先端の放射線治療である重粒子線がん治療施設として、九州国際重粒子線がん治療センターを平成二十五年五月に開設することとしております。  施設設置費は、用地を鳥栖市から譲り受け、約百五十億円。運営は、佐賀県、福岡県と佐賀県医師会が設立した公益財団法人佐賀国際重粒子線がん治療財団が担うこととしております。  佐賀県鳥栖市は、新幹線、高速道路がクロスする交通の要衝であり、九州のがん患者さんに最先端のがん治療の機会を提供し、地域医療、地域福祉の向上、ひいては九州全体の地域振興への貢献が期待されております。また、民間初の施設及び経営となることから、新たな事業モデルとして重粒子線がん治療の全国的な普及効果が期待されるものと思われます。  本県の死亡原因の第一位はがんであり、全死亡数の二九・二%、四千八百三人ががんで亡くなられ、平均寿命、そしてがん死亡率が全国最下位レベルに低迷している本県にとって、がん対策の充実は長年の懸案となっております。  そこで、以下お伺いいたします。  がん対策については、本県の健康・医療政策の中で非常に重要な位置を占めるものと考えますが、本県におけるがん対策の主な取り組みについてお伺いいたします。  また、重粒子線によるがん医療が注目されているが、その特徴及び全国における重粒子線治療施設の整備状況についてお伺いいたします。  がん死亡率が高い本県こそ重粒子線治療施設の設置を検討すべきと考えますが、県の考えを伺います。  次に、ICTを活用した救命救急医療の充実についてであります。こちらも佐賀県の取り組みに関連した質問となります。  緊急医療現場が抱える課題として、救急車で搬送される人の数は、全国で平成十二年において三百九十九・七万人だったものが平成二十二年には四百九十七・九万人で過去最多。この十年間で百万人増となり、佐賀県内においても同様の傾向をたどっているとのこと。  これは、搬送先医療機関が見つからない、搬送先が特定の医療機関に集中していたこと等が原因として挙げられ、また、このことが一一九番通報から病院搬送までの時間が毎年伸びるという問題を生み出し、全国で平均搬送時間が平成十一年で二十七・一分で済んでいたものが、平成二十二年には三十七・四分で過去最長。佐賀県内でも同様に、過去十年間で十分程度搬送時間が延びるといった悪循環を生み出していたとのことでありました。  この問題に対する解決策として、平成二十三年四月、救急医療現場で全国初、アップル社のiPadを導入することでリアルタイムな情報共有システムを確立し、効果的な搬送先選定、搬送先の分散化、適正化が図られ、それまでの救急医療搬送システムに比べシステム利用率も大幅にアップし、搬送時間短縮につながるといった成果を上げておりました。  救急医療現場を受け持つ救急隊員の声として、iPadをタッチするだけなので、検索も入力も素早くできるようになった、どの病院に搬送が集中しているのか、他の救急車の動向などが一目でわかる。救命医師の声として、他の病院の受け入れ情報や地域の現状が一目でわかる。他の病院の受け入れ状況を意識するようになる。リアルタイムで状況がわかるのは非常にいいといった救急医療現場の声も紹介されました。  また、運用コスト面でも、それまでの救急医療システムが年間六千七百万円だったものが、iPad導入によって年間二千七百万円、年間四千万円コストダウンにつながったとのことです。  佐賀県の救急車でのiPad活用の取り組みは全国的に評価され、その取り組みが徐々に広がりを見せ始めており、本県も今後参考にすべきと考えます。  以下、お伺いいたします。  救急車で搬送された患者の人数及び平均搬送時間について、本県の現状。  救急搬送に際し、受け入れ可能病院の把握や搬送先の選定等については、どのような基準に基づき行われているのか。  救命救急医療の充実を図るため、ICTの積極的な活用を検討すべきと考えますが、県の考え方をそれぞれお伺いするものであります。  以上で壇上からの質問を終わります。 62 ◯議長(西谷 洌) 知事。 63 ◯知事(三村申吾) 高橋議員にお答えします。  まず、私からは、原子力防災訓練により得られた成果、課題を今後どのように反映させていくのかであります。  去る十一月三日に実施いたしました原子力防災訓練は、東京電力福島第一原子力発電所の事故を踏まえ、原子力発電所に係る防災範囲が十キロメートルから三十キロメートルへ拡大することに伴う広域避難をメーンに実施いたしました。  この訓練を通じまして、地域住民の防災意識の醸成と原子力防災に対する理解促進が図られ、防災関係機関相互の連携を確認できたと考えております。また、訓練終了後、訓練を振り返り、成果、課題等を抽出し、今後の原子力防災対策や防災訓練の実効性をより高めるため、訓練参加市町村や防災関係機関から意見を聴取したところであります。  いただいた意見には、自然災害と原子力災害の複合災害を想定した訓練の継続、深化や、より多くの住民の参加による住民避難訓練の実施、冬期間あるいは夜間といったさまざまな状況下での活動等に関するものがございました。  県としては、今回の訓練で得られました成果、課題について、県及び関係市町村において年度末までに修正する地域防災計画(原子力編)や避難計画に反映させていきますとともに、市町村を初め、防災関係機関と検討、調整を図りながら、より充実した原子力防災訓練を実施することにより、原子力防災対策のさらなる充実強化に取り組んでまいりたいと考えております。  中小企業金融円滑化法が終了します四月以降の金融面での支援であります。  私は、地域の中小企業が、自主自立を目指して、その持てる力を存分に発揮していくためには、何よりも企業経営の血液と言われる金融の円滑化が重要であると考えております。これまでも、東日本大震災への迅速な対応など、県内中小企業のその時々の経営環境を踏まえた金融支援を積極的に行ってきました。  県内中小企業の資金繰りは、中小企業金融円滑化法の終期を今年度末に控えていることに加え、国内景気にいわゆる下振れの傾向が見られることなどから、先行きに不透明感が増しているものと認識いたします。  このため、県では、これまで国に対し、同法の一定期間の延長、または失効した場合の支援施策を要望してきましたほか、今月六日に開催いたしました制度金融運営協議会において、県内金融機関に対しまして、新規融資や既存借り入れに係る条件変更への積極的な対応を要請いたしました。  これに対し、県内金融機関からは、金融円滑化法終了後もこれまでと同様の姿勢で対応していくなど、引き続き県内企業を支援していく方針が示されたところであります。  県としては、今後とも、関係機関と連携を密にし、現場の状況変化を迅速、的確に捉え、県内中小企業者の資金繰りに支障がないよう対応したいと考えております。  水産業における陸奥湾ホタテガイ産業の位置づけ、重要性についての認識でありますが、陸奥湾におけるホタテ養殖業は、昭和三十年代後半の稚貝採取の技術開発から始まり、その後、我が国を代表するつくり育てる漁業の象徴として、今日では百億円産業となり、数多い本県の水産物の中でもトップクラスの漁獲高を誇っております。また、ホタテガイ加工業も養殖業と両輪となって発展を遂げ、近年では、ボイル加工品等の出荷額が約二百億円となっており、雇用の確保など、県経済の活性化に大きく寄与しております。  さらに、陸奥湾で育まれましたホタテガイは、多くの方々に甘くておいしいと高く評価されており、本県を代表する食材として数々の郷土料理に用いられ、観光資源にもなっておりますほか、貝殻が建設資材等に利用されるなど、経済効果が広範囲に及んでおります。  私は、このように、陸奥湾ホタテガイ産業を漁業、水産加工業などの水産業にとどまらず、流通業、飲食業、観光業、さらには建設関連産業等にも影響を及ぼす陸奥湾沿岸地域の核となる重要な産業であると認識するところであります。  陸奥湾のホタテガイ養殖業は、これまでも大量異常へい死や貝毒問題等多くの困難を克服しながら発展してきております。この夏の高水温に対しましても、関係者が一丸となって克服することによってホタテガイ産業の持続的な発展にしっかりとつなげていきたいと考えております。  続いて、本県におけるがん対策の主な取り組みということであります。
     本県の平均寿命が男女とも全国最下位に低迷しております中、平成二十三年のがんによる死亡数は四千八百人を超え、死亡数全体の約三割を占めております。特に死亡率につきましては、男性は四十歳代から、女性は五十歳代から全国との差が顕著となっており、平均寿命や健康寿命の延伸を図る上でも、がんの克服が本県の大きな課題となっております。  私は、県民が住みなれた地域で健やかに安心して生活できる社会の実現を目指し、青森県基本計画未来への挑戦において、がん対策先進県の実現を掲げ、重点的に取り組んできました。  具体的には、平成二十年五月に策定した青森県がん対策推進計画に基づき、生活習慣の改善などの一次予防対策、がん検診受診率向上などの二次予防対策、がん診療連携拠点病院を中心とする医療体制の充実等に総合的に取り組んできましたが、今年度終期を迎えますことから、現在、がん医療従事者、学識経験者、がん経験者等で組織いたします青森県がん医療検討委員会において、来年度からの青森県がん対策推進計画を検討いただいているところでございます。  この中で、精度の高いがん登録に基づく詳細な分析、評価を踏まえた戦略的な取り組みの推進が必要であるとの御意見をいただいているところであり、県としては、これらの御意見を踏まえながら引き続き検討を進め、がんと闘うあおもり、がんに負けないあおもりの実現を図っていきたいと考えているところでございます。  私からは以上です。 64 ◯議長(西谷 洌) 青山副知事。 65 ◯副知事(青山祐治) 救命救急医療の充実を図るため、ICTの積極的な活用を検討すべきと考えるが、県の考え方についてお答え申し上げます。  救急医療の現場におけるICTの活用については、搬送先医療機関の選定を速やかに決定することを目的とするもの、傷病者の状態を医療機関に伝達することを目的とするものがありますが、いずれも早期に効果的に治療を開始することにより救急医療の充実が図られるものであります。  総務省消防庁では、救急業務のあり方に関する検討会において、救急現場におけるICTの活用についても検討を行っており、搬送先医療機関の速やかな選定を目的とする先進事例として、佐賀県の救急医療情報システムなどの調査を行っているところです。  議員から御紹介がありましたが、佐賀県の事例では、救急車に登載したタブレット型携帯端末を活用して救急隊が速やかに搬送状況を入力することで、救急隊と医療機関における患者搬送状況や医療機関の受け入れ状況などの情報共有が可能となり、搬送側と受け入れ側の相互理解が深まったため、円滑な患者搬送に効果が見られたということであります。  県としては、現行の救急医療情報システムが二十五年度までの運用であるため、二十六年度からの新システム構築に当たり、佐賀県などの先進的な取り組みを参考として、医療関係者や消防機関、ICTの専門家などの御意見を伺いながら検討することとしております。 66 ◯議長(西谷 洌) 総務部長。 67 ◯総務部長(中村 賢) 東日本大震災による被災自治体への職員派遣についてお答え申し上げます。  東日本大震災からの復旧・復興対策に係る派遣要請については、派遣先の自治体からの直接の要請、国の各省庁の要請などがございますけれども、現在、本県職員の派遣は、主に全国知事会を通じた派遣要請に基づき行っております。  その仕組みは、同会が、まず、岩手県、宮城県及び福島県において必要としている派遣職員の職種や人数を取りまとめ、各都道府県に対し派遣の要請を行います。要請を受けた各都道府県は、条件に適合する派遣可能職員数等を同会に回答し、同会が調整する仕組みとなっております。  一方、市町村職員につきましては、被災自治体の派遣要請を国が取りまとめて、市長会、町村会を通じて各市町村に提供されます。各市町村からの派遣申し出は、市長会、町村会を通じて被災県に提供され、被災県が調整する仕組みとなっております。  また、本年十一月一日現在の派遣の状況でございますけれども、本県知事部局職員については、岩手県へ三人、宮城県へ一人、福島県へ四人、岩手県野田村へ一人の計九人が派遣されており、本県市町村職員につきましては、岩手県内に九人、宮城県内に二人、福島県内に一人の計十二人が派遣されております。  以上でございます。 68 ◯議長(西谷 洌) 行政改革・危機管理監。 69 ◯行政改革・危機管理監(小笠原靖介) 御質問二点についてお答えいたします。  初めに、救急車で搬送された患者の人数及び平均搬送時間についてです。  平成二十三年中、一月から十二月までにおける本県の消防機関による救急出動件数は四万七千五十三件、救急患者の搬送人員は四万四千五十八人となっており、増加傾向にあります。  また、平成二十三年中において、救急隊が救急要請を受けてから現場へ到着するまでの救急出動現場到着平均所要時間は七・八分、救急要請を受けてから患者を医療機関へ収容するまでの収容平均所要時間は三十三・五分となっております。  次に、受け入れ可能病院の把握や搬送先の選定等の基準についてです。  県では、救急患者の搬送及び受け入れの迅速かつ適切な実施を図ることなどを目的に、消防機関及び医療機関等で構成する青森県救急搬送受入協議会を設置して、青森県救急患者搬送及び受入れに関する実施基準を策定し、平成二十三年四月から運用しております。  この実施基準では、救急患者の状況に応じた医療機関リスト、救急患者の状況を確認する観察基準、搬送先医療機関の選定基準、救急患者の状況の伝達基準などが定められています。  県内の各消防機関では、この実施基準等に基づき、搬送先の医療機関とも連携しながら、救急患者の迅速かつ適切な救急搬送業務に努めております。 70 ◯議長(西谷 洌) 企画政策部長。 71 ◯企画政策部長(小山内豊彦) 青い森鉄道線の利用促進等についての御質問三点にお答えいたします。  まず、中期経営計画に対する県の評価、認識についてです。  青い森鉄道株式会社が今回策定した中期経営計画は、全線開業後初の通年営業となった平成二十三年度の実績等を踏まえて、収支改善を初めとする平成二十七年度までの経営の方針、目標などを示したものです。  まず、収支の改善については、収益面では、沿線の人口減少や少子化の進行等を勘案して旅客運輸収入を厳しく見込む一方で、費用面では、人件費についてプロパー転換の促進による減少を図るとともに、業務委託の見直し等を順次行っていくことにより収益の減少幅を上回る経費圧縮を計画するなど、実情を踏まえた収支改善努力が明示されております。  また、これまで課題とされてきた輸送力の増強については、新造車両を二編成四両導入するとのことであり、平成二十五年度末に予定される青森市筒井地区の新駅開業への対応も含めて、利用者の利便向上につながるものと考えております。  今回会社が策定した計画は、今後予想される厳しい経営環境において、安全で安定的な運行を第一として、可能な限り収支改善等を図っていこうとするものと受けとめており、県としては、本計画の着実な推進を期待しているところです。  次に、今冬における青い森鉄道線の雪対策についての取り組みについてです。  青い森鉄道株式会社では、昨年度の大雪による運休の増加を受け、お客様にとって冬期間の頼れる足として安心して御利用いただけるよう、より一層の冬期の安定輸送を目指し、詳細な気象情報等を活用した早期に除雪を開始できる体制の整備や、除雪業者の保有する除雪機械の新機種への更新、青森駅など主要駅への新たな冬期要員の配置などについて取り組んでいくこととしております。  また、鉄道施設を所有する県としても、雪による運行障害の大きな原因となるポイントの不転換を防止するため、列車が抱えてくるいわゆる抱き込み雪をポイント上で溶かす設備を青森駅構内に設置することとしております。  最後に、県沿線市町及び地域住民等が一体となった取り組みについてです。  青い森鉄道線を将来にわたって維持・存続していくためには、青い森鉄道株式会社による利用促進対策に加えて、地域からのより一層のサポートが今後ますます重要であると考えています。  このことから、平成二十二年五月に、沿線十一市町、青い森鉄道株式会社、県等が一体となって利用促進対策を進めていくことを目的とした青い森鉄道線利活用推進協議会が設立されております。  この協議会では、青い森鉄道の利用促進とマイレール意識向上のための取り組みを進めており、平成二十四年度は、鉄道の日を記念した鉄道まつりを開催したほか、フォトコンテストの実施、地域住民等による駅舎の美化活動や利用促進を目的とした取り組みへの助成等を行っています。  また、平成二十二年十月には、地域住民、沿線団体等を会員とする民間レベルで青い森鉄道を応援する団体「青い森鉄道プラットホーム~ぷらっとプラット~」が組織され、駅舎を活用した交流イベントや県からの委託を受けて駅前商店会と連携したスタンプラリーを実施するなど、青い森鉄道を盛り上げるための取り組みを展開しているところであります。  明日、十二月一日及び二日には、会社と協議会等が目時─八戸開業十周年を記念したイベントを開催し、利用促進の機運を盛り上げることとしておりますが、今後も、青い森鉄道株式会社と地域の方々、沿線市町、県等が一体となって、青い森鉄道線の利用を促進していくための取り組みを進めてまいります。 72 ◯議長(西谷 洌) 環境生活部長。 73 ◯環境生活部長(林 哲夫) 原子力防災対策の御質問にお答えいたします。  まず、原子力災害対策指針の概要と評価についてでございます。  原子力災害対策指針は、原子力災害対策特別措置法に基づきまして、関係者が原子力災害対策を実施する際等において、科学的、客観的判断を支援するために、専門的・技術的事項について定めるものでありまして、去る十月三十一日に開催された原子力規制委員会で決定されたところでございます。  今回の指針には、原子力発電所に係る原子力災害対策重点区域について、原子力施設からおおむね五キロメートルの予防的防護措置を準備する区域(PAZ)及び原子力施設からおおむね三十キロメートルの緊急時防護措置を準備する区域(UPZ)の概念を導入することなどが新たに盛り込まれました。また、緊急時の意思決定のための基準となります緊急時活動レベル(EAL)及び運用上の介入レベル(OIL)の具体的な内容や安定ヨウ素剤服用の具体的な手順、原子力発電所以外の原子力施設の原子力災害対策重点区域の範囲などについては、今後検討し、指針に盛り込むこととしております。  県としては、当該指針を踏まえまして、来年三月までに地域防災計画(原子力編)を修正する予定でございますが、原子力規制委員会が今後検討するとしている事項につきましては、内容が示された時点で修正案に可能な限り反映させたいと考えておりますことから、早急に検討し、内容を示していただきたいと考えているところでございます。  次に、地域防災計画(原子力編)の修正についてでございます。  地域防災計画(原子力編)は、国の防災基本計画に基づき作成することとされており、専門的、技術的事項については、国が定める原子力災害対策指針を遵守し、作成することとなります。  国におきましては、去る九月六日に防災基本計画を修正し、九月十九日に原子力規制委員会の発足に合わせ、改正原子力災害対策特別措置法の施行と関係政省令の改正を行い、十月末に原子力災害対策指針を決定いたしました。また、これをもとに、県を初めとする関係地方公共団体に対して、来年三月までの地域防災計画(原子力編)の修正等を求めております。  県としては、これら関係法令等の改正及び本年三月に青森県原子力防災対策検討委員会が取りまとめた提言を踏まえまして、関係市町村に随時情報提供し、情報共有を図りながら、防災会議等一連の手続を経て地域防災計画(原子力編)を修正することとしております。  関係市町村においても、県の計画と整合をとりながら、所要の手続を経て、それぞれの地域防災計画(原子力編)の修正等を同じ時期までに行うこととなります。  次に、原子力防災対策の実効性をどのように高めていくかについてでございます。  原子力災害から県民の生命、身体及び財産を保護するためには、地域防災計画(原子力編)に基づき、国、県、市町村その他の防災関係機関が相互に連携し、防災対策に万全を期すことが重要と考えております。  このため、平常時から、国の交付金などを活用した防災活動資機材や緊急時連絡網の整備などのハード対策とともに、原子力防災に関する知識の普及啓蒙のための研修や講習会の開催、避難計画や活動マニュアル等の作成、また、万一の場合を想定した緊急時通信連絡訓練、住民避難訓練などの各訓練やこれらを組み合わせた総合訓練などを定期的に実施することにより、各防災関係機関相互の連携を確認し、防災対応能力の向上を図っていくこととしております。  県としては、国、市町村を初め、その他の防災関係機関と連携しながら、運用面を含め、実効性の向上が図られるよう、より一層の原子力防災対策の充実強化に取り組んでまいります。  最後に、十一月三日に開催いたしました原子力防災訓練の目的と概要についてでございます。  今回実施いたしました訓練は、東京電力福島第一原子力発電所の事故を踏まえた初めての訓練としまして、自然災害に伴う原子力災害時における国、県、市町村及び防災関係機関の連携や役割などを確認し、防災業務従事者の緊急時対応能力の向上等を図ることを目的として実施いたしました。  主な訓練内容は、原子力発電所に係る原子力防災対策の重点区域がおおむね三十キロメートルに拡大したことを踏まえ、東通村、むつ市、横浜町、六ヶ所村に加え、新たに対象となりました野辺地町を含む三十キロメートル圏内の全市町村が住民避難誘導訓練を実施するとともに、東通村から青森市までの広域避難訓練についても初めて実施いたしました。  また、東通村住民の広域避難の受け入れ先として予定しております青森市の協力のもと、避難者に対するスクリーニング等の緊急被曝医療活動や避難所の運営訓練を実施いたしました。さらに、地震、津波に伴い原子力事故が起こるという複合災害を想定した原子力災害初動時の県災害対策本部の活動訓練を実施いたしました。  県では、今後も、市町村を初め、防災関係機関等と調整を図りながら、原子力防災対策の充実に向け、原子力防災訓練を継続的に実施してまいりたいと考えております。 74 ◯議長(西谷 洌) 健康福祉部長。 75 ◯健康福祉部長(江浪武志) 二点についてお答え申し上げます。  まず、重粒子線によるがん医療の特徴及び全国における重粒子線治療施設の整備状況についてでございます。  エックス線などの電磁波による放射線治療に比べてがん細胞を壊す効果が高く、体内の深い部分にある病巣をピンポイントで破壊できる特性を有しています粒子線治療の中に、炭素の原子核を使う重粒子線治療と水素の原子核を使う陽子線治療がございます。  この粒子線によるがん治療は、患者の肉体的負担が軽く、がん細胞を壊す効果が高いといった特性を有しておりまして、また、短期間で治療を終えることができ、治療後の生活の質を考えると大きな効果があると言われております。  一方で、この粒子線によるがん治療は研究段階にあり、対象となるがん患者の範囲ががん死亡数の多い胃がんや大腸がんは適応外とされるなど、すべてのがん患者に適応できるわけではないとされております。  重粒子線治療は粒子線による治療の一つでございますけれども、もう一つの方法であります陽子線治療に比べ細胞を死滅させる生物作用がすぐれているなどの特徴があるとされております。  重粒子線がん治療施設は、現在、千葉市の放射線医学総合研究所重粒子医科学センター、兵庫県立粒子線医療センター、群馬大学重粒子線医学センターの三施設となっておりますけれども、来年七月には、新たに佐賀県の九州国際重粒子線がん治療センターが運用開始予定と聞いております。また、陽子線治療施設といたしましては、福島県の南東北がん陽子線治療センターなど、現在、全国で七施設が設置されております。  次に、重粒子線治療施設の設置に関します県の考え方についてでございます。  重粒子線がん治療施設の設置につきましては、重粒子線による治療の自己負担額が約三百万円と高額であること、来年度の運用開始を予定しております九州国際重粒子線がん治療センターでは、議員からも御紹介がございましたけれども、百五十億円程度の建設費と年間約三十億円の維持費が見込まれるなど多額の経費が必要なこと、さらには、専門の技術者や医師の確保が必要なことなど、多くの課題が指摘されていることから、これらの課題について十分に検討した上で、その必要性及び実現性について慎重に判断すべきであるというふうに考えております。  県では、がん死亡率が高い本県の状況を踏まえまして、専門的ながん医療の提供及びがん診療の連携協力体制の整備に係る役割を担いますがん診療連携拠点病院を中心として、県内どこでも安心して質の高いがん医療を受けられる医療連携体制の構築を進めてきたところでございます。  今後も、がん医療の質の確保及び充実と、拠点病院と地域の医療機関とのさらなる連携促進など、がん死亡率の改善に向けたがん医療対策について検討していきたいと考えております。 76 ◯議長(西谷 洌) 商工労働部長。 77 ◯商工労働部長(馬場良夫) 中小企業の振興対策三点についてお答え申し上げます。  まず、本県における中小企業の役割の位置づけについてでございます。  二〇一二年版中小企業白書によりますと、平成二十一年の本県の企業数は四万八千十七でございまして、そのうちの九九・九%に当たります四万七千九百五十四が中小企業であり、また、従業者数は三十二万三千三百二十三人のうち八八・五%に当たります二十八万六千百二十八人が中小企業の従業者となっているところでございます。  このように、本県経済の大宗を占め、地域経済や雇用を支えている中小企業を守り育てることは大変重要であると考え、これまでも中小企業対策を産業振興の中心に据えて取り組んできたところでございます。  その結果、腕時計の文字盤の分野で世界市場に製品を供給する企業や光学用特殊プリズムの製造で国内屈指の技術力を有する企業など、国内外の製造業のサプライチェーンの中で欠かせない企業に成長している企業、さらには、地域資源であるブナ材を活用した新たなブランドを確立して国内外に販売している企業もあるなど、中小企業が外貨獲得や雇用創出により地域経済の活性化に大きな役割を果たしているところでございます。  県といたしましては、中小企業が県経済に果たす役割の重要性を踏まえ、引き続ききめ細やかな中小企業振興施策を積極的に展開していきます。  次に、求人状況、倒産件数など、県内中小企業を取り巻く環境についてどのように認識しているかということでございます。  青森労働局の発表によりますと、ことし一月以降の有効求人倍率は二十年ぶりに〇・五倍から〇・六倍台で推移しており、また、新規高卒者の就職内定率も前年同月を上回っている状況が続いているところでございます。  また、民間信用調査会社によりますと、ことし一月から十月までの負債総額一千万円以上の民間企業の倒産件数及び負債金額は四十九件、約百四十二億円であり、前年同時期と比較すると、件数で一八・三%、負債金額で三七・九%の減少となっています。  これは、雇用基金を活用した緊急的な雇用機会の創出や戦略的な企業誘致、国の認定件数が東北で最多となっております中小企業の地域資源を活用した経営革新などの地域産業の活性化に向けた取り組みなどに加えまして、厳しい経営を余儀なくされている中小企業に対する県特別保証融資制度による金融面での支援、さらには中小企業金融円滑化法の効果などが着実にあらわれてきたものと考えております。  しかしながら、少子高齢化と人口減少に伴う市場の縮小、長期間にわたります円高デフレ、東日本大震災の影響などのほか、今年度末に中小企業円滑化法が終了することを控え、本県中小企業の先行きに不透明感が増していると認識しているところでございます。  最後に、中小企業金融円滑化法の概要と県内中小企業の経営安定に果たした役割についての認識でございます。  中小企業金融円滑化法は、金融機関に対して、中小企業から債務の弁済に係る負担軽減の申し込みがあった場合は、貸し付け条件の変更などを行う努力義務等を定めた法律でございまして、平成二十一年十二月に施行されております。  同法は、当初、平成二十三年三月末までの時限的措置とされておりましたが、中小企業の厳しい資金繰りの状況から一年間延長され、さらに、今年度末まで最終延長という形で再延長されているところでございます。  同法が施行されました平成二十一年十二月から平成二十四年九月末までの県内に本店を有する銀行、信用金庫、信用組合におきます中小企業からの条件変更等の申し込みに対する実行率は約九〇・八%となっております。  中小企業金融円滑化法は、その施行以降、県内企業の倒産状況や青森県信用保証協会の代位弁済が低水準で推移しておりますことから、中小企業の資金繰りの円滑化に一定の効果があるものと認識しております。 78 ◯議長(西谷 洌) 農林水産部長。 79 ◯農林水産部長(渋谷義仁) 陸奥湾におけるホタテガイ産業の振興に関する御質問二点についてお答えいたします。  最初に、本年の高水温に対するホタテガイ養殖管理の指導状況についてであります。  県及び地方独立行政法人青森県産業技術センター水産総合研究所では、平成二十二年の異常高水温によるホタテガイへい死原因を詳細に検討した上で、本年の高水温時の養殖管理として、養殖施設を水温の低い下層に沈め、安定させること、かごへの入れかえやへい死確認のための作業を行わないこと、水温が二十六度を超えるときは稚貝採取を行わないことなどの指導方針を定めました。  これらの内容については、ホタテガイ養殖管理情報の発行、地区座談会や各種会議での情報提供、水産業普及指導員による現地指導の強化などにより、徹底してその周知に努めたところであります。  次に、今後の高水温に備えた抜本的な対策についてであります。  本年の陸奥湾では、ホタテガイ養殖施設のある水深で二十六度を超える水温が観測されるなど、平成二十二年に続き高水温となったことから、今後も異常気象による高水温の発生に備えた対策を早急に講ずる必要があると認識しております。  このため、県では、陸奥湾の海域特性とホタテガイの生物学的特性を踏まえた抜本的な対策として、高水温予測技術と高水温に強いホタテガイ養殖技術の速やかな開発に取り組んでおります。
     具体的には、地方独立行政法人青森県産業技術センター水産総合研究所において、平成二十二年の異常高水温の原因解明や陸奥湾の継続した海洋観測による水温、流速等のデータ解析などにより水温予測モデルの開発を進めるとともに、室内飼育試験によるホタテガイの高水温耐性の解明や、へい死率を低減する養殖施設の開発等の新技術の確立に全力を挙げて取り組んでいるところでございます。 80 ◯議長(西谷 洌) 教育長。 81 ◯教育長(橋本 都) 東日本大震災による被災自治体からの派遣要請を受ける仕組みと派遣状況についてお答えいたします。  県教育委員会では、文化庁からの要請を受けて埋蔵文化財発掘調査のための専門職員を派遣しております。その仕組みは、文化庁が岩手県、宮城県及び福島県教育委員会において必要としている派遣職員の人数を取りまとめ、各都道府県教育委員会に対し派遣の要請を行います。要請を受けた各都道府県教育委員会は、派遣可能職員数を文化庁に回答し、文化庁が調整する仕組みとなっています。本年十一月一日現在、岩手県及び福島県教育委員会にそれぞれ一名ずつ埋蔵文化財専門職員を派遣しております。  また、平成十五年度から、北海道・北東北三県間において、教員の資質向上を図り、本県教育の振興に資するため、教員の人事交流を実施しているところですが、東日本大震災のため、岩手県教育委員会からの派遣依頼を受け、当該人事交流の一環として、さらに養護教諭四名を派遣し、支援に努めております。 82 ◯議長(西谷 洌) 警察本部長。 83 ◯警察本部長(山本有一) 被災自治体への職員派遣についてお答えいたします。  初めに、派遣要請を受ける仕組みについてでありますが、警察におきましては、警察法第六十条第一項に、都道府県公安委員会は、警察庁または他の都道府県警察に対して援助を要求することができると規定されておりまして、これを根拠に援助を求める都道府県の公安委員会から本県公安委員会に対し要求があり、職員を派遣しております。  次に、職員の派遣状況についてでありますが、東日本大震災の発生に伴い、三月十七日に広域緊急援助隊の交通部隊十八人を岩手県に派遣したのを皮切りに、これまでに、救出・救助活動などを行う警備部隊、交通規制などを行う交通部隊、御遺体の検視などを行う刑事部隊、犯罪の防止のための警戒や警らを行う地域部隊など、九部隊で百十九回、九百九十九日間、実人員で九百三十三人を岩手・宮城・福島県に派遣しております。最近では、本年十一月五日から二十一日までの間、警備部隊三十人を福島県に派遣しております。  被災地におきましては、現在もなお全国警察が一丸となって各種警察活動に取り組んでおり、青森県警察といたしましても、引き続き、被災各県からの部隊派遣要請にできる限り応えてまいりたいと考えております。 84 ◯議長(西谷 洌) 高橋議員。 85 ◯十四番(高橋修一) 多岐にわたる質問に対しまして、知事、それから副知事、教育長、警察本部長、それから、多くの部長さん方からそれぞれ答弁をいただきました。  いずれも大変誠実で、大変前向きな御答弁ばかりでありますが、一つだけ後ろ向きな答弁がありました。それはがん対策の推進についてであります。  がん死亡率が高い本県こそ重粒子線治療施設の設置を検討すべきと考えるが、県の考えを伺いたい。検討すべきと伺って慎重に検討するという答弁なんですけれども、自己負担三百万円が高額、百五十億円という初期投資、それからランニングコストが三十億円、多額の経費がかかる。それから、三点目として、医師等の従事者の確保の問題、そういった課題があるということにより慎重に検討したいということでありました。  であるならば、現在策定を進めておられるがん対策の基本計画に検討事項として位置づけることは可能なのか否か、この点について再度の御答弁を求めます。  引き続きまして、これは要望でありますが、県内の中小企業の振興対策についてであります。  答弁にありましたように、来年三月に期限切れとなる中小企業円滑化法でありますが、中小企業の資金繰りの円滑化に効果があったものと捉えております。  知事から、県内中小企業の現場に支障がないように対応していくという御答弁を頂戴いたしましたので、ぜひともしっかりとした対応を引き続き要望させていただきます。  その他の各項目につきましても大変重要な政策課題と捉えておりますので、本日の御答弁のように、今後とも、前向きで、かつ誠実な取り組みを心から期待し、お願いし、私からの再質問、要望とさせていただきます。 86 ◯議長(西谷 洌) 健康福祉部長。 87 ◯健康福祉部長(江浪武志) まず、重粒子線施設のことに関しまして、青森県のがん基本計画のほうで位置づけることが可能かどうかということに関しましてでございますけれども、がんの基本計画に関しましては、がんの医療従事者、学識経験者、がん経験者などで組織いたします青森県がん医療検討委員会のほうで御議論いただいているところでございます。そういった中で、重粒子線施設をこの計画上位置づけるべきだという御意見に関しましては、これまでのところいただいておりません。  そういったこともございますので、がん重粒子線に関します施設の整備に関しましては、国のほうのがん対策推進基本計画におきましても、重粒子線や陽子線治療機器などの研究開発に関しては推進するとともにということでございますが、その進捗状況を加味し、医療従事者が協力して、国内での計画的かつ適正な配置を検討するというふうに国のほうでも言っておりますので、国の検討状況というものも踏まえながら検討していきたいというふうに考えております。    ──────────────────────       ◎ 議案採決    ────────────────────── 88 ◯議長(西谷 洌) 議案第三十五号「平成二十四年度青森県一般会計補正予算(案)」を議題といたします。  お諮りいたします。議案第三十五号は、質疑、委員会付託及び討論はいずれも省略し、直ちに採決いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 89 ◯議長(西谷 洌) 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 90 ◯議長(西谷 洌) これより議案第三十五号を採決いたします。  議案第三十五号「平成二十四年度青森県一般会計補正予算(案)」、本件の原案に賛成の方は御起立を願います。  〔賛成者起立〕 91 ◯議長(西谷 洌) 起立総員であります。よって、原案は可決されました。  お諮りいたします。ただいま議案第三十五号「平成二十四年度青森県一般会計補正予算(案)」が可決されましたが、本件の字句、数字、その他の整理を要するものについては、その整理を本職に委任されたいと思いますが、これに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 92 ◯議長(西谷 洌) 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。  以上をもって本日の議事は終了いたしました。  十二月三日は午前十時三十分から本会議を開き、一般質問を継続いたします。  本日はこれをもって散会いたします。 午後四時三十一分散会 Copyright © Aomori Prefecture, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...